(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】網膜硝子体手術中の吸引された生理食塩水の自動識別
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20240403BHJP
A61B 3/13 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A61F9/007 130F
A61B3/13
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562580
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-10-11
(86)【国際出願番号】 IB2022054002
(87)【国際公開番号】W WO2022229923
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(71)【出願人】
【識別番号】509307842
【氏名又は名称】デューク ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】アショク バートン トリパティ
(72)【発明者】
【氏名】レジュラ バジョビック
(72)【発明者】
【氏名】フランク ブロディー
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA11
4C316AB16
4C316FC12
4C316FZ01
(57)【要約】
硝子体切除術又は別の網膜硝子体手術中に吸引された流体混合物中の生理食塩水を識別するための方法が、電子制御ユニット(ECU)を介して、混合物の流体特性値を推定することを含む。混合物は生理食塩水と硝子体液又はシリコーンオイルのいずれかとを含む。本方法は、ECUを介して、流体特性値に基づいて、流体混合物の主成分流体として生理食塩水を識別することと、主成分流体が生理食塩水であることに応じて、指示デバイスを作動させることとを含む。吸引された流体混合物中の生理食塩水を識別するための自動化システムが、指示デバイスとECUとを含む。コンピュータ可読媒体が、プロセッサによって実行可能な、網膜硝子体手術中に吸引された流体混合物を識別する命令であって、プロセッサによる命令の実行が、プロセッサに本方法を実行させる、命令を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
網膜硝子体手術中に吸引された流体混合物中の生理食塩水を識別するための方法であって、前記方法が、
電子制御ユニット(ECU)を介して、入力信号のセットに応じて、前記吸引された流体混合物の流体特性値を推定することであって、前記吸引された流体混合物が前記生理食塩水及び少なくとも1種の追加の流体を含む、推定することと、
前記ECUを介して、前記流体特性値に基づいて、前記吸引された流体混合物の主成分流体として前記生理食塩水を識別することと、
前記ECUを介して、前記主成分流体が前記生理食塩水であることに応じて指示デバイスを作動させることであって、電子作動信号を前記指示デバイスに送信することによって前記指示デバイスの作動ロジック状態を制御することを含む、作動させることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1種の追加の流体が硝子体液及び/又はシリコーンオイルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ECUが、硝子体切除装置に与えられる真空強度と、前記生理食塩水が硝子体腔に注入されるときの前記生理食塩水の体積流量とを調節するために動作可能な硝子体切除術システムと通信し、前記流体特性値を決定することが、前記硝子体切除術システムから、前記真空強度及び前記体積流量を示す入力信号の前記セットを受信することと、その後、前記真空強度及び前記体積流量を用いて前記流体特性値を推定することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記生理食塩水を識別することが、前記体積流量及び前記真空強度によってインデックス付けされたルックアップテーブルから前記生理食塩水を示す値を抽出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
カメラ及び関連する機械視覚ロジックを使用して、前記網膜硝子体手術を実行するために使用される硝子体切除装置のモデル又はタイプを自動的に検出することであって、前記ルックアップテーブルが前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプに一意に関連付けられる、こと、
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記生理食塩水を識別することが、流量モデルを用いて、前記吸引された流体混合物に存在する前記生理食塩水の量を推定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記指示デバイスが表示画面を含み、前記指示デバイスを作動させることが、表示デバイスを介してメッセージ及び/又はグラフィックを提示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記指示デバイスがオーディオスピーカを含み、前記指示デバイスを作動させることが、前記オーディオスピーカを介して可聴音を放送することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記指示デバイスが触覚又は触知フィードバックデバイスを含み、前記指示デバイスを作動させることが、前記触覚又は触知フィードバックデバイスを振動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
網膜硝子体手術中に吸引された流体混合物を識別するための自動化システムであって、前記自動化システムが、
指示デバイスと、
前記指示デバイスと通信する電子制御ユニット(ECU)であって、前記ECUが、
入力信号のセットに応じて、前記吸引された流体混合物の流体特性値を推定し、前記吸引された流体混合物が、生理食塩水と、前記網膜硝子体手術中に硝子体切除装置を使用して患者の眼の硝子体腔から吸引された硝子体液又はシリコーンオイルのいずれかと、を含み、
前記流体特性値に基づいて、前記吸引された流体混合物の主成分流体として前記生理食塩水を識別し、
前記指示デバイスに電子作動信号を送信することによって前記指示デバイスの作動ロジック状態を制御することを含み、前記主成分流体が前記生理食塩水であることに応じて前記指示デバイスを作動させる、
ように構成される、ECUと、
を備える、自動化システム。
【請求項11】
前記ECUと通信し、前記生理食塩水の前記硝子体腔内への体積流量と、前記硝子体切除装置に与えられた真空強度とを調節し、前記網膜硝子体手術中に、前記体積流量及び前記真空強度を前記ECUにリアルタイムで伝達するように構成され、前記ECUが前記真空強度及び前記体積流量に基づいて前記流体特性値を推定するように構成される、硝子体切除術システム、
を更に備える、請求項10に記載の自動化システム。
【請求項12】
前記ECUが、前記ECUのメモリに記録されたルックアップテーブルから前記生理食塩水を示す値を抽出することにより、前記主成分流体として前記生理食塩水を識別するように構成される、請求項10に記載の自動化システム。
【請求項13】
前記ECUと通信する、又は前記ECUと一体的に形成されたカメラと、
機械視覚ロジックと、を更に備え、前記ECUが、前記カメラ及び前記機械視覚ロジックを使用して、前記硝子体切除装置のモデル又はタイプを自動的に検出し、前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプに対応する較正された動作パラメータを用いて、前記吸引された流体混合物の前記流体特性値を推定するように構成される、請求項10に記載の自動化システム。
【請求項14】
前記指示デバイスが、前記電子作動信号に応じて、メッセージ及び/又はグラフィックを提示するように構成された表示画面を含む、請求項10に記載の自動化システム。
【請求項15】
前記指示デバイスが、前記電子作動信号に応じて、オーディオスピーカを介して可聴音を放送するように構成されたオーディオスピーカ、及び/又は前記電子作動信号に応じて、振動するように構成された触覚若しくは触知フィードバックデバイスを含む、請求項10に記載の自動化システム。
【請求項16】
前記ECUと通信するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)であって、前記GUIが、前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプをタッチ入力として受信し、前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプに部分的に基づいて、前記主成分流体として前記生理食塩水を識別するように構成される、GUI、
を更に備える、請求項10に記載の自動化システム。
【請求項17】
前記硝子体切除装置と、
前記硝子体切除装置に動作可能に接続された真空ポンプと、
を更に備える、請求項10に記載の自動化システム。
【請求項18】
プロセッサによって実行可能な、網膜硝子体手術中に吸引された流体混合物を識別する命令が記録されたコンピュータ可読媒体であって、前記プロセッサによる前記命令の実行が、前記プロセッサに、
前記網膜硝子体手術の間、硝子体切除装置に適用される真空強度、前記硝子体切除装置のモデル又はタイプ、及び患者の眼の硝子体腔に注入される生理食塩水の体積流量を受信させ、
前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプ及び前記真空強度に対応する流量閾値と前記体積流量を比較させ、
前記流量閾値を超える前記体積流量に基づいて、前記吸引された流体混合物の主成分流体として前記生理食塩水を識別させ、
電子作動信号を指示デバイスに送信することによって前記指示デバイスの作動ロジック状態を制御することを含み、前記主成分流体が前記生理食塩水であることに応じて前記指示デバイスを作動させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
カメラが前記ECUと通信し、又は前記ECUと一体的に形成され、前記プロセッサによる前記命令の実行が、前記プロセッサに、
前記カメラ及び機械視覚ロジックを用いて前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプを自動的に検出させる、請求項18に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記プロセッサによる前記命令の実行が、前記プロセッサに、
前記ECUと通信する硝子体切除術器械から、前記硝子体切除装置に与えられる前記体積流量及び前記真空強度を受信させる、請求項18に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、網膜硝子体手術中に吸引された眼液混合物中の生理食塩水を識別するための自動化された方法並びに関連するハードウェアシステム及びソフトウェアシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
硝子体液ゲル、又は略して硝子体液は、硝子体腔、すなわち水晶体と網膜との間に広がる眼内空間を占有するゼラチン状のコラーゲン含有水性体である。硝子体切除術を必要とする網膜硝子体手術では、硝子体液の一部が、一般に吸引式硝子体切除装置を用いて、慎重に除去される。硝子体液の除去は、半透明若しくは透明な「飛蚊症」の除去、後部硝子体剥離(PVD)の治療、又は傷害、疾病、若しくは加齢性変性の治療を含む無数の有益な理由で行われる。硝子体切除術はまた、破れた網膜又は黄斑円孔など、病気の眼組織又は損傷を受けた眼組織に外科医がアクセスし、適切に見ることを可能にする。
【0003】
硝子体液が硝子体腔から吸引されると、硝子体切除装置に格納された小型の手術用ブレードがタンパク繊維を素早く小片へと細かくして、取り出しを容易にし、且つ網膜にかかる牽引力を最小限にする。硝子体切除術中、眼容積及び眼内圧は、無菌生理食塩水を調整しながら注入することにより維持される。特定の条件下では、外科医は硝子体切除術後に硝子体腔にシリコーンオイルを注入することもあり、その場合、術後の合併症を最小限に抑えるために、シリコーンオイルは後で眼から除去される。健康な眼の硝子体液は、注入された生理食塩水及びシリコーンオイルと同様に、基本的に透明である。更に、水性の硝子体液は、疎水性のシリコーンオイルとの相互作用とは異なり、生理食塩水と容易に混合する。その結果、硝子体切除術又は術後のフォローアップ処置の過程において、外科医が硝子体腔内に存在する異なる種類の流体を視覚的に区別することが困難になり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書では、網膜硝子体手術中に吸引された眼液混合物(「吸引された流体混合物」)中の生理食塩水を自動的に識別するための方法及び関連するシステムが開示される。ある瞬間において、取り出された吸引された流体混合物の体積は、0%~100%のいずれかの生理食塩水から構成され、残りの組成は、もともと粘性のあるもの、又は一時的に注入されたシリコーンオイルなど、より粘性の高い流体である。上記のように、硝子体液、生理食塩水、及びシリコーンオイルは基本的に透明であり、このことは、外科医が手術中に異なる流体を視覚的に区別することを難しくし得る。
【0005】
当技術分野で理解されているように、硝子体液物質が硝子体腔から吸引されるとき、同時に、外科医は生理食塩水を眼に注入する。生理食塩水の体積流量及び硝子体切除装置に適用される真空強度は、通常、コンピュータベースの硝子体切除術システムによってリアルタイムで管理される。しかしながら、硝子体切除装置の入口に存在し得る異種の流体が透明であることにより、様々な使用例において、意図された流体ターゲット、すなわち硝子体液又はシリコーンオイルではなく、主にか、又は排他的かに関わらず、生理食塩水の吸引の期間が生じ得る。このことは、ひいては、生理食塩水を無駄にし、手術時間を延ばす可能性がある。したがって、本開示は、吸引された流体混合物の構成流体の異なる流体特性を前提とした直感的なフィードバックに基づく手法を用いて、この特定の問題を解決するために行われる。
【0006】
特にシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン)に関しては、そのようなオイルは、選ばれた場合に(例えば、複雑な網膜裂傷、下眼窩裂傷の治療のため、又は術後の回復が長引く間に適切な体位がとれない患者において)、一時的に注入される。加えて、緑内障及び角膜代償不全などの副作用の可能性に起因して、シリコーンオイルは、後で取り除いて、生理食塩水に置き換えなければならない。残念ながら、シリコーンオイルの完全な除去を実現することは難しいことがある。米国で眼内注入に使用されるタイプのシリコーンオイルは、1000センチストーク(cST)及び5000cSTの粘度のものが入手可能である。水は20℃で1cSTの粘度を有し、生理食塩水の粘度はわずかに高いに過ぎない。したがって、シリコーンオイルの粘度と生理食塩水の粘度との間には劇的な差が存在する。したがって、本方法は、別の可能な有益な使用例として、吸引された生理食塩水と吸引されたシリコーンオイルとを区別する際に、この実質的な流体粘度差を利用するように使用され得る。
【0007】
一般に、開示される自動化されたソリューションは、体積流量及び真空強度などの1つ以上の流体特性値を決定する。そして、流体特性値は、吸引された流体混合物の組成内の主成分流体の存在を示す。流体特性値は、ある可能な手法では推定される粘度又は実際の粘度であり得るが、異なる実施形態では他の値が使用されてもよい。或いは、主成分流体を識別するために、所与の硝子体切除装置及び真空強度について閾値流量比較が行われてもよく、この場合、流量が高いほど生理食塩水の体積濃度が高くなることになる。
【0008】
本開示の一態様によれば、網膜硝子体手術中の吸引された流体混合物を識別するための方法が、電子制御ユニット(ECU)を介して、吸引された流体混合物の流体特性値を推定することを含み、このことは、入力信号のセットに応じて行われる。本明細書で企図される吸引された流体混合物は、生理食塩水と、別の眼液、すなわち、硝子体液、又は上記のように異なる実施形態でのシリコーンオイルとの可変の混合物である。吸引された流体混合物は、可能な手術後の回復を含む手術の経過中、又はフォローアップ処置中の様々なときに、当技術分野で認められているような、硝子体切除装置を用いて制御された真空下で患者の眼の硝子体腔から慎重に吸引される。
【0009】
本方法は、ECUを介して、吸引された流体混合物の主成分流体を自動的に識別することを含む。このことは、上記の流体特性値に基づいて行われる。つまり、ECUは、いかなる時点においても、吸引された流体混合物が生理食塩水から支配的又は主に構成されるか否かを識別する。追加的に、本方法は、ECUを介して、主成分流体が生理食塩水であることに応じて、指示デバイスを作動させることであって、生理食塩水を示す電子作動信号を指示デバイスに送信することによって指示デバイスの作動ロジック状態を制御することを含む、作動させることを含む。
【0010】
指示デバイスは表示画面を備えてもよく、この場合、指示デバイスを作動させることは、表示デバイスを介してメッセージ及び/又はグラフィックを提示することを含む。代替的に、又は同時に、指示デバイスはオーディオスピーカを備えてもよく、指示デバイスを作動させることが、オーディオスピーカを介して可聴音を放送することを含む。更に他の実施形態では、指示デバイスは触覚又は触知フィードバックデバイスを備えてもよく、指示デバイスの作動が触覚又は触知フィードバックデバイスを振動させる。
【0011】
本方法は、ECUを介して、グラフィカルユーザインターフェースから、硝子体切除装置の特定のモデル又はタイプを示す入力信号を受信することを含み得る。
【0012】
また、本明細書では、網膜硝子体手術中に吸引された流体混合物中の生理食塩水を識別するための自動化システムが開示される。ある可能な実施形態における自動化システムは、指示デバイスと、指示デバイスと通信するECUとを備える。ECUは、上記の方法を実行するように構成される。
【0013】
追加的に、本開示の一態様は、プロセッサによって実行可能な、網膜硝子体手術中に吸引された流体混合物中の生理食塩水を識別する命令が記録されているコンピュータ可読媒体を含む。プロセッサによる命令の実行は、プロセッサに、ECUを用いて、吸引された流体混合物の流体特性値を推定させ、流体特性値に基づいて、吸引された流体混合物の主成分流体を識別させる。追加的に、命令の実行は、プロセッサに、主成分流体を示す電子作動信号を指示デバイスに送信することによって指示デバイスの作動ロジック状態を制御することを含み、ECUを介して、主成分流体が生理食塩水であることに応じて指示デバイスを作動させる。
【0014】
本開示の上記の特徴及び利点並びに他の可能な特徴及び利点は、本開示を実施するための最良の態様の以下の詳細な説明を添付の図面と併せて読めば容易に明らかになるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本開示による、網膜硝子体手術中に真空吸引された流体混合物を識別するための自動化システムを有する代表的な手術室構成を示す。
【
図2】
図2は、
図1に示す自動化システムの可能な実施形態の概略図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す自動化システムを用いて、真空吸引された流体混合物中の生理食塩水を識別するための例示的な方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の上述の特徴及び他の特徴は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を添付の図面と併せて読めば、より十分に明らかになる。
【0017】
本開示の実施形態を本明細書で説明する。しかしながら、開示される実施形態は単なる例示であり、他の実施形態が様々な代替形態を取り得ることを理解されたい。図面は、必ずしも原寸に比例していない。一部の特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張又は最小限にされ得る。したがって、本明細書に開示される特定の構造的及び機能的な詳細は、限定的に解釈されるべきではなく、単に、本開示を様々に採用することを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0018】
当業者であれば理解するように、図面のうちのいずれか1つを参照して示されて説明される様々な特徴を、1つ以上の他の図面に示された特徴と組み合わせて、明示的に図示又は説明されていない実施形態を作り出すことができる。図示された特徴の組み合わせは、典型的なアプリケーションのための代表的な実施形態を提供する。しかしながら、本開示の教示と一致する特徴の様々な組み合わせ及び修正が、特定の適用又は実施のために望まれることもある。
【0019】
以下の説明では、特定の用語が参照のみを目的として使用される場合があり、そのため、それらは、限定を意図するものではない。例えば、「上方」及び「下方」などの用語は、参照される図面内における方向を指す。「前部」、「後部」、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「後部」、及び「側部」などの用語は、議論している構成要素又は要素を説明する本文及び関連図面を参照することによって明確になる、一貫しているが、任意の基準系の範囲内での構成要素又は要素の部分の向き及び/又は位置を説明するものである。更に、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、別々の構成要素を説明するために使用され得る。そのような用語には、具体的に上述された語、それらの派生語及び類似の意味の語を含み得る。
【0020】
図面を参照すると、同様の参照番号は同様の構成要素を指しており、
図1には、眼科手術室10が概略的に示されている。眼科手術室10内で行われ得る可能な眼科処置の範囲は、本開示の範囲内で変わり得るが、本教示は、硝子体手術に、又は流体が患者の眼30(
図2参照)に注入され、患者の眼30から吸引される他の侵襲的処置を含むが、これらに限定されない網膜硝子体手術に特に適用可能である。
図2及び
図3を参照して以下に詳述するように、本教示は、
図3において48で示す生理食塩水を、吸引された流体混合物の支配的な成分又は主成分流体成分として識別するという特定の有益な最終目標をもって、その独自の流動特性によって吸引された流体混合物を識別するように使用され得る。
【0021】
当業者には理解されるように、
図1の眼科手術室10は、多軸手術ロボット12及び手術台14を備え得る。手術ロボット12は、一般に、眼科グレードの顕微鏡16に接続され、この顕微鏡を通して外科医(図示せず)は患者の眼の解剖学的構造を高倍率下で見ることができる。例えば、関連するハードウェア及びソフトウェアを使用して、外科医は、例えば網膜25の高倍率画像18及び118、及び網膜の前景に、透明な水性硝子体液ゲル体積(以下、簡単のために硝子体液26と呼ぶ)を見ることができる。可視化は、対応する高解像度医療表示画面20及び200を介して実現され得る。
【0022】
また、
図1に示す例示的な眼科手術室10内には、電子制御ユニット(ECU)50を収容する機器キャビネット22が存在する。ECU50は、
図2に示す硝子体切除術システム(VS)55と一体であっても又は別体であってもよく、ECU50の一実施形態が同様に
図2に示されており、以下に説明される。表示画面20と並べて配置されて示されているキャビネット22は、他の実施形態では、眼科手術室10内の他の箇所に配置されてもよい。このような機器キャビネット22は、軽量で消毒が容易な医療グレードの材料、例えば塗装されたアルミニウム又はステンレス鋼で構築されてもよく、起こり得る塵埃、破片、及び湿気の侵入から構成ハードウェアを保護する目的でECU50を収容するために使用される。
【0023】
本開示の範囲内で、また硝子体切除術で高く評価されているような、硝子体液26の一部の意図的な外科的除去を含むタイプの網膜硝子体手術が存在する。上記のように、硝子体切除術を必要とする可能性がある医学的理由としては、後部硝子体剥離(PVD)、傷害、疾病、又は加齢性変性に起因する半透明又は透明な「飛蚊症」による視力の妨げが挙げられる。硝子体切除術はまた、黄斑円孔、網膜裂傷、又は他の損傷を修復する場合など、網膜25の視認性又は網膜25への手術アクセスを改善するために行われる。硝子体液26の除去に起因する眼内圧の変化は、無菌生理食塩水48の供給部148からの無菌生理食塩水48の注入によってリアルタイムで調整される(
図2参照)。
【0024】
この確立された文脈の中で、本開示のECU50は、アルゴリズム70を具現化する命令又はコードでプログラムされ、そして、命令又はコードは、一期的手術としてか、又は手術後のフォローアップ治療においてかに関わらず、上記の硝子体切除術又は他の網膜硝子体手術中に吸引された流体混合物を自動的に識別するための本方法を実行するときに実行される。吸引された流体混合物が、意図された硝子体液26の代わりに、又は別の可能な使用例におけるシリコーンオイルの代わりに、主に生理食塩水48である場合、ECU50は、この事実を外科医又は他の担当医に自動的に注意喚起する。このようなアラートは、
図1の表示画面20若しくは200のいずれか一方若しくは両方に表示される適切なメッセージ及び/若しくはグラフィカルアラート21の送信の形態である、オーディオスピーカを介した可聴音を放送することによる、並びに/又は触覚若しくは触知フィードバックデバイスを異なる手法で振動させることによるものであり得る。同様に、外科医がシリコーンオイルを除去して、これを生理食塩水48と置き換える使用例では、ECU50は、外科医を生理食塩水ではなく、シリコーンオイルの方に誘導するために、同様のアラート又はフィードバックを発行し得る。
【0025】
図2を参照すると、硝子体腔15を画定する代表的な患者の眼30が、硝子体液26の物質の少なくとも一部の除去を含む硝子体切除術13を経ている様子が示されている。硝子体切除術13の一部として、硝子体腔15に挿入された眼内照明装置32が、光LLを放出して、手術作業を十分に照明する。当技術分野で理解されているように、限定されないが、赤色/緑色/青色(RGB)レーザ、発光ダイオード(LED)、ハロゲン電球、キセノン電球などの様々な照明技術が、光LLを放出するために使用されてもよい。図示を明確にするために簡略化された形態で表されているが、眼内照明装置32は、硝子体腔15への光LLの確実な発生及び伝達を確保するのに適したフィルタ付き壁コンセント又はバッテリパック及びパワーインバータなどの付随するフィルタ付き電源に結合される。
【0026】
硝子体切除術13において、外科医は、硝子体切除装置34の入口端E1を硝子体腔15内で操作し、硝子体液26を構成する粘性物質を慎重に吸引する。本開示の範囲内で、硝子体切除装置34は、代替的に、ブレード付き硝子体液カッタ、硝子体液のように高速切断作用によって硝子体液を切断するのではなく、取り出しを容易にするために硝子体液26を液化する極超音速硝子体切除術プローブ、又は別の適切なツールとして具現化されてもよい。
【0027】
硝子体液26の除去と同時に、注入カニューレ33が使用されて、生理食塩水48が硝子体腔15に注入される際に、生理食塩水48の入口圧力を制御する。簡単のために概略的に描かれているが、硝子体切除術システム55は、硝子体切除術13の過程において、注入カニューレ33、生理食塩水48の供給部148、硝子体切除装置34、及び真空ポンプ42に動作可能に接続され、硝子体切除術システム55は、生理食塩水48の体積流量及び真空ポンプ42の真空強度を調節する。
【0028】
いくつかの実施形態では、体積流量及び真空強度は、例えば硝子体切除術システム55から、入力信号のセット(矢印CC
IN)の一部としてECU50に報告され、ECU50は入力信号のセット(矢印CC
IN)に応じて、吸引された流体混合物(FF)の流体特性値を推定する。当技術分野で理解されているように、生理食塩水48の注入は、硝子体液26の除去に応じて本来変動し得る眼内圧を維持するのに役立つ。流体注入は
図2において矢印FSで表されている。硝子体切除装置34の反対側出口又は排出端E2は、適切な廃棄物リザーバ44に流体的に結合されて、吸引された流体混合物(FF)が適切な医療廃棄のために廃棄物リザーバ44に堆積されるようにする。
【0029】
外科医が硝子体切除装置34の入口端E1を硝子体腔15内で操作すると、真空ポンプ42、例えば蠕動ポンプが吸引された流体混合物(FF)を硝子体腔15から穏やかに吸引する。いかなる時点における吸引された流体混合物(FF)も、生理食塩水48、硝子体液26又はシリコーンオイル、及び血液、注入された染料などのような他の可能な流体の可変の混合物から構成される。材料の無駄を最小化し、通常透明である生理食塩水48の持続時間を短くするために、吸引された流体混合物(FF)の体積内に生理食塩水48ができるだけ少なく存在するのが理想的であるが、このことは、
図1の表示画面20及び200に提示された画像を見るとき、又は付随する光学部品(図示せず)を通して手術部位を直接見るときに、外科医が2種の流体タイプを正確に区別するのを困難にすることがある。
【0030】
硝子体切除術13の過程において、デジタル若しくはアナログカメラ36又は別の高解像度医療撮像デバイスが、硝子体腔15の画像データ38を収集し、その後、流体タイプ予測アルゴリズム(FTP ALGO)70による可能な処理のために、収集された画像データ38をECU50に送信し得る。アルゴリズム70によって可能になる方法を
図3に示し、以下に詳細に説明する。カメラ36は、網膜25及び他の眼内解剖学的構造を撮像することを含む、その通常の機能のために使用され得るが、本開示の態様は、カメラ36の人工知能/機械視覚ソフトウェア(MV)360を使用して、例えば単独で又はECU50と組み合わせて、硝子体切除装置34のモデル又はタイプを自動的に検出することを含む。
【0031】
その後、ECU50は、カメラ36及び機械視覚ソフトウェア360を使用して検出及び識別されたように、場合によっては自動的に、硝子体切除装置34の特定のモデル又はタイプ用に較正された硝子体切除装置パラメータを選択し得る。或いは、ECU50は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)500、例えばタッチスクリーン又はキーパッドからの入力信号(矢印50C)を受信し得、入力信号(矢印50C)は、外科医又は担当医によって識別された硝子体切除装置34のモデル又はタイプを示す。例えば、外科医は、機械視覚に基づく自動検出に頼るのではなく、GUI500を使用して、表示されたリストからモデル又はタイプを選択し得る。
【0032】
引き続き
図2を参照すると、指示デバイス(IND)40は、ECU50と通信し、ECU50からの電子インジケータ制御信号(矢印CC
40)に応じて作動される/オンになるように構成される。インジケータ制御信号(矢印CC
40)に応じて、且つ指示デバイス40の特定の構成に応じて、指示デバイス40は、適切な可聴、可視、及び/又は触覚触知アラーム若しくは警告を提供することができる。
【0033】
例えば、指示デバイス40は、
図1の表示画面20及び/又は200のうちの1つとして具現化されてもよく、この場合、インジケータ制御信号(矢印CC
40)は、例えば、ディスプレイ制御信号(矢印CC
20)を介して、表示画面20及び/又は200に、
図1の概略的なアラート21などのメッセージ及び/又はグラフィックを提示させ得る。或いは、指示デバイス40はオーディオスピーカとして具現化されてもよく、インジケータ制御信号(矢印CC
40)を介して指示デバイス40を作動させることにより、オーディオスピーカに可聴音を放送させてもよい。指示デバイス40の他の実装形態は、インジケータ制御信号(矢印CC
40)の受信により、容易に識別可能な仕方で、例えば赤色光を使用して、指示デバイス40に点灯させるように、色分けされたランプを含み得る。更に他の実装形態では、指示デバイス40は、触覚又は触知フィードバックデバイス、例えばマット若しくはウェアラブルデバイス、又は外部ブザーとすることができ、指示デバイス40を作動させることによってフィードバックデバイスを振動させることができる。
【0034】
ECU50は、例示的な明瞭さ及び単純さのためにユニット型ボックスとして
図2では概略的に示されているが、ECU50、及びその一部、硝子体切除術システム55は、中央処理装置(CPU)又は他のプロセッサ52と、プロセッサ52によって読み取られ得るデータ/命令の提供時に関与する非一時的(例えば、有形)媒体を含む、十分な量のメモリ54とをそれぞれが有する1つ以上のネットワーク化デバイスを含み得る。アルゴリズム70を具現化する命令は、メモリ54に記憶され、プロセッサ52によって実行されて、本明細書で説明される様々な機能を実行することができ、これにより、本方法を可能にする。メモリ54は、不揮発性媒体及び揮発性媒体を含むがこれらに限定されない、多くの形態を取り得る。
【0035】
理解されるように、不揮発性媒体としては、光ディスク及び/若しくは磁気ディスク又は他の永続的なメモリを挙げることができ、揮発性媒体としては、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、静的RAM(SRAM)などを挙げることができる。これらのいずれか又はすべてが、ECU50のメインメモリを構成し得る。入力/出力(I/O)回路56は、カメラ36、眼内照明装置32、指示デバイス40、並びに表示画面20及び/又は200を含む、硝子体切除術13の間に使用される様々な周辺デバイスへの接続及び通信を容易にするために使用され得る。局部発振器又は高速クロック、信号バッファ、フィルタなどを含むが、これらに限定されない、図示されていないが、当技術分野では一般的な他のハードウェアがECU50の一部として含まれ得る。
【0036】
次に
図3を参照すると、付随する方法が、本アルゴリズム70を具現化するコンピュータ可読コード又は命令の実行によって可能になる。つまり、
図2に示すECU50のメモリ54に以前に記憶又は記録された命令の実行により、ECU50のプロセッサ52及び他のハードウェアに本方法を実行させる。したがって明確にするために、以下、本方法は方法70と呼ばれる、すなわち、アルゴリズム70の基礎コードと交換可能に方法70と呼ばれる。
【0037】
一般に、ECU50は、入力信号のセット(矢印CCIN)に応じて、吸引された流体混合物(FF)の流体特性値を推定するために使用される。吸引された流体混合物(FF)は、上述のように、生理食塩水48と、硝子体切除装置34を介して患者の眼の硝子体腔から吸引された硝子体液26、又はシリコーンオイルが生理食塩水48に置き換えられる特定の術後使用例ではシリコーンオイルとの混合物である。
【0038】
方法70の実施形態は、ECU50を介して、この流体特性値に基づいて、吸引された流体混合物(FF)の主成分流体を識別することを含む。対象とする流体特性値は、いくつかの実施形態では所定の粘度値であり得るが、他の実施形態は、主成分流体を識別するために、所定の硝子体切除装置34及び真空強度に対する単純な流量の閾値/閾値比較機能を使用し得る。後者の例示的な使用例を
図3の非限定的な実施形態に示す。
【0039】
方法70は、ECU50を介して、主成分流体が生理食塩水48であることに応じて、指示デバイス40を作動させることを含む。このことは、電子作動信号CC40を指示デバイス40に送信することであって、電子作動信号CC40が主成分流体を示し、指示デバイス40の作動ロジック状態を制御する効果を有する、ことを含み得る。指示デバイス40の作動は、主成分流体が生理食塩水48であることに応じて、電子作動信号CC40が指示デバイス40のON/OFF作動ロジック状態を制御する状態で、いずれか又はすべての順列において行われ得る。
【0040】
方法70の非限定的な代表的実施形態は、ブロックB72で開始する。吸引された流体混合物(FF)の粘度又は別の適切な流体特性値を推定するために、ECU50は、最初に、生理食塩水48が
図2に示す患者の眼30の硝子体腔15に注入されるときの生理食塩水48の体積流量(「VFR」)を決定し得る。例えば、硝子体切除術システム55は、入力信号のセット(CC
IN)の一部として、体積流量をECU50に伝達し得る。ブロックB72は、硝子体切除術13の吸引段階、すなわち、硝子体液26と生理食塩水48との混合物を含む吸引された流体混合物(FF)が硝子体腔15から穏やかに吸引される段階において行われる。次いで、方法70はブロックB72に進む。
【0041】
ブロックB72において、方法70は、ECU50を介して、吸引段階において硝子体切除装置34に与えられる真空強度を決定することを含む。ブロックB72と同様に、このプロセス工程は、入力信号(CCIN)の一部として、硝子体切除術システム55から報告される値として真空強度を受信することを必然的に伴い得る。その後、方法70は論理ブロックB74に進む。
【0042】
図3のブロックB76は、ECU50を介して、吸引された流体混合物(FF)を主成分流体として自動的に識別すること/特性を明らかにすることを含む。「主」は、設定された又は外科医が調節可能なレベルに較正されてもよく、通常、少なくとも50体積%の生理食塩水48であるが、他の実施形態ではそれより低い場合もある。このような流体タイプの特性を明らかにすることは、使用中の特定の硝子体切除装置34について記述した較正された動作パラメータを参照することに加えて、上述の体積流量及び真空強度を使用して行われ得る。関連するパラメータは、限定するものではないが、一例として、硝子体切除装置34の直径、入口端E1のオリフィスの形状及びサイズ、硝子体切除装置34のデューティサイクルなどを含む。
【0043】
可能な実装形態は、ECU50のメモリ54に複数のルックアップテーブルを記録することを含む。例えば、所与の硝子体切除装置34に対して、メモリ54は複数のルックアップテーブルを入力され得る。そのような実施形態におけるルックアップテーブルのそれぞれは、次に、真空強度及び体積流量によってインデックス付け又は参照され得、そのようなルックアップテーブルは、それを示す対応する主流体又は流動特性値を入力される。例示的な例として、ユーザが識別した硝子体切除装置又は自動的に識別された硝子体切除装置34に対して、ECU50はそのようなルックアップテーブルにアクセスでき、その列は体積流量によってインデックス付けされ、その行は真空強度を入力される、又はその逆である。ある行と列との交点に位置するセルには、主成分流体、例えば生理食塩水48、硝子体液26、シリコーンオイルなどが予め入力され得る。
【0044】
或いは、このような交点に位置するセルは、流動特性値、例えば推定粘度を入力されてもよく、そして、ECU50は、存在する可能性のある様々な眼液を示す閾値と推定粘度を比較する。更なる他の実施形態は、所与の真空強度及び硝子体切除装置34に関する単純な体積流量閾値比較を選択して、ルックアップテーブルの使用をしないこともある。例えば、硝子体切除装置34の特定のメイク(make)及びモデルが特定の真空強度で使用されていることが分かっていれば、ECU50は、体積流量を、較正された体積流量のセットと比較し得る。体積流量が較正された流量閾値未満である場合、ECU50は、硝子体液26を示すビット値を記録し、体積流量が硝子体液26の吸引から予想される値を超える場合、生理食塩水48を示すビット値の記録をトリガし得る。
【0045】
上記のように、いくつかの手法では、カメラ36及び/又はECU50は、例えば機械視覚ソフトウェア360又は人工知能を使用し、例えばパターン認識、ニューラルネットワークなどを使用して、硝子体切除装置34のモデル又はタイプを自動的に検出し得る。次いで、ECU50を使用して硝子体切除装置34の特定のモデル若しくはタイプのためのパラメータが選択される、又は外科医若しくは臨床医は、
図2のGUI500を使用して、表示されたオプションのリストから選択することなどにより、パラメータを単に入力し得る。
【0046】
吸引された硝子体液流体FFの特性を明らかにすること又は吸引された硝子体液流体FFを識別することは、追加的又は代替的に、吸引された流体混合物(FF)中に存在する生理食塩水48又は他の流体、例えば硝子体液26若しくはシリコーンオイルの量を、例えば主成分流体を予測する流量モデルを使用することによって、例えば上記の流量及び真空強度の値に基づいて、推定することを含んでもよく、このような流量モデルは、異なる実施形態において、テーブルベース又は式ベースであってもよい。次いで、方法70はブロックB78に進む。
【0047】
次に、
図3のブロックB78において、ECU50は、ブロックB76で識別された主成分流体が生理食塩水48であるか否かを判定し、ECU50は、このことを示す流動特性値に基づいてこれを行う。生理食塩水48が主成分流体として識別されると、方法70はブロックB80に進む。或いは、方法70は、ブロックB76からの主成分流体が硝子体液26である場合、又は硝子体液26の除去の代わりにシリコーンオイルの置き換えが関連タスクである場合、ブロック72に戻る。
【0048】
ブロックB80は、ECU50を介して、生理食塩水48が吸引された流体混合物(FF)の主成分流体成分であるとのブロックB78における判定に応じて、制御アクションを実行することを含む。ブロックB80は、ECU50を介して、主成分流体が生理食塩水48であることに応じて、指示デバイス40のON/OFF又は中間作動状態を変更するために、電子作動信号(CC40)を指示デバイス40に送信することを必然的に伴い得る。方法70のいくつかの実装形態では、指示デバイス40は、主成分流体が生理食塩水48である場合にのみ作動され得る。このような手法は、硝子体液26の意図された物質又はシリコーンオイルよりも著しく多くの生理食塩水48が硝子体腔15から吸引されている場合にのみ外科医に注意喚起することによって、潜在的に注意をそらす通知を最小限にする。任意選択で、外科医が所与の手術における「著しく多い」の閾値をある程度制御できるようにすることにより、外科医は、アラートを外科医の好みに調整する機会を与えられる。
【0049】
このように
図1及び
図2のECU50を用いて
図3に示すアルゴリズム70を実行する際、
図2に示す硝子体切除術13を行う外科医は、生理食塩水48が吸引された流体混合物(FF)の主成分流体であるか否かをリアルタイムで知らされる。このフィードバックにより、外科医は、硝子体腔15内での硝子体切除装置34の入口端E1の位置を正確に調整する機会を得ることができる。更に、生理食塩水48が吸引された流体混合物(FF)の内容の大部分、例えば50%以上を占める場合に限りフィードバックすることは、注意散漫又はアラートに基づく中断を最小限にするはずである。
【0050】
例示的な使用例では、外科医は、デフォルトの組成、例えば50%以上の生理食塩水48でアラートをトリガするようにECU50を設定し、一定期間そのようなレベルで硝子体切除術13を実行し得る。この例では、吸引された流体混合物(FF)の構成の50%超が生理食塩水48であると方法70が判定した場合に、アラーム又はフィードバックがトリガされる。そうすると、処置中のどこかの時点で、外科医は、より高濃度の生理食塩水48の除去が必要であると判断し、トリガする閾値を上げることができる。この目的のために、別個のデバイスとしての、又は
図2の表示画面20若しくは200のいずれかと一体化されたGUI500との相互作用が使用され得る。同様に、以前に注入されたシリコーンオイルを生理食塩水48で置き換える場合、外科医は、吸引された流体混合物(FF)が生理食塩水48から主に構成されるか否かを一目で判断するために、ECU50からのリアルタイムのフィードバックを使用し得る。
【0051】
したがって、本教示は、外科医が硝子体液26をもはや除去していないことを外科医にリアルタイムで通知することが意図されている。アラートを受け取ると、外科医は、硝子体切除装置34を再配置して効率を改善し、硝子体切除術13をより短時間で無駄なく完了させることができる。本開示は、硝子体切除術システム55を調節して、患者の眼30から生理食塩水又は他の代替的な流体が過剰に引き出されないようにするために使用され得る。つまり、推定粘度が低下していることをECU50が識別すると、プロセッサ52は、硝子体切除術システム55に真空強度を減少させ、生理食塩水48の体積流量を減少させるように指示し得る。
【0052】
硝子体切除装置34が硝子体液26又はシリコーンオイル内に移動すると、生理的食塩水ではない流体の粘度が増加することに起因して、体積流量は更に低下する。その結果、真空レベルは、硝子体液26、シリコーンオイル、又は他の流体など、より粘度の高い物質の除去を最大化するように高められる。高精度のセンシングにより、体積流量のごくわずかな変化を検出して、最新の状況に迅速に適応できる。適切な調整により、方法70の使用は、手術中に生理食塩水48を除去する無駄な時間を著しく減少させながら、外科医の観点から、シームレスで目立たないはずである。これらの及び他の付帯的な利点は、上記の開示に鑑みて当業者に容易に理解されよう。
【0053】
詳細な説明及び図面は、本開示をサポートし、説明するものであるが、本開示の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義される。特許請求の範囲に記載された開示を実施するための最良の態様及び他の実施形態のいくつかを詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲において定義された開示を実施するための様々な代替的な設計及び実施形態が存在する。
【0054】
更に、図面に示された実施形態又は本明細書で言及された様々な実施形態の特徴は、必ずしも互いに独立した実施形態として理解されるべきではない。むしろ、ある実施形態の例のうちの1つで説明された特性のそれぞれは、他の実施形態からの1つ又は複数の他の望ましい特性と組み合わせることが可能であり、その結果、言葉で説明されていないか又は図面を参照することによって説明されていない他の実施形態を得ることができる。したがって、このような他の実施形態は、添付の特許請求の範囲の枠組み内に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
更に、図面に示された実施形態又は本明細書で言及された様々な実施形態の特徴は、必ずしも互いに独立した実施形態として理解されるべきではない。むしろ、ある実施形態の例のうちの1つで説明された特性のそれぞれは、他の実施形態からの1つ又は複数の他の望ましい特性と組み合わせることが可能であり、その結果、言葉で説明されていないか又は図面を参照することによって説明されていない他の実施形態を得ることができる。したがって、このような他の実施形態は、添付の特許請求の範囲の枠組み内に含まれる。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
網膜硝子体手術中に吸引された流体混合物中の生理食塩水を識別するための方法であって、前記方法が、
電子制御ユニット(ECU)を介して、入力信号のセットに応じて、前記吸引された流体混合物の流体特性値を推定することであって、前記吸引された流体混合物が前記生理食塩水及び少なくとも1種の追加の流体を含む、推定することと、
前記ECUを介して、前記流体特性値に基づいて、前記吸引された流体混合物の主成分流体として前記生理食塩水を識別することと、
前記ECUを介して、前記主成分流体が前記生理食塩水であることに応じて指示デバイスを作動させることであって、電子作動信号を前記指示デバイスに送信することによって前記指示デバイスの作動ロジック状態を制御することを含む、作動させることと、
を含む、方法である。
第2の態様は、
前記少なくとも1種の追加の流体が硝子体液及び/又はシリコーンオイルを含む、第1の態様における方法である。
第3の態様は、
前記ECUが、硝子体切除装置に与えられる真空強度と、前記生理食塩水が硝子体腔に注入されるときの前記生理食塩水の体積流量とを調節するために動作可能な硝子体切除術システムと通信し、前記流体特性値を決定することが、前記硝子体切除術システムから、前記真空強度及び前記体積流量を示す入力信号の前記セットを受信することと、その後、前記真空強度及び前記体積流量を用いて前記流体特性値を推定することとを含む、第1の態様における方法である。
第4の態様は、
前記生理食塩水を識別することが、前記体積流量及び前記真空強度によってインデックス付けされたルックアップテーブルから前記生理食塩水を示す値を抽出することを含む、第1の態様における方法である。
第5の態様は、
カメラ及び関連する機械視覚ロジックを使用して、前記網膜硝子体手術を実行するために使用される硝子体切除装置のモデル又はタイプを自動的に検出することであって、前記ルックアップテーブルが前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプに一意に関連付けられる、こと、
を更に含む、第4の態様における方法である。
第6の態様は、
前記生理食塩水を識別することが、流量モデルを用いて、前記吸引された流体混合物に存在する前記生理食塩水の量を推定することを含む、第1の態様における方法である。
第7の態様は、
前記指示デバイスが表示画面を含み、前記指示デバイスを作動させることが、表示デバイスを介してメッセージ及び/又はグラフィックを提示することを含む、第1の態様における方法である。
第8の態様は、
前記指示デバイスがオーディオスピーカを含み、前記指示デバイスを作動させることが、前記オーディオスピーカを介して可聴音を放送することを含む、第1の態様における方法である。
第9の態様は、
前記指示デバイスが触覚又は触知フィードバックデバイスを含み、前記指示デバイスを作動させることが、前記触覚又は触知フィードバックデバイスを振動させることを含む、第1の態様における方法である。
第10の態様は、
網膜硝子体手術中に吸引された流体混合物を識別するための自動化システムであって、前記自動化システムが、
指示デバイスと、
前記指示デバイスと通信する電子制御ユニット(ECU)であって、前記ECUが、
入力信号のセットに応じて、前記吸引された流体混合物の流体特性値を推定し、前記吸引された流体混合物が、生理食塩水と、前記網膜硝子体手術中に硝子体切除装置を使用して患者の眼の硝子体腔から吸引された硝子体液又はシリコーンオイルのいずれかと、を含み、
前記流体特性値に基づいて、前記吸引された流体混合物の主成分流体として前記生理食塩水を識別し、
前記指示デバイスに電子作動信号を送信することによって前記指示デバイスの作動ロジック状態を制御することを含み、前記主成分流体が前記生理食塩水であることに応じて前記指示デバイスを作動させる、
ように構成される、ECUと、
を備える、自動化システムである。
第11の態様は、
前記ECUと通信し、前記生理食塩水の前記硝子体腔内への体積流量と、前記硝子体切除装置に与えられた真空強度とを調節し、前記網膜硝子体手術中に、前記体積流量及び前記真空強度を前記ECUにリアルタイムで伝達するように構成され、前記ECUが前記真空強度及び前記体積流量に基づいて前記流体特性値を推定するように構成される、硝子体切除術システム、
を更に備える、第10の態様における自動化システムである。
第12の態様は、
前記ECUが、前記ECUのメモリに記録されたルックアップテーブルから前記生理食塩水を示す値を抽出することにより、前記主成分流体として前記生理食塩水を識別するように構成される、第10の態様における自動化システムである。
第13の態様は、
前記ECUと通信する、又は前記ECUと一体的に形成されたカメラと、
機械視覚ロジックと、を更に備え、前記ECUが、前記カメラ及び前記機械視覚ロジックを使用して、前記硝子体切除装置のモデル又はタイプを自動的に検出し、前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプに対応する較正された動作パラメータを用いて、前記吸引された流体混合物の前記流体特性値を推定するように構成される、第10の態様における自動化システムである。
第14の態様は、
前記指示デバイスが、前記電子作動信号に応じて、メッセージ及び/又はグラフィックを提示するように構成された表示画面を含む、第10の態様における自動化システムである。
第15の態様は、
前記指示デバイスが、前記電子作動信号に応じて、オーディオスピーカを介して可聴音を放送するように構成されたオーディオスピーカ、及び/又は前記電子作動信号に応じて、振動するように構成された触覚若しくは触知フィードバックデバイスを含む、第10の態様における自動化システムである。
第16の態様は、
前記ECUと通信するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)であって、前記GUIが、前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプをタッチ入力として受信し、前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプに部分的に基づいて、前記主成分流体として前記生理食塩水を識別するように構成される、GUI、
を更に備える、第10の態様における自動化システムである。
第17の態様は、
前記硝子体切除装置と、
前記硝子体切除装置に動作可能に接続された真空ポンプと、
を更に備える、第10の態様における自動化システムである。
第18の態様は、
プロセッサによって実行可能な、網膜硝子体手術中に吸引された流体混合物を識別する命令が記録されたコンピュータ可読媒体であって、前記プロセッサによる前記命令の実行が、前記プロセッサに、
前記網膜硝子体手術の間、硝子体切除装置に適用される真空強度、前記硝子体切除装置のモデル又はタイプ、及び患者の眼の硝子体腔に注入される生理食塩水の体積流量を受信させ、
前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプ及び前記真空強度に対応する流量閾値と前記体積流量を比較させ、
前記流量閾値を超える前記体積流量に基づいて、前記吸引された流体混合物の主成分流体として前記生理食塩水を識別させ、
電子作動信号を指示デバイスに送信することによって前記指示デバイスの作動ロジック状態を制御することを含み、前記主成分流体が前記生理食塩水であることに応じて前記指示デバイスを作動させる、コンピュータ可読媒体である。
第19の態様は、
カメラが前記ECUと通信し、又は前記ECUと一体的に形成され、前記プロセッサによる前記命令の実行が、前記プロセッサに、
前記カメラ及び機械視覚ロジックを用いて前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプを自動的に検出させる、第18の態様におけるコンピュータ可読媒体である。
第20の態様は、
前記プロセッサによる前記命令の実行が、前記プロセッサに、
前記ECUと通信する硝子体切除術器械から、前記硝子体切除装置に与えられる前記体積流量及び前記真空強度を受信させる、第18の態様におけるコンピュータ可読媒体である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
網膜硝子体手術中に吸引された流体混合物を識別するための自動化システムであって、前記自動化システムが、
指示デバイスと、
前記指示デバイスと通信する電子制御ユニット(ECU)であって、前記ECUが、
入力信号のセットに応じて、前記吸引された流体混合物の流体特性値を推定し、前記吸引された流体混合物が、生理食塩水と、前記網膜硝子体手術中に硝子体切除装置を使用して患者の眼の硝子体腔から吸引された硝子体液又はシリコーンオイルのいずれかと、を含み、
前記流体特性値に基づいて、前記吸引された流体混合物の主成分流体として前記生理食塩水を識別し、
前記指示デバイスに電子作動信号を送信することによって前記指示デバイスの作動ロジック状態を制御することを含み、前記主成分流体が前記生理食塩水であることに応じて前記指示デバイスを作動させる、
ように構成される、ECUと、
を備える、自動化システム。
【請求項2】
前記ECUと通信し、前記生理食塩水の前記硝子体腔内への体積流量と、前記硝子体切除装置に与えられた真空強度とを調節し、前記網膜硝子体手術中に、前記体積流量及び前記真空強度を前記ECUにリアルタイムで伝達するように構成され、前記ECUが前記真空強度及び前記体積流量に基づいて前記流体特性値を推定するように構成される、硝子体切除術システム、
を更に備える、請求項1に記載の自動化システム。
【請求項3】
前記ECUが、前記ECUのメモリに記録されたルックアップテーブルから前記生理食塩水を示す値を抽出することにより、前記主成分流体として前記生理食塩水を識別するように構成される、請求項1に記載の自動化システム。
【請求項4】
前記ECUと通信する、又は前記ECUと一体的に形成されたカメラと、
機械視覚ロジックと、を更に備え、前記ECUが、前記カメラ及び前記機械視覚ロジックを使用して、前記硝子体切除装置のモデル又はタイプを自動的に検出し、前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプに対応する較正された動作パラメータを用いて、前記吸引された流体混合物の前記流体特性値を推定するように構成される、請求項1に記載の自動化システム。
【請求項5】
前記指示デバイスが、前記電子作動信号に応じて、メッセージ及び/又はグラフィックを提示するように構成された表示画面を含む、請求項1に記載の自動化システム。
【請求項6】
前記指示デバイスが、前記電子作動信号に応じて、オーディオスピーカを介して可聴音を放送するように構成されたオーディオスピーカ、及び/又は前記電子作動信号に応じて、振動するように構成された触覚若しくは触知フィードバックデバイスを含む、請求項1に記載の自動化システム。
【請求項7】
前記ECUと通信するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)であって、前記GUIが、前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプをタッチ入力として受信し、前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプに部分的に基づいて、前記主成分流体として前記生理食塩水を識別するように構成される、GUI、
を更に備える、請求項1に記載の自動化システム。
【請求項8】
前記硝子体切除装置と、
前記硝子体切除装置に動作可能に接続された真空ポンプと、
を更に備える、請求項1に記載の自動化システム。
【請求項9】
プロセッサによって実行可能な、網膜硝子体手術中に吸引された流体混合物を識別する命令が記録されたコンピュータ可読媒体であって、前記プロセッサによる前記命令の実行が、前記プロセッサに、
前記網膜硝子体手術の間、硝子体切除装置に適用される真空強度、前記硝子体切除装置のモデル又はタイプ、及び患者の眼の硝子体腔に注入される生理食塩水の体積流量を受信させ、
前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプ及び前記真空強度に対応する流量閾値と前記体積流量を比較させ、
前記流量閾値を超える前記体積流量に基づいて、前記吸引された流体混合物の主成分流体として前記生理食塩水を識別させ、
電子作動信号を指示デバイスに送信することによって前記指示デバイスの作動ロジック状態を制御することを含み、前記主成分流体が前記生理食塩水であることに応じて前記指示デバイスを作動させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
カメラが前記ECUと通信し、又は前記ECUと一体的に形成され、前記プロセッサによる前記命令の実行が、前記プロセッサに、
前記カメラ及び機械視覚ロジックを用いて前記硝子体切除装置の前記モデル又はタイプを自動的に検出させる、請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記プロセッサによる前記命令の実行が、前記プロセッサに、
前記ECUと通信する硝子体切除術器械から、前記硝子体切除装置に与えられる前記体積流量及び前記真空強度を受信させる、請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】