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特表2024-515274電波通信モジュールを有する測定デバイスおよび測定インターフェース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-08
(54)【発明の名称】電波通信モジュールを有する測定デバイスおよび測定インターフェース
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/02 20060101AFI20240401BHJP
   H04J 3/06 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
H04L7/02
H04J3/06 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562669
(86)(22)【出願日】2022-04-06
(85)【翻訳文提出日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 GB2022050854
(87)【国際公開番号】W WO2022219306
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】21168394.1
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391002306
【氏名又は名称】レニショウ パブリック リミテッド カンパニー
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン アンソニー スタイルズ
(72)【発明者】
【氏名】ポール アンソニー テイラー
【テーマコード(参考)】
5K028
5K047
【Fターム(参考)】
5K028BB04
5K028NN22
5K047AA01
5K047BB01
5K047HH01
(57)【要約】
測定プローブ(10)および測定インターフェース(20)などの、測定システムにおいて使用される周波数ホッピング方式の電波通信モジュール(18、26)が説明される。モジュール(18、26)は、一連の基本時間間隔を規定するためのクロックと、周波数チャネルの配列を記述するホッピングパターンを格納するためのメモリとを備える。通信モジュール(18、26)は、少なくとも第一のモード、第二のモード、および第三のモードの間において切り替え可能である。第一のモードは、第一のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信し、第二のモードは、第二のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信する。第一のフレーム時間は、基本時間間隔に等しいか、またはその整数倍であり、第二のフレーム時間は、第一のフレーム時間の整数倍である。第三のモードにおける動作は、第三のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信することを含み、第三のフレーム時間は、第二のフレーム時間の整数倍である。連続する各基本時間間隔は、ホッピングパターン配列において連続する周波数チャネルに関連付けられ、各フレームは、そのフレームの開始時に発生する基本時間間隔に関連付けられる周波数チャネルを使用する。このようにして、相違するフレーム時間が使用される場合でも、周波数ホッピングの同期は維持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測データを生成するための測定センサーと、複数の周波数チャネルに亘る電波信号を送受信するための周波数ホッピング方式電波通信モジュールとを備える測定デバイスであって、
前記周波数ホッピング方式電波通信モジュールは、一連の基本時間間隔を規定するためのクロックと、周波数チャネルの配列を記述するホッピングパターンを格納するためのメモリとを含み、
前記通信モジュールは、少なくとも第一のモード、第二のモード、および第三のモードにおいて動作可能であり、
前記第一のモードにおける動作は、第一のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信することを含み、前記第一のフレーム時間は、前記基本時間間隔に等しいか、またはその整数倍であり、
前記第二のモードにおける動作は、第二のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信することを含み、前記第二のフレーム時間は、前記第一のフレーム時間の整数倍であり、
前記第三のモードにおける動作は、第三のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信することを含み、前記第三のフレーム時間は、前記第二のフレーム時間の整数倍であり、
連続する各基本時間間隔は、前記ホッピングパターンの配列において連続する周波数チャネルに関連付けられ、各フレームは、そのフレームの開始時に発生する前記基本時間間隔に関連付けられる周波数チャネルを使用する
ことを特徴とする、測定デバイス。
【請求項2】
前記第一のフレーム時間は、前記基本時間間隔と等しいことを特徴とする、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項3】
前記第二のフレーム時間は、前記基本時間間隔のM倍に等しく、ここで、M=2であり、Nは1以上の整数であることを特徴とする、請求項1または2に記載の測定デバイス。
【請求項4】
前記第二のフレーム時間は、前記基本時間間隔の2倍であることを特徴とする、請求項1ないし3の何れか一つに記載の測定デバイス。
【請求項5】
前記第三のフレーム時間は、前記基本時間間隔の4倍であることを特徴とする、請求項1ないし4の何れか一つに記載の測定デバイス。
【請求項6】
前記基本時間間隔は、少なくとも0.25msであることを特徴とする、請求項1ないし5の何れか一つに記載の測定デバイス。
【請求項7】
前記第一のモードは、非計測データの待受通信のために使用されることを特徴とする、請求項1ないし6の何れか一つに記載の測定デバイス。
【請求項8】
前記第二のモードは、タッチトリガーデータの通信のために使用されることを特徴とする、請求項1ないし7の何れか一つに記載の測定デバイス。
【請求項9】
前記第三のモードは、アナログプローブのデータの通信のために使用されることを特徴とする、請求項1ないし8の何れか一つに記載の測定デバイス。
【請求項10】
前記測定センサーは、タッチトリガーセンサー、走査センサー、超音波センサー、および画像センサーのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1ないし9の何れか一つに記載の測定デバイス。
【請求項11】
前記測定デバイスから受信される前記測定データを、関連する工作機械に受け渡すための出力を含むことを特徴とする、請求項1ないし10の何れか一つに記載の測定デバイスと通信するための測定インターフェース。
【請求項12】
複数の周波数チャネルに亘る電波信号を送受信するための周波数ホッピング方式電波通信モジュールを備え、
前記周波数ホッピング方式電波通信モジュールは、一連の基本時間間隔を規定するためのクロックと、周波数チャネルの配列を記述するホッピングパターンを格納するためのメモリと含み、
前記通信モジュールは、少なくとも第一のモード、第二のモード、および第三のモードにおいて動作可能であり、
前記第一のモードにおける動作は、第一のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信することを含み、前記第一のフレーム時間は、前記基本時間間隔に等しいか、またはその整数倍であり、
前記第二のモードにおける動作は、第二のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信することを含み、前記第二のフレーム時間は、前記第一のフレーム時間の整数倍であり、
前記第三のモードは、前記第三のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信することを含み、前記第三のフレーム時間は、前記第二のフレーム時間の整数倍であり、
連続する各基本時間間隔は、前記ホッピングパターンの配列において連続する周波数チャネルに関連付けられ、各フレームは、そのフレームの開始時に発生する前記基本時間間隔に関連付けられる周波数チャネルを使用する
ことを特徴とする、請求項11に記載の測定インターフェース。
【請求項13】
前記第一のモード、第二のモード、および第三のモードの間において変更する指示を受信するための入力を含み、前記測定インターフェースにおける前記周波数ホッピング方式電波通信モジュールは、モード変更のメッセージを、前記周波数ホッピング方式の通信リンクを介して、前記測定デバイスにおける前記周波数ホッピング方式の通信モジュールに送信するように構成されることを特徴とする、請求項12に記載の測定インターフェース。
【請求項14】
前記モード変更のメッセージは、前記測定デバイスにおける前記通信モジュールの前記基本時間間隔を、前記測定インターフェースにおける前記通信モジュールの前記基本時間間隔と同期させるためのタイミング情報を含むことを特徴とする、請求項13に記載の測定インターフェース。
【請求項15】
請求項1ないし10の何れか一つに記載の一つまたは複数の測定デバイスと、請求項11ないし14の何れか一つに記載の測定インターフェースとを備えることを特徴とする、測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数ホッピング方式電波通信モジュール(frequency hopping radio communications module)を含む測定デバイスおよび測定インターフェースに関する。特に、本発明は、工作機械(machine tool)の測定プローブおよび/または関連するプローブ・インターフェースに使用されて、種々の種類の測定データ(measurement data)を通信可能にする、このような周波数ホッピング方式電波通信モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
座標位置決め装置(co-ordinate positioning apparatus)(例えば、工作機械など)には、例えば、工作物(workpiece)の表面上の点の位置を測定するタッチトリガープローブ(touch trigger probe)などの測定デバイスが装備されていることがよくある。タッチトリガープローブには、表面との接触によって歪められる(deflected)と、いわゆるトリガー信号(trigger sinal)を生成するスタイラス(stylus)が付いている。このトリガー信号は、工作機械の測定スケール(measurement scales)の出力を固定する(freeze)ために使用され、これによってプローブの位置、延いては適切な較正によって工作物の表面上の一点の位置を表示させる。
【0003】
特定の状況では、例えば、プローブを機械コントローラに直接配線することが難しい場合、無線伝送システムが、プローブ・インターフェースを介してトリガー信号を機械コントローラに伝達するために使用されている。特に、プローブおよびプローブ・インターフェース間において周波数ホッピング方式スペクトル拡散(frequency hopping spread spectrum)(FHSS)通信を使用することが知られている。このような通信プロトコルは、国際公開第2004/057552号公報(WO2004/057552)に記載されており、英国グロスターシャー州ウォットン・アンダー・エッジ(Wotton-under-Edge, Gloucestershire, UK)のレニショー公開有限会社(Renishaw plc)によって販売される工作機械プローブの「RMP」シリーズ(range)および関連する「RMI」プローブ・インターフェースにおいても使用されている。同様のFHSS通信のプロトコルは、同じレニショー公開有限会社から販売される、Primoシリーズの測定プローブにおいても使用されている。上述されるFHSSシステムは、頻繁に過酷な(RF)動作環境において堅牢な通信(robust communications)を提供することが判明している。
【0004】
周波数ホッピング方式通信リンクは、伝送が行われることになるかどうかに関わらず、リンクの両端間における緊密な同期を維持することに依存している。これは、二つの基地局(station)が、事前定義されたホッピングパターン(hopping pattern)に従って、周波数チャネル間において共に(すなわち、同期して(in synchhronisation))次々切り替わる(hop)ことを保証することである。このような周波数チャネル同期(frequency channel synchorinisation)の維持は、測定プローブと関連するインターフェースとの間において伝送されるトリガーイベント情報(trigger event information)のような、時間最優先の情報(time critical information)を中継する(relay)システムにとって、特に重要である。フレーム時間(すなわち、各周波数チャネルが使用される期間)は、通常、製造時に固定され(fixed)、通信リンクの両端は、同じフレームレートを使用する。フレーム時間は、(時間最優先のデータをより迅速に中継することを可能にする)より短いフレーム時間を使用する利点と、(フレーム毎により多くのデータを伝送することを可能にする)より長いフレーム時間を使用する利点とのバランスを取るように選択されている。本発明者らは、このような固定フレーム時間の手法を使用すると、相違する量の測定データを生成する異なる方法(ways)において動作することができる測定デバイスには、同じ通信モジュールを使用することが困難になると認識している。
【0005】
周波数ホッピング方式システムは、測定に特化しない一般的な用途にも知られている。例えば、米国特許第4606040号公報(US4606040)には、高速スキップ法および低速スキップ法(high-speed and low-speed skip laws)を採用する、周波数ホッピング方式システムが記載されている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第一の態様によれば、計測データ(metrology data)を生成するための測定センサーと、複数の周波数チャネルに亘る電波信号(radio signal)を送受信するための周波数ホッピング方式電波通信モジュールとを備える、測定デバイスが提供される。
-この周波数ホッピング方式電波通信モジュールは、一連の基本時間間隔(a series of base time intervals)を規定するためのクロックと、周波数チャネルの配列(a sequence of frequency channels)を記述するホッピングパターンを格納するためのメモリとを含む。
-この通信モジュールは、少なくとも第一のモード、第二のモード、および第三のモードにおいて動作可能である。
-第一のモードにおける動作は、第一のフレーム時間を有する一連のフレーム(a series of frames)を使用して、データを送信および/または受信することを含み、第一のフレーム時間は、基本時間間隔に等しいか、またはその整数倍である。
-第二のモードにおける動作は、第二のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信することを含み、第二のフレーム時間は、第一のフレーム時間の整数倍である。
-第三のモードにおける動作は、第三のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信することを含み、第三のフレーム時間は、第二のフレーム時間の整数倍である。
-連続する各基本時間間隔は、ホッピングパターン配列(sequence)において連続する周波数チャネルに関連付けられ、各フレームは、そのフレームの開始時に発生する基本時間間隔に関連付けられる周波数チャネルを使用する。
【0007】
この第一の態様では、本発明は、周波数ホッピング方式のスペクトラム拡散(spread spectrum)(FHSS)電波通信モジュールおよび測定センサーを備える、測定デバイスに関する。この電波通信モジュールは、例えば、同様のFHSS電波通信モジュールを含む測定インターフェースに対して、FHSS(無線(wireless))電波通信リンクを確立することを可能にする。好適な実施形態では、本測定デバイスは、バッテリー駆動の測定デバイスまたはプローブから工作機械に物理的に配線される(hardwired)測定インターフェースに、測定データを無線通信するために使用され得る。この通信モジュールは、複数の周波数チャネルを介して電波信号を送信および/または受信するように構成されている。これらの周波数チャネルは、特定の周波数帯域または周波数帯域群(frequency band or bands)の内部にあり得る(例えば、周波数チャネルは、2.4GHzの電波帯域(radio band)に亘って拡散され得る)。このとき、データパケットは、指定された周波数チャネル上における各フレーム中に送信および受信され得る。
【0008】
この通信モジュールには、一連の基本時間間隔を規定する(defining)クロックが含まれる。例えば、基本時間間隔は、方形波クロック信号(square wave clock signal)の立ち上がりエッジ(rising edges)および立ち下がりエッジ(falling edges)によって規定され得る。メモリも、周波数チャネルの配列(sequence)または直列(series)を記述するホッピングパターンを格納するために提供される。換言すると、ホッピングパターンは、周波数チャネルの直列(a series of frequency channels)を使用することができる順序(order)を定義する。連続する各基本時間間隔は、ホッピングパターンにおいて連続する周波数チャネルに関連付けられる。換言すると、連続する各基本時間間隔は、ホッピングパターンにおける次の周波数チャネルを割り当てられる。ホッピングパターンは、継続的に循環する(すなわち、繰り返される)。
【0009】
この通信モジュールは、相違するフレーム時間を有する(すなわち、相違するフレームレートで動作する)複数の異なるモードを採用し(adopt)、それらのモード間において切り替える(switch)ことができる。特に、通信モジュールは、相違するフレーム時間を有する少なくとも第一のモード、第二のモード、および第三のモードの間において切り替え可能である(すなわち、動作可能である)。第一のモードは、基本時間間隔に等しいか、またはその整数倍である第一のフレーム時間を有する一連のフレーム(第一のフレーム)を使用して、データを送信および/または受信する。第二のモードは、第一のフレーム時間の整数倍である第二のフレーム時間を有する一連のフレーム(第二のフレーム)を使用して、データを送信および/または受信する。例えば、第一のモードがtというフレーム時間を使用すると、第二のモードは、2t、4t、8t等のフレーム時間を使用し得る。好適な実施形態では、第二のフレーム時間は、基本時間間隔の2倍である。第三のモードは、第三のフレーム時間を有する一連のフレーム(第三のフレーム)を使用して、データを送信および/または受信する。第三のフレーム時間は、第二のフレーム時間の整数倍である。これは、第三のフレーム時間が基本時間間隔の整数倍であることも意味する。好適な実施形態では、第三のフレーム時間は、基本時間間隔の4倍(quadruple)(すなわち、4倍(four times))である。
【0010】
堅牢な通信リンク(robust communications link)を提供するために、各フレーム(すなわち、第一のモード、第二のモード、および第三のモードにおける各フレーム)は、そのフレームの開始時に発生する基本時間間隔に関連付けられる周波数チャネルを使用する。そのため、「フレーム(frame)」という用語は、本明細書では、第一のフレーム、第二のフレーム、および第三のフレームの各々を集合的に記述するために使用される。これは、相違するモードが使用される、それゆえに相違するフレーム時間が使用される場合でも、通信モジュールによって使用される周波数チャネルは、通信リンクが確立されている同様の関連する通信モジュール(例えば、測定インターフェースの内部など)によって使用される周波数チャネルと常に一致することが確実にする。換言すると、これは、このような通信モジュールが相違するモードで動作している場合(例えば、一方の通信モジュールが第一のモードで動作しており、他方の通信モジュールが第二のモードで動作している場合)でも、同じホッピングパターンを使用して、関連する通信モジュールに対して周波数ホッピング同期を維持することを可能にする。
【0011】
本発明は、(例えば、切断された伝送(dropped transmission)に起因して)リンクを喪失するリスク、および通信リンクの両端間の同期を最初から(from scratch)再確立するリスクを負うことなく、動作中にフレームレートを変更することを可能にする。そのため、本発明は、測定プローブが実行している測定タスクに応じて、相違する量の測定データを生成することができる、測定プローブの形態における測定デバイスによる使用に、特に適している。
【0012】
本発明の測定デバイスに含まれる通信モジュールが、種々の方法において実装され得ることは、留意されるべきである。例えば、通信モジュールは、適切に構成される回路またはプロセッサを含み得る。また、通信モジュールは、RFアンテナを含んでいてもよく、または関連するRFアンテナに接続可能であってもよい。以下に説明されるように、この通信モジュールは、測定デバイス(例えば、測定プローブなど)に組み込まれるが、同様の通信モジュールは、測定インターフェースの一部として提供されて、測定デバイスとの通信を可能にし得る。また、通信モジュールは、(例えば、以下に記述されるように識別される一意性(unique)から)ホッピングパターンを計算するためのプロセッサを含み得る。他の構成要素は、通信モジュールと共に含まれ得て、通信モジュールは、他のモードにおいて(例えば、旧来の通信モード(legacy communication modes)において)も動作され得る。
【0013】
便宜上、第一のフレーム時間は、基本時間間隔と等しくなる。換言すると、基本時間間隔は、第一のフレーム時間も規定し得る。これにより、クロック信号から別のタイミング信号を導出する必要が回避される。第二のフレーム時間は、第一のフレーム時間の整数倍になり得る。第二のフレーム時間は、基本時間間隔の整数倍にもなり得る。好ましくは、第二のフレーム時間は、基本時間間隔のM倍に等しくなるが、ここで、M=2であり、Nは1以上の整数である。そのため、第二のフレーム時間は、基本時間間隔の2倍、4倍等になり得る。好ましくは、第二のフレーム時間は、基本時間間隔の2倍である。
【0014】
第一のフレーム時間が基本時間間隔と等しい場合、そのとき、第一のモードのフレームは、完全なホッピングパターン(full hopping pattern)に従うしかない。第二のフレーム時間が基本時間間隔の2倍である場合、そのとき、第二のモードで使用される周波数チャネルは、完全なホッピングパターンにおいて定義される一つ置きの(every other)周波数チャネルを跳び越す(skip)ことになる。ただし、(典型的なシステムのように)奇数個の周波数チャネルが提供される場合、ホッピングパターンを2回繰り返す間に、全ての周波数チャネルが使用される。
【0015】
フレーム時間を増減することが可能であるということは、通信モジュールが通信に必要な測定データ(例えば、インターフェースによって受信され、測定デバイスによって送信されるデータなど)に適応することができることを意味する。より大きなデータパケットに対しては、より長いフレーム時間を使用することができ、より高速な通信が必要とされる場合には、より短いフレーム時間を使用することができる。有利なことに、第一のモードは、非計測データ(non-metrology)の待受通信(stanby communications)に適している。このような非計測データには、周波数ホッピング方式通信リンクの両端の同期を維持するために交換される必要がある、周期的なタイミング信号(periodic timing signals)が含まれ得る。このような第一のモードの所要電力(power requirement)が低いことは、バッテリー寿命を維持するために有利であり得る。第二のモードは、測定データの通信に適し得る。例えば、第二のモードは、タッチトリガーデータ(touch trigger data)を伝送するために最適化され得る。このようなタッチトリガーデータの通信に使用されるフレーム時間は、最初の伝送では受信されていないトリガーイベント(trigger events)に関連する任意のデータを再送信する(retransmit)ための能力を備える、低遅延(low latency)を可能にし得る。
【0016】
第三のモードは、第一のモードおよび第二のモードよりも長いフレーム時間を有する。そのため、第三のモードは、より大きなデータパケットを伝達し得る。第三のモードは、大容量データ転送モード(bulk data transfer mode)と考えられ得る。好適な実施形態では、第三のモードは、アナログプローブのデータ(analogue probe data)の通信に適している。以下で説明されるように、アナログプローブは、単に表面上の点の近接または接触(proximity or contact)を示し得るだけでなく、その局所座標系(local coordinate system)内の表面上における複数の点の位置を記述するデータを含み得る。例えば、アナログプローブには、物体に接触するためのスタイラスと、局所座標系においてスタイラスの撓み(stylus deflection)を測定する撓みセンサー(deflection sensors)とが含まれ得る。表面に亘ってスタイラスを走査させる場合、プローブの撓みデータのストリーム(stream of probe deflection data)が収集され、(すなわち、第三の動作モードを使用して)通信リンクを介して送信され得る。アナログプローブがタッチトリガーモード(touch trigger mode)で動作している場合、スタイラスが表面に接触して移動されるときに、スタイラスの撓みが発生する場合にのみ、トリガー信号を送信する必要がある。このようなタッチトリガーデータは、第二のモードを使用して伝達され得る。測定が必要とされないが、アナログプローブが直ぐに必要とされる場合もある。このような例では、第一のモードは、電力消費を低減するが、同期通信リンク(synchronised communications link)を維持するために使用され得る。
【0017】
有利なことに、基本時間間隔は、少なくとも0.25msである。以下に説明される実施形態では、基本時間間隔は、0.25msである。次いで、第一のモードは、0.25msのフレーム時間を有し、第二のモードは、0.5msのフレーム時間を有し、任意の第三のモードは、1msのフレーム時間を有する。
【0018】
(例えば、測定デバイスの)通信モジュールは、(例えば、以下に説明される測定インターフェース内に設けられる)別の通信モジュールと既に確立されている通信リンクを介して、モード変更の指示(instruction to change mode)を受信し得る。あるいは、通信モジュールは、このようなモード変更の指示を受信し、その後に、既に確立されている通信リンクを介して、関連する通信モジュールにモード切替えも行うように指示するための入力を有し得る。そのため、通信モジュールは、第一のモードおよび第二のモード間における変更指示を受信するための入力を有し、周波数ホッピング方式リンクを介して、関連する通信モジュールにモード変更のメッセージ(message to change mode)を送信するように構成され得る。送信マスタ(transmission master)または送信スレーブ(transmission slave)として機能する通信モジュールは、関連する通信モジュールにモード変更の指示を伝達し得る。
【0019】
以下に説明されるように、通信リンクを介して伝達されるモード変更の指示(change in mode instruction)が、タイミング情報(timing information)によって伴われる必要がある状況があり得る。例えば、第一のモードのフレームがクロックパルスの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジの両方で誘発される場合、第二のモードのフレームを規定するために、クロックパルスのどちらのエッジが使用されることになるかに関して、リンクの他端にデータを提供する必要があり得る。そのため、モード変更のメッセージは、通信モジュールの基本時間間隔(base timing intervals)と、関連する通信モジュールの基本タイミング間隔とを同期させるためのタイミング情報を含み得る。
【0020】
通信モジュールのペアを通信させるには、同じホッピングパターンを使用する必要があるが、通信モジュールの相違するペア間の通信は、同じ場所に設置するシステム間の干渉の可能性を低減するために、異なるホッピングパターンを使用し得る。例えば、測定インターフェースは、相違するホッピングパターンを使用して、相違する測定デバイスと通信し得る。あるいは、各測定インターフェースは、初期のパートナーリング・プロセス(partnering process)中に、関連する各測定デバイスに測定インターフェースが受け渡す、特定の(例えば、事前定義された)ホッピングパターンを使用し得る。初期に通信リンクを確立するため、または測定デバイスが待受モード(stanby mode)にある間に、(リンクの両端に既知となる)相違するホッピングパターンが使用され得る。例えば、より少ない周波数チャネルを使用するホッピングパターンが使用されてもよい。これは、測定デバイスが待受モードを終了する必要があるかどうかを、測定デバイスが繰り返し確認する必要がある場合に、必要とされる電力消費を低減することに貢献する。通信プロトコルは、干渉等に起因して、メッセージの未受信(non-receipt)を防ぐための冗長性(redendancy)(例えば、再送信(retransmissions)等)を有する、適切な肯定応答の配列(sequence of acknowledgements)を含み得ることにも、留意されるべきである。
【0021】
通信モジュールは、適切な方法において形成され得る。例えば、このモジュールは、回路基板(circuit board)(例えば、FPGAモジュールなど)として形成されてもよく、ならびに/または測定プローブの内側および/もしくは測定プローブ・インターフェースの内部に取り付けるための送受信機(transceiver)を含んでもよい。この回路基板は、周波数ホッピング方式通信に接続される機能、または他のプロセスのための他の機能を実装し得る。このモジュールには、マスタクロックおよび/または、受信信号からマスタクロック(master clock)を復元するためのスライディング相関器(sliding correlator)が含まれ得る。このモジュールは、国際公開第2004/057552号公報(WO2004/057552)に記載される特徴の何れか一つ以上を含み得る。
【0022】
通信モジュールによって使用される複数の周波数チャネルは、2.4GHzの電波周波数帯域(2.4000~2.4835GHzに及ぶ)内の周波数チャネルを含み得る。これは、産業、科学、および医療(Industrial, Scientific and Medical)(ISM)帯域としても知られており、ほとんどの国において使用許諾が不要(licence free)である。各周波数チャネルの幅は2MHzであるが、何れの伝送も、各チャネルの周波数範囲の一部にしか及ばないことは、留意されるべきである。好適な実施形態では、2.404GHzから2.480GHzまで及ぶ39個のチャネル(それぞれ2MHz幅)が設けられる。本発明は、任意の電波周波数帯域において使用され得て、ISM帯域の動作に限定されないことは、留意されるべきである。好ましくは、このモジュールは、標準かつ使用許諾不要の無線周波数帯域上において動作するように構成される。このような周波数帯域は、規制規則(regulatory rules)に応じて、国ごとに、または時間の経過とともに変動する可能性があるが、これにより、本発明に関連付けられる利点が変わらないことは、留意されるべきである。また、この通信モジュール(および、それゆえに測定デバイス)は、正式な連邦通信委員会(Federal Communications Commission)(FCC)の規定(difinition)に従ったFHSSシステムではなく、デジタル伝送システム(digital transmission system)(DTS)またはハイブリッドシステム(hybrid system)として分類される可能性があることも、留意されるべぎである。
【0023】
本発明の第一の態様は、上述される周波数ホッピング方式電波通信モジュールを含む測定デバイス(例えば、測定プローブなど)に関する。本測定デバイスは、計測データを生成するための測定センサーも含む。この測定センサーは、任意の型式のものでもよい。例えば、測定センサーは、寸法、位置、温度等の測定を可能にし得る。このセンサーは、接触センサー(contact sensor)(すなわち、このセンサーは、測定される物体に物理的に接触し得る)であってもよいし、非接触センサー(non-contact sensor)(例えば、このセンサーは、光学式、電磁誘導式、静電容量式等の感知を使用し得る)であってもよい。好適な実施形態では、測定デバイスの測定センサーは、タッチトリガーセンサー(touch trigger sensor)を含む。このタッチトリガーセンサーは、物体の表面上の点に対して特定の空間的な関係に到達すると、トリガー信号を生成し得る。例えば、スタイラスが撓められると、トリガー信号が生成され得る。測定プローブは、工作機械用であり得る。トリガー信号は、通信モジュールが計測モードで動作しているときに、関連するインターフェースに伝達され得る。また、測定プローブは、スタイラス、シャンク(shank)、およびバッテリー(battery)のうちの少なくとも一つを含み得る。上記で説明されるように、測定センサーは、アナログプローブを含み得る。そのため、測定デバイスの測定センサーは、タッチトリガーセンサー、走査センサー(scanning sensor)、超音波センサー(ultrasound sensor)、または画像センサー(imaging sensor)のうちの少なくとも一つを含み得る。測定デバイスは、複数の測定センサー(例えば、タッチトリガーセンサーおよび温度センサー(temperature sensor)など)を含み得る。
【0024】
本測定デバイスは、バッテリー駆動式であり得る。したがって、バッテリー寿命を最大化するに、測定デバイスはできるだけ電力使用を少なくする方が有利である。そのため、測定デバイスの通信モジュールは、関連する測定インターフェースから起動メッセージ(activation message)が受信されるまで、(チャネル間を次々に切り替えしつつ)受動的に情報を受信するように構成され得る。起動メッセージを受動的に待ち受ける(listening)ときに使用されるフレームレートは、関連する測定インターフェースのフレームレートよりも大きくなり得る。特に、測定デバイスによって使用される各フレームの継続時間(duration)は、関連する測定インターフェースが周波数チャネルの各々を通して循環するのに必要とされる時間(例えば、第二のホッピングパターンを通して1サイクルなど)に少なくとも等しくなるように設定され得る。起動メッセージが受信されると、測定デバイスは、情報を(例えば、起動メッセージの受信を確認するために)測定インターフェースに送信し、完全なフレームレート(full frame rate)で動作を開始し得る。
【0025】
測定デバイスの通信モジュールは、送信マスタまたは送信スレーブとして機能し得る。換言すると、リンクの何れかの端が、通信リンクを制御するための送信マスタになり得る。測定デバイスは、計測情報が送信されているとき(例えば、第二のモードおよび/または第三のモードにおいて)、送信マスタであり得る。測定インターフェースは、計測情報が通信されていないとき(例えば、第一のモードにおいて)、送信マスタであり得る。
【0026】
好適な実施形態では、各測定デバイスは、一意の識別子(unique identifier)を含む。例えば、各測定デバイスには、一意の識別コード(例えば、プローブIDコードなど)が割り当てられ得る。そのとき、その測定デバイスに対する通信に使用されるホッピングパターンは、その一意のコードから導出され得る。このことから、このような例では、一意の識別子は、測定デバイスおよび関連するインターフェースによって(事前のプログラミング(pre-programming)によって、または以前のペアリング・プロセス(pairing process)を介して)既知である必要があることが分かる。あるいは、一方の通信モジュールが、初期のペアリング・プロセスまたはパートナーリング・プロセス中に、他方の通信モジュールにホッピングパターンを送信し得る。例えば、測定デバイスは、関連するインターフェースからホッピングパターンを受信し得る。この情報の伝送は、初期のパートナーリング・プロセス中に実行され得る。これにより、通信リンクの両端が同じホッピングパターンを使用することが可能になる。各送信メッセージは、起動されることになる測定デバイスに関する情報を含むヘッダー(header)も含み得る(例えば、このメッセージは、プローブIDを含み得る)。このようにして、必要とされる測定デバイスおよび測定インターフェースのペア間において通信が確立されることをさらに確実にすることができる。
【0027】
本発明のさらなる態様によれば、本発明の第一の態様における測定デバイスと通信する(すなわち、FHSSリンクを使用する)ための測定インターフェースが提供される。本測定インターフェースは、測定デバイスの通信モジュールに関連して上述される特徴の一部または全てを有する、通信モジュール(すなわち、第二の通信モジュール、またはインターフェースの通信モジュール)を含み得る。測定インターフェースは、関連する機械に物理的に配線され得る。測定インターフェースは、主電源(mains)(すなわち、バッテリーではなく)駆動され得る。例えば、測定インターフェースは、工作機械のコントローラに接続(物的に配線)され得る。
【0028】
有利なことに、測定インターフェースは、複数の関連する測定デバイスに対する通信用である。測定インターフェースは、関連する測定デバイスから受信される測定データを、関連する機械(例えば、工作機械のコントローラ、または産業用PC(industrial PC)等)に受け渡す(passing)ための出力を有し得る。測定インターフェースは、相違する種類の測定データに対する複数の相違する出力を含み得る。アナログプローブのデータは、イーサネット(Ethernet)または産業用イーサネットリンク(industrial Ethernet link)を介して処理するために、産業用PCに渡され得る。タッチトリガーセンサーによって生成されるトリガー信号は、リアルタイムリンク(real time link)を介してインターフェースから工作機械のコントローラに直接受け渡され得る。例えば、このようなタッチトリガー信号は、コントローラのSKIP入力に接続されるラインの電圧を状態保持する(latching)ことによって、またはSKIP入力に渡されるパルスもしくは一連のパルスを生成することによって出力され得る。あるいは、トリガー信号は、(例えば、国際公開第2018/134585号公報(WO2018/134585)に記載されるように)デジタルデータバス(digital data bus)を介してコントローラに受け渡され得る。
【0029】
好適な実施形態では、複数の周波数チャネルに亘って電波信号を送受信するための周波数ホッピング方式電波通信モジュールを備える、測定インターフェースが提供される。周波数ホッピング方式電波通信モジュールは、一連の基本時間間隔を規定するためのクロックを含み、この通信モジュールは、少なくとも第一のモード、第二のモード、および第三のモードで動作可能である。第一のモードにおける動作は、第一のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信することを含み、第一のフレーム時間は、基本時間間隔に等しいか、またはその整数倍である。第二のモードにおける動作は、第二のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信することを含み、第二のフレーム時間は、第一のフレーム時間の整数倍である。第三のモードにおける動作は、第三のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信することを含み、第三のフレーム時間は、第二のフレーム時間の整数倍である。連続する各基本時間間隔は、ホッピングパターン配列において連続する周波数チャネルに関連付けられ、各フレームは、そのフレームの開始時に発生する基本時間間隔に関連付けられる周波数チャネルを使用する。本測定インターフェースの周波数ホッピング方式電波通信モジュールは、測定デバイスの周波数ホッピング方式電波通信モジュールに関して上述される特徴の何れかを有し得る。
【0030】
本測定インターフェースは、第一のモード、第二のモード、および第三のモードの間における変更指示を受信するための入力を含み得て、本測定インターフェースの周波数ホッピング方式電波通信モジュールは、周波数ホッピング方式通信リンクを介して、モード変更のメッセージを、測定デバイスの周波数ホッピング方式通信モジュールに送信するように構成されている。このモード変更のメッセージには、測定デバイスにおける通信モジュールの基本時間間隔を、測定インターフェースにおける通信モジュールの基本タイミング間隔と同期させるためのタイミング情報が含まれ得る。
【0031】
また、本発明は、一つまたは複数の測定デバイスおよび測定インターフェースを備える測定システムにも及ぶ。本測定システムの各構成要素(すなわち、各測定デバイスおよび測定インターフェース)は、本発明の通信モジュールを含み得る。旧来の通信プロトコル(legacy communication protocols)も、そのようなモジュールにおいて提供され得る。好適な実施形態では、測定システムは、工作機械における使用用である。
【0032】
また、本明細書には、複数の周波数チャネルを使用して、電波信号を送信および/または受信するための周波数ホッピング方式電波通信モジュールも記載されている。本通信モジュールは、少なくとも第一のモードおよび第二のモードで動作可能であり、第一のモードのフレーム時間は、第二のモードのフレーム時間の整数倍である。このモジュールは、本明細書において記載されるその他の特徴の何れかを含み得る。
【0033】
また、本明細書には、測定データの通信に周波数ホッピング方式電波通信モジュールを使用するための方法も記載される。この通信モジュールは、一連の基本時間間隔を規定するためのクロックを含み得る。本方法は、周波数チャネルの配列を記述するホッピングパターンを使用するステップを含み得る。また、本方法は、少なくとも第一のモードおよび第二のモード間において通信モジュールを切り替えるステップも含み得て、第一のモードは、第一のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信し、第二のモードは、第二のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信する。好都合なことに、第一のフレーム時間は、基本時間間隔に等しいか、またはその整数倍であり、第二のフレーム時間は、第一のフレーム時間の整数倍である。また、本方法は、連続する各基本時間間隔をホッピングパターン配列において連続する周波数チャネルに関連付けるステップと、各フレームについてのそのフレームの開始時に発生する基本時間間隔に関連付けられる周波数チャネルを使用するステップとを含み得る。
【0034】
また、本明細書には、計測データを生成するための測定センサーを含み、一連の基本時間間隔を規定するためのクロックと、周波数チャネルの配列を記述するホッピングパターンを格納するためのメモリとを含む、周波数ホッピング方式電波通信モジュールを備える測定デバイスが記載される。この通信モジュールは、少なくとも第一のモードおよび第二のモード間において切り替え可能であり、第一のモードは、第一のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信し、第二のモードは、第二のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信する。第一のフレーム時間は、基本時間間隔に等しいか、またはその整数倍であり、第二のフレーム時間は、第一のフレーム時間の整数倍であり、連続する各基本時間間隔は、ホッピングパターン配列において連続する周波数チャネルに関連付けられ、各フレームは、そのフレームの開始時に発生する基本時間間隔に関連付けられる周波数チャネルを使用する。本測定デバイスは、上述される特徴の何れか一つ以上を有し得る。
【0035】
また、本明細書には、一連の基本時間間隔を規定するためのクロックと、周波数チャネルの配列を記述するホッピングパターンを格納するためのメモリとを備える、通信モジュールを含む測定インターフェースも記載される。この通信モジュールは、少なくとも第一のモードおよび第二のモード間において切り替え可能であり、第一のモードは、第一のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信し、第二のモードは、第二のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信し、第一のフレーム時間は、基本時間間隔に等しいか、またはその整数倍であり、第二のフレーム時間は、第一のフレーム時間の整数倍である。連続する各基本時間間隔は、ホッピングパターン配列において連続する周波数チャネルに関連付けられ、各フレームは、そのフレームの開始時に発生する基本時間間隔に関連付けられる周波数チャネルを使用する。本測定インターフェースは、上述される特徴の何れか一つ以上を有し得る。また、本発明は、上述されるように、測定インターフェースと、少なくとも一つの測定プローブとを備える組立用部品一式(kit)にも及ぶ。また、本発明は、FHSS通信モジュールまたは測定システムを動作させる類似の方法にも及ぶ。
【0036】
また、本明細書には、一連の基本時間間隔を規定するためのクロックと、周波数チャネルの配列を記述するホッピングパターンを格納するメモリとを備える、測定システム用の周波数ホッピング方式電波通信モジュールも記載されている。本通信モジュールは、少なくとも第一のモードおよび第二のモード間において切り替え可能である。第一のモードは、第一のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信し、第二のモードは、第二のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信し、第一のフレーム時間は、基本時間間隔に等しいか、またはその整数倍である。第二のフレーム時間は、第一のフレーム時間の整数倍である。連続する各基本時間間隔は、ホッピングパターン配列において連続する周波数チャネルに関連付けられ、各フレームは、そのフレームの開始時に発生する基本時間間隔に関連付けられる周波数チャネルを使用する。周波数ホッピング方式スペクトル拡散(FFHSS)の電波通信モジュールは、相違するシステム構成要素間においてFSSS(無線)電波通信リンクを確立するために、測定システムに使用することができる。好適な実施形態では、本発明の通信モジュールは、複数のバッテリー駆動式の測定プローブから、工作機械に物理的に配線される測定インターフェースへの、測定データの無線通信のために使用され得る。例えば、この通信モジュールは、測定デバイスおよび/または測定インターフェースの一部として提供され得る。周波数ホッピング方式電波通信モジュールは、上述される特徴の何れかを有し得る。
【0037】
また、本明細書には、周波数ホッピング方式電波通信モジュールも記載されている。本周波数ホッピング方式電波通信モジュールは、測定システムに適し得る。このモジュールは、クロックを含み得る。このクロックは、一連の基本時間間隔を規定するのに適し得る。このモジュールは、メモリを含み得る。このメモリは、周波数チャネルの配列を記述するホッピングパターンの格納用であり得る。本通信モジュールは、送受信機を含み得る。本通信モジュールは、RF信号を送信および/または受信するための手段を含み得る。本通信モジュール(例えば、送受信機など)は、少なくとも第一のモードおよび第二のモード間において切り替え可能(すなわち、そこで動作可能)であり得る。第一のモードは、第一のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信するためのものであり得る。第二のモードは、第二のフレーム時間を有する一連のフレームを使用して、データを送信および/または受信するためのものであり得る。第一のフレーム時間は、基本時間間隔に等しいか、またはその整数倍であり得る。第二のフレーム時間は、第一のフレーム時間の整数倍であり得る。連続する各基本時間間隔は、ホッピングパターン配列において連続する周波数チャネルに関連付けられ得る。各フレームは、そのフレームの開始時に発生する基本時間間隔に関連付けられる周波数チャネルを使用し得る。本通信モジュールは、通信プロセスを制御するためのプロセッサを含み得る。例えば、そのようなプロセッサは、第一のモード、第二のモード、および任意選択の第三のモードにおいて電波通信を可能にするように送受信機を制御し得る。本通信モジュールは、本明細書の他の箇所で記述される特徴の何れ一つ以上を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
ここで、添付の図面を参照して、例示的としてのみ本発明を説明することになる。
図1】工作機械の測定プローブおよびプローブ・インターフェースを例証する図である。
図2】ローブおよびインターフェースの同期ホッピングを示す図である。
図3】フレームレートの変化を有する同期ホッピング(synchronised hopping)を示す図である。
図4】フレームレートが変化する場合に同期ホッピングがどのように喪失されるかを示す図である。
図5】本発明の技術を使用してフレームレート調整(frame rate adjustment)を示す図である。
図6】メッセージの受信を妨げる干渉(interference)に対する、このようなフレームレート調整の復元性(resilience)を示す図である。
図7】相違する三つのフレームレート間の調整を示す図である。
図8A】0.25msのフレーム時間と0.5msのフレームレートとの間における変化に関する実装を例証する図である。
図8B】0.25msのフレーム時間と0.5msのフレームレートとの間における変化に関する実装を例証する図である。
図9】0.5msのフレームレートを有する動作を示す図である。
図10】0.5msのフレーム時間と1.0msのフレームレートとの間における変化に関する実装を例証する図である。
図11】1.0msのフレームレートを有する動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
まず、図1を参照すると、工作機械のスピンドル12に取り付けられるタッチトリガー式の測定プローブ10が例証されている。測定プローブ10は、工作物に接触する先端部(workpiece-contacting tip)16を有する撓み易い(deflectable)スタイラス14を有している。また、この測定プローブは、通常、測定プローブの本体内に組み込まれるが、明確にするために図1では別れて示されている、第一の周波数ホッピング方式の電波通信モジュール18を含む。測定プローブ・インターフェース20は、工作機械の構造における不動部分(statinary part)22に取り付けられ、(通常はケーブルを介して)工作機械のコントローラ24に接続されている。測定プローブ・インターフェース20は、第二の周波数ホッピング方式の電波通信モジュール26も含む。
【0040】
データは、第一の周波数ホッピング方式の電波通信モジュール18と第二の周波数ホッピング方式の電波通信モジュール26との間に確立される周波数ホッピング方式電波通信リンクを介して、測定プローブ10およびプローブ・インターフェース20間において伝送される。上述されるように、第一および第二の周波数ホッピング方式の電波通信モジュールは、通信リンクの確立を可能にするために、同期して周波数チャネル間を次々に切り替える必要がある。種々の相違する周波数チャネルが使用される配列は、通常「ホッピングパターン(hopping pattern)」と呼ばれる。従来技術のシステムでは、ホッピングパターンは、相違する周波数チャネルが(フレームレートに関係なく)常に使用されることになる、順序または配列(order or sequence)を記述し、適切な同期の後に、(両端が同じフレームレートを使用すると仮定して)電波リンクの両端が同じ時点で同じ周波数チャネルにおいて送信または受信していることを保証するために使用されている。換言すると、ホッピングパターンは、相違する周波数チャネル間における「ホッピング(hopping)」の配列を記述している。
【0041】
したがって、同期周波数ホッピングを確実にするために、通信タイミングがどのように確立されるか、および、データの再送信を可能にすることによって、測定プローブからプローブ・インターフェースへの測定データの伝達の信頼性がどのように向上させることができるかなどの、システムの追加詳細については、簡潔にするために(for brevity)、本出願では何れの詳細も説明されることはない。このような機能のさらなる詳細には、国際公開第2004/057552号公報(WO2004/057552)への参照が行われるが、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0042】
周波数ホッピング方式システムでは、リンクの両端(プローブおよびインターフェース)が緊密な同期を維持する必要がある。あるフレームが次のフレームに転がり進む(roll over)と、送信が行われることになるかどうかに関わらず、リンクの両端は、ホッピング配列における次のチャネルに変更されることになる。これは、リンクの両端が正しいチャネルにおいて正しい時間にデータパケット(data packet)を作成および受信するための準備を整えることを可能にする。
【0043】
図2は、図1を参照して記述される型式における周波数ホッピング方式システムによって採用されるホッピング配列を概略的に例証している。(Pと符号化される(labelled))プローブおよび(Iと符号化される)インターフェースにおける通信モジュールは、周波数チャネルを共に循環させる。各チャネルは、フレーム時間(t)に対して使用される。各フレーム中にデータの交換が存在しない可能性があり、同期を維持するため(すなわち、フレーム時間的整合を保持するため)、メッセージが定期的に交換され得る。
【0044】
バッテリー寿命を維持するために、フレームサイズの長さを低減して、使用されている測定センサーの型式に対して必要とされるデータのみを収容することができる。しかしながら、いわゆるアナログプローブの最新世代(latest generation)などの、特定の測定デバイスは、複数の動作モードを有している。例えば、アナログプローブは、タッチトリガーモード(すなわち、プローブが表面に近接していることを知らせる場合)または走査モード(すなわち、表面位置測定のストリームが生成される場合)で動作し得る。そのため、このようなアナログプローブには、ビデオセンサー(video sensor)または超音波(探傷(flaw))検出器等も含まれ得る。そのため、この型式のアナログプローブは、「アナログ(anlogue)」測定を行う際に、例えば、タッチトリガー測定用に必要になる通信帯域幅よりも大きな通信帯域幅を必要とする。
【0045】
そのため、相違するフレーム時間を用いて動作することへの要望がある。例えば、より長いフレームは、より大きなデータのペイロード(data payload)を送信するために使用することができる。ただし、(より短いものからより長いものへ、またはその逆に)フレーム時間を切り替えるには、リンクの両端からの調整(co-ordination)が必要とされるが、そうでなければ、チャネルの同期が喪失され、両端間の通信が失敗することになり得る。
【0046】
通常動作の通信(normal operating communications)は、プローブからインターフェースに送信されるメッセージと、次いでインターフェースからプローブに返送される確認応答とから構成されている。プローブが確認応答を返信として受信する場合、そのとき、元の(プローブからインターフェースへの)メッセージが伝わったと想定することができる。図3に示されるように、通信リンクの一端から送信されるこのようなメッセージは、リンクの他端にフレーム時間を変更するように指示するために使用することができる。ただし、これは、伝送エラー(transmission errors)に対する低い復元性を有している。
【0047】
上記で説明されるように、プローブが送信し、インターフェースが受信し、インターフェースが確認応答を送信し、プローブがその確認応答を受信する場合、そのとき、全てに問題はない。しかしながら、プローブが送信し、インターフェースが受信し、インターフェースが送信したが、プローブが受信していない場合を考えてみよう。この状況下では、プローブは再送信することになるが、インターフェースは、プローブがメッセージを受信していないことを知得していない。もしインターフェースがプローブから次の送信を受信するならば、インターフェースからデータを再送信することができる。しかしながら、インターフェースがプローブから次の送信を受信していない場合、インターフェースは、その前回の確認応答が実際に伝送されていると想定することになる。このメッセージにフレームレートまたはチャンネル番号の変更指示が含まれていた場合、そのとき、同期が喪失され得る。
【0048】
これは、図4においても例証されている。例えば、プローブだけがフレームレートを変更する場合、そのとき、プローブおよびインターフェース間において通信が可能となるフレームが(矢印で表示される)さらに一つ存在するが、その後に、プローブおよびインターフェースは、相違するレートでホッピングパターンを循環し、ホッピングの同期が喪失される。
【0049】
図5は、本発明に従って、送信が受信されない場合の復元性を有して、フレームレートの変更中に周波数ホッピングの同期を維持する方法を例証している。クロック信号は、0.25msのタイミング間隔(timint intervals)を生成し、ホッピングパターンにおける各周波数チャネルを各タイミング間隔に順番に割り当てるために使用される。基本タイミング間隔および関連する周波数チャネルは、この図においてHPと符号化されている。ホッピングパターンが繰り返されることは、留意されるべきである。
【0050】
第一のモードでは、0.25msのフレーム時間がプローブ(P)およびインターフェース(I)の両方によって使用される。このようなフレーム時間は、待受通信のために使用される。例えば、これは、タイミング訂正(timing corrections)または運用データ(operational data)をリンクの相違する端間において受け渡すことを可能にするシステム管理業務通信(housekeeping communications)用に使用される低消費電力モード(low power consumption mode)である。
【0051】
第二のモードでは、0.5msのフレーム時間がプローブおよびインターフェースの両方によって使用される。これは、タッチトリガー通信用に、または比較的少量のデータを含む測定値の通信用に使用される。この第二のモードでは、ホッピングパターンにおける他の周波数チャネルは、全て跳び越される(なお、全体として奇数個の周波数チャネルがある場合、跳び越されるチャネルは、ホッピングパターンの次の繰り返しにおいて使用されることになる)。換言すると、各フレームは、関連するフレームの開始と一致する時間間隔に割り当てられる周波数チャネルを使用する。図5の例では、周波数チャネル3が最初の0.5msのフレームのために使用されていることが分かる。
【0052】
図6を参照すると、基本タイミング間隔に割り当てられる周波数チャネルを使用することにおける種々の利点が明示されている。特に、リンクの一方の端(すなわち、この例ではインターフェース)が0.5msのフレーム時間に変更しても、リンクの両端が(矢印で表示される)同じ周波数チャネルにおいて動作する時間帯が依然としてあることになることが分かる。これは、フレーム時間の変更指示を複数回再送することを可能にし、そのためにホッピングの同期を維持することができる。
【0053】
好適な実施形態では、相違する三つのフレーム時間が使用される。これらは、上記で言及される0.25msの(待受)通信モードと、0.5msのフレーム時間モード(frame time modes)とである。1.0msのフレームは、走査データまたは画像データの伝送などの、大規模な「大容量転送(bulk transfer)」通信用にも提供される。これらのフレーム時間の比率は、1:2:4である。これは、三つの動作フレームがホッピングパターンの周波数チャネル間においてそれぞれ単一ホップ(single hop)、二重ホップ(double hop)、または四重ホップ(quadruple hop)の何れかを使用することを可能にする。この方法を使用すると、フレームレートの変更を行う際に通信が欠落しても、インターフェースも新しいレートに変更することなく、プローブが新しいレートに変更しても、プローブおよびインターフェースは、依然としてチャネルの同期を維持することになる。本実施形態のために重要な要件は、より低いフレームレートに切り替える際に、インターフェースも、「位相(phase)」情報をプローブに送信して、新しいより低速なフレームの開始がフレームクロックの同じエッジにおいて発生することになることを確実にすることである。
【0054】
図7は、相違する三つのフレーム時間を使用しても、周波数ホッピングの同期を維持することができることを例証している。プローブが0.5msのフレームに変更する前に、このプローブは、10個の基本時間間隔(すなわち、2.5ms)の間、0.25msのフレームを用いて動作することが示されている。インターフェースは、2個の基本時間間隔の間、0.25msのフレームを用いて動作した後に、6個の基本時間間隔の間、0.5msのフレームを用いて動作し、その後に1msのフレームを用いて動作する。何れかの場合も、プローブおよびインターフェースのフレームの各々用に、それらによって使用される周波数チャネルは、そのフレームの開始時の基本時間間隔に割り当てられる周波数チャネルである。フレーム時間が異なるにも関わらず、同じ周波数チャネルが、同じフレーム時間を使用するように共に切り替えることを確実にするために使用することができる、プローブおよびインターフェース間の通信を可能にする、より長いフレームの少なくとも一部に使用される。
【0055】
次に、図8Aないし11を参照すると、相違するフレーム時間の間における移行(transition)に関するより詳細な例証が図示されている。
【0056】
図8Aおよび8Bは、0.25msのフレーム時間を用いて動作し、0.5msのフレーム時間へ移行するように指示されている場合の、プローブおよびインターフェースにおけるフレームクロックと種々のラインのステータスとを示している。コマンド80は、ステータスライン(status line)に適用されて、待受モード(すなわち、250μsのフレーム時間)から動作モード(operating mode)(すなわち、500μsのフレーム時間)への変更を要求する。モード変更の指示は、82および86によって符号化されるように、チェイン(chain)を上ってモデムに伝搬される。インターフェースFPGAが動作モードへの変更要求84を受信すると、このFPGAは、クロックフレームの立ち上がりエッジにおいてのみ同期を取ることによって、500μsのフレーム時間に切り替えることになる。
【0057】
次にプローブが(88と符号化される)通信を行うとき、いわゆるRMI-QEインターフェースは、動作モードへの切替要求を用いて応答することになる。RMI-QEにおけるモデムは、現在のフレーム用のフレームクロックエッジ(flame clock edge)に従って、フレームオフセットビット(frame offset bit)を設定することになる。現在のフレームが立ち上がりエッジ(クロックがハイ(high)である)から駆動されている場合、オフセットビットは0になる。フレームが立ち下がりエッジ(クロックがロー(low)である)から駆動されている場合、オフセットは1になる。このようにして、プローブにおけるモデムは、正しいエッジを使用するように、そのフレームタイマー(frame timer)を再初期化することを確実にすることができる。必要とされる正確な遅延(delay)は、プローブ内の必要とされるシステムを全て初期化するのに必要とされる時間量(amount of time)に依存するが、正しいフレームタイミング(flame timing)において可能な限り早く伝送を行う必要がある。
【0058】
図9は、500μsのフレーム時間を有する動作モードにおける動作を例証している。
【0059】
図10は、0.5msのフレーム時間(動作モード)を用いて動作し、1msのフレーム時間(大容量転送モード)への移行を指示されている場合の、プローブおよびインターフェースにおけるフレームクロックと各種ラインのステータスとを示している。
【0060】
例証されるように(図10における符号90を参照のこと)、スキャン有効(scan enable)がハイになると、FPGAは、データ準備ライン(data ready line)を立ち上げることにより、ARMコア(ARM core)に通知することになる。通信処理(communication transaction)に続いて、ARMコアは、フレーム時間の変更を要求することになる。フレームレート変更の要求は、次に使用可能な通信スロット(communications slot)においてRMI-QEインターフェースにおけるFPGAに送信される(符号92を参照のこと)。フレームレート変更の要求(符号94)を受信していると、RMI-QEインターフェースは、次のSPI通信スロット中にモデム(modem)からのフレームレート変更を要求する。フレーム変更の要求を受信していると、モデムは、1msのフレーム時間に切り替わり、プローブからの通信がフレームクロック(符号96)の立ち上がりエッジで発生しない限り、プローブからの通信に応答することはない。1msのフレームについては、両方のクロックの立ち上がりエッジが、フレームの開始を示している。
【0061】
図11は、1000μsのフレーム時間を有する動作モードにおける動作を例証している。100と符号化されているように、前回の送信において応答を受信していないため、プローブは、その次の500μsのフレームにおいて再送信することになり、これは、フレームの開始と同時に直ちに行われることになる。インターフェースは、プローブにフレームレート変更の要求を応答することになる。この変更要求を受信していると、プローブは、1msの大容量データフレーム形式(bulk data frame type)102の送信に切り替わることになる。
【0062】
上記の例は、測定プローブおよびプローブ・インターフェースに関連しているが、同じ周波数ホッピング方式の電波通信モジュールを他の測定デバイスにも使用することができる。同様に、2.4GHzの電波帯域における動作は、単に例として提供されており、本発明の範囲を制限することを意図していない。また、測定プローブおよびプローブ・インターフェースにおける周波数ホッピング方式電波通信モジュールは、同じホッピングパターンを共有すべきであるが、そのようなモジュールが全ての面において完全に同一であるという必要はないことは、留意されるべきである。例えば、一つまたは全てのモジュールが、国際公開第2004/057552号公報(WO2004/057552)に記載されるような機能を含み得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
【国際調査報告】