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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-09
(54)【発明の名称】粘着パッチ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/142 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
A61M5/142 522
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564615
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 EP2022060649
(87)【国際公開番号】W WO2022223754
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/178,808
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506324208
【氏名又は名称】ウノメディカル アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】オテル-ヤコブセン,エーリク
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD11
4C066FF04
4C066GG01
4C066LL18
(57)【要約】
例示的な装置は通常、医療機器と粘着パッチを含む。医療機器は、患者の上に配置されるように構成されており、医療機器の使用中に患者の皮膚に面するように構成された患者対向面を含むベース部を含む。粘着パッチは、前記ベース部を患者の皮膚に接着するように構成されている。粘着パッチは、第1セクションと第2セクションとを含む。第1セクションと第2セクションは互いに分離可能であり、第1セクションは交換のために取り外されるように操作可能である一方、第2セクションは医療機器を患者の皮膚に対して特定の位置に維持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器(100)と粘着パッチ(200、300、310)とを備え、
前記医療機器(100)は患者に配置されるように構成され、前記医療機器(100)は、医療機器(100)の使用中に患者の皮膚の方へ面するように構成された患者対向面(111)を有するベース部(110)を備え、
前記粘着パッチ(200、300、310)は、前記ベース部(110)を患者の皮膚に接着するように構成されており、前記粘着パッチ(200、300、310)は、第1セクション(206、303、313)と第2セクション(206’、304、314)とを備え、
前記第1セクション(206、303、313)及び第2セクション(206’、304、314)は互いに分離可能で、第2セクション(206’、304、314)が医療機器(100)を患者の皮膚に対して特定の位置に維持する間、第1セクション(206、303、313)は交換のために取り除かれるように操作可能であることを特徴とする装置(80、80’)。
【請求項2】
前記第1セクション(313)は、前記第2セクション(314)を少なくとも部分的に取り囲んでいる、請求項1に記載の装置(80’)。
【請求項3】
前記粘着パッチ(310)は、皮膚対向面(311)と機器対向面(312)とを備え、前記第1セクション(313)の皮膚対向面(311)は、第1粘着剤組成物(315’)を含み、前記第2セクション(314)の皮膚対向面(311)は、第1粘着剤組成物(315’)とは異なる第2粘着剤組成物(316’)を含む、請求項2に記載の装置(80’)。
【請求項4】
前記第1粘着剤組成物(315’)は、前記第2粘着剤組成物(316’)よりも大きな接着強度を有する、請求項3に記載の装置(80’)。
【請求項5】
前記ベース部(110)は、前記患者対向面(111)の反対側の第2面(112)をさらに含み、前記医療機器は、前記ベース部の第2面(112)に配置されたハウジング(120)をさらに備え、前記粘着パッチ(200)は、前記ハウジング(120)を少なくとも部分的に取り囲んでいる、請求項1記載の装置(80’)。
【請求項6】
前記粘着パッチ(200、300、310)は、前記第1セクション(206、303、313)と前記第2セクション(206’、304、314)の分離を容易にするためにミシン目(207、307、317)をさらに含んでいる、請求項1記載の装置(80、80’)。
【請求項7】
医療機器(100)を患者の皮膚に付着するように構成された粘着パッチ(400)であって、
第1面(412)及びこの第1面とは反対側の第2面とを有する基材(410)と、
前記基材(410)の第1面(412)上に配置され、患者の皮膚に接着するように構成された第1粘着剤組成物(422)を含む第1粘着層(420)と、
特定の流体にさらされたときに色が変化するように構成され色変化組成物(440)と
を備えたことを特徴とする、粘着パッチ(400)。
【請求項8】
前記基材(410)を前記医療器具(100)に取り付けるように構成された取付装置(90)をさらに備える、請求項7に記載の粘着パッチ(400)。
【請求項9】
前記取付装置(90)は、前記第1粘着剤組成物(422)とは異なる第2粘着剤組成物(552)を含む、請求項8に記載の粘着パッチ(400)。
【請求項10】
前記取付装置(90)は、機械的留め具(500)の少なくとも一部を備え、前記機械的留め具(500)の前記少なくとも一部分は、
複数のフック(512、522、524)、
複数のループ(514)、
スナップ機構(532、534)、又は
合成剛毛((542)
のうちの少なくとも1つを備える、請求項8に記載の粘着パッチ(400)。
【請求項11】
前記特定の流体は大気であり、前記色変化組成物(440)は、所定の期間大気中に曝露されると色が変化するように構成されている、請求項7に記載の粘着パッチ(400)。
【請求項12】
前記所定の期間は、3日以上である、請求項8に記載の粘着パッチ(400)。
【請求項13】
前記特定の流体は特定の治療薬である請求項7に記載の粘着パッチ(400)。
【請求項14】
請求項13に記載の粘着パッチ(400)を含む装置(80”)であって、
前記装置(80”)は医療機器(100)をさらに備え、
前記医療機器(100)は、前記特定の治療薬を投与するように構成されていることを特徴とする、装置(80”)。
【請求項15】
ベース部第1面(111)と、前記ベース部第1面(111)の反対側のベース部第2面(112)とを有するベース部(110)を備えた医療機器(100)と、
前記前記ベース部第1面(111)と患者の皮膚との間に配置されるように構成された粘着パッチ(300、310)であって、患者の皮膚に面するように構成された粘着パッチ第1面(301、311)と前記ベース部第1面(111)に面する粘着パッチ第2面(302,312)とを備え、前記粘着パッチ第1面(301、311)は、第1粘着剤組成物(305’、315’)を含む粘着層(305、315)を備えている粘着パッチ(300、310)と、
前記ベース部第1面(111)を前記粘着パッチ第2面(302、312)に取り付ける取付装置(90)と、
を備え、
前記取付装置(90)は、(a)機械的留め具(500)又は(b)第1粘着剤組成物(305’、315’)とは異なる第2粘着剤組成物を備えることを特徴とする、装置(80’)。
【請求項16】
前記取付装置(90)は機械的留め具(500)を備える、請求項15に記載の装置(80’)。
【請求項17】
前記機械的留め具(500)は、面ファスナー(510)、フック-フックファスナー(520)、スナップ(530)、又は合成剛毛(542)のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の装置(80’)。
【請求項18】
前記取付装置(90)が、第1粘着剤組成物(305’、315’)とは異なる第2粘着剤組成物を含む、請求項15に記載の装置(80’)。
【請求項19】
患者に配置されるように構成された医療機器(100)であって、使用中に患者に対向するように構成された患者対向面(111)を有するベース部(110)を備えた医療機器(100)と、
前記ベース部(110)を患者の皮膚に接着するように構成された粘着パッチ(200、300、310)であって患者の皮膚に接触するように構成された第1領域(203、303、313)と、取付装置(90)を介してベース部(110)に取り付けられる第2領域(204、302、312)とを備え、前記第1領域(203、303、313)は第1粘着剤組成物(205’、305’、315’)を含む、粘着パッチ(200、300、310)と
を備え、
前記取付装置(90)は、(a)機械的留め具(500)、又は(b)第1粘着剤組成物(205’、305’、315’)とは異なる第2粘着剤組成物のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、装置(80、80’)。
【請求項20】
前記取付装置(90)は機械的留め具(500)を備える、請求項19に記載の装置(80、80’)。
【請求項21】
前記機械的留め具(500)は合成剛毛(542)を備える、請求項20に記載の装置(80、80’)。
【請求項22】
前記機械的留め具(500)は、面ファスナー(510)、フック-フックファスナー(520)、又はスナップ(530)のうちの少なくとも1つを備える、請求項20に記載の装置(80、80’)。
【請求項23】
前記取付装置(90)は、前記第1粘着剤組成物(205’、305’、315’)とは異なる第2粘着剤組成物を含む、請求項19に記載の装置(80、80’)。
【請求項24】
前記粘着パッチ(200)は、第1面(201)及び反対側の第2面(202)をさらに含み、前記第1領域(203)及び第2領域(204)のそれぞれは、前記粘着パッチ(200)の第1面(201)に位置する、請求項19に記載の装置(80)。
【請求項25】
前記第1領域(203)は前記第2領域(204)を少なくとも部分的に取り囲んでいる、請求項24に記載の装置(80)。
【請求項26】
前記粘着パッチ(300、310)は、第1面(301、311)及び反対側の第2面(302、312)を備え、
前記粘着パッチ(300、310)の第1面(301、311)は、前記第1領域(305、315)を含み、
前記粘着パッチ(300、310)の第2面(302、312)は前記第2領域(302、312)を含む、請求項19に記載の装置(80’)。
【請求項27】
前記粘着パッチ(300、310)は、前記粘着パッチ(300、310)の第1面(301、311)に位置する第3領域(304、314)をさらに含み、この第3領域(303、313)は、前記第1粘着剤組成物(205’、305’、315’)とは異なる第3領域粘着剤組成物(306’、316’)を含む、請求項26に記載の装置(80’)。
【請求項28】
前記第3領域(314)は、前記第1領域(313)によって少なくとも部分的に囲まれており、前記第3領域粘着剤組成物(316’)は、前記第1領域粘着剤組成物(315’)よりも低い接着強度を有する、請求項27に記載の装置(80’)。
【請求項29】
前記第1領域(313)は、前記第3領域(314)よりも高い剛性を有する、請求項28に記載の装置(80’)。
【請求項30】
前記第2領域(204)は、前記第1領域(203)よりも高い剛性を有する、請求項19に記載の装置(80)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、粘着パッチ(adhesive patches)に関し、より具体的には、但し限定するものではないが、輸液装置(infusion devices)とともに使用するように構成された医療グレードの粘着パッチに関する。
【背景技術】
【0002】
輸液装置は、長期間、通常は1~3日間にわたって患者に治療薬を提供するためによく利用される。このような輸液装置は、通常、粘着パッチを介して皮膚に貼り付けられる。従来の粘着パッチの多くには、1つ以上の欠点や制限がある。例えば、多くの従来の粘着パッチはその端の周りで剥がれるため、使用者は輸液装置が適用部位から外れないように追加の粘着剤を塗布する必要がある場合がある。さらに、従来の粘着パッチの多くは、輸液装置の位置を維持したまま交換することができず、針を抜いて再挿入する必要があり、患者にとってさらなる不快感をもたらす可能性がある。さらに、従来の粘着パッチの多くは注入部位を覆い隠しており、使用者が注入部位の状態を検査することが妨げられている。特にこれらの理由により、この技術分野では依然としてさらなる改善が必要である。
【発明の開示】
【0003】
例示的な装置(exemplary apparatus)は通常、医療機器と粘着パッチとを備えている。医療機器は、患者の上に配置されるように構成されており、そして、医療機器の使用中に患者の皮膚に面するように構成された患者対面側(patient-facing side)を含むベース部を含む。粘着パッチは、ベース部を患者の皮膚に接着するように構成されている。粘着パッチは、第1セクションと第2セクションとを含む。第1セクションと第2セクションは互いに分離可能であって、第2セクションが医療機器を患者の皮膚に対して特定の位置に維持する間、第1セクションは交換のために取り外されるように操作可能である。本願のさらなる実施形態、形態、特徴、及び態様は、本明細書で提供される説明及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は特定の実施形態による装置の分解組立図である。
【0005】
図2図2図1に示される装置で利用され得る、特定の実施形態による粘着パッチの断面図である。
【0006】
図3図3は特定の実施形態による装置の分解組立図である。
【0007】
図4図4図3に示される装置で利用され得る、特定の実施形態による粘着パッチの断面図である。
【0008】
図5図5は特定の実施形態による粘着パッチの斜視図である。
【0009】
図6図6図5に示される粘着パッチの断面図である。
【0010】
図7図7は特定の実施形態による装置の分解組立図である。
【0011】
図8図8図7に示される装置で利用され得る、特定の実施形態による粘着パッチの断面図である。
【0012】
図9図9は特定の実施形態で利用され得る面ファスナーの概略図である。
【0013】
図10図10は特定の実施形態で利用され得るフック-フックファスナーの概略図である。
【0014】
図11図11は特定の実施形態で利用され得るスナップファスナーの概略図である。
【0015】
図12図12は特定の実施形態で利用され得る合成剛毛ファスナーの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の概念は様々な修正及び代替形態が可能であるが、特定の実施形態が例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、本開示の概念を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、意図するところは本開示及び特許請求の範囲に記載の発明と一致するすべての修正、等価物、及び代替物を網羅することであることを理解されたい。
【0017】
本明細書において「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的な実施形態」などと言った場合、その実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含む可能性があることを示すが、すべての実施形態がそれを含む場合もあれば、必ずしも含むわけではないこともある。さらに、そのような表現は必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、「好ましい」構成要素又は特徴と言った場合は、ある実施形態に関しては特定の構成要素又は特徴の望ましさを示す場合があるが、本開示は、そのような構成要素又は特徴を省略することができる他の実施形態に関してはそれほど限定するものではないことを理解されたい。さらに、特定の特徴、構造、又は特性、特質がある実施形態に関連して説明されている場合、そのような特徴、構造、又は特性、特質を他の実施形態に関連して実装することは、明示的に説明されていようといまいと、当業者の知識の範囲内である。
【0018】
さらに、「A、B、及びCの少なくとも1つ」の形式でのリストに含まれる項目は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(B及びC)、(A及びC)、又は(A及びB及びC)を意味し得ることを理解されたい。同様に、「A、B、又はCの少なくとも1つ」の形式でリストされている項目は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(B及びC)、(A及びC)、又は(A及びB及びC)を意味し得る(A) を意味する場合がある。「A、B、及び/又はC」の形式でリストされている項目は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(B及びC)、(A及びC)、又は(A及びB及びC)を意味し得る。さらに、特許請求の範囲に関して、「a(冠詞)」、「an(冠詞)」、「少なくとも1つの」、及び/又は「少なくとも1つの部分」などの語句の使用は、特に反対の記載がない限り、1つのみのそのような要素(element)に限定解釈されるべきではない。また、「少なくとも一部」及び/又は「一部」などの語句の使用は、特に反対の記載がない限り、そのような要素の一部のみを含む実施形態とそのような要素の全体を含む実施形態との両方を包含すると解釈されるべきである。
【0019】
図面では、いくつかの構造的特徴又は方法的特徴が、特定の配置及び/又は順序で示されている場合がある。しかしながら、そのような特定の配置及び/又は順序は必ずしも必要ではないことを理解されたい。むしろ、いくつかの実施形態では、そのような特徴は、特に反対の記載がない限り、例示的な図に示されているものとは異なる方法及び/又は順序で配置されてもよい。さらに、特定の図に構造的特徴又は方法的特徴が含まれていることは、そのような特徴がすべての実施形態で必要であることを意味するものではなく、いくつかの実施形態では省略され得るか、又は他の特徴と組み合わせられ得る。
【0020】
図1を参照すると、特定の実施形態による装置80が示されている。装置80は、一般に、患者に配置されるように構成された医療機器100と、医療機器100を患者の皮膚に付着させるように構成された粘着パッチ200と、医療機器100と粘着パッチ200とを取り付ける取付装置90とを含む。
【0021】
本明細書に記載されるように、取付装置90は、一般に、粘着パッチ200に提供される第1取付部材92と、医療機器100に提供される第2取付部材94とを含み、第2取付部材94は第1取付部材92に取り外し可能に取り付けられるように構成されている。ある実施形態では、第1取付部材92は、取付部材粘着剤組成物93’を含む粘着層93を含む。特定のそのような形態では、取付部材粘着剤組成物93’は、粘着パッチ200の第1領域203を患者の皮膚に接着することができる粘着剤組成物205’とは異なる。第1粘着剤組成物205’とは異なる第2粘着剤組成物93’に加えて、又はその代替として、取付装置90は機械的留め具を含んでもよい。取付装置90の追加の例示的な形態に関する更なる詳細が、図9~12を参照して本明細書で提供される。
【0022】
医療機器100は、一般に、ベース部110と、医療機器100の作動構成要素を収容するハウジング120とを含む。図示の医療機器100は、輸液装置の形態で提供されているが、本明細書で説明されている粘着パッチは他の形態の医療機器を患者の皮膚に固定するために利用されることができることも考えられる。
【0023】
ベース部110は、一般に、装置100の使用中に患者の皮膚の方向に面するように構成された患者対向面(patient-facing side)111と、患者対向面111の反対側の第2面112とを含む。図示の形態では、第2面112が取付装置90の第2取付部材94を備えている。例えば、第2面112が第2取付部材94を形成していてもよく、あるいは第2取付部材94が第2面112に固定(例えば接着adhered)されていてもよい。
【0024】
ハウジング120は、ベース部110の第2面112に配置され、医療機器100の作動構成要素を収容する。上で述べたように、図示の医療機器100は輸液装置である。したがって、ハウジング120は、治療薬のリザーバと、治療薬を患者に皮下送達するように操作可能な針とを収容することができる。医療機器100が輸液装置以外の形態で提供される実施形態などでは、ハウジング120が追加の構成要素又は代替構成要素を収容し得ることも考えられる。
【0025】
さらに図2を参照すると、粘着パッチ200は、一般に、第1面すなわち患者対向側201と、反対側の第2面202とを含む。また、粘着パッチ200は、患者の皮膚に接触するように構成された第1領域203と、取付装置90を介してベース部110に取り付けられる第2領域204とを含む。より具体的には、第2領域204は、取付装置90の第1取付部材92を備える。図示の形態では、第1領域203及び第2領域204は患者対向側に設けられ、第1領域203は少なくとも部分的に第2領域204を取り囲んでいる。本明細書に記載されるように、第1領域203及び第2領域204が粘着パッチ200の互いに対向する側に配置され、第1領域203は必ずしも第2領域204を囲んでいないことも考えられる。
【0026】
第1領域203は、患者の皮膚に接着するように構成された第1領域粘着剤組成物205’を含む第1領域粘着層205を備える。第2領域204は、取付装置90の第1取付部材92を備える。特定の実施形態では、第2領域204は、第1領域203よりも剛性が高くてもよい。基材(支持体 substrate)208の剛性がそのように異なることにより、第1領域203が患者の動きに応じて曲がるのを可能にしながら、第2領域208のより均一な取付を容易にすることができる。
【0027】
上で述べたように、第1取付部材92の特定の実施形態は、粘着剤組成物93’を含む粘着層93を含む。このような特定の実施形態では、第1領域粘着剤組成物205’は、第1取付部材粘着剤組成物93’よりも大きな接着強度を有し得る。このような接着(粘着)特性の違いは、粘着パッチ200の交換中に粘着パッチ200を医療機器100から取り外すのを容易にしつつ、第1領域の粘着層205が皮膚にしっかりと接着することを可能にすることができる。特定の実施形態では、第1粘着層205の外周は、貼り付け後にエッジが患者の皮膚から剥がれるのを防ぐ(剥がれにくくする)ために、第1粘着剤組成物205’よりも大きな接着強度を有する第2粘着剤組成物205”を含んでもよい。
【0028】
図示された粘着パッチ200は、第1セクション206及び第2セクション206’を備え、それぞれが、第1領域203の対応するそれぞれの部分と、第2領域204の対応するそれぞれの部分とを備える。粘着パッチ200は、第1セクション206と第2セクション206’の分離を容易にする1つ又は複数のミシン目207を含んでいてもよい。図示の形態では、ミシン目207は、粘着パッチ200を2つの実質的に同一のセクション206、206’に分割する。セクション206、206’は必ずしも同一である必要はなく、ミシン目207が粘着パッチ200を3つ以上のセクションに分割してもよい。
【0029】
粘着パッチ200は、ハウジング120を受け入れるように機能する開口209を画定する基材208も含んでいる。患者対向側201及び第2面202は、基材208の、対向する各側に画定される。特定の実施形態では、粘着パッチ200は、さらに、使用前に粘着層205及び/又は第1取付部材92を覆う保護フィルムを備える。
【0030】
装置80の使用において、医療機器100は患者の皮膚上の適切な位置に配置されることができる。患者の皮膚への針の挿入前、挿入中、又は挿入後のいずれかに、医療器具100は、粘着パッチ200を使用して患者の皮膚に固定することができる。保護フィルムを含む実施形態では、保護フィルムは除去され、それによって、粘着層205及び/又は第1取付部材92を露出させることができる。次に、ハウジング120が開口部209を通って延びる一方、第1領域203が患者の皮膚に接触し、第2領域204がベース部110の第2面112に接触するように、粘着パッチ200を配置することができる。このような位置では、第1粘着層205が粘着パッチ200を皮膚に接着する一方で、取付装置90が粘着パッチ200をベース部110に固定する。その結果、患者の皮膚に対する医療機器100の位置は粘着パッチによって維持される。
【0031】
使用中、医療機器100がその設置位置で有用なままである一方で、粘着パッチ200の何らかの性能特性が劣化し始めることがあり得る。例えば、第1粘着層205の端が患者の皮膚から剥がれ始めている可能性がある。このような剥離は、上述したように、粘着層205の周囲に、より強力な接着組成物205”を設けることによって阻止され得るが、それでも、医療器具100の位置を維持しながらパッチ200を交換することが望ましくなる場合がある。そのような状況では、図示のパッチ200の特徴が、パッチ200の交換中に医療機器100の位置を維持するのに役立ち得る。例えば、ユーザは、交換用粘着パッチ200を提供され、その交換用粘着パッチ200を、例えばそのミシン目207に沿って裂くことにより、第1セクション206と第2セクション206’とに分離する。次に、ユーザは、第2セクション206’が医療機器100を設置位置に維持するように第2セクション206’をその貼付状態に維持しながら、貼付されている粘着パッチ200の第1セクション206を交換のために除去する。交換用粘着パッチ200の第1セクション206を貼付した後、ユーザは、この新しい粘着パッチ200の第1セクション206を貼付状態に維持したまま、元の粘着パッチ200の第2セクション206’を交換の為に除去する。これにより、第2セクション206’を交換している間、医療機器100をその設置位置に維持する。
【0032】
前述のことから明らかなように、図示の粘着パッチ200は、交換中に医療器具100を設置位置に維持しながら、それ自体の交換を容易にするように構成されている。その結果、輸液装置100の針は、パッチ200の交換中に埋め込まれたままとなり、針を再挿入する必要がなくなることで患者の不快感を軽減することができる。
【0033】
さらに図3を参照すると、そこには、特定の実施形態による装置80’が示されている。上述の装置80と同様に、装置80’は医療機器100を含む。装置80’はまた、特定の実施形態による粘着パッチ300を含み、取付装置90は粘着パッチ300を医療機器に取り付ける。
【0034】
さらに図4を参照すると、粘着パッチ300は、一般に、患者に面する側の第1面301及び反対側の第2面302を含み、これらは、基材308の、対向する各側に形成される。粘着パッチ300は、第1セクション303及び第2セクション304を含み、さらに、第1セクション303と第2セクション304の分離を容易にするミシン目307を含んでいてもよい。図示の形態では、ミシン目307は、粘着パッチ300を2つの実質的に同一のセクション303、304に分割する。セクション303、304は必ずしも同一である必要はなく、ミシン目207はパッチ300を3つ以上のセクションに分割してもよいと考えられる。
【0035】
第1セクション303の第1面301上には、第1粘着剤組成物305’を含む第1粘着層305が形成されている。第2セクション304の第1面301には、第2粘着剤組成物306’を含む第2粘着層306が形成されている。第2面302は、第1取付部材92を備える。第1セクション303及び第2セクション304のそれぞれが第1取付部材92の対応するそれぞれの部分を備えるように、第1取付部材92は第1セクション303内に部分的に形成され、第2セクション304内に部分的に形成される。特定の形態では、取付装置90は、第1粘着剤組成物305’及び/又は第2粘着剤組成物306’とは異なる粘着剤組成物を含んでもよい。加えて、又は代替として、取付装置90は機械的留め具を含んでもよい。取付装置90の追加の例示的な形態に関する更なる詳細は、図9~12を参照して本明細書で提供される。
【0036】
図示の形態では、ベース部110の患者対向側111は、第2取付部材94を備える。したがって、本実施形態では、取付装置90は、ベース部110の患者対向側である第1面111を粘着パッチ300の第2面302で取り付けるように働く。図示された形態では、ベース部110が粘着パッチ200の略全てを覆うように粘着パッチ200の略全てがベース部110と患者の皮膚との間に配置されている。セクション303、304の一方又は両方の一部(例えば、タブ)がベース部110の外周を越えて突出することができることも考えられる。
【0037】
複数のセクション303、304を含む粘着パッチ300は、複数のセクション206、206’を含む粘着パッチ200に関して上述したのと同様の方法でそれ自体の交換を容易にすることができることを理解されたい。例えば、ユーザは、交換用粘着パッチ300を提供されて、例えばパッチ300をそのミシン目307に沿って引き裂くことによって、交換用粘着パッチ300をその第1及び第2セクション303、304に分離することができる。それから、第2セクション304が医療器具100を設置位置に維持するように、第2セクション304をその貼付状態に維持しながら、貼付された粘着パッチ300の第1セクション303を交換のために取り外すことができる。交換用粘着パッチ300の第1セクション303の貼付後、ユーザは、その新しい粘着パッチ303の第1セクション303をその貼付状態に維持しながら、交換のために元の粘着パッチ300の第2セクション304を除去することができ、それによって、第2セクション304を交換する間、医療機器100を設置位置に維持することができる。
【0038】
さらに図5及び図6を参照すると、特定の実施形態による粘着パッチ310が示されている。粘着パッチ310は、例えば、上述の粘着パッチ300の代わりに装置80’において利用され得る。パッチ310は、パッチ300とある程度類似しており、類似の要素及び特徴を示すために類似の参照符号が使用される。例えば、パッチ310は、基材318、第1面311、及び反対側の第2面312、第1セクション313、第2セクション314、及び第1セクション313と第2セクション314の分離を容易にするミシン目317を含む。第1セクション313の第1面311は、第1粘着剤組成物315’を含む第1粘着層315を含み、第2セクション314の第1面311は、第2粘着剤組成物316’を含む第2粘着層316を含む。簡潔にするために、パッチ310の以下の説明は、パッチ300に関して上述したものとは異なる特徴に主に焦点を当てる。
【0039】
図示された形態では、第1セクション313は、第2セクション314を少なくとも部分的に取り囲み、第1セクション313と第2セクション314との間の境界に一組の主たるミシン目317が形成されている。特定の実施形態では、追加のミシン目317’が主たるミシン目317から粘着パッチ310の外縁に向かって延びて、第1セクション313の除去を容易にする。特定の実施形態では、さらなるミシン目317”が追加のミシン目317’に沿って延びていて、第2セクション314が追加のミシン目317’とさらなるミシン目317”との間に形成された延長部314’を含むようにしている。
【0040】
特定の実施形態では、第1粘着剤組成物315’と第2粘着剤組成物316’は互いに異なる。例えば、第1粘着剤組成物315’は、第2粘着剤組成物316’よりも強い接着強度を有することができる。このような配置により、より強力な粘着剤組成物315’がパッチ310のエッジ周囲での剥離を阻止し、一方、より弱い粘着剤組成物316’が皮膚に対しての追加的動きを可能にすることができる。特定の実施形態では、第1粘着剤組成物315’は、耐久性のために選択された非シリコーン粘着剤組成物であってもよい。特定の実施形態では、第2粘着剤組成物316’は、時間の経過とともに強度が増加するシリコーン様粘着剤であってもよい。
【0041】
特定の実施形態では、基材318は、第2セクション314と比較して、第1セクション313において異なる特性を示し得る。例えば、第1セクション313の基材318は、第1材料で形成され、及び/又は、第1織りパターンを有し得る。第2セクション314の基材は、第2材料で形成され、及び/又は第2織りパターンを有し得る。例えば、第1セクション313の基材318は、剥離を防止するためにより剛性の高い材料で形成され、及び/又はより緻密な織りパターンを有する一方、第2セクション314の基材318は、患者の皮膚のために優れた柔軟性及び/又は通気性を提供するために、より剛性の低い材料で形成され、及び/又は、より緩い織りパターンを有する。
【0042】
パッチ310の第2面312は、第1セクション313内に少なくとも部分的に配置される第1取付部材92を含む。例えば、第1取付部材92は、ベース部110からの剥離を防止するために、第1セクション313の外縁の回りに延在してもよい。特定の実施形態では、取付部材92は、例えばベース部110との取り付けを強化するために、第2セクション314内に部分的に配置される。他の実施形態では、取付部材92は、患者の皮膚に対して通気性を高めるために、第2セクション314から省略される。
【0043】
複数のセクション313、314を含む粘着パッチ310は、複数のセクション206、206’を含む粘着パッチ200に関して上述したのと同様の方法でそれ自体の交換を容易にすることができることを理解されたい。例えば、ユーザは、交換用粘着パッチ310を提供されて、例えばパッチ310をそのミシン目317、317’、317”に沿って引き裂くことによって、交換用粘着パッチ310をその第1及び第2セクション313、314に分離することができる。次に、ユーザは、第2セクション314が医療器具100を設置位置に維持するように、第2セクション314をその貼付状態に維持しながら、貼付された粘着パッチ310の第1セクション313を交換のために取り外すことができる。
【0044】
さらに図7を参照すると、そこには、特定の実施形態による装置80”が示されている。上述の装置80と同様に、装置80”は医療機器100を含む。装置80”はまた、特定の実施形態による粘着パッチ400を含み、取付装置90が粘着パッチ400を医療機器に付着させる。
【0045】
さらに図8を参照すると、粘着パッチ400は、一般に、患者に面する第1面412及び反対側の第2面414を有する基材410を含む。第1粘着層420が第1面412に設けられ、第1取付部材92が第2面414に設けられている。第1粘着層420は、第1粘着剤組成物422を含む。第1取付部材92は、機械的留め具の少なくとも一部及び/又は第1粘着剤組成物422とは異なる第2粘着剤組成物を含む。取付装置90の例示的な実施形態に関するさらなる詳細は、図9図12を参照して以下に提供される。
【0046】
図示の粘着パッチ400は、特定の流体に曝露されると色が変化するように構成された色変化組成物440をさらに含む。図示された形態では、色変化組成物440は基材410内に提供される。色変化組成物440は、第1粘着層420、又は粘着パッチ400上の及び/又は粘着パッチ400中の他の場所に提供されることも考えられる。図7及び図8に示される粘着パッチ400は、ミシン目のない単一ピースのパッチとして提供されるが、色変化組成物440は、マルチセクションパッチ、例えば図1図6を参照して上で説明したもの、に提供されてもよいことを理解されたい。
【0047】
上で述べたように、色変化組成物440は、特定の流体に曝露されると色が変化するように構成される。特定の形態では、特定の流体は空気であり、色変化組成物440は、所定の期間空気に曝露されると色が変化するように構成される。特定の実施形態では、所定の期間は、医療機器100の有効寿命に対応する。例えば、輸液装置100が3日間持続するのに十分な量の治療薬を保持している場合、色変化組成物440は3日以上空気にさらされたときに色を変えることができ、それによって、輸液装置100を再装填又は交換する必要があることを患者に示す。理解されるように、使用前にはパッチ400を真空シールされたパッケージ内に保管して、パッチ400の貼付のためにパッケージが開封されるまで3日間の期間が開始されないようにできる。
【0048】
特定の実施形態では、色変化組成物440の色を変化させる特定の流体は、輸液装置100によって散らばっている治療薬である。例えば、輸液装置100にインスリン製品が入っている場合、色変化組成物440は、インスリン製品にさらされると色が変化し、漏れが発生したことをユーザに示す。別の例として、輸液装置100に化学療法製品が入っている場合、色変化組成物440は、化学療法製品にさらされると色を変え、それによって漏れが起こったことを使用者に示すことができる。
【0049】
さらに図9~12を参照すると、そこには、例えば、本明細書に記載の取付装置90と関連して利用され得る機械的留め具50の様々な実施形態が示されている。より具体的には、図9は、面ファスナー510の形態の機械的留め具500を示し、図10は、フック‐フックファスナー520の形態の機械的留め具500を示し、図11は、スナップファスナー530の形態の機械的留め具500を示し、図12は合成剛毛ファスナー540の形態の機械的留め具500を示す。
【0050】
図9は、面ファスナー510の形態の機械的留め具500を示す。第1表面511(例えば、ベース部110又は粘着パッチのうちの一方によって画定される)は、そこから突出する複数のフック512を有し、第2表面513(例えば、ベース部110又は粘着パッチのうちの他方によって画定される)は、そこから突出する複数のループ514を有する。表面511、513が互いに押し付けられると、フック512がループ514と係合して、表面511、513を互いに解放可能に固定する。
【0051】
図10は、フック‐フックファスナー520の形態の機械的留め具500を示す。第1物体521(例えば、ベース部110又は粘着パッチの一方)は、そこから突出する複数の第1フック522を有し、第2物体523(例えば、ベース部110又は粘着パッチの他方)は、そこから突出する複数の第2フック524を有する。物体521、523が互いに押し付けられると、第1フック522は第2フック524と係合して、物体521、523を互いに解放可能に固定する。
【0052】
図11は、スナップファスナー530の形態の機械的留め具500を示す。第1物体531(例えば、ベース部110又は粘着パッチの一方)には雌スナップ部材532が取り付けられ、第2物体533(例えば、ベース部110又は粘着パッチの他方)には雄スナップ部材534が取り付けられている。物体531、533が互いに押し付けられると、スナップ部材532、534は互いに解放可能に係合して、物体531、533を互いに解放可能に固定する。
【0053】
図12は、合成剛毛ファスナー540の形態の機械的留め具500を示す。第1物体541(例えば、ベース部110又は粘着パッチのうちの一方)は、その上に取り付けられた複数の合成剛毛542を有し、第2物体(例えば、ベース部110又は粘着パッチのうちの他方)は係合面544を有する。合成剛毛(synthetic setae)542は、例えば、ヤモリの足の構造及び性能を模倣した生体模倣構造であってもよい。物体541、543が互いに押し付けられると、合成剛毛542が係合面544に係合して、物体541、543を互いに解放可能に固定する。
【0054】
輸液装置を患者の皮膚に接着するためのある特定の既存の手法では、患者の皮膚に針を挿入した後にパッチが貼付される。本出願の特定の実施形態は、針の挿入前に輸液装置100を患者の皮膚に取り付けることを含み、これにより、所定の角度での針の挿入が容易になり得る。
【0055】
ある特定の実施形態では、皮膚に面する粘着層は、マイクロニードルアレイ(an array of microneedles)などの機械的留め具で置き換えることができる。特定の実施形態では、パッチが貼付されると治療物質が患者の皮膚に放出され始めるよう、皮膚に面する粘着層はその中に治療物質が入れられていてもよい。例えば、治療物質は、局所麻酔薬、鎮静薬、又は抗炎症薬である。
【0056】
本出願の特定の実施形態は、医療機器(100)と粘着パッチ(200、300、310)とを備え、
前記医療機器(100)は患者に配置されるように構成され、前記医療機器(100)は、医療機器(100)の使用中に患者の皮膚の方へ面するように構成された患者対向面(111)を有するベース部(110)を備え、
前記粘着パッチ(200、300、310)は、前記ベース部(110)を患者の皮膚に接着するように構成されており、前記粘着パッチ(200、300、310)は、第1セクション(206、303、313)と第2セクション(206’、304、314)とを備え、
前記第1セクション(206、303、313)及び第2セクション(206’、304、314)は互いに分離可能で、第2セクション(206’、304、314)が医療機器(100)を患者の皮膚に対して特定の位置に維持する間、第1セクション(206、303、313)は交換のために取り除かれるように操作可能であることを特徴とする装置(80、80’)に関する。
【0057】
ある特定の実施形態では、第1セクション(313)は、第2セクション(314)を少なくとも部分的に取り囲んでいる。
【0058】
ある特定の実施形態では、粘着パッチ(310)は、皮膚対向面(311)と機器対向面(312)とを備える。ここで、第1セクション(313)の皮膚対向面(311)は、第1粘着剤組成物(315’)を含み、第2セクション(314)の皮膚対向面(311)は、第1粘着剤組成物(315’)とは異なる第2粘着剤組成物(316’)を含む。
【0059】
ある特定の実施形態では、第1粘着剤組成物(315’)は、第2粘着剤組成物(316’)よりも大きな接着強度を有する。
【0060】
ある特定の実施形態では、ベース部(110)は、患者対向面(111)の反対側の第2面(112)をさらに備える。医療機器は、前記ベース部の第2面(112)に配置されたハウジング(120)をさらに備え、粘着パッチ(200)は少なくとも部分的にハウジング(120)を取り囲む。
【0061】
ある特定の実施形態では、粘着パッチ(200、300、310)は、第1セクション(206、303、313)と第2セクション(206’、304、314)の分離を容易にするためにミシン目(207、307、317)をさらに含んでいる。
【0062】
本願のある特定の実施形態は、医療機器(100)を患者の皮膚に付着するように構成された粘着パッチ(400)に関し、粘着パッチ(400)は、第1面(412)及びこの第1面とは反対側の第2面とを有する基材(410)と、基材(410)の第1面(412)上に配置され、患者の皮膚に接着するように構成された第1粘着剤組成物(422)を含む第1粘着層(420)と、特定の流体にさらされたときに色が変化するように構成され色変化組成物(440)とを備えている。
【0063】
ある特定の実施形態では、粘着パッチ(400)は、基材(410)を医療機器(100)に取り付けるように構成された取付装置(90)をさらに備える。
【0064】
ある特定の実施形態では、取付装置(90)は、第1粘着剤組成物(422)とは異なる第2粘着剤組成物(552)を含む。
【0065】
ある特定の実施形態では、取付装置(90)は、機械的留め具(500)の少なくとも一部分を備え、機械的留め具(500)の前記少なくとも一部分は、複数のフック(512、522、524)、複数のループ(514)、スナップ機構(532、534)、又は合成剛毛((542)のうちの少なくとも1つを備える。
【0066】
ある特定の実施形態では、前記特定の流体は大気であり、前記色変化組成物(440)は、所定の期間大気中に曝露されると色が変化するように構成される。
【0067】
ある特定の実施形態では、前記所定の期間は3日以上である。
【0068】
ある特定の実施形態では、前記特定の流体は特定の治療薬である。
【0069】
本願の特定の実施形態は、粘着パッチ(400)を含む装置(80”)に関し、装置(80”)は医療機器(100)をさらに備え、医療機器(100)は、特定の治療薬を投与するように構成されている。
【0070】
本出願の特定の実施形態は、
ベース部第1面(111)と、前記ベース部第1面(111)の反対側のベース部第2面(112)とを有するベース部(110)を備えた医療機器(100)と、
前記前記ベース部第1面(111)と患者の皮膚との間に配置されるように構成された粘着パッチ(300、310)であって、患者の皮膚に面するように構成された粘着パッチ第1面(301、311)と前記ベース部第1面(111)に面する粘着パッチ第2面(302,312)とを備え、前記粘着パッチ第1面(301、311)は、第1粘着剤組成物(305’、315’)を含む粘着層(305、315)を備えている粘着パッチ(300、310)と、
ベース部第1面(111)を粘着パッチ第2面(302、312)に取り付ける取付装置(90)と、
を備え、
前記取付装置(90)は、(a)機械的留め具(500)又は(b)第1粘着剤組成物(305’、315’)とは異なる第2粘着剤組成物を備える、装置(80’)に関する。
【0071】
ある特定の実施形態では、取付装置(90)は機械的留め具(500)を備える。
【0072】
ある特定の実施形態では、機械的留め具(500)は、面ファスナー(510)、フック-フックファスナー(520)、スナップ(530)、又は合成剛毛(542)のうちの少なくとも1つを含む。
【0073】
ある特定の実施形態では、取付装置(90)は、第1粘着剤組成物(305’、315’)とは異なる第2粘着剤組成物を含む。
【0074】
本出願の特定の実施形態は、
患者に配置されるように構成された医療機器(100)であって、使用中に患者の方に向くように構成された患者対向面(111)を有するベース部(110)を備えた医療機器(100)と、
前記ベース部(110)を患者の皮膚に接着するように構成された粘着パッチ(200、300、310)であって、患者の皮膚に接触するように構成された第1領域(203、303、313)と、取付装置(90)を介してベース部(110)に取り付けられる第2領域(204、302、312)とを備え、前記第1領域(203、303、313)は第1粘着剤組成物(205’、305’、315’)を含む、粘着パッチ(200、300、310)と
を備え、
前記取付装置(90)は、(a)機械的留め具(500)、又は(b)第1粘着剤組成物(205’、305’、315’)とは異なる第2粘着剤組成物のうちの少なくとも1つを含む、装置(80、80’)に関する。
【0075】
ある特定の実施形態では、取付装置(90)は機械的留め具(500)を備える。
【0076】
ある特定の実施形態では、機械的留め具(500)は合成剛毛(542)を含む。
【0077】
ある特定の実施形態では、機械的留め具(500)は、面ファスナー(510)、フック-フックファスナー(520)、又はスナップ(530)のうちの少なくとも1つを備える。
【0078】
特定の実施形態では、取付装置(90)は、第1粘着剤組成物(205’、305’、315’)とは異なる第2粘着剤組成物を含む。
【0079】
特定の実施形態では、粘着パッチ(200)は、第1面(201)及び反対側の第2面(202)をさらに含み、第1領域(203)及び第2領域(204)のそれぞれは、粘着パッチ(200)の第1面(201)に位置する。
【0080】
ある特定の実施形態では、第1領域(203)は、第2領域(204)を少なくとも部分的に取り囲んでいる。
【0081】
ある特定の実施形態では、粘着パッチ(300、310)は、第1面(301、311)及び反対側の第2面(302、312)を備える。ここで、粘着パッチ(300、310)の第1面(301、311)は、第1領域(305、315)を含み、粘着パッチ(300、310)の第2面(302、312)は第2領域(302、312)を含む。
【0082】
ある特定の実施形態では、粘着パッチ(300、310)は、粘着パッチ(300、310)の第1面(301、311)に位置する第3領域(304、314)をさらに含み、第3領域(303、313)は、第1粘着剤組成物(205’、305’、315’)とは異なる第3領域粘着剤組成物(306’、316’)を含む。
【0083】
ある特定の実施形態では、第3の領域(314)は、第1領域(313)によって少なくとも部分的に囲まれており、第3領域粘着剤組成物(316’)は、第1領域粘着剤組成物(315’)よりも低い接着強度を有する。
【0084】
ある特定の実施形態では、第1領域(313)は、第3領域(314)よりも高い剛性を有する。
【0085】
ある特定の実施形態では、第2領域(204)は、第1領域(203)よりも高い剛性を有する。
【0086】
本発明を図面及び前述の説明において詳細に図示し説明してきたが、これは例示的なものでその性質を限定するものではないとみなされるべきであり、好ましい実施形態のみが図示及び説明されたが、発明の精神に含まれるすべての変更及び修正は保護されることが望まれることが理解されよう。
【0087】
上記の説明で使用される「望ましい」、「好ましくは」、「好ましい」、又は「より好ましい」などの用語の使用は、そのように説明された特徴がより望ましい可能性があることを示しているが、それにもかかわらず、それは必要ではなく、それを欠く実施形態が本発明の範囲内にあると考えられ得ること、そしてその範囲は後に続く請求項によって定義される。特許請求の範囲を読む際、「a」、「an」、「少なくとも1つの」、又は「少なくとも1つの部分」などの単語が使用される場合、特に請求項に明記されていない限り、請求項を1つの項目のみに限定する意図はない。「少なくとも一部」及び/又は「一部」という用語が使用される場合、特に反対の記載がない限り、その項目には、その項目の一部及び/又は全体が含まれ得る。
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【国際調査報告】