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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】ハーフシリンダ錠
(51)【国際特許分類】
   E05B 9/04 20060101AFI20240403BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20240403BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20240403BHJP
   E05B 9/08 20060101ALI20240403BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
E05B9/04
E05B47/00 J
E05B49/00 J
E05B9/08 A
E05B65/00 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562253
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 IL2022050390
(87)【国際公開番号】W WO2022219633
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】282345
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】523381859
【氏名又は名称】ノック エヌ’ロック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドマン,イラン
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA13
2E250BB38
2E250CC18
2E250CC20
2E250FF23
2E250FF36
(57)【要約】
本開示は、アクセス制御を必要とする通信キャビネット又は安全な他の設備で使用可能な、ハーフシリンダ錠、典型的にはキーレス電気式錠に関する。錠機構は、不正に手を加えられる可能性を防止するために、錠ハウジングから突出する要素を有していない。
【選択図】図4B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハーフシリンダ錠であって、
クロージャの外面と錠キャビティの内側端壁との間でクロージャ内に画定される錠キャビティ内に受け入れ可能な錠本体であって、
前記錠本体が前記錠キャビティ内に一旦入ると、前記外面と前記内側端壁との間に延びる近位-遠位に延びるシリンダ軸を定めるシリンダ、
前記シリンダ内に受け入れられ、施錠位置と開錠位置との間で前記シリンダ軸を中心に回転可能である施錠ピストンであって、前記シリンダ内で、前記施錠ピストンが前記シリンダ内に完全に受け入れられる静止位置と、前記ピストンの遠位端が前記内側端壁に近接する後退位置と、その近位端が前記シリンダから突出し、前記開錠位置と施錠位置との間のユーザによる前記シリンダの回転を可能にする伸長位置との間で軸方向に変位可能な施錠ピストン、
前記ピストンを前記伸長位置に付勢する付勢部材、
錠カムであって、前記施錠ピストンの遠位端部分に関連付けられ、前記カムが前記錠キャビティのカム係合要素に係合する係合状態と、前記カムが前記カム係合要素から外れて前記錠を開錠できる開状態との間で前記施錠ピストンとともに回転可能な錠カム、
電気駆動式アクチュエータであって、前記ピストンを前記静止位置で拘束するようにブロックピンをブロック位置に強制して前記ピストンに係合させるブロック状態と、前記ブロックピンが前記ピストンに係合しないブロック解除位置に変位されて、それにより前記ピストンの前記伸長位置への付勢された軸方向変位を可能にするブロック解除状態との間で切り替わるように構成された電気駆動式アクチュエータ、
を備える錠本体と、
電子ユーティリティであって、
通信・制御モジュール、
前記端壁に設けられ、前記モジュールとピストン検出器回路を介して電気的に通信する1つ又は複数のピストン検出器スイッチ素子であって、前記回路を閉じるために前記後退位置にあるときに前記ピストンによって係合可能な1つ又は複数のピストン検出器スイッチ素子を備え、
前記制御・通信モジュールは、(i)前記ピストン検出器回路が閉じられると、休止状態からアクティブ状態に切り替わり、(ii)ユーザ保持デバイスから認証信号を受信し、(iii)そのような信号を受信すると前記ブロック解除状態に切り替わるように前記電気アクチュエータを作動させ、(iv)前記ピストン検出器回路が再び閉じられると、前記アクチュエータを前記ブロック状態に戻すように構成されている、
電子ユーティリティと
を備えるハーフシリンダ錠。
【請求項2】
前記制御・通信モジュールと電源が、前記クロージャの内側に配置された前記錠キャビティの外側にある、請求項1に記載の錠。
【請求項3】
前記ピストン検出器回路が、前記ピストンと前記錠本体を介して閉じられる、請求項1又は2に記載の錠。
【請求項4】
接触部材がばね付勢ピンである、請求項3に記載の錠。
【請求項5】
1つのピストン検出器スイッチを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の錠。
【請求項6】
前記電気駆動式アクチュエータが電気モータであり、前記切り替わりが回転を介して行われる、請求項1~5のいずれか一項に記載の錠。
【請求項7】
前記電気モータが軸方向に回転する、請求項6に記載の錠。
【請求項8】
前記電気モータが、モータカムに結合された回転可能なアクスルを有し、その回転により前記ブロックピンが前記ブロック位置と前記ブロック解除位置との間で変位する、請求項6又は7に記載の錠。
【請求項9】
前記ブロックピンが、前記ブロック解除位置にばね付勢される、請求項8に記載の錠。
【請求項10】
そのブロック状態において前記モータカムによって係合され、前記ブロック解除状態において係合解除され、前記モジュールとモータ検出器回路を介して電気的に通信するモータ検出器スイッチを備える、請求項8又は9に記載の錠。
【請求項11】
前記制御・通信モジュールが、前記ピストン検出器回路が閉じられると、(i)前記モータ検出器回路が閉じられている場合、ユーザ保持デバイスからの認証信号を求め、そのような信号を受信すると、前記モータを前記ブロック解除状態に回転させるための開コマンドを出力し、(ii)前記モータ検出器回路が開かれている場合、前記モータを前記ブロック状態に回転させるためのコマンドを出力し閉じるように構成される、請求項10に記載の錠。
【請求項12】
(i)開コマンドを出力し、前記モータ検出器回路の開放を通して識別すると、又はその後に、前記制御・通信モジュールは、錠開状態表示を前記ユーザ保持デバイスに送信し、(i)閉コマンドを出力し、前記モータ検出器回路の閉鎖を通して識別すると、又はその後に、前記制御・通信モジュールは、錠閉状態表示を前記ユーザ保持デバイスに送信する、請求項11に記載の錠。
【請求項13】
前記錠が、スイングハンドル施錠構成と共に使用するように構成され、前記錠本体は、前記スイングハンドルの端部に取り付けられ、前記スイングハンドルは、前記クロージャの前記外面に枢動可能に結合され、前記スイングハンドルが前記外面と同一平面をなし、前記錠本体が前記錠キャビティ内に受け入れられる施錠状態と、前記スイングハンドルが前記外面に対して角度をなし、前記錠本体が前記錠キャビティの外側にある開錠状態との間で変位可能である、
請求項1~12のいずれか一項に記載の錠。
【請求項14】
ハーフシリンダ錠であって、
通信・制御モジュール;
施錠ピストンであって、施錠位置と錠を開けることができる開錠位置との間で近位-遠位に延びる軸を中心に軸回転可能であり、静止位置と、前記ピストンの遠位端がピストン検出器回路を介して前記モジュールと電気的に連結されるピストン検出器スイッチと係合する後退位置と、前記ピストンの近位端が前記施錠位置と開錠位置との間の前記ピストンの回転を可能にするためにユーザがアクセス可能な伸長状態との間で軸方向に変位可能である、施錠ピストン;
電気モータであって、前記伸長状態への前記施錠ピストンの軸方向変位をブロックするブロック状態と、そのような軸方向変位が可能となるブロック解除状態との間で回転可能であり、前記電気モータは、モータ検出器回路を介して前記モジュールと電気的に連結されたモータ検出器スイッチに結合され、前記モータ検出器回路は、前記モータが前記ブロック状態にあるときに閉じられ、前記モータが前記ブロック解除状態にあるときに開かれる、電気モータ;を備え、
前記制御・通信モジュールは、
(i)前記ピストン検出器回路が閉じられると休止状態からアクティブ状態に切り替わり、
(ii)ユーザ保持デバイスから認証信号を受信し、
(iii)そのような信号を受信すると前記モータを作動させて前記ブロック解除位置に切り替え、
(iv)前記ピストン検出器回路が再び閉じられると前記モータを前記ブロック位置に戻す、
ように構成される、
ハーフシリンダ錠。
【請求項15】
前記制御・通信モジュールが、前記ピストン検出器回路が閉じられると、(i)前記モータ検出器回路が閉じられている場合、ユーザ保持デバイスからの認証信号を求め、そのような信号を受信すると、前記モータを前記ブロック解除状態に回転させるための開コマンドを出力し、(ii)前記モータ検出器回路が開かれている場合、前記モータを前記ブロック状態に回転させるためのコマンドを出力し閉じるように構成される、
請求項14に記載の錠。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の錠を備えるクロージャ。
【請求項17】
請求項1~15のいずれか一項に記載のハーフシリンダ錠と、
前記錠の前記制御・通信モジュールと通信するように構成され、かつ
アクセス制御サーバと通信するように構成された、1つ又は複数のユーザ保持デバイスと、
を備える錠システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、安全なアクセス制御を必要とする通信キャビネット又は他の設備で使用可能な、ハーフシリンダタイプの錠、典型的にはキーレス錠に関する。
【背景技術】
【0002】
開閉がクロージャの外側端部からのみ行われるハーフシリンダタイプの錠はよく知られており、開錠及び施錠が外側からのみ行われる設備で使用されている。通信機器やセキュリティキャビネットがそのような設備の例である。
【0003】
最も単純なハーフシリンダ錠は、専用のキーを使用して機械的に操作される。また、電子制御式のハーフシリンダ錠も知られている。このような錠の1つの問題点は、錠ハウジング内のスペースが限られているため、電子要素(バッテリ、電気モータ、又は別の電気アクチュエータ及び制御モジュールを含む)を収容するスペースが不十分であることである。従来技術の電子式ハーフシリンダ錠の例を図1A~3で見ることができる。
【0004】
図1Aに示す錠は、図1Bに示すキーで作動する。キーには、キー上の専用電気接点を介して錠内の電子部品と通信する電子モジュールが内蔵されている。このように、錠を作動させるためには、キー及びキー間電子モジュールが錠と一致する必要があり、これによりセキュリティが強化される。固有の特徴の1つは、そのようなキーの保持者だけにアクセスを制限する専用キーの必要性である。
【0005】
図2Aに示す錠は、図2Bに示すような電子キーと無線通信する無線操作錠である。キーは、暗号化されたアクセスコードと、それによってアクセスできる錠のリストとを記憶する電子モジュールを有する。電子モジュールは、アクセスのスケジュール又は認可された日時を記憶することもできる。キーはまた、錠の操作を許可するために錠に通電するバッテリを内蔵する。
【0006】
図3は、スイングハンドル錠構成に取り付けられたキーレス・ハーフシリンダ錠を示す。これは、錠の電子要素のほとんどを内蔵する外部ノブを備えている。1つの問題は、このような錠は機械的な損傷に弱く、比較的簡単に不正に手を加えられる可能性があるということである。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、多くのユニークな特徴を有するハーフシリンダ錠を提供する。一方では、錠機構全体がクロージャ内に収容され、クロージャの外面から突出する要素はない。加えて、本開示のハーフシリンダ錠は、高度に安全であり、認可されたアクセスを定義するために錠の制御ユーティリティと無線通信するハンドル保持デバイス(例えば、スマートフォン)を携帯するユーザにのみアクセスを許可する。本開示の一実施形態により、錠の制御ユーティリティは、ユーザ保持デバイスに送信され、そこからコントロールセンターに送信され得る錠状態表示を提供することができる。あるいは、錠は、クロージャによって閉鎖された空間内に存在し得る通信回線、例えば通信機器キャビネット内の通信インフラ(制御ユーティリティと通信インフラとの間の連結は有線であっても無線であってもよい)を介して、そのような表示を直接送信することができる。さらに、本開示のハーフシリンダ錠は、図1A~3に示されるものなどの完全機械式又は電子式錠を含む、安全性の低いハーフシリンダ錠を比較的容易に改装するために使用することができる。
【0008】
本開示によって提供されるのは、錠本体と電子ユーティリティとを含むハーフシリンダ錠である。錠本体は、その外面と錠キャビティの内側端壁との間のクロージャ内に画定される錠キャビティ内に受け入れ可能である。錠本体は、従来技術の錠本体と類似又は同一の全体的な外形形状を有し、クロージャに本開示の錠を後付けする場合、錠本体は、従来技術の錠本体を収容していた錠キャビティ内に嵌め込むことができる。
【0009】
錠本体は、シリンダと、シリンダ内に受け入れられる錠ピストンと、ピストンを伸長位置(後述するように、ピストンの近位部分がクロージャの外面の外側に突出する位置である)に付勢するためにピストンに結合された付勢部材と、施錠位置と開錠位置との間でピストンによって回転可能である錠カムと、ピストンに結合され、ピストンが伸長位置へ軸方向に変位するのを阻止し、別の状態ではその伸長を許容するように構成された電気駆動式アクチュエータ(例えば、回転可能なアクセル(axel)を有するモータ)とを備える。
【0010】
シリンダは、近位-遠位シリンダ軸を定め、この軸は、一旦錠本体が錠キャビティ内に入ると、クロージャの外面とキャビティの内側端壁との間に延び、この軸は、内壁に対して本質的に垂直である。錠ピストンはシリンダ内に受け入れられ、シリンダ軸を中心に施錠位置と開錠位置との間で回転可能である。ピストンはまた、シリンダ内で軸方向に変位可能であり、錠ピストンが完全にシリンダ内に受け入れられる静止位置と、ピストンの遠位端が静止位置よりも内壁に近接する後退位置と、近位端がシリンダから突出する伸長位置との間で変位可能である。伸長位置にあるとき、ピストンの近位端は、ユーザによってアクセス可能であり、ユーザによって施錠位置から開錠位置まで回転されることができ、その逆も可能である。以下の記載から気付くように、ピストンの近位端を押圧することによって(静止状態では、このような押圧によってのみ操作可能である)、付勢部材の付勢力に抗してシリンダを後退位置に押し込むと、ピストンの遠位端が、前記内壁に嵌め込まれた1つ又は複数のピストン検出器スイッチに接触し、後述するように、錠を開くための錠の電子ユーティリティの起動につながる。
【0011】
上述したように、ピストンは、シリンダ内の細長いボア内に受け入れられた固定シャフトの周囲に装着された付勢部材、例えばらせんばねと関連付けられる。付勢部材はピストンを前進方向、すなわちシリンダから近位端が突出する伸長位置にピストンが変位する方向に付勢する。したがって、アクチュエータがブロック解除位置(以下に定義する)に切り替わると、ピストンは前方に移動する。
【0012】
ピストンの遠位端は錠カムと関連付けられ、カムが錠キャビティのカム係合要素に係合する係合状態と、カムがカム係合要素から外れて錠を開けることができる開状態との間で回転可能である。ピストンの回転、ひいてはカムの回転は、ピストンの伸長位置においてピストンの近位端がシリンダから突出しているときにのみ可能となる。
【0013】
電気駆動式アクチュエータはブロックピンと関連付けられ、ブロック状態とブロック解除状態との間で切り替えられるように構成されている。ブロック状態では、アクチュエータはブロックピンをブロック位置に強制してピストンに係合させ、それによりピストンを静止位置に拘束し、ブロック解除状態では、ブロックピンをピストンに係合しないブロック解除位置に変位させて、それによりピストンの伸長位置への付勢された軸方向変位を可能にする。
【0014】
電子ユーティリティは、通信・制御モジュールと、内壁に配置され、ピストン検出器回路を介して通信・制御モジュールと電気的に通信する1つ又は複数のピストン検出器スイッチ素子とを備える。ピストン検出器スイッチ素子は、ピストン検出器回路を閉じるために後退位置にあるときにピストンによって係合可能である。ピストン検出器スイッチ素子は、通常、ばね付勢式ピンである。ピストン検出器回路は、一実施形態により、ピストンが後退位置にあるとき、ピストンと錠本体とを介して閉じられ得る。本開示の一実施形態により、そのようなピストン検出器スイッチ素子は1つある。他の実施形態により、このようなスイッチ素子は1つより多く、例えば2つあってもよく、ピストン検出器回路は、ピストンを介してこれら2つのスイッチ素子の間で閉じられてもよい。
【0015】
制御・通信モジュールは、ピストン検出器回路が閉じられると休止状態からアクティブ状態に切り替わるように構成される。このようにアクティブ状態へ呼び起こされると、モジュールは、無線通信プロトコル、例えばwi-fi又はブルートゥース通信プロトコルを介して、認証信号を生成して送信することをスマートフォンに許可する適切なソフトウェアユーティリティを備えたユーザ保持デバイス、典型的にはスマートフォンから認証信号を受信することができる。このような信号が受信されると、通信・制御モジュールは、ブロック状態からブロック解除状態に切り替わるように電気駆動式アクチュエータを作動させる。ピストンを伸長位置から後退位置に押し込むことによってピストン検出器回路が再び閉じられると、制御・通信モジュールはアクチュエータを再びブロック状態に切り替え、それによって錠を施錠する。
【0016】
一実施形態により、制御・通信モジュールと電源、例えばバッテリは、錠キャビティの外側にあり、クロージャの内側に配置される。いくつかの実施形態により、電子ユーティリティは、バッテリ以外の電源、例えば、通信インフラの電源ラインなど、クロージャによって閉じられた空間内の電源によって給電されてもよいことに留意すべきである。本開示のものによってハーフシリンダ錠を改装する場合、錠キャビティ内に錠本体を嵌め込む以外に、ピストン検出器スイッチ素子が錠キャビティの内壁に嵌め込まれ、電子ユーティリティがクロージャの内面に取り付けられる。制御・通信モジュールとアクチュエータ及び錠本体内の他の電子素子との電気的結合のために、錠キャビティの内壁に他の接点素子を嵌めこむこともできる。
【0017】
電気駆動式アクチュエータは、一実施形態により、2つの状態間の切り替えが回転によって生じる電気モータとすることができる。モータは通常、回転アクセルが軸方向に向くように配置される。モータのアクセルはモータカムに結合され、アクセルの回転、ひいてはカムの回転は、ブロックピンをブロック位置からブロック解除位置に変位させ、その逆も同様である。ブロックピンは、ブロック解除位置にばね付勢されてもよい。
【0018】
錠は、モータがブロック状態にあるときにモータカムによって係合され、モータがブロック解除状態にあるときにモータカムから係合解除されるモータ検出器スイッチを備え得る。モータ検出器スイッチは、モータ検出器回路を介して制御・通信モジュールと電気的に通信している。制御・通信モジュールは、ピストン検出器回路が閉じられると、(i)モータ検出器回路が閉じられている場合、ユーザ保持デバイスからの認証信号を求め、その信号を受信すると、モータをブロック解除状態に回転させるための開コマンドを出力し、(ii)モータ検出器回路が開かれている場合、モータをブロック状態に回転させるためのコマンドを出力し閉じるように構成することができる。
【0019】
開コマンドを出力し、モータ検出器回路の開放を通して識別すると、又はその後に、制御・通信モジュールは、錠開状態表示をユーザ保持デバイスに送信することができ、閉コマンドを出力し、モータ検出器回路の閉鎖を通して識別すると、又はその後に、制御・通信モジュールは、錠閉状態表示をユーザ保持デバイスに送信することができる。
【0020】
本開示はまた、その別の実施形態によって、通信・制御モジュール;施錠ピストン;及び電気モータを備えるハーフシリンダ錠を提供する。この実施形態の施錠ピストンは、施錠位置と錠を開けることができる開錠位置との間で近位-遠位に延びる軸を中心に軸回転可能であり、静止位置と、ピストンの遠位端がピストン検出器回路を介して前記モジュールと電気的に連結されるピストン検出器スイッチと係合する後退位置と、ピストンの近位端が前記施錠位置と開錠位置との間でピストンの回転を可能にするためにユーザがアクセス可能な伸長状態との間で軸方向に変位可能である。電気モータは、伸長状態への施錠ピストンの軸方向変位を阻止するブロック状態と、そのような軸方向変位が可能となるブロック解除状態との間で回転可能であり、電気モータは、モータ検出器回路を介して前記モジュールと電気的に連結されるモータ検出器スイッチに結合され、モータ検出器回路は、モータがブロック状態にあるときに閉じられ、モータがブロック解除状態にあるときに開かれる。制御・通信モジュールは、(i)ピストン検出器回路が閉じられると休止状態からアクティブ状態に切り替わり、(ii)ユーザ保持デバイスから認証信号を受信し、(iii)そのような信号を受信するとモータを作動させてブロック解除位置に切り替え、(iv)ピストン検出器回路が再び閉じられると前記モータをブロック位置に戻すように構成される。
【0021】
前の段落に記載された実施形態の錠の制御・通信モジュールは、ピストン検出器回路が閉じられると、(i)モータ検出器回路が閉じられている場合、ユーザ保持デバイスからの認証信号を求め、そのような信号を受信すると、モータをブロック解除状態に回転させるための開コマンドを出力し、(ii)モータ検出器回路が開かれている場合、モータをブロック状態に回転させるためのコマンドを出力し閉じるように構成され得る。
【0022】
本開示の態様により同じく提供されるのは、本開示の錠を含むクロージャである。
【0023】
本開示の態様によってさらに提供されるのは、本開示のハーフシリンダ錠と、錠の制御・通信モジュールと通信するように構成され、アクセス制御サーバとも通信するように構成された1つ又は複数のユーザ保持デバイスとを含む錠システムである。
【0024】
本明細書に開示される主題をより深く理解し、実際にどのように実施され得るかを例示するために、実施形態を、もっぱら非限定的な例として、添付の図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1A-1B。それぞれ、従来技術のハーフシリンダ錠及び事前プログラムキーの例の画像図である。
図2図2A-2B。それぞれ、従来技術のハーフシリンダ錠及び事前プログラムキーの別の例の画像図である。
図3】スイングハンドルに取り付けられた例示的な従来技術のハーフシリンダ錠の画像図である。
図4図4A-4B。本開示の一実施形態によるハーフシリンダ錠をそれぞれ施錠状態及び開錠状態で示す。
図5図5A-5D。錠本体及び錠受け入れキャビティの長手方向断面を、錠の連続した動作スタッツにおいて示す。
図5E図5Dの状態に連続する開状態における錠の長手方向断面である。
図6A図5Aの線IVA-IVAに沿った錠の断面を示す。
図6B図5Cの線IVB-IVBに沿った錠の断面図を示し、モータカムの動作位置を示す。
図7】本開示の一実施形態による電子ユーティリティの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示は、従来技術の電子操作式ハーフシリンダ錠のいくつかの問題を回避しつつ、電子機構の一部が錠本体から分離され、クロージャの内部に位置決めされる、電子操作式ハーフシリンダ錠を提供する。
【0027】
本開示の電子操作式ハーフシリンダ錠を、ハーフシリンダ錠がスイングハンドルクロージャ施錠構成に取り付けられる実施形態を通して、図面を参照しながら以下に例示する。本開示の錠は、スイングハンドル型クロージャに限定されず、ハーフシリンダ錠によって施錠される多種多様なクロージャに実装できることを理解されたい。
【0028】
本開示の一実施形態によるスイングハンドル操作式ハーフシリンダ錠が図4A~4Bにそれぞれ施錠状態及び開錠状態で示されている。アセンブリ100は、ベース部材102とスイングハンドル103とを含む。ベース部材102は、クロージャ(図示せず)と関連付けられるように構成され、クロージャの外面の一部を画定するベース部材の外面106と内側端壁108との間に画定される受入れ用錠キャビティ104を有する。
【0029】
スイングハンドル103は、それによってベース部材102に枢動可能に結合されるピボット112から、錠本体116を保持するアーム端部114まで延びるアーム110を有する。アーム110は、図4Aに示す施錠状態と、図4Bに示す開錠状態との間で枢動可能に移動可能であり、開錠状態においてアームは外面106に対して角度をなし、錠本体116は錠キャビティ104の外側にある。同じく見ることができるように、後述する錠ピストンの近位部分120は、図4Bに見られるように開錠状態にあるときには錠のシリンダ(後述する)から突出しており、一方、図4Aに示されるように施錠状態においては錠本体内に完全に収容されている。
【0030】
図4A~4Bに見られる他の要素には、端壁108の内側に嵌め込まれた電子ユーティリティ124の部分122、及び錠係合開口部126が含まれ、この開口部は、施錠状態では錠カム128と係合し、錠カム128は開錠状態においてそれから外れて錠の開錠を可能にする。
【0031】
次に図5A~5Eを参照すると、断面で見た錠本体116は、近位-遠位方向に延びるシリンダ軸132(遠位方向は矢印134で表されている)を定めるシリンダ130を備える。本明細書では、便宜上、近位-遠位方向を「後方」と呼び、反対方向を「前方」と呼ぶ。
【0032】
シリンダ130内に収容された施錠ピストン136は、図5Aに見られる施錠位置と図5D図5Eに見られる開錠位置との間で軸132を中心に回転可能である。ピストン136はまた、施錠ピストンがシリンダ130内に完全に受け入れられる図5Aに示される静止位置と、その近位端120がシリンダから突出する(図5D~5Eに見られる)伸長位置と、図5Bに見られるようにピストンの遠位端138が錠キャビティの端壁108に近接する後退位置との間で軸方向に変位可能である。
【0033】
図5A~5Dに同じく見られるように、ピストン136は、付勢ばね140によって前方に付勢されており、付勢ばねは、ピストンボア142内に収容され、ピストンのシャフト144に巻かれている。ピストン136の環状溝146内に嵌め込まれたOリング148は、錠の内部部品の環境シールを提供する。
【0034】
図5A~5Eに見ることができる別の要素は、ピストン検出器スイッチ150であり、これは、例示された実施形態では、ピストンが(図5Bに見られるように)後退位置にあるときにピストンの遠位端138によって係合される、ばね付勢された接触ピン(付勢ばねは図示せず)である。このような係合は、ピストン検出器の電気回路を閉じ、また以下に説明するように、電子ユーティリティ124のプロセッサを呼び起こす。このように呼び起こされると、プロセッサは、ユーザが保持するデバイス、例えば適切なソフトウェアユーティリティを実行しているスマートフォンから認証信号を受信する準備が整う。認証信号を受信すると、図5C~5Dを参照して以下に記載するシーケンスが起こる。
【0035】
図5A~5Dに見られるように、ピストン136の遠位端部分152に関連付けられるのは錠カム154であり、この錠カムは、図5A~5Cに示される状態において、錠係合開口部126(図6A~6B参照)に係合し、図5Dに示される位置までシリンダとともに軸方向に回転して、受け入れ空間160内に受け入れられる側方突起156を有する。カム154は、ねじ162によってピストン136の遠位端部分152に固定され、ねじ162はまた、付勢ばね140の遠位端164の静止面としても機能する。
【0036】
同じく図5A~5Dに見られるのは、モータカム170に結合されたモータアクセル168を有するモータ166の形態の電気駆動式アクチュエータである。カム170はブロックピン172に係合して、ブロックピン172をその上方のブロック位置(図5Aに示す)に保持する。「上方」及び「下方」という用語は、図5Aの向きを基準として用いられているが、現場ではその向きは逆であってもよく、本明細書で「上方」と称されるものが「下方」であってもよい等のことが理解される。上方のブロック位置にあるとき、ブロックピン172のピン頭部174はピストン136の肩部176に係合し、ピストンが前方に変位するのを阻止する。ブロックピン172は、付勢ばね178によってブロック解除位置に下方に付勢されている。モータが作動されると、モータはアクスル168を回転させ、それと共にモータカム170を図5A~5B及び図6Aに見られるブロック状態から図5C~5D及び図6Bに見られるブロック解除状態に回転させ、ブロック解除位置においてブロックピン172はばね178の付勢力によって下方に変位し、ピストンの肩部176を解放し、それによってピストン136の軸方向前方への変位を許容することができる。
【0037】
同じく図5A~5D及び図6A~6Bに見られるのは、モータカム170によって係合可能なモータ検出器スイッチ180である。モータ検出器スイッチ180は、モータ検出器回路(後述)を介して電子ユーティリティのプロセッサに連結され、係合によりモータ166(又はカム170)のブロック状態の表示が得られ、係合解除によりモータのブロック解除状態(即ち、錠が開いていること)の表示が得られる。
【0038】
電気リード線182(この具体例では、モータの回転及び逆回転を可能にするために、このようなリード線が3本ある)は、モータと電子ユーティリティとを連結し、モータに電力を供給する。電子ユーティリティへの連結は、プリント回路基板(PCB)184を介して行われ、このプリント回路基板184には、接点186が設けられており、この接点186は、コネクタピン188と圧力係合しており、このコネクタピン188は、それぞれ、接点186に当接するばね付勢ピンヘッドを有している。
【0039】
図5Aに示す施錠状態において、ピストン136は、ブロックピン172によって前方への軸方向変位をブロックされる。ユーザがピストンの近位端120を後方方向に押すと、ピストンは後退位置に変位され、その遠位端138がピストン検出器スイッチ150に接触してピストン検出器回路を閉じ、それによって電子ユーティリティのプロセッサを呼び起こす。その後、プロセッサが、無線で送信されたユーザ保持デバイスからの認証信号を受信した場合、プロセッサは、モータ166を回転するように作動させ、モータカム170の、図5A~5Bに示されるブロック状態から、図5C~5Dに示されるブロック解除状態への回転をもたらす。その結果、ブロックピン172はそのブロック解除位置へと下方に変位し、ピストン136の前方への軸方向変位を許容する。次に、ピストンの近位部分120は、ユーザによって保持され、軸132を中心に回転させられて、錠カム154を図5A~5Cの状態から図5Dの状態へと回転させることができる。このような回転により、錠は図5Eに見られるように開錠されることができる。
【0040】
施錠のためには、錠本体116が錠キャビティ104内に押し戻され、ピストン136の近位部分120が回転させられて、錠カム154の突起156を錠係合開口部126に係合させる。その後、ピストン136は後方方向に押されてもよく、後退位置に達すると、ピン150に係合してモータを回転させてブロック状態に戻し、ブロックピン172を上方に押してブロック位置に戻す。
【0041】
図7は、電子ユーティリティの概略図である。ピストン検出器スイッチ150は、抵抗器R1を含むピストン検出器回路C1の一部であり、モータ検出器スイッチ180は、抵抗器R2を含むモータ検出器回路C2の一部である。ピストン136とピストン検出器スイッチ150の接触により、回路C1は錠本体116を介して閉じられ、同様にモータ検出器スイッチ180の係合により、回路C2は錠本体116を介して閉じられる。プロセッサPは、回路C1及びC2を横切る電位を測定するアナログ入力(V1、V2)を有し、このようにして、両回路のそれぞれが開いているか閉じているかを決定することができ、錠の状態の様々な表示を提供する。プロセッサPはまた、アナログ出力O1とO2を有し、回転及び場合によっては逆回転のためにモータに電圧を供給する。
【0042】
ピストン検出器回路C1が閉じると、制御・通信モジュール124のプロセッサが呼び起こされ、モータ検出器回路の状態をチェックする。モータ検出器回路C2が閉じている場合、これは錠が施錠されていることを意味し、制御・通信モジュールは、適切なソフトウェアユーティリティ202を操作しているユーザ保持デバイス200からの認証信号を求め、適切な無線通信プロトコルを介して、トランシーバ206を介して制御及び通信ユーティリティ124と通信する。このような信号を受信すると、制御・通信モジュール124は、モータをブロック解除状態に回転させるための開コマンドを出力する。あるいは、モータ検出器回路C2が開いている場合、これは錠が開錠されていることを意味し、制御・通信モジュール124は、モータをブロック状態に回転させるための閉コマンドを出力し、それによって錠を施錠する。
【0043】
さらに、開コマンドを出力すると、又は出力した後、制御・通信モジュール124は、モータ検出器回路の開を通じて、錠開状態表示をユーザ保持デバイス200に送信する。さらに、閉コマンドを出力すると、又は出力した後、制御・通信モジュール124は、モータ検出器回路の閉を通じて、錠閉状態表示をユーザ保持デバイスに送信することができ、この錠閉状態表示は、その後、中央制御サーバに送信されるか、又は他の方法で通信されることができる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハーフシリンダ錠であって、
クロージャの外面と錠キャビティの内側端壁との間でクロージャ内に画定される錠キャビティ内に受け入れ可能な錠本体であって、
前記錠本体が前記錠キャビティ内に一旦入ると、前記外面と前記内側端壁との間に延びる近位-遠位に延びるシリンダ軸を定めるシリンダ、
前記シリンダ内に受け入れられ、施錠位置と開錠位置との間で前記シリンダ軸を中心に回転可能である施錠ピストンであって、前記シリンダ内で、前記施錠ピストンが前記シリンダ内に完全に受け入れられる静止位置と、前記ピストンの遠位端が前記内側端壁に近接する後退位置と、その近位端が前記シリンダから突出し、前記開錠位置と施錠位置との間のユーザによる前記シリンダの回転を可能にする伸長位置との間で軸方向に変位可能な施錠ピストン、
前記ピストンを前記伸長位置に付勢する付勢部材、
錠カムであって、前記施錠ピストンの遠位端部分に関連付けられ、前記カムが前記錠キャビティのカム係合要素に係合する係合状態と、前記カムが前記カム係合要素から外れて前記錠を開錠できる開状態との間で前記施錠ピストンとともに回転可能な錠カム、
電気駆動式アクチュエータであって、前記ピストンを前記静止位置で拘束するようにブロックピンをブロック位置に強制して前記ピストンに係合させるブロック状態と、前記ブロックピンが前記ピストンに係合しないブロック解除位置に変位されて、それにより前記ピストンの前記伸長位置への付勢された軸方向変位を可能にするブロック解除状態との間で切り替わるように構成された電気駆動式アクチュエータ、
を備える錠本体と、
電子ユーティリティであって、
通信・制御モジュール、
前記端壁に設けられ、前記モジュールとピストン検出器回路を介して電気的に通信する1つ又は複数のピストン検出器スイッチ素子であって、前記回路を閉じるために前記後退位置にあるときに前記ピストンによって係合可能な1つ又は複数のピストン検出器スイッチ素子を備え、
前記制御・通信モジュールは、(i)前記ピストン検出器回路が閉じられると、休止状態からアクティブ状態に切り替わり、(ii)ユーザ保持デバイスから認証信号を受信し、(iii)そのような信号を受信すると前記ブロック解除状態に切り替わるように前記電気アクチュエータを作動させ、(iv)前記ピストン検出器回路が再び閉じられると、前記アクチュエータを前記ブロック状態に戻すように構成されている、
電子ユーティリティと
を備えるハーフシリンダ錠。
【請求項2】
前記制御・通信モジュールと電源が、前記クロージャの内側に配置された前記錠キャビティの外側にある、請求項1に記載の錠。
【請求項3】
前記ピストン検出器回路が、前記ピストンと前記錠本体を介して閉じられる、請求項1に記載の錠。
【請求項4】
接触部材がばね付勢ピンである、請求項3に記載の錠。
【請求項5】
1つのピストン検出器スイッチを備える、請求項1に記載の錠。
【請求項6】
前記電気駆動式アクチュエータが電気モータであり、前記切り替わりが回転を介して行われる、請求項1に記載の錠。
【請求項7】
前記電気モータが軸方向に回転する、請求項6に記載の錠。
【請求項8】
前記電気モータが、モータカムに結合された回転可能なアクスルを有し、その回転により前記ブロックピンが前記ブロック位置と前記ブロック解除位置との間で変位する、請求項6に記載の錠。
【請求項9】
前記ブロックピンが、前記ブロック解除位置にばね付勢される、請求項8に記載の錠。
【請求項10】
そのブロック状態において前記モータカムによって係合され、前記ブロック解除状態において係合解除され、前記モジュールとモータ検出器回路を介して電気的に通信するモータ検出器スイッチを備える、請求項8に記載の錠。
【請求項11】
前記制御・通信モジュールが、前記ピストン検出器回路が閉じられると、(i)前記モータ検出器回路が閉じられている場合、ユーザ保持デバイスからの認証信号を求め、そのような信号を受信すると、前記モータを前記ブロック解除状態に回転させるための開コマンドを出力し、(ii)前記モータ検出器回路が開かれている場合、前記モータを前記ブロック状態に回転させるためのコマンドを出力し閉じるように構成される、請求項10に記載の錠。
【請求項12】
(i)開コマンドを出力し、前記モータ検出器回路の開放を通して識別すると、又はその後に、前記制御・通信モジュールは、錠開状態表示を前記ユーザ保持デバイスに送信し、(i)閉コマンドを出力し、前記モータ検出器回路の閉鎖を通して識別すると、又はその後に、前記制御・通信モジュールは、錠閉状態表示を前記ユーザ保持デバイスに送信する、請求項11に記載の錠。
【請求項13】
前記錠が、スイングハンドル施錠構成と共に使用するように構成され、前記錠本体は、前記スイングハンドルの端部に取り付けられ、前記スイングハンドルは、前記クロージャの前記外面に枢動可能に結合され、前記スイングハンドルが前記外面と同一平面をなし、前記錠本体が前記錠キャビティ内に受け入れられる施錠状態と、前記スイングハンドルが前記外面に対して角度をなし、前記錠本体が前記錠キャビティの外側にある開錠状態との間で変位可能である、
請求項1に記載の錠。
【請求項14】
ハーフシリンダ錠であって、
通信・制御モジュール;
施錠ピストンであって、施錠位置と錠を開けることができる開錠位置との間で近位-遠位に延びる軸を中心に軸回転可能であり、静止位置と、前記ピストンの遠位端がピストン検出器回路を介して前記モジュールと電気的に連結されるピストン検出器スイッチと係合する後退位置と、前記ピストンの近位端が前記施錠位置と開錠位置との間の前記ピストンの回転を可能にするためにユーザがアクセス可能な伸長状態との間で軸方向に変位可能である、施錠ピストン;
電気モータであって、前記伸長状態への前記施錠ピストンの軸方向変位をブロックするブロック状態と、そのような軸方向変位が可能となるブロック解除状態との間で回転可能であり、前記電気モータは、モータ検出器回路を介して前記モジュールと電気的に連結されたモータ検出器スイッチに結合され、前記モータ検出器回路は、前記モータが前記ブロック状態にあるときに閉じられ、前記モータが前記ブロック解除状態にあるときに開かれる、電気モータ;を備え、
前記制御・通信モジュールは、
(i)前記ピストン検出器回路が閉じられると休止状態からアクティブ状態に切り替わり、
(ii)ユーザ保持デバイスから認証信号を受信し、
(iii)そのような信号を受信すると前記モータを作動させて前記ブロック解除位置に切り替え、
(iv)前記ピストン検出器回路が再び閉じられると前記モータを前記ブロック位置に戻す、
ように構成される、
ハーフシリンダ錠。
【請求項15】
前記制御・通信モジュールが、前記ピストン検出器回路が閉じられると、(i)前記モータ検出器回路が閉じられている場合、ユーザ保持デバイスからの認証信号を求め、そのような信号を受信すると、前記モータを前記ブロック解除状態に回転させるための開コマンドを出力し、(ii)前記モータ検出器回路が開かれている場合、前記モータを前記ブロック状態に回転させるためのコマンドを出力し閉じるように構成される、
請求項14に記載の錠。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の錠を備えるクロージャ。
【請求項17】
請求項1~15のいずれか一項に記載のハーフシリンダ錠と、
前記錠の前記制御・通信モジュールと通信するように構成され、かつ
アクセス制御サーバと通信するように構成された、1つ又は複数のユーザ保持デバイスと、
を備える錠システム。
【国際調査報告】