IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴァレリオ トーマス エイ.の特許一覧

特表2024-515556廃棄物流からプラスチックを分離するための方法及びシステム
<>
  • 特表-廃棄物流からプラスチックを分離するための方法及びシステム 図1
  • 特表-廃棄物流からプラスチックを分離するための方法及びシステム 図2
  • 特表-廃棄物流からプラスチックを分離するための方法及びシステム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】廃棄物流からプラスチックを分離するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B29B 17/02 20060101AFI20240403BHJP
   B03B 5/00 20060101ALI20240403BHJP
   B03B 5/28 20060101ALI20240403BHJP
   B03B 5/30 20060101ALI20240403BHJP
   B03B 7/00 20060101ALI20240403BHJP
   B03B 9/06 20060101ALI20240403BHJP
   B07B 1/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
B29B17/02 ZAB
B03B5/00 Z
B03B5/28 Z
B03B5/30
B03B7/00
B03B9/06
B07B1/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561629
(86)(22)【出願日】2022-04-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 US2022071580
(87)【国際公開番号】W WO2022217242
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】63/171,532
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520445381
【氏名又は名称】ヴァレリオ トーマス エイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレリオ、トーマス エイ.
【テーマコード(参考)】
4D021
4D071
4F401
【Fターム(参考)】
4D021AA03
4D021CA07
4D021EA10
4D021EB01
4D071AA02
4D071AA05
4D071AA43
4D071AA53
4D071AA67
4D071AB14
4D071CA01
4D071CA03
4D071CA05
4D071DA15
4F401AA09
4F401AA10
4F401AA11
4F401AC08
4F401BA13
4F401CA14
4F401CA25
4F401CA26
4F401FA08Y
4F401FA08Z
(57)【要約】
廃棄物流からプラスチックを分離及び収集する方法であって、廃棄物材料をサイズ分離する工程と、材料を粉砕する工程と、1.0~1.1SGの比密度で材料を分離する工程と、を含む、方法。システムが本明細書に含まれる。PP及びPEは廃棄物流から分離される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物流からプラスチックを分離及び収集するための方法であって、
a.前記廃棄物流から廃棄物材料を提供する工程と、
b.前記廃棄物材料を19~25mmで第1の小さめの材料及び第1の大きめの材料にサイズ分離する工程と、
c.前記第1の小さめの材料を機械的粉砕によって第1の残留物に粉砕する工程と、
d.前記第1の残留物を第2の小さめの材料及び第2の大きめの材料にサイズ決めする工程と、
e.1.0~1.1SGの比密度の前記第2の大きめの材料を第1の重質画分及び第1の軽質画分に分離する工程と、
f.4mm超の前記第1の軽質画分を第3の小さめの材料及び第3の大きめの材料に分離する工程と、
g.前記第3の大きめの材料を収集する工程であって、第3のサイズ決めされた大きめの材料が、90%超のPP及びPEである、収集する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の重質画分が、1.0SG超であり、前記第1の重質画分からABS及びPSを分離するために1回又は実質的な追加の密度分離を受ける、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1.0~1.2SGの比密度の前記第1の重質画分を第2の重質画分及び第2の軽質画分に分離することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第3の大きめの材料を0.3mm超のサイズでスクリーニングして、第4の大きめの画分を得ることを更に含み、前記第4の大きめの画分が、ABS及びPSである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
廃棄物流からプラスチックを分離及び収集するためのシステムであって、
a.前記廃棄物流からの廃棄物材料を有するフィーダと、
b.25mm未満の材料を第1のサイズ決めされた材料及び第1の大きめの材料に分離する第1のスクリーンと、
c.前記サイズ決めされた材料を機械的粉砕によって第1の残留物に粉砕するための粉砕機と、
d.前記第1の残留物を第2のサイズ決めされた材料及び第2の大きめの材料にサイズ決めするための第2のスクリーンと、
e.第1の重質画分及び第1の軽質画分への、1.0~1.1SGの比密度での前記第2の大きめの材料のための第1の密度分離器と、
f.前記廃棄物流から8mm超の前記第1の軽質画分を第3のサイズ決めされた材料及び第3の大きめの材料に分離するための第3のスクリーンと、
g.前記第3の大きめの材料の収集器であって、前記第3の大きめの材料が90%超のPP及びPEである、収集器と、を備える、システム。
【請求項6】
1.2SGの比密度で前記第2のサイズ決めされた材料を第3の重質画分及び第3の軽質画分にサイズ決めするために分離するための第3の密度分離器を更に備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
第4のサイズ決めされた材料及び第4の大きめの材料に0.5mmで前記第3の軽質画分を分離するための第4のスクリーンを更に備え、前記第4の大きめの材料が、実質的にABS及びPSである、請求項5に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、廃棄物流(例えば、ASR又はESR)中の様々な材料を分離することに関する。本出願はまた、廃棄物流からプラスチックを除去することに関する。本出願はまた、廃棄物流からのプラスチックが廃棄プラスチック材料及び他の材料から分離される材料分離に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物材料のリサイクルは、経済的及び生態学的な観点をはじめとする多くの観点から非常に望ましい。適切に選別されたリサイクル可能な材料は、多くの場合、かなりの収益で販売することができる。より価値のあるリサイクル可能な材料の多くは、短期間で生分解しないので、それらのリサイクルは、地域の埋立て地及び最終的には環境への負担を著しく低減する。
【0003】
今日の製造業者によって供給されるプラスチックのほとんどは、単に技術がそれを経済的に回収するために利用可能ではなかったという理由で、埋立て地又は焼却炉においてその寿命を終える。自動車、家電製品、及び電子機器などの耐久消費財は、都市固形廃棄物中のプラスチックの3分の1超を占める。耐久消費財は、廃棄コスト及び潜在的な不利益を回避するために、並びに金属及び他の市場性のある原料を回収するために、ますます収集され、それらの耐用年数の終わりに部分的にリサイクルされている。
【0004】
自動車シュレッダー残留物(automobile shredder residue、ASR)及び電子廃棄物シュレッダー残留物(electronic waste shredder residue、ESR)供給材料は、非常に多様であり、ゴム、木材、金属、ワイヤ、回路基板、発泡体、ガラス、及び他の非プラスチックを含む。プラスチック材料がリサイクルされる場合、プラスチック材料は、複数の生成物流及び副生成物流に分離されるべきである。一般に、リサイクルプロセスは、商業的に有用であるために、産業後及び消費者後の供給源に由来する様々なプラスチックリッチ流に適用される必要がある。
【0005】
所与のプラスチックタイプの異なるグレードが適合性であり得る。いくつかのグレードは、一般に溶融混合されて、異なる特性プロファイルを有する新しい材料を作り出すことができる。様々なプラスチックが廃棄物流内に含まれ得る。いくつかのそのようなプラスチックとしては、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、ポリエチレン(polyethylene、PE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(acrylonitrile butadiene styrene、ABS)、耐衝撃性ポリスチレン(high impact polystyrene、HIPS)を含むポリスチレン(polystyrene、PS)、及びポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)が挙げられる。これらの材料は、少なくとも「軽質」プラスチック(PP及びPE)及び「重質」プラスチック(ABS及びPS)に分離される場合、より価値がある。また、PVCなどのいくつかのプラスチック、並びにタルク充填及びガラス充填PPなどのいくつかのPPは望ましくない。分別されたプラスチックの価値を高めるために、望ましくないプラスチックを混合物から除去して、より均一な材料を作り出すべきである。
【0006】
材料を同定及び分離するための多くのプロセスが、当該技術分野で既知である。しかしながら、全てのプロセスがプラスチックを回収するのに効率的であるわけではなく、これらのプロセスの順序付けは、費用効率の高い回収プロセスを開発する際の1つの要因である。したがって、廃棄物流からプラスチックを収集するための改善された方法及びシステムが常に必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
1つの態様は、廃棄物流からプラスチックを収集するための方法を含む。この方法は、廃棄物材料を19~25mmで廃棄物流から第1の小さめの材料及び第1の大きめの材料にサイズ分離する工程と、第1の小さめの材料を機械的粉砕によって第1の残留物に粉砕する工程と、第1の残留物を第2の小さめの材料及び第2の大きめの材料にサイズ決めする工程と、1.0~1.1SGの比密度の第2の大きめの材料を第1の重質画分及び第1の軽質画分に分離する工程と、4mm超の第1の軽質画分を第3のサイズ決めされた材料及び第3の大きめの材料に分離する工程と、第3の大きめの材料を収集する工程と、を含み得る。第3の大きめの材料は、90%超のPP及びPEである。
【0008】
別の態様は、廃棄物流からプラスチックを分離及び収集するためのシステムであって、廃棄物材料を有するフィーダと、25mm未満の材料を第1のサイズ決めされた材料及び第1の大きめの材料に分離する第1のスクリーンと、サイズ決めされた材料を機械的粉砕によって第1の残留物に粉砕するための粉砕機と、第1の残留物を第2の小さめの材料及び第2の大きめの材料にサイズ決めするための第2のスクリーンと、第1の重質画分及び第1の軽質画分への、1.0~1.1SGの比密度での第2の大きめの材料のための第1の密度分離器と、8mm超の第1の軽質画分を第3のサイズ決めされた材料及び第3の大きめの材料に分離するための第3のスクリーンと、第3の大きめの材料の収集器であって、第3の大きめの材料が90%超のPP及びPEであり得る、収集器と、を有する、システムを含む。
【0009】
別の態様は、廃棄物流からプラスチックを分離及び収集するためのシステムであって、25mm未満の材料を第1のサイズ決めされた材料及び第1の大きめの材料に分離する第1のスクリーンと、サイズ決めされた材料を機械的粉砕によって第1の残留物に粉砕するための粉砕機と、第1の残留物を第2のサイズ決めされた材料及び第2の大きめの材料にサイズ決めするための第2のスクリーンと、第1の重質画分及び第1の軽質画分への、1.0~1.1SGの比重での第2の大きめの材料のための第1の密度分離器と、廃棄物流から8mm超の第1の軽質画分を第3のサイズ決めされた材料及び第3の大きめの材料に分離するための第3のスクリーンと、第3の大きめの材料のための収集器と、を含む、システムを含む。第3の大きめの材料は、90%超のPP及びPEであり得る。
【0010】
別の態様は、1.2SGの比密度で第2のサイズ決めされた材料を第3の重質画分及び第3の軽質画分に分離するための第3の密度分離器を有するシステムを含む。
【0011】
別の態様は、0.5mmで第3の軽質画分を第4のサイズ決めされた材料及び第4の大きめの材料に分離するための第4のスクリーンを有するシステムを含む。第4の大きめの材料は、実質的にABS及びPSである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態の流れ図である。
図2】本発明の別の実施形態の流れ図である。
図3】本発明の特定の実施形態による例示的なシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の例示的な実施形態は、廃棄物材料からプラスチックを選別するための方法及びシステムを提供する。そのような実施形態は、複数の処理工程を用いてプラスチックを分離するためのプロセス及びシステムを提供し、それは、軽質プラスチック流及び重質プラスチック流をもたらし得る。本方法は、再生プラスチック製品を準備するための構成を規定することを含む。更に、特定の方法及びシステムは、流れから望ましくないプラスチック及び非プラスチックを除去して、単一のプラスチックタイプの生成物を製造することを可能にすることができる。特定の実施形態は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、及びポリスチレン(PS)を含むリサイクルプロセスにおいて見られる材料などの廃棄物流からプラスチックを回収するための費用効果が高く効率的な方法及びシステムを、収益回収を容易にする一方で埋立要件も低減する様式で提供する。
【0014】
初期廃棄物流は、ある量のゴム、木材、金属、ワイヤ、回路基板、発泡体、ガラス、及び他の非プラスチックを含有する。プラスチックに富む供給流を複数の生成物及び副生成物流に分離することができるように、プロセスを実施するように構成されているサイズ縮小方法及びシステムが開発されている。本方法及びシステムは、産業後及び消費者後の供給源に由来する様々なプラスチックリッチ流に適用することができる。これらの流れは、オフィスオートメーション機器(プリンタ、コンピュータ、コピー機など)、白物家電(冷蔵庫、洗濯機など)、家庭用電化製品(テレビ、ビデオカセットレコーダ、ステレオなど)、自動車シュレッダー残留物、包装廃棄物、家庭廃棄物、建築廃棄物、並びに工業成形及び押出スクラップからのプラスチックを含むことができる。この材料は、本発明の特定の実施形態によって処理することができる。
【0015】
特定の実施形態は、廃棄物流からの材料を精製又は分離して、複数のプラスチックタイプのファミリーの流れから望ましくないプラスチック及び非プラスチックを除去することを可能にする。2つ以上の耐久消費財源からのプラスチックが、プラスチックリサイクルプラントに供給される材料の混合物に含まれてもよい。例示的なプラスチックとしては、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)、ポリアミド(polyamide、PA)、ポリメチルメタクリレート(polymethyl methacrylate、PMMA)、ポリ塩化ビニル(PCV)、ポリエーテルエーテルケトン(polyether ether ketone、PEEK)、ポリスルホン(polysulfone、PSU)、ポリオキシメチレン(polyoxymethylene、POM)などが挙げられる。プラスチック含有材料は、重質プラスチックから軽質プラスチックに分離することができる。材料を分離した後、精製されたプラスチックを濃縮し、押出し、ペレット化することができる。
【0016】
例示的な実施形態は、プラスチックなどの材料を収集するためのシステム及び方法を提供する。本発明の一態様では、廃棄物から様々なプラスチックを収集する方法が提供される。この方法は、(a)廃棄物材料から廃棄物材料を除去する工程と、(b)25mm未満のサイズに基づいて廃棄物材料をふるい分け又はスクリーニングする工程と、(c)廃棄物を磨砕又は粉砕する工程と、(d)約1.0の比重又はSG(例えば、1.0SG~1.1.SGの範囲)で少なくとも1つの重力分離を導入する工程と、(e)プロセス全体を通して所望の各種プラスチックを収集する工程と、を含む。プロセス全体を通して収集された様々な材料は、廃棄され得るか、又は他の方法論を使用して処理され得る。
【0017】
図1に示されるように、方法10は、最初に25mm未満のサイズにスクリーニングされる廃棄物流又は供給材料から開始することができる(20)。例えば、有用な多段スクリーンは、約25ミリメートル(millimeter、mm)以下の廃棄物材料を通過させることができ、約17mm以下の材料を通過させることができる。スクリーンのサイズは変動してもよく、例えば、一方のスクリーンが10mmであり、他方のスクリーンが50mmであってもよい。サイズ決め又はスクリーンサイズは、それに応じて最適化することができる。
【0018】
廃棄物材料が最初にスクリーニングされた(20)後、材料は、この工程30において、磨砕され、破砕され、又は他の方法で粉砕される。廃棄物材料は、プラスチック材料を廃棄物材料から分離するために、例えば、破砕、細断の任意の組み合わせによって粉砕される。一実施形態では、廃棄物材料は、ハンマーミルで破砕され、粉末及びより大きなプラスチック片が得られる。粉末は、スクリーン、篩、シェーカーテーブル、分級機、それらの組み合わせ、及び/又は他の既知の機構によって流れから分離されてもよい。一実施形態では、廃棄物材料は、ボールミル又はロッドミルを使用して粉砕される。
【0019】
粉砕工程30の後、材料は、1.0~1.1SGの比密度で、第1の重質画分及び第1の軽質画分に分離される(40)。
【0020】
材料が粉砕され、密度によって分離された後、より大きい片は、4mm~8mmの範囲で材料を分離収集するためにスクリーニングされる(50)。一例では、材料は、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、又はそれらの間で切断又はサイズ分離される。一例では、材料は、6m以上で切断サイズ分離される。大きめの材料は、65%、70%、80%、85%、90%超のPP及びPEであり得、それに応じて収集される(60)。
【0021】
本方法及びシステムは、複数のサイズ縮小工程を含むことができる。サイズ縮小は、典型的には、様々なタスクを達成するように構成されているプラスチックリサイクルプラントのフロントエンドにおける1つ以上のプロセスを含む。サイズ縮小は、サイズ縮小プロセス機器を損傷し得るか、又は下流の分離プロセスに悪影響を及ぼし得る金属を除去するために、非プラスチック材料の多くが遊離されるようにプラスチック粒径を縮小させるために、比較的狭い粒径分布を作り出すために、及びおそらく下流のプロセスに送られる材料の組成物を安定化又は洗浄するために、実行され得る。
【0022】
図2に示されるように、1つの例示的な方法200は、前処理されていてもよい初期出発材料としてのASR又はESR供給材料210を含む。最初に、供給材料は、200mm、100mm、50mm、25mm以下で切断又はサイズ分離される(220)。一例では、プロセスに入る供給材料は200mm未満である。他の例では、プロセスに入る供給材料は、0.1mm~25mmのサイズを有する。材料は、ゴム、木材、金属、ワイヤ、回路基板、発泡体、ガラス、及び他の非プラスチックを含有し、これらのいずれか又は全てを再処理することができる(225)。次いで、25mm未満の材料が、例えば、ボールミル又はロッドミルによって粉砕される(230)。粉砕工程230からの材料は、例えば、0.3~0.5mmでスクリーニングされてもよく、アンダーは、廃棄されるか、又は媒体として使用されてもよい(245)。その後、オーバーは、第1の重力分離段階250で処理され、約1.0~1.2SGのSG又は比重で分離され、これは水中での浮選を含むことができる。1.0超~1.2のSGを有する重質物又はより重質材料255は、そのような材料が貴重な元素を含有するか又は廃棄物(ABS/PS257若しくは金属/ガラス258)として廃棄される可能性があるので、更に処理することができる。
【0023】
第1の重力分離からの軽量材料は、2mm又は8mm、例えば、4mm、6mm、又は8mmでスクリーニング又は切断又はサイズ分離され得る(260)。サイズ決めを実施して、特定の所望の粒径分布を有するサイズ決めされた廃棄物流を生成して、密度分離を容易にし、かつ特定のリサイクル可能な材料が濃縮された中間流を生成し得る。サイズ分離からの材料又はオーバーは、PP及びPEを含む(270)。
【0024】
当業者は、粉砕された廃棄物流を分析して、流れの画分が異なるタイプの材料を異なる流れに分離する一方で、類似のタイプの廃棄物をいくらか濃縮された流れに濃縮するサイズカットオフを決定することができることを認識するであろう。加えて、サイズ決めされた廃棄物流は、粒子の狭い分布を有するサイズ決めされた廃棄物流を作り出すことによって、密度分離について最適化され得る。一例では、材料は、19mmでスクリーニングされる。スクリーンからの小さすぎる材料は、これらの材料が貴重な元素を含有するので、更に処理することができる。オーバー材料は、混合プラスチック流を含むことができ、この混合プラスチック流は、ゴム及び木材を除去し、プラスチックをタイプ別に分離して、所望の組成物、例えば、上述の組成物純度を達成するための更なる精製工程にかけることができる。本発明の方法において使用することができるサイズ分離器の好適な例としては、ゴム又はスチールディスクを有するディスクスクリーン分離器、フィンガースクリーン分離器、トロンメルスクリーン分離器、振動スクリーン分離器、滝スクリーン、振動スクリーン、フラワーディスクスクリーン、及び/又は他のサイズ分離器が挙げられる。
【0025】
スクリーンサイズよりも小さめのサイズの材料は、粉砕又は剪断することができる。一般に、磨砕は、鉱石のより大きな破片が微細な粒径の粒子、すなわち微粉に分解される商業的な採掘作業におけるプロセスである。有用な鉱物は、微粉から抽出される。磨砕プロセスは、ボールミル、ロッドミル、自生ミル、ペブルミル、高圧磨砕ミル、バムストーンミル、垂直シフトインパクタミル、タワーミルなどの鉱石を粉砕するための1つ以上の手段で行われる。ボールミル、ロッドミル、及び高圧磨砕ロールミルは、特定の実施形態を含むことができる。このような粉砕工程は、粉砕機内でプラスチックを磨砕又は粉砕しない。
【0026】
ボールミル又は粉砕段階からの材料は、第2の密度分離段階で処理することができる。この段階の間、材料は、1.2のSG又は約1.0~1.3SGの範囲で分離される。一例では、約1.2以下の材料又は軽質材料は、4mm~8mm、例えば、4mm、6mm、8mm、又はそれらの間で選別される。別の例では、軽量材料は、約1.2若しくは1.2であるか、あるいは軽量材料は、4mm~8mm若しくは5mm~7mmで、又は6mmでスクリーニングされる。約1.0~1.3SGのアンダー又は小さめの材料は、木材、毛羽、及び一般的に価値の低い材料、又はPP/PEリサイクル若しくは後処理にあまり望ましくない材料を含有することができる。
【0027】
第1の重力分離からの重質物は、約1.2SGで第2の重力分離を使用して分離される。第3の分離からの重質物は、金属及びガラスである。軽質物は、ABS及びPPであり、これらは貴重であり、埋立廃棄物を減少させる。重質物には、金属、ガラス、及び臭素化プラスチックが挙げられ、これらを更に処理して、価値のある材料を得ることができる。
【0028】
密度分離は、フロス浮選、又は同様の密度のプラスチックの分離を容易にする他の方法を含むことができる。フロス浮選は、所望の純度を達成するために他の分離方法と組み合わせて使用することができる。他の密度分離技術が当該技術分野で既知である。
【0029】
密度分離工程はまた、落下速度分離器又はジグと称されるシステム及び方法によって行われてもよい。密度差変更は、同様の密度のプラスチックの分離を容易にする方法である。
【0030】
図3は、一実施形態による例示的なシステム300を示す。この実施形態では、フィーダ310内に貯蔵された廃棄物材料は、19mm~25mmで材料を分離するために、又は19mm若しくは25mmで材料を第1のサイズ決めされた材料及び第1の大きめの材料に切断/サイズ分離するために、第1のスクリーン320でスクリーニングされる。このシステムは、(a)機械的粉砕によってサイズ決めされた材料を第1の残留物に粉砕するための粉砕機(例えば、ボールミル又はロッドミル)330と、(b)第1の残留物を第2のサイズ決めされた材料及び第2の大きめの材料にサイズ決めするための第2のスクリーン340と、(c)第2の大きめの材料を第1の重質画分及び第1の軽質画分に分離するための1.0~1.1SGの比密度の第1の密度分離器370と、(d)第1の軽質画分を0.3mmの間で分離し、3mm及び8mmでサイズ決めされた材料及び大きめの材料に切断/サイズ分離するための第3のスクリーン360と、(e)大きめの材料(オーバー)の収集器(図示せず)と、を含む。4mm~25mmのサイズ決めされた、1.2SG未満の材料は、90%超のPP及びPE365であり得る。大きめの材料又はオーバーは、一般に、非プラスチック材料、毛羽、及び他の材料367である。
【0031】
システムはまた、1SGで比密度の第2のサイズ決めされた材料を第2の重質画分及び第2の軽質画分に分離又はサイズ決めするための第2の密度分離器375を含むことができる。この第2の密度分離器375はまた、逆濃縮器又はスクリューであってもよい。
【0032】
システムはまた、1.2SGの比密度で第2のサイズ決めされた材料を第3の重質画分及び第3の軽質画分に分離又はサイズ決めするための第3の密度分離器380を含むことができる。
【0033】
システムはまた、0.3mm~0.50mmの第3の軽質画分を第4の小さめの材料及び第4の大きめの材料に分離するための第4のスクリーン390を含むことができ、第4の大きめの材料は、実質的にABS及びPSである。システムはまた、1.2SG画分の第4のサイズ決めされた材料を含むことができる。1.2SGの軽質画分は、1.0~1.2SGで切断された材料をもたらす。この材料は、脱水され、0.3mm又は0.5mmのスクリーンでスクリーニングされることができ、生成物は、価値がありリサイクル可能であるABS/PSプラスチック395であることができる。
【0034】
密度によって材料を分離するための方法がある。このような方法は、典型的には、浮力差によってプラスチックを分離するための懸濁媒体として液体を使用することを特徴とし、沈降タンク、重力濃縮、及び液体サイクロンなどの構成要素を使用する。
【0035】
廃棄物流に関して、特定の実施形態は、15%、又は25%、35%、45%、及び/又は50%を超える濃度のプラスチックを含有する廃棄物材料又はリサイクル可能材料を処理するために使用することができる。これは、プラスチックの良好な濃度(20%以上の低さ)が存在する限り、システムが材料を適切に選別できることを意味する。「プラスチック及び非プラスチック」流に予め選別された家庭廃棄物は、良い例である。典型的には、埋め立てられていない家庭廃棄物は、プラスチック分離物が生成されるリサイクル施設で予め選別することができる。このプラスチック濃縮物は、「良好な供給材料」の一例である。プラスチックを含有する都市廃棄物は、例示的な廃棄物流材料である。
【0036】
プラスチックリサイクルプロセスは、効率を最適化し、かつ生成物の貴重な組み合わせを作り出すように順序付けられた、いくつかの分離プロセスを利用することができる。順序付けは、廃棄プラスチック材料の供給源、粒径、及び特性に依存し得る。特定の実施では、所望の純度を達成するために必要とされる場合、又はプロセスの異なる段階において異なる理由で操作が必要とされる場合、いくつかの操作を繰り返すことができる。
【0037】
以上、本発明の特定の実施形態について詳細に説明したが、これらの説明は例示に過ぎない。したがって、本開示の多くの態様は、例としてのみ上で説明されており、別段に明示的に述べられていない限り、本開示の必要又は不可欠な要素として意図されていないことを理解されたい。上述したものに加えて、例示的な実施形態の開示された態様の様々な修正、及びそれに対応する等価な工程は、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本開示の利益を有する当業者によって行うことができ、その範囲は、そのような修正及び等価な構造を包含するように最も広い解釈が与えられるべきである。
図1
図2
図3
【国際調査報告】