(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-09
(54)【発明の名称】移植用の織物
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564588
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 US2022025593
(87)【国際公開番号】W WO2022226090
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ルペシュ・ガジャナン・ナワレーク
(72)【発明者】
【氏名】サンディップ・ヴァサント・パワル
(72)【発明者】
【氏名】シドハース・ヴァド
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・エー・ピーターソン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・ロバート・ランドン
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー・チャールズ・バンエブリ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC03
4C097DD11
4C097FF12
4C097SB02
4C097SB10
(57)【要約】
生体適合性繊維によって形成されるハニカム織りパターンを有する布。実施例における布は、布の厚さを増加させるために熱処理されてもよい。布は、患者の体内での緩衝を可能にするように、適合し、圧縮可能であってもよい。例えば、人工弁の一部分を緩衝するために、布が人工弁に当てられてもよい。摩擦体がさらに開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓の自己弁に展開されるように構成された人工弁であって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁尖と、
前記複数の人工弁弁尖に結合され、かつ前記心臓の一部分に固定するように各々が構成されている、一つ以上のアンカーと、
前記一つ以上のアンカーに結合された一つ以上のパッドであって、前記一つ以上のパッドのそれぞれが、ハニカム織りパターンを有する布を含む、一つ以上のパッドと、を含む、人工弁。
【請求項2】
前記人工弁が、流入端及び流出端を含み、前記一つ以上のアンカーが、前記人工弁の前記流出端に位置付けられる、請求項1に記載の人工弁。
【請求項3】
前記一つ以上のアンカーが心室アンカーを含む、請求項1又は請求項2に記載の人工弁。
【請求項4】
前記一つ以上のパッドが、前記一つ以上のアンカーの先端に結合される、請求項1~3のいずれかに記載の人工弁。
【請求項5】
前記一つ以上のアンカーの各々がフック形状を有する、請求項1~4のいずれかに記載の人工弁。
【請求項6】
前記一つ以上のアンカーの各々が、半径方向内向きに面する表面及び半径方向外向きに面する表面を含み、前記一つ以上のパッドが、前記半径方向内向きに面する表面を覆う、請求項1~5のいずれかに記載の人工弁。
【請求項7】
前記一つ以上のアンカーの各々が、自己弁弁尖の周りにフックするように構成され、前記半径方向内向きに面する表面が、前記自己弁弁尖に向かって面している、請求項6に記載の人工弁。
【請求項8】
前記複数の人工弁弁尖を支持するフレームをさらに備え、前記一つ以上のアンカーが前記フレームに結合される、請求項1~7のいずれかに記載の人工弁。
【請求項9】
前記一つ以上のパッドの各々が、前記布の複数の層を含む、請求項1~8のいずれかに記載の人工弁。
【請求項10】
前記ハニカム織りパターンが、セルの繰り返しパターンを含み、前記セルの各々が、壁によって囲まれた窪みを含む、請求項1~9のいずれかに記載の人工弁。
【請求項11】
前記布が、波状である生体適合性繊維によって形成される、請求項1~10のいずれかに記載の人工弁。
【請求項12】
前記布が熱処理されて、前記布の厚さを増加させる、請求項11に記載の人工弁。
【請求項13】
前記熱処理が、前記生体適合性繊維の捲縮を増加させる、請求項12に記載の人工弁。
【請求項14】
前記布が80パーセントを超える圧縮性を有する、請求項1~13のいずれかに記載の人工弁。
【請求項15】
前記布が、1インチ当たりの経糸数100~400本、及び1インチ当たりの緯糸数100~300本の繊維密度を有する、請求項1~14のいずれかに記載の人工弁。
【請求項16】
心臓の自己弁に展開されるように構成された人工弁であって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁尖と、
前記複数の人工弁弁尖を支持し、スカートを含み、前記スカートの少なくとも一部分がハニカム織りパターンを有する、弁本体と、を備える、人工弁。
【請求項17】
前記複数の人工弁弁尖に連結され、かつ各々が前記心臓の一部分に固定されるように構成された複数のアンカーをさらに備える、請求項16に記載の人工弁。
【請求項18】
前記ハニカム織りパターンを有する前記スカートの前記一部分が、前記複数のアンカーの隣接するアンカー間に円周方向に延在する、請求項17に記載の人工弁。
【請求項19】
前記ハニカム織りパターンを有する前記スカートの前記一部分が、前記複数のアンカーの各々とは反対側に位置付けられる、請求項17又は請求項18に記載の人工弁。
【請求項20】
前記複数のアンカーの各々が、フック形状を有する、請求項17~19のいずれかに記載の人工弁。
【請求項21】
心臓の自己弁に展開されるように構成された人工弁であって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁尖と、
前記複数の人工弁弁尖を支持し、スカートを含む弁本体であって、前記スカートの少なくとも一部分が、前記心臓の一部分との摩擦を提供するための一つ以上の摩擦体を含む、弁本体と、を備える、人工弁。
【請求項22】
前記一つ以上の摩擦体が、一つ以上の突出部を含む、請求項21に記載の人工弁。
【請求項23】
前記弁本体の近位部分が、前記人工弁の流入を含み、前記弁本体の遠位部分が、前記人工弁の流出を含み、前記一つ以上の突出部が、遠位方向又は近位方向の移動に抵抗するように角度付けられている、請求項22に記載の人工弁。
【請求項24】
前記一つ以上の摩擦体が、複数のループを有するパッチを含む、請求項21~23のいずれかに記載の人工弁。
【請求項25】
前記スカートが、布を含み、前記一つ以上の摩擦体が、前記布に埋め込まれる、請求項21~24のいずれかに記載の人工弁。
【請求項26】
前記一つ以上の摩擦体が、前記心臓の前記一部分との摩擦を提供するための突出部を有する一つ以上のワイヤを含む、請求項21~25のいずれかに記載の人工弁。
【請求項27】
前記スカートが、布を含み、前記一つ以上の摩擦体が、前記布に織り込まれる、請求項21~26のいずれかに記載の人工弁。
【請求項28】
前記一つ以上の摩擦体が、前記心臓の前記一部分との摩擦を提供するための突出部を有する一つ以上の縫合糸を含む、請求項21~27のいずれかに記載の人工弁。
【請求項29】
前記一つ以上の摩擦体が、ハニカム織りパターンを含む、請求項21~28のいずれかに記載の人工弁。
【請求項30】
前記ハニカム織りパターンが、セルの繰り返しパターンを含み、前記セルの各々が、壁によって囲まれた窪みを含む、請求項29に記載の人工弁。
【請求項31】
心臓の自己弁に移植するための人工心臓弁であって、前記人工心臓弁が、
前記人工心臓弁の流れチャネル内に位置付けられた複数の人工弁弁尖と、
前記複数の人工弁弁尖を支持する拡張可能かつ圧縮可能な内側フレームと、
前記心臓の一部分をシールするための拡張可能かつ圧縮可能なシール本体であって、前記シール本体が前記内側フレームの半径方向外向きに位置付けられ、前記シール本体の少なくとも一部分が、その外表面に沿って複数の摩擦体を含む、拡張可能かつ圧縮可能なシール本体と、
複数の心室アンカーであって、前記心室アンカーと前記シール本体の前記外表面との間の前記自己弁の弁尖を捕捉するために、前記人工心臓弁の流出端から延在する、複数の心室アンカーと、を備え、
前記摩擦体が、前記自己弁内の前記人工心臓弁の固定を強化するために、前記自己弁の捕捉された前記弁尖に接触する、人工心臓弁。
【請求項32】
前記摩擦体が、ハニカム織りパターンを有する布を含み、前記ハニカム織りパターンが、前記ハニカム織りパターンの厚さを増加させるために熱処理された繊維によって形成される、請求項31に記載の人工心臓弁。
【請求項33】
前記摩擦体が、複数のループを有するパッチを含む、請求項31に記載の人工心臓弁。
【請求項34】
前記摩擦体が、ワイヤに結合された突出部を含む、請求項31に記載の人工心臓弁。
【請求項35】
前記摩擦体がバーブ付き縫合糸を含む、請求項31に記載の人工心臓弁。
【請求項36】
前記複数の心室アンカーに結合された布をさらに備え、前記布がハニカム織りパターンを有し、前記ハニカム織りパターンの厚さを増加させるために熱処理された波状の繊維によって前記ハニカム織りパターンが形成された、請求項31に記載の人工心臓弁。
【請求項37】
前記シール本体がスカートを備え、前記シール本体の前記外表面が、前記スカートの前記外表面である、請求項31に記載の人工心臓弁。
【請求項38】
前記摩擦体が、前記スカート内に埋め込まれている、請求項37に記載の人工心臓弁。
【請求項39】
前記摩擦体が、前記スカートの前記外表面から延在する突出部を含む、請求項37に記載の人工心臓弁。
【請求項40】
前記シール本体が、前記内側フレームに結合された金属製の外側フレームであり、前記スカートが、前記外側フレームの周りに巻かれる、請求項37に記載の人工心臓弁。
【請求項41】
前記外側フレームが、前記人工心臓弁の流入端で前記内側フレームに結合される、請求項40に記載の人工心臓弁。
【請求項42】
前記複数の心室アンカーの各々が、前記自己弁の弁尖の周りにフックするためのフック形状を有する、請求項31に記載の人工心臓弁。
【請求項43】
前記摩擦体の各々が、前記心室アンカーのうちの一つとは反対側の位置に、前記シール本体の前記外表面上に位置付けられる、請求項31に記載の人工心臓弁。
【請求項44】
前記人工心臓弁が、自己僧帽弁又は自己三尖弁を置換するためにサイズ設定されている、請求項31に記載の人工心臓弁。
【請求項45】
心臓の自己弁に移植するための人工心臓弁であって、前記人工心臓弁が、
前記人工心臓弁の流れチャネル内に位置付けられた複数の人工弁弁尖と、
前記複数の人工弁弁尖を支持する拡張可能かつ圧縮可能な内側フレームと、
前記心臓の一部分をシールするための拡張可能かつ圧縮可能なシール本体であって、前記シール本体が前記内側フレームの半径方向外向きに位置付けられている、拡張可能かつ圧縮可能なシール本体と、
各々が前記自己弁の弁尖の周りにフックするためのフック形状を有する複数の心室アンカーと、
前記心室アンカーとは反対側の位置で前記シール本体に沿って位置付けられた複数の突出部であって、前記人工心臓弁と前記自己弁の前記弁尖との間の移動を防止する、複数の突出部と、を備える、人工心臓弁。
【請求項46】
前記シール本体に沿った前記突出部が、前記人工心臓弁が前記自己心臓弁に対して遠位に移動するのを防止するために、概して遠位方向に突出する、請求項45に記載の人工心臓弁。
【請求項47】
前記複数の突出部がバーブを含む、請求項45に記載の人工心臓弁。
【請求項48】
心臓の自己弁に移植するための人工心臓弁であって、前記人工心臓弁が、
前記人工心臓弁の流れチャネル内に位置付けられた複数の人工弁弁尖と、
前記複数の人工弁弁尖を支持するフレームと、
前記フレームに結合され、前記フレームを前記自己弁に固定するように適合されたアンカーと、
前記アンカーに結合されたパッドであって、前記自己弁の一部分に対して前記アンカーを緩衝するように適合され、ハニカム織りパターンを有する布を含む、パッドと、を備え、
波状であり、かつ前記ハニカム織りパターンの厚さを増加させるために熱処理された繊維によって前記ハニカム織りパターンが形成される、人工心臓弁。
【請求項49】
前記アンカーが、前記自己弁の弁尖の周りにフックするためのフック形状を有する、請求項48に記載の人工心臓弁。
【請求項50】
前記アンカーが、長さを有し、先端まで延在する細長いアームを含み、前記パッドが、前記アンカーアームの前記先端を覆うか、又は前記細長いアームの前記長さに沿って延在する、請求項48に記載の人工心臓弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年4月21日に出願された米国仮特許出願第63/177,700号の利益を主張する。
背景
分野
【0002】
本明細書に開示される特定の実施例は、概して、患者の身体の一部分内に移植するための織物に関する。
背景
【背景技術】
【0003】
ヒトの心臓弁は、大動脈弁、肺動脈弁、僧帽弁、及び三尖弁を含み、ポンプ輸送する心臓と同期して動作する一方向弁として本質的に機能する。弁は、血液が下流に流れることを許すが、血液が上流に流れることを阻止する。罹患した心臓弁は、弁の血流制御能力を阻害する、弁の狭窄又は逆流などの障害を呈する。このような障害は、心臓の血液ポンプ効率を低下させるのであり、衰弱性かつ生命を脅かす状態となり得る。例えば、弁の機能不全は、心臓肥大及び心室の拡張などの状態につながり得る。そのため、障害のある心臓弁を修復又は置換するための方法及び装置を開発する尽力が、広範囲になされている。
【0004】
人工器官は、障害のある心臓弁に関連付けられた問題を是正するために存在する。例えば、機械的及び組織ベースの心臓弁人工器官は、障害のある自己心臓弁を置き換えるために、使用されてもよい。近年では、置換心臓弁、特に、開心術よりも患者への外傷が少ない状態で送達することができる組織ベースの置換心臓弁の開発に相当な努力がなされてきた。置換弁は、低侵襲性処置、さらには経皮的処置を通して送達されるように設計されている。
【0005】
これらの置換弁は、弁上に位置付けられた適合材料を含んでもよい。例えば、展開中に患者の身体の一部分から弁を緩衝する、発泡体又はその他の圧縮性材料が利用される場合がある。しかしながら、こうした発泡体は、製造及び置換弁への貼り付けが困難である場合がある。織物の改善は、弁上に適合材料を提供するために、また患者の体内の他の移植目的のためにも望ましい場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される織物の実施例は、生体適合性繊維によって形成されるハニカム織りパターンを有する布を含んでもよい。実施例における布は、布の厚さを増加させるために熱処理されてもよい。布は、患者の体内での緩衝を可能にするように、適合し、圧縮可能であってもよい。例えば、人工弁の一部分を緩衝するために、布が人工弁に当てられてもよい。布は、自己弁の構造、又は患者の心臓内の他の構造に対してアンカーを緩衝するために、人工弁の一つ以上のアンカーに適用されるパッドを含んでもよい。実施例では、布が、人工弁のスカートを含む人工弁の他の部分に当てられてもよい。実施例では、布は、布の圧縮性により、人工弁又は他の形態のインプラントを展開するために必要な展開力を低減してもよい。
【0007】
本明細書の実施例は、患者の身体の一部分内に移植するための織物を含んでもよい。織物は、生体適合性繊維によって形成されるハニカム織りパターンを有する布であって、布の厚さを増加させるために熱処理された布を備えてもよい。
【0008】
本明細書の実施例は、心臓の自己弁に展開されるように構成された人工弁を含んでもよい。人工弁は、複数の人工弁弁尖と、複数の人工弁弁尖に連結され、かつ各々が心臓の一部分に固定されるように構成された一つ以上のアンカーとを含んでもよい。人工弁は、一つ以上のアンカーに結合された一つ以上のパッドを含んでもよく、一つ以上のパッドのそれぞれは、ハニカム織りパターンを有する布を含む。
【0009】
本明細書の実施例は、患者の身体の一部分内に移植するための織物を製造する方法を含んでもよい。方法は、生体適合性繊維によって形成されるハニカム織りパターンを有する布を提供することを含んでもよい。方法は、布の厚さを増加させるために、布を熱処理することを含んでもよい。
【0010】
本明細書の実施例は、患者の心臓の自己弁に人工弁を展開することを含む、方法を含んでもよい。人工弁は、複数の人工弁弁尖と、複数の人工弁弁尖に連結され、かつ各々が患者の心臓の一部分に固定されるように構成された一つ以上のアンカーと、一つ以上のアンカーに連結された一つ以上のパッドとを含んでもよく、一つ以上のパッドの各々は、ハニカム織りパターンを有する布を含む。
【0011】
本明細書の実施例は、心臓の自己弁に展開されるように構成された人工弁を含んでもよい。人工弁は、複数の人工弁弁尖を含んでもよい。人工弁は、複数の人工弁弁尖を支持し、スカートを含む弁本体を含んでもよく、スカートの少なくとも一部分はハニカム織りパターンを有する。
【0012】
本明細書の実施例は、心臓の自己弁に展開されるように構成された人工弁を含んでもよい。人工弁は、複数の人工弁弁尖を含んでもよい。人工弁は、複数の人工弁弁尖を支持し、スカートを含む弁本体を含んでもよく、スカートの少なくとも一部分は、心臓の一部分との摩擦を提供するための一つ以上の摩擦体を含む。
【0013】
本明細書の実施例は、患者の心臓の自己弁に人工弁を展開することを含む、方法を含んでもよい。人工弁は、複数の人工弁弁尖を含んでもよい。人工弁は、複数の人工弁弁尖を支持し、スカートを含む弁本体を含んでもよく、スカートの少なくとも一部分はハニカム織りパターンを有する。
【0014】
本明細書の実施例は、患者の心臓の自己弁に人工弁を展開することを含む、方法を含んでもよい。人工弁は、複数の人工弁弁尖を含んでもよい。人工弁は、複数の人工弁弁尖を支持し、スカートを含む弁本体を含んでもよく、スカートの少なくとも一部分は、心臓の一部分との摩擦を提供するための一つ以上の摩擦体を含む。
【0015】
本明細書に開示されるシステム、装置、及び方法の特徴及び利点は、本明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を参照してより良好に理解されるにつれて、認識されることになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本開示の実施例による布の表面の図を示す。
【
図2】
図2は、本開示の実施例による布の織りパターンの概略図を示す。
【
図3】
図3は、布の織りパターンの表面の表現の斜視図を示す。
【
図6A】
図6Aは、本開示の実施例による熱処理前の布の写真である。
【
図7】
図7は、本開示の実施例による、パッドの層の上面図を示す。
【
図8】
図8は、本開示の実施例による、組み立てられたパッドの上面図を示す。
【
図9】
図9は、本開示の実施例によるアンカーに連結された組み立てられたパッドの断面概略図を示す。
【
図11】
図11は、本開示の実施例による人工弁のアンカーに連結されるパッドを示す。
【
図12】
図12は、本開示の実施例によるパッド上に延在するスリーブを示す。
【
図13】
図13は、本開示の実施例による、送達装置の斜視図を示す。
【
図14A】
図14Aは、本開示の実施例による送達装置のインプラント保持エリアの断面図を示す。
【
図15】
図15は、本開示の実施例による僧帽弁に接近する送達装置を示す。
【
図16A】
図16Aは、本開示の実施例による送達装置から展開される弁の側面斜視図を示す。
【
図16B】
図16Bは、本開示の実施例による送達装置から展開される弁の側面斜視図を示す。
【
図16C】
図16Cは、本開示の実施例による送達装置から展開される弁の側面斜視図を示す。
【
図17】
図17は、本開示の実施例による僧帽弁に展開される弁の概略図を示す。
【
図18】
図18は、本開示の実施例によるスカートの平面図を示す。
【
図21】
図21は、本開示の実施例によるスカートの平面図を示す。
【
図23】
図23は、本開示の実施例によるスカートの平面図を示す。
【
図26】
図26は、本開示の実施例による摩擦体の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、患者の身体の一部分内に移植するための織物の実施例を示す。織物は布10を含む。実施例では、布10は、ハニカム織りパターンを有してもよい。ハニカム織りパターンは、生体適合性繊維によって形成されてもよい。
【0018】
ハニカム織りパターンは、布10の表面に沿って繰り返されるセル12の繰り返しパターンを含んでもよい。セル12は、変化する高さを有する部分を有してもよく、中央部分14(
図3に示される)は、外側部分16(
図3に示される)よりも低い高さを有する。中央部分14は、外側部分16によって囲まれている窪みを形成してもよい。外側部分16は、中央部分14の窪みを囲む隆起した壁を備えてもよい。各セル12は、壁によって囲まれた窪みを含んでもよい。実施例では、窪みは、所望に応じて、逆角錐形状、又はドーム形状、又は別の形状を含む、様々な形状を有してもよい。セル12は、
図1~3に示す正方形又は長方形の形状を有してもよく、又は所望に応じて別の形状を有してもよい。
【0019】
セル12は、布10の長さ18及び幅20に沿って繰り返されてもよい。例えば
図3に示すように、隣接するセルの外側部分16に各セル12の外側部分16が隣接して、セル12は互いに隣接してもよい。
図1及び
図3に示すように、セルは、実施例の長さ18(列)及び幅20(行)に沿って互いに整列されてもよく、又は他のパターンが所望に応じて利用されてもよい。例えば、セル12は、対角方向に、又は所望に応じて実施例において別のパターンで整列されてもよい。セル12は、不規則な構成で繰り返してもよく、例えば、一つのセル12は、例えば、
図3に示すように正方形の構成を有してもよく、隣接するセルは、実施例において別の構成を有してもよい。
【0020】
ハニカム織りパターンは、布10内に外側部分16(例えば、壁)及び中央部分14(例えば、窪み)を規則的なパターンで生成するような方法で、交互に配置され、浮動する経糸及び緯糸によって形成されてもよい。実施例では、経糸及び緯糸フロートは、平織り中心の周りに配置されてもよく、長いフロートの隆起によって囲まれたタビー領域上に部分的に織られてもよい。他の構成が、所望に応じて利用されてもよい。
【0021】
図2は、例えば、本明細書の実施例によるハニカム織りパターンのパターンを示す。単一のセル12のパターンが示されている。パターンは、
図2に示すように経糸16本のハニカムリピートを含んでもよい。16本の経糸繊維21及び16個の緯糸繊維23が、
図2に表現されている。
図2に示す暗い正方形は経糸フロートを含み、
図2に示す白色正方形は緯糸フロートを含む。緯糸フロートの下の経糸繊維の一部は、経糸フロートである。フロートの二つの層は、閉鎖内部空間(すなわち、
図3でマークされた中央部分14)を形成する。
【0022】
実施例では、他の織りの構成が利用されてもよい。例えば、経糸4本のハニカムリピート~経糸32本のハニカムが、実施例において利用されてもよい。経糸32本のハニカムリピートよりも大きな構成が、実施例において利用されてもよい。経糸4本のハニカムリピートと経糸16本のハニカムリピートとの間の範囲が、実施例において利用されてもよい。経糸16本のハニカムリピートと経糸32本のハニカムリピートとの間の範囲が、実施例において利用されてもよい。他の構成が、所望に応じて利用されてもよい。
【0023】
ハニカム織りパターンは、実施例において修正されたハニカム織りパターンなどのハニカム織り派生物、又は所望に応じて他の派生物を含んでもよい。
【0024】
図3は、本明細書の実施例によるハニカム織りパターンの表現の斜視図を示す。織りパターンの特定の詳細は、例えば
図2に示す繊維の特定のオーバーレイの詳細を含めて、図から除外され得る。
【0025】
セル12の繰り返しパターンが、各セル12の外側部分16の壁によって囲まれた中央部分14の窪みを含めて、見える。中央部分14の窪みと外側部分16の壁との間の高さの変化が見える。
【0026】
布10は、長さ、幅、及び厚さを有する、布の単一の層を含んでもよい。
【0027】
実施例では、ハニカム織りパターンを形成するために利用される繊維は、各々、布の第一の端から布の第二の反対側の端まで連続的に延在してもよい。したがって、
図2に示す経糸繊維21は、例えば、布の上端から布の下端まで連続的に延在してもよい。
図2に示す緯糸繊維23は、例えば、布の右端から布の左端まで連続的に延在してもよい。繊維の連続的な延在は、患者の体内で繊維が緩む可能性を低減する場合がある。したがって、連続的な延在は、全体としての患者の身体に対する布10の生体適合性を改善し得る。
【0028】
ハニカム織りパターンを形成するために利用される繊維は、生体適合性であってもよい。繊維は、例えば、生体吸収性又は非吸収性であってもよい、生体適合性ポリマーを含んでもよい。生体吸収性ポリマーは、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリラクチドグリコリドコポリマー(PLGA)、又は他の生体吸収性ポリマーのうちの一つ以上を含んでもよい。生体吸収性ポリマーは、例えば、2~3か月以内、又は所望に応じて異なる持続時間以内に身体によって吸収される繊維を含んでもよい。非吸収性生体適合性ポリマーは、ポリエステル(PET)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、又は所望に応じて他の材料のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0029】
生体適合性繊維は、生体適合性テクスチャ加工済みマルチフィラメント糸、生体適合性テクスチャ加工済み高収縮性マルチフィラメント糸、生体適合性平坦マルチフィラメント糸、ねじれマルチフィラメント糸、又は所望に応じて他の材料のうちの一つ以上を含んでもよい。生体適合性繊維は、単一であるように構成され、患者の体内で緩むこと(これは望ましくない場合がある)のある、緩んだ糸がないことが好ましい。
【0030】
実施例では、各生体適合性繊維は、10デニール~400デニールの重量を有してもよい。デニール(D)は、繊維9000メートル当たりのグラム数での質量を含む、各繊維の線質量の測定単位である。実施例では、各生体適合性繊維は、20D~100Dの重量を有してもよい。実施例では、各生体適合性繊維は、約70Dの重量を有してもよい。繊維のその他の重量及び繊維の重量の範囲が、所望に応じて実施例において利用されてもよい。
【0031】
生体適合性繊維は、布10が熱処理される際に、収縮するように構成されてもよい。生体適合性繊維の収縮は、布10の厚さ22の増加をもたらしてもよい。例えば、
図4は、布10に適用される熱処理に起因する増大した厚さ22を示す。熱処理は、例えば、所望の持続時間、例えばオーブン内に高温で布10を配置することを含んでもよい。持続時間は、例えば10分であってもよく、又は所望の結果に基づいて、より大きい若しくはより小さい持続時間であってもよい。熱処理は、生体適合性繊維を収縮させる場合がある。
【0032】
生体適合性繊維は、生体適合性繊維の捲縮が増大することによって収縮するように構成されてもよい。生体適合性繊維は、特に熱処理後に波状であってもよく、捲縮は、捲縮した繊維(l
0)の長さに対する、真っ直ぐにされた繊維(l)の長さと捲縮した繊維(l
0)の長さとの間の差の割合である。
図5は、例えば、真っ直ぐにされた繊維の長さ(l)及び捲縮した繊維の長さ(l
0)の相対的測定値を示す。捲縮は、次式で与えられる。
捲縮(%)=((l-l
0)/l
0)×100
【0033】
織物繊維の捲縮は、繊維ストランドの、波又はカールの、起伏又は連続である。したがって、繊維の捲縮は、非直線繊維の直線性からの逸脱の程度とみなされる。生体適合性繊維は、熱処理の前に真っ直ぐ又は波状であってもよく、熱処理は生体適合性繊維の捲縮を増加させる。
【0034】
生体適合性繊維の収縮は、
図4に示すように、布の厚さ22を増大させ、かつ長さ18及び幅20を減少させてもよい。このように、各セル12の厚さ又は高さは、布10が熱処理される際に増加してもよい。
【0035】
図6Aは、例えば、熱処理前の布10の表面を示す。セル12の長さ17及び幅19がマークされている。
図6Bは、熱処理後の
図6Aに示す布10を示し、セル12及び布の長さ17及び幅19が減少している。生体適合性繊維の捲縮は増大する。布10の厚さは増大した。
【0036】
厚さの様々な増大が結果的にもたらされることがある。
図4を参照すると、実施例では、布10の厚さ22の増加は、熱処理によって100パーセント超であってもよい。実施例では、布10の厚さ22の増加は、熱処理によって500パーセント超であってもよい。実施例では、布10の厚さ22の増加は、熱処理によって1,000パーセント超であってもよい。実施例では、布10の厚さ22の増加は、熱処理によって1,500パーセント超であってもよい。実施例では、布10の厚さ22の増加は、熱処理によって1,800パーセント超であってもよい。実施例では、布10の厚さ22の増加は、熱処理によって2,000パーセント超であってもよい。実施例では、布10の厚さ22の増加は、熱処理によって2,200パーセント超であってもよい。実施例では、布10の厚さ22の増加は、100パーセント~2,500パーセントの範囲内であってもよい。実施例では、布10の厚さ22の増加は、100パーセント~1,500パーセント、又は1,500パーセント~2,500パーセントの範囲内であってもよい。厚さのより大きい又はより小さい増加が、所望に応じて結果的にもたらされることがある。
【0037】
例えば、実施例では、熱処理前の厚さは、約1.3ミリメートルであってもよく、熱処理後に約3.15ミリメートルに増加してもよい。したがって、厚さ22の増加は、熱処理によって100%より大きくてもよく、約140%であってもよい。厚さ22の増加の様々な他の範囲が、所望に応じて利用されてもよい。実施例では、熱処理前の厚さ22は、約0.20ミリメートルであってもよく、熱処理後に約5ミリメートルに増加してもよい。したがって、厚さ22の増加は、熱処理によって2,200%より大きくてもよく、約2,280%であってもよい。厚さの増加は、所望に応じて、より大きく又はより小さくてもよい。
【0038】
熱処理後の布10の厚さ22は、熱処理前の厚さ22よりも大きい。厚さ22は、本明細書に開示されるパーセンテージだけ増加してもよく、所望に応じて、少なくとも約0.05ミリメートルの増加の、熱処理前の布10の厚さ22をもたらしてもよい。結果として得られる厚さ22は、様々なサイズを有してもよく、布10の厚さは、実施例では少なくとも0.5ミリメートルであってもよい。結果として得られる布10の厚さ22は、実施例では少なくとも2ミリメートルであってもよい。結果として得られる布10の厚さ22は、実施例では少なくとも3ミリメートルであってもよい。結果として得られる布10の厚さ22は、実施例では少なくとも5ミリメートルであってもよい。結果として得られる布10の厚さ22は、実施例では少なくとも8ミリメートルであってもよい。実施例では、結果として得られる布10の厚さ22は、0.5ミリメートル~10ミリメートルの範囲内であってもよい。実施例では、結果として得られる布10の厚さ22は、0.5ミリメートル~5ミリメートルの範囲内であってもよい。実施例では、結果として得られる布10の厚さ22は、5ミリメートル~10ミリメートルの範囲内であってもよい。結果として得られる厚さ22は、所望に応じて、より大きく又はより小さくてもよい。
【0039】
布10の厚さ22は、実施例では少なくとも0.2ミリメートルだけ増加してもよい。布10の厚さ22は、実施例では少なくとも1ミリメートルだけ増加してもよい。布10の厚さ22は、実施例では少なくとも4ミリメートルだけ増加してもよい。布10の厚さ22は、実施例では少なくとも8ミリメートルだけ増加してもよい。実施例では、布10の厚さ22の増加は、0.2ミリメートル~4ミリメートルの範囲内であってもよい。実施例では、布10の厚さ22の増加は、4ミリメートル~10ミリメートルの範囲内であってもよい。布10の厚さ22は、実施例では、より少ない又はより大きい量だけ増加してもよい。
【0040】
布10の長さ18及び幅20は、熱処理によって減少してもよい。実施例では、長さ18は、熱処理によって少なくとも20パーセント減少してもよい。実施例では、幅20は、熱処理によって少なくとも40パーセント減少してもよい。実施例では、布の長さ18の減少の範囲は、20パーセント~70パーセントであってもよい。実施例では、布の幅20の減少の範囲は、40パーセント~60パーセントであってもよい。様々な他の量の減少が、実施例において利用されてもよい。対応するセル12の長さ17及び幅19(
図6Aでマークされている)は、布10の幅20及び長さ18が減少するパーセンテージだけ、減少してもよい。
【0041】
結果として得られる布10の体積の増加は、実施例では少なくとも100パーセントであってもよい。結果として得られる布10の体積の増加は、実施例では少なくとも200パーセントであってもよい。結果として得られる布10の体積の増加は、実施例では少なくとも300パーセントであってもよい。結果として得られる布10の体積の増加は、2,000パーセントより大きくてもよい。実施例では、結果として得られる布10の体積の増加は、10,000パーセントより大きくてもよい。
【0042】
布10の体積が増加する実施例では、布10の密度は、それに応じて減少してもよい。密度は、実施例において50パーセント超、又は実施例において70パーセント超だけ減少してもよい。実施例では、密度は、所望に応じて、最大200%、又はより大きい量だけ若しくはより少ない量だけ減少してもよい。実施例では、1立方ミリメートル(mm3)当たりのグラム数(g)での布の密度は、熱処理後に約1×10-5g/mm3であってもよい。実施例では、布の密度は、熱処理後、0.5×10-5g/mm3~3×10-5g/mm3の範囲内であってもよいが、所望に応じて、より大きい量又はより小さい量が利用されてもよい。
【0043】
さらに、特定の実施例では、布10の体積は、実施例において減少してもよい。体積は、選択された布10の1インチ当たりの経糸数(EPI)及び1インチ当たりの緯糸数(PPI)の構成に基づいて減少してもよい。体積は、布10の1インチ当たりの経糸数(EPI)及び1インチ当たりの緯糸数(PPI)に基づいて、約10パーセント、又は少なくとも約10パーセント減少してもよい。しかしながら、体積の減少は、布10の長さ及び幅の減少に起因して、布10の厚さの増加を依然としてもたらしてもよい。
【0044】
布10の体積が減少する実施例では、布10の密度は、それに応じて増加してもよい。密度は、実施例において5パーセント超、又は実施例において10パーセント超増加してもよい。実施例では、密度は、所望に応じて、最大200%、又はより大きい量若しくはより少ない量だけ増加してもよい。実施例では、1立方ミリメートル(mm3)当たりのグラム数(g)での布の密度は、熱処理後に約1×10-5g/mm3であってもよい。実施例では、布の密度は、熱処理後、0.5×10-5g/mm3~3×10-5g/mm3の範囲内であってもよいが、所望に応じて、より大きい量又はより小さい量が利用されてもよい。
【0045】
ハニカム織りパターンの厚さ22の増加は、布の緩衝特性を強化してもよい。布10の圧縮性は、特に厚さ22の寸法に沿って増加してもよい。熱処理後の布10は、10パーセント~100パーセントの圧縮性を有してもよい。実施例では、圧縮性は20パーセントより大きくてもよい。実施例では、圧縮性は40パーセントより大きくてもよい。実施例では、圧縮性は60パーセントより大きくてもよい。実施例では、圧縮性は80パーセントより大きくてもよい。実施例では、圧縮性は90パーセントより大きくてもよい。実施例では、圧縮性は95パーセントより大きくてもよい。様々な量の圧縮性が実施例において利用されてもよい。
【0046】
実施例では、繊維の密度は、熱処理後、1インチ当たりの経糸数100~400本(EPI)であってもよい。1インチ当たりの経糸数(EPI)は、布1インチ当たりの経糸繊維数である。密度は、熱処理後、1インチ当たりの緯糸数100~300本(PPI)とすることができ、これは布1インチ当たりの緯糸繊維数である。EPIの変化は、熱処理に起因して、実施例において50パーセントより大きくてもよい。EPIの変化は、熱処理に起因して、実施例において100パーセントより大きくてもよい。例えば、布は、熱処理前に80のEPIを有してもよく、熱処理後に約175のEPIに変化してもよく、結果として約120パーセントのEPIの変化をもたらす。布は、熱処理前に160のEPIを有してもよく、熱処理後に約255のEPIに変化してもよく、結果として約60パーセントのEPIの変化をもたらす。様々な他の量が、所望に応じて利用されてもよい。
【0047】
PPIの変化は、熱処理に起因して、実施例において25パーセントより大きくてもよい。PPIの変化は、熱処理に起因して、実施例において80パーセントより大きくてもよい。PPIの変化は、熱処理に起因して、実施例において100パーセントより大きくてもよい。PPIの変化は、熱処理に起因して、実施例において150パーセントより大きくてもよい。例えば、布は、熱処理前に40のPPIを有してもよく、熱処理後に約105のPPIに変化してもよく、結果として約170パーセントのPPIの変化をもたらす。布は、熱処理前に80のPPIを有してもよく、熱処理後に約160のPPIに変化してもよく、結果として約100パーセントのEPIの変化をもたらす。様々な他の量が、所望に応じて利用されてもよい。
【0048】
本明細書に開示される方法は、生体適合性繊維によって形成されるハニカム織りパターンを有する布を提供することと、布の厚さを増加させるために布を熱処理することとを含んでもよい。ハニカム織りパターンは、生体適合性繊維で形成されてもよい。布は、熱処理前の本明細書に開示される特性及び熱処理後の本明細書に開示される特性を含んでもよい。他の方法が、本明細書の実施例において利用されてもよい。実施例では、所望に応じて、他の形態の処理が布に適用されてもよい。
【0049】
熱処理された布10は、様々な方法で患者の体内にインプラントするために利用されてもよい。例えば、熱処理された布10は、患者の体内の表面間の接触力を低減するために使用される緩衝材を含んでもよい。こうした緩衝材は、インプラントと患者の体内の表面との間の接触力を低減するために、インプラントとともに利用されてもよいが、他の使用も提供されてもよい。
【0050】
図7~12は、布10が人工弁の一部分のためのパッド25(
図8において組み立てられて示される)として利用される実施例を示す。パッド25は、人工弁の一部分を患者の身体の自己構造に対して緩衝してもよい。例えば、パッド25は、人工弁の一つ以上のアンカーに結合されて、患者の身体の自己構造に対してアンカーを緩衝してもよい。実施例では、パッドは、布の圧縮性により、人工弁を展開するために必要な展開力を低減してもよい。
【0051】
図7は、パッドが布10の複数の層を含んでもよいことを示す。セクションは、例えば、
図1に示すように、布10のシートから切り抜かれ、所望のパッド形状に形成されてもよい。セクションは、細長い形状を有する層24を備えてもよく、ネック部分28の端に位置付けられたヘッド部分26を含んでもよい。ヘッド部分26は、ヘッド部分26が覆ってもよいアンカーの先端を考慮するために、ネック部分28よりも大きい幅を有するようにサイズ設定されてもよい。ネック部分28は、ネック部分28がそれに沿って延在し得るアンカーの長さを考慮するために、細長い形状を有してもよい。
【0052】
パッドは、布10の同じシートから切断されてもよい第二の層30をさらに含んでもよい。第二の層30は、第一の層24のヘッド部分26と同様の様式でサイズ設定されてもよい。
【0053】
実施例では、パッドは、布10から作製され得る第三の層32をさらに備えてもよく、又は実施例において別の形態の材料を含んでもよい。例えば、第三の層32は、実施例において薄い裏打ち層を備えてもよい。
【0054】
層は、例えば、
図8に示すパッド25を形成するために、一緒に縫い合わせるか、又は別様に一緒に結合されてもよい。層は、第一の層24と第三の層32との間に位置付けられている第二の層30と一緒に結合されてもよい。アセンブリ内の第二の層30は、アンカーの先端に追加的な緩衝を含んでもよく、それ故にヘッド部分26のサイズと一致するサイズであってもよい。
【0055】
図9は、例えば、人工弁のアンカーアーム56上のパッド25を示し、パッド25の層の相対的位置が示されている。スリーブ37は、パッド25及びアンカーアーム56の上に延在してもよい。
【0056】
図10A及び10Bは、本明細書に開示されるシステム、装置、及び方法で利用されてもよい、人工弁40の実施例を示す。人工弁40は、人工心臓弁を備えており、心臓の自己弁に展開されるように構成されてもよい。人工弁40は、遠位アンカー42及び複数の人工弁弁尖44(
図10Bの底面図には、より明瞭に示されている)を含んでもよい。人工弁40は、複数の人工弁弁尖44を支持してもよい、弁本体41を含んでもよい。弁本体41は、実施例では、スカート46を含んでもよく、一つ以上のフレームを含んでもよい。
【0057】
スカート46は、実施例では、人工弁弁尖44の周りに延在してもよい。スカート46は、心臓の一部分をシールするためのシール用スカートを備えてもよい。スカート46は、例えば、弁本体41の外表面を備えてもよく、自己心臓弁弁尖など、自己心臓弁の一部分と接触して、こうした部分をシールしてもよい。実施例では、スカート46は、人工弁40の別の部分を含んでもよく、他の場所(例えば、フレームの内部又は所望に応じて別の場所)に位置付けられてもよい。
【0058】
弁本体41のフレーム49(
図10Bでマークされている)は、複数の人工弁弁尖44を支持してもよい。フレーム49は、実施例において、外側フレーム47(
図10Aでマークされている)の半径方向内向きに位置付けられてもよい、内側フレームを含んでもよい。外側フレーム47は、内側フレーム49を囲んでもよい。
【0059】
外側フレーム47は、自己心臓弁の一部分をシールするためのスカート46を含んでもよい、シール本体の一部分を備えてもよい。スカート46は、例えば、外側フレーム47の半径方向外向きに位置付けられてもよく(
図10Aに示す)、外側フレーム47は、シールされる心臓の一部分に対してスカート46を支持してもよい。スカート46は、人工弁の流れチャネルの外側の漏出(例えば、弁傍漏出)の可能性を低減してもよい。フレーム又は弁本体の他の構成が、実施例において利用されてもよい。
【0060】
インプラントは、人工弁40のフレーム49を形成する支柱48を含んでもよく、外側フレーム47も、支柱を含んでもよい。支柱48の一部は、送達装置の一部分に結合するように構成された端部タブ部分50で終端してもよい。例えば、端部タブ部分50は、送達装置の連結器52(
図14A及び14Bでマークされている)と係合して、人工弁40を送達装置に連結するように構成されてもよい。端部タブ部分50は、フレア状の半ドーム形状、又は連結器52に連結するために所望に応じて別の形状を含んでもよい。
図10Bは、人工弁40の底面図を示す。
【0061】
弁本体41は、人工弁40の中心軸がそれに沿って延在してもよい、流れチャネル45(
図10Aでマークされている)を囲んでもよい。人工弁弁尖44は、弁本体41から流れチャネル45に向かって半径方向内向きに延在してもよい。
【0062】
複数の人工弁弁尖44は、自己弁の動作を複製するために、開閉するように構成されてもよい。
図10A及び
図10Bに示す実施例では、人工弁40の上端51は、人工弁40の流入端を備えてもよく、人工弁40の下端53は、人工弁40の流出端を備えてもよい。人工弁弁尖44は、流入端から流出端への流れを可能にするように開閉し、流出端から流入端への流れを妨げてもよい。
【0063】
図10A及び10Bに示す人工弁40は、人工僧帽弁として構成されるが、所望に応じて他の形態のインプラントが利用されてもよい。例えば、人工大動脈弁、三尖弁、又は肺動脈弁は、本明細書に開示されるシステム、装置、及び方法とともに利用されてもよい。さらに、ステント又は他のインプラントなどの他の形態のインプラントも、本明細書に開示されるシステム、装置、及び方法とともに利用されてもよい。
【0064】
図10A及び10Bに示す人工弁40は、遠位アンカー42を利用して、僧帽弁又は三尖弁などの弁の心室側と係合してもよい。遠位アンカー42は、人工弁40の流出端に位置付けられた心室アンカーを含んでもよい。遠位アンカー42は、各遠位アンカー42が自己弁弁尖の周りにフックされて、人工弁40を自己弁に固定することを可能にするフック形状を有してもよい。各アンカー42は、長さを有する細長いアームを備えてもよい。実施例では、人工弁40は、
図16C及び17でマークされている、僧帽弁の心房側に係合してもよい近位アンカー55を含んでもよいが、こうした近位アンカー55は実施例において除外されてもよい。一つ以上のアンカーは、複数の人工弁弁尖44に結合されてもよく、心臓の一部分に固定されるように各々が構成されてもよい。他の形態のアンカーが利用されてもよく、さらには、他の実施例において他の形態のインプラントが利用されてもよい。
【0065】
利用されてもよいインプラントの特徴は、2018年7月5日に出願され、米国特許出願公開第2019/0008640号として公開された米国特許出願第16/028,172号に開示されており、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書の実施例において利用され得るインプラント及び人工器官のさらなる詳細及び設計例が、米国特許第8,403,983号、第8,414,644号、第8,652,203号、並びに米国特許出願公開第2011/0313515号、第2012/0215303号、第2014/0277390号、第2014/0277422号、第2014/0277427号、第2018/0021129号、及び第2018/0055629号に記載されており、これらの特許及び刊行物の全体がここに参照により組み込まれ、本明細書の一部とされる。置換心臓弁又は人工器官のさらなる詳細及び実施例、並びにその移植の方法は、米国特許出願公開第2015/0328000号、第2016/0317301号に記載されており、それらの各々の全体がここに参照により組み込まれ、本明細書の一部とされる。
【0066】
人工弁40が囲む長手方向軸又は中心軸に向かって人工弁40が半径方向に圧縮されてもよいように、人工弁40は、圧縮可能である。例えば、人工弁40のフレームは、人工弁40の圧縮を可能にするように可撓性であってもよい。長手方向軸に向かって半径方向に圧縮されると、人工弁40は、長手方向軸に沿って長手方向に長さが増加してもよい(端部タブ部分50及び遠位アンカー42は、例えば、
図14Aに示すように、長手方向軸に沿って反対方向に延びる)。特定の実施例では、人工弁40は、人工弁40の長さが増加することなく、長手方向軸に向かって半径方向に圧縮されるように構成されてもよい。
【0067】
図10A及び10Bに示すアンカー42は、患者の心臓の自己構造に対してアンカー42を緩衝し得る材料で覆われてもよい。アンカー42は、例えば、剛性構造を含んでもよい。アンカー42は、実施例において、フレーム49に結合され、フレーム49の支柱48と一体化されてもよい。アンカー42は、剛直なフックの形態のアームを含んでもよく、自己構造にそれらが直接接触する場合、患者の心臓の自己構造を損傷する場合がある。材料は、アンカー42のアームを覆って、こうした接触から自己構造を保護してもよい。例えば、
図8に示すパッド25は、アームを覆うために、それぞれのアンカー42に結合されてもよい。
【0068】
図11は、パッド25をアンカー42のアーム56に結合するプロセスのステップを示す。外側フレーム47は、
図11の図から除外されている。パッド25は、縫合糸又は別の形態の結合を介して、アンカーアーム56の先端に結合されてもよい。パッド25は、アンカーアーム56の先端でパッド25のヘッド部分26と共に適用されてもよい。アンカーアーム56は、細長いアームを備えてもよく、
図9でマークしたように、半径方向内向きに面する表面59及び半径方向外向きに面する表面61を含んでもよい。パッド25は、アンカー42が自己弁尖などの自己構造の周りにフックされるとき、パッド25がアンカー42を自己構造との接触から緩衝するように、半径方向内向きに面する表面59を覆ってもよい。半径方向内向きに面する表面59は、展開時に自己弁弁尖に向かって面してもよい。パッド25のネック部分28は、アンカーアーム56の長さに沿って延在してもよく、
図11に示すように半径方向内向きに面したアンカーアーム56の表面59を覆ってもよい。
【0069】
パッド25がアンカーアーム56に結合された状態で、
図12に示すスリーブ37は、アンカーアーム56及びパッド25の上に延在して、アンカーアーム56及びパッド25を覆ってもよい。スリーブ37は、アンカーアーム56及びパッド25を覆って、アンカー42のために滑らかな外表面を提供してもよい。アンカーアーム56上のアセンブリは、例えば、
図9に示す構成を有してもよい。実施例では、パッド25は、アンカーアーム56の先端の上に延在してもよく、実施例では、アンカーアーム56の反対側の表面61を覆ってもよい。パッド25は、例えば、それ自体に縫合されてもよく、アンカーアーム56は、半径方向内向きに面する表面59上及び半径方向外向きに面する表面61上で、パッド25の間に挟まれる。パッド25の他の構成は、所望に応じて実施例において利用されてもよい。
【0070】
人工弁40の残りの部分は、組み立てられて、
図10A及び10Bに示すような外観を有する弁を生成してもよい。
【0071】
パッド25は、自己心臓弁への移植中にアンカー42を緩衝する。パッド25は、アンカー42を緩衝するための改善された圧縮性を提供してもよい。こうした改善された圧縮性は、発泡体又は別のクローズドセル材料を含み得る以前の形態の緩衝材よりも望ましい場合がある。改善された圧縮性は、人工弁40の展開中に利益をさらに提供してもよい。
【0072】
図13は、例えば、本明細書の実施例に従って利用されてもよく、かつ人工弁40などのインプラントを展開するために利用されてもよい、送達装置60の実施例を示す。送達装置60は、ハンドル64に連結された近位端と、人工弁40用のインプラント保持エリア66、ノーズコーン68、及びインプラント保持エリア66の上に延在するカプセル70を含む遠位端とを有する細長いシャフト62を含んでもよい。細長いシャフト62は、移植部位に対して所望の位置に人工弁40を位置付けるために偏向可能であってもよい。利用され得る送達装置の特徴、並びに送達装置を使用した展開方法は、2018年7月5日に出願され、米国特許出願公開第2019/0008640号として公開された米国特許出願第16/028,172号に開示されており、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0073】
人工弁40は、例えば、
図14Aに示すように、展開前にカプセル70内で細長い構成で圧着されてもよい。明確にするために、人工弁40のフレーム49のみが
図14Aには示されている。遠位アンカー42は圧縮され、細長いシャフト62の長手方向軸又は中心軸に沿って長手方向に延びる。遠位アンカー42に対するカプセル70の圧縮力は、カプセル70から人工弁40を展開するために必要な展開力を低減するために低いことが好ましい。遠位アンカー42上に圧縮可能なパッド25があることで、発泡体又は別のクローズドセル材料などの他のパッド材料と比較して、展開力が低減されてもよい。このように、人工弁40の改善された展開は、パッド25の使用からもたらされてもよい。
【0074】
図14Bは、人工弁40が細長いシャフト62にないことを示す。
【0075】
人工弁40の展開は、経大腿な進入、又は患者の心臓への進入の外科的な方法を含む、様々な形態において従って発生してもよい。
図15は、大腿部入口が利用される例示的な処置を示す。送達装置60の細長いシャフト62は、他の入口点の中でも特に、大腿静脈を通過してもよい。
図15は、経大腿で右心房71に通過し、その後、経隔壁で患者の心臓74の左心房72に通過する、送達装置60の細長いシャフト62を図示する。細長いシャフト62は、僧帽弁への展開のために、人工弁40を位置付けるように偏向してもよい。細長いシャフト62は、左心室76に向かって偏向してもよい。
【0076】
図16A~16Cは、カプセル70が人工弁40に対して後退する、人工弁40の展開におけるステップを示す。人工弁40は、患者の心臓の自己弁に展開される。人工弁40は、カプセル70の開口部80から外に延びる。遠位アンカー42は、遠位に延在してもよく、その後、展開時に自己弁弁尖の周りにフックするように近位に偏向してもよい。遠位アンカー42の各々は、自己弁弁尖の周りにフックされてもよい。パッド25(
図16A~16Cでは図示せず)は、展開時にアンカー42を緩衝してもよく、パッドの圧縮性は、人工弁40の展開力を低減してもよい。パッド25は、例えば、半径方向内向きに面する表面59上に位置付けられて、展開時にアンカー42を自己弁弁尖に対して緩衝してもよい。
【0077】
図16B及び16Cは、人工弁40を展開するためにカプセル70をさらに後退させることを示す。
【0078】
図17は、自己僧帽弁に展開された人工弁40を示し、遠位アンカー42は自己弁弁尖の周りにフックされている。パッド25(
図17には図示せず)は、展開時に遠位アンカー42を緩衝してもよい。遠位アンカー42は、自己弁弁尖の周りにフックされてもよく、必要に応じて実施例では、腱82の周りにフックされてもよい。
【0079】
他の展開方法が、実施例において利用されてもよい。例えば、バルーン拡張可能な人工弁が利用されてもよい。こうした弁は、患者の身体に入ると膨張可能なバルーン上に位置付けられてもよく、又は患者の身体に入った後で膨張可能なバルーン上に摺動されてもよい。膨張可能なバルーンは、流体で膨張されて、人工弁を拡張及び展開してもよい。機械的に拡張可能な人工弁が、自己拡張弁、及び他の形態の展開と共にさらに利用されてもよい。
【0080】
実施例では、人工弁40は、実施例において三尖弁などの他の弁に展開されてもよい。他の形態の人工弁が、本明細書の実施例において利用されて、大動脈弁若しくは肺動脈弁などの他の弁、又は患者の身体の他の部分に展開されてもよい。
【0081】
布10の使用は、アンカー用のパッドでの使用に限定されないのであり、所望に応じて人工弁上の他の位置で利用されてもよい。例えば、布10は、人工弁のスカートの少なくとも一部分、又は所望に応じて別の部分を含んでもよい。さらに、布10は、他の構造の中でも特に、ステントなどの他のインプラント、又は患者の体内の他のアンカー装置で利用されてもよい。
【0082】
図18は、本明細書の実施例において利用され得るスカート92の実施例の平面図を示す。スカート92の少なくとも一部分は、心臓の一部分との摩擦を提供するための一つ以上の摩擦体94を含んでもよい。
図18では、摩擦体94は、本明細書に開示されるハニカム織りパターンを有する布(例えば、
図1に関して論じた布10)を含んでもよい。
【0083】
摩擦体94の各々は、実施例においてストリップを含んでもよい。摩擦体94は、人工弁の中心軸に対して軸方向に延在してもよい材料のストリップを含んでもよい。中心軸は、流れチャネル45(
図20でマークされる)がそれに沿って延びる、軸を備えてもよい。材料のストリップは、スカート92の近位部分96からスカート92の遠位部分98まで軸方向に延在してもよく、又はスカート92の軸方向長さに沿って部分的にのみ延在してもよい。
【0084】
実施例では、摩擦体94は、互いに円周方向に離間してもよい。円周方向の間隔は、実施例において等しくてもよく、又は変化してもよい。摩擦体94は、スカートのセグメント100が摩擦体94の間に位置付けられた状態で、互いに離間してもよい。セグメント100は、摩擦体94のセグメントの間に交互に配置されてもよく、摩擦体94のセグメントの各々に円周方向に隣接してもよい。
【0085】
セグメント100は、スカート92の比較的滑らかな部分を含んでもよく、これは摩擦体94よりも滑らかであってもよい。セグメント100は、例えば、摩擦体94よりも少ない表面摩擦を生成する平織り又は他の形態の布を含んでもよい。
【0086】
摩擦体94は、アンカー42の位置(
図20でマークされる)に位置付けられてもよい。摩擦体94は、各摩擦体94が自己弁弁尖の内部又は半径方向内向きに位置付けられ、アンカー42が自己弁弁尖の外部又は半径方向外向きに位置付けられるように、アンカー42の位置と円周方向に整列されてもよい。摩擦体94は、複数のアンカー42のそれぞれの一つとは反対の側の、自己弁弁尖上に位置付けられてもよい。 摩擦体94は、アンカー42とは反対側に位置付けられてもよい。摩擦の強化が、アンカー42によって提供されるアンカー点にもたらされてもよい。
【0087】
各摩擦体94は、各アンカー42の長さに沿って延在してもよいが、アンカー42の半径方向内向きにスカート92上に位置付けられる。ストリップの形態の摩擦体94は、アンカー42の細長いアームのそれぞれの一つの長さと整列され得る(例えば、
図20に示すように)。摩擦体94の様々な他の位置が提供されてもよい。例えば、各摩擦体94は、アンカー42の位置から円周方向にオフセットして位置付けられてもよく、又は所望に応じて実施例では、水平又は円周方向に延在するように位置付けられてもよい。所望に応じて、摩擦体94の配向の様々な組み合わせが提供されてもよい。
【0088】
摩擦体94は、
図1及び
図3に示すように、ハニカム織りパターンによって提供される表面粗さに起因して、心臓の一部分との摩擦を増加させてもよい。
図3に示す壁によって囲まれた窪みの構成は、摩擦体94に隣接して位置付けられた比較的より滑らかなセグメント100と比較して、摩擦体94によって提供される摩擦力を増加させてもよい。
【0089】
実施例では、摩擦体94は、セグメント100よりも厚くてもよい。
図19は、例えば、隣接するセグメント100よりも大きい厚さを有する摩擦体94の
図18における線19-19に沿った断面図を示す。厚さの増加により、摩擦体94がスカート92の外表面102から突出して、摩擦体94と心臓の一部分との間の接触及び摩擦を増加させることを可能にしてもよい。実施例では、摩擦体94は、外表面102の均一な高さを提供するために、外表面102でセグメント100と共平面上又は同一平面上にあってもよい。こうした構成では、
図3に示す窪み及び壁は、心臓の一部分に対して摩擦力を提供してもよい。実施例では、摩擦体94は、外表面102でセグメント100と共平面上又は同一平面上にあるようにヒートセットされてもよい。
【0090】
実施例では、ハニカム織りパターンは、スカート92に対する緩衝を提供してもよい。例えば、ハニカム織りパターンは、本明細書に開示されるように、緩衝を提供するために圧縮可能であってもよい。緩衝は、自己弁への損傷の可能性を低減してもよく、自己弁との電気伝導障害の可能性を低減してもよい。
【0091】
図20は、
図18に示すスカート92を含む、人工弁110の斜視図を示す。スカート92は、
図18で平坦化されて示されており、
図20に示すように、人工弁110のフレームの周りに巻かれてもよい。スカート92は、所望に応じて人工弁の外側フレーム47又は別のフレームの周りに巻かれてもよい。摩擦体94、及び従ってハニカム織りパターンは、スカート92の外表面102上に位置付けられてもよい。
【0092】
摩擦体94は、アンカー42の位置に位置付けられる。このように、展開中、自己弁弁尖などの自己弁の一部分は、アンカー42のそれぞれの対と摩擦体94との間に位置付けられてもよい。摩擦体94は、自己弁弁尖との摩擦を提供するように構成されてもよい。摩擦体94は、人工弁110の定位置への固定を改善するために提供される摩擦を強化してもよい。固定は遠位方向であってもよく、これは、僧帽弁又は三尖弁の展開における人工弁110の心室移動の可能性を低減する場合があり、あるいは、固定は近位方向であってもよく、これは、僧帽弁又は三尖弁の展開における人工弁110の心房移動の可能性を低減する場合がある。実施例では、遠位及び近位の固定の組み合わせが利用されてもよい。
【0093】
スカート92の様々な修正が、実施例において提供されてもよい。
【0094】
図21は、例えば、円周方向に延在する一つ以上の摩擦体122を含むスカート120の実施例を示す。摩擦体122は、円周方向に延在する一つ以上のストリップを含んでもよい。摩擦体122は、セグメント100に沿って、かつ軸方向に延在する摩擦体94の間に円周方向に延在してもよい。
【0095】
摩擦体122は、円周方向に隣接するアンカー42の位置の間に延在するように位置付けられてもよい(
図22に示す)。したがって、摩擦体122は、人工弁の周りに円周方向に延在するバンドを形成してもよい。バンドは、隆起したバンドであってもよく、又はスカート120の隣接部分(例えば、セグメント100)と同一平面上若しくは共平面上にあってもよい。
【0096】
摩擦体122は、本明細書に開示されるように、ハニカム織りパターンを含んでもよい。摩擦体122は、パッドを備えてもよく、自己弁との、人工弁のための緩衝を提供してもよい。ハニカム織りパターンは、本明細書に開示されるように、緩衝を提供するために圧縮可能であってもよい。緩衝は、様々な利益を提供してもよい。例えば、緩衝は、自己弁への損傷の可能性を低減してもよく、自己弁との電気伝導障害の可能性を低減してもよい。実施例では、AVノードに対する減圧が提供されてもよい。
【0097】
実施例では、円周方向に延在する摩擦体122は、心臓弁の一部分との強化されたシールを提供してもよい。例えば、弁傍漏出の可能性の低減が結果的に生じる場合がある。
【0098】
図22は、例えば、スカート120を利用する人工弁130を示す。摩擦体122を有するスカート120の一部分、及び従ってハニカム織りパターンは、複数のアンカー42の隣接するアンカーの間で円周方向に延在してもよい。摩擦体122は、人工弁の近位部分又は所望に応じて別の部分に向かってなど、他の場所に位置付けられてもよい。
【0099】
実施例では、スカート全体又は弁本体の外表面全体は、ハニカム織りパターン又は別の形態の摩擦体を含んでもよい。
【0100】
人工弁の実施例では、軸方向に延在する摩擦体94は除外されてもよく、円周方向に延在する摩擦体122のみが提供されてもよい。こうした実施例では、円周方向に延在する摩擦体122は、人工弁の全体の周りに、又は人工弁の一部分のみの周りに延在してもよい。例えば、円周方向に延在する摩擦体122のセグメントは、所望に応じて提供されてもよく、又は連続的な円周方向に延在する摩擦体122は、人工弁の周りのバンドとして提供されてもよい。
【0101】
図23は、摩擦体142がループ141の形態の突出部のストリップを含む、スカート140の実施例を示す。スカート140の少なくとも一部分は、心臓の一部分との摩擦を提供するための摩擦体142を含んでもよい。摩擦体142はそれぞれ、ループ141を有するパッチを備えてもよい。
【0102】
実施例では、ループ141は、面ファスナー配置に使用されてもよい材料を含んでもよい。しかしながら、ループ141は、対応する合うフックなしで、単独で利用されてもよい。実施例では、ループ141及びフックの組み合わせは、摩擦体142とともに利用されてもよい。
【0103】
摩擦体142は、
図18に示す摩擦体94に関連して考察するものと類似した様式で位置付けされてもよい。例えば、摩擦体142は、ストリップを含んでもよい。ストリップは、アンカーの位置に配置されてもよく、セグメント144は摩擦体142の間に位置付けられる。ストリップは、人工弁の中心軸に対して軸方向に延在してもよい。中心軸は、流れチャネル45(
図25でマークされる)がそれに沿って延びる、軸を備えてもよい。摩擦体142は、スカート140の軸方向長さの全体、又は
図23に示すように、軸方向長さの一部分のみに延在してもよい。例えば、摩擦体142は、アンカー42とは反対側の位置でスカート140の遠位部分に位置付けられてもよい。
【0104】
図24は、スカート140上の摩擦体142の断面図を示す。ループ141は、スカート140の外表面145から突出することが示されている。
【0105】
図25は、摩擦体142を含む人工弁150を示す。スカート140の外表面145は、摩擦体142を含んでもよい。摩擦体142は、アンカー42の細長いアームのそれぞれの一つの長さと整列されてもよい。摩擦体142は、複数のアンカー42のそれぞれとは反対側に位置付けられてもよい。
【0106】
摩擦体142は、摩擦を提供することによって心臓へのアンカーを強化してもよい。摩擦体142は、自己弁弁尖との摩擦を提供するように構成されてもよい。摩擦体142は、アンカー42のそれぞれの一つとは反対の側の、自己弁弁尖上に位置付けられてもよい。摩擦体142の様々な他の位置が、実施例において提供されてもよい。他の形態の摩擦体が、実施例において利用されてもよい。
【0107】
図26は、実施例において利用され得る摩擦体160の実施例を示す。摩擦体160は、心臓の一部分との摩擦を提供してもよい。摩擦体160は、突出部162を含んでもよい。突出部162は、シャフト164に連結されてもよい。摩擦体160は、実施例において連結器166を含んでもよい。
【0108】
摩擦体160は、他の形態の硬質材料の中でも、金属、合金、又はポリマーなどの硬質材料から作製されてもよい、ワイヤを含んでもよい。材料は、形状記憶を有してもよい、ニチノール(NiTi)などの生体適合性材料を含んでもよい。他の形態の形状記憶材料又は他の材料を含む、他の形態の材料が所望に応じて利用されてもよい。
【0109】
摩擦体160は、材料シートからスタンピングされるか、又は別の方法で切断(例えば、レーザー切断)されてもよく、したがって、平坦な形状を有してもよい。突出部162は、材料シートから外向きに偏向されてもよく、形状が設定されてもよい。このように、突出部162は、人工弁が圧縮されている構成又は展開されていない構成にあるときに、平坦化されるように構成されてもよく、人工弁が拡張又は展開されたときに、外向きに偏向されてもよい。
図27は、例えば、突出部162の角度を示す摩擦体160の側面図を示す。
図28は、摩擦体160の正面図を示す。突出部162は、実施例において2~3ミリメートルの長さを有してもよいが、所望に応じて、より大きい又はより小さい長さが提供されてもよい。
【0110】
突出部162は、ある方向に角度付けられてもよい、尖った先端を含んでもよい。例えば、人工弁は、流入を含んでもよい近位部分と、流出を含んでもよい遠位部分とを有してもよい。尖った先端は、遠位方向であってもよい方向に角度付けられてもよく、又は別の方向が、実施例において提供されてもよい(例えば、近位方向)。したがって、尖った先端は、遠位方向の移動に抵抗するように角度付けられてもよく、又は実施例では、近位方向の移動に抵抗してもよい。実施例では、突出部は、スカートの外表面に対して垂直に延在するように構成されてもよい。
【0111】
突出部162は、シャフト164の近位端部分168に位置付けられてもよい。シャフト164は、近位端部分168からシャフト164の遠位端部分170まで延在してもよい。
【0112】
摩擦体160は、スカートの布内に埋め込まれるように構成されてもよい。例えば、シャフト164は、スカート内に織り込まれてもよく、シャフト164は、スカートの経糸とともに定位置に保持される。こうした構成は、シャフト164の水平位置又は円周方向位置を固定してもよい。連結器166は、シャフト164の遠位端部分170に屈曲を含んでもよい。連結器166は、スカート内に織り込まれて、摩擦体160の垂直位置又は軸方向位置を固定してもよい。
【0113】
摩擦体160は、必要に応じてスカート上の様々な位置に位置付けられ得る。実施例では、摩擦体160は、人工弁の軸方向長さに沿って整列するように位置付けられてもよい。シャフト164は、人工弁の軸方向長さに沿って延在してもよい。摩擦体160の各々は、人工弁の中心軸に対して軸方向に延在してもよいストリップを備えてもよい。中心軸は、流れチャネル45(
図30でマークされる)がそれに沿って延びる、軸を備えてもよい。他の配向の方向が、実施例において提供されてもよい。
【0114】
実施例では、摩擦体160は、
図20及び25に示す摩擦体の位置と同様に、アンカーの位置と円周方向に整列するように位置付けられてもよい。摩擦体160は、アンカー42とは反対側に位置付けられてもよい。摩擦体160は、アンカー42の細長いアームのそれぞれの一つの長さと整列されてもよい。
【0115】
摩擦体160は、自己弁弁尖との摩擦を提供するように構成されてもよい。摩擦体160は、アンカー42のそれぞれの一つとは反対の側の、自己弁弁尖上に位置付けられてもよい。したがって、摩擦体160は、アンカーの位置に提供される摩擦を増加させてもよい。他の位置が、実施例において利用されてもよい。
【0116】
図29は、例えば、摩擦体160の複数の列172、174が提供されてもよい構成でスカート175に結合された摩擦体160を示す。円周方向に離間した摩擦体160の遠位列172が提供されてもよく、近位列174が提供されてもよい。遠位列172は、近位列174から軸方向に離間していてもよい。遠位列172の摩擦体160は、互いに円周方向に離間してもよく、これは等しい間隔又は別の形態の間隔を含んでもよい。近位列174の摩擦体160は、互いに円周方向に離間してもよく、同様に、これは等しい間隔又は別の形態の間隔を含んでもよい。近位列174の摩擦体160は、遠位列172の摩擦体160から円周方向にオフセットされてもよい。このように、遠位列172は、例えば、アンカー42とは反対側に位置付けられてもよく、近位列174は、隣接するアンカー42の間に円周方向に位置付けられてもよい。実施例では、より大きい又はより少ない数の列が利用されてもよい。列内の摩擦体160の配向は、所望に応じて変化してもよい。様々な他の構成が実施例において利用されてもよい。
【0117】
列内には、より大きい又はより少ない数の摩擦体160が、実施例において提供されてもよい。例えば、アンカーの数に対応するいくつかの摩擦体160が提供されてもよい。例えば、九つのアンカーが利用された場合、より大きい数(例えば、1列当たり10~15個の摩擦体)が提供されてもよい。他の構成が利用されてもよい。
【0118】
遠位方向に配向された突出部と近位方向に配向された突出部との組み合わせが、遠位方向又は近位方向に配向された突出部のみと共に提供されてもよい。
【0119】
図30は、摩擦体160を利用してもよい人工弁180の例を示す。スカート183の外表面181は、摩擦体160を含んでもよい。摩擦体160は、アンカー42の位置に示されている。摩擦体160の単一の列が提供されてもよいが、実施形態では、追加の列が利用されてもよい。突出部162は、人工弁180の遠位移動に抵抗するように遠位に延在するが、近位に延在する突出部162又は遠位に延在する突出部と近位に延在する突出部との組み合わせが、利用されてもよい。摩擦体160の他の構成が、実施例において利用されてもよい。
【0120】
図31は、一つ以上の摩擦体192を利用してもよい布190の実施例を示す。摩擦体192は、心臓の一部分との摩擦を提供するためのものであってもよい。摩擦体192は、繊維又はストランドの形態の、ストリップを含んでもよい。繊維は、布190の長さに沿って延びてもよく、布190内に織り込まれてもよい。例えば、布190の製造プロセス中、摩擦体192は、布190の他の繊維(
図32にマークされたクロスファイバー194など)と共に、布190に織り込まれてもよい。したがって、摩擦体192は、布190に埋め込まれてもよく、布190の一体部分を含んでもよい。
【0121】
実施例では、各摩擦体192の繊維は、クロスファイバー194が摩擦体192の繊維全体に織られている状態で、布190の長さ195全体にわたって延在してもよい。実施例では、摩擦体192用に他の長さの繊維が利用されてもよい。
【0122】
摩擦体192は、互いに平行に延在してもよく、互いに離間していてもよい。摩擦体192は、軸方向に延在してもよく、したがって、布190が人工弁197に当てられるとき、間隔は円周方向であってもよい(
図33に示す)。円周方向の間隔は、実施例において等しくてもよく、又は変化してもよい。したがって、布190の織りプロセス中、摩擦体192は、布190の他の繊維に等しい間隔又は等しいタイミングで挿入されてもよい。
【0123】
実施例では、摩擦体192の他の角度が利用されてもよい。例えば、編組プロセスを利用して、摩擦体192を互いに対して対角角度で布に形成してもよい。編組プロセスは、管又は結果として生じる別の形状の布をもたらしてもよい。
【0124】
布190は、摩擦体192の間に位置付けられてもよいセグメント196を含んでもよい。セグメント196は、布190のその他の繊維(
図32にマークされたクロスファイバー194を含む)で形成されてもよい。セグメント196は、摩擦体192よりも比較的少ない摩擦を提供してもよい。セグメント196は滑らかであってもよく、実施例において平織りを含んでもよい。
【0125】
図32は、
図31において32でマークされた円内の布190の一部分の拡大図を示す。
図32を参照すると、摩擦体192は、自己弁との摩擦を提供するために利用されてもよい、一つ以上の突出部198を含んでもよい。突出部198は、布190から外向きに延在してもよく、人工弁に適用される時に半径方向外向きに延在してもよい(
図33に示す)。突出部198は各々遠位に延在してもよく、又は各々近位に延在してもよく、又は遠位に延在する突出部198と近位に延在する突出部198との組み合わせ(例えば、双方向)が利用されてもよい(例えば、
図32に示す)。
【0126】
例えば、人工弁は、流入を含んでもよい近位部分と、流出を含んでもよい遠位部分とを有してもよい。突出部198は、遠位方向であってもよい方向に角度付けられてもよく、又は別の方向が、実施例において提供されてもよい(例えば、近位方向)。したがって、突出部198は、遠位方向の移動に抵抗するように角度付けられてもよく、又は実施例では、近位方向の移動に抵抗してもよい。
【0127】
実施例では、摩擦体192は、布190に織り込まれ得る縫合糸を含んでもよい。縫合糸は、心臓の一部分との摩擦を提供するためのその上に突出部を含んでもよい、バーブ付き縫合糸又は他の形態の縫合糸を含んでもよい。縫合糸は、
図31に示すように、細長いストリップとして布190に織り込まれてもよい。
図32でマークされたクロスファイバー194は、縫合糸を布190の残りの部分に固定してもよい。
【0128】
摩擦体192は、ポリマーなどの材料、又は金属、又はニチノール(NiTi)などの合金、又は別の形態の材料で作製されてもよい。摩擦体192は、実施例において吸収性であってもよい。
【0129】
布190は、人工弁のスカート199として利用されてもよい。例えば、布190は、所望の形状に切断され、人工弁のフレーム上に位置付けられてもよい。摩擦体192は、所望に応じて位置付けられてもよい。スカート199の外表面201は、摩擦体192を含んでもよい。
図33に示すように、摩擦体192は、アンカー42と円周方向に整列してもよい。摩擦体192は、アンカー42と平行に延在してもよい。摩擦体192は、アンカー42の細長いアームのそれぞれの一つの長さと整列されてもよい。
【0130】
摩擦体192の各々は、人工弁197の中心軸に対して軸方向に延在し得るストリップを備えてもよい。中心軸は、流れチャネル45がそれに沿って延びる、軸を備えてもよい。他の構成が、所望に応じて利用されてもよい。
【0131】
アンカー42における摩擦体192の位置は、アンカー42の位置における弁尖のより大きな固定を可能にしてもよい。例えば、
図34に示すように、摩擦体192は、アンカー42の半径方向内向きに位置付けられてもよく、自己弁弁尖の内側上に位置付けられるように構成されてもよい。摩擦体192は、アンカー42とは反対側に位置付けられてもよい。摩擦体192は、自己弁弁尖との摩擦を提供するように構成されてもよい。摩擦体192は、アンカー42のそれぞれの一つとは反対の側の、自己弁弁尖上に位置付けられてもよい。したがって、摩擦体192は、アンカー42の位置に提供される摩擦を増加させてもよい。実施例では、アンカー42の間に円周方向に又は他の位置になど、摩擦体192の他の位置が利用されてもよい。実施例において、摩擦体192の他の角度が利用されてもよい(例えば、対角又は円周方向)。方向の角度の組み合わせが利用されてもよい。
【0132】
摩擦体192は、自己弁弁尖との摩擦を提供するように構成されてもよい。
図35は、摩擦体192とアンカー42との間に位置付けられた弁尖200の断面概略図を示す。摩擦体192は、弁尖200に対する摩擦を増加させて、人工弁を定位置に固定してもよい。
図35に示すように、突出部198はそれぞれ、遠位方向の移動に抵抗するように遠位に延在してもよい。こうした特徴は、人工弁197を、近位に移動させて突出部198を解放し、必要に応じて再配置することを、可能にしてもよい。
【0133】
実施例では、突出部198は、近位に延在してもよく、又は遠位突出部と近位突出部との組み合わせが、利用されてもよい。
図23~35の実施例を含む本明細書の実施例では、スカートの外表面に垂直に延在する突出部が利用されてもよい。
【0134】
摩擦体192の他の位置又は配向が、実施例において利用されてもよい。
【0135】
本明細書に開示される摩擦体の実施例は、人工弁の塞栓の可能性を低減する場合がある。実施例では、摩擦体は、他の利点の中でも特に、自己弁への損傷及び電気伝導障害の可能性を低減し得る緩衝を提供してもよい。
【0136】
本明細書に開示される実施例の特徴は、単独で又は組み合わせて利用されてもよい。
【0137】
本明細書に開示される実施例の様々な修正が提供されてもよい。実施例全体にわたる特徴の組み合わせは、所望に応じて提供されてもよい。
【0138】
本明細書に開示されるインプラントは、他の形態の弁(例えば、大動脈置換弁、肺動脈置換弁、又は他の弁)の中でも特に、僧帽弁置換弁又は三尖弁置換弁を含んでもよい。本明細書に開示されるインプラントは、とりわけ、人工心臓弁、又はステント若しくはフィルター、若しくは診断装置などの他の形態のインプラントを含んでもよい。インプラントは、圧縮状態又は非展開状態から拡張状態又は展開状態まで移動するように構成された拡張可能なインプラントであってもよい。インプラントは、縮小された外側外形を有し及びインプラントを圧縮又は非展開状態に移動させるために、内向きに圧縮されるように構成された圧縮可能なインプラントであってもよい。
【0139】
様々な形態の送達装置が、本明細書に開示される実施例で利用されてもよい。本明細書に開示される送達装置は、同様に大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、並びに肺動脈弁の置換及び修復に利用されてもよい。送達装置は、とりわけ、ステント若しくはフィルター、又は診断装置などの他の形態のインプラントの送達のための送達装置を含んでもよい。
【0140】
本明細書に開示されるインプラント及びシステムは、経カテーテル大動脈弁移植(TAVI)又は他の自己心臓弁(例えば、僧帽弁、三尖弁、又は肺動脈弁)の置換に使用されてもよい。本明細書に開示される送達装置及びシステムは、患者の心臓への、経大腿動脈的アクセスを含む経動脈的アクセスに利用されてもよい。送達装置及びシステムは、経大腿又は経頸静脈的であり得る、経動脈的処置を含む、経カテーテル的経皮的処置において利用されてもよい。経心尖処置も、とりわけ利用されてもよい。他の処置を、所望のように利用してもよい。
【0141】
実施例の特徴は、所望に応じて、実施例全体にわたって修正、置換、除外、又は組み合わせがなされてもよい。
【0142】
さらに、本明細書の方法は、具体的に記載する方法に限定されないのであり、本明細書に開示されるシステム及び装置を利用する方法を含んでもよい。方法のステップは、本明細書に開示されるシステム、装置、及び方法を用いて、修正、除外、又は追加されてもよい。
【0143】
本明細書の目的のために、本開示の実施例のある特定の態様、利点、及び新規の特徴が、本明細書に記載される。開示される方法、装置、及びシステムは、決して制限するものと解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、並びに互いとの様々な組み合わせ及び部分的な組み合わせで、様々な開示された実施例の全ての新規かつ非自明な特徴及び態様を対象とする。方法、装置、及びシステムが、任意の特定の態様若しくは特徴、又はそれらの組み合わせに限定されることもなく、開示される実施例が、任意の一つ以上の特定の利点が存在すること、又は問題が解決されることを必要とすることもない。一つの実施例の特徴、要素、又は構成要素を、本明細書の他の実施例に組み合わせることができる。
【0144】
実施例1: 患者の身体の一部分内に移植するための織物であって、織物が、生体適合性繊維によって形成されるハニカム織りパターンを有する布であって、布の厚さを増加させるために熱処理された布を備える、織物。
【0145】
実施例2: ハニカム織りパターンが、セルの繰り返しパターンを含み、セルの各々が壁によって囲まれた窪みを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1に記載の織物。
【0146】
実施例3: ハニカム織りパターンが、経糸4本のハニカムリピート~経糸32本のハニカムリピートを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1又は実施例2に記載の織物。
【0147】
実施例4: 生体適合性繊維が、生体適合性テクスチャ加工済みマルチフィラメント糸、生体適合性テクスチャ加工済み高収縮性マルチフィラメント糸、生体適合性平坦マルチフィラメント糸、又はねじれマルチフィラメント糸のうちの一つ以上を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~3に記載の織物。
【0148】
実施例5: 生体適合性繊維が生体適合性ポリマーを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~4に記載の織物。
【0149】
実施例6: 生体適合性ポリマーが生体吸収性ポリマーを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例5に記載の織物。
【0150】
実施例7: 生体吸収性ポリマーが、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、又はポリラクチドグリコリドコポリマー(PLGA)のうちの一つ以上を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例6に記載の織物。
【0151】
実施例8: 生体適合性ポリマーが、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、超高分子量ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン、又はポリエーテルエーテルケトンのうちの一つ以上を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例5に記載の織物。
【0152】
実施例9: 生体適合性繊維の各々が、布の第一の端から布の第二の反対側の端まで連続的に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~8に記載の織物。
【0153】
実施例10: 布が10パーセント~100パーセントの圧縮性を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~9に記載の織物。
【0154】
実施例11: 布が80パーセントを超える圧縮性を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~10に記載の織物。
【0155】
実施例12: 布が、1インチ当たりの経糸数100~400本、及び1インチ当たりの緯糸数100~300本の繊維密度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~11に記載の織物。
【0156】
実施例13: 熱処理によって布の厚さが100パーセント超増加する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~12に記載の織物。
【0157】
実施例14: 熱処理によって布の厚さが1,800パーセント超増加する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~13に記載の織物。
【0158】
実施例15: 布の厚さが少なくとも0.5ミリメートルである、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~14に記載の織物。
【0159】
実施例16: 布の長さが熱処理によって少なくとも20パーセント減少し、布の幅が熱処理によって少なくとも40パーセント減少する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~15に記載の織物。
【0160】
実施例17: 熱処理が生体適合性繊維を収縮させる、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~16に記載の織物。
【0161】
実施例18: 生体適合性繊維が波状の繊維である、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~17に記載の織物。
【0162】
実施例19: 熱処理が生体適合性繊維の捲縮を増加させる、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~18に記載の織物。
【0163】
実施例20: 布が単一層を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~19に記載の織物。
【0164】
実施例21: 心臓の自己弁に展開されるように構成された人工弁であって、前記人工弁が、複数の人工弁弁尖と、前記複数の人工弁弁尖に連結され、かつ各々が前記心臓の一部分に固定されるように構成された一つ以上のアンカーと、前記一つ以上のアンカーに連結された一つ以上のパッドであって、前記一つ以上のパッドの各々が、ハニカム織りパターンを有する布を含む、一つ以上のパッドと、を備える、人工弁。
【0165】
実施例22: 人工弁が、流入端及び流出端を含み、一つ以上のアンカーが、人工弁の流出端に位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例21に記載の人工弁。
【0166】
実施例23: 一つ以上のアンカーが心室アンカーを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例21又は実施例22の人工弁。
【0167】
実施例24: 一つ以上のパッドが、一つ以上のアンカーの先端に結合される、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~23の人工弁。
【0168】
実施例25: 一つ以上のアンカーの各々がフック形状を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~24の人工弁。
【0169】
実施例26: 一つ以上のアンカーの各々が、半径方向内向きに面する表面及び半径方向外向きに面する表面を含み、一つ以上のパッドが、半径方向内向きに面する表面を覆う、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~25の人工弁。
【0170】
実施例27: 一つ以上のアンカーの各々が、自己弁弁尖の周りにフックされるように構成され、半径方向内向きに面する表面が、自己弁弁尖に向かって面している、本明細書の任意の実施例、特に実施例26に記載の人工弁。
【0171】
実施例28: 複数の人工弁弁尖を支持するフレームをさらに備え、一つ以上のアンカーがフレームに結合される、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~27に記載の人工弁。
【0172】
実施例29: 一つ以上のパッドの各々が、布の複数の層を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~28に記載の人工弁。
【0173】
実施例30: ハニカム織りパターンが、セルの繰り返しパターンを含み、セルの各々が、壁によって囲まれた窪みを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~29に記載の人工弁。
【0174】
実施例31: 波状である生体適合性繊維によって布が形成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~30に記載の人工弁。
【0175】
実施例32: 布が熱処理されて布の厚さを増加させる、本明細書の任意の実施例、特に実施例31に記載の人工弁。
【0176】
実施例33: 熱処理が、生体適合性繊維の捲縮を増加させる、本明細書の任意の実施例、特に実施例32に記載の人工弁。
【0177】
実施例34: 布が80パーセントを超える圧縮性を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~33に記載の人工弁。
【0178】
実施例35: 布が、1インチ当たりの経糸数100~400本、及び1インチ当たりの緯糸数100~300本の繊維密度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~34に記載の人工弁。
【0179】
実施例36: 患者の身体の一部分内に移植するための織物を製造する方法であって、方法が、生体適合性繊維によって形成されるハニカム織りパターンを有する布を提供することと、布の厚さを増加させるために布を熱処理することと、を含む、方法。
【0180】
実施例37: 生体適合性繊維でハニカム織りパターンを形成することをさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36に記載の方法。
【0181】
実施例38: ハニカム織りパターンが、セルの繰り返しパターンを含み、セルの各々が、壁によって囲まれた窪みを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36又は実施例37に記載の方法。
【0182】
実施例39: ハニカム織りパターンが、経糸4本のハニカムリピート~経糸32本のハニカムリピートを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~38に記載の方法。
【0183】
実施例40: 生体適合性繊維が、生体適合性テクスチャ加工済みマルチフィラメント糸、生体適合性テクスチャ加工済み高収縮性マルチフィラメント糸、生体適合性平坦マルチフィラメント糸、又はねじれマルチフィラメント糸のうちの一つ以上を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~39に記載の方法。
【0184】
実施例41: 生体適合性繊維が生体適合性ポリマーを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~40に記載の方法。
【0185】
実施例42: 生体適合性ポリマーが生体吸収性ポリマーを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例41に記載の方法。
【0186】
実施例43: 熱処理によって布の厚さが100パーセント超増加する、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~42に記載の方法。
【0187】
実施例44: 熱処理によって布の厚さが1,800パーセント超増加する、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~43に記載の方法。
【0188】
実施例45: 布の長さが熱処理によって少なくとも20パーセント減少し、布の幅が熱処理によって少なくとも40パーセント減少する、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~44に記載の方法。
【0189】
実施例46: 熱処理が生体適合性繊維の捲縮を増加させる、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~45の方法。
【0190】
実施例47: 熱処理後の布が80パーセントを超える圧縮性を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~46に記載の方法。
【0191】
実施例48: 熱処理後の布が、1インチ当たりの経糸数100~400本、及び1インチ当たりの緯糸数100~300本の繊維密度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~47に記載の方法。
【0192】
実施例49: 生体適合性繊維の各々が、布の第一の端から布の第二の反対側の端まで連続的に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~48に記載の方法。
【0193】
実施例50: 布が単一層を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~49に記載の方法。
【0194】
実施例51: 人工弁を患者の心臓の自己弁に展開することを含む方法であって、人工弁が、複数の人工弁弁尖と、複数の人工弁弁尖に連結され、かつ各々が患者の心臓の一部分に固定されるように構成された一つ以上のアンカーと、一つ以上のアンカーに連結された一つ以上のパッドであって、一つ以上のパッドの各々が、ハニカム織りパターンを有する布を含む、一つ以上のパッドと、を含む、方法。
【0195】
実施例52: 一つ以上のアンカーが心室アンカーを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例51に記載の方法。
【0196】
実施例53: 一つ以上のパッドが、一つ以上のアンカーの先端に結合される、本明細書の任意の実施例、特に実施例51又は実施例52に記載の方法。
【0197】
実施例54: 一つ以上のアンカーの各々を自己弁弁尖の周りにフックすることをさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例51~53に記載の方法。
【0198】
実施例55: 一つ以上のアンカーの各々が、半径方向内向きに面する表面及び半径方向外向きに面する表面を含み、一つ以上のパッドが、半径方向内向きに面する表面を覆う、本明細書の任意の実施例、特に実施例51~54に記載の方法。
【0199】
実施例56: 一つ以上のアンカーの各々を、自己弁弁尖の周りにフックすることをさらに含み、半径方向内向きに面する表面が、自己弁弁尖に向かって面している、本明細書の任意の実施例、特に実施例55に記載の方法。
【0200】
実施例57: 複数の人工弁弁尖を支持するフレームをさらに備え、一つ以上のアンカーがフレームに結合される、本明細書の任意の実施例、特に実施例51~56に記載の方法。
【0201】
実施例58: 自己弁が、自己僧帽弁又は自己三尖弁である、本明細書の任意の実施例、特に実施例51~57に記載の方法。
【0202】
実施例59: 一つ以上のパッドの各々が、布の複数の層を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例51~58に記載の方法。
【0203】
実施例60: ハニカム織りパターンが、セルの繰り返しパターンを含み、セルの各々が壁によって囲まれた窪みを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例51~59に記載の方法。
【0204】
実施例61: 波状である生体適合性繊維によって布が形成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例51~60に記載の方法。
【0205】
実施例62: 布が熱処理されて布の厚さを増加させる、本明細書の任意の実施例、特に実施例61に記載の方法。
【0206】
実施例63: 熱処理が、生体適合性繊維の捲縮を増加させる、本明細書の任意の実施例、特に実施例62に記載の方法。
【0207】
実施例64: 布が80パーセントを超える圧縮性を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例51~63に記載の方法。
【0208】
実施例65: 布が、1インチ当たりの経糸数100~400本、及び1インチ当たりの緯糸数100~300本の繊維密度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例51~64に記載の方法。
【0209】
実施例66: 心臓の自己弁に展開されるように構成された人工弁であって、人工弁が、複数の人工弁弁尖と、複数の人工弁弁尖を支持し、かつスカートを含む弁本体とを備え、スカートの少なくとも一部分がハニカム織りパターンを有する、人工弁。
【0210】
実施例67: スカートが、心臓の一部分をシールするためのシール用スカートを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例66に記載の人工弁。
【0211】
実施例68: 弁本体がフレームを含み、スカートがフレームの半径方向外向きに位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例66又は実施例67に記載の人工弁。
【0212】
実施例69: フレームが外側フレームを備え、人工弁が外側フレームの半径方向内向きに位置付けられた内側フレームをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例68に記載の人工弁。
【0213】
実施例70: 弁本体が流れチャネルを囲み、複数の人工弁弁尖が弁本体から流れチャネルに向かって半径方向内向きに延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~69に記載の人工弁。
【0214】
実施例71: スカートの外表面がハニカム織りパターンを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~70に記載の人工弁。
【0215】
実施例72: 複数の人工弁弁尖に連結され、かつ各々が心臓の一部分に固定されるように構成された複数のアンカーをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~71に記載の人工弁。
【0216】
実施例73: ハニカム織りパターンを有するスカートの一部分が、複数のアンカーの隣接するアンカーの間に円周方向に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例72に記載の人工弁。
【0217】
実施例74: ハニカム織りパターンを有するスカートの一部分が、複数のアンカーの各々とは反対側に位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例72又は実施例73に記載の人工弁。
【0218】
実施例75: 複数のアンカーの各々がフック形状を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例72~74に記載の人工弁。
【0219】
実施例76: ハニカム織りパターンを有するスカートの一部分が、自己弁弁尖との摩擦を提供するように構成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~75に記載の人工弁。
【0220】
実施例77: ハニカム織りパターンを有するスカートの一部分がパッドを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~76に記載の人工弁。
【0221】
実施例78: ハニカム織りパターンを有するスカートの一部分が、自己弁との緩衝を提供するように構成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~77に記載の人工弁。
【0222】
実施例79: ハニカム織りパターンを有するスカートの一部分が圧縮可能であるように構成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~78に記載の人工弁。
【0223】
実施例80: ハニカム織りパターンが、セルの繰り返しパターンを含み、セルの各々が、壁によって囲まれた窪みを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~79に記載の人工弁。
【0224】
実施例81: ハニカム織りパターンが、波状である生体適合性繊維によって形成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~80に記載の人工弁。
【0225】
実施例82: ハニカム織りパターンが、布の厚さを増加させるために熱処理された布を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例81に記載の人工弁。
【0226】
実施例83: 熱処理が、生体適合性繊維の捲縮を増加させる、本明細書の任意の実施例、特に実施例82に記載の人工弁。
【0227】
実施例84: ハニカム織りパターンが、80パーセント超の圧縮性を有する布を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~83に記載の人工弁。
【0228】
実施例85: ハニカム織りパターンが、1インチ当たりの経糸数100~400本、及び1インチ当たりの緯糸数100~300本の繊維密度を有する布を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~84に記載の人工弁。
【0229】
実施例86: 心臓の自己弁に展開されるように構成された人工弁であって、人工弁が、複数の人工弁弁尖と、複数の人工弁弁尖を支持し、スカートを含む弁本体と、を備え、スカートの少なくとも一部分が、心臓の一部分との摩擦を提供するための一つ以上の摩擦体を含む、人工弁。
【0230】
実施例87: スカートが、心臓の一部分をシールするためのシール用スカートを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例86に記載の人工弁。
【0231】
実施例88: 弁本体がフレームを含み、スカートがフレームの半径方向外向きに位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例86又は実施例87に記載の人工弁。
【0232】
実施例89: フレームが外側フレームを備え、人工弁が外側フレームの半径方向内向きに位置付けられた内側フレームをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例88に記載の人工弁。
【0233】
実施例90: 弁本体が流れチャネルを囲み、複数の人工弁弁尖が弁本体から流れチャネルに向かって半径方向内向きに延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~89に記載の人工弁。
【0234】
実施例91: スカートの外表面が、一つ以上の摩擦体を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~90に記載の人工弁。
【0235】
実施例92: 一つ以上の摩擦体が、自己弁弁尖との摩擦を提供するように構成されている、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~91に記載の人工弁。
【0236】
実施例93: 一つ以上の摩擦体がそれぞれストリップを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~92に記載の人工弁。
【0237】
実施例94: 弁本体が、軸に沿って延在する流れチャネルを囲み、一つ以上の摩擦体の各々が、軸に対して軸方向に延在するストリップを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~93に記載の人工弁。
【0238】
実施例95: 複数の人工弁弁尖に連結され、かつ各々が心臓の一部分に固定されるように構成された複数のアンカーをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~94に記載の人工弁。
【0239】
実施例96: 一つ以上の摩擦体が、複数のアンカーの各々とは反対側に位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例95に記載の人工弁。
【0240】
実施例97: 複数のアンカーの各々がフック形状を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例95又は実施例96に記載の人工弁。
【0241】
実施例98: 複数のアンカーの各々が、長さを有する細長いアームを備え、一つ以上の摩擦体がそれぞれ、細長いアームのそれぞれの一つの長さと整列したストリップを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例95~97に記載の人工弁。
【0242】
実施例99: 一つ以上の摩擦体の各々が、複数のアンカーのそれぞれの一つとは反対の側の、自己弁弁尖上に位置付けられるように構成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例95~98に記載の人工弁。
【0243】
実施例100: 一つ以上の摩擦体が一つ以上の突出部を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~99に記載の人工弁。
【0244】
実施例101: 弁本体の近位部分が、人工弁の流入を含み、弁本体の遠位部分が、人工弁の流出を含み、一つ以上の突出部が、遠位方向又は近位方向の移動に抵抗するように角度付けられている、本明細書の任意の実施例、特に実施例100に記載の人工弁。
【0245】
実施例102: 一つ以上の摩擦体が、複数のループを有するパッチを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~101に記載の人工弁。
【0246】
実施例103: スカートが布を含み、一つ以上の摩擦体が布に埋め込まれる、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~102に記載の人工弁。
【0247】
実施例104: 一つ以上の摩擦体が、心臓の一部分との摩擦を提供するための突出部を有する一つ以上のワイヤを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~103に記載の人工弁。
【0248】
実施例105: スカートが布を含み、一つ以上の摩擦体が布に織り込まれる、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~104に記載の人工弁。
【0249】
実施例106: 一つ以上の摩擦体が、心臓の一部分との摩擦を提供するための突出部を有する一つ以上の縫合糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~105に記載の人工弁。
【0250】
実施例107: 一つ以上の摩擦体がハニカム織りパターンを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~106に記載の人工弁。
【0251】
実施例108: ハニカム織りパターンが、セルの繰り返しパターンを含み、セルの各々が、壁によって囲まれた窪みを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例107に記載の人工弁。
【0252】
実施例109: ハニカム織りパターンが、波状である生体適合性繊維によって形成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例107又は実施例108に記載の人工弁。
【0253】
実施例110: 人工弁が、僧帽弁置換弁又は三尖弁置換弁を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~109に記載の人工弁。
【0254】
実施例111: 人工弁を患者の心臓の自己弁に展開することを含む方法であって、人工弁が、複数の人工弁弁尖と、複数の人工弁弁尖を支持し、かつスカートを含む弁本体と、を含み、スカートの少なくとも一部分が、ハニカム織りパターンを有する、方法。
【0255】
実施例112: スカートが、心臓の一部分をシールするためのシール用スカートを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例111に記載の方法。
【0256】
実施例113: 弁本体がフレームを含み、スカートがフレームの半径方向外向きに位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例111又は実施例112に記載の方法。
【0257】
実施例114:フレームが外側フレームを備え、人工弁が外側フレームの半径方向内向きに位置付けられた内側フレームをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例113に記載の方法。
【0258】
実施例115:弁本体が流れチャネルを囲み、複数の人工弁弁尖が弁本体から流れチャネルに向かって半径方向内向きに延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例111~114に記載の方法。
【0259】
実施例116:スカートの外表面がハニカム織りパターンを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例111~115に記載の方法。
【0260】
実施例117:複数のアンカーが、複数の人工弁弁尖に連結され、かつ各々が心臓の一部分に固定されるように構成されている、本明細書の任意の実施例、特に実施例111~116に記載の方法。
【0261】
実施例118:ハニカム織りパターンを有するスカートの一部分が、複数のアンカーの隣接するアンカーの間に円周方向に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例117に記載の方法。
【0262】
実施例119:ハニカム織りパターンを有するスカートの一部分が、複数のアンカーの各々とは反対側に位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例117又は実施例118に記載の方法。
【0263】
実施例120:複数のアンカーの各々がフック形状を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例117~119に記載の方法。
【0264】
実施例121:ハニカム織りパターンを有するスカートの一部分が、自己弁弁尖との摩擦を提供するように構成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例111~120に記載の方法。
【0265】
実施例122:ハニカム織りパターンを有するスカートの一部分がパッドを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例111~121に記載の方法。
【0266】
実施例123:ハニカム織りパターンを有するスカートの一部分が、自己弁との緩衝を提供するように構成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例111~122のいずれかに記載の方法。
【0267】
実施例124:ハニカム織りパターンを有するスカートの一部分が圧縮可能であるように構成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例111~123に記載の方法。
【0268】
実施例125:ハニカム織りパターンが、セルの繰り返しパターンを含み、セルの各々が壁によって囲まれた窪みを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例111~124に記載の方法。
【0269】
実施例126:ハニカム織りパターンが、波状である生体適合性繊維によって形成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例111~125に記載の方法。
【0270】
実施例127:ハニカム織りパターンが、布の厚さを増加させるために熱処理された布を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例126に記載の方法。
【0271】
実施例128:熱処理が、生体適合性繊維の捲縮を増加させる、本明細書の任意の実施例、特に実施例127に記載の方法。
【0272】
実施例129:ハニカム織りパターンが、80パーセント超の圧縮性を有する布を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例111~128に記載の方法。
【0273】
実施例130:ハニカム織りパターンが、1インチ当たりの経糸数100~400本、及び1インチ当たりの緯糸数100~300本の繊維密度を有する布を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例111~129に記載の方法。
【0274】
実施例131:人工弁を患者の心臓の自己弁に展開することを含む方法であって、人工弁が、複数の人工弁弁尖と、複数の人工弁弁尖を支持し、かつスカートを含む弁本体と、を含み、スカートの少なくとも一部分が、心臓の一部分との摩擦を提供するための一つ以上の摩擦体を含む、方法。
【0275】
実施例132:スカートが、心臓の一部分をシールするためのシール用スカートを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例131に記載の方法。
【0276】
実施例133:弁本体がフレームを含み、スカートがフレームの半径方向外向きに位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例131又は実施例132に記載の方法。
【0277】
実施例134:フレームが外側フレームを備え、人工弁が外側フレームの半径方向内向きに位置付けられた内側フレームをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例133に記載の方法。
【0278】
実施例135:弁本体が流れチャネルを囲み、複数の人工弁弁尖が弁本体から流れチャネルに向かって半径方向内向きに延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例131~134に記載の方法。
【0279】
実施例136:スカートの外表面が、一つ以上の摩擦体を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例131~135に記載の方法。
【0280】
実施例137:一つ以上の摩擦体が、自己弁弁尖との摩擦を提供するように構成されている、本明細書の任意の実施例、特に実施例131~136に記載の方法。
【0281】
実施例138:一つ以上の摩擦体がそれぞれストリップを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例131~137に記載の方法。
【0282】
実施例139:弁本体が、軸に沿って延在する流れチャネルを囲み、一つ以上の摩擦体の各々が、軸に対して軸方向に延在するストリップを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例131~138に記載の方法。
【0283】
実施例140:複数のアンカーが、複数の人工弁弁尖に連結され、かつ各々が心臓の一部分に固定されるように構成されている、本明細書の任意の実施例、特に実施例131~139に記載の方法。
【0284】
実施例141:一つ以上の摩擦体が、複数のアンカーの各々とは反対側に位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例140に記載の方法。
【0285】
実施例142:複数のアンカーの各々がフック形状を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例140又は実施例141に記載の方法。
【0286】
実施例143:複数のアンカーの各々が、長さを有する細長いアームを備え、一つ以上の摩擦体がそれぞれ、細長いアームのそれぞれの一つの長さと整列したストリップを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例140~142に記載の方法。
【0287】
実施例144:一つ以上の摩擦体の各々が、複数のアンカーのそれぞれの一つとは反対の側の、自己弁弁尖上に位置付けられるように構成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例140~143に記載の方法。
【0288】
実施例145:一つ以上の摩擦体が一つ以上の突出部を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例131~144に記載の方法。
【0289】
実施例146:弁本体の近位部分が、人工弁の流入を含み、弁本体の遠位部分が、人工弁の流出を含み、一つ以上の突出部が、遠位方向又は近位方向の移動に抵抗するように角度付けられている、本明細書の任意の実施例、特に実施例145に記載の方法。
【0290】
実施例147:一つ以上の摩擦体が、複数のループを有するパッチを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例131~146に記載の方法。
【0291】
実施例148:スカートが布を含み、一つ以上の摩擦体が布に埋め込まれる、本明細書の任意の実施例、特に実施例131~147に記載の方法。
【0292】
実施例149:一つ以上の摩擦体が、心臓の一部分との摩擦を提供するための突出部を有する一つ以上のワイヤを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例131~148に記載の方法。
【0293】
実施例150:スカートが布を含み、一つ以上の摩擦体が布に織り込まれる、本明細書の任意の実施例、特に実施例131~149に記載の方法。
【0294】
実施例151:一つ以上の摩擦体が、心臓の一部分との摩擦を提供するための突出部を有する一つ以上の縫合糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例131~150に記載の方法。
【0295】
実施例152:一つ以上の摩擦体がハニカム織りパターンを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例131~151に記載の方法。
【0296】
実施例153:ハニカム織りパターンが、セルの繰り返しパターンを含み、セルの各々が壁によって囲まれた窪みを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例152に記載の方法。
【0297】
実施例154:ハニカム織りパターンが、波状である生体適合性繊維によって形成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例152又は実施例153に記載の方法。
【0298】
実施例155:人工弁が、僧帽弁置換弁又は三尖弁置換弁を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例131~154に記載の方法。
【0299】
上述の第1~155の実施例のいずれかを含むがこれに限定されない、実施例のいずれかの特徴のいずれかは、上述の第1~155の実施例のいずれかの任意の実施例を含むがこれに限定されない、本明細書で識別される他の全ての態様及び実施例に適用可能である。 さらに、上述の第1~155の実施例のいずれかの任意の実施例を含むがこれに限定されない、様々な実施例のうち実施例の任意の特徴は、任意のやり方で、本明細書に記載された他の実施例と部分的に又は全て、独立して組み合わせ可能で、例えば、一つ、二つ、又は三つ以上の実施例は、全て又は部分的に組み合わせ可能であり得る。 さらに、上述の第1~155の実施例のいずれかの任意の実施例を含むがこれに限定されない、様々な実施例の特徴のいずれも、他の実施例に対して任意選択にされてもよい。 方法の任意の実施例は、別の実施例のシステム又は装置によって実施され得、システム又は装置の、任意の態様又は実施例は、上述の第1~155の実施例のいずれかの任意の実施例を含むがこれに限定されない、別の態様又は実施例の方法を実施するように構成されてもよい。
【0300】
まとめると、本明細書の態様が、特定の実施例を参照することによって強調されるが、当業者であれば、これらの開示された実施例は、本明細書に開示される主題の原理の例示に過ぎないことを容易に認識することが理解されるであろう。したがって、開示された主題が、本明細書に記述された特定の方法論、プロトコル、及び/又は試薬などに決して限定されないことは理解されるべきである。そのため、本開示の主題の様々な修正若しくは変更、又は代替的な構成は、本明細書の趣旨から逸脱することなく、本明細書の教示に従ってなされてもよい。最後に、本明細書で使用する用語は、特定の実施例のみを記述する目的であり、本明細書に開示されるようなシステム、装置、及び方法の範囲を限定することを意図するものではなく、これは、特許請求の範囲によってのみ定義される。したがって、システム、装置、及び方法は、精密に図示及び説明されるものに限定されない。
【0301】
システム、装置、及び方法の特定の実施例は、本明細書に記載されており、それらを実行するための発明者に知られている最良のモードが含まれる。当然のことながら、これらの説明される実施例の変形は、上述の説明を読んだときに当業者にとって明らかとなる。発明者は、当業者に、かかる変形を適宜採用することを期待し、発明者は、本明細書に具体的に記述される以外の方法で実施されるシステム、装置、及び方法を意図する。したがって、システム、装置、及び方法は、準拠法により許容されるとおり、本明細書に添付される特許請求の範囲に記載される主題の全ての修正及び均等物を含む。さらに、本明細書に別段示されない限り、又は文脈によって別段明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形における上述の実施例の任意の組み合わせは、システム、装置、及び方法によって包含される。
【0302】
システム、装置、及び方法の、代替的な実施例、要素、又はステップの、グループ化は、限定として解釈されるべきではない。各グループメンバーは、個別に、又は本明細書に開示される他のグループメンバーとの任意の組み合わせで、言及され、かつ請求されてもよい。グループの一つ以上のメンバーは、利便性及び/又は特許性を理由に、グループに含まれてもよく、又はグループから削除されてもよいことが予想される。このような任意の包含又は削除が発生する場合、本明細書は、修正されたグループを含有し、したがって、添付の特許請求の範囲で使用する全てのマーカッシュグループの記述を満たすとみなされる。
【0303】
別段示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用される特徴、品目、数量、パラメータ、特性、項などを表す全ての数字は、全ての場合で用語「約」によって修正されているものとして理解されるべきである。本明細書で使用する用語「約」は、そのように修飾された特徴、品目、数量、パラメータ、特性、又は項が、変動し得る近似を包含するが、本明細書で考察される所望の動作又はプロセスを実施可能であることを意味する。
【0304】
システム、装置、及び方法(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)を記述する文脈で使用する用語「一つの(a)」、「一つの(an)」、「その(the)」、及び類似の参照語は、本明細書に別段示されない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を網羅するものとして解釈されるものとする。本明細書に説明される全ての方法は、本明細書に別段示されない限り、又は文脈によって別段明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施されてもよい。本明細書に提供される任意の及び全ての実施例、又は例示的な文言(例えば、「など(such as)」)の使用は、単にシステム、装置、及び方法をより良く解明することを意図するものであり、別途請求されるシステム、装置、及び方法の範囲に制限をもたらさない。本明細書のいかなる文言も、システム、装置、及び方法の実施に必須であるいかなる未請求の要素を示すものとしても解釈されるべきではない。
【0305】
本明細書において参照及び識別される全ての特許、特許刊行物、及びその他の刊行物は、例えば、システム、装置、及び方法に関連して使用され得る、かかる刊行物に記載される組成物及び方法論を記述及び開示する目的で、その全体が参照により、個別に及び明示的に本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は、本出願の出願日の前に、それらの開示のためにのみ提供される。この点に関するいかなることも、発明者が、先行発明を理由として、又はその他の任意の理由により、かかる開示に先行する権利を有しないことを認めるものとして解釈されるべきではない。これらの文書の内容に関する日付又は表明に関する全ての陳述は、出願人が入手可能な情報に基づくものであり、これらの文書の日付又は内容の正確性に関して認めることを構成するものではない。
【国際調査報告】