(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】ポンプ組立体
(51)【国際特許分類】
F04B 9/14 20060101AFI20240403BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20240403BHJP
B05B 11/00 20230101ALN20240403BHJP
B05B 11/10 20230101ALN20240403BHJP
【FI】
F04B9/14 B
A45D34/04 555
B05B11/00 101H
B05B11/10 101H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553203
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 KR2021019407
(87)【国際公開番号】W WO2022186457
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0027267
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518079909
【氏名又は名称】ヨンウ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ソン ウン
(72)【発明者】
【氏名】キム、テ ヨン
【テーマコード(参考)】
3H075
【Fターム(参考)】
3H075BB03
3H075CC35
3H075CC40
3H075DA03
3H075DB13
3H075DB14
(57)【要約】
本発明の実施形態によってポンプ組立体が提供される。前記ポンプ組立体は、上部及び下部が開口され、内部に中空が形成されており、上端外周面に沿って第1翼部が外側に突出しているシリンダーと、少なくとも一部が前記シリンダー内に挿入されて前記シリンダーの上部を少なくとも部分的に密閉し、上端外周面に沿って第2翼部が外側に突出しているシール部と、外力によって下向きに移動して前記シリンダーの内部の圧力を変化させるステムと、前記ステムと前記シール部との間に設けられ、前記シール部から前記ステムに向かって弾性力を提供する弾性部材と、前記シリンダーの上端を囲むように結合され、前記ポンプ組立体を容器部に着脱自在に結合させるハウジング部と、を含み、前記ハウジング部が前記容器部に結合されることによって、前記第1翼部及び前記第2翼部は、前記ハウジング部の内面によって下向きに押圧されて前記容器部の上端に固定されることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ組立体であって、
上部及び下部が開口され、内部に中空が形成されており、上端外周面に沿って第1翼部が外側に突出しているシリンダーと、
少なくとも一部が前記シリンダー内に挿入されて前記シリンダーの上部を少なくとも部分的に密閉し、上端外周面に沿って第2翼部が外側に突出しているシール部と、
外力によって下向きに移動して前記シリンダーの内部の圧力を変化させるステムと、
前記ステムと前記シール部との間に設けられ、前記シール部から前記ステムに向かって弾性力を提供する弾性部材と、
前記シリンダーの上端を囲むように結合され、前記ポンプ組立体を容器部に着脱自在に結合させるハウジング部と、
を含み、
前記ハウジング部が前記容器部に結合されることによって、前記第1翼部及び前記第2翼部は、前記ハウジング部の内面によって下向きに押圧されて前記容器部の上端に固定される、ポンプ組立体。
【請求項2】
前記シリンダーの上端には、内周縁に沿って配置溝が形成され、
前記第2翼部の少なくとも一部が前記配置溝に収容されることで、前記第1翼部の上面と前記第2翼部の上面の高さが揃えられる、請求項1に記載のポンプ組立体。
【請求項3】
前記ハウジング部は、
上部及び下部が開口され、内部に中空が形成されており、前記ステム及び前記弾性部材の少なくとも一部を収容する収容部と、
前記収容部から外側に隔てて配置されて、内周面に沿って前記容器部と結合される結合部が形成される側壁部と、
前記収容部の外周面から外側に延びて前記側壁部と前記収容部とを連結する連結部と、を含み、
前記収容部が、前記シール部の内側に所定の深さだけ挿入されることにより、前記ハウジング部と前記シール部とが結合される、請求項1に記載のポンプ組立体。
【請求項4】
前記シール部の内側下面から上向きに第1縁部が突出しており、前記第1縁部の外周面に第1結合突起が形成され、前記収容部の下端内周面に第2結合突起が形成され、前記収容部の挿入によって前記第1結合突起が前記第2結合突起に締結される、請求項3に記載のポンプ組立体。
【請求項5】
前記シール部の内側下面には、前記第1縁部の外側に前記シリンダーの内部と連通する少なくとも一つの第1空気出入孔が形成される、請求項4に記載のポンプ組立体。
【請求項6】
前記弾性部材は、ベローズタイプであって、側面が密閉されており、
前記ステムの上部外周面から前記弾性部材の上端を支持するための第2縁部が外側に突設されており、
前記第2縁部には、前記弾性部材の開口された上部と連通する少なくとも一つの第2空気出入孔が形成される、請求項3に記載のポンプ組立体。
【請求項7】
前記第2縁部には、前記弾性部材の上端の外側歪みを制限するための下方延長部が前記第2縁部の周縁から下側に突出している、請求項6に記載のポンプ組立体。
【請求項8】
前記収容部は、前記第2縁部に対応する高さまで上側に延びており、前記弾性部材が外部に露出しないように前記弾性部材を内側に収容する、請求項6に記載のポンプ組立体。
【請求項9】
前記弾性部材の材質は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリケトン(POK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリオキシプロピレン(POP)、ポリオレフィンエラストマー(POE)、及びエチレンオクテン/ブテン共重合体(Ethylene Octene/Butene Copolymers)の中で少なくとも一つを含む、請求項6に記載のポンプ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ組立体に関し、具体的に、環境にやさしい弾性部材を含むポンプ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ポンプ容器は、容器本体の上部に結合されるポンプ組立体のポンピング動作によって内容物が外部へ排出されるように構成されたものであって、内容物が貯蔵される容器本体と、容器本体の上部に結合されて容器本体の内部を真空状態にしてポンピング動作によって内容物を引き上げるポンプ組立体と、ポンプ組立体の上部に位置して使用者の押圧によって昇降され、ポンプ組立体に圧力を伝達するボタン部とで構成される。
【0003】
ここで、ポンプ組立体は、容器本体に貯蔵された内容物が外部へ排出されるようにポンピング動作を行うものであって、このような繰り返しポンピング動作のために内部に弾性力を提供するばねを含むことができる。通常、ばねは金属材質からなるので、製造コストが高いだけでなく、ポンプ組立体が、プラスチックと金属との異種の材質からなるので、リサイクルのためにはこれら両者を分離して廃棄しなければならないことから、リサイクルしにくいという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたもので、環境にやさしい弾性部材を含み、構成要素間の結合力が向上したポンプ組立体を提供することをその目的とする。
【0005】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に限定されなく、言及されていないまた他の技術的課題は、下記記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によってポンプ組立体が提供される。前記ポンプ組立体は、上部及び下部が開口され、内部に中空が形成されており、上端外周面に沿って第1翼部が外側に突出しているシリンダーと、少なくとも一部が前記シリンダー内に挿入されて前記シリンダーの上部を少なくとも部分的に密閉し、上端外周面に沿って第2翼部が外側に突出しているシール部と、外力によって下向きに移動して前記シリンダーの内部の圧力を変化させるステムと、前記ステムと前記シール部との間に設けられ、前記シール部から前記ステムに向かって弾性力を提供する弾性部材と、前記シリンダーの上端を囲むように結合され、前記ポンプ組立体を容器部に着脱自在に結合させるハウジング部と、を含み、前記ハウジング部が前記容器部に結合されることによって、前記第1翼部及び前記第2翼部は、前記ハウジング部の内面によって下向きに押圧されて前記容器部の上端に固定されることができる。
【0007】
また、前記シリンダーの上端には、内周縁に沿って配置溝が形成され、前記第2翼部の少なくとも一部が前記配置溝に収容されることで、前記第1翼部の上面と前記第2翼部の上面の高さが揃えられることができる。
【0008】
また、前記ハウジング部は、上部及び下部が開口され、内部に中空が形成されており、前記ステム及び前記弾性部材の少なくとも一部を収容する収容部と、前記収容部から外側に隔てて配置されて、内周面に沿って前記容器部と結合される結合部が形成される側壁部と、前記収容部の外周面から外側に延びて前記側壁部と前記収容部とを連結する連結部と、を含み、前記収容部が、前記シール部の内側に所定の深さだけ挿入されることにより、前記ハウジング部と前記シール部とが結合されることができる。
【0009】
また、前記シール部の内側下面から上向きに第1縁部が突出しており、前記第1縁部の外周面に第1結合突起が形成され、前記収容部の下端内周面に第2結合突起が形成され、前記収容部の挿入によって前記第1結合突起が前記第2結合突起に締結されることができる。
【0010】
また、前記シール部の内側下面には、前記第1縁部の外側に前記シリンダーの内部と連通する少なくとも一つの第1空気出入孔が形成されることができる。
【0011】
また、前記弾性部材は、ベローズタイプであって、側面が密閉されており、前記ステムの上部外周面から前記弾性部材の上端を支持するための第2縁部が外側に突設されており、前記第2縁部には、前記弾性部材の開口された上部と連通する少なくとも一つの第2空気出入孔が形成されることができる。
【0012】
また、前記第2縁部には、前記弾性部材の上端の外側歪みを制限するための下方延長部が前記第2縁部の周縁から下側に突出していることができる。
【0013】
また、前記収容部は、前記第2縁部に対応する高さまで上側に延びており、前記弾性部材が外部に露出しないように前記弾性部材を内側に収容することができる。
【0014】
また、前記弾性部材の材質は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリケトン(POK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリオキシプロピレン(POP)、ポリオレフィンエラストマー(POE)、及びエチレンオクテン/ブテン共重合体(Ethylene Octene/Butene Copolymers)の中で少なくとも一つを含むことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、弾性部材の材質を、軟質のプラスチックとすることにより、簡単な構造によってコスト削減が図ることができ、他のポンプ組立体の構成要素との分離・廃棄の問題を解決することができるので、環境にやさしい。
【0016】
また、本発明によれば、ハウジング部によってシリンダー及びシール部のそれぞれに形成される翼部を同時に押圧固定することで、各構成要素の離脱を防止するとともに、ポンプ組立体をより安定的に容器に結合させることができる。
【0017】
さらに、本発明によれば、ハウジング部の収容部がシール部の内面に密着され、シール部の内側下端まで挿入されて結合されることで、両者間の結合力を向上させることができる。
【0018】
なお、本発明によれば、ハウジング部によって弾性部材が外部に露出しなくなることにより、ポンプ組立体の保管及び容器の組み立て工程における弾性部材の破損を防止することができる。
【0019】
本発明の詳細な説明で引用される図面をより十分に理解するために、各図面の簡単な説明が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態によるポンプ組立体を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態によるポンプ組立体を示す断面図である。
【
図3】本発明の実施形態によるポンプ組立体のシリンダーを示す図である。
【
図4】本発明の実施形態によるポンプ組立体のシール部を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態によるポンプ組立体のステムを示す図である。
【
図6】本発明の実施形態によるポンプ組立体の弾性部材を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態によるポンプ組立体のハウジング部を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態による内容物容器を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面に記載された内容を参照して、本発明による例示的な実施形態を詳しく説明する。また、添付の図面に記載された内容を参照して、本発明の実施形態による装置を構成して使用する方法を詳しく説明する。各図面にて提示された同一の参照番号や符号は、実質的に同一の機能を果たす部品または構成要素を示す。下記に記載される上下左右の方向は、便宜上図面を基準としたものであり、当該方向に本発明の権利範囲が必ず限定されるものではない。
【0022】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するにおいて使用されることができるが、構成要素はこれらの用語によって限定されない。これらの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに用いられる。例えば、本発明の権利範囲を外れることなく、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に、第2構成要素も第1構成要素と命名されてもよい。「及び/または」という用語は、複数の関連項目の組み合わせまたは複数の関連項目のいずれか一つの項目を含む。
【0023】
本明細書で使用した用語は、実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を制限及び/または限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解されなければならない。
【0024】
明細書の全般に亘って、ある部分が他の部分と連結されているとされるとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を介在して電気的に連結されている場合も含む。なお、ある部分がある構成要素を含むとされているとき、これは特別に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0025】
図1は、本発明の実施形態によるポンプ組立体の斜視図を、
図2は、本発明の実施形態によるポンプ組立体の断面図を、
図3は、本発明の実施形態によるポンプ組立体のシリンダーを、
図4は、本発明の実施形態によるポンプ組立体のシール部を、
図5は、本発明の実施形態によるポンプ組立体のステムを、
図6は、本発明の実施形態によるポンプ組立体の弾性部材を、
図7は、本発明の実施形態によるポンプ組立体のハウジング部を、それぞれ示している。
【0026】
図1~
図7を参照すると、ポンプ組立体100は、使用者から外力が印加されて内部に圧力変化を引き起こし、これによって、内容物を流入及び吐出するためのものであって、具体的に、シリンダー110、シールキャップ120、ピストンロッド130、シール部140、ステム150、弾性部材160、及びハウジング部170を含むことができる。
【0027】
シリンダー110は、上部及び下部が開口されて内部に中空が形成されており、内容物が流入及び流出する空間を提供することができる。シリンダー110は、容器部(図示せず)の上端(特に、口部)内側に位置し、外側に第1翼部111が形成され、容器部の上端に配置することができる。例えば、第1翼部111は、シリンダー110の上端外周面に沿って外側に突出するように形成されることができ、シリンダー110が容器部の開口された口部を介して容器部の内側に挿入される場合、口部の上端面に配置することができる。
【0028】
シリンダー110の上端には、後述するシール部140の第2翼部141が配置(若しくは収容)される配置溝112が凹んで形成されることができる。配置溝112は、シリンダー110の上端の内周縁に沿って凹んで形成され、第2翼部141に対応する環状に構成されることができる。実施形態において、このような配置溝112は、シリンダー110の内周面から第1翼部111の一領域に亘って延びて形成されることができる。
【0029】
シリンダー110の下端は、容器部の内部に向かって延長形成されることができ、容器と連通する入口が形成されることができる。入口または入口に隣接してバルブが具備されてもよい。バルブは、逆止弁であって、シリンダー110内圧が陽圧であるときは、入口を密閉し、シリンダー110の内圧が負圧に変化すると、入口を開放することができる。
【0030】
シールキャップ120は、ピストンロッド130の開閉のためのものであって、外面がシリンダー110の内面に密着し、内面がピストンロッド130と密着していることができる。シールキャップ120の内面下端がピストンロッド130の受け部に密着してピストンロッド130の流入口を密閉させることができ、シールキャップ120を基準としてピストンロッド130が下降すると、シールキャップ120の下端がピストンロッド130の受け部と遠ざかりながら、流入口が開放されて、シリンダー110の内部と連通されることができる。
【0031】
ピストンロッド130は、シリンダー110内部に設けられ、下側がシールキャップ120によって取り囲まれ、上側がステム150に連結されることができる。ピストンロッド130は、中空管の形態を有し、ピストンロッド130の下側にはシールキャップ120によって開閉される流入口が形成されており、ピストンロッド130の上側には流入口を介して流入した内容物が流出する流出口が形成されることができる。また、ピストンロッド130の下端には受け部が形成され、受け部にシールキャップ120の内面下端が密着されれば流入口はシリンダー110の内部空間から密閉されるようにできる。
【0032】
ピストンロッド130は、ステム150によってシリンダー110内から垂直方向に移動することができる。ピストンロッド130が下向きに移動すれば、シールキャップ120の内面下端が受け部から離間しながら流入口が開放されてシリンダー110内の内容物がピストンロッド130の内部に流入することができる。ピストンロッド130が移動し続ければ、内容物は流出口を介して排出された後、ステム150を経てノズルの吐出孔を介して吐出されることができる。ピストンロッド130が上向きに移動すると、シリンダー110はピストンロッド130の流入口を密閉することができ、シリンダー110の内部に負圧が発生して、容器部内の内容物がシリンダー110の内部へ流入することができる。
【0033】
シール部140は、少なくとも一部がシリンダー110内に挿入されてシリンダー110の上端に結合され、シリンダー110の上部を少なくとも部分的に密閉することができる。例えば、シール部140は、シリンダー110の内面に密着される側壁と、側壁の下端から内側に形成される基底部とを含むことができる。基底部の底面(若しくは、基底部の底面に形成された突起)によってシールキャップ120の上昇が抑制されることができる。
【0034】
シール部140の上端には、外周面に沿って第2翼部141が形成されることができる。例えば、第2翼部141は、側壁の上端外周面から外側に突出するように形成されることができる。第2翼部141は、シール部140とシリンダー110との結合時、シリンダー110の外部に露出し、シリンダー110の上端に形成された配置溝112に収容されることができる。第2翼部141が配置溝112に収容されることで、第2翼部141の上面は、シリンダー110の第1翼部111の上面と同じ高さに揃えられることができる。このために、第2翼部141は、配置溝112の上下方向の凹み深さに対応する厚さを有するように具現されることができる。
【0035】
シール部140の内側下面には、貫通部142及び第1縁部143が形成されることができる。例えば、貫通部142は基底部の中央に形成されることができる。このような貫通部142を通ってステム150とピストンロッド130が相互結合されることができる。また、例えば、第1縁部143は、貫通部142から隔てて囲むように構成されており、基底部の上面から上向きに所定の長さだけ突出するように形成されることができる。貫通部142と第1縁部143との間に弾性部材160の下端が配置され、基底部の上面によって弾性部材160の下端が支持されることができる。この時、第1縁部143は、弾性部材160の外部への離脱を防止し、弾性部材160の下端が使用によって過度に外側歪みが行われることを制限する機能を果たすことができる。第1縁部143の外周面には、ハウジング部170との結合のための少なくとも一つの第1結合突起144が形成されることができる。
【0036】
実施形態において、シール部140の内側下面には、少なくとも一つの第1空気流入孔145がさらに形成されてもよい。例えば、第1空気流入孔145は、基底部を貫通して第1縁部143の外側に形成されることができる。第1空気流入孔145は、シリンダー110の内部と連通して、シールキャップ120の上側空間に空気を出入りさせることができる。
【0037】
実施形態において、シール部140の外周面には少なくとも一つの結合突起146が形成されることができる。例えば、結合突起146は側壁から外側に突出するように形成されることができる。このような結合突起146によって、シール部140とシリンダー110との堅固な結合が可能であり、シリンダー110の上部をより緊密に密閉することができる。実施形態によって、シリンダー110の内周面には結合突起146に対応する結合溝が形成されることができる。
【0038】
ステム150は、ピストンロッド130と結合されてピストンロッド130と一緒に昇降することができる。例えば、ステム150はノズルなどを介して外力が印加されると、下降しながらピストンロッド130を下降させ、外力が除去されると、上昇しながらピストンロッド130を上昇させることができる。このようなステム150の昇降によってシリンダー110の内部圧力が変わることができる。
【0039】
ステム150は、本体部151と第2縁部152とを含むことができる。
【0040】
本体部151は、下端がピストンロッド130と結合され、上下に貫通形成されており、ピストンロッド130から流入する内容物が本体部151介して上側に移動することができる。
【0041】
第2縁部152は、本体部151の上部外周面から外側に突出形成されることができる。第2縁部152の底面によって弾性部材160の上端が支持されることができる。第2縁部152の底面からシール部140の基底部の上面までの長さによって、弾性部材160の収容空間の長さが規定されることができる。この時、第2縁部152の底面からシール部140の基底部の上面までの長さは、弾性部材160の長さよりも短くてもよい。すなわち、弾性部材160は、安定状態での長さよりも短い長さに圧縮されてポンプ組立体100内に収容されることができる。
【0042】
実施形態において、第2縁部152の外側には下方延長部152-1が形成されてもよい。例えば、下方延長部152-1は、第2縁部152の周りから下側に所定の長さだけ突出するように形成されることができる。下方延長部152-1によって弾性部材160の離脱が防止されると同時に、ポンプ組立体100の使用による弾性部材160上端の過度な外側歪みが制限されることができる。
【0043】
実施形態において、第2縁部152には少なくとも一つの第2空気出入孔152-2が形成されることができる。例えば、第2空気出入孔152-2は、第2縁部152を上下方向に貫通して形成されることができる。弾性部材160がベローズタイプで具現される場合、第2空気出入孔152-2が弾性部材160の開口された上部と連通されることで、弾性部材160の圧縮及び解除時に発生する内部空気の圧縮及び膨脹を第2空気出入孔152-2によって解消できる。
【0044】
弾性部材160は、長手方向に圧縮及び圧縮解除が行われることにより、弾性力を発揮することができる。弾性力を用いて弾性部材160はポンプ組立体100のポンピング動作が行われるようにすることができ、ポンプ組立体100は、ポンピング動作を通じて内容物を吸入し吐出することができる。
【0045】
弾性部材160は、下端がシール部140(例えば、基底部の上面など)によって支持され、上端はステム150(例えば、第2縁部152)によって支持されることができる。使用者がポンプ組立体100(特に、ステム150)を押圧すると、ステム150が下側に移動しながら弾性部材160が圧縮されることができる。このとき、ステム150に結合されたピストンロッド130が一緒に下側に移動することができる。また、使用者が押圧を解除すれば、弾性部材160の弾性力がステム150を上側に復帰させることができる。この時、ステム150に結合されたピストンロッド130が一緒に上側に移動することができる。
【0046】
実施形態で、弾性部材160は、ベローズタイプで具現され、側面が密閉され、上部と下部が開口されることができる。具体的に、弾性部材160には外側に突出した山部161と、該山部161から内側に引き込まれた谷部162とが、長手方向に沿って繰り返し形成されながら側面が密閉されることができる。このような山部161及び谷部162の構造によって、ステム150への押圧時、弾性部材160の側面は曲げ歪みが行われることができる。
【0047】
実施形態で、弾性部材160の上端及び/または下端には、支持体163が形成されてもよい。例えば、支持体163は、弾性部材160の上端及び/または下端の一部が弾性部材160の内側に折り曲げられることで形成されることができる。支持体163は、水平方向に所定長さが延びることができ、このような支持体163によって弾性部材160は、第2縁部152の底面及び/またはシール部140の基底部の上面に安定的に密着可能になる。
【0048】
実施形態で、弾性部材160は、ポンプ組立体100のピストンロッド130の行程距離よりも長い長さを持つことができる。前記長さは、弾性部材160が圧縮または伸長されない、安定状態(steady state)の長さであって、例えば、前記長さは、ピストンロッド130の行程距離の1.4倍~3倍の値であってもよい。ただし、これに限定されるものではなく、弾性部材160の材質、形状などによって前記長さが多様に設定されることができる。すなわち、弾性部材160の長さは、繰り返し圧縮による歪みを考慮して、歪み後の弾性部材160の圧縮距離がピストンロッド130の行程距離に対応するか、これに近似するように決定されることができる。
【0049】
実施形態において、弾性部材160は、部分圧縮された状態で、ポンプ組立体100内に収容されることができる。このために、弾性部材160は、ポンプ組立体100の収容空間(例えば、ステム150からシール部140までの間の空間)よりも長い長さを有することができる。例えば、弾性部材160は、それぞれの収容空間に比べて1.3倍~3倍の長さ若しくは1.7倍~2.2倍の長さを有することができ、ただし、これに限定されるのではない。このように、弾性部材160が部分圧縮されてポンプ組立体100に収容されることで、弾性部材160が繰り返し圧縮によって復元率が劣るように変形されても、弾性部材160を収容する収容空間の大きさが変わる必要なく、弾性部材160が安定的に配置されることができる。
【0050】
実施形態で、弾性部材160の少なくとも一部は、軟質のプラスチック材質からなることができる。例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリケトン(POK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリオキシプロピレン(POP)、エラストマー、ポリオレフィンエラストマー(POE)、共重合体、エチレンオクテン/ブテン共重合体(Ethylene Octene/Butene Copolymers)などを含むことができる。ただし、これらに限定されるものではない。このように軟質のプラスチックを材質とすることで、弾性部材160の作製を容易にするとともに、従来の金属材質のばねよりも製造コストを節減ができる。また、ポンプ組立体100の他の構成要素との分離・廃棄の問題を解決できることから環境にやさしい。
【0051】
実施形態において、弾性部材は射出成形によって製造されることができる。したがって、ブロー成形などによる場合に比べてより安定した性能を提供することができる。
【0052】
ただし、弾性部材160の形状及び構成は例示的なものであって、本発明が適用される実施形態によって様々な形状及び構成が適用され得る。
【0053】
ハウジング部170は、シリンダー110の上端を囲むように結合されてポンプ組立体100を容器部の上端(例えば、口部)に着脱自在に結合させることができる。
【0054】
ハウジング部170は、収容部171-1、171-2と、側壁部172と、これらを連結する連結部173とを含むことができる。収容部171-1、171-2は、上部及び下部が開口されて内部に中空が形成されており、ステム150及び弾性部材160の少なくとも一部を内側に収容することができる。また、側壁部172は、連結部173によって収容部171-1、171-2と連結され、収容部171-1、171-2から外側に隔てて配置され、内周面に結合部(例えば、ねじ結合部)が形成されて容器部と着脱自在に結合されることができる。
【0055】
実施形態で、収容部171-1、171-2は、連結部173を中心に上側に位置する第1収容部171-1と、下側に位置する第2収容部171-2とで構成されることができる。
【0056】
第1収容部171-1は、ステム150の第2縁部152に対応する高さまで上側に延びていることができる。これによって、弾性部材160が外部に露出しないで、収容部171-1、171-2の内側に完全に収容されることで、ポンプ組立体100の保管あるいは容器部との組み立て工程において、弾性部材160が破損することを防止することができるようになる。
【0057】
第2収容部171-2は、シール部140の内側に挿入されてシール部140の内面に密着されることができる。ハウジング部170は、第2収容部171-2によってシール部140と結合されることができる。このために、第2収容部171-2の下端内周面に沿って第2結合突起174が形成されることができる。すなわち、第2収容部171-2がシール部140の内側に挿入されることによって、シール部140の第1縁部143に形成される第1結合突起144に第2結合突起174が締結されることで、ハウジング部170はシール部140と結合されることができる。
【0058】
実施形態で、ハウジング部170は、シリンダー110の第1翼部111及びシール部140の第2翼部141を内面に向かって同時に押圧して、容器部の上端に固定することができる。例えば、ハウジング部170が容器部の上端にねじ結合されると、連結部173の底面が第1翼部111及び第2翼部141の上面を同時に下向きに押圧するようになり、これによって、第1翼部111及び第2翼部141が容器部の上端とハウジング部170との間に固定されることができる。
【0059】
図8は、本発明の実施形態による内容物容器の断面図を示す。
【0060】
図8を参照すれば、内容物容器は、ポンプ組立体100、容器部200、及びノズル300を含むことができる。
【0061】
容器部200は、内容物が収容される収容空間を提供することができる。容器部200に収容された内容物は、ノズル300などを介して外部に吐出されて使用者によって用いられることができる。ここで、内容物は、例えば、化粧品(すなわち、化粧料)や薬品であってもよいが、これらに限定されず、容器部200に収容されてノズル300を介して排出されることができる多様な種類または成分の物質を含むことができる。液状、ゲル状、粉末状のなど内容物の剤形も様々なものであってもよい。また、容器部200がボトル(bottle)型で示されているが、これは例示的なものであって、チューブ(tube)、トトル(tottle)などの種々の容器部200が適用されることができる。
【0062】
容器部200の上端には、ポンプ組立体100(例えば、シリンダー110の第1翼部111)が配置することができる。ポンプ組立体100によって容器部200に収容された内容物が外部に吐出されることができる。容器部200の口部の外側にはポンプ組立体100のハウジング部170が結合することができる。容器部200とハウジング部170との結合によって、ハウジング部170はシリンダー110の第1翼部111及びシール部140の第2翼部141を押圧して固定させることができる。
【0063】
ノズル300は、使用者からの外力が印加されてポンプ組立体100に伝達し、ポンプ組立体100から吐出される内容物を外部へ排出することができる。ノズル300は、上側で使用者から外力を印加されて上下移動することができ、下側ではピストンロッド130と当接することができる。ノズル300の昇降は、ピストンロッド130の昇降を引き起こすことができる。
【0064】
以上のように、本発明による実施形態をたとえ限定された実施形態及び図面によって説明したが、当該技術分野における通常の知識を持つ者であれば前記の記載から多様な修正及び変形が可能である。なお、各々の実施形態は、必要によって互いに組み合わせられて 運用することができる。それゆえ、他の具現例、他の実施例、及び後述する請求範囲と均等なものなども本発明の範疇に属する。
【符号の説明】
【0065】
100 ポンプ組立体
110 シリンダー
111 第1翼部
112 配置溝
120 シールキャップ
130 ピストンロッド
140 シール部
141 第2翼部
142 貫通部
143 第1縁部
144 第1結合突起
145 第1空気流入孔
146 結合突起
150 ステム
151 本体部
152 第2縁部
152 下方延長部
152 第2空気出入孔
160 弾性部材
161 山部
162 谷部
163 支持体
170 ハウジング部
171 収容部
171 第1収容部
171 第2収容部
172 側壁部
173 連結部
174 第2結合突起
200 容器部
300 ノズル
PBT ポリブチレンテレフタレート
【国際調査報告】