(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-05
(54)【発明の名称】ローターユニットとローター及びモーター構造
(51)【国際特許分類】
H02K 1/276 20220101AFI20240329BHJP
【FI】
H02K1/276
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566505
(86)(22)【出願日】2021-11-10
(85)【翻訳文提出日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 CN2021129735
(87)【国際公開番号】W WO2023273090
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】202110732916.6
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523405993
【氏名又は名称】チェジャン ファウンダー モーター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ、 リアンツィー
(72)【発明者】
【氏名】チェン、 ジン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、 ジュンジエ
(72)【発明者】
【氏名】リ、 リャオリャオ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、 レ
(72)【発明者】
【氏名】イェ、 ジャンビン
【テーマコード(参考)】
5H622
【Fターム(参考)】
5H622AA03
5H622AA06
5H622CA02
5H622CA05
5H622CA07
5H622CA10
5H622CA14
5H622CB03
5H622CB04
5H622CB05
5H622DD02
(57)【要約】
本発明は、ローターユニットとローター及びモーター構造を提供し、前記ローターユニットは、ローター鉄心片と、前記ローター鉄心片上に位置する複数の磁気鋼ユニットと、前記磁気鋼内に配置される穴構造とを含むことにより、磁気鋼コストを効果的に削減し、渦電流損失を抑制し、且つ、拡散製造工程を容易にすることができ、前記ローターユニットとフローガイドプレートが一緒になってローターアセンブリを形成し、中空軸と穴構造を組み合わせることで、特殊な冷却通路を含むモーター構造が形成される。この構造により、磁気鋼とローターコアとステーター巻き線端部を同時に直接冷却することができ、優れた冷却効果が得られる。前記穴構造は、磁気鋼コストを大幅に削減し、かつ、浸透技術の使用に役立つため、前記ローターアセンブリは、高いコストパフォーマンスと産業上の応用価値を有し、モーターの電磁設計の新しい最適化アイデアを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローター鉄心片と、
前記ローター鉄心片上に位置し、磁性鋼で構成された複数の磁性鋼ユニットと、
前記磁性鋼内に位置する穴構造とを含むことを特徴とするローターユニット。
【請求項2】
前記穴構造は、前記磁性鋼を貫通することを特徴とする請求項1に記載のローターユニット。
【請求項3】
前記磁性鋼ユニットは、一つの磁性鋼または複数の磁性鋼を含むことを特徴とする請求項1に記載のローターユニット。
【請求項4】
前記穴構造は、丸穴と三角穴と四角穴またはその他の形状との中の一種類または複数種類の組み合わせを採用することを特徴とする請求項1に記載のローターユニット。
【請求項5】
前記穴構造は、単一穴の構造または積層穴の構造が採用され、
前記穴構造が、積層穴の構造を採用している場合、前記穴構造は、第1穴構造と第2穴構造とを含み、
前記第1穴構造と前記第2穴構造とは、互いに貫通することを特徴とする請求項1に記載のローターユニット。
【請求項6】
複数の請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のローターユニットを含むことを特徴とするローター。
【請求項7】
請求項6に記載のローターを含むことを特徴とするモーター構造。
【請求項8】
請求項6に記載のローターと第1ガイドプレートと中心軸とを含み、
前記ローターは、第1ローター群と第2ローター群とを含み、
前記第1ローター群内の一つのローターユニットと前記第2ローター群内の一つのローターユニットとは、隣接して設置され、
前記第1ガイドプレートは、隣接する二つの前記ローターユニットの間に位置し、かつ、中心穴を有し、前記第1ガイドプレート内に第1ガイド経路を有し、
前記中心軸は、前記ローターの中心と前記中心穴とを通り、
前記中心軸には、ガイド穴が設けられ、
前記ガイド穴と前記第1ガイド経路と前記穴構造との間は、連通されるように設計されることを特徴とするモーター構造。
【請求項9】
前記ローターは、「V」字状の斜極構造または「一」字状の斜極構造を採用することを特徴とする請求項8に記載のモーター構造。
【請求項10】
前記ローターに、「一」字状の斜極構造を採用し、
前記第1ローター群のローターユニットの数及び前記第2ローター群のローターユニットの数の和が奇数である場合、任意の前記ローターユニットを切り開くと、前記第1ガイドプレートは、半分ずつのローターユニット内に位置することを特徴とする請求項9に記載のモーター構造。
【請求項11】
前記第1ガイド経路は、連通された第1ガイド経路入口と第1ガイド経路出口とを含み、
前記第1ガイド経路入口は、前記中央穴の側壁に位置することを特徴とする請求項8に記載のモーター構造。
【請求項12】
前記第1ガイドプレートは、第1磁性鋼ユニット接続口を有し、
前記第1磁性鋼ユニット接続口は、前記第1ガイドプレートを貫通し、
前記第1ガイド経路出口は、前記第1磁性鋼ユニット接続口に対応して設置され、
前記第1磁性鋼ユニット接続口の側壁は、前記第1ガイド経路出口を露出させ、
前記第1ガイドプレートの両側の磁性鋼ユニットの端部は、前記第1磁性鋼ユニット接続口に位置することを特徴とする請求項11に記載のモーター構造。
【請求項13】
前記第1ローター群内のローターユニットの数は、一つまたは複数であり、
前記第2ローター群内のローターユニットの数は、一つまたは複数であることを特徴とする請求項8に記載のモーター構造。
【請求項14】
前記第1ローター群内のローターユニットの数が複数であり、
前記第2ローター群内のローターユニットの数が複数である場合、前記第1ローター群内の隣接するローターユニットの間、及び、前記第2ローターユニット内の隣接するローターユニットの間に位置する複数の層間接続プレートを含むことを特徴とする請求項10に記載のモーター構造。
【請求項15】
前記層間接続プレート上に第2磁性鋼ユニット接続口を有し、
前記第2磁性鋼ユニット接続口は、前記層間接続プレートを貫通することを特徴とする請求項14に記載のモーター構造。
【請求項16】
前記第2磁性鋼接続口は、前記磁性鋼ユニットに対応して設置され、
前記層間接続プレートの両側の磁性鋼ユニットの端部は、前記第2磁性鋼ユニット接続口に位置することを特徴とする請求項15に記載のモーター構造。
【請求項17】
前記ローターの端部に位置する第2ガイドプレートを含むことを特徴とする請求項8または請求項14に記載のモーター構造。
【請求項18】
前記第2ガイドプレート上に第2ガイド経路を有し、
前記第2ガイド経路は、連通された第2ガイド経路入口と第2ガイド経路出口とを含み、
前記第2ガイド経路入口は、前記磁性鋼ユニットに対応して設置され、
前記磁性鋼ユニットの端部は、前記第2ガイド経路入口に位置することを特徴とする請求項17に記載のモーター構造。
【請求項19】
前記第2ガイド経路出口は、前記第2ガイドプレートの側壁に位置し、前記第2ガイドプレートの円周方向に沿って均等に分布することを特徴とする請求項18に記載のモーター構造。
【請求項20】
前記第2ガイド経路出口の数は、前記ローターの極数の倍数であることを特徴とする請求項19に記載のモーター構造。
【請求項21】
前記ガイド穴は、前記第1ガイド経路入口に対応して設置されることを特徴とする請求項11に記載のモーター構造。
【請求項22】
前記ローターの外側に設置されるステーターアセンブリをさらに含み、
前記ステーターアセンブリは、ステーターコアと前記ステーターコアに巻かれた巻き線とを含むことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のモーター構造。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年6月29日に中国特許局に提出された出願番号CN202110732916.6であり、発明の名称が「ローターユニットとローター及びモーター構造」である中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その全部の内容は、引用により本開示に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、自動車製造技術の分野、特に、ローターユニットとローター及びモーター構造に関する。
【背景技術】
【0003】
新エネルギー車は、良好な発進加速や登坂能力を満たすために、高出力と高トルクのモーターを必要とし、一方、乗用車ではスペースが限られ、重量要件が厳しいため、モーターには、高トルクと出力密度が必要となる。
永久磁石同期モーター(PMSM)は、優れた速度調整能力と高トルク密度から、新エネルギー車に広く採用されている。
近年、新エネルギー車の電気駆動技術が、続々と改良され、モーターの最高回転速度とトルク出力密度に対する要求も益々高まるが、モーターの温度が高くなり、放熱が難しく、磁性鋼のコスト高などの問題も生じる。
【0004】
現在、新エネルギーモーターメーカーは、ステーター平角銅線巻き線技術の戦略と開発を積極的に行っており、この技術により、モーターのステーター側の温度をより適切に改善できる。
しかし、平角銅線は、交流効果により、高速段階で大きな交流損失を生じるため、平角線モーターのステーターとローターの高速段階における温度上昇を低減することは、特に重要である。
【0005】
また、平角線工程では、全節巻きが多く採用されるため、ローターの渦電流損失が大きくなり、特に、高速域では、渦電流損失が増加し、磁性鋼温度が高温になりすぎ、保磁力のより高い型番の磁性鋼の採用が必要である。
新エネルギー車は、コストパフォーマンスのバランスを追求するが、モーター全体に占める磁性鋼の価格が、大きな割合を占めるため、磁性鋼の保磁力が増加すると、コストも増加する。
したがって、革新的な設計が必要であり、モーターの性能や品質等のパラメータが需要を満たすことを保証するとともに、磁性鋼やモーターのコストも、比較的リーズナブルにする必要がある。
【0006】
要約するに、磁性鋼のコストを効果的に削減し、同時に、ステーターとローターを直接冷却する方法は、早急に解決する必要がある技術的問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、磁性鋼のコストを効果的に削減でき、同時に、モーターに適用した場合に磁性鋼とローターとステーターの直接冷却、渦電流の影響の軽減、コストの削減を実現でき、モーターの最適化と使用範囲を大幅に拡大するローターユニットとローターおよびモーター構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、ローターユニットを提供し、このローターユニットは、ローター鉄心片と、前記ローター鉄心片上に位置して磁性鋼で構成された複数の磁性鋼ユニットと、前記磁性鋼内に位置する穴構造と、を含む。
【0009】
前記穴構造は、前記磁性鋼を貫通する。
【0010】
前記磁性鋼ユニットは、一つの磁性鋼または複数の磁性鋼を含む。
【0011】
前記穴構造は、丸穴と三角穴と四角穴またはその他の形状との中の一種類または複数種類の組み合わせを採用する。
【0012】
前記穴構造は、単一穴の構造または積層穴の構造が採用され、前記穴構造が、積層穴の構造を採用している場合、前記穴構造は、第1穴構造と第2穴構造とを含み、これらの第1穴構造と第2穴構造とは、互いに貫通する。
【0013】
本発明は、ローターを提供し、前記ローターは、複数の上記ローターユニットを含む。
【0014】
本発明は、モーター構造を提供し、前記モーター構造は、上記のローターを含む。
【0015】
本発明は、モーター構造をさらに提供し、このモーター構造は、上記のローターと、第1ガイドプレートと中心軸とを含み、前記ローターは、第1ローター群と第2ローター群とを含み、前記第1ローター群内の一つのローターユニットと前記第2ローター群内の一つのローターユニットとは、隣接して設置され、前記第1ガイドプレートは、隣接する二つのローターユニットの間に位置し、かつ、中心穴を有し、前記第1ガイドプレート内に第1ガイド経路を有し、前記中心軸は、前記ローターの中心と前記中心穴とを通り、前記中心軸には、ガイド穴が設けられ、このガイド穴と前記第1ガイド経路と前記穴構造との間は、連通されるように設計される。
【0016】
前記ローターは、「V」字状の斜極構造、または、「一」字状の斜極構造を採用する。
【0017】
前記ローターに「一」字状の斜極構造を採用し、前記第1ローター群のローターユニットの数及び前記第2ローター群のローターユニットの数の和が奇数である場合、任意のローターユニットを切り開くと、前記第1ガイドプレートは、半分ずつのローターユニット内に位置する。
【0018】
前記第1ガイド経路は、連通された第1ガイド経路入口と第1ガイド経路出口とを含み、前記第1ガイド経路入口は、前記中央穴の側壁に位置する。
【0019】
前記第1ガイドプレートは、第1磁性鋼ユニット接続口をさらに有し、前記第1磁性鋼ユニット接続口は、前記第1ガイドプレートを貫通し、前記第1ガイド経路出口は、前記第1磁性鋼ユニット接続口に対応して設置され、第1磁性鋼ユニット接続口の側壁は、前記第1ガイド経路出口を露出させ、前記第1ガイドプレート両側の磁性鋼ユニットの端部は、前記第1磁性鋼ユニット接続口に位置する。
【0020】
前記第1ローター群内のローターユニットの数は、一つまたは複数であり、前記第2ローター群内のローターユニットの数は、一つまたは複数である。
【0021】
前記第1ローター群内のローターユニットの数が複数であり、前記第2ローター群内のローターユニットの数が複数である場合、前記第1ローター群内の隣接するローターユニットの間及び前記第2ローターユニット内の隣接するローターユニットの間に位置する複数の層間接続プレートをさらに含む。
【0022】
前記層間接続プレート上に第2磁性鋼ユニット接続口を有し、この第2磁性鋼ユニット接続口は、前記層間接続プレートを貫通する。
【0023】
前記第2磁性鋼接続口は、前記磁性鋼ユニットに対応して設置され、前記層間接続プレートの両側の磁性鋼ユニットの端部は、前記第2磁性鋼ユニット接続口に位置する。
【0024】
前記ローターの端部に位置する第2ガイドプレートをさらに含み、この第2ガイドプレートと隣接する層間接続プレートの間に前記ローターユニットを有し、または、前記第2ガイドプレートと隣接する前記第1ガイドプレートの間に前記ローターユニットを有する。
【0025】
前記第2ガイドプレート上に第2ガイド経路を有し、この第2ガイド経路は、連通された第2ガイド経路入口と第2ガイド経路出口とを含み、前記第2ガイド経路入口は、前記磁性鋼ユニットに対応して設置され、前記磁性鋼ユニットの端部は、前記第2ガイド経路入口に位置する。
【0026】
前記第2ガイド経路出口は、前記第2ガイドプレートの側壁に位置し、前記第2ガイドプレートの円周方向に沿って均等に分布する。
【0027】
前記第2ガイド経路出口の数は、前記ローターの極数の倍数である。
【0028】
前記ガイド穴は、前記第1ガイド経路入口に対応して設置される。
【0029】
前記ローターの外側に設置されるステーターアセンブリをさらに含み、前記ステーターアセンブリは、ステーターコアとこのステーターコアに巻かれた巻き線とを含む。
【発明の効果】
【0030】
既存の技術と比較して、本発明の技術的解決策には、以下の利点がある。
【0031】
ローターユニットには、ローター鉄心片とローター鉄心片上に位置する複数の磁性鋼ユニットを含み、この磁性鋼ユニットは、磁性鋼で構成され、磁性鋼内に穴構造を有する。
磁性鋼内は、穴構造を有することにより、磁性鋼の使用量が減りコストダウンになるとともに、穴構造の存在のため、磁性鋼の製造時に拡散肯定の採用に有利となり、また、コストダウンにもなる。
なお、前記穴構造の存在のため、磁性鋼上の渦電流回路が、ある程度抑制され、したがって、渦電流損失が低減する。
同時に、これらの穴の組み合わせを最適化することで、ローターによって発生する高調波をさらに低減することができる。
【0032】
モーター構造は、ローターを含み、前記ローターは、複数のローターユニットから構成され、前記ローターユニット内の磁性鋼は、穴構造を有し、この穴構造は、ローターを形成する磁性鋼の量を削減するとともに、渦電流の影響を抑え、モーターの作動効率が向上し、同時に、磁性鋼を直接冷却するための通路としても機能する。
【0033】
モーター構造は、ローターと第1ガイドプレートを含み、前記ローターは、前記第1ローター群と第2ローター群とを含み、前記第1ローター群内の一つのローターユニットと前記第2ローター群内の一つのローターユニットとは、隣接して設置され、第1ガイドプレートは、隣接して設置された二つのローターユニットの間に配置され、かつ、中心穴を有し、中心軸は、前記ローターの中心と前記中心穴を通り、前記中心軸上にはガイド穴が設けられ、このガイド穴と前記第1ガイド経路と前記穴構造との間は、連通されるように設計され、このように、前記モーター構造が、前記中心軸内に冷却水を通す場合、前記ガイド穴と前記第1ガイド経路と前記穴構造との間の連通設計により、冷却液が、中心軸から流れ出ることができ、前記ガイド穴と第1ガイド経路を経た後、前記磁性鋼内の穴構造内に入り、したがって、磁性鋼とローターの急速冷却が実現する。
【0034】
さらに、前記第2磁性鋼ユニット接続口は、前記磁性鋼ユニットに対応して設置され、前記層間接続プレートの両側の磁性鋼ユニットの端部は、前記第2磁性鋼ユニット接続口内に位置し、前記層間接続プレートは、両側のローターユニット間の接続を実現する。
前記層間接続プレート上の第2磁性鋼ユニット接続口が、前記磁性鋼ユニットに対応して設置されているため、前記第2磁性鋼ユニット接続口は、前記層間接続プレートを貫通し、これにより、前記層間接続プレートの両側の磁性鋼ユニットの間が、連通されるように形成され、これにより、冷却液は、前記第1ガイドプレートから流れ出た後、前記層間接続プレートを通り、よって、前記層間接続プレートの両側のローターユニットの冷却を実現でき、したがって、磁性鋼とローターの冷却効果を達成し、モーター構造の使用中に発生する温度の影響を軽減し、エネルギー消費を削減する。
【0035】
さらに、前記第2ガイドプレート上において第2ガイド経路を有し、この第2ガイド経路は、連通された第2ガイド経路入口と第2ガイド経路出口とを含み、前記第2ガイド経路入口は、前記磁性鋼ユニットに対応して設置され、この磁性鋼ユニットの端部は、前記第2ガイド経路入口内に位置し、前記磁性鋼内の冷却液は、前記第2ガイド経路入口に入り、さらに、前記第2ガイド経路出口から出て、これにより、モーター内のステーターコアと巻き線の冷却を実現し、モーターの使用中に発生する温度を大幅に低減し、モーター構造の放熱性と使用性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の一実施形態におけるローターユニットの構造図である。
【
図2】
図1の1/8ローターユニットの構造図である。
【
図4】本発明の一実施形態における磁性鋼ユニットの構造図であり、
図4aは、平面図で、
図4bは、
図4aに対応する斜視図である。
【
図5】本発明の別の一実施形態における磁性鋼ユニットの構造図であり、
図5aは、平面図で、
図5bは、
図5aに対応する斜視図である。
【
図6】本発明の別の一実施形態における磁性鋼ユニットの構造図であり、
図6aは、平面図で、
図6bは、
図6aに対応する斜視図である。
【
図7】本発明の別の一実施形態における磁性鋼ユニットの構造図で、
図7aは、平面図で、
図7bは、
図7aに対応する斜視図である。
【
図8】本発明の別の一実施形態における磁性鋼ユニットの構造図で、
図8aは、平面図で、
図8bは、
図8aに対応する斜視図である。
【
図9】本発明の別の一実施形態における磁性鋼ユニットの構造図であり、
図9aは平面図で、
図9bは、
図9aに対応する斜視図である。
【
図10】は、本発明の別の一実施形態における磁性鋼ユニットの構造図であり、
図10aは、平面図で、
図10bは、
図10aに対応する斜視図である。
【
図11】本発明の一実施例におけるローターの段階斜極(step skewed pole)の構造図である。
【
図12】本発明の一実施例におけるモーター構造の軸方向断面図である。
【
図13】本発明の別の一つの実施形態におけるモーター構造の軸方向断面図である。
【
図15】
図13からローターの外部部品を省略した構造図である。
【
図16】本発明の一実施例における第1ガイドプレートの構造図である。
【
図18】本発明の一実施例における第1ガイドプレートと両側の磁性鋼ユニットとの間の関係構造図である。
【
図19】本発明の一実施例における層間ガイドプレートの構造図である。
【
図21】本発明の一実施例における層間ガイドプレートと両側の磁性鋼ユニットとの間の関係構造図である。
【
図22】本発明の一実施例における中心軸の構造図である。
【
図23】本発明の一実施例における第2ガイドプレートの構造図である。
【
図24】本発明の一実施例における第2ガイドプレートと磁性鋼ユニットとの間の関係構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
現在、一般的に使用されるモーターの温度上昇を抑えるための方法は、モーター損耗の低減、またはモーターの放熱能力の向上との二種類に分類される。
モーター損耗の低減は、モーターの電磁設計を最適化することによって実現され、たとえば、鉄損のより低い型番の珪素鋼板の使用、銅量の増加、ステーターとローターの構造の最適化により高調波成分などを低減する。
モーターの放熱能力を向上するには、モーターの冷却方法を最適化し、一般的に、冷却方式の放熱能力が高いものから低いものの順で、水冷または油冷によるステーターとローターの総合冷却、ステーター単体の水冷冷却、自然通風、または強制通風冷却である。
【0038】
発明者の研究によると、これらの冷却方法では、特に、水冷または油冷によるステーターとローターの総合冷却については、様々な設計手法または構造が提案されているが、これらの冷却方法や構造では、ステーターコアと巻き線端部をある程度までしか冷却ができず、また、スプレーシステムに関わるため、冷却構造が複雑であり、モーター全体の各部分、特に、磁性鋼の冷却効果の均一性を保証できず、磁性鋼の冷却効果にも限界があり、且つ、モーター全体の総合コストが高くなりすぎる。
【0039】
よって、発明者の研究によると、磁性鋼内に穴構造を設置すると、磁性鋼内の穴構造により、磁性鋼の量を削減しコストが低減されるとともに、前記穴構造の存在により、磁性鋼内部の渦電流回路がある程度抑制され、それにより、磁性鋼損耗が減少し、同時に、これらの穴の設計は、磁性鋼の浸透工程の生産実施に非常に有利であり、特に厚みの大きい磁性鋼に対し、内部へ浸透できない問題を効果的に解決できるだけでなく、また、磁性鋼の厚み方向の保磁力の不均一な分布も回避できる。
【0040】
また、発明者の研究によると、モーター構造は、ローターを含み、前記ローターは、複数のローターユニットから構成され、前記ローターユニット内の磁性鋼は、穴構造を有し、これらの穴構造の合理的なレイアウト設計により、モーターローターから発生する高調波起磁力をある程度低減でき、したがって、モーター損耗と電磁力を最適化するという目的を達成することができる。
【0041】
発明者の研究によると、モーター構造はローターと第1ガイドプレートを含み、前記ローターは、第1ローター群と第2ローター群とを含み、前記第1ローター群内の一つのローターユニットと前記第2ローター群内の一つのローターユニットとは、隣接して設置され、第1ガイドプレートは、中心穴を有し、且つ、隣接する二つのローターユニットの間に設置され、中心軸は、前記ローターの中心と前記中心穴とを通り、前記中心軸には、放水孔が設けられ、この放水孔と前記第1ガイド経路と前記穴構造との間は、連通されるように設計され、このように、前記モーター構造が前記中心軸内に冷却液を通す場合、前記放水孔、前記第1ガイド経路、前記穴構造の間の連通設計により、冷却液が前記中心軸から流出することができ、前記放水孔と第1ガイド経路を経た後、前記磁性鋼内の穴構造内に入り、したがって、磁性鋼とローターの急速冷却が実現する。
【0042】
本発明の上記の目的、特徴と利点をより明確かつ理解しやすくするため、以下に本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0043】
図1は、本発明の一実施形態におけるローターユニットの構造図であり、
図2は、
図1の1/8ローターユニットの構造図であり、
図3は、
図2の正面図であり、
図4は、本発明の一実施形態における磁性鋼ユニットの構造図であり、
図4aは、平面図で、
図4bは、
図4aに対応する斜視図であり、
図5は、本発明の別の一実施形態における磁性鋼ユニットの構造図であり、
図5aは、平面図で、
図5bは、
図5aに対応する斜視図であり、
図6は、本発明の別の一実施形態における磁性鋼ユニットの構造図であり、
図6aは、平面図で、
図6bは、
図6aに対応する斜視図であり、
図7は、本発明の別の一実施形態における磁性鋼ユニットの構造図で、
図7aは、平面図で、
図7bは、
図7aに対応する斜視図であり、
図8は、本発明の別の一実施形態における磁性鋼ユニットの構造図で、
図8aは、平面図で、
図8bは、
図8aに対応する斜視図であり、
図9は、本発明の別の一実施形態における磁性鋼ユニットの構造図であり、
図9aは、平面図で、
図9bは、
図9aに対応する斜視図であり、
図10は、本発明の別の一実施形態における磁性鋼ユニットの構造図であり、
図10aは、平面図で、
図10bは、
図10aに対応する斜視図である。
【0044】
図1から
図3を参照すると、ローターユニット100は、ローター鉄心片101と磁性鋼ユニット102とを含む。
【0045】
前記磁性鋼ユニット102は、磁性鋼103から構成され、ローター鉄心片101上に位置し、穴構造104は、磁性鋼103内に位置する。
【0046】
本実施例において、磁性鋼103内には、穴構造104が設けられ、この穴構造104の存在により、前記磁性鋼103の形成に使用される材料が効果的に削減されるだけでなく、また、前記磁性鋼103を直接冷却するための通路も提供し、同時に、前記磁性鋼103の渦電流損失もある程度低減することができる。
【0047】
本実施例において、磁性鋼103は、ローター鉄心片101内に挿入されている。
【0048】
図2は、前記磁性鋼103がローター鉄心片101内に挿入されている過程を示す図である。
【0049】
本実施例においては、現在の自動車用永久磁石モーターの多くが焼結鉄ボロン磁性鋼材料を採用していることに合わせ、且つ、より高い耐熱性を得るために、より高い固有保磁力を必要とする。
一般的により高い固有保磁力を得るには、原材料の配合方法において、従来の製造工程での磁性鋼の配合方法において、重希土類のジスプロシウム、またはテルビウムの含有量を増やす必要がある。
前記穴構造の磁性鋼は、それ自身の渦電流損失が低減し、さらに、直接冷却されることができるため、最高温度を低下させ、つまり、高温耐性の要件が軽減されることになる。
したがって、本来のこれらの重希土類元素の使用量を削減、あるいは、不使用とすることが可能であり、これにより、磁性鋼の製造原料コストを低減し、磁性鋼のトータルコストは、さらに低減されることになる。
【0050】
本実施例において、穴構造104の存在により、重希土類ゼリー、または、ターゲット材は、磁性鋼内部に直接入ることができ、浸透後の勾配の問題を効果的に克服し、浸透の効果を向上させ、浸透の難しさを軽減する。
これは、実際の使用では、磁性鋼に対し改質処理となるため、すなわち、浸透工程である。
このような工程は、保磁力の低い型番の磁性鋼基材に基づき、表面を重希土ゼリーでコーティングするか、ターゲット材マグネトロンスパッタリング方式を採用し、ネオジム-鉄-ホウ素材料のミクロ構造の特性を利用し、重希土類元素を粒界に浸透させ、したがって、磁性鋼全体の耐減磁性能が向上するプロセスである。
この新しい生産工程は、重希土類材料の使用量を削減しながら、同等の高い耐減磁性能を獲得できるため、広く普及している。
しかし、このプロセスの特徴は、磁性鋼の配向方向の厚さに対し一定の条件があり、厚すぎる磁性鋼においては、浸透の深さが限られているため、耐減磁性能が、一定の勾配現象を呈し、極端の場合、磁性鋼の中間部分の耐減磁性能の向上は、非常に限られる。
ここで、前記穴構造の存在は、浸透の実現のため浸透の機会を提供する。
【0051】
本実施例において、前記穴構造104は、前記磁性鋼103を貫通している。
【0052】
本実施例において、前記穴構造104は、その後の冷却液の流れる通路として機能することができるだけでなく、同時に浸透工程の入口としても機能することができ、また、磁力線を切断し渦電流の発生の低減を実現することができる。
【0053】
本実施例においては、前記磁性鋼103内に、複数の前記穴構造104が設けられ、ハニカム状を形成する。
【0054】
その他の実施例においては、前記磁性鋼103内に、単一の前記穴構造104を設けることもできる。
【0055】
本実施例において、前記穴構造104は、丸穴を採用する。
【0056】
その他の実施例において、前記穴構造104は、丸穴と三角穴とまたは四角穴の中の一種類または複数種類の組み合わせを採用することもできる。
【0057】
本実施例において、前記穴構造104は、単一穴の構造を採用する。
【0058】
その他の実施例において、前記穴構造104は、積層穴の構造を採用し、前記穴構造が積層穴の構造を採用する場合、前記穴構造は、第1穴構造と第2穴構造とを含み、これらの第1穴構造と第2穴構造とは、互いに貫通する。
【0059】
前記穴構造が積層構造を採用する場合、第1穴構造の数と第2穴構造の数とは、同じであっても、異なってもよい。
【0060】
前記穴構造が積層構造を採用する場合、第1穴構造は、磁性鋼内部の全部を貫通せず、同時に、第2穴構造は、磁性鋼内部の全部を貫通せず、第1穴構造と第2穴構造は、互いに連通して磁性鋼内部の全部を貫通し、第1穴構造と第2穴構造は、層配列の形式を採用し磁性鋼内に存在する。
【0061】
前記第1穴構造と第2穴構造は、単一の穴構造であってもよく、積層穴の構造であってもよい。
例えば、前記穴構造は、第1穴構造と第N穴構造(N≧2)とを含み、これらの第1穴構造と第N穴構造とは、互いに貫通し、且つ、貫通は、直接的な貫通であってもよく、また、間接的な貫通であってもよく、貫通方向は、長さ、幅、及び厚さの中の任意の一つ、または、複数の方向に沿ったものであってもよい。
【0062】
図2と
図3を併せて参照すると、前記磁性鋼ユニット102は、磁性鋼103で構成される。
【0063】
本実施例において、前記磁性鋼ユニット102の数は、八つであり、ローターユニットの中心穴の円周方向に沿って前記ローター鉄心片101上に均等に分布している。
【0064】
その他の実施例において、前記磁性鋼ユニット102の数は、六つや四つ等異なる数であってもよい。
【0065】
本実施例において、前記磁性鋼103の高さと前記ローター鉄心片101の厚さとは、同じで、すなわち、磁性鋼103が、ローター鉄心片101に挿入された後、磁性鋼103の平面と前記ローター鉄心片101の平面は、フラットになる。
【0066】
その他の実施例において、前記磁性鋼103の高さは、ローター鉄心片101の厚さより小さくてもよく、すなわち、前記磁性鋼103が、ローター鉄心片101に挿入された後、前記磁性鋼103の平面は、ローター鉄心片101の平面よりも低くなる。
【0067】
本実施例において、前記磁性鋼ユニット102は、ローター鉄心片101上に嵌合接続し、すなわち、前記ローター鉄心片101上には、磁性鋼溝が設けられ、磁性鋼103は、磁性鋼溝内に嵌合接続される。
【0068】
本実施例において、前記磁性鋼ユニット102は、複数の磁性鋼を含む。
【0069】
その他の実施例において、前記磁性鋼ユニット102は、一つの磁性鋼を含む。
【0070】
図4は、本発明の一実施例における磁性鋼ユニット102の構造図であり、
図4aは、平面図で、
図4bは、
図4aに対応する斜視図である。
【0071】
図1と
図3を併せて参照すると、本実施例において、磁性鋼103は、第1磁性鋼105と第2磁性鋼106とを含み、これらの第1磁性鋼105と第2磁性鋼106とは、異なる大きさに設定されている。
【0072】
本実施例において、前記磁性鋼溝は、前記第1磁性鋼105の磁性鋼溝107と前記第2磁性鋼106の磁性鋼溝108に相当する。
【0073】
本実施例において、前記第1磁性鋼105の数は、二つで、その他の実施例において、前記第1磁性鋼105の数は、一つや三つ等異なる数であってもよく、実際のニーズに合わせて設計してよい。
【0074】
本実施例において、二つの第1磁性鋼105の間は、「V」字状の配置関係を示し、その他の実施例において、第1磁性鋼の間は、「W」字状の配置関係や、「一」字状の配置関係等を呈してよい。
【0075】
本実施例において、第2磁性鋼106の数は、二つであり、その他の実施例において、第2磁性鋼106の数は、一つや三つ等異なる数であってもよく、実際のニーズに合わせて設計してよい。
【0076】
本実施例において、二つの第2磁性鋼106の間は、「V」字状の配置関係を示し、その他の実施例において、前記第2磁性鋼の間は、「W」字状の配置関係や、「一」字状の形配置関係等を呈してよい。
【0077】
図5は、別の一実施例における磁性鋼ユニットの構造図であり、
図5aは、平面図で、
図5bは、
図5aに対応する斜視図である。
【0078】
図6は、別の一実施例における磁性鋼ユニットの構造図であり、
図6aは、平面図で、
図6bは、
図6aに対応する斜視図である。
【0079】
図7は、別の一実施例における磁性鋼ユニットの構造図であり、
図7aは、平面図で、
図7bは、
図7aに対応する斜視図である。
【0080】
図8は、別の一実施例における磁性鋼ユニットの構造図であり、
図8aは、平面図で、
図8bは、
図8aに対応する斜視図である。
【0081】
図9は本発明の別の一実施例における磁性鋼ユニットの構造図であり、
図9aは、平面図で、
図9bは、
図9aに対応する斜視図である。
【0082】
図10は本発明の別の一実施例における磁性鋼ユニットの構造図であり、
図10a、は平面図で、
図10bは、
図10aに対応する斜視図である。
【0083】
続けて
図1を参照すると、二つの第1磁性鋼の間に、楕円孔109が設けられる。
【0084】
前記楕円孔109は、磁気隔離ブリッジ(rib)通路孔とする。
【0085】
前記ローター鉄心片101上には、第1軽量化穴110と第2軽量化穴111が設けられる。
【0086】
図11を参照すると、ローター200は、複数のローターユニット100を含む。
【0087】
図11aは、軸方向の構造図で、
図11bは、円周方向の構造図である。
【0088】
本実施例において、前記ローター200は、分割斜極構造を採用する。
【0089】
他の実施形態において、前記ローターは、分割斜極構造を採用しなくてもよい。
【0090】
本実施例において、前記ローターは、分割斜極を採用しているため、中間の二層の物理的な位置角度が同じであることを除き、その他の隣接するローター鉄心片の間は、周方向上において2.5度の機械角度を呈す。
【0091】
本実施例において、ローターユニット100の数は、六つである。
【0092】
本実施例において、ローターユニットの数は、五つや八つ等異なる数でもよい。
【0093】
本実施例において、ローターは、周方向に「V」字状の構造を示す。
【0094】
他の実施例において、ローターは、周方向に「一」字状の構造等を呈し、実際の要求に応じて設計してよい。
【0095】
図12を参照すると、モーター構造500は、ローター200を含む。
【0096】
前記ローター200は、複数のローターユニット100により構成される。
【0097】
本実施例において、前記ローター200内に穴構造104を有し、ローターを形成する磁性鋼の量が削減されるとともに、モーターの作業の過程で磁力線が切断され、これにより、渦電流の影響を低減し、エネルギー損失を低減し、モーターの作業効率を向上させることができる。
【0098】
本実施例において、前記モーター構造500は、中心軸501、ステーターコア502及び巻き線503さらに含む。
【0099】
前記モーター構造500を構成する中心軸501、ステーターコア502、巻き線503、ケーシング、オイル注入管路、オイル注入口、オイル出口等その他の部品は、すべて既存のもので、ここでは、具体的な例示は示さない。
【0100】
図13~
図15を参照すると、モーター構造400は、ローター200、第1ガイドプレート401及び中心軸402を含む。
【0101】
図15においては、前記磁性鋼の配置関係を強調するために、ローター鉄心片101は、一部を省略している。
【0102】
前記ローター200は、第1ローター群403と第2ローター群404を含み、前記第1ローター群403内の一つのローターユニット100と、前記第2ローター群404内の一つのローターユニット100とは、隣接して設置される。
【0103】
第1ガイドプレート401は、中心穴409を有し、且つ、隣接する二つのローターユニット100の間に位置する。
【0104】
中心軸402は、前記ローターの中心と前記中心穴409とを通り、前記中心軸402には、放水孔405が設けられ、これらの放水孔405と第1ガイド経路と穴構造104との間は、連通されるように設計されている。
【0105】
本実施例において、前記第1ローター群403は、複数のローターユニット100を含み、前記第2ローター群404は、複数のローターユニット100を含む。
【0106】
本実施例において、前記第1ローター群403は、一つのローターユニット100を含んでもよく、前記第2ローター群404は、一つのローターユニット100を含んでもよい。
【0107】
本実施例において、前記第1ローター群403内のローターユニット100の数と、前記第2ローター群404内のローターユニット100の数は、同じである。
【0108】
他の実施例において、前記第1ローター群403内のローターユニット100の数と、前記第2ローター群404内のローターユニット100の数は、異なってもよい。
【0109】
本実施例において、第1ガイド経路は、第1ガイドプレート401内に位置し、連通された第1ガイド経路入口406と第1ガイド経路出口408とを含み、第1ガイド経路入口406は、中央孔409の側壁に位置し、第1ガイド経路出口408と磁性鋼ユニットとは、対応して設置される。
【0110】
本実施例において、冷却液が、中心軸402から入った後、放水孔405から第1ガイドプレート401内の第1ガイド経路に流出し、第1ガイド経路入口から第1ガイド経路出口408に入り、第1ガイド経路408と磁性鋼ユニット102とは、対応して設けられ、この際、磁性鋼内の穴構造104を利用し、冷却液は、第1ガイド経路出口408から穴構造104内に流れ、したがって、磁性鋼の冷却効果が実現する。
【0111】
本実施例において、耐高温の磁性鋼は、一般的に保磁力のより高い型番を必要とするため、より多くの重希土類を使用する必要があり、したがって、本ローターの油冷設計により、磁性鋼の保磁力の型番を下げることができ、コストダウンの第1歩を達成する。
【0112】
本実施例において、磁性鋼は、特殊な掘り込み設計を採用し、モーター性能の保証を前提に、磁性鋼の直接冷却効果を保証するだけでなく、また、磁性鋼の使用量をさらに削減し、二次的なコスト削減の目的を達成する。
同時に、磁性鋼の掘り込み設計を最適化することで、ローターの設計が軽量化されるだけでなく、また、磁性鋼の渦電流損失もさらに低減でき、すなわち、熱源を減らし、また、モーターの作業効率も向上し。
また、ローターの温度が下がることで、モーターは、最高回転速度での降伏耐性もある程度改善する。
【0113】
本実施例において、ローター200は、「V」字状の斜極構造を採用する。
【0114】
他の実施例において、ローター200は、「一」字状の斜極構造を採用してもよい。
前記ローター200が、「一」字状の斜極構造を採用することができる場合、第1ローター群403内のローターユニット100の数、及び、第2ローター群404内のローターユニット100の数が偶数であれば、第1ガイドプレート401の最適な設計は、ローター200の中間部分に設計されることであり、すなわち、第1ガイドプレート401の片側は、第1ローター群403であり、もう片側は、第2ローター群404である。
【0115】
その他の実施例において、第1ガイドプレート401は、第1ローター群403内の隣接する二つのローターユニット100の間に位置してもよく、または、第2ローター群404内の隣接する二つのローターユニット100の間に位置してもよい。
【0116】
前記ローター200が、「一」字状の斜極構造を採用してもよく、且つ、第1ローター群403内のローターユニット100の数、及び、第2ローター群404内のローターユニット100の数が奇数である場合、この際、ローター200の中心に位置するローターユニットを選択し、それを切り開き二つの比較的薄いサブローターユニットをなすようにし、第1ガイドプレート401を、二つの比較的薄いサブローターユニットの間に位置させる。
【0117】
他の実施例において、ローター200が、「一」字状の斜極構造を採用してもよく、且つ、第1ローター群403内のローターユニット100の数、及び、第2ローター群404内のローターユニット100の数が奇数である場合、この際、ローター200内に位置する任意の一つのローターユニットを選択し、それを切り開き二つの比較的薄いサブローターユニットをなすようにし、第1ガイドプレート401を二つの比較的薄いサブローターユニットの間に位置させる。
【0118】
【0119】
本実施例において、第1ガイドプレート401上に第1磁性鋼ユニット接続口407をさらに有し、第1磁性鋼ユニット接続口407は、第1ガイドプレート401を貫通し、第1磁性鋼ユニット接続口407の側壁は、第1ガイド経路出口408を露出させ、第1ガイドプレート両側の磁性鋼ユニットの端部は、前記第1磁性鋼ユニット接続口に位置する。
【0120】
本実施例において、第1ガイド経路出口408は、磁気隔離ブリッジガイド出口410と第1磁性鋼ガイド出口411と第2磁性鋼ガイド出口412とを含む。
【0121】
本実施例において、第1磁性鋼ユニット接続口407の側壁は、第1磁性鋼ガイド出口411と第2磁性鋼ガイド出口412を露出させ、磁気隔離ブリッジガイド出口410は、磁気隔離リブ(rib)の通路孔内に位置する。
【0122】
本実施例において、第1ガイド経路413は、ラジアルガイド経路414と第1磁性鋼ガイド経路415と第2磁性鋼ガイド経路416とを含み、第1磁性鋼ガイド経路415は、ラジアルガイド経路の両側に対称的に分布され、第1磁性鋼ガイド経路416は、ラジアルガイド経路414の両側に対称的に分布される。
【0123】
本実施例において、第1ガイド経路入口406は、第1ガイド経路413に対応して設置され、具体的には、第1ガイド経路入口は、ラジアルガイド経路に対応して設置され、前記第1ガイドプレート入口は、ラジアルガイド経路の端部に位置する。
【0124】
本実施例において、第11ガイド経路入口406は、前記放水孔405に対応して設置される。
【0125】
本実施例において、第1磁性鋼ユニット接続口407の側壁は、第1磁性鋼ガイド出口411と第2磁性鋼ガイド出口412を露出させる。
【0126】
図18は、前記第1ガイドプレート401と両側の磁性鋼ユニットの間の関係構造図を示す。
【0127】
【0128】
前記層間接続プレート301上には、第2磁性鋼ユニット接続口302を有し、第2磁性鋼ユニット接続口302は、層間接続プレートを貫通する。
【0129】
本実施例において、前記第2磁性鋼ユニット接続口302は、層間接続プレートを貫通し、ローター200は、斜極構造を採用し、隣接する二つのローターユニット100内の穴構造は、ある角度の傾斜を呈し、このように、層間接続プレート301上の第2磁性鋼ユニット接続口302を利用し、隣接する二つのローターユニット100の間の穴構造が、互いに連通し、したがって、冷却液の流れを実現することができる。
【0130】
前記層間接続プレートを表面と裏面を備え、層間接続プレートの表面上に位置する第2磁性鋼ユニット接続口は、第1磁性鋼表面接続口303と第2磁性鋼表面接続口304に分けられ、層間接続プレートの裏面上に位置する第2磁性鋼ユニット接続口は、第1磁性鋼裏面接続口305と第2磁性鋼裏面接続口306に分けられる。
【0131】
前記第2磁性鋼ユニット接続口302と磁性鋼ユニット102は、対応して設置され、前記層間接続プレートの両側の磁性鋼ユニットの端部は、第2磁性鋼ユニット接続口内に位置する。
【0132】
図21を参照すると、本実施において、層間接続プレートの表面に位置する第1磁性鋼の端部と第2磁性鋼の端部は、それぞれ第1磁性鋼の表面接続口303と第2磁性鋼の表面接続口304に配置され、層間接続プレートの裏面に位置する第1磁性鋼の端部と第2磁性鋼の端部は、それぞれ第1磁性鋼の裏面接続口305と第2磁性鋼の裏面接続口306に位置する。
【0133】
【0134】
前記中心軸402は、中空軸であり、この中心軸402上には放水孔405が設けられ、中心軸402内の冷却液を外へ拡散するのに用いられ、周囲のローター200等の構造上に伝達する。
【0135】
本実施例において、冷却液は、穴構造104から流れ出て、層間接続プレート301の存在により、冷却液は、継続的に一つのローターユニット100内の穴構造から、隣接するローターユニット100内の穴構造104内に流れ、このように、冷却液は、ローター内で一段ずつ流れ、したがって、ローターの冷却効果を実現する。
【0136】
本実施例において、前記層間接続プレート301は、磁気隔離リブ(rib)通路109の表面接続口307と裏面接続口308をさらに有し、前記磁気隔離リブ(rib)通路の表面接続口307と裏面接続口は、第1ガイドプレート401上の磁気隔離リブ(rib)通路に対応して設置され、このように、冷却液の流れの過程で、冷却液は、磁気隔離リブ(rib)通路の表面接続口307と裏面接続口308から前記ローター鉄心片101の表面に流れることもでき、したがって、前記ローター鉄心片101の冷却効果を実現する。
【0137】
本実施例において、前記層間接続プレート301の軸方向通路は、連続傾斜の方式で貫通し、このように、冷却液は、隣接する二層のローターユニット100の間を流れることができる。
同時に、前記ローターユニット100の左右両方の層間接続プレートは、ちょうど鏡面対称である。
これはローターが、分割傾斜極を採用しているためで、中間の二つのローターユニットの物理的な位置角度が同じであることを除き、その他の隣接するローターユニットの間には、円周方向に2.5度の機械角度が存在し、したがって、直接貫通型の層間接続プレートを使用してガイドを行うことはできない。
【0138】
図23を参照すると、本実施例においては、第2ガイドプレート600をさらに含み、前記ローターの端部に位置する。
【0139】
図24は、前記第2ガイドプレート600と磁性鋼ユニット102の間の関係構造図を示す。
【0140】
本実施例においては、前記第1ローター群403と第2ローター群404内に複数のローターユニット100を有するため、前記第2ガイドプレート600と隣接する層間接続プレート301との間に、ローターユニット100を有する。
【0141】
他の実施例においては、第1ローター群403または第2ローター群404内に一つの前記ローターユニット100を有し、前記第2ガイドプレートと隣接する第1ガイドプレート401との間にローターユニット100を有する。
【0142】
本実施例において、前記第2ガイドプレート600の数は、二つであり、それぞれローターの両端に位置する。
【0143】
本実施例においては、第2ガイドプレート600上に第2ガイド経路を有し、この第2ガイド経路は、連通された第2ガイド経路入口601と第2ガイド経路出口602とを含み、第2ガイド経路入口601は、磁性鋼ユニット102に対応して設置され、磁性鋼ユニット102の端部は、第2ガイド経路入口601に位置する。
【0144】
本実施例において、前記第2ガイド経路入口601のサイズは、磁性鋼ユニット102の端部のサイズよりも小さく、ただし、磁性鋼上のすべての穴構造をカバーすることが可能であり、このような設置の目的は、冷却液が、第2ガイドプレート内に完全に合流することを保証するとともに、磁性鋼の長時間作業による緩みで軸方向の動きが発生するのを避けることができる。
【0145】
他の実施例において、第2ガイド経路入口601のサイズは、磁性鋼ユニット102の端部のサイズと等しくてもよい。
【0146】
本実施例において、前記第2ガイド経路入口601は、冷却液の流入のための入口を提供し、第2ガイド経路出口602は、冷却液の流出のための出口を提供する。
【0147】
本実施例において、前記第2ガイド経路入口601は、冷却液収集用の入口とし、穴構造内から流出した冷却液は、すべて第2ガイド経路入口601内に集められる。
【0148】
本実施例において、前記第2ガイド経路入口601は、磁性鋼の端部の受け入れ口とし、ローターの両端の磁性鋼の端部は、ちょうど第2ガイド経路入口に収まる。
【0149】
本実施例において、前記第2ガイド経路出口602は、第2ガイドプレートの側壁に位置し、第2ガイドプレート600の円周方向に沿って均等に分布される。
【0150】
本実施例において、前記第2ガイド経路出口602の数は、ローターの極数の倍数であり、前記倍数は、例えば、2倍や3倍等整数倍でもよく、または、例えば、2.5倍や2.1倍等非整数倍ででもよい。
【0151】
本実施例において、ローターの外側に設置されたステーターアセンブリもさらに含み、ステーターアセンブリは、ステーターコア700とステーターコア上に巻かれる巻き線800とを含む。
【0152】
本実施例においては、中心軸402内に位置する送油管をさらに含む。
【0153】
本実施例において、冷却液は、送油管からローターの中心軸402の内腔に入り、中心軸402の中間において放水孔405を有する。
冷却液は、放水孔405から第1ガイドプレート401の内腔に入り、この第1ガイドプレート401によって向きを調整された後、左右両方から第1ローター群403と前記第2ローター群404にそれぞれ入る。
前記第1ガイドプレート401内には、三種類の冷却通路があるため、第1ローター群と第2ローター群上に三種類の冷却通路があることを保証し、すなわち、第1オープン通路と第2オープン通路と磁気隔離リブ(rib)通路である。
ただし、前記ローターは、高調波を除去するために分割傾斜極方式を通常採用しているため、それぞれの隣接する二つのローター間の三種類の冷却通路は、直接貫通されておらず、冷却液を第1ガイドプレートから第2ガイドプレートへスムーズに流すため、第1ガイドプレート両側の二つのローターユニットを除き、残りのそれぞれの隣接する二つのローターユニットの間に、一つの層間接続プレートが設計され、層間接続プレート上の第2磁性鋼ユニット接続口を通路とし、この通路は、斜め貫通であり、すなわち、右側のガイドの形状と右側の磁性鋼ユニットの形状とが一致し、左側のガイドの形状と左側の磁性鋼ユニットの形状とが一致し、これにより、冷却液は、常にこれら三種類の冷却通路を通じて両端の第2ガイドプレートに進入し、この第2ガイドプレートの厚みの面には、円周方向に沿って均一な前記第2ガイド経路出口を有し、冷却液は、第2ガイド経路出口を通じてモーターステーターアセンブリの端部にスプレーされ、最後は、外殻底部まで合流し、オイル出口の穴から流れ出て、このプロセスにより、ローターと磁性鋼及びステーターアセンブリに対する冷却作用が実現し、これをもって、磁性鋼の高速領域での過熱または減磁のリスクを回避する。
【0154】
以上のように本発明を開示したが、本発明は、これに限定されるものではない。
いかなる本分野の技術者であるなら、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、等しく様々な変更と修正を行うことができ、したがって、本発明の保護範囲は、特許請求範囲に規定される範囲に従うべきである。
【国際調査報告】