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特表2024-515267動物の屠殺体を半分に分けるための切断装置、およびこのような切断装置を組み込んだロボット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-08
(54)【発明の名称】動物の屠殺体を半分に分けるための切断装置、およびこのような切断装置を組み込んだロボット
(51)【国際特許分類】
   A22B 5/20 20060101AFI20240401BHJP
   A22C 17/00 20060101ALI20240401BHJP
   B26D 1/16 20060101ALI20240401BHJP
   B26D 7/02 20060101ALI20240401BHJP
   B26D 3/00 20060101ALI20240401BHJP
   B26D 5/00 20060101ALI20240401BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
A22B5/20
A22C17/00
B26D1/16
B26D7/02 Z
B26D3/00 601Z
B26D5/00 Z
B25J9/06 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561855
(86)(22)【出願日】2022-04-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 ES2022070198
(87)【国際公開番号】W WO2022214720
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】P202130314
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520429521
【氏名又は名称】アイラ、ロボティクス、ソシエダッド、リミターダ
【氏名又は名称原語表記】AIRA ROBOTICS, S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100210790
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大策
(72)【発明者】
【氏名】フランシスコ、ハビエル、ジェーン、ロペス
(72)【発明者】
【氏名】ジョルディ、カニェージャス、ガリガサイト
【テーマコード(参考)】
3C021
3C707
4B011
【Fターム(参考)】
3C021CC01
3C707AS12
3C707BS12
3C707HS27
3C707NS26
4B011EA01
(57)【要約】
本発明は、第1態様によれば、解体処理された動物、好適にはウシ科動物の屠殺体を、完全に自動的な態様で半分に切断するためのツールに関する。本発明の切断ツールは、切断ツールそれ自体に2つの異なるガイド機構、すなわち、切断プロセス中に屠殺体の内側サイドに追従することができる屠殺体の内側追従機構と、切断プロセス中に屠殺体の外側サイドに追従することができる屠殺体の外側追従機構と、を組み込む。これにより、切断プロセスの精度が実質的に向上するとともに、部位を切断またはガイドする際のあらゆるタイプの手作業をなくすことができる。また、本発明は、第2態様によれば、前記切断ツールを備えるロボットに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食肉ピースの屠殺体(30)を2つの半体に切断するための切断ツール(1)であって、前記屠殺体(30)は、その脚から吊り下げられてぶら下がっており、前記切断ツール(1)は、ロボット(20)に連結されるように適合されており、
前記切断ツール(1)は、
‐ロボットアームに接続するように構成されたフレーム(3)と、
‐長手方向切断により前記屠殺体を2つの半体に切断するための手段と、
‐前記屠殺体の前記切断手段を作動させる手段と、
‐切断プロセス中に前記屠殺体をガイドするための手段であって、
‐前記切断プロセス中に前記屠殺体の内側サイドに追従するように構成された、前記屠殺体の前記内側サイドの追従機構と、
‐前記切断プロセス中に前記屠殺体の外側サイドに追従するように構成された、前記屠殺体の前記外側サイドの追従機構と、
を備える手段と、
を備えることを特徴とする切断ツール(1)。
【請求項2】
前記屠殺体の前記内側追従機構は、少なくとも以下の要素、すなわち、
‐上端部において前記フレーム(3)の一点に関節接合されるアーム(8)と、
‐前記関節接合アーム(8)を作動させるための第1作動手段(7)と、
‐前記関節接合アーム(8)の下端部に関節接合的に固定される内側サイド支持体(10)と、
‐前記内側サイド支持体(10)を回転させるための第2作動手段(11)と、
‐前記内側サイド支持体(10)に接続する1つ以上の内側サイドローラ(12)であって、前記屠殺体(30)の腹部をガイドするように構成された内側サイドローラ(12)と、
を備える、
請求項1に記載の切断ツール(1)。
【請求項3】
前記屠殺体の前記外側追従機構は、少なくとも以下の要素、すなわち、
‐1つ以上の上方外側サイドローラ(16)を支持するための上側傾斜アーム(14)であって、前記フレーム(3)の一点に配置される共通関節軸(15)に対して傾斜する上側傾斜アーム(14)と、
‐前記屠殺体の腹部の上方ガイド用の1つ以上の上方外側サイドローラ(16)であって、前記上側傾斜アーム(14)の自由端部に配置される上方外側サイドローラ(16)と、
‐前記上側傾斜アーム(14)を回転させるための第3作動手段(17)と、
‐1つ以上の下方外側サイドローラ(20)を支持するための下側傾斜アーム(18)であって、前記フレーム(3)の同一の前記共通関節軸(15)に対して傾斜する下側傾斜アーム(18)と、
‐前記屠殺体の前記腹部の下方ガイド用の1つ以上の下方外側サイドローラ(20)であって、前記下側傾斜アーム(18)の前記自由端部に配置される下方外側サイドローラ(20)と、
‐前記下側傾斜アーム(18)を回転させるための第4作動手段(21)と、
を備える、
請求項1に記載の切断ツール(1)。
【請求項4】
前記屠殺体切断手段が通過できるように、前記外側屠殺体ガイド機構の1つ以上の要素および前記内側屠殺体ガイド機構の1つ以上の要素は、前記フレーム(3)の両側に配置される、
請求項2および3に記載の切断ツール(1)。
【請求項5】
前記内側サイド支持体は、1つ以上の前記内側サイドローラが配置される方向とは反対方向に延びる延出部分を備える、
請求項2に記載の切断ツール(1)。
【請求項6】
前記屠殺体を2つの半体に切断するための前記手段は、前記フレーム(3)の前方に配置され、前記切断手段用の作動手段は、前記フレーム(3)の後方に配置される、
請求項1に記載の切断ツール(1)。
【請求項7】
前記屠殺体(30)を2つの半体に切断するための前記手段は、電動鋸ディスク(5)を備える、
請求項1に記載の切断ツール(1)。
【請求項8】
前記切断手段を作動させるための前記手段は、鋸ディスク(5)を回転させるためのモータ(4)と、連結器と、前記モータ(4)から前記電動鋸ディスク(5)に運動および力を伝達するための伝達器と、を備える、
請求項1に記載の切断ツール(1)。
【請求項9】
前記上側傾斜アーム(14)と前記下側傾斜アーム(18)とに共通の前記関節軸(15)は、前記フレーム(3)の下部に配置され、前記上側傾斜アーム(14)および前記下側傾斜アーム(18)は、一方のアーム(14、15)が内側で回転し他方が外側で回転するように前記関節軸(15)に配置される、
請求項3に記載の切断ツール(1)。
【請求項10】
前記関節接合アーム(8)は、前記屠殺体の切断手段が通過する一定の距離を置いて互いに離間する2つの部品を有する、
請求項2に記載の切断ツール(1)。
【請求項11】
4つの内側サイドローラが対として設けられ、
前記内側サイド支持体にそれぞれの固定点により、2つの内側サイドローラは同一高さに配置され、他の2つの内側サイドローラは異なる高さに配置される、
請求項2に記載の切断ツール(1)。
【請求項12】
4つの外側サイドローラが対として設けられ、
ローラの各対は、同一高さに配置され、
上側のローラの対は、前記上側傾斜アームの前記自由端部の近傍の一点に配置され、下側のローラの対は前記下側傾斜アームの前記自由端部の近傍の一点に配置される、
請求項3に記載の切断ツール(1)。
【請求項13】
前記切断ツール(1)は、レーザまたは光学人工視覚システムをさらに含み、
前記レーザまたは光学人工視覚システムは、前記切断プロセスが実施される前に、各屠殺体(30)の解剖学的構造の特定の測定値または座標を提供し、前記切断ツール(1)の種々の部品の運動および力を位置決めして調節するように構成される、
請求項1に記載の切断ツール(1)。
【請求項14】
前記切断ツール(1)は、その頂部に、前記切断ツール(1)をロボットアームの自由端部に固定するための固定フランジ(2)をさらに備え、
前記固定フランジは、前記切断ツール(1)の前記フレーム(3)の長手方向軸に対して傾いて配置される、
請求項1に記載の切断ツール(1)。
【請求項15】
1つ以上の関節接合アームが配置される支持ベースを備えるロボット(20)において、
前記ロボット(20)は、その上側自由端部に装着された請求項1~14のいずれか一項に記載の前記切断ツール(1)を備え、
前記ロボット(20)は、その自由端部が6自由度の空間動作を呈する、
ことを特徴とするロボット(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食肉処理装置の分野に関し、より具体的には、解体処理された動物、好適には畜牛等のウシ科動物を半分に切断するための全自動ツールに関する。切断ツールはロボットに装着されるように構成される。
【0002】
また、本発明は、このような切断ツールを備えるロボットに関する。
【背景技術】
【0003】
「ウシの屠殺体」という用語は、生きたウシ科動物を標準的な食肉処理場の手順で屠殺し、皮を剥ぎ(皮全体を除去)、内臓を取り出し、頭部を切り離した後に残る解剖学的構造を指す。
【0004】
死後に識別できるウシの屠殺体の種類は、基本的に、去勢牛、雄の子牛、1歳牛、若い雄牛、子牛、未経産牛、雌牛、雄牛である。
【0005】
ウシの屠殺体、または類似する身体構造を有する他の種類の動物の屠殺体を処理する際、通常、屠殺体を背骨の全長に沿って(すなわち、対称平面に沿って)長手方向に2つの半体(専門用語として右屠殺半体および左屠殺半体として知られる)に分割することで、これら2つの半体各々のその後の処理が容易になる。
【0006】
解体処理される動物の各種類のサイズや構造に応じて、2つの異なる半体にする切断機械であって、ピースの各タイプやサイズに適合したものを使用する必要がある。
【0007】
高度に自動化された大規模な畜産加工工場では、ウシの屠殺体は、2つの脚部から吊るされたコンベヤラインに吊るされ、ウシの屠殺体を2つの半体に切断する作業が上から下に実施される。
【0008】
現在、ウシの屠殺体を切断するのに利用される技術は、通常半自動処理であり、労働力の雇用は依然として多く、自動化の程度は低い。
【0009】
ウシの屠殺体を2つの半体に切断するための装置が、当技術分野において知られている。これらの切断装置は、通常、ピースを左右対称に分割するための鋸/刃ディスクまたは鋸を備えている。
【0010】
しかしながら、現在までに知られているウシの屠殺体を2つの半体に切断するためのこれらのタイプの装置には、ピースの背側および腹側で屠殺体の幾何学的形状に正しく適合するガイド手段がないという欠点がある。これにより、ピースのガイドが効率的でなく、ピースが移動して歪むことがある結果、切断が不完全になってしまう。動物の屠殺体の両側(背側および腹側)におけるこのようなガイドは、切断プロセスにおいて不可欠である。なぜならば、各屠殺体の形態やサイズには大きなばらつきがある上に、屠殺体は脚だけで吊り下げられてぶら下がっているからである。したがって、ガイドは、屠殺体の長手方向切断を最適に実施するために必要な安定性および精度を提供する。
【発明の概要】
【0011】
したがって、解体処理されたウシ科動物の屠殺体を半分に切断するためのツールであって、ロボットに装着されるように構成された切断ツール、および前記切断ツールを備えるロボットが必要とされていることが明瞭である。これらは、屠殺体の背骨全体に沿った長手方向切断をはるかに良好な精度で可能とすると同時に、各屠殺体の形態およびサイズに大きなばらつきがあることを考慮しつつ、切断プロセス中に上から下へと動物のピースを正しくガイドおよび支持することができる。
【0012】
本発明の第1の目的は、食肉屠殺体、好適には解体処理されたウシまたは同様の身体構造を有する他の種類の動物を2つの半体に切断するためのツールを開発することにより、上述の欠点を解決することである。
【0013】
この第1の目的によれば、本発明は、食肉屠殺体ピースを2つの半体に切断するための切断ツールであって、前記屠殺体は、その脚から吊り下げられてぶら下がっており、前記切断ツールは、ロボットに連結されるように適合されており、
前記切断ツールは、
‐ロボットアームに接続するように構成されたフレームと、
‐長手方向切断により前記屠殺体を2つの半体に切断するための手段と、
‐前記屠殺体の前記切断手段を作動させる手段と、
‐前記切断プロセス中に前記屠殺体をガイドするための手段であって、
‐前記切断プロセス中に前記屠殺体の前記内側サイドに追従するように構成された、前記屠殺体の前記内側サイドの追従機構と、
‐前記切断プロセス中に前記屠殺体の前記外側サイドに追従するように構成された、前記屠殺体の前記外側サイドの追従機構と、
を備える手段と、
を備える切断ツールに関する。
【0014】
本発明の切断ツールが公知のものに対して達成する大きな利点は、2つの異なるガイド機構、すなわち、切断プロセス中に屠殺体の内側サイドに追従することができる屠殺体の内側追従機構と、切断プロセス中に屠殺体の外側サイドに追従することができる屠殺体の外側追従機構と、を切断ツールそれ自体において統合しているということである。屠殺体の両側におけるこれらの追従により、切断プロセスの精度が最適化されるとともに、屠殺体の切断またはガイド時のあらゆるタイプの手作業をなくすことができる。すなわち、切断プロセスを完全に自動化することができる。
【0015】
本特許明細書において、「食肉ピース」という用語は、解体処理された動物、好適にはウシ科動物のピースを意味すると理解される。「ウシ科」という用語は、この哺乳動物亜科に含まれる動物、例えば、去勢牛、雄の子牛、1歳牛、若い雄牛、子牛、未経産牛、雌牛および雄牛を意味するが、このリストは限定的なものではない。
【0016】
本特許において動物の体を指す用語は、「屠殺体」である。「屠殺体」という用語は、生きた動物を標準的な食肉処理場の手順で屠殺し、皮を剥ぎ(皮全体)、内臓を取り出し、(頭部‐アトロイド関節において)その頭部を切り離した後に残る解剖学的構造を意味する。
【0017】
「屠殺半体」または「半体」という用語は、屠殺体を背骨の正中線を通る長手方向切断により屠殺体を分割した結果生じる2つの部分の各々を指す。
【0018】
「外側サイド」または「背側」という用語は、動物の屠殺体の背に相当する部分を指す。「内側サイド」または「腹側」という用語は、動物の屠殺体の腹に相当する部分を指す。
【0019】
従属請求項による装置の想定可能な実施形態について以下に説明する。
【0020】
本発明の好適な実施形態によれば、前記屠殺体の前記内側追従機構は、少なくとも以下の要素、すなわち、
‐上端部において前記フレームの一点に関節接合されるアームと、
‐前記関節接合アームを作動させるための第1作動手段と、
‐前記関節接合アームの前記下端部に関節接合的に固定される内側サイド支持体と、
‐前記内側サイド支持体の回転のための第2作動手段と、
‐前記内側サイド支持体に接続する1つ以上の内側サイドローラであって、前記屠殺体の前記腹部をガイドするように構成された内側サイドローラと、
を有するように構成される。
【0021】
本発明の好適な実施形態によれば、前記屠殺体の前記外側追従機構は、少なくとも以下の要素、すなわち、
‐1つ以上の上方外側サイドローラを支持するための上側傾斜アームであって、前記フレームの一点に配置される共通枢軸に対して傾斜する上側傾斜アームと、
‐前記屠殺体の前記腹部の上方ガイド用の1つ以上の上方外側サイドローラであって、前記上側傾斜アームの前記自由端部に配置される上方外側サイドローラと、
‐前記上側傾斜アームの回転のための第3作動手段と、
‐1つ以上の下方外側サイドローラを支持するための下側傾斜アームであって、前記フレームの同一の前記共通枢軸に対して傾斜する下側傾斜アームと、
‐前記屠殺体の前記腹部の下方ガイド用の1つ以上の下方外側サイドローラであって、前記下側傾斜アームの前記自由端部に配置される下方外側サイドローラと、
‐前記下側傾斜アームの回転のための第4作動手段と、
を有するように構成される。
【0022】
本特許明細書において、「ローラ」という用語は、回転ホイールとして理解される。ローラは、本質的に円筒形のホイールであり得る、または内方に向かって減少する特定のテーパを有し得る。
【0023】
本発明のこの好適な実施形態により達成される顕著な利点は、以下の通りである。
‐屠殺体の背部の2つの異なる点への下方ガイド用の上方外側サイドローラおよび下方外側サイドローラを切断ツールにおいて統合し、上方ローラと下方ローラとは互いに独立して動作することにより、上方ローラおよび下方ローラの両方の力を独立して調節することができる。これにより、切断プロセス中の屠殺体の背部のガイドが完全に自動化されるとともに、屠殺体の形態へのより良好な適合が実現される。
‐関節接合アームおよび内側サイド関節接合支持体の存在によってそれぞれの自由度を有する1つ以上の内側サイドローラを切断ツールにおいて統合することにより、切断プロセス中の屠殺体の腹部のガイドが完全に自動化されるとともに、屠殺体の形態へのより良好な適合が実現される。
【0024】
上述の2つの異なる技術的効果は、他の従来の切断装置と比較して、短い切断時間を実現しつつ、屠殺体の切断精度を高めることに寄与する。この切り落とし時間は、各屠殺体の搬送ラインの速度により規定される。
【0025】
本発明の好適な実施形態によれば、前記外側屠殺体ガイド機構の1つ以上の要素および前記内側屠殺体ガイド機構の1つ以上の要素は、前記フレームの両側に配置される。これにより、屠殺体の切断手段を、前記2つの部品の間の空いたスペースに配置することができる。
【0026】
内側サイド関節接合支持体について、本発明の想定可能な実施形態によれば、それは、第1方向において延びる延出部分を組み込んでいる。この延出部分は、屠殺体の胸骨をセンタリングすることで屠殺体を安定させるように構成される。本発明のこの想定可能な実施形態において、内側ローラは、延出部分が延びる方向とは反対側の内側ローラ支持体の一部に接続している。内側サイドローラ支持体の一側に設けられた延出部分により、屠殺体の胸骨をセンタリングすることで長手方向切断プロセス中に屠殺体がより良好に安定する。屠殺体の安定という点で若干の改善が達成されるが、この延出部分は省略可能であり、切断ツールの切断精度も許容範囲とされるであろう。好適には、内側サイド支持体は、延出部分の存在する部分とは反対側の部分に、それぞれのローラを固定するように互いに離間した対応する固定点を備える。各ローラは、内側サイド関節接合支持体に、異なる固定点により固定される。
【0027】
屠殺体を2つの半体にする切断手段、および切断手段用の作動手段について、本発明の想定可能な実施形態によれば、切断手段はフレームの前方に配置され、作動手段はフレームの後方に配置される。好適には、屠殺体を2つの半体にする切断手段は、電動鋸ディスクにおいて具現化され得る。作動手段は、鋸ディスクを一定の回転速度で回転させるモータを備える。「電動鋸ディスク」とは、その周縁部に鋸歯を有して回転手段により回転する刃を意味する。しかしながら、本発明の本質を変更することなく、鋸刃以外の切断手段を採用することも可能である。好適には、切断手段用の作動手段は、連結器と、モータから切断ディスクに運動および力を伝達するための(チェーン、ベルト、カルダン、ピニオンまたは歯車による)伝達器と、をさらに備える。
【0028】
ローラについては、好適には等しい寸法および構成を有する2つの対面配置されたホイールの対により構成される。各ホイール(左ホイールおよび右ホイールと称する)は、屠殺体の表面に接触する際に、他方から独立して回転可能である。
【0029】
本発明の想定可能な実施形態によれば、4つの内側サイドローラが対として設けられ、前記内側サイド支持体にそれらの中心において固定されたそれぞれの固定点により、2つの内側サイドローラは同一高さに配置され、他の2つの内側サイドローラは別の異なる高さに配置される。これらの関節は、ローラの自由な回転を可能にする。
【0030】
また、本発明の想定可能な実施形態によれば、4つの外側サイドローラが対として設けられ、ローラの各対は、同一高さに配置され、一方のローラ対(上方ローラと称する)は、前記上側傾斜アームの前記自由端部の近傍の一点に配置され、他方のローラ対(下方ローラと称する)は前記下側傾斜アームの前記自由端部の近傍の一点に配置される。上方ローラの2つの対(上方対および下方対)は、互いに異なるサイズおよび構成を有し得る。一方、同一対のローラは、好適には外形および幾何学的形状において同一である。例えば、上方ローラ対はより丸みを帯びた輪郭を有し、下方ローラ対はよりテーパした輪郭を有する。有利には、このテーパ形状により、ローラ対は屠殺体の首部により良好に固定され得る。
【0031】
屠殺体の外側追従機構に関して、好適には、2つの独立した傾斜外側サイドアームの共通関節軸は、フレームの一点に配置される。例えば、フレームの前記点は、フレームの下部に配置され、上側傾斜アームおよび下側傾斜アームは、一方の外側サイドアームが内側で回転し他方が外側で回転するように関節軸に配置される。
【0032】
好適には、傾斜アームは、一定の距離を置いて離間した2つの部品を有する。これにより、それらの間に電動鋸ディスクが通過可能な間隙が存在する。また好適には、傾斜アームは、電動鋸のディスクの直径よりも大きい長さを有する。これにより、傾斜アームが下方の傾斜位置に配置されたとき(これは、切断プロセスが屠殺体の頂部で開始されるときである)、内側サイド支持体は、電動鋸よりも低い位置に留まる。
【0033】
第1作動手段、第2作動手段、第3作動手段、および第4作動手段について、好適には、各々は、空気圧式でも電気式でもよいシリンダである。
【0034】
本発明の好適な実施形態によれば、本発明の切断ツールは、例えばネジおよびネジ山によりロボットアームの自由端部に固定される固定フランジを備える。好適には、前記固定フランジは、切断ツールの長手方向軸に対して傾いて配置される。この傾きにより、切断ツールは、切断鋸の種々の空間的位置、および内側サイドの追従機構および外側サイドの追従機構の種々の空間的位置を取ることができる。
【0035】
好適には、本発明の切断ツールは、切断プロセスが実施される前に各屠殺体の解剖学的構造の特定の測定値または座標を提供するように構成されたレーザ、光学システム、または人工視覚システムを組み込んでいる。また、人工視覚システムに接続するとともに切断ツールの作動手段にも接続したプロセッサも組み込まれている。人工視覚システムから受信した切断すべき屠殺体の前記測定値または座標に基づいて、プロセッサ(所定のデータを格納する)は、切断ツールの作動の手段およびロボットの種々の手段に命令を与えてそれ自体を位置決めし、その種々の運動および力を調節して、特定の屠殺体の切断プロセスを実施する。一例として、前記人工視覚システムは、食肉製品の画像を得るための少なくとも1つのカメラと、前記画像を切断要件と組み合わせることにより解析して種々の点(x、y、z)および切断ツールの種々の要素により与えられる種々の力を決定するコンピュータプログラムと、を含む。例えば、切断を開始するために切断要素が位置すべき入口点(xent、yent、zent)の空間的座標、ならびに切断要素の出口点(xsal、ysal、zsal)の空間的座標が決定される。
【0036】
本発明の切断ツールの想定可能な動作は、以下の通りである。動物の屠殺体であって、その2本の脚により下向きに各脚のフックまたはチェーンにより吊るされた屠殺体が、本発明の切断ツールを有するロボットの前方に配置されると、切断ツールは、屠殺体上を通過するように屠殺体の内側追従機構の傾斜アームが延出位置(すなわち、ほぼ水平な開始方向)にある状態で、屠殺体の上部(すなわち、つま先の部分)に接近する。屠殺体を過ぎると、前記アームは、(ほぼ水平な方向に対してほぼ60~90°)下降し、下方を向くほぼ鉛直位置に留まる。これにより、内側追従機構のローラは、屠殺体の上部の内側サイドに配置される。この開始位置において、外側追従機構のローラも同様に屠殺体に接近し、屠殺体の頂部の外側サイド上に配置されて部位の切断を開始する。これにより、内側ローラと外側ローラとの間の距離が小さくなる。切断のこの開始位置において、内側追従機構の少なくとも延出部分は、屠殺体の外側にある。これらの動作の開始前に、電動鋸ディスクは回転を開始している。切断プロセス中に、ヘッドが上から下に移動するため、電動鋸は長手方向切断を実施し、屠殺体を2つの屠殺半体にする。切断プロセスを通じて、内側追従機構の延出部分の少なくとも一部は、常に屠殺体の外側にあり、内側ローラおよび外側ローラは、屠殺体の内側サイドおよび外側サイドにそれぞれ常に追従する。
【0037】
本発明の第2の目的は、上述の切断ツール用のロボットを設計することである。この第2の目的によれば、本発明は、1つ以上の関節接合アームが配置される支持ベースを備えるロボットであって、その自由端部が6自由度の動作を呈するロボットにおいて、その自由端部に上述の切断ツールを備えることを特徴とするロボットに関する。このようにして、切断ツールの固定点は、所定の点(x、y、z)に位置決めされる。すなわち、三次元空間内で任意の方向に、さらには任意の回転軸(α、β、γ)を中心として移動可能である。
【0038】
好適な実施形態によれば、ロボットは関節接合アームを有し、切断ツールはロボットの上側アームの自由端部に装着され、ロボットは6自由度を発生させるサーボモータを有する。
【0039】
本明細書をより良好に理解するために一連の図面が提供される。これらは、本発明の実施形態の実際的な例を概略的に、そして単なる非限定的な例として示す。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は、本発明のロボット物体の斜視図であって、切断ツールがその自由端部に装着されており、屠殺体は示さない図を示す。
図2図2は、図1の切断ツールの斜視図であって、ロボットアームのわずかな部分を示す。
図3図3は、図1の切断ツールを別の視点における別の図を示す。
図4図4は、図1図3の切断ツールを有するロボットの側面立面図であって、屠殺体を切断するプロセスの所定のタイミングを示す。
図5図5は、図1図3の切断ツールを有するロボットの側面立面図であって、屠殺体を切断するプロセスの別のタイミングを示す。
図6図6は、図1図3の切断ツールを有するロボットの側面立面図であって、屠殺体を切断するプロセスの別のタイミングを示す。
図7図7は、図1図3の切断ツールを有するロボットの側面立面図であって、屠殺体を切断するプロセスの別のタイミングを示す。
図8図8は、屠殺体の内部追従機構の構造および動作の概略を示す。
図9図9は、屠殺体の外側追従機構の構造および動作の概略を示す。
図10図10は、2つの傾斜アームの特定の位置における本発明の屠殺物体の外側追従機構の斜視図を示す。
図11図11は、2つの傾斜アームの特定の位置における本発明の屠殺物体の外側追従機構の側面立面図を示す。
図12図12は、本発明の屠殺物体の内側サイド追従機構の側面立面図を示す。
図13図13は、本発明の屠殺物体の内側サイド追従機構の正面立面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
切断ツール1およびロボットの好適な実施形態について、図1図13を参照して以下に説明する。
【0042】
図1は、ロボット20の好適な実際の実施形態を示し、切断ツール1がロボットアームの上側自由端部に配置されている。ロボット20は、ベンチ(図1に示さず)に配置され、ロボットの設置される工場の特定の特性に応じて、ロボットが特定の固定位置に所望の高さで定置できるようになっている。ロボット20は、平坦なベース25と、1つ以上のサーボモータ23、24の作用により関節接合するアーム21、22と、を有している。これにより、切断ツール1を所望の空間位置(x、y、z、α、β、γ)に配置したり変位させたりすることができる。切断ツール1は、ロボット20の上側ロボットアーム22の自由端部に取り外し可能に装着され得る。これにより、安定性を有する組立/分解が容易なアタッチメントが実現される。ロボットアームのこの有利な構成により、切断ツール1は、三次元空間の任意の位置に、自動的な態様で配置され得る。
【0043】
図2および図3は、図1の切断ツール1を2つの異なる角度において詳細に示す。上側長手方向および下側鉛直方向に延びるフレーム3が示されている。また、フレーム3の前方位置に配置された、屠殺体30を2つの半体に切断するための電動鋸ディスク5、およびフレーム3の後方位置に配置された、電動鋸ディスク5を回転させるモータ4も示されている。また、切断ツール1の頂部に配置された固定フランジ2であって、切断ツール1のフレーム3の長手方向軸“X”に対して(およそ30度)傾いた固定フランジ2も示されている。図2は、切断ツール1の固定フランジ2が固定されたロボットアーム20の一部も示している。
【0044】
図2および図3は、屠殺体30の内側追従機構の想定可能な構成も示す。内側追従機構は、以下の要素により形成されている。すなわち、
‐フレーム3の両側に配置された2つの部品から形成される関節接合アーム8であって、両部品は、フレーム3の上部に配置された同一の関節軸ea1により関節接合する関節接合アーム8と、
‐関節接合アーム8を作動させるための第1空気圧シリンダ7と、
‐フレーム3の両側に離間して配置された2つのウィング10’、10”であって、関節接合アーム8の2つの部品の下端部に配置された関節軸eaにより関節接合するウィング10’、10”により形成される内側ローラ支持体10であって、本例において内側サイドローラ12a、12bの反対方向に延びる延出部分13も組み込む内側ローラ支持体10と、
‐内側ローラ支持体10の回転のための第2空気圧シリンダ11と、
‐4つの内側サイドローラ、すなわち、延出部分13が延びる位置の反対側の支持体10の領域において内側サイド支持体10の異なる高さに接続する2つの上側のローラ12a右、12a左、および2つの下側のローラ12b右、12b左であって、左ローラ12a左、12b左、および12a右、12b右の各対は、内側サイド支持体10の異なるウィング10’、10”に固定される内側サイドローラと、
により形成されている。
【0045】
屠殺体30の内側追従機構の動作を図8に概略的に示す。第1空気圧シリンダ7(およびそのそれぞれの流量調整器)は、関節接合アーム8を作動させる。アーム8は、関節軸ea1上で関節接合されている。その下部には、アーム8の下部に関節軸ea2により関節接合された支持体10が固定されている。支持体10を作動させる第2空気圧シリンダ11(およびそれぞれの流量調整器)は、前記第2関節軸ea2に配置されている。支持体10の上側および下側のローラのうちの2つが示されている。
【0046】
屠殺体30の内側追従機構の下部を、図12および図13に詳細に示す。図12および図13は、4つの内側ローラ12a左、12b左、12a右、12a左の想定可能な構成を有する想定可能な形状を示すが、この構成は限定されるものではない。図12は、延出部分13がわずかに上向きの傾きを呈するとともに先端の形状で終端していることを示す。図13は、内側サイドローラ支持体10の2つのウィング10’、10”、およびこれら2つのウィング10’、10”の4つの異なる固定点に固定されたダブルローラ12a左、12b左、および12a右、12b右を示す。4つの内側ローラ12a左、12b左、12a右、12b右は、内側方向に減少するテーパを有している。図13は、右上側ローラ支持体12a右に対する固定点pfa、および左下側ローラ支持体12b右に対する固定点pfb、ならびに支持体10の関節軸ea2を示す。
【0047】
また、図2および図3に、以下の要素により形成される屠殺体30の外側追従機構を示す。すなわち、
‐2つの上方外側サイドローラ16右、16左を支持するための上側傾斜アーム14であって、フレーム3の下側点に配置された共通関節軸15に対して傾斜する第1上側傾斜アーム14と、
‐屠殺体30の背部の上方ガイド用の2つの上方外側サイドローラ16右、16左であって、上側傾斜アーム14の自由端部におけるそれぞれの固定点に配置された2つの上方外側サイドローラ16右、16左と、
‐上側傾斜アーム14の回転のための第3空気圧シリンダ17と、
‐2つの下方外側サイドローラ20右、20左を支持するための別の下側傾斜アーム18であって、フレーム3の同一の共通関節軸15に対して傾斜する下側傾斜アームと、
‐屠殺体の背部の下方ガイド用の2つの下方外側サイドローラ20右、20左であって、下側傾斜アーム18の自由端部における固定点に配置された下方外側サイドローラ20右、20左と、
‐下側傾斜アーム18の回転のための第4空気圧シリンダ21と、
により形成されている。
【0048】
図2および図3の実施形態に示すように、第1空気圧シリンダ7は、関節接合アーム8に対して前方位置に配置されている。これは、切断ツール1のすべての部品の安定性に有利である。
【0049】
図9は、屠殺体30の外側追従機構の動作を概略的に示す。上側傾斜アーム関節14を作動させる第3空気圧シリンダ17(およびそのそれぞれの流量調整器)、および下側傾斜アーム関節18を作動させる第4空気圧シリンダ21(およびそのそれぞれの流量調整器)が示されている。また、図9は、両傾斜アーム14および18が、同一の関節軸15に対してどのように傾斜しているかも示す。
【0050】
図10および図11は、屠殺体30の外側追従機構を詳細に示す。2つの傾斜アーム(上側傾斜アーム14および下側傾斜アーム18)、および2つの空気圧または電気シリンダ17および21、そして共通関節軸15が観察される。図10は、上方外側サイドローラ16および下側ローラ20の幾何学的形状も示す。本発明のこの想定可能な特定の実施形態において、2つの下方外側サイドローラ20は、2つの上方外側サイドローラ16に比較して大きい直径を有している。そして、下方外側サイドダブルローラ20の左ローラと右ローラとの間の離間間隔は、上方外側サイドダブルローラ16の左ローラと右ローラとの間の離間間隔よりも大きい。共通関節軸15は、各傾斜アーム14、18の一端部に配置されている。そこで、アーム14、18のうちの一方は内側で回転し、他方は外側で回転する。
【0051】
図4図7は、切断ツール1の好適な実施形態を有する想定可能なロボット20を、ウシの屠殺体30の切断プロセスの異なるタイミングにおいて示す。前記図4図7において、ロボット20のベース25が装着されるベンチ19の一部が示されている。
【0052】
切断プロセスが実施される間、屠殺体30は、その2本の脚から逆さまの状態で吊り下げられたままであり、前記屠殺体30に接近してそれを上から下に半体に切断するのは、切断ツール1およびロボットアームである。一般に、切断される屠殺体30は、各屠殺体30の間にスペースを空けた状態で円形コンベヤ(図面に示さず)を循環する。
【0053】
切断プロセスの開始前のタイミングで、人工視覚装置および他の補完機構(添付図面に示さず)が、屠殺体30の切断プロセスに先立つ分析により、切断すべき食肉製品の屠殺体30の解剖学的構造の種々の特定の値を切断することを決定する。これらの測定値から、プロセッサが、切断ツール1およびロボット20(すなわち種々の関節および種々のシリンダの力)の位置および/または速度および/または加速度に関する種々のパラメータを、それらの切断の初期開始位置において、そして切断プロセス中において出力する。
【0054】
図4に示すように、切断プロセスの第1時点では、切断ツール1が屠殺体30に接近する。この第1接近位置において、アーム8は、屠殺体30の頂部を通過できるように実質的に水平な姿勢にある。下の図5に示す第2位置において、アーム8は、屠殺体30の背中に沿って配置されるとともに、実質的に垂直な姿勢(図6に示す)に到達するまで回転する。図6に示すように、電動鋸5による切断が既に開始されている場合、屠殺体30の長手方向切断の間中、アーム8はこの実質的に垂直な下向きの姿勢に保持される。最後に、屠殺体30の全体が既に2つの半体屠殺体(図示せず)に切断された下降の最終時点の図7において、どのようにアーム8および並んだ内側サイドローラと外側サイドローラが、この同一の実質的に垂直な下向きの姿勢に維持されるかを示す。図6および図7は、外側追従機構の2つの傾斜アーム14、18の異なる位置を示す。なぜならば、屠殺体30の背中の凸凹面に追従して、それらは動物の表面の種々の湾曲や不規則性に徐々に適合するからである。
【0055】
本発明の特定の実施形態について言及したが、上述の切断ツールおよび切断ツールを備えるロボットは、多数の変形および修正の対象となること、ならびに、添付の特許請求の範囲により定義される保護範囲から逸脱することなく、言及されたすべての詳細が、技術的な他の同等物と置換され得ることが、当業者に明瞭である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】