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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-05
(54)【発明の名称】電力変換装置の電力制御
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
H02M3/28 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565271
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 EP2022062368
(87)【国際公開番号】W WO2022234130
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】21172865.4
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523380173
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジーマツコ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】クロイスラー,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ライツ,ラウル
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730AS01
5H730BB27
5H730BB57
5H730DD03
5H730DD16
5H730EE04
5H730EE07
5H730EE13
5H730FD41
5H730FG05
(57)【要約】
本開示は電力変換装置の電力制御のための方法に関連し、この方法が、第1のデューティーサイクルD1を有する第1の信号を用いて、少なくとも1つのブランチのスイッチングユニット内にある第1の能動スイッチング構成要素を制御することと、第2のデューティーサイクルD2を有する第2の信号を用いてスイッチングユニットの第2の能動スイッチング構成要素を制御することと、少なくとも1つのブランチに連結された少なくとも1つの誘導構成要素を通る監視される電流の極性を決定することと、決定された極性に基づいて第1のデューティーサイクルD1および第2のデューティーサイクルD2を調整することと、を含む。本開示はさらに、個別の制御装置およびシステムに関連する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のデューティーサイクルDを有する第1の信号を用いて、少なくとも1つのブランチのスイッチングユニット内にある第1の能動スイッチング構成要素を制御するステップと、
第2のデューティーサイクルDを有する第2の信号を用いて、前記スイッチングユニットの第2の能動スイッチング構成要素を制御するステップと、
前記少なくとも1つのブランチに連結された少なくとも1つの誘導構成要素を通る監視される電流の極性を決定するステップと、
前記決定された極性に基づいて前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを調整するステップと、
を含む、電力変換装置の電力制御のための方法。
【請求項2】
前記第1の信号の起動期間および前記第2の信号の起動期間が、前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを計算するために基準期間Trefと比較される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の信号の前記起動期間および前記第2の信号の前記起動期間が、前記第1の能動スイッチング構成要素および前記第2の能動スイッチング構成要素を時間範囲Tdeadの間は伝導させないように、設定される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
第1の電気構成要素が前記第1の能動スイッチング構成要素に並列に配置構成され、第2の電気構成要素が前記第2の能動スイッチング構成要素に並列に配置構成され、前記時間範囲Tdead中、前記第1の電気構成要素および前記第2の電気構成要素が電流源または電流シンクとして機能するように構成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを調整する前記ステップ中、前記時間範囲Tdeadと基準時間Trefとの間の比が一定を維持する、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のデューティーサイクルD1および前記第2のデューティーサイクルD2を調整する前記ステップ中、前記時間範囲Tdeadが一定を維持する、請求項3または4に記載の方法。
【請求項7】
前記監視される電流の極性を決定する前記ステップと、前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを調整する前記ステップと、を反復するステップを含む、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを調整することにより、前記第1のデューティーサイクルDが前記第2のデューティーサイクルDの減少と等しい量で増大するか、または前記第1のデューティーサイクルDが前記第2のデューティーサイクルDの増大と等しい量で減少する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の信号および前記第2の信号の期間が1kHzから25kHzの間である、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の能動スイッチング構成要素および前記第2の能動スイッチング構成要素が、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、またはサイリスタ、のうちの少なくとも1つである、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記電力変換装置が、AC/AC変換装置、AC/DC変換装置、DC/DC変換装置、またはDC/AC変換装置を備えるかまたはこれらのうちの少なくとも1つであり、特には、アクティブブリッジ変換装置であり、さらに特には、デュアルアクティブブリッジ変換装置である、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも2つの目標位相シフトに基づいて位相シフトを変更するステップと、前記変更された位相シフトに基づいて前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを調整するステップと、を含む、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも2つの目標期間に基づいて期間を変更するステップと、前記変更された期間に基づいて前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを調整するステップと、を含む、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
第1のデューティーサイクルDを有する第1の信号を用いて、少なくとも1つのブランチのスイッチングユニット内にある第1の能動スイッチング構成要素を制御することと、
第2のデューティーサイクルDを有する第2の信号を用いて、前記スイッチングユニットの第2の能動スイッチング構成要素を制御することと、
前記少なくとも1つのブランチに連結された少なくとも1つの誘導構成要素を通る監視される電流の極性を決定することと、
前記決定された極性に基づいて前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを調整することと、
を行うように構成されたプロセッサ
を備える、電力変換装置の電力制御のための制御装置。
【請求項15】
前記プロセッサが、電流を監視することと、前記電流の極性を決定することと、前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを調整することと、を反復するように構成された、請求項14に記載の制御装置。
【請求項16】
請求項14または15に記載の制御装置と、少なくとも1つのブランチのスイッチングユニット内にある第1の能動スイッチング構成要素および第2の能動スイッチング構成要素ならびに前記少なくとも1つのブランチに連結された少なくとも1つの誘導構成要素を備える電力変換装置と、を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換装置の電力制御のための方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
電力工学によって制御される電力変換装置は、電力変換中の損失を低減するために正確な制御および安定した応答を必要とする。特には、制御可能性が、しばしば、電力工学のスイッチングユニットの非理想的な静的・動的挙動によって制限される。
【0003】
能動(active)スイッチング構成要素を備える理想的なスイッチングユニットは端子間での瞬間的なスイッチングを達成する。しかし、その実際的な実装形態は、半導体デバイス物理学によって支配される動的挙動の影響を受ける。スイッチユニット内にある能動スイッチング構成要素は有限立ち上がり時間および有限立ち下がり時間を示し、これは、同時の伝導を回避することを目的として他の能動スイッチング構成要素を強制的に導電状態にする前に1つの能動スイッチング構成要素を強制的に非導電状態にすることを必要とする。能動スイッチング構成要素が強制的に非導電状態にされる時間範囲は、デッドタイム(deadtime)と称される。ブランチを形成するスイッチングユニットの場合、このような予防措置が短絡を回避し、それにより電圧のオーバーシュートおよび過剰な電力消費を防止する。
【0004】
誘導構成要素およびスイッチングユニットを備える電力変換装置では、このようなデッドタイムが誘導構成要素の両端の電圧の不確実性を作り出す。デッドタイムを原因とする不確実性は、誘導構成要素を通る電流中にDC成分を生じさせ、これは電力損失を伴う。
【0005】
このようなデッドタイムは、電流中のDC成分を最小にするためのスイッチング中の能動スイッチング構成要素の両端の電圧降下または相電圧の波形を測定することによって最適化され得る。しかし、このようなアプローチは、誘導構成要素を通る電流中のDC成分を部分的にしか取り除かない。
【0006】
加えて、誘導構成要素の両端の電圧の周波数または位相に適用されるステップ状変化が電流流れの期間(period)を変更し、これが電力ピークおよび電流中のDC成分の原因となる。このような電力のピークは過渡時間応答を劣化させ、その低い安定性のために適用分野を制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、安定した電力制御を達成することを目的として、電力変換装置での電流中の誘導DC成分(induced DC component)の軽減と、周波数・位相シフトに対してのステップ応答と、を改善することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上で言及した目的が独立請求項の特徴を用いて達成される。従属請求項が本開示の好適な実施形態を定義する。
【0009】
特には、本開示は電力変換装置の電力制御のための方法に関し、この方法が、第1のデューティーサイクルD1を有する第1の信号を用いて、少なくとも1つのブランチのスイッチングユニット内にある第1の能動スイッチング構成要素を制御することと、第2のデューティーサイクルD2を有する第2の信号を用いてスイッチングユニットの第2の能動スイッチング構成要素を制御することと、少なくとも1つのブランチに連結された少なくとも1つの誘導構成要素を通る監視される電流の極性を決定することと、決定された極性に基づいて第1のデューティーサイクルD1および第2のデューティーサイクルD2を調整することと、を含む。
【0010】
多様な実施形態が有利に以下の特徴を実装することができる。
監視される電流が第1の極性を有する少なくとも1つの誘導構成要素を通る期間は、1つのデューティーサイクルを有するそれぞれの信号に基づいて能動スイッチング構成要素を制御することに依存することができる。次いでこの期間が監視される電流中のDC成分を算出するのに使用され得る。
【0011】
電力変換装置が、第2のブランチのスイッチングユニット内にある第3の能動スイッチング構成要素および第2のブランチのスイッチングユニット内にある第4の能動スイッチング構成要素を備えることができる。このような事例では、本方法が、第3デューティーサイクルDを有する第3の信号を用いて第3の能動スイッチング構成要素を制御することと、第4のデューティーサイクルDを有する第4の信号を用いて第4の能動スイッチング構成要素を制御することと、第2のブランチに連結された少なくとも1つの誘導構成要素を通る監視される電流の極性を決定することと、決定された極性に基づいて第3のデューティーサイクルDおよび第4のデューティーサイクルDを調整することと、を含むことができる。
【0012】
電力変換装置が、第3のブランチのスイッチングユニット内にある第5の能動スイッチング構成要素と、第3のブランチのスイッチングユニット内にある第6の能動スイッチング構成要素と、を備えることができる。このような事例では、本方法が、第5のデューティーサイクルDを有する第5の信号を用いて第5の能動スイッチング構成要素を制御することと、第6のデューティーサイクルDを有する第6の信号を用いて第6の能動スイッチング構成要素を制御することと、第3のブランチに連結された少なくとも1つの誘導構成要素を通る監視される電流の極性を決定することと、決定された極性に基づいて第5のデューティーサイクルDおよび第6のデューティーサイクルDを調整することと、を含むことができる。
【0013】
電力変換装置が、第4のブランチのスイッチングユニット内にある第7の能動スイッチング構成要素と、第4のブランチのスイッチングユニット内にある第8の能動スイッチング構成要素と、を備えることができる。このような事例では、本方法が、第7のデューティーサイクルDを有する第7の信号を用いて第7の能動スイッチング構成要素を制御することと、第8のデューティーサイクルDを有する第8の信号を用いて第8の能動スイッチング構成要素を制御することと、第4のブランチに連結された少なくとも1つの誘導構成要素を通る監視される電流の極性を決定することと、決定された極性に基づいて第7のデューティーサイクルDおよび第8のデューティーサイクルDを調整することと、を含むことができる。
【0014】
実施形態によると、電力変換装置が第1のアクティブブリッジを備える。第1および第2のブランチが第1のアクティブブリッジに属することができる。実施形態によると、電力変換装置が第2のアクティブブリッジを備える。第3および第4のブランチが第2のアクティブブリッジに属することができる。
【0015】
信号のデューティーサイクルが起動期間と基準期間との間の比によって画定され得る。
基準期間が基準信号の期間であってよい。基準信号が内部で生成され得、ならびに/あるいは、タイミング基準を提供するために変換装置または補助回路に供給され得る、ことが当業者には理解されるであろう。
【0016】
実施形態によると、第1の信号の起動期間および第2の信号の起動期間が、第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDを計算するために基準期間Trefと比較される。
【0017】
実施形態によると、第1のデューティーサイクルDを有する第1の信号および第2のデューティーサイクルDを有する第2の信号が任意の形状の同期波形である。
【0018】
実施形態によると、第1の信号の起動期間および第2の信号の起動期間が、第1の能動スイッチング構成要素および第2の能動スイッチング構成要素を時間範囲TDeadの間は伝導させないように、設定される。この時間範囲は当業者にはデッドタイムとして知られている可能性がある。
【0019】
実施形態によると、時間範囲TDeadが少なくとも1つのスイッチングユニットに依存することができる。
【0020】
実施形態によると、第1の電気構成要素が第1の能動スイッチング構成要素に並列に配置構成され、第2の電気構成要素が第2の能動スイッチング構成要素に並列に配置構成される。時間範囲Tdead中、第1の電気構成要素および第2の電気構成要素が電流源または電流シンクとして機能することができる。
【0021】
実施形態によると、第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDの調整中、時間範囲TDeadと基準期間Trefとの間の比が一定を維持する。
【0022】
実施形態によると、第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDの調整中、時間範囲TDeadが一定を維持する。
【0023】
実施形態によると、本方法が、監視される電流の極性を決定することと、第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDを調整することと、を反復することを含むことができる。
【0024】
実施形態によると、第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDを調整することにより、第1のデューティーサイクルDが第2のデューティーサイクルDの減少と等しい量で増大するか、または第1のデューティーサイクルDが第2のデューティーサイクルDの増大と等しい量で減少する。
【0025】
実施形態によると、第1の信号および第2の信号の期間が1kHzから25kHzの間である。
【0026】
実施形態によると、第1の能動スイッチング構成要素および第2の能動スイッチング構成要素が、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、またはサイリスタ、のうちの少なくとも1つである。
【0027】
実施形態によると、電力変換装置が、AC/AC変換装置、AC/DC変換装置、DC/DC変換装置、またはDC/AC変換装置を備えるかまたはこれらのうちの少なくとも1つであり、特には、アクティブブリッジ変換装置であり、さらに特には、デュアルアクティブブリッジ変換装置である。
【0028】
実施形態によると、本方法が、少なくとも2つの目標位相シフトに基づいて位相シフトを変更することを含む。
【0029】
実施形態によると、本方法が、変更された位相シフトに基づいて第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDを調整することを含む。
【0030】
実施形態によると、変更された位相シフトが最新目標位相シフトおよび/または以前の位相シフトを含む。
【0031】
実施形態によると、少なくとも2つの目標位相シフトが基準信号を使用してインデックス化(index)される。
【0032】
実施形態によると、少なくとも2つの目標位相シフトが連続する位相シフトである。
実施形態によると、少なくとも2つの目標位相シフトが連続するインデックス化された位相シフトである。
【0033】
実施形態によると、変更することが、少なくとも2つの目標位相シフトの平均値を計算することを含むかまたは少なくとも2つの目標位相シフトの平均値を計算することである。
【0034】
実施形態によると、変更することが、少なくとも2つのインデックス化された目標位相シフトの平均値を計算することを含むかまたは少なくとも2つのインデックス化された目標位相シフトの平均値を計算することである。
【0035】
実施形態によると、期間が、少なくとも2つの目標期間に基づいて変更される。
実施形態によると、目標期間が目標周波数から変換される。
【0036】
実施形態によると、目標周波数が連続関数であるかまたは不連続関数である。
実施形態によると、目標期間および/または目標周波数が周波数値ごとにインデックス化される。
【0037】
実施形態によると、期間が、少なくとも2つのインデックス化された目標期間に基づいて変更される。
【0038】
実施形態によると、第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDが、変更された期間に基づいて調整される。
【0039】
実施形態によると、変更される期間が、最新目標期間および/または以前の目標期間を含む。
【0040】
実施形態によると、変更される期間が、最新目標期間および/または以前のインデックス化された目標期間を含む。
【0041】
実施形態によると、基準信号の期間が、変更された期間または目標期間と同じであってもよい。
【0042】
実施形態によると、基準信号の期間が、変更された期間またはインデックス化された目標期間と同じであってもよい。
【0043】
実施形態によると、少なくとも2つの目標期間が基準期間Trefである。
実施形態によると、少なくとも2つの目標期間が連続する期間である。
【0044】
実施形態によると、変更することが、少なくとも2つの目標期間の平均値を計算することを含むかまたは少なくとも2つの目標期間の平均値を計算することである。
【0045】
実施形態によると、変更することが、少なくとも2つのインデックス化された目標期間の平均値を計算することを含むかまたは少なくとも2つのインデックス化された目標期間の平均値を計算することである。
【0046】
実施形態によると、本方法が、少なくとも2つの目標期間に基づいて期間を変更することと、第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDを調整することと、を反復することを含む。
【0047】
実施形態によると、第1のデューティーサイクルDが第2のデューティーサイクルDの減少と等しい量で増大するか、または第1のデューティーサイクルDが第2のデューティーサイクルDの増大と等しい量で減少する。
【0048】
本開示は、第1のデューティーサイクルDを有する第1の信号を用いて、少なくとも1つのブランチのスイッチングユニット内にある第1の能動スイッチング構成要素を制御することと、第2のデューティーサイクルDを有する第2の信号を用いて、スイッチングユニットの第2の能動スイッチング構成要素を制御することと、少なくとも2つの目標期間に基づいて期間を変更することと、変更された期間に基づいて第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDを調整することと、を含む、電力変換装置の電力制御のための方法に関連する。
【0049】
電力変換装置が、第2のブランチのスイッチングユニット内にある第3の能動スイッチング構成要素および第2のブランチのスイッチングユニット内にある第4の能動スイッチング構成要素を備えることができる。このような事例では、本方法が、第3デューティーサイクルDを有する第3の信号を用いて第3の能動スイッチング構成要素を制御することと、第4のデューティーサイクルDを有する第4の信号を用いて第4の能動スイッチング構成要素を制御することと、少なくとも2つの目標期間に基づいて期間を変更することと、変更された期間に基づいて第3のデューティーサイクルDおよび第4のデューティーサイクルDを調整することと、を含むことができる。
【0050】
電力変換装置が、第3のブランチのスイッチングユニット内にある第5の能動スイッチング構成要素と、第3のブランチのスイッチングユニット内にある第6の能動スイッチング構成要素と、を備えることができる。このような事例では、本方法が、第5のデューティーサイクルDを有する第5の信号を用いて第5の能動スイッチング構成要素を制御することと、第6のデューティーサイクルDを有する第6の信号を用いて第6の能動スイッチング構成要素を制御することと、少なくとも2つの目標期間に基づいて期間を変更することと、変更された期間に基づいて第5のデューティーサイクルDおよび第6のデューティーサイクルDを調整することと、を含むことができる。
【0051】
電力変換装置が、第4のブランチのスイッチングユニット内にある第7の能動スイッチング構成要素と、第4のブランチのスイッチングユニット内にある第8の能動スイッチング構成要素と、を備えることができる。このような事例では、本方法が、第7のデューティーサイクルDを有する第7の信号を用いて第7の能動スイッチング構成要素を制御することと、第8のデューティーサイクルDを有する第8の信号を用いて第8の能動スイッチング構成要素を制御することと、少なくとも2つの目標期間に基づいて期間を変更することと、変更された期間に基づいて第7のデューティーサイクルDおよび第8のデューティーサイクルDを調整することと、を含むことができる。
【0052】
信号のデューティーサイクルが起動期間と基準期間との間の比によって画定され得る。
基準期間が基準信号の期間であってよい。基準信号が内部で生成され得、ならびに/あるいは、タイミング基準を提供するために変換装置または補助回路に供給され得る、ことが当業者には理解されるであろう。
【0053】
実施形態によると、目標期間が目標周波数から変換される。
実施形態によると、目標周波数が連続関数であるかまたは不連続関数である。
【0054】
実施形態によると、目標期間および/または目標周波数が周波数値ごとにインデックス化される。
【0055】
実施形態によると、期間が、少なくとも2つの目標期間に基づいて変更される。
実施形態によると、期間が、少なくとも2つのインデックス化された目標期間に基づいて変更される。
【0056】
実施形態によると、第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDが変更された期間に基づいて調整される。
【0057】
実施形態によると、変更される期間が、最新目標期間および/または以前の目標期間を含む。
【0058】
実施形態によると、変更される期間が、最新目標期間および/または以前のインデックス化された目標期間を含む。
【0059】
実施形態によると、基準信号の期間が、変更された期間または目標期間と同じであってもよい。
【0060】
実施形態によると、基準信号の期間が、変更された期間またはインデックス化された目標期間と同じであってもよい。
【0061】
実施形態によると、少なくとも2つの目標期間が基準期間Trefである。
実施形態によると、少なくとも2つの目標期間が連続する期間である。
【0062】
実施形態によると、変更することが、少なくとも2つの目標期間の平均値を計算することを含むかまたは少なくとも2つの目標期間の平均値を計算することである。
【0063】
実施形態によると、変更することが、少なくとも2つのインデックス化された目標期間の平均値を計算することを含むかまたは少なくとも2つのインデックス化された目標期間の平均値を計算することである。
【0064】
実施形態によると、第1の信号の起動期間および第2の信号の起動期間が、第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDを計算するために基準期間Trefと比較される。
【0065】
実施形態によると、第1の信号の起動期間および第2の信号の起動期間が、第1の能動スイッチング構成要素および第2の能動スイッチング構成要素を時間範囲TDeadの間は同時に伝導させないように、設定される。
【0066】
実施形態によると、本方法が、少なくとも2つの目標期間に基づいて期間を変更することと、第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDを調整することと、を反復することを含む。
【0067】
実施形態によると、第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDを調整することにより、第1のデューティーサイクルDが第2のデューティーサイクルDの減少と等しい量で増大するか、または第1のデューティーサイクルDが第2のデューティーサイクルDの増大と等しい量で減少する。
【0068】
実施形態によると、第1の能動スイッチング構成要素および第2の能動スイッチング構成要素が、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、またはサイリスタ、のうちの少なくとも1つである。
【0069】
実施形態によると、電力変換装置が、AC/AC変換装置、AC/DC変換装置、DC/DC変換装置、またはDC/AC変換装置を備えるかまたはこれらのうちの少なくとも1つであり、特には、アクティブブリッジ変換装置であり、さらに特には、デュアルアクティブブリッジ変換装置である。
【0070】
本開示は、第1のデューティーサイクルDを有する第1の信号を用いて、少なくとも1つのブランチのスイッチングユニット内にある第1の能動スイッチング構成要素を制御することと、第2のデューティーサイクルDを有する第2の信号を用いて、スイッチングユニットの第2の能動スイッチング構成要素を制御することと、少なくとも2つの目標位相シフトに基づいて位相シフトを変更することと、変更された位相シフトに基づいて第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDを調整することと、を含む、電力変換装置の電力制御のための方法に関連する。
【0071】
電力変換装置が、第2のブランチのスイッチングユニット内にある第3の能動スイッチング構成要素および第2のブランチのスイッチングユニット内にある第4の能動スイッチング構成要素を備えることができる。このような事例では、本方法が、第3デューティーサイクルDを有する第3の信号を用いて第3の能動スイッチング構成要素を制御することと、第4のデューティーサイクルDを有する第4の信号を用いて第4の能動スイッチング構成要素を制御することと、少なくとも2つの目標位相シフトに基づいて位相シフトを変更することと、変更された位相シフトに基づいて第3のデューティーサイクルDおよび第4のデューティーサイクルDを調整することと、を含むことができる。
【0072】
電力変換装置が、第3のブランチのスイッチングユニット内にある第5の能動スイッチング構成要素と、第3のブランチのスイッチングユニット内にある第6の能動スイッチング構成要素と、を備えることができる。このような事例では、本方法が、第5のデューティーサイクルDを有する第5の信号を用いて第5の能動スイッチング構成要素を制御することと、第6のデューティーサイクルDを有する第6の信号を用いて第6の能動スイッチング構成要素を制御することと、少なくとも2つの目標位相シフトに基づいて位相シフトを変更することと、変更された位相シフトに基づいて第5のデューティーサイクルDおよび第6のデューティーサイクルDを調整することと、を含むことができる。
【0073】
電力変換装置が、第4のブランチのスイッチングユニット内にある第7の能動スイッチング構成要素と、第4のブランチのスイッチングユニット内にある第8の能動スイッチング構成要素と、を備えることができる。このような事例では、本方法が、第7のデューティーサイクルDを有する第7の信号を用いて第7の能動スイッチング構成要素を制御することと、第8のデューティーサイクルDを有する第8の信号を用いて第8の能動スイッチング構成要素を制御することと、少なくとも2つの目標位相シフトに基づいて位相シフトを変更することと、変更された位相シフトに基づいて第7のデューティーサイクルDおよび第8のデューティーサイクルDを調整することと、を含むことができる。
【0074】
信号のデューティーサイクルが起動期間と基準期間との間の比によって画定される。
基準期間が基準信号の期間であってよい。基準信号が内部で生成され得、ならびに/あるいは、タイミング基準を提供するために変換装置または補助回路に供給され得る、ことが当業者には理解されるであろう。
【0075】
実施形態によると、変更された位相シフトが最新目標位相シフトおよび/または以前の位相シフトを含む。
【0076】
実施形態によると、目標位相シフトが基準信号を使用してインデックス化される。
実施形態によると、少なくとも2つの目標位相シフトが連続する位相シフトである。
【0077】
実施形態によると、少なくとも2つの目標位相シフトが連続するインデックス化された位相シフトである。
【0078】
実施形態によると、変更することが、少なくとも2つの目標位相シフトの平均値を計算することを含むかまたは少なくとも2つの目標位相シフトの平均値を計算することである。
【0079】
実施形態によると、変更することが、少なくとも2つのインデックス化された目標位相シフトの平均値を計算することを含むかまたは少なくとも2つのインデックス化された目標位相シフトの平均値を計算することである。
【0080】
実施形態によると、第1の信号の起動期間および第2の信号の起動期間が、第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDを計算するために基準期間Trefと比較される。
【0081】
実施形態によると、第1の信号の起動期間および第2の信号の起動期間が、第1の能動スイッチング構成要素および第2の能動スイッチング構成要素を時間範囲TDeadの間は同時に伝導させないように、設定される。
【0082】
実施形態によると、本方法が、少なくとも2つの目標位相シフトに基づいて位相シフトを変更することと、第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDを調整することと、を反復することを含む。
【0083】
実施形態によると、第1のデューティーサイクルDおよび第2のデューティーサイクルDを調整することにより、第1のデューティーサイクルDが第2のデューティーサイクルDの減少と等しい量で増大するか、または第1のデューティーサイクルDが第2のデューティーサイクルDの増大と等しい量で減少する。
【0084】
実施形態によると、第1の能動スイッチング構成要素および第2の能動スイッチング構成要素が、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、またはサイリスタ、のうちの少なくとも1つである。
【0085】
実施形態によると、電力変換装置が、AC/AC変換装置、AC/DC変換装置、DC/DC変換装置、またはDC/AC変換装置を備えるかまたはこれらのうちの少なくとも1つであり、特には、アクティブブリッジ変換装置であり、さらに特には、デュアルアクティブブリッジ変換装置である。
【0086】
本開示はさらに、電力変換装置の電力制御のための制御装置に関連する。制御装置がプロセッサを備える。プロセッサが、上で言及した実施形態のうちの任意の1つの実施形態の方法を実行するように構成される。
【0087】
本開示がさらに、上で説明した制御装置と、上で説明した電力変換装置と、を備えるシステムに関連する。
【0088】
本明細書で開示される例示の実施形態は、添付図面と併せて下記の説明を参照することにより容易に明らかとなる特徴を提供することを対象とする。種々の実施形態によると、本明細書では例示のシステム、方法、およびデバイスが開示される。しかし、これらの実施形態が単に例として非限定的に提示されることが理解されよう。さらに、本開示の範囲内に留めながら開示される実施形態に対しての種々の修正形態が作られ得ることが、本開示を読む当業者には明らかとなろう。
【0089】
したがって、本開示は、本明細書で説明されて示される例示の実施形態および用途のみに限定されない。加えて、本明細書で開示される方法内のステップの具体的な順序および/または階層は単に例示のアプローチである。設計上の選択(design preference)に基づいて、開示される方法またはプロセスのステップの具体的な順序または階層が、本開示の範囲内に留まりながら、再構成され得る。したがって、本明細書で開示される方法および技術が例示の順序で種々のステップまたは行為を提示すること、ならびに、特に明記されない限り、本開示が提示される特定の順序または階層のみに限定されないことが当業者には理解されるであろう。
【0090】
上記のおよび他の態様ならびにその実装形態が、図面、本記述、および特許請求の範囲でより詳細で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0091】
図1】特には、変圧器によって絶縁されたDC/DCデュアルアクティブブリッジ変換装置である、本開示の実施形態による例示の電力変換装置を示す図である。
図2】本開示の実施形態による電力変換装置の例示の信号を示す図である。
図3】本開示の実施形態による方法を示すフローチャートである。
図4】例示の信号と、位相シフトに応答して電力変換装置の電流を監視することと、を示す図である。
図5】例示の信号と、位相シフトに応答して本開示の実施形態による電力変換装置の電流を監視することと、を示す図である。
図6】例示の信号と、周波数シフトに応答して本開示の実施形態による電力変換装置の電流を監視することと、を示す図である。
図7a】本開示の実施形態による電力変換装置に適用される段階的位相シフトに対してのシミュレートされた電流・電圧応答を示す図である。
図7b】本開示の実施形態による電力変換装置に適用される段階的位相シフトに対してのシミュレートされた電流・電圧応答を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0092】
以下で本開示の例示の実施形態を説明する。特に明記しないか限りにまたは特に明らかではない限り、説明される実施形態のうちの任意の1つの実施形態のいくつかの態様がいくつかの他の実施形態でも見られ得ることに留意されたい。しかし、理解度を上げるために、各態様は最初に言及するときのみ詳細に説明され、同じ態様の繰り返しの説明はすべて省略される。
【0093】
図1が、特には、変圧器によって絶縁されたDC/DCデュアルアクティブブリッジ変換装置である、本開示の実施形態による例示の電力変換装置を示す。
【0094】
図1に示される実施形態では、電力変換装置100がDC/DC変換装置である。入力電圧162がコンデンサ161上で測定され、出力電圧164がコンデンサ163上で測定される。変換装置が変圧器ユニット150を備え、ここでは、変圧器151が漏れインダクタ152に直列接続される。しかし、少なくとも1つのインダクタが、自立構成要素、および/または、寄生構成要素の代表例としての、任意の誘導構成要素であってよいことが当業者には理解されるであろう。漏れインダクタ152を通る電流が監視される電流153である。変圧器ユニット150が、少なくとも1つのスイッチングユニット110を備える少なくとも1つのブランチ115に連結される。少なくとも1つのスイッチングユニット110が、スイッチとして機能する、第1の能動スイッチング構成要素111および第2の能動スイッチング構成要素112を備える。第1のダイオード113が第1の能動スイッチング構成要素111に並列接続され、第2のダイオードが第2の能動スイッチング構成要素112に並列接続される。変圧器ユニット150がさらに、少なくとも1つのスイッチングユニット120を備える第2のブランチ125に連結される。少なくとも1つのスイッチングユニット120が、第3の能動スイッチング構成要素121および第4の能動スイッチング構成要素122を備える。第3のダイオード123が第3の能動スイッチング構成要素121に並列接続され、第4のダイオード124が第4の能動スイッチング構成要素122に接続される。変圧器ユニット150を第1のブランチ115に接続するノードの両端のおよび変圧器ユニット150を第2のブランチ125に接続するノードの両端の電圧が一次電圧154と称される。変圧器がさらに、少なくとも1つのスイッチングユニット130を備える第3のブランチ135に連結される。少なくとも1つのスイッチングユニット130が、第5の能動スイッチング構成要素131および第6の能動スイッチング構成要素132を備える。第5のダイオード133が第5の能動スイッチング構成要素131に並列接続され、第6のダイオード134が第6の能動スイッチング構成要素132に並列接続される。変圧器がさらに、少なくとも1つのスイッチングユニット140を備える第4のブランチ145に連結される。少なくとも1つのスイッチングユニット140が、第7の能動スイッチング構成要素141および第8の能動スイッチング構成要素142を備える。第7のダイオード143が第7の能動スイッチング構成要素141に並列接続され、第8のダイオード144が第8の能動スイッチング構成要素142に並列接続される。変圧器ユニット150を第3のブランチ135に接続するノードの両端のおよび変圧器ユニット150を第4のブランチ145に接続するノードの両端の電圧が二次電圧155と称される。
【0095】
変換装置が、少なくとも1つのスイッチングユニットを各々が備える4つのブランチを備えるが、本開示がこれのみに限定されないことが当業者には理解されるであろう。さらに、本開示が1つのスイッチングユニットのみに限定されないことが当業者には理解されるであろう。さらに、本開示が、各スイッチングユニットが2つの能動スイッチング構成要素を備えることのみに限定されないことが当業者には理解されるであろう。実施形態によると、電力変換装置が、少なくとも1つの誘導構成要素と、少なくとも1つのスイッチングユニットを有する少なくとも1つのブランチと、を備えることができ、少なくとも1つのスイッチングユニットが、スイッチとして機能する第1の能動スイッチング構成要素および第2の能動スイッチング構成要素、ならびに、少なくとも1つのブランチに連結された少なくとも1つの誘導構成要素を備える。
【0096】
可視性のために省略されるが、第1の能動スイッチング構成要素111がデューティーサイクルDを有する第1の信号によって制御されることが当業者には理解されるであろう。同様に、8つの能動スイッチング構成要素112~142に対しての第2の能動スイッチング構成要素が、デューティーサイクルDn(nは能動スイッチング構成要素の割り当て番号である)を有するそれぞれの信号によって制御されることがさらに当業者には理解されるであろう。監視される電流が第1の極性を有する少なくとも1つの誘導構成要素を通る期間が、デューティーサイクルDnを有するそれぞれの信号に基づいて能動スイッチング構成要素を制御することに依存することができることがさらに当業者には理解されるであろう。次いでこの期間が監視される電流のDC成分を算出するのに使用され得る。
【0097】
実施形態によると、電力変換装置が、AC/AC変換装置、AC/DC変換装置、DC/DC変換装置、またはDC/AC変換装置を備えるかまたはこれらのうちの少なくとも1つであり、特には、アクティブブリッジ変換装置であり、さらに特には、デュアルアクティブブリッジ変換装置である。
【0098】
実施形態によると、第1の能動スイッチング構成要素および第2の能動スイッチング構成要素が、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、またはサイリスタ、のうちの少なくとも1つである。
【0099】
実施形態によると、電気構成要素が能動スイッチング構成要素に並列接続される。並列接続が、逆並列接続などの異なる極性配向を有する並列接続を含む。
【0100】
図2が、本開示の実施形態による電力変換装置の例示の信号を示す。特には、電力変換装置が図1に示される実施形態の電力変換装置100である。
【0101】
基準信号202が基準期間T203を有する。第1の信号204が、デューティーサイクルD1を用いて第1の能動スイッチング構成要素111を制御する。デューティーサイクルD1が第1の信号204の起動期間と基準期間T203との間の比である。起動期間は、能動スイッチング構成要素を制御することが強制的に導電状態になる、期間であることが当業者には理解されるであろう。第2の信号206がデューティーサイクルD2を用いて第2の能動スイッチング構成要素112を制御する。デューティーサイクルD2が第2の信号206の起動期間と基準期間T203との間の比である。第3の信号208がデューティーサイクルD3を用いて第3の能動スイッチング構成要素121を制御する。デューティーサイクルD3が第3の信号208の起動期間と基準期間T203との間の比である。第4の信号210がデューティーサイクルD4を用いて第4の能動スイッチング構成要素122を制御する。デューティーサイクルD4が第4の信号210の起動期間と基準期間T203との間の比である。第5の信号218がデューティーサイクルD5を用いて第5の能動スイッチング構成要素131を制御する。デューティーサイクルD5が第3の信号218の起動期間と基準期間T203との間の比である。第6の信号220がデューティーサイクルD6を用いて第6の能動スイッチング構成要素132を制御する。デューティーサイクルD6が第6の信号220の起動期間と基準期間T203との間の比である。第7の信号222がデューティーサイクルD7を用いて第7の能動スイッチング構成要素141を制御する。デューティーサイクルD7が第7の信号222の起動期間と基準期間T203との間の比である。第8の信号224がデューティーサイクルD8を用いて第8の能動スイッチング構成要素142を制御する。デューティーサイクルD8が第8の信号224の起動期間と基準期間T203との間の比である。さらに、変圧器ユニット150の両端に印加される電圧が所望の変圧器電圧214であり、所望の一次電圧212からの所望の二次電圧216の減算分である。
【0102】
第1の構成要素111を制御する第1の信号204の起動期間および第2の構成要素112を制御する第2の信号206の起動期間が、第1の能動スイッチング構成要素111および第2の能動スイッチング構成要素112を時間範囲TDead207の間は伝導させないように、設定される。
【0103】
第3の構成要素121を制御する第3の信号208の起動期間および第4の構成要素122を制御する第4の信号210の起動期間が、第3の能動スイッチング構成要素121および第4の能動スイッチング構成要素122を時間範囲TDead207の間は伝導させないように、設定される。
【0104】
第5の構成要素131を制御する第5の信号218の起動期間および第6の構成要素132を制御する第6の信号220の起動期間が、第5の能動スイッチング構成要素131および第6の能動スイッチング構成要素132を時間範囲TDead207の間は伝導させないように、設定される。
【0105】
第7の構成要素141を制御する第7の信号222の起動期間および第8の構成要素142を制御する第8の信号224の起動期間が、第7の能動スイッチング構成要素141および第8の能動スイッチング構成要素142を時間範囲TDead207の間は伝導させないように、設定される。
【0106】
第1のブランチ位相シフト205が第1のブランチ115の電圧遷移のタイミングを設定し、第2のブランチ位相シフト209が第2のブランチ125の電圧遷移のタイミングを設定する。第1のブランチ位相シフト205と第2のブランチ位相シフト209との間の差が、所望の一次電圧212が各信号レベルに留まる継続時間を画定する。
【0107】
第3のブランチ位相シフト219が第3のブランチ135の電圧遷移のタイミングを設定し、第4のブランチ位相シフト223が第4のブランチ145の電圧遷移のタイミングを設定する。第3のブランチ位相シフト219と第4のブランチ位相シフト223との間の差が、所望の二次電圧216が各信号レベルに留まる継続時間を画定する。
【0108】
誘導構成要素153に印加される所望の誘起電圧214が、一次電圧154に印加される所望の一次電圧212と二次電圧155に印加される所望の二次電圧216との間の差であり、位相シフト205、209、219、223によって制御される。
【0109】
第1の信号204および第2の信号206が、基準信号202を基準として第1のブランチ位相シフト205だけ位相シフトすることが当業者には理解されるであろう。第3の信号208および第4の信号210が、基準信号202を基準として第2のブランチ位相シフト209だけ位相シフトすることを当業者にはさらに理解されよう。同様に、第5の信号218および第6の信号220が、基準信号202を基準として第3のブランチ位相シフト219だけ位相シフトする。第7の信号222および第8の信号224が、基準信号202を基準として第4のブランチ位相シフト223だけ位相シフトする。
【0110】
一定の時間範囲TDead207が提示されるが、第1の信号204および第2の信号206によって形成される時間範囲TDead207が、第3の信号208および第4の信号210によって形成される時間範囲TDead207とは異なる可能性があることが当業者には理解されるであろう。さらに、時間範囲TDead207がスイッチングユニットに依存することができることが当業者には理解されるであろう。
【0111】
時間範囲TDead207中、監視される電流153の流れが、並列接続されたダイオード113、114、123、124、133、134、143、144のうちの少なくとも1つを通る電流流れを含む。監視される電流153の流れの方向が監視される電流153の極性を決定する。監視される電流流れ153の極性に基づいて、変圧器ユニット150およびブランチ115、125、135、145を連結するノードのところの電圧を推測することができることが当業者には理解されるであろう。時間範囲TDead207中の推測される電圧が一次電圧154と所望の一次電圧212との間のおよび二次電圧155と所望される二次電圧216との間に不一致を生じさせることが当業者には理解されるであろう。結果として、印加される誘起電圧と所望される誘起電圧214との間に不一致が存在する。時間範囲TDead207中のこのような制御の不足が監視される電流153中のDC成分の原因となることが当業者には理解されるであろう。
【0112】
図3が、本開示の実施形態による方法のフローチャートを示す。
S301で、第1の能動スイッチング構成要素が第1のデューティーサイクルD1を有する第1の信号を用いて制御され、第2の能動スイッチング構成要素が第2のデューティーサイクルD2を有する第2の信号を用いて制御される。
【0113】
S302で、少なくとも1つの誘導構成要素を通る監視される電流の極性が、監視される電流に基づいて決定される。電流を監視することは図3の実施形態に示される方法の一部ではないが、極性を決定することが監視することを必要とすることが当業者には理解されるであろう。
【0114】
S303で、第1のデューティーサイクルD1および第2のデューティーサイクルD2が、監視される電流の決定された極性に基づいて調整される。
【0115】
図4が、例示の信号と、位相シフトに応答して電力変換装置の電流を監視することと、を示す。特には、電力変換装置が、図1に示される実施形態の変圧器ユニット150を備える。しかし、本開示がこれのみに限定されないことが当業者には理解されるであろう。
【0116】
基準信号410が基準期間411を有する。目標位相シフト420は連続関数であり、基準期間411の半分ごとにインデックス化される。変圧器ユニット150の両端に印加される電圧が変圧器電圧440であり、一次電圧430からの二次電圧460の減算分である。
【0117】
基準期間411の半分ごとに、目標位相シフト420がインデックス化され、一次電圧430の最初期の遷移(transition)における一次電圧430を基準として、インデックス化された目標位相シフト420だけ二次電圧460を位相シフトさせる。一次電圧430の最初期の遷移は目標位相インデックス化半期間411後の遷移である。遷移が考察パラメータの値の任意の変化を含むことが当業者には理解されるであろう。例えば、遷移は、極性を変更することおよび/または設定値の間で入れ替えを行うことを含むことができる。一次電圧430を基準として、インデックス化された目標位相シフト420だけ二次電圧460を位相シフトさせることにより、変圧器電圧440が監視される電流450中にDC成分を誘導する。
【0118】
図5が、例示の信号と、位相シフトに応答して本開示の実施形態による電力変換装置の電流を監視することと、を示す。特には、電力変換装置が、図1に示される実施形態の変圧器ユニット150を備える。しかし、本開示がこれのみに限定されないことが当業者には理解されるであろう。
【0119】
基準信号510が基準期間511を有する。目標位相シフト520は連続関数であり、基準期間511の半分ごとにインデックス化される。変圧器ユニット150の両端に印加される電圧が変圧器電圧540であり、一次電圧530からの二次電圧560の減算分である。
【0120】
基準期間511の半分ごとに、目標位相シフト520がインデックス化され、一次電圧530の最初期の遷移における一次電圧530を基準として、2つの連続するインデックス化された目標位相シフト520の平均値だけ二次電圧560を位相シフトさせる。図5に示される実施形態では、i番目の半分の基準期間のところの変更された位相シフトが、以下のようにi番目と(i-1)番目の半分の基準期間における2つの連続する目標位相シフトの平均値を求めることにより計算され、
【0121】
【数1】
【0122】
ここでは、Tδnがn番目の半分の基準期間における位相シフトを表す。ステップ状変化が目標位相シフトに適用されると、変更された位相シフトが、一次電圧530を基準とした二次電圧560の位相シフトを縮小させ、これが、非ゼロ振幅のその短期間での変圧器電圧540に反映される。結果として、極性に応じた、監視される電流550の増大または監視される電流550の減少が、図4に示される実施形態の監視される電流450を基準として縮小される。結果として、監視される電流550のDC成分が誘導されない。
【0123】
図6が、例示の信号と、周波数シフトに応答して本開示の実施形態による電力変換装置の電流を監視することと、を示す。
【0124】
基準期間610が、目標周波数620に基づいた第1の基準期間611および目標周波数620に基づいた第2の基準期間621を有する。目標周波数620は連続関数であり、周波数値ごとにインデックス化される。
【0125】
図6に示される実施形態では、変更される基準期間が、以下のように目標周波数620のステップ状変化に応答して2つの連続する目標基準期間の平均値を求めることにより計算され、
【0126】
【数2】
【0127】
ここでは、Tpnがn番目のインデックス化された周波数値の基準期間を表す。変換が省略されるが、目標周波数620が目標基準期間に容易に変換され得ることを当業者には理解されよう。結果として、変更された基準期間が2つのステップで期間を変化させ、それにより、変圧器電圧640の非ゼロ振幅にして、一定である期間を維持する。結果として、監視される電流650のDC成分が誘導されない。
【0128】
図7aおよび7bが、本開示の実施形態による電力変換装置に適用される段階的位相シフトに対してのシミュレートされた電流・電圧応答を示す。特には、電力変換装置が、図1に示される実施形態の変圧器ユニット150を備える。しかし、本開示がこれのみに限定されないことが当業者には理解されるであろう。
【0129】
変圧器ユニット150の一次側電流711および変圧器ユニット150の二次側電流715が、囲まれた領域719内の信号により明らかなように、位相シフトのステップ状変化の適用時に、円滑な遷移を示す。さらに、変圧器ユニット150の一次電圧721および変圧器725の二次電圧が、囲まれた領域729内の信号により明らかなように、位相シフトのステップ状変化の適用時に、同位相である。したがって、本開示のデッドタイム軽減方法が電流中のDC成分を取り除き、それにより復帰時間を改善して即時の電力遷移を達成する。
【0130】
本開示の種々の実施形態を上で説明してきたが、本開示の種々の実施形態が単に例として提示されるものであり、限定として提示されないことを理解されたい。同様に、種々の図が、本開示の例示の特徴および機能を当業者が理解するのを可能にするために提供される例示のアーキテクチャまたは構成を描くことができる。しかし、本開示が示される例示のアーキテクチャまたは構成のみに限定されず、多種多様な代替のアーキテクチャおよび構成を使用して実装され得る、ことが当業者には理解されるであろう。加えて、当業者には当然に理解されることとして、1つの実施形態の1つまたは複数の特徴が、本明細書で説明される別の実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わされ得る。したがって、本開示の幅(breadth)および範囲は上で説明した例示の実施形態のいずれにも限定されるべきではない。
【0131】
「第1」および「第2」などの指定を利用しての本明細書での要素に対してのいかなる言及も、概して、これらの要素の量または順序を限定しないことも理解されよう。むしろ、これらの指定は、本明細書では、2つ以上の要素の間でのまたは1つの要素の複数の例の間での好都合な区別手段として使用され得る。したがって、第1および第2の要素に言及することは、これらの2つの要素のみが採用され得ることまたは第1の要素が何らかのかたちで第2の要素に先行しなければならないことを意味するものではない。
【0132】
加えて、多種多様な異なるテクノロジおよび技術のうちの任意のテクノロジおよび技術を使用して情報および信号が表され得ることが当業者には理解されよう。例えば上記の説明で参照され得る、例えば、データ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、および記号などは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光場または光粒子、あるいはその任意の組み合わせによって表され得る。
【0133】
本明細書で開示される態様と併せて説明される、種々の説明ための論理ブロック、ユニット、プロセッサ、手段、回路、方法、および機能のいずれも、電子ハードウェア(例えば、デジタルの実装形態、アナログの実装形態、またはこれら2つの組み合わせ)、ファームウェア、命令を組み込む多様な形態のプログラムまたは設計コード(本明細書では、便宜的に、「ソフトウェア」または「ソフトウェアユニット」と称され得る)、あるいはこれらの技術の任意の組み合わせにより、実装され得る、ことが当業者には認識されるであろう。
【0134】
ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアのこの互換性を明瞭に示すために、種々の説明のための構成要素、ブロック、ユニット、回路、およびステップは、上記では、概してその機能性に関して説明される。このような機能性が、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェア、あるいはこれらの技術の組み合わせ、のいずれで実装されるかは、特定の用途と、システム全体に課される設計制約とによって決定される。熟練の技術者は、各々の特定の用途において、説明される機能性を種々の手法で実装することができるが、このような実装の決定は本開示の範囲からの逸脱の原因とならない。種々の実施形態によると、プロセッサ、デバイス、構成要素、回路、構造、機械、ユニットなどは、本明細書で説明される機能のうちの1つまたは複数の機能を実施するように構成され得る。特定の動作または機能に関連して本明細書で使用される「するように構成される」または「のために構成される」という用語は、指定の動作または機能を実施するように物理的に構築されるか、プログラムされるか、および/または配置構成される、プロセッサ、デバイス、構成要素、回路、構造、機械、ユニットなどに言及するものである。
【0135】
さらに、本明細書で説明される種々の説明のための方法、論理ブロック、ユニット、デバイス、構成要素、および回路は、集積回路(IC)内で実装され得るかまたは集積回路(IC)によって実施され得、集積回路(IC)は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールドプラグラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)または他のプログラム可能論理デバイス、あるいはその任意の組み合わせを含むことができる、ことが当業者には理解されるであろう。論理ブロック、ユニット、および回路は、ネットワーク内のまたはデバイス内の種々の構成要素と通信を行うためのアンテナおよび/または送受信機をさらに有することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、代替形態では、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、制御装置、または状態機械であってもよい。プロセッサはさらに、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは、本明細書で説明される機能を実施するための他の任意適切な構成など、計算デバイスの組み合わせとして実装され得る。ソフトウェア内に実装される場合、機能はコンピュータ可読媒体上で1つまたは複数の命令またはコードとして保存され得る。したがって、本明細書で開示される方法またはアルゴリズムのステップは、コンピュータ可読媒体上に保存されるソフトウェアとして実装され得る。
【0136】
コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラムまたはコードを1つの場所から別の場所に伝送することを可能にされ得る任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体および通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。限定しないが例として、このようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、もしくは他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気記憶デバイス、あるいは、命令またはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを保存するのに使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含むことができる。
【0137】
加えて、メモリまたは他のストレージ、さらには通信構成要素も、本開示の実施形態で採用されてもよい。分かり易いように、上記の記述が、多様な機能ユニットおよびプロセッサを参照しながら本開示の実施形態を説明するものであることが認識されよう。しかし、異なる機能ユニット、処理論理要素、またはドメインの間での機能性の任意適切な割り振りが本開示を損なうことなく使用され得ることが認識されよう。例えば、別個の処理論理要素または制御装置によって実施されるための示される機能性は、同じ処理論理要素または制御装置によっても実施され得る。したがって、具体的な機能ユニットに言及することは、単に、説明される機能性を提供するための適切な手段を言及しており、厳密な論理的または物理的な構造または機構組織を示すものではない。
【0138】
本開示で説明される実装形態に対しての多様な修正形態が当業者には容易に明らかとなろう。本明細書で定義される一般的原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の実装形態にも適用され得る。したがって、本開示は本明細書で示される実装形態のみに限定されることを意図されず、以下の特許請求の範囲に記載される、本明細書で開示される新規性ある特徴および原理に一致する最も広い範囲に合致することを意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
【手続補正書】
【提出日】2023-10-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のデューティーサイクルDを有する第1の信号を用いて、少なくとも1つのブランチのスイッチングユニット内にある第1の能動スイッチング構成要素を制御するステップと、
第2のデューティーサイクルDを有する第2の信号を用いて、前記スイッチングユニットの第2の能動スイッチング構成要素を制御するステップと、
前記少なくとも1つのブランチに連結された少なくとも1つの誘導構成要素を通る監視される電流の極性を決定するステップと、
前記決定された極性に基づいて前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを調整するステップと、
を含む、電力変換装置の電力制御のための方法。
【請求項2】
前記第1の信号の起動期間および前記第2の信号の起動期間が、前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを計算するために基準期間Trefと比較される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の信号の前記起動期間および前記第2の信号の前記起動期間が、前記第1の能動スイッチング構成要素および前記第2の能動スイッチング構成要素を時間範囲Tdeadの間は伝導させないように、設定される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
第1の電気構成要素が前記第1の能動スイッチング構成要素に並列に配置構成され、第2の電気構成要素が前記第2の能動スイッチング構成要素に並列に配置構成され、前記時間範囲Tdead中、前記第1の電気構成要素および前記第2の電気構成要素が電流源または電流シンクとして機能するように構成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを調整する前記ステップ中、前記時間範囲Tdeadと基準時間Trefとの間の比が一定を維持する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のデューティーサイクルD1および前記第2のデューティーサイクルD2を調整する前記ステップ中、前記時間範囲Tdeadが一定を維持する、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記監視される電流の極性を決定する前記ステップと、前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを調整する前記ステップと、を反復するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを調整することにより、前記第1のデューティーサイクルDが前記第2のデューティーサイクルDの減少と等しい量で増大するか、または前記第1のデューティーサイクルDが前記第2のデューティーサイクルDの増大と等しい量で減少する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の信号および前記第2の信号の期間が1kHzから25kHzの間である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の能動スイッチング構成要素および前記第2の能動スイッチング構成要素が、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、またはサイリスタ、のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記電力変換装置が、AC/AC変換装置、AC/DC変換装置、DC/DC変換装置、またはDC/AC変換装置を備えるかまたはこれらのうちの少なくとも1つであり、特には、アクティブブリッジ変換装置であり、さらに特には、デュアルアクティブブリッジ変換装置である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも2つの目標位相シフトに基づいて位相シフトを変更するステップと、前記変更された位相シフトに基づいて前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを調整するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも2つの目標期間に基づいて期間を変更するステップと、前記変更された期間に基づいて前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを調整するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
第1のデューティーサイクルDを有する第1の信号を用いて、少なくとも1つのブランチのスイッチングユニット内にある第1の能動スイッチング構成要素を制御することと、
第2のデューティーサイクルDを有する第2の信号を用いて、前記スイッチングユニットの第2の能動スイッチング構成要素を制御することと、
前記少なくとも1つのブランチに連結された少なくとも1つの誘導構成要素を通る監視される電流の極性を決定することと、
前記決定された極性に基づいて前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを調整することと、
を行うように構成されたプロセッサ
を備える、電力変換装置の電力制御のための制御装置。
【請求項15】
前記プロセッサが、電流を監視することと、前記電流の極性を決定することと、前記第1のデューティーサイクルDおよび前記第2のデューティーサイクルDを調整することと、を反復するように構成された、請求項14に記載の制御装置。
【請求項16】
請求項14または15に記載の制御装置と、少なくとも1つのブランチのスイッチングユニット内にある第1の能動スイッチング構成要素および第2の能動スイッチング構成要素ならびに前記少なくとも1つのブランチに連結された少なくとも1つの誘導構成要素を備える電力変換装置と、を備えるシステム。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0101】
基準信号202が基準期間T203を有する。第1の信号204が、デューティーサイクルD1を用いて第1の能動スイッチング構成要素111を制御する。デューティーサイクルD1が第1の信号204の起動期間と基準期間T203との間の比である。起動期間は、能動スイッチング構成要素を制御することが強制的に導電状態になる、期間であることが当業者には理解されるであろう。第2の信号206がデューティーサイクルD2を用いて第2の能動スイッチング構成要素112を制御する。デューティーサイクルD2が第2の信号206の起動期間と基準期間T203との間の比である。第3の信号208がデューティーサイクルD3を用いて第3の能動スイッチング構成要素121を制御する。デューティーサイクルD3が第3の信号208の起動期間と基準期間T203との間の比である。第4の信号210がデューティーサイクルD4を用いて第4の能動スイッチング構成要素122を制御する。デューティーサイクルD4が第4の信号210の起動期間と基準期間T203との間の比である。第5の信号218がデューティーサイクルD5を用いて第5の能動スイッチング構成要素131を制御する。デューティーサイクルD5が第の信号218の起動期間と基準期間T203との間の比である。第6の信号220がデューティーサイクルD6を用いて第6の能動スイッチング構成要素132を制御する。デューティーサイクルD6が第6の信号220の起動期間と基準期間T203との間の比である。第7の信号222がデューティーサイクルD7を用いて第7の能動スイッチング構成要素141を制御する。デューティーサイクルD7が第7の信号222の起動期間と基準期間T203との間の比である。第8の信号224がデューティーサイクルD8を用いて第8の能動スイッチング構成要素142を制御する。デューティーサイクルD8が第8の信号224の起動期間と基準期間T203との間の比である。さらに、変圧器ユニット150の両端に印加される電圧が所望の変圧器電圧214であり、所望の一次電圧212からの所望の二次電圧216の減算分である。
【国際調査報告】