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特表2024-515472ダイナミックレーザー制御を備えた高精度時間制御ライダー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】ダイナミックレーザー制御を備えた高精度時間制御ライダー
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/484 20060101AFI20240403BHJP
   G01S 17/10 20200101ALI20240403BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
G01S7/484
G01S17/10
G01C3/06 120Q
G01C3/06 140
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558829
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 US2022021995
(87)【国際公開番号】W WO2022204541
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/166,475
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/482,882
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/482,947
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/482,983
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/483,008
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/483,034
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/482,886
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/482,811
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/482,820
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/482,806
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/482,793
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/482,787
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.MATLAB
(71)【出願人】
【識別番号】517052242
【氏名又は名称】エイアイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AEYE, Inc.
【住所又は居所原語表記】1 Park Place,Suite 200,Dublin,CA 94568,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ フェル
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル ベンスコーター
(72)【発明者】
【氏名】ルイス ダッサン
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ ジャング
(72)【発明者】
【氏名】アレックス リアン
(72)【発明者】
【氏名】イゴール ポリシュク
(72)【発明者】
【氏名】ナヴィーン レッディ
(72)【発明者】
【氏名】アラン スタインハート
【テーマコード(参考)】
2F112
5J084
【Fターム(参考)】
2F112AD01
2F112BA18
2F112CA12
2F112DA09
2F112DA15
2F112DA25
2F112DA28
2F112EA05
2F112EA20
2F112GA01
5J084AA05
5J084BA03
5J084BA11
5J084BA12
5J084BA50
5J084BB28
5J084CA03
5J084CA15
5J084CA31
5J084EA20
(57)【要約】
レーザー源を含み、レーザー源により生成されたレーザーパルスを視野内の距離点に向けて送信するライダーシステムは、経時的にレーザー源で利用可能なエネルギーをモデル化するために、レーザーエネルギーモデルを使用し得る。次に、ライダーシステムにより発射されるレーザーパルスのタイミングスケジュールは、レーザーエネルギーモデルに基づいてスケジュールされた様々なレーザーパルスショットについて予測されるエネルギーを使用して決定することができる。これは、ライダーシステムに、非常に粒度の高いレベルで、高密度/高解像度レーザーパルス発射の期間中の動作時など、各レーザーパルスショットが動作ニーズを満たすのに十分なエネルギーを有することを確実にさせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライダー装置であって、
レーザー源と、
前記ライダー装置が視野内のどこに向けられるかを規定するミラーサブシステムであって、前記ミラーサブシステムが、前記レーザー源から光学的に下流にある、前記ミラーサブシステムと、
レーザーパルスショットに関連する複数のエネルギー要件と比較したレーザーエネルギーモデルを使用して、前記レーザー源による前記レーザーパルスショットの可変速度発射を動的に制御する制御回路であって、前記発射されたレーザーパルスショットが、前記レーザー源から前記ミラーサブシステムを介して前記視野内に送信される、前記制御回路と、
を含む、前記ライダー装置。
【請求項2】
前記制御回路が、前記エネルギー要件と組み合わせた前記レーザーエネルギーモデルに基づいて前記複数のレーザーパルスショットをスケジュールすることにより前記可変速度発射を動的に制御する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各レーザーパルスショットに応答した前記レーザー源におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後の前記レーザー源におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)レーザーパルスショット間の前記レーザー源におけるエネルギーの蓄積をモデル化する、請求項1~2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
前記レーザー源が、光増幅レーザー源を含む、請求項1~3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記光増幅レーザー源が、パルスファイバーレーザー源を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記パルスファイバーレーザー源が、シードレーザー、ポンプレーザー、及びファイバー増幅器を含み、レーザーエネルギーモデルが、(1)経時的な前記パルスファイバーレーザー源のシードエネルギー、及び、(2)経時的に前記ファイバー増幅器に蓄積されるエネルギー、をモデル化する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各レーザーパルスショットに応答した前記光増幅レーザー源の光増幅器におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後の前記光増幅器におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)レーザーパルスショット間の前記光増幅器におけるエネルギー蓄積をモデル化する、請求項4~6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記レーザーエネルギーモデルが、10ナノ秒~100ナノ秒の範囲の時間間隔でレーザーパルスショットに利用可能なレーザーエネルギーをモデル化する、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記エネルギー要件が、最小レーザーパルスエネルギーを含む、請求項1~8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記最小レーザーパルスエネルギーが、前記レーザーパルスショットに対して不均一である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記エネルギー要件が、前記レーザー源に関する最大エネルギー閾値を含む、請求項1~10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記制御回路が、距離点に対応する前記視野内の検出対象物に対する距離の推定値に基づいて、前記距離点を標的とする前記レーザーパルスショットに含むようにエネルギー量を決定する、請求項1~11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記制御回路が、前記発射されたレーザーパルスショットにおける実際のエネルギー量を示すフィードバックデータに基づいて前記レーザーエネルギーモデルを更新する、請求項1~12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記制御回路が、レーザーパルスショットの異なる時間シーケンスに対するエネルギー特性を模擬するために、前記レーザーエネルギーモデルに基づくルックアップテーブルを使用する、請求項1~13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記ミラーサブシステムが、第1のミラー及び第2のミラーを含み、前記制御回路が、ライダー送信機が前記視野内のどこに向けられるかを規定するために、前記第1のミラー及び前記第2のミラーの走査を制御する、請求項1~14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記制御回路が、(1)共振モードで走査するように前記第1のミラーを駆動し、(2)前記発射されたレーザーパルスショットで標的とされる複数の距離点に基づいてポイントツーポイントモードで走査するように前記第2のミラーを駆動する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記制御回路が、(1)前記エネルギー要件と比較した前記レーザーエネルギーモデルを使用してショットリストを規定すること、及び、(2)前記ショットリストに基づいて前記レーザー源に発射コマンドを提供することにより、レーザーパルスショットの前記可変速度発射を動的に制御し、前記ショットリストが、レーザーパルスショットで標的とされる前記視野内の距離点の時限シーケンスを規定する、請求項1~16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記制御回路が、(1)システムコントローラ、及び、(2)ビームスキャナーコントローラ、を含み、
前記システムコントローラが、(1)前記エネルギー要件と比較した前記レーザーエネルギーモデルを使用してショットリストを生成し、(2)前記ショットリストを前記ビームスキャナーコントローラに提供し、前記ショットリストが、レーザーパルスショットで標的とされる前記視野内の距離点の時限シーケンスを規定し、
前記ビームスキャナーコントローラが、(1)前記提供されたショットリストに基づいて前記レーザー源に発射コマンドを提供し、(2)前記ショットリストに基づいて前記ミラーサブシステム内のミラーの走査を動的に制御する、請求項1~17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
ライダー装置であって、
前記ライダー装置が第1軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために走査可能である第1のミラーと、
前記ライダー装置が第2軸に沿って前記視野内のどこに向けられるかを規定するために走査可能である第2のミラーと、
制御回路と、
前記第1及び前記第2のミラーから光学的に上流にあるレーザー源と、を含み、
前記レーザー源が、前記制御回路の発射コマンドに応答して、前記第1及び前記第2のミラーを介して前記視野内に送信するレーザーパルスを生成し、
前記制御回路が、(1)前記第1及び前記第2のミラーの走査を制御し、(2)経時的に、前記レーザー源のレーザーパルスに利用可能なエネルギーを動的にモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持し、(3)送信されるレーザーパルスのタイミングスケジュールを前記レーザーエネルギーモデルに基づいて決定し、(4)前記第1及び前記第2のミラーを介して前記レーザー源から前記視野内に送信する前記レーザーパルスの生成を起動するために、前記決定されたタイミングスケジュールに基づいて前記レーザー源に発射コマンドを提供する、
前記ライダー装置。
【請求項20】
前記制御回路が、前記視野内の複数の距離点を標的とするものであるレーザーパルスに対して規定の複数のエネルギーレベルと組み合わせた前記レーザーエネルギーモデルに基づいて送信される前記レーザーパルスの前記タイミングスケジュールを決定する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記レーザー源が、シードレーザー、ポンプレーザー、及び光増幅器を含み、
前記レーザーエネルギーモデルが、(1)前記レーザー源のシードエネルギー、及び、(2)前記光増幅器内の蓄積エネルギー、をモデル化し、
レーザーパルスが前記装置により送信されるにつれて、前記制御回路が、経時的に前記レーザーエネルギーモデルを更新する、請求項19~20のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
前記光増幅器が、ファイバー増幅器を含み、前記レーザーエネルギーモデルが、EF(t+δ)=aS(t+δ)+bEF(t)の関係式に従ってレーザーパルスの前記利用可能なエネルギーをモデル化し、式中、a+b=1であり、レーザーパルスが発射された時に、エネルギーが前記ファイバー増幅器からどれくらい排出され、それの中にどれくらい留まるかを、a及びbが反映し、EF(t)が、時間tで発射されるレーザーパルスのレーザーエネルギーを表し、EF(t+δ)が、時間t+δで発射されるレーザーパルスのレーザーエネルギーを表し、S(t+δ)が、持続時間δにわたって前記ファイバー増幅器に前記ポンプレーザーにより蓄積されるエネルギー量を表し、tが、レーザーパルスの発射時間を表し、前記持続時間δが、時間におけるショット間の間隔を表す、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
S(t+δ)=δEであり、式中、Eが、前記ポンプレーザーにより前記ファイバー増幅器内に蓄積される単位時間当たりのエネルギー量を表す、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記制御回路が、前記決定されたタイミングスケジュールに基づいて、レーザーパルスで標的とされる距離点のリストを、レーザーパルスで標的とされる距離点のショットリストに、前記ショットリストに前記複数のリストされた距離点を順序付けすることにより、変換する、請求項19~23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
第1の期間から生じる前記レーザー源内の利用可能なエネルギーの蓄積により、前記タイミングスケジュールが、比較的低密度のレーザーパルスの送信の前記第1の期間とそれに続く比較的高密度のレーザーパルスの送信の第2の期間を含むように、前記レーザーエネルギーモデルが前記制御回路に前記タイミングスケジュールを決定させる、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記制御回路が、(1)前記レーザーエネルギーモデルに関して前記リストされた距離点のウィンドウに対する複数の候補時限シーケンスを模擬し、(2)前記ウィンドウ内の前記距離点を標的とする前記レーザーパルスの複数のエネルギー要件と比較して、前記模擬実験に基づいて候補時限シーケンスを選択することにより、前記ショットリストの前記ウィンドウ内の前記距離点を順序付けする、請求項24~25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
前記第1ミラーが、100Hz~20kHzの範囲の周波数で走査する、請求項19~26のいずれかに記載の装置。
【請求項28】
前記制御回路が、前記送信されたレーザーパルスについて追跡された実際のレーザーエネルギーに基づくフィードバックループを介して前記レーザーエネルギーモデルを調整する、請求項19~27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
前記レーザーエネルギーモデルが、10ナノ秒~100ナノ秒の範囲の間隔でレーザーパルスに利用可能なレーザーエネルギーをモデル化する、請求項19~28のいずれかに記載の装置。
【請求項30】
前記レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)スケジュールされた各レーザーパルスショットに応答した前記レーザー源におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)スケジュールされたレーザーパルスショット後の前記レーザー源におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)前記レーザーパルスショットに対し規定される複数のエネルギーレベルを考慮して、レーザーパルスショットのスケジューリングをサポートするために、レーザーパルスショット間の前記レーザー源におけるエネルギーの蓄積をモデル化するように、前記制御回路が、前記レーザーエネルギーモデルを維持する、請求項19~29のいずれかに記載の装置。
【請求項31】
方法であって、
経時的に複数のミラー走査角度を通してミラーを走査することと、
ライダー送信機の視野内に送信するためのレーザーパルスショットに利用可能なエネルギーを動的にモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持することと、
前記レーザーエネルギーモデルに基づいて、前記走査ミラーを介して送信されるレーザーパルスショットのタイミングスケジュールを決定することと、
前記決定されたタイミングスケジュールに従って前記走査ミラーを介して複数のレーザーパルスショットを発射することと、を含む、前記方法。
【請求項32】
ライダー送信機を制御するための製造物品であって、前記物品が、
非一時的な機械可読記憶媒体上に常駐する機械可読コードを含み、前記コードが、プロセッサーに実行される処理動作を規定し、前記プロセッサーに
経時的にレーザー源からのレーザーパルスショットに利用可能なエネルギーを動的にモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持させ、前記レーザー源が、ライダー送信機のミラーを介して前記ライダー送信機の視野内に送信するためのレーザーパルスショットを生成し、
前記レーザーエネルギーモデルに基づいて、前記ミラーを介して送信されるレーザーパルスショットのタイミングスケジュールを決定させ、
前記決定されたタイミングスケジュールに従って、前記レーザー源に対する複数の発射コマンドを生成させ、前記発射コマンドが、前記視野内に送信するためのレーザーパルスショットを生成するように前記レーザー源を起動する、
前記製造物品。
【請求項33】
ライダー装置であって、
レーザー源と、
前記ライダー装置が視野内のどこに向けられるかを規定するために走査可能なミラーを含むミラーサブシステムであって、前記ミラーサブシステムが、前記レーザー源から光学的に下流にある、前記ミラーサブシステムと、
前記視野内の複数の距離点に向けた前記レーザー源によるレーザーパルスショットの可変速度発射を動的に制御する制御回路であって、前記制御回路が、(1)前記標的レーザーパルスショットに関連する複数のエネルギー要件と比較して、エネルギーが経時的に前記レーザー源からレーザーパルスショットにどれくらい利用可能であるかモデル化するレーザーエネルギーモデル、及び、(2)前記走査可能ミラーが、経時的に前記ライダー装置のどこに向けられるかをモデル化するミラー動作モデル、を使用して、前記可変速度発射を動的に制御し、前記発射されたレーザーパルスショットが、前記レーザー源から前記走査可能ミラーを介して前記距離点に向けて前記視野内に送信される、前記制御回路と、
を含む、前記ライダー装置。
【請求項34】
ライダー装置であって、
複数の第1のミラー走査角度に走査可能な第1のミラーと、
複数の第2のミラー走査角度に走査可能な第2のミラーであって、前記第1及び前記第2のミラーの前記走査角度が、組み合わされて、視野内で前記ライダー装置が向けられる複数の距離点を規定する、前記第2のミラーと、
制御回路と、
前記第1及び前記第2のミラーから光学的に上流にあるレーザー源と、を含み、
前記レーザー源が、前記制御回路の発射コマンドに応答して、前記第1及び前記第2のミラーを介して前記視野内に送信するレーザーパルスを生成し、
前記制御回路が、(1)前記第1及び前記第2のミラーの走査を制御し、(2)経時的に前記レーザー源からのレーザーパルスの利用可能なエネルギーを動的にモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持し、(3)経時的に前記第1のミラー走査角度をモデル化するミラー動作モデルを維持し、(4)前記レーザーエネルギーモデル及び前記ミラー動作モデルに基づいて、前記視野内の複数の標的距離点に向けて送信されるレーザーパルスのタイミングスケジュールを決定し、前記標的距離点が、対応する第1のミラー走査角度を有し、(5)前記第1及び前記第2のミラーを介して前記標的距離点に向けて前記レーザー源から前記視野内に送信するための前記レーザーパルスの生成を起動するために前記決定されたタイミングスケジュールに基づいて前記レーザー源に発射コマンドを提供する、
前記ライダー装置。
【請求項35】
ライダー装置であって、
レーザー源と、
前記ライダー装置が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するように走査可能なミラーであって、前記ミラーが、前記レーザー源から光学的に下流にある、前記ミラーと、
(1)前記レーザー源からの複数のレーザーパルスショットで標的とされる距離点のプールでは、レーザーパルスショットに関連する複数のエネルギー要件と比較して、レーザーエネルギーモデルに許容される、前記プールからの前記距離点のできるだけ多くを標的とするために、所与の走査方向で前記軸に沿って前記ミラーの単一走査に対する前記レーザーパルスショットをスケジュールし、(2)前記スケジュールされたレーザーパルスショットが前記ミラーを介して前記標的距離点に向けて前記視野内に発射されるように、前記所与の走査方向に前記ミラーの前記単一走査中に前記スケジュールされたレーザーパルスショットの発射を制御する、制御回路と、
を含む、前記ライダー装置。
【請求項36】
ライダー装置であって、
レーザー源と、
前記ライダー装置が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために、複数の走査角度を通じて走査可能であるミラーと、
前記走査可能ミラーを介した前記レーザー源から複数の距離点に向けて前記視野内への複数のレーザーパルスショットの発射を動的に制御し、(2)(i)エネルギーが経時的に前記レーザー源からレーザーパルスショットにどれくらい利用可能であるかをモデル化するレーザーエネルギーモデル、及び、(ii)経時的に前記走査可能ミラーの前記走査角度をモデル化するミラー動作モデル、を使用して発射される次回のレーザーパルスショットのショットリストを模擬し、(3)経時的に、規定の空間領域に供給される集約レーザーエネルギーをモデル化する目の安全モデル及び/またはカメラの安全モデルに従って、前記模擬ショットリストを目の安全閾値及び/またはカメラの安全閾値と比較し、(4)前記模擬ショットリストが、前記目の安全モデル及び/または前記カメラの安全モデルに従って前記目の安全閾値及び/または前記カメラの安全閾値に違反していることを示す前記比較に応じて前記ショットリストを調整する、制御回路と、
を含む、前記ライダー装置。
【請求項37】
ライダーシステムであって、
複数のレーザーパルスショットを視野内に発射するライダー送信機であって、前記ライダー送信機が、前記視野内の標的距離点の前記レーザーパルスショットを向けるための可変振幅走査ミラーを含む、前記ライダー送信機と、
(1)前記可変振幅走査ミラーの傾斜振幅の変化を制御し、(2)前記傾斜振幅における制御された変化から生じる整定時間を考慮する基準を含む複数の基準に従って前記レーザーパルスショットをスケジュールする、制御回路と、
を含む、前記ライダーシステム。
【請求項38】
ライダー装置であって、
レーザー源と、
前記ライダー装置が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために、複数の走査角度を通して走査可能である可変振幅ミラーであって、前記ミラーの前記走査角度の角度範囲が、前記可変振幅ミラーの振幅に規定される、前記可変振幅ミラーと、
動的に、(1)前記可変振幅ミラーを介して前記視野内の複数の距離点に向けて前記レーザー源によりレーザーパルスショットの可変速度発射を制御し、(2)前記可変振幅ミラーの振幅変化から生じる整定時間に基づいて、前記レーザーパルスショットの前記可変振幅ミラーの振幅変化を制御する、制御回路と、
を含む、前記ライダー装置。
【請求項39】
ライダー装置であって、
可変エネルギーレーザー源と、
前記ライダー装置が視野内のどこに向けられるかを規定するミラーサブシステムであって、前記ミラーサブシステムが、前記可変エネルギーレーザー源から光学的に下流にある、前記ミラーサブシステムと、
レーザーパルスショットに関連する複数のエネルギー要件と比較したレーザーエネルギーモデルを使用して、前記可変エネルギーレーザー源による前記レーザーパルスショットの可変速度発射を動的に制御する制御回路であって、前記発射されたレーザーパルスショットが、前記可変エネルギーレーザー源から前記ミラーサブシステムを介して前記視野内に送信される、前記制御回路と、
を含む、前記ライダー装置。
【請求項40】
ライダー装置であって、
前記ライダー装置が第1軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために走査可能である第1のミラーと、
前記ライダー装置が第2軸に沿って前記視野内のどこに向けられるかを規定するために走査可能である第2のミラーと、
制御回路と、
前記第1及び前記第2のミラーから光学的に上流にある可変エネルギーレーザー源と、を含み、
前記可変エネルギーレーザー源が、前記制御回路の発射コマンドに応答して、前記第1及び前記第2のミラーを介して前記視野内に送信するレーザーパルスを生成し、
前記制御回路が、(1)前記第1及び前記第2のミラーの走査を制御し、(2)経時的に、前記可変エネルギーレーザー源のレーザーパルスに利用可能なエネルギーを動的にモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持し、(3)送信されるレーザーパルスのタイミングスケジュールを前記レーザーエネルギーモデルに基づいて決定し、(4)前記第1及び前記第2のミラーを介して前記可変エネルギーレーザー源から前記視野内に送信する前記レーザーパルスの生成を起動するために、前記決定されたタイミングスケジュールに基づいて前記可変エネルギーレーザー源に発射コマンドを提供する、
前記ライダー装置。
【請求項41】
ライダー装置であって、
レーザー源と、
前記ライダー装置が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するように走査可能なミラーであって、前記ミラーが、前記レーザー源から光学的に下流にある、前記ミラーと、
(1)前記走査可能ミラーを介して前記視野内の複数の距離点を標的とする前記レーザー源によるレーザーパルスショットの可変速度発射を制御し、(2)前記標的レーザーパルスショットの複数のエネルギー要件と比較して、エネルギーが経時的に前記レーザー源からレーザーパルスショットにどれくらい利用可能であるかをモデル化するレーザーエネルギーモデルに関して異なるショット順序候補の複数の模擬実験に基づいて、前記可変速度発射に対する前記標的レーザーパルスショットのショット順序を決定する、制御回路と、
を含む、前記ライダー装置。
【請求項42】
ライダー装置であって、
レーザー源と、
(1)前記視野内の複数の距離点を標的とする前記レーザー源によるレーザーパルスショットの可変速度発射を制御し、(2)エネルギーが経時的に前記レーザー源から前記標的レーザーパルスショットにどれくらい利用可能であるかをモデル化するレーザーエネルギーモデルに基づいて前記標的レーザーパルスショットの次回のスケジュールを評価し、(3)(i)前記レーザー源で利用可能なエネルギー量が閾値を超える前記レーザー源の将来の状況を回避するために、及び/または、(ii)前記標的レーザーパルスショットのエネルギー量を制御するために、前記評価に応じて前記発射レーザーパルスショットに複数のマーカーショットを含む、制御回路と、
を含む、前記ライダー装置。
【請求項43】
ライダー装置であって、
レーザー源と、
前記ライダー装置が視野内のどこに向けられるかを規定するミラーサブシステムであって、前記ミラーサブシステムが、前記レーザー源から光学的に下流にある、前記ミラーサブシステムと、
距離点で前記レーザー源により発射されるレーザーパルスショットのショットリストに前記距離点のリストを順序付けし、各距離点が、前記距離点リストの前記距離点が複数の異なる方位角及び複数の異なる仰角を包含するように、対応する方位角及び仰角を有する、制御回路と、を含み、
前記制御回路が、前記仰角のどれが規定の基準に基づいて前記距離点に向けて発射されるレーザーパルスショットで標的とされるかを優先順位付けする、
前記ライダー装置。
【請求項44】
ライダー装置であって、
レーザー源と、
前記ライダー装置が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するように複数の走査角度を通して走査可能なミラーであって、前記ミラーが、前記レーザー源から光学的に下流にある、前記ミラーと、
(1)前記ミラーに関して第1のミラー動作モデルを使用して、前記ミラーを介して前記視野内の複数の距離点を標的とする複数のレーザーパルスショットのショットスケジュールを決定し、(2)前記ミラーに関して第2のミラー動作モデルを使用して、前記決定されたショットスケジュールに従って前記レーザー源に対する発射コマンドを生成する、制御回路と、
を含む、前記ライダー装置。
【請求項45】
ライダー装置であって、
レーザー源と、
前記ライダー装置が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するように複数の走査角度を通して走査可能なミラーであって、前記ミラーが、前記レーザー源から光学的に下流にある、前記ミラーと、
第1の走査方向における前記ミラーの走査中に発射された第1の複数のレーザーパルスショットからの戻りに基づく前記視野内の目的領域の検出に応答して、(1)第2の走査方向における前記ミラーの次の戻り走査のための第2の複数のレーザーパルスショットをスケジュールし、前記第2の走査方向が、前記第1の走査方向と反対であり、前記第2の複数のレーザーパルスショットが、前記検出された目的領域を標的とし、(2)前記レーザー源に、前記ミラーの前記次の戻り走査中に前記ミラーを介して前記検出された目的領域に向けて前記第2の複数のレーザーパルスショットを発射させるために、前記スケジュールされた第2の複数のレーザーパルスショットに従って複数の発射コマンドを生成する、制御回路と、
を含む、前記ライダー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照及び優先権主張:
本特許出願は、2021年3月26日に出願され、「動的レーザー制御を備えた高精度時間制御ライダー」と題された米国仮特許出願63/166,475に対する優先権を主張し、この全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本特許出願は、以下に対する優先権も主張する:(1)2021年9月23日に出願され、「レーザーエネルギーモデルを使用する動的レーザー制御を備えた高精度時間制御ライダー」と題された米国特許出願17/482,787、(2)2021年9月23日に出願され、「レーザーエネルギー及びミラー動作モデルを使用する動的レーザー制御を備えた高精度時間制御ライダー」と題された米国特許出願17/482,793、(3)2021年9月23日に出願され、「走査ラインショットスケジュール用のダイナミックレーザー制御を備えた高精度時間制御ライダー」と題された米国特許出願17/482,806、(4)2021年9月23日に出願され、「安全モデルを使用する動的レーザー制御を備えた高精度時間制御ライダー」と題された米国特許出願17/482,811、(5)2021年9月23日出願され、「可変振幅走査ミラー用のショットスケジュール機能を備えた高精度時間制御ライダー」と題された米国特許出願17/482,820、(6)2021年9月23日出願され、「可変エネルギーレーザー光源の動的制御を備えた高精度時間制御ライダー」と題された米国特許出願17/482,882、(7)2021年9月23日出願され、「ダイナミックレーザー制御を備えた高精度時間制御ライダー及びショット順序模擬実験」と題された米国特許出願17/482,886、(8)2021年9月23日に出願され、「マーカーショットを使用する動的レーザー制御を備えた高精度時間制御ライダー」と題された米国特許出願17/482,947、(9)2021年9月23日に出願され、「仰角優先のショットスケジューリングを備えた高精度時間制御ライダー」と題された米国特許出願17/482,983、(10)2021年9月23日に出願され、「ショットのスケジューリング及びショットの発射に異なるミラー動作モデルを使用する動的レーザー制御を備えた高精度時間制御ライダー」と題された米国特許出願17/483,008、ならびに、(11)2021年9月23日に出願され、「検出ベースの適応ショットスケジューリングを備えた高精度時間制御ライダー」と題された米国特許出願17/483,034(これらのそれぞれの全開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0003】
緒言:
当該技術分野では、待ち時間が短く、環境変化に迅速に適応して動作するライダーシステムが必要とされている。これは、特に、ライダーの自動車用途及びライダーシステムが高速で移動していることがあるか、または別途短い時間間隔で意思決定を行う必要がある他の用途に当てはまる。例えば、ライダー送信機の視野内で目的の対象物が検出される場合、ライダー送信機は、検出対象物に高密度のレーザーパルスを発射することによりこの検出に迅速に応答することが望ましい。しかし、ライダー送信機の発射速度が増加すると、これにより、レーザー源には再チャージ時間が必要になるので、ライダー送信機に用いられるレーザー源の動作能力を圧迫する。
【0004】
本問題は、特に、ライダー送信機が可変速度発射を有する状況で深刻になる。可変速度発射では、レーザー源の動作能力は、高密度発射の期間だけでなく、低密度発射の期間にも影響を受ける。レーザー源が発射されていない期間中に、レーザー源内に電荷が蓄積するにつれて、レーザー源がオーバーヒートしないようにするか、または別途最大エネルギー制限を超えないようにする必要性が生じる。
【0005】
ライダー送信機は、レーザーパルスの生成をサポートするために光増幅を使用するレーザー源を用い得る。そのようなレーザー源は、レーザー源の時間及び発射速度に大きく影響されるエネルギー特性を有する。光増幅を使用するレーザー源のこれらのエネルギー特性は、ライダー送信機が高速走査時間及び視野内の特定の距離点を標的とするレーザーパルスで動作するように設計されている場合、ライダー送信機の動作に重要な影響を及ぼす。
【0006】
当該技術分野におけるこれらの問題に対する技術的解決策として、発明者らは、レーザーエネルギーモデルが、経時的にレーザー源内で利用可能なエネルギーをモデル化するために使用できることを開示する。次に、ライダー送信機により発射されるレーザーパルスのタイミングスケジュールは、レーザーエネルギーモデルに基づいてスケジュールされた様々なレーザーパルスショットについて予測されるエネルギーを使用して決定することができる。これは、ライダー送信機に、非常に粒度の高いレベルで、高密度/高解像度レーザーパルス発射の期間中の動作時など、各レーザーパルスショットが動作ニーズを満たすのに十分なエネルギーを有することを確実にさせる。レーザーエネルギーモデルは、以下でより詳細に説明するように、非常に短い時間間隔にわたってレーザー源内のレーザーパルスに利用可能なエネルギーをモデル化することができる。そのような短い間隔時間のモデル化では、レーザーエネルギーモデル化は、過渡レーザーエネルギーモデルと呼ぶことができる。
【0007】
さらに、発明者らは、レーザー源が、単位時間当たりの可変エネルギー蓄積速度を示す可変エネルギーレーザー源であり得ることを開示する。可変エネルギーレーザー源が、シードレーザー、ポンプレーザー、及び光増幅器(例えば、パルスファイバーレーザー源)を含む光増幅レーザー源を含む例示的な実施形態では、ポンプレーザーは、光増幅器に単位時間あたり変動するエネルギー量を蓄積し得、レーザーエネルギーモデルが、このポンプレーザーにより蓄積されるエネルギーの変動量をモデル化し得る。
【0008】
発明者らは、ライダーシステム用の制御回路が、標的レーザーパルスショットに対する複数のエネルギー要件と比較して、レーザーエネルギーモデルに関する異なるショット順序候補の複数の模擬実験に基づいて、視野内の距離点を標的とするレーザーパルスショットのショット順序を決定することができることも開示する。制御回路内の並列論理資源は、少ない待ち時間のショットスケジューリングをサポートするように並列に模擬実験を実施するために使用することができる。
【0009】
本発明者らは、さらに、任意のマーカーショットをスケジュールして発射すべきかどうかを決定するために、レーザーエネルギーモデルを参照することができることを開示する。マーカーショットは、レーザー源からエネルギーを放出するために発射され、視野内の任意の特定の距離点を標的とする必要のない、レーザー源からのレーザーパルスショットである。マーカーショットを介して制御された方法でレーザー源からエネルギーを放出することにより、システムは、(1)レーザー源で利用可能なエネルギー量が閾値を超えないようにすることにより、レーザー源への潜在的な損傷を回避し、及び/または、(2)視野内の特定の距離点を標的とする、スケジュールされたレーザーパルスショットに含まれるエネルギー量を制御し得る。
【0010】
さらに、本発明者らは、システムが、経時的に走査ミラーが視野内のどこに向けられているかも確実に予測し得るように、ミラー動作をモデル化することができることも開示する。このミラー動作モデルは、以下で詳述されるように、短い時間間隔でのミラー動作を予測することも可能である。この点に関しては、ミラー動作モデルは、過渡ミラー動作モデルとも呼ばれる。視野内の特定の距離点を標的とするレーザーパルスのスケジューリングをさらに細かく提供するために、経時的にミラー動作モデルを経時的にレーザーエネルギーのモデルと結びつけることができる。従って、制御回路が、レーザーパルスで標的とされるべき適宜順序付いた距離点のリストを、モデル化されたミラー動作と結合したモデル化されたレーザーエネルギーを使用して、そのような距離点で発射されるレーザーパルスのショットリストに変換し得る。この点に関しては、「ショットリスト」は、レーザーパルスがそのような距離点に向けて発射されるスケジュールまたはシーケンスを規定するタイミングデータと組み合わされた、レーザーパルスで標的とされる距離点のリストを指し得る。
【0011】
さらに、距離点を標的とするレーザーパルスショットのエネルギー要件を、レーザーエネルギーモデルにより反映されるようなショットに利用可能なエネルギーと比較することにより、制御回路が、所与の走査方向で走査ミラーの所与の単一走査に可能な限り多くの距離点を標的とするレーザーパルスショットをスケジュールし得る。次に、レーザーエネルギーモデルにより示されるエネルギー不足により単一走査中にスケジュールできない任意のショットは、その後の走査ミラーの1回以上の後続の走査中(例えば、逆の走査方向でミラーの戻り走査中に)に発射するようにスケジュールすることができる。
【0012】
発明者らは、レーザーエネルギー及びミラー動作モデルに従ってモデル化される次回のレーザーパルスショットのショットリストは、さらに、過剰なレーザーエネルギーを規定の期間にわたって規定の空間領域に発射することを防ぐために、目の安全及び/またはカメラの安全モデルに基づいて制御することができ、それにより、視野内の目及び/またはカメラへの損傷のリスクを低減させることも開示する。
【0013】
本発明者らは、ミラー動作モデルでモデル化されるミラーが、可変の走査振幅を示し得ることも開示する。次に、制御回路が、ミラーの走査振幅を変更することにより、距離点のリストでのレーザーパルスショットの発射完了時間の短縮などの利点が得られるかどうかを評価し得る。そのような決定を行う時、制御回路が、ミラーの走査振幅の変更により生じる可変振幅ミラーの整定時間を考慮に入れ得る。
【0014】
そのようなモデルを使用することで、ライダーシステムは、高いタイミング精度及び高い空間標的化/ポインティング精度でレーザーパルスをスケジュールし、高速で発射し得る高精度時間制御処理を提供し得る。これにより、少ない待ち時間、高フレームレート、及びインテリジェントな距離点のターゲティングで動作し得るライダーシステムがもたらされ、視野内の目的範囲を、急速発射及び空間的に高密度なレーザーパルスショットで標的とすることができる。
【0015】
例えば、発明者らは、視野内の距離点でレーザーパルスショットの発射を適宜スケジュールするために、ライダーシステムを制御することができることを開示し、第1の走査方向でミラーの走査中に発射される第1の複数のレーザーパルスショットは、視野内の目的範囲の検出を始動する。この検出に応答して、目的領域を標的とする第2の複数のレーザーショットを、反対方向へのミラーの次の戻り走査のためにスケジュールすることができる。
【0016】
本発明者らは、さらに、ショットのスケジューリング及びショットの発射を制御するために、制御回路により異なるミラー動作モデルを使用することができることを開示する。例えば、システムコントローラは、レーザーパルスショットをスケジュールする時に、第1のミラー動作モデルを使用し得、この第1のミラー動作モデルは、レーザーパルスショットで標的とされる走査角度を順序付けする目的で、粗いミラー動作モデルとして機能し得る。次に、ビームスキャナーコントローラは、スケジュールされたレーザーパルスショットに従って発射コマンドを生成する時、第2のミラー動作モデルを使用し得、この第2のミラー動作モデルは、正確なタイミングでレーザーパルスショットで標的とされる順序付き走査角度を標的とするレーザーパルスショットを生成する発射コマンドを生成する目的のための微細なミラー動作モデルとして機能し得る。
【0017】
さらに、発明者らは、ショットリスト内のショットを順序付けする時、システムが、規定の基準に基づいて他の仰角前のショットでどの仰角が標的にされるかを優先順位付けし得る。例えば、システムは、水平(例えば、道路の水平)に対応する仰角でのレーザーパルスショットの発射を優先順位付けし得る。別の例として、システムは、そのような対象物までの距離推定に基づいて、視野内で検出対象物を含む仰角でのレーザーパルスショットの発射を優先順位付けし得る(例えば、近くの対象物を含有する仰角を優先順位付けする、遠くの対象物を含有する仰角を優先順位付けする、など)。さらに別の例として、システムは、そのような対象物に関する速度情報及び/または方向方位情報に基づいて、視野内で検出される対象物を含む仰角でのレーザーパルスショットの発射を優先順位付けし得る(例えば、比較的高速で移動する対象物を含む仰角を優先順位付けすること、比較的低速で移動する対象物を含有する仰角を優先順位付けすること、ライダーシステムに向く方位にある対象物を含有する仰角を優先順位付けすること、など)。さらに別の例として、システムは、目の安全及び/またはカメラの安全目標の順守を確実にするのに役立つ方法で、仰角でのレーザーパルスショットの発射を優先順位付けし得る(例えば、短期間にわたる所与の空間領域のレーザーパルスショットの密度を低減させる仰角スキップを使用)。
【0018】
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、以下にてさらに詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】レーザーパルスをスケジュールするためにレーザーエネルギーモデルを使用するライダー送信機の例を示す。
図2A図1の制御回路のプロセスフローの例を示す。
図2B】レーザーパルスをスケジュールするためにレーザーエネルギーモデルを使用するライダー送信機の追加例を示す。
図2C】レーザーパルスをスケジュールするためにレーザーエネルギーモデルを使用するライダー送信機の追加例を示す。
図2D】レーザーパルスをスケジュールするためにレーザーエネルギーモデルを使用するライダー送信機の追加例を示す。
図3】レーザーパルスをスケジュールするためにレーザーエネルギーモデル及びミラー動作モデルを使用するライダー送信機の例を示す。
図4A】共振モードで走査するミラーのミラー動作がどのようにモデル化され得るかを示す。
図4B】共振モードで走査するミラーのミラー動作がどのようにモデル化され得るかを示す。
図4C】共振モードで走査するミラーのミラー動作がどのようにモデル化され得るかを示す。
図4D】共振モードで走査するミラーのミラー動作がどのようにモデル化され得るかを示す。
図4E】ミラー走査の振幅を制御可能に調整するための例示的なプロセスフローを示す。
図5図3の制御回路のプロセスフローの例を示す。
図6A図3の制御回路を使用するショットスケジューリングのプロセスフローの例を示す。
図6B図3の制御回路を使用するショットスケジューリングのプロセスフローの例を示す。
図7A】レーザーエネルギーモデル及びミラー動作モデルに基づいて、異なるショット順序候補を模擬及び評価するためのプロセスフローの例を示す。
図7B】ミラー動作モデルを使用して、ミラー走査の時間スロットがミラーのショット角度にどのように関連付け得るかの例を示す。
図7C】レーザーエネルギーモデルに基づいて異なるショット順序候補を模擬するための例示的なプロセスフローを示す。
図7D】異なるショット順序候補に関してレーザーエネルギーモデルにより生成されたレーザーエネルギー予測の異なる例を示す。
図7E】異なるショット順序候補に関してレーザーエネルギーモデルにより生成されたレーザーエネルギー予測の異なる例を示す。
図7F】異なるショット順序候補に関してレーザーエネルギーモデルにより生成されたレーザーエネルギー予測の異なる例を示す。
図8】レーザーパルスをスケジュールするためにレーザーエネルギーモデル及びミラー動作モデルを使用するライダー送信機の例を示し、制御回路が、システムコントローラー及びビームスキャナーコントローラーを含む。
図9】ショットリストにマーカーショットを挿入するためのプロセスフローの例を示す。
図10】ショットリストを調整するために、目の安全モデルを使用するためのプロセスフローの例を示す。
図11】レーザーパルスをスケジュールするために、レーザーエネルギーモデル、ミラー動作モデル、及び目の安全モデルを使用するライダー送信機の例を示す。
図12】レーザーエネルギーモデル及び目の安全モデルに基づいて、様々なショット順序候補を模擬するためのプロセスフローの例を示す。
図13】モデルを使用してショットスケジュールを決定するためのプロセスの別の例を示す。
図14】ライダー送信機及びライダー受信機が相互に動作を調整するライダーシステムの例を示す。
図15】モデルを使用してショットスケジュールを決定するためのプロセスの別の例を示す。
図16】より高密度のレーザーパルス群を使用して視野内の領域を調査するために、ライダー送信機が発射レートをどのように変更し得るかを示す。
図17A】ショットスケジューリングに関して仰角を優先的に選択するための例示的なプロセスフローを示す。
図17B】ショットスケジューリングに関して仰角を優先的に選択するための例示的なプロセスフローを示す。
図17C】ショットスケジューリングに関して仰角を優先的に選択するための例示的なプロセスフローを示す。
図17D】ショットスケジューリングに関して仰角を優先的に選択するための例示的なプロセスフローを示す。
図17E】ショットスケジューリングに関して仰角を優先的に選択するための例示的なプロセスフローを示す。
図17F】ショットスケジューリングに関して仰角を優先的に選択するための例示的なプロセスフローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、高精度時間制御ライダーをサポートするために用いることができるライダー送信機100の例示的な実施形態を示す。例示的な実施形態では、ライダー送信機100は、自動車などの乗り物に配置することができる。しかし、本明細書で記載のライダー送信機100は、乗り物に配備される必要はないと理解すべきである。本明細書で使用される場合、「ライダー」は、「レーダー」とも呼ばれ、光検出及び測距、レーザーレーダー、及びレーザー検出及び測距のいずれかを指し、それを包含する。図1の例では、ライダー送信機100は、レーザー源102、ミラーサブシステム104、及び制御回路106を含む。制御回路106は、レーザー源102によるレーザーパルス122の発射を制御するために、レーザーエネルギーモデル108を使用する。レーザー源102により送信されるレーザーパルス122は、ライダー送信機100の視野内の様々な距離点を標的とするために、ミラーサブシステム104を介して環境に送信される。これらのレーザーパルス122は、互換的にレーザーパルスショット(またはより単純に、単に「ショット」)と呼ぶことができる。視野は、レーザーパルス122を用いてライダー送信機100により標的とすることができる距離点として機能する、異なるアドレス指定可能な座標(例えば、{方位角、仰角}のペア)を含むことになる。
【0021】
図1の例では、レーザー源102は、ミラーサブシステム104を介してライダー送信機の視野内に送信されるレーザーパルス122を生成するために、光増幅を使用し得る。これに関して、光増幅器を含むレーザー源102は、光増幅レーザー源102と呼ぶことができる。図1の例では、光増幅レーザー源102は、シードレーザー114、光増幅器116、及びポンプレーザー118を含む。このレーザーアーキテクチャーでは、シードレーザー114は、送信されたレーザーパルス122を生成するために増幅される入力(信号)を提供するが、ポンプレーザー118は、パワーを(光増幅器116にポンプレーザー118により蓄積されるエネルギーの形態で)提供する。従って、光増幅器116は、2つの入力-ポンプレーザー118(光増幅器116にエネルギーを蓄積)及びシードレーザー114(光増幅器116内のエネルギーを刺激し、パルス122の発射を誘導する信号を提供)が送られる。
【0022】
従って、電気的に駆動されるポンプレーザーダイオードの形態をとり得るポンプレーザー118は、エネルギーを光増幅器116に連続的に送信する。パルス形成ネットワーク回路を含む電気駆動シードレーザーの形態をとり得るシードレーザー114は、ポンプレーザー118により光増幅器116に蓄積されたエネルギーが光増幅器116により送信用レーザーパルス122として、いつ放出されるかを制御する。シードレーザー114は、パルス形成ネットワーク回路(所望のパルス形状でポンプレーザーダイオードを駆動し得る)を介してレーザーパルス122の形状も制御し得る。シードレーザー114は、また、少量の(パルス化)光エネルギーを光増幅器116に注入する。
【0023】
ポンプレーザー118及びシードレーザー114により光増幅器116に蓄積されたエネルギーは、レーザーパルス122が生成されるエネルギーを光増幅器116にシードするのに役立つことを考えると、この蓄積されたエネルギーは、レーザー源102の「シードエネルギー」と呼ぶことができる。
【0024】
シードレーザー114によるエネルギーの刺激に応答して、光増幅器116がレーザーパルス122を発射するように誘導される場合、光増幅器116は、シードレーザー114及びポンプレーザー118によりその中に蓄積されたエネルギーからレーザーパルス122を生成するように動作する。光増幅器116は、ファイバー増幅器の形態をとることができる。そのような実施形態では、レーザー源102は、パルスファイバーレーザー源と呼ぶことができる。パルスファイバーレーザー源102では、ポンプレーザー118は、本質的に、ファイバー増幅器116内のドーパント電子を励起エネルギー状態に置く。レーザーパルス122を発射する時が来ると、シードレーザー114が、これらの電子を誘導して、エネルギーを放出させ、より低い(基底)状態に崩壊させ、これにより、パルス122が放出される。光増幅器116に使用することができるファイバー増幅器の一例は、エルビウムドープファイバー増幅器(EDFA)などのドープファイバー増幅器である。
【0025】
専門家の要望に応じて、他のタイプの光増幅器は、光増幅器116に使用することができることを理解されたい。例えば、光増幅器116は、半導体増幅器の形態をとることができる。ファイバー増幅器を使用するレーザー源(ファイバー増幅器がポンプレーザー118により光学的にポンピングされる)とは対照的に、半導体増幅器を使用するレーザー源は、電気的にポンピングすることができる。別の例として、光増幅器116は、ガス増幅器(例えば、COガス増幅器)の形態をとることができる。さらに、専門家は、レーザー源102内に光増幅器116のカスケードを含むことを選択し得ると理解すべきである。
【0026】
例示的な実施形態では、ポンプレーザー118は、一定のエネルギー蓄積速度を示し得る(単位時間当たり、一定量のエネルギーが光増幅器116に蓄積される)。しかし、専門家は、可変のエネルギー蓄積速度(光増幅器116に蓄積されるエネルギー量が単位時間当たり変動する)を示すポンプレーザー118の採用を選択し得ると理解すべきである。
【0027】
レーザー源102は、制御回路106から受信した発射コマンド120に応答してレーザーパルス122を発射する。レーザー源102がパルスファイバーレーザー源である例では、発射コマンド120は、シードレーザー114にファイバー増幅器116によるパルス放射を誘発させ得る。例示的な実施形態では、ライダー送信機100は、非定常状態のパルス送信を用い、これは、コマンド120の間に、レーザー源102を発射するための可変のタイミングがあることを意味する。このようにして、ライダー送信機100により送信されるレーザーパルス122は、時間的に不規則な間隔となる。比較的高密度のレーザーパルス122の期間及び比較的低密度のレーザーパルス122の期間が存在し得る。そのような可変チャージ時間制御を提供するレーザーベンダーの例としては、Luminbird及びITFが挙げられる。例として、本明細書で記載の好ましい実施形態に対応する所要時間にわたってパルスタイミングを制御する能力を有し、これらの好ましい実施形態においてレーザー源102として機能するのに適したレーザーは、数百ナノ秒~数十マイクロ秒の制御可能なタイミングで且つ約0.25ワット~約4ワットの平均電力範囲の、1.5μmのレーザー波長及び約数百ナノジュール~約数十マイクロジュールの範囲の利用可能なエネルギーを示すことが予測される。
【0028】
ミラーサブシステム104は、ライダー送信機100がどこに向けるかを制御するために走査可能なミラーを含む。図1の例示的な実施形態では、ミラーサブシステム104は、2つのミラー-ミラー110及びミラー112、を含む。ミラー110及び112は、MEMSミラーの形態をとり得る。しかし、専門家が、異なるタイプの走査可能ミラーの採用を選択し得ると理解すべきである。ミラー110は、レーザー源102の光学的に下流に、且つ、ミラー112の光学的に上流に配置される。このようにして、レーザー源102で生成されたレーザーパルス122は、ミラー110に衝突し、ミラー110は、パルス122をミラー112へと反射し、ミラー112は、周囲に送信するためにパルス122を反射することになる。出射パルス122は、ミラー112から周囲への伝搬中に様々な伝送光学系を通過し得ると理解すべきである。
【0029】
図1の例では、ミラー110は、ライダー送信機100が第1軸に沿ってどこを標的にするかを規定するために、複数のミラー走査角度にわたって走査し得る。この第1軸は、X軸とすることができ、従って、ミラー110は、方位角間を走査する。ミラー112は、ライダー送信機100が第2軸に沿ってどこを標的にするかを規定するために、複数のミラー走査角度にわたって走査し得る。第2軸は、第1軸に直交し得、この場合、第2軸は、Y軸とすることができ、従って、ミラー112は、仰角間を走査する。ミラー110及びミラー112のミラー走査角度の組み合わせは、ライダー送信機100が標的とする特定の{方位角、仰角}座標を規定することになる。これらの方位角、仰角のペアは、ライダー送信機100によりレーザーパルス122の標的とすることができる視野内の距離点を規定する{方位角、仰角}及び/または{行、列}として特徴付けることができる。
【0030】
専門家は、多数の走査技術のいずれかを使用してミラー110及び112の走査を制御することを選択し得る。特に絶好の実施形態では、ミラー110は、正弦波信号に従って共振モードで駆動され得るが、ミラー112は、ライダー送信機100によりレーザーパルス122で標的されるべき距離点の関数として変動するステップ信号に従ってポイントツーポイントモードで駆動される。このようにして、ミラー110は、速軸ミラーとして動作するが、ミラー112は、遅軸ミラーとして動作することができる。そのような共振モードで動作する時、ミラー110は、正弦波パターンで走査角度を通して走査する。例示的な実施形態では、ミラー110は、約100Hz~約20kHzの範囲の周波数で走査することができる。好ましい実施形態では、ミラー110は、約10kHz~約15kHzの間の範囲(例えば、約12kHz)の周波数で走査することができる。上述したように、ミラー112は、ライダー送信機100によるレーザーパルス122で標的とされるべき距離点の関数として変動するステップ信号に従ってポイントツーポイントモードで駆動することができる。従って、ライダー送信機100が、仰角Xを有する特定の距離点でレーザーパルス122を発射する場合、ステップ信号は、仰角Xまで走査するように、ミラー112を駆動し得る。後に、ライダー送信機100が、仰角Yを有する特定の距離点でレーザーパルス122を発射する場合、ステップ信号は、仰角Yまで走査するように、ミラー112を駆動し得る。このようにして、ミラーサブシステム104は、レーザーパルス122で標的とするために同定される距離点を選択的に標的とし得る。ミラー112は、ミラー110が新しい方位角まで走査するよりも、はるかに低速で新しい仰角まで走査すると予想される。そのようなものであるから、ミラー110は、ミラー112が新しい仰角に走査する前に、特定の仰角(例えば、左から右、右から左など)で数回前後走査し得る。従って、ミラー112が特定の仰角を標的にしている間、ライダー送信機100は、ミラー110が異なる方位角を通して走査している間に、その仰角で異なる方位角を標的とする多数のレーザーパルス122を発射し得る。米国特許第10,078,133号及び第10,642,029号(これらの開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる)は、本明細書に記載の例示的な実施形態と関連して使用することができるこれらの(及び他の)手法及び送信機アーキテクチャーを使用するミラー走査制御の例について記載する。
【0031】
制御回路106は、レーザーパルス122が所望の方法で送信されるように、レーザー源102及びミラーサブシステム104の動作を調整するように構成される。これに関して、制御回路106は、レーザー源102に提供される発射コマンド120を、ミラーサブシステム104に提供されるミラー制御信号(複数可)130と調整する。ミラーサブシステム104が、ミラー110及びミラー112を含む図1の例では、ミラー制御信号(複数可)130は、ミラー110の走査を駆動する第1の制御信号、及び、ミラー112の走査を駆動する第2の制御信号を含み得る。上述のミラー走査手法のいずれも、ミラー110及び112を制御するために使用することができる。例えば、ミラー110は、共振モードでミラー110を走査するために正弦波信号で駆動することができ、ミラー112は、ポイントツーポイントモードで、ミラー112を走査するためにレーザーパルス122で標的とされる距離点の関数として変動するステップ信号で駆動することができる。
【0032】
以下でより詳述されるように、制御回路106は、レーザー源102から送信されるレーザーパルス122のタイミングスケジュールを決定するために、レーザーエネルギーモデル108を使用し得る。このレーザーエネルギーモデル108は、異なるショットスケジュールシナリオにおいて経時的にレーザーパルス122を生成するためにレーザー源102内で利用可能なエネルギーをモデル化し得る。このようにレーザーエネルギーをモデル化することにより、レーザーエネルギーモデル108は、いつレーザー源102がレーザーパルスを発射するように起動されるべきかを、制御回路106が決定するのに役立つ。さらに、以下でより詳述されるように、レーザーエネルギーモデル108は、短い時間間隔にわたって(例えば、10~100ナノ秒の範囲の時間間隔にわたって)レーザー源102内の利用可能なエネルギーをモデル化し得、そのような短い間隔のレーザーエネルギーモデル108は、過渡レーザーエネルギーモデル108と呼ぶことができる。
【0033】
制御回路106は、本明細書に記載の意思決定機能を提供するプロセッサーを含み得る。そのようなプロセッサーは、そのような意思決定を実装するための並列ハードウェア論理を提供するフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)の形式をとることができる。FPGA及び/またはASIC(または他のコンピューター資源(複数可))は、システムオンチップ(SoC)の一部として含むことができる。しかし、ソフトウェアベースの意思決定及び/またはソフトウェアベース及びハードウェアベースの意思決定を用いるハイブリッドアーキテクチャーを含む、制御回路106の他のアーキテクチャーも使用することができると理解すべきである。制御回路106により実装される処理論理は、制御回路106内のメモリまたはその利用可能なメモリなどの非一時的機械可読記憶媒体に常駐する機械可読コードにより規定することができる。コードは、制御回路106について本明細書で論じられる処理動作を規定するソフトウェアまたはファームウェアの形態をとることができる。このコードは、有線接続を介した直接ダウンロード及び安全な無線ネットワークを含む無線ネットワークを介した無線ダウンロードなどの、多くの技術のいずれかを使用して制御回路106にダウンロードすることができる。そのようなものであるから、ライダー送信機100は、そのような無線ダウンロードを受信し、新しいソフトウェア及び/またはファームウェアで制御回路106を更新するように構成されたネットワークインターフェースも含み得ると理解すべきである。これは、レーザー照射量などの基準に関して変化する規制環境に合わせてライダー送信機100を調整するのに特に有利であり得る。無線更新用に提供されたコードを使用する場合、制御回路106は、機能の安全を維持するために単方向メッセージングで動作し得る。
【0034】
レーザーエネルギーの経時的なモデル化:
図2Aは、レーザーパルス122のタイミングスケジュールを制御するためのレーザーエネルギーモデル108の使用に関する制御回路106の例示的なプロセスフローを示す。ステップ200では、制御回路106は、レーザーエネルギーモデル108を維持する。このステップは、以下でより詳述される、レーザーエネルギーモデル108を規定するパラメータ及び式を読み取ることを含み得る。ステップ200は、以下に説明するように、レーザーパルス122がレーザー源102により起動されるにつれて、経時的にレーザーエネルギーモデル108を更新することも含み得る。
【0035】
上述のように、レーザー源102がパルスファイバーレーザー源である例示的な実施形態では、レーザーエネルギーモデル108は、レーザーパルス122が発射されるにつれて、シードレーザー114、ポンプレーザー118、及びファイバー増幅器116のエネルギー挙動を経時的にモデル化し得る。上述したように、発射されたレーザーパルス122を、「ショット」と呼ぶことができる。例えば、レーザーエネルギーモデル108は、以下のパラメータに基づき得る。
●CE(t)、これは、レーザーパルス122が時間tで発射される瞬間のファイバー増幅器116内のエネルギーの合計量を表す。
●EF(t)、これは、時間tでレーザーパルス122で発射されるエネルギー量を表す。
●Eは、ポンプレーザー118により単位時間当たりファイバー増幅器116に蓄積されるエネルギー量を表す。
●S(t+δ)、これは、継続時間δにわたってポンプレーザー118及びシードレーザー114によりファイバー増幅器116に蓄積されているシードエネルギーの累積量を表し、δは、直近のレーザーパルス122(時間tで発射)及び次回のレーザーパルス122(時間t+δで発射)間の時間量を表す。
●F(t+δ)、これは、パルス122が時間tで発射された時にファイバー増幅器116内に残されたエネルギー量を表す(従って、時間t+δで発射される次回のパルス122での使用に利用可能である)。
●CE(t+δ)、これは、時間t+δでファイバー増幅器116内の合計エネルギー量を表す(S(t+δ)及びF(t+δ)の合計)。
●EF(t+δ)、これは、時間t+δで発射されたレーザーパルス122で発射されたエネルギー量を表す。
●a及びb、「a」は、レーザーパルス122が発射された時の、ファイバー増幅器116からレーザーパルス122に伝達されるエネルギーの割合を表し、「b」は、レーザーパルス122の発射された後の、ファイバー増幅器116に保持されるエネルギーの割合を表し、a+b=1である。
【0036】
シードエネルギー(S)は、ポンプレーザー118によりファイバー増幅器116に蓄積されるエネルギー及びシードレーザー114によりファイバー増幅器116に蓄積されるエネルギーの両方を含むが、ほとんどの実施形態では、シードレーザー114からのエネルギーは、ポンプレーザー118からのエネルギーに比べて非常に小さい。従って、専門家は、経時的にポンプレーザー118により生成されるエネルギーのみに関してシードエネルギーをモデル化することを選択し得る。従って、シードレーザー116が、時間t+δで起動され、ファイバー増幅器116に、先のショット後に、ファイバー増幅器116に残っているエネルギーに加え、先のショットからポンプレーザー118によりファイバー増幅器116に蓄積された新しいエネルギーを使用して、次回のレーザーパルス122を放出させるまで、パルスファイバーレーザー源102が、時間tでレーザーパルスを発射した後、ポンプレーザー118が、(Eに従って)経時的にファイバー増幅器116にエネルギーを再供給し始めることになる。上述したように、パラメータa及びbは、送信のためにファイバー増幅器116内のエネルギーがレーザーパルス122にどれくらい伝達されるか、及び、次回のレーザーパルス122を生成する時の使用目的で、エネルギーがファイバー増幅器116にどれくらい保持されるかをモデル化する。
【0037】
これに関して、レーザーパルス122で発射されるエネルギーに対するパルスファイバーレーザー源102のエネルギー挙動は、以下のように表すことができる:
EF(t)=aCE(t)
F(t+δ)=bCE(t)
S(t+δ)=δE
CE(t+δ)=S(t+δ)+F(t+δ)
EF(t+δ)=aCE(t+δ)
【0038】
これらの関係では、CE(t)の値は、次の通りEF(t)で再表現することができる:
【数1】
【0039】
さらに、F(t+δ)の値は、次の通りEF(t)で再表現することができる:
【数2】
【0040】
これは、CE(t+δ)及びEF(t+δ)の値が、次の通り再表現することができることを意味する:
【数3】
【数4】
【0041】
EF(t+δ)のこの式は、以下のように短縮される。
EF(t+δ)=aδE+bEF(t)
【0042】
従って、将来の時間t+δでレーザーパルス122で発射されるエネルギーは、時間tで以前のレーザーパルス122に、エネルギーのどれくらい発射されたかの関数として計算することができると考えられ得る。a、b、E、及びEF(t)が、既知の値であり、δが、制御可能な変数であると考えると、これらの式は、将来に、選択時間にレーザーパルスで発射されるエネルギー量(及び将来の選択時点でファイバー増幅器116にエネルギーがどれくらい存在するか)を予測するレーザーエネルギーモデル108として使用することができる。
【0043】
この例は、パルスファイバーレーザー源102の経時的なエネルギー挙動をモデル化するが、これらのモデルは、他のタイプのレーザー源の経時的なエネルギー挙動を反映するように調整することができると理解すべきである。
【0044】
従って、制御回路106は、経時的にレーザー源102内でどれくらいのエネルギーが利用可能であるか、及びレーザーパルスショットの異なる時間スケジュールに対してレーザーパルス122で伝達することができるか、をモデル化するために、レーザーエネルギーモデル108を使用し得る。図2Aを参照すると、これは、制御回路106にレーザーパルス122のタイミングスケジュールを決定させる(ステップ202)。例えば、ステップ202では、制御回路106は、レーザーパルスショットがどのようにタイミングをはかられるべきかを評価するために、レーザーエネルギーモデル108を、様々な規定のエネルギー要件と比較し得る。例として、規定のエネルギー要件は、限定されないが以下を含む多数の形態のいずれかをとり得る:(1)最小レーザーパルスエネルギー、(2)最大レーザーパルスエネルギー、(3)望ましいレーザーパルスエネルギー(レーザーパルス122で距離点を選択的に標的するライダー送信機100の標的距離点毎のものであり得る)、(4)目の安全エネルギー閾値、及び/または、(5)カメラの安全エネルギー閾値。次に、制御回路106は、ステップ204で、決定されたタイミングスケジュールに従ってレーザーパルス122を生成するようにレーザー源102を起動する発射コマンド120を生成し、それをレーザー源102に提供し得る。従って、制御回路106が、レーザーパルスが時間t1、t2、t3、…で生成されるべきであると決定した場合、発射コマンド120は、これらの時間にレーザーパルス122を生成するようにレーザー源を起動し得る。
【0045】
レーザーパルスのタイミングスケジュールを決定する時に、制御回路106が評価し得る制御変数は、δの値であり、これは、連続するレーザーパルスショット間の時間間隔を制御する。以下の議論は、δの選択がレーザーエネルギーモデル108に従って各レーザーパルス122のエネルギー量にどのように影響するかを示す。
【0046】
例えば、レーザー源102がδ単位時間毎に一貫して発射される期間中、以下のtoy exampleに示されるように、レーザーエネルギーモデル108は、レーザーパルスのエネルギーレベルを予測するために使用することができる。
●Toy Example 1、E=1エネルギー単位、δ=1時間単位;ファイバーレーザー116で蓄積されるエネルギーの初期量は、1エネルギー単位である;a=0.5及びb=0.5:
【表1】
【0047】
発射速度が増加する場合、エネルギーがレーザーパルスにどれくらい含まれるかに影響するであろう。例えば、Toy Example 1と比較して、(他のパラメータは同じであるが)発射速度が2倍(δ=0.5時間単位)である場合、レーザーエネルギーモデル108は、以下のようにToy Example 2で、レーザーパルス122当たりのエネルギーレベルを予測するであろう。
●Toy Example 2、E=1エネルギー単位;δ=0.5時間単位;ファイバーレーザー116により蓄積されるエネルギーの初期量は、1エネルギー単位である;a=0.5及びb=0.5:
【表2】
【0048】
従って、Toy Example 1をToy Example 2と比較すると、レーザーの発射速度を増加させると、レーザーパルス122のエネルギー量が減少すると考えられ得る。例示的な実施形態として、レーザーエネルギーモデル108は、約10ナノ秒~約100ナノ秒の範囲の最小時間間隔をモデル化するために使用することができる。このタイミングは、制御回路106のクロックの精度(例えば、クロックスキュー及びクロックジッタ)ならびに発射後のレーザー源102に必要な最小リフレッシュ時間との両方に影響を受け得る。
【0049】
発射速度がToy Example 1と比較して減少する場合、これは、レーザーパルスに含まれるエネルギーの量を増加させる。例えば、Toy Example 1と比較して、(他のパラメータは同じであるが)発射速度が半分(δ=2時間単位)である場合、レーザーエネルギーモデル108は、以下のようにToy Example 3で、レーザーパルス122当たりのエネルギーレベルを予測するであろう。
●Toy Example 3、E=1エネルギー単位;δ=2時間単位;ファイバーレーザー116により蓄積されるエネルギーの初期量は、1エネルギー単位である;a=0.5及びb=0.5:
【表3】
【0050】
専門家がレーザーパルス当たりのエネルギー量を一定に維持したい場合、制御回路106は、(δの値を適切に選択することにより)この目標を達成するレーザーパルス122のタイミングスケジュールを規定するためにレーザーエネルギーモデル108を使用するできると考えられ得る。
【0051】
ライダー送信機100に様々な間隔でレーザーパルスを送信させたい専門家の場合、制御回路106は、レーザーパルス122に関連する規定のエネルギー要件を考慮して、レーザーパルス122毎に十分なエネルギーを維持するレーザーパルス122のタイミングスケジュールを規定するために、レーザーエネルギーモデル108を使用することができる。例えば、専門家が、ライダー送信機100に、(例えば、高解像度で視野内の標的を調べるために)レーザーパルスのシーケンスを迅速に発射する能力を持たせ、このシーケンスにおけるレーザーパルスが、それぞれ、いくつかの規定のエネルギー最小値以上であるようにしたい場合、制御回路106は、クラスター化されたシーケンスを発射する直前に、十分に長いδの値を導入することにより、そのようなショットのクラスタ化を可能にするタイミングスケジュールを規定し得る。この長いδ値は、レーザー源102に「クワイエット」期間を導入し、後続のレーザーパルスの急速発射シーケンスに十分な利用可能なエネルギーがレーザー源102内に存在するように、シードレーザー114のエネルギーを蓄積させる。Toy Example 2に反映されるレーザーパルスエネルギーの減衰パターンで示されているように、急速に発射されるレーザーパルスの期間に入る前に、シードエネルギー(S)の開始値を増加させると、お互いの近い時間で発射されるレーザーパルスに、より多くのエネルギーが利用可能になる。
【0052】
以下のToy Example 4は、この点に関するショットシーケンスの例を示し、0.25時間単位で隔てられた5つの高速レーザーパルスのシーケンスを発射することが望ましく、各レーザーパルスは、1エネルギー単位の最小エネルギー要件を有する。レーザー源がショットシーケンスを終了させた場合、この後、ファイバーレーザー116内に、1単位のエネルギーが保持され、制御回路が、以下の表に反映されているように、5つのレーザーパルス122の所望の急速発射シーケンスを行うように、シードレーザー114内に十分なエネルギーを蓄積させるために25単位時間待機し得る。
●Toy Example 4、E=1エネルギー単位;δLONG=25時間単位;δSHORT=0.25時間単位;ファイバーレーザー116で蓄積されるエネルギーの初期量は、1エネルギー単位である;a=0.5及びb=0.5;最小パルスエネルギー要件は、1単位のエネルギーである:
【表4】
【0053】
レーザー活性の「ビジー」期間を容易にするために、「クワイエット」期間を活用するこの能力は、制御回路106が視野内の変化する状況に非常に機敏で応答性の高い適応を提供し得ることを意味する。例えば、図16は、所与の仰角で左から右へ方位角にわたる第1の走査1600中に、レーザー源102が、比較的均等な時間間隔で5つのレーザーパルス122を発射する例を示す(レーザーパルスは、走査1600上の「X」マークで表される)。目的の対象物が距離点1602で見つかったという決定がなされる場合、制御回路106は、右から左の方位角にわたって、第2の走査1610において、より高密度のレーザーパルスを用いて、距離点1602の周辺の目的領域1604を調べるように動作し得る。目的領域1604内で急速に発射されたレーザーパルスのこの高密度期間を促進するために、制御回路106は、目的領域1604を走査する直前の期間中に、レーザーパルスの低密度期間1606を挿入することにより、そのような高密度プロービングを達成し得ることを決定するために、レーザーエネルギーモデル108を使用し得る。図16の例では、この低密度期間1604は、レーザーパルスが発射されないクワイエット期間であり得る。レーザーパルスのそのようなタイミングスケジュールは、視野内で検出される目的領域の高解像度調査を可能にするために、走査パターンの異なる仰角に対して規定することができる。
【0054】
制御回路106は、レーザー源102に過剰なエネルギーが蓄積しないようにするために、エネルギーモデル108を使用することもできる。ライダー送信機100が比較的まれなレーザーパルス発射の期間を示すことを予想する専門家の場合、いくつかの場合では、δの値が、ファイバー増幅器116内に過大なエネルギーが蓄積するくらい十分に長くなる状況であり得、このことは、(シードレーザー114が大量のパルスエネルギーを誘導して、ファイバー増幅器116から出る時のファイバー増幅器116の平衡過熱またはファイバー増幅器116の非平衡過熱のいずれかにより)レーザー源102に問題を引き起こし得る。この問題に対処するために、制御回路106は、レーザー源102からエネルギーを放出させるのに役立つ「マーカー」ショットを挿入し得る。従って、ライダー送信機100は、特定の選択距離点でレーザーパルス122を送信することにより、主に動作し得る場合であっても、これらのマーカーショットは、レーザー源102への損傷を防ぐ目的で、標的とされるべき距離点の選択リストに関係なく発射することができる。例えば、25エネルギー単位のレーザー源102の最大エネルギー閾値がある場合、制御回路106は、この最大エネルギー閾値が違反される期間を同定するために、レーザーエネルギーモデル108を参照し得る。レーザーパルスの頻度が低すぎるので、制御回路106が最大エネルギー閾値に違反すると予測する時、制御回路106は、最大エネルギー閾値を通過する前に、レーザー源102に発射コマンド120を提供し得、これは、レーザー源のエネルギーが高くなりすぎる前に、レーザー源102からエネルギーを放出するマーカーショットを発射するようにレーザー源102を起動する。この最大エネルギー閾値は、レーザーエネルギーモデル108がレーザー動作の様々な態様をどのようにモデル化するかに応じて、多くの方法のいずれかで追跡及び評価することができる。例えば、エネルギーモデル108がファイバー増幅器116内のエネルギー(S+F)を経時的に追跡する場合、それは、ファイバー増幅器116の最大エネルギー閾値として評価することができる。別の例として、最大エネルギー閾値は、継続時間δの最大値として評価することができる(これは、Eの値及びFの推定値を考慮する時、損傷を引き起こし得るシードエネルギー(S)の量がファイバー増幅器116に蓄積されないように設定されるであろう)。
【0055】
上記のToy Exampleは、説明を容易にするために、モデルパラメーターの単純化された値(例えば、E及びδの値)を使用するが、専門家は、使用されるレーザー源102の特性及び能力を正確に反映するために、モデルパラメーターの値を選択するか、または他の方法でモデルコンポーネントを調整し得ると理解すべきである。例えば、E、a、及びbの値は、パルスファイバーレーザー源の試験から経験的に決定することができる(または、これらの値は、パルスファイバーレーザー源のベンダーにより提供され得る)。さらに、δの最小値は、パルスファイバーレーザー源102の関数でもあり得る。つまり、様々なベンダーから入手可能なパルスファイバーレーザー光源は、δの異なる最小値を示し得、このδの最小値(これは、1秒当たりの最大達成可能なショット数を反映する)は、パルスファイバーレーザー源のベンダーの仕様に含まれ得る。
【0056】
さらに、パルスファイバーレーザー源102が非線形挙動を示すと予想または観察される状況では、そのような非線形挙動をモデルに反映することができる。一例として、パルスファイバーレーザー源102は、高出力レベルで低いエネルギー効率を示すことが予想され得る。そのような場合、シードエネルギー(S)のモデル化は、パルス生成のためにポンプレーザー118によりファイバー増幅器116に伝達されるエネルギーのクリップされたオフセット(アフィン)モデルを利用し得る。例えば、この場合、シードエネルギーは、レーザーエネルギーモデル108において以下のようにモデル化することができる。
S(t+δ)=Emax(aδ+a,offset)
【0057】
、a、及びオフセットの値は、パルスファイバーレーザー源102に関して経験的に測定し、レーザーエネルギーモデル108内で使用されるS(t+δ)のモデル化に組み込むことができる。線形領域の場合、aの値は、1になり、aの値及びオフセットの値は、0になることが考えられ得る。この場合、上記の例で考察されるように、シードエネルギーS(t+δ)のモデルは、δEに低減する。
【0058】
制御回路106は、実際のレーザーパルス122内のエネルギーを反映するフィードバックに基づいてレーザーエネルギーモデル108も更新し得る。このようにして、レーザーエネルギーモデル108は、経時的にその精度をより良く改善または維持し得る。例示的な実施形態では、レーザー源102は、発射時にレーザーパルス122内のエネルギーを監視し得る。次に、このエネルギー量は、モデル108の更新に使用するため、レーザー源102により制御回路106に報告され得る(図2Bの250を参照)。従って、制御回路106が実際のレーザーパルスエネルギー及びモデル化されたパルスエネルギー間の誤差を検出した場合、制御回路106は、この誤差を考慮してオフセットまたは他の調整をモデル108に導入し得る。
【0059】
例えば、レーザー源102の実際の動作特性を反映するために、a及びbの値を更新することが必要なことがある。上述したように、a及びbの値は、レーザー源102が起動され、シードレーザー114がパルス122をファイバー増幅器116から出射させる時に、エネルギーがファイバー増幅器116からレーザーパルス122にどれくらい伝達されているかを規定する。aの更新値は、以下のように、送信パルス122(PE)の監視されたエネルギーから計算することができる。
【数5】
【0060】
この式では、PEの値は、参照時間(tまたはt+δ)での実際のパルスエネルギーを表す。これは、回帰問題であり、MATLAB、Wolfram、PTC、ANSYSなどから入手可能な市販のソフトウェアツールを使用して解決することができる。理想的な世界では、PE(t)及びPE(t+δ)のそれぞれの値は、EF(t)及びEF(t+δ)のモデル化された値と同じになる。しかし、様々な理由により、利得係数a及びbは、レーザー効率の考慮事項(例えば、熱または経年変化、それにより、後方反射が、レーザーキャビティ内の共振効率を低減させる)により変動し得る。従って、専門家は、a及びbを使用するために更新値を定期的に計算することにより、レーザー源102の実際の動作特性を反映するようにモデル108を経時的に更新するのが有用であると気づき得る。
【0061】
レーザー源102がそれ自身の実際のレーザーパルスエネルギーを報告しないシナリオでは、専門家は、ライダー送信機100の光出口アパーチャに、またはその近くに光検出器を含むように選択し得る(例えば、図2Cの光検出器252を参照)。光検出器252は、(レーザーパルス122が標的に向かって環境中に伝播することを可能にしながら)送信されたレーザーパルス122内のエネルギーを測定するために使用することができ、これらの測定されたエネルギーレベルは、レーザーパルスのモデル化されたエネルギーに関する潜在的な誤差を検出するために使用することができるので、モデル108を上記のように調整することができる。レーザー源102がそれ自身の実際のレーザーパルスエネルギーを報告しないシナリオで使用される別の例として、専門家は、ライダーシステムのポイントクラウド256から得られる視野内の既知の基準対象物(例えば、光反射の強度値に関して管理される道路標識)からの戻りに関する戻りデータ254からレーザーパルスエネルギーを導出する(図2Dの254を参照)。そのようなエネルギー導出に関する追加の詳細については、以下で考察される。従って、そのような例では、モデル108は、そのような基準からの戻りのポイントクラウドデータを使用して定期的に再較正することができ、それにより、制御回路106は、ポイントクラウド256で見つかったパルス戻りデータを生成したレーザーパルスエネルギーを導出する。次に、この導出されたレーザーパルスエネルギー量は、上述したようにレーザーエネルギーモデル108を調整するためにモデル化されたレーザーパルスエネルギーと比較することができる。
【0062】
経時的なミラー動作のモデル化:
特に絶好の例示的な実施形態では、制御回路106は、所与の時点でミラーサブシステム104がどこに向けられるかを予測するために、ミラー動作もモデル化し得る。これは、レーザーパルス122で視野内の特定の距離点を選択的に標的にするライダー送信機100にとって特に有用であり得る。レーザーエネルギーのモデル化をミラー動作のモデルと結合することにより、制御回路106は、非常に粒度が高く最適化された時間スケールで、標的距離点に発射される特定のレーザーパルスショットの順序を設定し得る。以下でより詳細に考察されるように、ミラー動作モデルは、短い時間間隔(例えば、5~50ナノ秒の範囲の時間間隔)にわたるミラー動作をモデル化し得る。そのような短い間隔のミラー動作モデルを過渡ミラー動作モデルと呼ぶことができる。
【0063】
図3は、例示的なライダー送信機100を示し、レーザーパルス122のタイミングスケジュールを制御するために、制御回路106がレーザーエネルギーモデル108及びミラー動作モデル308の両方を使用する。
【0064】
例示的な実施形態では、ミラーサブシステム104は、図1に関連して上述したように動作し得る。例えば、制御回路106は、(1)異なる方位角にわたってミラー110を走査するために正弦波信号を使用して共振モードでミラー110を駆動し、(2)異なる仰角にわたって、ミラー112を走査するステップ信号を使用して、ポイントツーポイントモードでミラー112を駆動し得、ステップ信号は、レーザーパルス122で標的とされる距離点の仰角の関数として変動するであろう。ミラー110は、速軸ミラーとして走査することができるが、ミラー112は、遅軸ミラーとして走査される。そのような実施形態では、(比較的)ミラー112が、方位角にわたる1回以上の走査に対して実質的に静止していると特徴付けることができるので、専門家は、ミラー110の動作をモデル化するために、ミラー動作モデル308の使用を選択することができる。
【0065】
図4A~4Cは、ミラー110の動作が経時的にどのようにモデル化することができるかを示す。これらの例では、(1)角度シータ(θ)は、ミラー110の傾斜角を表し、(2)角度ファイ(Φ)は、ミラー110が水平位置にある時、レーザー源102からのレーザーパルス122がミラー110に入射する角度を表し(θは、ゼロ度である-図4Aを参照)、及び、(3)角度ミュー(μ)は、ミラー110の水平位置に対するミラー110により反射されるパルス422の角度を表す。この例では、角度μは、ミラー110の走査角度を表し得、この走査角度は、その時点で発射された場合、反射されたレーザーパルス122’が視野内に向けられる角度に対応する角度μとして、ミラー110のショット角度とも呼ばれ得る。
【0066】
図4Aは、ミラー110を示し、ミラー110は、ゼロ度の傾斜角θで「静止」しており、これはミラー110の水平として特徴付けることができる。レーザー源102は、レーザーパルス122がミラー110の水平に対して角度Φでミラー110に影響を及ぼすように、固定位置に向けられる。反射の特性を考慮すると、ミラー110が水平である時(θ=0の場合)、ショット角度μの値は、角度Φの値と同じになると理解されるべきである。
【0067】
図4Bは、ミラー110がピボット402に関してθの正の非ゼロ値まで傾けられている時のミラー110を示す。ミラーを角度θに傾けると、図4Aの反射レーザーパルス122’を時計回りに、反射レーザーパルス122’の角度に対して右回りに向ける効果があることが考えられ得る(ミラー110が水平の場合)。
【0068】
ミラー110は、ミラー110の振幅A(または傾斜振幅A)と呼ぶことができる最大傾斜角を有するであろう。従って、ミラー110は、-A(-θMaxに対応する)及び+A(+θMaxに対応する)の値の間の傾斜角を走査することが理解され得る。図4Bに示すように、ミラー110の実際の位置に対する反射レーザーパルス122’の反射角は、θ+Φの和であることが考えられ得る。従って、図4Bから考えられ得るように、ショット角度μの値は、2θ+Φに等しいであろう。
【0069】
正弦波制御信号に従って共振モードで駆動される時、ミラー110は、余弦振動に従ってその傾斜角θを変化させ、その変化率は、走査の終了時(傾斜方向を変更する時)で最も遅く、走査の中間点最も速くなる。ミラー110が、-Aから+Aまでの最大傾斜角間で走査する例では、時間の関数としての角度θの値は、以下のように表すことができる:
θ=Acos(2πft)
式中、fは、ミラー110の走査周波数を表し、tは、時間を表す。このモデルに基づいて、θの値は、A(t=0の場合)~0(tは、位相の90度(または位相270度)に対応する値の場合)~-A(tは、位相の180度に対応する値の場合)に変動し得ることが考えられ得る。
【0070】
これは、以下のように、ショット角度μの値は、θのコサイン式を、ショット角度の式μ=2θ+Φに代入することにより、時間の関数として表現することができることを意味する:
μ=2Acos(2πft)+φ
【0071】
この式から、tを解くと、以下のような式が得られ得る。
【数6】
【0072】
従って、この式は、ミラー110の走査が、所与のショット角度μを標的とする時間tを同定する。従って、制御回路106が、μのショット角度を標的にしたい時、Φ、A、及びfの値が既知であれば、ミラー110が、このショット角度まで走査する時間を容易に計算することができる。このようにして、ミラー動作モデル308は、そのショット角度を時間の関数としてモデル化し、ミラー110が特定のショット角度を標的とする時間を予測し得る。
【0073】
図4Cは、ミラー110がピボット402に関して負の非ゼロ値-θまで傾けられている時のミラー110を示す。ミラーを角度-θに傾けると、図4Aの反射レーザーパルス122’を反時計回りに、反射レーザーパルス122’の角度に対して左回りに向ける効果があることが考えられ得る(ミラー110が水平の場合)。図4Cは、角度Φの値の選択に関する専門家の制約も示す。レーザー源102は、ミラーがΦよりも大きいθの値に傾斜する時、傾斜ミラー110の下側がレーザーパルス122を遮断する位置を回避するために、角度ΦがAの値よりも大きくなるよう位置させる必要があるであろう。さらに、ミラー110がレーザーパルス122を反射してレーザー源102に戻す状況を避けるために、角度Φの値は、90度であってはならない。従って、専門家は、それに応じて、レーザー源102を好適な角度Φに配置し得る。
【0074】
図4Dは、この関係を、ミラー110が視野450を横切ってどのように走査するかに変換したものを示す。ミラー110は、ミラー110がその傾斜角度範囲(例えば、θ=-A~+A)の間で傾斜するにつれて、左から右の方向452及び右から左の方向454に交互に走査するであろう。θの値がゼロである図4Aの例の場合、これは、非傾斜ミラー110に発射されるレーザーパルスが、図4Dの460で示されるように向けられることを意味し、レーザーパルスは、走査の中間点の距離点に向けられる。図4Aに関連して上で考察されたように、この「まっすぐ前方」の視線のショット角度μは、Φである。角度θがθ=0から増加すると、これは、ミラー110が角度θ=+Aに傾斜するまで、ミラー110で向けられるレーザーパルスに視野内で右に走査させることになる。θ=+Aの時、ミラー110は、右方向の走査452の最も遠い範囲にあり、それは、462で示されるレーザーパルスを向ける。この右端の走査位置のショット角度μは、値μ=2A+Φとなる。その時点から、ミラー110は、その傾斜角θを減少させることにより、方向454に向かって左方向に走査を開始する。ミラー110は、再び中間点を通って走査し、最終的には、θ=-Aの傾斜角に達する。θ=-Aの時、ミラー110は、左方向の走査452の最も遠い範囲にあり、それは、464で示されるレーザーパルスを向ける。この左端の走査位置のショット角度μは、値μ=Φ-2Aになる。その時点から、ミラー110は、再び右方向450に傾斜し始め、走査が繰り返される。上述されるように、ミラー動作モデル308により、制御回路106は、図4Dの466で示されるように、レーザーパルスを向けるために、ミラー110がμのショット角度を標的としている時間を知ることになる。
【0075】
例示的な実施形態では、+A及び-Aの値は、ミラー110として選択ミラーの性質に応じて、+/-10度~+/-20度(例えば、+/-16度)の範囲の値とし得る。Aが16度であり且つミラー110が図4A図4Dに関連して上述されるように走査する例では、ミラー110の走査の角度範囲は、64度(または4Aの合計の左右両方において走査中間点からの2A)となることが理解することができる。
【0076】
いくつかの例示的な実施形態では、ミラー動作モデル308におけるAの値は、定数値とし得る。しかし、何人かの専門家は、Aの調整可能な値を示すミラー110を配置することが望ましいと気づくことがある(例えば、可変振幅MEMSミラーなどの可変振幅ミラーが、ミラー110として機能し得る)。上で考察される関係から、振幅Aの値が小さい時に、2つのショット角度間を移動するのに必要な時間が低減されると考えられ得る。制御回路106は、レーザーパルス122のシーケンスを発射する前に、ミラー110の振幅を調整することが望ましいかどうかを決定するために、この関係を活用し得る。図4Eは、この点に関するプロセスフローの例を示す。ステップ470において、制御回路106は、振幅をAからA’(A’<A)に変化させるための整定時間(ts)を決定する。この方法でミラーの振幅を変更すると、ミラーが比較的不安定になる期間を導入することになり、ミラーに安定した位置に落ち着かせるための時間が提供される必要になると理解すべきである。この整定時間は、ミラー110に関して経験的に決定または追跡することができ、制御回路106は、この整定時間値を制御パラメータとして維持し得る。ステップ472では、制御回路106は、ミラーの振幅が変化しない(振幅がAのまま)環境においてショットリストデータセットを収集するためにかかる時間を決定する。この時間は、収集時間tcとして参照することができる。このtcの値は、対象ショットリストに含まれるショットを参照して、レーザーエネルギーモデル108及びミラー動作モデル308を使用することにより計算することができる。ステップ474では、制御回路106は、ミラーの振幅がA’に変化した環境で同じショットリストデータセットを収集するのにかかる時間を決定する。この時間は、収集時間tc’として参照することができる。このtc’の値は、対象ショットリストに含まれるショットを参照して、レーザーエネルギーモデル108及びミラー動作モデル308(A’の振幅の減少を考慮して調整)を使用することにより計算することができる。ステップ476では、制御回路は、tcをtc’及びtsの和と比較する。合計(tc’+ts)がtcより小さい場合、ミラーの振幅をA’に変更する方が時間効率が良いことを意味する。この状況では、プロセスフローは、ステップ478に進み、制御回路106は、ミラー110の振幅をA’に調整する。和(tc’+ts)が、tc以上である場合、制御回路106は、振幅値を変更しないままにする(ステップ480)。
【0077】
モデルベースのショットスケジューリング:
図5は、レーザーパルス122のタイミングスケジュールを決定するために、制御回路106が、レーザーエネルギーモデル108及びミラー動作モデル308の両方を使用する例示的なプロセスフローを示す。ステップ200は、レーザーエネルギーモデル108を維持するために、図2Aを参照して上述したように動作し得る。ステップ500では、制御回路106は、ミラー動作モデル308を維持する。上で検討されるように、このモデル308は、時間の関数としてミラーが標的とするショット角度をモデル化し得る。従って、ミラー動作モデル308は、所与の時間tにおけるミラー110のショット角度を予測し得る。モデル308を維持及び更新するために、制御回路108は、モデル308に使用されるA、Φ、及びfの値を確立し得る。これらの値は、メモリから読み取るか、またはシステムの動作パラメータから決定することできる。
【0078】
ステップ502では、制御回路106は、レーザーエネルギーモデル108及びミラー動作モデル308を使用して、レーザーパルス122のタイミングスケジュールを決定する。この点において、レーザーエネルギーモデル108及びミラー動作モデル308を結びつけることにより、制御回路106は、エネルギーが、ミラーサブシステム104の走査パターンにおける距離点のいずれかを標的としたレーザーパルスにどれくらい利用可能であるかを決定し得る。説明の目的で、本発明者らは、ミラー110が複数のショット角度の間で方位角を高速で走査するが、ミラー112が仰角で十分に低速で走査する例示的な実施形態を検討し、従って、以下の考察は、仰角が安定に維持されるが、ミラー110が方位角で前後に走査することを仮定することになる。しかし、本明細書で記載の手法は、ミラー110及び112の両方の動作をモデル化するために容易に拡張することができる。
【0079】
少なくともXエネルギー単位のレーザーパルスで、ショット角度Aで距離点を標的することが望ましい場合、制御回路106は、ステップ502で、ミラー110の走査角度がショット角度Aを指す時のレーザーパルスの十分なレーザーエネルギーがあるかどうかを判定するために、レーザーエネルギーモデル108を参照し得る。十分なエネルギーがある場合、ミラー110がショット角度Aまで走査する時に、レーザーパルス122を発射することができる。エネルギーが不十分な場合、制御回路106は、ミラー110がショット角度Aを通り過ぎて、それに戻って走査した後まで、ショットを行うために待機し得る(ミラーがショット角度Aに戻った時に、レーザーエネルギーモデル108が、十分にレーザーエネルギーがあることを示す場合)。制御回路106は、いつレーザーパルス122が発射されるべきかを決定するために、レーザーパルスで標的とされるべき一組のショット角度に対するショットエネルギー要件を比較し得る。レーザーパルス122のタイミングスケジュールが決定されると、制御回路106は、この決定されたタイミングスケジュールに基づいて発射コマンド120を生成し、レーザー源102に提供し得る(ステップ504)。
【0080】
図6A及び6Bは、ミラーサブシステム104が、共振モード(速軸)で方位角ショット角度を通して走査するミラー110、及び、ポイントツーポイントモード(遅軸)で仰角ショット角度を通して走査するミラー112、を含むシナリオで、図5のステップ502及び504を実装するためのプロセスフローの例を示す。これらの例におけるライダー送信機100は、視野内のインテリジェントに選択された距離点でレーザーパルス122を発射しようとする。図6Aの例では、制御回路106は、ミラー110のどちらの走査方向で、距離点に対してスケジュール可能であるかにかかわらず、レーザーエネルギーモデル108に従って、所与の仰角でそれらの距離点のバッチに対するショットをスケジュールする。図6Bの例では、制御回路106は、レーザーエネルギーモデル108を考慮して、ミラー110の各走査方向について所与の仰角で可能な限り、多くの距離点についてショットをスケジュールしようとする。エネルギーモデルの制約により所与の走査方向に対してスケジュールすることができない対象の仰角での任意のショットでは、次に、制御回路106は、(全てのショットがスケジュールされるまで)それらの距離点を逆走査でスケジュールしようとする。
【0081】
図6Aのプロセスフローは、ステップ600から始まる。ステップ600では、制御回路106は、レーザーパルスで標的とされるべき距離点のリストを受け取る。これらの距離点は、(方位角、仰角)のペアとして表すことができ、任意に、それらを、適宜順序付けられ得る。
【0082】
ステップ602では、制御回路106は、仰角でソートされた方位角ショット角度のセットを生成するために、仰角で距離点をソートする。仰角でソートされた距離点は、方位角ショット角度でソートすることもできる(例えば、特定の仰角での全てのショット角が、方位角の増加順(最小方位角ショット角度から最大方位角ショット角度まで)または方位角の減少順(最大方位角ショット角度から最小方位角ショット角度まで)にソートされる。図6A及び図6Bのプロセスフローを考察する目的で、これらの方位角ショット角度を、制御回路106のショット角度と呼ぶことができる。ステップ602は、ショットで標的とされるべき距離点のプール650を生成する(仰角でソート、次に、ショット角度でソート)。
【0083】
ステップ604では、制御回路106は、プール650内の距離点のソートされたリスト内のショット仰角中からショット仰角を選択する。制御回路106は、多くの基準のいずれかに基づいて、この選択を行うことができる。仰角の選択順序は、どの仰角が他の仰角よりも前にレーザーパルス122の標的となるかを制御する。
【0084】
従って、例示的な実施形態では、制御回路106は、視野内の目的領域を包含すると予想される、ステップ604での仰角の選択を優先順位付けし得る。一例として、何人かの専門家は、視野内の水平(例えば、道路の水平)が、レーザーパルス122での標的化の優先度が高いことと気づき得る。そのような場合、ステップ604は、視野内の水平に対応する仰角(複数可)を決定(例えば、道路の水平での、またはその近くの仰角を同定)するために、図17Aに示されるように動作し(ステップ1702を参照)、次に、プール650からのそれらの仰角の選択を優先順位付けし得る(ステップ1702を参照)。ステップ1702は、(例えば、コントラスト検出手法、エッジ検出手法、及び/またはライダーもしくは画像データに適用される他のパターン処理技術を使用して)水平として適格だと考えられる視野内の領域を同定するために、ライダー戻りポイントクラウドデータ及び/または視野内のカメラ画像を分析することにより実行することができる。
【0085】
別の例として、制御回路106は、視野内で検出対象物(複数可)までの距離(複数可)に基づいて仰角の選択を優先順位付けし得る。何人かの専門家は、視野内の遠くの対象物への発射を優先順位付けすることが望ましいと気づき得る。他の専門家は、視野内の近くの対象物への発射を優先順位付けすることが望ましいと気づき得る。従って、図17Bに示されるような例では、検出対象物(複数可)に適用可能な距離(複数可)が決定される(ステップ1706を参照)。この距離情報は、ライダー戻りポイントクラウドデータから入手可能であろう。ステップ1708では、制御回路は、検出対象物(複数可)を、それらの決定された距離(複数可)でソートする。次に、ステップ1710では、制御回路106は、仰角に含まれる対象物(複数可)の決定された距離(複数可)に基づいて、プール650からのそれらの仰角の選択を優先順位付けする。ステップ1710では、専門家が近くの対象物よりも先に遠くの対象物に発射したい場合、優先順位は、より小さい距離値よりも大きい距離値に与えることができる。遠くの対象物よりも先に近くの対象物に発射したい専門家では、ステップ1710は、より大きな距離値よりもより小さな距離値を優先し得る。どの対象物が遠くにあるとみなされ、どれが近くにあるとみなされるかは、多数の技術のいずれか使用することにより、制御することができる。例えば、距離閾値を規定することができ、制御回路106は、どの仰角がソートされた対象物を含むか(その距離が規定の距離閾値を上回る(または、場合によっては下回る))に基づいて仰角の選択を行うことができる。別の例として、ソートされた対象物に対する相対範囲は、仰角の選択を制御するために使用することができる(最も遠いものから最も近いもの、または最も近いものから最も遠いものへのソート順序が、それらの対象物を含む仰角の選択を制御する)。
【0086】
さらに別の例として、制御回路106は、視野内で検出対象物(複数可)の速度(複数可)に基づいて仰角の選択に優先順位付けし得る。何人かの専門家は、視野内で高速に移動する対象物への発射を優先順位付けすることが望ましいと気づき得る。図17Cは、このためのプロセスフローの例を示す。ステップ1714では、速度は、視野内で検出された各対象物について決定される。この速度情報は、ライダー戻りポイントクラウドデータから誘導することができる。ステップ1716では、制御回路106は、検出対象物(複数可)を決定された速度(複数可)でソートすることができる。次に、制御回路106は、ソートされた対象物について決定された速度を、それらの検出対象物を含有する仰角の選択に優先順位付けするための基礎として使用することができる(ステップ1718)。ステップ1718におけるこの優先順位は、多くの方法のうちのいずれかで実行することができる。例えば、速度閾値を規定することができ、ステップ1718は、この規定の速度閾値以上で移動する対象物を含む仰角の選択を優先順位付けし得る。別の例として、ソートされた対象物の相対速度を使用することができ、別の対象物よりも速く移動する対象物を含む仰角を、その別の(遅く移動する)対象物を含む仰角より前に選択することができる。
【0087】
さらに別の例として、制御回路106は、視野内で検出対象物(複数可)の方向方位(複数可)に基づいて仰角の選択に優先順位付けし得る。何人かの専門家は、ライダー送信機100に向けて移動する視野内の対象物への発射を優先順位付けすることが望ましいと気づき得る。図17Dは、このためのプロセスフローの例を示す。ステップ1720では、視野内で検出された各対象物について方向方位が決定される。この方向方位は、ライダー戻りポイントクラウドデータから誘導することができる。次に、制御回路1722は、ライダー送信機100に向かって進んでいると決定された対象物(複数可)を含む仰角(複数可)の選択を優先順位付けし得る(ライダー送信機100近くに進む対象物を含有する仰角が、ライダー送信機100から離れて動く対象物を含有する仰角の前に選択される、いくつかの特定の許容程度内で)。
【0088】
さらにまた、何人かの専門家は、ライダー送信機100に向かって進む高速移動対象物の選択を優先順位付けするために、図17C及び17Dのプロセスフローを組み合わせることが望ましいと気づき得る。この例は、図17Eに示される。図17Eでは、ステップ1714及び1720を、上述のように実行することができる。ステップ1724では、検出対象物(複数可)は、その方向方位(ライダー送信機100に対する)でソートされ、次に、決定された速度でソートされる。ステップ1726では、ライダー送信機100に向かって進んでいる(及び他のそのような対象物よりも速く移動している)とみなされる対象物を含有する仰角が、選択のために優先順位付けさせる。
【0089】
別の例示的な実施形態では、制御回路106は、目の安全またはカメラの安全基準に基づいて、ステップ604で仰角を選択し得る。例えば、目の安全要件は、ライダー送信機100が、指定期間にわたって指定空間領域に指定量を超えるエネルギーを向けるべきではないことを指定し得る。特定の空間領域に多量のエネルギーを発射するリスクを低減するために、制御回路106は、近い時間に発射され得るレーザーパルス間により多くの仰角の角距離を挿入する(例えば、仰角1から仰角3(仰角2ではなく)にジャンプする)ために、隣接する仰角の連続選択を回避する方法で仰角を選択し得る。この仰角の選択方法は、任意に、動的に実行され得る(例えば、制御回路106が、規定の空間領域内のエネルギーが、目の安全閾値を下回るがそれに近いいくつかのレベルを超えていると判定する場合、仰角スキップが導入される)。さらに、スキップする仰角の数(スキップ間隔)は、仰角から仰角に進む時に、仰角がどれくらいスキップされるかを規定するために、専門家またはユーザーにより選択される値であり得ると理解すべきである。そのようなものであるから、専門家は、仰角スキップ間隔を1より大きい値に設定することを選択し得る(例えば、システムを仰角3から仰角9に進めさせるスキップ間隔5)。さらに、視野内に位置し得るカメラに過度のエネルギーが衝突することを回避するために、同様の手段をとることができる。図17Fは、このアプローチのプロセスフローの例を示す。ステップ1730では、制御回路106は、仰角Xを選択する(この選択仰角は、規定のスキップ間隔だけ、前の選択仰角(仰角Xt-1)よりも大きい(または小さい)。次に、制御回路106は、選択仰角に対してショットをスケジュールし(ステップ1732)、プロセスフローはステップ1730に戻り、次回の仰角(仰角Xt+1)が、(仰角Xに対するスキップ間隔に従って)選択される。
【0090】
従って、ステップ604が、図17A~17Fの基準、またはこれらの基準のいずれかの組み合わせに基づいて、仰角がレーザーパルス122で標的される順序を決定する優先順位分類システムを用いることができると理解すべきである。
【0091】
ステップ606では、制御回路106は、選択仰角を標的とするようにミラー112を駆動する、ミラー112のミラー制御信号を生成する。上述したように、このミラー制御信号は、ミラー112を所望の仰角まで上昇(または下降)させるステップ信号とすることができる。このようにして、制御回路106が、ポイントツーポイントモードでミラー112を駆動し、ミラー112のミラー制御信号がレーザーパルスで標的とされる距離点の関数として変動すると理解することができる(正確には、レーザーパルスで標的とされる距離点の順序の関数として)。
【0092】
ステップ608では、制御回路106は、選択仰角でプール650内にある方位角ショット角度のウィンドウを選択する。このウィンドウのサイズは、制御回路106がレーザーパルス122の所与のバッチに発射を命令するショット角度がどれくらいかを決定する。このウィンドウサイズは、ショットスケジューリングの探索深度と呼ぶことができる。専門家は、多くの基準のいずれかに基づいてこのウィンドウサイズを設定するように制御回路106を構成し得る。以下で考察されるtoy exampleは、例示目的でウィンドウサイズ3を使用するが、専門家は、実際にはこれより大きい(または小さい)ウィンドウサイズを使用することを望み得ると理解すべきである。例えば、例示的な一実施形態では、ウィンドウのサイズは、2ショットから12ショットまでの範囲の値であってもよい。しかし、制御回路106が、並列処理に対してより大きな容量を有する場合、または待ち時間に対する時間制約がより緩やかである場合、専門家は、より大きなウィンドウサイズを選択することが望ましいと気づき得る。さらに、制御回路106は、このウィンドウに含めるショット角度を選択する時に、ミラー110の走査方向を考慮し得る。従って、制御回路106が、ショット角度の増加に対応する走査方向のショットをスケジュールしている場合、制御回路106は、ソートされたプール650内の最小のショット角度から開始し得、プール650のショット角度ソート順序に徐々に大きなショット角度を含む。同様に、制御回路106が、ショット角度の減少に対応する走査方向のショットをスケジュールしている場合、制御回路106は、ソートされたプール650内の最大のショット角度から開始し得、プール650のショット角度ソート順序に徐々に小さなショット角度を含む。
【0093】
ステップ610では、制御回路106は、レーザーエネルギーモデル108及びミラー動作モデル308を使用して、選択ウィンドウ内のショット角度の順序を決定する。上述のように、この順序付け動作は、基準を満たす順序付け候補を見つけるために、候補順序付けをショットに関するエネルギー要件などの基準と比較し得る。ショット角度の有効な候補順序付けが見つかると、これは、レーザーパルス122の選択ウィンドウのタイミングスケジュールを規定する順序付きショット角度として使用することができる。ステップ610を実施するための例示的な実施形態についての追加の詳細は、以下で考察される。
【0094】
選択ウィンドウ内のショット角度がステップ610で順序付けされると、制御回路106は、これらの順序付きショット角度をショットリスト660に追加し得る。以下でより詳しく考察されるように、ショットリスト660は、ショット角度の順序付きリスト及び各ショット角度に対応する走査方向を含み得る。
【0095】
ステップ612では、制御回路106は、選択仰角で考慮するために、プール650内に、さらにショット角度があるかどうかを判定する。換言すれば、ウィンドウサイズが選択仰角についてプール650のショット角度の全てを包含していない場合、プロセスフローは、選択仰角についてプール650からショット角度の別のウィンドウを取得するためにステップ608にループバックし得る。そうである場合、次に、プロセスフローは、この次のウィンドウ内のショット角度に対してステップ610及び612を実行し得る。
【0096】
選択仰角でショット角度に対して全てのショットがスケジュールされると、ショット角度スケジューリングのためにプール650から次の仰角を選択するために、プロセスフローは、ステップ612からステップ604にループバックし得る。上述したように、この選択は、仰角の規定の優先順位に従って処理し得る。そこから、制御回路106は、新たな選択仰角でのショット角度に対してステップ606~614を実行し得る。
【0097】
一方、ステップ614では、制御回路106は、ショットリスト660により反映される決定されたショット角度の順序に従って、レーザー源102に対する発射コマンド120を生成する。これらの発射コマンド120をレーザー源102に提供することにより、制御回路106は、各レーザーパルス122が視野内の所望の距離点を標的とするように、ミラー110及び112と同期してレーザーパルス122を送信させるためにレーザー源102を起動する。従って、ショットリストが、ミラー110の左から右への走査中に発射されるショット角度A及びCを含む場合、制御回路106は、ミラー110が左から右への走査でショット角度A及びCを指し、それに応じて発射コマンド120を生成する時間を同定するためにミラー動作モデル308を使用し得る。制御回路106は、プール650からそれらの距離点を効果的に削除するように「発射される」ものとして、発射コマンド120に対応する距離点をマークするためにプール650も更新し得る。
【0098】
図6Bの例では、上述したように、制御回路106は、ミラー110の各走査方向でできるだけ多くのショットをスケジュールしようとする。ステップ600、602、604、及び606は、図6Aについて上で記載されているように進み得る。
【0099】
ステップ620では、制御回路106は、スケジューリングに使用するミラー110の走査方向を選択する。専門家は、このスケジューリングが、左から右の走査方向で開始するか、または、右から左の走査方向で開始するかを選択し得る。次に、ステップ608は、図6Aに関連して上述したように動作し得るが、制御回路106は、選択ウィンドウにどのショット角度が含まれるかを制御するために、ステップ620で選択された走査方向を使用する。従って、選択走査方向が増加するショット角度に対応する場合、制御回路106は、ソートされたプール650内の最小のショット角度から開始し得、プール650のショット角度ソート順序に徐々に大きなショット角度を含む。同様に、選択走査方向が減少するショット角度に対応する場合、制御回路106は、ソートされたプール650内の最大のショット角度から開始し得、プール650のショット角度ソート順序に徐々に小さいショット角度を含む。
【0100】
ステップ622では、制御回路106は、ステップ610について上述したように、レーザーエネルギーモデル108及びミラー動作モデル308に基づいてショット角度の順序を決定するが、制御回路106は、レーザーエネルギーモデル108が、それらのショット角度が、選択走査方向に対応する走査上でスケジュール可能であることを示す場合、ショット角度のみをスケジュールするであろう。スケジュールされたショット角度が、ショットリスト660に追加される。しかし、レーザーエネルギーモデル108が、選択ウィンドウ内のショット角度でショットを発射するためには、システムが次の戻り走査(またはより後のもの)まで待機する必要があることを示す場合、そのショット角度のスケジューリングは、ミラー110の次の走査方向まで延期し得る(ステップ624を参照)。これにより、可能であれば次の走査方向のスケジュールを立てるため、プール650に、スケジュールされていないショット角度が効果的に戻る。
【0101】
ステップ626では、制御回路106は、選択走査方向に対応する走査のスケジューリングを考慮される選択仰角におけるプール650内にショット角度がさらに存在するかどうかを判定する。そうである場合、プロセスフローはステップ608に戻り、選択仰角でのショット角度の別のウィンドウを取得する(選択走査方向を考慮して、選択仰角でのショット角度ソート順序を再度考慮する)。
【0102】
制御回路106が、選択走査方向でのスケジューリングのために選択仰角における全てのショット角度を考慮すると、プロセスフローは、スケジュールされた仰角でプール650からのさらなるスケジュールされていないショット角度があるかどうかについて判定されるステップ628に進む。そうである場合、プロセスフローは、次の走査方向(すなわち、逆走査方向)を選択するために、ステップ620にループバックする。そこから、プロセスフローは、選択仰角に対するスケジュールされていないショット角度の全てがスケジュールされて、ショットリスト660に追加されるまで、ステップ608、622、624、626、及び628を経て進む。ステップ628の結果、選択仰角における全てのショット角度がスケジュールされているとの判定がもたらされると、プロセスフローは、ショット角度スケジューリングのためにプール650から次回の仰角を選択するために、ステップ604にループバックし得る。上述したように、この選択は、仰角の規定の優先順位に従って処理し得、制御回路106は、新たな選択仰角でのショット角度に対してステップ606、620、608、622、624、626、628、及び614を実行し得る。
【0103】
従って、可能であれば、レーザーエネルギーモデル108を考慮して、図6Bのプロセスフローが、(場合により、左から右または右から左に)ミラー110の単一走査中に所与の仰角に対する全てのショット角度をスケジュールしようとすると理解すべきである。しかし、レーザーエネルギーモデル108が、所望のショット角度でショットを発射するためにより多くの時間が必要であることを示している場合、ショット角度のいくつかは、ミラー110の戻り走査(またはその後の走査)のためにスケジュールされ得る。
【0104】
制御回路106は、新しいレーザーパルス122で標的とされるべき新しい距離点を常にリッスンしていることも理解すべきである。そのようなものであるから、ステップ604~614の実行中(図6Aの場合)、またはステップ604、606、620、608、622、624、626、628、及び614の実行中(図6Bの場合)に、ステップ600及び602を実行することができる。同様に、制御回路106により、図6A及び6Bのプロセスフローの他のステップの実行中に、ステップ614を実行することができる。さらに、図6A及び6Bのプロセスフローは、距離点の標的化に対する高優先度の要求を受け入れ得ると理解すべきである。例えば、米国特許第10,495,757号(この開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、高優先度に距離点のセットを標的とする要求を受信し得る。従って、制御回路106は、そのような優先度の高い要求を常にリッスンし、プロセスフローに、そのような距離点に向けてレーザーパルスの発射のスケジュールを迅速に開始させることもできる。高優先度標的化要求が、制御回路106に以前のショットスケジューリングを中断させる状況では、制御回路106は、現在のショットスケジュールを効果的に一時停止し、(同じスケジューリング手法を使用して)新たな高優先度ショットをスケジュールし、次に、レーザーパルス122が高優先度の標的に発射されると、以前のショットスケジュールに戻ることができる。
【0105】
それに応じて、図6A及び6Bのプロセスフローが、プール650内の距離点のリストを通じて機能するにつれて、それらのショットのショットエネルギー閾値などの規定の基準と比較して、制御回路106は、レーザーエネルギーモデル108及びミラー動作モデル308の使用を通してそれらの距離点でレーザーパルス122のスケジューリングの改善を提供するであろう。さらに、上述のように、過渡モデルを使用してナノ秒ほどの短い時間間隔でレーザーエネルギー及びミラー動作をモデル化することにより、システムのこれらのショットスケジューリング能は、高精度時間制御として特徴付けることができる。これは、高精度のエネルギー量による高精度のショットを、必要に応じて短い間隔で正確にスケジュールすることができるからである。
【0106】
図6A及び6Bは、それらのプロセスフローをステップの反復シーケンスとして示しているが、制御回路106が十分な並列論理資源を有する場合、反復の多くは、展開し、戻りループを必要とせずに並列に(または、ステップ全体でいくつかの戻り使用して)実行することができると理解すべきである。例えば、制御回路106が十分な並列論理容量を有する場合、選択仰角におけるショット角度の異なるウィンドウを互いに並列に処理することができる。同様に、制御回路106は、十分な並列論理容量を有する場合には、同時に異なる仰角のスケジューリングに取り組むこともできる。
【0107】
図7Aは、図6Aのステップ610を実行するための例示的なプロセスフローを示す。ステップ700では、制御回路106は、ステップ608の選択ウィンドウ内のショット角度からショット角度順序候補を作成する。これらの候補は、ミラー動作モデル308に基づいて作成することができる。
【0108】
例えば、図7Bに示されるように、ミラー110が異なる潜在的なショット角度を標的にする時間は、ミラー動作モデル308を使用して予測することができる。従って、各ショット角度は、方位角(及びその引き返し)にわたるミラー110の走査に関して時間スロット710を割り当てることができる。図7Bに示されるように、ミラー110が、時間1、角度0で開始する場合、それは、角度の全範囲にわたって、時間2で角度Aまで走査し、次に、時間3で角度Bまで走査することなどになる(これは、図7Bの例では、ミラー110が角度ゼロの方に引き返して走査を開始する前に、角度Jに到達する)。これらの異なる角度の時間スロットは、ミラー動作モデル308を使用して計算することができる。従って、ショット角度のウィンドウがショット角度として角度A、角度C、及び角度Iを同定する場合、制御回路106は、ミラー110のミラー走査のどの時間スロットがそれらのショット角度を標的にするかを知ることになる。例えば、図7Bによれば、時間スロット1、3、及び9は、角度A、C、及びIを標的とするであろう。戻り走査では、時間スロット11も角度Iを標的とするが(図7Bに示されるように)、時間スロット17及び19も、それぞれ、角度C及びAを標的とするであろう。例示的な実施形態として、時間スロット710は、約5ナノ秒及び約50ナノ秒間の範囲の時間間隔に対応し得、これは、ミラー110が64度の角度範囲(+/-Aは、+/-16度である)にわたって12kHzで走査している場合、約0.01~0.1度の角度間隔に対応するであろう。
【0109】
ステップ700で順序候補を作成するために、制御回路106は、選択ウィンドウ内のショット角度の異なる順序に対して時間スロットシーケンスの異なる順列を生成し得る。ショット角度が、A、C、及びIである例を続けると、ステップ700は、以下の順序候補の例のセットを生成し得る(各順序候補は、時間スロットシーケンスにより表すことができる)。
【表5】
【0110】
制御回路106は、ショット角度A、C、及びIの時間スロットシーケンスの異なる順列から追加の順序付け候補を作成し得ると理解すべきである。専門家は、そのような候補のうちのどれだけが制御回路106により考慮されるかを制御するように選択し得る。
【0111】
ステップ702では、制御回路106は、レーザーエネルギーモデル108及び規定のショット要件を使用して、異なる順序候補の性能を模擬する。上述のように、これらのショット要件は、各レーザーパルスの最小エネルギー閾値(ショット角度ごとに異なることがある)、各レーザーパルス(もしくはレーザー源の)の最大エネルギー閾値、及び/または各レーザーパルスの所望のエネルギー(ショット角度ごとに異なることがある)などの要件を含んでもよい。
【0112】
計算待ち時間を低減するために、この模擬実験及びショット要件との比較は、制御回路106の並列論理資源を使用して、複数の異なる順序候補に対して並行して実行することができる。ステップ702のそのような並列実行の例が、図7Cに示される。図7Cの例では、順序候補となる複数の異なる時間スロットシーケンスに対して、ステップ720、722、及び724が並行して実行される。従って、ステップ720a、722a、及び724aは、時間スロットシーケンス1に対して実行され;ステップ720b、722b、及び724bは、時間スロットシーケンス2に対して実行され;時間スロットシーケンスnについては、ステップ720n、722n、及び724nを通して同様に行われる。
【0113】
ステップ720では、制御回路106は、レーザーパルスショットが、対象の時間スロットシーケンスに対応する時間スロットで発射される場合、レーザー源及び結果として生じるレーザーパルスのエネルギー特性を予測するために、レーザーエネルギーモデル108を使用する。次に、これらのモデル化されたエネルギーは、時間スロットシーケンスがシステム要件を考慮して有効なシーケンスであるかどうかを判定するために、最大レーザーエネルギー閾値及び最小レーザーエネルギー閾値などの基準と比較することができる。ステップ722では、制御回路106は、モデル化されたエネルギーレベル及び規定のエネルギー要件間の比較に基づいて、試験された各時間スロットシーケンスを有効または無効としてラベル付けすることができる。ステップ724では、制御回路106は、有効な時間スロットシーケンス毎に全てのレーザーパルスを発射するのに必要な経過時間を計算することができる。例えば、上の例の候補1は、9単位時間の経過時間を有することになるが、上の例の候補2は、17単位時間の経過時間を有することになる。
【0114】
図7D、7E、及び7Fは、レーザーパルスでスケジュールされるショット角度がショット角度A、C、及びIである例の時間スロットシーケンスのそのような模擬実験の例を示す。このシナリオでは、レーザーエネルギーモデル108が、(1)単位時間当たり1エネルギー単位の一定値としてEの値、ならびに、(2)それぞれ、0.5としてa及びbの値、を採用すると仮定する。さらに、本発明者らは、走査が始まる時(そして、左から右に移動しながら角度ゼロで走査が始まる時)、ファイバーレーザー116には3単位のエネルギーが残っていると仮定することになる。さらに、この例の目的のために、ショットのエネルギー要件は、それぞれ、ショット角度A、C、及びIに関する最小ショットエネルギーに対し(8,3,4)として規定することができ、レーザー源に対し最大レーザーエネルギーは、シード及び保存ファイバーエネルギーを合計した20単位として規定することができる(これは、10単位のエネルギーの最大レーザーパルスエネルギーに変換されるだろう)。
【0115】
図7Dは、時間スロット1、3、及び9でのレーザーパルスの時間スロットシーケンスを模擬実験した結果の例を示す。この例では、時間スロット1(ショット角度Aを標的とする)のショットエネルギーが、わずか2エネルギー単位であるので、この時間スロットシーケンスは無効であると考えられ得、これは、ショット角度Aの8単位の最小エネルギー閾値を下回っている。時間スロット3(ショット角度Cを標的とする)のショットエネルギーがわずか2単位のエネルギー(これは、ショット角度Cの3単位の最小エネルギー閾値を下回っている)であるので、この時間スロットシーケンスも失敗する。
【0116】
図7Eは、時間スロット1、9、及び17でのレーザーパルスの時間スロットシーケンスを模擬実験した結果の例を示す。この例では、時間スロット1(ショット角度Aを標的とする)のショットエネルギーが低すぎるので、この時間スロットシーケンスは無効であると考えられ得る。
【0117】
図7Fは、時間スロット3、9、及び21でのレーザーパルスの時間スロットシーケンスを模擬実験した結果の例を示す。この例では、各時間スロットのショットエネルギーが対応するショット角度の最小エネルギー閾値以上であるので、この時間スロットシーケンスが有効であると考えられ得る(どの時間スロットもレーザー源の最大エネルギー閾値に違反しないであろう)。さらに、ショット角度Aで発射されているレーザーパルスのエネルギーが不十分であるので、(3,9,19)の時間スロットシーケンスの模擬実験も失敗することになると、図7Fから推測することができる。
【0118】
それに応じて、これらの時間スロットシーケンスの模擬実験は、(3,9,21)の時間スロットシーケンスが有効な候補であるという判定がもたらされるであろう。これは、この時間スロットシーケンスが、選択ウィンドウのショット角度に対して発射されたレーザーパルスのタイミングスケジュールを規定し得ることを意味する。この有効な候補の経過時間は、21単位の時間である。
【0119】
図7Aに戻ると、ステップ704では、制御回路106は、経過時間が最も短い有効な順序候補を選択する。従って、ステップ702の模擬実験が、2つ以上の有効な順序候補を生成するシナリオでは、制御回路106は、システムの待ち時間を改善するのに役立つ最も早くレーザーパルスの発射を完了する順序候補を選択することになる。
【0120】
例示的な実施形態では、制御回路106がショット角度順序を決定することが可能である待ち時間、及び、好適な発射コマンドを生成することができる待ち時間は、ライダー送信機100の重要な動作特性である。高いフレームレートを維持するために、制御回路106は、レーザーエネルギーモデル108を考慮して実現可能であれば、完全な左から右へまたは右から左への走査を通してミラー110を走査するのにかかる時間内で、選択仰角でショット角度の全ての動作のスケジュールを行うことが望ましい(この時間量は、12kHzの走査周波数に対して約40マイクロ秒である)。さらに、(例えば、現在の走査中に発射されたレーザーパルス122が、追加のショットで調べられるべき目的の何らかを検出した時に(上述の図16を参照))制御回路106が、次の戻り走査中に現在の走査線上のショットからの戻りに基づいて検出される標的に対するショットをスケジュールできることも望ましい。この状況では、パルスが、ライダー受信機を通って、ライダーポイントクラウド生成器に戻り、そこで目的の標的が検出されるまでの検出経路も考慮する必要がある。処理のこの部分は、約0.4~10マイクロ秒が必要と予想され、可能な限り、制御回路106に、次の戻り走査中に目的領域での新しいショットをスケジュールするために約30マイクロ秒が残される。1秒当たり2Gflopsの処理(これは、多数のFPGA及びASICベンダーから入手可能な値)を有する制御回路106のプロセッサーの場合、これは、更新当たり50回の動作に相当し、これは、本明細書に記載の動作には十分である。例えば、制御回路106は、走査内の異なる時間スロットに対するショットエネルギーの事前計算値を含有するルックアップテーブル(LUT)を維持し得る。従って、ステップ702の模擬実験は、規定のショット角度/時間スロットについて事前に計算されたショットエネルギー値を調べることにより駆動することができる。模擬実験を加速するための制御回路106による並列論理の使用は、そのような少ない待ち時間の達成への寄与に役立つ。さらに、専門家は、所望の待ち時間の標的を達成するようにウィンドウサイズ(探索深度)などの操作パラメータを調整し得る。
【0121】
図8は、制御回路106がシステムコントローラ800及びビームスキャナーコントローラ802を含む、ライダー送信機100の例示的な実施形態を示す。システムコントローラ800及びビームスキャナーコントローラ802は、それぞれ、そのタスクを実行する際に使用されるプロセッサー及びメモリーを含み得る。ミラーサブシステム104は、ビームスキャナー810(ライダースキャナーとも呼ぶことができる)の一部とすることができる。ビームスキャナーコントローラ802は、ビームスキャナー810の一部として埋め込むことができる。この例では、制御回路106が、図6Aのプロセスフローを使用する場合に、システムコントローラ800は、図6Aのステップ600、602、604、608、610、及び612を実行し得る(または制御回路106が図6Bのプロセスフローを使用する場合、図6Bのステップ600、602、604、620、608、622、624、626、及び628)が、ビームスキャナーコントローラ802は、図6A及び6Bのプロセスフローについてステップ606及び614を実行する。従って、システムコントローラ800が仰角及びショット角度の順序を選択すると、この情報は、システムコントローラ800からビームスキャナーコントローラ802に、ショット仰角820及び順序付きショット角度822として伝達され得る。
【0122】
順序付きショット角度822は、各ショット角度で、ショットが行われる走査方向を示すフラグも含み得る。この走査方向フラグは、システムに、エネルギーモデルがショットを発射することなく、ショット角度の時間スロットを通過し、次に、後続の時間スロットで、走査がそのショット角度に戻った時にショットを発射する必要があることを示すシナリオも認識させることになる。例えば、上記の例を参照すると、走査方向フラグは、システムに、候補3(時間スロット3、9、及び19のショット角度CIAのシーケンス)対、候補4(ショット角度CIAの同じシーケンスであるが、時間スロット3、9、及び21)を区別するようにシステムを許容するであろう。専門家は、必要に応じて、各順序付きショット角度に走査方向フラグを加えることにより、走査方向を各順序付きショット角度を明確に割り当て得るか、または、専門家は、走査方向が変化する順序付きショット角度に走査方向フラグを加えることにより、走査方向を各順序付きショット角度に間接的に割り当てる。ショット仰角802及び順序付きショット角度822は共に、レーザーパルス122で距離点を標的とするためにライダー送信機100により使用されるショットリスト660の一部として機能する。
【0123】
ビームスキャナーコントローラ802は、820により規定される仰角を標的とする走査角度までミラー112を駆動するために、規定のショット仰角820に基づいてミラー112に対する制御信号806を生成し得る。一方、ミラー110の制御信号804は、ミラー110を共振モードで駆動する正弦波信号であり続けるであろう。しかし、何人かの専門家は、(例えば、上述のように振幅Aを変動させることにより)順序付きショット角度822の関数として制御信号804も変動するように選択し得る。
【0124】
図8の例では、ミラー動作モデル308は、ビームスキャナーコントローラ802で維持及び使用される第1のミラー動作モデル808aと、システムコントローラ800で維持及び使用される第2のミラー動作モデル808bを含み得る。図8では、発射コマンド120を生成するタスクは、ビームスキャナーコントローラ802で実行することができる。ビームスキャナーコントローラ810は、ミラー110の実際のミラー傾斜角θを追跡するフィードバックシステム850を含み得る。このフィードバックシステム850は、ビームスキャナーコントローラ802に、ミラー110の実際の傾斜角を経時的に厳密に監視させ、次に、これが、ミラー110の実際の走査角度μに変換される。次に、この知識を使用して、ビームスキャナーコントローラ802で維持されるミラー動作モデル808aを調整及び更新することができる。モデル808aは、850からのフィードバックによりミラー110の実際の走査角度と厳密に一致するので、本発明者らは、モデル808aを「微細な」ミラー動作モデル808aと呼ぶことができる。このようにして、ビームスキャナーコントローラ802が、レーザーパルス122で標的とされる順序付きショット角度822を通知される時、ビームスキャナーコントローラ802は、ミラーが順序付きショット角度822を標的とする時間スロットにいつ到達したかを決定するために、この「微細な」ミラー動作モデル808aを使用し得る。「微細な」ミラー動作モデル808aに従って、これらの時間スロットがヒットすると、ビームスキャナーコントローラ802は、対応する発射コマンド120を生成し、レーザー源102に提供し得る。
【0125】
走査追跡フィードバックシステム850に使用することができる手法の例は、上で参照し、組み込まれた米国特許第10,078,133号に記載されている。例えば、フィードバックシステム850は、ミラー110の走査(及びモデル化)を監視及び調整するために、光フィードバック手法または容量性フィードバック手法を採用することができる。フィードバックシステム850からの情報に基づいて、ビームスキャナーコントローラ802は、実際のミラー走査角度が、周波数、位相、及び/または最大振幅に関してモデル化されたミラー走査角度とどのように異なり得るかを判定し得る。従って、次に、ビームスキャナーコントローラ802は、モデル808aが現実をより正確に反映するように、周波数、位相、及び/または最大振幅における検出された誤差に関連する1つ以上のオフセットまたは他の調整をミラー動作モデル808aに組み込むことができる。これは、ビームスキャナーコントローラ802に、レーザーパルス122で標的とされる実際のショット角度と厳密に一致するレーザー源102に対する発射コマンド120を生成させる。
【0126】
ミラー動作モデル808a内の周波数及び最大振幅の誤差は、最大振幅として傾斜角θの追跡された実際の値から容易に導き出すことができ、Aは、最大のθの実際の値であるはずであり、実際の周波数は、Aの実際の値から-Aの実際の値に(及びその逆に)進むのにかかる時間の追跡に基づいて測定可能である。
【0127】
フェーズドロックループ(またはPID制御などの手法、双方ともに、MATLABのソフトウェアツールとして利用可能)を、必要に応じてモデル808aの位相を追跡及び調整するために、使用することができる。位相成分(p)を含む傾斜角θの式は、以下のように与えることができる:
θ=Acos(2πft+p)
これから、本発明者らは、以下の関係で位相pの値を戻し得る:
θ≒Acos(2πft)-Asin(2πft)p
pについて解くと、これにより、以下の式が得られる:
【数7】
【0128】
A、f、t、及びθの追跡された値がそれぞれ既知であるとすると、pの値は、容易に計算することができる。このpの式は、pの値が、小さいことを前提としている(これは、A、f、t、及びθの実際の値が頻繁に更新され、位相も頻繁に更新される場合には、正確な仮定になるであろう)と理解すべきである。次に、この計算されたpの値は、ミラー110の実際のショット角度を厳密に追跡するために、「微細な」ミラー動作モデル808aにより使用し、以下の式に従って、それらのショット角度に対応する時間スロットを同定することができる。
【数8】
【0129】
専門家は、発射コマンド120をいつ生成されるかを決定する時、ビームスキャナーコントローラ802が高精度の「微細な」ミラー動作モデル808aに依存することが望ましいことがわかるであろうが、専門家は、精度の低いミラー動作モデル化を用いても、ショットスケジューリング動作が十分であり得ることも気づき得る。従って、モデル808bの小さな誤差が、順序付けられたショット角度822を決定するために使用されるエネルギーモデル化に実質的な影響を及ぼさないので、システムコントローラ800は、それ自体のモデル808bを維持し得、このモデル808bは、モデル808aよりも精度が低い可能性がある。この点において、モデル808bは、「粗い」ミラー動作モデル808bと呼ぶことができる。必要に応じて、専門家は、さらに、ビームスキャナーコントローラ802からシステムコントローラ800にフィードバックを伝達し得、システムコントローラ800が、モデル808aに行われた更新を反映するようにモデル808bも調整し得る。そのような状況では、専門家は、システムがこれらの更新をモデル808aからモデル808bに、どれくらいの頻度で渡すことを決定することもできる。
【0130】
ショットエネルギーを放出及び/または制御するマーカーショット
図9は、必要に応じてレーザー源102からエネルギーを放出させるために、ショットリストにマーカーショットを挿入する制御回路106により実行される例示的なプロセスフローを示す。上述したように、制御回路106は、レーザーエネルギー閾値に違反するかどうかを判定するために、レーザーパルス122で標的とされる距離点に適用されるレーザーエネルギーモデル108を参照し得る。そうである場合、制御回路106は、レーザー源102からエネルギーを放出するために、ショットリストにマーカーショットを挿入し得る(ステップ902)。例示的な実施形態では、この閾値は、レーザー源102への損傷を回避するために、最大またはピークレーザーエネルギー閾値を規定するように設定することができる。別の例示的な実施形態では、この閾値は、レーザーパルスショットのエネルギーの所望の一貫性、滑らかさ、及び/またはバランスを達成するように設定することができる。
【0131】
例えば、1つ以上のマーカーショットは、後の標的レーザーパルスショット(または標的ショットのセット)が所望量のエネルギーを示すように、エネルギーを放出させるために発射することができる。例示的な実施形態として、マーカーショットは、標的レーザーパルスショットが可変速度発射であるにもかかわらず、標的レーザーパルスショットが一貫したエネルギーレベルを示すように(例えば、標的のレーザーパルスショットが時間的に不規則な間隔であったとしても、標的レーザーパルスショットが、X単位のエネルギー(プラスまたはマイナスの許容誤差)を示すように)、エネルギーを放出させるために使用することができる。制御回路106は、このように標的レーザーパルスショットを制御するために、そのようなマーカーショットがいつ発射されるべきかを決定するために、レーザーエネルギーモデル108を参照することができる。
【0132】
経時的な目及びカメラの安全のモデル化:
図10は、制御回路106により実行される例示的なプロセスフローを示し、ショットリストを規定または調整するために目の安全要件も使用される。これらの動作をサポートするために、制御回路106は、ステップ1000で、目の安全モデル1002を維持することもできる。ライダー送信機100に対する目の安全要件は、規定の期間にわたって視野内の規定の空間領域内に伝達することができるエネルギーの最大量を規定するために確立され得る。システムは、非常に粒度の高い期間にわたって正確な標的とされる距離点に関してパルスレーザーエネルギーごとにモデル化することができるので、これは、制御回路106がショットリスト部分が目の安全要件に違反するかどうか監視することも可能にする。従って、目の安全モデル1002は、レーザーエネルギーモデル108及びミラー動作モデル308から生成されたモデル化に基づいて、規定の期間にわたって、規定の空間領域に集約レーザーエネルギーがどれくらい供給されるかをモデル化し得る。ステップ1010では、制御回路106は、模擬シーケンスのショットから生じるモデル化されたレーザーエネルギーが、目の安全要件に違反するかどうかを判定するために、目の安全モデル1002を使用する。そうである場合、ステップ1012により示されるように、制御回路は、目の安全要件に適合するように、ショットリストを調整し得る(例えば、ショットを再順序付けすることにより、近い空間で伝達される順序付けショット間により長い遅延を挿入することにより、など)。
【0133】
図11は、本質的に図8の例と同様であるが、ショット角度の順序付けの方法を決定する時に、システムコントローラ800が目の安全モデル1002も考慮する例示的なライダー送信機100を示す。図12は、目の安全モデル1002が使用される例示的な実施形態では、図7Aの模擬実験ステップ702がどのように実行され得るかを示す。図12に示されるように、各並列パスは、上述のようにステップ720、722、及び724を含み得る。各並列経路は、ステップ722の前に実行されるステップ1200も含み得、制御回路106が、対象の時間スロットシーケンスのモデル化されたレーザーエネルギーが、目の安全要件に違反するかどうかを試験するために、目の安全モデル1002を使用する。対象時間スロットシーケンスがステップ720及び1200で試験された基準に適合する場合、対象時間スロットシーケンスは、有効であるとラベル付けすることができる。対象の時間スロットシーケンスがステップ720または1200で試験された基準に違反する場合、対象の時間スロットシーケンスは、無効であるとラベル付けすることができる。
【0134】
図10、11、及び12に関連して目の安全について記載されている手法と同様に、専門家は、時間スロットシーケンスが規定のカメラの安全要件に違反するかどうかをモデル化及び評価するために、制御回路も使用し得ると理解すべきである。レーザーパルス122が視野内のカメラに衝撃を与えて損傷するリスクを低減するために、制御回路が、目の安全モデル1002と、同様の方法で、同様の目的に向けてカメラの安全モデルも採用し得る。カメラの安全シナリオでは、制御回路106は、経時的にカメラ対象物に集約レーザーエネルギーがどれくらい影響を及ぼすかを監視することにより、視野内のそのカメラとして分類された対象物の検出に応答し得る。カメラ対象物に対して短すぎる期間内に過剰なレーザーエネルギーが投射されたことを、モデルが示す場合、制御回路は、必要に応じてショットリストを調整し得る。
【0135】
さらに、レーザーエネルギーモデル108及びミラー動作モデル308に関して上述したように、目の安全モデル及びカメラの安全モデルは、短い時間間隔にわたって規定の時間間隔にわたって規定の空間領域に伝達される集約エネルギーを追跡し得、そのような短い間隔の目の安全及びカメラの安全モデルは、過渡な目の安全及びカメラの安全モデルと呼ぶことができる。
【0136】
追加の例示的な実施形態:
図13は、送信機100のショットリストを動的に決定するためのモデルの使用に関する制御回路106のプロセスフローの別の例を示す。
【0137】
ステップ1300では、レーザーエネルギーモデル108及びミラー動作モデル308が確立される。これには、E、a、b、及びAなどのパラメーターのモデルに使用される値を工場出荷時または較正より決定すること、を含み得る。ステップ1300は、そのようなモデルを制御するパラメータ(例えば、規定の期間にわたる規定の空間領域の集約エネルギーの制限を示すパラメータ)の値を規定することにより、目の安全モデル1002を確立することも含み得る。ステップ1302では、システムの制御則が、ステップ1300で確立されたモデルに結びつけられる。
【0138】
ステップ1304では、レーザーエネルギーモデル108で使用されるシードエネルギーモデルが、非線形性を考慮して調整される。これは、上述のように、シードエネルギーのクリップされたオフセット(アフィン)モデルを採用し得る。
【0139】
ステップ1306では、レーザーエネルギーモデル108は、ライダーリターンデータ及びシステムからの他のフィードバックに基づいて更新することができる。例えば、図2Dに関連して上述したように、レーザーパルス122の実際のエネルギーは、ポイントクラウド256に含まれるパルス戻りデータから導出することができる。例えば、パルス戻りエネルギーは、以下の式に従って送信パルスエネルギーの関数としてモデル化することができる(レーザースポットサイズ以上の対象物からの戻りに対して、及び、適度な大気減衰を仮定)。
【数9】
【0140】
この式では、パルス戻りエネルギーは、パルス戻りのエネルギー(ポイントクラウド256から知られる)を表し、PEは、送信されたレーザーパルス122の未知のエネルギーを表し、アパーチャ受信機は、ライダー受信機(図14の1400を参照)の既知のアパーチャを表し、Rは、戻りの測定距離(ポイントクラウド256から既知)を表し、反射率は、戻りを受け取った対象物の反射率のパーセンテージを表す。従って、反射率が既知である限り、PEについて解くことができる。これは、反射率が監督官庁に管理されている道路標識などの対象物の場合に当てはまる。従って、道路標識などの既知の基準からの戻りを使用することにより、制御回路106は、送信されたレーザーパルス122の実際のエネルギーを導出し、レーザーエネルギーモデル108に対する何らかの調整が必要かどうかに関する決定を容易にするために、この値を使用することができる(例えば、送信されたレーザーパルス122の実際のエネルギーを表すPE値に基づいて、a及びbの値を再更新する上記の議論を参照)。
【0141】
また、ステップ1308では、バックグラウンドタスクとしてレーザーの状態を評価及び監視することができる。ステップ1306及び1308で受信したフィードバックから導出された情報は、上述のようにモデルパラメータを更新するために使用することができる。例えば、上述したように、シードエネルギーモデルパラメータの値、ならびに、a及びbの値は、レーザー源102で生成されるエネルギーを測定し、データをパラメータに適合させることにより更新することができる。このプロセスに使用することができる手法は、最小二乗法、試料行列の逆行列、回帰、及び多重指数拡張を含む。さらに、上述したように、所与の反射率を有する既知の標的を使用し、システムを較正するために、これらを使用することにより、誤差の量を低減することができる。既知の量、すなわち、基準の反射率により、(距離依存性及び任意の傾斜を取り除いた後)ショットエネルギーを明示的に抽出することが可能になるので、これは、有用である。用いられ得る基準の例は、道路標識及びナンバープレートを含む。
【0142】
ステップ1310では、ライダー戻りデータ及び結合モデルは、レーザーパルスエネルギーが安全レベルを超えないことを保証するために使用することができる。これらの安全レベルは、上述のように、目の安全及びカメラの安全を含み得る。ステップ1310なしでは、システムは、安全を確保するためにレーザー設定を確立するために試行錯誤を行い、さらにより厳しいエネルギー要件を採用する必要があり得る。例えば、ショットエネルギーが、予測ショットの周囲のショット毎に、±3Jだけ正確であり、最大ショットエネルギーが、8に制限されるレーザーモデルしかない場合、5を超えると予測された任意のショットを使用することができない。しかし、本明細書で説明されるように、レーザーエネルギーモデル108及びミラー動作モデル308から利用可能な高精度時間モデル化及び制御により、数パーセントの誤差内で正確な予測を得、事実上、マージンの動作上のライダーの影響を消去し得る。
【0143】
ステップ1312では、結合モデルが、ショットの異なる順序付けで使用され、それにより、特定の距離点のリストから抽出された任意の選択順序付きショットのシーケンスにおける予測ショットエネルギーが得られる。ステップ1312は、上述したように、ショットの異なる時間スロットに対するショットエネルギーを予測するために模擬実験を用い得る。
【0144】
ステップ1314では、所与のショットシーケンスに対してレーザー源102内に、非常に多いエネルギーが蓄積することをモデルが予測する場合、システムは、タイミングスケジュールにマーカーショットを挿入する。これは、非常に多いエネルギーがファイバーレーザー116に伝達され、ファイバーレーザー116に損傷を与えるリスクを低減する。
【0145】
ステップ1316では、システムは、各ショットで標的を検出するために必要なショットエネルギーを決定する。これらの値は、各ショットの最小エネルギー閾値として指定することができる。そのような閾値(複数可)の値は、ライダーの放射分析モデル化、ならびに、候補標的の仮定範囲及び反射率から決定することができる。一般に、このステップは、モデル化の仮定及び測定の組み合わせであり得る。例えば、本発明者らは、すでに、標的を検出していることがあるので、システムは、その範囲を(ある程度の許容範囲内で)既に知っていることがある。検出に必要なエネルギーは、距離の二乗として変動することが予想されるので、この知識により、システムが、標的を検出するのに十分なエネルギーがショット内に存在するように、最小パルスエネルギー閾値を確立できるようになる。
【0146】
ステップ1318及び1320は、エネルギー要件(例えば、ショット当たりの最小エネルギー閾値)(ステップ1318の場合)及びショットリスト発射完了時間(より速い完了時間を有する有効な候補順序付けを優先する)(ステップ1320の場合)に基づいて候補順序付けオプションを取り除くように動作する。
【0147】
ステップ1322では、両方の走査方向での仰角移動を使用して、候補順序付けが形成される。これにより、システムが、左から右への走査と右から左への走査の両方で、ショットを発射することを考慮することができる。例えば、鏡が左側に近い時に、特定の仰角で距離点リストが完了していると仮定する。次に、その時点で仰角ミラーを移動し、この同じ左側から始めて右に移動してスケジュールされる距離点の新しいウィンドウを開始することが早くなる。逆に、ミラーが右側に近づいた時に、距離点リストを減少する場合は、右側にある間にミラーを仰角方向に移動することが早くなる。さらに、順序候補の中から順序を選択する際、ある仰角から別の仰角へ移動する時、ミラー動作のどちらかの側で移動する時、システムは、ミラー110がその走査端(左いっぱいまたは右いっぱい)の1つにある時、新しい仰角に移動し得る。しかし、ミラー110がその走査端の1つにない時に、利得が仰角の変更から生じ得る場合に、システムは、上で参照され、組み込まれた米国特許第10,078,133号に記載されているように、ライン間スキップを実行し得る。ミラー動作モデル308は、水平走査中の潜在的な仰角シフトに適応するように調整することもできる。
【0148】
ステップ1324では、処理時間により、制御回路106が、オークションを実行することができる場合(それにより、複数の順序候補が調査され)、最も低い「コスト」(例えば、最速のライダー実行時間)の順序候補が、制御回路106(「オークショナー」として機能)により選択される。これは、計算コストが高すぎて、過度の待ち時間を誘導し得るので、専門家は、制御回路が可能な順序候補の全てを考慮することを望まないことがある。従って、制御回路106は、順序付けされるショットのバッチ毎に、順序候補がどれくらい考慮されるかについて、最大値または他の制御を適用し得る。ショットの順序付けを選択する時、貪欲なアルゴリズムを使用することができる。一般に、システムは、ショットリスト生成におけるリアルタイムの考慮事項と一致する方法で、このプロセスで探索深度値(制御回路がどれだけ先のショットを評価するかを規定)を使用することができる。ステップ1326では、セットのショットを抑制するためにショットシーケンスに遅延を加えることができ、従って、上述のように、より微細の(より高密度の)グリッドを可能にするために、利用可能なショットエネルギーを増加させる。様々な順序候補をソートするための方法は、Mathworksなどの利用可能なソフトウェアパッケージを使用して実行することができるビタビアルゴリズムの特殊なケースと考えることができる。これは、同値クラスまたは群理論的手法を使用して、推論することもできる。さらに、待ち時間の低減が必要であることをシステムが検出する場合、探索深度を低減することができる(ステップ1328を参照)。
【0149】
図14は、システム動作を調整するために、システムコントローラ800がライダー受信機1400と、どのように相互作用し得るかを示すライダー送信機100の例示的な実施形態を示す。ライダー受信機1400は、レーザーパルス122により影響を受けた視野内の対象物の距離情報を計算するために、パルスリターン1402を受信及び処理し得る。次に、この距離情報は、ライダーシステムにより生成されたポイントクラウド1404に含まれ得る。ライダー受信機1400として使用される適した手法の例は、米国特許第9,933,513号及び第10,754,015号(この全開示は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。図14の例では、上で参照され、組み込まれた特許で考察されるように、システムコントローラ800は、レーザーパルスで標的とするために距離点をインテリジェントに選択するために、ポイントクラウド1404を使用し得る。例えば、ポイントクラウドデータは、レーザーパルス122で標的とされる視野内の対象物の範囲を決定するために使用することができる。制御回路106は、それらの対象物に対応すると考えられる距離点を標的とするレーザーパルス122の所望のエネルギーレベルを決定するために、この距離情報を使用し得る。このようにして、制御回路106は、標的とされる対象物の推定距離の関数としてレーザーパルスエネルギーを制御可能に調整し得、対象物が、ライダー受信機1400による十分な検出を容易にするために、その推定距離を考慮して、十分な量の光エネルギーで照射される。さらに、ビームスキャナーコントローラ802は、ショットタイミング情報1410を受信機1400に提供し得、システムコントローラ800は、ショットデータ1412(例えば、標的距離点を同定するデータ)を受信機1400に提供し得る。この情報の組み合わせは、パルス戻り1402を検出するために受信機1400のピクセルのどれをアクティブにするかを制御する方法を受信機に通知する(それらのピクセルがアクティブにされるべき時を含む)。上で参照され、組み込まれた‘513及び ‘015特許で考察されるように、受信機は、視野内の標的距離点の位置に基づいて、パルス戻り1402を検出するためのアクティブ化用のピクセルを選択することができる。従って、どの距離点が標的とされたのか及びそれらの距離点がいつ標的とされるのかの正確な知見は、受信機1400の動作を改善するのに役立つ。図14には示されていないが、専門家が、視野を撮像するカメラも含むように選択し得、このカメラは、ライダー送信機100と光学的に同軸(共ボア照準)とすることができることも理解すべきである。カメラ画像は、他のタスクの中でインテリジェントな距離点の選択を容易にするために使用することもできる。
【0150】
図15は、送信機100のショットリストを動的に決定するためのモデルの使用に関する制御回路106のプロセスフローの別の例を示す。ステップ1500では、レーザーエネルギーモデル108及びミラー動作モデル308が確立される。これは、上述されたステップ1300と同様に動作し得る。ステップ1502では、モデルパラメータは、パルス戻り統計(ポイントクラウド1404または受信機1400により提供される他の情報から導出され得る)及びミラー走査位置フィードバック(例えば、フィードバックシステム850から)を使用して更新される。ステップ1504では、ショットエネルギーが、レーザーエネルギーモデル108に従って予測することができるミラー動作モデル308に従ってショット角度が時間スロットに割り当てられるように、モデルが結合される。次に、これらの結合モデルは、制御回路106により使用されるショットスケジューリング論理に埋め込むことができる。ステップ1506では、レーザーパルス122で標的とされる距離点のリストが受信される。ステップ1508では、システムがどれだけ先にショットをスケジュールするかを制御する探索深度の選択が行われる。
【0151】
リストされた距離点及び規定の探索深度に基づいて、レーザーパルスショットの順序候補が作成される(ステップ1510)。ミラー動作モデル308は、上述したように、これらの順序候補に時間スロットを割り当て得る。ステップ1512では、各候補は、レーザーエネルギーモデル108を使用して試験される。この試験は、目の安全モデル1002及びカメラの安全モデルに基づく試験も含み得る。この試験は、ピークエネルギーの制約、目の安全の制約、カメラの安全の制約、最小エネルギー閾値、及び完了時間などの基準を遵守するための順序候補を評価し得る。有効な順序候補が見つかった場合、システムは、有効な順序候補中で最も速いものにより規定されるタイミング/シーケンシングに従ってレーザーパルスを発射し得る。そうでない場合、プロセスフローは、有効な順序候補の検索するためにステップ1510に戻り得る。
【0152】
従って、以下に列挙するような多くの例示的な実施形態が、本明細書に記載されている。
【0153】
実施形態A1:以下を含む、ライダー装置:
レーザー源と、
ライダー装置が視野内のどこに向けられるかを規定するミラーサブシステムと(ミラーサブシステムが、任意に、レーザー源から光学的に下流にある)、
レーザーパルスショットに関連する複数のエネルギー要件と比較したレーザーエネルギーモデルを使用して、レーザー源によるレーザーパルスショットの可変速度発射を動的に制御する制御回路(発射されたレーザーパルスショットが、レーザー源からミラーサブシステムを介して視野内に送信される)。
【0154】
実施形態A2:制御回路が、エネルギー要件と組み合わせたレーザーエネルギーモデルに基づいて複数のレーザーパルスショットをスケジュールすることにより可変速度発射を動的に制御する、実施形態A1の装置。
【0155】
実施形態A3:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各レーザーパルスショットに応答したレーザー源におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後のレーザー源におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)レーザーパルスショット間のレーザー源におけるエネルギーの蓄積をモデル化する、実施形態A1~A2のいずれかの装置。
【0156】
実施形態A4:レーザー源が、光増幅レーザー源を含む、実施形態A1~A3のいずれかの装置。
【0157】
実施形態A5:光増幅レーザー源が、パルスファイバーレーザー源を含む、実施形態A4の装置。
【0158】
実施形態A6:パルスファイバーレーザー源が、シードレーザー、ポンプレーザー、及びファイバー増幅器を含み、レーザーエネルギーモデルが、(1)経時的なパルスファイバーレーザー源のシードエネルギー、及び、(2)経時的にファイバー増幅器に蓄積されるエネルギー、をモデル化する、実施形態A5の装置。
【0159】
実施形態A7:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各レーザーパルスショットに応答した光増幅レーザー源の光増幅器におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後の光増幅器におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)レーザーパルスショット間の光増幅器におけるエネルギー蓄積をモデル化する、実施形態A4~A6のいずれかの装置。
【0160】
実施形態A8:レーザーエネルギーモデルが、10ナノ秒~100ナノ秒の範囲の時間間隔でレーザーパルスショットに利用可能なレーザーエネルギーをモデル化する、実施形態A1~A7のいずれかの装置。
【0161】
実施形態A9:エネルギー要件が、最小レーザーパルスエネルギーを含む、実施形態A1~A8のいずれかの装置。
【0162】
実施形態A10:最小レーザーパルスエネルギーが、レーザーパルスショットに対して不均一である、実施形態A9の装置。
【0163】
実施形態A11:エネルギー要件が、レーザー源に関する最大エネルギー閾値を含む、実施形態A1~A10のいずれかの装置。
【0164】
実施形態A12:制御回路が、距離点に対応する視野内の検出対象物に対する距離の推定値に基づいて、距離点を標的とするレーザーパルスショットに含むようにエネルギー量を決定する、実施形態A1~A11のいずれかの装置。
【0165】
実施形態A13:制御回路が、発射されたレーザーパルスショットにおける実際のエネルギー量を示すフィードバックデータに基づいてレーザーエネルギーモデルを更新する、実施形態A1~A12のいずれかの装置。
【0166】
実施形態A14:制御回路が、レーザーパルスショットの異なる時間シーケンスに対するエネルギー特性を模擬するために、レーザーエネルギーモデルに基づくルックアップテーブルを使用する、実施形態A1~A13のいずれかの装置。
【0167】
実施形態A15:ミラーサブシステムが、第1のミラー及び第2のミラーを含み、制御回路が、ライダー送信機が視野内のどこに向けられるかを規定するために、第1のミラー及び第2のミラーの走査を制御する、実施形態A1~A14のいずれかの装置。
【0168】
実施形態A16:制御回路が、(1)共振モードで走査するように第1のミラーを駆動し、(2)発射されたレーザーパルスショットで標的とされる複数の距離点に基づいてポイントツーポイントモードで走査するように第2のミラーを駆動する、実施形態A15の装置。
【0169】
実施形態A17:制御回路が、(1)エネルギー要件と比較したレーザーエネルギーモデルを使用してショットリストを規定すること、及び、(2)ショットリストに基づいてレーザー源に発射コマンドを提供することにより、レーザーパルスショットの可変速度発射を動的に制御し、ショットリストが、レーザーパルスショットで標的とされる視野内の距離点の時限シーケンスを規定する、実施形態A1~A16のいずれかの装置。
【0170】
実施形態A18:制御回路が、(1)システムコントローラ、及び、(2)ビームスキャナーコントローラ、を含み、以下である、実施形態A1~A17のいずれかの装置:
システムコントローラが、(1)エネルギー要件と比較したレーザーエネルギーモデルを使用してショットリストを生成し、(2)ショットリストをビームスキャナーコントローラに提供し、ショットリストが、レーザーパルスショットで標的とされる視野内の距離点の時限シーケンスを規定し、
ビームスキャナーコントローラが、(1)提供されたショットリストに基づいてレーザー源に発射コマンドを提供し、(2)ショットリストに基づいてミラーサブシステム内のミラーの走査を動的に制御する。
【0171】
実施形態B1:以下を含む、ライダー装置:
ライダー装置が第1軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために走査可能である第1のミラーと、
ライダー装置が第2軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために走査可能である第2のミラーと、
制御回路と、
第1及び第2のミラーから光学的に上流にあるレーザー源、
(レーザー源が、制御回路の発射コマンドに応答して、第1及び第2のミラーを介して視野内に送信するレーザーパルスを生成し、
制御回路が、(1)第1及び第2のミラーの走査を制御し、(2)経時的に、レーザー源のレーザーパルスに利用可能なエネルギーを動的にモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持し、(3)送信されるレーザーパルスのタイミングスケジュールをレーザーエネルギーモデルに基づいて決定し、(4)第1及び第2のミラーを介してレーザー源から視野内に送信するレーザーパルスの生成を起動するために、決定されたタイミングスケジュールに基づいてレーザー源に発射コマンドを提供する)。
【0172】
実施形態B2:制御回路が、視野内の複数の距離点を標的とするものであるレーザーパルスに対して規定の複数のエネルギーレベルと組み合わせたレーザーエネルギーモデルに基づいて、送信されるレーザーパルスのタイミングスケジュールを決定する、実施形態B1の装置。
【0173】
実施形態B3:レーザー源が、シードレーザー、ポンプレーザー、及び光増幅器を含み、以下である、実施形態B1~B2のいずれかの装置:
レーザーエネルギーモデルが、(1)レーザー源のシードエネルギー、及び、(2)光増幅器内の蓄積エネルギー、をモデル化し、
レーザーパルスが装置により送信されるにつれて、制御回路が、経時的にレーザーエネルギーモデルを更新する。
【0174】
実施形態B4:光増幅器が、ファイバー増幅器を含み、レーザーエネルギーモデルが、EF(t+δ)=aS(t+δ)+bEF(t)の関係式に従ってレーザーパルスの利用可能なエネルギーをモデル化し、式中、a+b=1であり、レーザーパルスが発射された時に、エネルギーがファイバー増幅器からどれくらい排出され、それの中にどれくらい留まるかを、a及びbが反映し、EF(t)が、時間tで発射されるレーザーパルスのレーザーエネルギーを表し、EF(t+δ)が、時間t+δで発射されるレーザーパルスのレーザーエネルギーを表し、S(t+δ)が、持続時間δにわたってポンプレーザーによりファイバー増幅器に蓄積されるエネルギー量を表し、tが、レーザーパルスの発射時間を表し、持続時間δが、時間におけるショット間の間隔を表す、実施形態B3の装置。
【0175】
実施形態B5:S(t+δ)=δEであり、式中、Eが、ポンプレーザーによりファイバー増幅器に蓄積される単位時間当たりのエネルギー量を表す、実施形態B4の装置。
【0176】
実施形態B6:制御回路が、決定されたタイミングスケジュールに基づいて、レーザーパルスで標的とされる距離点のリストを、レーザーパルスで標的とされる距離点のショットリストに、ショットリストに複数のリストされた距離点を順序付けすることにより、変換する、実施形態B1~B5のいずれかの装置。
【0177】
実施形態B7:第1の期間から生じるレーザー源内の利用可能なエネルギーの蓄積により、タイミングスケジュールが、比較的低密度のレーザーパルスの送信の第1の期間とそれに続く比較的高密度のレーザーパルスの送信の第2の期間を含むように、レーザーエネルギーモデルが制御回路にタイミングスケジュールを決定させる、実施形態B6の装置。
【0178】
実施形態B8:制御回路が、(1)レーザーエネルギーモデルに関してリストされた距離点のウィンドウに対する複数の候補時限シーケンスを模擬し、(2)ウィンドウ内の距離点を標的とするレーザーパルスの複数のエネルギー要件と比較して、模擬実験に基づいて候補時限シーケンスを選択することにより、ショットリストのウィンドウ内の距離点を順序付けする、実施形態B6~B7のいずれかに記載の装置。
【0179】
実施形態B9:第1ミラーが、100Hz~20kHzの範囲の周波数で走査する、実施形態B1~B8のいずれかに記載の装置。
【0180】
実施形態B10:制御回路が、送信されたレーザーパルスについて追跡された実際のレーザーエネルギーに基づくフィードバックループを介してレーザーエネルギーモデルを調整する、実施形態B1~B9のいずれかの装置。
【0181】
実施形態B11:レーザーエネルギーモデルが、10ナノ秒~100ナノ秒の範囲の間隔でレーザーパルスに利用可能なレーザーエネルギーをモデル化する、実施形態B1~B10のいずれかの装置。
【0182】
実施形態B12:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)スケジュールされた各レーザーパルスショットに応答したレーザー源におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)スケジュールされたレーザーパルスショット後のレーザー源におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)レーザーパルスショットに対し規定される複数のエネルギーレベルを考慮して、レーザーパルスショットのスケジューリングをサポートするために、レーザーパルスショット間のレーザー源におけるエネルギーの蓄積をモデル化するように、制御回路が、レーザーエネルギーモデルを維持する、実施形態B1~B11のいずれかの装置。
【0183】
実施形態C1:以下を含む方法:
経時的に複数のミラー走査角度を通してミラーを走査することと、
ライダー送信機の視野内に送信するためのレーザーパルスショットに利用可能なエネルギーを動的にモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持することと、
レーザーエネルギーモデルに基づいて、走査ミラーを介して送信されるレーザーパルスショットのタイミングスケジュールを決定することと、
決定されたタイミングスケジュールに従って走査ミラーを介して複数のレーザーパルスショットを発射すること。
【0184】
実施形態C2:さらに、実施形態A1~B12のいずれかの装置で実行される任意のステップまたはステップの組み合わせを含む、実施形態C1の方法。
【0185】
実施形態D1:ライダー送信機を制御するための製造物品あって、物品が、以下を含む、製造物品。
非一時的な機械可読記憶媒体上に常駐する機械可読コード(コードが、プロセッサーに実行される処理動作を規定し、プロセッサーに以下をさせる:
経時的にレーザー源からのレーザーパルスショットに利用可能なエネルギーを動的にモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持させることと(レーザー源が、ライダー送信機のミラーを介してライダー送信機の視野内に送信するためのレーザーパルスショットを生成する)、
レーザーエネルギーモデルに基づいて、ミラーを介して送信されるレーザーパルスショットのタイミングスケジュールを決定させることと、
決定されたタイミングスケジュールに従って、レーザー源に対する複数の発射コマンドを生成させる(発射コマンドが、視野内に送信するためのレーザーパルスショットを生成するようにレーザー源を起動する))。
【0186】
実施形態D2:さらに、実施形態A1~B12のいずれかにより列挙される任意の特徴または特徴の組み合わせに対する処理動作を規定するコードを含む、実施形態D1の製造物品。
【0187】
ライダー装置が以下を含む、実施形態E1:
レーザー源と、
ライダー装置が視野内のどこに向けられるかを規定するために走査可能なミラーを含むミラーサブシステムと(ミラーサブシステムが、レーザー源から光学的に下流にある)、
視野内の複数の距離点に向けたレーザー源によるレーザーパルスショットの可変速度発射を動的に制御する制御回路(制御回路が、(1)標的レーザーパルスショットに関連する複数のエネルギー要件と比較して、エネルギーが経時的にレーザー源からレーザーパルスショットに、どれくらい利用可能であるかをモデル化するレーザーエネルギーモデル、及び、(2)走査可能ミラーが、経時的にライダー装置のどこに向けられるかをモデル化するミラー動作モデル、を使用して、可変速度発射を動的に制御し、発射されたレーザーパルスショットが、レーザー源から走査可能ミラーを介して距離点に向けて視野内に送信される)。
【0188】
実施形態E2:ミラー動作モデルが、経時的に走査可能なミラーの走査角度をモデル化する、実施形態E1の装置。
【0189】
実施形態E3:ミラー動作モデルが、複数の対応する時間スロットとして走査可能ミラーの走査角度をモデル化し、制御回路が、レーザーエネルギーモデルに基づいて時間スロットに標的とするレーザーパルスショットをスケジュールする、実施形態E2の装置。
【0190】
実施形態E4:制御回路が、(1)ミラー動作モデルに従って群の走査角度に対応する時間スロットを同定すること、及び、(2)走査角度を標的とするレーザーパルスショットがエネルギー要件に従って十分なエネルギーを示すことを、レーザーエネルギーモデルが示す同定された時間スロットのシーケンスを同定すること、により、標的レーザーパルスショットをスケジュールするために、レーザーパルスショットで標的とされる走査角度の群を処理する、実施形態E3の装置。
【0191】
実施形態E5:制御回路が、同定されたシーケンスに従ってレーザー源による標的レーザーパルスショットの可変速度発射を制御する、実施形態E4の装置。
【0192】
実施形態E6:(i)どの割り当てが、レーザーエネルギーモデルに従って標的レーザーパルスショットのエネルギー要件に適合するか、及び、(ii)1つ以上の対応する割り当てのうちのどれが、ミラー動作モデルに従って最も短い完了時間を示すか、を同定するために、制御回路が、レーザーエネルギーモデルに従って、標的レーザーパルスショットの時間スロットへの様々な割り当てを評価し、最も短い完了時間を示す適合する割り当てが、同定されたシーケンスとして機能する、実施形態E3~E5のいずれかの装置。
【0193】
実施形態E7:時間スロットが、5ナノ秒~50ナノ秒の範囲の時間間隔を反映する、実施形態E3~E6のいずれかの装置。
【0194】
実施形態E8:ミラー動作モデルが、コサイン振動に従って走査角度をモデル化する、実施形態E1~E7のいずれかの装置。
【0195】
実施形態E9:制御回路が、共振モードで走査するように走査可能ミラーを駆動する、実施形態E1~E8のいずれかの装置。
【0196】
実施形態E10:走査可能ミラーが、第1軸に沿って走査可能な第1の走査可能ミラーを含み、ミラーサブシステムが、さらに、第1軸に直交する第2軸に沿って走査可能な第2の走査可能ミラーを含み、第1及び第2の走査可能ミラーが、ライダー装置が視野内のどこに向けられるかを規定する、実施形態E9の装置。
【0197】
実施形態E11:制御回路が、発射されたレーザーパルスショットで標的とされる距離点に基づいてポイントツーポイントモードで走査するように第2の走査可能ミラーを駆動する、実施形態E10の装置。
【0198】
実施形態E12:制御回路が、走査可能ミラーの実際の走査位置を示すフィードバックデータに基づいてミラー動作モデルを更新する、実施形態E1~E11のいずれかの装置。
【0199】
実施形態E13:制御回路が、(1)システムコントローラ、及び、(2)ビームスキャナーコントローラ、を含み、以下である、実施形態E1~E12のいずれかの装置:
システムコントローラが、(1)(i)エネルギー要件と比較したレーザーエネルギーモデル、及び(ii)ミラー動作モデル、を使用してショットリストを生成し、(2)ショットリストをビームスキャナーコントローラに提供し、ショットリストが、レーザーパルスショットで標的とされる視野内の距離点の時限シーケンスを規定し、
ビームスキャナーコントローラが、提供されたショットリストに基づいてレーザー源に発射コマンドを提供する。
【0200】
実施形態E15:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各スケジュールされたレーザーパルスショットに応答したレーザー源におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)スケジュールされたレーザーパルスショット後のレーザー源におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)エネルギー要件を考慮して、レーザーパルスショットのスケジューリングをサポートするために、スケジュールされたレーザーパルスショット間のレーザー源におけるエネルギーの蓄積をモデル化するように、制御回路が、レーザーパルスショットをスケジュールし、レーザーエネルギーモデルを維持する、実施形態E1~E14のいずれかの装置。
【0201】
実施形態F1:以下を含む、ライダー装置:
複数の第1のミラー走査角度に走査可能な第1のミラーと、
複数の第2のミラー走査角度に走査可能な第2のミラーと(第1及び第2のミラーの走査角度が、組み合わされて、視野内でライダー装置が向けられる複数の距離点を規定する)、
制御回路と、
第1及び第2のミラーから光学的に上流にあるレーザー源、
(レーザー源が、制御回路の発射コマンドに応答して、第1及び第2のミラーを介して視野内に送信するレーザーパルスを生成し、
制御回路が、(1)第1及び第2のミラーの走査を制御し、(2)経時的にレーザー源からのレーザーパルスの利用可能なエネルギーを動的にモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持し、(3)経時的に第1のミラー走査角度をモデル化するミラー動作モデルを維持し、(4)レーザーエネルギーモデル及びミラー動作モデルに基づいて、視野内の複数の標的距離点に向けて送信されるレーザーパルスのタイミングスケジュールを決定し、標的距離点が、対応する第1のミラー走査角度を有する)、(5)第1及び第2のミラーを介して標的距離点に向けてレーザー源から視野内に送信するためのレーザーパルスの生成を起動するために決定されたタイミングスケジュールに基づいてレーザー源に発射コマンドを提供する)。
【0202】
実施形態F2:ミラー動作モデルが、複数の対応する時間スロットとして第1のミラー走査角度をモデル化し、制御回路が、レーザーエネルギーモデルに基づいて、複数の時間スロットにおけるレーザーパルスに対するレーザー源からの利用可能なエネルギーを決定する、実施形態F1の装置。
【0203】
実施形態F3:制御回路が、(1)レーザーパルスに標的とされた距離点の第1のミラー走査角度に対応する時間スロットを同定すること、(2)同定された時間スロットで決定された利用可能なエネルギーと、レーザーパルスに対する複数のエネルギー要件を比較すること、及び、(3)同定された時間スロットで決定された利用可能なエネルギーがエネルギー要件を満たすことを示す比較に基づいて、レーザーパルスを同定された時間スロットに割り当てること、により、タイミングスケジュールを決定する、実施形態F2の装置。
【0204】
実施形態F4:制御回路が、(1)タイミングスケジュールの複数の異なるショット順序候補を評価し、(2)(i)ショット順序候補のどれが、レーザーエネルギーモデルに従って、エネルギー要件に対応するか、及び、(ii)1つ以上の対応するショット順序候補のうちのどれが、ミラー動作モデルに従って最短の完了時間を示すか、に基づいて、タイミングスケジュールについてのショット順序候補を選択する、実施形態F3の装置。
【0205】
実施形態F5:時間スロットが、第1の走査方向における第1のミラーの走査及び第2の走査方向における第1のミラーの戻り走査のための時間スロットを含む、実施形態F4の装置。
【0206】
実施形態F6:エネルギー要件が、異なるレーザーパルスにわたって変動するエネルギー要件を含む、実施形態F3~F5のいずれかの装置。
【0207】
実施形態F7:時間スロットが、5ナノ秒~50ナノ秒の範囲の間隔を反映する、実施形態F2~F6のいずれかの装置。
【0208】
実施形態F8:制御回路が、共振モードで第1のミラー走査角度を通して走査するように第1のミラーを制御する、実施形態F1~F7のいずれかの装置。
【0209】
実施形態F9:制御回路が、100Hz~20kHzの範囲の周波数で走査するように第1のミラーを制御する、実施形態F1~F8のいずれかの装置。
【0210】
実施形態F10:ミラー動作モデルが、コサイン振動に従って第1のミラー走査角度をモデル化する、実施形態F1~F9のいずれかの装置。
【0211】
実施形態F11:第1のミラー走査角度が第1のミラーの傾斜角に対応し、ミラー動作モデルが、角度(t)=A(cos(2πft))の関係に従って第1のミラーの動作をモデル化し、式中、角度(t)が、時間tにおける第1のミラーの傾斜角を表し、Aが、第1のミラーの最大傾斜角を表し、fが、第1のミラーの走査周波数を表す、実施形態F10の装置。
【0212】
実施形態F12:ミラー動作モデルが、規定の第1のミラー傾斜角に位置決めされた時、第1のミラーに対するレーザー源の角度と組み合わせて、モデル化された第1のミラー傾斜角に基づいて第1のミラー走査角度をモデル化する、実施形態F11の装置。
【0213】
実施形態F13:制御回路が、経時的に追跡された第1のミラーの実際の走査角度に基づいているフィードバックループを介してミラー動作モデルを調整する、実施形態F1~F12のいずれかの装置。
【0214】
実施形態F14:制御回路が、(1)システムコントローラ、及び、(2)ビームスキャナーコントローラ、を含み、以下である、実施形態F1~F13のいずれかの装置:
システムコントローラが、(1)レーザーエネルギー及びミラー動作モデルを維持し、(2)タイミングスケジュールを決定し、
ビームスキャナーコントローラ制御回路が、(1)第1及び第2のミラーの走査を駆動し、(2)発射コマンドを生成する。
【0215】
実施形態F15:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各スケジュールされたレーザーパルスショットに応答したレーザー源におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)スケジュールされたレーザーパルスショット後のレーザー源におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)エネルギー要件を考慮して、レーザーパルスショットのスケジューリングをサポートするために、スケジュールされたレーザーパルスショット間のレーザー源におけるエネルギーの蓄積をモデル化するように、制御回路が、レーザーエネルギーモデルを維持する、実施形態F1~F14のいずれかの装置。
【0216】
実施形態G1:複数の標的レーザーパルスショットが、複数の走査角度を通じて走査するミラーを介してレーザー源から視野内にどのように送信されるかを制御する方法であって、標的レーザーパルスショットが、対応するエネルギー要件を有し、方法が、以下を含む方法:
(1)群の走査角度を標的とし、(2)標的レーザーパルスショットに対する対応するエネルギー要件を満たす、複数のレーザーパルスショットのスケジュールを決定するために、レーザー源のレーザーエネルギーモデル及びミラーのミラー動作モデルに基づいて走査角度の群を処理すること、ならびに
決定されたスケジュールに従って、ミラーを介して標的レーザーパルスショットを視野内に発射すること。
【0217】
実施形態G2:処理ステップが、以下を含む、実施形態G1の方法:
ミラー動作モデルに基づいて群の走査角度に対する複数の時間スロットを同定することと(ミラー動作モデルが、経時的にミラーの走査角度をモデル化する)、
レーザーエネルギーモデルと比較して、同定された時間スロットの走査角度を標的とするレーザーパルスショットに対応するエネルギー要件に基づいて、同定された時間スロットのシーケンスを評価することと(レーザーエネルギーモデルが、経時的にレーザーパルスショットのレーザー源から利用可能なエネルギーをモデル化する)、
評価に基づいて同定された時間スロットに群の走査角度を割り当てることにより、標的レーザーパルスショットのスケジュールを決定すること。
【0218】
実施形態G3:さらに、実施形態E1~F15のいずれかの装置で実行される任意のステップまたはステップの組み合わせを含む、実施形態G1~G2のいずれかの方法。
【0219】
実施形態H1:複数の標的レーザーパルスショットが、複数の走査角度を通じて走査するミラーを介してレーザー源から視野内にどのように送信されるかを制御する製造物品であって、標的レーザーパルスショットが、対応するエネルギー要件を有し、製造物品が、以下を含む製造物品:
非一時的な機械可読記憶媒体上に常駐する機械可読コード(コードが、プロセッサーに実行される処理動作を規定し、プロセッサーに以下をさせる:
(1)群の走査角度を標的とし、(2)標的レーザーパルスショットに対する対応するエネルギー要件を満たす、複数のレーザーパルスショットのスケジュールを決定するために、レーザー源のレーザーエネルギーモデル及びミラーのミラー動作モデルに基づいて走査角度の群を処理させることと、
決定されたスケジュールに従って、レーザー源に標的レーザーパルスショットを視野内に発射させるレーザー源に対する発射コマンドを生成させる。
【0220】
実施形態H2:さらに、実施形態E1~F15のいずれかにより列挙される任意の特徴または特徴の組み合わせに対する処理動作を規定するコードを含む、実施形態H1の製造物品。
【0221】
実施形態I1:以下を含む、ライダー装置:
レーザー源と、
ライダー装置が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するように走査可能なミラー(ミラーが、レーザー源から光学的に下流にある)と、
(1)レーザー源からの複数のレーザーパルスショットで標的とされる距離点のプールでは、レーザーパルスショットに関連する複数のエネルギー要件と比較して、レーザーエネルギーモデルに許容される、プールからの距離点のできるだけ多くを標的とするために、所与の走査方向で軸に沿ってミラーの単一走査に対するレーザーパルスショットをスケジュールし、(2)スケジュールされたレーザーパルスショットがミラーを介して標的距離点に向けて視野内に発射されるように、所与の走査方向にミラーの単一走査中にスケジュールされたレーザーパルスショットの発射を制御する、制御回路。
【0222】
実施形態I2:制御回路が、エネルギー要件と比較してレーザーエネルギーモデルに従ってエネルギーの不足のために所与の走査方向における単一走査中にスケジュールすることができないプールから1つ以上の距離点に対するレーザーパルスショットのスケジューリングを延期し、制御回路が、ミラーの1つ以上の後続の走査に対して遅延レーザーパルスショットをスケジュールする、実施形態I1の装置。
【0223】
実施形態I3:プール内の距離点が、軸に沿ったショット角度により同定され、制御回路が、エネルギー要件と比較して、レーザーエネルギーモデルにより許容される所与の走査方向に単一走査中にショット角度の増加または減少シーケンスを標的とするために、レーザーパルスショットをスケジュールする、実施形態I1~I2のいずれかの装置。
【0224】
実施形態I4:制御回路が、(1)角度値を増加または減少させることによりショット角度をソートし、(2)レーザーパルスショットをスケジュールするために、ソートされたショット角度を処理する、実施形態I3の装置。
【0225】
実施形態I5:ミラーが、第1のミラーを含み、軸が、第1軸であり、装置が、さらに、視野内で第2軸に沿って走査可能な第2のミラーを含み、プール内の距離点が、第2軸に沿って同じショット角度を共有する、実施形態I3~I4のいずれかの装置。
【0226】
実施形態I6:第1軸が、方位角に対応し、第2軸が、仰角に対応する、実施形態I5の装置。
【0227】
実施形態I7:制御回路が、(1)第1軸及び第2軸上の複数の異なる値にわたるレーザーパルスショットで標的とされる距離点のリストを処理し、(2)第2軸に沿った第2の値でリストからの別の複数の距離点に対するレーザーパルスショットのスケジューリングに進む前に、第2軸に沿った第1の値でリストからの全ての距離点に対するレーザーパルスショットをスケジュールする、実施形態I5~I6のいずれかの装置。
【0228】
実施形態I8:制御回路が、経時的に、軸に沿って走査可能なミラーの走査角度をモデル化するミラー動作モデルに従って、所与の走査方向の軸に沿ったミラーの単一走査に対するレーザーパルスショットもスケジュールする、実施形態I1~I7のいずれかの装置。
【0229】
実施形態I9:ミラー動作モデルが、走査可能ミラーの走査角度を複数の対応する時間スロットとしてモデル化し、制御回路が、エネルギー要件と比較してレーザーエネルギーモデルにより許容される所与の走査方向に軸に沿ってミラーの単一走査中に生じるミラー動作モデルに規定される対応する時間スロットにレーザーパルスショットを割り当てることによりレーザーパルスショットをスケジュールする、実施形態I8の装置。
【0230】
実施形態I10:時間スロットが、5ナノ秒~50ナノ秒の範囲の時間間隔を反映する、実施形態I9の装置。
【0231】
実施形態I11:ミラー動作モデルが、コサイン振動に従って走査角度をモデル化する、実施形態I8~I9のいずれかの装置。
【0232】
実施形態I12:制御回路が、共振モードで軸に沿って走査するようにミラーを駆動する、実施形態I1~I11のいずれかの装置。
【0233】
実施形態I13:ミラーが、第1のミラーを含み、軸が、第1軸であり、装置が、さらに、視野内で第2軸に沿って走査可能な第2のミラーを含み、制御回路が、発射されたレーザーパルスショットで標的とされる視野内の距離点に基づいてポイントツーポイントモードで走査するように第2のミラーを駆動する、実施形態I12の装置。
【0234】
実施形態I14:制御回路が、100Hz~20kHzの周波数で軸に沿って走査するようにミラーを駆動する、実施形態I1~I13のいずれかの装置。
【0235】
実施形態I15:制御回路が、10kHz~15kHzの周波数で軸に沿って走査するようにミラーを駆動する、実施形態I1~I14のいずれかの装置。
【0236】
実施形態I16:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各レーザーパルスショットに応答したレーザー源におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後のレーザー源におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)エネルギー要件を考慮して、レーザーパルスショットのスケジューリングをサポートするために、レーザーパルスショット間のレーザー源におけるエネルギーの蓄積をモデル化する、実施形態I1~I15のいずれかの装置。
【0237】
実施形態I17:レーザー源が、光増幅レーザー源を含む、実施形態I1~I16のいずれかの装置。
【0238】
実施形態I18:光増幅レーザー源が、パルスファイバーレーザー源を含む、実施形態I17の装置。
【0239】
実施形態I19:パルスファイバーレーザー源が、シードレーザー、ポンプレーザー、及びファイバー増幅器を含み、レーザーエネルギーモデルが、(1)経時的なパルスファイバーレーザー源のシードエネルギー、及び、(2)経時的にファイバー増幅器に蓄積されるエネルギー、をモデル化する、実施形態I18の装置。
【0240】
実施形態I20:レーザーエネルギーモデルが、EF(t+δ)=aS(t+δ)+bEF(t)の関係式に従ってレーザーパルスショットの利用可能なエネルギーをモデル化し、式中、a+b=1であり、レーザーパルスショットが発射された時に、エネルギーがファイバー増幅器からどれくらい排出され、それの中にどれくらい留まるかを、a及びbが反映し、EF(t)が、時間tで発射されるレーザーパルスショットのレーザーエネルギーを表し、EF(t+δ)が、時間t+δで発射されるレーザーパルスショットのレーザーエネルギーを表し、S(t+δ)が、持続時間δにわたってポンプレーザーによりファイバー増幅器に蓄積されるエネルギー量を表し、tが、レーザーパルスショットの発射時間を表し、持続時間δが、時間におけるショット間の間隔を表す、実施形態I19の装置。
【0241】
実施形態I21:S(t+δ)=δEであり、Eが、ポンプレーザーによりファイバー増幅器に蓄積される単位時間当たりのエネルギー量を表す、実施形態I20の装置。
【0242】
実施形態I22:レーザーエネルギーモデルが、(1)各レーザーパルスショットに応答した光増幅レーザー源の光増幅器におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後の光増幅器におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)レーザーパルスショット間の光増幅器におけるエネルギー蓄積をモデル化する、実施形態I17~I21のいずれかの装置。
【0243】
実施形態I23:レーザーエネルギーモデルが、10ナノ秒~100ナノ秒の範囲の時間間隔でレーザーパルスショットに利用可能なレーザーエネルギーをモデル化する、実施形態I1~I22のいずれかの装置。
【0244】
実施形態I24:エネルギー要件が、最小レーザーパルスエネルギーを含む、実施形態I1~I23のいずれかの装置。
【0245】
実施形態I25:最小レーザーパルスエネルギーが、レーザーパルスショットに対して不均一である、実施形態I24の装置。
【0246】
実施形態I26:制御回路が、(1)システムコントローラ、及び、(2)ビームスキャナーコントローラ、を含み、以下である、実施形態I1~I25のいずれかの装置:
システムコントローラが、レーザーエネルギーモデルに基づいてレーザーパルスショットをスケジュールし、
ビームスキャナーコントローラが、(1)スケジュールされたレーザーパルスショットに従ってレーザー源に発射コマンドを提供し、(2)ミラーの走査を制御する。
【0247】
実施形態J1:以下を含む方法:
経時的に軸に沿って複数のミラー走査角度を通してミラーを走査することと、
ライダー送信機の視野内に送信するためのレーザーパルスショットに利用可能なエネルギーを動的にモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持することと、
ライダー送信機からの複数のレーザーパルスショットで標的とされる視野内の距離点のプールでは、レーザーパルスショットに関連する複数のエネルギー要件と比較して、レーザーエネルギーモデルにより許容される、プールからの距離点のできるだけ多くを標的とするために、所与の走査方向に軸に沿って走査ミラーの単一走査に対するレーザーパルスショットをスケジュールすることと、
スケジュールされたレーザーパルスショットが走査ミラーを介して標的距離点に向かって視野内に発射されるように、所与の走査方向に走査ミラーの単一走査中に、スケジュールされたレーザーパルスショットを発射すること。
【0248】
実施形態J2:さらに、実施形態I1~I26のいずれかの装置で実行される任意のステップまたはステップの組み合わせを含む、実施形態J1の方法。
【0249】
実施形態K1:ライダー送信機を制御するための製造物品あって、物品が、以下を含む、製造物品。
非一時的な機械可読記憶媒体上に常駐する機械可読コード(コードが、プロセッサーに実行される処理動作を規定し、プロセッサーに以下をさせる:
経時的に軸に沿って複数の走査角度を通して走査可能なミラーを介してライダー送信機の視野内に送信するためのレーザー源からのレーザーパルスショットに利用可能なエネルギーを動的にモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持させることと、
ライダー送信機からの複数のレーザーパルスショットで標的とされる視野内の距離点のプールでは、レーザーパルスショットに関連する複数のエネルギー要件と比較して、レーザーエネルギーモデルにより許容されるプールからの距離点のできるだけ多くを標的とするために、所与の走査方向に軸に沿ってミラーの単一走査に対するレーザーパルスショットをスケジュールさせることと、
スケジュールされたレーザーパルスショットがミラーを介して標的距離点に向けて視野内に発射されるように、所与の走査方向にミラーの単一走査中に、スケジュールされたレーザーパルスショットを発射するようにレーザー源を起動するレーザー源に対する複数の発射コマンドを生成させること)。
【0250】
実施形態K2:さらに、実施形態I1~I26のいずれかにより列挙される任意の特徴または特徴の組み合わせに対する処理動作を規定するコードを含む、実施形態K1の製造物品。
【0251】
実施形態L1:以下を含む、ライダー装置:
レーザー源と、
ライダー装置が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために、複数の走査角度を通じて走査可能であるミラーと、
走査可能ミラーを介して、レーザー源から視野内の複数の距離点に向けた複数のレーザーパルスショットの発射を動的に制御し、(2)(i)エネルギーが経時的にレーザーパルスショットのレーザー源からどれくらい利用可能であるかをモデル化するレーザーエネルギーモデル、及び、(ii)経時的に走査可能ミラーの走査角度をモデル化するミラー動作モデル、を使用して発射される次回のレーザーパルスショットのショットリストを模擬し、(3)経時的に、規定の空間領域に供給される集約レーザーエネルギーをモデル化する目の安全モデル及び/またはカメラの安全モデルに従って、模擬ショットリストを目の安全閾値及び/またはカメラの安全閾値と比較し、(4)模擬ショットリストが、目の安全モデル及び/またはカメラの安全モデルに従って目の安全閾値及び/またはカメラの安全閾値に違反していることを示す比較に応じてショットリストを調整する、制御回路。
【0252】
実施形態L2:模擬ショットリストが、規定の時間における次回のレーザーパルスショットのエネルギー量を含む、実施形態L1の装置。
【0253】
実施形態L3:制御回路が、(1)模擬ショットリストを目の安全モデルに従って目の安全閾値と比較し、(2)模擬ショットリストが目の安全モデルに従った目の安全閾値に違反していることを比較が示す場合、ショットリストを調整する、実施形態L1~L2のいずれかの装置。
【0254】
実施形態L4:制御回路が、ショットリストが目の安全モデルにしたがって目の安全閾値に適合するように、複数のレーザーパルスショット間により長い遅延を挿入することにより、模擬ショットリストが目の安全閾値に違反していることを示す比較に応じて、ショットリストを調整する、実施形態L3の装置。
【0255】
実施形態L5:制御回路が、ショットリストが目の安全モデルに従って目の安全閾値に適合するように、ショットリストの複数のレーザーパルスショットを再順序付けすることにより、模擬ショットリストが目の安全閾値に違反していることを示す比較に応じて、ショットリストを調整する、実施形態L3~L4のいずれかの装置。
【0256】
実施形態L6:制御回路が、(1)模擬ショットリストをカメラの安全モデルに従ってカメラの安全閾値と比較し、(2)模擬ショットリストがカメラの安全モデルに従ったカメラの安全閾値に違反していることを比較が示す場合、ショットリストを調整する、実施形態L1~L2のいずれかの装置。
【0257】
実施形態L7:規定の空間領域が、カメラが検出される視野内の領域に対応する、実施形態L6の装置。
【0258】
実施形態L8:制御回路が、ショットリストがカメラの安全モデルにしたがってカメラの安全閾値に適合するように、複数のレーザーパルスショット間により長い遅延を挿入することにより、模擬ショットリストがカメラの安全閾値に違反していることを示す比較に応じて、ショットリストを調整する、実施形態L6~L7のいずれかの装置。
【0259】
実施形態L9:制御回路が、ショットリストがカメラの安全モデルに従ってカメラの安全閾値に適合するように、ショットリストの複数のレーザーパルスショットを再順序付けすること、または、ショットリストから1つ以上のレーザーパルスショットを除去すること、により、模擬ショットリストがカメラの安全閾値に違反していることを示す比較に応じて、ショットリストを調整する、実施形態L6~L8のいずれかの装置。
【0260】
実施形態L10:制御回路が、(1)模擬ショットリストを目の安全モデルに従って目の安全閾値と比較し、(2)模擬ショットリストをカメラの安全モデルに従ってカメラの安全閾値と比較し、(3)模擬ショットリストが目の安全モデル及び/またはカメラの安全モデルに従って目の安全閾値及び/またはカメラの安全閾値に違反していることを比較が示す場合、ショットリストを調整する、実施形態L1~L9のいずれかの装置。
【0261】
実施形態L11:ミラー動作モデルが、走査可能ミラーの走査角度を複数の対応する時間スロットとしてモデル化し、制御回路が、ミラー動作モデルで規定される対応する時間スロットにレーザーパルスショットを割り当てることにより、レーザーパルスショットの模擬ショットリストを規定する、実施形態L1~L10のいずれかの装置。
【0262】
実施形態L12:時間スロットが、5ナノ秒~50ナノ秒の範囲の時間間隔を反映する、実施形態L11の装置。
【0263】
実施形態L13:ミラー動作モデルが、コサイン振動に従って走査角度をモデル化する、実施形態L1~L12のいずれかの装置。
【0264】
実施形態L14:制御回路が、共振モードで軸に沿った走査角度にわたって走査するように走査可能ミラーを駆動する、実施形態L1~L13のいずれかの装置。
【0265】
実施形態L15:走査可能ミラーが、第1の走査可能ミラーを含み、装置が、さらに、視野内の第2軸に沿って複数の走査角度を通じて走査可能な第2のミラーを含み、制御回路が、レーザーパルスショットで標的とされる視野内の距離点に基づいてポイントツーポイントモードで走査するように第2のミラーを駆動する、実施形態L14の装置。
【0266】
実施形態L16:制御回路が、100Hz~20kHzの周波数で軸に沿った走査角度にわたって走査するように走査可能ミラーを駆動する、実施形態L1~L15のいずれかの装置。
【0267】
実施形態L17:制御回路が、10kHz~15kHzの周波数で軸に沿った走査角度にわたって走査するように走査可能ミラーを駆動する、実施形態L1~L16のいずれかの装置。
【0268】
実施形態L18:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各レーザーパルスショットに応答したレーザー源におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後のレーザー源におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)レーザーパルスショットのエネルギー量を考慮して、レーザーパルスショットのスケジューリングをサポートするために、レーザーパルスショット間のレーザー源におけるエネルギーの蓄積をモデル化する、実施形態L1~L17のいずれかの装置。
【0269】
実施形態L19:レーザー源が、光増幅レーザー源を含む、実施形態L1~L18のいずれかの装置。
【0270】
実施形態L20:光増幅レーザー源が、パルスファイバーレーザー源を含む、実施形態L19の装置。
【0271】
実施形態L21:パルスファイバーレーザー源が、シードレーザー、ポンプレーザー、及びファイバー増幅器を含み、レーザーエネルギーモデルが、(1)経時的なパルスファイバーレーザー源のシードエネルギー、及び、(2)経時的にファイバー増幅器に蓄積されるエネルギー、をモデル化する、実施形態L20の装置。
【0272】
実施形態L22:レーザーエネルギーモデルが、EF(t+δ)=aS(t+δ)+bEF(t)の関係式に従ってレーザーパルスショットの利用可能なエネルギーをモデル化し、式中、a+b=1であり、レーザーパルスショットが発射された時に、エネルギーがファイバー増幅器からどれくらい排出され、それの中にどれくらい留まるかを、a及びbが反映し、EF(t)が、時間tで発射されるレーザーパルスショットのレーザーエネルギーを表し、EF(t+δ)が、時間t+δで発射されるレーザーパルスショットのレーザーエネルギーを表し、S(t+δ)が、持続時間δにわたってポンプレーザーによりファイバー増幅器に蓄積されるエネルギー量を表し、tが、レーザーパルスショットの発射時間を表し、持続時間δが、時間におけるショット間の間隔を表す、実施形態L21の装置。
【0273】
実施形態L23:S(t+δ)=δEであり、式中、Eが、ポンプレーザーによりファイバー増幅器に蓄積される単位時間当たりのエネルギー量を表す、実施形態L22の装置。
【0274】
実施形態L24:レーザーエネルギーモデルが、(1)各レーザーパルスショットに応答した光増幅レーザー源の光増幅器におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後の光増幅器におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)レーザーパルスショット間の光増幅器におけるエネルギー蓄積をモデル化する、実施形態L19~L23のいずれかの装置。
【0275】
実施形態L25:レーザーエネルギーモデルが、10ナノ秒~100ナノ秒の範囲の時間間隔でレーザーパルスショットに利用可能なレーザーエネルギーをモデル化する、実施形態L1~L24のいずれかの装置。
【0276】
実施形態L26:制御回路が、(1)システムコントローラ、及び、(2)ビームスキャナーコントローラ、を含み、以下である、実施形態L1~L25のいずれかの装置:
システムコントローラが、模擬実験、比較、及び調整動作を実行し、
ビームスキャナーコントローラが、(1)ショットリストに従ってレーザー源に発射コマンドを提供し、(2)走査可能ミラーの走査を制御する。
【0277】
実施形態M1:複数の標的レーザーパルスショットが、複数の走査角度を通して走査するミラーを介してレーザー源から視野内にどのように送信されるかを制御する方法であって、方法が、以下を含む方法:
(1)エネルギーが経時的にレーザーパルスショットのレーザー源からどれくらい利用可能であるかをモデル化するレーザーエネルギーモデル、及び、(2)経時的に走査可能ミラーの走査角度をモデル化するミラー動作モデル、を使用する視野内の複数の距離点を標的とする次回のレーザーパルスショットのショットリストを模擬実験すること、
経時的に規定の空間領域に供給される集約レーザーエネルギーをモデル化する目の安全モデル及び/またはカメラの安全モデルに従って、模擬ショットリストを目の安全閾値及び/またはカメラの安全閾値と比較すること、
模擬ショットリストが目の安全モデル及び/またはカメラの安全モデルに従って目の安全閾値及び/またはカメラの安全閾値に違反していることを示す比較に応じて、ショットリストを調整すること、ならびに
調整されたショットリストに従って、ミラーを介して視野内の標的距離点に向けてレーザーパルスショットを発射すること。
【0278】
実施形態M2:さらに、実施形態L1~L26のいずれかの装置で実行される任意のステップまたはステップの組み合わせを含む、実施形態M1の方法。
【0279】
実施形態N1:複数の標的レーザーパルスショットが、複数の走査角度を通して走査するミラーを介してレーザー源から視野内にどのように送信されるかを制御する製造物品であって、製造物品が、以下を含む製造物品:
非一時的な機械可読記憶媒体上に常駐する機械可読コード(コードが、プロセッサーに実行される処理動作を規定し、プロセッサーに以下をさせる:
(1)エネルギーが経時的にレーザーパルスショットのレーザー源からどれくらい利用可能であるかをモデル化するレーザーエネルギーモデル、及び、(2)経時的に走査可能ミラーの走査角度をモデル化するミラー動作モデル、を使用する視野内の複数の距離点を標的とする次回のレーザーパルスショットのショットリストを模擬実験させることと、
経時的に規定の空間領域に供給される集約レーザーエネルギーをモデル化する目の安全モデル及び/またはカメラの安全モデルに従って、模擬ショットリストを目の安全閾値及び/またはカメラの安全閾値と比較させることと、
模擬ショットリストが目の安全モデル及び/またはカメラの安全モデルに従って目の安全閾値及び/またはカメラの安全閾値に違反していることを示す比較に応じて、ショットリストを調整させることと、
調整されたショットリストに従って、ミラーを介して視野内に標的距離点に向けてレーザーパルスショットをレーザー源に発射させるレーザー源に対する発射コマンドを生成させること)。
【0280】
実施形態N2:さらに、実施形態L1~L26のいずれかにより列挙される任意の特徴または特徴の組み合わせに対する処理動作を規定するコードを含む、実施形態N1の製造物品。
【0281】
実施形態O1:以下を含む、ライダーシステム:
複数のレーザーパルスショットを視野内に発射するライダー送信機(ライダー送信機が、レーザーパルスショットを視野内の標的距離点に向けるための可変振幅走査ミラーを含む)と、
(1)可変振幅走査ミラーの傾斜振幅の変化を制御し、(2)傾斜振幅における制御された変化から生じる整定時間を考慮する基準を含む複数の基準に従ってレーザーパルスショットをスケジュールする、制御回路。
【0282】
実施形態O2:制御回路が、可変振幅走査ミラーに単一の傾斜振幅を使用して、レーザーパルスショットのブロックを発射するのに必要な時間と比較して、レーザーパルスショットのブロックを発射するのに必要な時間を低減するように、レーザーパルスショット及び傾斜振幅の制御された変化をスケジュールする、実施形態O1のシステム。
【0283】
実施形態O3:制御回路が、模擬順序のうちのどれがライダー送信機のショットリストを規定すべきかを決定するために、可変振幅走査ミラーの異なる制御された傾斜振幅を有するレーザーパルスショットの異なる順序を模擬する、実施形態O1~O2のいずれかのシステム。
【0284】
実施形態O4:模擬順序が、(1)可変振幅走査ミラーの第1の傾斜振幅を使用するミラー動作モデルに従ってスケジュールされているレーザーパルスショットの全てに対応する第1の模擬順序、ならびに、(2)(i)可変振幅走査ミラーの第1の傾斜振幅を使用するミラー動作モデルに従ってスケジュールされているレーザーパルスショットの第1のサブセット、及び、(ii)可変振幅走査ミラーの第2の傾斜振幅を使用するミラー動作モデルに従ってスケジュールされているレーザーパルスショットの第2のサブセット、に対応する第2の模擬順序(第2の傾斜振幅は、第1の傾斜振幅より小さい)、を含み、以下である、実施形態O3のシステム:
制御回路が、第1及び第2の模擬順序の対応する完了時間に基づいて第1及び第2の模擬順序を評価し、第2の模擬順序が、整定時間を考慮する。
【0285】
実施形態O5:制御回路が、(1)経時的にレーザーパルスショットに利用可能なエネルギーをモデル化するレーザーエネルギーモデル、及び、(2)経時的に可変振幅走査ミラー動作をモデル化するミラー動作モデル、に基づいてレーザーパルスショットをスケジュールし、ミラー動作モデルが、可変振幅走査ミラーの制御された傾斜振幅を考慮に入れる、実施形態O1~O4のいずれかのシステム。
【0286】
実施形態O6:ライダー送信機が、共振モードで可変振幅走査ミラーを駆動する、実施形態O1~O5のいずれかのシステム。
【0287】
実施形態O7:可変振幅走査ミラーが、第1軸に沿って共振モードで走査し、ライダー送信機が、さらに、第2軸に沿って走査する第2の走査ミラーを含み、ライダー送信機が、(1)スケジュールされたレーザーパルスショットが第2軸に関して標的とされる場所の関数として変化するステップ関数に従ってポイントツーポイントモードで第2の走査ミラーを走査し、(2)可変振幅走査ミラー及び第2の走査ミラーから反射を介して視野内に、スケジュールされたレーザーパルスショットを送信する、実施形態O6に記載のシステム。
【0288】
実施形態O8:可変振幅走査ミラーが、方位角方向に走査する、実施形態O1~O7のいずれかのシステム。
【0289】
実施形態P1:以下を含む、ライダー装置:
レーザー源と、
ライダー装置が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために、複数の走査角度を通して走査可能である可変振幅ミラー(ミラーの走査角度の角度範囲が、可変振幅ミラーの振幅に規定される)と、
動的に、(1)可変振幅ミラーを介して視野内の複数の距離点に向けてレーザー源によりレーザーパルスショットの可変速度発射を制御し、(2)可変振幅ミラーの振幅変化から生じる整定時間に基づく、レーザーパルスショットの可変振幅ミラーの振幅変化を制御する、制御回路。
【0290】
実施形態P2:制御回路が、(1)レーザーパルスショットで標的とされる距離点のリストの第1の完了時間を決定し(可変振幅ミラーが、ミラーの第1の振幅を使用して走査する時、経時的に、可変振幅ミラーの走査角度をモデル化するミラー動作モデルに従って走査し、(2)リストの第2の完了時間を決定し(可変振幅ミラーが、ミラーの第2の振幅を使用して走査する時、経時的に、可変振幅ミラーの走査角度をモデル化するミラー動作モデルに従って走査し、第2の完了時間が、可変振幅ミラーの整定時間を考慮に入れる)、(3)第1の完了時間と第2の完了時間を比較し、(4)第1の完了時間が第2の完了時間よりも短い場合、リストのレーザーパルスショットの発射に関して第1の振幅を示すように可変振幅ミラーを制御し、(5)第2の完了時間が第1の完了時間よりも短い場合、リストのレーザーパルスショットの発射に関して第2の振幅を示すように可変振幅ミラーを制御する、実施形態P1の装置。
【0291】
実施形態P3:第1の振幅が、可変振幅ミラーの現在の振幅に対応する、実施形態P2の装置。
【0292】
実施形態P4:第2の振幅が、現在の振幅よりも小さい振幅に対応する、実施形態P3の装置。
【0293】
実施形態P5:ミラー動作モデルが、可変振幅ミラーの走査角度を複数の対応する時間スロットとしてモデル化し、制御回路が、ミラー動作モデルで規定の対応する時間スロットにレーザーパルスショットを割り当てることにより、リストのレーザーパルスショットをスケジュールする、実施形態P1~P4のいずれかの装置。
【0294】
実施形態P6:時間スロットが、5ナノ秒~50ナノ秒の範囲の時間間隔を反映する、実施形態P5の装置。
【0295】
実施形態P7:ミラー動作モデルが、コサイン振動に従って走査角度をモデル化する、実施形態P1~P6のいずれかの装置。
【0296】
実施形態P8:制御回路が、共振モードで軸に沿った走査角度にわたって走査するように可変振幅ミラーを駆動する、実施形態P1~P7のいずれかの装置。
【0297】
実施形態P9:可変振幅ミラーが、第1のミラーを含み、装置が、さらに、視野内の第2軸に沿って複数の走査角度を通じて走査可能な第2のミラーを含み、制御回路が、レーザーパルスショットで標的とされる視野内の距離点に基づいてポイントツーポイントモードで走査するように第2のミラーを駆動する、実施形態P8の装置。
【0298】
実施形態P10:制御回路が、100Hz~20kHzの周波数で軸に沿った走査角度にわたって走査するように走査可能ミラーを駆動する、実施形態P1~P9のいずれかの装置。
【0299】
実施形態P11:制御回路が、10kHz~15kHzの周波数で軸に沿った走査角度にわたって走査するように走査可能ミラーを駆動する、実施形態P1~P10のいずれかの装置。
【0300】
実施形態P12:可変振幅ミラーが、MEMSミラーを含む、実施形態P1~P11のいずれかの装置。
【0301】
実施形態P13:制御回路が、エネルギーが経時的にレーザーパルスショットのレーザー源からどれくらい利用可能であるかをモデル化するレーザーエネルギーモデルに基づいて、リストのレーザーパルスショットをスケジュールする、実施形態P1~P12のいずれかの装置。
【0302】
実施形態P14:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各レーザーパルスショットに応答したレーザー源におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後のレーザー源におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)レーザーパルスショットのスケジューリングをサポートするために、レーザーパルスショット間のレーザー源におけるエネルギーの蓄積をモデル化する、実施形態P13の装置。
【0303】
実施形態P15:レーザー源が、光増幅レーザー源を含む、実施形態P13~P14のいずれかの装置。
【0304】
実施形態P16:光増幅レーザー源が、パルスファイバーレーザー源を含む、実施形態P15の装置。
【0305】
実施形態P17:パルスファイバーレーザー源が、シードレーザー、ポンプレーザー、及びファイバー増幅器を含み、レーザーエネルギーモデルが、(1)経時的なパルスファイバーレーザー源のシードエネルギー、及び、(2)経時的にファイバー増幅器に蓄積されるエネルギー、をモデル化する、実施形態P16の装置。
【0306】
実施形態P18:レーザーエネルギーモデルが、EF(t+δ)=aS(t+δ)+bEF(t)の関係式に従ってレーザーパルスショットの利用可能なエネルギーをモデル化し、式中、a+b=1であり、レーザーパルスショットが発射された時に、エネルギーがファイバー増幅器からどれくらい排出され、それの中にどれくらい留まるかを、a及びbが反映し、EF(t)が、時間tで発射されるレーザーパルスショットのレーザーエネルギーを表し、EF(t+δ)が、時間t+δで発射されるレーザーパルスショットのレーザーエネルギーを表し、S(t+δ)が、持続時間δにわたってポンプレーザーによりファイバー増幅器に蓄積されるエネルギー量を表し、tが、レーザーパルスショットの発射時間を表し、持続時間δが、時間におけるショット間の間隔を表す、実施形態P17の装置。
【0307】
実施形態P19:S(t+δ)=δEであり、式中、Eが、ポンプレーザーによりファイバー増幅器に蓄積される単位時間当たりのエネルギー量を表す、実施形態P18の装置。
【0308】
実施形態P20:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各レーザーパルスショットに応答した光増幅レーザー源の光増幅器におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後の光増幅器におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)レーザーパルスショットのスケジューリングをサポートするために、レーザーパルスショット間の光増幅器におけるエネルギー蓄積をモデル化する、実施形態P15~P19のいずれかの装置。
【0309】
実施形態P21:レーザーエネルギーモデルが、10ナノ秒~100ナノ秒の範囲の時間間隔でレーザーパルスショットに利用可能なレーザーエネルギーをモデル化する、実施形態P13~P20のいずれかの装置。
【0310】
実施形態P22:制御回路が、(1)システムコントローラ、及び、(2)ビームスキャナーコントローラ、を含み、以下である、実施形態P1~P21のいずれかの装置:
システムコントローラが、可変振幅ミラーで使用する振幅を決定し、
ビームスキャナーコントローラが、(1)リストに従ってレーザー源に発射コマンドを提供し、(2)決定された振幅を示す可変振幅ミラーを制御することを含む可変振幅ミラーの走査を制御する。
【0311】
実施形態Q1:以下を含む、ライダー方法:
可変振幅走査ミラーを走査することと、
複数の基準に従って、視野内の距離点を標的とする複数のレーザーパルスショットをスケジュールすることと(スケジューリングが、可変振幅走査ミラーの傾斜振幅の変更をスケジュールすることを含み、基準が、傾斜振幅のスケジュールされた変更から生じる整定時間を考慮する基準を含む)、
走査可変振幅走査ミラーからの反射を介して、スケジュールされたレーザーパルスショットを視野内に送信すること。
【0312】
実施形態Q2:さらに、実施形態O1~O8のいずれかの装置で実行される任意のステップまたはステップの組み合わせを含む、実施形態Q1の方法。
【0313】
実施形態R1:複数の標的レーザーパルスショットが、複数の走査角度を通じて走査する可変振幅ミラーを介してレーザー源から視野内にどのように送信されるかを制御する方法であって、ミラーの走査角度の角度範囲が、可変振幅ミラーの振幅で規定され、方法が、以下を含む、方法:
可変振幅ミラーを介して、視野内の複数の距離点に向けてレーザー源によりレーザーパルスショットの可変速度発射を動的に制御することと、
可変振幅ミラーの振幅変化から生じる整定時間に基づいて、レーザーパルスショットの可変振幅ミラーの振幅変化を動的に制御すること。
【0314】
実施形態R2:さらに、実施形態P1~P22のいずれかの装置で実行される任意のステップまたはステップの組み合わせを含む、実施形態R1の方法。
【0315】
実施形態S1:ライダーシステムの製造物品であって、ライダーシステムが、ライダー送信機が視野内のどこに標的とされるかを規定するために走査する可変振幅走査ミラーを含み、ライダー送信機が、可変振幅走査ミラーからの反射を介して視野内の標的距離点で複数のレーザーパルスショットを発射し、製造物品が、以下を含む、製造物品:
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に常駐する機械可読コード(コードが、プロセッサーに実行される処理動作を規定し、プロセッサーに以下のステップを実行させる:
複数の基準に従って、視野内の距離点を標的とするレーザーパルスショットをスケジュールさせること(スケジューリングが、可変振幅走査ミラーの傾斜振幅の変更をスケジュールすることを含み、基準が、傾斜振幅のスケジュールされた変更から生じる整定時間を考慮する基準を含む))。
【0316】
実施形態S2:さらに、実施形態O1~O8のいずれかにより列挙される任意の特徴または特徴の組み合わせに対する処理動作を規定するコードを含む、実施形態S1の製造物品。
【0317】
実施形態T1:複数の標的レーザーパルスショットが、複数の走査角度を通じて走査する可変振幅ミラーを介してレーザー源から視野内にどのように送信されるかを制御する製造物品であって、ミラーの走査角度の角度範囲が、可変振幅ミラーの振幅で規定され、製造物品が、以下を含む、製造物品:
非一時的な機械可読記憶媒体上に常駐する機械可読コード(コードが、プロセッサーに実行される処理動作を規定し、プロセッサーに以下をさせる:
可変振幅ミラーを介して、視野内の複数の距離点に向けてレーザー源によりレーザーパルスショットの可変速度発射を動的に制御させることと、
可変振幅ミラーの振幅変化から生じる整定時間に基づいて、レーザーパルスショットの可変振幅ミラーの振幅変化を動的に制御させること)。
【0318】
実施形態T2:さらに、実施形態P1~P22のいずれかにより列挙される任意の特徴または特徴の組み合わせに対する処理動作を規定するコードを含む、実施形態T1の製造物品。
【0319】
実施形態U1:以下を含む、ライダー装置:
可変エネルギーレーザー源と、
ライダー装置が視野内のどこに向けられるかを規定するミラーサブシステムと(ミラーサブシステムが、可変エネルギーレーザー源から光学的に下流にある)、
レーザーパルスショットに関連する複数のエネルギー要件と比較したレーザーエネルギーモデルを使用して、可変エネルギーレーザー源によるレーザーパルスショットの可変速度発射を動的に制御する制御回路(発射されたレーザーパルスショットが、可変エネルギーレーザー源からミラーサブシステムを介して視野内に送信される)。
【0320】
実施形態U2:可変エネルギーレーザー源が、単位時間当たりの可変エネルギー蓄積速度を示す光増幅レーザー源を含む、実施形態U1の装置。
【0321】
実施形態U3:光増幅レーザー源が、パルスファイバーレーザー源を含む、実施形態U2の装置。
【0322】
実施形態U4:パルスファイバーレーザー源が、シードレーザー、ポンプレーザー、及びファイバー増幅器を含み、ポンプレーザーが、単位時間当たり変動するエネルギー量をファイバー増幅器に蓄積し、レーザーエネルギーモデルが、(1)経時的にパルスファイバーレーザー源のシードエネルギー、及び、(2)経時的にファイバー増幅器に蓄積されるエネルギー、をモデル化し、モデル化されたシードエネルギーが、単位時間当たりでファイバー増幅器内でポンプレーザーにより蓄積されるエネルギーの変動量を反映する、実施形態U3の装置。
【0323】
実施形態U5:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各レーザーパルスショットに応答した光増幅レーザー源の光増幅器におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後の光増幅器におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)エネルギー要件を考慮して、レーザーパルスショットのスケジューリングをサポートするために、レーザーパルスショット間の光増幅器におけるエネルギー蓄積をモデル化し、モデル化されたエネルギー蓄積が、光増幅器に対する単位時間毎のエネルギー蓄積の可変速度を反映する、実施形態U2~U4のいずれかの装置。
【0324】
実施形態U6:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各レーザーパルスショットに応答した可変エネルギーレーザー源におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後の可変エネルギーレーザー源におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)エネルギー要件を考慮して、レーザーパルスショットのスケジューリングをサポートするために、レーザーパルスショット間の可変エネルギーレーザー源におけるエネルギーの蓄積をモデル化し、モデル化されたエネルギー蓄積が、可変エネルギーレーザー源に対する単位時間毎のエネルギー蓄積の可変速度を反映する、実施形態U1~U5のいずれかの装置。
【0325】
実施形態U7:レーザーエネルギーモデルが、経時的なレーザーシードエネルギーの非線形性を反映するレーザーシードエネルギーのモデルを含む、実施形態U1~U6のいずれかの装置。
【0326】
実施形態U8:レーザーエネルギーモデルが、10ナノ秒~100ナノ秒の範囲の時間間隔でレーザーパルスショットに利用可能なレーザーエネルギーをモデル化する、実施形態U1~U7のいずれかの装置。
【0327】
実施形態U9:エネルギー要件が、最小レーザーパルスエネルギーを含む、実施形態U1~U8のいずれかの装置。
【0328】
実施形態U10:最小レーザーパルスエネルギーが、レーザーパルスショットに対して不均一である、実施形態U9の装置。
【0329】
実施形態U11:エネルギー要件が、レーザー源に関する最大エネルギー閾値を含む、実施形態U1~U10のいずれかの装置。
【0330】
実施形態U12:制御回路が、発射されたレーザーパルスショットにおける実際のエネルギー量を示すフィードバックデータに基づいてレーザーエネルギーモデルを更新する、実施形態U1~U11のいずれかの装置。
【0331】
実施形態U13:制御回路が、レーザーパルスショットの異なる時間シーケンスに対するエネルギー特性を模擬するために、レーザーエネルギーモデルに基づくルックアップテーブルを使用する、実施形態U1~U12のいずれかの装置。
【0332】
実施形態U14:ミラーサブシステムが、第1のミラー及び第2のミラーを含み、制御回路が、ライダー送信機が視野内のどこに向けられるかを規定するために、第1のミラー及び第2のミラーの走査を制御する、実施形態U1~U13のいずれかの装置。
【0333】
実施形態U15:制御回路が、(1)共振モードで走査するように第1のミラーを駆動し、(2)発射されたレーザーパルスショットで標的とされる複数の距離点に基づいてポイントツーポイントモードで走査するように第2のミラーを駆動する、実施形態U14の装置。
【0334】
実施形態U16:制御回路が、(1)エネルギー要件と比較したレーザーエネルギーモデルを使用してショットリストを規定すること、及び、(2)ショットリストに基づいて可変エネルギーレーザー源に発射コマンドを提供することにより、レーザーパルスショットの可変速度発射を動的に制御し、ショットリストが、レーザーパルスショットで標的とされる視野内の距離点の時限シーケンスを規定する、実施形態U1~U15のいずれかの装置。
【0335】
実施形態U17:制御回路が、(1)システムコントローラ、及び、(2)ビームスキャナーコントローラ、を含み、以下である、実施形態U1~U16のいずれかの装置:
システムコントローラが、(1)エネルギー要件と比較したレーザーエネルギーモデルを使用してショットリストを生成し、(2)ショットリストをビームスキャナーコントローラに提供し、ショットリストが、レーザーパルスショットで標的とされる視野内の距離点の時限シーケンスを規定し、
ビームスキャナーコントローラが、(1)提供されたショットリストに基づいて可変エネルギーレーザー源に発射コマンドを提供し、(2)ショットリストに基づいてミラーサブシステム内のミラーの走査を動的に制御する。
【0336】
実施形態V1:以下を含む、ライダー装置:
ライダー装置が第1軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために走査可能である第1のミラーと、
ライダー装置が第2軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために走査可能である第2のミラーと、
制御回路と、
第1及び第2のミラーから光学的に上流にある可変エネルギーレーザー源、
(可変エネルギーレーザー源が、制御回路の発射コマンドに応答して、第1及び第2のミラーを介して視野内に送信するレーザーパルスを生成し、
制御回路が、(1)第1及び第2のミラーの走査を制御し、(2)経時的に、可変エネルギーレーザー源のレーザーパルスに利用可能なエネルギーを動的にモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持し、(3)送信されるレーザーパルスのタイミングスケジュールをレーザーエネルギーモデルに基づいて決定し、(4)第1及び第2のミラーを介して可変エネルギーレーザー源から視野内に送信するレーザーパルスの生成を起動するために、決定されたタイミングスケジュールに基づいて可変エネルギーレーザー源に発射コマンドを提供する)。
【0337】
実施形態V2:制御回路が、視野内の複数の距離点を標的とするものであるレーザーパルスに対して規定の複数のエネルギーレベルと組み合わせたレーザーエネルギーモデルに基づいて送信されるレーザーパルスのタイミングスケジュールを決定する、実施形態V1の装置。
【0338】
実施形態V3:可変エネルギーレーザー源が、シードレーザー、ポンプレーザー、及び光増幅器を含み、以下である、実施形態V1~V2のいずれかの装置:
ポンプレーザーが、単位時間当たりで変動するエネルギー量を光増幅器に蓄積する。
レーザーエネルギーモデルが、(1)可変エネルギーレーザー源のシードエネルギー、及び、(2)光増幅器内の蓄積エネルギー、をモデル化し、モデル化されたシードエネルギーが、単位時間当たりで光増幅器内でポンプレーザーにより蓄積されるエネルギーの変動量を反映し、
レーザーパルスが装置により送信されるにつれて、制御回路が、経時的にレーザーエネルギーモデルを更新する。
【0339】
実施形態V4:光増幅器が、ファイバー増幅器を含み、レーザーエネルギーモデルが、EF(t+δ)=aS(t+δ)+bEF(t)の関係式に従ってレーザーパルスの利用可能なエネルギーをモデル化し、式中、a+b=1であり、レーザーパルスが発射された時に、エネルギーがファイバー増幅器からどれくらい排出され、それの中にどれくらい留まるかを、a及びbが反映し、EF(t)が、時間tで発射されるレーザーパルスのレーザーエネルギーを表し、EF(t+δ)が、時間t+δで発射されるレーザーパルスのレーザーエネルギーを表し、S(t+δ)が、持続時間δにわたってファイバー増幅器にポンプレーザーにより蓄積されるエネルギー量を表し、tが、レーザーパルスの発射時間を表し、持続時間δが、時間におけるショット間の間隔を表す、実施形態V3の装置。
【0340】
実施形態V5:レーザーエネルギーモデルが、経時的なレーザーシードエネルギーの非線形性を反映するレーザーシードエネルギーのモデルを含む、実施形態V1~V4のいずれかの装置。
【0341】
実施形態V6:制御回路が、決定されたタイミングスケジュールに基づいてショットリストにリストされた複数の距離点を順序付けすることにより、レーザーパルスで標的とされる距離点のリストを、レーザーパルスで標的とされる距離点のショットリストに変換する、実施形態V1~V5のいずれかの装置。
【0342】
実施形態V7:第1の期間から生じる可変エネルギーレーザー源内の利用可能なエネルギーの蓄積により、タイミングスケジュールが、比較的低密度のレーザーパルスの送信の第1の期間とそれに続く比較的高密度のレーザーパルスの送信の第2の期間を含むように、レーザーエネルギーモデルが制御回路にタイミングスケジュールを決定させる、実施形態V6の装置。
【0343】
実施形態V8:制御回路が、(1)レーザーエネルギーモデルに関してリストされた距離点のウィンドウに対する複数の候補時限シーケンスを模擬し、(2)ウィンドウ内の距離点を標的とするレーザーパルスの複数のエネルギー要件と比較して、模擬実験に基づいて候補時限シーケンスを選択することにより、ショットリストのウィンドウ内の距離点を順序付けする、実施形態V6~V7のいずれかに記載の装置。
【0344】
実施形態V9:第1ミラーが、100Hz~20kHzの範囲の周波数で走査する、実施形態V1~V8のいずれかに記載の装置。
【0345】
実施形態V10:制御回路が、送信されたレーザーパルスについて追跡された実際のレーザーエネルギーに基づくフィードバックループを介してレーザーエネルギーモデルを調整する、実施形態V1~V9のいずれかの装置。
【0346】
実施形態V11:レーザーエネルギーモデルが、10ナノ秒~100ナノ秒の範囲の間隔でレーザーパルスに利用可能なレーザーエネルギーをモデル化する、実施形態V1~V10のいずれかの装置。
【0347】
実施形態V12:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各レーザーパルスショットに応答した可変エネルギーレーザー源におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後の可変エネルギーレーザー源におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)レーザーパルスショットに対するエネルギーレベルを考慮して、レーザーパルスショットのスケジューリングをサポートするために、レーザーパルスショット間の可変エネルギーレーザー源におけるエネルギーの蓄積をモデル化し、モデル化されたエネルギー蓄積が、可変エネルギーレーザー源に対する単位時間毎のエネルギー蓄積の可変速度を反映する、実施形態V1~V11のいずれかの装置。
【0348】
実施形態W1:以下を含む、方法:
経時的に複数のミラー走査角度を通してミラーを走査することと、
ライダー送信機の視野内に送信するための可変エネルギーレーザー源からのレーザーパルスショットに利用可能なエネルギーを動的にモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持することと、
レーザーエネルギーモデルに基づいて、走査ミラーを介して送信されるレーザーパルスショットのタイミングスケジュールを決定することと、
決定されたタイミングスケジュールに従って、可変エネルギーレーザー源から走査ミラーを介して視野内に複数のレーザーパルスショットを発射すること。
【0349】
実施形態W2:さらに、実施形態U1~V12のいずれかの装置で実行される任意のステップまたはステップの組み合わせを含む、実施形態W1の方法。
【0350】
実施形態X1:ライダー送信機を制御するための製造物品あって、物品が、以下を含む、製造物品。
非一時的な機械可読記憶媒体上に常駐する機械可読コード(コードが、プロセッサーに実行される処理動作を規定し、プロセッサーに以下をさせる:
経時的に可変エネルギーレーザー源からのレーザーパルスショットに利用可能なエネルギーを動的にモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持させることと(可変エネルギーレーザー源が、ライダー送信機のミラーを介してライダー送信機の視野内に送信するためのレーザーパルスショットを生成する)、
レーザーエネルギーモデルに基づいて、ミラーを介して送信されるレーザーパルスショットのタイミングスケジュールを決定させることと、
決定されたタイミングスケジュールに従って、可変エネルギーレーザー源に対する複数の発射コマンドを生成させること(発射コマンドが、視野内に送信するためのレーザーパルスショットを生成するように可変エネルギーレーザー源を起動する))。
【0351】
実施形態X2:さらに、実施形態U1~V12のいずれかにより列挙される任意の特徴または特徴の組み合わせに対する処理動作を規定するコードを含む、実施形態X1の製造物品。
【0352】
実施形態Y1:以下を含む、ライダー装置:
レーザー源と、
ライダー装置が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するように走査可能なミラー(ミラーが、レーザー源から光学的に下流にある)、及び
(1)走査可能ミラーを介して視野内の複数の距離点を標的とするレーザー源によるレーザーパルスショットの可変速度発射を制御し、(2)標的レーザーパルスショットの複数のエネルギー要件と比較して、エネルギーが経時的にレーザー源からレーザーパルスショットにどれくらい利用可能であるかをモデル化するレーザーエネルギーモデルに関して異なるショット順序候補の複数の模擬実験に基づいて、可変速度発射に対する標的レーザーパルスショットのショット順序を決定する、制御回路。
【0353】
実施形態Y2:制御回路が、模擬実験を並列に実行する並列論理資源を含む、実施形態Y1の装置。
【0354】
実施形態Y3:制御回路が、特定用途向け集積回路(ASIC)を含み、並列論理資源が、ASIC上の並列ハードウェア論理を含む、実施形態Y2の装置。
【0355】
実施形態Y4:制御回路が、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含み、並列論理資源が、FPGA上の並列ハードウェア論理を含む、実施形態Y2の装置。
【0356】
実施形態Y5:制御回路が、システムオンチップ(SoC)を含み、並列論理資源が、SoC上に常駐する、実施形態Y2の装置。
【0357】
実施形態Y6:制御回路が、(1)レーザーエネルギーモデルに従って異なるショット順序候補に関して標的レーザーパルスショットに利用可能なエネルギーを模擬すること、及び、(2)ショット順序候補のどれが、エネルギー要件を満たす標的レーザーパルスショットの模擬利用可能エネルギーを示すかに基づいて、決定されたショット順序として使用するためにショット順序候補のうちの1つを選択すること、によりショット順序を決定する、実施形態Y1~Y5のいずれかの装置。
【0358】
実施形態Y7:複数のショット順序候補が、エネルギー要件を満たす標的レーザーパルスショットに対して模擬利用可能なエネルギーを示す場合、選択ショット順序候補が、最も短い完了時間を有するショット順序候補を含む、実施形態Y6の装置。
【0359】
実施形態Y8:制御回路が、選択ショット順序候補に従ってレーザー源に対する発射コマンドを生成することにより可変速度発射を制御する、実施形態Y1~Y7のいずれかの装置。
【0360】
実施形態Y9:ライダー装置が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために、ミラーが、複数の走査角度を通して走査可能であり、以下である、実施形態Y1~Y8のいずれかの装置:
レーザーパルスで標的とされる距離点が、軸に沿って対応する走査角度を示し、
制御回路が、経時的にミラーの走査角度をモデル化するミラー動作モデルに従って、異なるショット順序候補を生成する。
【0361】
実施形態Y10:ミラー動作モデルが、走査可能ミラーの走査角度を複数の対応する時間スロットとしてモデル化し、制御回路が、距離点を標的とするレーザーパルスショットを、レーザーパルスショットで標的とされる距離点で示される走査角度に対応する時間スロットに割り当てることにより、ショット順序候補を生成する、実施形態Y9の装置。
【0362】
実施形態Y11:制御回路が、ミラー動作モデルの異なる時間スロットにおけるレーザー源からのレーザーパルスショットに対する利用可能なエネルギーの事前計算された値のルックアップテーブル(LUT)のルックアップに基づいて、ショット順序候補に対する利用可能なエネルギーを模擬する、実施形態Y10の装置。
【0363】
実施形態Y12:時間スロットが、5ナノ秒~50ナノ秒の範囲の時間間隔を反映する、実施形態Y10~Y11のいずれかの装置。
【0364】
実施形態Y13:ミラー動作モデルが、コサイン振動に従って走査角度をモデル化する、実施形態Y9~Y12のいずれかの装置。
【0365】
実施形態Y14:制御回路が、共振モードで軸に沿って走査するようにミラーを駆動する、実施形態Y1~Y13のいずれかの装置。
【0366】
実施形態Y15:ミラーが、第1のミラーを含み、軸が、第1軸を含み、装置が、さらに、視野内で第2軸に沿って走査可能な第2のミラーを含み、制御回路が、発射されたレーザーパルスショットで標的とされる視野内の距離点に基づいてポイントツーポイントモードで走査するように第2のミラーを駆動する、実施形態Y14の装置。
【0367】
実施形態Y16:制御回路が、100Hz~20kHzの周波数で軸に沿って走査するようにミラーを駆動する、実施形態Y1~Y15のいずれかの装置。
【0368】
実施形態Y17:制御回路が、10kHz~15kHzの周波数で軸に沿って走査するようにミラーを駆動する、実施形態Y1~Y16のいずれかの装置。
【0369】
実施形態Y18:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各レーザーパルスショットに応答したレーザー源におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後のレーザー源におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)エネルギー要件を考慮して、レーザーパルスショットのスケジューリングをサポートするために、レーザーパルスショット間のレーザー源におけるエネルギーの蓄積をモデル化する、実施形態Y1~Y17のいずれかの装置。
【0370】
実施形態Y19:レーザー源が、光増幅レーザー源を含む、実施形態Y1~Y18のいずれかの装置。
【0371】
実施形態Y20:光増幅レーザー源が、パルスファイバーレーザー源を含む、実施形態Y19の装置。
【0372】
実施形態Y21:パルスファイバーレーザー源が、シードレーザー、ポンプレーザー、及びファイバー増幅器を含み、レーザーエネルギーモデルが、(1)経時的なパルスファイバーレーザー源のシードエネルギー、及び、(2)経時的にファイバー増幅器に蓄積されるエネルギー、をモデル化する、実施形態Y20の装置。
【0373】
実施形態Y22:レーザーエネルギーモデルが、EF(t+δ)=aS(t+δ)+bEF(t)の関係式に従ってレーザーパルスショットの利用可能なエネルギーをモデル化し、式中、a+b=1であり、レーザーパルスショットが発射された時に、エネルギーがファイバー増幅器からどれくらい排出され、それの中にどれくらい留まるかを、a及びbが反映し、EF(t)が、時間tで発射されるレーザーパルスショットのレーザーエネルギーを表し、EF(t+δ)が、時間t+δで発射されるレーザーパルスショットのレーザーエネルギーを表し、S(t+δ)が、持続時間δにわたってポンプレーザーによりファイバー増幅器に蓄積されるエネルギー量を表し、tが、レーザーパルスショットの発射時間を表し、持続時間δが、時間におけるショット間の間隔を表す、実施形態Y21の装置。
【0374】
実施形態Y23:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各レーザーパルスショットに応答した光増幅レーザー源の光増幅器におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後の光増幅器におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)エネルギー要件を考慮して、レーザーパルスショットのスケジューリングをサポートするために、レーザーパルスショット間の光増幅器におけるエネルギー蓄積をモデル化する、実施形態Y19~Y22のいずれかの装置。
【0375】
実施形態Y24:レーザーエネルギーモデルが、10ナノ秒~100ナノ秒の範囲の時間間隔でレーザーパルスショットに利用可能なレーザーエネルギーをモデル化する、実施形態Y1~Y23のいずれかの装置。
【0376】
実施形態Y25:エネルギー要件が、最小レーザーパルスエネルギーを含む、実施形態Y1~Y24のいずれかの装置。
【0377】
実施形態Y26:最小レーザーパルスエネルギーが、標的レーザーパルスショットに対して不均一である、実施形態Y25の装置。
【0378】
実施形態Y27:エネルギー要件を満たす標的レーザーパルスショットに模擬利用可能エネルギーを示すショット順序候補がプールで見つかるまで、制御回路が、(1)距離点のプールに関して模擬実験を実行し、(2)ショット順序候補のいずれもが、エネルギー要件を満たす標的レーザーパルスショットに対する模擬利用可能エネルギーを示さない場合、プールから1つ以上の距離点を除去する、実施形態Y1~Y26のいずれかの装置。
【0379】
実施形態Y28:制御回路が、(1)システムコントローラ、及び、(2)ビームスキャナーコントローラ、を含み、以下である、実施形態Y1~Y27のいずれかの装置:
システムコントローラが、模擬実験を実行し、ショット順序を決定し、
ビームスキャナーコントローラが、(1)決定されたショット順序に従ってレーザー源に発射コマンドを提供し、(2)ミラーの走査を制御する。
【0380】
実施形態Z1:以下を含む、方法:
経時的に第1軸に沿ってミラーを走査することと、
レーザー源から視野内に送信するためのレーザーパルスショットに利用可能なエネルギーをモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持することと、
走査ミラーを介して、視野内の複数の距離点を標的とするレーザー源によるレーザーパルスショットの可変速度発射を制御することと、
標的レーザーパルスショットの複数のエネルギー要件と比較して、レーザーエネルギーモデルに関する異なるショット順序候補の複数の模擬実験に基づいて、可変速度発射のための標的レーザーパルスショットのショット順序を決定すること。
【0381】
実施形態Z2:さらに、実施形態Y1~Y28のいずれかの装置で実行される任意のステップまたはステップの組み合わせを含む、実施形態Z1の方法。
【0382】
実施形態AA1:ライダー送信機の制御のための製造物品であって、ライダー送信機が、(1)レーザー源、及び、(2)ライダー送信機が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために走査可能なミラー、を含み、ミラーが、レーザー源から光学的に下流にあり、物品が、以下を含む、製造物品:
非一時的な機械可読記憶媒体上に常駐する機械可読コード(コードが、プロセッサーに実行される処理動作を規定し、プロセッサーに以下をさせる:
レーザー源から視野内に送信するためのレーザーパルスショットに利用可能なエネルギーをモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持させることと、
ミラーを介して、視野内の複数の距離点を標的とするレーザー源によるレーザーパルスショットの可変速度発射を制御させることと、
標的レーザーパルスショットの複数のエネルギー要件と比較して、レーザーエネルギーモデルに関する異なるショット順序候補の複数の模擬実験に基づいて、可変速度発射のための標的レーザーパルスショットのショット順序を決定すること)。
【0383】
実施形態AA2:さらに、実施形態Y1~Y28のいずれかにより列挙される任意の特徴または特徴の組み合わせに対する処理動作を規定するコードを含む、実施形態AA1の製造物品。
【0384】
実施形態BB1:以下を含む、ライダー装置:
レーザー源と、
(1)視野内の複数の距離点を標的とするレーザー源によるレーザーパルスショットの可変速度発射を制御し、(2)エネルギーが経時的にレーザー源から標的レーザーパルスショットにどれくらい利用可能であるかをモデル化するレーザーエネルギーモデルに基づいて標的レーザーパルスショットの次回のスケジュールを評価し、(3)(i)レーザー源で利用可能なエネルギー量が閾値を超えるレーザー源の将来の状況を回避するために、及び/または、(ii)標的レーザーパルスショットのエネルギー量を制御するために、評価に応じて発射レーザーパルスショットに複数のマーカーショットを含む、制御回路。
【0385】
実施形態BB2:制御回路が、(1)レーザーエネルギーモデル及び次回のスケジュールから、レーザー源のモデル化された利用可能なエネルギーが閾値を超えるレーザー源の将来の状態があるかどうかを判定し、(2)レーザー源のモデル化された利用可能なエネルギーが閾値を超えるレーザー源の将来の状態を回避するように、レーザー源からエネルギーを逃がすためにマーカーショットをスケジュールする、実施形態BB1の装置。
【0386】
実施形態BB3:制御回路が、次回のスケジュールでの標的レーザーパルスショットのエネルギー量の一貫性を達成するためにマーカーショットをスケジュールすることにより、標的レーザーパルスショットのエネルギー量を制御する、実施形態BB1~BB2のいずれかの装置。
【0387】
実施形態BB4:制御回路が、次回のスケジュールでの標的レーザーパルスショットの所望のエネルギー量を達成するためにマーカーショットをスケジュールすることにより、標的レーザーパルスショットのエネルギー量を制御する、実施形態BB1~BB3のいずれかの装置。
【0388】
実施形態BB5:制御回路が、標的レーザーパルスショット及びマーカーショットの次回のスケジュールに従ってレーザー源に対する発射コマンドを生成することにより可変速度発射を制御する、実施形態BB1~BB4のいずれかの装置。
【0389】
実施形態BB6:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各レーザーパルスショットに応答したレーザー源におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後のレーザー源におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)次回のスケジュールの評価をサポートするために、レーザーパルスショット間のレーザー源におけるエネルギーの蓄積をモデル化する、実施形態BB1~BB5のいずれかの装置。
【0390】
実施形態BB7:レーザー源が、光増幅レーザー源を含む、実施形態BB1~BB6のいずれかの装置。
【0391】
実施形態BB8:光増幅レーザー源が、パルスファイバーレーザー源を含む、実施形態BB7の装置。
【0392】
実施形態BB9:パルスファイバーレーザー源が、シードレーザー、ポンプレーザー、及びファイバー増幅器を含み、レーザーエネルギーモデルが、(1)経時的なパルスファイバーレーザー源のシードエネルギー、及び、(2)経時的にファイバー増幅器に蓄積されるエネルギー、をモデル化する、実施形態BB8の装置。
【0393】
実施形態BB10:レーザーエネルギーモデルが、EF(t+δ)=aS(t+δ)+bEF(t)の関係式に従ってレーザーパルスショットの利用可能なエネルギーをモデル化し、式中、a+b=1であり、レーザーパルスショットが発射された時に、エネルギーがファイバー増幅器からどれくらい排出され、それの中にどれくらい留まるかを、a及びbが反映し、EF(t)が、時間tで発射されるレーザーパルスショットのレーザーエネルギーを表し、EF(t+δ)が、時間t+δで発射されるレーザーパルスショットのレーザーエネルギーを表し、S(t+δ)が、持続時間δにわたってポンプレーザーによりファイバー増幅器に蓄積されるエネルギー量を表し、tが、レーザーパルスショットの発射時間を表し、持続時間δが、時間におけるショット間の間隔を表す、実施形態BB9の装置。
【0394】
実施形態BB11:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各レーザーパルスショットに応答した光増幅レーザー源の光増幅器におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後の光増幅器におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)次回のスケジュールの評価をサポートするために、レーザーパルスショット間の光増幅器におけるエネルギー蓄積をモデル化する、実施形態BB7~BB10のいずれかの装置。
【0395】
実施形態BB12:レーザーエネルギーモデルが、10ナノ秒~100ナノ秒の範囲の時間間隔でレーザーパルスショットに利用可能なレーザーエネルギーをモデル化する、実施形態BB1~BB11のいずれかの装置。
【0396】
実施形態BB13:さらに、以下を含む、実施形態BB1~BB12のいずれかの装置:
ライダー装置が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するように走査可能なミラー(ミラーが、レーザー源から光学的に下流にあり、
発射されたレーザーパルスショットが、ミラーを介して視野内の距離点に向けられる)。
【0397】
実施形態BB14:ミラーは、ライダー装置が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために、複数の走査角度を通して走査可能であり、以下である、実施形態BB13の装置:
レーザーパルスで標的とされる距離点が、軸に沿って対応する走査角度を示し、
制御回路が、レーザーエネルギーモデルと組み合わせたミラー動作モデルに基づいて、次回のスケジュールに関して標的レーザーパルスショットをスケジュールし、ミラー動作モデルが、経時的にミラーの走査角度をモデル化する。
【0398】
実施形態BB15:ミラー動作モデルが、走査可能ミラーの走査角度を複数の対応する時間スロットとしてモデル化し、次回のスケジュールが、標的レーザーパルスショットに対応する時間スロットを同定し、評価が、同定された時間スロットのレーザーエネルギーモデルに関して実行される、実施形態BB14の装置。
【0399】
実施形態BB16:時間スロットが、5ナノ秒~50ナノ秒の範囲の時間間隔を反映する、実施形態BB15の装置。
【0400】
実施形態BB17:制御回路が、標的レーザーパルスショットに関する複数のエネルギー要件と比較して、レーザーエネルギーモデルと組み合わせたミラー動作モデルに基づいて、次回のスケジュールに関して標的レーザーパルスショットをスケジュールする、実施形態BB14~BB16のいずれかの装置。
【0401】
実施形態BB18:ミラー動作モデルが、コサイン振動に従って走査角度をモデル化する、実施形態BB14~BB17のいずれかの装置。
【0402】
実施形態BB19:制御回路が、共振モードで軸に沿って走査するようにミラーを駆動する、実施形態BB13~BB18のいずれかの装置。
【0403】
実施形態BB20:ミラーが、第1のミラーを含み、軸が、第1軸を含み、装置が、さらに、視野内で第2軸に沿って走査可能な第2のミラーを含み、制御回路が、発射されたレーザーパルスショットで標的とされる視野内の距離点に基づいてポイントツーポイントモードで走査するように第2のミラーを駆動する、実施形態BB19の装置。
【0404】
実施形態BB21:制御回路が、100Hz~20kHzの周波数で軸に沿って走査するようにミラーを駆動する、実施形態BB13~BB20のいずれかの装置。
【0405】
実施形態BB22:制御回路が、10kHz~15kHzの周波数で軸に沿って走査するようにミラーを駆動する、実施形態BB13~BB21のいずれかの装置。
【0406】
実施形態BB23:制御回路が、(1)システムコントローラ、及び、(2)ビームスキャナーコントローラ、を含み、以下である、実施形態BB13~BB22のいずれかの装置:
システムコントローラが、評価を実施し、
ビームスキャナーコントローラが、(1)レーザーパルスショットの可変速度発射に従ってレーザー源に発射コマンドを提供し、(2)ミラーの走査を制御する。
【0407】
実施形態CC1:ライダー送信の動的制御のための方法であって、方法が、以下を含む、方法。
経時的にレーザー源からのレーザーパルスに利用可能なエネルギーをモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持することと(レーザー源が、ライダー送信機の視野内に送信するためのレーザーパルスショットを生成する)、
レーザーエネルギーモデルでモデル化された利用可能なエネルギーを閾値と比較することと、
モデル化された利用可能なエネルギーが閾値を超えるという決定に応答して、利用可能なエネルギーが閾値を超える前に、レーザー源の利用可能なエネルギーを閾値未満に低減させるマーカーショットを起動するために発射コマンドをレーザー源に提供すること。
【0408】
実施形態CC2:ライダー送信の動的制御のための方法であって、方法が、以下を含む、方法。
経時的にレーザー源からのレーザーパルスに利用可能なエネルギーをモデル化するレーザーエネルギーモデルを維持することと(レーザー源が、ライダー送信機の視野内に送信するためのレーザーパルスショットを生成する)、
レーザー源からエネルギーを逃がし、標的レーザーパルスショットのエネルギー量を調節する複数のマーカーショットで、視野内の複数の距離点を標的とするレーザーパルスショットのスケジュールを補足することと、
補足されたスケジュールに従って、レーザー源から標的のレーザーパルスショット及びマーカーショットを発射すること。
【0409】
実施形態CC3:さらに、実施形態BB1~BB23のいずれかの装置で実行される任意のステップまたはステップの組み合わせを含む、実施形態CC1~CC2のいずれかの方法。
【0410】
実施形態DD1:ライダー送信機を制御するための製造物品であって、ライダー送信機が、レーザー源を含み、物品が、以下を含む、製造物品。
非一時的な機械可読記憶媒体上に常駐する機械可読コード(コードが、プロセッサーに実行される処理動作を規定し、プロセッサーに以下をさせる:
視野内の複数の距離点を標的とするレーザー源によるレーザーパルスショットの可変速度発射を制御させることと、
エネルギーが経時的にレーザー源から標的レーザーパルスショットにどれくらい利用可能であるかをモデル化するレーザーエネルギーモデルに基づいて、標的レーザーパルスショットの次回のスケジュールを評価させることと、
(i)レーザー源で利用可能なエネルギー量が閾値を超えるレーザー源の将来の状況を回避するために、及び/または、(ii)標的レーザーパルスショットのエネルギー量を制御するために、評価に応じて発射レーザーパルスショットに複数のマーカーショットを含むこと)。
【0411】
実施形態DD2:さらに、実施形態BB1~BB23のいずれかにより列挙される任意の特徴または特徴の組み合わせに対する処理動作を規定するコードを含む、実施形態DD1の製造物品。
【0412】
実施形態EE1:以下を含む、ライダー装置:
レーザー源と、
ライダー装置が視野内のどこに向けられるかを規定するミラーサブシステム(ミラーサブシステムが、レーザー源から光学的に下流にある)と、
距離点でレーザー源により発射されるレーザーパルスショットのショットリストに距離点のリストを順序付けし、各距離点が、距離点リストの距離点が複数の異なる方位角及び複数の異なる仰角を包含するように、対応する方位角及び仰角を有する制御回路
(制御回路が、規定の基準に基づいて、距離点に向けて発射されるレーザーパルスショットで仰角のどれが標的とされるかを優先順位付けする)。
【0413】
実施形態EE2:規定の基準が、視野内の水平に仰角のうちのどれが対応するかを含む、実施形態EE1の装置。
【0414】
実施形態EE3:水平が、道路の水平を含む、実施形態EE2の装置。
【0415】
実施形態EE4:規定の基準が、視野内の1つ以上の検出対象物に適用可能な範囲情報を含む、実施形態EE1~EE3のいずれかの装置。
【0416】
実施形態EE5:制御回路が、規定の距離閾値を超える対応する範囲を有する1つ以上の検出対象物を包含する仰角の選択を優先順位付けする、実施形態EE4の装置。
【0417】
実施形態EE6:制御回路が、規定の距離閾値よりも近い対応する範囲を有する1つ以上の検出対象物を包含する仰角の選択を優先順位付けする、実施形態EE4の装置。
【0418】
実施形態EE7:距離情報が、複数の検出対象物に対する相対距離を含む、実施形態EE4~EE6のいずれかの装置。
【0419】
実施形態EE8:規定の基準は、視野内の1つ以上の検出対象物に適用可能な速度情報を含む、実施形態EE1~EE7のいずれかの装置。
【0420】
実施形態EE9:制御回路が、規定の速度閾値よりも速い対応する速度を有する1つ以上の検出対象物を包含する仰角の選択を優先順位付けする、実施形態EE8の装置。
【0421】
実施形態EE10:速度情報が、複数の検出対象物の相対速度を含む、実施形態EE8~EE9のいずれかの装置。
【0422】
実施形態EE11:規定の基準が、視野内の1つ以上の検出対象物に適用可能な方向方位情報を含む、実施形態EE1~EE10のいずれかの装置。
【0423】
実施形態EE12:規定の基準が、目の安全基準を含む、実施形態EE1~EE11のいずれかの装置。
【0424】
実施形態EE13:制御回路が、連続する仰角選択間に規定のスキップ間隔を用いる、実施形態EE12の装置。
【0425】
実施形態EE14:規定の基準が、カメラ安全基準を含む、実施形態EE1~EE13のいずれかの装置。
【0426】
実施形態EE15:制御回路が、連続する仰角選択間に規定のスキップ間隔を用いる、実施形態EE14の装置。
【0427】
実施形態EE16:ミラーサブシステムが、(1)複数の方位角走査角度を通して走査可能な第1のミラー、及び、(2)複数の仰角走査角度を通して走査可能な第2のミラー、を含み、制御回路が、ライダー装置が視野内のどこに向けられるかを制御するように第1及び第2のミラーを駆動する、実施形態EE1~EE15のいずれかの装置。
【0428】
実施形態EE17:制御回路が、ショットリストに従って第1及び第2のミラーを介して距離点に向けてレーザーパルスショットを発射するために、レーザー源に対する発射コマンドを生成する、実施形態EE16の装置。
【0429】
実施形態EE18:制御回路が、(1)共振モードで方位角走査角度を通して走査するように第1のミラーを駆動し、(2)ショットリストからのレーザーパルスショットで標的とされる距離点の仰角走査角度に適用される仰角の関数として変動するポイントツーポイントモードで仰角走査角度を通して走査するように第2のミラーを駆動する、実施形態EE16~EE17のいずれかの装置。
【0430】
実施形態EE19:制御回路が、(1)第1のミラーを速軸ミラーとして駆動し、(2)第2のミラーを遅軸ミラーとして駆動する、実施形態EE18の装置。
【0431】
実施形態EE20:共通の仰角走査角度を標的とする複数の距離点がシーケンスでグループ化されるように、制御回路が、ショットリスト内の距離点を順序付けする、実施形態EE18~EE19のいずれかの装置。
【0432】
実施形態EE21:制御回路が、(1)異なる共通仰角走査角度に対応する群に距離点を分類すること、(2)リスト内の距離点を標的とするレーザーパルスショットをスケジュールすることにより、(i)レーザーパルスショットの複数のエネルギー要件と比較して、エネルギーが経時的にレーザーパルスショットのレーザー源からどれくらい利用可能であるかをモデル化するレーザーエネルギーモデル、及び、(ii)経時的に第1のミラーの方位走査角度をモデル化するミラー動作モデル、に基づいて各群の距離点を標的とするレーザーパルスショットをスケジュールすること、ならびに、(3)規定の基準に従ってショットリスト内のスケジュールされたレーザーパルスショットの群を順序付けすること、により、ショットリスト内の距離点を順序付けする、実施形態EE20の装置。
【0433】
実施形態EE22:制御回路が、100Hz~20kHzの周波数で方位走査角度を通して走査するように第1のミラーを駆動する、実施形態EE18~EE21のいずれかの装置。
【0434】
実施形態EE23:制御回路が、10kHz~15kHzの周波数で方位走査角度を通して走査するように第1のミラーを駆動する、実施形態EE18~EE22のいずれかの装置。
【0435】
実施形態EE24:制御回路が、ショットリストからのレーザーパルスショットにより標的される距離点の仰角走査角度に適用される仰角の関数として変動するステップ制御信号に従って第2のミラーを駆動する、実施形態EE18~EE23のいずれかの装置。
【0436】
実施形態EE25:制御回路が、(1)システムコントローラ、及び、(2)ビームスキャナーコントローラ、を含み、以下である、実施形態EE16~EE24のいずれかの装置:
システムコントローラが、順序付け及び優先順位付けの動作を実施し、
ビームスキャナーコントローラが、(1)ショットリストに従ってレーザー源に発射コマンドを提供し、(2)第1及び第2のミラーの走査を駆動する。
【0437】
実施形態FF1:以下を含む、方法:
距離点でレーザー源により発射されるレーザーパルスショットのショットリストに距離点のリストを順序付けし、各距離点が、距離点リストの距離点が複数の異なる方位角及び複数の異なる仰角を包含するように、対応する方位角及び仰角を有することと、
規定の基準に基づいて距離点に向けて発射されるレーザーパルスショットで仰角のうちのどれが標的とされるかを優先順位付けすることと、
ショットリスト及び優先順位付された仰角に従ってレーザーパルスショットを発射すること。
【0438】
実施形態FF2:さらに、実施形態EE1~EE25のいずれかの装置で実行される任意のステップまたはステップの組み合わせを含む、実施形態FF1の方法。
【0439】
実施形態GG1:ライダー送信機を制御するための製造物品であって、物品が、以下を含む、製造物品:
非一時的な機械可読記憶媒体上に常駐する機械可読コード(コードが、プロセッサーに実行される処理動作を規定し、プロセッサーに以下をさせる:
距離点でレーザー源により発射されるレーザーパルスショットのショットリストに距離点のリストを順序付けし、各距離点が、距離点リストの距離点が複数の異なる方位角及び複数の異なる仰角を包含するように、対応する方位角及び仰角を有させることと、
規定の基準に基づいて距離点に向けて発射されるレーザーパルスショットで仰角のうちのどれが標的とされるかを優先順位付けさせること)。
【0440】
実施形態GG2:さらに、実施形態EE1~EE25のいずれかにより列挙される任意の特徴または特徴の組み合わせに対する処理動作を規定するコードを含む、実施形態GG1の製造物品。
【0441】
実施形態HH1:以下を含む、ライダー装置:
レーザー源と、
ライダー装置が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するように複数の走査角度を通して走査可能なミラーと(ミラーが、レーザー源から光学的に下流にある)、
(1)ミラーに関して第1のミラー動作モデルを使用して、ミラーを介して視野内の複数の距離点を標的とする複数のレーザーパルスショットのショットスケジュールを決定し、(2)ミラーに関して第2のミラー動作モデルを使用して、決定されたショットスケジュールに従ってレーザー源に対する発射コマンドを生成する、制御回路。
【0442】
実施形態HH2:制御回路が、システムコントローラ及びビームスキャナーコントローラを含み、以下である、実施形態HH1の装置:
システムコントローラが、第1のミラー動作モデルを使用してショットスケジュールを決定し、
ビームスキャナーコントローラが、(1)ミラーの走査を制御し、(2)第2のミラー動作モデルを使用して発射コマンドを生成する。
【0443】
実施形態HH3:システムコントローラが、決定されたショットスケジュールを表すデータをビームスキャナーコントローラに通信し、以下である、実施形態HH2の装置:
ビームスキャナーコントローラが、通信されたショットスケジュールデータ及び第2のミラー動作モデルに基づいて発射コマンドを生成する。
【0444】
実施形態HH4:通信されたショットスケジュールデータが、レーザーパルスショットで標的とされるミラーの走査角度のシーケンスを含む、実施形態HH3の装置。
【0445】
実施形態HH5:通信されたショットスケジュールデータが、さらに、シーケンスの複数の走査角度に対応する走査方向を含む、実施形態HH4の装置。
【0446】
実施形態HH6:ビームスキャナーコントローラが、(1)ミラーの実際の走査位置を監視し、(2)監視されたミラーの実際の走査位置に基づいて第2のミラー動作モデルを更新し、ミラーの実際の走査位置が、ミラーの走査角度を規定する、実施形態HH2~HH5のいずれかの装置。
【0447】
実施形態HH7:ビームスキャナーコントローラが、ミラーの監視された実際の走査位置に基づいて、第2のミラー動作モデルの角度振幅パラメータを更新する、実施形態HH6の装置。
【0448】
実施形態HH8:ビームスキャナーコントローラが、ミラーの監視された実際の走査位置に基づいて、第2のミラー動作モデルの周波数パラメータを更新する、実施形態HH6~HH7のいずれかの装置。
【0449】
実施形態HH9:ビームスキャナーコントローラが、ミラーの監視された実際の走査位置に基づいて、第2のミラー動作モデルの位相パラメータを更新する、実施形態HH6~HH8のいずれかの装置。
【0450】
実施形態HH10:ビームスキャナーコントローラが、経時的にミラーの傾斜角度を測定することによりミラーの実際の走査位置を監視し、傾斜角度が、ミラーの走査角度を規定する、実施形態HH6~HH9のいずれかの装置。
【0451】
実施形態HH11:第1のミラー動作モデルが、粗いミラー動作モデルを含み、第2のミラー動作モデルが、微細なミラー動作モデルを含む、実施形態HH1~HH10のいずれかの装置。
【0452】
実施形態HH12:第1及び第2のミラー動作モデルは、ミラーの走査角度を複数の時間スロットとしてモデル化する、実施形態HH1~HH11のいずれかの装置。
【0453】
実施形態HH13:制御回路が、距離点に適用可能な走査角度に対応する第1のミラー動作モデルで規定される時間スロットに距離点を標的とするレーザーパルスショットを割り当てることにより、ショットスケジュールを決定する、実施形態HH12の装置。
【0454】
実施形態HH14:制御回路が、レーザーパルスショットの複数のエネルギー要件と比較して、エネルギーが経時的にレーザー源からレーザーパルスショットにどれくらい利用可能であるかをモデル化するレーザーエネルギーモデルに基づいてレーザーパルスショットの順序を決定する、実施形態HH13の装置。
【0455】
実施形態HH15:レーザーエネルギーモデルが、(1)各レーザーパルスショットに応答したレーザー源におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後のレーザー源におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)レーザーパルスショット間のレーザー源におけるエネルギーの蓄積をモデル化する、実施形態HH14の装置。
【0456】
実施形態HH16:レーザー源が、光増幅レーザー源を含む、実施形態HH15の装置。
【0457】
実施形態HH17:レーザーパルスショットで標的とされる距離点に適用可能な走査角度に対応する第2のミラー動作モデルで規定される時間スロットと発射コマンドが同調するように、制御回路が、決定されたショットスケジュール及び第2のミラー動作モデルに基づいて、発射コマンドを生成する、実施形態HH13~HH16のいずれかの装置。
【0458】
実施形態HH18:時間スロットが、5ナノ秒~50ナノ秒の範囲の時間間隔を反映する、実施形態HH12~HH17のいずれかの装置。
【0459】
実施形態HH19:ミラー動作モデルが、コサイン振動に従って走査角度をモデル化する、実施形態HH1~HH18のいずれかの装置。
【0460】
実施形態HH20:制御回路が、共振モードで走査角度を通して走査するようにミラーを駆動する、実施形態HH1~HH19のいずれかの装置。
【0461】
実施形態HH21:ミラーが、第1軸に沿って複数の走査角度を通じて走査する第1のミラーを含み、装置が、さらに、第2軸に沿って複数の走査角度を通じて走査可能な第2のミラーを含み、制御回路が、レーザーパルスショットで標的とされる距離点が第2軸に沿って位置する場所に基づいて、ポイントツーポイントモードで第2軸の走査角度を通して走査するように第2のミラーを駆動する、実施形態HH20の装置。
【0462】
実施形態HH22:制御回路が、レーザーパルスショットで標的とされる距離点が第2軸に沿って位置する場所の関数として変動するステップ制御信号を使用して第2のミラーを駆動する、実施形態HH21の装置。
【0463】
実施形態HH23:第2のミラーが、第1のミラーの光学的に下流にある、実施形態HH21~HH22のいずれかの装置。
【0464】
実施形態HH24:制御回路が、100Hz~20kHzの周波数で走査角度を通して走査するようにミラーを駆動する、実施形態HH20~HH23のいずれかの装置。
【0465】
実施形態HH25:制御回路が、10kHz~15kHzの周波数で走査角度を通して走査するようにミラーを駆動する、実施形態HH20~HH24のいずれかの装置。
【0466】
実施形態HH26:決定されたショットスケジュールが、レーザーパルスショットの可変速度発射を規定する、実施形態HH1~HH25のいずれかの装置。
【0467】
実施形態II1:レーザー源及びミラーを含むライダー送信機を制御する方法であって、ミラーが、レーザー源から光学的に下流にあり、ライダー送信機が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために走査し、方法が、以下を含む、方法:
ミラーに関して第1のミラー動作モデルを使用して、ミラーを介して視野内の複数の距離点を標的とする複数のレーザーパルスショットのショットスケジュールを決定することと、
ミラーに関して第2のミラー動作モデルを使用して、決定されたショットスケジュールに従ってレーザー源に対する発射コマンドを生成すること。
【0468】
実施形態II2:第1及び第2のミラー動作モデルが、ミラーの走査角度を複数の時間スロットとしてモデル化し、以下である、実施形態II1の方法:
決定ステップが、(1)レーザーパルスショットの複数のエネルギー要件と比較して、エネルギーが経時的にレーザー源からレーザーパルスショットにどれくらい利用可能であるかをモデル化するレーザーエネルギーモデルに基づいて、レーザーパルスショットに対する順序を決定すること、及び、(2)割り当てられたレーザーパルスショットが、決定された順序に従うように、レーザーパルスショットに標的とされる距離点に適用可能な走査角度に対応する第1のミラー動作モデルで規定される時間スロットにレーザーパルスショットを割り当てること、によりショットスケジュールを決定することを含む。
【0469】
実施形態II3:レーザーパルスショットで標的とされる距離点に適用可能な走査角度に対応する第2のミラー動作モデルで規定される時間スロットと発射コマンドが同調するように、生成ステップが、決定されたショットスケジュール及び第2のミラー動作モデルに基づいて、発射コマンドを生成することを含む、実施形態II2の方法。
【0470】
実施形態II4:さらに、実施形態HH1~HH26のいずれかの装置で実行される任意のステップまたはステップの組み合わせを含む、実施形態II1~II3のいずれかの方法。
【0471】
実施形態JJ1:レーザー源及びミラーを含むライダー送信機を制御するための製造物品であって、ミラーが、レーザー源から光学的に下流にあり、ライダー送信機が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために走査可能であり、物品が、以下を含む、製造物品:
非一時的な機械可読記憶媒体上に常駐する機械可読コード(コードが、プロセッサーに実行される処理動作を規定し、プロセッサーに以下をさせる:
ミラーに関して第1のミラー動作モデルを使用して、ミラーを介して視野内の複数の距離点を標的とする複数のレーザーパルスショットのショットスケジュールを決定させることと、
ミラーに関して第2のミラー動作モデルを使用して、決定されたショットスケジュールに従ってレーザー源に対する発射コマンドを生成すること)。
【0472】
実施形態JJ2:さらに、実施形態HH1~HH26のいずれかにより列挙される任意の特徴または特徴の組み合わせに対する処理動作を規定するコードを含む、実施形態JJ1の製造物品。
【0473】
実施形態KK1:以下を含む、ライダー装置:
レーザー源と、
ライダー装置が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するように複数の走査角度を通して走査可能なミラー(ミラーが、レーザー源から光学的に下流にある)、ならびに
第1の走査方向におけるミラーの走査中に発射された第1の複数のレーザーパルスショットからの戻りに基づく視野内の目的領域の検出に応答して、(1)第2の走査方向におけるミラーの次の戻り走査のための第2の複数のレーザーパルスショットをスケジュールし、第2の走査方向が、第1の走査方向と反対であり、第2の複数のレーザーパルスショットが、検出された目的領域を標的とし、(2)レーザー源に、ミラーの次の戻り走査中にミラーを介して検出された目的領域に向けて第2の複数のレーザーパルスショットを発射させるために、スケジュールされた第2の複数のレーザーパルスショットに従って複数の発射コマンドを生成する、制御回路。
【0474】
実施形態KK2:検出された目的領域が、目的対象物を含む、実施形態KK1の装置。
【0475】
実施形態KK3:制御回路が、視野に関するポイントクラウドデータに基づいて目的領域を検出し、ポイントクラウドデータが、第1の複数のレーザーパルスショットからの戻りデータを含む、実施形態KK1~KK2のいずれかの装置。
【0476】
実施形態KK4:制御回路が、経時的にミラーの走査角度をモデル化するミラー動作モデルを使用して第2の複数のレーザーパルスショットをスケジュールする、実施形態KK1~KK3のいずれかの装置。
【0477】
実施形態KK5:ミラー動作モデルが、走査角度を対応する時間スロットとしてモデル化し、制御回路が、目的領域に適用できる走査角度について目的領域を標的とするレーザーパルスショットを対応する時間スロットに割り当てることにより第2の複数のレーザーパルスショットをスケジュールする、実施形態KK4の装置。
【0478】
実施形態KK6:時間スロットが、5ナノ秒~50ナノ秒の範囲の時間間隔を反映する、実施形態KK5の装置。
【0479】
実施形態KK7:ミラー動作モデルが、コサイン振動に従って走査角度をモデル化する、実施形態KK4~KK6のいずれかの装置。
【0480】
実施形態KK8:制御回路が、100Hz~20kHzの周波数で走査角度を通して走査するように第1のミラーを駆動する、実施形態KK4~KK7のいずれかの装置。
【0481】
実施形態KK9:制御回路が、10kHz~15kHzの周波数で走査角度を通して走査するように第1のミラーを駆動する、実施形態KK4~KK8のいずれかの装置。
【0482】
実施形態KK10:制御回路が、第2の複数のレーザーパルスショットの複数のエネルギー要件と比較して、エネルギーが経時的にレーザー源からレーザーパルスショットにどれくらい利用可能であるかをモデル化するレーザーエネルギーモデルと組み合わせてミラー動作モデルに基づいて第2の複数のレーザーパルスショットの順序を決定する、実施形態KK4~KK9のいずれかの装置。
【0483】
実施形態KK11:レーザーエネルギーモデルが、予測的に、(1)各レーザーパルスショットに応答したレーザー源におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後のレーザー源におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)エネルギー要件を考慮して、第2の複数のレーザーパルスショットのスケジューリングをサポートするために、レーザーパルスショット間のレーザー源におけるエネルギーの蓄積をモデル化する、実施形態KK10の装置。
【0484】
実施形態KK12:レーザー源が、光増幅レーザー源を含む、実施形態KK11の装置。
【0485】
実施形態KK13:光増幅レーザー源が、パルスファイバーレーザー源を含む、実施形態KK12の装置。
【0486】
実施形態KK14:パルスファイバーレーザー源が、シードレーザー、ポンプレーザー、及びファイバー増幅器を含み、レーザーエネルギーモデルが、(1)経時的なパルスファイバーレーザー源のシードエネルギー、及び、(2)経時的にファイバー増幅器に蓄積されるエネルギー、をモデル化する、実施形態KK13の装置。
【0487】
実施形態KK15:レーザーエネルギーモデルが、EF(t+δ)=aS(t+δ)+bEF(t)の関係式に従ってレーザーパルスショットの利用可能なエネルギーをモデル化し、式中、a+b=1であり、レーザーパルスショットが発射された時に、エネルギーがファイバー増幅器からどれくらい排出され、それの中にどれくらい留まるかを、a及びbが反映し、EF(t)が、時間tで発射されるレーザーパルスショットのレーザーエネルギーを表し、EF(t+δ)が、時間t+δで発射されるレーザーパルスショットのレーザーエネルギーを表し、S(t+δ)が、持続時間δにわたってポンプレーザーによりファイバー増幅器に蓄積されるエネルギー量を表し、tが、レーザーパルスショットの発射時間を表し、持続時間δが、時間におけるショット間の間隔を表す、実施形態KK14の装置。
【0488】
実施形態KK16:レーザーエネルギーモデルが、(1)各レーザーパルスショットに応答した光増幅レーザー源の光増幅器におけるエネルギーの枯渇をモデル化し、(2)レーザーパルスショット後の光増幅器におけるエネルギーの保持をモデル化し、(3)レーザーパルスショット間の光増幅器におけるエネルギー蓄積をモデル化する、実施形態KK12~KK15のいずれかの装置。
【0489】
実施形態KK17:レーザーエネルギーモデルが、10ナノ秒~100ナノ秒の範囲の時間間隔でレーザーパルスショットに利用可能なレーザーエネルギーをモデル化する、実施形態KK11~KK16のいずれかの装置。
【0490】
実施形態KK18:制御回路が、共振モードで走査角度を通して走査するようにミラーを駆動する、実施形態KK1~KK17のいずれかの装置。
【0491】
実施形態KK19:ミラーが、第1軸に沿って複数の走査角度を通じて走査する第1のミラーを含み、装置が、さらに、第2軸に沿って複数の走査角度を通じて走査可能な第2のミラーを含み、制御回路が、レーザーパルスショットで標的とされる距離点が第2軸に沿って位置する場所に基づいて、ポイントツーポイントモードで第2軸の走査角度を通して走査するように第2のミラーを駆動する、実施形態KK18の装置。
【0492】
実施形態KK20:制御回路が、レーザーパルスショットで標的とされる距離点が第2軸に沿って位置する場所の関数として変動するステップ制御信号を使用して第2のミラーを駆動する、実施形態KK19の装置。
【0493】
実施形態KK21:第2のミラーが、第1のミラーの光学的に下流にある、実施形態KK19~KK20のいずれかの装置。
【0494】
実施形態KK22:制御回路が、100Hz~20kHzの周波数で走査角度を通して走査するように第1のミラーを駆動する、実施形態KK1~KK21のいずれかの装置。
【0495】
実施形態KK23:制御回路が、10kHz~15kHzの周波数で走査角度を通して走査するように第1のミラーを駆動する、実施形態KK1~KK22のいずれかの装置。
【0496】
実施形態KK24:第2の複数の発射コマンドが、第2の複数のレーザーパルスショットの可変速度発射を規定する、実施形態KK1~KK23のいずれかの装置。
【0497】
実施形態KK25:制御回路が、システムコントローラ及びビームスキャナーコントローラを含み、以下である、実施形態KK1~KK24のいずれかの装置:
システムコントローラが、スケジューリング動作を実行し、
ビームスキャナーコントローラが、発射コマンドを生成する。
【0498】
実施形態LL1:レーザー源及びミラーを含むライダー送信機を制御する方法であって、ミラーが、レーザー源から光学的に下流にあり、ライダー送信機が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために複数の走査角度を通じて走査し、方法が、以下を含む、方法:
第1の走査方向におけるミラーの走査中に発射された第1の複数のレーザーパルスショットからの戻りに基づく視野内の目的領域の検出に応答して、(1)第2の走査方向におけるミラーの次の戻り走査のための第2の複数のレーザーパルスショットをスケジュールすること(第2の走査方向が、第1の走査方向と反対であり、第2の複数のレーザーパルスショットが、検出された目的領域を標的とする)、及び、(2)レーザー源に、ミラーの次の戻り走査中にミラーを介して検出された目的領域に向けて第2の複数のレーザーパルスショットを発射させるために、スケジュールされた第2の複数のレーザーパルスショットに従って複数の発射コマンドを生成すること。
【0499】
実施形態LL2:さらに、実施形態KK1~KK25のいずれかの装置で実行される任意のステップまたはステップの組み合わせを含む、実施形態LL1の方法。
【0500】
実施形態MM1:レーザー源及びミラーを含むライダー送信機を制御するための製造物品であって、ミラーが、レーザー源から光学的に下流にあり、ライダー送信機が軸に沿って視野内のどこに向けられるかを規定するために複数の走査角度を通じて走査可能であり、物品が、以下を含む、製造物品:
非一時的な機械可読記憶媒体上に常駐する機械可読コード(コードが、プロセッサーに実行される処理動作を規定し、プロセッサーに以下をさせる:
第1の走査方向におけるミラーの走査中に発射された第1の複数のレーザーパルスショットからの戻りに基づく視野内の目的領域の検出に応答して、(1)第2の走査方向におけるミラーの次の戻り走査のための第2の複数のレーザーパルスショットをスケジュールすること(第2の走査方向が、第1の走査方向と反対であり、第2の複数のレーザーパルスショットが、検出された目的領域を標的とする)、及び、(2)レーザー源に、ミラーの次の戻り走査中にミラーを介して検出された目的領域に向けて第2の複数のレーザーパルスショットを発射させるために、スケジュールされた第2の複数のレーザーパルスショットに従って複数の発射コマンドを生成すること)。
【0501】
実施形態MM2:さらに、実施形態KK1~KK25のいずれかにより列挙される任意の特徴または特徴の組み合わせに対する処理動作を規定するコードを含む、実施形態MM1の製造物品。
【0502】
以上、本発明がその例示的な実施形態に関連して上に記載されているが、依然として本発明の範囲内に含まれる様々な修正をそれに加えられ得る。
【0503】
例えば、上述のような例示的な実施形態は、共振ミラー(ミラー110)がポイントツーポイントステップミラー(ミラー112)の光学的に上流にあるミラーサブシステムアーキテクチャーを含むが、専門家がポイントツーポイントステップミラーから光学的に下流に共振ミラーを配置するように選択し得ると理解すべきである。
【0504】
別の例として、上述の例示的なミラーサブシステム104が、直交軸に沿って走査するミラー110及び112を用いるが、ミラーサブシステム104の他のアーキテクチャーが使用され得る。一例として、ミラー110及び112は、同じ軸に沿って走査し得、次に、これは、その軸に沿ってミラーサブシステム104の角度範囲の拡大を生じさせ、及び/またはその軸に沿ってミラーサブシステム104の角変化速度を拡大させ得る。さらに別の例として、ミラーサブシステム104は、第1軸に沿って走査する単一のミラー(ミラー110)のみを含み得る。ライダー送信機100が、第2軸に沿って走査もする必要がある場合、ライダー送信機100は、その向きを変更するように機械的に調整することができる(例えば、ライダー送信機100内のミラー110が方位角にわたって走査される間に、新しい仰角を指すようにライダー送信機100全体を機械的に調整する)。
【0505】
さらに別の例として、専門家は、正弦波制御信号以外の時間変動信号でミラー110を駆動することが望ましいと気づき得る。そのような状況では、専門家は、ミラー110の時間で変動する動作を反映するようにミラー動作モデル308を調整し得る。
【0506】
さらに別の例として、本明細書で記載の手法が自動車以外の用途にも使用することができると理解すべきである。例えば、本明細書に記載の手法のいずれかによるライダーシステムは、有人または無人(例えば、飛行機、ドローンなど)に関わらず、航空機などの乗り物で使用することができる。さらにまた、本明細書で記載の手法のいずれかによるライダーシステムは、乗り物に配備される必要はなく、レーザーパルス及び関連ライダー処理の高精度時間制御が必要または所望される任意のライダー用途に使用することができる。
【0507】
本発明に対するこれら及び他の修正は、本明細書の教示の概説に認識できるであろう。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
【国際調査報告】