(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】電気音響デバイスにおけるキャパシタ処理のためのエッチングストップおよび保護層
(51)【国際特許分類】
H03H 3/08 20060101AFI20240403BHJP
H03H 9/25 20060101ALI20240403BHJP
H03H 9/17 20060101ALI20240403BHJP
H03H 3/02 20060101ALI20240403BHJP
H03H 9/02 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
H03H3/08
H03H9/25 A
H03H9/17 F
H03H3/02 B
H03H9/02 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563882
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-10-17
(86)【国際出願番号】 EP2022061009
(87)【国際公開番号】W WO2022229159
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】323006002
【氏名又は名称】アールエフ360・シンガポール・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポールナー、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】エッグス、クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】フライスレーベン、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ユンククンツ、マティアス
(72)【発明者】
【氏名】テルクマン、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】エスキウス・モロテ、マルク
(72)【発明者】
【氏名】ルカショフ、イリヤ
(72)【発明者】
【氏名】ギーセン、マルセル
【テーマコード(参考)】
5J097
5J108
【Fターム(参考)】
5J097AA01
5J097AA17
5J097AA19
5J097BB02
5J097BB03
5J097BB11
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5J097DD21
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5J097FF05
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5J097KK09
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5J097LL06
5J108BB01
5J108BB08
5J108JJ02
5J108KK01
5J108KK02
5J108MM11
(57)【要約】
容量性素子を有する電気音響デバイスおよびそのような電気音響デバイスを製造する方法。例示的な方法は、基板の第1の領域の上方に音響デバイスを形成することと、基板の第2の領域の上方に、音響デバイスに隣接して容量性素子を形成することとを含む。容量性素子を形成することは、基板の上方に保護層を形成することと、保護層の第1の部分は基板の第2の領域の上にあり、保護層の第2の部分は基板の第1の領域の上にあり、保護層の上に誘電体領域を形成することと、誘電体領域の上に電極を形成することとを含むこととを含む。誘電体領域は、保護層とは異なる材料を含むことができる。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気音響デバイスを製造するための方法であって、
基板の第1の領域の上方に音響デバイスを形成することと、
前記基板の第2の領域の上方に、かつ前記音響デバイスに隣接して、容量性素子を形成することと、を備え、ここにおいて、前記容量性素子を形成することは、
前記基板の上方に保護層を形成することと、ここにおいて、前記保護層の第1の部分は前記基板の前記第2の領域の上方にあり、前記保護層の第2の部分は前記基板の前記第1の領域の上方にあり、
前記保護層の上方に誘電体領域を形成することと、前記誘電体領域は前記保護層とは異なる材料を備え、
前記誘電体領域の上方に第1の電極を形成することと、を備える、方法。
【請求項2】
前記保護層の前記第1の部分は、前記容量性素子の第2の電極の上方に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
絶縁層を形成することと、
前記絶縁層の一部を除去することと、をさらに備え、
第2の電極が、前記絶縁層の一部が除去された開口に形成され、前記保護層は、前記第2の電極の上方に形成される、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記絶縁層及び前記保護層は同じ材料を備え、前記保護層の厚さは前記絶縁層の厚さよりも大きい、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記誘電体領域を形成することは、
前記基板の前記第1の領域および前記第2の領域の上方に前記誘電体領域を形成することと、
前記基板の前記第1の領域の上方にある前記誘電体領域の一部分をエッチングすることと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記保護層の前記第2の部分は、前記音響デバイスの上方に形成され、
前記方法は、前記基板の前記第1の領域の上方にある前記誘電体領域の前記部分の前記エッチングの後に、前記音響デバイスの上方の前記保護層の前記第2の部分を除去することをさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記保護層の第3の部分は、前記基板の第3の領域の上方にあり、前記基板の前記第3の領域は、前記基板の前記第1の領域と前記第2の領域との間にある、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記基板の前記第3の領域の上方にある前記誘電体領域の一部をエッチングした後に、前記保護層の前記第3の部分を除去することをさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記基板の前記第2の領域の上方に前記容量性素子の第2の電極を形成することをさらに備え、
前記保護層の前記第1の部分は、前記容量性素子の前記第2の電極の上に形成される、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基板の前記第1の領域の上方にある前記保護層の前記第2の部分を除去することと、
前記保護層の前記第2の部分を除去した後に、前記基板の前記第1の領域の上方に絶縁層を形成することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記絶縁層は、前記音響デバイスを形成する前に形成される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記音響デバイスを形成することは、
前記絶縁層に1つ以上の開口を形成するために、前記絶縁層の1つ以上の部分をエッチングすることと、
前記1つ以上の開口内にインターデジタルトランスデューサ(IDT)を形成することと、
を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記IDTのバスバーの上方に第3の電極を形成することをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基板の前記第2の領域の上方に、上部電極を有する別の音響デバイスを形成することをさらに備え、
前記保護層の前記第1の部分は、前記容量性素子の第2の電極の上方に形成され、前記容量性素子の前記第2の電極は、他の音響デバイスの前記上部電極である、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記保護層の前記第1の部分は、前記他の音響デバイスの上方に形成される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の電極の一部は、前記上部電極の側面に隣接して形成される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記音響デバイスおよび前記第1の電極の上方に別の保護層を形成することと、
前記音響デバイスの上にある前記他の保護層の一部分をトリミングすることと、
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記他の保護層は、プラズマ化学気相成長(PECVD)プロセスを使用して形成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記基板は、圧電基板を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記保護層は、酸化アルミニウム(Al
2O
3)層または窒化アルミニウム(AlN)層を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記保護層は、原子層堆積(ALD)プロセスを使用して形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記保護層は、エッチストップ層の下のドライエッチングを防止するように構成されたエッチストップ層を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
信号処理のための装置であって、
基板の第1の領域の上方に配置された音響デバイスと、
前記基板の第2の領域の上方に、かつ前記音響デバイスに隣接して配置された容量性素子と、を備え、ここにおいて、前記容量性素子は、
第1の電極と、
前記基板の上方に配置された保護層と、ここにおいて、前記保護層の第1の部分は前記基板の前記第2の領域の上方に配置され、
前記保護層および前記第1の電極の上方に配置された誘電体領域と、前記誘電体領域は、前記保護層とは異なる材料を備え、
前記誘電体領域の上方に配置された第2の電極と、を備える、装置。
【請求項24】
前記保護層の前記第1の部分は、前記第1の電極の上方に配置される、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記音響デバイスは、インターデジタルトランスデューサ(IDT)を備える、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
第3の電極は、前記IDTのバスバーの上方に配置される、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記基板は、圧電基板を備える、請求項23に記載の装置。
【請求項28】
前記保護層は、酸化アルミニウム(Al
2O
3)層を備える、請求項23に記載の装置。
【請求項29】
前記保護層は、窒化アルミニウム(AlN)層を備える、請求項23に記載の装置。
【請求項30】
前記保護層は、エッチストップ層を備え、前記エッチストップ層は、前記エッチストップ層の下のドライエッチングを防止するように構成される、請求項23に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示のいくつかの態様は、概して電気音響デバイスに関し、より詳細には、容量性素子を用いて実装された電気音響デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]電子デバイスは、デスクトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチのようなウェアラブルデバイス、およびインターネットサーバなどのような、従来のコンピューティングデバイスを含む。これらの様々な電子デバイスは、人間のユーザに対して、情報、娯楽、社会的相互作用、セキュリティ、安全性、生産性、輸送、製造、および他のサービスを提供する。これらの様々な電子デバイスは、それらの機能の多くについてワイヤレス通信に依存する。ワイヤレス通信システムおよびデバイスは、音声、ビデオ、パケットデータ、メッセージング、ブロードキャストなどのような、様々なタイプの通信コンテンツを提供するために広く展開されている。これらのシステムは、利用可能なシステムリソース(例えば、時間、周波数、および電力)を共有することによって、複数のユーザとの通信をサポートすることができてもよい。このような接続システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、および直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、(例えば、ロングタームエボリューション(LTE(登録商標))システム、または新無線(NR:New Radio)システム)を含む。
【0003】
[0003]これらの電子デバイスにおいて使用されるワイヤレス通信トランシーバは、一般に、特定の周波数または周波数の範囲について信号をフィルタリングするための複数の無線周波数(RF)フィルタを含む。電気音響デバイス(例えば、「音響フィルタ」)は、多くの用途において高周波(例えば、一般的に100MHzより大きい)信号をフィルタリングするために使用される。圧電材料を振動媒体として使用して、音響共振器は、導電体に沿って伝搬する電気信号波を、圧電材料を介して伝搬する音波に変換することによって動作する。音波は、電磁波の伝搬速度よりも著しく小さい大きさを有する速度で伝搬する。一般に、波の伝搬速度の大きさは、波の波長に比例する。その結果、電気信号の音響信号への変換の後、音響信号の波長は、電気信号波の波長よりも著しく小さい。結果として生じる音響信号のより小さい波長は、より小さいフィルタデバイスを使用してフィルタリングが実行されることを可能にする。これは、音響共振器が、上記に列挙した電子デバイス(例えば、特にセルラフォンなどの携帯型電子デバイスを含む)などの、サイズ制約を有する電子デバイスにおいて使用されることを可能にする。
【0004】
[0004]今日、表面音響波(SAW)またはバルク音響波(BAW)コンポーネントは、RFフィルタを実装するためなど、ワイヤレス通信デバイスにおいて使用されてもよい。SAWテクノロジーでは、音響波は圧電基板の表面上を横方向に(laterally)伝搬し、圧電の運動は表面上の金属インターデジタルトランスデューサ(IDT)によって生成される。音響波の波長は、IDTのピッチ(例えば、金属フィンガおよび間隙の幅)によって規定され得る。BAWテクノロジーでは、圧電材料の上下の電極を通して電界が印加された状態で、音響波が3次元構造を通って垂直に伝搬する。波長は、この場合、圧電材料の厚さによって規定される。
【0005】
[0005]ワイヤレス通信において使用される周波数帯域の数が増大するにつれて、およびフィルタの所望の周波数帯域が広くなるにつれて、音響フィルタの性能は、損失を低減させ、電子デバイスの全体的な性能を増大させるために、重要性が増大する。したがって、性能が改善された音響フィルタ、特に相互変調(intermodulation)ひずみが低減されたフィルタが求められている。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示のシステム、方法、およびデバイスは各々、いくつかの態様を有し、これらのうちのいずれも、その望ましい属性を単独で担うものではない。後続する特許請求の範囲によって表されるような本開示の範囲を限定することなしに、ここでいくつかの特徴が簡潔に論述されることになる。この議論を考慮した後に、および、特に「詳細な説明」と題されたセクションを読んだ後に、本開示の特徴が、電気音響デバイスにおける音響デバイスと共に容量性素子のインプリメンテーションを含む利点をどのように提供するかを理解するだろう。
【0007】
[0007]本開示のある特定の態様は、電気音響デバイスを製造するための方法を提供する。この方法は、一般に、基板の第1の領域の上方に音響デバイスを形成することと、基板の第2の領域の上方に、かつ音響デバイスに隣接して容量性素子を形成することとを含む。容量性素子を形成することは、基板の上に保護層を形成すること、保護層の第1の部分が基板の第2の領域の上方にあり、保護層の第2の部分が基板の第1の領域の上方にあり、と、保護層の上に誘電体領域を形成すること、誘電体領域は保護層とは異なる材料を含み、と、誘電体領域の上に電極を形成することとを含む。
【0008】
[0008]本開示のいくつかの態様は、信号処理のための装置を提供する。この装置は、一般に、基板の第1の領域の上方に配置された音響デバイスと、基板の第2の領域の上方に、音響デバイスに隣接して配置された容量性素子とを含む。容量性素子は、一般に、第1の電極と、基板の上方の保護層、ここで、保護層の第1の部分は基板の第2の領域の上方に配置され、と、保護層および第1の電極の上方に配置され、保護層とは異なる材料を含む誘電体領域と、誘電体領域の上方に配置された第2の電極とを含む。
【0009】
[0009]上記および関係する目的を達成するために、1つ以上の態様は、以下で十分に説明され、特に特許請求の範囲で指摘される特徴を備える。下記の説明および添付図面には、1つ以上の態様のある特定の例示的な特徴が詳細に記載されている。しかしながら、これらの特徴は、様々な態様の原理を用いることができる様々な方法のうちのごく一部を示すものである。
【0010】
[0010]本開示の上述された特徴が詳細に理解できるように、上記で簡潔に要約されたより特定の説明は、態様への参照によりなされることがあってもよく、それらのうちのいくつかは、添付された図面内において図示される。しかしながら、添付の図面は、この開示のある特定の典型的な態様のみを図示しており、それゆえ、その範囲を限定するものと考えられるべきではなく、説明のために、他の同等に効果的な態様にも認められてもよいものであることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】[0011]
図1Aは、本開示のある態様による、例となる電気音響デバイスの斜視図のダイヤグラムである。
【
図1B】[0012]
図1Bは、本開示のある態様による、
図1Aの例となる電気音響デバイスの側面図のダイヤグラムである。
【
図2A】[0013]
図2Aは、本開示のある態様による、電気音響デバイスの例示的な電極構造の上面図である。
【
図2B】[0014]
図2Bは、本開示のある態様による、電気音響デバイスの別の例示的な電極構造の上面図である。
【
図3】[0015]
図3は、本開示のある態様による、例示的な電気音響デバイスの斜視図のダイヤグラムである。
【
図4】[0016]
図4は、本開示のある態様による、例示的な電気音響デバイスの側面図のダイヤグラムである。
【
図5A】[0017]
図5Aは、本開示のある態様による、温度補償層を有する例示的な電気音響デバイスを図示している。
【
図5B】[0018]
図5Bは、本開示のある態様による、
図5Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図5C】
図5Cは、本開示のある態様による、
図5Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図5D】
図5Dは、本開示のある態様による、
図5Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図5E】
図5Eは、本開示のある態様による、
図5Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図5F】
図5Fは、本開示のある態様による、
図5Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図5G】
図5Gは、本開示のある態様による、
図5Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図5H】
図5Hは、本開示のある態様による、
図5Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図5I】
図5Iは、本開示のある態様による、
図5Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図5J】
図5Jは、本開示のある態様による、
図5Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図6A】[0019]
図6Aは、本開示のある態様による、表面音響(SAW)素子を有する例示的な電気音響デバイスを図示している。
【
図6B】[0020]
図6Bは、本開示のある態様による、
図6Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図6C】
図6Cは、本開示のある態様による、
図6Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図6D】
図6Dは、本開示のある態様による、
図6Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図6E】
図6Eは、本開示のある態様による、
図6Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図6F】
図6Fは、本開示のある態様による、
図6Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図6G】
図6Gは、本開示のある態様による、
図6Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図6H】
図6Hは、本開示のある態様による、
図6Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図6I】
図6Iは、本開示のある態様による、
図6Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図6J】
図6Jは、本開示のある態様による、
図6Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図6K】
図6Kは、本開示のある態様による、
図6Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図6L】
図6Lは、本開示のある態様による、
図6Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図7A】[0021]
図7Aは、本開示のある態様による、金属‐絶縁体‐金属キャパシタ(MIMCAP)を含む例示的な電気音響デバイスを図示している。
【
図7B】[0022]
図7Bは、本開示のある態様による、
図7Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図7C】
図7Cは、本開示のある態様による、
図7Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図7D-7E】
図7D-7Eは、本開示のある態様による、
図7Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図7F】
図7Fは、本開示のある態様による、
図7Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図7G】
図7Gは、本開示のある態様による、
図7Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図7H】
図7Hは、本開示のある態様による、
図7Aの電気音響デバイスのような例示的な電気音響デバイスのための製造プロセスを図示している。
【
図8】[0023]
図8は、本開示のある態様による、電気音響デバイスを形成するための例示的な動作を描いたフローダイヤグラムである。
【
図9】[0024]
図9は、本開示のいくつかの態様による、電気音響フィルタ回路が用いられてもよい例示的な簡略化されたワイヤレストランシーバ回路の少なくとも一部分の機能ブロックダイヤグラムである。
【
図10】[0025]
図10は、本開示のある態様による、ワイレストランシーバを有する電子デバイスを含む環境のダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0026]理解を促進するために、可能な限り、図面に共通の同一の要素を指定するために、同一の参照番号が使用されている。1つの態様中で開示されている要素は、特定の詳述なく、他の態様で有益に利用できることが企図されている。
【0013】
詳細な説明
[0027]本開示のいくつかの態様は、概して、保護層を使用して基板上に容量性素子とともに電気音響デバイスを製造するための技術に関する。電気音響デバイスは、容量性素子に隣接して形成されてもよい。電気音響デバイスは、表面音響波(SAW)デバイスまたはバルク音響波(BAW)デバイスとして実装されてもよい。
【0014】
[0028]いくつかの態様では、保護層は、容量性素子の電極を形成した後に、および容量性素子の誘電体領域を形成する前に、堆積されてもよい。保護層は、誘電体領域のエッチングプロセス中に、基板、電気音響デバイス、または電気音響デバイスに関係付けられた他の基底構造上のエッチストップ層として動作することができる。保護層の少なくとも一部は、誘電体領域のエッチングが完了した後に(例えば、ウェット化学エッチングプロセスを使用して)除去されてもよい。ウェット化学エッチングは、保護層のインプリメンテーションに起因して、電気音響デバイスの完全性または他の基底構造に対して無視できる影響を有し得る。
【0015】
[0029]いくつかのインプリメンテーションでは、音響層は、誘電体領域のエッチングプロセスが完了した後に堆積されてもよい。この場合、保護層は、基板への損傷を防止する(または少なくともその可能性を低減する)ことができる(たとえば、保護層がない場合、基板は、音響性能に影響を及ぼす可能性がある容量性層の形成によって損傷を受ける可能性があるため)。
【0016】
[0030]添付図面に関連して以下に示される詳細な説明は、例示的なインプリメンテーションの説明として意図されており、本開示が実施されてもよい唯一のインプリメンテーションを表すようには意図されていない。本明細書の全体にわたって用いられる「例示的」という用語は、「例、実例、又は例示を提供する」を意味し、必ずしも、他の例示的なインプリメンテーションよりも好ましい又は有利であるようには解釈されるべきではない。詳細な説明は、例示的なインプリメンテーションの徹底した理解を提供することを目的として特定の詳細を含む。いくつかの例では、いくつかのデバイスが、ブロックダイヤグラムの形で示される。以下の図の間で共通の図面要素は、同じ参照番号を使用して識別されてもよい。
【0017】
例示的電気音響デバイス
[0031]
図1Aは、例示的な電気音響デバイス100の斜視図のダイヤグラムである。電気音響デバイス100は、表面音響波(SAW)共振器として構成されてもよく、またはその一部であってもよい。本明細書のある説明では、電気音響デバイス100は、SAW共振器と呼ばれてもよい。しかしながら、本明細書で説明される原理に基づいて構築されてもよい他の電気音響デバイスタイプが存在してもよい。
【0018】
[0032]電気音響デバイス100は、圧電材料102の表面上に、インターデジタルトランスデューサ(IDT)と呼ばれることがある電極構造104を含む。電極構造104は、一般に、2つのバスバーから互いに向かって伸張し、2つのバスバーの間にインターロック式に配置された(例えば、互いにかみ合うように配置された)電極フィンガを有する第1および第2の櫛形電極構造(導電性および一般に金属製)を含む。(例えば、AC電圧を印加して)電極構造104において励起された電気信号が、圧電材料102を介して特定の方向に伝搬する音響波106に変換される。音響波106は、変換されて電気信号に戻され、出力として提供される。多くの用途において、圧電材料102は、電極構造104が圧電材料102の結晶配向に対して配置されるとき、音響波が主にフィンガの方向に垂直な方向(例えば、バスバーに平行)に伝搬するように、特定の結晶配向を有する。
【0019】
[0033]
図1Bは、
図1Aに示される断面108に沿った
図1Aの電気音響デバイス100の側面図のダイヤグラムである。電気音響デバイス100は、圧電材料102上に配置された電極構造104を有する圧電材料102を含む簡略化された層スタックによって図示されている。
【0020】
[0034]電極構造104は導電性であり、一般的に金属材料から形成される。電極構造104は、代替的に、導電性であるが非金属である材料(例えば、グラフェン)から形成されてもよい。
【0021】
[0035]圧電材料102は、石英、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、これらのドープされた変形、他の圧電材料、または他の結晶などの様々な材料から形成されてもよい。様々な材料の層を含むより複雑な層スタックが、スタック内で可能であってもよいことを理解されたい。例えば、任意選択で、破線によって示される温度補償層110が、電極構造104の上に配置されてもよい。圧電材料102は、マルチ共振器フィルタを形成するために、または複数のフィルタを提供するために、その上に配置された複数の相互接続電極構造により伸長されてもよい。
【0022】
[0036]図示されていないが、集積回路コンポーネントとして提供されるとき、キャップ層が電極構造104の上に提供されてもよい。キャップ層は、電極構造104とキャップ層の下面との間に空洞が形成されるように塗布される。(例えば、フリップチップまたは他の技術を介して)コンポーネントが基板上の接続部に電気的に接続されることを可能にする電気的ビアまたはバンプも含まれてもよい。
【0023】
[0037]
図2Aは、電気音響デバイスの例示的な電極構造204aの上面図である。電極構造204aは、第1の端子220に電気的に接続された第1のバスバー222(例えば、第1の導電性セグメントまたはレール)と、第1のバスバー222から離間され、第2の端子230に接続された第2のバスバー224(例えば、第2の導電性セグメントまたはレール)とを含むIDT205を有する。複数の導電性フィンガ226が、第1のバスバー222または第2のバスバー224のいずれかに互いにかみ合うように接続される。第1のバスバー222に接続されたフィンガ226は、第2のバスバー224に向かって伸張するが、これらのフィンガ226の端部と第2のバスバー224との間に小さな間隙が存在するように、第2のバスバー224に接続しない。同様に、第2のバスバー224に接続されたフィンガ226は、第1のバスバー222に向かって伸張するが、これらのフィンガ226の端部と第1のバスバー222との間に小さな間隙が存在するように、第1のバスバー222に接続しない。同様に、フィンガ226と、第1のバスバー222または第2のバスバー224から伸張する任意の構造(例えば、スタブフィンガ)との間にも、小さな間隙が形成されてもよい。
【0024】
[0038]バスバー間には、中央領域225によって図示されるように、1つのフィンガの一部が隣接するフィンガの一部と重複する中央領域を含む重複領域がある。重複を含むこの中央領域225は、アパーチャ、トラック、またはアクティブ領域と呼ばれることがあり、ここで、フィンガ226間に電界が生成されて、音響波を圧電材料102のこの領域内を伝搬させる。フィンガ226の周期性は、IDTのピッチと呼ばれる。ピッチは、さまざまな方法で示されてもよい。たとえば、いくつかの態様では、ピッチは、中央領域225内のフィンガ間の距離の大きさに対応してもよい。この距離は、例えば、フィンガのそれぞれの中心点間の距離として定義されてもよい(フィンガが均一な幅を有するとき、概して、1つのフィンガの右(または左)縁と隣接するフィンガの右(または左)縁との間で測定されてもよい)。いくつかの態様では、隣接するフィンガ間の距離の平均がピッチのために使用されてもよい。圧電材料が振動する周波数は、電極構造204aの主共振周波数である。この周波数は、IDT205のピッチおよび電気音響デバイス100の他の特性によって少なくとも部分的に決定される。
【0025】
[0039]IDT205は、2つの反射器228の間に配置され、これらの反射器は、示された構成においてIDT205を介して音響波を電気信号に変換するために、かつ損失を防止する(例えば、音響波の漏れを閉じ込め防止する)ために、音響波をIDT205に向けて反射して戻す。各反射器228は、2つのバスバーと、各々が両方のバスバーに接続する導電性フィンガの格子構造とを有する。反射器のピッチは、共振周波数範囲内の音響波を反射するために、IDT205のピッチと同様または同じであってもよい。しかしながら、多くの構成が可能である。
【0026】
[0040]変換されて電気信号に戻されるとき、変換された電気信号は、第1の端子220または第2の端子230のうちの一方などへの出力として提供されてもよく、他方の端子は入力として機能してもよい。
【0027】
[0041]様々な電極構造が可能である。
図2Aは、概して、1ポート構成を図示してもよい。他の構成(例えば、2ポート構成)も可能である。例えば、電極構造204aは、各端子220および230が入力として機能する入力IDT205を有することができる。この場合、反射器228の間に位置し、入力IDT205に隣接する隣接出力IDT(図示せず)を設けて、圧電材料102内を伝搬する音響波を電気信号に変換して、出力IDTの出力端子に出力してもよい。
【0028】
[0042]
図2Bは、電気音響デバイスの別の例示的な電極構造204bの上面図である。この場合、デュアルモードSAW(DMS)電極構造204bが図示されており、DMS構造は、複数の共振を誘導することができる構造である。電極構造204bは、反射器228の間に配置され、図示のように接続された複数のIDTを含む。電極構造204bは、
図2Aおよび
図2Bの電極構造204aおよび204bを含むように、本明細書で説明される原理が適用されてもよい様々な電極構造を示すために提供される。
【0029】
[0043]特定の数のフィンガ226が図示されているが、実際のフィンガの数、ならびにフィンガ226およびバスバーの長さおよび幅は、実際のインプリメンテーションでは異なっていてもよいことを理解されたい。そのようなパラメータは、特定の用途および所望のフィルタ特性に依存する。さらに、SAWフィルタは、所望の通過帯域を達成するために複数のIDTをそれぞれが含む複数の相互接続された電極構造(例えば、所望のフィルタ伝達関数を形成するための複数の相互接続された共振器またはIDT)を含むことができる。
【0030】
[0044]SAW共振器などの電気音響デバイスは、より多くの周波数範囲(例えば、500MHzから6GHz)をカバーし、より高い帯域幅(例えば、最大20%)を有し、改善された効率および性能を有するように設計されている。一般に、SAW共振器は、相互変調歪み(IMD)を生じさせる非線形性を受ける。例えば、IDT電極間の空気または誘電体を通るわずかな導電性は、アーク放電を引き起こす可能性があり、デバイスの非線形性、耐電力性、および圧縮を悪化させる可能性がある。音響トラックをカスケーディングすることは、ある量の相互変調歪みを低減することができるが、この技術は、実装するために増大した空間を占有し、より大きなSAWデバイスをもたらす。
【0031】
[0045]特に、圧電基板の比誘電率(εr)は、SAWフィルタの相互変調(非線形性)特性に影響を及ぼす。基板の誘電率がSAWフィルタの非線形性に及ぼす影響をシミュレートするために、非線形メイソン等価回路モデルが使用されてきた。さらに、SAWデバイス上のIDTを形成する電極を分離する材料の比誘電率も同様に、デバイスの非線形性挙動に影響を及ぼす。SAWデバイス内の特定の誘電体構造の比誘電率を調整することによって、デバイスの相互変調歪みを低減することができる。
【0032】
[0046]
図3は、電極構造300の別の例の斜視図のダイヤグラムである。電気音響デバイス300(例えば、SAW共振器として構成されてもよく、又はその一部であってもよい)は、
図1Aの電気音響デバイス100と同様であるが、異なる層スタックを有する。特に、電気音響デバイス300は、基板310(例えば、シリコン)上に設けられた薄い圧電材料302を含む。電気音響デバイス300は、いくつかのケースでは、薄膜SAW共振器として呼ばれてもよい。使用される圧電材料302のタイプ(例えば、典型的には、
図1の電気音響デバイス100に対してより高い結合係数を有する)および圧電材料302の制御された厚さに基づいて、励起される特定の音響波モードは、
図1Aの電気音響デバイス100におけるものとはわずかに異なるかもしれない。設計(層の厚さ、および材料の選択など)に基づいて、電気音響デバイス300は、
図1Aの電気音響デバイス100と比較して、より高い品質係数(Q)を有してもよい。一般に、基板310は、圧電材料302よりも実質的に厚くすることができる(例えば、潜在的に、一例として50から100倍程度、またはそれ以上の厚さ)。基板310は、他の層を含んでもよい(または他の層が、基板310と圧電材料302との間に含まれてもよい)。
【0033】
[0047]
図4は、例示的な層スタックを示す(断面307に沿った)
図3の電気音響デバイス300の側面図のダイヤグラムである。
図4に示される例では、基板310は、(例えば、他の層-高抵抗率層に対して)より高い抵抗を有してもよい(例えば、シリコンの)基板副層310-1などの副層を含んでいてもよい。基板310は、トラップリッチ(trap rich)層310-2(例えば、ポリシリコン)をさらに含んでもよい。基板310は、温度補償および他の特性を提供してもよい補償層310-3(たとえば、二酸化ケイ素(SiO
2)または別の誘電体材料)をさらに含んでいてもよい。これらの副層は、基板310の一部またはそれら自体の別個の層とみなすことができる。比較的薄い圧電材料302が、特定の音響はモードを提供するために、特定の厚さで基板310上に提供される(例えば、
図1Aの電気音響デバイス100と比較して、圧電材料102の厚さは、ある厚さを超えると重要な設計パラメータではなくてもよく、
図3および
図4の電気音響デバイス300の圧電材料302と比較して一般的に厚くなってもよい)。電極構造304は、圧電層302の上方に位置決めされる。さらに、いくつかの態様では、電極構造304の上方に可能な1つ以上の層(図示せず)(たとえば、薄いパッシベーション層など)があってもよい。
【0034】
[0048]圧電材料のタイプ、厚さ、および全体的な層スタックに基づいて、電極構造304への結合、および電極構造304の異なる領域における圧電材料内の音速は、
図1Aの電気音響デバイス100と
図3および
図4の電気音響デバイス300との間など、異なるタイプの電気音響デバイス間で異なってもよい。
【0035】
キャパシタを有する例示的なSAWデバイス
[0049]上述したように、電気音響デバイスは、複数の相互接続された音響素子、および容量性素子などの他の受動素子のネットワークを使用して実装されてもよい。電気音響デバイスは、フィルタの性能に関する特定の仕様を満たすために、オンダイ容量性素子(on-die capacitive element)を使用することができる。例えば、容量性素子は、帯域幅調整(adjustment)(例えば、帯域幅拡大)、周波数応答モデリングもしくは調整(tailoring)、又はマッチングのために電気音響デバイスにおいて使用されてもよい。
【0036】
[0050]いくつかのインプリメンテーションでは、容量性素子は、音響要素を使用して実現されてもよい。例えば、音響素子の応答に関係付けられた位相が90度回転されるように、または音響素子の共振周波数がフィルタの動作周波数からシフトされるように、音響素子(例えば、SAW共振器)は構成されてもよい。このようにして、音響素子は、音響素子のインターデジタルトランスデューサ(IDT)フィンガ間の電気的絶縁により、容量性素子として動作することができる。
【0037】
[0051]容量性素子を作成するための音響素子の使用は、いくつかの欠点を有するかもしれない。例えば、容量性素子に印加される信号電力のかなりの部分が、圧電基板上または圧電基板内への音波の励起をもたらし、電力損失をもたらす可能性がある。いくつかの態様では、そのような欠点を克服するためにプレートキャパシタが使用されてもよい。しかしながら、プレートキャパシタは、誘電体領域として二酸化ケイ素(SiO2)を含み得る。SiO2は、低い誘電率を有し得、プレートキャパシタによる大きなエリア消費をもたらす。また、SiO2がスパッタリングされることがあり、その結果、誘電体領域に欠陥および粒子(particles)が生じることがある。
【0038】
[0052]プレートキャパシタを製造するためのプロセスフローは、音響素子(本明細書では「音響デバイス」とも呼ばれる)に隣接する誘電体領域の堆積と、誘電体領域が堆積され得る(may have been deposited)エリアの後続のエッチングとを伴ってもよい。誘電体領域のエリアを除去するためのエッチングプロセスは、音響素子の完全性および機能性またはフィルタに関連する他の基底構造に有害であるかもしれない。本開示のいくつかの態様は、音響素子と同じダイ上に容量性素子を形成することを容易にするために、フィルタに関連する音響素子または他の基底構造を保護するための技術を対象とする。
【0039】
[0053]フィルタの製造中に使用されてもよい異なるタイプのエッチングプロセスがある。
エッチングプロセスの1つのタイプは、フィルタを実装するために使用されるウェハ表面の化学量論を変更することができる。別のタイプのエッチングプロセスは、ウェハ表面の粗さを変えることができる。したがって、使用されるエッチングプロセスのタイプに応じて、電気音響素子が位置するエリアは、本明細書でより詳細に説明されるように、エッチングの前に保護されてもよい。
【0040】
[0054]いくつかのインプリメンテーションでは、音響デバイスのウェハ表面を保護するためにフォトレジストが使用されてもよい。しかしながら、誘電体領域の堆積は典型的には高温で行われ得るので、フォトレジストは誘電体領域堆積プロセス中にガスを放出する傾向がある。したがって、フォトレジストは、誘電体領域の堆積プロセスに使用される温度よりも高い温度でアニール(anneal)されてもよい。これらの高温でのフォトレジスト中の架橋(cross-linking)に起因して、フォトレジスト除去プロセス(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはN-メチル‐2-ピロリドン(NMP)などの溶媒を使用する)は有効でないかもしれない。場合によっては、プラズマベースのプロセスを実施してフォトレジストを除去することができる。しかしながら、プラズマベースのプロセスは、効果がなく、非効率的であるかもしれない。
【0041】
キャパシタ処理のための例示的なエッチストップおよび保護層
[0055]本開示のいくつかの態様は、音響デバイス内に形成される容量性素子のための誘電体領域の堆積の前に保護層を堆積させることによって音響デバイスを保護するための技術を対象とする。保護層は、誘電体領域の選択的除去(例えば、ドライエッチング)プロセス中に、基板、音響デバイス、および/または電気音響デバイスの他の基底構造への損傷を防止することができるエッチストップおよび安全層として機能することができる。一例として、保護層は、酸化アルミニウム(Al2O3)層であってもよい。他の例において、保護層は、窒化アルミニウム(AlN)層であってもよい。
【0042】
[0056]いくつかの態様では、保護層は、容量性素子の電極と誘電体領域との間、または容量性素子の基板と下部電極との間のいずれかに配置されてもよい。保護層は、誘電体領域がエッチングされたいくつかの領域において除去されてもよい。保護層を除去するために、ウェット化学エッチングプロセスが実現されてもよい。例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)またはアンモニア(NH3)溶液が、保護層を除去するために使用されてもよい。保護層を除去するためのウェット化学エッチングの適用は、本明細書で説明されるように、電気音響素子の金属層スタックまたは他の基底構造の完全性に対して無視できる影響しかもたらさない場合がある。
【0043】
[0057]
図5Aは、本開示のある特定の態様に従う、電気音響デバイス500を図示する。
「層」という用語は、フィルムを含み、別段の記載がない限り、垂直または水平の厚さを示すものとして解釈されるべきではないことが理解されよう。本明細書に記載されるように、「基板」という用語は、ダイシングされたウェハの基板を指してもよく、またはダイシングされていないウェハの基板を指してもよい。
【0044】
[0058]電気音響デバイス500は、音響デバイス502(例えば、SAW素子)および容量性素子504を含む。容量性素子504および音響デバイス502は、基板505の異なる領域上に形成される。例えば、音響デバイス502は、基板505の第1の領域506aの上方に形成されてもよく、容量性素子504は、基板505の第2の領域506bの上方に形成されてもよい。容量性素子504は、図示されるように、音響デバイス502に隣接して配置される。基板505の第3の領域506cが、第1の領域506aと第2の領域506bとの間にあってもよい。
【0045】
[0059]容量性素子504は、第1の電極508(例えば、容量性素子504の下部電極)と、保護層510と、誘電体領域512と、第2の電極514(例えば、容量性素子504の上部電極)とを含む。第1の電極508は、基板505の第2の領域506bの一部の上にあってもよい。保護層510は、示されるように、第1の電極508および基板505の一部の上方に、かつ第1の電極508の側面に隣接して形成されてもよい。誘電体領域512は、保護層510の上方に形成されてもよく、第2の電極514は、示されるように、誘電体領域512の少なくとも一部の上方に形成されてもよい。
【0046】
[0060]音響デバイス502は、インターデジタルトランスデューサ(IDT)516と、温度補償層518と、第3の電極520とを含む。IDT516は、基板505の第1の領域506aの一部の上方に形成することができる。温度補償層518は、IDT516の一部および基板506の第1の領域505aの一部の上方に形成されてもよい。第3の電極520は、IDT516のバスバーに電気的に結合され、バスバーの上方に形成される。第3の電極520の一部は、温度補償層518上に形成されてもよい。
【0047】
[0061]
図5Bから
図5Jは、本開示のいくつかの態様による、
図5Aの電気音響デバイス500などの電気音響デバイスを製造するための技術を図示する。
【0048】
[0062]
図5Bに図示するように、音響デバイス502の1つ以上のコンポーネントを形成することができる。音響デバイス502の1つ以上のコンポーネントは、基板505の第1の領域506aの上に形成されたIDT516および温度補償層518を含む。
【0049】
[0063]音響デバイス502の1つ以上のコンポーネントは、複数のプロセスで形成されてもよい。第1のプロセスにおいて、基板505を堆積させることができる。基板505は、圧電物質を含む圧電層を含むことができる。圧電材料としては、LiNbO3単結晶のようなニオブ酸リチウム(LiNbO3)、LiTaO3単結晶のようなタンタル酸リチウム(LiTaO3)、ガリウムヒ素(GaAs)等を含んでいてもよい。ある場合には、圧電材料は、窒化ガリウム(GaN)、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、石英、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0050】
[0064]IDT516は、基板506の第1の領域505aの一部分の上方に形成されてもよい。一態様では、IDT516は、基板505の第1の領域506aの一部に接してもよい。別の態様では、1つ以上の他の層(たとえば、接着層)が、IDT516と基板505の第1の領域506aの一部との間に配置されてもよい。一般に、いくつかの層または領域が隣接する領域または層として示されているが、1つ以上の層(たとえば、接着層)が、いくつかのインプリメンテーションでは、それらの領域または層の間に実装されてもよい。
【0051】
[0065]第2のプロセスでは、次いで、温度補償層518が、基板505の第1の領域506aおよびIDT516の部分の上に形成されてもよい。一態様では、温度補償層518は、酸化ケイ素を含んでいてもよい。
【0052】
[0066]
図5Cは、基板505、IDT516、および温度補償層518の上の絶縁層522の形成を図示する。例えば、絶縁層522は、Al
2O
3であってもよい。いくつかの態様では、絶縁層522は、約0.7nmの厚さ(たとえば、約0.7nmの厚さのAl
2O
3層)であってもよい。絶縁層522は、フォトレジストフーチングの再現性を改善するために使用することができる。
【0053】
[0067]
図5Dは、第1の電極508の形成を図示する。第1の電極508を形成するために、絶縁層522の一部を除去して開口を形成することができる。次に、開口に第1の電極508を形成してもよい。第1の電極508は、音響デバイス502に隣接して形成されてもよい。第1の電極508は、例えば、Crおよび/またはCuを含むことができる。
【0054】
[0068]
図5Eは、第1の電極508および絶縁層522の上方の保護層510の形成を図示する。保護層510は、原子層堆積(ALD)プロセスまたは他の適切なプロセスを使用して形成することができる。いくつかの態様では、保護層510はAl
2O
3から構成されてもよく、他の態様では、保護層510はAlN層であってもよい。保護層510の厚さは、いくつかのインプリメンテーションでは、15nmであってもよい。
【0055】
[0069]
図5Fは、保護層510の上方の誘電体領域512の形成を図示する。図示されるように、誘電体領域512は、第1の領域506a、第2の領域506b、および第3の領域506cの両方の上方に形成されてもよい。誘電体領域512は、保護層510とは異なる材料を含む。例えば、誘電体領域512はSiO
2を含む。いくつかのインプリメンテーションでは、誘電体領域512は、約385nm厚(たとえば、約385nm厚の窒化シリコン(Si
xN
y)層)であってもよい。
【0056】
[0070]
図5Gは、誘電体領域512の一部を除去するために実行されるエッチングプロセスを図示する。一態様では、ドライエッチングレジスト材料524は、誘電体領域512の一部の上に堆積されてもよい。
図5Hに図示するように、ドライエッチングプロセスまたは他の適切なプロセスを使用して、ドライエッチングレジスト材料524の影の外側にある誘電体領域512の部分を除去することができる。誘電体領域512のエッチング中、保護層510は、事実上、保護層510の下の材料のドライエッチングを保護および防止することによってエッチストップ層として動作する。
図5Iに示すように、ドライエッチングレジスト材料524は、誘電体領域512のエッチング後に除去することができる。
【0057】
[0071]誘電体領域512のドライエッチングが完了すると、
図5Jに図示するように、誘電体領域512によって覆われていない保護層510の一部を除去するために、ウェット化学エッチングプロセスまたは別の適切なプロセスが使用されてもよい。ウェット化学エッチングプロセスは、保護層510の一部を除去するためにTMAHまたはNH
3溶液を使用することができる。
【0058】
[0072]次に、
図5Aに示すように、第2の電極514を誘電体領域512の上方に形成することができ、第3の電極520をIDT516のバスバーの上方に形成することができる。第2の電極514および第3の電極520は、例えば、厚さ約2.5μmのチタン(Ti)、Cu、および/またはAl層を含むことができる。
【0059】
[0073]
図6Aは、本開示のある特定の態様に従う、電気音響デバイス600を図示する。
電気音響デバイス600は、音響デバイス602(例えば、SAW素子)と、容量性素子604とを含む。いくつかの態様では、容量性素子604および音響デバイス602は、基板605の異なる領域の上に形成されてもよい。図示されるように、音響デバイス602は、基板605の第1の領域606aの上方に形成されてもよく、容量性素子604は、基板605の第2の領域605bの上方に形成されてもよい。示すように、容量性素子604は、音響デバイス602に隣接して配置することができる。基板605の第3の領域606cが、第1の領域606aと第2の領域606bとの間にあってもよい。
【0060】
[0074]図示するように、容量性素子604は、第1の電極608(たとえば、容量性素子604の下部電極)と、保護層610と、誘電体領域612と、絶縁層614と、第2の電極616(たとえば、容量性素子604の上部電極)とを含む。第1の電極608は、基板605の第2領域606bの上方に位置することができる。さらに、保護層610は、第1の電極608および基板605の第2の領域605bの一部の上方にあってもよい。誘電体領域612は、保護層610の上方にあってもよい。絶縁層614は、誘電体領域612、基板605の第2の領域606bの一部、基板605の第3の領域605c、および基板605の第1の領域605aの上方に形成されてもよい。いくつかの態様では、図示されるように、第2の電極616が形成されてもよい開口を形成するために、絶縁層614の一部が除去されてもよい。
【0061】
[0075]いくつかの態様において、音響デバイス602は、IDT618と第3の電極620を含んでいてもよい。本明細書でより詳細に説明するように、IDT618が形成されてもよい開口を形成するために、1つ以上の開口が絶縁層614に形成されてもよい。第3の電極620は、IDT618のバスバーに電気的に結合され、その上方に形成されてもよい。第3の電極620の一部は、示されるように、基板605の第1の領域606aの一部の上方に形成されてもよい。
【0062】
[0076]
図6Bから
図6Lは、本開示のいくつかの態様による、
図6Aの電気音響デバイス600などの電気音響デバイスを製造するための技術を図示する。
【0063】
[0077]
図6Bに図示されるように、基板605が形成または提供されてもよい。基板605は、圧電物質を含む圧電層を含むことができる。いくつかのインプリメンテーションでは、圧電材料は、LiNbO
3単結晶などのLiNbO
3またはLiTaO
3単結晶などのLiTaO
3、GaAsなどを含んでいてもよい。ある場合には、圧電材料は、GaN、ZnS、CdS、石英、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0064】
[0078]
図6Cは、基板605の上の絶縁層622の形成を図示する。絶縁層622は、例えばAl
2O
3であってもよい。絶縁層622は、約0.7nmの厚さ(例えば、約0.7nmの厚さのAl
2O
3層)であってもよい。
【0065】
[0079]
図6Dは、第1の電極608の形成を図示する。第1の電極608を形成するために、絶縁層622の一部を除去して開口を形成することができる。開口に第1の電極608を形成することができる。第1の電極608は、例えば、Cr-Cu-Crを含むことができる。
【0066】
[0080]
図6Eは、第1の電極608および絶縁層622の上方の保護層610の形成を図示する。保護層610は、ALDプロセスまたは他の適切なプロセスを使用して形成することができる。いくつかの態様では、保護層610は、Al
2O
3を含んでいてもよい。いくつかの態様では、保護層610は、AlN層を含んでいてもよい。保護層610の厚さは、いくつかのインプリメンテーションでは、15nmであってもよい。
【0067】
[0081]
図6Fは、誘電体領域612の形成を図示する。誘電体領域612は、保護層610の上方に形成されてもよい。誘電体領域612は、保護層610とは異なる材料を含むことができる。例えば、誘電体領域612は、SiO
2またはSi
xN
yを含んでもよい。いくつかのインプリメンテーションでは、誘電体領域512は、約385nmの厚さ(たとえば、約385nmの厚さのSi
xN
y層)であってもよい。
【0068】
[0082]
図6Gは、誘電体領域612の一部を除去するために実行されるエッチングプロセスを図示する。例えば、ドライエッチングレジスト材料624は、示されるように、誘電体領域612の一部の上方(例えば、第2の領域606bの上方)に堆積されてもよい。
図6Hに図示するように、ドライエッチングプロセスまたは他の適切なプロセスを使用して、ドライエッチングレジスト材料624の影の外側にある誘電体領域612の部分を除去することができる。
図6Iに図示するように、ドライエッチングレジスト材料624は、誘電体領域612のエッチング後に除去することができる。誘電体領域612のエッチング中、保護層610は、事実上、保護層610の下の材料のドライエッチングを保護および防止することによってエッチストップ層として動作する。
【0069】
[0083]誘電体領域612のドライエッチングが完了すると、
図6Jに図示するように、誘電体領域612によって覆われていない保護層610の一部を除去するために、ウェット化学エッチングプロセスが使用されてもよい。ウェット化学エッチングプロセスは、保護層610の一部を除去するためにTMAHまたはNH
3溶液を使用することができる。
【0070】
[0084]
図6Kは、誘電体領域612および基板605の上方の絶縁層614の形成を図示する。例えば、絶縁層614は、基板605の誘電体領域612、第1の領域606a、および第3の領域606cの上方に形成されてもよい。絶縁層614は、例えば、Al
2O
3から構成されてもよい。絶縁層614の厚さは、いくつかのインプリメンテーションでは、0.7nmであってもよい。
【0071】
[0085]
図6Lは、IDT618の形成を図示する。IDT618を形成するために、絶縁層614の1つ以上の部分をエッチングして、絶縁層614に開口を形成することができる。次に、絶縁層614のこれらの開口内にIDT618を形成する。IDT618は、例えば、Ti-Cu-Alを含むことができる。
【0072】
[0086]
図6Aに示されるように、第2の電極616および第3の電極620が形成されてもよい。本明細書で説明するように、第2の電極616を形成するために、絶縁層614の一部がエッチングされて、絶縁層614内に開口が形成される。そして、この開口に第2の電極616を形成する。第2の電極616は、いくつかの態様では、約2.5μmの厚さのTi、Cu、および/またはAl層を含んでいてもよい。第3の電極620は、IDT618のバスバーの上方に形成されてもよい。
【0073】
バルク音響波(BAW)オンダイ容量性素子用途のための例示的なエッチストップ保護層
[0087]電気音響デバイスは、複数の相互接続されたバルク音響波(BAW)共振器と、容量性素子および/または誘導性素子などの他の受動素子とのネットワークを使用して実装されてもよい。いくつかのインプリメンテーションでは、容量性素子は、プレートキャパシタとして実現されてもよい。BAW共振器の上部電極は、容量性素子の下部電極として機能してもよい。下部電極は、誘電体領域によって覆われてもよい。電気パッド(ePAD)は、本明細書でより詳細に説明するように、容量性素子の上部電極として働くことができる。電気音響デバイスの他の領域もまた、同じ誘電体領域によって覆われてもよく、これは、局所周波数補正(例えば、音響トリミング)および/またはパッシベーションのために使用されてもよい。
【0074】
[0088]いくつかのプロセスフローは、誘電体材料の使用を、BAW共振器の特定の音響特性に適したものに限定することがある。さらに、同じ誘電体領域を容量性素子および音響素子に使用することができるので、誘電体領域の厚さについて妥協することができる。例えば、誘電体領域は、誘電体領域の厚さが容量性素子に十分な破壊特性を提供する一方で、音響デバイスの目標特性も満たすように選択されてもよい。
【0075】
[0089]それぞれの目的のためにそれぞれ調整される異なる誘電体層(例えば、容量性素子および音響素子のための)を使用する柔軟性は、フィルタ性能の改善を可能にする。異なる誘電体領域が使用されるとき、各誘電体領域の特定の部分が除去されてもよい。誘電体領域の部分を除去するためのエッチングプロセスは、フィルタに関係付けられた音響素子または他の基底構造の完全性および機能性に有害であるかもしれない。本開示のいくつかの態様は、容量性素子の形成を容易にするために、電気音響デバイスに関係付けられた音響素子または他の基底構造を保護するための技術を対象とする。
【0076】
[0090]
図7Aは、本開示のある特定の態様に従う、電気音響デバイス700を図示する。
電気音響デバイス700は、音響デバイスのアレイを含んでもよい。例えば、電気音響デバイス700は、第1の音響デバイス702と第2の音響デバイス790とを含んでいてもよい。電気音響デバイス700は、第1の音響デバイス702(例えば、BAW素子)および容量性素子704を含み、容量性素子704は、本明細書でより詳細に説明されるように、第2の音響デバイス790に隣接してその上方に形成される。容量性素子704および第1の音響デバイス702は、圧電層705の異なる領域の上方に形成されてもよい。第1の音響デバイス702は、圧電層705の第1の領域706aの上方に形成されてもよく、容量性素子704は、圧電層705の第2の領域706bの上方に形成されてもよい。容量性素子704は、示されるように、第1の音響デバイス702に隣接して配置されてもよい。圧電層705の第3領域706cが、第1領域706aと第2領域706bとの間に位置してもよい。
【0077】
[0091]第1の音響デバイス702は、(例えば、二酸化ケイ素(SiO2)で構成された)1つ以上の側方特徴(lateral feature)707と、電極709とを含む。本明細書で使用されるように、側方特徴は、概して、共振器の縁における局所的特徴(例えば、共振器からの横方向エネルギー漏れを低減するための質量負荷)を指す。容量性素子704は、第1の音響デバイス702の1つ以上の側方特徴707を形成するために使用されてもよい1つ以上の層によって強化/形成されてもよく、それによって電極厚さおよび/または誘電体厚さを強化する。
【0078】
[0092]本明細書で説明されるように、電気音響デバイス700は、第2の音響デバイス790を含む。第2の音響デバイス790は、多数の側方特徴708(例えば、SiO2から構成される)および電極710を含んでいてもよい。第2の音響デバイス790の電極710は、容量性素子704の電極(例えば、下部電極)として構成されてもよい。
【0079】
[0093]図示のように、容量性素子704は、電極710と、誘電体領域714と、電極716(たとえば、ePAD)とを含む。第1の保護層712は、電極709、圧電層705、および電極710の上に配置されてもよい。誘電体領域714は、第1の保護層712の上に形成することができる。電極716は、誘電体領域714の一部の上方に形成されてもよい。電極716の一部は、示されるように、電極710の側面に隣接してもよい。第2の保護層718は、電極716、誘電体領域714の一部、および第1の保護層712の一部の上方に形成することができる。第2の保護層718は、電極716に対する腐食保護を提供することができる。
【0080】
[0094]
図7Bから
図7Hは、本開示のいくつかの態様による、
図7Aの電気音響デバイス700などの電気音響デバイスを製造するための技術を図示する。
【0081】
[0095]
図7Bに図示するように、音響デバイス702、790は、圧電層705上に形成される。圧電層705は、AlN、または、圧電効果を高めるためにドーパントが濃縮されたAlNベースの層、LiNbO
3(LiNbO
3単結晶など)、LiTaO
3(LiTaO
3単結晶など)、GaAsなどを含むことができる。いくつかの態様では、圧電材料は、GaN、ZnS、CdS、石英(クオーツ)、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0082】
[0096]第1の音響デバイス702は、側方特徴707および電極709を含む。第1の音響デバイス702の電極709は、示されるように、側方特徴707の上方に形成されてもよい。第2の音響デバイス790は、側方特徴708および電極710を含む。第2の音響デバイスの電極710は、示されるように、第2の音響デバイスの側方特徴708の上方に形成されてもよい。
【0083】
[0097]
図7Cは、音響デバイス702、790の電極709、710および圧電層705の上の第1の保護層712の形成を図示する。第1の保護層712は、原子層堆積(ALD)プロセスまたは別の適切なプロセスを使用して形成されてもよい。第1の保護層712は、例えば、Al
2O
3を含むことができる。他の態様では、第1の保護層712は、AlN層であってもよい。
【0084】
[0098]
図7Dは、誘電体領域714の形成を図示する。図示のように、誘電体領域714は、第1の保護層712の上方に形成されてもよい。誘電体領域714は、第1の保護層712とは異なる材料を含んでいてもよい。例えば、誘電体領域714は、SiO
2またはSi
xN
yを含んでもよい。
【0085】
[0099]
図7Eは、誘電体領域714の一部を除去するために実行されるエッチングプロセスを図示する。例えば、レジストは、誘電体領域714の一部の上方(例えば、第2の領域706bの上方)に堆積されてもよい。レジスト材料によって覆われていない誘電体領域714の部分は、エッチングプロセスを使用して除去されてもよい。エッチングプロセス中、第1の保護層712は、事実上、第1の保護層712の下の材料のドライエッチングを保護および防止することによってエッチストップ層として動作する。
【0086】
[0100]誘電体領域714のドライエッチングが完了すると、選択的エッチングプロセス(例えば、ウェットエッチングプロセス)を使用して、
図7Fに図示するように、誘電体領域714によって覆われていない第1の保護層712の一部を任意選択的に除去することができる。いくつかの態様では、任意のウェット化学エッチングプロセスを使用して、第1の保護層712の一部を除去することができる。ウェット化学エッチングプロセスは、いくつかのインプリメンテーションでは、TMAHまたはNH
3溶液を使用してもよい。いくつかのインプリメンテーションでは、
図7Gに示すように、第1の保護層712の一部は除去されなくてもよい。
【0087】
[0101]
図7Gは、電極716の形成を図示する。電極716は、示されるように、誘電体領域714の一部の上方に形成されてもよい。電極716の一部は、電極710の側面に隣接して形成されてもよい。
【0088】
[0102]
図7Hは、第2の保護層718の形成を図示する。図示のように、第2の保護層718は、電極716、誘電体領域714、および第1の保護層712の上方に形成することができる。いくつかの態様では、第2の保護層718は、誘電体層であってもよい。
【0089】
[0103]第2の保護層718は、プラズマ化学気相成長(PECVD:plasma enhanced chemical vapor deposition)プロセスを使用して形成されてもよい。第2の保護層718を形成した後、
図7Aに示すように、第2の保護層718の一部をトリミングして、第1の音響デバイス702の目標特性(例えば、周波数)を満たすことができる。
【0090】
[0104]
図8は、本開示のある特定の態様による、電気音響デバイスを製造するための例となる動作800を描くフローダイヤグラムである。動作800は、例えば、製造設備によって実行されてもよい。
【0091】
[0105]動作800は、ブロック802において、製造設備が、基板(例えば、
図5A、
図6A、
図7Aの基板505または605、又は圧電層705)の第1の領域(例えば、
図5A、
図6A、
図7Aの第1の領域506a、606a、又は706a)の上方に音響デバイス(例えば、
図5A、
図6A、
図7Aの音響デバイス502、602、又は702)を形成することから開始し得る。
【0092】
[0106]ブロック804において、容量性素子(例えば、
図5A、
図6A、
図7Aの容量性素子504、604、または704)は、基板の第2の領域(例えば、
図5A、
図6A、
図7Aの第2の領域506b、606b、または706b)の上方に、音響デバイスに隣接して、形成される。
【0093】
[0107]いくつかの態様では、容量性素子を形成することは、基板の上方に保護層を形成することを含む。保護層(例えば、
図5A、
図6A、
図7Aの保護層510、610、または712)の第1の部分は、基板の第2の領域の上方に形成されてもよく、保護層の第2の部分は、基板の第1の領域の上方に形成されてもよい。容量性素子を形成することは、保護層の上方に誘電体領域(たとえば、
図5A、
図6A、
図7Aの誘電体領域512、612、または714)を形成することをさらに含んでいてもよい。誘電体領域は、いくつかの態様では、保護層とは異なる材料を含んでいてもよい。容量性素子を形成することは、誘電体領域の上方に第1の電極(たとえば、
図5A、
図6A、
図7Aの第2の電極514、616、または716)を形成することをさらに含んでいてもよい。
【0094】
[0108]いくつかの態様では、保護層の第1の部分は、容量性素子の第2の電極(たとえば、
図5A、
図6A、
図7Aの第1の電極508、608、または710)の上方に形成されてもよい。いくつかの態様では、製造設備は、絶縁層(たとえば、
図5Aまたは
図6Aの絶縁層522または622)を形成し、その後、絶縁層の一部を除去することができる。次に、絶縁層の一部が除去された開口に第2の電極を形成してもよい。いくつかの態様において、保護層は、第2の電極の上方に形成されてもよい。特定の態様では、絶縁層および保護層は同じ材料を含む。いくつかの態様では、保護層の厚さは、絶縁層の厚さより大きくてもよい。
【0095】
[0109]特定の態様では、誘電体領域を形成することは、基板の第1の領域および第2の領域の上方に誘電体領域を形成することと、基板の第1の領域の上方にある誘電体領域の一部分をエッチングすることとを含む。特定の態様では、保護層の第2の部分は、音響デバイスの上方に形成される。基板の第1の領域の上方にある誘電体領域の部分のエッチングの後に、保護層の第2の部分は、音響デバイスの上方で除去される。特定の態様では、保護層の第3の部分は、基板の第3の領域(例えば、
図5A、
図6A、
図7Aの第3の領域506c、606c、または706c)の上方にあってもよい。基板の第3の領域は、基板の第1の領域と第2の領域との間にあってもよい。特定の態様では、基板の第3の領域の上方にある誘電体領域の部分のエッチングの後に、保護層の第3の部分は除去されてもよい。
【0096】
[0110]特定の態様では、第2の電極は、基板の第2の領域の上方に形成されてもよい。また、保護層の第1部分は、容量性素子の第2の電極の上方に形成されてもよい。
【0097】
[0111]いくつかの態様では、製造設備は、基板の第1の領域の上方にある保護層の第2の部分を除去し、保護層の第2の部分を除去した後に基板の誘電体領域および第1の領域の上方に絶縁層(たとえば、
図6Aの絶縁層614)を形成することができる。特定の態様において、絶縁層は、音響デバイスを形成する前に形成されてもよい。いくつかの態様では、音響デバイスを形成することは、絶縁層に1つ以上の開口を形成するように、絶縁層の1つ以上の部分をエッチングすることと、1つ以上の開口にIDT(たとえば、
図5Aまたは
図6AのIDT516または618)を形成することとを含む。
【0098】
[0112]いくつかの態様では、半導体製造設備は、IDTのバスバーの上方に第3の電極(たとえば、
図5Aまたは
図6Aの第3の電極520または620)を形成する。いくつかの態様では、製造設備は、基板の第2の領域(たとえば、圧電層)の上方に上部電極を有する別の音響デバイス(たとえば、
図7Aの第2の音響デバイス790)を形成することができる。保護層の第1の部分は、容量性素子の第2の電極の上方に形成されてもよく、容量性素子の第2の電極は、他の音響デバイスの上部電極である。特定の態様では、保護層の第1の部分は、他の音響デバイスの上方に形成されてもよい。特定の態様では、第1の電極の一部分は、上部電極の側面に隣接して形成されてもよい。
【0099】
[0113]いくつかの態様では、製造設備は、音響デバイスおよび第1の電極の上方に別の保護層(たとえば、
図7Aの第2の保護層718)を形成し、音響デバイスの上方にある他の保護層の一部分をトリミングする。他の保護層は、PECVDプロセスを使用して形成することができる。
【0100】
[0114]特定の態様では、基板は、圧電材料から形成された圧電基板を含むことができる。保護層は、Al2O3層またはAlN層を含むことができる。特定の態様において、保護層は、ALDプロセスを使用して形成されてもよい。いくつかの態様では、保護層は、エッチストップ層の下方のドライエッチングを防止するように構成されたエッチストップ層を含むことができる。
【0101】
[0115]
図9は、
図5A、
図6A、または
図7Aの電気音響デバイス500、600、または700が用いられてもよい簡略化されたワイヤレストランシーバ回路900の一例の少なくとも一部分の機能ブロックダイヤグラムである。トランシーバ回路900は、1つ以上のベースバンド(BB)フィルタ912に提供される送信のための信号/情報(同相(I)値および直交(Q)値として示される)を受信するように構成される。フィルタリングされた出力は、無線周波数(RF)信号へのアップコンバージョンのために1つ以上のミキサ914に提供される。1つ以上のミキサ914からの出力は、ドライバ増幅器(DA)916に与えられてもよく、その出力は、送信のための増幅された信号を生成するために電力増幅器(PA)918に与えられてもよい。増幅された信号は、1つ以上のフィルタ920(たとえば、周波数分割複信トランシーバまたは他のフィルタとして使用される場合、デュプレクサ)を通してアンテナ922に出力される。1つ以上のフィルタ920は、
図5A、
図6A、または
図7Aの電気音響デバイス500、600、または700を含むことができる。
【0102】
[0116]アンテナ922は、データをワイヤレスに送信することと受信することの両方のために使用されてもよい。トランシーバ回路900は、受信されたRF信号が低雑音増幅器(LNA)924およびさらなるフィルタ920に提供され、次いで、信号がさらに処理される(たとえば、アナログデジタル変換器(ADC)に提供され、次いで、デジタル領域において復調されるかまたは他の方法で処理される)前に、1つ以上のミキサ回路928を通して受信周波数からベースバンド周波数にダウンコンバートされるための、1つ以上のフィルタ926を通る受信経路を含む。
図5A、
図6A、または
図7Aの電気音響デバイス500、600、または700を使用して実装されてもよい受信回路のための別個のフィルタがあってもよい(たとえば、別個のアンテナを有してもよく、または別個の受信フィルタを有してもよい)。
【0103】
[0117]
図10は、本開示の態様が実施されてもよい電子デバイス1002を含む環境1000のダイヤグラムである。環境1000において、電子デバイス1002は、ワイヤレスリンク1006を通じて基地局1004と通信する。示されるように、電子デバイス902は、スマートフォンとして描かれている。しかしながら、電子デバイス1002は、セルラ基地局、ブロードバンドルータ、アクセスポイント、セルラまたはモバイルフォン、ゲームデバイス、ナビゲーションデバイス、メディアデバイス、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバコンピュータ、ネットワークに接続された記憶装置(NAS:network-attached storage)デバイス、スマートアプライアンス、車両ベースの通信システム、モノのインターネット(IoT)デバイス、センサまたはセキュリティデバイス、およびアセットトラッカなどのような、任意の好適なコンピューティングデバイスまたは他の電子デバイスとして実装されてもよい。
【0104】
[0118]基地局1004は、ワイヤレスリンク1006を介して電子デバイス1002と通信し、これは、任意の好適なタイプのワイヤレスリンクとして実装されてもよい。セルラ無線ネットワークの基地局タワーとして描かれているが、基地局1004は、衛星、地上ブロードキャストタワー、アクセスポイント、ピアツーピアデバイス、メッシュネットワークノード、光ファイバ線、および概して上記で説明されたような別の電子デバイスなどのような、別のデバイスを表してもよいか、または別のデバイスとして実装されてもよい。したがって、電子デバイス1002は、ワイヤード接続、ワイヤレス接続、またはこれらの組み合わせを介して、基地局1004または別のデバイスと通信してもよい。ワイヤレスリンク1006は、基地局1004から電子デバイス1002に通信されるデータまたは制御情報のダウンリンクと、電子デバイス1002から基地局1004に通信される他のデータまたは制御情報のアップリンクと、を含むことができる。ワイヤレスリンク1006は、3rd Generation Partnership Project Long-Term Evolution(3GPP(登録商標) LTE)、3GPP NR 5G、IEEE802.11、IEEE802.16、およびBluetooth(登録商標)などのような、任意の好適な通信プロトコルまたは規格を使用して実装されてもよい。
【0105】
[0119]電子1002は、プロセッサ1080と、メモリ1082と、を含む。メモリ1082は、コンピュータ読取可能記憶媒体の一部であってもよいか、またはその一部を形成してもよい。プロセッサ1080は、メモリ1082によって記憶されたプロセッサ実行可能命令(例えば、コード)を実行するように構成された、アプリケーションプロセッサまたはマルチコアプロセッサなどの任意のタイプのプロセッサを含んでいてもよい。メモリ1082は、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)、光媒体、および磁気媒体(例えば、ディスクまたはテープ)などのような、任意の好適なタイプのデータ記憶媒体を含んでいてもよい。本開示のコンテキストでは、メモリ1082は、電子デバイス1002の命令1084、データ1086、および他の情報を記憶するように実装され、したがって、コンピュータ読取可能記憶媒体として、またはその一部として構成されるとき、メモリ1082は、一時的な伝搬信号または搬送波を含まない。
【0106】
[0120]電子デバイス1002はまた、入力/出力ポート1090を含んでいてもよい。I/Oポート1090は、他のデバイス、ネットワーク、またはユーザとの、あるいはデバイスのコンポーネント間のデータ交換または相互作用を可能にする。
【0107】
[0121]電子デバイス1002は、信号プロセッサ(SP)1092(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)など)をさらに含んでいてもよい。信号プロセッサ1092は、プロセッサと同様に機能してもよく、メモリ1082と連携して命令を実行することおよび/または情報を処理することが可能であってもよい。
【0108】
[0122]通信目的ために、電子デバイス1002はまた、モデム1094と、ワイヤレストランシーバ1096と、アンテナ(図示せず)と、を含む。ワイヤレストランシーバ1096は、無線周波数(RF)ワイヤレス信号を使用して、それぞれのネットワークおよびそれに接続された他の電子デバイスへの接続性を提供し、
図9のトランシーバ900を含んでいてもよい。ワイヤレストランシーバ1096は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ピアツーピア(P2P)ネットワーク、メッシュネットワーク、セルラネットワーク、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)、ナビゲーションネットワーク(例えば、北米の全地球測位システム(GPS)もしくは別の全地球航法衛星システム(GNSS))、および/またはワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)などの、任意の好適なタイプのワイヤレスネットワーク上の通信を容易にしてもよい。
【0109】
例示的態様
[0123]実施例は、以下の番号付けされた態様において説明される。
【0110】
[0124]第1の態様では、電気音響デバイスを製造するための方法は、基板の第1の領域の上方に音響デバイスを形成することと、基板の第2の領域の上方に、かつ音響デバイスに隣接して容量性素子を形成することとを備え、ここで、容量性素子を形成することは、基板の上方に保護層を形成すること、ここで、保護層の第1の部分が基板の第2の領域の上方にあり、ここで、保護層の第2の部分は基板の第1の領域の上方にあり、保護層の上に誘電体領域を形成することと、誘電体領域は保護層とは異なる材料を備え、誘電体領域の上方に第1の電極を形成することとを備える。
【0111】
[0125]第1の態様と組み合わせた第2の態様において、保護層の第1の部分は、容量性素子の第2の電極の上方に形成される。
【0112】
[0126]第1および第2の態様のうちの1つ以上と組み合わせた第3の態様において、方法は、絶縁層を形成することと、絶縁層の一部を除去することとをさらに備え、ここで、第2の電極は、絶縁層の一部が除去された開口に形成され、ここで、保護層は、第2の電極の上方に形成される。
【0113】
[0127]第3の態様と組み合わせた第4の態様において、絶縁層および保護層は同じ材料を備え、ここで、保護層の厚さは絶縁層の厚さよりも大きい。
【0114】
[0128] 第1から第4の態様のうちの1つ以上と組み合わせた第5の態様において、誘電体領域を形成することは、基板の第1の領域および第2の領域の上方に誘電体領域を形成することと、基板の第1の領域の上方にある誘電体領域の一部をエッチングすることとを備える。
【0115】
[0129]第5の態様と組み合わせた第6の態様において、保護層の第2の部分は、音響デバイスの上方に形成され、本方法は、基板の第1の領域の上方にある誘電体領域の部分のエッチングの後に、音響デバイスの上方の保護層の第2の部分を除去することをさらに備える。
【0116】
[0130]第5から第6の態様のうちの1つ以上と組み合わせた第7の態様において、保護層の第3の部分は、基板の第3の領域の上方にあり、基板の第3の領域は、基板の第1の領域と第2の領域との間にある。
【0117】
[0131]第7の態様と組み合わせた第8の態様において、基板の第3の領域の上方にある誘電体領域の一部をエッチングした後に、保護層の第3の部分を除去することをさらに備える。
【0118】
[0132]第1から第8の態様の1つ以上と組み合わせた第9の態様において、基板の第2の領域の上方に容量性素子の第2の電極を形成することをさらに備え、ここで、保護層の第1の部分は、容量性素子の第2の電極の上方に形成される。
【0119】
[0133]第1から第9の態様のうちの1つ以上と組み合わせた第10の態様において、基板の第1の領域の上方にある保護層の第2の部分を除去することと、保護層の第2の部分を除去した後に基板の第1の領域の上方に絶縁層を形成することと、をさらに備える。
【0120】
[0134]第10の態様と組み合わせた第11の態様において、絶縁層は、音響デバイスを形成する前に形成される。
【0121】
[0135]第11の態様と組み合わせた第12の態様において、音響デバイスを形成することは、保護層に1つ以上の開口を形成するように、他の保護層の1つ以上の部分をエッチングすることと、1つ以上の開口にインターデジタルトランスデューサ(IDT)を形成することと、を備える。
【0122】
[0136]第12の態様と組み合わせた第13の態様において、IDTのバスバーの上方に第3の電極を形成することをさらに備える。
【0123】
[0137]第1から第13の態様の1つ以上と組み合わせた第14の態様では、基板の第2の領域の上方に上部電極を有する別の音響デバイスを形成することをさらに備え、ここで、保護層の第1の部分は、容量性素子の第2の電極の上方に形成され、ここで、容量性素子の第2の電極は、別の音響デバイスの上部電極である。
【0124】
[0138]第14の態様と組み合わせた第15の態様において、保護層の第1の部分は、他の音響デバイスの上方に形成される。
【0125】
[0139]第14から第15の態様のうちの1つ以上と組み合わせた第16の態様において、第1の電極の一部は、上部電極の側面に隣接して形成される。
【0126】
[0140]第14から第16の態様のうちの1つ以上と組み合わせた第17の態様において、音響デバイスおよび第1の電極の上方に別の保護層を形成することと、音響デバイスの上方にある別の保護層の一部をトリミングすることと、をさらに備える。
【0127】
[0141]第17の態様と組み合わせた第18の態様において、他の保護層は、プラズマ化学気相成長(PECVD)プロセスを使用して形成される。
【0128】
[0142]第1から第18の態様のうちの1つ以上と組み合わせた第19の態様において、基板は圧電基板を備えている。
【0129】
[0143]第20の態様では、単独で、または、第1から第19の態様のうちの1つ以上と組み合わせて、保護層は、酸化アルミニウム(Al2O3)層または窒化アルミニウム(AlN)層を備える。
【0130】
[0144]第1から第20の態様の1つ以上と組み合わせた第21の態様において、保護層は、原子層堆積(ALD)プロセスを使用して形成される。
【0131】
[0145]第1から第21の態様のうちの1つ以上と組み合わせた第22の態様において、保護層は、エッチストップ層の下のドライエッチングを防止するように構成されたエッチストップ層を備える。
【0132】
[0146]第23の態様では、信号処理のための装置は、基板の第1の領域の上方に配置された音響デバイスと、基板の第2の領域の上に、かつ音響デバイスに隣接して配置された容量性素子とを備え、ここで、容量性素子は、第1の電極と、基板の上の保護層と、ここで、保護層の第1の部分は基板の第2の領域の上方に配置され、保護層および第1の電極の上方に配置され、保護層とは異なる材料を備える誘電体領域と、誘電体領域の上方に配置された第2の電極とを備える。
【0133】
[0147]第23の態様と組み合わせた第24の態様において、保護層の第1の部分は、第1の電極の上方に配置される。
【0134】
[0148]第23から第24の態様のうちの1つ以上と組み合わせた第25の態様において、音響デバイスは、インターデジタルトランスデューサ(IDT)を備える。
【0135】
[0149]第25の態様と組み合わせた第26の態様において、第3の電極は、IDTのバスバーの上方に配置される。
【0136】
[0150]第23から第26の態様のうちの1つ以上と組み合わせた第27の態様において、基板は圧電基板を備える。
【0137】
[0151]第23から第27の態様の1つ以上と組み合わせた第28の態様において、保護層は、酸化アルミニウム(Al2O3)層を備える。
【0138】
[0152]第23から第27の態様のうちの1つ以上と組み合わせた第29の態様において、保護層は窒化アルミニウム(AlN)層を備える。
【0139】
[0153]第23から第29の態様のうちの1つ以上と組み合わせた第33の態様において、保護層は、エッチストップ層の下のドライエッチングを防止するように構成されたエッチストップ層を備える。
【0140】
追加の考慮事項
[0154]前述された方法のさまざまな動作は、対応する機能を実行することができる任意の適切な手段によって実行されてもよい。手段は、回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプロセッサを含むが、これらに限定されない、様々なハードウェアおよび/またはソフトウェアのコンポーネントおよび/またはモジュールを含んでいてもよい。
【0141】
[0155]例として、要素、または要素のうちの任意の一部分、または要素の任意の組み合わせは、1つ以上のプロセッサを含む「処理システム」として実行されてもよい。プロセッサの例は、マイクロプロセッサ、マイクロ制御装置、グラフィック処理ユニット(GPU)、中央処理ユニット(CPU)、アプリケーションプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、縮小命令セットコンピューティング(RISC)プロセッサ、システムオンチップ(SoC)、ベースバンドプロセッサ、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FGPA)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、状態機械、ゲート論理、ディスクリートハードウェア回路、本開示全体を通して説明しているさまざまな機能性を実行するように構成されている他の適切なハードウェアを含む。処理システムにおける1つ以上のプロセッサは、ソフトウェアを実行してもよい。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などの名称にかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアコンポーネント、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味すると広く解釈されるべきである。
【0142】
[0156]一般的に、動作が図中に示されている場合、それらの動作は、同様の参照番号を付した、対応する対照のミーンズプラスファンクションコンポーネントを有してもよい。
【0143】
[0157]ここにおいて使用される場合、「決定すること」という用語は、幅広い動作を含む。例えば、「決定すること」は、算出すること(calculating)、計算すること(computing)、処理すること(processing)、導出すること(deriving)、調査すること(investigating)、ルックアップすること(looking up)(例えば、表、データベース、または別のデータ構造をルックアップすること)、確定すること(ascertaining)、等を含んでいてもよい。また、「決定すること」は、受信すること(例えば、情報を受信すること)、アクセスすること(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)、等を含んでいてもよい。また、「決定すること」は、解決すること、選択すること、選ぶこと、確立すること、等を含んでいてもよい。
【0144】
[0158]本開示内で、「例証的な(exemplary)」という用語は、「例、事例、または例示としての役割を果たすこと(serving)」を意味するために使用される。「例示的」なものとして本明細書で説明された任意のインプリメンテーションまたは態様は、必ずしも、本開示の他の態様よりも好ましい、または利点を有するものと解釈されるべきではない。同様に、「態様」という用語は、本開示の全ての態様が、説明された動作の特徴、利点、またはモードを含むことを必要とされない。「結合される」という用語は、2つのオブジェクトの間の直接または間接結合を指すように本明細書で使用される。例えば、オブジェクトAがオブジェクトBに物理的に接触し、オブジェクトBがオブジェクトCに接触する場合、オブジェクトAおよびCが-たとえそれらが互いに直接物理的に接触していなくても-なお互いに結合していると考えられてもよい。例えば、第1のオブジェクトは、第1のオブジェクトが第2のオブジェクトに決して直接物理的に接触していなかったとしても、第2のオブジェクトに結合されてもよい。「回路(circuit)」および「電気回路(circuitry)」という用語は、広範に使用され、接続および構成されるとき、電気回路のタイプに関して制限なしに、本開示において説明された機能のパフォーマンスを可能にする電気デバイスおよびコンダクタの両方のハードウェアインプリメンテーションを含むことを意図される。
【0145】
[0159]以下の詳細な説明において説明される装置および方法は、(集合的に「要素」と称される)様々なブロック、モジュール、コンポーネント、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズム等によって添付の図面に図示される。これらの要素は、例えば、ハードウェアを使用して実装されてもよい。
【0146】
[0160]上記に例示されるコンポーネント、ステップ、特徴および/または機能のうちの1つ以上は、単一のコンポーネント、ステップ、特徴もしくは機能に再構成および/もしくは組み合わされ、またはいくつかのコンポーネント、ステップ、もしくは機能において具現化されてもよい。追加の要素、コンポーネント、ステップ、および/または機能もまた、本明細書に開示された新規の特徴から逸脱することなしに追加されてもよい。上記に説明される装置、デバイス、および/またはコンポーネントは、本明細書で説明される方法、特徴、または、ステップのうちの1つ以上を行うように構成されてもよい。
【0147】
[0161]開示された方法におけるステップの特定の順序または階層は、例示的なプロセスの例示であることが理解されるべきである。設計の選好に基づいて、方法におけるステップの特定の順序または階層が再配列されてもよいことが理解される。付随する方法の特許請求の範囲は、サンプルの順序で様々なステップの要素を提示し、本明細書に明確に記載されていない限り、提示された特定の順序または階層に限定されるように意図されるものではない。
【0148】
[0162]先の説明は、いかなる当業者であっても、本明細書で説明された様々な態様を実現することを可能にするように提供される。これらの態様へのさまざまな変更は、当業者には容易に明らかになり、本明細書で定義される包括的な本質は他の態様に適用されてもよい。従って、特許請求の範囲は、本明細書に示される態様に限定されるように意図されておらず、特許請求の範囲の文言と一貫する全範囲であると認められるべきであり、ここで、単数の要素への参照は、そのように明確に述べられていない限りは「1つおよび1つのみ」を意味するように意図されず、むしろ「1つ以上」を意味するように意図される。そうではないと明確に記載されていない限り、用語「何らかの」は、1つ以上を意味する。項目のリストのうちの「少なくとも1つ」に言及するフレーズは、単一の部材を含む、それらの項目のうちの任意の組み合わせに言及するものである。例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、および、a-b-cとともに、複数の同じ要素の任意の組み合わせ(例えば、a-a、a-a-a、a-a-b、a-a-c、a-b-b、a-c-c、b-b、b-b-b、b-b-c、c-c、および、c-c-c、または、a、b、および、cの他の何らかの順序)をカバーするように意図されている。当業者には既知の、または後に既知となる本開示の全体にわたって説明された様々な態様の要素に対する全ての構造的および機能的な均等物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲により包含されるように意図されている。さらに、本明細書で開示されたものはいずれも、特許請求の範囲において明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公共に捧げられるように意図されていない。請求項の要素はいずれも、その要素が「~のための手段」というフレーズを使用して明示的に記載されていない限り、または、方法の請求項の場合には、その要素が「~するためのステップ」というフレーズを使用して記載されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定の下に解釈されるものではない。
【0149】
[0163]本願の特許請求の範囲が、上述のまさにその構成およびコンポーネントのみに限定されないことが、理解されるべきである。様々な修正、変更、および変形が、上記に説明された方法および装置の配置、動作および詳細において、特許請求の範囲から逸脱することなく行われてもよい。
【国際調査報告】