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▶ ミルウォーキー エレクトリック ツール コーポレイションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】一体化された集塵機及び動力工具
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20240403BHJP
   B25D 17/18 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
B25F5/00 Z
B25F5/00 A
B25D17/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560308
(86)(22)【出願日】2022-04-01
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 US2022023124
(87)【国際公開番号】W WO2022212887
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】63/169,611
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/211,856
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】598073073
【氏名又は名称】ミルウォーキー エレクトリック ツール コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】マーシュ、ジュリア、シー.
(72)【発明者】
【氏名】ブルーム-エドモンズ、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】スプラゴン、ジェフェリー、ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ホーン、アンドリュー、デルマー
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン 三世、アレン、エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】オゴーマン、アミディー、ブレナン
【テーマコード(参考)】
2D058
3C064
【Fターム(参考)】
2D058AA14
2D058BB02
2D058CA05
2D058CB07
2D058DA23
2D058DA25
3C064AA04
3C064AA05
3C064AA08
3C064AB01
3C064AB02
3C064AC02
3C064AC10
3C064BA01
3C064BA02
3C064BA06
3C064BA11
3C064BA13
3C064BA33
3C064BB43
3C064BB62
3C064BB82
3C064CA03
3C064CA06
3C064CA08
3C064CA53
3C064CA54
3C064CB17
3C064CB32
3C064CB36
3C064CB63
3C064CB66
3C064CB69
3C064CB73
3C064CB74
3C064CB82
(57)【要約】
ハウジングと、ハウジングの第1の端部上に配置され、工具アクセサリを受け入れるように構成された工具レセプタクルと、ハウジング内に配置され、工具アクセサリを駆動するために工具レセプタクルに動作可能に結合されたモータとを備える、手持ち動力工具。塵埃容器がハウジングに選択的に結合される。塵埃チューブが、ハウジングの第1の端部に結合され、塵埃容器と流体連通し、塵埃チューブが伸展位置と格納位置との間で移動可能である。ファンが、ハウジング内に配置され、塵埃チューブを通って塵埃容器内まで吸引空気流路を発生させるように動作可能であり、ファンがモータによって回転可能に駆動される。
【選択図】図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの第1の端部上に配置され、工具アクセサリを受け入れるように構成された工具レセプタクルと、
前記ハウジング内に配置され、前記工具アクセサリを駆動するために前記工具レセプタクルに動作可能に結合されたモータと、
前記ハウジングに選択的に結合された塵埃容器と、
前記ハウジングの前記第1の端部に結合され、前記塵埃容器と流体連通する塵埃チューブであって、前記塵埃チューブが伸展位置と格納位置との間で移動可能である、塵埃チューブと、
前記ハウジング内に配置され、前記塵埃チューブを通って前記塵埃容器内まで吸引空気流路を発生させるように動作可能なファンであって、前記ファンが前記モータによって回転可能に駆動される、ファンと
を備える、手持ち動力工具。
【請求項2】
前記ファンが、前記ハウジングを通る冷却空気流路を発生させるように動作可能であり、前記冷却空気流路が、前記モータ及びコントローラの少なくとも一方を通過して冷却効果を提供する、請求項1に記載の手持ち動力工具。
【請求項3】
前記吸引空気流路と前記冷却空気流路とが、前記ファンに到達するまで互いに隔離される、請求項2に記載の手持ち動力工具。
【請求項4】
前記吸引空気流路及び前記冷却空気流路が、反対向きの2つの方向から前記ファンの回転軸に沿って前記ファンに入り、前記吸引空気流路及び前記冷却空気流路が、前記ファンから半径方向に出る、請求項2に記載の手持ち動力工具。
【請求項5】
前記ハウジング内に配置されたフィルタであって、前記フィルタが、前記フィルタを通して塵埃含有空気を引き込むために前記ファンと流体連通する、フィルタを更に備える、請求項1に記載の手持ち動力工具。
【請求項6】
前記ファンが前記モータと前記フィルタとの間に配置され、前記モータ、前記ファン、及び前記フィルタがモータ軸に沿って整列され、前記ファンの回転軸が前記モータ軸と同軸である、請求項5に記載の手持ち動力工具。
【請求項7】
前記ハウジング内に配置されたフィルタ洗浄機構であって、前記フィルタ洗浄機構が前記フィルタに捕捉されたデブリを除去するように構成される、フィルタ洗浄機構を更に備える、請求項5に記載の手持ち動力工具。
【請求項8】
前記ハウジング内に配置されたコントローラであって、前記コントローラが、前記モータ及び前記フィルタ洗浄機構を制御するように構成される、コントローラを更に備える、請求項7に記載の手持ち動力工具。
【請求項9】
前記塵埃チューブから前記塵埃容器に塵埃を移送するために前記塵埃チューブと前記塵埃容器との間に配置された塵埃移送チューブであって、前記塵埃移送チューブが前記ハウジングの少なくとも一部を通って延びる、塵埃移送チューブを更に備える、請求項1に記載の手持ち動力工具。
【請求項10】
前記工具アクセサリが第1の軸を規定し、前記モータが第2の軸を規定し、前記第1の軸が前記第2の軸に対して角度をなす、請求項1に記載の手持ち動力工具。
【請求項11】
前記第1の軸と前記第2の軸との間の前記角度が80度~135度である、請求項10に記載の手持ち動力工具。
【請求項12】
前記第1の軸と前記第2の軸との間の前記角度が90度である、請求項11に記載の手持ち動力工具。
【請求項13】
ハウジングと、
前記ハウジングの第1の端部上に配置され、工具アクセサリを受け入れるように構成された工具レセプタクルと、
前記ハウジング内に配置され、前記工具アクセサリを駆動するために前記工具レセプタクルに動作可能に結合されたモータと、
前記ハウジングに選択的に結合された塵埃容器と、
前記ハウジングの前記第1の端部に結合され、前記塵埃容器と流体連通するオーバービット塵埃チューブであって、前記オーバービット塵埃チューブが伸展位置と折り畳み位置との間で移動可能である、オーバービット塵埃チューブと、
前記ハウジング内に配置され、前記塵埃チューブを通って前記塵埃容器内まで空気流路を発生させるように動作可能なファンと
を備える、手持ち動力工具。
【請求項14】
前記オーバービット塵埃チューブが前記ハウジングに取り外し可能に結合される、請求項13に記載の手持ち動力工具。
【請求項15】
前記オーバービット塵埃チューブが、スナップフィット及び回転可能な接続の少なくとも一方を介して前記ハウジングに取り外し可能に結合される、請求項14に記載の手持ち動力工具。
【請求項16】
前記オーバービット塵埃チューブを前記ハウジングに選択的に結合するように構成された塵埃移送チューブであって、前記塵埃移送チューブがスナップフィット接続を介して前記ハウジングに軸方向に固定され、前記塵埃移送チューブが回転可能な接続を介して前記ハウジングに回転可能に固定される、塵埃移送チューブを更に備える、請求項15に記載の手持ち動力工具。
【請求項17】
ハウジングと、
前記ハウジングの第1の端部上に配置され、工具アクセサリを受け入れるように構成された工具レセプタクルであって、前記工具アクセサリが作動軸を規定する、工具レセプタクルと、
前記ハウジングの第2の端部から後方に延びるハンドルと、
前記ハウジング内に配置され、前記工具アクセサリを駆動するために前記工具レセプタクルに動作可能に結合されたモータと、
前記ハウジングに選択的に結合された塵埃容器と、
前記ハウジングの前記第1の端部に結合され、前記塵埃容器と流体連通する塵埃チューブであって、前記塵埃チューブが伸展位置と格納位置との間で移動可能である、塵埃チューブと、
前記塵埃チューブと前記塵埃容器とを流体接続する塵埃移送チューブであって、前記塵埃移送チューブが前記ハウジングの少なくとも一部を通って延びる、塵埃移送チューブと、
前記ハウジング内に配置され、前記塵埃チューブを通って前記塵埃容器内まで吸引空気流路を発生させるように動作可能なファンと
を備える、手持ち動力工具。
【請求項18】
前記動力工具の後端に取り外し可能に結合された補助ハンドルを更に備える、請求項17に記載の手持ち動力工具。
【請求項19】
前記補助ハンドルが、前記作動軸に略平行な方向に沿って延びる、請求項18に記載の手持ち動力工具。
【請求項20】
前記モータを作動させるために前記モータに動作可能に結合されたトリガであって、前記トリガが、前記作動軸に近接する位置において前記ハンドルに沿って配置され、それにより、前記工具アクセサリ、前記トリガ、及び前記補助ハンドルが整列される、トリガを更に備える、請求項19に記載の手持ち動力工具。
【請求項21】
前記補助ハンドルが、前記ハウジングに対して異なる長さに伸長可能であること、又は異なる向きに回転可能であることの少なくとも一方である、請求項18に記載の手持ち動力工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月1日出願の米国仮特許出願第63/169,611号明細書及び2021年6月17日出願の米国仮特許出願第63/211,856号明細書の優先権を主張するものであり、これらの仮特許出願のそれぞれの内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、動力工具に関し、より詳細には、動力工具と共に使用するための集塵アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
集塵アセンブリは、一般に、ロータリハンマなどの手持ち削孔工具と連携して使用されて、掘削作業において塵埃及び他のデブリを回収し、塵埃及び他のデブリが作業現場に溜まるのを防ぐ。このような集塵アセンブリは、ロータリハンマに取り付けられたドリルビットに近接して回収装置の吸引入口を配置するように、ロータリハンマに取り付けられ得る。このような集塵アセンブリはまた、塵埃及び他のデブリを溜める内蔵塵埃容器を備え得る。このような塵埃容器は、溜まった塵埃及びデブリの廃棄を容易にするために、集塵アセンブリから取り外し可能であることが多い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、一態様では、ハウジングと、ハウジングの第1の端部上に配置され、工具アクセサリを受け入れるように構成された工具レセプタクルと、ハウジング内に配置され、工具アクセサリを駆動するように構成された駆動アセンブリと、ハウジング内に配置され、駆動アセンブリを駆動するために駆動アセンブリに動作可能に結合されたモータと、ハウジングに選択的に結合された塵埃容器と、ハウジングの第1の端部に結合され、塵埃容器と流体連通する吸引パイプであって、吸引パイプが第1の位置と第2の位置との間で移動可能である、吸引パイプと、ハウジング内に配置され、吸引パイプを通って塵埃容器内まで空気流路を発生させるように動作可能な吸引ファンとを備える、手持ち動力工具を提供する。
【0005】
本開示は、ハウジングと、ハウジングの第1の端部上に配置され、工具アクセサリを受け入れるように構成された工具レセプタクルと、ハウジング内に配置され、工具アクセサリを駆動するために工具レセプタクルに動作可能に結合されたモータとを備える、手持ち動力工具を提供する。塵埃容器がハウジングに選択的に結合される。塵埃チューブが、ハウジングの第1の端部に結合され、塵埃容器と流体連通し、塵埃チューブが伸展位置と格納位置との間で移動可能である。ファンが、ハウジング内に配置され、塵埃チューブを通って塵埃容器内まで吸引空気流路を発生させるように動作可能であり、ファンがモータによって回転可能に駆動される。
【0006】
本開示はまた、ハウジングと、ハウジングの第1の端部上に配置され、工具アクセサリを受け入れるように構成された工具レセプタクルと、ハウジング内に配置され、工具アクセサリを駆動するために工具レセプタクルに動作可能に結合されたモータと、ハウジングに選択的に結合された塵埃容器と、ハウジングの第1の端部に結合され、塵埃容器と流体連通するオーバービット塵埃チューブであって、オーバービット塵埃チューブが伸展位置と折り畳み位置との間で移動可能である、オーバービット塵埃チューブと、ハウジング内に配置され、塵埃チューブを通って塵埃容器内まで空気流路を発生させるように動作可能な吸引ファンとを備える、手持ち動力工具を提供する。
【0007】
追加的に、本開示は、ハウジングと、ハウジングの第1の端部上に配置され、工具アクセサリを受け入れるように構成された工具レセプタクルであって、工具アクセサリが作動軸を規定する、工具レセプタクルと、ハウジングの第2の端部から後方に延びるハンドルと、ハウジング内に配置され、工具アクセサリを駆動するために工具レセプタクルに動作可能に結合されたモータと、ハウジングに選択的に結合された塵埃容器と、ハウジングの第1の端部に結合され、塵埃容器と流体連通する塵埃チューブであって、塵埃チューブが伸展位置と格納位置との間で移動可能である、塵埃チューブと、塵埃チューブと塵埃容器とを流体接続する塵埃移送チューブであって、塵埃移送チューブがハウジングの少なくとも一部を通って延びる、塵埃移送チューブと、ハウジング内に配置され、塵埃チューブを通って塵埃容器内まで吸引空気流路を発生させるように動作可能なファンとを備える、手持ち動力工具を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、塵埃容器はハウジング内に実質的に受け入れられる。
【0009】
いくつかの実施形態では、手持ち動力工具は、塵埃容器がハウジングに結合されるときに塵埃容器内に少なくとも部分的に配置されるフィルタを備える。
【0010】
いくつかの実施形態では、駆動アセンブリ、モータ、吸引ファン、及びフィルタは、ハウジングの上半分内に配置される。
【0011】
いくつかの実施形態では、フィルタの中心軸と吸引ファンの回転軸とが鈍角で交差する。
【0012】
いくつかの実施形態では、塵埃容器は、フィルタがハウジング内に配置されていないときにハウジングに結合されないようにされる。
【0013】
いくつかの実施形態では、吸引ファンはモータによって駆動される。更に、いくつかの実施形態では、吸引ファンは、モータによって駆動されるべく、モータ出力シャフトに取り付けられる。
【0014】
いくつかの実施形態では、手持ち動力工具は、モータによって駆動され、モータを冷却するためにモータを横切って第2の空気流路を発生させるように動作可能な冷却ファンを備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、吸引ファンと冷却ファンとは同軸である。
【0016】
いくつかの実施形態では、冷却ファンは第1の空気流路を発生させ、第1の空気流路はモータの後方に配置された冷却空気吸気口からモータの前方に配置された冷却空気排気口に流れる。
【0017】
いくつかの実施形態では、吸引ファンは第2の空気流路を発生させ、第2の空気流路は吸引パイプの端部からモータの後方に配置された吸引空気排気口に流れる。
【0018】
いくつかの実施形態では、手持ち動力工具は、吸引パイプから塵埃容器に塵埃を移送する、吸引パイプ及び塵埃容器と流体連通する移送チューブを備え、移送チューブが0度~90度の屈曲部を備える。
【0019】
いくつかの実施形態では、塵埃容器は、接続ポートによって移送チューブに結合される。
【0020】
いくつかの実施形態では、手持ち動力工具はフィルタ洗浄機構を備え、フィルタ洗浄機構は自動フィルタ洗浄機構として動作可能である。更に、いくつかの実施形態では、フィルタ洗浄機構は手動フィルタ洗浄機構として動作可能である。
【0021】
いくつかの実施形態では、フィルタ洗浄機構は、第1のストライカ位置と第2のストライカ位置との間で移動可能なストライカであって、ストライカがフィルタに接触する、ストライカと、ストライカを第1のストライカ位置に付勢するばねと、ソレノイドとを備える。ソレノイドの作動は、ストライカがフィルタに衝撃を与えるように、ストライカを第2のストライカ位置に移動させる。
【0022】
いくつかの実施形態では、フィルタ洗浄機構は、ストライカとフィルタとの間に配置されたアンビルを更に備える。アンビルは、アンビルがフィルタから間隔を空けて配置される第1のアンビル位置と、アンビルがフィルタに接触する第2のアンビル位置との間で回転可能である。ねじりばねがアンビルを第1のアンビル位置に付勢する。ソレノイドの作動は、ストライカがアンビルを回転させ、アンビルがフィルタに衝撃を与えるように、ストライカを第2のストライカ位置に移動させる。
【0023】
いくつかの実施形態では、塵埃容器は、ハウジングのハンドルセクションに近接して配置されたラッチを備え、ラッチは、使用者がハンドルを把持しながら操作可能である。
【0024】
いくつかの実施形態では、手持ち動力工具は、ハウジング上に配置された深さ調節装置(depth stop)を備える。
【0025】
いくつかの実施形態では、手持ち動力工具は、折り畳み式オーバービット吸引パイプを備える。
【0026】
いくつかの実施形態では、手持ち動力工具は、モータ冷却空気流及び吸引空気流を発生させるための単一のファンを備える。単一のファンは半径方向の排気口を有する2軸流ファンである。
【0027】
本開示の他の特徴及び態様は、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討すれば明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】一実施形態による、一体化された集塵アセンブリを備えるロータリハンマの正面斜視図である。
図2】一実施形態による、一体化された集塵アセンブリを備えるロータリハンマの背面斜視図である。
図3A図1のロータリハンマの第1の断面図である。
図3B図1のロータリハンマの第2の断面図である。
図4図3のロータリハンマの拡大断面図である。
図5】別の実施形態による、一体化された集塵アセンブリを備えるロータリハンマの概略図である。
図6】更に別の実施形態による、一体化された集塵アセンブリを備えるロータリハンマの概略図である。
図7】更に別の実施形態による、一体化された集塵アセンブリを備えるロータリハンマの概略図である。
図8】更に別の実施形態による、一体化された集塵アセンブリを備えるロータリハンマの概略図である。
図9】更に別の実施形態による、一体化された集塵アセンブリを備えるロータリハンマの概略図である。
図10】更に別の実施形態による、一体化された集塵アセンブリを備えるロータリハンマの概略図である。
図11】更に別の実施形態による、一体化された集塵アセンブリを備えるロータリハンマの概略図である。
図12】更に別の実施形態による、一体化された集塵アセンブリを備えるロータリハンマの概略図である。
図13】更に別の実施形態による、一体化された集塵アセンブリを備えるロータリハンマの概略図である。
図14】更に別の実施形態による、一体化された集塵アセンブリを備えるロータリハンマの断面図である。
図15】更に別の実施形態による、一体化された集塵アセンブリを備えるロータリハンマの側面図である。
図16】明確化のためにロータリの部分を隠した状態の図15のロータリハンマの側面図である。
図17】モータ及びファンを示す図15のロータリハンマの一部分の詳細図である。
図18】明確化のためにロータリハンマの部分を隠した状態の図15のロータリハンマの側面図である。
図19】更に別の実施形態による、一体化された集塵アセンブリを備えるロータリハンマの第1の斜視図である。
図20図19に示すロータリハンマの第2の斜視図である。
図21図20のロータリハンマの断面図である。
図22】駆動ユニット及び集塵アセンブリの第1の側面からの詳細図である。
図23】駆動ユニット及び集塵アセンブリの第2の側面からの詳細図である。
図24】塵埃チューブの詳細図である。
図25】塵埃移送チューブの一部分の詳細図である。
図26】塵埃チューブとロータリハンマのノーズとの間の接続の詳細図である。
図27】一実施形態によるファンの詳細図である。
図28】一実施形態によるファン及びフィルタ洗浄機構の詳細図である。
図29】一実施形態による補助ハンドルである。
図30】補助ハンドルの一部分の詳細図である。
図31】補助ハンドルとロータリハンマとの間の接続の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その適用において、以下の記述で説明されるか又は以下の図面に図示される構造の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実践又は実行されることが可能である。本明細書で使用される語法及び専門用語は、説明を目的としたものであり、限定するものと見なすべきではないことも理解されたい。
【0030】
ロータリハンマなどの動力工具は、工具を動作させるときに大量の塵埃及びデブリを発生させる。そのため、塵埃を空気中に排出したり、又は使用者が吸い込んだりするままにしておくのではなく塵埃を捕捉しようとするために、集塵機又は集塵システムが実施されてきた。既存の集塵システムは、一般に、動力工具と併用して使用され得る完全に別個のツールである。例えば、いくつかの集塵システムは、別個のツールハウジング内に収容され、動力工具のハウジングに接続されることもある。他の集塵システムは、別個の業務用掃除機及び塵埃通路を利用して塵埃を回収する。現在の集塵システムは、動力工具に接続されると嵩張ったり、扱いにくかったり、又は重かったりし得る。同様に、別個の業務用掃除機を利用する集塵システムは、業務用掃除機によって拘束されるという事実に起因して、動力工具の動き及び操縦性を制限することがある。更に、既存の集塵は独立したツールとして一般に実現されるため、動力工具と集塵システムとに重複する部品が含まれることがあるという事実に起因して、工具システム全体がより費用のかかるものになり得る。例えば、動力工具及び集塵システムはそれぞれ独自のバッテリ、モータ、ファン、コントローラ、ハウジングなどを有することがある。
【0031】
本開示は、これらの課題のいくつかに対処し、また、動力工具及び/又は集塵アセンブリの一方又は両方に実装され得る一連の他の改善を提供する。本開示は、動力工具内に収容された一体化された集塵アセンブリを備えた動力工具を提供する。本開示で使用される場合、集塵アセンブリの一体化は、集塵アセンブリの少なくともいくつかの部品が、動力工具から取り外せない、及び/又は動力工具と同じハウジング内に一体化されることを意味することが意図されている。吸引チューブ及び/又は塵埃容器など、集塵アセンブリのいくつかの部品が動力工具に取り外し可能に結合され得るが、ファン及び/又はファンモータなどの他の部品は動力工具から取り外されるように意図されていない。追加的に、動力工具内への集塵アセンブリの一体化の結果、構成要素の少なくともいくつかが動力工具と集塵アセンブリとの間で共有される仕方で利用される。しかしながら、このことは、すべての部品が共有されることを必要としない。集塵アセンブリのいくつかの部品は、動力工具とは別個であってもよいし、又は動力工具の部品と重複するものであってもよい。
【0032】
動力工具内への集塵アセンブリの一体化は、いくつかの異なる利点をもたらし得る。例えば、動力工具内への集塵アセンブリの一体化により、動力工具及び集塵アセンブリの動作のための部品の数を減らすことができる。ひいては、このことによりシステムの全体的なコストが削減され得る。追加的に、いくつかの実施形態では、部品の削減により、システムの全体的な重量及びサイズも削減され得る。同様に、いくつかの実施形態では、工具システムのプロファイルはよりコンパクトであり、これにより、使用者が工具システムをより容易に操作し、保持することが可能になり得る。
【0033】
当業者には理解されるように、本開示はロータリハンマに関して説明されるが、本明細書で説明される特徴は、動作時に塵埃を発生する他の手持ち動力工具に適用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、本開示は、ドリル、グラインダ、研磨機、サンダー、切削工具、又は塵埃を発生させる他の動力工具など、他のタイプの動力工具に適用されてもよい。
【0034】
図1及び図2は、一実施形態によるロータリハンマ4などの動力工具を示している。図示のロータリハンマ4は、工具の本体内に一体化された集塵アセンブリ8を備える。他の実施形態では、集塵アセンブリ8の1つ以上の部分が、ロータリハンマ4とは別個の要素として実現されてもよいし、又はロータリハンマ4の外部に配置されてもよい。本開示に基づいて理解されるように、ロータリハンマ4内への集塵アセンブリ8の一体化により、ロータリハンマ4及び集塵アセンブリ8の動作のための部品の数の削減が可能になり得る。例えば、いくつかの実施形態では、集塵アセンブリ8及びロータリハンマ4は特定の部品を共有してもよい。いくつかの実施形態では、このことにより、システムの全体的なコストが削減され得る。同様に、いくつかの実施形態では、このことにより、システムの全体的な重量及びサイズが削減され得る。同様に、いくつかの実施形態では、工具システムのプロファイルはよりコンパクトであり、これにより、使用者が工具システムをより容易に操作し、保持することが可能になり得る。本開示において説明される様々な特徴及び実施形態は、一緒に混ぜ合わされてもよいし、特徴及び実施形態の異なる組み合わせへと交換されてもよいことを理解されたい。換言すれば、本明細書に開示される特徴の特定の組み合わせは、限定することを意図されているものではなく、純粋に本開示全体の様々な特徴を含む例示的な実施形態を説明するためのものである。
【0035】
ロータリハンマ4は、本体16と、本体16の後方に延びるハンドル20とを有するハウジング12を備える。本体16は、工具ビット32が結合され得る第1の端部24と、ハンドル20が延びる第2の端部28とを備える。工具ビット32は、本体16の第1の端部24に形成されたチャックアセンブリ36内に受け入れられ得る。追加的に、吸引パイプ40が、本体16の第1の端部24と摺動可能に係合される。図3A及び図3Bに示すように、ハウジング12は、上半分、下半分、前半分、及び後半分によって規定される四半分へと分割され得る。図示の実施形態では、上半分は集塵アセンブリ8の吸引パイプ40の上方で始まる。追加的に、図示の実施形態では、前半分は、ハウジング12の第1の端部24において始まり、本体16の第1の端部24とハンドル20の後端との中間点まで延びる。したがって、これにより、前上四半分(UFQ)、後上四半分(URQ)、前下四半分(LFQ)、及び後下四半分(LRQ)が得られる。しかしながら、他の実施形態では、各四半分は、異なる境界によって画定されてもよい。
【0036】
駆動ユニット44が、ハウジング12の本体16内に配置される。駆動ユニット44は、モータ48と、モータ48からのトルクを受けるためにモータ48に動作可能に結合された駆動アセンブリ52とを備える。モータ48は、ロータリハンマ4の作動軸A2に平行なモータ軸A1を規定する。ロータリハンマ4の作動軸A2は、工具ビット32及び駆動アセンブリ52を通る軸として規定される。モータ48への電力はバッテリ56によって供給され、バッテリ56は、ハンドル20の底部にあるバッテリレセプタクル60内に受け入れられ得る。しかしながら、他の実施形態では、バッテリレセプタクル60は、ハウジング12の他の部分内に配置されてもよい。
【0037】
冷却ファン64が、モータ48に動作可能に結合され、モータ軸A1と回転軸を共有する。これにより、モータ48は駆動アセンブリ52及び冷却ファン64の両方を駆動する。図示の実施形態では、冷却ファン64は、モータ48の前方側でチャック36とモータ48との間に配置される。別の実施形態では、冷却ファン64は、モータ48に動作可能に結合され、駆動ユニット44の下方に配置される。本明細書で更に詳細に説明するように、冷却ファン64は、モータ48を冷却するためにモータ48を横切って延びる空気流路に沿って空気を引き込む。より具体的には、冷却ファン64は、ハウジング12においてモータ48の後方側に配置された冷却空気吸気口68を介して空気を引き込み、ハウジング12においてモータ48の前方側に配置された冷却空気排気口72を介して空気を排気する。
【0038】
図示の実施形態では、駆動ユニット44及び冷却ファン64は、ハウジング12の上半分内に配置される。したがって、駆動ユニット44及び冷却ファン64は吸引パイプ40の上方に配置される。更に、駆動ユニット44及び冷却ファン64は、ハウジング12の前半分内に配置される。前上四半分内への駆動ユニット44及び冷却ファン64の配置により、集塵アセンブリ8のための更なる空間がもたらされる。例えば、駆動ユニット44は、後上四半分内まで延びない(又は最小限にしか延びない)。したがって、駆動ユニット44と本体16の第2の端部28との間に空間が存在する。同様に、駆動ユニット44は、前下四半分及び後下四半分内には延びず(又は最小限にしか延びず)、集塵アセンブリ8には十分な空間を残す。
【0039】
ロータリハンマ4はまた、集塵アセンブリ8を備える。図示の実施形態では、集塵アセンブリ8は、ロータリハンマ4の本体16内に一体化される。しかしながら、他の実施形態では、集塵アセンブリ8の1つ以上の部品が、ロータリハンマ4のハンドル20内に配置されてもよいし、又はハウジング12の外部に配置されてもよい。図3A図3Bを参照すると、集塵アセンブリ8は、ノズル76と、伸縮式吸引パイプ40と、塵埃容器84と、フィルタ88と、吸引ファン92とを備える。ノズル76は、伸縮式吸引パイプ40の第1の端部において、工具ビット32がノズル76を通って延びるようにロータリハンマ4の工具ビット32に近接して配置される。伸縮式吸引パイプ40の第2の端部が、吸引パイプ40が本体16の第1の端部24から伸長し、格納されるようにハウジング12内に延びる。
【0040】
塵埃容器84は、ハウジング12に選択的に結合される。塵埃容器84は、ロータリハンマ4のハウジング12から取り外し可能であり、操作者が塵埃容器84から塵埃及び他のデブリを空にできるように取り外され得る。ハウジング12から塵埃容器84を選択的に切り離すために使用者によって操作可能なラッチ96が、ハウジング12上にハンドル20に近接して配置される。図2の実施形態では、ラッチ96はハウジング12の底縁付近に配置される。別の実施形態では、図14に示すように、ラッチ96は、ラッチ96がハンドル20に面するようにハウジング12の第2の端部28上に配置され、使用者がハンドル20を把持した状態で使用者によって操作されるように配置され得る。図示の実施形態では、ラッチ96は、ロータリハンマ4を選択的に動作させるトリガスイッチ98に対向して配置される。図示の実施形態では、塵埃容器84は、フィルタ88が所定の場所になければハウジング12に固定されないようにされる。例えば、フィルタ88は、塵埃容器84とハウジング12との間の接続の一部として機能する。よって、フィルタ88が所定の場所になければ、塵埃容器84はハウジング12に結合されないようにされる。
【0041】
ロータリハンマ4に結合されたとき、塵埃容器84は、ハウジング12に結合されたときにハウジング12の外側に延びない(又は最小限にしか延びない)ように、ハウジング12の本体16内に実質的に受け入れられる。しかしながら、他の実施形態では、塵埃容器84は、ハウジング12内に部分的にしか受け入れられなくてもよいし、又はハウジング12の外側部分に取り付けられてもよい。図示の実施形態では、塵埃容器84は、本体16の底部の幅に沿って延びる。追加的に、塵埃容器84は、後上四半分内に延び、且つ駆動ユニット44と本体16の第2の端部28との間の空間内に延びる。
【0042】
塵埃容器84は、塵埃含有空気ストリームのための入口100と、フィルタ88の出口端によって画定される出口104とを備える。より具体的には、塵埃容器84は、対向する側壁108と、これらの側壁108間に延びる底壁112とを備える。塵埃容器84は、追加的に、側壁108のそれぞれ及び底壁112に隣接する端壁116を備える。開口部120が第1の端壁116に画定され、開口部120を通ってフィルタ88が受け入れられる。第1の端壁116は、塵埃含有空気のための入口100を更に備える。接続ポート124が、吸引パイプ40から塵埃容器84内まで塵埃含有空気を導くために、入口100を通って延びる。いくつかの実施形態では、接続ポート124はDEC26接続である。塵埃容器84は、使用者の作業領域を実質的に塵埃及び他のデブリのないように維持するために、ロータリハンマ4によって行われる削孔及び/又はハンマリング動作中にワークピースからの塵埃及び他のデブリを回収するように動作可能である。
【0043】
上述のように、塵埃容器84は、ロータリハンマ4のハウジング12内へモータ48とハンドル20との間に上方に延びる。フィルタ88は、塵埃容器84内で、塵埃容器84のうち、モータ48と本体16の第2の端部28との間(すなわち、後上四半分)にある空間内に延びるセクションに配置される。他の実施形態では、フィルタ88は、塵埃容器84の他のセクションに配置されてもよい。いくつかの実施形態では、フィルタ88は、塵埃容器84と吸引ファン92との間に配置された超高性能エア(high efficiency particulate air)(「HEPA」)フィルタである。
【0044】
吸引ファン92は、モータ48の後方にフィルタ88に隣接して配置されて、フィルタ88を通して塵埃含有空気を引き込む。吸引ファン92は、モータ48の出力シャフト94に直接取り付けられ、モータ軸A1と回転軸を共有する。しかしながら、いくつかの実施形態では、吸引ファン92は、クラッチ、ベルト、又はパワーテイクオフなどの他の機械的手段を介してモータ48に動作可能に結合される。図3から分かるように、モータ48、吸引ファン92、及びフィルタ88は、ハウジング12の上半分内に配置される。より具体的には、フィルタ88は、吸引ファン92、モータ48、冷却ファン64、及び駆動ユニット44と一列に並ぶ。フィルタ88の中心を通る軸A3が、吸引ファン92の回転軸A1と鈍角で交差する。図示の実施形態では、フィルタ88を通る軸A3は、吸引ファン92に面するフィルタ88の表面から垂直に延びるものとして規定される。フィルタ88の向きに角度をつけることにより、ハウジング12のハンドル20の最後方点から集塵アセンブリ8のノズル76の最前方点まで測定したときのロータリハンマ4の全長が短くなる。フィルタ88の鈍角により、ロータリハンマ4の垂直上向き動作が改善され得る。追加的に、フィルタ88の鈍角は、塵埃容器84とフィルタ88との間におけるシール面を改善し得る。
【0045】
モータ48によって回転されると、吸引ファン92は空気流を形成し、空気流が吸引パイプ40に真空を発生させて、塵埃及び他のデブリを塵埃容器84に引き込み、フィルタ88を通過させる。塵埃がフィルタ88を介して空気から分離された後、清浄な空気は、ハウジング12において吸引ファン92に隣接して形成された排気ポート128を通して排気される。図1に示すように、排気ポート128は、モータ48の後方に、吸引ファン92に隣接して配置される。
【0046】
引き続き図3A図3Bを参照すると、吸引パイプ40は、ロータリハンマ4のハウジング内で作動軸A2に平行な方向に長手方向に延びる。吸引パイプ40は、同じ長手方向軸に沿って移動し、これにより、吸引パイプ40の長さ及びノズル76の位置を調整するように構成される。工具ビット32がワークピースに差し込まれると、吸引パイプ40は伸縮方式でハウジング12内に格納される。ロータリハンマハウジング12内には差し込み深さ調節装置132が備わり、差し込み深さ調節装置132は、吸引パイプ40がハウジング12内に格納され得る範囲を制限し、ひいては工具ビット32がワークピース内に差し込まれ得る範囲を制限する。差し込み深さ調節装置132は、吸引パイプ40の長さに沿って移動可能であり、吸引パイプ40がハウジング12内に格納される範囲を制限するために選択的に固定される。また、ハウジング12には延び調節装置(extension stop)136も備わる。延び調節装置136は、吸引パイプ40の長さに沿って吸引パイプ40に選択的に固定することにより、吸引パイプ40がハウジング12から延び得る範囲を制限する。この特徴は、使用される工具ビット32のサイズに対応するように吸引パイプ40の延びる長さを調節するために使用され得る。例えば、2インチの工具ビットを使用する場合、吸引パイプ40の延びる長さを2インチに縮めて、工具ビット32の長さに対応させ得る。吸引パイプ40の長さが制限されない場合、吸引パイプ40の端部は工具ビット32の端部をはるかに超えて延び得る。
【0047】
吸引パイプ40には移送チューブ140が結合される。移送チューブ140は、ハウジング12に対して固定され、吸引パイプ40と塵埃容器84との間の接続として機能する。塵埃容器84に近接する移送チューブ140の第1の端部は、0度~90度の屈曲部を有する。接続ポート124は、塵埃容器84との接続を容易にするために、移送チューブ140の第1の端部に結合される。いくつかの実施形態では、接続ポート124はDEC26ポートであり得る。移送チューブ140における屈曲部及び接続ポート124は、移送チューブ140と塵埃容器84との間の密閉性を改善し得る。追加的に、接続ポート124は、使用者が塵埃容器84を空にする目的で、塵埃容器84内の塵埃に曝されることなしに塵埃容器84を取り外すことを可能にする。
【0048】
図3A及び図4を参照すると、フィルタ洗浄機構148が、ハウジング12内に配置され、フィルタ88の最前方縁部に近接して配置される。他の実施形態では、フィルタ洗浄機構148は、フィルタ88の任意の縁部に近接して配置され得る。フィルタ洗浄機構148は、フィルタ88に衝撃を与えるためのアンビル152と、アンビル152を打つためのストライカ156と、ストライカ156にアンビル152を打たせるためのソレノイド160と、ストライカ156を付勢するための付勢部材164とを備える。アンビル152は、フィルタ88に近接して配置され、アンビル軸A4を中心としてハウジング12に結合される。アンビル152は、アンビル軸A4を中心として回転して、フィルタ88から間隔を空けて配置された第1のアンビル位置と、フィルタ88上の衝突位置に接触する第2のアンビル位置との間で移動する。ストライカ156は、ロータリハンマ4の作動軸A2に平行な長手方向軸A5を有し、長手方向軸A5に沿って、ストライカ156は第1のストライカ位置と第2のストライカ位置との間で移動する。第1のストライカ位置では、ストライカ156は第1のアンビル位置にあるアンビル152に接触する。他の実施形態では、ストライカ156は、第1のストライカ位置にある間、アンビル152から間隔を空けて配置されてもよい。第2のストライカ位置では、ストライカ156は、アンビル152が第2のアンビル位置まで回転し、衝突位置でフィルタ88に接触するように、アンビル152に接触する。いくつかの実施形態では、フィルタ洗浄機構148はアンビル152を含まない。むしろ、ストライカ156は、第2のストライカ位置にあるとき、フィルタ88に直接衝撃を与える。ソレノイド160は、ハウジング12によって支持され、ストライカ156の少なくとも一部を囲む。付勢部材164は、アンビル152及びフィルタ88に対して、ストライカ156及びソレノイド160の反対側に配置される。図示の実施形態では、付勢部材164は圧縮ばねである。付勢部材164は、ソレノイド160が作動されるまでストライカ156を第1のストライカ位置に向けて付勢し、ソレノイド160が作動された時点で、ソレノイド160は、付勢部材164を圧倒し、ストライカ156を第2のストライカ位置に移動させる。図14の実施形態では、ねじりばねとして図示されている第2の付勢部材166が、アンビル152を第1のアンビル位置に付勢するためにアンビル152に結合される。
【0049】
フィルタ洗浄機構148は次のように動作する。一実施形態では、フィルタ洗浄機構148は、吸引ファン92が作動しなくなると、自動的に作動する。コントローラ(図示せず)が、ストライカ156を動かすようにソレノイド160の作動を制御する。ソレノイド160を作動させることは、吸引ファン92の非作動又はモータ48の非作動の検出に基づき得る。本明細書で使用される場合、吸引ファン92は、回転が停止したときに非作動であると見なされ得る、又は吸引ファン92は、吸引ファン92によって誘導される空気流が実質的に停止したときに吸引ファン92が所定の閾値未満の速度で回転しているときに非作動であると見なされ得る。同様に、モータ48は、回転が停止したときに、又は回転速度の所定の閾値未満で動作しているときに、非作動であると見なされ得る。別の実施形態では、フィルタ洗浄機構148は、吸引ファン92又はモータ48が作動している間に作動され得る。図示の実施形態では、押しボタン168などのアクチュエータが、ハウジング12の外側に配置され、使用者がフィルタ洗浄機構148(図1)を手動で開始することを可能にする。押しボタン168により、操作者は、意のままに、又は自動洗浄動作の合間にフィルタ88を洗浄できる。
【0050】
休止状態では、アンビル152は第1のアンビル位置にあり、ストライカ156は第1のストライカ位置にあり、ソレノイド160は通電されない。動作状態を開始するためには、ソレノイド160は、自動的にか、又は押しボタン168を介するかのいずれかにより通電されなければならない。通電されると、ソレノイド160は、付勢部材164を圧倒して、ストライカ156を第1のストライカ位置から第2のストライカ位置に移動させる。第2のストライカ位置になると、ストライカ156はアンビル152を打って、アンビル152を第1のアンビル位置から第2のアンビル位置に移動させ、フィルタ88に衝突位置で衝撃を与える。フィルタ88へのアンビル152の衝撃付与により、塵埃及び他のデブリがフィルタ88から取り除かれる。アンビル152がフィルタ88に衝撃を与えた後、ソレノイド160は自動的に停止され、これにより、アンビル152及びストライカ156は、それぞれ第1のアンビル位置及びストライカ位置に戻ることができる。
【0051】
図1図4の実施形態のロータリハンマ4は、駆動アセンブリ52及び集塵アセンブリ8を動作させるために、単一の電源(例えば、バッテリ56)及び単一の電気モータ48を利用する。集塵アセンブリ8の部分がハウジング12と一体化されることにより、垂直上向き動作のための構成要素レイアウトを改善できる。2つの異なる空気流路がハウジング12内に指定される。第1の空気流路は、塵埃含有空気が、ノズル76にある吸引空気入口から入り、吸引パイプ40を通って移送チューブ140内に移動し、フィルタ88の助けを借りて塵埃を塵埃容器84内に堆積させる集塵流路である。塵埃容器84及びフィルタ88を通過した後、今や清浄になった空気は、吸引空気排気口128を通ってハウジング12を出る。集塵流路における空気流は、吸引ファン92及びモータ48によって駆動される。第2の空気流路は冷却空気流路として特徴付けられる。冷却空気流路は、ハウジング12にある冷却空気吸気口68と、ハウジング12において冷却空気吸気口68から間隔を空けて配置された冷却空気排気口72とを備える。冷却空気流路における空気は、冷却空気吸気口68を通って入り、モータ48を冷却するためにモータ48の上に導かれ、冷却空気排気口72を通って出る。冷却空気経路は、モータ48に吸引ファン92と同軸に取り付けられている冷却ファン64によって動力供給される。
【0052】
図5は、一体化された集塵アセンブリ8bを備えたロータリハンマ4bの別の実施形態を示しており、ここで、同様の部品には同様の参照数字に「b」の文字を加えたものが付与されており、以下の相違が以下に説明される。図5に示す実施形態では、本実施形態のモータ軸A1bは、駆動アセンブリ52b及び作動軸A2bに垂直である。塵埃容器84bは、駆動アセンブリ52bの下の前下部分においてハウジング12bに選択的に結合される。本実施形態の幾何学的配置は、垂直下向き動作を改善することができ、その結果、ロータリハンマ4bの長さが短くなる。
【0053】
図6は、一体化された集塵アセンブリ8cを備えたロータリハンマ4cの更に別の実施形態を示しており、ここで、同様の部品には同様の参照数字に「c」の文字を加えたものが付与されており、以下の相違が以下に説明される。ハウジング12cは、塵埃容器84cと接続するように設計された下部ハウジング部分を備える。モータ48cによって駆動される単一のファン172が、集塵空気流及び冷却空気流を吸引する。本実施形態のロータリハンマ4cは、水平削孔を改善し得る。好都合なことに、本実施形態は、モータを冷却し、集塵機を駆動するために単一のファン172のみを有する。
【0054】
図7は、一体化された集塵アセンブリ8dを備えたロータリハンマ4dの更に別の実施形態を示しており、ここで、同様の部品には同様の参照数字に「d」の文字を加えたものが付与されており、以下の相違が以下に説明される。ハウジング12d内でモータ48dと駆動アセンブリ52dとの間に軸方向に配置された単一のファン172dが、集塵空気流及び冷却空気流の両方を吸引する。集塵アセンブリ8dの構成要素、すなわちフィルタ88d、塵埃容器84d、移送チューブ140d、吸引パイプ40d、及びノズル76dの配置は、図1図4の実施形態から変更されていない。この幾何学的配置により、垂直上向き動作が改善されたロータリハンマ4dが得られる。
【0055】
図8は、一体化された集塵アセンブリ8eを備えたロータリハンマ4eの更に別の実施形態を示しており、ここで、同様の部品には同様の参照数字に「e」の文字を加えたものが付与されており、以下の相違が以下に説明される。二次的な移送チューブ176がフィルタ88eと吸引パイプ40eとの間に配置される。追加的に、フィルタ軸A3eはモータ軸A1eに垂直に向けられる。このハウジング12eの幾何学的配置により、工具の高さが低くなり、工具の長さが長くなる。本実施形態の工具の幾何学的配置は、水平動作を改善し得る。
【0056】
図9は、一体化された集塵アセンブリ8fを備えたロータリハンマ4fの更に別の実施形態を示しており、ここで、同様の部品には同様の参照数字に「f」の文字を加えたものが付与されており、以下の相違が以下に説明される。吸引パイプ40fは、駆動アセンブリ52fの水平方向に隣に配置される。この結果、工具の高さが短くなり、水平削孔に最適化される。
【0057】
図10は、一体化された集塵アセンブリ8gを備えたロータリハンマ4gの更に別の実施形態を示しており、ここで、同様の部品には同様の参照数字に「g」の文字を加えたものが付与されており、以下の相違が以下に説明される。吸引ファン92gは、モータ48gとは離れて、吸引ファン駆動シャフト180上に配置される。吸引ファン駆動シャフト180はモータ軸A1gに平行である。ベルト又はチェーン184が、吸引ファン駆動シャフト180をモータ48gに結合し、モータ48gが吸引ファン92gを駆動することを可能にする。好都合なことに、本実施形態の吸引駆動は、モータ48gの回転速度と吸引ファン92gの回転速度とが異なることを可能にする。
【0058】
図11は、一体化された集塵アセンブリ8hを備えたロータリハンマ4hの更に別の実施形態を示しており、ここで、同様の部品には同様の参照数字に「h」の文字を加えたものが付与されており、以下の相違が以下に説明される。吸引ファン92hは、モータ軸A1hに対して垂直に向けられ、かさ歯車列188を介して駆動される。
【0059】
図12は、一体化された集塵アセンブリ8iを備えたロータリハンマ4iの更に別の実施形態を示しており、ここで、同様の部品には同様の参照数字に「i」の文字を加えたものが付与されており、以下の相違が以下に説明される。集塵アセンブリ8iは、図6の実施形態と同様に幾何学的に配置されるが、吸引ファン92iは、モータ軸A1iに対して垂直に向けられ、かさ歯車列188iを介して駆動される。
【0060】
図13は、一体化された集塵アセンブリ8jを備えたロータリハンマ4jの更に別の実施形態を示しており、ここで、同様の部品には同様の参照数字に「j」の文字を加えたものが付与されており、以下の相違が以下に説明される。第2のモータ192が、集塵アセンブリ8jの吸引ファン92jを駆動するためにハウジング12j内に配置される。好都合なことに、本実施形態により、集塵アセンブリ8jの速度と駆動アセンブリ52jの速度とを独立に制御できる。本実施形態では、集塵アセンブリ8jは、駆動アセンブリ52jが係合していないときでも動作可能である。
【0061】
図15図18は、一体化された集塵アセンブリ8kを備えたロータリハンマ4kの更に別の実施形態を示しており、ここで、同様の部品には同様の参照数字に「k」の文字を加えたものが付与されており、以下の相違が以下に説明される。図15を参照すると、ロータリハンマ4kは、本体16kと、本体16kの後方に延びるハンドル20kとを有するハウジング12kを備える。図16を参照すると、本体16k内には、モータ48k、駆動アセンブリ52k、及びファン200が配置される。駆動アセンブリ52k及びファン200のそれぞれが、モータ48kからのトルクを受けるために、モータ48kに動作可能に結合される。モータ48kは、本体16k内において、ロータリハンマ4kの作動軸A2と平行ではないように向けられる。特に、モータ48kは、モータ48kの回転軸として規定されるモータ軸A1が、ロータリハンマ4kの作動軸A2を横断するよう向けられる。いくつかの実施形態では、モータ48kは、モータ軸A1が垂直に向けられ、且つ作動軸A2に垂直であるように向けられ得る。ロータリハンマ4kの本体16kは、モータ48k、ファン200、及び塵埃容器84kがモータ軸A1に沿って並び、且つファン200がモータ48kと塵埃容器84kとの間に配置されるように、塵埃容器84kを下半分で支持する。
【0062】
図17を参照すると、ファン200は2軸ファンである。モータ48kからのトルクがファン200の回転を引き起こし、この回転がファン200に向かって空気を引き込む。図示の実施形態では、図17に矢印で示すように、空気が反対向きの2つの方向からファン200の回転軸A1に沿ってファン200に入る。具体的には、第1の空気流はファン200の上側からファン200に入り、第2の空気流はファン200の下側からファン200に入る。空気がファン200に到達すると、空気は、排気されるべく、ファン200から半径方向外向きに導かれる。特に、ファン200は、ロータリハンマ4Kのハウジングにある開口部を通して、ロータリハンマ4Kに冷却空気を引き込む。そうすると、冷却空気流は、モータ48Kを冷却するために、モータ48kの上に引き込まれる。ファン200は、コントローラ205を冷却するために、コントローラ205に冷却空気を更に引き込み得る。モータ48K及びコントローラ205の一方又は両方を通過した後、冷却空気流はファン200の上側からファン200に入る。
【0063】
ファン200はまた、吸引空気流を形成し、吸引空気流では、空気が冷却空気流とは反対方向に集塵アセンブリ8kを通ってファン200に向かって導かれた後、半径方向に排気口204から外に導かれる。ファン200の回転により、モータ冷却空気流と吸引空気流とが同時に形成される。いくつかの実施形態では、冷却空気流及び集塵空気流は、2つの別個の空気ストリームであってもよく、これらの空気ストリームは、ファン200内で合流し、合流した空気ストリームとして一緒に排気されるまで、互いに分離される。いくつかの実施形態では、冷却空気流は、ロータリハンマ4kの他の構成要素(例えば、回路基板)の上に導かれて、これらの構成要素も冷却する。より詳細に後述するように、吸引空気流は塵埃及び/又はデブリを塵埃容器に引き込む。
【0064】
図15図18を参照すると、集塵アセンブリ8kは、伸縮式吸引パイプ40の代わりに折り畳み式吸引パイプ208を備える。折り畳み式吸引パイプ208は、ロータリハンマ4kのハウジング12kに選択的に結合され、工具ビット32kを囲むように構成される。換言すれば、集塵アセンブリ8kはオーバービット吸引パイプ208を利用する。図示の実施形態では、折り畳み式吸引パイプ208はスナップフィットを介してハウジング12kに固定される。しかしながら、ねじ接続又はラッチ接続などの他の固定方法がスナップフィットと同じ機能を果たすことが当業者には理解され、スナップフィットの代わりに使用されてもよい。図19を参照すると、折り畳み式吸引パイプ208は、吸引パイプ208を伸長状態に付勢するように構成された、ばねとして図示された付勢部材212を備える。工具ビット32kがワークピースに挿入されると、吸引パイプ208の前端216がワークピースに係合する。工具ビット32kがワークピースに更に挿入されると、吸引パイプ208は、前端216がワークピースとの接触を維持したままで、ばね212の力に対して折り畳まれる、すなわち畳み込まれる。折り畳み式吸引パイプ208の全体が、折り畳まれてもロータリハンマ4kのハウジング12kの外側に残り、これにより、ハウジング12kの全体的なサイズを大きくすることなく、ハウジング12k内でロータリハンマ4kの他の構成要素のための場所を作ることができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、折り畳み式吸引パイプ208は、折り畳み式吸引パイプ208を折り畳まれた状態に選択的に固定する、フックとして図示されたロック機構220を更に備える。折り畳まれると、フック220は、ハウジング12kにある対応するロックに係合して、付勢ばね212からの力に対抗する。折り畳まれた状態で吸引パイプ208を固定することにより、ハウジング12kから折り畳み式吸引パイプ208を取り外すことなく、工具ビット32kを容易に交換できる。
【0066】
折り畳み式吸引パイプ208がハウジング12kに固定されると、吸引パイプ208の前端216にある開口部とファン200との間に途切れのない流路が形成される。したがって、吸引空気流は、空気がモータ冷却空気流と組み合わされて排気口204を通して排出される前に、工具ビット32kによって作られた塵埃及び/又はデブリを折り畳み式吸引パイプ208を通して塵埃容器84kに引き込む。
【0067】
図19図21は、本開示の別の実施形態によるロータリハンマ1004などの動力工具を示している。図示のロータリハンマ1004は、工具の本体内に一体化された集塵アセンブリ1008を備える。いくつかの実施形態では、集塵アセンブリ1008の1つ以上の部分が、ロータリハンマ1004とは別個の要素として実現され得る、又はロータリハンマ1004の外部に配置され得る。
【0068】
ロータリハンマ1004は、本体1016と、本体1016の後方に延びるハンドル1020とを有するハウジング1012を備える。本体1016は、工具アクセサリが結合され得る第1の端部1024と、ハンドル1020が延びる第2の端部1028とを備える。工具アクセサリは、例えば、工具ビット1032、研磨機、サンダー、グラインダ、カッター、又は加工面上で動作するように意図された任意の他のアクセサリであってもよく、これにより、ロータリハンマ1004の加工動作中に塵埃が排出され得る。工具ビット1032は、本体1016の第1の端部1024に形成されたチャックアセンブリ1036内に受け入れられ得る。工具ビット1032は、ロータリハンマ1004の作動軸A2(図21)を規定する。ハンドル1020は、ロータリハンマ1004を作動させるように適合されたトリガ1098を備える。図示の実施形態では、トリガ1098は、ハンドル1020上のロータリハンマ1004の作動軸A2に近接した位置に配置される。換言すれば、ハンドル1020に沿うトリガ1098の垂直位置(すなわち、図面に示されている垂直方向)は、ロータリハンマ1004の作動軸A2に近いか、又は作動軸A2に沿う。これにより、トリガ1098は、使用者の指も工具ビット1032と整列されるように、工具ビット1032と概ね整列される。
【0069】
いくつかの実施形態では、ロータリハンマ1004は、ハンドル1020の後部に選択的に結合される補助ハンドル1300を設けられ得る。補助ハンドル1300は、特に頭上での削孔に従事するとき、又は作業面に対して扱いにくい角度に配置されるときに、使用者がロータリハンマ1004を制御するのを助け得る。例えば、補助ハンドル1300は延長アームとして機能し、このことにより、使用者は、ロータリハンマ1004を保持及び支持したままで、より遠くまで到達できる。一方、また、補助ハンドル1300により、使用者が腕をそれほど伸ばす必要なしに、使用者がロータリハンマ1004を使用者の身体に近づけて保持することもできる。ロータリハンマ1004を使用者の身体に近づけて保持することにより、ロータリハンマ1004をよりしっかりと且つ安定的に支持することができる。更に、トリガ1098と同様に、補助ハンドル1300は、概ねロータリハンマ1004の作動軸A2に沿って整列される。この構成により、ロータリハンマ1004の一端から他端までどこでも作動軸A2をより良く狙わせ、制御することができる。換言すれば、使用者は、作動軸A2の向きに対する制御及び安定性をより強化することができ、作業面に対する作動軸A2の角度をより容易に調整及び/又は維持できる。
【0070】
図29図31は補助ハンドル1300の詳細図を提供する。補助ハンドル1300は湾曲したグリップ1330を備え、湾曲したグリップ1330により、使用者がグリップ1330を自身の掌で把持し、グリップの前方に向けて指を巻き付けることができる。このスタイルのグリップにより、使用者は補助ハンドル1300を後ろから直接把持して、頭上削孔に従事する際、ロータリハンマ1004の重量を支持するのを助けることができる。追加的に、使用者は湾曲グリップ1330を後ろから直接把持し得るため、手首をひねったり、トルクをかけたりすることなくロータリハンマを操作することも容易である。図示の補助ハンドル1300は、第1のシャフト1308と、第1のシャフト1308内で摺動可能な第2のシャフト1312とを有する伸縮式本体を備える。したがって、伸縮式本体により、補助ハンドル1300を異なる長さに伸ばすことができる。例えば、図19は、完全伸長状態の補助ハンドル1300を示しており、図20は、格納状態の補助ハンドル1300を示している。しかしながら、補助ハンドル1300は、完全伸長状態と格納状態との間で複数の異なる長さに伸長され得る。具体的には、第1のシャフト1308及び第2のシャフト1312は、整列されたときに、固定ピン1320が第2のシャフト1312を第1のシャフト1308に対して固定することを可能にする固定孔1316を備える。このことは、補助ハンドル1300を望ましい長さに維持するのに役立つ。
【0071】
追加的に、補助ハンドル1300は、使用しないときには収容位置に回転され得る。例えば、補助ハンドル1300は、ロータリハンマ1004の上部に向かって(図19では反時計回りに)回転され、本体1016の上面に沿って収納され得る。或いは、補助ハンドルは、ハンドル1020の後端に向かって(図19において時計回りに)回転され、ハンドルの長さに沿って収納され得る。このことは回転ロック1324によって実現され得、回転ロック1324は、補助ハンドル1300をロータリハンマ1004に様々な向きで選択的に結合する。具体的には、回転ロック1324は、補助ハンドル1300をロータリハンマ1004の後端に解放可能に結合するとともに、補助ハンドル1300をロータリハンマ1004に対して異なる向きに維持する。回転ロック1324は、ロータリハンマ1004に対する補助ハンドル1300の回転を可能にするヒンジを備え得る。更に、補助ハンドル1300は、ロータリハンマ1004から完全に取り外し可能であり得る。
【0072】
図21を参照すると、ハウジング1012は、上半分、下半分、前半分、及び後半分によって規定される四半分へと分割され得る。図示の実施形態では、上半分は電気モータ1048の近くで始まる。追加的に、図示の実施形態では、前半分は、ハウジング1012の第1の端部1024から始まり、本体1016の第1の端部1024とハンドル1020の後端との中間点まで延びる。したがって、これにより、前上四半分(UFQ)、後上四半分(URQ)、前下四半分(LFQ)、及び後下四半分(LRQ)が得られる。図示の実施形態では、工具の質量中心CMは、前上四半分(UFQ)、後上四半分(URQ)、前下四半分(LFQ)、及び後下四半分(LRQ)の交点に近接して配置される。
【0073】
図21図23を参照すると、駆動ユニット1044が、ハウジング1012の本体1016内に配置される。しかしながら、他の実施形態では、駆動ユニット1044の1つ以上の構成要素が、ハンドル1020に配置され得る。図示の実施形態では、駆動ユニット1044は、ハウジング1012の上半分内に主に配置される。駆動ユニット1044の構成は、集塵アセンブリ1008のための更なる空間を提供する。駆動ユニット1044は、モータ1048と、モータ1048からのトルクを受けるためにモータ1048に動作可能に結合された駆動アセンブリ1052とを備える。モータ1048は、ロータリハンマ1004の作動軸A2に対して角度をつけられたモータ軸A1を規定する。例えば、いくつかの実施形態では、モータ軸A1と作動軸A2との間の夾角は、80度~135度である。いくつかの実施形態では、モータ軸A1と作動軸A2との間の夾角は、90度~115度である。いくつかの実施形態では、角度は105度である。更に他の実施形態では、モータ軸A1が作動軸A2に垂直に延びるように角度は90度である。ロータリハンマ1004の作動軸A2は、工具ビット1032及び駆動アセンブリ1052を通る軸として規定される。図示の実施形態では、モータ1048は質量中心CMに近接して配置される。いくつかの実施形態では、モータ1048は、ハウジングの上半分と下半分1012との間の中心線付近の前半分に配置される。
【0074】
モータ1048のための電力はバッテリ1056によって供給され、バッテリ1056は、ハンドル1020の底部にあるバッテリレセプタクル1060内に受け入れられ得る。他の実施形態では、バッテリレセプタクル1060は、ハウジング1012の他の部分内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、バッテリ1056は、取り外し可能な充電式バッテリであり得る。
【0075】
ロータリハンマ1004の動作は、単一のコントローラ1205によって制御される。図示のコントローラ1205は、モータ1048及び集塵アセンブリ1008の両方を制御する。しかしながら、他の実施形態では、駆動ユニット1044及び集塵アセンブリ1008の様々な構成要素を別個に制御するために、2つ以上のコントローラがロータリハンマ1004に含まれ得る。コントローラ1205は後上四半分(URQ)に配置される。特に、コントローラ1205は、駆動アセンブリ1052の後ろ、モータ1048の上に配置される。
【0076】
ファン1200が、モータ1048に動作可能に結合され、モータ軸A1と回転軸を共有する。これにより、モータ1048は駆動アセンブリ1052及びファン1200の両方を駆動する。図示の実施形態では、ファン1200は、モータ1048及び駆動アセンブリ1052の下に配置される。したがって、図示の実施形態では、ファン1200はロータリハンマ1004の質量中心より下に配置される。本明細書で更に詳細に説明するように、ファン1200は、モータ1048を冷却するためにモータ1048を横切って延びる冷却空気流路に沿って空気を引き込む。いくつかの実施形態では、冷却空気流路は、ロータリハンマ1004の他の構成要素(例えば、コントローラ1205、回路基板)の上に導かれて、これらの構成要素も冷却する。同時に、ファン1200は吸引空気流路に沿って空気を引き込み、塵埃及び/又はデブリを集塵アセンブリ1008に引き込む。しかしながら、他の実施形態では、冷却空気流及び集塵空気流を発生させる2つの別個のファンが存在し得る。
【0077】
ロータリハンマ1004はまた、集塵アセンブリ1008を備える。図示の実施形態では、集塵アセンブリ1008は、ロータリハンマ1004の本体1016内に一体化される。しかしながら、他の実施形態では、集塵アセンブリ1008の1つ以上の部品が、ハンドル1020内に配置されてもよいし、ハウジング1012の外部に配置されてもよい。集塵アセンブリ1008は、ノズル1076と、塵埃チューブ1040と、塵埃容器1084と、フィルタ1088と、ファン1200とを備える。
【0078】
図24に示すように、ノズル1076は、塵埃チューブ1040の第1の端部1040aに配置される。ノズル1076及び塵埃チューブ1040は、ロータリハンマ1004の工具ビット1032の少なくとも一部を囲む。換言すれば、集塵アセンブリ1008はオーバービット塵埃チューブ1040を利用する。追加的に、図示の実施形態では、塵埃チューブ1040は折り畳み式吸引チューブである。換言すれば、塵埃チューブ1040は、アコーディオン式に膨らんだり縮んだりし得る圧縮可能な材料で構成される。ばね212などのばねが、塵埃チューブ1040を伸長位置に向けて付勢する。工具ビット1032がワークピースに挿入されると、ノズル1076がワークピースに係合する。ワークピースへの工具ビット1032の更なる挿入により、塵埃チューブ1040は、ノズル1076がワークピースとの接触を維持したままで、ばね212の力に対して折り畳まれる、すなわち畳み込まれる。
【0079】
いくつかの実施形態では、深さ調節装置1130が塵埃チューブ1040に結合されて、工具ビット1032がワークピースに挿入され得る範囲を制限する。深さ調節装置1130は、差し込み深さ調節装置1132を備え、差し込み深さ調節装置1132は、塵埃チューブ1040が格納され得る範囲を制限し、ひいては工具ビット1032がワークピース内に差し込まれ得る範囲を制限する。差し込み深さ調節装置1132は、塵埃チューブ1040に結合された定規1134の長さに沿って移動可能であり、塵埃チューブ1040が格納し得る範囲を制限するために選択的に固定される。延び調節装置1136にも含まれる。延び調節装置1136は、塵埃チューブ1040が延長し得る範囲を、定規1134に選択的に固定することによって制限する。この特徴は、使用される工具ビット1032のサイズに対応するように塵埃チューブ1040の延びる長さを調節するために使用され得る。更に、いくつかの実施形態では、吸引チューブ1040は、深さ調節装置1130を全く含まなくてもよいし、差し込み深さ調節装置1132又は延び調節装置1136の一方のみを含むのであってもよい。
【0080】
更に、いくつかの実施形態では、塵埃チューブ1040はまた、先の実施形態で示したように、塵埃チューブ1040を折り畳まれた状態に維持するために、ロック機構220を設けられ得る。しかしながら、他の実施形態では、塵埃チューブ1040は、折り畳み式吸引チューブではなく、摺動式吸引チューブ又は伸縮式吸引チューブ(例えば、図3A及び図3Bに示す)であってもよい。追加的に、他の実施形態では、塵埃チューブ1040は、オーバービット塵埃チューブ1040として構成される代わりに、工具ビット1032に隣接して配置されてもよい。例えば、塵埃チューブ1040は、ノズル1076のみが工具ビット1032の上に延びている状態で、工具ビット1032の上方、下方、又は側方に配置され得る。
【0081】
引き続き図24を参照すると、塵埃チューブ1040の第1の端部がノズル1076に結合され、塵埃チューブ1040の第2の端部1040bがロータリハンマ1004のハウジング1012に結合される。図示の実施形態では、塵埃チューブ1040の第2の端部1040bは、外部移送チューブ1140を介してハウジング1012に結合される。塵埃チューブ1040は、両端で塵埃チューブ1040を保持及び支持するのに役立つタブ1050によって、ノズル1076及び外部移送チューブ1140に固定される。次に、外部移送チューブ1140は、スナップフィットと回転接続との組み合わせを介してハウジング1012に取り外し可能に結合される。
【0082】
図25に示すように、外部移送チューブ1140は、まずハウジング1012の第1の端部1024にスナップフィットし、次に外部移送チューブ1140をハウジング1012に固定するために(例えば、図25では時計回りに)回転される。具体的には、外部移送チューブ1140の第1の端部1140aがハウジング1012にスナップフィットされ、外部移送チューブ1140の第2の端部1140bがロック位置に回転される。外部移送チューブ1140の第1の端部1140aはカラーを形成し、カラーは、スナップリング1054によってロータリハンマ1004のノーズ1064にスナップフィットされ得る。スナップフィットは、スナップリング1054が外部移送チューブ1140の第1の端部1140aをハウジング1012に軸方向にロックするまで、外部移送チューブ1140を直線的に移動させることによって実現される。ハウジング1012に固定されると、外部移送チューブ1140の第1の端部1140a(すなわち、カラー)は、チャックアセンブリ1036及び/又は工具ビット1032が外部移送チューブ1140の第1の端部1140aにある開口部を通って延びるように、ノーズ1064の周囲を囲む。
【0083】
外部移送チューブ1140を回転方向にロックするには、外部移送チューブ1140は、ロック位置に達するまで回転される。このことを実現するために、外部移送チューブ1140の第1の端部1140aは、カラーの開口部内に形成された1つ以上の環状突起1068を備え、環状突起1068は、ロータリハンマ1004のノーズ1064にある対応する環状凹部1070内に受け入れられて、その間の回転係合を助ける。外部移送チューブ1140は、第2の端部1140bがハウジング1012の第1の端部1024に形成された環状溝1062内に受け入れられるまで回転される。環状溝1062は、ハウジング1012に対する外部移送チューブ1140の更なる回転を阻止する。更に、環状溝1062は、外部移送チューブ1140の第2の端部1140bを、ハウジング1012の内部移送チューブ1141に合致する開口部と整合させるのに役立つ。外部移送チューブ1140と内部移送チューブ1141とが共に、塵埃含有空気を塵埃チューブ1040から塵埃容器1084内に導く。外部移送チューブ1140の第2の端部1140bは、気密接続を形成するために、内部移送チューブ1141に流体接続される。スナップフィット及び回転接続と同じ機能を果たす、ねじ接続又はラッチ接続などの他の固定方法が代替的に使用されてもよいことが当業者には理解されよう。
【0084】
図26に示すように、ロータリハンマ1004は、塵埃がチャックアセンブリ1036を介して本体1016に入るのを阻止するために塵埃チューブ1040内に配置されたブラシシール1224を備える。図示の実施形態では、ブラシシール1224は、塵埃チューブ1040の第2の端部1040bに近接して配置され、塵埃チューブ1040はハウジング1012に接続する。しかしながら、他の実施形態では、ブラシシール1224は、塵埃チューブ1040内ではなく、ハウジング1012のビット保持領域内に配置されてもよい。更に別の実施形態では、ブラシシール1224は、塵埃チューブ1040の第1の端部1040aに近接して配置され得る。図示のブラシシール1224は、塵埃チューブ1040に引き込まれた塵埃及び/又はデブリがハウジング1012に入るのを阻止するために、工具ビット1032の一部分を囲み、これに係合する。ブラシシール1224は、集塵機の空気流を介して移送された塵埃が、工具のノーズ1064及び/又はビット保持アセンブリ1036を通って入るのを阻止する。むしろ、空気は、塵埃チューブ1040を通り、外部移送チューブ1140を通り、内部移送チューブ1141を通り、塵埃容器1084内に、駆動ユニット1044及びコントローラ1205を収容する本体1016のチャンバに入ることなしに流れる。
【0085】
再び図21図23を参照すると、外部移送チューブ1140は塵埃チューブ1040からハウジング1012まで延び、内部移送チューブ1141は外部移送チューブ1140から塵埃容器1084の入口1100まで延びる。外部移送チューブ1140と内部移送チューブ1141とが共に、塵埃移送チューブ1145を形成する。論じたように、外部移送チューブ1140は、塵埃チューブ1040及びロータリハンマ1004のノーズ1064と選択的に結合されて、集塵機のための吸引空気流路を形成する。内部移送チューブ1141は、本体1016の第1の端部1024に沿って上部から下部まで延び、下部において塵埃容器1084の入口1100に結合される。
【0086】
塵埃容器1084は、ハウジング1012に選択的に結合される。塵埃容器1084は、ロータリハンマ1004のハウジング1012から取り外し可能であり、操作者が塵埃容器1084から塵埃又は他のデブリを空にできるように取り外され得る。図示の実施形態では、塵埃容器1084は、フィルタ1088が所定の場所になければハウジング1012に固定されないようにされる。例えば、フィルタ1088は、塵埃容器1084とハウジング1012との間の接続の一部として機能する。よって、フィルタ1088が所定の場所になければ、塵埃容器1084はハウジング1012に結合されないようにされる。フィルタ1088はファン1200の下側に接続される。特に、フィルタ1088は、ファン1200の円周の周囲及びファン1200の下方に延びる、ファン1200のシュラウド1072に接続される。ファン1200とフィルタ1088とは共に、本体1016の下部で質量中心(CM)より下に配置される。
【0087】
塵埃容器1084は、塵埃含有空気ストリームのための入口1100と、フィルタ1088の出口端によって画定される出口1104とを備える。より具体的には、塵埃容器1084は、対向する側壁1108と、これらの側壁1108間に延びる底壁1112とを備える。塵埃容器1084は、追加的に、側壁1108のそれぞれ及び底壁1112に隣接する端壁1116を備える。開口部1120が上壁1118に画定され、開口部1120を通ってフィルタ1088が受け入れられる。上壁1118は、塵埃含有空気のための入口1100を更に備える。接続ポート1124が、塵埃チューブ1040から塵埃容器1084に塵埃含有空気を導くために、入口1100を通って延びる。いくつかの実施形態では、接続ポート1124はDEC26接続である。塵埃容器1084は、使用者の作業領域を実質的に塵埃及び他のデブリのないように維持するために、ロータリハンマ1004によって行われる削孔及び/又はハンマリング動作中のワークピースからの塵埃及び他のデブリを回収するように動作可能である。
【0088】
上述のように、ファン1200は吸引空気流路(AF1)と冷却空気流路(AF2)との両方を形成する。ファン1200は、モータ1048とフィルタ1088との間に配置された2軸ラジアル排気ファンである。ファン1200は、モータ1048からのトルクがファン1200の回転を駆動するように、モータ1048の出力シャフトに取り付けられる。したがって、ファン1200の回転軸はモータ軸A1と同軸である。図22から最も良く分かるように、空気は、反対向きの2つの方向からファン1200の回転軸A1に沿ってファン1200に入る。具体的には、冷却空気流路(AF2)はファン1200の上側からファン1200に入り、吸引空気流路(AF1)はファン1200の下側からファン1200に入る。いずれかの空気流路からの空気がファン1200に到達すると、空気は、排気されるべく、ファン1200から半径方向外向きに導かれる。
【0089】
特に、ファン1200は、ロータリハンマ1004のハウジング1012にある入口開口部1066を通して、ロータリハンマ1004に冷却空気を引き込む。次いで、冷却空気流(AF2)は、モータ1048を冷却するために、モータ1048の上に引き込まれる。いくつかの実施形態では、ハウジング1012の内面は、冷却空気流(AF2)をモータ1048内に案内するためのリブを備え、これにより、冷却空気流(AF2)がモータ1048の上を通過することが確保される。ファン1200は、コントローラ1205を冷却するために、コントローラ1205に冷却空気を更に引き込み得る。モータ1048及びコントローラ1205の一方又は両方を通過した後、冷却空気流(AF2)は、ファン1200の上側からファン1200に入り、ファン1200の出口1104を通って半径方向に出る。次いで、冷却空気流(AF2)は、ロータリハンマ1004のハウジング1012にある出口開口部1074(図20)を通ってロータリハンマ1004から排気される。具体的には、出口1104は、ファン1200のシュラウド1072に半径方向の開口部として形成され、この開口部は、空気をロータリハンマ1004の外部に導くために、出口開口部1074と整列される。いくつかの実施形態では、出口開口部1074は、ハウジング1012の単一の側に設けられ、シュラウド1072の出口1104は、ハウジング1012の単一の側に設けられる。
【0090】
ファン1200はまた、吸引空気流(AF1)を形成し、吸引空気流(AF1)では、空気が冷却空気流(AF2)とは反対方向に集塵アセンブリ1008を通ってファン1200に向かって導かれた後、半径方向に排気口1204の外に導かれる。特に、空気は、ノズル1076内に吸引され、塵埃チューブ1040を通り、塵埃移送チューブ1045(すなわち、外部移送チューブ1140及び内部移送チューブ1141)を通り、塵埃が捕捉される塵埃容器1084内に吸引される。清浄な空気は、フィルタ1088を通ってファン1200内に吸い上げられ、出口1104及び開口部1074を通って排気される。塵埃がフィルタ1088を介して空気から分離された後、清浄な空気が排気される。いくつかの実施形態では、フィルタ1088は、超高性能エア(「HEPA」)フィルタである。
【0091】
したがって、ファン1200の回転は、吸引空気流(AF1)及び冷却空気流(AF2)を同時に形成する。図示の実施形態では、ファン1200は、図27に最も良く示されているように、第1のセットのファンブレード1078と第2のセットのファンブレード1080とを備えた二重フィンのファンである。第1のセットのファンブレード1078は吸引空気流(AF1)を形成するために使用され、第2のセットのファンブレード1080は冷却空気流(AF2)を形成するために使用される。しかしながら、他のタイプのファンが、一方又は両方の空気流を形成するために使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、単一セットのファンブレードを有するファンが、吸引空気流(AF1)と冷却空気流(AF2)との両方を形成し得る。いくつかの実施形態では、冷却空気流(AF2)及び集塵空気流(AF2)は、2つの別個の空気ストリームであってもよく、これらの空気ストリームは、ファン1200内で合流し、合流した空気ストリームとして一緒に排気されるまで、互いに分離される。いくつかの実施形態では、冷却空気流は、ロータリハンマ1004の他の構成要素(例えば、回路基板)の上に導かれて、これらの構成要素も冷却する。
【0092】
いくつかの実施形態では、集塵アセンブリ1008は更なる特徴を有し得る。例えば、図示の実施形態では、モータ1048のためのホールボードがモータ1048とファン1200との間に配置される。追加的に、モータ1048の出力シャフトを支持する軸受1202も、冷却空気流が軸受1202上を移動するように、モータ1048とファン1200との間に配置される。この構成により、吸引空気流からの空気は、塵埃チューブ1040からフィルタ1088内へ、そしてファン1200を通って、軸受の周りを案内されることなく移動できる。更に、この構成により、モータ1048及び/又はファンを冷却する冷却空気は、モータ1048の固定子を通って移動し、ファン1200に到達する前に軸受支持構造の周りに案内される。
【0093】
集塵アセンブリ1008は、フィルタ1088から塵埃を取り除くフィルタ洗浄機構1148(図23)を更に備え得る。一実施形態では、フィルタ洗浄機構1148はソレノイド1082を備え、ソレノイド1082が作動されてピン1086を伸ばす。次いで、ピン1086はアンビル1090に係合し、アンビル1090は回転してフィルタ1088を叩き、デブリを解放する。上述のように、コントローラ1205は、集塵アセンブリ1008及び駆動ユニット1044を動作させるように適合される。これにより、両アセンブリ間の調整が可能になる。一実施形態では、フィルタ洗浄機構1148は、ファン1200が作動状態から非作動状態に移行したときに自動的に作動する。別の実施形態では、フィルタ洗浄機構1148は、モータ1048が作動状態から非作動状態に移行したときに自動的に作動する。本明細書で使用される場合、ファン1200は、ファン1200が回転を停止したとき、又はファン1200によって誘導される空気流が実質的に停止するような所定の閾値未満の回転速度までファン1200が減速したときに、作動状態から非作動状態に移行する。コントローラ1205は、ファン1200の回転状態のインジケータを監視し得る。いくつかの実施形態では、コントローラ1205は、ファン1200の回転速度を(例えば、ファン1200と共に回転する磁石を使用することによって)直接検出するためのホール効果センサを使用することによって、ファン1200の回転を監視するように構成され得る。別の実施形態では、ファン1200は、モータ1048がファン1200に回転力を伝達しなくなったときに、作動状態から非作動状態に移行する。同様に、モータ1048は、モータ1048が回転を停止したとき、又はモータ1048が所定の回転速度閾値まで減速したときに、作動状態から非作動状態に移行し得る。例えば、コントローラ1205は、モータ1048が作動状態(すなわち、ファン1200にトルクを提供する状態)から非作動状態に移行したか否かを判定するために、モータ1048に印加される電圧又は電流を検出するセンサを監視し得る。
【0094】
図28は、フィルタ洗浄機構1448の別の実施形態を提供する。図示の実施形態では、フィルタ洗浄機構1448は、モータ1048のシャフトと複数の歯1466を有する回転可能なプレート1462との間に配置されたクラッチ軸受1464(すなわち、一方向軸受)の形態のアクチュエータを備える。通常の動作においては、モータ1048及びファン1200は、回転軸A1を中心として第1の方向(すなわち、図28の反時計回り方向)に回転する。第1の方向に回転するとき、モータ1048からのトルクはプレート1462に伝達されない。しかしながら、ファン1200が作動状態から非作動状態に移行すると(すなわち、停止するまで減速する、又は所定の閾値速度未満まで減速する)、モータ1048は、第2の方向、すなわち逆方向(すなわち、図28の時計回り方向)にパルスを発するように構成される。クラッチ軸受1464の作用に起因して、モータ1048が逆方向にパルスを発すると、トルクがプレート1462に伝達される。プレート1462から延びる歯1466はリンケージ1468に順次係合し、次いで、このリンケージ1468がフィルタ1088に衝撃を与える。図示の実施形態では、リンケージ1468はピボット1472を中心として回転する。
【0095】
ロータリハンマ1004内への集塵アセンブリ1008の一体化は、いくつかの異なる利点をもたらし得る。例えば、ロータリハンマ1004内への集塵アセンブリ1008の一体化により、ロータリハンマ1004及び集塵アセンブリ1008の動作のための部品の数を減らすこと可能になり得る。ひいては、このことによりシステムの全体的なコストが削減され得る。追加的に、いくつかの実施形態では、部品の削減により、システムの全体的な重量及びサイズも削減され得る。同様に、いくつかの実施形態では、工具システムのプロファイルはよりコンパクトであり、これにより、使用者が工具システムをより容易に操作し、保持することが可能になり得る。本開示において説明される様々な特徴及び実施形態は、一緒に混ざり合わされてもよいし、特徴及び実施形態の異なる組み合わせへと交換されてもよいことを理解されたい。
【0096】
例えば、開示されたロータリハンマ1004は、駆動アセンブリ1052及び集塵アセンブリ1008を動作させるために、単一の電源(例えば、バッテリ1056)及び単一の電気モータ1048を利用する。更に、ロータリハンマ1004は、駆動アセンブリ1052及び集塵アセンブリ1008の動作を制御するように適合された単一のコントローラを備える。追加的に、単一のファン1200が、吸引空気流路と冷却空気流路とを含む2つの異なる空気流路を発生させるために使用され得る。第1の空気流路は、塵埃含有空気が、ノズル1076を通って入り、塵埃チューブ1040を通って外部及び内部移送チューブ1140、1141内に移動し、フィルタ1088の助けを借りて塵埃を塵埃容器1084内に堆積させる集塵流路である。集塵流路における空気流は、ファン1200及びモータ1048によって駆動される。第2の流路は冷却流路として特徴付けられ、冷却流路は、これらの構成要素を冷却するために、モータ1048及び/若しくはコントローラ1205、又は駆動アセンブリの他の構成要素の上に清浄な空気を導く。
【0097】
いくつかの実施形態では、ロータリハンマ1004はONE-KEY(登録商標)と互換性がある。特に、ロータリハンマ1004は(例えば、Bluetooth又は他の近距離無線通信プロトコルを使用して)無線通信が可能であり、これにより、ロータリハンマ1004を遠隔デバイス(例えば、スマートフォン)を介して監視及び/又は制御できる。遠隔デバイスに無線接続されると、遠隔デバイスは、ロータリハンマ1004の位置を追跡し、バッテリ1056を監視し、トリガ1098を遠隔ロックし、ロータリハンマ1004の他の態様を制御することが可能になる。例えば、使用者は、モータ1048の回転速度及び/又はトルク出力を制御又は調整できる。同様に、使用者は工具の他の動作設定を調整できる。いくつかの実施形態では、ONE-KEYエレクトロニクスがコントローラ1205内に組み込まれる。しかしながら、他の実施形態では、ONE-KEYエレクトロニクスは、別個のコントローラPCBを介して提供されてもよい。
【0098】
以上、ロータリハンマの複数の実施形態について説明してきたが、説明した実施形態の様々な特徴及び構成要素は交換可能であることが当業者には理解されよう。更に、本開示を、特定の好適な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、記載されている本開示の1つ又は複数の独立態様の範囲及び趣旨内に変形形態及び修正形態が存在する。
【0099】
本開示の様々な特徴は、以下の特許請求の範囲に記載されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
【手続補正書】
【提出日】2023-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの第1の端部上に配置され、工具アクセサリを受け入れるように構成された工具レセプタクルと、
前記ハウジング内に配置され、前記工具アクセサリを駆動するために前記工具レセプタクルに動作可能に結合されたモータと、
動力工具の前記ハウジングに選択的に結合された塵埃容器と、
前記ハウジングの前記第1の端部に結合され、前記塵埃容器と流体連通する塵埃チューブであって、前記塵埃チューブが伸展位置と格納位置との間で移動可能である、塵埃チューブと、
前記ハウジング内に配置され、前記塵埃チューブを通って前記塵埃容器内まで吸引空気流路を発生させるように動作可能なファンであって、前記ファンが前記モータによって回転可能に駆動される、ファンと
を備える、手持ち動力工具。
【請求項2】
前記ファンが、前記ハウジングを通る冷却空気流路を発生させるように動作可能であり、前記冷却空気流路が、前記モータ及びコントローラの少なくとも一方を通過して冷却効果を提供する、請求項1に記載の手持ち動力工具。
【請求項3】
前記吸引空気流路と前記冷却空気流路とが、前記ファンに到達するまで互いに隔離される、請求項2に記載の手持ち動力工具。
【請求項4】
前記吸引空気流路及び前記冷却空気流路が、反対向きの2つの方向から前記ファンの回転軸に沿って前記ファンに入り、前記吸引空気流路及び前記冷却空気流路が、前記ファンから半径方向に出る、請求項2に記載の手持ち動力工具。
【請求項5】
前記ハウジング内に配置されたフィルタであって、前記フィルタが、前記フィルタを通して塵埃含有空気を引き込むために前記ファンと流体連通する、フィルタを更に備える、請求項1に記載の手持ち動力工具。
【請求項6】
前記ファンが前記モータと前記フィルタとの間に配置され、前記モータ、前記ファン、及び前記フィルタがモータ軸に沿って整列され、前記ファンの回転軸が前記モータ軸と同軸である、請求項5に記載の手持ち動力工具。
【請求項7】
前記ハウジング内に配置されたフィルタ洗浄機構であって、前記フィルタ洗浄機構が前記フィルタに捕捉されたデブリを除去するように構成される、フィルタ洗浄機構を更に備える、請求項5に記載の手持ち動力工具。
【請求項8】
前記ハウジング内に配置されたコントローラであって、前記コントローラが、前記モータ及び前記フィルタ洗浄機構を制御するように構成される、コントローラを更に備える、請求項7に記載の手持ち動力工具。
【請求項9】
前記塵埃チューブから前記塵埃容器に塵埃を移送するために前記塵埃チューブと前記塵埃容器との間に配置された塵埃移送チューブであって、前記塵埃移送チューブが前記ハウジングの少なくとも一部を通って延びる、塵埃移送チューブを更に備える、請求項1に記載の手持ち動力工具。
【請求項10】
前記工具アクセサリが第1の軸を規定し、前記モータが第2の軸を規定し、前記第1の軸が前記第2の軸に対して角度をなす、請求項1に記載の手持ち動力工具。
【請求項11】
前記第1の軸と前記第2の軸との間の前記角度が80度~135度である、請求項10に記載の手持ち動力工具。
【請求項12】
前記第1の軸と前記第2の軸との間の前記角度が90度である、請求項11に記載の手持ち動力工具。
【請求項13】
ハウジングと、
前記ハウジングの第1の端部上に配置され、工具アクセサリを受け入れるように構成された工具レセプタクルと、
前記ハウジング内に配置され、前記工具アクセサリを駆動するために前記工具レセプタクルに動作可能に結合されたモータと、
前記ハウジングに選択的に結合された塵埃容器と、
前記ハウジングの前記第1の端部に結合され、前記塵埃容器と流体連通するオーバービット塵埃チューブであって、前記オーバービット塵埃チューブが伸展位置と折り畳み位置との間で移動可能である、オーバービット塵埃チューブと、
前記ハウジング内に配置され、前記塵埃チューブを通って前記塵埃容器内まで空気流路を発生させるように動作可能なファンと
を備える、手持ち動力工具。
【請求項14】
前記オーバービット塵埃チューブが前記ハウジングに取り外し可能に結合される、請求項13に記載の手持ち動力工具。
【請求項15】
前記オーバービット塵埃チューブが、スナップフィット及び回転可能な接続の少なくとも一方を介して前記ハウジングに取り外し可能に結合される、請求項14に記載の手持ち動力工具。
【請求項16】
前記オーバービット塵埃チューブを前記ハウジングに選択的に結合するように構成された塵埃移送チューブであって、前記塵埃移送チューブがスナップフィット接続を介して前記ハウジングに軸方向に固定され、前記塵埃移送チューブが回転可能な接続を介して前記ハウジングに回転可能に固定される、塵埃移送チューブを更に備える、請求項15に記載の手持ち動力工具。
【請求項17】
ハウジングと、
前記ハウジングの第1の端部上に配置され、工具アクセサリを受け入れるように構成された工具レセプタクルであって、前記工具アクセサリが作動軸を規定する、工具レセプタクルと、
前記ハウジングの第2の端部から後方に延びるハンドルと、
前記ハウジング内に配置され、前記工具アクセサリを駆動するために前記工具レセプタクルに動作可能に結合されたモータと、
前記ハウジングに選択的に結合された塵埃容器と、
前記ハウジングの前記第1の端部に結合され、前記塵埃容器と流体連通する塵埃チューブであって、前記塵埃チューブが伸展位置と格納位置との間で移動可能である、塵埃チューブと、
前記塵埃チューブと前記塵埃容器とを流体接続する塵埃移送チューブであって、前記塵埃移送チューブが前記ハウジングの少なくとも一部を通って延びる、塵埃移送チューブと、
前記ハウジング内に配置され、前記塵埃チューブを通って前記塵埃容器内まで吸引空気流路を発生させるように動作可能なファンと
を備える、手持ち動力工具。
【請求項18】
前記動力工具の後端に取り外し可能に結合された補助ハンドルを更に備える、請求項17に記載の手持ち動力工具。
【請求項19】
前記補助ハンドルが、前記作動軸に略平行な方向に沿って延びる、請求項18に記載の手持ち動力工具。
【請求項20】
前記モータを作動させるために前記モータに動作可能に結合されたトリガであって、前記トリガが、前記作動軸に近接する位置において前記ハンドルに沿って配置され、それにより、前記工具アクセサリ、前記トリガ、及び前記補助ハンドルが整列される、トリガを更に備える、請求項19に記載の手持ち動力工具。
【請求項21】
前記補助ハンドルが、前記ハウジングに対して異なる長さに伸長可能であること、又は異なる向きに回転可能であることの少なくとも一方である、請求項18に記載の手持ち動力工具。
【国際調査報告】