(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】質量分析計用マイクロチャネルカートリッジ
(51)【国際特許分類】
H01J 49/02 20060101AFI20240403BHJP
H01J 43/24 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
H01J49/02 500
H01J43/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565907
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 IB2022053993
(87)【国際公開番号】W WO2022229917
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510075457
【氏名又は名称】ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ベリック, ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】リース, グラハム アーサー
【テーマコード(参考)】
5C038
【Fターム(参考)】
5C038BB03
5C038BB06
5C038BB07
(57)【要約】
質量分析計用のカートリッジアセンブリは、2つの検出器プレートを含む。2つの検出器プレートの各々は、(a)2つの検出器プレートの各々の第1の側面から2つの検出器プレートの各々の第2の側面までの複数のチャネルを画定する活性領域、および(b)複数のクランプ領域を含む。スペーサは、2つの検出器プレートの間に配置され、複数のクランプ領域の各々と位置合わせされた複数のクランプタブを含む。ワッシャは、第2の検出器プレートに近接して配置され、複数のクランプタブの各々と位置合わせされた複数のクランプブロックを含む。カートリッジハウジングは、第1の検出器プレートに隣接して配置された第1の部分、および第2の検出器プレートに隣接して配置された第2の部分を含み、締結具は、第1の部分および第2の部分にまたがる。付勢要素は、ワッシャと第1の部分との間に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量分析計用のカートリッジアセンブリであって、前記カートリッジアセンブリが、
2つの検出器プレートであって、前記2つの検出器プレートの各々が、(a)前記2つの検出器プレートの各々の第1の側面から前記2つの検出器プレートの各々の第2の側面までの複数のチャネルを画定する活性領域、および(b)複数のクランプ領域を備える、2つの検出器プレートと、
前記2つの検出器プレートの間に配置されたスペーサであって、前記スペーサが、複数のクランプタブを備え、前記複数のクランプタブの各々が、前記複数のクランプ領域の各々と位置合わせされる、スペーサと、
前記2つの検出器プレートのうちの第2の検出器プレートに近接して配置されたワッシャであって、前記ワッシャが、複数のクランプブロックを備え、前記複数のクランプブロックの各々が、前記複数のクランプタブの各々と位置合わせされる、ワッシャと、
カートリッジハウジングであって、前記カートリッジハウジングが、
前記2つの検出器プレートのうちの第1の検出器プレートに隣接して配置された第1のハウジング部分と
前記第2の検出器プレートに隣接して配置された第2のハウジング部分と
を備える、カートリッジハウジングと、
前記第1のハウジング部分および前記第2のハウジング部分にまたがる複数の締結具と、
前記ワッシャと前記第1のハウジング部分との間に配置された付勢要素と
を備える、カートリッジアセンブリ。
【請求項2】
前記複数のクランプ領域が、前記2つの検出器プレートの前記各々の周囲に近接して配置される、請求項1に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項3】
前記複数のクランプ領域が、前記2つの検出器プレートの各々のチャネルなし部分を備える、請求項1~2のいずれかに記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項4】
前記複数のクランプタブの各々が、前記スペーサの周囲から外側に延在する、請求項1~3のいずれかに記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項5】
前記ワッシャが、内側リングおよび外側リングを備え、前記クランプブロックが、前記内側リングから延在する、請求項1~4のいずれかに記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項6】
前記内側リングが、前記第2の検出器プレートに対して上昇させられる、請求項5に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項7】
前記付勢要素が、前記ワッシャの外側部分に近接して配置された軸方向傾斜コイルばねを備える、請求項1~6のいずれかに記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項8】
質量分析計用のカートリッジアセンブリであって、前記カートリッジアセンブリが、
入力検出器プレートであって、前記入力検出器プレートが、前記入力検出器プレートの入力側から前記入力検出器プレートの出力側まで延在する複数の入力プレートチャネルを画定する、入力検出器プレートと、
出力検出器プレートであって、前記出力検出器プレートが、前記出力検出器プレートの入力側から前記出力検出器プレートの出力側まで延在する複数の出力プレートチャネルを画定し、前記入力検出器プレートおよび前記出力検出器プレートが、共通軸に沿って位置合わせされる、出力検出器プレートと、
前記入力検出器プレートの前記出力側および前記出力検出器プレートの前記入力側と接触するスペーサと、
前記出力検出器プレートの前記出力側と接触して配置されたワッシャと、
前記入力検出器プレートの前記入力側と接触して配置された入力ハウジング部分と、
前記ワッシャ、前記出力検出器プレート、前記スペーサ、および前記入力検出器プレートの各々を前記入力ハウジング部に向かって付勢するために前記ワッシャと接触する付勢要素と
を備える、カートリッジアセンブリ。
【請求項9】
前記複数の入力プレートチャネルの各々および前記複数の出力プレートチャネルの各々が、
前記共通軸に対してある角度で配置されたチャネル軸と、
それぞれ、前記入力プレートおよび前記出力プレートの各々の前記入力側によって画定された入力チャネル口と、
それぞれ、前記入力プレートおよび前記出力プレートの各々の前記出力側によって画定された出力チャネル口と
を備える、請求項8に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項10】
前記複数の入力プレートチャネルが、入力プレートチャネルのハウジングサブセットを備え、入力プレートチャネルの前記ハウジングサブセットの前記入力チャネル口が、前記入力ハウジング部分によって塞がれ、入力プレートチャネルの前記ハウジングサブセットの前記出力チャネル口が塞がれない、請求項9に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項11】
前記複数の入力プレートチャネルが、入力プレートチャネルのスペーササブセットを備え、入力プレートチャネルの前記スペーササブセットの前記入力チャネル口が塞がれず、入力プレートチャネルの前記スペーササブセットの前記出力チャネル口が、前記スペーサによって塞がれる、請求項9~10のいずれかに記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項12】
前記複数の出力プレートチャネルが、出力プレートチャネルのスペーササブセットを備え、出力プレートチャネルの前記スペーササブセットの前記入力チャネル口が、前記スペーサによって塞がれ、出力プレートチャネルの前記スペーササブセットの前記出力チャネル口が塞がれない、請求項9~11のいずれかに記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項13】
前記複数の出力プレートチャネルが、出力プレートチャネルのワッシャサブセットを備え、出力プレートチャネルの前記ワッシャサブセットの前記入力チャネル口が塞がれず、出力プレートチャネルの前記ワッシャサブセットの前記出力チャネル口が、前記ワッシャによって塞がれる、請求項9~12のいずれかに記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項14】
前記出力検出器プレートが、前記複数の出力プレートチャネルがないことを特徴とするクランプ領域を備える、請求項8~13のいずれかに記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項15】
前記ワッシャが、前記出力検出器プレートの出力側上の前記クランプ領域に接触し、前記スペーサが、前記出力検出器プレートの入力側上の前記クランプ領域に接触する、請求項14に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項16】
前記付勢要素が、前記ワッシャの内径よりも大きい内径を有する軸方向傾斜コイルばねを備える、請求項8~15のいずれかに記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項17】
出力ハウジング部分をさらに備え、前記軸方向傾斜コイルばねが、前記出力ハウジング部分から離れるように前記ワッシャを付勢する、請求項16に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項18】
カートリッジを組み立てる方法であって、前記方法が、
入力ハウジング部分に対して入力検出器プレートを位置決めすることであって、前記入力検出器プレートが、複数の入力プレートクランプ領域を備え、前記入力ハウジング部分が、複数のプレート支持機構を備える、ことと、
前記入力検出器プレートに対してスペーサを位置決めすることであって、前記スペーサが、複数のクランプタブを備える、ことと、
前記スペーサに対して出力検出器プレートを位置決めすることであって、前記出力検出器プレートが、複数の出力プレートクランプ領域を備える、ことと、
前記出力検出器プレートに対してワッシャを位置決めすることであって、前記ワッシャが、複数のクランプブロックを備える、ことと、
前記ワッシャに対して付勢要素を位置決めすることと、
前記付勢要素に対して出力ハウジング部分を位置決めすることであって、前記複数のプレート支持機構、前記複数の入力プレートクランプ領域、前記複数のクランプタブ、前記複数の出力プレートクランプ領域、および前記複数のクランプブロックが、位置合わせされる、ことと
を含む、方法。
【請求項19】
前記入力ハウジング部分に前記出力ハウジング部分を締結することをさらに含み、前記入力ハウジング部分に前記出力ハウジング部分を締結することが、前記付勢要素からの付勢力を前記ワッシャ、前記出力検出器プレート、前記スペーサ、前記入力検出器プレート、および前記入力ハウジング部分の各々に加える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記入力ハウジング部分、前記入力検出器プレート、前記スペーサ、前記出力検出器プレート、および前記ワッシャの各々の周囲に近接する前記付勢要素で付勢力を加えることをさらに含む、請求項18または19のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月29日に出願された米国仮出願第63/181,522号の優先権および利益を主張するPCT国際特許出願として2022年4月29日に出願されており、その出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
背景
マイクロチャネルプレート(MCP)は、例えば、質量分析計(MS)デバイスにおいて、単一粒子(電子、イオン、および中性子)の検出に使用される平面構成要素である。MCPは(例えば、対になって)積み重ねられ、イオンはそこを通過し、そこでイオンは検出のためにアノードに送達される前に増倍される。固体リムがない固体実装パッドを有する積層MCPは、MCPカートリッジ内で慎重に組み立てられなければならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
一態様では、本技術は、質量分析計用のカートリッジアセンブリに関し、カートリッジアセンブリは、2つの検出器プレートであって、2つの検出器プレートの各々が、(a)2つの検出器プレートの各々の第1の側面から2つの検出器プレートの各々の第2の側面までの複数のチャネルを画定する活性領域、および(b)複数のクランプ領域を含む、2つの検出器プレートと、2つの検出器プレートの間に配置されたスペーサであって、スペーサが複数のクランプタブを含み、複数のクランプタブの各々が複数のクランプ領域の各々と位置合わせされる、スペーサと、2つの検出器プレートのうちの第2の検出器プレートに近接して配置されたワッシャであって、ワッシャが複数のクランプブロックを含み、複数のクランプブロックの各々が、複数のクランプタブの各々と位置合わせされる、ワッシャと、2つの検出器プレートのうちの第1の検出器プレートに隣接して配置された第1のハウジング部分、および第2の検出器プレートに隣接して配置された第2のハウジング部分を含む、カートリッジハウジングと、第1のハウジング部分および第2のハウジング部分にまたがる複数の締結具と、ワッシャと第1のハウジング部分との間に配置された付勢要素とを含む。一例では、複数のクランプ領域は、2つの検出器プレートの各々の周囲に近接して配置される。別の例では、複数のクランプ領域は、2つの検出器プレートの各々のチャネルなし部分を含む。さらに別の例では、複数のクランプタブの各々は、スペーサの周囲から外側に延在する。また別の例では、ワッシャは、内側リングおよび外側リングを含み、クランプブロックは、内側リングから延在する。
【0004】
上記態様の別の例では、内側リングは、第2の検出器プレートに対して上昇させられる。一例では、付勢要素は、ワッシャの外側部分に近接して配置された軸方向傾斜コイルばねを含む。
【0005】
別の態様では、本技術は、質量分析計用のカートリッジアセンブリに関し、カートリッジアセンブリは、入力検出器プレートであって、入力検出器プレートが、入力検出器プレートの入力側から入力検出器プレートの出力側まで延在する複数の入力プレートチャネルを画定する、入力検出器プレートと、出力検出器プレートであって、出力検出器プレートが、出力検出器プレートの入力側から出力検出器プレートの出力側まで延在する複数の出力プレートチャネルを画定し、入力検出器プレートおよび出力検出器プレートが、共通軸に沿って位置合わせされる、出力検出器プレートと、入力検出器プレートの出力側および出力検出器プレートの入力側と接触するスペーサと、出力検出器プレートの出力側と接触して配置されたワッシャと、入力検出器プレートの入力側と接触して配置された入力ハウジング部分と、ワッシャ、出力検出器プレート、スペーサ、および入力検出器プレートの各々を入力ハウジング部に向かって付勢するためにワッシャと接触する付勢要素とを含む。一例では、複数の入力プレートチャネルの各々および複数の出力プレートチャネルの各々は、共通軸に対してある角度で配置されたチャネル軸と、それぞれ、入力プレートおよび出力プレートの各々の入力側によって画定された入力チャネル口と、それぞれ、入力プレートおよび出力プレートの各々の出力側によって画定された出力チャネル口とを含む。別の例では、複数の入力プレートチャネルは、入力プレートチャネルのハウジングサブセットを含み、入力プレートチャネルのハウジングサブセットの入力チャネル口は、入力ハウジング部分によって塞がれ、入力プレートチャネルのハウジングサブセットの出力チャネル口は塞がれない。さらに別の例では、複数の入力プレートチャネルは、入力プレートチャネルのスペーササブセットを含み、入力プレートチャネルのスペーササブセットの入力チャネル口は塞がれず、入力プレートチャネルのスペーササブセットの出力チャネル口は、スペーサによって塞がれる。また別の例では、複数の出力プレートチャネルは、出力プレートチャネルのスペーササブセットを含み、出力プレートチャネルのスペーササブセットの入力チャネル口は、スペーサによって塞がれ、出力プレートチャネルのスペーササブセットの出力チャネル口は塞がれない。
【0006】
上記態様の別の例では、複数の出力プレートチャネルは、出力プレートチャネルのワッシャサブセットを含み、出力プレートチャネルのワッシャサブセットの入力チャネル口は塞がれず、出力プレートチャネルのワッシャサブセットの出力チャネル口は、ワッシャによって塞がれる。一例では、出力検出器プレートは、複数の出力プレートチャネルがないことを特徴とするクランプ領域を含む。別の例では、ワッシャは、出力検出器プレートの出力側上のクランプ領域に接触し、スペーサは、出力検出器プレートの入力側上のクランプ領域に接触する。さらに別の例では、付勢要素は、ワッシャの内径よりも大きい内径を有する軸方向傾斜コイルばねを含む。また別の例では、カートリッジアセンブリは、出力ハウジング部分をさらに含み、軸方向傾斜コイルばねは、出力ハウジング部分から離れるようにワッシャを付勢する。
【0007】
別の態様では、本技術は、カートリッジを組み立てる方法に関し、方法は、入力ハウジング部分に対して入力検出器プレートを位置決めすることであって、入力検出器プレートが複数の入力プレートクランプ領域を含み、入力ハウジング部分が複数のプレート支持機構を含む、ことと、入力検出器プレートに対してスペーサを位置決めすることであって、スペーサが複数のクランプタブを含む、ことと、スペーサに対して出力検出器プレートを位置決めすることであって、出力検出器プレートが複数の出力プレートクランプ領域を含む、ことと、出力検出器プレートに対してワッシャを位置決めすることであって、ワッシャが複数のクランプブロックを含む、ことと、ワッシャに対して付勢要素を位置決めすることと、付勢要素に対して出力ハウジング部分を位置決めすることであって、複数のプレート支持機構、複数の入力プレートクランプ領域、複数のクランプタブ、複数の出力プレートクランプ領域、および複数のクランプブロックが位置合わせされる、こととを含む。一例では、方法は、入力ハウジング部分に出力ハウジング部分を締結することをさらに含み、入力ハウジング部分に出力ハウジング部分を締結することは、付勢要素からの付勢力をワッシャ、出力検出器プレート、スペーサ、入力検出器プレート、および入力ハウジング部分の各々に加える。別の例では、方法は、入力ハウジング部分、入力検出器プレート、スペーサ、出力検出器プレート、およびワッシャの各々の周囲に近接する付勢要素で付勢力を加えることをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【0009】
【
図2】
図2は
図1Aおよび
図1Bの検出器アセンブリ内で使用されるマイクロチャネルプレート(MCP)カートリッジの分解斜視図を示す。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【
図5】
図5は検出器アセンブリ用のカートリッジを組み立てる方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
MCPカートリッジの慎重な組立ては、適切な性能のため、およびMCPの損傷を防ぐために重要である。例えば、MCPは、プレートの最大平坦度を実現するようにクランプされるべきである。マウントおよびスタックの構成は、MCPチャネル内に有害な放電を発生させる可能性があるガスをMCPチャネル内に閉じ込めてはならない。上部メタライゼーションから下部メタライゼーションまでの各MCPの縁部の周りの沿面経路は、いかなる導体との接触によっても短絡されるべきではない。クランプ力は、衝撃および振動に反応するMCPの移動を防止するのに十分でなければならない。最後に、上部および下部のMCPを付勢してそれらの電子増倍機能を実行するために、上部および下部のMCPに電気的接触が行われなければならない。
【0017】
本明細書に記載されたカートリッジは、MCPまたはMCPカートリッジもしくは検出器システムの他の構成要素への損傷を制限または排除するためにいくつかの機構を含み、あるいはそれらは他の方法で性能を改善する。例では、カートリッジは、以下の機構のうちの1つ以上を含む場合がある。入力ハウジング部分は、入力MCP上の固体実装パッドまたはクランプ領域に接触するためにプレート支持機構を含む場合がある。入力ハウジング部分はまた、入力MCPの周囲と接触する隆起した円形リップを有する開口部を含む場合がある。出力ハウジング部分にも同様の構造が存在する場合がある。スペーサは、入力MCPおよび出力MCP上のクランプ領域に位置合わせされたクランプタブを含む場合がある。ハウジングの一部分は、MCPを閉じ込め、スペーサを位置合わせし、入力ハウジングを出力ハウジングから絶縁し、MCPの縁部を両方のハウジングから絶縁するために、MCPの周りの絶縁体として作用することができる。傾斜コイルばねの形態の付勢要素は、出力MCPにワッシャを押し付ける均一で十分に制御された力を提供するために利用される場合がある。出力ハウジング部分は、ばね、ワッシャ、MCP、およびスペーサを圧縮し、定位置に保持する。構成要素は、マイクロチャネルが構成要素に接触することによって両端で塞がれないように構成される。MCPの正しい角度位置合わせを容易にするために位置合わせマーキングが含まれる場合があり、それはチャネルの正しい換気を実現するために重要であり得る。さらに、すべての部品は、平坦性を保証するために正確な公差で作られる。
【0018】
上述されたように、本明細書に記載されたカートリッジの構成は、マイクロチャネルが両端でブロックされないことを保証する。これにより、検出器計器の安全な動作状態へのより迅速なポンプダウンが可能になり、MCPの放電の危険が最小限に抑えられる。さらに、それは入力MCPに最大の平坦性を提供し、したがって、飛行時間(ToF)測定における反り誘起ジッタを低減する。検出器のユーザにとって、これは準備状態へのポンプダウン時間を最小化し、早期MCP障害のコストおよび不都合を回避し、計器の分解能を最大化する。
【0019】
図1Aおよび
図1Bは、質量分析計(MS)システム用の検出器アセンブリ100の斜視図および分解斜視図を示し、同時に記載される。検出器100は、複数のプリント回路基板(PCB)102、104を含む。当技術分野で知られているように、上部PCB102は、他の構成要素の中でも、1つ以上のプリアンプを支持するか、または含むことができ、下部PCB104は、他の構成要素の中でも、アノード、変圧器、フェンスなどを支持するか、または含むことができる。ポッティングされた変圧器筐体106は、2つのPCB102、104にまたがっている。1つ以上の支柱110は、筐体106の反対側のPCB102、104の部分に剛性を提供する。ベース110は、当技術分野で知られているように、1つ以上の微細ワイヤグリッドを含み、検出器アセンブリ100の底部を形成する。ベース110と下部PCB104との間にはMCPカートリッジ200が挟まれており、MCPカートリッジ200は以下でさらに詳細に記載される。カートリッジ200は、ベース110から突出する複数の支柱112に固定される。質量分析計の質量分析器部分からのイオンは、質量分析器を検出器内の電界から遮蔽するように機能する、ベース110内のグリッドを通って検出器アセンブリ100に入る。イオンは、カートリッジ200内の入力MCP(後述)に衝突し、二次電子を生成し、二次電子は入力MCPおよび出力MCPでさらに増倍される。MCPからの電子の出力パルスは、電流パルスとして1つ以上のアノード上で捕捉される。電流パルスは、アノード上に存在する高電圧から出力信号経路を絶縁する、筐体106内の1つ以上の変圧器を通って伝達される。電流パルスは、検出器からの出力パルスを生成するために、電子プリアンプ回路によってさらに増幅され整形される。
【0020】
図2は、
図1Aおよび
図1Bの検出器アセンブリ内で使用されるMCPカートリッジ200の分解斜視図を示す。イオンは、下方から
図1Aおよび
図1Bの検出器アセンブリ(したがって、
図2のカートリッジ200)に入り、カートリッジを通過した電子はその出力側に出ることが理解される。このイオンの流れは、入力Iの矢印および出力Oの矢印によって
図2~
図3Bに示されている。したがって、
図2~
図3Bでは、記載された各構成要素は、入力側(一般に、前記構成要素の下側)および出力側(一般に、前記構成要素の上側)の両方を有する。さらに、同じもしくは同様のタイプの複数の構成要素(または同じ構成要素の複数の部分)が利用される場合、それらもまた、以下に記載されるように、MCPカートリッジ200内のそれらの相対位置に応じて、「入力」構成要素または「出力」構成要素であると記載される場合がある。さらに、様々な構成要素は、共通軸Aに沿って位置合わせされる。これらの相対位置を念頭に置いて、次に
図2が詳細に記載される。
【0021】
カートリッジ200は、そのハウジング202を形成する複数の構成要素を含む。ハウジングの入力ハウジング部分は、構成要素202aおよび202bを含む。入力ハウジング部分202aおよび202bの両方は、その中に開口部204a、204bを画定する。下部入力ハウジング部分202aは、例えば、機械的締結具を用いて、
図1Aおよび
図1Bに示す支柱112に固定することができる複数のフランジ206を含む。上部入力ハウジング部分202bは、ねじまたはボルト208などの1つ以上の締結具を用いて下部入力ハウジング部分202aに固定することができる。他の例では、(圧入締結具もしくは締まりばめ締結具などの)他のタイプの機械的締結具、接着剤、またはそれらの組合せが、2つの入力ハウジング部分(導体として作用する)202a、(絶縁体として作用する)202bを固定するために使用される場合がある。2つの入力ハウジング部分202aは、入力MCP212への電圧の導体として作用し、複数のプレート支持機構210を含み、そのうちの4つが
図2に示されている。プレート支持機構210は、開口部204aに近接して配置され、入力MCP212の個別の所定の部分に接触するように構成および配置された突起、フランジ、または他の拡大部分を含む場合がある。例では、入力ハウジング部分202bは、絶縁体として作用し、カートリッジ200の他の構成要素を受け入れ位置合わせするように構成された周囲を含むことができる開口部204bを画定する。
【0022】
入力MCP212は、マイクロチャネルプレートであり、単一粒子(例えば、イオン、電子、中性子など)および低強度の衝突放射線の検出に使用される平面構成要素である。入力MCP212は、高抵抗材料から作られた本体214を含み、約2mmの厚さを有する場合がある。本体214は、本体214のいわゆる「活性領域」内に小さい管またはスロット(例えば、マイクロチャネル)の規則的な配列を含む。活性領域は具体的に示されていないが、1つ以上のマイクロチャネルが存在する本体214の任意の部分と見なされる場合がある。各マイクロチャネルは、入力チャネル口によって入力MCP212の入力側に画定され、出力チャネル口によって入力MCP212の出力側に画定される。マイクロチャネルは、本体214の表面のかなりの部分にわたって高密度に分散し、直径が約5マイクロメートルであり得る。マイクロチャネルは約6マイクロメートルの間隔を開ける場合があり、互いに実質的に平行に分散する場合がある。例では、マイクロチャネルは、表面に対して小さい角度で(例えば、法線から約12°)、または(例えば、入力ビームがMCP212に対してある角度にある場合)それに直交して、MCP212に入ることができる。マイクロチャネルは、それらのサイズが小さいために
図2に正確に示すことができないが、マイクロチャネル216の1つの円形分散が例示目的で拡大されて示されている。
【0023】
入力MCP212はまた、入力MCP212の周囲または周辺に近接して配置された複数のクランプ領域218を含む。4つのクランプ領域218が示されているが、任意の数が利用されてもよい。クランプ領域218は、その中にいかなるマイクロチャネル216もないことを特徴とし、したがってクランプ領域218をチャネルなしにする。カートリッジ200が組み立てられると、各クランプ領域218は、入力ハウジング部分202a、202b上のプレート支持機構210のうちの1つと位置合わせされる。本明細書でより詳細に記載されるように、この位置合わせは、カートリッジ200のクランプ力が入力MCP212の適切な領域に分散することを保証するのに役立つ。
【0024】
スペーサ220は、入力MCP212に隣接して配置される。スペーサ220は、入力MCP212の外径よりも小さい外径Dsoを含む。複数のクランプタブ222が、スペーサ220の周囲または周辺から延在している。カートリッジ200が組み立てられると、各クランプタブ222は、入力MCP212上のクランプ領域218のうちの1つと位置合わせされる。さらに、スペーサ220は、(入力MCP212に関して)上述された活性領域のかなりの部分を少なくとも部分的に画定することができる中央開口部224を画定する。より具体的には、開口部224は、入力MCP212内のマイクロチャネルの大部分がスペーサ220自体によって塞がれないようにサイズ調整される。マイクロチャネルは、イオンを検出するために入力側と出力側の両方で完全に塞がれてはならない。可能な限り多数のマイクロチャネルが両側で塞がれないように、スペーサ220をサイズ調整し、マイクロチャネルを配置することが有利であり得る。クランプタブ222は、出力MCP226の個別の所定の部分に接触するように構成および配置される。
【0025】
出力検出器プレート226は、入力MCP212とほぼ同様または同一のマイクロチャネルプレートである。出力MCP226はまた、入力MCP226の周囲または周辺に近接して配置された複数のクランプ領域232を含む。4つのクランプ領域232が示されているが、任意の数が利用されてもよい。クランプ領域232は、その中にいかなるマイクロチャネル230もないことを特徴とし、したがってクランプ領域232を「チャネルなし」にする。カートリッジ200が組み立てられると、各クランプ領域232は、スペーサ220上のクランプタブ222のうちの1つと位置合わせされる。本明細書でより詳細に記載されるように、この位置合わせは、カートリッジ200のクランプ力が出力MCP226の適切な領域に分散することを保証するのに役立つ。
【0026】
ワッシャ234は、出力MCP226に隣接して配置される。ワッシャ234は、
図3A、
図3B、および
図4Bを参照してさらに記載される内側リング236および外側リング238を含む。ワッシャ234はまた、ワッシャ234の入力側に(図示されていないが、破線領域240に位置する)複数のクランプブロック240を含む。カートリッジ200が組み立てられると、各クランプブロック240は、出力MCP226上のクランプ領域232のうちの1つと位置合わせされる。さらに、ワッシャ234は、出力MCP226の活性領域のかなりの部分を少なくとも部分的に包含することができる中央開口部242を画定する。より具体的には、開口部242は、出力MCP226内のマイクロチャネルの大部分がワッシャ234自体によって塞がれないようにサイズ調整される。マイクロチャネルは、イオンを検出するために入力側と出力側の両方で完全に塞がれてはならない。可能な限り多数のマイクロチャネルが両側で塞がれないように、ワッシャ234をサイズ調整し、マイクロチャネルを配置することが有利であり得る。ワッシャ234は、その出力面のほぼ全体に沿って付勢要素244に接触するように配置される。
【0027】
付勢要素244は、ワッシャ234全体に均等に付勢力を分散させる、ワッシャ234と接触する軸方向傾斜コイルばねであり得る。したがって、ワッシャ234と入力ハウジング部分202a、202bとの間の残りの構成要素に対する力の分散も、均一かつ一貫したままである。ワッシャ234に対するばね付勢要素244の力は、ばね244と出力ハウジング部分246との間の接触によって少なくとも部分的に引き起こされる。外側ハウジング部分246は、ボルトまたはねじなどの機械的締結具250を受け入れるように構成されたいくつかのフランジ248を含む。ボルトまたはねじ250は、出力ハウジング部分248から延在し、入力ハウジング部分202a、202bに固定されて、2つのハウジング部分248、202a、202bを一緒に引っ張る。これにより、カートリッジ200の内部構成要素に対してばね244の力が均等に加えられる。特に、力は、主に様々な構成要素、すなわち、クランプブロック240、クランプ領域232、クランプタブ222、クランプ領域218、およびプレート支持機構210の接触面に沿って加えられる。
【0028】
図3は、
図3Aおよび
図3Bに示す断面図の位置を示している、
図2のMCPカートリッジ200の上面図を示す。
図3Aに示す構成要素は、
図2との関連で上述されており、必ずしもこれ以上記載されない。上面図では、出力MCP226は、出力ハウジング部246によって画定された開口部を通して見ることができる。
図3Aは
図3のMCPカートリッジ200のクランプ領域の断面図を示す。その様々な構成要素の入力側および出力側は上述されており、入力ハウジング部分206aの開口部204a内へのイオンの移動方向を示すために、入力Iおよび出力Oの矢印も例示目的で示されている。ばね244は、出力ハウジング部分246内に形成された凹部252内に少なくとも部分的に配置される。凹部252は、ばね244の変形されていない高さよりも低い高さを有する。したがって、カートリッジ200が組み立てられると、ばね244は出力ハウジング部分246とワッシャ234(例えば、その外側リング238)との間で圧縮される。これにより、上述されたように、カートリッジ200の他の構成要素に対して下方に圧縮力Fが発生し、均等に分散する。
【0029】
ばね力は、入力MCP214および出力MCP226の周囲に均等に近接して(入力I側に向かって)下方に分散するが、カートリッジ200は、圧縮力Fが(クランプ領域232、218とほぼ位置合わせされた)カートリッジ200の特定の位置を通って伝達されるように構成される。この圧縮力Fの分散に関連して、
図3Aはまた、
図2に関して上述されたクランプブロック240を示す。クランプブロック240は、ばね244からのより均一な圧縮力Fの伝達を可能にする、内側リング236に近接するその下方のワッシャ234の拡大部分である。圧縮力Fは、出力MCP226のクランプ領域232、スペーサ220のクランプタブ222、入力検出器プレート214のクランプ領域218、および入力ハウジング部分206aのプレート支持機構210によって画定された経路を通過する。上述されたように、クランプ領域232、218は、その中にマイクロチャネルがないことを特徴とする。したがって、マイクロチャネルプレート232、218は、その両側で他の構造(例えば、クランプブロック240およびクランプタブ222)によって接触されることが許容される。これらのクランプ領域232、218にはマイクロチャネルが存在しないので、その中にガスが蓄積する危険はない。入力検出器プレート214、出力MCP226、および他の構成要素の横方向の移動は、入力ハウジング部分206b内のそれらの構成要素の位置によって防止される。
【0030】
図3Bは、
図3のMCPカートリッジ200の非クランプ領域の断面図を示す。
図3Bに示す構成要素のうちのいくつかは、
図2および
図3Aとの関連で上述されており、必ずしもこれ以上記載されない。
図3Bの非クランプ領域の断面図との間の1つの顕著な違いは、クランプブロック240、クランプ領域232、クランプタブ222、およびクランプ領域218がないことであり、これらはすべて
図3Aで見られる。そのため、スペーサ220の一部は入力検出器プレート214および出力MCP226と接触しているので、スペーサ220によって一方の側で塞がれたマイクロチャネルが他方の側で塞がれないことが重要であり、その結果、内部にガスが蓄積する可能性がある。したがって、
図3Bから分かるように、スペーサ220、ワッシャ234、または入力ハウジング部分206aに接触する入力検出器プレート214および出力MCP226の領域では、それらの要素の接触はその片側のみであり、したがって、それらの位置のマイクロチャネルがその両側で塞がれないことが保証される。この状態は、
図4Aにより詳細に示されている。
【0031】
図4Aは、
図3のMCPカートリッジ200の部分拡大断面図を示す。説明の目的で、カートリッジの関連部分は、それを通るいくつかのマイクロチャネル302を画定する入力MCP214を含む。マイクロチャネル302は、簡単にするために直線として示され、より多くの場合、マイクロチャネル(またはその個別の部分)は、MCP214の側面に対してある角度で配置される。
図4Aはまた、この場合にはスペーサ220である閉塞要素を示している。他の位置では、閉塞要素は、(入力MCPに関連する)プレート支持構造、または(出力MCPに関連する)スペーサもしくはワッシャ、または何らかの他の構成要素であり得る。一般に、「閉塞要素」は、特定のMCPの入力側Iまたは出力側Oに位置する場合がある。各チャネル302は、入力チャネル口304および出力チャネル口306を含む。各マイクロチャネル304の少なくとも一方の口304、306は、残留ガスの除去を保証し、それによって潜在的に損傷を与える放電を防止するために、塞がれないままでなければならない。MCP214に高電圧を印加する前にマイクロチャネル内の真空圧力が十分に低くない場合、マイクロチャネル内にグロー放電が形成される可能性がある。グロー放電における電力損失は、MCP214に局所的な熱損傷を引き起こす。したがって、マイクロチャネル302aの場合、入力チャネル口304aおよび出力チャネル口306aの両方が塞がれていない。マイクロチャネル302bの場合、入力チャネル口304bは塞がれていないが、出力チャネル口306bは塞がれている。
【0032】
図4Bは、
図3のMCPカートリッジ200の別の部分の部分拡大断面図を示す。
図4Bに示すいくつかの構成要素は、
図3A~
図3B(および他の図)との関連で上述されており、そのため、必ずしもこれ以上記載されない。上述されたように、ワッシャ234は、内側リング236および外側リング238を含む。内側リング236は、内側リング出力凹部308および内側リング入力凹部310によって部分的に画定される。内側リング出力凹部308は、付勢要素244上で下方に圧縮されたときに出力ハウジング部分246を収容するためにクリアランスを提供する。内側リング入力凹部310は、そうでなければスペーサ220の上方に配置されることになるワッシャ234の底部を効果的に上昇させる。その内側リング入力凹部310が存在しなかった場合、その下のマイクロチャネルは、(ワッシャ234による)上方および(スペーサ220による)下方の両方で塞がれる。なお、この内側リング入力凹部310は、クランプブロック240がクランプ領域232と接触している
図3Aには存在しない。ワッシャ345はまた、出力MCP226の周囲の上方に位置する外側リング入力凹部312を含む。この位置にワッシャ材料がないことにより、ワッシャ234と出力MCP226の露出縁部との間の接触による電圧の短絡が防止される。同様の入力ハウジング部分凹部314が入力ハウジング部分206aによって画定されて、入力MCP214との接触およびその短絡が防止される。
【0033】
図5は検出器アセンブリ用のカートリッジを組み立てる方法500を示す。方法500は、動作502で開始し、入力ハウジング部分に対して入力検出器プレートを位置決めする。入力検出器プレートは、その周囲に均等に分散され得る複数の入力プレートクランプ領域を含む。さらに、入力ハウジング部分は、複数のプレート支持機構、望ましくは入力プレートクランプ領域の数と同数のプレート支持機構を含む。フローは動作504に進み、入力検出器プレートに対してスペーサを位置決めする。スペーサは、やはりクランプ領域の数と同様の数の複数のクランプタブを含む。動作506において、スペーサに対して出力検出器プレートを位置決めすることが実行される。出力検出器プレートはまた、やはり入力プレートクランプ領域に対応する数である複数の出力プレートクランプ領域を含む。動作508において、出力検出器プレートに対してワッシャを位置決めすることが実行される。ワッシャは、クランプ領域の数に等しい複数のクランプブロックを含む。動作510は、ワッシャに対して付勢要素を位置決めすることを含み、その例は本明細書の他の箇所に記載されている。動作512は、付勢要素に対して出力ハウジング部分を位置決めすることを含む。付勢要素の弾性により、この動作はまた、付勢要素からの付勢力をワッシャ、出力検出器プレート、スペーサ、入力検出器プレート、および入力ハウジング部分の各々に加え、それらはすべて位置合わせされる。付勢力は、様々な接触する構成要素の相対位置を考慮して、識別された要素の各々の周囲に近接して加えられる。カートリッジの組立てを完了するために、動作514、すなわち入力ハウジング部分に出力ハウジング部分を締結することが実行される。この動作は、ハウジングを一緒に固定し、半径方向ばねがさらに圧縮されるにつれて付勢力をさらに加え調整することもできる。
【0034】
本開示は、添付の図面を参照して本技術のいくつかの例を記載したが、可能な例のいくつかのみが示された。しかしながら、他の態様は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載された例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの例は、本開示完璧かつ完全であり、可能な例の範囲を当業者に完全に伝えるように提供された。
【0035】
本明細書では具体例が記載されたが、本技術の範囲はそれらの具体例に限定されない。当業者は、本技術の範囲内にある他の例または改善を認識するであろう。したがって、特定の構造、動作、または媒体は、説明のための例としてのみ開示されている。本技術による例はまた、本明細書で特に明記されない限り、一般的に開示されているが組み合わせて明示的に例示されていない要素または構成要素を組み合わせることができる。本技術の範囲は、以下の特許請求の範囲およびその中の均等物によって定義される。
【0036】
以下が特許請求される。
【国際調査報告】