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特表2024-515528LIDARシステム制御アセンブリのサイズ縮小
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】LIDARシステム制御アセンブリのサイズ縮小
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/34 20200101AFI20240403BHJP
【FI】
G01S17/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560962
(86)(22)【出願日】2022-04-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 US2022026233
(87)【国際公開番号】W WO2022232074
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】17/244,869
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520437076
【氏名又は名称】シルク テクノロジーズ インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003007
【氏名又は名称】弁理士法人謝国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、チェン
(72)【発明者】
【氏名】ルフィ、ブラッドレー ジョナサン
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA07
5J084AD01
5J084BA21
5J084BA36
5J084BB14
5J084BB34
5J084CA04
5J084CA08
5J084CA48
5J084CA49
5J084EA31
(57)【要約】
LIDARシステムは、1つ以上の光分割器及び複数の光学結合器を備えている。LIDARシステムは、光信号が通過する複数の光経路も備えている。該光経路は、それぞれが前記1つ以上の分割器の1つから前記光学結合器の1つまで延伸する遅延経路を含む。該光経路は、それぞれが前記分割器の1つから前記光学結合器の1つまで延伸する促進経路を含む。各光学結合器は、該光学結合器に延伸する前記遅延経路のうちの1つと前記促進経路のうちの1つを備えている。前記遅延経路及び促進経路は、各光学結合器への遅延経路が同じ光学結合器への促進経路よりも長くなるように構成される。各遅延経路は、共通部分及び分離部分を備えている。各遅延経路の共通部分は、遅延経路によって共有される。対照的に、遅延経路の分離部分は、他の遅延経路とは共有されない。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の光分割器と複数の光学結合器を含む、LIDARシステムであって、
該LIDARシステムは、光信号が通過できる複数の光経路を有し、該光経路は、それぞれが前記1つ以上の分割器の1つから前記光学結合器の1つまで延伸する複数の遅延経路を含み;また、
該光経路は、それぞれが前記1つ以上の分割器の1つから前記光学結合器の1つまで延伸する促進経路を含み、
各光学結合器は、該光学結合器に延伸する前記遅延経路のうちの1つと前記促進経路のうちの1つを有し、
前記遅延経路と前記促進経路は、各光学結合器への遅延経路が同じ光学結合器への促進経路よりも長くなるように構成され、また
各遅延経路は、共通部分と分離部分を有し、前記遅延経路の共通部分は、各遅延経路によって共有され、各遅延経路の分離部分は、他の遅延経路から分離される、
LIDARシステム。
【請求項2】
前記共通部分が、螺旋形導波路を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記遅延導波路のそれぞれが、複数の分離部分を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記共通部分を通過する光信号が、複数のチャネルを搬送し、前記分離部分を通過する光信号が、単一のチャネルを搬送する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記遅延経路のそれぞれが、前記1つ以上の分割器のうちの同じ1つから延伸する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記促進経路のそれぞれが、異なる分割器から延伸する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記促進経路のそれぞれが、同じ分割器から延伸する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記遅延経路のそれぞれ及び前記促進経路のそれぞれが、前記1つ以上の分割器のうちの同じ1つから延伸する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ以上の分割器のそれぞれが、波長依存型分割器である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記遅延経路及び前記促進経路は、同じ光学結合器に延伸する前記遅延経路及び前記促進経路が、前記1つ以上の分割器のうちの同じ1つから延伸するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記LIDARシステムが、該LIDARシステムから離れて進行し、該LIDARシステムの外部に位置する物体によって反射されることができるシステム出力信号を出力するように構成され;また、
電子機器は、前記システム出力信号のそれぞれの周波数を制御するように構成され、該電子機器は、電気的プロセス変数信号を用いて前記周波数を制御し、該プロセス変数信号は、同相成分及び直交成分を含み、該プロセス変数は、前記遅延経路の1つと前記促進経路の1つから受信される光信号から生成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記遅延経路及び前記促進経路が、LIDARチップ上の光集積回路に含まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記LIDARチップが、シリコン・オン・インシュレーター プラットフォームを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
光分割器及び光学結合器を含む、LIDARシステムであって、
該LIDARシステムは、光信号が通過できる複数の光経路を有し、該光経路は、それぞれが前記分割器から前記光学結合器まで延伸する遅延経路を含み;また、
該光経路は、それぞれが前記分割器から前記光学結合器まで延伸する促進経路を含み、
前記遅延経路と前記促進経路は、遅延経路が促進経路よりも長くなるように構成され、また
前記遅延経路は、該遅延経路に沿って第1方向に進行する遅延経路光信号を受信して、該遅延経路光信号を、前記第1方向とは逆の第2方向に進行する遅延経路に帰還させるように構成された帰還要素を有する、
LIDARシステム。
【請求項15】
前記帰還要素が、ミラーである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記遅延経路が、螺旋形導波路を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記LIDARシステムが、該LIDARシステムから離れて進行し、該LIDARシステムの外部に位置する物体によって反射されることができるシステム出力信号を出力するように構成され;また、
電子機器は、前記システム出力信号の周波数を制御するように構成され、該電子機器は、電気的プロセス変数信号を用いて前記周波数を制御し、該プロセス変数信号は、同相成分及び直交成分を含み、該プロセス変数は、前記遅延経路と前記促進経路から受信される光信号から生成される、
請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記遅延経路及び前記促進経路が、LIDARチップ上の光集積回路に含まれる、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記分割器が、波長依存型分割器である、請求項16に記載のシステム。


【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2021年4月29日に出願された「LIDARシステム制御アセンブリのサイズ縮小」と題された米国特許出願第17/244,869号の継続であり、その全体が組み込まれる。
【分野】
【0002】
本発明は、光学装置、特にLIDARアセンブリに関する。
【背景】
【0003】
ADAS(先進運転支援システム)やAR(拡張現実)等の応用に利用できるLIDARシステムに対する商業的な需要が高まっている。LIDAR(光検出及び測距)システムは通常、LIDARシステムの外側にある物体によって反射されるシステム出力信号を出力する。反射された光信号の少なくとも一部は、LIDARシステムに帰還する。LIDARシステムは、受信される光信号を、光信号を電気信号に変換する光センサーに誘導する。電子機器は、光センサーの出力を用いて、物体とLIDARシステムの間の視線速度及び/または距離を示すLIDARデータを定量することができる。
【0004】
多くのLIDAシステムは、LIDARデータの正確な測定を可能にするために、システム出力信号の周波数を対時間で、線形にまたは他の明確に定義された波形に調整する。このような場合、LIDARシステムは、システム出力信号の周波数を監視し、監視された周波数に応じて周波数を調整して、所望の波形形状を実現することができる。システム出力信号の周波数を監視するために使用されるシステムでは、望ましい結果を達成するために望ましくないほど長い1つ以上の導波路が必要となり得る。この導波路の長さのため、これらのシステムは、LIDARチップ上の利用可能なスペースの大部分を占めることがよくある。その結果、LIDARシステム出力信号の周波数を監視するための改良されたシステムが必要とされている。
【概要】
【0005】
LIDARシステムは、1つ以上の光分割器及び複数の光学結合器を備えている。LIDARシステムは、光信号が通過する複数の光経路も備えている。該光経路は、それぞれが前記1つ以上の分割器の1つから前記光学結合器の1つまで延伸する遅延経路を含む。該光経路は、それぞれが前記分割器の1つから前記光学結合器の1つまで延伸する促進経路も含む。各光学結合器は、該光学結合器に延伸する前記遅延経路のうちの1つと前記促進経路のうちの1つを備えている。前記遅延経路及び促進経路は、各光学結合器への遅延経路が同じ光学結合器への促進経路よりも長くなるように構成される。各遅延経路は、共通部分及び分離部分を備えている。各遅延経路の共通部分は、遅延経路によって共有される。対照的に、遅延経路の分離部分は、他の遅延経路とは共有されない。
【0006】
LIDARシステムの別の実施形態は、光分割器及び光学結合器を備えている。該LIDARシステムは、LIDARシステムの動作中に光信号が通過する複数の光経路も備えている。該光経路は、前記分割器から前記光学結合器まで延伸する遅延経路を含む。該光経路は、前記分割器から前記光学結合器まで延伸する促進経路も含む。該遅延経路及び促進経路は、遅延経路が促進経路よりも長くなるように構成される。前記遅延経路は、該遅延経路に沿って第1方向に進行する遅延経路光信号を受信して、該遅延経路光信号を、第1方向とは逆の第2方向に進行する遅延経路に帰還させるように構成された帰還要素を備えている。いくつかの場合では、遅延経路は、螺旋形導波路を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1Aは、LIDARチップの上面図である。
【0008】
図1Bは、複数のレーザー源を含む光源を示す。
【0009】
図2は、LIDARチップの上面図である。
【0010】
図3は、LIDARチップの上面図である。
【0011】
図4は、LIDARチップの上面図である。
【0012】
図5は、LIDARチップと光通信するLIDARアダプターの上面図である。
【0013】
図6は、図1AのLIDARチップ及び電子機器、ならびに図5のLIDARアダプターを共通支持体の上に含むLIDARシステムの上面図である。
【0014】
図7Aは、LIDARシステムに適用した処理要素の例を示す。
【0015】
図7Bは、図7Aに従って構築された処理要素に適用した電子機器の概略図を提供する。
【0016】
図7Cは、システム出力信号の、三角周波数同調を有する周波数対時間のグラフである。
【0017】
図7Dは、LIDARシステムに適用した処理要素の別の例を示す。
【0018】
図7Eは、図7Dに従って構築された処理要素に適用した電子機器の概略図を提供する。
【0019】
図8A及び図8Bは、図1Aから図4に関連して開示された制御要素の全体または一部に適用した制御要素の例を示す。図8Aは、LIDARチップ上に配置できる光学構成要素と光センサーの間のインターフェースを示す。
【0020】
図8Bは、LIDARチップに含められる電子機器と光センサーとの間の関係の概略図である。
【0021】
図8Cは、システム出力信号の周波数と同じ時間軸上の信号の同相成分及び直交成分の振幅を示すグラフである。
【0022】
図8Dは、LIDARシステムの電子機器に適用したプロセス変数識別要素の一例を示す。
【0023】
図8Eは、LIDARシステムの電子機器に適用したプロセス変数識別要素の別の例を示す。
【0024】
図9は、螺旋形導波路を含む導波路の一部の上面図である。
【0025】
図10Aは、シリコン・オン・インシュレーター プラットフォーム上に導波路を含むLIDARチップの一部の断面図である。
【0026】
図10Bから図10Dは、シリコン・オン・インシュレーター プラットフォーム上に構築され、図2及び図4に従って構築されたLIDARチップ上に適用した帰還装置の一例を示す。図10Bは、帰還装置を備えているLIDARチップの一部の上面図である。
【0027】
図10Cは、図10BにおいてCと表記された線に沿った帰還装置82の断面図である。
【0028】
図10Dは、図10BにおいてCと表記された線に沿った帰還装置82の断面図である。
【説明】
【0029】
LIDARシステムは、それぞれが異なるチャネルを搬送する複数の異なるシステム出力信号を出力するように構成される。LIDARシステムは、システム出力信号の少なくとも1つの周波数対時間のパターンを制御するようにそれぞれ構成された複数の制御機構を有する。
【0030】
LIDARシステムは、1つ以上の光分割器、複数の光学結合器、及び光信号が通過する複数の光路も含む。光経路は、それぞれが1つ以上の分割器の1つから光学結合器の1つまで延伸する遅延経路を含む。光経路は、それぞれが分割器の1つから光学結合器の1つまで延伸する促進経路も含む。遅延経路の1つと促進経路の1つは、各光学結合器まで延伸する。
【0031】
LIDARシステムの動作中、遅延経路信号は、遅延経路を通過し、促進経路信号は、促進経路を通過することができる。異なる遅延経路信号は、チャネルの異なる1つをそれぞれ搬送することができる。異なる促進経路信号は、チャネルの異なる1つをそれぞれ搬送することができる。遅延経路及び促進経路は、光学結合器が同じチャネルを搬送する遅延経路信号及び促進経路信号をそれぞれ受信するように構成することができる。
【0032】
各光学結合器への遅延経路は、同じ光学結合器への促進経路よりも長い。遅延経路の長さの増加は、遅延経路信号が各光学結合器で受信される時間と促進経路信号が該光学結合器で受信される時間との間に遅延を生じさせるのに十分である。
【0033】
各遅延経路は、共通部分及び分離部分を有する。各遅延経路の共通部分は、複数の遅延経路によって共有される。その結果、遅延経路信号を遅延経路の共通部分で結合することができる。対照的に、遅延経路の分離部分は、他の遅延経路とは共有されない。
【0034】
遅延経路の共通部分は、遅延経路と促進経路との間の長さの差の一次情報となり得る。その結果、遅延経路の共通部分が、各光学結合器で受信される遅延経路信号と促進経路信号との間の所望の遅延の一次情報となり得る。遅延経路信号は、遅延経路の共通部分で結合できるので、遅延経路の共通部分は、遅延経路信号のそれぞれに所望の遅延を提供することができる。その結果、それぞれが異なるチャネルを搬送する複数の信号に共通の経路は、各信号に所望の遅延を提供することができる。共通の経路を使用して複数の異なる信号にこの遅延を提供できるため、遅延経路がLIDARシステムにおいて所望の遅延を作るために必要とするスペースの量が削減される。
【0035】
1つ以上の光学結合器をそれぞれ、各制御機構に含めることができる。制御機構は、光学結合器における遅延経路信号と促進経路信号との間の遅延を利用して、システム出力信号の少なくとも1つの周波数対時間のパターンを制御することができる。遅延経路に必要なスペースが削減されると、制御機構に必要なスペースも削減される。各制御機構によって制御されるシステム出力信号は、異なるチャネルを搬送できるので、異なるチャネルのそれぞれに関連付けられた制御機構の所要サイズが削減されることにより、追加のシステム出力信号を制御するために必要な制御機構の所要スペースを非現実的に増加させることなく、LIDARシステムから出力されるシステム出力信号の数を増やすことが可能になる。
【0036】
LIDARシステムは、システム出力信号のプロセス変数を制御するように構成された制御機構を含む。いくつかの場合では、該制御機構は、フィードバック制御ループ等の制御ループである。システム出力信号は、LIDARシステムによって出力され、LIDARシステムの外部にある物体によって反射された後にLIDARシステムに帰還する光信号である。LIDARシステムは、その反射光を使用して、物体のLIDARデータを生成することができる。制御機構によって制御できるプロセス変数の例には、システム出力信号の周波数及び/または位相が含まれる。
【0037】
制御機構は、プロセス変数の値を示すデータを搬送する制御信号を生成する。制御信号は、同相成分と直交成分を含むプロセス変数信号から生成される。プロセス変数信号は、異なる周波数の信号からの寄与の結果として拍動している。直交成分の使用により、プロセス変数信号が同相成分のみを含む場合に生じる制御信号の周波数に比べて、制御信号の周波数を増加させることができる。制御信号の周波数を増加させることで、プロセス変数の値を測定するために必要なプロセス変数信号の拍動周波数を減少させる。従来のシステムでは、マッハツェンダー干渉計における導波路の1つの長さを長くすることで拍動周波数を高めていた。直角成分は、必要な拍動周波数を低減させるため、マッハツェンダー干渉計における導波路の1つに必要な長さも短縮させる。従って、直交成分は、制御機構に占有されるLIDARチップ上のスペースの量を削減することができる。
【0038】
図1Aは、光集積回路を含むLIDARチップの上面図である。該光回路は、出射LIDAR信号を出力する光源10を含むことができる。該出射LIDAR信号は、それぞれ異なる波長の1つ以上の異なるチャネルを含む。チャネルの波長は、あるチャネルから次のチャネルへの波長の増加(チャネル間隔)が一定または実質的に一定であるという点で、周期的に間隔をあけることができる。いくつかの場合では、該チャネル間隔は、一定であり、かつ0.5nm、1nm、3nm、または5nmより大きく、かつ/または10nm、15nm、または20nmより小さい。いくつかの場合では、チャネル数Nは、2、4、または8より多く、かつ/または16、32、または64より少ない。周期的に間隔をあけた波長を有する複数のチャネルを生成するための適切な光源10には、限定するものではないが、コムレーザー、1つ以上の単一波長レーザー、及び/または出射LIDAR信号に多重化された出力を有する1つ以上の複数波長レーザーが含まれる。
【0039】
LIDARチップは、光源10から出射LIDAR信号を受信するユーティリティ導波路12も含む。ユーティリティ導波路12は、ファセット14で終端し、出射LIDAR信号をファセット14に搬送する。ファセット14は、ファセット14を通過する出射LIDAR信号がチップから出射してLIDAR出力信号として機能するように配置することができる。例えば、ファセット14をチップの端に配置して、これにより、ファセット14を通過する出射LIDAR信号がチップから出射してLIDAR出力信号として機能する。
【0040】
LIDAR出力信号は、チップから離れて移動し、LIDAR出力信号の経路上の物体によって反射され得る。反射された信号は、該物体から離れて移動する。LIDAR出力信号が反射されると、反射された信号からの光の少なくとも一部が、LIDAR入力信号としてLIDARチップ上の入力導波路16に帰還される。入力導波路16は、LIDAR入力信号が入力導波路16に入射できるファセット18を含む。入力導波路16に入射するLIDAR入力信号の部分は、入射LIDAR信号とみなすことができる。入力導波路16は、入射LIDAR信号を比較分波器30に搬送する。入射LIDAR信号が複数のチャネルを含む場合、比較分波器30は、入射LIDAR信号を、それぞれが異なるチャネルを搬送する異なる比較信号に分割する。比較分波器30は、異なる比較導波路32上に比較信号を出力する。比較導波路32はそれぞれ、比較信号のうちの1つを異なる処理要素34に搬送する。
【0041】
LIDARチップは、出射LIDAR信号の一部をユーティリティ導波路12から参照導波路37上に参照信号として移動させる分割器36を含む。適切な分割器36には、光学結合器、y接合、及びMMIが含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
参照導波路37は、参照光信号を参照分波器38に搬送する。参照光信号が複数のチャネルを含む場合、参照分波器38は、参照光信号を、それぞれが異なる波長を有する異なる参照信号に分割する。参照分波器38は、異なる参照導波路40上に参照信号を出力する。参照導波路40はそれぞれ、参照信号のうちの1つを処理要素34のうちの異なるものに搬送する。
【0043】
比較導波路32及び参照導波路40は、比較信号及び対応する参照信号が同じ処理要素34で受信されるように構成される。例えば、比較導波路32及び参照導波路40は、同じ波長及び/または同じチャネルを搬送する比較信号及び参照信号が同じ処理要素34で受信されるように構成される。
【0044】
以下により詳細に説明するように、処理要素34はそれぞれ、比較信号を対応する参照信号と結合させて、視野上のサンプル領域のLIDARデータを搬送する複合信号を形成する。従って、複合信号は、サンプル領域のLIDARデータ(LIDARシステムとLIDARシステムの外部の物体との間の視線速度及び/または距離)を抽出するように処理されることができる。
【0045】
LIDARチップは、光源10の動作及び/またはシステム出力信号の1つ以上の特徴を制御するための制御アセンブリを含むことができる。制御アセンブリは、出射LIDAR信号の一部をユーティリティ導波路12から制御導波路52に移動させる分割器50を含む。出射LIDAR信号の結合された部分は、タップ信号として機能する。分割器50は、方向性結合器、光学結合器、y接合、テーパ結合器、及びマルチモード干渉(MMI)装置等の波長非依存型分割器とすることができる。
【0046】
制御導波路52は、タップ信号を、遅延経路信号と促進経路信号との間の遅延の一次情報となり得る差動遅延機構54に搬送する。該遅延機構54は、前記タップ信号を受信し、該タップ信号を遅延信号と促進信号に分割する分割器60を含む。分割器60は、波長非依存型分割器とすることができる。例えば、第2分割器60は、遅延信号及び促進信号が同じまたは実質的に同じ波長の選択を搬送するように構成することができる。従って、遅延信号と促進信号はそれぞれ複数のチャネルを搬送することができる。いくつかの場合では、遅延信号と促進信号がそれぞれのチャネルを搬送する。適切な第2分割器68には、方向性結合器、光学結合器、y接合、テーパ結合器、及びマルチモード干渉(MMI)装置が含まれるが、これらに限定されない。
【0047】
遅延導波路62は、遅延信号を第1分割器64に搬送する。促進導波路66は、促進信号を第2分割器68に搬送する。遅延導波路62は、促進導波路66の長さを超えて遅延導波路の長さを増加させるために使用できる遅延セクション70を含むことができる。例えば、図1Aに示される遅延セクション70は、遅延導波路62の螺旋形配置を表すことができる。遅延導波路62の長さが長いと、遅延信号と促進信号との間に遅延が生じる。
【0048】
第1分割器64は、遅延信号を、それぞれが異なる遅延チャネル導波路72上で搬送される遅延チャネル信号に分割する。第1分割器64は、波長依存型分割器とすることができる。例えば、第1分割器64は、遅延チャネル信号のそれぞれが異なる波長の選択を搬送するように構成することができる。一例として、第1分割器64は、遅延チャネル信号のそれぞれが異なるチャネルを搬送するように構成することができる。遅延チャネル導波路72のそれぞれは、遅延チャネル信号のうちの1つを異なる制御要素74に搬送する。その結果、制御要素74のそれぞれは、異なるチャネルを搬送する遅延チャネル信号を受信する。従って、制御要素74のそれぞれを異なるチャネルに関連付けることができる。適切な第1分割器64には、アレイ導波路格子、エシェル格子、及びリング共振器ベースの装置等の分波器が含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
第2分割器68は、促進信号を、それぞれ異なる促進サブ導波路76上で搬送される促進サブ信号に分割する。第2分割器68は、波長依存型分割器とすることができる。例えば、第2分割器68は、促進サブ信号のそれぞれが同じまたは実質的に同じ波長の選択を搬送するように構成することができる。従って、促進サブ信号のそれぞれは、複数のチャネルを搬送することができる。いくつかの場合では、促進サブ信号のそれぞれが、各チャネルを搬送する。促進サブ導波路76のそれぞれは、促進サブ信号のうちの1つを制御要素74の異なるものに搬送する。その結果、制御要素74のそれぞれは、その制御要素74に関連付けられたチャネルを搬送し、1つ以上の他のチャネルも搬送する促進サブ信号を受信することができる。従って、制御要素74のそれぞれは、同じチャネルを搬送する促進サブ信号及び遅延チャネル信号を受信することができる。適切な第2分割器68には、方向性結合器、光学結合器、y接合、テーパ結合器、及びマルチモード干渉(MMI)装置が含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
いくつかの例では、第2分割器68は、波長依存型分割器である。第2分割器68として機能する波長依存型分割器は、促進サブ信号がそれぞれ異なるチャネルを搬送するように構成することができる。また、促進サブ導波路76は、各制御要素74によって受信される促進サブ信号が、その制御要素74に関連付けられたチャネルを搬送するように構成することができる。その結果、各制御要素74は、制御要素74によって受信される遅延チャネル信号と同じチャネルを搬送する促進サブ信号を受信することができる。
【0051】
上記の説明から明らかなように、タップ信号からの光は、いくつかの異なる遅延経路のうちの1つを分割器60から制御要素74の1つの結合器まで通過する。遅延経路のそれぞれは、主に、遅延導波路62、第1分割器64、及び遅延チャネル導波路72の1つによって定義される。各遅延経路には、遅延信号と遅延チャネル信号の1つとの結合である遅延経路信号が通過する。タップ信号からの光もまた、いくつかの異なる促進経路のうちの1つを分割器60から制御要素74まで通過する。促進経路はそれぞれ、主に、促進サブ導波路76、第2分割器68、及び促進サブ導波路76のうちの1つによって定義される。各促進経路には、促進信号と促進サブ信号の1つとの結合である促進経路信号が通過する。
【0052】
各遅延経路は、共通部分及び分離部分を有する。各遅延経路の共通部分は、複数の遅延経路によって共有される。対照的に、遅延経路の分離部分は、他の遅延経路とは共有されない。共通部分を通過する光信号は、複数の異なるチャネルを搬送することができる。分離部分を通過する光信号は、それぞれ異なるチャネルを搬送することができる。例えば、遅延導波路62は、各遅延経路に共通であり、共通部分として機能する。対照的に、遅延チャネル導波路72は、他の遅延チャネル導波路72からそれぞれ分離され、分離部分として機能する。
【0053】
各促進経路は、共通部分及び分離部分を有する。各促進経路の共通部分は、複数の促進経路によって共有される。対照的に、促進経路の分離部分は、他の促進経路とは共有されない。共通部分を通過する光信号は、複数の異なるチャネルを搬送することができる。分離部分を通過する光信号は、それぞれ異なるチャネルを搬送することができる。例えば、促進導波路66は、各遅延経路に共通であり、共通部分として機能する。対照的に、促進サブ導波路76は、他の促進サブ導波路76からそれぞれ分離され、分離部分として機能することができる。
【0054】
促進経路及び遅延経路は、各制御要素74が同じチャネル(共通チャネル)を搬送する遅延経路信号及び促進経路信号を受信するように構成される。促進経路及び遅延経路は、異なる制御要素74のそれぞれが、異なる共通チャネルを搬送する遅延経路信号及び促進経路信号を受信するように構成することができる。また、遅延経路及び促進経路は、制御要素74のそれぞれで受信される遅延経路信号及び/または促進経路信号がチャネルのうちの1つだけを搬送するか、または本質的にチャネルのうちの1つだけを搬送するように構成することができる。
【0055】
遅延経路と促進経路を定義する構成要素は、同じ制御要素74に到着する促進経路信号と遅延経路信号が、制御要素74への遅延経路信号の到着が、該制御要素74への促進経路信号の到着と比較して遅延されるように構成される。
【0056】
遅延経路信号と促進経路信号にはタップ信号の異なる部分が含まれるため、各制御要素74は、タップ信号の遅延セクション分を受信されるップ部分に対して遅延されたタップ信号の促進部分も受信する。遅延経路及び促進経路を定義する構成要素は、制御要素74に到着するタップ部分と促進部分との間に遅延を提供するように構成することができる。例えば、遅延経路を定義する導波路と促進経路を定義する導波路は、各制御要素84で所望の遅延を提供する長さだけ遅延経路が促進経路よりも長くなるように構成することができる。遅延セクション70の長さは、同じ制御要素74につながる遅延経路と促進経路との間の長さの差の一次情報となり得る。図1Aから明らかなように、異なるチャネルを搬送する遅延信号は、同じ遅延セクション70を通過する。その結果、同じ遅延セクション70が、各遅延経路及び各チャネルに共通である。
【0057】
光源10は、LIDARチップの上に配置されているように示されているが、光源10の全部または一部がLIDARチップから離れて配置されてもよい。図1Bは、複数のレーザー源68を含む光源10の一例を示している。図1Bの光源は、LIDARチップから離れて配置することも、LIDARチップの上に配置することも、またはLIDARチップの上に統合することもできる。いくつかの場合では、レーザー源68のそれぞれは、光源導波路70上にチャネル信号を出力する。各チャネル信号は1つ以上のチャネルを搬送することができる。光源導波路70のそれぞれは、チャネル信号をレーザー合波器72に搬送する。該レーザー合波器72は、チャネル信号を結合して、チャネル導波路またはユーティリティ導波路12上で受信される光信号を形成する。適切なレーザー合波器72には、アレイ導波路格子(AWG)合波器、エシェル格子合波器、及びスターカプラが含まれるが、これらに限定されない。電子機器は、レーザー源68が各チャネルを同時に出力するように、レーザー源68を動作させることができる。電子機器は、レーザー源68が各チャネルを同時に出力するように、レーザー源68を動作させることができる。
【0058】
いくつかの場合では、レーザー源68のそれぞれは、光源導波路70上のチャネルのうちの1つを出力する。光源10に含まれるレーザー源68の総数は、同時にサンプル領域に誘導されるLIDAR出力信号の数以上とすることができる。いくつかの場合では、光源10に含まれるレーザー源68の総数は、同時にサンプル領域に誘導されるLIDAR出力信号の数に等しい。その結果、各レーザー源68は、同時にサンプル領域に誘導される異なるLIDAR出力信号の発生源となり得る。
【0059】
電子機器62は、レーザー源68を独立して動作させることができる。例えば、電子機器は、特定の周波数対時間波形を有する特定のLIDAR出力信号を提供するようにレーザー源68を動作させることができる。電子機器はレーザー源68を独立して動作させることができ、各レーザー源68は異なるLIDAR出力信号の発生源となり得るため、電子機器は、異なるLIDAR出力信号が異なる周波数対時間波形を有するようにレーザー源68を動作させることができる。
【0060】
図2は、遅延セクション70の長さを短縮するために改変された図1A及び図1BのLIDARチップを示している。分割器60は、制御導波路52からタップ信号を受信し、該タップ信号を促進信号及び第1遅延信号に分割する。促進信号は、図1の文脈で開示したように、促進導波路66上で受信される。適切な分割器60には、2×2(マルチモード干渉(MMI)結合器)及び2×2方向性結合器が含まれるが、これらに限定されない。
【0061】
第1遅延導波路80は、分割器60から第1遅延信号を受信する。第1遅延導波路80は、第1遅延信号を帰還装置82に搬送する。帰還装置82は、第1遅延信号が帰還装置82から第1遅延導波路80を通って分割器60に帰還するように、第1遅延信号を第1遅延導波路80に帰還させるように構成される。その結果、第1遅延信号は、第1遅延導波路80を2回通過する。例えば、第1遅延信号は、図2のAと表記された矢印によって示されるように、第1遅延導波路80を各方向に1回通過する。適切な帰還装置82には、ミラー及び反射面が含まれるが、これらに限定されない。
【0062】
分割器60は、第1遅延導波路80から第1遅延信号を受信し、該第1遅延信号を遅延導波路62に出力する。遅延導波路62上で受信される第1遅延信号の部分は、遅延導波路62上を搬送される第2遅延信号として機能する。遅延導波路62は、第2遅延信号を第1分割器64に搬送する。従って、タップ信号からの光は、第1分割器64で受信される前に、分割器60から第1遅延導波路80を2回、遅延導波路62を1回通過する。その結果、第1遅延信号と第2遅延信号は共に、図1Aの文脈で開示された遅延信号として効果的に機能する。
【0063】
第1遅延導波路80は、遅延セクション70を含む。第1遅延導波路80を2回通過する光は、遅延信号が分割器60と第1分割器64との間を通過する有効経路長を増加させる。該有効経路長の増加により、遅延信号と促進信号との間に所望の遅延を提供するために、遅延セクション70の長さを短縮することができる。
【0064】
図2の上記の説明から明らかなように、タップ信号からの光は、分割器60から制御要素74の1つまで、いくつかの異なる遅延経路のうちの1つを通過する。遅延経路のそれぞれは、主に、第1遅延導波路80、分割器60、遅延導波路62、第1分割器64、及び遅延チャネル導波路72のうちの1つによって定義される。遅延経路のそれぞれには、第1遅延信号、第2遅延信号、及び遅延チャネル信号のうちの1つの結合である遅延経路信号が通過する。タップ信号からの光もまた、分割器60から制御要素74まで、いくつかの異なる促進経路のうちの1つを通過する。促進経路はそれぞれ、主に、促進導波路66、第2分割器68、及び促進サブ導波路76のうちの1つによって定義される。
【0065】
各遅延経路は、共通部分及び分離部分を有する。各遅延経路の共通部分は、複数の遅延経路によって共有される。対照的に、遅延経路の分離部分は、他の遅延経路とは共有されない。共通部分を通過する光信号は、複数の異なるチャネルを搬送することができる。分離部分を通過する光信号は、それぞれ異なるチャネルを搬送することができる。例えば、第1遅延導波路80と遅延導波路62は、各遅延経路に共通であり、共通部分として機能する。対照的に、遅延チャネル導波路72は、他の遅延チャネル導波路72から分離され、分離部分として機能する。
【0066】
それぞれの促進経路は、共通部分及び分離部分を有する。各促進経路の共通部分は、促進経路によって共有される。対照的に、促進経路の分離部分は、他の促進経路とは共有されない。共通部分を通過する光信号は、複数の異なるチャネルを搬送することができる。分離部分を通過する光信号は、それぞれ異なるチャネルを搬送することができる。例えば、促進導波路66は、各遅延経路に共通であり、共通部分として機能する。対照的に、各促進サブ導波路76は、他の促進サブ導波路76から分離され、分離部分として機能することができる。
【0067】
各促進経路には、促進信号と促進サブ信号の1つの結合である促進経路信号が通過する。促進経路及び遅延経路は、各制御要素74が同じチャネル(共通チャネル)を搬送する遅延経路信号及び促進経路信号を受信するように構成される。促進経路及び遅延経路は、異なる制御要素74のそれぞれが、異なる共通チャネルを搬送する遅延経路信号及び促進経路信号を受信するように構成することができる。また、遅延経路及び促進経路は、制御要素74のそれぞれで受信される遅延経路信号及び/または促進経路信号がチャネルのうちの1つだけを搬送するか、または本質的にチャネルのうちの1つだけを搬送するように構成することができる。
【0068】
遅延経路と促進経路を定義する構成要素は、同じ制御要素74に到着する促進経路信号と遅延経路信号が、制御要素74への遅延経路信号の到着が、制御要素74への促進経路信号の到着と比較して遅延されるように構成される。
【0069】
遅延経路信号と促進経路信号はタップ信号の異なる部分を表すため、各制御要素74は、タップ信号の遅延部分を受信されるップ部分に対して遅延されたタップ信号の促進部分も受信する。遅延経路及び促進経路を定義する構成要素は、制御要素74に到着するタップ部分と促進部分との間に遅延を提供するように構成することができる。例えば、遅延経路を定義する導波路と促進経路を定義する導波路は、各制御要素84で所望の遅延を提供する長さだけ遅延経路が促進経路よりも長くなるように構成することができる。遅延セクション70の長さは、同じ制御要素74につながる遅延経路と促進経路との間の長さの差の一次情報となり得る。図2から明らかなように、異なるチャネルを搬送する第1遅延信号は、同じ遅延セクション70を通過する。その結果、同じ遅延セクション70が各遅延経路に共通である。
【0070】
上述したように、いくつかの場合では、第2分割器68は、促進サブ信号がそれぞれ異なるチャネルを搬送するように構成された波長依存型分割器とすることができる。図1A及び図2は、これらの促進サブ信号が共通信号(前記促進信号)から分離されていることを示しているが、それぞれが異なるチャネルを搬送する促進サブ信号は、光源導波路70からタップすることができる。例えば、図3は、図1Bに従って構築された光源10を含むように改変された図1AのLIDARシステムを示している。光源導波路70のそれぞれは、チャネル信号の部分を光源導波路70から促進サブ導波路76の1つに移動させるように構成された分割器60を含む。促進サブ導波路76によって受信されるチャネル信号の部分は、促進サブ信号の1つとして機能する。促進サブ信号はそれぞれ、異なるチャネルを搬送する。上述したように、促進サブ導波路76はそれぞれ、促進サブ信号の1つを制御要素74の1つに搬送する。促進サブ信号はタップ信号から分離されていないため、遅延導波路62は、図3に示すように、分割器50から遅延信号を受信することができる。例えば、遅延導波路62は、分割器50から出射LIDAR信号の部分を受信することができる。遅延導波路62によって受信される出射LIDAR信号の部分は、遅延信号として機能することができる。適切な分割器60には、方向性結合器、光学結合器、y接合、テーパ結合器、及びマルチモード干渉(MMI)装置等の波長非依存型分割器が含まれるが、これらに限定されない。
【0071】
同じ制御要素74によって受信される促進サブ信号及び遅延チャネル信号はそれぞれ、同じ光源導波路70からの光、従って同じチャネル信号からの光を含む。各チャネル信号からの光は、光源導波路70上の分割器60から制御要素74の1つまで、いくつかの異なる遅延経路のうちの1つを通過する。遅延経路のそれぞれは、主に、光源導波路70の分割器60以降の部分、レーザー合波器72、ユーティリティ導波路12のレーザー合波器72と分割器50の間の部分、分割器50、遅延導波路62、第1分割器64、及び遅延チャネル導波路72のうちの1つによって定義される。
【0072】
各遅延経路は、共通部分及び複数の分離部分を有する。各遅延経路の共通部分は、複数の遅延経路によって共有される。対照的に、遅延経路の分離部分は、他の遅延経路とは共有されない。共通部分を通過する光信号は、複数の異なるチャネルを搬送することができる。分離部分を通過する光信号は、それぞれ異なるチャネルを搬送することができる。例えば、ユーティリティ導波路12のレーザー合波器72と分割器50との間の部分及び遅延導波路62は、各遅延経路に共通であり、共通部分として機能する。対照的に、光源導波路70の分割器60以降の部分及び遅延チャネル導波路72は、他の遅延チャネル導波路72から分離され、分離部分として機能する。
【0073】
図3のLIDARシステムでは、各遅延経路には、チャネル信号、出射LIDAR信号、遅延信号、及び遅延チャネル信号の1つの結合である遅延経路信号が通過する。また、各チャネル信号からの光は、光源導波路70上の分割器60から制御要素74の1つまで、異なる促進経路を通過する。促進経路には共通部分が含まれていない。促進経路はそれぞれ、主に、促進サブ導波路76によって定義される。促進サブ信号のそれぞれは、促進経路の1つを通過する促進経路信号として機能する。
【0074】
促進経路及び遅延経路は、各制御要素74が同じチャネル(共通チャネル)を搬送する遅延経路信号及び促進経路信号を受信するように構成される。促進経路及び遅延経路は、異なる制御要素74のそれぞれが、異なる共通チャネルを搬送する遅延経路信号及び促進経路信号を受信するように構成することができる。また、遅延経路及び促進経路は、制御要素74のそれぞれで受信される遅延経路信号及び/または促進経路信号がチャネルのうちの1つだけを搬送するか、または本質的にチャネルのうちの1つだけを搬送するように構成することができる。
【0075】
遅延経路と促進経路を定義する構成要素は、同じ制御要素74に到着する促進経路信号と遅延経路信号が、制御要素74への遅延経路信号の到着が、制御要素74への促進経路信号の到着と比較して、遅延されるように構成される。
【0076】
遅延経路信号と促進経路信号には共通信号(チャネル信号)の異なる部分が含まれるため、各制御要素74は、共通信号の遅延部分を受信し、また、タップ部分に対して遅延された共通信号の促進部分も受信する。遅延経路及び促進経路を定義する構成要素は、制御要素74に到着するタップ部分と促進部分との間に遅延を提供するように構成することができる。例えば、遅延経路を定義する導波路及び促進経路を定義する導波路は、各制御要素84で所望の遅延を提供する長さだけ遅延経路が促進経路よりも長くなるように構成することができる。遅延セクション70の長さは、同じ制御要素74につながる遅延経路と促進経路との間の長さの差の一次情報となり得る。図3から明らかなように、異なるチャネルを搬送する遅延信号は、同じ遅延セクション70を通過する。その結果、同じ遅延セクション70が、各遅延経路及び各チャネルに共通である。
【0077】
図3は、促進信号における光が複数のチャネルを搬送する共通信号から分離されていないが、遅延信号における光が共通信号から分離されているLIDARシステムを示している。しかし、該LIDARシステムは、促進信号における光が共通信号から分離されず、遅延信号における光が共通信号から分離されないように構成することができる。例えば、図4は、促進信号と遅延信号における光が共通信号から分離されないように改変された図3のLIDARシステムを示している。光源導波路70のそれぞれは、図2に関連して開示された分割器50及び差動遅延機構54を含む。その結果、各分割器50は、チャネル信号の一部を光源導波路70から制御導波路52に移動させるように構成される。制御導波路52によって受信されるチャネル信号の部分は、タップ信号として機能することができる。各チャネル信号は異なるチャネルを搬送するため、各タップ信号における光は、異なるチャネルを搬送する。
【0078】
タップ信号はそれぞれ、光学結合器78のうちの異なる1つで受信される。光学結合器78は、タップ信号を促進信号と第1遅延信号とに分割する。促進信号はそれぞれ、促進導波路66上で受信される。適切な光学結合器78には、2×2マルチモード干渉(MMI)結合器及び2×2方向性結合器が含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
第1遅延導波路80のそれぞれは、分割器60から第1遅延信号を受信する。第1遅延導波路80は、該第1遅延信号を帰還装置82に搬送する。帰還装置82は、第1遅延信号を第1遅延導波路80に帰還させるように構成される。これにより、第1遅延信号が帰還装置82から第1遅延導波路80を通って分割器60に帰還するように進行する。その結果、第1遅延信号は、第1遅延導波路80を2回通過する。光学結合器78のそれぞれは、第1遅延導波路80から第1遅延信号を受信し、遅延導波路62上に第1遅延信号を出力する。遅延導波路62上で受信される第1遅延信号の部分は、遅延導波路62上を搬送される第2遅延信号として機能する。第1遅延信号及び関連する第2遅延信号は、共に遅延信号として効果的に機能することができる。
【0080】
チャネル信号がそれぞれ単一のチャネルを搬送する場合、結果として生じる第1遅延信号及び第2遅延信号も単一のチャネルを搬送する。その結果、第2遅延信号は、共通信号ではなく、図1Aから図3の文脈で開示された第1分割器64は必要ない。さらに、第2遅延信号は単一のチャネルを搬送するため、それぞれが図1Aから図3の文脈で開示された遅延チャネル信号の1つとして効果的に機能する。その結果、遅延導波路62のそれぞれは、遅延チャネル信号として機能する第2遅延信号を制御要素74の1つに搬送することによって、図1Aから図3の遅延チャネル導波路72として機能することができる。
【0081】
チャネル信号がそれぞれ単一のチャネルを搬送する場合、結果として生じる促進信号も単一のチャネルを搬送する。その結果、結果として生じる促進信号のそれぞれは、共通信号ではなく、図1Aから図3の文脈で開示された第2分割器68は必要ない。さらに、促進信号のそれぞれは単一のチャネルを搬送するため、それぞれが図1Aから図3の文脈で開示された促進サブ信号の1つとして効果的に機能することができる。その結果、促進導波路66のそれぞれは、制御要素74のうちの1つに促進サブ信号として機能する促進信号を搬送することによって、促進サブ導波路76として機能することができる。
【0082】
同じ制御要素74によって受信される促進サブ信号及び遅延チャネル信号はそれぞれ、同じ光源導波路70からの光を含み、従って同じチャネル信号からの光を含む。各チャネル信号からの光は、いくつかの異なる遅延経路のうちの1つを光源導波路70上の分割器50から制御要素74の1つまで通過する。各遅延経路は、主に、制御導波路52、分割器60、第1遅延導波路80、及び遅延導波路62によって定義される。各促進経路及び各遅延経路には、共通部分が含まれていない。
【0083】
図4のLIDARシステムでは、遅延経路のそれぞれは、制御信号、第1遅延信号、及び第2遅延信号の結合である遅延経路信号によって通過する。さらに、各チャネル信号からの光は、光源導波路70上の分割器50から制御要素74の1つまで、異なる促進経路を通過する。促進経路はそれぞれ、主に、制御導波路52、分割器60、及び促進導波路66によって定義される。促進経路のそれぞれは、制御信号、分割器60、及び促進サブ信号の結合である促進経路信号によって通過する。促進経路及び遅延経路は、各制御要素74が同じチャネルを搬送する遅延経路信号及び促進経路信号を受信するように構成される。遅延経路と促進経路を定義する構成要素は、同じ制御要素74に到着する促進経路信号と遅延経路信号が、制御要素74への遅延経路信号の到着が、制御要素74への促進経路信号の到着と比較して、遅延されるように構成される。
【0084】
遅延経路信号と促進経路信号には共通信号(チャネル信号の1つ)の異なる部分が含まれるため、各制御要素74は、共通信号の遅延部分を受信し、また、タップ部分に対して遅延された共通信号の促進部分も受信する。遅延経路及び促進経路を定義する構成要素は、制御要素74に到着するタップ部分と促進部分との間に遅延を提供するように構成することができる。例えば、遅延経路を定義する導波路及び促進経路を定義する導波路は、各制御要素84で所望の遅延を提供する長さだけ遅延経路が促進経路よりも長くなるように構成することができる。遅延セクション70の長さは、同じ制御要素74につながる遅延経路と促進経路との間の長さの差の一次情報となり得る。図4から明らかなように、異なるチャネルを搬送する第1遅延信号は、異なる遅延セクション70を通過する。
【0085】
いくつかの場合では、図1Aから図4に従って構築されたLIDARチップが、LIDARアダプターと結合させて使用される。いくつかの場合では、LIDARアダプターは、LIDARチップと1つ以上の反射物体及び/または視野との間に物理的かつ光学的に配置することができ、第1 LIDAR入力信号及び/またはLIDAR出力信号がLIDARチップから視野まで進む光路は、LIDARアダプターを通過する。また、LIDARアダプターは、LIDAR入力信号とLIDAR出力信号で動作するように構成することができる。それにより、LIDAR入力信号とLIDAR出力信号がLIDARアダプターとLIDARチップの間の異なる光路を通過するが、LIDARアダプターと視野内の反射物体の間は同じ光路を通過する。
【0086】
図1Aから図4までのLIDARチップに適用したLIDARアダプターの一例を図5に示している。該LIDARアダプターには、ベース上に配置された複数の構成要素が含まれる。例えば、該LIDARアダプターは、ベース102上に配置された循環器100を含む。図示の光学循環器100は、3つのポートを含み、1つのポートに入射した光が次のポートから出射するように構成される。例えば、図示の光学循環器は、第1ポート104、第2ポート106、及び第3のポート108を含む。LIDAR出力信号は、LIDARチップのユーティリティ導波路12から第1ポート104に入射し、第2ポート106から出射する。
【0087】
LIDARアダプターは、第2ポート106からのLIDAR出力信号の出力が、LIDARアダプターからの、従ってLIDARシステムからのLIDAR出力信号の出力としても機能できるように構成することができる。その結果、LIDAR出力信号が視野内のサンプル領域に向かって通過するように、LIDAR出力信号をLIDARアダプターから出力することができる。従って、いくつかの場合では、LIDARアダプターから出射したLIDAR出力信号の部分もシステム出力信号と見なすことができる。一例として、LIDARアダプターからのLIDAR出力信号の出射がLIDARシステムからのLIDAR出力信号の出射でもある場合、LIDAR出力信号は、システム出力信号とみなすこともできる。
【0088】
LIDARアダプターから出力されるLIDAR出力信号は、LIDARチップから受信されるLIDAR出力信号からの光を含む、その光からなる、または本質的にその光からなる。従って、LIDARアダプターから出力されるシステム出力信号は、LIDARチップから受信されるLIDAR出力信号と同じまたは実質的に同じであり得る。しかし、LIDARアダプターから出力されるLIDAR出力信号と、LIDARチップから受信されるLIDAR出力信号の間には差異があり得る。例えば、LIDAR出力信号は、LIDARアダプターを通過する際に光損失を経験する可能性があり、かつ/またはLIDARアダプターは、LIDAR出力信号がLIDARアダプターを通過する際に、LIDAR出力信号を増幅するように構成された増幅器をオプションで含むことができる。
【0089】
サンプル領域内の1つ以上の物体がLIDAR出力信号を反射すると、反射光の少なくとも一部が、システム帰還信号として循環器100に帰還する。システム帰還信号は、第2ポート106を通って循環器100に入射する。図5は、同じ光路に沿ってLIDARアダプターとサンプル領域の間を通過する LIDAR出力信号とシステム帰還信号を示している。
【0090】
システム帰還信号は、第3のポート108を通って循環器100から出射して、LIDARチップ上の比較導波路18に誘導される。従って、システム帰還信号の全部または一部は、第1 LIDAR入力信号として機能することができ、第1 LIDAR入力信号は、システム帰還信号からの光を含むか、またはシステム帰還信号からの光からなる。従って、LIDAR出力信号及び第1 LIDAR入力信号は、異なる光路に沿ってLIDARアダプターとLIDARチップとの間を通過する。
【0091】
図5から明らかなように、LIDARアダプターは、循環器100に加えて光学構成要素を含むことができる。例えば、LIDARアダプターは、LIDAR出力信号とシステム帰還信号の光路を誘導し、制御するための構成要素を含むことができる。一例として、図5のアダプターは、LIDAR出力信号が循環器100に入射する前に、LIDAR出力信号を受信して増幅するように配置されたオプションの増幅器110を含む。増幅器110は、電子機器62によって動作させることができ、電子機器62がLIDAR出力信号の電力を制御できるようにする。
【0092】
図5は、オプションの第1レンズ112及びオプションの第2レンズ114を含むLIDARアダプターも示している。第1レンズ112は、LIDAR出力信号を所望の位置に結合するように構成することができる。いくつかの場合では、第1レンズ112は、LIDAR出力信号を所望の位置に集束または視準するように構成される。一例では、第1レンズ112は、LIDARアダプターが増幅器110を含まない場合に、LIDAR出力信号を第1ポート104に結合するように構成される。別の例として、LIDARアダプターが増幅器110を含む場合、第1レンズ112は、入射ポート上のLIDAR出力信号を増幅器110に結合するように構成することができる。第2レンズ114は、所望の位置でLIDAR出力信号を結合するように構成することができる。いくつかの場合では、第2レンズ114は、LIDAR出力信号を所望の位置に集束または視準するように構成される。例えば、第2レンズ114は、LIDAR出力信号を比較導波路18のファセット35に結合するように構成することができる。
【0093】
LIDARアダプターは、ミラー等の1つ以上の方向変更要素を含むこともできる。図5は、システム帰還信号を循環器100から比較導波路18のファセット20に再誘導する方向変更要素116としてのミラーを含むLIDARアダプターを示している。
【0094】
LIDARチップは、1つ以上の光信号の光路を制限する1つ以上の導波路を含む。LIDARアダプターは導波路を含むことができるが、システム帰還信号及びLIDAR出力信号がLIDARアダプター上の構成要素間及び/またはLIDARチップとLIDARアダプター上の構成要素との間を移動する光路は、自由空間であり得る。例えば、システム帰還信号及び/またはLIDAR出力信号は、LIDARアダプター上の異なる構成要素間及び/またはLIDARアダプター上の構成要素とLIDARチップとの間を移動するときに、LIDARチップ、LIDARアダプター、及び/またはベース102が配置されている大気中を移動することができる。その結果、レンズや方向変更要素等の光学構成要素を利用して、システム帰還信号とLIDAR出力信号がLIDARアダプターへ、またはLIDARアダプターから通過する光路の特性を制御できる。
【0095】
LIDARアダプターに適したベース102には、基板、プラットフォーム、及びプレートが含まれるが、これらに限定されない。適切な基板には、ガラス、シリコン、及びセラミックが含まれるが、これらに限定されない。前記構成要素は、基板に取り付けられる個別の構成要素であってもよい。個別部品をベース102に取り付けるための適切な技術には、エポキシ、はんだ、及び機械的クランプが含まれるが、これらに限定されない。一例では、1つ以上の構成要素は、統合された要素であり、残りの構成要素は、個別の要素である。別の例では、LIDARアダプターは、1つ以上の統合された増幅器を含み、残りの構成要素は、個別の要素である。
【0096】
LIDARチップ、電子機器、及びLIDARアダプターは、共通マウントに配置することができる。適切な共通マウントには、ガラス板、金属板、シリコン板、及びセラミック板が含まれるが、これらに限定されない。一例として、図6は、図1AのLIDARチップと電子機器62、及び図3の共通支持体122上のLIDARアダプターを含むLIDARアセンブリの上面図である。電子機器62は、共通支持体上に配置されるように示されているが、電子機器の全部または一部が共通支持体から離れて配置されてもよい。共通支持体上にLIDARチップ、電子機器、及び/またはLIDARアダプターを取り付けるための適切な手法には、エポキシ、はんだ、及び機械的クランプが含まれるが、これらに限定されない。
【0097】
LIDARシステムは、1つ以上の追加の光学構成要素と併せて利用されるLIDARアセンブリ130を含むことができる。例えば、LIDARシステムは、図6に示すように、指向性要素132と併せて利用されるLIDARアセンブリ130を含むことができる。
【0098】
図6では、指向性要素132は、アダプターから出力されたLIDAR出力信号を受信する。LIDAR出力信号が複数のチャネルを搬送する場合、指向性要素132は、LIDAR出力信号によって搬送されるチャネルを、それぞれが異なるチャネルを搬送するシステム出力信号に分離する。図6では、チャネルi を搬送するシステム出力信号は、λと表記され、ここで、iは、チャネル指数を表し、チャネルは、それぞれチャネル指数i=1からi=Nに関連付けられる。指向性要素132は、各システム出力信号を視野内の複数の異なるサンプル領域に導くように構成することもできる。システム出力信号からの光は、システム出力信号によって照射されたサンプル領域に配置された1つ以上の物体によって反射され得る。該光は、システム帰還信号としてLIDARシステムに帰還する。異なるシステム帰還信号は、それぞれ異なるチャネルを搬送する。指向性要素は、システム帰還信号を、該指向性要素から出力され、LIDARアセンブリ及び/またはアダプターによって受信される帰還信号に結合するように構成することができる。
【0099】
指向性要素132は、電子機器によって制御することができる。その結果、電子機器は、システム出力信号を視野内の異なるサンプル領域に導くことができる。指向性要素132は、共通支持体122から離れて配置されるように示されているが、指向性要素132は、共通支持体122上及び/またはベース102上に配置することができる。適切な指向性要素132には、反射性または透過性であり得る操縦可能な光学格子、光フェーズドアレイ(OPA)、及び焦点面アレイ(FPA)が含まれるが、これらに限定されない。適切な指向性要素132の例は、2020年8月25日に出願された「LIDARシステムにおける電気要素の削減」と題された米国特許出願第17/002,756号に開示されており、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0100】
図7Aから図7Cは、処理要素34の全部または一部に適用した処理要素の一例を示している。処理要素34は、比較導波路32の1つから比較信号及び参照導波路40の1つから参照信号を受信する。処理要素は、比較導波路32上を搬送される比較信号を第1比較導波路204と第2比較導波路206に分割する第2分割器200を含む。第1比較導波路204は、比較信号の第1部分を光結合要素211に搬送する。第2比較導波路208は、比較信号の第2部分を第2光結合要素212に搬送する。
【0101】
処理要素は、参照導波路40上を搬送される参照信号を第1参照導波路204と第2参照導波路206に分割する第1分割器202を含む。第1参照導波路204は、参照信号の第1部分を光結合要素211に搬送する。第2参照導波路208は、参照信号の第2部分を第2光結合要素212に搬送する。
【0102】
第2光結合要素212は、比較信号の第2部分と参照信号の第2部分とを第2複合信号に結合する。比較信号の第2部分と参照信号の第2部分との間の周波数の差により、第2複合信号は、比較信号の第2部分と参照信号の第2部分との間で拍動している。
【0103】
第2光結合要素212はまた、結果として生じる第2複合信号を第1補助検出器導波路214及び第2補助検出器導波路216に分割する。第1補助検出器導波路214は、第2複合信号の第1部分を第1補助電気信号に変換する第1補助光センサー218に第2複合信号の第1部分を搬送する。第2補助検出器導波路216は、第2複合信号の第2部分を第2補助電気信号に変換する第2補助光センサー220に第2複合信号の第2部分を搬送する。適切な光センサーの例には、ゲルマニウム フォトダイオード(PD)及びアバランシェ フォトダイオード(APD)が含まれる。
【0104】
いくつかの場合では、第2光結合要素212は、第2複合信号の第1部分に含まれる比較信号(即ち、比較信号の第2部分の一部)の部分が、第2複合信号の第2部分における比較信号(即ち、比較信号の第2部分の一部)の部分に対して180°位相シフトされるが、第2複合信号の第2部分における参照信号(即ち、参照信号の第2部分の一部)の部分が、第2複合信号の第1部分における参照信号(即ち、参照信号の第2部分の一部)の部分に対して位相シフトされていないように第2複合信号を分割する。あるいは、第2光結合要素212は、第2複合信号の第1部分における参照信号(即ち、参照信号の第2部分の一部)の部分が、第2複合信号の第2部分における参照信号(即ち、参照信号の第2部分の一部)の部分に対して180°位相シフトされるが、第2複合信号の第1部分における比較信号(即ち、比較信号の第2部分の一部)の部分が、第2複合信号の第2部分における比較信号(即ち、比較信号の第2部分の一部)の部分に対して位相シフトされていないように 第2複合信号を分割する。適切な光センサーの例には、ゲルマニウム フォトダイオード(PD)及びアバランシェ フォトダイオード(APD)が含まれる。
【0105】
第1光結合要素211は、比較信号の第1部分と参照信号の第1部分とを結合して第1複合信号を生成する。比較信号の第1部分と参照信号の第1部分との間の周波数の差により、第1複合信号は、比較信号の第1部分と参照信号の第1部分との間で拍動している。
【0106】
また、第1光結合要素211は、第1複合信号を第1検出器導波路221と第2検出器導波路222に分割する。第1検出器導波路221は、第2複合信号の第1部分を第1電気信号に変換する第1光センサー223に第1複合信号の第1部分を搬送する。第2検出器導波路222は、第2複合信号の第2部分を第2電気信号に変換する第2光センサー224に第2複合信号の第2部分を搬送する。適切な光センサーの例には、ゲルマニウム フォトダイオード(PD)及びアバランシェ フォトダイオード(APD)が含まれる。
【0107】
いくつかの場合では、光結合要素211は、複合信号の第1部分に含まれる比較信号(即ち、比較信号の第1部分の一部)の部分が、複合信号の第2部分における比較信号(即ち、比較信号の第1部分の一部)の部分に対して180°位相シフトされるが、複合信号の第1部分における参照信号(即ち、参照信号の第1部分の一部)の部分が、複合信号の第2部分における参照信号(即ち、参照信号の第1部分の一部)の部分に対して位相シフトされていないように、第1複合信号を分割する。あるいは、光結合要素211は、複合信号の第1部分における参照信号(即ち、参照信号の第1部分の一部)の部分が、複合信号の第2部分における参照信号(即ち、参照信号の第1部分の一部)の部分に対して180°位相シフトされるが、複合信号の第1部分における比較信号(即ち、比較信号の第1部分の一部)の部分が、複合信号の第2部分における比較信号(即ち、比較信号の第1部分の一部)の部分に対して位相シフトされないように複合信号を分割する。
【0108】
第2光結合要素212は、第2複合信号の第1部分における比較信号の部分が、第2複合信号の第2部分における比較信号の部分に対して180°位相シフトされるように、第2複合信号を分割するとき、光結合要素211は、複合信号の第1部分における比較信号の部分が、複合信号の第2部分における比較信号の部分に対して180°位相シフトされるように、複合信号も分割する。第2光結合要素212は、第2複合信号の第1部分における参照信号の部分が、第2複合信号の第2部分における参照信号の部分に対して180°位相シフトされるように、第2複合信号を分割するとき、光結合要素211は、複合信号の第1部分における参照信号の部分が、複合信号の第2部分における参照信号の部分に対して180°位相シフトされるように、複合信号も分割する。
【0109】
適切な光結合要素211及び第2光結合要素212には、2×2マルチモード干渉(MMI)結合器及び2×2方向性結合器が含まれるが、これらに限定されない。
【0110】
第1参照導波路210及び第2参照導波路208は、参照信号の第1部分と参照信号の第2部分との間に位相シフトを提供するように構築される。例えば、第1参照導波路210及び第2参照導波路208は、参照信号の第1部分と参照信号の第2部分との間に90度の位相シフトを提供するように構築することができる。一例として、一方の参照信号部分は同相成分であり、他方の参照信号部分は直交成分であり得る。従って、参照信号部分の一方は正弦関数であり、他方の参照信号部分は余弦関数であり得る。一例では、第1参照導波路210及び第2参照導波路208は、第1参照信号部分が余弦関数であり、第2参照信号部分が正弦関数であるように構築される。従って、第2複合信号における参照信号の部分は、第1複合信号における参照信号の部分に対して位相シフトされるが、第1複合信号における比較信号の部分は、第2複合信号における比較信号の部分に対して位相シフトされない。
【0111】
第1光センサー223及び第2光センサー224は、平衡検出器として接続することができ、第1補助光センサー218及び第2補助光センサー220も平衡検出器として接続することができる。例えば、図7Bは、電子機器、第1光センサー223、第2光センサー224、第1補助光センサー218、及び第2補助光センサー220の間の関係の概略図を提供している。フォトダイオードの記号は、第1光センサー223、第2光センサー224、第1補助光センサー218、及び第2補助光センサー220を表すために使用されるが、これらのセンサーのうちの1つ以上は他の構造を有することができる。いくつかの場合では、図7Bの概略図に示されている全ての構成要素がLIDARチップに含まれ得る。いくつかの場合では、図7Bの概略図に示されている構成要素は、LIDARチップと、LIDARチップの外に位置する電子機器との間に分散される。
【0112】
電子機器62は、第1光センサー223と第2光センサー224を第1平衡検出器225として接続し、第1補助光センサー218と第2補助光センサー220を第2平衡検出器226として接続する。特に、第1光センサー223と第2光センサー224は、直列に接続される。また、第1補助光センサー218と第2補助光センサー220は、直列に接続される。第1平衡検出器における直列の接続は、第1平衡検出器からの出力を第1データ信号として搬送する第1データ線228と通信する。第2平衡検出器における直列の接続は、第2平衡検出器からの出力を第2データ信号として搬送する第2データ線232と通信する。第1データ信号は第1複合信号の電気的表現であり、第2データ信号は第2複合信号の電気的表現である。従って、第1データ信号は、第1波形及び第2波形からの寄与を含み、第2データ信号は、第1波形と第2波形の複合である。第1データ信号における第1波形の部分は、第1データ信号の第1波形の部分に対して位相シフトされるが、第1データ信号における第2波形の部分は、第1データ信号における第2波形の部分に対して同相である。例えば、第2データ信号は、第1データ信号に含まれる参照信号の異なる部分に対して位相シフトされた参照信号の部分を含む。また、第2データ信号は、第1データ信号に含まれる比較信号の異なる部分と同相である比較信号の部分を含む。第1データ信号及び第2データ信号は、比較信号と参照信号との間の拍動、即ち、第1複合信号及び第2複合信号における拍動の結果として拍動している。
【0113】
電子機器62は、第1データ信号及び第2データ信号に対して数学的変換を実行するように構成された変換機構238を含む。例えば、数学的変換は、第1データ信号及び第2データ信号を入力値として用いる複合フーリエ変換であり得る。第1データ信号は同相成分であり、第2データ信号は直交成分であるため、第1データ信号と第2データ信号は、共に複合データ信号として機能する。該複合データ信号において、第1データ信号は、入力値の実数成分であり、第2データ信号は、その虚数成分である。
【0114】
変換機構238は、第1データ線228から第1データ信号を受信する第1アナログデジタル変換器(ADC)264を含む。第1アナログデジタル変換器(ADC)264は、第1データ信号をアナログ形式からデジタル形式に変換し、第1デジタルデータ信号を出力する。変換機構238は、第2データ線232から第2データ信号を受信する第2アナログデジタル変換器(ADC)266を含む。第2アナログデジタル変換器(ADC)266は、第2データ信号をアナログ形式からデジタル形式に変換し、第2デジタルデータ信号を出力する。第1デジタルデータ信号は、第1データ信号のデジタル表現であり、第2デジタルデータ信号は、第2データ信号のデジタル表現である。従って、第1デジタルデータ信号と第2デジタルデータ信号は、共に複合信号として動作する。該複合信号において、第1デジタルデータ信号は、複合信号の実数成分として動作し、第2デジタルデータ信号は、複合データ信号の虚数成分として動作する。
【0115】
変換機構238は、複合データ信号を受信する変換要素268を含む。例えば、変換要素268は、第1アナログデジタル変換器(ADC)264から第1デジタルデータ信号を入力値として受信し、また、第2アナログデジタル変換器(ADC)266から第2デジタルデータ信号を入力値として受信する。変換要素268は、時間領域から周波数領域に変換するために、複合信号に対して数学的変換を実行するように構成することができる。数学的変換は、複合高速フーリエ変換(FFT)等の複合変換であり得る。複合高速フーリエ変換(FFT)等の複合変換は、反射物体とLIDARチップの間の視線速度によって引き起こされるLIDAR出力信号に対する LIDAR入力信号の周波数のシフトに対する明確な解決策を提供する。電子機器は、変換要素268から出力された1つ以上の周波数ピークをさらなる処理に使用して、LIDARデータ(反射物体とLIDARチップまたはLIDARシステムとの間の距離及び/または視線速度)を生成する。変換要素268は、ファームウェア、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを使用して、帰属の機能を実行することができる。
【0116】
図7Cは、システム出力信号の周波数、時間、サイクル、及びデータ周期の間の関係の一例を示している。周波数対時間のパターンは、異なるチャネルを搬送する2つのシステム出力信号について示されている。チャネルiを搬送するシステム出力信号は、λと表記され、ここで、iは、チャネル指数を表す。システム出力信号のベース周波数(f)は、サイクル中のシステム出力信号の最低周波数であり得る。
【0117】
周波数対時間のパターンは、サイクル及びサイクルj+1と表記された2つのサイクルの順序について示されている。いくつかの場合では、周波数対時間のパターンは、図7Cに示されるように、各サイクルで繰り返される。図示のサイクルは、再配置期間を含まず、かつ/または再配置期間がサイクル間に配置されていない。その結果、図7Cは、システム出力信号の連続スキャンの結果を示している。
【0118】
各サイクルは、それぞれ期間指数kに関連付けられ、DPと表記されるKデータ期間を含む。図7Cの例では、各サイクルは、DP(k = 1及び2)と表記された2つのデータ期間を含む。いくつかの場合では、周波数対時間のパターンは、図7Cに示されるように、異なるサイクルで互いに対応するデータ期間で同じである。対応するデータ期間は、同じ期間指数を持つデータ期間である。その結果、各データ期間DPは、対応するデータ期間であると考えることができ、関連する周波数対時間のパターンは、図7Cにおいて同じである。サイクルの終わりに、電子機器は、周波数を前のサイクルを開始させる時と同じ周波数レベルに帰還させる。
【0119】
データ期間DP及びデータ期間DPの間、電子機器は、システム出力信号の周波数が線形速度αiで変化するように、チャネルλを搬送するチャネル信号を生成する光源を動作させる(ここで、iは、チャネル指数を表す)。データ期間DPにおける周波数変化の方向は、データ期間DPにおける周波数変化の方向とは逆である。
【0120】
各サイクル中、チャネルiを搬送するシステム出力信号は、SRk,iと表記されたサンプル領域を照射する(ここで、kは、サンプル領域指数を表し、iは、チャネル指数を表す)。例えば、図7Cにおいてjと表記されたサイクル中、サンプル領域SRk,iは、チャネルλを搬送するシステム出力信号によって照射され、サンプル領域SRk,i+1は、チャネルλi+1を搬送するシステム出力信号によって照射される。サンプル領域指数kは、時間に関連して割り当てることができる。例えば、サンプル領域は、指数kで示される順序でシステム出力信号によって照射されることができる。その結果、サンプル領域SR10,1は、サンプル領域SR9,1の後でSR11,1の前に照射されることができる。
【0121】
上記の論議から明らかなように、各処理要素34は、同じチャネルを搬送する比較信号及び参照信号を受信する。その結果、処理要素34に関連する複合フーリエ変換から出力される周波数は、参照信号に対して拍動する比較信号を含む複合信号の拍動周波数を表し、ここで、比較信号と参照信号が同じチャネルを搬送する。同じ処理要素34からの拍動周波数と2つ以上の異なるデータ期間からの拍動周波数を結合させて、サンプル領域の1つのLIDARデータを生成することができる。例えば、チャネルλを搬送する比較信号及び参照信号を受信する処理要素34は、サイクルjにおけるDPから生成された拍動周波数とサイクルjにおけるDPから生成された拍動周波数を結合させて、サンプル領域SRk,iのLIDARデータを生成することができる。一例として、次の方程式は、図7Cのデータ期間DPで発生するような、データ期間中に電子機器が出射LIDAR信号の周波数を増加させるデータ期間中に適用され:fub=-f+α*τ、ここで、fubは、変換要素268によって提供される周波数であり、fは、ドップラー シフト (f=2vf/c)を表し、ここで、fは、ベース周波数(f)を表し、cは、光速を表し、vは、反射物体からLIDARシステムに向かう方向を正の方向と仮定した場合の、反射物体とLIDARシステムの間の視線速度であり、cは、光速であり、τは、システム出力信号がLIDARシステムから出射し、LIDARシステムの外側にある物体によって反射され、反射光がシステム帰還信号としてLIDARシステムに帰還するまでの時間(往復時間)を表す。次の方程式は、図7Cのデータ期間DPで発生するような、電子機器が出射LIDAR信号の周波数を減少させるデータ期間中に適用され:fdb=-f*τ、 ここで、fdbは、変換要素268によって提供される周波数である。これら2つの方程式では、fとτは、未知数である。電子機器は、これら2つの未知数について2つの方程式を解く。チャネルλを搬送するシステム出力信号によって照射されるサンプル領域の視線速度をドップラーシフト(v=c*f/(2f))から定量し、かつ/またはそのサンプル領域の分離距離をc*τ/2から定量することができる。
【0122】
いくつかの場合では、サンプル領域に複数の物体が存在し得る。サンプル領域に複数の物体が存在するいくつかの場合では、変換により複数の周波数が出力され得る。ここで、各周波数が異なる物体に関連付けられる。同じサイクルの異なるデータ期間における同じ物体から生じる周波数は、対応する周波数ペアと考えることができる。LIDARデータは、変換によって出力される対応する周波数ペアごとに生成することができる。その結果、サンプル領域内の物体ごとに個別のLIDARデータを生成することができる。
【0123】
図7Aから図7Bは、参照信号の一部と比較信号の一部を結合する光結合要素を示しているが、処理要素は、複合信号を形成するために参照信号と比較信号を結合する単一の光結合要素を含むことができる。その結果、参照信号の少なくとも一部と比較信号の少なくとも一部とを結合させて複合信号を形成することができる。参照信号の結合部分は、参照信号全体または参照信号の一部であってもよく、比較信号の結合部分は、比較信号全体または比較信号の一部であってもよい。
【0124】
複合信号を形成するために参照信号と比較信号を結合する処理要素の一例として、図7Dから図7Eは、単一の光結合要素を含むように改変された図7Aから図7Bの処理要素を示している。比較導波路196は、比較信号を第1光結合要素211に直接に搬送し、参照導波路198は、参照信号を第1光結合要素211に直接に搬送する。
【0125】
第1光結合要素211は、比較信号と参照信号とを複合信号に結合する。比較信号と参照信号との間の周波数の違いにより、第1複合信号は、比較信号と参照信号との間で拍動している。第1光結合要素211も、複合信号を第1検出器導波路221と第2検出器導波路222に分割する。第1検出器導波路221は、第2複合信号の第1部分を第1電気信号に変換する第1光センサー223に複合信号の第1部分を搬送する。第2検出器導波路222は、第2複合信号の第2部分を第2電気信号に変換する第2光センサー224に複合信号の第2部分を搬送する。
【0126】
図7Eは、電子機器、第1光センサー223、及び第2光センサー224の間の関係の概略図を提供している。フォトダイオードの記号は、第1光センサー223及び第2光センサー224を表すために使用されるが、これらのセンサーのうちの1つ以上は、他の構造を有することができる。いくつかの場合では、図7Eの概略図に示されている構成要素の全てがLIDARチップ上に含まれる。いくつかの場合では、図7Eの概略図に示されている構成要素は、LIDARチップと、該LIDARチップの外部に位置する電子機器との間に分散される。
【0127】
電子機器は、第1光センサー223と第2光センサー224を第1平衡検出器225として接続する。特に、第1光センサー223と第2光センサー224は、直列に接続される。第1平衡検出器における直列の接続は、第1平衡検出器からの出力を第1データ信号として搬送する第1データ線228と通信する。第1データ信号は、複合信号の電気的表現である。
【0128】
電子機器62は、第1データ信号に対して数学的変換を実行するように構成された変換機構238を含む。数学的変換は、第1データ信号を入力値とする実在フーリエ変換であってもよい。電子機器は、上記のように変換からの周波数出力を使用してLIDARデータを抽出できる。
【0129】
図7Aから図7Eに関連して開示された平衡検出器のそれぞれは、単一の光センサーと置き換えることができる。その結果、処理要素は、複合信号の少なくとも一部をそれぞれ受信する1つ以上の光センサーを含むことができ、受信される複合信号の部分は、複合信号の全部またはその一部であり得る。
【0130】
図7Cに関連して論議したように、電子機器62は、システム出力信号の周波数を調整する。この周波数チャープを生成する1つの方法は、電子機器によって光源に印加される電流を変調することである。LIDARシステムにおいて光源として使用できる半導体レーザーでは、電流変調により、強力な非線形キャリア/光子結合を介して周波数変調が行われる。
【0131】
図8A及び図8Bは、図1Aから図4に関連して開示された制御要素74の全部または一部に適用した制御要素の一例を示している。上述したように、制御要素74のそれぞれは、遅延チャネル導波路72から遅延経路信号を受信し、遅延チャネル導波路72から遅延経路信号を受信し、また、促進サブ導波路76から促進経路信号を受信する。制御要素74で受信される遅延経路信号及び促進経路信号は、λと表記された同じチャネルを搬送する。
【0132】
遅延チャネル導波路72は、遅延経路信号を第1分割器274に搬送する。促進サブ導波路76は、促進経路信号を第2分割器278に搬送する。第1分割器274及び第2分割器278として使用するのに適した分割器には、方向性結合器、光学結合器、y接合、テーパ結合器、及びマルチモード干渉(MMI)装置等の波長非依存型分割器が含まれるが、これらに限定されない。
【0133】
第1分割器274は、遅延経路信号を遅延信号の第1部分と遅延信号の第2部分とに分割する。第1遅延導波路280は、遅延信号の第1部分を第1光結合要素282に搬送する。第2遅延導波路284は、遅延信号の第2部分を第2光結合要素286に搬送する。
【0134】
第2分割器278は、促進信号を促進信号の第1部分と促進信号の第2部分とに分割する。第1促進導波路290は、促進信号の第1部分を第1光結合要素282に搬送する。第2促進導波路292は、促進信号の第2部分を第2光結合要素286に搬送する。
【0135】
第1光結合要素282は、促進信号の第1部分と遅延信号の第1部分とを第1拍動信号に結合する。また、第2光結合要素286は、促進信号の第2部分と遅延信号の第2部分を第2拍動信号に結合する。その結果、遅延経路のそれぞれは、分割器から、遅延経路信号の1つからの光と促進経路信号の1つからの光を結合する光結合器まで延伸する。
【0136】
上述したように、遅延経路の長さは、促進経路の長さを超える。その結果、遅延信号の第2部分は、促進信号の第2部分に比べて遅延する。電子機器は出射 LIDAR信号の周波数を調整できるため、この遅延により、遅延信号の第2部分の周波数が、促進信号の第2部分とは異なる周波数になる。促進信号の第2部分と遅延信号の第2部分の間の周波数の相違により、第2拍動信号は、促進信号の第2部分と遅延信号の第2部分の間で拍動している。
【0137】
第2光結合要素286はまた、第2拍動信号を第1補助検出器導波路294及び第2補助検出器導波路296に分割する。第1補助検出器導波路294は、第2拍動信号の第1部分を第1補助電気信号に変換する第1補助光センサー298に第2拍動信号の第1部分を搬送する。第2補助検出器導波路296は、第2拍動信号の第2部分を第2補助電気信号に変換する第2補助光センサー300に第2拍動信号の第2部分を搬送する。適切な光センサーの例には、ゲルマニウム フォトダイオード(PD)及びアバランシェ フォトダイオード(APD)が含まれる。
【0138】
いくつかの場合では、第2光結合要素286は、第2拍動信号の第1部分に含まれる促進信号(即ち、促進信号の第2部分の一部)の部分が、第2拍動信号の 第2部分における促進信号(即ち、促進信号の第2部分の一部)の部分に対して180°位相シフトされるが、第2拍動信号の第2部分における遅延信号(即ち、遅延信号の第2部分の一部)の部分が、第2拍動信号の第1部分における遅延信号(即ち、遅延信号の第2部分の部分)の部分に対して位相シフトされないように第2拍動信号を分割する。
【0139】
上述したように、遅延経路の長さは、促進経路の長さを超える。その結果、遅延信号の第1部分は、促進信号の第1部分に比べて遅延する。この遅延により、遅延信号の第1部分の周波数が、促進信号の第1部分とは異なる周波数になる。促進信号の第1部分と遅延信号の第1部分の周波数の差により、第1拍動信号は、促進信号の第2部分と遅延信号の第2部分の間で拍動している。
【0140】
第1光結合要素282はまた、第1拍動信号を第1検出器導波路302及び第2検出器導波路304に分割する。第1検出器導波路302は、第2拍動信号の第1部分を第1電気信号に変換する第1光センサー306に第1拍動信号の第1部分を搬送する。第2検出器導波路304は、第2拍動信号の第2部分を第2電気信号に変換する第2光センサー308に第2拍動信号の第2部分を搬送する。適切な光センサーの例には、ゲルマニウム フォトダイオード(PD)及びアバランシェ フォトダイオード(APD)が含まれる。
【0141】
いくつかの場合では、第1光結合要素282は、拍動信号の第1部分に含まれる促進信号(即ち、促進信号の第1部分の一部)の部分が、拍動信号の第2部分における促進信号(即ち、促進信号の第1部分の一部)の部分に対して180°位相シフトされるが、拍動信号の第1部分における遅延信号(即ち、遅延信号の第1部分の一部)の部分が、拍動信号の第2部分における遅延信号(即ち、遅延信号の第1部分の一部)の部分に対して位相シフトされないように、第1拍動信号を分割する。
【0142】
第2光結合要素286は、第2拍動信号の第1部分における促進信号の部分が、第2拍動信号の第2部分における促進信号の部分に対して180°位相シフトされるように、第2拍動信号を分割する時、第1光結合要素282はまた、拍動信号の第1部分における促進信号の部分が拍動信号の第2部分における促進信号の部分に対して180°位相シフトされるように拍動信号を分割する。
【0143】
第1遅延導波路280、第2遅延導波路284、第1促進導波路80、及び第2促進導波路292は、第1拍動信号と第2拍動信号が一緒になって光学プロセス変数信号の同相成分及び直交成分として機能するように構成することができ、ここで、第1拍動信号は、光学プロセス変数信号の同相成分であり、第2拍動信号は、光学プロセス変数信号の直交成分である。または、第2拍動信号が光学プロセス変数信号の同相成分であり、第1拍動信号が光学プロセス変数信号の直交成分である。例えば、第1遅延導波路280と第2遅延導波路284は、遅延信号の第1部分と遅延信号の第2部分の間に位相シフトを提供するように構築することができ、一方、第1促進導波路80及び第2促進導波路292は、促進信号の第1部分と促進信号の第2部分が同相になるように構築される。一例として、第1遅延導波路280及び第2遅延導波路284は、遅延信号の第1部分と遅延信号の第2部分との間に90°位相シフトを提供するように構築することができる。従って、遅延信号部分の一方は正弦関数であり、他方の遅延信号部分は正弦関数と同じ引数で演算される余弦関数であり得る。一例では、第1遅延導波路280及び第2遅延導波路284は、遅延信号の第1部分が余弦関数であり、遅延信号の第2部分が正弦関数であるように構築される。この例では、第2拍動信号における遅延信号の部分は、第1拍動信号の遅延信号の部分に対して位相シフトされるが、第1拍動信号における促進信号の部分は、第2拍動信号における促進信号の部分に対して位相シフトされない。
【0144】
別の例では、第1遅延導波路280と第2遅延導波路284は、遅延信号の第1部分と遅延信号の第2部分が同相になるように構築され、一方、第1促進導波路80及び第2促進導波路292は、促進信号の第1部分と促進信号の第2部分との間に位相シフトを提供するように構築される。一例として、第1促進導波路80及び第2促進導波路292は、促進信号の第1部分と促進信号の第2部分との間に90°位相シフトを提供するように構築することができる。従って、促進信号部分の一方は正弦関数であり、他方の促進信号部分は正弦関数と同じ引数で演算される余弦関数であり得る。一例では、第1促進導波路80と第2促進導波路292は、促進信号の第1部分が余弦関数であり、促進信号の第2部分が余弦関数と同じ引数で演算される正弦関数であるように構築される。この例では、第2拍動信号における促進信号の部分は、第1拍動信号の促進信号の部分に対して位相シフトされるが、第1拍動信号における遅延信号の部分は、第2拍動信号における遅延信号の部分に対して位相シフトされない。
【0145】
第1光センサー306及び第2光センサー308は平衡検出器として接続することができ、第1補助光センサー298及び第2補助光センサー300も平衡検出器として接続することができる。例えば、図8Bは、電子機器62、第1光センサー306、第2光センサー308、第1補助光センサー298、及び第2補助光センサー300の間の関係の概略図を提供している。フォトダイオードの記号は、第1光センサー306、第2光センサー308、第1補助光センサー298、及び第2補助光センサー300を表すために使用されるが、これらのセンサーのうちの1つ以上は、他の構造を有することができる。いくつかの場合では、図8Bの概略図に示されている全ての構成要素は、LIDARチップに含まる。いくつかの場合では、図8Bの概略図に示されている構成要素は、LIDARチップと、該LIDARチップの外部に位置する電子機器との間に分散される。
【0146】
電子機器62は、第1光センサー306と第2光センサー308を第1平衡検出器312として接続し、第1補助光センサー298と第2補助光センサー300を第2平衡検出器314として接続する。特に、第1光センサー306と第2光センサー308は、直列に接続される。また、第1補助光センサー298と第2補助光センサー300は、直列に接続される。第1平衡検出器における直列の接続は、第1平衡検出器からの出力を第1プロセス変数信号として搬送する第1データ線316と通信する。第2平衡検出器における直列の接続は、第2平衡検出器からの出力を第2プロセス変数信号として搬送する第2データ線318と通信する。
【0147】
第1プロセス変数信号は、第1拍動信号の電気的表現であり、第2プロセス変数信号は、第2拍動信号の電気的表現である。従って、第1プロセス変数信号は拍動しており、第2プロセス変数信号も拍動している。また、第1プロセス変数信号及び第2プロセス変数信号はそれぞれ、プロセス変数信号の同相成分及びプロセス変数信号の直交成分からなる群から選択される構成要素のうちの異なる1つを搬送することができる。例えば、第1プロセス変数信号は、第1波形及び第2波形からの寄与を含むことができ、第2プロセス変数信号は、第1波形及び第2波形からの寄与を含むことができる。第1プロセス変数信号における第1波形の部分は、第2プロセス変数信号における第1波形の部分に対して位相シフトされるが、第1プロセス変数信号における第2波形の部分は、第2プロセス変数信号における第2波形の部分に対して同相である。例えば、第2プロセス変数信号は、第1プロセス変数信号に含まれる遅延信号の異なる部分に対して位相シフトされた遅延信号の一部を含むことができる。また、第2プロセス変数信号は、第1プロセス変数信号に含まれる促進信号の異なる部分と同相である促進信号の一部を含むことができる。第1プロセス変数信号及び第2プロセス変数信号はそれぞれ、促進信号と遅延信号との間の拍動、即ち、第1拍動信号及び第2拍動信号における拍動の結果として拍動している。
【0148】
電子機器62は、プロセス変数信号を受信するプロセス変数識別要素320を含む。プロセス変数識別要素320は、プロセス変数信号を用いて、指示信号を出力する。該指示信号は、プロセス変数識別要素320を含む制御要素74によって受信されるチャネルを搬送するチャネル信号(fCS)の周波数を示し、その関数であり、かつ/またはその周波数を測定するために使用することができる。いくつかの場合では、指示信号は、チャネル信号(fCS)の周波数に関連する1つ以上の特性を有するアナログ信号である。いくつかの場合では、指示信号は、チャネル信号(fCS)の周波数を定量するデジタル信号であり、チャネル信号(fCS)の周波数に関連しているか、またはチャネル信号(fCS)の周波数を定量するために使用できる。チャネルλを搬送するシステム出力信号は、チャネルλを搬送するチャネルLIDAR信号の一部であるため、チャネル信号の周波数は、出射LIDAR信号及び/またはチャネルλを搬送するシステム出力信号の周波数の値を表すことができる。
【0149】
電子機器は、指示信号を受信する光制御要素322を含むことができる。光制御要素322は、指示信号に応答して制御要素74によって受信されるチャネルのソースであるレーザー源68(図1B)を制御することができる。例えば、レーザー源68は、レーザー源68によって出力されるチャネル信号の周波数が制御プロセス変数として機能する制御構築物で制御することができる。制御プロセス変数がチャネル信号の周波数である場合、システム出力信号の所望の周波数が参照変数として機能する。システム出力信号の周波数は変調されるため、システム出力信号に所望の周波数は、時間の関数として変化する。三角変調の場合、図7Cは、所望の波形の一例を表すことができる。図7Cは、チャネル信号の所望の周波数、及びそれに応じて結果として生じるシステム出力信号を時間の線形関数として示している。従って、制御要素74、プロセス変数識別要素320、及びチャネルλを受信する光制御要素322は、レーザー源68から出力されるチャネル信号の周波数が所望の波形を実質的に維持するようにチャネルλのソースであるレーザー源68を制御する制御機構の一部であり得る。適切な制御機構には、フィードバック制御及び/またはフィードフォワード制御を利用する制御構築物が含まれるが、これらに限定されない。従って、制御機構は、フィードバック制御ループであってもよく、かつ/または制御ループを含むことができる。
【0150】
光制御要素322は、特定の時点での制御プロセス変数の値と同じ時点での参照変数の値から測定される誤差信号の値に応じて、チャネル信号及び/またはシステム出力信号の特性を制御することができる。例えば、光制御要素322は、誤差信号の値を低減するようにチャネル信号の特性を制御することができる。一例として、光制御要素322は、制御プロセス変数の値が参照変数の値に近づくようにチャネル信号の特性を制御することができる。いくつかの場合では、制御機構は、フィードバック制御ループ等の制御ループである。制御機構がフィードバック制御ループである場合、制御機構の誤差信号は、特定の時点における制御プロセス変数の値と参照変数の値との差に等しくなり得る。
【0151】
プロセス変数がチャネル信号の周波数である場合、光制御要素322は、チャネル信号の周波数を調整する光制御信号を送信することができる。例えば、光制御要素322は、チャネル信号を出力するレーザー源を通る電流のレベルを変更する光制御信号を送信することによって、チャネル信号の周波数を調整することができる。他の光制御信号も可能である。例えば、レーザー源が静電MEMSチューナブルレーザーである場合、光制御要素322は、MEMSチューナブルレーザーのMEMSファセットを動かす電圧レベルを変更する光制御信号を送信することによって、チャネル信号の周波数を調整することができる。
【0152】
いくつかの場合では、光制御要素322及び/またはプロセス変数識別要素320は、チャネル信号の周波数(fCS)を実際に定量するが、該定量は必須ではない。例えば、指示信号がチャネル信号の周波数(fCS)に関連する特性を含むアナログ信号である場合、チャネル信号の周波数(fCS)を実際に定量することなく、指示信号から光制御信号を直接導出することができる。例えば、制御信号は、指示信号及び/または以下に説明する変換信号の一対一の関数であってもよい。一例として、制御信号は、瞬間周波数の一対一の関数であってもよい。
【0153】
図8Cは、光学プロセス変数信号及び/またはシステム出力信号の周波数と同じ時間軸上のプロセス変数信号の同相成分及び直交成分の振幅を示している。例えば、図8Cは、図7Cに示される最初の2つのデータ期間中のシステム出力信号の周波数を、光学プロセス変数信号及び/またはプロセス変数信号の同相成分及び直交成分の変動と比較することができる。図8Cは、データ周期当たり1周期のみを有する光学プロセス変数信号及び/またはプロセス変数信号を示しているが、光学プロセス変数信号及び/またはプロセス変数信号は、データ周期当たり2つ以上の周期を有することができる。
【0154】
様々なプロセス変数識別要素320を使用して、プロセス変数指標の値を測定することができる。図8Dは、プロセス変数がチャネル信号及び/またはシステム出力信号の周波数である場合に適用したプロセス変数識別要素320の一例を示している。図示のプロセス変数識別要素320は、第1ローカル信号と第2ローカル信号とを含むローカル信号を出力するローカル発振器324を含む。第1ローカル信号及び第2ローカル信号はそれぞれ、ローカル信号の同相成分及びローカル信号の直交成分からなる群から選択された構成要素のうちの異なる1つを搬送する。
【0155】
プロセス変数識別要素320は、第1プロセス変数信号及び第1ローカル信号を受信する第1乗算器326も含む。第1乗算器326は、第1プロセス変数信号と第1ローカル信号とを乗算する。第1プロセス変数信号がプロセス変数信号の同相成分を搬送する場合、第1ローカル信号は、ローカル信号の直交成分を搬送する。第1プロセス変数信号がプロセス変数信号の直交成分を搬送する場合、第1ローカル信号は、ローカル信号の同相成分を搬送する。第1乗算器326は、第1乗算信号を出力する。
【0156】
プロセス変数識別要素320は、第2プロセス変数信号及び第2ローカル信号を受信する第2乗算器328も含む。第2乗算器328は、第2プロセス変数信号と第2ローカル信号とを乗算する。第2プロセス変数信号がプロセス変数信号の同相成分を搬送する場合、第2ローカル信号は、ローカル信号の直交成分を搬送する。第2プロセス変数信号がプロセス変数信号の直交成分を搬送する場合、第2ローカル信号は、ローカル信号の同相成分を搬送する。第2乗算器326は、第2乗算信号を出力する。
【0157】
プロセス変数識別要素320は、第1乗算信号及び第2乗算信号を受信する加算器330を含む。加算器330は、第1乗算信号と第2乗算信号とを加算して制御信号を出力する。
【0158】
制御信号は、プロセス変数評価器334で受信される。プロセス変数評価器334は、制御信号を用いて、チャネル信号の周波数(fCS)に関連する1つ以上の特性を有する指示信号を出力する。例えば、プロセス変数評価器334は、チャネル信号の周波数(fCS)に関連する電圧を有する指示信号を出力する時間-デジタル変換器(TDC)であってもよい。いくつかの場合では、時間-デジタル変換器(TDC)は、チャネル信号の周波数(fCS)に比例する電圧を有する指示信号を出力する。指示信号は、レーザー源の周波数を制御する際に使用するために、光制御要素322によって受信されることができる。
【0159】
適切なプロセス変数評価器334の別の例は、制御信号のベースライン交差(dn)間の時間を示す指示信号を出力する周波数カウンタである。チャネル信号に対して測定された周波数(fCS)は、方程式1によって、ベースライン交差(dn)間の時間に関連付けることができ:fTS=fLO-1/(2*dn)、ここで、fLOは、ローカル発振器の周波数を表す。プロセス変数評価器334は、チャネル信号(fCS)に対して測定された周波数の値を示すデータを搬送する指示信号を出力することができる。指示信号は、レーザー源の周波数を制御する際に使用するために、光制御要素322によって受信されることができる。
【0160】
ローカル信号は、制御信号の周波数がプロセス変数信号の周波数より高くなるように選択される。制御信号の周波数が増加すると、プロセス変数を正確にサンプリングできる周波数が増加する。このサンプリング周波数を増加すると、制御機構によるプロセス変数の制御がより正確になる。その結果、制御信号の周波数の増加により、制御機構によるプロセス変数の制御が強化される。適切なサンプリング周波数には、変調周波数の100倍を超えるサンプリング周波数が含まれるが、これに限定されない。ここで、変調周波数は、1/(サイクルの期間)である。いくつかの場合では、各サイクルにおけるデータ期間の全部または一部は、データ期間の継続時間あたり30または100倍を超えるサンプリング周波数を有する。いくつかの場合では、ローカル信号は、制御信号の周波数がプロセス変数信号の周波数の100倍を超え、かつ10,000倍未満になるように選択される。
【0161】
図8Eは、プロセス変数がチャネル信号及び/またはシステム出力信号の周波数である場合に適用した適切なプロセス変数識別要素320の別の例を示している。該プロセス変数識別要素320は、加算器330から制御信号を受信するアナログ-デジタル変換器(ADC)340を含む。アナログ-デジタル変換器(ADC)340は、第1プロセス変数信号をアナログ形式からデジタル形式に変換し、デジタルデータ信号を出力する。デジタルデータ信号は、制御信号のデジタル表現である。
【0162】
プロセス変数識別要素320は、デジタルデータ信号を受信する変換要素342を含む。変換要素342は、デジタルデータ信号に対して数学的変換を実行する。数学的変換は、変換要素342が、LIDAR出力信号の周波数に関連し、それを含み、またはそれを示す変換信号を出力するように選択される。適切な第1数学的変換には、これに限定されないが、ヒルベルト変換が含まれる。ヒルベルト変換は、制御信号の瞬間位相、即ち周波数を示す変換信号を出力する。
【0163】
変換信号は、周波数評価器344によって受信される。周波数評価器は、LIDAR出力信号の周波数に関連し、その周波数を含み、かつ/またはそれを示す指示信号を出力するように構成することができる。例えば、周波数評価器は、次の方程式によって、瞬間周波数をチャネル信号の周波数(fCS)に変換でき:fCS=(finst-fLO)*(T/τ’)、ここで、fLOは、ローカル発振器の周波数であり、finstは、ヒルベルト変換から抽出された瞬間周波数であり、Tは、三角変調方式におけるデータ期間の継続時間であり、また、τ’は、遅延導波路62と促進導波路66との間の長さの差から生じる遅延である。従って、指示信号は、チャネル信号の周波数(fCS)を定量するデジタル信号であり得る。指示信号は、レーザー源の周波数を制御する際に使用するために、光制御要素322によって受信されることができる。
【0164】
指示信号は、チャネル信号の周波数に関するデータを搬送する信号の文脈で記載されているが、指示信号は、チャネル信号の周波数に間接的に関連するデータを搬送することができる。例えば、指示信号は、チャネル信号の周波数を測定するために使用できるデータを搬送することができる。一例として、チャネル信号の周波数 (fTS) は、チャネル信号の位相変化率から測定することができる。従って、指示信号は、チャネル信号の位相変化率を示すデータを搬送することができる。
【0165】
プロセス変数識別要素320は、任意の時点で同相成分及び直交成分からの情報を結合することによって、チャネル信号の周波数に対する指示信号の感度を高めるため、遅延導波路62によって生成される必要がある遅延量を減少させる。従来のシステムは、遅延経路の長さを増やすことによって、この感度を高めようとした。プロセス変数識別要素320は指示信号の感度を高めるため、遅延経路の長さは、従来のシステムで達成できた量よりも少ない量だけ促進経路の長さを超えることができる。例えば、制御要素74への経路における時間遅延は、制御要素74への促進経路における時間遅延を、50ps以上かつ100ns以下の量だけ超えることができる。一例では、遅延経路の長さは、1000cm未満、500cm未満、または100cm未満、かつ0.0cmまたは0.4cmを超える量だけ促進経路の長さを超える。一例では、同じ制御要素74への遅延経路及び促進経路は、シリコンを通して光を誘導し、遅延経路の長さは、1000cm未満かつ0.0cmまたは0.4cmを超える量だけ促進経路の長さを超える。
【0166】
図8Aから図8Eは、図1Aから図4に関連して開示された制御要素74の全部または一部として使用するのに適した制御要素の一例を示している。上記で論議したように、制御要素74のそれぞれは、同じチャネルを搬送する遅延経路信号及び促進経路信号を受信する。いくつかの場合では、レーザー源68は、異なるチャネル信号がそれぞれ異なるチャネルを搬送し、異なるチャネル信号がそれぞれ異なるレーザー源68から出力されるように構築される。例えば、図1Bは、異なるチャネル信号がそれぞれ異なるレーザー源68から出力される、可能な光源10の構造を示している。これらの例では、異なる制御要素74のそれぞれを使用して、制御要素によって受信されるチャネルを搬送するチャネル信号のソースを制御することができる。例えば、異なる制御要素74のそれぞれは、制御要素によって受信されるチャネルを搬送するチャネル信号の周波数を制御し、それに応じて、同じチャネルを搬送するシステム出力信号を制御するようにレーザー源を動作させるフィードバック制御ループに含めることができる。電子機器は、フィードバック制御ループを独立して動作させることができ、それに応じて、それらのフィードバック制御ループ内のレーザー源を独立して動作させることができる。
【0167】
上記のLIDARシステムは、各チャネルを搬送する単一のシステム出力信号を示す。その結果、各制御機構は、単一のシステム出力信号の異なるものの周波数対時間のパターンを制御することができる。しかし、LIDARシステムは、複数の異なるシステム出力信号が同じチャネルを搬送するように構築することができる。例えば、LIDAR出力信号を、それぞれをシステム出力信号のソースとして使用できる複数の異なる信号に分割することができる。この場合、1つ以上の制御機構はそれぞれ、同じチャネルを搬送する複数の異なるシステム出力信号の周波数対時間のパターンを制御することができる。
【0168】
図8Aから図8Eに関連して開示された制御要素は、プロセス変数信号の同相成分及びプロセス変数信号の直交成分に動作させる。しかし、制御要素は、プロセス変数信号の同相成分に動作させるように構成することができ、プロセス変数信号の直交成分を除外することができる。その結果、制御要素は、第2光結合要素286を除外することができる。従って、制御要素は、1つの光学結合器を含むことができ、制御要素への遅延経路及び促進経路は、制御要素内の1つの光学結合器のみに延伸することができる。
【0169】
LIDARシステムは、それぞれが制御要素74のうちの1つを含む複数の制御機構を有するものとして開示されているが、LIDARシステムは、わずか1つの制御機構を含むことができる。例えば、レーザー源68は、一方のレーザー源68の周波数をレートαで調整すると、他方のレーザー源68も同じ速度で調整されるように構成することができる。この場合、上記に開示したようにレーザー源68の1つを制御することにより、各レーザー源に所望の調整が提供され、それに応じて、各システム出力信号に所望の周波数対時間のパターンが提供される。
【0170】
上述したように、遅延導波路62及び/または第1遅延導波路80等の遅延導波路は、遅延導波路の長さを促進導波路66の長さを超えて長くするために使用できる遅延セクション70を含むことができる。遅延セクション70は、遅延導波路62の螺旋形配置を表すことができる。螺旋形配置は、より長い導波路が占める空間の量を減らすために選択される。図9は、螺旋形配置を有する遅延導波路62または第1遅延導波路80の一部を示している。螺旋形配置の中心付近で、該導波路は、向きを変えて元に戻る。螺旋形配置は、導波路の曲率半径が最も小さい部分(Rminと表記)が曲率閾値を超える曲率半径を有するように選択される。適切な曲率閾値には、0.025mm、0.1mm、及び0.3mm以上の曲率閾値が含まれるが、これらに限定されない。螺旋形配置は、円に近い幾何学的形状で示されているが、螺旋形配置は、楕円形、長方形、または三角形に近い形状等の他の幾何学的形状であってもよい。その結果、螺旋形配置は、直線の導波路セグメント及び/または実質的に直線の導波路セグメントを含むことができる。
【0171】
LIDARチップに適したプラットフォームには、シリカ、リン化インジウム、シリコン・オン・インシュレーター・ウェーハが含まれるが、これらに限定されない。図10Aは、シリコン・オン・インシュレーター・ウェーハから構築されたチップの一部の断面図である。シリコン・オン・インシュレーター(SOI)ウェーハは、基板352と光透過媒体354との間に埋込層350を含む。シリコン・オン・インシュレーター・ウェーハでは、埋込層350はシリカであり、基板352及び光透過媒体354は、シリコンである。SOIウェーハ等の光学プラットフォームの基板352は、LIDARチップ全体のベースとして機能することができる。例えば、図1Aから図4のLIDARチップ上に示される光学構成要素は、基板352の上あるいはは上面及び/または側面上に配置することができる。
【0172】
図10Aは、シリコン・オン・インシュレーター・ウェーハから構築されたLIDARチップに適用した導波路構造を含むLIDARチップの一部の断面図である。光透過媒体のリッジ356は、光透過媒体の平板領域358から離れる方向に延伸する。光信号は、リッジ356の上部と埋込酸化物層350との間に制限される。
【0173】
リッジ導波路の寸法は、図10Aに示されている。例えば、リッジは、wと表記された幅、hと表記された高さを有する。平板領域の厚さはTと表記される。LIDAR応用の場合、他の応用で使用されるよりも高いレベルの光パワーを使用する必要があるため、これらの寸法は、他の寸法よりも重要になり得る。リッジ幅(wと表記)は、1μmを超え、かつ4μm未満であり、リッジ高さ(hと表記)は、1μmを超え、かつ4μm未満であり、平板領域の厚さは、0.5μmを超え、かつ3μm未満である。これらの寸法は、導波路の直線または実質的に直線部分、導波路の湾曲部分、及び導波路のテーパ部分に適用することができる。従って、導波路のこれらの部分は、単一モードになる。しかし、いくつかの場合では、これらの寸法は、導波路の直線または実質的に直線の部分に適用される。さらにまたは代わりに、導波路の湾曲部分における光損失を低減するために、導波路の湾曲部分の平板厚さを薄くすることができる。例えば、導波路の湾曲部分は、厚さが0.0μm以上かつ0.5μm未満の平板領域から離れる方向に延伸するリッジを有することができる。上記の寸法は一般に、導波路の直線または実質的に直線部分にシングルモード構造を提供するが、結果としてテーパ部分及び/または湾曲部分がマルチモードになり得る。マルチモードジオメトリとシングルモードジオメトリとの間の結合は、高次モードを実質的に励起しないテーパを使用して行うことができる。従って、導波路は、導波路内で搬送される信号が、マルチモード寸法を有する導波路セクション内で搬送される場合でも単一モードで搬送されるように構築することができる。図10Aの文脈で開示される導波路構築物は、図1Aから図4に従って構築されたLIDARチップ上の導波路の全部または一部に適している。
【0174】
図10Bから図10Dは、シリコン・オン・インシュレーター プラットフォーム上に構築され、図2及び図4に従って構築されたLIDARチップ上に適用した帰還装置82の一例を示している。図10Bは、帰還装置82を有するLIDARチップの一部の上面図である。図10Cは、図10BにおいてCと表記された線に沿った帰還装置82の断面図である。図10Dは、図10BにおいてCと表記された線に沿った帰還装置82の断面図である。
【0175】
図示の帰還装置82は、光透過媒体354を部分的にまたは完全に通って延伸する凹部360を含む。図示の凹部360は、埋込層350内まで延伸していないが、図示の凹部360は、埋込層350内へ、または埋込層350を通って延伸することができる。凹部360の表面は、帰還表面362として機能する。帰還表面362は、光搬送媒体354から帰還表面362に入射する光信号の少なくとも一部が光搬送媒体354に帰還するように構成される。帰還が生じるメカニズムは、帰還表面362での反射、または帰還表面362による反射であり得る。例えば、凹部媒体366は、凹部360内に配置され、帰還表面362と接触することができる。凹部媒体366は、凹部360を充填することができ、または帰還表面362に接触する材料の層とすることができる。凹部媒体366は、流体であっても固体であってもよい。図10Cに示されるように、凹部媒体366は、出力要素のクラッディング368としても機能する固体とすることができる。いくつかの場合では、凹部媒体366は、光透過媒体354よりも低い屈折率を有し、帰還表面362での反射を引き起こす。光透過媒体354よりも低い屈折率を有する適切な凹部媒体には、空気、エポキシ、二酸化シリコン、及び窒化シリコンが含まれるが、これらに限定されない。クラッディングとしても機能する光透過媒体354よりも低い屈折率を有する適切な凹部媒体には、二酸化シリコン及び窒化シリコンが含まれるが、これらに限定されない。
【0176】
いくつかの場合では、凹部媒体366は、出射LIDAR信号または入力信号を帰還表面352で反射させる媒体である。例えば、凹部媒体366は、帰還表面352に接触する反射材料370であってもよい。図10Dは、帰還表面352と接触する反射材料370の層を示している。図10Dは、クラッディングが凹部媒体366上に位置し、凹部360内に延伸するように配置されたクラッディングを示しているが、クラッディングは、任意である。適切な反射材料370には、二酸化シリコン、酸化ハフニウム、及び酸化アルミニウムを含む多層誘電体膜、及びアルミニウム、ニッケル、及び金等の金属が含まれるが、これらに限定されない。適切なクラッディングには、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、及び酸化アルミニウムが含まれるが、これらに限定されない。
【0177】
LIDARチップ上の導波路と干渉する光センサーは、チップとは別で、その後チップに取り付けられる構成要素であってもよい。例えば、光センサーは、フォトダイオードまたはアバランシェフォトダイオードであってもよい。適切な光センサー要素の例には、日本の浜松市にある浜松社が製造するInGAs PINフォトダイオード、または日本の浜松市にある浜松社が製造するInGAs APD(アバランシェフォトダイオード)が含まれるが、これらに限定されない。これらの光センサーは、LIDARチップの中央に配置することができる。あるいは、光センサーで終端する導波路の全部または一部は、チップの端に位置するファセットで終端することができ、光センサーは、ファセットを通過する光を受けるように、ファセット上のチップの端に取り付けることができる。チップとは別個の構成要素である光センサーの使用は、第1補助光センサー218、第2補助光センサー220、第1光センサー223、及び第2光センサー224からなる群から選択される光センサーの全部または一部に適している。
【0178】
別個の構成要素である光センサーの代替として、光センサーの全部または一部をチップと統合することができる。例えば、シリコン・オン・インシュレーター・ウェーハから構築されたチップ上のリッジ導波路と干渉される光センサーの例は、Optics Express Vol.15、No.21、13965-13971(2007);2012年1月10日に発行された米国特許第8,093,080号;2012年8月14日に発行された米国特許第8,242,432号;及び2000年8月22日に発行された米国特許第6,108,8472号で見出すことができる。これらのそれぞれは、その全体が本明細書に組み込まれる。チップと統合された光センサーの使用は、補助光センサー218、第2補助光センサー220、第1光センサー223、及び第2光センサー224からなる群から選択される光センサーの全部または一部に適している。
【0179】
適切なレーザー源68は、LIDARチップとは別個で、その後LIDARチップに取り付けられたレーザチップであってもよい。例えば、レーザー源68は、フリップチップ配置を使用してチップに取り付けられたレーザチップであってもよい。フリップチップ配置の使用は、レーザー源68がシリコン・オン・インシュレーター・ウェーハから構築されるチップ上のリッジ導波路と干渉される場合に適している。あるいは、ユーティリティ導波路12は、外部共振器レーザーの反射器として機能するブラッグ格子等の光学格子(図示せず)を含むことができる。これらの例では、レーザー源68は、LIDARチップとは別で、その後、フリップチップ配置でLIDARチップに取り付けられる利得要素を含むことができる。フリップチップ利得要素とシリコン・オン・インシュレーター・ウェーハから構築されたチップ上のリッジ導波路との間の適切なインターフェースの例は、2017年7月11日に発行された米国特許第9,705,278号、及び1999年11月23日に発行された米国特許第5,991,484号に見出すことができる。これらのそれぞれは、その全体が本明細書に組み込まれる。レーザー源68が利得要素またはレーザチップである場合、電子機器62は、利得要素またはレーザー空洞を通して印加される電流のレベルを変更することによってチャネル信号の周波数を変更することができる。
【0180】
適切な電子機器62には、上記の操作、監視、及び制御機能を実行するのに適したアナログ電気回路、デジタル電気回路、プロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールド プログラマブル ゲート アレイ (FPGA)、コンピュータ、マイクロコンピュータ、またはその組み合わせを含む、またはそれらから構成される電子制御装置が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの場合では、電子制御装置は、動作、制御、及び監視機能の実行中に電子制御装置によって実行されるインストラクションを含むメモリにアクセスする。電子機器は、単一の場所にある単一の構成要素として示されているが、電子機器は、互いに独立した、かつ/または異なる場所に配置された複数の異なる構成要素を含むことができる。また、上記したように、開示された電子機器の全部または一部は、チップと統合された電子機器を含めて、チップ上に含めることができる。
【0181】
上記のLIDARシステムは、LIDARチップ、LIDARアダプター、光源、光センサー、導波路、増幅器等の複数の光学構成要素を含む。いくつかの場合では、LIDARシステムは、図示された光学構成要素に加えて、または図示された光学構成要素の代替として、1つ以上の受動光学構成要素を含む。受動光学構成要素は、可動な部品を除いた固体の構成要素であってもよい。適切な受動光学構成要素には、レンズ、ミラー、光学回折格子、反射面、分割器、分波器、合波器、偏光子、偏光分割器、及び偏光回転子が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの場合では、LIDARシステムは、図示された光学構成要素に加えて、または図示された光学構成要素の代替として、1つ以上の能動光学構成要素を含む。適切な能動光学構成要素には、光学スイッチ、位相チューナー、減衰器、操縦可能なミラー、操縦可能なレンズ、同調可能な分波器、同調可能な合波器が含まれるが、これらに限定されない。
【0182】
これらの教示を考慮すれば、当業者であれば、本発明の他の実施形態、組合せ、及び改変を容易に想到するであろう。従って、本発明は、上記の明細書及び添付の図面と併せて見たとき、そのような実施形態及び改変の全てを含む請求項によってのみ限定されるべきである。

図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
【国際調査報告】