(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】医療処置中の適応型エンターテインメントコンテンツの長さ
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240403BHJP
A61B 5/055 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A61B6/00 590Z
A61B5/055 390
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563962
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 EP2022059458
(87)【国際公開番号】W WO2022223323
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ナウツ サンネ
(72)【発明者】
【氏名】ハイマン エドウィン
(72)【発明者】
【氏名】フーベルリンク‐マルク アンネリーケ
(72)【発明者】
【氏名】ファン デ ワウ ドアチェ
【テーマコード(参考)】
4C093
4C096
【Fターム(参考)】
4C093CA50
4C093EE30
4C093FA60
4C093FG19
4C093FG20
4C096AB47
4C096AD19
4C096AD30
4C096DD19
4C096DD20
4C096FC10
4C096FC20
(57)【要約】
意識下医療処置中に患者に提供されるエンターテインメントは、進行中に医療処置の長さが延長又は短縮された場合でも、エンターテインメントの長さが医療処置の長さと一致するように適応的に作成及び更新される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
初期の処置の長さを有する医療処置中に患者にエンターテインメントシーケンスを提供する適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダであって、前記適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダは、エンターテインメントコンテンツデータベースと初期コンテンツプロバイダと更新コンテンツプロバイダとエンターテイメントシーケンスプロバイダとを有し、
前記エンターテインメントコンテンツデータベースは、少なくとも1つのエンターテインメントオプションの各々について、
少なくとも1つの固定コンテンツブロックの各々が、一貫性のあるエンターテインメントシーケンスを提供するのに必須であると決定されたエンターテインメントコンテンツのセクションと、前記少なくとも1つの固定コンテンツブロックの長さに関するメタデータとを含む、当該少なくとも1つの固定コンテンツブロックと、
少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの各々が、一貫性のあるエンターテインメントシーケンスを提供するのに必須ではないと決定されたエンターテインメントのセクションと、前記少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの長さに関するメタデータとを含む、当該少なくとも1つのオプションコンテンツブロックと、を含み、
前記初期コンテンツプロバイダは、
前記エンターテインメントコンテンツデータベースから全ての前記少なくとも1つの固定コンテンツブロックを選択し、
前記少なくとも1つの固定コンテンツブロックの長さに関するデータから、固定エンターテインメントシーケンスの長さを決定し、前記固定エンターテインメントシーケンスの長さと前記初期の処置の長さとを比較し、
前記固定エンターテインメントシーケンスの長さが前記初期の処置の長さよりも短い場合、埋めるべき残りのコンテンツの長さを決定し、
更に、前記少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの長さに関する前記メタデータを使用して、前記少なくとも1つのオプションコンテンツブロックのうちの1つ以上を、全ての選択した前記少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの組み合わされた長さが前記残りのコンテンツの長さと一致するように選択することによって、前記初期の処置の長さに対応する初期のエンターテインメントシーケンスの長さを有する初期のエンターテインメントシーケンスを作成し、
前記更新コンテンツプロバイダは、
前記医療処置中に前記処置の長さが変更されると、更新された処置の長さを受信し、
更新された前記エンターテインメントコンテンツが、変更された前記処置のコンテンツの長さと一致する長さを有するように、前記少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの長さに関する前記メタデータを使用して、少なくとも1つのオプションコンテンツブロックを、前記エンターテイメントコンテンツデータベースから追加するか、又は前記エンターテイメントシーケンスから削除することによって、前記エンターテインメントシーケンスを更新し、
前記エンターテイメントシーケンスプロバイダは、前記患者に前記エンターテイメントシーケンスを提供する、適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダ。
【請求項2】
前記エンターテイメントシーケンスは、
ムービー、一連の写真、(インタラクティブな)ゲームシーン、仮想現実コンテンツ若しくは図面、及び/若しくはテキストなどの視覚的エンターテインメント、並びに/又は、
音楽、朗読、及び/若しくは周囲音などの聴覚的エンターテインメント、
を含む、請求項1に記載の適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダ。
【請求項3】
前記医療処置は、
磁気共鳴スキャン、コンピュータ断層撮影スキャン、陽電子放出断層撮影スキャン、単一光子放出コンピュータ断層撮影スキャン、超音波スキャン、蛍光透視法などの診断スキャン、又は、
生検、カテーテル法、低侵襲手術、画像誘導治療若しくは療法、放射線療法、陽子線療法、投薬若しくは造影剤の注入、透析など、前記患者の意識がある外科的又は治療的処置である、請求項1又は2に記載の適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの各々は、前記少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの使用に関する優先順位付け及び/又は制約に関する更なるメタデータを含み、
前記更新コンテンツプロバイダは、長さに関する前記メタデータと、優先順位付け及び/又は制約に関する前記更なるメタデータとを使用して、前記少なくとも1つのオプションコンテンツブロックを追加又は削除する、請求項1から3のいずれか一項に記載の適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダ。
【請求項5】
前記初期の処置の長さ、更新された処置の長さ、好ましいエンターテインメントオプション、患者情報に関するユーザ入力を受信するユーザ入力部を更に含み、
前記初期コンテンツプロバイダ及び/又は前記更新コンテンツプロバイダは、それぞれ、前記ユーザ入力を使用して、前記初期のエンターテインメントシーケンスを選択又は更新する、請求項1から4のいずれか一項に記載の適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダ。
【請求項6】
前記更新コンテンツプロバイダは更に、前記少なくとも1つの固定コンテンツブロック及び/又は前記少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの長さを適応させる、請求項1から5のいずれか一項に記載の適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダ。
【請求項7】
前記更新コンテンツプロバイダは、コンテンツブロックの少なくとも1つのサブセクション、好ましくは、一貫性のあるエンターテインメントシーケンスを提供するのにあまり必須ではないと前に決定された少なくとも1つの所定のサブセクションを削除することによって、前記少なくとも1つの固定コンテンツブロック及び/又は前記少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの長さを適応させ、好ましくは、前記コンテンツブロックの前記メタデータは、少なくとも1つのサブセクションの開始点と終了点、並びに任意選択で、優先順位付け及び/又は制約に関する更なるメタデータを含む、請求項6に記載の適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダ。
【請求項8】
前記更新コンテンツプロバイダは、好ましくは、コンテンツブロックの長さが30秒以下で適応される必要がある場合に、前記コンテンツブロックの再生速度を変更することによって、前記少なくとも1つの固定コンテンツブロック及び/又は前記少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの長さを適応させ、好ましくは、前記コンテンツブロックは、前記コンテンツブロックの速度を変更する適切性に関するメタデータを、任意選択で、前記コンテンツブロックの長さを変更できる量と共に含む、請求項6又は7に記載の適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダ。
【請求項9】
前記初期コンテンツプロバイダは、オプションコンテンツブロックで終了する初期のエンターテインメントシーケンスを提供する、請求項1から8のいずれか一項に記載の適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダ。
【請求項10】
前記初期コンテンツプロバイダ及び/又は前記更新コンテンツプロバイダは、制約充足問題モデルを使用して、オプションエンターテインメントコンテンツブロックを追加及び/又は削除する、請求項1から9のいずれか一項に記載の適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダ。
【請求項11】
前記初期コンテンツプロバイダ及び/又は前記更新コンテンツプロバイダは、例えば、(クロス)フェーディングによって、前記エンターテインメントシーケンス内の2つの連続するコンテンツブロック間に滑らかな移行を提供する、請求項1から10のいずれか一項に記載の適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダ。
【請求項12】
前記初期の処置の長さには、前記エンターテインメントの開始から前記医療処置の開始までの時間として定義される処置開始前の長さが含まれる、請求項1から11のいずれか一項に記載の適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダ。
【請求項13】
初期の処置の長さを有する医療処置中に患者にエンターテインメントシーケンスを適応的に提供する方法であって、前記方法は、
エンターテインメントコンテンツデータベースからエンターテインメントオプションを選択するステップであって、前記エンターテインメントコンテンツデータベースは、少なくとも1つのエンターテインメントオプションの各々について、
少なくとも1つの固定コンテンツブロックの各々が、一貫性のあるエンターテインメントシーケンスを提供するのに必須であると決定されたエンターテインメントコンテンツのセクションと、前記少なくとも1つの固定コンテンツブロックの長さに関するメタデータとを含む、当該少なくとも1つの固定コンテンツブロックと、
少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの各々が、一貫性のあるエンターテインメントシーケンスを提供するのに必須ではないと決定されたエンターテインメントのセクションと、前記少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの長さに関するメタデータとを含む、当該少なくとも1つのオプションコンテンツブロックと、を含む、選択するステップと、
前記初期の処置の長さに対応する初期のエンターテインメントシーケンスの長さを有する初期のエンターテインメントシーケンスを作成するステップであって、
前記エンターテインメントコンテンツデータベースから全ての前記少なくとも1つの固定コンテンツブロックを選択し、
前記少なくとも1つの固定コンテンツブロックの長さに関するデータから、固定エンターテインメントシーケンスの長さを決定し、前記固定エンターテインメントシーケンスの長さと前記初期の処置の長さとを比較し、
前記固定エンターテインメントシーケンスの長さが前記初期の処置の長さよりも短い場合、埋めるべき残りのコンテンツの長さを決定し、
更に、前記少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの長さに関する前記メタデータを使用して、前記少なくとも1つのオプションコンテンツブロックのうちの1つ以上を、全ての選択した前記少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの組み合わされた長さが前記残りのコンテンツの長さと一致するように選択することによって、前記初期の処置の長さに対応する初期のエンターテインメントシーケンスの長さを有する初期のエンターテインメントシーケンスを作成するステップと、
前記医療処置中に前記処置の長さが変更されると、更新された処置の長さを受信するステップと、
更新された前記エンターテインメントコンテンツが、変更された前記処置のコンテンツの長さと一致する長さを有するように、前記少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの長さに関する前記メタデータを使用して、少なくとも1つのオプションコンテンツブロックを、前記エンターテイメントコンテンツデータベースから追加するか、又は前記エンターテイメントシーケンスから削除することによって、前記エンターテインメントシーケンスを更新するステップと、
前記患者に前記エンターテイメントシーケンスを提供するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
プロセッサ上で実行されると、請求項13に記載の方法のステップを実行し、これにより、エンターテインメントコンテンツデータベースからエンターテインメントオプションを選択する前記ステップは、ユーザ入力からの直接応答であり得る、コンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項1、5、9、10、又は11に記載の適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダの初期コンテンツプロバイダと、
請求項1、5、6、7、8、10、又は11に記載の適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダの更新コンテンツプロバイダと、
を含む、請求項14に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、適応型エンターテインメントプロバイダ、並びに対応する方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、磁気共鳴イメージング(MRI)スキャンといった意識下医療診断又は治療処置中の患者の不安を軽減し、体験を向上させるために、処置中にムービーなどのエンターテインメントコンテンツを患者に提供することがある。例えば、MRI処置中に、ボア内エンターテインメントスクリーン又はMRI対応のムービーゴーグルを使用して、処置中に患者にムービーを表示できる。
【0003】
或いは、音楽、音風景、又はストーリーなどのオーディオコンテンツを、ヘッドホンなどを使用して患者に提供することもできる。オーディオ及びビデオを、インタラクティブなコンテンツ(すなわち、ゲームなど)と組み合わせたり、更にはそれらを用いて拡張したりすることもできる。更に、ビデオ及び/又はオーディオコンテンツはまた、エンターテイメントメディアと統合される及び/又は交互にされる患者の指示(動作ガイド、呼吸ガイド、残りの処置の長さ、警告など)にも関連している場合がある。
【0004】
米国特許出願公開第2007/199023号では、医療処置を受けている患者の不安を軽減するためのエンターテインメントシーケンスを開示している。このエンターテインメントシーケンスは医療処置に適合している。
【0005】
医療処置中に使用する既知のエンターテインメントコンテンツプロバイダの問題は、提供されるエンターテインメントが医療処置と同じ継続時間でないことが多く、患者にとって最適ではない体験をもたらすことである。ムービー又はオーディオコンテンツが医療処置よりも短い場合(例えば、MRI検査は20分かかり、ムービーが12分しかかからない場合など)は、医師、オペレータ、又はアシスタントが追加コンテンツ(新しいムービーなど)を開始する必要がある。これには時間がかかり、ワークフローが中断する可能性があり、患者の体験が最適でなくなる可能性があり、患者は処置が終了したと考えたり、患者の体動を引き起こしたりする可能性がある。これは、処置の結果に弊害をもたらす可能性がある(例えば、スキャン画像がぼやけて再スキャンが必要になったり、極端な場合には治療又は外科的処置で医療ターゲットを見落とすことがあったりする)。
【0006】
エンターテイメントが全医療処置よりも長い場合(例えば、診断スキャンは3分かかり、供給されたムービーがまだ4分ある場合など)、患者はそれを終了できず、これも患者にとって最適ではない体験につながる可能性があり、小児患者の場合はワークフローが中断される(例えば、小児患者は、面白いムービーの途中でスキャナから離れたがらない)。
【0007】
Liszio他は、「A Universe Inside the MRI Scanner:An In-Bore Virtual Reality Game for Children to Reduce Anxiety and Stress」(Proc.Ann.Symp.on Computer Interaction in Play、46~47頁(2020))に、典型的な処置の長さに合うようにゲームのランタイムをプログラミングすることで、医療処置の長さに最適に適合した仮想現実ゲームを開示している。
【0008】
このようなエンターテインメントコンテンツを適切な継続時間で作成することは困難である。その理由の一部は、処置の長さが処置の進行中に変化する可能性があるためである。例えば、MRI技師が再スキャンを要求した場合など、MRIシーケンスがMRIスキャンに追加されるためである。人工知能アルゴリズムが高速に成熟しているため、スキャン中のスキャン品質モニタリングも成熟してきており、スキャンエラーがより早く定期的に検出されるようになってきている。そのため、再スキャンや適応型スキャンがより一般的になる。したがって、必要なムービーの所要時間は、エンターテイメントコンテンツが開始される前に常にわかっているわけではなく、再生中(そして、医療処置が進行中)に、医療処置の継続時間の新しい推定値に基づいて継続的に更新されなければならない。
【0009】
この問題に対処するための既知のやり方の1つは、物語やストーリーを含まないエンターテイメントコンテンツ(風景、海で泳ぐイルカ、自然の音など)を患者に提示すことである。このような短いムービーやオーディオコンテンツはループ再生にされ、患者は、スキャンに時間がかかる場合はそれを繰り返し見るか、又は、いくつかの関連のないムービーやオーディオファイルが結合されて(例えば、泳ぐイルカのムービークリップから開始して、砂漠の風景のムービークリップなどに切り替える)、スキャンが終了するまで再生される。
【0010】
残念なことに、この解決策は最適に面白いものでも没入感のあるものでもない。興味をそそる及び/又は物語性のあるムービープロットやオーディオコンテンツなどの没入型コンテンツが、患者体験の向上、体動の減少、したがって、結果の拡大、ワークフローの改善をもたらすことが知られている。一般的に、物語性のないストーリーライン(例えば、泳ぐイルカを見ること)は、患者が非常に基本的なコンテンツや同じコンテンツを見たり聞いたりすることで、退屈したり、関心を持たなかったり、気が散ったり、時にはイライラしたりする可能性があるため、物語性のあるストーリーラインよりも没入感が少ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そのため、医療処置の実行中に、処置が変更された場合でも、没入感のあるエンターテインメントコンテンツを医療処置の長さに常に適合させることができれば、有利である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による実施形態は、初期の処置の長さを有する医療処置中に患者にエンターテインメントシーケンスを提供する適応型エンターテインメントコンテンツプロバイダ、対応する方法、及びコンピュータプログラムを対象としている。コンテンツプロバイダは、エンターテインメントオプションを含むエンターテインメントコンテンツデータベースを含む。各エンターテインメントオプションは、少なくとも1つの固定コンテンツブロックの各々が、一貫性のあるエンターテインメントシーケンスを提供するのに必須であると決定されたエンターテインメントコンテンツのセクションと、少なくとも1つの固定コンテンツブロックの長さに関するメタデータとを含む、当該少なくとも1つの固定コンテンツブロックと、少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの各々が、一貫性のあるエンターテインメントシーケンスを提供するのに必須ではないと決定されたエンターテインメントのセクションと、少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの長さに関するメタデータとを含む、当該少なくとも1つのオプションコンテンツブロックとを含む。コンテンツプロバイダは更に、初期の処置の長さに対応する初期のエンターテインメントシーケンスの長さを有する初期のエンターテインメントシーケンスを作成する初期コンテンツプロバイダを含む。この作成は、エンターテインメントコンテンツデータベースから全ての上記の少なくとも1つの固定コンテンツブロックを選択し、少なくとも1つの固定コンテンツブロックの長さに関するデータから、固定エンターテインメントシーケンスの長さを決定し、固定エンターテインメントシーケンスの長さと初期の処置の長さとを比較することによって実現される。固定エンターテインメントシーケンスの長さが初期の処置の長さよりも短い場合、埋めるべき残りのコンテンツの長さが決定され、更に、少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの長さに関するメタデータを使用して、少なくとも1つのオプションコンテンツブロックのうちの1つ以上を、全ての選択した少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの組み合わされた長さが残りのコンテンツの長さと一致するように選択する。コンテンツプロバイダは更に、更新コンテンツプロバイダを含み、更新コンテンツプロバイダは、医療処置中に処置の長さが変更されると、更新された処置の長さを受信し、更新されたエンターテインメントコンテンツが、変更された処置のコンテンツの長さと一致する長さを有するように、少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの長さに関するメタデータを使用して、少なくとも1つのオプションコンテンツブロックを、エンターテイメントコンテンツデータベースから追加するか、又はエンターテイメントシーケンスから削除することによって、エンターテインメントシーケンスを更新する。コンテンツプロバイダは更に、患者にエンターテイメントシーケンスを提供するエンターテイメントシーケンスプロバイダを含む。
【0013】
このようなエンターテインメントコンテンツは、医療処置の長さと一致した長さで患者に提供され、また、処置中に何かが変更されて処置の長さが延長したり、短縮したりすると、エンターテインメントの長さは、オプションのエンターテインメントコンテンツブロックを挿入又は削除することによって、更新された処置の長さに一致するように適応される。したがって、患者は、エンターテインメントのない時間や、エンターテインメントがまだ終了していない時間が多くあることなく、全部のエンターテインメントシーケンスを常に有する。これにより、患者体験が向上され、患者の体動又はワークフローの中断が低減する。
【0014】
一実施形態では、エンターテインメントシーケンスは、ムービー、一連の写真、(インタラクティブな)ゲームシーン、仮想現実コンテンツ若しくは図面、及び/若しくはテキストなどの視覚的エンターテインメント、並びに/又は、音楽、朗読、及び/若しくは周囲音などの聴覚的エンターテインメントを含む。特許請求に係る本発明は、あらゆる言及されたタイプのエンターテインメントに適しており、また、実際の医療処置の要件によって制限されない限り(例えば、患者の体動が望ましくない場合は、ゲームはできない)、患者の好みにより最適に適している。
【0015】
一実施形態では、医療処置は、磁気共鳴スキャン、コンピュータ断層撮影スキャン、陽電子放出断層撮影スキャン、単一光子放出コンピュータ断層撮影スキャン、超音波スキャン、蛍光透視法などの診断スキャン、又は生検、カテーテル法、低侵襲手術、画像誘導治療若しくは療法、放射線療法、陽子線療法、投薬若しくは造影剤の注入、透析など、前記患者の意識がある外科的又は治療的処置である。これらは、通常、患者に意識があり、局所的又は軽度に鎮静状態にされる医療処置であり、したがって、特許請求に係る本発明は、患者自身の体験や、それに対する意識的又は無意識の反応が、医療処置の結果に影響を及ぼすので、特に適している。したがって、患者の体験にプラスに影響を及ぼすと、より良い医療処置の結果が得られる可能性が高くなる。
【0016】
一実施形態では、少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの各々は、オプションデータブロックの使用に関する優先順位付け及び/又は制約に関する更なるメタデータを含む。更新コンテンツプロバイダは、長さに関するメタデータと、優先順位付け及び/又は制約に関する更なるメタデータとを使用して、少なくとも1つのオプションコンテンツブロックを追加又は削除する。したがって、提供されるエンターテインメントは、一部のオプションコンテンツブロックが物語により興味深いものであったり、追加又は削除のためにより良い位置にあったりするため、最も適した又は適切なオプションコンテンツブロックを追加又は削除することによって更新される。
【0017】
一実施形態では、コンテンツプロバイダは更に、初期の処置の長さ、更新された処置の長さ、好ましいエンターテインメントオプション、患者情報に関するユーザ入力を受信するユーザ入力部を含む。初期コンテンツプロバイダ及び/又は更新コンテンツプロバイダは、それぞれ、ユーザ入力を使用して、初期のエンターテインメントシーケンスを選択又は更新する。したがって、ユーザは患者に最適なエンターテインメントオプションを選択でき、これは、患者の体験ができるだけ快適且つ適切であるようにして、より良い医療処置の結果が得られる可能性が高くなる。
【0018】
一実施形態では、更新コンテンツプロバイダは更に、少なくとも1つの固定コンテンツブロック及び/又は少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの長さを適応させる。これにより、追加又は削除するのに望ましい長さに適合するオプションコンテンツブロックが利用可能ではない場合に、完全なエンターテインメントシーケンスの長さをより正確に微調整することが可能になる。
【0019】
一実施形態では、更新コンテンツプロバイダは、コンテンツブロックの少なくとも1つのサブセクション、好ましくは、一貫性のあるエンターテインメントシーケンスを提供するのにあまり必須ではないと前に決定された少なくとも1つの所定のサブセクションを削除することによって、少なくとも1つの固定コンテンツブロック及び/又は少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの長さを適応させ、好ましくは、コンテンツブロックのメタデータは、少なくとも1つのサブセクションの開始点と終了点、並びに任意選択で、優先順位付け及び/又は制約に関する更なるメタデータを含む。これは、事実上、コンテンツブロックの所望の長さに適応するためにカットされるコンテンツブロックのサブセクションを作成する。この再分割は、物語に対するサブセクションの値を決定することによって、固定コンテンツブロックとオプションコンテンツブロックとの差と同様に対処される。
【0020】
一実施形態では、更新コンテンツプロバイダは、好ましくは、コンテンツブロックの長さが30秒以下で適応される必要がある場合に、コンテンツブロックの再生速度を変更することによって、少なくとも1つの固定コンテンツブロック及び/又は少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの長さを適応させ、好ましくは、コンテンツブロックは、コンテンツブロックの速度を変更する適切性に関するメタデータを、任意選択で、コンテンツブロックの長さを変更できる量と共に含む。したがって、コンテンツブロックの長さは、所望の残りのコンテンツの長さにより厳密に一致する長さを得るために、幾分延長されたり、短縮されたりする。これは、コンテンツブロックの継続時間が比較的短い時間の長さだけ変更する必要がある場合、及び/又は繰り返しや必須ではないコンテンツを有するコンテンツブロックの場合に特に適している。
【0021】
一実施形態では、初期コンテンツプロバイダは、オプションコンテンツブロックで終了する初期のエンターテインメントシーケンスを提供する。これにより、特に、医療処置の後半において、満足のいく物語及び/又は結末を依然として提供しつつ、エンターテインメントシーケンスをより簡単に短縮できる。
【0022】
一実施形態では、初期コンテンツプロバイダ及び/又は更新コンテンツプロバイダは、制約充足問題モデルを使用して、オプションエンターテインメントコンテンツブロックを追加及び/又は削除する。これは、追加又は削除するブロックを決定する際に使用できる特に適したモデルである。
【0023】
一実施形態では、初期コンテンツプロバイダ及び/又は更新コンテンツプロバイダは、例えば(クロス)フェーディングによって、エンターテインメントシーケンス内の2つの連続するコンテンツブロック間に滑らかな移行を提供する。これにより、患者にとってより自然で滑らかな体験を可能にし、患者は、医療処置の前又はその最中にブロックが追加されたり、削除されたりしたことに気付かない。
【0024】
一実施形態では、初期の処置の長さには、エンターテインメントの開始から医療処置の開始までの時間として定義される処置開始前の長さが含まれている。これにより、医療処置が開始する前の期間、即ち、待ち時間又は準備時間にエンターテインメントを既に開始することができ、これは、処置が開始する前の不安、退屈などを軽減し、より没入感があり、均一な体験を提供するのに役立つ。これらの要素は全て、患者の体験をより快適なものにし、医療処置の品質を高め、医療処置が成功する可能性を高めるのに役立つ。
【0025】
次の詳細な説明を読み、理解することで、当業者には本発明の更なる態様及び実施形態が理解されるであろう。好適な実施形態の次の詳細な説明を読むことで、当業者には多数の追加の利点及び恩恵が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明を、図面に例示する。
【0027】
【
図1】
図1は、イメージングデバイスの概略図と、模範的なボア内エンターテインメントプロバイダの写真とを示す。
【
図2】
図2は、特許請求の範囲に係る本発明による適応型エンターテインメントを提供する方法の模範的なワークフローを示す。
【
図3】
図3は、特許請求の範囲に係る本発明によるエンターテインメントシーケンスを適応させる実施形態の例を示す。
【
図4】
図4は、特許請求の範囲に係る本発明によるエンターテインメントシーケンスを適応させる実施形態の例を示す。
【
図5】
図5は、特許請求の範囲に係る本発明によるエンターテインメントシーケンスを適応させる実施形態の例を示す。
【
図6】
図6は、特許請求の範囲に係る本発明によるエンターテインメントシーケンスを適応させる実施形態の例を示す。
【0028】
本発明は、様々な構成要素及び構成要素の配置、並びに、様々なプロセス操作及びプロセス操作の配置の形態をとることができる。図面は、好ましい実施形態を例示することのみを目的とし、本発明を限定しているものと解釈されるべきではない。よりよく視覚化するために、特定の特徴は省略されたり、寸法が縮尺通りではない場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0029】
特許請求に係る本発明は、例えば、磁気共鳴イメージング(MRI)スキャン中のボア内ビデオエンターテインメントを一例として使用して説明されるが、これに又は更には1種類のMRI処置に限定されるものではない。特許請求に係る本発明は、ムービー若しくは写真、絵、若しくはテキストのシーケンスなどの他の視覚的エンターテインメント、仮想現実画像、(クリックスルー)ゲーム、及び/又は音楽、朗読(オーディオブックなど)、若しくは周囲音などの聴覚エンターテインメントを含むが、これらに限定されない多くのタイプのエンターテインメントに適している。特許請求に係る本発明は、MRI、X線、コンピュータ断層撮影、超音波、陽電子放出分光法、単一光子放出コンピュータ断層撮影、蛍光透視法などの診断イメージング処置や、生検、カテーテル法、(低)侵襲手術、画像誘導治療若しくは療法、放射線療法、陽子線療法、投薬若しくは造影剤の注入、透析などの外科的若しくは治療処置といった処置の全体又は一部の間で患者の意識がある(例えば、麻酔なし、局所麻酔なし、又は遅延麻酔なし)あらゆる医療処置に適している。
【0030】
MRIデバイス100において、患者支持体102上の患者20がMRIデバイス100のボア101内に入れられる。MRIデバイス100は、強磁場、磁場勾配、及び電波(受信コイル103によってピックアップされる)を使用し、また、処理ユニット200を使用して、患者の身体の臓器の画像を生成する。
図1aに概略的なセットアップを示し、
図1bにボア101内の患者102の写真を示す。
【0031】
図1bからすぐに明らかであるように、ボア101は比較的小さく、ヘッドコイル103が患者の頭部の近くに配置されて、非常に狭い空間が作られ、患者の閉所恐怖症の感覚を引き起こす可能性がある。更に、MRIスキャンは、数分から1時間半以上かかる場合があり、その間、患者が静止しなければならず、この処置には、患者の耳の近くでの規則的な及び不規則な大きなノイズが伴う。これら要素の全てによって、患者は不快に感じたり、閉所恐怖症の感覚を抱いたり、待ちきれない感じになったり、更には怖がることになる。これは、小児患者や精神患者の場合に特に当てはまる。注意をそらしたり、気晴らしをさせるために、スキャン中に患者にエンターテインメントを提供するボア内エンターテインメントシステム10を使用できる。エンターテイメントシステムは、例えば、ボア内ディスプレイ、又はミラー若しくはスクリーンであり、その上にエンターテイメントコンテンツが投影される。エンターテインメントシステム10には通常ヘッドホン(図示せず)が含まれる。ヘッドホンは周囲ノイズを低減したり、患者20とやり取りするためにも使用できる。エンターテインメントシステム10にはまた、(MRI対応)ボア内スクリーン、ミラーを通して見られるボアの外側に置かれたスクリーン(
図1bに示す)、イメージング室の天井にあるスクリーン、2D又は3D(MRI対応)(仮想現実)ゴーグル、投影されたスクリーンなど、視覚情報及びエンターテインメントを提供するための手段が含まれる。ここでも、この手段は、エンターテインメントだけでなくスキャンに関する指示及び/又は情報(例えば、残り時間、スキャンの進捗バー)も患者に提供するために使用される。
【0032】
本文書の背景セクションで説明したように、エンターテインメントの長さが没入感を得られるほどの長さでない場合や、処置の長さと同じでない場合に問題が発生する可能性がある。これは、実際には患者体験の低下や、スキャン結果が最適でない又は使用できずに再スキャンや誤診のリスクにつながる可能性がある。多くの処置は計画作成されて、計画(関連する必要なスキャンデータを全て含むExamCardを使用して実行される)に従って実行できるが、スキャン中に計画が適応され、ExamCardが更新されることがしばしば発生する。例えば、患者の体動や別の不規則性の場合に(部分的な)再スキャンを実行する必要があったり、処置中に進行中のスキャンから追加情報が得られた場合に追加のスキャンが計画されたりしたことにより、実行中の処置が延長される。或いは、患者がスキャン中にエンターテイメントを一時停止する可能性のある追加の指示が必要な場合(これによりエンターテイメントを提供するための残り時間が短縮される)、又は進行中のスキャンから得られた追加情報によって計画されたフォローアップスキャンがキャンセルされる場合など、進行中の処置が短縮される場合もある。
【0033】
特許請求の範囲に係る本発明は、医療処置中に処置の長さが延長又は短縮された場合でも、提供されるエンターテインメントの長さが処置の長さと一致することを保証することで、患者体験をより満足感があり、落ち着いたものであり、耐えられるようなものにする、適応型の、好ましくは没入型のエンターテインメントコンテンツプロバイダを提供する。これにより、体動がはるかに減るため、画質向上に直結する。これにより、誤診の可能性や、患者の有害な精神状態(不安、退屈、不快感、又は任意の他の体動を引き起こす可能性のある否定的な精神状態など)によって引き起こされる中断により、中止して再開する必要のある処置の回数が減少する。
【0034】
特許請求の範囲に係る本発明の基礎となっている洞察は、ほとんどのエンターテインメントがエンターテインメントセクションのシーケンスを有し、そのうちのいくつかのセクションは、ストーリーを伝えるか、全体験を提供するのに必須であり、他のセクションは、中心プロットには必須ではないが、より多くのコンテキスト、サイドストーリーを提供し、キャラクターの特性を深めることでストーリーを豊かにするという点である。このようなエンターテインメントの全シーケンスはいくつかのセクションに細分され(以下、本発明のコンテキストではブロックと呼ぶ)、各ブロックは必須である(固定コンテンツブロック)、又は必須ではない(オプションコンテンツブロック)としてフラグ付けされる。最も基本的な実施形態では、提供されるエンターテインメントコンテンツは全て固定コンテンツブロックを使用して構築される。計画された処置が固定コンテンツブロックの時間よりも長い場合は、オプションコンテンツブロックが固定コンテンツブロック間に追加される。
【0035】
図2は、特許請求の範囲に係る本発明による一実施形態に関連する基本的な方法ステップの模範的なフローチャートを示す。
【0036】
最初に(ステップ201)、ExamCard又は他の計画方法に基づいて、初期の処置の長さ(LIP)が決定される。これは通常、スキャンを担当する医師又は技師によって手動で提供される(ステップ201’)が、受信した処置に関する入力から初期の処置の長さを計算するプロセッサによって(半)自動的に行われてもよい。
【0037】
次に(ステップ202)、患者及び/又はオペレータによって、例えば、エンターテイメントカテゴリ又はトピックを表示する固定又はリモートスクリーンを使用して、エンターテイメントデータベースからエンターテイメントオプションが選択される(ステップ202’)。エンターテイメントベースは、オンサイト又はクラウドベースのサーバであり得、そこからコンテンツがエンターテインメントシステムにダウンロード又はストリーミングされる。好ましくは、固定ブロックの合計時間が、初期の処置時間と同じか、それよりも短いオプションのみが表示される。
【0038】
好ましくは、表示されるエンターテインメントオプションは更に、年齢や性別などの患者の特性に基づいて事前に選択されていてもよい。このプロセスを容易にするために、好ましくは、いくつかのカテゴリが用意されている。例えば、それぞれ10分、30分、及び50分のエンターテインメントベース(全てであるが、固定コンテンツブロックのみ)を備えた短編ムービー、中編ムービー、及び長編ムービーが用意されている。更に、可能なムービーのテーマやターゲットグループ(「大人」や「4~10歳の子供」など)を選択できる。選択したエンターテインメントベースは、予想される処置の長さよりも短いか同じ長さであるべきであり、その後、可能なオプションコンテンツブロックのプールからコンテンツブロックを選択することで、所望の継続時間に延長される。処置が短縮される可能性を可能な限り柔軟に残すには、好ましくは、オプションブロックを最後に追加し、エンターテイメントシーケンス全体にオプションコンテンツブロックが十分に分散することを確実にする。
【0039】
各エンターテインメントオプション(1つのムービーなど)は、少なくとも1つ(ただし、好ましくは少なくとも2つ以上)の固定コンテンツブロック(F-1、F-2、F-3など)と、少なくとも1つ(ただし、好ましくは多く)のオプションコンテンツブロック(O-1、O-2、O-3など)とを含む。各コンテンツブロックには指定された長さがあり、この長さは、コンテンツブロックのメタデータに保存される。エンターテイメントオプションは、既存の視覚的又は聴覚的なエンターテイメントである場合もあれば、この目的のために特別に作成される場合もある。コンテンツブロックがストーリーラインに必須か必須ではないかは、好ましくは、ストーリーテリングの専門家によって事前に決定されているか、機械学習又は人工知能アルゴリズムを使用して決定される。
【0040】
次に(ステップ203)、初期コンテンツプロバイダ(ICP)が、好ましくは、オンサイト又はクラウドベースのプロセッサ上で実行されるプログラムとして実装され、選択したエンターテインメントオプションの全ての固定のエンターテインメントブロック(F-1、F-2、F-3など)を選択し、順序付けて、固定のエンターテイメントシーケンス(エンターテイメントベース)を構築する。
【0041】
次に、初期コンテンツプロバイダは、各コンテンツブロックのブロック長に関するメタデータを使用して、選択した固定のエンターテインメントブロックの長さを合計して、固定のエンターテインメントコンテンツ長(LFEC)を得ることで、固定のエンターテインメントシーケンス長を計算する(ステップ204)。
【0042】
次に(ステップ205)、初期コンテンツプロバイダは、固定のエンターテインメントコンテンツの長さと処置の長さとの差を求めて、残りのエンターテインメントシーケンスの長さ(LPI-LFEC)を取得する。
【0043】
次に(ステップ206)、初期コンテンツプロバイダは、少なくとも1つの利用可能で且つ適したオプションコンテンツブロックから、少なくとも1つのオプションコンテンツブロックの各々の長さに関するメタデータを使用して、残りのエンターテイメントシーケンスの長さにできるだけ厳密に対応する長さのオプションコンテンツブロックを選択する。適切な長さのオプションコンテンツブロックがない場合は、残りのエンターテイメントシーケンスの長さよりも短い長さのオプションコンテンツブロックが選択される。
【0044】
次に(ステップ207)、初期コンテンツプロバイダによって、更新された残りのエンターテイメントの長さ(LURE)が計算される。更新されたエンターテインメントの長さが初期の処置の長さよりも依然として短い場合、このステップを繰り返して、初期の手順の長さに達して初期のエンターテイメントコンテンツシーケンスが取得されるまで、1つ以上のブロックを選択する。適切な長さのオプションコンテンツブロックがない場合、コンテンツプロバイダはステップ206をやり直して、最初に別のオプションコンテンツブロックを選択してから、1つ以上の別のオプションコンテンツブロックを追加して、組み合わせた長さが残りのエンターテイメントシーケンスの長さと一致するようにする。
【0045】
実際には、エンターテインメントの長さが正確に「秒単位で」処置の長さと同じでなくても許容される。処置や患者によっては、数秒(5秒未満、10秒未満、20秒未満)が許容される。例えば、残り数秒を待つことは通常難しくなく、また、MRイメージングなどでは、処置の終わりから患者が処置中の位置から離れるまでの間にある期間がよくある。処置が完了すると、技師がドアを開けて台をスライドさせるのに常に20~30秒かかり、エンターテイメントの最後の部分を完了するのに十分な時間が与えられる。更に、ムービーの最後の部分は、必須ではないフェードアウトやクレジットシーンである可能性がある。一方、エンターテイメントの長さが処置の長さよりもわずかに短い場合、これにより患者にエンターテイメントの終結を提供できる(例えば、物語が終了する)。ただし、早く終了すると体動などを引き起こす可能性がある。これは、処置の重要な部分が処置の最後の数秒で行われる場合、問題となる可能性がある。
【0046】
次に(ステップ208)、医療処置が開始されるとすぐに、患者に対して初期のエンターテイメントコンテンツシーケンスが再生される。これは、自動又は手動で開始できる。処置中に医療処置の長さに変更がない場合は、初期のエンターテイメントコンテンツシーケンスが最後まで再生され、医療処置と実質的に同時に終了する。
【0047】
例えば、先に述べた理由から、処置中に医療処置の長さが短縮されたり延長されたりした場合(ステップ209)、好ましくは、オンサイト又はクラウドベースのプロセッサ上で実行されるプログラムとして実装され、また、任意選択で、初期コンテンツプロバイダと同じプログラム内である更新コンテンツプロバイダ(UCP)が、更新された処置の長さ(LUP)を有する情報か、又は更新コンテンツプロバイダが更新された処置の長さを計算できるようにする情報(209’)を自動又は手動で受信する。
【0048】
次に(ステップ210)、更新コンテンツプロバイダは、初期の処置の長さと更新された処置の長さとの差(LIP-LUP)を求める。
【0049】
次に(ステップ211)、初期の処置の長さが更新された処置の長さよりも短い場合(処置が延長された)、更新コンテンツプロバイダは、ステップ206及び207と同様に、1つ以上のオプションコンテンツブロックを選択する。初期の処置の長さが更新された処置の長さよりも長い場合(処置が短縮された)、コンテンツアップデータは、初期のエンターテイメントコンテンツシーケンスから、初期の処置の長さと更新された処置の長さとの求めた差に一致する(組み合わされた)長さの、まだ再生されていない1つ以上のオプションコンテンツブロックを選択し、これらを初期のエンターテイメントコンテンツシーケンスから削除する。好ましくは、これは患者が気付かないようにシームレスに行われる。
【0050】
次に(212)、結果として得られる更新されたエンターテインメントコンテンツシーケンスが、処置が終了するまで、又は処置の長さが再び変更されるまで(この場合、更新コンテンツプロバイダはステップ209~211を再度実行する)、患者に提供される。
【0051】
好ましくは、初期の又は更新されたムービーシーケンスを作成する際に、初期コンテンツプロバイダ及び/又は更新コンテンツプロバイダは、2つのコンテンツブロック間のフェーディング又はクロスフェーディングなどによって、任意の2つの連続するコンテンツブロック間の滑らかな移行を提供する。
【0052】
図3は、医療処置中に処置の長さが延長される、非限定的である説明的な状況の概略図を示している。この実施例では、患者はMRIスキャンを受けている幼児である。エンターテインメントデータベースDBから選択されたエンターテインメントコンテンツは、3つの固定コンテンツブロックF-1、F-2、F-3と、複数のオプションブロックO-1、O-2、O-3、O-4、O-5、…とを含む宇宙飛行士の象に関する漫画である。この実施例では、全てのコンテンツブロックの長さが同じである。すなわち、1ブロックにつき4分である。
【0053】
初期の処置の長さLIPは20分と決定され、初期コンテンツプロバイダを含むコンピュータプログラムへの入力として提供される。固定のブロックの長さの組み合わされた長さ(エンターテイメントベース)は12分である。したがって、残りの長さは8分であり、これを、2つのオプションコンテンツブロックO-4とO-5とで埋めて、初期の処置の長さと完全に一致する長さの初期ムービーシーケンスが取得される。
【0054】
MRIスキャンの早い段階で、別のMRIシーケンスを追加することが決定される。これにより、処置が12分延長され、更新された処置の長さは32分になり、入力として更新コンテンツプロバイダも含むコンピュータプログラムに提供される。最初の固定のブロックF-1の全部がまだ再生されていないため、更新コンテンツプロバイダは、全ての利用可能なまだ使用されていないオプションコンテンツブロックから選ぶことができ、第1の固定コンテンツブロックFー1と第2の固定コンテンツブロックF-2との間でムービーシーケンスに配置される3つのオプションコンテンツブロックO-1、O-2、O-3を選択できる。更新されたムービーシーケンスは、更新された処置の長さと一致するようになる。更新された処置の時間が処置の後半で決定された場合、ストーリーラインの辻褄が合わなくなる可能性があるため、利用可能なオプションコンテンツブロックの数は少なくなる。
【0055】
図4は、処置中に処置の長さが短縮される、同様の非限定的である説明的な状況の概略図を示している。同じムービーが選択されているが、この実施例では、処置開始9分後にスキャンの最終部分が不要であることが決定され、初期の処置の長さL
IPが4分短縮され、更新された処置の長さL
UPが16分になる。オプションコンテンツブロックO-4は既に再生されているため、オプションコンテンツブロックO-5を削除して、16分の長さのムービーシーケンスにすることしか選択肢はない。オプションのブロックO-5が最後に配置されており、メインストーリーに必須ではなかったが、このようなオプションのエンドコンテンツブロックのコンテンツは、患者が(固定のブロックF-3にある)メインの物語の結末に加えて満足のいく結末を受けるように設計されている。
【0056】
より現実的な実施形態では、コンテンツブロックの長さは様々である。例えば、30秒、1分、2分、3分、4分などで、コンテンツを追加する自由度を高めたり、より多くの初期の又は更新された処置の長さを可能にしたりする。
【0057】
図5では、初期の処置の長さが18分である非限定的な実施例が示されている。この場合、3つの固定コンテンツブロックF-1、F-2、F-3と、1つのオプションコンテンツブロックO-4とを使用して、最大16分間のシーケンスが構築された。第2のオプションコンテンツブロックO-5が選択される。これは、残りの時間を埋めるために、4分ではなく2分の長さで、初期の処置の長さに一致するムービーシーケンスを取得するためである。
【0058】
好ましくは、更新コンテンツプロバイダは、コンテンツブロックの長さを変更する。
【0059】
これは、コンテンツブロックの再生速度を高速化又は低速化することで実現される。これは、特に、処置の長さの変更がわずかで(例えば、30秒未満、20秒未満、10秒未満、5秒未満、3秒未満、又は1秒未満)、この長さの変更に適合するために追加するブロックや、適合するために削除する十分に短いブロックが利用可能ではない場合に適している。当然ながら、一部のコンテンツブロックは、他のコンテンツブロックよりも適している場合がある。例えば、風景の周囲画像や単純な動きを持つコンテンツブロックなどである。必要に応じて、患者が何も気付かないように、再生速度の変更に合わせて音の高さを修正できる。固定コンテンツブロック及び/又はオプションコンテンツブロックの速度は、更新されたムービーシーケンスの長さを得るために変更できる。
【0060】
第2の実施形態では、更新コンテンツプロバイダは、コンテンツブロックの一部を削除するコンテンツブロックの長さを変更する。この場合、コンテンツブロックには、コンテンツブロック内又はムービーシーケンス全体内の物語を失わずに削除できる適切なセクションを指定したサブセクション(例えば、発話のないセクションや、アクションがない、繰り返されている、又は続いているセクション)が既に決定されている必要がある。このようなセクションは、オプションコンテンツブロックで発生する可能性が高いが、適切な固定のブロックでも行われてもよい。
【0061】
図5は更に、
図3で説明したのと同じ状況の変形例を示す。ただし、この場合、更新された処置の長さは30秒だけ増加されている。利用可能なオプションコンテンツブロックは全てこれよりも長いため、ムービーは、オプションコンテンツブロックO-5で早めに終了するか、追加のオプションコンテンツブロックが追加された場合には終了しない。この実施例では、せりふのない状態でロケットが宇宙に打ち上げられる短いシーンを含み、且つ、そのため、特に本目的に適しているオプションのブロックO-4は、コンテンツブロックの長さを4分30秒に延長するために減速される。ブロックの音は自動的に適切なレベルに合わされる。更新されたムービーの長さは、更新された処置の長さと一致するようになり、いずれにせよ患者はこのシーンが変更されたことに気付かない。代わりに処置が短縮された場合は、この時間短縮に対応するために、コンテンツブロックの再生速度がわずかに上げられる(そして、音の高さも補正される)。
【0062】
図6は、
図5と同様の状況を示しているが、今度は、処置は3分だけ延長されている。適切な追加時間を有するオプションコンテンツブロックが利用可能ではないが、更新コンテンツプロバイダは、オプションコンテンツブロックO-5に、コンテンツブロック内のサブシーンである3つのサブセクションO-5-1(2分)、O-5-2(1分)、O-5-3(1分)(この図では縮尺通りには描画されていない)が含まれていることを認識する。第1のサブセクションO-5-1と第2のサブセクションO-5-2とは合わせて3分の長さを有する。したがって、更新コンテンツプロバイダは、サブセクションO-5-3を削除し、サブセクションO-5-1及びO-5-2のみをムービーシーケンスに追加し、これにより、ムービーシーケンスは、更新された処置の長さと正確に同じ長さになる。好ましくは、このようなサブセクションを有するオプションコンテンツブロックには、サブセクションの開始点と終了点、好ましくは、優先順位付けや制約情報などのメタデータが含まれている。好ましくは、更新コンテンツプロバイダは、あるオプションブロックの1つ以上のサブセクションが削除された場合に、次のサブセクション又はコンテンツブロックに滑らかに移行する。
【0063】
更新コンテンツプロバイダはまた、オプションの組み合わせを実行してムービーシーケンスを延長又は短縮することもできる。
【0064】
好ましくは、オプションコンテンツブロックのメタデータはまた、コンテンツブロックの使用制約に関するデータを含む。ほとんどのオプションコンテンツブロックでは、コンテンツは追加の物語や他の興味深いコンテンツに関連しており、ほとんどの場合、エンターテイメントシーケンス内に自由に配置することができない。例えば、象が宇宙に行く漫画の場合では、象が宇宙で浮かんでいるオプションコンテンツブロックは、ロケットが発射される前や地球に戻った後に配置することはできない。したがって、他のコンテンツブロックへの依存性の制約がメタデータに追加される場合がある。例えば、特定のオプションコンテンツブロックをどのコンテンツブロックの前及び/又は後に配置できるか(例えば、オプションのブロックO-2が再生されるときは、オプションコンテンツブロックO-3及びO-4は「ロック解除」され、ストーリーラインに追加することもできる。又は、オプションコンテンツブロックO-5が再生されるときは、オプションのブロックO-2、O-3、及びO-4は「ロック」され、使用できなくなる)が追加される場合がある。
【0065】
好ましくは、オプションコンテンツブロックのメタデータはまた、コンテンツブロックの優先順位付けに関するデータを含む。一部のオプションコンテンツブロックは、他のブロックよりもメインストーリーに大きな付加価値を有する場合があり、そのため、ストーリーへの付加価値が低いオプションコンテンツブロックの前に、初期又は更新コンテンツプロバイダによって選択される。例えば、各オプションコンテンツブロック、又はコンテンツブロック内の再分割に優先スコアを付与することができる。これらのスコアは、エンターテイメントシーケンスに追加する最適なオプションコンテンツブロックを選択するために、初期又は更新コンテンツプロバイダからアクセスされる。
【0066】
表1は、3つの固定コンテンツブロックと11個のオプションコンテンツブロックとに分割されて、7分(全ての固定コンテンツブロックのみのエンターテインメントベース)~22分半(全ての固定コンテンツブロックと全てのオプションコンテンツブロック)の長さのムービーシーケンスを形成する「オリー、宇宙に行く」というストーリーのストーリーラインの例を示している。
【表1】
【0067】
表2は、「オリー、宇宙へ行く」のストーリーラインのオプションコンテンツブロックのメタデータの例示的な例を示している。このメタデータには制約と優先順位付けがある(優先順位付けスコアが高いほど、ストーリーラインに更に興味深い追加を意味する)。この実施例では、別のオプションのブロックに追従する必要があるという制約を有するオプションのブロック(O-7とO-6、又はO-10とO-11)は、それ自身に従う必要があるオプションブロックが選択された場合にのみロック解除できる。固定コンテンツブロックに追従する必要があるという制約を有するオプションコンテンツブロック(例えば、O-1、O-2、O-3、O-4、O-5、O-8、O-9)は、「後」と「前」の制約の間で自由に選択できる。好ましくは、「前」制約を有さない少なくとも1つのオプションコンテンツブロック(例えば、O-9、O-10、又はO-11)が選択される。このようなブロックは、シーケンスのエンドブロックとして使用することができ、また、医療処置が後の段階で短縮された場合でも簡単に削除できる。
【表2】
【0068】
特許請求に係る本発明は、制約充足問題(CSP)を用いて技術的に実装され得、特に動的CSPが適している。
【0069】
CSPは、1)変数の集合、2)各変数の可能な値の集合(ドメイン)、3)許容値の組み合わせを制限する制約(変数間の関係)によって定義される。
【0070】
変数の完全な一貫性のあるインスタンス化(解とも呼ばれる)が存在する場合に、制約充足問題が解決される。解は一般的に推論と探索によって発見される。
【0071】
特許請求に係る本発明のコンテキストでは、全てのエンターテインメントコンテンツブロックは変数であると考えられる。ブロックの値は、例えば、0(エンターテイメントシーケンスにない)、1(存在する、再生されていない)、又は2(再生された)であり得る。単項制約(単一変数を含む)は、例えば、最初は全ての固定ブロックが値1を受け取ることである。再生中に、エンターテイメントシーケンスを適応させる必要がある場合、単項制約は、再生された全てのブロック(及び現在アクティブなブロック)が値2を受け取ることである。別の単項制約は、値1を有する全てのコンテンツブロックの継続時間からなる変数が、残りの推定スキャン時間+0~30秒の継続時間であるべきことである。バイナリ制約(変数のペアが関連する)は、コンテンツブロック間の依存関係をチェックするために使用できる。コンテンツブロックごとにインスタンス化してチェックする必要がある一般的なバイナリ制約は、(例えば、表2のリスト例に類似した情報を使用して)次のようになる:「X≠2の各ブロック(X)について、(Y)より前でY=2の場合、X=0」。全てのハード制約が推論によって満たされると、残っている開いている変数の値は探索によって埋められる。
【0072】
例えば、O-7はO-6よりも楽しいという優先傾向(ソフト制約)は、各変数割り当てのコストによって明示的に提示されるか、又は好ましいオプションが最初に見つかるように探索を構造化することで暗黙的に提示される。
【0073】
患者は、処置の開始を待っている間に(例えば、スキャンがセットアップされている間にMRデバイス内にいるとき、更には処置室に入る前の待合室内で)、既にエンターテイメントを楽しみ始め、好ましくは、スキャンが開始してもシームレスにこれが継続する。待ち時間は、処置開始前の長さとして、初期の処置の長さに含まれることもある。これは、エンターテインメントの開始(例えば、選択後に医師又は患者によって開始される)から実際の処置の開始までの時間として定義される。そのため、適応型エンターテインメントの長さは、この待ち時間の可能な遅延や短縮もカバーするように導入される。待っている間の患者の体動や有害な感情(不安、退屈、不安など)の問題は、処置中の可能な合併症を直接引き起こすことはないが、患者がよりリラックスした状態で処置を開始する可能性は高くなり、処置が成功する可能性が高くなる。
【0074】
特許請求の範囲に係る本発明の特定の変形例では、全てのコンテンツブロックがオプションコンテンツブロックであり、固定ブロックは定義されていない。この場合、エンターテインメントシーケンスを開始する選択されたオプションブロックは、特許請求に係る本発明のコンテキストでは、固定コンテンツブロックとして定義される。
【0075】
本発明は、図面及び上記の説明に詳細に例示及び説明されているが、このような例示及び説明は、例示的又は模範的と見なされるべきであって、限定的と見なされるべきではない。本発明は、開示された実施形態に限定されない。
【0076】
開示された実施形態の他の変形は、図面、開示及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求項に係る発明を実施する際に当業者によって理解され、実行可能である。
【0077】
本文書では、接頭に「固定」又は「オプション」を付けずにコンテンツブロックという用語が使用されている場合、これは通常、両方に関連することを示しているか、コンテキストからどちらのタイプのコンテンツブロックが使用されているかが明確である。
【0078】
特許請求の範囲において、語「含む」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形の要素は複数を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載されているいくつかのアイテムの機能を果たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを意味するものではない。
【0079】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給される、光記憶媒体又は固体媒体などの任意の適切な媒体に格納/配布することができるが、インターネット又は他の有線若しくはワイヤレス通信システムを介してなど他の形式で配布することもできる。特許請求の範囲における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【国際調査報告】