IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハイダック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

<>
  • 特表-流体圧式アキュムレータ 図
< >

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】流体圧式アキュムレータ
(51)【国際特許分類】
   F15B 1/24 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
F15B1/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560090
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 EP2022057651
(87)【国際公開番号】W WO2022218665
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】102021002023.5
(32)【優先日】2021-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591204333
【氏名又は名称】ハイダック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】HYDAC TECHNOLOGY GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ペーター クロフト
【テーマコード(参考)】
3H086
【Fターム(参考)】
3H086AA24
3H086AA30
3H086AD07
3H086AD16
3H086AD70
(57)【要約】
アキュムレータハウジング10内に移動可能に配置されて、2つの媒体室24、26を互いに分離する分離部材16と、分離部材16の位置を監視するための距離測定装置とを有する流体圧式アキュムレータ、特にピストンアキュムレータは、距離測定装置が送信器42を有するレーダー装置32として形成されており、その送信器が一次信号を送信し、その一次信号が分離部材16によって少なくとも部分的に反射されて二次信号を発生させ、その二次信号が受信器46によって受信されて、アキュムレータハウジング10内の分離部材16のための位置決定を可能にすることを、特徴としている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アキュムレータハウジング(10)内に移動可能に配置された、2つの媒体室(24、26)を互いに分離する分離部材(16)と前記分離部材(16)の位置を監視するための距離測定装置とを有する流体圧式アキュムレータ、特にピストンアキュムレータにおいて、
前記距離測定装置が、送信器(42)を有するレーダー装置(32)として形成されており、前記送信器が一次信号を送信し、前記一次信号が前記分離部材(16)によって少なくとも部分的に反射されて二次信号を発生し、前記二次信号が受信器(46)によって受信されて、前記アキュムレータハウジング(10)内の前記分離部材(16)のための位置決定を可能にする、ことを特徴とする流体圧式アキュムレータ。
【請求項2】
前記レーダー装置(32)の前記送信器(42)と前記受信器(46)が、組立てユニット(48)内にまとめられており、前記組立てユニットが前記アキュムレータハウジング(10)のカバー形状の終端部分(12)に配置されており、かつ
前記終端部分(12)が中空通路(36)を有し、前記中空通路が前記組立てユニット(48)を前記2つの媒体室(24、26)の1つ(24)と信号を案内するように接続している、ことを特徴とする請求項1に記載の流体圧式アキュムレータ。
【請求項3】
前記終端部分(12)の前記中空通路(36)が、前記レーダー装置(32)の信号を透過する閉鎖部分(38)を有し、前記閉鎖部分が前記組立てユニット(48)と隣接する媒体室(24)との間に配置されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の流体圧式アキュムレータ。
【請求項4】
前記閉鎖部分(38)が、ガラス窓又はセラミック窓から形成されている、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の流体圧式アキュムレータ。
【請求項5】
前記レーダー装置(32)が組立てユニット(48)の形式で、前記アキュムレータハウジング(10)の長手軸線(28)に対して同軸に、その一方のカバー形状の終端部分(12)内に配置されている、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の流体圧式アキュムレータ。
【請求項6】
前記分離部材(16)が分離ピストン(18)であって、前記分離ピストンが前記アキュムレータハウジング(10)内で長手走行可能に案内されており、そして平坦かつ前記アキュムレータハウジング(10)の長手軸線(28)に対して横方向に延びる上側(44)を有し、前記上側が、前記レーダー装置(32)から放出された一次信号のための反射面として用いられる、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の流体圧式アキュムレータ。
【請求項7】
前記分離部材(16)が、前記アキュムレータハウジング(10)内の一方の媒体室(24)としてのガス側を、他方の媒体室(26)としての液体側から分離し、かつ
少なくとも1つのレーダー装置(32)の信号が、ガス側及び/又は液体側を通過する、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の流体圧式アキュムレータ。
【請求項8】
前記レーダー装置(32)の機能が、周波数変調される連続波方法に基づいており、その方法において前記送信器(42)から連続的に送信されるキャリア周波数の周波数が、一次信号としてあらかじめ定めることのできる領域内で変化し、かつ前記分離部材(16)から反射された信号が二次信号として受信器(46)に到着するとすぐに、周波数比較によって少なくとも、前記分離部材(16)の各走行位置において、前記レーダー装置(32)と前記分離部材(16)との間の差としての距離区間が、求め得る、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の流体圧式アキュムレータ。
【請求項9】
位置監視の枠内で、距離区間を求めることの他に、前記分離部材(16)の速度を求めること及び/又は前記アキュムレータハウジング(10)内の、アキュムレータブラダー又は分離メンブレンのような、分離部材(16)の位置を求めることが、前記レーダー装置(32)の評価エレクトロニクスを用いて実施される、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の流体圧式アキュムレータ。
【請求項10】
前記組立てユニット(48)が、カートリッジ形状のレーダーセンサとして考えられており、後付けセットとしても、それぞれの前記終端部分(12)内又は前記アキュムレータハウジング(10)自体内へ、挿入可能である、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の流体圧式アキュムレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体圧式アキュムレータ、特にピストンアキュムレータであって、2つの媒体室を互いに分離する、アキュムレータハウジング内に配置された移動可能な分離部材と、分離部材の位置を監視するための距離測定装置とを有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(国際公開第2012/143171号)によって、油圧又は空気圧でエネルギを蓄積するピストンアキュムレータが記述されており、それにおいて、特に分離ピストンの形式の、分離部材がアキュムレータハウジングの内部で変位装置に沿って変位することができる。分離部材の実際の位置は、レーザー距離測定装置の形式の、光学的な測定装置を用いて非接触で定められる。既知の測定装置は、そのために、光源から光を対向する表面へ放出して、そこから反射された光を光検出器を用いて検出することができる。送信と受信の間の経過時間から、アキュムレータハウジング内の分離部材の位置を推定することができる。
【0003】
特許文献2(独国特許出願公開第102014105154号明細書)によって、長手中心軸線を有するシリンダ内のピストンの位置及び/又は移動を検出するのに適した、方法と付属のシリンダ配置が知られており、第1のピストン側に液体が、そして第2のピストン側にガスが存在し、かつ長手中心軸線の方向に対して90°とは異なる入射角度で、ほぼ単色波のビームが第2のピストン側へ入射し、そこから反射されて、反射されたビームの当接した場所が検出され、それによってシリンダの形式のアキュムレータハウジングの内部の、ピストンの形式の分離部材の位置が定められる。
【0004】
アキュムレータハウジング内に長手走行可能に配置されている分離部材が、規則的に、アキュムレータハウジングの内部の2つの媒体室を互いに分離し、一方の媒体室が、いわゆるガス側として圧縮可能な作業ガスを有し、それに対して他方の媒体室は、いわゆる液体側として、油圧媒体のような、液体を収容するために用いられる。
【0005】
このように形成された、流体圧式ピストンアキュムレータのような、流体圧式アキュムレータは、油圧システム内で、油圧オイルのような、圧力下にある所定の体積の液体を収容して、必要に応じてシステムへ送り返すために使用される。流体圧式アキュムレータの駆動中にアキュムレータハウジング内の分離部材もしくは分離ピストンの位置が変化するので、アキュムレータは他方の媒体室内の圧力が上昇した場合に油圧オイルを収容し、一方の媒体室内のガスが圧縮される。作業圧が低下した場合に、圧縮されたガスが再び膨張し、蓄積されている油圧オイルを他方の媒体室から油圧循環内へ押し戻す。それによって駆動中に生じる、媒体室の体積の変化により、それぞれ対応づけ可能な、分離部材の軸方向移動が生じる。
【0006】
特に凝縮プロセスに基づいて、実際に、流体圧式アキュムレータのガス側に湿気形成とそれに伴って霧形成がもたらされることがあり、それが光学的測定を損なうことが、明らかにされている。このようにして、超音波距離測定装置による距離決定も、ネガティブな影響を受ける。さらに、ピストンアキュムレータにおいて、時間と共に、液体側から密閉及びガイドシステムを介して分離ピストンの外側でアキュムレータのガス側への意図されない液体侵入がもたらされることがあり、それも同様に言及された測定方法を損なう。分離部材の作用による作業ガスの著しい圧縮プロセスによって、さらに実際において、ガス側にある種の熱の縞が形成され、それが同様に既知の方法の測定品質を損なう。また、既知の測定方法が少なくとも部分的にアキュムレータハウジングのカバー部分上の種々の箇所に送信及び受信装置を必要とし、それもそれなりに組み込み空間を必要とし、かつ、特に機能的に確実な駆動を保証することができるようにするために、反射する分離部材を含めて、送信器と受信器の軸線を所望に方向づけすることが必要である。
【0007】
これらの欠点に対処するために、特許文献3(独国特許出願公開第102016007798号明細書)においては、すでに、流体圧式ピストンアキュムレータが提案されており、それがアキュムレータハウジングを有し、そのアキュムレータハウジングが長手軸線を定めるシリンダパイプを有し、そのシリンダパイプが両方の端部においてそれぞれハウジングカバーによって閉鎖されており、かつシリンダパイプ内で分離部材としてのピストンが長手方向に走行可能であり、その分離部材がハウジング内で、作業ガスのような、圧縮可能な媒体用の一方の作業室を、油圧オイルのような圧縮できない媒体用の他の作業室から分離し、かつそのピストンアキュムレータは、ハウジング内のピストンの位置を非接触で求める距離測定装置を有している。距離測定装置は、非磁気的な測定パイプを有し、その測定パイプがピストン内に形成された通路を通って長手軸線に沿って一方のハウジングカバーから他方のハウジングカバーへ延びており、かつハウジングの内部空間に対して密閉されており、パイプ内で位置発生器が摺動可能に案内されており、その位置発生器がそれ自体とピストンの間に作用する磁力によって測定パイプ内でピストン運動に追従する。アキュムレータハウジングの一方のハウジングカバーに距離測定装置の送信/受信器が配置されており、それが、測定パイプの該当する開放した端部を通る測定放射を位置発生器へ送信し、かつその位置発生器から反射された放射を受信する。このようにして、測定パイプの内部空間が、ハウジング内部空間の物理的状態に依存する測定ゾーンを形成し、その測定ゾーンが、超音波のような、測定放射の通過のために、変化しない媒体圧と変化しない媒体密度を有する空間を提供し、超音波の他にレーザー測定も同様に実施可能である。特に、測定を損なういかなる凝縮物及び/又は油圧オイルも、測定パイプのその限りにおいて閉鎖されている測定ゾーン内へ達して、測定を損なうことはない。しかしこの測定パイプは、アキュムレータハウジング内にそれに応じた組み込み空間を必要とし、それが媒体室の容積を減少させる;容積は、エネルギ蓄積のために、もはや提供されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2012/143171号
【特許文献2】独国特許出願公開第102014105154号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102016007798号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この従来技術に基づいて、本発明の課題は、既知の流体圧式アキュムレータをさらに改良して、駆動中に分離部材の機能的により確実な位置監視を許し、かつ少ない組み込み空間しか必要としないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、全体として特許請求項1の特徴を有する流体圧式アキュムレータが解決する。
【0011】
特許請求項1の特徴部分に基づいて距離測定装置が送信器を備えたレーダー装置として形成されており、その送信器が一次信号を送信し、その一次信号が分離部材によって少なくとも部分的に反射されて二次信号を発生させ、その二次信号が受信器によって受信されてアキュムレータハウジング内の分離部材のための位置決定を可能にすることによって、センサ装置が形成され、そのセンサ装置の機能もしくはレーダー信号形成に基づくその正確な測定値検出は、湿気、凝縮物、液体側からの汚れ侵入、熱の縞などによって損なわれない。むしろ、上述した障害ファクターはレーダー測定値検出に基づいて、アキュムレータハウジング内の分離部材の位置監視において不正確な結果をもたらさない。このようにして本発明に係る解決は、測定装置の一部を媒体室内へ収容することなしに、分離部材の位置に関して改良された、より正確な測定値検出を許し、それが組み込み空間を節約する。全体として、レーダー装置の組み込みによって、流体圧式アキュムレータ内のアキュムレータ内容がきわめて正確に、分離部材の位置決定を用いて間接的に求められ、かつたとえば、分離ピストンのような分離部材が意図されずに暴力的にアキュムレータハウジング内の終端位置に衝突して、損傷をもたらすようなことがないことを、保証することができる。また、適切な測定値エレクトロニクスを介して流体圧式アキュムレータのためのそれぞれの作業状況(チャージ又はディスチャージ)が定められ、それは、より大きい関連において機械と設備の油圧システムを駆動しなければならない場合に、役立つ。
【0012】
レーダー装置の挿入によって、送信器と受信器がアキュムレータハウジング内の1つの箇所にまとめられるので、わずかな製造と組立ての手間で組込空間を節約しながら流体圧式アキュムレータのためにレーダー装置が使用可能である。
【0013】
したがって本発明に係る流体圧式アキュムレータの特に好ましい実施形態において、レーダー装置の送信器と受信器は組立てユニット内にまとめられており、その組立てユニットがアキュムレータハウジングのカバー形状の終端部分に配置されており、終端部分が中空通路を有し、その中空通路が組立てユニットを信号を案内するように2つの媒体室の1つと接続する。その限りにおいて、分離部材の監視は、レーダー装置のレーダー信号によって非接触で行われる。
【0014】
媒体室を周囲に対して確実に閉鎖するために、終端部分の中空通路がレーダー装置の信号を透過する閉鎖部分を有しており、その閉鎖部分がこの組立てユニットと隣接の媒体室との間に配置されている。レーダー放射と受信を損なわないために、閉鎖部分は終端部分内のガラス又はセラミックの窓から形成することができる。アキュムレータハウジングがカバーの代わりに一体的に延びるアキュムレータ壁を有する場合に、組立て部分はこのようなアキュムレータ壁内の孔内へ挿入される。
【0015】
レーダー信号の放射と受信のために、レーダー装置が組立てユニットの形式でアキュムレータハウジングの長手軸線に対して同軸にそのカバー形状の終端部分内に配置されていると、好ましいことが明らかにされている。
【0016】
本発明に係る流体圧式アキュムレータの他の好ましい実施形態において、分離部材が分離ピストンであり、その分離ピストンがアキュムレータハウジング内で長手走行可能に案内されており、そして平坦かつアキュムレータハウジングの長手軸線に対して横方向に延びる上側を有し、その上側がレーダー装置から放出される一次信号のための反射面として用いられる。特に好ましくは分離ピストンにおけるミラー形状の反射面を求める光学的な方法とは異なり、レーダー記録の枠内では分離ピストンの上側の形状の反射面に対する高度な要請は必要とされない。
【0017】
分離部材として言及された分離ピストンの他に、分離部材は、いわゆるベローズアキュムレータを実現して、肉薄の折り畳みベローズからなることもできる。
【0018】
レーダー装置の信号が流体圧式アキュムレータのハウジングを通過すると、特に好ましいことが明らかにされており、ガス側への汚れ侵入もレーダー測定の品質を損なわず、損なったとしてもわずかである。しかし付加的又は代替的に、レーダー装置を用いてアキュムレータの液体側(オイル側)を監視する可能性も存在する。
【0019】
特に好ましくは、本発明に係る流体圧式アキュムレータにおいて、レーダー装置の機能が周波数変調される連続波方法に基づいており、それにおいて送信器から連続的に送信されるキャリア周波数の周波数が一次信号としてあらかじめ定めることのできる領域内で変化し、かつ分離部材から反射された信号が二次信号として受信器に到着するとすぐに、周波数比較によって分離部材の各走行位置において少なくともレーダー装置と分離部材との間の間隔としての距離区間を求めることができる。記載の連続波方法によって、レーダー測定は、流体圧式アキュムレータにおいて生じるような、言及される小さい間隔についても、測定技術的に有意義なやり方で使用される。
【0020】
本発明に係る流体圧式アキュムレータの他の好ましい実施形態において、位置監視の枠内で距離区間を求めることの他に、レーダー装置の評価エレクトロニクスを用いて、分離部材の速度を求めること及び/又はアキュムレータハウジング内の、アキュムレータブラダー又は分離メンブレンのような、分離部材の位置を求めることが実施される。エラストマーのアキュムレータブラダー又は分離メンブレンのような分離部材は、流体圧式アキュムレータの駆動中にほぼ任意の外側輪郭をとることができ、それは光学的な評価方法によっては検出が困難であり、あるいはまったく検出できない;しかし、この本発明に係る解決に基づくレーダー装置測定値検出によって改良される。
【0021】
すでにきわめて多数の流体圧式アキュムレータが世界的に市場で利用されているので、カートリッジ形状の組立てユニットとしてのレーダー装置の形態は、後付けセットの形式のわずかな後付けの手間で、すでに納品されているアキュムレータシステムへの後付けも許す。
【0022】
以下、図面に示す実施例を用いて、本発明に係る流体圧式アキュムレータ解決を詳細に説明する。図は、原理的かつ縮尺にとらわれない表示である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、距離測定装置として組み込まれたレーダー装置を有するピストンアキュムレータを縦断面図の形式で示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面に示す流体圧式アキュムレータは、いわゆるピストンアキュムレータとして考えられており、全体を符号10で示すアキュムレータハウジングを有している。アキュムレータハウジング10は、実質的に、円筒パイプの形式の円い中空シリンダを形成し、その円筒パイプは互いに逆となる両方の端部においてそれぞれ螺合されたハウジングカバー12と14によって密に閉鎖されている。その限りにおいて、両方のハウジングカバー12、14は、それぞれアキュムレータハウジング10のためのカバー形状の終端部分を形成している。ハウジングカバー12、14の形式の両方の終端部分の間において、アキュムレータハウジング10の内部に分離部材16として分離ピストン18が案内されており、その分離ピストンはそのために外周側にリング形状のシール及びガイドシステム20を有している。分離ピストン18は、実質的に等しい壁厚を維持しながら中空室22を有しており、その限りにおいてその中空室は、ピストンアキュムレータのガス側の一方の媒体室24をアキュムレータの液体側の他方の媒体室26に対して容積的に拡大するのを支援している。その限りにおいて、アキュムレータハウジング10の内部に長手走行可能に配置されている分離ピストン18が、2つの媒体室24、26を互いに分離している。
【0025】
図を見る視線方向において下方の、下方の終端部分としてのハウジングカバー14は、アキュムレータハウジングの長手軸線28に対して同軸に長手通路又は流体通路30を有しており、同通路は、流体圧式アキュムレータを詳しく図示されない油圧導管網に液体結合することを可能にする。
【0026】
上方のハウジングカバー12には、距離測定装置としてレーダー装置32が配置されている。そのためにレーダー装置32は、螺合部分34を用いてハウジングカバーの形式の上方の終端部分12内へ螺合されている。その限りにおいて、上方の終端部分12は中空通路36を有しており、その中空通路がレーダー装置32を流体圧式アキュムレータのガス側の形式の上方の媒体室24と信号を案内するように光学的又は信号を案内するように接続している。さらに上方の終端部分12の中空通路36内へ、レーダー装置32の信号を透過する閉鎖部分38が挿入されており、その閉鎖部分はレーダー装置32とその限りにおいて隣接する媒体室24との間に配置されている。このような閉鎖部分38は、ガラス又はセラミックの窓から形成することができ、その窓が円筒状の挿入片としてハウジングカバー12内の対応する切り欠き内へ挿入されており、かつ外側へ向かってハウジングカバー12の内側に対してシールリング40を介して密閉されている。挿入の代わりに、それぞれの窓はハウジングカバー12内の対応する切り欠き内へ正確な嵌め合いで鋳込むこともできる。詳しく図示されない実施形態においては、透明な閉鎖部分を機能ユニットとしてのレーダーセンサと直接結合することもできる。それが、螺合可能なレーダーセンサをもたらし、そのレーダーセンサはその自由な前側に耐圧の窓を一体的に有している。
【0027】
レーダー装置32は、送信器42を有し、その送信器がレーダー信号として一次信号を送信する。この一次信号は、分離ピストン18の上側44によって底側で反射されるので、その限りにおいてレーダー信号列は二次信号又はエコーとして発生される。この二次信号がまた、レーダー装置32の受信器46によって受信されるので、このようにして受信信号をしかるべく評価する場合に、アキュムレータハウジング10の内部の分離部材16についての位置を定めることが可能になる。
【0028】
さらに図が示すように、レーダー装置32はある種の螺合カートリッジとして長手軸線28に対して同軸に終端部分12内もしくはアキュムレータハウジング10の上方のハウジングカバー内に固定されている。その限りにおいて、送信器42も受信器46も組立てユニット48内にまとめられている。レーダー装置32は、いわゆる周波数変調される連続波方法に基づいて機能する。すでに示したように、一次信号はレーダー装置32の送信器42から送信され、それにおいて周波数は時間につれて上昇する。したがって、ある種の周波数ランプが、たとえば鋸歯プロフィールの形式で、生じ、周波数ランプの周回が周期的に繰り返されて、最小周波数と最大周波数の間の差を、専門用語で帯域幅Bと称する。さらに、最小周波数と最大周波数の間の時間は、ランプ時間Tと称される。ランプ時間の間に、周波数変調の枠内で周波数が連続的に、たとえば122から123GHzへ、増大される。
【0029】
送信された一次周波数が、レーダー装置32のビーム円錐内で分離部材16に当接した場合に、送信された送信出力の一部が反射され、それが受信器46によって二次信号又はエコー信号として検出される。周波数ランプによって、受信された二次信号は規則的に一次信号よりも低い周波数を有し、かつそれに伴って生じる周波数シフトFVは、レーダー装置32の詳細には図示されない評価エレクトロニクスによって分離部材16のための位置測定信号として検出される。光速cを有する一次と二次の信号の速度が生じるものとすることができる。
【0030】
レーダー装置32もしくはその評価エレクトロニクスによって検出された周波数シフトFV、ランプ時間T及び帯域幅Bから、光速cを含めて、レーダー装置32と分離部材16の間の区間Sは、以下の式
【数1】
にしたがって計算することができる。
【0031】
レーダー装置32は、言及された細いビーム円錐によって作動するので、1メートルより小さい測定領域が容易に表示可能である。測定値検出は、ミリ秒領域で行われるので、アキュムレータハウジング10内の分離部材16の移動は、レーダー装置32のような固定の参照点に対する本来の距離区間を求める場合に、何ら役割を果たさない。粒子状の汚れの形状であろうと、熱の縞の形式及び規則的に凝縮物の形式の水分であろうと、媒体室24内の条件が矛盾するものであっても、いずれの場合においても安定した測定値評価が生じる。レーダー装置32は、-10から-40℃の言及された低い温度においても、駆動において確実である。
【0032】
流体圧式アキュムレータが走行可能な分離部材16の代わりにベローズを有している限りにおいて、ベローズの参照面が同様にレーダー装置32によってその位置を監視される。レーダー装置32を用いて距離区間を求める枠内でのそれぞれの分離部材16の本来の位置監視の他に、代替的又は付加的に、それぞれの分離部材16についての移動の速度を求める可能性もある。分離部材が、弾性的に撓むアキュムレータブラダー又は分離メンブレンから形成されている限りにおいて、場合によってはレーダー装置32を用いて、たとえば流体駆動の枠内で、個々のアキュムレータブラダー又は分離部材がどのくらい強く変形するか、を定めるために、状態監視が実施される。このようにして、流体圧式アキュムレータの液体側のしかるべき駆動によって、分離部材の許されないほど高い屈曲運動に対処することができる。
【図
【国際調査報告】