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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】修飾ヌクレオシド
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/11 20060101AFI20240403BHJP
   C12N 15/115 20100101ALI20240403BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240403BHJP
   A61K 31/7115 20060101ALI20240403BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20240403BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240403BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240403BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20240403BHJP
   A61K 31/7068 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
C12N15/11 Z ZNA
C12N15/115 Z
A61K31/7088
A61K31/7115
A61P17/02
A61P9/00
A61P29/00 101
A61P19/02
A61K31/7068
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562187
(86)(22)【出願日】2022-04-12
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 US2022024361
(87)【国際公開番号】W WO2022221241
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】63/174,495
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/174,792
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
2.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】505373306
【氏名又は名称】ソマロジック オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファウラー ケイト
(72)【発明者】
【氏名】カーター ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】ローロフ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジェリナス エイミー
(72)【発明者】
【氏名】ジャニック ネボイシャ
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA03
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZB13
(57)【要約】
5位修飾ピリミジンを含む化合物を提供する。さらに、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンを含む、アプタマー等のポリヌクレオチドを提供する。そのようなポリヌクレオチド、例えば、アプタマーを、選択及び使用する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
5位修飾ピリミジンヌクレオシドまたはその塩を含む化合物であって、
前記5位修飾ピリミジンが、第1のリンカーによって互いに共有結合で結合している2つのフェニル基を含む部分で置換されており、前記部分が、第2のリンカーによって前記ピリミジンの5位に共有結合で連結されている、前記化合物。
【請求項2】
前記第1のリンカーが、炭素及び酸素から選択される少なくとも1個の原子を含むかまたは結合である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記5位修飾ピリミジンが、フェニルベンジル部分、フェノキシベンジル部分、及びジフェニルメチル部分から選択される部分を5位に含む、請求項1及び2のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項4】
前記第2のリンカーが、アミドリンカー、カルボニルリンカー、プロピニルリンカー、アルキンリンカー、エステルリンカー、尿素リンカー、カルバマートリンカー、グアニジンリンカー、アミジンリンカー、スルホキシドリンカー、及びスルホンリンカーから選択される基を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
前記第2のリンカーがアミドリンカーを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
前記アミドリンカーが、1個以上の炭素原子または1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個の炭素原子をさらに含む、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
5位修飾ウリジンを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
5位修飾シチジンを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
式IAまたは式IB:
【化1】
の構造、またはこれらのうちのいずれかの塩、を含む化合物であって、
式中、
各Lは、独立して-(CH-であり、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
各Rは、独立して、
【化2】
から選択され、
式中、*は、前記L基への前記R基の結合点を示し、
各Xは、独立して、-H、-OH、-OMe、-O-アリル、-O-エチル、-O-プロピル、-OCHCHOCH、-フルオロ、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、-NH、及び-アジドから選択され、
各Rは、独立して、-OH;-アセチル;-OBz;-OP(N(CHCH)(OCHCHCN)、-OP(N(R)(OCHCHCN)[式中、各Rは、独立して(C1-6)アルキルである];tert-ブチルジメチルシリルオキシ;-O-ss;-OR;-SR;-ZP(Z’)(Z’’)-O-R[式中、ssは固体支持体であり、Z、Z’、及びZ’’はそれぞれ独立してO及びSから選択され、Rは隣接ヌクレオチドである]から選択され、
各Rは、独立して、-OH、-O-トリチル、-O-4,4’-ジメトキシトリチル、-O-三リン酸、-OR、-SR、-NH、-NHR、及び-Z-P(Z’)(Z’’)O-R[式中、Z、Z’、及びZ’’はそれぞれ独立してO及びSから選択され、Rは隣接ヌクレオチドである]から選択される、前記化合物。
【請求項10】
nが、1、2、または3である、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
Xが-Hである、請求項9及び10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
Xが-OMeである、請求項9及び10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
各Rが、独立して、
【化3】
から選択される、請求項9~12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
前記5位修飾ピリミジンが、BPEdU、2’-OMe-BPE-U、2’-F-BPE-U、PBndU、2’-OMe-PBn-U、2’-F-PBn-U、POPdU、2’-OMe-POP-U、2’-F-POP-U、DPPdU、2’-OMe-DPP-U、2’-F-DPP-U、DBMdU、2’-OMe-DBM-U、2’-F-DBM-U、BHdU、2’-OMe-BH-U、2’-F-BH-U、BPEdC、2’-OMe-BPE-C、2’-F-BPE-C、PBndC、2’-OMe-PBn-C、2’-F-PBn-C、POPdC、2’-OMe-POP-C、2’-F-POP-C、DPPdC、2’-OMe-DPP-C、2’-F-DPP-C、DBMdC、2’-OMe-DBM-C、2’-F-DBM-C、BHdC、2’-OMe-BH-C、及び2’-F-BH-Cから選択される、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
式IIAまたは式IIB:
【化4】
の構造、またはこれらのうちのいずれかの塩、を含む化合物であって、
式中、
各Lは、独立して-(CH-であり、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
各Rは、独立して、
【化5】
から選択され、
式中、*は、前記L基への前記R基の結合点を示し、
各Xは、独立して、-H、-OH、-OMe、-O-アリル、-O-エチル、-O-プロピル、-OCHCHOCH、-フルオロ、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、-NH、及び-アジドから選択される、前記化合物。
【請求項16】
nが、1、2、または3である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
Xが-Hである、請求項15及び16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
Xが-OMeである、請求項15及び16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
各Rが、独立して、
【化6】
から選択される、請求項15~18のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
化合物であって、以下の構造:
【化7-1】
【化7-2】
またはこれらのうちのいずれか1つの塩、を含み、
式中、各Xは、独立して、-H、-OH、-O-メチル、-O-アリル、-O-エチル、-O-プロピル、-OCHCHOCH、-フルオロ、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、-NH、及び-アジドから選択される、前記化合物。
【請求項21】
Xが-Hである、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
Xが-OMeである、請求項20に記載の化合物。
【請求項23】
請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物を含む、オリゴヌクレオチド。
【請求項24】
RNA、DNA、またはその組み合わせを含む、請求項23に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項25】
15~100、または15~90、または15~80、または15~70、または15~60、または15~50、または20~100、または20~90、または20~80、または20~70、または20~60、または20~50、または30~100、または30~90、または30~80、または30~70、または30~60、または30~50、または40~100、または40~90、または40~80、または40~70、または40~60、または40~50ヌクレオチド長である、請求項23及び24のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項26】
標的と結合するアプタマーである、請求項23~25のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項27】
請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物を含む、アプタマー。
【請求項28】
15~100、または15~90、または15~80、または15~70、または15~60、または15~50、または20~100、または20~90、または20~80、または20~70、または20~60、または20~50、または30~100、または30~90、または30~80、または30~70、または30~60、または30~50、または40~100、または40~90、または40~80、または40~70、または40~60、または40~50ヌクレオチド長である、請求項26及び27のいずれか1項に記載のアプタマー。
【請求項29】
BPEdU、2’-OMe-BPE-U、2’-F-BPE-U、PBndU、2’-OMe-PBn-U、2’-F-PBn-U、POPdU、2’-OMe-POP-U、2’-F-POP-U、DPPdU、2’-OMe-DPP-U、2’-F-DPP-U、DBMdU、2’-OMe-DBM-U、2’-F-DBM-U、BHdU、2’-OMe-BH-U、2’-F-BH-U、BPEdC、2’-OMe-BPE-C、2’-F-BPE-C、PBndC、2’-OMe-PBn-C、2’-F-PBn-C、POPdC、2’-OMe-POP-C、2’-F-POP-C、DPPdC、2’-OMe-DPP-C、2’-F-DPP-C、DBMdC、2’-OMe-DBM-C、2’-F-DBM-C、BHdC、2’-OMe-BH-C、及び2’-F-BH-Cから選択される5位修飾ピリミジンを含む、請求項26~28のいずれか1項に記載のアプタマー。
【請求項30】
BPEdU、2’-OMe-BPE-U、2’-F-BPE-U、PBndU、2’-OMe-PBn-U、2’-F-PBn-U、POPdU、2’-OMe-POP-U、2’-F-POP-U、DPPdU、2’-OMe-DPP-U、2’-F-DPP-U、DBMdU、2’-OMe-DBM-U、2’-F-DBM-U、BHdU、2’-OMe-BH-U、2’-F-BH-Uから選択される少なくとも1つの5位修飾ウリジン、ならびにBPEdC、2’-OMe-BPE-C、2’-F-BPE-C、PBndC、2’-OMe-PBn-C、2’-F-PBn-C、POPdC、2’-OMe-POP-C、2’-F-POP-C、DPPdC、2’-OMe-DPP-C、2’-F-DPP-C、DBMdC、2’-OMe-DBM-C、2’-F-DBM-C、BHdC、2’-OMe-BH-C、及び2’-F-BH-Cから選択される少なくとも1つの5位修飾シチジンを含む、請求項26~29のいずれか1項に記載のアプタマー。
【請求項31】
前記アプタマーの5’末端に、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25もしくは少なくとも30ヌクレオチド長であるか、または5~30、10~30、15~30、5~20、もしくは10~20ヌクレオチド長である領域を含み、前記アプタマーの前記5’末端の前記領域が5位修飾ピリミジンを欠く、請求項26~30のいずれか1項に記載のアプタマー。
【請求項32】
前記アプタマーの3’末端に、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25もしくは少なくとも30ヌクレオチド長であるか、または5~30、10~30、15~30、5~20、もしくは10~20ヌクレオチド長である領域を含み、前記アプタマーの前記3’末端の前記領域が5位修飾ピリミジンを欠く、請求項26~31のいずれか1項に記載のアプタマー。
【請求項33】
少なくとも1つの第1の5位修飾ピリミジン及び少なくとも1つの第2の5位修飾ピリミジンを含むアプタマーであって、前記第1の5位修飾ピリミジンと前記第2の5位修飾ピリミジンは異なる5位修飾ピリミジンであり、前記少なくとも1つの第1の5位修飾ピリミジンが、請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物である、前記アプタマー。
【請求項34】
前記少なくとも1つの第2の5位修飾ピリミジンが、BndC、2’-OMe-Bn-C、PEdC、2’-OMe-PE-C、PPdC、2’-OMe-PP-C、NapdC、2’-OMe-Nap-C、2NapdC、2’-OMe-2Nap-C、NEdC、2’-OMe-NE-C、2NEdC、2’-OMe-2NE-C、TyrdC、2’-OMe-Tyr-C、BndU、2’-OMe-Bn-U、NapdU、2’-OMe-Nap-U、PEdU、2’-OMe-PE-U、IbdU、2’-OMe-Ib-U、FBndU、2’-OMe-FBn-U、2NapdU、2’-OMe-2Nap-U、NEdU、2’-OMe-NE-U、MBndU、2’-OMe-MBn-U、BFdU、2’-OMe-BF-U、BTdU、2’-OMe-BT-U、PPdU、2’-OMe-PP-U、MOEdU、2’-OMe-MOE-U、TyrdU、2’-OMe-Tyr-U、TrpdU、2’-OMe-Trp-U、ThrdU、及び2’-OMe-Thr-Uから選択される、請求項33に記載のアプタマー。
【請求項35】
前記少なくとも1つの第2の5位修飾ピリミジンが、NapdC、2’-OMe-Nap-C、2NapdC、2’-OMe-2Nap-C、TyrdC、2’-OMe-Tyr-C、PPdC、2’-OMe-PP-C、NapdU、2’-OMe-Nap-U、PPdU、2’-OMe-PP-U、MOEdU、2’-OMe-MOE-U、TyrdU、2’-OMe-Tyr-U、TrpdU、2’-OMe-Trp-U、ThrdU、及び2’-OMe-Thr-Uから選択される、請求項33及び34のいずれか1項に記載のアプタマー。
【請求項36】
前記アプタマーが、前記5位修飾ピリミジンの代わりに未修飾ピリミジンを含む、長さ及び核酸塩基配列が同じアプタマーと比較して、改善されたヌクレアーゼ安定性及び/またはヒト血清中でのより長い半減期及び/または改善された親和性及び/または改善された解離速度を有する、請求項26~35のいずれか1項に記載のアプタマー。
【請求項37】
請求項26~36のいずれか1項に記載の複数のアプタマーを含む、組成物。
【請求項38】
各アプタマーがランダム領域を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
前記ランダム領域が、20~100、または20~90、または20~80、または20~70、または20~60、または20~50、または20~40、または30~100、または30~90、または30~70、または30~60、または30~50、または30~40ヌクレオチド長である、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
アプタマーと標的とを含む組成物であって、前記アプタマー及び前記標的が複合体を形成することができ、前記アプタマーが、請求項26~35のいずれか1項に記載のアプタマーである、前記組成物。
【請求項41】
第1のアプタマー、第2のアプタマー、及び標的を含む組成物であって、
前記第1のアプタマー、前記第2のアプタマー、及び前記標的が、三量体複合体を形成することができ、
前記第1のアプタマーが、請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物を含むアプタマーであり、かつ
前記第2のアプタマーが、少なくとも1つの第2の5位修飾ピリミジンを含む、前記組成物。
【請求項42】
前記標的が、タンパク質、ペプチド、炭水化物、小分子、細胞及び組織から選択される、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
前記標的が、IL-33、XIAP、K-Ras、及びTNF-αから選択される標的タンパク質である、請求項41及び42のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項44】
請求項26~35のいずれか1項に記載の少なくとも1つのアプタマー、またはその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項45】
IL-33、XIAP、K-Ras、及びTNF-αから選択されるタンパク質により媒介される疾患または状態を治療または予防するための、請求項44に記載の医薬組成物。
【請求項46】
対象の疾患または状態を治療または予防する方法であって、それを必要とする対象に、請求項26~35のいずれか1項に記載のアプタマーまたは請求項44及び45のいずれか1項に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項47】
前記疾患または状態が、IL-33、XIAP、K-Ras、及びTNF-αから選択されるタンパク質により媒介される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記疾患または状態が、外傷性脳損傷(TBI)または関節リウマチである、請求項46及び47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
方法であって、
(a)標的分子への結合能のあるアプタマーを試料と接触させること、
(b)アプタマー-標的複合体が形成されるよう前記アプタマーを前記試料と一緒にインキュベートすること、
(c)前記試料中で前記アプタマー-標的複合体について濃縮すること、及び
(d)前記アプタマー、前記アプタマー-標的複合体、または前記標的分子の存在を検出することであって前記アプタマー、前記アプタマー-標的複合体、または前記標的分子の検出は、前記試料中に前記標的分子が存在することを示し、前記アプタマー、前記アプタマー-標的複合体、または前記標的分子の検出がないことは、前記試料中に前記標的分子が存在しないことを示す、前記検出すること、を含み、
前記アプタマーが、請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物を含むかまたは請求項26~35のいずれか1項に記載のアプタマーである、前記方法。
【請求項50】
前記試料に競合分子を加えるステップ、前記アプタマー-標的複合体を固体支持体上に捕捉するステップ、及び競合分子を加えて前記試料を希釈するステップ、から選択される少なくとも1つの追加のステップを含み、前記少なくとも1つの追加のステップが、ステップ(a)またはステップ(b)の後に行われる、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記競合分子がポリアニオン性競合物質から選択される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ポリアニオン性競合物質が、オリゴヌクレオチド、ポリデキストラン、DNA、ヘパリン、及びdNTPから選択される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記ポリデキストランがデキストラン硫酸であり、前記DNAがニシン精子DNAまたはサケ精子DNAである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記標的分子が、タンパク質、ペプチド、炭水化物、小分子、細胞及び組織から選択される、請求項49~53のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記試料が、全血、白血球、末梢血単核細胞、血漿、血清、喀痰、呼気、尿、精液、唾液、髄膜液、羊水、腺液、リンパ液、乳頭吸引物、気管支吸引物、滑液、関節吸引物、細胞、細胞抽出物、便、組織、組織生検、及び脳脊髄液から選択される、請求項49~54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
試料中の標的を検出するための方法であって、
(a)前記試料と第1のアプタマーとを、混合物が形成されるよう接触させることであって、前記第1のアプタマーが、前記標的に結合して第1の複合体を形成することができる、前記接触させること、
(b)前記混合物を、前記第1の複合体が形成可能な条件下でインキュベートすること、
(c)前記混合物と第2のアプタマーとを接触させることであって、前記第2のアプタマーが、前記第1の複合体と結合して第2の複合体を形成することができる、前記接触させること、
(d)前記混合物を、前記第2の複合体が形成可能な条件下でインキュベートすること、
(e)前記混合物中の前記第1のアプタマー、前記第2のアプタマー、前記標的、前記第1の複合体または前記第2の複合体の有無を検出することであって、前記第1のアプタマー、前記第2のアプタマー、前記標的、前記第1の複合体または前記第2の複合体の存在が、前記試料中に前記標的が存在することを示す、前記検出すること、を含み、
ここで、前記第1のアプタマーが、請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物を含み、
前記第2のアプタマーが、少なくとも1つの第2の5位修飾ピリミジンを含み、
前記第1のアプタマー、前記第2のアプタマー及び前記標的が、三量体複合体を形成することができる、前記方法。
【請求項57】
前記標的分子が、タンパク質、ペプチド、炭水化物、小分子、細胞及び組織から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記第1のアプタマー、前記第2のアプタマー及び前記標的が、三量体複合体を形成することができる、請求項56及び57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記第2のアプタマーが、BndC、2’-OMe-Bn-C、PEdC、2’-OMe-PE-C、PPdC、2’-OMe-PP-C、NapdC、2’-OMe-Nap-C、2NapdC、2’-OMe-2Nap-C、NEdC、2’-OMe-NE-C、2NEdC、2’-OMe-2NE-C、TyrdC、2’-OMe-Tyr-C、BndU、2’-OMe-Bn-U、NapdU、2’-OMe-Nap-U、PEdU、2’-OMe-PE-U、IbdU、2’-OMe-Ib-U、FBndU、2’-OMe-FBn-U、2NapdU、2’-OMe-2Nap-U、NEdU、2’-OMe-NE-U、MBndU、2’-OMe-MBn-U、BFdU、2’-OMe-BF-U、BTdU、2’-OMe-BT-U、PPdU、2’-OMe-PP-U、MOEdU、2’-OMe-MOE-U、TyrdU、2’-OMe-Tyr-U、TrpdU、2’-OMe-Trp-U、ThrdU、及び2’-OMe-Thr-Uから選択される少なくとも1つの第2の5位修飾ピリミジンを含む、請求項56~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記第2のアプタマーが、NapdC、2’-OMe-Nap-C、2NapdC、2’-OMe-2Nap-C、TyrdC、2’-OMe-Tyr-C、PPdC、2’-OMe-PP-C、NapdU、2’-OMe-Nap-U、PPdU、2’-OMe-PP-U、MOEdU、2’-OMe-MOE-U、TyrdU、2’-OMe-Tyr-U、TrpdU、2’-OMe-Trp-U、ThrdU、及び2’-OMe-Thr-Uから選択される少なくとも1つの第2の5位修飾ピリミジンを含む、請求項56~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
標的分子への結合能のある1つ以上のアプタマーを同定するための方法であって、
(a)アプタマーのライブラリーと前記標的分子とを、混合物が形成され、アプタマー-標的複合体の形成を可能にするよう接触させることであって、アプタマーが前記標的分子に対する親和性を有する場合に前記アプタマー-標的複合体が形成される、前記接触させること、
(b)前記アプタマー-標的複合体を前記混合物の残部から分配すること(または前記アプタマー-標的複合体について濃縮すること)、
(c)前記アプタマー-標的複合体を解離させること、及び
(d)前記標的分子への結合能のある前記1つ以上のアプタマーを同定すること、を含み、
ここで、前記アプタマーのライブラリーが、複数のポリヌクレオチドを含み、かつ、請求項37~43のいずれか1項に記載の組成物である、前記方法。
【請求項62】
各ポリヌクレオチドが、前記ポリヌクレオチドの5’末端に固定領域を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
各ポリヌクレオチドの5’末端における前記固定領域が、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25もしくは少なくとも30ヌクレオチド長、または5~30、10~30、15~30、5~20、もしくは10~20ヌクレオチド長である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
各ポリヌクレオチドが、前記ポリヌクレオチドの3’末端に固定領域を含む、請求項61~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記ポリヌクレオチドの3’末端における前記固定領域が、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25もしくは少なくとも30ヌクレオチド長、または5~30、10~30、15~30、5~20、もしくは10~20ヌクレオチド長である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
各ポリヌクレオチドがランダム領域を含む、請求項61~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記ランダム領域が、20~100、または20~90、または20~80、または20~70、または20~60、または20~50、または20~40、または30~100、または30~90、または30~70、または30~60、または30~50、または30~40ヌクレオチド長である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
各ポリヌクレオチドが、15~100、または15~90、または15~80、または15~70、または15~60、または15~50、または20~100、または20~90、または20~80、または20~70、または20~60、または20~50、または30~100、または30~90、または30~80、または30~70、または30~60、または30~50、または40~100、または40~90、または40~80、または40~70、または40~60、または40~50ヌクレオチド長である、請求項61~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
各ポリヌクレオチドが、標的と結合するアプタマーであり、前記ライブラリーが少なくとも1000アプタマーを含み、各アプタマーが異なるヌクレオチド配列を含む、請求項61~68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
ステップ(a)、ステップ(b)、及び/またはステップ(c)が、少なくとも1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または10回繰り返される、請求項61~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記標的分子への結合能のある前記1つ以上のアプタマーを増幅させる、請求項61~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記混合物がポリアニオン性競合分子を含む、請求項61~71のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記ポリアニオン性競合物質が、オリゴヌクレオチド、ポリデキストラン、DNA、ヘパリン及びdNTPから選択される、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記ポリデキストランがデキストラン硫酸であり、前記DNAがニシン精子DNAまたはサケ精子DNAである、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記標的分子が、タンパク質、ペプチド、炭水化物、小分子、細胞及び組織から選択される、請求項61~74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記5位修飾ピリミジンがポリメラーゼ酵素によって取り込まれることができる、請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物、請求項26~35のいずれか1項に記載のアプタマー、請求項37~45のいずれか1項に記載の組成物、または請求項46~75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
キットであって、請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物、請求項15~22のいずれか1項に記載の化合物、請求項23~25のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、請求項26~35のいずれか1項に記載のアプタマー、請求項37~43のいずれか1項に記載の組成物、ならびに任意選択で、(a)溶媒または溶液等の薬学的に許容される担体、(b)安定剤または緩衝剤等の薬学的に許容される賦形剤、(c)前記キット構成要素を保持及び/または混合するための、少なくとも1つの容器、バイアル、もしくは装置、ならびに(d)送達装置、のうちの1つ以上、を含む、前記キット。
【請求項78】
任意選択で、(e)アプタマーに結合している標的分子を検出するのに有用な標識物質、(f)マイクロアレイまたはビーズ等の固体支持体、及び(g)インターカレーター性の蛍光色素または蛍光DNAプローブ等の、ポリメラーゼ連鎖反応生成物の定量に関連した試薬、のうちの1つ以上をさらに含む、請求項77に記載のキット。
【請求項79】
式III、式IV、または式V:
【化8】
の構造、またはこれらのうちのいずれか1つの塩、を含む化合物であって、式中、
各Lは、独立して-(CH-であり、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
各Rは、独立して、
【化9】
から選択され、
式中、*は、前記L基への前記R基の結合点を示し、
各Xは、独立して、-H、-OH、-OMe、-O-アリル、-O-エチル、-O-プロピル、-OCHCHOCH、-フルオロ、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、-NH、及び-アジドから選択される、前記化合物。
【請求項80】
nが、1、2、または3である、請求項79に記載の化合物。
【請求項81】
Xが-Hである、請求項79及び80のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項82】
Xが-OMeである、請求項79及び80のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項83】
が、
【化10】
から選択される、請求項79~82のいずれか1項に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月13日に出願された米国仮出願第63/174,495号、及び2021年4月14日に出願された米国仮出願第63/174,792号の優先権の利益を主張するものであり、その各々が、いかなる目的であっても参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、標的分子への結合能のあるアプタマー等の修飾ヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドの分野に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、1つ以上の塩基修飾ヌクレオシドを含む、アプタマー等のオリゴヌクレオチド、ならびにそのようなアプタマーを作製及び使用するする方法に関する。
【背景技術】
【0003】
修飾ヌクレオシドは、治療薬、診断薬として、及びそれらの特性(例えば、安定性)を改善するためのオリゴヌクレオチドへの組み込みに使用されている。
【0004】
SELEX(Systematic Evolution of Ligands for EXponential Enrichment)は、標的分子と選択的に結合するオリゴヌクレオチド(「アプタマー」と呼ばれる)を同定するための方法である。SELEX法は、例えば、米国特許第5,270,163号に記載されている。SELEX方法では、オリゴヌクレオチドのランダム混合物からのオリゴヌクレオチドの選択及び同定を伴い、事実上、いかなる所望基準の結合親和性及び結合選択性も達成される。SELEX法の過程で同定されたオリゴヌクレオチドに特定の種類の修飾ヌクレオシドを導入することにより、ヌクレアーゼ安定性、実効電荷、親水性または親油性が変化して、オリゴヌクレオチドの三次元構造及び標的結合能に差異をもたらし得る。
【0005】
アプタマー等のオリゴヌクレオチドに組み込むことができる、代替の修飾ヌクレオシド及び修飾ヌクレオチドが当該技術分野において依然として必要とされている。本開示は、これらのニーズのうちの1つ以上を満たすか、または他の利益をもたらすことを目的とする。
【発明の概要】
【0006】
本発明の前述及び他の目的、特徴、及び利点は、添付の図を参照しながら進められる以下の詳細な説明からさらに明らかになる。
【0007】
ある特定の非限定的な例示的実施形態は、以下のとおりである。
【0008】
実施形態1.5位修飾ピリミジンヌクレオシドまたはその塩を含む化合物であって、前記5位修飾ピリミジンが、第1のリンカーによって互いに共有結合で結合している2つのフェニル基を含む部分で置換されており、前記部分が、第2のリンカーによって前記ピリミジンの前記5位に共有結合で連結されている、前記化合物。
【0009】
実施形態2.前記第1のリンカーが、炭素及び酸素から選択される少なくとも1個の原子を含むかまたは結合である、実施形態1に記載の化合物。
【0010】
実施形態3.前記5位修飾ピリミジンが、フェニルベンジル部分、フェノキシベンジル部分、及びジフェニルメチル部分から選択される部分を5位に含む、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の化合物。
【0011】
実施形態4.前記第2のリンカーが、アミドリンカー、カルボニルリンカー、プロピニルリンカー、アルキンリンカー、エステルリンカー、尿素リンカー、カルバマートリンカー、グアニジンリンカー、アミジンリンカー、スルホキシドリンカー、及びスルホンリンカーから選択される基を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の化合物。
【0012】
実施形態5.前記第2のリンカーがアミドリンカーを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の化合物。
【0013】
実施形態6.前記アミドリンカーが、1個以上の炭素原子または1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個の炭素原子をさらに含む、実施形態5に記載の化合物。
【0014】
実施形態7.5位修飾ウリジンを含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の化合物。
【0015】
実施形態8.5位修飾シチジンを含む、実施形態1~7のいずれか1つに記載の化合物。
【0016】
実施形態9.式IAまたは式IB:
【化1】
の構造、またはこれらのうちのいずれかの塩、を含む化合物であって、
式中、
各Lは、独立して-(CH-であり、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
各Rは、独立して、
【化2】
からなる群から選択され、
式中、*は、前記L基への前記R基の結合点を示し、
各Xは、独立して、-H、-OH、-OMe、-O-アリル、-O-エチル、-O-プロピル、-OCHCHOCH、-フルオロ、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、-NH、及び-アジドからなる群から選択され、
各Rは、独立して、-OH;-アセチル;-OBz;-OP(N(CHCH)(OCHCHCN)、-OP(N(R)(OCHCHCN)[式中、各Rは、独立して(C1-6)アルキルである];tert-ブチルジメチルシリルオキシ;-O-ss;-OR;-SR;-ZP(Z’)(Z’’)-O-R[式中、ssは固体支持体であり、Z、Z’、及びZ’’はそれぞれ独立してO及びSから選択され、Rは隣接ヌクレオチドである]からなる群から選択され、
各Rは、独立して、-OH、-O-トリチル、-O-4,4’-ジメトキシトリチル、-O-三リン酸、OR、-SR、-NH、-NHR、及びZ-P(Z’)(Z’’)O-R[式中、Z、Z’、及びZ’’はそれぞれ独立してO及びSから選択され、Rは隣接ヌクレオチドである]からなる群から選択される、前記化合物。
【0017】
実施形態10.nが、1、2、または3である、実施形態9に記載の化合物。
【0018】
実施形態11.Xが-Hである、実施形態9及び10のいずれか1つに記載の化合物。
【0019】
実施形態12.Xが-OMeである、実施形態9及び10のいずれか1つに記載の化合物。
【0020】
実施形態13.各Rが、独立して、
【化3】
からなる群から選択される、実施形態9~12のいずれか1つに記載の化合物。
【0021】
実施形態14.前記5位修飾ピリミジンが、BPEdU、2’-OMe-BPE-U、2’-F-BPE-U、PBndU、2’-OMe-PBn-U、2’-F-PBn-U、POPdU、2’-OMe-POP-U、2’-F-POP-U、DPPdU、2’-OMe-DPP-U、2’-F-DPP-U、DBMdU、2’-OMe-DBM-U、2’-F-DBM-U、BHdU、2’-OMe-BH-U、2’-F-BH-U、BPEdC、2’-OMe-BPE-C、2’-F-BPE-C、PBndC、2’-OMe-PBn-C、2’-F-PBn-C、POPdC、2’-OMe-POP-C、2’-F-POP-C、DPPdC、2’-OMe-DPP-C、2’-F-DPP-C、DBMdC、2’-OMe-DBM-C、2’-F-DBM-C、BHdC、2’-OMe-BH-C、及び2’-F-BH-Cから選択される、実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物。
【0022】
実施形態15.式IIAまたは式IIB:
【化4】
の構造、またはこれらのうちのいずれかの塩、を含む化合物であって、
式中、
各Lは、独立して-(CH-であり、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
各Rは、独立して、
【化5】
からなる群から選択され、
式中、*は、前記L基への前記R基の結合点を示し、
各Xは、独立して、-H、-OH、-OMe、-O-アリル、-O-エチル、-O-プロピル、-OCHCHOCH、-フルオロ、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、-NH、及び-アジドからなる群から選択される、前記化合物。
【0023】
実施形態16.nが、1、2、または3である、実施形態15に記載の化合物。
【0024】
実施形態17.Xが-Hである、実施形態15及び16のいずれか1つに記載の化合物。
【0025】
実施形態18.Xが-OMeである、実施形態15及び16のいずれか1つに記載の化合物。
【0026】
実施形態19.各Rが、独立して、
【化6】
からなる群から選択される、実施形態15~18のいずれか1つに記載の化合物。
【0027】
実施形態20.化合物であって、以下の構造:
【化7-1】
【化7-2】
またはこれらのうちのいずれか1つの塩、を含み、
式中、各Xは、独立して、-H、-OH、-O-メチル、-O-アリル、-O-エチル、-O-プロピル、-OCHCHOCH、-フルオロ、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、-NH、及び-アジドからなる群から選択される、前記化合物。
【0028】
実施形態21.Xが-Hである、実施形態20に記載の化合物。
【0029】
実施形態22.Xが-OMeである、実施形態20に記載の化合物。
【0030】
実施形態23.実施形態1~14のいずれか1つに記載の化合物を含む、オリゴヌクレオチド。
【0031】
実施形態24.RNA、DNA、またはその組み合わせを含む、実施形態23に記載のオリゴヌクレオチド。
【0032】
実施形態25.15~100、または15~90、または15~80、または15~70、または15~60、または15~50、または20~100、または20~90、または20~80、または20~70、または20~60、または20~50、または30~100、または30~90、または30~80、または30~70、または30~60、または30~50、または40~100、または40~90、または40~80、または40~70、または40~60、または40~50ヌクレオチド長である、実施形態23及び24のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
【0033】
実施形態26.標的と結合するアプタマーである、実施形態23~25のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
【0034】
実施形態27.実施形態1~14のいずれか1つに記載の化合物を含む、アプタマー。
【0035】
実施形態28.15~100、または15~90、または15~80、または15~70、または15~60、または15~50、または20~100、または20~90、または20~80、または20~70、または20~60、または20~50、または30~100、または30~90、または30~80、または30~70、または30~60、または30~50、または40~100、または40~90、または40~80、または40~70、または40~60、または40~50ヌクレオチド長である、実施形態26及び27のいずれか1つに記載のアプタマー。
【0036】
実施形態29.BPEdU、2’-OMe-BPE-U、2’-F-BPE-U、PBndU、2’-OMe-PBn-U、2’-F-PBn-U、POPdU、2’-OMe-POP-U、2’-F-POP-U、DPPdU、2’-OMe-DPP-U、2’-F-DPP-U、DBMdU、2’-OMe-DBM-U、2’-F-DBM-U、BHdU、2’-OMe-BH-U、2’-F-BH-U、BPEdC、2’-OMe-BPE-C、2’-F-BPE-C、PBndC、2’-OMe-PBn-C、2’-F-PBn-C、POPdC、2’-OMe-POP-C、2’-F-POP-C、DPPdC、2’-OMe-DPP-C、2’-F-DPP-C、DBMdC、2’-OMe-DBM-C、2’-F-DBM-C、BHdC、2’-OMe-BH-C、及び2’-F-BH-Cから選択される5位修飾ピリミジンを含む、実施形態26~28のいずれか1つに記載のアプタマー。
【0037】
実施形態30.BPEdU、2’-OMe-BPE-U、2’-F-BPE-U、PBndU、2’-OMe-PBn-U、2’-F-PBn-U、POPdU、2’-OMe-POP-U、2’-F-POP-U、DPPdU、2’-OMe-DPP-U、2’-F-DPP-U、DBMdU、2’-OMe-DBM-U、2’-F-DBM-U、BHdU、2’-OMe-BH-U、2’-F-BH-Uから選択される少なくとも1つの5位修飾ウリジン、ならびにBPEdC、2’-OMe-BPE-C、2’-F-BPE-C、PBndC、2’-OMe-PBn-C、2’-F-PBn-C、POPdC、2’-OMe-POP-C、2’-F-POP-C、DPPdC、2’-OMe-DPP-C、2’-F-DPP-C、DBMdC、2’-OMe-DBM-C、2’-F-DBM-C、BHdC、2’-OMe-BH-C、及び2’-F-BH-Cから選択される少なくとも1つの5位修飾シチジンを含む、実施形態26~29のいずれか1つに記載のアプタマー。
【0038】
実施形態31.前記アプタマーの5’末端に、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25もしくは少なくとも30ヌクレオチド長であるか、または5~30、10~30、15~30、5~20、もしくは10~20ヌクレオチド長である領域を含み、前記アプタマーの前記5’末端の前記領域が5位修飾ピリミジンを欠く、実施形態26~30のいずれか1つに記載のアプタマー。
【0039】
実施形態32.前記アプタマーの3’末端に、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25もしくは少なくとも30ヌクレオチド長であるか、または5~30、10~30、15~30、5~20、もしくは10~20ヌクレオチド長である領域を含み、前記アプタマーの前記3’末端の前記領域が5位修飾ピリミジンを欠く、実施形態26~31のいずれか1つに記載のアプタマー。
【0040】
実施形態33.少なくとも1つの第1の5位修飾ピリミジン及び少なくとも1つの第2の5位修飾ピリミジンを含むアプタマーであって、前記第1の5位修飾ピリミジンと前記第2の5位修飾ピリミジンは異なる5位修飾ピリミジンであり、前記少なくとも1つの第1の5位修飾ピリミジンが、実施形態1~14のいずれか1つに記載の化合物である、前記アプタマー。
【0041】
実施形態34.前記少なくとも1つの第2の5位修飾ピリミジンが、BndC、2’-OMe-Bn-C、2’-F-Bn-C、PEdC、2’-OMe-PE-C、2’-F-PE-C、PPdC、2’-OMe-PP-C、2’-F-PP-C、NapdC、2’-OMe-Nap-C、2’-F-Nap-C、2NapdC、2’-OMe-2Nap-C、2’-F-2Nap-C、NEdC、2’-OMe-NE-C、2’-F-NE-C、2NEdC、2’-OMe-2NE-C、2’-F-2NE-C、TyrdC、2’-OMe-Tyr-C、2’-F-Tyr-C、BndU、2’-OMe-Bn-U、2’-F-Bn-U、NapdU、2’-OMe-Nap-U、2’-F-Nap-U、PEdU、2’-OMe-PE-U、2’-F-PE-U、IbdU、2’-OMe-Ib-U、2’-F-Ib-U、FBndU、2’-OMe-FBn-U、2’-F-FBn-U、2NapdU、2’-OMe-2Nap-U、2’-F-2Nap-U、NEdU、2’-OMe-NE-U、2’-F-NE-U、MBndU、2’-OMe-MBn-U、2’-F-MBn-U、BFdU、2’-OMe-BF-U、2’-F-BF-U、BTdU、2’-OMe-BT-U、2’-F-BT-U、PPdU、2’-OMe-PP-U、2’-F-PP-U、MOEdU、2’-OMe-MOE-U、2’-F-MOE-U、TyrdU、2’-OMe-Tyr-U、2’-F-Tyr-U、TrpdU、2’-OMe-Trp-U、2’-F-Trp-U、ThrdU、2’-OMe-Thr-U、及び2’-F-Thr-Uのうちの1つ以上からなる群から選択される、実施形態33に記載のアプタマー。
【0042】
実施形態35.前記少なくとも1つの第2の5位修飾ピリミジンが、NapdC、2’-OMe-Nap-C、2’-F-Nap-C、2NapdC、2’-OMe-2Nap-C、2’-F-2Nap-C、TyrdC、2’-OMe-Tyr-C、2’-F-Tyr-C、PPdC、2’-OMe-PP-C、2’-F-PP-C、NapdU、2’-OMe-Nap-U、2’-F-Nap-U、PPdU、2’-OMe-PP-U、2’-F-PP-U、MOEdU、2’-OMe-MOE-U、2’-F-MOE-U、TyrdU、2’-OMe-Tyr-U、2’-F-Tyr-U、TrpdU、2’-OMe-Trp-U、2’-F-Trp-U、ThrdU、2’-OMe-Thr-U、及び2’-F-Thr-Uのうちの1つ以上からなる群から選択される、実施形態33及び34のいずれか1つに記載のアプタマー。
【0043】
実施形態36.前記アプタマーが、前記5位修飾ピリミジンの代わりに未修飾ピリミジンを含む、長さ及び核酸塩基配列が同じアプタマーと比較して、改善されたヌクレアーゼ安定性及び/またはヒト血清中でのより長い半減期及び/または改善された親和性及び/または改善された解離速度を有する、実施形態26~35のいずれか1つに記載のアプタマー。
【0044】
実施形態37.実施形態26~36のいずれか1つに記載の複数のアプタマーを含む、組成物。
【0045】
実施形態38.各アプタマーがランダム領域を含む、実施形態37に記載の組成物。
【0046】
実施形態39.前記ランダム領域が、20~100、または20~90、または20~80、または20~70、または20~60、または20~50、または20~40、または30~100、または30~90、または30~70、または30~60、または30~50、または30~40ヌクレオチド長である、実施形態38に記載の組成物。
【0047】
実施形態40.アプタマーと標的とを含む組成物であって、前記アプタマー及び前記標的が複合体を形成することができ、前記アプタマーが、実施形態26~35のいずれか1つに記載のアプタマーである、前記組成物。
【0048】
実施形態41.第1のアプタマー、第2のアプタマー、及び標的を含む組成物であって、前記第1のアプタマー、前記第2のアプタマー、及び前記標的が、三量体複合体を形成することができ、前記第1のアプタマーが、実施形態1~14のいずれか1つに記載の化合物を含むアプタマーであり、前記第2のアプタマーが、少なくとも1つの第2の5位修飾ピリミジンを含む、前記組成物。
【0049】
実施形態42.前記標的が、タンパク質、ペプチド、炭水化物、小分子、細胞及び組織から選択される、実施形態41に記載の組成物。
【0050】
実施形態43.前記標的が、IL-33、XIAP、K-Ras、及びTNF-αから選択される標的タンパク質である、実施形態41及び42のいずれか1つに記載の組成物。
【0051】
実施形態44.実施形態26~35のいずれか1つに記載の少なくとも1つのアプタマー、またはその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【0052】
実施形態45.IL-33、XIAP、K-Ras、及びTNF-αから選択されるタンパク質により媒介される疾患または状態を治療または予防するための、実施形態44に記載の医薬組成物。
【0053】
実施形態46.対象の疾患または状態を治療または予防する方法であって、それを必要とする対象に、実施形態26~35のいずれか1つに記載のアプタマーまたは実施形態44及び45のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【0054】
実施形態47.前記疾患または状態が、IL-33、XIAP、K-Ras、及びTNF-αから選択されるタンパク質により媒介される、実施形態46に記載の方法。
【0055】
実施形態48.前記疾患または状態が、外傷性脳損傷(TBI)または関節リウマチである、実施形態46及び47のいずれか1つに記載の方法。
【0056】
実施形態49.方法であって、(a)標的分子への結合能のあるアプタマーを試料と接触させること、(b)アプタマー-標的複合体が形成されるよう前記アプタマーを前記試料と一緒にインキュベートすること、(c)前記試料中で前記アプタマー-標的複合体について濃縮すること、及び(d)前記アプタマー、前記アプタマー-標的複合体、または前記標的分子の存在を検出することであって前記アプタマー、前記アプタマー-標的複合体、または前記標的分子の検出は、前記試料中に前記標的分子が存在することを示し、前記アプタマー、前記アプタマー-標的複合体、または前記標的分子の検出がないことは、前記試料中に前記標的分子が存在しないことを示す、前記検出すること、を含み、前記アプタマーが、実施形態1~14のいずれか1つに記載の化合物を含むかまたは実施形態26~35のいずれか1つに記載のアプタマーである、前記方法。
【0057】
実施形態50.前記試料に競合分子を加えるステップ、前記アプタマー-標的複合体を固体支持体上に捕捉するステップ、及び競合分子を加えて前記試料を希釈するステップ、から選択される少なくとも1つの追加のステップを含み、前記少なくとも1つの追加のステップが、ステップ(a)またはステップ(b)の後に行われる、実施形態49に記載の方法。
【0058】
実施形態51.前記競合分子がポリアニオン性競合物質から選択される、実施形態50に記載の方法。
【0059】
実施形態52.前記ポリアニオン性競合物質が、オリゴヌクレオチド、ポリデキストラン、DNA、ヘパリン、及びdNTPから選択される、実施形態51に記載の方法。
【0060】
実施形態53.前記ポリデキストランがデキストラン硫酸であり、前記DNAがニシン精子DNAまたはサケ精子DNAである、実施形態52に記載の方法。
【0061】
実施形態54.前記標的分子が、タンパク質、ペプチド、炭水化物、小分子、細胞及び組織から選択される、実施形態49~53のいずれか1つに記載の方法。
【0062】
実施形態55.前記試料が、全血、白血球、末梢血単核細胞、血漿、血清、喀痰、呼気、尿、精液、唾液、髄膜液、羊水、腺液、リンパ液、乳頭吸引物、気管支吸引物、滑液、関節吸引物、細胞、細胞抽出物、便、組織、組織生検、及び脳脊髄液から選択される、請求項49~54のいずれか1項に記載の方法。
【0063】
実施形態56.試料中の標的を検出するための方法であって、(a)前記試料と第1のアプタマーとを、混合物が形成されるよう接触させることであって、前記第1のアプタマーが、前記標的に結合して第1の複合体を形成することができる、前記接触させること、(b)前記混合物を、前記第1の複合体が形成可能な条件下でインキュベートすること、(c)前記混合物と第2のアプタマーとを接触させることであって、前記第2のアプタマーが、前記第1の複合体と結合して第2の複合体を形成することができる、前記接触させること、(d)前記混合物を、前記第2の複合体が形成可能な条件下でインキュベートすること、(e)前記混合物中の前記第1のアプタマー、前記第2のアプタマー、前記標的、前記第1の複合体または前記第2の複合体の有無を検出することであって、前記第1のアプタマー、前記第2のアプタマー、前記標的、前記第1の複合体または前記第2の複合体の存在が、前記試料中に前記標的が存在することを示す、前記検出すること、を含み、ここで、前記第1のアプタマーが、実施形態1~14のいずれか1つに記載の化合物を含み、前記第2のアプタマーが、少なくとも1つの第2の5位修飾ピリミジンを含み、前記第1のアプタマー、前記第2のアプタマー及び前記標的が、三量体複合体を形成することができる、前記方法。
【0064】
実施形態57.前記標的分子が、タンパク質、ペプチド、炭水化物、小分子、細胞及び組織から選択される、実施形態56に記載の方法。
【0065】
実施形態58.前記第1のアプタマー、前記第2のアプタマー及び前記標的が、三量体複合体を形成することができる、実施形態56及び57のいずれか1つに記載の方法。
【0066】
実施形態59.前記第2のアプタマーが、BndC、2’-OMe-Bn-C、PEdC、2’-OMe-PE-C、PPdC、2’-OMe-PP-C、NapdC、2’-OMe-Nap-C、2NapdC、2’-OMe-2Nap-C、NEdC、2’-OMe-NE-C、2NEdC、2’-OMe-2NE-C、TyrdC、2’-OMe-Tyr-C、BndU、2’-OMe-Bn-U、NapdU、2’-OMe-Nap-U、PEdU、2’-OMe-PE-U、IbdU、2’-OMe-Ib-U、FBndU、2’-OMe-FBn-U、2NapdU、2’-OMe-2Nap-U、NEdU、2’-OMe-NE-U、MBndU、2’-OMe-MBn-U、BFdU、2’-OMe-BF-U、BTdU、2’-OMe-BT-U、PPdU、2’-OMe-PP-U、MOEdU、2’-OMe-MOE-U、TyrdU、2’-OMe-Tyr-U、TrpdU、2’-OMe-Trp-U、ThrdU、及び2’-OMe-Thr-Uのうちの1つ以上からなる群から選択される少なくとも1つの第2の5位修飾ピリミジンを含む、実施形態56~58のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
実施形態60.前記第2のアプタマーが、NapdC、2’-OMe-Nap-C、2NapdC、2’-OMe-2Nap-C、TyrdC、2’-OMe-Tyr-C、PPdC、2’-OMe-PP-C、NapdU、2’-OMe-Nap-U、PPdU、2’-OMe-PP-U、MOEdU、2’-OMe-MOE-U、TyrdU、2’-OMe-Tyr-U、TrpdU、2’-OMe-Trp-U、ThrdU、及び2’-OMe-Thr-Uのうちの1つ以上からなる群から選択される少なくとも1つの第2の5位修飾ピリミジンを含む、実施形態56~59のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
実施形態61.標的分子への結合能のある1つ以上のアプタマーを同定するための方法であって、(a)アプタマーのライブラリーと前記標的分子とを、混合物が形成され、アプタマー-標的複合体の形成を可能にするよう接触させることであって、アプタマーが前記標的分子に対する親和性を有する場合に前記アプタマー-標的複合体が形成される、前記接触させること、(b)前記アプタマー-標的複合体を前記混合物の残部から分配すること(または前記アプタマー-標的複合体について濃縮すること)、(c)前記アプタマー-標的複合体を解離させること、及び(d)前記標的分子への結合能のある前記1つ以上のアプタマーを同定すること、を含み、ここで、前記アプタマーのライブラリーが、複数のポリヌクレオチドを含み、かつ、実施形態37~43のいずれか1つに記載の組成物である、前記方法。
【0069】
実施形態62.各ポリヌクレオチドが、前記ポリヌクレオチドの5’末端に固定領域を含む、実施形態61に記載の方法。
【0070】
実施形態63.各ポリヌクレオチドの5’末端における前記固定領域が、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25もしくは少なくとも30ヌクレオチド長、または5~30、10~30、15~30、5~20、もしくは10~20ヌクレオチド長である、実施形態62に記載の方法。
【0071】
実施形態64.各ポリヌクレオチドが、前記ポリヌクレオチドの3’末端に固定領域を含む、実施形態61~63のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
実施形態65.前記ポリヌクレオチドの3’末端における前記固定領域が、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25もしくは少なくとも30ヌクレオチド長、または5~30、10~30、15~30、5~20、もしくは10~20ヌクレオチド長である、実施形態64に記載の方法。
【0073】
実施形態66.各ポリヌクレオチドがランダム領域を含む、実施形態61~65のいずれか1つに記載の方法。
【0074】
実施形態67.前記ランダム領域が、20~100、または20~90、または20~80、または20~70、または20~60、または20~50、または20~40、または30~100、または30~90、または30~70、または30~60、または30~50、または30~40ヌクレオチド長である、実施形態66に記載の方法。
【0075】
実施形態68.各ポリヌクレオチドが、15~100、または15~90、または15~80、または15~70、または15~60、または15~50、または20~100、または20~90、または20~80、または20~70、または20~60、または20~50、または30~100、または30~90、または30~80、または30~70、または30~60、または30~50、または40~100、または40~90、または40~80、または40~70、または40~60、または40~50ヌクレオチド長である、実施形態61~67のいずれか1つに記載の方法。
【0076】
実施形態69.各ポリヌクレオチドが、標的と結合するアプタマーであり、前記ライブラリーが少なくとも1000アプタマーを含み、各アプタマーが異なるヌクレオチド配列を含む、実施形態61~68のいずれか1つに記載の方法。
【0077】
実施形態70.ステップ(a)、ステップ(b)、及び/またはステップ(c)が、少なくとも1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または10回繰り返される、実施形態61~69のいずれか1つに記載の方法。
【0078】
実施形態71.前記標的分子への結合能のある前記1つ以上のアプタマーを増幅させる、実施形態61~70のいずれか1つに記載の方法。
【0079】
実施形態72.前記混合物がポリアニオン性競合分子を含む、実施形態61~71のいずれか1つに記載の方法。
【0080】
実施形態73.前記ポリアニオン性競合物質が、オリゴヌクレオチド、ポリデキストラン、DNA、ヘパリン及びdNTPから選択される、実施形態72に記載の方法。
【0081】
実施形態74.前記ポリデキストランがデキストラン硫酸であり、前記DNAがニシン精子DNAまたはサケ精子DNAである、実施形態73に記載の方法。
【0082】
実施形態75.前記標的分子が、タンパク質、ペプチド、炭水化物、小分子、細胞及び組織から選択される、実施形態61~74のいずれか1つに記載の方法。
【0083】
実施形態76.前記5位修飾ピリミジンがポリメラーゼ酵素によって取り込まれることができる、実施形態1~14のいずれか1つに記載の化合物、実施形態26~35のいずれか1つに記載のアプタマー、実施形態37~45のいずれか1つに記載の組成物、または実施形態46~75のいずれか1つに記載の方法。
【0084】
実施形態77.キットであって、実施形態1~14のいずれか1つに記載の化合物、実施形態15~22のいずれか1つに記載の化合物、実施形態23~25のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド、実施形態26~35のいずれか1つに記載のアプタマー、実施形態37~43のいずれか1つに記載の組成物、ならびに任意選択で、(a)溶媒または溶液等の薬学的に許容される担体、(b)安定剤または緩衝剤等の薬学的に許容される賦形剤、(c)前記キット構成要素を保持及び/または混合するための、少なくとも1つの容器、バイアル、もしくは装置、ならびに(d)送達装置、のうちの1つ以上、を含む、前記キット。
【0085】
実施形態78.任意選択で、(e)アプタマーに結合している標的分子を検出するのに有用な標識物質、(f)マイクロアレイまたはビーズ等の固体支持体、及び(g)インターカレーター性の蛍光色素または蛍光DNAプローブ等の、ポリメラーゼ連鎖反応生成物の定量に関連した試薬、のうちの1つ以上をさらに含む、実施形態77に記載のキット。
【0086】
実施形態79.式III、式IV、または式V:
【化8】
の構造、またはこれらのうちのいずれか1つの塩、を含む化合物であって、式中、
各Lは、独立して-(CH-であり、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
各Rは、独立して、
【化9】
から選択され、
式中、*は、前記L基への前記R基の結合点を示し、
各Xは、独立して、-H、-OH、-OMe、-O-アリル、-O-エチル、-O-プロピル、-OCHCHOCH、-フルオロ、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、-NH、及び-アジドから選択される、前記化合物。
【0087】
実施形態80.nが、1、2、または3である、請求項79に記載の化合物。
【0088】
実施形態81.Xが-Hである、請求項79及び80のいずれか1項に記載の化合物。
【0089】
実施形態82.Xが-OMeである、請求項79及び80のいずれか1項に記載の化合物。
【0090】
実施形態83.Rが、
【化10】
から選択される、請求項79~82のいずれか1項に記載の化合物。
【図面の簡単な説明】
【0091】
図1A】様々なタンパク質標的に対するラウンド7の濃縮SELEXプールの用量依存的結合。各結合曲線について、ライブラリー-タンパク質複合体の割合をタンパク質濃度の関数としてプロットした。4パラメータシグモイド型用量反応モデルにデータを当てはめることにより平衡結合定数(Kd値)を決定した。XIAP標的に対するライブラリーを含有するPP-dUTP及びDPP-dUTPについてのラウンド7の濃縮SELEXプールの比較。
図1B】様々なタンパク質標的に対するラウンド7の濃縮SELEXプールの用量依存的結合。各結合曲線について、ライブラリー-タンパク質複合体の割合をタンパク質濃度の関数としてプロットした。4パラメータシグモイド型用量反応モデルにデータを当てはめることにより平衡結合定数(Kd値)を決定した。XIAP標的に対するライブラリーを含有するPP-dUTP及びPBn-dUTPについてのラウンド7の濃縮SELEXプールの比較。
図1C】様々なタンパク質標的に対するラウンド7の濃縮SELEXプールの用量依存的結合。各結合曲線について、ライブラリー-タンパク質複合体の割合をタンパク質濃度の関数としてプロットした。4パラメータシグモイド型用量反応モデルにデータを当てはめることにより平衡結合定数(Kd値)を決定した。IL-33標的に対するライブラリーを含有するPP-dUTP及びDPP-dUTPについてのラウンド7の濃縮SELEXプールの比較。
図1D】様々なタンパク質標的に対するラウンド7の濃縮SELEXプールの用量依存的結合。各結合曲線について、ライブラリー-タンパク質複合体の割合をタンパク質濃度の関数としてプロットした。4パラメータシグモイド型用量反応モデルにデータを当てはめることにより平衡結合定数(Kd値)を決定した。IL-33標的に対するライブラリーを含有するPP-dUTP及びPBn-dUTPについてのラウンド7の濃縮SELEXプールの比較。
図1E】様々なタンパク質標的に対するラウンド7の濃縮SELEXプールの用量依存的結合。各結合曲線について、ライブラリー-タンパク質複合体の割合をタンパク質濃度の関数としてプロットした。4パラメータシグモイド型用量反応モデルにデータを当てはめることにより平衡結合定数(Kd値)を決定した。K-Ras標的に対するライブラリーを含有するPP-dUTP及びPOP-dUTPについてのラウンド7の濃縮SELEXプールの比較。
図1F】様々なタンパク質標的に対するラウンド7の濃縮SELEXプールの用量依存的結合。各結合曲線について、ライブラリー-タンパク質複合体の割合をタンパク質濃度の関数としてプロットした。4パラメータシグモイド型用量反応モデルにデータを当てはめることにより平衡結合定数(Kd値)を決定した。K-Ras標的に対するライブラリーを含有するPP-dUTP及びDPP-dUTPについてのラウンド7の濃縮SELEXプールの比較。
図1G】様々なタンパク質標的に対するラウンド7の濃縮SELEXプールの用量依存的結合。各結合曲線について、ライブラリー-タンパク質複合体の割合をタンパク質濃度の関数としてプロットした。4パラメータシグモイド型用量反応モデルにデータを当てはめることにより平衡結合定数(Kd値)を決定した。K-Ras標的に対するライブラリーを含有するPP-dUTP及びPBn-dUTPについてのラウンド7の濃縮SELEXプールの比較。
図1H】様々なタンパク質標的に対するラウンド7の濃縮SELEXプールの用量依存的結合。各結合曲線について、ライブラリー-タンパク質複合体の割合をタンパク質濃度の関数としてプロットした。4パラメータシグモイド型用量反応モデルにデータを当てはめることにより平衡結合定数(Kd値)を決定した。K-Ras標的に対するライブラリーを含有するPP-dUTP及びBPE-dUTPについてのラウンド7の濃縮SELEXプールの比較。
図1I】様々なタンパク質標的に対するラウンド7の濃縮SELEXプールの用量依存的結合。各結合曲線について、ライブラリー-タンパク質複合体の割合をタンパク質濃度の関数としてプロットした。4パラメータシグモイド型用量反応モデルにデータを当てはめることにより平衡結合定数(Kd値)を決定した。TNF-α標的に対するライブラリーを含有するPP-dUTP及びPOP-dUTPについてのラウンド7の濃縮SELEXプールの比較。
図2】アプタマーに組み込まれ得る、ある特定の例示的な5位修飾されたウリジン及びシチジン。
図3】ウリジンの5位に存在し得る、ある特定の例示的修飾。C-5修飾の化学構造には、ウリジンの5位に修飾を連結する例示的アミド結合が含まれる。示されている5位部分には、互いに共有結合で結合している2つのフェニル基が含まれる。示されている5位部分には、フェニルベンジル部分(例えば、BPE、PBnd、DBM)、4-フェノキシベンジル部分(例えば、POP)、ジフェニルプロピル部分(例えば、DPP)、ベンズヒドリル部分(例えば、BH)が含まれる。
図4】シチジンの5位に存在し得る、ある特定の例示的修飾。C-5修飾の化学構造には、シチジンの5位に修飾を連結する例示的アミド結合が含まれる。示されている5位部分には、互いに共有結合で結合している2つのフェニル基が含まれる。示されている5位部分には、フェニルベンジル部分(例えば、BPE、PBnd、DBM)、4-フェノキシベンジル部分(例えば、POP)、ジフェニルプロピル部分(例えば、DPP)、ベンズヒドリル部分(例えば、BH)が含まれる。
図5】ウリジンの5位に存在し得る、ある特定の例示的修飾。C-5修飾の化学構造には、ウリジンの5位に修飾を連結する例示的アミド結合が含まれる。示されている5位部分には、ベンジル部分(例えば、Bn、PE及びPP)、ナフチル部分(例えば、Nap、2Nap、NE)、ブチル部分(例えば、iBu)、フルオロベンジル部分(例えば、FBn)、チロシル部分(例えば、Tyr)、3,4-メチレンジオキシベンジル(例えば、MBn)、モルホリノ部分(例えば、MOE)、ベンゾフラニル部分(例えば、BF)、インドール部分(例えば、Trp)及びヒドロキシプロピル部分(例えば、Thr)が含まれる。
図6】シチジンの5位に存在し得る、ある特定の例示的修飾。C-5修飾の化学構造には、シチジンの5位に修飾を連結する例示的アミド結合が含まれる。示されている5位部分には、ベンジル部分(例えば、Bn、PE及びPP)、ナフチル部分(例えば、Nap、2Nap、NE、及び2NE)及びチロシル部分(例えば、Tyr)が含まれる。
図7A】様々なタンパク質標的に対するラウンド8(TNFα及びsL-セレクチン)またはラウンド6(B7-H4)の濃縮SELEXプールの用量依存的結合。各結合曲線について、ライブラリー-タンパク質複合体の割合をタンパク質濃度の関数としてプロットした。4パラメータシグモイド型用量反応モデルにデータを当てはめることにより平衡結合定数(Kd値)を決定した。TNFα標的に対するライブラリーを含有するBn-dCTP、PP-dCTP、及びDPP-dCTPについてのラウンド8の濃縮SELEXプールの比較。
図7B】様々なタンパク質標的に対するラウンド8(TNFα及びsL-セレクチン)またはラウンド6(B7-H4)の濃縮SELEXプールの用量依存的結合。各結合曲線について、ライブラリー-タンパク質複合体の割合をタンパク質濃度の関数としてプロットした。4パラメータシグモイド型用量反応モデルにデータを当てはめることにより平衡結合定数(Kd値)を決定した。TNFα標的に対するライブラリーを含有するBn-dCTP、PP-dCTP、及びPBn-dCTPについてのラウンド8の濃縮SELEXプールの比較。
図7C】様々なタンパク質標的に対するラウンド8(TNFα及びsL-セレクチン)またはラウンド6(B7-H4)の濃縮SELEXプールの用量依存的結合。各結合曲線について、ライブラリー-タンパク質複合体の割合をタンパク質濃度の関数としてプロットした。4パラメータシグモイド型用量反応モデルにデータを当てはめることにより平衡結合定数(Kd値)を決定した。TNFα標的に対するライブラリーを含有するBn-dCTP、PP-dCTP、及びPOP-dCTPについてのラウンド8の濃縮SELEXプールの比較。
図7D】様々なタンパク質標的に対するラウンド8(TNFα及びsL-セレクチン)またはラウンド6(B7-H4)の濃縮SELEXプールの用量依存的結合。各結合曲線について、ライブラリー-タンパク質複合体の割合をタンパク質濃度の関数としてプロットした。4パラメータシグモイド型用量反応モデルにデータを当てはめることにより平衡結合定数(Kd値)を決定した。B7-H4標的に対するライブラリーを含有するBn-dCTP及びPBn-dCTPについてのラウンド8の濃縮SELEXプールの比較。
図7E】様々なタンパク質標的に対するラウンド8(TNFα及びsL-セレクチン)またはラウンド6(B7-H4)の濃縮SELEXプールの用量依存的結合。各結合曲線について、ライブラリー-タンパク質複合体の割合をタンパク質濃度の関数としてプロットした。4パラメータシグモイド型用量反応モデルにデータを当てはめることにより平衡結合定数(Kd値)を決定した。sL-セレクチン標的に対するライブラリーを含有するPP-dCTP及びPBn-dCTPについてのラウンド8の濃縮SELEXプールの比較。様々なタンパク質標的に対するラウンド8(TNFα及びsL-セレクチン)またはラウンド6(B7-H4)の濃縮SELEXプールの用量依存的結合。各結合曲線について、ライブラリー-タンパク質複合体の割合をタンパク質濃度の関数としてプロットした。4パラメータシグモイド型用量反応モデルにデータを当てはめることにより平衡結合定数(Kd値)を決定した。sL-セレクチン標的に対するライブラリーを含有するPP-dCTP及びPOP-dCTPについてのラウンド8の濃縮SELEXプールの比較。
【発明を実施するための形態】
【0092】
別段の注記がない限り、技術用語は従来の使用法に従って使用される。分子生物学における一般用語の定義は、Benjamin Lewin,Genes V,Oxford University Pressにより出版,1994(ISBN 0-19-854287-9)、Kendrew et al.(eds.),The Encyclopedia of Molecular Biology,Blackwell Science Ltd.により出版,1994(ISBN 0-632-02182-9)、及びRobert A.Meyers(ed.),Molecular Biology and Biotechnology:a Comprehensive Desk Reference,VCH Publishers,Inc.により出版,1995(ISBN 1-56081-569-8)に見出され得る。
【0093】
別段の説明がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本開示が属する当該技術分野の当業者に共通して理解される意味と同一の意味を有する。単数形の用語「a」、「an」、及び「the」には、文脈で特に明確な指示がない限り、複数の指示対象が含まれる。「AまたはBを含む」とは、A、またはB、またはAとBが含まれることを意味する。核酸またはポリペプチドについて与えられる、すべての塩基サイズまたはアミノ酸サイズ、及びすべての分子量または分子質量の値は概数であり、説明のために提供されていることがさらに理解されるべきである。
【0094】
さらに、本明細書で提供される範囲は、その範囲内のすべての値の簡略表記であると理解される。例えば、1~50という範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50からなる群からの任意の数、数の組み合わせ、または部分範囲(及び文脈で特に明確な指示がない限り、それらの分数)が含まれることが理解される。いかなる濃度範囲、パーセンテージ範囲、比率範囲、または整数範囲も、別段の指示がない限り、記述範囲内のあらゆる整数値、及び適切な場合、その分数値(整数の10分の1及び100分の1等)を含むと理解されるべきである。また、ポリマーのサブユニット、サイズまたは厚さ等の任意の物理的特徴に関して本明細書で記述される任意の数字範囲は、別段の指示がない限り、記述範囲内のいかなる整数も含むと理解されるべきであ。本明細書で使用される場合、「約」または「から本質的になる」とは、別段の指示がない限り、示されている範囲、値、または構造の±20%を意味する。本明細書で使用される場合、「含む(include)」及び「含む(comprise)」という用語は、非限定的であり、かつ同義で使用される。
【0095】
本開示の実施または試験においては本明細書に記載される方法及び材料と類似または同等のものを使用することができるが、好適な方法及び材料を以下に記載する。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。矛盾がある場合は、用語の説明も含め、本明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び例は例示にすぎず、限定することを意図しない。
【0096】
本明細書で使用される場合、用語「ヌクレオチド」とは、リボヌクレオチドもしくはデオキシリボヌクレオチド、またはその修飾形態、及びその類似体を指す。ヌクレオチドには、プリン(例えば、アデニン、ヒポキサンチン、グアニン、ならびにそれらの誘導体及び類似体)ならびにピリミジン(例えば、シトシン、ウラシル、チミン、ならびにそれらの誘導体及び類似体)を含む種が含まれる。本明細書で使用される場合、用語「シチジン」は、別段の具体的な指示がない限り、シトシン塩基を含むリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドまたは修飾リボヌクレオチドを指すために総称的に使用される。用語「シチジン」には、2’-修飾シチジン、例えば、2’-フルオロ、2’-メトキシ等が含まれる。同様に、用語「修飾シチジン」または特定の修飾シチジンはまた、別段の具体的な指示がない限り、修飾シトシン塩基を含むリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、または修飾リボヌクレオチド(例えば、2’-フルオロ、2’-メトキシ等)を指す。用語「ウリジン」は、別段の具体的な指示がない限り、ウラシル塩基を含むリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、または修飾リボヌクレオチド指すために総称的に使用される。用語「ウリジン」には、2’-修飾ウリジン、例えば、2’-フルオロ、2’-メトキシ等が含まれる。同様に、用語「修飾ウリジン」または特定の修飾ウリジンはまた、別段の具体的な指示がない限り、修飾ウラシル塩基を含むリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、または修飾リボヌクレオチド(例えば、2’-フルオロ、2’-メトキシ等)を指す。
【0097】
本明細書で使用される場合、用語「5位修飾シチジン」または「C-5修飾シチジン」とは、例えば、図2及び図4に示すような、シチジンのC-5位に修飾を有するシチジンを指す。いくつかの実施形態では、C5修飾シチジン、例えば、それらの三リン酸形態にあるものは、ポリメラーゼ(例えば、KOD DNAポリメラーゼ)によってオリゴヌクレオチド中に取り込まれることができる。非限定的な例示的5位修飾シチジンには、図4に示すものが含まれる。非限定的な例示的C-5修飾シチジンとしては、5-[N-(4-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-デオキシシチジン(「PBndC」と呼ばれ、図4に示されており、X=Hである)、5-[N-(4-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-O-メチルシチジン(「2’-OMe-PBn-C」と呼ばれ、図4に示されており、X=OMeである)、5-[N-(4-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-フルオロシチジン(「2’-F-PBn-C」と呼ばれ、図4に示されており、X=Fである)、5-[N-(4-フェノキシベンジル)カルボキサミド]-2’-デオキシシチジン(「POPdC」と呼ばれ、図4に示されており、X=Hである)、5-[N-(4-フェノキシベンジル)カルボキサミド]-2’-O-メチルシチジン(「2’-OMe-POP-C」と呼ばれ、図4に示されており、X=OMeである)、5-[N-(4-フェノキシベンジル)カルボキサミド]-2’-フルオロシチジン(「2’-F-POP-C」と呼ばれ、図4に示されており、X=Fである)、5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-デオキシシチジン(「DPPdC」と呼ばれ、図4に示されており、X=Hである)、5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-O-メチルシチジン(「2’-OMe-DPP-C」と呼ばれ、図4に示されており、X=OMeである)、5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-フルオロシチジン(「2’-F-DPP-C」と呼ばれ、図4に示されており、X=Fである)、5-{N-[(1,1’-ビフェニル)-4-イル)エチル]カルボキシアミド}-2’-デオキシシチジン(「BPEdC」と呼ばれ、図4に示されており、X=Hである)、5-{N-[(1,1’-ビフェニル)-4-イル)エチル]カルボキシアミド}-2’-O-メチルシチジン(「2’-OMe-BPE-C」と呼ばれ、図4に示されており、X=OMeである)、5-{N-[(1,1’-ビフェニル)-4-イル)エチル]カルボキシアミド}-2’-フルオロシチジン(「2’-F-BPE-C」と呼ばれ、図4に示されており、X=Fである)、5-[N-(3-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-デオキシシチジン(「DBMdC」と呼ばれ、図4に示されており、X=Hである)、5-[N-(3-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-O-メチルシチジン(「2’-OMe-DBM-C」と呼ばれ、図4に示されており、X=OMeである)、5-[N-(3-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-フルオロシチジン(「2’-F-DBM-C」と呼ばれ、図4に示されており、X=Fである)、5-[N-(3,3-ジフェニルメチル)カルボキサミド]-2’-デオキシシチジン(「BHdC」と呼ばれ、図4に示されており、X=Hである)、及び5-[N-(3,3-ジフェニルメチル)カルボキサミド]-2’-O-メチルシチジン(「2’-OMe-BH-C」と呼ばれ、図4に示されており、X=OMeである)、及び5-[N-(3,3-ジフェニルメチル)カルボキサミド]-2’-フルオロシチジン(「2’-F-BH-C」と呼ばれ、図4に示されており、X=Fである)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに含まれ得る非限定的な例示的5位修飾シチジンには、図6に示すものが含まれる。非限定的な例示的5位修飾シチジンとしては、5-(N-ベンジルカルボキサミド)-2’-デオキシシチジン(「BndC」と呼ばれる)、5-(N-ベンジルカルボキサミド)-2’-O-メチルシチジン(「2’-OMe-Bn-C」と呼ばれる)、5-(N-ベンジルカルボキサミド)-2’-フルオロシチジン(「2’-F-Bn-C」と呼ばれる)、5-(N-2-フェニルエチルカルボキサミド)-2’-デオキシシチジン(「PEdC」と呼ばれる)、5-(N-2-フェニルエチルカルボキサミド)-2’-O-メチルシチジン(「2’-OMe-PE-C」と呼ばれる)、5-(N-2-フェニルエチルカルボキサミド)-2’-フルオロシチジン(「2’-F-PE-C」と呼ばれる)、5-(N-3-フェニルプロピルカルボキサミド)-2’-デオキシシチジン(「PPdC」と呼ばれる)、5-(N-3-フェニルプロピルカルボキサミド)-2’-O-メチルシチジン(「2’-OMe-PP-C」と呼ばれる)、5-(N-3-フェニルプロピルカルボキサミド)-2’-フルオロシチジン(「2’-F-PP-C」と呼ばれる)、5-(N-1-ナフチルメチルカルボキサミド)-2’-デオキシシチジン(「NapdC」と呼ばれる)、5-(N-1-ナフチルメチルカルボキサミド)-2’-O-メチルシチジン(「2’-OMe-Nap-C」と呼ばれる)、5-(N-1-ナフチルメチルカルボキサミド)-2’-フルオロシチジン(「2’-F-Nap-C」と呼ばれる)、5-(N-2-ナフチルメチルカルボキサミド)-2’-デオキシシチジン(「2NapdC」と呼ばれる)、5-(N-2-ナフチルメチルカルボキサミド)-2’-O-メチルシチジン(「2’-OMe-2Nap-C」と呼ばれる)、5-(N-2-ナフチルメチルカルボキサミド)-2’-フルオロシチジン(「2’-F-2Nap-C」と呼ばれる)、5-(N-1-ナフチル-2-エチルカルボキサミド)-2’-デオキシシチジン(「NEdC」と呼ばれる)、5-(N-1-ナフチル-2-エチルカルボキサミド)-2’-O-メチルシチジン(「2’-OMe-NE-C」と呼ばれる)、5-(N-1-ナフチル-2-エチルカルボキサミド)-2’-フルオロシチジン(「2’-F-NE-C」と呼ばれる)、5-(N-2-ナフチル-2-エチルカルボキサミド)-2’-デオキシシチジン(「2NEdC」と呼ばれる)、5-(N-2-ナフチル-2-エチルカルボキサミド)-2’-O-メチルシチジン(「2’-OMe-2NE-C」と呼ばれる)、5-(N-2-ナフチル-2-エチルカルボキサミド)-2’-フルオロシチジン(「2’-F-2NE-C」と呼ばれる)、5-(N-チロシルカルボキサミド)-2’-デオキシシチジン(「TyrdC」と呼ばれる)、5-(N-チロシルカルボキサミド)-2’-O-メチルシチジン(「2’-OMe-Tyr-C」と呼ばれる)、及び5-(N-チロシルカルボキサミド)-2’-フルオロシチジン(「2’-F-Tyr-C」と呼ばれる)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、C5修飾シチジン、例えば、それらの三リン酸形態にあるものは、ポリメラーゼ(例えば、KOD DNAポリメラーゼ)によってオリゴヌクレオチド中に取り込まれることができる。
【0098】
本明細書に記載されるC-5修飾シチジンの化学修飾を、2’-位糖修飾(例えば、2’-O-メチルまたは2’-フルオロ)、環外アミンにおける修飾、及び4-チオシチジンの置換等と、単独または任意の組み合わせで組み合わせることもできる。
【0099】
本明細書で使用される場合、用語「C-5修飾ウリジン」または「5位修飾ウリジン」とは、例えば、図2及び図3に示すような、ウリジンのC-5位に修飾を有するウリジンを指す。いくつかの実施形態では、C5修飾ウリジン、例えば、それらの三リン酸形態にあるものは、ポリメラーゼ(例えば、KOD DNAポリメラーゼ)によってオリゴヌクレオチド中に取り込まれることができる。非限定的な例示的5位修飾ウリジンには、図3に示すものが含まれる。非限定的な例示的5位修飾ウリジンとしては、
5-[N-(4-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン(PBndU)、
5-[N-(4-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-PBn-U)、
5-[N-(4-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-フルオロウリジン(2’-F-PBn-U)、
5-[N-(4-フェノキシベンジル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン(POPdU)、
5-[N-(4-フェノキシベンジル)カルボキサミド]-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-POP-U)、
5-[N-(4-フェノキシベンジル)カルボキサミド]-2’-フルオロウリジン(2’-F-POP-U)、
5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン(DPPdU)、
5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-DPP-U)、
5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-フルオロウリジン(2’-F-DPP-U)、
5-{N-[(1,1’-ビフェニル)-4-イル)エチル]カルボキシアミド}-2’-デオキシウリジン(BPEdU)、
5-{N-[(1,1’-ビフェニル)-4-イル)エチル]カルボキシアミド}-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-BPE-U)、
5-{N-[(1,1’-ビフェニル)-4-イル)エチル]カルボキシアミド}-2’-フルオロウリジン(2’-F-BPE-U)、
5-[N-(3-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン(DBMdU)、
5-[N-(3-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-DBM-U)、
5-[N-(3-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-フルオロウリジン(2’-F-DBM-U)、
5-[N-(3,3-ジフェニルメチル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン(BHdU)、
5-[N-(3,3-ジフェニルメチル)カルボキサミド]-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-BH-U)、
5-[N-(3,3-ジフェニルメチル)カルボキサミド]-2’-フルオロウリジン(2’-F-BH-U)が挙げられるが、これらに限定されない。
さらに含まれ得る非限定的な例示的5位修飾ウリジンには、図5に示すものが含まれる。
【0100】
さらに含まれ得る非限定的な例示的5位修飾ウリジンとしては、5-(N-ベンジルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(BndU)、5-(N-ベンジルカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-Bn-U)、5-(N-ベンジルカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-Bn-U)、5-(N-フェネチルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(PEdU)、5-(N-フェネチルカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-PE-U)、5-(N-フェネチルカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-PE-U)、5-(N-チオフェニルメチルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(ThdU)、5-(N-チオフェニルメチルカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-Th-U)、5-(N-チオフェニルメチルカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-Th-U)、5-(N-イソブチルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(iBudU)、5-(N-イソブチルカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-iBu-U)、5-(N-イソブチルカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-iBu-U)、5-(N-チロシルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(TyrdU)、5-(N-チロシルカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-Tyr-U)、5-(N-チロシルカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-Tyr-U)、5-(N-3,4-メチレンジオキシベンジルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(MBndU)、5-(N-3,4-メチレンジオキシベンジルカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-MBn-U)、5-(N-3,4-メチレンジオキシベンジルカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-MBn-U)、5-(N-4-フルオロベンジルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(FBndU)、5-(N-4-フルオロベンジルカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-FBn-U)、5-(N-4-フルオロベンジルカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-FBn-U)、5-(N-3-フェニルプロピルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(PPdU)、5-(N-3-フェニルプロピルカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-PP-U)、5-(N-3-フェニルプロピルカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-PP-U)、5-(N-イミジゾリルエチルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(ImdU)、5-(N-イミジゾリルエチルカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-Im-U)、5-(N-イミジゾリルエチルカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-Im-U)、5-(N-トリプタミノカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(TrpdU)、5-(N-トリプタミノカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-Trp-U)、5-(N-トリプタミノカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-Trp-U)、5-(N-R-トレオニニルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(ThrdU)、5-(N-R-トレオニニルカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-Thr-U)、5-(N-R-トレオニニルカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-Thr-U)、5-(N-[1-(3-トリメチルアンモニウム)プロピル]カルボキサミド)-2’-デオキシウリジンクロリド、5-(N-[1-(3-トリメチルアンモニウム)プロピル]カルボキサミド)-2’-O-メチルウリジンクロリド、5-(N-[1-(3-トリメチルアンモニウム)プロピル]カルボキサミド)-2’-フルオロウリジンクロリド、5-(N-ナフチルメチルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(NapdU)、5-(N-ナフチルメチルカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-Nap-U)、5-(N-ナフチルメチルカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-Nap-U)、5-(N-[1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)]カルボキサミド)-2’-デオキシウリジン)、5-(N-[1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)]カルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン)、5-(N-[1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)]カルボキサミド)-2’-フルオロウリジン)、5-(N-2-ナフチルメチルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(2NapdU)、5-(N-2-ナフチルメチルカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-2Nap-U)、5-(N-2-ナフチルメチルカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-2Nap-U)、5-(N-1-ナフチルエチルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(NEdU)、5-(N-1-ナフチルエチルカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-NE-U)、5-(N-1-ナフチルエチルカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-NE-U)、5-(N-2-ナフチルエチルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(2NEdU)、5-(N-2-ナフチルエチルカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-2NE-U)、5-(N-2-ナフチルエチルカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-2NE-U)、5-(N-3-ベンゾフラニルエチルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(BFdU)、5-(N-3-ベンゾフラニルエチルカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-BF-U)、5-(N-3-ベンゾフラニルエチルカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-BF-U)、5-(N-3-ベンゾチオフェニルエチルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン(BTdU)、5-(N-3-ベンゾチオフェニルエチルカルボキサミド)-2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-BT-U)、5-(N-3-ベンゾチオフェニルエチルカルボキサミド)-2’-フルオロウリジン(2’-F-BT-U)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
本明細書で使用される場合、「修飾する」、「修飾された」、「修飾」という用語、及びその任意の変化形は、オリゴヌクレオチドに関して使用される場合、オリゴヌクレオチドの4つの構成ヌクレオチド塩基(すなわち、A、G、T/U、及びC)のうち少なくとも1つが、天然に存在するヌクレオチドの類似体またはエステルであることを意味する。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドにヌクレアーゼ耐性を付与する。追加の修飾としては、骨格修飾、メチル化、稀な塩基対合の組み合わせ、例えば、イソ塩基のイソシチジンとイソグアニジン等を挙げることができる。修飾として、キャッピング等の3’及び5’の修飾も含めることができる。他の修飾としては、天然に存在するヌクレオチドのうちの1つ以上と類似体との置換、ヌクレオチド間修飾、例えば、非荷電結合(例えば、メチルホスホナート、ホスホトリエステル、ホスホアミダート、カルバマート等)を用いるもの、荷電結合(例えば、ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート等)を用いるもの、インターカレーター(例えば、アクリジン、プソラレン等)を用いるもの、キレート剤(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化性金属等)を含有するもの、アルキル化剤を含有するもの、及び修飾結合(例えば、アルファアノマー型核酸等)を用いるもの等を挙げることができる。さらに、通常はヌクレオチドの糖上に存在するヒドロキシル基のいずれかが、ホスホナート基もしくはリン酸基で置き換えられる場合もあれば、標準的な保護基で保護される場合、または追加のヌクレオチドもしくは追加の固体支持体への追加の結合を調製するために活性化される場合もある。5’及び3’末端のOH基は、リン酸化され得るか、またはアミン、約1~約20個の炭素原子の有機キャッピング基部分、いくつかの実施形態では約10~約80kDaの範囲のポリエチレングリコール(PEG)ポリマー、別の実施形態では約20~約60kDaの範囲のPEGポリマー、または他の親水性もしくは疎水性の生体高分子もしくは合成ポリマーで置換され得る。
【0102】
本明細書で使用される場合、「核酸」、「オリゴヌクレオチド」、及び「ポリヌクレオチド」は同じ意味で使用されてヌクレオチドのポリマーを指し、それらには、DNA、RNA、DNA/RNAハイブリッド、ならびにこれらの種類の核酸、オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドの修飾が含まれ、ヌクレオチド単位に対する任意の位置における様々な実体または部分の結合が含まれる。「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、及び「核酸」という用語には、二本鎖または一本鎖の分子及び三重らせん分子が含まれる。核酸、オリゴヌクレオチド、及びポリヌクレオチドは、アプタマーという用語より上位の用語であり、したがって、核酸、オリゴヌクレオチド、及びポリヌクレオチドという用語には、アプタマーであるヌクレオチドのポリマーが含まれるが、核酸、オリゴヌクレオチド、及びポリヌクレオチドという用語は、アプタマーに限定されるものではない。
【0103】
ポリヌクレオチドは、一般に当該技術分野で公知のリボース糖またはデオキシリボース糖の類似形態を含有することもでき、それらには、2’-O-メチル、2’-O-アリル、2’-O-エチル、2’-O-プロピル、2’-O-CHCHOCH、2’-フルオロ、2’-NHまたは2’-アジド、炭素環状糖類似体、α-アノマー型糖、エピマー型糖(アラビノース、キシロースまたはリキソース等)、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式類似体及び脱塩基ヌクレオシド類似体(メチルリボシド等)が含まれる。本明細書に記載されるように、1つ以上のホスホジエステル結合を代替的連結基に置き換えてよい。これらの代替的連結基としては、リン酸塩がP(O)S(「チオアート」)、P(S)S(「ジチオアート」)、(O)NR (「アミダート」)、P(O)R、P(O)OR’、COまたはCH(「ホルムアセタール」)に置き換えられる実施形態が挙げられ、式中、各RまたはR’は、独立して、Hであるか、または置換もしくは非置換の、エーテル(-O-)結合を任意選択で含有するアルキル(C1-C20)、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルもしくはアラルジルである。ポリヌクレオチド内のすべての結合が同一である必要はない。糖、プリン、及びピリミジンの類似形態の置換は、例えば、ポリアミド骨格のような代替的骨格構造が有利であり得るように、最終生成物を設計する際に有利になり得る。
【0104】
ポリヌクレオチドは、炭素環状糖類似体、α-アノマー型糖、エピマー型糖(アラビノース、キシロースまたはリキソース等)、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式類似体及び脱塩基ヌクレオシド類似体(メチルリボシド等)の類似形態を含有することもできる。
【0105】
存在する場合、ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリマーの会合の前でも後でも付与され得る。ヌクレオチドの配列には、非ヌクレオチド成分を割り込ませることができる。ポリヌクレオチドは、重合後に、例えば、標識成分とのコンジュゲーション等により、さらに修飾することができる。
【0106】
本明細書で使用される場合、核酸の修飾に言及する場合の「少なくとも1つのヌクレオチド」という用語とは、核酸中の1つ、いくつかまたはすべてのヌクレオチドを指し、核酸中のA、C、T、GまたはUのいずれかもしくはすべての、いずれかまたはすべての出現が、修飾される場合もあれば修飾されない場合もあることを示している。
【0107】
本明細書で使用される場合、「核酸リガンド」、「アプタマー」、「SOMAmer」、及び「クローン」は同じ意味で使用され、標的分子に対して望ましい作用を有する天然には存在しない核酸を指す。望ましい作用としては、標的の結合、標的を触媒的に変化させること、標的または標的の機能活性を修飾するかもしくは変化させる様式で標的と反応すること、(自殺阻害剤の場合のように)標的に共有結合で結合すること、及び標的と別の分子間の反応を促進することが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、作用は、標的分子に対する特異的結合親和性であり、そのような標的分子は、ワトソン/クリック型塩基対合または三重らせん形成とは無関係な機構を介してアプタマーに結合するポリヌクレオチド以外の三次元化学構造であり、アプタマーは、標的分子が結合するという既知の生理学的機能を有する核酸ではない。所与の標的に対するアプタマーには、核酸の候補混合物から同定される核酸が含まれ、その場合、アプタマーは標的のリガンドであり、手段とする方法は、(a)候補混合物を標的と接触させることであって、候補混合物中の他の核酸と比べて標的に対する親和性が高い核酸を、候補混合物の残部から分配することができる、接触させること、(b)親和性の高い核酸を候補混合物の残部から分配すること、及び(c)リガンドに富む核酸混合物が得られるよう親和性の高い核酸を増幅させることであって、それにより、標的分子のアプタマーが同定される、増幅させること、を含む。親和性相互作用は程度の問題であることが認識されるが、この文脈においては、あるアプタマーの、その標的に対する「特異的結合親和性」とは、アプタマーがその標的に、混合物または試料中の他の非標的成分に結合する場合の親和性の程度よりもはるかに高い程度で結合することを意味する。「アプタマー」、「SOMAmer」、または「核酸リガンド」は、特定のヌクレオチド配列を有する核酸分子の1つの種類または種のコピーのセットである。アプタマーには、任意の好適な数のヌクレオチドを含めることができる。「アプタマー」とは、複数のそのような分子セットを指す。異なるアプタマーは、同数のヌクレオチドを有することも、異なる数のヌクレオチドを有することもできる。アプタマーはDNAであってもRNAであってもよく、一本鎖、二本鎖である場合もあれば、二本鎖または三本鎖領域を含有する場合もある。いくつかの実施形態では、アプタマーは、本明細書に記載されるかまたは当該技術分野で公知のSELEX法を使用して調製される。
【0108】
本明細書で使用される場合、「SOMAmer」またはSlow Off-Rate Modified Aptamer(低解離速度の修飾アプタマー)とは、解離速度特性が改善されたアプタマーを指す。SOMAmerは、“Method for Generating Aptamers with Improved Off-Rates”と題された米国特許第7,947,447号に記載の改良SELEX方法を使用して作製され得る。
【0109】
本明細書で使用される場合、2つの異なる種類の5位修飾ピリミジンまたはC-5修飾ピリミジンを含むアプタマーは、「二重修飾アプタマー」、「2つの修飾塩基」を有するアプタマー、「2塩基修飾」または「修飾された2塩基」を有するアプタマー、「二修飾塩基」を有するアプタマーと呼ばれる場合があり、それらのいずれも同じ意味で使用され得る。アプタマーのライブラリーまたはアプタマーライブラリーもまた、同じ用語が使用され得る。したがって、いくつかの実施形態では、アプタマーは、2つの異なる5位修飾ピリミジンを含み、それらは、BPEdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BPE-U)及びBPEdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BPE-C)、BPEdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BPE-U)及びPBndC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-PBn-C)、BPEdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BPE-U)及びPOPdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-POP-C)、BPEdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BPE-U)及びDPPdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DPP-C)、BPEdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BPE-U)及びDBMdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DBM-C)、BPEdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BPE-U)及びBHdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BH-C)、PBndU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-PBn-U)及びBPEdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BPE-C)、PBndU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-PBn-U)及びPBndC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-PBn-C)、PBndU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-PBn-U)及びPOPdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-POP-C)、PBndU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-PBn-U)及びDPPdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DPP-C)、POPdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-POP-U)及びBPEdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BPE-C)、POPdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-POP-U)及びPBndC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-PBn-C)、POPdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-POP-U)及びPOPdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-POP-C)、POPdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-POP-U)及びDPPdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DPP-C)、DPPdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DPP-U)及びBPEdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BPE-C)、DPPdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DPP-U)及びPBndC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-PBn-C)、DPPdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DPP-U)及びPOPdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-POP-C)、DPPdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DPP-U)及びDPPdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DPP-C)、DBMdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DBM-U)及びBPEdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BPE-C)、DBMdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DBM-U)及びPBndC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-PBn-C)、DBMdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DBM-U)及びPOPdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-POP-C)、DBMdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DBM-U)及びDPPdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DPP-C)、DBMdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DBM-U)及びDBMdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DBM-C)、DBMdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DBM-U)及びBHdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BH-C)、BHdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BH-U)及びBPEdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BPE-C)、BHdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BH-U)及びPBndC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-PBn-C)、BHdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BH-U)及びPOPdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-POP-C)、BHdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BH-U)及びDPPdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DPP-C)、BHdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BH-U)及びDBMdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DBM-C)、BHdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BH-U)及びBHdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BH-C)から選択される。いくつかの実施形態では、アプタマーは、2つの異なる5位修飾ピリミジンを含み、第1の5位修飾ピリミジンは、BPEdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BPE-U)、PBndU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-PBn-U)、POPdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-POP-U)、DPPdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DPP-U)、BPEdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-BPE-C)、PBndC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-PBn-C)、POPdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-POP-C)、DPPdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-DPP-C)から選択され、第2の5位修飾ピリミジンは異なる5位修飾ピリミジンであり、これは、NapdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-Nap-C)、NapdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-Nap-U)、PPdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-PP-U)、MOEdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-MOE-U)、TyrdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-Tyr-U)、ThrdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-Thr-U)、PPdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-PP-C)、2NapdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-2Nap-U)、TrpdU(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-Trp-U)、2NapdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-2Nap-C)、TyrdC(またはその2’-修飾型、例えば、2’-OMe-Tyr-C)から選択される。いくつかの実施形態では、アプタマーは、少なくとも1つの第1の修飾ウリジン及び/またはチミジン、または少なくとも1つの第1の修飾シチジンを含み、少なくとも1つの第1の修飾ウリジン及び/またはチミジン、または少なくとも1つの第1の修飾シチジンは、5位において、互いに共有結合で結合している2つのフェニル基を含む部分で修飾されている。いくつかの実施形態では、アプタマーは、少なくとも1つの第2の修飾ウリジン及び/またはチミジン、及び少なくとも1つの第2の修飾シチジンを含み、少なくとも1つの第2の修飾ウリジン及び/またはチミジンは、5位において、ナフチル部分、ベンジル部分、フルオロベンジル部分、チロシル部分、インドール部分、モルホリノ部分、イソブチル部分、3,4-メチレンジオキシベンジル部分、ベンゾチオフェニル部分、及びベンゾフラニル部分から選択される部分で修飾されており、少なくとも1つの第2の修飾シチジンは、5位において、ナフチル部分、チロシル部分、及びベンジル部分から選択される部分で修飾されている。ある特定の実施形態では、部分は、アミドリンカー、カルボニルリンカー、エステルリンカー、尿素リンカー、カルバマートリンカー、グアニジンリンカー、アミジンリンカー、スルホキシドリンカー、及びスルホンリンカーから選択される基を含むリンカーを介して塩基の5位に共有結合で連結されている。
【0110】
本明細書で使用される場合、単一の種類の5位修飾ピリミジンまたはC-5修飾ピリミジンを含むアプタマーは、「単一修飾アプタマー」、「単一修飾塩基」を有するアプタマー、「単一塩基修飾」または「単一塩基の修飾」を有するアプタマーと呼ばれる場合があり、それらのいずれも同じ意味で使用され得る。アプタマーのライブラリーまたはアプタマーライブラリーもまた、同じ用語が使用され得る。本明細書で使用される場合、「タンパク質」は、「ペプチド」、「ポリペプチド」、または「ペプチド断片」と同義で使用される。「精製された」ポリペプチド、タンパク質、ペプチド、またはペプチド断片は、アミノ酸配列を取得する元となる細胞、組織、もしくは無細胞材料からの細胞物質もしくは他の汚染タンパク質を実質的に含まないか、または化学合成される場合は化学的前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。
【0111】
ある特定の実施形態では、アプタマーのウラシルの少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%が5位において修飾されている。ある特定の実施形態では、アプタマーのシトシンの少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%が5位において修飾されている。
【0112】
修飾ヌクレオチド
ある特定の実施形態では、本開示は、5位修飾ピリミジンを含む、アプタマー等のオリゴヌクレオチドを提供する。
【0113】
いくつかの実施形態では、本開示は、5位修飾ピリミジンヌクレオシドを含む化合物、またはそれらの塩を提供し、5位修飾ピリミジンが、第1のリンカーによって互いに共有結合で結合している2つのフェニル基を含む部分で置換されており、かかる部分が、第2のリンカーによってピリミジンの5位に共有結合で連結されている。
【0114】
いくつかの実施形態では、第1のリンカーは、炭素及び酸素から選択される少なくとも1個の原子を含むかまたは結合である。
【0115】
いくつかの実施形態では、5位修飾ピリミジンは、フェニルベンジル部分、フェノキシベンジル部分、及びジフェニルメチル部分から選択される部分を5位に含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、第2のリンカーは、アミドリンカー、カルボニルリンカー、プロピニルリンカー、アルキンリンカー、エステルリンカー、尿素リンカー、カルバマートリンカー、グアニジンリンカー、アミジンリンカー、スルホキシドリンカー、及びスルホンリンカーから選択される基を含む。いくつかの実施形態では、第2のリンカーはアミドリンカーを含む。いくつかの実施形態では、アミドリンカーはさらに、1個以上の炭素原子または1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個の炭素原子を含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、化合物は5位修飾ウリジンを含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、化合物は5位修飾シチジンを含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、本開示は、式IAまたは式IB:
【化11】
の構造、またはこれらのうちのいずれかの塩、を含むオリゴヌクレオチドを提供する。
【0120】
いくつかの実施形態では、各Lは、独立して-(CH-であり、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
【0121】
いくつかの実施形態では、各Rは、独立して、
【化12】
からなる群から選択され、式中、*は、L基へのR基の結合点を示す。
【0122】
いくつかの実施形態では、各Xは、独立して、-H、-OH、-OMe、-O-アリル、-O-エチル、-O-プロピル、-OCHCHOCH、-フルオロ、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、-NH、及び-アジドからなる群から選択される。
【0123】
いくつかの実施形態では、各Rは、独立して、-OH;-アセチル;-OBz;-OP(N(CHCH)(OCHCHCN)、-OP(N(R)(OCHCHCN)[式中、各Rは、独立して(C1-6)アルキルである];tert-ブチルジメチルシリルオキシ;-O-ss;-OR;-SR;-ZP(Z’)(Z’’)-O-R[式中、ssは固体支持体であり、Z、Z’、及びZ’’はそれぞれ独立してO及びSから選択され、Rは隣接ヌクレオチドである]からなる群から選択される。
【0124】
いくつかの実施形態では、各Rは、独立して-OH、-O-トリチル、-O-4,4’-ジメトキシトリチル、-O-三リン酸、-OR、-SR、-NH、-NHR、及び-Z-P(Z’)(Z’’)O-R、[式中、Z、Z’、及びZ’’はそれぞれ独立してO及びSから選択され、Rは隣接ヌクレオチドである]からなる群から選択される。
【0125】
いくつかの実施形態では、nは、1、2、または3である。
【0126】
いくつかの実施形態では、Xは-Hまたは-OMeである。
【0127】
いくつかの実施形態では、各Rは、独立して、
【化13】
からなる群から選択される。
【0128】
いくつかの実施形態では、5位修飾ピリミジンは、BPEdU、2’-OMe-BPE-U、2’-F-BPE-U、PBndU、2’-OMe-PBn-U、2’-F-PBn-U、POPdU、2’-OMe-POP-U、2’-F-POP-U、DPPdU、2’-OMe-DPP-U、2’-F-DPP-U、DBMdU、2’-OMe-DBM-U、2’-F-DBM-U、BHdU、2’-OMe-BH-U、2’-F-BH-U、BPEdC、2’-OMe-BPE-C、2’-F-BPE-C、PBndC、2’-OMe-PBn-C、2’-F-PBn-C、POPdC、2’-OMe-POP-C、2’-F-POP-C、DPPdC、2’-OMe-DPP-C、2’-F-DPP-C、DBMdC、2’-OMe-DBM-C、2’-F-DBM-C、BHdC、2’-OMe-BH-C、及び2’-F-BH-Cから選択される。
【0129】
いくつかの実施形態では、本開示は、式IIAまたは式IIB:
【化14】
の構造、またはこれらのうちのいずれかの塩、を含む化合物を提供する。
【0130】
いくつかの実施形態では、各Lは、独立して-(CH-であり、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
いくつかの実施形態では、各Rは、独立して、
【化15】
からなる群から選択され、式中、*は、L基へのR基の結合点を示す。
【0131】
いくつかの実施形態では、各Xは、独立して、-H、-OH、-OMe、-O-アリル、-O-エチル、-O-プロピル、-OCHCHOCH、-フルオロ、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、-NH、及び-アジドからなる群から選択される。
【0132】
いくつかの実施形態では、nは、1、2、または3である。
【0133】
いくつかの実施形態では、Xは-Hまたは-OMeである。
【0134】
いくつかの実施形態では、各Rは、独立して、
【化16】
からなる群から選択される。
【0135】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、図3または図4に示すような少なくとも1つの修飾ピリミジンを含み、式中、各Xは、独立して、-H、-OH、-OMe、-O-アリル、-F、-OEt、-OPr、-OCHCHOCH、NH及び-アジドから選択される。
【0136】
いくつかの実施形態では、本開示は、
【化17-1】
【化17-2】
またはこれらのうちのいずれか1つの塩から選択される化合物を提供する。
【0137】
いくつかの実施形態では、各Xは、独立して-H、-OH、-O-メチル、-O-アリル、-O-エチル、-O-プロピル、-OCHCHOCH、-フルオロ、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、-NH、及び-アジドからなる群から選択される。
【0138】
いくつかの実施形態では、Xは-Hまたは-OMeである。
【0139】
いくつかの実施形態では、式III、式IV、または式V:
【化18】
の構造、またはこれらのうちのいずれか1つの塩、を含む化合物が提供される。
【0140】
いくつかの実施形態では、各Lは、独立して-(CH-であり、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
【0141】
いくつかの実施形態では、各Rは、独立して、
【化19】
からなる群から選択され、式中、*は、L基へのR基の結合点を示す。
【0142】
いくつかの実施形態では、各Xは、独立して、-H、-OH、-OMe、-O-アリル、-O-エチル、-O-プロピル、-OCHCHOCH、-フルオロ、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、-NH、及び-アジドからなる群から選択される。
【0143】
いくつかの実施形態では、nは、1、2、または3である。
【0144】
いくつかの実施形態では、Xは-Hまたは-OMeである。
【0145】
いくつかの実施形態では、各Rは、独立して、
【化20】
からなる群から選択される。
【0146】
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、オリゴヌクレオチドはアプタマーであり得る。そのようないくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、標的ポリペプチドと特異的に結合するアプタマーである。
【0147】
オリゴヌクレオチドの調製
オリゴデオキシヌクレオシドの自動合成は、多くの研究機関で日常的に実施されている(例えば、その内容が、参照により全体が本明細書により組み込まれるMatteucci,M.D.and Caruthers,M.H.,(1990)J.Am.Chem.Soc.,103:3185-3191を参照のこと)。オリゴリボヌクレオシドの合成もまた周知である(例えば、その内容が、参照により全体が本明細書により組み込まれるScaringe,S.A.,et al.,(1990)Nucleic Acids Res.18:5433-5441を参照のこと)。本明細書に記載されるように、ホスホロアミダイトは、化学合成によるオリゴヌクレオチドへの修飾ヌクレオシドの組み込みに有用であり、三リン酸は、酵素的合成によるオリゴヌクレオチドへの修飾ヌクレオシドの組み込みに有用である。(例えば、各々が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるVaught,J.D.et al.(2004)J.Am.Chem.Soc.,126:11231-11237、Vaught,J.V.,et al.(2010)J.Am.Chem.Soc.132,4141-4151、Gait,M.J.“Oligonucleotide Synthesis a practical approach”(1984)IRL Press(Oxford,UK)、Herdewijn,P.“Oligonucleotide Synthesis”(2005)(Humana Press,Totowa,N.J.)を参照のこと)。
【0148】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、市販の合成装置を使用する自動化法を含め、標準的ホスホロアミダイトオリゴヌクレオチド合成法で使用され得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド合成における本明細書で提供される化合物の使用により、所望のオリゴヌクレオチド生成物の収率が改善する。
【0150】
SELEX方法
「SELEX」及び「SELEX法」という用語は本明細書では同じ意味で使用され、一般に、(1)望ましい様態で標的分子と相互作用する、例えば、タンパク質に高い親和性で結合する核酸の選択と、(2)それらの選択された核酸の増幅と、の組み合わせを指す。SELEX法は、特定の標的分子またはバイオマーカーに対する親和性が高いアプタマーを同定するために使用され得る。
【0151】
SELEXには一般に、核酸の候補混合物を調製すること、所望の標的分子に候補混合物を結合させて親和性複合体を形成させること、親和性複合体を未結合候補核酸から分離すること、核酸を親和性複合体から分離及び単離すること、核酸を精製すること、及び特異的アプタマー配列を同定すること、が含まれる。この方法には、選択されたアプタマーの親和性をさらに高めるために複数のラウンドが含まれ得る。方法には、その工程の1つ以上のポイントにおいて増幅ステップを含めることができる。例えば、“Nucleic Acid Ligands”と題された米国特許第5,475,096号を参照のこと。SELEX法は、自身の標的に共有結合で結合するアプタマー及び自身の標的に非共有結合で結合するアプタマーを作製するために使用され得る。例えば、米国特許第5,705,337号と題された“Systematic Evolution of Nucleic Acid Ligands by Exponential Enrichment:Chemi-SELEX”を参照のこと。
【0152】
SELEX法は、例えば、改善されたインビボ安定性または改善された送達特性等の改善された特性をアプタマーに付与する修飾ヌクレオチドを含有する高親和性アプタマーを同定するために使用され得る。そのような修飾の例には、リボース及び/またはリン酸塩及び/または塩基の位置での化学的置換が含まれる。SELEX法で同定された、修飾ヌクレオチドを含有するアプタマーは、“High Affinity Nucleic Acid Ligands Containing Modified Nucleotides”と題された米国特許第5,660,985号に記載されており、それには、ピリミジンの5’位及び2’位にて化学的に修飾されているヌクレオチド誘導体を含有するオリゴヌクレオチドが記載されている。米国特許第5,580,737号には、2’-アミノ(2’-NH)、2’-フルオロ(2’-F)、及び/または2’-O-メチル(2’-OMe)で修飾された1つ以上のヌクレオチドを含有する、高度に特異的なアプタマーが記載されている。物理的特性及び化学的特性が拡張された核酸ライブラリー、ならびにSELEX及びフォトSELEXにおけるそれらの使用を記載している“SELEX and PHOTOSELEX”と題された米国特許出願公開第20090098549号も参照のこと。
【0153】
SELEXはまた、望ましい解離速度特性を有するアプタマーを同定するためにも使用され得る。標的分子に結合することができるアプタマーを作製するための改良SELEX方法が記載された、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる“Method for Generating Aptamers with Improved Off-Rates”と題された米国特許第7,947,447号を参照のこと。各自の標的分子からの解離がより遅いアプタマー及びフォトアプタマーを生産するための方法が記載されている。この方法は、候補混合物を標的分子と接触させること、核酸-標的複合体の形成を生じさせること、及び低解離速度濃縮工程を実施することであって、工程において解離速度が速い核酸-標的複合体は解離して再形成しないが、解離速度が遅い複合体は完全な状態で残る、実施すること、を伴う。さらに、方法には、解離速度性能が改善されたアプタマーを作製するための、候補核酸混合物の生産における修飾ヌクレオチドの使用が含まれる(“SELEX and PhotoSELEX”と題された米国特許第8,409,795号を参照のこと)。(米国特許第7,855,054号及び米国特許公開第20070166740号も参照のこと)。これらの出願の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0154】
「標的」または「標的分子」または「標的」とは、本明細書では、核酸が、それに対して望ましい様態で作用することができる任意の化合物を指す。標的分子は、非限定的に、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、脂質、多糖、糖タンパク質、ホルモン、受容体、抗原、抗体、ウイルス、病原体、有害物質、基質、代謝物、遷移状態類似体、補因子、阻害剤、薬物、色素、栄養素、増殖因子、細胞、組織、前述のうちのいずれかの任意の部分または断片等であり得る。事実上、いかなる化学的または生物学的エフェクターも好適な標的であり得る。どの大きさの分子でも標的となり得る。標的はまた、標的と核酸の間の相互作用の可能性または強度を高めるために、特定の方法で修飾され得る。標的にはまた、特定の化合物または分子の任意の軽微な変形、例えば、タンパク質の場合は、例えば、アミノ酸配列の軽微な変形、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質付加、アセチル化、リン酸化、または他の任意の操作もしくは修飾、例えば、その分子の同一性を実質的に変化させることのない、標識成分とのコンジュゲーションも含まれ得る。「標的分子」または「標的」は、アプタマーに対する結合能のある分子または多分子構造の、1つの種類または種のコピーセットである。「標的分子」または「標的」とは、複数のそのような分子セットを指す。標的がペプチドであるSELEX法の実施形態は、“Modified SELEX Processes Without Purified Protein”と題された米国特許第6,376,190号に記載されている。いくつかの実施形態では、標的はタンパク質である。
【0155】
本明細書で使用される場合、「競合分子」及び「競合物質」は同じ意味で使用され、非標的分子と非特異的複合体を形成することができる任意の分子を指す。これに関連して、非標的分子には遊離アプタマーが含まれ、その場合、例えば、競合物質は、アプタマーが別の非標的分子に非特異的に結合(再結合)するのを阻害するために使用され得る。「競合分子」または「競合物質」は、分子の1つの種類または種のコピーセットである。「競合分子」または「競合物質」とは、複数のそのような分子セットを指す。競合分子としては、オリゴヌクレオチド、ポリアニオン(例えば、ヘパリン、ニシン精子DNA、サケ精子DNA、tRNA、デキストラン硫酸、ポリデキストラン、脱塩基ホスホジエステルポリマー、dNTP、及びピロリン酸塩)が挙げられるが、これらに限定されない。様々な実施形態において、1つ以上の競合物質の組み合わせを使用することができる。
【0156】
本明細書で使用される場合、「非特異的複合体」とは、アプタマー以外の2つ以上の分子とアプタマーの標的分子との非共有結合での会合を指す。非特異的複合体は、分子クラス間の相互作用を表す。非特異的複合体には、アプタマーと非標的分子の間、競合物質と非標的分子の間、競合物質と標的分子の間、及び標的分子と非標的分子の間で形成される複合体が含まれる。
【0157】
本明細書で使用される場合、用語「低解離速度濃縮工程」とは、解離速度がより速く、かつ望ましくないアプタマー親和性複合体の濃度と比べて、解離速度の遅いアプタマー親和性複合体の相対濃度が高くなるよう、候補混合物のある特定の構成成分の相対濃度を変化させる工程を指す。いくつかの実施形態では、低解離速度濃縮工程は、溶液を用いる低解離速度濃縮工程である。したがって、溶液を用いる低解離速度濃縮工程は溶液中で行われ、低解離速度濃縮工程の際、標的も、混合物中でアプタマー親和性複合体を形成する核酸も、固体支持体上には固定化されない。様々な実施形態では、低解離速度(slow-off rate)濃縮工程には、競合分子の添加及びそれとのインキュベーション、混合物の希釈、またはこれらの組み合わせ(例えば、競合分子存在下での混合物の希釈)等の、1つ以上のステップを含めることができる。低解離速度濃縮工程の効果は一般に、異なるアプタマー親和性複合体(すなわち、標的分子と候補混合物中の異なる核酸との間で形成されるアプタマー親和性複合体)の解離速度が異なることに依存するため、低解離速度濃縮工程の持続時間は、解離速度の速いアプタマー親和性複合体の数を実質的に減少させながら、解離速度の遅いアプタマー親和性複合体が高い割合で保持されるよう選択される。低解離速度濃縮工程は、SELEX法の間に1回以上のサイクルで使用され得る。競合物質の希釈及び添加を組み合わせて使用する場合、それらを同時に実施しても、または任意の順序で連続して実施してもよい。混合物中の総標的(タンパク質)濃度が低い場合に低解離速度(slow-off rate)濃縮工程を使用することができる。いくつかの実施形態では、低解離速度濃縮工程に希釈が含まれる場合、アプタマー保持核酸がSELEX法の後続ラウンド用に回収されることを念頭に置いて、混合物を実用的な程度に希釈することができる。いくつかの実施形態では、低解離速度濃縮工程には、競合物質及び希釈の使用が含まれ、混合物を、競合物質の使用がない場合に必要であり得るよりも少なく希釈することを可能にする。
【0158】
いくつかの実施形態では、低解離速度濃縮工程には、競合物質の添加が含まれ、かかる競合物質は、ポリアニオン(例えば、ヘパリンまたはデキストラン硫酸(デキストラン))である。ヘパリンまたはデキストランは、従来のSELEX選択において特定のアプタマーの同定に使用されている。ただし、そのような方法では、標的とアプタマーが結合して複合体を形成する平衡化ステップの際にヘパリンまたはデキストランが存在する。そのような方法では、ヘパリンまたはデキストランの濃度が高くなるにつれ、高親和性標的/アプタマー複合体と低親和性標的/アプタマー複合体の比が高くなる。しかしながら、高濃度のヘパリンまたはデキストランは、核酸と競合物質との間で標的結合について競合するため、平衡時の高親和性標的/アプタマー複合体の数が減少し得る。対照的に、いくつかの実施形態では、本方法は、標的/アプタマー複合体を形成させた後で競合物質を添加するため、形成される複合体の数に影響を与えることはない。標的とアプタマーの間で平衡結合が起こった後での競合物質の添加により非平衡状態が生じ、これは、少ない標的/アプタマー複合体を含む新たな平衡へと経時的に進行する。新たな平衡に達する前に標的/アプタマー複合体を捕捉することで、解離速度の速い複合体は最初に解離するので解離速度の遅いアプタマーが試料に濃縮される。
【0159】
他の実施形態では、ポリアニオンの存在に難分解性であるアプタマーの同定を容易にするために、ポリアニオン性競合物質(例えば、デキストラン硫酸または別のポリアニオン性材料)が低解離速度濃縮工程で使用される。これに関連して、「ポリアニオン性難分解性アプタマー」は、非ポリアニオン性難分解性アプタマーが含まれるアプタマー/標的複合体よりも、ポリアニオン性難分解性材料も含有する溶液中で解離する可能性が低いアプタマー/標的複合体の形成能があるアプタマーである。このような方法で、試料中の標的の存在または量または濃度を検出するための分析方法の実施にポリアニオン性難分解性アプタマーを使用することができ、その場合、検出方法には、アプタマーが難分解性を示すポリアニオン性材料(例えば、デキストラン硫酸)の使用が含まれている。
【0160】
したがって、いくつかの実施形態では、ポリアニオン性難分解性アプタマーを生産する方法が提供される。核酸の候補混合物を標的と接触させた後、標的と候補混合物中の核酸を平衡状態にさせる。ポリアニオン性競合物質が導入され、候補混合物中の解離速度の速いアプタマーの大部分が確実に標的分子から解離するのに十分な期間、溶液中でインキュベートされる。また、ポリアニオン性競合物質の存在下で解離し得る候補混合物中のアプタマーは、標的分子から遊離する。混合物を分配し、標的分子と会合したままの高親和性の低解離速度アプタマーを単離し、複合体未形成材料をすべて溶液から除去する。その後、アプタマーを標的分子から遊離させ、単離することができる。単離されたアプタマーを増幅させ、追加の選択ラウンドを適用して選択されたアプタマーの全体的性能を高めることもできる。特定の用途に低解離速度アプタマーの選択が必要でなければ、この工程が最小限のインキュベーション時間で使用される場合もある。
【0161】
したがって、いくつかの実施形態では、解離速度が遅い(長い)アプタマーの同定または生産のための改変SELEX法であって、標的分子と候補混合物を接触させ、標的分子と候補混合物に含有される核酸との間で平衡結合が生じるのに十分な期間一緒にインキュベートする改変SELEX法が提供される。平衡結合に続いて、過剰の競合分子、例えば、ポリアニオン競合物質を混合物に加え、その混合物を、過剰の競合分子と一緒に所定の時間インキュベートする。解離速度がこの所定のインキュベーション期間より短いかなりの割合のアプタマーは、所定のインキュベーション期間中に標的から解離する。これらの解離速度が「速い」アプタマーと標的との再会合は、標的に非特異的に結合して、標的の結合部位を占有することができる過剰の競合分子のために最小限に抑えられる。解離速度がより長いかなりの割合のアプタマーは、所定のインキュベーション期間中、標的と複合体を形成したまま残る。インキュベーション期間終了時、核酸-標的複合体を混合物の残部から分配することにより、解離速度が速いアプタマーの集団からの低解離速度アプタマーの集団の分離が可能になる。解離ステップは、低解離速度アプタマーをそれらの標的から解離させるために使用することができ、標的分子に対する親和性及び特異性の高い低解離速度アプタマー(個々のアプタマーまたは一群の低解離速度アプタマー)の単離、同定、シークエンシング、合成及び増幅を可能にする。従来のSELEXの場合と同様に、改変SELEX法の1ラウンドから同定されたアプタマー配列を、新たな候補混合物の合成に使用することができ、接触、平衡結合、競合分子の添加、競合分子とのインキュベーション及び低解離速度アプタマーの分配のステップを、必要に応じて何回でも反復する/繰り返すことができる。
【0162】
競合物質の添加前に候補混合物と標的とを平衡結合させ、その後、過剰の競合物質を添加することと、競合物質との所定の期間のインキュベーションとの組み合わせにより、解離速度が以前に達成されたものよりはるかに高いアプタマー集団の選択を可能にする。
【0163】
平衡結合を達成するために、候補混合物は、標的と少なくとも約5分間、または少なくとも約15分間、約30分間、約45分間、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間もしくは約6時間インキュベートされ得る。
【0164】
候補混合物と標的分子の混合物との競合分子の所定のインキュベーション期間は、標的の性質及びその標的に対する既知のアプタマーの既知の解離速度(得られる場合)等の要因を考慮して、必要に応じて選択され得る。所定のインキュベーション期間は、少なくとも約5分、少なくとも約10分、少なくとも約20分、少なくとも約30分、少なくとも45約分、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間から選択され得る。
【0165】
他の実施形態では、解離速度増強工程として希釈が使用され、希釈された候補混合物、標的分子/アプタマー複合体のインキュベーションが、少なくとも約5分、少なくとも約10分、少なくとも約20分、少なくとも約30分、少なくとも約45分、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間から選択され得る所定の時間行われ得る。
【0166】
本開示のいくつかの実施形態は、低解離速度アプタマーの同定、生産、合成及び使用に関する。これらは、非共有結合アプタマー-標的複合体の解離(t1/2)が、従来のSELEXにより通常取得されるアプタマーのそれよりも高いアプタマーである。アプタマーと標的の非共有結合複合体を含有する混合物の場合、t1/2は、アプタマー-標的複合体からアプタマーの半分が解離するのに要する時間を表す。本開示による低解離速度アプタマーのt1/2は、約30分以上、約30分~約240分、約30分~約60分、約60分~約90分、約90分~約120分、約120分~約150分、約150分~約180分、約180分~約210分、約210分~約240分のうちの1つから選択される。
【0167】
SELEX手法により同定されるアプタマーの特徴的な特性は、自身の標的に対するその高い親和性である。アプタマーは、その標的に対して、約1μM未満、約100nM未満、約10nM未満、約1nM未満、約100pM未満、約10pM未満、約1pM未満のうちの1つから選択される解離定数(k)を有する。
【0168】
オリゴヌクレオチドのライブラリー
いくつかの実施形態では、ランダム配列を含むオリゴヌクレオチドのライブラリーが提供される。そのようなライブラリーは、実施形態によっては、SELEXを実施するために有用であり得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドのライブラリーの各オリゴヌクレオチドは、多数のランダム化位置、例えば、少なくとも20、25、30、35、40、45、もしくは50、または20~100、20~80、20~70、20~60、20~50、20~40、もしくは30~40のランダム化位置を構成する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドのライブラリーの各オリゴヌクレオチドは、ランダム化位置に隣接(flanking)する固定配列を構成する。そのような固定フランキング配列は、互いに同じであっても異なっていてもよく(すなわち、5’フランキング配列と3’フランキング配列が同じであっても異なっていてもよい)、実施形態によっては、ライブラリーのすべてのメンバーについて同じであってよい(すなわち、ライブラリーのすべてのメンバーが同じ5’フランキング配列を有してよく、及び/またはライブラリーのすべてのメンバーが同じ3’フランキング配列を有してよい)。
【0169】
いくつかの実施形態では、ランダム化位置は、4つ以上の異なるヌクレオチド塩基で構成されて、そのうちの1つ以上が修飾されている場合がある。いくつかの実施形態では、1種類のヌクレオチド塩基のすべてが修飾されているかまたは未修飾である(例えば、ランダム化領域内のすべてのシチジンが修飾されている、またはすべてが未修飾である)。いくつかの実施形態では、ランダム化領域内の1種類のヌクレオチド塩基は、修飾形態及び未修飾形態の両方で存在する。そのようないくつかの実施形態では、ランダム化位置は、2つの修飾ヌクレオチド塩基及び2つの未修飾ヌクレオチド塩基で構成される。そのようないくつかの実施形態では、ランダム化位置は、アデニン、グアニン、C5修飾シチジン、及びC5修飾ウリジンで構成される。非限定的な例示的C5修飾シチジン及びC5修飾ウリジンを図2図6に示す。オリゴヌクレオチドのライブラリー及びそれらを作製する方法は、例えば、本明細書の実施例に詳述されている。
【0170】
例示的アプタマー
いくつかの実施形態では、標的分子と結合するアプタマーが提供される。いくつかの実施形態では、標的分子は標的タンパク質である。
【0171】
いくつかの実施形態では、IL-33と結合するアプタマーが提供される。
【0172】
いくつかの実施形態では、IL-33と結合するアプタマーは、15~100、または15~90、または15~80、または15~70、または15~60、または15~50、20~100、または20~90、または20~80、または20~70、または20~60、または20~50、または30~100、または30~90、または30~80、または30~70、または30~60、または30~50、または40~100、または40~90、または40~80、または40~70、または40~60、または40~50ヌクレオチド長である。
【0173】
いくつかの実施形態では、XIAPと結合するアプタマーが提供される。
【0174】
いくつかの実施形態では、XIAPと結合するアプタマーは、15~100、または15~90、または15~80、または15~70、または15~60、または15~50、20~100、または20~90、または20~80、または20~70、または20~60、または20~50、または30~100、または30~90、または30~80、または30~70、または30~60、または30~50、または40~100、または40~90、または40~80、または40~70、または40~60、または40~50ヌクレオチド長である。
【0175】
いくつかの実施形態では、K-Rasと結合するアプタマーが提供される。
【0176】
いくつかの実施形態では、K-Rasと結合するアプタマーは、15~100、または15~90、または15~80、または15~70、または15~60、または15~50、20~100、または20~90、または20~80、または20~70、または20~60、または20~50、または30~100、または30~90、または30~80、または30~70、または30~60、または30~50、または40~100、または40~90、または40~80、または40~70、または40~60、または40~50ヌクレオチド長である。
【0177】
いくつかの実施形態では、TNF-αと結合するアプタマーが提供される。
【0178】
いくつかの実施形態では、TNF-αと結合するアプタマーは、15~100、または15~90、または15~80、または15~70、または15~60、または15~50、20~100、または20~90、または20~80、または20~70、または20~60、または20~50、または30~100、または30~90、または30~80、または30~70、または30~60、または30~50、または40~100、または40~90、または40~80、または40~70、または40~60、または40~50ヌクレオチド長である。
【0179】
いくつかの実施形態では、標的分子(例えば、IL-33、XIAP、K-Ras、TNF-αのうちのいずれか)と結合するアプタマーは、アプタマーの5’末端に、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25もしくは少なくとも30ヌクレオチド長であるか、または5~30、10~30、15~30、5~20、もしくは10~20ヌクレオチド長である領域を含み、アプタマーの5’末端の領域は、5位修飾ピリミジンを欠く。
【0180】
いくつかの実施形態では、標的分子(例えば、IL-33、XIAP、K-Ras、TNF-αのうちのいずれか)と結合するアプタマーは、アプタマーの3’末端に、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25もしくは少なくとも30ヌクレオチド長であるか、または5~30、10~30、15~30、5~20、もしくは10~20ヌクレオチド長である領域を含み、アプタマーの3’末端の領域は、5位修飾ピリミジンを欠く。
【0181】
いくつかの実施形態では、外傷性脳損傷(TBI)または関節リウマチを治療または予防する方法が提供され、それを必要とする対象に、本明細書で提供されるアプタマーを投与することを含む。
【0182】

化合物の対応する塩、例えば、薬学的に許容される塩を調製する、精製する、及び/または取り扱うことが好都合もしくは望ましい場合がある。薬学的に許容される塩の例は、Berge et al.(1977)“Pharmaceutically Acceptable Salts”J.Pharm.Sci.66:1-19で考察されている。
【0183】
例えば、化合物が、アニオン性であるかまたはアニオン性であり得る官能基(例えば、-COOHは-COOであり得る)を有する場合は、好適なカチオンを用いて塩が形成され得る。好適な無機カチオンの例としては、Na及びK等のアルカリ金属イオン、Ca2+及びMg2+等のアルカリ土類カチオン、及びAl+3等の他のカチオンが挙げられるが、これらに限定されない。好適な有機カチオンの例としては、アンモニウムイオン(すなわち、NH )及び置換アンモニウムイオン(例えば、NHX+、NH 、NHR 、NR )が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの好適な置換アンモニウムイオンの例は、以下に由来するものである:エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、及びトロメタミン、ならびにリジン及びアルギニン等のアミノ酸。一般的な第四級アンモニウムイオンの例は、N(CH である。
【0184】
化合物が、カチオン性であるかまたはカチオン性であり得る官能基(例えば、-NHは-NH であり得る)を有する場合は、好適なアニオンを用いて塩が形成され得る。好適な無機アニオンの例としては、無機酸、すなわち、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素酸、硫黄、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン、及び亜リン酸に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0185】
好適な有機アニオンの例としては、有機酸、すなわち、2-アセトキシ安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、ケイ皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、粘液酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、及び吉草酸に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない。好適なポリマー有機アニオンの例としては、ポリマー酸、すなわち、タンニン酸、カルボキシメチルセルロースに由来するものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0186】
特に明記しない限り、特定の化合物への言及には、その塩形態も含まれる。
【0187】
アプタマーを含むキット
本開示は、本明細書に記載のアプタマーうちのいずれかを含むキットを提供する。そのようなキットは、例えば、少なくとも1つのアプタマーを含むことができ、構成要素には、任意選択で、例えば、(a)溶媒または溶液等の薬学的に許容される担体、(b)安定剤または緩衝剤等の薬学的に許容される賦形剤、(c)キット構成要素を保持及び/または混合するための少なくとも1つの容器、バイアル、もしくは装置、ならびに(d)送達装置、のうちの少なくとも1つが含まれ得る。キットはさらに、任意選択で、(e)アプタマーに結合している標的分子を検出するのに有用な標識物質、(f)マイクロアレイまたはビーズ等の固体支持体、及び(g)インターカレーター性の蛍光色素または蛍光DNAプローブ等の、ポリメラーゼ連鎖反応生成物の定量に関連した試薬、のうちの1つ以上を含むことができる。
【実施例
【0188】
以下の実施例は、本発明のいくつかの実施形態をより詳細に例示するために提供される。ただし、それらは決して本発明の広い範囲を限定するものと解釈されるべきではない。当業者は、本発明の趣旨から逸脱することなく、本発見の基礎にある原理を容易に採用して、様々な化合物を設計することができる。
【0189】
ヌクレオシド三リン酸の陰イオン交換HPLC精製の一般手順。
ヌクレオシド三リン酸を、分取HPLCシステムに取り付けられたSource Q樹脂(GE Healthcare)充填済みHPLCカラムを使用して陰イオン交換クロマトグラフィーにより精製し、278nmで検出した。線形溶離グラジエントでは2つの緩衝液(緩衝液A:10mMの炭酸水素トリエチルアンモニウム/10%アセトニトリル、及び緩衝液B:1Mの炭酸水素トリエチルアンモニウム/10%アセトニトリル)が用いられ、溶出期間にわたり雰囲気温度にて低い緩衝液B含有量から高い緩衝液B含有量へのグラジエントで実施された。所望の生成物は典型的には、カラムから溶出する最後の物質であり、保持時間が約10~12分にわたる幅広なピークとして観察された(溶出の早い生成物には様々な反応副生成物が含まれており、最も顕著なものはヌクレオシド二リン酸であった)。生成物の溶出中、いくつかの画分を回収した。画分を、Waters Symmetryカラム(PN:WAT054215)を備えたWaters 2795 HPLCで逆相HPLCにより分析した。純粋な生成物を含有する画分(典型的には90%超)をGenevac HT-12エバポレーター内で蒸発させ、無色~明るい黄褐色の樹脂を得た。
【0190】
ヌクレオシド三リン酸の逆相HPLC精製の一般手順。
ヌクレオシド三リン酸を、Waters分取HPLCシステムに取り付けられたWaters Novapak C8、30mm×300mmカラム(PN:186002473)を使用して逆相クロマトグラフィーにより精製し、278nmで検出した。線形溶離グラジエントでは2つの緩衝液(緩衝液A:100mMの炭酸水素トリエチルアンモニウム、及び緩衝液B:100%アセトニトリル)が用いられ、溶出期間にわたり雰囲気温度にて低い緩衝液B含有量から高い緩衝液B含有量へのグラジエントで実施された。所望の生成物は典型的には、カラムから溶出する最後の物質であり、保持時間が約5~12分にわたる幅広なピークとして観察された(溶出の早い生成物には様々な反応副生成物が含まれた)。生成物の溶出中、いくつかの画分を回収した。画分を、Waters Symmetryカラム(PN:WAT054215)を備えたWaters 2795 HPLCで逆相HPLCにより分析した。純粋な生成物を含有する画分(典型的には90%超)をGenevac HT-12エバポレーター内で蒸発させ、無色~明るい黄褐色の樹脂を得た。
【0191】
画分を脱イオン水に再構成し、最終分析用にプールした。Hewlett Packard 8452Aダイオードアレイ分光光度計を278nmで使用する分析により、生成物の定量を実施した。生成物の収量を方程式A=εCLで計算した[式中、AはUV吸光度であり、εは推定吸光係数であり、Lは光路長(1cm)である]。
【0192】
実施例1:修飾デオキシシチジンの調製
ステップ1:5-(N-カルボキサミド)-2’-デオキシシチジン誘導体(スキーム1、生成物2)の合成:
市販の5-ヨード-2’-デオキシシチジン(スキーム1、生成物1)を丸底フラスコに投入し、無水N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶かした。出発物質を、必要な芳香族第一級アミン(RCHNH、4~8当量)、一酸化炭素(1atm以下)及び(PhP)Pd(2mol%)で室温にて24~48時間処理することにより、対応するN-置換カルボキサミドに変換した。反応の進行を、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:8~12%メタノール/ジクロロメタン)または逆相HPLC(Waters 2489検出器を備えた2795 HPLC、及びWaters Symmetryカラムを使用、緩衝液A:100mMの酢酸トリエチルアンモニウム、緩衝液B:アセトニトリル、グラジエント:30分かけて緩衝液B30%~70%)によって追跡した。得られた粗反応混合物をセライトベッドにより濾過し、過剰な触媒及び固体副生成物を除去した。その後、濾液をジクロロメタンで希釈し、脱イオン水で洗浄して過剰のDMFを除去したところ、ジクロロメタン層に白色~オフホワイトの結晶性固体の形成が生じた。固体物質を含有する有機層をSchott瓶に回収し、室温で数時間から一晩撹拌し、次いで濾過し、固形物を塩化メチレンで洗浄した。フィルターケーキを真空乾燥し、得られた白色~オフホワイトの固体の5-修飾シチジンカルボキサミドを約50%~70%の収率で回収した。
【0193】
ステップ2:4-N-アセチル-5-(N-カルボキサミド)-2’-デオキシシチジン誘導体(スキーム1、生成物3)の合成:
ステップ1の生成物を丸底フラスコに投入し、無水N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶かし、適切な無水物(無水酢酸またはプロピオン酸無水物、2当量)で処理し、混合物をアルゴン下で室温~40℃にて最低18時間撹拌した。反応の進行を、HPLC(Waters 2489検出器を備えた2795 HPLC、及びWaters Symmetryカラムを使用、緩衝液A:100mMの酢酸トリエチルアンモニウム、緩衝液B:アセトニトリル、グラジエント:30分かけて緩衝液B30%~70%)によって追跡した。反応完了時、粗混合物を酢酸エチルで希釈して分液漏斗に移し、2%炭酸水素ナトリウム溶液(1回)、脱イオン水(1回)及びブライン(1回)で洗浄した。有機層をSchott瓶に回収し、室温で数時間から一晩撹拌した、その間に白色~オフホワイトの結晶性固体が形成された。混合物を濾過し、固形物及びガラス器具を酢酸エチルで洗浄した。フィルターケーキを真空乾燥し、得られた白色~オフホワイトの固体の4-N-アセチル-5-修飾シチジンカルボキサミドを約50%~70%の収率で回収した。
【0194】
ステップ3:5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-4-N-アセチル-5-(N-カルボキサミド)-2’-デオキシシチジン誘導体(スキーム1、生成物4)の合成:
マグネチックスターラー付き丸底フラスコ内で、ステップ2の生成物をアルゴン下で無水ピリジンに溶かした。1時間かけて、4,4’-ジメトキシトリチルクロリド(1.1当量)を4~5回に分けて撹拌混合物に加えた。反応物をさらなる時間撹拌し、次いで、エタノール(6当量)でクエンチし、反応混合物を蒸発させて粘着性残渣を得た。粗物質を酢酸エチルに溶かし、2%炭酸水素ナトリウムで洗浄し(1回)、硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、蒸発させ、帯橙色~黄色泡状物を得た。粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した(シリカゲルを1%トリエチルアミン/99%酢酸エチルで前処理;生成物を75%酢酸エチル/25%ヘキサンで溶出)。生成物含有画分を濃縮し、白色~オフホワイトの泡状物を収率70%~80%で得た。
【0195】
ステップ4:5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-4-N-アセチル-5-(N-カルボキサミド)-2’-デオキシシチジン-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-O-2-シアノエチルホスホルアミダイト)誘導体(スキーム1、生成物5)の合成:
マグネチックスターラー付き丸底フラスコ内で、ステップ3の生成物をアルゴン下で無水ジクロロメタンに溶かした。反応混合物に、2-シアノエチル-N,N,N′,N′-テトライソプロピルホスフィン(1.5当量)、続いてトリフルオロ酢酸ピリジン(1.7当量)を加えた。反応物を30~60分間撹拌し、次いで、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:50~60%酢酸エチル/ヘキサン)によって分析し、反応が完了したことが示された。粗混合物を、1%トリエチルアミン/99%酢酸エチルで事前にコンディショニングされ、60%酢酸エチル/40%ヘキサンで平衡化されたシリカゲルフラッシュカラムに適用した。生成物を同じ移動相で溶出させ、0℃に冷却し、アルゴンを吹き込み、アルゴンパージした瓶に回収した。生成物含有画分を濃縮し、白色~オフホワイトの泡状物を収率70%~80%で得た。
【化21】
【0196】
2-シアノエチルホスホルアミダイト試薬(CEP試薬)の調製では、5-(N-カルボキサミド)-2’-デオキシシチジン誘導体を選択的にN-保護し、次いで、4,4’-ジメトキシトリチルクロリド含有ピリジンとの反応によって(4,4’-ジメトキシトリチル)-誘導体(4)として5’O-保護した(例えば、Ross et al.,Nucleosides,Nucleotides & Nucleic Acids,25,765-770(2006)を参照のこと)。高純度(98%超)のCEP試薬(5)の合成が、3’-アルコールと2-シアノエチル-N,N,N′,N′-テトライソプロピルホスフィンとのピリジニウムトリフルオロアセタート触媒縮合(例えば、Sanghvi,et al.,Organic Process Research & Development,4,175-181(2000)を参照のこと)及び脱気溶媒を用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによる最終精製によって完了した(例えば、Still et al.,J.Org.Chem.,43,2923-2925(1978)を参照のこと)。
【0197】
5’-三リン酸試薬(TPP試薬、スキーム2)の調製では、5’O-DMT-保護されたヌクレオシド(スキーム1または2、生成物4)を無水酢酸含有ピリジンでアセチル化し、続いて、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールでDMT及び4-N-アセチル保護基の切断を行った(スキーム2、生成物6)(例えば、Leonard and Neelima,Tetrahedron Letters,36(43),7833-7836(1995)を参照のこと)。得られた結晶性3’-O-アセタート化ヌクレオシドをLudwig-Ecksteinプロセス(Ludwig,J.and Eckstein,F.J.Org.Chem.,1989,54:631)によって粗5’-O-三リン酸に変換した(スキーム2、生成物7)。これらの化学修飾ヌクレオチドには一般に、高純度(90%超)を得るために二段階精製工程、すなわち、イオン交換クロマトグラフィー(AEX)、続く逆相分取HPLCを必要とする。
【0198】
実施例1-1:5-[(N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-デオキシシチジン(DPPdC)誘導体の調製
5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-デオキシシチジンヌクレオシド(スキーム1、生成物2)の合成:市販の5-ヨード-2’-デオキシシチジン(スキーム1、生成物1、20g、56.8mmol)を丸底フラスコに投入し、無水N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、137mL)に溶かした。出発物質を、必要な芳香族第一級アミン(3,3-ジフェニルプロピルアミン、(51.6g、244mmol、4.3当量)、一酸化炭素(1atm以下)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(1.14g、2mmol、0.035当量)及びトリフェニルホソフェン(2.34g、8.5mmol、0.15当量)で室温にて24~48時間処理することにより、対応するN-置換カルボキサミドに変換した。反応の進行を、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:8~12%メタノール/ジクロロメタン)または逆相HPLC(Waters 2489検出器を備えた2795 HPLC、及びWaters Symmetryカラムを使用、緩衝液A:100mMの酢酸トリエチルアンモニウム、緩衝液B:アセトニトリル、グラジエント:30分かけて緩衝液B30%~70%)によって追跡した。得られた粗反応混合物をセライトベッドにより濾過し、過剰な触媒及び固体副生成物を除去した。その後、濾液をジクロロメタンで希釈し、脱イオン水で洗浄して過剰のDMFを除去したところ、ジクロロメタン層に白色~オフホワイトの結晶性固体の形成が生じた。固体物質を含有する有機層をSchott瓶に回収し、室温で数時間から一晩撹拌し、次いで濾過し、固形物を塩化メチレンで洗浄した。フィルターケーキを真空乾燥し、得られた白色~オフホワイトの固体の5-修飾シチジンカルボキサミドを回収した(14.65g、収率56%)。H-NMR (300 mHz, DMSO-d): δ = 8.37 (s, 1H), 8.14(t, J = 5.3 Hz,1H), 7.99 (bs, 1H), 7.69 (bs, 1H), 7.24-7.33 (m, 8H), 7.13-7.21 (m, 2H), 6.12 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 5.24 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 5.09 (t, J = 5.6 Hz), 4.22-4.30 (m, 1H), 4.03 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 3.83 (t, J= 7.5, J= 3.9 Hz, 1H), 3.55-3.72 (m, 2H), 3.08 (dd, J= 13.5, J= 6.0 Hz, 2H), 2.10-2.32 (m, 4H). 13C-NMR (100 mHz, DMSO-d): δ = 170.53 (1C), 165.72 (1C), 163.98 (1C), 153.93 (1C), 145.19 (2C), 145.14 (2C), 144.13 (1C), 128.91 (4C), 128.09 (2C), 128.07 (2C), 126.59 (2C), 99.74 (1C), 86.44 (1C), 85.59 (1C), 75.07 (1C), 61.68 (1C), 48.52 (1C), 38.37 (1C), 37.93 (1C), 34.67 (1C), 21.32 (1C). MS (m/z) C2528に対する計算値, 464.52;実測値 463.2 [M-H](ESI).
【0199】
4-N-アセチル-5-[3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-デオキシシチジンヌクレオシド(スキーム1、1、生成物3)の合成:前のステップの生成物(スキーム1、生成物2、14.5g、31.2mmol))を丸底フラスコに投入し、無水N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、284mL)に溶かし、無水酢酸(5.9mL、62mmol、2当量)で処理し、混合物をアルゴン下で室温~40℃にて約5.5時間撹拌した。反応の進行を、HPLC(Waters 2489検出器を備えた2795 HPLC、及びWaters Symmetryカラムを使用、緩衝液A:100mMの酢酸トリエチルアンモニウム、緩衝液B:アセトニトリル、グラジエント:30分かけて緩衝液B30%~70%)によって追跡した。反応完了時、粗混合物を酢酸エチルで希釈して分液漏斗に移し、2%炭酸水素ナトリウム溶液(1回)、脱イオン水(1回)及びブライン(1回)で洗浄した。有機層をSchott瓶に回収し、室温で数時間から一晩撹拌し、その間に微結晶性固体が形成された。混合物を濾過し、固形物及びガラス器具を酢酸エチルで洗浄した。フィルターケーキを真空乾燥し、得られた白色~オフホワイトの固体生成物を回収した(12.04g、収率76%)。H-NMR (300 mHz, DMSO-d): δ = 11.32 (s, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.36-8.45 (m, 1H), 7.23-7.36 (m, 8H), 7.11-7.20 (m, 2H), 6.09 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 5.24-5.31 (m, 1H), 4.22-4.32 (m, 1H), 3.88-3.94 (m, 1H), 3.57-3.75 (m, 2H), 3.05-3.16 (m, 2H), 2.36-2.41 (bs, 3H), 2.14-2.36(m, 4H). 13C-NMR (100 mHz, DMSO-d): δ = 170.63 (1C), 164.80 (1C), 159.17 (1C), 152.64 (1C), 145.45 (1C), 144.58/144.56 (2C), 144.56 (1C), 128.36 (4C), 127.52 (4C), 126.03 (2C), 99.94(1C), 88.09 (1C), 86.89 (1C), 69.35 (1C), 60.55 (1C), 47.92 (1C), 40.51 (1C), 37.98 (1C), 33.91 (1C), 26.10 (1C). MS (m/z) C2730に対する計算値, 506.56;実測値 505.3 [M-H](ESI).
【0200】
5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-4-N-アセチル-5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-デオキシシチジン(スキーム1、生成物4)の合成:マグネチックスターラー付き丸底フラスコ内で、前のステップの生成物(スキーム1、生成物3、12.2g、24.1mmol)を、アルゴン下、無水ピリジン(80mL)に溶かした。1時間かけて、4,4’-ジメトキシトリチルクロリド(9.2g、27.0mmol、1.1当量)を4回に分けて撹拌混合物に加えた。反応物をさらなる時間撹拌し、次いで、エタノール(9.5mL、163mmol、6.8当量)でクエンチし、反応混合物を蒸発させて粘着性残渣を得た。粗物質を酢酸エチルに溶かして分液漏斗に移し、2%炭酸水素ナトリウムで洗浄した(1回)。有機層を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、蒸発させ、橙色~黄色泡状物を得た。粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した(シリカゲルを1%トリエチルアミン/99%酢酸エチルで前処理;生成物を80%~90%酢酸エチル/20%~10%ヘキサンで溶出)。生成物含有画分を濃縮し、白色~オフホワイトの泡状物を得た(15.27g、収率78%)。H-NMR (300 mHz, DMSO-d): δ = 11.36 (s, 1H), 8.57 (t, J = 4.5 Hz, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.09-7.39 (m, 19H), 6.72-6.87 (d, 4H), 6.10 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 5.15 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 4.35 (dt, J = 9.9, J = 4.5 Hz 1H), 4.08-3.98 (m, 1H), 3.92 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 3.68 (d, J = 2.4 Hz, 6H), 3.17-3.31 (m, 2H), 2.78-3.02 (m, 2H), 2.33-2.46 (m, 4H), 2.17-2.29 (m, 1H), 1.92-2.11 (m, 2H). 13C-NMR (100 mHz, DMSO-d): δ = 170.61 (1C), 164.61 (1C), 159.26 (1C), 157.93/157.90 (2C), 152.54 (1C), 144.97 (1C), 144.65 (1C), 144.23 (2C), 135.40/135.35 (2C), 129.57 (1C), 129.49 (1C), 128.34 (4C), 127.66 1C), 127.54 (1C), 127.41/127.40 (4C), 126.51 (1C), 126.04 (2C), 113.00 (4C), 99.94(1C), 87.39 (1C), 86.32 (1C), 85.60 (1C), 69.90 (1C), 59.66 (1C), 54.85/54.82 (2C), 48.27 (1C), 40.37 (1C), 38.16 (1C), 33.73 (1C), 26.13 (1C). MS (m/z) C4848に対する計算値, 808.93;実測値 807.3 [M-H](ESI).
【0201】
5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-4-N-アセチル-5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-デオキシシチジン-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-O-2-シアノエチルホスホルアミダイト)(スキーム1、生成物5)の合成:マグネチックスターラー付き丸底フラスコ内で、前のステップの生成物(スキーム1、生成物4、14.0g、17.3mmol)をアルゴン下で無水ジクロロメタン(43mL)に溶かした。反応混合物に、2-シアノエチル-N,N,N′,N′-テトライソプロピルホスフィン(8.2mL、26mmol、1.5当量)、続いてピリジニウムトリフルオロアセタート(5.4g、28.2mmol、1.6当量)を加えた。反応物を30分間撹拌し、次いで、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:60%酢酸エチル/40%ヘキサン)によって分析し、反応が完了したことが示された。粗混合物を、1%トリエチルアミン/99%酢酸エチルで事前にコンディショニングされ、60%酢酸エチル/40%ヘキサンで平衡化されたシリカゲルフラッシュカラムに適用した。生成物を同じ移動相で溶出させ、0℃に冷却し、アルゴンを吹き込み、アルゴンパージした瓶に回収した。生成物含有画分を濃縮し、白色~オフホワイトの泡状物を得た(13.85g、収率79%)。H-NMR (300 mHz, DMSO-d): δ = 11.36 (s, 1H), 8.56 (bt, 1H), 8.41-8.47 (d, 1H), 7.11-7.37 (m, 19H), 6.74-6.83 (d, 4H), 6.03-6.10 (m, 1H), 4.30-4.44 (m, 1H), 4.12-4.22 (m, 1H), 3.91 (dd, J= 14.1, J = 7.5 Hz, 1H), 3.63-3.78 (m, 7H), 3.43-3.62 (m, 3H), 3.22-3.37 (m, 2H), 2.79-3.02 (m, 2H), 2.75 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 2.64 (t, J = 6.0, Hz, 1H), 2.33-2.45 (m, 5H), 1.94-2.08 (m, 2H), 1.11 (dd, J = 12.3, J= 6.6 Hz 12H), 0.97 (d, J = 6.6 Hz, 3H). 31P-NMR (300 mHz, DMSO-d): δ = 147.56/147.56 (s, 1P). MS (m/z) C5765Pに対する計算値, 1009.15;実測値 1007.3 [M-H](ESI).
【0202】
5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-3’-O-アセチル-2’-デオキシシチジンヌクレオシド(スキーム2、生成物6)の合成:マグネチックスターラー付き丸底フラスコ内で、出発物質(スキーム2、生成物4、1.26g、1.56mmol)をアルゴン下で無水ピリジン(10mL)に溶かした。無水酢酸(1mL、10.5mmol、6.7当量)を撹拌混合物に滴下。反応物を29時間撹拌し、反応の進行を、HPLC(Waters 2489検出器を備えた2795 HPLC、及びWaters Symmetryカラムを使用、緩衝液A:100mMの酢酸トリエチルアンモニウム、緩衝液B:アセトニトリル、グラジエント:75%緩衝液B、定組成で30分かけて)によって追跡した。粗混合物を、2回のアセトン共蒸発で蒸発させ、淡黄色泡状物を回収した。残渣を、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(10mL、95mmol))に溶かし(Leonard,N.J.Tetrahedron Letters,1995,36:7833)、約50℃で16時間加熱した。DMT基の完全な切断をTLC(5%メタノール/ジクロロメタン)によって確認した。赤色溶液を、よく撹拌したメタノール(約75mL)に注いでクエンチした。得られた黄色溶液を真空濃縮し、残渣を熱酢酸エチル(20mL)に溶かした。生成物は冷却時に結晶化し、得られたスラリーを0℃で撹拌し、その後、濾過して酢酸エチルで洗浄した。3’-O-アセチル-ヌクレオシド(生成物6)を白色固体として単離した(0.55g、収率70%)。H-NMR (300 mHz, DMSO-d): δ = 8.38 (s, 1H), 8.26 (bt, J = 4.8 Hz, 1H), 8.04 (bs, 1H), 7.77 (bs, 1H), 7.24-7.41 (m, 8H), 7.12-7.23 (m, 2H), 6.17 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 5.23-5.30 (m, 1H), 5.18 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 3.98-4.14 (m, 2H), 3.62-3.77 (m, 2H), 3.10 (dd, J = 12.3, J = 6.6 Hz, 2H), 2.35-2.48 (m, 2H), 2.22-2.35 (m, 2H), 2.08 (s, 3H). 13C-NMR (100 mHz, DMSO-d): δ = 170.53 (1C), 165.72 (1C), 163.98 (1C), 153.93 (1C), 145.19 (2C), 145.14 (2C), 144.13 (1C), 128.91 (4C), 128.09 (2C), 128.07 (2C), 126.59 (2C), 99.74 (1C), 86.44 (1C), 85.59 (1C), 75.07 (1C), 61.68 (1C), 48.52 (1C), 38.37 (1C), 37.93 (1C), 34.67 (1C), 21.32 (1C). MS (m/z) C2730に対する計算値, 506.56;実測値 506.2 [M-H](ESI).
【0203】
5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-デオキシシチジン-5’-O-三リン酸(トリス-トリエチルアンモニウム塩)(7)の合成:3’-O-アセチル-ヌクレオシド(6)から、500μmolスケール(5×)のLudwig及びEcksteinの手順(Ludwig,J.and Eckstein,F.J.Org.Chem.1989,54:631)により三リン酸(7)を合成した。粗三リン酸生成物を、アンモノリシス及び蒸発の後、一般手順(上記)に記載のように陰イオン交換クロマトグラフィー及び逆相クロマトグラフィーによって精製した。[ε est. 13.700 cm-1-1]単離された精製生成物は59.8μmolであった(収率12%)。H-NMR (300 mHz, DO): δ = 7.95 (s, 1H), 7.22-7.28 (m, 4H), 7.11-7.19 (m, 4H), 6.97-7.05 (m, 2H), 6.05 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.51 (五重線, J = 3.0 Hz, 1H), 4.10-4.17 (m, 3H), 3.92 (t, J = 7.5Hz, 1H), 3.29-3.40 (m, 1H), 3.18.-3.29 (m, 1H), 3.00 (q, J = 7.5 Hz, 19H), 2.25-2.37 (m, 3H), 2.11-2.22 (m, 1H), 1.11 (t, J = 7.2 Hz, 29H). 13C-NMR (80 mHz, DMSO-d): δ = 165.52 (1C), 163.55 (1C), 155.78 (1C), 145.35/145.38 (2C), 142.70 (1C), 128.81 (4C), 127.45 (4C), 126.18/126.20 (2C), 100.74 (1C), 86.84 (1C), 85.86/85.98 (1C), 70.70 (1C), 65.27/65.34 (1C), 49.60 (1C), 46.50 (3C), 39.76 (1C), 39.01 (1C), 33.50 (1C), 8.17 (3C). 31P-NMR (100 mHz, DO): δ = -9.94 (d, J = 16.7 Hz, 1P), -11.60 (d, J = 17.0 Hz, 1P), -23.30 (t, J = 17 Hz, 1P). MS (m/z) C253014に対する計算値, 703.45;実測値 703.1 [M-H](ESI).
【0204】
実施例1-2:5-[N-(4-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-デオキシシチジン(PBndC)誘導体の調製
5-[N-(4-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-デオキシシチジンヌクレオシド(スキーム1、生成物2)の合成:市販の5-ヨード-2’-デオキシシチジン(スキーム1、生成物1、20.87g、69.1mmol)を丸底フラスコに投入し、無水N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、150mL)に溶かした。出発物質を、4-フェニルベンジルアミン、(47.83g、261mmol、4.2当量)、一酸化炭素(1atm以下)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(1.25g、2.17mmol、0.035当量)及びトリフェニルホスフェン(2.54g、9.7mmol、0.15当量)で室温にて24~48時間処理することにより、対応するN-置換カルボキサミドに変換した。反応の進行を、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:8~12%メタノール/ジクロロメタン)または逆相HPLC(Waters 2489検出器を備えた2795 HPLC、及びWaters Symmetryカラムを使用、緩衝液A:100mMの酢酸トリエチルアンモニウム、緩衝液B:アセトニトリル、グラジエント:30分かけて緩衝液B30%~70%)によって追跡した。得られた粗反応混合物をセライトベッドにより濾過し、過剰な触媒及び固体副生成物を除去した。その後、濾液をジクロロメタンで希釈し、脱イオン水で洗浄して過剰のDMFを除去したところ、水層とジクロロメタン層の両方に白色~オフホワイトの結晶性固体の形成が生じた。固体物質を含有する各層を別々にそれぞれの専用Schott瓶に回収し、室温で数時間から一晩撹拌した後、濾過し、固形物を塩化メチレンで洗浄した。フィルターケーキを真空乾燥し、得られた白色~オフホワイトの固体の5-修飾シチジンカルボキサミドを回収した(17.00g、収率63%)。H-NMR (300 mHz, DMSO-d): δ = 8.85 (t, J = 5.6 Hz,1H), 8.49 (s, 1H), 7.62-7.73 (m, 4H), 7.36-7.52 (m, 5H), 6.20 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 5.30 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 5.12 (t, J = 5.4, 1H), 4.43-4.56 (m, 2H), 4.28-4.34 (1H), 3.88 (dd, J = 7.8, J = 4.2 Hz), 3.60-3.73 (d, J = 4.2 Hz, 2H), 2.24 (t, J = 6.0, 1H). 13C-NMR (100 mHz, DMSO-d): δ = 166.70 (1C), 164.75 (1C), 154.77 (1C), 145.08 (1C), 141.20 (1C), 140.04 (1C), 139.70 (1C), 130.18 (2C), 129.03 (2C), 128.59 (2C), 127.92 (2C), 127.82 (2C), 99.98 (1C), 88.88 (1C), 87.07 (1C), 71.24 (1C), 62.28 (1C), 43.24 (1C), 41.41 (1C). MS (m/z) C2324に対する計算値, 436.47;実測値 435.2 [M-H](ESI).
【0205】
4-N-プロピオニル-5-[(4-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-デオキシシチジンヌクレオシド(スキーム1、生成物3)の合成:前のステップの生成物(スキーム1、生成物2、16.83g、38.62mmol)を丸底フラスコに投入し、無水N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、350mL)に溶かし、プロピオン酸無水物(10mL、80mmol、2当量)で処理し、混合物をアルゴン下で40℃にて約6時間撹拌した。反応の進行を、HPLC(Waters 2489検出器を備えた2795 HPLC、及びWaters Symmetryカラムを使用、緩衝液A:100mMの酢酸トリエチルアンモニウム、緩衝液B:アセトニトリル、グラジエント:30分かけて緩衝液B30%~70%)によって追跡した。反応完了時、粗混合物をジクロロメタンで希釈して分液漏斗に移し、脱イオン水(1回)で洗浄した。有機層及び水層を別のSchott瓶に回収し、室温で数時間から一晩撹拌し、その間に微結晶性固体が形成された。得られた混合物を濾過し、固形物及びガラス器具を酢酸エチルで洗浄した。フィルターケーキを真空乾燥し、得られた白色~オフホワイトの固体生成物を回収した(12.74g、収率767%)。H-NMR (300 mHz, DMSO-d): δ = 11.39 (s, 1H), 9.03 (t, J = 5.7 Hz,1H), 8.76 (s, 1H), 7.62-7.69 (m, 4H), 7.41-7.50 (m, 4H), 7.33-7.40 (m, 1H), 6.12 (t, J = 6.2 Hz, 1H), 5.30 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 5.13 (t, J = 5.3, 1H), 4.40-4.58 (m, 2H), 4.23-4.34 (1H), 3.93 (dd, J= 7.8, J= 3.9 Hz, 1H), 3.58-3.76 (d, J = 4.2 Hz, 2H), 2.81 (dd, J = 14.7, J = 7.2 Hz, 2H), 2.31-2.48 (m, 1H), 2.18-2.29 (m, 1H), 1.06 (t, J = 7.4 Hz, 3H). 13C-NMR (80 mHz, DMSO-d): δ = 174.58 (1C), 165.58 (1C), 159.75 (1C), 153.28 (1C), 146.18 (1C), 140.42 (1C), 139.38 (1C), 138.46 (1C), 129.39 (2C), 128.41 (2C), 127.83 (1C), 127.14 (2C), 127.06 (2C), 100.49 (1C), 88.69 (1C), 87.49 (1C), 70.15 (1C), 61.22 (1C), 42.75 (1C), 40.98 (1C), 31.74 (1C), 9.04 (1C). MS (m/z) C2628に対する計算値, 492.53;実測値 491.2 [M-H](ESI).
【0206】
5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-4-N-アセチル-5-[N-(4-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-デオキシシチジン誘導体(スキーム1、生成物4)の合成:マグネチックスターラー付き丸底フラスコ内で、前のステップの生成物(16.01g、32.5mmol)をアルゴン下で無水ピリジン(108mL)に溶かした。1時間かけて、4,4’-ジメトキシトリチルクロリド(13.13g、38.8mmol、1.1当量)を5回に分けて撹拌混合物に加えた。反応物をさらに15分間撹拌し、次いで、エタノール(11.5mL、195mmol、6当量)でクエンチし、反応混合物を蒸発させて粘着性残渣を得た。粗物質を温ジクロロメタンに溶かして分液漏斗に移し、2%炭酸水素ナトリウムで洗浄した(1回)。有機層を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、蒸発させ、帯橙色~黄色泡状物を得た。粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した(シリカゲルを1%トリエチルアミン/99%酢酸エチルで前処理;生成物を80%~90%酢酸エチル/20%~10%ヘキサンで溶出)。生成物含有画分を濃縮し、白色~オフホワイトの泡状物を得た(15.27g、収率78%)。H-NMR (300 mHz, DMSO-d): δ = 11.49 (s, 1H), 9.13 (t, J = 5.3 Hz,1H), 8.49 (s, 1H), 7.59-7.68 (m, 2H), 7.52-7.59 (m, 2H), 7.42-7.51 (m, 2H), 6.12 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 5.33 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 4.26 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 4.13-4.22 (m, 1H), 4.00-4.09 (m, 1H), 3.71 (bs, 6H), 3.19-3.33 (m, 2H), 2.83 (dd, J = 14.4, J = 7.2, 2H), 2.35-2.46 (m, 1H), 2.21-2.33 (m, 1H), 1.07 (t, J = 7.4 Hz, 3H). 13C-NMR (100 mHz, DMSO-d): δ = 174.59 (1C), 165.47 (1C), 159.84 (1C), 158.53 (1C), 153.15 (1C), 146.06 (1C), 145.28 (1C), 140.35 (1C), 139.41 (1C), 138.13 (1C), 136.00 (1C), 130.17 (1C), 130.11 (1C), 129.39 (2C), 128.49 (2C), 128.13 (1C), 127.85 (1C), 127.14 (1C), 127.07 (2C), 127.04 (2C), 113.61 (4C), 100.48 (1C), 87.98 (1C), 86.19 (1C), 70.70 (1C), 64.41 (1C), 55.41 (2C), 42.79 (1C), 40.73 (1C), 31.83 (1C), 9.04 (1C). MS (m/z) C4746に対する計算値, 794.90;実測値 793.3 [M-H](ESI).
【0207】
5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-4-N-アセチル-5-[N-(4-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-デオキシシチジン-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-O-2-シアノエチルホスホルアミダイト)(スキーム1、生成物5)の合成:マグネチックスターラー付き丸底フラスコ内で、ステップ3の生成物(スキーム1、生成物4、11.88g、14.9mmol)をアルゴン下で無水ジクロロメタン(38mL)に溶かした。反応混合物に、2-シアノエチル-N,N,N′,N′-テトライソプロピルホスフィン(8mL、25.2mmol、1.5当量)、続いてトリフルオロ酢酸ピリジン(4.75g、24.6mmol、2.1当量)を加えた。反応物を30分間撹拌し、次いで、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:60%酢酸エチル/40%ヘキサン)によって分析し、反応が完了したことが示された。粗混合物を、1%トリエチルアミン/99%酢酸エチルで事前にコンディショニングされ、60%酢酸エチル/40%ヘキサンで平衡化されたシリカゲルフラッシュカラムに適用した。生成物を同じ移動相で溶出させ、0℃に冷却し、アルゴンを吹き込み、アルゴンパージした瓶に回収した。生成物含有画分を濃縮し、白色~オフホワイトの泡状物を得た(12.04g、収率81%)。H-NMR (300 mHz, DMSO-d): δ = 11.48 (s, 1H), 9.12 (t, J = 4.7 Hz, 1H), 8.54/8.57 (s, 1H), 7.59-7.66 (m, 2H), 7.51-7.58 (m, 2H), 7.43-7.50 (m, 2H), 7.18-7.40 (m, 12H). 6.77-6.89 (m, 4H), 6.03-6.13 (m, 1H), 4.12-4.47 (m, 4H), 3.70 (s, 6H), 3.43-3.780 (m, 4H), 3.22-3.36 (m, 2H), 2.82 (dd, J= 14.9, J= 7.4 Hz, 2H), 2.76 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 2.64 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 2.36-2.46 (m, 2H), 1.02-1.17 (m, 12H), 0.98 (d, J = 6.9 Hz, 2H). 31P-NMR (100 mHz, DMSO-d): δ = 147.55/147.35 (s, 1P). MS (m/z) C5663Pに対する計算値, 995.13;実測値 993.4 [M-H](ESI).
【0208】
5-[N-(4-フェニルベンジル)カルボキサミド]-3’-O-アセチル-2’-デオキシシチジンヌクレオシド(スキーム2、生成物6)の合成:マグネチックスターラー付き丸底フラスコ内で、出発物質(スキーム2、生成物4、1.26g、1.56mmol)をアルゴン下で無水ピリジン(10mL)に溶かした。無水酢酸(1mL、10.5mmol、6.7当量)を撹拌混合物に滴下。反応物を16.5時間撹拌し、反応の進行をTLC(8%メタノール/ジクロロメタン)によって追跡した。粗混合物を蒸発させ、淡黄色泡状物を回収した。残渣を、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(10mL、95mmol))に溶かし(Leonard,N.J.Tetrahedron Letters,1995,36:7833)、約50℃で22.25時間加熱した。DMT基の完全な切断をTLC(8%メタノール/ジクロロメタン)によって確認した。赤色溶液を、よく撹拌したメタノール(約75mL)に注いでクエンチした。得られた黄色溶液を真空濃縮し、残渣を熱酢酸エチル(20mL)に溶かした。生成物は冷却時に結晶化し、得られたスラリーを0℃で撹拌し、その後、濾過して酢酸エチルで洗浄した。3’-O-アセチル-ヌクレオシド(6)を白色固体として単離した(0.45g、収率56%)。H-NMR (300 mHz, DMSO-d): δ = 8.86 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 8.44 (s, 1H), 7.99-8.18 (bs, 1H), 7.75-7.88 (bs, 1H), 7.60-7.68 (m, 4H), 7.32-7.51 (m, 5H), 6.16 (dd, J = 8.1, J = 6.0 Hz, 1H), 5.20-5.27 (m, 1H), 5.14 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 4.38-4.53 (m, 2H), 4.06 (dd, J = 5.7, J = 3.9 Hz, 1H), 3.59-3.72 (m, 2H), 2.28-2.47 (m, 2H), 2.07 (s, 3H). 13C-NMR (80 mHz, DMSO-d): δ = 170.52 (1C), 165.85 (1C), 164.00 (1C), 153.88 (1C), 144.44 (1C), 140.43 (1C), 139.29 (1C), 138.56 (1C), 129.40 (2C), 128.28 (2C), 127.82 (1C), 127.154 (2C), 127.05 (2C), 99.52 (1C), 86.44 (1C), 85.55 (1C), 75.11 (1C), 61.67 (1C), 42.50 (1C), 37.79 (1C), 21.33 (1C). MS (m/z) C2526に対する計算値, 478.51;実測値 477.2 [M-H](ESI).
【0209】
5-[N-(4-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン-5’-O-三リン酸(トリス-トリエチルアンモニウム塩)(スキーム2、生成物7)の合成:3’-O-アセチル-ヌクレオシド(6)から、500μmolスケール(5×)のLudwig及びEcksteinの手順(Ludwig,J.and Eckstein,F.J.Org.Chem.1989,54:631)により三リン酸(7)を合成した。粗三リン酸生成物を、アンモノリシス及び蒸発の後、一般手順(上記)に記載のように陰イオン交換クロマトグラフィー及び逆相クロマトグラフィーによって精製した。[ε est. 13,700 cm-1-1]単離された精製生成物は275μmol(収率55%)であった。H-NMR (300 mHz, DO): δ = 8.40 (s, 1H), 7.51-7.60 (m, 4H), 7.32-7.43 (m, 4H), 7.25-7.33 (m, 1H), 6.09 (t, J=6.5 Hz, 1H), 4.57 (五重線, J = 3.6 mHz, 1H), 4.43 (q, J = 15.3 Hz, 2H), 4.11-4.23 (m, 3H), 3.00 (q, J = 7.5 Hz, 19H), 2.31-2.42 (m, 1H), 2.16-2.90 (m, 1H), 1.135 (t, J = 7.2 Hz, 31H). 13C-NMR (75 Hz, DO): δ = 166.29 (1C), 163.67 (1C), 155.92 (1C), 143.40 (1C), 140.04 (1C), 139.14 (1C), 138.02 (1C), 129.07 (2C), 128.00 (2C), 86.89 (1C), 86.07/85.96 (1C), 70.50 (1C), 65.23/65.16 (1C), 41.01 (3C), 42.95 (1C), 39.88 (1C), 8.16 (3C). 31P-NMR (100 mHz, DO): δ = 8.60 (d, J = 16.9 Hz, 1P), -11.40 (d, J = 16.8 Hz, 1P), -23.00 (t, J = 17.0 Hz, 1P). MS (m/z) C252614に対する計算値, 675.40;実測値 675.1 [M-H](ESI).
【化22】
【0210】
実施例2:修飾デオキシウリジンの調製
ステップ1:5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-5-(N-カルボキサミド)-2’-デオキシウリジン誘導体(スキーム3、生成物9)の合成:
出発物質である5’-O-ジメトキシトリチル-5-トリフルオロエトキシカルボニル-2’-デオキシウリジン(スキーム3、生成物8)をMatsuda et al(Noruma,Y.;Ueno,Y.;Matsuda,A.Nucleic Acids Research 1997,25:2784-2791、Ito,T.;Ueno,Y.;Matsuda,A.Nucleic Acid Research 2003,31:2514-2523)の手順によって調製した。(8)、必要な芳香族第一級アミン(RCHNH(1.3当量)、トリエチルアミン(2当量)及び無水アセトニトリルの溶液を不活性雰囲気下、40~50℃で18~24時間加熱した。薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、5%メタノール/ジクロロメタン)またはHPLCによって(8)からアミド(9)への定量的変換を確認した。反応混合物を真空濃縮し、残渣を、0~3%メタノール含有1%トリエチルアミン/酢酸エチルの溶離液を使用してシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(Still,W.C.;Kahn,M.;Mitra,A.J.Org.Chem.1978,43:2923)によって精製した。純粋生成物含有画分を合わせ、蒸発させ、(9)を白色泡状物として収率80~90%で得た。
【0211】
ステップ2:5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-5-(N-カルボキサミド)-2’-デオキシウリジン-3’-CEホスホロアミダイト誘導体(スキーム3、生成物10)の合成:
マグネチックスターラー付き丸底フラスコ内で、DMT-保護されたヌクレオシド(9)をアルゴン下で無水ジクロロメタンに溶かした。反応混合物に、2-シアノエチル-N,N,N′,N′-テトライソプロピルホスフィン(1.05当量)、続いてピリジニウムトリフルオロアセタート(1.1当量)を加えた。反応物を30~60分間撹拌し、次いで、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:5%メタノール/95%ジクロロメタン)によって分析し、反応が完了したことが示された。粗混合物を、1%トリエチルアミン/20%ヘキサン/79%酢酸エチルで平衡化されたシリカゲルフラッシュカラムに適用し、生成物を同じ移動相で溶出させ、0℃に冷却し、アルゴンを吹き込み、アルゴンパージした瓶に回収した。生成物含有画分を濃縮し、白色~オフホワイトの泡状物を収率80%~90%で得た。
【化23】
【0212】
5’-三リン酸試薬(TPP試薬、スキーム3、生成物12)の調製では、5’O-DMT-保護されたヌクレオシド(スキーム3、生成物9)を無水酢酸含有ピリジンでアセチル化し、続いて、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)でDMTの切断を行った(スキーム3、生成物11)(例えば、Leonard及びNeelima、1995を参照のこと)。得られた結晶性3’-O-アセチル化ヌクレオシドを、Ludwig-Ecksteinプロセス(Ludwig,J.and Eckstein,F.J.Org.Chem.,1989,54:631)によって粗5’-O-三リン酸に変換した(スキーム3、生成物12)。これらの化学修飾ヌクレオチドには一般に、所望の生成物を高純度(90%超)で得るために二段階精製工程、すなわち、イオン交換クロマトグラフィー(AEX)、続く逆相分取HPLCを必要とする。
【0213】
実施例2-1:5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン(DPPdU)誘導体(スキーム3)の調製
5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン(スキーム3、生成物9)の合成:出発物質である5’-O-ジメトキシトリチル-5-トリフルオロエトキシカルボニル-2’-デオキシウリジン(スキーム3、生成物8、10.55g、16.6mmol))を、乾燥したアルゴンパージ済み丸底フラスコに投入した。乾燥アセトニトリル(22mL)及び3,3-ジフェニルプロピルアミン(4.38g、20.7mmol、1.25当量)をフラスコに加え、混合物を撹拌して固形物を溶かした。トリエチルアミン(4.6mL、33.2mmol、2当量)を撹拌混合物に加え、それを水浴に移し、不活性雰囲気下で40℃にて加熱した。反応の進行を、逆相HPLC(Waters 2489検出器を備えた2795 HPLC、及びWaters Symmetryカラムを使用、緩衝液A:100mMの酢酸トリエチルアンモニウム、緩衝液B:アセトニトリル、グラジエント:70%緩衝液B、定組成、30分かけて)によって追跡した。約6.5時間撹拌した後、分析により、反応が完了していることが示された。混合物を室温でさらに16時間撹拌し、その時点で撹拌を中止し、溶媒を蒸発させて帯黄色泡状物を回収した。粗混合物を、1%トリエチルアミン/79%酢酸エチル/20%ヘキサンで平衡化されたシリカゲルフラッシュカラムに適用した。生成物を、最初は同じ移動相で溶出させ、それを溶出の進行とともに99%酢酸エチル/1%トリエチルアミン、最終的には2%メタノール/97%酢酸エチル/1%トリエチルアミンに変更して溶出を完了させた。生成物含有画分を濃縮し、白色~オフホワイトの泡状物を得た(11.58g、収率91%)。H-NMR (300 mHz, CDCN): δ = 8.65 (t, J = 5.9 Hz,1H), 8.54 (s, 1H), 7.43-7.48 (m, 2H), 7.26-7.383 (m, 14H), 7.16-7.23 (m, 3H), 6.87 (dd, J = 9.0, J = 2.1 Hz, 4H), 6.12 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 4.29 (td, J = 10.1, J = 3.8 Hz, 1H), 3.98-4.05 (m, 2H), 3.75 (d, J = 0.6, 6H), 3.29 (d, J = 4.2 Hz, 2H), 3.19-3.27 (m, 2H), 2.19-2.44 (m, 4H). 13C-NMR (100 mHz, CDCN): δ = 163.24 (1C), 7.43-7.48 (m, 2H), 7.26-7.383 (m, 14H), 7.16-7.23 (m, 3H), 6.87 (dd, JA=9.0, JB=2.1 Hz, 4H), 6.12 (t, J=6.6 Hz, 1H), 4.29 (td, J=10.1, J= 3.8 Hz, 1H), 3.98-4.05 (m, 2H), 3.75 (d, J = 0.6, 6H), 3.29 (d, J = 4.2 Hz, 2H), 3.19-3.27 (m, 2H), 2.19-2.44 (m, 4H). ). MS (m/z) C4645に対する計算値, 767.88;実測値 766.2 [M-H](ESI).
【0214】
5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-4-N-アセチル-5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-O-2-シアノエチルホスホルアミダイト)(スキーム3、生成物10)の合成:マグネチックスターラー付き丸底フラスコ内で、前のステップの生成物(スキーム3、生成物9、10.36g、13.5mmol)をアルゴン下で無水ジクロロメタン(34mL)に溶かした。反応混合物に、2-シアノエチル-N,N,N′,N′-テトライソプロピルホスフィン(4.5mL、14.2mmol、1.05当量)、続いてトリフルオロ酢酸ピリジン(2.98g、14.9mmol、1.1当量)を加えた。反応物を1.25時間撹拌し、次いで、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:60%酢酸エチル/40%ヘキサン)によって分析し、反応が完了したことが示された。粗混合物を、50%酢酸エチル/49%ヘキサン/1%トリエチルアミンで平衡化されたシリカゲルフラッシュカラムに適用し、酢酸エチルの漸増濃度を使用して、最終画分を59%酢酸エチル/40%ヘキサン/1%トリエチルアミンを使用して溶出させ、生成物の溶出が達成された。すべての移動相を0℃に冷却し、アルゴンを吹き込み、アルゴンパージした瓶に生成物を回収した。生成物含有画分を濃縮し、白色~オフホワイトの泡状物を得た(8.97g、収率69%)。H-NMR (300 mHz, DMSO-d): δ = 12.93 (s, 1H), 8.70 (t, J=5.7 Hz, 1H), 8.47/8.46 (s, 1H), 7.12-7.40 (m, 19H), 6.86 (dd, J = 9.0, J = 2.4 Hz, 4H), 6.04-6.13 (m, 1H), 4.28-4.40 (m, 1H), 4.03-4.12 (m, 1H), 3.92-4.01 (m, 1H), 3.69/3.68 (s, 6H), 3.64-3.76 (m, 1H), 3.40-3.62 (m, 4H), 3.11-3.31 (m, 4H), 2.75 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 2.64 (td, J = 6.0, J = 0.8 Hz, 1H), 2.36-2.47 (m, 2H), 2.26 (dd, J= 14.4, J= 7.2 Hz 2H), 1.10 (dd, J = 12.3, J = 6.6 Hz 9H), 0.95 (d, J = 9.3 Hz,3H). 31P-NMR (300 mHz, DMSO-d): δ = 147.22/147.58 (s, 1P). MS (m/z) C5562Pに対する計算値, 968.10;実測値 966.3 [M-H](ESI).
【0215】
5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-3’-O-アセチル-2’-デオキシウリジンヌクレオシド(スキーム3、生成物11)の合成:マグネチックスターラー付き丸底フラスコ内で、出発物質(スキーム3、生成物9、0.953g、1.24mmol)をアルゴン下で無水ピリジン(10mL)に溶かした。無水酢酸(1mL、10.5mmol、8.5当量)を撹拌混合物に滴下。反応物を室温で25時間撹拌し、薄層クロマトグラフィー(TLC、80%酢酸エチル/20%ヘキサン)によって反応完了を確認した。粗混合物をトルエンからの共蒸発で蒸発させ、淡黄色~黄褐色の泡状物を回収した。残渣を、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP、10mL、95mmol))に溶かし(Leonard,N.J.Tetrahedron Letters,1995,36:7833)、約50℃で18時間加熱した。DMT基の完全な切断をTLC(5%メタノール/ジクロロメタン)によって確認した。赤色溶液を、よく撹拌したメタノール(約50~75mL)に注いでクエンチした。得られた黄色溶液を真空濃縮し、残渣を熱酢酸エチル(10~20mL)に溶かした。生成物は冷却時に結晶化し、得られたスラリーを0℃で撹拌し、その後、濾過して酢酸エチルで洗浄した。3’-O-アセチル-ヌクレオシド(生成物11)を白色固体として単離した(0.40g、収率64%)。H-NMR (400 mHz, DMSO-d): δ = 11.94 (s, 1H), 8.77 (bt, J = 5.8 Hz, 1H), 8.72 (s, 1H), 7.22-7.35 (m, 8H), 7.16 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 6.14 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 5.22-5.26 (m, 1H), 5.19 (t, J = 4.4 Hz, 1H), 4.63 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.10 (dd, J = 5.2, J = 3.2 Hz, 1H), 3.58-3.67 (m, 2H), 2.31-2.41 (m, 2H), 2.26 (dd, J = 14.0, J = 7.2 Hz, 2H), 2.06 (s, 3H). 13C-NMR (100 mHz, DMSO-d): δ = 170.46 (1C), 163.69 (1C), 161.81 (1C), 150.07 (1C), 146.15 (1C), 144.99 (2C), 128.93 (4C), 128.02 (4C), 126.61 (2C), 106.14 (1C), 85.85 (1C), 85.77 (1C), 75.23 (1C), 61.65 (1C), 48.70 (1C), 38.05 (1C), 37.84 (1C), 34.97 (1C), 21.30 (1C). MS (m/z) C2729に対する計算値, 507.54;実測値 506.1 [M-H](ESI).
【0216】
5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン-5’-O-三リン酸(トリス-トリエチルアンモニウム塩)(スキーム3、生成物12)の合成:3’-O-アセチル-ヌクレオシド(11)から、500μmolスケール(5×)のLudwig及びEcksteinの手順(Ludwig,J.and Eckstein,F.J.Org.Chem.1989,54:631)により三リン酸(12)を合成した。粗三リン酸生成物を、アンモノリシス及び蒸発の後、一般手順(上記)に記載のように陰イオン交換クロマトグラフィー及び逆相クロマトグラフィーによって精製した。[ε est. 13.700 cm-1-1]単離された精製生成物は59.8μmolであった(収率12%)。H-NMR (300 mHz, DO): δ = 7.95 (s, 1H), 7.22-7.28 (m, 4H), 7.11-7.19 (m, 4H), 6.96-7.05 (d, 2H), 6.05 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 4.51 (五重線, J = 3.0 Hz, 1H), 4.10-4.18 (m, 3H), 3.92 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 3.17-3.40 (m, 2H), 2.90 (q, J = 7.5 Hz, 19H), 2.25-2.38 (m, 3H), 2.11-2.22 (m, 1H), 1.11 (t, J = 7.5 Hz, 29H). 31P-NMR (100 mHz, DO): δ = -9.93 (d, J = 20.3 Hz, 1P), -11.63 (d, J = 20.9 Hz, 1P), -11.63 (d, J = 20.9 Hz, 1P). MS (m/z) C252915に対する計算値, 704.43;実測値 704.1M-H](ESI).
【0217】
実施例2-1:5-{N-[2-(4-ビフェニルエチル)カルボキサミド]}-2’-デオキシウリジン(BPEdU)誘導体(スキーム3)の調製
5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-5-{N-[2-(4-ビフェニルエチル)カルボキサミド]}-2’-デオキシウリジン(スキーム3、生成物9)の合成:出発物質である5’-O-ジメトキシトリチル-5-トリフルオロエトキシカルボニル-2’-デオキシウリジン(スキーム3、生成物8、10.45g、15.9mmol))を、乾燥したアルゴンパージ済み丸底フラスコに投入した。乾燥アセトニトリル(20mL)及び2-(4-ビフェニル)エチルアミン(3.81g、19.1mmol、1.2当量)をフラスコに加え、混合物を撹拌して固形物を溶かした。トリエチルアミン(4.4mL、31.8mmol、2当量)を撹拌混合物に加え、それを水浴に移し、不活性雰囲気下で40℃にて加熱した。反応の進行を、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:8%メタノール/ジクロロメタン)及び逆相HPLC(Waters 2489検出器を備えた2795 HPLC、及びWaters Symmetryカラムを使用、緩衝液A:100mMの酢酸トリエチルアンモニウム、緩衝液B:アセトニトリル、グラジエント:70%緩衝液B、定組成、30分かけて)によって追跡した。約6時間撹拌した後、分析により、反応がまだ不完全であることが示された。混合物を室温でさらに16時間撹拌して再分析し、完了が確認された。撹拌を中止し、溶媒を蒸発させて帯黄色泡状物を回収した。粗混合物を、1%トリエチルアミン/79%酢酸エチル/20%ヘキサンで平衡化されたシリカゲルフラッシュカラムに適用した。生成物を、最初は同じ移動相で溶出させ、それを溶出の進行とともに0~2%メタノール/1%トリエチルアミン/酢酸エチルに変更して溶出を完了させた。生成物含有画分を濃縮し、白色~オフホワイトの泡状物を得た(10.89g、収率91%)。H-NMR (300 mHz, CDCN): δ = 8.69 (t, J=5.6 Hz, 1H), 8.57 (s, 1H), 7.57-7.67 (m, 4H), 7.44-7.50 (m, 4H), 7.29-7.40 (m, 8H), 7.20-7.26 (m, 1H), 6.86-6.92 (m, 4H), 6.11 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 4.28 (dt, J= 7.5, J = 3.9 Hz, 1H), 4.01 (dd, JA=8.3, JB=4.3 Hz, 1H), 3.61 (q, J = 6.6 Hz, 2H), 3.30 (d, J = 4.2 Hz, 2H), 2.90 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.33-2.43 (m, 1H), 2.19-2.29 (m, 1H). 13C-NMR (100 mHz, CDCN): δ = 163.02 (1C), 161.59 (1C), 158.65 (1C), 149.45 (1C), 145.53 (1C), 145.08 (1C), 140.61 (1C), 138.94 (1C), 138.83 (1C), 135.88 (1C), 135.87 (1C), 130.09 (1C), 130.08 (1C), 129.32 (2C), 128.88 (2C), 128.04 (2C), 127.88 (2C), 127.26 (1C), 126.95 (2C), 126.79 (2C), 126.75 (1C), 113.13 (2C), 113.11 (2C), 105.75 (1C), 86.42 (1C), 86.37 (1C), 86.31 (1C), 71.03 (1C), 63.55 (1C), 54.89 (2C), 40.34 (1C), 40.25 (1C), 34.92 (1C). MS (m/z) C4543に対する計算値, 753.85;実測値 745.2 [M-H](ESI).
【0218】
5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-5-{N-[2-(4-ビフェニルエチル)カルボキサミド]}-2’-デオキシウリジン-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-O-2-シアノエチルホスホルアミダイト)(スキーム3、生成物10)の合成:マグネチックスターラー付き丸底フラスコ内で、前のステップの生成物(スキーム3、生成物9、18.76g、24.9mmol)をアルゴン下で無水ジクロロメタン(62mL)に溶かした。反応混合物に、2-シアノエチル-N,N,N′,N′-テトライソプロピルホスフィン(8.3mL、26.1mmol、1.05当量)、続いてトリフルオロ酢酸ピリジン(5.40g、14.9mmol、1.1当量)を加えた。反応物を30分間撹拌し、次いで、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:5%メタノール/ジクロロメタン)によって分析し、反応が完了したことが示された。粗混合物を、69%酢酸エチル/30%ヘキサン/1%トリエチルアミンで平衡化されたシリカゲルフラッシュカラムに適用し、酢酸エチルの漸増濃度を使用して、最終画分を79%酢酸エチル/20%ヘキサン/1%トリエチルアミンを使用して溶出させ、生成物の溶出が達成された。すべての移動相を0℃に冷却し、アルゴンを吹き込み、アルゴンパージした瓶に生成物を回収した。生成物含有画分を濃縮し、白色~オフホワイトの泡状物を得た(20.97g、収率88%)。H-NMR (400 mHz, DMSO-d): δ = 11.93 (s, 1H), 8.78 (t, J=5.7 Hz, 1H), 8.52/8.50 (s,1H), 7.55-7.68 (m, 4H), 7.11-7.49 (m, 16H), 6.84-6.92 (m, 4H), 6.03-6.13 (m, 1H), 4.29-4.41 (m, 1H), 4.07-4.13 (m, 1H), 3.73 (s, 6H), 3.42-3.70 (m, 6H), 3.18-3.31 (m, 2H), 2.83 (t, J = 7.2 Hz,2H), 2.75 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 2.64 (td, J= 6.0, J = 0.9 Hz, 1.5H), 2.36-2.46 (m, 2H), 1.10 (dd, J = 12.3, J = 6.6 Hz, 12H), 0.96 (d, J = 6.9 Hz, 2H). 31P-NMR (400 mHz, DMSO-d): δ = 147.32/147.66 (s, 1P). MS (m/z) C5460Pに対する計算値, 954.07;実測値 952.6 [M-H](ESI).
【0219】
5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-5-{N-[2-(4-ビフェニル)エチルカルボキサミド]}-3’-O-アセチル-2’-デオキシウリジンヌクレオシド(スキーム3、生成物11)の合成:マグネチックスターラー付き丸底フラスコ内で、出発物質(スキーム3、生成物9、0.98g、1.30mmol)をアルゴン下で無水ピリジン(10mL)に溶かした。無水酢酸(1mL、10.5mmol、8.1当量)を撹拌混合物に滴下。反応物を室温で25時間撹拌し、薄層クロマトグラフィー(TLC、80%酢酸エチル/20%ヘキサン)によって反応完了を確認した。粗混合物を蒸発させて淡黄色~黄褐色の泡状物を回収した。残渣を、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(10mL、95mmol))に溶かし(Leonard,N.J.Tetrahedron Letters,1995,36:7833)、約50℃で17時間加熱した。DMT基の完全な切断をTLC(5%メタノール/ジクロロメタン)によって確認した。赤色溶液を、よく撹拌したメタノール(約25~30mL)に注いでクエンチした。固形物がほぼ直ちに形成し始め、混合物を約18時間撹拌し、その時点で、生成物を、冷イソプロピルエーテルを使用して濾過し、フィルターケーキを洗浄することによって回収した。3’-O-アセチル-ヌクレオシド(生成物11)を白色固体として単離した(0.680g、約収率100%)。H-NMR (500 mHz, DMSO-d): δ = 11.99 (s, 1H), 8.80 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 8.76 (s, 1H), 7.64 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.60 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.45 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.31-7.37 (m, 4H), 6.14 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 5.22-5.26 (m, 1H), 5.19 (t, J = 4.5 Hz, 1H), 4.09 (d, J=1.5 Hz, 1H), 3.62 (dd, J = 7.5, J = 4.0 Hz, 2H), 3.62 (dd, J = 7.5, J = 4.0 Hz, 2H), 2.84 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.30-2.40 (m, 2H), 2.06 (s, 3H). 13C-NMR (100 mHz, CDCN): δ = 170.50 (1C), 165.59 (1C), 161.85 (1C), 150.03 (1C), 146.30 (1C), 140.42 (1C), 139.05 (1C), 138.54 (1C), 129.72 (2C), 129.37 (1C), 127.70 (1C), 127.14 (2C), 126.96 (2C), 106.03 (1C), 85.87 (1C), 85.80 (1C), 75.25 (1C), 61.65(1C), 40.57 (1C), 38.10 (1C), 35.33 (1C), 21.30 (1C). MS (m/z) C2627に対する計算値, 493.52;実測値 492.1 [M-H](ESI).
【0220】
5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-5-{N-[2-(4-ビフェニルエチル)カルボキサミド]}-2’-デオキシウリジン-5’-O-三リン酸(トリス-トリエチルアンモニウム塩)(スキーム3、生成物12)の合成:3’-O-アセチル-ヌクレオシド(11)から、500μmolスケール(5×)のLudwig及びEcksteinの手順(Ludwig,J.and Eckstein,F.J.Org.Chem.1989,54:631)により三リン酸(12)を合成した。粗三リン酸生成物を、アンモノリシス及び蒸発の後、一般手順(上記)に記載のように陰イオン交換クロマトグラフィー及び逆相クロマトグラフィーによって精製した。[ε est. 13.700 cm-1-1]単離された精製生成物は182μmol(収率35.9%)であった。H-NMR (300 mHz, DO): δ = 8.38 (s, 1H), 7.55-7.61 (m, 5H), 7.40-7.46 (m, 2H), 7.32-7.37 (m, 3H), 6.11 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.53 (五重線, J = 3.2 Hz, 1H), 4.16-4.21 (m, 1H), 4.09-4.15 (m, 2H), 3.60 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.14 (q, J = 7.2 Hz, 24H), 2.89 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.25-2.40 (m, 2H), 2.26 (m, 1H), 1.22 (t, J = 7.2 Hz, 36H). 31P-NMR (100 mHz, DO): δ = -10.91 (d, J = 19.8 Hz, 1P), -11.41 (d, J = 19.9 Hz, 1P), -23.32 (t, J = 19.8 Hz, 1P). MS (m/z) C242715に対する計算値, 690.41;実測値 690.1 [M-H](ESI).
【0221】
実施例2-3.5-[N-(4-フェノキシフェニルメチル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン(POPdU)誘導体の調製(スキーム3):
5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-5-[N-(4-フェノキシフェニルメチル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン(スキーム3、生成物9)の合成:出発物質である5’-O-ジメトキシトリチル-5-トリフルオロエトキシカルボニル-2’-デオキシウリジン(スキーム3、生成物8、28.47g、43.4mmol))を、乾燥したアルゴンパージ済み丸底フラスコに投入した。乾燥アセトニトリル(54mL)及び4-フェノキシフェニルメチルアミン(10.38g、52.1mmol、1.2当量)をフラスコに加え、混合物を撹拌して固形物を溶かした。トリエチルアミン(12mL、86.8mmol、2当量)を撹拌混合物に加えた。反応物を不活性雰囲気下で室温にて22時間撹拌した。その時点で、反応の進行を逆相HPLC(Waters 2489検出器を備えた2795 HPLC、及びWaters Symmetryカラムを使用、緩衝液A:100mMの酢酸トリエチルアンモニウム、緩衝液B:アセトニトリル、グラジエント:70%緩衝液B、定組成、30分かけて)によって評価し、完了していることが分かった。撹拌を中止し、溶媒を蒸発させて帯黄色泡状物を回収した。粗混合物を、99%酢酸エチル/1%トリエチルアミンで平衡化されたシリカゲルフラッシュカラムに適用した。生成物を、最初は同じ移動相で溶出させ、それを溶出の進行とともに0~1.5%メタノール/1%トリエチルアミン/酢酸エチルに変更して溶出を完了させた。生成物含有画分を濃縮し、白色~オフホワイトの泡状物を得た(28.89g、収率88%)。H-NMR (400 mHz, DMSO-d): δ = 9.25 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 8.48 (s, 1H), 7.40-7.22 (m, 15H), 7.15-7.19 (m, 1H), 7.08-7.17 (m, 1H), 6.92-7.00 (m, 6H), 6.84-6.90 (m, 4H), 6.10 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 4.40-4.52 (m, 2H), 4.11 (dt, J = 10.4, J= 4.0 Hz, 1H), 3.95 (dd, J= 8.6, J= 4.4 Hz, 1H), 3.70 (d, J= 1.6, 6H), 3.19 (d, J = 4.4 Hz, 2H), 2.25-2.33 (m, 1H), 2.16-2.24 (m, 1H). 13C-NMR (100 mHz, DMSO-d): δ = 163.39 (1C), 161.21 (1C), 158.49 (1C), 158.47 (1C), 157.31 (1C), 155.88 (1C), 150.42 (1C), 145.83 (1C), 145.34 (1C), 135.93(1C), 135.81 (1C), 134.98 (1C), 130.45 (2C), 130.26 (2C), 130.15 (2C), 129.54 (2C), 123.63 (1C), 118.74 (2C), 118.69 (2C), 113.68/ 113.67 (4C), 105.56 (1C), 86.38 (1C), 86.31 (1C), 86.20 (1C), 70.88 (1C), 64.09 (1C), 55.41/55.40 (2C), 44.85 (1C), 40.56 (1C). MS (m/z) C4441に対する計算値, 755.82;実測値 754.2 [M-H](ESI).
【0222】
5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-5-[N-(4-フェノキシフェニルメチル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-O-2-シアノエチルホスホルアミダイト)(スキーム3、生成物10)の合成:マグネチックスターラー付き丸底フラスコ内で、前のステップの生成物(スキーム3、生成物9、29.14g、38.6mmol)をアルゴン下で無水ジクロロメタン(100mL)に溶かした。反応混合物に、2-シアノエチル-N,N,N′,N′-テトライソプロピルホスフィン(12mL、40.5mmol、1.05当量)、続いてトリフルオロ酢酸ピリジン(8.30g、43.0mmol、1.1当量)を加えた。反応物を3時間撹拌し、次いで、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:55%酢酸エチル/45%ヘキサン)によって分析し、反応が完了したことが示された。粗混合物を、59%酢酸エチル/40%ヘキサン/1%トリエチルアミンで平衡化されたシリカゲルフラッシュカラムに適用し、同じ移動相で生成物の溶出が達成され、それを0℃に冷却し、アルゴンを吹き込み、アルゴンパージした瓶に生成物を回収した。生成物含有画分を濃縮し、白色~オフホワイトの泡状物を得た(30.25g、収率82%)。H-NMR (300 mHz, DMSO-d): δ = 11.98 (s, 1H), 9.09 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 8.53 8.52 (s, 1H), 7.08-7.40 (m, 14H), 6.91-7.00 (m, 4H), 6.82-6.87 (m, 4H), 6.04-6.13 (m, 1H), 4.29-4.55 (m, 3H), 4.05-4.14 (m, 1H), 3.71 (bs, 6H), 3.46-3.70 (m, 4H), 3.18-3.31 (m, 2H), 2.75 (t, J = 6.0, 1H), 2.64 (td, J = 6.0, J = 0.3 Hz, 1H), 2.37-2.48 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 0.97 (d, J = 6.9 Hz, 2H). 31P-NMR (300 mHz, DMSO-d): δ = 147.32/ 147.65 (s, 1P). MS (m/z) C535810Pに対する計算値, 956.05;実測値 954.3 [M-H](ESI).
【0223】
5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-5-[N-(4-フェノキシフェニルメチル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン(スキーム3、生成物11)の合成:マグネチックスターラー付き丸底フラスコ内で、出発物質(スキーム3、生成物9、0.79g、1.05mmol)をアルゴン下で無水ピリジン(10mL)に溶かした。無水酢酸(1mL、10.5mmol、10当量)を撹拌混合物に滴加した。反応物を室温で20時間撹拌し、薄層クロマトグラフィー(TLC、80%酢酸エチル/20%ヘキサン)によって反応完了を確認した。粗混合物をトルエンとの共蒸発で蒸発させ、淡黄色~黄褐色の泡状物を回収した。残渣を、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP、10mL、95mmol))に溶かし(Leonard,N.J.Tetrahedron Letters,1995,36:7833)、約50℃で16時間加熱した。DMT基の完全な切断をTLC(5%メタノール/ジクロロメタン)によって確認した。赤色溶液を、よく撹拌したメタノール(約20~30mL)に注いでクエンチした。少数の固形物がほぼ直ちに形成し始めた。混合物の体積は蒸発によって約50%減少し、混合物を約1時間撹拌した。その時点までには、混合物は固形物で粘度が高くなっており、生成物を、冷イソプロピルエーテルを使用して濾過し、フィルターケーキを洗浄することによって回収した。3’-O-アセチル-ヌクレオシド(生成物11)を白色固体として単離した(0.36g、収率69%)。H-NMR (400 mHz, DMSO-d): δ = 11.94 (s, 1H), 9.12 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 8.79 (s, 1H), 7.27-7.41 (m, 2H), 7.32 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.12 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.92-7.02 (m, 4H), 6.15 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 5.24 (bt, J = 2.4 Hz, 1H), 5.19 (bt, J = 4.4 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.10 (bdd, J= 5.0, J= 3.4 Hz, 1H), 3.58-3.68 (m, 2H), 2.29-2.42 (m, 2H), 2.06 (s, 3H). ). 13C-NMR (100 mHz, DMSO-d): δ = 170.48 (1C), 163.63 (1C), 161.96 (1C), 157.32 (1C), 155.91 (1C), 155.91 (1C), 146.49 (1C), 134.78 (1C), 130.47 (2C), 129.60 (2C), 123.75 (1C), 119.20 (2C), 118.83 (2C), 106.10 (1C), 85.91 (1C), 85.81 (1C), 75.22 (1C), 61.65 (1C), 48.04 (1C), 38.12 (1C), 37.84 (1C), 34.97 (1C), 21.30 (1C). MS (m/z) C2525に対する計算値, 495.49;実測値 494.1 [M-H](ESI).
【0224】
5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-5-{N-[2-(4-ビフェニルエチル)カルボキサミド]}-2’-デオキシウリジン-5’-O-三リン酸(トリス-トリエチルアンモニウム塩)(スキーム3、生成物12)の合成:3’-O-アセチル-ヌクレオシド(11)から、500μmolスケール(5×)のLudwig及びEcksteinの手順(Ludwig,J.and Eckstein,F.J.Org.Chem.1989,54:631)により三リン酸(12)を合成した。粗三リン酸生成物を、アンモノリシス及び蒸発の後、一般手順(上記)に記載のように陰イオン交換クロマトグラフィー及び逆相クロマトグラフィーによって精製した。[ε est. 13.700 cm-1-1]単離された精製生成物は192μmol(収率38.2%)であった。H-NMR (300 mHz, DO): δ = 8.38 (s, 1H), 7.14-7.26 (m, 4H), 7.05 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.76-6.82 (m, 4H), 6.09 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 4.5 (五重線, J = 3.3 Hz, 1H), 4.39 (q, J = 15.3 Hz, 2H), 4.60 (dd, J=15.1, J= 3.4 Hz, 1H), 4.05-4.17 (m, 3H), 3.08 (q, J = 7.5 Hz, 23H), 2.26-2.37 (m, 2H), 1.16 (t, J = 7.5 Hz, 35H). 13C-NMR (100 mHz, DO): δ = 163.49 (1C), 156.60 (1C), 155.82 (1C), 150.38 (1C), 146.45 (1C), 133.41(1C), 130.01 (2C), 129.04 (2C), 123.76 (1C), 118.87 (2C), 118.60 (2C), 105.70 (1C), 101.53 (1C), 86.91 (1C), 85.92/ 85.81 (1C), 70.86 (1C), 65.49 (1C), 46.59 (8C), 42.28 (1C), 38.74 (1C), 22.74 (1C), 8.19 (8C). MS (m/z) C252516に対する計算値 692.38;実測値 692.0 [M-H](ESI).
【0225】
実施例3:5位修飾ピリミジンヌクレオチドを有するアプタマーの選択
本実施例では、ビフェニル修飾dUライブラリーを単一フェニル修飾ヌクレオチドライブラリーと直接比較して使用する、DNAアプタマーの選択及び生成のための代表的方法を提供する。
【0226】
候補混合物の調製
部分的ランダム化ssDNAオリゴヌクレオチドの候補混合物を、ビオチン化ssDNAテンプレートにアニールしたDNAプライマー(下表1に示す)のポリメラーゼ伸長によって調製した。候補混合物には、dATP、dGTP、dCTPと、5-(N-3-フェニルプロピルカルボキサミド)-2’-デオキシウリジン三リン酸(PP-dUTP)、5-[N-(4-フェニルベンジル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン三リン酸(PBn-dUTP)、5-[N-(4-フェノキシベンジル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン三リン酸(POP-dUTP)、5-{N-[(1,1’-ビフェニル)-4-イル)エチル]カルボキシアミド}-2’-デオキシウリジン三リン酸(BPE-dUTP)または5-[N-(3,3-ジフェニルプロピル)カルボキサミド]-2’-デオキシウリジン三リン酸(DPP-dUTP))のいずれかと、を含有する40ヌクレオチドのランダム化カセットが含有された。
【表1】
【0227】
9200マイクロリットルの、Streptavidin Plus UltraLink Resin(PIERCE)の50%スラリーを3回洗浄し、40mLの16mM NaClで1回洗浄した。レジンを最終体積8.5mLの16mM NaClに再懸濁させた。2つのビオチン残基(配列中B’と表記)と40のランダム化位置(配列中N40と表記)とを有するテンプレート1(配列番号1)を352ナノモルにて洗浄済みUltraLink SAビーズに加え、37℃で30分間回転させた。その後、ビーズを16mM NaClで3回洗浄した。洗浄と洗浄の合間に、ビーズを遠心分離により回収した。ビーズはこの時点で捕捉したテンプレートを含有しており、これらのビーズを、1.125mLの伸長反応緩衝液[18nmolのプライマー1(配列番号2)、1×SQ20緩衝液(120mM Tris-HCl、pH7.8、10mM KCl、7mM MgSO、6mM (NHSO、0.001%BSA及び0.1%Triton X-100)、112ユニットのKOD XL DNAポリメラーゼ(EMD MILLIPORE)、ならびに1mMずつの、PP-dUTP、PBn-dUTP、POP-dUTP、BPE-dUTPまたはDPP-dUTPのうちの1つ、及びdATP、dGTP、dCTP、を含有]に懸濁させた。ビーズを68℃で2時間インキュベートした。その後、ビーズを16mM NaClで3回洗浄した。アプタマーライブラリーを、2mLの20mM NaOHでビーズから溶出させた。溶出したライブラリーを直ちに、52μLの1N HCl及び100μL HEPES(pH7.5)及び2μLの10%TWEEN-20で中和した。ライブラリーをAMICON Ultracel YM-3フィルターで約0.32mL~0.52mLに濃縮し、ライブラリーの濃度を紫外吸収分光法によって決定した。
【0228】
標的タンパク質の固定化
SELEXで使用される以下のタンパク質標的を商業ベンダーから購入した:インターロイキン-33(IL-33)タンパク質(Novoprotein、カタログ番号C233)、XIAPタンパク質(R&D Systems、カタログ番号895-XB-050)、TNF-αタンパク質(Acro Biosystems、カタログ TNA-5228)、KRAS(K-Ras)タンパク質(Sino Biological、カタログ番号12259-H07E)。Hisタグの付いた生成標的タンパク質を、SELEX(ラウンド1~7)用にHis-tag Dynabeads(Thermo Fisher)常磁性ビーズ(MyOne SA、Invitrogen、または以下、Hisビーズと呼ぶ)に固定化した。ビーズ(40mg)は、NaOHでpH7.5に調整した40mM HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸)緩衝液、102mM NaCl、5mM KCl、5mM MgCl2及び0.01%TWEEN20)で構成される20mLのSB18T0.01緩衝液で3回洗浄することによって調製された。最後に、ビーズをSB18T0.01中に2.5mg/mLで懸濁させ、使用まで4℃で保存した。
【0229】
低解離速度濃縮工程によるアプタマーの選択
親和性及び低解離速度についての選択に関して合計7ラウンドのSELEX法が完了した。バックグラウンドを抑制するため、及びタンパク質に非特異的に結合しているアプタマーが取得される可能性を減らすため、各ラウンドの前に対抗選択を実施した。対抗選択を以下のとおり実施した。
【0230】
ラウンド1では、約1nmoleのDNAを含むSB18T0.01を含有する100μLのDNA候補混合物を95℃で5分間加熱し、その後、70℃に5分間、次いで48℃に5分間冷却した後、37℃でのブロックに5分間移した。その後、試料を、10μLのタンパク質競合混合物(0.1%HSA、10μMのカゼイン、及び10μMプロトロンビンを含むSB18T0.01)、及びHEXA-His(Anaspec、カタログ番号24420)でコートした0.025mg(10μL)のHisビーズと合わせ、混合しながら37℃で10分間インキュベートした。ビーズを磁気分離によって除去した。
【0231】
ラウンド2~7では、前のラウンドから得られたDNA候補混合物の65μLのアリコート(前のラウンドから得られたeDNAの65%)を、16μLの5×SB18T0.01と混合した。試料を95℃まで3分間加熱し、0.1℃/秒の速度で37℃まで冷却した。その後、試料を、9μLのタンパク質競合混合物(0.1%HSA、10μMのカゼイン、及び10μMプロトロンビンを含むSB18T0.01)、及び0.025mg(10uL)のHisビーズと合わせ、混合しながら37℃で10分間インキュベートした。ビーズを磁気分離によって除去した。
【0232】
最初の対抗選択に続いて、標的タンパク質を、ラウンド1の選択工程のためにHisビーズに事前に固定化した。これを達成するために、0.125mgのタンパク質Hisビーズを50pmoleの標的タンパク質と混合し、37℃で30分間インキュベートした。ビーズをSB18T0.01で洗浄することによって未結合標的を除去した。対抗選択されたDNA候補混合物(100μL)をビーズに加え、混合しながら37℃で60分間インキュベートした。最初のラウンドでは低解離速度濃縮プロセスは使用せず、ビーズを100μLのSB18T0.01で5回、簡易洗浄した。洗浄に続き、170μLの2mM NaOHを加え、混合しながら37℃で5分間インキュベートすることによって、結合したアプタマーをビーズから溶出させた。ビーズの磁気分離後にアプタマー含有溶出液(170μL)を新しいチューブに移し、40μLの中和緩衝液(500mM Tris-HCl(pH7.5)、8mM HCl)を加えて溶液を中和した。
【0233】
ラウンド2~7では、DNA候補混合物及び以下に記載の標的タンパク質を用いて選択を実施し、並行して、DNA候補混合物は用いるが標的タンパク質は用いずに同一の選択を実施した。標的タンパク質を含む試料(シグナルS)のPCRと、標的タンパク質を含まない試料(バックグラウンドB)のPCRから取得されたCt値の比較を、次ラウンドでの標的濃度を減少させるための指標として使用した。デルタCt値が4より大きいが8未満の場合、次ラウンドでは標的タンパク質を3分の1に減らした。デルタCt値が8より大きい場合、次ラウンドでは標的を10分の1に減らした。
【0234】
ラウンド2では、標識された標的タンパク質(10μL中5pmole)を、40μLの対抗選択されたDNA候補混合物と混合し、37℃で15分間インキュベートした。低解離速度濃縮プロセスは、10mMのデキストラン硫酸を50μLにて加えることにより開始され、その後、直ちに0.0125mgのHisビーズが添加された。これを、混合しながら37℃で15分間インキュベートした。その後、ビーズを100μLのSB18T0.01で5回洗浄した。100μLの過塩素酸ナトリウムを加え、混合しながら37℃で10分間インキュベートすることによって、ビーズからアプタマー鎖を溶出させた。ビーズを磁気分離によって除去し、100μLのアプタマー溶出液を新しいチューブに移した。
【0235】
ラウンド3~7をラウンド2で記載されているように実施したが、ただし、標的タンパク質の量を、標的とライブラリーの各組み合わせのデルタCt値に基づいて必要に応じて少なくした。デキストラン硫酸を、Hisビーズの添加の15分前(ラウンド3及び4)、30分前(ラウンド5及び6)、45分前(ラウンド7)に加えた。
【0236】
ラウンド2~7では、過塩素酸溶出の後、0.0625mg(25μL)の、プライマー2(配列番号3)と予め結合させたSAビーズ(以下、プライマービーズと呼ぶ)で100μLのアプタマー溶出液を捕捉し、振盪しながら50℃で10分間インキュベートし、続いて、振盪しながら25℃でのインキュベーションを10分間行った。ビーズを100μLのSB18T0.01で2回、及び16mMのNaClで1回洗浄した。結合したアプタマーを120μLの水で溶出させ、75℃で2分間インキュベートした。ビーズを磁気分離によって除去し、120μLのアプタマー溶出液を新しいチューブに移した。プライマービーズは、15mgのSAビーズ(1.5mLの10mg/mL SAビーズを2mLの20mM NaOHで1回、2mL SB18T0.01で2回洗浄したもの)を、0.5mLの1M NaCl、0.01%tween-20中に再懸濁させ、7nmoleのプライマー2(配列番号3)を加えることによって調製された。混合物を37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、ビーズを1mLのSB18T0.01で2回、及び1mLの16mM NaClで2回洗浄した。ビーズを、5M NaCl、0.01%tween-20中に2.5mg/mlとなるよう再懸濁させた。
【0237】
アプタマーの増幅及び精製
各ラウンドからの選択されたアプタマーDNAをQPCRにより増幅させ、定量した。12μL QPCR Mix(10X KOD DNAポリメラーゼバッファー;Novagen#71157、5倍希釈、25mM MgCl2、5μMのフォワードPCRプライマー(プライマー1、配列番号2)、5μMのビオチン化リバースPCRプライマー(プライマー2、配列番号3)、5×SYBR Green I、0.075U/μL KOD XL DNAポリメラーゼ、ならびに1mMずつのdATP、dCTP、dGTP、及びdTTP)に48μLのDNAを加え、Bio-Rad MyIQ QPCR装置で以下のプロトコルに従ってサーマルサイクラーにかけた:96℃で15秒及び68℃で30分を1サイクル、続いて、96℃で15秒、68℃で1分を25サイクル。装置のソフトウェアで定量を実施し、標的タンパク質を含む場合と含まない場合の選択されたDNAのコピー数を比較して、シグナル/バックグラウンド比を決定した。
【0238】
増幅後、PCR産物をビオチン化アンチセンス鎖によりSAビーズに捕捉した。25mLのSAビーズ(10mg/mL)を、25mLの20mM NaOHで1回、25mLのSB18T0.01で2回洗浄して25mLのSB18T0.01に再懸濁させ、4℃で保存した。25μLのSAビーズ(SB18T0.01中10mg/mL)を50μLの二本鎖QPCR産物に加え、混合しながら25℃で5分間インキュベートした。100μLの20mM NaOHを加え、混合しながら25℃で1分間インキュベートすることによって、ビーズから「センス」鎖を溶出させた。溶出した鎖を廃棄し、ビーズをSB18T0.01で2回、16mMのNaClで1回洗浄した。
【0239】
PP-dUTP、PBn-dUTP、POP-dUTP、BPE-dUTPまたはDPP-dUTPのいずれかを含有するアプタマーセンス鎖を、固定化したアンチセンス鎖からのプライマー伸長によって調製した。40μLのプライマー伸長反応混合物(1×プライマー伸長緩衝液(120mM Tris-HCl(pH7.8)、10mM KCl、7mM MgSO4、6mM (NH4)2SO4、0.1%TRITON X-100及び0.001%ウシ血清アルブミン)、4μMのフォワードプライマー(プライマー1、配列番号2)、dATP、dCTP、dGTPと、PP-dUTP、PBn-dUTP、POP-dUTP、BPE-dUTPまたはDPP-dUTPのいずれかと、を0.5mMずつ、ならびに0.075U/μL KOD XL DNAポリメラーゼ)中にビーズを懸濁させ、混合しながら68℃で45分間インキュベートした。ビーズをSB18T0.01で2回、16mMのNaClで1回洗浄し、アプタマー鎖を、85μLの20mM NaOHを加えて混合しながら37℃で2分間インキュベートすることによってビーズから溶出させた。磁気分離後に83μLのアプタマー溶出液を新しいチューブに移し、20μLの80mM HClで中和し、5μLの0.1M HEPES、pH7.5で緩衝した。
【0240】
選択の厳密性とフィードバック
選択ステップの相対標的タンパク質濃度を、以下の規則に従ってQPCRシグナル(ΔCt)に応じてラウンドごとに下げた:
ΔCt<4の場合、[P](i+1)=[P](i)
4≦ΔCt<8の場合、[P](i+1)=[P](i)/3.2
ΔCt≧8の場合、[P](i+1)=[P](i)/10
式中、[P]=タンパク質濃度、及びi=現在のラウンド番号。
【0241】
各選択ラウンドの後で、濃縮DNA混合物の収束状態を決定した。10μLの二本鎖QPCR産物を、1×SYBR Green I含有4mM MgCl2で200μLに希釈した。二本鎖オリゴヌクレオチドの複合体混合物のハイブリダイゼーション時間を測定するC0t分析を使用して、試料を収束について分析した。試料を、以下のプロトコルに従ってサーマルサイクラーにかけた:98℃で1分、85℃で1分を3サイクル、98℃で1分、次いで85℃で30分を2サイクル。この85℃で30分の間に、5秒間隔で蛍光画像を測定した。蛍光強度を時間の対数の関数としてプロットしたところ、各SELEXラウンドでハイブリダイゼーション速度の増加が観察され、配列の収束が示された。
【0242】
実施例4:タンパク質標的に対する濃縮SELEXプールの平衡結合定数(Kd)
本実施例では、SELEXプール-タンパク質の結合親和性を測定するため、及びKdを決定するために本明細書で使用される方法を提供する。
【0243】
下表2に示される、濃縮されたラウンド7のSELEXプールの結合親和性を決定した。簡単に言えば、組換えXIAP、IL-33、TNF-α及びK-Rasタンパク質への結合についてのフィルター結合アッセイによって、濃縮SELEXプールの結合定数(Kd値)を決定した。濃縮SELEXプールのKd値をSB18T緩衝液中で測定した。ラウンド7の濃縮SELEXプールを、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(New England Biolabs)及びγ-[32P]ATP(Perkin-Elmer)を使用して5’末端標識した。放射標識アプタマー(20,000~40,000CPM、約0.03nM)を、10-7~10-12Mの範囲の濃度の標的タンパク質と混合し、37℃で40分間インキュベートした。
【0244】
インキュベーション後、反応物を、同量の10mMのデキストラン硫酸及び0.014mgのHis-タグDynaビーズ(Invitrogen)と混合し、混合しながら37℃で5分間インキュベートした。結合した複合体をDuraporeフィルタープレート(EMD Millipore)に捕捉し、結合したアプタマーの画分をホスフォイメージャー(Typhoon FLA 9500,GE)で定量し、データをImageQuant(GE)で分析した。
【0245】
結合親和性を決定するため、方程式:
y=(最大-最小)(タンパク質)/(K+タンパク質)+最小
を使用してデータを当てはめ、GraphPad Prismバージョン7.00を使用してプロットするか、または4パラメータシグモイド型用量反応モデルを使用してデータを当てはめた。データはいずれも、GraphPad Prismバージョン7.00を使用してプロットされた。結果を図1A~1I及び表2に示す。
【表2】
【0246】
実施例5:ビフェニル修飾ヌクレオチドを有するアプタマーの選択
本実施例では、ビフェニル修飾dCライブラリーを単一フェニル修飾ヌクレオチドライブラリーと直接比較して使用する、DNAアプタマーの選択及び生成のための代表的方法を提供する。
【0247】
候補混合物の調製
部分的ランダム化ssDNAオリゴヌクレオチドの候補混合物を、ビオチン化ssDNAテンプレートにアニールしたDNAプライマー(下表3に示す)のポリメラーゼ伸長によって調製した。候補混合物には、PP-dCTP、Bn-dCTP、DPP-dCTP、PBn-dCTP、またはPOP-dCTPのうちの1つ、及びdATP、dGTP、dUTPを含有する40ヌクレオチドのランダム化カセットが含有された。
【表3】
【0248】
4900マイクロリットルの、Streptavidin Plus UltraLink Resin(PIERCE)の50%スラリーを、1×SB18T緩衝液で1回、及び16mM NaClで3回洗浄した。レジンを6本のチューブに等分し、2つのビオチン残基(配列中B’と表記)と40のランダム化位置(配列中N40と表記)とを有するテンプレート1(配列番号4)を28ナノモルにて洗浄済みUltraLink SAビーズに加え、37℃で30分間回転させた。その後、ビーズを16mM NaClで3回洗浄した。洗浄と洗浄の合間に、ビーズを遠心分離により回収した。ビーズはこの時点で捕捉したテンプレートを含有しており、これらのビーズを、1.67mLの伸長反応緩衝液[56nmolのプライマー1(配列番号5)、1×SQ20緩衝液(120mM Tris-HCl、pH7.8、10mM KCl、7mM MgSO、6mM (NHSO、0.001%BSA及び0.1%Triton X-100)、112ユニットのKOD XL DNAポリメラーゼ(EMD MILLIPORE)、ならびに1mMずつの、Bn-dCTP、PP-dCTP、PBn-dCTP、POP-dCTP、またはDPP-dCTPのいずれか、及びdATP、dGTP、dUTP、を含有]に懸濁させた。ビーズを71℃で2時間インキュベートした。その後、ビーズを16mM NaClで3回洗浄した。アプタマーライブラリーを、1mLの20mM NaOHでビーズから溶出させた。溶出したライブラリーを直ちに、15μLの1N HCl及び10μL HEPES(pH7.5)及び1μLの10%TWEEN-20で中和した。各ライブラリーの濃度を紫外吸収分光法によって決定した。
【0249】
標的タンパク質の固定化
SELEXで使用される以下のタンパク質標的を商業ベンダーから購入した:TNFα(Acro BiosystemsカタログTNA-5228)、B7-H4(R&D Systemsカタログ6576-B7-050)、sL-セレクチン(R&D Systemsカタログ728-LS-100)。Hisタグの付いた生成標的タンパク質を、SELEX(ラウンド1~7)用にHis-tag Dynabeads(Thermo Fisher)常磁性ビーズ(MyOne SA、Invitrogen、または以下、Hisビーズと呼ぶ)に固定化した。ビーズ(40mg)を、20mLのSB18T0.01で3回洗浄することによって調製した。最後に、ビーズをSB18T0.01中に2.5mg/mLで懸濁させ、使用まで4℃で保存した。
【0250】
低解離速度濃縮工程によるアプタマーの選択
親和性及び低解離速度についての選択に関して合計8ラウンドのSELEX法が完了した。バックグラウンドを抑制するため、及びタンパク質に非特異的に結合しているアプタマーが取得される可能性を減らすため、各ラウンドの前に対抗選択を実施した。対抗選択を以下のとおり実施した。
【0251】
ラウンド1では、約1nmoleのDNAを含むSB18T0.01を含有する100μLのDNA候補混合物を95℃で5分間加熱し、その後、70℃に5分間、次いで48℃に5分間冷却した後、37℃でのブロックに5分間移した。その後、試料を、10μLのタンパク質競合混合物(0.1%HSA、10μMのカゼイン、及び10μMプロトロンビンを含むSB18T0.01)、及びHEXA-His(Anaspec、カタログ番号24420)でコートした0.025mg(10μL)のHisビーズと合わせ、混合しながら37℃で10分間インキュベートした。ビーズを磁気分離によって除去した。
【0252】
ラウンド2~8では、前のラウンドから得られたDNA候補混合物の65μLのアリコート(前のラウンドから得られたeDNAの65%)を、16μLの5×SB18T0.01と混合した。試料を95℃まで3分間加熱し、0.1℃/秒の速度で37℃まで冷却した。その後、試料を、9μLのタンパク質競合混合物(0.1%HSA、10μMのカゼイン、及び10μMプロトロンビンを含むSB18T0.01)、及び0.025mg(10uL)のHisビーズと合わせ、混合しながら37℃で10分間インキュベートした。ビーズを磁気分離によって除去した。
【0253】
最初の対抗選択に続いて、標的タンパク質を、ラウンド1の選択工程のためにHisビーズに事前に固定化した。これを達成するために、0.125mgのタンパク質Hisビーズを50pmoleの標的タンパク質と混合し、37℃で30分間インキュベートした。ビーズをSB18T0.01で洗浄することによって未結合標的を除去した。対抗選択されたDNA候補混合物(100μL)をビーズに加え、混合しながら37℃で60分間インキュベートした。最初のラウンドでは低解離速度濃縮プロセスは使用せず、ビーズを100μLのSB18T0.01で5回、簡易洗浄した。洗浄に続き、170μLの2mM NaOHを加え、混合しながら37℃で5分間インキュベートすることによって、結合したアプタマーをビーズから溶出させた。ビーズの磁気分離後にアプタマー含有溶出液(170μL)を新しいチューブに移し、40μLの中和緩衝液(500mM Tris-HCl(pH7.5)、8mM HCl)を加えて溶液を中和した。
【0254】
ラウンド2~8では、DNA候補混合物及び以下に記載の標的タンパク質を用いて選択を実施し、並行して、DNA候補混合物は用いるが標的タンパク質は用いずに同一の選択を実施した。標的タンパク質を含む試料(シグナルS)のPCRと、標的タンパク質を含まない試料(バックグラウンドB)のPCRから取得されたCt値の比較を、次ラウンドでの標的濃度を減少させるための指標として使用した。デルタCt値が4より大きいが8未満の場合、次ラウンドでは標的タンパク質を3分の1に減らした。デルタCt値が8より大きい場合、次ラウンドでは標的を10分の1に減らした。
【0255】
ラウンド2では、標識された標的タンパク質(10μL中5pmole)を、40μLの対抗選択されたDNA候補混合物と混合し、37℃で15分間インキュベートした。低解離速度濃縮プロセスは、10mMのデキストラン硫酸を50μLにて加えることにより開始され、その後、直ちに0.0125mgのHisビーズが添加された。これを、混合しながら37℃で15分間インキュベートした。その後、ビーズを100μLのSB18T0.01で5回洗浄した。100μLの過塩素酸ナトリウムを加え、混合しながら37℃で10分間インキュベートすることによって、ビーズからアプタマー鎖を溶出させた。ビーズを磁気分離によって除去し、100μLのアプタマー溶出液を新しいチューブに移した。
【0256】
ラウンド3~8をラウンド2で記載されているように実施したが、ただし、標的タンパク質の量を、標的とライブラリーの各組み合わせのデルタCt値に基づいて必要に応じて少なくした。デキストラン硫酸を、Hisビーズの添加の15分前(ラウンド3及び4)、30分前(ラウンド5及び6)、45分前(ラウンド7及び8)に加えた。
【0257】
ラウンド2~8では、過塩素酸溶出の後、0.0625mg(25μL)の、プライマー2(配列番号6)と予め結合させたSAビーズ(以下、プライマービーズと呼ぶ)で100μLのアプタマー溶出液を捕捉し、振盪しながら50℃で10分間インキュベートし、続いて、振盪しながら25℃でのインキュベーションを10分間行った。ビーズを100μLのSB18T0.01で2回、及び16mMのNaClで1回洗浄した。結合したアプタマーを120μLの水で溶出させ、75℃で2分間インキュベートした。ビーズを磁気分離によって除去し、120μLのアプタマー溶出液を新しいチューブに移した。プライマービーズは、120mgのSAビーズ(1.5mLの10mg/mL SAビーズを2mLの20mM NaOHで1回、2mL SB18T0.01で2回洗浄したもの)を、0.5mLの1M NaCl、0.01%tween-20中に再懸濁させ、14nmoleのプライマー2(配列番号6)を加えることによって調製された。混合物を37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、ビーズを1mLのSB18T0.01で2回、及び1mLの16mM NaClで2回洗浄した。ビーズを、5M NaCl、0.01%tween-20中に2.5mg/mlとなるよう再懸濁させた。
【0258】
アプタマーの増幅及び精製
各ラウンドからの選択されたアプタマーDNAをQPCRにより増幅させ、定量した。12μL QPCR Mix(10X KOD DNAポリメラーゼバッファー;Novagen#71157、5倍希釈、25mM MgCl2、5μMのフォワードPCRプライマー(プライマー1、配列番号5)、5μMのビオチン化リバースPCRプライマー(プライマー2、配列番号6)、5×SYBR Green I、0.075U/μL KOD XL DNAポリメラーゼ、ならびに1mMずつのdATP、dCTP、dGTP、及びdTTP)に48μLのDNAを加え、Bio-Rad MyIQ QPCR装置で以下のプロトコルに従ってサーマルサイクラーにかけた:96℃で15秒及び71℃で30分を1サイクル、続いて、96℃で15秒、71℃で1分を25サイクル。装置のソフトウェアで定量を実施し、標的タンパク質を含む場合と含まない場合の選択されたDNAのコピー数を比較して、シグナル/バックグラウンド比を決定した。
【0259】
増幅後、PCR産物をビオチン化アンチセンス鎖によりSAビーズに捕捉した。25mLのSAビーズ(10mg/mL)を、25mLの20mM NaOHで1回、25mLのSB18T0.01で2回洗浄して25mLのSB18T0.01に再懸濁させ、4℃で保存した。25μLのSAビーズ(SB18T0.01中10mg/mL)を50μLの二本鎖QPCR産物に加え、混合しながら25℃で5分間インキュベートした。100μLの20mM NaOHを加え、混合しながら25℃で1分間インキュベートすることによって、ビーズから「センス」鎖を溶出させた。溶出した鎖を廃棄し、ビーズをSB18T0.01で2回、16mMのNaClで1回洗浄した。
【0260】
Bn-dCTP、PP-dCTP、PBn-dCTP、POP-dCTP、またはDPP-dCTPのいずれかを含有するアプタマーセンス鎖を、固定化したアンチセンス鎖からのプライマー伸長によって調製した。40μLのプライマー伸長反応混合物(1×プライマー伸長緩衝液(120mM Tris-HCl(pH7.8)、10mM KCl、7mM MgSO4、6mM (NH4)2SO4、0.1%TRITON X-100及び0.001%ウシ血清アルブミン)、4μMのフォワードプライマー(プライマー1、配列番号5)、dATP、dUTP、dGTPと、Bn-dCTP、PP-dCTP、PBn-dCTP、POP-dCTP、またはDPP-dCTPのいずれかと、を0.5mMずつ、ならびに0.075U/μL KOD XL DNAポリメラーゼ)中にビーズを懸濁させ、混合しながら71℃で45分間インキュベートした。ビーズをSB18T0.01で2回、16mMのNaClで1回洗浄し、アプタマー鎖を、85μLの20mM NaOHを加えて混合しながら37℃で2分間インキュベートすることによってビーズから溶出させた。磁気分離後に83μLのアプタマー溶出液を新しいチューブに移し、20μLの80mM HClで中和し、5μLの0.1M HEPES、pH7.5で緩衝した。
【0261】
選択の厳密性とフィードバック
選択ステップの相対標的タンパク質濃度を、以下の規則に従ってQPCRシグナル(ΔCt)に応じてラウンドごとに下げた:
ΔCt<4の場合、[P](i+1)=[P](i)
4≦ΔCt<8の場合、[P](i+1)=[P](i)/3.2
ΔCt≧8の場合、[P](i+1)=[P](i)/10
式中、[P]=タンパク質濃度、及びi=現在のラウンド番号。
【0262】
各選択ラウンドの後で、濃縮DNA混合物の収束状態を決定した。10μLの二本鎖QPCR産物を、1×SYBR Green I含有4mM MgCl2で200μLに希釈した。二本鎖オリゴヌクレオチドの複合体混合物のハイブリダイゼーション時間を測定するC0t分析を使用して、試料を収束について分析した。試料を、以下のプロトコルに従ってサーマルサイクラーにかけた:98℃で1分、85℃で1分を3サイクル、98℃で1分、次いで85℃で30分を2サイクル。この85℃で30分の間に、5秒間隔で蛍光画像を測定した。蛍光強度を時間の対数の関数としてプロットしたところ、各SELEXラウンドでハイブリダイゼーション速度の増加が観察され、配列の収束が示された。
【0263】
実施例6:タンパク質標的に対する濃縮SELEXプールの平衡結合定数(Kd)
SELEXプール-タンパク質の結合親和性を測定するため、及びKdを決定するために以下の方法を使用した。
【0264】
下表4に示される、濃縮されたラウンド6またはラウンド8のSELEXプールの結合親和性を決定した。簡単に言えば、組換えのTNFαタンパク質及びB7-H4タンパク質への結合についてのフィルター結合アッセイによって、濃縮SELEXプールの結合定数(Kd値)を決定した。濃縮SELEXプールのKd値をSB18T緩衝液中で測定した。ラウンド6またはラウンド8の濃縮SELEXプールを、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(New England Biolabs)及びγ-[32P]ATP(Perkin-Elmer)を使用して5’末端標識した。放射標識アプタマー(20,000~40,000CPM、約0.03nM)を、10-7~10-12Mの範囲の濃度の標的タンパク質と混合し、37℃で40分間インキュベートした。インキュベーション後、反応物を、同量の10mMのデキストラン硫酸及び0.014mgのHis-タグDynaビーズ(Invitrogen)と混合し、混合しながら37℃で5分間インキュベートした(TNFα及びsL-セレクチン)。B7-H4タンパク質の場合、2.2mgのZorbaxレジン(Agilent Technologies)を各反応物に加えた。結合した複合体をDuraporeフィルタープレート(EMD Millipore)に捕捉し、結合したアプタマーの画分をホスフォイメージャー(Typhoon FLA 9500,GE)で定量し、データをImageQuant(GE)で分析した。
【0265】
結合親和性を決定するため、方程式:
y=(最大-最小)(タンパク質)/(K+タンパク質)+最小を使用してデータを当てはめ、GraphPad Prismバージョン7.00を使用してプロットするか、または4パラメータシグモイド型用量反応モデルを使用してデータを当てはめた。データはいずれも、GraphPad Prismバージョン7.00を使用してプロットされた。結果を図7A~7F及び表4に示す。
【表4】
【0266】
結果
SELEXのラウンド8の完了後、ラウンド6及びラウンド8からの親和性濃縮プールをフィルター結合アッセイで分析し、高親和性結合配列を含有するプールを同定し、SELEXにおける、単一フェニル環dC修飾(Bn-dC、PP-dC)と比較したビフェニルdC修飾(DPP-dC、PBn-dC、POP-dC)の値を評価した。ビフェニルdC修飾のDPP-dC、PBn-dC及びPOP-dCが、SELEXプール親和性結合における結果の改善を示すことが見出された。TNFαタンパク質は、Bn-dC及びPP-dCの修飾されたラウンド8のSELEXプールに対し、1.0×10-7Mのタンパク質濃度まで測定可能な結合親和性を示さなかった。しかし、ラウンド8プールのDPP-dC、PBn-dC及びPOP-dCの高親和性結合(表4)が測定されたことから、これらの修飾ライブラリーがSELEXにおいて成功であったことが示された。同様に、B7-H4タンパク質のラウンド6プールは、Bn-dCに対して測定可能な結合親和性を示さなかったが、PBn-dC修飾プールは8.0×10-9Mという高親和性を示した。sL-セレクチンタンパク質は、ラウンド8プールでは中程度のPP-dC結合親和性(4.5×10-9M)を示したが、ビフェニルライブラリーのPBn-dC及びPOP-dCでは、顕著に改善された親和性(それぞれ、6.1×10-10M及び2.4×10-10M)が示された。これらの結果は、ビフェニルライブラリープールが、単一フェニルPP-dCプールよりも高い親和性配列について濃縮されていることを示す。全体として、これらの結果は、ビフェニル修飾dCライブラリーがSELEXにおける結果の改善をもたらすことを示している。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図2-4】
図2-5】
図3-1】
図3-2】
図4-1】
図4-2】
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図6-1】
図6-2】
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
【配列表】
2024515576000001.app
【国際調査報告】