(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-08
(54)【発明の名称】ヘチマを含有するペット用噛み物品
(51)【国際特許分類】
A01K 15/02 20060101AFI20240401BHJP
C08L 99/00 20060101ALI20240401BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20240401BHJP
A23K 50/40 20160101ALI20240401BHJP
【FI】
A01K15/02 B
C08L99/00
C08L101/00
A23K50/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554057
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 US2022025896
(87)【国際公開番号】W WO2022226276
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500013142
【氏名又は名称】ティー.エフ.エイチ.パブリケーションズ、インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アクセルロッド,グレン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ガジリア,アジャイ
【テーマコード(参考)】
2B005
4J002
【Fターム(参考)】
2B005AA07
4J002AA002
4J002AC012
4J002AJ001
4J002GT00
(57)【要約】
【課題】ペット用噛み物品を形成する方法、及び、ヘチマ繊維を含有するペット用噛み物品の提供。
【解決手段】ヘチマ繊維及びポリマー組成物を含むペット用噛み物品。ペット用噛み物品は、ヘチマ繊維を供給することと、ポリマー組成物を供給することと、ヘチマ繊維をポリマー組成物と組み合わせることと、ヘチマ繊維及びポリマー組成物から5ペット用噛み物品を形成することと、によって形成され得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペット用噛み物品を形成する方法であって、
ヘチマ繊維を供給することと、
ポリマー組成物を供給することと、
前記ヘチマ繊維を前記ポリマー組成物と組み合わせることと、
前記ヘチマ繊維及び前記ポリマー組成物から前記ペット用噛み物品を形成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
繊維状ウェブ構造の形態の前記ヘチマ繊維と、
前記繊維状ウェブ構造を前記ポリマー組成物と組み合わせることと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリマー組成物が、ラテックスポリマー組成物であり、
前記繊維状ウェブ構造を前記ラテックスポリマー組成物と組み合わせることと、
前記ラテックスポリマー組成物を乾燥させることと、
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ラテックスポリマー組成物を乾燥させた後、前記ヘチマ繊維が、前記ペット用噛み物品の5重量%~前記ペット用噛み物品の80重量%の範囲で前記ペット用噛み物品中に存在する、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ラテックスポリマー組成物が、天然ゴムラテックスを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ラテックスポリマー組成物が、前記ラテックスポリマー組成物を乾燥させる前に40重量%~60重量%のポリイソプレンを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリマー組成物が、熱可塑性ポリマー組成物であり、
前記熱可塑性ポリマー組成物を溶融することと、
前記ヘチマ繊維を前記溶融された熱可塑性プラスチックポリマー組成物と混合することと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ヘチマ繊維が、ランダムなヘチマ繊維であり、
前記ランダムなヘチマ繊維を前記溶融された熱可塑性プラスチックポリマー組成物と混合することを更に含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリマー組成物が、熱硬化性ポリマー組成物であり、
前記ヘチマ繊維を前記熱硬化性ポリマー組成物と組み合わせることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリマー組成物の前駆体を供給することと、
前記ポリマー組成物の前記前駆体を反応させて、前記ポリマー組成物を形成することによって、前記ポリマー組成物を供給することと、
前記ポリマー組成物の前記前駆体を反応させる前又は反応させている間に、前記ヘチマ繊維を前記ポリマー組成物の前記前駆体のうちの少なくとも1つと混合することと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ペット用噛み物品を、成形されたペット用噛み物品として形成することを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ヘチマ繊維が、前記成形されたペット用噛み物品の0.1重量%~前記成形されたペット用噛み物品の50重量%の範囲で前記成形されたペット用噛み物品中に存在する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ペット用噛み物品を、射出成形されたペット用噛み物品、押出成形されたペット用噛み物品、又は圧縮成形されたペット用噛み物品として形成することを更に含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ヘチマが、エジプトヘチマ及びトカドヘチマのうちの少なくとも1つである、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ペット用噛み物品であって、
ヘチマ繊維及びポリマー組成物を含み、
前記ポリマー組成物が、ラテックスポリマー組成物を供給源とする、
ペット用噛み物品。
【請求項16】
前記ヘチマ繊維が、繊維状ウェブ構造の形態にあることを更に含む、
請求項15に記載のペット用噛み物品。
【請求項17】
前記ヘチマ繊維が、前記ペット用噛み物品の5重量%~前記ペット用噛み物品の80重量%の範囲で前記ペット用噛み物品中に存在する、
請求項16に記載のペット用噛み物品。
【請求項18】
前記ポリマー組成物が、天然ゴムラテックスを含む、
請求項15に記載のペット用噛み物品。
【請求項19】
前記ヘチマ繊維が、ランダムなヘチマ繊維であり、
前記ランダムなヘチマ繊維が、前記ペット用噛み物品の0.1重量%~前記ペット用噛み物品の50重量%の範囲で前記ペット用噛み物品中に存在する、
請求項15に記載のペット用噛み物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この非仮特許出願は、2021年4月23日に提出された米国仮特許出願第63/201,310号の出願日の利益を主張しており、その開示全体は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、ペット用噛み物品を形成する方法に関し、より詳細には、ヘチマ繊維を含有するペット用噛み物品に関する。
【背景技術】
【0003】
ヘチマ(loofah又はloofaともスペリングされる)は、植物界のウリ科(キュウリ)ファミリー(ウリ科植物とも称され得る)の熱帯/亜熱帯の一年草のつる性つる植物の属である。ウリ科植物のファミリーには、ヒョウタン、カボチャ、及びキュウリが含まれる。より具体的には、ヘチマは、カボチャ亜科のものであり、更により具体的には、アレチウリ連である。
【0004】
属(I)の主要種ヘチマには、エジプトヘチマ(ルッファ・シリンドリカ(Luffa cylindrica)という同義語によっても言及される)が含まれ、「loofah(ヘチマ)」という一般名によっても言及され、一般的に円筒形及び線形である果実を指す。別の主要種は、「オクラ」という一般名によっても言及されるトカドヘチマであり、これは、一般に円筒形で湾曲している果実を指す。
【0005】
エジプトヘチマ及びトカドヘチマという種の果実は、野菜としてヒトの消費のための食用であるが、そのようなものとして消費されるためには、果実は、老化する前に収穫されなければならない。果実が老化して乾燥すると、繊維状の三次元相互接続ウェブ構造が得られる。この繊維状構造は、特に入浴、食器洗浄、又は他の洗浄用途のためのスポンジ/スクラバとして使用され得る。
【発明の概要】
【0006】
ペット用噛み物品を形成する方法であって、ヘチマ繊維を供給することと、ポリマー組成物を供給することと、ヘチマ繊維をポリマー組成物と組み合わせることと、ヘチマ繊維及びポリマー組成物からペット用噛み物品を形成することと、を含む、方法。
【0007】
少なくとも1つの実施形態では、ヘチマ繊維は、繊維状ウェブ構造の形態にあり、本方法は、繊維状ウェブ構造をポリマー組成物と組み合わせることを更に含む。
【0008】
少なくとも1つの実施形態では、ポリマー組成物は、ラテックスポリマー組成物であり、本方法は、繊維状ウェブ構造をラテックスポリマー組成物と組み合わせることと、ラテックスポリマー組成物を乾燥させることと、を更に含む。
【0009】
少なくとも1つの実施形態では、ラテックスポリマー組成物を乾燥させた後、ヘチマ繊維は、ペット用噛み物品の5重量%~ペット用噛み物品の80重量%の範囲でペット用噛み物品中に存在する。
【0010】
少なくとも1つの実施形態では、ラテックスポリマー組成物は、天然ゴムラテックスを含む。
【0011】
少なくとも1つの実施形態では、ラテックスポリマー組成物は、ラテックスポリマー組成物を乾燥させる前に、40重量%~60重量%のポリイソプレンを含む。
【0012】
少なくとも1つの実施形態では、ポリマー組成物は、熱可塑性プラスチックポリマー組成物であり、本方法は、熱可塑性プラスチックポリマー組成物を溶融することと、ヘチマ繊維を溶融された熱可塑性プラスチックポリマー組成物と混合することと、を更に含む。
【0013】
少なくとも1つの実施形態では、ヘチマ繊維は、ランダムなヘチマ繊維であり、本方法は、ランダムなヘチマ繊維を溶融された熱可塑性プラスチックポリマー組成物と混合することを更に含む。
【0014】
少なくとも1つの実施形態では、ポリマー組成物は、熱硬化性ポリマー組成物であり、本方法は、ヘチマ繊維を熱硬化性ポリマー組成物と組み合わせることを更に含む。
【0015】
少なくとも1つの実施形態では、本方法は、ポリマー組成物の前駆体を供給することと、ポリマー組成物の前駆体を反応させてポリマー組成物を形成することによってポリマー組成物を供給することと、ポリマー組成物の前駆体を反応させる前又は反応させている間に、ヘチマ繊維をポリマー組成物の前駆体のうちの少なくとも1つと混合することと、を更に含む。
【0016】
少なくとも1つの実施形態では、本方法は、ペット用噛み物品を成形されたペット用噛み物品として形成することを更に含む。
【0017】
少なくとも1つの実施形態では、ヘチマ繊維は、成形されたペット用噛み物品の0.1重量%~成形されたペット用噛み物品の50重量%の範囲で成形されたペット用噛み物品中に存在する。
【0018】
少なくとも1つの実施形態では、本方法は、射出成形されたペット用噛み物品、押出成形されたペット用噛み物品、又は圧縮成形されたペット用噛み物品としてペット用噛み物品を形成することを更に含む。
【0019】
少なくとも1つの実施形態では、ヘチマは、エジプトヘチマ及びトカドヘチマのうちの少なくとも1つである。
【0020】
ヘチマ繊維を供給することと、液体ポリマーラテックスを供給することと、当該ヘチマ繊維の上及び/又は間に液体ポリマーラテックスを導入することと、ペット用噛み物品を乾燥させて形成することと、を含む、ペット用噛み物品を形成する方法。また、本発明は、ヘチマ繊維及び1つ以上のポリマー樹脂を含むペット用噛み物品であって、1つ以上のポリマー樹脂が、液体ポリマーラテックスを供給源とする、ペット用噛み物品も対象とすることを理解されたい。
【0021】
ヘチマ繊維を供給することと、熱可塑性プラスチックを供給することと、熱可塑性プラスチックを溶融して繊維と混合することと、ペット用噛み物品を形成することと、を含み、ヘチマ繊維が、0.1重量%~50.0重量%のレベル/範囲で存在し、熱可塑性プラスチックが、99.9重量%~50.0重量%のレベル/範囲で存在する、ペット用噛み物品を形成する方法。
【0022】
ヘチマ繊維を供給することと、熱硬化性樹脂前駆体を供給することと、熱硬化性樹脂前駆体を繊維と混合することと、熱硬化性樹脂前駆体を硬化させて架橋ポリマー及びペット用噛み物を形成することと、を含み、ヘチマ繊維が、0.1重量%~50.0重量%のレベル/範囲で存在し、架橋熱硬化性樹脂が、99.9重量%~50.0重量%のレベル/範囲で存在する、ペット用噛み物品を形成する方法。
【0023】
ヘチマ繊維及びポリマー組成物を含み、ポリマー組成物が、ラテックスポリマー組成物を供給源とする、ペット用噛み物品。
【0024】
少なくとも1つの実施形態では、ヘチマ繊維は、繊維状ウェブ構造の形態にある。
【0025】
少なくとも1つの実施形態では、ヘチマ繊維は、ペット用噛み物品の5重量%~ペット用噛み物品の80重量%の範囲でペット用噛み物品中に存在する。
【0026】
少なくとも1つの実施形態では、ポリマー組成物は、天然ゴムラテックスを含む。
【0027】
少なくとも1つの実施形態では、ヘチマ繊維は、ランダムなヘチマ繊維であり、ランダムなヘチマ繊維は、ペット用噛み物品の0.1重量%~ペット用噛み物品の50重量%の範囲でペット用噛み物品中に存在する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本開示の上記及び他の特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面と併せて本明細書で説明される実施形態の以下の説明を参照することによって、より明らかになり、より良好に理解されるであろう。
【
図1】ヘチマ繊維を含有するペット用噛み物品の正面図である。
【
図3】ヘチマ繊維を含有する別のペット用噛み物品の正面図である。
【
図4】破線の長方形4で囲まれた
図3のペット用噛み物品の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示は、その用途において、以下の説明に記載されるか又は図面に例解される構成要素の構成及び配設の詳細に限定されないことが理解され得る。本明細書における本発明は、他の実施形態が可能であり得、かつ様々な方法で実施又は実行することが可能であり得る。また、本明細書で使用される表現及び用語は、説明を目的とするものであって、限定とみなされるべきではないことが理解されよう。
【0030】
本開示は、ヘチマを含有するペット用噛み物品、ヘチマを含むペット用噛み物品を提供する方法、及びヘチマを含むペット用噛み物品でペットを楽しませる方法に関する。ヘチマは、好ましくは、エジプトヘチマ(ルッファ・シリンドリカ(Luffa cylindricaという同義語によっても言及される)及びトカドヘチマという種の果実からのヘチマである。ヘチマは、繊維状の三次元相互接続ウェブ構造の形態であり得、これは、ベース(ポリマー)組成物中に配置されるか、又は他の方法でベース(ポリマー)組成物と組み合わされる。物品の他の実施形態では、ヘチマは、ベース(ポリマー)組成物とともに配置されたランダムな(緩く接続されていない)繊維の形態であり得る。物品の他の実施形態では、ヘチマは、繊維状の三次元相互接続ウェブ構造、及びベース組成物とともに配置されたランダムな(緩く接続されていない)繊維の両方の形態であり得る。
【0031】
本明細書で企図されるペット用噛み物品の非限定的な実施形態の例が、
図1及び
図2に例解される。ペット用噛み物品10は、多くの形態を採ることができ、例解図では、ペット用噛み物品10は、ハート形状の一般的な形態の平面物品である。骨形状、幾何学的形状、又は様々な食品を模した形状などの他の形態も提供され得る。
【0032】
示されるように、ヘチマを含むペット用噛み物品10は、相互接続された繊維のメッシュとして示される、繊維状の三次元相互接続ウェブ構造20の形態であり得、これは、少なくとも部分的に封入され、そうでなければ、ベース(ポリマー)組成物30と組み合わせて配置され、複合体を形成する。繊維状ウェブ構造20は、
図1の物品10の一方の側12(例えば、前側)で比較的より目立つように識別され、一方、ベース(ポリマー)組成物30は、
図1の周囲及び
図2の反対側14(例えば、後側)で比較的より目立つように識別される。別の言い方をすれば、ペット用噛み物品10の反対側12及び14に関して、繊維状の三次元相互接続ウェブ構造20は、ペット用噛み物品10の一方の側14において、ペット用噛み物品10の他方の側12よりも多く封入され得る。
図1及び
図2に示される物品10において、物品10の表面上に示されているが、ウェブ構造20及びベース(ポリマー)組成物30は、ペット用噛み物品10内にもすなわち、厚さ全体にわたって)存在することが認識されるべきである。
【0033】
繊維状ウェブ構造20は、ヘチマの果実を乾燥させ、内側繊維状ウェブ構造から外皮を除去し、その後、繊維状ウェブ構造を既知の方法で洗浄することによって得ることができる。繊維状ウェブ構造20は、果実のサイズに応じて断片に切断され得る。
【0034】
ベース(ポリマー)組成物30の構成成分/成分は、合成又は天然若しくは天然由来ポリマー樹脂を含む1つ以上のポリマー樹脂を含み得、これは、成形プロセスを含む多くの適用技術を使用して繊維状ウェブ構造20と組み合わされ得る。
【0035】
上記で示唆したように、ペット用噛み物品10は、1つ以上のポリマー樹脂を有するベース(ポリマー)組成物として含み得、これは合成又は天然若しくは天然由来のポリマー樹脂を含み得る。ポリマー樹脂は、特に、ペットの消化路などの生物系に対して毒性及び/又は有害作用を示さない樹脂を含み得る。生体適合性樹脂として理解されるそのような樹脂は、食用であり得るが、消化性である場合又はそうでない場合がある。食用天然又は天然由来樹脂の非限定的な例には、デンプン、グルテン、カゼイン、及びゼラチンが含まれ得る。
【0036】
合成ポリマー樹脂の非限定的な例には、ポリウレタン、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ポリシロキサン(シリコーン)、及び熱可塑性(繰り返し成形可能)又は熱硬化性(架橋)樹脂又はエラストマーが含まれ得る。
【0037】
本明細書におけるエラストマーは、室温未満のガラス転移温度Tgを有し、多くとも50%結晶性である(すなわち、材料が50%以上の非晶質相、最大100%の非晶質相を含有する)任意の材料として理解され得る。本明細書で使用される場合、エラストマーは、23℃で少なくとも100%の伸びを有し、その元の長さの2倍に伸張され、そのような状態で1分間保持された後、応力から解放された後1分以内に50%~100%の範囲で回復し得る材料として特徴付けられ得る。より具体的には、エラストマーは、応力からの解放後1分以内に75%~100%の範囲で回復し得、更により具体的には、応力からの解放後1分以内に90%~100%の範囲で回復し得る。
【0038】
エラストマーは、天然又は合成ポリマー、及び熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを含む任意のポリマーから構成され得る。したがって、エラストマーは、天然又は合成エラストマーのいずれであり得る。エラストマーは、アクリルゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンゴムジエンモノマーゴム、フルオロカーボンゴム、イソプレンゴム、水素化ニトリルゴムを含むニトリルゴム、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、及びスチレンブロックコポリマー(例えば、スチレンブタジエンゴム、スチレンエチレン/ブチレンスチレンゴム)を含み得る、天然又は合成ゴムを含み得るか、本質的にそれらからなり得るか、又はそれらからなり得る。特定のエラストマーには、ポリシロキサンエラストマーが含まれ得、これも、熱可塑性又は熱硬化性のいずれかであり得る。
【0039】
特定の一実施形態では、ポリマー樹脂の形態の、
図1及び
図2に示されるようなベース(ポリマー)組成物30は、ラテックス(ポリマー)組成物から誘導されるものである。ラテックス(ポリマー)組成物は、水中の1つ以上のポリマーの微粒子などの粒子の分散液(エマルジョン)を指す。本明細書で利用されるラテックスは、天然ラテックスであり得、その例は、天然ゴム(ポリイソプレン)のラテックスである。加えて、本明細書におけるラテックスは、合成ポリマーのラテックスを含み得、ポリマーは、合成され、次いで、水中に分散される。利用され得る合成ポリマーはまた、ポリスチレン及びポリブタジエンの使用を企図し、これらは、そうでなければ、SBR又はスチレン-ブタジエンゴムとして同定され得る。一般に、本明細書におけるラテックスは、特に、40重量%~60重量%のポリマー(例えば、ポリイソプレン)を含有し、残りは、60~40重量%の範囲の水であり得る。他の成分もまた、特に天然ゴムラテックス中に存在し得、これは最大5.0重量%のタンパク質、脂肪酸、及び無機材料(例えば、無機塩)を含有することができる。
【0040】
したがって、理解され得るように、ヘチマ繊維状構造は、少なくとも部分的に、又は完全に、選択された天然又は合成液体ラテックス中に浸漬コーティングされることなどによって浸漬され、次いで加熱及び乾燥され(ラテックスから水分を除去するために)、ラテックスのポリマー樹脂及びラテックスからの他の乾燥固体成分をヘチマ繊維上及び/又はその間のコーティングとして残すことができる。再び
図1及び
図2を参照されたい。一実施形態では、乾燥すると、ヘチマ繊維は、特にペット用噛み物の5.0%(重量)~80.0%(重量)のレベル/範囲で存在し、ポリマー樹脂(合成及び/又は天然)のレベル/範囲は、ラテックスからの他の乾燥固体成分とともにペット用噛み物の95.0%(重量)~20.0%(重量)のレベルで存在する(ポリマーはペット用噛み物の90.0%(重量)~15.0%(重量))。
【0041】
代替的に、乾燥すると、ヘチマ繊維は、ペット用噛み物の10.0%(重量)~80.0%(重量)のレベル/範囲で存在し得、ポリマー樹脂(合成及び/又は天然)のレベル/範囲は、ラテックスからの他の乾燥固体成分とともにペット用噛み物の90.0%(重量)~20.0%(重量)のレベル/範囲で存在する(ポリマーはペット用噛み物の85.0%(重量)~15.0%(重量))。
【0042】
代替的に、乾燥すると、ヘチマ繊維は、ペット用噛み物の20.0%(重量)~80.0%(重量)のレベル/範囲で存在し得、ポリマー樹脂(合成及び/又は天然)のレベル/範囲は、ラテックスからの他の乾燥固体成分とともにペット用噛み物の80.0%(重量)~20.0%(重量)のレベル/範囲で存在する(ポリマーはペット用噛み物の75.0%(重量)~15.0%(重量))。
【0043】
代替的に、乾燥すると、ヘチマ繊維は、ペット用噛み物の30.0%(重量)~80.0%(重量)のレベル/範囲で存在し得、ポリマー樹脂(合成及び/又は天然)のレベル/範囲は、ラテックスからの他の乾燥固体成分とともにペット用噛み物の70.0%(重量)~20.0%(重量)のレベル/範囲で存在する(ポリマーはペット用噛み物の65.0%(重量)~15.0%(重量))。
【0044】
代替的に、乾燥すると、ヘチマ繊維は、ペット用噛み物の40.0%(重量)~80.0%(重量)のレベル/範囲で存在し得、ポリマー樹脂(合成及び/又は天然)のレベル/範囲は、ラテックスからの他の乾燥固体成分とともにペット用噛み物の60.0%(重量)~20.0%(重量)のレベル/範囲で存在する(ポリマーはペット用噛み物の55.0%(重量)~15.0%(重量))。
【0045】
代替的に、乾燥すると、ヘチマ繊維は、ペット用噛み物の50.0%(重量)~80.0%(重量)のレベル/範囲で存在し得、ポリマー樹脂(合成及び/又は天然)のレベル/範囲は、ラテックスからの他の乾燥固体成分とともにペット用噛み物の50.0%(重量)~20.0%(重量)のレベル/範囲で存在する(ポリマーはペット用噛み物の45.0%(重量)~15.0%(重量))。
【0046】
代替的に、乾燥すると、ヘチマ繊維は、ペット用噛み物の60.0%(重量)~80.0%(重量)のレベル/範囲で存在し得、ポリマー樹脂(合成及び/又は天然)のレベル/範囲は、ラテックスからの他の乾燥固体成分とともにペット用噛み物の40.0%(重量)~20.0%(重量)のレベル/範囲で存在する(ポリマーはペット用噛み物の34.0%(重量)~15.0%(重量))。
【0047】
ある特定の実施形態では、ヘチマ繊維は、ヘチマの果実の繊維状構造を粉砕又は他の方法で製粉して、緩い繊維と呼ばれ得るものを形成することから形成される繊維を含み得る。次いで、緩い(ランダムな)ヘチマ繊維は、上記のポリマー組成物のいずれか1つに混合され得る。そのようなヘチマ繊維は、特に、20~40のメッシュサイズを有し得る。ヘチマ繊維は、特に、0.1重量%~50.0重量%のレベル/範囲でポリマー樹脂中に存在し得、ポリマー樹脂は、99.9重量%~50.0重量%のレベル/範囲で存在し得る。ヘチマ繊維は、より好ましくは、0.1重量%~10.0重量%のレベル/範囲で存在し得、この場合、ポリマー樹脂は、99.9重量%~90.0重量%のレベル/範囲で存在する。更により好ましくは、ヘチマ繊維は、0.1重量%~5.0重量%のレベル/範囲で存在し、ポリマー樹脂は、99.9重量%~95.0重量%のレベル/範囲で存在する。
【0048】
ベース(ポリマー)組成物30が、熱可塑性ポリマー組成物である場合、そのような混合は、特に、押出、圧縮及び/又は射出(往復スクリュー若しくはプランジャ)成形などのプロセスにおいて、溶融混合によって達成され得る。例えば、熱可塑性ポリマー組成物は、押出機又は射出成形機のバレル中で加熱及び溶融され得、次いで、緩い(ランダムな)ヘチマ繊維は、ホッパを介して、特にバレル内のスクリューの助けを借りて、バレル中の溶融された熱可塑性プラスチックポリマー組成物に添加して混合し得る。
図3及び
図4を参照されたい。代替的に、ヘチマ繊維は、繊維状ウェブ構造20の形態であり得、これは、加熱/溶融された熱可塑性プラスチックポリマー組成物を金型キャビティに導入する前に、射出成形金型の金型キャビティに入れられ得る。
【0049】
ベース(ポリマー)組成物30が熱硬化性ポリマー組成物である場合、繊維状ウェブ構造20は、熱硬化性ポリマー組成物を金型キャビティに導入する前に、金型(例えば、反応射出成形金型)の成形キャビティ中に同様に入れられ得る。ヘチマ繊維はまた、熱硬化性架橋ポリマーの形成のために前駆体(例えば、多官能性モノマー)と混合され得、続いて硬化及び架橋熱硬化性ポリマー形成が行われることが理解され得る。例えば、緩い(ランダムな)ヘチマ繊維の場合、それが熱硬化性ポリマー組成物の前駆体のうちの1つに添加され得る。例えば、反応射出成形によって形成されたポリウレタンについては、緩い(ランダムな)ヘチマ繊維は、ポリオールがイソシアネート前駆体流と混合される前に、ポリオール前駆体流に添加されて混合され得る。次いで、ポリオール及びイソシアネート前駆体流が、混合ヘッド中で混合されて、反応を開始させ、成形キャビティに注入され得る。したがって、緩い(ランダムな)ヘチマ繊維は、熱硬化性ポリマー組成物の前駆体の反応前及び/又は反応中に、熱硬化性ポリマー組成物の前駆体と混合され得る。加えて、熱硬化性樹脂の場合、特に、前駆体を緩い(ランダムな)ヘチマ繊維とともに混合し、完全に硬化させるために成形キャビティに導入する前に部分的に硬化させること(B段階)によって、混合し、次いで、例えば、圧縮成形を進めることができる。
【0050】
上記の実施形態のいずれかにおいて、動物にアピールする風味添加剤、誘引剤、栄養添加剤(ビタミン若しくはミネラル)、及び/又は着色剤などの化粧品添加剤を含むが、これらに限定されない、他の添加剤を製剤中に任意選択的に含み得る。
【0051】
本明細書におけるペット用噛み物品10は、ペット用噛み物品の構造的一体性が低減され、例えば1つ以上の断片に壊れる前に、ペットの歯によって繰り返し機械的に摩耗されるのに十分な硬度及び延性を示すことが企図される。
【0052】
ヘチマ繊維を含有する本明細書におけるペット用噛み物品10の硬度は、ASTM D2240-05(2010)によって測定される際に、例えば98A、50Dなどを含む、その中の全ての値及び整数範囲全体を含む、ショア70A~ショア80Dの範囲であると企図される。形成されたペット用噛み物品10の硬度は、30~33ショアDを含む、25~40ショアDの範囲であり得る。
【0053】
ヘチマ繊維を含有する本明細書におけるペット用噛み物品10は、ASTM D638-10によって測定される際に、0.5%~600%の範囲、及び1%~7%などの1%刻みのその中の全ての値の破断点伸びを示すことが企図される。
【0054】
ヘチマ繊維、特にラテックスポリマー組成物を含有するペット用噛み物品10の引張弾性率は、ASTM D638-10によって測定される際に、5×102psi~50×103psi(500psi~50,000psi、又は3.45MPa~344.74MPa)の範囲であることが企図され、5×102psi~25×103psi(500psi~25,000psi、又は3.45MPa~172.37MPa)などの1psi(0.0069MPa)刻みのその中の全ての値及び範囲を含む。更に、ヘチマ繊維を含有する本明細書におけるペット用噛み物品10の曲げ弾性率は、ASTM D790-10によって測定される際に、1×102psi~25×103psi(100psi~25,000psi、又は0.69MPa~172.37MPa)の範囲であることが企図され、1×102psi~10×103psi(100psi~10,000psi、又は0.69MPa~68.95MPa)などの1psi(0.0069MPa)刻みのその中の全ての値及び範囲を含む。
【0055】
加えて、ヘチマ繊維を含有するペット用噛み物品10、特に射出成形、押出成形又は圧縮成形されたペット用噛み物品の引張弾性率は、ASTM D638-10によって測定される際に、50×103psi~500×103psi(50,000psi~500,000psi、又は344.74MPa~3,447.38MPa)の範囲であることが企図され、50×103psi~300×103psi(50,000psi~300,000psi、又は344.74MPa~2,068.43MPa)などの1psi(0.0069MPa)刻みのその中の全ての値及び範囲を含む。更に、ヘチマ繊維を含有する本明細書におけるペット用噛み物品10の曲げ弾性率は、ASTM D790-10によって測定される際に、50×103psi~500×103psi(50,000psi~500,000psi、又は344.74MPa~3,447.38MPaの範囲であることが企図され、50×103psi~300×103psi(50,000psi~300,000psi、又は344.74MPa~2,068.43MPa)などの1psi(0.0069MPa)刻みのその中の全ての値及び範囲を含む。個々のペット用噛み物品10は、上記の特性、すなわち、硬度、破断点伸び、及び引張弾性率のうちの1つ以上を示し得る。
【0056】
本発明の好ましい実施形態を説明してきたが、本発明の趣旨及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更、適合、及び修正を行うことができることを理解されたい。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、添付の特許請求の範囲をそれらの均等物の全範囲とともに参照して決定されるべきである。更に、添付の特許請求の範囲は、本出願人が特許請求する権利がある本発明の最も広い範囲、又は本発明が特許請求され得る唯一の方法を必ずしも含まないこと、又は全ての列挙された特徴が必要であることを理解されたい。
【国際調査報告】