IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トカマク エナジー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-段階的な中間層 図1
  • 特表-段階的な中間層 図2
  • 特表-段階的な中間層 図3
  • 特表-段階的な中間層 図4
  • 特表-段階的な中間層 図5
  • 特表-段階的な中間層 図6A
  • 特表-段階的な中間層 図6B
  • 特表-段階的な中間層 図7A
  • 特表-段階的な中間層 図7B
  • 特表-段階的な中間層 図7C
  • 特表-段階的な中間層 図8
  • 特表-段階的な中間層 図9
  • 特表-段階的な中間層 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】段階的な中間層
(51)【国際特許分類】
   G21B 1/13 20060101AFI20240403BHJP
   B32B 7/12 20060101ALI20240403BHJP
   B32B 15/04 20060101ALI20240403BHJP
   B32B 15/14 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
G21B1/13
B32B7/12
B32B15/04 B
B32B15/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023563260
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 EP2022054990
(87)【国際公開番号】W WO2022218599
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】2105385.5
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512317995
【氏名又は名称】トカマク エナジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】モリソン、 アラスディア
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AA37
4F100AA37A
4F100AB01
4F100AB01A
4F100AB01C
4F100AB17
4F100AB17C
4F100AD00
4F100AD00A
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA07
4F100BA26
4F100BA26A
4F100BA26B
4F100BA26C
4F100DG01
4F100DG01A
4F100EJ17
4F100EJ42
4F100EJ53
4F100JA02
4F100JA02A
4F100JA02B
4F100JA02C
4F100JA04
4F100JA04A
4F100JL11
4F100JL11B
(57)【要約】
第1の材料と第2の材料を結合する方法。第1の材料は金属、セラミック、又は炭素繊維を含む複合材料であり、第2の材料は金属である。第1の材料は第2の材料の熱膨張係数(CTE)よりも高いCTEを有する。高熱膨張表面と低熱膨張表面を有する中間層が形成される。中間層のCTEはその深さによって第1材料のCTEと第2材料のCTEとの間で変化する。中間層はそれぞれの平均熱膨張係数(aCTE)が中間層の厚さの1/4にわたる平均熱膨張係数であるように定義された4つのaCTEを有する。各aCTEは前のaCTEよりも小さく、第1のaCTEは高熱膨張表面の隣にある。第1及び第2のaCTEの差が第2及び第3のaCTEの差よりも大きく、第2及び第3のaCTEの差が第3及び第4のaCTEの差よりも大きい、又は、第2及び第3のaCTEの差が、第1及び第2のaCTEの差と第3及び第4のaCTEの差の両方よりも大きい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料と第2の材料とを接合する方法であって、前記第1の材料は金属、セラミック、又は炭素繊維を含む複合材料であり、前記第2の材料は金属であり、前記第1の材料は前記第2の材料の熱膨張係数(CTE)よりも高いCTEを有し、前記方法は、
中間層であって、中間層を通して変化するCTEを有し、高熱膨張表面と低熱膨張表面とを有する中間層を形成することと、
前記第1の材料を前記中間層の高熱膨張表面に接合し、前記第2の材料を前記中間層の低熱膨張表面に接合することと
を含み、
前記中間層のCTEは、その深さによって前記第1の材料のCTEと前記第2の材料のCTEとの間で変化し、
前記中間層は、それぞれの平均熱膨張係数(aCTE)が前記中間層の厚さの1/4にわたる平均熱膨張係数であるように定義された、第1のaCTE、第2のaCTE、第3のaCTE及び第4のaCTEを有し、
前記第1のaCTEは、前記高熱膨張表面から定められ、前記第1の材料のCTEよりも小さく、
前記第2のaCTEは、前記中間層の厚さの中間点から前記高熱膨張表面に向かって定められ、前記第1のaCTEよりも小さく、
前記第3のaCTEは、前記中間層の中間点から前記低熱膨張表面に向かって定められ、前記第2のaCTEよりも小さく、
前記第4のaCTEは、前記低熱膨張表面から定められ、前記第3のaCTEよりも小さく、前記第2の材料のCTEよりも大きく、
前記第1のaCTEと前記第2のaCTEとの差は前記第2のaCTEと前記第3のaCTEとの差よりも大きく、前記第2のaCTEと前記第3のaCTEとの差は前記第3のaCTEと前記第4のaCTEとの差よりも大きい、又は
前記第2のaCTEと前記第3のaCTEとの差は、前記第1のaCTEと前記第2のaCTEとの差と前記第3のaCTEと前記第4のaCTEとの差の両方よりも大きい、方法。
【請求項2】
前記中間層は、前記接合するステップ中にその場で形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記中間層は、第1の中間層材料と第2の中間層材料とを含む複合材料であり、前記第1の中間層材料は、少なくとも前記第1の材料の熱膨張係数と等しい熱膨張係数を有し、前記第2の中間層材料は、多くとも前記第2の材料の熱膨張係数と等しい熱膨張係数を有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の中間層材料は前記第1の材料であり、前記第2の中間層材料は前記第2の材料である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記中間層を形成することは、前記第1の中間層材料の粉体と前記第2の中間層材料の粉体とを粉末焼結することを含み、前記中間層の熱膨張係数は、前記第2の中間層材料の粉体の量に対する前記第1の中間層材料の粉体の量の比によって決まる、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記中間層を形成することは、
前記第1の中間層材料及び前記第2の中間層材料のそれぞれの複数の積層体を提供することと、
前記第1の中間層材料及び前記第2の中間層材料のそれぞれの交互の層を形成するように前記積層体を接合することと
を含み、各層は前記中間層に平行であり、前記中間層への所定の深さにおける熱膨張係数は、その深さにおける各中間層材料の層の厚さによって決まる、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項7】
前記中間層は、前記第1の中間層材料から作られた第1の要素と、前記第2の中間層材料から作られた第2の要素とを含み、
前記要素は、前記中間層の断面における各中間層材料の割合が前記中間層材料を通して深さと共に変化するように連結し、
所定の深さにおける熱膨張係数は、その深さでの断面における各中間層材料の割合によって決まる、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の材料と前記第2の材料を前記中間層に接合することは、熱間等方圧加圧、拡散接合、及び/又は電場支援焼結を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記関数は多項式関数である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
第1の金属と第2の金属とを接合するための中間層であって、前記中間層は、前記中間層を通して変化する熱膨張係数CTEを有し、高熱膨張表面と低熱膨張表面とを有し、
前記中間層は、それぞれの平均熱膨張係数(aCTE)が前記中間層の厚さの1/4にわたる平均熱膨張係数であるように定義された、第1のaCTE、第2のaCTE、第3のaCTE及び第4のaCTEを有し、
第1のaCTEは、前記高熱膨張表面から定められ、
前記第2のaCTEは、前記中間層の厚さの中間点から前記高熱膨張表面に向かって定められ、前記第1のaCTEよりも小さく、
前記第3のaCTEは、前記中間層の中間点から前記低熱膨張表面に向かって定められ、前記第2のaCTEよりも小さく、
前記第4のaCTEは、前記低熱膨張表面から定められ、前記第3のaCTEよりも小さく、
前記第1のaCTEと前記第2のaCTEとの差は前記第2のaCTEと前記第3のaCTEとの差よりも大きく、前記第2のaCTEと前記第3のaCTEとの差は前記第3のaCTEと前記第4のaCTEとの差よりも大きい、又は
前記第2のaCTEと前記第3のaCTEとの差は、前記第1のaCTEと前記第2のaCTEとの差と前記第3のaCTEと前記第4のaCTEとの差の両方よりも大きい、中間層。
【請求項11】
前記中間層は、第1の中間層材料と第2の中間層材料とを含む複合材料であり、前記第1の中間層材料は、少なくとも前記第1の金属の熱膨張係数と等しい熱膨張係数を有し、前記第2の中間層材料は、多くとも前記第2の金属の熱膨張係数と等しい熱膨張係数を有する、請求項10に記載の中間層。
【請求項12】
前記中間層を形成することは、前記第1の中間層材料の粉体と前記第2の中間層材料の粉体とを粉末焼結することを含み、前記中間層の熱膨張係数は、前記第2の中間層材料の粉体の量に対する前記第1の中間層材料の粉体の量の比によって決まる、請求項11に記載の中間層。
【請求項13】
前記中間層は、前記第1の中間層材料と前記第2の中間層材料のそれぞれの交互の層を含み、各層は前記中間層に平行である、請求項11に記載の中間層。
【請求項14】
前記中間層は、前記第1の中間層材料から作られた第1の要素と、前記第2の中間層材料から作られた第2の要素とを含み、
前記要素は、前記中間層の断面における各中間層材料の割合が前記中間層材料を通して深さと共に変化するように連結し、
所定の深さにおける熱膨張係数は、その深さでの断面における各中間層材料の割合によって決まる、請求項11に記載の中間層。
【請求項15】
前記熱膨張係数は、前記中間層を通る深さの多項式関数として前記中間層を通して変化する、請求項10から14のいずれか一項に記載の中間層。
【請求項16】
第1の熱膨張係数を有する第1の金属から形成された第1のコンポーネントと、
前記第1の熱膨張係数よりも低い第2の熱膨張係数を有する第2の金属から形成された第2のコンポーネントと、
前記第1の金属要素が前記中間層の高熱膨張表面に接合され、前記第2の金属要素が前記中間層の低熱膨張表面に接合される、請求項10から15のいずれか一項に記載の中間層と
を含み、
前記中間層の熱膨張係数は、前記中間層全体にわたって前記第1の熱膨張係数と前記第2の熱膨張係数との間の値を有する、装置。
【請求項17】
前記第1の中間層材料は前記第1の金属であり、前記第2の中間層材料は前記第2の金属である、請求項11に直接的又は間接的に従属する請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記装置は、トカマクプラズマチャンバのためのダイバータ又は第一壁面であり、前記ダイバータ又は第一壁面はプラズマ対向面と冷却装置とを含み、前記冷却装置はヒートシンクを含み、前記第1のコンポーネントは前記プラズマ対向面であり、前記第2のコンポーネントは前記ヒートシンクである、請求項16又は17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の金属は、少なくとも1850℃の融点を有する高融点金属又は高融点金属を主成分とする合金であり、前記第2の金属は、銅又は銅を主成分とする合金である、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記高融点金属は、少なくとも2000℃の融点を有する、請求項19に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる熱膨張係数(CTE)の材料を接合するための中間層に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイバータは、トカマクの動作中にプラズマからの廃棄物及び電力の取り出しを可能にするトカマクプラズマ容器内の装置である。廃棄物は、磁気的に閉じ込められたプラズマ中心部から粒子が拡散すると自然に発生する。廃棄物粒子は、燃料(重水素とトリチウム)、核融合生成物(ヘリウム灰)、及びチャンバの壁から放出された重イオンの組み合わせである。プラズマを閉じ込めるために、トカマクは磁場を利用する。しかしながら、粒子はゆっくりとランダムに拡散し、最終的にはイオンの高流束に耐えるように構成されたダイバータ表面の1つに衝突する。
【0003】
図1は、ダイバータの1つの可能な構成を示す、トカマクプラズマチャンバの断面図を示す。ダイバータ表面101は、プラズマチャンバ100の上部と下部にある。プラズマチャンバの第一壁(すなわちプラズマに面するコンポーネント)は、チャンバの内壁102を含み、また、各ダイバータ表面に近接して配置された、プラズマをダイバータに向けるためのバッフル103と、プラズマチャンバ内部のフィールドコイルを覆うカバー104とを含む。
【0004】
ダイバータの表面層が経験する高い熱流束と浸食は、これらの条件に耐え得る材料を必要とする。一般的な選択は、融点が1850℃を超える高融点金属、例えばチタン又はバナジウム、より好ましくは2000℃を超える高融点金属、例えばモリブデン又はタングステンである。しかしながら、高融点金属は一般に脆いため、圧力下で冷却材を含むダイバータの冷却要素は通常、銅などのより丈夫な代替材料(以下「熱伝導性材料」)から作られる。
【0005】
これにより問題が生じる。熱伝導性材料の熱膨張係数は高融点金属の熱膨張係数とは大きく異なり、それらの接合部に著しい熱流束及び温度変化がある。これは、ダイバータの一般的な故障モードがこの接合部での応力による損傷であることを意味する。
【0006】
熱伝導性材料と高融点金属との接合部での応力は、中間層(高融点金属の熱膨張係数と熱伝導性材料の熱膨張係数の中間の熱膨張係数を有する材料の層)を設けることで軽減することができる。中間層は、高融点金属と熱伝導性材料の両方を含む複合材料であることができ、熱膨張係数及び他の材料の機械的特性及び熱的特性のより緩やかな変化を提供するために、各材料の割合が中間層を通して直線的に変化するように段階的に変化させることができる。
【0007】
しかしながら、このような段階的な変化であっても、熱膨張による応力が原因の故障は依然として発生する。したがって、そのような故障の発生をさらに低減するために中間層の改良が必要である。
【0008】
上記は核融合炉用のダイバータとの関連で書かれているが、このような中間層は、温度変化が生じる異なる熱膨張係数を有する2つの材料を接合する必要がある他の状況でも有用である。熱伝導性材料に接合された高融点金属の具体的事例は、トカマクなどのプラズマチャンバの「第一壁」(すなわちプラズマ対向面)、及びロケット排気などの高熱流束と高浸食が予想される他の用途にも関連する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様によれば、第1の材料と第2の材料とを接合する方法が提供される。第1の材料は金属、セラミック、又は炭素繊維を含む複合材料であり、第2の材料は金属である。第1の材料は、第2の材料の熱膨張係数(CTE)よりも高いCTEを有する。中間層を通して変化するCTEを有し、高熱膨張表面と低熱膨張表面とを有する、中間層が形成される。第1の材料は中間層の高熱膨張表面に接合され、第2の材料は中間層の低熱膨張表面に接合される。中間層のCTEは、その深さによって第1の材料のCTEと第2の材料のCTEとの間で変化する。中間層は、それぞれの平均熱膨張係数(aCTE)が中間層の厚さの1/4にわたる平均熱膨張係数であるように定義された、第1のaCTE、第2のaCTE、第3のaCTE及び第4のaCTEを有する。第1のaCTEは、高熱膨張表面から定められ、第1の材料のCTEよりも小さい。第2のaCTEは、中間層の厚さの中間点から高熱膨張表面に向かって定められ、第1のaCTEよりも小さい。第3のaCTEは、中間層の中間点から低熱膨張表面に向かって定められ、第2のaCTEよりも小さい。第4のaCTEは、低熱膨張表面から定められ、第3のaCTEよりも小さく、第2の材料のCTEよりも大きい。第1のaCTEと第2のaCTEとの差が第2のaCTEと第3のaCTEとの差よりも大きく、第2のaCTEと第3のaCTEとの差が第3のaCTEと第4のaCTEとの差よりも大きい、又は、第2のaCTEと第3のaCTEとの差が、第1のaCTEと第2のaCTEとの差と第3のaCTEと第4のaCTEとの差の両方よりも大きい。
【0010】
第2の態様によれば、第1の金属と第2の金属とを接合する中間層が提供される。中間層は、中間層を通して変化する熱膨張係数(CTE)を有し、高熱膨張表面と低熱膨張表面とを有する。中間層は、それぞれの平均熱膨張係数(aCTE)が中間層の厚さの1/4にわたる平均熱膨張係数であるように定義された、第1のaCTE、第2のaCTE、第3のaCTE及び第4のaCTEを有する。第1のaCTEは、高熱膨張表面から定められ、第1の材料のCTEよりも小さい。第2のaCTEは、中間層の厚さの中間点から高熱膨張表面に向かって定められ、第1のaCTEよりも小さい。第3のaCTEは、中間層の中間点から低熱膨張表面に向かって定められ、第2のaCTEよりも小さい。第4のaCTEは、低熱膨張表面から定められ、第3のaCTEよりも小さく、第2の材料のCTEよりも大きい。第1のaCTEと第2のaCTEとの差が第2のaCTEと第3のaCTEとの差よりも大きく、第2のaCTEと第3のaCTEとの差が第3のaCTEと第4のaCTEとの差よりも大きい、又は、第2のaCTEと第3のaCTEとの差が、第1のaCTEと第2のaCTEとの差と第3のaCTEと第4のaCTEとの差の両方よりも大きい。
【0011】
第3の態様によれば、第1のコンポーネントと、第2のコンポーネントと、中間層とを含む装置が提供される。第1のコンポーネントは、第1の熱膨張係数を有する第1の金属から形成される。第2のコンポーネントは、第2の熱膨張係数を有する第2の金属から形成される。第1の金属要素が中間層の高熱膨張表面に接合され、第2の金属要素が中間層の低熱膨張表面に接合される、第2の態様に係る中間層である。第1の熱膨張係数は第2の熱膨張係数よりも大きく、中間層の熱膨張係数は中間層全体にわたって第1の熱膨張係数と第2の熱膨張係数との間の値を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】トカマクプラズマチャンバの断面図である。
図2】例示的な既知の中間層のグレーディングプロファイルを示す。
図3】提案される2つの中間層のグレーディングプロファイルを示す。
図4図3のグレーディングプロファイルを抽象化したものを示す。
図5】中間層内の銅とタングステンの体積分率の例示的なグラフである。
図6A】積層された中間層を示す。
図6B】その中間層内の材料の体積分率を示す。
図7】構造的に段階的な中間層を示す。
図8】HIPプロセスを示す。
図9】例示的なダイバータを示す。
図10】例示的な第一壁タイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
従来の段階的な中間層は、線形プロファイル又は階段状のプロファイル、すなわち、各中間層の熱膨張係数が中間層を通して直線的に変化するか又は中間層全体にわたって大きな別個のステップで変化するプロファイルを有していた。代わりに、本明細書は、熱膨張によって生じるひずみに対する改善された耐性を提供する、より複雑なグレーディングプロファイルを提案する。
【0014】
高熱膨張材料と低熱膨張材料の中間の熱膨張係数(CTE)を有する材料を実現する1つの方法は、両材料から形成された複合材料を提供することであり、各材料の比率がバルク熱膨張係数を決定する。複合型の例については後で説明する。
【0015】
図2は、例示的な既知の中間層のグレーディングプロファイルを示す。各中間層201は、高熱膨張材料202を低熱膨張材料203に接合する。トカマク用のダイバータの例では、高熱膨張材料は銅であることができ、低熱膨張材料はタングステンであることができる。中間層の深さ「d」は、高熱膨張材料から低熱膨張材料までの中間層を横切る距離である。本開示内では、深さdは、高熱膨張材料202と中間層201との間の遷移部がd=0であり、低熱膨張材料203と中間層201との間の遷移部がd=1であるように、任意の単位で測定される。このdの定義に基づく記載は適切な数学的手法によって距離dを測定するあらゆる他のスケールに変換することができ、この定義は中間層の厚さを特定の単位の1つに制限するものではないことが理解されるであろう。
【0016】
「線形」中間層210は、中間層を横切る距離に対して直線的に減少する熱膨張係数を有する。これは連続的な減少として示されているが、例えば、異なる領域で高熱膨張層と低熱膨張層の比率が異なる積層複合材の結果である可能性があり、グラフにプロットされた値は、小さな距離にわたる有効なバルク熱膨張係数である。
【0017】
「階段状」中間層220は、中間層を横切る距離と共に階段状に減少し、各ステップ間で直線的に減少する熱膨張係数を有する。
【0018】
図3は、改良された中間層グレーディングのための2つの提案を示す。この場合も先と同様に、各中間層301は、高熱膨張材料202を低熱膨張材料203に接合する。第1の例示的な中間層は、シグモイド関数、すなわち材料層202、203のそれぞれで傾きがゼロになる傾向があり、正確に1つの変曲点を有する関数、に従う「S字状(シグモイド)」中間層310である。中間層と各材料との接合部におけるこの低い傾きにより、熱膨張が発生したときにこれらの領域が低い応力しか有さず、代わりに応力は材料結合がより強くなる可能性が高い中間層の中央領域にあることが確実になる。
【0019】
第2の例示的な中間層320は、関数の傾きが低熱膨張材料に向かって単調にゼロに近づくような関数、すなわち、関数が低熱膨張材料に向かって移動するにつれて、傾きの大きさが常に一定であるか又は減少するような関数に従う。この結果、熱膨張係数の最も急峻な変化が高熱膨張材料に隣接しており、これにより、高熱膨張材料及びその界面の中間層は一般に低熱膨張材料及び対応する界面の中間層よりも延性及び柔軟性が高く、したがって破壊なしでより高い応力に適応することができるため、好ましい性能が提供される。
【0020】
第2の例示的な中間層の関数の一例は、
【数1】
の形式の多項式関数であり、ここで、αは熱膨張係数(CTE)(複合材料の場合、小さな厚さで平均化されたもの)であり、dは中間層を通る深さ(すなわち、接合される材料の一方からの距離)であり、akは数値係数である。係数akの選択により、結果として得られる関数の傾きが少なくとも中間層の範囲(前に定義したように、0<d<1)内で単調にゼロに近づくようにプロファイルを決定することができる。例えば、中間層は二乗関数(n=2)又は三乗関数(n=3)に従うことができる。
【0021】
図3に示す例示的な中間層は理想化されたものであるが、これらの構造に近似しているものでも、単純な線形中間層又は階段状中間層よりもかなり良い結果をもたらす。以下の説明において、中間層のある領域の「平均CTE」は、その領域内の各材料の体積分率で重み付けされた、中間層内の各材料のCTEの加重平均を意味する。
【0022】
図2の線形中間層と階段状中間層の違いと同様に、図3を参照して説明した中間層関数と同等の階段状中間層を形成することができる。以下の説明では、その厚さに沿ってN個のステップに分割され、各ステップが中間層の厚さの1/Nを占め、Nは少なくとも4である(階段状中間層を区別できるようにするため)中間層を考える。各ステップの平均CTEは、接合される材料のCTEの間の値を有し、各ステップの平均CTEは、(高CTEを有する材料に接続されている)高熱伝導率表面から(低CTEを有する材料に接続されている)低熱膨張表面までの中間層を横切って減少する。
【0023】
S字状中間層への近似では、中間層の端に近い(すなわち、高熱膨張表面又は低熱膨張表面に近い)隣接するステップの平均CTEの差は、中間層の中間点に向かう隣接するステップの平均CTEの差よりも小さくなる。
【0024】
第2の例示的な中間層への近似では、隣接するステップの平均CTEの差は、それらのステップが高熱膨張表面に近いほど大きくなる。
【0025】
上記は、別個のステップで構成された中間層に関して説明されているが、中間層の他の構成にも適用される。第1の例として、図3に示す関数に完全に従う中間層も、中間層の厚さに沿って定められたN個の領域の平均CTEのこのような変化を有する。第2の例として、積層構造を有する中間層は、所定の厚さでのCTEは高い値か低い値であるが、各「ステップ」の平均CTEはCTEの所望の変化に概ね従う。
【0026】
中間層関数310及び320に対するこの近似を示す、N=4の具体的事例を図4に示す。中間層は、d=0からd=1/4、d=1/4からd=1/2、d=1/2からd=3/4、及びd=3/4からd=1の4つのセクションに分割される。各セクションの平均値は、各中間層について示されている(中間層関数310については高CTEから低CTEまで411、412、413、414、中間層関数320については高CTEから低CTEまで421、422、423、424)。図からわかるように、これらの平均値の差には上記の関係がある。
【0027】
N=4の事例は、所望の改善を示すために従来技術の線形中間層と十分に異なるあらゆる中間層に対して成り立つ。上述した滑らかな関数により近い近似に従う中間層では利点が増加するが、これはコストと製造の容易さとのトレードオフになる。
【0028】
中間層は様々な方法で製造することができ、CTEの変化は、合金化、粉体グレーディング、積層グレーディング、構造グレーディング、又は他の複合材料構造を提供することによって生成される。
【0029】
粉体グレーディングは、2つ以上の材料を粉体の形で提供し、中間層を通してこれらの材料の体積分率を変化させ、CTEに必要な変化を生じることを含む。例えば、第1の粉体が低熱膨張材料であり、第2の粉体が第2の熱膨張材料であることができる。次に、これらの粉体は、結合中の各粉体の体積分率を制御しながら、混合及び焼結され又は他の方法で結合され、必要な方法で変化するバルクCTEを提供する。例えば、図5は、概ね三次多項式の中間層を提供する、複合材料503の平均CTEと共にプロットした、中間層内の銅501(高CTE)とタングステン502(低CTE)の体積分率の例示的なグラフを示す。この中間層は、それぞれが設定された体積分率を有するいくつかの別個の層として構成されるが、中間層を形成するにつれて、個々の層間のある程度の混合は避けられず、焼結中に材料間の拡散が起こり、結果として全体の傾きがより滑らかになる。
【0030】
段階的な中間層には、図6Aに示すように、中間層が第1の材料601及び第2の材料602(例えば高熱膨張材料及び低熱膨張材料)の交互の層を有し、平均CTE(すなわち、存在する各材料の体積で重み付けされた各材料のCTEの加重平均)が所望のグレーディングプロファイルに従うような厚さを各層が有するように配置された平行な積層体のスタックを設けることもできる。この例では、第1の材料及び第2の材料は、接合される高熱膨張材料611及び低熱膨張材料621と同じである。図6Bは、タングステン/銅中間層におけるタングステン610及び銅620の体積分率を、それぞれの深さにおける平均CTE630と共に示しており、平均CTE630はCTEの所望のプロファイル640と一致する。
【0031】
更なる例は、図7Aに示すように、構造的に段階的な中間層700であり、中間層700は、高熱膨張材料710から形成されたコンポーネントと低熱膨張材料720から形成されたコンポーネントとを接合する。中間層700は、低熱膨張材料から作られた第1のセクション701a、701bと、高熱膨張材料から作られた第2のセクション702とを含み、この2つのセクションが連結して中間層を形成する。図示された中間層において、第1のセクションは、複数組の突起701a、701bを含み、突起の第1の組701aは図の「平面外」に傾斜しており、第2の組701bは平面内に傾斜している。連結のプロファイルは、中間層に平行な断面の平均CTEがCTE対深さの必要とされる中間層プロファイルに従うようなものである。第1のセクション又は第2のセクションの他の例示的な構造は、図7Bに示すジャイロイド又は図7Cに示すシュワルツD構造などの三重周期極小表面を含む。ジャイロイドは以下の式で定義される表面を有する。
【数2】
シュワルツD構造は以下の式で定義される表面を有する。
【数3】
これらの表面及び関連する表面は、必要なグレーディングを提供するために適切に調整して使用することができる。
【0032】
図7に示す例では、中間層701の低熱膨張部分は、低熱膨張材料から形成されたコンポーネントと一体であり、これは代替的に又は追加的に高熱膨張要素にも当てはまり得る。
【0033】
構造的に段階的な中間層のセクションを形成するのに適した他の製造技術は以下を含む。
・以下のような積層造形技術
・レーザ粉体層溶融
・電子ビーム粉体層溶融
・粉体をポリマーで結合させて必要な形状を形成し、その後ポリマーを除去し、粉体を焼結してバルクにする、粉体層結合剤噴射。
・直接エネルギー蒸着、すなわち、材料を溶融プールに衝突させ、その後それを移動させて追加の層を形成する。
・レーザマイクロマシニング、すなわち、レーザによる表面からの材料のアブレーション除去
・レーザ又は電子ビームの表面テクスチャリング、すなわち、レーザ又は電子ビームを使用して材料をアブレーションし、制御された溶融及び凝固を提供して表面特性を操作すること
・従来の機械加工
・放電加工、すなわち、制御された放電による表面の浸食。
【0034】
セクションの材料が表面酸化物を形成する場合、他のセクションとの良好な結合を確実にするために、表面酸化物は形成中に制御するか又は後で除去することができる。セクションが積層造形によって形成される場合、セクションは、必要に応じて低熱膨張材料又は高熱膨張材料に(すなわち、セクションの材料と一致する材料に)直接印刷することができる。
【0035】
構造的に段階的な中間層の他のセクションは、粉体として(その後、焼結、HIP(熱間等方圧加圧)、FAST(電場支援焼結技術)プレス、又は他の好適な技術によってバルクに形成することができる)、又は溶融金属として(すなわち、鋳造)、最初に製造されたセクションに埋め戻され得る。2つのセクション間の結合を改善するために、例えば第2のセクションの材料の箔を提供することによって、又はプラズマ溶射又は化学蒸着などの蒸着技術によって、第2のセクションの材料の薄い層を第1のセクション上に設けることができる。積層造形技術を使用して一方のセクションを形成する場合、他方のセクションを積層造形技術の一部として同時に形成することができ、このような技術は2つの異なる材料の使用を可能にする。
【0036】
上記の中間層構造のいずれか、又は想定され得るあらゆる他の中間層について、中間層は、任意の好適なプロセスを使用して接合される高熱膨張材料及び低熱膨張材料に接合され得る。例えば、真空焼結、一軸圧力支援焼結(すなわち、ホットプレス)、電流支援焼結(例えば、電場支援焼結、放電プラズマ焼結、又はパルス電流焼結)、又は熱間等方圧加圧(HIP)などの焼結プロセスが使用され得る。
【0037】
HIPプロセスの簡略化された説明として、図8を参照すると、高熱膨張材料801及び低熱膨張材料802は、それらの間の中間層803(又はHIPプロセス中に中間層を形成する材料)と共にキャニスタ810内に配置される。空気が除去され、高圧の不活性ガスがポート820を通して供給され、キャニスタが加熱される。熱と圧力を同時に加えることにより、キャニスタ内の材料から内部空隙と微細孔が除去され、中間層とそれぞれの隣接する材料との間に強力な結合が提供され、中間層内に強力な結合が提供される。HIPにより、材料に均等な加重と熱勾配を与えることが比較的容易であるという利点が提供され、非常に高い押圧力が可能になり、特別な準備なしで湾曲した中間層表面が可能になる。
【0038】
中間層を形成するために使用され得る更なる製造技術は以下を含む。
・以下のような粉体ベースの技術
・上記のHIPプレス、
・FAST(電場支援焼結技術)プレス、別名SPS(放電プラズマ焼結)
・制御された空隙率での一方の材料の焼結、及び焼結された構造への他方の材料の浸透
・中間層への所定の深さに対する所望の体積分率での各材料の同時堆積による粉体スプレーコーティングと、それに続くHIP又は他のプレス技術
・抵抗超高圧焼結、すなわち、抵抗加熱によるGPa圧力での焼結
・レーザ蒸着
・以下のような積層接着技術
・爆発溶接
・ろう付け
・界面ジュール加熱を用いてスタック内で焼結することによってラミネート箔を接合するFAST焼結
・中間層の層を形成する際に各材料の体積分率を制御する物理蒸着法。
【0039】
特に、高熱膨張材料が銅であり、低熱膨張材料がタングステンであり、中間層もこれらの材料から形成される場合、中間層を形成する前に低熱膨張材料層に表面処理を施すか、又は高熱膨張材料のコンポーネントに接合する前に中間層の低熱膨張材料成分に表面処理を施すことが有益であり得る。例えば、高熱膨張材料がタングステンである場合、接合プロセスの前に除去しなければ接合を妨げる可能性のある酸化物層が形成される。また、粉体プロセスを使用してタングステンバルク上に中間層を堆積する場合、銅の初期層を他のプロセス(例えば銅箔のろう付け、又は銅の物理蒸着)によってタングステン上に設けると、中間層のタングステンと銅の間の接合が改善され得る。
【0040】
前述のように、この中間層の設計は、核融合炉においてダイバータと第一壁の両方に、これらのコンポーネントが経験する可能性がある極端な温度差により、特に有用である。
【0041】
例示的なダイバータを図9に概略的に示す。ダイバータは、高融点金属から形成されたダイバータ表面901と、銅ヒートシンク903を含む冷却システム902と、ダイバータ表面を銅ヒートシンクに接合する前述の中間層904とを含む。この構造を用いて、ダイバータ表面は銅ヒートシンクに効果的な方法で熱的に接合され、冷却システムがダイバータを効果的に冷却することが可能になり、ダイバータの極端な熱負荷によって引き起こされる熱膨張による損傷が大幅に軽減される。
【0042】
例示的な第一壁タイルを図10に示す。第一壁タイルは、高融点金属から形成された第一壁表面1001と、銅ヒートシンク1003を含む冷却システム1002と、ダイバータ表面を銅ヒートシンクに接合する前述の中間層1004とを含む。この構造を用いて、第一壁表面は銅ヒートシンクに効果的な方法で熱的に接合され、冷却システムが第一壁を効果的に冷却することが可能になり、第一壁の極端な一時的熱負荷によって引き起こされる熱膨張による損傷が大幅に軽減される。図10にはタイルが示されているが、同じ構造を第一壁のあらゆる構造に適用することができる。
【0043】
第一壁面への高融点金属の使用の代替的なアプローチとして、第一壁面は、原子番号の低い金属、例えばベリリウムから形成されてもよい。このような金属は高融点金属のような耐プラズマ性を持たないが、原子番号が低いために、金属の原子がプラズマに入っても影響は最小限に抑えられる。
【0044】
上記で「熱膨張係数」が使用される場合、これは、線熱膨張係数、面積熱膨張係数、又は体積熱膨張係数であり得ることが理解されるであろう。線熱膨張係数又は面積熱膨張係数が使用され、検討中の材料が等方性でない場合、領域の関連する直線方向又は平面は、中間層と各材料との接合部に局所的に平行である。
【0045】
特定の金属が上記で言及されている場合、これらの金属を主成分とする合金も使用することができる。
【0046】
銅に接合された高融点金属の特定の例が上記の数ヶ所で使用されているが、中間層は他の材料を接合するために使用できることが理解されるであろう。例えば、接合される材料が両方とも金属であってもよい。低熱膨張材料は、セラミック又は炭素繊維を含む複合材料であってもよい。高熱膨張材料は一般に金属であり、特にこの材料が冷却器のヒートシンクとして使用される高熱流束の用途では金属である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-12-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料と第2の材料とを接合する方法であって、前記第1の材料は金属、セラミック、又は炭素繊維を含む複合材料であり、前記第2の材料は金属であり、前記第1の材料は前記第2の材料の熱膨張係数(CTE)よりも高いCTEを有し、前記方法は、
中間層であって、中間層を通して変化するCTEを有し、高熱膨張表面と低熱膨張表面とを有する中間層を形成することと、
前記第1の材料を前記中間層の高熱膨張表面に接合し、前記第2の材料を前記中間層の低熱膨張表面に接合することと
を含み、
前記中間層のCTEは、その深さによって前記第1の材料のCTEと前記第2の材料のCTEとの間で変化し、
前記中間層は、それぞれの平均熱膨張係数(aCTE)が前記中間層の厚さの1/4にわたる平均熱膨張係数であるように定義された、第1のaCTE、第2のaCTE、第3のaCTE及び第4のaCTEを有し、
前記第1のaCTEは、前記高熱膨張表面から定められ、前記第1の材料のCTEよりも小さく、
前記第2のaCTEは、前記中間層の厚さの中間点から前記高熱膨張表面に向かって定められ、前記第1のaCTEよりも小さく、
前記第3のaCTEは、前記中間層の中間点から前記低熱膨張表面に向かって定められ、前記第2のaCTEよりも小さく、
前記第4のaCTEは、前記低熱膨張表面から定められ、前記第3のaCTEよりも小さく、前記第2の材料のCTEよりも大きく、
前記第1のaCTEと前記第2のaCTEとの差は前記第2のaCTEと前記第3のaCTEとの差よりも大きく、前記第2のaCTEと前記第3のaCTEとの差は前記第3のaCTEと前記第4のaCTEとの差よりも大きく、
前記中間層のある領域の平均CTEは、その領域内の各材料の体積分率によって重み付けされた、前記中間層内の各材料のCTEの加重平均を意味する、方法。
【請求項2】
前記中間層は、第1の中間層材料と第2の中間層材料とを含む複合材料であり、前記第1の中間層材料は、少なくとも前記第1の材料の熱膨張係数と等しい熱膨張係数を有し、前記第2の中間層材料は、多くとも前記第2の材料の熱膨張係数と等しい熱膨張係数を有する、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の中間層材料は前記第1の材料であり、前記第2の中間層材料は前記第2の材料である、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記中間層を形成することは、前記第1の中間層材料の粉体と前記第2の中間層材料の粉体とを粉末焼結することを含み、前記中間層の熱膨張係数は、前記第2の中間層材料の粉体の量に対する前記第1の中間層材料の粉体の量の比によって決まる、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記中間層を形成することは、
前記第1の中間層材料及び前記第2の中間層材料のそれぞれの複数の積層体を提供することと、
前記第1の中間層材料及び前記第2の中間層材料のそれぞれの交互の層を形成するように前記積層体を接合することと
を含み、各層は前記中間層に平行であり、前記中間層への所定の深さにおける熱膨張係数は、その深さにおける各中間層材料の層の厚さによって決まる、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記中間層は、前記第1の中間層材料から作られた第1の要素と、前記第2の中間層材料から作られた第2の要素とを含み、
前記要素は、前記中間層の断面における各中間層材料の割合が前記中間層材料を通して深さと共に変化するように連結し、
所定の深さにおける熱膨張係数は、その深さでの断面における各中間層材料の割合によって決まる、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の材料と前記第2の材料を前記中間層に接合することは、熱間等方圧加圧、拡散接合、及び/又は電場支援焼結を含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
任意の数Nに関して、前記中間層は、前記中間層の厚さに沿って定められるN個の領域の平均熱膨張係数aCTEを有し、各領域のaCTEは、前記中間層を通る各領域の深さの多項式関数として変化する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第1の材料と第2の材料とを接合するための中間層であって、前記第1の材料は金属、セラミック、又は炭素繊維を含む複合材料であり、前記第2の材料は金属であり、前記中間層は、前記中間層を通して変化する熱膨張係数CTEを有し、高熱膨張表面と低熱膨張表面とを有し、
前記中間層は、それぞれの平均熱膨張係数(aCTE)が前記中間層の厚さの1/4にわたる平均熱膨張係数であるように定義された、第1のaCTE、第2のaCTE、第3のaCTE及び第4のaCTEを有し、
第1のaCTEは、前記高熱膨張表面から定められ、
前記第2のaCTEは、前記中間層の厚さの中間点から前記高熱膨張表面に向かって定められ、前記第1のaCTEよりも小さく、
前記第3のaCTEは、前記中間層の中間点から前記低熱膨張表面に向かって定められ、前記第2のaCTEよりも小さく、
前記第4のaCTEは、前記低熱膨張表面から定められ、前記第3のaCTEよりも小さく、
前記第1のaCTEと前記第2のaCTEとの差は前記第2のaCTEと前記第3のaCTEとの差よりも大きく、前記第2のaCTEと前記第3のaCTEとの差は前記第3のaCTEと前記第4のaCTEとの差よりも大きく、
前記中間層のある領域の平均CTEは、その領域内の各材料の体積分率によって重み付けされた、前記中間層内の各材料のCTEの加重平均を意味する、中間層。
【請求項10】
前記中間層は、第1の中間層材料と第2の中間層材料とを含む複合材料であり、前記第1の中間層材料は、少なくとも前記第1の材料の熱膨張係数と等しい熱膨張係数を有し、前記第2の中間層材料は、多くとも前記第2の材料の熱膨張係数と等しい熱膨張係数を有する、請求項に記載の中間層。
【請求項11】
前記中間層を形成することは、前記第1の中間層材料の粉体と前記第2の中間層材料の粉体とを粉末焼結することを含み、前記中間層の熱膨張係数は、前記第2の中間層材料の粉体の量に対する前記第1の中間層材料の粉体の量の比によって決まる、請求項10に記載の中間層。
【請求項12】
前記中間層は、それぞれが前記第1の中間層材料と前記第2の中間層材料のうちの1つから成る交互の層を含み、各層は前記中間層に平行である、請求項10に記載の中間層。
【請求項13】
前記中間層は、前記第1の中間層材料から作られた第1の要素と、前記第2の中間層材料から作られた第2の要素とを含み、
前記要素は、前記中間層の断面における各中間層材料の割合が前記中間層材料を通して深さと共に変化するように連結し、
所定の深さにおける熱膨張係数は、その深さでの断面における各中間層材料の割合によって決まる、請求項10に記載の中間層。
【請求項14】
前記第1の中間層材料は前記第1の材料であり、前記第2の中間層材料は前記第2の材料である、請求項10に記載の中間層。
【請求項15】
任意の数Nに関して、前記中間層は、前記中間層の厚さに沿って定められるN個の領域の平均熱膨張係数aCTEを有し、各領域のaCTEは、前記中間層を通る各領域の深さの多項式関数として変化する、請求項10に記載の中間層。
【請求項16】
第1の熱膨張係数を有する第1の材料から形成された第1のコンポーネントと、
前記第1の熱膨張係数よりも低い第2の熱膨張係数を有する第2の材料から形成された第2のコンポーネントと、
前記第1のコンポーネントが前記中間層の高熱膨張表面に接合され、前記第2のコンポーネントが前記中間層の低熱膨張表面に接合される、請求項10に記載の中間層と
を含み、
前記第1の材料は金属、セラミック、又は炭素繊維を含む複合材料であり、前記第2の材料は金属であり、
前記中間層の熱膨張係数は、前記中間層全体にわたって前記第1の熱膨張係数と前記第2の熱膨張係数との間の値を有する、装置。
【請求項17】
前記装置は、トカマクプラズマチャンバのためのダイバータ又は第一壁面であり、前記ダイバータ又は第一壁面はプラズマ対向面と冷却装置とを含み、前記冷却装置はヒートシンクを含み、前記第1のコンポーネントは前記プラズマ対向面であり、前記第2のコンポーネントは前記ヒートシンクである、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の材料は、少なくとも1850℃の融点を有する高融点金属又は高融点金属を主成分とする合金であり、前記第2の材料は、銅又は銅を主成分とする合金である、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記高融点金属は、少なくとも2000℃の融点を有する、請求項18に記載の装置。
【国際調査報告】