IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スオーノ バイオ, インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-515663治療剤の送達のための摂取可能超音波デバイスを含有するシステム
<>
  • 特表-治療剤の送達のための摂取可能超音波デバイスを含有するシステム 図1
  • 特表-治療剤の送達のための摂取可能超音波デバイスを含有するシステム 図2
  • 特表-治療剤の送達のための摂取可能超音波デバイスを含有するシステム 図3
  • 特表-治療剤の送達のための摂取可能超音波デバイスを含有するシステム 図4
  • 特表-治療剤の送達のための摂取可能超音波デバイスを含有するシステム 図5
  • 特表-治療剤の送達のための摂取可能超音波デバイスを含有するシステム 図6
  • 特表-治療剤の送達のための摂取可能超音波デバイスを含有するシステム 図7
  • 特表-治療剤の送達のための摂取可能超音波デバイスを含有するシステム 図8
  • 特表-治療剤の送達のための摂取可能超音波デバイスを含有するシステム 図9
  • 特表-治療剤の送達のための摂取可能超音波デバイスを含有するシステム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】治療剤の送達のための摂取可能超音波デバイスを含有するシステム
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/07 20060101AFI20240403BHJP
   A61N 1/30 20060101ALI20240403BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20240403BHJP
   A61B 1/12 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A61J3/07 A
A61N1/30
A61B1/00 C
A61B1/00 611
A61B1/00 682
A61B1/00 683
A61B1/12 523
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563828
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 US2022024987
(87)【国際公開番号】W WO2022225805
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/176,643
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521148326
【氏名又は名称】スオーノ バイオ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ショールハマー, カール
(72)【発明者】
【氏名】ケロッグ, スコット
(72)【発明者】
【氏名】ファリーニャ, アルバート
【テーマコード(参考)】
4C047
4C053
4C161
【Fターム(参考)】
4C047AA29
4C047AA40
4C047CC16
4C047NN19
4C053HH01
4C161AA01
4C161AA04
4C161BB01
4C161FF16
4C161UU07
(57)【要約】
本発明は、治療剤を対象の胃腸管に送達する、GI管内での超音波仲介薬物送達のためのシステムおよびそれらのコンポーネントを提供する。本システムは、電源と、EMおよび非EMエネルギーを伝送するための電力エミッタとを含む、送信機を備える。電力送信機は、1つまたはそれを上回る容量、誘導、磁気共鳴、RF、または超音波エネルギーラジエータを備える。第2のコンポーネントは、送信機とは物理的に別個である、摂取可能カプセルである。摂取可能カプセルは、様々なコンポーネントを使用して、送信機からエネルギーを採取するように構成され得る。種々の実施形態では、摂取可能錠剤は、少なくとも1つのエネルギー採取コンポーネントと、超音波トランスデューサと、カプセル化または非カプセル化治療剤を含有する液体または粉末混合物を解放可能に保つリザーバまたはペイロードとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
摂取可能カプセルであって、
前記カプセルの外部の送信機から電磁信号を受信するように構成される誘導受信機コイルと、
前記誘導受信機に電気的に結合される超音波トランスデューサと、
治療剤を備える液体を解放可能に保つように構成されるリザーバと
を備え、
前記カプセルは、電源を備えていない、摂取可能カプセル。
【請求項2】
前記超音波トランスデューサは、前記リザーバに向かって超音波を伝達するように位置付けられる、請求項1に記載の摂取可能カプセル。
【請求項3】
前記超音波トランスデューサは、前記リザーバから離れるように超音波を伝達するように位置付けられる、請求項1に記載の摂取可能カプセル。
【請求項4】
前記カプセルは、前記誘導受信機コイルによって受信される電磁信号の周波数を改変するコンポーネントを備えていない、請求項1に記載の摂取可能カプセル。
【請求項5】
前記誘導受信機コイルおよび前記超音波トランスデューサに電気的に結合される変調器であって、前記変調器は、前記誘導受信機コイルによって受信される電磁信号の周波数を変調させるように構成される、変調器
をさらに備える、請求項1に記載の摂取可能カプセル。
【請求項6】
前記変調器は、前記誘導受信機コイルによって受信される前記電磁信号の周波数を増加させるように構成される乗算器である、請求項5に記載の摂取可能カプセル。
【請求項7】
前記変調器は、前記誘導受信機コイルによって受信される前記電磁信号の周波数を減少させるように構成される減衰器である、請求項5に記載の摂取可能カプセル。
【請求項8】
前記超音波トランスデューサは、約20kHz~約60kHzの周波数における超音波信号を生成するように構成される、請求項1に記載の摂取可能カプセル。
【請求項9】
前記カプセルの最長寸法は、約2.5cm以下である、請求項1に記載の摂取可能カプセル。
【請求項10】
前記誘導受信機に電気的に結合される整流器と、
前記整流器に電気的に結合され、前記リザーバと接触する電極と
をさらに備える、請求項1に記載の摂取可能カプセル。
【請求項11】
システムであって、
送信機であって、
電源と、
前記電源に電気的に結合される送信機コイルと
を備える、送信機と、
前記送信機とは物理的に別個である摂取可能カプセルであって、前記摂取可能カプセルは、
誘導受信機コイルであって、前記誘導受信機コイルは、前記送信機が、前記摂取可能カプセルと接触していないとき、前記送信機から電磁信号を受信するように構成される、誘導受信機コイルと、
前記誘導受信機に電気的に結合される超音波トランスデューサと、
治療剤を備える液体を解放可能に保つように構成されるリザーバと
を備える、摂取可能カプセルと
を備える、システム。
【請求項12】
前記電源は、アクティブ化されると、約3.2VDC~約32VDCのDC電圧を生成する、請求項11に記載の送信機。
【請求項13】
前記送信機はさらに、
前記電源の下流かつ前記送信機コイルの上流のDC/DCコンバータ
を備え、
前記電源がアクティブ化されると、前記DC/DCコンバータは、前記電源によって生成された電圧を約16VDCから約160VDCに増加させる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記DC/DCコンバータは、介在コンポーネントを伴わずに、前記送信機コイルに直接接続される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記送信機はさらに、
前記DC/DCコンバータの下流の電圧制御発振器と、
前記DC/DCコンバータの下流のFETドライバと、
前記FETドライバの下流のFETトランジスタネットワークと、
前記FETドライバの下流のコンデンサと、
前記FETトランジスタの下流の抵抗器と
を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記送信機は、人物の手に保持されるように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記送信機は、ウェアラブル衣類を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記電源は、再充電可能である、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記送信機は、
ユーザから入力を受信するように構成されるユーザインターフェースと、
ディスプレイと
のうちの少なくとも1つを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記送信機は、前記システムの外部のデバイスと通信するように構成されるマイクロプロセッサを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項21】
治療剤を対象の胃腸組織に投与する方法であって、前記方法は、
電源を備えていない摂取可能カプセルを対象に経口投与することであって、前記カプセルは、
誘導受信機コイルと、
前記誘導受信機に電気的に結合される超音波トランスデューサと、
治療剤を備える液体を備えるリザーバと
を備える、ことと、
前記対象の外部の送信機を介して、電磁信号を前記摂取可能カプセルに伝送し、前記超音波トランスデューサが、超音波信号を発生させることを可能にし、それによって、前記治療剤を前記リザーバから前記対象の胃腸組織の中に送達することと
を含む、方法。
【請求項22】
前記送信機は、
電源と、
前記電源に電気的に結合される送信機コイルと、
を備え、
前記電磁信号は、前記送信機コイルから前記誘導受信機コイルに伝送される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記摂取可能カプセルはさらに、
前記誘導受信機に電気的に結合される整流器と、
前記整流器に電気的に結合され、前記リザーバと接触する電極と
を備える、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記電磁信号の伝送は、前記リザーバから前記胃腸組織の中への前記治療剤の移動を助長する電気信号を前記液体中で発生させる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記電気信号は、DC信号またはDCパルス列である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記電気信号は、イオン泳動または電気穿孔によって前記治療剤の移動を助長する、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記送信機は、前記摂取可能カプセルを前記対象の胃腸組織に隣接して位置付ける磁場を発生させる、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記電磁信号の周波数は、前記超音波信号の周波数にほぼ等しい、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記電磁信号の周波数は、前記超音波信号の周波数に等しくない、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記超音波信号は、約20kHz~約60kHzの周波数を有する、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2021年4月19日に出願された、米国仮出願第63/176,643号の優先権および利益を主張する。
【0002】
本発明は、概して、内部組織への薬品の超音波送達のためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
薬物送達の最も一般的なルートは、経口投与である。多くの薬物は、胃腸(GI)管内で容易に吸収されることができ、したがって、経口投与は、それらが血液に迅速に進入し、全身的に循環することを可能にする。加えて、経口投与は、便宜的であり、低侵襲性である。
【0004】
それにもかかわらず、経口投与は、全ての薬物のために好適であるわけではない。いくつかの薬物に関して、GI管の酸性条件および激しい消化酵素は、これがその標的組織に到達し得る前に、有効活性成分(API)を劣化させる、または不活性化する。概して、大きい高分子から成る、生物学的製剤(「生物製剤」)等の他の治療剤は、GI管内で不良に吸収される。吸収はまた、患者が、GI管を通した薬物の通過の持続時間を最小限にする、下痢を有する場合、限定され得る。
【0005】
摂取可能超音波薬物送達デバイスが、GI管を介してある薬物を送達することの困難を克服するために開発されている。そのようなデバイスは、超音波トランスデューサと、薬物を貯蔵するリザーバと、トランスデューサを駆動する、バッテリおよび駆動回路網等の電源とを含む。しかしながら、これらの完全に内蔵型のデバイスの有用性は、技術的障害の異なるセットによって限定される。例えば、デバイスは、これが容易に嚥下され得るほど十分に小さくなければならないが、薬物、トランスデューサ、駆動回路網、およびバッテリを収容するために十分に大きくなければならない。これらの因子は、一体化された摂取可能超音波薬物送達デバイスによって送達され得る薬物の量を制約する。別の考慮事項は、バッテリが、これが組織と電気接触する場合、内部組織を深刻に損傷させ得ることである。したがって、デバイスは、バッテリを電気的に絶縁するための材料を含有しなければならず、これは、デバイスのサイズおよび薬物装填容量をさらに制限する。その結果、これらの因子は、摂取可能超音波デバイスを介した薬物送達の治療潜在性を大きく限定している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、超音波トランスデューサと、無線電力/エネルギーと、転送/ハーベスタ(WPTH)デバイスと、薬物ペイロードまたは薬物リザーバとを含む、摂取可能カプセルと、遠隔で摂取可能カプセルデバイスを制御する、またはそれに給電し得る、別個の電力/エネルギー送信機とを備え得る、システムを提供する。使用の間、摂取可能カプセルは、対象の胃腸(GI)管内に位置付けられる一方、送信機は、対象の身体の外部に留まる。超音波トランスデューサが、電源を含め、送信機とは別個であるシステムの設計は、嚥下されなければならない形状因子においてバッテリおよび駆動回路網を含む必要性を不要にする。その結果、本システムは、摂取可能カプセルデバイスが、従来の内蔵型摂取可能超音波デバイスよりも小さくなる、および/またはそれよりも大きい薬物ペイロードを有することを可能にする。加えて、2コンポーネントシステムは、人物のGI管を通したバッテリ含有デバイスの通過と関連付けられるリスクを排除する。
【0007】
本開示のある側面は、GI管内での標的化または局所化された超音波仲介薬物送達のための摂取可能カプセル薬物送達システムを含んでもよい。種々の実施形態では、摂取可能カプセルは、1つまたはそれを上回る無線エネルギーハーベスタと、アンテナと、インピーダンス合致ネットワークと、整流器と、電圧乗算器と、充電コントローラと、エネルギー貯蔵デバイスと、超音波トランスデューサドライバと、超音波トランスデューサと、薬物担体/リザーバと、少なくとも1つの治療剤を含有する、少なくとも1つの薬物ペイロードとを備えてもよい。種々の実施形態では、無線エネルギーハーベスタは、無線電力転送(WPT)またはエネルギー採取のための1つまたはそれを上回るコンポーネントを備えることができる。種々の実施形態では、WPTは、限定ではないが、容量結合、磁気共鳴、誘導結合、誘導エネルギー転送、中間場放射性/非放射性、および放射性遠方場を含む、電磁(EM)方法を備えてもよい。種々の実施形態では、WPTは、非EM方法、好ましくは、US振動を電気エネルギーまたは電力に変換するために圧電構造を使用する、音響または超音波(US)を備えることができる。種々の実施形態では、限定ではないが、カプセルのエネルギーハーベスタのうちの少なくとも1つへのエネルギー転送、データ伝送、薬物担体またはリザーバのアクティブ化、薬物ペイロードのアクティブ化、治療剤のアクティブ化、またはGI管内のカプセルの局所外部環境の改変を含む、1つまたはそれを上回る摂取可能カプセルの機能は、外部電力/エネルギー送信機によって制御されてもよい。アクティブ化は、容量、誘導結合、誘導転送、磁気共鳴、EM放射、または超音波エネルギーの形態であってもよい。
【0008】
本開示の側面は、カプセルの外部の送信機からEM波、エネルギー、または信号を受信するように構成される、少なくとも1つの誘導受信機コイルと、誘導受信機に電気的に結合される、超音波トランスデューサと、治療剤を備える液体を解放可能に保つように構成される、リザーバとを備える、摂取可能カプセルを含んでもよい。摂取可能カプセルは、電源を含まない。ある側面では、リザーバは、少なくとも1つの非カプセル化またはカプセル化治療剤を解放可能に保つように構成されてもよい。
【0009】
本開示の側面は、カプセルの外部の送信機からEM波、エネルギー、または信号を受信するように構成される、1つまたはそれを上回る誘導受信機コイルと、誘導受信機に電気的に結合される、超音波トランスデューサと、非カプセル化またはカプセル化治療剤を備える液体を解放可能に保つように構成される、リザーバとを含む、摂取可能カプセルを備えてもよい。種々の実施形態では、電気結合は、1つまたはそれを上回るアンテナ、同調回路、AC/DC電圧コンバータ、電圧調整器、またはそれらの組み合わせを含むことができる。種々の実施形態では、該送信機は、1つまたはそれを上回るアンテナ、コイル、同調回路、AC/DCコンバータ、およびそれらの組み合わせを備えてもよい。種々の実施形態では、送信機は、人物によって装着される、近接する、または遠い場所に設置されてもよい。摂取可能カプセル薬物送達システムは、好ましくは、高い効率および安定性を伴って電力を転送するように設計される。
【0010】
本発明の側面は、アンテナを含有する、無線周波数(RF)送信機と、RFエネルギーハーベスタを含有する、摂取可能カプセルとを備える、摂取可能カプセル薬物送達システムを含んでもよい。種々の実施形態では、RFエネルギーハーベスタは、RF受信アンテナと、インピーダンス合致ネットワーク回路と、RF/DCコンバータと、エネルギー貯蔵デバイスとを備えることができる。種々の実施形態では、エネルギー貯蔵デバイスは、超音波トランスデューサドライバまたは負荷のための電力を提供することができる。種々の実施形態では、カプセルのRF受信アンテナは、等方性または指向性アンテナを備えてもよい。種々の実施形態では、インピーダンス合致ネットワークは、受信アンテナから整流器回路への電力転送を最大限にするように調整されてもよい。いくつかの実施形態では、RF受信アンテナは、着信するEM波をDC電流に整流する、レクテナ(整流アンテナ)であってもよい。
【0011】
本開示のある側面は、圧電トランスデューサエネルギーハーベスタを含有する、摂取可能カプセルと併せて動作する、圧電超音波トランスデューサを含有する、外部送信機を備える、摂取可能カプセル薬物送達システムを含んでもよい。種々の実施形態では、外部送信機は、電圧源と、マイクロコントローラと、1つまたはそれを上回る抵抗器と、1つまたはそれを上回るトランジスタと、圧電トランスデューサまたは圧電トランスデューサのアレイを駆動するための増幅器とを備えることができる。種々の実施形態では、圧電トランスデューサエネルギーハーベスタはさらに、カプセル内の超音波トランスデューサドライバまたは負荷に給電するために、AC出力電圧をDC電圧に変換するための電力調整回路を備えることができる。種々の実施形態では、送信機は、限定ではないが、厚み振動、半径方向振動、横方向振動、撓み振動、同等物、またはそれらの組み合わせを含む、1つまたはそれを上回るモードにおいて動作するように構成される、1つまたはそれを上回る圧電トランスデューサを含有してもよい。好ましい実施形態では、伝送圧電トランスデューサは、高い効率および安定性を伴って電力を転送するために、厚み振動モードにおいて動作するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、外部送信機は、表面において、または摂取可能カプセル内に非集束または集束超音波を生成するための圧電トランスデューサを備える。別の代替実施形態では、外部送信機は、拡散または集束超音波をGI管内の摂取可能カプセルに送達するために、n個の要素から構成される圧電トランスデューサアレイを備える。種々の実施形態では、超音波トランスデューサは、摂取可能カプセルのリザーバに対して特定の方向に超音波を伝達するように位置付けられてもよい。超音波トランスデューサは、リザーバに向かって超音波を伝達するように位置付けられてもよい。超音波トランスデューサは、リザーバから離れるように超音波を伝達するように位置付けられることができる。超音波トランスデューサは、リザーバを通して無指向性超音波を生成するように位置付けられてもよい。リザーバは、治療剤またはカプセル化治療剤を備える液体を解放可能に保つように構成されることができる。
【0012】
本発明の側面は、該誘導受信機コイルによって受信される電磁信号の周波数を変調させる変調器を含有する、摂取可能カプセルを含んでもよい。変調器は、誘導受信機コイルおよびトランスデューサに電気的に結合されてもよい。変調器は、誘導受信機コイルによって受信される電磁信号の周波数を増加させる、乗算器であってもよい。変調器は、誘導受信機コイルによって受信される電磁信号の周波数を減少させる、減衰器であってもよい。摂取可能カプセルは、誘導受信機コイルによって受信される電磁信号の周波数を改変するコンポーネントを含有してもよい。
【0013】
摂取可能カプセルの超音波トランスデューサは、定義された周波数を伴う、または定義された周波数範囲内の超音波信号を生成してもよい。超音波トランスデューサは、約10kHz~約10MHz、約10kHz~約1MHz、約10kHz~約100kHz、約20kHz~約80kHz、約20kHz~約60kHz、または約30kHz~約50kHzの超音波信号を生成してもよい。超音波トランスデューサは、100kHz未満、80kHz未満、60kHz未満、または50kHz未満の超音波信号を生成してもよい。超音波トランスデューサは、約20kHz、約25kHz、約30kHz、約35kHz、約40kHz、約45kHz、約50kHz、約55kHz、または約60kHzの超音波信号を生成してもよい。
【0014】
摂取可能カプセルは、定義されたサイズ、長さ、または体積を有してもよい。摂取可能カプセルは、約3.0cm、約2.75cm、約2.5cm、約2.25cm、約2.0cm、約1.75cm、または約1.5cm未満の最長寸法を有してもよい。摂取可能カプセルは、約1.2cm、約1.1cm、約1.0cm、約0.9cm、または約0.8cm未満の横方向寸法を有してもよい。
【0015】
摂取可能カプセルは、付加的コンポーネントを含んでもよい。摂取可能カプセルは、誘導受信機に電気的に結合される、整流器を含んでもよい。摂取可能カプセルは、整流器に電気的に結合され、薬物ペイロードまたはリザーバと接触する、電極を含んでもよい。
【0016】
ある側面では、本発明は、誘導送信機と、送信機とは物理的に別個である摂取可能カプセルとを含む、システムを提供してもよい。送信機は、電源と、電源に電気的に結合される、送信機コイルとを含むことができる。ある実施形態では、送信機コイルは、ヘルムホルツコイルを備えることができる。いくつかの実施形態では、送信機コイルは、ソレノイドコイルを備えてもよい。摂取可能カプセルは、送信機が、摂取可能カプセルと接触していないとき、送信機から電磁信号またはエネルギーを受信するように構成される、少なくとも1つの誘導受信機コイルと、誘導受信機に電気的に結合される、超音波トランスデューサと、治療剤またはカプセル化治療剤を備える液体を解放可能に保つように構成される、リザーバとを含むことができる。種々の実施形態では、電源は、バッテリであってもよい。電源は、定義された範囲内のDC電圧を生成してもよい。電源は、約1.6VDC~約64VDC、約3.2VDC~約64VDC、約6.4VDC~約32VDC、約1.6VDC~約32VDC、約3.2VDC~約32VDC、約6.4VDC~約32VDC、約1.6VDC~約16VDC、約3.2VDC~約16VDC、または約6.4VDC~約16VDCのDC電圧を生成してもよい。
【0017】
種々の側面では、誘導送信機は、電源の下流かつ送信機コイルの上流のDC/DCコンバータを含んでもよい。DC/DCコンバータは、電源によって生成された電圧を定義された範囲内の電圧に増加させてもよい。DC/DCコンバータは、電源によって生成された電圧を約8VDCから約80VDCに、約16VDCから約160VDCに、約32VDCから約320VDCに、約8VDCから約80VDCに、約16VDCから約160VDCに、約32VDCから約320VDCに、約8VDCから約80VDCに、約16VDCから約160VDCに、または約32VDCから約320VDCに増加させてもよい。DC/DCコンバータは、介在コンポーネントを伴わずに、送信機コイルに直接接続されてもよい。送信機は、1つまたはそれを上回る付加的コンポーネントを含んでもよい。トランスデューサは、1つまたはそれを上回る電圧制御発振器と、FETドライバと、FETトランジスタと、コンデンサと、インダクタと、抵抗器と、ユーザから入力を受信するように構成される、ユーザインターフェースと、ディスプレイと、マイクロプロセッサとを含んでもよい。送信機は、人物の手に保持されるように構成されてもよい。送信機は、ウェアラブル衣類を含む、またはその一部であってもよい。送信機は、人物を囲繞する、または人物にエネルギーを暴露するように構成される、正方形、円形、円筒形骨組構造を含む、またはその一部であってもよい。送信機は、人物がその体積内に部分的または全体的に進入することを可能にするように構成される、正方形、円形、円筒形骨組構造を含む、またはその一部であってもよい。電源は、再充電可能であってもよい。
【0018】
本発明の側面は、上記に説明されるように、誘導受信機コイルによって受信される電磁信号の周波数を変調させる変調器を含有し得る、摂取可能カプセルを含んでもよい、またはこれは、誘導受信機コイルによって受信される電磁信号の周波数を改変するコンポーネントが欠如してもよい。摂取可能カプセルにおいて、超音波トランスデューサは、上記に説明されるように、定義された周波数範囲内の超音波信号を生成してもよい。摂取可能カプセルは、上記に説明されるように、定義されたサイズまたは長さを有してもよい。摂取可能カプセルは、上記に説明されるもののうちのいずれか等の付加的コンポーネントを含んでもよい。
【0019】
いくつかの側面では、本発明の方法は、電源を含まないが、少なくとも1つの誘導受信機コイルと、誘導受信機に電気的に結合される、超音波トランスデューサと、治療剤を備える液体または粉末混合物を備える、リザーバとを含む、摂取可能カプセルを対象に経口投与することによって、治療剤を対象の胃腸組織に投与することと、対象の外部の送信機を介して、電磁信号を摂取可能カプセルに伝送し、超音波トランスデューサが、超音波信号または超音波エネルギーを発生させることを可能にし、それによって、治療剤をリザーバから対象の胃腸組織の中に送達することとを含んでもよい。送信機は、電源および電源に電気的に結合される送信機コイル等の上記に説明されるコンポーネントのうちのいずれかを含んでもよい。電磁信号は、送信機コイルから誘導受信機コイルに伝送されてもよい。摂取可能カプセルは、誘導受信機に電気的に結合される整流器および整流器に電気的に結合され、リザーバと接触する電極等の上記に説明されるコンポーネントのうちのいずれかを含んでもよい。電磁信号の伝送は、リザーバから胃腸組織の中への治療剤の移動を助長する、電気信号を液体中で発生させてもよい。電気信号は、DC信号またはDCパルス列であってもよい。電気信号は、イオン泳動、電気泳動、電気穿孔、ソノポレーション、磁気ソノポレーション、または超音波キャビテーションによって治療剤の移動を助長してもよい。
【0020】
ある実施形態では、外部送信機は、摂取可能カプセルを対象の胃腸組織に隣接して位置付ける、磁場、磁束、磁場勾配、または磁力を発生させてもよい。種々の実施形態では、送信機は、リザーバからGI組織の中への治療剤の放出をアクティブ化する、交流(AC)磁場を発生させてもよい。電磁信号の周波数は、超音波信号の周波数にほぼ等しくてもよい。電磁信号の周波数は、超音波信号の周波数に等しくない場合がある。超音波信号は、上記に説明されるもののうちのいずれか等の定義された周波数または定義された周波数範囲を有してもよい。代替実施形態では、摂取可能カプセルは、磁性コンポーネントを備える。磁性コンポーネントは、反磁性、常磁性、超常磁性、磁性、または強磁性微粒子またはナノ粒子を含んでもよい。種々の実施形態では、1つまたはそれを上回る永久磁石が、GI管の具体的場所に摂取可能カプセルを引き寄せるために、対象を中心として位置付けられてもよい。
【0021】
種々の側面では、本発明の方法は、電源を含まないが、超音波エネルギーを採取するための少なくとも1つの圧電トランスデューサと、該超音波エネルギーハーベスタに電気的に結合される、超音波トランスデューサと、治療剤を備える液体を備える、リザーバとを含む、摂取可能カプセルを対象に経口投与することによって、治療剤を対象の胃腸組織に投与することと、対象の外部の送信機を介して、超音波を摂取可能カプセルに伝送し、超音波トランスデューサを駆動するための電力を提供し、超音波信号を発生させ、それによって、治療剤をリザーバから対象の胃腸組織の中に送達することとを含むことができる。
【0022】
本発明の側面は、電源を含まないが、超音波エネルギーを採取するための少なくとも1つの圧電トランスデューサと、EMエネルギーを採取するための少なくとも1つの誘導コイルと、該超音波およびEMエネルギーハーベスタに電気的に結合される、超音波トランスデューサと、治療剤またはカプセル化治療剤を備える液体を備える、リザーバとを含む、摂取可能カプセルを対象に経口投与することによって、治療剤を対象の胃腸組織に投与し、対象の外部の送信機を介して、EMおよび超音波を摂取可能カプセルに伝送し、超音波トランスデューサを駆動するための電力を提供し、超音波信号または超音波エネルギーを発生させ、それによって、治療剤をリザーバから対象の胃腸組織の中に送達する方法を含んでもよい。
【0023】
ある側面では、方法は、電源を含まないが、超音波トランスデューサへの電気接続を提供する、少なくとも1つの繋留ワイヤと、治療剤またはカプセル化治療剤を備える液体を備える、リザーバとを含む、摂取可能カプセルを対象に経口投与することによって、治療剤を対象の胃腸組織に投与することと、対象の外部の送信機を介して、電気を摂取可能カプセルに伝送し、超音波トランスデューサを駆動するための電力を提供し、超音波信号を発生させ、それによって、治療剤をリザーバから対象の胃腸組織の中に送達することとを含んでもよい。種々の実施形態では、トランスデューサは、少なくとも1つの指向性、平面、球状、半球状、または無指向性トランスデューサを備える。
【0024】
いくつかの側面では、方法は、摂取可能カプセルを対象に経口投与することによって、治療剤を対象の胃腸組織に投与することを含むことができる。種々の実施形態では、治療剤は、限定ではないが、マイクロバブル、ナノバブル、ナノ液滴、ナノエマルション、ナノファイバ、ベシクル、ミセル、またはヒドロゲル球体またはコーティングを含む、少なくとも1つのpH、熱、電気、磁気、電磁波、触媒、圧電触媒、または超音波応答性ポリマー担体中にカプセル化される。種々の実施形態では、摂取可能カプセルは、少なくとも1つのpH、熱、電気、磁気、電磁波、または超音波応答性ポリマー担体中にカプセル化された少なくとも1つの治療剤を含有する、1つまたはそれを上回るペイロードまたはリザーバを備える。種々の実施形態では、摂取可能カプセルは、少なくとも1つのpH、熱、電気、磁気、電磁波、触媒、圧電触媒、または超音波応答性ポリマー担体中にカプセル化された少なくとも1つの治療剤を含有する、1つまたはそれを上回るリザーバまたはペイロードを備えてもよい。種々の実施形態では、摂取可能カプセルは、少なくとも1つの内面または外面上にコーティングまたは足場を含み、該コーティングまたは足場は、少なくとも1つのpH、熱、電気、磁気、電磁波、触媒、圧電触媒、または超音波応答性ポリマー担体中にカプセル化された少なくとも1つの治療剤を含有することができる。種々の実施形態では、摂取可能カプセルは、少なくとも1つのAC磁場に暴露されると、カプセル化または非カプセル化治療剤を含有するそのペイロードを放出し得る、制御されたアーキテクチャを伴う酸化鉄粒子ベースの生体適合性ゲルを含有してもよい。
【0025】
本発明の側面は、摂取可能カプセルをGIの少なくとも1つの具体的場所に輸送することによって、治療剤を対象の胃腸組織に投与する方法を含んでもよく、カプセル化または非カプセル化治療剤を含有するペイロードは、ペイロードまたはリザーバから対象の胃腸組織の中への該薬品の制御放出、拍動性、非拍動性、間欠性、デジタル、または連続的局所または標的化送達のために、カプセル内の超音波トランスデューサによってアクティブ化される。種々の実施形態では、摂取可能カプセルは、対象または人物によって嚥下されることができ、カプセル化または非カプセル化治療剤を含有するペイロードまたはリザーバは、該リザーバまたはペイロードから対象の胃腸組織の中への制御放出、拍動性、非拍動性、間欠性、デジタル、または連続的局所または標的化送達のために、カプセル、カプセルペイロード、またはカプセルリザーバに超音波エネルギーを暴露する、対象の外部の超音波トランスデューサによってアクティブ化される。種々の実施形態では、超音波トランスデューサは、カプセルを位置特定し、操作し、回転させ、位置付け、または輸送し、超音波エネルギーをカプセルの表面、エネルギー採取トランスデューサ、エネルギー生成トランスデューサ、ペイロード、またはカプセル内のリザーバのうちの少なくとも1つに伝送するために使用される、高周波数撮像トランスデューサであってもよい。種々の実施形態では、超音波トランスデューサは、超音波を集束させ、カプセルを位置特定し、操作し、回転させ、位置付け、または輸送し、超音波エネルギーをカプセルの表面、エネルギー採取トランスデューサ、エネルギー生成トランスデューサ、ペイロード、またはカプセル内のリザーバのうちの少なくとも1つに伝送するために使用される、容量アレイトランスデューサであり得る。種々の実施形態では、超音波トランスデューサは、超音波を集束させ、カプセルを位置特定し、操作し、回転させ、位置付け、または輸送し、超音波エネルギーをカプセルの表面、エネルギー採取トランスデューサ、エネルギー生成トランスデューサ、ペイロード、またはカプセル内のリザーバのうちの少なくとも1つに伝送するために使用される、容量アレイトランスデューサであってもよい。種々の実施形態では、超音波トランスデューサは、カプセルを位置特定し、操作し、回転させ、位置付け、または輸送し、超音波エネルギーをカプセルの内面または外面、エネルギー採取トランスデューサ、エネルギー生成トランスデューサ、ペイロード、またはカプセル内のリザーバのうちの少なくとも1つに伝送するために使用される、高周波数位相アレイトランスデューサであり得る。種々の実施形態では、超音波トランスデューサは、第1に、非限定的エネルギー集束/脱集束または周波数掃引方法を使用して、摂取可能カプセルを操作し、第2に、カプセルのペイロードまたはリザーバまたは少なくとも1つのカプセル化または非カプセル化治療剤を含有するペイロードを破裂させるために超音波エネルギーを送達し、第3に、超音波エネルギーを用いて放出された治療剤を分散させるように構成される、高周波数位相アレイトランスデューサであってもよい。いくつかの実施形態では、摂取可能カプセルは、GI管の具体的場所に輸送されることができ、カプセル化または非カプセル化治療剤を含有するペイロードまたはリザーバは、ペイロードまたはリザーバから対象の胃腸組織の中への制御放出、拍動性、非拍動性、間欠性、デジタル、または連続的局所または標的化送達のために、カプセルの外部または内部に位置する、外部または内部pH、熱、電気、磁気、電磁波、触媒、または圧電触媒源によってアクティブ化されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、ある実施形態による、摂取可能超音波カプセルを図示する。
【0027】
図2図2は、ある実施形態による、誘導送信機を図示する。
【0028】
図3図3は、ある実施形態による、ウェアラブル送信機-受信機超音波仲介薬物送達システムを図示する。
【0029】
図4図4は、ある実施形態による、磁場電力受信機3次元アンテナの構造の絵図である。
【0030】
図5図5は、ある実施形態による、源電極を備える、摂取可能超音波カプセルを図示する。
【0031】
図6図6は、ある実施形態による、磁場生成器コイルを備える、摂取可能超音波カプセルを図示する。
【0032】
図7図7は、ある実施形態による、RF給電摂取可能カプセル超音波仲介薬物送達システムの略図である。
【0033】
図8図8は、ある実施形態による、整流器と、周波数乗算器とを備える、超音波エネルギー給電摂取可能カプセル薬物送達システムの略図である。
【0034】
図9図9は、ある実施形態による、電力ハーベスタを備える、超音波エネルギー給電摂取可能カプセル薬物送達システムの略図である。
【0035】
図10図10は、ある実施形態による、摂取可能カプセル超音波アクティブ化薬物送達システムの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
詳細な説明
超音波システムおよびそのコンポーネント
本発明の種々の実施形態は、対象のGI管内での超音波仲介薬物送達のためのシステムおよびそれらのコンポーネントを提供することができる。本システムは、電源と、EMおよび/または非EMエネルギーを伝送するための電力エミッタとを含む、送信機を備えることができる。電力送信機は、1つまたはそれを上回る容量、誘導、磁気共鳴、RF、または超音波エネルギーラジエータを備えてもよい。第2のコンポーネントは、送信機とは物理的に別個である、摂取可能カプセルを含んでもよい。摂取可能カプセルは、様々なコンポーネントを使用して、送信機からエネルギーを採取するように構成されてもよい。種々の実施形態では、摂取可能錠剤は、少なくとも1つのエネルギー採取コンポーネントと、超音波トランスデューサと、カプセル化または非カプセル化治療剤を含有する液体または粉末混合物を解放可能に保つ、リザーバまたはペイロードとを備えることができる。使用されるとき、摂取可能カプセルは、対象の胃腸(GI)管に進入する一方、送信機は、対象の身体の外部に留まる。エネルギー採取コンポーネントは、カプセルの小型化を可能にする。したがって、カプセルは、容易に嚥下されるために十分に小さいが、治療的に有効な用量を標的化組織に直接送達するために十分な薬物を保持するための容量を有する。
【0037】
ここで図1を参照すると、種々の実施形態による、摂取可能超音波カプセルの絵図100が、示される。種々の実施形態では、摂取可能カプセル102は、1つまたはそれを上回る誘導受信機コイル104、106、108と、超音波生成トランスデューサ110と、治療化合物を含有する液体を保持するためのリザーバ112とを含有する。種々の実施形態では、受信機コイル104、106、108は、別のものに対して様々な角度において各コイルの縦方向軸を伴って構成される。好ましい実施形態では、受信機コイル104、106、108は、カプセルの配向から独立して誘導エネルギーを受信するために、相互に垂直または直交する各コイルの縦方向軸を伴って構成される。例えば、受信機コイル104は、デカルト座標のx方向において縦方向軸を伴って構成される。受信機コイル106は、デカルト座標のy方向において縦方向軸を伴って構成され、受信機コイル108は、デカルト座標のz方向において縦方向軸を伴って構成される。種々の実施形態では、受信機コイル104、106、108、好ましくは、リッツワイヤは、電力転送を増加させるために、フェライトコア(例えば、3F4フェライト)上に巻回される。好ましい実施形態では、受信電力を最大限にするために、受信機コイル104、106、108は、具体的搬送波周波数(例えば、1MHz)において共振するように調整される。それらの個々の寄与は、脱位相問題を回避するために、整流後に追加される。種々の実施形態では、受信機コイル104、106、108は、0.1~0.5mmの非限定的な直径、1~10mmの非限定的な半径、および1~10mmの長さを伴うコイルを備える。種々の実施形態では、受信機コイル104、106、108は、20~50の巻数の非限定的な巻線数、0.25~1.0cmの非限定的な体積、0.5~5.0グラムの非限定的な重量、10~100μHの非限定的なインダクタンス、および20~50の非限定的なQ@1MHzを伴うコイルを備える。種々の実施形態では、リザーバ112は、治療化合物がリザーバ112から退出し、対象の組織に進入することを可能にする、1つまたはそれを上回る開口部114を含有してもよい。トランスデューサ110は、超音波を、リザーバ112に向かって、リザーバ112から離れるように、カプセル102から半径方向に、かつリザーバ112に直交して、またはトランスデューサ110とリザーバ112との間の軸に対して任意の角度において指向するように配向されてもよい。トランスデューサ110からの超音波がリザーバ112に向かって指向される実施形態では、超音波エネルギーは、リザーバ112から組織への治療剤の移送を促進する。トランスデューサ110からの超音波がリザーバから離れるように指向される実施形態では、カプセル化または非カプセル化治療剤116は、受動拡散によって組織に近接してリザーバ112から退出してもよく、超音波エネルギーは、組織の中への薬品116の進入を促進するために、組織を前処理および/または後処理するために使用されてもよい。
【0038】
トランスデューサ110は、GI管の組織の中への治療剤116の進入を助長するために最適な周波数において超音波エネルギーを送達する。超音波トランスデューサ110は、約10kHz~約10MHz、約10kHz~約1MHz、約10kHz~約100kHz、約20kHz~約80kHz、約20kHz~約60kHz、または約30kHz~約50kHzの超音波信号を生成してもよい。超音波トランスデューサ110は、100kHz未満、80kHz未満、60kHz未満、または50kHz未満の超音波信号を生成してもよい。超音波トランスデューサ110は、約20kHz、約25kHz、約30kHz、約35kHz、約40kHz、約45kHz、約50kHz、約55kHz、または約60kHzの超音波信号を生成してもよい。
【0039】
摂取可能カプセル102の設計は、トランスデューサ110が、所望の電力、周波数、デューティサイクル、または強度において超音波エネルギーを生成することを可能にする。いくつかの実施形態では、外部送信機によって発生され、誘導受信機104、106、または108によって受信される電磁信号の周波数は、超音波トランスデューサ110の動作周波数と同一である。そのような実施形態は、直流(DC)電源に由来する超音波電気駆動信号を生成するためのカプセル内の付加的回路網に関する必要性を軽減する。他の実施形態では、カプセル102は、最適なトランスデューサ周波数を生成するために、受信電気信号の周波数を変調させるコンポーネントを含有する。例えば、限定ではないが、2ダイオード奇数次周波数乗算器が、誘導受信機コイル104、106、または108における20kHz受信信号を超音波駆動トランスデューサ112に提供される60kHz信号に変換するために使用されてもよい。代替として、減衰器が、所望の伝達周波数を達成するために、受信周波数を低減させるために使用されてもよい。いずれのシナリオでも、変調器は、カプセル内の電気回路において誘導受信機コイル104、106、または108と超音波トランスデューサ112との間に設置される。
【0040】
種々の実施形態では、摂取可能カプセル102は、定義されたサイズ、長さ、または体積を有してもよい。例えば、限定ではないが、摂取可能カプセル102は、約3.0cm、約2.75cm、約2.5cm、約2.25cm、約2.0cm、約1.75cm、または約1.5cm未満の最長寸法を有してもよい。摂取可能カプセル102は、約1.2cm、約1.1cm、約1.0cm、約0.9cm、約0.8cm、約0.7cm、約0.6cm、または約0.5cm未満の横方向寸法を有してもよい。摂取可能カプセル102は、約1.2cm、約1.1cm、約1.0cm、約0.9cm、約0.8cm、約0.7cm、約0.6cm、または約0.5cm未満の半径方向寸法を有してもよい。
【0041】
ここで図2を参照すると、種々の実施形態による、誘導送信機の絵図200が、示される。送信機202は、送信機コイル204に電気的に結合される、電源204を含む。いくつかの実施形態では、電源204は、バッテリまたはバッテリパックである。バッテリまたはバッテリパックは、再充電可能であってもよい。電源204は、定義された範囲内のDC電圧を生成してもよい。例えば、限定ではないが、電源は、約1.6VDC~約64VDC、約3.2VDC~約64VDC、約6.4VDC~約32VDC、約1.6VDC~約32VDC、約3.2VDC~約32VDC、約6.4VDC~約32VDC、約1.6VDC~約16VDC、約3.2VDC~約16VDC、または約6.4VDC~約16VDCのDC電圧を生成してもよい。
【0042】
種々の実施形態では、送信機202は、電源204と送信機コイル206との間にDC/DCコンバータ208を含有してもよい。例えば、DC/DCコンバータ208は、昇降圧DC/DCコンバータであってもよい。DC/DCコンバータ208は、電圧を定義された範囲に増加させてもよい。例えば、限定ではないが、DC/DCコンバータ208は、電源204によって生成された電圧を約8VDCから約80VDCに、約16VDCから約160VDCに、約32VDCから約320VDCに、約8VDCから約80VDCに、約16VDCから約160VDCに、約32VDCから約320VDCに、約8VDCから約80VDCに、約16VDCから約160VDCに、または約32VDCから約320VDCに増加させてもよい。
【0043】
種々の実施形態では、送信機202は、DC/DCコンバータ208と送信機コイル206との間に電圧制御発振器(VCO)210を含有してもよい。VCO210は、定義された範囲内の交流(AC)波形を発生させてもよい。例えば、限定ではないが、VCO210は、約5kHz~約500kHz、約10kHz~約500kHz、約20kHz~約500kHz、約5kHz~約1MHz、約10kHz~約1MHz、約20kHz~約1MHz、約5kHz~約2MHz、約10kHz~約2MHz、または約20kHz~約2MHzの交流(AC)波形を発生させてもよい。
【0044】
種々の実施形態では、送信機202は、VCO210と送信機コイル206との間にFETドライバ212およびFETトランジスタネットワーク214を含有してもよい。FETドライバ212およびFETトランジスタネットワーク214は、AC波形の周波数において切り替わり、その周波数において、かつDC/DCコンバータ202の出力に等しい電圧レベルにおいてパルス化信号を発生させてもよい。
【0045】
種々の実施形態では、送信機202は、FETトランジスタネットワーク214と送信機コイル206との間の駆動コンデンサ216と、送信機コイル206に電気的に接続される、抵抗器218とを含有してもよい。種々の実施形態では、駆動コンデンサ218の値および送信機コイル206の誘導巻線は、以下に従って、それらがVCO210の同一の出力周波数において共振するように選択される。
【化1】
これは、以下によって予測されるように、FETトランジスタネットワーク214のパルス化出力を、送信機コイル206の誘導巻線を横断して十分に高い電圧を伴う正弦波形に変換するバンドパスフィルタの構成をもたらす。
【化2】
式中、Iは、抵抗器216の値によって確立されるネットワーク電流を表し、Lは、送信機コイル206の誘導巻線のインダクタンスである。したがって、駆動コンデンサ216は、誘導巻線206と併せて直列共振して動作する。
【0046】
種々の実施形態では、送信機202の回路網は、送信機202が身体の外部に留まる間、対象の身体またはGI管内の具体的場所に図1の摂取可能カプセル102を保定する、位置付ける、または固着させる、磁場または磁場勾配を生成するように適合されてもよい。例えば、DC/DCコンバータ208の出力は、FETドライバ214の入力から接続解除され、送信機コイル206に直接接続されてもよい。対象の身体内に摂取可能超音波デバイスを固着させるための外部から印加される磁場の使用は、国際特許公開第WO 2012/158648号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0047】
種々の実施形態では、送信機202は、送信機が、図1の摂取可能カプセル102以外の遠隔デバイスと相互作用することを可能にするコンポーネントを含有してもよい。例えば、送信機202は、マイクロプロセッサを含有してもよい。マイクロプロセッサは、コンピュータ、モバイル電話、または他のモバイル電子デバイス等の遠隔電子デバイスとの無線通信のために装備されてもよい。
【0048】
種々の実施形態では、送信機202は、ユーザ相互作用を促進する要素を含有してもよい。例えば、送信機202は、ユーザから入力を受信するためのユーザインターフェースを含んでもよい。例えば、限定ではないが、ユーザインターフェースは、キーボード、キーパッド、タッチスクリーン、ボタン、スイッチ、ノブ、センサ、または同等物である、またはそれを含んでもよい。送信機202は、ユーザに情報を表示する、出力デバイスを含んでもよい。例えば、限定ではないが、出力デバイスは、ディスプレイ、画面、ライト、または同等物である、またはそれを含んでもよい。出力デバイスは、任意のタイプの情報を表示してもよい。例えば、限定ではないが、出力デバイスは、送信機および/または摂取可能カプセルのバッテリ充電またはステータスについての情報を表示してもよい。
【0049】
種々の実施形態では、送信機202は、送信機コイル206のインピーダンスを監視してもよい。インピーダンスの変化は、送信機202が図1の摂取可能カプセル102に近接していることを示し得る。したがって、送信機202は、送信機コイル206のインピーダンスが変化したことを示し、したがって、送信機202が図1の摂取可能カプセル102に近接していることをユーザに通知する信号を表示してもよい。送信機202はさらに、インピーダンスの変化、例えば、増加または減少に応答して、図1の摂取可能カプセル102に通電し、図1のリザーバ112に超音波を伝達する、および/または電流を印加するようにプログラムされてもよい。
【0050】
種々の実施形態では、送信機202は、人物による容易な使用のために構成されてもよい。例えば、送信機202は、ユーザの手に適合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、送信機202は、概して、杖のように成形されてもよい。送信機202は、本デバイスの物理的操作を促進する、グリップまたは他の材料を含んでもよい。送信機202は、人物によって装着され得る衣類の一部として構成されてもよい。例えば、限定ではないが、送信機は、手袋、ベスト、シャツ、ジャケット、ベルト、帽子類の部分、ゴーグル、または別のウェアラブルアイテムに統合されてもよい。代替実施形態では、送信機コイル206は、対象の胸部、腹部、または体幹の周囲に被着され得る、ソレノイドコイルを備える。送信機202は、内部バッテリ204を再充電する外部電源に接続するように構成されてもよい。
【0051】
ここで図3を参照すると、種々の実施形態による、ウェアラブル送信機-受信機超音波仲介薬物送達システムの絵図200aが、示される。薬物送達システムは、摂取可能カプセル204aと併せて動作する、ウェアラブル送信機202aを備えることができる。種々の実施形態では、送信機202aは、少なくとも1つのヘルムホルツコイル206a磁場発生器、好ましくは、破線の楕円形-円形矢印線として描かれる電流流動である、1つまたはそれを上回るコイル208a、210aによって発生された1つまたはそれを上回る磁場または磁束を、人物212aによって摂取されるカプセルへのエネルギー転送のために摂取可能カプセル204aに伝送および暴露するように構成されるコイルと組み合わせて動作する。好ましい実施形態では、摂取可能カプセル204aは、図1のカプセル102と同等である。代替実施形態では、カプセル204aは、種々の構成において送信機202aと組み合わせて動作するために、少なくとも1つの付加的コンポーネントを備える、またはそれが欠如する。好ましい実施形態では、ヘルムホルツコイル206aは、少なくとも1つのウェアラブル正方形、円形、円筒形、または立方体コイルを備え、人物212aの胸部、胴体、または体幹の周囲に装着されるように構成される。代替実施形態では、ヘルムホルツコイル206aは、摂取可能カプセル204aへのエネルギー転送を提供するために、1つまたはそれを上回るコイル208a、210aによって発生された1つまたはそれを上回る磁場または磁束を暴露するために、人物212aの身体の胸部、胴体、または体幹が暴露されることを可能にする、チャンバまたは電気機械構造内に構成される。また別の代替実施形態では、ヘルムホルツコイル206aは、人物212aの身体の胸部、胴体、または体幹が、1つまたはそれを上回るコイル208a、210aによって発生された1つまたはそれを上回る磁場または磁束に暴露されることを可能にし、したがって、摂取可能カプセル204aへのエネルギー転送を提供するように、人物212aを囲繞することが可能なソレノイドとして構成される。種々の実施形態では、摂取可能カプセル204aは、人物212aのGI管内の恣意的な位置および/または配向において1つまたはそれを上回る磁場または磁束に暴露されることができる。種々の実施形態では、コイルの3つの対が、3つの異なる磁場を発生させるための立方体形成物として配列され、相互に反対のコイルは、対を形成し、同相で電流を搬送し、それらの平面に直交する均質な磁場を生成する。一実施形態では、送信機コイル206aは、正方形コイルを備え、代替実施形態では、送信機コイル206aは、円形コイルを備える。好ましい実施形態では、コイルは、高周波数において抵抗損失を低減させるために、長方形または円筒形リッツワイヤを備える。リッツワイヤは、0.1mm~2.00mmの非限定的なワイヤ直径を伴うワイヤを備えてもよい。種々の実施形態では、送信機202aは、磁場発生器ドライバ216aを含む、送信機202aの少なくとも1つの電気的コンポーネントに給電するために電気的に接続される、電源214a、例えば、図2のバッテリ204を備えることができる。種々の実施形態では、磁場発生器ドライバ216aは、少なくとも1つのコイル、例えば、ヘルムホルツコイル206aのソレノイドコイルを通して1つまたはそれを上回る正弦波高振幅電流を発生させるためにためのインバータを備えてもよい。好ましい実施形態では、インバータは、クラスEインバータである。種々の実施形態では、該クラスEインバータの1つまたはそれを上回るコンポーネントは、その動作を変更するために交換されることができる。例えば、平行板コンデンサが、クラスEインバータの1つまたはそれを上回る抵抗器の変動に対して無反応であるインバータを低減させるために、ダイオードと置換されることができる。限定ではないが、インバータは、約5kHz~約500kHz、約10kHz~約500kHz、約20kHz~約500kHz、約5kHz~約1MHz、約10kHz~約1MHz、約20kHz~約1MHz、約5kHz~約2MHz、約10kHz~約2MHz、または約20kHz~約2MHzの交流(AC)波形を発生させてもよい。
【0052】
ここで図4を参照すると、種々の実施形態による、磁場電力受信機3次元アンテナの構造の絵図200bが、示される。磁場電力受信機アンテナは、3つの直交して指向されるコイルを備え、図1の摂取可能カプセル102に統合されることができる。種々の実施形態では、磁場電力受信機アンテナは、図3の1つまたはそれを上回る送信機コイル206aまたは少なくとも1つのソレノイドコイルと併せて動作してもよい。種々の実施形態では、3つの直交コイルは、外側円筒形コイルおよび2つの内側直交正方形コイルの構造を伴って構成および加工される。第1に、1つまたはそれを上回る巻線電気ワイヤが、外側円筒形コイル204bを作成するために、円筒足場202bの周囲に円筒状に巻回または被着される。第2に、1つまたはそれを上回る巻線電気ワイヤが、コイル208bを作成するために、正方形足場206bの周囲に巻回または被着される。第3に、1つまたはそれを上回る巻線電気ワイヤが、コイル210bを作成するために、正方形足場206bの周囲に被着されたコイル208bの上に、かつそれに垂直に被着される。種々の実施形態では、正方形足場206bは、フレーム、中空ケージ、または中実立方体を作成するために、反磁性、常磁性、磁性、または強磁性材料から構築されてもよい。最終ステップにおいて、円筒足場202bは、外側円筒形コイル204bから除去され、コイル208bおよび210bを含有する正方形足場206bは、矢印212bによって示されるように、外側円筒形コイル204bの中に挿入され、3次元磁場電力受信機アンテナを形成する。結果として生じるアンテナは、デカルト座標のx軸において敏感である円筒形コイル204bと、デカルト座標のy軸において敏感であるコイル208bと、デカルト座標のz軸において敏感であるコイル206bとを備える。結果として生じるアンテナおよび各コイルは、電力受信機回路ネットワークに電気的に接続される。種々の実施形態では、円筒形コイル204bは、図1の超音波トランスデューサ110を含む、1つまたはそれを上回る負荷を駆動するために、コイルのコア内にコイル206bおよびコイル208bおよび電力受信機電子ネットワークを収容する内部容積を作成する長さを有してもよい。種々の実施形態では、電力受信機電子ネットワークは、並列整流器を備えることができ、少なくとも1つは、受信機コイル204b、206b、208bの直交性に起因して動作する。種々の実施形態では、受信機電子ネットワークは、1つまたはそれを上回る付加的コンポーネント、例えば、センサ、データ送信機、または小型カメラに給電するための1つまたはそれを上回る調整器を備えてもよい。
【0053】
ここで図5を参照すると、種々の実施形態による、摂取可能超音波カプセルの絵図300が、示される。摂取可能カプセル302は、誘導受信機コイル304と、整流器306と、リザーバ308と、帰還電極310と、源電極312とを含有する。本実施形態では、カプセル302は、誘導受信機コイル304においてAC信号を受信し、整流器306においてこれを整流し、DC信号またはDCパルス列を生成するように装備される。種々の実施形態では、限定ではないが、整流器306は、パルスを生成するための単一のダイオードであってもよい、またはこれは、DCレベルを確立するための全波ブリッジ整流器であってもよい。DC信号またはDCパルス列は、次いで、源電極312に提供され、これは、図1のリザーバ112と同等である、リザーバ308に電気的に接続される。ある実施形態では、カプセル化または非カプセル化治療化合物を装填する、またはこれを伝導性媒体内に提供することによって、通電された源電極312は、イオン泳動によって周辺GI組織の中に治療化合物を駆動する。帰還電極310は、GI組織に接触し、イオン泳動のために要求される電気回路を完成させる。他の実施形態では、より高いエネルギーパルスが、イオン泳動に関して代用され、電気穿孔によって周辺GI組織の中に治療化合物を駆動する。他の実施形態では、イオン泳動または電気穿孔電気信号は、リザーバ308から離れるように指向され、周辺GI組織に直接印加され、組織を前処理または後処理する一方、治療化合物は、リザーバ308から外に、周辺GI組織の中に受動的に拡散することを可能にされる。
【0054】
摂取可能カプセル302はまた、他の電子コンポーネントを含有してもよい。例えば、限定ではないが、摂取可能カプセル302は、ビデオカメラ、カメラの管理のためのコンポーネント、および摂取可能カプセル302と外部デバイスとの間の通信のためのコンポーネントのうちの1つまたはそれを上回るものを含有してもよい。ビデオカメラから取得された画像は、GI潰瘍化または炎症の領域を識別するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、摂取可能カプセル302は、ビデオ画像を捕捉し、外部モバイルデバイスと通信するために、Bluetooth(登録商標)能力を伴うマイクロプロセッサを含有する。いくつかの実施形態では、摂取可能カプセル302は、pHセンサと、pHセンサを管理し、GI管内の局所pH測定値を外部モバイルデバイスに通信する、マイクロプロセッサとを含有する。pHは、GI管全体を通して変動するため、pH測定値が、所与の時点における摂取可能カプセル302の解剖学的場所を識別するために使用されてもよい。ビデオ画像、pH測定値、または両方から取得された情報に基づいて、摂取可能カプセルは、GI管内の具体的場所における超音波伝達および/または電極駆動イオン泳動または電気穿孔のために選択的に通電されてもよい。その結果、本システムは、治療化合物の標的化送達を可能にし、最適な治療的利益を達成する。
【0055】
ここで図6を参照すると、種々の実施形態による、摂取可能超音波カプセルの絵図300aが、示される。摂取可能カプセル302aは、少なくとも1つの誘導受信機コイル304aと、整流器306aと、磁場生成器コイル308aと、リザーバ310aとを含有する。本実施形態では、カプセル302aは、誘導受信機コイル304aにおいてAC信号を受信し、整流器306aにおいてこれを整流し、DC信号またはDCパルス列を生成するように装備される。好ましい実施形態では、摂取可能カプセル302aは、図4に説明される磁場電力受信機3次元アンテナを備える。種々の実施形態では、限定ではないが、整流器306aは、パルスを生成するための単一のダイオードであってもよい、またはこれは、DCレベルまたはACレベルを確立するための半波または全波ブリッジ整流器であってもよい。種々の実施形態では、1つまたはそれを上回るACまたはDC信号が、磁場生成器コイル308aに提供され、これは、1つまたはそれを上回る磁場または磁束をリザーバ310aに暴露する。ある実施形態では、過渡パルスまたは交流磁気パルスまたは磁束が、少なくとも1つの治療剤と、限定ではないが、マイクロバブル、ナノバブル、ナノ液滴、ナノエマルション、ナノファイバ、ベシクル、ミセル、またはヒドロゲル球体またはコーティングを含む、磁気応答性流体またはポリマー担体とを含有する、液体、混合物、マトリクス、または足場を貯蔵するように構成される、リザーバに暴露される。種々の実施形態では、該パルス化または交流磁場は、リザーバから該治療剤を放出する。一実施形態では、該流体またはポリマー担体は、反磁性、常磁性、超常磁性、または強磁性ナノ粒子または微粒子を含む。種々の実施形態では、ナノ粒子または微粒子は、少なくとも1つの該治療剤と解放可能に結合するように修飾され得る、Fe、Fe、またはBaTiOを含んでもよい。代替実施形態では、外部パルス化または交流磁場が、該磁気応答性流体またはポリマー担体を伴って構成される該リザーバ310aから該治療剤を放出するために使用されてもよい。本実施形態では、1つまたはそれを上回る外部磁場が、例えば、送信機コイル206aを介して、図3の送信機202aを使用して発生される。一実施形態では、図3の摂取可能カプセル204aは、そのリザーバ内に該磁気応答性流体またはポリマー担体および治療剤を組み込むように類似する様式において構成されることができる。また別の代替実施形態では、図3の送信機202aによって発生された外部磁場は、事前に放出された該治療剤をGI管の周辺組織の中に輸送する。
【0056】
ここで図7を参照すると、種々の実施形態による、RF給電摂取可能カプセル超音波仲介薬物送達システムの略図400が、示される。摂取可能カプセル超音波仲介薬物送達システムは、摂取可能カプセル404と併せて動作するように構成される、無線周波数(RF)エネルギー送信機402を備える。種々の実施形態では、エネルギー送信機402は、アンテナ406からRFエネルギーをブロードキャストするためのRF発生器-送信機を備える。種々の実施形態では、摂取可能カプセル404は、少なくとも1つのRFエネルギーまたは信号受信アンテナ408と、インピーダンス合致ネットワーク410と、RF/DCコンバータ412と、電圧乗算器414と、超音波トランスデューサドライバ416と、超音波トランスデューサ418と、リザーバ420とを備えてもよい。種々の実施形態では、超音波トランスデューサ418は、超音波エネルギーを用いてリザーバ420を照射し、該リザーバ420から外に、1つまたはそれを上回るオリフィス422を通して薬物ペイロードを輸送するように構成される。種々の実施形態では、RF送信機402は、エネルギー貯蔵デバイスと、マイクロコントローラと、電力管理モジュールと、RF送受信機とを備える。RF送信機402、好ましくは、ポータブルデバイスは、カプセル404を摂取した人物の身体およびGI管の外部で動作する。限定ではないが、RF送信機402は、約5kHz~約500kHz、約10kHz~約500kHz、約20kHz~約500kHz、約5kHz~約1MHz、約10kHz~約1MHz、約20kHz~約1MHz、約5kHz~約2MHz、約10kHz~約2MHz、約20kHz~約2MHz、約2MHz~200MHz、200MHz~2GHz、または2GHz~10GHzの範囲内でアンテナ406によってブロードキャストされるRFエネルギーまたはEM波を発生させてもよい。種々の実施形態では、アンテナ406は、等方性アンテナまたは指向性アンテナを備える。
【0057】
超音波仲介薬物送達システムの摂取可能カプセル404は、アンテナ408を伴うRF送信機402によって伝送されたRFエネルギーまたは波を受信する。種々の実施形態では、アンテナ408は、摂取可能カプセル404のサイズまたは体積を最小限にする、または低減させるための最適な形状因子におけるRFエネルギーの効率的な受信のために、非限定的な形状、サイズ、および寸法を伴って構成される。種々の実施形態では、アンテナ408は、1つまたはそれを上回る基本的なパッチ形状を修正し、放射パッチ内に1つまたはそれを上回る好適なスロットを埋設することによって小型化されることができる。種々の実施形態では、アンテナ408は、限定ではないが、スロットが直径上に設置される円形パッチ、十字形スロットがその表面上にエッチングされる正方形パッチ、正方形パッチの外周上のスリット、規則的または不規則的、対称または非対称なスリットの2つの直交する対を伴う正方形パッチ、同等物、またはそれらの組み合わせを含む、1つまたはそれを上回るアンテナ形状を備える。種々の実施形態では、アンテナ408は、限定ではないが、FR-4基板、Arlon基板、Tarconic、TLY-5ラミネート、RT/Duroid 6010基板、RT/Duroid 5870基板を含む、種々の基板を使用して加工されてもよい。種々の実施形態では、アンテナ408は、小型アンテナとして表面電流経路を長くするために、その電気経路を増加させるための1つまたはそれを上回るスロットを伴って構成される。種々の実施形態では、アンテナ408は、高周波数における動作のための円筒形または長方形誘電体共振器アンテナ(DRA)を備える。
【0058】
摂取可能カプセル404のアンテナ408によって受信されたRFエネルギーは、アンテナからRF/DCコンバータ412または整流器への伝送損失を低減させるために、インピーダンス合致ネットワーク410にフィードされる。種々の実施形態では、合致ネットワーク410は、1つまたはそれを上回る反応性コンポーネントと、非散逸性コイルと、コンデンサとを備える。種々の実施形態では、合致ネットワーク410は、変圧器、シャントインダクタ、またはLCネットワークを備える。RFエネルギー採取のための合致ネットワーク410は、限定ではないが、Lタイプ、πタイプ、およびTタイプ合致ネットワークを備えてもよい。インピーダンス合致ネットワーク410は、受信アンテナ408からRF/DC整流器410回路へのエネルギーまたは電力転送を最大限にするように機能し、整流器のためのRF入力電圧レベルを増加させる。
【0059】
超音波仲介薬物送達システムの摂取可能カプセル404は、RFエネルギー採取システムに関する主要ブロックとしてRF/DCコンバータを含有する。種々の実施形態では、RF/DCコンバータ412または整流器は、アンテナ408によって捕捉されたRF電力を使用可能なDC電力に変換する。種々の実施形態では、RF/DCコンバータ412は、限定ではないが、ダイオードベース、ダイオードのブリッジ、または電圧乗算器を備えてもよい。一実施形態では、RF/DCコンバータ412の整流器回路に関するトポロジは、全波整流器である。全波整流器は、RF信号の両方の半サイクル(正の半サイクルおよび負の半サイクル)をパルス状DC信号に変換する。RF/DCコンバータ412は、1つまたはそれを上回る電圧乗算器と併せて動作してもよい。
【0060】
超音波仲介薬物送達システムの摂取可能カプセル404は、電圧乗算器を含有する。種々の実施形態では、電圧乗算器414は、入力電圧よりも高い出力電圧を発生させる、1つまたはそれを上回るカスケード整流器ユニットを備える。種々の実施形態では、電圧乗算器414は、限定ではないが、1つまたはそれを上回るCockcroft-Walton、Greinacher、Dickson、またはVillard乗算器を備えてもよい。種々の実施形態では、電圧乗算器414は、トランスデューサドライバ416のための具体的電力入力を提供するように構成されてもよい。
【0061】
超音波仲介薬物送達システムの摂取可能カプセル404は、ペイロードまたはリザーバ420からの1つまたはそれを上回るカプセル化または非カプセル化治療剤を分散させるために、超音波トランスデューサ418をアクティブ化するためのトランスデューサドライバ416を含有する。種々の実施形態では、トランスデューサドライバ416は、限定ではないが、トランスデューサ418を駆動するためのシャントCクラスE増幅器を備えてもよい。一実施形態では、増幅器は、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT)を用いて加工される、例えば、40kHzにおいてトランスデューサと共振し得る、並列インダクタを含有する。種々の実施形態では、1つまたはそれを上回る直列コンデンサが、DCフィードスルーを防止するために使用される。種々の実施形態では、1つまたはそれを上回る直列インダクタが、増幅器効率を改良するために使用される。種々の実施形態では、トランスデューサドライバ416は、限定ではないが、PZTトランスデューサ418を横断して入力供給電圧をアクティブ化するために、1つまたはそれを上回るNMOSトランジスタと併せて動作する、1つまたはそれを上回るマイクロコントローラを備えてもよい。例えば、選定されたデューティサイクルを伴って変調された60kHzのパルス幅が、1つまたはそれを上回るトランジスタのゲートを駆動し、アクティブ化するPZTトランスデューサを横断して供給電圧を切り替え、1つまたはそれを上回るオリフィス422を通して治療剤を推進させる。
【0062】
ここで図8を参照すると、種々の実施形態による、超音波エネルギー給電摂取可能カプセル薬物送達システムの略図500が、示される。摂取可能カプセル薬物送達システムは、摂取可能カプセル504と併せて動作するように構成される、超音波(US)エネルギー送信機502を備える。種々の実施形態では、エネルギー送信機502は、USトランスデューサ508からUSエネルギーまたはUS波506をブロードキャストするためのUS発生器-送信機を備える。種々の実施形態では、摂取可能カプセル504は、少なくとも1つのUS受信トランスデューサ510と、整流器ネットワーク512と、周波数乗算器514と、電力貯蔵デバイス516と、薬物送達ドライバ518と、少なくとも1つの治療剤を含有する、リザーバ520とを備えてもよい。種々の実施形態では、薬物送達ドライバ518は、薬物ペイロードまたは治療剤をリザーバ520から、1つまたはそれを上回るオリフィス522を通してカプセルの外部に輸送し、したがって、該治療剤をGI組織に暴露または送達するように構成される。種々の実施形態では、薬物送達ドライバ518は、イオン泳動を使用して、リザーバ520から該治療剤を分注する、放出する、または輸送するように構成されてもよい。一実施形態では、薬物送達ドライバ518は、リザーバ520に接続される2電極システムを備える。2電極システムは、炭素作用電極524と、Ag/AgCl対電極526とを含有する。種々の実施形態では、対電極526は、本システムのための共有の対電極/基準電極として動作してもよい。種々の実施形態では、リザーバ520からの該治療剤の放出または輸送は、治療剤と、限定ではないが、マイクロバブル、ナノバブル、ナノ液滴、ナノエマルション、ナノファイバ、ベシクル、ミセル、またはヒドロゲル球体またはコーティング、同等物、またはそれらの組み合わせを含む、電磁気応答性流体またはポリマー担体とを含有する、液体、混合物、マトリクス、ポリマー、または足場の酸化/還元、イオン輸送、またはpH変化によって引き起こされる。
【0063】
種々の実施形態では、US送信機502は、エネルギー貯蔵デバイスと、マイクロコントローラと、電力管理モジュールとを備える。US送信機502、好ましくは、ポータブルデバイスは、カプセル504を摂取した人物の身体およびGI管の外部で動作する。限定ではないが、US送信機502は、約5kHz~約500kHz、約10kHz~約500kHz、約20kHz~約500kHz、約5kHz~約1MHz、約10kHz~約1MHz、約20kHz~約1MHz、約5kHz~約2MHz、約10kHz~約2MHz、約20kHz~約2MHz、約2MHz~200MHz、200MHz~2GHz、または2GHz~10GHzの範囲内でUS伝送トランスデューサ508によってブロードキャストされるUSエネルギーまたは機械的波を発生させてもよい。種々の実施形態では、US伝送トランスデューサ508は、少なくとも1つの圧電トランスデューサ、2つまたはそれを上回る圧電トランスデューサ、または圧電電気トランスデューサのアレイを備える。種々の実施形態では、US伝送トランスデューサ508の1つまたはそれを上回る圧電トランスデューサは、パルス化または交互拡散、指向性、無指向性、球状、または集束超音波エネルギーまたは波を生成し、摂取可能カプセル504に伝送するように構成されてもよい。種々の実施形態では、US伝送トランスデューサ508は、超音波エネルギーを、US受信トランスデューサ510、リザーバ520、摂取可能カプセル504の外部の近傍、GI組織、GI管、リザーバ520から輸送された該治療剤、またはそれらの組み合わせに送達する。種々の実施形態では、US伝送トランスデューサ508は、US受信トランスデューサ510にエネルギーを送達するための所与の伝送深度に関して、大きい集束利得、限定されたビーム、周波数での動作、またはより大きい開口を有するように構成または設計されてもよい。
【0064】
超音波エネルギー給電摂取可能カプセル薬物送達システムの摂取可能カプセル504は、US受信機トランスデューサ510を伴うUS送信機502によって伝送されたUSエネルギーまたは機械的波を受信する。種々の実施形態では、US受信機トランスデューサ510は、摂取可能カプセル504のサイズまたは体積を最小限にする、または低減させるための最適な形状因子におけるUSエネルギーの効率的な受信のために、非限定的な形状、サイズ、寸法、バッキング材料、電極、またはエアバッキングを伴って構成または設計される。種々の実施形態では、US受信機トランスデューサ510は、1つまたはそれを上回る非限定的モード、例えば、半径方向、撓み、平面、横方向、または縦方向厚モードにおいて動作するように構成されてもよい。好ましい実施形態では、US受信機トランスデューサ510は、効率的なエネルギー採取のために最適なインピーダンスを伴う小さい寸法を同時に達成し、したがって、摂取可能カプセル504に関する小型形状因子またはサイズをもたらすように設計される。種々の実施形態では、US受信機トランスデューサ510は、寄生モードを最小限にし、大きい受信取り込み角を達成し、カプセル配向に起因する電力損失の影響を低減させ、高動作周波数を使用する長い深度における組織伝送損失を低減させるために、ミリメートル寸法またはスケールで構築されてもよい。種々の実施形態では、超音波エネルギー給電摂取可能カプセル薬物送達システムは、US受信機トランスデューサ510が、その短絡および開回路共振または誘導帯域の間で、共振または非共振で動作するように構成されてもよく、US送信機502は、0.75~2MHzの非限定的周波数でブロードキャストする。
【0065】
摂取可能カプセル404のUS受信機トランスデューサ510によって採取されるUSエネルギーは、AC電力の形態であり、これは、1つまたはそれを上回る電力回収ネットワーク回路を介してDCエネルギーに変換される。種々の実施形態では、電力回収ネットワークは、伝送損失を低減させるために、インピーダンス合致ネットワーク、例えば、図7の合致ネットワーク410を組み込んでもよい。インピーダンス合致ネットワークは、US受信機トランスデューサ510から整流器512回路へのエネルギーまたは電力転送を最大限にするように機能する。種々の実施形態では、整流器は、採取されたUS電力を使用可能なDC電力に変換する。種々の実施形態では、整流器512は、限定ではないが、ダイオードベース、ダイオードのブリッジ、または電圧乗算器を備えてもよい。一実施形態では、整流器回路に関するトポロジは、全波整流器である。全波整流器は、RF信号の両方の半サイクル(正の半サイクルおよび負の半サイクル)をパルス状DC信号に変換する。整流器512は、1つまたはそれを上回る電圧乗算器と併せて動作してもよい。種々の実施形態では、低ドロップアウト調整器が、発振器、クロック、マイクロコントローラ、または同等物等の種々の補助コンポーネントに関する1つまたはそれを上回るDCレールを提供するために組み込まれてもよい。
【0066】
超音波エネルギー給電摂取可能カプセル薬物送達システムの摂取可能カプセル504は、高周波数電圧乗算器を含有する。種々の実施形態では、電圧乗算器514は、入力電圧よりも高い出力電圧を発生させる、1つまたはそれを上回るカスケード整流器ユニットを備える。種々の実施形態では、電圧乗算器514は、限定ではないが、1つまたはそれを上回るCockcroft-Walton、Greinacher、Dickson、またはVillard乗算器を備えてもよい。種々の実施形態では、電圧乗算器514は、薬物送達ドライバ418のための具体的電力入力を提供するように構成されてもよい。種々の実施形態では、電力は、コンデンサまたは超コンデンサ等の電力貯蔵ユニット516内に貯蔵される。
【0067】
ここで図9を参照すると、種々の実施形態による、超音波エネルギー給電摂取可能カプセル薬物送達システムの略図600が、示される。摂取可能カプセル薬物送達システムは、摂取可能カプセル604と併せて動作するように構成される、超音波(US)エネルギー送信機602を備える。種々の実施形態では、エネルギー送信機602は、USトランスデューサ608からUSエネルギーまたはUS波606をブロードキャストするためのUS発生器-送信機を備える。種々の実施形態では、摂取可能カプセル604は、少なくとも1つのUS受信トランスデューサ610と、電力ハーベスタ/回収ネットワーク612と、電力貯蔵ユニット614と、薬物送達ドライバ616と、1つまたはそれを上回る誘導コイル618と、少なくとも1つの治療剤を含有する、リザーバ620とを備えてもよい。種々の実施形態では、ネットワーク612は、1つまたはそれを上回る整流器ネットワークおよび周波数乗算器、例えば、図8の整流器ネットワーク512および周波数乗算器514を備えてもよい。種々の実施形態では、薬物送達ドライバ618は、薬物ペイロードまたは治療剤をリザーバ620から、1つまたはそれを上回るオリフィス622を通してカプセルの外部に輸送し、したがって、該治療剤をGI組織に暴露または送達するように構成される。種々の実施形態では、薬物送達ドライバ616は、少なくとも1つの誘導コイル618をアクティブ化することによって、リザーバ620から該治療剤を分注する、放出する、または輸送するように構成されてもよい。種々の実施形態では、リザーバ620からの該治療剤の放出または輸送は、リザーバ620とともに位置する、治療剤と、限定ではないが、マイクロバブル、ナノバブル、ナノ液滴、ナノエマルション、ナノファイバ、ベシクル、ミセル、またはヒドロゲル球体またはコーティングを含む、電磁気、好ましくは、磁気応答性流体またはポリマー担体とを含有する、液体、混合物、マトリクス、ポリマー、足場に印加される少なくとも1つのパルスまたは交流磁場、磁束、勾配、または力によって引き起こされる。種々の実施形態では、該パルス化または交流磁場、磁束、勾配、または力は、リザーバから該治療剤を放出する。一実施形態では、該流体またはポリマー担体は、反磁性、常磁性、超常磁性、磁性、または強磁性ナノ粒子または微粒子を含む。種々の実施形態では、ナノ粒子または微粒子は、少なくとも1つの該治療剤と解放可能に結合するように修飾され得る、Fe、Fe、またはBaTiOを含む。代替実施形態では、外部パルス化または交流磁場が、該磁気応答性流体またはポリマー担体を伴って構成される該リザーバ620から該治療剤を放出するために使用されてもよい。本実施形態では、1つまたはそれを上回る外部磁場が、例えば、送信機コイル206aを介して、図3の送信機202aを使用して発生される。
【0068】
ここで図10を参照すると、種々の実施形態による、摂取可能カプセル超音波アクティブ化薬物送達システムの略図700が、示される。摂取可能カプセル超音波アクティブ化薬物送達システムは、摂取可能カプセル704と併せて動作するように構成される、超音波(US)エネルギー送信機702を備える。種々の実施形態では、エネルギー送信機702は、USトランスデューサ708からUSエネルギーまたはUS波706をブロードキャストするためのUS発生器-送信機を備える。種々の実施形態では、摂取可能カプセル704は、少なくとも1つのリザーバ710と、少なくとも1つの治療剤を含有する、少なくとも1つの液体、混合物、マトリクス、ポリマー、または足場とを備えてもよい。種々の実施形態では、エネルギー送信機702およびUSトランスデューサ708は、人物の身体内、好ましくは、1つまたはそれを上回るGI管内に位置する摂取可能カプセル704に超音波エネルギーを伝送する、照射する、または暴露するように設計および構成される。種々の実施形態では、摂取可能カプセル704へのUSエネルギー暴露は、リザーバ710内からの、かつ外部からGI管または1つまたはそれを上回るGI組織の中への該治療剤の分散、放出、または輸送を引き起こす。種々の実施形態では、リザーバ710からの該治療剤の放出または輸送は、リザーバ710とともに位置する、治療剤と、限定ではないが、マイクロバブル、ナノバブル、ナノ液滴、ナノエマルション、ナノファイバ、ベシクル、ミセル、またはヒドロゲル球体またはコーティングを含む、電磁気、好ましくは、磁気応答性流体またはポリマー担体とを含有する、該液体、混合物、またはマトリクス、ポリマー、足場に印加される少なくとも1つのパルスまたは交流超音波場、磁束、勾配、または力、流動力、またはキャビテーション力によって引き起こされる。限定ではないが、US送信機702は、約5kHz~約500kHz、約10kHz~約500kHz、約20kHz~約500kHz、約5kHz~約1MHz、約10kHz~約1MHz、約20kHz~約1MHz、約5kHz~約2MHz、約10kHz~約2MHz、約20kHz~約2MHz、約2MHz~200MHz、200MHz~2GHz、または2GHz~10GHzの範囲内でUS伝送トランスデューサ708によってブロードキャストされるUSエネルギーまたは機械的波を発生させてもよい。種々の実施形態では、US伝送トランスデューサ708は、少なくとも1つの圧電トランスデューサ、2つまたはそれを上回る圧電トランスデューサ、または圧電電気トランスデューサのアレイを備える。種々の実施形態では、US伝送トランスデューサ708の1つまたはそれを上回る圧電トランスデューサは、パルス化または交互拡散、指向性、無指向性、球状、または集束超音波エネルギーまたは波を生成し、摂取可能カプセル704に伝送するように構成されてもよい。種々の実施形態では、US伝送トランスデューサ708は、超音波エネルギーを、リザーバ710、摂取可能カプセル704の外部の近傍、GI組織、GI管、リザーバ720から輸送または分散された該治療剤、またはそれらの組み合わせに送達する。種々の実施形態では、US伝送トランスデューサ708は、摂取可能カプセル704にエネルギーを到達するための所与の伝送深度に関して、大きい集束利得、限定されたビーム、周波数での動作、またはより大きい開口を有するように構成または設計されてもよい。種々の実施形態では、US伝送トランスデューサ708は、GIの少なくとも1つの具体的場所に摂取可能カプセル704を輸送するように構成または設計されてもよく、それによって、カプセル化または非カプセル化治療剤を含有するリザーバ702内のペイロードは、人物の胃腸組織の中への該薬品の制御放出、拍動性、非拍動性、間欠性、デジタル、または連続的局所または標的化送達のために、カプセルから分散するように超音波トランスデューサ708によってアクティブ化される。種々の実施形態では、摂取可能カプセル704は、該人物によって嚥下され、カプセル化または非カプセル化治療剤を含有するペイロードまたはリザーバは、該リザーバまたはペイロードから該人物の胃腸組織の中への制御放出、拍動性、非拍動性、間欠性、デジタル、または連続的局所または標的化送達のために、カプセル704、カプセルペイロード、またはカプセルリザーバ710に超音波エネルギーを暴露する、対象の外部の超音波トランスデューサ708によってアクティブ化される。種々の実施形態では、超音波トランスデューサ708は、カプセル704を位置特定し、操作し、回転させ、位置付け、または輸送し、超音波エネルギーをカプセルの少なくとも1つの表面に伝送するために使用される、高周波数撮像トランスデューサである。種々の実施形態では、超音波トランスデューサ704は、超音波を集束させ、カプセルを位置特定し、操作し、回転させ、位置付け、または輸送し、超音波エネルギーをカプセルの表面、ペイロード、またはカプセル704内のリザーバのうちの少なくとも1つに伝送するために使用される、容量アレイトランスデューサである。種々の実施形態では、超音波トランスデューサ708は、超音波を集束させ、カプセルを位置特定し、操作し、回転させ、位置付け、または輸送し、超音波エネルギーを該カプセルの内面または外面、ペイロード、またはカプセル内のリザーバのうちの少なくとも1つに伝送するために使用される、容量アレイトランスデューサである。種々の実施形態では、超音波トランスデューサ708は、カプセル704を位置特定し、操作し、回転させ、位置付け、または輸送し、超音波エネルギーを該カプセルの内面または外面、ペイロード、またはカプセル内のリザーバのうちの少なくとも1つに伝送するために使用される、高周波数位相アレイトランスデューサである。種々の実施形態では、超音波トランスデューサ704は、第1に、非限定的エネルギー集束/脱集束または周波数掃引方法を使用して、摂取可能カプセル704を操作し、第2に、該カプセルのペイロードまたはリザーバ710または少なくとも1つのカプセル化または非カプセル化治療剤を含有するペイロードを破裂させるために超音波エネルギーを送達し、第3に、超音波エネルギーを用いて放出された治療剤を分散させるように構成される、高周波数位相アレイトランスデューサである。代替実施形態では、摂取可能カプセル704は、GI管の具体的場所に輸送され、カプセル化または非カプセル化治療剤を含有するペイロードまたはリザーバ710は、ペイロードまたはリザーバ710から該人物の胃腸組織の中への制御放出、拍動性、非拍動性、間欠性、デジタル、または連続的局所または標的化送達のために、外部超音波トランスデューサ708によってアクティブ化される。
【0069】
本開示の目的は、摂取可能カプセル、例えば、図1の摂取可能カプセル102、図2の摂取可能カプセル204a、図5の摂取可能カプセル302、図6の摂取可能カプセル302a、図7の摂取可能カプセル404、図8の摂取可能カプセル504、図9の摂取可能カプセル604、または図10の摂取可能カプセル704のリザーバの中への組み込みのための液体、混合物、足場、または応答性ポリマーを用いた治療剤のカプセル化である。種々の実施形態では、治療剤は、限定ではないが、マイクロバブル、ナノバブル、ナノ液滴、ナノエマルション、ナノファイバ、ベシクル、ミセル、またはヒドロゲル球体またはコーティングを含む、少なくとも1つのpH、熱、電気、磁気、電磁波、触媒、圧電触媒、または超音波応答性ポリマー担体中にカプセル化される。種々の実施形態では、本開示のマイクロバブル、ナノバブル、ナノ液滴、ナノエマルション、ナノファイバ、ベシクル、ミセル、またはヒドロゲル球体またはコーティングは、限定ではないが、ポリ(乳酸)、ポリ(アリルアミン塩酸塩)、パーフルオロカーボン、ポリビニルアルコール、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、パーフルオロオクタノール-ポリ(乳酸)から生成されてもよい。種々の実施形態では、pHまたは超音波応答性ポリマーは、限定ではないが、ポリ(エチレンオキシド)-ブロック-ポリ[2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート-Stat-2-テトラヒドロフラニルオキシ)エチルメタクリレート][PEO-b-P(DEA-Stat-TMA)]ブロックコポリマー、ポリ(エチレングリコール)(PEG)架橋グリコールキトサン(GC)、プルロニック(登録商標)コポリマー、ポリ(N,N-ジエチルアクリルアミド)(pNNDEA)、または同等物から自己集合されて生成される、足場、ゲル、またはベシクルを含んでもよい。種々の実施形態では、核酸送達のためのポリマーは、限定ではないが、PS、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)(PLGA)、およびカチオン性ポリマーのポリプレックス、レポーター遺伝子DNAおよびポリエチレンイミン(PEI)のポリプレックス、ポリ(l-リジン)/DNA(PLL/DNA)、同等物、またはそれらの組み合わせを含む。種々の実施形態では、治療剤は、限定ではないが、化学、pH、熱、電気、電気泳動、磁気、磁気力学、電磁気、触媒、圧電触媒、または超音波エネルギーまたは原動力生成モダリティの大きさ、周波数、強度、電力、電位、運動、勾配、および/または反応の変化を含む、1つまたはそれを上回るエネルギーまたは原動力生成モダリティによって該カプセル化から受動的または能動的に放出されることが可能である。
【0070】
治療剤の投与
投与の方法
本発明の方法は、上記に説明されるシステムおよびデバイスを使用して、対象の胃腸組織に治療剤を投与することを含むことができる。本方法は、液体内に気泡を生成し、気泡の過渡キャビテーションを引き起こす周波数において液体に超音波エネルギーを送達することを含むことができる。気泡の緩やかな内破は、細胞を透過性にし、薬品を液体から組織の中に推進させる衝撃波を生成する。薬品を組織に送達するための過渡キャビテーションを引き起こすための超音波の使用は、例えば、Schoellhammer, C. M., Schroeder, A., Maa, R., Lauwers, G. Y., Swiston, A., Zervas, M., et al. (2015年)「Ultrasound-mediated gastrointestinal drug delivery」Science Translational Medicine, 7(310), 310ra168-310ra168, doi: 10.1126/scitranslmed.aaa5937、Schoellhammer, C. MおよびTraverso, G.「Low-frequency ultrasound for drug delivery in the gastrointestinal tract」Expert Opinion on Drug Delivery, 2016, doi: 10.1517/17425247.2016.1171841、Schoellhammer C. M., et al.「Ultrasound-mediated delivery of RNA to colonic mucosa of live mice」Gastroenterology, 2017, doi: 10.1053/j.gastro.2017.01.002、および米国公開第2014/0228715号および第2018/0055991号(そのそれぞれの内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0071】
本発明の方法では、超音波信号は、定義された周波数を有してもよい。超音波信号は、約10kHz~約10MHz、約10kHz~約1MHz、約10kHz~約100kHz、約20kHz~約80kHz、約20kHz~約60kHz、または約30kHz~約50kHzの周波数を有してもよい。超音波信号は、100kHz未満、80kHz未満、60kHz未満、または50kHz未満の周波数を有してもよい。超音波信号は、約20kHz、約25kHz、約30kHz、約35kHz、約40kHz、約45kHz、約50kHz、約55kHz、または約60kHzの周波数を有してもよい。
【0072】
本発明の方法では、超音波信号は、定義された強度を有してもよい。例えば、限定ではないが、超音波信号は、約0.1W/cm~約10W/cm、約0.24W/cm~約1.4W/cm、約1.4W/cm~約10W/cm、約10W/cm~約100W/cm、約100W/cm~約500W/cm、または約500W/cm~約1,000W/cmの強度を有してもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、超音波エネルギーは、パルスとして送達されてもよい、すなわち、これは、超音波エネルギーによって送達されている薬品への損傷を最小限にするために、短い有限の期間にわたって送達されてもよい。例えば、限定ではないが、パルスは、20分未満、10分未満、5分未満、または10分未満であってもよい。例えば、限定ではないが、パルスは、約10秒~約3分であってもよい。パルスは、約10分、約5分、約3分、約3分、約1分、約30秒、約20秒、または約10秒であってもよい。
【0074】
周波数および/または持続時間等の超音波パルスのパラメータは、薬品への損傷が、薬品のある割合またはパーセンテージに限定されるように選択されてもよい。例えば、限定ではないが、超音波エネルギーは、薬品の約95%未満、薬品の約90%未満、薬品の約80%未満、薬品の約70%未満、薬品の約60%未満、薬品の約50%未満、薬品の約40%未満、薬品の約25%未満、または薬品の約10%未満の分解をもたらしてもよい。
【0075】
周波数および/または持続時間等の超音波パルスのパラメータは、少なくとも最小量の薬品が、組織に移送されるように選択されてもよい。例えば、限定ではないが、超音波エネルギーは、薬品の少なくとも1%、薬品の少なくとも2%、薬品の少なくとも5%、薬品の少なくとも10%、薬品の少なくとも20%、薬品の少なくとも30%、または薬品の少なくとも40%の移送をもたらしてもよい。
【0076】
本方法は、GI管における具体的組織に治療剤を送達するために使用されてもよい。例えば、組織は、頬組織、歯肉組織、口唇組織、食道組織、胃組織、腸組織、結腸直腸組織、または肛門組織であってもよい。治療剤は、GI管における特定の組織に標的化されてもよい。例えば、治療剤は、胃、小腸、大腸(結腸)、直腸に、または膵管または総胆管等のGI管に進入する導管に標的化されてもよい。
【0077】
本方法は、摂取可能カプセルを対象に投与することを含んでもよい。摂取可能カプセルは、経口的または直腸的に投与されてもよい。摂取可能カプセルは、GI管に進入する導管を介して投与されてもよい。
【0078】
本方法は、対象のGI管内に摂取可能カプセルを位置付けることを含んでもよい。例えば、摂取可能カプセルは、潰瘍または炎症領域等のGI管の罹患領域に近接して位置付けられてもよい。摂取可能カプセルは、対象の身体の外側のデバイスから対象のGI管の一部に磁場を印加することによって位置付けられてもよい。磁場は、送信機を使用して印加されてもよい。代替として、または加えて、磁場は、送信機とは別個である磁気デバイスから印加されてもよい。
【0079】
治療剤
治療剤は、治療的利益を提供する任意の薬品であってもよい。例えば、限定ではないが、好適な薬品は、α-ヒドロキシ製剤、ace阻害剤、鎮痛剤、麻酔剤、駆虫剤、抗不整脈剤、抗血栓剤、抗アレルギー剤、抗血管新生剤、抗菌剤、抗生物質製剤、抗凝固剤、抗癌剤、抗糖尿病剤、制吐剤、抗真菌剤、抗原、抗高血圧剤、抗低血圧剤、抗炎症剤、抗かび剤、抗片頭痛剤、抗肥満剤、抗パーキンソン病剤、抗リウマチ薬、抗トロンビン薬、抗ウイルス剤、抗鬱剤、抗てんかん薬、抗ヒスタミン剤、抗ムスカリン剤、抗ミコバクテリア剤、抗悪性腫瘍剤、抗甲状腺剤、抗不安薬、喘息療法薬、収斂剤、β遮断剤、血液製剤および代用剤、気管支痙攣剤、カルシウム拮抗薬、心血管作動薬、心臓配糖体剤、カロテノイド、セファロスポリン、慢性気管支炎療法薬、慢性閉塞性肺疾患療法薬、避妊薬、コルチコステロイド、細胞分裂阻害剤、嚢胞性線維症療法薬、心臓変力剤、造影剤、咳止め薬、診断剤、利尿剤、ドパミン作動薬、エラスターゼ阻害剤、肺気腫療法薬、エンケファリン、線溶剤、成長ホルモン、止血剤、免疫剤、免疫抑制剤、免疫療法剤、インスリン、インターフェロン、乳汁分泌抑制剤、脂質低下剤、リンホカイン、筋弛緩剤、神経系剤、非ステロイド性抗炎症薬、栄養補助食品、腫瘍療法薬、臓器移植拒絶反応療法薬、副交感神経刺激薬、副甲状腺カルシトニンおよびビホスホネート、プロスタサイクリン、プロスタグランジン、精神薬剤、プロテアーゼ阻害剤、磁気共鳴撮像診断剤、放射性医薬品、生殖制御ホルモン、呼吸促迫症候群療法薬、鎮静剤、性ホルモン、ソマトスタチン、ステロイドホルモン剤、興奮剤および食欲低下薬、交感神経作動薬、甲状腺剤、血管拡張剤、ビタミン、およびキサンチンを含む。本発明の実施形態における薬品として使用され得る化学物質および薬物のより複雑なリストが、「Merck Index: An Encyclopedia of Chemicals, Drugs, and Biologicals」Fifteenth Edition, Maryadele J O’Neil, ed., RSC Publishing, 2015年, ISBN-13: 978-1849736701, ISBN-10 1849736707(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に提供されている。
【0080】
治療剤は、任意の化学的形態であってもよい。例えば、薬品は、核酸、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、抗体、または他の高分子等の生物学的治療剤であってもよい。核酸は、RNA、DNA、RNA/DNAハイブリッド、および非天然発生ヌクレオチド、修飾ヌクレオチド、非天然発生化学結合、および同等物を含む核酸誘導体を含む。核酸誘導体および修飾ヌクレオチドの実施例が、例えば、国際公開第WO 2018/118587号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。核酸は、mRNAおよびcDNA等のポリペプチドコード化核酸であってもよい。核酸は、遺伝子発現に干渉し得る。干渉RNA(RNAi)の実施例は、siRNAおよびmiRNAを含む。RNAiは、当技術分野において公知であり、例えば、KimおよびRossi「Biotechniques」2008年4月; 44(5): 613-616, doi: 10.2144/000112792およびWilsonおよびDoudna「Molecular Mechanisms of RNA Interference」Annual Review of Biophysics 2013年 42:1, 217-239(そのそれぞれの内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。薬品は、非生物学的起源の有機分子であってもよい。そのような薬物は、それらが、典型的には、2,000ダルトン未満の分子量を有するため、多くの場合、小分子薬物と呼ばれるが、それは、より大きくてもよい。薬品は、1つまたはそれを上回る生物学的高分子および/または1つまたはそれを上回る小分子の組み合わせまたは複合体であってもよい。例えば、限定ではないが、薬品は、核酸複合体、タンパク質複合体、タンパク質-核酸複合体、および同等物であってもよい。したがって、薬品は、ホモ複合体およびヘテロ複合体を含む、多量体またはポリマー形態において存在してもよい。
【0081】
治療剤の超音波ベースの送達の利点は、大分子、例えば、1,000Daを上回る分子量を有する分子を送達する能力である。したがって、治療剤は、最小サイズを有してもよい。例えば、限定ではないが、抗原は、>100Da、>200Da、>500Da、>1,000Da、>2,000Da、>5,000Da、>10,000Da、>20,000Da、>50,000Da、または>100,000Daの分子量を有してもよい。
【0082】
治療剤は、本明細書に提供されるデバイスまたはシステムを使用して、治療剤の送達を助長する液体中に提供されてもよい。例えば、液体は、超音波誘発キャビテーション、イオン泳動、ソノポレーション、磁気ソノポレーション、または電気穿孔を促進してもよい。液体は、水性であってもよい。液体は、イオンを含有してもよい。液体は、1つまたはそれを上回る塩を含有する水性溶液であってもよい。液体は、緩衝液を含有してもよい。
【0083】
治療剤は、製剤化されてもよい。生物学的および小分子薬品の送達のために一般的に使用される製剤は、薬物結晶、金粒子、酸化鉄粒子、脂質様粒子、リポソーム、ミセル、微粒子、ナノ粒子、ポリマー粒子、ベシクル、ウイルスカプシド、ウイルス粒子、および薬品の生物学的または生化学的機能のために不可欠ではない他の高分子との複合体を含む。
【0084】
代替として、治療剤は、製剤化されなくてもよい、すなわち、これは、単に、薬品の送達を促進するために、薬品と相互作用する他の分子を含有しない生物学的に活性の形態において提供されてもよい。したがって、薬品は、非カプセル化形態において、または薬品の機能に関連しない他の分子と複合体化されていない形態において提供されてもよい。
【0085】
薬品は、メガヌクレアーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化剤様エフェクタベースのヌクレアーゼ(TALEN)、またはクラスタ化規則的散在回文反復(CRISPR)システム等の遺伝子編集システムの成分であってもよい。
【0086】
メガヌクレアーゼは、12-40塩基対の二本鎖DNA配列を認識するエンドデオキシリボヌクレアーゼである。それらは、配列を標的化するカスタマイズされたヌクレアーゼを作成するために、異なる認識配列に結合するように工学設計されることができる。メガヌクレアーゼは、古細菌、細菌、ファージ、真菌、藻類、および植物において存在し、任意の源からのメガヌクレアーゼが、使用されてもよい。具体的配列を認識するようにメガヌクレアーゼを工学設計することは、当技術分野において公知であり、例えば、Stoddard, Barry L. (2006年)「Homing endonuclease structure and function」Quarterly Reviews of Biophysics 38 (1): 49-95 doi:10.1017/S0033583505004063, PMID 16336743、Grizot, S.; Epinat, J. C.; Thomas, S.; Duclert, A.; Rolland, S.; Paques, F.; Duchateau, P. (2009年)「Generation of redesigned homing endonucleases comprising DNA-binding domains derived from two different scaffolds」Nucleic Acids Research 38 (6): 2006-18, doi:10.1093/nar/gkp1171. PMC 2847234, PMID 20026587、Epinat, Jean-Charles; Arnould, Sylvain; Chames, Patrick; Rochaix, Pascal; Desfontaines, Dominique; Puzin, Clemence; Patin, Amelie; Zanghellini, Alexandre; Paques, Frederic (2003年6月1日)「A novel engineered meganuclease induces homologous recombination in yeast and mammalian cells」Nucleic Acids Research 31 (11): 2952-2962、およびSeligman, L. M.; Chisholm, KM; Chevalier, BS; Chadsey, MS; Edwards, ST; Savage, JH; Veillet, AL (2002年)「Mutations altering the cleavage specificity of a homing endonuclease」Nucleic Acids Research 30 (17): 3870-9, doi:10.1093/nar/gkf495. PMC 137417, PMID 12202772(そのそれぞれの内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0087】
ZFNは、DNA開裂ドメインに融合されるジンクフィンガーDNA結合ドメインを有する、人工制限酵素である。ZFNもまた、具体的DNA配列を標的化するように工学設計されることができる。ZFNの設計および使用は、当技術分野において公知であり、例えば、Carroll, D (2011年)「Genome engineering with zinc-finger nucleases」Genetics Society of America 188 (4): 773-782, doi:10.1534/genetics.111.131433. PMC 3176093, PMID 21828278、Cathomen T, Joung JK (2008年7月)「Zinc-finger nucleases: the next generation emerges」Mol. Ther. 16 (7): 1200-7, doi:10.1038/mt.2008.114, PMID 18545224、Miller, J. C.; Holmes, M. C.; Wang, J.; Guschin, D. Y.; Lee, Y. L.; Rupniewski, I.; Beausejour, C. M.; Waite, A. J.; Wang, N. S.; Kim, K. A.; Gregory, P. D.; Pabo, C. O.; Rebar, E. J. (2007年)「An improved zinc-finger nuclease architecture for highly specific genome editing」Nature Biotechnology, 25 (7): 778-785, doi:10.1038/nbt1319, PMID 17603475(そのそれぞれの内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0088】
TALENは、DNA開裂ドメインに融合されるTALエフェクタDNA結合ドメインを有する、人工制限酵素である。TALENもまた、具体的DNA配列を標的化するように工学設計されることができる。TALENの設計および使用は、当技術分野において公知であり、例えば、Boch J (2011年2月)「TALEs of genome targeting」Nature Biotechnology 29 (2): 135-6, doi:10.1038/nbt.1767. PMID 21301438、Juillerat A, Pessereau C, Dubois G, Guyot V, Marechal A, Valton J, Daboussi F, Poirot L, Duclert A, Duchateau P (2015年1月)「Optimized tuning of TALEN specificity using non-conventional RVDs」Scientific Reports, 5: 8150, doi:10.1038/srep08150. PMC 4311247, PMID 25632877、およびMahfouz MM, Li L, Shamimuzzaman M, Wibowo A, Fang X, Zhu JK (2011年2月)「De novo-engineered transcription activator-like effector (TALE) hybrid nuclease with novel DNA binding specificity creates double-strand breaks」Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 108 (6): 2623-8, Bibcode:2011PNAS,108.2623M, doi:10.1073/pnas.1019533108, PMC 3038751, PMID 21262818(そのそれぞれの内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0089】
CRISPRシステムは、プラスミドおよびファージ等の外来遺伝要素に対する獲得免疫を提供する、原核免疫システムである。CRISPRシステムは、クラスタ化規則的散在回文反復(CRISPR)配列においてDNA開裂する、1つまたはそれを上回るCRISPR関連付け(Cas)タンパク質を含む。Casタンパク質は、ヘリカーゼおよびエキソヌクレアーゼ活性を含み、これらの活性は、同一のポリペプチドまたは別個のポリペプチド上にあり得る。Casタンパク質は、RNA分子によってCRISPR配列に指向される。CRISPR RNA(crRNA)が、開裂されるべき標的DNAにおける相補配列に結合する。トランス活性化crRNA(tracrRNA)が、Casタンパク質およびcrRNAの両方に結合し、Casタンパク質を標的DNA配列に引き寄せる。全てのCRISPRシステムが、tracrRNAを要求するわけではない。本質的に、crRNAおよびtracrRNAは、別個のRNA分子上で生じるが、それらはまた、単一のガイドRNAまたはガイドRNA(gRNA)と呼ばれる、単一のRNA分子を含有していたときに機能する。1つまたはそれを上回るRNAおよび1つまたはそれを上回るポリペプチドは、細胞の内側で集合し、リボヌクレオタンパク質(RNP)を形成する。CRISPRシステムは、例えば、van der Oost, et al.「CRISPR-based adaptive and heritable immunity in prokaryotes」Trends in Biochemical Sciences, 34(8):401-407 (2014年)、Garrett, et al.「Archaeal CRISPR-based immune systems: exchangeable functional modules」Trends in Microbiol. 19(11):549-556 (2011年)、Makarova, et al.「Evolution and classification of the CRISPR-Cas systems」Nat. Rev. Microbiol. 9:467-477 (2011年)、およびSorek, et al.「CRISPR-Mediated Adaptive Immune Systems in Bacteria and Archaea」Ann. Rev. Biochem. 82:237-266 (2013年)(そのそれぞれの内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0090】
CRISPR-Casシステムは、2つのクラスに分類されている。クラス1システムは、核酸を分解するために複数のCasタンパク質を使用する一方、クラス2システムは、単一の大きいCasタンパク質を使用する。クラス1Casタンパク質は、Cas10、Cas10d、Cas3、Cas5、Cas8a、Cmr5、Cse1、Cse2、Csf1、Csm2、Csx11、Csy1、Csy2、およびCsy3を含む。クラス2Casタンパク質は、C2c1、C2c2、C2c3、Cas4、Cas9、Cpf1、およびCsn2を含む。
【0091】
CRISPR-Casシステムは、それらが、一般的なタンパク質酵素を使用する具体的核酸配列の遺伝子編集を可能にするため、強力なツールである。標的配列に相補的なガイドRNAを設計することによって、Casタンパク質は、その標的配列を開裂するように指向されることができる。加えて、天然発生Casタンパク質は、エンドヌクレアーゼ活性を有するが、Casタンパク質は、他の機能を実施するように工学設計されている。例えば、Cas9(dCas9)のエンドヌクレアーゼ不活性化変異体が、作成されており、そのような変異体は、それらを開裂することなく、標的DNA配列に結合するように指向されることができる。dCas9タンパク質は、次いで、転写活性化剤または阻害剤を結合させるようにさらに工学設計されることができる。結果として、ガイド配列は、そのようなCRISPR複合体を具体的遺伝子に採用し、転写をオンまたはオフにするために使用されることができる。したがって、これらのシステムは、CRISPR活性化剤(CRISPRa)またはCRISPR阻害剤(CRISPRi)と呼ばれる。CRISPRシステムはまた、アセチル化またはメチル化等のDNAの配列特異的エピジェネティック修飾を導入するために使用されることができる。標的DNAの開裂以外の目的のための修飾CRISPRシステムの使用が、例えば、Dominguez, et al.「Beyond editing: repurposing CRISPR-Cas9 for precision genome regulation and interrogation」Nat. Rev. Cell Biol. 17(1):5-15 (2016年)(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0092】
薬品は、上記に説明されるもの等のCRISPRシステムの任意の成分であってもよい。例えば、限定ではないが、CRISPR成分は、ヘリカーゼ、エンドヌクレアーゼ、転写活性化剤、転写阻害剤、DNA修飾剤、gRNA、crRNA、またはtracrRNAのうちの1つまたはそれを上回るものであってもよい。CRISPR成分は、RNAまたはDNA等の核酸、ポリペプチド、またはRNP等の組み合わせを含有する。CRISPR核酸は、機能的CRISPR成分をコード化し得る。例えば、核酸は、DNAまたはmRNAであってもよい。CRISPR核酸自体が、gRNA、crRNA、またはtracrRNA等の機能的成分であってもよい。
【0093】
薬品は、CRISPR成分の発現を誘発する要素を含んでもよい。例えば、CRISPR成分の発現は、テトラサイクリン等の抗生物質または他の化学物質によって誘発されてもよい。誘発可能CRISPRシステムが、例えば、Rose, et al.「Rapidly inducible Cas9 and DSB-ddPCR to probe editing kinetics」Nat. Methods, 14, ページ891-896 (2017年)およびCao, et al.「An easy and efficient inducible CRISPR/Cas9 platform with improved specificity for multiple gene targeting」Nucleic Acids Res. 14(19):e149 (2016年)(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。誘発可能要素は、CRISPR成分の一部であってもよい、またはこれは、別個の成分であってもよい。
【0094】
本発明のある実施形態では、方法は、創傷治癒を助長する薬品の送達を可能にする。薬品は、任意の機構によって治癒を助長してもよい。例えば、限定ではないが、薬品は、創傷治癒プロセスの1つまたはそれを上回る段階を促進する、細菌またはウイルス感染症を含む、感染症を防止する、または疼痛または感度を軽減してもよい。
【0095】
様々な成長因子が、創傷治癒を助長する。例えば、限定ではないが、創傷治癒を助長する成長因子は、CTGF/CCN2、EGF系構成要素、FGF系構成要素、G-CSF、GM-CSF、HGF、HGH、HIF、ヒスタチン、ヒアルロン酸、IGF、IL-1、IL-4、IL-8、KGF、ラクトフェリン、リゾホスファチジン酸、NGF、PDGF、TGF-β、およびVEGFを含む。EFG系は、10の構成要素、すなわち、アンフィレグリン(AR)、ベータセルリン(BTC)、エピジェン、エピレグリン(EPR)、ヘパリン結合EGF様成長因子(HB-EGF)、ニューレグリン-1(NRG1)、ニューレグリン-2(NRG2)、ニューレグリン-3(NRG3)、ニューレグリン-4(NRG4)、またはトランスフォーミング成長因子-α(TGF-α)を含む。FGF系は、22の構成要素、すなわち、FGF1、FGF2(塩基性FGFまたはbFGFとも呼ばれる)、FGF3、FGF4、FGF5、FGF6、FGF7、FGF8、FGF9、FGF10、FGF11、FGF12、FGF13、FGF14、FGF16、FGF17、FGF18、FGF19、FGF20、FGF21、FGF22、またはFGF23を含む。PDGFは、3つの形態、すなわち、PDGF AA、PDGF AB、およびPDGF BBにおいて存在する。TGF-β系は、3つの形態、すなわち、TGF-β1、TGF-β2、およびTGF-β3を含む。
【0096】
感染症を防止する様々な薬品が、創傷を治療するために使用されている。例えば、限定ではないが、薬品は、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗生物質、抗真菌剤、または防腐剤であってもよい。例示的薬品は、銀、ヨウ素、クロルヘキシジン、過酸化水素、リゾチーム、ペルオキシダーゼ、デフェンシン、シスタチン、トロンボスポンジン、および抗体を含む。三硝酸グリセリンおよび亜硝酸塩等の一酸化窒素供与体もまた、感染症を防止し、創傷治癒を助長するために有用である。
【0097】
疾患、障害、および条件
本方法は、対象のGI管の条件を治療するために有用である。条件は、GI管に影響を及ぼす任意の疾患、障害、または条件であってもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、障害は、限定ではないが、食道炎(カンジダ性)、胃食道逆流症(gerd)、咽喉頭酸逆流(食道外逆流症/eerdとしても公知である)、破裂(ブールハーフェ症候群、マロリーワイス症候群)、UES(ツェンカー憩室)、LES(バレット食道)、食道運動障害(くるみ割り食道、アカラシア、びまん性食道痙攣)、食道狭窄、および巨大食道症を含む、食道の障害である。
【0099】
いくつかの実施形態では、障害は、限定ではないが、胃炎(例えば、萎縮性、メネトリエ病、胃腸炎)、消化性(すなわち、胃)潰瘍(例えば、クッシング潰瘍、デュラフォイ潰瘍)、消化不良、嘔吐症、幽門狭窄、無酸症、胃不全麻痺、胃下垂、門脈圧亢進性胃症、胃前庭部毛細血管拡張症、胃ダンピング症候群、およびヒトミュラーフィブリル化症候群(HMFS)を含む、胃の障害である。
【0100】
いくつかの実施形態では、障害は、限定ではないが、腸炎(十二指腸炎、空腸炎、回腸炎)、消化性(十二指腸)潰瘍(カーリング潰瘍)、吸収不良、セリアック病、熱帯性スプルー、盲係蹄症候群、ウィップル病、短腸症候群、脂肪便、ミルロイ病を含む、小腸の障害である。いくつかの実施形態では、障害は、限定ではないが、大腸および小腸の両方の腸炎(壊死性)、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、血管、腹部アンギナ、腸間膜虚血、血管異形成、腸閉塞、イレウス、腸重積、腸軸捻転、嵌入便、便秘、および下痢を含む、小腸の障害である。
【0101】
いくつかの実施形態では、障害は、限定ではないが、副消化腺疾患、肝炎(ウイルス性肝炎、自己免疫性肝炎、アルコール性肝炎)、肝硬変(PBC)、脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝炎)、血管(肝静脈閉塞症、門脈圧亢進症、にくずく肝)、アルコール性肝疾患、肝不全(肝性脳症、急性肝不全)、肝膿瘍(化膿性、アメーバ性)、肝腎症候群、肝ペリオーシス、ヘモクロマトーシス、およびウィルソン病を含む、小腸の障害である。
【0102】
いくつかの実施形態では、障害は、限定ではないが、膵臓膵炎(急性、慢性、遺伝性)、膵仮性嚢胞、および膵外分泌不全を含む、膵臓の障害である。
【0103】
いくつかの実施形態では、障害は、限定ではないが、虫垂炎、大腸炎(偽膜性、潰瘍性、虚血性、顕微鏡的、膠原性、リンパ球性)、機能性大腸疾患(IBS、腸偽閉塞/オギルビー症候群)、巨大結腸/中毒性巨大結腸、憩室炎、および憩室症を含む、大腸の障害である。
【0104】
いくつかの実施形態では、障害は、限定ではないが、胆嚢および胆管炎、胆嚢炎、胆石/胆嚢結石症、コレステロール沈着、ロキタンスキー-アショフ洞、胆嚢摘出後症候群胆管炎(PSC、上行性)、胆汁うっ滞/ミリッツィ症候群、胆汁瘻、胆道出血、および胆石/胆石症を含む、大腸の障害である。いくつかの実施形態では、障害は、総胆管の障害(総胆管結石、胆道ジスキネジアを含む)である。
【0105】
本明細書に含まれる方法および装置を用いて治療され得る他の障害は、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、甲状腺症、移植片対宿主病、強皮症、糖尿病、バセドウ病、ベーチェット病等の急性および慢性免疫性および自己免疫性病理、サルコイドーシス、慢性炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、およびクローン病理等の慢性炎症性病理、および限定ではないが、播種性血管内凝固、アテローム性動脈硬化症、巨細胞性動脈炎、および川崎病等の血管炎症性病理を含む、慢性炎症性病理および血管炎症性病理等の炎症性疾患、限定ではないが、白血病(急性、慢性骨髄球性、慢性リンパ球性、および/または骨髄異形成症候群)、リンパ腫(悪性リンパ腫(バーキットリンパ腫または菌状息肉症)等のホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫)、癌腫(結腸癌等)およびその転移、癌関連血管新生、小児血管腫等の腫瘍または他の悪性腫瘍を伴う悪性病理、および限定ではないが、HIV、AIDS(悪液質、自己免疫障害、AIDS認知症複合および感染症の症状を含む)等の急性または慢性細菌感染、急性および慢性寄生虫性および/または感染性疾患、細菌性、ウイルス性、または真菌性疾患からもたらされる敗血症症候群、悪液質、循環虚脱およびショックを含む、感染症を含む。
【0106】
本明細書に含まれる方法およびデバイスを用いて治療され得る他の障害は、急性および慢性免疫性および自己免疫性病理、炎症性疾患、感染症、および、例えば、腫瘍または他の悪性腫瘍を伴う悪性病理を含む。
【0107】
GI条件を患う対象は、動物、例えば、哺乳類、例えば、ヒト等の任意のタイプの対象であってもよい。
【0108】
下記により詳細に議論される概念の全ての組み合わせが(そのような概念が相互に矛盾しないことを条件として)、本明細書に開示される本発明の主題の一部であるものとして想定されることを理解されたい。また、参照することによって組み込まれる任意の開示にもまた現れ得る、本明細書に明示的に採用される専門用語が、本明細書に開示される概念と最も一貫する意味を与えられるべきであることを理解されたい。
【0109】
開示される概念は、実装の任意の特定の様式に限定されないため、上記に導入され、下記により詳細に議論される種々の概念が、多数の方法のうちのいずれかにおいて実装され得ることを理解されたい。具体的実装および用途の実施例が、主として、例証目的のために提供される。本開示は、いかようにも図面に図示され、下記に説明される例示的実装および技法に限定されるべきではない。
【0110】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別様に決定付けない限り、その範囲の上限と下限との間の下限の単位の10分の1までの各介在する値、およびその記載される範囲内の任意の他の記載される、または介在する値が、本発明によって包含されることを理解されたい。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立してより小さい範囲内に含まれ得、また、記載される範囲内の任意の具体的に除外される限界に従って、本発明によって包含される。記載される範囲が終点限界のうちの一方または両方を含む場合、それらの含まれる終点のうちの一方または両方を除外する範囲もまた、本発明の範囲内に含まれる。
【0111】
本明細書に使用されるように、用語「~を含む(includes)」は、「限定ではないが、~を含む(includes but is not limited to)」を意味し、用語「~を含む(including)」は、「限定ではないが、~を含む(including but not limited to)」を意味する。用語「~に基づく(based on)」は、「少なくとも部分的に、~に基づく(based at least in part on)」を意味する。
【0112】
本明細書に使用されるようなトランスデューサという用語は、エネルギーを1つの形態から別の形態に変換するデバイスを指し得る。
【0113】
本明細書に使用されるようなヘルムホルツコイルという用語は、ドイツの物理学者Hermann von Helmholtzに因んで名付けられた、ほぼ均一な磁場の領域を生成するためのデバイスを指し得る。これは、同一の軸上の2つの電磁石から成る。
【0114】
本明細書に使用されるような負荷という用語は、これが電力を消費するかどうかにかかわらず、信号源に接続されるデバイスを指し得る。
【0115】
本明細書に使用されるような電気穿孔という用語は、電場が細胞に印加され、細胞膜の浸透性を増加させ、化学物質、薬物、または核酸が細胞の中に導入されることを可能にする方法または技法を指し得る。
【0116】
本明細書に使用されるようなソノポレーションという用語は、細胞形質膜の浸透性を修正するための音(典型的には、超音波周波数)の使用を指し得る。ソノポレーションは、小分子および大分子の送達を強化するために、マイクロバブルの音響キャビテーションを採用する。
【0117】
(参照による組み込み)
特許、特許出願、特許公開、雑誌、書籍、論文、ウェブコンテンツ等の他の文書が、本開示全体を通して参照および引用されている。全てのそのような文書は、あらゆる目的のために、本明細書に参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
【0118】
(均等物)
本明細書に示され、説明されるものに加えて、本発明の種々の修正およびそれらの多くのさらなる実施形態が、本明細書に引用される科学および特許文献の参照を含む、本書の全内容から当業者に明白となるであろう。本明細書の主題は、その種々の実施形態およびそれらの均等物において本発明の実践に適合され得る、重要な情報、例示、および指針を含有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】