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特表2024-515209ローカルエリアネットワークをエッジクラウドのためのサービスとして使用する方法、装置及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-05
(54)【発明の名称】ローカルエリアネットワークをエッジクラウドのためのサービスとして使用する方法、装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/50 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
G06F9/50 150A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565266
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 US2022047368
(87)【国際公開番号】W WO2023076109
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/271,611
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/969,230
(32)【優先日】2022-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520353802
【氏名又は名称】テンセント・アメリカ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アビシェーク,ロヒット
(72)【発明者】
【氏名】ドーキンズ,ポール スペンサー
(72)【発明者】
【氏名】ヒンズ,アリアンヌ
(57)【要約】
ローカルエリアネットワーク(LAN)内の複数のユーザデバイスによって、LAN内にローカルクラウドを作成する要求を受信し、複数のユーザデバイスのうちの1つによって、複数のユーザデバイスの中からマスタデバイスを選択し、リソース利用可能性に基づいて、複数のユーザデバイスの中から1つ以上のデバイスを選択し、マスタデバイスによって、1つ以上のデバイスの各々に、ローカルクラウドのためにデバイスのリソースを共有するように要求し、マスタデバイスによって、1つ以上のデバイスをローカルクラウドとして構成するための方法。マスタデバイスは、ローカルクラウドによって実行されるべきサービスについてのサービス要求を受信し、サービスに対応する複数のタスクを、1つ以上のデバイスのリソース利用可能性に応じてローカルクラウドとして構成された1つ以上のデバイスに分散させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサによって実行される方法であって、
ローカルエリアネットワーク(LAN)内の複数のユーザデバイスによって、前記LAN内にローカルクラウドを作成する要求を受信するステップと、
前記複数のユーザデバイスのうちの1つによって、前記複数のユーザデバイスの中からマスタデバイスを選択するステップと、
前記マスタデバイスによって、前記複数のユーザデバイスの各々のリソース利用可能性に基づいて、前記複数のユーザデバイスの中から1つ以上のデバイスを選択するステップと、
前記マスタデバイスによって、前記1つ以上のデバイスの各々に、前記ローカルクラウドのために該デバイスのリソースを共有するように要求するステップと、
前記マスタデバイスによって、前記1つ以上のデバイスを前記ローカルクラウドとして構成するステップと、
前記マスタデバイスによって、前記ローカルクラウドによって実行されるべきサービスについてのサービス要求を受信するステップと、
前記サービスに対応する複数のタスクを、前記1つ以上のデバイスの前記リソース利用可能性に応じて前記ローカルクラウドとして構成された前記1つ以上のデバイスに分散させるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記リソース利用可能性は、処理能力、記憶能力及び電力を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マスタデバイスを選択するステップは、選択プロトコルによって前記LAN内の前記複数のユーザデバイスのうちの前記1つを前記マスタデバイスとして割り当てるステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記選択するステップは、前記LAN内のルータによって、前記複数のユーザデバイスの各々の計算リソース利用可能性に基づいて、前記複数のユーザデバイスのうちの前記1つを前記マスタデバイスとして割り当てるステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のユーザデバイスのうちの前記1つは、自身を前記マスタデバイスとして選択する、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のユーザデバイスのうちの前記1つは、前記マスタデバイスを割り当てるために選択プロトコルを開始する、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記マスタデバイスは、前記サービス要求に先立ってLAN初期化の間に選択される、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
装置であって、
コンピュータプログラムコードを記憶するよう構成される少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリにアクセスし、前記コンピュータプログラムコードによって指示されるように動作するよう構成される少なくとも1つのプロセッサと、を備え、前記コンピュータプログラムコードは、
前記少なくとも1つのプロセッサに、ローカルエリアネットワーク(LAN)内の複数のユーザデバイスによって、前記LAN内にローカルクラウドを作成する要求を受信させるように構成される第1受信コードと、
前記少なくとも1つのプロセッサに、前記複数のユーザデバイスのうちの1つによって、前記複数のユーザデバイスの中からマスタデバイスを選択させるよう構成される第1選択コードと、
前記少なくとも1つのプロセッサに、前記マスタデバイスによって、前記複数のユーザデバイスの各々のリソース利用可能性に基づいて、前記複数のユーザデバイスの中から1つ以上のデバイスを選択させるよう構成される第2選択コードと、
前記少なくとも1つのプロセッサに、前記マスタデバイスによって、前記1つ以上のデバイスの各々に、前記ローカルクラウドのために該デバイスのリソースを共有するように要求させるよう構成される要求コードと、
前記少なくとも1つのプロセッサに、前記マスタデバイスによって、前記1つ以上のデバイスを前記ローカルクラウドとして構成させるよう構成される構成コードと、
前記少なくとも1つのプロセッサに、前記マスタデバイスによって、前記ローカルクラウドによって実行されるべきサービスについてのサービス要求を受信させるよう構成される第2受信コードと、
前記少なくとも1つのプロセッサに、前記サービスに対応する複数のタスクを、前記1つ以上のデバイスの前記リソース利用可能性に応じて前記ローカルクラウドとして構成された前記1つ以上のデバイスに分散させるよう構成される分散コードと、
を含む、装置。
【請求項9】
前記リソース利用可能性は、処理能力、記憶能力及び電力を含む、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1選択コードは、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記マスタデバイスを選択させるよう更に構成され、前記マスタデバイスを選択することは、選択プロトコルによって前記LAN内の前記複数のユーザデバイスのうちの前記1つを前記マスタデバイスとして割り当てることを含む、
請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記第1選択コードは、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記マスタデバイスを選択させるよう更に構成され、前記マスタデバイスを選択することは、前記LAN内のルータによって、前記複数のユーザデバイスの各々の計算リソース利用可能性に基づいて、前記複数のユーザデバイスのうちの前記1つを前記マスタデバイスとして割り当てることを含む、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記複数のユーザデバイスのうちの前記1つは、自身を前記マスタデバイスとして選択し、
前記複数のユーザデバイスのうちの前記1つは、前記マスタデバイスを割り当てるために選択プロトコルを開始する、
請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記マスタデバイスは、前記サービス要求に先立ってLAN初期化の間に選択される、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月25日に出願された米国仮特許出願第63/271,611号及び2022年10月19日に出願された米国特許出願第17/969,230号に基づくものであり、これらに対する優先権を主張するものであり、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示の例示的実施形態と一致する装置及び方法は、複数のデバイスを含むローカルクラウドサーバを作成するための方法及びシステムに関し、これらはエッジクラウドのためのサービスとして使用され得る。
【背景技術】
【0003】
クラウドコンピューティングは、インターネットを介した、コンピューティングリソース、アプリケーション、サーバ、データストレージ、開発ツール、ネットワーク能力へのオンデマンドアクセスであるように定義され、クラウドサービスプロバイダ(CSP)によって管理されるリモートデータセンタでホストされ得る。典型的に、クラウドコンピューティングは、サブスクリプションベースのサービスとして提供されることがある。クラウドベースのサブスクリプションは、購入やインストール等に関連付けられるコストを削減することにより、リソースコストを減らすことを助ける。クラウドベースのサブスクリプションは、アジリティとタイム・トゥ・バリューを向上させるために使用されることがあり、コスト効率的な方法でより容易にスケーリングされ得る。
【0004】
インターネットデバイスの数が指数関数的に増加し続けるにつれて、モノのインターネット(internet of things、IoT)、人工知能(Artificial Intelligence、AI)、機械学習(Machine learning、MI)、没入型メディア(Immersive Media)の概念に対してより多くの注目が集まる。データセンタ又はクラウドサーバ(例えば地理的に異なる場所)で計算を実行することは、効率的なアプローチではないことがある。なぜなら、この計算は、ユーザからクラウド又はデータセンタへデータを移動させたり、データセンタにデータを戻したりするためにかなりの帯域幅を必要とし、レイテンシも追加される。
【0005】
エッジコンピューティングは、ネットワークエッジにリソースを配置することによってコンピューティングパワをユーザに近づけ、それにより、ネットワーク遅延を低減し、上位クラウドに必要な帯域幅を低減し、信頼性とコスト削減を高める。エッジコンピューティングは、複数のホップを経由してクラウドネットワークに依存して遠くまで移動する代わりに、データの計算をユーザにより近づけることができる。
【0006】
ネットワークオペレータがエッジコンピューティングの使用に依存する主な利点には、リアルタイム動的コンピューティングがユーザにより近くなり、それによりレイテンシを減少すること;ユーザがクラウドサーバにかける負荷が少ないことによるコスト削減;サーバがユーザにより近く、高速なトラフィック配信を提供することによる高いQoE(Quality of Experience)が含まれ得る。
【0007】
しかしながら、ライトフィールド(Lightfield)、拡張現実(Augmented Reality、AR)、仮想現実(Virtual Reality、VR)のような没入型技術が使用されるときは、ハイエンドのハードウェアデバイスが要求される。これらのアプリケーションは、ユーザに真に没入的環境にいる感覚を与えるために、大量の処理能力とストレージを要求する可能性が高いため、この要求が起こる。現状では、約460億台のデバイスが存在し、2030年には1250億台に急増すると予想される。これらのデバイスの多くは、他のデバイスによって使用される可能性のある過剰なストレージ及び処理能力を有している。したがって、これらのアプリケーションは、特定のオブジェクトを認識するためにリアルタイムのビデオストリーム処理を必要とし、アプリケーションによっては、新しいビデオフレームの生成さえも必要とすることがある。
【0008】
したがって、没入型技術を使用する際の現在の課題は、処理能力、ストレージ能力、エネルギー消費及びデバイスの重量であった。これらの課題はすべて、デバイス上で実行されるアプリケーションの膨大な処理要件のために、より問題になりつつある。例えばユーザにヘッドセットを着用することを必要とする没入型技術は、重いデバイスのために、ユーザに不快な経験をもたらす可能性がある。加えて、高い処理能力は、アプリケーションの要件を満たすためにGPUに大きく依存する、ライトフィールドデバイスを含む、デバイスをより高価にする。すなわち、デバイスの利用可能なリソースが限られている場合、利用可能なリソースよりも多くのリソースを必要とする処理タスクは、計算レイテンシを増加させる。したがって、現在の最先端の技術の能力と将来の要件との間にギャップが存在する。
【0009】
現状では、約460億台のデバイスが存在し、2030年には1250億台に急増すると予想される。これらのデバイスの多くは、他のデバイスによって使用される可能性がある過剰なストレージ及び処理容量を有することになる。
【発明の概要】
【0010】
いくつかの実施形態によると、ローカルエリアネットワーク(LAN)内の複数のユーザデバイスによって、LAN内にローカルクラウドを作成する要求を受信するステップと、複数のユーザデバイスのうちの1つによって、複数のユーザデバイスの中からマスタデバイスを選択するステップと、マスタデバイスによって、複数のユーザデバイスの各々のリソース利用可能性に基づいて、複数のユーザデバイスの中から1つ以上のデバイスを選択するステップと、マスタデバイスによって、1つ以上のデバイスの各々に、ローカルクラウドのために該デバイスのリソースを共有するように要求するステップと、マスタデバイスによって、1つ以上のデバイスをローカルクラウドとして構成するステップと、マスタデバイスによって、ローカルクラウドによって実行されるべきサービスについてのサービス要求を受信するステップと、サービスに対応する複数のタスクを、1つ以上のデバイスのリソース利用可能性に応じてローカルクラウドとして構成された1つ以上のデバイスに分散させるステップとを含む方法が提供され得る。
【0011】
例示的な実施形態によると、コンピュータプログラムコードを記憶するよう構成される少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのメモリにアクセスし、コンピュータプログラムコードによって指示されるように動作するよう構成される少なくとも1つのプロセッサと、を含む装置が提供され得る。コンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサに、ローカルエリアネットワーク(LAN)内の複数のユーザデバイスによって、LAN内にローカルクラウドを作成する要求を受信させるように構成される第1受信コードと、少なくとも1つのプロセッサに、複数のユーザデバイスのうちの1つによって、複数のユーザデバイスの中からマスタデバイスを選択させるよう構成される第1選択コードと、少なくとも1つのプロセッサに、マスタデバイスによって、複数のユーザデバイスの各々のリソース利用可能性に基づいて、複数のユーザデバイスの中から1つ以上のデバイスを選択させるよう構成される第2選択コードと、少なくとも1つのプロセッサに、マスタデバイスによって、1つ以上のデバイスの各々に、ローカルクラウドのために該デバイスのリソースを共有するように要求させるよう構成される要求コードと、少なくとも1つのプロセッサに、マスタデバイスによって、1つ以上のデバイスをローカルクラウドとして構成させるよう構成される構成コードと、少なくとも1つのプロセッサに、マスタデバイスによって、ローカルクラウドによって実行されるべきサービスについてのサービス要求を受信させるよう構成される第2受信コードと、少なくとも1つのプロセッサに、サービスに対応する複数のタスクを、1つ以上のデバイスのリソース利用可能性に応じてローカルクラウドとして構成された1つ以上のデバイスに分散させるよう構成される分散コードと、を含む。
【0012】
いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに少なくとも、ローカルエリアネットワーク(LAN)内の複数のユーザデバイスによって、LAN内にローカルクラウドを作成する要求を受信することと、複数のユーザデバイスのうちの1つによって、複数のユーザデバイスの中からマスタデバイスを選択することと、マスタデバイスによって、複数のユーザデバイスの各々のリソース利用可能性に基づいて、複数のユーザデバイスの中から1つ以上のデバイスを選択することと、マスタデバイスによって、1つ以上のデバイスの各々に、ローカルクラウドのために該デバイスのリソースを共有するように要求することと、マスタデバイスによって、1つ以上のデバイスをローカルクラウドとして構成することと、マスタデバイスによって、ローカルクラウドによって実行されるべきサービスについてのサービス要求を受信することと、サービスに対応する複数のタスクを、1つ以上のデバイスのリソース利用可能性に応じてローカルクラウドとして構成された1つ以上のデバイスに分散させることと、を実行させる命令を有する非一時的なコンピュータ読取可能記録媒体が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示の例示的な実施形態の特徴、利点及び重要性は、添付の図面を参照して以下に説明され、添付の図面においては、同様の符号は同様の要素を示す。
【0014】
図1】本明細書に記載されるシステム及び/又は方法が実装され得る例示的な環境の図である。
【0015】
図2図1の1つ以上のデバイスの例示的な構成要素の図である。
【0016】
図3】例示的なローカルエリアネットワークの図である。
【0017】
図4】いくつかの実施形態によるマスタ-スレーブ接続の図である。
【0018】
図5】いくつかの実施形態による、タスクを割り当てるマスタ-スレーブ接続の概略図である。
【0019】
図6】いくつかの実施形態によるコンピュータシステムの概略図である。
【0020】
図7】いくつかの実施形態によるエッジクラウドのためのサービスとしてLANを使用する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示は、ローカルネットワーク内のデバイスの処理能力を使用することにより、エッジクラウドのためのサービスとしてローカルエリアネットワーク(LAN)を使用する方法及び装置を説明する。LAN内に接続された複数のデバイスの処理能力を使用して、ローカルクラウドサーバを作成し得る。マスタ(デバイス)は、複数のデバイス(スレーブ)から選択され、タスクを割り当てるためにマスタ-スレーブ接続を形成するために使用され得る。したがって、ローカルクラウドは、マスタ-スレーブ接続とともに、エッジクラウドのためのサービスを提供するために使用され得る。
【0022】
図1は、実施形態による、本明細書に記載された方法、装置及びシステムが実装され得る環境100の図である。
【0023】
図1に示されるように、環境100は、ユーザデバイス110、プラットフォーム120及びネットワーク130を含み得る。環境100のデバイスは、有線接続、無線接続又は有線接続と無線接続の組合せを介して相互接続され得る。
【0024】
ユーザデバイス110は、プラットフォーム120に関連付けられる情報を受信し、生成し、記憶し、処理し、かつ/又は提供することができる1つ以上のデバイスを含み得る。例えばユーザデバイス110は、コンピューティングデバイス(例えばデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、スマートスピーカ、サーバ等)、携帯電話(例えばスマートフォン、無線電話等)、ウェアラブルデバイス(例えば一対のスマートグラス又はスマートウォッチ)又は同様のデバイスを含み得る。いくつかの実施形態において、ユーザデバイス110は、プラットフォーム120から情報を受信し、かつ/又はプラットフォーム120に情報を送信し得る。
【0025】
プラットフォーム120は、本明細書の他の箇所に記載されるような1つ以上のデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、プラットフォーム120は、クラウドサーバ又は一群のクラウドサーバを含み得る。いくつかの実施形態では、プラットフォーム120は、ソフトウェア構成要素がスワップイン又はスワップアウトされ得るようにモジュール式に設計され得る。したがって、プラットフォーム120は、異なる使用のために容易かつ/又は迅速に再構成され得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、図示されるように、プラットフォーム120は、クラウドコンピューティング環境122においてホストされ得る。特に、本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、プラットフォーム120がクラウドコンピューティング環境122内でホストされているものとして説明するが、いくつかの実施形態では、プラットフォーム120は、クラウドベースでなくてもよく(すなわち、クラウドコンピューティング環境の外部で実装されてもよい)、あるいは部分的にクラウドベースであってもよい。
【0027】
クラウドコンピューティング環境122は、プラットフォーム120をホストする環境を含み得る。クラウドコンピューティング環境122は、プラットフォーム120をホストするシステム及び/又はデバイスの物理的な位置及び構成に関するエンドユーザ(例えばユーザデバイス110)の知識を必要としない計算、ソフトウェア、データアクセス、ストレージ等のサービスを提供し得る。図示されるように、クラウドコンピューティング環境122は、一群のコンピューティングリソース124(集合的に「(複数の)コンピューティングリソース124」と称し、個別に「(単数の)コンピューティングリソース124」と称する)を含み得る。
【0028】
コンピューティングリソースは、1つ以上のパーソナルコンピュータ124-a、ワークステーションコンピュータ124-b、サーバデバイス124-c、あるいは他のタイプの計算及び/又は通信デバイス124-dを含み得る。いくつかの実施形態では、コンピューティングリソース124-dはプラットフォーム120をホストし得る。クラウドリソースは、コンピューティングリソース124-c内で動作する計算インスタンス(compute instances)、コンピューティングリソース124-b内で提供されるストレージデバイス、コンピューティングリソース124-aによって提供されるデータ転送デバイス等を含み得る。いくつかの実施形態では、コンピューティングリソース124-dは、有線接続、無線接続又は有線接続と無線接続の組合せを介して他のコンピューティングリソース124-aと通信し得る。
【0029】
図1に更に示されるように、コンピューティングリソース124は、1つ以上のアプリケーション(「APPs」)124-1、1つ以上の仮想マシン(「VMs」)124-2、仮想化ストレージ(「VSs」)124-3、1つ以上のハイパーバイザ(「HYPs」)124-4等のような一群のクラウドリソースを含み得る。
【0030】
アプリケーション124-1は、ユーザデバイス110及び/又はプラットフォーム120に提供され得るか又はこれらによってアクセスされ得る1つ以上のソフトウェアアプリケーションを含み得る。アプリケーション124-1は、ユーザデバイス110上にソフトウェアアプリケーションをインストールして実行する必要性を排除し得る。例えばアプリケーション124-1は、プラットフォーム120に関連付けられるソフトウェア及び/又はクラウドコンピューティング環境122を介して提供することができる任意の他のソフトウェアを含み得る。いくつかの実施形態では、あるアプリケーション124-1は、仮想マシン124-2を介して1つ以上の他のアプリケーション124-1へ情報を送信し/他のアプリケーション124-1から情報を受信し得る。
【0031】
仮想マシン124-2は、物理マシンのようにプログラムを実行するマシン(例えばコンピュータ)のソフトウェア実装を含み得る。仮想マシン124-2は、該仮想マシン124-2によるいずれかの実マシンへの使用及び対応度に応じて、システム仮想マシン又はプロセス仮想マシンであり得る。システム仮想マシンは、完全なオペレーティングシステム(「OS」)の実行をサポートする完全なシステムプラットフォームを提供し得る。プロセス仮想マシンは、単一のプログラムを実行してよく、単一のプロセスをサポートし得る。いくつかの実施形態では、仮想マシン124-2は、ユーザ(例えばユーザデバイス110)の代わりに動作してよく、データ管理、同期又は長期間データ転送のようなクラウドコンピューティング環境122のインフラストラクチャを管理し得る。
【0032】
仮想化ストレージ124-3は、コンピューティングリソース124のストレージシステム又はデバイス内で仮想化技術を使用する1つ以上のストレージシステム及び/又は1つ以上のデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、ストレージシステムのコンテキスト内において、仮想化のタイプは、ブロック仮想化及びファイル仮想化を含み得る。ブロック仮想化は、物理ストレージ又は異種構造に関係なくストレージシステムがアクセスされ得るように、物理ストレージからの論理ストレージの抽象化(又は分離)を指すことがある。この分離は、ストレージシステムの管理者が、エンドユーザのために該管理者がストレージを管理する方法に柔軟性を持たせることを可能にし得る。ファイル仮想化は、ファイルレベルでアクセスされるデータと、ファイルが物理的に記憶されている場所との間の依存関係を排除し得る。これにより、ストレージ使用、サーバ統合及び/又は無停止のファイル移行の性能の最適化が可能になり得る。
【0033】
ハイパーバイザ124-4は、複数のオペレーティングシステム(例えば「ゲストオペレーティングシステム」)が、コンピューティングリソース124のようなホストコンピュータ上で同時に実行することを可能にするハードウェア仮想化技術を提供し得る。ハイパーバイザ124-4は、仮想オペレーティングプラットフォームをゲストオペレーティングシステムに提示してよく、ゲストオペレーティングシステムの実行を管理し得る。様々なオペレーティングシステムの複数のインスタンスが、仮想化されたハードウェアリソースを共有し得る。
【0034】
ネットワーク130は、1つ以上の有線及び/又は無線ネットワークを含み得る。例えばネットワーク130は、セルラネットワーク(例えば第5世代(5G)ネットワーク、長期進化(LTE)ネットワーク、第3世代(3G)ネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク等)、パブリックランドモバイルネットワーク(PLMN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、電話ネットワーク(例えば公衆交換電話網(PSTN))、プライベートネットワーク、アドホックネットワーク、イントラネット、インターネット、光ファイバベースのネットワーク等及び/又はこれら又は他のタイプのネットワークの組合せを含み得る。
【0035】
図1に示されるデバイス及びネットワークの数及び配置は、一例として提供される。実際には、図1に示されるものよりも追加のデバイス及び/又はネットワーク、より少ないデバイス及び/又はネットワーク、異なるデバイス及び/又はネットワーク、あるいは異なるように配置されたデバイス及び/又はネットワークが存在してもよい。さらに、図1に示される2つ以上のデバイスが、単一デバイス内に実装されてもよく、あるいは図1に示される単一デバイスが、複数の分散デバイスとして実装されてもよい。追加又は代替的に、環境100のデバイス(例えば1つ以上のデバイス)のセットは、環境100のデバイスの別のセットによって実行されるものとして説明される1つ以上の動作を実行してもよい。
【0036】
図2は、図1の1つ以上のデバイスの例示的な構成要素のブロック図である。
【0037】
デバイス200は、ユーザデバイス110及び/又はプラットフォーム120に対応し得る。図2に示されるように、デバイス200は、バス210、プロセッサ220、メモリ230、記憶構成要素240、入力構成要素250、出力構成要素260及び通信インタフェース270を含み得る。
【0038】
バス210は、デバイス200の構成要素間の通信を可能にする構成要素を含み得る。プロセッサ220は、ハードウェア、ファームウェア又はハードウェアとソフトウェアの組合せで実装される。プロセッサ220は、中央処理ユニット(CPU)、グラフィクス処理ユニット(GPU)、加速処理ユニット(APU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)又は別のタイプの処理構成要素である。いくつかの実施形態では、プロセッサ220は、動作を実行するようにプログラムされることができる1つ以上のプロセッサを含み得る。メモリ230は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)及び/又はプロセッサ220による使用のための情報及び/又は命令を記憶する別のタイプの動的又は静的ストレージデバイス(例えばフラッシュメモリ、磁気メモリ及び/又は光学メモリ)を含み得る。
【0039】
記憶構成要素240は、デバイス200の動作及び使用に関連する情報及び/又はソフトウェアを記憶する。例えば記憶構成要素240は、対応するドライブとともに、ハードディスク(例えば磁気ディスク、光学ディスク、光磁気ディスク及び/又はソリッドステートディスク)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、カートリッジ、磁気テープ及び/又は別のタイプの非一時的コンピュータ読取可能媒体を含み得る。
【0040】
入力構成要素250は、デバイス200がユーザ入力を介するなどして情報を受け取ることを可能にする構成要素(例えばタッチスクリーンディスプレイ、キーボード、キーパッド、マウス、ボタン、スイッチ及び/又はマイクロフォン)を含み得る。追加又は代替的に、入力構成要素250は、情報を感知するためのセンサ(例えば全地球測位システム(GPS)構成要素、加速度計、ジャイロスコープ及び/又はアクチュエータ)を含み得る。出力構成要素260は、デバイス200から出力情報を提供する構成要素(例えばディスプレイ、スピーカ及び/又は1つ以上の発光ダイオード(LED))を含み得る。
【0041】
通信インタフェース270は、デバイス200が、有線接続、無線接続又は有線接続と無線接続の組合せを介するなどして他のデバイスと通信することを可能にするトランシーバ様構成要素(例えばトランシーバ及び/又は別個の受信機と送信機)を含み得る。通信インタフェース270は、デバイス200が別のデバイスから情報を受信し、かつ/又は別のデバイスに情報を提供することを可能にし得る。例えば通信インタフェース270は、Ethernet(登録商標)インタフェース、光インタフェース、同軸インタフェース、赤外線インタフェース、無線周波数(RF)インタフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース、Wi-Fiインタフェース、セルラネットワークインタフェース等を含み得る。
【0042】
デバイス200は、本明細書に記載される1つ以上のプロセスを実行し得る。デバイス200は、メモリ230及び/又は記憶構成要素240のような非一時的コンピュータ読取可能媒体によって記憶されたソフトウェア命令を実行するプロセッサ220に基づいて、これらのプロセスを実行し得る。コンピュータ読取可能媒体は、本明細書では、非一時的メモリデバイスとして定義される。メモリデバイスは、単一の物理的ストレージデバイス内のメモリスペース又は複数の物理ストレージデバイスにまたがって広がるメモリ空間を含み得る。
【0043】
ソフトウェア命令は、別のコンピュータ読取可能媒体から、又は通信インタフェース270を介して別のデバイスから、メモリ230及び/又は記憶構成要素240に読み出されてもよい。実行されると、メモリ230及び/又は記憶構成要素240に記憶されたソフトウェア命令は、プロセッサ220に、本明細書に記載された1つ以上のプロセスを実行させ得る。追加又は代替的に、ハードワイヤード回路を、本明細書に記載された1つ以上のプロセスを実行するためのソフトウェア命令の代わりに又は組み合わせて使用してもよい。したがって、本明細書に記載される実施形態は、ハードウェア回路とソフトウェアの特定の組合せに限定されない。
【0044】
図2に示される構成要素の数及び配置は、一例として提供される。実際には、デバイス200は、図2に示されるものよりも追加の構成要素、より少ない構成要素、異なる構成要素又は異なるように配置された構成要素を含んでもよい。追加又は代替的に、デバイス200の構成要素(例えば1つ以上の構成要素)のセットが、デバイス200の構成要素の別のセットによって実行されるものとして説明される1つ以上の動作を実行してもよい。
【0045】
本開示の実施形態は、ローカルエリアネットワーク(LAN)内のデバイスの処理能力を使用することによりエッジクラウドのためのサービスとしてLAN内のデバイスを使用するための方法及び装置を対象とする。
【0046】
平均すると、単身世帯は約10台のデバイスをインターネットに接続しており、これには、同様に接続される他のスマートデバイスとは別に、モバイルデバイス、タブレット、ラップトップ等が含まれることがある。平均的な家にスマートフォンが3台、タブレットが2台、ラップトップが2台あり、各デバイスがそのストレージと計算リソースの50%を利用していると仮定すると、平均的な家には、ローカルエッジクラウドを実行するために利用可能なリソースがまだ十分にあるであろう。
【0047】
図3は、例示のLANネットワークを示しており、ここでは、ゲートウェイルータ380がLAN310のゲートウェイルータとして設けられており、LAN310内では、異なるデバイス1~6(例えばデバイス320、330、340、350、360、370)がネットワークに接続されている。
【0048】
いくつかの実施形態では、LAN310内の複数のデバイスからのリソースを使用して、ローカルクラウドサーバを作成し得る。クラウドコンピューティングにおいて、「クラウド」という用語は、複数の場所又はデータセンタに分散されるが、ユーザによる直接の積極的な管理を必要とせずに、共通のサービス(データストレージ等)を提供するために協働してリソースを共有する多数のコンピューティングシステムリソースを指す。本明細書において使用されるとき、「ローカルクラウド」という用語は、ローカルエリアネットワーク(LAN)内で提供されるクラウドを示し、LAN内の複数のデバイスは、ユーザによる直接の積極的な管理を必要とせずに、共通のサービスを提供するためにリソース及び機能を共有する。例えばLAN内の複数のデバイスの利用可能な処理能力は、ローカルクラウドを作成するために使用され得る。したがって、ローカルクラウドは、有線接続、無線接続又は有線接続と無線接続の組合せを介してLANに接続されるか、又はLAN内で通信可能に結合されるローカルデバイスによって作成されたクラウドを指すことがある。例えば図3に示されるように、LAN310内に接続された様々なローカルデバイス(例えばデバイス320、330、340、360、370)の利用可能なリソースは、ローカルで動作するクラウド(「ローカルクラウド」と呼ばれる)を作成するために使用され得る。実施形態は、この構成に限定されず、ローカルクラウドを確立するために他のデバイス/サーバによって実装されてもよい。
【0049】
ローカルクラウドサーバの構成は、ローカルネットワーク内の任意のデバイスを(任意の選択プロトコルを介して)マスタ370として割り当てることを含んでよく、マスタ370は、LAN内の他のデバイスを参加させる責任を負うことになる。マスタデバイスはまた、様々な参加デバイス/スレーブのためのローカルエリアネットワーク内でのマイグレーションを含む、これらのデバイスへのタスク割り当ても管理し得る。デバイス及びスレーブという用語は、LAN内の任意のデバイスを指すために交換可能に使用されることがある。
【0050】
マスタデバイスの割り当ては、選択プロトコルに限定されない。したがって、マスタデバイスを割り当てる様々な方法が存在してもよい。
【0051】
例えばルータは、任意の選択プロトコルに基づいてネットワーク内のデバイスをマスタとして割り当ててもよく、これは、意思決定のためのパラメータとしてデバイスのコンピューティングリソースを使用することがある。ルータが十分なリソースを有する場合、ルータはマスタとして動作することもある。
【0052】
プロセスを開始するネットワーク内の任意のデバイスはまた、自分自身をマスタになるように選択することがあり、あるいはマスタ選択のための選択プロトコルを開始(initiate)してもよい。
【0053】
マスタ割り当ては、LAN初期化中に実行されてよく、あるいは要求到着に従って開始されてもよい。マスタデバイスがより良好なキャパシティ・プランニングを行うことを助けるために、マスタは、いずれかの要求が到着する前にリソースの利用可能性に関する知識を有するため、初期化時のマスタ選択が好ましい。
【0054】
図4は、マスタ410-スレーブ440接続セットアップ/構成の実施形態を示す。ローカルクラウドを確立するための要求に基づいて、マスタ410はメッセージ450をブロードキャストして、ローカルネットワーク内の他のデバイス/スレーブ440を発見し得る。スレーブがブロードキャストされたメッセージに同意する場合、スレーブはサーバに確認応答420を送信し得る。マスタは、続いて、SLA要求460で応答してよく、該SLA要求460は、リソース利用可能時間及び電力利用可能性を含む、スレーブのリソースを共有するためのスレーブに対する要求を含み得る。スレーブが同意する場合、スレーブはSLA応答430を送信し得る。結果として、マスタは、接続470(例えばマスタ-スレーブ接続)をセットアップし得る。スレーブはまた、デバイス上のアクティブなアプリの数やデバイスのエネルギー消費のような情報も共有し得る。スレーブはまた、接続セッション中にそのような情報を共有することも要求され得る。
【0055】
マスタ410がスレーブ440からSLA応答430を受信した後、マスタ-スレーブ接続をセットアップしている間に、マスタがスレーブからSLA応答を受信するとすぐに、マスタは様々なスレーブにタスクを割り当て始めてよい。図5は、マスタ-スレーブタスク割り当ての例を示す図である。マスタ560は、タスク555をスレーブデバイス515、525、535及び540に割り当てる必要があり得る。マスタ560は、タスク555をサブタスク505、510、520、530、545、550に分割し得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、マスタは、タスクを割り当てるために、スレーブがリースしようとしているストレージのようなデバイスのリソースの利用可能性、スレーブの電力可用性とともにスレーブの総ストレージ容量を使用し得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、スレーブが切断して、何らかの理由でもはやローカルクラウドで使用されないことを望むとき、スレーブは直ちに切断することができないことがある。代わりに、マスタは最初に、スレーブ状態と、スレーブが実行中のいずれかのアクティブタスクを有しているか否かをチェックし得る。次に、スレーブは、切断する前に現在のタスクを終了するのを選択し得るか、又はマスタがネットワーク内の別のデバイスにタスクを移行(migrate)するのを待機し得る。デバイスがネットワーク問題又はいずれかの他の問題のために切断する場合、マスタは、切断されたデバイスに割り当てられたタスクをネットワーク内の別のデバイスに再割り当てし得る。マスタが切断することを望むいくつかの実施形態では、次のインラインデバイスが新しいマスタとして割り当てられてよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、LANクラウドは、サブスクリプションベースのサービスとして使用されてよく、この場合、LANの所有者は、支払いの見返りとして計算リソース及びストレージリソースをリースする。例えばローカルクラウドは、画像/ファイルを記憶し、又は何らかの画像処理タスクを実行するために使用され得る。
【0059】
ローカルエリアクラウドはまた、該ローカルエリアクラウドのネットワーク内の任意のデバイスについて任意のタスクを実行するためにも使用され得る。例えばネットワーク内のいずれかのデバイスが没入型メディア(Immersive media)をストリーミングしていて、着信メディアストリームを処理(復号、ステッチング)するための十分なリソースを有していない場合、デバイスはネットワーク内のマスタに、デバイスの代わりにメディアを処理するように求め得る。
【0060】
エッジクラウドのサービスとしてLANを使用する方法論は、コンピュータ読取可能命令を使用してコンピュータソフトウェアとして実装され、1つ以上のコンピュータ読取可能媒体に物理的に記憶され得る。例えば図6は、いくつかの実施形態を実装するのに適したコンピュータシステム600を示す。
【0061】
コンピュータソフトウェアは、コンピュータ中央処理ユニット(CPU)、グラフィクス処理ユニット(GPU)等によって直接又は解釈、マイクロコード実行等を通して実行され得る命令を含むコードを作成するためにアセンブリ、コンパイル、リンク又は類似のメカニズムに従うことができる、任意の適切なマシンコード又はコンピュータ言語を使用してコード化され得る。
【0062】
命令は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォン、ゲームデバイス、モノのインターネットデバイス等を含む様々なタイプのコンピュータ又はその構成要素上で実行されてよい。
【0063】
コンピュータシステム600について図6に示される構成要素は例示的なものであり、本開示の実施形態を実装するコンピュータソフトウェアの使用又は機能性の範囲に関していかなる限定を示唆するようにも意図されていない。同様に、構成要素の構成は、コンピュータシステム600の例示的な実施形態で図示された構成要素のいずれか1つ又は組合せに関する、いかなる依存性又は要件を有するものとして解釈されるように限定されるべきではない。
【0064】
コンピュータシステム600は、特定のヒューマンインタフェース入力デバイスを含み得る。そのようなヒューマンインタフェース入力デバイスは、例えば触覚入力(キーストローク、スワイプ、データグローブ動作等)、オーディオ入力(音声、拍手等)、視覚入力(ジェスチャ等)、嗅覚入力(図示せず)を介して、1人以上の人間ユーザによる入力に応答し得る。ヒューマンインタフェースデバイスはまた、オーディオ(スピーチ、音楽、環境音等)、画像(走査画像、静止画像カメラから得られた写真画像等)、ビデオ(2次元ビデオ、立体ビデオを含む3次元ビデオ等)のような、必ずしも人間による意識入力に直接関係しない特定のメディアを捕捉するために使用され得る。
【0065】
入力ヒューマンインタフェースデバイスは、キーボード605、マウス610、トラックパッド615、タッチスクリーン645、データグローブ(図示せず)、ジョイスティック620、マイクロフォン625、スキャナ630、カメラ635(各々1つのみが図示されている)のうちの1つ以上を含み得る。
【0066】
コンピュータシステム600はまた、特定のヒューマンインタフェース出力デバイスも含み得る。そのようなヒューマンインタフェース出力デバイスは、例えば触覚出力、音、光及び匂い/味を通じて、1人以上の人間ユーザの感覚を刺激し得る。したがって、ヒューマンインタフェース出力デバイスは、触覚出力デバイス(例えばタッチスクリーン645、データグローブ(図示せず)、又はジョイスティック620による触覚フィードバック、しかし、入力デバイスとして機能しない触覚フィードバックデバイスも存在し得る)、オーディオ出力デバイス(スピーカ640、ヘッドフォン(図示せず))、視覚出力デバイス(各々がタッチスクリーン入力機能を有するか又は有さず、触覚フィードバック機能を有するか又は有さず、その一部がステレオ出力のような手段を通じて2次元視覚出力又は3次元以上の出力を出力することができる、CRT画面、LCD画面、プラズマ画面、OLED画面を含む画面645等)、仮想現実グラス(図示せず)、ホログラフィックディスプレイ及びスモークタンク(図示せず)及びプリンタ(図示せず)を含むことができる。
【0067】
コンピュータシステム600はまた、ヒューマンアクセス可能なストレージデバイスと、CD/DVDを有するCD/DVD ROM/RW Z20を含む光媒体又は同様の媒体655、サムドライブ660、取外可能なハードドライブ又はソリッドステートドライブ665、テープ及びフロッピーディスク(図示せず)のようなレガシー磁気媒体、セキュリティドングル(図示せず)のような専用ROM/ASIC/PLDベースのデバイスのような、それらの関連する媒体も含み得る。
【0068】
当業者はまた、現在開示されている主題に関連して使用されるとき、「コンピュータ読取可能媒体」という用語は、伝送媒体、搬送波又は他の一時的信号を包含しないことも理解すべきである。
【0069】
コンピュータシステム600はまた、1つ以上の通信ネットワークへのインタフェースも含み得る。ネットワークは、例えば無線、有線、光とすることができる。ネットワークは更に、ローカル、ワイドエリア、メトロポリタン、車両及び産業、リアルタイム、遅延耐性等であり得る。ネットワークの例には、Ethernet(登録商標)のようなローカルエリアネットワーク、無線LAN、GSM(登録商標)、3G、4G、5G、LTE等を含むセルラネットワーク、ケーブルTV、衛星TV及び地上放送TVを含むTV有線又は無線ワイドエリアデジタルネットワーク、CANBusを含む自動車及び産業用等が含まれる。特定のネットワークは、一般に、特定の汎用データポート又は周辺バス689、例えばコンピュータシステム600のUSBポートに取り付けられる外部ネットワークインタフェースアダプタを必要とし、他のネットワークは一般に、以下に説明されるようにシステムバスに取り付けることによってコンピュータシステム600のコアに統合される(例えばPCコンピュータシステムへのEthernet(登録商標)インタフェース又はスマートフォンコンピュータシステムへのセルラネットワークインタフェース)。これらのネットワークのいずれかを使用して、コンピュータシステム600は他のエンティティと通信し得る。通信は、単方向、受信専用(例えばブロードキャストTV)、単方向送信専用(例えばCANbusから特定のCANbusデバイスへ)又は例えばローカル又はワイドエリアデジタルネットワークを使用する他のコンピュータシステムへの双方向であってもよい。特定のプロトコル及びプロトコルスタックは、上述したように、これらのネットワーク及びネットワークインタフェースの各々で使用されてもよい。
【0070】
前述のヒューマンインタフェースデバイス、ヒューマンアクセス可能なストレージデバイス及びネットワークインタフェースは、コンピュータシステム600のコア680に取り付けられてもよい。
【0071】
コア680は、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)681、グラフィクス処理ユニット(GPU)682、フィールドプログラマブルゲートエリア(FPGA)683の形態の専用のプログラマブル処理ユニット、特定のタスク用のハードウェアアクセラレータ684等を含み得る。これらのデバイスは、読取専用メモリ(ROM)685、ランダムアクセスメモリ686、内部非ユーザアクセス可能ハードドライブ、SSD等の内部大容量ストレージ687とともに、システムバス688を通して接続され得る。いくつかのコンピュータシステムでは、システムバス688は、追加のCPU、GPU等による拡張を可能にするために、1つ以上の物理的プラグの形態でアクセス可能である。周辺デバイスはまた、コアのシステムバス688に直接又は周辺バス689を介して取り付けられてもよい。周辺バスのアーキテクチャは、PCI、USB等を含む。
【0072】
CPU681、GPU682、FPGA683及びアクセラレータ684は、組み合わされて上述のコンピュータコードを構成し得る、特定の命令を実行し得る。そのようなコンピュータコードは、ROM685又はRAM686に記憶されてよい。また、一時的なデータがRAM686に記憶されてもよく、一方、永久的なデータが、例えば内部大容量ストレージ687に記憶されてもよい。1つ以上のCPU681、GPU682、大容量ストレージ687、ROM685、RAM686等と密接に関連付けされ得るキャッシュメモリの使用を通して、メモリデバイスのいずれかに対する高速記憶及び取り出しを可能にし得る。
【0073】
コンピュータ読取可能媒体は、様々なコンピュータ実装される動作を実行するためのコンピュータコードをその上に有することができる。媒体及びコンピュータコードは、本開示の目的のために特別に設計及び構築されてよく、あるいはそれらは、コンピュータソフトウェア技術の当業者に周知でかつ利用可能な種類のものであってよい。
【0074】
非限定的な例として、アーキテクチャ600及び特にコア680を有するコンピュータシステムは、1つ以上の有形のコンピュータ読取可能媒体に具現化されたソフトウェアを実行するプロセッサ(CPU、GPU、FPGA、アクセラレータ等を含む)の結果として機能性を提供し得る。このようなコンピュータ読取可能媒体は、上記で紹介したようなユーザアクセス可能な大容量ストレージ、並びにコア内部大容量ストレージ687又はROM685のような非一時的な性質のコア680の特定のストレージに関連付けられる媒体であってよい。本開示の様々な実施形態を実装するソフトウェアは、そのようなデバイスに記憶され、コア680によって実行されてもよい。コンピュータ読取可能媒体は、特定のニーズに従って、1つ以上のメモリデバイス又はチップを含み得る。ソフトウェアは、コア680及び特にその中のプロセッサ(CPU、GPU、FPGA等を含む)に、RAM686に記憶されるデータ構造を定義することと、ソフトウェアによって定義されるプロセスに従ってそのようなデータ構造を修正することとを含む、本明細書で説明される特定のプロセス又は特定のプロセスの特定の部分を実行させ得る。追加又は代替として、コンピュータシステムは、論理ハードワイヤ又は他の方法で回路(例えばアクセラレータ684)内に具現化された結果として機能性を提供してよく、この回路は、ソフトウェアの代わりに又はソフトウェアとともに動作して、本明細書で説明される特定のプロセス又は特定のプロセスの特定の部分を実行してもよい。ソフトウェアへの言及はロジックを含み、また、適切である場合に、その逆も可能である。コンピュータ読取可能媒体への参照は、実行のためのソフトウェアを記憶する回路(集積回路(IC)等)、実行のためのロジックを具体化する回路又は適切な場合にはその両方を包含することができる。本開示は、ハードウェアとソフトウェアの任意の適切な組合せを包含する。
【0075】
図7は、エッジクラウドのためのサービスとしてLANを使用してローカルクラウドを作成するプロセス700の実施形態のフローチャートである。
【0076】
図7に示されるように、プロセス700の動作710において、ローカルクラウドを確立する要求を受信する。プロセスは動作720に進み、ここで、ローカルクラウドが、例えば図3に示すようなLAN内の複数のデバイスを使用して作成される。
【0077】
プロセス700は次いで動作730に進み、ここで、LAN内の複数のデバイスのうちの1つがマスタデバイスとして割り当てられる。マスタデバイスは次いで、メッセージをブロードキャストして、LAN内の他のデバイスを発見するために使用される。すなわち、マスタは、図4に示されるように、ローカルクラウドを構成し、マスタ-スレーブ接続を確立することができる。その結果、マスタは、図5に示されるように、タスクをLAN内の複数のデバイスにタスクを割り当ててよい。マスタは、LAN内の複数のデバイス/スレーブ間でタスクを移動させ、再割り当てし得る。
【0078】
前述の開示は、例示及び説明を提供するが、網羅的であること、又は開示された正確な形態に実施形態を限定することは意図されていない。修正及び変形は、上記開示に照らして可能であり、あるいは実施形態の実施から得られ得る。さらに、1つの実施形態の1つ以上の特徴又は構成要素が、別の実施形態(又は別の実施形態の1つ以上の特徴)に組み込まれるか又は組み合わされてもよい。加えて、以下で提供されるフローチャート及び動作の説明において、1つ以上の動作が省略されてよく、1つ以上の動作が追加されてよく、1つ以上の動作が同時に(少なくとも部分的に)実行されてよく、1つ以上の動作の順番が切り替えられてもよいことが理解される。
【0079】
本明細書に記載されるシステム及び/又は方法は、ハードウェア、ファームウェア又はハードウェアとソフトウェアの組合せの異なる形態で実装され得ることは明らかであろう。これらのシステム及び/又は方法を実装するために使用される実際の専用の制御ハードウェア又はソフトウェアコードは実施形態を限定していない。したがって、システム及び/又は方法の動作及び挙動は、具体的なソフトウェアコードを参照することなく本明細書に記載された。ソフトウェア及びハードウェアは、本明細書の記載に基づいてシステム及び/又は方法を実装するように設計され得ることが理解される。
【0080】
特徴の特定の組合せが特許請求の範囲に記載され、かつ/又は本明細書に開示されているとしても、これらの組合せは可能な実施形態の開示を限定するように意図されていない。実際、これらの特徴の多くは、特許請求の範囲に具体的に記載されていない、かつ/又は本明細書に開示されていない方法で組み合わされてもよい。以下に列挙される各従属請求項は、1つの請求項のみに直接従属していることがあるが、可能な実施形態の開示は、各従属請求項を、クレームセット内のすべての他の請求項と組み合わせて含んでもよい。
【0081】
本明細書で使用されるいかなる要素、行為又は指示も、そのように明示的に記載されない限り、本質的又は不可欠であると解釈されるべきではない。また、本明細書で使用されるとき、「a」及び「an」という冠詞は、1つ以上の項目を含むように意図され、「1つ以上」と互換的に使用され得る。1つの項目のみが意図される場合、用語「1つ」又は類似の言語が使用される。また、本明細書で使用されるとき、「有する(has)」、「有する(have)」、「有する(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」等の用語は、オープンエンドの用語であるように意図される。さらに、「に基づく」というフレーズは、明示的に別段の記載がない限り、「少なくとも部分的に基づく」を意味するように意図される。さらに、「[A]及び[B]のうちの少なくとも1つ」又は「[A]又は[B]のうちの少なくとも1つ」等の表現は、Aのみ、Bのみ又はAとBの両方を含むものと理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】