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特表2024-515570組立て方法およびねじ回し工具およびねじキット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】組立て方法およびねじ回し工具およびねじキット
(51)【国際特許分類】
   B25B 15/00 20060101AFI20240403BHJP
   A61B 17/3201 20060101ALI20240403BHJP
   A61B 17/28 20060101ALI20240403BHJP
   B25B 13/00 20060101ALI20240403BHJP
   B26B 13/28 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
B25B15/00 610Z
A61B17/3201
A61B17/28
B25B13/00 C
B26B13/28 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561812
(86)(22)【出願日】2022-04-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-06
(86)【国際出願番号】 EP2022059090
(87)【国際公開番号】W WO2022214535
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】102021108715.5
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スベン バーセルメス
(72)【発明者】
【氏名】ペドロ モラレス
【テーマコード(参考)】
3C065
4C160
【Fターム(参考)】
3C065AA03
3C065BA01
3C065CB02
3C065FA01
4C160FF15
4C160GG08
(57)【要約】
本開示は、2つの枝(13)が互いに対して枢動可能であるように、医療器具(3)の2つの枝(13)を互いに接続するための、ねじ回し工具(1)を使用した、器具(3)の雌ねじにねじ(2)をねじ込む組立て方法であって、前記ねじ回し工具(1)によってねじ(2)に軸方向の圧縮力を加えることによって、ねじ(2)のねじ頭(6)にパンチ形状(8)を刻印するステップと、刻印されたパンチ形状(9)を介してポジティブロックの様式でねじ回し工具(1)からねじ(2)にトルクを伝達し、ねじ(2)を雌ねじにねじ込むために、ねじ回し工具(1)を、器具(3)に対してねじの長手方向軸を中心に回転させるステップとを有する、方法に関する。本開示は、組立て方法を実施するためのねじ回し工具(1)と、ねじ回し工具(1)およびねじ(2)からなるねじキットとにさらに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの枝(13)が互いに対して枢動可能であるように、医療器具(3)の前記2つの枝(13)を互いに接続するための、ねじ回し工具(1)を使用した前記器具(3)の雌ねじにねじ(2)をねじ込む組立て方法であって:
前記ねじ回し工具(1)自体を使用して前記ねじ(2)に軸方向の圧縮力を加えることによって、前記ねじ(2)の好ましくは型彫りのないねじ頭(6)にパンチ形状(8)を刻印するステップと、
前記刻印されたパンチ形状(9)を介して形状嵌めの様式で前記ねじ回し工具(1)から前記ねじ(2)にトルクを伝達し、前記ねじ(2)を前記雌ねじにねじ込むために、前記ねじ回し工具(1)を、前記器具(3)に対して長手方向のねじ軸を中心に回転させるステップと、
を備える、組立て方法。
【請求項2】
前記ねじ回し工具(1)によって前記軸方向圧縮力が前記ねじ(2)に加えられたときに、前記ねじ回し工具(1)と前記ねじ(2)とのセンタリングした位置合わせのステップを含む、請求項1に記載の組立て方法。
【請求項3】
前記ねじ(2)を前記ねじ回し工具(1)に狭持するために、前記ねじ回し工具(1)の工具軸(4)およびカウンターホールド工具(12)を軸方向に移動させるステップを含み、
前記パンチ形状(8)が、前記狭持によって前記ねじ回し工具(1)に刻印され、
中に前記ねじ(2)が狭持された前記ねじ回し工具(1)は、前記ねじ(2)をねじ込むために前記器具(3)に対して回転される、請求項1または2に記載の組立て方法。
【請求項4】
前記2つの枝(13)のうちの第1枝(13)は、第1貫通孔を備えており、
前記2つの枝(13)のうちの第2枝(13)は、前記雌ねじが構成される第2貫通孔を備えており、
前記カウンターホールド工具(12)を前記工具軸(4)に向かって軸方向に移動させ、前記第2貫通孔を通過させた後、前記ねじ(2)を前記ねじ回し工具(1)内に狭持し、前記雌ねじ内に挿入するステップ、または、
前記ねじ(2)を前記第1貫通孔を通過させ、前記ねじ(2)を前記雌ねじ内に挿入した後、前記カウンターホールド工具(12)を前記第2貫通孔を通して前記工具軸(4)に向かって軸方向に移動させ、前記ねじ(2)を前記ねじ回し工具(1)で狭持するステップと、
を含む、請求項3に記載の組立て方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の組立て方法を実行するねじ回し工具(1)であって、
前記ねじ(2)にトルクを伝達するために設けられ構成された端部側ねじ係合部分(5)を有する工具軸(4)を備え、
前記工具軸(4)の前記ねじ係合部分(5)は、前記ねじ(2)に向けて軸方向圧縮力の伝達時に前記ねじ(2)にパンチ形状(8)を刻印し、前記工具軸(4)の前記パンチ形状(8)から前記刻印されたパンチ形状(9)を介して形状嵌めで前記ねじ(2)にトルクを伝達するように設けられ構成された、前記パンチ形状(8)が突出する係合面(7)を有することを特徴とする、ねじ回し工具(1)。
【請求項6】
前記係合面(7)は、凹状に湾曲した、特に実質的に球状であることを特徴とする、請求項5に記載のねじ回し工具(1)。
【請求項7】
前記パンチ形状(8)は、丸みを帯びたエッジを有することを特徴とする、請求項5または6に記載のねじ回し工具(1)。
【請求項8】
前記ねじ回し工具(1)は、その端部側ねじ係合部分が前記工具軸(4)の前記端部側ねじ係合部分(5)と軸方向に対向するように、前記工具軸(4)に対して軸方向に、前記工具軸(4)と反対側に配向可能であるか、または配向され、前記工具軸(4)に向かう方向に軸方向圧縮力を前記ねじ(2)に伝達するように設けられ構成されたカウンターホールド工具(12)を有することを特徴とする、請求項5~7のいずれか一項に記載のねじ回し工具(1)。
【請求項9】
前記パンチ形状(8)は、例えば文字として構成された品質記号の形態を有することを特徴とする、請求項5~8のいずれか一項に記載のねじ回し工具(1)。
【請求項10】
請求項5~9のいずれか一項に記載のねじ回し工具と、ねじ頭(6)を有するねじ(2)とを含むねじキットであって、前記ねじ頭(6)の表面は、好ましくは型彫りがなく、前記パンチ形状(8)を刻印するための刻印面として機能する、ねじキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療器具の2つの枝が互いに対して枢動可能であるように、2つの枝を互いに接続するための、ねじ回し工具を用いた、器具の雌ねじにねじをねじ込む組立て方法に関する。さらに、本開示は、そのような組立て方法を実行するためのねじ回し工具と、そのようなねじ回し工具およびねじを含むねじキットとに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば医療器具の2つの枝を互いに強固に接続するため、または特に、例えば枢動可能に互いに対して移動できるようにするために、ねじを雌ねじにねじ込むためには、ねじにトルクを加えることが必要である。このトルクは、特にねじ回し工具によって、形状嵌めおよび/または圧力嵌め(すなわち摩擦係合)でねじに伝達することができる。このようなねじをねじ込む組立て方法が、例えば独国特許出願公開第100 41 576A1号または米国特許出願公開第2005/135 898 A1号から知られている。あるいは、例えば独国特許第698 09 500T2号から知られるように、器具の2つの枝をリベット締めにより結合することもできる。
【0003】
ねじをねじ込むとき、ねじ回し工具によってねじに伝達されるトルクは、ねじと雌ねじとの間に作用するねじ山摩擦力に打ち勝たなければならない。
【0004】
圧力嵌めトルク伝達のために、ねじ回し工具とねじの間に表面摩擦力を生じさせ、ねじ回し工具を回転させたときに、表面摩擦力から生じる摩擦トルクがねじに伝達されるように、ねじは、ねじ回し工具によって軸方向圧力/軸方向圧縮力に供される。ねじ回し工具とねじとの間の摩擦トルクが、ねじ摩擦力から生じるトルクよりも小さい場合、ねじ締め工具が滑ってねじがねじ込まれない。これにより、ねじ回し工具が滑り、ねじの表面または雌ねじを備えた部品を損傷させる可能性がある。
【0005】
ねじ回し工具によってねじに加えられる軸方向圧力が高ければ高いほど、ねじ回し工具からねじに伝達され得る表面摩擦力および生じる摩擦トルクは大きくなる。しかし、ねじに加わる軸方向圧力は雌ねじにも作用するため、軸方向圧力が高くなるにつれてねじ摩擦力が大きくなり、摩擦係合でねじ回し工具からねじに伝達され得る摩擦トルクを大きくするために、単に軸方向圧力を大きくすることはできない。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本開示の目的は、ねじを特に容易かつ確実にねじ込むことができる好適な組立て方法を提供することである。さらに、組立て方法を実行するためのねじ回し工具と、ねじ回し工具およびねじを含むねじキットとが提供される。
【0007】
本開示の目的は、請求項1の特徴を有する組立て方法、ならびに独立請求項の特徴を有するねじ回し工具およびねじキットによって解決される。有利なさらなる発展は、従属請求項の主題である。
【0008】
より具体的には、本組立て方法は、2つの枝が互いに対して枢動可能であるように、器具の2つの枝を互いに接続するために、ねじ回し工具を用いて器具の雌ねじにねじをねじ込むのに役立つ。
【0009】
組立て方法は、ねじ回し工具自体を使用してねじに軸方向の圧縮力を加えることによって、ねじの好ましくは型彫りのない(unprofiled)ねじ頭にパンチ形状を刻印するステップと、刻印されたパンチ形状を介して(摩擦係合により)形状嵌めの様式でねじ回し工具からねじに(特に、ねじの締め付けトルクまたはねじ込み深さを設定するための)トルクを伝達し、ねじを雌ねじにねじ込むために、ねじ回し工具を、器具に対して長手方向のねじ軸を中心に回転させるステップと、を有する。
【0010】
したがって、本開示の核心は、ねじ頭が、組立て前に、好ましくは型彫りのない、すなわち滑らかな、例えば形状嵌め係合面を有しない平坦または湾曲した表面を有することである。特に、ねじ頭は、回転体、すなわち、任意の角度を回転したときにそれ自体に写像する回転対称体として構成され得る。組立て中、パンチ形状はねじ頭に刻印されるため、組立て後、ねじ頭は、ねじがねじ込まれたときに形状嵌め係合面として機能することができるパンチ形状の形態で凹部が構成された型彫りのある、すなわちレリーフ状の表面を有する。ねじ回し工具を回転させると、ねじ回し工具のパンチ形状が刻印されたパンチ形状に係合するため、ねじ回し工具からねじへのトルクは、(軸方向圧縮力および回転中の表面の摩擦力から生じる摩擦トルクの印加によって)摩擦係合されるだけでなく、ねじへの形状嵌めによっても伝達される。
【0011】
これには、ねじ回し工具からねじへの最大伝達可能トルクを増加させることができるという利点を有する。パンチ形状は、組立て中にねじ回し工具によって作られる、すなわち刻印されるため、ねじ頭の凹部/刻印は、ねじ回し工具のパンチ形状/表面形状に正確に対応する。これには、トルクがねじに形状嵌めした形で、すなわち「スリップフリー(slip-free)」または「トルクロスフリー(torque-loss-free)」で伝達され、ねじは、ねじ回し工具によって加えられる低いトルクで雌ねじにねじ込むことができるという効果がある。
【0012】
好ましい実施形態によれば、組立て方法は、ねじ回し工具によって軸方向圧縮力がねじに加えられたときに、ねじ回し工具とねじとをセンタリングして位置合わせさせるステップを含んでいてもよい。
【0013】
センタリング位置合わせは、適切な力の伝達を保証できる。
【0014】
好ましい実施形態によれば、組立て方法は、ねじ回し工具においてねじのそのねじ頭とねじ軸との間を狭持するために、ねじ回し工具の工具軸とカウンターホールド工具とを軸方向に移動させるステップを含んでいてもよく、パンチ形状が狭持によってねじ回し工具に刻印され、中にねじが狭持されたねじ回し工具は、ねじをねじ込むために器具に対して回転される。
【0015】
これは、組立て方法の好ましい実施形態によれば、ねじ回し工具とねじとの間に作用する軸方向圧力が、雌ねじを迂回しながら(結果としてねじ山摩擦トルクの増加を回避しながら)増加させることができるように、組立て中にねじはねじ回し工具に軸方向に狭持することができる。
【0016】
特に、器具は、2つの枝のうちの第1枝が、第1貫通孔を備え、2つの枝のうちの第2枝が、雌ねじが構成される第2貫通孔を備えているよう構成され得る。好ましい実施形態によれば、組立て方法は、カウンターホールド工具を工具軸に向かって軸方向に移動させ、第2貫通孔を通過させた後、ねじをねじ回し工具内に狭持し、雌ねじ内に挿入するステップ、または、ねじを第1貫通孔を通過させ、ねじを雌ねじ内に挿入した後、カウンターホールド工具を第2貫通孔を通して工具軸に向かって軸方向に移動させ、ねじをねじ回し工具に狭持するステップを含んでいてもよい。
【0017】
したがって、ねじを先ずねじ回し工具に狭持することができ、その後、ねじが雌ねじに挿入され、ねじ込まれるか、またはねじを先ず雌ねじに挿入することができ、その後、ねじ回し工具に狭持され、ねじ込まれる。
【0018】
好ましくは、ねじはそのねじ込み位置で、例えばレーザ溶接および/または接着剤によって固定することができ、これはねじ回し工具で狭持する前に適用することができる。
【0019】
本開示の目的は、記載された組立て方法を実行するためのねじ込み工具であって、ねじにトルクを伝達するために設けられ構成された端部側ねじ係合部分を有する工具軸を備え、ねじに向けて軸方向圧縮力の伝達時にねじにパンチ形状を刻印し、工具軸のパンチ形状から刻印されたパンチ形状を介して形状嵌めの形でねじにトルクを伝達するように設けられ構成された、パンチ形状が突出する係合面を有するねじ込み工具によっても解決される。
【0020】
好ましい実施形態によれば、工具軸の係合面は、凹状に湾曲した、特に実質的に球状であってもよい。好ましくは、係合面は、パンチ形状以外は滑らかである/型彫りがない。工具軸の係合面は、好ましくは、その形状がねじ頭の形状に実質的に対応するように設けられ構成されていてもよい。これは、ねじ頭が、好ましくは実質的に凸状に湾曲した表面、特に球面(打刻されたパンチ形状以外は型彫りのない表面)を有する。これにより、工具軸を有利に案内し、センタリングすることが可能になる。したがって、好ましくは、組立て中またはねじ回し工具からねじ頭に軸方向圧縮力を加えるときにセルフセンタリングが達成される。
【0021】
好ましい実施形態によれば、パンチ形状は、丸みを帯びた縁部を有していてもよい。これは、器具が再処理されるときに組織残留物、汚れおよび体液を隙間、スリット、ポケットなどから確実かつ完全に除去することができないため、隙間、スリット、ポケットなどの形成を回避するという利点を有する。パンチ形状の丸みを帯びた/ソフトエッジ/曲面設計のさらなる利点は、ねじ回し工具が滑り落ちたときの損傷を回避できることであり、したがって、医療用、特に外科用器具/デバイスに要求される表面品質を確保するために必要なねじの再加工を回避できることである。
【0022】
好ましい実施形態によれば、ねじ回し工具は、その端部側ねじ係合部分が工具軸の端部側ねじ係合部分と軸方向に対向するように、工具軸に対して軸方向に、工具軸と反対側に配向可能であるか、または配向され、工具軸に向かう方向に軸方向圧縮力をねじに伝達するように設けられ構成されたカウンターホールド工具を有していてもよい。換言すれば、ほぼパンチ状の工具軸に加えて、ほぼパンチ状のカウンターホールド工具は、共通の長手方向軸を有し、工具軸のねじ係合部分がカウンターホールド工具のねじ係合部分に向かい合うように、互いから軸方向に離間されて設けられていてもよい。したがって、ねじは、工具軸とカウンターホールド工具との間に長手方向に整列して配置することができる。さらに、カウンターホールド工具は、その長手方向軸に沿って工具軸に向かって変位可能であるため、工具軸に向かって軸方向に作用する圧縮力は、ねじに、したがって、ねじから工具軸に伝達可能である。その結果、工具軸のねじ係合部分とねじとの間に作用する力は、それぞれ反対側の/対向する工具軸またはカウンターホールド工具の方向に、工具軸およびカウンターホールド工具によって加えることができる圧縮力の和に相当する。したがって、ねじは、工具軸とカウンターホールド工具との間に軸方向に狭持することができる。これには、ねじ回し工具とねじとの間に作用する軸方向圧力を、雌ねじを迂回しながら(その結果増大したねじ摩擦トルクを回避しながら)増加させることができるという利点がある。簡単に言えば、ねじの表面、特にねじ頭にかかる法線力が増加する一方で、ねじに(全体)にカウンターホールド工具の方向に作用する軸方向力は変わらないままであるか、またはカウンターホールド工具の圧縮力によって補償される。
【0023】
好ましい実施形態によれば、パンチ形状は、例えば文字として構成された品質記号の形態を有し得る。したがって、使用者は、組立てが用途に応じた方法で行われ、ねじが所定のトルクで締め付けられたことを認識することができる。
【0024】
本開示はまた、記載されたねじ回し工具と、ねじ頭を有するねじとを含むねじキットに関し、ねじ頭の表面は、好ましくは型彫りがなく、パンチ形状を刻印するための刻印面として機能する。好ましい実施形態によれば、ねじ頭は、凸状、好ましくは実質的に球形状を有し得る。特に、ねじ頭は、回転体、すなわち、任意の角度を回転したときにそれ自体に写像する回転対称体として構成され得る。
【0025】
換言すれば、本願による組立て方法は、組織内残留物、汚れ、および体液がねじのスリット、またはねじ頭周囲に集まり付着し、再処理プロセス中に完全には除去されないという問題を解決する、洗浄に最適化された外科用器具用の接続要素を提供できる。従来の接続要素の欠点としては、鋭角のスリット基部および間隙を確実に洗浄できないこと、およびねじ回しの滑りのような大量生産では回避できない組立てエラーを、例えば研磨によって手作業で再加工しなければならないことが含まれる。したがって、その目的は、底部に鋭角を持つ深いポケット、スリットなどがないが、同時に固定接続の保持力は、以前と同等またはそれ以上であり、加えられる締め付けトルク/組立て力を細かく調整する/与えることができる、接続要素頭部の設計と好適な組立て方法との組み合わせを可能にすることである。ここで、ねじ頭およびねじ山端部は球形状であり得るため、組立てプロセスの間、ねじのその頭とねじ山端部との間が狭持されたとき、またはねじ回し工具が軸方向圧縮力によりねじへと押し込まれたときに、球状の支持部がシステムを案内し、セルフセンタリングする。狭持プロセスの間、所定の形状がねじの接触点に刻印され、この刻印は形状嵌めおよび力嵌めの力伝達に使用される。本プロセスの間、締め付けトルクまたは移動部の作用もしくは断面係数を、センサシステムにより微調整および/または測定および/または記録することができる。必要であれば、ねじ接続部は、接着剤、レーザ溶接スポットなどを介してこのねじ位置に固定することができる。ねじ頭は、組立て前はスリットまたは同様の力伝達要素(形状嵌め手段)なしで設計されるため、外科用器具/デバイスに要求される表面品質を達成するために、接続要素を再加工する必要はない。要約すれば、この結果、より高い機械的強度、プロセスの信頼性/再現性の高い機械加工性、製造中の機械化の度合いを高めることによる組立ての簡素化、および優れた洗浄性がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本願による組立て方法を実行するために設けられる、本願によるねじ回し工具の一部の斜視図を示す。
図2】組立て前にねじ回し工具を用いてねじ込むことができるねじと、本願による組立て方法を用いてねじがねじ込まれる器具との斜視図を示す。
図3】組立て前にねじ回し工具を用いてねじ込むことができるねじと、本願による組立て方法を用いてねじがねじ込まれる器具との斜視図を示す。
図4】ねじ回し工具を用いて実施される組立て中の、異なる時点におけるねじ回し工具のさらなる斜視図を示す。
図5】ねじ回し工具を用いて実施される組立て中の、異なる時点におけるねじ回し工具のさらなる斜視図を示す。
図6】ねじ回し工具を用いて実施される組立て中の、異なる時点におけるねじ回し工具のさらなる斜視図を示す。
図7】本願によるねじ回し工具の好ましい実施形態の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて以下に説明する。
【0028】
図1は、本願によるねじ回し工具1の特定のセクションの斜視図を示す。ねじ回し工具1は、雄ねじを有するねじ2を雌ねじにねじ込むために使用される。雌ねじは、図示される実施形態では外科用器具3にて構成されている。図示されている実施形態では、ねじ2は、器具3の2つの構成要素を互いに対して可動であるように、特に枢動可能であるように固定する。
【0029】
ねじ回し工具1は、ねじ2、特にねじ2のねじ頭6にトルクを伝達するために設けられ構成された端部側ねじ係合部分5を含む工具軸4を有する。
【0030】
工具軸4のねじ係合部分5は、ねじ2に向けた軸方向圧縮力の伝達時に(刻印されたパンチ形状9を形成するために)ねじ2にパンチ形状8を刻印し、工具軸4のパンチ形状8から刻印されたパンチ形状9を介して(摩擦および)形状嵌めでねじ2にトルクを伝達するように設けられ構成された、パンチ形状8が突出する係合面7を有する。
【0031】
係合面7は、好ましくはねじ頭6の形状に対応していてもよく、特に凹状に湾曲していてもよい。好ましくは、係合面7は球形(または球欠形状)であってもよい。好ましくは、係合面7は、パンチ形状8以外は滑らかである/型彫りがない。
【0032】
好ましくは、パンチ形状8(したがって、刻印されたパンチ形状9も)は、丸みを帯びたエッジを有していてもよい。パンチ形状8は、例えば文字として構成された品質記号の形態であり得る。図示された実施形態では、パンチ形状8は「A」の形状を有する。
【0033】
図2は、組立て前に、本願による組立て方法を用いて器具3にねじ込むことができるねじ2を示す。特に、ねじ頭6は、組立て前に形状嵌め係合面のない、型彫りのない、すなわち滑らかな、例えば平坦または湾曲した表面10を有していてもよい。表面10は、パンチ形状8を刻印するための刻印面として機能する。図示された実施形態では、ねじ頭6は、回転体、すなわち、任意の角度を回転したときにそれ自体に写像する回転対称体として構成される。図示された実施形態では、ねじ頭6の表面10は凸状に湾曲している。
【0034】
組立て中、パンチ形状8はねじ頭6に(すなわち、ねじ頭6の表面10に)刻印されるため、組立て後(図3参照)、ねじ頭6は、ねじ込むときに形状嵌め係合面として機能することができるパンチ形状8、すなわち刻印されたパンチ形状9の形態の凹部が構成された型彫りのある、すなわちレリーフ状の表面11を有する。ねじ回し工具1を回転させると、ねじ回し工具1のパンチ形状8が刻印されたパンチ形状9に係合するため、ねじ回し工具1からねじ2へのトルクは、摩擦係合されるだけでなく、ねじ2への形状嵌めによっても伝達できる。
【0035】
好ましくは、ねじ回し工具1は、その端部側ねじ係合部分が工具軸4の端部側ねじ係合部分5と軸方向に対向するように、工具軸4に対して軸方向に、工具軸4と反対向きに配向可能であるか、または配向され、工具軸4に向かう方向に軸方向圧縮力をねじ2に伝達する(図4図6参照)ように設けられ構成されたカウンターホールド工具12を有していてもよい。これにより、パンチ形状8を打刻し、ねじ込み工具1からねじ2に形状嵌めおよび摩擦係合によりトルクの伝達するために、ねじ2はねじ込み工具1で狭持することができる。
【0036】
本開示はさらに、医療器具3の2つの枝13が互いに枢動可能であるように2つの枝13を接続するための、器具3の雌ねじにねじ2をねじ込む組立て方法に関する。医療器具3および好ましい実施形態は、図7により詳細に示され、後述される。
【0037】
組立て方法のあるステップでは、パンチ形状8が、ねじ回し工具1自体を使用してねじ2に軸方向の圧縮力を加えることによって、ねじ2の好ましくは型彫りのないねじ頭6(図2参照)に刻印される。このプロセスでは、組立て前は型彫りのないねじ頭6の表面10が、打刻面として機能する。組立て方法の後のステップでは、刻印されたパンチ形状9を介して形状嵌めでねじ回し工具1からねじ2に(特に、ねじの締め付けトルクまたはねじ込み深さを設定するための)トルクを伝達し、ねじ2を雌ねじにねじ込む(図3参照)ために、ねじ回し工具1を、器具3に対して長手方向のねじ軸を中心に回転される。
【0038】
好ましくは、ねじ回し工具1によって軸方向圧縮力がねじ2に加えられたときに、ねじ回し工具1およびねじ2は中心位置に配置することができる。このセンタリングされた位置合わせは、特に、凹状の係合面8と、ねじ頭6の凸状に構成された型彫りのない面10を介して行われる。
【0039】
好ましくは、ねじ回し工具は、カウンターホールド工具12を有する(図4図6参照)。特に、ねじ回し工具1の工具軸4およびカウンターホールド工具12は、ねじ回し工具1においてねじ2のねじ頭6とねじ軸との間を狭持するために、互いに向かって移動させることができる。このプロセスでは、パンチ形状8が狭持によってねじ回し工具1に刻印され、ねじ回し工具1は、中にねじ2が狭持された状態でねじ2をねじ込むために器具3に対して回転される。
【0040】
特に、器具3は、2つの枝13のうちの第1枝13が、第1貫通孔を有し、2つの枝13のうちの第2枝13が、雌ねじが構成される第2貫通孔を有するように構成され得る。例えば、カウンターホールド工具12は、工具軸4に向かって、第2貫通孔を通って移動してもよく、その後、ねじ2がねじ回し工具1に狭持され、雌ねじ内に挿入される。あるいは、ねじ2は、第1貫通穴を通って雌ねじに挿入することができ、その後、カウンターホールド工具12が第2貫通穴を通って工具軸4に向かって軸方向に移動され、ねじ2がねじ込み工具1に狭持される。
【0041】
好ましくは、ねじ2はそのねじ込み位置で、例えばレーザ溶接および/または接着剤によって固定することができ、これはねじ回し工具1で狭持する前に適用することができる。
【0042】
図7は、ねじ回し工具1の好ましい実施形態を示しており、ねじ回し工具1は、工具軸4とカウンターホールド工具12とを備える。さらに、図7は、器具3の枝13を示しており、これらの枝13は、本願による組立て方法によって、ねじ2を介して、2つの枝13が互いに枢動可能であるように互いに接続されている。
【0043】
ねじ回し工具1は、工具軸4および/またはカウンターホールド工具12が取り付けられるホルダ14を有していてもよい。図示される実施形態では、ホルダ14は、工具軸4が回転可能に取り付けられる第1レセプタクル(receptacle)と、カウンターホールド工具12が回転可能に取り付けられる第2レセプタクルとを有する。
【0044】
ねじ回し工具1はさらに、圧縮力デバイス15を有していてもよい。圧縮力デバイス15は、(カウンターホールド工具12からねじ2上の工具軸4に向かって軸方向に、または工具軸4からねじ2上のカウンターホールド工具12に向かって軸方向に)圧縮力を設定、計算および/または測定するように設けられ構成されている。2つのレセプタクル間の軸方向距離は、圧縮力デバイス15を介して調整可能である。ホルダ14は、この場合回転軸に平行に整列した2つのロッドの形態の軸方向ガイド16を有し、これによって回転軸に平行な軸方向距離の調整が案内される。ねじ回し工具1の閉じる方向または開く方向を示す目盛り17がホルダ14に設けられている。
【0045】
ねじ回し工具1は、工具軸4および/またはカウンターホールド工具12の回転角度および/またはトルクを調整および/または測定するように設けられ構成された締め付けデバイス18をさらに有していてもよい。締め付けデバイス18は、手動または好ましくは自動で作動できる。締め付けデバイス18は、回転可能に固定されるように工具軸4に接続された締め付けホイール、または回転可能に固定されるようにカウンターホールド工具12に接続された締め付けホイールの形態で構成することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの枝が互いに対して枢動可能であるように、医療器具の前記2つの枝を互いに接続するための、ねじ回し工具を使用した前記器具の雌ねじにねじをねじ込む組立て方法であって:
前記ねじ回し工具自体を使用して前記ねじに軸方向の圧縮力を加えることによって、前記ねじねじ頭にパンチ形状を刻印するステップと、
前記刻印されたパンチ形状を介して形状嵌めの様式で前記ねじ回し工具から前記ねじにトルクを伝達し、前記ねじを前記雌ねじにねじ込むために、前記ねじ回し工具を、前記器具に対して長手方向のねじ軸を中心に回転させるステップと、
を備える、組立て方法。
【請求項2】
前記パンチ形状が刻印される前記ねじ頭は、型彫りが行われていない、請求項1に記載の組立て方法。
【請求項3】
前記ねじ回し工具によって前記軸方向圧縮力が前記ねじに加えられたときに、前記ねじ回し工具と前記ねじとのセンタリングした位置合わせのステップを含む、請求項1に記載の組立て方法。
【請求項4】
前記ねじを前記ねじ回し工具に狭持するために、前記ねじ回し工具の工具軸およびカウンターホールド工具を軸方向に移動させるステップを含み、
前記パンチ形状が、前記狭持によって前記ねじ回し工具に刻印され、
中に前記ねじが狭持された前記ねじ回し工具は、前記ねじをねじ込むために前記器具に対して回転される、請求項に記載の組立て方法。
【請求項5】
前記2つの枝のうちの第1枝は、第1貫通孔を備えており、
前記2つの枝のうちの第2枝は、前記雌ねじが構成される第2貫通孔を備えており、
前記カウンターホールド工具を前記工具軸に向かって軸方向に移動させ、前記第2貫通孔を通過させた後、前記ねじを前記ねじ回し工具内に狭持し、前記雌ねじ内に挿入するステップを含む、請求項に記載の組立て方法。
【請求項6】
前記2つの枝のうちの第1枝は、第1貫通孔を備えており、
前記2つの枝のうちの第2枝は、前記雌ねじが構成される第2貫通孔を備えており、
前記ねじを前記第1貫通孔を通過させ、前記ねじを前記雌ねじ内に挿入した後、前記カウンターホールド工具を前記第2貫通孔を通して前記工具軸に向かって軸方向に移動させ、前記ねじを前記ねじ回し工具で狭持するステップを含む、請求項4に記載の組立て方法。
【請求項7】
請求項に記載の組立て方法を実行するねじ回し工具であって、
前記ねじにトルクを伝達するために設けられ構成された端部側ねじ係合部分を有する工具軸を備え、
前記工具軸の前記ねじ係合部分は、前記ねじに向けて軸方向圧縮力の伝達時に前記ねじにパンチ形状を刻印し、前記工具軸の前記パンチ形状から前記刻印されたパンチ形状を介して形状嵌めで前記ねじにトルクを伝達するように設けられ構成された、前記パンチ形状が突出する係合面を有することを特徴とする、ねじ回し工具。
【請求項8】
前記係合面は、凹状に湾曲していることを特徴とする、請求項5に記載のねじ回し工具。
【請求項9】
前記係合面は、実質的に球状であることを特徴とする、請求項5に記載のねじ回し工具。
【請求項10】
前記パンチ形状は、丸みを帯びたエッジを有することを特徴とする、請求項に記載のねじ回し工具。
【請求項11】
前記ねじ回し工具は、その端部側ねじ係合部分が前記工具軸の前記端部側ねじ係合部分と軸方向に対向するように、前記工具軸に対して軸方向に、前記工具軸と反対側に配向可能であるか、または配向され、前記工具軸に向かう方向に軸方向圧縮力を前記ねじに伝達するように設けられ構成されたカウンターホールド工具を有することを特徴とする、請求項に記載のねじ回し工具。
【請求項12】
前記パンチ形状は、品質記号の形態を有することを特徴とする、請求項に記載のねじ回し工具。
【請求項13】
前記パンチ形状は、文字の形態を有することを特徴とする、請求項7に記載のねじ回し工具。
【請求項14】
請求項に記載のねじ回し工具と、ねじ頭を有するねじとを含むねじキットであって、前記ねじ頭の表面は、前記パンチ形状を刻印するための刻印面として機能する、ねじキット。
【請求項15】
前記ねじ頭の表面は、型彫りが行われていない、請求項14に記載のねじキット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
ねじ回し工具1は、工具軸4および/またはカウンターホールド工具12の回転角度および/またはトルクを調整および/または測定するように設けられ構成された締め付けデバイス18をさらに有していてもよい。締め付けデバイス18は、手動または好ましくは自動で作動できる。締め付けデバイス18は、回転可能に固定されるように工具軸4に接続された締め付けホイール、または回転可能に固定されるようにカウンターホールド工具12に接続された締め付けホイールの形態で構成することができる。
本明細書で開示する技術は、以下の事項を含む。
事項1
2つの枝(13)が互いに対して枢動可能であるように、医療器具(3)の前記2つの枝(13)を互いに接続するための、ねじ回し工具(1)を使用した前記器具(3)の雌ねじにねじ(2)をねじ込む組立て方法であって:
前記ねじ回し工具(1)自体を使用して前記ねじ(2)に軸方向の圧縮力を加えることによって、前記ねじ(2)の好ましくは型彫りのないねじ頭(6)にパンチ形状(8)を刻印するステップと、
前記刻印されたパンチ形状(9)を介して形状嵌めの様式で前記ねじ回し工具(1)から前記ねじ(2)にトルクを伝達し、前記ねじ(2)を前記雌ねじにねじ込むために、前記ねじ回し工具(1)を、前記器具(3)に対して長手方向のねじ軸を中心に回転させるステップと、
を備える、組立て方法。
事項2
前記ねじ回し工具(1)によって前記軸方向圧縮力が前記ねじ(2)に加えられたときに、前記ねじ回し工具(1)と前記ねじ(2)とのセンタリングした位置合わせのステップを含む、事項1に記載の組立て方法。
事項3
前記ねじ(2)を前記ねじ回し工具(1)に狭持するために、前記ねじ回し工具(1)の工具軸(4)およびカウンターホールド工具(12)を軸方向に移動させるステップを含み、
前記パンチ形状(8)が、前記狭持によって前記ねじ回し工具(1)に刻印され、
中に前記ねじ(2)が狭持された前記ねじ回し工具(1)は、前記ねじ(2)をねじ込むために前記器具(3)に対して回転される、事項1または2に記載の組立て方法。
事項4
前記2つの枝(13)のうちの第1枝(13)は、第1貫通孔を備えており、
前記2つの枝(13)のうちの第2枝(13)は、前記雌ねじが構成される第2貫通孔を備えており、
前記カウンターホールド工具(12)を前記工具軸(4)に向かって軸方向に移動させ、前記第2貫通孔を通過させた後、前記ねじ(2)を前記ねじ回し工具(1)内に狭持し、前記雌ねじ内に挿入するステップ、または
前記ねじ(2)を前記第1貫通孔を通過させ、前記ねじ(2)を前記雌ねじ内に挿入した後、前記カウンターホールド工具(12)を前記第2貫通孔を通して前記工具軸(4)に向かって軸方向に移動させ、前記ねじ(2)を前記ねじ回し工具(1)で狭持するステップと、
を含む、事項3に記載の組立て方法。
事項5
事項1~4のいずれか一項に記載の組立て方法を実行するねじ回し工具(1)であって、
前記ねじ(2)にトルクを伝達するために設けられ構成された端部側ねじ係合部分(5)を有する工具軸(4)を備え、
前記工具軸(4)の前記ねじ係合部分(5)は、前記ねじ(2)に向けて軸方向圧縮力の伝達時に前記ねじ(2)にパンチ形状(8)を刻印し、前記工具軸(4)の前記パンチ形状(8)から前記刻印されたパンチ形状(9)を介して形状嵌めで前記ねじ(2)にトルクを伝達するように設けられ構成された、前記パンチ形状(8)が突出する係合面(7)を有することを特徴とする、ねじ回し工具(1)。
事項6
前記係合面(7)は、凹状に湾曲した、特に実質的に球状であることを特徴とする、事項5に記載のねじ回し工具(1)。
事項7
前記パンチ形状(8)は、丸みを帯びたエッジを有することを特徴とする、事項5または6に記載のねじ回し工具(1)。
事項8
前記ねじ回し工具(1)は、その端部側ねじ係合部分が前記工具軸(4)の前記端部側ねじ係合部分(5)と軸方向に対向するように、前記工具軸(4)に対して軸方向に、前記工具軸(4)と反対側に配向可能であるか、または配向され、前記工具軸(4)に向かう方向に軸方向圧縮力を前記ねじ(2)に伝達するように設けられ構成されたカウンターホールド工具(12)を有することを特徴とする、事項5~7のいずれか一項に記載のねじ回し工具(1)。
事項9
前記パンチ形状(8)は、例えば文字として構成された品質記号の形態を有することを特徴とする、事項5~8のいずれか一項に記載のねじ回し工具(1)。
事項10
事項5~9のいずれか一項に記載のねじ回し工具と、ねじ頭(6)を有するねじ(2)とを含むねじキットであって、前記ねじ頭(6)の表面は、好ましくは型彫りがなく、前記パンチ形状(8)を刻印するための刻印面として機能する、ねじキット。
【国際調査報告】