(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】送り込みおよび送り出しを含むケーブル加工
(51)【国際特許分類】
H02G 1/14 20060101AFI20240403BHJP
H01R 43/28 20060101ALN20240403BHJP
【FI】
H02G1/14
H01R43/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556933
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 IB2021052229
(87)【国際公開番号】W WO2022195325
(87)【国際公開日】2022-09-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599122503
【氏名又は名称】シュロニガー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ズビンデン ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ブリッケンストーファー ヴィリィ
【テーマコード(参考)】
5G355
【Fターム(参考)】
5G355AA01
5G355CA09
(57)【要約】
本発明は、ケーブル加工機(90)の少なくとも1つのケーブル加工ステーション(70a,70b)内で長く、かつ/または重く、比較的屈曲剛性の事前切断済みケーブル(80)のケーブル端部を、特に自動的に加工するためのケーブル加工機(90)と、ケーブル運送装置(10)とを備えるケーブル加工システムに関する。ケーブル運送装置(10)は、ケーブル(80)のケーブル端部(81)のうちの少なくとも1つを少なくとも1つのケーブル加工ステーション(70a,70b)に運送するためのケーブル運搬装置(320a,320b)と、ケーブル(80)のケーブル残材(80c,80c1,80c2)を運送するように設計された吊り下げ運送装置(50)を用いて設計される。このケーブル残材(80c,80c1,80c2)は、吊り下げられた形、例えば吊り下げケーブルロール(80c)として運送される。本発明によれば、吊り下げ運送装置(50)は、少なくとも1つのガイド(51a,51b,51c,51d)および複数の吊り下げ運送ユニット(53)を有する。これらの吊り下げ運送ユニット(53)は、ガイド(51a,51b,51c,51d)で変位することができ、ケーブル残材(80c,80cl,80c2)の吊り下げ部として設計される。吊り下げ運送ユニット(53)は、吊り下げられたケーブル残材(80c,80c1,80c2)が垂直軸を中心にして吊り下げ運送ユニット(53)により、または吊り下げ運送ユニット(53)で回転可能になるように設計される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル加工機(90)の少なくとも1つのケーブル加工ステーション(70a,70b)で特に重く、かつ/または比較的屈曲剛性の事前切断済みケーブル(80)の少なくとも1つのケーブル端部(81)を自動的に加工するための機械制御部(93)を備える前記ケーブル加工機(90)を備えるケーブル加工システムであって、
前記ケーブル(80)を運送するために形成されたケーブル運送装置(10)を備え、前記ケーブル運送装置(10)は、
-前記ケーブル(80)の前記ケーブル端部(81)のうちの少なくとも1つを前記少なくとも1つのケーブル加工ステーション(70a,70b)に運送するためのケーブル運搬装置(320a,320b)と、
-前記ケーブル(80)のケーブル残材(80c,80c1,80c2)の吊り下げ運送のために形成された吊り下げ運送手段(50)と、を備える、ケーブル加工システムにおいて、
前記吊り下げ運送手段(50)は、
-少なくとも1つのガイド(51a,51b,51c,51d)と、
-いくつかの吊り下げ運送ユニット(53)とを有し、
前記吊り下げ運送ユニット(53)は、前記ガイド(51a,51b,51c,51d)で変位可能であり、前記ケーブル残材(80c,80c1,80c2)の吊り下げ部として形成され、
前記吊り下げ運送ユニット(53)は、前記吊り下げ運送ユニット(53)に吊り下げられたケーブル残材(80c,80c1,80c2)が垂直軸を中心にして前記吊り下げ運送ユニット(53)により、または前記吊り下げ運送ユニット(53)で回転可能になるように設計されることを特徴とする、ケーブル加工システム。
【請求項2】
前記ケーブル加工ステーション(70a,70b)のうちの少なくとも1つは、前記ケーブル端部(81)の長手方向の軸を中心にして前記ケーブル端部(81)の加工中または加工のために、好ましくは回転駆動部を備えるステーション把持部(72)により前記ケーブル端部(81)を回転させるように形成され、
前記ステーション把持部(72)ないしは前記ケーブル端部(81)の回転位置を検出するためのセンサおよび/またはカメラ(71)が、前記ケーブル加工ステーション(70a,70b)の領域にさらに配置されることを特徴とする、請求項1に記載のケーブル加工システム。
【請求項3】
前記吊り下げ運送ユニット(53)のうちの少なくとも1つは、
-前記ガイド(51a,51b,51c,51d)に適合する台車またはスライド(531)と、
-運送ユニット(52a,52b,52c,52d)の追随部(521)のための対向面と、
-好ましくはフック形状で、カラビナ(55b)を備えて、またはピン(55c)として具現化される吊り下げ留め具(55)の回転可能な保管部(54)であって、前記カラビナ(55b)または前記ピン(55c)に、前記吊り下げ留め具(55)、好ましくは成形要素(550)を取り付けることができる保管部(54)と、を備えて形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のケーブル加工システム。
【請求項4】
前記吊り下げ運送ユニット(53)は、成形要素(550)を備えて形成され、
前記成形要素(550)は、
湾曲領域と、前記ケーブル残材(80c,80c1)の下位領域を吊り下げることができるようにU字外形を少なくとも部分的に形成する領域とを備えて形成され、
かつ/または
代替的に、前記ケーブル残材(80c2)をその未加工ケーブル端部で固定し、垂直に吊り下げることができるように保持領域(552)を備えて形成され、前記ケーブル残材(80c,80c1,80c2)が少なくとも1つのケーブル断面で留め要素(551)により前記成形要素(550)に固定可能となるように、前記成形要素(550)は好ましくは形成され、
前記成形要素(550)は、特に前記少なくとも1つの吊り下げ運送ユニット(53)の前記吊り下げ留め具(55)に交換可能に取り付けることができるように形成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの吊り下げ運送ユニット(53)は、前記ケーブル残材(80c,80c1,80c2)を直接的または間接的に吊り下げることができる吊り下げ留め具(55)を備えて形成され、
前記吊り下げ留め具(55)は、特に前記ケーブル残材(80c,80c1,80c2)の吊り下げ状態において、前記垂直軸が前記ケーブル残材(80c,80c1,80c2)の対称軸に本質的に対応するように設計されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項6】
前記吊り下げ留め具(55)は、前記ケーブル残材(80c,80c1,80c2)が解放可能な留めユニットにより、好ましくはロープ(54s)により、またはカラビナ(55b)により、またはピン(55c)により、またはケーブルタイ(80x)により間接的に前記吊り下げ留め具(55)に固定可能となるように形成されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項7】
吊り下げケーブルロール(80c)としての前記ケーブル残材(80c,80c1,80c2)を収納するために十分な空間が提供されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項8】
前記ガイド(51a,51b,51c,51d)の前記吊り下げ運送ユニット(53)を移動するように形成された少なくとも1つの能動的運送手段(52a,52b,52c,52d)が、前記ガイド(51a,51b,51c,51d)の前記領域内の前記ケーブル加工機(90)に設けられ、
前記運送手段(52a,52b,52c,52d)は、好ましくは前記吊り下げ運送ユニット(53)の対向面に適合する少なくとも1つの追随部(521)と、前記ガイド(51a,51b,51c,51d)と平行に前記追随部(521)を移動させる運送駆動部を備えて形成され、
特に、前記運送駆動部は、前記追随部(521)が同期して、または対応する前記ケーブル端部(81)の平均運送速度で移動するように形成されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項9】
複合運送手段(52d)が前記運送体ガイド(51a)の前記領域内の前記ケーブル加工機(90)の入力側(95a)で前記ケーブル加工機(90)に配置され、前記複合運送手段は、好ましくは複合保管部(30c)と組み込みガイドレールとのドッキング中、または追加の台車(30e)のドッキング中に前記複合運送手段(52d)と、前記吊り下げ運送ユニット(53)のうちの少なくとも1つとの係合を達成するように形成されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項10】
前記複合運送手段(52d)は、前記吊り下げ運送ユニット(53)のうちの少なくとも1つ毎にいくつかの追随部(521)を有し、好ましくは回転ベルト(524)ないしはチェーン、ツインベルトコンベア、コンベアベルト、またはウォーキングビームコンベアを備えて形成されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項11】
前記吊り下げ運送手段(50)は、前記吊り下げ運送ユニット(53)のうちの少なくとも1つが、特に前記ケーブル加工機(90)の前記出力側(95b)で隣接する前記吊り下げ運送ユニット(53)によりさらに押されるように形成されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項12】
前記運送手段(52a,52b,52c)は、受動的に、ないしは駆動部なしで形成され、前記吊り下げ運送ユニット(53)は、前記ケーブル加工機(90)の前記ケーブル運搬装置(320a,320b)または把持部(11a,11b,20a,20b,20c,20d)により引っ張られ、ないしは変位することができることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項13】
前記運送手段(52a,52b,52c)は、好ましくは前記変位領域が重なり合い、かつ両方の隣接する運送手段(52a,52b,52c)が前記重なり合う領域で前記吊り下げ運送ユニット(53)と同時に動作接続するように設計されたいくつかの隣接する運送手段(52a,52b,52c)を備えて形成され、特に前記ケーブル加工ステーション(70a,70b)のうちの1つは、それぞれの対応するステーション運送手段を備え、前記ステーション運送手段の前記変位領域は、隣接するケーブル加工ステーション(70b,70a)と重なり合うことを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項14】
前記ケーブル加工機(90)は、入力側(95a)および出力側(95b)を有し、
前記ガイド(51a,51b,51c,51d)は、
前記ケーブル加工機(90)の前記入力側(95a)および/または前記出力側(95b)から突出し、それにより
前記ケーブル残材(80c,80c1,80c2)を前記吊り下げ運送ユニット(53)に吊り下げ、ないしは前記吊り下げ運送ユニット(53)から取り外すことができ、かつ/または
前記吊り下げ運送ユニット(53)を周囲で前記ガイド(51a,51b,51c)に挿入し、ないしは前記ガイド(51a,51b,51c)から引き出し、ないしは押し出すことができることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項15】
前記ガイド(51a,51b,51c,51d)は、空の吊り下げ運送ユニット(53)を出発点に再び案内することができるように設計され、
好ましくは、
前記ガイド(51a,51b,51c,51d)は、この目的のために無限ループとして、好ましくは長円形状に設計され、かつ/または
前記吊り下げ運送ユニット(53)は異なるガイド(51a,51b,51c,51d)の間でリフト(56ab)の支援により搬送されることを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項16】
前記ケーブル(80)を、交換可能な追加の台車(30e)に吊り下げられるように前記ケーブル加工機(90)に供給することができ、前記追加の台車(30e)で前記吊り下げ運送ユニット(53)をガイド(51d)から前記ケーブル加工機(90)の前記ガイド(51c)に送達することを行うことができるように前記追加の台車(30e)をドッキングすることができ、
前記ケーブル(80)の前記ケーブル端部領域(82)を前記ケーブル加工機(90)のケーブル運搬装置(320a,320b)に導入することができ、
前記ケーブル運搬装置(320a,320b)は、前記ケーブル加工機(90)または恒久的にドッキングされる複合保管部(30a,30b)の好ましくは固定設置された部品であることを特徴とする、請求項1~15のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項17】
前記ケーブル加工機(90)の外部に前記ケーブル残材(80c,80c1,80c2)を運搬するために、前記ケーブル加工システムは、規定された位置で前記ケーブル加工機(90)にドッキングすることができる、少なくとも1つの床もしくは天井で支持されるモバイル複合保管部(30a,30c)および/または追加の台車(30e)を有し、
前記複合保管部(30a,30c)および/または前記追加の台車(30e)は、前記吊り下げ運送ユニット(53)のための少なくとも1つのガイド(51a,51b)を備え、
前記ガイド(51a,51b)は、前記複合保管部(30a,30c)がドッキングされた場合、または前記追加の台車(30e)がドッキングされた場合、前記吊り下げ運送ユニット(53)を前記複合保管部(30a,30c)または前記追加の台車(30e)の前記ガイド(51a,51b)と前記ガイド(51c)との間で前記ケーブル加工機(90)に送達することができるように設計されることを特徴とする、請求項1~16のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項18】
前記複合保管部(30a,30b)は、対応するケーブル(80)の少なくとも1つのケーブル端部(81)をその都度挿入することができるケーブル保持部(32a,32b,32c,32d)を備え、前記吊り下げ運送ユニット(53)の送達に加えて、前記少なくとも1つのケーブル端部(81)の送達も前記複合保管部(30a,30b)と前記ケーブル加工機(90)との間で行うことができることを特徴とする、請求項1~17のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項19】
前記複合保管部(30a,30b)は、いくつかのケーブル保持部(32a,32b,32c,32d)を有するケーブル運搬装置(320a,320b)として形成され、
前記ケーブル保持部(32a,32b,32c,32d)のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのウェブないしは追随部を有し、かつ/または支持体(324)および/もしくはクランプ(323)として形成することができ、1つのクランプ(323)および1つの支持体(324)を、好ましくは互いに同期して延びる1つもしくは2つのベルト(3203,3204)またはチェーン(3205)上に平行にその都度配置することができ、前記クランプ(323)は、弾性要素を有し、前記弾性要素の前負荷を設定することができ、前記弾性要素は、レセプタクル(3231)に固定され、前記ベルト(3203,3204)の運搬方向に沿ってまたは前記チェーン(3205)に沿ってガイド(3201,3202a,3202b)により案内することができることを特徴とする、請求項1~18のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項20】
前記ケーブル加工機(90)は、ケーブル保持部(32a,32b)を備えて形成され、前記ドッキングされた複合保管部(30a,30c)または前記追加の台車(30e)の吊り下げ運送ユニット(53)から吊り下げられた対応するケーブル(80)の提供された前記ケーブル端部(81)のうちの少なくとも1つを、前記ケーブル保持部(32a,32b)に挿入することができることを特徴とする、請求項1~19のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項21】
固定取り付け複合保管部(30a,30b)および固定取り付け吊り下げ運送手段(50)が前記ケーブル加工機(90)に取り付けられ、前記ケーブル運送装置(10)は、前記ケーブル(80)を前記固定取り付け吊り下げ運送手段(50)に吊り下げ、かつ前記ケーブル(80)の前記ケーブル端部(81)ないしは前記ケーブル端部領域(82)を前記複合保管部(30a,30b)の前記ケーブル保持部(32a,32b)に挿入ないしはクランプすることができるように形成されることを特徴とする、請求項1~20のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項22】
前記ケーブル運送装置(10)は、前記ケーブル加工機(90)内に前記ケーブル(80)のための少なくとも1つのフレーム支持・変位可能把持部(11a,11b,20a,20b,20c)を有し、
前記ケーブル運送装置(10)は、複合保管部(30a,30b)として形成され、いくつかのケーブル保持部(32a)を有するケーブル運搬装置(320a,320b)を備え、
前記把持部のうちの少なくとも1つ(20a)は、好ましくは送達把持部として形成され、前記ケーブル(80)のうちの1つを別のものに続いてそれぞれの前記ケーブル保持部(32a,32b)から取り外し、搬送把持部としての少なくとも1つのさらなる把持部(11a,11b,20b,20c)および/または前記ケーブル加工ステーション(70a,70b)のうちの1つに供給し、
前記搬送把持部(11a,11b,20a,20b,20c)は、前記ケーブル(80)を一つのケーブル加工ステーション(70a)から別のケーブル加工ステーション(70b)に送達することを行うためにフレーム支持・搬送機構(12a,12b,22a,22b,22c)により移動することができるように形成されることを特徴とする、請求項1~21のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項23】
好ましくはフレーム支持搬送機構(22a,22d)の支援で移動することができる少なくとも1つの把持部(20a,20d)を送達把持部として備える前記ケーブル加工機(90)は、前記ケーブル(80)のうちの1つを別のものに続いてそれぞれの前記ケーブル保持部(32a,32b)から取り外し、前記ケーブル加工ステーション(70a,70b)のうちの少なくとも1つおよび/またはさらなる把持部(11a,11b,20b,20c)に供給するように形成され、前記さらなる把持部(11a,11b,20b,20c)は、さらなるフレーム支持搬送機構(12a,12b,22b,22c)により移動可能になるように形成され、それにより前記ケーブル加工ステーション(70a,70b)のうちの1つへの前記ケーブル(80)の送達を行うことができることを特徴とする、請求項1~22のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項24】
ケーブル加工機(90)で重く、長く、かつ/または屈曲剛性のケーブル(80)を自動的に加工するため方法であって、
特に吊り下げ運送手段(50)の吊り下げ運送ユニット(53)に吊り下げられた形態のケーブルロール(80c)としての前記ケーブル(80)を提供するステップと、
少なくとも1つのガイド(51a,51b,51c,51d)で前記ケーブル加工機(90)の中を通って前記吊り下げ運送ユニット(53)を移動させるステップと、
ケーブル運搬装置(320a,320b)による前記ケーブル(80)の運搬、および/または前記ケーブル(80)のケーブル端部(81)ないしはケーブル端部領域(82)の少なくとも1つを運送するための少なくとも1つの把持部(11a,11b,22a,22b,22c)により、前記ケーブル加工機(90)の少なくとも1つのケーブル加工ステーション(70a,70b)内で前記ケーブル(80)の前記少なくとも1つのケーブル端部(81)を加工するステップとを含む方法において、
前記吊り下げ運送ユニット(53)に前記ケーブル(80c)を吊り下げ、前記吊り下げられたケーブルは、前記吊り下げ運送ユニット(53)に対して垂直軸を中心にして回転可能であることを特徴とする、方法。
【請求項25】
回転可能な保管が、前記吊り下げ運送手段(50)のガイド(51a,51b)で変位可能な吊り下げ運送ユニット(53)の吊り下げ留め具(55)により行われ、前記吊り下げ留め具(55)に前記ケーブル(80)が吊り下げられることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ケーブル(80)を提供する前記ステップは、前記吊り下げ運送ユニット(53)の前記吊り下げ留め具(55)に前記ケーブルを吊り下げることにより前記ケーブル加工機(90)で局所的に、好ましくは回転可能なフック(55a)、カラビナ(55b)、ロープ(55s)、ピン(55c)により、または前記吊り下げ留め具に取り付けられた成形要素(550)で行われることを特徴とする、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
前記ケーブル(80)を提供する前記ステップは、前記吊り下げ運送ユニット(53)のそれぞれの吊り下げ留め具(55)でいくつかのケーブルの吊り下げられた形態で行われ、前記吊り下げ留め具(55)は、モバイル複合保管部(30a,30b)のガイド(51a,51b)に設けられ、前記複合保管部(30a,30b)の前記ケーブル加工機(90)へのドッキングが行われることを特徴とする、請求項24~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記ケーブル(80)を提供する前記ステップは、前記ケーブル(80)の前記ケーブル端部(81)ないしは前記ケーブル端部領域(82)をそれぞれのケーブル保持部(32a,32b)、特に複合保管部(30a,30b)に挿入することとともに行われることを特徴とする、請求項24~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記ケーブル(80)の前記ケーブル端部(81)ないしは前記ケーブル端部領域(82)の前記挿入は、好ましくは前記ケーブル加工機(90)の前記ケーブル保持部(32a,32b)で局所的に行われることを特徴とする、請求項24~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記ケーブル(80)の前記ケーブル端部(81)ないしは前記ケーブル端部領域(82)の前記挿入は、前記運送体(34a,34b)の前記ケーブル保持部(32a,32b)で前記ケーブル加工機(90)とは別々に行われることを特徴とする、請求項24~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記ケーブル(80)の能動的移動は、前記吊り下げ運送手段(50)において、好ましくは電気的駆動部または空気圧駆動部により、前記ケーブル加工機(90)の駆動部から前記吊り下げ運送手段(50)への運動の伝達により、または一定力ばねにより行われることを特徴とする、請求項24~30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
ケーブル加工機(90)のケーブル加工ステーション(70a,70b)内で本質的に水平な軸を中心にして約1.5メートルを超える長さのケーブル(80)を回転させるための方法であって、
前記ケーブル(80)のケーブル端部(81)ないしはケーブル端部領域(82)を把持するステップと、
規定された位置に前記ケーブル端部(81)を回転させるステップとを含む方法において、
吊り下げ運送手段(50)の吊り下げ運送ユニット(53)における前記ケーブル(80)の吊り下げられた提供であって、前記吊り下げられたケーブル(80)は、前記吊り下げ運送ユニット(53)に対して垂直軸を中心にして回転可能であり、前記ケーブル(80)は、好ましくはケーブルロールの形態で提供され、特に引張の補償が、前記吊り下げ運送手段において前記ケーブル(80)の残りの部分の垂直回転運動による前記ケーブル端部(81)の水平回転によって行われる、吊り下げられた提供を特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部によるケーブル加工システムであって、少なくとも1つのケーブル加工ステーションにおいて、特に重く、かつ/または比較的屈曲剛性のケーブルの少なくとも1つのケーブル端部を自動的に加工するためのケーブル加工機を備え、特に、ケーブルは具体的には約2.5mを超える長さから始まるケーブルロールを形成するために巻かれた、約1.5mを超える長さの事前切断済みケーブル部品として提供されるケーブル加工システムに関する。さらに、本発明は、請求項24ないしは32による重くて屈曲剛性のケーブル(80)のケーブル端部を自動的に加工するための対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の長さから始まるケーブルが巻かれてケーブルロールまたはコイルを形成し、ケーブルの取り扱いおよび運送を簡略化する。本発明の観点からは、この場合のケーブルロールは、ケーブルをいわば無端で提供し、加工中にのみ切断されるケーブルドラムではなく、本質的に最終長にすでに切断された事前切断済みケーブル部品のコイルまたはロールである。これらの場合、ケーブル端部の少なくとも1つは、例えばストリッピング、コアの分割、絶縁体の除去、撚り、圧着、接合、ラベル張りまたはマーキング、プラグアセンブリ等、既知のケーブル加工ステップを用いてさらに加工する必要がある。
【0003】
特許文献1において、ケーブルロールは、ケーブルのそれぞれに対する特別なケーブルボックスの形で供給される。
【0004】
短いケーブルおよび細いケーブルについては、特許文献2または特許文献3は機械を示している。この機械の場合、内部の搬送ユニット上にそれぞれ個別に吊り下げられたケーブルを含むボックス全体がケーブル加工中に機械により移動する。
【0005】
特許文献4は、ワイヤ束を吊り下げるためのワイヤ束ループを提案している。ワイヤ束ループは、細長いハンガー本体と、いくつかの自立式部品とを有し、いくつかの自立式部品の上方部はハンガー本体と交差するように固定され、それにより複数の片持ち梁部品が片持ち梁本体の長手方向に等距離で配置される。
【0006】
特許文献5は、ケーブルループのケーブル端部を切断ユニットに円形状に送り出すための手段を示している。その際、いくつかの保持要素が用いられる。保持要素の間にはケーブルループが延びている。この場合、有利にはクロックレートで動作する回転搬送部ないしは回転式コンベアとともに小さな基部のみが必要となる。また、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、または特許文献10は、ケーブルループを運送するための既知の手段を示すとともに、特許文献11は、撚りをほどく手段を示している。
【0007】
異なる技術分野において、特許文献12は、C字フックを備える運搬装置によるワイヤロールの運送を示している。
【0008】
実際にはケーブルの自動供給により、多くの場合、特に製造公差が小さい、確実なケーブル加工が要求される場合に問題が生じることがこの既知の解決策の欠点である。
特に、上述のような重くて比較的屈曲剛性のケーブル(例えば、電気自動車用の充電ケーブル)の場合、ケーブルの取り扱いがさらに困難になることは問題である。この種のケーブルは、例えば、より細いケーブル程には容易に撚ることができない。したがって、長手方向の軸を中心とするケーブルの回転が、例えばケーブル端部の加工中にケーブルのコアを方向付けて加工ツールに適合させるために必要となる(特許文献13を参照)。そのようなことが、特にケーブル端部がケーブルロールから突出し、具体的にはこの突出した部品が比較的短いものの、固い場合には、重くて比較的屈曲剛性のケーブルに問題を生じさせる。先行技術で示したようなボックスまたはキャリアプレートの場合、そのようなことが、例えば引張を生じさせる可能性があり、それにより妨害、不正確な位置決め、または回転等をもたらす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国公開特許第10201611645号明細書
【特許文献2】米国特許第5125154号明細書
【特許文献3】米国特許第5152395号明細書
【特許文献4】中国特許第208485490号明細書
【特許文献5】欧州公開特許第2565992号明細書
【特許文献6】欧州公開特許第1073163号明細書
【特許文献7】欧州公開特許第2088649号明細書
【特許文献8】国際公開第99/14829号明細書
【特許文献9】独国特許第19844416号明細書
【特許文献10】欧州公開特許第0271742号明細書
【特許文献11】欧州公開特許第2421102号明細書
【特許文献12】韓国公告特許第100900668号明細書
【特許文献13】欧州公開特許第2871732号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を有さず、ケーブルの端部をその長手方向の軸を中心として回転させても引張が弱いロールを提供する装置を作製することである。
【0011】
本目的は、独立項の特徴部により解決される。さらなる有利な改良形態は、図面および従属項で説明する。
【0012】
そのようなことが重くて厚い屈曲剛性のケーブルの場合に実施可能でないことは別として、この種のケーブル加工システムは、ケーブル端部の加工における効率性、正確さ、および信頼性の向上を必要としている。例えば、特にこの種の剛性または固いケーブルを通常の標準的ケーブルと同様に取り扱うことができないことはこれらの既知の解決策の欠点である。具体的には、ケーブルロールとして存在する重くて比較的屈曲剛性のケーブルを取り扱うことができ、改良されたケーブル加工システムを提供するべきである。それにより、この場合に加工中、または加工前にケーブルの回転または移動が必要になるとしても、好ましくはそのようなケーブルの正確で確実なケーブル端部加工を提供するべきである。
【0013】
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を有さず、具体的には迅速かつ確実なケーブル加工を提供し、好ましくは作業者の恒久的存在および技能にも依存しないケーブル加工システムを提供することである。連続するケーブル加工も、好ましくは高レベルで自動化された、すなわち例えばインダストリー4.0用に設計された電子的製造システムまたは工場管理システムに統合することが可能であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本目的は、独立項の特徴部により解決される。有利なさらなる改良形態は、図面および従属項で説明する。
【0015】
本発明によれば、ケーブル加工システムが提供される。本システムは、フレーム上で重く、比較的屈曲剛性の事前切断済みケーブルのケーブル端部を自動的に加工するための機械制御部を備えるケーブル加工機を備える。この場合、本発明によるシステムは、特に、事前切断済みケーブル部品の形態のケーブルを積み込むために形成され、事前切断済みケーブル部品の少なくとも1つ、任意で両方のケーブル端部が加工される。この場合、ケーブルは、特に約1メートルを超える規定されたケーブル長のケーブル部品またはケーブル製品として存在する場合があり、ないしは1.5mより長い(例えば2m、5m、10m、25m、50m、またはそれ以上)ケーブルの場合には、ケーブルは、少なくとも1つ、好ましくはいくつかの回転を含み、またはそのような形状にして提供することができるケーブルアーチないしはケーブルループまたはケーブルロールを形成するように存在する場合もある。いくつかのケーブル加工ステーションへの経路で、これらのロールは運送され、それらのケーブル端部ないしはケーブル端部領域はほぼ真直ぐに保持されて、ケーブル加工機のケーブル加工ステーションに供給される。この場合、ケーブル端部は、必ずしもケーブルの切断面の平滑端部のみではなく、ケーブル端部領域、したがって例えばケーブル端部の領域、具体的には例えば最大で5cmもしくは10cm、または最大で約30cmもしくは50cmをいう。
【0016】
この場合、ケーブル加工システムは、ケーブルのケーブル端部のうちの少なくとも1つを少なくとも1つのケーブル加工ステーションに運送するためのケーブル運搬装置を備えて形成されたケーブル運送装置を有する。この場合、ケーブル運送装置は、複合保管部として形成され、ケーブルのケーブル端部のためのいくつかのケーブル保持部を有する少なくとも1つのケーブル運搬装置を備えてもよい。ケーブル運送装置は、ケーブルのうちのいくつかを能動的に運搬し、したがってその都度、能動的機構を用いてケーブルを移動し、複合保管部内に格納されたケーブルを複合保管部に対して継続的に移動するために、特に能動的に運搬するケーブル運搬装置として形成される。例えば、ケーブル運搬装置は、特に以下で説明し、および/または要約するように、素早い留め具を区間内に備える好ましくは分離可能なチェーンのためのコンベアベルト、ウォーキングビームコンベア、チェーンコンベア等の形態である。
【0017】
この場合、特に、ケーブル加工機内、またはケーブル加工ステーションで、および/ないしはケーブル加工ステーション間では、ケーブルないしはケーブル端部は、ケーブル運送装置によっても移動することができる。ケーブル運送装置は、ケーブル加工機ないしはケーブル加工ステーション内を通ってケーブル端部を運送するための運送システムにより変位することができる少なくとも1つのフレーム支持・把持部を備えて形成される。この場合、(例えばロールとしての)ケーブルの残りの部分は、運送システムないしは把持部に従って、好ましくはケーブル端部の移動およびケーブルの残りの部分の移動と全体として同期して移動する。
【0018】
ケーブル運送装置は、ケーブル端部(ケーブルのケーブル残材またはケーブル本体とも呼ばれる)の外側のケーブルの残りの部分を運送するために形成された吊り下げ運送手段をさらに有する。このケーブル残材の運送は、この場合、吊り下げられた形、特に吊り下げられたケーブルロールまたはケーブルコイルとして行われる。したがって、ケーブルは、第1のケーブル端部および最大で例えば約50cmの対応するケーブル端部領域を含む長手方向の区間に分割されたものとみなされるべきである。当該ケーブル端部、ならびにケーブル残材またはケーブル本体としてのケーブルの残りの部分が加工され、ケーブル残材(ただし、十分に長い)がケーブルロールまたはケーブルコイルとして提供され、これにより空間を節約し、絡み合いまたは引っ掛かりのリスクを低減することができる。
【0019】
本発明によれば、吊り下げ運送手段は、少なくとも1つのガイドおよびいくつかの吊り下げ運送ユニットを有する。吊り下げ運送ユニットは、ガイドで変位することができ、したがって移動可能であり、例えばガイドにおけるキャリッジ、スライド、ローラ、または滑動体として形成することができ、したがってガイドに沿って滑らかに移動することができる。このガイドは、床もしくは天井で支持され、またはケーブル加工機および/ないしは複合保管部のフレームに取り付けることができる。ガイドは、特にいくつかのガイドのネットワークとしても形成することができる。いくつかのガイドの間には、吊り下げ運送手段を搬送ないしは転送することができる。吊り下げ運送ユニットは、例えばケーブル残材の吊り下げ部として形成される。この場合、吊り下げ運送ユニットは、吊り下げられたケーブル残材が垂直軸を中心にして吊り下げ運送ユニットにより、または吊り下げ運送ユニットで回転可能になるように設計される。したがって、吊り下げられたケーブルは、特にガイドに対して回転可能であり、ないしは少なくとも垂直軸を中心にして枢動可能に取り付けられる。したがって、例えば、特にケーブル端部をケーブル加工ステーション内で/のために(ケーブル軸を中心にして、かつ/または任意にケーブル軸に直交して)回転させる必要がある場合、かつ/またはケーブル端部を不規則に/非同期的に移動する場合も、ケーブルロールの低引張運送を行うことができる。したがって、例えばケーブルが互いに引っ掛かりまたは詰まるのを回避することができる。
【0020】
この場合、機械は特に、加工するケーブルのレセプタクルのための入力側と、加工したケーブルを送達するための出力側とを有してもよい。入力側と出力側との間でケーブルの加工、好ましくは(必ずしもではないが)ケーブル端部の加工が、例えば絶縁体の除去、撚り、曲げ、圧着、組み立て、切断等により行われ、これらは少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ以上のフレーム支持ケーブル加工ステーションにより行われる。この場合、ケーブル加工機は、フレーム上に具現化されてもよい。これは、ケーブル加工ステーションが、例えば工場の建物内に個別に設置・分散されるというよりは、むしろ機械内にユニットとして組み込まれていることを意味する。ケーブル加工ステーションは、例えばモジュールとして、かつ/または機械を形成するフレーム構造体により相互接続され、好ましくは共通の筐体に組み込むこともできる。
【0021】
ケーブル加工機では、ケーブル運送装置がケーブルのための少なくとも1つの同様のフレーム支持・変位可能把持部を有することが好ましい。一方、そのような把持部は、ケーブルまたはケーブル端部を解放可能に保持する把持システムとして形成された下部領域、例えばケーブルの解放可能な確動的および/または非確動的クランプのための移動可能な顎部もしくは別の手段、真空保持部、または接着剤、磁気、もしくは重力による解放可能保持手段を備えるある種のペンチ把持部(ケーブルが現在保持されているか否か、および/またはケーブルが現在どの様に保持されているかを検出するための対応するセンサシステムを備えるか、備えない)を備えて形成される。この場合、把持部は変位可能になるように設計される。これは、機械基部、したがって例えばフレーム、ケーブル加工ステーション、および/または入力側もしくは出力側に対してケーブルを移動するように形成されていることを意味する。したがって、運送システムおよび/または変位可能な把持部は、少なくとも1つの回転移動軸または線形移動軸を有する。本発明によれば、ケーブル加工ステーションのうちの1つは、(ステーション)把持部または特定のケーブル回転手段を有してもよく、それにより、ケーブル端部の所望の位置合わせを達成するために、またはそのようなことが加工目的で要求される場合に、ケーブル端部をその軸を中心にして回転させることができる。また、ケーブル端部は、任意でケーブル軸に対して垂直に回転ないしは枢動してもよい。
【0022】
したがって、ケーブル加工ステーションのうちの少なくとも1つは、加工中、または加工のために、具体的にはケーブル端部の加工を準備し、または行うためにケーブル端部を、特にその長手方向の軸を中心にして回転させるように形成されることが好ましい。この回転は例えば、回転駆動部を備えるステーション把持部により行うことができる。センサおよび/またはカメラは典型的に、ケーブル端部の回転位置または向きを検出するために設けられ、それにより回転を用いて仕様に従ってケーブル端部を位置合わせし、または方向付けを行い、ケーブル加工ステーション内でケーブルの個別のコアを加工ツールに適合させるように方向付けることができる。
【0023】
この場合、複合保管部として形成されるケーブル運搬装置は、特に、以下で例示的に説明するようにケーブル保持部を備えて、例えば複合保管部内でケーブル運搬装置により移動されるケーブルのうちの1つないしはケーブル端部のうちの1つのためのクランプ、支持体、区画、または分離ウェブ(対)として形成することができる。2つのケーブル保持部は互いに離間され、好ましくはケーブル用に用いられ、ケーブル保持部のうちの一方がクランプとして具現化され、他方は支持体として具現化されることが好ましい。この場合、クランプは例えば、ケーブルを部分的に囲む2つの弾性で本質的に平行な部品の間の外周の下位領域で、ケーブルを力でクランプする要素である。支持体は例えば、埋め込み形状として形成することができ、ケーブルはこの中で重力のために静止するようになる。ケーブルは、好ましくは横方向の分離ウェブにより規定の位置領域で横方向保持され、その際、分離ウェブの間でケーブルを力でクランプしない。
【0024】
この場合、ケーブル加工機は、細いケーブル、標準的ケーブル、および太く屈曲剛性のケーブルを同じ機械を用いて、具体的には機械に著しい改造を行う必要なく加工することができるように形成されることが好ましい。この場合、好ましい実施形態では、例えば数十cmの短いケーブル部品および数メートルの長いケーブルは、同じ機械により、特にケーブル端部用の複合保管部の他に、ケーブル加工機の吊り下げ運送手段をより長いケーブルに追加で用いることにより加工することができる。例えば、本発明による複合保管部は、柔軟なケーブルも一緒に提供または運搬することができるように形成されてもよい。
【0025】
この場合、吊り下げ運送ユニットのうちの少なくとも1つは、好ましくはガイドに適合する台車(またはスライド、グライダトロリー等)を備えて形成され、それにより当該吊り下げ運送ユニットをガイドに沿って移動することができる。吊り下げ運送ユニットは、さらに好ましくは運送ユニットの追随部が運送ユニットにより移動するための対向面を示してもよい。垂直に回転可能な保管部は、吊り下げ留め具の回転可能な保管部、例えば滑りベアリングまたはボールベアリングにより提供されてもよい。具体的には、吊り下げ留め具は、吊り下げられるようにケーブルを提供するためにフック形状で、カラビナを用いて、またはピン(ロックを含む)として具現化されてもよい。例えばプラスチックまたは金属製の成形要素も、好ましくは有利にケーブルを吊り下げることができるようにするために、この吊り下げ留め具に取り付けられることができるようにしてもよい。
【0026】
吊り下げ運送ユニットは、好ましくは成形要素を備えて形成される。成形要素は、湾曲領域と、ケーブル残材の下位領域を吊り下げることができるように、したがって例えば湾曲領域がケーブルのループまたはロールと少なくとも類似の半径を有し、それによりケーブルが完全かつしっかりと支持されるようにU字外形を少なくとも部分的に形成する領域とを備えて形成される。
これに代えてまたは加えて、成形要素は、特に短すぎてロールを形成できないケーブルについてはケーブル残材を未加工のケーブル端部に代替的に固定し、(例えば、クランプ、切込み、ホチキス止め、摩擦固定等により)垂直に(または直交して)吊り下げることができるように保持領域を備えて形成される。
【0027】
この場合、成形要素は、好ましくは、成形要素を通して、または成形要素の周囲に固定することができる、例えばクリップ、ゴムバンド、ケーブルタイ、フック・ループ留め具等により滑動を防止するために、留め要素によりケーブル残材の少なくとも1つのケーブル断面が成形要素に固定可能となるように形成されてもよい。
【0028】
成形要素は、少なくとも1つの吊り下げ運送ユニットの吊り下げ留め具に交換可能に取り付けることができるように形成され、それにより吊り下げ留め具自体または異なる成形要素のうちの1つを用いる(その都度、ケーブルに適合させる)ことができるように形成されてもよい。
【0029】
少なくとも1つの吊り下げ運送ユニットは、好ましくはケーブル残材を直接的または間接的に吊り下げることができる吊り下げ留め具を備えて形成される。この場合に、直接的とは、ケーブルまたはケーブルロールが介在する中間要素を用いずに吊り下げ留め具に吊り下げられ、例えばロールが成形要素または吊り下げ留め具のフックに吊り下げられることを意味する。間接的とは、フック、ひも穴、ロープ、ケーブルタイ等の中間要素がケーブルと吊り下げ留め具との間に取り付けられることを意味する。この場合、吊り下げ留め具は、具体的には特にクリップに固定された短いケーブルの場合に、回転可能性の垂直軸がケーブル残材ないしはロールの対称軸に本質的に対応するように設計されてもよい。
【0030】
この場合、吊り下げ留め具は、好ましくはケーブル残材を解放可能な留めユニット、例えばコード、ロープ、カラビナ、ピン、ケーブルタイ等により間接的に固定することができるように形成することができる。この留めユニットにより、最も多様な構成を達成し、かつ/または垂直の回転可能性を達成することができる。この場合、ケーブルがロープに吊り下げられるように、例えば1本のロープがケーブルまたはケーブルロールの周囲に巻き付けられ、かつ/または結び付けられてもよい。ケーブルが吊り下げられたこのロープは、次に吊り下げ留め具、例えばフック、カラビナ、またはロックを含むピン等に取り付けられてもよい。
【0031】
ケーブル残材は、好ましくは、吊り下げケーブルロール、例えばケーブルの少なくとも1つの巻きを含むコイル、巻かれたケーブル、長いロールまたはきれいな輪もしくは撚られた輪に挿入されたケーブル、あるいは八の字形状に撚られたケーブル等として形成される。このケーブルは、コンパクトかつ安定的に運送され、多くの場合はさらに直接加工し、またはこの形状で流通させることもできる。そのようなケーブルロールは、本質的に丸くなるように、具体的には本質的に円形または長円形になるように具現化されてもよい。また、ケーブルロールは、例えばケーブルタイ、粘着テープ、フィルム、ワイヤ等によりその外周に沿ったいくつかの個所の断面で保持ないしは結合することができるのが好ましい。ケーブルロールは、具体的にはケーブルの少なくとも1つの完全な巻き、好ましくはいくつかの巻きを有する。この場合、加工されるケーブルロールの少なくとも1つのケーブル端部またはケーブル端部領域はロールから突出し、または除去することができ、それによりケーブルロールが吊り下げ留め具に吊り下げられる間に、(好ましくは少なくともほぼ広げられた体勢で)ケーブル端部用の複合保管部に挿入することができる。
【0032】
ガイドの少なくとも1つの吊り下げ運送ユニットを移動するように配置および形成された少なくとも1つの能動的運送手段が、好ましくはガイドの領域内のケーブル加工機に設けられる。この運送手段は、吊り下げ運送ユニットの対向面に適合するように形成された少なくとも1つの追随部を有し、それにより吊り下げ運送ユニットを運送手段により移動することができる。この追随部を移動するための運送駆動部は、具体的には少なくとも個別にガイドに対して平行に配置され、それにより吊り下げ運送ユニットをガイドに沿って運搬することができる。運送駆動部は、具体的には同期し、または移動された吊り下げ運送ユニットに吊り下げられたケーブルのケーブル端部の平均運送速度で移動するように、特にケーブル運搬装置および/または対応する搬送機構を備える把持部の移動に追随するように形成される。
【0033】
複合運送手段は、好ましくは運送体ガイドの領域内のケーブル加工機の入力側でケーブル加工機に配置される。この場合、少なくとも1つの吊り下げ運送ユニットにおける複合運送手段と複合吊り下げ運送手段のガイドとの係合は、具体的には複合保管部のドッキング中、または複合吊り下げ運送手段としての追加の台車のドッキング中に行われ、それにより吊り下げ運送ユニットを運搬することができる。したがって、例えばモバイル台車のガイドに吊り下げられた吊り下げ運送ユニットは、台車がケーブル加工機に運ばれ、台車がケーブル加工機の複合運送手段により吊り下げ運送ユニットを機械に(ないしはその逆も当てはまる)運搬することができるようにドッキングすることができる。
【0034】
複合運送手段は、好ましくは吊り下げ運送ユニットのうちの少なくとも1つ毎にいくつかの追随部を有し、具体期には回転ベルトないしはチェーン、ツインベルトコンベア、コンベアベルト、ウォーキングビームコンベアを備えて形成され、これらにより吊り下げ運送ユニットをガイドに運搬することができる。この場合、ウォーキングビームは、具体的には例示的な実施形態に基づいて以下に説明するように、追随部を介して個別の線形推進力をその都度、提供する手段である。いくつかの吊り下げ運送ユニットが同時に移動するため、吊り下げ運送ユニットに吊り下げられたケーブル残材の移動は、ケーブル運搬装置の対応するケーブル端部領域の移動と単純に同期することができる。
【0035】
吊り下げ運送手段は、好ましくは吊り下げ運送ユニットのうちの少なくとも1つが吊り下げ運送ユニットのうちの別の1つによりさらに押されるように形成される。ケーブル加工機の出力側で、吊り下げ運送ユニットは例えば、次々に完全に製造されたケーブルとともにガイドに挿入される。当該ガイドは(例えば台車での)取り出しのために設けられる。
【0036】
代替的な実施形態では、運送手段は、好ましくは受動的に形成され、吊り下げ運送ユニットは、ケーブル運搬装置またはケーブル加工機の把持部により引っ張ることができ、それにより吊り下げ運送ユニットは、受動的にケーブル端部の移動に追随する。この種の受動的な運送手段は例えば、ばね、具体的には一定力のローラばねの形態で設計することができるであろう。吊り下げ運送ユニットは、銃の弾倉中の薬莢と同様に、互いにさらに押される。
【0037】
運送手段は、好ましくはいくつかの隣接する運送手段を備えて形成される。隣接する運動手段は、具体的にはその変位領域が重なり合い、両方の隣接する運送手段がこの重なり合う領域で吊り下げ運送ユニットのうちの少なくとも1つと同時ないしは一緒に動作接続するように設計される。この場合、具体的にはケーブル加工ステーションのうちの1つがそれぞれの対応するステーション運送手段を備えてもよく、ステーション運送手段の変位領域が、隣接するケーブル加工ステーションの変位領域と重なり合い、それにより本質的に連続的なさらなる運送をいくつかのケーブル加工ステーションおよび/またはガイドにより行うことができる。
【0038】
ガイドまたは運送手段(任意でガイドの少なくとも1つの部分的部品と一緒に)は、ケーブル残材を吊り下げ運送ユニットに吊り下げ、ないしは吊り下げ運送ユニットから取り外すことができるように、かつ/または吊り下げ運送ユニットをガイドに挿入し、ないしは押し出し、ないしはガイドから引っ張り出すことができるように、好ましくはケーブル加工機の入力側および/または出力側から突出する。したがって、具体的にはケーブル加工機の周辺での積み込みおよび/または積み下ろしも、動作中に手動または自動のいずれかで可能である。
【0039】
一実施形態では、ガイドは、空の吊り下げ運送ユニットを出発点に再び案内することができるように、したがって吊り下げ運送ユニットの循環的動作を行うように好ましくは設計される。この目的のために、ガイドは、無限ループ、例えば長円形状で設計されてもよく、かつ/または吊り下げ運送ユニットは、異なるガイドの間でリフトの支援により、例えばケーブル加工中に前進するための第1のガイドを設け、積み下ろされた吊り下げ運送ユニットを戻すための第2のガイドを設けることにより、移動することができる。
【0040】
ケーブルは、交換可能な追加の台車に吊り下げられるようにケーブル加工機に供給することができるのが好ましい。当該追加の台車は、追加の台車のガイドからケーブル加工機のガイドへの吊り下げ運送ユニットの送達を行うことができるようにドッキングすることができる。この場合、これらのケーブルのケーブル端部をケーブル加工機のケーブル運搬装置に、例えば、作業者またはロボットによりケーブル加工機で局所的に導入することができる。ケーブル運搬装置は、具体的にはケーブル加工機の固定設置された部品、またはケーブル加工機に恒久的にドッキングされた複合保管部(したがって追加の台車の交換に勝る)であってもよい。
【0041】
ケーブル残材(それに属する自由ケーブル端部を有するロールとして提供される)を運搬するために、ケーブル加工システムは、ケーブル加工機の外部に少なくとも1つの床もしくは天井で支持されるモバイル複合保管部または追加の台車(例えば、ケーブル加工機とは独立して移動することができ、かつ具体的には台車、トロリー、またはゴンドラとして形成される運送体に、運送体上に、または運送体としての)を有することが好ましい。追加の台車は、吊り下げられた形のロールとしてのケーブルを送り込み、または送り出すために、特に入力側または出力側の規定された位置でケーブル加工機にドッキングすることができる。この場合、複合保管部および/または追加の台車は、吊り下げ運送ユニットのための少なくとも1つの対応するガイドを備えてもよい。当該ガイドは、複合保管部がドッキングされると、吊り下げ運送ユニットを複合保管部または追加の台車のガイドと前記ガイドとの間のケーブル加工機に送達することができるように設計される。したがって、例えば1台の追加の台車のみが、ケーブルが吊り下げられたガイドによりケーブル加工機から、またはケーブル加工機に運ばれてもよい。次に、それぞれのケーブル端部は、現場で機械の対応する局所的複合保管部に挿入されてもよい。
【0042】
複合保管部は、対応するケーブルの少なくとも1つのケーブル端部がその都度挿入される複合保管部に、ケーブル保持部を備えて形成されることが好ましい。吊り下げ運送ユニットの搬送以外に、このロール運送ユニットに割り当てられた少なくとも1つのケーブル端部の搬送も、複合保管部とケーブル加工機との間で行われる。
【0043】
複合保管部は、いくつかのケーブル保持部を有するケーブル運搬装置として形成されることが好ましい。この場合、ケーブル保持部のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのウェブないしは追随部を有し、かつ/または支持体および/もしくはクランプとして形成されてもよい。具体的には、1つのクランプおよび1つの支持体が、互いに同期して起動される1つもしくは2つのベルトもしくはチェーン上にその都度平行に配置されることが好ましく、これらのクランプは、弾性要素を有してもよく、弾性要素の前負荷を設定できるのが好ましく、弾性要素は、レセプタクルに固定され、ベルトの運搬方向に沿ってガイドにより案内することができる。このように、ケーブル端部ないしはケーブル端部領域を確実に運送することができる。
【0044】
ケーブル加工機は、ケーブル保持部(例えば、好ましくは運搬手段として形成される)を備えて形成されることが好ましい。対応するケーブルの提供されたケーブル端部のうちの少なくとも1つが、ドッキングされた複合保管部または追加の台車の吊り下げ運送ユニットにより、具体的には手動または自動でケーブル加工機のこれらのケーブル保持部に挿入されてもよい。
【0045】
一実施形態では、固定取り付け複合保管部および固定取り付け吊り下げ運送手段が好ましくはケーブル加工機に取り付けられ、ケーブル運送装置は、ケーブルを固定取り付け吊り下げ運送手段に吊り下げ、かつこれらのケーブルのケーブル端部ないしはケーブル端部領域を複合保管部または追加の台車のケーブル保持部に挿入ないしはクランプすることができるように形成される。したがって、ケーブルは、作業者(またはロボット)により機械で局所的に送り込み、ないしは送り出すことができる。
【0046】
ケーブル運送装置は、ケーブル加工機内にケーブルのための少なくとも1つのフレーム支持・変位可能把持部を有することが好ましく、ケーブル運送装置は、複合保管部として形成され、いくつかのケーブル保持部を有するケーブル運搬装置を備える。この場合、把持部のうちの少なくとも1つは、具体的には送達把持部として形成され、これらのケーブルのうちの1つを他に続いてそれぞれのケーブル保持部から取り出し、搬送把持部としての少なくとも1つのさらなる把持部および/またはケーブル加工ステーションのうちの1つに供給する。この場合、搬送把持部は、ケーブルを一つのケーブル加工ステーションから別のケーブル加工ステーションに送達することを行うためにフレーム支持搬送機構により移動できるように形成されてもよい。
【0047】
ケーブル加工機は、好ましくはフレーム支持搬送機構の支援で移動することができる送達把持部としての少なくとも1つの把持部を備えて形成される。少なくとも1つの把持部は、これらのケーブルのうちの1つを他に続いてそれぞれのケーブル保持部から取り出し、ケーブル加工ステーションのうちの少なくとも一つおよび/またはさらなる把持部に供給するように形成および配置される。このさらなる把持部は、ケーブル加工ステーションのうちの1つにケーブルを送達することを行うためにさらなるフレーム支持搬送機構により移動可能になるように形成される。
【0048】
本発明は、ケーブル加工機で重く、長く、かつ/または比較的屈曲剛性のケーブルを自動的に加工するための方法にも同じように関する。この方法は、吊り下げ運送手段の吊り下げ運送ユニットに吊り下げられた形態の、具体的にはケーブルロールとしてのケーブルを提供するステップを含む。これにより空間を節約し、例えばケーブルの引っ掛かりを防止することができる。
【0049】
ケーブル加工機を通る少なくとも1つのガイドまたはいくつかのガイドのネットワークで吊り下げ運送ユニットを移動させるステップが続く。本方法は、ケーブル加工機の少なくとも1つのケーブル加工ステーションでケーブルの少なくとも1つのケーブル端部を加工するステップも含む。これは、ケーブルのケーブル端部ないしはケーブル端部領域のうちの少なくとも1つを運送するためのケーブル運搬装置および/または少なくとも1つの把持部によりケーブルを運搬することによって行われる。
【0050】
その場合、本発明によれば、垂直軸を中心にして回転可能なケーブルの保管は、吊り下げ運送手段を用いて、または吊り下げ運送手段で行われ、それによりケーブルは加工により生じる機械的応力を補償することができる。
【0051】
回転可能な保管は、好ましくは吊り下げ運送手段の、ガイドで変位可能な吊り下げ運送ユニットの吊り下げ留め具により行われ、吊り下げ留め具にケーブルが吊り下げられる。
【0052】
ケーブルを提供するステップは、好ましくは吊り下げ運送ユニットの吊り下げ留め具にケーブルを吊り下げることによりケーブル加工機で局所的に、例えば回転可能なフック、カラビナ、ロープ、コード、ピンにより、または吊り下げ留め具に取り付けられた成形要素で行われる。
【0053】
ケーブルを提供するステップは、好ましくは吊り下げ運送ユニットのそれぞれの吊り下げ留め具でいくつかのケーブルの吊り下げられた形態で行われ、吊り下げ留め具は、モバイル台車のガイドに設けられ、台車のケーブル加工機へのドッキングが行われる。
【0054】
ケーブルを提供するステップは、好ましくはケーブルのケーブル端部ないしはケーブル端部領域をそれぞれのケーブル保持部、特に複合保管部に挿入することとともに行われる。
【0055】
一実施形態において、ケーブルのケーブル端部ないしはケーブル端部領域の挿入は、好ましくはケーブル加工機のケーブル保持部で局所的に行われ、それによりケーブルロールのみを運送する必要があるが、ケーブルロールは機械から離れたところに吊り下げられてもよい。
【0056】
一実施形態において、ケーブルのケーブル端部ないしはケーブル端部領域の挿入は、好ましくは台車のケーブル保持部でケーブル加工機とは別々に行われ、それによりこれは、事前に、かつ機械から離れたところで行うことができる。
【0057】
ケーブルの能動的移動が、好ましくは吊り下げ運送手段において、好ましくは電気的駆動または空気圧駆動により、ケーブル加工機の駆動部から吊り下げ運送手段への運動の伝達により、または一定力ばねにより行われ、それにより確実な運搬が確保される。
【0058】
すなわち、本発明は、ケーブル加工機のケーブル加工ステーション内で本質的に水平な軸を中心にして約1.5メートルを超える長さのケーブルを回転させる方法にも関する。これは、ケーブルのケーブル端部ないしはケーブル端部領域を把持するステップと、規定された位置にケーブル端部を回転させるステップとを含む。本発明によれば、ケーブルの残りの部分の吊り下げられた提供は、吊り下げ運送手段の吊り下げ運送ユニットにおいてケーブル端部領域の少なくとも1つの外部で、好ましくはケーブルロールとして行われる。この場合、ケーブルは、吊り下げ運送ユニットに対して垂直軸を中心にして回転可能になるように提供される。したがって、引張の補償は、具体的には吊り下げ運送手段においてケーブルの残りの部分の垂直回転運動によるケーブル端部の水平回転により行うことができる。
【0059】
同日に同一出願人により出願され、同一の主要発明者を有し、同様に「Cable Processing Comprising Infeed and Outfeed」に関する国際特許出願PCT/IB2021/052219も参照により組み込まれる。特に、本発明で同じように適用できる複合保管部および/または台車、ならびにその実施形態をさらに記載する段落も特に組み込まれる。
【0060】
本発明のさらなる利点、特徴、および詳細を以下の説明から提供し、図面を参照して本発明の例示的な実施形態を説明する。
【0061】
符号の説明、ならびに特許請求の範囲および図面の技術的内容は、本開示の一部である。図面は、首尾一貫し、かつ包括的に説明する。その際、特に明確に区別しない限り、符号およびその説明は、図面間で相互なものとみなされる。同一の符号は同一の構成要素を表し、異なる指標を有する符号は、同一または類似の構成要素を説明する。用いられる数字の範囲の機能的・論理的関連も、当業者には明らかである。図面は、記号による図示である。言うまでもないことではあるが、すべての基本的部品は、場所によって(例えば、他の特徴の理解を深めるために)それを図面から明確に見ることができない場合であっても、適切に(例えば、フレーム構造体を介して)互いに接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1a】本発明によるシステムの異なる実施形態におけるケーブル加工機および対応するケーブル加工運送システムの概略図を示す。
【
図1b】本発明によるシステムの異なる実施形態におけるケーブル加工機および対応するケーブル加工運送システムの概略図を示す。
【
図1c】本発明によるシステムの異なる実施形態におけるケーブル加工機および対応するケーブル加工運送システムの概略図を示す。
【
図1d】本発明によるシステムの異なる実施形態におけるケーブル加工機および対応するケーブル加工運送システムの概略図を示す。
【
図1e】本発明によるシステムの異なる実施形態におけるケーブル加工機および対応するケーブル加工運送システムの概略図を示す。
【
図1f】本発明によるシステムの異なる実施形態におけるケーブル加工機および対応するケーブル加工運送システムの概略図を示す。
【
図1g】本発明によるシステムの異なる実施形態におけるケーブル加工機および対応するケーブル加工運送システムの概略図を示す。
【
図1h】本発明によるシステムの異なる実施形態におけるケーブル加工機および対応するケーブル加工運送システムの概略図を示す。
【
図1i】本発明によるシステムの異なる実施形態におけるケーブル加工機および対応するケーブル加工運送システムの概略図を示す。
【
図2a】
図1cの実施形態の等角図を示し、両方のケーブル運送ユニットがケーブル加工機にドッキングされている。
【
図2b】
図1cの実施形態の等角図を示し、両方のケーブル運送ユニットが取り外されている。
【
図3a】
図2bのさらなる詳細図を示し、コンベアベルトとして形成されたケーブル運搬装置上のケーブル保持部の表示を良くするためにいくつかの要素がぼやかされている。
【
図3b】
図2bのさらなる詳細図を示し、コンベアベルトとして形成されたケーブル運搬装置上のケーブル保持部の表示を良くするためにいくつかの要素がぼやかされている。
【
図4a】描いた矢印による連結部およびドッキング機構への表示方向を含む、
図2aおよび/または
図2bの断面詳細図を示し、連結部およびドッキング機構の表示を良くするためにいくつかの要素がぼやかされている。
【
図4b】描いた矢印による連結部およびドッキング機構への表示方向を含む、
図2aおよび/または
図2bの断面詳細図を示し、連結部およびドッキング機構の表示を良くするためにいくつかの要素がぼやかされている。
【
図4c】描いた矢印による連結部およびドッキング機構への表示方向を含む、
図2aおよび/または
図2bの断面詳細図を示し、連結部およびドッキング機構の表示を良くするためにいくつかの要素がぼやかされている。
【
図4d】描いた矢印による連結部およびドッキング機構への表示方向を含む、
図2aおよび/または
図2bの断面詳細図を示し、連結部およびドッキング機構の表示を良くするためにいくつかの要素がぼやかされている。
【
図5a】
図1eと同様に示す、巻かれたケーブルを運送するためのケーブル運送ユニットの特別な実施形態を示す。
【
図5b】
図1eと同様に示す、巻かれたケーブルを運送するためのケーブル運送ユニットの特別な実施形態を示す。
【
図6】ここではウォーキングビームとして具現化されるいくつかの吊り下げ運送ユニット用のケーブルロール運搬装置ないしは複合運送手段の等角図を示す。
【
図7a】ウォーキングビーム駆動原理と回転式、好ましくは電気的駆動を用いる複合運送手段の動作モードを示す。
【
図7b】ウォーキングビーム駆動原理と回転式、好ましくは電気的駆動を用いる複合運送手段の動作モードを示す。
【
図7c】ウォーキングビーム駆動原理と回転式、好ましくは電気的駆動を用いる複合運送手段の動作モードを示す。
【
図7d】ウォーキングビーム駆動原理と回転式、好ましくは電気的駆動を用いる複合運送手段の動作モードを示す。
【
図7e】ウォーキングビーム駆動原理と回転式、好ましくは電気的駆動を用いる複合運送手段の動作モードを示す。
【
図8a】ウォーキングビーム駆動原理と並進式、好ましくは空気圧駆動を用いる複合運送手段の動作モードを示す。
【
図8b】ウォーキングビーム駆動原理と並進式、好ましくは空気圧駆動を用いる複合運送手段の動作モードを示す。
【
図8c】ウォーキングビーム駆動原理と並進式、好ましくは空気圧駆動を用いる複合運送手段の動作モードを示す。
【
図8d】ウォーキングビーム駆動原理と並進式、好ましくは空気圧駆動を用いる複合運送手段の動作モードを示す。
【
図8e】ウォーキングビーム駆動原理と並進式、好ましくは空気圧駆動を用いる複合運送手段の動作モードを示す。
【
図8f】ウォーキングビーム駆動原理と並進式、好ましくは空気圧駆動を用いる複合運送手段の動作モードを示す。
【
図9】吊り下げ運送ユニットの領域における、ケーブルを回転させるケーブル加工ステーションとケーブルロールとして存在する吊り下げられたケーブル残材との間の相互作用、ならびにケーブル残材の回転可能な保管部を示す。
【
図10a】吊り下げ運送ユニットの第1の例示的な実施形態を示す。
【
図10b】吊り下げ運送ユニットの第2の例示的な実施形態を示す。
【
図10c】成形要素を備える吊り下げ運送ユニットの第3の例示的な実施形態を示す。
【
図10d】成形要素を備える吊り下げ運送ユニットの第4の例示的な実施形態を示す。
【
図11a】完全なロールとして存在しないケーブル残材の場合のケーブル運搬装置および吊り下げ運送手段を備えるケーブル運送装置を示す。
【
図11b】完全なロールとして存在しないケーブル残材の場合のケーブル運搬装置および吊り下げ運送手段を備えるケーブル運送装置を示す。
【
図12a】吊り下げ運送ユニット上のケーブル残材の代替的吊り下げの選択肢を示す。
【
図12b】吊り下げ運送ユニット上のケーブル残材の代替的吊り下げの選択肢を示す。
【
図12c】吊り下げ運送ユニット上のケーブル残材の代替的吊り下げの選択肢を示す。
【
図12d】吊り下げ運送ユニット上のケーブル残材の代替的吊り下げの選択肢を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1aから
図1iに、本発明によるシステムのさまざまな実施形態におけるケーブル加工機90および対応するケーブル運送システム10の概略図を示す。ケーブル運送システム10は、いくつかの実施形態においてケーブル加工機90を越えて広がっている。いくつかの図面、例えば
図1a~
図1dまたは
図1g~
図1iの場合、吊り下げ運送手段50は明確さのためぼやかされている。ケーブル端部領域82の運送の実施形態を重点的に扱うためである。しかし、吊り下げ運送手段50は、特に本文書で説明し、ないしは特許請求する実施形態によりやはりそこに存在している。
【0064】
図1aの実施形態では、このケーブル運送システム10は、少なくとも1つの搬送把持部11、2つの送達把持部20a,20b、送達把持部20a,20bに属する搬送機構12,22a,22b、およびいくつかのケーブル80を運送するための2つのグループのケーブル運送ユニット30a、30bからなる。これらのケーブル運送ユニット30a,30bは、台車ないしはトロリーとして具現化され、ケーブル加工機90から独立して移動することができる。その際、ケーブル加工機90を積み込むために用いられる台車30aは、ドッキング機構300aの支援でケーブル加工機90の入力側95aにドッキングすることができる。その際、ケーブル加工機90を積み下ろすために用いられる台車30bは、ドッキング機構300bの支援でケーブル加工機90の出力側95bにドッキングすることができる。実施形態に応じて、台車30aおよび30bは、その都度異なるように、したがって特には入力側95aまたは出力側95bのために形成することができ、または台車30aおよび30bを同様に具現化することもでき、それにより同じ台車30a,30bを入力側95aまたは出力側95bで用いることができる。
【0065】
いくつかのケーブル保持部32a,32bが2つの台車30a,30bのそれぞれに設けられる。ケーブル保持部32a,32bは、単純な分離ウェブ(ここでは
図1aに描かれる)または支持体324(
図3aに描かれる)のいずれかとして設計することができるが、ばねにより荷重されるケーブルクランプ323(
図1h、
図3a、および
図3bに描かれる)としても設計することができる。例えば
図3aに示すように、いくつかのケーブル保持部32a,32bは、好ましくはケーブル80毎に、好ましくはクランプ323および支持体324と組み合わせて用いられる。
【0066】
ケーブル80を加工するために、ケーブル80は、第1の送達把持部20aにより積み込み台車30aのケーブル保持部32aないしはケーブル保持部対323,324から次々に取り出される。送達把持部20aは、移動されたケーブル80を搬送把持部11に送達する。搬送把持部11は、ケーブル80を少なくとも1つ、好ましくは2つ以上のケーブル加工ステーション70a,70bに加工のために供給する。2つの把持部20aおよび11に加えて、把持部20aおよび11にそれぞれ属する搬送機構12ないしは22aもこの目的で移動する。ここでは例示的に示す2つのケーブル加工ステーション70a,70bですべての加工の終了後に、搬送把持部11、ならびに搬送機構12および22bがケーブル80を出力側95bの領域のさらなる送達把持部20bに搬送する。次に、達把持部20bは、積み下ろし台車30bのケーブル保持部32bまたは2つのケーブル保持部32bの対に荷降ろしし、ないしは送達する。
【0067】
あるいは、荷降ろしは、完成ケーブル用の搬送または梱包ボックスに直接行うこともできる。
【0068】
このように、積み込み台車30aが空になるまで、かつ/または積み下ろし台車30bが満杯になるまで、ケーブル80を次々に完全自動で加工できることが細い矢印により示されている。細い矢印は、ケーブル80の移動を示す。実線は現在の移動を表し、破線は他の考えられる移動を表す。すべての把持部11,20a,20bおよび把持部11,20a,20bを移動するための対応する駆動軸ないしは搬送機構12,22a,22bは、この場合、ケーブル加工機90の一部であり、例えばさまざまな制御ケーブル(図示せず)を介してケーブル加工機90の制御部93に接続される。すべての搬送機構12,22a,22b、およびすべてのケーブル加工ステーション70a,70b,...がケーブル加工機90のフレームないしはラック92に固定される。ユーザの安全を確保するため、筐体91または他の固定手段、例えば光カーテン等を設けることができる。これは、すべての把持部11,20a,20b、および搬送機構12,22a,22bの少なくとも変位領域を覆うように具現化されるが、とはいえ、台車30a,30bの到着および出発(黒い矢印により表される)を妨害するものではない。このように、ケーブル80の安全な積み込みおよび/または積み下ろしは、ケーブル加工機90の動作中にもおこなわれる。
【0069】
ドッキング機構300a,300bは、台車30a,30bのケーブル加工機90への簡便かつ確実なドッキングを提供し、またケーブル加工機90の制御部93に台車30a,30bが現在ドッキングされているかを通知するように設計される。その場合に、好ましくは、ドッキングは台車30a,30bから機械90までの規定された位置で行われ、それによりケーブル80について分かっている取り出し位置ないしは置き位置が与えられる。これに加えて、またはこれに代えて、例えば
図4aおよび
図4bの例示的な実施形態に示すように、そのような位置参照をセンサ3042により決定し、ケーブル加工機90の制御部93に提供することができる。追加のセンサ3042、ロック手段304および/または機械的案内部301,303、ないしは流入面がこの目的で用いられるのが好ましく、これについて以下でより詳細に説明する。
【0070】
図に示す複合保管部30a,30b、したがって台車30a,30bは、非常に単純なものから「インテリジェント」ないしは完全自律式のものまで異なる実施形態で具現化することができる。この場合、実際の運送体34は、ケーブル保持部32a,32bを含む複合保管部領域および/またはドッキング機構300a,300bから分離することができるように具現化することができる。インテリジェント台車30aとしての実施形態を
図1の入力側95aに概略的に示す。インテリジェント台車30aは、例えば別個の制御部35、移動要素33を移動するための駆動モータ352、ナビゲーション用のセンサ353、電源354、およびこれらの要素のすべてを接続するケーブル351などを備える。この場合、制御部35は、具体的には、ケーブルなしでケーブル加工機90の制御部93、他の台車30a,30bの制御部35、または中央全体制御部と通信することができるように設計できるのが好ましい。例えば、カメラがセンサ353として用いられる。センサ353は、(屋内)自動車ナビゲーション(LIDAR、RFID、近接センサ、誘導システム、IPS(「屋内GPS」)、三角測量法、SLAM等)に必要な情報を提供するさらなるセンサおよびソフトウェアの方法によりサポートされるのが好ましい。例えば、ドッキングした状態でその都度充電することができる再充電可能バッテリー(蓄電池)が電源354として機能するのが好ましい。動作および充電用の電源供給は、誘導ないしは滑り接触を用いる集電部を介してケーブルなしで、または接触なしでも行うことができる。
【0071】
地上台車の場合、車輪が移動要素33として用いられるのが好ましく、1台の台車30a,30b当たり4つ用いられるのが理想的である。車輪に追加のローラを含むメカナム(Mecanum)ホイール(例えば、米国特許第3876255号明細書と同様)を、限られた空間での最大限の操縦性を目的として用いて、それぞれモータ352、好ましくはギアを備える電気サーボモータにより駆動することができる。さらに、階段および/または他の障害を克服するための古いコンピュータマウス、古典的車輪、および回転継手、ならびに/または脚状の移動要素におけるのと同様に、例えばボールを用いる代替の駆動原理も用いることができる。台車30a,30bは、レールに適合するホール、適合する駆動を用いるエアクッションサポート、および/またはリニアモーターカーを用いて形成することもできる。地上運送システム以外に、台車30a,30bは、他の実施形態では代替的に天井または壁に限定しても形成することができる。
【0072】
本発明による台車30a,30bの最低限の実施形態では、駆動要素および/またはセンサは、完全に省くこともできる。そのような台車30a,30bは、例えばスーパーマーケットのショッピングカートと同様に、操作職員自身により移動させることができ、かつ/またはドッキングないしはドッキング解除することができる。この最低限の実施形態と完全自律式の実施形態との間に、任意の中間段階の台車30a,30bを形成し、任意にプラント内で一緒に用いることもできる。
【0073】
ケーブル加工機90の製造者がこの決定の大部分を顧客に委ね、ケーブル保持部32a,32bおよびドッキング機構300a,300bのみを提供し、次に必要性に応じて顧客が提供することができる実際の台車34への単純で明確に規定された機械的インタフェース341を備え、上述の部品を設けることができれば、特に有利である。この種の構成の実施形態を
図1aの出力側95bの左側に概略的に示す。複合保管部30b、特にはケーブル保持部32bおよびそのキャリア構造体(キャリア構造体に固定されたドッキング機構300bを含む)は、運送体34に、例えば容易に解除可能な機械的インタフェース342を介して固定される。この運送体34は、標準品として顧客自身が入手することができ、かつ/またはすでに存在する運送システムを用いることができる。この場合、顧客は、押す必要がある非常に単純で費用効果が高い運送体34を用いるか、または制御部、駆動部、およびナビゲーションを備えるインテリジェント台車35を用いるか、またはそれらの混合操作を行うかを自身が決定することができる。インテリジェント台車35に決定した場合、同じ所在地内の別の場所ですでに用いられ、本発明による複合保管部30a,30b、そして必要があれば機械的もしくは仮想/センサーベースのドッキング機構を備える同じ製造者のモデルを選択することができる。例えばケーブル保持部32bおよび/またはドッキング機構300bを、例えばインタフェース341を用いて電動および/または自律式輸送システムに搬送することにより、その後のアップグレードはいつでも可能である。最後のケーブルの取り外し直後、かつ好ましくは機械による運送中に台車30aを交換すれば、それにより機械90の停止時間を減らし、または回避することができる。例えば、後で
図1dに示すように、中間バッファ40a,40bもこの目的に用いられるのが好ましい。
【0074】
図1bにケーブル運送装置10を備える本発明による代替的実施形態を示す。この代替的実施形態の場合、ケーブル保持部32a,32bは、(
図1aと同様に)キャリア構造体上に静的に取り付けられるのではなく、ケーブル運搬装置320a,320bとして具現化される。しかし、示している例で、ケーブル加工機90の両側にあるのは必須ではない。別の実施形態では、例えば示している入力側95a、および運送ボックス内に完成ケーブルの単純な保管部を含む出力側95bは、台車34(図示せず)上に必要であれば、実現してもよい。示しているケーブル運搬装置320a,320bは、ここではケーブル加工機90の一部であり、具体的にはフレーム92に固定接続され、フレーム92の制御部93により制御される。機械90から分離することができる別個のケーブル運送ユニット30a,30b(
図1aと同様)は、設けられていない。その際、それに対応して、搬送把持部20a,20bの搬送機構22a,22bの変位経路、そして移動可能な機械部品に対する人的保護のための機械的または仮想的筐体91も同様に、短く形成することができる。
【0075】
これらのケーブル運搬装置320a,320bは、例えば
図3aの例で説明するように、少なくとも1つの駆動ベルト3203,3204、ならびに好ましくはクランプ323として具現化される第1のベルト3203および支持体324として具現化される第2のベルト3204に固定されたケーブル保持部32a,32bを備えるコンベアベルトとして具現化されるのが好ましい。
【0076】
あるいは、
図1hの実施形態でより詳細に説明するように、ベルト3203,3204に代えて、好ましくは容易に互いに分離することができるチェーンセグメント3206を備え、特にはチェーン3205a,3205bの引張なしでも機能する駆動部3111を備えるチェーン3205a,3205bを用いることもできる。
【0077】
図7および
図8で説明するように、ケーブル運搬装置320a,320bはさらに、吊り下げ運送ユニット53用の複合運送ユニット52dと同様にウォーキングビームとしても具現化することができる。
【0078】
示している実施形態では、2つのケーブル運搬装置320a,320bの外側領域に、オペレータはいつでもアクセスすることができる。機械90を積み込むために、オペレータは、この目的のために未加工ケーブル80ないしはケーブル部品を入力側95aのケーブル運搬装置320a(挿入領域321a内の太いブロック矢印により示す)に入れ、出力側95bのケーブル運搬装置320b(取り外し領域321bに太いブロック矢印により示す)から加工済みケーブル80を取り出す。これは、ケーブル運搬装置320aまたは320bの充填レベルを超えるか、または充填レベル未満に低下した場合に、好ましくはその都度、個別にではなく小口で、例えば警告メッセージに従って機械90の動作中に行うこともできる。対応するセンサ322は、好ましくはカメラまたは無接触近接スイッチとして具現化され、この充填レベル測定のために機能し、かつ/またはいくつかのバイナリセンサ(例えば誘導センサ、容量近接センサ、リミットスイッチ、光バリア等)も存在してもよい。バイナリセンサの配列は、実施形態に応じて異なってもよい。ここでは入力側95aの充填レベルセンサ322のみを例示的に示す。対応するセンサ322も同様に出力側95bに設けることができる。
【0079】
この動作モードのため、例えば一人のオペレータまたはロボットが積み込みおよび積み下ろしを引き継ぎ、かつ/またはいくつかの機械90を操作することができる。台車交換およびそれに関連する場合がある機械90の停止を控えてもよい。しかし、この具体的な実施形態では、他の実施形態の場合のように、機械90から離れた台車30a,30bから積み込みまたは積み下すことができ、かつ/またはさらに加工し、かつ/または梱包することができるいくつかのケーブル80の台車積み荷としてではなく、ケーブル80はその都度、機械90で個別に直接、定期的に追加および取り出す必要がある。しかし、この場合、台車から、ないしは台車への手動または自動での積み込みおよび/または積み下ろし321a,321bのそれぞれも行うことができる。示している例では、
図1aと同様に、ケーブル加工機90内部でのケーブル80の運送は把持部11,20a,20bおよび対応する搬送機構12,22a,22bの支援でケーブル加工ステーション70a,70bから、ケーブル加工ステーション70a,70bに、およびケーブル加工ステーション70a,70bの間で行われるが、ここに示す実施形態のうちの別の1つにしたがって行うこともできる。
【0080】
図1cは、現在示している2つの変形例の主要な特徴、したがって利点をいわば組み合わせる実施形態を示す。ケーブル保持部32a,32bは、ここではケーブル運搬装置320a,320bにも固定されている。しかし、
図1bとは対照的に、これらのケーブル運搬装置320a,320bはケーブル運送ユニット30a,30bの一部である。ケーブル運送ユニット30a,30bは、ケーブル加工機90から独立して移動し、例えば
図1aの台車と同様にケーブル加工機90にドッキングし、またはドッキング解除することができる。
【0081】
したがって、本実施形態では、太いブロック矢印321a,321bないしは台車30a,30bの場合の太いブロック矢印により示すように、積み込みおよび/または積み下ろし中に両方の動作モード、したがって(
図1aと同様に)台車30a,30b全部の交換、および/または(
図1bと同様に)ケーブル運搬装置320a,320bからの個別のケーブル80の追加/取り出しも可能である。
【0082】
本発明によれば、少なくとも2つの選択肢が、好ましくはケーブル運搬装置320a,320bの駆動に適している。第1の選択肢は、そのための、台車30a,30bに直接的に、好ましくはこの台車30a,30bの別個の制御部35に接続された別個の駆動部である。この変形例は、(例えば、
図1aと同様に右側に)別個の制御部35および電源354をすでに有し、機械90の外部での駆動および/またはナビゲーションにも用いることができるインテリジェント台車30a,30bを組み合わせると有利である。したがって、別個の制御部を備えない単純な台車30a,30bが用いられる場合、ケーブル運搬装置320a,320b用の駆動部311は、ケーブル加工機90の一部となることができるのが好ましい。具体的には、ケーブル運搬装置320a,320bの駆動は、
図3cまたは
図4dと同様に行うことができ、ここに示す概略ブロック310a,310bは、具体的には、例えば個別の要素311,312a,312bおよび/または313a,313bを用いて形成することができる(後で示す)。この場合、ケーブル運搬装置320a,320bへの動力伝達は、電気的に行うことができるが、ドッキング機構300a,300bの領域の機械的連結部310a,310bを介して純粋に機械的に行われるのが好ましい。具体的には、ドッキング後のみではないが、充填レベルを測定するために用いられ、好ましくはカメラとして具現化される別個のセンサまたは同じセンサ322を、把持部20a,20bに対する駆動部ないしはケーブル80の位置決めの較正に用いることができる。一実施形態では、例えば
図4aおよび
図4bに説明するように、2つのハーフカップリング312a,312bおよび313a,313bは、例えば、ドッキング中に互いに係合する歯車または一種の動力取り出し軸として具現化することができる。
【0083】
図1dは
図1aに類似するシステムを示す。このシステムは、2つの改善点を含み、非常に長いケーブル加工機90の場合に有利となる場合がある。この場合、ケーブル加工機90は、2つ以上のモジュールからなる。モジュールはそれぞれ、ラック92a,92bおよび搬送機構12a,12bを備える。搬送機構12a,12bは、ラックないしはモジュールの全長にわたって変位することができ、自身に固定される搬送把持部11a,11bを備える。第1の搬送把持部11aから第2の搬送把持部11bにケーブル80を送達するために、対応する搬送駆動部22cを備えるさらなる送達把持部20cが設けられる。ところで、この構成のために、2つ以上のケーブル80を機械90内で同時に加工することができ、それによりクロックサイクルを向上させる。他の実施形態では、ケーブル加工機90は、3つまたはそれより多い搬送把持部と、適合するより多くの送達把持部および搬送駆動部も有してもよい。ラック92a,92bの長さが標準化され、搬送把持部11a,11b用の搬送機構12a,12bがラック92a,92bに固定されているので、モジュール式に構成可能なケーブル加工機90を搬送把持部11a,11bのために設けることができる。
【0084】
さらなるケーブル保持部32cを備える中間バッファ保管部40aが入力側95aにさらに設けられる。中間バッファ保管部40aは、ケーブル加工機90ないしはそのモジュールの一部であり、具体的には台車交換の時間を埋めるために形成される。台車交換が加工サイクルより長く掛かる場合に、これは特に有利である。通常の稼働中は、送達把持部20aは台車30aのケーブル保持部32aから取り出したケーブル80を搬送把持部11aに送達するだけでなく、入力側中間バッファ保管部40aが満杯になるまで、入力側中間バッファ保管部40aのケーブル保持部32cにケーブル80のうちのいくつかを置く。その場合に、中間バッファ保管部40aの充填は、好ましくは優先的に処理される搬送把持部11aの供給の間の待ち時間中に行われるのが好ましい。台車30aのケーブル保持部32aからすべてのケーブル80が取り出されたらすぐに、ユーザが台車30aを交換する信号が響き、ないしは台車30aは自動的に交換される。台車の交換中、中間バッファ保管部40a内に中間的に保管されたケーブル80は、搬送把持部11aに送達される。このように、ケーブル加工機90は中断なく起動し続ける。したがって、中間バッファ保管部40aの保管容量が十分に高い場合(これは特に台車交換の持続時間に適合される)、中断のない稼働を行うことができる。
【0085】
これに代えてまたは加えて、類似ないしは逆の方法で、対応するケーブル保持部32dを備える類似の中間バッファ保管部40bも、出力側95bに設けることができる。
【0086】
中間バッファ保管部40a,40b内の現在の充填レベルを監視するために、すべての保管・取り出し処理を制御プログラムに格納してもよく、かつ/または追加のセンサ(図示せず)を好ましくはケーブル保持部32c,32d毎に1つずつ、および/またはカメラシステムを用いてもよく、例えば搬送把持部20a,20bに固定することができる。
【0087】
図1eは、長い事前切断済みケーブル部品を加工するためのシステム全体の高度な実施形態を示す。長い事前切断済みケーブル部品は、スペースを節約するように巻かれて少なくとも1つ、好ましくはいくつかのループまたは回転を有するケーブルロール80cを形成している。ケーブル端部領域82を運送するためのケーブル運送装置10に加えて、吊り下げないしはロール運送手段50がここに設けられる。吊り下げ物ないしはロール運送手段50は、ケーブル加工機90および2つのケーブル運送ユニット30a,30b内にこの目的に対応して形成された要素を備える。ケーブルロール80cのケーブル端部領域82の少なくとも1つは、ケーブルロール80cを送り込み、かつ/もしくは送り出す間、ケーブル保持部32a,32bに挿入され、ないしは把持部11,20a,20bにより保持される。ケーブルロール80cの運送は、吊り下げ運送ユニット53の支援で行われる。吊り下げ運送ユニット53は、例えばガイド51a,51b,51cに案内され、運送手段52a,52b,52cにより能動的に移動され、または必要であれば任意にその都度、把持部の移動により引っ張ることもできる。この場合、それぞれの吊り下げ運送手段53は、ロールないしは吊り下げ留め具55を有する。ロールないしは吊り下げ留め具55は、ここではそれぞれのケーブルロール80cが吊り下げられるフックとして具現化される。この場合、吊り下げ留め具55は、例えば、示している回転可能な保管部54の支援で吊り下げ運送ユニット53に回転可能に取り付けることができるのが好ましい。ここで示す例では、中央のガイド51cがケーブル加工機90に接続され、2つの外側のガイド51aおよび51bがそれぞれのケーブル運送ユニット30a,30bに接続される。吊り下げ運送ユニット53の運送手段52a,52b,52cは、ケーブル加工機90の一部であり、ケーブル加工機90の制御部93に接続される。例示的に示す実施形態では、運送手段52a,52b,52cはそれぞれ、ガイドを含む線形駆動軸と、吊り下げ運送ユニット53内の対向面に適合して後退および延長できる追随部とを備える。運送手段52a,52b,52cは、重なり合うように互いにずらして配置され、それにより1つの運送手段52aから次の運送手段52cへの吊り下げ運送ユニット53の送達中に少なくとも1つの運送手段52a,52b,52cと吊り下げ運送ユニット53との間に、少なくとも片側の確動接続が存在する。運送手段52a,52b,52cの移動は、搬送把持部11および/または送達把持部20a,20b、ないしは対応する搬送機構12,22a,22bの移動と全体として同期して行われるのが好ましい。このようにして、ケーブル端部領域82および対応するケーブルロール80が実質的に同期して移動し、隣接するケーブルロール80cに引っ掛かることがあり得ないことを確保する。
【0088】
積み込み台車30aからのケーブルロール80cの再供給の信頼性をさらに向上させるために、「ケーブル運搬装置」とも呼ばれる特別な複合運送手段52dがそこに設けられてもよい。単純な運送手段52a,52b,52cと対照的に、すべての吊り下げ運送ユニット53は、ここではケーブル運搬装置320a,320bにおけるケーブル80と同様に、ガイドレール51aを同時に移動ないしは運搬される。この複合運送ユニット52dは、コンベアベルト、コンベアチェーン、またはウォーキングビームとして具現化することもできる。この場合、ウォーキングビームとしての実施形態が特に有利である。そのようなウォーキングビームおよびその動作モードの例示的な実施形態を
図6、
図7a~
図7e、および
図8a~
図8fで説明する。すべての運送ユニット52a,52b,52c,52dがケーブル加工機90の一部である。あるいは、運送ユニット52a,52b,52c,52dのうちの少なくともいくつかは、台車30a,30bおよび対応するガイドレール51a,51bに取り付けることもできる。さらなる複合運送手段を積み下ろし台車30bに取り付けることもできる。ケーブル保持部32a,32bを台車30a,30bの一部としてケーブル運搬装置320a,320bに固定すること(例えば
図1cと同様)も、ここでのさらなる実施形態である。
【0089】
別個の駆動部を完全に含まない積み込み台車30aでケーブルロール80cの信頼性の高い再供給を実現するために、本発明による他の実施形態もある。その1つは、受動的力要素として具現化され、好ましくは定荷重ばねとして具現化され、これにより最後部の吊り下げ運送ユニット53をケーブル加工機の方向に押し、したがって銃の弾倉中の薬莢と同様に他のすべての吊り下げ運送ユニットをさらに押す。
【0090】
一実施形態では、入力側の運送手段52aの変位領域は、例えば積み込み台車30aの領域内にまで延長することができ、この場合、必要であればたとえその位置が正確に規定されず、毎回わずかに異なっていても、積み込み台車30aは、次の吊り下げ運送ユニット53を移動するために少なくとも1つの追加のセンサおよび/または対応する機構を備えるのが好ましい。さらなる実施形態では、複合輸送ユニット52dが台車30aの一部であってもよく、ケーブル端部領域82を運送するためのケーブル運搬装置320aに機械的に連結されてもよい。同様に、ケーブル運搬装置320aの駆動部が、例えば
図1c、
図4c、または
図4dに描いた連結部310aを備えるケーブル加工機90の一部となってもよい。
【0091】
ケーシング91は、好ましくは台車30a,30bの出発および到着を妨害しないように具現化され、ガイドレール51a,51bがケーシング91に固定され、ケーブルロール80cがガイドレール51a,51bに吊り下げられ、それでもケーブル加工機90、具体的には複合運送手段52dの危険なあらゆる動きからユーザを保護する。
【0092】
図1fは、長いケーブルを加工するための全システムのさらなる実施形態を示す。長いケーブルは、スペースを節約するように巻かれてケーブルロール80cを形成する。示している実施形態では、ドッキング可能なモバイル台車30a,30bまたは運送体もしくは追加の台車は用いられないが、対応するケーブル端部領域82を有するケーブルロール80cがユーザにより個別にケーブル加工機90、例えばケーブル運搬装置320a,320bに導入される。ケーブル運搬装置320a,320bは、ここでは
図1bと同様にケーブル加工機90の固定された一部となっている。この目的のため、ケーブルロール80cは空の吊り下げ運送ユニット53の吊り下げ留め具55に吊り下げられ、対応するケーブル端部領域82が入力側のケーブル運搬装置320aの空のケーブル保持部32a(ないしはケーブル保持部対)に置かれ、ないしはクランプされる(太いブロック矢印により右側に示す)。ケーブルロール80cおよび対応するケーブル端部領域82の運送ならびにケーブル加工ステーション70a,70bでの加工は、例えば
図1eと同じように行うことができる。同様に、完全に加工されたケーブルロール80cはユーザにより再び出力側95bに個別に移動される。
【0093】
空の吊り下げ運送ユニット53を出力側95bから入力側95aに再運送するための返送システムが設けられている。示している例では、当該返送システムは、(好ましくは第1のガイド51aに平行な)さらなるガイド51d、端部止め具58、さらなる運送手段57、および2つのリフト56a,56bからなるのが好ましい。この場合、出力側のリフト56bは、吊り下げ運送ユニット53を第1のガイド51aからさらなるガイド51dに運送する。そこで、吊り下げ運送ユニット53は、さらなる運送手段57の支援で入力側95a上方の領域に運送され、明確に規定された位置で端部止め具58により止められる。運送手段57はベルトとして具現化されるのが好ましい。この場合、吊り下げ運送ユニット53は、ガイド51dに沿って摩擦力伝達の支援で運送され、端部止め具58の領域を滑るのが好ましい。この目的のため、吊り下げ運送ユニット53は、適合する坦持面を有し、好ましくは受動的力要素(図示せず)の支援でばねにより荷重されるのが好ましい。入力側のリフト56aは、端部止め具58の領域で吊り下げ運送ユニット53を受け取り、さらなるガイド51dから入力側ケーブル運搬装置320aの上方の第1のガイド51aに再運送する。
【0094】
あるいは、返送は、例えば水平線に対して傾けられたガイドを介して重力により少なくとも部分的に行ってもよい。
【0095】
あるいは、入力側95aに再運搬するために好ましくは楕円形状の回転レールとしてのガイド51aの設計を用いることもできる。このため、この目的のために必要となるさらなる運送手段57、ならびに吊り下げ運送ユニット53の台車/スライド/滑動体を具現化してコーナリングを可能にする必要がある。その代わりに、リフト56a,56bを省いてもよい。
【0096】
図1gは
図1bと同様に本発明による高度なシステム全体を示す。この場合、積み込みおよび/または積み下ろしは、完全に自動で行われる。この目的のため、システムは挿入領域321aの自動積み込み装置400aと、積み下ろし領域321bの自動積み下ろし装置400bとを備えて高度になっている。示している例では、自動積み込み装置400aは、少なくとも1つの把持部4020と、当該把持部を移動する搬送機構4022と、別個の制御部4093とからなる。異なる目的のために、この把持部4020は、外部把持部420とも呼ばれる。自身に固定されたケーブル保持部432aと、ケーブル保持部432a内に配置されるケーブル80とを備える積み込み台車430aが、この積み込み装置400aの領域に配置されてもよい。この積み込み台車430aは、
図1aで説明した運送台車30a,30bと同様に具現化され、ケーブル加工機90への正確な位置決め、好ましくは機械的位置決め、あるいはセンサによる無接触位置検出を用いる仮想的位置決めのためのドッキング機構(描かれない)も任意で備えてもよい。カメラ4322が充填レベルを監視する目的を果たす。積み込みおよび/または積み下ろし装置400a,400bの別個の筐体4091を任意で設けてもよい。この場合、具体的には積み込み装置400a全体は、手動の個別の積み込み(
図1bと同様に)と完全自動の台車積み込みとの間で切り替えるために、ケーブル加工機90にできるだけ迅速かつ容易に取り付けられ、また再び取り外すことができるように設計してもよい。あるいは、完全な取り外しに加えて、把持部4020は、筐体4091を開き、または取り外すことで、搬送機構4022により停止位置に配置し、筐体4091とともに動作を停止させることができ、挿入領域321aを手動操作のためにアクセス可能にすることができる。
【0097】
完全自動の操作では、ケーブル80は、把持部4020および搬送機構4022の支援で積み込み台車430aのケーブル保持部432aから入力側のケーブル運搬装置320bのケーブル保持部32aに次々に運送される。その際、カメラ4322の画像が支援する。搬送機構4022の自由度の数が十分であり、カメラ画像の変換に対応する制御ソフトウェアがインテリジェントである場合には、台車、したがってドッキング機構の位置的に正確なドッキングをその際、省いてもよい。この目的のため、搬送機構4022は、標準的工業関節ロボットの支援で完全または部分的に実現されてもよい。搬送機構4022および把持部4020のすべての駆動軸は、力測定システム、さらなるセンサ、およびソフトウェアを用いて設計され、人間と共同で動作するように形成・認定されていることが好ましい。この設計の場合、自動積み込み装置400aの筐体4091は、積み下ろし装置400bおよび対応する積み下ろし台車430bの場合に左手側に描かれたように省くことができる。これらの要素は、説明したばかりの要素と同様ないしは同一に構成される。
【0098】
図1hは、ケーブル80の個別の積み込み(
図1bと同様)および完全な台車積み荷の再積み込み(
図1aに類似)の2つの動作モードを提供するさらなる選択肢を示す。この目的のため、2つのケーブル運搬装置320a,320bは、ベルトの代わりにチェーン3205a,3205bを用いて具現化され、チェーン3205a,3205bのチェーン区間3206は、好ましくは道具を用いずに、ないしはエネルギーチェーン/ドラッグチェーン(例えばKabelschleppまたはIgusによる)の場合と同様に、理想的にはさらにケーブル加工機90により自動化した方法でオペレータにより単純に開閉ないしは接続・分離することができる。この場合、駆動部3111a,3111bは、チェーン3205a,3205bに引張がかけられなくてもチェーン3205a,3205b、およびチェーン3205a,3205bに固定され、ケーブル80が中に固定されたケーブル保持部32aを搬送することができるように設計される(例えば、ケーブル加工ステーション70内の圧着端子またはベルト/チェーンに固定された他の消耗材料の格納駆動部の場合に類似する)。入力側95aに描いたように、この目的のために、チェーン3205aと駆動ホイール3111aとの間の恒久的な確動接続を確保する適合対向面3112aが駆動ホイール3111aの正反対側に設けられてもよい。この単純な構成は、引っ張られる必要があるだけの入力側95aでは十分かつ目的に合っている。あるいは、特に目的に合わせて、ケーブル80が積み込まれたチェーン3205bが主に押される出力側95bに、特定の駆動部3111bが存在する。駆動部3111bは、歯のみを備える駆動ホイール3111aに代えて、内部歯および外部歯を備える駆動ベルトと、適合する真直ぐな対向面3112bを用いる。この種の駆動部または機能上同じように設計された駆動部は、搬送断面の線形部分で用いられ、したがってチェーンの大部分が押されるのではなく引かれる場所に配置することができ、より加工の信頼性が高くなるという利点を提供する。あるいは(描かれない)、入力側95aと同じ単純な駆動部を出力側95bにも設置すると、チェーン3205bがガイドを走行することができ、これにより押されている間のチェーンリンクの望ましくない曲がりを防止する。
【0099】
完全な台車積み荷を積み込む場合、チェーン3205cの開いた部品を運送体または運送台車34aに挿入し、ケーブル80を備えつけてもよい。これは、ケーブル加工機とは別に行うこともできる。この運送台車34aは、入力側95aの領域に配置され、ユーザまたは機械が運送台車34a上のチェーン3205cをケーブル運搬装置320aのチェーン3205aに接続する(機械上のチェーン3205aのそれぞれの端部のチェーン区間3206と運送台車34a上のチェーン3205cとの間の矢印により示す)。
【0100】
さて、このように伸ばされ、ないしは接合されたチェーンは、運送台車34aで運送されたすべてのケーブル80を加工するのを可能にする。台車の交換中に、機械は、例えば
図1cの場合のように停止する必要がない。なぜなら、チェーン3205aの一部が機械に留まり、運送台車34の交換時間中、ケーブルの予備を提供するからである。この場合、
図1fのカートリッジ積み込みの場合に短いケーブルに限定することも必要ない。したがって、
図1gにおけるような対応する搬送システムを備える複合送達把持部も省くことができる。分離可能なチェーン3205a,3205b,3205cを備えるそのような実施形態では、チェーン区間3206を接続および解除し、ならびにケーブル運搬装置320a,320b下方の領域を再充填し、空にすることは、ユーザにより単純に手動で、かつ/または任意に少なくとも部分的に自動で行うことができるので好ましい。
【0101】
この場合、出力側95bは、機能上同じように形成することができるが、そのためには逆の順序になる。チェーン3205bは、ここではユーザにより接合されないが、例えば運送台車34bの長さに対応する適合する長さで部品が提供される(ここでは、はさみの記号を含む矢印により示す)。チェーン区間3206の分離・接続機構の対応する設計の場合、自動分離をケーブル加工機90の駆動部(図示せず)の支援で行うこともできる。運送台車34a,34bは、最低限の構成で非常に単純に設計することができる。すなわち、平面の坦持面およびホイールで十分であり、任意でチェーン3205b用のレールまたはガイドを備える。単純な実施形態では、ある手段がチェーン3205b、例えばローラの1つに設けられた足踏み式ロックブレーキ、機械に設けられたフック等(両方とも不図示)により、少なくとも出力側の運送台車34bが押されるのを防止する場合は、ケーブル加工機に対する正確なドッキングも省くことができる。
【0102】
空のチェーン区間3206を取り扱うために、チェーン予備収集手段329a,329bは好ましくはケーブル運搬装置320a,320bの下に設けられ、入力側では好ましくはボックス329aとして具現化され、出力側では好ましくはローラ329bとして具現化される。これらの充填レベルは、対応するセンサ322b(ここでは例示的に出力側95bのみに示す)により監視することができる。これらの充填レベルセンサ322bおよびケーブル充填レベルセンサ322に加えて、さらなるセンサ322aが入力側95a側にも設けられ、開いたチェーン3205aの端部を検出し、その都度、再積み込み信号および/または停止信号を生成する。
【0103】
両側の2つのチェーン予備収集手段329a,329bの代わりに、チェーン3205a,3205bを両側で互いに接続することができ、それにより空のチェーンリンク3206は、入力側のケーブル運搬装置320aから出力側のケーブル運搬装置320bに運搬される。
【0104】
チェーン区間3206が機械に基づいて開くことを提供するように設計される場合、入力側のチェーン予備収集手段329aの空のチェーン部品は、台車30a,30bに適合する長さで準備されて、すでに置かれていてもよい。適合する長さで準備された空のチェーンリンク3206は、(チェーン予備収集手段329aに代えて)下方台車領域内の入力側で運送台車34aに再度直接置かれてもよい。同じように、出力側の空のチェーンリンク3206の予備も、(チェーン予備収集手段329bに代えて)台車34bの下方領域から取り出されてもよい。両方の場合に、対応する場所(例えば、下方および/または上方)で台車の交換中に、チェーンの手動または自動的な接続および分離が行われる。このように、台車の交換とともに、新しいチェーンリンクおよび使用済みチェーンリンクを供給し、送り出すことができる。
【0105】
ケーブル80の固定を改善するために、チェーン3205a,3205bは、好ましくは幅が広くなるように具現化され、それにより1本のケーブル80当たりいくつかのケーブル保持部32aが固定され、かつ/またはいくつかのチェーンが並行に延びることができる(
図3aのベルト3203,3204の場合と同様)。また、好ましくは台車に長さが適合する多リンクチェーン部品として、チェーンリンクまたはチェーン区間3206のみに(ないしはそこのそれぞれの適切な側のみに)特に容易にチェーン接続を開閉するための機構を設けることが有利な場合がある。このようにして生産コストを節約することができるのみならず、ユーザが運送台車34a,34bの長さに適合しない「適切でない」長さを作り出すのを防止することもできる。すでに述べたように、そのような機構は、手動の開閉に加えまたは代えて、自動化された開閉を提供するように設計することができる。自動化されたチェーン分離/接続を用いる実施形態では、例えば自動台車交換および/または台車の自律駆動を用いる完全自動操作を実装することができる。
【0106】
一実施形態では、チェーン3205a,3205bを備える、説明したばかりの自動運搬システムによるケーブル運搬装置320a,320bは、個別のケーブル80を積み込み、かつ/または積み下ろすための「単純な」操作モードに単純に組み込むことができるように形成することができる(例えば
図1bと同様)。これは、例えば、チェーン3205a,3205bが、解放端を有する上記の分離されたチェーンとして提供されて、閉じられたチェーンを形成するように接合され、特に任意に用い、改造し、または変更されることができるそれぞれのチェーン構成に対応するガイドまたは経路(不図示)を備えて形成されたものとして提供されるように、ケーブル運搬装置320a,320bを形成することにより行うことができる。そうすれば、任意に破線矢印で示しているように、例えば、好ましくはチェーン3205a,3205bを手動で接合して閉ループまたはループを形成することを行うことができる。この場合、ケーブル運搬装置は、
図1bに示したのと同様にケーブル80を個別に積み込み、または積み下ろすことができる、回転し続ける複合保管部を形成するように再構成される。
【0107】
図1iに、
図1aと類似する簡略構成を示す。ここでは、ケーブル運送全体が単一の把持部である、搬送・送達把持部20dにより実現される。この場合、把持部20d、したがって把持部20dの動作領域に属する単一の搬送駆動部22dが、機械90全体にわたって延びる。このように、機械90は、単一の把持部20dによる、入力側の複合保管部32aからケーブル加工ステーション70a,70bを通って出力側の第2の複合保管部32bへの送達がないケーブル運送のために形成される。
【0108】
図2aおよび
図2bに、例えば
図1cの実施形態の等角図を示す。
図2aでは、両方のケーブル運送ユニット30a,30bがケーブル加工機90にドッキングされ、
図2bでは解除されている。
図4aおよび
図4cの表示方向も
図2aに示し、あるいは
図3aおよび
図4bの表示方向を
図2bに示す(矢印3A、4A、4B、および4Cにより示す)。
【0109】
ケーブル加工機90の筐体91の下のケーブル運送ユニット30a,30bは、
図2aでは部分的に見えるように示している。この場合、ケーブルは、台車またはケーブル運送ユニット30a,30bで提供ないしは取り出される。この場合、ケーブル端部領域および対応するケーブル残材(ないしはロール)に共通のケーブル運送ユニット30a,30bがその都度用いられ、あるいは任意に互いに連結することができるそれぞれの別個のケーブル運送ユニットに取り付けられてもよい。
【0110】
別の実施形態では、ケーブルは、吊り下げられたケーブル用の床限定ケーブル運送ユニットまたは天井限定ケーブル運送ユニットに吊り下げられるように、ケーブル加工機に供給することもでき、次に、それぞれのケーブル端部領域は、そこでドッキングされるか固定取り付けされた複合運搬装置に挿入することができる。次に、ケーブルは、加工目的で把持部により複合運搬装置から持ち上げられる。
【0111】
この場合、ケーブルを含む、供給された吊り下げ輸送ユニットは、複合輸送ユニット52dにより、好ましくは対応するケーブル端部領域82とほぼ同期して運搬される。例えば
図6に示すように、ここではカバーの下の見えない複合輸送ユニット52dは、この場合、ケーブル加工機90の一部であることが好ましく、吊り下げ運送ユニット53と係合するように形成される。吊り下げ運送ユニット53は、ケーブル運送ユニット30a,30bのガイド51aに案内され、ケーブル運送ユニット30a,30bを運搬する。
【0112】
図3aに、そこに描いた矢印3Aにより
図2aの詳細図を示す。いくつかの要素は、ケーブル保持部32aおよびケーブル運搬装置320aの表示を良くするためにぼやかされている。ケーブル運搬装置320aがケーブル保持部32aを移動し、ここではコンベアベルトとして具現化されている。示している例では、各ケーブル保持部32aは、それぞれクランプ323と、支持体324とを備える。コンベアベルト320aは、2つのベルトまたは歯付きベルト3203,3204からなる。歯付きベルト3203,3204は、共通の軸327により駆動される。共通の軸(見えない)は、ドッキング機構300a(
図4aも参照)および連結部310a(
図4cも参照)の領域の反対側にも存在する。2つのケーブル運搬装置320a,320bを入力側および出力側で同一に具現化するために、歯車を両方の軸に取り付けることが好ましい。
【0113】
クランプ323は、ベルト3203に固定され、支持体は、別のベルト3204に固定される。この場合、ケーブル80(ケーブルのうちの1つのみをここでは示す)は、それぞれのクランプ323および対応する支持体324に固定され、ケーブル端部はクランプ323の領域で加工される。より長いケーブル80の場合でも、支持体324の領域の反対側でケーブルが立ち往生して隣接するケーブルが引っ掛かるのを防止するため、ここでは滑らかな坦持面を備えるシートとして具現化されたガイド328がそこに設けられる。あるいは、いくつかのローラを備える実施形態が用いられてもよい。
【0114】
あるいは、支持体324は、ケーブルの挿入を簡略化するために非常に短いケーブル80については両側で用いてもよい。これは、例えば
図1fのカートリッジ積み込み手段60によるコンベアベルト320aの完全自動積み込み中に有利である。クランプ323も両側で用いられてもよい。(歯付き)ベルト3203,3204に代えて、例えば
図1hで説明したように、好ましくは容易に分割可能なチェーン区間3206と、チェーン引張なしでも機能する駆動部3111を備えるチェーン3205a,3205b,3205cが用いられてもよい。2つのベルト3203,3204またはチェーン3205a,3205b,3205cに代えて、幅広のベルトまたは幅広のチェーン、あるいは3つないしはさらにいくつかまたは単一の対応する幅広のコンベアベルトが用いられてもよい。実施形態でクランプ323ではなく支持体324のみが用いられる場合(例えば、非常に短いケーブルの場合)、ウォーキングビーム駆動の使用は、
図7および
図8で説明するように、例えば吊り下げ運送ユニット53用の複合運送手段52dで用いられるのと同様に、ケーブル運搬にも用いることができるであろう。
【0115】
図3bに
図3aの詳細図を示す。そこに描いた断面3Bによる区間は、ベルト3203、およびベルト3203のために設けられたガイド要素3201,3202a,3202bを通り、ここではプレート3201および2つのシート3202a,3202bで具現化されている。ケーブルクランプ323は、ベルト3203に固定される。ケーブルクランプ323はそれぞれ、例えば2つのクランプ顎部3233a,3233b、2つの保持部3232a,3232b、およびレセプタクル3231からなる。2つのクランプ顎部3233a,3233bは、弾性材料で構成され、2つの保持部3232a,3232bに固定される。保持部3232a,3232bは、ここではC字外形のレセプタクル3231に固定される。レセプタクル3231は、マクドナルドのロゴである「ゴールデンアーチ」に類似する「M」字を形成する。このため、これらのクランプは口語では「マクドナルドクランプ」とも呼ばれ、例えばストリップを固定する道具に類似する形状で知られている。示している実施形態では、クランプ顎部の前負荷力は、ケーブル80の種類および直径に適合してC字外形内で保持部3232a,3232bを変位することにより設定することができる。レセプタクル3231、したがってケーブルクランプ323は、運搬方向を横断して配置される2つのねじによりベルト3203に固定される。したがって、ケーブルクランプ323が軸327(
図3aも参照)の隅の周りを問題なく移動することが可能になる。支持体324のベルト3204への固定(
図3aも参照)およびこのベルト3204の案内は、同じように行われる。
【0116】
図4a~
図4dに、
図2aの矢印4A,4C、
図2bの矢印4B、および
図3cの矢印3Dによる表示方向を用いて
図2の異なる断面詳細図を示す。この場合に、いくつかの要素は、入力側の連結部310aおよび入力側のドッキング機構300aのより良い表示を有するために部分的にぼやかされている。ここでは入力側の台車30aとケーブル加工機90の入力側95aとの間に入力側ドッキング機構300aを例示的に示しているが、これに代えてまたは加えて、かつ同じようにまたは同様に吊り下げ運送手段50の領域に取り付けられてもよい。
【0117】
図4aおよび
図4bに入力側ドッキング機構300aを示す。
図4aでは
図2aと同様の「一緒に移動してロックされた」状態である。
図4bでは
図2bと同様の「移動して離れた」状態である。表示方向は、
図2aないしは
図2bに示す2つの矢印4A,4Bに対応する。
【0118】
実施形態の示している例で、ロックピン302およびガイド301は、ここでは矩形の外形で具現化されており、台車30aに配置されている。適合する対向部品、すなわちロック手段304およびガイド301は、ここではU字外形として具現化され、ケーブル加工機90の入力側95aに配置される。ガイド303,304の2つの部分がドッキング中に互いに押され、したがって台車30aがケーブル加工機90に対して正確に機械的に位置決めされ、ないしは中央に配置される。最初の不正確さを補償するため、広い流入面がガイド303,304の両側に設けられる。動作の快適さを高めて損傷を回避するため、ここではばねにより荷重されるディスクを備える軸として具現化され、ケーブル加工機90に固定された吸収材305が追加で設けられてもよい。台車30aがケーブル加工機90に対して正確に配置されると、ケーブル加工機90はセンサ3042により検出され、ロック手段304が起動される。示している例では、当該ロック手段は、滑動プレート3041と、ここでは空気圧シリンダとして具現化された駆動部3040とからなる。ロック目的で、この滑動プレート3041は、駆動部3040により移動される。こうして、滑動プレート3041の動作区域は、ロックピン302の溝に移動し、したがって台車30aをケーブル加工機に固定する確動接続を確立する。この固定を解除するために、滑動プレート3041を再び引き出す。全く同じ機構が出力側95bに再び設置される。
【0119】
別の実施形態では、ロックピン302および吸収材305の両方を、その都度台車30a,30bまたはケーブル加工機90に固定することができる。ロックピン302および吸収材305の両方が同じ側にある場合、共通の機能要素(描かれない)として形成されてもよい。
【0120】
すなわち、本発明の一部の態様では、ドッキング機構300aを備えて形成されたケーブル運送台車30aまたは当該ケーブル運送台車のための結合取付具が提供される。ドッキング機構300aは、好ましくは本質的に平行な側面を含む付属品として形成されたガイド要素、好ましくは自身の自由端にくさび状の流入形状部(面取り部)と、自由端の後方の溝または直径減少部(窪み)とを含み、好ましくは回転対称なロックピン302を有する。代替形態では、ドッキング機構300aを備えて形成されたケーブル加工機90または当該ケーブル加工機の機能モジュールが提供される。ドッキング機構300aは、台車のガイド要素の側面の先細流入領域、台車のロックピン302のための少なくとも1つの好ましくは円形の開口部を有し、台車は、ロックピン302を確動的にロック位置に保持し、かつ開位置に解放するように形成された前記開口部後方のロックユニット304を備え、かつロックユニットが好ましくは挿入されたロックピン302が自動的にロックされるように形成される、台車の減衰領域のための走行面と、制御されて作動することができ、任意にドッキングされた台車を検出するためのセンサを備えるロック解除装置とを備える。しかし、上記の好ましい実施形態に加えて、当業者は、例えば電磁石またはスイッチ磁石を備える、異なる変形例で台車を位置決めし、好ましくはロックドッキングするためのドッキング機構の機能的に類似する実施形態にも精通している。
【0121】
図4cに
図2のさらなる詳細図を示す。矢印4Dによる表示方向がそこに描かれ、いくつかの要素は、連結部310aの表示を良くするために、ぼやかされている。例示的に示している実施形態では、この連結部310aは、ケーブル加工機90から複合保管部30a,30bへの動力伝達部を備えて形成されている。連結部310aは、いくつかの歯車312a,312b,313a,313bのグループとして具現化される。駆動部311は、ギアを含む電気モータとして具現化される。駆動部311はケーブル加工機90に固定され、第1の歯車312aがケーブル加工機90の軸にフランジ接続される。第2の歯車312bは、中間ホイール保持部315に回転可能に取り付けられる。同様に、中間ホイール保持部315は、駆動部311の主軸を中心にして回転することができ、受動的力要素314により前負荷を加えられる。ケーブルの運送方向に応じて、1つまたはいくつかの歯車312a,312bが台車30aに再度配置され、歯車312a,312bのうちの1つがコンベアベルト320aに接続される。台車30aがケーブル加工機90にドッキングしたらすぐに、第2の歯車312bが歯車313aまたは歯車313bと動作接続される。いつでも、したがって歯車312b,313a,313bの互いに対する、すなわち「歯と歯の」好ましくない位置の場合でも係合を提供するために、歯車312bは、中間ホイール保持部315の回転によりわずかに跳ね返ることができ、受動的力要素314によりすぐに初期位置に再度戻される。この場合、ギア全体は、運搬方向の駆動トルクが受動的力要素314の動作方向と同じ方向を向くように設計される。ここに描かれる入力側95aの場合、ケーブル運搬装置320aは、右側、すなわちケーブル加工機90に運搬される。歯車313a,312bは時計回りに回転し、歯車313b,312aは反時計回りに回転する。したがって、駆動トルクは、歯車312bが歯車313bの方向、したがって係合位置の方向に移動するように支援する。
【0122】
出力側95b(図示せず)では、運搬方向は反対方向、すなわちケーブル加工機90からの方向になる。このため、その台車側に中間歯車313bを設置するべきではなく、歯車312bは歯車312aと直接動作接続するべきである。
【0123】
図4dに
図3cの主要な要素の断面図を示す。そこに矢印対4Dの支援で断面が描かれている。繰り返しになるが、歯車312a,312bおよび中間ホイール保持部315が互いにかつ駆動部311に回転可能に取り付けられているのが分かる。
【0124】
歯車ないしケーブル運搬装置320a,320bのそれぞれの固定は、任意に行われ、好ましくはドッキング機構300a,300bの要素、例えばロック手段304またはセンサ3042(
図3a,
図3b)と連結することができ、それによりケーブル運搬装置320a,320bは、台車がドッキング解除された場合には阻まれて意図せずに移動することができない。カメラないしはセンサ322(
図1b)に加えてまたは代えて、ケーブル運搬装置320a,320b、したがってその中に配置されたケーブル80の位置を決定するように形成された位置監視部が、ケーブル運搬装置320a,320bおよび/またはケーブル加工機90にあってもよい。これにより、歯車がどのように■み合っているか(例えば、歯と歯の変位または別の変位の場合)にかかわらず、ケーブル80を常に正しく把持することができ、ないしはケーブル80はケーブル加工機90に対して既知の位置で常に提供される。
【0125】
図5aおよび
図5bには、
図1eで概略的にスケッチされたものに類似する、巻かれたケーブル80cの運送のためのケーブル運送ユニット30aの特別な実施形態を示す。この場合、すべてのケーブルロール80cがそれぞれの吊り下げ運送ユニット53に吊り下げられ、ガイドレール51aに案内される。
図3aにおけるより短い、巻かれていないケーブル80の場合と同様に、加工されるケーブル端部は、その都度ケーブルクランプ323でクランプされて支持体324にわたってケーブルロール80cの方向に案内される。
【0126】
図5aに、この場合のケーブル運送ユニット30cの特別な構成を示す。ケーブル運送ユニット30cは、ガイドレール51aを備える。
【0127】
図5bに、ケーブルロール80cを運送するための台車のさらなる構成を示す。この場合、吊り下げ運送ユニット53用のガイドレール51は、主台車30aとは独立して移動することができる別個の吊り下げ運送体または追加の台車30eに固定される。この主台車30aは、
図2~
図4に示すように、より短いケーブル80にすでに用いられている台車30a,30bと同一に具現化されることが好ましい。追加の台車30eを正しく位置決めするために、300a,300b(図示せず)に類似のさらなるドッキング機構が、2つの台車30a,30eの間、または追加の台車30aとケーブル加工機90との間のいずれかに設けられてもよい。
台車の小さい相違や複雑性に加えて、2つの別個の台車30a,30eを備える実施形態は、動作モード「個別に再積み込みする」の簡略化も提供する。この場合、主台車30aは、つねにドッキングされたままの状態であり、ユーザは追加の台車30eによりケーブルロール80cを近づけ、ケーブルロール80cのケーブル端部をケーブルクランプ323に個別に挿入する。積み込み側と同様に、積み下ろし側で類似の台車が用いられてもよい。
【0128】
ケーブルロール80cを好ましくはどのように吊り下げることができるかの2つの基本的選択肢も示す。
図5aでは、後方差し込み口、ないしはケーブルクランプ323と反対側のケーブルロール80cの差し込み口がクランプ・加工されている。
図5bでは、前方差し込み口、ないしはケーブルクランプ323側の差し込み口が固定・加工されている。
図5aのように後方差し込み口を用いる場合、ケーブル80は、後の加工のために正しく位置合わせするために、より小さいトルクでより容易に回転することができる。しかし、その代償として、固定されていないケーブルの長さが、クランプ323とケーブルロール80cとの間ではわずかに長くなり、隣接するケーブルないしはケーブルロール80cが引っ掛かることになる場合もある。ケーブルの種類、したがってケーブルのねじれ剛性および曲げ剛性に応じて、ユーザはどの種類の吊り下げを選択するのが好ましいかを自由に選ぶ。単純なケーブルの回転を支援するために、回転継手54(
図1eに示す)がそれぞれの吊り下げ運送ユニット53に少なくとも設けられる。
【0129】
別の実施形態では、ケーブル運搬装置(320a,320b)は、ケーブル加工機90にドッキングし、または固定取り付けされてもよく、それにより、ケーブル80がケーブル加工機に運ばれて追加の台車30eの吊り下げ運送ユニット53に吊り下げられ、ケーブル端部81ないしはケーブル端部領域82がケーブル加工機90に直接挿入される。
【0130】
あるいは、ケーブル80は、ケーブル加工機90の吊り下げ運送ユニット53に吊り下げられてもよい。
【0131】
図6に、ここではウォーキングビーム駆動を用いて具現化されたいくつかの吊り下げ運送ユニット53のためのケーブルロール運搬装置ないしは複合運送手段52dの等角図を示す。複合運送手段52dは、例えば
図5a,
図5bにおける台車30cまたは追加の台車30eのガイドレール51a上の吊り下げ運送ユニット53から距離を置いて配置されたいくつかの追随部521を備える。これらの追随部521は、確動的に吊り下げ運送ユニット53に力を伝達することができるように設計される。コンベアベルトと対象的に(320a,320bと同様に)、ウォーキングビームの追随部521は、運送のために回転せず、特定の距離で往復移動し、それにより吊り下げ運送ユニット53を一方向のみに引っ張り、ないしは運送し、空の状態で反対方向に再度走行する。例示的な駆動部の変形例を2つの後続する図面に示す。
【0132】
これに代えてまたは加えて、ケーブル運搬装置320a,320b(例えば
図1c)は、この種のウォーキングビーム駆動を用いて具現化されてもよい。この場合、吊り下げ運送ユニット53に代えてケーブル80が運搬される。この目的のために、ウォーキングビーム駆動全体が、例えばコンベアベルトまたはチェーンを備える、現在説明している変更例のように、類似の幅ないしは2×の並列になるように具現化することができるであろう。
【0133】
図7a~
図7eに、ウォーキングビーム運搬原理および回転式、好ましくは電気的駆動部525eを用いる複合運送手段52dの動作モードを示す。この目的のために、2つのディスク523a,523bがチェーンまたは歯付きベルト524を介して接続され、同期して回転する。追随部521が固定される接続梁522は、これらの2つのディスク523a,523bに偏心固定される。平行四辺形がこのように形成されるため、2つのディスク523a,523bの回転により、遊園地の乗り物である「空飛ぶ絨毯」の場合と同様に、接続梁522が回転することなく接続梁522の円形移動を生成する。この場合に、追随部521の長さ、および複合運送手段52dとガイドレール51aとの間の距離は、接続梁522の運動成分が部分図a、c、およびdで見える運搬方向に沿って逆になっている領域内で、追随部521と吊り下げ運送ユニット53との間に確動接続が生成され、ないしは解除されるように選択される。このように、吊り下げ運送ユニット53は、ディスク523a,523bの回転に応じて反時計回りに右側に搬送され(
図7c~
図7e)、吊り下げ運送ユニット53がそれにより妨害されることなく、追随部521は、残りの移動中に出発点に再び戻される(
図7a~
図7c)。
【0134】
図8a~
図8bは、例示的な実施形態においてウォーキングビーム運搬原理、および並進の、好ましくは空気圧駆動部525pおよびばねにより荷重される追随部521を用いる複合運送手段52dの動作モードを示す。ここでも、追随部521は接続梁522に固定される。しかし、接続梁522は、運搬方向に往復移動されるだけであり、好ましくは空気圧シリンダ525pにより駆動される。追随部を開始点に戻す際に吊り下げ運送ユニット53を再運搬しないようにするため(
図8a~
図8d)、追随部521は、回転可能に取り付けられ、接続梁522内でばねにより荷重される。運搬方向と反対側の吊り下げ運送ユニット53に接触したらすぐに(
図8b)、追随部521は畳まれ(
図8c)、次に通過し、ないしは接続梁522が左端部位置に配置された場合(
図8d)に再び広げられる。反対方向では、回転可能な保管部は一切の移動をさせない。このため、吊り下げ運送ユニット53は運搬方向に確実に引っ張られる(
図8d~
図8f)。この場合、追随部521と接続梁522との間の回転継手のばね力は、確実な折り返しが確保される(
図8c~
図8d)とともに、間違った方向への望ましくない運搬が防止されるように選択される。この目的のために、ばね力は、吊り下げ運送ユニット53とガイドレール51aとの間の静止摩擦よりも小さくなるように選択される。
【0135】
接続梁522内の追随部521の受動的なばねによる荷重に代えて、追随部521は、好ましくは接続梁522全体を横断して移動する好ましくはさらなる空気圧シリンダないしはシリンダ対により、運搬方向を横断して能動的に移動してもよい。少なくとも1つの滑動ガイドによる横断移動の生成も考えられる。
【0136】
図9に、例示的なケーブル加工ステーション70aとの間のインタラクションを示す。例示的なケーブル加工ステーション70aは、加工のための所望の回転位置もしくは向きを達成し、または加工を行うために、長手方向の軸を中心にして例示的なケーブルロール80cの加工されるケーブル端部81ないしはそのケーブル端部領域82を回転させる。本発明によれば、ケーブルロール80cはこの場合、回転可能な保管部54を備える吊り下げ運送ユニット53で吊り下げられる。このケーブル加工ステーション70aは、例えば欧州特許第2871736号明細書に説明されるように構成されてもよく、具体的には、少なくとも1つのセンサないしはカメラ71(カバーで隠されている)と、相対移動に応じてケーブル端部81の展開を提供する、対応する回転駆動部および/または特定の把持顎部を備えるステーション把持部72を備えてもよい。この場合、ケーブル端部81は、例えば搬送把持部11(ここでは不図示)によりステーション把持部72に送達される。ステーション把持部72で搬送把持部11は、ケーブル端部81を開いて解放し、回転させる。カメラ画像および/またはセンサデータのソフトウェア対応分析の支援で、ケーブル端部はその軸を中心にしてステーション把持部72およびその回転駆動部の支援により回転し、当該および/または次のケーブル加工ステーション70a,70bで次の加工ステップを行うために最適に位置合わせされる(回転矢印により示す)。回転および/またはそれに続く加工の後、ケーブル端部81は、再び搬送把持部11に送達され、次のケーブル加工ステーション70bにさらに運送される。ケーブル80がステーション把持部72と搬送把持部11との間でこれらの送達過程中に再び回転するのを防止するために、本発明によれば、ケーブルロール80cは、内部応力ないしは弾性ねじりエネルギーがケーブル80内にできるだけ残らないように吊り下げられる。この目的のために、本実施形態の吊り下げ留め具55(回転矢印により示す)は、特に保管部54を介してガイド51cないしは吊り下げ運送ユニット53に対して回転可能に取り付けられる。このように、ケーブル加工ステーション70aでのケーブルの回転により、吊り下げ運送ユニット53ないしは吊り下げ留め具55でのケーブルロール80cの回転を生成し(2本の矢印により示す)、これにより内部応力ないしは望ましくないねじりエネルギーをできるだけ除去することができる。
図5aまたは
図5bに示すように、ケーブルの長さおよび/またはケーブルの種類に応じて、加工されるケーブル端部81の前方または後方の差し込み口、したがってケーブルロールの吊り下げられた上方底部または下方底部からの、ケーブルロール80cから加工されるケーブル端部80の分岐を用いることができる。ここ
図10では、例示的に前方差し込み口(
図5bと同様)を示している。
【0137】
図10aに示すように、ケーブルロールは、フック55aとして設計された吊り下げ留め具に、すなわち成形要素550なしで直接吊り下げられてもよい(
図10b)。スライド531(または台車ないしはトロリー)は、例えばローラ、スライダ等によりガイドレール51a,51b,51c,51d(
図1e)の内部または表面に低摩擦・変位可能ガイドを提供する。フック55aとして設計された吊り下げ留め具は、保管部54を介して、ここでは2つのボールベアリングの対として例示的に具現化されたこのスライド531に回転可能に取り付けられる。
【0138】
図10bに吊り下げ運送ユニット53の別の実施形態の要素を示す。本実施形態で示す成形要素550は、吊り下げ留め具55に固定され、必要に応じて好ましくは吊り下げ、または取り外すことができ、この場合にはケーブルロール80cの形態でケーブル残材の成形の改善または確実な吊り下げを提供することができる。この目的のために、成形要素550は、好ましくは湾曲して、具体的には適切に吊り下げられるようにケーブルロール80cの曲げ半径に適合された湾曲した半径を有して、具現化される。また、成形要素550は、滑落を防止するためにケーブルロール80cの少なくとも一部が挿入される少なくともいくつかの区間で、U字形状を形成することが好ましい。
図10cおよび
図10dで説明するように、この成形要素550は、好ましくはこれに加えて、半巻きケーブル残材80c1および/または単に吊り下げられたケーブル残材80c2を固定するためのさらなる孔および/またはクリップ552も含む。
【0139】
図10cには、「中間長」のケーブルの場合に用いられる、すなわち巻くには短すぎるが、吊り下げ運送ユニット53を用いない運送にはもう長すぎ、したがって例えば巻きを解かれた状態で平置きされている「半端な」ないしは不完全なケーブルロール80c1の吊り下げによる例示的な実施形態を示す。これに関連して、
図5aおよび
図5bは例えば、少なくとも一度成形要素550にわたって、またはその周りに延ばすにはもう十分に長いが、数回回転させて完全なケーブルロール80cを成形するにはまだ十分長くないケーブル80を示す。この場合にケーブル残材80c1が成形要素550から滑り落ちるのを防止するため、示している例では、ケーブル残材80c1はクランプ要素551により成形要素550に一時的に固定される。最も単純な形態では、このクランプ要素511は、好ましくは成形要素550の1つまたはいくつかの孔を通って延びるケーブルタイとして具現化されてもよい。あるいは、例えば、スノーボードバインディング、クライミングアイアン、またはスキーツアーブーツ等と同様に、フックを含むゴムバンドおよび/または好ましくはラチェット、締め具、もしくは類似のクランプ要素を含むツーピースクランプ装置も用いられてもよい。1回または数回回転させる実際のロールの場合に、ケーブルを吊り下げ運送ユニットに固定するためにそのようなものが必要であれば、類似のクランプ要素551が任意に用いられてもよい。
【0140】
より短いケーブル残材80c2であって、特には差し込み口を有するケーブルロール81c(
図10aおよび
図10bに示す)を形成するには十分長くないが、例えば使用できるように広げられた長さでケーブル加工機を介して案内するには長すぎるケーブル残材のための本発明による実施形態を
図10dに示す。本発明によれば、ケーブル残材80c2は、例えば成形要素550またはその内部に固定されることにより、垂直に吊り下げられて運送することができる。例えば、ケーブル残材80c2の未加工端部をこの目的のために設けられた保持部552に保持することにより、好ましくは摩擦係合によりケーブル残材80c2を運送することができる。示しているように、クランプ要素552は、例えば、好ましくはブルームスティック保持部に類似するクリップとして、ばね荷重クランプとして、バックパックキャリアの場合のようにケーブルのS字形状の糸通しのためのループまたはクランプ等としての成形要素550で形成することができる。
【0141】
あるいは、ケーブルタイの単純部品(成形要素550の対応する孔を含むが描かれない)も、滑り落ちるのに備えてケーブル残材80c2を固定するために用いられてもよい。
【0142】
図11aに、加工されるケーブル80がケーブル加工システムのための、床に限定された追加のモバイル台車30e、または運送体、または複合吊り下げ運送ユニットに提供される場合の実施形態の例を示す。この場合、ケーブル80は、追加の台車30e、任意でケーブル加工機90の外側、したがって追加の台車30eのガイド51aの吊り下げ運送ユニット53にも用意されてもよい。例示的なほぼ中間の長さのケーブル80をここでは例示的に示している。
図10cに示すように、ケーブル80は、そのケーブル残材80c1を(加工されるケーブル端部領域82から離れたケーブル80の残りの部品として)その都度吊り下げ運送ユニット53の上部に吊り下げてそこに固定することができるほどの長さである。そして、この追加の台車30eを入力側95aに設けてもよい。例えば
図1eで説明したように、この場合に加工されるケーブル端部81ないしはケーブル端部領域82は、複合保管部30a,30bないしはケーブル運搬装置(320a,320b)で運送するために提供され、したがって、例えば規定された位置で固定またはクランプされる。この場合、クランプも同様にここに示す第2の台車30aで行うことができる。第2の台車30aは、追加の台車30eとは別個に、またはこれに接続できるように形成されてもよい。
【0143】
図11bに、ケーブル80がさらに短いために上記で示した巻きまたは吊り下げが可能でない場合の実施形態を示す。これらのケーブル残材80c2は、吊り下げ運送手段53の上部のケーブル端部81の反対側端部に吊り下げられる。ここでは、ケーブル端部81は例示的に複合運送手段に挿入されている。台車30aおよび/または追加の台車30e、ないしは挿入に関連してすでに上述した選択肢がここでも同様に形成される。
【0144】
図11aおよび
図11bで示した2つの実施形態の場合、
図5bの代替形態として説明したように、ケーブル運搬装置はケーブル加工機に固定接続され、もしくはケーブル加工機に恒常的にドッキングされ、またはケーブルを吊り下げ運送ユニットに個別に吊り下げることができる。また、
図5aに示したように、2つの運送体は、共通の運送体として形成されてもよい。
【0145】
図12a~
図12dに、ケーブル残材80c,80c1,80c2の吊り下げ・結束の選択肢の本発明による例のさらなる代替的実施形態を示す。
【0146】
一般に、ケーブルロール80cは、中間固定具ないしはケーブルタイ80xによって、好ましくは合計3つのケーブルタイ80x(上方、左側、右側)で描いたように円周方向のいくつかの位置で好ましくは固定される。上方のケーブルタイは省いてもよい。ケーブルタイ80xに代えて、他の中間固定具、例えばテープ、クリップ、またはコードが用いられてもよい。ケーブルの種類および剛性、ならびにロールの直径、および空間的理由により、場合によってはケーブルロール80cがユーザにより円形形状から長円形状に圧縮されるかに応じて、ケーブルロール80cの形状は、円形(
図12b)または長円形状ないしは楕円形状(
図12a、
図12b、
図12d)のいずれかである。ケーブルロール80cの形状が円形か長円形かは、ここに説明する吊り下げ運送手段50の機能とほぼ無関係である。
【0147】
図12aに示すように、固定の労力を減らすために、クランプ要素551(
図10c)の変形例の場合に説明したのと同様に、例えば通常のケーブルロール80cも1本のロープまたはストリップ材料により吊り下げ運送ユニット53に直接固定され、好ましくはクランプ装置により強化してもよい(結び目はもはや必要ではない)。この場合に、ロープないしはストリップが十分柔らかければ、回転可能な取り付けを省いてもよい。
【0148】
図10dと同様に、ケーブル残材80c2の端部も1本のロープを巻き付け、結び、吊り下げてもよい。このロープの実施形態の場合、成形要素と、必要であれば決定された回転可能な保管部を省いてもよく、なぜならロープは、回転可能な保管部を提供するために形成されるのであり、したがって対応する長さ、厚さ、および/または材料の選択肢を有するからである。
【0149】
図12bおよび
図12cに、任意の成形要素550(
図10b)を備えるフック55a(
図10a)に代えて、カラビナ55bまたは機能上同様に形成された要素が用いられる実施形態を示す。これは、カラビナを吊り下げ運送ユニット53(
図12c)に接するケーブルロールとともに吊り下げることができるように開脚部を上方にするか、またはケーブルロールを吊り下げ運送ユニット53に接するカラビナに吊り下げることができるように開脚部を下方にするかのいずれかで行うことができる。吊り下げは、ケーブル残材80c,80c1、またはケーブル残材80c,80c1,80c2を囲むケーブルタイ80xのいずれかにカラビナ55bを直接に吊り下げることによりその都度行われる。
図10に描いて説明したように、保管部54は、一対の滑りベアリングまたはローラベアリングを介して提供されることが好ましい。
【0150】
これに代えてまたは加えて、
図12aに示したものと同様に、可撓性の吊り下げ留め具54sが同様に、ここでは保管部の機能を少なくとも部分的に引き継ぐことができる。
【0151】
あるいは、
図12dに示すように、吊り下げ留め具55は、好ましくはロック可能なピン55cを用いて具現化されてもよい。この目的のために、ケーブルタイ80xを含む追加のひも穴をケーブルロール80cに形成してもよい。ひも穴を介してピンを差し込み、ないしは通す。この場合、回転可能な保管部54は、滑りベアリングまたはローラベアリングにより吊り下げ運送ユニット53の領域に、またはピンに吊り下げられたケーブルタイ80xにより少なくとも部分的に提供されてもよい。
【0152】
ここに説明した部分的解決法の組み合わせ、特にロープないしはストリップ材料の延長も可能であり、目的に合っている。
【符号の説明】
【0153】
3A~3B,4A~4D 表示方向/断面定義の矢印(対)
10 ケーブル運送装置
11,11a~11b 搬送部(把持部)
12,12a~12b 搬送機構(いくつかの駆動軸)
20a~20c 送達(把持部)
20d 送達・搬送把持部
22a~22d 搬送機構(いくつかの駆動軸)
30a~30b 複合保管部
(ケーブル運送ユニット、台車、トロリー、複合運送体)
30c 吊り下げ運送ユニットのためのガイドレールを備える複合保管部
30e 追加の台車、(ケーブル)(複合)吊り下げ運送ユニット
300a~300b ドッキング機構
301 ガイド(雄、外形)
302 ロック要素(ロックピン)
303 ガイド(対向部品、雌)
304 ロック手段
3040 ロック駆動部(シリンダ)
3041 滑動プレート
3042 センサ
305 吸収材
310a~310b 連結部
311 駆動部(運搬装置用)
3111a~3111b (チェーン)駆動部(ホイール)
3112a~3112b 対向面
312a~312b ハーフカップリング(歯車、駆動部側)
313a~313b ハーフカップリング(歯車、コンベアベルト側)
314 受動的力要素(ばね)
315 中間ホイール保持部
32a~32d ケーブル保持部(クランプ、支持体、分離ウェブ)
320a~320b (ケーブル)運搬装置(コンベアベルト、ウォーキングビーム)
3201 プレート(ガイド要素)
3202a~3202b シート(ガイド要素)
3203,3204 ベルト
3205a~3205c チェーン(容易に分離可能な区間を含む)
3206 チェーン区間
321a 挿入領域
321b 取り出し領域
322 (ケーブル充填レベル)センサ(カメラ)
322,322a~322b (チェーン区間)センサ(カメラ)
323 (ケーブル)クランプ
3231 (保持部)レセプタクル
3232a~3232b (クランプ顎部)保持部
3233a~3233b クランプ顎部
324 (ケーブル)支持体
327 軸
328 ガイド
329a~329b (チェーン予備)収集手段(ボックス、ローラ)
33 移動要素(ホイール)
34 運送体
34a~34b 運送台車
341 機械的インタフェース
35 制御部、(部分的)自律駆動システム
351 (制御)ケーブル
352 駆動部(固有運動用)
353 センサ(カメラ)
354 電源(バッテリー、蓄電池)
40a~40b 中間バッファ保管部(さらなるケーブル保持部)
400a 自動積み込み装置
400b 自動積み下ろし装置
4020 送達(把持部)
4022 搬送機構(ロボット)
4091 筐体(ケーシング)
4093 制御部
4099 センサ(カメラ)
430a~430b 積み込みまたは積み下ろし台車(運送体、台車、トロリー)
432 ケーブル保持部(クランプ、支持体、分離ウェブ)
50 吊り下げ運送手段
(ロール運送手段(コイル取り扱い))
51a~51d ガイド、ガイドレール、レール
52a~52c 運送手段(53用)
52d 複合運送手段
(ウォーキングビーム、運搬装置)
521 追随部
522 接続梁(梁)
523a~523b ディスク
524 歯付きベルト
525e (回転)駆動部(電気的)
525p (並進)駆動部(空気圧)
53 吊り下げ運送ユニット(スライド、運送台車)
531 スライド(運送台車)
54 (回転可能)保管部
54s 可撓性吊り下げ留め具(ロープ)
55 吊り下げ留め具(フック)
55a フック(成形要素を含まない)
55b カラビナ
55c ピン(ロックを含む)
550 成形要素(吊り下げ留め具)
551 クランプ要素(ラチェット、ゴムバンド、ケーブルタイ)
552 クランプ要素(クリップ)
56a~56b リフト(変換器)
57 (さらなる)運送手段(戻り)
58 端部止め具(ストッパ)
70a~70b ケーブル加工ステーション
71 センサ(カメラ)
72 (ステーション)把持部(回転駆動部を備える)
80 ケーブル
80f (不良)ケーブル(劣等部品、故障部品)
80c ケーブル残材(ケーブルロール、コイル)
80c1,81c2 ケーブル残材(不完全なケーブルロール)
80x 中間固定具(ケーブルタイ)
81 ケーブル端部
82 ケーブル端部領域
90 ケーブル加工機
91 筐体(ケーシング)
92,92a~92b フレーム(ラック、モジュール)
93 制御部
95a 入力側
95b 出力側
【手続補正書】
【提出日】2024-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル加工機(90)の少なくとも1つのケーブル加工ステーション(70a,70b)で特に重く、かつ/または比較的屈曲剛性の事前切断済みケーブル(80)の少なくとも1つのケーブル端部(81)を自動的に加工するための機械制御部(93)を備える前記ケーブル加工機(90)を備えるケーブル加工システムであって、
前記ケーブル(80)を運送するために形成されたケーブル運送装置(10)を備え、前記ケーブル運送装置(10)は、
-前記ケーブル(80)の前記ケーブル端部(81)のうちの少なくとも1つを前記少なくとも1つのケーブル加工ステーション(70a,70b)に運送するためのケーブル運搬装置(320a,320b)と、
-前記ケーブル(80)のケーブル残材(80c,80c1,80c2)の吊り下げ運送のために形成された吊り下げ運送手段(50)と、を備える、ケーブル加工システムにおいて、
前記吊り下げ運送手段(50)は、
-少なくとも1つのガイド(51a,51b,51c,51d)と、
-いくつかの吊り下げ運送ユニット(53)とを有し、
前記吊り下げ運送ユニット(53)は、前記ガイド(51a,51b,51c,51d)で変位可能であり、前記ケーブル残材(80c,80c1,80c2)の吊り下げ部として形成され、
前記吊り下げ運送ユニット(53)は、前記吊り下げ運送ユニット(53)に吊り下げられたケーブル残材(80c,80c1,80c2)が垂直軸を中心にして前記吊り下げ運送ユニット(53)により、または前記吊り下げ運送ユニット(53)で回転可能になるように設計されることを特徴とする、ケーブル加工システム。
【請求項2】
前記ケーブル加工ステーション(70a,70b)のうちの少なくとも1つは、前記ケーブル端部(81)の長手方向の軸を中心にして前記ケーブル端部(81)の加工中または加工のために、好ましくは回転駆動部を備えるステーション把持部(72)により前記ケーブル端部(81)を回転させるように形成され、
前記ステーション把持部(72)ないしは前記ケーブル端部(81)の回転位置を検出するためのセンサおよび/またはカメラ(71)が、前記ケーブル加工ステーション(70a,70b)の領域にさらに配置されることを特徴とする、請求項1に記載のケーブル加工システム。
【請求項3】
前記吊り下げ運送ユニット(53)のうちの少なくとも1つは、
-前記ガイド(51a,51b,51c,51d)に適合する台車またはスライド(531)と、
-運送ユニット(52a,52b,52c,52d)の追随部(521)のための対向面と、
-好ましくはフック形状で、カラビナ(55b)を備えて、またはピン(55c)として具現化される吊り下げ留め具(55)の回転可能な保管部(54)であって、前記カラビナ(55b)または前記ピン(55c)に、前記吊り下げ留め具(55)、好ましくは成形要素(550)を取り付けることができる保管部(54)と、を備えて形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のケーブル加工システム。
【請求項4】
前記吊り下げ運送ユニット(53)は、成形要素(550)を備えて形成され、
前記成形要素(550)は、
湾曲領域と、前記ケーブル残材(80c,80c1)の下位領域を吊り下げることができるようにU字外形を少なくとも部分的に形成する領域とを備えて形成され、
かつ/または
代替的に、前記ケーブル残材(80c2)をその未加工ケーブル端部で固定し、垂直に吊り下げることができるように保持領域(552)を備えて形成され、前記ケーブル残材(80c,80c1,80c2)が少なくとも1つのケーブル断面で留め要素(551)により前記成形要素(550)に固定可能となるように、前記成形要素(550)は好ましくは形成され、
前記成形要素(550)は、特に前記少なくとも1つの吊り下げ運送ユニット(53)の吊り下げ留め具(55)に交換可能に取り付けることができるように形成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの吊り下げ運送ユニット(53)は、前記ケーブル残材(80c,80c1,80c2)を直接的または間接的に吊り下げることができる吊り下げ留め具(55)を備えて形成され、
前記吊り下げ留め具(55)は、特に前記ケーブル残材(80c,80c1,80c2)の吊り下げ状態において、前記垂直軸が前記ケーブル残材(80c,80c1,80c2)の対称軸に本質的に対応するように設計されるか、または、前記吊り下げ留め具(55)は、前記ケーブル残材(80c,80c1,80c2)が解放可能な留めユニットにより、好ましくはロープ(54s)により、またはカラビナ(55b)により、またはピン(55c)により、またはケーブルタイ(80x)により間接的に前記吊り下げ留め具(55)に固定可能となるように形成されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項6】
前記ガイド(51a,51b,51c,51d)の前記吊り下げ運送ユニット(53)を移動するように形成された少なくとも1つの能動的運送手段(52a,52b,52c,52d)が、前記ガイド(51a,51b,51c,51d)の前記領域内の前記ケーブル加工機(90)に設けられ、
前記運送手段(52a,52b,52c,52d)は、好ましくは前記吊り下げ運送ユニット(53)の対向面に適合する少なくとも1つの追随部(521)と、前記ガイド(51a,51b,51c,51d)と平行に前記追随部(521)を移動させる運送駆動部を備えて形成され、
特に、前記運送駆動部は、前記追随部(521)が同期して、または対応する前記ケーブル端部(81)の平均運送速度で移動するように形成されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項7】
複合運送手段(52d)が前記運送体ガイド(51a)の前記領域内の前記ケーブル加工機(90)の入力側(95a)で前記ケーブル加工機(90)に配置され、前記複合運送手段は、好ましくは複合保管部(30c)と組み込みガイドレールとのドッキング中、または追加の台車(30e)のドッキング中に前記複合運送手段(52d)と、前記吊り下げ運送ユニット(53)のうちの少なくとも1つとの係合を達成するように形成されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項8】
前記複合運送手段(52d)は、前記吊り下げ運送ユニット(53)のうちの少なくとも1つ毎にいくつかの追随部(521)を有し、好ましくは回転ベルト(524)ないしはチェーン、ツインベルトコンベア、コンベアベルト、またはウォーキングビームコンベアを備えて形成されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項9】
前記吊り下げ運送手段(50)は、前記吊り下げ運送ユニット(53)のうちの少なくとも1つが、特に前記ケーブル加工機(90)の前記出力側(95b)で隣接する前記吊り下げ運送ユニット(53)によりさらに押されるように形成されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項10】
前記運送手段(52a,52b,52c)は、受動的に、ないしは駆動部なしで形成され、前記吊り下げ運送ユニット(53)は、前記ケーブル加工機(90)の前記ケーブル運搬装置(320a,320b)または把持部(11a,11b,20a,20b,20c,20d)により引っ張られ、ないしは変位することができることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項11】
前記運送手段(52a,52b,52c)は、好ましくは前記変位領域が重なり合い、かつ両方の隣接する運送手段(52a,52b,52c)が前記重なり合う領域で前記吊り下げ運送ユニット(53)と同時に動作接続するように設計されたいくつかの隣接する運送手段(52a,52b,52c)を備えて形成され、特に前記ケーブル加工ステーション(70a,70b)のうちの1つは、それぞれの対応するステーション運送手段を備え、前記ステーション運送手段の前記変位領域は、隣接するケーブル加工ステーション(70b,70a)と重なり合うことを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項12】
前記ケーブル加工機(90)は、入力側(95a)および出力側(95b)を有し、
前記ガイド(51a,51b,51c,51d)は、
前記ケーブル加工機(90)の前記入力側(95a)および/または前記出力側(95b)から突出し、それにより
前記ケーブル残材(80c,80c1,80c2)を前記吊り下げ運送ユニット(53)に吊り下げ、ないしは前記吊り下げ運送ユニット(53)から取り外すことができ、かつ/または
前記吊り下げ運送ユニット(53)を周囲で前記ガイド(51a,51b,51c)に挿入し、ないしは前記ガイド(51a,51b,51c)から引き出し、ないしは押し出すことができることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項13】
前記ケーブル(80)を、交換可能な追加の台車(30e)に吊り下げられるように前記ケーブル加工機(90)に供給することができ、前記追加の台車(30e)で前記吊り下げ運送ユニット(53)をガイド(51d)から前記ケーブル加工機(90)の前記ガイド(51c)に送達することを行うことができるように前記追加の台車(30e)をドッキングすることができ、
前記ケーブル(80)の前記ケーブル端部領域(82)を前記ケーブル加工機(90)のケーブル運搬装置(320a,320b)に導入することができ、
前記ケーブル運搬装置(320a,320b)は、前記ケーブル加工機(90)または恒久的にドッキングされる複合保管部(30a,30b)の好ましくは固定設置された部品であることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載のケーブル加工システム。
【請求項14】
ケーブル加工機(90)で重く、長く、かつ/または屈曲剛性のケーブル(80)を自動的に加工するため方法であって、
特に吊り下げ運送手段(50)の吊り下げ運送ユニット(53)に吊り下げられた形態のケーブルロール(80c)としての前記ケーブル(80)を提供するステップと、
少なくとも1つのガイド(51a,51b,51c,51d)で前記ケーブル加工機(90)の中を通って前記吊り下げ運送ユニット(53)を移動させるステップと、
ケーブル運搬装置(320a,320b)による前記ケーブル(80)の運搬、および/または前記ケーブル(80)のケーブル端部(81)ないしはケーブル端部領域(82)の少なくとも1つを運送するための少なくとも1つの把持部(11a,11b,22a,22b,22c)により、前記ケーブル加工機(90)の少なくとも1つのケーブル加工ステーション(70a,70b)内で前記ケーブル(80)の前記少なくとも1つのケーブル端部(81)を加工するステップとを含む方法において、
前記吊り下げ運送ユニット(53)に前記ケーブル(80c)を吊り下げ、前記吊り下げられたケーブルは、前記吊り下げ運送ユニット(53)に対して垂直軸を中心にして回転可能であることを特徴とする、方法。
【請求項15】
ケーブル加工機(90)のケーブル加工ステーション(70a,70b)内で本質的に水平な軸を中心にして約1.5メートルを超える長さのケーブル(80)を回転させるための方法であって、
前記ケーブル(80)のケーブル端部(81)ないしはケーブル端部領域(82)を把持するステップと、
規定された位置に前記ケーブル端部(81)を回転させるステップとを含む方法において、
吊り下げ運送手段(50)の吊り下げ運送ユニット(53)における前記ケーブル(80)の吊り下げられた提供であって、前記吊り下げられたケーブル(80)は、前記吊り下げ運送ユニット(53)に対して垂直軸を中心にして回転可能であり、前記ケーブル(80)は、好ましくはケーブルロールの形態で提供され、特に引張の補償が、前記吊り下げ運送手段において前記ケーブル(80)の残りの部分の垂直回転運動による前記ケーブル端部(81)の水平回転によって行われる、吊り下げられた提供を特徴とする、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0124
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0124】
歯車ないしケーブル運搬装置320a,320bのそれぞれの固定は、任意に行われ、好ましくはドッキング機構300a,300bの要素、例えばロック手段304またはセンサ3042(
図3a,
図3b)と連結することができ、それによりケーブル運搬装置320a,320bは、台車がドッキング解除された場合には阻まれて意図せずに移動することができない。カメラないしはセンサ322(
図1b)に加えてまたは代えて、ケーブル運搬装置320a,320b、したがってその中に配置されたケーブル80の位置を決定するように形成された位置監視部が、ケーブル運搬装置320a,320bおよび/またはケーブル加工機90にあってもよい。これにより、歯車がどのようにかみ合っているか(例えば、歯と歯の変位または別の変位の場合)にかかわらず、ケーブル80を常に正しく把持することができ、ないしはケーブル80はケーブル加工機90に対して既知の位置で常に提供される。
【国際調査報告】