(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-08
(54)【発明の名称】トライアルコンポーネント及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/46 20060101AFI20240401BHJP
A61F 2/32 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
A61F2/46
A61F2/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566584
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 EP2022061425
(87)【国際公開番号】W WO2022229360
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Loughbeg Industrial Estate, Ringaskiddy, County Cork, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ネイラー・ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】プリンス・ステファニー
(72)【発明者】
【氏名】ボード・ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】メイソン・ジョン・ボハノン
(72)【発明者】
【氏名】ジャランダリ・アーマッド
(72)【発明者】
【氏名】ウーレン・ニール
(72)【発明者】
【氏名】カービー・エルシー
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA05
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC18
(57)【要約】
股関節手術のためのトライアルネック(2)、及びトライアルネックを骨管準備器具(5)に取り付ける方法。トライアルネックは、骨管準備器具の近位端を受容するためのボア(6)を有する、本体部分(4)を含む。トライアルネックはまた、本体部分から延在する一対のアーム(10)を備える、細長いネック部(8)を含む。トライアルネックは、本体部分と、細長いネック部の当該一対のアームと、によって形成されたライブばねを備える、クランプ機構(12)と、クランプ機構をクランプ構成と非クランプ構成との間で移動させるためのアクチュエータ(24)と、を更に含む。クランプ構成において、細長いネック部の一対のアームは、一緒に挟持されて、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨管準備器具への解放可能な取り付けのためのトライアルネックであって、前記トライアルネックが、
前記骨管準備器具の近位端を受容するためのボアを有する、本体部分と、
前記本体部分から延在する一対のアームを備える、細長いネック部と、
前記本体部分と、前記細長いネック部の前記一対のアームと、によって形成されたライブばねを備える、クランプ機構と、
前記クランプ機構をクランプ構成と非クランプ構成との間で移動させるためのアクチュエータと、を備え、
前記クランプ構成において、前記細長いネック部の前記一対のアームが、一緒に挟持されて、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持する、トライアルネック。
【請求項2】
前記一対のアームが、前記細長いネック部から前記本体部分の中に延在し、前記骨管準備器具の前記近位端を受容するための前記ボアが、前記一対のアームを通過する、請求項1に記載のトライアルネック。
【請求項3】
前記ボアが、ボア環によって画定され、前記一対のアームは、アームが前記ボア環の破断部のいずれかの側に位置するように位置決めされている、請求項2に記載のトライアルネック。
【請求項4】
前記一対のアームが、上方に位置するアームと、下方に位置するアームと、を備える、請求項1に記載のトライアルネック。
【請求項5】
部分的にねじ切りされたアクチュエータボアが、前記一対のアームを通って延在し、
前記アクチュエータが、前記部分的にねじ切りされたアクチュエータボア内に延在する、ねじ切りされた作動部材を備え、
前記上方アーム又は下方アームのうちの一方が、前記アクチュエータボアのねじ切りされていない部分を備え、前記上方アーム又は下方アームのうちの他方が、前記アクチュエータボアのねじ切りされた部分を備える、請求項4に記載のトライアルネック。
【請求項6】
前記アクチュエータボアが、前記骨管準備器具の前記近位端を受容するための前記ボアに対して実質的に平行に延在する、請求項5に記載のトライアルネック。
【請求項7】
前記細長いネック部が、
近位端と、
遠位端と、
前記近位端と前記遠位端との間に延在するネック軸と、を備え、
前記アクチュエータボアは、前記アクチュエータボアがネック軸に対して実質的に平行に延在するように、前記細長いネック部の前記近位端から前記遠位端まで延在する、請求項5に記載のトライアルネック。
【請求項8】
前記細長いネック部が、
近位部と、遠位部と、前記近位部と前記遠位部との間に延在するネック軸と、を備え、
前記遠位部が、前記一対のアームを備え、
前記ねじ切りされたアクチュエータボア及び前記ねじ切りされた作動部材が、前記ネック軸に対して実質的に平行であり、
前記近位部が、前記遠位部から分離可能であり、前記遠位部への前記近位部の取り付けにより、前記細長いネック部の前記一対のアームが一緒に挟持されて、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持する、請求項5に記載のトライアルネック。
【請求項9】
前記アクチュエータが、前記トライアルネックに接続するためのボアを有するトライアルヘッドを備え、前記細長いネック部の前記近位端への前記トライアルヘッドの取り付けにより、前記細長いネック部の前記一対のアームが一緒に挟持されて、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持する、請求項1に記載のトライアルネック。
【請求項10】
前記一対のアームが、前記トライアルヘッドの前記ボアの内側の対応する突起と係合するための凹部を含み、前記凹部は、その長さに沿って可変深さを有し、前記凹部内の前記突起の回転により、前記細長いネック部の前記一対のアームが一緒に挟持されて、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持する、請求項9に記載のトライアルネック。
【請求項11】
前記細長いネック部が、
近位部と、遠位部と、を備え、
前記近位部が、ヘッド取り付け部分と、アクチュエータボアと、を備え、
前記遠位部が、前記一対のアームを備え、前記アームが、前記本体部分から延在し、前記骨管準備器具の前記近位端を受容するための前記ボアが、前記一対のアームを通過し、
前記細長いネック部の前記近位部が、前記遠位部から分離可能であり、前記遠位部への前記近位部の取り付けにより、前記一対のアームを一緒に挟持して、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持する、請求項1に記載のトライアルネック。
【請求項12】
前記一対のアームが、前記近位部の前記アクチュエータボアの内壁上の対応するねじ山への接続のために、前記遠位部の近位端でねじ切りされている、請求項11に記載のネックトライアル。
【請求項13】
前記遠位部の近位端が、前記一対のアームの外部表面上に少なくとも1つの突出部を備え、
少なくとも1つの突出部が、前記アクチュエータボアの内壁から延在しており、
組み立てられたときに、前記遠位部の前記近位端上の前記少なくとも1つの突出部の遠位表面が、前記近位部の前記少なくとも1つの突出部の近位表面に当接しており、前記遠位部への前記近位部の取り付けにより、前記一対のアームを一緒に挟持して、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持する、請求項11に記載のトライアルネック。
【請求項14】
前記一対のアームが、前方に位置するアームと、後方に位置するアームと、を備える、請求項11に記載のトライアルネック。
【請求項15】
外科用キットであって、
骨管準備器具への解放可能な取り付けのためのトライアルネックであって、前記トライアルネックが、
前記骨管準備器具の近位端を受容するためのボアを有する、本体部分と、
前記本体部分から延在する一対のアームを備える、細長いネック部と、
前記本体部分と、前記細長いネック部の前記一対のアームと、によって形成されたライブばねを備える、クランプ機構と、
前記クランプ機構をクランプ構成と非クランプ構成との間で移動させるためのアクチュエータであって、
前記クランプ構成において、前記細長いネック部の前記一対のアームが、一緒に挟持されて、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持する、アクチュエータと、
を備える、トライアルネックと、
骨管準備器具と、を備える、外科用キット。
【請求項16】
トライアルヘッドを更に備え、前記トライアルヘッドが、前記トライアルヘッドを前記トライアルネックに解放可能に取り付けるために、前記細長いネック部の前記近位端を受容するためのボアを有する、請求項15に記載の外科用キット。
【請求項17】
プロテーゼステムコンポーネントを更に備える、請求項15又は16に記載の外科用キット。
【請求項18】
トライアルネックを骨管準備器具に取り付ける方法であって、前記トライアルネックが、
前記骨管準備器具の近位端を受容するためのボアを有する、本体部分と、
前記本体部分から延在する一対のアームを備える、細長いネック部と、
前記本体部分と、前記細長いネック部の前記一対のアームと、によって形成されたライブばねを備える、クランプ機構と、
前記クランプ機構をクランプ構成と非クランプ構成との間で移動させるためのアクチュエータと、を備え、
前記方法が、
前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボアに挿入することと、
前記アクチュエータを使用して、前記細長いネック部の前記一対のアームを一緒に挟持して、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢することと、を含む、方法。
【請求項19】
前記一対のアームが、前記細長いネック部から前記本体部分の中に延在し、前記骨管準備器具の前記近位端を受容するための前記ボアが、前記一対のアームを通過する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ボアが、ボア環によって画定され、前記一対のアームは、アームが前記ボア環の破断部のいずれかの側に位置するように位置決めされている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記一対のアームが、上方に位置するアームと、下方に位置するアームと、を備える、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
部分的にねじ切りされたアクチュエータボアが、前記一対のアームを通って延在し、前記アクチュエータが、前記部分的にねじ切りされたアクチュエータボア内に延在する、ねじ切りされた作動部材を備える、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記アクチュエータボアが、前記骨管準備器具の前記近位端を受容するための前記ボアに対して実質的に平行に延在する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記細長いネック部が、
近位端と、
遠位端と、
前記近位端と前記遠位端との間に延在するネック軸と、を備え、
前記アクチュエータボアは、前記アクチュエータボアがネック軸に対して実質的に平行に延在するように、前記細長いネック部の前記近位端から前記遠位端まで延在する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記細長いネック部が、
近位部と、遠位部と、前記近位部と前記遠位部との間に延在するネック軸と、を備え、
前記遠位部が、前記一対のアームを備え、
前記ねじ切りされたアクチュエータボア及び前記ねじ切りされた作動部材が、前記ネック軸に対して実質的に平行であり、
前記近位部が、前記遠位部から分離可能であり、前記遠位部への前記近位部の取り付けにより、前記細長いネック部の前記一対のアームが一緒に挟持されて、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持する、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記アクチュエータが、前記トライアルネックに接続するためのボアを有するトライアルヘッドを備え、前記方法が、前記トライアルヘッドを前記細長いネック部の前記近位端へ据え付けることによって、前記細長いネック部の前記一対のアームを一緒に挟持して、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記一対のアームが、前記トライアルヘッドの前記ボアの内側の対応する突起と係合するための凹部を含み、前記凹部は、その長さに沿って可変深さを有しており、前記方法が、トライアルヘッドを回転させて前記突起を前記凹部内で回転させることによって、前記細長いネック部の前記一対のアームを一緒に挟持して、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持することを更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記細長いネック部が、
近位部と、遠位部と、を備え、
前記近位部が、ヘッド取り付け部分と、アクチュエータボアと、を備え、
前記遠位部が、前記一対のアームを備え、前記アームが、前記本体部分から延在し、前記骨管準備器具の前記近位端を受容するための前記ボアが、前記一対のアームを通過し、
前記細長いネック部の前記近位部が、前記遠位部から分離可能であり、前記方法が、前記近位部を前記遠位部に取り付けることによって、前記一対のアームを一緒に挟持して、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記一対のアームが、前記近位部の前記アクチュエータボアの内壁上の対応するねじ山への接続のために、前記遠位部の近位端でねじ切りされる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記遠位部の近位端が、前記一対のアームの外部表面上に少なくとも1つの突出部を備え、
少なくとも1つの突出部が、前記アクチュエータボアの内壁から延在し、
前記方法が、前記近位部を前記遠位部に取り付けることによって、前記遠位部の前記近位端上の前記少なくとも1つの突出部の遠位表面を前記近位部上の前記少なくとも1つの突出部の近位表面に当接するように位置決めして、前記一対のアームを一緒に挟持して、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持することを更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記一対のアームが、前方に位置するアームと、後方に位置するアームと、を備える、請求項28に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、整形外科手術のためのトライアルコンポーネントに関する。特に、整形外科手術のためのトライアル大腿骨頸部である。本開示はまた、1つ又は2つ以上のトライアルコンポーネントと、整形外科手術のための器具と、を含む、キットに関する。本開示はまた、整形外科手術を実施する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
股関節置換は、股関節が、一般にプロテーゼ又はインプラントとも称される人工関節コンポーネントによって置換される外科的処置である。股関節の全置換は、患者の寛骨臼内に寛骨臼カップインプラントを設置することと、患者の大腿骨内にプロテーゼを設置することと、を含む。関節置換手術は、肩などの他の関節においても実施することができる。
【0003】
股関節置換手術のために、プロテーゼは、典型的には、大腿骨の髄管内に受容される大腿骨ステムと、寛骨臼又は寛骨臼カップインプラント内に受容されるベアリング表面を有する大腿骨ヘッドと、を含む。プロテーゼは、典型的には、大腿骨ステムの近位端と大腿骨ヘッドとの間に延在する大腿骨頸部も含む。
【0004】
股関節置換手術の成功は、寛骨臼カップインプラント並びにプロテーゼ自体の正確な位置決め及び整列を必要とする。寛骨臼カップインプラント及び/若しくはプロテーゼの誤整列並びに/又は不適切なサイズの選択により、プロテーゼの動きの制限及び/又は寛骨臼カップインプラントのベアリング表面及び大腿骨ヘッドのベアリング表面の加速的な摩耗及び断裂を招く可能性がある。この正確な位置決め及び整列を達成するために、様々な要因が関与する。これらの要因のうちの少なくともいくつかは、プロテーゼのネックに関する。これらの要因には、例えば、頸部の長さ、及びステムに対する頸部の角度配向(オフセット)が含まれ得る。トライアリングは、患者のニーズを評価するのを助けるために、そのような整形外科処置中に使用され得る。
【0005】
トライアリングは、一次又は複雑な一次及び修正手術の間に使用することができる。トライアリング中、外科医は、実際のインプラントではなくトライアルコンポーネントを使用して、骨切削部及び/又は軟組織及び/又は最初に使用が計画されたインプラントに何らかの変更が加えられる可能性があるかどうかの評価を助ける。これらのコンポーネントのうちの1つとして骨管準備器具を利用することが、より効率的であり得る。
【0006】
一次股関節又は肩関節形成処置中に、大腿骨又は上腕骨の髄管を準備するために、様々なサイズのブローチ又は他の骨管準備器具が使用され得る。骨管準備器具が骨に挿入されると、(例えば、大腿骨頸部のサイズ及びオフセットに関して)そのタイプの頸部及びヘッドを有するプロテーゼが患者にとって適切であるかどうかを評価するために、トライアルネック及びトライアルヘッドも骨管準備器具に取り付けられ得る。
【0007】
従来、トライアルネックは、Oリングの使用によって骨管準備器具のスピゴットに接続される。Oリングは、スピゴットとトライアルネックの内部表面との間に配置されるときに、締まり嵌め又は摩擦嵌めを形成する。
【0008】
外科医が、骨管準備器具、トライアルネック及びトライアルヘッドの選択された組み合わせが正確に位置決め及び整列されたことに満足した後、それらは取り外され、インプラント自体と交換され得る。
【0009】
場合によっては、患者への修正関節形成手術を実施する必要がある場合がある。このような修正手術では、以前埋め込まれたプロテーゼが外科的に取り除かれ、置換用プロテーゼが埋め込まれる。一部の修正手術では、例えば、大腿骨ステム、ネックコンポーネント、及び寛骨臼カップを含む、以前埋め込まれた股関節プロテーゼのコンポーネントの全てが、外科的に取り除かれる場合がある。他の修正手術では、以前埋め込まれたプロテーゼの一部のみが取り除かれ、置換される場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載される。従属請求項からの特徴の組み合わせは、独立請求項の特徴と適宜組み合わされ得、請求項に明示的に記載されるものだけに限定されない。
【0011】
本開示の第1の態様によれば、骨管準備器具への解放可能な取り付けのためのトライアルネックが提供され、トライアルネックが、
骨管準備器具の近位端を受容するためのボアを有する、本体部分と、
本体部分から延在する一対のアームを備える、細長いネック部と、
本体部分と、細長いネック部の一対のアームと、によって形成されたライブばねを備える、クランプ機構と、
クランプ機構をクランプ構成と非クランプ構成との間で移動させるためのアクチュエータと、を備え、
クランプ構成において、細長いネック部の一対のアームが、一緒に挟持されて、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持する。
【0012】
一対のアームを一緒に挟持することにより、ボアを狭くし、かつ/又は歪めることができ、その結果、ボアは、骨管準備器具の近位端を把持して、トライアルネックの骨管準備器具への確実な取り付けを提供することができる。
【0013】
クランプ機構は、トライアルネックが様々な配向で、例えば骨管準備器具の長手方向軸の周りで、骨管準備器具に取り付けられることを可能にし得る。
【0014】
一対のアームは、細長いネック部から本体部分の中に延在し得、骨管準備器具の近位端を受容するためのボアは、一対のアームを通過し得る。
【0015】
ボアは、ボア環によって画定され得、一対のアームは、アームがボア環の破断部のいずれかの側に位置するように位置決めされ得る。ボア環の破断部は、一対のアームが一緒に挟持されたときにボアの歪みを促進する。
【0016】
一対のアームは、上方に位置するアームと、下方に位置するアームと、を備え得る。
【0017】
トライアルネックは、一対のアームを通って延在する部分的にねじ切りされたアクチュエータボアを更に含み得る。部分的にねじ切りされたアクチュエータボアは、上方アーム又は下方アームのうちの一方がアクチュエータボアのねじ切りされていない部分を備え得、上方アーム又は下方アームのうちの他方がアクチュエータボアのねじ切りされた部分を備えるように、配置され得る。アクチュエータは、部分的にねじ切りされたアクチュエータボア内に延在するねじ切りされた作動部材を備え得る。ねじ切りされたアクチュエータは、クランプ機構を動作させる便利な方法を提供することができる。更に、ねじ切りされたアクチュエータは、骨管準備器具の近位端を受容するためのボアのサイズに対して微調整を行うことを可能にすることができる。
【0018】
アクチュエータボアは、骨管準備器具の近位端を受容するためのボアに対して実質的に平行に延在し得る。
【0019】
細長いネック部はまた、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在するネック軸と、を備え得る。アクチュエータボアは、アクチュエータボアがネック軸に実質的に平行に延在するように、細長いネック部の近位端から遠位端まで延在し得る。これは、アクチュエータボアが細長いネック部の近位端から延在するときに、外科医がアクチュエータボアへの改善されたアクセス可能性を有することを可能にすることができる。
【0020】
細長いネック部はまた、近位部と、遠位部と、近位部と遠位部との間に延在するネック軸と、を備え得る。遠位部は、一対のアームを備え得る。ねじ切りされたアクチュエータボア及びねじ切りされた作動部材は、ネック軸に対して実質的に平行であり得る。近位部は、遠位部から分離可能であり、遠位部への近位部の取り付けにより、細長いネック部の一対のアームが一緒に挟持されて、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持する。これは、アクチュエータボアが細長いネック部の近位端から延在するときに、外科医がアクチュエータボアへの改善されたアクセス可能性を有することを可能にすることができる。
【0021】
アクチュエータは、トライアルネックに接続するためのボアを有するトライアルヘッドを備え得、細長いネック部の近位端へのトライアルヘッドの取り付けにより、細長いネック部の一対のアームが一緒に挟持されて、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢し、骨管準備器具の近位端をボア内に保持する。これは、別個の作動部材を必要としないので、トライアルを形成するのに必要な部品の数を低減することができる。
【0022】
一対のアームは、トライアルヘッドのボアの内側の対応する突起と係合するための凹部を含み得、凹部は、その長さに沿って可変深さを有し、凹部内の突起の回転により、細長いネック部の一対のアームが一緒に挟持されて、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持する。凹部は、ユーザがアームによって挟持のレベルを調節することを可能にし、したがって、骨管準備器具を受容するためのボアのサイズを調節することを可能にする。これは、別個の作動部材を必要としないので、トライアルを形成するのに必要な部品の数を低減することができる。凹部内での突起の回転は、アクチュエータが外科医にとって容易にアクセス可能な機構を提供することができるので、クランプ機構を動作し、トライアルヘッドを使用する便利な方法である。
【0023】
細長いネック部は、
近位部と、遠位部と、を備え得、
近位部は、ヘッド取り付け部分と、アクチュエータボアと、を備え、
遠位部は、一対のアームを備え、アームは、本体部分から延在し、骨管準備器具の近位端を受容するためのボアは、一対のアームを通過し、
細長いネック部の近位部は、遠位部から分離可能であり、遠位部への近位部の取り付けにより、一対のアームを一緒に挟持して、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持する。
【0024】
これは、アームがアームの近位端で一緒に挟持されるので、増大したてこ作用を提供することができる。
【0025】
一対のアームは、近位部のアクチュエータボアの内壁上の対応するねじ山への接続のために、遠位部の近位端でねじ切りされ得る。これは、遠位部と近位部との間の確実な接続を提供することができる。
【0026】
遠位部の近位端は、一対のアームの外部表面上に少なくとも1つの突出部を備え得る。少なくとも1つの突出部は、アクチュエータボアの内壁から延在し得る。組み立てられたときに、遠位部の近位端上の少なくとも1つの突出部の遠位表面は、近位部上の少なくとも1つの突出部の近位表面に当接し得る。遠位部への近位部の取り付けは、一対のアームを一緒に挟持させて、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢させて、骨管準備器具の近位端をボア内に保持し得る。この機構は、ユーザが、クランプ機構を作動させながら、近位部を遠位部に迅速に取り付けることを可能にすることができる。
【0027】
一対のアームは、前方に位置するアームと、後方に位置するアームと、を備え得る。
【0028】
本発明の別の態様によれば、外科用キットが提供され、外科用キットは、
請求項1~21のいずれか一項に記載のトライアルネックと、
骨管準備器具と、を備える。
【0029】
外科用キットは、細長いネック部の近位端を受容するためのボアを有するトライアルヘッドを更に備え、トライアルヘッドをトライアルネックに解放可能に取り付け得る。外科用キットは、プロテーゼステムコンポーネントを更に備え得る。
【0030】
本開示の更なる態様によると、トライアルネックを骨管準備器具に取り付ける方法が提供され、トライアルネックは、
骨管準備器具の近位端を受容するためのボアを有する、本体部分と、
本体部分から延在する一対のアームを備える、細長いネック部と、
本体部分と、細長いネック部の一対のアームと、によって形成されたライブばねを備える、クランプ機構と、
クランプ機構をクランプ構成と非クランプ構成との間で移動させるためのアクチュエータと、を備え、
方法は、
骨管準備器具の近位端をボアに挿入することと、
アクチュエータを使用して、細長いネック部の一対のアームを一緒に挟持して、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢することと、を含む。
【0031】
一対のアームを一緒に挟持することは、ボアを狭くして、骨管準備器具が特定の角度又は位置にある必要なく、トライアルネックの骨管準備器具への確実な取り付けを提供する。したがって、トライアルネックは、様々な配向で骨管準備器具に取り付けることができる。
【0032】
トライアルネックの一対のアームは、細長いネック部から本体部分の中に延在し得る。骨管準備器具の近位端を受容するためのボアは、一対のアームを通過し得る。
【0033】
ボアは、ボア環によって画定され得、一対のアームは、アームがボア環の破断部のいずれかの側に位置するように位置決めされ得る。ボア環の破断部は、一対のアームが一緒に挟持されたときに、ボアの歪みを促進する。これは、軸方向張力及びねじり力の両方によるリーマの近位端の保持を可能にする。
【0034】
ボア環の破断部は、ボア軸に対して横方向であり得るか、又はボアの長さに延在する(ボア軸に対して平行な)長手方向の破断部であり得る。横方向の破断部は、ボアの歪みを促進し、リーマの近位端に対して軸方向張力を提供する。長手方向の破断部は、ボアの歪みを促進し、リーマの近位端に対してねじり張力を提供する。横方向及び長手方向の両方のビークは、ある程度の軸方向張力及びねじり力を提供する。
【0035】
一対のアームは、上方に位置するアームと、下方に位置するアームと、を備え得る。
【0036】
部分的にねじ切りされたアクチュエータボアは、一対のアームを通って延在し得る。部分的にねじ切りされたアクチュエータボアは、一対のアームの一方がアクチュエータボアのねじ切りされた部分を含み得、他方のアームがアクチュエータボアのねじ切りされていない部分を含み得るように、配置され得る。アクチュエータは、ねじ切りされたアクチュエータボア内に延在するねじ切りされた作動部材を備え得る。ねじ切りされたアクチュエータは、クランプ機構を動作させる便利な方法を提供することができる。更に、ねじ切りされたアクチュエータは、骨管準備器具の近位端を受容するためのボアのサイズに対して微調整を行うことを可能にすることができる。
【0037】
アクチュエータボアは、骨管準備器具の近位端を受容するためのボアに対して実質的に平行に延在し得る。
【0038】
細長いネック部は、
近位端と、
遠位端と、
近位端と遠位端との間に延在するネック軸と、を備え得、
アクチュエータボアは、アクチュエータボアがネック軸に対して実質的に平行に延在するように、細長いネック部の近位端から遠位端まで延在する。
【0039】
細長いネック部は、
近位部と、遠位部と、近位部と遠位部との間に延在するネック軸と、を備え得、
遠位部は、一対のアームを備え、
ねじ切りされたアクチュエータボア及びねじ切りされた作動部材は、ネック軸に対して実質的に平行であり、
近位部は、遠位部から分離可能であり、遠位部への近位部の取り付けにより、細長いネック部の一対のアームが一緒に挟持されて、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持する。
【0040】
アクチュエータは、トライアルネックに接続するためのボアを有するトライアルヘッドを備え得る。方法は、トライアルヘッドを細長いネック部の近位端へ据え付けることによって、細長いネック部の一対のアームを一緒に挟持して、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持することを更に含み得る。
【0041】
一対のアームは、トライアルヘッドのボアの内側の対応する突起と係合するための凹部を含み得る。凹部は、その長さに沿って可変深さを有し得る。方法は、トライアルヘッドを回転させて突起を凹部内で回転させることによって、細長いネック部の一対のアームを一緒に挟持して、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持することを更に含み得る。
【0042】
細長いネック部は、
近位部と、遠位部と、を備え得、
近位部は、ヘッド取り付け部分と、アクチュエータボアと、を備え、
遠位部は、一対のアームを備え、アームは、本体部分から延在し、骨管準備器具の近位端を受容するためのボアは、一対のアームを通過し、
細長いネック部の近位部は、遠位部から分離可能である。方法は、近位部を遠位部に取り付けることによって、一対のアームを一緒に挟持して、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持することを更に含み得る。
【0043】
一対のアームは、近位部のアクチュエータボアの内壁上の対応するねじ山への接続のために、遠位部の近位端でねじ切りされ得る。
【0044】
遠位部の近位端は、一対のアームの外部表面上に少なくとも1つの突出部を備え得る。少なくとも1つの突出部は、アクチュエータボアの内壁から延在し得る。方法は、近位部を遠位部に取り付けることによって、遠位部の近位端上の少なくとも1つの突出部の遠位表面を近位部上の少なくとも1つの突出部の近位表面に当接するように位置決めして、一対のアームを一緒に挟持して、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持することを更に含み得る。
【0045】
一対のアームは、前方に位置するアームと、後方に位置するアームと、を備え得る。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本開示の実施形態が、あくまで例として、添付図面を参照しながら以下に説明され、図中、同様の参照符合は、同様の要素に関する。
【
図1】本開示の一実施形態によるトライアルネックの前面図を示す。
【
図2】本開示の別の実施形態によるトライアルネックの前面図を示す。
【
図3】近位部が遠位部から分離された、
図2のトライアルネックの前面図を示す。
【
図4】本開示の更なる実施形態によるトライアルネックの断面図を示す。
【
図6】トライアルヘッドが取り除かれた、
図4のトライアルネックの前面図を示す。
【
図7】本開示の別の実施形態によるトライアルネックを示す。
【
図8】本開示の別の実施形態によるトライアルネックを示す。
【
図11】本開示の別の実施形態による方法を示すフロー図である。
【
図12】
図6のトライアルネックに取り付けられる例示的なリーマを示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本開示の実施形態を、添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0048】
図1~
図8を参照すると、トライアルネックが示されている。トライアルネック2は、本体部分4を有する。本体部分4は、ボア6を含む。ボア6は、ブラインドボア(その近位端で閉じている)であり得るが、図に示されている実施形態では、ボアは、本体部分4を完全に通過するオープンボアである。ボア6は、骨管準備器具をトライアルネック2に取り付けるために、骨管準備器具の近位端を受容することができる。
【0049】
骨管準備器具は、例えば、トライアルステム、又はリーマ若しくはブローチなどの切削器具であり得る。以下の説明では、骨管準備器具は、リーマ5を含むが、他の例では、骨管準備器具は、上述の他の器具のうちの1つであり得ることが理解されよう。例示的なリーマ5を
図9に示す。
【0050】
リーマ5自体は、細長いシャフトの形態であり得、遠位に位置する切削表面を有し得る。リーマ5は、切削表面に対して近位側に位置する近位端を有する。近位端は、円形断面を有する実質的に円筒形であり得るが、これは、必須ではない。近位端は、以下により詳細に説明されるように、リーマ5をトライアルネック2に取り付けるためにトライアルネック2のボア6に挿入され得る。
【0051】
図1~
図8に示されるように、トライアルネック2はまた、細長いネック部8を有する。細長いネック部8は、本体部分4から延在する。細長いネック部8は、近位端26と、遠位端28と、その近位端26と遠位端28との間に延在するネック軸3と、を有する。
【0052】
細長いネック部8の近位端26は、トライアルヘッド30に取り付けられるように構成され得る。他の実施例では、トライアルヘッド30は、トライアルネック2(図示せず)と一体的であり得る。
【0053】
細長いネック部8は、本体部分4から延在する一対のアーム10を含む。一対のアームは、リーマ5の近位端を受容するためのボア6が一対のアーム10を通過し得るように、細長いネック部8からボア6の周りに延在して本体部分4に接合する。
【0054】
ボア6は、ボア環によって画定される。ボア環は、ボア6の長さに延在し得るボアの壁にギャップ66が存在するように、破断される。一対のアームは、一方のアームがボア環の破断部のいずれの側に位置するように位置決めされている。ボア環の破断部は、一対のアーム10が一緒に挟持されたときにボア6の歪みを促進する。
【0055】
トライアルネック2は、リーマ5の近位端をトライアルネック2に取り付けるためのクランプ機構12を備える。クランプ機構12は、本体部分4及び細長いネック部8の一対のアーム10によって形成されたライブばねである。クランプ機構12は、トライアルネック2に対するリーマ5の移動及び/又はトライアルネック2のリーマ5からの不慮の分離を防止するように、ボア6内でリーマ5の近位端をロックするために使用することができる。
【0056】
トライアルネック2はまた、クランプ機構12をクランプ構成と非クランプ構成との間で移動させるためのアクチュエータ24を備える。クランプ構成において、細長いネック部8の一対のアーム10は、一緒に挟持されて、ボア6の内壁16をリーマ5に対して付勢して、リーマ5の近位端をボア6内に保持する。
【0057】
ここで、本開示の異なる実施形態の特定の特徴が別個に、かつより詳細に考察され、同様の特徴は、同様の参照番号で示される。
【0058】
図1~
図3に示す実施形態では、一対のアーム10は、上方アーム18と、下方アーム20と、を含む。一対のアーム10は、一方のアームがボア環のギャップ66のいずれかの側に位置するように位置決めされている。
図1~
図3に示されるように、ギャップ66は、ボア軸に対して横方向であり得る。
【0059】
図1~
図3から理解され得るように、アクチュエータ24は、アクチュエータ24がアクチュエータボア22を通してねじ切りされるときに、クランプ機構12をクランプ構成に移動させるねじ切りされた作動部材であり得る。アクチュエータボア22は、一対のアーム10を通って延在し得る。アクチュエータボア22は、アクチュエータ24のねじ山と協働するための対応するねじ山を含み得る。アクチュエータボア22は、部分的にねじ切りされ得、下方アーム20がアクチュエータボア22のねじ切りされた部分を含み得、上方アーム18がアクチュエータボア22のねじ切りされていない部分を含み得るように配置され得る。代替的に、上方アーム18は、アクチュエータボア22のねじ切りされた部分を含み得、下方アーム20は、アクチュエータボア22のねじ切りされていない部分を含み得る。アクチュエータ24の近位端は、アクチュエータ24を作動させるために、ツールの対応する接続特徴部をアクチュエータ24に接続するための接続特徴部を備え得る。
【0060】
図1~
図3に示されるように、アクチュエータ24は、ねじであり得る。
【0061】
アクチュエータボア22は、
図1に示されるように、リーマ5の近位端を受容するためのボア6に対して実質的に平行に延在し得る。代替的に、アクチュエータボア22は、アクチュエータボア22がネック軸3に対して実質的に平行に延在するように、細長いネック部8の近位端26から遠位端28まで延在し得る。これは、例えば
図2及び
図3に示されている。この実施形態では、細長いネック部8の近位部266は、遠位部288から分離可能であり得る。代替的に、細長いネック部8は、同様にネック軸3に対して実質的に平行に延在するアクチュエータボア22を有する単一部品であり得る。
【0062】
図2において、近位部266は、アクチュエータ24を介して遠位部288に接続して示されている。アクチュエータボア22内のアクチュエータ24の回転(例えば、ツールを使用した)は、アクチュエータボア22内でアクチュエータを前後に移動させることができる。アクチュエータ24が部分的にねじ切りされたアクチュエータボア22にねじ切りされると、アクチュエータは下方アーム16を上方アーム18に向かって引っ張り、これにより、クランプ機構12を非クランプ構成からクランプ構成に移動させる。先で説明されるように、この動きにより、細長いネック部8の一対のアーム10が一緒に挟持されて、ボア6の内壁16をリーマ5に対して付勢して、リーマ5の近位端をボア6内に保持する。
図3は、細長いネック部8の遠位部288から分離された近位部266及びアクチュエータ24を示す。
【0063】
図4~
図6に示す実施形態では、アクチュエータ24はトライアルヘッド30である。細長いネック部8の近位端26は、トライアルヘッド30上の相補的な特徴部に接続するための接続特徴部を含み得る。
図4~
図6に示す実施形態は、上方アーム18及び下方アーム20を含む。一対のアーム10は、一方のアームがボア環のギャップ66のいずれかの側に位置するように位置決めされている。ギャップ66は、ボア軸に対して横方向である。
【0064】
図4のトライアルヘッド30は、トライアルヘッドボア32を含み、トライアルヘッドボアは、ボア32の内壁に位置された突起36を有し得る。対応する凹部34は、細長いネック部8の近位部266上に位置し得る。この実施形態では、細長いネック部8の近位端26は、上方アーム18及び下方アーム20から形成され得る。したがって、上方アーム18及び下方アーム20の各々は、トライアルヘッド30の内部ボア32内における対応する凹部34と接続するための突起36を有し得る。代替的に、凹部34はトライアルヘッドボア32の内壁に位置し得、突起36は細長いネック部8の近位部266に位置し得る。単一の突起36、又は2つ若しくはそれ以上の突起36が存在し得る。
【0065】
【0066】
クランプ機構12の効果は、
図4と
図6とを比較することによって理解することができる。
図6は、トライアルヘッド30が取り付けられていない、非クランプ構成でのトライアルネック2を示す。
図4は、トライアルヘッド30が取り付けられた、クランプ構成でのトライアルネック2を示す。トライアルヘッド30が細長いネック部8の近位端26に接続されると、トライアルヘッド30は下方アーム16と上方アーム18とを一緒に挟持して、アーム間の空間を減少させる。これは、クランプ機構12を、非クランプ構成からクランプ構成に移動させるが、それは、アームが一緒に挟持される際、この移動がボア6の内壁16を変形させ、ボア6のサイズを低減させるためである。
【0067】
一実施形態では、トライアルヘッド30は、上方アーム及び下方アームを一緒に挟持することによって、かつ、突起36が凹部34と嵌合してトライアルヘッド30を定位置に保持するまで細長いネック部8の近位端26をトライアルヘッドボア32に挿入することによって、トライアルネック2に取り付けられ得る。
【0068】
別の実施形態では、凹部34は、その長さに沿って可変深さを有し得、それにより、凹部34内の突起36の回転により、細長いネック部8の一対のアーム10が、凹部34の深さに対してより大きい又はより小さい量で一緒に挟持される。突起36は、突起が凹部34と嵌合すると、トライアルヘッド30を回転させることによって、凹部34内で回転させることができる。
【0069】
図7は、前方アーム52及び後方アーム54を有する異なる実施形態を示す。先に説明した実施形態と同様に、一対のアーム10の遠位端28は、リーマ5の近位端を受容するためのボア6が一対のアーム10を通過するように、ボア6の周りに延在して本体部分4と接合する。一対のアーム10は、一方のアームがボア環のギャップ666のいずれかの側に位置するように位置決めされている。この実施形態では、ギャップ666は、ボアの長さ(ボア軸に対して平行)に延在する長手方向のギャップ666である。
【0070】
トライアルヘッド(図示せず)への取り付けのためのヘッド取り付け部分40は、細長いネック部8の近位部266を形成する。近位部266の遠位部288との接続は、クランプ機構12を非クランプ構成からクランプ構成に移動させる。先で説明されるように、この移動により、ボア6の内壁16がリーマ5に対して付勢されて、リーマ5の近位端がボア6内に保持される。
【0071】
図7に示されるように、遠位部288の近位端42は、細長いネック部8のヘッド取り付け部分40の形態のねじ切りされたアクチュエータ24を備える。ねじ切りされたアクチュエータ24は、前方アーム52及び後方アーム54の外部表面上にねじ山を含む。ヘッド取り付け部分40は、その遠位端にアクチュエータボア22を備える。アクチュエータボアは、一対のアーム10上のねじ切りされたアクチュエータ24と嵌合するために、その内壁44上に対応するねじ山を含み得る。遠位部288の近位端42は、近位部266のアクチュエータボアの中に挿入することができ、ヘッド取り付け部分40の回転は、ねじ切りされたコンポーネントの係合に起因して、クランプ機構12を非クランプ構成からクランプ構成に移動させる。
【0072】
代替的な実施形態が
図8に示されており、この実施形態もまた、前方アーム52及び後方アーム54を含む。先に説明した実施形態と同様に、一対のアーム10の遠位端28は、リーマ5の近位端を受容するためのボア6が一対のアーム10を通過し得るように、ボア6の周りに延在して、本体部分4と接合する。一対のアーム10及び本体部分4は、トライアルネック2の遠位部288を形成する。トライアルヘッド(図示せず)への取り付けのためのヘッド取り付け部分40は、細長いネック部8の近位部266を形成する。
【0073】
図8の実施形態では、一対のアーム10は、一方のアームがギャップ666のいずれかの側に位置するように位置決めされ、ギャップは、ボアの長さ(ボア軸に平行)に延在する。
【0074】
図8に示されるように、遠位部288の近位端42は、一対のアーム10の外部表面上に少なくとも1つの突出部46を備える。ヘッド取り付け部分40は、その遠位端にアクチュエータボア22を備える。少なくとも1つの突出部48はまた、アクチュエータボア22の内壁44から延在し得る。組み立てられたときに、遠位部288の近位端42上の少なくとも1つの突出部46の遠位表面50は、近位部266上の少なくとも1つの突出部48の近位表面53に当接する。したがって、近位部266を遠位部288に取り付けることは、一対のアーム10を一緒に挟持させて、クランプ機構12を非クランプ構成からクランプ構成に移動させる。先で説明されるように、この移動は、ボア6の内壁16をリーマ5に対して付勢させて、これによって、リーマ5の近位端をボア6内に保持する。
【0075】
本開示の一実施形態によれば、トライアルネック(例えば、上で説明される種類のトライアルネック2)と、リーマ5と、を備える、外科用キットが提供され得る。外科用キットは、トライアルヘッド30をトライアルネック2に解放可能に取り付けるように、細長いネック部8の近位端266を受容するためのボア32を有するトライアルヘッド30を更に備え得る。キットは、更なるコンポーネント(例えば、上で説明される種類の1つ若しくは2つ以上の異なるサイズのトライアルネック、1つ若しくは2つ以上の異なる種類のリーマ5、1つ若しくは2つ以上のトライアルヘッド、及び/又は任意の他のコンポーネント)を含み得ることが想定される。例示的なリーマ5が、
図9及び
図10に示される。リーマ5の近位端の幾何学的形状は、本開示のネックトライアル2とともに使用され得る多くの例のうちの1つを例解することに留意されたい。
【0076】
図10は、上に列記された任意の実施形態を使用して大腿骨の準備に続いて挿入され得る例示的な大腿骨ステム70プロテーゼコンポーネントを示す。
【0077】
本開示の更なる実施形態によると、トライアルネック(例えば、上で説明される種類のトライアルネック2)を、
図11のフロー図に示されるように、リーマ5に取り付ける方法が提供され得る。
【0078】
方法は、
図12に示されるように、リーマ5の近位端をトライアルネック2のボア6の中に挿入するステップ301を含み得る。
【0079】
方法はまた、アクチュエータ24を作動させるためにツールをアクチュエータ24の接続特徴部に接続することを含み得る。例えば、アクチュエータ24がねじであるときには、ねじドライバなどのツールが使用され得る。
【0080】
方法は、アクチュエータ24を使用して細長いネック部8の一対のアーム10を一緒に挟持して、ボア6の内壁16をリーマ5に対して付勢させるステップ302を含み得る。
【0081】
次のステップ303において、ユーザは、ボア6の内壁16がリーマ5に対して付勢されるかどうかをチェックすることができる。リーマ5がトライアルネック2に取り付けられるように、リーマ5に対してボア6の内壁16を付勢するのに十分に、アクチュエータが一対のアーム10を一緒に挟持するまで、ステップ302を繰り返すことが必要であり得る。
【0082】
アクチュエータは、トライアルヘッド30を備え得る。したがって、方法のステップ302は、細長いネック部8の近位端266へトライアルヘッド30を据え付けて、細長いネック部8の一対のアーム10を一緒に挟持することを含み得る。方法は、トライアルヘッド30を回転させて凹部34内で突起36を回転させて、細長いネック部8の一対のアーム10を一緒に挟持することを含み得る。
【0083】
アクチュエータは、近位部266を備え得る。したがって、方法のステップ302は、近位部266を遠位部288に取り付けて、遠位部288の近位端42上の少なくとも1つの突出部46の遠位表面50を近位部266上の少なくとも1つの突出部48の近位表面53に当接させて位置決めし、一対のアーム10を一緒に挟持することを含み得る。
【0084】
適宜に、股関節手術のためのトライアルネック、及びトライアルネックを骨管準備器具に取り付ける方法について説明した。トライアルネックは、骨管準備器具の近位端を受容するためのボアを有する本体部分を含む。トライアルネックはまた、本体部分から延在する一対のアームを備える細長いネック部を含む。トライアルネックは、本体部分と、細長いネック部の一対のアームと、によって形成されたライブばねを備える、クランプ機構と、クランプ機構をクランプ構成と非クランプ構成との間で移動させるためのアクチュエータと、を更に含む。クランプ構成において、細長いネック部の一対のアームは、一緒に挟持されて、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持する。
【0085】
本開示の態様は、以下の一連の番号付けされた項に記載される。
【0086】
1.骨管準備器具への解放可能な取り付けのためのトライアルネックであって、トライアルネックが、
骨管準備器具の近位端を受容するためのボアを有する、本体部分と、
本体部分から延在する一対のアームを備える、細長いネック部と、
本体部分と、細長いネック部の一対のアームと、によって形成されたライブばねを備える、クランプ機構と、
クランプ機構をクランプ構成と非クランプ構成との間で移動させるためのアクチュエータと、を備え、
クランプ構成において、細長いネック部の一対のアームが、一緒に挟持されて、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持する、トライアルネック。
【0087】
2.一対のアームが、細長いネック部から本体部分の中に延在し、骨管準備器具の近位端を受容するためのボアが、一対のアームを通過する、項1に記載のトライアルネック。
【0088】
3.ボアが、ボア環によって画定され、一対のアームは、アームがボア環の破断部のいずれかの側に位置するように位置決めされている、項1又は2に記載のトライアルネック。
【0089】
4.一対のアームが、上方に位置するアームと、下方に位置するアームと、を備える、項1~3のいずれか一項に記載のトライアルネック。
【0090】
5.部分的にねじ切りされたアクチュエータボアが、一対のアームを通って延在し、
アクチュエータが、部分的にねじ切りされたアクチュエータボア内に延在する、ねじ切りされた作動部材を備え、
上方アーム又は下方アームのうちの一方が、アクチュエータボアのねじ切りされていない部分を備え、上方アーム又は下方アームのうちの他方が、アクチュエータボアのねじ切りされた部分を備える、項4に記載のトライアルネック。
【0091】
6.アクチュエータボアが、骨管準備器具の近位端を受容するためのボアに対して実質的に平行に延在する、項5に記載のトライアルネック。
【0092】
7.細長いネック部が、
近位端と、
遠位端と、
近位端と遠位端との間に延在するネック軸と、を備え、
アクチュエータボアは、アクチュエータボアがネック軸に対して実質的に平行に延在するように、細長いネック部の近位端から遠位端まで延在する、項5に記載のトライアルネック。
【0093】
8.細長いネック部が、
近位部と、遠位部と、近位部と遠位部との間に延在するネック軸と、を備え、
遠位部が、一対のアームを備え、
ねじ切りされたアクチュエータボア及びねじ切りされた作動部材が、ネック軸に実質的に平行であり、
近位部が、遠位部から分離可能であり、遠位部への近位部の取り付けにより、細長いネック部の一対のアームが一緒に挟持されて、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持する、項5に記載のトライアルネック。
【0094】
9.アクチュエータが、トライアルネックに接続するためのボアを有するトライアルヘッドを備え、細長いネック部の近位端へのトライアルヘッドの取り付けにより、細長いネック部の一対のアームが一緒に挟持されて、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢し、骨管準備器具の近位端をボア内に保持する、項1に記載のトライアルネック。
【0095】
10.一対のアームが、トライアルヘッドのボアの内側の対応する突起と係合するための凹部を含み、凹部は、その長さに沿って可変深さを有し、凹部内の突起の回転により、細長いネック部の一対のアームが一緒に挟持されて、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持する、項9に記載のトライアルネック。
【0096】
11.細長いネック部が、
近位部と、遠位部と、を備え、
近位部が、ヘッド取り付け部分と、アクチュエータボアと、を備え、
遠位部が、一対のアームを備え、アームが、本体部分から延在し、骨管準備器具の近位端を受容するためのボアが、一対のアームを通過し、
細長いネック部の近位部が、遠位部から分離可能であり、遠位部への近位部の取り付けにより、一対のアームを一緒に挟持して、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持する、項1に記載のトライアルネック。
【0097】
12.一対のアームが、近位部のアクチュエータボアの内壁上の対応するねじ山への接続のために、遠位部の近位端でねじ切りされている、項11に記載のネックトライアル。
【0098】
13.遠位部の近位端が、一対のアームの外部表面上に少なくとも1つの突出部を備え、
少なくとも1つの突出部が、アクチュエータボアの内壁から延在し、
組み立てられたときに、遠位部の近位端上の少なくとも1つの突出部の遠位表面が、近位部の少なくとも1つの突出部の近位表面に当接しており、遠位部への近位部の取り付けにより、一対のアームを一緒に挟持して、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持する、項11に記載のトライアルネック。
【0099】
14.一対のアームが、前方に位置するアームと、後方に位置するアームと、を備える、項11~13のいずれか一項に記載のトライアルネック。
【0100】
15.外科用キットであって、
請求項1~21のいずれか一項に記載のトライアルネックと、
骨管準備器具と、を備える、外科用キット。
【0101】
16.トライアルヘッドを更に備え、トライアルヘッドが、トライアルヘッドをトライアルネックに解放可能に取り付けるために、細長いネック部の近位端を受容するためのボアを有する、項15に記載の外科用キット。
【0102】
17.プロテーゼステムコンポーネントを更に備える、項15又は16に記載の外科用キット。
【0103】
18.トライアルネックを骨管準備器具に取り付ける方法であって、トライアルネックが、
骨管準備器具の近位端を受容するためのボアを有する、本体部分と、
本体部分から延在する一対のアームを備える、細長いネック部と、
本体部分と、細長いネック部の一対のアームと、によって形成されたライブばねを備える、クランプ機構と、
クランプ機構をクランプ構成と非クランプ構成との間で移動させるためのアクチュエータと、を備え、
方法が、
骨管準備器具の近位端をボアに挿入することと、
アクチュエータを使用して、細長いネック部の一対のアームを一緒に挟持して、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢することと、を含む、方法。
【0104】
19.一対のアームが、細長いネック部から本体部分の中に延在し、骨管準備器具の近位端を受容するためのボアが、一対のアームを通過する、項18に記載の方法。
【0105】
20.ボアが、ボア環によって画定され、一対のアームは、アームがボア環の破断部のいずれかの側に位置するように位置決めされている、項18又は19に記載の方法。
【0106】
21.一対のアームが、上方に位置するアームと、下方に位置するアームと、を備える、項18~20のいずれか一項に記載の方法。
【0107】
22.部分的にねじ切りされたアクチュエータボアが、一対のアームを通って延在し、アクチュエータが、部分的にねじ切りされたアクチュエータボア内に延在する、ねじ切りされた作動部材を備える、項18~21のいずれか一項に記載の方法。
【0108】
23.アクチュエータボアが、骨管準備器具の近位端を受容するためのボアに対して実質的に平行に延在する、項22に記載の方法。
【0109】
24.細長いネック部が、
近位端と、
遠位端と、
近位端と遠位端との間に延在するネック軸と、を備え、
アクチュエータボアは、アクチュエータボアがネック軸に対して実質的に平行に延在するように、細長いネック部の近位端から遠位端まで延在する、項22に記載の方法。
【0110】
25.細長いネック部が、
近位部と、遠位部と、近位部と遠位部との間に延在するネック軸と、を備え、
遠位部が、一対のアームを備え、
ねじ切りされたアクチュエータボア及びねじ切りされた作動部材が、ネック軸に対して実質的に平行であり、
近位部が、遠位部から分離可能であり、遠位部への近位部の取り付けにより、細長いネック部の一対のアームが一緒に挟持されて、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持する、項22に記載の方法。
【0111】
26.アクチュエータが、トライアルネックに接続するためのボアを有するトライアルヘッドを備え、方法が、トライアルヘッドを細長いネック部の近位端上へ据え付けることによって、細長いネック部の一対のアームを一緒に挟持して、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持することを更に含む、項18に記載の方法。
【0112】
27.一対のアームが、トライアルヘッドのボアの内側の対応する突起と係合するための凹部を含み、凹部は、その長さに沿って可変深さを有しており、方法が、トライアルヘッドを回転させて突起を凹部内で回転させることによって、細長いネック部の一対のアームを一緒に挟持して、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持することを更に含む、項26に記載の方法。
【0113】
28.細長いネック部が、
近位部と、遠位部と、を備え、
近位部が、ヘッド取り付け部分と、アクチュエータボアと、を備え、
遠位部が、一対のアームを備え、アームが、本体部分から延在し、骨管準備器具の近位端を受容するためのボアが、一対のアームを通過し、
細長いネック部の近位部が、遠位部から分離可能であり、方法が、近位部を遠位部に取り付けることによって、一対のアームを一緒に挟持して、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持することを更に含む、項18に記載の方法。
【0114】
29.一対のアームが、近位部のアクチュエータボアの内壁上の対応するねじ山への接続のために、遠位部の近位端でねじ切りされる、項28に記載の方法。
【0115】
30.遠位部の近位端が、一対のアームの外部表面上に少なくとも1つの突出部を備え、
少なくとも1つの突出部が、アクチュエータボアの内壁から延在し、
方法が、近位部を遠位部に取り付けることによって、遠位部の近位端上の少なくとも1つの突出部の遠位表面を近位部上の少なくとも1つの突出部の近位表面に当接するように位置決めして、一対のアームを一緒に挟持して、ボアの内壁を骨管準備器具に対して付勢して、骨管準備器具の近位端をボア内に保持することを更に含む、項28に記載の方法。
【0116】
31.一対のアームが、前方に位置するアームと、後方に位置するアームと、を備える、項28~30のいずれか一項に記載の方法。
【0117】
本開示の特定の実施形態について説明してきたが、特許請求の範囲内で多くの変更/追加、及び/又は置換を行い得ることが、理解されよう。
【0118】
〔実施の態様〕
(1) 骨管準備器具への解放可能な取り付けのためのトライアルネックであって、前記トライアルネックが、
前記骨管準備器具の近位端を受容するためのボアを有する、本体部分と、
前記本体部分から延在する一対のアームを備える、細長いネック部と、
前記本体部分と、前記細長いネック部の前記一対のアームと、によって形成されたライブばね(live spring)を備える、クランプ機構と、
前記クランプ機構をクランプ構成と非クランプ構成との間で移動させるためのアクチュエータと、を備え、
前記クランプ構成において、前記細長いネック部の前記一対のアームが、一緒に挟持されて、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持する、トライアルネック。
(2) 前記一対のアームが、前記細長いネック部から前記本体部分の中に延在し、前記骨管準備器具の前記近位端を受容するための前記ボアが、前記一対のアームを通過する、実施態様1に記載のトライアルネック。
(3) 前記ボアが、ボア環によって画定され、前記一対のアームは、アームが前記ボア環の破断部のいずれかの側に位置するように位置決めされている、実施態様2に記載のトライアルネック。
(4) 前記一対のアームが、上方に位置するアームと、下方に位置するアームと、を備える、実施態様1に記載のトライアルネック。
(5) 部分的にねじ切りされたアクチュエータボアが、前記一対のアームを通って延在し、
前記アクチュエータが、前記部分的にねじ切りされたアクチュエータボア内に延在する、ねじ切りされた作動部材を備え、
前記上方アーム又は下方アームのうちの一方が、前記アクチュエータボアのねじ切りされていない部分を備え、前記上方アーム又は下方アームのうちの他方が、前記アクチュエータボアのねじ切りされた部分を備える、実施態様4に記載のトライアルネック。
【0119】
(6) 前記アクチュエータボアが、前記骨管準備器具の前記近位端を受容するための前記ボアに対して実質的に平行に延在する、実施態様5に記載のトライアルネック。
(7) 前記細長いネック部が、
近位端と、
遠位端と、
前記近位端と前記遠位端との間に延在するネック軸と、を備え、
前記アクチュエータボアは、前記アクチュエータボアがネック軸に対して実質的に平行に延在するように、前記細長いネック部の前記近位端から前記遠位端まで延在する、実施態様5に記載のトライアルネック。
(8) 前記細長いネック部が、
近位部と、遠位部と、前記近位部と前記遠位部との間に延在するネック軸と、を備え、
前記遠位部が、前記一対のアームを備え、
前記ねじ切りされたアクチュエータボア及び前記ねじ切りされた作動部材が、前記ネック軸に対して実質的に平行であり、
前記近位部が、前記遠位部から分離可能であり、前記遠位部への前記近位部の取り付けにより、前記細長いネック部の前記一対のアームが一緒に挟持されて、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持する、実施態様5に記載のトライアルネック。
(9) 前記アクチュエータが、前記トライアルネックに接続するためのボアを有するトライアルヘッドを備え、前記細長いネック部の前記近位端への前記トライアルヘッドの取り付けにより、前記細長いネック部の前記一対のアームが一緒に挟持されて、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持する、実施態様1に記載のトライアルネック。
(10) 前記一対のアームが、前記トライアルヘッドの前記ボアの内側の対応する突起と係合するための凹部を含み、前記凹部は、その長さに沿って可変深さを有し、前記凹部内の前記突起の回転により、前記細長いネック部の前記一対のアームが一緒に挟持されて、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持する、実施態様9に記載のトライアルネック。
【0120】
(11) 前記細長いネック部が、
近位部と、遠位部と、を備え、
前記近位部が、ヘッド取り付け部分と、アクチュエータボアと、を備え、
前記遠位部が、前記一対のアームを備え、前記アームが、前記本体部分から延在し、前記骨管準備器具の前記近位端を受容するための前記ボアが、前記一対のアームを通過し、
前記細長いネック部の前記近位部が、前記遠位部から分離可能であり、前記遠位部への前記近位部の取り付けにより、前記一対のアームを一緒に挟持して、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持する、実施態様1に記載のトライアルネック。
(12) 前記一対のアームが、前記近位部の前記アクチュエータボアの内壁上の対応するねじ山への接続のために、前記遠位部の近位端でねじ切りされている、実施態様11に記載のネックトライアル。
(13) 前記遠位部の近位端が、前記一対のアームの外部表面上に少なくとも1つの突出部を備え、
少なくとも1つの突出部が、前記アクチュエータボアの内壁から延在しており、
組み立てられたときに、前記遠位部の前記近位端上の前記少なくとも1つの突出部の遠位表面が、前記近位部の前記少なくとも1つの突出部の近位表面に当接しており、前記遠位部への前記近位部の取り付けにより、前記一対のアームを一緒に挟持して、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持する、実施態様11に記載のトライアルネック。
(14) 前記一対のアームが、前方に位置するアームと、後方に位置するアームと、を備える、実施態様11に記載のトライアルネック。
(15) 外科用キットであって、
骨管準備器具への解放可能な取り付けのためのトライアルネックであって、前記トライアルネックが、
前記骨管準備器具の近位端を受容するためのボアを有する、本体部分と、
前記本体部分から延在する一対のアームを備える、細長いネック部と、
前記本体部分と、前記細長いネック部の前記一対のアームと、によって形成されたライブばねを備える、クランプ機構と、
前記クランプ機構をクランプ構成と非クランプ構成との間で移動させるためのアクチュエータであって、
前記クランプ構成において、前記細長いネック部の前記一対のアームが、一緒に挟持されて、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持する、アクチュエータと、
を備える、トライアルネックと、
骨管準備器具と、を備える、外科用キット。
【0121】
(16) トライアルヘッドを更に備え、前記トライアルヘッドが、前記トライアルヘッドを前記トライアルネックに解放可能に取り付けるために、前記細長いネック部の前記近位端を受容するためのボアを有する、実施態様15に記載の外科用キット。
(17) プロテーゼステムコンポーネントを更に備える、実施態様15又は16に記載の外科用キット。
(18) トライアルネックを骨管準備器具に取り付ける方法であって、前記トライアルネックが、
前記骨管準備器具の近位端を受容するためのボアを有する、本体部分と、
前記本体部分から延在する一対のアームを備える、細長いネック部と、
前記本体部分と、前記細長いネック部の前記一対のアームと、によって形成されたライブばねを備える、クランプ機構と、
前記クランプ機構をクランプ構成と非クランプ構成との間で移動させるためのアクチュエータと、を備え、
前記方法が、
前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボアに挿入することと、
前記アクチュエータを使用して、前記細長いネック部の前記一対のアームを一緒に挟持して、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢することと、を含む、方法。
(19) 前記一対のアームが、前記細長いネック部から前記本体部分の中に延在し、前記骨管準備器具の前記近位端を受容するための前記ボアが、前記一対のアームを通過する、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記ボアが、ボア環によって画定され、前記一対のアームは、アームが前記ボア環の破断部のいずれかの側に位置するように位置決めされている、実施態様19に記載の方法。
【0122】
(21) 前記一対のアームが、上方に位置するアームと、下方に位置するアームと、を備える、実施態様19に記載の方法。
(22) 部分的にねじ切りされたアクチュエータボアが、前記一対のアームを通って延在し、前記アクチュエータが、前記部分的にねじ切りされたアクチュエータボア内に延在する、ねじ切りされた作動部材を備える、実施態様19に記載の方法。
(23) 前記アクチュエータボアが、前記骨管準備器具の前記近位端を受容するための前記ボアに対して実質的に平行に延在する、実施態様22に記載の方法。
(24) 前記細長いネック部が、
近位端と、
遠位端と、
前記近位端と前記遠位端との間に延在するネック軸と、を備え、
前記アクチュエータボアは、前記アクチュエータボアがネック軸に対して実質的に平行に延在するように、前記細長いネック部の前記近位端から前記遠位端まで延在する、実施態様22に記載の方法。
(25) 前記細長いネック部が、
近位部と、遠位部と、前記近位部と前記遠位部との間に延在するネック軸と、を備え、
前記遠位部が、前記一対のアームを備え、
前記ねじ切りされたアクチュエータボア及び前記ねじ切りされた作動部材が、前記ネック軸に対して実質的に平行であり、
前記近位部が、前記遠位部から分離可能であり、前記遠位部への前記近位部の取り付けにより、前記細長いネック部の前記一対のアームが一緒に挟持されて、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持する、実施態様22に記載の方法。
【0123】
(26) 前記アクチュエータが、前記トライアルネックに接続するためのボアを有するトライアルヘッドを備え、前記方法が、前記トライアルヘッドを前記細長いネック部の前記近位端へ据え付けることによって、前記細長いネック部の前記一対のアームを一緒に挟持して、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持することを更に含む、実施態様18に記載の方法。
(27) 前記一対のアームが、前記トライアルヘッドの前記ボアの内側の対応する突起と係合するための凹部を含み、前記凹部は、その長さに沿って可変深さを有しており、前記方法が、トライアルヘッドを回転させて前記突起を前記凹部内で回転させることによって、前記細長いネック部の前記一対のアームを一緒に挟持して、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持することを更に含む、実施態様26に記載の方法。
(28) 前記細長いネック部が、
近位部と、遠位部と、を備え、
前記近位部が、ヘッド取り付け部分と、アクチュエータボアと、を備え、
前記遠位部が、前記一対のアームを備え、前記アームが、前記本体部分から延在し、前記骨管準備器具の前記近位端を受容するための前記ボアが、前記一対のアームを通過し、
前記細長いネック部の前記近位部が、前記遠位部から分離可能であり、前記方法が、前記近位部を前記遠位部に取り付けることによって、前記一対のアームを一緒に挟持して、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持することを更に含む、実施態様18に記載の方法。
(29) 前記一対のアームが、前記近位部の前記アクチュエータボアの内壁上の対応するねじ山への接続のために、前記遠位部の近位端でねじ切りされる、実施態様28に記載の方法。
(30) 前記遠位部の近位端が、前記一対のアームの外部表面上に少なくとも1つの突出部を備え、
少なくとも1つの突出部が、前記アクチュエータボアの内壁から延在し、
前記方法が、前記近位部を前記遠位部に取り付けることによって、前記遠位部の前記近位端上の前記少なくとも1つの突出部の遠位表面を前記近位部上の前記少なくとも1つの突出部の近位表面に当接するように位置決めして、前記一対のアームを一緒に挟持して、前記ボアの内壁を前記骨管準備器具に対して付勢して、前記骨管準備器具の前記近位端を前記ボア内に保持することを更に含む、実施態様29に記載の方法。
【0124】
(31) 前記一対のアームが、前方に位置するアームと、後方に位置するアームと、を備える、実施態様28に記載の方法。
【国際調査報告】