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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-08
(54)【発明の名称】心膜アンカーシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565386
(86)(22)【出願日】2022-04-25
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 US2022026227
(87)【国際公開番号】W WO2022232070
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/179,490
(32)【優先日】2021-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/182,727
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/182,375
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518234265
【氏名又は名称】パイプライン メディカル テクノロジーズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ホイッタカー アイ.ハミル
(72)【発明者】
【氏名】トッド ジェイ.ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン アール.マクダニエル
(72)【発明者】
【氏名】キャメロン ポール パーセル
(72)【発明者】
【氏名】ケイティ ニコール リオジャス
(72)【発明者】
【氏名】キップ ジェイ.ウェッター
(72)【発明者】
【氏名】ポール ソラジャ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097BB09
4C097CC05
4C097MM09
4C097SB10
(57)【要約】
本開示の様々な態様は、心臓デバイスを固定するための装置、システム及び方法、より具体的には、心膜腔にアクセスして固定するための装置、システム及び方法を対象とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンカー、及び、
前記アンカーに結合されたテザー、
を含み、前記アンカーは、第一の位置で低プロファイルを有し、第二の位置でより大きなプロファイルを有するように動作可能であり、前記アンカーは、前記第一の位置で心臓壁の狭いアクセスチャンネルを通って心臓の心腔から心膜腔内に前進し、前記心膜腔内で第二の位置まで狭いアクセスチャンネルよりも大きいサイズに拡張するように動作可能である、アンカーシステム。
【請求項2】
前記アンカーは、
ワイヤの第一の端部及びワイヤの第二の端部を有するワイヤ、ここで、前記ワイヤは、リング形状に形状設定された形状記憶特性を有し、前記ワイヤの第一の端部は前記ワイヤの第二の端部と対向している、
ある長さを画定する縁に沿って前記ワイヤに結合されたスカート、及び、
前記ワイヤの反対側の前記スカートの縁に沿った複数のアパチャ、
を含み、
前記テザーは前記複数のアパチャを通して交互に織られ、前記テザーは前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部を画定し、そして
前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部は、前記ワイヤが展開構成のリング構成にあるときに、前記スカートをディスク状形状に締め付けるように張力をかけるように動作可能であり、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部は、展開前構成でワイヤを直線構成に真っ直ぐにするように張力をかけることができる、請求項1に記載のアンカーシステム。
【請求項3】
前記ワイヤの第一の端部及び前記ワイヤの第二の端部は、前記リング構成にあるときに互いにしっかりと結合するように動作可能である、請求項2に記載のアンカーシステム。
【請求項4】
前記ワイヤの第一の端部及び前記ワイヤの第二の端部は、前記リング構成にあるときに前記ワイヤの完全なループを超えて前記ワイヤの第一の端部と前記ワイヤの第二の端部とがオーバーラップしないように係合するように動作可能である、請求項2に記載のアンカーシステム。
【請求項5】
前記スカートは、一方の側に組織内方成長特性を有し、他方の側に組織癒着防止特性を有する、請求項2に記載のアンカーシステム。
【請求項6】
前記テザーに沿ってスライドするように動作可能である、前記テザーにスライド可能に結合されたテザーロックであって、前記テザーロックと前記アンカーとの間に組織を捕捉するように所定の位置にロックするように動作可能であるテザーロックをさらに含む、請求項2に記載のアンカーシステム。
【請求項7】
前記テザーに沿ってスライドしそして前記テザーを中に収容するように動作可能である前記テザーにスライド可能に結合されたテザーロック入れ子要素をさらに含む、請求項6に記載のアンカーシステム。
【請求項8】
請求項2~7のいずれか1項に記載のアンカーシステムを提供すること、
ガイドワイヤを大腿静脈内に前進させること、
前記ガイドワイヤを大腿静脈を通って右心房内に前進させること、
前記ガイドワイヤを中隔を通って左心房内に前進させること、
前記ガイドワイヤを僧帽弁を通って左心室の心臓壁まで心臓壁に隣接して前進させること、
針カテーテルを前記ガイドワイヤ上で心臓壁の心内膜を通って心筋内に前進させること、
前記ガイドワイヤを前記針カテーテルを通して心筋を通り、心外膜を通って心膜腔内に前進させること、
前記針カテーテルを前記ガイドワイヤから引き抜くこと、
カテーテルを前記ガイドワイヤ上で心膜腔内に前進させること、
心膜腔を拡大するために、心膜を膨張させて心臓壁から分離させること、
前記ガイドワイヤ上又は前記カテーテルを通して前記アンカーシステムを前進させること、ここで、そのアンカーは心膜腔内に配置されている、
心膜腔内で前記アンカーシステムのアンカーを展開し、心外膜に対向するように前記アンカーを配置すること、ここで、前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開前構成で真っ直ぐな構成にあり、そして前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開構成でリング状構成にある、及び、
前記ガイドワイヤ及び/又はカテーテルを患者から除去し、心腔内で前記アンカーに結合されたテザーを残すこと、
を含む、固定方法。
【請求項9】
請求項2~7のいずれか1項に記載のアンカーシステムを提供すること、
ガイドワイヤの遠位先端が針カテーテルの遠位先端に隣接するようにガイドワイヤを針カテーテル内に前進させること、
前記針カテーテルの遠位先端を心腔から心臓壁の心内膜を通って心筋内に前進させること、
前記ガイドワイヤの遠位先端を心筋及び心外膜を通って心膜腔内に前進させること、及び、
前記アンカーシステムのアンカーを前記ガイドワイヤ上で心膜腔内に前進させること、
前記アンカーを心膜腔内で展開すること、
を含み、
前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開前構成で真っ直ぐな構成にあり、前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開構成でリング状構成にある、固定方法。
【請求項10】
請求項2~7のいずれか1項に記載のアンカーシステムを提供すること、
支持カテーテルを心臓内に心臓壁まで心臓壁に隣接して又は心臓壁に対して前進させること、
アンカーカテーテルを単独で、又は前記支持カテーテルを通して前進させ、心臓壁に対して係合を強制して配置すること、
ガイドワイヤを前記アンカーカテーテルに沿って又は前記アンカーカテーテルを通して、心臓壁の心内膜を通して、心筋を通して、心外膜(漿液性心膜の臓側板)を通して心膜腔内に前進させること、
前記アンカーカテーテルを前記ガイドワイヤに沿って又は前記ガイドワイヤ上で、心臓壁の心内膜を通して、心筋を通して、心外膜(漿液性心膜の臓側板)を通して心膜腔内に前進させること、
前記アンカーシステムのアンカーを心膜腔内にある前記アンカーカテーテルの遠位端を通して又はその遠位端に前進又は露出させること、ここで、前記アンカーは心膜腔内に配置されている、
前記アンカーシステムのアンカーを心膜腔内に展開し、心外膜に対向するように前記アンカーを配置すること、ここで、前記アンカーは前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開前構成で真っ直ぐな構成にあり、前記アンカーは前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開構成でリング状構成にある、及び、
前記ガイドワイヤ及びアンカーカテーテルを患者から除去し、前記アンカーに結合されたテザーを心腔内に残すこと、
を含む、固定方法。
【請求項11】
請求項2~7のいずれか1項に記載のアンカーシステムを提供すること、
心腔内の心臓壁まで心臓壁に対してアンカーカテーテルを前進させること、
ガイドワイヤの遠位先端が心内膜を通って心筋に入り、心外膜を通って心膜腔に前進するように、ガイドワイヤを前記アンカーカテーテルを通して前進させること、
前記アンカーカテーテルの遠位先端を前記ガイドワイヤに沿って又はガイドワイヤ上で心膜腔内に又は心膜腔に隣接して前進させること、
心膜腔内にある前記アンカーカテーテルの遠位端を通して又は遠位端で前記アンカーシステムのアンカーを前進させる又は露出させること、ここで、前記アンカーは心膜腔内に配置されている、
前記アンカーシステムのアンカーを心膜腔内に展開し、心外膜に対向するように前記アンカーを配置すること、ここで、前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開前構成で真っ直ぐな構成にあり、前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開構成でリング状構成にある、及び、
前記ガイドワイヤ及びアンカーカテーテルを患者から除去し、前記ガイドワイヤ上で心膜腔内に前記アンカーに結合されたテザーを前記アンカーシステムの心腔内に残すこと、
を含む、固定方法。
【請求項12】
スカートを含む心外膜アンカー、
経心筋綿撒糸、
前記心外膜アンカー及び前記経心筋綿撒糸に結合された心膜アンカー縫合糸、
縫合糸ロック、及び、
前記縫合糸ロックを拘束してドッキングするように構成されたアンカーソケット、
を含む、心膜アンカーシステム、ここで、前記心外膜アンカーは、展開前構成と展開構成との間で変形可能であるように構成されている、及び、
弁尖アンカー縫合糸に結合された少なくとも1つの弁尖アンカー、ここで、前記縫合糸ロックは前記心膜アンカー縫合糸と前記弁尖アンカー縫合糸を固定するように構成されている、
を含む、僧帽弁腱索修復システム。
【請求項13】
前記心外膜アンカーは、展開構成において、ディスク形状を形成するように構成されている、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項14】
前記心外膜アンカーは、展開構成において、湾曲形状、圧縮形状、束、塊又はノットを形成するように構成されている、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項15】
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成は圧縮構成を含む、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項16】
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成はコイル状構成を含む、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項17】
前記心外膜アンカーは展開前構成で自由端を有し、前記心外膜アンカーは前記心外膜アンカーの自由端からコイル状に巻き始めて、展開構成を形成するように構成されている、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項18】
前記心外膜アンカーはワイヤフレームをさらに含み、前記ワイヤフレームは前記スカートで覆われている、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項19】
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは、展開構成に形状設定された形状記憶特性を有する、請求項18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項20】
前記スカートは、前記心膜アンカー縫合糸をスライド可能に受け入れるように構成され、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開構成に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、請求項18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項21】
前記心外膜アンカーの前記スカートは、長さを画定する縁に沿って前記ワイヤフレームに結合され、前記スカートは、前記ワイヤフレームの反対側の前記スカートの縁に沿った複数のアパチャを含み、前記心膜アンカー縫合糸は、前記複数のアパチャを通して交互に織られ、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開形態に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、請求項18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項22】
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは近位脚部をさらに含み、前記近位脚部は、展開構成において、真っ直ぐで前記心外膜アンカーの中央に位置した状態となるように構成されている、請求項18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項23】
前記経心筋綿撒糸は前記心外膜アンカーの近位脚部から延在している、請求項22に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項24】
前記近位脚部は、2つの部分が互いに平行となるように二重にされた同じワイヤの2つの部分を含む、請求項22に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項25】
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、前記心膜アンカー縫合糸の近位リトラクトにより、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項26】
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定されたワイヤフレームの形状記憶特性により、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、請求項18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項27】
前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部はそれぞれ非外傷性端部を含む、請求項18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項28】
前記経心筋綿撒糸は管状構造を有するフィルムを含む、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項29】
前記心膜アンカー縫合糸は、前記経心筋綿撒糸のフィルムを通る複数のアパチャを通して織られている、請求項28に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項30】
前記アンカーソケットは、フィルムで覆われた自己拡張性フレームを含む、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項31】
スカートを含む心外膜アンカー、
前記心外膜アンカーの近位部分から延在する経心筋綿撒糸、
前記心外膜アンカー及び前記経心筋綿撒糸に結合された心膜アンカー縫合糸、
前記心膜アンカー縫合糸を固定するように構成された縫合糸ロック、及び、
前記縫合糸ロックを拘束してドッキングするように構成されたアンカーソケット、
を含む、心膜アンカーシステムであって、
前記心外膜アンカーは、展開前構成と展開構成との間で変形可能であるように構成されている、心膜アンカーシステム。
【請求項32】
前記心外膜アンカーは、展開構成において、ディスク形状を形成するように構成されている、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項33】
前記心外膜アンカーは、展開構成において、湾曲形状、圧縮形状、束、塊又はノットを形成するように構成されている、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項34】
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成は圧縮構成を含む、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項35】
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成はコイル状構成を含む、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項36】
前記心外膜アンカーは展開前構成において自由端を有し、前記心外膜アンカーは前記心外膜アンカーの自由端からコイル状に巻き始めて、展開構成を形成するように構成されている、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項37】
前記心外膜アンカーはワイヤフレームをさらに含み、前記ワイヤフレームはスカートで覆われている、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項38】
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは、展開構成に形状設定された形状記憶特性を有する、請求項37に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項39】
前記スカートは、前記心膜アンカー縫合糸をスライド可能に受け入れるように構成され、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開構成に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項40】
前記心外膜アンカーの前記スカートは、長さを画定する縁に沿って前記ワイヤフレームに結合され、前記スカートは、前記ワイヤフレームの反対側のスカートの縁に沿った複数のアパチャを含み、前記心膜アンカー縫合糸は、前記複数のアパチャを通して交互に織られ、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開形態に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、請求項37に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項41】
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは近位脚部をさらに含み、前記近位脚部は、展開構成において、真っ直ぐで前記心外膜アンカーの中央に位置した状態となるように構成されている、請求項37に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項42】
前記経心筋綿撒糸は前記心外膜アンカーの近位脚部から延在している、請求項41に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項43】
前記近位脚部は、2つの部分が互いに平行となるように二重にされた同じワイヤの2つの部分を含む、請求項41に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項44】
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、前記心膜アンカー縫合糸の近位リトラクトにより、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項45】
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定されたワイヤフレームの形状記憶特性により、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、請求項37に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項46】
前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部はそれぞれ非外傷性端部を含む、請求項37に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項47】
前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部のそれぞれの前記非外傷性端部はアイレットを含む、請求項46に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項48】
前記経心筋綿撒糸は管状構造を有するフィルムを含む、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項49】
前記心膜アンカー縫合糸は、前記経心筋綿撒糸のフィルムを通る複数のアパチャを通して織られている、請求項48に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項50】
スカート、及び、
前記スカートに結合された心膜アンカー縫合糸、
を含む、心外膜アンカーであって、前記心外膜アンカーは展開前構成と展開構成との間で変形可能であるように構成されている、心外膜アンカー。
【請求項51】
前記心外膜アンカーは、展開構成において、ディスク形状を形成するように構成されている、請求項50に記載の心外膜アンカー。
【請求項52】
前記心外膜アンカーは、展開構成において、湾曲形状、圧縮形状、束、塊又はノットを形成するように構成されている、請求項50に記載の心外膜アンカー。
【請求項53】
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成は圧縮構成を含む、請求項50に記載の心外膜アンカー。
【請求項54】
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成はコイル状構成を含む、請求項50に記載の心外膜アンカー。
【請求項55】
前記心外膜アンカーは展開前構成で自由端を有し、前記心外膜アンカーは前記心外膜アンカーの自由端からコイル状に巻き始めて、展開構成を形成するように構成されている、請求項50に記載の心外膜アンカー。
【請求項56】
前記心外膜アンカーはワイヤフレームをさらに含み、前記ワイヤフレームは前記スカートで覆われている、請求項50に記載の心外膜アンカー。
【請求項57】
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは、展開構成に形状設定された形状記憶特性を有する、請求項56に記載の心外膜アンカー。
【請求項58】
前記スカートは、前記心膜アンカー縫合糸をスライド可能に受け入れるように構成され、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開構成に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、請求項56に記載の心外膜アンカー。
【請求項59】
前記心外膜アンカーの前記スカートは、長さを画定する縁に沿って前記ワイヤフレームに結合され、前記スカートは、前記ワイヤフレームの反対側のスカートの縁に沿った複数のアパチャを含み、前記心膜アンカー縫合糸は、前記複数のアパチャを通して交互に織られ、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開形態に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、請求項56に記載の心外膜アンカー。
【請求項60】
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは近位脚部をさらに含み、前記近位脚部は、展開構成において、真っ直ぐで前記心外膜アンカーの中央に位置した状態となるように構成されている、請求項56に記載の心外膜アンカー。
【請求項61】
前記近位脚部は、2つの部分が互いに平行となるように二重にされた同じワイヤの2つの部分を含む、請求項60に記載の心外膜アンカー。
【請求項62】
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、前記心膜アンカー縫合糸の近位リトラクトにより、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、請求項60に記載の心外膜アンカー。
【請求項63】
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定されたワイヤフレームの形状記憶特性により、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、請求項56に記載の心外膜アンカー。
【請求項64】
前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部はそれぞれ非外傷性端部を含む、請求項56に記載の心外膜アンカー。
【請求項65】
前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部のそれぞれの非外傷性端部はアイレットを含む、請求項64に記載の心外膜アンカー。
【請求項66】
アンカーカテーテル内に拘束された展開前構成の心外膜アンカーを心臓の心膜腔内に前進させること、
前記アンカーカテーテルを前記心膜腔内で接線方向に所定の距離だけ前進させて、展開前構成の前記心外膜アンカーを脱シースさせること、及び、
前記アンカーカテーテルをリトラクトさせて、前記心外膜アンカーを前記心膜腔内で展開構成に少なくとも部分的に展開すること、
を含む、心膜アンカーシステムを固定する方法。
【請求項67】
前記所定の距離は少なくとも10cmを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記アンカーカテーテルは、前記心膜腔内において、内側-外側方向及び/又は下側-上側方向に移動するように構成されている、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記心外膜アンカーの近位脚部を心外膜と前記アンカーカテーテルの遠位先端との間に配置して、心膜腔内の前記心外膜アンカーの位置を維持することをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
前記心膜アンカーシステムの心膜アンカー縫合糸に張力を加えて、前記心外膜アンカーを展開構成に少なくとも部分的に変形させることをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定された心外膜アンカーのワイヤフレームの形状記憶特性により、展開構成にさらに変形される、請求項66に記載の方法。
【請求項72】
心腔内の心臓壁まで心臓壁に対して支持シースを前進させること、
ガイドワイヤの遠位先端が心内膜、心筋及び心外膜を通って心膜腔内に前進するように、前記支持シースを通してガイドワイヤを前進させること、
アンカーシースとガイドワイヤシースを一緒に前記支持シースを通してガイドワイヤ上で心膜腔内に前進させて、心内膜、心筋及び心外膜を通る穿刺を形成すること、
前記アンカーシース及び前記支持シースを一緒にリトラクトさせながら前記ガイドワイヤシースの位置を維持して、心膜腔内に心膜アンカーシステムの心外膜アンカーを展開すること、ここで、前記心外膜アンカーは前記アンカーシース内に位置する間に展開前構成にある、
前記ガイドワイヤシースをリトラクトさせながら前記アンカーシースの位置を維持して、前記心外膜アンカーのワイヤフレームの近位脚部と前記アンカーシースの遠位先端との間にTバーを形成すること、
前記近位脚部が心外膜の穿刺に対して配置されるまで、前記支持シース、前記アンカーシース及び前記ガイドワイヤシースを一緒にリトラクトさせること、
前記ガイドワイヤシースの位置を維持し、前記アンカーシースと前記支持シースを一緒にリトラクトさせて、前記心外膜アンカーを展開すること、及び、
前記心膜アンカーシステムの心膜アンカー縫合糸に張力を加えて、少なくとも部分的に前記心外膜アンカーを展開構成に変形させること、
を含む、心膜アンカーシステムを固定する方法。
【請求項73】
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定されたワイヤフレームの形状記憶特性により、展開構成にさらに変形される、請求項72に記載の心膜アンカーシステムを固定する方法。
【請求項74】
前記ガイドワイヤシースの位置を維持しそして前記支持シース及び前記アンカーシースをリトラクトさせて、前記心膜アンカーシステムの経心筋綿撒糸及びアンカーソケットを展開することをさらに含み、ここで、前記経心筋綿撒糸の第一の部分は、心外膜、心筋及び心内膜の穿刺内に位置し、前記経心筋綿撒糸の第二の部分は、心内膜の穿刺から近位方向に延在している、請求項72に記載の心膜アンカーシステムを固定する方法。
【請求項75】
前記心内膜の穿刺に対して前記経心筋綿撒糸の第二の部分を折り畳むことをさらに含む、請求項74に記載の心膜アンカーシステムを固定する方法。
【請求項76】
縫合糸ロックを前記アンカーソケット内に前進させること、及び、前記アンカーソケット内にある前記縫合糸ロックを心内膜に向かって前進させて、前記経心筋綿撒糸の第二の部分を折り畳むことをさらに含む、請求項74に記載の心膜アンカーシステムを固定する方法。
【請求項77】
フィルムで覆われた前記心外膜アンカーの前記近位脚部は心外膜の穿刺をシールするように構成されており、前記経心筋綿撒糸の第一の部分は心筋の穿刺をシールするように構成されており、そして前記経心筋綿撒糸の折り畳まれた第二の部分は心内膜の穿刺をシールするように構成されている、請求項75に記載の心膜アンカーシステムを固定する方法。
【請求項78】
心腔から心膜腔へのアクセスを提供するように動作可能な、及び/又は結合されるデバイスのアンカーとなるように動作可能な、心臓壁及び心膜腔に配置するためのツールであって、
心臓壁を通って延在するように動作可能な管腔を画定する本体、
心膜腔内に延在するように動作可能な前記本体の遠位端でのヘッド、ここで、前記ヘッドは、低プロファイルの展開前構成から高プロファイル展開構成に動くように動作可能な可動要素を含み、前記ヘッドは、心腔と心膜腔との間に流体通路を提供するように動作可能なアクセスチャンネルを画定するために前記管腔と流体連通しているアイレットを画定する、及び、
ベースを心臓壁に保持するように動作可能な保持部材をさらに含むベース、
を含む、ツール。
【請求項79】
前記可動要素は、前記可動部材が展開構成において高プロファイルに達するときに壁側心膜を支持するように動作可能であり、前記保持部材は前記可動要素を前記壁側心膜に当接して係合させるように協働する、請求項78に記載のツール。
【請求項80】
前記可動要素は、心膜腔を拡大するように心膜に当接するように動作可能な拡張部材を含む、請求項78及び79に記載のツール。
【請求項81】
前記アイレットは、前記管腔と連通するデバイスを使用して、心膜腔から流体又はガスを排出又は抜き出すように動作可能である、請求項78及び79に記載のツール。
【請求項82】
前記アイレットは、圧力検知デバイスで圧力を測定するように動作可能な圧力ポートとなるように動作可能である、請求項78に記載のツール。
【請求項83】
前記アクセスチャンネルは、デバイスを受け取り、心臓の心室側と心膜腔との間を通したデバイスの通過を可能にするように動作可能である、請求項78~82のいずれか1項に記載のツール。
【請求項84】
前記アイレットは、開放構成と閉鎖構成との間で弾性変形するように動作可能であり、前記閉鎖構成では、前記アクセスチャンネルは閉塞されて、前記アクセスチャンネルを通る流体通過を防止する、請求項78~82のいずれか1項に記載のツール。
【請求項85】
前記ヘッドは、開位置と閉位置との間で弾性的に移動するように動作可能な閉塞要素をさらに含み、前記閉位置では、前記アクセスチャンネルは閉塞されて、前記アクセスチャンネルを通る流体通過を防止する、請求項78~82のいずれか1項に記載のツール。
【請求項86】
前記アクセスチャンネルを閉塞して前記アクセスチャンネルを通る流体通過を防止するために、前記アクセスチャンネル内に配置されるように動作可能な閉塞プラグをさらに含む、請求項78~82のいずれか1項に記載のツール。
【請求項87】
前記ツールは、他のデバイス又は心臓の組織と結合するように動作可能である、請求項78~83のいずれか1項に記載のツール。
【請求項88】
血管内心外膜アクセスのために動作可能なデリバリーシステムを提供すること、ここで、前記デリバリーシステムは、操縦可能なカテーテル及びデリバリーカテーテルを含む、
経静脈、経動脈、経中隔、経心房又は経大動脈アプローチを使用して前記デリバリーシステムを患者に挿入すること、
前記ツールが結合された前記デリバリーカテーテルを心筋内に前進させること、及び、
前記ツールの前記ヘッドを心膜腔内に延在させること、
を含む、請求項78~87のいずれか1項に記載のツールをインプラント処置する方法。
【請求項89】
前記デリバリーシステムはガイドワイヤ及び/又は針をさらに含み、前記方法は、
ガイドワイヤ又は針をデリバリーカテーテルを通して前進させそして前記ツールを通って心筋及び心膜腔内に延在させること、及び、前記ガイドワイヤ又は針の上で前記ツールを前進させること、
を含む、請求項88に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先出願への参照による取り込み
本出願は、2021年4月30日に出願された米国仮出願第63/182,727号及び2021年4月25日に出願された米国仮出願第63/179,490号に対する優先権を主張し、これらの出願のそれぞれの全体をあらゆる目的のために参照により本明細書に取り込む。
【0002】
本出願とともに提出されたPCT出願において外国又は国内の優先権主張が特定されているあらゆる出願は、参照により本明細書に取り込まれる。
【0003】
分野
本開示は、一般に、心臓デバイス固定に関し、より具体的には、心膜腔にアクセスして固定することを含む装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0004】
背景
メディカルデバイスを心腔内に固定する必要がある。一般に、これらのデバイスは心筋に埋め込まれたアンカーを有することができる。このようなデバイスには、より安全なアンカーシステムが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
要旨
記載される実施形態は、心膜固定のための装置、システム及び方法を対象とする。
【0006】
1つの例(「例1」)によれば、アンカーシステムは、アンカーと、該アンカーに結合されたテザーとを含み、前記アンカーは、第一の位置で低プロファイルを有し、第二の位置でより大きなプロファイルを有するように動作可能である。アンカーは、前記第一の位置で心臓壁の狭いアクセスチャンネルを通って心臓の心腔から心膜腔内に前進し、前記心膜腔内で第二の位置に狭いアクセスチャンネルよりも大きいサイズまで拡張するように動作可能である。
【0007】
別の例(「例2」)によれば、固定方法は、ガイドワイヤを心臓内に心臓壁まで、心臓壁に隣接して前進させること、針カテーテルを前記ガイドワイヤ上で心臓壁の心内膜を通って心筋内に前進させること、前記ガイドワイヤを前記針カテーテルを通して心筋を通して心外膜(漿液性心膜の臓側板)を通って心膜腔内に前進させること、前記針カテーテルを前記ガイドワイヤから引き抜くこと、カテーテルを前記ガイドワイヤ上で心膜腔内に前進させること、心膜腔を拡大するために心膜を心臓壁から分離すること、前記ガイドワイヤ上又はカテーテルを通してアンカーシステムを前進させること、ここで、そのアンカー部分が心膜腔内に配置される、心膜腔内でアンカーシステムのアンカーを展開し、心外膜に対向するようにアンカーを配置すること、及び、前記ガイドワイヤ及び/又はカテーテルを患者から除去して、心腔内のアンカーに結合されたテザーを残すことを含む。
【0008】
別の例(「例3」)によれば、固定方法は、ガイドワイヤを大腿静脈内に前進させること、前記ガイドワイヤを大腿静脈を通って右心房内に前進させること、前記ガイドワイヤを中隔を通って左心房内に前進させること、前記ガイドワイヤを僧帽弁を通って左心室の心臓壁まで心臓壁に隣接して前進させること、針カテーテルを前記ガイドワイヤ上で心内膜を通って心臓壁の心筋内に前進させること、前記ガイドワイヤを前記針カテーテルを通して心筋を通り、心外膜を通って心膜腔内に前進させること、前記針カテーテルを前記ガイドワイヤから引き抜くこと、カテーテルを前記ガイドワイヤ上で心膜腔内に前進させること、心膜腔を拡大するために、心膜を膨張させて心臓壁から分離すること、前記ガイドワイヤ上又はカテーテルを通してアンカーシステムを前進させること、ここで、そのアンカー部分が心膜腔内に配置される、心膜腔内でアンカーシステムのアンカーを展開し、心外膜に対向するようにアンカーを配置すること、及び、前記ガイドワイヤ及び/又はカテーテルを患者から除去して、心腔内で前記アンカーに結合されたテザーを残すことを含む。
【0009】
別の例(「例4」)によれば、固定方法は、ガイドワイヤの遠位先端が針カテーテルの遠位先端に隣接するようにガイドワイヤを針カテーテル内に前進させること、前記針カテーテルの遠位先端を心腔から心臓壁の心内膜を通って心筋内に前進させること、前記ガイドワイヤの遠位先端を心筋及び心外膜を通って心膜腔内に前進させること、及び、アンカーシステムのアンカーを前記ガイドワイヤ上で心膜腔内に前進させることを含む。
【0010】
別の例(「例5」)によれば、固定方法は、場合により、場合により用いられる支持カテーテルを心臓内に心臓壁まで、心臓壁に隣接して、又は心臓壁に対して前進させること、アンカーカテーテルを単独で、又は場合により用いる支持カテーテルを通して前進させ、心臓壁に対して強制的に係合するか、又は心臓壁に近接して配置すること、ガイドワイヤをアンカーカテーテルを通して心臓壁の心内膜、心筋、心外膜(漿液性心膜の臓側板)を通って心膜腔内に前進させること、前記ガイドワイヤ上で、心臓壁の心内膜を通って、心筋を通って、心外膜(漿液性心膜の内臓層)を通って、心膜腔内に前進させること、場合により、心膜腔から前記ガイドワイヤを引き抜くこと、場合により、心膜空間を拡大するために、心膜を心外膜から分離すること、心膜腔内にあるアンカーカテーテルの遠位端を通して、又はその遠位端もしくはその近くで、アンカーシステムのアンカーを前進又は露出させること、ここで、前記アンカーは心膜腔内に配置される、前記アンカーシステムの前記アンカーを心膜腔内に展開し、心外膜に対向するように前記アンカーを配置すること、及び、前記ガイドワイヤ及び/又はアンカーカテーテル及び/又は支持カテーテルを患者から除去し、前記アンカーに結合されたテザーを心腔内に残すことを含む。
【0011】
別の例(「例6」)によれば、固定方法は、アンカーカテーテルを心腔内で心臓壁の近く又は心臓壁まで心臓壁に対して前進させること、ガイドワイヤの遠位先端が心内膜を通って心筋内に、心外膜を通ってそして心膜腔内に入るように、アンカーカテーテルを通してガイドワイヤを前進させること、及び、前記アンカーカテーテルの遠位先端を前記ガイドワイヤに沿って、又は前記ガイドワイヤ上で心膜腔内又は心膜腔に隣接して前進させること、心膜腔内にあるアンカーカテーテルの遠位端を通して、又はその遠位端にアンカーシステムのアンカーを前進又は露出させること、ここで、前記アンカーは心膜腔内に配置される、前記アンカーシステムのアンカーを心膜腔内に展開し、心外膜に対向するようにアンカーを配置すること、及び、前記ガイドワイヤ及び/又はアンカーカテーテルを患者から除去し、アンカーに結合されたテザーを前記ガイドワイヤ上のアンカーシステムの心腔内で心膜腔内に残すことを含む。
【0012】
別の例(「例7」)によれば、僧帽弁腱索修復システムは、スカートを含む心外膜アンカー、経心筋綿撒糸、前記心外膜アンカー及び前記経心筋綿撒糸に結合された心膜アンカー縫合糸、縫合糸ロック、及び、前記縫合糸ロックを拘束してドッキングするように構成されたアンカーソケットを含む心膜アンカーシステムを含み、前記心外膜アンカーは、展開前構成と展開構成との間で変形可能であるように構成され、弁尖アンカー縫合糸に結合された少なくとも1つの弁尖アンカーをさらに含み、前記縫合糸ロックは前記心膜アンカー縫合糸と前記弁尖アンカー縫合糸を固定するように構成されている。
【0013】
別の例(「例8」)によれば、例7の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記心外膜アンカーは、展開構成において、ディスク形状を形成するように構成されている。
【0014】
別の例(「例9」)によれば、例7の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記心外膜アンカーは、展開構成において、湾曲形状、圧縮形状、束、塊又はノットを形成するように構成されている。
【0015】
別の例(「例10」)によれば、例7の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成は圧縮構成を含む。
【0016】
別の例(「例11」)によれば、例7の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成はコイル状構成を含む。
【0017】
別の例(「例12」)によれば、例7の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記心外膜アンカーは展開前構成で自由端を有し、前記心外膜アンカーは前記心外膜アンカーの自由端からコイル状に巻き始めて、展開構成を形成するように構成されている。
【0018】
別の例(「例13」)によれば、例7の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記心外膜アンカーはワイヤフレームをさらに含み、前記ワイヤフレームは前記スカートで覆われている。
【0019】
別の例(「例14」)によれば、例13の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは、展開構成に形状設定された形状記憶特性を有する。
【0020】
別の例(「例15」)によれば、例13の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記スカートは、前記心膜アンカー縫合糸をスライド可能に受け入れるように構成され、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開構成に締め付けるように張力が課されるように動作可能である。
【0021】
別の例(「例16」)によれば、例13の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記心外膜アンカーの前記スカートは、長さを画定する縁に沿って前記ワイヤフレームに結合され、前記スカートは、前記ワイヤフレームの反対側のスカートの縁に沿った複数のアパチャを含み、前記心膜アンカー縫合糸は、前記複数のアパチャを通して交互に織られ、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開形態に締め付けるように張力が課されるように動作可能である。
【0022】
別の例(「例17」)によれば、例13の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは近位脚部をさらに含み、前記近位脚部は、展開構成において、真っ直ぐで前記心外膜アンカーの中央に位置した状態となるように構成されている。
【0023】
別の例(「例18」)によれば、例17の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記経心筋綿撒糸は前記心外膜アンカーの近位脚部から延在している。
【0024】
別の例(「例19」)によれば、例17の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記近位脚部は、2つの部分が互いに平行となるように二重にされた同じワイヤの2つの部分を含む。
【0025】
別の例(「例20」)によれば、例7の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、前記心膜アンカー縫合糸の近位リトラクトにより、展開前構成と展開構成との間で変形可能である。
【0026】
別の例(「例21」)によれば、例13の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定されたワイヤフレームの形状記憶特性により、展開前構成と展開構成との間で変形可能である。
【0027】
別の例(「例22」)によれば、例7の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部はそれぞれ非外傷性端部を含む。
【0028】
別の例(「例23」)によれば、例7の僧帽弁弦修復システムにおいて、前記経心筋綿撒糸は管状構造を有するフィルムを含む。
【0029】
別の例(「例24」)によれば、例23の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記心膜アンカー縫合糸は、前記経心筋綿撒糸のフィルムを通る複数のアパチャを通して織られている。
【0030】
別の例(「例25」)によれば、例7の僧帽弁腱索修復システムにおいて、前記アンカーソケットは、フィルムで覆われた自己拡張性フレームを含む。
【0031】
別の例(「例26」)によれば、心膜アンカーシステムは、スカートを含む心外膜アンカー、前記心外膜アンカーの近位部分から延在する経心筋綿撒糸、前記心外膜アンカー及び前記経心筋綿撒糸に結合された心膜アンカー縫合糸、前記心膜アンカー縫合糸を固定するように構成された縫合糸ロック、及び、前記縫合糸ロックを拘束してドッキングするように構成されたアンカーソケットを含み、前記心外膜アンカーは、展開前構成と展開構成との間で変形可能であるように構成されている。
【0032】
別の例(「例27」)によれば、例26の心膜アンカーシステムにおいて、前記心外膜アンカーは、展開構成において、ディスク形状を形成するように構成されている。
【0033】
別の例(「例28」)によれば、例26の心膜アンカーシステムにおいて、前記心外膜アンカーは、展開構成において、湾曲形状、圧縮形状、束、塊又はノットを形成するように構成されている。
【0034】
別の例(「例29」)によれば、例26の心膜アンカーシステムにおいて、前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成は圧縮構成を含む。
【0035】
別の例(「例30」)によれば、例26の心膜アンカーシステムにおいて、前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成はコイル状構成を含む。
【0036】
別の例(「例31」)によれば、例26の心膜アンカーシステムにおいて、前記心外膜アンカーは展開前構成において自由端を有し、前記心外膜アンカーは前記心外膜アンカーの自由端からコイル状に巻き始めて、展開構成を形成するように構成されている。
【0037】
別の例(「例32」)によれば、例26の心膜アンカーシステムにおいて、前記心外膜アンカーはワイヤフレームをさらに含み、前記ワイヤフレームはスカートで覆われている。
【0038】
別の例(「例33」)によれば、例32の心膜アンカーシステムにおいて、前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは、展開構成に形状設定された形状記憶特性を有する。
【0039】
別の例(「例34」)によれば、例26の心膜アンカーシステムにおいて、前記スカートは、前記心膜アンカー縫合糸をスライド可能に受け入れるように構成され、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開構成に締め付けるように張力が課されるように動作可能である。
【0040】
別の例(「例35」)によれば、例32の心膜アンカーシステムにおいて、前記心外膜アンカーの前記スカートは、長さを画定する縁に沿って前記ワイヤフレームに結合され、前記スカートは、前記ワイヤフレームの反対側のスカートの縁に沿った複数のアパチャを含み、前記心膜アンカー縫合糸は、前記複数のアパチャを通して交互に織られ、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開形態に締め付けるように張力が課されるように動作可能である。
【0041】
別の例(「例36」)によれば、例32の心膜アンカーシステムにおいて、前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは近位脚部をさらに含み、前記近位脚部は、展開構成において、真っ直ぐで前記心外膜アンカーの中央に位置した状態となるように構成されている。
【0042】
別の例(「例37」)によれば、例36の心膜アンカーシステムにおいて、前記経心筋綿撒糸は前記心外膜アンカーの近位脚部から延在している。
【0043】
別の例(「例38」)によれば、例36の心膜アンカーシステムにおいて、前記近位脚部は、2つの部分が互いに平行となるように二重にされた同じワイヤの2つの部分を含む。
【0044】
別の例(「例39」)によれば、例36の心膜アンカーシステムにおいて、前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、前記心膜アンカー縫合糸の近位リトラクトにより、展開前構成と展開構成との間で変形可能である。
【0045】
別の例(「例40」)によれば、例32の心膜アンカーシステムにおいて、前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定されたワイヤフレームの形状記憶特性により、展開前構成と展開構成との間で変形可能である。
【0046】
別の例(「例41」)によれば、例32の心膜アンカーシステムにおいて、前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部はそれぞれ非外傷性端部を含む。
【0047】
別の例(「例42」)によれば、例41の心膜アンカーシステムにおいて、前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部のそれぞれの前記非外傷性端部はアイレットを含む。
【0048】
別の例(「例43」)によれば、例26の心膜アンカーシステムにおいて、前記経心筋綿撒糸は管状構造を有するフィルムを含む。
【0049】
別の例(「例44」)によれば、例43の心膜アンカーシステムにおいて、前記心膜アンカー縫合糸は、前記経心筋綿撒糸のフィルムを通る複数のアパチャを通して織られている。
【0050】
別の例(「例45」)によれば、心外膜アンカーは、スカート、及び前記スカートに結合された心膜アンカー縫合糸を含み、前記心外膜アンカーは展開前構成と展開構成との間で変形可能であるように構成されている。
【0051】
別の例(「例46」)によれば、例45の心外膜アンカーにおいて、前記心外膜アンカーは、展開構成において、ディスク形状を形成するように構成されている。
【0052】
別の例(「例47」)によれば、例45の心外膜アンカーにおいて、前記心外膜アンカーは、展開構成において、湾曲形状、圧縮形状、束、塊又はノットを形成するように構成されている。
【0053】
別の例(「例48」)によれば、例45の心外膜アンカーにおいて、前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成は圧縮構成を含む。
【0054】
別の例(「例49」)によれば、例45の心外膜アンカーにおいて、前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成はコイル状構成を含む。
【0055】
別の例(「例50」)によれば、例45の心外膜アンカーにおいて、前記心外膜アンカーは展開前構成で自由端を有し、前記心外膜アンカーは前記心外膜アンカーの自由端からコイル状に巻き始めて、展開構成を形成するように構成されている。
【0056】
別の例(「例51」)によれば、例45の心外膜アンカーにおいて、前記心外膜アンカーはワイヤフレームをさらに含み、前記ワイヤフレームは前記スカートで覆われている。
【0057】
別の例(「例52」)によれば、例45の心外膜アンカーにおいて、前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは、展開構成に形状設定された形状記憶特性を有する。
【0058】
別の例(「例53」)によれば、例51の心外膜アンカーにおいて、前記スカートは、前記心膜アンカー縫合糸をスライド可能に受け入れるように構成され、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開構成に締め付けるように張力が課されるように動作可能である。
【0059】
別の例(「例54」)によれば、例51の心外膜アンカーにおいて、前記心外膜アンカーの前記スカートは、長さを画定する縁に沿って前記ワイヤフレームに結合され、前記スカートは、前記ワイヤフレームの反対側のスカートの縁に沿った複数のアパチャを含み、前記心膜アンカー縫合糸は、前記複数のアパチャを通して交互に織られ、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開形態に締め付けるように張力が課されるように動作可能である。
【0060】
別の例(「例55」)によれば、例51の心外膜アンカーにおいて、前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは近位脚部をさらに含み、前記近位脚部は、展開構成において、真っ直ぐで前記心外膜アンカーの中央に位置した状態となるように構成されている。
【0061】
別の例(「例56」)によれば、例55の心外膜アンカーにおいて、前記近位脚部は、2つの部分が互いに平行となるように二重にされた同じワイヤの2つの部分を含む。
【0062】
別の例(「例57」)によれば、例55の心外膜アンカーにおいて、前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、前記心膜アンカー縫合糸の近位リトラクトにより、展開前構成と展開構成との間で変形可能である。
【0063】
別の例(「例58」)によれば、例51の心外膜アンカーにおいて、前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定されたワイヤフレームの形状記憶特性により、展開前構成と展開構成との間で変形可能である。
【0064】
別の例(「例59」)によれば、例51の心外膜アンカーにおいて、前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部はそれぞれ非外傷性端部を含む。
【0065】
別の例(「例60」)によれば、例64の心外膜アンカーにおいて、前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部のそれぞれの非外傷性端部はアイレットを含む。
【0066】
別の例(「例61」)によれば、心膜アンカーシステムを固定する方法は、アンカーカテーテル内に拘束された展開前構成の心外膜アンカーを心臓の心膜腔内に前進させること、前記アンカーカテーテルを前記心膜腔内で接線方向に所定の距離だけ前進させて、展開前構成の前記心外膜アンカーを脱シースさせること、及び、前記アンカーカテーテルをリトラクトさせて、前記心外膜アンカーを前記心膜腔内で展開構成に少なくとも部分的に展開することを含む。
【0067】
別の例(「例62」)によれば、例61の心膜アンカーシステムを固定する方法において、前記所定の距離は少なくとも10cmを含む。
【0068】
別の例(「例63」)によれば、例61の心膜アンカーシステムを固定する方法において、前記アンカーカテーテルは、前記心膜腔内において、内側-外側方向及び/又は下側-上側方向に移動するように構成されている。
【0069】
別の例(「例64」)によれば、例61の心膜アンカーシステムを固定する方法において、前記心外膜アンカーの近位脚部を心外膜と前記アンカーカテーテルの遠位先端との間に配置して、心膜腔内の前記心外膜アンカーの位置を維持することをさらに含む。
【0070】
別の例(「例65」)によれば、例61の心膜アンカーシステムを固定する方法において、前記心膜アンカーシステムの心膜アンカー縫合糸に張力を加えて、前記心外膜アンカーを展開構成に少なくとも部分的に変形させることをさらに含む。
【0071】
別の例(「例66」)によれば、例61の心膜アンカーシステムを固定する方法において、前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定された心外膜アンカーのワイヤフレームの形状記憶特性により、展開形状にさらに変形される。
【0072】
別の例(「例67」)によれば、心膜アンカーシステムを固定する方法は、心腔内の心臓壁まで心臓壁に対して支持シースを前進させること、ガイドワイヤの遠位先端が心内膜、心筋及び心外膜を通って心膜腔内に前進するように、前記支持シースを通して前記ガイドワイヤを前進させること、アンカーシースとガイドワイヤシースを一緒に前記支持シースを通してガイドワイヤ上で心膜腔内に前進させて、心内膜、心筋及び心外膜を通る穿刺を形成すること、前記アンカーシース及び前記支持シースを一緒にリトラクトさせながら前記ガイドワイヤシースの位置を維持して、心膜腔内に心膜アンカーシステムの心外膜アンカーを展開すること、ここで、前記心外膜アンカーは前記アンカーシース内に位置する間に展開前構成にある、前記ガイドワイヤシースをリトラクトさせながら、前記アンカーシースの位置を維持して、前記心外膜アンカーのワイヤフレームの近位脚部と前記アンカーシースの遠位先端との間にTバーを形成すること、前記近位脚部が心外膜の穿刺に対して配置されるまで、前記支持シース、前記アンカーシース及び前記ガイドワイヤシースを一緒にリトラクトさせること、ガイドワイヤシースの位置を維持し、前記アンカーシースと前記支持シースを一緒にリトラクトさせて、前記心外膜アンカーを展開すること、及び、前記心膜アンカーシステムの心膜アンカー縫合糸に張力を加えて、前記心外膜アンカーを少なくとも部分的に展開構成に変形させることを含む。
【0073】
別の例(「例68」)によれば、例67の心膜アンカーシステムを固定する方法において、心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定されたワイヤフレームの形状記憶特性により、展開構成にさらに変形される。
【0074】
別の例(「例69」)によれば、例67の心膜アンカーシステムを固定する方法において、ガイドワイヤシースの位置を維持しそして前記支持シース及び前記アンカーシースをリトラクトさせて、前記心膜アンカーシステムの経心筋綿撒糸及びアンカーソケットを展開することをさらに含み、ここで、前記経心筋綿撒糸の第一の部分は、心外膜、心筋及び心内膜の穿刺内に位置し、前記経心筋綿撒糸の第二の部分は、心内膜の穿刺から近位方向に延在している。
【0075】
別の例(「例70」)によれば、例67の心膜アンカーシステムを固定する方法において、前記心内膜の穿刺に対して前記経心筋綿撒糸の第二の部分を折り畳むことをさらに含む。
【0076】
別の例(「例71」)によれば、例67の心膜アンカーシステムを固定する方法において、縫合糸ロックを前記アンカーソケット内に前進させること、及び、前記アンカーソケット内にある前記縫合糸ロックを心内膜に向かって前進させて、前記経心筋綿撒糸の第二の部分を折り畳むことをさらに含む。
【0077】
別の例(「例72」)によれば、例68の心膜アンカーシステムを固定する方法において、フィルムで覆われた前記心外膜アンカーの前記近位脚部は心外膜の穿刺をシールするように構成されており、前記経心筋綿撒糸の第一の部分は心筋の穿刺をシールするように構成されており、そして前記経心筋綿撒糸の折り畳まれた第二の部分は心内膜の穿刺をシールするように構成されている。1つの実施形態によれば、心膜アクセス及び固定ツール(本明細書においてツールと呼ぶ)は、心筋内に展開し、心臓の心室側から心膜腔内に延在するように動作可能に提供される。
【0078】
別の例(「例73」)によれば、心腔から心膜腔へのアクセスを提供するように動作可能な、及び/又は結合されるデバイスのアンカーとなるように動作可能な、心臓壁及び心膜腔に配置するためのツールは、心臓壁を通って延在するように動作可能な管腔を画定する本体、心膜腔内に延在するように動作可能な前記本体の遠位端のヘッド、ここで、前記ヘッドは、低プロファイルの展開前構成から高プロファイル展開構成に動くように動作可能な可動要素を含み、前記ヘッドは、心腔と心膜腔との間に流体通路を提供するように動作可能なアクセスチャンネルを画定するために管腔と流体連通しているアイレットを画定する、及び、ベースを心臓壁に保持するように動作可能な保持部材をさらに含むベースを含む。
【0079】
別の例(「例74」)によれば、例73のツールにおいて、前記可動要素は、前記可動部材が展開構成において高プロファイルに達するときに壁側心膜を支持するように動作可能であり、前記保持部材は前記可動要素を前記壁側心膜に当接して係合させるように協働する。
【0080】
別の例(「例75」)によれば、例73及び74のツール、例1及び2のツールにおいて、前記可動要素は、心膜腔を拡大するように心膜に当接するように動作可能な拡張部材を含む。
【0081】
別の例(「例76」)によれば、例73及び74のツールにおいて、前記アイレットは、前記管腔と連通するデバイスを使用して、心膜腔から流体又はガスを排出する又は抜き出すように動作可能である。
【0082】
別の例(「例77」)によれば、例73のツールにおいて、前記アイレットは、圧力検知デバイスで圧力を測定するように動作可能な圧力ポートとなるように動作可能である。
【0083】
別の例(「例78」)によれば、例73~77のいずれかのツールにおいて、前記アクセスチャンネルは、デバイスを受け取り、心臓の心室側と心膜腔との間を通したデバイスの通過を可能にするように動作可能である。
【0084】
別の例(「例79」)によれば、例73~77のいずれかのツールにおいて、前記アイレットは、開放構成と閉鎖構成との間で弾性変形するように動作可能であり、前記閉鎖構成では、前記アクセスチャンネルは閉塞されて、前記アクセスチャンネルを通る流体通過を防止する。
【0085】
別の例(「例80」)によれば、例73~77のいずれかのツールにおいて、前記ヘッドは、開位置と閉位置との間で弾性的に移動するように動作可能な閉塞要素をさらに含み、前記閉位置では、前記アクセスチャンネルは閉塞されて、前記アクセスチャンネルを通る流体通過を防止する。
【0086】
別の例(「例81」)によれば、例73~77のいずれかのツールにおいて、前記アクセスチャンネルを閉塞して前記アクセスチャンネルを通る流体通過を防止するために、前記アクセスチャンネル内に配置されるように動作可能な閉塞プラグをさらに含む。
【0087】
別の例(「例82」)によれば、例73~77のいずれかのツールにおいて、前記ツールは、他のデバイス又は心臓の組織と結合するように動作可能である。
【0088】
別の例(「例83」)によれば、例69~82のいずれか1つのツールをインプラント処置する方法は、血管内心外膜アクセスのために動作可能なデリバリーシステムを提供すること、ここで、前記デリバリーシステムは、操縦可能なカテーテル及びデリバリーカテーテルを含む、経静脈、経動脈、経中隔、経心房又は経大動脈アプローチを使用して前記デリバリーシステムを患者に挿入すること、前記ツールが結合された前記デリバリーカテーテルを心筋内に前進させること、及び、前記ツールの前記ヘッドを心膜腔内に延在させることを含む。
【0089】
別の例(「例84」)によれば、例83のツールをインプラント処置する方法において、前記デリバリーシステムはガイドワイヤ及び/又は針をさらに含み、前記方法は、ガイドワイヤ又は針をデリバリーカテーテルを通して前進させること、及び、前記ツールを通って心筋及び心膜腔内に延在させ、そして前記ガイドワイヤ又は針の上で前記ツールを前進させることを含む。
【0090】
前述の例は単なる実施例であり、本開示によって提供される発明の概念のいずれかの範囲を限定し又はさもなければ狭めるように解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0091】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0092】
図1A図1Aは、1つの実施形態によるアンカーシステムの側面図である。
【0093】
図1B図1Bは、図1Aのアンカーシステムの側面図である。
【0094】
図2A図2Aは心臓の断面図である。
【0095】
図2B図2Bは、図2Aの心臓の拡大断面図である。
【0096】
図3図3は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、ガイドワイヤを備えた心臓の断面図である。
【0097】
図4図4は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、ガイドワイヤを備えた心臓の断面図である。
【0098】
図5A図5Aは、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、ガイドワイヤを備えた心臓の断面図である。
【0099】
図5B図5Bは、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、ガイドワイヤを備えた心臓の断面図である。
【0100】
図6図6は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、ガイドワイヤ及び針カテーテルを備えた心臓の断面図である。
【0101】
図7図7は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、ガイドワイヤ及び針カテーテルを備えた心臓の断面図である。
【0102】
図8図8は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、ガイドワイヤ及びカテーテルを備えた心臓の断面図である。
【0103】
図9図9は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、カテーテル及びアンカーシステムを備えた心臓の断面図である。
【0104】
図10図10は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、展開されたカテーテル及びアンカーシステムを備えた心臓の断面図である。
【0105】
図11図11は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、展開されたアンカーシステムを備えた心臓の断面図である。
【0106】
図12図12は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、シーリング手段とともに展開されたアンカーシステムを備えた心臓の断面図である。
【0107】
図13図13は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、テザーロックとともに展開されたアンカーシステムを備えた心臓の断面図である。
【0108】
図14図14は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、脱出を防止するために僧帽弁尖に結合された、展開されたアンカーシステムを備えた心臓の断面図である。
【0109】
図15図15は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態のフローダイアグラムである。
【0110】
図16図16は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態のフローダイアグラムである。
【0111】
図17図17は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態のフローダイアグラムである。
【0112】
図18図18は、1つの実施形態による、ワイヤ及びスカートが真っ直ぐな構成にある展開前構成のアンカーシステムの平面図である。
【0113】
図19図19は、図18の実施形態による、ワイヤ及びスカートがリング構成である、展開構成にあるアンカーシステムの平面図である。
【0114】
図20図20は、図18及び19の実施形態による、アンカーが心外膜に対して配置され、テザーが心内膜を通過し、心内膜の反対側に任意選択的なテザーロックをさらに含む、心膜腔内に展開されたアンカーシステムの斜視断面図である。
【0115】
図21図21は、1つの実施形態による、広げられた構成の心膜アンカーシステムの例である。
【0116】
図22図22は、図21の心膜アンカーシステムの例であり、ここで、心外膜アンカーは展開構成にあり、経心筋綿撒糸は展開前構成にある。
【0117】
図23図23は、完全に展開された構成の図21及び22の心膜アンカーシステムの例である。
【0118】
図24図24は、1つの実施形態による、展開構成にある心外膜アンカーのワイヤフレームの例である。
【0119】
図25A図25Aは、1つの実施形態による、縫合糸ロックを備えた心膜アンカーシステムの例である。
【0120】
図25B図25Bは、1つの実施形態による、Tバー心外膜アンカーを備えた心膜アンカーシステムの例である。
【0121】
図26A図26Aは、1つの実施形態による、フレームレス心外膜アンカーを備えた心膜アンカーシステムの例である。
【0122】
図26B図26Bは、1つの実施形態による、Tバー及びフレームレス心外膜アンカーを備えた心膜アンカーシステムの例である。
【0123】
図27図27は、1つの実施形態による、心臓内で展開され、インプラント処置された心膜アンカーシステム及び弁尖アンカーシステムの例である。
【0124】
図28A図28Aは、1つの実施形態による、弁尖にインプラント処置された弁尖アンカーと、弁尖アンカーと心室壁にインプラント処置された心膜アンカーシステムとの間に延在している弁尖アンカー縫合糸の例である。
【0125】
図28B図28Bは、1つの実施形態による、心膜アンカーシステムがインプラント処置された心室壁の断面図である。
【0126】
図28C図28Cは、1つの実施形態による、心膜腔内にインプラント処置された心外膜アンカーの図である(明確にするために心膜は示されていない)。
【0127】
図29図29は、1つの実施形態による、第一の構成の心膜アンカーシステム用のデリバリーサブシステムの例である。
【0128】
図30図30は、第二の構成の図29の心膜アンカーシステム用のデリバリーサブシステムの例である。
【0129】
図31図31は、1つの実施形態による、図29及び図30の心膜アンカーシステム用のデリバリーサブシステムのガイドワイヤシースの例である。
【0130】
図32図32は、1つの実施形態による、心膜アンカーシステムを備えたデリバリーサブシステムの例である。
【0131】
図33図33は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、デリバリーカテーテルを備えた心臓の断面図である。
【0132】
図34図34は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、心膜アンカーシステム用のデリバリーサブシステムを備えた心臓の断面図である。
【0133】
図35図35は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、デリバリーサブシステムの支持シースを備えた心臓壁の断面図である。
【0134】
図36図36は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、デリバリーサブシステムのガイドワイヤを備えた心臓壁の断面図である。
【0135】
図37A図37Aは、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、アンカーシースを備えた心臓壁の断面図である。
【0136】
図37B図37Bは、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、アンカーシースを備えた心臓の断面図である。
【0137】
図38図38は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、心膜アンカーシステムをデリバリーするためにアンカーシースが部分的にリトラクトした状態の心臓壁の断面図である。
【0138】
図39図39は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、心膜アンカーシステムをデリバリーするためにアンカーシースが部分的にリトラクトした状態の心臓壁の断面図である。
【0139】
図40図40は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、心膜アンカーシステムをデリバリーするためにガイドワイヤシースがリトラクトされている状態の心臓壁の断面図である。
【0140】
図41図41は、心膜アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、インプラント処置された心膜アンカーシステムを備えた心臓壁の断面図である。
【0141】
図42図42は、弁尖アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、弁尖アンカーシステム用のデリバリーサブシステムを備えた心臓の断面図である。
【0142】
図43図43は、弁尖アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、針を備えた心臓の断面図である。
【0143】
図44図44は、弁尖アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、弁尖アンカーを備えた心臓の断面図である。
【0144】
図45図45は、弁尖アンカーシステムを提供する方法の1つの実施形態による、弁尖アンカーを備えた心臓の断面図である。
【0145】
図46図46は、弁尖アンカーシステム用のデリバリーサブシステムが引き抜かれた心臓の断面図である。
【0146】
図47図47は、縫合糸ロック用のデリバリーサブシステムを備えた心臓の断面図である。
【0147】
図48A図48Aは、心膜アンカーシステムのアンカーソケット内に位置する縫合糸ロックを備えた心臓の断面図である。
【0148】
図48B図48Bは、心膜アンカーシステムのアンカーソケット内に位置する縫合糸ロックを備えた心臓壁の断面図である。
【0149】
図49A図49Aは、心膜アンカーシステムのアンカーソケットが心臓壁に対して配置された状態の心臓の断面図である。
【0150】
図49B図49Bは、心膜アンカーシステムを備えた心臓壁の断面図である。
【0151】
図50図50は、縫合糸カッターを備えた心臓の断面図である。
【0152】
図51図51は、縫合糸カッターが引き抜かれた状態の心臓の断面図である。
【0153】
図52図52は、デリバリーカテーテルが引き抜かれた状態の心臓の断面図である。
【0154】
図53A図53Aは、複数の弁尖アンカーを備えた心臓の断面図である。
【0155】
図53B図53Bは、複数の弁尖アンカー縫合糸を備えた心臓の断面図である。
【0156】
図54A-54B】図54A及び54Bは、1つの実施形態による、それぞれ、ツールの側面図及び断面図である。
【0157】
図54C図54Cは、ツールを配置するための操縦可能なガイドカテーテルを示す、左心室及び僧帽弁弁尖の断面図である。
【0158】
図54D図54Dは、操縦可能なガイドカテーテルの遠位端を示す左心室の断面図である。
【0159】
図55A図55Aは、1つの実施形態による、心内膜に隣接して配置されたデリバリーシステムを示す心臓の断面図である。
【0160】
図55B図55Bは、1つの実施形態による、展開プロセス中に心筋及び心膜腔に配置するために針の助けを借りて心内膜及び心筋を横断するツールを示す心臓の断面図である。
【0161】
図55C図55Cは、1つの実施形態による、展開プロセス中に心筋及び心膜腔内に配置するために心外膜を横断するツールを示す心臓の断面図である。
【0162】
図55D図55Dは、1つの実施形態による、展開プロセス中に心膜腔を拡大するツールを示す心臓の断面図である。
【0163】
図55E図55Eは、1つの実施形態による、展開プロセス中に心膜腔を拡大するツールの可動要素を示す心臓の断面図である。
【0164】
図55F図55Fは、1つの実施形態による、心膜腔内にツールを固定するために心外膜及び/又は心膜と係合するツールの可動要素を示す心臓の断面図である。
【0165】
図55G図55Gは、1つの実施形態による、心膜腔内にツールを固定するために心外膜及び/又は心膜を係合するツールの可動要素を示す心臓の断面図である。
【0166】
図55H図55Hは、1つの実施形態による、展開構成における可動要素の配置を示すヘッドの上面図である。
【0167】
図55I図55Iは、1つの実施形態による、心筋及び心膜腔内に展開構成で配置されたツールを示す心臓の断面図である。
【0168】
図56A1-A2】図56A1及び56A2は、それぞれ、1つの実施形態による、可動要素を備えたツールヘッドの上面図及び側面図である。
【0169】
図56A3図56A3は、1つの実施形態による、可動要素を備えたツールヘッドの側面図である。
【0170】
図56A4図56A4は、1つの実施形態による、可動要素を備えたツールヘッドの側面図である。
【0171】
図56B1図56B1は、1つの実施形態による、可動要素を備えたツールヘッドの上面図である。
【0172】
図56B2図56B2は、1つの実施形態による、可動要素を備えたツールヘッドの上面図である。
【0173】
図56B3図56B3は、1つの実施形態による、可動要素を備えたツールヘッドの上面図である。
【0174】
図56B4図56B4は、1つの実施形態による、可動要素を備えたツールヘッドの上面図である。
【0175】
図56C1図56C1は、1つの実施形態による、可動要素を備えたツールヘッドの上面図である。
【0176】
図56C2図56C2は、1つの実施形態による、可動要素を備えたツールヘッドの上面図である。
【0177】
図56C3図56C3は、1つの実施形態による、可動要素を備えたツールヘッドの上面図である。
【0178】
図56C4図56C4は、1つの実施形態による、可動要素を備えたツールヘッドの上面図である。
【0179】
図56D1図56D1は、1つの実施形態による、可動要素を備えたツールヘッドの側面図である。
【0180】
図56D2図56D2は、1つの実施形態による、可動要素を備えたツールヘッドの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0181】
詳細な説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。また、本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示のさまざまな態様を説明するために誇張されている場合があり、その点において、図面は限定的なものとして解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0182】
本明細書の実施形態は、様々な原理及び信念に関連して説明される場合があるが、説明される実施形態は理論に拘束されるべきではない。例えば、実施形態は、心膜腔内に含まれるアンカーシステムによる僧帽弁弁尖の脱出防止に関連して本明細書に記載される。しかしながら、本開示の範囲内の実施形態は、心腔内に固定する必要がある同様の構造及び/又は機能の任意のプロテーゼ又は機構に適用することができる。
【0183】
本明細書の実施形態は、心膜腔内に位置するアンカーを有する縫合糸又は他のテザー機構のための様々な装置、システム及び方法を含み、縫合糸は心筋及び心内膜を通って延在し、僧帽弁尖などの生物学的要素、又は限定されないが、センサ又は支持構造などのプロテーゼと結合するために使用される。心外膜(漿液性心膜の臓側板)内及び心外膜に隣接するアンカーは、限定するわけではないが、傘状要素、綿撒糸、多脚支持構造などの任意の適切な構造であることができる。アンカーは、心臓壁の狭いアクセスチャンネルを通過することができるように低プロファイルを有し、そして心膜腔内でより大きな直径又は表面積に拡張又は展開し、そして心臓構造の狭いアクセスチャンネルを通過しないように動作可能である。本開示は、僧帽弁の修復又は置換に関し、より一般的には、限定するわけではないが、僧帽弁逆流などの機能不全の状態から僧帽弁の適切な機能を回復するための、腱索とも呼ばれる僧帽弁腱索の再形成、修復及び/又は置換のための方法及びデバイスに関する。
【0184】
「心臓壁」という用語は、本明細書で使用されるときに、心内膜、心筋及び心外膜として定義される。
【0185】
「心膜空間」及び「心膜腔」という用語は、本明細書で使用されるときに、心臓壁及び心膜、その間により画定される空間、又は臓側心膜と壁側心膜との間の空間である。
【0186】
「結合された」という用語は、本明細書で使用されるときに、直接的又は間接的、及び永久的又は一時的を問わず、結合、接続、取り付け、付着、貼り付け又は接着されることを意味する。
【0187】
実施形態によれば、図17に提供されるように、心膜固定は、小さな中空針カテーテル(例えば、20~25ゲージ)及び適合するガイドワイヤ(例えば、針カテーテルの管腔に適合するように動作可能な0.010インチ~0.018インチ)によって提供される。心腔内からの心臓壁の通過は、針カテーテルが心内膜を通過して心筋に入ることで開始され、ガイドワイヤが心筋の残りの部分と心外膜を通過することによって完了される。ガイドワイヤは、アンカーシステムのアンカーが後にガイドワイヤ上で心膜腔内にデリバリーされるように、心膜腔内に配置される。
【0188】
プロファイルが極めて小さいため、心膜液貯留/タンポナーデを引き起こしにくいなど、有害事象のリスクが低下されうる。
【0189】
針カテーテルの代わりにガイドワイヤを用いて心外膜を横断することにより、安全性が向上するだけでなく、例えば、心膜腔の画像化及び/又は心膜腔内の配置を知ることは困難であるために心膜腔に入る距離が短すぎたり、長すぎたりしないための推量/曖昧さが排除されることにより、手順の使いやすさも向上する。例えば、ガイドワイヤの剛性の選択は、遠位先端が心臓壁の残りの部分を横切って心膜腔に入るのに十分な硬さを有するが、撓んで心膜(漿液性心膜及び線維性心膜の壁側板)を穿刺しない程度に十分に柔らかいように、遠位先端と全長に沿った両方で最適化される。ガイドワイヤは、心膜腔内でコイル状に巻き、心膜腔内を追跡するように動作可能である。ガイドワイヤの遠位端が心膜腔内で心臓壁に隣接するように前進すると、ガイドワイヤの遠位端が心膜腔内にあるという証拠を臨床医に提供することができる。
【0190】
ガイドワイヤの外径が針の内径よりわずかに小さい場合に、組織の外傷を軽減するために心臓壁のくり抜きの可能性が緩和又は最小限に抑えられる。針カテーテル及びガイドワイヤは、ガイドワイヤ遠位先端が針カテーテル遠位先端に対してわずかに引き戻された状態で、すなわち、入れ子状又はタンデム状で、一緒に導入されうる。針カテーテルが心内膜を穿刺した後に、針カテーテルがガイドワイヤを支持する状態で、ガイドワイヤを針カテーテルの遠位先端を超えて前進させることができる。
【0191】
小型中空針カテーテルを前進させ、続いて入れ子式ガイドワイヤを標的位置まで前進させるには異なる方法があることが理解される。1つの実施形態において、針カテーテルは、限定するわけではないが、大腿静脈のアクセスポートからなど、オーバーザワイヤ処置で、事前に配置されたガイドワイヤ上を前進されることができる。他の実施形態において、入れ子式ガイドワイヤを含む又は含まない針カテーテルを、予め配置された操縦可能又は非操縦可能シース、支持/ガイドカテーテルなどの管腔を通して前進させることができる。
【0192】
ガイドワイヤが心膜腔内を横断した後に、アンカーシステムを前進させる前に実行する必要がある幾つかの追加の工程がありえることが理解される。例として、限定するわけではないが、造影剤、CO2、マイクロカテーテル、様々なガイドワイヤ、支持/ガイドカテーテル、及び、他のデバイス、薬剤及び治療薬の利用が、特定の目的のために使用されうる。このようなデバイス、薬剤及び治療薬は、標的位置の心膜腔に物理的空間を作成し、標的位置の心膜腔及び/又は心臓/心膜構造を視覚化し、適切なものの十分な入手、アンカーシステムをデリバリーするための心膜内での正しい直径のガイドワイヤを保証するために提供されうる。
【0193】
実施形態によれば、ガイドワイヤが心臓壁を横切って心膜腔に進入している証拠を提供するために、診断手段が使用されうる。例として、そのような診断手段としては、限定するわけではないが、ECGリードに取り付けられたガイドワイヤ(近位先端及び遠位先端を除いて非導電性コーティングを有するガイドワイヤなど)、及び、遠位先端に検知要素を備えた圧力検知ガイドワイヤを挙げることができる。これらの手段から収集されたデータは、ガイドワイヤが心臓壁を横切って心膜腔に入っている証拠を提供することができる。
【0194】
図1A及び1Bは、アンカー32と、アンカー32に結合されたテザー34とを含むアンカーシステム30の側面図である。アンカー32は、第一の位置36で低プロファイル33を有し、第二の位置でより大きなプロファイル37を有するように動作可能である。アンカー32は、第一の位置36で心臓壁41の狭いアクセスチャンネル12を通って心臓2の心腔6から心膜腔10内に前進し、心膜腔10内の第二の位置38で、狭いアクセスチャンネル12よりも大きいサイズに拡張するように動作可能である。
【0195】
図2A及び2Bは、心臓2及びその対応する解剖学的特徴の断面図である。
【0196】
図3~14は一連の図であり、図15は、1つの実施形態による、心腔6内にアンカー32を設ける方法のフローダイアグラムである。大腿静脈にアクセスし、その中をガイドワイヤ40が前進する。ガイドワイヤ40は、大腿静脈を通って右心房20内に進められる(図3)。ガイドワイヤ40は、中隔26を通って左心房24内に進められる(図4)。ガイドワイヤ40は、僧帽弁8を通って前進し、左心室22の心臓壁41まで心臓壁41に隣接して前進する(図5A及び5B)。針カテーテル42は、ガイドワイヤ40上を心筋13の厚さ16の約半分まで前進される(図6)。硬い遠位先端を有するガイドワイヤ40は、針カテーテル42を通して心外膜14を通って心膜腔10内に進められる(図7)。カテーテル44は、ガイドワイヤ40上で心膜腔10内に進められる(図8)。二酸化炭素などのガスを使用して、心膜18を膨張させて心臓壁41から分離し、心膜腔10を拡大させる。カテーテル44を除去した後に、アンカーシステム30をガイドワイヤ40上で前進させることができ、及び/又は、ガイドワイヤ40を除去した後に、カテーテル44を通して前進させることができる(図9)。アンカーシステム30は、アンカーシステムデリバリーカテーテルによって容易にアンカーシステムをデリバリー及び展開するように動作可能とすることができる。アンカーは心膜腔10内で展開され、心外膜14に対向するように配置される(図10)。アンカーシステム30は、アンカー32に結合された縫合糸又はテザー34を含み、縫合糸又はテザー34は心腔6内に残る(図11)。
【0197】
デリバリーシステム、すなわち任意のガイドワイヤ40及び/又はカテーテル44が心臓2から除去されると、心臓壁41は縫合糸又はテザー34の周囲をシールし、その結果、アクセスチャンネル12からの出血を防止するために追加の材料を必要としないことが期待される。出血の可能性を低減又は排除するために、場合により、シーリング手段48を設けることができることが期待される。このようなシーリング手段48としては、限定するわけではないが、テザー34と心臓壁41との間の治癒反応を誘発するためのテザー34上の表面テクスチャー、アクセスチャンネル12を塞ぐために使用されうるテザー34に沿った綿撒糸、テザー34及び/又はアンカー32の周囲でアクセスチャンネル12を閉じるように動作可能な、テザー34及び/又はアンカー32の周囲の拡張可能な部分又は要素を挙げることができる(図12)。
【0198】
図13に示される別の実施形態において、テザーロック35は、テザー34上で心内膜11に当接して前進し、テザー34と係合し、テザーロック35とアンカーとの間に心臓壁41を捕捉するようにしっかりと保持するように動作可能である。このようなテザーロック35は、アンカー32と心内膜11との強制的な係合を確実にし、その動きを防止して、例えば、その後の心膜18への刺激を防止するように動作可能であることができる。
【0199】
前述のように、縫合糸又はテザー34は特定の目的に使用されうる。1つの実施形態によれば、縫合糸又はテザー34は、僧帽弁弁尖9の脱出を防止するために僧帽弁弁尖9に結合され、図14に示されている。
【0200】
別の実施形態によれば、縫合糸又はテザー34は、人工弁などのデバイスに結合されうる。
【0201】
別の実施形態によれば、縫合糸又はテザー34は、センサなどのデバイスに結合されうる。
【0202】
別の実施形態によれば、図16のフローダイアグラムに示されるように、そして、参考のために図1~14を参照すると、固定方法は、ガイドワイヤ40を心臓壁41まで心臓壁41に隣接して心臓2内に前進させることを含む。針カテーテル42は、ガイドワイヤ40上で心臓壁41の厚さ16の約半分まで前進する。ガイドワイヤ40は、針カテーテル42を通して、心外膜14を通って心膜腔10内に進められる。針カテーテル42は、ガイドワイヤ40から引き抜かれる。カテーテル44は、ガイドワイヤ40上を心膜腔10内に進められる。心膜18は、心膜腔10を拡大するように心臓壁41から分離される。アンカーシステム30は、ガイドワイヤ40上又はカテーテル44を通して前進し、そのアンカー部分39は心膜腔10内に配置される。アンカーシステム30のアンカー32は、心膜腔10内に展開され、心外膜14に対向するように配置される。ガイドワイヤ40及び/又はカテーテル44は、心腔6内でアンカー32に結合されたテザー34を残して患者から除去される。
【0203】
別の実施形態によれば、固定方法は、場合により、支持カテーテルを心臓内に、心臓壁の近く又は心臓壁まで、心臓壁に隣接して又は心臓壁に対して前進させることを含む。アンカーカテーテルは、単独で、又は任意選択的な支持カテーテルを通して進められ、心臓壁の近くに、又は心臓壁に対して強制的に係合して配置される。ガイドワイヤは、アンカーカテーテルを通って、心臓壁の心内膜を通して、心筋を通してそして心外膜(漿液性心膜の臓側板)を通って心膜腔内に進められる。アンカーカテーテルは、ガイドワイヤ上を進み、心臓壁の心内膜を通って、心筋を通って、心外膜(漿液性心膜の臓側板)を通って、心膜腔内に進められる。場合により、ガイドワイヤは心膜腔から引き抜かれる。場合により、心膜腔を拡大するために、心膜は心外膜から分離される。アンカーシステムのアンカーは、心膜腔内にあるアンカーカテーテルの遠位端を通して又は遠位端で又はその近くで前進又はさらされ、アンカーは心膜腔内に配置される。アンカーシステムのアンカーは心膜腔内に展開され、アンカーは心外膜に対向するように配置される。ガイドワイヤ及び/又はアンカーカテーテル及び/又は支持カテーテルは患者から除去され、心腔内のアンカーに結合されたテザーを残す。
【0204】
別の実施形態によれば、固定方法はアンカーカテーテルを心腔内の心臓壁の近く又は心臓壁まで前進させることを含む。ガイドワイヤは、ガイドワイヤの遠位先端が心内膜を通って心筋に入り、心外膜を通って、心膜腔内に進むように、アンカーカテーテルを通して進められる。アンカーカテーテルの遠位先端は、ガイドワイヤに沿って又はガイドワイヤ上を、心膜腔内又は心膜腔に隣接して前進する。アンカーシステムのアンカーは、心膜腔内にあるアンカーカテーテルの遠位端を通して又はその遠位端に前進され又は露出され、アンカーは心膜腔内に配置される。アンカーシステムのアンカーは心膜腔内に展開され、アンカーは心外膜に対向するように配置される。ガイドワイヤ及び/又はアンカーカテーテルは患者から除去され、ガイドワイヤ上で心膜腔内にアンカーシステムの心腔内でのアンカーに結合されたテザーを残す。
【0205】
1つの実施形態によれば、アンカーシステム100はアンカー102を含む。図18は展開前構成にあるアンカーシステム100の平面図であり、ワイヤ110及びスカート120は真っ直ぐな構成にある。図19は展開構成にあるアンカーシステム100の平面図であり、ワイヤ110及びスカート120はリング構成となっている。図20は、心膜腔10内で展開されたアンカーシステム100の斜視断面図であり、アンカー102は心外膜14に対して配置されており、テザー130は心内膜11を通して通過しており、心内膜11の反対側に任意選択的なテザーロック140をさらに含んでいる。
【0206】
アンカー102は、ワイヤの第一の端部112及びワイヤの第二の端部114を有するワイヤ110を含む。ワイヤ110は、ワイヤの第一の端部112がワイヤの第二の端部114と対向するリング構成に形状設定された形状記憶特性を有する。スカート120は、長さを画定する縁に沿ってワイヤ110に結合されている。複数のアパチャ126は、ワイヤ110の反対側のスカート120の縁に沿っている。テザー130は、複数のアパチャ126を通して交互に織られており、テザー130は、テザーの第一の端部132及びテザーの第二の端部134を画定する。テザーの第一の端部132及びテザーの第二の端部134は、ワイヤ110が展開構成でリング構成にあるときに、スカート120にディスク状形状となるように張力が課され、テザーの第一の端部132及びテザーの第二の端部134は、展開前の構成でワイヤ110を真っ直ぐな構成に伸ばすように張力が課されるように動作可能である。
【0207】
別の実施形態によるアンカーシステム100は、リング構成のときにワイヤの第一の端部112及びワイヤの第二の端部114が互いに固定的に結合するように動作可能であるように構成される。
【0208】
別の実施形態によるアンカーシステム100は、リング構成にあるときに、ワイヤ110の完全なループを超えてワイヤの第一の端部112とワイヤの第二の端部114とがオーバーラップするのを防止するために、ワイヤの第一の端部112とワイヤの第二の端部114が係合するように動作可能であるように構成される。
【0209】
別の実施形態によるアンカーシステム100は、スカート120が一方の側に組織内方成長特性を有し、他方の側に組織癒着防止特性を有するように構成される。
【0210】
別の実施形態によるアンカーシステム100は、テザー130に沿ってスライドし、テザーロック140とアンカー102との間で心臓壁を捕捉するように所定の位置にロックするように動作可能である、テザー130にスライド可能に結合されたテザーロック140をさらに含む。
【0211】
1つの実施形態による固定方法は、上述のとおりのアンカーシステムを提供すること、ガイドワイヤを大腿静脈内に前進させること、前記ガイドワイヤを大腿静脈を通して右心房内に前進させること、前記ガイドワイヤを中隔を通って左心房内に前進させること、前記ガイドワイヤを、僧帽弁を通って左心室の心臓壁まで心臓壁に隣接して前進させること、針カテーテルを前記ガイドワイヤ上で心臓壁の心内膜を通って心筋内に前進させること、前記ガイドワイヤを針カテーテルを通して心筋を通して、心外膜を通して心膜腔内に前進させること、前記針カテーテルをガイドワイヤから引き抜くこと、カテーテルを前記ガイドワイヤ上で心膜腔内に進めること、心膜腔を拡大するように心膜を膨張させて心臓壁から心膜を分離すること、前記アンカーシステムを前記ガイドワイヤ上又は前記カテーテルを通して前進させること、ここで、前記アンカーシステムのアンカーは心膜腔内に配置される、前記アンカーシステムのアンカーを心膜腔内で展開して心外膜に対向するようにアンカーを配置すること、ここで、前記アンカーは、テザーの第一の端部及びテザーの第二の端部に対する張力によって展開前構成では真っ直ぐな構成であり、前記アンカーは、テザーの第一の端部及びテザーの第二の端部に対する張力によって展開構成ではリング状の構成である、及び、前記ガイドワイヤ及び/又はカテーテルを患者から除去し、前記アンカーに結合されたテザーを心腔内に残すことを含む。
【0212】
1つの実施形態による固定方法は、上述のとおりのアンカーシステムを提供すること、ガイドワイヤの遠位先端が針カテーテルの遠位先端に隣接するように針カテーテル内にガイドワイヤを前進させること、針カテーテルの遠位先端を心腔から心臓壁の心内膜を通って心筋内に前進させること、前記ガイドワイヤの遠位先端を心筋及び心外膜を通って心膜腔内に前進させること、及び、前記アンカーシステムのアンカーを前記ガイドワイヤ上で心膜腔内に前進させること、及び、前記アンカーを心膜腔内で展開することを含み、前記アンカーは前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開前構成では真っ直ぐな構成であり、前記アンカーは前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開構成ではリング状の構成である。
【0213】
1つの実施形態による固定方法は、上述のとおりのアンカーシステムを提供すること、支持カテーテルを心臓内に心臓壁まで心臓壁に隣接して又は心臓壁に対して前進させること、アンカーカテーテルを単独で、又は支持カテーテルを通して前進させ、心臓壁に対して係合を強制して配置すること、ガイドワイヤを前記アンカーカテーテルに沿って又は前記アンカーカテーテルを通して、心臓壁の心内膜を通して、心筋を通して、心外膜(漿液性心膜の臓側板)を通して心膜腔内に前進させること、前記アンカーカテーテルを前記ガイドワイヤに沿って又は前記ガイドワイヤ上で、心臓壁の心内膜を通して、心筋を通して、心外膜(漿液性心膜の臓側板)を通して心膜腔内に前進させること、前記アンカーシステムのアンカーを前記心膜腔内にある前記アンカーカテーテルの遠位端を通して又はその遠位端で前進又は露出させること、ここで、前記アンカーは心膜腔内に配置される、前記アンカーシステムのアンカーを心膜腔内に展開し、心外膜に対向するように前記アンカーを配置すること、ここで、前記アンカーは前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開前構成では真っ直ぐな構成であり、前記アンカーは前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開構成ではリング状の構成である、及び、前記ガイドワイヤ及びアンカーカテーテルを患者から除去し、前記アンカーに結合されたテザーを心腔内に残すことを含む。
【0214】
1つの実施形態による固定方法は、上述のとおりのアンカーシステムを提供すること、心腔内の心臓壁まで心臓壁に対してアンカーカテーテルを前進させること、ガイドワイヤの遠位先端が心内膜を通って心筋に入り、心外膜を通って心膜腔に前進するように、ガイドワイヤをアンカーカテーテルを通して前進させること、前記アンカーカテーテルの遠位先端を前記ガイドワイヤに沿って又はガイドワイヤ上で心膜腔内に又は心膜腔に隣接して前進させること、心膜腔内にある前記アンカーカテーテルの遠位端を通して又は遠位端で前記アンカーシステムのアンカーを前進させる又は露出させること、ここで、前記アンカーは心膜腔内に配置される、前記アンカーシステムのアンカーを心膜腔内に展開し、心外膜に対向するように前記アンカーを配置すること、ここで、前記アンカーは、テザーの第一の端部及びテザーの第二の端部に対する張力によって展開前構成では真っ直ぐな構成であり、前記アンカーは、テザーの第一の端部及びテザーの第二の端部に対する張力によって展開構成ではリング状の構成となる、及び、前記ガイドワイヤ及び前記アンカーカテーテルを患者から除去し、前記ガイドワイヤ上で心膜腔内に前記アンカーに結合されたテザーを前記アンカーシステムの心腔内に残すことを含む。
【0215】
図21は、デリバリーシステムに搭載される前の、広げられた構成にある心室アンカーシステム又は心膜アンカーシステム200の例の側面図である。心膜アンカーシステム200は、デリバリーシステムに搭載され、カテーテルを通してデリバリーされるように構成されうる。心膜アンカーシステム200は、心外膜アンカー220及び経心筋綿撒糸240のそれぞれを直線状又は長尺構成で含むことができる。心膜アンカーシステム200はカテーテル内に搭載されてデリバリーされるときに、長尺構成であることができ、図29に示されるようなカテーテルの管腔を通って前進するのに適した低プロファイルを呈する。図22は、心外膜アンカー220が展開構成にあり、経心筋綿撒糸240が展開前構成にある心膜アンカーシステム200の例である。図示されるように、心外膜アンカー220は展開構成とすることができる。展開構成の心外膜アンカー220は、圧縮され、コイル状にされ、詰められ、束ねられ、カールされ、湾曲されうる。図23は、展開構成における心膜アンカーシステム200の例である。図示されるように、心外膜アンカー220はコイル状の構成であることができ、経心筋綿撒糸240は折り畳まれた構成であることができる。図23はさらに、心膜アンカーシステム200に結合された弁尖アンカー及び弁尖アンカー縫合糸を示す。
【0216】
1つの実施形態によれば、心膜アンカーシステム200は、心外膜アンカー220、経心筋綿撒糸240、アンカーソケット260及び縫合糸ロック270を含む。心外膜アンカー220は、アンカーが心臓壁の穿刺を通して引っ張られるのに抵抗できるように、アンカーの少なくとも一部が心膜腔内に配置されるように構成されているアンカーであることができる。心外膜アンカー220の少なくとも一部は、心臓壁の心外膜などの心臓の組織に埋め込まれるか、又はそれに接触することができる。心外膜アンカー220は、展開構成においてディスク、リング又は環状構成を達成できるような心外膜アンカー220であることができる。ディスク、リング又は環状の構成は、平面又は非平面(らせん又は偏った形状など)にすることができる。心外膜アンカー220は、展開構成において、湾曲した形状、圧縮された形状、束、塊又はノットなどの他の様々な形状をとることもできる。以下でさらに説明するように、心外膜アンカー220は、ワイヤフレームを含むことも、又はワイヤを含まないこともできる。
【0217】
心外膜アンカー220は、スカート230に結合されたワイヤ又はワイヤフレーム222を含むことができる。図24は、1つの実施形態による、拘束されていない湾曲構成にあるワイヤフレーム222の平面図である。ワイヤ又はワイヤフレーム222は、白金を充填したニチノールなどのニチノールから作ることができる。図21に示されるようなスカート230又はフィルムは、限定するわけではないが、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)などのフルオロポリマーフィルム及び膨張ポリエチレン(ePE)などの任意の適切な生体適合性材料であることができる。スカート230は、組織の内方成長を促進するように動作可能な特性を有することができる。ワイヤフレーム222は、遠位アイレット224を備えたワイヤの第一の端部と、近位アイレット226を備えたワイヤの第二の端部とを有することができる。遠位アイレット224及び近位アイレット226は、ワイヤフレーム222の終端とすることができる。ワイヤフレーム222は、直線構成のワイヤフレーム222の近位部分に近位脚部又はTバー近位脚部228を有することができる。近位脚部228は、真っ直ぐな構成でワイヤフレーム222の近位アイレット226の遠位に配置することができる。近位脚部228は、直線構成及び湾曲構成の両方で直線を残すワイヤフレーム222の直線部分であることができ、この実施形態ではリングの形状である。
【0218】
近位脚部228は、ワイヤフレーム222の残りの部分と比較して、引張力又は支持力に抵抗するなどのために、強化されうる。1つの実施形態によれば、近位脚部228は、2つの部分が互いに平行であり、互いに接触することができ、結合することができる二重にされた同じワイヤの2つの部分を含むことができる。幾つかの実施形態において、近位脚部228は、ワイヤの残りの部分よりも硬い材料特性を有することができる。これにより、有利なことに、心外膜アンカー220の展開中、例えばデリバリーカテーテルの遠位端に当接しながら、近位脚部228が曲げに抵抗して真っ直ぐに留まることができ、一方、ワイヤフレーム222の残りの部分は、湾曲した構成を形成するように展開することができる。近位脚部228は、心外膜アンカー220を心膜腔内に保持し、近位脚部228が心膜腔に入ると心外膜を通過するのを防ぐために、真っ直ぐな状態を保ち、心外膜アンカー220をデリバリーカテーテル遠位端502及び心外膜の穿刺に対して着座させるように構成されている。近位脚部228は、心外膜アンカー220が心外膜の穿刺を通して近位方向に引っ張られるのを防ぐように動作可能である。
【0219】
1つの実施形態によれば、近位脚部228は、心外膜アンカー220の展開を支援するようにワイヤフレーム222の残りの部分の湾曲したバイアスと組み合わせて、デリバリーカテーテルとの強制的な係合を示すように、直線構成を維持するように構成される。別の実施形態によれば、近位脚部228は、ワイヤフレーム222の残りの部分の湾曲したバイアスと組み合わせて、展開されると、アンカーが心外膜の穿刺を通過することを防止するように動作可能なプロファイルを呈するように、真っ直ぐな構成を維持するように構成されている。
【0220】
スカート230は、長さを画定する縁に沿ってワイヤフレーム222に結合することができる。ワイヤフレーム222は、スカート230の一端又は縁部に配置されうる。1つの実施形態において、テザー又は心膜アンカー縫合糸280はスカート230の反対側の縁に結合される。別の実施形態によれば、複数のアンカーアパチャ232はワイヤフレーム222の反対側のスカート230の縁に沿って配置される。テザー又は心膜アンカー縫合糸280は、複数のアンカーアパチャ232を通して交互に織られ、そこを通ってスライド可能に受け入れられる。心膜アンカー縫合糸280の第一の端部は、縫合糸取付部234においてスカート230の第一の端部に固定的に結合されるように構成されている。縫合糸取付部234は、1つの実施形態によれば、スカート230の強化部分であることができ、この強化部分は、結合を容易にし、強化するために追加される追加の材料又は二次材料で強化される。別の実施形態において、強化部分は、限定するわけではないが、多孔質材料などによる圧力及び/又は熱緻密化などの異なる材料特性を有することができる。縫合糸取り付け部234は、スカート230の遠位端又はその一部にあることができる。これにより、心外膜アンカー220の展開及び心膜アンカー縫合糸280の張力の保持を有利に改善することができる。1つの実施形態によれば、縫合糸取り付け部234は、スカート230の遠位端又は一部がスカート230のアンカーアパチャ232と協働して係合すると、スカート230のより近位の位置にある取り付け点におけるより集中した荷重と比較して、スカート230に沿って所定量の力の分散をもたらす。
【0221】
ワイヤフレーム222全体はスカート230に結合されうる。1つの実施形態において、スカート230は、例えばフィルムの折り目もしくは裾内に存在するか、又はフィルムの層内に埋め込まれることによって、ワイヤフレーム222全体を覆い、ワイヤ22の破壊又は損傷の発生時の心外膜アンカー220の安定性を向上させることができる。ワイヤフレーム222を覆うスカート230は、さらに、特に、心外膜アンカー220の展開前構成(例えば、長尺構成)から展開構成(例えば、湾曲構成)への移行中に、心膜アンカー縫合糸280が誤った経路を取ったり又はワイヤフレーム222に絡まったりすることを防ぐことができる。
【0222】
他の実施形態において、複数のアンカーアパチャ232を通して心膜アンカー縫合糸280を織る代わりに、心膜アンカー縫合糸280は、スカート230自体に統合する、又は、スカート230の一部の内部に固定して取り付けるもしくはスライド式に受け入れるなどの他の方法でスカート230に組み込むことができる。幾つかの例において、スカート230は、心膜アンカー縫合糸280をスライド式に受け入れるトンネル又はチャンネルを含むことができる。
【0223】
他の実施形態において、ワイヤフレーム222の代わりに、付勢要素をスカート230に統合又は組み込むことができる。付勢要素は、スカート230を湾曲形状に付勢するように動作可能である。1つの実施形態によれば、付勢要素は、心外膜アンカー220を展開前構成から展開構成に、例えば、長尺形状から湾曲形状に変形させるように付勢するように動作可能なスカート230の緻密化、エンボス加工又は処理された部分であることができる。
【0224】
心外膜アンカー220は、図21に示されるように、スカート230を通して延在する心膜アンカー縫合糸280の縫合糸遠位端315及び/又は心膜アンカー縫合糸280の縫合糸近位端317に張力を加えることによって、展開前構成のワイヤフレーム222の付勢力に対して真っ直ぐな構成に維持することができる。心膜アンカー縫合糸280は、ワイヤフレーム222が展開構成にあるときに、スカート230を湾曲、ディスク又は環状形状に締め付けるように張力が課されるように動作可能であることができる。心膜アンカー縫合糸280は、スカート230がワイヤフレーム222の湾曲部を横切って延在し、ワイヤフレーム222によって画定される中央部分を完全に覆うように、スカート230を締め付けるように動作可能であることができる。
【0225】
スカート240がワイヤフレーム222などの付勢部材を有するか否かに関わらず、展開構成は、とりわけ、コイル状、塊状、束状、リング状、環状、ノット状などの構成を達成しうる。展開構成は、限定するわけではないが、心臓壁の穿刺の貫通を防止する、及び/又は、縫合糸に対する張力によって生じる負荷を血管壁のより広い領域に分散させる、及び/又は、治癒反応における組織の内方成長及び/又は過剰成長に適した表面を提供するなど、1つ以上の機能を提供するように動作可能である。
【0226】
幾つかの例において、心膜アンカー縫合糸280の縫合糸近位端317は、心外膜アンカー220が展開構成にあるときに、例えば近位方向に張られて、スカート230を展開構成(例えば、圧縮、コイル状、湾曲状、カール状、リング状、環状、ノット状、束状又は塊状)に締め付ける。付勢部材の付勢力は、スカートを湾曲形状に引っ張るように付勢される。心膜アンカー縫合糸280に対する張力は、付勢部材の湾曲を支援し、及び/又は完全な展開構成(例えば、湾曲又はリング構成)を確保するのを支援することができる。心外膜アンカー220は、図21に示されるような展開前構成(例えば、長尺構成)から、図22及び23に示されるような展開形態(例えば、コイル状構成)に移行することができる。この移行は、心膜アンカー縫合糸280に加えられる張力、又はワイヤフレーム222などの付勢要素の付勢力、又はその両方によって、少なくとも部分的に促進されうる。
【0227】
1つの実施形態によれば、ワイヤフレーム222は、図24に示されるように、湾曲状、リング状又は環状の構成に形状設定された形状記憶特性を有する。図24に示されるように、心外膜アンカー220が展開状態にあるときに、Tバー又は近位脚部228は真っ直ぐなままであり、ワイヤフレーム222の残りの部分は、展開された、すなわち拘束されていない構成における湾曲構成に適合するように付勢される。Tバー近位脚部228は、湾曲構成の展開構成において心外膜アンカー220の中心に配置されうる。Tバー近位脚部228は、1つの実施形態によれば、リング構成にあるときに心外膜アンカー220の直径を横切って延在するように、心外膜アンカー220によって画定される曲線の中心に重なるように配置されうる。ワイヤフレーム222は、ワイヤフレーム222の一部がワイヤフレーム222の別の部分とオーバーラップするように構成されうる。例えば、遠位アイレットを含むワイヤフレーム222の遠位部分は、展開状態の心外膜アンカー220の周囲などでワイヤフレーム222の別の部分とオーバーラップする。遠位アイレット224は、展開構成において心外膜アンカー220の周囲にオーバーラップするように配置されうる。近位アイレット226は、Tバー近位脚部228の端部もしくはその近く、又は二重背面部分229に配置され、展開構成において心外膜アンカー220の周囲に重なるか、又はそれに隣接して位置することができる。遠位アイレット224及び近位アイレット226は、心外膜アンカー220の展開中又は心外膜アンカー220が心膜腔内にインプラント処置された後のデリバリーシステム及び/又は隣接組織への損傷を防止するワイヤフレーム222の非外傷性端部を提供することができる。他の例において、心外膜アンカー220は、アイレットの代わりに、丸い端部又は鈍い端部などの他のタイプの非外傷性端部を有することができる。非外傷性端部は、インプラント処置中の組織への損傷、又はスカート230などのアンカーシステムの他の部分への損傷を有利に防止することができる。
【0228】
幾つかの構成において、ワイヤフレーム222は、展開構成において湾曲構成にあるときに、らせんを形成するように付勢されることができる。らせんに向かうこの付勢は、ワイヤフレーム222がそれ自体、アンカーシステムの他の構成要素、又はインプラント処置領域に絡まるのを有利に防止することができる。らせん構成は、心外膜アンカー220がコイル状構成に変形できるようにするのを支援することができる。幾つかの構成において、ワイヤフレーム222は、展開構成にあるときに実質的に平面のディスクを画定するように、心外膜アンカー220に適合する付勢を有する。
【0229】
他の実施形態において、図22及び図23に示されるようなコイル状構成の代わりに、心外膜アンカー220は、カテーテル内などの展開前構成に適した展開前構成(例えば、長尺構成)から、展開構成(例えば、リング状、コイル状、湾曲状、圧縮状、束状又は塊状の構成)に様々な方法で移行することができる。例えば、心外膜アンカー220は、心外膜アンカー220の自由端から始めて又は開始して、湾曲又はコイル状に曲がり始め、又はディスク状の形状などの展開形状を形成することができる。自由端は、心外膜アンカー220の遠位端であることができ、それは心外膜アンカー220及び心膜アンカーシステム200の両方の遠位終端であることができる。発生する可能性のあるコイル巻きは、部分的なディスク形状を形成するために部分的であることができ、完全なディスク形状を形成するために完全なものとすることができ、オーバーラップして完全なディスク形状を形成する。ディスク状形状は、臓側心膜に有意に当接しないように、又はさもなければ心膜に有意に干渉しないように、低プロファイルを有することができる。ディスク状形状のサイズは、心外膜アンカー220がデリバリーサブシステム400又は心膜アンカー縫合糸280から心筋の穿刺又はチャンネルを通って心臓壁を突き抜けるのを防ぐように動作可能に構成されうる。ディスク状形状のサイズは、心膜アンカーシステム200の残りの部分に対する張力によって引き起こされる、当接状態にある心外膜アンカー220及び周囲組織に対する力を非外傷的に分散させるように動作可能に構成されうる。1つの実施形態によれば、ディスク形状は、疲労時に破損を引き起こす可能性がある、例えばワイヤフレーム222における鋭い曲げに伴うような応力集中を回避するため、理想的である。他の実施形態によれば、アンカーの形状は、限定するわけではないが、正方形、十字形及び菱形などの他の形状を画定することができる。心外膜アンカー220のワイヤフレーム222は、真っ直ぐに伸び、そして低プロファイルで表面積の大きい形状に戻るように動作可能であり、それは心外膜アンカー220のデリバリー及び展開に有利である。ディスク状形状内の表面積を画定する心外膜アンカー220はまた、組織の内方成長を促進し、及び/又は心膜アンカーシステム200に対する負荷を心臓表面のより広い領域にわたって分散させる。
【0230】
幾つかの実施形態において、心外膜アンカー220は、展開構成を達成するために束状になり、又は塊状になることができる。例えば、長尺構成の心外膜アンカー220は、展開構成を形成するために、折り畳まれ、圧縮され、束ねられ、丸められ、又は塊になることができる。
【0231】
上述のように、心膜アンカーアンカーシステム200はまた、心膜アンカー縫合糸280を含むことができる。心膜アンカー縫合糸280は、心外膜アンカー220及び経心筋綿撒糸240のそれぞれを通って延在することができる。心膜アンカー縫合糸280は、例えば、限定するわけではないが、心外膜アンカー220のスカート230を通して織り又はスカート230と統合することによって、スカート230に結合されうる。図21に示されるように、心膜アンカー縫合糸280は、スカート230を通る複数のアンカーアパチャ232を通して織られることができる。心膜アンカー縫合糸280は、心外膜アンカー220のスカート230から延在し、その後、経心筋綿撒糸240を通して織られることができる。綿撒糸240は、複数の綿撒糸アパチャ262を含むこともでき、心膜アンカー縫合糸280は、複数の綿撒糸アパチャ262を通して織られることができる。心膜アンカー縫合糸280は、限定するわけではないが、フルオロポリマー繊維などの任意の適切な生体適合性材料から作ることができる。
【0232】
心膜アンカーシステム200は、国際出願第PCT/US2020/032054号又は国際出願第PCT/US2020/032168号明細書(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示される綿撒糸及びそこに開示されている綿撒糸の様々な実施形態を含むことができる。経心筋綿撒糸240はフィルムを含むことができる。フィルムは、組織内方成長特性を有するフルオロポリマーであることができる。経心筋綿撒糸240のフィルムは管状構造を有することができる。経心筋綿撒糸240は、経心筋綿撒糸240の長さに沿って配置された複数の綿撒糸アパチャ262を含むことができる。心膜アンカー縫合糸280は、経心筋綿撒糸240のフィルムを通して織られるか、又はフィルムに統合されうる。図21及び図22に示されるように、心膜アンカー縫合糸280は、経心筋綿撒糸240のフィルムを通る複数の綿撒糸アパチャ262を通して織られることができる。心膜アンカー縫合糸280により、経心筋綿撒糸240が、図21に示されるような直線構成から、図23に示されるような湾曲構成への変換を可能になる。例えば、心膜アンカー縫合糸280の張力又は収縮により、経心筋綿撒糸240の材料をアコーディオン状に圧縮又は折り畳むことができる。経心筋綿撒糸240は、経心筋綿撒糸240の展開中の折り畳みを容易にするためにプリーツを組み込むことができる。
【0233】
図21に示されるように、心外膜アンカー220は、心膜アンカーシステム200の遠位端に配置することができ、経心筋綿撒糸240は、心外膜アンカー220から近位側に配置することができる。経心筋綿撒糸240は、心外膜アンカー220の近位脚部228から延在することができる。経心筋綿撒糸240は、心外膜アンカー220のワイヤフレーム222の近位脚部228に直接ラミネート化するか、又は別の方法で結合することができる。これにより、有利なことに、心外膜及び心筋の穿刺を通して経心筋綿撒糸240を配置する間に、近位脚部228が心外膜の穿刺を横切って配置されうる。経心筋綿撒糸240は心臓壁の穿刺をシールするように動作可能である。幾つかの構成において、図21に示されるように、心外膜アンカー220及び経心筋綿撒糸240は、展開前構成において互いにある角度をなして延在することができる。幾つかの構成において、心外膜アンカー220及び経心筋綿撒糸240は、互いに対して直線的に延在することができる。
【0234】
経心筋綿撒糸240は、図36に示されるように、心外膜アンカー220から、心臓壁チャンネル5とも呼ばれる、心外膜、心筋及び心内膜の穿刺を通って延在するように構成される。経心筋綿撒糸240は、心膜腔にアクセスするために心臓壁を横切るデリバリーシステムによって、心外膜、心筋及び心内膜に画定された心臓壁チャンネル5を満たしそしてシールすることができる。経心筋綿撒糸240は、心筋の穿刺内に拡張して心筋の穿刺をシールするように構成されている。心筋の心臓壁チャンネル5を通って配置される経心筋綿撒糸240の部分は、真っ直ぐな構成で延在することができる一方、心内膜に隣接して配置される経心筋綿撒糸240の材料は崩潰され又は折り畳まれ、心内膜で心臓壁チャンネル5にわたってシールすることができる。これにより、有利なことに、経心筋綿撒糸240が心内膜まで崩潰して及び/又は心臓壁チャンネル5を通る漏出を防ぐのに十分な直径に拡張することによって、異なる心筋の厚さに適応することが可能になる。
【0235】
心膜アンカーシステム200は、縫合糸ロック270を保持できるアンカーソケット260をさらに含むことができる。心膜アンカーシステム200は、米国特許第9,877,833号明細書に開示されているような縫合糸ロックを含むことができる。心膜アンカーシステム200は、国際出願第PCT/US2021/035423号明細書又は米国特許出願第16,711,321号明細書(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているとおりの縫合糸ロック及びソケット、ならびにその中で開示されている縫合糸ロック又はソケットの様々な実施形態を含むことができる。心膜アンカーシステム200は、米国特許出願第16/710,637号明細書(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているとおりのソケット、及びそこに開示されている縫合糸ロック又はソケットの様々な実施形態を含むことができる。縫合糸ロック270は、心膜アンカー縫合糸280及び弁尖アンカー縫合糸310のそれぞれを固定するために使用することができる。また、縫合糸ロック270を使用して、心膜アンカー縫合糸280及び弁尖アンカー縫合糸310のそれぞれに張力を課し、その長さを調節することができる。僧帽弁腱索修復のための適切な張力を達成するために長さが最適化されると、縫合糸ロック270をロックして、心膜アンカー縫合糸280及び弁尖アンカー縫合糸310のそれぞれの長さを固定することができる。
【0236】
本明細書で使用されるときに、「ソケット」という用語は、カバー、レセプタクル、シュラウド、カプラー、拘束体、保持部材などのいずれの用語をも含み、これらの用語と交換可能に使用されうる。1つの実施形態によれば、アンカーソケット260は、縫合糸ロック270を受容し、少なくとも部分的に覆うことができる管状構造を有することができる。アンカーソケット260は、デリバリーシステム上で展開前構成にあるときに、アンカーソケット260のプロファイルを最小限に抑えることができる自己拡張型フレームを含むことができる。自己拡張型フレームは、ニチノール製のステントフレームとすることができる。自己拡張型フレームは、アンカーソケット260内での縫合糸ロック270のドッキングを容易にし、縫合糸280、310の周りにアンカーソケット260をよりしっかりと拘束するためにテーパー化されることができる。アンカーソケット260は、さらに、アンカーソケット260の周囲に金のマーカーバンドを含むことができ、それは視覚的なガイダンスを提供できる。自己拡張型フレームをフルオロポリマーフィルムで覆うこともできる。幾つかの構成において、ステントフレームの内面をフルオロポリマーフィルムで覆うことができる。このフィルムは、経心筋綿撒糸240のフィルムから近位方向に延在することができる。アンカーソケット260は、アンカーソケット260による縫合糸ロック270の完全な被覆を確実にするために、縫合糸ロック270の長さを超える長さを有することができる。アンカーソケット260は、心膜アンカーシステム200の残りの部分に対する縫合糸ロックの動き、及び、縫合糸ロック270に対する縫合糸の動きを拘束するための保持部材であることができる。アンカーソケット260はまた、縫合糸ロックガイド、ソケット又はスリーブとも呼ばれる。アンカーソケット260は、心膜アンカー縫合糸280及び弁尖アンカー縫合糸310のそれぞれの磨耗を低減することができ、縫合糸の張力を確実にすることができる。アンカーソケット260は、心膜アンカーシステム200及び縫合糸ロックを結合することができる。
【0237】
図21~23に示されるように、アンカーソケット260及び縫合糸ロック270は、経心筋綿撒糸240から延在するか、又はそこから近位に配置されうる。アンカーソケット260のこの位置は、有利なことに、心内膜表面とアンカーソケット260との間での経心筋綿撒糸240の折り畳み及び崩潰を容易にする。
【0238】
図22に示されるように、経心筋綿撒糸240はまた、経心筋綿撒糸240の近位端でアンカーソケット260に隣接してカテーテルアクセスホール242を含むこともできる。経心筋綿撒糸240のカテーテルアクセスホール242は、有利なことに、カテーテル構成要素、例えば、限定するわけではないが、デリバリーサブシステム400のガイドワイヤシース420及び/又はアンカーシース440が出て行くことを可能にし、図22に示されるようにアンカーソケット260のソケット管腔264から出ることを可能にし、また、図32に示されるように、経心筋綿撒糸240及び心外膜アンカー220に沿って延在することを可能にする。
【0239】
図25Aは、分離されたソケットを備えた心室アンカーシステムの例である。アンカーソケット260は、心膜アンカーシステム200の残りの部分から分離していることができる。アンカーソケット260は、経心筋綿撒糸240から近位に配置され、それに接続されることができるが、アンカーソケット260は、経心筋綿撒糸240に対して相対的に並進するように構成されているという点で分離していることができる。
【0240】
心外膜ディスクアンカーの代わりに、様々なタイプの心室アンカー又は心外膜アンカーは、ディスク又は環状の形状以外の様々な形状を取ることができる。心室アンカー又は心外膜アンカーは、縫合糸を張ったり、引っ込めたりしてアンカーを展開前構成から展開構成に変換できる引き紐アンカーであることができる。展開前構成は長尺構成にすることができる。展開構成は、上記のように、ディスク状、環状、湾曲状、圧縮状、束状、塊状又はノット状の形状を含む、様々な形状を取ることができる。図25Bは、Tバー心外膜アンカーを備えた心膜アンカーシステムの例である。図25B中の心室アンカーシステムは、上述した心膜アンカーシステム200と同様であることができる。しかしながら、心外膜アンカー220のワイヤフレーム222及びスカート230の代わりに、図25Bに示される心室アンカーシステムは、フィルムで覆われたTバー290を含むTバー心外膜アンカーを含むことができる。Tバー290は、心外膜アンカー220のTバー近位脚部228と同様に機能することができる。Tバー290は、心外膜腔内の心筋の穿刺に対して配置されうる。フィルムで覆われたTバー290は、経心筋綿撒糸240と統合されていても又は分離されていてもよい。
【0241】
図26Aは、フレームレス心外膜アンカーを備えた心膜アンカーシステムの例である。図25Bの心室アンカーシステムは、上述した心膜アンカーシステム200と同様であることができる。しかしながら、心外膜アンカー220のワイヤフレーム222及びスカート230の代わりに、図25Bの心室アンカーシステムはワイヤレススカート230又はフィルムを含むことができる。ワイヤレススカート230は、心外膜アンカー220のスカート230と同様に機能することができる。心膜アンカー縫合糸280は、ワイヤレススカート230に統合されるか、又はワイヤレススカート230を通して織られることができる。心膜アンカー縫合糸280は、図26Aに示されるように、張力をかけてワイヤレススカート230を、展開構成のディスク、リング又は束状塊状構成に締め付けることができる。
【0242】
図26Bは、Tバー及びフレームレス心外膜アンカーを備えた心膜アンカーシステムの例である。図25B中の心室アンカーシステムは、上述した心膜アンカーシステム200と同様であることができる。しかしながら、心外膜アンカー220のワイヤフレーム222及びスカート230の代わりに、図25B中の心膜アンカーシステムは、フィルム又はワイヤレススカート230により覆われたTバー近位脚部228を含むことができる。フィルム/スカートで覆われたTバーは、ワイヤレススカート230から近位方向に延在することができる。Tバー290は、心外膜アンカー220のTバー近位脚部228と同様に機能することができる。Tバー290は、心外膜腔内の心筋の穿刺に対して配置されうる。フィルム又はスカートで覆われたTバー290は、経心筋綿撒糸240と統合されていても又は分離されていてもよい。ワイヤレススカート230は、心外膜アンカー220のスカート230と同様に機能することができる。心膜アンカー縫合糸280は、ワイヤレススカート230と統合されるか又はそれを通して織られることができる。心膜アンカー縫合糸280に張力を加えて、図26Aに示されるような展開構成でワイヤレススカート230をリング構成に締め付けることができる。
【0243】
ワイヤレススカート230は、心外膜アンカー220のスカート230と同様に機能することができる。心膜アンカー縫合糸280は、ワイヤレススカート230に組み込まれても又は織られててもよい。心膜アンカー縫合糸280は、図26Aに示されるように、ワイヤレススカート230を、展開構成でディスク状、リング状、湾曲状、又は束状塊状構成に締め付けることができる。
【0244】
図27は、心臓の心室内の所定の位置に展開され部分的にインプラント処置された心膜アンカーシステム200の例である。図示されるように、リング構成の心外膜アンカー220は心膜腔内に配置されている。心外膜アンカー220は、心膜アンカーシステム200を固定し、心膜アンカーシステム200を固定するための機械的インターフェースとして機能することができる。心外膜アンカー220は、心筋穿刺の一端をシールするように機能することもできる。経心筋綿撒糸240は心外膜アンカー220から延在し、一部が心臓壁41を通って延在しており、一部が心臓壁41の心内膜層に対して折り畳まれている。アンカーソケット260内に配置された縫合糸ロック270は、経心筋綿撒糸の240の折り畳まれた部分に対して配置されうる。アンカーソケット260によって囲まれた縫合糸ロック270は、アンカーソケット260を心内膜表面に駆動することができ、これにより、経心筋綿撒糸240の折り畳まれた部分による心内膜表面上の穿刺のシールも促進することができる。心膜アンカー縫合糸280は、心外膜アンカー220を通って、経心筋綿撒糸240を通って、縫合糸ロック270内に延在することができる。心膜アンカー縫合糸280は、心外膜アンカー220を形成するための引張部材としても機能することができる。心膜アンカー縫合糸280は、縫合糸ロック270を接続するためのレールを提供することができる。経心筋綿撒糸240は、心膜アンカー縫合糸280による損傷から心臓壁41を保護することができる。経心筋綿撒糸240は、心膜アンカー縫合糸280に嵩を加え、それ自体で張力又は負荷が加わると、心筋を切ったり又はスライスしたりする傾向がある可能性がある。経心筋綿撒糸240は、心筋内での心膜アンカー縫合糸280の移動を防止する。経心筋綿撒糸240は、心臓壁41を通るチャンネル又は穿刺を塞ぎ、折り畳んで心内膜表面上の穿刺の反対側の端をシールすることによって、心筋シールを形成することができる。縫合糸ロック270は弁尖アンカー縫合糸310も捕捉することができる。弁尖アンカー縫合糸310は、僧帽弁腱索を修復するために弁尖9にインプラント処置された弁尖アンカー300と縫合糸ロック270との間に延在することができる。
【0245】
図28Aは、弁尖にインプラント処置された弁尖アンカーと、弁尖アンカー300と少なくとも心室壁にインプラント処置された心膜アンカーシステム200との間に延在している弁尖アンカー縫合糸310の例である。図示のように、心膜アンカーシステム200は、アンカーソケット260が心臓壁4sの心内膜表面に対して配置されるように、心室壁にインプラント処置される。弁尖アンカー300は、アンカーの少なくとも一部が弁尖内又は弁尖上に配置されるように構成されたアンカーであることができる。心外膜アンカー220の少なくとも一部は、弁尖の組織に埋め込まれるか、又は弁尖の組織と接触することができる。弁尖アンカー300は、綿撒糸、クリップ又はフックなどの様々な形状とすることができる。弁尖アンカー縫合糸310は、アンカーソケット260内に配置された縫合糸ロック270から延在し、弁尖アンカー300まで延在することができる。弁尖アンカー300は、僧帽弁弁尖9内に配置されるアンカーであることができる。弁尖アンカー300は綿撒糸であることができる。
【0246】
図28Bは、心室アンカーシステムがインプラント処置された心室壁の断面図である。 図示のように、心外膜アンカー220は、心膜腔10内に配置されうる。経心筋綿撒糸240は、心外膜アンカー220から、心内膜、心筋及び心外膜の穿刺を通して延在することができる。経心筋綿撒糸240は、心臓壁41の心内膜表面に対して折り畳まれることもできる。アンカーソケット260は、心臓壁41の心内膜に対して配置されうる。
【0247】
図28Cは、心膜腔内にインプラント処置された心外膜アンカー220の図である。
【0248】
図29は、第一の構成におけるデリバリーシステム又はデリバリーサブシステム400の例である。図30は、第二の構成における図29のデリバリーサブシステム400の例である。図31は、図29及び30のデリバリーサブシステム400のガイドワイヤシースの例である。
【0249】
デリバリーサブシステム400は、デリバリーカテーテルを通してデリバリーされうる。デリバリーサブシステム400は、支持シース460、アンカーシース440及びガイドワイヤシース420を含む3つのカテーテル又はシースを含むことができる。デリバリーサブシステムは、ガイドワイヤシース420を通してデリバリーされるように構成されたガイドワイヤ410をさらに含むことができる。シース420、440、460は、相互に適合するように、又は相互に入れ子になるように構成されうる。支持シース460は、アンカーシース440を受け入れる外側シースであることができる。アンカーシース440は、支持シース460によって受け入れられ、ガイドワイヤシース420を受け入れる中間シースであることができる。ガイドワイヤシース420は、アンカーシース440によって受け入れられることができ、ガイドワイヤ410を受け入れる。図29は、図30に示されるものよりもアンカーシース440からさらに遠位方向に引き出されたガイドワイヤシース420を示す。ガイドワイヤ410は、ガイドワイヤシース420の内周内に配置されうる。これにより、ガイドワイヤシース420を通したガイドワイヤ410のデリバリーが可能になる。心膜アンカーシステム200は、ガイドワイヤシース420の外周とアンカーシース440の内周との間に配置されうる。これにより、アンカーシース440をリトラクトさせることによって心膜アンカーシステム200のデリバリーが可能になる。
【0250】
図32は、心膜アンカーシステム200に伴うガイドワイヤシース420の例である。アンカーシース440はリトラクトされている。図32に示されるように、心膜アンカーシステム200は、ガイドワイヤシース420の外面上に配置されうる。ガイドワイヤシース420は、ガイドワイヤシース420の外面上及び心膜アンカーシステム200の部分の間に複数のスリーブ424を含み、心膜アンカーシステム200の部分を拘束することができる。例えば、スリーブ424は、心膜アンカーシステム200のアンカーソケット260のいずれかの側に配置されうる。スリーブ424は、心室アンカーシステムの様々な部分を前進させ、又は配置するのに役立つことができる。例えば、スリーブ424は、心外膜アンカー220の近位に配置することができ、ガイドワイヤシース420の前進とともに心外膜アンカー220の前進を可能にすることができる。例えば、スリーブ424は心外膜アンカー220に対して近位に配置でき、インプラント処置中の心外膜アンカー220のTバー近位脚部228の配置を可能にすることができる。スリーブ424はプラスチックから作ることができる。ガイドワイヤシース420はさらに、X線透視マーカーを含むことができる。 アンカーシース440は、心膜アンカーシステム200上に配置されて、展開の準備ができるまで心膜アンカーシステム200を拘束することができる。アンカーシース440のアンカーシース遠位端442は、心膜アンカー縫合糸280の締め付け中にワイヤフレーム222に対する当接又はてこの作用を提供するように、展開後にTバーと係合するように使用することができる。
【0251】
支持シース460は、左心室又は左心室の心室壁などの標的位置にデリバリーサブシステム400を導くための制御を提供することができる。支持シース460は、ガイドワイヤ410又はアンカーシース440の前進など、心膜アンカーシステムが心室壁を通って前進される間に、支持を提供することができる。支持シース460は、追従性の遠位部分を少なくとも有することができる。アンカーシース440の遠位部分は、心臓壁41の心内膜、心筋及び心外膜を含む心臓壁41を通って前進するように動作可能である。アンカーシース440は、追従性の遠位部分に対してより剛性である近位部分を少なくとも有することができ、デリバリー中により詳細な制御性を提供することができる。アンカーシース440は、アンカーシース440の遠位端又は先端に放射線不透過性マーカーを含むことができる。
【0252】
ガイドワイヤシース420は、薄壁のカテーテルとすることができる。ガイドワイヤシース420は、ガイドワイヤシース420の遠位端に拡張器先端422を含むことができる。拡張器先端422は、心臓壁41を横切るときの外傷を最小限に抑えるために、滑らかでテーパー化されることができる。拡張器先端422の近位端は、テーパー化されて、これにより、拡張器先端部422をスムーズに引き抜くことができ、心臓壁41を通して拡張器先端部422を引き抜く際の外傷を最小限に抑えることができる。
【0253】
図33~41は、1つの実施形態による、心膜アンカーシステム200を提供する方法の一連の図である。
【0254】
図33は、心膜アンカーシステム200を提供する方法の1つの実施形態によるデリバリーカテーテル500を備えた心臓の断面図である。デリバリーカテーテル500は、左心房内に配置することができる。デリバリーカテーテル500は、経大腿、経中隔アプローチでデリバリーすることができる。
【0255】
図34は、心膜アンカーシステム200を提供する方法の1つの実施形態による、心膜アンカーシステム200用のデリバリーサブシステム400を備えた心臓の断面図である。心膜アンカーシステム200用のデリバリーサブシステム400は、デリバリーカテーテル500を通してデリバリーされうる。次いで、デリバリーサブシステム400を、例えば僧帽弁を通って左心室の乳頭筋基部間の心臓壁41の標的位置までなど、標的位置まで前進させることができる。図35は、心膜アンカーシステム200を提供する方法の1つの実施形態による、デリバリーサブシステム400の支持シース460を備えた心臓壁41の断面図である。心膜アンカーシステム200用のデリバリーサブシステム400の支持シース460を、図34及び図35に示されるように、左心室の心臓壁41まで前進させることができる。
【0256】
図36は、心膜アンカーシステム200を提供する方法の1つの実施形態による、デリバリーサブシステム400のガイドワイヤ410を備えた心臓壁41の断面図である。デリバリーサブシステム400のガイドワイヤ410は、支持シース460の遠位端から遠位方向に前進されうる。ガイドワイヤ410は、心臓壁41を穿刺し、心内膜、心筋及び心外膜を含む心臓壁41を通って前進され、心膜腔10内に導かれることができる。ガイドワイヤ410は、後にアンカーがガイドワイヤ410上で心膜腔10内にデリバリーされうるように、心膜腔10内に配置される。ガイドワイヤの剛性の選択は、限定するわけではないが、少なくとも、遠位先端が心臓壁41を横切って心膜腔10に入るのに十分な剛性であるが、心膜腔10内に撓み、心膜(漿液性心膜及び線維性心膜の壁側板)を穿刺しない程度に十分に柔らかいように、遠位先端と全長に沿った両方で最適化されうる。ガイドワイヤ410は、心膜腔10内で回転し、心膜腔10内を追跡するように動作可能である。ガイドワイヤ410の遠位端が心膜腔10内で心臓壁41に隣接して前進することにより、ガイドライン10の遠位端が心膜腔10内にあるという臨床医の証拠が提供されうる。心膜腔10内へのガイドワイヤ410の撓みは、ガイドワイヤ410が心外膜を横切って飛び出すことと、その後の心膜腔10内でのガイドワイヤ410の自由な動きとに起因する触覚フィードバックを有利に提供することができる。
【0257】
図37Aは、心膜アンカーシステム200を提供する方法の1つの実施形態による、アンカーシース440を備えた心臓壁41の断面図である。アンカーシース440及び拡張器先端422を備えたガイドワイヤシース420は、支持シース460から遠位方向に一緒にガイドワイヤ410上で、心内膜、心筋及び心外膜を含む心臓壁41を通って、心膜腔10内へと前進されうる。
【0258】
図37Bは、心膜アンカーシステム200を提供する方法の1つの実施形態による、アンカーシース440を備えた心臓の断面図である。アンカーシース440及び拡張器先端422を備えたガイドワイヤシース420は、心膜腔10内深くに前進されうる。アンカーシース440及びガイドワイヤシース420は、所定の距離だけ前進して、展開前構成にある心外膜アンカーを脱シースさせることができる。例えば、図37Bに示されるように、アンカーシース440及びガイドワイヤシース420は、心膜腔10内に少なくとも10cm、そして幾つかの実施形態において、心膜腔10内に少なくとも15cm又は16cm前進されうる。図示されるように、アンカーシース440及びガイドワイヤシースシース420は、心膜腔内で心臓壁41に沿って接線方向に展開されうる。幾つかの例において、アンカーシース440及びガイドワイヤシース420は、右心房に隣接するまで延在されることができる。アンカーシース440及びガイドワイヤシース420は、内側/外側方向又は下/上方向、又はそれらの組み合わせで前進されうる。これは、有利なことに、アンカーシース440及びガイドワイヤシース420が心膜腔10内を接線方向に移動できるため、心膜腔自体を広範囲に又は追加的に拡張又は延長させる必要がない。アンカーシース440及びガイドワイヤシース420は、適切な長さで延長され、長尺構成で心外膜アンカー220を脱シースすることができる。
【0259】
図38は、心膜アンカーシステム200を提供する方法の1つの実施形態による、心膜アンカーシステム200の心外膜アンカー220をデリバリーするためにアンカーシース440が部分的にリトラクトされた心臓壁41の断面図である。ガイドワイヤシース420が所定の位置に維持されると、支持シース460及びアンカーシース440を一緒にリトラクトさせて、アンカーシース440とガイドワイヤシース420との間に位置する心膜アンカーシステム200を露出させることができる。幾つかの例において、アンカーシース440上のマーカーバンドがガイドワイヤシース420上のマーカーバンドに到達するまで、アンカーシース440をリトラクトすることができる。これにより、心膜アンカーシステム200は脱シースされる。心外膜アンカー220のアンカー遠位端225は、最初に脱シースされ、アンカーシース0により拘束されなくなると、付勢要素の付勢又は形状記憶の性質により移行(例えば、湾曲又はコイル状に)を開始することができる。心外膜アンカー220が完全に露出され、脱シースされるときに、心外膜アンカー220の近位脚部228は、アンカーシース440がリトラクトされるとともに、アンカーシース440の先端及び心臓壁41に当接することができる。
【0260】
図38は、心膜アンカーシステム200を提供する方法の1つの実施形態による、心膜アンカーシステム200をデリバリーするためにアンカーシース440が部分的にリトラクトされている心臓壁41の断面図である。アンカーシース440の位置を、次いで、維持し、ガイドワイヤシース420をリトラクトさせて、心外膜アンカー220の近位脚部228とアンカーシース440の先端との間にTバーを形成することができる。次いで、すべてのシースである、支持シース460、アンカーシース440及びガイドワイヤシース420を、近位脚228が心外膜の穿刺に対して配置されるまで一緒にリトラクトさせることができる。心外膜アンカー220は、心外膜とガイドワイヤシース420との間に配置することができる。これにより、心外膜アンカー220が心外膜の穿刺内にリトラクトされるのを防止することができ、心膜腔内で心外膜アンカー220の位置を維持することができる。
【0261】
図39は、心膜アンカーシステム200を提供する方法の1つの実施形態による、心膜アンカーシステム200をデリバリーするためにアンカーシース440が部分的にリトラクトされている心臓壁41の断面図である。次いで、ガイドワイヤシース420の位置を維持し、アンカーシース440及び支持シース460を一緒にリトラクトさせ、経心筋綿撒糸240及びアンカーソケット260を展開することができる。経心筋綿撒糸240は、アンカーシース440及び支持シース460と同様に心筋を通って穿刺内に配置されうる。心筋の穿刺が満たされると、図39に示されるように、経心筋綿撒糸240の残り又は過剰な長さは心内膜から近位に延在することができる。アンカーソケット260は、経心筋綿撒糸240から近位方向に延在することができる。
【0262】
図40は、心膜アンカーシステム200を提供する方法の1つの実施形態による、心膜アンカーシステム200をデリバリーするためにガイドワイヤシース420がリトラクトされている心臓壁の断面図である。ガイドワイヤシース420及びガイドワイヤ410はリトラクトされて、心膜アンカーシステム200を展開することができる。次いで、ガイドワイヤシース420、アンカーシース440及び支持シース460をすべて引き抜いて、心膜アンカーシステム200を完全に露出させることができる。心膜アンカーシステム200が完全に展開されると、心膜アンカー縫合糸280に張力が課されて、心外膜アンカー220を完全にコイル状に巻き又はカールさせることができる。心膜アンカー縫合糸280に張力が課されて、図41に示されるように、リング構成のワイヤフレーム222の周囲にスカート230を締め付けることもできる。これにより、心外膜アンカー220は、展開前の状態の直線構成から展開状態のコイル状構成に完全に変換される。
【0263】
心外膜アンカー220は、図37Aに示されるようなアンカーシース440などによって、デリバリー中に展開前構成に拘束されうる。心外膜アンカー220は、図38~39に示されるように、デリバリーサブシステム400を通じて心膜腔10内にデリバリー及び配置されうる。心外膜アンカー220が心膜腔10内に配置され、アンカーシース440から解放されると、ワイヤフレーム222の形状記憶により、心外膜アンカー220が展開前状態の長尺形状から少なくとも部分的にコイル状構成に変換し始めることができる。直線構成の遠位アイレット224を備えた心外膜アンカー220の遠位端は、最初にアンカーシース440から解放される。図21に示されるようなアンカー遠位端225は、アンカーシース440から出てアンカーシース440によって拘束されなくなると、移行(例えば、カール又はコイル)を開始することができる心外膜アンカー220の自由端である。しかしながら、心膜腔10の限定空間は、心外膜アンカー220を拘束し、展開構成において完全に湾曲した構成又はコイル状の構成に到達することを妨げる可能性がある。次いで、アンカーシース440がガイドワイヤシース420からさらにリトラクトされると、近位脚228を通る心外膜アンカー220の残りの部分は、アンカーシース440から解放される。心膜アンカーシステム200の残りの部分は、経心筋綿撒糸240及びアンカーソケット260を含むアンカーシース440から解放されうる。次に、心膜アンカーシステム200の心膜アンカー縫合糸280に張力が課されて、心外膜アンカー220を完全にコイル状に巻き、心外膜アンカー220のスカート230を締め付けることができ、心外膜アンカー220を展開状態の完全コイル状構成に変換することができる。心外膜アンカー220は、心外膜穿刺に対して配置されうる。
【0264】
図41は、心膜アンカーシステム200を提供する方法の1つの実施形態による、心膜アンカーシステム200がインプラント処置された心臓壁41の断面図である。示されるように、完全にコイル状に巻かれた心外膜アンカー220は、心膜腔10内で心外膜穿刺に対して配置されて、心外膜穿刺をシールすることができる。経心筋綿撒糸240の少なくとも一部は、心内膜、心筋及び心内膜の穿刺を満たすことができる。経心筋綿撒糸240の残りの部分は、心外膜穿刺から近位方向に延在することができる。アンカーソケット260は、経心筋綿撒糸240から近位方向に延在することができる。以下でさらに説明するように、経心筋綿撒糸240の残りの部分は、心内膜の穿刺に対して配置されて、心内膜の穿刺をシールするために、崩潰され又は折り畳まれることができる。
【0265】
1つの実施形態によれば、心膜アンカーシステム200は、心膜アンカー縫合糸280を、僧帽弁弁尖9に結合されたテザーとも呼ばれる1つ以上の弁尖アンカー縫合糸310に結合することによって、僧帽弁弁尖の動きを制御するために使用されうる。心外膜アンカー220が標的位置にデリバリーされた後に、図52に示されるように、弁尖アンカーシステム510を使用することにより、心膜アンカー縫合糸280を僧帽弁弁尖9に結合することができる。弁尖アンカーアンカーシステム510は、弁尖アンカー300と、僧帽弁弁尖9を通過してそれに結合するように動作可能な弁尖アンカー縫合糸310とを含む。
【0266】
図42図46は、弁尖アンカーシステム510の実施形態の一連の図であり、弁尖アンカーシステム510と組み合わせて心膜アンカーシステム200を使用して弁尖係留を提供する方法の実施形態を示す。幾つかの例において、弁尖係留を提供するこの方法は、複数の弁尖係留を提供できるように複数回提供することができる。幾つかの例において、弁尖アンカーシステム510は、1つの実施形態によれば、弁尖アンカー縫合糸310を僧帽弁弁尖9に複数回通すために使用されうる。
【0267】
図42は、心膜アンカーシステム200を使用して弁尖係留を提供する方法の1つの実施形態による、弁尖アンカーシステム510とともに動作可能なデリバリーサブシステム520を示す心臓4の断面図である。弁尖アンカーシステム510用のデリバリーサブシステム520は、デリバリーカテーテル500を介してデリバリーされうる。デリバリーサブシステム520は、限定するわけではないが、弁尖9の心房側など、弁尖9の第一の側に隣接して配置されうる。
【0268】
図43は、1つの実施形態による弁尖アンカーシステム510の針522を示す心臓4の断面図である。デリバリーサブシステム520は、弁尖9の第一の側に隣接して配置されうる針522をデリバリーすることができる。針522は、弁尖9を貫通して穿刺し、弁尖9の第一の側から弁尖の第二の側までに延在する、例えば、限定するわけではないが、弁尖9の心房側から心室側に延在することができる。
【0269】
図44は、1つの実施形態による弁尖アンカー524を示す心臓4の断面図である。弁尖アンカー524は、弁尖アンカー524が針522の遠位端から延在するように、針522を通してデリバリーされうる。1つの実施形態において、弁尖アンカーシステム312は弁尖アンカー縫合糸310及び弁尖アンカー524を含み、例えば、限定するわけではないが、図23及び図46に示されるような弁尖アンカー300などを含む。1つの実施形態によれば、図44に示されるように、弁尖アンカー524は、限定するわけではないが、弁尖アンカー300と統合されるか又は弁尖アンカー300を通して織られ、弁尖アンカー300から弁尖アンカーシステム312まで延在することなどによって、弁尖アンカー縫合糸310に結合された弁尖アンカー300である。弁尖アンカー524の実施形態としては、限定するわけではないが、ノット、ステッチ、ステープル、接着剤及び縫合糸クリップも挙げられる。
【0270】
図45は、1つの実施形態による弁尖アンカー524を備えた心臓4の断面図である。弁尖アンカー縫合糸310に張力を加えて、弁尖アンカー524を崩潰させ又は折り畳むことができ、この実施形態において、弁尖アンカー300を弁尖9の第二の側に対して崩潰させ又は折り畳むことができる。弁尖アンカー300は、張力が弁尖アンカー縫合糸310にかけられると、圧縮構成に締め付けるように動作可能であり、弁尖アンカー300が延在している弁尖9における穿刺を通して弁尖アンカー300が引かれるのを防止する。
【0271】
図46は、弁尖アンカーシステム312用のデリバリーサブシステム520が引き抜かれた心臓4の断面図である。デリバリーサブシステム520は、デリバリーカテーテル500を通して引き抜くことができる。
【0272】
弁尖アンカーシステム312が弁尖9の標的位置に展開されると、縫合糸ロック270は、心膜アンカーシステム200から弁尖アンカー縫合糸310をロックするように設けられ、1つ以上の弁尖アンカー524からの弁尖アンカー縫合糸310は弁尖9に設けられている。図47~49Bは、1つの実施形態による、縫合糸ロックを提供する方法の一連の図である。縫合糸ロック270は、それぞれの縫合糸を結合するように動作可能である。
【0273】
図47は、縫合糸ロック270の展開のために動作可能な縫合糸ロックデリバリーサブシステム530を備えた心臓4の断面図である。縫合糸ロック270用の縫合糸ロックデリバリーサブシステム530は、限定するわけではないが、この実施形態において心房内に配置されているデリバリーカテーテル500のデリバリーカテーテル遠位端502を通してデリバリーすることができる。縫合糸ロック270は、図21に示されるように、心膜アンカー縫合糸280から心膜アンカー縫合糸尾部313に、図23に示されるように、1つ以上の弁尖アンカー縫合糸310から1つ以上の弁尖アンカー縫合糸尾部319に係合するようにデリバリーされうる。心膜アンカー縫合糸280に張力を加えて、心膜アンカーシステム200と弁尖アンカー524との間に所定の張力を与える。次いで、縫合糸ロック270をロックして、所望の張力を維持することができる。
【0274】
図48Aは、心膜アンカーシステム200のアンカーソケット260内にある縫合糸ロック270を備えた心臓4の断面図である。次いで、縫合糸ロック270は、心膜アンカー縫合糸280を、縫合糸ロック270をアンカーソケット260内にガイドするためのレールとして、アンカーソケット260内に配置されうる。1つの実施形態によれば、心室アンカー縫合糸及び弁尖アンカー縫合糸は、縫合糸ロックを通して供給され、心室アンカー縫合糸をレールとして使用することによって、縫合糸ロックは心室アンカーに追跡される。経心筋アンカーは、ロックを心臓壁に降ろす過程でアコーディオン状になる。弁尖の機能を矯正するために弁尖アンカーに所定の張力が加えられた後に、縫合糸が一緒にロックされる。別の実施形態によれば、アンカー縫合糸は張力が加えられ、経心筋アンカー綿撒糸が締め付けられ、弁尖アンカーは張力が加えられ、その後、縫合糸が一緒に結合される。図48Bは、心膜アンカーシステム200のアンカーソケット260内に配置された縫合糸ロック270を備えた心臓壁41の断面図である。
【0275】
図49Aは、1つの実施形態による、心膜アンカーシステム200のアンカーソケット260が心臓壁41に対して配置された心臓4の断面図である。1つの実施形態によれば、心膜アンカーシステム200はアンカーソケット260を含まず、縫合糸ロック270は組織の内方成長に影響を与えるように動作可能である。図49Bは、心膜アンカーシステム200を備えた心臓壁41の断面図である。アンカーソケット260内に配置された縫合糸ロック270は、心臓壁41に対して配置されるようにさらに下降させることができ、その結果、経心筋綿撒糸240の過剰な長さを心臓壁41に対して折り畳まれ、又は崩潰されうる。アンカーソケット260内に配置された縫合糸ロック270は、経心筋綿撒糸240の折り畳まれた部分に対して配置されうる。アンカーソケット260によって囲まれた縫合糸ロック270は、アンカーソケット260を心内膜表面に駆動し、経心筋綿撒糸240の折り畳まれた部分による心内膜表面上の穿刺のシールを促進することもできる。図49A~49Bに示されるように、経心筋綿撒糸240の一部は、アンカーソケット260内に配置された縫合糸ロック270と心臓壁41との間で崩潰されて圧縮される。次いで、縫合糸ロック270をデリバリーするための縫合糸ロックデリバリーサブシステム530を、デリバリーカテーテル500を通って引き抜くことができる。
【0276】
縫合糸ロック270がアンカーソケット260内の標的位置にデリバリーされると、1つ以上の弁尖アンカー縫合糸310の縫合糸尾部及び心膜アンカー縫合糸280の縫合糸尾部を切断するために縫合糸カッター542を設けることができる。図50~52は、1つの実施形態による、縫合糸カッターを提供する方法の一連の図である。図50は、縫合糸カッター542を備えた心臓の断面図である。デリバリーサブシステム540が提供され、デリバリーカテーテル500を通してデリバリーされうる。デリバリーサブシステム540は、デリバリーカテーテル500から遠位方向に延在するように構成されたカテーテルであることができる。デリバリーサブシステム540は、縫合糸カッター542を提供し、デリバリーすることができる。縫合糸カッター542は、縫合糸280、310の上を縫合糸ロック270に向かってレールで降ろすことができる。縫合糸カッター542は、縫合糸280、310が縫合糸ロック270によって張力を加えられた後に、縫合糸280、310の余分な縫合糸尾部を切断することができる。図51は、縫合糸カッター542が引き抜かれた状態の心臓の断面図である。次いで、縫合糸カッター542は、デリバリーカテーテル500を通して心臓から引き抜かれることができる。図52は、デリバリーカテーテルが引き抜かれた状態の心臓の断面図である。次いで、デリバリーカテーテル500は心臓から引き抜かれることができる。
【0277】
図53Aは、複数の弁尖アンカー524が設けられた心臓の断面図である。図53Bは、複数の弁尖アンカー縫合糸310を備えた心臓の断面図である。前述したように、複数の弁尖アンカー524を提供し、弁尖9にインプラント処置することができる。複数の弁尖アンカー524のそれぞれは、本明細書に記載されるように、心膜アンカーシステム200に接続された弁尖アンカー縫合糸310を有することができる。
【0278】
他の実施形態によれば、本開示は、心臓の心室側から心膜腔にハードウェア、デバイス又は治療手段を配置するための装置、システム及び方法に関する。本開示は、患者の血管内の位置及び心室に関して本明細書の実施形態を説明するが、実施形態は、胸部又は腹部の外側から経皮的に行われる現在の方法の改良を含む、多くのアプローチからの心膜腔への配置に適用可能である。
【0279】
ツールが心膜腔内へのデバイス又は治療手段の配置に使用されるときに、本開示は心エコー検査及び/又は蛍光透視法を用いて実施することができ、ツールの展開及びその使用は永久的又は可逆的であることができる。
【0280】
以下の詳細な説明において、幾つかの実施形態の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載される。しかしながら、当業者であれば、幾つかの実施形態はこれらの特定の詳細がなくても実施できることを理解するであろう。他の例において、議論を曖昧にしないために、周知の方法、手順、構成要素、ユニット及び/又は回路については詳細に説明していない。
【0281】
本開示は、血管内アプローチを使用して心臓の心室から心膜腔にハードウェア、デバイス又は治療手段を配置するためのシステム及び方法に関する。この配置は、弁膜症、心室拡張、虚血性心疾患、先天性病変、心不全又は構造的心疾患の治療のための処置が必要なときに必要となることがある。1つの実施形態によれば、心膜アクセス及び固定ツール(本明細書ではツールと呼ぶ)は、心筋内に展開し、心臓の心室側から心膜腔内に延在するように動作可能に提供される。これらの実施形態は、心筋損傷、出血又は好ましくない場所への配置のリスク又は程度を最小限に抑えながら、心筋を横断することを可能にする。
【0282】
図54A及び54Bは、それぞれ、1つの実施形態によるツール150の側面図及び断面図である。ツール150の実施形態は、小口径(直径約0.018インチ)の、デリバリーカテーテルシステム50と呼ばれるカテーテルベースのデリバリーシステムとともに使用することができるが、使用目的に応じて同じ構成要素を用いてより大きくても又は小さくてもよい。1つの実施形態によれば、ツール150は本体170及びヘッド160を含み、本体170は心筋内に展開されるように動作可能であり、ヘッド160は心筋から心膜腔10内に延在するように動作可能である。この実施形態によれば、ヘッド160は可動要素を含む。1つの実施形態によれば、これらの可動要素は、ツール150の展開中及び/又は展開後に心膜腔10を拡張するように動作可能である。1つの実施形態によれば、これらの可動要素は、ツール150の配置後に心膜腔10内にツール150を固定するように動作可能である。1つの実施形態によれば、本体170は管腔172を画定し、ヘッド160は管腔172と流体連通するアイレット124を画定し、管腔172及びアイレット174は心室22と心膜腔10と間に流体連通を提供するように動作可能である。管腔172とアイレット124との組み合わせは、アクセスチャンネル176と呼ばれる。1つの実施形態によれば、心室22と心膜腔10との間の流体連通を提供するように動作可能であるアクセスチャンネル176は、心膜腔10内へのツール150の配置の確認を容易にするとともに、心臓2の心室側から心膜腔10内へのワイヤ、カテーテル又はデバイスの通過を容易にするように動作可能である。
【0283】
1つの実施形態によれば、アクセスチャンネル176は、アクセスチャンネル176を通る流体連通を閉塞又は停止するように動作可能な閉塞要素175を含むことができる。1つの実施形態によれば、アイレット174は、管腔172を通過する対象の当接力、又は流体又はガスの圧力下で開くように動作可能であり、そして対象又は流体もしくはガスの圧力がアイレット174に存在しないときに、管腔172との流体連通を閉じるように動作可能である弾性材料を含む。別の実施形態において、アイレット174は、物体の当接力又は流体もしくはガスの圧力の下で開くように動作可能であり、そして対象又は流体もしくはガスの圧力がアイレット174に存在しないときに、管腔172との流体連通を閉じるように動作可能であるフラップをさらに含む。
【0284】
実施形態によれば、可動部材161は、アンカー拡張部材162及び/又はアンカー並置部材164であることができる。
【0285】
アンカー拡張部材162は、展開前構成において累進的な横断プロファイルを提供し、アンカー拡張部材162が拡張する又は展開構成に移動するときに壁側心膜を支持するように動作可能である。
【0286】
アンカー並置部材164は、展開前構成において累進的な横断プロファイルを提供し、アンカー並置部材164が心膜腔10内で拡張又は展開構成に移動したときに、臓側心膜19に対して支持するように動作可能である。1つの実施形態において、可動部材161は、アンカー拡張部材162及びアンカー並置部材164の両方として機能するように動作可能であり、すなわち、これらは同じものである。
【0287】
本体170は、止血を維持するために、心筋を横切った後、横断セグメント28を占有するように動作可能である。以下に説明するように、心臓壁4は、針56及び/又はツール150によって心室側から心膜腔10側まで穿刺され、その間にツール150が展開される。心臓壁4に穿孔又は形成された心臓壁チャンネルは、本明細書において横断セグメント28と呼ばれる。
【0288】
ツール150は、ツール150を心臓壁4内に保持するように、及び/又は他の治療デバイスに結合するための手段として動作可能な保持要素180をさらに含む。1つの実施形態によれば、保持要素180は、治療デバイス(例えば、弁修復、心不全修復又は置換人工器官)が結合されうる生体適合性コード又は同様の部材である。
【0289】
図55Bは、1つの実施形態による、可動部材161を伸長させ及び/又はリトラクトさせるように動作可能な作動機構58を示すツール150の断面図である。1つの実施形態によれば、作動機構58は、ヘッド160が所望の位置に配置されると、展開構成に移動するために可動部材161を持ち上げるように動作可能なケーブル又はレバー部材である。これらの可動部材161は、1つの実施形態によれば、展開後にアンカーとして機能するように動作可能である。
【0290】
デリバリーカテーテルシステム50は、ツールを所望の位置にデリバリーするように動作可能である。1つの実施形態によれば、デリバリーカテーテルシステム50は、心臓壁4、そこから延在しているヘッド160及び心膜腔10内で本体170とともにツール150を配置し、展開するように動作可能なデリバリーカテーテル55を受け入れることができる操縦可能なカテーテル51、53を含む。図54Cは、1つの実施形態による、ツール150を配置するためのデリバリーカテーテルシステム50を示す、左心室22及び僧帽弁8の断面図である。デリバリーカテーテルシステム50は、僧帽弁を越えて左心室22内に入り、次いで心膜アクセスが続くように、経静脈経中隔アプローチから配置された操縦可能なカテーテル51、53を含む。これらの操縦可能なカテーテル51、53のそれぞれは、図54Dに示されるように、心筋に対する垂直性又はインプラント処置される治療に好ましい軌道を達成するために、複数の方向に操縦するためのケーブルを含む。図54Dは、デリバリーカテーテル遠位端52を示す左心室22の断面図である。デリバリーカテーテルシステム50は、単一、直列又は入れ子式配置のいずれかであることができる。図は経静脈経中隔アプローチを示しているが、デリバリーカテーテルシステム50及びツール150は、経心房又は経大動脈アプローチを使用して同様に使用されうる。同様に、デリバリーカテーテルシステム50は、いずれかの心房及びいずれかの心室22から心膜腔10に挿入されうる。
【0291】
ある実施形態によれば、デリバリーカテーテルシステム50は、ガイドワイヤ54及び針56を単独で又は組み合わせて含み、心筋を横断し、臓側心膜19を穿刺するための支持を提供するように動作可能である。この針56は、図55Bに示されるように、臓側心膜19に穴を開けた後、心膜腔10内に前進させて、その後のカテーテル交換を容易にすることができるガイドワイヤ54と結合又は統合されうる。
【0292】
図55A~55Iは、1つの実施形態による、デリバリーカテーテルシステム50を使用したツール150のデリバリー手順を示す。図55Aは、1つの実施形態による、心内膜11に隣接して配置されたデリバリーカテーテルシステム50を示す心臓2の断面図である。図55Aに示されるように、操縦可能なガイドカテーテル55は、標的部位に操縦され、心内膜11の表面に対向する。軌道は、心エコー検査、X線透視検査又は他の同等の画像形成方法で確認しながら、異なる操縦可能なカテーテル51、53、55の操縦を通じて確立される。
【0293】
次に、ツール150は心筋13を通って前進される。図55Bは、1つの実施形態による、展開プロセス中に心筋13及び心膜腔10内に配置するために針56の助けを借りて心内膜11及び心筋13を横断するツール150を示す心臓2の断面図である。この前進は、針56のほか、電気エネルギー、冷凍アブレーション、高周波又は機械力の使用によって補助されうる。少なくとも1つの実施形態において、ツール150は、組織のコアリングを低減するために、スタイレットで心筋を横切るために針56を用いた機械的方法を利用する。少なくとも1つの他の実施形態において、ツール150は高周波エネルギー又は焼灼を使用する。少なくとも1つの他の実施形態において、ツール150は、支持針56又はガイドワイヤ54の有無にかかわらず、横断を容易にする、面取りされた又は面取りされていない鋭い端部を有する。少なくとも1つの他の実施形態において、ツール150の回転により、心筋の横断が容易になる。これらの実施形態は、心筋損傷、出血又は好ましくない場所への配置のリスク又は程度を最小限に抑えながら、心筋を横断することを可能にする。ツール150は臓側心膜19まで前進し、臓側心膜19をゆっくり横切る。
【0294】
図55Cは、1つの実施形態による、展開プロセス中に心筋13及び心膜腔10に配置するために心外膜14を横断するツール150を示す心臓2の断面図である。臓側心膜19を横切ると、アイレット174は壁側心膜層を横切ることなく心膜腔10内に配置される。この配置は、ツール150の先端の鈍さ、壁側心膜層の比較的硬い追従性、及び臓側心膜19と壁側板との間の潜在的な空間によって可能になる。少なくとも1つの実施形態において、限定するわけではないが、流体圧又は電気インピーダンスなどによるアイレット174からの信号はモニタリングされて、臓側心膜19が横切られ、ツール150のヘッド160が心膜腔10内に位置するかどうかが判定される。図55Dは、1つの実施形態による、展開プロセス中に心膜腔10を拡大するツール150を示す心臓2の断面図である。1つの実施形態によれば、図55Dに示されるように、位置の確認は、造影剤又は画像化物質の注入を通じて得ることもできる。これらの物質の注入は、ツール150が前進するにつれて心膜腔10を拡張するのに役立つことができる。
【0295】
幾つかの実施形態において、アイレット174は、心膜腔10内への配置の確認、ならびに心膜腔10内へのワイヤ、カテーテル又はデバイスの通過を容易にする。アイレット174は、流体圧又は壁圧を伝達し、また、造影剤又は視覚化剤を提供するために使用することができる。アイレット174はまた、心膜腔10内に材料(例えば、ガス、流体、又は機械的拡張器)を注入して拡張し、次いで、デバイスの配置を容易にするために使用することもできる。少なくとも1つの実施形態において、アイレット174はツール150の遠位端にあり、心膜面に対して直交、垂直又は斜めの配向のいずれかで心膜腔10に面している。少なくとも1つの実施形態において、アイレット174は、より近位に、又はツール150のヘッド160の長さに沿って配置されうる。他の実施形態において、アイレット174は、楕円形、円形、正方形、矩形又は別の幾何学的形状及びサイズであることができる。他の実施形態において、アイレット174は複数であってもよく、その一部又は全部は本体170内の1つ以上の管腔172と流体連通している。
【0296】
図55Eは、1つの実施形態による、展開プロセス中に心膜腔10を拡大するツール150の可動要素を示す心臓2の断面図である。図55Eに示されるように、ツール150が心膜腔10内に前進されると、実施形態に従って、保持ケーブル又は同様の要素をリトラクトすること又は脱シースすることのいずれかによって、アンカー拡張部材162は解放される。これらのアンカー拡張部材162は、心膜腔10を拡張するために、より鈍くなり、壁側心膜層を押す力を生み出すように動作可能である。この拡張により、必要に応じてより大きな要素を心膜腔10内に前進させることができる。
【0297】
幾つかの実施形態において、ツール150は、ツール150が前進される際に心膜腔10の拡張を助ける可動要素を含む。少なくとも1つの実施形態において、ヘッド160は、ツール150の遠位端又はその近くに存在するこれらの可動要素を画定し、ケーブル又はプッシュ/プルロッドによって制御される。少なくとも1つの実施形態において、可動要素は、心膜腔10の拡張及び固定に寄与する。
【0298】
図55Fは、1つの実施形態による、ツール150を心膜腔10内に固定するために心外膜14及び/又は心膜18と係合するツール150の可動要素を示す心臓2の断面図である。図55Fに示されるように、アンカー拡張部材162は、ツール150の前進に伴って拡張又はリトラクトされて、心膜腔10内により多くの空間を作り出すことができる。ツール150のヘッド160が心膜腔10内に配置されると、アンカー並置部材164は、図55Gに示されるように拡張又は展開される。図55Gは、1つの実施形態による、ツール150を心膜腔10に固定するために心外膜14及び/又は心膜18と係合するツール150の可動要素を示す心臓2の断面図である。可動要素を含めて、ツール150のヘッド160は、臓側心膜19(すなわち、心外膜)の表面上の配置のために、リトラクト、回転又は再捕捉されうる。図55Hは、1つの実施形態による、展開構成における可動部材161の配置、この実施形態では、拡張したアンカー並置部材164及びアンカー拡張部材162の配置を示すヘッド160の上面図である。
【0299】
満足のいく配置が得られると、心外膜アンカーツール150は、デリバリーカテーテルシステム50から切り離される。ツール150は、ツール150のヘッド160と協働して係合する保持要素180の係合によって保持され、ツール150を心筋内に残し、使用のために心膜腔10内に延在させることができる。1つの実施形態によれば、閉塞要素175によって心室22と心膜腔10との間の流体連通を防止するためにアイレット174を閉じることができる。
【0300】
図56A1~56D2は、アンカー拡張部材162及びアンカー並置部材164の異なる構成を示す。それらは、対称であり、非対称であり、異なる長さを有し、凹状であり又は凸状であり、異なるパッド及びサイズを有し、オフセット又は垂直であることができる。
【0301】
幾つかの実施形態において、心膜腔10にアクセスするためのツール150の使用について本明細書に記載される同様の方法を使用して、壁側心膜の表面にデバイス、アンカー又は治療手段を配置することもできる。
【0302】
本開示の発明の特徴は、一般的に及び特定の実施形態に関しての両方で上述されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に様々な変更及び変形を加えることができることが当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその均等の範囲内にある限り、本開示の変更及び変形を包含することが意図されている。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図26A
図26B
図27
図28A
図28B
図28C
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37A
図37B
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45-46】
図47
図48A
図48B
図49A
図49B
図50
図51
図52
図53A
図53B
図54A
図54B
図54C
図54D
図55A
図55B
図55C
図55D
図55E
図55F
図55G-55H】
図55I
図56A1-56A2】
図56A3
図56A4
図56B1
図56B2
図56B3
図56B4
図56C1
図56C2
図56C3
図56C4
図56D1
図56D2
【手続補正書】
【提出日】2023-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0302
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0302】
本開示の発明の特徴は、一般的に及び特定の実施形態に関しての両方で上述されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に様々な変更及び変形を加えることができることが当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその均等の範囲内にある限り、本開示の変更及び変形を包含することが意図されている。
本開示は更に以下の態様を含んでいる:
《態様1》
アンカー、及び、
前記アンカーに結合されたテザー、
を含み、前記アンカーは、第一の位置で低プロファイルを有し、第二の位置でより大きなプロファイルを有するように動作可能であり、前記アンカーは、前記第一の位置で心臓壁の狭いアクセスチャンネルを通って心臓の心腔から心膜腔内に前進し、前記心膜腔内で第二の位置まで狭いアクセスチャンネルよりも大きいサイズに拡張するように動作可能である、アンカーシステム。
《態様2》
前記アンカーは、
ワイヤの第一の端部及びワイヤの第二の端部を有するワイヤ、ここで、前記ワイヤは、リング形状に形状設定された形状記憶特性を有し、前記ワイヤの第一の端部は前記ワイヤの第二の端部と対向している、
ある長さを画定する縁に沿って前記ワイヤに結合されたスカート、及び、
前記ワイヤの反対側の前記スカートの縁に沿った複数のアパチャ、
を含み、
前記テザーは前記複数のアパチャを通して交互に織られ、前記テザーは前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部を画定し、そして
前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部は、前記ワイヤが展開構成のリング構成にあるときに、前記スカートをディスク状形状に締め付けるように張力をかけるように動作可能であり、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部は、展開前構成でワイヤを直線構成に真っ直ぐにするように張力をかけることができる、態様1に記載のアンカーシステム。
《態様3》
前記ワイヤの第一の端部及び前記ワイヤの第二の端部は、前記リング構成にあるときに互いにしっかりと結合するように動作可能である、態様2に記載のアンカーシステム。
《態様4》
前記ワイヤの第一の端部及び前記ワイヤの第二の端部は、前記リング構成にあるときに前記ワイヤの完全なループを超えて前記ワイヤの第一の端部と前記ワイヤの第二の端部とがオーバーラップしないように係合するように動作可能である、態様2に記載のアンカーシステム。
《態様5》
前記スカートは、一方の側に組織内方成長特性を有し、他方の側に組織癒着防止特性を有する、態様2に記載のアンカーシステム。
《態様6》
前記テザーに沿ってスライドするように動作可能である、前記テザーにスライド可能に結合されたテザーロックであって、前記テザーロックと前記アンカーとの間に組織を捕捉するように所定の位置にロックするように動作可能であるテザーロックをさらに含む、態様2に記載のアンカーシステム。
《態様7》
前記テザーに沿ってスライドしそして前記テザーを中に収容するように動作可能である前記テザーにスライド可能に結合されたテザーロック入れ子要素をさらに含む、態様6に記載のアンカーシステム。
《態様8》
態様2~7のいずれか一つに記載のアンカーシステムを提供すること、
ガイドワイヤを大腿静脈内に前進させること、
前記ガイドワイヤを大腿静脈を通って右心房内に前進させること、
前記ガイドワイヤを中隔を通って左心房内に前進させること、
前記ガイドワイヤを僧帽弁を通って左心室の心臓壁まで心臓壁に隣接して前進させること、
針カテーテルを前記ガイドワイヤ上で心臓壁の心内膜を通って心筋内に前進させること、
前記ガイドワイヤを前記針カテーテルを通して心筋を通り、心外膜を通って心膜腔内に前進させること、
前記針カテーテルを前記ガイドワイヤから引き抜くこと、
カテーテルを前記ガイドワイヤ上で心膜腔内に前進させること、
心膜腔を拡大するために、心膜を膨張させて心臓壁から分離させること、
前記ガイドワイヤ上又は前記カテーテルを通して前記アンカーシステムを前進させること、ここで、そのアンカーは心膜腔内に配置されている、
心膜腔内で前記アンカーシステムのアンカーを展開し、心外膜に対向するように前記アンカーを配置すること、ここで、前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開前構成で真っ直ぐな構成にあり、そして前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開構成でリング状構成にある、及び、
前記ガイドワイヤ及び/又はカテーテルを患者から除去し、心腔内で前記アンカーに結合されたテザーを残すこと、
を含む、固定方法。
《態様9》
態様2~7のいずれか一つに記載のアンカーシステムを提供すること、
ガイドワイヤの遠位先端が針カテーテルの遠位先端に隣接するようにガイドワイヤを針カテーテル内に前進させること、
前記針カテーテルの遠位先端を心腔から心臓壁の心内膜を通って心筋内に前進させること、
前記ガイドワイヤの遠位先端を心筋及び心外膜を通って心膜腔内に前進させること、及び、
前記アンカーシステムのアンカーを前記ガイドワイヤ上で心膜腔内に前進させること、
前記アンカーを心膜腔内で展開すること、
を含み、
前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開前構成で真っ直ぐな構成にあり、前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開構成でリング状構成にある、固定方法。
《態様10》
態様2~7のいずれか一つに記載のアンカーシステムを提供すること、
支持カテーテルを心臓内に心臓壁まで心臓壁に隣接して又は心臓壁に対して前進させること、
アンカーカテーテルを単独で、又は前記支持カテーテルを通して前進させ、心臓壁に対して係合を強制して配置すること、
ガイドワイヤを前記アンカーカテーテルに沿って又は前記アンカーカテーテルを通して、心臓壁の心内膜を通して、心筋を通して、心外膜(漿液性心膜の臓側板)を通して心膜腔内に前進させること、
前記アンカーカテーテルを前記ガイドワイヤに沿って又は前記ガイドワイヤ上で、心臓壁の心内膜を通して、心筋を通して、心外膜(漿液性心膜の臓側板)を通して心膜腔内に前進させること、
前記アンカーシステムのアンカーを心膜腔内にある前記アンカーカテーテルの遠位端を通して又はその遠位端に前進又は露出させること、ここで、前記アンカーは心膜腔内に配置されている、
前記アンカーシステムのアンカーを心膜腔内に展開し、心外膜に対向するように前記アンカーを配置すること、ここで、前記アンカーは前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開前構成で真っ直ぐな構成にあり、前記アンカーは前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開構成でリング状構成にある、及び、
前記ガイドワイヤ及びアンカーカテーテルを患者から除去し、前記アンカーに結合されたテザーを心腔内に残すこと、
を含む、固定方法。
《態様11》
態様2~7のいずれか一つに記載のアンカーシステムを提供すること、
心腔内の心臓壁まで心臓壁に対してアンカーカテーテルを前進させること、
ガイドワイヤの遠位先端が心内膜を通って心筋に入り、心外膜を通って心膜腔に前進するように、ガイドワイヤを前記アンカーカテーテルを通して前進させること、
前記アンカーカテーテルの遠位先端を前記ガイドワイヤに沿って又はガイドワイヤ上で心膜腔内に又は心膜腔に隣接して前進させること、
心膜腔内にある前記アンカーカテーテルの遠位端を通して又は遠位端で前記アンカーシステムのアンカーを前進させる又は露出させること、ここで、前記アンカーは心膜腔内に配置されている、
前記アンカーシステムのアンカーを心膜腔内に展開し、心外膜に対向するように前記アンカーを配置すること、ここで、前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開前構成で真っ直ぐな構成にあり、前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開構成でリング状構成にある、及び、
前記ガイドワイヤ及びアンカーカテーテルを患者から除去し、前記ガイドワイヤ上で心膜腔内に前記アンカーに結合されたテザーを前記アンカーシステムの心腔内に残すこと、
を含む、固定方法。
《態様12》
スカートを含む心外膜アンカー、
経心筋綿撒糸、
前記心外膜アンカー及び前記経心筋綿撒糸に結合された心膜アンカー縫合糸、
縫合糸ロック、及び、
前記縫合糸ロックを拘束してドッキングするように構成されたアンカーソケット、
を含む、心膜アンカーシステム、ここで、前記心外膜アンカーは、展開前構成と展開構成との間で変形可能であるように構成されている、及び、
弁尖アンカー縫合糸に結合された少なくとも1つの弁尖アンカー、ここで、前記縫合糸ロックは前記心膜アンカー縫合糸と前記弁尖アンカー縫合糸を固定するように構成されている、
を含む、僧帽弁腱索修復システム。
《態様13》
前記心外膜アンカーは、展開構成において、ディスク形状を形成するように構成されている、態様12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様14》
前記心外膜アンカーは、展開構成において、湾曲形状、圧縮形状、束、塊又はノットを形成するように構成されている、態様12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様15》
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成は圧縮構成を含む、態様12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様16》
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成はコイル状構成を含む、態様12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様17》
前記心外膜アンカーは展開前構成で自由端を有し、前記心外膜アンカーは前記心外膜アンカーの自由端からコイル状に巻き始めて、展開構成を形成するように構成されている、態様12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様18》
前記心外膜アンカーはワイヤフレームをさらに含み、前記ワイヤフレームは前記スカートで覆われている、態様12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様19》
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは、展開構成に形状設定された形状記憶特性を有する、態様18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様20》
前記スカートは、前記心膜アンカー縫合糸をスライド可能に受け入れるように構成され、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開構成に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、態様18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様21》
前記心外膜アンカーの前記スカートは、長さを画定する縁に沿って前記ワイヤフレームに結合され、前記スカートは、前記ワイヤフレームの反対側の前記スカートの縁に沿った複数のアパチャを含み、前記心膜アンカー縫合糸は、前記複数のアパチャを通して交互に織られ、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開形態に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、態様18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様22》
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは近位脚部をさらに含み、前記近位脚部は、展開構成において、真っ直ぐで前記心外膜アンカーの中央に位置した状態となるように構成されている、態様18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様23》
前記経心筋綿撒糸は前記心外膜アンカーの近位脚部から延在している、態様22に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様24》
前記近位脚部は、2つの部分が互いに平行となるように二重にされた同じワイヤの2つの部分を含む、態様22に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様25》
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、前記心膜アンカー縫合糸の近位リトラクトにより、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、態様12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様26》
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定されたワイヤフレームの形状記憶特性により、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、態様18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様27》
前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部はそれぞれ非外傷性端部を含む、態様18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様28》
前記経心筋綿撒糸は管状構造を有するフィルムを含む、態様12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様29》
前記心膜アンカー縫合糸は、前記経心筋綿撒糸のフィルムを通る複数のアパチャを通して織られている、態様28に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様30》
前記アンカーソケットは、フィルムで覆われた自己拡張性フレームを含む、態様12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
《態様31》
スカートを含む心外膜アンカー、
前記心外膜アンカーの近位部分から延在する経心筋綿撒糸、
前記心外膜アンカー及び前記経心筋綿撒糸に結合された心膜アンカー縫合糸、
前記心膜アンカー縫合糸を固定するように構成された縫合糸ロック、及び、
前記縫合糸ロックを拘束してドッキングするように構成されたアンカーソケット、
を含む、心膜アンカーシステムであって、
前記心外膜アンカーは、展開前構成と展開構成との間で変形可能であるように構成されている、心膜アンカーシステム。
《態様32》
前記心外膜アンカーは、展開構成において、ディスク形状を形成するように構成されている、態様31に記載の心膜アンカーシステム。
《態様33》
前記心外膜アンカーは、展開構成において、湾曲形状、圧縮形状、束、塊又はノットを形成するように構成されている、態様31に記載の心膜アンカーシステム。
《態様34》
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成は圧縮構成を含む、態様31に記載の心膜アンカーシステム。
《態様35》
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成はコイル状構成を含む、態様31に記載の心膜アンカーシステム。
《態様36》
前記心外膜アンカーは展開前構成において自由端を有し、前記心外膜アンカーは前記心外膜アンカーの自由端からコイル状に巻き始めて、展開構成を形成するように構成されている、態様31に記載の心膜アンカーシステム。
《態様37》
前記心外膜アンカーはワイヤフレームをさらに含み、前記ワイヤフレームはスカートで覆われている、態様31に記載の心膜アンカーシステム。
《態様38》
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは、展開構成に形状設定された形状記憶特性を有する、態様37に記載の心膜アンカーシステム。
《態様39》
前記スカートは、前記心膜アンカー縫合糸をスライド可能に受け入れるように構成され、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開構成に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、態様31に記載の心膜アンカーシステム。
《態様40》
前記心外膜アンカーの前記スカートは、長さを画定する縁に沿って前記ワイヤフレームに結合され、前記スカートは、前記ワイヤフレームの反対側のスカートの縁に沿った複数のアパチャを含み、前記心膜アンカー縫合糸は、前記複数のアパチャを通して交互に織られ、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開形態に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、態様37に記載の心膜アンカーシステム。
《態様41》
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは近位脚部をさらに含み、前記近位脚部は、展開構成において、真っ直ぐで前記心外膜アンカーの中央に位置した状態となるように構成されている、態様37に記載の心膜アンカーシステム。
《態様42》
前記経心筋綿撒糸は前記心外膜アンカーの近位脚部から延在している、態様41に記載の心膜アンカーシステム。
《態様43》
前記近位脚部は、2つの部分が互いに平行となるように二重にされた同じワイヤの2つの部分を含む、態様41に記載の心膜アンカーシステム。
《態様44》
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、前記心膜アンカー縫合糸の近位リトラクトにより、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、態様31に記載の心膜アンカーシステム。
《態様45》
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定されたワイヤフレームの形状記憶特性により、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、態様37に記載の心膜アンカーシステム。
《態様46》
前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部はそれぞれ非外傷性端部を含む、態様37に記載の心膜アンカーシステム。
《態様47》
前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部のそれぞれの前記非外傷性端部はアイレットを含む、態様46に記載の心膜アンカーシステム。
《態様48》
前記経心筋綿撒糸は管状構造を有するフィルムを含む、態様31に記載の心膜アンカーシステム。
《態様49》
前記心膜アンカー縫合糸は、前記経心筋綿撒糸のフィルムを通る複数のアパチャを通して織られている、態様48に記載の心膜アンカーシステム。
《態様50》
スカート、及び、
前記スカートに結合された心膜アンカー縫合糸、
を含む、心外膜アンカーであって、前記心外膜アンカーは展開前構成と展開構成との間で変形可能であるように構成されている、心外膜アンカー。
《態様51》
前記心外膜アンカーは、展開構成において、ディスク形状を形成するように構成されている、態様50に記載の心外膜アンカー。
《態様52》
前記心外膜アンカーは、展開構成において、湾曲形状、圧縮形状、束、塊又はノットを形成するように構成されている、態様50に記載の心外膜アンカー。
《態様53》
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成は圧縮構成を含む、態様50に記載の心外膜アンカー。
《態様54》
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成はコイル状構成を含む、態様50に記載の心外膜アンカー。
《態様55》
前記心外膜アンカーは展開前構成で自由端を有し、前記心外膜アンカーは前記心外膜アンカーの自由端からコイル状に巻き始めて、展開構成を形成するように構成されている、態様50に記載の心外膜アンカー。
《態様56》
前記心外膜アンカーはワイヤフレームをさらに含み、前記ワイヤフレームは前記スカートで覆われている、態様50に記載の心外膜アンカー。
《態様57》
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは、展開構成に形状設定された形状記憶特性を有する、態様56に記載の心外膜アンカー。
《態様58》
前記スカートは、前記心膜アンカー縫合糸をスライド可能に受け入れるように構成され、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開構成に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、態様56に記載の心外膜アンカー。
《態様59》
前記心外膜アンカーの前記スカートは、長さを画定する縁に沿って前記ワイヤフレームに結合され、前記スカートは、前記ワイヤフレームの反対側のスカートの縁に沿った複数のアパチャを含み、前記心膜アンカー縫合糸は、前記複数のアパチャを通して交互に織られ、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開形態に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、態様56に記載の心外膜アンカー。
《態様60》
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは近位脚部をさらに含み、前記近位脚部は、展開構成において、真っ直ぐで前記心外膜アンカーの中央に位置した状態となるように構成されている、態様56に記載の心外膜アンカー。
《態様61》
前記近位脚部は、2つの部分が互いに平行となるように二重にされた同じワイヤの2つの部分を含む、態様60に記載の心外膜アンカー。
《態様62》
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、前記心膜アンカー縫合糸の近位リトラクトにより、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、態様60に記載の心外膜アンカー。
《態様63》
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定されたワイヤフレームの形状記憶特性により、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、態様56に記載の心外膜アンカー。
《態様64》
前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部はそれぞれ非外傷性端部を含む、態様56に記載の心外膜アンカー。
《態様65》
前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部のそれぞれの非外傷性端部はアイレットを含む、態様64に記載の心外膜アンカー。
《態様66》
アンカーカテーテル内に拘束された展開前構成の心外膜アンカーを心臓の心膜腔内に前進させること、
前記アンカーカテーテルを前記心膜腔内で接線方向に所定の距離だけ前進させて、展開前構成の前記心外膜アンカーを脱シースさせること、及び、
前記アンカーカテーテルをリトラクトさせて、前記心外膜アンカーを前記心膜腔内で展開構成に少なくとも部分的に展開すること、
を含む、心膜アンカーシステムを固定する方法。
《態様67》
前記所定の距離は少なくとも10cmを含む、態様66に記載の方法。
《態様68》
前記アンカーカテーテルは、前記心膜腔内において、内側-外側方向及び/又は下側-上側方向に移動するように構成されている、態様66に記載の方法。
《態様69》
前記心外膜アンカーの近位脚部を心外膜と前記アンカーカテーテルの遠位先端との間に配置して、心膜腔内の前記心外膜アンカーの位置を維持することをさらに含む、態様66に記載の方法。
《態様70》
前記心膜アンカーシステムの心膜アンカー縫合糸に張力を加えて、前記心外膜アンカーを展開構成に少なくとも部分的に変形させることをさらに含む、態様66に記載の方法。
《態様71》
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定された心外膜アンカーのワイヤフレームの形状記憶特性により、展開構成にさらに変形される、態様66に記載の方法。
《態様72》
心腔内の心臓壁まで心臓壁に対して支持シースを前進させること、
ガイドワイヤの遠位先端が心内膜、心筋及び心外膜を通って心膜腔内に前進するように、前記支持シースを通してガイドワイヤを前進させること、
アンカーシースとガイドワイヤシースを一緒に前記支持シースを通してガイドワイヤ上で心膜腔内に前進させて、心内膜、心筋及び心外膜を通る穿刺を形成すること、
前記アンカーシース及び前記支持シースを一緒にリトラクトさせながら前記ガイドワイヤシースの位置を維持して、心膜腔内に心膜アンカーシステムの心外膜アンカーを展開すること、ここで、前記心外膜アンカーは前記アンカーシース内に位置する間に展開前構成にある、
前記ガイドワイヤシースをリトラクトさせながら前記アンカーシースの位置を維持して、前記心外膜アンカーのワイヤフレームの近位脚部と前記アンカーシースの遠位先端との間にTバーを形成すること、
前記近位脚部が心外膜の穿刺に対して配置されるまで、前記支持シース、前記アンカーシース及び前記ガイドワイヤシースを一緒にリトラクトさせること、
前記ガイドワイヤシースの位置を維持し、前記アンカーシースと前記支持シースを一緒にリトラクトさせて、前記心外膜アンカーを展開すること、及び、
前記心膜アンカーシステムの心膜アンカー縫合糸に張力を加えて、少なくとも部分的に前記心外膜アンカーを展開構成に変形させること、
を含む、心膜アンカーシステムを固定する方法。
《態様73》
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定されたワイヤフレームの形状記憶特性により、展開構成にさらに変形される、態様72に記載の心膜アンカーシステムを固定する方法。
《態様74》
前記ガイドワイヤシースの位置を維持しそして前記支持シース及び前記アンカーシースをリトラクトさせて、前記心膜アンカーシステムの経心筋綿撒糸及びアンカーソケットを展開することをさらに含み、ここで、前記経心筋綿撒糸の第一の部分は、心外膜、心筋及び心内膜の穿刺内に位置し、前記経心筋綿撒糸の第二の部分は、心内膜の穿刺から近位方向に延在している、態様72に記載の心膜アンカーシステムを固定する方法。
《態様75》
前記心内膜の穿刺に対して前記経心筋綿撒糸の第二の部分を折り畳むことをさらに含む、態様74に記載の心膜アンカーシステムを固定する方法。
《態様76》
縫合糸ロックを前記アンカーソケット内に前進させること、及び、前記アンカーソケット内にある前記縫合糸ロックを心内膜に向かって前進させて、前記経心筋綿撒糸の第二の部分を折り畳むことをさらに含む、態様74に記載の心膜アンカーシステムを固定する方法。
《態様77》
フィルムで覆われた前記心外膜アンカーの前記近位脚部は心外膜の穿刺をシールするように構成されており、前記経心筋綿撒糸の第一の部分は心筋の穿刺をシールするように構成されており、そして前記経心筋綿撒糸の折り畳まれた第二の部分は心内膜の穿刺をシールするように構成されている、態様75に記載の心膜アンカーシステムを固定する方法。
《態様78》
心腔から心膜腔へのアクセスを提供するように動作可能な、及び/又は結合されるデバイスのアンカーとなるように動作可能な、心臓壁及び心膜腔に配置するためのツールであって、
心臓壁を通って延在するように動作可能な管腔を画定する本体、
心膜腔内に延在するように動作可能な前記本体の遠位端でのヘッド、ここで、前記ヘッドは、低プロファイルの展開前構成から高プロファイル展開構成に動くように動作可能な可動要素を含み、前記ヘッドは、心腔と心膜腔との間に流体通路を提供するように動作可能なアクセスチャンネルを画定するために前記管腔と流体連通しているアイレットを画定する、及び、
ベースを心臓壁に保持するように動作可能な保持部材をさらに含むベース、
を含む、ツール。
《態様79》
前記可動要素は、前記可動部材が展開構成において高プロファイルに達するときに壁側心膜を支持するように動作可能であり、前記保持部材は前記可動要素を前記壁側心膜に当接して係合させるように協働する、態様78に記載のツール。
《態様80》
前記可動要素は、心膜腔を拡大するように心膜に当接するように動作可能な拡張部材を含む、態様78及び79に記載のツール。
《態様81》
前記アイレットは、前記管腔と連通するデバイスを使用して、心膜腔から流体又はガスを排出又は抜き出すように動作可能である、態様78及び79に記載のツール。
《態様82》
前記アイレットは、圧力検知デバイスで圧力を測定するように動作可能な圧力ポートとなるように動作可能である、態様78に記載のツール。
《態様83》
前記アクセスチャンネルは、デバイスを受け取り、心臓の心室側と心膜腔との間を通したデバイスの通過を可能にするように動作可能である、態様78~82のいずれか一つに記載のツール。
《態様84》
前記アイレットは、開放構成と閉鎖構成との間で弾性変形するように動作可能であり、前記閉鎖構成では、前記アクセスチャンネルは閉塞されて、前記アクセスチャンネルを通る流体通過を防止する、態様78~82のいずれか一つに記載のツール。
《態様85》
前記ヘッドは、開位置と閉位置との間で弾性的に移動するように動作可能な閉塞要素をさらに含み、前記閉位置では、前記アクセスチャンネルは閉塞されて、前記アクセスチャンネルを通る流体通過を防止する、態様78~82のいずれか一つに記載のツール。
《態様86》
前記アクセスチャンネルを閉塞して前記アクセスチャンネルを通る流体通過を防止するために、前記アクセスチャンネル内に配置されるように動作可能な閉塞プラグをさらに含む、態様78~82のいずれか一つに記載のツール。
《態様87》
前記ツールは、他のデバイス又は心臓の組織と結合するように動作可能である、態様78~83のいずれか一つに記載のツール。
《態様88》
血管内心外膜アクセスのために動作可能なデリバリーシステムを提供すること、ここで、前記デリバリーシステムは、操縦可能なカテーテル及びデリバリーカテーテルを含む、
経静脈、経動脈、経中隔、経心房又は経大動脈アプローチを使用して前記デリバリーシステムを患者に挿入すること、
前記ツールが結合された前記デリバリーカテーテルを心筋内に前進させること、及び、
前記ツールの前記ヘッドを心膜腔内に延在させること、
を含む、態様78~87のいずれか一つに記載のツールをインプラント処置する方法。
《態様89》
前記デリバリーシステムはガイドワイヤ及び/又は針をさらに含み、前記方法は、
ガイドワイヤ又は針をデリバリーカテーテルを通して前進させそして前記ツールを通って心筋及び心膜腔内に延在させること、及び、前記ガイドワイヤ又は針の上で前記ツールを前進させること、
を含む、態様88に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンカー、及び、
前記アンカーに結合されたテザー、
を含み、前記アンカーは、第一の位置で低プロファイルを有し、第二の位置でより大きなプロファイルを有するように動作可能であり、前記アンカーは、前記第一の位置で心臓壁の狭いアクセスチャンネルを通って心臓の心腔から心膜腔内に前進し、前記心膜腔内で第二の位置まで狭いアクセスチャンネルよりも大きいサイズに拡張するように動作可能である、アンカーシステム。
【請求項2】
前記アンカーは、
ワイヤの第一の端部及びワイヤの第二の端部を有するワイヤ、ここで、前記ワイヤは、リング形状に形状設定された形状記憶特性を有し、前記ワイヤの第一の端部は前記ワイヤの第二の端部と対向している、
ある長さを画定する縁に沿って前記ワイヤに結合されたスカート、及び、
前記ワイヤの反対側の前記スカートの縁に沿った複数のアパチャ、
を含み、
前記テザーは前記複数のアパチャを通して交互に織られ、前記テザーは前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部を画定し、そして
前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部は、前記ワイヤが展開構成のリング構成にあるときに、前記スカートをディスク状形状に締め付けるように張力をかけるように動作可能であり、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部は、展開前構成でワイヤを直線構成に真っ直ぐにするように張力をかけることができる、請求項1に記載のアンカーシステム。
【請求項3】
前記ワイヤの第一の端部及び前記ワイヤの第二の端部は、前記リング構成にあるときに互いにしっかりと結合するように動作可能である、請求項2に記載のアンカーシステム。
【請求項4】
前記ワイヤの第一の端部及び前記ワイヤの第二の端部は、前記リング構成にあるときに前記ワイヤの完全なループを超えて前記ワイヤの第一の端部と前記ワイヤの第二の端部とがオーバーラップしないように係合するように動作可能である、請求項2に記載のアンカーシステム。
【請求項5】
前記スカートは、一方の側に組織内方成長特性を有し、他方の側に組織癒着防止特性を有する、請求項2に記載のアンカーシステム。
【請求項6】
前記テザーに沿ってスライドするように動作可能である、前記テザーにスライド可能に結合されたテザーロックであって、前記テザーロックと前記アンカーとの間に組織を捕捉するように所定の位置にロックするように動作可能であるテザーロックをさらに含む、請求項2に記載のアンカーシステム。
【請求項7】
前記テザーに沿ってスライドしそして前記テザーを中に収容するように動作可能である前記テザーにスライド可能に結合されたテザーロック入れ子要素をさらに含む、請求項6に記載のアンカーシステム。
【請求項8】
請求項2~7のいずれか1項に記載のアンカーシステムを提供すること、
ガイドワイヤを大腿静脈内に前進させること、
前記ガイドワイヤを大腿静脈を通って右心房内に前進させること、
前記ガイドワイヤを中隔を通って左心房内に前進させること、
前記ガイドワイヤを僧帽弁を通って左心室の心臓壁まで心臓壁に隣接して前進させること、
針カテーテルを前記ガイドワイヤ上で心臓壁の心内膜を通って心筋内に前進させること、
前記ガイドワイヤを前記針カテーテルを通して心筋を通り、心外膜を通って心膜腔内に前進させること、
前記針カテーテルを前記ガイドワイヤから引き抜くこと、
カテーテルを前記ガイドワイヤ上で心膜腔内に前進させること、
心膜腔を拡大するために、心膜を膨張させて心臓壁から分離させること、
前記ガイドワイヤ上又は前記カテーテルを通して前記アンカーシステムを前進させること、ここで、そのアンカーは心膜腔内に配置されている、
心膜腔内で前記アンカーシステムのアンカーを展開し、心外膜に対向するように前記アンカーを配置すること、ここで、前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開前構成で真っ直ぐな構成にあり、そして前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開構成でリング状構成にある、及び、
前記ガイドワイヤ及び/又はカテーテルを患者から除去し、心腔内で前記アンカーに結合されたテザーを残すこと、
を含む、固定方法。
【請求項9】
請求項2~7のいずれか1項に記載のアンカーシステムを提供すること、
ガイドワイヤの遠位先端が針カテーテルの遠位先端に隣接するようにガイドワイヤを針カテーテル内に前進させること、
前記針カテーテルの遠位先端を心腔から心臓壁の心内膜を通って心筋内に前進させること、
前記ガイドワイヤの遠位先端を心筋及び心外膜を通って心膜腔内に前進させること、及び、
前記アンカーシステムのアンカーを前記ガイドワイヤ上で心膜腔内に前進させること、
前記アンカーを心膜腔内で展開すること、
を含み、
前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開前構成で真っ直ぐな構成にあり、前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開構成でリング状構成にある、固定方法。
【請求項10】
請求項2~7のいずれか1項に記載のアンカーシステムを提供すること、
支持カテーテルを心臓内に心臓壁まで心臓壁に隣接して又は心臓壁に対して前進させること、
アンカーカテーテルを単独で、又は前記支持カテーテルを通して前進させ、心臓壁に対して係合を強制して配置すること、
ガイドワイヤを前記アンカーカテーテルに沿って又は前記アンカーカテーテルを通して、心臓壁の心内膜を通して、心筋を通して、心外膜(漿液性心膜の臓側板)を通して心膜腔内に前進させること、
前記アンカーカテーテルを前記ガイドワイヤに沿って又は前記ガイドワイヤ上で、心臓壁の心内膜を通して、心筋を通して、心外膜(漿液性心膜の臓側板)を通して心膜腔内に前進させること、
前記アンカーシステムのアンカーを心膜腔内にある前記アンカーカテーテルの遠位端を通して又はその遠位端に前進又は露出させること、ここで、前記アンカーは心膜腔内に配置されている、
前記アンカーシステムのアンカーを心膜腔内に展開し、心外膜に対向するように前記アンカーを配置すること、ここで、前記アンカーは前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開前構成で真っ直ぐな構成にあり、前記アンカーは前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開構成でリング状構成にある、及び、
前記ガイドワイヤ及びアンカーカテーテルを患者から除去し、前記アンカーに結合されたテザーを心腔内に残すこと、
を含む、固定方法。
【請求項11】
請求項2~7のいずれか1項に記載のアンカーシステムを提供すること、
心腔内の心臓壁まで心臓壁に対してアンカーカテーテルを前進させること、
ガイドワイヤの遠位先端が心内膜を通って心筋に入り、心外膜を通って心膜腔に前進するように、ガイドワイヤを前記アンカーカテーテルを通して前進させること、
前記アンカーカテーテルの遠位先端を前記ガイドワイヤに沿って又はガイドワイヤ上で心膜腔内に又は心膜腔に隣接して前進させること、
心膜腔内にある前記アンカーカテーテルの遠位端を通して又は遠位端で前記アンカーシステムのアンカーを前進させる又は露出させること、ここで、前記アンカーは心膜腔内に配置されている、
前記アンカーシステムのアンカーを心膜腔内に展開し、心外膜に対向するように前記アンカーを配置すること、ここで、前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開前構成で真っ直ぐな構成にあり、前記アンカーは、前記テザーの第一の端部及び前記テザーの第二の端部に対する張力によって展開構成でリング状構成にある、及び、
前記ガイドワイヤ及びアンカーカテーテルを患者から除去し、前記ガイドワイヤ上で心膜腔内に前記アンカーに結合されたテザーを前記アンカーシステムの心腔内に残すこと、
を含む、固定方法。
【請求項12】
スカートを含む心外膜アンカー、
経心筋綿撒糸、
前記心外膜アンカー及び前記経心筋綿撒糸に結合された心膜アンカー縫合糸、
縫合糸ロック、及び、
前記縫合糸ロックを拘束してドッキングするように構成されたアンカーソケット、
を含む、心膜アンカーシステム、ここで、前記心外膜アンカーは、展開前構成と展開構成との間で変形可能であるように構成されている、及び、
弁尖アンカー縫合糸に結合された少なくとも1つの弁尖アンカー、ここで、前記縫合糸ロックは前記心膜アンカー縫合糸と前記弁尖アンカー縫合糸を固定するように構成されている、
を含む、僧帽弁腱索修復システム。
【請求項13】
前記心外膜アンカーは、展開構成において、ディスク形状を形成するように構成されている、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項14】
前記心外膜アンカーは、展開構成において、湾曲形状、圧縮形状、束、塊又はノットを形成するように構成されている、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項15】
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成は圧縮構成を含む、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項16】
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成はコイル状構成を含む、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項17】
前記心外膜アンカーは展開前構成で自由端を有し、前記心外膜アンカーは前記心外膜アンカーの自由端からコイル状に巻き始めて、展開構成を形成するように構成されている、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項18】
前記心外膜アンカーはワイヤフレームをさらに含み、前記ワイヤフレームは前記スカートで覆われている、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項19】
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは、展開構成に形状設定された形状記憶特性を有する、請求項18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項20】
前記スカートは、前記心膜アンカー縫合糸をスライド可能に受け入れるように構成され、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開構成に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、請求項18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項21】
前記心外膜アンカーの前記スカートは、長さを画定する縁に沿って前記ワイヤフレームに結合され、前記スカートは、前記ワイヤフレームの反対側の前記スカートの縁に沿った複数のアパチャを含み、前記心膜アンカー縫合糸は、前記複数のアパチャを通して交互に織られ、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開形態に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、請求項18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項22】
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは近位脚部をさらに含み、前記近位脚部は、展開構成において、真っ直ぐで前記心外膜アンカーの中央に位置した状態となるように構成されている、請求項18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項23】
前記経心筋綿撒糸は前記心外膜アンカーの近位脚部から延在している、請求項22に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項24】
前記近位脚部は、2つの部分が互いに平行となるように二重にされた同じワイヤの2つの部分を含む、請求項22に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項25】
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、前記心膜アンカー縫合糸の近位リトラクトにより、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項26】
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定されたワイヤフレームの形状記憶特性により、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、請求項18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項27】
前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部はそれぞれ非外傷性端部を含む、請求項18に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項28】
前記経心筋綿撒糸は管状構造を有するフィルムを含む、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項29】
前記心膜アンカー縫合糸は、前記経心筋綿撒糸のフィルムを通る複数のアパチャを通して織られている、請求項28に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項30】
前記アンカーソケットは、フィルムで覆われた自己拡張性フレームを含む、請求項12に記載の僧帽弁腱索修復システム。
【請求項31】
スカートを含む心外膜アンカー、
前記心外膜アンカーの近位部分から延在する経心筋綿撒糸、
前記心外膜アンカー及び前記経心筋綿撒糸に結合された心膜アンカー縫合糸、
前記心膜アンカー縫合糸を固定するように構成された縫合糸ロック、及び、
前記縫合糸ロックを拘束してドッキングするように構成されたアンカーソケット、
を含む、心膜アンカーシステムであって、
前記心外膜アンカーは、展開前構成と展開構成との間で変形可能であるように構成されている、心膜アンカーシステム。
【請求項32】
前記心外膜アンカーは、展開構成において、ディスク形状を形成するように構成されている、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項33】
前記心外膜アンカーは、展開構成において、湾曲形状、圧縮形状、束、塊又はノットを形成するように構成されている、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項34】
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成は圧縮構成を含む、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項35】
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成はコイル状構成を含む、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項36】
前記心外膜アンカーは展開前構成において自由端を有し、前記心外膜アンカーは前記心外膜アンカーの自由端からコイル状に巻き始めて、展開構成を形成するように構成されている、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項37】
前記心外膜アンカーはワイヤフレームをさらに含み、前記ワイヤフレームはスカートで覆われている、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項38】
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは、展開構成に形状設定された形状記憶特性を有する、請求項37に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項39】
前記スカートは、前記心膜アンカー縫合糸をスライド可能に受け入れるように構成され、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開構成に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項40】
前記心外膜アンカーの前記スカートは、長さを画定する縁に沿って前記ワイヤフレームに結合され、前記スカートは、前記ワイヤフレームの反対側のスカートの縁に沿った複数のアパチャを含み、前記心膜アンカー縫合糸は、前記複数のアパチャを通して交互に織られ、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開形態に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、請求項37に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項41】
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは近位脚部をさらに含み、前記近位脚部は、展開構成において、真っ直ぐで前記心外膜アンカーの中央に位置した状態となるように構成されている、請求項37に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項42】
前記経心筋綿撒糸は前記心外膜アンカーの近位脚部から延在している、請求項41に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項43】
前記近位脚部は、2つの部分が互いに平行となるように二重にされた同じワイヤの2つの部分を含む、請求項41に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項44】
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、前記心膜アンカー縫合糸の近位リトラクトにより、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項45】
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定されたワイヤフレームの形状記憶特性により、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、請求項37に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項46】
前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部はそれぞれ非外傷性端部を含む、請求項37に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項47】
前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部のそれぞれの前記非外傷性端部はアイレットを含む、請求項46に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項48】
前記経心筋綿撒糸は管状構造を有するフィルムを含む、請求項31に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項49】
前記心膜アンカー縫合糸は、前記経心筋綿撒糸のフィルムを通る複数のアパチャを通して織られている、請求項48に記載の心膜アンカーシステム。
【請求項50】
スカート、及び、
前記スカートに結合された心膜アンカー縫合糸、
を含む、心外膜アンカーであって、前記心外膜アンカーは展開前構成と展開構成との間で変形可能であるように構成されている、心外膜アンカー。
【請求項51】
前記心外膜アンカーは、展開構成において、ディスク形状を形成するように構成されている、請求項50に記載の心外膜アンカー。
【請求項52】
前記心外膜アンカーは、展開構成において、湾曲形状、圧縮形状、束、塊又はノットを形成するように構成されている、請求項50に記載の心外膜アンカー。
【請求項53】
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成は圧縮構成を含む、請求項50に記載の心外膜アンカー。
【請求項54】
前記展開前構成は長尺構成を含み、前記展開構成はコイル状構成を含む、請求項50に記載の心外膜アンカー。
【請求項55】
前記心外膜アンカーは展開前構成で自由端を有し、前記心外膜アンカーは前記心外膜アンカーの自由端からコイル状に巻き始めて、展開構成を形成するように構成されている、請求項50に記載の心外膜アンカー。
【請求項56】
前記心外膜アンカーはワイヤフレームをさらに含み、前記ワイヤフレームは前記スカートで覆われている、請求項50に記載の心外膜アンカー。
【請求項57】
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは、展開構成に形状設定された形状記憶特性を有する、請求項56に記載の心外膜アンカー。
【請求項58】
前記スカートは、前記心膜アンカー縫合糸をスライド可能に受け入れるように構成され、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開構成に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、請求項56に記載の心外膜アンカー。
【請求項59】
前記心外膜アンカーの前記スカートは、長さを画定する縁に沿って前記ワイヤフレームに結合され、前記スカートは、前記ワイヤフレームの反対側のスカートの縁に沿った複数のアパチャを含み、前記心膜アンカー縫合糸は、前記複数のアパチャを通して交互に織られ、前記心膜アンカー縫合糸は、前記スカートを展開形態に締め付けるように張力が課されるように動作可能である、請求項56に記載の心外膜アンカー。
【請求項60】
前記心外膜アンカーの前記ワイヤフレームは近位脚部をさらに含み、前記近位脚部は、展開構成において、真っ直ぐで前記心外膜アンカーの中央に位置した状態となるように構成されている、請求項56に記載の心外膜アンカー。
【請求項61】
前記近位脚部は、2つの部分が互いに平行となるように二重にされた同じワイヤの2つの部分を含む、請求項60に記載の心外膜アンカー。
【請求項62】
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、前記心膜アンカー縫合糸の近位リトラクトにより、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、請求項60に記載の心外膜アンカー。
【請求項63】
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定されたワイヤフレームの形状記憶特性により、展開前構成と展開構成との間で変形可能である、請求項56に記載の心外膜アンカー。
【請求項64】
前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部はそれぞれ非外傷性端部を含む、請求項56に記載の心外膜アンカー。
【請求項65】
前記ワイヤフレームの第一の端部及び前記ワイヤフレームの第二の端部のそれぞれの非外傷性端部はアイレットを含む、請求項64に記載の心外膜アンカー。
【請求項66】
アンカーカテーテル内に拘束された展開前構成の心外膜アンカーを心臓の心膜腔内に前進させること、
前記アンカーカテーテルを前記心膜腔内で接線方向に所定の距離だけ前進させて、展開前構成の前記心外膜アンカーを脱シースさせること、及び、
前記アンカーカテーテルをリトラクトさせて、前記心外膜アンカーを前記心膜腔内で展開構成に少なくとも部分的に展開すること、
を含む、心膜アンカーシステムを固定する方法。
【請求項67】
前記所定の距離は少なくとも10cmを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記アンカーカテーテルは、前記心膜腔内において、内側-外側方向及び/又は下側-上側方向に移動するように構成されている、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記心外膜アンカーの近位脚部を心外膜と前記アンカーカテーテルの遠位先端との間に配置して、心膜腔内の前記心外膜アンカーの位置を維持することをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
前記心膜アンカーシステムの心膜アンカー縫合糸に張力を加えて、前記心外膜アンカーを展開構成に少なくとも部分的に変形させることをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定された心外膜アンカーのワイヤフレームの形状記憶特性により、展開構成にさらに変形される、請求項66に記載の方法。
【請求項72】
心腔内の心臓壁まで心臓壁に対して支持シースを前進させること、
ガイドワイヤの遠位先端が心内膜、心筋及び心外膜を通って心膜腔内に前進するように、前記支持シースを通してガイドワイヤを前進させること、
アンカーシースとガイドワイヤシースを一緒に前記支持シースを通してガイドワイヤ上で心膜腔内に前進させて、心内膜、心筋及び心外膜を通る穿刺を形成すること、
前記アンカーシース及び前記支持シースを一緒にリトラクトさせながら前記ガイドワイヤシースの位置を維持して、心膜腔内に心膜アンカーシステムの心外膜アンカーを展開すること、ここで、前記心外膜アンカーは前記アンカーシース内に位置する間に展開前構成にある、
前記ガイドワイヤシースをリトラクトさせながら前記アンカーシースの位置を維持して、前記心外膜アンカーのワイヤフレームの近位脚部と前記アンカーシースの遠位先端との間にTバーを形成すること、
前記近位脚部が心外膜の穿刺に対して配置されるまで、前記支持シース、前記アンカーシース及び前記ガイドワイヤシースを一緒にリトラクトさせること、
前記ガイドワイヤシースの位置を維持し、前記アンカーシースと前記支持シースを一緒にリトラクトさせて、前記心外膜アンカーを展開すること、及び、
前記心膜アンカーシステムの心膜アンカー縫合糸に張力を加えて、少なくとも部分的に前記心外膜アンカーを展開構成に変形させること、
を含む、心膜アンカーシステムを固定する方法。
【請求項73】
前記心外膜アンカーは、少なくとも部分的に、展開構成に形状設定されたワイヤフレームの形状記憶特性により、展開構成にさらに変形される、請求項72に記載の心膜アンカーシステムを固定する方法。
【請求項74】
前記ガイドワイヤシースの位置を維持しそして前記支持シース及び前記アンカーシースをリトラクトさせて、前記心膜アンカーシステムの経心筋綿撒糸及びアンカーソケットを展開することをさらに含み、ここで、前記経心筋綿撒糸の第一の部分は、心外膜、心筋及び心内膜の穿刺内に位置し、前記経心筋綿撒糸の第二の部分は、心内膜の穿刺から近位方向に延在している、請求項72に記載の心膜アンカーシステムを固定する方法。
【請求項75】
前記心内膜の穿刺に対して前記経心筋綿撒糸の第二の部分を折り畳むことをさらに含む、請求項74に記載の心膜アンカーシステムを固定する方法。
【請求項76】
縫合糸ロックを前記アンカーソケット内に前進させること、及び、前記アンカーソケット内にある前記縫合糸ロックを心内膜に向かって前進させて、前記経心筋綿撒糸の第二の部分を折り畳むことをさらに含む、請求項74に記載の心膜アンカーシステムを固定する方法。
【請求項77】
フィルムで覆われた前記心外膜アンカーの前記近位脚部は心外膜の穿刺をシールするように構成されており、前記経心筋綿撒糸の第一の部分は心筋の穿刺をシールするように構成されており、そして前記経心筋綿撒糸の折り畳まれた第二の部分は心内膜の穿刺をシールするように構成されている、請求項75に記載の心膜アンカーシステムを固定する方法。
【請求項78】
心腔から心膜腔へのアクセスを提供するように動作可能な、及び/又は結合されるデバイスのアンカーとなるように動作可能な、心臓壁及び心膜腔に配置するためのツールであって、
心臓壁を通って延在するように動作可能な管腔を画定する本体、
心膜腔内に延在するように動作可能な前記本体の遠位端でのヘッド、ここで、前記ヘッドは、低プロファイルの展開前構成から高プロファイル展開構成に動くように動作可能な可動要素を含み、前記ヘッドは、心腔と心膜腔との間に流体通路を提供するように動作可能なアクセスチャンネルを画定するために前記管腔と流体連通しているアイレットを画定する、及び、
ベースを心臓壁に保持するように動作可能な保持部材をさらに含むベース、
を含む、ツール。
【請求項79】
前記可動要素は、動部材が展開構成において高プロファイルに達するときに壁側心膜を支持するように動作可能であり、前記保持部材は前記可動要素を前記壁側心膜に当接して係合させるように協働する、請求項78に記載のツール。
【請求項80】
前記可動要素は、心膜腔を拡大するように心膜に当接するように動作可能な拡張部材を含む、請求項78又は79に記載のツール。
【請求項81】
前記アイレットは、前記管腔と連通するデバイスを使用して、心膜腔から流体又はガスを排出又は抜き出すように動作可能である、請求項78又は79に記載のツール。
【請求項82】
前記アイレットは、圧力検知デバイスで圧力を測定するように動作可能な圧力ポートとなるように動作可能である、請求項78に記載のツール。
【請求項83】
前記アクセスチャンネルは、デバイスを受け取り、心臓の心室側と心膜腔との間を通したデバイスの通過を可能にするように動作可能である、請求項78又は79に記載のツール。
【請求項84】
前記アイレットは、開放構成と閉鎖構成との間で弾性変形するように動作可能であり、前記閉鎖構成では、前記アクセスチャンネルは閉塞されて、前記アクセスチャンネルを通る流体通過を防止する、請求項78又は79に記載のツール。
【請求項85】
前記ヘッドは、開位置と閉位置との間で弾性的に移動するように動作可能な閉塞要素をさらに含み、前記閉位置では、前記アクセスチャンネルは閉塞されて、前記アクセスチャンネルを通る流体通過を防止する、請求項78又は79に記載のツール。
【請求項86】
前記アクセスチャンネルを閉塞して前記アクセスチャンネルを通る流体通過を防止するために、前記アクセスチャンネル内に配置されるように動作可能な閉塞プラグをさらに含む、請求項78又は79に記載のツール。
【請求項87】
前記ツールは、他のデバイス又は心臓の組織と結合するように動作可能である、請求項78又は79に記載のツール。
【請求項88】
血管内心外膜アクセスのために動作可能なデリバリーシステムを提供すること、ここで、前記デリバリーシステムは、操縦可能なカテーテル及びデリバリーカテーテルを含む、
経静脈、経動脈、経中隔、経心房又は経大動脈アプローチを使用して前記デリバリーシステムを患者に挿入すること、
前記ツールが結合された前記デリバリーカテーテルを心筋内に前進させること、及び、
前記ツールの前記ヘッドを心膜腔内に延在させること、
を含む、請求項78又は79に記載のツールをインプラント処置する方法。
【請求項89】
前記デリバリーシステムはガイドワイヤ及び/又は針をさらに含み、前記方法は、
ガイドワイヤ又は針をデリバリーカテーテルを通して前進させそして前記ツールを通って心筋及び心膜腔内に延在させること、及び、前記ガイドワイヤ又は針の上で前記ツールを前進させること、
を含む、請求項88に記載の方法。
【国際調査報告】