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特表2024-515409スタティックミキサインサートおよびこれを組み込むスタティックミキサ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】スタティックミキサインサートおよびこれを組み込むスタティックミキサ
(51)【国際特許分類】
   B01F 25/431 20220101AFI20240403BHJP
   B01F 23/10 20220101ALI20240403BHJP
   B01F 23/232 20220101ALI20240403BHJP
   B01F 23/45 20220101ALI20240403BHJP
   B01F 101/38 20220101ALN20240403BHJP
   B01F 101/36 20220101ALN20240403BHJP
   B01F 101/23 20220101ALN20240403BHJP
【FI】
B01F25/431
B01F23/10
B01F23/232
B01F23/45
B01F101:38
B01F101:36
B01F101:23
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544262
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 US2022024020
(87)【国際公開番号】W WO2022221139
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】17/227,567
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523275226
【氏名又は名称】ルンド,ウィリアム,ジェイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルンド,ウィリアム,ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4G035
【Fターム(参考)】
4G035AB02
4G035AB27
4G035AB37
4G035AC01
4G035AC10
4G035AE13
4G035AE17
(57)【要約】
液体または気体用のスタティックミキサは、液体または気体用の流体流路を画定する連続する内面と、流体流路への入口と、流体流路からの出口とを有するハウジングと、入口と出口との間の流体流路を通って長手方向に延びているインサートとを含む。インサートは、ハウジングの連続する内面に対して外向きの圧力をかけるように弾性的に膨張性である。一実施形態において、インサートは中空であり、インサート内に散在させて各々が流体流路内へ内側に張り出しているそらせ板を有する。別の実施形態において、インサートは、連続する内面から流体流路内へ内側に、ハウジングの長手軸を中心としてらせん状に延びているらせん形そらせ板を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体または気体用のスタティックミキサであって、
液体または気体用の流体流路を画定する連続する内面と、前記流体流路への入口と、前記流体流路からの出口とを含むハウジングと、
前記入口と前記出口との間で前記流体流路を通って長手方向に延びている中空インサートであって、前記中空インサートは、前記入口に開放されている取入端部と、前記出口に開放されている排出端部と、前記取入端部と前記排出端部との間にあって前記連続する内面に面している外面と、前記取入端部と前記排出端部との間にあって前記流体流路に面している内面と、各々が前記内面から前記流体流路内に張り出しているそらせ板と、前記取入端部から前記排出端部まで前記中空インサートを隔てて、合口隙間の両側に離間している縁を形成し、前記取入端部から前記排出端部まで延びている合口隙間とを備えており、前記中空インサートは弾性的に膨張性であり、前記外面によって前記連続する内面に対して外向きの圧力を直接かける前記連続する内面に向かって外側に引っ張られて、前記外面を前記連続する内面に摩擦で固定するだけで前記中空インサートを前記ハウジングに固定する、中空インサートと、を備えるスタティックミキサ。
【請求項2】
各前記そらせ板は、前記入口に向かって角度をもって上側に張り出している、請求項1に記載のスタティックミキサ。
【請求項3】
前記中空インサートは、前記そらせ板と一体的に形成される、請求項1に記載のスタティックミキサ。
【請求項4】
各前記そらせ板は、前記流体流路内へ内側にその開口部から前記中空インサートまで曲げられている、請求項1に記載のスタティックミキサ。
【請求項5】
液体または気体用のスタティックミキサであって、
液体または気体用の流体流路を画定する連続する内面と、前記流体流路への入口と、前記流体流路からの出口とを含むハウジングと、
前記入口と前記出口との間で前記流体流路を通って長手方向に延びている環状側壁であって、前記環状側壁は、前記入口に開放されている取入端部と、前記出口に開放されている排出端部と、前記取入端部と前記排出端部との間にあって前記連続する内面に面している外面と、前記取入端部と前記排出端部との間にあって前記流体流路に面している内面と、各々が前記内面から前記流体流路内に張り出しているそらせ板と、前記取入端部から前記排出端部まで前記環状側壁を隔てて、合口隙間の両側に離間している縁を形成し、前記取入端部から前記排出端部まで延びている合口隙間とを備えており、前記環状側壁は弾性的に膨張性であり、前記外面によって前記連続する内面に対して外向きの圧力を直接かける前記連続する内面に向かって外側に引っ張られて、前記外面を前記連続する内面に摩擦で固定するだけで前記環状側壁を前記ハウジングに固定する、環状側壁と、を備えるスタティックミキサ。
【請求項6】
各前記そらせ板は、前記入口に向かって角度をもって上側に張り出している、請求項5に記載のスタティックミキサ。
【請求項7】
前記環状側壁は、前記そらせ板と一体的に形成される、請求項5に記載のスタティックミキサ。
【請求項8】
各前記そらせ板は、前記流体流路内へ内側にその開口部から前記環状側壁まで曲げられている、請求項5に記載のスタティックミキサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタティックミキサに関する。
【背景技術】
【0002】
スタティックミキサは、流体の連続混合のための可動コンポーネントのない、精密に設計されたデバイスである。流体は、通例では液体であるが、スタティックミキサは、気体流、気体と液体、および不混和性液体の混合にも有用である。混合のためのエネルギーは、流体がスタティックミキサを流れるときの圧力の損失から発生する。主に2つのスタティックミキサのデザイン、すなわち、プレート型デザインおよびエレメント組み込みデザインがある。重要なのは、エレメント組み込みデザインである。
【0003】
エレメント組み込みスタティックミキサは、金属またはプラスチックの管またはハウジング内にミキサエレメントを含む。ミキサエレメントは金属またはプラスチックの不動の邪魔板を含み、これは、ハウジングを通して搬送される流体成分を連続的に混ぜ合わせる。ミキサエレメントは、精密に設計され、周知のように高価であり、ハウジングにきちんと溶接されるか、または留め具、ブラケットもしくはカラーなどの個別の押さえ具を用いてきちんと機械的に固定される。したがって、エレメント組み込みスタティックミキサの公知のデザインは、高価であり、製造および組み立てに専門技能が必要であり、容易に整備できない。これらおよび他の欠点を考慮すると、当業界に継続的な改良の必要性があるのは明らかである。
【発明の概要】
【0004】
本発明によると、液体または気体用のスタティックミキサは、ハウジングおよび中空インサートを含む。ハウジングは、液体または気体用の流体流路を画定する連続する内面と、流体流路への入口と、流体流路からの出口とを含む。中空インサートは、入口と出口との間の流体流路を通って長手方向に延び、連続する内面に対して外向きの圧力をかけるように弾性的に膨張性であり、その全体に散在させているそらせ板を有する。各そらせ板は、流体流路内へ内側に張り出している。より具体的には、各そらせ板は、入口に向かって角度をもって上側に張り出している。中空インサートは、そらせ板と一体的に形成される。各そらせ板は、流体流路内へ内側にその開口部から中空インサートまで曲げられている。そらせ板は、特定の実施形態では、同延である。別の実施形態では、各そらせ板を貫いている少なくとも1つの穴がある。
【0005】
本発明によると、液体または気体用のスタティックミキサは、ハウジングおよび中空インサートを含む。ハウジングは、液体または気体用の流体流路を画定する連続する内面と、流体流路への入口と、流体流路からの出口とを含む。中空インサートは、入口と出口との間の流体流路を通って長手方向に延び、長手方向に隔てられ、連続する内面に対して外向きの圧力をかけるように弾性的に膨張性であり、その全体に散在させているそらせ板を有する。各そらせ板は、流体流路内へ内側に張り出している。より具体的には、各そらせ板は、入口に向かって角度をもって上側に張り出している。中空インサートは、そらせ板と一体的に形成される。各そらせ板は、流体流路内へ内側にその開口部から中空インサートまで曲げられている。そらせ板は、特定の実施形態では、同延である。別の実施形態では、各そらせ板を貫いている少なくとも1つの穴がある。
【0006】
本発明によると、液体または気体用のスタティックミキサは、ハウジングおよび中空インサートを含む。ハウジングは、液体または気体用の流体流路を画定する連続する内面と、流体流路への入口と、流体流路からの出口とを含む。中空インサートは、入口と出口との間の流体流路を通って長手方向に延び、入口に開放されている取入端部、出口に開放されている排出端部、取入端部から排出端部までの長さ、およびその全体に散在させているそらせ板を有する。中空インサートは、取入端部から排出端部まで長手方向に隔てられ、連続する内面に対して外向きの圧力をかけるように弾性的に膨張性である。各そらせ板は、流体流路内へ内側に張り出している。特定の実施形態では、各そらせ板は、入口に向かって角度をもって上側に張り出している。中空インサートは、そらせ板と一体的に形成される。各そらせ板は、流体流路内へ内側にその開口部から中空インサートまで曲げられている。そらせ板は、特定の実施形態では、同延である。別の実施形態では、各そらせ板を貫いている少なくとも1つの穴がある。
【0007】
本発明によると、液体または気体用のスタティックミキサは、液体または気体用の流体流路を画定する連続する内面と、流体流路への入口と、流体流路からの出口とを含むハウジングを含む。環状側壁は、入口と出口との間の流体流路を通って長手方向に延び、ハウジングの連続する内面に摩擦係合する外面と、内面と、その全体に散在させて各々が内面から流体流路内へ内側に張り出しているそらせ板とを含む。各そらせ板は、流体流路内へ内側に張り出している。より具体的には、各そらせ板は、入口に向かって角度をもって上側に張り出している。環状側壁は、そらせ板と一体的に形成される。各そらせ板は、流体流路内へ内側にその開口部から環状側壁まで曲げられている。そらせ板は、特定の実施形態では、同延である。別の実施形態では、各そらせ板を貫いている少なくとも1つの穴がある。
【0008】
本発明によると、液体または気体用のスタティックミキサは、ハウジングおよびらせん形部材を含む。ハウジングは、長手軸の周りに配置されて液体または気体用の流体流路を画定する連続する内面と、流体流路への入口と、流体流路からの出口とを含む。らせん形部材は、入口と出口との間に、流体流路を通って長手方向に、かつ、長手軸を中心としてらせん状に延びている。らせん形部材は、連続する内面に対して外向きの圧力をかけるように弾性的に膨張性であり、その全体に散在させて各々が流体流路内へ内側に張り出しているそらせ板を有する。特定の実施形態では、各そらせ板は、入口に向かって角度をもって上側に張り出している。らせん形部材は、そらせ板と一体的に形成される。各そらせ板は、流体流路内へ内側にその開口部かららせん形部材まで曲げられている。そらせ板は、特定の実施形態では、同延である。そらせ板は、らせん形部材の各端部間にらせん状に等間隔に離間している。
【0009】
本発明によると、液体または気体用のスタティックミキサは、ハウジングおよびらせん形そらせ板を含む。ハウジングは、長手軸の周りに配置されて液体または気体用の流体流路を画定する連続する内面と、流体流路への入口と、流体流路からの出口とを含む。らせん形そらせ板は、入口と出口との間の流体流路を通って長手方向に、連続する内面から流体流路内へ内側に、かつ長手軸を中心としてらせん状に延びている。らせん形そらせ板は、連続する内面に対して外向きの圧力をかけるように弾性的に膨張性である。好適な実施形態では、開口部がそらせ板を通って延びていて、らせん状に等間隔に離間している。
【0010】
本発明によると、液体または気体用のスタティックミキサは、ハウジングおよびインサートを含む。ハウジングは、長手軸の周りに配置されて液体または気体用の流体流路を画定する連続する内面と、流体流路への入口と、流体流路からの出口とを含む。インサートは、入口と出口との間に、流体流路を通って長手方向に、かつ長手軸を中心としてらせん状に延びているらせん形部材を含む。らせん形部材は、連続する内面に対して外向きの圧力をかけるように弾性的に膨張性である。らせん形部材は、入口と出口との間の流体流路を通って長手方向に、らせん形部材から流体流路内へ内側に、かつ長手軸を中心としてらせん状に延びているらせん形そらせ板を有する。インサートは、入口に開放されている取入端部と、出口に開放されている排出端部とを含む。らせん形部材およびらせん形そらせ板は、取入端部から排出端部まで並行して延びている。好適な実施形態では、開口部がそらせ板を通って延びていて、らせん状に等間隔に離間している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の具体的な目的および利点は、その例示的な実施形態の以下の詳細な説明を図面と併せて読むことによって、当業者に明らかになるであろう。
図1図1は、本発明によるスタティックミキサインサートの斜視図である。
図2図2は、図1の実施形態の側立面図である。
図3図3は、図2の線3‐3に沿った断面図である。
図4図4は、図3の丸で囲んだ領域の拡大図である。
図5図5は、図3の線5‐5に沿った断面図である。
図6図6は、図1のスタティックミキサインサートがそこから形成される、シート状の材料の前立面図である。
図7図7は、シートに切り込んだそらせ板を示す、図6に対応する図である。
図8図8は、シートから外側にその開口部からシートまで曲げられる各そらせ板を示す、図7に対応する図であって、ロール成形されたときに、図1のスタティックミキサインサートを形成するスタティックミキサインサートセグメントを形成する。
図9図9は、図8の実施形態の側立面図であって、反対の側立面図はそれと同じである。
図10図10は、図8の実施形態の端立面図である。
図11図11は、図8の実施形態の斜視図である。
図12図12は、図11の線12‐12に沿った断面図である。
図13図13は、本発明による図15のスタティックミキサを形成するために、図8のスタティックミキサインサートをハウジングに挿入する一連のステップを示す。
図14図14は、本発明による図15のスタティックミキサを形成するために、図8のスタティックミキサインサートをハウジングに挿入する一連のステップを示す。
図15図15は、本発明による図15のスタティックミキサを形成するために、図8のスタティックミキサインサートをハウジングに挿入する一連のステップを示す。
図16図16は、図15の線16‐16に沿った断面図である。
図17図17は、図15の実施形態の上平面図である。
図18図18は、スタティックミキサインサートセグメントの別の実施形態を示す、図3と同様な図である。
図19図19は、図18の実施形態から形成されるスタティックミキサインサートを示す、図8と同様な図である。
図20図20は、スタティックミキサインサートセグメントのさらに別の実施形態を示す、図3と同様な図である。
図21図21は、図20の実施形態から形成されるスタティックミキサインサートを示す、図8と同様な図である。
図22図22は、スタティックミキサインサートセグメントのさらに別の実施形態を示す、図3と同様な図である。
図23図23は、図22の実施形態から形成されるスタティックミキサインサートを示す、図8と同様な図である。
図24図24は、スタティックミキサインサートセグメントのさらにまた別の実施形態を示す、図3と同様な図である。
図25図25は、図24の実施形態から形成されるスタティックミキサインサートを示す、図8と同様な図である。
図26図26は、スタティックミキサインサートセグメントのさらに別の実施形態を示す、図3と同様な図である。
図27図27は、図26の実施形態から形成されるスタティックミキサインサートを示す、図8と同様な図である。
図28図28は、スタティックミキサインサートセグメントのさらに別の実施形態を示す、図3と同様な図である。
図29図29は、図28の実施形態から形成されるスタティックミキサインサートを示す、図8と同様な図である。
図30図30は、スタティックミキサのインサートセグメントのさらにまた別の実施形態を示す、図3と同様な図である。
図31図31は、図30の実施形態から形成されるスタティックミキサインサートを示す、図8と同様な図である。
図32図32は、スタティックミキサインサートセグメントのさらに別の実施形態を示す、図3と同様な図である。
図33図33は、図32の実施形態から形成されるスタティックミキサインサートを示す、図8と同様な図である。
図34図34は、ハウジングのアセンブリと図33のスタティックミキサインサートとを含むスタティックミキサの側立面図であって、ハウジングのいくつかの部分は例示目的で取り去っている。
図35図35は、スタティックミキサインサートセグメントのさらに別の実施形態を示す、図3と同様な図である。
図36図36は、図35の実施形態から形成されるスタティックミキサインサートを示す、図8と同様な図である。
図37図37は、本発明に従い構成および配置されるらせん形スタティックミキサインサートの斜視図である。
図38図38は、図37の実施形態の側立面図である。
図39図39は、図38の線39‐39に沿った断面図である。
図40図40は、本発明による図42のスタティックミキサを形成するために、最初に図示されるらせん形スタティックミキサインサートをハウジングに挿入する一連のステップを示す。
図41図41は、本発明による図42のスタティックミキサを形成するために、最初に図示されるらせん形スタティックミキサインサートをハウジングに挿入する一連のステップを示す。
図42図42は、本発明による図42のスタティックミキサを形成するために、最初に図示されるらせん形スタティックミキサインサートをハウジングに挿入する一連のステップを示す。
図43図43は、図42の実施形態の側立面図であって、ハウジングのいくつかの部分は例示目的で取り去っている。
図44図44は、図42の線44‐44に沿った断面図である。
図45図45は、本発明に従い構成および配置されるらせん形スタティックミキサインサートの別の実施形態の斜視図である。
図46図46は、図45の実施形態の側立面図である。
図47図47は、図46の線47‐47に沿った断面図である。
図48図48は、図45図47の実施形態を用いて形成されるスタティックミキサの縦断面図である。
図49図49は、本発明に従い構成および配置されるらせん形スタティックミキサインサートのさらに別の実施形態の斜視図である。
図50図50は、図49の実施形態の側立面図である。
図51図51は、図50の線51‐51に沿った断面図である。
図52図52は、図49図51の実施形態を用いて形成されるスタティックミキサの縦断面図である。
図53図53は、本発明によるスタティックミキサの代替実施形態の縦断面図である。
図54図54は、本発明によるスタティックミキサのさらに別の実施形態の縦断面図である。
図55図55は、本発明のさらに別の実施形態による、図59のスタティックミキサを構成する一連のステップを示す。
図56図56は、本発明のさらに別の実施形態による、図59のスタティックミキサを構成する一連のステップを示す。
図57図57は、本発明のさらに別の実施形態による、図59のスタティックミキサを構成する一連のステップを示す。
図58図58は、本発明のさらに別の実施形態による、図59のスタティックミキサを構成する一連のステップを示す。
図59図59は、本発明のさらに別の実施形態による、図59のスタティックミキサを構成する一連のステップを示す。
図60図60は、図59のスタティックミキサの側立面図であって、そのいくつかの部分は例示目的で取り去っている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
スタティックミキサインサートおよびそれを用いて形成されるスタティックミキサを開示する。
【0013】
ここで、対応する要素を同じ参照文字が示す図面に移ると、まず、気体流、流体流または流体・気体流であるかを問わず、ハウジングに投入される流体流を混合するためのスタティックミキサを形成するために、ハウジングに挿入されるように構成されるスタティックミキサインサート100を示す図1図3に注目する。インサート100は、外面102と、内面103と、対向する環状端縁104および105とを有する細長い環状側壁101を含む細長い中空の管状形態である。内面103は、インサート100の取入端部(全体を100Aで表される)の端縁104によって取り囲まれる開口部107から、インサートの排出端部(全体を100Bで表される)の端縁105によって取り囲まれる開口部108まで延びている流体流通過用の容積106を画定する。インサート100の取入端部100Aにある流体流の取り入れ用の開口部107およびインサート100の排出端部100Bにある混合された流体流の排出用の開口部108は、インサート100の両端部で軸方向に整列しており、その間に長手方向に延びている容積106に対してそれぞれ開放されている。合口隙間110は、端縁104から端縁105までその長さに沿って環状側壁101を長手方向に隔てて、端縁104から端縁105まで長手方向に延びている離間した平行な側縁111および112を画定している。環状側壁101、したがってインサート100は、図3の開口部107から開口部108まで容積106の中心を通って延びている図1図3および図5の軸120の周りに配置されている。環状側壁101は、この実施例では略円筒形で、伸長可能であり、プラスチック、ダクタイル鉄もしくはスチールなどの展性金属、セルロース組成物、または他の同様なもしくは類似の材料または材料の組合せから製造される。
【0014】
図3では、インサート100は、その全体に散在させている流体そらせ板124の配列を有する。インサート100の不動の流体混合エレメントであるそらせ板124は、取入端部100Aと排出端部100Bとの間にインサート100の長さに沿って所定のパターンで配置されている。そらせ板124は、取入端部100Aと排出端部100Bとの間に長手方向に、かつ、側縁111と112との間に円周方向に配置されている。各そらせ板124は平坦であり、環状側壁101に接続されている基部または内側端部125から自由端部または外側端部126まで延びている。各そらせ板124は、内面103から内側に容積106内へ、内面103に対して角度をもって上側に取入端部100Aの開口部107に向かって、基部125から、環状側壁101が配置されている軸120のちょうど内側寄りに、または別様に軸120に届くことなく、自由端部126まで張り出している。環状側壁101は、各々が環状側壁101と同じ材料のそらせ板124と一体的に形成されており、各そらせ板124の基部125は、環状側壁101と同体である。この例示的な実施形態では、各そらせ板124は、環状側壁101に切り込みを入れて、その基部125で内面103から内側に容積106へ、外面102から内面103まで環状側壁101を貫通しているその開口部127または切り込まれた別の場所から出して曲げられている。本実施形態のそらせ板124は、同延であり、各々およびそのそれぞれの開口部127は、略三角形の形状であり、各そらせ板124は、内面103のその基部125からその尖った自由端部126まで外側に次第に細くなっている。
【0015】
インサート100は、取入端部100Bの端縁104から排出端部100Bの端縁105までの長さを有し、正しい長さまたは特定の用途に応じて予め選択された長さに切断するのに適した標準的なまたは一般的な長さを有する。図6図12の関連部分を参照して、インサート100は、図9図10および図12の表面102、表面103、端縁104および105、ならびに端縁104から端縁105まで延びている側縁111および112を有する、図6の材料の平坦な細長いシート130から適切に製作される。端縁104および105は、側縁111および112と同様に互いに平行であり、側縁111および112に対して垂直である。シート130は、平坦で方形であり、端縁104および105は、側縁111および112と同様に長さが等しく、側縁111および112よりも実質的に短い。図7では、そらせ板124は、各々がダイカッター、スタンピングプレス機、レーザーもしくはプラズマカッター、ウォータージェットカッター、または他の適切な技法を用いてシート130に切り込まれる。シート130に形成される各そらせ板124は、シート130と同体なままのその基部125から端縁105に向かって、その対応する自由端部126まで延びている。そらせ板124は、各々が基部125で表面103から外側に、生じるその開口部127から図11および図12の弓状矢印Aの方向にシート130まで曲げられて、基部125から自由端部126まで端縁104に向かって表面103に対して角度をもうけて上側に向けるかまたは別様に張り出すようにして、図8図9図10および図11のスタティックミキサインサートセグメント135を形成する。各そらせ板124は、手によって、または適切な曲げ工具を使用して曲げられる。インサート100は、セグメント135をロール成形するだけで、すなわち、シート130を内側に内面103の方に転がして生じる合口隙間100の両側で側縁111および112を閉じるだけで形成されて、形成される取入端部100Aおよび排出端部100Bのそれぞれ開口部107と108との間に長手方向に延びている生じる容積106内にそらせ板124を閉じ込める、図1の最終的な中空管状インサート100を形成する。セグメント135は、手によって、または適切なロール成形装置によってロール成形される。そらせ板124は、セグメント135がインサート100にロール成形されるときに自由端部126が軸120に届かないように、説明されたようにその角度方向に曲げられる。これにより、そらせ板124が、形成されたインサート100内で絡まって互いに接触するかまたは別様に干渉し合って、位置からずれて曲がったりまたはそれたりするのを防止する。
【0016】
セグメント135の不動のそらせ板124は、流体成分を混合するのに適切な所定の数およびパターンで、端縁104と105および側縁111と112との間にシート130全体に散在させている。例として、セグメント135のそらせ板124の配列は、等間隔に離間している3個のそらせ板124の平行な3行に配置される9個のそらせ板124を含む。行は、端縁104および105に平行であり、側縁111および112に垂直であり、端縁104と105との間に縦方向に等間隔に離間している。そらせ板124のこの配置と数および前述したその三角形の形状は、例としてのみ示している。当業者は、インサート100のそらせ板124が、本開示から逸脱することなく、任意の形状、サイズ、様々なサイズ、配置および数を有することができることを容易に認識するであろう。
【0017】
インサート100は、可動部品をもたず、流体流をそれに通過させて混合するための、図15のスタティックミキサ170を形成するために、図13および図14のハウジング150内に挿入するためのものである。図16に移ると、プラスチックもしくは金属もしくは他の流体不浸透性の材料または材料の組合せの細長い中空形態であるハウジング150は、外面152、内面153、上縁154および下縁155を有する連続側壁151を含む。出口157を有するノズル156が下縁155に取り付けられて、内面153とともに容積160を形成する。ノズル156は円錐台形であり、代替実施形態では、他の標準的なまたは選ばれたノズルフォーマットを有することができる。上縁154は、入口161を取り囲んで容積160を形成している。開口部である入口161およびノズル156の比較的小さめの開口部である出口157は、ハウジング150の両側に軸方向に整列しており、各々が、その間に長手方向に延びている容積160に対して開放されている。容積160は、入口161から出口157までハウジング150を通って長手方向に延びている流体流路Pを画定し、入口161から出口157までそこに流体を通過させるためのものである。連続側壁151は、入口161から出口157まで容積160の中心を通って延びている軸165の周りに配置されている。連続側壁151は、この実施例では円筒形であり、インサート100の円筒形形状と相応する。入口161に近い連続側壁151の部分は、図16に図示されるように、容積160の、したがって流体流路Pの円周方向に幅広の領域を形成する拡大カラーである。ハウジング150は、1つの同体ボディである一体的構造であることが好ましい。
【0018】
ハウジング150およびインサート100は、インサート100を容積160と直線上に整列させて、同時にインサート100の排出端部100Bを図13のハウジング150の入口161と位置合わせすることによって、本発明による図15図16および図17のスタティックミキサ170を形成するように組み立てられる。インサート100は、その排出端部100Bをまず、容積160によって画定される流体流路Pに滑り込ませて通し、図13および図14の矢印Bの方向に、図16で分かるように、インサート100Aの排出端部100Bがノズル156に直接接触し、それによりインサート100がノズル156の中まで前進するのを止めるまで、入口161を通して入れるだけで、容積160内に強制的に挿入される。インサート100の本質的に弾性的に膨張性の性質によって、インサート100は、ハウジング150の中に挿入されるときにハウジング150に自動的に弾性的に沿うことになり、これは、本明細書を通して開示される各インサートに当てはまる。インサート100がその入口161を通してハウジング150の容積160内に滑動可能に設置されると、取入端部100Aから排出端部100Bまでのインサート100の長さは、インサート100が、容積160によって画定される流体流路Pを長手方向に、ノズル156およびその出口157の近くでこれらに開放されている排出端部100Bから、入口161の近くでこれに開放されているカラー167の取入端部100Aまで延びるのに十分なものとする。インサート100の取入端部100Aの部分は、入口161の内側寄りの図16のカラー167によって画定される容積160の幅広の領域内まで延びている。インサート100およびハウジング150ならびにそのそれぞれの容積106および160は、一致する軸120および165に対して同軸上にある。流体流路Pは、ハウジング150の入口161から出口157までと、インサート100の取入端部100Aの開口部107から排出端部100Bの開口部108までと、の両方に並行して延びている。流体流路Pに円周方向かつ長手方向に配置されているそらせ板124は、それぞれが内側に同軸上の容積106および160の中まで、したがって流体流路Pの中まで、ハウジング150の内面153から、およびインサート100の取入端部100Aとインサート100の排出端部100Bとの間の環状側壁101の内面103から離れて、この実施例では、一致する軸120および165に届くことなく、張り出している。インサート100の環状側壁101は弾性的に膨張性であるため、ハウジング150の流体流路Pに挿入されるときに、引っ張られて、連続側壁151の内面153に対して外面102によって外向きの圧力または力がかかり、インサート100の外面102をハウジング150の内面153に対して直接摩擦係合する。このことが、容積160内のインサート100をハウジング150に固定し、それによって、ハウジング150の入口161に開放されている取入端部100Aからノズル156の出口157に開放されている排出端部100Bまでインサート100を通って延びている流体流路P内にそらせ板124を固定する。
【0019】
インサート100の環状側壁101も弾性的に膨張性であり、膨張する傾向を有するので、ハウジング150の内面153に対して直接、環状側壁101の外面102の弾力的な摩擦嵌めを作る。環状側壁101は、そらせ板124にとって弾性的に膨張性の担体またはフレームとして機能し、中に挿入されるときにハウジング150の内面153に対して直接、外面102に弾性的に順応し、これを摩擦係合する。ハウジング150内に設置されると、環状側壁101は、それによってその膨張する本質的傾向のために引っ張られて、外面102をハウジング150の内面153に対して直接摩擦係合するように促し、本発明によりインサート100を摩擦できちんと固定し、それによって個別の留め具、溶接、接着剤、エンドキャップまたは同様なものの必要性をなくす。インサート100の外面102によってハウジング150の内面153に対してかけられる圧力の量である単位張力または単位圧力は、インサート100の外面102をハウジング150の内面153に摩擦で固定することによって、本発明に従いそらせ板124を流体流路Pにきちんと固定するのに十分なものとする。スタティックミキサ170がそのように組み立てられると、スタティックミキサ170は、例示的な組み込み型スタティックミキサとなり、気体流、液体流、気液流であるかを問わず、標準的な手法により入口161から出口157まで流体路Pに適切に揚送される流体流は、入口161を通して流体路Pに入り、入口161から取入端部100Aを通してインサート100に入り、該流体流がそこを通って、取入端部100Aから出口157に開放されている排出端部100Bまでインサート100を通って流れると、流体流路Pに適切に位置付けられて配向されているそらせ板124にぶつかって、そらせ板124によって自動的にかつ連続的に混合され、排出端部100Bからノズル156に入り、ノズル156の出口157を通って適切に混合されて出る。代替実施形態において、側縁111および112を溶接、接着剤、熱接着または同様なものなどで固定して、環状側壁101を固定してもよい。この実施形態では、インサート100は相応のサイズにされるので、本明細書で説明されるようにインサート100がハウジング150内に挿入されるとき、外面102は、ハウジング150の内面153に直接かつ十分に摩擦係合して、インサート100をきちんと摩擦で固定する。
【0020】
いずれかのコンポーネントの修理、調整、清掃、交換またはその他整備のために、インサート100をハウジング150から取り出すには、インサート100をハウジング150と組み立ててスタティックミキサ170を形成する説明した方法を逆にするだけでよい。インサート100の取入端部100Aの部分は、入口161の内側寄りの図16のカラー167によって画定される容積160の幅広の領域内まで延びているため、手持ち型ペンチまたは他の把持工具で持ち上げて、流体流路Pから入口161を通して外側にインサート100を引き抜くために使用することができる。
【0021】
上で説明したように、本発明によるスタティックミキサインサートセグメントのそらせ板または流体混合エレメントおよびそれから形成されるスタティックミキサインサートは、本開示から逸脱することなく、任意の所望の形状、サイズ、配置および数で構成することができる。形状およびサイズは、同じにすることも、または別々にすることもできる。様々なそらせ板構成を有する例示的なスタティックミキサインサートセグメントおよび対応するスタティックミキサインサートを、例として図18図36に示す。様々な構成を除き、次の図18図36の各セグメントおよびそれとともに形成される対応するインサートの構造、およびこれらがそれぞれハウジングとともにどのように組み立てられてスタティックミキサを形成するのかは、セグメント135およびその対応するインサート100ならびにハウジング150とのそれの組み立てと同一である。したがって、セグメント135およびインサート100に使用される同じ参照符号が、図18図36で適切な場合、各セグメントおよびその対応するインサートにも使用される。
【0022】
ここで図18図36に移ると、図18は、平行な行と縦平行な列とに配置されている42個の小型三角形そらせ板124の配列を有し、図19ではスタティックミキサインサート201を形成して図示される、スタティックミキサインサートセグメント200の代替実施形態を示す。
【0023】
図20は、互いからより大きく長手方向にずれて、セグメント211のそらせ板124よりも大きい10個の三角形そらせ板124を有するスタティックミキサインサートセグメント210のさらに別の実施形態を示す。図21は、スタティックミキサインサート211へと形成されたセグメント210を示す。
【0024】
図22は、セグメント200のそらせ板よりもずんぐりしてやや大きく、セグメント210のそらせ板124よりも小さい30個の三角形そらせ板124を有し、これが3つの縦平行な行に配置されたスタティックミキサインサートセグメント220のさらに別の実施形態を示す。図23は、スタティックミキサインサート221へと形成されたセグメント220を示す。
【0025】
図24は、セグメント210のそらせ板124よりもやや大きい、ずれた6個の三角形そらせ板124を有するスタティックミキサインサートセグメント230のまたさらに別の実施形態を示す。図25は、スタティックミキサインサート231へと形成されたセグメント230を示す。
【0026】
図26は、各々が二等辺台形のような略形状にされた6個のそらせ板124を有するスタティックミキサインサートセグメント240の別の実施形態を示す。図27は、スタティックミキサインサート241へと形成されたセグメント240を示す。
【0027】
図28は、各々がセグメント240のものと同様な略形状にされているが、比較するとより小さくよりずんぐりして、交互にずれて平行な6つの行に配置されているスタティックミキサインサートセグメント250のさらに別の実施形態を示す。図29は、スタティックミキサインサート251へと形成されたセグメント250を示す。
【0028】
図30は、各そらせ板124の外側端部126がギザギザにされていることを除いてセグメント250と類似の、スタティックミキサインサートセグメント260のさらなる実施形態を示す。図31は、スタティックミキサインサート261へと形成されたセグメント260を示す。
【0029】
図32は、側縁111および112が歯111Aおよび112Aを備えて構成されることを除いてセグメント220と類似の、スタティックミキサインサートセグメント270のまたさらに別の実施形態を示す。図33は、スタティックミキサインサート271へと形成されたセグメント270を示す。図34では、歯111Aおよび112Aは、インサート271がハウジング150に設置されるときにかみ合って、スタティックミキサ272を形成する。歯111Aと歯112Aとのかみ合いは、側縁111および112がスタティックミキサ272内で互いに対して長手方向に変位するのを機械的に不可能にする。
【0030】
図35は、40個のそらせ板124を有するスタティックミキサインサートセグメント280のさらに別の実施形態を示す。各そらせ板124を貫いている開口部または穴124Aは、流体流中により多くの流体乱流を与えることによってその流体混合性を高める。図36は、スタティックミキサインサート281へと形成されたセグメント250を示す。
【0031】
ここで、本発明に従い構成および配置されるスタティックミキサインサート300のさらに別の実施形態を示す図37図39に注目する。インサート300は、気体流、流体流または流体・気体流であるかを問わず、インサート100と同様に、ハウジングに投入される流体流を混合するためにハウジング内に挿入するためのものである。インサート300は、らせん形部材301の取入端部300Aの近位端310とらせん形部材301の排出端部300Bの遠位端311との間にらせん状に並行して延びている、外面302、内面303、上縁303および下縁304を有するらせん形部材301を含む。らせん形部材301は、円形のらせん形であり、すなわち、一定の半径をもつものである。この実施例では、らせん形部材301は、縦方向に直立に延びているらせん形側壁であり、内面302および外面303は平坦であり、互いに対して平行である。らせん形部材301の内面302は、容積315に開放されている取入端部300Aから容積315に開放されている排出端部300Bまで、インサート300を通って長手方向に延びている流体流の通過用の容積315の周りにらせん状に延びている。言い換えると、らせん形部材301は、内面303によってそこを通って長手方向に延びている容積315の周りにらせん状に延びて、容積315を画定する。
【0032】
取入端部300Aおよび排出端部300Bは、各々が容積315に開放されて、軸方向に整列している。らせん形部材301は、取入端部300Aから排出端部300Bまで容積315の中心を通って延びている軸318の周りに配置されている。らせん形部材301は、伸長可能であり、プラスチック、ダクタイル鉄もしくはスチールなどの展性金属、セルロース組成物、または他の同様なもしくは類似の材料または材料の組合せから製造される。
【0033】
前述したインサートと同一のインサート300は、その全体に散在させているそらせ板124を有する。そらせ板124の配列は、取入端部300Aと排出端部300Bとの間にらせん形部材301の長さに沿って所定のパターンで配置されている。この実施形態では、そらせ板124は、インサート300の取入端部300Aの近位端310とインサート300の排出端部300Bの遠位端311との間に、らせん形部材301の長さに沿って離間している。そらせ板124は、らせん形部材301に倣うため、これらは、らせん状に離間している。そらせ板124は、この実施形態では等間隔に離間しており、取入端部300Aと排出端部300Bとの間でらせん状に等間隔に離間しており、各々が上縁304と下縁305との間の中心に配置されている。隣り合うそらせ板124間の間隔および取入端部300Aと排出端部300Bとの間のそらせ板124の配置は、代替実施形態では変えることができる。
【0034】
各そらせ板124は平坦であり、らせん形部材301に接続されている基部または内側端部125から自由端部または外側端部126まで延びている。各そらせ板124は、内面303から内側に容積315内に、内面303に対して角度をもって上側に、取入端部300Aに向かって、基部125から、その周りにらせん形部材301が配置されている軸318の内側寄りに、または別様に軸318に届くことなく、自由端部126まで張り出している。らせん形部材301は、各々がらせん形部材301と同じ材料のそらせ板124と一体的に形成されており、各そらせ板124の基部125は、らせん形部材301と同体である。インサート100と同様に、インサート300の各そらせ板124は、らせん形部材301に切り込みを入れて、その基部125で内面303から内側に容積315へ、外面302から内面303までらせん形部材301を貫通しているその開口部127または切り込まれた別の場所から出して曲げられている。この実施形態のそらせ板124は、同延であり、各々が略正方形の形状であるが、必要に応じて任意の所望の形状または相対的なサイズにしてもよい。インサート300は、取入端部300Aから排出端部300Bまでの長さを有し、正しい長さまたは特定の用途に応じて予め選択された長さに切断するのに適した標準的なまたは一般的な長さを有する。
【0035】
インサート300は、可動部品をもたず、流体流をそれに通過させて混合するための、図42および図44のスタティックミキサ320を形成するために、図40および図41の前述したハウジング150内に挿入するために構成される。ハウジング150およびインサート300は、インサート300を容積160と直線上に整列させて、同時にインサート300の排出端部300Bを図40のハウジング150の入口161と位置合わせすることによって、スタティックミキサ320を形成するように組み立てられる。インサート300は、図41に図示されるようにその外径をやや縮小させるためにわずかにねじって圧縮し、その排出端部300Bをまず、容積160によって画定される流体流路Pに滑り込ませて通し、図40および図41の矢印Cの方向に、図44で分かるように、インサート300の排出端部300Bがノズル156に直接接触し、それによりインサート300がノズル156の中まで前進するのを止めるまで、入口161を通して入れるだけで、容積160内に強制的に挿入される。インサート300の本質的に弾性的に膨張性の性質によって、インサート300は、ハウジング150の中に挿入されるときにハウジング150に自動的に弾性的に沿うことになる。インサート300がその入口161を通してハウジング150の容積160内に滑動可能に設置されると、取入端部300Aから排出端部1300Bまでのインサート300の長さは、インサート300が、容積160によって画定される流体流路Pを長手方向にかつらせん状に、ノズル156およびその出口157の近くでこれに開放されている排出端部300Bから、入口160の近くでこれに開放されているカラー167の取入端部300Aまで延びるのに十分なものとする。インサート300の取入端部300Aの部分は、入口161の内側寄りの図44のカラー167によって画定される容積160の幅広の領域内まで延びている。インサート300およびハウジング150ならびにそのそれぞれの容積315および160は、一致する軸318および165に対して同軸上にある。流体流路Pは、ハウジング150の入口161から出口157までと、インサート300の取入端部300Aから排出端部300Bまでと、の両方に並行して延びている。流体流路Pにらせん状に配置されているそらせ板124は、それぞれが内側に同軸上の容積315および160の中まで、したがって流体流路Pの中まで、ハウジング150の内面153から、およびインサート300の取入端部300Aとインサート300の排出端部300Bとの間のらせん形部材301の内面303から離れて、この実施例では、一致する軸318および165に届くことなく、張り出している。インサート300のらせん形部材301は弾性的に膨張性であるため、図44のハウジング150の流体流路Pに挿入されるときに、引っ張られるとともに部分的に圧縮されずに、外面302によって連続側壁151の内面153に対して外向きの圧力または力がかかり、インサート300の外面302をハウジング150の内面153に対して直接摩擦係合する。このことは、容積160内のインサート300をハウジング150に摩擦で固定し、それによって、ハウジング150の入口161に開放されている取入端部300Aからノズル156の出口157に開放されている排出端部300Bまでインサート300を通って延びている流体流路P内にそらせ板124を固定する。
【0036】
インサート300のらせん形部材301も弾性的に膨張性であり、膨張する傾向を有するので、ハウジングの内面153に対して直接、らせん形部材301の外面302の弾力的な摩擦嵌めを作る。らせん形部材301は、本発明によるそらせ板124にとって弾性的に膨張性の担体またはフレームの別の実施形態として機能し、本発明に従い中に挿入されるときにハウジング150の内面153に対して外面302に直接弾性的に順応し、これと摩擦係合する。ハウジング150内に設置されると、らせん形部材301は、その膨張する本質的傾向のために引っ張られて、外面302をハウジング150の内面153に対して直接摩擦係合するように促し、本発明によりインサート300を摩擦できちんと固定し、それによって個別の留め具、溶接、接着剤、エンドキャップまたは同様なものの必要性をなくす。インサート300の外面302によってハウジング150の内面153に対してかけられる圧力の量である単位張力または単位圧力は、インサート300の外面302をハウジング150の内面153に摩擦で固定することによって、本発明に従いそらせ板124を流体流路Pにきちんと固定するのに十分なものとする。スタティックミキサ320がそのように組み立てられると、スタティックミキサ320は、例示的な組み込み型スタティックミキサとなり、気体流、液体流、気液流であるかを問わず、標準的な手法により入口161から出口157まで流体路Pに適切に揚送される流体流は、入口161を通して流体路Pに入り、入口161から取入端部300Aを通してインサート300に入り、該流体流がそこを通って、取入端部100Aから出口157に開放されている排出端部300Bまでインサート300を通って流れると、流体流路Pに適切に位置付けられて配向されているそらせ板124にぶつかって、そらせ板124によって自動的にかつ連続的に混合され、排出端部300Bからノズル156に入り、排出端部300Bから出口157を通って適切に混合されて出る。
【0037】
いずれかのコンポーネントの修理、調整、清掃、交換またはその他整備のために、インサート300をハウジング150から取り出すには、インサート300をハウジング150と組み立ててスタティックミキサ320を形成する説明した方法を逆にするだけでよい。インサート300の取入端部300Aの部分は、入口161の内側寄りの図44のカラー167によって画定される容積160の幅広の領域内まで延びているため、手持ち型ペンチまたは他の把持工具で持ち上げて、流体流路Pから入口161を通して外側にインサート300を引き抜くために使用することができる。
【0038】
図45図47は、本発明に従い構成および配置されるスタティックミキサインサート330のさらに別の実施形態を示す。インサート330は、気体流、流体流または流体・気体流であるかを問わず、ハウジングに投入される流体流を混合するためにハウジング内に挿入するために構成される。らせん形部材331およびらせん形そらせ板350から作られるインサート330は、伸長可能であり、本発明による圧縮嵌め込みに有用なプラスチック、ダクタイル鉄もしくはスチールなどの展性金属、または他の同様なもしくは類似の材料から製造される。
【0039】
らせん形部材331は、外面332、内面333、上縁333および下縁334を有し、そのすべてが、インサート300の取入端部300Aの近位端340とインサート300の排出端部300Bの遠位端341との間にらせん状に並行して延びている。この実施例では、らせん形部材331は、縦方向に直立に延びているらせん形側壁であり、内面332および外面333は平坦であり、互いに対して平行である。らせん形部材301の内面333は、容積345に開放されている取入端部330Aから容積345に開放されている排出端部330Bまで、インサート330を通って長手方向に延びている流体流の通過用の容積345の周りにらせん状に延びている。言い換えると、らせん形部材331は、内面333によってそこを通って長手方向に延びている容積345の周りにらせん状に延び、容積345を画定する。各々が容積345に開放されている取入端部330Aおよび排出端部330Bは、軸方向に整列している。らせん形部材331は、取入端部330Aから排出端部330Bまで容積345の中心を通って延びている軸348の周りに配置されている、円形のらせん形、すなわち一定の半径をもつものである。
【0040】
らせん形そらせ板350は、上面351、下面352および外縁353を有し、そのすべてが、インサート300の取入端部330Aの近位端350とインサート300の排出端部330Bの遠位端341との間にらせん状に並行して延びている。らせん形プラットフォームであるそらせ板350は、らせん形部材331から軸348の内側寄りに、または別様に軸348に届くことなく、外縁353まで内側に容積345内に、インサート330の取入端部330Aの近位端340からインサート330の排出端部330Bの遠位端341までインサート330の長さに沿って容積345を通って長手方向にらせん状に延びている。そらせ板350は、インサート330の取入端部300Aの近位端340からインサート330の排出端部330Bの遠位端341まで、容積345を通って軸348を中心としてらせん状に延びている。そらせ板350は、らせん形部材331にらせん状に倣い、この実施例では、上縁334から外縁353まで内側に容積345内に延びて、この特定の実施例では、上縁334から内側に曲げられている。インサート330は、そらせ板350と一体的に形成されて、そらせ板350は、らせん形部材331と同体である。らせん形部材331と同様に、そらせ板350は、取入端部330Aから排出端部330Bまで容積345の中心を通って延びている軸348の周りに配置されている、円形のらせん形、すなわち一定の半径をもつものである。
【0041】
インサート330は、可動部品をもたず、流体流をそれに通過させて混合するための、図48のスタティックミキサ360を形成するために、前述したハウジング150内に挿入するために構成される。ハウジング150およびインサート330は、インサート330を容積160と直線上に整列させて、同時にインサート330の排出端部300Bをハウジング150の入口161と位置合わせすることによって、スタティックミキサ360を形成するように組み立てられる。インサート330は、その排出端部330Bをまず、容積160によって画定される流体流路Pに滑り込ませて通し、図46で分かるように、インサート330の排出端部330Bがノズル156に直接接触し、それによりインサート330がノズル156の中まで前進するのを止めるまで、入口161を通して入れることによって、容積160内に強制的に挿入される。インサート330の本質的に弾性的に膨張性の性質によって、インサート330は、ハウジング150の中に挿入されるときにハウジング150に自動的に弾性的に沿うことになる。インサート330がその入口161を通してハウジング150の容積160内に滑動可能に設置されると、取入端部330Aから排出端部330Bまでのインサート330の長さは、インサート330が、容積160によって画定される流体流路Pを長手方向にかつらせん状に、ノズル156およびその出口157の近くでこれらに開放されている排出端部330Bから入口160の近くでこれに開放されているカラー167の取入端部330Aまで延びるのに十分なものとする。インサート330の取入端部330Aの部分は、入口161の内側寄りの図46のカラー167によって画定される容積160の幅広の領域内まで延びている。インサート330およびハウジング150ならびにそのそれぞれの容積345および160は、一致する軸348および165に対して同軸上にある。流体流路Pは、ハウジング150の入口161から出口157までと、インサート330の取入端部330Aから排出端部330Bまでと、の両方に並行して延びている。一致する軸348および160を中心として流体流路Pに長手方向にかつらせん状に配置されているそらせ板350は、内側に同軸上の容積345および160の中まで、したがって流体流路Pの中まで、ハウジング150の内面153から、およびインサート330の取入端部330Aとインサート330の排出端部330Bとの間のらせん形部材331の内面333から離れて、この実施例では、一致する軸348および165に届くことなく、張り出している。インサート300は、弾性的に膨張性であるため、図44のハウジング150の流体流路Pに挿入されるときに、引っ張られて、らせん形部材331の外面332によって連続側壁151の内面153に対して外向きの圧力または力がかかり、インサート330の外面332をハウジング150の内面153に対して直接摩擦係合する。このことは、容積160内のインサート330をハウジング150に摩擦で固定し、それによってそらせ板350を入口161に開放されている取入端部330Aからノズル156の出口157に開放されている排出端部330Bまでインサート330を通って延びている流体流路Pに固定する。
【0042】
インサート330も弾性的に膨張性であり、膨張する傾向を有するので、ハウジング150の内面153に対して直接、らせん形部材331の外面332の弾力的な摩擦嵌めを作る。したがって、環状らせん形部材331は、中に挿入されるときハウジング150の内面153に弾性的に順応し、これに摩擦係合する弾性的に膨張性の担体として機能する。ハウジング150内に設置されると、インサート300は、その膨張する本質的傾向のために引っ張られて、外面332をハウジング150の内面153に対して摩擦係合するように促し、本発明によりインサート330を摩擦できちんと固定し、それによって個別の留め具、溶接、接着剤、エンドキャップまたは同様なものの必要性をなくす。インサート330の外面332によってハウジング150の内面153に対してかけられる圧力の量である単位張力または単位圧力は、インサート330の外面332をハウジング150の内面153に摩擦で固定することによって、本発明に従いそらせ板350を流体流路Pにきちんと固定するのに十分なものとする。スタティックミキサ360がそのように組み立てられると、スタティックミキサ360は、例示的な組み込み型スタティックミキサとなり、気体流、液体流、気液流であるかを問わず、標準的な手法により入口161から出口157まで流体路Pに適切に揚送される流体流は、入口161を通して流体路Pに入り、入口161から取入端部330Aを通してインサート330に入り、該流体流がそこを通って、取入端部100Aから出口157に開放されている排出端部330Bまでインサート330を通って流れると、流体流路Pに適切に位置付けられて配向されているそらせ板350にぶつかって、そらせ板350によって自動的にかつ連続的にらせん状に混合され、排出端部330Bからノズル156に入り、排出端部330Bから出口157を通って適切に混合されて出る。
【0043】
いずれかのコンポーネントの修理、調整、清掃、交換またはその他整備のために、インサート330をハウジング150から取り出すには、インサート330をハウジング150と組み立ててスタティックミキサ360を形成する説明した方法を逆にするだけでよい。インサート330の取入端部330Aの部分は、入口161の内側寄りの図48のカラー167によって画定される容積160の幅広の領域内まで延びているため、手持ち型ペンチまたは他の把持工具で持ち上げて、流体流路Pから入口161を通して外側にインサート330を引き抜くために使用することができる。
【0044】
図49図51は、本発明に従い構成および配置されるスタティックミキサインサート370のさらに別の実施形態を示す。インサート370は、気体流、流体流または流体・気体流であるかを問わず、ハウジングに投入される流体流を混合するためにハウジング内に挿入するために構成される。インサート370は、インサート330とあらゆる点において同一であり、インサート330およびハウジング150が組み立てられたのと同じように、ハウジング150とともに組み立てられて図52のスタティックミキサ375を形成する。したがって、インサート330およびそのスタティックミキサ360の上記考察をインサート370およびそのスタティックミキサ375にあらゆる点において適用し、同じ参照文字を使用する。インサート330とインサート370との違いは、インサート370のそらせ板350は、開口部350Aを有することであり、インサート330のそらせ板350と比べて、流体流中により多くの流体乱流を与えることによって、そらせ板350の混合性を高めていることである。開口部350Aは、らせん形部材331の上縁334とそらせ板350の外縁353との間で、インサート370のそらせ板350を貫通している。開口部350Aは、そらせ板350に倣い、取入端部330Aから排出端部330Bまでそらせ板350の長さに沿って離間している。開口部350Aは、インサート370のそらせ板350に倣うので、これらは、取入端部330Aから排出端部330Bまでそらせ板350の長さに沿ってらせん状に離間している。開口部350Aは、インサート370で等間隔に離間しているが、代替実施形態では、隣り合う開口部350A間の距離は変えることができる。
【0045】
上述したスタティックミキサインサートの各々は、1つのインサートとともに構成されるハウジングを含む。本発明に従い構成および配置されるスタティックミキサは、代替実施形態では、図53のスタティックミキサ380で示されるような2つの同一のインサートであれ、または図54のスタティックミキサ390で示されるような2つの異なるインサートであれ、重ねた2つ以上のインサートとともに構成することができる。
【0046】
簡単に図53を参照すると、スタティックミキサ380は、ハウジング150Aと2つのインサート100’および100’’とを含む。ハウジング150Aは、インサート100と各々同一である2つのインサート150Aを収容するために比較的長めである点が唯一異なるが、構造的にはハウジング150と同一である。したがって、インサート100およびハウジング150について使用した参照文字を、インサート100’および100’’ならびにハウジング150Aについて適切な場合にも使用する。
【0047】
スタティックミキサ380では、インサート100’は、ノズル156およびその出口157の近くでこれらに開放されているその排出端部100Bから、出口157と入口161との間の中間位置の取入端部100Aまで、流体流路Pを通って長手方向に延びている。インサート100’’は、インサート100’’の取入端部100Aの近くでこれに開放されているその排出端部100Bから、入口161の近くでこれに開放されているカラー167の取入端部100Aまで、流体流路Pを通って長手方向に延びている。気体流、液体流、気液流であるかを問わず、標準的な手法により入口161から出口157まで流体路Pに適切に揚送される流体流は、入口161を通して流体路Pに入り、入口161から取入端部100Aを通してインサート100’’に入り、該流体流がそこを通って、取入端部100Aからインサート100’の取入端部100Aに開放されている排出端部100Bまでインサート100’’を通って流れると、流体流路Pに適切に位置付けられて配向されているインサート100’’のそらせ板124にぶつかって、そらせ板124によって自動的にかつ連続的に混合される。流体は、インサート100’’の排出端部100Bからその取入端部100Aを通してインサート100’に入り、そこを通って、取入端部100Aからノズル156および出口157に開放されている排出端部100Bまでインサート100’を通って流れると、流体流路Pに適切に位置付けられて配向されるインサート100’のそらせ板124にぶつかって、そらせ板124によって自動的かつ連続的に混合されて、適切に混合された状態でノズル156出口157から出る。
【0048】
簡単に図54を参照すると、スタティックミキサ390は、ハウジング150Bと2つのインサート300’および330’とを含む。ハウジング150Bは、2つのインサート300’および330’を収容するために比較的長めである点が唯一異なるが、構造的にはハウジング150と同一である。インサート300’および330’は、この実施例では互いに異なり、インサート300’はインサート300と同一であり、インサート330’はインサート330と同一である。したがって、ハウジング150、インサート300およびインサート330について使用した参照文字を、ハウジング150B、インサート300’およびインサート330’についてそれぞれ適切な場合にも使用する。
【0049】
スタティックミキサ390では、インサート300’は、ノズル156およびその出口157の近くでこれらに開放されている排出端部300Bから、出口157と入口161との間の中間位置の取入端部300Aまで、流体流路Pを通って長手方向に延びている。インサート330’は、インサート300’の取入端部300Aの近くでこれに開放されているその排出端部300Bから、入口161の近くでこれに開放されているカラー167の取入端部330Aまで、流体流路Pを通って長手方向に延びている。気体流、液体流、気液流であるかを問わず、標準的な手法により入口161から出口157まで流体路Pに適切に揚送される流体流は、入口161を通して流体路Pに入り、入口161から取入端部330Aを通してインサート330’に入り、該流体流がそこを通って、取入端部100Aからインサート300’の取入端部300Aに開放されているその排出端部330Bまでインサート330’を通って流れると、流体流路Pに適切に位置付けられて配向されているインサート330’のそらせ板350にぶつかって、そらせ板350によって自動的にかつ連続的に混合される。流体は、インサート330の排出端部330Bからその取入端部300Aを通してインサート300’に入り、そこを通って、その取入端部300Aからノズル156および出口157に開放されているその排出端部300Bまでインサート300’を通って流れると、流体流路Pに適切に位置付けられて配向されるインサート300’のそらせ板124にぶつかって、そらせ板124によって自動的かつ連続的に混合されて、インサート300の排出端部300Bからノズル156に入り、適切に混合された状態でノズル156出口157から出る。
【0050】
本発明に従い構成および配置されるスタティックミキサは、2つ以上のインサートの任意の組み合わせを組み込むことができること、また、インサートは特定のニーズに応じて互いに同じにすることもまたは別々にすることもできることは強調されるべきである。
【0051】
図55図59は、本発明のさらに別の実施形態によるインサート100、ノズルボディ400および熱収縮チューブ410から図59および図60のスタティックミキサ420を構成する一連のステップを示す。図57にさらに関連して、ノズルボディ400は、取入端部403で取入開口部402を取り囲む環状シート401を含み、そこから下側に、出口端部405によって形成される出口404まで延びている。取入開口部402および比較的小さめの出口404がノズルボディ400の両側に軸方向に整列している。ノズルボディ400は円錐台形であり、代替実施形態では、他の標準的なまたは選ばれたノズルフォーマットを有することができる。熱収縮チューブ410は、通常、ポリオレフィンから作られる標準的な構造をしており、加熱されると半径方向にその直径の2分の1から6分の1まで収縮するが、長手方向には収縮しない。図58では、未収縮チューブ410は、近位端411、遠位端412および近位端411から遠位端412までの長さを有する。
【0052】
ノズルボディ400は、排出端部100Bを図57の環状シート401に挿入するだけで図56のインサート100の排出端部100Bに嵌め込まれ、未収縮チューブ410がインサート100の外面102およびノズルボディ400に嵌められる。チューブ410は、インサート100の取入端部100Aの近位端411からノズルボディ400の遠位端412まで、インサート100およびノズルボディ410の長さにわたって延びるのに十分な、近位端411から遠位端412までの長さがある。未収縮チューブ410は、熱を加えることによって図59および図60のノズル400およびインサート100の外面102の周りにぴったりと収縮されて、スタティックミキサ420を形成する。図60は、収縮したチューブ410の部分を取り除いたスタティックミキサ420の側立面図であって、そこからノズルボディ400まで延びているインサート100を示す。チューブ410が図59および図60のインサート100およびノズルボディ400の周りに収縮されると、チューブ410は、両者のまわりにぴったりと巻き付いて、これらをともに固定し、取入端部100Aの近位端411から排出端部100Bに装着されているノズルボディ400まで、インサート100の長さに沿ってインサート100の外面102上に延びて、環状側壁101に貫通している開口を閉じ、さらに図60のノズルボディ400の上の排出端部100Bを越えて、取込端部403と出口端部405との中間位置にある遠位端412まで延びている。スタティックミキサ420がそのように組み立てられると、スタティックミキサ420は、例示的な組み込み型スタティックミキサとなり、気体流、液体流、気液流であるかを問わず、標準的な手法により取入端部100Aから出口404まで流体路P(インサート100の容積106によって画定される)およびノズルボディ400を通って適切に揚送される流体流は、取入端部100Aを通して流体路Pに入り、そこを通して、図57に図示される取入端部100Aから取入開口部402に開放されている排出端部100Bまで流れると、流体流路Pに適切に位置付けられて配向されているそのそらせ板にぶつかって、そらせ板によって自動的かつ連続的に混合され、図57に図示される取入開口部402を通してノズルボディ400に入り、ノズルボディ400出口404を通って適切に混合された状態で出る。いずれかのコンポーネントの修理、調整、清掃、交換または他の整備のためにインサート100およびノズルボディ400をチューブ410から外すには、チューブ410を切り取るだけである。インサート100およびノズルボディ400は、これらを新しいシュリンクラップチューブに収縮包装するだけで、スタティックミキサに組み立て直されてもよい。
【0053】
本明細書に開示される任意のインサートおよび2つ以上のインサートの任意の組み合わせを、シュリンクラップチューブを適用してノズルと組み立てて本発明によるスタティックミキサを形成してもよいこと、また、2つ以上のインサートを組み込むスタティックミキサのインサートは互いに同じにすることもまたは別々にすることもできることは強調されるべきである。
【0054】
様々なインサートおよびスタティックミキサの実施形態は、略円筒形の断面形状を有するものとして開示されているが、これらは、楕円、三角形、正方形等の他の断面形状を有することができる。また、本発明に従い構成および配置されるインサートの材料は、このようなインサートを備えて形成されるスタティックミキサに投入される1以上の流体流を溶解するかまたはこれに別様に混ぜ込むように設計される成分または成分の組合せを用いて作ることができる。これら1以上の成分は、インサートの材料を形成すること、インサートを被覆すること、インサートの材料にしみ込ませること等ができる。本発明に従い構成および配置されるインサートのそらせ板は、所望の乱流混合、層流混合、渦巻き混合等を流体流にもたらすように構成してもよい。本発明に従い構成されるスタティックミキサは、研究用途、2成分の接着剤およびシーラントの混合、廃水処理および化学処理、ビチューメン処理、原油の脱塩処理、重合反応、液体添加物の混合等に有用であることは理解されるべきである。
【0055】
本発明は、例示的な実施形態に関して上で説明されている。当業者は、本発明から逸脱することなく、説明される実施形態に変更および修正を加えてもよいことを認識するであろう。当業者は、例示のために選ばれた本明細書の実施形態への様々な変更および修正を容易に想到するであろう。このような修正および変型が本発明から逸脱しない限りにおいて、かかる修正等は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0056】
当業者が本発明を理解して実施することができるように明確で簡潔な用語で本発明を十分に説明してきたが、請求される本発明は次の通りである。
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【国際調査報告】