(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-05
(54)【発明の名称】自動貯蔵回収システム用のダブルエンドアクセスステーションおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565510
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 EP2022060345
(87)【国際公開番号】W WO2022228956
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アウストルハイム, トロンド
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022LL12
3F022MM01
(57)【要約】
本発明は、自動貯蔵回収システムのためのアクセスステーション、およびそのようなアクセスステーションを動作させるための方法に関する。アクセスステーションは、自動貯蔵回収システムから貯蔵コンテナを受け入れるための受け入れ領域と、貯蔵コンテナをピッカーに提示するための第1のピッキング位置であって、受け入れ領域の第1の側に配置されている第1のピッキング位置と、貯蔵コンテナをピッカーに提示するための第2のピッキング位置であって、第1の側とは反対側の受け入れ領域の第2の側に配置されている、第2のピッキング位置と、ピッキング位置と受け入れ領域との間で貯蔵コンテナを輸送するための一次キャリッジと、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵コンテナ(106)の提示のためのアクセスステーション(400)であって、
前記アクセスステーション(400)は、
自動貯蔵回収システム(1)から貯蔵コンテナ(106)を受け入れるための受け入れ領域(A
R)と、
前記貯蔵コンテナ(106)をピッカーに提示するための第1のピッキング位置(P
P1)であって、前記第1のピッキング位置(P
P1)は、受け入れ領域(A
R)の第1の側に配置されている、第1のピッキング位置(P
P1)と、
前記貯蔵コンテナ(106)をピッカーに提示するための第2のピッキング位置(P
P2)であって、前記第2のピッキング位置(P
P2)は、前記受け入れ領域(A
R)の前記第1の側とは反対側の第2の側に配置されている、第2のピッキング位置(P
P2)と、
水平面(P
H)内に配置され、前記第1のピッキング位置(P
P1)と前記第2のピッキング位置(P
P2)との間に延在するガイドフレーム(410)と、
前記ガイドフレーム(410)に沿って貯蔵コンテナ(106)を輸送するための一次キャリッジ(420)と
を備える、アクセスステーション(400)。
【請求項2】
前記アクセスステーション(400)は、人間のピッカーとインターフェースするためのアクセスキャビネット(490)をさらに備え、前記アクセスキャビネット(490)は、前記第2のピッキング位置(P
P2)に配置される、請求項1に記載のアクセスステーション(400)。
【請求項3】
前記受け入れ領域(A
R)は、複数の受け入れ位置(P
R)を備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のアクセスステーション(400)。
【請求項4】
前記アクセスステーション(400)は、
前記ガイドフレーム(410)に沿って貯蔵コンテナ(106)を輸送するための二次キャリッジ(430)
をさらに備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のアクセスステーション(400)。
【請求項5】
前記一次キャリッジ(420)は、貯蔵コンテナ(106)を前記第1のピッキング位置(P
P1)に輸送するように構成され、
前記二次キャリッジ(430)は、貯蔵コンテナ(106)を前記第2のピッキング位置(P
P2)に輸送するように構成される、
請求項4に記載のアクセスステーション(400)。
【請求項6】
前記一次キャリッジ(420)は、
前記ガイドフレーム(410)に沿って移動可能な一次キャリッジベース(421)と、
前記一次キャリッジ(420)を前記ガイドフレーム(410)に沿って移動させるように構成された一次キャリッジ変位モータ(440a)と、
前記一次キャリッジベース(421)に接続された第1の貯蔵コンテナ支持体(422)と、
前記第1の貯蔵コンテナ支持体(422)上に配置された貯蔵コンテナ(106)を移動させるための移送デバイス(460)と
を備え、
前記二次キャリッジ(430)は、
前記ガイドフレーム(410)に沿って移動可能な二次キャリッジベース(431)と、
前記ガイドフレーム(410)に沿って前記二次キャリッジ(430)を移動させるように構成された二次キャリッジ変位モータ(440b)と、
前記二次キャリッジベース(431)に接続された第2の貯蔵コンテナ支持体(432)と
を備え、
前記二次キャリッジ(430)は、前記移送デバイス(460)によって前記第1の一次キャリッジ(420)から移動される貯蔵コンテナ(106)を受け入れるように構成される、請求項4~5のいずれか1項に記載のアクセスステーション(400)。
【請求項7】
自動貯蔵回収システム(1)であって、
請求項1~6のいずれか1項に記載のアクセスステーション(400)と、
レールシステム(108)であって、前記レールシステム(108)は、水平面(P
H)内に配置され、第1の方向(X)に延在する第1のセットの平行レール(110)と、前記水平面(P
H)内に配置され、前記第1の方向(X)に直交する第2の方向(Y)に延在する第2のセットの平行レール(111)とを備え、前記第1および第2のセットのレール(110、111)は、前記第1のセットのレール(110)の一対の隣接するレール(110a、110b)および前記第2のセットのレール(111)の一対の隣接するレール(111a、111b)によって画定される複数の隣接するアクセス開口部(112)を備える前記水平面(P
H)内の格子パターンを形成する、レールシステム(108)と、
前記レールシステム(108)の貯蔵セクションの下方に位置する貯蔵カラム(105)内に配置された貯蔵コンテナ(106)の複数のスタック(107)であって、各貯蔵カラム(105)は、アクセス開口部(112)の垂直下方に位置する、複数のスタック(107)と、
前記レールシステム(108)の送達セクションの下方に位置し、前記アクセスステーション(400)の受け入れ位置(P
R)と垂直に位置合わせされた少なくとも1つのポートカラム(119)であって、前記少なくとも1つのポートカラム(119)は、貯蔵コンテナ(106)の空隙である、少なくとも1つのポートカラム(119)と、
コンテナハンドリング車両(301)であって、前記コンテナハンドリング車両(301)は、前記スタック(107)内に積み重ねられた貯蔵コンテナ(106)を前記貯蔵セクションの上方に持ち上げるためのリフトデバイス(304)と、前記車両(301)を前記レールシステム(108)に沿って前記第1の方向(X)および前記第2の方向(Y)のうちの少なくとも1つに駆動するように構成された駆動手段(301b、c)とを備える、コンテナハンドリング車両(301)と
を備える、自動貯蔵回収システム。
【請求項8】
前記自動貯蔵回収システム(1)は、
前記第1のピッキング位置(P
P1)に提示されている前記貯蔵コンテナ(106)を検査するための検査手段
をさらに備える、請求項7に記載の自動貯蔵回収システム(1)。
【請求項9】
前記自動貯蔵回収システム(1)は、
前記第1のピッキング位置(P
P1)に提示されている前記貯蔵コンテナ(106)から製品(80)をピッキングするように構成されたロボットピッカー(600)
をさらに備える、請求項7~8のいずれか1項に記載の自動貯蔵回収システム(1)。
【請求項10】
前記検査手段は、前記ロボットピッカー(600)上に配置される、請求項9に記載の自動貯蔵回収システム(1)。
【請求項11】
前記自動貯蔵回収システム(1)は、
少なくとも2つのポートカラム(119、120)、好ましくは3つまたは4つのポートカラム(119、120、121、122)
を備える、請求項7~10のいずれか1項に記載の自動貯蔵回収システム(1)。
【請求項12】
前記自動貯蔵回収システム(1)は、
並んで配置された少なくとも2つのアクセスステーション(400)、好ましくは3つまたは4つのアクセスステーション(400)、さらにより好ましくは5つのアクセスステーション(400)
を備える、請求項7~11のいずれか1項に記載の自動貯蔵回収システム(1)。
【請求項13】
請求項7~12のいずれか1項に記載の自動貯蔵回収システム(1)を使用して、アクセスステーション(400)に貯蔵コンテナ(106)を提示し、前記貯蔵コンテナ(106)を戻す方法であって、
前記方法は、
コンテナハンドリング車両(301)によって貯蔵コンテナ(106)を前記受け入れ領域(A
R)に送達するステップと、
ロボットピッカー(600)に提示するために前記貯蔵コンテナ(106)を前記第1のピッキング位置(P
P1)に移動させるステップと、
前記ロボットピッカー(600)が前記貯蔵コンテナ(106)から製品(80)をピッキングすることができない場合、
人間のピッカーに提示するために前記貯蔵コンテナ(106)を前記第2のピッキング位置(P
P2)に移動させるステップ、
前記第2のピッキング位置(P
P2)において前記貯蔵コンテナ(106)から製品をピッキングするステップ、および
コンテナハンドリング車両(301)による回収のために前記貯蔵コンテナ(106)を前記受け入れ領域(A
R)に戻すステップ、または
前記ロボットピッカー(600)が前記貯蔵コンテナ(106)から製品(80)をピッキングすることができる場合、
前記第1のピッキング位置(P
P1)において前記貯蔵コンテナ(106)から製品をピッキングするステップ、および
コンテナハンドリング車両(301)による回収のために前記貯蔵コンテナ(106)を前記受け入れ領域(A
R)に戻すステップ
を含む、方法。
【請求項14】
前記方法が、前記貯蔵コンテナ(106)を前記第1のピッキング位置(P
P1)に移動させた後に、
前記貯蔵コンテナ(106)をエラーについて検査するステップと、
エラーが検出された場合、
前記検出されたエラーを修正するために前記貯蔵コンテナ(106)を前記第2のピッキング位置(P
P2)に移動させるステップ、または
エラーが検出されない場合、
コンテナハンドリング車両(301)による回収のために前記貯蔵コンテナ(106)を前記受け入れ領域(A
R)に戻すステップ
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記アクセスステーション(400)は、
前記ガイドフレーム(410)に沿って貯蔵コンテナ(106)を輸送するための二次キャリッジ(430)
を備え、
前記一次キャリッジ(420)は、貯蔵コンテナ(106)を前記第1のピッキング位置(P
P1)に輸送するように構成され、
前記二次キャリッジ(430)は、貯蔵コンテナ(106)を前記第2のピッキング位置(P
P2)に輸送するように構成され、
前記方法は、前記貯蔵コンテナ(106)からピッキングするステップおよび/または前記貯蔵コンテナ(106)をエラーについて検査するステップの後に、
前記貯蔵コンテナ(106)を前記一次キャリッジ(420)から前記二次キャリッジ(430)に移送するステップ
をさらに含む、請求項13~14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、コンテナの貯蔵および回収のための自動貯蔵回収システムに関し、特に、自動貯蔵回収システムからピッカーに貯蔵コンテナを提示するためのアクセスステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
背景および従来技術
図1は、フレームワーク構造100を有する従来技術の自動貯蔵回収システム1を開示しており、
図2、
図3および
図4は、そのようなシステム1上で動作するのに適した3つの異なる従来技術のコンテナハンドリング車両201、301、401を開示している。
【0003】
フレームワーク構造100は、直立部材102と、直立部材102の間に並んで配置された貯蔵カラム105を備える貯蔵容積とを備える。これらの貯蔵カラム105では、ビンとしても知られている貯蔵コンテナ106が互いに積み重ねられてスタック107を形成する。部材102は、典型的には、金属、例えば押出アルミニウムプロファイルから作製され得る。
【0004】
自動貯蔵回収システム1のフレームワーク構造100は、フレームワーク構造100の上部にわたって配置されたレールシステム108を備え、そのレールシステム108上で複数のコンテナハンドリング車両201、301、401は、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105から上昇させ、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム内に下降させ、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105の上方に輸送するように動作され得る。レールシステム108は、フレーム構造100の上部を横切る第1の方向Xへのコンテナハンドリング車両201、301、401の移動をガイドするように配置された第1のセットの平行レール110と、第1の方向Xに垂直な第2の方向Yへのコンテナハンドリング車両201、301、401の移動をガイドするために第1のセットのレール110に垂直に配置された第2のセットの平行レール111とを備える。カラム105に貯蔵されたコンテナ106は、レールシステム108のアクセス開口部112を介してコンテナハンドリング車両201、301、401によってアクセスされる。コンテナハンドリング車両201、301、401は、貯蔵カラム105の上方で、すなわち水平X-Y平面に平行な平面内で横方向に移動することができる。
【0005】
フレームワーク構造100の直立部材102が使用されて、コンテナをカラム105から上昇させ、コンテナをカラム内に下降させる間に貯蔵コンテナをガイドし得る。コンテナ106のスタック107は、典型的には自立型である。
【0006】
各従来技術のコンテナハンドリング車両201、301、401は、車体201a、301a、401aと、それぞれX方向およびY方向へのコンテナハンドリング車両201、301、401の横方向移動を可能にする第1および第2のセットの車輪201b、201c、301b、301c、401b、401cとを備える。
図2、
図3および
図4では、各セットの2つの車輪が完全に見える。第1のセットの車輪201b、301b、401bは、第1のセットのレール110の隣り合う2つのレールと係合するように配置され、第2のセットの車輪201c、301c、401cは、第2のセットのレール111の隣り合う2つのレールと係合するように配置される。セットの車輪201b、201c、301b、301c、401b、401cのうちの少なくとも1つが昇降されることができ、その結果、第1のセットの車輪201b、301b、401bおよび/または第2のセットの車輪201c、301c、401cは、任意の時点でそれぞれのセットのレール110、111と係合されることができる。
【0007】
各従来技術のコンテナハンドリング車両201、301、401はまた、貯蔵コンテナ106を垂直方向に輸送するため、例えば貯蔵コンテナ106を貯蔵カラムから上昇させ、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105内に下降させるためのリフトデバイスを備える。リフトデバイスは、貯蔵コンテナ106と係合するように適合された1つ以上の把持/係合デバイスを備え、把持/係合デバイスは、車両201、301、401に対する把持/係合デバイスの位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yと直交する第3の方向Zに調整されることができるように、車両201、301、401から下降されることができる。コンテナハンドリング車両301、401の把持デバイスの一部が、参照符号304、404によって示される
図3および
図4に示されている。コンテナハンドリングデバイス201の把持デバイスは、
図2の車体201a内に位置している。
【0008】
従来、また本出願の目的のために、Z=1は、レール110、111の下方の貯蔵コンテナに利用可能な最上層、すなわちレールシステム108の直下の層を識別し、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を識別し、Z=3は、第3の層を識別する。
図1に開示される例示的な従来技術では、Z=7は、貯蔵コンテナの最下層を識別する。同様に、X=1...nおよびY=1...nは、水平面内における各貯蔵カラム105の位置を識別する。したがって、例として、
図1に示す直交座標系X、Y、Zを使用すると、
図1において106’として識別される貯蔵コンテナは、貯蔵位置X=17、Y=1、Z=5を占有していると言うことができる。コンテナハンドリング車両201、301、401は、層Z=0において移動していると言うことができ、各貯蔵カラム105は、そのXおよびY座標によって識別されることができる。したがって、レールシステム108の上方に延在する
図1に示される貯蔵コンテナもまた、層Z=0に配置されると言われる。
【0009】
フレームワーク構造100の貯蔵容積は、グリッド104と呼ばれることが多く、このグリッド内の可能な貯蔵位置は、貯蔵セルと呼ばれる。各貯蔵カラムは、X方向およびY方向の位置によって識別されてもよく、各貯蔵セルは、X方向、Y方向およびZ方向のコンテナ番号によって識別されてもよい。
【0010】
各従来技術のコンテナハンドリング車両201、301、401は、貯蔵コンテナ106をレールシステム108を横切って輸送するときに貯蔵コンテナ106を受け入れて収容するための貯蔵区画または空間を備える。貯蔵空間は、
図2および
図4に示され、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015/193278A1号および国際公開第2019/206487A1号に記載されているように、車体201a内の内部に配置されたキャビティを備えてもよい。
【0011】
図3は、片持ち構造を有するコンテナハンドリング車両301の代替的な構成を示している。そのような車両は、例えばノルウェー国特許第317366号に詳細に記載されており、その内容も参照により本明細書に組み込まれる。
【0012】
図2に示すキャビティコンテナハンドリング車両201は、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015/193278A1号に記載されているように、貯蔵カラム105の横方向範囲にほぼ等しいXおよびY方向の寸法を有する領域を覆うフットプリントを有し得る。本明細書で使用される「横方向」という用語は、「水平」を意味し得る。
【0013】
あるいは、キャビティコンテナハンドリング車両401は、例えば国際公開第2014/090684A1号または国際公開第2019/206487A1号に開示されているように、
図1および
図4に示されるような貯蔵カラム105によって画定される横方向領域よりも大きいフットプリントを有してもよい。
【0014】
レールシステム108は、典型的には、車両の車輪が走行する溝を有するレールを備える。あるいは、レールは、上方に突出する要素を備えてもよく、車両の車輪は、脱輪を防止するためのフランジを備える。これらの溝および上方に突出する要素は、まとめて軌道として知られている。各レールは、1つのトラックを備えてもよく、または各レールは、2つの平行なトラックを備えてもよい。他のレールシステム108では、一方向の各レールは、一方のトラックを備えてもよく、他方の垂直方向の各レールは、2つのトラックを備えてもよい。
【0015】
その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2018/146304A1号は、レールおよびX方向およびY方向の双方の平行な軌道を備えるレールシステム108の典型的な構成を示している。
【0016】
フレームワーク構造100において、カラム105の大部分は、貯蔵カラム105、すなわち貯蔵コンテナ106がスタック107に貯蔵されるカラム105である。しかしながら、いくつかのカラム105は、他の目的を有してもよい。
図1では、カラム119および120は、貯蔵コンテナ106がフレームワーク構造100の外部からアクセスされることができ、またはフレームワーク構造100の外部もしくは内部に移送されることができるアクセスステーション(図示せず)に輸送されることができるように、貯蔵コンテナ106をドロップオフおよび/またはピックアップするためにコンテナハンドリング車両201、301、401によって使用されるそのような専用のカラムである。当該技術分野では、そのような位置は、通常「ポート」と呼ばれ、ポートが位置するカラムは、「ポートカラム」119、120と呼ばれることがある。アクセスステーションへの輸送は、任意の方向、すなわち水平、傾斜および/または垂直であってもよい。例えば、貯蔵コンテナ106は、フレームワーク構造100内のランダムまたは専用のカラム105に配置され、次いで、任意のコンテナハンドリング車両によってピックアップされ、アクセスステーションへのさらなる輸送のためにポートカラム119、120に輸送されてもよく、貯蔵コンテナ106がポートカラム119、120を通って下降すると、ポートからアクセスステーションへの輸送は、送達車両、トロリーまたは他の輸送ラインなどの手段によって、様々な異なる方向に沿った移動を必要としてもよい。「傾斜」という用語は、水平と垂直との間のどこかに一般的な輸送方向を有する貯蔵コンテナ106の輸送を意味することに留意されたい。
【0017】
図1では、第1のポートカラム119は、例えば、コンテナハンドリング車両201、301が移送ステーションにアクセスまたは輸送される貯蔵コンテナ106をドロップオフすることができる専用のドロップオフポートカラムであってもよく、第2のポートカラム120は、コンテナハンドリング車両201、301、401が移送ステーションからアクセスまたは輸送された貯蔵コンテナ106をピックアップすることができる専用のピックアップポートカラムであってもよい。
【0018】
アクセスステーションは、典型的には、製品が貯蔵コンテナ106から取り出されるかまたはその中に配置されるピッキングまたはストックステーションであってもよい。ピッキングまたはストックステーションでは、貯蔵コンテナ106は、通常、自動貯蔵回収システム1から取り出されず、一旦アクセスされると再びフレームワーク構造100に戻される。ポートはまた、貯蔵コンテナを別の貯蔵施設に(例えば、別のフレームワーク構造に、または別の自動貯蔵回収システムに)、輸送車両(例えば、列車またはトラック)、または生産施設に移送するために使用されることもできる。
【0019】
コンベヤを備えるコンベヤシステムは、通常、ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で貯蔵コンテナを輸送するために使用される。
【0020】
ポートカラム119、120およびアクセスステーションが異なるレベルに配置されている場合、コンベヤシステムは、ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で貯蔵コンテナ106を垂直に輸送するための垂直構成要素を有するリフトデバイスを備えてもよい。
【0021】
コンベヤシステムは、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2014/075937A1号に記載されているように、異なるフレームワーク構造の間で貯蔵コンテナ106を移送するように配置されてもよい。
【0022】
図1に開示されているカラム105のうちの1つに貯蔵されている貯蔵コンテナ106がアクセスされるべきであるとき、コンテナハンドリング車両201、301、401のうちの1つは、その位置から標的貯蔵コンテナ106を回収し、それをドロップオフポートカラム119に輸送するように指示される。この動作は、標的貯蔵コンテナ106が配置されている貯蔵カラム105の上方の位置にコンテナハンドリング車両201、301を移動させ、コンテナハンドリング車両201、301、401のリフトデバイス(図示せず)を使用して貯蔵カラム105から貯蔵コンテナ106を回収し、貯蔵コンテナ106をドロップオフポートカラム119に輸送することを含む。標的貯蔵コンテナ106がスタック107内の奥深くに配置されている場合、すなわち、標的貯蔵コンテナ106の上方に1つまたは複数の他の貯蔵コンテナ106が配置されている場合、動作はまた、標的貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105から持ち上げる前に、上方に配置された貯蔵コンテナを一時的に移動させることを含む。当該技術分野では「採掘」と呼ばれることもあるこのステップは、標的貯蔵コンテナをドロップオフポートカラム119に輸送するためにその後に使用されるのと同じコンテナハンドリング車両、または1つまたは複数の他の協働するコンテナハンドリング車両によって実行され得る。代替的に、または追加的に、自動貯蔵回収システム1は、貯蔵カラム105から貯蔵コンテナ106を一時的に取り出すタスク専用のコンテナハンドリング車両201、301、401を有してもよい。標的貯蔵コンテナ106が貯蔵カラム105から取り出されると、一時的に取り出された貯蔵コンテナ106は、元の貯蔵カラム105に再配置されることができる。しかしながら、取り出された貯蔵コンテナ106は、代替的に他の貯蔵カラム105に再配置されてもよい。
【0023】
貯蔵コンテナ106がカラム105のうちの1つに貯蔵される場合、コンテナハンドリング車両201、301、401のうちの1つは、貯蔵コンテナ106をピックアップポートカラム120からピックアップし、貯蔵コンテナが貯蔵される貯蔵カラム105の上方の位置に輸送するように指示される。スタック107内の標的位置またはその上方に配置された任意の貯蔵コンテナ106が取り出された後、コンテナハンドリング車両201、301、401は、貯蔵コンテナ106を所望の位置に配置する。次いで、取り出された貯蔵コンテナ106は、貯蔵カラム105内に戻されてもよく、または他の貯蔵カラム105に再配置されてもよい。
【0024】
自動貯蔵回収システム1を監視および制御するために、例えば、コンテナハンドリング車両201、301、401が互いに衝突することなく所望の貯蔵コンテナ106が所望の時間に所望の位置に送達されることができるように、フレームワーク構造100内のそれぞれの貯蔵コンテナ106の位置、各貯蔵コンテナ106の内容物、およびコンテナハンドリング車両201、301、401の移動を監視および制御するために、自動貯蔵回収システム1は、典型的にはコンピュータ化され、典型的には貯蔵コンテナ106を追跡するためのデータベースを備える制御システム500を備える。
【0025】
図32は、貯蔵コンテナ106に貯蔵された製品80の例を示している。
図32に示す貯蔵コンテナ106は、高さHf、幅Wf、および長さLfを有する。貯蔵コンテナ106は、水平断面Afを有する。
【0026】
貯蔵コンテナをピッキングするためのアクセスステーションは、国際公開第2020/074717号に開示されている。このアクセスステーションは、入口コンベヤおよび出口コンベヤを備える。したがって、アクセスステーションは、貯蔵カラムの幅/長さを超えるフットプリントを有する。したがって、2つの隣接するアクセスステーションのピッキングゾーン間にはある程度の距離がある。
【0027】
国際公開第2020/074717号に開示されているアクセスステーションはまた、摩耗しやすく、定期的にメンテナンスを必要とする、特にコンベヤに関連付けられた多くの移動または回転構成要素を有する。
【0028】
したがって、本発明の目的は、異なる方法で貯蔵コンテナにアクセスされることができるアクセスステーションを提供することである。
【0029】
本発明のさらなる目的は、特に移動する構成要素の数に関して、アクセスステーションの複雑さを低減することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【特許文献1】国際公開第2015/193278号
【特許文献2】国際公開第2019/206487号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0031】
発明の概要
本発明は、独立請求項に記載され特徴付けられ、従属請求項は、本発明の他の特徴を記載する。
【0032】
本発明は、貯蔵コンテナを提供するためのアクセスステーションであって、
自動貯蔵回収システムから貯蔵コンテナを受け入れるための受け入れ領域と、
貯蔵コンテナをピッカーに提示するための第1のピッキング位置であって、第1のピッキング位置が受け入れ領域の第1の側に配置されている、第1のピッキング位置と、
貯蔵コンテナをピッカーに提示するための第2のピッキング位置であって、第1の側とは反対側の受け入れ領域の第2の側に配置されている、第2のピッキング位置と、
水平面内に配置され、第1のピッキング位置と第2のピッキング位置との間に延在するガイドフレームと、
ガイドフレームに沿って貯蔵コンテナを輸送するための一次キャリッジと、を備える、アクセスステーションに関する。
【0033】
一次キャリッジは、貯蔵コンテナを第1のピッキング位置と第2のピッキング位置の両方に輸送するように構成され得る。
【0034】
したがって、アクセスステーションの柔軟性は、同じアクセスステーションにおいて複数の動作が同時に実行されることができるため高められる。ダブルエンド構成はまた、端部の一方、すなわち第1のピッキング位置または第2のピッキング位置のうちの一方において継続動作が防止される場合に偶然性を提供する。第1のピッキング位置および第2のピッキング位置が1つの受け入れ領域を共有しているため、アクセスステーションのフットプリントは、それぞれが1つのピッキング位置を有する2つのアクセスステーションのフットプリントよりも小さくすることができる。
【0035】
アクセスステーションは、第1のピッキング位置において自動ピッキングを実行し、第2のピッキング位置において人間によるピッキング/介入を実行する可能性を提供する。
【0036】
アクセスステーションは、人間のピッカーとインターフェースするためのアクセスキャビネットをさらに備えてもよく、アクセスキャビネットは、第2のピッキング位置に配置される。
【0037】
人間のピッカーは、アクセスキャビネットを介して貯蔵回収システムから貯蔵コンテナを取り出すおよび/または追加し得る。アクセスキャビネットはまた、人間が貯蔵コンテナおよびその内容物を検査することを可能にすることができる。
【0038】
アクセスステーションは、第1のピッキング位置に配置された人間のピッカーとインターフェースするためのアクセスキャビネットをさらに備えてもよい。
【0039】
アクセスキャビネットには、貯蔵コンテナが内部に提示されたときにアクセスキャビネットの内部へのアクセスを許可するハッチが設けられてもよい。ハッチは、通常、スライドして開く。次いで、アクセスキャビネットは、フレームワーク構造の外側に約2つの貯蔵カラムの長さだけ延在してもよい。スライドして開く代わりに、ハッチは、開位置と閉位置との間で旋回してもよい。次いで、アクセスキャビネットは、フレームワーク構造の外側に約1貯蔵カラムの長さだけ延在してもよい。レイアウトの目的のために、アクセスキャビネットは、必要に応じて、フレームワーク構造の外側に最大3つの貯蔵カラムの長さだけ延在してもよい。
【0040】
受け入れ領域は、1つの受け入れ位置のみを含み得る。
【0041】
1つの受け入れ位置のみを含む受け入れ領域を有することによって、コンパクトなアクセスステーションが達成されることができる。これは、より多くの数の貯蔵コンテナがシステムに貯蔵される余地を与え得る。しかしながら、追加の受け入れ位置を提供することは、より大きな貯蔵システムに対してより大きなアクセス機会を提供し得る。
【0042】
受け入れ領域は、その受け入れ領域に含まれる受け入れ位置の合計よりも大きい領域を画定し得る。特に、受け入れ領域が1つの受け入れ位置のみを含む場合である。受け入れ領域の一部は、例えば、1つまたはいくつかの貯蔵カラムの下方に配置されてもよい。
【0043】
受け入れ領域は、複数の受け入れ位置を含み得る。
【0044】
複数の受け入れ位置を備える受け入れ領域を有することにより、レールシステム上の交通がより良好に編成されることができる。コンテナハンドリング車両は、同時に異なる受け入れ位置において整列することができる。
【0045】
受け入れ領域は、2つ以上の受け入れ位置、好ましくは3つまたは4つの受け入れ位置を含み得る。
【0046】
複数の受け入れ位置は、離間していてもよい。しかしながら、アクセスステーションは、受け入れ位置が互いに近接して配置されるほどよりコンパクトになり、少なくとも1つの実施形態では、受け入れ位置は、それぞれが受け入れ位置のうちの別のものに隣接して一列に配置される。
【0047】
各受け入れ位置は、自動貯蔵回収システムのポートカラム、すなわちアクセス開口部と垂直に位置合わせして位置決めされる。
【0048】
あるいは、アクセスステーションは、直立部材およびレールシステムを有するフレームワーク構造を備えてもよい。そのような場合、アクセスステーションのフレームワーク構造は、例えば、レールシステムの高さおよび配置に関して、自動貯蔵回収システムのフレームワーク構造と接続するように構成されるべきである。
【0049】
複数の受け入れ位置を含む受け入れ領域を有するアクセスステーションは、複数のポートカラムを備えるフレームワーク構造を有する自動貯蔵回収システムと組み合わせて使用される。その場合、受け入れ位置の配置は、ポートカラムの配置に対応する。
【0050】
受け入れ位置の幅を1つのポートカラムの幅に適合させることによって、2つ以上の受け入れ位置が空間効率の良い方法で、すなわち離間させずに並べて配置されることができる。受け入れ位置のそのような配置は、コンパクトなアクセスステーションを提供し得る。ポートカラムの幅は、レールシステムのレールの幅を追加した貯蔵コンテナの幅(貯蔵コンテナの両側に配置されたレール幅の半分)として見ることができ、したがって、受け入れ位置がポートカラムの幅に対応する場合、受け入れ位置は、ポートカラムの位置に対応して並んだ関係で配置されることができ、受け入れ位置が貯蔵カラムの隣接する列に設けられることを可能にする。
【0051】
反対方向に面するコンテナハンドリング車両(例えば、「北」および「南」車両)が、貯蔵コンテナを同じ受け入れ位置に送達することが可能である。
【0052】
ピッキング位置に最も近い受け入れ位置、すなわち第1のピッキング位置を使用することは、一次キャリッジの最短移動を必要とし、したがって最速であり、アクセスステーションである貯蔵回収システムリソースの使用時間を最小にするために好ましい。しかしながら、コンテナハンドリング車両が第1の受け入れ位置において容易に利用できない場合、一次キャリッジがより長い距離を移動しなければならない場合であっても、コンテナハンドリング車両が利用できる他の受け入れ位置を利用することが有益であり得る。第1の受け入れ位置が第1のコンテナハンドリング車両によって占有されている場合、任意の後続のコンテナハンドリング車両は、他のポートカラムのいずれか1つを使用し得る。
【0053】
片持ちコンテナハンドリング車両は、受け入れ領域へ/受け入れ領域から貯蔵コンテナを送達および回収するために使用されてもよい。そのようなコンテナハンドリング車両は、典型的には、2つのアクセス開口部を覆う。片持ちコンテナハンドリング車両が第1および第2の受け入れ位置の上方のアクセス開口部を覆うような向きを有する場合、別のコンテナハンドリング車両は、典型的には、同時動作の場合に第3の受け入れ位置を利用する。
【0054】
受け入れ領域への/受け入れ領域からの貯蔵コンテナの送達および回収のために、片持ちコンテナハンドリング車両の代わりに、またはそれに加えて、単一セルコンテナハンドリング車両が使用され得る。そのようなコンテナハンドリング車両は、典型的には、1つのアクセス開口部のみを覆う。単一セルコンテナハンドリング車両の同時動作の場合、全ての受け入れ位置が利用されることができる。
【0055】
コンテナハンドリング車両はまた、アクセス開口部の他の数または部分を覆ってもよい異なる形態を有してもよい。
【0056】
アクセスステーションは、さらに、以下を備え得る:
ガイドフレームに沿って貯蔵コンテナを輸送するための二次キャリッジ。
【0057】
一次キャリッジおよび二次キャリッジは、同じ経路に沿って移動するように構成される。
【0058】
一次キャリッジは、貯蔵コンテナを第1のピッキング位置に輸送するように構成されてもよく、二次キャリッジは、貯蔵コンテナを第2のピッキング位置に輸送するように構成されてもよい。
【0059】
一次キャリッジは、
ガイドフレームに沿って移動可能な一次キャリッジベースと、
一次キャリッジをガイドフレームに沿って移動させるように構成された一次キャリッジ変位モータと、
一次キャリッジベースに接続された第1の貯蔵コンテナ支持体と、
第1の貯蔵コンテナ支持体上に配置された貯蔵コンテナを移動させるための移送デバイスと、
を備えてもよく、
二次キャリッジは、
ガイドフレームに沿って移動可能な二次キャリッジベースと、
ガイドフレームに沿って二次キャリッジを移動させるように構成された二次キャリッジ変位モータと、
二次キャリッジベースに接続された第2の貯蔵コンテナ支持体と、
を備え、
二次キャリッジは、移送デバイスによって第1の一次キャリッジから移動される貯蔵コンテナを受け入れるように構成される。
【0060】
このアクセスステーションの利点は、ピッカーに提示される貯蔵コンテナの頻度を増加させることができることである。したがって、貯蔵回収システム内の貯蔵コンテナのスループットを高めることができる。
【0061】
ピッカーに提示される各貯蔵コンテナの間で、一次キャリッジは、ピッカーに提示される次の貯蔵コンテナを受け入れる受け入れ領域を超えて移動する必要はなく、すなわち移動距離は、最小に保たれる。一次キャリッジの移動を可能な限り短く保つことにより、時間が節約されることができる。これは、移送デバイスが貯蔵コンテナを第1の貯蔵コンテナ支持体から第2の貯蔵コンテナ支持体に移動させることによって達成されることができる。次いで、一次キャリッジは、後続の貯蔵コンテナを受け入れることができる前に、既に提示された貯蔵コンテナを送達するために中間位置に移動する必要がない。
【0062】
移送デバイスは、一次キャリッジおよび二次キャリッジが静止しているとき、または一次キャリッジおよび二次キャリッジが一緒に移動している間に、貯蔵コンテナを第1の貯蔵コンテナ支持体から第2の貯蔵コンテナ支持体に移送し得る。
【0063】
移送デバイスは、例えば、一次キャリッジのキャリッジベース上に配置されてもよい。あるいは、移送デバイスは、第1の貯蔵コンテナ支持体上に配置されてもよい。
【0064】
一次キャリッジおよび二次キャリッジが例えば一体となって一緒に移動している間に、貯蔵コンテナを第1の貯蔵コンテナ支持体から第2の貯蔵コンテナ支持体に移送することによって、一次キャリッジは、後続の貯蔵コンテナが受け入れ領域に到達したときに後続の貯蔵コンテナを受け入れる準備ができる。このようにして、特にコンテナハンドリング車両が後続の貯蔵コンテナを送達する準備ができている状態で待機している場合、時間が節約されることができる。
【0065】
複数の受け入れ位置を備えるアクセスステーションを用いて、第1のコンテナハンドリング車両は、第2のコンテナハンドリング車両が第2の受け入れ位置から貯蔵コンテナを送達/回収する準備をしている間に、第1の受け入れ位置から貯蔵コンテナを送達/回収することができる。したがって、コンテナハンドリング車両は、一次キャリッジまたは二次キャリッジから貯蔵コンテナを送達/回収する準備を常に待機することができる。これの利点は、一次キャリッジが、コンテナハンドリング車両が場所を切り替えるのを待つ必要がないことである。したがって、一次キャリッジのために時間は浪費されない。
【0066】
コンテナハンドリング車両の効率的な利用を達成するために、後続の貯蔵コンテナを一次キャリッジに送達するコンテナハンドリング車両はまた、典型的には、先行する貯蔵コンテナを二次キャリッジから回収し得る。
【0067】
一次キャリッジおよび二次キャリッジは、互いにも独立して移動するように構成されてもよい。
【0068】
一次キャリッジおよび二次キャリッジは、往復移動するように構成されてもよい。
【0069】
一次キャリッジおよび二次キャリッジにそれぞれ変位モータを設けることによって、それらは、互いに独立してガイドフレームに沿って移動することができる。
【0070】
一次キャリッジおよび二次キャリッジのうちの一方は、ガイドフレームに沿って移動してもよく、一次キャリッジおよび二次キャリッジのうちの他方は、静止したままであってもよい。さらにまた、一次キャリッジおよび二次キャリッジは、ガイドフレームに沿って、互いに向かって、または互いに離れて同時に移動してもよい。
【0071】
このようにして、一次キャリッジは、二次キャリッジとは無関係に受け入れ領域からピッキング位置に向かって移動し得る。一次キャリッジが後続の貯蔵コンテナを受け入れ領域からピッキング位置に向かって運ぶ一方で、二次キャリッジは、既にピッキングされた貯蔵コンテナを一次キャリッジによって以前に占有されていた受け入れ位置に向かって運び得る。次いで、リフトデバイスがアクセスステーションに向かって下降した状態で既に所定位置にあるコンテナハンドリング車両は、二次キャリッジによって支持された貯蔵コンテナを回収することができる。あるいは、二次キャリッジは、さらに後続の貯蔵コンテナを受け入れる一次キャリッジと同時に、受け入れ領域内の別の受け入れ位置に向かって移動することができる。次いで、第2のコンテナハンドリング車両は、典型的には、二次キャリッジから貯蔵コンテナを回収する。
【0072】
このようにして、二次キャリッジは、一次キャリッジがピッキング位置に配置されている間に一次キャリッジに向かって移動し、一次キャリッジと係合することができる。次いで、第1の貯蔵コンテナ支持体から第2の貯蔵コンテナ支持体への貯蔵コンテナの移送は、その貯蔵コンテナからのピッキングが実行された直後に開始し得る。
【0073】
一次キャリッジ変位モータおよび二次キャリッジ変位モータは、同様、さらには同一のモータとすることができる。変位モータは、一次キャリッジベースおよび二次キャリッジベース上に、好ましくはそれぞれのキャリッジベースによって画定された容積内に少なくとも部分的に配置されてもよい。あるいは、変位モータは、ガイドフレーム上に配置されてもよい。例えば、ブラシレスDCモータなどの電気モータなど、適切なサイズの任意のモータが使用されることができる。
【0074】
一次キャリッジおよび/または二次キャリッジに配置された変位モータおよび任意の他のモータは、それぞれのキャリッジベースに配置されたバッテリによって動力供給されてもよい。あるいは、モータは、1つまたはいくつかの外部電源に接続されてもよい。
【0075】
変位モータは、歯車またはベルト駆動装置によって一次キャリッジおよび二次キャリッジのそれぞれの車輪のうちの少なくとも1つに接続されてもよい。あるいは、変位モータは、直接駆動機構であってもよい。
【0076】
安定のために、変位モータは、好ましくは可能な限り低く、キャリッジベースの中央に配置されてもよい。
【0077】
一次キャリッジ変位モータおよび二次キャリッジ変位モータは、好ましくは、一次キャリッジと二次キャリッジとの間の衝突が回避されるように、制御システムと直接的または間接的に通信する。
【0078】
アクセスステーションは、好ましくは、制御システムとの信号通信のために構成されてもよい。
【0079】
アクセスステーションは、貯蔵コンテナおよび/またはコンソリデーションビンを取り扱うように構成されてもよい。
【0080】
移送デバイスは、コンベヤを備えてもよい。
【0081】
コンベヤは、電動ローラーを備えてもよい。そのようなローラーは、第1の貯蔵コンテナ支持体上に配置され、移送前に貯蔵コンテナを支持するように構成されてもよい。さらにまた、コンベヤは、ベルトを備えてもよい。
【0082】
コンベヤは、
一次キャリッジから二次キャリッジに向かう方向に後方に突出するレールであって、貯蔵コンテナの長さまたは幅を超える長さを有するレールと、
レールに接続され、貯蔵コンテナと相互作用するように構成されたスライダと、
第1の貯蔵コンテナ支持体上に配置された貯蔵コンテナに推力を提供するために、二次キャリッジに向かう方向に第1の貯蔵コンテナ支持体に対してスライダを移動させるように構成された移送モータと、
を備え得る。
【0083】
レールは、好ましくは、一次キャリッジと二次キャリッジとが互いに接続されるか、または少なくとも互いに接近して移動されるときに、二次キャリッジベースの周囲の内側に延在し得る。
【0084】
レールは、一次キャリッジベースの中央部分に配置され、一次キャリッジの移動方向に平行な長手方向軸を有し得る。
【0085】
レールは、好ましくは、第1の貯蔵コンテナ支持体の高さよりも下方に配置される。さらにまた、レールは、第1の貯蔵コンテナ支持体における間隙に配置されてもよい。
【0086】
レールは、伸縮式であってもよい。
【0087】
レールは、ベルトと、典型的にはそれぞれの端部に配置された2つのベルトホイールとを備え得る。ベルトは、直接的に、または第2のベルトを介して間接的に、移送モータによって動作するように構成されてもよい。ベルトは、スライダが移送モータによって動作されるように、スライダにさらに接続されてもよい。次いで、移送モータは、典型的には、制御システムと通信する。ベルトは、チェーンの形態であってもよい。
【0088】
あるいは、レールは、リニアアクチュエータであってもよい。あまり好ましくない代替形態は、複動式油圧シリンダである。
【0089】
スライダは、レールに接続されている、すなわち、レールに直接的に接続されているか、または少なくとも1つの中間構成要素を介してレールに間接的に接続されている。スライダは、レールに解放可能に接続されてもよい。
【0090】
スライダは、レールに沿って往復移動するように構成されてもよい。あるいは、スライダのセットは、レールの第1の側面に沿って第1の方向に移動し、レールの端部に到達すると、レールの反対側の第2の側面に回転し、レールの第2の側面に沿って第2の方向に移動することができ、第2の方向は、第1の方向とは反対である。次いで、第1のスライダは、典型的には、第2のスライダがレールの第2の側面からレールの第1の側面に回転するときに、レールの第1の側面からレールの第2の側面に回転する。
【0091】
スライダがレールに固定されている場合、移送モータは、レールの往復運動を提供することによってスライダを移動させるように構成されてもよい。
【0092】
スライダは、貯蔵コンテナがスライダと二次キャリッジとの間に配置されている間に、貯蔵コンテナの長さまたは幅の少なくとも半分が第1の貯蔵コンテナ支持体上に支持されることを可能にする初期位置を有し得る。
【0093】
スライダは、貯蔵コンテナがスライダと二次キャリッジとの間に配置されている間に、貯蔵コンテナが第1の貯蔵コンテナ支持体上に支持されることを可能にする貯蔵コンテナの長さまたは幅の半分未満を可能にする後続位置を有し得る。
【0094】
スライダは、第1の貯蔵コンテナ支持体上に支持されている貯蔵コンテナと同じ垂直高さに少なくとも部分的に配置された垂直延在部分を有し得る。
【0095】
移送モータは、好ましくは電動式である。
【0096】
移送デバイスが複動式油圧シリンダを備える場合、移送モータは、シリンダに油圧を供給する油圧ポンプであってもよい。
【0097】
アクセスステーションは、さらに、
一次キャリッジを二次キャリッジに解放可能に接続するためのラッチ
を備えてもよい。
【0098】
一次キャリッジを二次キャリッジに取り付けることによって、第1の貯蔵コンテナ支持体から第2の貯蔵コンテナ支持体への貯蔵コンテナの変位中に貯蔵コンテナが落下するリスクが低減される。特に、貯蔵コンテナの変位が一次キャリッジおよび二次キャリッジの移動中に生じる場合である。
【0099】
ラッチは、好ましくは、一次キャリッジおよび二次キャリッジが接続されている間にそれぞれの隣接する受け入れ位置に配置されることができるように構成されてもよい。このようにして、貯蔵コンテナは、第1の貯蔵コンテナ支持体および第2の貯蔵コンテナ支持体から同時に受け入れ/回収されることができる。
【0100】
ラッチは、
一次キャリッジベースの後端に配置された第1の結合部と、
二次キャリッジベースの前端に配置された第2の結合部と、
を備えてもよく、
一次キャリッジの後端は、二次キャリッジの前端に面している。
【0101】
ラッチは、スナップロックシステムであってもよく、例えば、第1の結合部は、保持リップを含むプロファイルであり、第2の結合部は、弾性または付勢された返しである。その場合、ラッチは、好ましくは、第2の結合部と第1の結合部との係合を解除するためのレバーまたは引張/押圧デバイスを備えるべきである。
【0102】
スナップロックシステムの形態のラッチは、接続検出のためのセンサを備えてもよい。センサは、返しの動きによって接続を検出し得る。センサは、アクセスステーションまたはその構成要素のいずれかを介して直接的または間接的に、制御システムと信号通信してもよい。
【0103】
第1の貯蔵コンテナ支持体および第2の貯蔵コンテナ支持体は、ローラー、摺動面、連続軌道、またはそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。
【0104】
第1の貯蔵コンテナ支持体および第2の貯蔵コンテナ支持体は、好ましくは、貯蔵コンテナのフットプリントと比較してフットプリントが実質的に等しい外周を有してもよい。このようにして、第1の貯蔵コンテナ支持体および第2の貯蔵コンテナ支持体は、特に貯蔵コンテナ内の1つまたは複数の製品の重量が均一に分散されていない場合に、貯蔵コンテナの安定した支持を提供し得る。
【0105】
第1の貯蔵コンテナ支持体および第2の貯蔵コンテナ支持体は、典型的には2つのキャリッジ間の貯蔵コンテナ移送の方向でもあるそれらの移動方向に平行に配置された垂直サイドパネルを備えてもよい。垂直サイドパネルは、貯蔵コンテナの意図しない移動を防止し得る。これは、一次キャリッジから二次キャリッジへの貯蔵コンテナの移送中に特に有利である。
【0106】
垂直サイドパネルには、貯蔵コンテナが移送中に垂直サイドパネルと接触する場合の摩擦を低減するためにローラーまたは摺動面が設けられてもよい。
【0107】
垂直サイドパネルにローラーが設けられている場合、ローラーは、動力が供給され、第1の貯蔵コンテナ支持体を横切って貯蔵コンテナを移動させるように構成されてもよい。
【0108】
摺動面は、好ましくはより低い摩擦を有する、垂直サイドパネルとは異なる材料から作製され得る。適切な材料は、ポリオキシメチレン(POM)などのポリマーであり得る。摺動面は、垂直サイドパネルに取り付けられたプレートであってもよく、垂直サイドパネルに塗布されたコーティングであってもよい。
【0109】
第1の貯蔵コンテナ支持体および第2の貯蔵コンテナ支持体は、典型的には2つのキャリッジ間の貯蔵コンテナ移送の方向でもあるそれらの移動方向に直交して配置されたエンドストップを備えてもよい。エンドストップは、第1の貯蔵コンテナ支持体の、二次キャリッジから離れる方向を向いた端部、および第2の貯蔵コンテナ支持体の、一次キャリッジから離れる方向を向いた端部に配置されてもよい。エンドストップは、貯蔵コンテナの意図しない移動を防止し得る。これは、一次キャリッジから二次キャリッジへの貯蔵コンテナの移送中に特に有利である。
【0110】
エンドストップは、垂直サイドパネルと同じプレートから形成されてもよい。
【0111】
ガイドフレームは、第1のガイド経路を備えてもよく、
【0112】
一次キャリッジおよび二次キャリッジの双方は、第1のガイド経路に沿って移動するように構成される。
【0113】
1つのガイド経路のみを有するガイドフレームは、ガイドフレームをより複雑にしない。
【0114】
しかしながら、ガイドフレームは、第1のガイド経路および第2のガイド経路の2つのガイド経路を備えてもよい。一次キャリッジは、第1のガイド経路に沿って移動するように構成されてもよく、二次キャリッジは、第2のガイド経路に沿って移動するように構成されてもよい。このとき、第2のガイド経路は、典型的には、第1のガイド経路とは異なる垂直高さを有する。第1の貯蔵コンテナ支持体および第2の貯蔵コンテナ支持体は、依然として同じ垂直高さを有するように構成されることができる。
【0115】
一次キャリッジは、
一次キャリッジベースの両側に接続された少なくとも2つのセットの車輪
をさらに備えてもよく、
二次キャリッジは、
二次キャリッジベースの両側に接続された少なくとも2つのセットの車輪
をさらに備えてもよい。
【0116】
二次キャリッジの車輪の後方セットは、二次キャリッジまたは少なくとも第2の貯蔵コンテナ支持体から後方に突出していてもよい。この車輪構成は、貯蔵コンテナの移送中に二次キャリッジに改善された安定性を提供し得る。
【0117】
車輪セットの少なくとも1つ、すなわち車輪のセットは、双方の車輪が一斉に回転するように、直線車軸に取り付けられてもよい。これは、一次キャリッジ変位モータまたは二次キャリッジ変位モータに接続された車輪セットに好ましい。
【0118】
一次キャリッジ変位モータは、一次キャリッジベース上に配置され、一次キャリッジベースに接続された車輪のうちの少なくとも1つを回転させるように構成されてもよく、
二次キャリッジ変位モータは、二次キャリッジベース上に配置され、二次キャリッジベースに接続された車輪のうちの少なくとも1つを回転させるように構成されてもよい。
【0119】
一次キャリッジは、
ガイドフレーム上に配置された一次駆動ベルトであって、少なくともピッキング位置から受け入れ領域まで延在し、一次キャリッジベースに接続されている、一次駆動ベルト
をさらに備えてもよく、
一次キャリッジ変位モータは、ガイドフレーム上に配置され、一次駆動ベルトを動作させて一次キャリッジをガイドフレームに沿って移動させるように構成され、
二次キャリッジは、
ガイドフレーム上に配置された二次駆動ベルトであって、少なくともピッキング位置から受け入れ領域まで延在し、二次キャリッジベースに接続された二次駆動ベルト
をさらに備えてもよく、
二次キャリッジ変位モータは、ガイドフレーム上に配置され、二次駆動ベルトを動作させて二次キャリッジをガイドフレームに沿って移動させるように構成される。
【0120】
一次キャリッジ変位モータおよび二次キャリッジ変位モータがガイドフレーム上に配置されることの利点は、一次キャリッジベースおよび二次キャリッジベース上に配置される構成要素がより少なく、その結果、それらの重量および複雑さが低減されることができることである。
【0121】
一次駆動ベルトおよび二次駆動ベルトは、同じ垂直高さに並んでまたは離間して平行に配置されてもよい。
【0122】
一次駆動ベルトおよび二次駆動ベルトのそれぞれは、ガイドフレームの両端に配置された2つのベルトホイール上に配置されてもよい。
【0123】
あるいは、一次駆動ベルトおよび二次駆動ベルトは、チェーンであってもよい。
【0124】
二次キャリッジは、2つ以上の貯蔵コンテナを担持するように構成されてもよい。2つ以上の貯蔵コンテナを支持するように二次キャリッジを構成することによって、二次キャリッジは、コンテナハンドリング車両の可用性が低下している期間に貯蔵コンテナをバッファリングすることができ得る。コンテナハンドリング車両の利用可能性が増加している期間では、2つ以上のコンテナハンドリング車両は、それぞれ、二次キャリッジおよび一次キャリッジから貯蔵コンテナを実質的に同時に回収し得る。
【0125】
第1の貯蔵コンテナ支持体は、旋回接続部によって一次キャリッジベースに旋回可能に接続されてもよく、
アクセスステーションは、
第1の貯蔵コンテナ支持体を傾斜させるための傾斜デバイス
をさらに備えてもよく、
一次キャリッジは、第1の貯蔵コンテナ支持体が水平面に実質的に平行に配置されている受け入れ状態と、第1の貯蔵コンテナ支持体が水平面に対して所定の傾斜角度αで傾斜しているピッキング状態とを有してもよい。
【0126】
一次キャリッジは、第1の貯蔵コンテナ支持体が貯蔵コンテナを受け入れるとき、および貯蔵コンテナが第1の貯蔵コンテナ支持体から、典型的にはコンテナハンドリング車両によって回収されるとき、受け入れ状態にある。
【0127】
一次キャリッジは、貯蔵コンテナが第1の貯蔵コンテナ支持体から第2の貯蔵コンテナ支持体に移送されるときに受け入れ状態にある。
【0128】
一次キャリッジは、典型的には、ピッカーに人間工学的な作業位置を提供するために、ピッキング位置に配置されたときにピッキング状態に移動される。
【0129】
第2の貯蔵コンテナ支持体は、好ましくは、受け入れ状態において第1の貯蔵コンテナ支持体と同じ垂直高さを有する。
【0130】
傾斜デバイスは、
トルクを提供するために一次キャリッジベース上に配置された傾斜モータと、
傾斜モータからトルクを伝達するために傾斜モータに結合された駆動クランクと、
第1の端部において駆動クランクに旋回可能に結合され、反対側の第2の端部において第1の貯蔵コンテナ支持体に旋回可能に結合された結合器リンクと、
備えてもよく、
結合器リンクは、傾斜モータの動作に応答して、第1の貯蔵コンテナが水平面PHに対して傾斜するように、第1の貯蔵コンテナ支持体の下側に推力を提供するように構成される。
【0131】
傾斜デバイスは、
ガイドフレームの下方に少なくとも部分的に配置された傾斜部と、
傾斜部との相互作用のために第1の貯蔵コンテナ支持体に接続され、そこから延在する従動子と、
を備えてもよく、
一次キャリッジは、第1の貯蔵コンテナ支持体が水平面PHに略平行に配置された受け入れ状態と、第1の貯蔵コンテナ支持体が水平面PHに対して所定の傾斜角度αで傾斜したピッキング状態とを有し、
従動子および傾斜部は、一次キャリッジの受け入れ領域からピッキング位置への移動に応答して、一次キャリッジをピッキング状態に移動させるように相互作用するように構成される。
【0132】
第1の貯蔵コンテナ支持体は、貯蔵コンテナを位置決めするための上面と、従動子を配置するための反対側の下面とを有するプレートを備えてもよい。従動子は、第1の貯蔵コンテナ支持体の下面に対して略直交するように長手方向に延在していることが好ましくあり得る。
【0133】
従動子は、傾斜部の表面に追従するように構成されてもよい。傾斜部の垂直方向の高さが変化するにつれて、従動子は、第1の貯蔵コンテナが水平面PHに対して傾斜するように、第1のコンテナ支持体の下側に推力を提供し得る。
【0134】
従動子は、従動子車輪を備えた遠位端を備えてもよい。
【0135】
あるいは、遠位端には、ローラー、ボール、または摺動面が設けられてもよい。
【0136】
従動子は、少なくとも受け入れ状態において、一次キャリッジベースを通って延在してもよい。
【0137】
従動子はまた、好ましくは、ピッキング状態において一次キャリッジベースを通って延在してもよい。
【0138】
傾斜部は、固定ブラケットによって設けられてもよい。
【0139】
従動子と傾斜部との間の相互作用は、例えば中間構成要素を介して、直接的または間接的であってもよい。
【0140】
傾斜部は、ガイドフレームの下方に少なくとも部分的に配置された第1の部分を有してもよく、第1の部分は、水平面PHに対して傾斜している。
【0141】
第1の部分の傾斜角度は、一次キャリッジがピッキング状態に入るのに必要な水平移動に影響を及ぼし、したがって一次キャリッジが受け入れ状態に入るのに必要な反対の水平移動にも影響を及ぼす。
【0142】
傾斜部の第1の部分は、一定の傾斜を有し、したがって実質的に直線にしたがい得る。傾斜部の第1の部分は、緩やかな傾斜を有し、したがって曲線にしたがい得る。
【0143】
傾斜部は、ピッキング位置の下方に少なくとも部分的に配置された第2の部分を備えてもよく、第2の部分は、水平面PHに対して第1の部分とは異なるように傾斜している。
【0144】
傾斜部の第2の部分は、好ましくは、傾斜部の第1の部分に隣接して配置されてもよい。
【0145】
第2の部分は、好ましくは、水平面PHに対して第1の部分よりも傾斜していなくてもよい。
【0146】
第2の部分は、水平面PHに実質的に平行であってもよく、すなわち、水平面PHに対して傾斜していなくてもよい。
【0147】
実質的に水平である第2の部分は、貯蔵コンテナ支持体の傾斜角度αを維持しながら一次キャリッジの水平移動を可能にし得る。したがって、一次キャリッジがピッキング位置に到達する前に、一次キャリッジのピッキング状態の所定の傾斜角度αに移行されることができる。ピッカーは、次に、前方に到来する物品をより迅速に認識し得る。
【0148】
傾斜部の第2の部分は、一定の傾斜を有し、したがって実質的に直線にしたがい得る。傾斜部の第2の部分は、緩やかな傾斜を有し、したがって曲線にしたがい得る。
【0149】
第2の部分は、1つのタイプの運動から別のタイプの運動への移行を滑らかにするために僅かに湾曲していてもよい。
【0150】
所定の傾斜角度αは、ピッカーの特定のニーズ、および地上からのアクセスステーションの高さに応じて調整され得る。
【0151】
傾斜角度αは、従動子の長さによって調整されてもよい。傾斜角度αはまた、傾斜部の垂直高さによって調整されてもよい。
【0152】
一次キャリッジベースと第1の貯蔵コンテナ支持体との間の旋回接続部は、水平面PH内に実質的に配置された回転軸CRを有してもよく、結合器リンクは、回転軸CRから離れて接続されてもよい。
【0153】
回転軸CRと結合器リンクとの間の距離は、最大傾斜角度に影響を及ぼす。回転軸CRと結合器リンクとの間の距離が短くなると、最大傾斜角度が大きくなる。
【0154】
駆動クランクの長さも最大傾斜角度に影響を及ぼす。駆動クランクの長さを長くすると、最大傾斜角度が大きくなる。
【0155】
回転軸CRは、一次キャリッジベースの前面に近接して配置されてもよい。
【0156】
結合器リンクは、好ましくは、例えば一次キャリッジの受け入れ状態において、駆動クランクの旋回点を受け入れるように構成された凹部を備えてもよい。
【0157】
一次キャリッジベースと第1のコンテナ支持体との間の旋回接続部は、水平面PHに実質的に配置された回転軸CRを有してもよく、従動子は、回転軸CRから距離を置いて配置される。
【0158】
回転軸と従動子との間の距離は、一次キャリッジがピッキング状態に入るのに必要な水平移動に影響を及ぼし、したがって一次キャリッジが受け入れ状態に入るのに必要な反対の水平移動にも影響を及ぼす。回転軸と従動子との間の距離が短くなると、一次キャリッジがピッキング状態に入るのに必要な水平移動が減少する。
【0159】
回転軸CRは、一次キャリッジベースの前面に近接して、すなわち第1のコンテナ支持体の重心からオフセットして配置されてもよい。これは、第1のコンテナ支持体に、自重下でその受け入れ状態に戻させる。
【0160】
回転軸CRは、一次キャリッジベースの中心の近くに、すなわち実質的に第1のコンテナ支持体の重心に配置されてもよい。これは、第1のコンテナ支持体のシーソー挙動を引き起こす。回転軸を一次キャリッジベースの中心に近付けることによって、第1の貯蔵コンテナ支持体を傾ける際に従動子から必要とされる力が少なくなり得る。従動子は、傾斜部に移動可能に接続されてもよく、それにより、第1の貯蔵コンテナ支持体は、一次キャリッジを水平方向に移動させながら、傾斜部の垂直高さの変化に応答して従動子によって受け入れ状態に強制され得る。
【0161】
傾斜角度αは、水平面PHに対して2°から60°の範囲内であり得る。
【0162】
傾斜角度αの範囲は、水平面PHに対して2°から60°、より好ましくは3°から50°、さらにより好ましくは4°から45°、さらにより好ましくは5°から40°、さらにより好ましくは6°から35°、さらにより好ましくは7°から30°、さらにより好ましくは8°から25°、さらにより好ましくは9°から20°、例えば15°であってもよい。貯蔵コンテナを傾斜させる能力は、とりわけ、人間のオペレータが貯蔵コンテナ内の製品をより容易に見るおよび/またはアクセスすることを可能にする。
【0163】
好ましい傾斜角度αは、10°から20°の範囲であり得る。あるいは、この範囲は、1°、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°または15°の開始点を有してもよい。あるいは、この範囲は、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°または60°の終点を有してもよい。
【0164】
所定の傾斜角度αは、ピッカーの特定のニーズ、および地上からのアクセスステーションの高さに応じて調整され得る。
【0165】
本発明はまた、自動貯蔵回収システムに関する。自動貯蔵回収システムは、
本明細書に記載されたアクセスステーションと、
水平面内に配置され、第1の方向に延在する第1のセットの平行レールと、水平面内に配置され、第1の方向に直交する第2の方向に延在する第2のセットの平行レールと、を備えるレールシステムであって、第1および第2のセットのレールが、第1のセットのレールの一対の隣接するレールおよび第2のセットのレールの一対の隣接するレールによって画定される複数の隣接するアクセス開口部を備える水平面内に格子パターンを形成する、レールシステムと、
レールシステムの貯蔵セクションの下方に位置する貯蔵カラム内に配置された貯蔵コンテナの複数のスタックであって、各貯蔵カラムが、アクセス開口部の垂直下方に位置する、複数のスタックと、
レールシステムの送達セクションの下方に位置し、アクセスステーションの受け入れ位置と垂直に位置合わせされた少なくとも1つのポートカラムであって、貯蔵コンテナの空隙である、少なくとも1つのポートカラムと、
スタック内に積み重ねられた貯蔵コンテナを貯蔵セクションの上方に持ち上げるためのリフトデバイスと、車両をレールシステムに沿って第1の方向および第2の方向のうちの少なくとも1つに駆動するように構成された駆動手段と、を備えるコンテナハンドリング車両と、
を備える。
【0166】
自動貯蔵回収システムは、
第1のピッキング位置に提示されている貯蔵コンテナを検査するための検査手段
をさらに備え得る。この検査はまた、貯蔵コンテナの内容物を検査することを含み得る。
【0167】
検査の1つの目的は、貯蔵コンテナまたはその内容物のエラーを検出することであり得る。関連するエラーのいくつかの例は、ビン内の誤った内容物(システムに登録されているものと比較して誤った物品またはビン内の物品の数)、損傷した商品、損傷したビン、変形したビン、汚れたビン、および汚れた内容物であり得る。
【0168】
自動貯蔵回収システムは、
第1のピッキング位置に提示されている貯蔵コンテナから製品をピッキングするように構成されたロボットピッカー
をさらに備え得る。
【0169】
アクセスステーションは、アクセスステーションの一部が貯蔵カラムによって部分的に囲まれるように配置され得る。これは、典型的には、第1のピッキング位置がロボットピッカーによって操作される場合であり得る。次いで、受け入れ領域、第1のピッキング位置、およびロボットピッカーは、貯蔵カラムによって、典型的には上方のレールシステムによって部分的に取り囲まれ得る。次いで、アクセスステーションは、倉庫内で作業する人間の安全性を向上させるために、人間ゾーンと機械ゾーンとの間で分割され得る。
【0170】
あるいは、アクセスステーションは、第1のピッキング位置および第2のピッキング位置の両方が倉庫内で作業する人間にとってアクセス可能であるように配置されてもよい。次いで、レールシステムは、少なくともアクセスステーションの受け入れ領域の上方に延在する片持ち部分を有し得る。
【0171】
検査手段は、ロボットピッカーに配置され得る。
【0172】
自動貯蔵回収システムは、
少なくとも2つのポートカラム、好ましくは3つまたは4つのポートカラム
をさらに備え得る。
【0173】
アクセスステーションに関連付けられたポートカラムの数は、通常、アクセスステーションの受け入れ位置の数に対応する。
【0174】
自動貯蔵回収システムは、
並んで配置された少なくとも2つのアクセスステーション、好ましくは3つまたは4つのアクセスステーション、さらにより好ましくは5つのアクセスステーション
をさらに備え得る。
【0175】
アクセスステーションの数が多いほど、貯蔵回収システムにおける物品のスループットを向上させるように寄与する。
【0176】
本アクセスステーションは、空間効率の良い方法で並べて配置されるのに適している。
【0177】
複数のアクセスステーションが並んで配置される場合、1つのロボットピッカーは、複数の隣接する第1のピッキング位置から物品をピッキングすることができる。
【0178】
アクセスステーションの幅を1つの貯蔵カラムの幅に適合させることにより、2つ以上のアクセスステーションが空間効率の良い方法で、すなわち離間させずに並べて配置されることができる。アクセスステーションのそのような配置は、アクセスステーション間の距離がより短いため、人間のピッカーをより効率的にすることを可能にし得る。貯蔵カラムの幅は、レールシステムのレールの幅が追加された貯蔵コンテナの幅(貯蔵コンテナの両側に配置されたレール幅の半分)として見ることができ、したがって、アクセスステーションが貯蔵カラムの幅に対応する場合、アクセスステーションは、貯蔵カラムの位置に対応して並んだ関係で配置されることができ、貯蔵カラムの隣接する列にアクセスステーションが設けられることを可能にする。
【0179】
並んで配置された複数のアクセスステーションは、異なるタイプのコンテナを提示し得る。例として、アクセスステーションのいくつかは、ピッキングされる製品を収容する貯蔵コンテナを提示し得る。他のアクセスステーションのいくつかは、注文が入れられるコンソリデーションビンを提示し得る。貯蔵コンテナを提供するアクセスステーションは、典型的には、コンソリデーションビンを提供するアクセスステーションよりも高いスループットを有する。
【0180】
いくつかのアクセスステーションが並んで配置される場合、それらのアクセスキャビネットがフレームワーク構造から異なる長さに延在する場合、それらのアクセス可能性が改善され得る。次いで、アクセスキャビネットは、ピッカーを部分的に取り囲むことができる。必要に応じて、アクセスステーションはまた、異なる高さにあってもよい。
【0181】
本発明はまた、本明細書に記載の自動貯蔵回収システムを使用して、アクセスステーションに貯蔵コンテナを提示し、貯蔵コンテナを戻す方法であって、
前記方法が、
コンテナハンドリング車両によって貯蔵コンテナを受け入れ領域に送達するステップと、
ロボットピッカーへの提示のために貯蔵コンテナを第1のピッキング位置に移動させるステップと、
ロボットピッカーが貯蔵コンテナから製品をピッキングすることができない場合、
人間のピッカーに提示するために貯蔵コンテナを第2のピッキング位置に移動させるステップ、
第2のピッキング位置において貯蔵コンテナから製品をピッキングするステップ、および
コンテナハンドリング車両によって回収のために貯蔵コンテナを受け入れ領域に戻すステップ、または
ロボットピッカーが貯蔵コンテナから製品をピッキングすることができる場合、
第1のピッキング位置において貯蔵コンテナから製品をピッキングするステップ、および
コンテナハンドリング車両によって回収のために貯蔵コンテナを受け入れ領域に戻すステップ、
を含む、方法に関する。
【0182】
貯蔵コンテナが第1のピッキング位置に移動されたとき、本方法は、
貯蔵コンテナのエラーを検査するステップと、
エラーが検出された場合、
検出されたエラーを修正するために貯蔵コンテナを第2のピッキング位置に移動させるステップと、または
エラーが検出されない場合、
コンテナハンドリング車両によって回収のために貯蔵コンテナを受け入れ領域に戻すステップと、
をさらに含み得る。
【0183】
貯蔵コンテナおよび/または貯蔵コンテナの内容物のエラーの検査は、人間のピッカーまたはオペレータによる目視検査によって行われることができる。あるいは、貯蔵コンテナおよび/または貯蔵コンテナの内容物のエラーの検査は、第1のピッキング位置に設けられた検査手段または第1のピッキング位置によって配置されたロボットピッカーによって実行されることができる。
【0184】
検査は、エラーを有するコンテナがシステム内の貯蔵場所に戻されるのを防止し、したがってシステム品質管理を改善する。このようにして、誤った物品がピッキングされたり、物品が時間内に入手できず、貯蔵コンテナが詰まったりするなどの将来の望ましくない事態が防止されることができる。
【0185】
アクセスステーションは、第1のピッキング位置において動作可能なままであることができ、一方で、誤った貯蔵コンテナは、第2のピッキング位置において必要に応じてさらに検査および修正される。
【0186】
アクセスステーションが、
ガイドフレームに沿って貯蔵コンテナを輸送するための二次キャリッジを備える場合、
一次キャリッジは、貯蔵コンテナを第1のピッキング位置に輸送するように構成され、
二次キャリッジは、貯蔵コンテナを第2のピッキング位置に輸送するように構成され、
本方法は、貯蔵コンテナのエラーをピッキングおよび/または検査した後に、
貯蔵コンテナを一次キャリッジから二次キャリッジに移送するステップ
をさらに含む。
【0187】
したがって、一次キャリッジは、継続的な動作および第1のピッキング位置への供給のために直ちに利用可能にされることができる。
【0188】
一次キャリッジおよび二次キャリッジが受け入れ領域にまだない場合、本方法は、
貯蔵コンテナを移送しながら、一次キャリッジおよび二次キャリッジをガイドフレームに沿って受け入れ領域ARまで少なくとも部分的に移動させるステップ
をさらに含み得る。
【0189】
本方法は、
一次キャリッジを第1の受け入れ位置に移動させるステップと、
第1のコンテナハンドリング車両によって第2の貯蔵コンテナを第1の貯蔵コンテナ支持体上に配置するステップと、
第2の貯蔵コンテナをピッカーに提示するために、一次キャリッジをピッキング位置に移動させるステップと、
をさらに含み得る。
【0190】
受け入れ領域が複数の受け入れ位置を含む場合、後続の貯蔵コンテナは、交互の受け入れ位置において受け入れられてもよい。
【0191】
後続の貯蔵コンテナは、異なるコンテナ車両から受け入れられてもよい。
【0192】
本方法は、
二次キャリッジを第1の受け入れ位置に移動させるステップと、
第1のコンテナハンドリング車両によって第2の貯蔵コンテナ支持体から第1の貯蔵コンテナを回収するステップと、
をさらに含み得る。
【0193】
第1の貯蔵コンテナは、好ましくは、第2の貯蔵コンテナを第1の貯蔵コンテナ支持体上に配置する同じコンテナハンドリング車両によって第2の貯蔵コンテナ支持体から回収される。したがって、第1の貯蔵コンテナはまた、好ましくは、第2の貯蔵コンテナが第1の貯蔵コンテナ支持体によって受け入れられるのと同じ受け入れ位置において第2の貯蔵コンテナ支持体から回収される。
【0194】
本方法は、
第1の方向、例えば南に面する第1の片持ちコンテナハンドリング車両によって第1のポートカラムを介して貯蔵コンテナを第1の貯蔵コンテナ支持体に供給するステップと、
第1の方向とは反対の第2の方向、例えば北に面する第2の片持ちコンテナハンドリング車両によって第2のポートカラムを介して第2の貯蔵コンテナ支持体から貯蔵コンテナを回収するステップと、
をさらに含み得る。
【0195】
受け入れ領域が複数の受け入れ位置を含む場合、第2の貯蔵コンテナは、一次キャリッジによって受け入れられることができ、第1の貯蔵コンテナは、それぞれの受け入れ位置において同時に一次キャリッジから回収されることができる。この動作は、2つのコンテナハンドリング車両を必要とする。
【0196】
あるいは、第2の貯蔵コンテナは、一次キャリッジによって受け入れられることができ、第1の貯蔵コンテナを同じ受け入れ位置において連続して二次キャリッジから回収されることができる。この動作は、1つのコンテナハンドリング車両のみを必要とする。
【0197】
アクセスステーションは、一次キャリッジを二次キャリッジに解放可能に接続するためのラッチを備えてもよく、
本方法は、
第1の貯蔵コンテナを移送する前に、ラッチによって一次キャリッジを二次キャリッジに接続するステップと、
第1の貯蔵コンテナを移送した後に、ラッチによって一次キャリッジを二次キャリッジから解放するステップと、
をさらに含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0198】
以下の図面は、本発明の理解を容易にするために添付される。図面は本発明の実施形態を示しており、ここでは例としてのみ説明する。
【0199】
【
図1】
図1は、従来技術の自動貯蔵回収システムのフレームワーク構造の斜視図である。
【
図2】
図2は、貯蔵コンテナを内部に運ぶための中央に配置されたキャビティを有する従来技術のコンテナハンドリング車両の斜視図である。
【
図3】
図3は、貯蔵コンテナを下方に運ぶための片持ち梁を有する従来技術のコンテナハンドリング車両の斜視図である。
【
図4】
図4は、貯蔵コンテナを内部に運ぶための中央に配置されたキャビティを有する従来技術のコンテナハンドリング車両の斜視図である。
【
図5】
図5は、貯蔵コンテナがピッカーに提示され、1つのコンテナハンドリング車両がアクセスステーションから貯蔵コンテナを回収するのを待機しており、1つのコンテナハンドリング車両がアクセスステーションに貯蔵コンテナを送達するのを待機している、貯蔵カラムのフレームワーク構造内の1つのアクセスステーションの斜視図である。
【
図6】
図6は、(貯蔵カラムのフレームワーク構造が省略された)アクセスステーションの垂直断面図であり、アクセスステーションは、ガイドフレームと、一次キャリッジと、二次キャリッジと、アクセスキャビネットとを備える。
【
図7】
図7は、それらの間で一次キャリッジおよび二次キャリッジが移動することができるピッキング位置および受け入れ領域を有するアクセスステーションの側面図である(貯蔵カラムのフレームワーク構造は省略されている)。
【
図8】
図8は、受け入れ領域が、対応するポートカラムと垂直に位置合わせされた4つの受け入れ位置を含む、アクセスステーションの垂直断面図である。
【
図9】
図9は、第1の貯蔵コンテナが、受け入れ領域に向かって移動している間に一次キャリッジから二次キャリッジに移送されようとしており、第2の貯蔵コンテナが、一次キャリッジが第1の受け入れ位置にあるときに送達のために第1のコンテナハンドリング車両(
図9には示されていない)によって第1のポートカラムを通って下降しようとしている、アクセスステーションの垂直断面図である。
【
図10】
図10は、一次キャリッジが第1の受け入れ位置にあり、一次キャリッジの移送デバイスが第1の貯蔵コンテナを二次キャリッジに移送した、
図9のアクセスステーションの一部の垂直断面拡大図である。
【
図11】
図11は、一次キャリッジが第1の受け入れ位置にあり、第2の貯蔵コンテナを受け入れる準備ができるように移送デバイスが後退している、
図9のアクセスステーションの垂直断面図である。
【
図12】
図12は、一次キャリッジが第1の受け入れ位置にあり、第1のコンテナハンドリング車両(
図12には示されていない)が第2の貯蔵コンテナを一次キャリッジ上に下降させた、
図9のアクセスステーションの垂直断面図である。
【
図13】
図13は、一次キャリッジ上の第2の貯蔵コンテナがリフトデバイスから解放されており、第1の貯蔵コンテナが二次キャリッジによって担持されている、
図12と同様の
図9のアクセスステーションの垂直断面図である。
【
図14】
図14は、一次キャリッジがピッキング位置に向かって移動しており、二次キャリッジが第1の受け入れ位置に移動しようとしている第2の受け入れ位置にある、
図9のアクセスステーションの垂直断面図である。
【
図15】
図15は、一次キャリッジがピッキング位置にあり、二次キャリッジが第1の受け入れ位置にある、
図9のアクセスステーションの垂直断面図である。
【
図16】
図16は、第2の貯蔵コンテナがピッカーに提示され、第1の貯蔵コンテナが第1のコンテナハンドリング車両(
図16には示されていない)によって回収される、
図9のアクセスステーションの垂直断面図である。
【
図17】
図17は、二次キャリッジが、第2の貯蔵コンテナの移送のために一次キャリッジに接近しており、第3の貯蔵コンテナが、第3の受け入れ位置への送達のために第2のコンテナハンドリング車両(
図17に示すコンテナハンドリング車両)によって第3のポートカラムを通って下降している、
図9のアクセスステーションの垂直断面図である。
【
図18】
図18は、2つの対向する向きのコンテナハンドリング車両が同じアクセスステーションの異なるポートカラムに貯蔵コンテナを送達している、アクセスステーションの側面図である。
【
図19】
図19は、並べて配置された4つのアクセスステーションの斜視図である。
【
図22】
図22は、一次キャリッジベースと、一次キャリッジ変位モータと、第1の貯蔵コンテナ支持体と、移送デバイスと、傾斜デバイスとを備える一次キャリッジの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図25】
図25は、二次キャリッジベースと、二次キャリッジ変位モータと、第2の貯蔵コンテナ支持体とを備える二次キャリッジの例示的な実施形態の正面図である。
【
図28】一次キャリッジが一次駆動ベルトによってガイドフレームに沿って移動され、二次キャリッジが二次駆動ベルトによってガイドフレームに沿って移動される、
図9のアクセスステーションの垂直断面図である。
【
図29】
図29は、受け入れ領域、第1のピッキング位置、および第2のピッキング位置を含むダブルエンドアクセスステーションの斜視図である。
【
図32】
図32は、貯蔵コンテナおよび貯蔵コンテナに貯蔵された製品の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0200】
発明の詳細な説明
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態をより詳細に説明する。しかしながら、図面は、本発明を図面に示された主題に限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0201】
自動貯蔵回収システム1のフレームワーク構造100は、
図1~
図3に関連して上述した従来技術のフレームワーク構造100、すなわち、いくつかの直立部材102にしたがって構築され、さらに、フレームワーク構造100は、X方向およびY方向に第1の上部レールシステム108を備える。
【0202】
フレームワーク構造100は、部材102の間に設けられた貯蔵カラム105の形態の貯蔵区画をさらに備え、貯蔵コンテナ106は、貯蔵カラム105内のスタック107に積み重ね可能である。
【0203】
フレームワーク構造100は、任意のサイズとすることができる。特に、フレームワーク構造は、
図1に開示されているよりもかなり広くおよび/または長くおよび/または深くすることができることが理解される。例えば、フレームワーク構造100は、700×700カラムを超える水平範囲および12個を超えるコンテナの貯蔵深さを有し得る。
【0204】
自動貯蔵回収システム1は、
図5~
図21に示すような1つまたはいくつかのアクセスステーション400と通信することができる。
【0205】
これらのアクセスステーション400は、コンテナハンドリング車両201、301、401がアクセスステーション400の少なくとも一部の上を移動することができるように、貯蔵回収システム1のフレームワーク構造100内に配置され得る。
【0206】
アクセスステーション400は、それ自体のフレームワーク構造100を備え得る。アクセスステーション400のフレームワーク構造100および貯蔵回収システム1のフレームワーク構造100は、その後、レールシステム108がフレームワーク構造100の上に延在され得るように接続され得る。
【0207】
アクセスステーション400はまた、それら自体のフレームワーク構造100およびレールシステム108を備え得る。次いで、アクセスステーション400のレールシステム108および貯蔵回収システム1のレールシステム108は、コンテナハンドリング車両201、301、401がアクセスステーション400の少なくとも一部の上を移動することができるように接続されることができる。
【0208】
図5は、アクセスステーション400の斜視図を示している。自動貯蔵回収システム1に関連する場合、アクセスステーション400は、自動貯蔵回収システム1からピッカー600への貯蔵コンテナ106の提示に使用され得る。異なる種類のコンテナハンドリング車両201、301、401が使用されて、自動貯蔵回収システム1内の貯蔵場所からアクセスステーション400(
図2、
図3および
図4に示すタイプに限定されない)に貯蔵コンテナ106を送達し得る。コンテナハンドリング車両201、301、401は、アクセスステーション400の上方から1つまたはいくつかのポートカラム119、120、121、122を介して貯蔵コンテナ106を送達および回収する。いくつかのポートカラム119、120、121、122(実施形態では4つのポートカラムが示されている)では、いくつかのコンテナハンドリング車両201、301、401は、同じアクセスステーション400(コンテナハンドリング車両のタイプに応じて、これは2台、3台、または4台のコンテナハンドリング車両であってもよい)に同時にサービスすることができる。
【0209】
アクセスステーション400は、受け入れた貯蔵コンテナ106を、ピッカー600が提示されている貯蔵コンテナ106への限定されたアクセスを、好ましくは提示されている貯蔵コンテナ106の開放側にのみ、好ましくは貯蔵コンテナ106がピッキング位置に到達してアクセス開口部に適切に提示されたときにのみ許可されることができる位置に移動させることができる。アクセスは、例えば、自動的に操作されるハッチによって許可され得る。ピッカー600によって製品80がピッキングされた後、提示された貯蔵コンテナ106は、自動貯蔵回収システム1に貯蔵するために戻されることができる。次いで、アクセスステーション400は、貯蔵コンテナ106を、何らかのタイプのコンテナハンドリング車両201、301、401によって回収されることができる位置に移動させ得る。
【0210】
アクセスステーション400は、アクセスキャビネット490の形態のアクセスインターフェース部分を有し得る。アクセスキャビネット490は、ピッカー600へのインターフェースを提供する。図は人間のピッカーを示しているが、アクセスステーション400は、ロボットピッカーにも適している。アクセスキャビネット490は、典型的には、フレームワーク構造100の外側に配置される。これは、人間であろうとロボットであろうと、ピッカー600にとって安全な作業環境に寄与する。
【0211】
図5において、1つのコンテナハンドリング車両301は、貯蔵コンテナ106をアクセスステーション400から回収するために待機しており、1つのコンテナハンドリング車両301は、貯蔵コンテナ106をアクセスステーション400に送達するために待機している。
【0212】
図6は、アクセスステーション400の垂直断面を示している。アクセスステーション400は、アクセスキャビネット490と、水平面P
Hに配置され、部分的にアクセスキャビネット490の内側で第1の方向Xに延在するガイドフレーム410と、ガイドフレーム410に沿って移動可能な一次キャリッジ420と、一次キャリッジ420とは独立してガイドフレーム410に沿って移動可能な二次キャリッジ230と、を備える。
【0213】
図6では、一次キャリッジ420は、アクセスキャビネット490の内側にあり、貯蔵コンテナ106なしで示されており、二次キャリッジ430も貯蔵コンテナ106なしでアクセスキャビネット490の外側にある。一次キャリッジ420は、一次キャリッジ420によって担持された貯蔵コンテナ106がアクセスキャビネット490のアクセス開口部と位置合わせされるように、アクセスキャビネット490のアクセス面の傾斜と同様の傾斜角度でアクセスキャビネット490に向かって傾斜している。
【0214】
図7は、アクセスキャビネット490のないアクセスステーション400の側面図を示している。アクセスステーション400は、自動貯蔵回収システム1のフレームワーク構造100またはアクセスステーション400自体のフレームワーク構造100に配置するように構成された受け入れ領域A
Rを有する。受け入れ領域A
Rはまた、上記のコンテナハンドリング車両201、301、401からの貯蔵コンテナ106の送達および回収のために構成されている。
【0215】
アクセスステーション400はまた、アクセスキャビネット490内に配置するように構成された、受け入れ領域ARの前方のピッキング領域APを有する。
【0216】
一次キャリッジ420および二次キャリッジ430は、受け入れ領域ARとピッキング領域APとの間でガイドフレーム410に沿って移動することができる。
【0217】
ガイドフレーム410は、ガイドフレーム410を適切な高さに配置する脚部によって支持されてもよい。あるいは、ガイドフレーム410は、適切な高さでフレームワーク構造100に取り付けられることができる。
【0218】
図8は、アクセスステーション400の垂直断面を示しており、受け入れ領域A
Rは、フレームワーク構造100内に配置されている。受け入れ領域A
Rは、4つの受け入れ位置P
R1、P
R2、P
R3、P
R4を備える。第1の受け入れ位置P
R1は、第1のポートカラム119と垂直に位置合わせされている。第2の受け入れ位置P
R2は、第2のポートカラム120と垂直に位置合わせされている。第3の受け入れ位置P
R3は、第3のポートカラム121と垂直に位置合わせされている。第4の受け入れ位置P
R4は、第4のポートカラム122と垂直に位置合わせされている。必要に応じて、さらに別のポートカラムおよび受け入れ位置が設けられてもよい。
【0219】
図8では、ピッキング領域A
Pは、アクセスキャビネット490内に配置されている。ピッキング領域A
Pは、ピッキング領域A
Pの最も遠い点、すなわちピッカー600に最も近い点に配置されたピッキング位置P
Pを備える。
【0220】
図8のアクセスステーション400の構成では、二次キャリッジ430は、一次キャリッジ420にアクセスを与えるために第4の受け入れ位置P
R4を越えて移動することができないため、二次キャリッジ430のみが全ての受け入れ位置P
Rに対するアクセスを有する。ガイドフレーム410は、さらなる受け入れ位置P
Rを追加する必要なく、最後の受け入れ位置P
R、すなわち第4の受け入れ位置P
R4を超えて延在されることができる。このとき、一次キャリッジ420および二次キャリッジ430の双方が、全ての受け入れ位置P
Rに対するアクセスを有することになる。したがって、受け入れ領域A
Rの一部、典型的には後部は、ポートカラム119、120、121、122と位置合わせされる必要はない。代わりに、受け入れ領域A
Rの後部の上方の空間が、貯蔵コンテナ106を貯蔵するために使用されることができる。
【0221】
図8~
図17は、貯蔵コンテナ106がどのようにしてアクセスステーション400に送達され、ピッカー600に提示され、次いでアクセスステーション400から回収されることができるかのシーケンスを示している。
図8~
図17は、同じアクセスステーション400の垂直断面を示している。
【0222】
図8では、一次キャリッジ420は、第1の貯蔵コンテナ106aをピッカー600に提供するピッキング位置P
Pにある。二次キャリッジ430は、ピッキング領域A
P内にあり、ラッチ470によって一次キャリッジ420に接続されており、二次キャリッジ430は、一次キャリッジ420から第1の貯蔵コンテナ106aを受け入れる準備ができている。第2の貯蔵コンテナ106bは、一次キャリッジ420によって受け入れられる準備ができている第1のコンテナハンドリング車両301によって第1のポートカラム119を通って下降させられている。
【0223】
図9では、第1の貯蔵コンテナ106aからのピッキングが完了している。一次キャリッジ420は、二次キャリッジ430への第1の貯蔵コンテナ106aの移送を開始しようとしており、その結果、移送は、一次キャリッジ420が第1の受け入れ位置P
R1に到達する前に完了するか、または少なくとも開始されることができる。一次キャリッジ420および二次キャリッジ430は、受け入れ領域A
Rに向かって移動している。第2の貯蔵コンテナ106bは、第1のコンテナハンドリング車両301によって第1のポートカラム119内で静止したままにされる。
【0224】
一次キャリッジ420は、一次キャリッジ420によって担持された貯蔵コンテナ106を移動させるための移送デバイス460を備え、二次キャリッジ430は、移送デバイス460によって一次キャリッジ420から移動される貯蔵コンテナ106を受け入れるように構成されている。
【0225】
一次キャリッジ420は、第1の結合部471を備えてもよく、二次キャリッジ430は、第2の結合部472を備えてもよく、一次キャリッジ420を二次キャリッジ430に解放可能に接続するためのラッチ470をともに形成する。一次キャリッジ420から二次キャリッジ430への貯蔵コンテナ106の移送中、一次キャリッジ420は、好ましくはラッチ470によって二次キャリッジ430に解放可能に接続されることができる。
【0226】
図10では、第1の貯蔵コンテナ106aは、一次キャリッジ420から二次キャリッジ430に移送されている。一次キャリッジ420および二次キャリッジ430は、ラッチ470によって切り離されている。一次キャリッジ420は、第1のコンテナハンドリング車両301によって第1のポートカラム119内で静止状態に保たれている第2の貯蔵コンテナ106bの下方で、第1の受け入れ位置P
R1にある。スライダ461が延長され、したがって、一次キャリッジ420は、まだ第2の貯蔵コンテナ106bを受け入れる準備ができていない。
【0227】
図11では、スライダ461は後退しており、したがって、一次キャリッジ420は、第1のコンテナハンドリング車両301によって第1のポートカラム119内で静止状態に保たれている第2の貯蔵コンテナ106bを受け入れる準備ができている。ラッチ470は、一次キャリッジ420を二次キャリッジ430から解放することができる。
【0228】
図12では、一次キャリッジ420は、第1のコンテナハンドリング車両301から第2の貯蔵コンテナ106bを受け入れる第1の受け入れ位置P
R1にある。二次キャリッジ430は、第1の受け入れ位置P
R1が空になるのを待機する受け入れ領域A
Rにある。
【0229】
図13では、一次キャリッジ420は、第1の受け入れ位置P
R1において第2の貯蔵コンテナ106bを受け入れている。第1のコンテナハンドリング車両301は、把持デバイス304を第2の貯蔵コンテナ106bから切り離し、第1のポートカラム119内で把持デバイス304を持ち上げている。二次キャリッジ430は、一次キャリッジ420によって第1の受け入れ位置P
R1が空にされるのを待機する受け入れ領域A
Rにある。
【0230】
第2のコンテナハンドリング車両301が第1の貯蔵コンテナ106aを回収するために利用可能である場合、これは、他のポートカラム120、121、122のうちの1つを介して他の受け入れ位置PR2、PR3、PR4のうちの1つにおいて同時に行われることができる。
【0231】
図14では、一次キャリッジ420は、第2の貯蔵コンテナ106bを担持するピッキング位置P
Pに向かって移動している。二次キャリッジ430は、第1の貯蔵コンテナ106aを担持する第1の受け入れ位置P
R1に向かって移動しようとしている。第1のコンテナハンドリング車両301の把持デバイス304は、第1のポートカラム119内に静止している。
【0232】
図15では、一次キャリッジ420は、ピッカー600に第2の貯蔵コンテナ106bを提供する準備をしているピッキング位置P
Pにある。二次キャリッジ430は、第1の貯蔵コンテナ106aを担持する第1の受け入れ位置P
R1にある。第1のコンテナハンドリング車両301(
図15には示されていない)は、把持デバイス304を第1の貯蔵コンテナ106aに向かって下降させようとしている。第2の貯蔵コンテナ106bは、ピッキング位置P
Pに到達する前に一次キャリッジ420によって傾斜されることが好ましい。
【0233】
図16では、一次キャリッジ420は、第2の貯蔵コンテナ106bをピッカー600に提供するピッキング位置P
Pにある。第1のコンテナハンドリング車両301は、第1のポートカラム119を介して第1の貯蔵コンテナ106aを回収している。二次キャリッジ430は、もはや貯蔵コンテナ106を担持しておらず、一次キャリッジ420から第2の貯蔵コンテナ106bを受け入れるために一次キャリッジ420に向かって移動しようとしている。
【0234】
図17では、一次キャリッジ420は、第2の貯蔵コンテナ106bをピッカー600に提供するピッキング位置P
Pにある。二次キャリッジ430は、ピッキング領域A
P内にあり、ラッチ470によって一次キャリッジ420に接続されており、二次キャリッジ420は、一次キャリッジ420から第2の貯蔵コンテナ106bを受け入れる準備ができている。第3の貯蔵コンテナ106cは、第2のコンテナハンドリング車両301によって第3のポートカラム121を通って下降されており、一次キャリッジ420によって受け入れられる準備ができている。したがって、
図17の状況は、
図8の状況と同様であり、シーケンスが繰り返されることができる。
【0235】
あるいは、二次キャリッジ430は、第3の受け入れ位置PR3に移動し、第2のコンテナハンドリング車両301から第3の貯蔵コンテナ106cを受け入れ、次いで、受け入れ領域ARの異なる部分、例えば第4の受け入れ位置PR4に移動して、一次キャリッジ420が第3の受け入れ位置PR3にアクセスすることを可能にすることができる。次いで、一次キャリッジ420は、第2の貯蔵コンテナ106bが第2のコンテナハンドリング車両301によって回収されることができるように、第3の受け入れ位置PR3に移動することができる。次いで、二次キャリッジ430は、ラッチ470によって一次キャリッジ420に接続されることができる。次いで、一次キャリッジ420および二次キャリッジ430がピッキング領域APに向かって一緒に移動している間に、第3の貯蔵コンテナ106cが二次キャリッジ430から一次キャリッジ420に移送されることができる。第3の貯蔵コンテナ106cは、好ましくは、一次キャリッジがピッキング位置PPに到達する前に一次キャリッジ420に移送され、一次キャリッジ420がピッキング位置PPに到達するとすぐに第3の貯蔵コンテナ106cは、ピッカー600に提示されることができる。第3の貯蔵コンテナ106cの任意の傾斜は、一次キャリッジ420がピッキング位置PPに到達する前に実行されることができることも好ましい。このシーケンスは、移送デバイス460が、第1の貯蔵コンテナ支持体422上に配置された貯蔵コンテナ106の変位のために構成されることに加えて、またはその代わりに、第2の貯蔵コンテナ支持体432上に配置された貯蔵コンテナ106の変位のために構成されることを必要とする。
【0236】
図18は、
図8~
図17の先行するシーケンスとは異なる状況を示すアクセスステーション400の側面図を示している。
【0237】
図18では、一次キャリッジ420および二次キャリッジ430は、第1の貯蔵コンテナ106aを一次キャリッジ420から二次キャリッジ430に移送しながら受け入れ領域A
Rを移動している。第1のコンテナハンドリング車両301は、第2のポートカラム120を介して第2の貯蔵コンテナ106bを下降させている。第1のコンテナハンドリング車両301の対向方向に向けられた第2のコンテナハンドリング車両301は、第3のポートカラム121を介して第3の貯蔵コンテナ106cを下降させる準備ができている。第1の貯蔵コンテナ106を二次キャリッジ430に移送した後、一次キャリッジ420は、第2の受け入れ位置P
R2において第1のコンテナハンドリング車両301から第2の貯蔵コンテナ106bを受け入れるか、または第3の受け入れ位置P
R3において第2のコンテナハンドリング車両301から第3の貯蔵コンテナ106cを受け入れ得る。
【0238】
少なくとも2つの受け入れ位置PRを有することにより、アクセスステーション400は、反対の向きを有する片持ちコンテナハンドリング車両301によってサービスされることができる。
【0239】
図19は、いくつかのアクセスステーション400の斜視図を示している。
図20および
図21は、同じアクセスステーション400のそれぞれの平面図および背面図を示している。図示のように、アクセスステーション400は、ピッカー600に向かって実質的に水平なインターフェースを有し得る。あるいは、アクセスステーション400は、水平面P
Hに対して傾斜したピッカー600に向かうインターフェースを有してもよい。傾斜したインターフェースは、人間のピッカーにとってより人間工学的な作業位置、および貯蔵コンテナ106の内容物のより良好な概観を可能にする。いくつかの設備では、異なる高さのピッカーに貯蔵コンテナ106を提示するために異なるアクセスステーション400を配置することが好ましい場合がある。
【0240】
アクセスステーション400は、好ましい高さで製造され、調整可能な足部を備え得る。アクセスステーション400の高さは、好ましくは、人間のピッカーの平均高さに適合されることができる。アクセスステーション400の高さはまた、好ましくは、貯蔵コンテナ106の高さHfに適合され得る。
【0241】
アクセスステーション400は、好適な幅によって生成され得る。アクセスステーション400の幅は、好ましくは、アクセスステーション400における貯蔵コンテナ106の向きに応じて(例えば、ストレージシステムのどの側に配置されているかに基づいて)、貯蔵コンテナ106の長さLfまたは幅Wfに適合されることができる。アクセスステーション400は、貯蔵コンテナ106がアクセスステーション400の幅方向に最も短い辺で配向されている場合、より小さい幅で提供されてもよい。
【0242】
アクセスステーション400の幅を1つの貯蔵カラム105の幅に適合させることにより、2つ以上のアクセスステーション400が空間効率の良い方法で、すなわち離間させずに並べて配置されることができる。アクセスステーション400のそのような配置は、アクセスステーション400間の距離がより短いため、人間のピッカーをより効率的にすることを可能にし得る。貯蔵カラムの幅は、レールシステム108のレール110、111の幅が追加された貯蔵コンテナ106の幅(貯蔵コンテナ106の両側に配置されたレール幅の半分)として見ることができ、したがって、アクセスステーション400が貯蔵カラムの幅に対応する場合、アクセスステーションは、貯蔵カラムの位置に対応し、貯蔵カラムの隣接する行にアクセスステーション400を設けることを可能にする並んだ関係で配置されることができる。
【0243】
図19、
図20、および
図21は、並んで配置された4つのアクセスステーション400を示している。傾斜したアクセスキャビネット490を有する2つのアクセスステーション400は中央に配置され、一方のアクセスステーション400は、両側に配置された水平アクセスキャビネット490を有する。水平アクセスキャビネット490は、傾斜アクセスキャビネット490よりも長い。このようにして、アクセスキャビネット490は、2つの中央アクセスステーション400の前に立っているピッカー600を部分的に取り囲み得る。例として、ピッキングされる貯蔵コンテナ106は、中間アクセスステーション400に提示されることができ、ピッキングされるコンソリデーションビンは、両側のアクセスステーション400に提示されることができる。あるいは、全てのアクセスステーション400は、ピッキングされる貯蔵コンテナ106を提示することができる。
【0244】
図22および
図23は、一次キャリッジ420の2つの斜視図を示し、
図24は、同じ一次キャリッジ420の側面図を示している。
【0245】
一次キャリッジ420は、貯蔵コンテナ106を輸送するように構成されている。一次キャリッジ420は、ガイドフレーム410に沿って移動可能な一次キャリッジベース421と、一次キャリッジ420をガイドフレーム410に沿って移動させるように構成された一次キャリッジ変位モータ440aと、一次キャリッジベース421に接続された第1の貯蔵コンテナ支持体422と、を備える。
【0246】
一次キャリッジベース421は、一次キャリッジベース421の両側に接続された少なくとも2つのセットの車輪442を備えてもよい。車輪442は、ガイドフレーム410に沿って、好ましくはガイドフレーム410に設けられたガイド経路411に沿って移動するように構成されている。
【0247】
図22では、車輪442のうちの1つが駆動ベルト441aを介して一次キャリッジ変位モータ440aに接続される様子が示されている。一次キャリッジ変位モータ440aは、この例では、一次キャリッジベース421によって画定された容積内に少なくとも部分的に配置されている。一次キャリッジ変位モータ440aは、典型的には、バッテリまたは外部源(図示せず)によって電力供給される電気モータである。バッテリは、インフラストラクチャをあまり必要としないが、時々充電を必要とするのに対して、外部電源は、一次キャリッジ420のサイズおよび重量を減少させる。
【0248】
第1の貯蔵コンテナ支持体422は、一次キャリッジベース421の一体部分として、または別個のユニットとして、一次キャリッジベース421に接続されている。
図22の例では、第1の貯蔵コンテナ支持体422は、一次キャリッジベース421に結合されたプレート427上に配置されたローラーを備える。プレート427は、一次キャリッジベース421の一部、第1の貯蔵コンテナ支持体422の一部、またはこれら2つの間の中間構成要素と考えられ得る。2列のローラーは、それらの間に間隙423を有して第1の方向Xに沿って配置されている。ローラーは、貯蔵コンテナ106を支持するように構成されると同時に、支持された貯蔵コンテナ106の二次キャリッジ430への移送を容易にするように構成されている。
【0249】
第1の貯蔵コンテナ支持体422のフットプリントは、一次キャリッジベース421のフットプリントよりも大きくてもよい。第1の貯蔵コンテナ支持体422のフットプリントは、好ましくは貯蔵コンテナAfの面積に実質的に等しく、フットプリントのサイズを小さく保ちながら貯蔵コンテナ106が適切に支持されることができる。
【0250】
図23に示すように、一次キャリッジ420は、支持された貯蔵コンテナ106の第2の方向Yへの移動を防止するように構成された垂直サイドパネル424を備えてもよい。垂直サイドパネル424は、ローラーが配置されたプレート427の屈曲部であってもよい。垂直サイドパネル424と貯蔵コンテナ106との間の摩擦を低減するために、垂直サイドパネル425には摺動面425が設けられてもよい。垂直サイドパネル424および摺動面425は、支持された貯蔵コンテナ106の二次キャリッジ430への移送を容易にする。
【0251】
一次キャリッジ420は、支持された貯蔵コンテナ106が所与の点を越えて第1の方向Xに移動するのを防止するように構成されたエンドストップ426を備えてもよい。エンドストップ426は、ローラーが配置されたプレート427の屈曲部であってもよく、垂直サイドパネル424の屈曲部であってもよい。
【0252】
一次キャリッジ420は、貯蔵コンテナ106を一次キャリッジ420から二次キャリッジ430に移動させるための移送デバイス460を備える。移送デバイス460は、例えば、動力が供給されて回転する第1の貯蔵コンテナ支持体422のローラーの形態で、第1の貯蔵コンテナ支持体422に一体化されたコンベヤとすることができる。あるいは、コンベヤは、例えば、
図22および
図23に示されるように、第1の貯蔵コンテナ支持体422を形成する2列のローラーの間のプレート427上に配置された別個のユニットであってもよい。
【0253】
移送デバイス460が第1の貯蔵コンテナ支持体422に一体化されていない場合、移送デバイス460は、好ましくは、移送デバイス460によって妨害されることなく貯蔵コンテナ106が第1の貯蔵コンテナ支持体422上に配置されることができるように構成されている。
【0254】
図22および
図23に示す移送デバイス460を形成するコンベヤは、一次キャリッジ420から後方に突出するレール462と、レール462に接続され、貯蔵コンテナ106と相互作用するように構成されたスライダ461と、スライダ461を第1の貯蔵コンテナ支持体422に対して相対的に移動させるように構成された移送モータ462と、を備える。
【0255】
レール462は、二次キャリッジ430に向かう方向に突出する。一次キャリッジ420および二次キャリッジ430が互いに接近して移動するとき、レール462は、好ましくは、二次キャリッジ430の第2の貯蔵コンテナ支持体432内に突出すべきである。レール462は、レール462に対する貯蔵コンテナ106の向きに応じて、貯蔵コンテナ106の長さLfまたは幅Wfを超える長さLrを有することが好ましい。
【0256】
図22および
図23では、レール462は、第1の貯蔵コンテナ支持体421よりも長い。レール462の第1の端部は、第1の貯蔵コンテナ支持体422の前方側に配置され、レール462の第2の端部は、第1の貯蔵コンテナ支持体422の後方側に配置される。
【0257】
レール462は、好ましくは、第1の貯蔵コンテナ支持体422に支持された貯蔵コンテナ106の中心点がレール462と垂直に位置合わせされるように配置される。
【0258】
スライダ461は、スライダ461がレール462に対して第1の方向Xに移動されることができるように、レール462に摺動可能に接続されている。
図23では、スライダは、貯蔵コンテナ106の少なくとも一部が第1の貯蔵コンテナ支持体422上に支持されたときに配置される垂直高さに到達する垂直部分を有することが示されている。スライダ461がレール462に沿って移動されると、スライダ461は、第1の貯蔵コンテナ支持体422に支持されたときに貯蔵コンテナ106に当接する。
【0259】
図23では、レール462上のスライダ461の図示された位置は、スライダ461の初期位置と考えられることができる。スライダ461を第1の方向Xの初期位置から一次キャリッジ420の後方に向かって移動させることは、スライダ461がレール462の反対側の端部の次の位置に到達する前に、第1の貯蔵コンテナ支持体422に支持された貯蔵コンテナ106を第1の貯蔵コンテナ支持体422から変位させる。二次キャリッジ430が一次キャリッジ420に十分に接近して移動されると、第1の貯蔵コンテナ支持体422から外れた貯蔵コンテナ106は、第2の貯蔵コンテナ支持体432に移送される。
【0260】
図23に示すスライダ461は、初期位置と次の位置との間を往復移動する。他の種類のスライダは、レール461の周りの連続的な経路で移動してもよく、すなわち、レール462の上面に沿って初期位置から後続位置に移動し、レール462の底面に沿って後続位置から初期位置に移動してもよい。
【0261】
スライダ461は、スライダ461に対する貯蔵コンテナ106の向きに応じて、貯蔵コンテナ106の長さLfまたは幅Wfの少なくとも半分を覆う第2の方向Yに延在する幅を有してもよい。スライダ461の幅が大きいほど、移送中に貯蔵コンテナ106を回転させるリスクが低減される。
【0262】
レール462は、スライダ461が取り付けられることができるベルトまたはチェーンを備えてもよい。ベルトまたはチェーンの移動は、ひいてはスライダ461を移動させる。
【0263】
移送モータ463は、スライダ461をレール462に沿って移動させ、スライダ461を通って、第1の貯蔵コンテナ支持体422上に配置された貯蔵コンテナ106に推力を提供するように構成されている。
【0264】
図23では、移送モータ463は、ベルト464を介してレールに接続されている。したがって、レール462上に配置されたチェーンまたはベルト、したがってスライダ461もまた、移送モータ463によって動作されることができる。
【0265】
図23では、移送モータ463は、プレート427に取り付けられたブラケットに配置されている。代替的に、移送モータ463は、一次キャリッジベース421上に配置されることができる。移送モータ462は、典型的には、バッテリまたは外部電源(図示せず)によって電力供給される電気モータである。バッテリは、インフラストラクチャをあまり必要としないが、外部電源は、一次キャリッジ420のサイズおよび重量を減少させる。
【0266】
図22は、一次キャリッジ420が第1の結合部471を備えてもよいことを示している。第1の結合部471は、一次キャリッジベース421上に配置されている。第1の結合部471は、第1の結合部471がアクセスステーション400に配置されたときに二次キャリッジ430と相互作用することができ、特に二次キャリッジ430に配置された第2の結合部472と相互作用することができるように、一次キャリッジ420の後方側に配置されている。
【0267】
第1の結合部471は、第1の方向Xに延在する水平部分と、それに続く第3の方向Zに延在する垂直部分とを備えて保持リップを形成するように曲げられ、あるいは押し出された板金であってもよい。第1の結合部471は、第2の結合部472に向かう大きな界面を提供するために、一次キャリッジベース421の全長にわたって第2の方向Yに延在してもよい。
【0268】
図22および
図24は、一次キャリッジ420が傾斜デバイス450を備えてもよいことを示している。傾斜デバイス450は、傾斜モータ451、駆動クランク452、および結合器リンク453を備え得る。結合器リンク453は、凹部454を有し得る。
【0269】
傾斜デバイス450は、一次キャリッジ420を受け入れ状態とピッキング状態との間で移動させるように構成されている。受け入れ状態において、第1の貯蔵コンテナ支持体422は、特に
図10に示すように、水平面P
Hに略平行に配置されている。ピッキング状態では、
図22、
図23および
図24に示すように、第1の貯蔵コンテナ支持体422は、水平面P
Hに対して所定の傾斜角度αで傾斜している。
【0270】
図22では、受け入れ状態とピッキング状態との間を移動するために、第1の貯蔵コンテナ支持体422およびプレート427が回転軸C
Rを中心にどのように旋回し得るかが示されている。回転軸C
Rは、好ましくは、一次キャリッジ420の前端に配置されてもよい。
図22では、回転軸C
Rは、水平面P
Hに配置され、第2の方向Yを向いている。
【0271】
傾斜モータ451は、一次キャリッジベース421内に、好ましくは一次キャリッジ420の回転軸CRとは反対側に配置され、それにより、傾斜デバイス450は、回転軸CRから距離を置いて第1の貯蔵コンテナ支持体422およびプレート427に推力を提供することができる。この推力は、第1の貯蔵コンテナ支持体422およびプレート427を回転軸CRを中心に回転させる。
【0272】
傾斜モータ451は、典型的には、バッテリまたは外部電源(図示せず)によって電力供給される電気モータである。バッテリは、インフラストラクチャをあまり必要としないが、外部電源は、一次キャリッジ420のサイズおよび重量を減少させる。
【0273】
傾斜モータ451は、トルクを提供するように構成されている。駆動クランク452は、傾斜モータ451に結合され、傾斜モータ451からトルクを伝達するように構成されている。結合器リンク453は、駆動クランク452に旋回可能に結合されてもよい。第1の貯蔵コンテナ支持体422は、結合器リンク453に直接的または間接的に(例えば、プレート427を介して)旋回可能に結合されてもよい。したがって、結合器リンク453は、駆動クランク452を介した傾斜モータ451からのトルクに応答して、第1の貯蔵コンテナ支持体422に直接的または間接的な推力を提供し得る。
【0274】
図25は、二次キャリッジ430の正面図を示しており、
図26は、同じ二次キャリッジ430の斜視図である。
【0275】
二次キャリッジ430は、貯蔵コンテナ106を輸送するように構成されている。二次キャリッジ430は、ガイドフレーム410に沿って移動可能な二次キャリッジベース431と、二次キャリッジ430をガイドフレーム410に沿って移動させるように構成された二次キャリッジ変位モータ440bと、二次キャリッジベース431に接続された第2の貯蔵コンテナ支持体432と、を備える。
【0276】
二次キャリッジベース431は、二次キャリッジベース431の両側に接続された少なくとも2つのセットの車輪442を備えてもよい。車輪442は、ガイドフレーム410に沿って、好ましくはガイドフレーム410に設けられたガイド経路411に沿って移動するように構成されている。
【0277】
図26では、車輪442のうちの1つが駆動ベルト441bを介して二次キャリッジ変位モータ440bに接続される様子が示されている。二次キャリッジ変位モータ440bは、この例では、二次キャリッジベース431によって画定された容積内に少なくとも部分的に配置されている。二次キャリッジ変位モータ440bは、典型的には、バッテリまたは外部電源(図示せず)によって電力供給される電気モータである。バッテリは、インフラストラクチャをあまり必要としないが、時々再充電を必要とするのに対して、外部電源は、二次キャリッジ430のサイズおよび重量を減少させる。
【0278】
第2の貯蔵コンテナ支持体432は、二次キャリッジベース431の一体部分として、または別個のユニットとして、二次キャリッジベース431に接続されている。
図25の例では、第2の貯蔵コンテナ支持体432は、二次キャリッジベース431に接続されたプレート437上に配置されたローラーを備える。プレート437は、二次キャリッジベース431の一部、第2の貯蔵コンテナ支持体432の一部、またはこれら2つの間の中間構成要素と考えられ得る。2列のローラーは、それらの間に間隙433を有して第1の方向Xに沿って配置されている。ローラーは、貯蔵コンテナ106を支持するように構成されると同時に、一次キャリッジ420から移送された貯蔵コンテナ106の受け入れを容易にするように構成されている。
【0279】
第2の貯蔵コンテナ支持体432は、二次キャリッジベース431のフットプリントよりも大きいフットプリントを有してもよい。第2の貯蔵コンテナ支持体432のフットプリントは、好ましくは、フットプリントのサイズを小さく保ちながら貯蔵コンテナ106が適切に支持されることができるように、貯蔵コンテナAfの面積に実質的に等しい。
【0280】
図25に示すように、二次キャリッジ430は、支持された貯蔵コンテナ106の第2の方向Yへの移動を防止するように構成された垂直サイドパネル434を備えてもよい。垂直サイドパネル434は、ローラーが配置されたプレート437の屈曲部であってもよい。垂直サイドパネル434と貯蔵コンテナ106との間の摩擦を低減するために、垂直サイドパネル435には摺動面435が設けられてもよい。垂直サイドパネル434および摺動面435は、一次キャリッジ420から移送された貯蔵コンテナ106の受け入れを容易にする。
【0281】
二次キャリッジ430は、支持された貯蔵コンテナ106が所与の点を越えて第1の方向Xに移動するのを防止するように構成されたエンドストップ436を備えてもよい。エンドストップ436は、ローラーが配置されたプレート437の屈曲部であってもよく、垂直サイドパネル434の屈曲部であってもよい。
【0282】
二次キャリッジ430は、1つまたはいくつかの第2の結合部472を備えてもよい。
図25および
図26の例では、二次キャリッジ430は、2つの第2の結合部472を備える。これらの第2の結合部472は、二次キャリッジベース431上に第2の方向Yに間隔をあけて配置されている。1つの第1の結合部471を有するこの例では、第2の結合部472間の距離は、第2の方向Yにおける第1の結合部471の範囲を超えてはならない。第2の結合部472は、第2の結合部472がアクセスステーション400に配置されたときに一次キャリッジ420と相互作用することができ、特に一次キャリッジ420に配置された一次結合部471と相互作用することができるように、二次キャリッジ430の前方側に配置されている。
【0283】
第2の結合部472は、第1の方向Xへの相対的な水平移動が防止されるように、第1の結合部471の保持リップと係合するように構成されたプロファイルを有してもよい。
【0284】
第2の結合部472のプロファイルは、第1の結合部471と第2の結合部472とが一緒に押し込まれたときにスナップして接続することができるように、弾性であってもよく、または所与の位置に付勢されてもよい。
図26は、プロファイルが二次キャリッジベース431に旋回可能に接続され、ばねによって下方に付勢され得ることを示している。プロファイルはまた、プロファイルを上方に引っ張るように構成された機構に接続されてもよく、それにより、第1の結合部471および第2の結合部472は、接続および切断されることができる。
【0285】
第2の結合部472のプロファイルは、第1の結合部471と第2の結合部472とが水平方向に互いに押し付けられるのに応じて、プロファイル上に垂直力ベクトルを提供するように面取りされてもよい。このとき、付勢力は、予想される垂直力ベクトルよりも低くなければならない。
【0286】
ラッチ470は、
図27aには非接続状態で示され、
図27bには接続状態で示されている。
【0287】
図28は、アクセスステーション400の垂直断面を示している。
図28は、一次キャリッジ420および二次キャリッジ430がガイドフレーム410に沿ってどのように移動され得るかの代替構成を示している。
【0288】
一次キャリッジ420は、例えばガイドフレーム410の両端に配置されたベルトホイール444によって、または少なくとも一次駆動ベルト443aがピッキング位置PPから受け入れ領域ARまで延在するように配置された、ガイドフレーム410上に配置された一次駆動ベルト443aを備えてもよい。一次駆動ベルト443aは、典型的には、一次キャリッジベース421に接続される。一次キャリッジ変位モータ440aは、ガイドフレーム410上に配置され、例えばベルトホイール444のうちの一方に接続されることによって、一次駆動ベルト443aを動作させて一次キャリッジ420をガイドフレーム410に沿って移動させるように構成されてもよい。
【0289】
二次キャリッジ430は、例えばガイドフレーム410の両端に配置されたベルトホイール444によって、または少なくとも二次駆動ベルト443bがピッキング位置PPから受け入れ領域ARまで延在するように配置された、ガイドフレーム410上に配置された二次駆動ベルト443bを備えてもよい。二次駆動ベルト443bは、典型的には、二次キャリッジベース431に接続される。二次キャリッジ変位モータ440bは、ガイドフレーム410上に配置され、例えばベルトホイール444のうちの一方に接続されることによって、二次駆動ベルト443bを動作させて二次キャリッジ430をガイドフレーム410に沿って移動させるように構成されてもよい。したがって、二次駆動ベルト443bは、一次駆動ベルト443aとは独立して動作されることができ、逆もまた同様である。
【0290】
一次駆動ベルト443aおよび二次駆動ベルト443bは、同じ垂直高さに並んでまたは離間して平行に配置されてもよい。
【0291】
図28の構成では、車輪を回転させるために追加のモータを必要としない。
【0292】
一次駆動ベルト443aを一次キャリッジベース421に接続する代わりに、複数のベルトホイール444が、一次駆動ベルト443aを受け入れるように構成された一次キャリッジベース421上に配置されてもよい。この構成において一次駆動ベルト443aを動作させるために、一次キャリッジ変位モータ440aは、一次キャリッジベース421上に配置され、一次キャリッジベース421のベルトホイール444のうちの一方に接続されることができる。
【0293】
二次駆動ベルト443bを二次キャリッジベース431に接続する代わりに、二次駆動ベルト443bを受け入れるように構成された複数のベルトホイール444が二次キャリッジベース431に配置され得る。この構成において二次駆動ベルト443bを動作させるために、二次キャリッジ変位モータ440bは、二次キャリッジベース431上に配置され、二次キャリッジベース431のベルトホイール444のうちの一方に接続されることができる。
【0294】
図29は、アクセスステーション400の斜視図を示している。アクセスステーション400は、先行するアクセスステーション400に関連して記載された特徴のうちのいずれか1つを備え得る。
【0295】
図29のアクセスステーション400は、第1のピッキング領域A
P1内に位置する第1のピッキング位置P
P1と、第2のピッキング領域A
P2内に位置する第2のピッキング位置P
P2とを備える。第1のピッキング位置P
P1および第2のピッキング位置P
P2を有するアクセスステーション400のこの構成は、ダブルエンドアクセスステーション400と呼ばれる。
【0296】
アクセスステーション400は、複数の受け入れ位置PRを有する受け入れ領域ARをさらに備える。この場合、5つの受け入れ位置PR1~PR5がある。1つの受け入れ位置PRのみを有することも可能である。
【0297】
ダブルエンド構成のアクセスステーション400は、第1のピッキング位置PP1と第2のピッキング位置PP2との間に延在するガイドフレーム410に沿って移動可能な一次キャリッジ420をさらに備える。第1のピッキング位置PP1および第2のピッキング位置PP2は、受け入れ領域ARの両側に配置される。ダブルエンドアクセスステーション400において使用される一次キャリッジ420は、通常、上述したタイプのものである。一次キャリッジ420は、第1のピッキング位置PP1および第2のピッキング位置PP2の両方に貯蔵コンテナ106を提示するように構成され得る。
【0298】
アクセスステーション400は、ガイドフレーム410に沿って移動可能な二次キャリッジ430をさらに備え得る。ダブルエンドアクセスステーション400において使用される一次キャリッジ420は、通常、上述したタイプのものである。アクセスステーション400が二次キャリッジ430を備える場合、第1のキャリッジは、典型的には、第1のピッキング位置PP1に貯蔵コンテナ106を提示するように構成され、二次キャリッジ430は、典型的には、第2のピッキング位置PP2に貯蔵コンテナ106を提示するように構成される。
【0299】
第1のピッキング位置PP1は、人間のピッキング動作または図示のロボットピッキング動作に適合されてもよい。第2のピッキング位置PP2は、ロボットピッキング動作または図示の人間のピッキング動作に適合されてもよい。人間のピッキング動作に適合したピッキング位置PPには、好ましくはアクセスキャビネット490が設けられる。
【0300】
図30は、
図29のアクセスステーション400の斜視図を示している。ダブルエンド構成の複数のアクセスステーション400がどのように並べて配置されることができるかが示されている。この例では、4つのアクセスステーション400が並んで配置されている。しかしながら、任意の数のアクセスステーション400、例えば、3つまたは2つのアクセスステーション400が並んで配置されることができる。
【0301】
図31は、
図29のアクセスステーション400の斜視図を示している。ロボットピッカー600は、第1のピッキング位置P
P1に隣接して配置され、並んで配置された4つのアクセスステーション400からのピッキング動作のために構成される。
【0302】
動作中、ダブルエンド構成のアクセスステーション400は、他のアクセスステーション400と同じ方法で、すなわち、受け入れ領域ARからピッキングされる貯蔵コンテナ106を受け入れ、これらの貯蔵コンテナ106を第1のピッキング位置PP1に輸送してピッカーにそれらの内容物を提示することによって使用され得る。ピッキングが行われた後、貯蔵コンテナ106は、回収のために受け入れ領域ARに戻されることができる。次いで、第2のピッキング位置PP2は、第1のピッキング位置PP1へのバックアップとして機能することができる。
【0303】
第1のピッキング位置PP1は、通常、ロボットピッカー600によって操作される。ロボットピッカー600が、第1のピッキング位置PP1に提示された貯蔵コンテナ106からピッキングされる製品80を掴むことができない場合、貯蔵コンテナ106は、第2のピッキング位置PP2に移動されることができる。第2のピッキング位置PP2では、人間のピッカーによって製品80がピッキングされることができる。第2のピッキング位置PP2におけるピッキングは、第1のピッキング位置PP1におけるピッキングと並行して行われることができる。製品が第1のピッキング位置PP1または第2のピッキング位置PP2のいずれかにおいてピッキングされると、貯蔵コンテナ106は、コンテナハンドリング車両201、301、401によって回収のために受け入れ領域に戻されることができる。
【0304】
品質改善手段として、第1のピッキング位置PP1において行われるピッキング動作は、提示された貯蔵コンテナ106をエラーについて検査することを含み得る。この検査は、人間のピッカー、ロボットピッカー600、または第1のピッキング位置PP1に配置された他の検査手段によって実行されることができる。
【0305】
エラーが検出された場合、エラーのある貯蔵コンテナ106は、典型的には人間によって、修正のために第2のピッキング位置PP2に運ばれることができる。関連するエラーのいくつかの例は、ビン内の誤った内容物(システムに登録されているものと比較して誤った物品またはビン内の物品の数)、損傷した商品、損傷したビン、変形したビン、汚れたビン、および汚れた内容物であり得る。
【0306】
二次キャリッジ430が使用される場合、二次キャリッジ430が第2のピッキング位置PP2において貯蔵コンテナ106を送達することができるように、誤った貯蔵コンテナ106が一次キャリッジ420から二次キャリッジ430に移送されることができる。
【0307】
二次キャリッジ430が使用される場合、二次キャリッジ430が受け入れ領域ARにおいて貯蔵コンテナ106を送達することができるように、第1のピッキング位置PP1においてピッキングされた後に貯蔵コンテナ106が一次キャリッジ420から二次キャリッジ430に移送されることができる。
【0308】
二次キャリッジ430が使用される場合、貯蔵コンテナ106は、二次キャリッジ430が貯蔵コンテナ106を第2のピッキング位置PP2に提示することができるように、第1のピッキング位置PP1においてピッキングが不可能である場合に一次キャリッジ420から二次キャリッジ430に移送されることができる。
【0309】
前述の説明では、例示的な実施形態を参照して、本発明にかかる送達車両および自動貯蔵回収システムの様々な態様について説明した。説明の目的で、システムおよびその動作の完全な理解を提供するために、具体的な数、システムおよび構成を記載した。しかしながら、この説明は、限定的な意味で解釈されることを意図していない。例示的な実施形態の様々な変更および変形、ならびに開示された主題が関係する当業者にとって明らかなシステムの他の実施形態は、本発明の範囲内にあるとみなされる。
【符号の説明】
【0310】
1 従来技術の自動貯蔵回収システム
100 フレームワーク構造
102 フレームワーク構造の直立部材
104 貯蔵グリッド
105 貯蔵カラム
106 貯蔵コンテナ
106a 第1の貯蔵コンテナ
106b 第2の貯蔵コンテナ
106c 第3の貯蔵コンテナ
106’ 貯蔵コンテナの特定位置
107 スタック
108 レールシステム
110 第1の方向(X)の平行レール
111 第2の方向(Y)の平行レール
112 アクセス開口部
119 第1のポートカラム
120 第2のポートカラム
121 第3のポートカラム
122 第4のポートカラム
201 従来技術のコンテナハンドリング車両
201a コンテナハンドリング車両201の車体
201b 駆動手段/車輪構成、第1の方向(X)
201c 駆動手段/車輪構成、第2の方向(Y)
301 従来技術の片持ち梁コンテナハンドリング車両
301a コンテナハンドリング車両301の車体
301b 第1の方向(X)の駆動手段
301c 第2の方向(Y)の駆動手段
304 把持デバイス
401 従来技術のコンテナハンドリング車両
401a コンテナハンドリング車両401の車体
401b 第1の方向(X)の駆動手段
401c 第2の方向(Y)の駆動手段
400 アクセスステーション
410 ガイドフレーム
411 ガイド経路
420 一次キャリッジ
421 一次キャリッジベース
422 第1の貯蔵コンテナ支持体
423 第1の貯蔵コンテナ支持体における間隙
424 第1の貯蔵コンテナ用の垂直サイドパネル
425 垂直パネル用の摺動面
426 第1の貯蔵コンテナ支持体用のエンドストップ
427 一次キャリッジのプレート
430 二次キャリッジ
431 二次キャリッジベース
432 第2の貯蔵コンテナ支持体
433 第2の貯蔵コンテナ支持体における間隙
434 第2の貯蔵コンテナ用の垂直サイドパネル
435 垂直パネル用の摺動面
436 第2の貯蔵コンテナ支持体用のエンドストップ
437 二次キャリッジのプレート
440a 一次キャリッジ変位モータ
440b 二次キャリッジ変位モータ
441a 一次キャリッジ変位モータ用の駆動ベルト
441b 二次キャリッジ変位モータ用の駆動ベルト
442 キャリッジ用の車輪
443a 一次キャリッジ用の一次駆動ベルト
443b 二次キャリッジ用の二次駆動ベルト
444 ベルトホイール
450 傾斜デバイス
451 傾斜モータ
452 傾斜デバイス用の駆動クランク
453 傾斜デバイス用の結合器リンク
454 結合器リンクの凹部
460 移送デバイス
461 移送デバイスのスライダ
462 移送デバイスのレール
463 移送デバイスの移送モータ
464 移送モータ用の駆動ベルト
470 ラッチ
471 ラッチの第1の結合部
472 ラッチの第2の結合部
490 ハッチを有するアクセスキャビネット
500 制御システム
600 ピッカー
X 第1の方向
Y 第2の方向
Z 第3の方向
PH 水平面
Lr レールの長さ
Wf 貯蔵コンテナの幅
Lf 貯蔵コンテナの長さ
Hf 貯蔵コンテナの高さ
Af 貯蔵コンテナの面積
PP ピッキング位置
PP1 第1のピッキング位置
PP2 第2のピッキング位置
AP ピッキング領域
AP1 第1のピッキング領域
AP2 第2のピッキング領域
AR 受け入れ領域
PR,PR1+n 受け入れ位置(第1、第2、第3など)
α 傾斜角度
CR 回転軸
【国際調査報告】