(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】ニトロ安息香酸及びニトロベンズアミドの水素化
(51)【国際特許分類】
C07C 227/04 20060101AFI20240403BHJP
C07C 229/56 20060101ALI20240403BHJP
C07C 231/12 20060101ALI20240403BHJP
C07C 233/65 20060101ALI20240403BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20240403BHJP
【FI】
C07C227/04
C07C229/56
C07C231/12
C07C233/65
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565864
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 US2022026686
(87)【国際公開番号】W WO2022232366
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(71)【出願人】
【識別番号】518259165
【氏名又は名称】エフエムシー アグロ シンガポール プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・エム・コーベット
(72)【発明者】
【氏名】イヴァン・セルゲーエヴィッチ・バルディチェフ
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル・シャピロ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ・エス・スタウファー
【テーマコード(参考)】
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AC52
4H006BA05
4H006BA07
4H006BA09
4H006BA10
4H006BA11
4H006BA12
4H006BA14
4H006BA16
4H006BA20
4H006BA21
4H006BA22
4H006BA23
4H006BA24
4H006BA25
4H006BA26
4H006BA55
4H006BA69
4H006BA70
4H006BB31
4H006BC10
4H006BC11
4H006BE10
4H006BE20
4H006BJ50
4H006BS30
4H006BS70
4H006BU46
4H039CA71
4H039CB30
(57)【要約】
本明細書では、新規な還元反応が記載される。本明細書に開示される方法によって調製される化合物は、殺虫剤、例えば殺虫剤であるクロラントラニリプロール及びシアントラニリプロールとしての、目的とする特定のアントラニルアミド化合物の調製のために有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式III
【化1】
(式中、R
1~R
4のそれぞれは、水素及びC
1~C
5アルキルから独立に選択され、及び
Mは、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びバリウムから選択される金属イオンである)
の化合物を調製する方法であって、
A)式II
【化2】
(式中、R
1~R
4のそれぞれは、水素及びC
1~C
5アルキルから独立に選択され、及び
Mは、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びバリウムから選択される金属イオンである)
の化合物と、
B)還元剤と、
C)触媒と、
D)水溶液と
を含む混合物を反応させること
を含む方法。
【請求項2】
前記還元剤は、水素ガス(H
2)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記触媒は、スラリー、ペレット、固体、微粒子状固体及びそれらの組み合わせから選択される形態である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記触媒は、ニッケル、ラネーニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、金、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、レニウム、銀、インジウム、ゲルマニウム、ベリリウム、ガリウム、テルル、ビスマス、水銀、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、鉄、コバルト、銅、亜鉛、カドミウム及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒は、ニッケル、ラネーニッケル、パラジウム、白金、Pd/C及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記触媒は、金属酸化物、ゼオライト、アルミナ、炭化ケイ素、炭素及びそれらの組み合わせから選択される担体上に分散される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
金属酸化物は、Al
2O
3、SiO
2、TiO
2及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記水溶液は、脱イオン水、水道水及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記水溶液は、金属水酸化物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記水溶液は、有機溶媒、有機水酸化物、水酸化アルキル、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びそれらの組み合わせから選択される化合物を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記反応させる方法工程は、約80℃~約120℃の範囲の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記反応させる方法工程は、約100psi~約400psiの範囲の圧力で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記式IIIの化合物は、
【化3】
である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記式IIの化合物は、
【化4】
である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記式IIの化合物は、式I
【化5】
(式中、R
1~R
4のそれぞれは、水素及びC
1~C
5アルキルから独立に選択される)
の化合物を、
A)前記式Iの化合物と、
B)水溶液と、
C)金属水酸化物と
を含む混合物に溶解させることを含む方法に従って調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記水溶液は、脱イオン水、水道水及びそれらの組み合わせから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記水溶液は、有機溶媒、有機水酸化物、水酸化アルキル、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びそれらの組み合わせから選択される化合物を含まない、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記金属水酸化物は、水酸化ナトリウムである、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記式IIの化合物は、
【化6】
である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
式V
【化7】
(式中、R
1~R
4のそれぞれは、水素及びC
1~C
5アルキルから独立に選択される)
の化合物を調製する方法であって、
A)式IV
【化8】
(式中、R
1~R
4のそれぞれは、水素及びC
1~C
5アルキルから独立に選択される)
の化合物と、
B)還元剤と、
C)触媒と、
D)任意選択的に、有機溶媒と
を含む混合物を反応させること
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月30日に出願された米国仮特許出願第182,091号明細書の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、新規な還元反応を対象とする。本明細書において開示される方法によって調製される化合物は、殺虫剤、例えば殺虫剤であるクロラントラニリプロール及びシアントラニリプロールとしての、目的とする特定のアントラニルアミド化合物の調製のために有用である。
【背景技術】
【0003】
3-メチル-2-ニトロ安息香酸及び2-ニトロ-N,3-ジメチルベンズアミドを還元するための従来のプロセスは、高コスト、リサイクルの制限、複雑な操作などの複数の産業上の懸念を抱えている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、3-メチル-2-ニトロ安息香酸及び2-ニトロ-N,3-ジメチルベンズアミドの還元に有用な新規方法を提供する。従来の方法と比較した本開示の方法の利点は、多くあり、コストの削減、比較的短い方法工程及び操作の複雑さの単純化を含む。
【0005】
一態様において、本明細書では、式III
【化1】
(式中、R
1~R
4のそれぞれは、水素及びC
1~C
5アルキルから独立に選択され、及び
Mは、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びバリウムから選択される金属イオンである)
の化合物を調製する方法が提供され、この方法は、
A)式II
【化2】
(式中、R
1~R
4のそれぞれは、水素及びC
1~C
5アルキルから独立に選択され、及び
Mは、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びバリウムから選択される金属イオンである)
の化合物と、
B)還元剤と、
C)触媒と、
D)水溶液と
を含む混合物を反応させることを含む。
【0006】
一態様において、本明細書では、式V
【化3】
(式中、R
1~R
4のそれぞれは、水素及びC
1~C
5アルキルから独立に選択される)
の化合物を調製する方法が提供され、この方法は、
A)式IV
【化4】
(式中、R
1~R
4のそれぞれは、水素及びC
1~C
5アルキルから独立に選択される)
の化合物と、
B)還元剤と、
C)触媒と、
D)有機溶媒と
を含む混合物を反応させることを含む。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書において使用する場合、用語「含む」、「含んでいる」、「包含する」、「包含している」、「有する」、「有している」、「含有する」、「含有している」、「~によって特徴付けられる」又はそれらの任意の他の変化形は、明示的に示される限定があることを前提として、非排他的な包含をカバーすることを意図する。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス又は方法は、必ずしもそれらの要素のみに限定されないが、明確に列挙されていないか、又はこのような組成物、混合物、プロセス若しくは方法に固有の他の要素を含み得る。
【0008】
移行句「からなる」は、特定されていない任意の要素、工程又は成分を除外する。特許請求の範囲において、これは、特許請求の範囲がそれと通常関連する不純物を除いて列挙したもの以外の材料を含むことを排除する。語句「からなる」が、前文の直後よりむしろ、特許請求の範囲の特徴部分において出現するとき、これは、その部分において記載した要素のみを限定し、他の要素は、特許請求の範囲から全体として除外されない。
【0009】
移行句「から本質的になる」は、文字通り開示されるものに加えて、材料、工程、特色、構成要素又は要素を含む組成物又は方法を定義するために使用されるが、ただし、これらのさらなる材料、工程、特色、構成要素又は要素は、特許請求される本発明の基本的で新規な特徴に実質的に影響を与えない。用語「から本質的になる」は、「含む」及び「からなる」の間の中間を占める。
【0010】
発明又はその部分がオープンエンド用語、例えば「含む」と共に定義される場合、(他に記述しない限り)この記載は、用語「から本質的になる」又は「からなる」を使用してもこのような発明が説明されると解釈すべきであることが容易に理解されるべきである。
【0011】
さらに、特に明示的に逆の記載がない限り、「又は」は、包括的な又はを指し、排他的な又はを指さない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれかの1つによって満たされる:Aは、真であり(又は存在し)、Bは、偽(又は非存在)であること、Aは、偽(又は非存在)であり、Bは、真である(又は存在する)こと、A及びBの両方は、真である(又は存在する)こと。
【0012】
また、本発明の要素又は構成要素に先行する不定冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、要素又は構成要素の実例(すなわち出現)の数に関して非限定的であることが意図される。したがって、「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、1つ又は少なくとも1つを含むと読むべきであり、要素又は構成要素の単数語形は、数が明らかに単数であることを意味しない限り、複数も含む。
【0013】
本明細書において使用する場合、用語「約」は、値のプラス又はマイナス10%を意味する。
【0014】
用語「アルキル」は、これらに限定されないが、直鎖又は分岐のアルキルを含む官能基を含む。いくつかの態様では、アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル又は異なるブチル若しくはペンチル異性体であり得る。
【0015】
用語「C1~C5アルキル」は、これらに限定されないが、1、2、3、4又は5個の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキルを含む官能基を含む。
【0016】
本発明の特定の化合物は、1種又は複数の立体異性体として存在することができる。様々な立体異性体は、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体及び幾何異性体を含む。1つの立体異性体は、他の立体異性体と比べて濃縮されるとき又は他の立体異性体から分離されるとき、より活性であり得、且つ/又は有益な効果を示し得ることを当業者は認識する。さらに、当業者は、前記立体異性体をどのように分離し、濃縮し、且つ/又は選択的に調製するかを知っている。
【0017】
本開示の実施形態は、以下を含む。
【0018】
実施形態1.式III
【化5】
(式中、R
1~R
4のそれぞれは、水素及びC
1~C
5アルキルから独立に選択され、及び
Mは、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びバリウムから選択される金属イオンである)
の化合物を調製する方法であって、
A)式II
【化6】
(式中、R
1~R
4のそれぞれは、水素及びC
1~C
5アルキルから独立に選択され、及び
Mは、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びバリウムから選択される金属イオンである)
の化合物と、
B)還元剤と、
C)触媒と、
D)水溶液と
を含む混合物を反応させること
を含む方法。
【0019】
実施形態2.還元剤は、水素ガス(H2)である、実施形態1に記載の方法。
【0020】
実施形態3.触媒は、スラリー、ペレット、固体、微粒子状固体及びそれらの組み合わせから選択される形態である、実施形態1に記載の方法。
【0021】
実施形態4.触媒は、ニッケル、ラネーニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、金、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、レニウム、銀、インジウム、ゲルマニウム、ベリリウム、ガリウム、テルル、ビスマス、水銀、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、鉄、コバルト、銅、亜鉛、カドミウム及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態1に記載の方法。
【0022】
実施形態5.触媒は、ニッケル、ラネーニッケル、パラジウム、白金、パラジウム炭素及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態1に記載の方法。
【0023】
実施形態6.触媒は、金属酸化物、ゼオライト、アルミナ、炭化ケイ素、炭素及びそれらの組み合わせから選択される担体上に分散される、実施形態1に記載の方法。
【0024】
実施形態7.金属酸化物は、Al2O3、SiO2、TiO2及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態1に記載の方法。
【0025】
実施形態8.水溶液は、脱イオン水、水道水及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態1に記載の方法。
【0026】
実施形態9.水溶液は、金属水酸化物を含む、実施形態1に記載の方法。
【0027】
実施形態10.水溶液は、有機溶媒、有機水酸化物、水酸化アルキル、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びそれらの組み合わせから選択される化合物を含まない、実施形態1に記載の方法。
【0028】
実施形態11.反応させる方法工程は、約80℃~約120℃の範囲の温度で行われる、実施形態1に記載の方法。
【0029】
実施形態12.反応させる方法工程は、約100psi~約400psiの範囲の圧力で行われる、実施形態1に記載の方法。
【0030】
実施形態13.式IIIの化合物は、
【化7】
である、実施形態1に記載の方法。
【0031】
実施形態14.式IIの化合物は、
【化8】
である、実施形態1に記載の方法。
【0032】
実施形態15.式IIの化合物は、式I
【化9】
(式中、R
1~R
4のそれぞれは、水素及びC
1~C
5アルキルから独立に選択される)
の化合物を、
A)式Iの化合物と、
B)水溶液と、
C)金属水酸化物と
を含む混合物に溶解させることを含む方法に従って調製される、実施形態1に記載の方法。
【0033】
実施形態16.水溶液は、脱イオン水、水道水及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態15に記載の方法。
【0034】
実施形態17.水溶液は、有機溶媒、有機水酸化物、水酸化アルキル、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びそれらの組み合わせから選択される化合物を含まない、実施形態15に記載の方法。
【0035】
実施形態18.金属水酸化物は、水酸化ナトリウムである、実施形態15に記載の方法。
【0036】
実施形態19.式IIの化合物は、
【化10】
である、実施形態15に記載の方法。
【0037】
実施形態20.式V
【化11】
(式中、R
1~R
4のそれぞれは、水素及びC
1~C
5アルキルから独立に選択される)
の化合物を調製する方法であって、
A)式IV
【化12】
(式中、R
1~R
4のそれぞれは、水素及びC
1~C
5アルキルから独立に選択される)
の化合物と、
B)還元剤と、
C)触媒と、
D)任意選択的に、有機溶媒と
を含む混合物を反応させること
を含む方法。
【0038】
実施形態21.還元剤は、水素ガス(H2)である、実施形態20に記載の方法。
【0039】
実施形態22.触媒は、スラリー、ペレット、固体、微粒子状固体及びそれらの組み合わせから選択される形態である、実施形態20に記載の方法。
【0040】
実施形態23.触媒は、ニッケル、ラネーニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、金、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、レニウム、銀、インジウム、ゲルマニウム、ベリリウム、ガリウム、テルル、ビスマス、水銀、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、鉄、コバルト、銅、亜鉛、カドミウム及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態20に記載の方法。
【0041】
実施形態24.触媒は、ニッケル、ラネーニッケル、パラジウム、白金、パラジウム炭素及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態20に記載の方法。
【0042】
実施形態25.触媒は、金属酸化物、ゼオライト、アルミナ、炭化ケイ素、炭素及びそれらの組み合わせから選択される担体上に分散される、実施形態20に記載の方法。
【0043】
実施形態26.有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態20に記載の方法。
【0044】
実施形態27.式Vの化合物は、
【化13】
である、実施形態20に記載の方法。
【0045】
実施形態28.式IVの化合物は、
【化14】
である、実施形態20に記載の方法。
【0046】
一態様では、式IIIの化合物は、スキーム1によって表される方法に従って調製される。R基及びM基は、本開示のいずれかに定義した通りである。
【化15】
【0047】
一態様では、式Vの化合物は、スキーム2によって表される方法に従って調製される。R基及びM基は、本開示のいずれかに定義した通りである。
【化16】
【0048】
一態様では、3-メチル-2-アミノ安息香酸ナトリウムは、スキーム3によって表される方法に従って調製される。
【化17】
【0049】
一態様では、2-アミノ-N,3-ジメチルベンズアミドは、スキーム4によって表される方法に従って調製される。
【化18】
【0050】
一態様では、式IIの化合物は、スキーム5によって表される方法に従って調製される。R基及びM基は、本開示のいずれかに定義した通りである。
【化19】
【0051】
この態様は、金属水酸化物の存在下で式Iの化合物を水溶液に溶解させることを含む。いくつかの実施形態では、水溶液は、脱イオン水、水道水及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、水溶液は、有機溶媒を含まない。いくつかの実施形態では、水溶液は、有機水酸化物を含まない。いくつかの実施形態では、水溶液は、水酸化アルキルを含まない。いくつかの実施形態では、水溶液は、メタノール又はエタノール又はイソプロパノールを含まない。いくつかの実施形態では、水溶液は、有機溶媒、有機水酸化物、水酸化アルキル、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びそれらの組み合わせから選択される化合物を含まない。
【0052】
いくつかの実施形態では、金属水酸化物は、アルカリ水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、金属水酸化物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、金属水酸化物は、水酸化カルシウム、水酸化バリウム及びそれらの組み合わせから選択される。
【0053】
いくつかの実施形態では、方法の溶解する工程は、室温で行われる。
【0054】
いくつかの実施形態では、溶解する工程は、60℃以上で行われる。
【0055】
いくつかの実施形態では、方法の溶解する工程は、室内圧力で行われる。
【0056】
一態様では、式IIIの化合物は、スキーム6によって表される方法に従って調製される。R基及びM基は、本開示のいずれかに定義した通りである。
【化20】
【0057】
この態様は、触媒の存在下において水溶液中で式IIの化合物を還元剤と反応させることを含む。いくつかの実施形態では、還元剤は、水素ガス(H2)である。
【0058】
いくつかの実施形態では、水溶液は、脱イオン水、水道水及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、水溶液は、有機溶媒を含まない。いくつかの実施形態では、水溶液は、有機水酸化物を含まない。いくつかの実施形態では、水溶液は、水酸化アルキルを含まない。いくつかの実施形態では、水溶液は、メタノール又はエタノール又はイソプロパノールを含まない。いくつかの実施形態では、水溶液は、有機溶媒、有機水酸化物、水酸化アルキル、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びそれらの組み合わせから選択される化合物を含まない。
【0059】
いくつかの実施形態では、水溶液は、金属水酸化物を含む。いくつかの実施形態では、金属水酸化物は、アルカリ水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、金属水酸化物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、金属水酸化物は、水酸化カルシウム、水酸化バリウム及びそれらの組み合わせから選択される。
【0060】
いくつかの実施形態では、触媒は、遷移金属、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀及びそれらの組み合わせから選択される金属を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、触媒は、ニッケル、ラネーニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、金、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、レニウム、銀、インジウム、ゲルマニウム、ベリリウム、ガリウム、テルル、ビスマス、水銀、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、鉄、コバルト、銅、亜鉛、カドミウム及びそれらの組み合わせから選択される金属を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、触媒は、ニッケル、アルミニウム、パラジウム、パラジウム/炭素(Pd/C)及びそれらの組み合わせから選択される金属を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、触媒は、金属酸化物、ゼオライト、アルミナ、炭化ケイ素、炭素及びそれらの組み合わせから選択される担体上に分散される。いくつかの実施形態では、金属酸化物は、Al2O3、SiO2、TiO2及びそれらの組み合わせから選択される。
【0064】
いくつかの実施形態では、触媒は、ニッケル触媒、ニッケルラネー触媒、Pd/C触媒及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、触媒は、スラリー、ペレット、固体、微粒子状固体及びそれらの組み合わせから選択される形態である。いくつかの実施形態では、触媒は、ペレット、固体、微粒子状固体及びそれらの組み合わせから選択される形態であると容易に取り扱うことが可能になり、安全性プロファイルが向上することから、この形態であることが好ましい。
【0065】
いくつかの実施形態では、触媒は、水溶液に直接供給される。いくつかの実施形態では、触媒は、触媒ホルダー内の水溶液に供給される。
【0066】
いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、還元剤を水溶液に連続的に供給することを含む。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、還元剤を水溶液に連続的に供給することを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、還元剤を水溶液に不連続に供給することを含む。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、還元剤を水溶液に少なくとも1回供給することを含む。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、還元剤を水溶液に少なくとも2回供給することを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、水溶液を撹拌することを含む。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、水溶液を少なくとも約50回転毎分(RPM)、少なくとも約100RPM、少なくとも約200RPM、少なくとも約300RPM、少なくとも400RPM、少なくとも約500RPM、少なくとも約600RPM、少なくとも約700RPM、少なくとも約800RPM、少なくとも約900RPM、少なくとも約1000RPM、少なくとも約1100RPM又は少なくとも約1200RPMの速度で撹拌することを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、約50℃~約120℃の範囲の温度で行われる。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、約60℃~約110℃の範囲の温度で行われる。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、約80℃~約100℃の範囲の温度で行われる。
【0070】
いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、約30psi~約400psiの範囲の圧力で行われる。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、約100psi~約400psiの範囲の圧力で行われる。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、約100psi~約200psiの範囲の圧力で行われる。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、約300psi~約400psiの範囲の圧力で行われる。
【0071】
一態様では、式Vの化合物は、スキーム7によって表される方法に従って調製される。R基は、本開示のいずれかに定義した通りである。
【化21】
【0072】
この態様は、触媒の存在下において有機溶媒中で式IVの化合物を還元剤と反応させることを含む。いくつかの実施形態では、還元剤は、水素ガス(H2)である。
【0073】
いくつかの実施形態では、有機溶媒は、水酸化アルキル、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びそれらの組み合わせから選択される有機水酸化物を含む。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、メタノール又はエタノールである。
【0074】
いくつかの実施形態では、触媒は、遷移金属、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀及びそれらの組み合わせから選択される金属を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、触媒は、ニッケル、ラネーニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、金、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、レニウム、銀、インジウム、ゲルマニウム、ベリリウム、ガリウム、テルル、ビスマス、水銀、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、鉄、コバルト、銅、亜鉛、カドミウム及びそれらの組み合わせから選択される金属を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、触媒は、ニッケル、アルミニウム、パラジウム及びそれらの組み合わせから選択される金属を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、触媒は、金属酸化物、ゼオライト、アルミナ、炭化ケイ素、炭素及びそれらの組み合わせから選択される担体上に分散される。いくつかの実施形態では、金属酸化物は、Al2O3、SiO2、TiO2及びそれらの組み合わせから選択される。
【0078】
いくつかの実施形態では、触媒は、ニッケル触媒、ラネーニッケル触媒、Pd/C触媒及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、触媒は、スラリー、ペレット、固体、微粒子状固体及びそれらの組み合わせから選択される形態である。
【0079】
いくつかの実施形態では、触媒は、有機溶媒に直接供給される。いくつかの実施形態では、触媒は、触媒ホルダー内の有機溶媒に供給される。
【0080】
いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、還元剤を有機溶媒に連続的に供給することを含む。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、還元剤を有機溶媒に連続的に供給することを含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、還元剤を有機溶媒に不連続に供給することを含む。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、還元剤を有機溶媒に少なくとも1回供給することを含む。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、還元剤を有機溶媒に少なくとも2回供給することを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、有機溶媒を撹拌することを含む。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、有機溶媒を少なくとも約50回転毎分(RPM)、少なくとも約100RPM、少なくとも約200RPM、少なくとも約300RPM、少なくとも400RPM、少なくとも約500RPM、少なくとも約600RPM、少なくとも約700RPM、少なくとも約800RPM、少なくとも約900RPM、少なくとも約1000RPM、少なくとも約1100RPM又は少なくとも約1200RPMの速度で撹拌することを含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、約50℃~約120℃の範囲の温度で行われる。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、約80℃~約100℃の範囲の温度で行われる。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、約60℃~約110℃の範囲の温度で行われる。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、約80℃~約100℃の範囲の温度で行われる。
【0084】
いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、約30psi~約400psiの範囲の圧力で行われる。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、約100psi~約400psiの範囲の圧力で行われる。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、約100psi~約200psiの範囲の圧力で行われる。いくつかの実施形態では、反応させる方法工程は、約300psi~約400psiの範囲の圧力で行われる。
【実施例】
【0085】
さらなる詳述を伴わずに、前述の説明を使用する当業者は、本発明をその最も完全な程度まで利用することができると考えられる。したがって、下記の実施例は、単に例示的なものと解釈され、本開示を決して限定するものではない。下記の実施例のための出発材料は、その手順が他の実施例において記載される特定の調製操作によって必ずしも調製されていなくてもよい。本明細書において列挙した任意の数値域は、より低い値からより高い値までの全ての値を含むことも理解される。例えば、ある範囲が10~50と記述される場合、12~30、20~40又は30~50などの値が本明細書において明確に列挙されることが意図される。これらは、特に意図されるものの単に例であり、列挙される(最も低い値及び最も高い値を含めた)最も低い値及び最も高い値間の数値の全ての可能な組み合わせは、本出願において明確に記述されていると考えられる。
【0086】
装置。
本明細書で示される実施例は、オーバーヘッド撹拌とガス供給系とを備えた150mLの圧力反応器を利用して得た。触媒ホルダーは、ポンピングインペラとワイヤーメッシュとを備えた回転バスケットホルダーであった。
【0087】
高速液体クロマトグラフ(HPLC)装置には、分析カラムが含まれていた。グラジエント分離を行った。検出は、UVにより行った。
【0088】
実施例1.ラネーニッケル触媒を使用した、3-メチル-2-ニトロ安息香酸の3-メチル-2-アミノ安息香酸ナトリウムへの還元。
【0089】
【0090】
オーバーヘッド撹拌を備えた150mlの圧力反応器に水、ラネーニッケル触媒及び1.05当量の50%水酸化ナトリウム水溶液を入れた。約0.065グラムのラネーニッケルスラリー(水50%)を入れたため、出発物質に対する質量当量は、約3.24重量%であった。3-メチル-2-ニトロ安息香酸を入れると、薄い緑がかった色の溶液が生成した。
【0091】
反応器を密閉し、N2で3回加圧パージして空気を除去した。N2を使用して反応器を圧力試験し、その後、反応器を水素ガス(H2)で3回加圧パージした。反応器をH2で開始圧力(300psi)まで加圧し、水素ラインを開いたままにして、反応中にH2が使い果たされるまで系にH2を連続的に供給した。反応器の撹拌を800RPMに設定し、80~100℃に加熱した。水素ガスを反応器に1時間供給した。
【0092】
反応が完了したとみなされた後、反応器を冷却し、圧力を抜き、サンプルを採取した。表2に示されているように、HPLC分析から、出発物質がほぼ完全に変換されたと判断された。
【0093】
【0094】
実施例2.ラネーニッケル触媒を使用した、3-メチル-2-ニトロ安息香酸の3-メチル-2-アミノ安息香酸ナトリウムへの還元。
【0095】
【0096】
オーバーヘッド撹拌を備えた150mlの圧力反応器に水、ラネーニッケル触媒及び50%水酸化ナトリウム水溶液を入れた。約0.065グラムのラネーニッケルスラリー(水50重量%)を入れた。その後、NaOHと3-メチル-2-ニトロ安息香酸とを入れると、薄い緑がかった色の溶液が生成した。
【0097】
反応器を密閉し、N2で3回加圧パージして空気を除去した。N2を使用して反応器を圧力試験した。その後、反応器を水素ガス(H2)で3回加圧パージした。反応器をH2で開始圧力(300psi)まで加圧し、水素ラインを開いたままにして、反応中にH2が使い果たされるまで系にH2を連続的に供給した。
【0098】
反応器の撹拌を800RPMに設定した。これを100℃に加熱した。水素ガスを反応器に1時間供給した。
【0099】
一定時間後、反応器を冷却し、圧力を抜き、サンプルを採取した。HPLC分析結果は、表4に示されている。
【0100】
【0101】
実施例3.ラネーニッケル触媒を使用した、3-メチル-2-ニトロ安息香酸の3-メチル-2-アミノ安息香酸ナトリウムへの還元。
【0102】
【0103】
オーバーヘッド撹拌を備えた150mlの圧力反応器に水、ラネーニッケル触媒及び50%水酸化ナトリウム水溶液を入れた。NaOHと3-メチル-2-ニトロ安息香酸とを入れると、薄い緑がかった色の溶液が生成した。
【0104】
反応器を密閉し、N2で3回加圧パージして空気を除去した。N2を使用して反応器を圧力試験した。その後、反応器を水素ガス(H2)で3回加圧パージした。反応器をH2で開始圧力(300psi)まで加圧し、水素ラインを開いたままにして、反応中にH2が使い果たされるまで系にH2を連続的に供給した。
【0105】
反応器の撹拌を600RPMに設定した。反応器を100℃に加熱した。水素ガスを反応器に1時間供給した。
【0106】
一定時間後、反応器を冷却し、圧力を抜き、サンプルを採取した。HPLC分析結果は、表7に示されている。
【0107】
【0108】
その後、反応を継続した。反応器を800RPMまで撹拌した。H2で300psi(a)まで加圧し、次いでH2供給を遮断した。その後、反応器を100℃まで加熱した。
【0109】
一定時間後、反応器を冷却し、圧力を抜き、反応塊を反応器から取り出した。サンプルを採取した。HPLC分析は、表8に示されている。
【0110】
【0111】
実施例4.Pd/Cスラリー触媒を使用した、3-メチル-2-ニトロ安息香酸の3-メチル-2-アミノ安息香酸ナトリウムへの還元。
【0112】
【0113】
オーバーヘッド撹拌を備えた150mlの圧力反応器に水と3-メチル-2-ニトロ安息香酸とを入れた。30%の水酸化ナトリウムを入れると、薄い緑がかった色の溶液が生成した。
【0114】
反応器を密閉し、N2で3回加圧パージして空気を除去した。N2を使用して反応器を圧力試験した。その後、反応器にパラジウム炭素(Pd/C)スラリー触媒を入れた。これをN2で再度パージした。次いで、反応器を水素ガス(H2)で3回加圧パージした。反応器をH2で開始圧力(300psi)まで加圧した。
【0115】
反応器を60~80℃に加熱した。温度を60~80℃、圧力を1.0~5.0気圧に維持するような速度で水素ガスを反応塊にスパージングした。水素ガスの取り込みが止まった後、反応塊をさらに30分間保持して確実に完全に変換した。その後、圧力を開放し、反応器を窒素でパージした。
【0116】
反応塊を60~80℃でフィルターに通して触媒を除去した。リサイクルは、フィルターを水で逆流洗浄することによって簡単に行われる。
【0117】
3-メチル-2-ニトロ安息香酸ナトリウムの収率は、約98%であった。
【0118】
実施例5.ペレット化Pd/C触媒を使用した、3-メチル-2-ニトロ安息香酸の3-メチル-2-アミノ安息香酸ナトリウムへの還元。
【0119】
【0120】
オーバーヘッド撹拌と回転触媒バスケットホルダーとを備えた150mlの圧力反応器に水と50%水酸化ナトリウム水溶液とを入れた。NaOHと3-メチル-2-ニトロ安息香酸とを入れると、薄い緑がかった色の溶液が生成した。
【0121】
回転触媒バスケットホルダーにペレット化パラジウム炭素(Pd/C)触媒を入れた。反応器を密閉し、N2で3回加圧パージして空気を除去した。N2を使用して反応器を圧力試験した。次いで、反応器を水素ガス(H2)で3回加圧パージした。反応器をH2で開始圧力(170psi)まで加圧した。
【0122】
反応器の撹拌を1000RPMに設定した。これを100℃まで加熱した。水素ガスを反応器から遮断した。圧力が低下したとき、反応器をH2で2回再加圧した。水素の取り込みは、約75℃で開始し、80分で停止した。圧力の変化が止まり、水素が消費されなくなったとき、反応が完了したとみなした。
【0123】
反応が完了した後、反応器を冷却し、圧力を抜き、サンプルを採取した。HPLC分析結果は、表11に示されている。
【0124】
【0125】
実施例6.実施例5からの再利用されたPd/C触媒を使用した、3-メチル-2-ニトロ安息香酸の3-メチル-2-アミノ安息香酸ナトリウムへの還元。
【0126】
【0127】
オーバーヘッド撹拌と回転触媒バスケットホルダーとを備えた150mlの圧力反応器に水と50%水酸化ナトリウム水溶液とを入れた。NaOH及び3-メチル-2-ニトロ安息香酸を入れると、薄い緑がかった色の溶液が生成した。
【0128】
回転触媒バスケットホルダーには、実施例5からのペレット化パラジウム炭素(Pd/C)触媒0.62gがすでに入っていた。反応器を密閉し、N2で3回加圧パージして空気を除去した。N2を使用して反応器を圧力試験した。次いで、反応器を水素ガス(H2)で3回加圧パージした。反応器をH2で開始圧力(340psi)まで加圧した。
【0129】
反応器の撹拌を1100RPMに設定した。これを100℃まで加熱した。水素ガスを反応器から遮断した。圧力が低下したとき、反応器をH2で1回再加圧した。水素の取り込みは、約75℃で開始し、50分で完了した。圧力の変化が止まり、水素が消費されなくなったとき、反応が完了したとみなした。
【0130】
一定時間後、反応器を冷却し、圧力を抜き、サンプルを採取した。HPLC分析結果は、表13に示されている。
【0131】
【0132】
実施例7.ペレット化ニッケル触媒を使用した2-ニトロ-N,3-ジメチルベンズアミドの2-アミノ-N,3-ジメチルベンズアミドへの還元。
【0133】
【0134】
オーバーヘッド撹拌と回転触媒バスケットホルダーとを備えた150mlの圧力反応器にメタノールを入れた。2-ニトロ-N,3-ジメチルベンズアミドを入れた。
【0135】
回転触媒バスケットホルダーに担持ニッケル触媒を入れた。反応器を密閉し、N2で3回加圧パージして空気を除去した。N2を使用して反応器を圧力試験した。次いで、反応器を水素ガス(H2)で3回加圧パージした。反応器をH2で開始圧力(170psi)まで加圧した。
【0136】
反応器の撹拌を1000RPMに設定した。これを100℃まで加熱した。水素ガスを反応器から遮断した。圧力が低下したとき、反応器をH2で再加圧した。圧力の変化が止まり、水素が消費されなくなったとき、反応が完了したとみなした。
【0137】
一定時間後、反応器を冷却し、圧力を抜き、サンプルを採取した。サンプルをHPLCで分析した。
【0138】
反応塊を反応器から取り出し、触媒バスケットホルダーを水ですすぎ洗いした。洗浄水を反応塊に添加した。
【0139】
実施例8.実施例7からの再利用されたペレット化ニッケル触媒を使用した、2-ニトロ-N,3-ジメチルベンズアミドの2-アミノ-N,3-ジメチルベンズアミドへの還元。
【0140】
【0141】
オーバーヘッド撹拌と回転触媒バスケットホルダーとを備えた150mlの圧力反応器にメタノールを入れた。2-ニトロ-N,3-ジメチルベンズアミドを入れた。
【0142】
回転触媒バスケットホルダーには、実施例7の担持ニッケル触媒がすでに入っていた。反応器を密閉し、N2で3回加圧パージして空気を除去した。N2を使用して反応器を圧力試験した。次いで、反応器を水素ガス(H2)で3回加圧パージした。反応器をH2で開始圧力(340psi)まで加圧した。
【0143】
反応器の撹拌を1100RPMに設定した。これを100℃まで加熱した。水素ガスを反応器から遮断した。圧力の変化が止まり、水素が消費されなくなったとき、反応が完了したとみなした。
【0144】
一定時間後、反応器を冷却し、圧力を抜き、サンプルを採取した。
【0145】
実施例9.ラネーニッケル触媒を使用した、2-ニトロ-N,3-ジメチルベンズアミドの2-アミノ-N,3-ジメチルベンズアミドへの還元。
【0146】
【0147】
250mlの丸底フラコに、5グラムの2-ニトロ-N,3-ジメチルベンズアミドと50グラムの水とを入れ、次いで撹拌して、薄い白色のスラリーを得た。次いで、固体が溶解するまでメタノール(100mL)を5mLずつ添加した。
【0148】
オーバーヘッド撹拌を備えた600mLの圧力反応器に丸底フラスコからの混合物を入れた。反応器にラネーニッケル触媒スラリーを入れた。反応器を密閉し、N2で3回加圧パージして空気を除去した。N2を使用して反応器を圧力試験した。次いで、反応器を水素ガス(H2)で3回加圧パージした。反応器をH2で開始圧力(350psi)まで加圧した。
【0149】
反応器の撹拌を500RPMに設定した。これを100℃まで加熱した。水素ガスを反応器から遮断した。圧力が低下したとき、反応器をH2で1回再加圧した。圧力の変化が止まったとき(すなわち水素が消費されなくなったとき)、反応が完了したとみなした。
【0150】
一定時間後、反応器を冷却し、圧力を抜いた。
【0151】
サンプルをHPLCによって分析した。結果は、表17に示されている。
【0152】
【0153】
実施例10.ラネーニッケル触媒を使用した、2-ニトロ-N,3-ジメチルベンズアミドの2-アミノ-N,3-ジメチルベンズアミドへの還元。
【0154】
【0155】
250mLの丸底フラスコに10グラムの2-ニトロ-N,3-ジメチルベンズアミドと80グラムのメタノールとを入れ、薄い白色のスラリーを形成した。次いで、固体が溶解するまでメタノール(150g)をさらに添加した。
【0156】
オーバーヘッド撹拌を備えた600mLの圧力反応器に丸底フラスコからの混合物を入れた。反応器にラネーニッケル触媒スラリーも入れた。反応器を密閉し、N2で3回加圧パージして空気を除去した。N2を使用して反応器を圧力試験した。次いで、反応器を水素ガス(H2)で3回加圧パージした。反応器をH2で開始圧力(400psi)まで加圧した。
【0157】
反応器の撹拌を500RPMに設定した。これを100℃まで加熱した。水素ガスを反応器から遮断した。圧力が低下したとき、反応器をH2で1回再加圧した。圧力の変化が止まったとき(すなわち水素が消費されなくなったとき)、反応が完了したとみなした。
【0158】
反応が完了した後(約120分)、反応器を冷却し、圧力を抜いた。
【0159】
サンプルをHPLCによって分析した。結果は、表19に示されている。
【0160】
【0161】
実施例11.ラネーニッケル触媒を使用した、2-ニトロ-N,3-ジメチルベンズアミドの2-アミノ-N,3-ジメチルベンズアミドへの還元。
【0162】
【0163】
250mLの丸底フラスコに10グラムの2-ニトロ-N,3-ジメチルベンズアミドと80グラムのメタノールとを入れて、薄い白色のスラリーを形成した。次いで、固体が溶解するまでメタノール(90mL)をさらに添加した。
【0164】
オーバーヘッド撹拌を備えた600mLの圧力反応器に丸底フラスコからの混合物を入れた。反応器にはラネーニッケル触媒スラリーも入れた。反応器を密閉し、N2で3回加圧パージして空気を除去した。使用して反応器を圧力試験した。次いで、反応器を水素ガス(H2)で3回加圧パージした。反応器をH2で開始圧力(150psi)まで加圧した。
【0165】
反応器の撹拌を約430RPMに設定した。これを65℃まで加熱した。水素ガスを反応器から遮断した。圧力が低下したとき、反応器をH2で4回再加圧した。圧力の変化が止まったとき(すなわち水素が消費されなくなったとき)、反応が完了したとみなした。
【0166】
反応が完了した後(約300分)、反応器を冷却し、圧力を抜いた。
【0167】
サンプルをHPLCによって分析した。分析結果は、表21に示されている。
【0168】
【0169】
反応塊に対して重量%分析も行った。
【0170】
【0171】
重量%分析に基づく2-アミノ-N,3-ジメチルベンズアミドの収率は、約88%であった。
【0172】
実施例12.ペレット化Pd/C触媒を使用した、2-ニトロ-N,3-ジメチルベンズアミドの2-アミノ-N,3-ジメチルベンズアミドへの還元。
【0173】
【0174】
オーバーヘッド撹拌と回転触媒バスケットホルダーとを備えた600mLの圧力反応器に2-ニトロ-N,3-ジメチルベンズアミドとメタノールとを入れた。
【0175】
回転触媒バスケットホルダーにペレット化パラジウム炭素(Pd/C)触媒を入れた。反応器を密閉し、N2で3回加圧パージして空気を除去した。使用して反応器を圧力試験した。次いで、反応器を水素ガス(H2)で3回加圧パージした。反応器をH2で開始圧力(150psi)まで加圧した。
【0176】
反応器の撹拌を約430RPMに設定した。これを65℃まで加熱した。水素ガスを反応器から遮断した。圧力が低下したとき、反応器をH2で数回再加圧した。H2の温度及び圧力を徐々に100℃及び300psigまで上げた。圧力の変化が止まったとき(すなわち水素が消費されなくなったとき)、反応が完了したとみなした。
【0177】
一定時間後、反応器を冷却し、圧力を抜いた。
【0178】
サンプルをHPLCによって分析した。分析結果は、表24に示されている。
【0179】
【0180】
反応塊を反応器から取り出した。次いで、同じ触媒を用いて2回目の反応を実行した。反応は、100℃及び225psigのH2で実行した。HPLCの結果は、以下の表25に示されている。
【0181】
【0182】
反応塊を反応器から取り出した。次いで、同じ触媒を用いて3回目の反応を実行した。反応は、100℃及び225psigのH2で実行した。HPLCの結果は、以下の表26に示されている。
【0183】
【0184】
3回目の実行後、生成混合物に対して重量%分析を行った。3回目の反応溶液の収率は、重量%分析に基づいて約95%であった。
【0185】
【0186】
2-アミノ-N,3-ジメチルベンズアミドの反応選択率は、最後の実行で約95.4%である。
【0187】
3つの反応は、300~600分以内に完了した。
【0188】
実施例13.ニッケルペレット触媒を使用した、2-ニトロ-N,3-ジメチルベンズアミドの2-アミノ-N,3-ジメチルベンズアミドへの還元。
【0189】
【0190】
オーバーヘッド撹拌と回転触媒バスケットホルダーとを備えた600mLの圧力反応器に2-ニトロ-N,3-ジメチルベンズアミドとメタノールとを入れた。
【0191】
回転触媒バスケットホルダーにペレット化ニッケル触媒を入れた。反応器を密閉し、N2で3回加圧パージして空気を除去した。N2を使用して反応器を圧力試験した。次いで、反応器を水素ガス(H2)で3回加圧パージした。反応器をH2で開始圧力(150psi)まで加圧した。
【0192】
反応器の撹拌を約430RPMに設定した。これを65℃まで加熱した。水素ガスを反応器から遮断した。圧力が低下したとき、反応器をH2で数回再加圧した。圧力の変化が止まり、水素が消費されなくなったとき、反応が完了したとみなした。
【0193】
一定時間後、反応器を冷却し、圧力を抜いた。反応塊は、褐色且つ透明であった。
【0194】
サンプルをHPLCによって分析した。分析結果は、表29に示されている。
【0195】
【0196】
この記述した記載内容は、実施例を使用して最良の態様を含めた本開示を例示し、また任意の当業者が、任意の装置又はシステムを作製及び使用し、任意の組み込まれた方法を行うことを含めて本開示を実行することを可能にする。本開示の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含み得る。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文章の言語と異ならない構造要素を有する場合又は特許請求の範囲の文章の言語からの実体のない差異を有する等しい構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。
【国際調査報告】