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特表2024-515376釜飯の味、栄養および食感を実現したインスタントご飯の製造用システム
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  • 特表-釜飯の味、栄養および食感を実現したインスタントご飯の製造用システム 図1
  • 特表-釜飯の味、栄養および食感を実現したインスタントご飯の製造用システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-09
(54)【発明の名称】釜飯の味、栄養および食感を実現したインスタントご飯の製造用システム
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20240402BHJP
   A23L 3/00 20060101ALI20240402BHJP
   A23L 3/10 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
A23L7/10 Z
A23L3/00 101A
A23L3/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566691
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 KR2022006114
(87)【国際公開番号】W WO2022231354
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】10-2021-0056073
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508139664
【氏名又は名称】シージェイ チェイルジェダン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CJ CHEILJEDANG CORPORATION
【住所又は居所原語表記】CJ Cheiljedang Center,330,Dongho-ro,Jung-gu,Seoul,Republic Of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】イェ・ジン・オ
(72)【発明者】
【氏名】イル・サン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ウン・ヘ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・ソン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ヒョ・ヨン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ヘ・ミ・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ユン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】イン・ウォン・ユン
【テーマコード(参考)】
4B021
4B023
【Fターム(参考)】
4B021LA12
4B021LP01
4B021LP08
4B021LW09
4B021MQ01
4B021MQ05
4B023LC05
4B023LC07
4B023LC08
4B023LE02
4B023LE12
4B023LE26
4B023LE30
4B023LG01
4B023LG03
4B023LG05
4B023LG06
4B023LG10
4B023LK01
4B023LK05
4B023LK07
4B023LK08
4B023LK12
4B023LK13
4B023LK15
4B023LK18
4B023LK20
4B023LL01
4B023LP05
4B023LP07
4B023LP19
4B023LP20
4B023LT01
4B023LT60
(57)【要約】
本出願は、インスタントご飯の製造用システムおよびこれを用いて製造されたインスタントご飯に関し、微生物汚染に対して脆弱であるか、殺菌が難しい原材料を用いてインスタントご飯を製造しても、最終のインスタントご飯内の微生物が基準値より低くて十分な殺菌効果を示すことができ、厳格な殺菌によって発生し得るご飯の品質低下の問題が発生せず、優れた食感と味の品質を示すインスタントご飯を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に充填された原材料を真空状態で加圧スチーム殺菌する殺菌部と、
前記殺菌された原材料に、殺菌した水または殺菌したソースを添加する充填部と、
前記水またはソースが添加された容器をシールするシール部と、
前記シールされた容器を90℃~125℃の温度で加熱する加熱部とを含む、インスタントご飯の製造用システム。
【請求項2】
前記殺菌部は、120℃~140℃のスチームで、1分~10分間殺菌を行う、請求項1に記載のインスタントご飯の製造用システム。
【請求項3】
前記殺菌部は、殺菌容器内に、140℃~155℃のスチームを3秒~10秒間注入することを5回~10回繰り返して殺菌を行う、請求項1に記載のインスタントご飯の製造用システム。
【請求項4】
前記殺菌部は、RIC殺菌装置を含む、請求項1に記載のインスタントご飯の製造用システム。
【請求項5】
前記システムは、炊飯部を含んでいない、請求項1に記載のインスタントご飯の製造用システム。
【請求項6】
前記炊飯部は、90℃~120℃の温度で加熱を行う、請求項5に記載のインスタントご飯の製造用システム。
【請求項7】
前記システムは、前記殺菌部の後、シール部まで89℃以下の温度が維持される、請求項1に記載のインスタントご飯の製造用システム。
【請求項8】
前記加熱部は、レトルト殺菌装置を含む、請求項1に記載のインスタントご飯の製造用システム。
【請求項9】
前記原材料は、殺菌前の原材料内の微生物の数が、10cfu/ml~10cfu/mlである、請求項1に記載のインスタントご飯の製造用システム。
【請求項10】
前記原材料は、穀類、豆類、キノコ類、芋類、球根類、山菜類、果実/種実類、肉類、魚肉および卵類からなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項1に記載のインスタントご飯の製造用システム。
【請求項11】
前記システムは、前記水またはソースを殺菌する液殺菌部をさらに含む、請求項1に記載のインスタントご飯の製造用システム。
【請求項12】
前記液殺菌部は、水またはソースに、130℃~140℃のスチームを直接噴射して、6分~8分間殺菌を行う、請求項11に記載のインスタントご飯の製造用システム。
【請求項13】
前記液殺菌部は、DSI(Direct-Steam Injection)殺菌装置を含む、請求項11に記載のインスタントご飯の製造用システム。
【請求項14】
前記システムは、前記原材料を水に浸漬するための浸漬部をさらに含む、請求項1に記載のインスタントご飯の製造用システム。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のシステムにより製造されるインスタントご飯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、インスタントご飯の製造用システムとこれにより製造されたインスタントご飯に関する。
【背景技術】
【0002】
ご飯は、韓国をはじめ、日本、中国のような東アジアにおいて主食として食べられている食べ物であり、その他、東南アジア、南アジアなど、アジアの全域にわたりよく食べられている食べ物の一種である。最近、アジアだけでなく、欧米圏においてもご飯を消費する人口が増加しており、現在、欧米圏においてもご飯は大衆的な食べ物となっており、特に、ご飯の主な原材料である米が栄養学的に優秀であるという点が知られるにつれてさらに人気を集めている。
【0003】
通常、ご飯は、米などの穀類を水で洗ってふやかした後、水を切って加熱することにより、調理、製造されることができる。しかし、ご飯をまともに調理するためには、穀類の量による水の量を正確に計量して使用することが重要であり、加熱する条件と方式に応じて、最終のご飯の味や食感が大きく変化する可能性があり、一定水準以上のご飯を作るためには、熟練した腕前や経験が必要である。一定且つ優れた品質のご飯を作ることが容易ではないため、ご飯だけを作るための電気炊飯器が開発されている。ご飯は、主食として食べる食べ物の一種であることから毎日調理しなければならないか、多量を調理する必要があるが、これを調理する過程が複雑で容易でないという欠点がある。特に、単身世帯が増加し、外食文化が発達している最近の傾向に伴い、上記のような複雑な過程を経て家庭でご飯を作って食べようとする者が減っており、これとは逆に、インスタント食品形態のインスタントご飯に対する需要は増加している。
【0004】
インスタントご飯は、調理状態のご飯を包装して販売されており、これを購入した消費者がすぐこれを食べることができ、電子レンジなどを用いて簡単な調理過程を経ることで手軽く優れた品質のご飯を楽しむことができるという利点がある。しかし、長期間流通されながら常温で保管されるインスタント食品においては、十分な殺菌による微生物汚染を制御しなければならない必要性が高い。仮に、インスタントご飯の殺菌のために、過剰な殺菌条件を適用する場合、ご飯の品質が損なわれて低下し得るため、ご飯の品質は維持し、且つ殺菌効果を同時に図ることが、インスタントご飯分野において重要な解決課題であると言える。
【0005】
上記のような課題を解決することは、インスタントご飯の中でも、白米以外に、他の原材料をさらに用いるインスタントご飯において重要度がさらに高くなる。水分を多く含有するか、微生物汚染に対して脆弱な特徴がある原材料を使用する場合、殺菌が難しく、殺菌による品質の低下が著しいため、殺菌および品質管理の必要性が特に強調される。市販のインスタントご飯形態の混ぜご飯の場合、微生物汚染に対して脆弱な材料を使用するため、殺菌条件は満足しても、ご飯の品質が著しく劣り、悪い食感と味を有することがほとんどである。韓国公開特許公報第10-2015-0105819号では、種実類を含む無菌包装インスタント薬食の製造方法について開示しているが、材料を混合し、先ず薬食を炊飯して調理した後、これを高温で加熱して殺菌し包装する方法を開示しており、殺菌によるご飯の品質低下の問題を全く考慮しない方法を開示しているだけである。最近、お手軽食品の市場が徐々に成長しており、既存の白米ご飯以外に、様々な形態のインスタントご飯に対する需要が増加するに伴い、家庭や飲食店で直接調理したものと類似の品質のインスタントご飯に対するニーズと開発の必要性もともに高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10-2015-0105819号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願は、インスタントご飯を製造するに際し、十分な殺菌によりインスタントご飯内の微生物の数を基準値以下に下げ、殺菌によってご飯の品質が損傷せず、且つ無菌条件を維持しなければならない工程を縮小して、効率的にインスタントご飯の製造用システムを提供することを目的とする。
【0008】
また、本出願は、上記のようなシステムにより製造され、基準値以下の微生物を含み、且つ釜飯の味、栄養、食感などが実現された優れた品質のインスタントご飯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願の一様態は、容器に充填された原材料を真空状態で加圧スチーム殺菌する殺菌部と、前記殺菌された原材料に、殺菌した水または殺菌したソースを添加する充填部と、前記水またはソースが添加された容器をシールするシール部と、前記シールされた容器を90℃~125℃の温度で加熱する加熱部とを含む、インスタントご飯の製造用システムを提供する。
【0010】
本出願の他の一様態は、前記システムにより製造されたインスタントご飯を提供する。
【0011】
以下、本出願について詳細に説明する。
【0012】
本出願において、用語「ご飯(cooked grains、Bap)」は、穀類に水を添加して、加圧、加熱することにより製造される食品の全般を意味する。ご飯は、お粥と比較すると、穀類の粒子の形が維持されており、噛んで摂取することを特徴とし、お粥よりも水分の量が少ないことを特徴とする。前記ご飯は、韓国をはじめ、東アジア、東南アジアにおいて、通常、主食として摂取することができ、主に、米を用いて製造されるが、米の代わりに、他の穀類により製造されるか、米と異なる穀類を混合して製造されることができ、穀類以外に、他の材料をさらに用いて製造されることができる。
【0013】
本出願において、用語「インスタントご飯」は、ご飯をインスタント食品の形態に製造したものを意味する。前記インスタントご飯は、別の調理過程なしにそれ自体で摂取が可能であるか、通常のご飯の製造、調理方法に比べて、より簡単な調理過程を経て摂取が可能であり、貯蔵、保管、運搬、携帯などが便利であるように製造された加工食品である。
【0014】
1.インスタントご飯の製造用システム
本出願のインスタントご飯の製造用システムは、容器に充填された原材料を真空状態で加圧スチーム殺菌する殺菌部と、前記殺菌された原材料に、殺菌した水または殺菌したソースを添加する充填部と、前記水またはソースが添加された容器をシールするシール部と、前記シールされた容器を90℃~125℃の温度で加熱する加熱部とを含む。
【0015】
本出願の製造方法により製造されるインスタントご飯は、インスタントご飯の形態であるにもかかわらず、釜飯の味、栄養、食感などが実現された優れた品質を示すことができる。前記釜飯は、釜を用いて炊いたご飯を意味し、具体的には、圧力炊飯器、釜で炊いたご飯であることができ、特に、石鍋、鉄釜などの釜を用いて製造されることで、より向上した食感が実現されたご飯であることができる。
【0016】
前記原材料は、通常ご飯を作るために使用されることができる材料であれば、如何なるものでも含むことができ、製造しようとするご飯の種類に応じて、前記原材料の種類も適宜選択されて用いられることができる。
【0017】
具体的には、前記原材料は、穀類、豆類、キノコ類、芋類、球根類、山菜類、果実/種実類、肉類、魚肉および卵類からなる群から選択される少なくとも一つを含むことができる。前記穀類は、米または米以外の雑穀を含むことができ、前記米は、白米、黒米、玄米、うるち米およびもち米からなる群から選択される少なくとも一つを含むことができる。前記雑穀は、ムギ、豆、小豆、アワ、小麦、ライムギ、ヒエ、ソバ、エンバク、キビ、トウモロコシおよびモロコシからなる群から選択される少なくとも一つを含むことができる。しかし、雑穀の種類は、これに制限されず、ご飯の製造に通常用いられることができる雑穀であれば、いずれも用いられることができ、例えば、雑穀ご飯または栄養ご飯の製造に用いられる雑穀であれば、いずれも用いられることができる。本出願のインスタントご飯は、白米以外の原材料のみを用いて製造されるか、または白米と白米以外の原材料がともに用いられることができる。前記豆類は、百豆、韓国黒豆、黒豆、黄豆、薬豆、インゲンマメ、エンドウ、ダイズ、リョクトウ、レンズマメ、タチナタマメおよび小豆からなる群から選択される少なくとも一つを含むことができるが、これに制限されるものではなく、前記豆類は、マメ科に分類される食用植物をいずれも含むことができる。前記キノコ類は、エリンギ、シイタケ、ヒラタケ、ツクリタケおよびエノキタケからなる群から選択される少なくとも一つを含むことができる。しかし、キノコの種類は、これに制限されず、食用キノコであれば、制限なく用いられることができ、例えば、キノコご飯の製造に用いられるキノコであれば、いずれも用いられることができる。前記球根類は、レンコン、ゴボウ、ニンジンおよびキキョウからなる群から選択される少なくとも一つを含むことができるが、これに制限されるものではない。前記芋類は、サツマイモ、ジャガイモおよびキクイモからなる群から選択される少なくとも一つを含むことができるが、これに制限されるものではない。前記山菜類は、シラヤマギク山菜、チョウセンヤナギアザミ山菜、ワラビ、ツルマンネングサ山菜、オタカラコウ、ニラ、ヤマラッキョウ、フキ、ヤマフキ、ハナスベリヒユおよびウドからなる群から選択される少なくとも一つを含むことができるが、これに制限されるものではない。前記果実/種実類は、ナツメ、クリ、松の実、レーズンおよびかぼちゃの種からなる群から選択される少なくとも一つを含むことができるが、これに制限されるものではない。前記肉類は、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、シカおよび家禽類(ニワトリ、カモ、ガチョウ、シチメンチョウ、ダチョウ、シチメンチョウ、キジ)からなる群から選択される少なくとも一つ以上の動物から分離した赤肉、筋肉、脂肪またはこれらの混合物を含むことができるが、これに制限されるものではない。前記魚肉は、水産物から分離した肉、水産物の卵またはこれらを加工した食品を含み、例えば、水産物から分離した肉の原物、切肉、カマボコ、魚肉ソーセージなどであることができるが、これに制限されるものではない。前記水産物は、魚(タラ、スケトウダラ、シログチ、サバ、サワラ、サンマなど)、イカ、タコ、テナガダコ、エビ、カニ、貝肉などであることができ、前記水産物の卵は、明太子、たらこ、トビウオの卵、サメの卵などであることができるが、これに制限されるものではない。前記卵類は、動物から得られた卵、例えば、家禽類の卵または卵加工品を原料にする食品を含み、卵、全卵、卵黄、卵白などをいずれも含むことができる。具体的には、前記卵類は、鶏卵、アヒルの卵、うずらの卵、ガチョウの卵、ダチョウの卵またはこれらの加工品であることができるが、これに制限されるものではない。
【0018】
前記原材料は、白米以外の原材料(例えば、白米以外の穀類、豆類、キノコ類、芋類、山菜類、果実/種実類、肉類、魚肉、卵類など)を原材料の全体100重量部に対して、10重量部~100重量部の含量で含むことができる。具体的には、前記白米以外の原材料の含量は、10重量部、15重量部、20重量部、25重量部、30重量部、35重量部、40重量部、45重量部、50重量部、55重量部および60重量部から選択される一つの下限および/または100重量部、95重量部、90重量部、85重量部、80重量部、75重量部、70重量部および65重量部から選択される一つの上限で構成された範囲であることができる。一例として、10~100重量部、15~95重量部、20~90重量部、30~85重量部、40~80重量部、50~80重量部、60~70重量部または60~65重量部であることができるが、これに制限されるものではない。白米以外の原材料の含量が100重量部である場合、前記原材料は、白米を全く含まないこともあり、この際、前記原材料を用いて製造されるインスタントご飯にも白米が含まれていないこともある。前記白米、黒米、玄米などを含む概念である「米」は、その種類に関係なく通常ご飯の製造に用いられる米であれば、いずれも用いられることができ、例えば、ジャポニカまたはインディカ品種の米であることができるが、これに制限されるものではない。また、前記米は、うるち米、もち米またはこれらの組み合わせであることができる。前記うるち米は、そのデンプン成分がアミロース、アミロペクチンであることができ、前記もち米は、そのデンプン成分がアミロペクチンであることができる。前記もち米は、うるち米と比較して、これを炊飯した時に、ご飯の粘性がより高いことができる。なお、前記米は、その精米程度とは無関係に用いられることができ、前記白米、玄米以外にも、5分精米、7分精米および/または9分精米であることができる。前記の米の種類は、最終的に製造しようとするご飯の種類、特性に応じて適宜選択されることができ、各種の米の混合比も適宜選択されて用いられることができる。
【0019】
本出願において、インスタントご飯の製造に用いられる原材料は、これに含まれた微生物の数が他の原材料に含まれた微生物の数よりも多く、微生物汚染に対して脆弱なものであるか、または通常の殺菌過程により十分な殺菌が行われていないものであり得る。具体的には、前記原材料は、殺菌前の原材料内の微生物の数が10cfu/ml~10cfu/mlであることができ、例えば、前記微生物の数は、10cfu/ml~10cfu/ml、1、500cfu/ml~5,000,000cfu/mlまたは1,800cfu/ml~4,500,000cfu/mlの範囲であることができる。また、前記殺菌前の原材料内の微生物の数は、二つ以上の原材料の混合物を殺菌する前に測定した微生物の数であることができる。前記殺菌前の原材料混合物内の微生物の数は、10cfu/ml~10cfu/mlであることができ、例えば、前記殺菌前の原材料混合物内の微生物の数は、500,000cfu/ml~5,000,000cfu/mlまたは550,000cfu/ml~1,200,000cfu/mlであることができる。したがって、インスタントご飯を摂取する者の健康に及ぼし得る影響や、法的なインスタントご飯内の微生物の数の許容基準値を考慮すると、前記原材料を用いて製造されるインスタントご飯に含まれる微生物の数を減少させて基準を満たすためには、他の原材料を用いる場合よりも厳格な殺菌が求められることができる。しかし、厳格な殺菌条件、殺菌方法によりインスタントご飯を製造する場合、微生物汚染は制御することができるが、殺菌工程によるインスタントご飯の品質の低下が発生し得るという問題がある。本出願は、前記原材料を用いてインスタントご飯を製造することによって発生する前記のような課題を解決するための発明であり、本出願のインスタントご飯の製造用システムを用いて製造されるインスタントご飯は、十分な殺菌効果を示し、且つインスタントご飯の品質が低下しないという効果がある。
【0020】
本出願のインスタントご飯の製造用システムは、前記殺菌部の前に、容器に原材料を充填する原材料充填部とをさらに含むことができる。前記原材料充填部は、原材料の種類別にそれぞれ容器に充填するか、または原材料のうち2以上を混合した後、容器に充填を施すことができる。前記原材料充填部は、計量装置を含むことができ、前記計量装置により、一つの容器分量の原材料が重量または体積で計量され、各容器に配分されることができる。
【0021】
本出願のインスタントご飯の製造用システムにおいて、殺菌部は、前記原材料充填部を介して原材料が充填された容器または別の過程により原材料を充填した容器を対象に、真空状態で、加圧スチーム殺菌を行うことができる。前記原材料が充填された容器は、コンベヤによって殺菌部に運搬されることができる。前記殺菌部は、真空状態を形成するための真空ポンプを含むことができ、前記真空ポンプは、真空バルブにより調節されることができる。前記殺菌部は、空気を注入するための装置を含むことができ、注入される空気により、殺菌部内の圧力が調節されることができる。前記殺菌部には、スチーム発生装置から生成されたスチームが注入されることができる。前記スチームは、殺菌された状態のクリーンスチームであり、高温のスチームによって容器に充填された原材料に対する殺菌が行われる。スチームによる殺菌が行われた後、スチームは、水の形態に転換されて殺菌部内に残っている可能性があり、前記殺菌部は、スチームが転換されて生成された水を排出するための排水部を含むことができる。前記殺菌部は、真空、スチームによる殺菌、減圧、真空冷却を順に行うことができる。前記殺菌部により殺菌された、原材料が充填された容器は、コンベヤを介して移動し、無菌条件が維持されるトンネル状のブースに移動することができる。
【0022】
前記殺菌部は、120℃~140℃のスチームで、1分~10分間殺菌を行うことができる。具体的には、前記スチームの温度は、120℃、121℃、122℃、123℃、124℃、125℃、126℃、127℃、128℃、129℃および130℃から選択される一つの下限および/または140℃、139℃、138℃、137℃、136℃、135℃、134℃、133℃、132℃、131℃および130℃から選択される一つの上限で構成された範囲の温度であることができる。一例として、120℃~140℃、121℃~139℃、122℃~138℃、123℃~137℃、124℃~136℃、125℃~135℃、126℃~134℃、127℃~133℃、128℃~132℃、129℃~131℃、129℃~130℃または130℃~131℃のスチームで殺菌することができるが、これに制限されるものではない。前記殺菌時間は、1分、2分、3分、4分、4分30秒、5分、5分30秒、6分、6分30秒および7分から選択される一つの下限および/または10分、9分30秒、9分、8分30秒、8分、7分30秒、7分、6分30秒および6分から選択される一つの上限で構成された範囲の時間であることができる。一例として、1分~10分、2分~9分、3分~8分、4分~7分、5分~6分、5分30秒~6分、5分~5分30秒、6分~10分、7分~10分または7分~9分間殺菌することができるが、これに制限されるものではなく、殺菌の対象になる原材料の容量に応じて、殺菌時間は、前記範囲の時間内で変更することができる。例えば、通常、1人の一回の食事に適切な容量のインスタントご飯を製造する場合、前記殺菌時間は、4分~6分であることができ、これよりも大容量でインスタントご飯を製造しようとする場合、殺菌時間は、7分~10分の範囲まで増加することができ、容量に応じて適宜変更することができる。
【0023】
また、前記殺菌部は、140℃~155℃のスチームを原材料に3秒~10秒間接触させることを5回~10回繰り返して殺菌を行うことができる。具体的には、前記スチームの温度は、140℃、142℃、145℃および147℃から選択される一つの下限および/または155℃、153℃、150℃および148℃から選択される一つの上限で構成された範囲の温度であることができる。一例として、140℃~155℃、142℃~153℃、145℃~150℃、145℃~148℃、147℃~150℃または147℃~148℃のスチームで殺菌することができるが、これに制限されるものではない。前記スチームを接触させる時間は、3秒、4秒、5秒および6秒から選択される一つの下限および/または10秒、9秒、8秒および7秒から選択される一つの上限で構成された時間であることができる。一例として、3秒~10秒、4秒~9秒、5秒~8秒、6秒~8秒、5秒~7秒または6秒~7秒の時間であることができるが、これに制限されるものではない。前記スチームを原材料に接触させることは、5回~10回、6回~9回、6回~8回、7回~9回または7回~8回繰り返して行うことができる。
【0024】
前記殺菌部は、RIC殺菌装置を含むことができる。例えば、前記RIC殺菌装置は、株式会社日阪製作所製の装置であることができるが、その装置に限定されない。前記装置は、殺菌部内の環境を真空状態にし、高温のスチームを注入させて殺菌を行うことができ、温度、圧力および時間の条件を前記のように設定して殺菌を行うことができる。前記装置以外に真空状態の高温のスチームを注入させて殺菌することができる装置であれば、本出願におけるシステムの殺菌部に含まれることができる。
【0025】
前記殺菌部により行われる殺菌は、F0値4以上の条件で殺菌することであり得る。本出願において、用語「F値」は、特定の温度で特定の微生物菌株を死滅させるのに必要な時間を意味し、これは、微生物に対する加熱致死時間曲線により計算することができる。前記F値は、殺菌対象微生物の種類によるZ値と加熱温度に応じて決定されることができる。「F0値」は、中でも、Z値を18゜Fまたは10℃にし、加熱温度を250゜Fまたは121.1℃にした時のF値と定義することができる。前記Z値が10℃であることは、標準になる微生物菌株を対象に殺菌する時の数値を基準にしている。前記F0値は、当業界において殺菌の水準を示す尺度として用いられることができる数値である。ここで、「F0値=4」の条件で殺菌することの意味を例示的に説明すると、前記F0値の定義に応じて、Z値が10℃である標準微生物を対象に、121.1℃の温度で4分間殺菌を行った時に前記微生物を死滅させることができる水準で殺菌することを意味する。具体的には、前記F0値は、試料に、熱処理時間の間に伝達される累積熱量をセンサの探針で測定することができる。例えば、前記F0値は、試料内のコールドポイント(cold point:試料内で最も遅く熱が伝達される地点または通常、試料の中心部)にセンサの探針を挿入した後、熱を加える間に伝達される累積熱量を確認することにより測定することができ、121.1℃、1分に該当する熱量を「F0=1」と設定し、これを基準に換算して計算することができる。前記F0値は、下記式1により計算することができる。具体的には、前記殺菌部により行われる殺菌は、F0値4以上、4.5以上、5以上、6以上、7以上、8以上、10以上、20以上、30以上または40以上の条件で殺菌することであり得るが、これに制限されるものではない。
【0026】
【数1】
【0027】
前記式1中、前記t(時間)の単位は分(min)であり、T(温度)の単位は℃である。
【0028】
前記殺菌部により原材料の殺菌を行う場合、本出願のシステムにより製造される最終のインスタントご飯の製品内に含まれる微生物の数値が基準値以下に下がり、十分な殺菌効果を示すことができる。
【0029】
本出願のインスタントご飯の製造用システムにおいて、前記殺菌部からシール部までは、殺菌された原材料が、無菌条件が維持された状態で移動することができる。殺菌が行われた原材料は、容器のシールの前までは、外部からの微生物のような生体粒子およびその他の非生体粒子から汚染し得るため、空気中に浮遊する前記汚染粒子が制御される必要がある。前記無菌条件を維持する方法は、当業界において食品の製造に通常適用される方法および条件であれば、制限なく適用されることができ、具体的には、加工食品、インスタント食品、レトルト食品などの製造に通常適用される無菌条件が適用されることができる。前記無菌条件は、クリーンルームまたはクリーンブースを用いることで維持されることができ、例えば、前記殺菌部の後からシール部の前までトンネル形状のブースを介して容器を移動させることができる。ここで、ブースに設置されたクリーンエア発生装置(例えば、ヘパフィルタ)から発生するクリーンエアにより微生物の流入を防ぎ、ブース内を正圧で維持することができる。
【0030】
前記充填部は、殺菌された原材料に殺菌した水または殺菌したソースの添加を行う。前記殺菌部により殺菌された原材料は、容器に充填された状態で無菌条件を維持した状態で充填部に移動するが、充填部は、前記原材料に水またはソースを添加する。前記充填部は、前記水またはソースを担持する装置を含むことができる。また、前記充填部は、計量装置を含むことができ、前記計量装置により、一つの容器分量の水またはソースが重量または体積で計量されて各容器に配分されることができる。前記充填部は、水が添加された後、水の量が原材料100重量部に対して、30重量部~120重量部の量になるように水を添加することができ、具体的には、30重量部~110重量部、40重量部~105重量部、50重量部~100重量部、60重量部~95重量部または70重量部~90重量部の量になるように殺菌した水を添加することができる。殺菌したソースを添加する場合、前記殺菌した水と殺菌したソースをともに添加するか、殺菌したソースのみを添加することができる。前記ソースは、液状のソースであり、製造しようとするインスタントご飯の種類や特徴に応じて変化することができ、例えば、前記ソースは、醤油、ニンニク、ネギ、砂糖、塩、ごま油、ハチミツ、またはこれらの組み合わせを含むことができる。前記水またはソースの量は、最終のインスタントご飯の製品で実現しようとするインスタントご飯の味と品質を考慮して、適宜調節することができ、以降の加熱部で加熱されて蒸発する水またはソースの量を考慮して調節されることができる。計量された水またはソースは、充填部の液充填ノズルにより充填されることができる。前記充填部は、原材料が充填された容器に不活性化気体を注入する装置をさらに含むことができ、ガス充電ノズルにより不活性化気体が充填されることができる。
【0031】
本出願のインスタントご飯の製造用システムは、前記水またはソースを殺菌する液殺菌部をさらに含むことができる。前記液殺菌部は、水またはソースに130℃~140℃のスチームを直接噴射して、6分~8分間殺菌を行うことができ、液殺菌部により殺菌された水またはソースは、前記充填部で原材料に充填される。具体的には、前記スチームの温度は、130℃、130.5℃、131℃、131.5℃、132℃および132.5℃から選択される一つの下限および/または140℃、139℃、138℃、137℃、136℃、135℃、134.5℃、134℃、133.5℃、133℃および132.5℃から選択される一つの上限で構成された範囲の温度であることができる。一例として、130℃~140℃、130.5℃~138℃、131℃~136℃、131.5℃~135℃、132℃~133℃、132.5℃~135℃または130℃~132.5℃のスチームで殺菌することができるが、これに制限されるものではない。前記液殺菌部で行われる殺菌は、前記温度のスチームを水またはソースに直接噴射して注入させて温度を上昇させた後、保温が維持される管を6分~8分間通過するようにすることで殺菌を行うことであり得る。具体的には、スチーム噴射の後、殺菌時間は、6分~8分、6分30秒~8分、6分~7分30秒、6分30秒~7分30秒、7分~8分または6分~7分であることができる。
【0032】
前記液殺菌部は、DSI(Direct-Steam Injection)殺菌装置を含むことができる。前記DSI殺菌装置は、前記水またはソースに直接スチームを噴射して殺菌を行うことができ、温度および時間条件を前記のように設定して殺菌を行うことができる。
【0033】
前記液殺菌部は、前記ソースの殺菌にさらに効果的であることができる。液状のソースは、水以外に他の成分をさらに含んでいることから、通常の水よりも微生物汚染に対して脆弱であるか、または通常の殺菌過程により十分な殺菌が行われないこともある問題がある。そのため、前記ソース内の微生物の数を基準値以下に減少させるためには、より厳格な殺菌が求められる。本出願のシステムに含まれる液殺菌部介してスチームを直接ソースに噴射して接触させることで殺菌を行う場合、液状ソースに対する十分な殺菌効果が現れ、且つ前記範囲の条件で殺菌を行うことによりソースの品質の低下は発生しないという効果がある。
【0034】
前記液殺菌部を介して殺菌された水またはソースは、無菌条件が維持された状態で貯蔵および移動することができ、外部の微生物または異物の流入なしに殺菌された状態で充填部を介して原材料に充填されることができる。
【0035】
前記シール部は、蓋材を前記水またはソースが添加された容器に被着する過程を行うことができる。前記シール部は、原材料が充填された容器に不活性化気体を注入する装置をさらに含むことができる。また、前記シール部は、コンベヤを介して移動した、原材料が充填された容器中に開放された面に蓋材を接触させることができ、以降、蓋材と容器を被着させることができる。前記被着は、熱を用いる方法、接着剤を用いる方法または圧力を用いる方法が用いられることができるが、これに制限されるものではなく、外部から微生物や異物が流入しないように、加工食品のシールに通常用いる方法であれば、いずれも用いられることができる。前記シール部は、蓋材と容器の被着方法に応じて、加熱装置を含むか、接着剤を担持する装置、接着剤を蓋材または容器の一部に塗布する装置を含むか、蓋材と容器の接触部に圧力を加える装置を含むことができる。前記シール部により蓋材と容器のシールが行われた後には、容器の内部に外部の異物や微生物が自然な方法では流入されることができず、微生物汚染の制御が可能であり、シールされた後からは必ず無菌条件を維持しなくてもよい。本出願のインスタントご飯の製造用システムで用いられる前記容器および蓋材は加工食品の製造に通常用いられることができる容器、蓋材であれば、その形態、材質、大きさなどが制限されず、用いられることができ、以降、行われる加熱部でも変形または損傷しない容器および蓋材であることができる。例えば、前記蓋材は、リードフィルムであることができるが、これに制限されるものではない。
【0036】
本出願のインスタントご飯の製造用システムは、炊飯部を含まなくてもよい。具体的には、本出願のシステムは、前記殺菌部の後、シール部の前まで炊飯部を含まなくてもよい。前記炊飯部は、通常、ご飯を製造する過程で、ご飯の原材料を加熱する過程を行う。具体的には、前記炊飯部は、90℃~120℃で加熱を行うことができる。インスタントご飯は、殺菌過程で高温の熱が加えられることから高い温度による品質の低下が発生し得る。本出願のシステムは、炊飯部を含まないことによって原材料を加熱する回数を減少させることができ、数回の加熱によるインスタントご飯の品質の低下を防止することができる効果がある。また、殺菌部により殺菌された原材料は、シールされる前までは、外部から微生物が流入され得るため、無菌条件を遵守する必要があるが、本出願のシステムはシール部の前までに炊飯部を含まないことにより、さらなる微生物汚染の機会を低減し、無菌条件を維持しなければならない時間および空間を減少させることができ、コストダウンを図り、効率を高めることができるという利点がある。
【0037】
本出願のインスタントご飯の製造用システムは、前記殺菌部の後、シール部まで89℃以下の温度が維持されることができる。具体的には、89℃以下、88℃以下、87℃以下、85℃以下、80℃以下、75℃以下、70℃以下、10℃~89℃、15℃~88℃、20℃~85℃、25℃~80℃、20℃~70℃または20℃~60℃、または20℃~50℃の温度が維持されることができるが、これに制限されるものではない。本出願のインスタントご飯の製造用システムは、シール部の前までに前記範囲の温度を維持することにより、原材料を加熱する回数を減少させることができ、加熱によるインスタントご飯の品質の低下を防止することができるという効果がある。また、シール部の前までは容器の内部に微生物が流入され得るため、微生物汚染を防止するために、無菌条件を遵守する必要があるが、シール部の前までに前記範囲の温度を維持する場合、無菌条件を維持しなければならない時間が減少することができるという利点がある。これにより、無菌条件にすることによる費用を低減することができ、微生物汚染の可能性を下げることができる効果がある。
【0038】
前記「温度が維持されること」の意味は、前記範囲の温度が時間的に中断されず維持され続けることだけでなく、短時間で一時的に前記温度範囲よりも高い温度条件が与えられること、すなわち、当業界の技術常識上、前記温度が維持され続けることと結果的に同じ場合まで含む概念である。例えば、一時的に前記温度範囲よりも高い温度条件が与えられても、有意な殺菌効果が発生しないか、ご飯の品質の変化が発生しなかった場合、本出願の範囲に含まれる。例えば、前記温度範囲よりも高い温度条件が1秒以内、2秒以内、3秒以内、5秒以内、10秒以内または20秒以内の時間の間に与えられることまで含むことができ、前記温度範囲よりも高い温度条件が短時間で2回以上与えられることまで含むことができる。
【0039】
本出願のインスタントご飯の製造用システムの前記加熱部は、シールされた容器を125℃以下の温度で加熱を行う。具体的には、前記加熱部は、シールされた容器を90℃~125℃の温度で10分~25分間加熱することができる。前記加熱温度は、90℃、91℃、92℃、93℃、94℃、95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、100℃、105℃、107℃、110℃、112℃および115℃から選択される一つの下限および/または125℃、124℃、123℃、122℃、121℃、120℃、119℃、118℃、117℃、116℃および115℃から選択される一つの上限で構成された範囲の温度であることができる。一例として、90℃~125℃、91℃~125℃、92℃~124℃、93℃~124℃、94℃~123℃、95℃~123℃、96℃~121℃、97℃~121℃、98℃~122℃、99℃~121℃、100℃~120℃、105℃~119℃、107℃~118℃、110℃~115℃、110℃~118℃、110℃~116℃または112℃~116℃の温度で加熱することができるが、これに制限されるものではない。
【0040】
前記殺菌時間は、10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、17分、18分、19分および20分から選択される一つの下限および/または25分、24分、23分、22分、21分および20分から選択される一つの上限で構成された範囲の時間であることができる。一例として、10分~25分、11分~24分、12分~23分、15分~22分、17分~21分、19分~20分、20分~21分、12分~17分、13分~16分、18分~23分、19分~22分または19分~21分間加熱することができるが、これに制限されるものではない。前記温度範囲および前記時間範囲は、原材料の種類に応じて変化し得る。
【0041】
前記温度範囲および前記時間に応じて加熱を行う場合、さらなる殺菌効果を示すことができ、より完全な微生物の制御が可能であるという利点がある。また、前記条件の加熱過程を経ることにより、本出願のシステムにより製造されるインスタントご飯は、通常のご飯の製造過程により作られるご飯と類似の水準に達し、摂取に適するご飯の品質を有することができ、過剰な加熱条件によるご飯の品質の低下を防止することができ、優れた品質のインスタントご飯を製造することができる。
【0042】
前記加熱部は、レトルト殺菌装置を含むことができる。前記レトルト殺菌装置は、レトルト食品を製造する時に通常用いられるレトルト殺菌装置であれば、制限なく用いられることができるが、温度および時間条件を前記のように設定して加熱を行うことができる。前記温度および時間条件による加熱は、通常のレトルト殺菌時の加熱温度よりも低い温度で加熱することができ、具体的には、従来インスタントご飯を製造するに際し、通常使用されるレトルト殺菌加熱温度よりも低いことができる。これは、レトルト殺菌装置を用いたインスタントご飯の製造において通常用いられる温度および時間の条件よりもマイルドな条件であり、過剰な高温加熱を行う従来のインスタントご飯の製造装置と比較すると、本出願のシステムは高温によるインスタントご飯の品質の低下を防止することができ、優れた食感と味のインスタントご飯を製造することができる。また、前記加熱部の加熱温度条件は、通常のご飯の調理過程で、食べ物の内部まで熱を伝達するために行う「蒸らす」時の加熱温度よりも高いことができる。
【0043】
前記加熱部以降測定された原材料内の微生物の数は、0cfu/mlであることができる。本出願のインスタントご飯の製造用システムにより製造されるインスタントご飯に含まれる原材料は、一般細菌および耐熱性菌がいずれも死滅し、微生物の数が0cfu/mlになることができる。したがって、本出願のインスタントご飯の製造用システムは、インスタントご飯に含まれる原材料の品質が低下せず、且つ十分な殺菌効果を示すことができるという利点がある。
【0044】
本出願のインスタントご飯の製造用システムにより製造されるインスタントご飯は、インスタント食品として、調理、保管、貯蔵が容易であり、且つ家庭や飲食店で通常のご飯の調理法により製造されるご飯と類似の食感と味の品質を有することができる。また、微生物汚染に対して脆弱であるか殺菌が容易でない原材料を用いても、十分な殺菌により微生物の数が制御されることができ、殺菌によるご飯の品質の低下が発生しないインスタントご飯を製造することができる。
【0045】
本出願のインスタントご飯の製造用システムは、原材料を水に浸漬するための浸漬部とをさらに含むことができる。前記浸漬部は、前記殺菌部の前に含まれることができ、具体的には、原材料充填部の前に原材料を水に浸漬するために含まれることができる。前記浸漬部は、原材料を浸漬するための水を担持する装置を含むことができ、前記水を液充填ノズルを介して原材料に加水する装置を含むことができる。前記水は、殺菌された水を用いることが好ましいが、以降の殺菌部による殺菌を考慮して厳格に殺菌された水を用いることなく、通常の飲み水を用いてもよい。前記浸漬部は、計量装置を含むことができ、計量装置により浸漬水の量を計量して、原材料の全100重量部に対して200重量部~300重量部の水を入れて20分~80分間浸漬を行うことができるが、これに制限されるものではない。前記浸漬部による浸漬過程は、前記通常ご飯を調理して製造するに際し穀類を水にふやかす過程と同様に行われることができる。前記浸漬部は、所定の時間原材料を浸漬した後、浸漬水を排出させて除去する装置をさらに含むことができる。前記排水過程は、容器内の水を完全に排出するか、または原材料100重量部に対して0~10重量部の水が容器にともに充填されることができるように排出することができる。
【0046】
本出願のインスタントご飯の製造用システムは、冷却部および/または乾燥部をさらに含むことができる。前記冷却部は、前記加熱部の下流に位置することができ、加熱されたインスタントご飯の容器を冷却水または自然風により冷却することができるが、これに制限されるものではない。前記冷却部は、冷却水投入装置または自然風発生装置を含むことができる。前記乾燥部は、温風発生装置により乾燥するか、常温でインスタントご飯の容器を静置させることで乾燥することができるが、これに制限されるものではない。
【0047】
本出願のインスタントご飯の製造用システムは、検査および選別部をさらに含むことができる。前記検査および選別部は、シールされた容器内に異物の混入可否を検査するか、容器の重量検査を行うことができる。前記検査および選別部は、検査結果基準を通過したインスタントご飯と、通過することができなかったインスタントご飯を分離し、別の空間に移動させる装置を含むことができる。
【0048】
本出願のインスタントご飯の製造用システムは、包装部をさらに含むことができる。前記包装部は、最終のインスタントご飯の製品一つ以上を別の包装材で包装させることができ、例えば、所定の個数のインスタントご飯を一つの箱に入れる過程を行うことができる。
【0049】
2.インスタントご飯
本出願のインスタントご飯、または本出願のインスタントご飯の製造用システムにより製造されるインスタントご飯は、その原料の種類と配合に応じて、全粒穀物ご飯、キノコ栄養ご飯、ハチミツ薬食などがインスタントご飯の形態で製造されたことができる。
【0050】
2-1.全粒穀物ご飯
シールされた容器と、前記容器に含まれた雑穀類により製造された雑穀ご飯とを含む、インスタントご飯であって、前記雑穀類は、玄米、黒米、全粒小麦、エンバク、ムギ、マメ、小豆、アワおよびモロコシからなる群から選択される一つ以上を含み、前記雑穀ご飯は、前記容器内に含まれた内容物100重量部に対して90重量部以上の含量で含まれ、前記インスタントご飯内の微生物の数は賞味期限内陰性であることができる。
【0051】
前記全粒穀物ご飯は、前記の雑穀類以外にも、通常、全粒穀物ご飯を製造する時に使用される原材料をさらに含むことができ、前記雑穀類は、白米を含まないこともある。前記雑穀類は、玄米および黒米を含み、前記玄米は、うるち玄米およびもち玄米からなる群から選択される少なくとも一つであることができる。
【0052】
前記雑穀類は、前記容器内に含まれた内容物100重量部に対して、90重量部以上の含量で含まれることができる。具体的には、前記穀類の含量は、90重量部以上、91重量部以上、92重量部以上、93重量部以上、94重量部以上、95重量部以上、96重量部以上、97重量部以上、98重量部以上、99重量部以上、99.5重量部以上、99.9重量部以上、100重量部、90重量部~99.9重量部、90重量部~99.5重量部、90重量部~99重量部、91重量部~99重量部、92~99重量部、93重量部~99重量部、94重量部~99重量部、95重量部~99重量部、96重量部~99重量部、97重量部~99重量部、98重量部~99重量部、90重量部~98重量部、91重量部~98重量部、92~98重量部、93重量部~98重量部、94重量部~98重量部、95重量部~98重量部、96重量部~98重量部または97重量部~98重量部であることができるが、これに制限されるものではない。前記雑穀類が100重量部である場合、本出願のインスタントご飯は、雑穀類のみ含むことができ、または白米以外の雑穀類のみを含むことができる。
【0053】
前記雑穀類が全粒小麦およびエンバクからなる群から選択される少なくとも一つを含む場合、前記雑穀ご飯内の全粒小麦またはエンバクのうち表面が破裂した全粒小麦またはエンバクは、全体の全粒小麦またはエンバク100重量部に対して、10重量部以下、9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、または5重量%以下の含量であることができる。本出願において、用語「表面が破裂した」ものとは、穀類の胚乳部分が前記穀類粒の全表面積に対して10%以上現れたものと定義することができる。すなわち、本出願のインスタントご飯は、これに含まれる全粒小麦またはエンバク粒のうち、これらの胚乳部分が各粒の表面積に対して10%未満で現れ、破裂した全粒小麦またはエンバク粒が、全体の全粒小麦またはエンバク粒の10%以下である。市中に流通する特徴のあるインスタントご飯形態の全粒穀物ご飯は、微生物の制御と殺菌に特に注意しけなければならないが、このために、過酷な殺菌条件でインスタントご飯の殺菌を行う場合、粒が破裂しやすい全粒小麦、エンバクなどの穀類で表面破裂現象が発生し得る。穀類粒の表面が破裂すると、視覚的にも良くなく、外観嗜好度が減少する可能性があり、硬度をはじめ、食感と関連する物性も減少してインスタントご飯の品質の低下を引き起こし得る。しかし、本出願のインスタントご飯は、表面破裂現象が発生し得る穀類を含んでいるにもかかわらず、表面が破裂していない粒の比率が高く、食感、外観品質の優れた特徴があり、品質が損なわれなかったにもかかわらず、インスタントご飯内の微生物の数が0cfu/mlであることから、微生物の殺菌も十分に行われたという効果がある。
【0054】
前記玄米は、前記容器内に含まれた内容物100重量部に対して、30~70重量部の含量で含まれることができる。具体的には、うるち玄米が前記容器内に含まれた内容物100重量部に対して、10~30重量部の含量で含まれたことができる。また、もち玄米が前記容器内に含まれた内容物100重量部に対して、20~40重量部の含量で含まれることができる。
【0055】
前記黒米は、前記容器内に含まれた内容物100重量部に対して5~15重量部の含量で含まれることができる。
【0056】
前記全粒小麦および麦からなる群から選択される少なくとも一つは、前記容器内に含まれた内容物100重量部に対して5~15重量部の含量で含まれることができる。
【0057】
前記玄米は、うるち玄米またはもち玄米であることができる。前記うるち玄米は、本出願のインスタントご飯の製造時に、内容物100重量部に対して5重量部~12重量部の含量で添加されることができる。前記もち玄米は、本出願のインスタントご飯の製造時に、内容物100重量部に対して10重量部~20重量部の含量で添加されることができる。
【0058】
前記黒米は、本出願のインスタントご飯の製造時に、内容物100重量部に対して3重量部~10重量部の含量で添加されることができる。前記全粒小麦は、本出願のインスタントご飯の製造時に、内容物100重量部に対して3重量部~10重量部の含量で添加されることができる。前記エンバクは、本出願のインスタントご飯の製造時に、内容物100重量部に対して3重量部~10重量部の含量で添加されることができる。
【0059】
前記全粒穀物ご飯は、前記容器内に含まれた内容物100重量部に対して、食物繊維を3重量部~7重量部の含量で含むことができる。また、前記全粒穀物ご飯は、前記容器内に含まれた内容物100重量部に対して、タンパク質を3.5重量部~10重量部の含量で含むことができる。
【0060】
前記全粒穀物ご飯内の微生物の数は、インスタントご飯の製造後、9ヶ月以下の時間が経過した時点で測定した時に、0cfu/mlであることができる。
【0061】
前記全粒穀物ご飯を700Wの電子レンジで1分~3分、1分30秒~2分30秒または2分の時間で加熱した後、測定したインスタントご飯内の穀類の色度は、L値が20~25、a値が4~7、b値が3~5.5であることができる。
【0062】
前記インスタントご飯は、700Wの電子レンジで1分~3分、1分30秒~2分30秒の時間の間に、より具体的には2分間加熱した後、前記容器に含まれた雑穀ご飯を物性分析装置を用いて測定した以下の物性のいずれか一つ以上の物性を有することができる:(i)硬度が25~35;(ii)弾力性が33~38;(iii)付着性が29.5~31;および(iv)粘性が23.3~25。
【0063】
2-2.キノコ栄養ご飯
前記キノコ栄養ご飯は、シールされた容器と、前記容器に含まれた穀類およびキノコ類により製造されたキノコご飯とを含む、インスタントご飯であって、前記キノコご飯内のご飯は、前記容器内に含まれた内容物100重量部に対して、60重量部~90重量部の含量で含まれ、前記キノコご飯内のキノコは、前記容器内に含まれた内容物100重量部に対して、10重量部~30重量部の含量で含まれ、前記インスタントご飯内の微生物の数は、賞味期限内陰性であることができる。
【0064】
前記キノコ栄養ご飯は、前記の原材料(穀類およびキノコ類)以外にも、通常全粒穀物ご飯を製造する時に使用される原材料をさらに含むことができ、前記インスタントご飯は、白米をさらに含むことができる。
【0065】
前記穀類により製造されたご飯は、米を含み、また、米以外の雑穀として、ムギ、マメ、小豆、アワ、小麦、ライムギ、ヒエ、ソバ、エンバク、キビ、トウモロコシおよびモロコシからなる群から選択される少なくとも一つをさらに含むことができる。
【0066】
前記キノコ類を調理して製造されたキノコは、エリンギ、シイタケ、ヒラタケ、ツクリタケおよびエノキタケからなる群から選択される少なくとも一つを含むことができる。
【0067】
前記キノコご飯内のご飯、または前記穀類により製造されたご飯は、前記容器内に含まれた内容物100重量部に対して、60重量部~90重量部の含量で含まれることができる。
【0068】
前記キノコご飯内のキノコ、または前記キノコ類を調理して製造されたキノコは、前記容器内に含まれた内容物100重量部に対して、10重量部~30重量部の含量で含まれることができる。
【0069】
前記うるち米は、本出願のインスタントご飯の製造時に、内容物100重量部に対して40重量部~60重量部の含量で添加されることができる。また、前記もち米は、本出願のインスタントご飯の製造時に、内容物100重量部に対して5重量部~15重量部の含量で添加されることができる。
【0070】
前記黒米は、本出願のインスタントご飯の製造時に、内容物100重量部に対して1重量部~7重量部の含量で添加されることができる。
【0071】
前記シイタケは、本出願のインスタントご飯の製造時に、内容物100重量部に対して10重量部~25重量部の含量で添加されることができる。また、前記エリンギは、本出願のインスタントご飯の製造時に、内容物100重量部に対して10重量部~25重量部の含量で添加されることができる。
【0072】
前記キノコ栄養ご飯は、液状のソースをさらに含むことができ、前記ソースは、シイタケ熱水抽出物を含むことができる。
【0073】
本出願のインスタントご飯を700Wの電子レンジで1分~3分、1分30秒~2分30秒の時間の間に、より具体的には2分間加熱した後に測定したインスタントご飯内のエリンギの色度は、L値が50~70、a値が3~5、b値が15.5~16.5であることができる。
【0074】
前記エリンギは、長さが3cm以上であり、厚さが6.5mm以上の形態で含まれることができる。
【0075】
本出願のインスタントご飯に含まれるエリンギは、インスタントご飯の製造前の原材料状態のエリンギの厚さに対して、700Wの電子レンジで1分~3分、1分30秒~2分30秒の時間の間に、より具体的には、2分間加熱した後に測定したエリンギの厚さの収縮率が25%以下または21%~25%であることができる。
【0076】
前記キノコご飯内のキノコ、または前記キノコ類を調理して製造されたキノコの水分含量は、70%~85%であることができる。
【0077】
前記キノコ栄養ご飯に含まれるエリンギは、前記インスタントご飯を700Wの電子レンジで1分~3分、1分30秒~2分30秒の時間の間に、より具体的には2分間加熱した後、前記エリンギを物性分析装置を用いて測定した以下の物性のいずれか一つ以上の物性を有することができる:(i)前記エリンギの組織強度(max stress、dyn/cm)値160,000~220,000;および(ii)前記エリンギのarea値(erg/cm)18,000~28,000。
【0078】
2-3.ハチミツ薬食
前記ハチミツ薬食は、シールされた容器と、前記容器に含まれた、ナツメ、種実類およびレーズンからなる群から選択される少なくとも一つの原材料、米およびソースにより製造された薬食とを含む、インスタントご飯であって、前記薬食内の米以外の原材料は、前記容器内に含まれた内容物100重量部に対して5重量部~20重量部の含量で含まれ、前記種実類は、前記容器内に含まれた内容物100重量部に対して7重量部~18重量部の含量で含まれ、前記インスタントご飯内の微生物の数は、賞味期限内陰性であることができる。
【0079】
前記米は、白米、黒米、玄米、うるち米およびもち米からなる群から選択される少なくとも一つを含むことができる。
【0080】
前記種実類は、クリ、松の実、かぼちゃの種および落花生からなる群から選択される少なくとも一つであることができる。
【0081】
前記薬食内の米以外の原材料は、前記容器内に充填された内容物100重量部に対して5重量部~20重量部の含量で含まれることができる。
【0082】
前記種実類は、前記容器内に充填された内容物100重量部に対して7重量部~18重量部の含量で含まれることができる。
【0083】
前記うるち米は、本出願のインスタントご飯の製造時に、内容物100重量部に対して10重量部~20重量部の含量で添加されることができる。また、前記もち米は、本出願のインスタントご飯の製造時に、内容物100重量部に対して55重量部~65重量部の含量で添加されることができる。
【0084】
前記クリは、本出願のインスタントご飯の製造時に、内容物100重量部に対して8重量部~18重量部の含量で添加されることができる。また、前記かぼちゃの種は、本出願のインスタントご飯の製造時に、内容物100重量部に対して0.5重量部~3.5重量部の含量で添加されることができる。また、前記レーズンは、本出願のインスタントご飯の製造時に、内容物100重量部に対して1.5重量部~4.5重量部の含量で添加されることができる。また、前記松の実は、本出願のインスタントご飯の製造時に、内容物100重量部に対して0.5重量部~1.5重量部の含量で添加されることができる。
【0085】
前記ハチミツ薬食は、液状のソースをさらに含むことができ、前記ソースは、ハチミツを含むことができる。
【0086】
前記ハチミツ薬食内のご飯の色度は、L値が33.5~36、a値が5.5~6.5、b値が13.5~14.5であることができる。また、前記ハチミツ薬食を700Wの電子レンジで1分~3分、1分30秒~2分30秒または2分の時間の間に加熱した後、測定したハチミツ薬食内の原材料の色度は、L値が27~29、a値が6.5~7、b値が10~11であることができる。
【0087】
前記ハチミツ薬食は、700Wの電子レンジで1分~3分、1分30秒~2分30秒の時間の間に、より具体的には2分間加熱した後、前記容器に含まれた薬食内のご飯を物性分析装置を用いて測定した後の物性のいずれか一つ以上の物性を有することができる:(i)硬度15~35;(ii)弾力性40~60;(iii)付着性25~40;(iv)粘性65~105。
【発明の効果】
【0088】
本出願のインスタントご飯の製造用システムは、微生物汚染に対して脆弱であるか、殺菌が難しい原材料を用いてインスタントご飯を製造しても、最終のインスタントご飯内の微生物が基準値よりも低くて、十分な殺菌効果を示すことができ、厳格な殺菌によって発生し得るご飯の品質低下の問題が発生せず、釜飯の味、栄養、食感などが実現されて、優れた品質を示すインスタントご飯を製造することができるという効果がある。
【0089】
また、通常のインスタントご飯の製造装置と比較すると、新たな製造原理を用いるにつれて加熱回数を低減して品質の変化を最小化し、無菌条件を維持して、行わなければならない時間またはステップが簡素化することができ、費用と微生物安全の面で有利な利点がある。
【0090】
ただし、本出願の効果は、上記で言及した効果に制限されず、言及されていない他の効果は、下記の記載から当業者が明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
図1】本出願の全粒穀物ご飯(実施例2)と比較例2-1~2-3の全粒穀物ご飯の粒の外観を比較したものであり、比較例2-1のインスタントご飯からは表面が破裂した全粒穀物が多数発見されたが、実施例2のインスタントご飯からは表面破裂現象がほとんど発生しないことを確認することができる。
図2】本出願のキノコ栄養ご飯(実施例3)と比較例3-1~3-3のキノコ栄養ご飯のエリンギの外観を比較したものであり、実施例3のエリンギは、相対的に明るい色を示すことを確認することができる。
【発明を実施するための形態】
【0092】
以下、本出願について実施例により詳細に説明する。
【0093】
ただし、下記の実施例は、本出願を具体的に例示するものであり、本出願の内容が下記の実施例によって限定されない。
【0094】
[実施例および比較例]
実施例1-1および実施例1-2:白米ご飯
白米を原材料とし、本出願のインスタントご飯の製造用システムを用いて、白米ご飯を製造した。具体的には、先ず、白米110gを水で洗浄して浸漬部で浸漬した後、容器に充填した。前記浸漬米110gが充填された容器を殺菌部に該当するRIC装置(株式会社日阪製作所製)に移動させ、真空状態で、130℃の温度で1分30秒間スチーム加圧殺菌を行った。前記殺菌条件は、F0値が4以上である殺菌条件に該当する。殺菌が完了した後、充填部で前記容器に殺菌された水95gを添加した後、シール部で容器を蓋材でシールして、容器内に外部の微生物や異物が入らないように密封した。シールされた容器は、加熱部に該当するレトルト殺菌装置に移動させ、115℃の温度、20分の条件を設定して加熱することにより、実施例1-1のインスタントご飯を製造した。前記装置の温度および時間条件は、通常のレトルト殺菌条件と比較すると、相対的にあまり過酷ではない条件に該当する。
【0095】
また、前記実施例1-1とすべて同じ過程を経てインスタントご飯を製造するが、前記殺菌するステップでRIC装置を用いた殺菌の代わりに、148℃の温度で6秒間加熱することを8回繰り返して加圧殺菌を行うことで、実施例1-2のインスタントご飯を製造した。前記加圧殺菌条件もF0 4以上の殺菌条件に該当する。
【0096】
比較例1-1~比較例1-4:白米ご飯
白米を原材料とし、比較例1-1~比較例1-4のインスタントご飯を製造した。比較例1-1および比較例1-2は、前記実施例1-1と同じシステムにより製造するが、容器のシールの後、加熱部の加熱条件を異ならせて製造した。比較例1-3は、実施例1-1と同じシステムで製造するが、殺菌ステップの後、容器シールの前に炊飯する過程をさらに含むようにして、インスタントご飯を製造した。比較例1-4は、家庭で通常ご飯を製造する方法により白米ご飯を製造した。
【0097】
比較例1-1は、容器のシールステップまでは、実施例1-1と同じ方法を行った後、実施例1-1の加熱ステップの代わりに、シールされた容器を95℃以下の温度で蒸熟する過程を経ており、具体的には85℃の温度で20分間加熱することでインスタントご飯を完成した。
【0098】
比較例1-2は、容器のシールステップまでは、実施例1-1と同じ方法を行った後、実施例1-1の加熱ステップの代わりに、シールされた容器をレトルト殺菌装置で123℃の温度で18分間加熱し、通常のレトルト加熱殺菌条件で加熱してインスタントご飯を製造した。
【0099】
比較例1-3は、前記実施例1-1と同様に、130℃で1分30秒間スチーム加圧殺菌を行った後、殺菌された水を加水した後、また98℃の温度で35分間加熱して炊飯する過程をさらに行った。これは、従来知られているインスタントご飯の製造工程で行われる過程に該当する。比較例1-3では、前記炊飯ステップの後、容器をシールし、レトルト殺菌装置で115℃、20分間加熱し、実施例1と同じ加熱ステップを経てインスタントご飯を製造した。
【0100】
比較例1-4は、通常の家庭で製造される白米ご飯の製造方法にしたがって製造しており、具体的には、白米300gを水洗した後、水分を除去して炊飯に入れ、炊飯水420gを添加し、圧力炊飯条件で炊飯して製造した。
【0101】
実施例2:全粒穀物ご飯
白米以外に、様々な全粒穀物を原材料とし、本出願のインスタントご飯の製造用システムを用いて、実施例2の全粒穀物ご飯を製造した。具体的には、原材料としては、うるち玄米、もち玄米、黒米、全粒小麦およびエンバクを用いており、各原材料の配合比は、下記表1に記載した。前記原材料を水で洗浄して浸漬部で浸漬した後、容器に充填した。充填された容器を殺菌部に該当するRIC装置(株式会社日阪製作所製)に移動させ、真空状態で、130℃の温度で5分30秒間スチーム加圧殺菌を行った。前記殺菌条件は、F0値が4以上である殺菌条件に該当する。原材料の殺菌が完了した後、最終的に下記の表1による比率で配合されるように殺菌された水を添加した。
【0102】
【表1】
【0103】
容器に水を加水した後、容器を蓋材でシールして、容器内に外部の微生物や異物が入らないように密封した。シールされた容器は、加熱部に該当するレトルト殺菌装置に移動させ、115℃の温度、20分の条件を設定して加熱することにより、実施例2のインスタントご飯を製造した。前記装置の温度および時間条件は、通常のレトルト殺菌条件と比較すると、相対的にあまり過酷ではない条件に該当する。
【0104】
比較例2-1~比較例2-3:全粒穀物ご飯
前記表1による配合比で混合した原材料を用いて、比較例2-1~比較例2-3の全粒穀物ご飯を製造した。前記実施例2で全粒穀物ご飯を製造するために用いた方法と同じ方法でインスタントご飯を製造するが、一部の条件を異ならせた。
【0105】
比較例2-1は、容器のシールまでは実施例2と同じ方法を行った後、実施例2の加熱ステップの代わりに、シールされた容器を95℃以下の温度で蒸熟する過程を経ており、具体的には、85℃の温度で20分間加熱することでインスタントご飯を完成した。
【0106】
比較例2-2は、容器のシールまでは実施例2と同様に行った後、実施例2の加熱条件の代わりに、シールされた容器をレトルト殺菌装置で123℃の温度で18分間加熱し、通常のレトルト加熱殺菌条件で加熱してインスタントご飯を製造した。
【0107】
比較例2-3は、前記実施例2と同様に、130℃で5分30秒間スチーム加圧殺菌を行った後、殺菌された水を加水した後、また98℃の温度で35分間加熱して炊飯する過程をさらに行った。これは、従来知られているインスタントご飯の製造工程で行われる過程に該当する。比較例2-3では、前記炊飯ステップの後、容器をシールし、レトルト殺菌装置で115℃、20分間加熱して、実施例2と同じ加熱ステップを経てインスタントご飯を製造した。
【0108】
実施例3:キノコ栄養ご飯
白米以外の穀類、各種のキノコを原材料とし、本出願のインスタントご飯の製造用システムを用いて、実施例3のキノコ栄養ご飯を製造した。具体的には、原材料としては、うるち、もち米、黒米、シイタケおよびエリンギを用いており、水で洗浄した原材料にトウモロコシ胚芽油を添加して容器に充填した。
【0109】
各原材料の配合比は、下記表2に記載した。充填された容器をRIC装置(株式会社日阪製作所製)に移動させ、真空状態で、130℃の温度で、5分30秒間スチーム加圧殺菌を行った。前記殺菌条件は、F0値が4以上である殺菌条件に該当する。
【0110】
【表2】
【0111】
そして、RICで殺菌された前記原材料に殺菌されたシイタケ熱水抽出物、精製塩および水を添加した。この際、前記シイタケ熱水抽出物、精製塩および水の殺菌は、通常の加熱殺菌方法を用いてもよいが、直接スチーム噴射加熱器(direct steam injection heater、DSI)を用いた殺菌(130℃、6分)方法を用いる場合、より優れた微生物殺菌効果を期待することができる。その後、容器を蓋材でシールして、容器内に外部の微生物や異物が入らないように密封した。シールされた容器は、レトルト殺菌装置に移動させ、115℃の温度、20分の条件を設定して加熱することで、実施例3のインスタントご飯を製造した。前記装置の温度および時間条件は、通常のレトルト殺菌条件に比べて相対的にあまり過酷ではない条件に該当する。
【0112】
比較例3-1~比較例3-3:キノコ栄養ご飯
前記表2による配合比で混合した原材料を用いて、比較例3-1~比較例3-3のキノコ栄養ご飯を製造した。前記実施例3のキノコ栄養ご飯を製造するために用いた方法と同じ方法でインスタントご飯を製造するが、一部の条件を異ならせた。
【0113】
比較例3-1は、容器のシールまでは実施例3と同様に行った後、実施例3の加熱条件の代わりに、シールされた容器を95℃以下の温度で蒸熟する過程を経ており、具体的には、85℃の温度で20分間加熱することでインスタントご飯を完成した。
【0114】
比較例3-2は、容器のシールまでは実施例3と同様に行った後、実施例3の加熱条件の代わりに、シールされた容器をレトルト殺菌装置で、123℃の温度で18分間加熱し、通常のレトルト加熱殺菌条件で加熱してインスタントご飯を製造した。
【0115】
比較例3-3は、前記実施例3と同様に、130℃で5分30秒間スチーム加圧殺菌を行った後、殺菌された水を加水した後、また、98℃の温度で35分間加熱して炊飯する過程をさらに行った。これは、従来知られているインスタントご飯の製造工程で行われる過程に該当する。比較例3-3では、前記炊飯ステップの後、容器をシールし、レトルト殺菌装置で115℃、20分間加熱して、実施例3と同じ加熱ステップを経てインスタントご飯を製造した。
【0116】
実施例4:ハチミツ薬食
ハチミツ、醤油、シロップなどの液状ソースと各種の原材料を用いて、本出願のインスタントご飯の製造用システムを用いて、実施例4のハチミツ薬食を製造した。具体的には、原材料としては、うるち、もち米、栗の甘露煮、かぼちゃの種、レーズン、松の実およびごま油を用いており、水で洗浄した原材料にトウモロコシ胚芽油を添加して容器に充填した。各原材料の配合比は、下記表3に記載した。充填された容器をRIC装置(株式会社日阪製作所製)に移動させ、真空状態で、130℃の温度で5分30秒間スチーム加圧殺菌を行った。前記殺菌条件は、F0値が4以上である殺菌条件に該当する。
【0117】
【表3】
【0118】
原材料の殺菌が完了した後、桂皮濃縮液、濃口醤油、ハチミツ、シュガーシロップ、黒砂糖、オリゴ糖HFおよび精製塩を混合して製造した塩度0.9%、糖度28brixの液状ソースを殺菌して前記容器に添加した。前記液状ソースは、直接スチーム噴射加熱器(direct steam injection heater、DSI)を用いて、温度130℃のスチームをソースに直接噴射して、ソース温度を130℃に上げた状態で6分間維持して殺菌を行った。液状ソースを添加した後、容器を蓋材でシールして、容器内に外部の微生物や異物が入らないように密封した。シールされた容器は、レトルト殺菌装置に移動させ、115℃の温度、20分の条件を設定して加熱することで、実施例4のインスタントご飯を製造した。前記装置の温度および時間条件は、通常のレトルト殺菌条件に比べて相対的にあまり過酷ではない条件に該当する。
【0119】
比較例4-1および比較例4-2:ハチミツ薬食
前記表3による配合比で混合した原材料と液状ソースを用いて、比較例4-1および比較例4-2のハチミツ薬食を製造した。前記実施例4のハチミツ薬食を製造するために用いた方法と同じ方法でインスタントご飯を製造するが、一部の条件を異ならせた。
【0120】
比較例4-1は、容器のシールまでは実施例4と同様に行った後、液状ソースは100℃で10分以上加熱することで、一般的な液殺菌方式により殺菌して添加した。そして、実施例4の加熱条件の代わりに、シールされた容器をレトルト殺菌装置で、123℃の温度で18分間加熱し、通常のレトルト加熱殺菌条件で加熱してインスタントご飯を製造した。
【0121】
比較例4-2の場合、液状ソースは、前記実施例4と同じ条件で、直接スチーム噴射加熱器(DSI)を用いて殺菌を行ったが、原材料は、98℃で20分間加熱して殺菌を行うことで、F0 4未満の条件で殺菌を行った。液状ソースの添加後、容器をシールした後には、実施例4の加熱ステップの代わりに、シールされた容器をレトルト殺菌装置で、123℃の温度で18分間加熱し、通常のレトルト加熱殺菌条件で加熱してインスタントご飯を製造した。
【0122】
[実験例1]
[1-1]白米ご飯の色度色差の比較
白米を原材料として製造された実施例1-1、実施例1-2、比較例1-1~比較例1-3のインスタントご飯(白米ご飯)の蓋材を除去し、その色を測定して比較した。そして、家庭などで通常の調理方法により製造した比較例1-4の白米ご飯の色もともに測定して比較した。前記色は、Konica minolta社製の機器を用いて、L、a、b値を測定しており、それぞれ3回ずつ測定した後、これらの平均値を下記表4に示した。
【0123】
【表4】
【0124】
結果、前記表4から確認することができるように、本出願の実施例1-1のインスタントご飯においてL値が最も高く測定されており、実施例1-2のインスタントご飯は、比較例1-1よりは低かったが、L値が相対的に高い方であると測定された。特に、比較例1-3のインスタントご飯と比較すると、本出願の製造用システムにより製造された実施例1-1および実施例1-2のインスタントご飯では、白米のL値が高いことが確認された。白米を原材料として製造されたインスタントご飯の場合、これを摂取する消費者が蓋材を除去した直後に現れるご飯の色は、消費者がすぐ認知することができる外観品質に該当するため、嗜好度に重要な影響を及ぼし、中でも、明るさと関連するL値が重要に作用することができる。ご飯を製造する過程で、白米は、熱によって色が暗くなって嗜好度に悪い影響を及ぼし得る。本出願の製造用システムにより作られた実施例1-1のインスタントご飯は、L値が最も高く、加熱過程でも色がそれほど暗くならず、実施例1-2のインスタントご飯も相対的に高いL値を示すことから、本出願のインスタントご飯の製造用システムは、インスタントご飯の外観品質を損なわず、消費者の嗜好に合致する外観を有するインスタントご飯を提供することができることを確認することができた。
【0125】
[1-2]白米ご飯の炊飯食味分析
前記実施例1-1、実施例1-2、比較例1-1~比較例1-3のインスタントご飯(白米ご飯)を電子レンジにより加熱したものと、比較例1-4の白米ご飯を対象に、食味計(Tensipresser My Boy 2 system、Taketomo Electric Co.,日本)を用いて、米粒の外観、硬度、粘性、バランス、食味値を測定して各インスタントご飯の炊飯食味数値に対して下記表5に示した。
【0126】
【表5】
【0127】
結果、本出願の製造方法により製造された実施例1-1のインスタントご飯は、他のインスタントご飯と比較すると、全般的に各炊飯食味数値がより高いか、類似する水準で示されており、実施例1-2のインスタントご飯の場合にも、優れた硬度、粘性数値を示すことが測定された。
【0128】
[1-3]白米ご飯の物性分析
前記実施例1-1、実施例1-2、比較例1-1~比較例1-3のインスタントご飯(白米ご飯)を電子レンジにより加熱したものと、比較例1-4の白米ご飯を対象に、硬度、弾力性、付着性および粘性を物性分析装置(Tensipresser Analyzer、MyBoy、TAKETOMO Electric Incorporated)を用いて測定した。
【0129】
具体的には、前記物性の測定のために物性分析装置を用いたTPA(texture profile analysis)を行っており、6回biteの後、得られたTPA曲線を用いた。具体的には、各試料を物性分析装置のホルダーに載せ、高さ30mmのプランジャが2.0mm/sの一定な力と速度で動いて、試料の表面に力を加えるようにしており、試料の厚さの24%圧縮を2回、46%圧縮を2回、そして92%圧縮を2回連続して上下に加えてプランジャにかかる荷重を計測した。前記硬度は、プランジャが試料の厚さの92%圧縮する時の波高値で測定しており、これは、ご飯を噛んでつぶす時に必要な力を示す。弾力性は、92%圧縮時の曲線面積を24%圧縮時の曲線面積で除して測定しており、弾力性数値が高いほど、ご飯の咀嚼弾性が高いことを意味する。付着性は、プランジャが試料を92%圧縮する時に負の波高値の値で測定されることができ、これは、試料に付着したプランジャを引き離す瞬間の力を示し、測定された数値が大きいほど、付着性が高いことを意味する。粘性は、プランジャが試料を92%圧縮時の負の面積で測定されることができ、付着され続ける力を示す。各数値は、5回繰り返して測定した後、これらの平均値を示した。
【0130】
【表6】
【0131】
結果、前記表6から確認することができるように、比較例1-1のインスタントご飯の場合、十分な糊化に必要な熱処理が足りず過剰に高い硬度および弾力性を示すことが測定された。そして、実施例1-1のインスタントご飯は、通常の調理方法により製造された比較例1-4の白米ご飯と類似の水準の硬度および弾力性の数値を示すことが測定された。ご飯の硬度および弾力性は、熱処理が過剰に行われた場合に減少し、逆に、熱処理が足りない場合に増加する傾向がある。比較例1-2、1-3のインスタントご飯では、過剰な熱処理によって硬度および弾力性が非常に減少しているが、本出願の製造方法により製造された実施例1-1のインスタントご飯は、硬度および弾力性がさらに高く測定されて適切な物性を示し、インスタントご飯であるにもかかわらず通常の調理法により製造された比較例1-4の白米ご飯と類似の水準の物性を示すことを確認することができた。
【0132】
[1-4]白米ご飯の官能評価
前記実施例1-1、実施例1-2、比較例1-1~比較例1-3のインスタントご飯(白米ご飯)を電子レンジにより加熱した後、訓練された専門パネルによる各種の官能品質の評価を実施した。官能品質は、インスタントご飯の色嗜好度、異味/異臭の強度、全般的な味嗜好度、組織感嗜好度および粘性嗜好度を評価しており、これを下記表7に示した。前記官能品質の評価基準は、以下のとおりである。
【0133】
[評価基準]
色嗜好度:1点を最小値、5点を最大値とし、色選好度が高いほど点数が高いことを意味する。
異味/異臭強度:1点を最小値、5点を最大値とし、異味/異臭が高いほど点数が高いことを意味する。
全般的味嗜好度:1点を最小値、5点を最大値とし、全般的な味をまとめて評価する項目であり、全体的に良いほど点数が高いことを意味する。
組織感嗜好度:1点を最小値、5点を最大値とし、組織感選好度が高いほど点数が高いことを意味する。
粘性嗜好度:1点を最小値、5点を最大値とし、粘性選好度が高いほど点数が高いことを意味する。
【0134】
【表7】
【0135】
結果、実施例1-1および実施例1-2のインスタントご飯は、色、組織感、粘性、および全般的味嗜好度がいずれも高いと評価されており、異味と異臭の強度も低いと評価された。比較例1-1のインスタントご飯も官能評価で高い評価を受けたが、本出願の製造方法にしたがって製造された実施例1-1、実施例1-2のインスタントご飯と類似の水準であることが示された。
【0136】
[実験例2]
[2-1]全粒穀物ご飯の色度色差および外観比較
玄米、黒米、全粒小麦、エンバクなどの全粒穀物を原材料として製造された実施例2、比較例2-1~比較例2-3のインスタントご飯(全粒穀物ご飯)を電子レンジ(700W)を用いて2分間加熱した後、蓋材を除去し、その色を測定し外観を比較した。前記色は、Konica minolta社製の機器を用いて、L、a、b値を測定しており、それぞれ3回ずつ測定した後、これらの平均値を下記表8に示した。
【0137】
【表8】
【0138】
結果、前記表8から確認することができるように、本出願の実施例2のインスタントご飯は、他の比較例2-1~比較例2-3のインスタントご飯と類似の色を示すことが測定された。白米ご飯の実験結果とは異なり、全粒穀物ご飯では、L値をはじめ色の差が有意に示されていないが、外観を観察した結果、比較例2-1のインスタントご飯では、表面が破裂して白く見える個体がより多かった(図1)。これは、比較例2-1のインスタントご飯を製造するための方法において温度条件が過剰に低く、穀物の外皮は軟化せず内部だけ水分を吸収してふやかされすぎて発生した結果と予想される。これとは異なり、本出願のインスタントご飯の製造方法にしたがって製造された実施例2のインスタントご飯では、比較例2-1のような現象が観察されなかったことから、外観品質においてさらに優れた特徴を示しており、全粒穀物ご飯が十分に煮えたことを間接的に確認することができた。
【0139】
[2-2]全粒穀物ご飯の炊飯食味分析
前記実施例2、比較例2-1~比較例2-3のインスタントご飯(全粒穀物ご飯)を電子レンジにより加熱したものを対象に、食味計(Tensipresser My Boy 2 system、Taketomo Electric Co.,日本)を用いて、米粒の外観、硬度、粘性、バランス、食味値を測定し、各インスタントご飯の炊飯食味数値に対して下記表9に示した。
【0140】
【表9】
【0141】
結果、本出願のインスタントご飯の製造用システムにより製造された実施例2のインスタントご飯は、他の方法により製造された比較例のインスタントご飯と比較すると、外観、硬度、粘性およびバランス数値がいずれも最も高く測定され、食味値が最も高いことが確認された。
【0142】
[2-3]全粒穀物ご飯の物性分析
前記実施例2、比較例2-1~比較例2-3のインスタントご飯(全粒穀物ご飯)を電子レンジにより加熱したものを対象に、硬度、弾力性、付着性および粘性を物性分析装置(Tensipresser Analyzer、MyBoy、TAKETOMO Electric Incorporated)を用いて、前記実験例1-3と同じ方法で測定して下記表10に示す。
【0143】
【表10】
【0144】
結果、前記表10から確認することができるように、実施例2のインスタントご飯は、比較例2-1~比較例2-3のインスタントご飯と比較すると、硬度値が高いと測定された。硬度は、ご飯の食感を決定するのに重要な物性であり、比較例2-2および比較例2-3のインスタントご飯では、過剰な熱が加えられることによって硬度が低く測定されており、比較例2-1のインスタントご飯では、加えられた熱の水準は低かったが、前記実験例2-1および図1から確認したように、穀物粒の破裂現象が発生して硬度が低くなったと予想される。これとは異なり、本出願の製造用システムにより製造された実施例2の場合、十分な加熱により殺菌を行ったにもかかわらず、硬度が低くならず、粒が完全な状態を維持し、品質を維持することを確認することができた。
【0145】
[2-4]全粒穀物ご飯の官能評価
前記実施例2、比較例2-1~比較例2-3のインスタントご飯(全粒穀物ご飯)を電子レンジにより加熱した後、訓練された専門パネルによる各種の官能品質の評価を実施した。官能品質は、前記実験例1-4と同じ方法で、インスタントご飯の色嗜好度、異味/異臭の強度、全般的な味嗜好度、組織感嗜好度および粘性嗜好度を評価しており、これを下記表11に示した。
【0146】
【表11】
【0147】
結果、実施例2の全粒穀物ご飯は、比較例の全粒穀物ご飯と比較すると、色嗜好度、組織感嗜好度および粘性嗜好度が最も高い水準で測定されており、異味/異臭の強度の場合にも、実施例2と比較例で類似の水準で測定され、差がないことが示された。したがって、本出願の製造用システムにより作られた実施例2の全粒穀物ご飯は、他の方法により製造されたご飯と比較すると、さらに優れた官能品質を示すことを確認することができた。
【0148】
[実験例3]
[3-1]キノコ栄養ご飯の色度色差および外観比較
エリンギ、シイタケのようなキノコを原材料として製造された実施例3、比較例3-1~比較例3-3のインスタントご飯(キノコ栄養ご飯)を電子レンジ(700W)を用いて2分間加熱した後、蓋材を除去し、エリンギの色を測定し外観を比較した。前記色は、Konica minolta社製の機器を用いて、L、a、b値を測定しており、それぞれ3回ずつ測定した後、これらの平均値を下記表12に示した。
【0149】
【表12】
【0150】
結果、前記表12から確認することができるように、本出願の実施例3のインスタントご飯に含まれたエリンギの色は、比較例3-2および比較例3-3のインスタントご飯内のエリンギよりL値が高く測定された。比較例3-2、3-3の方法の場合、高い温度の加熱過程が伴われるため、これによって、キノコの色が過剰に暗くなったが、本出願の製造用システムにより製造された実施例3のインスタントご飯では、エリンギの色が、加熱の後にも明るい状態を維持することが確認された。このような色の変化は、キノコの外観を目視で観察した結果からも同様に示されており、比較例3-2および3-3のエリンギは、過剰に暗い色を示すことを確認することができた(図2)。
【0151】
[3-2]キノコ栄養ご飯の炊飯食味分析
前記実施例3、比較例3-1~比較例3-3のインスタントご飯(キノコ栄養ご飯)を電子レンジにより加熱したものを対象に、食味計(Tensipresser My Boy 2 system、Taketomo Electric Co.,日本)を用いて、米粒の外観、硬度、粘性、バランス、食味値を測定し、各インスタントご飯の炊飯食味数値に対して下記表13に示した。
【0152】
【表13】
【0153】
結果、本出願の製造用システムにより製造された実施例3のインスタントご飯は、他の方法により製造された比較例のインスタントご飯と比較すると、外観、硬度およびバランス数値が最も高く測定されており、粘性も比較例3-1、3-2のキノコ栄養ご飯に比べて高く測定され、食味値が最も高いことが確認された。
【0154】
[3-3]キノコ栄養ご飯の物性分析
前記実施例3、比較例3-1~比較例3-3のインスタントご飯(キノコ栄養ご飯)を電子レンジにより加熱したものを対象に、エリンギの組織強度(max stress)、area、厚さを物性分析装置(Tensipresser Analyzer、MyBoy、TAKETOMO Electric Incorporated)を用いて測定し、下記表14に示した。具体的には、3cmの円形プランジャを用いて、試料に1回bite後に得られたTPA曲線を用いており、この際、プランジャと試料との距離は30mmにしており、底から5mmになるまで試料を2mm/secの速度で圧着して測定した。Max stress値は、圧着時の曲線の最高点の値で測定しており、これは、一般的な試料の硬度を意味する。そして、areaは、前記最高点に逹するまでの累積力で測定した。
【0155】
【表14】
【0156】
結果、前記表14から確認することができるように、実施例3のインスタントご飯に含まれたエリンギは、比較例3-2および比較例3-3のエリンギと比較すると、厚さが最も高く測定され、エリンギの収縮が少なく行われたことを確認することができた。比較例3-1の場合、加えられた熱が少なくて相対的に厚さの維持がさらによく行われたと予想される。組織強度を示すmax stress数値においても、比較例3-1以外は、実施例3のインスタントご飯に含まれたエリンギの数値が最も高いと示され、より多くの熱が加えられた比較例3-2、比較例3-3よりもエリンギの組織感がよく維持されることを確認することができた。
【0157】
[3-4]キノコ栄養ご飯の官能評価
前記実施例3、比較例3-1~比較例3-3のインスタントご飯(キノコ栄養ご飯)を電子レンジにより加熱した後、訓練された専門パネルによる各種官能品質の評価を実施した。官能品質は、前記実験例1-4と同じ方法で、インスタントご飯の色嗜好度、異味/異臭の強度、全般的な味嗜好度、組織感嗜好度および粘性嗜好度を評価しており、これを下記表15に示した。
【0158】
【表15】
【0159】
結果、実施例3のキノコ栄養ご飯は、比較例のキノコ栄養ご飯と比較すると、組織感嗜好度、全般的な味嗜好度および粘性嗜好度が最も高い水準で測定されており、色嗜好度も概して高く評価された。異味/異臭の強度の場合、実施例3のキノコ栄養ご飯において最も低いと評価された。したがって、本出願の製造用システムにより作られた実施例3のキノコ栄養ご飯は、他の方法により製造されたご飯と比較すると、より優れた官能品質を示すことを確認することができた。
【0160】
[実験例4]
[4-1]ハチミツ薬食の色度色差の比較
ハチミツ、醤油などの液状ソースを添加して製造された実施例4、比較例4-1および比較例4-2のインスタントご飯(ハチミツ薬食)の蓋材を除去し、その色を測定し比較した。そして、前記実施例4、実施例4-1および比較例4-2のインスタントご飯を電子レンジ(700W)を用いて2分間加熱した後、蓋材を除去し、その色を測定し比較した。前記色は、Konica minolta社製の機器を用いて、L、a、b値を測定しており、それぞれ3回ずつ測定した後、これらの平均値をそれぞれ下記表16および表17に示した。
【0161】
【表16】
【0162】
【表17】
【0163】
結果、前記表16および表17から確認することができるように、本出願の実施例4のハチミツ薬食の場合、L値が相対的に低く、b値は高く測定された。本出願の製造用システムにより製造される実施例4のハチミツ薬食は、比較例4-1および4-2のハチミツ薬食と色の面で区分されることができる。
【0164】
[4-2]ハチミツ薬食の炊飯食味分析
前記実施例4、比較例4-1および比較例4-2のインスタントご飯(ハチミツ薬食)を電子レンジにより加熱したものを対象に、食味計(Tensipresser My Boy 2 system、Taketomo Electric Co.,日本)を用いて、米粒の外観、硬度、粘性、バランス、食味値を測定し、各インスタントご飯の炊飯食味数値に対して下記表18に示した。
【0165】
【表18】
【0166】
結果、本出願の製造用システムにより製造された実施例4のインスタントご飯は、他の方法により製造された比較例のインスタントご飯と比較すると、硬度および粘性数値が最も高く測定された。
【0167】
[4-3]ハチミツ薬食の物性分析
前記実施例4、比較例4-1および比較例4-2のインスタントご飯(ハチミツ薬食)を電子レンジにより加熱したものを対象に、ご飯部分の硬度、弾力性、付着性および粘性を物性分析装置(Tensipresser Analyzer、MyBoy、TAKETOMO Electric Incorporated)を用いて、前記実験例1-3と同じ方法で測定し、下記表19に示した。
【0168】
【表19】
【0169】
結果、本出願の製造用システムにより作られた実施例4のハチミツ薬食の場合、1~5個のサンプルの測定結果値が相対的に均一で偏差が大きくなかったが、比較例4-1および比較例4-2のハチミツ薬食の場合、各サンプル別に物性の測定値の偏差が非常に大きいことが確認された。特に、比較例4-1、4-2のハチミツ薬食の硬度および弾力性の測定数値は、その偏差が非常に大きく示されるが、比較例4-1および4-2のハチミツ薬食の物性数値の偏差がこのように大きく示されることは、強いレトルト加熱殺菌処理によって発生する組織感の偏差のためであると予想される。これは、もち米成分の含量が高い比較例4-1、4-2のような薬食において著しく現れる特性であり、実施例4による薬食は、相対的に物性の偏差が大きくなく、本出願の製造用システムを用いる場合、一貫した組織感および品質を有するインスタントご飯を製造することができることを確認することができた。
【0170】
[4-4]ハチミツ薬食の官能評価
前記実施例4、比較例4-1および比較例4-2のインスタントご飯(ハチミツ薬食)を電子レンジにより加熱した後、訓練された専門パネルによる各種の官能品質の評価を実施した。官能品質は、前記実験例1-4と同じ方法で、インスタントご飯の色嗜好度、異味/異臭の強度、全般的な味嗜好度、組織感嗜好度および粘性嗜好度を評価しており、これを下記表20に示した。
【0171】
【表20】
【0172】
結果、実施例4のハチミツ薬食は、比較例のハチミツ薬食と比較すると、色嗜好度、全般的な味嗜好度、組織感嗜好度、および粘性嗜好度がいずれも最も高い水準で測定され、他の方法により製造されたご飯と比較すると、より優れた官能品質を示すことを確認することができた。
【0173】
[実験例5]
全粒穀物ご飯の栄養成分確認
前記実施例2により製造した全粒穀物ご飯に含有された栄養成分を測定して確認した。前記全粒穀物ご飯、キノコ栄養ご飯およびハチミツ薬食の最終製品を基準に、その熱量、炭水化物、タンパク質、脂肪、糖類、飽和脂肪、トランス脂肪、コレステロール、ナトリウム、灰分および食物繊維の含有量を食品コードによる通常の測定方法で測定しており、例えば、タンパク質の場合、食品コード上のProtein analyzer分析法により測定しており、食物繊維は、食品コード上の総食物繊維分析法により測定した。前記インスタントご飯の栄養成分は、下記表21に示した。前記全粒穀物ご飯は、白米を使用せず雑穀のみを使用して製造しても、十分な殺菌力および食感を維持することができ、本出願のインスタントご飯内のタンパク質の含量、食物繊維の含量が従来のインスタントご飯内のタンパク質および食物繊維の含量よりも高い水準を維持することができた。
【0174】
【表21】
【0175】
[実験例6]
全粒穀物ご飯の微生物の数の確認
本出願の製造方法により製造される全粒穀物ご飯の製品において完全な殺菌が行われたか否かを確認するために、各ステップ別に、原材料または製品内に含まれた微生物の数を測定した。
【0176】
実施例2による全粒穀物ご飯を対象に、先ず、その原材料それぞれに対する一般細菌の数と耐熱性菌の数を測定した。うるち玄米、もち玄米、黒米、全粒小麦およびエンバクを対象に、各細菌の数を測定しており、これらを混合した混合固形物サンプルにおいて微生物の数を測定した。
【0177】
結果、下記表22に示すように、殺菌するステップを経る前の原材料状態では、一般細菌が所定の水準以上存在し、インスタントご飯を製造するための原材料の混合固形物には、少なくとも550,000cfu/ml以上の一般細菌が存在することが測定された。
【0178】
【表22】
【0179】
前記原材料を容器に充填した後、実施例2の全粒穀物ご飯の製造方法にしたがって、RIC装置で130℃の温度で5分30秒間スチーム加圧殺菌を行った後、MCT(microbiology challenge test)により殺菌効果を確認した。MCTは、製品の実際の工程中に目的菌の制御可否を確認するために、人為的に微生物を接種し、推移を観察することで、製品の工程および流通安定性の具備可否を判断する方法である。一般細菌としては、F0約4以下の条件で死滅するBacillus subtilis(ATCC 5230)が10cfu/mlの水準で存在するオレンジ色のカプセル(MesaLabs SASU-302)を使用しており、耐熱性菌としては、F0約21以下で死滅するGeobacillus stearotrhermophilus(ATCC 7953)が10cfu/mlの水準で存在する紫色のカプセル(MesaLabs SA-608)を使用した。前記カプセルを用いて、RIC装置で殺菌した前記原材料を対象に、それぞれオレンジ色のカプセルは35℃、紫色のカプセルは55~60℃の温度で最大48時間培養した後、色の変化を確認した。色の変化がない場合陰性と判定し、黄色に変色した時には陽性と判定した(表23)。
【0180】
結果、RIC装置を用いたスチーム加圧殺菌結果、殺菌の前まで原材料に存在した微生物がいずれも死滅し、十分な殺菌効果が示されることを確認することができた。
【0181】
【表23】
【0182】
さらに、スチーム加圧殺菌の後、加水、シーリングおよび追加加熱過程を経てインスタントご飯の最終製品を製造し、これを対象に、細菌発育実験を行った。細菌発育実験は、前記インスタントご飯の製品を35℃で10日間貯蔵した後、サンプリングして、一般細菌および耐熱性細菌の発育可否を当業界の通常の測定方法(食品医薬品安全処の一般試験法による細菌発育試験による)に準じて、培養器で各最終製品のサンプルを35~37℃の温度で10日以上貯蔵した後、サンプルから得られた試料を希釈液で均質化し、培養培地で35~37℃で45時間~51時間培養した後、細菌増殖可否を測定した。結果、下記表24のように、12個のすべてのインスタントご飯のサンプルから細菌の増殖が全く観察されず、陰性であると示され、原材料に微生物が多量存在しているにもかかわらず、本出願の製造方法により製造されるインスタントご飯は、十分な殺菌により微生物がすべて死滅したことを確認することができた。
【0183】
【表24】
【0184】
以上、本出願の代表的な実施例を例示的に説明しているが、本出願の範囲は、上記のような特定の実施例にのみ限定されず、当該分野において通常の知識を有する者であれば、本出願の請求の範囲に記載の範疇内で適宜変更が可能である。
図1
図2
【国際調査報告】