(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-08
(54)【発明の名称】ネットワークスライス自己最適化方法、基地局、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 28/084 20230101AFI20240401BHJP
H04W 28/24 20090101ALI20240401BHJP
H04W 92/14 20090101ALI20240401BHJP
【FI】
H04W28/084
H04W28/24
H04W92/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567032
(86)(22)【出願日】2021-11-24
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 CN2021132853
(87)【国際公開番号】W WO2022257366
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】202110635730.9
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】郭 華
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE10
5K067EE16
(57)【要約】
ネットワークスライス自己最適化方法、基地局、及び記憶媒体を提供する。ネットワークスライス自己最適化方法は、第1基地局に適用され、第1基地局はサーバーに接続され、サーバーは第2基地局に接続される。当該方法は、サーバーによって送信された最適化ポリシー情報及び指標閾値を取得するステップであって、最適化ポリシー情報は、第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを含み、第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルは、いずれも前記第2基地局からのものである、ステップ(S100)と、第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルに基づいて、サービスレベルアグリーメントSLA指標(S200)を得るステップと、SLA指標が指標閾値を満たさない場合、SLA指標が指標閾値を満たすように、第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整するステップ(S300)と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基地局に適用されるネットワークスライス自己最適化方法であって、前記第1基地局はサーバーに接続され、前記サーバーは第2基地局に接続され、前記ネットワークスライス自己最適化方法は、
前記サーバーによって送信された最適化ポリシー情報及び指標閾値を取得するステップであって、前記最適化ポリシー情報は第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを含み、前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルは、いずれも前記第2基地局からのものである、ステップと、
前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルに基づいて、サービスレベルアグリーメントSLA指標を得るステップと、
前記SLA指標が前記指標閾値を満たさない場合、前記SLA指標が前記指標閾値を満たすように、前記第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整するステップと、を含む、ネットワークスライス自己最適化方法。
【請求項2】
前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルに基づいて、サービスレベルアグリーメントSLA指標を得る前記ステップは、
前記第1ネットワークスライスリソース構成情報を最適化予測のために前記パラメータ最適化モデルに入力し、サービスレベルアグリーメントSLA指標を得るステップを含む、請求項1に記載のネットワークスライス自己最適化方法。
【請求項3】
前記第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整する前記ステップは、
ローカルの第2ネットワークスライスリソース構成情報を取得するステップと、
前記第2ネットワークスライスリソース構成情報に基づいて、前記第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整するステップと、を含む、請求項1に記載のネットワークスライス自己最適化方法。
【請求項4】
前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルに基づいて、サービスレベルアグリーメントSLA指標を得る前記ステップの後に、
前記SLA指標が前記指標閾値を満たす場合、前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルを前記サーバーに報告するステップをさらに含む、請求項1に記載のネットワークスライス自己最適化方法。
【請求項5】
前記最適化ポリシー情報は、
前記サーバーによって送信されたタスク閾値を取得するステップと、
ローカルネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルを取得するステップと、
前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルに基づいて、候補SLA指標を得るステップと、
前記候補SLA指標が前記タスク閾値を満たさない場合、前記候補SLA指標が前記タスク閾値を満たすように、前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報を調整するステップと、
前記候補SLA指標が前記タスク閾値を満たす場合、調整後の前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報を前記第1ネットワークスライスリソース構成情報として決定するステップと、
前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルに基づいて、前記最適化ポリシー情報を得るステップと、によって得られる、請求項1に記載のネットワークスライス自己最適化方法。
【請求項6】
前記第1ネットワークスライスリソース構成情報は、リソース予約ポリシー、サービス品質構成ポリシー、又は5Gサービス品質インジケータのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のネットワークスライス自己最適化方法。
【請求項7】
第2基地局に適用され、前記第2基地局はサーバーに接続され、前記サーバーは第1基地局に接続される、ネットワークスライス自己最適化方法であって、
前記サーバーによって送信されたタスク閾値を取得するステップと、
ローカルネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを取得するステップと、
前記タスク閾値、前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報、及び前記パラメータ最適化モデルに基づいて、第1ネットワークスライスリソース構成情報を得るステップと、
前記第1基地局が前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルに基づいてサービスレベルアグリーメントSLA指標を得るとともに、前記SLA指標が指標閾値を満たさない場合、前記SLA指標が指標閾値を満たすように前記第1基地局が前記第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整するように、前記サーバーによって前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルを前記第1基地局に送信するステップと、を含む、ネットワークスライス自己最適化方法。
【請求項8】
前記タスク閾値、前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報、及び前記パラメータ最適化モデルに基づいて、第1ネットワークスライスリソース構成情報を得る前記ステップは、
前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルに基づいて、候補SLA指標を得るステップと、
前記候補SLA指標が前記タスク閾値を満たさない場合、前記候補SLA指標が前記タスク閾値を満たすように、前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報を調整するステップと、
前記候補SLA指標が前記タスク閾値を満たす場合、調整後の前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報を前記第1ネットワークスライスリソース構成情報として決定するステップと、を含む、請求項7に記載のネットワークスライス自己最適化方法。
【請求項9】
前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報は、リソース予約ポリシー、サービス品質構成ポリシー、又は5Gサービス品質インジケータのうちの少なくとも1つを含む、請求項7又は8に記載のネットワークスライス自己最適化方法。
【請求項10】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1~9のいずれか1項に記載のネットワークスライス自己最適化方法を実現する、基地局。
【請求項11】
プロセッサによって実行されると、請求項1~9のいずれか1項に記載のネットワークスライス自己最適化方法を実現するコンピュータプログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号が202110635730.9、出願日が2021年06月08日の中国特許出願に基づいて提出され、当該中国特許出願の優先権を主張しており、当該中国特許出願の全ての内容はここで参照として本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、通信の技術分野に関し、特にネットワークスライス自己最適化方法、基地局、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、第5世代(5G:5th Generation)無線通信技術は、業界のホットスポットとなっている。5Gネットワークにおけるネットワークスライス技術は、低遅延、高スループット、接続密度、スペクトル効率、トラフィック容量やネットワーク効率など、スライスごとに必要な特性を選択することができ、製品やサービスの作成面での効率を高め、顧客体験を向上させるのに役立つため、5Gネットワークスライス技術は、主に、車両のインターネット、緊急通信、インダストリアルインターネットなど、ネットワーク通信に高い需要を持つさまざまな垂直業界で応用されている。ネットワークスライスが正常に動作することを保証するために、各ネットワークスライスをリアルタイムで最適化する必要がある。しかし、垂直業界では、規模が制限され、かつ業界自体がネットワークの運営・維持に対して最適化能力を備えていないため、大量の人的作業を投入する必要があり、運営・維持コストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下は本明細書において詳細に説明されている主題の概要である。本概要は、特許請求の範囲の保護範囲を限定するものではない。
【0005】
本願の実施例は、ネットワークスライス自己最適化方法、基地局、及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、本願の実施例は、第1基地局に適用されるネットワークスライス自己最適化方法を提供する。前記第1基地局はサーバーに接続され、前記サーバーは第2基地局に接続される。前記ネットワークスライス自己最適化方法は、
前記サーバーによって送信された最適化ポリシー情報及び指標閾値を取得するステップであって、前記最適化ポリシー情報は第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを含み、前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルは、いずれも前記第2基地局からのものである、ステップと、
前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルに基づいて、サービスレベルアグリーメントSLA指標を得るステップと、
前記SLA指標が前記指標閾値を満たさない場合、前記SLA指標が前記指標閾値を満たすように、前記第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整するステップと、を含む。
【0007】
第2態様では、本願の実施例は、第2基地局に適用されるネットワークスライス自己最適化方法を提供する。前記第2基地局はサーバーに接続され、前記サーバーは第1基地局に接続される。前記ネットワークスライス自己最適化方法は、
前記サーバーによって送信されたタスク閾値を取得するステップと、
ローカルネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを取得するステップと、
前記タスク閾値、前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報、及び前記パラメータ最適化モデルに基づいて、第1ネットワークスライスリソース構成情報を得るステップと、
前記第1基地局が前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルに基づいてサービスレベルアグリーメントSLA指標を得るとともに、前記SLA指標が指標閾値を満たさない場合、前記SLA指標が指標閾値を満たすように前記第1基地局が前記第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整するように、前記サーバーによって前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルを前記第1基地局に送信するステップと、を含む。
【0008】
第3態様では、本願の実施例は、基地局を提供する。前記基地局は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、本願の実施例によるネットワークスライス自己最適化方法を実現する。
【0009】
第4態様では、本願の実施例は、プロセッサによって実行されると、本願の実施例によるネットワークスライス自己最適化方法を実現するコンピュータプログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。本願の他の特徴及び利点は、後の明細書で説明され、本明細書から部分的に明らかになるか、又は本願を実施することによって理解される。本願の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲、及び図面において特に指摘された構造によって達成され得る。
【0010】
図面は、本願の技術的解決手段の更なる理解を提供するために使用され、明細書の一部を構成し、本願の実施例と共に本願の技術的解決手段を説明するために使用され、本願の技術的解決手段を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本願の実施例によるネットワークスライス自己最適化方法を実行するためのネットワークスライス最適化システムの構造概略図である。
【
図2】本願の実施例によるネットワークスライス自己最適化方法の流れ概略図である。
【
図3】
図2のステップS200の具体的な実装過程の概略図である。
【
図4】
図2のステップS300の具体的な実装過程の概略図である。
【
図5】
図2のステップS200の後にさらに含まれる具体的な実装過程の概略図である。
【
図6】本願の実施例による最適化ポリシー情報形成の具体的な流れ概略図である。
【
図7】本願の実施例によるネットワークスライス自己最適化方法の流れ概略図である。
【
図8】
図7のステップS900の具体的な実装過程の概略図である。
【
図9】本願の実施例による基地局の一例の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確に理解するために、以下では、図面及び実施例を参照して、本願をさらに詳細に説明する。本明細書に記載された具体的な実施例は、本願を説明するためにのみ使用され、本願を限定するために使用されない。
【0013】
なお、機能モジュールの分割はモジュール概略図に示され、論理的順序はフローチャートに示されているが、場合によっては、モジュール内のモジュールの分割と異なってもよく、又は、示された又は説明されたステップは、フローチャートに示された順序とは異なる順序で実行されてもよい。明細書及び特許請求の範囲、並びに上記の図面における「第1」、「第2」などの用語は、特定の順序又は優先順位を説明するために使用されるのではなく、類似の対象を区別するために使用される。
【0014】
本願の実施例は、ネットワークスライス自己最適化方法を提供する。当該方法よれば、指標閾値、並びに第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを含む第2基地局からの最適化ポリシー情報をサーバーによって取得することにより、第2基地局の第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを利用してサービスレベルアグリーメントSLA指標を導き出すことができる。SLA指標は、現在のネットワークスライス性能を表すことができ、現在のネットワークスライスの最適化効果を表すこともでき、したがって、サーバーによって他の基地局の最適化ポリシー情報をデータサンプルとして取得し、ローカル基地局を最適化することにより、データサンプルを拡張し、最適化効率及び最適化効果を高めることができる。サーバーによって配布されたタスク基準である指標閾値は、現在の基地局の最適化効果を判断するために用いられる。SLA指標が指標閾値を満たさない場合、現在の基地局のネットワークスライスの最適化効果が基準に達しておらず、ネットワークスライスの最適化が必要であると考えられる。したがって、SLA指標が指標閾値を満たすように、すなわち、現在の基地局のネットワークスライスの最適化効果が要件を満たすように、第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整することにより、最適化タスクを達成する。そのため、サーバーによって配布された指標閾値と現在のネットワークスライス性能を表すSLA指標を通じて、第1基地局の構成パラメータを調整して最適化操作を行うことによって、無線ネットワークスライス自己最適化機能を実現し、人為的な最適化作業量を減らし、ネットワーク最適化効率を高める。
【0015】
理解を容易にするために、本願の実施例によるネットワークスライス自己最適化方法の適用シナリオを、図面を参照して以下に説明する。
【0016】
図1は、ネットワークスライス自己最適化方法を実行するためのネットワークスライス最適化システム100を示している。このネットワークスライス最適化システム100は、サーバー110と、第1基地局120と、第2基地局130とを含み、サーバー110は、第1基地局120と第2基地局130とにそれぞれ接続されている。サーバー110は、無線サブスライス管理システム(RAN-NSSMF:RAN Network Slice Subnet Management Function)を含む無線サブスライスマネージャであってもよい。RAN-NSSMFは、無線サブスライスのリソース申請及び無線サブスライスのライフサイクルの管理を担当する。一方、サーバー110に接続された第1基地局120及び第2基地局130は、無線サブスライスカバレージ内の基地局であってもよい。第1基地局120は、自己最適化のために他の基地局のデータを利用する必要がある基地局である。第2基地局130は、他の基地局のデータに依存しない最適化が可能な基地局である。これにより、第1基地局120は、第2基地局130がサーバー110に送信した最適化されたデータを機械学習の入力として、サーバー110と協調して基地局の水平連合学習を実現し、基地局自己最適化機能を達成することができる。
【0017】
なお、サーバー110は、また、インスタンス化情報に応答して、インスタンス化情報に基づいて、水平連合学習最適化を必要とする最適化対象の基地局及びインスタンス化構成データを決定し、インスタンス化構成データを最適化対象の基地局に送信するものでもある。サーバー110は、また、最適化対象の基地局からインスタンス化構成データへのフィードバック結果を受信し、フィードバック結果に基づいてインスタンス化を完了する最適化対象の基地局を決定し、最適化対象の基地局による後続のネットワークスライス自己最適化処理を容易にするものでもある。
【0018】
なお、サーバー110は、また、スライス管理システム(NSMF:Network Slice Management Function)、すなわちサードパーティのスライス管理システムに接続されてもよい。ここで、インスタンス化情報は、N SMFによって開始されるか、又は手動で入力されてもよい。インスタンス化情報は、基地局のネットワークスライスをインスタンス化するために、サーバーがインスタンス化操作を出力するために使用され、これにより、後続のネットワークスライスの最適化タスクを容易にする。
【0019】
なお、サーバー110は、また、外部から入力されたスライス最適化タスクパラメータを受信し、指定された基地局に送信してもよい。例えば、スライス最適化タスクパラメータは、ネットワークスライス構成に関連するデータであってもよく、最適化アルゴリズム、SLAタスク指標、及び最適化閾値を含んでもよい。ここで、サーバー110は、参加者選択アルゴリズムによって、最適化タスクを発行する第1基地局120又は第2基地局130としてサーバー110のカバレッジ内の基地局を選択してもよい。換言すれば、サーバー110は、データサンプルの品質及び数などのパラメータに基づいて、カバレッジ内の基地局から、第2基地局130として好ましい基地局を選択してもよい。好ましい基地局のデータサンプルは、ローカルネットワークスライス最適化のタスク要件を満たすことができ、他の基地局のデータサンプルに依存せず、かつ、データサンプルを拡張してネットワークスライス最適化タスクを行う他の基地局の要件を最大限に満たすことができ、すなわち、第1基地局120にデータサンプルを提供し、第1基地局120の最適化効果及び最適化効率を高めることができる。
【0020】
本願の実施例に記載されたネットワークスライス自己最適化方法を実行するためのネットワークスライス最適化システム100は、本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するためのものであり、本願の実施例が提供する技術的解決手段を限定するものではない。ネットワークスライス最適化システム100の進化及び新たな適用シナリオの出現に伴い、本願の実施例が提供する技術的解決手段が類似の技術的課題に対しても同様に適用される。
【0021】
図1に示すネットワークスライス最適化システム100の構造は、本願の実施例を限定するものではなく、図示よりも多く又は少ない構成要素を含んだり、いくつかの構成要素を組み合わせたり、異なる構成要素の配置を含んだりしてもよい。
【0022】
上記のネットワークスライス最適化システム100の構造に基づいて、本願の実施例に係るネットワークスライス自己最適化方法の各実施例を提案する。
【0023】
図2を参照すると、
図2は、本願の実施例によるネットワークスライス自己最適化方法のフローチャートを示している。このネットワークスライス自己最適化方法は、
図1に示す第1基地局のような第1基地局に適用してもよい。このネットワークスライス自己最適化方法は、ステップS100~ステップS300を含むが、これらに限定されない。
【0024】
ステップS100:前記サーバーによって送信された最適化ポリシー情報及び指標閾値を取得し、前記最適化ポリシー情報は第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを含み、前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルは、いずれも前記第2基地局からのものである。
【0025】
第1基地局は、最適化ポリシー情報、指標閾値をサーバーによって取得する。指標閾値は、基地局が最適化タスクを達成するための標準条件であり、最適化ポリシー情報は、第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを含む。一方、最適化ポリシー情報、すなわち、第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルは、第2基地局からのものである。それによって、第1基地局は、第2基地局の第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを利用して後続の最適化処理を行うことができ、第1基地局と第2基地局との水平連合学習を実現し、第1基地局がネットワークスライスを最適化処理するためのデータサンプルを拡張し、最適化効果及び最適化効率を高められる。第1基地局は、第2基地局が最適化を完了した後の最適化ポリシー情報である第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルをサーバーによって取得し、ネットワークスライスの最適化処理を行う。現在、一部の基地局には、ネットワークスライスのデータ量が少なく、データ品質が悪いという問題があるため、ネットワークスライスの最適化処理の効果がよくなく、集中ポイントを設置して関連基地局のデータを取得してネットワークスライスの最適化処理を行う必要があるが、その中にはユーザのプライバシーデータが含まれている可能性があり、また、集中ポイントと基地局の間で大量のデータの相互作用を行う必要があり、通信のオーバーヘッドが高くなり、ネットワークの安定性が悪影響を受けてしまう。一方、第1基地局は、第2基地局が最適化処理を完了した後の第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータモデルを利用して、ネットワークスライスの後続の最適化処理を行い、基地局の水平連合学習を実現し、関連する基地局のデータを取得するために集中ポイントを設置する必要がなく、設置された集中ポイントと基地局との間で大量のデータの相互作用を回避して、サーバーと基地局との間の通信オーバーヘッドを減少させ、ネットワークの安定性を向上させる。
【0026】
ステップS200:前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルに基づいて、サービスレベルアグリーメントSLA指標を得る。
【0027】
ステップS300:前記SLA指標が前記指標閾値を満たさない場合、前記SLA指標が前記指標閾値を満たすように、前記第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整する。
【0028】
第2基地局からの第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを利用して、ネットワークスライスを最適化して、最適化されたネットワークスライスに対応するSLA指標が得られる。SLA指標は、現在のネットワークスライス性能、すなわち、現在のネットワークスライスの可用性を表すことができる。第1基地局は、最適化処理を行う前に、サーバーから配布された指標閾値を取得する。指標閾値は、SLA指標に対応し、指標閾値は、最適化タスクが成功したネットワークスライスに対応するSLA指標、すなわち最適化タスク目標を表す。第1基地局によって最適化処理を行ったネットワークスライスに得られたSLA指標が指標閾値を満たさない場合、第1基地局の現在のネットワークスライスが最適化タスク目標に到達しておらず、第1基地局がネットワークスライスの最適化処理を継続する必要があると考えられる。第1ネットワークスライスリソース構成情報は、ネットワークスライスに関連する構成データ又はポリシーデータであり、第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整することにより、ネットワークスライスの調整及び最適化が行われる。調整後の第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを利用して調整後のSLA指標を得る。調整後のSLA指標が指標閾値を満たさない場合、ネットワークスライスに対して最適化処理を継続する必要があり、すなわち、調整後のSLA指標が指標閾値を満たす、すなわち、調整後のネットワークスライスが最適化タスク目標に達するように、第1ネットワークスライスリソース構成情報に対して調整を継続して行う必要がある。したがって、最適化タスクは、SLA指標が指標閾値を満たすように、すなわち、現在の基地局のネットワークスライスの最適化効果が要件を満たすように、第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整することによって達成される。そのため、サーバーによって配布された指標閾値と現在のネットワークスライス性能を表すSLA指標を通じて、第2基地局からの第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整して最適化操作を行い、水平連合学習を利用して無線ネットワークスライスを最適化することを実現し、手動最適化作業量を減らし、ネットワーク最適化効率を高める。
【0029】
なお、SLA指標が指標閾値を満たさない場合、第1基地局は、SLA指標が指標閾値を満たすまで、第1ネットワークスライスリソース構成情報の調整を維持する。最適化処理時間が長すぎることを回避し、最適化効率を高めるために、調整回数上限を設定することにより、SLAの反復回数を制限してもよく、すなわち、第1ネットワークスライスリソース構成情報の調整回数を制限する。第1ネットワークスライスリソース構成情報の調整回数が調整回数上限に達した場合、最後に調整された第1ネットワークスライスリソース構成情報を保持し、最後に調整された第1ネットワークスライスリソース構成情報を最適化結果とし、ネットワークスライスの最適化処理を終了する。
【0030】
なお、第1ネットワークスライスリソース構成情報は、リソース予約ポリシー、サービス品質構成ポリシー、又は5Gサービス品質インジケータのうちの少なくとも1つを含んでもよく、3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標):3rd Generation Partnership Project)仕様で定義されたSLA指標に関連するパラメータセットであってもよく、本実施例では、これに特に限定されない。例えば、第1ネットワークスライスリソース構成情報は、リソース予約ポリシーにおける最大リソース予約割合パラメータであってもよく、SLA指標が指標閾値を満たすように最大リソース予約割合パラメータを調整することによってネットワークスライスを最適化処理する。別の例として、第1ネットワークスライスリソース構成情報は、サービス品質構成ポリシーであってもよく、SLA指標が指標閾値を満たすように、サービス品質構成ポリシー内のネットワークトラフィック優先度を調整することによって、ネットワークスライスを最適化処理することができる。
【0031】
なお、SLA指標が指標閾値を満たさない場合、第1基地局は、第1ネットワークスライスリソース構成情報の調整後の対応するSLA指標と指標閾値との差の関係に基づいて、第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整してもよい。例えば、第1ネットワークスライスリソース構成情報は最大リソース予約割合パラメータであってもよく、最大リソース予約割合パラメータを増加させると、調整されたSLAと指標閾値との差が増加した場合、最大リソース予約割合パラメータを逆方向に調整し続ける、すなわち、最大リソース予約割合パラメータを減少させる。別の例として、最大リソース予約割合パラメータを増加させた後、調整されたSLA指標と指標閾値との差が減少した場合、第1ネットワークスライスリソース構成情報の調整方向が維持され、調整ステップが小さくなる。それによって、第1基地局によるネットワークスライスの最適化効率が向上する。
【0032】
図3を参照すると、
図2に示す実施例におけるステップS200は、ステップS210をさらに含むが、これらに限定されない。
【0033】
ステップS210:前記第1ネットワークスライスリソース構成情報を最適化予測のために前記パラメータ最適化モデルに入力し、サービスレベルアグリーメントSLA指標を得る。
【0034】
第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルは、いずれも第2基地局からのものであり、第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルは、第2基地局が最適化処理を完了した後のデータである。第1基地局は、サーバーによって配布された第1ネットワークスライスリソース構成情報をパラメータ最適化モデルの入力パラメータとして、ネットワークスライスの最適化予測を行い、SLA指標を得る。すなわち、第2基地局が最適化処理を完了した後のデータサンプルを利用して、第1基地局でネットワークスライスを処理する。これにより、第1基地局が最適化処理を行うデータサンプルを増加し、第1基地局の最適化効果を高め、調整後のネットワークスライスに対応するSLA指標をより指標閾値に達しやすくし、最適化タスクを達成し、最適化効率を高める。
【0035】
図4を参照すると、
図2に示す実施例におけるステップS300は、ステップS310とステップS320をさらに含むが、これらに限定されない。
【0036】
ステップS310:ローカルの第2ネットワークスライスリソース構成情報を取得する。
【0037】
ステップS320:前記第2ネットワークスライスリソース構成情報に基づいて、前記第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整する。
【0038】
第1基地局は、サーバーによって第2基地局から第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを取得し、第2基地局による最適化処理後の第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを利用して、第1基地局でネットワークスライスを最適化処理する。各基地局の環境条件が異なるため、基地局によって最適化の必要な内容が異なる可能性がある。他の基地局の最適化処理後のデータを利用して、自身のデータサンプルを拡張して最適化処理を行う場合、例えば、第1ネットワークスライスリソース構成情報を参照として、基地局ローカル内のネットワークスライスに対応するSLA指標が指標閾値を満たすように、さらに、基地局のローカルのネットワークスライスリソース構成情報に基づいて調整する必要がある。したがって、第1ネットワークスライスリソース構成情報に対応する、基地局のローカルの第2ネットワークスライスリソース構成情報を取得し、ローカルの第2ネットワークスライスリソース構成情報に基づいて第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整する。これにより、基地局のローカルのネットワークスライス最適化処理が現在の基地局の環境条件に適合し、ローカルの基地局のSLA指標が指標閾値を満たすようにし、最適化タスクを達成し、ネットワークスライスの最適化効果及び最適化効率を高め、ネットワークの安定性を向上させる。
【0039】
なお、基地局のローカルの第2ネットワークスライスリソース構成情報は、第2基地局からの第1ネットワークスライスリソース構成情報に対応している。第2ネットワークスライスリソース構成情報は、リソース予約ポリシー、サービス品質構成ポリシー、又は5Gサービス品質インジケータのうちの少なくとも1つを含んでもよく、また、3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)仕様で定義されたSLA指標に関連するパラメータセットであってもよい。第2ネットワークスライスリソース構成情報の具体的なパラメータは、第1ネットワークスライスリソース構成情報の具体的なパラメータと同じであるが、第1ネットワークスライスリソース構成情報に関する具体的なパラメータは、上記の実施例で説明したので、冗長性を避けるため、本実施例では、詳しく説明しない。
【0040】
図5を参照すると、
図2に示す実施例におけるステップS200の後には、ステップS330を含むが、これに限定されない。
【0041】
ステップS330:前記SLA指標が前記指標閾値を満たす場合、前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルを前記サーバーに報告する。
【0042】
第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルに基づいてSLA指標を得て、SLA指標と指標閾値によって判断し、現在の第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルに基づいてネットワークスライスを最適化処理することが、サーバーによって配布された最適化タスクの目標を満たすことができるかどうかを検出する。SLA指標が指標閾値を満たす場合、基地局は現在の第1ネットワークスライスリソース構成情報及び最適化モデルをローカルに利用してネットワークスライスに対して最適化処理を行った後、最適化処理後のネットワークスライスは最適化タスクの目標を達成できると考えられる。すなわち、最適化タスクを達成し、第1ネットワークスライスリソース構成情報の調整及びネットワークスライスの最適化処理を終了する。現在対応する指標閾値を満たす第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルをサーバーに報告し、最適化結果をサーバーにフィードバックすることにより、基地局とサーバーとの間の大量のデータの相互作用を効果的に低減し、通信オーバーヘッドを低減し、最適化効率を高めることができる。
【0043】
なお、SLA指標が指標閾値を満たさない場合、第1基地局は、最適化の結果として、最適化が成功しなかったことをサーバーに報告してもよい。これにより、サーバーは、第1基地局の最適化処理の進捗状況を適時に把握し、最適化効率を高めることができる。
【0044】
なお、第1基地局が調整後の第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルに基づいて得たSLA指標が指標閾値を満たす場合、第1基地局は、サーバーによって第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを他の基地局にブロードキャストしてもよい。これにより、他の基地局は、第1基地局からの調整後の第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを自身のデータサンプルに補充することができる。それにより、他の基地局がネットワークスライスの最適化タスクを達成するのを支援し、基地局の最適化効率及び最適化効果を向上させることができる。
【0045】
なお、第1基地局は、自身のSLA指標を監視してもよい。第1基地局のSLA指標がかつて指標閾値を満たしていたとしても、SLA指標が指標閾値を満たしていない場合、第1基地局は、自己最適化を開始するための情報をサーバーに報告し、現在の第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整し、調整後の第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルに基づいて、指標閾値を満たすSLA指標を得ることができるようにすることができる。それによって、第1基地局のリアルタイム自己最適化の機能を実現し、手動最適化作業量を減らし、最適化効率を高める。
【0046】
図6を参照すると、
図6は、最適化ポリシー情報が具体的には以下のステップによって得られることを示している。
【0047】
ステップS610:前記サーバーによって送信されたタスク閾値を取得する。
ステップS620:ローカルネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルを取得する。
【0048】
ステップS630:前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルに基づいて、候補SLA指標を得る。
【0049】
ステップS640:前記候補SLA指標が前記タスク閾値を満たさない場合、前記候補SLA指標が前記タスク閾値を満たすように、前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報を調整する。
【0050】
ステップS650:前記候補SLA指標が前記タスク閾値を満たす場合、調整後の前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報を前記第1ネットワークスライスリソース構成情報として決定する。
【0051】
ステップS660:前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルに基づいて、前記最適化ポリシー情報を得る。
【0052】
最適化ポリシー情報は、基地局処理によって得られる。基地局は、サーバーによって送信されたタスク閾値、並びにローカルネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを取得し、タスク閾値は、ネットワークスライスに対応するSLA指標が達成すべき最適化タスク目標を表す。基地局は、ローカルネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを利用して候補SLA指標を得て、ローカルネットワークスライスリソース構成情報に基づいて最適化処理されたネットワークスライスに対応する性能を候補SLA指標で表す。候補SLA指標がタスク閾値を満たさない場合、すなわち、現在のローカルネットワークスライスリソース構成情報を利用して最適化処理されたネットワークスライスが最適化タスク目標に達していない場合、候補SLA指標がタスク閾値を満たすように候補SLA指標を調整する必要がある。一方、候補SLA指標はローカルネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルから得られ、そのため、ローカルネットワークスライスリソース構成情報を調整し、調整後のローカルネットワークスライスリソース構成情報を利用してネットワークスライスに対して最適化処理を行い、最適化処理後の候補SLA指標がタスク閾値を満たすようにする。これにより、基地局のローカルデータを利用して自己最適化タスクを行うことができる。
【0053】
候補SLA指標がタスク閾値を満たす場合、すなわち、調整後のローカルネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを利用して得られたネットワークスライスが最適化タスク目標を達成することができる場合、最適化タスクが完了すると考えられる。調整後のローカルネットワークスライスリソース構成情報を第1ネットワークスライスリソース構成情報として決定し、第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルに基づいて最適化ポリシー情報を得て、それによって、サーバーによって他の基地局にローカルの基地局の最適化結果、すなわち最適化ポリシー情報を共有し、他の基地局による最適化タスクを支援し、サーバーと基地局間の通信のオーバーヘッドを減少し、他の基地局のデータサンプルを増加させ、最適化効果及び最適化効率を高める。
【0054】
なお、ローカルネットワークスライスリソース構成情報の具体的なパラメータは、第1ネットワークスライスリソース構成情報の具体的なパラメータと同じであるが、第1ネットワークスライスリソース構成情報に関連する具体的なパラメータは、上記の実施例で説明したので、冗長性を避けるために、本実施例では詳しく説明しない。
【0055】
図7を参照すると、
図7は、本願の実施例によるネットワークスライス自己最適化方法のフローチャートを示している。このネットワークスライス自己最適化方法は、
図1に示す第2基地局のような第2基地局に適用してもよい。このネットワークスライス自己最適化方法は、ステップS700~ステップS1000を含むが、これらに限定されない。
【0056】
ステップS700:前記サーバーによって送信されたタスク閾値を取得する。
ステップS800:ローカルネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを取得する。
【0057】
ステップS900:前記タスク閾値、前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報、及び前記パラメータ最適化モデルに基づいて、第1ネットワークスライスリソース構成情報を得る。
【0058】
ステップS1000:前記第1基地局が前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルに基づいてサービスレベルアグリーメントSLA指標を得るとともに、前記SLA指標が指標閾値を満たさない場合、前記SLA指標が指標閾値を満たすように前記第1基地局が前記第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整するように、前記サーバーによって前記第1ネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルを前記第1基地局に送信する。
【0059】
第2基地局は、サーバーのタスク閾値を取得することによって、ネットワークスライスの最適化タスク目標を決定できる。基地局のローカルネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを取得し、他の基地局の最適化後のデータに依存することなくネットワークスライスに対して最適化処理を行う。基地局は、タスク閾値、ローカルネットワークスライスリソース構成情報、及びパラメータ最適化モデルに基づいて最適化予測を行い、最適化処理後の第1ネットワークスライスリソース構成情報を得ることができる。最適化処理後の第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルをサーバーによって第1基地局に送信する。これにより、第1基地局は、第2基地局による最適化処理後の第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルに基づいて、現在の最適化処理後のネットワークスライスに対応するSLA指標を得る。第1基地局は、SLA指標が第1基地局によってサーバーから取得された指標閾値を満たさない場合、すなわち、第1基地局の現在の最適化処理がサーバーによって配布された最適化タスク目標に達していない場合、SLA指標が指標閾値を満たすように第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整して、第1基地局の最適化タスクを達成することができる。第2基地局の第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルは、サーバーの協調の下で、第1基地局によるネットワークスライス最適化処理のデータサンプルを拡張し、第1基地局が無線ネットワークスライス自己最適化タスクを達成するのに役立ち、手動最適化作業量を減らし、最適化効果及び最適化効率を高めることができる。
【0060】
図8を参照すると、
図8に示す実施例におけるステップS900は、ステップS910~ステップS930ステップをさらに含むが、これらに限定されない。
【0061】
ステップS910:前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報及び前記パラメータ最適化モデルに基づいて、候補SLA指標を得る。
【0062】
ステップS920:前記候補SLA指標が前記タスク閾値を満たさない場合、前記候補SLA指標が前記タスク閾値を満たすように、前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報を調整する。
【0063】
ステップS930:前記候補SLA指標が前記タスク閾値を満たす場合、調整後の前記ローカルネットワークスライスリソース構成情報を前記第1ネットワークスライスリソース構成情報として決定する。
【0064】
ローカルネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを利用してネットワークスライスに対して最適化処理を行う。言い換えれば、ローカルネットワークスライスリソース構成情報を入力パラメータとし、ローカルネットワークスライスリソース構成情報をパラメータ最適化モデルに入力して最適化予測を行い、最適化処理後のネットワークスライスに対応する候補SLA指標を得る。候補SLA指標がタスク閾値を満たさない場合、第2基地局の現在の最適化処理後のネットワークスライスがサーバーの最適化タスク目標に達しておらず、ローカルネットワークスライスリソース構成情報を調整する必要があると考えられる。ローカルネットワークスライスリソース構成情報は、ネットワークスライスに関連する構成データ又はポリシーデータである。ローカルネットワークスライスリソース構成情報を調整することにより、ネットワークスライスに対する調整と最適化が可能になり、ネットワークスライス性能が向上し、それに対応する候補SLA指標が高まる。調整後のローカルネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルに基づいて、調整後の候補SLA指標を得る。調整後の候補SLA指標がまだタスク閾値を満たさない場合、候補SLA指標がタスク閾値を満たすことができる、すなわち、調整後のローカルネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルに基づいて最適化処理を行った後のネットワークスライスがサーバーの最適化タスク目標を満たし、最適化タスクを達成するまで、ローカルネットワークスライスリソース構成情報を調整し続ける必要がある。候補SLA指標がタスク閾値を満たす場合、この候補SLA指標に対応するローカルネットワークスライスリソース構成情報、すなわち調整後のローカルネットワークスライスリソース構成情報を第1ネットワークスライスリソース構成情報として決定し、サーバーによって第1基地局によるネットワークスライスの自己最適化処理を支援する。したがって、第2基地局がサーバーによって配布したタスク閾値は、最適化後のネットワークスライスがサーバーの最適化タスク目標に達するまで、基地局のローカルデータ、すなわちローカルネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを利用して、ネットワークスライスに対して最適化処理を行う。最適化タスク目標を達成したネットワークスライスに対応するローカルネットワークスライスリソース構成情報を第1ネットワークスライスリソース構成情報として決定する。第1ネットワークスライスリソース構成情報を介して第1基地局のネットワークスライス最適化のためのデータサンプルを提供し、第1基地局のネットワークスライス自己最適化を支援し、水平連合学習を実現し、ネットワークスライスに対する自己最適化機能を実現し、手動最適化作業量を減らし、ネットワーク最適化効率を高める。
【0065】
なお、候補SLA指標がタスク閾値を満たさない場合、第2基地局は、候補SLA指標がタスク閾値を満たすまで、ローカルネットワークスライスリソース構成情報の調整を維持する。最適化処理時間が長すぎることを回避し、最適化効率を高めるために、調整回数上限を設定することにより、候補SLAの反復回数を制限してもよく、すなわち、ローカルネットワークスライスリソース構成情報の調整回数を制限する。ローカルネットワークスライスリソース構成情報の調整回数が調整回数上限に達した場合、最後に調整後のローカルネットワークスライスリソース構成情報を保持し、最後に調整されたローカルネットワークスライスリソース構成情報を最適化結果とし、ネットワークスライスの最適化処理を終了することができる。
【0066】
なお、ローカルネットワークスライスリソース構成情報は、リソース予約ポリシー、サービス品質構成ポリシー、又は5Gサービス品質インジケータのうちの少なくとも1つを含んでもよく、3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)仕様で定義されたSLA指標に関連するパラメータセットであってもよく、本実施例では、これに特に限定されない。例えば、ローカルネットワークスライスリソース構成情報は、リソース予約ポリシーにおける最大リソース予約割合パラメータであってもよい。調整後のSLA指標が指標閾値を満たすように最大リソース予約割合パラメータを調整することによってネットワークスライスを最適化処理する。別の例として、ローカルネットワークスライスリソース構成情報は、サービス品質構成ポリシーであってもよい。調整後のSLA指標が指標閾値を満たすように、サービス品質構成ポリシー内のネットワークトラフィック優先度を調整することによって、ネットワークスライスを最適化処理することができる。
【0067】
なお、候補SLA指標がタスク閾値を満たさない場合、第1基地局は、調整後の候補SLA指標とタスク閾値との差の関係に基づいて、ローカルネットワークスライスリソース構成情報を調整してもよい。例えば、ローカルネットワークスライスリソース構成情報は最大リソース予約割合パラメータであってもよく、最大リソース予約割合パラメータを減少させると、調整後の候補SLAとタスク閾値との差が増加した場合、最大リソース予約割合パラメータを逆方向に調整し続ける、すなわち、最大リソース予約割合パラメータを増加させる。別の例として、最大リソース予約割合パラメータを減少させた後、調整後の候補SLA指標とタスク閾値との差が減少した場合、ローカルネットワークスライスリソース構成情報の調整方向が維持され、調整ステップが小さくなる。それによって、第2基地局によるネットワークスライスの最適化効率が向上する。
【0068】
図9を参照すると、
図9は、本願の実施例による基地局900を示している。この基地局900は、
プログラムを記憶するメモリ910と、
メモリ910に記憶されたプログラムを実行するプロセッサ920と、を含むが、これらに限定されない。プロセッサ920は、メモリ910に記憶されたコンピュータプログラムを実行すると、上記のネットワークスライス自己最適化方法を実行する。
【0069】
プロセッサ920及びメモリ910は、バス又は他の手段を介して接続されてもよい。
メモリ910は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、本願の任意の実施例に記載のネットワークスライス自己最適化方法など、非一時的なソフトウェアプログラム及び非一時的なコンピュータ実行可能プログラムを記憶するために使用され得る。プロセッサ920は、メモリ910に記憶された非一時的なソフトウェアプログラム及び命令を実行することによって、上記のネットワークスライス自己最適化方法を実現する。
【0070】
メモリ910は、プログラム記憶領域と、データ記憶領域と、を含んでもよい。ここで、プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能のために必要なアプリケーションプログラムを記憶し得る。データ記憶領域は、上記のネットワークスライス自己最適化方法を実行することを記憶し得る。さらに、メモリ910は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、また、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の非一時的なソリッドステート記憶デバイスのような非一時的な記憶デバイスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、メモリ910は、ネットワークを介してこのプロセッサ920に接続され得るプロセッサ920に対してリモートに配置されたリモートメモリを含んでもよい。上記のネットワークの例には、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワーク、及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0071】
上記のネットワークスライス自己最適化方法を実施するために必要な非一時的なソフトウェアプログラム及び命令は、メモリ910に記憶され、1つ又は複数のプロセッサ920によって実行されると、本願の任意の実施例によるネットワークスライス自己最適化方法が実行される。
【0072】
本願の実施例はまた、上記のネットワークスライス自己最適化方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を記憶する記憶媒体を提供する。
【0073】
一実施例では、この記憶媒体は、1つ又は複数の制御プロセッサ、例えば、上記のネットワーク機器の1つのプロセッサによって実行されると、本願の任意の実施例によるネットワークスライス自己最適化方法を上記の1つ又は複数のプロセッサに実行させることができる、コンピュータ実行可能命令を記憶している。
【0074】
本願の実施例は、サーバーによって送信された最適化ポリシー情報及び指標閾値を取得するステップであって、最適化ポリシー情報は第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを含み、第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルは、いずれも第2基地局からのものである、ステップと、第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルに基づいて、サービスレベルアグリーメントSLA指標を得るステップと、SLA指標が指標閾値を満たさない場合、SLA指標が指標閾値を満たすように、第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整するステップと、を含む。本願の実施例による形態によれば、指標閾値、並びに第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルをサーバーによって取得することにより、第2基地局の第1ネットワークスライスリソース構成情報及びパラメータ最適化モデルを利用してサービスレベルアグリーメントSLA指標を導き出す。SLA指標は、現在のネットワークスライス性能を表すことができ、現在のネットワークスライスの最適化効果を表すこともできる。したがって、サーバーによって他の基地局の最適化ポリシー情報をデータサンプルとして取得し、ローカル基地局を最適化することにより、ローカル基地局のデータサンプルを拡張し、最適化効率及び最適化効果を高めることができる。サーバーによって配布されたタスク基準である指標閾値は、現在の基地局の最適化効果を判断するために用いられる。SLA指標が指標閾値を満たさない場合、現在の基地局のネットワークスライスの最適化効果が基準に達していないと考えられるので、SLA指標が指標閾値を満たすように、すなわち、現在の基地局のネットワークスライスの最適化効果が要件を満たすように、第1ネットワークスライスリソース構成情報を調整することにより、最適化タスクを達成する。そのため、サーバーによって配布された指標閾値と現在のネットワークスライス性能を表すSLA指標を通じて、第1基地局の構成パラメータを調整して最適化操作を行うことによって、無線ネットワークスライス自己最適化機能を実現し、手動最適化作業量を減らし、ネットワーク最適化効率を高める。
【0075】
上記した実施例は、単に概略的なものにすぎず、分離された構成要素として示されたユニットは、物理的に分離されていてもよいし、物理的に分離されていなくてもよい、すなわち、1つの場所に配置されていてもよいし、複数のネットワークユニットに分散されていてもよい。これらのモジュールの一部又は全部は、実際の必要に応じて、本実施例の目的を達成するために選択されてもよい。
【0076】
上記で開示された方法におけるステップの全部又は一部、システムは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及びそれらの適切な組み合わせとして実装されてもよい。物理的構成要素の一部又はすべては、中央プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェアとして、又はハードウェアとして、又は特定用途向け集積回路などの集積回路として実装されてもよい。このようなソフトウェアは、コンピュータ記憶媒体(又は非一時的な媒体)及び通信媒体(又は一時的な媒体)を含んでもよいコンピュータ読み取り可能な媒体上に配布してもよい。コンピュータ記憶媒体という用語は、情報(例えば、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータ)を記憶するための任意の方法又は技術において実施される、揮発性及び不揮発性の、取り外し可能な、及び取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気カートリッジ、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセスすることができる他の任意の媒体を含むが、これらに限定されない。さらに、通信媒体は、通常、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波もしくは他の送信機構のような変調データ信号中の他のデータを含み、任意の情報配信媒体を含んでもよい。
【0077】
以上、本願のいくつかの実施例について具体的に説明したが、本願は上記の実施形態に限定されるものではなく、当業者であれば、本願の精神に反しない条件下では、様々な均等な変形又は置換も行うことができ、これらの均等な変形又は置換は、すべて本願の特許請求の範囲によって限定される範囲内に含まれる。
【国際調査報告】