(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-05
(54)【発明の名称】医療デバイスの中隔閉鎖のための多層自己修復膜
(51)【国際特許分類】
A61J 1/20 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
A61J1/20 314C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564121
(86)(22)【出願日】2022-04-18
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 US2022025168
(87)【国際公開番号】W WO2022225833
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゼフラ セヴィンチ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ベイリー
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA05
4C047AA27
4C047BB12
4C047CC04
4C047DD02
4C047DD04
4C047HH03
(57)【要約】
医療デバイス用の膜は、第1の材料を有する第1の部分と、第2の材料を有する第2の部分とを含み、第1の材料はアイオノマーであり、第2の材料は熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリウレタン、および熱可塑性オレフィンのうちの少なくとも1つである。第1の材料および第2の材料のうちの少なくとも1つは、潤滑添加剤を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料を含む第1の部分と、
第2の材料を含む第2の部分であって、前記第1の材料は、アイオノマーを含み、前記第2の材料は、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリウレタン、および熱可塑性オレフィンのうちの少なくとも1つを含む、前記第2の部分と、
を含むことを特徴とする医療デバイス用の膜。
【請求項2】
前記第1の材料および前記第2の材料のうちの少なくとも1つは、潤滑添加剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の膜。
【請求項3】
前記潤滑添加剤は、窒化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン、ワックス、および鉱油のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の膜。
【請求項4】
前記潤滑添加剤は、前記第1の部分および前記第2の部分の10重量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の膜。
【請求項5】
前記第1の材料は、39~68のショアD硬度を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の膜。
【請求項6】
前記第1の材料は、2.1~5.4kpsiの引張強度を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の膜。
【請求項7】
前記第1の材料は、エチレンアクリル酸コポリマーを含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の膜。
【請求項8】
前記第2の材料は、スチレン系熱可塑性エラストマーおよびオレフィン系熱可塑性エラストマーのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の膜。
【請求項9】
前記第1の部分は、前記膜の体積の25%以下を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の膜。
【請求項10】
前記第1の部分は、前記第2の部分を囲む外層であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の膜。
【請求項11】
前記第1の部分および前記第2の部分は、別々に形成されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の膜。
【請求項12】
前記第1の部分および前記第2の部分は、一体的に形成されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の膜。
【請求項13】
第1の端部および第2の端部を有する本体であって、通路を画定する本体と、
前記本体の前記第2の端部に配置されたライン接続と、
前記本体の前記第1の端部に配置された、請求項1から12のいずれか一項に記載の膜と、
を含むことを特徴とする患者コネクタ。
【請求項14】
前記膜は、前記本体によって画定される開口部によって受け入れられることを特徴とする請求項13に記載の患者コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「医療デバイスの中隔閉鎖のための多層自己修復(Multi - Layer Self - Healing Membrane for Septal Closure of a Medical Device)」と題された2021年4月19日に出願された米国仮出願第63/176,421号の優先権を主張し、その開示全体が参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
技術分野
本開示は、概して、医療デバイス用の膜に関する。
【0003】
関連技術の説明
がん治療のような危険な薬物を再構成、輸送、投与する医療提供者は、医療提供者(Health care providers)をこれらの薬剤への曝露の危険にさらし、医療環境に危険をもたらす可能性がある。意図しない化学療法への曝露は、神経系に影響を及ぼし、生殖器系を損ない、将来的に血液がんを発症するリスクを高める可能性がある。いくつかの薬物は、それらが投与される前に溶解または希釈されなければならず、これは、針によって、1つの容器から粉末または液体形態の薬剤を含有する密封された(sealed)バイアルに溶媒を移すことを伴う。薬物は、バイアルの内部と周囲の大気との間に圧力差が存在する場合、バイアルからの針の引き抜き中、および針がバイアル内にある間に、ガス形態でまたはエアロゾル化によって不注意に大気中に放出され得る。医療提供者が有毒薬物に晒されるリスクを軽減するために、これらの薬物の移送は、閉鎖システム移送デバイスまたはシステム(a closed system transfer device or system)を利用して達成される。
【0004】
閉鎖システム移送デバイスまたはシステムは、コンポーネント間の流体の安全な移送を確保するために膜を利用し得る。例えば、シリンジアダプタは、患者コネクタ、IVバッグスパイク、またはバイアルアダプタのような嵌合コンポーネントの膜に接触する膜を含み得る。
【発明の概要】
【0005】
1つの態様または実施形態では、医療デバイス用膜は、第1の材料を有する第1の部分と、第2の材料を有する第2の部分とを含む。第1の材料は、アイオノマーを含み、第2の材料は、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリウレタン、および熱可塑性オレフィンのうちの少なくとも1つを含む。
【0006】
第1の材料および第2の材料のうちの少なくとも1つは、潤滑添加剤を含み得る。潤滑添加剤は、窒化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン、ワックス、および鉱物油のうちの少なくとも1つを含み得る。潤滑添加剤は、第1の部分および第2の部分の10重量%以下であってもよい。
【0007】
第1の材料は、39~68のショアD硬度を有し得る。第1の材料は、2.1~5.4kpsiの引張強度を有し得る。第1の材料は、エチレンアクリル酸コポリマーであってもよい。第2の材料は、スチレン系熱可塑性エラストマーおよびオレフィン系熱可塑性エラストマーのうちの少なくとも1つを含み得る。第1の部分は、膜の体積の25%以下であってもよい。第1の部分は、第2の部分を囲む外層であってもよい。第1の部分および第2の部分は、別々に形成され得る。第1の部分および第2の部分は、一体的に形成され得る。
【0008】
さらなる態様または実施形態では、患者コネクタは、第1の端部および第2の端部を有する本体であって本体が通路を画定する本体と、本体の第2の端部に配置されたライン接続と、上述の態様または実施形態のいずれかによる膜とを含む。膜は、本体の第1の端部に配置される。
【0009】
膜は、本体によって画定される開口部によって受容され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の上述および他の特徴および利点、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図面と併せて本開示の態様の以下の説明を参照することにより、より明らかになり、本開示自体もよりよく理解されるであろう。
【0011】
【
図1】本願の1つの態様または実施形態による医療デバイスの正面図である。
【
図3】本願のさらなる態様または実施形態による、
図1の医療デバイスの膜の断面図である。
【
図4】本願のさらなる態様または実施形態による、
図1の医療デバイスの膜の断面図である。
【0012】
対応する参照符号は、いくつかの図を通して対応する部分を示す。本明細書に提示される例示は、本開示の例示的な態様を示しており、そのような例示は、いかなる形でも本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明は、当業者が本発明を実施するために企図される説明された態様を作成および使用することを可能にするために提供される。しかしながら、様々な修正、等価物、変形、および、代替物は、当業者に容易に明らかなことである。任意の、および、全てのそのような修正、変形、等価物、および代替物は、本発明の主旨および範囲の中に入ることが意図されたものである。
【0014】
以下、説明の目的のために、「上部(upper)」、「下部(lower)」、「右(right)」、「左(left)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」、「最上部(top)」、「最下部(bottom)」、「横(lateral)」、「縦(longitudinal)」、および、それらの派生語は、図面において配向されるように、本発明に関するものとする。しかしながら、本発明は、それとは反対に明示的に特定されない限り、様々な代替的な変形を前提としてもよいことは理解されよう。また、添付の図面に示され、および、以下の明細書に記載される具体的な装置は、単に、本発明の例示的な態様であることも理解されるべきである。そのため、本明細書に開示される態様に関連する具体的な寸法および他の物理的な特徴は、限定的なものであるとしてみなされるべきではない。
【0015】
別段の指示がない限り、本明細書に開示されるすべての範囲または比率は、開始値および終了値、ならびにそれらに含まれる任意のおよびすべてのサブ範囲またはサブ比率を包含すると理解されるべきである。例えば、「1から10」の指定された範囲または比率は、1の最小値と10の最大値との間の(および1の最小値と10の最大値とを含む)任意のおよびすべてのサブ範囲またはサブ比率を含むと見なされるべきであり、すなわち、すべてのサブ範囲またはサブ比率は、1以上の最小値で始まり、10以下の最大値で終わる。
【0016】
用語「第1の」、「第2の」および同様のものは、任意の特定の順序または年表を指すことを意図するものではなく、異なる条件、特性、または要素を指す。
【0017】
本明細書で使用される際に、「少なくとも1つの」は、「1つまたは複数の」と同義である。
例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」という語句は、A、B、もしくはCのうちのいずれか1つ、またはA、B、もしくはCのうちの任意の2つ以上の任意の組み合わせを意味する。例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」は、1つまたは複数のA単独、または1つまたは複数のB単独、または1つまたは複数のC単独、または1つまたは複数のAおよび1つまたは複数のB、または1つまたは複数のAおよび1つまたは複数のC、または1つまたは複数のBおよび1つまたは複数のC、または1つまたは複数のA、BおよびC全てを含む。
【0018】
図1から
図4を参照して、本願の1つの態様または実施形態による医療デバイス用の膜10は、第1の材料を有する第1の部分12と、第2の材料を有する第2の部分14とを含む。
図1および
図2に示されるように、膜10は、医療デバイス16に関連して示される。より具体的には、医療デバイス16は、閉鎖システム移送デバイスまたはシステムの1つのコンポーネントを患者静脈内ラインに接続するために利用される患者コネクタである。例えば、医療デバイス16は、シリンジバレルのような1つの容器から静脈内ライン、IVバッグ、または他のコンポーネントのような別の容器またはラインへの流体の移送を容易にするために、シリンジアダプタに接続され得る。膜10は、閉鎖システム移送デバイスまたはシステムの任意のコンポーネント内で利用され得る。1つの態様または実施形態では、膜10は、患者コネクタ、バイアルアダプタ、IVバッグスパイクなどのようなシリンジアダプタと適合(mates)する各コンポーネント内で利用される。シリンジアダプタは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2015/0297454号に示され記載されているシリンジアダプタと同一で、同じ方法で動作してもよい。
【0019】
図1および
図2を参照して、膜10の第1の部分12の第1の材料は、アイオノマーである。1つの態様または実施形態では、第1の材料は、エチレンアクリル酸コポリマーである。第1の材料は、自己修復するように構成される。第1の材料はまた、耐摩耗性および耐穿刺性であるように構成される。1つの態様または実施形態では、第1の材料は、Dow Inc.から市販されているSURLYN(商標)シリーズアイオノマーである。
【0020】
1つの態様または実施形態では、第1の材料は、以下の特性を有する。
【0021】
【0022】
1つの態様または実施形態では、膜10の第2の部分14の第2の材料は、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリウレタン、および熱可塑性オレフィンのうちの少なくとも1つである。1つの態様または実施形態では、第2の材料は、スチレン系熱可塑性エラストマーおよびオレフィン系熱可塑性エラストマーのうちの少なくとも1つである。第1の材料を有する第1の部分12および第2の材料を有する第2の部分14を有する膜10を形成することは、膜10を通って移動する針の許容可能な硬度、圧縮ひずみ(compression set)、挿入および後退力(insertion and retraction force)、および第2の部分14の特性によるコストをずっと(still)提供しながら、第1の部分12の自己修復特性による断片化を最小限に抑えるように構成される膜を提供する。
【0023】
1つの態様または実施形態では、第1の部分12の第1の材料は、エチレンおよびメタクリル酸のコポリマーのような酸コポリマーである。より具体的には、1つの態様または実施形態では、第1の部分12の第1の材料は、Dow Inc.から市販されているNUCREL(商標)酸コポリマーであってもよい。エチレン(メタ)アクリル酸(EAA、EMAA)の市販グレードは、デュポン(DuPont)(Surlyn(商標)、Nucrel(商標))、SKグローバルケミカル(SK Global Chemical)(Primacor(商標))、およびIneos(Eltex(登録商標))から入手可能である。
【0024】
さらなる態様または実施形態では、第1の部分12の第1の材料は、エチレン-酢酸ビニル(EVA)、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性オレフィン(TPO)、および熱可塑性ポリウレタン(TPU)のうちの少なくとも1つ内の15~50重量%のアイオノマーのブレンドのような特性最適化のための他のポリマーとのブレンド材料(blended material)であり得る。
【0025】
別の態様または実施形態では、第1の部分12の第1の材料は、Lubrizolから市販されているHycar(登録商標)ブタジエン-アクリル酸、Dow Inc.から市販されているAmplify(商標)エチレン-アクリル酸である。
【0026】
別の態様または実施形態では、第1の部分12の第1の材料は、ホスホン化エチレンプロピレンジエンモノマーゴムEPDM(phosphonated ethylene propylene diene monomer rubber EPDM)、ホスホン化ポリエチレン(phosphonated polyethylene)、軽度スルホン化ポリスチレン(lightly sulfonated polystyrene)(SPS)、およびポリ(スチレン-co-メチルアクリレート)のうちの少なくとも1つである。
【0027】
1つの態様または実施形態では、第2の部分14の第2の材料は、Avientから市販されているDynaflex(商標)TPE、Avientから市販されているVersaflex(商標)TPE、およびTeknorから市販されているMedalist(登録商標)MD-12340TPEのうちの少なくとも1つである。
【0028】
1つの態様または実施形態では、第2の材料は、以下の特性を有する。
【0029】
【0030】
1つの態様または実施形態では、第1の部分12および第2の部分14は、別々に形成される。第1の部分12および第2の部分14はまた、一体的に形成されてもよい。1つの態様または実施形態では、膜10は、第1および第2の材料が同時に金型(mold)に注入される共射出成形プロセス(co-injection molding process)を使用して形成される。さらなる態様または実施形態では、膜10は、注入相(injection phase)および圧縮相(compression phase)を含む注入圧縮成形プロセス(injection-compression molding process)を使用して形成される。
【0031】
1つの態様または実施形態では、第1の材料および/または第2の材料は、潤滑添加剤を含む。
【0032】
潤滑添加剤は、窒化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン、ワックス、および鉱油のうちの少なくとも1つであってもよいが、他の好適な潤滑添加剤が利用されてもよい。1つの態様または実施形態では、潤滑添加剤は、第1の部分12および第2の部分14の10重量%以下である。
【0033】
図3を参照して、1つの態様または実施形態では、膜10の第1の部分12は、膜の第2の部分14よりも薄い。第1の部分12は、膜10の体積の25%以下、10%以下、5%以下、または1%以下であってもよい。第1の部分12はまた、膜10の体積の25%以下であってもよい。膜10の第1の部分12は、嵌合コネクタの対応する膜と係合するように構成される。
【0034】
図4を参照して、1つの態様または実施形態では、膜10の第1の部分12は、膜10の第2の部分14を囲む外層である。第1の部分12は、膜10の第2の部分14の外面を完全に覆ってもよい。
【0035】
1つの態様または実施形態では、第1および第2の部分12、14の第1の材料および/または第2の材料は、酸化防止剤、UV吸収剤、エネルギー消光剤(energy quencher)、および着色用顔料のうちの少なくとも1つを含み得る。これらの添加剤は、膜10の1重量%未満であってもよい。
【0036】
1つの態様または実施形態では、膜10は、5.5mmの厚さを有し、第1の部分12は、0.76mmから最大3.17mmの最小厚さを有する。
【0037】
再び
図1および
図2を参照して、医療デバイス16は、第1の端部42および第2の端部44を有する本体40を含み、本体40は、通路46を画定し、ライン接続48は、本体40の第2の端部44に配置され、膜10は、本体40の第1の端部42に配置される。ライン接続48は、ルアーロック接続であってもよいが、他の適切な接続が利用されてもよい。膜10は、患者コネクタ16の本体40によって画定される開口部50によって受け入れられる。患者コネクタ16の本体40は、本体40の第1の端部42に固定延長部(securing extension)52を含み、固定延長部52は半径方向内側に延び、膜10を患者コネクタ16の本体40に固定するように構成される。患者コネクタ16はまた、患者コネクタ16をシリンジアダプタに固定するように構成されたロック装置(locking arrangement)54を含む。
【0038】
本開示は例示的な構造を有するように記載されてきたが、本開示は、本開示の精神および範囲の中でさらに修正され得るものである。したがって、本願は、その一般原則を用いた本開示のあらゆる変形、使用、または適応を包含することを意図している。さらに、本願は、本開示が関連する技術分野における既知または慣例の範囲内で、添付の請求項の範囲内に収まるような本開示からの逸脱をカバーすることを意図している。可能な限り、上述の任意の態様または実施形態の1つまたは複数の特徴は、任意の他の態様または実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わせることができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料を含む第1の部分と、
第2の材料を含む第2の部分であって、前記第1の材料は、アイオノマーを含み、前記第2の材料は、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリウレタン、および熱可塑性オレフィンのうちの少なくとも1つを含む、前記第2の部分と、
を含むことを特徴とする医療デバイス用の膜。
【請求項2】
前記第1の材料および前記第2の材料のうちの少なくとも1つは、潤滑添加剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の膜。
【請求項3】
前記潤滑添加剤は、窒化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン、ワックス、および鉱油のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の膜。
【請求項4】
前記潤滑添加剤は、前記第1の部分および前記第2の部分の10重量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の膜。
【請求項5】
前記第1の材料は、39~68のショアD硬度を有することを特徴とする請求項
1に記載の膜。
【請求項6】
前記第1の材料は、2.1~5.4kpsiの引張強度を有することを特徴とする請求項
1に記載の膜。
【請求項7】
前記第1の材料は、エチレンアクリル酸コポリマーを含むことを特徴とする請求項
1に記載の膜。
【請求項8】
前記第2の材料は、スチレン系熱可塑性エラストマーおよびオレフィン系熱可塑性エラストマーのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項
1に記載の膜。
【請求項9】
前記第1の部分は、前記膜の体積の25%以下を含むことを特徴とする請求項
1に記載の膜。
【請求項10】
前記第1の部分は、前記第2の部分を囲む外層であることを特徴とする請求項
1に記載の膜。
【請求項11】
前記第1の部分および前記第2の部分は、別々に形成されることを特徴とする請求項
1に記載の膜。
【請求項12】
前記第1の部分および前記第2の部分は、一体的に形成されることを特徴とする請求項
1に記載の膜。
【請求項13】
第1の端部および第2の端部を有する本体であって、通路を画定する本体と、
前記本体の前記第2の端部に配置されたライン接続と、
前記本体の前記第1の端部に配置された、請求項1から12のいずれか一項に記載の膜と、
を含むことを特徴とする患者コネクタ。
【請求項14】
前記膜は、前記本体によって画定される開口部によって受け入れられることを特徴とする請求項13に記載の患者コネクタ。
【国際調査報告】