(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】弁装置
(51)【国際特許分類】
F16K 27/02 20060101AFI20240403BHJP
F16K 31/04 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
F16K27/02
F16K31/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550117
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2023-10-20
(86)【国際出願番号】 CN2022093883
(87)【国際公開番号】W WO2022247729
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】202121122395.4
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】馮 忠波
(72)【発明者】
【氏名】金 鉅
(72)【発明者】
【氏名】王 傅鋼
(72)【発明者】
【氏名】張 文▲ロン▼
(72)【発明者】
【氏名】宋 治国
【テーマコード(参考)】
3H051
3H062
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051BB02
3H051CC14
3H051DD02
3H062AA02
3H062BB30
3H062BB31
3H062CC02
3H062DD01
3H062GG04
(57)【要約】
弁体ユニット(10)、取り付け座(11)、及び弁座(20)を含む弁装置(100)であって、締着部材(30)を更に含み、取り付け座(11)には、取り付け孔(21)に垂直な軸線方向に沿って制限段差(111)が穿設され、弁座(20)の側面には、取り付け孔(21)に連通された接続孔(22)が穿設され、締着部材(30)の一端は接続孔(22)から取り付け孔(21)内に貫入され、且つ制限段差(111)に当接される弁装置(100)が開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体ユニット、取り付け座、及び弁座を含み、前記弁座に取り付け孔が穿設され、前記取り付け座は前記弁体ユニットに取り付けられ、前記弁体ユニットの前記取り付け座に近接する一端は前記取り付け孔内に入り込み、前記取り付け座は前記弁体ユニットと共に前記取り付け孔内に取り付けられる弁装置であって、
締着部材を更に含み、前記取り付け座には、前記取り付け孔に垂直な軸線方向に沿って制限段差が穿設され、前記弁座の側面には、前記取り付け孔に連通された接続孔が穿設され、前記締着部材の一端は前記接続孔から前記取り付け孔内に貫入され、且つ前記制限段差に当接される、弁装置。
【請求項2】
前記制限段差は、第1面及び第2面を含み、前記第1面と前記第2面との夾角はAとして定義され、前記締着部材の端面と前記第1面とは互いに当接され、前記締着部材の外周面は前記第2面に制限係合される、請求項1に記載の弁装置。
【請求項3】
前記第1面と前記第2面とは交差し、且つ前記夾角Aは直角である、請求項2に記載の弁装置。
【請求項4】
前記第1面は平面であり、且つ前記取り付け孔の軸線に平行であり、
及び/又は前記第2面は平面であり、且つ前記取り付け孔の軸線に垂直である、請求項2に記載の弁装置。
【請求項5】
前記弁体ユニットの軸線方向に沿って、前記第1面の高さはH
1として定義され、前記弁体ユニットの径方向に沿って、前記第2面の最大長さはH
2として定義され、前記締着部材の直径はDとして定義され、H
1、H
2、及びDは、0.5D≦H
1≦2D、0.3D≦H
2≦Dの関係式を満たす、請求項2に記載の弁装置。
【請求項6】
前記締着部材と前記弁座との間は螺合される、請求項1に記載の弁装置。
【請求項7】
前記接続孔の数は2つであり、且つ前記2つの接続孔は前記弁座の同一側面に間隔をおいて設けられ、
前記締着部材の数は前記接続孔の数と同じである、請求項1に記載の弁装置。
【請求項8】
前記接続孔の数は2つであり、且つ2つの前記接続孔は前記弁座の異なる側面に設けられ、
前記取り付け座に2つの前記制限段差が穿設され、前記制限段差毎に1つの前記接続孔が対応し、
前記締着部材の数は前記接続孔の数と同じである、請求項1に記載の弁装置。
【請求項9】
前記制限段差の数は少なくとも2つであり、且つ少なくとも2つの前記制限段差は前記取り付け座の周方向に沿って間隔をおいて配設される、請求項1に記載の弁装置。
【請求項10】
前記取り付け座は前記弁体ユニットに嵌合され、前記弁体ユニットと固定接続される、請求項1に記載の弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年5月24日に出願された、出願番号が202121122395.4であり、発明の名称が「弁装置」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全ての内容は参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は冷却の技術分野に関し、特に、弁装置に関する。
【背景技術】
【0003】
弁装置は、冷却設備の1つの重要な部材であり、主に絞り減圧の作用を果たす。弁装置は、弁体ユニット、スリーブ、ガイドスリーブ、バルブステムアセンブリ、ナットスリーブ、及び駆動機構等の部材を含み、スリーブは弁体ユニットに取り付けられ、弁体ユニットに弁口が穿設され、ナットスリーブ及びガイドスリーブは弁体ユニットに取り付けられ、バルブステムアセンブリはガイドスリーブ内に取り付けられ、駆動機構の作用で、ガイドスリーブ、ナットスリーブに沿って移動して弁口を開閉し、これにより絞り減圧の目的を達成する。
【0004】
従来の弁装置では、制限部材により弁座と弁体ユニットとの間の位置関係が位置決められており、通常は、制限部材の接触により弁体ユニットの弁座から離脱する軸方向の移動を制限することしか実現できないため、弁座と弁体ユニットとの間の位置関係が変化しないことを完全に確保できず、更には弁装置の正常な運転に影響を与える。
【発明の概要】
【0005】
本出願の各実施形態によれば、弁座と弁体ユニットとの軸方向及び径方向における同時固定を実現できる弁装置を提供する。
【0006】
本出願は、以下の技術態様を提供する。
弁体ユニット、取り付け座、及び弁座を含み、弁座に取り付け孔が穿設され、取り付け座は弁体ユニットに取り付けられ、弁体ユニットの取り付け座に近接する一端は取り付け孔内に入り込み、取り付け座は弁体ユニットと共に取り付け孔内に取り付けられる弁装置であって、締着部材を更に含み、取り付け座には、取り付け孔に垂直な軸線方向に沿って制限段差が穿設され、弁座の側面には、取り付け孔に連通された接続孔が穿設され、締着部材の一端は接続孔から取り付け孔内に貫入され、且つ制限段差に当接される弁装置。
【0007】
一実施形態では、制限段差は、第1面及び第2面を含み、第1面と第2面との夾角はAとして定義され、締着部材の端面と第1面とは互いに当接され、締着部材の外周面は第2面に制限係合される。
【0008】
一実施形態では、第1面と第2面とは交差し、且つ夾角Aは直角である。
【0009】
一実施形態では、第1面は平面であり、且つ取り付け孔の軸線に平行であり、及び/又は第2面は平面であり、且つ取り付け孔の軸線に垂直である。
【0010】
一実施形態では、弁体ユニットの軸線方向に沿って、第1面の高さはH1であり、弁体ユニットの径方向に沿って、第2面の最大長さはH2であり、締着部材の直径はDであり、H1、H2、及びDは、0.5D≦H1≦2D、0.3D≦H2≦Dの関係式を満たす。
【0011】
一実施形態では、締着部材はボルト又はスクリュである。
【0012】
一実施形態では、接続孔の数は2つであり、且つ2つの接続孔は弁座の同一側面に間隔をおいて設けられ、締着部材の数は接続孔の数と同じである。
【0013】
一実施形態では、接続孔の数は2つであり、且つ2つの接続孔は弁座の異なる側面に設けられ、取り付け座に2つの制限段差が穿設され、制限段差毎に1つの接続孔が対応し、締着部材の数は接続孔の数と同じである。
【0014】
一実施形態では、制限段差の数は少なくとも2つであり、且つ少なくとも2つの制限段差は取り付け座の周方向に沿って間隔をおいて配設される。
【0015】
4つの制限段差を取り付け座の周方向に沿って間隔をおいて配設させることにより、弁体ユニットと弁座との間の取り付け、組み立てが容易になることが理解される。
【0016】
一実施形態では、取り付け座は弁体ユニットに嵌合され、弁体ユニットと固定接続される。
【0017】
本出願の1つ又は複数の実施形態の詳細は、以下の図面及び説明において提示される。本出願の他の特徴、目的、及び利点は、明細書、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本明細書に開示されているこれらの発明をよりよく説明するための実施形態及び/又は例示は、1つ以上の図面を参照できる。図面を説明するために用いられる追加の詳細又は例示は、開示された発明、ここに説明されている実施形態及び/又は例示、並びにここで理解されるこれらの発明の最適な形態のうちのいずれかの範囲を制限するものとしてみなされるべきではない。
【0019】
【
図1】いくつかの実施形態による弁装置の分解構造模式図である。
【
図2】いくつかの実施形態による弁装置の一視点の組み立て構造模式図である。
【
図3】いくつかの実施形態による弁体ユニットの構造模式図である。
【
図4】いくつかの実施形態による取り付け座の構造模式図である。
【
図5】いくつかの実施形態による弁装置の一視点の断面構造模式図である。
【
図6】いくつかの実施形態による弁装置の他の視点の断面構造模式図である。
【
図7】いくつかの実施形態による弁装置の別の視点の断面構造模式図である。
【0020】
図面において、各符号の意味は以下の通りである。
100 弁装置、10 弁体ユニット、11 取り付け座、111 制限段差、1111 第1面、1112 第2面、112 貫通孔、12 弁体、13 スピンドルアセンブリ、14 スリーブ、15 弁口、20 弁座、21 取り付け孔、22 接続孔、30 締着部材。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本出願の実施形態における図面を組み合わせて、本出願の実施形態における技術態様を明確且つ完全に記述するが、説明される実施形態は全部の実施形態ではなく、本出願の一部の実施形態であってもよいことは明らかである。当業者が、本出願における実施形態に基づいて、創造的な労力なしに得られた全ての他の実施形態はいずれも本出願の保護範囲に属する。
【0022】
留意すべきこととして、アセンブリが、他方のアセンブリに「装設される」と称される場合、これはそのまま他方のアセンブリの上に存在してもよく、あるいはそれらの間のアセンブリが存在してもよい。アセンブリが、他方のアセンブリに「設けられる」と見なされる場合、これはそのまま他方のアセンブリの上に設けられてもよく、あるいはそれらの間のアセンブリが同時に存在する可能性がある。アセンブリが、他方のアセンブリに「固定される」と見なされる場合、これはそのまま他方のアセンブリの上に固定されてもよく、あるいはそれらの間のアセンブリが同時に存在する可能性がある。
【0023】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語や科学用語は、本出願の属する技術分野における当業者が通常理解している意味と同じである。ここで、本出願の明細書に使用される用語は、単に具体的な実施形態を説明することを目的とし、本出願を制限するものではない。本明細書で使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の列挙された要素の任意の組み合わせと全ての組み合わせを含む。
【0024】
図1から
図7を参照すると、本出願は、流体媒体の流量及び圧力を調節するために、空調冷却システムに適用される、弁装置100を提供する。
【0025】
具体的には、弁装置100は、弁体ユニット10、取り付け座11、及び弁座20を含み、弁座20に取り付け孔21が穿設され、取り付け座11は弁体ユニット10に取り付けられ、弁体ユニット10の取り付け座11に近接する一端は取り付け孔21内に入り込み、取り付け座11は弁体ユニット10と共に取り付け孔21内に取り付けられ、弁装置100は締着部材30を更に含み、取り付け座11には、取り付け孔21に垂直な軸線方向に沿って制限段差111が穿設され、弁座20の側面には、取り付け孔21に連通された接続孔22が穿設され、締着部材30の一端は接続孔22から取り付け孔21内に貫入され、且つ制限段差111に当接される。
【0026】
留意すべきこととして、従来の弁装置では、制限部材により弁座と弁体ユニットとの間の位置関係が位置決められており、通常は、制限部材の接触により弁体ユニットの弁座から離脱する軸方向の移動を制限することしか実現できないため、弁座と弁体ユニットとの間の位置関係が変化しないことを完全に確保できず、更に弁装置の正常な運転に影響を与える。一方、本実施形態では、軸線方向及び径方向の両方において締着部材30が当接されるように制限段差111を設けることにより、弁体ユニット10が、弁座20に対して回転することも、弁座20に対して軸線方向に上下に移動することもできないようにし、弁座20と弁体ユニット10との軸方向及び周方向における同時固定が実現され、位置決めが安定するだけでなく組み付け効果もより良好になり、弁装置100の運転安定性もより良好になる。
【0027】
図1及び
図5に示すように、弁体ユニット10は、弁体12、スピンドルアセンブリ13、及びスリーブ14を含み、弁体12に弁口15が設けられ、スピンドルアセンブリ13は弁体12に取り付けられ、弁口15が開閉されるように弁体12に対して移動することができ、スリーブ14の一端は弁体12を覆設し、スピンドルアセンブリ13の弁体12から離れた一端はスリーブ14内に入り込む。
【0028】
弁体ユニット10は、上述の部材に加えて、ステータ、ロータ、ナットスリーブ等の部材を含み、上述のこれらの部材は、スピンドルアセンブリ13を動かすように協働作用され、弁口15の開度の調節を実現することが理解される。勿論、上述の各部材の具体的な取り付け位置は本分野における公知の技術であり、ここでは詳しく説明しない。
【0029】
図1から
図3に示すように、取り付け座11は弁体12に嵌合され、且つ弁体12と固定接続され、これにより、弁体12と取り付け座11との間の取り付けが実現され、取り付け座11が弁体12から脱落し、弁装置100の正常な運転に影響を与えることを回避する。勿論、他の実施形態では、取り付け座11と弁体12との間は、ネジ、溶接等の方式により接続されてもよい。
【0030】
任意に、取り付け座11に貫通孔112が穿設され、弁体12の一端は貫通孔112を挿設し、貫通孔112に固定接続される。
【0031】
図4から
図7に示すように、制限段差111は、第1面1111及び第2面1112を含み、締着部材30の端面と第1面1111とは互いに当接され、締着部材30の外周面は第2面1112に制限係合され、弁体ユニット10が弁座20に対して回転するとき、弁体ユニット10が弁座20に対して回転できないように、締着部材30の端面は第1面1111に当接して制限し、弁体ユニット10が弁座20に対して上下に移動するとき、弁体ユニット10が弁座20に対して上下に移動できないように、締着部材30の外周面は第2面1112に当接して制限し、これにより、弁座20と弁体ユニット10との軸方向及び周方向における同時固定が実現される。
【0032】
任意に、第1面1111は、平面又は曲面のいずれか一種類であり、第2面1112は、平面又は曲面のいずれか一種類である。具体的には、本実施形態では、第1面1111は平面であり、第2面1112も平面である。平面を選択すると、加工が容易なだけでなく、製造もより便利であり、且つ平面が締着部材30に当接されるときに、接触面がより大きくなり、即ち、両方の当接安定性がより良好になることが理解される。
【0033】
更に、第1面1111と第2面1112とが交差し、且つ第1面1111と第2面1112との夾角はAとして定義され、第1面1111と第2面1112との夾角Aの範囲は、30度~160度の間で選択することができる。この夾角Aは、小さすぎても大きすぎても望ましくなく、小さすぎると締着部材30が取り付け孔21の一端の端部に貫入して第1面1111に当接されにくくなり、大きすぎると締着部材30が取り付け孔21に入り込むストロークが長くなり、第1面1111との接触面積が小さくなり、両者間の当接安定性が劣ることが理解される。
【0034】
任意に、本実施形態では、第1面1111と第2面1112とが互いに交差し、且つ夾角Aは直角であり、第1面1111は弁体ユニット10の軸線と互いに平行であり、第2面1112は弁体ユニット10の軸線と互いに垂直であるが、接続孔22の軸線も弁体ユニット10の軸線と垂直であり、これにより、締着部材30の端面と第1面1111とは面接触式の当接となり、締着部材30の外周面は第2面1112に当接して密着されることで、締着部材30と第1面1111、第2面1112との間のそれぞれの当接を更に安定させ、更に弁体ユニット10全体の制限の信頼性を向上させた。
【0035】
第1面1111と第2面1112とが交差し、且つ第1面1111と第2面1112との夾角Aは直角であり、これにより、第1面1111及び第2面1112は、締着部材30の端面及び外周面に更に密着でき、弁体ユニット10と弁座20との間の固定性能を更に向上させたことが理解される。
【0036】
更に、弁体ユニット10の軸線方向に沿って、第1面1111の高さはH1であり、弁体ユニット10の径方向に沿って、第2面1112の最大長さはH2であり、締着部材30の直径はDであり、H1、H2、及びDは、0.5D≦H1≦2D、0.3D≦H2≦Dの関係式を満たす。このように、締着部材30が制限段差111に当接することにより、弁体ユニット10と弁座20との間にもたらす安定した固定性能が更に強化され、弁座20の軸方向及び周方向における制限の信頼性を確保した。
【0037】
留意すべきこととして、第1面1111の高さH1及び第2面1112の最大長さH2が小さすぎると、締着部材30が当接する受力面積が小さすぎて締着部材30が制限段差111から離脱しやすくなり、これにより制限故障につながり、弁装置100の正常な運転に影響を与え、第1面1111の高さH1及び第2面1112の最大長さH2が大きすぎると取り付け座11に制限段差111を穿設することが難しくなり、材料が無駄となり、加工コストが増加する。
【0038】
一般的に言えば、第2面1112の最大長さH2は締着部材30の全長を基準として限定されるべきであるが、本出願は、締着部材30の直径Dを用いて限定され、主な理由としては、締着部材30の直径Dがせん断力に影響を及ぼすため、即ち、第2面1112の最大長さH2は主として締着部材30の軸方向における固定性能に影響を及ぼし、締着部材30の直径Dが大きいほど、ここでは締着部材30を折り曲げるのに必要な剪断力が大きくなるため、ここでのH2は締着部材30の直径Dによって限定される必要がある。
【0039】
一実施形態では、制限段差111の数は4つであり、且つ4つの制限段差111は取り付け座11の周方向に沿って間隔をおいて配設され、且つそれぞれ取り付け座11の4つの方向に配設され、これにより、締着部材30はそのいずれか1つの制限段差111に当接でき、即ち、弁体ユニット10の取り付けの際に複数の角度で取り付けることができ、取り付けがより便利である。
【0040】
任意に、弁体ユニット10の制限の信頼性を向上するために、締着部材30の数は制限段差111の数と同じであってもよく、即ち、締着部材30の数は4本であり、且つ4本の締着部材30は弁座20の4つの面に配設され、4本の締着部材30は同時に4つの異なる方向から取り付け孔21内に入り込み、且つそれぞれ対応する制限段差111に当接される。
【0041】
他の実施形態では、接続孔22の数は2つであり、且つ2つの接続孔22は弁座20の同一側面に間隔をおいて設けられ、締着部材30の数は接続孔22の数と同じであり、即ち、締着部材30も2本であり、2本の締着部材30はそれぞれ対応して接続孔22から取り付け孔21に入り込み、且つ同一の制限段差111に当接され、即ち、制限段差111の数は1つである。
【0042】
別の実施形態では、接続孔22の数は2つであり、且つ2つの接続孔22は弁座20の異なる側面に設けられ、取り付け座11に2つの制限段差111が穿設され、制限段差111毎に1つの接続孔22が対応し、締着部材30の数は接続孔22の数と同じである。2本の締着部材30は、弁座20の異なる側面における接続孔22から取り付け孔21内に入り込み、且つ異なる制限段差111に当接される。
【0043】
任意に、この実施形態では、2つの接続孔22は弁座20の隣接する2つの側面に位置してもよく、弁座20の対向する2つの側面に位置してもよく、それと同時に、制限段差111もそれに合わせて取り付け座11に位置する。
【0044】
任意に、締着部材30はボルト又はスクリュを使用することができ、即ち、締着部材30と弁座20との間は螺合される。螺合により、構造が簡単なだけでなく着脱も便利であり、検査及びメンテナンスが容易になる。
【0045】
上述の実施形態の各技術的特徴は任意に組み合わせることができ、説明を簡単にするために、上述の実施形態における各技術的特徴の全て可能な組み合わせについて説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載の範囲と見なすべきである。
【0046】
以上の実施形態は、単に本出願のいくつかの実施形態を示したものにすぎず、その記述が比較的に具体的且つ詳細ではあるが、そのために実用新案特許の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。指摘すべきこととして、当業者にとって、本出願の思想を逸脱しない範囲で、更にいくつかの変形及び改良を行うことができるが、これらはいずれも本出願の保護範囲に属する。従って、本出願の保護範囲は添付された請求の範囲に準ずるものとする。上述の実施形態の各技術的特徴は任意に組み合わせることができ、説明を簡単にするために、上述の実施形態における各技術的特徴の全て可能な組み合わせについて説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載の範囲と見なすべきである。
【0047】
以上の実施形態は、本出願のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、その説明は具体的且つ詳細であるが、出願の範囲を制限するものとして理解するべきではない。指摘すべきこととして、当業者にとって、本出願の思想を逸脱しない範囲で、更にいくつかの変形及び改良を行うことができるが、これらはいずれも本出願の保護範囲に属する。従って、本出願の保護範囲は添付された請求の範囲に準ずるものとする。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体ユニット、取り付け座、及び弁座を含み、前記弁座に取り付け孔が穿設され、前記取り付け座は前記弁体ユニットに取り付けられ、前記弁体ユニットの前記取り付け座に近接する一端は前記取り付け孔内に入り込み、前記取り付け座は前記弁体ユニットと共に前記取り付け孔内に取り付けられ
、前記弁体ユニットは、ステータ、ロータ、ナットスリーブ、及びスピンドルアセンブリを含み、前記ステータ、前記ロータ、前記ナットスリーブは、前記スピンドルアセンブリを動かすように協働される弁装置であって、
締着部材を更に含み、前記取り付け座には、前記取り付け孔に垂直な軸線方向に沿って制限段差が穿設され、前記弁座の側面には、前記取り付け孔に連通された接続孔が穿設され、前記締着部材の一端は前記接続孔から前記取り付け孔内に貫入され、且つ前記制限段差に当接される
ことを特徴とする、弁装置。
【請求項2】
前記制限段差は、第1面及び第2面を含み、前記第1面と前記第2面との夾角はAとして定義され
ることを特徴とする、請求項1に記載の弁装置。
【請求項3】
前記締着部材の軸方向と前記第1面とは互いに当接され、前記締着部材の径方向は前記第2面に制限係合されることを特徴とする、請求項2に記載の弁装置。
【請求項4】
前記締着部材の端面と前記第1面とは互いに当接され、前記締着部材の外周面は前記第2面に制限係合されることを特徴とする、請求項3に記載の弁装置。
【請求項5】
前記第1面と前記第2面とは交差し、且つ前記夾角Aは直角である
ことを特徴とする、請求項2
から4のいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項6】
前記第1面は平面であり、且つ前記取り付け孔の軸線に平行であり、
及び/又は前記第2面は平面であり、且つ前記取り付け孔の軸線に垂直である
ことを特徴とする、請求項2
から4のいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項7】
前記弁体ユニットの軸線方向に沿って、前記第1面の高さはH
1として定義され、前記弁体ユニットの径方向に沿って、前記第2面の最大長さはH
2として定義され、前記締着部材の直径はDとして定義され、H
1、H
2、及びDは、0.5D≦H
1≦2D、0.3D≦H
2≦Dの関係式を満たす
ことを特徴とする、請求項2
から4のいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項8】
前記締着部材と前記弁座との間は螺合される
ことを特徴とする、請求項1に記載の弁装置。
【請求項9】
前記接続孔の数は2つであり、且つ前記2つの接続孔は前記弁座の同一側面に間隔をおいて設けられ、
前記締着部材の数は前記接続孔の数と同じである
ことを特徴とする、請求項1に記載の弁装置。
【請求項10】
前記接続孔の数は2つであり、且つ2つの前記接続孔は前記弁座の異なる側面に設けられ、
前記取り付け座に2つの前記制限段差が穿設され、前記制限段差毎に1つの前記接続孔が対応し、
前記締着部材の数は前記接続孔の数と同じである
ことを特徴とする、請求項1に記載の弁装置。
【請求項11】
前記制限段差の数は少なくとも2つであり、且つ少なくとも2つの前記制限段差は前記取り付け座の周方向に沿って間隔をおいて配設される
ことを特徴とする、請求項1に記載の弁装置。
【請求項12】
前記取り付け座は前記弁体ユニットに嵌合され、前記弁体ユニットと固定接続される
ことを特徴とする、請求項1に記載の弁装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は冷却の技術分野に関し、特に、弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
弁装置は、冷却設備の1つの重要な部材であり、主に絞り減圧の作用を果たす。弁装置は、弁体ユニット、スリーブ、ガイドスリーブ、バルブステムアセンブリ、ナットスリーブ、及び駆動機構等の部材を含み、スリーブは弁体ユニットに取り付けられ、弁体ユニットに弁口が穿設され、ナットスリーブ及びガイドスリーブは弁体ユニットに取り付けられ、バルブステムアセンブリはガイドスリーブ内に取り付けられ、駆動機構の作用で、ガイドスリーブ、ナットスリーブに沿って移動して弁口を開閉し、これにより絞り減圧の目的を達成する。
【0003】
従来の弁装置では、制限部材により弁座と弁体ユニットとの間の位置関係が位置決められており、通常は、制限部材の接触により弁体ユニットの弁座から離脱する軸方向の移動を制限することしか実現できないため、弁座と弁体ユニットとの間の位置関係が変化しないことを完全に確保できず、更には弁装置の正常な運転に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
本出願の各実施形態によれば、弁座と弁体ユニットとの軸方向及び径方向における同時固定を実現できる弁装置を提供する。
【0005】
本出願は、以下の技術態様を提供する。
弁体ユニット、取り付け座、及び弁座を含み、弁座に取り付け孔が穿設され、取り付け座は弁体ユニットに取り付けられ、弁体ユニットの取り付け座に近接する一端は取り付け孔内に入り込み、取り付け座は弁体ユニットと共に取り付け孔内に取り付けられ、弁体ユニットは、ステータ、ロータ、ナットスリーブ、及びスピンドルアセンブリを含み、ステータ、ロータ、ナットスリーブは、スピンドルアセンブリを動かすように協働される弁装置であって、締着部材を更に含み、取り付け座には、取り付け孔に垂直な軸線方向に沿って制限段差が穿設され、弁座の側面には、取り付け孔に連通された接続孔が穿設され、締着部材の一端は接続孔から取り付け孔内に貫入され、且つ制限段差に当接される弁装置。
【0006】
一実施形態では、制限段差は、第1面及び第2面を含み、第1面と第2面との夾角はAとして定義される。
【0007】
一実施形態では、締着部材の軸方向と第1面とは互いに当接され、締着部材の径方向は第2面に制限係合される。
【0008】
一実施形態では、締着部材の端面と第1面とは互いに当接され、締着部材の外周面は第2面に制限係合される。
【0009】
一実施形態では、第1面と第2面とは交差し、且つ夾角Aは直角である。
【0010】
一実施形態では、第1面は平面であり、且つ取り付け孔の軸線に平行であり、及び/又は第2面は平面であり、且つ取り付け孔の軸線に垂直である。
【0011】
一実施形態では、弁体ユニットの軸線方向に沿って、第1面の高さはH1であり、弁体ユニットの径方向に沿って、第2面の最大長さはH2であり、締着部材の直径はDであり、H1、H2、及びDは、0.5D≦H1≦2D、0.3D≦H2≦Dの関係式を満たす。
【0012】
一実施形態では、締着部材はボルト又はスクリュである。
【0013】
一実施形態では、接続孔の数は2つであり、且つ2つの接続孔は弁座の同一側面に間隔をおいて設けられ、締着部材の数は接続孔の数と同じである。
【0014】
一実施形態では、接続孔の数は2つであり、且つ2つの接続孔は弁座の異なる側面に設けられ、取り付け座に2つの制限段差が穿設され、制限段差毎に1つの接続孔が対応し、締着部材の数は接続孔の数と同じである。
【0015】
一実施形態では、制限段差の数は少なくとも2つであり、且つ少なくとも2つの制限段差は取り付け座の周方向に沿って間隔をおいて配設される。
【0016】
4つの制限段差を取り付け座の周方向に沿って間隔をおいて配設させることにより、弁体ユニットと弁座との間の取り付け、組み立てが容易になることが理解される。
【0017】
一実施形態では、取り付け座は弁体ユニットに嵌合され、弁体ユニットと固定接続される。
【0018】
従来技術に比べて、弁装置は、軸線方向及び径方向の両方において締着部材が当接されるように制限段差を設けることにより、弁体ユニットが、弁座に対して回転することも、弁座に対して軸線方向に上下に移動することもできないようにし、弁座と弁体ユニットとの軸方向及び周方向における同時固定が実現され、位置決めが安定するだけでなく組み付け効果もより良好になり、弁装置の運転安定性もより良好になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本明細書に開示されているこれらの発明をよりよく説明するための実施形態及び/又は例示は、1つ以上の図面を参照できる。図面を説明するために用いられる追加の詳細又は例示は、開示された発明、ここに説明されている実施形態及び/又は例示、並びにここで理解されるこれらの発明の最適な形態のうちのいずれかの範囲を制限するものとしてみなされるべきではない。
【0020】
【
図1】いくつかの実施形態による弁装置の分解構造模式図である。
【
図2】いくつかの実施形態による弁装置の一視点の組み立て構造模式図である。
【
図3】いくつかの実施形態による弁体ユニットの構造模式図である。
【
図4】いくつかの実施形態による取り付け座の構造模式図である。
【
図5】いくつかの実施形態による弁装置の一視点の断面構造模式図である。
【
図6】いくつかの実施形態による弁装置の他の視点の断面構造模式図である。
【
図7】いくつかの実施形態による弁装置の別の視点の断面構造模式図である。
【0021】
図面において、各符号の意味は以下の通りである。
100 弁装置、10 弁体ユニット、11 取り付け座、111 制限段差、1111 第1面、1112 第2面、112 貫通孔、12 弁体、13 スピンドルアセンブリ、14 スリーブ、15 弁口、20 弁座、21 取り付け孔、22 接続孔、30 締着部材。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本出願の実施形態における図面を組み合わせて、本出願の実施形態における技術態様を明確且つ完全に記述するが、説明される実施形態は全部の実施形態ではなく、本出願の一部の実施形態であってもよいことは明らかである。当業者が、本出願における実施形態に基づいて、創造的な労力なしに得られた全ての他の実施形態はいずれも本出願の保護範囲に属する。
【0023】
留意すべきこととして、アセンブリが、他方のアセンブリに「装設される」と称される場合、これはそのまま他方のアセンブリの上に存在してもよく、あるいはそれらの間のアセンブリが存在してもよい。アセンブリが、他方のアセンブリに「設けられる」と見なされる場合、これはそのまま他方のアセンブリの上に設けられてもよく、あるいはそれらの間のアセンブリが同時に存在する可能性がある。アセンブリが、他方のアセンブリに「固定される」と見なされる場合、これはそのまま他方のアセンブリの上に固定されてもよく、あるいはそれらの間のアセンブリが同時に存在する可能性がある。
【0024】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語や科学用語は、本出願の属する技術分野における当業者が通常理解している意味と同じである。ここで、本出願の明細書に使用される用語は、単に具体的な実施形態を説明することを目的とし、本出願を制限するものではない。本明細書で使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の列挙された要素の任意の組み合わせと全ての組み合わせを含む。
【0025】
図1から
図7を参照すると、本出願は、流体媒体の流量及び圧力を調節するために、空調冷却システムに適用される、弁装置100を提供する。
【0026】
具体的には、弁装置100は、弁体ユニット10、取り付け座11、及び弁座20を含み、弁座20に取り付け孔21が穿設され、取り付け座11は弁体ユニット10に取り付けられ、弁体ユニット10の取り付け座11に近接する一端は取り付け孔21内に入り込み、取り付け座11は弁体ユニット10と共に取り付け孔21内に取り付けられ、弁装置100は締着部材30を更に含み、取り付け座11には、取り付け孔21に垂直な軸線方向に沿って制限段差111が穿設され、弁座20の側面には、取り付け孔21に連通された接続孔22が穿設され、締着部材30の一端は接続孔22から取り付け孔21内に貫入され、且つ制限段差111に当接される。
【0027】
留意すべきこととして、従来の弁装置では、制限部材により弁座と弁体ユニットとの間の位置関係が位置決められており、通常は、制限部材の接触により弁体ユニットの弁座から離脱する軸方向の移動を制限することしか実現できないため、弁座と弁体ユニットとの間の位置関係が変化しないことを完全に確保できず、更に弁装置の正常な運転に影響を与える。一方、本実施形態では、軸線方向及び径方向の両方において締着部材30が当接されるように制限段差111を設けることにより、弁体ユニット10が、弁座20に対して回転することも、弁座20に対して軸線方向に上下に移動することもできないようにし、弁座20と弁体ユニット10との軸方向及び周方向における同時固定が実現され、位置決めが安定するだけでなく組み付け効果もより良好になり、弁装置100の運転安定性もより良好になる。
【0028】
図1及び
図5に示すように、弁体ユニット10は、弁体12、スピンドルアセンブリ13、及びスリーブ14を含み、弁体12に弁口15が設けられ、スピンドルアセンブリ13は弁体12に取り付けられ、弁口15が開閉されるように弁体12に対して移動することができ、スリーブ14の一端は弁体12を覆設し、スピンドルアセンブリ13の弁体12から離れた一端はスリーブ14内に入り込む。
【0029】
弁体ユニット10は、上述の部材に加えて、ステータ、ロータ、ナットスリーブ等の部材を含み、上述のこれらの部材は、スピンドルアセンブリ13を動かすように協働作用され、弁口15の開度の調節を実現することが理解される。勿論、上述の各部材の具体的な取り付け位置は本分野における公知の技術であり、ここでは詳しく説明しない。
【0030】
図1から
図3に示すように、取り付け座11は弁体12に嵌合され、且つ弁体12と固定接続され、これにより、弁体12と取り付け座11との間の取り付けが実現され、取り付け座11が弁体12から脱落し、弁装置100の正常な運転に影響を与えることを回避する。勿論、他の実施形態では、取り付け座11と弁体12との間は、ネジ、溶接等の方式により接続されてもよい。
【0031】
任意に、取り付け座11に貫通孔112が穿設され、弁体12の一端は貫通孔112を挿設し、貫通孔112に固定接続される。
【0032】
図4から
図7に示すように、制限段差111は、第1面1111及び第2面1112を含み、締着部材30の端面と第1面1111とは互いに当接され、締着部材30の外周面は第2面1112に制限係合され、弁体ユニット10が弁座20に対して回転するとき、弁体ユニット10が弁座20に対して回転できないように、締着部材30の端面は第1面1111に当接して制限し、弁体ユニット10が弁座20に対して上下に移動するとき、弁体ユニット10が弁座20に対して上下に移動できないように、締着部材30の外周面は第2面1112に当接して制限し、これにより、弁座20と弁体ユニット10との軸方向及び周方向における同時固定が実現される。
【0033】
任意に、第1面1111は、平面又は曲面のいずれか一種類であり、第2面1112は、平面又は曲面のいずれか一種類である。具体的には、本実施形態では、第1面1111は平面であり、第2面1112も平面である。平面を選択すると、加工が容易なだけでなく、製造もより便利であり、且つ平面が締着部材30に当接されるときに、接触面がより大きくなり、即ち、両方の当接安定性がより良好になることが理解される。
【0034】
更に、第1面1111と第2面1112とが交差し、且つ第1面1111と第2面1112との夾角はAとして定義され、第1面1111と第2面1112との夾角Aの範囲は、30度~160度の間で選択することができる。この夾角Aは、小さすぎても大きすぎても望ましくなく、小さすぎると締着部材30が取り付け孔21の一端の端部に貫入して第1面1111に当接されにくくなり、大きすぎると締着部材30が取り付け孔21に入り込むストロークが長くなり、第1面1111との接触面積が小さくなり、両者間の当接安定性が劣ることが理解される。
【0035】
任意に、本実施形態では、第1面1111と第2面1112とが互いに交差し、且つ夾角Aは直角であり、第1面1111は弁体ユニット10の軸線と互いに平行であり、第2面1112は弁体ユニット10の軸線と互いに垂直であるが、接続孔22の軸線も弁体ユニット10の軸線と垂直であり、これにより、締着部材30の端面と第1面1111とは面接触式の当接となり、締着部材30の外周面は第2面1112に当接して密着されることで、締着部材30と第1面1111、第2面1112との間のそれぞれの当接を更に安定させ、更に弁体ユニット10全体の制限の信頼性を向上させた。
【0036】
第1面1111と第2面1112とが交差し、且つ第1面1111と第2面1112との夾角Aは直角であり、これにより、第1面1111及び第2面1112は、締着部材30の端面及び外周面に更に密着でき、弁体ユニット10と弁座20との間の固定性能を更に向上させたことが理解される。
【0037】
更に、弁体ユニット10の軸線方向に沿って、第1面1111の高さはH1であり、弁体ユニット10の径方向に沿って、第2面1112の最大長さはH2であり、締着部材30の直径はDであり、H1、H2、及びDは、0.5D≦H1≦2D、0.3D≦H2≦Dの関係式を満たす。このように、締着部材30が制限段差111に当接することにより、弁体ユニット10と弁座20との間にもたらす安定した固定性能が更に強化され、弁座20の軸方向及び周方向における制限の信頼性を確保した。
【0038】
留意すべきこととして、第1面1111の高さH1及び第2面1112の最大長さH2が小さすぎると、締着部材30が当接する受力面積が小さすぎて締着部材30が制限段差111から離脱しやすくなり、これにより制限故障につながり、弁装置100の正常な運転に影響を与え、第1面1111の高さH1及び第2面1112の最大長さH2が大きすぎると取り付け座11に制限段差111を穿設することが難しくなり、材料が無駄となり、加工コストが増加する。
【0039】
一般的に言えば、第2面1112の最大長さH2は締着部材30の全長を基準として限定されるべきであるが、本出願は、締着部材30の直径Dを用いて限定され、主な理由としては、締着部材30の直径Dがせん断力に影響を及ぼすため、即ち、第2面1112の最大長さH2は主として締着部材30の軸方向における固定性能に影響を及ぼし、締着部材30の直径Dが大きいほど、ここでは締着部材30を折り曲げるのに必要な剪断力が大きくなるため、ここでのH2は締着部材30の直径Dによって限定される必要がある。
【0040】
一実施形態では、制限段差111の数は4つであり、且つ4つの制限段差111は取り付け座11の周方向に沿って間隔をおいて配設され、且つそれぞれ取り付け座11の4つの方向に配設され、これにより、締着部材30はそのいずれか1つの制限段差111に当接でき、即ち、弁体ユニット10の取り付けの際に複数の角度で取り付けることができ、取り付けがより便利である。
【0041】
任意に、弁体ユニット10の制限の信頼性を向上するために、締着部材30の数は制限段差111の数と同じであってもよく、即ち、締着部材30の数は4本であり、且つ4本の締着部材30は弁座20の4つの面に配設され、4本の締着部材30は同時に4つの異なる方向から取り付け孔21内に入り込み、且つそれぞれ対応する制限段差111に当接される。
【0042】
他の実施形態では、接続孔22の数は2つであり、且つ2つの接続孔22は弁座20の同一側面に間隔をおいて設けられ、締着部材30の数は接続孔22の数と同じであり、即ち、締着部材30も2本であり、2本の締着部材30はそれぞれ対応して接続孔22から取り付け孔21に入り込み、且つ同一の制限段差111に当接され、即ち、制限段差111の数は1つである。
【0043】
別の実施形態では、接続孔22の数は2つであり、且つ2つの接続孔22は弁座20の異なる側面に設けられ、取り付け座11に2つの制限段差111が穿設され、制限段差111毎に1つの接続孔22が対応し、締着部材30の数は接続孔22の数と同じである。2本の締着部材30は、弁座20の異なる側面における接続孔22から取り付け孔21内に入り込み、且つ異なる制限段差111に当接される。
【0044】
任意に、この実施形態では、2つの接続孔22は弁座20の隣接する2つの側面に位置してもよく、弁座20の対向する2つの側面に位置してもよく、それと同時に、制限段差111もそれに合わせて取り付け座11に位置する。
【0045】
任意に、締着部材30はボルト又はスクリュを使用することができ、即ち、締着部材30と弁座20との間は螺合される。螺合により、構造が簡単なだけでなく着脱も便利であり、検査及びメンテナンスが容易になる。
【0046】
上述の実施形態の各技術的特徴は任意に組み合わせることができ、説明を簡単にするために、上述の実施形態における各技術的特徴の全て可能な組み合わせについて説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載の範囲と見なすべきである。
【0047】
以上の実施形態は、単に本出願のいくつかの実施形態を示したものにすぎず、その記述が比較的に具体的且つ詳細ではあるが、そのために実用新案特許の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。指摘すべきこととして、当業者にとって、本出願の思想を逸脱しない範囲で、更にいくつかの変形及び改良を行うことができるが、これらはいずれも本出願の保護範囲に属する。従って、本出願の保護範囲は添付された請求の範囲に準ずるものとする。上述の実施形態の各技術的特徴は任意に組み合わせることができ、説明を簡単にするために、上述の実施形態における各技術的特徴の全て可能な組み合わせについて説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載の範囲と見なすべきである。
【0048】
以上の実施形態は、本出願のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、その説明は具体的且つ詳細であるが、出願の範囲を制限するものとして理解するべきではない。指摘すべきこととして、当業者にとって、本出願の思想を逸脱しない範囲で、更にいくつかの変形及び改良を行うことができるが、これらはいずれも本出願の保護範囲に属する。従って、本出願の保護範囲は添付された請求の範囲に準ずるものとする。
【国際調査報告】