(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】乗り物のための空気香り付け器具
(51)【国際特許分類】
B60H 3/00 20060101AFI20240403BHJP
A45D 34/02 20060101ALI20240403BHJP
F24F 8/50 20210101ALI20240403BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20240403BHJP
【FI】
B60H3/00 J
A45D34/02 510D
F24F8/50
F24F8/80 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562292
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 US2022024115
(87)【国際公開番号】W WO2022221148
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】316009197
【氏名又は名称】プロリテック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Prolitec lnc.
【住所又は居所原語表記】5447 Leary Avenue NW,Seattle,WA 98107 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】スウォード, ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】アンスリー, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ウェーニング, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】モンカダ, フアン
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211BA11
3L211BA25
3L211BA43
3L211BA51
3L211BA53
3L211BA55
3L211DA82
3L211DA96
3L211EA72
3L211EA74
3L211FA06
3L211FA07
3L211FA43
3L211GA76
(57)【要約】
器具と、その中に据え付け可能である交換可能カートリッジとを含む乗り物のための空気香り付けシステムが、提供される。交換可能カートリッジは、エアロゾル化されるべき液体化合物を含み、エアロゾル化された化合物が動作中に放出されるカートリッジ出口を有する。ポンプが、交換可能カートリッジに空気を供給し、交換可能カートリッジ内に含まれる液体化合物からエアロゾル化された化合物を発生させるために提供され、コントローラが、ポンプを制御し、交換可能カートリッジに空気を供給し、エアロゾル化された化合物を発生させ、器具からそれを放出するために提供される。器具は、乗り物の内部空間の中に香りを分注するために適合され、カップ保持器内に器具を位置付けるために好適な形状因子を含む。加えて、器具は、運転者がいるときの乗り物内での使用のために設計され、均一な香り体験を提供するように運転者によって調節可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能カートリッジを受け取り、前記交換可能カートリッジ内に含まれる液体からエアロゾル化された物質を発生させるように構成された液体拡散器具であって、前記液体拡散器具は、
乗り物のカップ保持器内に挿入可能に受け取られるように構成された形状因子を備え、
前記液体拡散器具は、
前記液体拡散器具の1つ以上の機能構成要素を含む筐体と、
前記筐体と別個かつ異なるスリーブと
を含み、
前記スリーブは、前記筐体の少なくとも下側部分を包囲し、前記カップ保持器内に前記液体拡散器具を適合させることを補助する、液体拡散器具。
【請求項2】
前記筐体は、堅い材料を備え、前記スリーブは、圧縮可能および/または弾性的に変形可能な材料を備えている、請求項1に記載の液体拡散器具。
【請求項3】
前記スリーブは、少なくとも1つの弾性的に変形可能な特徴を含み、前記少なくとも1つの弾性的に変形可能な特徴は、前記液体拡散器具が使用のために前記カップ保持器内に位置付けられているとき、前記弾性的に変形可能な特徴が前記カップ保持器と前記筐体との間で変形させられるような可変有効外径を提供する、請求項1または2に記載の液体拡散器具。
【請求項4】
前記弾性的に変形可能な特徴は、前記スリーブの高さの少なくとも大部分に沿って延びている縦方向チャネルを含む、請求項3に記載の液体拡散器具。
【請求項5】
細長い空所が、前記スリーブの弾性的に変形可能な特徴と前記器具の筐体との間に形成され、前記細長い空所は、前記弾性的に変形可能な特徴が変形させられると、容積が変動する、請求項4に記載の液体拡散器具。
【請求項6】
前記スリーブは、前記スリーブの周りで円周方向に間隔を置かれた複数の弾性的に変形可能な特徴を含む、請求項3に記載の液体拡散器具。
【請求項7】
前記筐体は、縦方向に延びている側壁と電力供給源ケーブル溝とを備え、前記電力供給源ケーブル溝は、前記器具の下側端部から前記縦方向に延びている側壁に沿って前記器具の上側端部に向かって電力供給源ケーブルの経路を定めるために、前記縦方向に延びている側壁の外側表面内に形成されている、請求項1、2、または3に記載の液体拡散器具。
【請求項8】
前記電力供給源ケーブル溝は、前記筐体の高さの少なくとも大部分に関して、前記縦方向に延びている側壁に沿って延びている、請求項7に記載の液体拡散器具。
【請求項9】
前記電力供給源ケーブル溝の少なくとも大部分は、前記スリーブによって隠されている、請求項7または8に記載の液体拡散器具。
【請求項10】
前記スリーブは、少なくとも1つの弾性的に変形可能な特徴を含み、前記少なくとも1つの弾性的に変形可能な特徴は、前記液体拡散器具が使用のために前記カップ保持器内に位置付けられているとき、前記弾性的に変形可能な特徴が前記カップ保持器と前記筐体との間で変形させられるような可変有効外径を提供し、前記弾性的に変形可能な特徴は、前記電力供給源ケーブル溝と整列させられ、それと平行に伸びている、請求項7、8、または9に記載の液体拡散器具。
【請求項11】
交換可能カートリッジを受け取り、前記交換可能カートリッジ内に含まれる液体からエアロゾル化された物質を発生させるように構成された液体拡散器具であって、前記液体拡散器具は、
乗り物のカップ保持器内に挿入可能に受け取られるように構成された形状因子を備え、
前記液体拡散器具は、
前記液体拡散器具の1つ以上の機能構成要素を含む筐体と、
前記筐体に回転可能に結合されたダイヤルと
を含み、
前記ダイヤルは、使用中、前記器具から放出される前記エアロゾル化された物質の強度レベルを調節する、液体拡散器具。
【請求項12】
前記器具は、前記ダイヤルが、使用中、前記器具から放出される前記エアロゾル化された物質の強度レベルを調節するために回転させられると、触知フィードバックおよび/または可聴フィードバックを前記器具のユーザに提供するように構成されている、請求項11に記載の液体拡散器具。
【請求項13】
前記ダイヤルは、前記筐体の外部縦方向表面に滑らかに移行する外部縦方向表面を含むことによって、前記ダイヤルと前記筐体との間の継目のみによって遮断された集合的表面を提供する、請求項11または12に記載の液体拡散器具。
【請求項14】
前記ダイヤルの前記外部縦方向表面と前記筐体の前記外部縦方向表面とは、可変の抜き勾配を伴うフレア状の円筒表面を集合的に形成する、請求項11、12、または13に記載の液体拡散器具。
【請求項15】
前記ダイヤルは、その内側円周側面における歯の組を含み、前記歯の組は、前記筐体内に提供された回転歯車に係合し、前記回転歯車が前記ダイヤルの位置に応答して回転すると、強度制御信号を発生させる、請求項11、12、13、または14に記載の液体拡散器具。
【請求項16】
前記ダイヤルは、前記交換可能カートリッジが前記筐体内で静止して保持されている間、前記交換可能カートリッジの周囲で回転し、使用中に前記器具から放出される前記エアロゾル化された物質の強度レベルを調節するように構成されている、請求項11、12、13、14、または15に記載の液体拡散器具。
【請求項17】
空気ステムを含み、前記交換可能カートリッジは、使用中、前記交換可能カートリッジ内に含まれる前記液体から前記エアロゾル化された物質を発生させるための空気の流れを供給するために、前記空気ステム上に据え付け可能である、請求項11、12、13、14、15、または16に記載の液体拡散器具。
【請求項18】
液体拡散システムであって、前記液体拡散システムは、請求項11、12、13、14、15、16、または17に記載の液体拡散器具と、前記交換可能カートリッジとを含み、前記交換可能カートリッジは、ベンチュリデバイスを含み、前記ベンチュリデバイスは、使用中、前記交換可能カートリッジを通して移動する空気流れを介して、前記交換可能カートリッジ内に含まれる前記液体から前記エアロゾル化された物質を発生させる、液体拡散システム。
【請求項19】
交換可能カートリッジを受け取り、前記交換可能カートリッジ内に含まれる液体からエアロゾル化された物質を発生させるように構成された液体拡散器具であって、前記液体拡散器具は、
乗り物のカップ保持器内に挿入可能に受け取られるように構成された形状因子と、
制御された様式で前記器具から前記エアロゾル化された物質を放出するように動作可能である制御システムと
を備え、
前記制御システムは、前記乗り物の運動を感知するように構成された少なくとも1つの加速度計または他のセンサを含む、液体拡散器具。
【請求項20】
前記制御システムは、少なくとも部分的に前記少なくとも1つの加速度計または他のセンサから導出される信号に基づいて、前記器具の動作モードを修正するように構成されている、請求項19に記載の液体拡散器具。
【請求項21】
前記器具の前記動作モードは、前記少なくとも1つの加速度計または他のセンサが閾値持続時間中に前記乗り物の任意の運動を検出することに失敗すると、スリープモードに自動的に移行させられる、請求項20に記載の液体拡散器具。
【請求項22】
前記器具の前記動作モードは、前記少なくとも1つの加速度計または他の運動感知デバイスが前記乗り物の運動を検出すると、スリープモードからアクティブモードに自動的に移行させられる、請求項20に記載の液体拡散器具。
【請求項23】
交換可能カートリッジを受け取り、前記交換可能カートリッジ内に含まれる液体からエアロゾル化された物質を発生させるように構成された液体拡散器具であって、前記液体拡散器具は、
乗り物のカップ保持器内に挿入可能に受け取られるように構成された形状因子と、
制御された様式で前記器具から前記エアロゾル化された物質を放出するように動作可能である制御システムと、
を備え、
前記制御システムは、前記器具の向きを感知するように構成された少なくとも1つの加速度計またはレベルセンサを含む、液体拡散器具。
【請求項24】
前記制御システムは、少なくとも部分的に前記器具の向きを示す前記少なくとも1つの加速度計またはレベルセンサから導出される信号に基づいて、前記器具の動作モードを修正するように構成されている、請求項23に記載の液体拡散器具。
【請求項25】
前記器具の前記動作モードは、前記少なくとも1つの加速度計またはレベルセンサが、前記器具が直立向きまたは略直立向きに位置付けられていないことを検出すると、スリープモードに自動的に移行させられるか、または、電力遮断される、請求項24に記載の液体拡散器具。
【請求項26】
プロセッサベースの電子液体拡散デバイスによって実装される方法であって、前記方法は、
ホスト乗り物の運動の有無を検出することと、
少なくとも部分的に前記検出された運動の有無に基づいて、前記電子液体拡散デバイスの動作状態を修正することと
を含む、方法。
【請求項27】
前記電子液体拡散デバイスの動作状態を修正することは、エアロゾル化された物質が前記デバイスから放出され得るアクティブモードから、エアロゾル化された物質が前記デバイスから放出されることが可能でないスリープモードに、またはその逆に前記動作状態を移行させることを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記動作状態を移行させることは、前記運動の有無が検出された閾値期間の後、生じ得る、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ホスト乗り物の前記運動の有無を検出することは、前記乗り物の速度を検出することを含み、前記電子液体拡散デバイスの前記動作状態を修正することは、少なくとも部分的に前記乗り物の前記速度に基づいて、前記器具の強度を調節することを含む、請求項26、27、または28に記載の方法。
【請求項30】
プロセッサベースの電子液体拡散デバイスによって実装される方法であって、前記方法は、
前記電子液体拡散デバイスの向きを検出することと、
少なくとも部分的に前記器具の前記検出された向きに基づいて、前記電子液体拡散デバイスの動作状態を修正することと
を含む、方法。
【請求項31】
前記電子液体拡散デバイスの動作状態を修正することは、エアロゾル化された物質が前記デバイスから放出され得るアクティブモードから、エアロゾル化された物質が前記デバイスから放出されることが可能でないスリープモードに、またはその逆に前記動作状態を移行させることを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記電子液体拡散デバイスの前記動作状態は、前記器具の向きが直立または略直立位置にないことが検出されると、前記スリープモードに移行させられるか、または、そうでなければ無効化される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
プロセッサベースの電子液体拡散デバイスによって実装される方法であって、前記方法は、
乗り物のオンボードコンピューティングおよび/または制御システムから、前記乗り物の特性または動作パラメータ、乗り物構成要素、または前記乗り物の環境に関連する信号を受信することと、
少なくとも部分的に受信された信号に基づいて、前記電子液体拡散デバイスの動作状態を修正することと
を含む、方法。
【請求項34】
前記電子液体拡散デバイスの前記動作状態を修正することは、エアロゾル化された物質が前記デバイスから放出され得るアクティブモードから、エアロゾル化された物質が前記デバイスから放出されることが可能でないスリープモードに、またはその逆に前記動作状態を移行させることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記電子液体拡散デバイスの前記動作状態は、前記器具が、前記乗り物から前記乗り物が駐車されていることまたはオフにされていることを示す信号を受信すると、前記スリープモードに移行させられるか、または、そうでなければ無効化される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記電子液体拡散デバイスの前記動作状態を修正することは、少なくとも部分的に前記乗り物の空気ハンドラファンの速さの変化に基づいて、前記器具の強度レベルを調節することを含む、請求項33、34、または35に記載の方法。
【請求項37】
前記電子液体拡散デバイスの前記動作状態を修正することは、少なくとも部分的に前記乗り物の速度の変化に基づいて、前記器具の強度レベルを調節することを含む、請求項33、34、35、または36に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、空気香り付け器具に関し、より具体的に、乗り物のための空気香り付け器具に関し、空気香り付け器具は、拡散またはエアロゾル化され、乗り物の中に解放されるべき液体香り化合物を含む交換可能な香りカートリッジを含む。空気香り付け器具は、乗り物のカップ保持器内に位置付けられ、乗り物の内部の領域内で動作させられるために特に非常に好適である。空気香り付け器具は、具体的に、運転者が存在するときの乗り物内での使用のために設計され、均一な香り体験を提供するように運転者によって容易に調節可能である。
【背景技術】
【0002】
これまでの空気香り付け器具は、所望の空間の大気の全体を通して香り化合物または他の化合物を分注するための能力を有しているが、種々の欠点または欠陥に悩まされ得る。例えば、いくつかの空気香り付け器具およびそれらの交換可能カートリッジは、過度に複雑であり、高価であり得、および/または、他の欠陥または欠点(例えば、準理想的である特性を伴う拡散またはエアロゾル化された物質を放出すること、またはカートリッジが漏出、不正使用、汚損、および/または汚染の影響を受けやすいこと等)に悩まされ得る。加えて、多くの公知の空気香り付け器具は、乗り物の内部等の限られた空間内、または空気流動条件が頻繁に変化する場所での使用されるために特に好適であるわけではない。さらに、多くの公知の空気香り付け器具は、安全かつ効率的様式での自動車を動作させる運転者によるその作動および調節を可能にするために特に好適であるわけではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に示され、説明される乗り物のための空気香り付け器具および交換可能カートリッジおよびそれらの他の構成要素および関連する方法は、液体源からの拡散またはエアロゾル化された化合物を用いて乗り物の限られた空間を処理することにおいて堅牢、効率的、かつ、特に効果的である形状因子を提供し、具体的に、乗り物のカップ保持器内に位置付けられるように構成された空気香り付け器具を含む。さらに、乗り物のための空気香り付け器具は、運転者による運転中の安全かつ効果的な動作のために特に非常に好適であり、乗り物内に存在する変化する空気流動条件および乗員選好を考慮するために出力を調節するように容易に制御可能である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】
図1は、器具内に装填され得る交換可能カートリッジ内に含まれる液体から拡散またはエアロゾル化される香り化合物を用いて乗り物の内部を処理するための空気香り付け器具を含む一実施形態による空気香り付けシステムの等角図である。
【0005】
【0006】
【0007】
【0008】
【
図5】
図5は、
図1の空気処理器具とともに使用可能である例示的な交換可能カートリッジの等角断面図である。
【0009】
【
図6】
図6は、空気処理器具と、そのための交換可能カートリッジとを含む空気処理システムの例示的実施形態によるシステム図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明では、ある具体的な詳細が、種々の開示される実施形態の徹底的な理解を提供するために述べられる。しかしながら、当業者は、実施形態が、これらの具体的な詳細のうちの1つ以上のものを用いることなく実践され得ることを認識するであろう。他の事例では、空気香り付け器具(液体香り拡散デバイスとも称される)、その構成要素、および液体香り源からの化合物を拡散またはエアロゾル化する関連する方法に関連付けられた周知のデバイス、構造、および技法が、実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、詳細に示されないことも、説明されないこともある。例えば、本明細書に開示される空気処理器具および交換可能カートリッジの実施形態は、公知の器具または関連付けられた構成要素、およびそれらの制御方法の側面または特徴を含み得るか、または組み込み得る。公知の空気香り付け器具、構成要素、およびそれらの側面および関連する方法の例が、米国特許第7,712,683号、第7,930,068号、第8,855,827号、第9,248,461号、第9,162,004号、および第10,086,340号(その全ては、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる)に示され、説明されている。
【0011】
文脈が別様に要求しない限り、続く明細書および請求項の全体を通して、単語「comprise(~を備えている)」および「comprises(~を備えている)」および「comprising(~を備えている)」等のその変形例は、非限定的かつ包括的意味において、すなわち、「including, but not limited to(限定ではないが、~を含む)」として解釈されるべきである。
【0012】
本明細書全体を通した「one embodiment(一実施形態)」または「an embodiment(ある実施形態)」の言及は、実施形態と関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通した種々の場所における語句「in one embodiment(一実施形態では)」または「in one embodiment(ある実施形態では)」の表出は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な様式において組み合わせられ得る。
【0013】
本明細書および添付の請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、コンテンツが明確に別様に指示しない限り、複数の指示物を含む。また、用語「または」が、概して、コンテンツが明確に別様に指示しない限り、「および/または」を含む、その意味において採用されることにも留意されたい。
【0014】
図1を参照すると、本開示は、概して、空気香り付け器具100に関し、より具体的に、拡散またはエアロゾル化され、処理されるべき乗り物の内部の中に解放されるべき液体香り化合物120を含む交換可能カートリッジ102とともに動作可能である空気香り付け器具100(液体拡散デバイスまたは装置とも称され得る)、およびその構成要素、および関連する方法に関する。
【0015】
図1に示されるように、本開示の空気香り付け器具100は、液体源から拡散またはエアロゾル化される香り化合物または他の化合物を用いて内部空間を処理するために、乗り物の内部空間(すなわち、自動車内部)内における使用のために構成された形状因子において提供され得る。特に、器具100は、乗り物の内部内のカップ保持器110内に容易に挿入されるように構成された形状因子を含み得る。しかしながら、器具100が本質的に可搬性であり、異なる空間を処理するために所望に応じて移転させられ得ることも理解されたい。
【0016】
図1を継続して参照すると、各交換可能カートリッジ102は、カートリッジ出口132を含み、カートリッジ出口132は、カートリッジ102内の液体120から発生させられた拡散またはエアロゾル化された化合物が器具100を包囲する環境または空間の中に放出されることを可能にする。より具体的に、装填されると、器具100内の交換可能カートリッジ102は、加圧空気源の出口(例えば、
図4のポンプ122)に結合され、加圧空気が本明細書に説明されるようにカートリッジ102に選択的に通され、カートリッジ102の中に含まれる液体120を拡散またはエアロゾル化し、エアロゾル化された物質がカートリッジ出口132を通して放出されることを可能にする。
【0017】
本開示内では、用語「atomize(~を霧化する)」および「diffuse(~を拡散する)」は、それらの種々の形態において同義的に使用され得る。それらは、概して、非常に小さい粒子径(好ましくは、限定ではないが、サイズが1ミクロンまたはそれを下回る)への液体の分散、および、概して、封入された空間の大気の中への粒子の解放である同じ行いを指すことを意図している。特に小さい粒子を伴う拡散された液体を放出することは、分散されるべき液体が、空間を効果的に処理するために十分に長く空中浮遊したままであること確実にすることに役立つ。拡散された液体は、本明細書では、エアロゾル化された物質とも称され、例えば、香り付けられた化合物を含み得る。
【0018】
小さい粒子径を提供することに対する1つのアプローチは、膨張チャンバに隣接して分散または気体液体混合場所を組み込むことである。混合された気体と液体との組み合わせは、望ましいサイズより大きい粒子を含み得る。この混合体が、処理される空間の中への解放に先立って、膨張チャンバ内に常駐したままであることを可能にすることは、より大きい粒子が混合物から沈殿することを可能にするであろう。気体と液体との混合物がぶつかり合う構造も、これらのより大きい粒子の収集を補助し、所望される主としてより小さくサイズを決定された粒子のみが解放されるようにし得る。膨張チャンバは、気体と液体との混合物が、器具100から空間の中に排出されるであろうように、処理されるべき空間内の大気圧に対して正圧に維持され得る。代替として、膨張チャンバは、概して、チャンバを通した気体(例えば、空気)の流動を用いて処理されるべき空間の大気圧に維持され得、膨張チャンバは、器具100のカートリッジ102から処理されるべき空間の中への気体と液体との混合物の移動のための推進力を提供する。
【0019】
本開示の文脈内では、拡散またはエアロゾル化は、概して、液体化合物の完全性を破壊することなく液体を分散させるプロセスまたは方法も指す。気体(例えば、空気)と液体との間のある程度の反応が、望ましくあり得るが、拡散は、液体を拡散するための加熱または液体への電気エネルギーの印加と異なり、概して、液体の本質を変化させない。
【0020】
本開示の文脈内では、空気香り付け器具100は、空気ポンプ(例えば、ポンプ122)およびベンチュリ(例えば、ベンチュリデバイス142)を使用することによって、液体状態の香気調合物を調節可能な分量の微小液滴(器具100から出た後すぐに(85~300ms)蒸気に移行する)に転換する。この蒸気は、それが周囲空気の中に混ざり、香り効果を生成するにつれて、眼に見えなくなる。器具100から出て行く液滴の分量が、ヒト乗員によって知覚されるような香りの強度を決定する。空気のモル数に対する香り分子の数が、1立方メートルあたりのグラム数(g/cu3、すなわち、PPM(パーツパーミリオン))で表現される。これは、空気中の香りの「濃度」である。周囲空気中の香り分子の数が多いほど、香り効果が、より強力である。
【0021】
本発明の実施形態によって対処される1つの課題は、乗り物内の変化する空気流動条件に関し、乗り物内の変化する空気流動条件は、乗り物の空気中の香りの濃度に、したがって、香り体験の重要となる部分である香りの知覚される強度に大きな影響を与える。乗り物内の空気流動条件は、例えば、運転の速さ、空気ハンドラファンの速さ、周囲温度および湿度、および新鮮な空気対再循環空気の比率における変化に伴って、頻繁に変化する。空気流動条件の不可避的な変化をいっそうひどくするものは、乗員の香り知覚閾値である。香り変化を知覚するための能力は、例えば、年齢および性別に伴って変化する。1人のヒトによって所望されるものが、確立され、単一の運転者のために固定され得るが、他の乗員は、香りがない状態から強力な香りまでの範囲に及ぶ異なるものを要求し得る。
【0022】
故に、効果的な空気香り付けまたは新鮮化デバイスであるために、運転者が、種々の空気流動条件および種々の乗員選好において快適かつ均一な体験を確実にするために、空気中の液滴の分量(すなわち、香り濃度)を調節することが可能でなければならないと考えられる。出力を調節可能でない従来技術の空気新鮮化アプローチは、甚だしく異なる体験を生じさせ、種々の乗員選好に合わせて香り体験を最適化することは、可能でない。
【0023】
本発明の実施形態によって対処される別の課題は、動作安全性に関する。運転者は、どのようにして運転者の眼を道路から逸らすことなく、香り付け体験を調節するか?本発明の実施形態によると、器具100は、都合よく、一貫した既知の位置で、運転者の手の届く範囲内にある乗り物のカップ保持器内にぴったりと嵌る。器具100の周囲の環状ダイヤルの形態における調節デバイスが、器具100の上側端部上に提供され、それは、運転者の手の親指および人差し指を用いて、徐々に(例えば、0(無出力)から10(最大出力)まで)都合よく回され得る。有利なこととして、好ましい実装では、可聴の徐々により大きい可聴指示(例えば、クリック音)が、無出力から最大出力まで、1つのステップから次のものへ各設定ステップを確認する。加えて、またはその代わりに、強度設定を示すための触覚フィードバック(例えば、振動、戻り止め係合)が、提供され得る。これは、運転者が、安全な運転習慣を損なうことなく乗り物内の変化する空気条件および/または乗員選好に合わせて調節することを可能にするために、器具100の香り出力、故に、乗り物内の香り濃度を調節することにおいて特に有利である。
【0024】
着目すべきこととして、本明細書に説明される空気香り付け器具100、交換可能カートリッジ102、および他の構成要素および方法は、乗り物の空気空間または他の概して封入された空間の中に快適またはスムーズな香りを提供または導入するために使用され得る。香り付け器具100によって分注されるべき特定の液体120が、交換可能カートリッジ102内に含まれる。本発明の実施形態は、香りを放出する文脈において説明されているが、本開示は、必ずしも、分散されるべき液体120の特定のタイプまたは本質に限定されるわけではなく、好ましくは、封入された空間内に効果的であるように分散される任意の望ましい空中浮遊する液体処理を包含することを意図している。本明細書で使用されるように、用語「封入された空間」は、その中で大気の入れ替わりが十分にゆっくりであり、分散された液体が空間内でその所望の効果を有することを可能にする任意の空間容積を指す。いくつかの空間は、1つ以上の開口部を有し、依然として、拡散された液体を用いた処理を可能にするための所望の特性を有し得る。他の空間は、好ましくは、選択された液体による処理を可能にするために、完全に封入され得る。他の場合、処理のために使用される液体は、好ましくは、最大有効性のために、または安全性の理由のために、シールされた空間内で使用され得る。本開示の範囲内では、空間を処理するために使用される液体および空間内で所望される処理の本質に関して適切であり得るようなものを除いて、処理されるべき空間の本質、サイズ、または構成を限定することは、意図されていない。従って、本明細書に説明される実施形態は、完全に封入されるか、または、いくつかの事例では、1つ以上の開放した窓等の1つ以上の開口部を有し得る乗り物の内部空間を処理するために特に非常に好適である。加えて、前述に説明されるように、乗り物の内部空間は、変化する空気流動条件を特に受けやすくあり得、本明細書に開示される実施形態は、そのような変動し易い空気流動条件にもかかわらず、より均一な香り体験を提供するための香り出力の動的調節を可能にするために特に非常に好適であり得る。
【0025】
図4を参照すると、図示される実施形態によると、(プリント回路基板、すなわち、PCB218を含む)制御システム128が、提供され、それは、ポンプアセンブリ122によって発生させられる加圧空気のタイミング、流量、および/または圧力レベルの調節を可能にするように構成され、加圧空気は、使用中、据え付けられたカートリッジ102の中に導かれ、それを通過する。いくつかの事例では、動作圧力は、例えば、約2psiゲージ圧または約1.5psiゲージ圧未満等、比較的に低くあり得る。カートリッジ102内では、加圧空気は、カートリッジ102中に含まれる液体120を霧化し、処理されるべき空気空間の中への霧化された液体の分散を補助するように導かれる。
【0026】
いくつかの事例では、液体の実際の霧化の点からの間接的送流路と、カートリッジ出口132とを有することが、望ましくあり得、霧化された粒子は、カートリッジ出口132を通してカートリッジ102から出て行く。他所においてより詳細に説明されるであろうように、本明細書に説明される交換可能カートリッジ102の実施形態は、カートリッジ102からの液体120および加圧空気が出合い、混合される霧化区域を提供する。加えて、カートリッジ102は、カートリッジ102内の膨張チャンバまたは複数のチャンバも提供し得、霧化された液体は、霧化された液体の一部がホスト器具100内に装填されたカートリッジ102から出て行くことを可能にされるまで、膨張チャンバの中に保持される。他所においてより詳細に説明されるように、カートリッジ102は、拡散されるべき液体120の貯蔵部、液体120を空中浮遊する濃縮物に変換させるための霧化構造、膨張チャンバまたは複数のチャンバ、随意に、カートリッジ102の出口132に向かう蛇行性の経路または通路を結合し得る。
【0027】
図1-4を参照すると、空気香り付け器具100の1つの例示的実施形態が、図示され、それは、カートリッジ102を受け取るように構成された器具筐体101を含む。前述に議論されるように、器具100は、拡散またはエアロゾル化される香り化合物を用いて空間を処理するように構成され、拡散またはエアロゾル化される香り化合物は、カートリッジ102を通して移動する空気の流動によって発生させられ、移動する空気は、カートリッジ102内に含まれる液体120からの液体粒子に同伴される。この目的のために、器具100は、例えば、器具100に電力供給およびそれを電力遮断するための電力のオン/オフ制御としての機能を果たし得る回転式ダイヤル107等の1つ以上の制御と、周囲環境の中に放出される物質の強度または分量を調節するための強度制御とを含み得る。1つの具体的実装では、例えば、回転式ダイヤル107は、0(無出力)から10(最大出力)まで徐々に増加するステップにおいて回転するように構成され得る。器具100は、例えば、器具100が動作している強度レベル等の動作フィードバック信号を提供するための1つ以上のインジケータ111(例えば、LED)をさらに含み得る。そのようなインジケータ111に加えて、またはその代わりに、器具100は、強度レベルの調節の可聴フィードバック(例えば、クリック音、ビープ音、または他の音)および/または強度レベルの調節の触知フィードバック(例えば、振動、戻り止め係合)を提供するための1つ以上の特徴を含み得る。可聴および/または触知フィードバックの大きさ、持続時間、または強度は、強度レベルの1つのステップから次のものに変化し得る。強度は、段階的または連続的様式において変動し得、可聴および/または触知フィードバックの変化が、段階的または連続的様式において、対応して提供され得る。
【0028】
器具100は、ホスト乗り物の電力供給源等の電力供給源に器具100を接続するために、および/または、データ信号の伝達のために乗り物の電気システムに器具を結合するために、ケーブル112をさらに含み得る。他の実施形態において、器具100は、電力コンセントまたは他の外部電源から遠隔であり得る場所における器具100の使用を促進するために、オンボード再充電可能バッテリまたはバッテリパック等のオンボード電力供給源を含み得る。
【0029】
図4に示されるように、筐体101は、筐体101を形成するように一緒に組み合わせられる複数の筐体構成要素101a、101b、101cを含み得る。図示される実施形態の筐体構成要素101a、101b、101cは、例えば、カートリッジ102を受け取るためのカートリッジ受け取り空洞103を画定する上側筐体構成要素101aを含む。図示される実施形態の筐体構成要素101a、101b、101cは、器具100の外部外形の実質的部分を画定し、器具100の種々の機能構成要素を収容する中間筐体構成要素101bをさらに含む。例えば、中間筐体構成要素101bは、ポンプ122を包囲し、ポンプ122は、動作中、気体供給導管124と気体供給導管124の端部に提供されるステム126とを介して、空気の流動をカートリッジ102に供給するように構成されている。ステム126は、上側筐体構成要素101aのカートリッジ受け取り空洞103内に支持され、装填されたカートリッジ102の底端部内に挿入可能に受け取られるようにサイズおよび形状を決定される。図示される実施形態の筐体構成要素101a、101b、101cは、下側筐体構成要素101cをさらに含み、下側筐体構成要素101cは、器具100のための安定した基部を提供し、器具100に電力を供給および/またはデータ信号を交換するための器具100の下側端部における電気ポート206および関連付けられた回路基板207を支持する。
【0030】
図5は、
図1に図示されるカートリッジ102に実質的に類似し、器具100内に挿入可能に受け取られ、エアロゾル化されるべき液体120の源を提供し得るカートリッジ102’のさらなる詳細を示す。
図5を参照すると、交換可能カートリッジ102’は、内部空洞135を有する流体レセプタクルを画定するように一緒に結合された複数の筐体部片を備えているカートリッジ筐体134を含み得、内部空洞135は、拡散されるべき液体120で部分的に充填される。例えば、
図5に示されるカートリッジ102’の例示的実施形態によると、カートリッジ筐体134は、エアロゾル化されるべき液体120のためのレセプタクルの少なくとも一部を画定する内部筐体本体136と、使用中にエアロゾル化された物質が放出されるカートリッジ出口132を含む上側筐体キャップ137と、内部筐体本体136の少なくとも下側部分を包囲する外側ケーシング138とを含む。いくつかの事例では、筐体部片のうちの少なくともいくつか、例えば、内部筐体本体136および上側筐体キャップ137は、カートリッジ102’の非破壊的分解を防止するために一緒に固定して結合され、事実上、それを不正使用防止にし得る。これは、ユーザが使用済みのカートリッジを補充および再利用することを防止するために望ましくあり得、使用済みのカートリッジを補充および再利用することは、以前の使用からのカートリッジ102’内での汚損または残留物の蓄積に起因して、空間を処理することにおいて効果的ではない、またはあまり効果的ではないこともある。
【0031】
例として、
図5を参照すると、内部筐体本体136および上側筐体キャップ137は、カートリッジ筐体134の非破壊的分解を防止する様式において、一緒にスナップ嵌めまたは別様に結合する、相互係止構造を具備し得る。Oリングシールまたは他のシール等のシールが、相互係止構造の近傍の内部筐体本体136と上側筐体キャップ137との間に提供され、カートリッジ筐体134が組み立てられると液密シールを提供し得る。このように、拡散されるべき液体120は、内部筐体本体136と上側筐体キャップ137との間の界面におけるカートリッジ筐体134から漏出することを防止され得る。液体120の枯渇時、カートリッジ102’は、容易に除去され、ホスト器具100を包囲する環境の継続される処理のために同様のカートリッジ102’と交換され得、枯渇したカートリッジ102’は、未損傷ユニットとして廃棄されるか、または、再製品化目的のために収集され得る。
【0032】
図5を継続して参照すると、内部筐体本体136および外側ケーシング138は、相互係止構造を具備し得、係止構造は、閾値抵抗力が克服されるまで内部筐体本体136からの外側ケーシング138の分解を防止する様式において一緒に連結し、閾値抵抗力が克服された後、外側ケーシング138は、内部筐体本体136から除去され得る。他の事例では、相互係止構造は、カートリッジ102’の残部からの外側ケーシング138の非破壊的分解を防止し、カートリッジ102’を不正使用防止にすることをさらに補助し得る。
【0033】
図5に示される交換可能カートリッジ102’の例示的実施形態によると、内部筐体本体136は、透明または半透明であり得、外側ケーシング138は、不透明であり得、外側ケーシング138は、窓139を具備し得、窓139を通して、エアロゾル化されるべき液体120のレベルLは、透明または半透明の内部筐体本体136の露出された部分141を通して視認可能である。有利なこととして、外側ケーシング138の窓139は、液体120が、満杯レベルと空レベルとの間で移行するにつれて、内部筐体本体136内の液体120の液体レベルLを観察するために十分なサイズおよび形状を有し得る。このように、ユーザは、所望に応じて器具100からカートリッジ102’を取り出し、その中の液体120のレベルをチェックすることができる。
【0034】
例示的カートリッジ102’のカートリッジ筐体134は、液体レベル視認窓139を含むが、いくつかの実施形態において、そのような窓139を伴わない交換可能カートリッジが、提供され得る。加えて、外側ケーシング138は、例えば、
図1のカートリッジ102に示されるように、完全に省略され得る。提供されているとき、外側ケーシング138は、内部筐体本体136と緊密に入れ子になる形状を有し得る。例えば、外側ケーシング138および内部筐体本体136の各々は、同心円状に整列させられ、二重の層または二重の壁レセプタクルを形成する実質的に円筒形の形状を有し得る。
【0035】
図5を継続して参照すると、内部筐体本体136、上側筐体キャップ137、および外側ケーシング138は、カートリッジ筐体134を画定するように一緒に固定して結合され得る。カートリッジ入口131は、動作中に気体(例えば、空気)の流動を受け取るために、内部筐体本体136の底端部に提供され得、カートリッジ出口132は、動作中にカートリッジ102’によって発生させられた拡散された液体を放出するために上側筐体キャップ137内に提供され得る。カートリッジ入口131およびカートリッジ出口132は、カートリッジ筐体134によって画定される中心軸Aに沿って整列させられ得る。カートリッジ筐体134は、中心軸Aに対して略回転対称であり得る。例えば、
図5に示されるように、カートリッジ筐体134は、中心軸Aに対して回転対称であるキノコまたは拡大された上端部を伴う円筒物または類似するレセプタクルに似ていることもある。他の事例では、カートリッジ筐体134は、非対称的に成形され得、カートリッジ入口131およびカートリッジ出口132は、共通軸Aに沿って垂直方向に整列させられていないこともある。それぞれのキャップまたはプラグ104、106が、貯蔵、輸送等中、カートリッジ入口131およびカートリッジ出口132を一時的に閉鎖し、カートリッジ102’の汚損または汚染またはその中に含まれる液体120の可能な漏出を防止するために提供され得る。
【0036】
カートリッジ102’の内部構成要素および構造および関連する機能性が、ここで、
図5を継続して参照して説明され、そのうちのいくつかは、概して、米国特許第9,248,461号、第9,162,004号、および第10,086,340号(参照することによってそれらの全体として組み込まれる)に開示されている類似の特徴および機能性を踏襲する。
図5に示されるカートリッジ102’の図示される実施形態によると、内部構成要素および構造は、とりわけ、130a-130hと標識される矢印によって表されるように、カートリッジ入口131からカートリッジ出口132までのカートリッジ102’を通した流路を提供する。ホスト拡散器具100内に据え付けられているとき、カートリッジ入口131は、加圧ガス121源(例えば、
図4のポンプ122)に結合され、それによって、気体(例えば、空気)は、概して、130a-130hと標識される矢印によって表されるように、カートリッジ102’を通して周期的に押し進められ、液体120と結合し、気体によって運ばれる特に小さい液体粒子を備えている気体液体混合物(概して、本明細書では、拡散された液体またはエアロゾル化された物質と称される)として出て行き得る。例示的ポンプ122の詳細は、本明細書では、実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを回避するために、示されないか、または説明されていないが、しかしながら、ポンプ122が多種多様な異なる形状因子において提供され得ることを理解されたい。
【0037】
図5に示されるように、加圧ガスは、筐体134の底端部におけるカートリッジ入口131を通してカートリッジ102’に入り、次いで、筐体134内に提供される拡散ヘッド140(保持された液体120を取り入れ導管119を通して移動するガス流れの中に引き込むためのベンチュリデバイス142を含む)を通して流動し、その後、気体液体混合物は、カートリッジ出口132を通してカートリッジ102’から出て行く前、カートリッジ挿入部170を通して移動する。より具体的に、加圧ガスは、130aと標識される矢印によって表されるように、筐体134の底端部におけるカートリッジ入口131を通してカートリッジ102’に入り、次いで、130bと標識される矢印によって表されるように、内部筐体本体136の一部によって画定される気体供給導管152を通して上向きに流動する。気体は、次いで、ベンチュリデバイス142を通して流動し、取り入れ導管119を介して筐体134の内部筐体空洞135内の流体リザーバから液体120を引き込み、霧化された液体を備えている気体液体混合物(本明細書では、拡散された液体またはエアロゾル化された物質とも称される)を生成し、気体液体混合物は、130cと標識される矢印によって表されるように、拡散ヘッド140の上側部分146によって提供される膨張チャンバ148の中に放出される。拡散された液体は、次いで、ベンチュリデバイス142の反対側に位置する衝突構造または表面181の方に導かれ、拡散された液体の少なくとも一部は、衝突構造または表面181上に衝突し、集まり、流体リザーバ内の任意の残りの液体120に戻され、ベンチュリデバイス142によってガス流の中に再度導入される。拡散された液体の少なくともいくらかの他のものは、130dおよび130eと標識される矢印によって表されるように、拡散ヘッド140の隔壁部分156の周囲に沿って流動するように方向転換され、カートリッジ102’内の液体120の流体レベルLの上方のカートリッジ筐体134の内部空洞135の一部につながる拡散ヘッド140内の通路158を通過する。通路158から、拡散された液体の一部は、筐体134の露出された内部表面またはカートリッジ102’の他の内部構造上に集まるか、または気体および霧化された液体から別様に沈殿し、流体リザーバ内の液体120に再度加わり、ベンチュリデバイス142によってガス流の中に再度導入され得る。拡散された液体のいくらかの他のものは、130fと標識される矢印によって表されるように、入口172を介してカートリッジ挿入部170の中に推進され得る。挿入部170の入口172から、拡散された液体は、挿入部170の出口区域と、最終的に、カートリッジ出口132とを通過する前、130gと標識される矢印によって表されるように、カートリッジ挿入部170を通した蛇行性通路(例えば、螺旋状通路)に沿って進み、130hと標識される矢印によって表されるように、カートリッジ102’から放出される。膨張チャンバ148からカートリッジ出口132までのこの入り組んだ移動をすることにおいて、拡散された液体粒子径分布は、改良され、それによって、特に微細な粒子のみが、カートリッジ102’から正常に放出され、比較的により大きい粒子が、カートリッジ102’の内部構造および構成要素の1つ以上の表面上に集まり、または気体から別様に沈殿し、ベンチュリデバイス142を通過するガス流の中への再導入のために、液体リザーバ内の残りの液体120に再度加わる。
【0038】
図5に示される交換可能カートリッジの例示的実施形態を継続して参照すると、カートリッジ102’のカートリッジ筐体134および内部構成要素が、ベンチュリデバイス142の下流に複数の異なるチャンバを画定し得、拡散された液体が、カートリッジ102’から最終的に周囲環境の中に放出される前、順次、複数の異なるチャンバを通して進行することを理解されたい。より具体的に、拡散ヘッド140の上側部分146と挿入部170の下側部分とが、ベンチュリデバイス142の真上に一次膨張チャンバ148を画定し得、二次チャンバが、拡散されるべき液体120の流体レベルLの上方で、筐体134の内部空洞135内の拡散ヘッド140および挿入部170の外部に提供され得、三次チャンバが、挿入部170の蛇行性の通路176によって提供され得る。拡散ヘッド140の上側部分146内の通路または開口158が、一次膨張チャンバ148と二次チャンバとの間に流体連通を提供する。拡散ヘッド140の上側部分146は、隔壁または隔壁部分156画定し、隔壁または隔壁部分156は、ベンチュリデバイス142によって発生させられた拡散された液体が複数の通路または開口158以外を通して一次膨張チャンバ148から出て行くことを防げる。挿入部170の入口172は、二次チャンバと三次チャンバ(すなわち、蛇行性の通路176)との間に流体連通を提供する。1つのみの入口172および1つの蛇行性の通路176が、拡散された液体がカートリッジ102’から出て行くための単独の通路を提供するように示されているが、複数の入口172が、拡散された液体がカートリッジ102の出口132につながる、1つ以上の蛇行性の通路に入ることを可能にするために提供され得ることを理解されたい。ガスケット174も、挿入部170の上側端部と上側筐体キャップ137との間に位置付けられ得、ガスケット174は、蛇行性の通路176の上を覆うカバーを形成する。
【0039】
上記に説明される異なるチャンバ(すなわち、一次膨張チャンバ、二次チャンバおよび三次チャンバ)は、集合的に、拡散された液体が、動作中にチャンバを通して順次移動するにつれて、最も微細な液体粒子のみを含むように拡散された液体の組成物を改良することを補助し得る。例えば、気体液体混合物がカートリッジ102’から出て行く時間までに、異なるチャンバの各々において、望ましくなく大きい液体粒子または液滴が混合物から沈殿または別様に分離し、後の霧化および分散のために、筐体134の内部空洞135内の液体リザーバに戻されることを可能にするためのある滞留時間がある。このように、除去可能なカートリッジ102’およびその構成要素は、極めて小さい液体粒子を有する拡散された液体を用いて空間を処理することにおいて特に効果的である効率的な形状因子を有する液体拡散器具100のためのカートリッジ解決策を提供し得る。
【0040】
図5を継続して参照すると、例えば、液体保持デバイス153(連続気泡発泡体プラグ等)が、ベンチュリデバイス142に隣接して気体供給導管152内に位置付けられ、気体供給導管152の中に下向きにベンチュリデバイス142を通過し得る液体120を保持し得る。これは、液体120が、取り入れ導管119を通してベンチュリデバイス142の中に、不要に気体供給導管152の中に移動し得るので、出荷中に生じ得る。加えて、それは、カートリッジ102’を通した空気の流動を停止させるときに生じ得、それは、膨張チャンバ148の中に排出された液体の一部がベンチュリデバイス142の中に戻るように下方に沈降し、それを通過することをもたらし得る。液体保持デバイス153は、気体供給導管152の中に不要に通過する液体120を収集し、カートリッジ102’が再び使用されるまで液体120をその中に保持し得、再び使用される時点で、カートリッジ102’を通して流動する空気が、液体保持デバイス153から液体120を一掃し得る。
【0041】
図5を継続して参照すると、交換可能カートリッジ102’は、カートリッジ筐体134に結合される集積回路180をさらに備え、集積回路は、交換可能カートリッジ102に関連付けられたカートリッジデータを記憶するためのメモリを含み得る。カートリッジデータは、例えば、カートリッジ102’内に貯蔵される液体120のタイプ、カートリッジ内に貯蔵される液体120の量、カートリッジ102’を認証するためのカートリッジ識別子、および/または他のデータを含み得る。液体120の量は、直接的、間接的に測定されるか、または、使用状況履歴データまたは他の技法によって別様に推定され得る。例えば、ホスト器具100および特定のカートリッジ102’の動作に関連付けられた持続時間および強度履歴データが、記録され、カートリッジ102’内に残存する液体120の量を推定するために使用され得る。
【0042】
図5に示されるように、集積回路180が、カートリッジプリント回路基板(PCB)182内に埋め込まれ得るか、または別様に結合され得る。カートリッジPCB182は、例えば、接着剤または他の接合技法またはデバイス等によって、カートリッジ筐体134に結合され得る。
図5に示されるカートリッジ102’の例示的実施形態によると、カートリッジPCB182は、カートリッジ筐体134の底端部に位置し、カートリッジ筐体134の底端部と入れ子になる、環状形状を有する。カートリッジPCB182は、集積回路180と電気通信する電気インターフェース184をさらに備え、電気インターフェース184は、電気インターフェース184に接触する外部システムによるカートリッジデータの読み出しを可能にする。
【0043】
空気香り付け器具100およびその構成要素のさらなる詳細が、ここで、
図1-4を参照して説明されるであろう。前述で説明されたように、空気香り付け器具100は、カートリッジ出口132を通してエアロゾル化および放出されるべき液体120を含む交換可能カートリッジ102と、交換可能カートリッジ102に動作可能に結合され、液体120からエアロゾル化された化合物を発生させるための空気を交換可能カートリッジ102に供給するポンプ122と、エアロゾル化された化合物を発生させるための空気を交換可能カートリッジ102に供給することと、カートリッジ出口132からエアロゾル化された化合物を放出することとを行うようにポンプ122を制御するために、ポンプ122に動作可能に結合された制御システム128と、交換可能カートリッジ102、ポンプ122および制御システム128を収容する器具筐体101とを含む。発泡体エンクロージャ123または他の防音または消音デバイスも、ポンプ122を包囲し、動作中、ポンプ122によって発生させられる騒音を抑制するために、または減らすために提供され得る。
【0044】
図1-4を参照すると、空気香り付け器具100は、垂直の中心縦軸を有する略またはほぼ円筒形の形状を有し得る。空気香り付け器具100は、自動乗り物内での動作のために、特に、自動車内のカップ保持器内に嵌るように設計、構成、サイズ決定、および成形され得る。空気香り付け器具100は、異なるサイズのカップ保持器に対して適合可能および/または調節可能である形状因子を含み得る。
【0045】
例えば、空気香り付け器具100は、空気香り付け器具100の底部部分の周囲に延び、それを包囲するスリーブ202を含み得る。特に、スリーブ202は、空気香り付け器具100の筐体101の外側表面に対して同一平面上に置かれるように構成された内側表面と、自動乗り物内のカップ保持器110の表面と係合するように構成された外側表面とを有し得る。例えば、スリーブ202は、全体的に環状または中空の円筒形状を有し得、スリーブ202の円筒形状部から半径方向に外向きに突出し、スリーブ202の高さに沿って縦方向に延びている、突出部または隆起部204等の複数の圧縮可能または弾性的に変形可能な特徴を含み得る。隆起部204は、カップ保持器110の表面と係合し、空気香り付け器具100をカップ保持器110内にぴったりと搭載するように構成され得、従来のカップ保持器110のサイズのわずかな変動に対して適合するように、異なる程度まで圧縮または変形し得る。いくつかの実施形態において、スリーブ202は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、8個、10個、またはそれを上回る隆起部204を含み得、隆起部204は、スリーブ202の円周の周囲において互いから等しく間隔を置かれ得る。いくつかの実施形態において、空気香り付け器具100は、複数の異なるスリーブ202を具備し得、スリーブ202の各々は、異なるサイズ(例えば、異なる全体的直径または異なる半径方向深度の突出部)を有する。そのような実施形態において、空気香り付けデバイス100のユーザは、その乗り物または複数の乗り物の特定のカップ保持器110内でのその適合に基づいて、複数のスリーブ202から1つを選択することができる。
【0046】
図1-4を継続して参照すると、空気香り付け器具100は、電気ポート206(USB Type-Cポート等のUSBポートであり得る)を含み得、電気ポート206を通して、空気香り付け器具100は、自動車の内蔵される電子構成要素等の他の電子デバイスに通信可能に結合され得、電気ポート206を通して、空気香り付け器具100は、自動車の内蔵される電子構成要素等の他の電子デバイスからその動作を駆動するために十分な電力を受け取り得る。図に図示されるように、ポート206は、空気香り付け器具100の底部部分内に位置し得、空気処理器具100の下からアクセス可能であり得、それによって、空気香り付け器具100が平坦な表面上に置かれているとき、ポート206は、隠され、眼に見えない。図にさらに図示されるように、空気香り付け器具100は、溝208を含み得、溝208は、ポート206から、空気香り付け器具100の底端部に沿って水平に、空気香り付け器具100の外部側面に沿って(空気香り付け器具100の高さの半分より長く等)垂直方向に延びている。いくつかの実施形態において、スリーブ202は、スリーブ202が空気香り付け器具100上に位置付けられるとき、溝208の上をその周囲に延びていることができ、溝208は、スリーブ202の上端部の上方の場所まで延びていることができる。空気香り付け器具100が、使用中であるとき、電力および/または通信ケーブル112(
図1)が、ポート206の中に差し込まれ、ポート206から、空気香り付け器具100の筐体101の外側表面とスリーブ202の内側表面との間の溝208を通して、スリーブ202の上端部の上方の場所における溝208から外向きに、ホスト乗り物の電子システムおよび/または電力供給システム等の別の電子デバイスまで延びていることができる。
【0047】
図1-4にも図示されるように、空気香り付け器具100は、空気香り付け器具100の上端部分の外周部の周囲に延びているリング形状または環状のダイヤル107を含み得る。ダイヤル107は、空気香り付け器具100のユーザによって空気香り付け器具100の残部に対して回転させられ、空気香り付け器具100を通した空気の流量を調節し、それによって、空気香り付け器具100によって生じさせられる香りの強度を調節するように構成され得る。例えば、ダイヤル107は、突出部108を有し得、突出部108は、ユーザがダイヤル107をよりしっかりと保持し、より容易に回転させることを可能にし、および/または、その運動の範囲内のダイヤル107の場所の物理的指示を提供する。したがって、人が、自動乗り物を運転しながら空気香り付け器具100の動作を調節することを所望する場合、その人は、容易にそれを行うことができる。したがって、ダイヤル107が空気香り付けデバイス100の「視覚に頼らない」動作を可能にすると言え得る。いくつかの実装では、ダイヤル107は、それが回転させられると、ユーザに触知フィードバックおよび/または可聴フィードバックを提供し得る。例えば、ダイヤル107は、ダイヤル107が回されると、触知および/または可聴フィードバック(例えば、クリック音)を提供する複数の戻り止めまたは他の機械的特徴によって、空気香り付け器具100の残部に結合され得る。器具100は、強度設定の変化を示す振動または複数の振動を提供するための振動デバイスをさらに含み得る。スピーカが、いくつかの実施形態において、可聴フィードバックを提供するために提供され得る。フィードバックは、レベル0(無出力)からレベル10(最大出力)まで等の強度レベルの増加に伴って、持続時間、強度、または他の特性において変化し得る。強度レベルの変化は、段階的または連続的であり得る。同様に、可聴および/または触知フィードバックの特性も、段階的または連続的様式において対応して変化し得る。
【0048】
図4に図示されるように、ダイヤル107の内側表面は、複数の歯214を含み得、空気香り付け器具100は、ダイヤル107の歯214に対して相補的な歯を有する歯車216または他の回転部材を含み得る。歯車216は、プリント回路基板218に結合されるか、または、制御システム128のプリント回路基板218と別様に通信し得、それによって、歯車216の回転は、プリント回路基板218に結合されるか、または、その中に統合された構成要素に信号を提供し、信号は、空気香り付け器具100の他の構成要素(ポンプ122の動作等)の動作を制御するために使用され得る。ダイヤル107は、筐体101に対するダイヤル107の運動の範囲を画定および限定するための回転停止部215も含み得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、空気香り付け器具100は、プリント回路基板218に結合されるか、または、その中に統合され得る3軸加速度計等の1つ以上の加速度計または他のセンサを含み得る。したがって、空気香り付け器具100が自動乗り物内に位置しているとき、加速度計または他のセンサが、自動乗り物が動作しており、運転中であることを示す信号を提供し得る。そのような実施形態において、これらの信号は、空気香り付け器具100をオンおよびオフに、および/またはスリープモードからアクティブモードにするために使用され得る。例えば、空気香り付け器具100は、空気香り付け器具100が、加速度計によって提供される信号が、乗り物が運転中であることを示すと、アクティブモードに修正され、空気香り付け器具100が、加速度計によって提供される信号が、乗り物が運転中ではないことを示すと、自動的にオフにされるか、または、スリープモードに修正される「自動」モードにおいて動作させられ得る。いくつかの実施形態において、空気香り付け器具100は、加速度計によって提供される信号が、乗り物が、15秒、30秒、1分、または2分等の閾値期間にわたって運転中であることを示すと、オンにされるか、または、アクティブモードに修正され、空気香り付け器具100は、加速度計によって提供される信号が、乗り物が、1分、2分、または5分等の閾値期間にわたって運転中ではないことを示すと、自動的にオフにされるか、または、スリープモードに修正される。
【0050】
加えて、空気香り付け器具100は、プリント回路基板218に結合されるか、または、その中に統合され、器具100の向きを感知または決定し得る3軸加速度計等の1つ以上の加速度計、またはレベルセンサ等の他のセンサを含み得る。例えば、1つ以上の加速度計またはレベルセンサは、器具100が、香りを分注するために好適である(例えば、垂直から5°、10°、15°または20°以内の)直立位置または略直立位置にあるか、または直立位置または略直立位置にないかを決定するために使用され得る。空気香り付け器具100は、加速度計またはレベルセンサによって提供される信号が、器具100が直立または略直立位置にあることを示すと、アクティブモードに修正されるか、または、アクティブモードに維持され得、器具100は、加速度計またはレベルセンサによって提供される信号が、器具100が直立または略直立位置にないことを示すと、自動的にオフにされるか、または、スリープモードに修正される、または別様に非活性化され得る。このように、器具100は、例えば、逆さにされるか、または、横倒しの状態に位置付けられると、オフにされ得るか、無効化され得るか、または、香りを放出することを別様に防止され得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、空気香り付け器具100は、「手動」モードにおいても動作させられ得、手動モードにおいて、空気香り付け器具100は、ダイヤル107等の空気香り付け器具100のスイッチ、ボタン、または他の物理インターフェースデバイスと相互作用するオペレータによって、オンおよびオフにされる。いくつかの実施形態において、空気香り付け器具100は、オペレータが、動作の「自動」モードと「手動」モードとの間で切り替えること、または、単に、動作の「自動」モードを有効化または無効化することを可能にするスイッチ、ボタン、または他の物理インターフェースデバイスを含み得る。「手動」で行われる動作では、器具100は、いくつかの実施形態において、依然として、器具100が、直立または略直立位置にないことが検出された場合、オフまたはスリープ状態に移行させられるか、または、別様に非活性化され得る。そのような事例では、器具100は、器具100を直立または略直立位置に位置付けることによって、再度活性化され得る。
【0052】
図6は、一例示的実施形態による例えば、
図1-4を参照して上記に説明される空気香り付け器具100の例示的実施形態等の空気香り付け器具と、器具100内に据え付け可能であり、
図1および5に示される交換可能カートリッジ102、102’等、エアロゾル化された物質として放出されるべき液体を含む交換可能カートリッジとを備えている空気香り付けシステム400のシステム図を提供する。
図6の精査から理解され得るように、器具100は、器具100の物理的ユーザインターフェース(例えば、ダイヤル107)および/または遠隔で器具100を制御するためのスマートフォンまたは他のコンピューティングデバイスを介して提供され得るアプリケーションインターフェース402から1つ以上の制御入力を受信するように構成された制御システム128を含み得る。制御システム128は、乗り物内の周囲環境の中への放出のためのカートリッジ102内に含まれる液体からエアロゾル化された物質を発生させるために、カートリッジ102を通した空気流動を供給するための空気源(例えば、ポンプ122)に動作可能に結合される。いくつかの事例では、カートリッジ102は、カートリッジ情報を記憶し、カートリッジ102と制御システム128との間での情報の伝達を可能にし、向上した機能性を提供するためのカートリッジPCB182と、関連付けられた集積回路180とを含み得る。いくつかの特に有利な実施形態において、カートリッジ情報は、制御システム128によって取得され、少なくとも部分的に器具100のカートリッジ102および/または制御システム128によって記憶された情報に基づいて、器具100のユーザに種々の指示、警告、または他の情報を表示するために、スマートフォン等の遠隔デバイスまたは複数のデバイスに伝送され得る。
【0053】
本明細書に開示される空気香り付け器具100、交換可能カートリッジ102、およびそれらの構成要素が、カートリッジ102を通した空気流動を提供するために、オンボード空気源(例えば、ポンプ122)の圧力、流速、および/または動作のタイミングを変動させるために、制御システム128を介した動作制御を含み得ることに留意されたい。器具100によって拡散またはエアロゾル化される液体の量および空間の処理の対応する程度を改変するために制御システム128を使用することに加えて、制御システム128は、他の機能性を提供するためにも使用され得る。
【0054】
前述で説明されたように、制御システム128は、ホスト乗り物の運動を検出し、それに照らして向上した機能性を提供するために、1つ以上の加速度計または他のセンサとも通信し得る。制御システム128は、器具の向きを検出し、それに照らして向上した機能性を提供するために、1つ以上の加速度計またはレベルセンサ等の他のセンサとも通信し得る。
【0055】
加えて、いくつかの事例では、器具100は、乗り物のオンボードコンピューティングおよび/または制御システムに(直接または無線で)通信可能に結合され得る。このように、器具100は、乗り物から、乗り物の内部内の空気流動または他の条件(空気ハンドラファンの速さ等)を示す信号を受信するように構成され得、乗り物からのそのような信号に従って、器具の動作パラメータ(例えば、強度レベル)を調節するように構成され得る。例えば、そのような接続される器具のある実施形態において、器具は、乗り物のオンボードコンピューティングおよび/または制御システムから乗り物運動の指示を受信し、それに基づいてアクティブモードとスリープモードとの間で移行し得る、および/または少なくとも部分的にそれに基づいて、香り強度等の器具の動作特性を変動させ得る。
【0056】
本明細書に説明される実施形態と関連して、種々の関連する方法が、提供され得ることも、理解されたい。例えば、
図1の器具100等、例えば、プロセッサベースの電子液体拡散デバイスによって実施される1つの例示的方法は、ホスト乗り物の運動の有無を検出することと、少なくとも部分的に検出された運動の有無に基づいて、電子液体拡散デバイスの動作状態を修正することとを含むとして要約され得る。電子液体拡散デバイスの動作状態を修正することは、エアロゾル化された物質がデバイスから放出され得る「アクティブモード」から、エアロゾル化された物質がデバイスから放出されることが可能でない「スリープモード」に、またはその逆に動作状態を移行させることを含み得る。動作状態を移行させることは、運動の有無が検出される、閾値期間の後に生じ得る。
【0057】
例えば、
図1の器具100等のプロセッサベースの電子液体拡散デバイスによって実装される別の例示的方法は、電子液体拡散デバイスの向きを検出することと、少なくとも部分的に器具の検出された向きに基づいて、電子液体拡散デバイスの動作状態を修正することとを含むとして要約され得る。電子液体拡散デバイスの動作状態を修正することは、エアロゾル化された物質がデバイスから放出され得る「アクティブモード」から、エアロゾル化された物質がデバイスから放出されることが可能でない「スリープモード」に、またはその逆に動作状態を移行させることを含み得る。電子液体拡散デバイスの動作状態は、例えば、器具の向きが直立または略直立位置にないことが検出されると、「スリープモード」に移行させられるか、または、別様に無効化され得る。
【0058】
例えば、
図1の器具100等のプロセッサベースの電子液体拡散デバイスによって実装されるさらに別の例示的方法は、乗り物のオンボードコンピューティングおよび/または制御システムから、乗り物の特性または動作パラメータ、すなわち、乗り物の乗り物構成要素または環境に関連する信号を受信することと、少なくとも部分的に受信された信号に基づいて、電子液体拡散デバイスの動作状態を修正することとを含むとして要約され得る。電子液体拡散デバイスの動作状態を修正することは、エアロゾル化された物質がデバイスから放出され得る「アクティブモード」から、エアロゾル化された物質がデバイスから放出されることが可能でない「スリープモード」に、またはその逆に動作状態を移行させることを含み得る。電子液体拡散デバイスの動作状態は、例えば、器具が、乗り物から、乗り物が駐車されていることまたはオフにされていることを示す信号を受信すると、「スリープモード」に移行させられるか、または、別様に無効化され得る。電子液体拡散デバイスの動作状態を修正することは、例えば、少なくとも部分的に空気ハンドラファンの速さの変化に基づいて、器具の強度レベルを調節することを含み得る。
【0059】
再び、ある具体的な詳細が、種々の開示される実施形態の徹底的な理解を提供するために述べられているが、当業者は、実施形態が、これらの具体的な詳細のうちの1つ以上のものを用いることなく実践され得ることを認識するであろう。さらに、上記に説明される種々の実施形態の側面および特徴は、組み合わせられ、さらなる実施形態を提供することもできる。本明細書において言及される米国特許の全てが、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる。実施形態の側面は、さらなる実施形態を提供するために、種々の特許の特徴、構造、機能性、または概念を採用するために必要である場合、修正されることができる。加えて、本願は、2021年4月11日に出願された、米国仮特許出願第63/173,475号、および2022年4月6日に出願された、米国非仮特許出願第17/714,927号(そのそれぞれは、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる)の優先権を主張する。
【0060】
これらおよび他の変更が、上記に詳述される説明に照らして実施形態に対して行われることができる。一般に、以下の請求項において、使用される用語は、請求項を本明細書および請求項内に開示される具体的な実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、そのような請求項が享有する均等物の全範囲とともに、全ての可能な実施形態を含むように解釈されるべきである。
【国際調査報告】