(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】人の腸内の液体及び半液体の腸老廃物を収集するための吸収性挿入デバイス
(51)【国際特許分類】
A61F 5/445 20060101AFI20240403BHJP
A61F 13/20 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A61F5/445
A61F13/20 100Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556981
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 DK2022050066
(87)【国際公開番号】W WO2022207051
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523350039
【氏名又は名称】エーエムピーエー メディカル エーピーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】パースロウ,マリー フィリプソン
(72)【発明者】
【氏名】アンミッツボル,セシリエ
【テーマコード(参考)】
3B200
4C098
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA09
3B200BA01
3B200BB03
3B200BB04
3B200BB05
3B200BB09
3B200BB10
3B200BB17
3B200CA17
3B200DB01
3B200DB02
3B200EA15
3B200EA16
4C098AA10
4C098DD05
4C098DD06
4C098DD10
4C098DD13
(57)【要約】
本開示は、腸開口からの液体及び半液体の腸老廃物のための使い捨て吸収性閉鎖具に関する。本発明は、理想的には、ストーマ袋の物理的及び心理的な欠点を持たない。特に、本開示は、被験者のイレオストミーを通して挿入するための吸収性挿入デバイスに関し、このデバイスは、被験者の回腸内の腸老廃物を吸収及び/又は収集してイレオストミーの漏れ防止閉鎖具を形成するように構成されている。デバイスは、初期長を有すると共に吸収性材料を含む拡張可能な細長い本体と、細長い本体に取り付けられた引き出し手段と、を備える。拡張可能な細長い本体は、イレオストミーを通して回腸内に挿入されると半径方向に拡張し、任意選択的に、縦方向に拡張することによって回腸内で細長い本体の長さを増すように構成されている。本開示は更に、被験者の回腸から腸老廃物を収集するための方法に関する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間のイレオストミーを通して挿入するための吸収性挿入イレオストミーデバイスであって、前記人間の前記回腸内の腸老廃物を吸収すると共に前記イレオストミーの漏れ防止閉鎖具を形成するように構成され、
吸収性材料を含む拡張可能な細長い本体と、
前記細長い本体に取り付けられた引き出し手段と、
1つ以上の圧縮手段と、を備え、
前記圧縮手段は、挿入前に前記拡張可能な細長い本体を第1の直径を有する圧縮状態に維持するように構成され、
前記拡張可能な細長い本体は、前記イレオストミーを通して前記回腸内へ挿入されて前記圧縮手段から解放された場合、半径方向に拡張して第2の直径を有する非圧縮状態になるように構成され、
前記第1の直径は前記人間の前記イレオストミーの前記直径以下であり、前記第2の直径は前記人間の前記回腸の前記直径以上である、吸収性挿入イレオストミーデバイス。
【請求項2】
前記吸収性材料を含む前記細長い本体は、前記引き出し手段によって前記人間の前記回腸から引っ張り出される場合に第3の直径に一致するよう構成され、
前記第3の直径は、前記イレオストミーの前記直径である、請求項1に記載の吸収性挿入デバイス。
【請求項3】
前記第2の直径は、2~5cmであり、
前記非圧縮状態における前記拡張可能な細長い本体の前記縦方向に沿った前記長さは、少なくとも15cmである、請求項1又は2に記載の吸収性挿入デバイス。
【請求項4】
前記吸収性挿入デバイスは、少なくとも50ミリリットルの吸収容量を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の吸収性挿入デバイス。
【請求項5】
前記細長い本体は、前記本体の縦方向軸の周りに巻かれて、複数の巻きを含む螺旋を形成する、請求項1から4のいずれか一項に記載の吸収性挿入デバイス。
【請求項6】
前記細長い本体は、前記本体から半径方向に延出する複数の可撓性突起を含んで、ブラシに似たものとなっている、請求項1から5のいずれか一項に記載の吸収性挿入デバイス。
【請求項7】
前記細長い本体は、部分的に又は全体的に前記吸収性材料が充填された可撓性チューブとして提供される、請求項1から6のいずれか一項に記載の吸収性挿入デバイス。
【請求項8】
前記可撓性チューブは、ナイロン、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、又はポリプロピレンの群から選択された材料を含む、織ったクリノリンチューブである、請求項7に記載の吸収性挿入デバイス。
【請求項9】
前記細長い本体は、細長い円錐形に丸められたシートから形成される、請求項1から8のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
【請求項10】
前記細長い本体は、閉鎖端部を有するチューブから形成され、
前記チューブは、内部で1回以上折り曲げられ、
前記チューブは、前記引き出し手段を用いて前記イレオストミーから前記デバイスを引っ張り出すと広がるように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の吸収性挿入デバイス。
【請求項11】
前記細長い本体は、複数のシリンダを含み、
各シリンダは、吸収性材料を含み、
各シリンダに引き出し手段が取り付けられて、前記複数のシリンダを前記被験者から個別に引き出せるようになっている、請求項1から10のいずれか一項に記載の吸収性挿入デバイス。
【請求項12】
前記細長い本体は、前記本体の前記軸方向安定性を増大するように構成された支持構造を含み、
前記支持構造は、シリコーン、ゴム、ラテックス、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ニチノール、及び/又はそれらの組み合わせの群から選択された材料を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の吸収性挿入デバイス。
【請求項13】
被験者の前記回腸から腸老廃物を収集するための、請求項1から12のいずれか一項に記載の吸収性挿入イレオストミーデバイスの使用。
【請求項14】
人間のイレオストミーを通して挿入するための、請求項1から12のいずれか一項に記載の吸収性挿入イレオストミーデバイスの使用。
【請求項15】
被験者の前記回腸から腸老廃物を収集するための方法であって、
被験者の前記イレオストミーを通して、請求項1から12のいずれか一項に記載の吸収性挿入デバイスを挿入することにより、前記被験者の前記回腸内に前記デバイスを配置するステップと、
前記吸収性材料に、前記被験者からの腸老廃物を吸収させるステップと、
前記引き出し手段を用いて前記被験者から前記吸収性挿入デバイスを引き出すステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の腸内の液体及び半液体の腸老廃物を収集するための吸収性挿入デバイスに関する。特に、本開示は、被験者のイレオストミーを通して挿入するための吸収性挿入デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
イレオストミーは人工腸開口である。病気又は外傷のため、大腸(結腸)や、場合によっては小腸の一部を外科的に除去し、小腸(空腸又は回腸)の残り部分を腹壁に通して裏返して皮膚に縫合することで、イレオストミーを構成する。以後、腸老廃物はイレオストミーを通して排出される。イレオストミーは、腸老廃物の自発的な排泄を制御する括約筋を持たず、従って、腸老廃物の連続的で制御不能の排泄を自制できない。イレオストミーを有する人々の大部分では、腸老廃物は液体であり、その量は500~1000ml/日である。イレオストミーからの腸老廃物は、接着板によって人の腹部に取り付けられたストーマ袋内に収集される。ストーマ袋は1950年代に発明され、それ以降、イレオストミーから腸老廃物を収集するために用いられている。しかしながら、ストーマ袋には大きな欠点がある。
【0003】
まず第一に、腸老廃物の入った袋が腹部からぶら下がっていることに伴う身体イメージの変化は、ほとんどの人々にとって心理的負担である。第二に、イレオストミーを有する人は腸老廃物及び腸内ガスを抑えておくことができず、腸老廃物及び腸内ガスのストーマ袋内への排出によって、かなりの音と排便中の特徴的な臭いが発生するので、ストーマ袋が適正に使用されている場合であっても、ユーザは相当に社会的ハンディキャップを受けることが多い。また、接着により取り付けられたストーマ袋は、程度の差はあれ充填された袋の重量が不快感を引き起こすという欠点があり、結果として袋がユーザの皮膚から無意識に取り外され、腸老廃物の漏れが生じる可能性がある。更に、ストーマを取り囲む皮膚の自然なしわによって、接着板を漏れないようにぴったり保つことが難しくなり得る。常に漏れの心配があることは、ストーマ袋のほとんど全てのユーザが抱えている精神的負担である。また、ストーマ袋のユーザは、皮膚が腸老廃物及び攻撃的な(aggressive)接着剤と接触するので、治療を必要とする皮膚合併症を発症することが多い。最後に、袋内の腸老廃物の外部保管によって、身体運動が困難になる。袋を押したり、圧迫したり、又は締め付けたりすると、漏れのリスクがある。一般に、ストーマ袋では、隆起型ストーマ(protruding stoma)、すなわち皮膚から2~3センチメートル突出しているストーマが必要である。隆起型ストーマは一種の蛇口として機能し、周囲の皮膚との接触を最小限に抑えながら、腸老廃物は袋内へ誘導される。しかしながら、これは常に成功するとは限らず、皮膚潰瘍を引き起こす。更に、隆起型ストーマは、ストーマ袋のユーザの精神的負担を増大させる可能性がある。
【0004】
イレオストミーを有する人々は、ストーマ袋に代わる解決策を求めている。今までのところ、実用的な代替案は市場に出ていない。コロストミー(大腸のストーマ)で固形便を引き留めるために設計された既存の解決策は、イレオストミーの使用には適していない。その理由は、回腸で大量の液体内容物が生成されるからである。これにより、回腸を適正に密閉することが難しくなる。
【0005】
一般に、タンポンに似た閉鎖具(closure)は、典型的に吸収容量が小さいという欠点がある。このため、腸内で使用される場合、腸老廃物を閉鎖具で吸収することができないので、閉鎖具の後方で漏れ又は蓄積が生じ、腸壁に対する圧力の増大を招く可能性がある。圧力増大の結果、腸の拡張が生じるか、又は腸から閉鎖具が押し出されることがあり、これらは双方とも望ましくない状況である。タンポンに似た閉鎖具に伴う別の課題は、ストーマの直径が腸の弾性直径よりも小さいので、閉鎖具がストーマから引っ張り出される際に圧迫されて、液体腸老廃物の一部がこぼれるリスクがあることである。これらの理由から、オストミーで使用するためのタンポンに似た解決策は商品化されていない。
【0006】
別の課題は、直腸内の液体の糞便を吸収することができる代替的な閉鎖具をどのように提供するかということである。これは、便失禁を患う被験者では特に重要である。便失禁は、括約筋の機能障害又は慢性下痢を引き起こす疾患によって発生する可能性がある。失禁状態の正常な肛門開口部からの腸老廃物はおむつに似た装置で収集されることがあるが、これは身体的に不快であると共に精神的に恥ずかしいので、多くの場合、実際の閉鎖具によって失禁状態の肛門を閉じる方が好まれる。肛門開口部のための閉鎖具は市販されているが、それらの吸収容量は非常に限定されており、固体の糞便を排泄する人々にとっては理想的であるが、液体の糞便を排泄する人々は、漏れを経験し、おむつに似た解決策に頼ることが多い。
【発明の概要】
【0007】
以下で、イレオストミーとは、小腸から、すなわち空腸又は回腸からの任意のストーマを意味する。従って、本明細書で開示されているデバイスは、小腸の空腸又は回腸部分に配置され、これをまとめて回腸と呼ぶ。デバイスは更に、ウロストミーでの使用、及び、便失禁の人々のため直腸での使用に適している。
【0008】
腸の閉鎖を形成しながら腸内で液体を吸収することができ、腸から引き出される際にその液体の大部分を保持することができる閉鎖具が必要とされている。特に、小腸(回腸)内での配置に適していると共にその閉鎖を形成し、回腸から引き出される際にその液体の大部分を保持することができる閉鎖具が必要とされている。
【0009】
本開示は、人間等の被験者のイレオストミー等のストーマを通して挿入される吸収性挿入デバイスを提供することによって、上述の問題を解決する。デバイスは、ストーマ開口に進入し、腸老廃物を吸収しながら半径方向(radially)及び縦方向(longitudinally)に拡張して腸の寸法に調整された構成になり、ストーマから引き出される際に腸老廃物を保持することができる材料及び構成で構成され、これによりデバイスは、被験者の回腸等の腸内の腸老廃物を吸収及び/又は収集するように構成されている。デバイスは、初期長を有すると共に吸収性材料を含む拡張可能な細長い本体と、細長い本体に取り付けられた引き出し手段と、を備える。拡張可能な細長い本体は、ストーマを通して腸内に挿入されると半径方向に拡張してストーマの漏れ止め閉鎖具を形成するように構成されている。これは、挿入前のデバイスの全体的な初期直径(デバイスの縦方向軸を通して断面で見た場合)が、ストーマ内に挿入されて解放された後のデバイスの全体的な直径(デバイスの縦方向軸を通して断面で見た場合)よりも小さいことを意味する。これは様々な圧縮手段を用いて実行することができ、例えば、挿入前に吸収性材料を取り囲む挿入スリーブもしくはアプリケータを用いること、又は、デバイスがストーマ内に挿入された場合に溶解するフォイルもしくはプラスチック内に吸収性材料を収容することによって実行できる。吸収性材料は、これにより、ストーマ内に進入できるサイズを有する圧縮状態から、例えば腸骨の内壁に対して配置されること又は腸粘膜がデバイスの周りでぴったりと折り重なることによって、ストーマのぴったりした閉鎖具となる非圧縮状態(すなわち材料は拡張している)へ変化する。漏れ止めとは、実質的に全ての液体がストーマ内に維持され、ストーマを通り抜けないことを意味する。少量がストーマの外面上に存在する場合、パッチを張ってこの問題を克服することができる。
【0010】
任意選択的に、開示されている挿入デバイスは更に、例えば腸老廃物の吸収中、縦方向に拡張することにより、腸内で細長い本体の長さを増すように構成されている。また、デバイスの縦方向の拡張は、デバイスを腸内へ挿入した後、デバイスによって自然に発生してもよい。半径方向及び/又は縦方向の双方の拡張は、デバイスを圧縮状態に保つ圧縮力からデバイスを解放することによって達成できる。一例として、力はコーティングによって提供することができ、このコーティングが挿入後しばらくして溶解することで、一度コーティングが溶解したらデバイスは自由に拡張する。あるいは、挿入デバイスは、アプリケータ内で圧縮されて体管(body canal)内に挿入されるか、又は、吸収性挿入デバイスの中心に配置された誘導カテーテルと共に挿入される。好ましくは、デバイスは、引き出し手段によって腸から引っ張り出される際にストーマの直径とほぼ一致する。
【0011】
本開示は、吸収性挿入デバイスを提供することによって、上述の(腸内の液体腸老廃物を収集及び保持するという)課題に対処する。この吸収性挿入デバイスは、半径方向及び縦方向に拡張して対象のストーマ(例えばイレオストミー又はウロストミー)の閉鎖具を形成するように構成され、更に、液体内容物の大部分、理想的には液体内容物の全てを保持しながら、ストーマから引き出せるように構成されている。これは、多くの異なる実施形態(
図2Aから
図2Fを参照のこと)で提供することができる本開示の挿入デバイスによって達成される。ここで、全ての異なる実施形態によって提供されるデバイスでは、デバイスをストーマから引っ張り出す際のストーマにおけるデバイスの断面の直径がストーマの直径に実質的に対応するようにデバイスを引っ張り出せることがわかる。このように、吸収性材料は圧迫されず、吸収性材料内の液体は維持される。
【0012】
特に、本開示のデバイスは、ある量の吸収された液体内容物を保持している吸収性閉鎖具を、体管からストーマ又は自然の腸開口を通してどのように引き出すかという問題を解決する。これが問題となるのは、自然の又は人工の腸開口の直径が体管よりも小さいので、この開口を通して吸収性閉鎖具を引き出す際に、閉鎖具を圧迫して、吸収された腸老廃物の一部が例えば腸のような体管の内部にこぼれるのを防ぐことが難しいからである。本出願人は、(少なくとも)2つの直径によって記述できる挿入デバイスを提供することにより、これらの課題を解決した。すなわち、好ましくは、被験者のストーマの直径以下でなければならない第1の直径と、好ましくは、挿入デバイスが配置されることが意図される体管の直径にほぼ等しい第2の直径と、である。ストーマを通して挿入される前、吸収性挿入デバイスは、ストーマを通して挿入できるサイズに圧縮されている。挿入されて、圧縮力(例えばコーティング又は挿入アプリケータにより与えられる)が除去された後、挿入デバイスは好ましくは、デバイスが配置されるストーマ後方の体管の閉鎖具を形成するため、この体管の直径に概ね一致するよう半径方向に拡張する。ここで、挿入後、挿入デバイスは好ましくは第2の直径になるように拡張する。しかしながら、拡張して腸老廃物を吸収した後であっても、挿入デバイスは、吸収した液体内容物の(理想的には)全てを保持しながら、又は液体内容物のほとんどを維持しながら、ストーマを通して体管から引き出すことができる。この機能は好ましくは、引き出し手段によって挿入デバイスを体管から引っ張り出す際、例えば第1の直径により達成されるストーマの直径に一致するよう挿入デバイスを構成することによって達成される。
【0013】
本開示は更に、人間のイレオストミーを通して挿入するための吸収性挿入イレオストミーデバイスに関する。このデバイスは、人間の回腸内の腸老廃物を吸収すると共にイレオストミーの漏れ防止閉鎖具を形成するように構成され、
吸収性材料を含む拡張可能な細長い本体と、
細長い本体に取り付けられた引き出し手段と、
1つ以上の圧縮手段と、
を備える。
圧縮手段は、挿入前に拡張可能な細長い本体を第1の直径を有する圧縮状態に維持するように構成され、
拡張可能な細長い本体は、イレオストミーを通して回腸内へ挿入されて圧縮手段から解放された場合、半径方向に拡張して第2の直径を有する非圧縮状態になるように構成され、
第1の直径は人間のイレオストミーの直径以下であり、第2の直径は人間の回腸の直径以上である。
【0014】
本開示は更に、本明細書に記載されている吸収性挿入デバイスと、被験者から引き出された後の吸収性挿入デバイスを受容し収容するように構成された容器と、を備える部品キットに関する。更に、別個の包帯又はキャップがキットの一部を形成することができ、包帯/キャップは、ストーマの粘膜表面を湿った状態に保つよう構成されている。包帯/キャップは好ましくは、連続的に織られていなければならず、炭フィルタ等のフィルタであり、好ましくは、望ましくない臭いを避けるために一体化されている。容器は包帯/キャップの一体部分としてもよく、あるいは、吸収性挿入デバイスを抜き取る際に容器を取り付けるための取り付けシステムが包帯/キャップに一体化されている。部品キットは更に、吸収性挿入デバイスに埋め込まれるか又は取り付けられたセンサを含み得る。センサは好ましくは、吸収性挿入デバイスが(例えば液体の吸収に起因して)濡れたか否かを検出するように及び/又は微生物剤(microbial agent)を検出するように構成され、及び/又は、pHレベル、電解質レベル、及び/又は血液の存在等の生化学的情報を提供するように構成されている。容器は、一端に接着剤を備えて、被験者に着脱可能に取り付けることができる。容器は好ましくは、概ねシリンダの形状を有し、シリンダは、縦方向に柔軟かつ拡張可能である。これは、例えばアコーディオンの蛇腹と同様の蛇腹をシリンダに設けて、シリンダを縦方向に折り畳み/折り曲げ、その後、同じ方向に広げる/拡張することによって達成され得る。従って容器は、(挿入デバイスと同様に)圧縮状態と拡張状態に関連付けることができる。別の実施形態では、容器は、本開示の挿入デバイスを使用後に受容し保管するように構成された細長いスリーブである。細長いスリーブは好ましくは折り畳まれ、その後広げることができるので、スリーブを広げるのと同時にスリーブ内へ挿入デバイスが引き出される。容器は好ましくは、圧縮/折り曲げた状態で被験者に取り付けられる。容器は、後方に挿入デバイスが配置されているストーマを覆うように配置しなければならない。吸収性挿入デバイスが被験者からの腸老廃物を吸収した後、例えば引き出し手段を引っ張ることにより、挿入デバイスを容器内へ引き出すことができる。一度ユーザがこれら双方を引っ張ると、容器は、吸収性挿入デバイス全体を収容できる長さに拡張するように構成されている。好ましくは、容器は、生分解性プラスチックフィルム等の生分解性材料から作製される。容器の利点は、腸老廃物を含む吸収性挿入デバイスに対するバリアを提供することである。従って容器は、腸老廃物の吸収後に挿入デバイスを処理/除去する場合、挿入デバイスによる汚染のリスクを最小限に抑える。吸収性挿入デバイスと容器は双方とも好ましくは使い捨てであり、使用後に一緒に処分することができる。理想的には、吸収性デバイスと容器が双方とも生分解性材料で作製されている場合、それらをトイレに流すことができる。また、本明細書に開示されている容器は、それ自体、吸収性挿入デバイスと共に使用するために提供され得る。
【0015】
本開示は更に、被験者の回腸等の腸から腸老廃物を収集するための方法に関する。この方法は、被験者のストーマを通して本明細書に記載されている吸収性挿入デバイスを挿入することにより、被験者の回腸等の腸内にデバイスを配置するステップと、吸収性材料に被験者からの腸老廃物を吸収させるステップと、吸収性挿入デバイスに取り付けられた引き出し手段を用いて被験者から吸収性挿入デバイスを引き出すステップと、を含む。方法は更に、吸収性挿入デバイスを容器内へ引き出すステップを含み得る。容器は好ましくは、生分解性プラスチックフィルム等の生分解性材料を含み得る。好ましくは、吸収性挿入デバイスは、吸収性挿入デバイス内に吸収された腸老廃物の大部分を保持しながら、イレオストミーを通して引っ張り出される際にイレオストミーの直径に一致する。好ましくは、大部分とは、吸収された腸老廃物の少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、最も好ましくは少なくとも95%に対応する。
【0016】
本開示は更に、人間等の被験者の回腸等の腸内の腸老廃物を吸収するための、本明細書に記載されている吸収性挿入デバイスの使用に関する。
【0017】
本明細書に記載されている吸収性挿入デバイスの方法及び使用は、腸老廃物を収集するストーマ袋の使用を完全に回避するという利点を有する。ストーマ袋は多くの場合、着用者の不快感と心理的負担を伴う。本開示の吸収性挿入デバイスは、例えば着用者の回腸等の腸内で使用するために構成されている。従って、これは外側からは見えないので、より目立たない解決策をユーザに提案する。更に、本開示の挿入デバイスは、ストーマ袋を用いる場合によくあるような隆起型ストーマを必要としない。従って、人工的に生成されるストーマに関連する外科処置は今後、ストーマが人の皮膚と同じ高さであるように変更することができる。
【0018】
本明細書に記載されている吸収性挿入デバイスの開示されている実施形態は全て、被験者の腸から腸老廃物を収集するための開示されている方法において使用できる。更に、開示されている実施形態は全て、吸収性挿入デバイス及び容器を含む部品キットの一部を形成し得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】一実施形態に従った吸収性挿入デバイスを示し、細長い本体は本体の縦方向軸の周りに巻かれて複数の巻きを含む螺旋を形成する。
【
図1B】一実施形態に従った吸収性挿入デバイスを示し、細長い本体は本体から半径方向に延出する複数の可撓性突起を含んで、ブラシに似たものとなっている。
【
図1C】一実施形態に従った吸収性挿入デバイスを示し、挿入デバイスの細長い本体は、好ましくは部分的に又は全体的に吸収性材料が充填された可撓性チューブとして提供されている。
【
図1D】一実施形態に従った吸収性挿入デバイスを示し、挿入デバイスの細長い本体は、細長い円錐形に丸められたシート又はストリップから形成されている。
【
図1E】一実施形態に従った吸収性挿入デバイスを示し、挿入デバイスの細長い本体は閉鎖端部を有するチューブから形成され、チューブは内部で1回以上折り曲げられている。
【
図1F】一実施形態に従った吸収性挿入デバイスを示し、挿入デバイスの細長い本体は複数のシリンダから形成され、各シリンダは吸収性材料を含む。
【
図2A】
図1Aの対応する(圧縮された)実施形態に従った挿入デバイスの非圧縮状態を示す。
【
図2B】
図1Bの対応する(圧縮された)実施形態に従った挿入デバイスの非圧縮状態を示す。
【
図2C】
図1Cの対応する(圧縮された)実施形態に従った挿入デバイスの非圧縮状態を示す。
【
図2D】
図1Dの対応する(圧縮された)実施形態に従った挿入デバイスの非圧縮状態を示す。
【
図2E】
図1Eの対応する(圧縮された)実施形態に従った挿入デバイスの非圧縮状態を示す。
【
図2F】
図1Fの対応する(圧縮された)実施形態に従った挿入デバイスの非圧縮状態を示す。
【
図3A】
図1Aに示されている実施形態の断面を示す。この断面は挿入デバイスの圧縮状態に対応する。
【
図3B】
図1Bに示されている実施形態の断面を示す。この断面は挿入デバイスの圧縮状態に対応する。
【
図3C】
図1Cに示されている実施形態の断面を示す。この断面は挿入デバイスの圧縮状態に対応する。
【
図3D】
図1Dに示されている実施形態の断面を示す。この断面は挿入デバイスの圧縮状態に対応する。
【
図3E】
図1Eに示されている実施形態の断面を示す。この断面は挿入デバイスの圧縮状態に対応する。
【
図3F】
図1Fに示されている実施形態の断面を示す。この断面は挿入デバイスの圧縮状態に対応する。
【
図4A】
図2Aに示されている実施形態の断面を示す。この断面は挿入デバイスの非圧縮状態に対応する。
【
図4B】
図2Bに示されている実施形態の断面を示す。この断面は挿入デバイスの非圧縮状態に対応する。
【
図4C】
図2Cに示されている実施形態の断面を示す。この断面は挿入デバイスの非圧縮状態に対応する。
【
図4D】
図2Dに示されている実施形態の断面を示す。この断面は挿入デバイスの非圧縮状態に対応する。
【
図4E】
図2Eに示されている実施形態の断面を示す。この断面は挿入デバイスの非圧縮状態に対応する。
【
図4F】
図2Fに示されている実施形態の断面を示す。この断面は挿入デバイスの非圧縮状態に対応する。
【
図5A】一実施形態に従った吸収性挿入デバイスを示し、細長い本体は、山と谷の波状パターンを形成するように折り曲げられたシートから形成されている。
【
図5B】一実施形態に従った吸収性挿入デバイスを示し、細長い本体は、1回以上折り曲げられたシリンダを構成する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、人間等の被験者のストーマを通して挿入するのに適した吸収性挿入デバイスに関する。本明細書において、ストーマは、身体における天然又は人口の任意の開口として理解するべきである。天然ストーマの一例は肛門であり、人口ストーマの一例はイレオストミーである。身体開口の後方に、直腸、結腸、又は回腸等の体管が位置している。1つ以上の実施形態において、ストーマは腹部の開口であり、消化器系又は泌尿器系のいずれかに接続して、老廃物(尿又は糞便)を身体外へ迂回させることができる。1つ以上の実施形態において、ストーマはイレオストミーである。
【0021】
吸収性挿入デバイスは、そのような体管内に配置され、体管の閉鎖具を形成するように構成されている。特に、本明細書に開示されている吸収性挿入デバイスは、イレオストミーを通して挿入すること及び被験者の回腸内に配置することに適している。吸収性挿入デバイスは、液体、特に被験者の腸老廃物を吸収するための吸収性材料を含む。
【0022】
イレオストミーは、手術中に作製される腹部(腹壁)の開口である。これが必要となる理由は、通常、何らかの問題によって回腸が適正に機能しないこと、又は、病気によって結腸のその部分が影響を受けるので除去する必要があることである。回腸の端部(小腸の最下部)をこの開口に通してストーマを形成する。イレオストミーは、おそらくは3~6か月のように短期間(一時的)だけ必要とされ得る。これは、結腸のその部分が休息し、問題又は病気から治癒する時間を必要とするからである。しかしながら、時として、がん等の病気がより重篤であり、人の一生にわたって(永久的)イレオストミーが必要となることがある。イレオストミーでの使用に加えて、本発明は、ウロストミー、空腸造瘻(jejunostomy)、及び便失禁の直腸からの漏れ防止等、他の関連する目的のためにも使用できる。
【0023】
好ましくは、吸収性挿入デバイスは、被験者のストーマを通して挿入する前は圧縮状態に保持される。圧縮状態は、ストーマを通して挿入デバイスを挿入できることを保証する。圧縮状態の挿入デバイスは円筒形を有し、好ましくは一端で直径が小さくなる若干の円錐形であり、直径は被験者のストーマの直径以下とすることができる。挿入デバイスは、縦方向と半径方向の双方に圧縮され得る。一例として、挿入デバイスは圧縮状態で、約1~3cmの直径と約5~20cmの長さを有し得る。非圧縮状態で、挿入デバイスは好ましくは、被験者の体管に対応する直径(人の回腸の場合、直径は2~5cmであり得る)と、約20~40cmの長さと、を有し得る。従って吸収性材料は、縦方向軸に対して垂直な直径が圧縮状態から非圧縮状態で少なくとも100%大きくなるように構成され得る。更に、吸収性材料は、縦方向軸(吸収性材料の長さ)が圧縮状態から非圧縮状態で少なくとも100%大きくなるように構成され得る。また、吸収性材料は、非圧縮状態の吸収性材料の全体積が圧縮状態の吸収性材料の体積の少なくとも4倍、例えば8倍大きくなるように拡張するよう構成され得る。
【0024】
挿入デバイスの圧縮状態は、多数の異なるやり方で実現され得る。例えばデバイスは、吸収性材料を圧縮するための1つの以上の手段を備える。すなわち吸収性材料は、それ自体によって、又は吸収性材料を取り囲むコーティング及び/又は挿入スリーブによって、圧縮状態に保持され得る。コーティングは好ましくは水溶性であり、被験者内の水分、腸液、及び/又は熱レベルに暴露されると溶解するように構成されている。従って挿入デバイスは、吸収性材料を取り囲むコーティング及び/又は挿入スリーブを含み得る。一例として、吸収性材料は、水溶性合成ポリマーフィルム等のポリマーフィルム内で圧縮して包むことができる。ポリマーフィルムは、これによりコーティングを構成する。適切なポリマーフィルムの例は、ポリ(ビニルアルコール)(PVAl)フィルムである。しかしながら、他のコーティングも使用され得る。あるいは、デバイスをアプリケータ内で圧縮し、例えば小腸のような体管内へ挿入して解放する。アプリケータ材料は、紙、ボール紙、又はプラスチックとすればよい。別の挿入方法は、カテーテル状の細いチューブに関連付けた挿入プローブから成り、これを吸収性挿入デバイス内に配置し、吸収性挿入デバイスを所定位置へ誘導し、プローブを引き出す。プローブ/誘導カテーテルに適した材料は、ラテックス、シリコーン、ゴム、プラスチック、又はニチノールである。例えば被験者の回腸のような体管内に吸収性挿入デバイスを配置する際、一度水溶性コーティングが溶解したら及び/又は挿入スリーブが除去されたら、挿入デバイスは、体管を密閉するのに充分なサイズに拡張するよう構成されている。挿入デバイスは好ましくは、半径方向と縦方向の双方に拡張する。
【0025】
吸収性挿入デバイスは拡張可能な細長い本体を含む。細長い本体は吸収性材料を含むか、又は全体的に吸収性材料から作製することができる。あるいは、細長い本体は、吸収性材料が充填又は部分的に充填されたチューブ等の容器を形成し得る。吸収性材料は、織布、不織布、又は発泡体(foam)として提供され得る。不織布の一例は、エアレイド紙(air-laid paper)である。吸収性材料は、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルギン酸塩、超吸収性ポリマー(SAP)、超吸収性繊維、植物繊維/ポリマー、及び/又はそれらの組み合わせの群から選択され得る。吸収性材料が発泡体として提供される場合、発泡体は、ポリウレタンフォーム、シリコーンフォーム、ポリ塩化ビニル(PVC)フォーム、親水性ポリマーフォーム、発泡ゴム、独立気泡を有するポリマーフォーム、又は他の親水性ポリマーの群から選択され得る。
【0026】
吸収性挿入デバイスは好ましくは、細長い本体に取り付けられた、例えば本体の一端に取り付けられた引き出し手段を含み、引き出し手段を用いて被験者から容易にデバイスを引き出せるようになっている。引き出し手段は、糸又はコードとすればよく、この糸/コードを引っ張ることで被験者から挿入デバイスを除去できるようになっている。一例として、糸又はコードは、綿、ナイロン、シリコーン、ゴム、ポリエステル、及び/又はそれらの組み合わせで作製され得る。しかしながら、糸/コードには他の材料も使用可能である。好ましくは、引き出し手段は、挿入デバイスが体管内に配置されている場合にストーマから突出するように構成され、被験者がストーマを通して引き出し手段を引っ張って体管から挿入デバイスを除去できるようになっている。本明細書で記載されている挿入デバイスの実施形態のいずれも、引き出し手段を備えることができる。吸収性デバイスを確実に所定位置に保つため、引き出し手段の端部にボタン又は同様のものを取り付けてもよい。
【0027】
吸収性挿入デバイスは、多くの異なる形状及びサイズで提供され得る。一実施形態によると、挿入デバイスの細長い本体は、本体の縦方向軸の周りに巻かれて、複数の巻きを含む螺旋を形成する。この実施形態は、
図1A(圧縮状態)及び
図2A(非圧縮状態)の双方に示されている。螺旋は、2つの直径によって記載することができる。(巻かれていない)細長い本体の直径に対応する第1の直径と、螺旋の外径、すなわち螺旋の各巻きの直径に対応する第2の直径と、である。第1の直径は好ましくは、被験者のストーマの直径以下とすることにより、細長い本体を圧迫せずに被験者の体管から挿入デバイスを引き出せるようにしなければならない。このような圧迫が生じると、吸収された腸老廃物の一部が吸収性材料から放出される可能性があるからである。従って、ほぼ対象のストーマのサイズの第1の直径を選択することにより、体管内の腸老廃物をこぼすことなく被験者から吸収性挿入デバイスを理想的に引き出すことができる。螺旋に関連した第2の直径は、好ましくは、吸収性挿入デバイスが確実に体管の直径と一致して体管の閉鎖具を形成できるようにする。細長い本体は、この本体の軸方向安定性を増大するように構成された支持構造を含み得る。支持構造は、シリコーン、ゴム、ラテックス、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ニチノール、及び/又はそれらの組み合わせの群から選択された材料を含み得る。支持構造は、螺旋を形成するストランドの中心に提供され得る。
【0028】
別の実施形態によれば、挿入デバイスの細長い本体は、本体から半径方向に延出している複数の可撓性突起を含んで、ブラシに似たものとなっている。この実施形態は
図1B及び
図2Bに示されている。本体の突起は好ましくは、固体又は管状であるコアに固定されている。可撓性突起はコアの方へ曲がるように構成されているので、吸収性材料の圧迫を最小限に抑えながらストーマを通して挿入デバイスを引っ張り出せるようになっている。従って、この実施形態の細長い本体は2つの直径によって記載され得る。すなわち、ストーマの直径に概ね対応する第1の直径(突起はコアに沿って折り畳まれている)と、デバイスが挿入されることが意図される対象の体管の直径に概ね対応する第2の直径と、である。
図2Bを参照のこと。第2の直径は、突起が折り畳まれずにコアから延出している場合に対応する(被験者の体管内に配置されている場合)。従って、第2の直径は第1の直径よりも大きい。被験者のストーマ(例えば直径が約1cmの腸開口)を通していっそう容易に挿入デバイスを引き抜くため、本体のコアは好ましくは弾性変形可能であり、引き抜く際にデバイスが半径方向に収縮できるようにしなければならない。プラスチック又は弾性変形可能なコアは、例えばシリコーン、ゴム、ラテックス、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、及び/又はそれらの組み合わせで製造され得る。また、コアは、例えばナイロン、ポリエステル、PVDF、ポリプロピレン、及び/又はそれらの組み合わせを含む、織ったクリノリンチューブとして提供してもよい。
【0029】
更に別の実施形態によれば、挿入デバイスの細長い本体は、好ましくは部分的に又は全体的に吸収性材料が充填された可撓性チューブとして提供される。あるいは、可撓性チューブは、吸収性材料と混合するか又は吸収性材料でコーティングすることができる。一例として、可撓性チューブは、ナイロン、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、又はポリプロピレンの群から選択された材料を含む、織ったクリノリンチューブとすればよい。あるいは、クリノリンチューブは、本明細書の他の箇所で複数の例が挙げられている吸収性材料において(部分的に又は全体的に)織ることができる。クリノリンチューブは、冠動脈ステントと同様の外見を有し得る。この実施形態は
図1C及び
図2Cに示されている。可撓性チューブは好ましくは、被験者のストーマを通して引っ張られた場合に半径方向に収縮するよう構成しなければならない。
図2Cを参照のこと。
【0030】
更に別の実施形態によれば、挿入デバイスの細長い本体は、細長い円錐形に丸められたシート又はストリップから形成される。この実施形態は
図1D及び
図2Dに示されている。好ましくは、細長い本体は、吸収性材料の矩形シート(例えば10×30cm)を少し斜めに丸めて円錐形状にすることで形成される。吸収性材料は、本出願の他の箇所に記載されている様々なものから選択すればよい。この実施形態の細長い本体は、被験者から挿入デバイスを引き出せるように引き出し手段を備えている。丸めたシートは、デバイスが配置されている体管よりも直径が小さい身体開口を通してデバイスを引き出せることを保証する。好ましくは、丸めたシートは、デバイスを引き抜くと開くように構成されているので、シートを螺旋状の1つの層で引っ張り出すことができる。他の実施形態と同様、この設計は好ましくは、引き抜き時に吸収性材料から押し出される腸老廃物が最小限であることを保証する。
【0031】
更に別の実施形態によれば、挿入デバイスの細長い本体は閉鎖端部を有するチューブから形成され、チューブは内部で1回以上折り曲げられている。チューブは、引き出し手段を用いてストーマからデバイスを引っ張り出すと広がるように構成されている。この実施形態は
図1E及び
図2Eに示されている。この実施形態に従った折り曲げ設計は、挿入デバイスが体管内で大きい直径を有し、体管に概ね一致してその閉鎖具を形成することを保証する。チューブを広げる機能は、ストーマ(例えば直径が約1cmの腸開口)を通して体管からデバイスを引き出せることを保証する。ストーマの直径は体管の直径よりも小さい。チューブは好ましくは、内部で1回又は2回折り曲げて、初期長の1/2又は1/3の長さにする。一例として、チューブは最初、折り曲げる前に約60cmの長さとすることができる。この実施形態の細長い本体は、他の箇所で記載されている引き出し手段を備えている。チューブは、他の箇所で述べられている様々なもののいずれかに従った吸収性材料を含むか又は吸収性材料から構成することができる。チューブは、チューブの剛性を向上させるために縦方向の縫い目又は糸を備え得る。これらの縫い目又は糸は、ナイロン、ポリエステル、PVDF、ポリプロピレン、シリコーン、ゴム、ラテックス、及び/又はそれらの組み合わせ、又はこの目的に適した他の材料で作製され得る。
【0032】
更に別の実施形態によれば、挿入デバイスの細長い本体は複数のシリンダから形成され、各シリンダが吸収性材料を含む。この実施形態は
図1F及び
図2Fに示されている。好ましくは、各シリンダは、例えば各シリンダの端部に取り付けられた糸等の引き出し手段を備え、複数のシリンダを個別に被験者から引き出せるようになっている。好ましくは、各シリンダの直径は対象のストーマの直径以下である。これは、身体開口で圧迫されることなくストーマを通して各シリンダを引き出せることを保証する。複数のシリンダは、体管を密閉するため、細長い本体の直径(すなわち、ここでは組み合わせたシリンダの外径)が体管に概ね一致することを保証する。この実施形態は、本体の軸方向安定性を増大させるように構成された支持構造を備えることができる。一例として、支持構造は、シリコーン、ゴム、ラテックス、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、及び/又はそれらの組み合わせを含み得る。あるいは、複数のシリンダのうち1つ以上は、ナイロン、ポリエステル、PVDF、又はポリプロピレンの縦方向の縫い目又は糸を備えることができる。
【0033】
吸収性挿入デバイスの記載されている実施形態のうち任意のものは、更にセンサを含み得る。センサは好ましくは、吸収性挿入デバイスが(例えば液体の吸収に起因して)濡れたか否かを検出するように構成され、及び/又は、微生物剤又は生化学的情報(pHレベル、電解質レベル、及び/又は血液の存在等)を提供するように構成されている。センサは、吸収性挿入デバイスに取り付けるか、又は挿入デバイス内に埋め込むことができる。
【0034】
記載されている実施形態のうち任意のものは更に、挿入デバイスの細長い本体の剛性を増大させるために支持構造を含み得る。支持構造は好ましくは、シリコーン、ゴム、ラテックス、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ニチノール、及び/又はそれらの組み合わせの群から選択された材料を含む。記載されている実施形態のうち任意のものは更に、被験者のストーマを通したデバイスの挿入を支援するように構成された着脱可能挿入チューブを含み得る。挿入チューブは、挿入デバイスが被験者の体管内に配置された後に引き出されるよう構成されている。記載されている実施形態のうち任意のものは更に、細長い本体を取り囲む水溶性コーティングを含み得る。コーティングは、被験者内の水分及び/又は熱レベルに暴露されると溶解するように構成されている。記載されている実施形態の全ては共通して、開口におけるデバイスの圧迫を最小限に抑えながら、これによって体管内にこぼれる腸老廃物を最小限に抑えながら、被験者から引き出せるように構成されている。この機能は、様々な実施形態に関連付けて記載されている様々な設計/形状によって達成される。好ましくは、挿入デバイスの実施形態は全て、挿入デバイスが配置されるように意図された被験者の体管の壁に過度に大きい圧力が加わるのを回避するため、既定のサイズ及び形状を有するように構成されている。
【0035】
記載されている実施形態を組み合わせて新しい実施形態を形成することができる。一例として、ブラシに似た実施形態(
図1B及び
図2B)を、
図1A及び
図2Aの実施形態に関連して記載されている螺旋を形成するように変えてもよい。別の例として、
図1Cに関連して記載されている可撓性チューブを、
図1Fに記載されているシリンダのうち1つ以上の代わりに用いてもよい。開示されている実施形態の他の組み合わせから、他の実施形態を生成してもよい。
【0036】
挿入デバイスの細長い本体の初期長は、細長い本体の圧縮状態に対応する。細長い本体の圧縮長は、好ましくは20cm未満であり、より好ましくは15cm未満である。細長い本体の非圧縮状態では、本体の拡張長は好ましくは15cm超とすることができ、例えば15~50cmである。従って、細長い本体は、被験者の体管内に配置された場合、好ましくは15cm超、好ましくは20cm超の長さに拡張するよう構成されている。挿入デバイスの拡張状態において、細長い本体は好ましくは、これが配置されている体管の直径とほぼ同様の直径を有する。いくつかの用途では、これは約2~3cmの直径に対応する。好ましくは、挿入デバイスの吸収容量は、少なくとも50ミリリットル、好ましくは少なくとも100ミリリットル、より好ましくは少なくとも150ミリリットル、より好ましくは少なくとも200ミリリットル、最大で500ミリリットルである。挿入デバイスは好ましくは、例えば被験者のイレオストミーのようなストーマを通してデバイスを引っ張り出す際、吸収された腸老廃物の少なくとも75%を保持するように構成されている。より好ましくは、挿入デバイスは、被験者からデバイスを引き出す際、吸収された腸老廃物の少なくとも90%を保持するように構成されている。
【0037】
本発明は、以下の条項のリストに更に記載されている。
1.被験者のストーマを通して挿入するための吸収性挿入デバイスであって、被験者の腸内の腸老廃物を吸収及び/又は収集してその漏れ防止閉鎖具を形成するように構成され、
初期長を有すると共に吸収性材料を含む拡張可能な細長い本体と、
細長い本体に取り付けられた引き出し手段と、を備え、
拡張可能な細長い本体は、
ストーマを通して腸内に挿入されると半径方向に拡張し、
任意選択的に、縦方向に拡張することによって腸内で細長い本体の長さを増し、
任意選択的に、引き出し手段によって腸から引っ張り出される場合にストーマの直径とほぼ一致する、ように構成されている、吸収性挿入デバイス。
2.ストーマは人間のイレオストミーであり、腸は人間の小腸(回腸)である、条項1に記載の吸収性挿入デバイス。
3.吸収性材料は織布又は不織布として提供される、条項1又は2に記載の吸収性挿入デバイス。
4.吸収性材料は、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルギン酸塩、超吸収性ポリマー(SAP)、超吸収性繊維(SAF)、綿、植物繊維/ポリマー、及び/又はそれらの組み合わせの群から選択される、条項1から3のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
5.吸収性材料は発泡体として提供される、条項1に記載の吸収性挿入デバイス。
6.発泡体は、ポリウレタンフォーム、シリコーンフォーム、ポリ塩化ビニル(PVC)フォーム、親水性ポリマーフォーム、発泡ゴム、独立気泡を有するポリマーフォーム、又は他の親水性ポリマーの群から選択される、条項5に記載の吸収性挿入デバイス。
7.細長い本体は、本体の縦方向軸の周りに巻かれて、複数の巻きを含む螺旋を形成する、項目1から6のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
8.細長い本体は、本体から半径方向に延出する複数の可撓性突起を含んで、ブラシに似たものとなっている、項目1から7のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
9.細長い本体は、部分的に又は全体的に吸収性材料が充填された可撓性チューブとして提供される、項目1から8のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
10.可撓性チューブは、ナイロン、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、又はポリプロピレンの群から選択された材料を含む、織ったクリノリンチューブである、項目9に記載の吸収性挿入デバイス。
11.織ったクリノリンチューブは、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルギン酸塩、超吸収性ポリマー(SAP)、超吸収性繊維(SAF)、綿、植物繊維/ポリマー、及び/又はそれらの組み合わせの群から選択された吸収性材料を更に含む、条項10に記載の吸収性挿入デバイス。
12.細長い本体は、細長い円錐形に丸められたシートから形成される、項目1から11のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
13.細長い本体は閉鎖端部を有するチューブから形成され、チューブは内部で1回以上折り曲げられ、チューブは、引き出し手段を用いてイレオストミーからデバイスを引っ張り出すと広がるように構成されている、項目1から12のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
14.細長い本体は複数のシリンダを含み、各シリンダは吸収性材料を含み、各シリンダに引き出し手段が取り付けられて、複数のシリンダを被験者から個別に引き出せるようになっている、項目1から13のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
15.細長い本体は、本体の軸方向安定性を増大するように構成された支持構造を含む、条項1から14のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
16.支持構造は、シリコーン、ゴム、ラテックス、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ニチノール、及び/又はそれらの組み合わせの群から選択された材料を含む、条項15に記載の吸収性挿入デバイス。
17.吸収性挿入デバイスは、イレオストミーを通したデバイスの挿入を支援するように構成された着脱可能挿入チューブを備え、挿入チューブは、挿入デバイスが被験者の回腸内に配置された後に引き出されるよう構成されている、条項1から16のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
18.吸収性挿入デバイスは、細長い本体を取り囲む水溶性コーティングを含み、コーティングは、被験者内の水分及び/又は熱レベルに暴露されると溶解するように構成されている、条項1から17のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
19.細長い本体の初期長は本体の圧縮状態に対応し、長さは15cm未満であり、好ましくは12cm未満である、条項1から18のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
20.細長い本体は、被験者の回腸内に配置された場合、15cm超、好ましくは20cm超の長さに拡張するよう構成されている、条項1から19のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
21.デバイスは、少なくとも50ミリリットル、好ましくは少なくとも150ミリリットルの吸収容量を有する、条項1から20のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
22.デバイスは、イレオストミーを通してデバイスが引っ張り出される際、吸収された腸老廃物の少なくとも75%を保持するように構成されている、条項1から21のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
23.引き出し手段は糸であり、この糸を引っ張ることで被験者からデバイスを除去できるようになっている、条項1から22のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
24.条項1から23のいずれかに記載の吸収性挿入デバイスと、
被験者から引き出された後の吸収性挿入デバイスを受容し収容するように構成された容器と、
を備える、部品キット。
25.吸収性挿入デバイス及び/又は容器は生分解性である、条項24に記載の部品キット。
26.容器は生分解性プラスチックフィルムを含む、条項24又は25に記載の部品キット。
27.容器が被験者に着脱可能に取り付けられるよう構成されるように容器は接着剤を含む、条項24から26のいずれかに記載の部品キット。
28.被験者の回腸から腸老廃物を収集するための方法であって、
被験者のイレオストミーを通して、条項1から23のいずれかに記載の吸収性挿入デバイスを挿入することにより、被験者の回腸内にデバイスを配置するステップと、
吸収性材料に被験者からの腸老廃物を吸収させることによって、被験者の回腸から腸老廃物を収集するステップと、
を含む、方法。
29.引き出し手段を用いて被験者から吸収性挿入デバイスを引き出すステップを更に含む、条項28に記載の方法。
30.吸収性挿入デバイスは容器内へ引き出される、条項28から29のいずれかに記載の方法。
31.容器は生分解性プラスチックフィルム等の生分解性材料を含む、条項30に記載の方法。
32.容器は、被験者から吸収性挿入デバイスを引き出す前に被験者に着脱可能に取り付けられる、条項30に記載の方法。
33.吸収性挿入デバイスは、吸収性挿入デバイス内に吸収された腸老廃物の少なくとも75%を保持しながら、イレオストミーを通して引っ張り出される際にイレオストミーの直径に一致する、条項28から32のいずれかに記載の方法。
34.人間の回腸内の腸老廃物を吸収するための吸収性挿入デバイスの使用。
35.人間の回腸内の腸老廃物を吸収するための、条項1から23のいずれかに記載の吸収性挿入デバイスの使用。
36.人間のイレオストミーを通して挿入するための吸収性挿入デバイスであって、人間の回腸内の腸老廃物を吸収してイレオストミーの漏れ防止閉鎖具を形成するように構成され、
吸収性材料を含む拡張可能な細長い本体と、
細長い本体に取り付けられた引き出し手段と、を備え、
拡張可能な細長い本体は、イレオストミーを通して回腸内に挿入されると半径方向に拡張するように構成されている、吸収性挿入デバイス。
37.細長い本体は、本体の縦方向軸の周りに巻かれて、複数の巻きを含む螺旋を形成する、条項36に記載の吸収性挿入デバイス。
38.細長い本体は、本体から半径方向に延出する複数の可撓性突起を含んで、ブラシに似たものとなっている、条項36又は37に記載の吸収性挿入デバイス。
39.細長い本体は、部分的に又は全体的に吸収性材料が充填された可撓性チューブとして提供される、条項36から38のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
40.可撓性チューブは、ナイロン、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、又はポリプロピレンの群から選択された材料を含む、織ったクリノリンチューブである、条項39に記載の吸収性挿入デバイス。
41.細長い本体は、細長い円錐形に丸められたシートから形成される、条項36から40のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
42.細長い本体は閉鎖端部を有するチューブから形成され、チューブは内部で1回以上折り曲げられ、チューブは、引き出し手段を用いてイレオストミーからデバイスを引っ張り出すと広がるように構成されている、条項36から41のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
43.細長い本体は複数のシリンダを含み、各シリンダは吸収性材料を含み、各シリンダに引き出し手段が取り付けられて、複数のシリンダを被験者から個別に引き出せるようになっている、条項36から42のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
44.細長い本体は、本体の軸方向安定性を増大するように構成された支持構造を含み、支持構造は、シリコーン、ゴム、ラテックス、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ニチノール、及び/又はそれらの組み合わせの群から選択された材料を含む、項目36から43のいずれかに記載の吸収性挿入デバイス。
45.被験者の回腸から腸老廃物を収集するための方法であって、
被験者のイレオストミーを通して、項目36から44のいずれかに記載の吸収性挿入デバイスを挿入することにより、被験者の回腸内にデバイスを配置するステップと、
吸収性材料に、被験者からの腸老廃物を吸収させるステップと、
引き出し手段を用いて被験者から吸収性挿入デバイスを引き出すステップと、
を含む、方法。
46.人間のイレオストミーを通して挿入するための吸収性挿入イレオストミーデバイスであって、人間の回腸内の腸老廃物を吸収すると共にイレオストミーの漏れ防止閉鎖具を形成するように構成され、
吸収性材料を含む拡張可能な細長い本体と、
細長い本体に取り付けられた引き出し手段と、
1つ以上の圧縮手段と、を備え、
圧縮手段は、挿入前に拡張可能な細長い本体を第1の直径を有する圧縮状態に維持するように構成され、
拡張可能な細長い本体は、イレオストミーを通して回腸内へ挿入されて圧縮手段から解放された場合、半径方向に拡張して第2の直径を有する非圧縮状態になるように構成され、
第1の直径は人間のイレオストミーの直径以下であり、第2の直径は人間の回腸の直径以上である、吸収性挿入イレオストミーデバイス。
【0038】
図面の詳細な説明
図1Aは、本開示の一実施形態に従った吸収性挿入デバイスを示す。この図は、挿入デバイスが圧縮状態であり、被験者の体管内に配置されている場合を示す。挿入デバイスのこの実施形態は細長い本体を含み、細長い本体は、本体の縦方向軸の周りに巻かれて、複数の巻きを含む螺旋を形成する。
【0039】
図1Bは、本開示の別の実施形態に従った吸収性挿入デバイスを示す。この図は、挿入デバイスが圧縮状態であり、被験者の体管内に配置されている場合を示す。挿入デバイスのこの実施形態は細長い本体を含み、細長い本体は、本体から半径方向に延出している複数の可撓性突起を含んで、ブラシに似たものとなっている。
【0040】
図1Cは、本開示の別の実施形態に従った吸収性挿入デバイスを示す。この図は、挿入デバイスが圧縮状態であり、被験者の体管内に配置されている場合を示す。この実施形態では、挿入デバイスの細長い本体は、好ましくは部分的に又は全体的に吸収性材料が充填された可撓性チューブとして提供されている。
【0041】
図1Dは、本開示の別の実施形態に従った吸収性挿入デバイスを示す。この図は、挿入デバイスが圧縮状態であり、被験者の体管内に配置されている場合を示す。この実施形態では、挿入デバイスの細長い本体は、細長い円錐形に丸められたシートから形成されている。
【0042】
図1Eは、本開示の別の実施形態に従った吸収性挿入デバイスを示す。この図は、挿入デバイスが圧縮状態であり、被験者の体管内に配置されている場合を示す。この実施形態では、挿入デバイスの細長い本体は閉鎖端部を有するチューブから形成され、チューブは内部で1回以上折り曲げられ、チューブは、引き出し手段を用いてストーマからデバイスを引っ張り出すと広がるように構成されている。
【0043】
図1Fは、本開示の別の実施形態に従った吸収性挿入デバイスを示す。この図は、挿入デバイスが圧縮状態であり、被験者の体管内に配置されている場合を示す。この実施形態では、挿入デバイスの細長い本体は複数のシリンダから形成され、各シリンダは吸収性材料を含む。
【0044】
図2Aから
図2Fは、
図1Aから
図1Fの対応する(圧縮された)実施形態に従った挿入デバイスの非圧縮状態を示す。従って、
図2Aは
図1Aに示されている実施形態の非圧縮(拡張)状態を示す等である。各実施形態において、挿入デバイスは好ましくは、一度、(例えばコーティング又は挿入スリーブによって与えられる)圧縮が除去されたら、デバイスが配置されている体管の密閉を形成するように拡張するよう構成されている。更に、全ての図で、デバイスは、除去時にストーマの断面における吸収性材料の直径がストーマの直径と実質的に同様であるような形状/構成を有することがわかる。この直径は、非圧縮状態で拡張した吸収性材料の直径とは異なる。
【0045】
図3Aから
図3Fは、
図1Aから
図1Fに示されている実施形態の断面を示す。これらの断面は挿入デバイスの圧縮状態に対応する。
【0046】
図4Aから
図4Fは、
図2Aから
図2Fに示されている実施形態の断面を示す。これらの断面は挿入デバイスの非圧縮状態に対応する。
【0047】
図5Aは、本開示の別の実施形態に従った吸収性挿入デバイスを示す。挿入デバイスのこの実施形態は、山と谷の波状パターンを形成するように折り曲げられたシートから形成されている細長い本体を含む。
【0048】
図5Bは、本開示の別の実施形態に従った吸収性挿入デバイスを示す。挿入デバイスのこの実施形態は、1回以上折り曲げられたシリンダを構成する細長い本体を含む。
【符号の説明】
【0049】
5 圧縮状態
6 体管
7 ストーマ
9 引き出し手段
10、12、14、16、17 引き出し手段に対する取り付け
13 非圧縮状態
15 ブラシ(非圧縮)
【国際調査報告】