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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-08
(54)【発明の名称】コーヒー飲料の調製装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/36 20060101AFI20240401BHJP
   A47J 31/06 20060101ALI20240401BHJP
   A47J 31/46 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
A47J31/36 110
A47J31/06 310
A47J31/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562685
(86)(22)【出願日】2022-04-05
(85)【翻訳文提出日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 EP2022058984
(87)【国際公開番号】W WO2022218759
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】102021109252.3
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512218854
【氏名又は名称】フランケ・カフェーマシーネン・アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】FRANKE KAFFEEMASCHINEN AG
【住所又は居所原語表記】FRANKE‐STRASSE 9, 4663 AARBURG, SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,ジモン
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA19
4B104BA55
4B104BA57
4B104BA64
4B104CA02
4B104CA07
4B104EA23
4B104EA40
(57)【要約】
給湯器から圧力下でお湯を供給することが可能である抽出装置と、吐出管を介して前記抽出装置と接続されている飲料吐出部と、を有し、当該飲料吐出部を介して抽出したてのコーヒー飲料を当該飲料吐出部の下に配置された飲料容器に供給することが可能であるコーヒー飲料の調製装置において、吸入側において前記吐出管と流体導通的に接続されており、圧力側において吐出部または採取容器に開口していることによって抽出プロセスの前、最中あるいは後にコーヒー管からコーヒー飲料を吸引して前記吐出部または前記採取容器に導入するサックバックポンプが設けられている。制御装置は、前記サックバックポンプを制御するために用いられ、お湯が前記吐出管または抽出装置と前記吐出管とに導入される予熱プロセス中に前記サックバックポンプを作動するように形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯器(2)から圧力下でお湯を供給することが可能である抽出装置(1)と、吐出管(5)を介して前記抽出装置(1)と接続されている飲料吐出部(4)と、を有し、前記飲料吐出部を介して抽出したてのコーヒー飲料を前記飲料吐出部の下に配置された飲料容器(14)に供給することが可能であるコーヒー飲料の調製装置において、
吸入側において前記吐出管(5)と流体導通的に接続されており、圧力側において吐出部(7)または採取容器に開口していることによって抽出プロセスの前、最中あるいは後に前記吐出管(5)からコーヒー飲料を吸引して前記吐出部(7)または採取容器に導入するサックバックポンプ(6)と、前記サックバックポンプ(6)を制御するための制御装置(15)と、を備え、
前記制御装置(15)は、予熱プロセス中にお湯を前記吐出管(5)または前記抽出装置(1)と吐出管(5)とに導入して予熱プロセス中に前記サックバックポンプ(6)を作動するように形成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記制御装置(15)は、抽出プロセスの後に前記吐出管(5)に残留するコーヒー飲料の残留物が吸引されるように前記サックバックポンプ(6)を制御するように形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項3】
前記制御装置(15)は、コーヒー飲料の抽出プロセス中に時間制御された状態で抽出したてのコーヒー飲料の各部分が目的に応じて捌かれるように前記サックバックポンプ(6)を制御するように形成されていることを特徴とする、請求項2または3に記載の装置。
【請求項4】
前記制御装置(15)は、前記サックバックポンプ(6)を制御することによって前記サックバックポンプの供給速度を運転中に変更することで、抽出プロセス中に前記吐出部(4)から単位時間当たりに供給されるコーヒー飲料の量を変更するように形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項5】
前記抽出装置(1)の上流において温水管内に配置される、抽出プロセスを開始するために開かれて抽出プロセスの終了後に閉じられる抽出弁(8)を有し、前記制御装置(15)は、前記抽出弁(8)を閉じる前、閉じると同時にあるいは閉じた後に前記サックバックポンプ(6)を作動させることを特徴とする、請求項2~5の何れか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記抽出装置(1)と前記飲料吐出部(4)との間において前記吐出管(5)内に配置された逆圧弁(9)を有し、前記サックバックポンプ(6)の吸引管は、好ましくは前記逆圧弁(9)の下流において前記吐出管(5)から分岐することを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記サックバックポンプ(6)の吸引管は、コーヒー飲料が前記サックバックポンプ(6)の作動時に前記抽出装置(1)を通って戻るように吸引されるように、前記抽出装置(1)の上流において温水管または前記温水管と連結可能な抽出弁(8)の出口に接続されていることを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記サックバックポンプ(6)は、蠕動ポンプであることを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記制御装置(15)は、予熱プロセスを実施するために前記抽出装置(1)にコーヒー粉を充填する前に、短時間に亘って前記抽出装置(1)と前記吐出管(5)とを通る温水流を作動させるように形成されていることを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記抽出装置(1)にはヒーター(20)が設けられ、前記制御装置(15)は、予熱プロセスを実施するために弁(17)を介して前記吐出管(5)を通る温水流を作動させるように形成されていることを特徴とする、請求項1~9の何れか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯器から圧力下でお湯を供給することが可能である抽出装置と、吐出管を介して前記抽出装置と接続されている飲料吐出部と、を有し、当該飲料吐出部を介して抽出したてのコーヒー飲料を当該飲料吐出部の下に配置された飲料容器に供給することが可能であるコーヒー飲料の調製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
全自動コーヒーメーカーやエスプレッソマシンのような市販されているコーヒーメーカーは、抽出チャンバを有し、当該抽出チャンバ内に粉末コーヒーを充填し、前記粉末コーヒーが必要に応じて圧縮されてその後、圧力下でお湯が通過する。場合によってこの類のコーヒーメーカーは、内蔵された洗浄機能を有しており、当該洗浄機能の過程においてお湯またはすすぎ液が前記抽出チャンバ内を通過する。前記すすぎ液は、前記飲料吐出部の下に配置された容器内に排出されてユーザが手動で捨てることが可能である。しかしながら前記飲料吐出部につながる前記吐出管を適切な切替バルブを介して直接吐出部または採取容器と連結することですすぎ液が誤って飲料容器に入らないようにすることも公知である。残留コーヒーが滴り落ちるのを防止するためにこのような切替バルブを介して前記吐出管を抽出プロセスの終了後に前記吐出部または前記採取容器と接続することも可能である。しかしながら吐出管内に配置された切替弁(3/2ウェイバルブ)は、熱容量が比較的大きいという欠点を有し、よって抽出したてのコーヒーを前記抽出装置から前記飲料吐出部までの途中でさらに冷却する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、抽出装置から飲料吐出部までの途中で抽出したてのコーヒーが冷却されるのを回避する、コーヒー飲料の調製装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1の各特徴によって解消される。有利な各実施形態は、各従属クレームより得られる。
【0005】
冒頭で述べた類の装置において、サックバックポンプが設けられており、当該サックバックポンプは、吸入側において前記吐出管と流体導通的に接続されており、圧力側において吐出部または採取容器に開口していることによって抽出プロセスの前、最中あるいは後にコーヒー管からコーヒー飲料を吸引して前記吐出部または採取容器に導入する。よって弁を介して前記吐出管を排液管に対して接続する代わりに、本発明の範囲内において液体が前記吐出管から負圧によって吸引されて排液管へ導入される。
【0006】
さらに比較的長い停止時間後にはコーヒー飲料の調製の前に本発明によるサックバックポンプを用いて前記装置がお湯で予熱されるようにしている。このことは、一方では前記抽出装置にコーヒー粉を充填する前に短時間に亘って抽出装置と吐出管とに温水流を通過させることによって実施することが可能である。別法では前記抽出装置に独自のヒーターを設けることで予熱する必要がない。この場合、追加の弁を介して温水流が前記吐出管へ導入されることによって前記吐出管のみを予熱することが可能である。本発明においてはいずれの場合もこのような予熱段階中に前記サックバックポンプが関連する制御を介して作動されることで予熱のために使用されたお湯を吸引してお湯が前記飲料吐出部を介して当該飲料吐出部の下に配置された飲料容器に排出されないようにする。同様に洗浄プロセス中に洗浄液を吸引するのに前記サックバックポンプを用いることが可能である。
【0007】
前記給湯器から温水管を介した前記抽出装置へのお湯の供給は、水を水配管または水タンクから圧力下で前記抽出装置の方向へと供給する水ポンプを用いて実施することが合理的である。前記水ポンプは、前記給湯器から前記抽出装置へとつながる前記温水管内に設けることが可能である。しかしながら前記水ポンプは、前記給湯器の入口側において当該給湯器の冷水管内に配置されることにより冷水を前記給湯器に供給し、当該給湯器が今度はお湯を前記ポンプの圧力下で前記抽出装置へと供給することが合理的である。前記給湯器は、それ自体公知である方法で温水ボイラーまたはフローヒーターとして形成され得る。
【0008】
好ましい実施形態において前記装置は、前記サックバックポンプを制御するためのプログラム可能な制御装置を有する。このような制御装置を用いることで様々な機能を実現することが可能である。この際、抽出プロセスの後に前記吐出管に残留するコーヒー飲料の残留物が吸引されるように前記サックバックポンプが前記制御装置によって制御されるようにすることが好ましい。これにより、前記飲料吐出部からコーヒーが滴り落ちるのが防止される。さらにこれにより、次の製品調製時にその間に冷めたコーヒー飲料がコーヒー管内に存在しないようにすることで、抽出したてのコーヒー飲料のみが前記飲料吐出部に供給されることを確証する。
【0009】
前記吐出管からの液体残留物の吸引は、それぞれ個々の調製プロセス後に実施することが可能である。別法として所定の停止時間の後にだけ前記吐出管が空になるように吸引することも可能である。よって吸引することなく直接連続して複数のコーヒー飲料を供給することが可能である。しばらく他の各飲料を調製しないときにだけ前記吐出管が空になるように吸引する。同様にコーヒー調製の開始前に前記サックバックポンプを短時間に亘って作動させることで前記吐出管に一切液体残留物がないことを確証することも可能である。
【0010】
しかしながら、これに加えて前記サックバックポンプを用いて調製するコーヒー飲料の味を目的に応じて変化させることも可能である。この目的のために前記制御装置は、コーヒー飲料の抽出プロセス中に時間制御された状態で抽出したてのコーヒー飲料の各部分を目的に応じて吸引する(「捌かせる」)ことで、前記飲料吐出部を介してユーザの飲料容器内に供給されないように前記サックバックポンプを制御するように形成される。このことは、抽出時間に亘ってコーヒー粉から様々なアロマキャリアが放出されるという知識に基づいている。よってコーヒーの最初の部分(例えば0から10秒)がむしろ酸味が強いのに対して、最後の部分はむしろ苦味が強い。よって前記サックバックポンプによって調製プロセス中に望ましくない抽出期間を捌かせることが可能である。例えば開始段階を捌かせることによって最終製品中の酸味を少なくすることが可能である。
【0011】
特に好ましい発展態様が得られるのは、前記サックバックポンプを制御することによって当該サックバックポンプの供給速度を運転中に変更することで、抽出プロセス中に前記吐出部から単位時間当たりに供給されるコーヒー飲料の量を変更するように前記制御装置が形成されている場合である。よって、吸引ポンプの供給速度を下げることによって所定の各抽出期間の間、各飲料成分を完全にではなく部分的にのみ捌かせることが可能である。よって、例えば2から5秒の期間中、当該時間間隔において前記ポンプが減少された供給速度において作動されることにより、コーヒー飲料の40%を捌かせることが可能である。作動時間と供給速度とを予め設定することによって、完成したコーヒー飲料の様々な味の特性を実現することが可能である。
【0012】
本発明の発展態様において、前記抽出装置の上流において温水管内に抽出弁を設けることが可能であり、当該抽出弁は、抽出プロセスを開始するために開かれて抽出プロセスの終了後に閉じられる。この際、前記制御装置は、前記サックバックポンプを前記抽出弁を閉じる前、閉じると同時にあるいは閉じた後に作動させるように形成され得る。これに応じて抽出プロセスの終了直後、当該抽出プロセスの終了と同時に、あるいは抽出プロセスが終了されて前記抽出弁が閉じられた後にはじめて前記吐出管が空になるように吸引する。
【0013】
好ましい発展態様において、前記抽出装置と前記飲料吐出部との間において前記吐出管内に逆圧弁が配置されている。当該逆圧弁を介して前記抽出装置における圧力または前記抽出装置を通過する流量を目的に応じて調節することが可能である。この際、前記サックバックポンプが前記逆圧弁の下流において前記吐出管の上流で分岐するようにすることが好ましい。よって一方では、抽出プロセス中、前記サックバックポンプには前記抽出装置の抽出圧力が印加されない。他方では、前記逆圧弁の抵抗がない状態で前記飲料吐出部までのサックバック管が空になるまで吸引され得る。
【0014】
別法による実施形態において、前記サックバックポンプは、前記吐出管に直接ではなく、前記抽出装置の上流において前記温水管または前記温水管と連結可能な前記抽出弁の出口に対して接続されていてもよい。この場合、コーヒー飲料は、前記サックバックポンプの作動時に前記抽出装置を通って戻るように吸引され得る。よって前記サックバックポンプは、前記抽出装置を介して前記吐出管と流体導通的に接続されている。
【0015】
好ましい実施形態において、前記サックバックポンプは、蠕動ポンプとして構成されている。当該蠕動ポンプは、高温で場合によっては腐食性を有する各液体(酸性のコーヒー)ならびに経時的に形成され得る各堆積物に対して特に頑丈であることが判明している。
【0016】
本発明のさらなる各利点および各実施態様は、各図面に基づく以下の各実施形態例の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第一の実施形態例における、吐出管と接続されているサックバックポンプを有するコーヒー調製装置のフロー図である。
図2】追加的に吐出管内に配置されている逆圧弁を有する第二の実施形態例を示す図である。
図3】吸引管に配置された逆圧弁を有する、別法による実施形態例を示す図である。
図4】抽出弁を介して抽出装置の上流に接続されたサックバックポンプを有するコーヒー調製装置の実施形態例を示す図である。
図5】抽出集成体と抽出弁との間に接続されたサックバックポンプを有する、別法による実施形態例を示す図である。
図6】抽出弁の上流に接続されたサックバックポンプを有する、さらなる別法による実施形態例を示す図である。
図7】吐出管を予熱するために抽出装置内にヒーターと弁とを有する実施形態例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1において各コーヒー飲料の調製装置の構造がいわゆる水流機構において図示されており、当該装置は、例えば全自動コーヒーメーカーまたはエスプレッソマシンにおいて使用され得る。前記調製装置は、抽出装置1、給湯ボイラー2、入口側の水ポンプ3および吐出管5を介して前記抽出装置1と接続されている、抽出したての各コーヒー飲料を供給するための飲料吐出部4を含んでなる。さらに前記吐出管5にはサックバックポンプ6が接続されており、当該サックバックポンプは圧力側において吐出部7または採取容器に開口している。給湯ボイラー2と抽出装置1との間における温水供給管内に3/2ウェイバルブとして構成されている抽出弁8が配されている。当該抽出弁は、前記給湯ボイラー2からの温水管と前記抽出装置1とを、あるいは前記抽出装置1と前記吐出部7または相当する採取容器とを交互に接続する。
【0019】
流れ方向において前記水ポンプ3の上流に主水弁10が配されており、当該主水弁を介して前記調製装置が飲料水管11に接続されている。圧力側において前記ポンプ3は、多くは流量計とも称される流量センサ12と逆止弁13とを介して前記給湯ボイラー2の入口と接続されている。前記水ポンプ3によって前記給湯ボイラー2を加圧することにより、お湯が前記給湯ボイラー2から前記抽出装置1に供給される。ユーザインターフェース16を有する制御装置15が前記調製装置と当該調製装置の各構成要素の機能を制御する。この際、前記制御装置は、相当してプログラムされたマイクロプロセッサによって実現することが可能であり、当該マイクロプロセッサを全自動コーヒーメーカーにおけるその他の各制御プロセスおよび各調節プロセスを実施するためにも用いることが可能である。
【0020】
それ自体公知である方法で前記抽出装置1は、分配された、挽きたてのコーヒー粉が充填される抽出チャンバと、好ましくは前記抽出装置を予熱して保温することが可能なヒーター(図7、20を参照のこと)と、を含んでなる。本発明の範囲内で使用することが可能である抽出装置は、例えば欧州特許出願公開第2561778号明細書に記載されており、不要な繰り返しを避けるためにここに当該公報の全文を参照するものとする。
【0021】
前記抽出装置は、前記全自動コーヒーメーカーのミルにおいて、予めポーション毎に挽きたての分配された量のコーヒー粉を充填するために当該抽出装置が開口され得るように構成されている。さらに前記抽出装置が開口した状態において、抽出プロセスの後に残っているコーヒー粉が使用後コーヒー用容器に排出され得る。さらに前記抽出装置は、充填されたコーヒー粉を前記抽出チャンバ内にある抽出フィルタに対して圧縮する可動ピストン(図示せず)を有する。前記ピストンを後退させた後、加圧下の抽出水がこうして圧縮されたコーヒー粉を通って流れることが可能である。
【0022】
前記抽出装置1から抽出したてのコーヒー飲料が前記吐出管5を介して前記飲料吐出部4に、さらにそこから当該飲料吐出部の下に配置された飲料容器14へと流れる。抽出プロセスの終了後、前記制御装置15を介して前記サックバックポンプ6が作動され得て、当該サックバックポンプが前記吐出管5内に残留するコーヒー飲料を吸引して、前記吐出部7または場合によっては前記ポンプに接続された採取容器内に導入する。よって、前記飲料吐出部4からコーヒーが滴り落ちるのが防止される。よって、前記吐出管にまだ残留するコーヒー飲料の残量を完全且つ確実に空にすることが可能である。このことには以下の各利点がある:ガスとコーヒーの混合物を完全に流出させることが可能であるため、次の製品の起動動作(吐出動作)において滴下または跳ねが生じない。コーヒーの残量は、次の製品をさらに冷却することがない。さらにコーヒー飲料の残量によって次の製品の味が損なわれることがない。
【0023】
これに加えて特定の各抽出期間において捌かせる、すなわち前記吐出部7に吸引することによって、前記サックバックポンプ6を用いて供給される飲料の味を目的に応じて変化させることも可能である。例えば、開始段階を捌かせることで酸味を減らすことが可能である。さらに、前記ポンプを用いて所定の各抽出期間中に前記飲料容器に供給されるコーヒーの量を調節することが可能である。よって、例えば2から5秒の間に、前記サックバックポンプ6の供給速度を適宜調整することによってコーヒーの40%を捌かせることが可能である。
【0024】
前記コーヒー調製装置の機能は、前記制御装置15によって決定される。当該制御装置は、例えば前記流量計12などの様々なセンサを読み取って前記各弁8および10、各ポンプ3および6ならびに前記抽出装置1を制御する。ここでは見やすくするために図示されない、さらなる圧力、温度、流量などのための各センサを設けることが当然可能であり、当該各センサの各測定値を前記制御装置15が読み出す。
【0025】
さらに前記制御装置15は、自動洗浄プロセスを制御し、当該プロセスにおいてすすぎ液が前記抽出装置1と前記吐出管5とを通って供給されて、ここでは特に前記サックバックポンプ6を作動させて前記すすぎ液を前記吐出管5から吸引して前記吐出部7に導入する。同様に前記制御装置15は、加熱プロセスを制御し、当該プロセスにおいてお湯が前記抽出装置1と前記吐出管5とを通って供給されて当該吐出管を予熱する。この場合であっても、前記サックバックポンプ6が作動されて前記すすぎ液を前記吐出管から前記吐出部7へと吸引する。
【0026】
以下の各実施形態例において図1において図示されるコーヒー調製装置の各変形例および各変形態様について説明する。いずれの場合も前記給湯ボイラー2からの流体経路のみが図示されている。図2に図示されている実施形態例において前記吐出管5内に付加的に調節可能な逆圧弁9が設けられている。当該逆圧弁は、モータを介して制御されるニードル弁として実現されていることが好ましく、前記吐出管内において流れ抵抗をもたらすため、前記抽出装置1に印加されている水圧が前記抽出チャンバに収容されているコーヒー粉の上方だけで低下するのではなく、前記逆圧弁9の開口状態に応じて前記逆圧弁9において低下する。前記制御装置15を用いて前記抽出装置1において所定の流量または予め設定された抽出水の量の所定の総流下速度あるいは所定の圧力が得られるように、前記逆圧弁9を調整することが可能である。前記サックバックポンプ6を前記逆圧弁9の下流において前記吐出管5と接続することによって、当該吐出管が前記逆圧弁9の開口状態に関係なく抽出プロセスの終了後あるいは抽出プロセス中であっても、抽出したてのコーヒー飲料を前記吐出管5から吸引され得るようにすることが合理的である。
【0027】
図3において図示される、別法による実施形態例において、前記サックバックポンプ6は、前記逆圧弁9の上流において前記サックバック管5と接続されているため、抽出したてのコーヒー飲料を直接前記装置1の下流において吸引することが可能である。前記吐出部5を空にするためには前記逆圧弁9が抽出プロセスの終了後に完全に開口され得るようにすることによってコーヒー飲料が付加的な抵抗がなく、よって確実且つ迅速に前記サックバックポンプ6によって吸引され得るようにすることが合理的である。
【0028】
図4において図示される実施形態において、前記サックバックポンプ6は、前記抽出弁が閉じられている状態において、前記抽出装置1を前記サックバックポンプ6を介して前記吐出部7の方向に空にすることが可能であるように、前記抽出弁8(3/2ウェイバルブ)の第三の接続部と接続されている。この際、前記吐出部5は、前記抽出装置1を通って空になるように吸引され得る。この目的のため前記抽出装置1の抽出ピストンを後退させ、前記抽出チャンバに収容されたコーヒー粉が使用後コーヒー用容器(図示されず)へと排出されることが合理的である。
【0029】
図5において図示されるように、別法として前記サックバックポンプ6を前記抽出弁8と前記抽出装置1との間における接続管内において接続することも可能である。この場合であっても、前記抽出弁が閉じられている状態において、前記抽出装置1内に残留する液体を前記サックバックポンプ6を介して吸引して前記吐出部7へと導入することが可能である。
【0030】
最後に、図6において前記サックバックポンプ6が前記抽出弁8の上流において接続されている実施形態が図示されている。この場合、抽出プロセスの終了後、まず前記抽出弁を閉じて供給管に含まれる液体が前記抽出弁8を介して前記吐出部へ排出され得る。その後、前記抽出弁を再び開いて前記サックバックポンプ6によって前記抽出装置1と前記吐出管5とに残留するコーヒー飲料が戻るように吸引されて、前記吐出部7へと排出されるようにすることが可能である。
【0031】
前述のとおり、前記サックバックポンプ6は、蠕動ポンプとして構成されて前記ポンプの各可動部分が高温で場合によっては腐食性を有するコーヒー飲料と接触しないようにすることが好ましい。しかしながら、別法としてさらに別の、相当して頑丈な各ポンプタイプを使用することも可能である。
【0032】
図7において実質的に図1において図示される実施形態例に相当する実施形態例が図示されている。付加的に前記抽出装置1の電気ヒーター20が図示されており、当該電気ヒーターを用いて当該抽出装置を予熱することが可能である。さらに前記吐出管内に前記抽出装置1の下流に切替弁17が配されている。当該切替弁は、通常運転時において前記抽出装置1の出口を前記吐出管5と接続する。比較的長い停止時間の後に前記吐出管を予熱するためには、前記弁17を前記制御装置15によって切り替えて温水流を前記吐出管5を通って通過させる。この目的のため、前記切替弁17の入口18は、例えば図1における前記給湯ボイラー2などの給湯器と接続されている。当該予熱プロセス中、前記サックバックポンプ6が前記制御装置15を介して作動されて予熱のために使われたお湯を吸引することで、当該お湯が前記飲料吐出部4を介して当該飲料吐出部の下に配置された飲料容器14内に排出されないようにする。前記吐出管5と前記抽出装置1とを予熱することによって抽出したてのコーヒー飲料が前記飲料容器14に到達するまでにまだコーヒーメーカー内にある時点で冷めてしまうことが回避される。予熱時に前記サックバックポンプ6を作動させることによって、コーヒーの抽出の際に飲料容器に吐出されてコーヒー飲料を薄めてしまう可能性がある水が、コーヒーの抽出開始時に前記吐出管5に充填されていることが回避される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】