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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】金属粉末製造設備
(51)【国際特許分類】
   B22F 9/08 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
B22F9/08 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565899
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 IB2022053852
(87)【国際公開番号】W WO2022229836
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2021/053456
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515214729
【氏名又は名称】アルセロールミタル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エライス・ララナ,エンリケ
(72)【発明者】
【氏名】コドゥクラ,ウダヤ・バスカール
【テーマコード(参考)】
4K017
【Fターム(参考)】
4K017BA01
4K017BA05
4K017BA06
4K017EB07
4K017EB21
4K017FA09
4K017FA14
4K017FA21
(57)【要約】
本発明は、金属粉末製造用の設備に関し、設備は、上部及び底部を有する噴霧チャンバと、チャンバの上部に位置付けられ、液体金属が流れることができる噴霧ノズルと、ノズルに隣接し、液体金属上にガスが噴射されることができるガス噴霧器と、金属粉末を排出するための噴霧チャンバの底部の開口部と、を備えるガスアトマイザと、内管と外管であって、2つのパイプは同心であり、内管は噴霧チャンバの底部の開口部に接続され、外管はアトマイザのガス噴霧器に接続されている、内管と外管とを備える二重管熱交換器と、を備える。本発明はまた、対応するプロセスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属粉末製造用の設備(1)であって,、 ガスアトマイザ(2)であって、上部及び底部を有する噴霧チャンバ(4)と、チャンバの上部に配置され、液体金属が流れることができる噴霧ノズル(5)と、ノズルに隣接し、液体金属上にガスが噴射されることができるガス噴霧器(6)と、金属粉末を排出するための噴霧チャンバの底部の開口部(8)と、を備えるガスアトマイザ(2)と、
内管(9)及び外管(10)を備える二重管熱交換器(3)であって、2本の管は同心であり、内管は、噴霧チャンバの底部の開口部(8)に接続され、外管は、アトマイザのガス噴霧器(6)に接続されている、二重管熱交換器(3)と、
を備える、金属粉末製造設備(1)。
【請求項2】
分級ステーション(14)をさらに備える、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
内管(9)は空気圧式輸送管路である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の設備。
【請求項4】
内管(9)は、輸送ガス入口(13)を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の設備。
【請求項5】
輸送ガス入口(13)は、噴霧チャンバの底部の開口部(8)に隣接して配置されている、請求項4に記載の設備。
【請求項6】
内管(9)は、二重管熱交換器の第1の端部(11)によって噴霧チャンバの底部の開口部(8)に接続されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の設備。
【請求項7】
内管(9)は、二重管熱交換器の第2の端部(12)によって分級ステーション(14)の入口に接続されている、請求項2から6のいずれか一項に記載の設備。
【請求項8】
内管(9)は、二重管熱交換器の第1の端部(11)によって分級ステーション(14)の出口に接続されている、請求項2~6のいずれか一項に記載の設備。
【請求項9】
外管(10)は、二重管熱交換器の第1の端部(11)によってガス噴霧器(6)に接続されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の設備。
【請求項10】
外管(10)は、二重管熱交換器の第2の端部(12)によって分級ステーション(14)の出口に接続されている、請求項2~9のいずれか一項に記載の設備。
【請求項11】
外管(10)は、ガス調整器に接続されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の設備。
【請求項12】
アトマイザは、噴霧チャンバの底部にある粒子床をパージするため噴霧チャンバ(4)内にパージ(17)をさらに備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の設備。
【請求項13】
外管(10)は、二重管熱交換器の第1の端部(11)によってパージ(17)に接続されている、請求項12に記載の設備。
【請求項14】
パージ(17)は、内管(9)の輸送ガス入口(13)に接続されている、請求項12に記載の設備。
【請求項15】
アトマイザ(2)は、噴霧チャンバ(4)に接続されたガス抽出器(38)をさらに備える、請求項1~14のいずれか一項に記載の設備。
【請求項16】
ガス抽出器(38はガス噴霧器(6)に接続されている、請求項15に記載の設備。
【請求項17】
ガス抽出器(38)は、二重管熱交換器の第2の端部(12)によって外管(10)に接続されている、請求項15に記載の設備。
【請求項18】
ガスアトマイザ(2)の出口で金属粒子を冷却するプロセスであって、
噴霧化に使用されるガスは、同心である内管(9)及び外管(9)を備える二重管熱交換器(3)内で、アトマイザから排出された金属粒子と最初に接触される、プロセス。
【請求項19】
噴霧化に使用されるガスは、外管(10)内で一方の方向に循環し、アトマイザから排出された金属粒子は、内管(9)内で他方の方向に循環する、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
噴霧化に使用されるガスは、ガスアトマイザ(2)及び二重管熱交換器(3)を備える金属粉末製造設備(1)の一部である分級ステーション(14)からリサイクルされたガスである、請求項18又は19のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項21】
噴霧化に使用されるガスは、ガスアトマイザ(2)からリサイクルされたガスである、請求項18~20のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項22】
内管(9)内で金属粒子を輸送するために使用されるガスは、ガスアトマイザ(2)及び二重管熱交換器(3)を備える金属粉末製造設備(1)の一部である分級ステーション(14)からリサイクルされたガスである、請求項18~21のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項23】
内管(9)内で金属粒子を輸送するために使用されるガスは、ガスアトマイザからリサイクルされたガスである、請求項18~22のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属粉末の製造のための、特に積層造形用の鋼粉末のガス噴霧化による製造設備に関する。本発明はまた、ガスアトマイザの出口で金属粒子を冷却する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
積層造形のための金属粉末に対する需要が高まっており、製造プロセスが結果的に構成させなければならない。
【0003】
特に、金属材料を溶融し、アトマイザに接続されたタンディッシュに溶融金属を注ぐことが知られている。溶融金属は、制御された雰囲気下でチャンバ内のノズルを通って押し出され、溶融金属を微細な金属液滴に噴霧するガスのジェットに衝突される。金属液滴は凝固して微粒子になり、これはチャンバの底部に落下し、溶融金属が完全に噴霧化されるまでそこに蓄積する。次いで、粉末は、あまり急速に酸化することなく空気と接触することができる温度に達するまでアトマイザ内で冷却される。次いで、アトマイザは粉末を収集するため開かれる。このような冷却は、大量の金属粉末を製造する必要性に適合しない長いプロセスである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、得られた粉末が効率的に冷却されることができる設備を提供することによって、従来技術の設備及びプロセスの欠点を改善することである。
【0005】
また、ガス流量(m/h)と金属流量(Kg/h)との比は、好ましくは1~5の間に維持されるため、溶融金属を噴霧化するために工業規模で膨大な量のガスが必要とされる。
【0006】
本発明のさらなる目的は、ガスが効率的に使用される設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明の第1の主題は、金属粉末製造用の設備であって、
ガスアトマイザであって、上部及び底部を有する噴霧チャンバと、チャンバの上部に配置され、液体金属が流れることができる噴霧ノズルと、ノズルに隣接し、液体金属上にガスが噴射されることができるガス噴霧器と、金属粉末を排出するための噴霧チャンバの底部の開口部と、を備えるガスアトマイザと、
内管と外管とを備える二重管熱交換器であって、2本の管は同心であり、内管は噴霧チャンバの底部の開口部に接続され、外管はアトマイザのガス噴霧器に接続されている、二重管熱交換器と、
を備える、金属粉末の製造のための設備にある。
【0008】
本発明による設備はまた、個別に又は組み合わせて考慮される、以下に列挙される任意選択の特徴を有してもよく、
設備は分級ステーションをさらに備え、
内管は、空気圧式輸送管路であり、
内管は、輸送ガス入口を備え、
輸送ガス入口は、噴霧チャンバの底部で開口部に隣接して配置され、
内管は、二重管熱交換器の第1の端部によって噴霧チャンバの底部で開口部に接続され、
内管は、二重管熱交換器の第2の端部によって分級ステーションの入口に接続され、
内管は、二重管熱交換器の第1の端部によって分級ステーションの出口に接続され、
外管は、二重管熱交換器の第1の端部によってガス噴霧器に接続され、
外管は、二重管熱交換器の第2の端部によって分級ステーションの出口に接続され、
外管(10)はガス調整器に接続され、
アトマイザは、噴霧チャンバの底部にある粒子床をパージするための、噴霧チャンバ内のパージをさらに備え、
外管は、二重管熱交換器の第1の端部によってパージに接続され、
パージは、内管の輸送ガス入口に接続され、
アトマイザは、噴霧チャンバに接続されたガス抽出器をさらに備え、
ガス抽出器は、ガス噴霧器に接続され、
ガス抽出器は、二重管熱交換器の第2の端部によって外管に接続される。
【0009】
本発明の第2の主題は、ガスアトマイザの出口で金属粒子を冷却する方法にあり、噴霧化に使用されるガスは、最初に、内管及び外管を備える二重管熱交換器内でアトマイザから排出された金属粒子と接触し、2本の管は同心である。
【0010】
本発明による方法はまた、個別に又は組み合わせて考慮される、以下に列挙される任意選択の特徴を有してもよく、
噴霧化に使用されるガスは外管内を一方の方向に循環する一方、アトマイザから排出された金属粒子は内管内を他方の方向に循環し、
噴霧化に使用されるガスは、ガスアトマイザ及び二重管熱交換器を備える金属粉末製造設備の一部である分級ステーションからリサイクルされるガスであり、
噴霧化に使用されるガスは、ガスアトマイザからリサイクルされたガスであり、
内管で金属粒子を輸送するために使用されるガスは、ガスアトマイザ及び二重管熱交換器を備える金属粉末製造設備の一部である分級ステーションからリサイクルされるガスであり、
内管内で金属粒子を輸送するために使用されるガスは、ガスアトマイザからリサイクルされたガスである。
【0011】
明らかなように、本発明は、アトマイザから排出された金属粒子が、噴霧化に使用されるガスによって冷却される二重管熱交換器に基づいている。このようにして、粒子は、設備の次の機器への輸送中に効率的に冷却され、一方で、このガスは加熱され、加熱されたガスを噴霧チャンバ内の溶融金属に噴霧することができる。その結果、粒子は、例えば分級ステーションとすることができる次の機器でのそれらの取り扱いのために十分に冷たい。それらはまた、酸化しないので、保護雰囲気外で取り扱うのに十分に冷たい。噴霧化のために加熱ガスを使用することも有益である。加熱されたガスは冷却速度を低下させ、粒子が固化するまでにより多くの時間を与える。その結果、表面張力は、粒子を、より丸みを帯びた粒子又はさらに完全な球体にするために、より長い期間にわたってその役割を果たすことができる。また、加熱されるガスは、ガス噴霧器の出口におけるガス速度がより速い。ガスジェットは、より小さな粒子をもたらす溶融金属をより効率的に噴霧する。粒度分布は、より小さい範囲にシフトする。
【0012】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の以下の説明においてより詳細に説明される。
【0013】
本発明は、以下の説明を読むことによってよりよく理解され、以下の説明は、単に説明の目的で提供されており、決して限定的であることを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による設備である。
図2】本発明の第1の変形形態による設備である。
図3】本発明の第2の変形形態による設備である。
図4】本発明の第3の変形形態による設備である。
図5】本発明の第4の変形形態による設備である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本出願で使用される「下部(lower)」、「下(beneath)」、「内向き(inward)」、「内向き(inward)」、「外向き(outward)」、「外向き(outwards)」、「上流(upstream)」、「下流(downstream)」という用語は、設備がプラントに設置されるときの設備の異なる構成要素の位置及び向きを指すことに留意されたい。
【0016】
図1を参照すると、金属粉末製造設備1は、ガスアトマイザ2及び二重管熱交換器3から主に構成される。
【0017】
ガスアトマイザ2は、液体金属の流れを高速ガスと衝突させることによって微細な金属液滴に噴霧化するように設計された装置である。ガスアトマイザ2は、主に、保護雰囲気下で閉鎖かつ維持される噴霧チャンバ4から構成される。チャンバは、上部セクション、下部セクション、上部及び底部を有する。
【0018】
噴霧チャンバの上部セクションは、オリフィスを備え、ノズル5は、通常、チャンバ上部の中心に配置され、そこを通って溶融金属流が押し出される。ノズルは、液体金属の流れに高速でガスを噴射するためのガス噴霧器6に隣接する。ガス噴霧器は、加圧ガスが流れるノズルと同軸線に配置された環状スロットであることが好ましい。ガス噴霧器は、好ましくは、ガスを噴射する前にガスの流れ及び/又は圧力を制御するためにガス調整器7に結合される。ガス調整器は、圧縮機、ファン、ポンプ、管断面縮小器、又は任意の適切な機器とすることができる。
【0019】
噴霧チャンバの下部セクションは、主に、チャンバの上部セクションから落下する金属粒子を収集するための容器である。これは通常、チャンバの底部に配置された開口部8を通る粉末の収集及び粉末の排出を容易にするように設計されている。したがって、それは通常、逆円錐又は逆円錐台形状の形態である。
【0020】
上述したように、二重管熱交換器は、金属粒子の輸送中にアトマイザから排出された金属粒子を冷却する一方で、噴霧化に使用されるガスは、加熱されるように設計されている。その目的のために、二重管熱交換器3は、噴霧チャンバから排出された金属粉末を輸送するための内管9と、噴霧ガスを輸送するための外管10とを備える。これら2つの管は同心である。管が同心であるという事実は、金属粉末と噴霧ガスとの間の効率的な熱伝達を提供する。
【0021】
二重管熱交換器は、第1の端部11及び第2の端部12を備える。内管及び外管は、それぞれ、熱交換器の第1の端部の側面に位置する第1の端部と、熱交換器の第2の端部側面に位置する第2の端部とを有する。
【0022】
その端部のうちの1つで、内管9は、噴霧チャンバの底部の開口部8に接続される。接続部及び開口部が設計される方法は、本発明の文脈において特に限定されない。アトマイザが連続的に作動している場合、開口部は、アトマイザから噴霧化を中断することなく金属粉末を連続的に排出することができるように設計される。開口部は、例えば、制御弁又はロータリ弁とすることができる。
【0023】
内管は、噴霧チャンバに直接接続することができる。その場合、金属粒子は、噴霧チャンバから内管に直接流入する。代替的に、内管は、噴霧チャンバに間接的に接続することができる。その場合、金属粒子は、内管内のアトマイザから排出されると、アトマイザの他の機器(複数可)及び/又はチャンバ(複数可)を通過する。
【0024】
内管9は、空気圧式輸送管路であることが好ましい。したがって金属粉末の輸送は容易になる。空気圧式搬送は、希薄相で粉末を搬送する方法である。粉末は、ガスによって希薄化され、内管内を雲の形で輸送される。空気圧式搬送は、ガス(Kg)に対する金属粉末(Kg)の比に応じて、緻密相又は希薄相とすることができる。
【0025】
本発明の1つの変形形態によれば、内管内の輸送は、内管の開始時、すなわち開口部8の側面で過圧でガスを吹き込むことによって提供される。したがって、内管は、輸送ガス入口13を備える。輸送ガス入口は、内管に新鮮なガスを入れるように設計されることができる。代替的に、又は組み合わせて、輸送ガス入口は、内管に再循環ガスを注入するように設計されることができる。その場合、輸送ガス入口は、設備の他のガス管及び/又は他のガス調整器に接続される。このようなガス再循環の例については後述する。輸送ガス入口の設計にかかわらず、輸送ガス入口は、好ましくは、内管に入るガスの流れ及び/又は圧力を制御するためにガス調整器に結合される。ガス調整器は、圧縮機、ファン、ポンプ、管断面縮小装置、又は任意の適切な機器とすることができる。
【0026】
本発明の別の変形形態では、内管内の輸送は、内管の端部からガスを吸引して真空を作り出すことによって提供される。その場合、内管は、内管の端部、すなわち開口部8の反対側面にガス出口を備える。ガス出口は、送風機又は真空ポンプに接続される。
【0027】
開口部8とは反対側の内管の側面で、内管は、プロセスの次のステップで使用される機器に接続されることが好ましい。内管は、好ましくは、分級ステーション14に接続される。
【0028】
端部の1つで、外管10は、アトマイザのガス噴霧器6に接続されている。この接続は、熱交換器内で加熱されたガスを、ガス噴霧器に輸送するガス導管15を通して行われることができる。圧縮機は、ガスが溶融金属の流れに噴射される前に加圧又はさらに加圧されなければならない場合に、外管とガス噴霧器との間に配置されることができる。
【0029】
その他端において、外管10は、冷却ガス入口16を備える。冷却ガス入口は、外管に新鮮なガスを入れるように設計されることができる。代替的に、又は組み合わせて、冷却ガス入口は、外管内に再循環ガスを注入するように設計されることができる。その場合、冷却ガス入口は、設備の他のガス管及び/又は他の圧縮機に接続される。このようなガス再循環の例については後述する。冷却ガス入口の設計にかかわらず、冷却ガス入口は、好ましくは、外管に入るガスの流れ及び/又は圧力を制御するためにガス調整器に結合される。ガス調整器は、圧縮機、ファン、ポンプ、管断面縮小装置、又は任意の適切な機器とすることができる。
【0030】
内管及び外管のそれぞれ及び相対直径は、設備の寸法に合わせて調整される。特に、それらは、外管10内を循環するガスが、内管9内を循環する金属粒子を、それらが分級ステーション14内に排出される前に所望の温度で冷却するように調整される。好ましくは、その間に、外管10内を循環するガスは、噴霧化に望ましい温度で加熱される。当業者は、所望の温度及びアトマイザから排出される粒子の流れを知ることによって、内管及び外管を容易に寸法決めすることができる。
【0031】
効率上の理由から、ガス及び金属粒子は、向流で循環することが最も好ましい。したがって、内管9は、熱交換器3の第1の端部によって噴霧チャンバの底部の開口部8に接続され、外管10は、熱交換器の同じ端部によってアトマイザのガス噴霧器6に接続される。
【0032】
特に、内管の輸送ガス入口13は、熱交換器3の第1の端部のアトマイザの開口部8に隣接して配置され、外管の冷却ガス入口16は、熱交換器の第2の端部に配置される。言い換えれば、輸送ガス入口及び冷却ガス入口は、熱交換器の両端にある。
【0033】
図2を参照して、設備の第1の変形形態が説明される。この変形形態は、ガスが再循環される点、及びアトマイザがアトマイザからの粉末の排出を容易にするためのパージ17をさらに備える点で、図1に示されているものとは異なる。
【0034】
パージ17は、好ましくは、アトマイザの下部セクションに配置された複数のパージノズルを備える。特に、それらは、金属粉末が蓄積するアトマイザの部分の上方にある。パージノズルは、ガスがアトマイザの側壁に沿って流れ、アトマイザの底部の開口部8に向かって金属粉末を押すことができるように設計される。パージノズルは、チャンバの底部から所与の距離にあるチャンバの周囲に沿って配置された半径方向配管システムの一部とすることができる。パージノズルは、チャンバの底部から異なる距離にあるチャンバの周囲に沿って配置された複数の半径方向配管システムの一部とすることができる。パージノズルは補助ガス入口18に結合される。補助ガス入口は、パージに新鮮なガスを入れるように設計されることができる。代替的に、又は組み合わせて、補助ガス入口は、パージ内に再循環ガスを注入するように設計されることができる。その場合、補助ガス入口は、設備の他のガス管及び/又は他の圧縮機に接続される。本例では、補助ガス入口18は、熱交換器3の外管10に接続される。特に、補助ガス入口は、外管をガス噴霧器に接続するガス導管15に接続される。補助ガス入口の設計にかかわらず、補助ガス入口は、好ましくは、パージに入るガスの流れ及び/又は圧力を制御するためにガス調整器に結合される。ガス調整器は、圧縮機、ファン、ポンプ、管断面縮小装置、又は任意の適切な機器とすることができる。
【0035】
パージ17は、アトマイザと熱交換器の内管との間の可能な圧力差を維持しながら、開口部を通る金属粉末の効率的な排出のために、ガス圧を検知及び制御するためにセンサに結合されることができる。
【0036】
図2に示される変形形態では、噴霧化及び輸送に使用されるガスも再循環される。特に、輸送に使用され、分級ステーション14でも使用されるガスは、熱交換器の外管10に再注入される。
【0037】
図2に示されるように、熱交換器の外管の第2の端部は、分級ステーション14、特に分級ステーションの第1の段階を形成する第1の分離器20に接続される。第1の分離器はサイクロンとすることができる。第1の分離器では、より低い粉末画分、例えば20μm未満の粉末画分が、より高い粉末画分、例えば20μmを超える粉末画分から分離される。より低い粉末画分は、ガスの大部分と共に第1のフィルタ21を通過する。フィルタは、例えばバッグフィルタ又は静電フィルタとすることができる。静電フィルタは、150℃を超える温度に耐えること、及び/又はバッグ交換を回避することが好ましい。第1のフィルタを出るガスは再循環される。特に、第1のフィルタを出るガスは熱交換器の外管10内に再注入される。したがって、第1のフィルタ21は、例えば、濾過ガス導管22を介して外管の冷却ガス入口16に接続される。特に、第1のフィルタは、冷却ガス入口に結合されたガス調整器23に接続される。第1のフィルタから来るガスは、サイクロン、フィルタ及び濾過ガス導管を通過する間に十分に冷却されて、外管に直接再注入されることができる。十分に冷却されていない場合、熱交換器が、フィルタと外管との間、特に濾過ガス導管上に追加されることができる。
【0038】
より高い粉末画分、例えば20μmを超える画分は、好ましくは第1の収集器24に収集される。第1の収集器は、好ましくは、粉末を排出するためにバタフライ弁のような底部開放弁25を備える。排出は、好ましくは、分級ステーションの第2の段階を形成する分類システム27に接続されたコンベヤ26で行われる。
【0039】
コンベヤは、コンベヤガス入口28を備えることができる。コンベヤガス入口は、コンベヤに新鮮なガスを入れるように設計されることができる。代替的に、又は組み合わせて、コンベヤガス入口は、コンベヤ内に再循環ガスを注入するように設計されることができる。その場合、コンベヤガス入口は、設備の他のガス管及び/又は他の圧縮機に接続される。コンベヤガス入口の設計にかかわらず、コンベヤガス入口は、好ましくは、コンベヤに入るガスの流れ及び/又は圧力を制御するためにガス調整器に結合される。ガス調整器は、圧縮機、ファン、ポンプ、管断面縮小装置、又は任意の適切な機器とすることができる。
【0040】
分類システム27は、一連の分類器又はふるいを備える。各分類器29は、分離チャンバ30と、底部開放弁31と、収集器32と、ガス出口33とを備える。分離チャンバの特徴は、粉末の所望の画分を収集するように場合によって適合される。分離チャンバは、対象の画分又は等級の一部を連続的に収集するように設計されることができる。等級の例は、20~60μm、60~150μm及び150~250μmである。
【0041】
コンベヤ26から来る粉末は、分類システムの各分類器29を順次通過する。粉末の画分はふるい分けされ、対応する収集器32に収集され、粉末の残りの部分は次の分類器へ輸送される。
【0042】
分類システム27の出口では、ガスは第2のフィルタ34を通過する。フィルタは、例えばバッグフィルタ又は静電フィルタとすることができる。静電フィルタは、150℃を超える温度に耐えること、及び/又はバッグ交換を回避することが好ましい。第2のフィルタを出るガスは再循環される。特に、第2のフィルタを出るガスは二重管熱交換器の外管10内に再注入される。したがって、分級ステーションの出口は、外管に接続される。特に、第2のフィルタ34は、例えば第2の濾過ガス導管35を介して、外管の冷却ガス入口16に接続される。特に、第2のフィルタは、冷却ガス入口16に結合されたガス調整器23に接続される。第2のフィルタから来るガスは、分類システムを通過する間に十分に冷却されて、外管に直接再注入されることができる。十分に冷却されていない場合、熱交換器が第2のフィルタと外管との間、特に第2の濾過ガス導管上に追加されることができる。
【0043】
任意選択で、分類システムで得られた異なる画分からのガスも捕捉され、外管内で再循環される。
【0044】
図3を参照して、設備の第2の変形形態が説明される。この変形形態は、パージ17の補助ガス入口18が内管の輸送ガス入口13と同じガス源に接続されているという点で、図2に示されるものとは異なる。パージは、好ましくは低圧ガスで行われるので、内管における輸送と同様に、この接続はより効率的である。
【0045】
この変形形態では、アトマイザは、その上部セクションに2次ガス噴霧器36をさらに備える。この2次ガス噴霧器は、ノズルの近傍にガスを噴射してノズルを清浄に維持するように設計される。低圧ガスが、好ましくは2次ガス噴霧器に使用されるので、2次ガス噴霧器は、好ましくは、補助ガス入口18と同様に、内管の輸送ガス入口13と同じガス源に接続される。2次ガス噴霧器は、好ましくは、チャンバに入るガスの流れ及び/又は圧力を制御するためにガス調整器37に結合される。ガス調整器は、圧縮機、ファン、ポンプ、管断面縮小装置、又は任意の適切な機器とすることができる。
【0046】
図4及び図5を参照すると、アトマイザは、ガス噴霧器を通る、場合によってはパージを通るガス注入を補償するためガス抽出器38をさらに備えることができる。ガス抽出器は、チャンバの底部の金属粉末と干渉しないように、チャンバの上部セクションに配置されることが好ましい。ガス抽出器は、一方の側面でチャンバに接続され、他方の側面で除塵手段39に接続された1本の管又は複数の管の形態とすることができる。除塵手段は、抽出されたガスから最も細かい粒子を除去する。それらは、電気フィルタ、バッグフィルタ又はサイクロン分離器を備えることができる。サイクロン分離器は、好ましくは比較的低い圧力降下を有するので、可動部分を有さない。
【0047】
好ましくは、ガス抽出器38は、チャンバ内に注入され、ガス抽出器を介して抽出されたガスが再循環されることができるように設計される。その結果、ガス消費が最小限に抑えられる。したがって、ガス抽出器は、好ましくは、ガス噴霧器、パージ、2次ガス噴霧器、熱交換器の外管の冷却ガス入口、内管の輸送ガス入口、又はそれらの組み合わせなどの設備の他の部分に接続される。接続は、抽出ガス導管40の形態とすることができる。特に、一方の側面でチャンバに接続された除塵手段39は、他方の側面で、ガス噴霧器6に結合されたガス調整器7に、又は補助ガス入口18に結合されたガス調整器19に、又は2次ガス噴霧器36に結合されたガス調整器37に、又は冷却ガス入口16に結合されたガス調整器23に、又は輸送ガス入口13に結合されたガス調整器に、あるいはそれらの組み合わせに接続されることができる。フィルタが追加されて、再循環されるガスをさらに清浄化することもできる。
【0048】
抽出ガス導管40は、熱交換器41を備えることができる。その結果、除塵手段39及び接続部における熱損失が十分でない場合に、ガスが再使用されなければならない温度まで冷却されることができる。
【0049】
抽出ガス導管はまた、特にガス損失を補償するために、何らかの新鮮なガスがシステムに導入されなければならない場合に、ガス入口42を備えてもよい。
【0050】
図4に示される第3の変形形態では、抽出ガス導管40は、2次ガス噴霧器36に結合されたガス調整器37、及び補助ガス入口18に結合されたガス調整器19に接続される。
【0051】
図4に示される第3の変形形態では、抽出ガス導管40は、二重管熱交換器3の内管9の輸送ガス入口13にさらに接続される。その結果、チャンバから抽出されたガスは、内管内の金属粉末を輸送するように使用されることができる。
【0052】
図5に示される第4の変形形態では、抽出ガス導管40は、二重管熱交換器の外管10、特に外管の冷却ガス入口16に接続される。その結果、チャンバから抽出されたガスは、内管内の金属粉末を冷却するように使用されることができる。
【0053】
図5に示される第4の変形形態は、分級ステーション14の第1のフィルタ21から来る濾過ガス導管22及び分級ステーションから出る第2の濾過ガス導管35が二重管熱交換器の内管9の輸送ガス入口13に接続されるという点で、先の変形形態とはさらに異なる。接続部は、第3の濾過ガス導管43の形態とすることができる。したがって、分級ステーションから来て、分級ステーションを通過する間に冷却されたガスは、内管内の金属粉末を輸送するために使用されることができる。ガスが十分に冷却されていない場合、熱交換器が分級ステーションと内管との間、特に第3の濾過ガス導管上に追加されることができる。
【0054】
ガス再循環の他の設計も当然可能である。
【0055】
プロセスの観点から、アトマイザ2から排出された粉末の冷却は、噴霧化に使用されるガスが、二重管熱交換器3内でアトマイザから排出された金属粒子と最初に接触するプロセスのおかげで可能になる。
【0056】
噴霧化される金属は、特に鋼、アルミニウム、銅、ニッケル、亜鉛、鉄、合金であってよい。鋼には、特に炭素鋼、合金鋼及びステンレス鋼が含まれる。
【0057】
金属は、固体状態でアトマイザに供給され、ノズル5を介してアトマイザに接続されたタンディッシュ内で溶融されることができる。また、前のステップで溶融され、タンディッシュに注がれてもよい。
【0058】
本発明の一変形形態によれば、噴霧化される溶融金属は、溶鉱炉経路を通して得られる鋼である。その場合、銑鉄は、高炉から注ぎ出され、任意選択で溶銑脱硫ステーションに送られた後に、転炉(又は塩基性酸素転炉の場合はBOF)に輸送される。溶鉄は、転炉内で精製されて溶鋼を形成する。次いで、転炉からの溶鋼は、転炉から回収レードルに注がれ、好ましくは取鍋冶金炉(LMF)に移送される。したがって、溶鋼は、特に脱酸によってLMF中で精製されることができ、溶鋼の1次合金化は、鉄合金又はケイ化物合金又は窒化物合金又は純金属又はそれらの混合物を添加することによって行われることができる。要求の厳しい粉末組成物が製造されなければならない特定の場合には、溶鋼が真空タンク脱気装置(VTD)、真空酸素脱炭(VOD)容器又は真空アーク脱気装置(VAD)で処理されることもできる。これらの機器は、特に水素、窒素、硫黄及び/又は炭素含有量をさらに制限することを可能にする。
【0059】
次いで、精製された溶鋼は、複数の誘導炉に注がれる。各誘導炉は、他の誘導炉とは独立して運転されることができる。特に、他の誘導炉がまだ運転している間に、保守又は修理のために停止されることができる。また、鉄合金、スクラップ、直接還元鉄(DRI)、ケイ化物合金、窒化物合金又は誘導炉ごとに異なる量の純粋な元素を供給されることもできる。
【0060】
誘導炉の数は、転炉から来る溶鋼又は取鍋冶金炉から来る精製された溶鋼の流れ及び/又はアトマイザの底部における鋼粉末の所望の流れに適合される。
【0061】
各誘導炉において、溶鋼の合金化は、鉄合金又はケイ化物合金又は窒化物合金又は純金属又はそれらの混合物を添加して、鋼組成を所望の鋼粉末の組成に調整することによって行われる。
【0062】
次いで、各誘導炉について、所望の組成の溶鋼が、少なくとも1つのガスアトマイザに接続された専用リザーバに注がれる。「専用」とは、リザーバが所与の誘導炉と対になっていることを意味する。とは言え、複数のリザーバが1つの所与の誘導炉の専用にされることができる。明確にするために、各誘導炉は、少なくとも1つのガスアトマイザに接続された、少なくとも1つのリザーバを有するそれ自体の製造流を有する。このような並行した独立した製造流により、鋼粉末を製造するためのプロセスは汎用性があり、容易に連続的に作られることができる。
【0063】
リザーバは、主に貯蔵タンクであり、貯蔵タンクは、大気制御が可能であり、溶鋼を加熱することが可能であり、加圧されることが可能である。
【0064】
各専用リザーバ内の雰囲気は、溶鋼の酸化を回避するために、アルゴン、窒素又はそれらの混合物であることが好ましい。
【0065】
各リザーバに注入された鋼組成は、その液相線温度を超えて加熱され、この温度に維持される。この過熱により、アトマイザノズルの目詰まりが防止される。また、溶融した組成物の粘度の低下は、適切な粒度分布を有する、サテライトのない高い真球度を有する粉末を得るのに役立つ。
【0066】
最後に、専用リザーバが加圧されると、溶鋼はリザーバから、リザーバに接続されたガスアトマイザの少なくとも1つに流れることができる。
【0067】
本発明の別の変形例によれば、噴霧化される金属は、電気アーク炉経路を介して得られる鋼である。その場合、スクラップ、金属鉱物及び/又は金属粉末などの原料が電気アーク炉(EAF)に供給され、制御された温度で加熱された液体金属に溶融され、不純物及び含有物は別個の液体スラグ層として除去される。加熱された液体金属は、EAFからレードルへ、好ましくは受動的に加熱可能なレードルへ取り出され、精製ステーションへ移動され、そこで誘導加熱精製保持容器に配置されることが好ましい。そこでは、液体金属から炭素、水素、酸素、窒素及び他の望ましくない不純物を除去するために、真空酸素脱炭などの精製工程が行われる。次いで、精製された液体金属を有するレードルは、制御された真空下及び不活性雰囲気下で、アトマイザの加熱されたタンディッシュを含む閉鎖チャンバの上方へ移送されることができる。レードルは供給導管に接続され、次いで、加熱されたタンディッシュが供給導管を通して精製された液体金属へ供給される。
【0068】
代替的に、精製された液体金属を有するレードルは、精製ステーションから、別の誘導加熱噴霧化ホルダ容器へ移送され、誘導加熱噴霧化ホルダ容器は、制御された真空下及び不活性雰囲気下でガスアトマイザの加熱されたタンディッシュと共に注入領域を含むアトマイザステーションのドアに位置する。次いで、誘導加熱噴霧化ホルダ容器は、真空及び雰囲気が注入領域の1つに調整される受容領域へ導入される。次いで、容器は、注入領域に導入され、液体金属は制御された速度で加熱されたタンディッシュに注がれ、アトマイザで噴霧化される。
【0069】
両方の変形形態において、溶融金属は、制御された雰囲気下でチャンバ4内のノズル5を通って押し進められ、微細な金属液滴に噴霧するガスのジェットによって衝突されるまで、タンディッシュ内の噴霧化温度に維持される。
【0070】
噴霧化のチャンバ内で形成された金属粉末は、好ましくはチャンバをパージすることによって、二重管熱交換器3の内管9内のアトマイザから排出される。内管において、金属粉末は、分級ステーションに輸送され、同時に冷却される。内管内の圧力は、好ましくは最大5バール、より好ましくは3~5バールの範囲である。
【0071】
熱交換器3の外管10内のガス循環は、内管の出口又は分級ステーションの入口に到達する金属粉末が150℃未満に冷却されるように調整されることが好ましい。その結果、通常のふるい分け機器が、高耐熱性機器に対抗して使用されることができる。外管内の圧力は、好ましくは20~20バールの範囲にある。好ましくは、外管内のガス及び内管内の金属粒子は、向流で循環している。
【0072】
二重管熱交換器内で粉末を輸送するために使用されるガスは、好ましくは、粉末のふるい分け中にも使用される。ふるい分け工程の終了時に、ガスが二重管熱交換器の外管10内に再注入されて、内管9内を搬送される金属粉末を冷却することが好ましい。代替的に、熱交換器の内管9にガスが再注入されて金属粉末を搬送する。
【0073】
チャンバ内に注入されたガスは、好ましくは、チャンバから少なくとも部分的に抽出される。次いで、ガスは除塵され、設備内で再使用されることができる。ガスは、溶融金属の流れを噴射するため、チャンバをパージするため、ノズルを洗浄するため、二重管熱交換器内の金属粉末を冷却するため、又は二重管熱交換器内で金属粉末を輸送するために再使用されることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属粉末製造用の設備(1)であって、
ガスアトマイザ(2)であって、上部及び底部を有する噴霧チャンバ(4)と、チャンバの上部に配置され、液体金属が流れることができる噴霧ノズル(5)と、ノズルに隣接し、液体金属上にガスが噴射されることができるガス噴霧器(6)と、金属粉末を排出するための噴霧チャンバの底部の開口部(8)と、を備えるガスアトマイザ(2)と、
内管(9)及び外管(10)を備える二重管熱交換器(3)であって、2本の管は同心であり、内管は、噴霧チャンバの底部の開口部(8)に接続され、外管は、アトマイザのガス噴霧器(6)に接続されている、二重管熱交換器(3)と、
を備える、金属粉末製造設備(1)。
【請求項2】
分級ステーション(14)をさらに備える、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
内管(9)は空気圧式輸送管路である、請求項1又は2に記載の設備。
【請求項4】
内管(9)は、輸送ガス入口(13)を備える、請求項1又は2に記載の設備。
【請求項5】
輸送ガス入口(13)は、噴霧チャンバの底部の開口部(8)に隣接して配置されている、請求項4に記載の設備。
【請求項6】
内管(9)は、二重管熱交換器の第1の端部(11)によって噴霧チャンバの底部の開口部(8)に接続されている、請求項1又は2に記載の設備。
【請求項7】
内管(9)は、二重管熱交換器の第2の端部(12)によって分級ステーション(14)の入口に接続されている、請求項2又は4に記載の設備。
【請求項8】
内管(9)は、二重管熱交換器の第1の端部(11)によって分級ステーション(14)の出口に接続されている、請求項2又は4に記載の設備。
【請求項9】
外管(10)は、二重管熱交換器の第1の端部(11)によってガス噴霧器(6)に接続されている、請求項1又は2に記載の設備。
【請求項10】
外管(10)は、二重管熱交換器の第2の端部(12)によって分級ステーション(14)の出口に接続されている、請求項2又は4に記載の設備。
【請求項11】
外管(10)は、ガス調整器に接続されている、請求項1又は2に記載の設備。
【請求項12】
アトマイザは、噴霧チャンバの底部にある粒子床をパージするため噴霧チャンバ(4)内にパージ(17)をさらに備える、請求項1又は2に記載の設備。
【請求項13】
外管(10)は、二重管熱交換器の第1の端部(11)によってパージ(17)に接続されている、請求項12に記載の設備。
【請求項14】
パージ(17)は、内管(9)の輸送ガス入口(13)に接続される、請求項12に記載の設備。
【請求項15】
アトマイザ(2)は、噴霧チャンバ(4)に接続されたガス抽出器(38)をさらに備える、請求項1又は2に記載の設備。
【請求項16】
ガス抽出器(38)はガス噴霧器(6)に接続されている、請求項15に記載の設備。
【請求項17】
ガス抽出器(38)は、二重管熱交換器の第2の端部(12)によって外管(10)に接続されている、請求項15に記載の設備。
【請求項18】
ガスアトマイザ(2)の出口で金属粒子を冷却するプロセスであって、
噴霧化に使用されるガスは、同心である内管(9)及び外管(9)を備える二重管熱交換器(3)内で、アトマイザから排出された金属粒子と最初に接触される、プロセス。
【請求項19】
噴霧化に使用されるガスは、外管(10)内で一方の方向に循環し、アトマイザから排出された金属粒子は、内管(9)内で他方の方向に循環する、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
噴霧化に使用されるガスは、ガスアトマイザ(2)及び二重管熱交換器(3)を備える金属粉末製造設備(1)の一部である分級ステーション(14)からリサイクルされたガスである、請求項18又は19に記載のプロセス。
【請求項21】
噴霧化に使用されるガスは、ガスアトマイザ(2)からリサイクルされたガスである、請求項18又は19に記載のプロセス。
【請求項22】
内管(9)内で金属粒子を輸送するために使用されるガスは、ガスアトマイザ(2)及び二重管熱交換器(3)を備える金属粉末製造設備(1)の一部である分級ステーション(14)からリサイクルされたガスである、請求項18又は19に記載のプロセス。
【請求項23】
内管(9)内で金属粒子を輸送するために使用されるガスは、ガスアトマイザからリサイクルされたガスである、請求項18又は19に記載のプロセス。
【国際調査報告】