(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-08
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21L 4/02 20060101AFI20240401BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20240401BHJP
F21V 14/00 20180101ALI20240401BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
F21L4/02 100
H05B47/155
F21V14/00 200
F21V23/04 150
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553126
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(85)【翻訳文提出日】2023-08-31
(86)【国際出願番号】 DE2022100093
(87)【国際公開番号】W WO2022223067
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】202021102154.3
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519421433
【氏名又は名称】レッドレンザー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】LEDLENSER GMBH & CO. KG
【住所又は居所原語表記】Kronenstrasse 5-7, D-42699 Solingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァー ドロス
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014GA00
3K273PA07
3K273QA05
3K273QA24
3K273QA28
3K273RA04
3K273SA24
3K273SA40
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA45
3K273TA78
3K273UA02
3K273UA17
3K273VA08
(57)【要約】
本発明は、それぞれ1つの光源および1つのコリメータを有している複数のチャネルKnを備える照明器具に関する。所要スペースが小さく、容易に封止され、容易に取り扱われ、ズーム設定に関連していない、ひいては光分布の設定された幅に関連していない最適な光分布を生じさせるズーム可能な照明器具を提供するために、本発明では、各チャネルKnが、異なる開き角度αnを備える光円錐を生成することが想定されている。チャネルKnはここで列(Kn)n=1,…,Nを形成し、その光円錐は、段階的に大きくなるまたは段階的に小さくなる開き角度αnを有している。操作素子を用いて操作変数xを設定することによって、チャネルKnの強度In(x)が制御可能であり、チャネルKnの、操作変数に関連する強度In(x)は、それぞれ、極大値(17)ならびに立ち上がりエッジ(16)および/または立ち下がりエッジ(18)を備える曲線に追従し、隣接するチャネルKn-1,Kn,Kn+1の曲線は、次のように相互にシフトさせられており、すなわち、チャネルKnの強度In(x)の、操作素子によって制御される低減が少なくとも部分的に、隣接するチャネルKn±1の強度In(x)の上昇と結び付けられているように、かつチャネルKnの強度In(x)の、操作素子によって制御される上昇が少なくとも部分的に、隣接するチャネルKn±1の強度In(x)の低減と結び付けられているように、相互にシフトさせられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ1つの光源(111,112,113)および1つのコリメータ(121,122,123)を有している複数のチャネルK
nを備える照明器具であって、
・各チャネルK
nは、異なる開き角度α
nを備える光円錐(131,132,133)を生成し、
・前記チャネルK
nは、列(K
n)
n=1,…,Nを形成し、その光円錐(131,132,133)は、段階的に大きくなるまたは段階的に小さくなる開き角度α
nを有しており、
・操作素子(14)を用いて操作変数xを設定することによって、前記チャネルK
nの強度I
n(x)が制御可能であり、前記チャネルK
nの、操作変数に関連する前記強度I
n(x)は、それぞれ、極大値(17)ならびに立ち上がりエッジ(16)および/または立ち下がりエッジ(18)を備える曲線に追従し、隣接するチャネルK
n-1,K
n,K
n+1の前記曲線は、次のように相互にシフトさせられており、すなわち
a)チャネルK
nの前記強度I
n(x)の、前記操作素子(14)によって制御される低減が少なくとも部分的に、隣接するチャネルK
n±1の強度I
n±1(x)の上昇と結び付けられているように、かつ
b)チャネルK
nの前記強度I
n(x)の、前記操作素子(14)によって制御される上昇が少なくとも部分的に、隣接するチャネルK
n±1の前記強度I
n±1(x)の低減と結び付けられているように、
相互にシフトさせられている、
ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
操作変数に関連する前記強度I
n(x)は、それぞれ、立ち上がりエッジ(16)、極大値(17)および立ち下がりエッジ(18)を有する釣鐘状の曲線に追従する、
請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
チャネルK
nの最大の強度I
n,max(x)は、左側で隣接するチャネルK
n-1の立ち下がりエッジ(18)の終端および右側で隣接するチャネルK
n+1の立ち上がりエッジ(16)の始端と一致する、
請求項1または2記載の照明器具。
【請求項4】
前記チャネルK
nの前記強度I
n(x)は、前記立ち上がりエッジ(16)の範囲および/または前記立ち下がりエッジ(18)の範囲において線形に延在している、
請求項1から3までのいずれか1項記載の照明器具。
【請求項5】
前記チャネルK
nの前記強度I
n(x)は、前記立ち上がりエッジ(16)の範囲および/または前記立ち下がりエッジ(18)の範囲において、I
n(x)=sin
a(x+φ
n)の形状の関数に追従し、これは操作変数x、
【数1】
およびチャネルに関連する位相シフトφ
nを伴う、
請求項1から3までのいずれか1項記載の照明器具。
【請求項6】
前記操作素子(14)は、エンコーダ、特に回転エンコーダ(141)、スライドコントローラまたはキーである、
請求項1から5までのいずれか1項記載の照明器具。
【請求項7】
前記チャネルK
nの前記列(K
n)
n=1,…,Nは、N個のチャネルK
nを有する有限の列である、
請求項1から6までのいずれか1項記載の照明器具。
【請求項8】
前記チャネルK
nの前記列(K
n)
n=1,…,Nは、前記チャネルK
nの数Nの周期長を備える周期的な列であり、したがって最後のチャネルK
Nは、最初のチャネルK
1の隣接するチャネルである、
請求項1から6までのいずれか1項記載の照明器具。
【請求項9】
前記照明器具(10)のスイッチオンは、前記操作素子(14)の最後に行われた設定または一定のスタート設定と結び付けられている、
請求項1から8までのいずれか1項記載の照明器具。
【請求項10】
釣鐘状の曲線の外側の前記チャネルK
nの前記強度I
n(x)は、完全に消失する、または一定の値を取る、
請求項1から9までのいずれか1項記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ1つの光源および1つのコリメータを有している複数のチャネルKnを備える照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
上位概念に記載された照明器具は、通常、懐中電灯またはヘッドライトの形態の携帯型照明器具として構成されている。そのような照明器具を用いて、種々異なる距離で前方領域を照明することができるようにするために、従来技術から公知の照明器具は機械的なズームを有しており、この機械的なズームによって、光源とコリメータとの間の間隔を変更することができ、この変更の結果、設定に関連して、光分布がより狭くなるまたはより広くなる。狭い光分布、いわゆるスポットビームを用いて、前方領域の遠くにある範囲を照明することができ、幅の広い光分布、いわゆるフラッドビームを用いて、前方領域の近くにある範囲を照明することができる。
【0003】
機械的なズームは、欠点をもたらす場合がある。なぜなら、機械的なズームは、相互に可動に支持された複数の部品を必要とし、これによって、侵入する塵埃および/または侵入する水に対する、照明器具のハウジングの効果的な封止が困難になるからである。さらに、機械的なズームには、大きい所要スペースが伴う。機械的なズームの取り扱いも欠点をもたらす。なぜなら多くの場合に、機械的なズームを取り扱うために2つの手が必要になり、さらには構成要素の摺動が、ひっかかって動かなくなることがあり得るので、比較的大きな力をかける場合にのみ可能になるからである。最後に、光源とコリメータとの間に明確な間隔が設けられている場合にしか最適な光分布がコリメータによって生成されないので、光分布の質はあまり良くない。したがって、ズームに起因する、最適な位置からの偏差は、必然的に、前方領域の最適以下の照明を生じさせることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに基づいて、本発明の課題は、上述の欠点を克服する照明器具、特に懐中電灯またはヘッドライトの形態の携帯型照明器具を提案することにある。特に、所要スペースが小さく、容易に封止され、容易に取り扱われ、ズーム設定に関連していない、ひいては光分布の設定された幅に関連していない最適な光分布を生じさせるズーム可能な照明器具が提供されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題は、請求項1に記載の照明器具によって解決される。本発明では、次のことが想定されている。
【0006】
各チャネルKnは、異なる開き角度αnを備える光円錐を生成する。ここで、これらの光円錐の開き角度αnは、それぞれチャネルから放射される光強度の半値全幅FWHM(Full Width Half Maximum)に関連する。
【0007】
ここで、チャネルK
nは列(K
n)
n=1,…,Nを形成し、その光円錐は、段階的に大きくなるまたは段階的に小さくなる開き角度α
nを有している。換言すると、チャネルK
nは、一連番号が付けられた、列(K
n)
n=1,…,Nの構成部分であり、インデックスnと、チャネルの数Nと、を有している。したがって、Nには
【数1】
が当てはまる。列(K
n)
n=1,…,Nの構成部分ひいてはチャネルK
nは次のように番号が付けられている。すなわち、最初の構成部分/チャネルK
1からはじまって、最後の構成部分/チャネルK
Nまで、光円錐の開き角度が、段階的に大きくなるようにまたは段階的に小さくなるように番号が付けられている。
【0008】
操作素子を用いて操作変数を設定することによって、チャネルKnの強度が制御可能である。これは、チャネルの光源によって生成される光の強度が制御可能であることを意味している。ここでは、チャネルの、操作変数に関連する強度が、それぞれ、極大値ならびに立ち上がりエッジおよび/または立ち下がりエッジを備える曲線に追従し、隣接するチャネルKn-1,Kn,Kn+1の曲線は、次のように相互にシフトさせられており、すなわち
a)チャネルKnの強度の、操作素子によって制御される低減が少なくとも部分的に、隣接するチャネルKn±1の強度の上昇と結び付けられているように、かつ
b)チャネルKnの強度の、操作素子によって制御される上昇が少なくとも部分的に、隣接するチャネルKn±1の強度の低減と結び付けられているように、
相互にシフトさせられている。
【0009】
したがって、適切な曲線は、極大値の隣に少なくとも1つの立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジを有している。これとは無関係に、曲線は、極大値の隣に、立ち上がりエッジも立ち下がりエッジも有していてよい。これによって、選択的に、放射される光円錐の段階的な拡大または縮小が可能になり、ここでこのためにコリメータを、対応付けられている光源に関して機械的にシフトさせる必要はない。放射される光円錐の段階的な拡大または縮小の際に、さらに、駆動制御されるチャネルの強度の連続的な上昇または低減が達成され、その結果、種々異なるズーム設定の間に穏やかな移行が生じる。したがって、放射される光円錐の設定は完全に電子的に行われ、それゆえ、このようなズーム可能な照明器具は有利には、より小さい所要スペースを有し、ならびに容易に封止され、容易に取り扱われる。さらに、コリメータを、それぞれ対応付けられている光源までの固定的に設定された間隔に最適に合うように形成することができ、これによって、設定に関連せずに、最適な光分布が得られる。
【0010】
以降で、さらには従属請求項において、本発明の好ましい構成を示す。
【0011】
はじめに、好適には、操作変数に関連する強度In(x)がそれぞれ、立ち上がりエッジ、極大値および立ち下がりエッジを有する釣鐘状の曲線に追従することが想定されている。ここで、釣鐘状の曲線は、下方に向かって開いている。
【0012】
本発明の有利な発展形態の範囲において、チャネルKnの最大の強度が、左側で隣接するチャネルKn-1の立ち下がりエッジの終端および右側で隣接するチャネルKn+1の立ち上がりエッジの始端と一致することが想定されている。このようなシフト、特に、操作変数に関連する強度の間のこのような位相シフトの場合には、チャネルKnの最大の強度のもとで、別のチャネルは駆動制御されない。操作素子を用いて操作変数を変えることによってはじめて、その前に駆動制御されたチャネルKnの強度が低下し、また、隣接するチャネルKn±1の強度は、ここでも、この隣接するチャネルKn±1が自身の最大の強度を生成するように操作素子が設定されるまで大きくなる。これによって、設定に関連せずに1つまたは2つのチャネルだけが駆動制御され、それによって、光分布が、種々異なる光強度を備える範囲を最大で2つ有するため、種々異なるチャネル間での穏やかなズーム効果と均一な光分布とが得られる。
【0013】
本発明の別の有利な発展形態によれば、チャネルKnの強度が、立ち上がりエッジの範囲および/または立ち下がりエッジの範囲において線形に延在していることが想定されている。好適には、チャネルKnの強度が、立ち上がりエッジの始端と立ち下がりエッジの終端との間で、線形の立ち上がりエッジおよび線形の立ち下がりエッジを備える三角関数に追従することが想定されている。
【0014】
択一的に、好ましい構成の範囲において、チャネルK
nの強度が、立ち上がりエッジの範囲および/または立ち下がりエッジの範囲において、
I
n(x)=sin
a(x+φ
n)
の形状の関数に追従することが想定されている。ここでxは操作素子の操作変数である。定数aは、実数の要素であり、2以上であり、したがって、
【数2】
が当てはまる。最後に、φ
nは、観察されるチャネルK
nの位相シフトを表す。立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジの両方が、関数I
n(x)=sin
a(x+φ
n)に追従する場合、立ち上がりエッジの始端と立ち下がりエッジの終端との間に釣鐘状の曲線が位置する。しかし、立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジおよび/または釣鐘状の曲線が、それぞれ異なる形状を有していてもよく、この場合、曲線は、好適には連続的である、かつ/または連続的に微分可能である。
【0015】
操作変数を設定し、ひいては駆動制御されるチャネルKnの強度を設定し、電子的に制御されるズームを実行する操作素子は、本発明の好ましい構成によれば、エンコーダ、特に回転エンコーダ、スライドコントローラまたはキーである。操作変数は、回転エンコーダの場合には、回転ボタンの回転によって設定され、スライドコントローラの場合には、スライダのシフトによって設定される。これに対して、キーは、キーの押圧を維持することによって操作変数の連続的な変化ひいては連続的なズームが行われるように、設定されていてよい。このケースでは、キーの繰り返しの操作が、操作変数の段階的な変更、ひいては選択されたズーム設定と関連していてよい。例示的に挙げた操作素子の他に、操作変数の入力が例えば照明器具の前でのワイプ運動または音声制御によって行われる、操作変数を設定する他の考えうるすべての機器も考えられ、これは、特に容量性スイッチ、ジェスチャ制御部である。
【0016】
本発明の好ましい構成によれば、チャネルKnの列(Kn)n=1,…,Nが、N個のチャネルKnを有する有限の列であることが想定されている。これは、最初のチャネルK1からはじまって、最後のチャネルKNまでのチャネルKnの駆動制御が段階的にまたは連続的に行われるが、チャネルKNからチャネルK1への切り替えのためには、チャネルKnの列が逆の順序で実行されなければならないことを意味している。この構成は、例えば操作素子がスライドコントローラとして構成されており、スライダの端部ストッパが左側でチャネルK1と一致しており、右側でチャネルKNと一致している場合に満たされる。
【0017】
択一的に、チャネルKnの列(Kn)n=1,…,Nが、チャネルKnの数Nの周期長を備える周期的な列であり、したがって最後のチャネルKNが、最初のチャネルK1の隣接するチャネルであることが想定されている。したがって、KN+1=K1が当てはまる。チャネルKnの周期的な列は、例えば回転エンコーダまたはキーによって実現され得る。なぜなら、回転エンコーダもキーも、左側のストッパまたは右側のストッパによって制限されていない、もしくは制限されている必要がないからである。
【0018】
照明器具のスイッチオンは、操作素子の種々異なる設定と関連していてよい。本発明の第1の有利な構成によれば、照明器具のスイッチオンは、操作素子の最後に行われた設定と結び付けられていることが想定されている。これに対して択一的に、照明器具のスイッチオンが、一定のスタート設定と関連していることが想定されている。
【0019】
最後に、本発明の好ましい構成の範囲において、釣鐘状の曲線の外側のチャネルの強度が、完全に消失する、または一定の値を取ることが想定されている。
【0020】
以降で、図面に基づき、本発明の具体的な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】3つのチャネルを備える照明器具を概略的に示す図である。
【
図2a】操作変数に関連する、チャネルに関連する強度の経過を伴うグラフを示す図である。
【
図2b】操作変数に関連する、チャネルに関連する強度の経過を伴うグラフを示す図である。
【
図2c】操作変数に関連する、チャネルに関連する強度の経過を伴うグラフを示す図である。
【
図2d】操作変数に関連する、チャネルに関連する強度の経過を伴うグラフを示す図である。
【
図2e】操作変数に関連する、チャネルに関連する強度の経過を伴うグラフを示す図である。
【
図2f】操作変数に関連する、チャネルに関連する強度の経過を伴うグラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、概略図の範囲において本発明の第1の実施形態を示している。図示されているのは、それぞれ1つの光源111,112,113および1つのコリメータ121,122,123を有している3つのチャネルK
1,K
2,K
3を備える照明器具10である。各チャネルK
1,K
2,K
3は、異なる開き角度α
1,α
2,α
3を備える光円錐131,132,133を生成し、ここでチャネルK
1,K
2,K
3は列を形成し、列の光円錐131,132,133は、段階的に大きくなる開き角度α
1,α
2,α
3を有している。したがって、α
1<α
2<α
3が当てはまる。チャネルK
1,K
2,K
3の強度I
nは、操作素子14を用いて設定可能であり、図示の実施例では、操作素子14は、回転エンコーダ141として構成されており、操作変数xを、自身の設定された回転位置に関連して、制御ユニット15に出力する。矢印方向19における操作素子14の回転によって、操作変数xが変化し、チャネルK
1,K
2,K
3は、変化する、操作変数に関連する強度I
n(x)を生成する。チャネルK
1,K
2,K
3の、操作変数に関連する強度I
n(x)は、それぞれ極大値ならびに立ち上がりエッジおよび/または立ち下がりエッジを備える曲線に追従し、隣接するチャネルK
n,K
n±1のこれらの曲線は、操作素子14によって制御される、チャネルK
nの強度I
n(x)の低減が、少なくとも部分的に、隣接するチャネルK
n±1の強度I
n±1(x)の上昇と結び付いているように、かつその逆であるように、相互にシフトさせられている。
図2a~
図2eは、操作変数xに関連した、チャネルに関連する強度I
n(x)の種々異なる関数関係を示している。
【0023】
図2aは、操作変数xと、チャネルK
nの、操作変数に関連する強度I
n(x)と、の最初の具体的な対応付けを示しており、
図2aならびに後続のグラフにおいて強度I
n(x)は正規化されて示されている。これによると、操作変数x=0は、例えばチャネルK
1の最大の強度I
1(x)と一致し、この最大の強度I
1(x)は同様に、比較的小さい開き角度α
1を有する光円錐131ひいてはスポットビームを生成する(位置1)。
図2aのグラフの下側のピクトグラムは、光円錐131,132,133の断面図を、照明器具10からの一定の間隔で観察して示しており、この場合、交差的にハッチングされた断面は、比較的高い強度を表し、斜めにハッチングされた断面は、比較的低い強度を表す。操作変数xがより大きな値へ変化することによって、はじめにチャネルK
1の強度I
1(x)が低減し、他方で、これと同時に、右側で隣接するチャネルK
2の強度I
2(x)が増大する。したがって、チャネルK
1は立ち下がりエッジ18に追従し、これに対して、チャネルK
2は立ち上がりエッジ16に追従している。交点(位置2)では、位置1に比べて大きな直径を備える光分布が生じる。位置3に至るまでの操作変数xのさらなる増大によって、チャネルK
2の最大の強度I
2(x)が生じ、他方で、残りのチャネルK
1,K
3は、消失する強度I
1(x),I
3(x)を有する。操作変数xのさらなる増大によって、光分布の直径が拡大される。なぜなら、チャネルK
3が、増大する強度I
3(x)によって駆動制御されるからである。位置4において、チャネルK
2とK
3とからの混合光分布が生じ、ここで、光円錐は、開き角度α
2と比べて大きい開き角度α
3を有する。操作変数xの、位置5までのさらなる増大によって、チャネルK
3の最大の強度I
3(x)がもたらされ、ひいては最大の開き角度α
3での、前方領域の均一な照明がもたらされ、その結果、位置5においてフラッドビームが設定されている。操作変数xのさらなる増大によって、チャネルK
3の強度I
3(x)が低減し、チャネルK
1の強度I
1(x)が増大する。なぜなら、図示の実施例におけるチャネルK
1は、チャネルK
3に対して右側で隣接するチャネルとして定義されているからである。位置6において、チャネルK
3およびK
1の、強度がより弱くなった照明が生じ、この照明は、操作変数xのさらなる増大の際に、チャネルK
1の単独の駆動制御に至る。チャネルK
nの、操作変数に関連する強度I
n(x)間のシフトもしくは位相シフトφ
nによって、操作変数xの連続的なバリエーションが、光円錐131,132,133の段階的な拡大または縮小を可能にする。同時に、強度I
n(x)の増大または低減が連続的に行われる。これによって、前方領域を最適に照明するための電子的に制御されたズーム効果が生じる。
【0024】
図2aによる(正規化された)強度I
n(x)は、形状
I
n(x)=sin
2(x+φ
n)
であり、ここで位相シフトφ
nは、チャネルK
nの最大の強度が、左側で隣接するチャネルK
n-1の立ち下がりエッジ18の終端および右側で隣接するチャネルK
n+1の立ち上がりエッジ16の始端と一致するように選択されている。これとは異なり、
図2bには、線形の立ち上がりエッジ16、極大値17および線形の立ち下がりエッジ18を備えた強度I
n(x)のそれぞれ1つの三角形の経過が示されている。しかし、予め設定可能な操作変数xのバリエーションによるチャネルK
nの機能様式ひいては転換は、
図2aの実施形態に類似している。
【0025】
チャネルK
nの数は、実質的に制限されていない。
図2cは、チャネルK
1,…,Nのチャネルに関連する強度I
n(x)がそれぞれ位相シフトφ
nを伴って示されており、これにしたがって、チャネルK
nの最大の強度I
n(x)が、左側で隣接するチャネルK
n-1の立ち下がりエッジ18の終端および右側で隣接するチャネルK
n+1の立ち上がりエッジ16の始端と一致する。
【0026】
チャネルに関連する強度I
n(x)間のシフトもしくは位相シフトφ
nは、
図2a、
図2b、
図2cとは異なり、より小さく選択されてもよいので、チャネルK
nの強度I
n(x)の、操作素子14によって制御される低減は、部分的にのみ、隣接するチャネルK
n±1の強度I
n±1(x)の上昇と結び付けられており、その逆も同様である。
図2dは、比較的小さい位相シフトφ
nを有する本発明の一実施例を示しており、その結果、破線で示された円内のチャネルK
1,K
2,K
3の極大値17は、隣接するチャネルK
n±1の残りの強度と一致する。したがって、チャネルK
1の強度I
1(x)が低下すると、範囲A
1およびA
2においてのみ、したがって部分的に、隣接するチャネルK
2,K
3の強度I
n(x)の上昇がもたらされる。これ以外、すなわち範囲B
1,B
2においては、チャネルK
1の強度I
1(x)の低下時に、後続のチャネルの強度も低下する。具体的には、範囲B
1において、チャネルK
1の強度I
1(x)の低下時に、チャネルK
2の強度I
2(x)も低下する。範囲B
2では、チャネルK
1の強度I
1(x)も、隣接するチャネルK
3の強度I
3(x)も、操作変数xが増すにつれて増大する。
【0027】
さらに、本発明の具体的な実施形態の範囲において、釣鐘状の経過の外側のチャネルK
nの強度I
n(x)が消失するのではなく、一定の値を有することが想定されている。
図2eは、操作変数xに関連した、チャネルに関連する強度I
n(x)の相応の経過を示している。基本強度、すなわち釣鐘状の範囲の外側の強度I
n(x)は、同じであっても、または、図示されているように、チャネルに関連して異なっていてもよい。
【0028】
図2fは、操作変数xと、チャネルK
nの、操作変数に関連する強度I
n(x)と、の間の、最後の例示的な対応付けを示している。これによると、操作変数x=0は、例えばチャネルK
1の最大の強度I
1(x)と一致し、この最大の強度I
1(x)は同様に、比較的小さい開き角度α
1を有する光円錐131ひいてはスポットビームを生成する(位置1)。操作変数xがより大きな値へ変化することによって、はじめにチャネルK
1の強度I
1(x)が低減し、その際に強度I
1(x)は凹関数に追従する。これは、操作変数xが増すにつれて立ち上がりエッジ16の勾配が小さくなることを意味する。その間、これと同時に、右側で隣接するチャネルK
2の強度I
2(x)が増大し、その際に強度I
2(x)は凸関数に追従し、その結果、立ち下がりエッジ18の勾配は、極大値17に至るまで、操作変数xが増すにつれて、小さくなる。交点(位置2)では、位置1に比べて大きな直径を備える光分布が生じる。位置3に至るまでの操作変数xのさらなる増大によって、チャネルK
2の最大の強度I
2(x)が生じ、他方で、残りのチャネルK
1,K
3の強度I
1(x),I
3(x)は消失する。操作変数xのさらなる増大によって、光分布の直径が拡大される。なぜなら、チャネルK
3が、増大する強度I
3(x)によって駆動制御されるからである。ここでチャネルK
3の強度I
3(x)は、操作変数xに線形に関連する形状に追従するので、線形の立ち上がりエッジが存在する。同時に、チャネルK
2の強度I
2(x)が低減し、ここでは、この範囲における、チャネルK
2の強度I
2(x)の、操作変数に関連する低減も、操作変数xに線形に関連している。したがって、チャネルK
2は、線形の立ち下がりエッジ18を有している。位置4では、開き角度α
2に比べて大きい開き角度α
3を備える光円錐が生じる。操作変数xの、位置5までのさらなる増大によって、チャネルK
3の最大の強度I
3(x)がもたらされ、ひいては最大の開き角度α
3での、前方領域の均一な照明がもたらされ、その結果、位置5においてフラッドビームが設定されている。この場所には、エンコーダの機械的なストッパおよび/または電子的なストッパが設けられているので、操作変数xのさらなる増大は想定されていない。少なくとも、操作変数xのさらなる増大によって、この位置において駆動制御されるチャネルK
nの強度I
n(x)が変化することはない。電子的なストッパの範囲において、好適には、振動信号、例えば短時間の点滅の形態の光学信号および/または例えば音の形態の音響信号が出力され、これはストッパに到達したことをユーザにシグナリングする。右側のストッパと左側のストッパとに対して、必要な場合には、異なる信号を使用することができる。つまり、位置1,2,3,または4による光分布は、エンコーダを回転して戻すか、もしくは押して戻すことでのみ可能である。位置1の左側にも、相応のストッパが設けられており、したがって操作変数xは、位置1と位置5との間でしか変更可能ではない。
【符号の説明】
【0029】
10 照明器具
111 光源
112 光源
113 光源
121 コリメータ
122 コリメータ
123 コリメータ
131 光円錐
132 光円錐
133 光円錐
14 操作素子
141 回転エンコーダ
15 制御ユニット
16 立ち上がりエッジ
17 極大値
18 立ち下がりエッジ
19 矢印方向
α
n 開き角度(チャネルに関連する)
φ
n 位相シフト(チャネルに関連する)
A
1,A
2 範囲
B
1,B
2 範囲
I
n(x) 強度(チャネルに関連する)
K
n チャネル
(K
n)
n=1,…,N 列
n インデックス
N チャネルの数
【数3】
x 操作変数
【国際調査報告】