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特表2024-515792老眼を識別するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】老眼を識別するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/032 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
A61B3/032
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565925
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 IB2022053914
(87)【国際公開番号】W WO2022229879
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/180,451
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ウィリビー・グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】トッド・スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】シェハーブ・キャレド
(72)【発明者】
【氏名】ウェスティン・ローレン
(72)【発明者】
【氏名】ハニー・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ソールズベリー・ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ルファウ・グレン
(72)【発明者】
【氏名】カットン・ハンナ
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA13
4C316AA15
4C316FA01
4C316FB11
4C316FB12
(57)【要約】
本発明は、潜在的な老眼を識別するための方法を提供し、この方法は、空間周波数を有する格子パターンを使用して生成された視覚表示を個人に提示することを含み得、この表示の少なくとも第1の部分は、第1のデューティサイクルを有し、少なくとも第2の部分は、第1のデューティサイクルと異なる第2のデューティサイクルを有する。第2の部分は、所定の形状の形態であり、そのデューティサイクルは、老眼である個人が、当該個人が適切に遠近調節することができない事前選択された距離範囲内で見たときに、所定の形状を見ることができる一方で、対象物は、老眼でない個人に対して実質的にカモフラージュされるように選択されている。この方法は、個人が所定の形状を見ることができるかどうかの指標を個人から得るステップを更に含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者からの応答を促すための視覚表示を組み込んだ物品であって、
実質的に平坦な裏打ち材上に提示される視覚表示を含み、前記視覚表示が、空間周波数を有する格子パターンを使用して生成され、前記視覚表示の少なくとも第1の部分が、第1のデューティサイクルを有し、前記視覚表示の少なくとも第2の部分が、前記第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを有し、前記第2の部分が、所定の形状の形態であり、
前記第2のデューティサイクルは、老眼である個人が、前記個人が適切に遠近調節することができない事前選択された距離で見たときに、前記所定の形状を見ることができる一方で、対象物が、老眼でない個人に対して実質的にカモフラージュされるように選択されている、物品。
【請求項2】
前記空間周波数が、2cm-1超及び6cm-1未満である、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記空間周波数が、約3.33cm-1である、請求項2に記載の物品。
【請求項4】
前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して3~10パーセントのコントラストの増加を表し、前記空間周波数が、2cm-1超及び6cm-1である、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記空間周波数が、約3.33cm-1である、請求項4に記載の物品。
【請求項6】
前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して3~10パーセントのコントラストの増加を表す、請求項5に記載の物品。
【請求項7】
前記コントラストの増加が、約5パーセントである、請求項6に記載の物品。
【請求項8】
前記視覚表示が、前記所定の形状の上以外の場所に第2の対象物を更に含み、前記第2の対象物が、格子パターンを含まず、かつ老眼者及び非老眼者の両方に可視である、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記格子パターンが、直線、斜線、三角形、波状、円形、又はそれらの組み合わせである線からなる、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
前記格子パターンが、ジグザグ線からなる、請求項9に記載の物品。
【請求項11】
前記所定の形状が、1つ又は2つ以上の英数字の形状である、請求項1に記載の物品。
【請求項12】
前記所定の形状が、生物対象物若しくは無生物対象物の形状、又は対象物の集合の形状である、請求項1に記載の物品。
【請求項13】
前記所定の形状が、涙滴の形状である、請求項12に記載の物品。
【請求項14】
前記視覚表示が、実質的に平坦な裏打ち材上に提示されている、請求項1に記載の物品。
【請求項15】
前記実質的に平坦な裏打ち材が、紙、ポスター、ポスターボード、又はピクチャーボードである、請求項14に記載の物品。
【請求項16】
前記実質的に平坦な裏打ち材が、ポスターボードである、請求項15に記載の物品。
【請求項17】
患者からの応答を促すための視覚表示を組み込んだ物品であって、
電子スクリーン上に提示される視覚表示を含み、前記視覚表示が、空間周波数を有する格子パターンを使用して生成され、前記視覚表示の少なくとも第1の部分が、第1のデューティサイクルを有し、前記視覚表示の少なくとも第2の部分が、前記第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを有し、前記第2の部分が、所定の形状の形態であり、
前記第2のデューティサイクルは、老眼である個人が、前記個人が適切に遠近調節することができない事前選択された距離で見たときに、前記所定の形状を見ることができる一方で、対象物が、老眼でない個人に対して実質的にカモフラージュされるように選択されている、物品。
【請求項18】
前記空間周波数が、2cm-1超及び6cm-1未満である、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記空間周波数が、約3.33cm-1である、請求項18に記載の物品。
【請求項20】
前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して1~10パーセントのコントラストの増加を表し、前記空間周波数が、2cm-1超及び6cm-1未満である、請求項17に記載の物品。
【請求項21】
前記空間周波数が、約3.33cm-1である、請求項20に記載の物品。
【請求項22】
前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して3~10パーセントのコントラストの増加を表す、請求項21に記載の物品。
【請求項23】
前記コントラストの増加が、約5パーセントである、請求項22に記載の物品。
【請求項24】
前記電子スクリーンが、コンピュータモニタ又はテレビスクリーンである、請求項17に記載の物品。
【請求項25】
前記電子スクリーンが、携帯電話のスクリーン、タブレットのスクリーン、又は他の携帯電子デバイスのスクリーンである、請求項17に記載の物品。
【請求項26】
前記視覚対象物が、前記所定の形状の上以外の場所に第2の対象物を更に含み、前記第2の対象物が、格子パターンを含まず、かつ老眼者及び非老眼者の両方に可視である、請求項17に記載の物品。
【請求項27】
前記格子パターンが、直線、斜線、三角形、波状、円形、又はそれらの組み合わせである線からなる、請求項17に記載の物品。
【請求項28】
前記格子パターンが、ジグザグ線からなる、請求項27に記載の物品。
【請求項29】
前記所定の形状が、1つ又は2つ以上の英数字の形態である、請求項17に記載の物品。
【請求項30】
前記所定の形状が、生物対象物若しくは無生物対象物の形態、又は対象物の集合の形態である、請求項17に記載の物品。
【請求項31】
前記所定の形状が、涙滴の形態である、請求項30に記載の物品。
【請求項32】
患者からの応答を促すための視覚表示を組み込んだ物品であって、
実質的に平坦な裏打ち材上に提示される視覚表示を含み、前記視覚表示が、空間周波数を有する格子パターンを使用して生成され、前記視覚表示の少なくとも第1の部分が、第1のデューティサイクルを有し、前記視覚表示の少なくとも第2の部分が、前記第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを有し、前記第2の部分が、所定の形状の形態であり、
前記第2のデューティサイクルは、老眼である個人が、前記個人が適切に遠近調節することができない事前選択された距離で見たときに、前記所定の形状を見ることができる一方で、前記所定の形状は、非老眼者に対して実質的にカモフラージュされるように選択され、
前記視覚表示が、各々が所定の形状の形態であり、各々が前記第1のデューティサイクルと前記第2のデューティサイクルとの間の異なるデューティサイクルを有する1つ又は2つ以上の追加の部分を更に含み、それにより、前記1つ又は2つ以上の所定の形状の各々が、非老眼者に対する様々な程度のカモフラージュを有する、物品。
【請求項33】
潜在的な老眼者を識別するための方法であって、
空間周波数を有する格子パターンを使用して生成された視覚表示を個人に提示するステップであって、前記視覚表示の少なくとも第1の部分が、第1のデューティサイクルを有し、前記視覚表示の少なくとも第2の部分が、前記第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを有し、前記第2の部分が、所定の形状の形態であり、
前記第2のデューティサイクルは、老眼である個人が、前記個人が適切に遠近調節することができない事前選択された距離範囲内で見たときに、前記所定の形状を見ることができる一方で、対象物が、老眼でない個人に対して実質的にカモフラージュされるように選択される、ステップと。
前記個人から、前記個人が前記所定の形状を見ることができるかどうかの指標を取得するステップと、を含む、方法。
【請求項34】
前記空間周波数が、2cm-1超及び6cm-1未満である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記空間周波数が、約3.33cm-1である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して1~10パーセントのコントラストの増加を表し、前記空間周波数が、2cm-1超及び6cm-1である、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記空間周波数が、約3.33cm-1である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して3~10パーセントのコントラストの増加を表す、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記コントラストの増加が、約5パーセントである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記視覚表示が、前記所定の形状の上以外の場所に第2の対象物を更に含み、前記第2の対象物が、格子パターンを含まず、かつ老眼者及び非老眼者の両方に可視である、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
前記格子パターンが、直線、斜線、三角形、波状、円形、又はそれらの組み合わせである線からなる、請求項33に記載の方法。
【請求項42】
前記格子パターンが、ジグザグ線からなる、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記所定の形状が、1つ又は2つ以上の英数字の形状である、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
前記所定の形状が、生物対象物若しくは無生物対象物の形状、又は対象物の集合の形状である、請求項33に記載の方法。
【請求項45】
前記所定の形状が、涙滴の形状である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記視覚表示が、実質的に平坦な裏打ち材上に提示される、請求項33に記載の方法。
【請求項47】
前記実質的に平坦な裏打ち材が、紙、ポスター、ポスターボード、又はピクチャーボードである、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記実質的に平坦な裏打ち材が、ポスターボードである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記視覚表示が、電子スクリーン上に提示される、請求項33に記載の方法。
【請求項50】
前記電子スクリーンが、コンピュータスクリーン、モバイルデバイススクリーン、又はタブレットスクリーンである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
潜在的な老眼者を識別するために好適な視覚表示を生成するための方法であって、
前記視覚表示において使用される格子パターンを選択することと、
前記格子パターンの空間周波数を選択することと、
老眼者及び非老眼者の両方によって知覚されることが意図される前記視覚表示の少なくとも第1の部分のための前記格子パターンの第1のデューティサイクルを選択することと、
前記視覚表示の少なくとも第2の部分のための、前記第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを選択することと、を含み、前記視覚表示の前記第2の部分が、1つ又は2つ以上の対象物又は英数字の形状であり、前記第2のデューティサイクルが、老眼者が前記視覚表示を、前記老眼者が適切に遠近調節することができない所定の距離で見ているときに、前記所定の1つ又は2つ以上の対象物又は英数字を知覚することができるように、かつ、前記少なくとも1つの対象物又は英数字が、前記所定の距離で前記視覚表示を見ている非老眼者に対して実質的にカモフラージュされるように選択される、方法。
【請求項52】
前記格子パターンが、ジグザグパターンである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記格子パターンの前記空間周波数が、約2cm-1~6cm-1である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記格子パターンの前記空間周波数が、約3.33cm-1である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記第1のデューティサイクルが、およそ1/3である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して1~10パーセントのコントラストの増加を表す、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して3~10パーセントのコントラストの増加を表す、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して約5パーセントのコントラストの増加を表す、請求項57に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年4月27日付で出願された米国仮特許出願第63/180451号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、人間の視覚の分野に関し、より具体的には、老眼の対象において、患者を識別、評価、及び/又は助言するための改善されたシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
人は年を取るにつれて、観察者に相対的に近い対象物に焦点を合わせるために遠近調節すること、つまり生来の水晶体を曲げることがより困難となる。この状態は、老眼として既知である。同様に、水晶体が切除され眼内レンズがその代わりに挿入されている人には、通常、遠近調節力がない。
【0004】
老眼は、眼鏡、コンタクトレンズ、又は外科手術によって矯正することができる。老眼を治療する方法の1つのアプローチは、遠方視力を矯正するための単焦点レンズを優位眼に使用し、近方視力を矯正するための単焦点レンズを非優位眼に使用するモノビジョンである。モノビジョンでは、典型的には、立体視が失われる。老眼治療の別の方法は、個人の両目で2焦点又は多焦点コンタクトレンズを使用することである。この方法で十分な矯正を得ることができるが、モノビジョンと比較すると、典型的には、像コントラスト及び解像度が低減する。更に別の老眼治療法は、モディファイドモノビジョンである。この方法は、第1の眼には2焦点又は多焦点レンズ、第2の眼には、単焦点レンズ又は第1の眼のレンズとは異なる2焦点若しくは多焦点レンズのいずれかを含む。モディファイドモノビジョンでは、十分なレンズ性能を提供するために、多数の使用可能なレンズを検討する必要があり得る。
【0005】
老眼を治療することができる様々な方法にもかかわらず、アイケア施術者は、患者の老眼に対処し、かつ/又はこれらの患者を最良に治療するために老眼の初期段階を検出する上での課題に直面している。ほとんどの消費者又は患者は、老眼が何であるか、又は、近距離で対象物を見るときの視界不良、眼精疲労及び/若しくは頭痛などの、老眼及びその進行が有し得る随伴症状及び影響に気付いてさえいない。消費者又は患者が問題について知らない場合には、普通であれば視力の改善を助けるための解決策を提供し、かつ、老眼症状を和らげるためにしばしば行われる補償行動を軽減することによって消費者又は患者のライフスタイルをより良好にサポートすることができる可能性のあるはずのアイケア施術者と、その話題について話し合いを開始することができない。この問題を悪化させているのは、この話題は必然的に老化及びそれに関連する弊害に言及する必要があるので、多くのアイケアの専門家自身が、患者に関する老眼の問題を取り上げることを、時期尚早であるとして躊躇するか、全く取り上げないという事実である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
老眼の内容についての伝達に対する障壁を考慮すると、早期の老眼者に対してでさえも老眼の影響を容易に示し、それによって、治療選択肢から利益を享受し得る患者を潜在的に識別するか、さもなければ老眼について伝達するための機会を与えることができるシステム及び方法を提供することが有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、潜在的な老眼を識別するための方法を提供し、この方法は、空間周波数を有する格子パターンを使用して生成された視覚表示を個人に提示することを含み得、この表示の少なくとも第1の部分は、第1のデューティサイクルを有し、少なくとも第2の部分は、第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを有する。第2の部分は、所定の形状の形態であり、そのデューティサイクルは、老眼である個人が、当該個人が適切に遠近調節することができない事前選択された距離範囲内で見たときに所定の形状を見ることができるように選択される一方で、対象物は、老眼でない個人に対して実質的にカモフラージュされるように選択されている。この方法は、個人が所定の形状を見ることができるかどうかの指標を個人から得るステップを更に含むことができる。
【0008】
空間周波数は、2cm-1超及び6cm-1未満であり、約3.33cm-1であり得る。一実施形態によれば、第2のデューティサイクルは、第1のデューティサイクルと比較して1~10パーセント、より好ましくは3~10パーセント、最も好ましくは約5パーセントのコントラストの増加を表すことができ、空間周波数は、2cm-1超及び6cm-1、好ましくは約3.33cm-1である。
【0009】
更に別の実施形態によれば、視覚表示は、所定の形状の上以外の場所に第2の対象物を更に含み、第2の対象物が、格子パターンを含まず、かつ老眼者及び非老眼者の両方に可視である。
【0010】
一実施形態では、格子パターンは、直線、斜線、三角形、波状、円形、又はそれらの組み合わせである線からなり、ジグザグ線からなり得る。所定の形状は、1つ若しくは2つ以上の英数字であり得、生物対象物若しくは無生物対象物、若しくは対象物の集合であり得、及び/又は涙滴の形状であり得る。
【0011】
視覚表示は、紙、ポスター、又はピクチャーボードであり得る、実質的に平坦な裏打ち材上に提示され得る。代替的に、視覚表示は、コンピュータのスクリーン、モバイルデバイスのスクリーン又はタブレットのスクリーン等の電子スクリーン上に提示され得る。
【0012】
また、患者からの応答を促すための視覚表示を組み込んだ物品であって、実質的に平坦な裏打ち材上に提示されている視覚表示を含み、視覚表示が、空間周波数を有する格子パターンを使用して生成され、視覚表示の少なくとも第1の部分が第1のデューティサイクルを有し、視覚表示の少なくとも第2の部分が、第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを有し、第2の部分が所定の形状の形態である、物品も提供される。第2のデューティサイクルは、老眼である個人が、当該個人が適切に遠近調節することができない事前選択された距離で見たときに所定の形状を見ることができる一方で、対象物が、老眼でない個人に対して実質的にカモフラージュされるように選択され得る。
【0013】
物品は、2cm-1超及び6cm-1未満であり、好ましくは約3.33cm-1であり得る空間周波数を更に有し得る。空間周波数が2cm-1超及び6cm-1である場合、第2のデューティサイクルは、第1のデューティサイクルと比較して、1~10パーセントのコントラストの増加を表し得、更に3~7パーセントであり得、好ましくは約5パーセントであり得る。
【0014】
更に別の実施形態では、視覚表示は、当該所定の形状の上以外の場所に第2の対象物を更に含み、第2の対象物は、格子パターンを含まず、かつ老眼者及び非老眼者の両方に可視である。
【0015】
格子パターンは、直線、斜線、三角形、波形、円形、若しくはこれらの組み合わせである線からなり得、ジグザグ線からなり得、所定の形状は、1つ若しくは2つ以上の英数字、生物対象物若しくは無生物対象物の形状、若しくは対象物の集合の形状、及び/又は涙滴の形状であり得る。
【0016】
視覚表示は、紙、ポスター、又はピクチャーボードなどの実質的に平坦な裏打ち材上に提示され得る。
【0017】
本発明はまた、患者からの応答を促すための視覚表示を組み込んだ物品であって、電子スクリーン上に提示される視覚表示を含み、当該視覚表示が、空間周波数を有する格子パターンを使用して生成され、視覚表示の少なくとも第1の部分が第1のデューティサイクルを有し、視覚表示の少なくとも第2の部分が、第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを有し、当該第2の部分が所定の形状の形態である、物品を提供する。第2のデューティサイクルは、老眼である個人が、当該個人が適切に遠近調節することができない事前選択された距離で見たときに所定の形状を見ることができる一方で、対象物が、老眼でない個人に対して実質的にカモフラージュされるように選択されている。
【0018】
一実施形態によれば、空間周波数は、2cm-1超及び6cm-1未満、好ましくは約3.33cm-1である。第2のデューティサイクルは、空間周波数が2cm-1超及び6cm-1である場合、好ましくは約3.33cm-1である場合、第1のデューティサイクルと比較して、1~10パーセントのコントラストの増加を表し得る。第2のデューティサイクルは、より好ましくは、比較して3~10パーセント、より好ましくは約5パーセントの増加であり得る。
【0019】
電子スクリーンは、コンピュータモニタ若しくはテレビのスクリーン、又は携帯電話のスクリーン、タブレットのスクリーン、又は他の携帯電子デバイスのスクリーンであり得る。
【0020】
更に別の実施形態では、視覚表示は、当該所定の形状の上以外の場所に第2の対象物を更に含み、第2の対象物は、格子パターンを含まず、かつ老眼者及び非老眼者の両方に可視である。
【0021】
代替実施形態では、格子パターンは、直線、斜線、三角形、波状、円形、若しくはそれらの組み合わせである線、又はジグザグ線からなり得る。所定の形状は、1つ若しくは2つ以上の英数字の形態、生物対象物若しくは無生物対象物の形態、若しくは対象物の集合、又は涙滴の形態であり得る。
【0022】
潜在的な老眼者を識別するために好適な視覚表示を生成するための方法も提供される。この方法は、当該視覚表示で使用される格子パターンを選択することと、当該格子パターンの空間周波数を選択することと、老眼者及び非老眼者の両方によって知覚されることが意図される当該視覚表示の少なくとも第1の部分のための当該格子パターンの第1のデューティサイクルを選択することと、視覚表示の少なくとも第2の部分のための、第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを選択することとを含む。視覚表示の第2の部分は、1つ又は2つ以上の対象物又は英数字の形状であり、第2のデューティサイクルは、老眼者が視覚表示を、当該老眼者が適切に遠近調節することができない所定の距離で見ているときに所定の1つ又は2つ以上の対象物又は英数字を知覚することができるように、かつ、少なくとも1つの対象物又は英数字は、当該所定の距離で視覚表示を見ている非老眼者に対して実質的にカモフラージュされるように選択されている。
【0023】
格子パターンはジグザグパターンであり得、格子パターンの空間周波数は、約2cm-1~6cm-1、より好ましくは約3.33cm-1であり得る。
【0024】
一実施形態では、第1のデューティサイクルは、およそ1/3であり、第2のデューティサイクルは、第1のデューティサイクルと比較して1~10パーセントのコントラストの増加を表し得、3~10パーセントであり得、更に約5パーセントであり得る。
【0025】
また、本明細書では、患者からの応答を促すための視覚表示を組み込んだ物品であって、実質的に平坦な裏打ち材上に提示されている視覚表示を含み、視覚表示が、空間周波数を有する格子パターンを使用して生成され、視覚表示の少なくとも第1の部分が第1のデューティサイクルを有し、視覚表示の少なくとも第2の部分が、第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを有し、第2の部分が所定の形状の形態である、物品も提供される。第2のデューティサイクルは、老眼である個人が、当該個人が適切に遠近調節することができない事前選択された距離で見たときに所定の形状を見ることができる一方で、所定の形状は、非老眼者に対して実質的にカモフラージュされるように選択されている。視覚表示は、それぞれが所定の形状の形態であり、それぞれが第1のデューティサイクルと第2のデューティサイクルとの間の異なるデューティサイクルを有する1つ又は2つ以上の追加の部分を更に含み、それにより、当該1つ又は2つ以上の所定の形状のそれぞれが、非老眼者に対する様々な程度のカモフラージュを有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】様々な例示的な格子パターンを例解する。
図2】同じジグザグ格子パターンに対する様々な空間周波数を例解する。
図2a】ぼやけのある場合とない場合の2つの異なる空間周波数を有する例示的な格子パターンを例解する。
図3】第1及び第2の異なるデューティサイクルを伴う異なる部分を有する空間周波数を有する格子パターンを組み込んだ例示的な視覚表示を例解する。
図4】単一のデューティサイクルのみを有する図3の格子パターンを組み込んだ視覚表示を例解する。
図5】非老眼者に対して、老眼者が図3の視覚表示をどのように見るかを例解する。
図6】本開示による例示的な視覚表示を例解する。
図7】本開示による様々な例示的な視覚表示を例解する。
図8】本開示による様々な例示的な視覚表示を例解する。
図9】様々な格子パターンを例解する。
図10】例示的な格子パターンの好ましい実施形態を例解する。
図11図10の格子パターンの追加の詳細を例解する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示は、老眼を識別する、評価する、及び/又は老眼の内容について患者に助言する、並びに別の方法で個人とアイケア施術者との間での老眼を取り巻く会話を促進するための新しいシステム及び方法を提供する。
【0028】
老眼は、人生のある時点でほぼ全人口に影響を及ぼす視覚状態であり、典型的な発症は、個人の年齢が40歳代又は50歳代のある時期に達すると生じる。上記のように、ほとんどの個人は、状態並びに/又はその随伴症状及び影響を認識せず、多くの場合、視力が低下すると、アイケア施術者と問題を話し合うのではなく、代償行為を行う。出現する老眼は、最も一般的には加齢に伴う状態であるので、多くのアイケア施術者は、これも上で述べられるように、この話題に関する会話を開始するのに気まずさを感じる。
【0029】
本明細書に説明されるシステム及び方法は、潜在的な老眼患者の識別、及び結果として生じるその話題に関するアイケア施術者とのコミュニケーションを促進し、これにより、適切な場合、それらの患者の視力及び/又はライフスタイルを改善するための治療選択肢の特定を促進することができる。
【0030】
様々なタイプの錯視が周知されている。最近の、かつ周知の例は「パンダ錯視」であり、これは、アーティストIlja Klemencovによって作成されたアートワークであり、世界自然保護基金(World Wide Fund for Nature、WWF)の有名なパンダロゴである。このアートワークは、白黒のジグザグ線を使用して作成され、最初に見たときにはそのようなものとして見える。しかしながら、遠くから見るとアートワークが現れて、以前は「隠れていた」ジャイアントパンダの画像が明らかになる。画像は、交互の黒及び白の線の相対的な重み付けをジグザグパターンで操作することによって作成される。空間周波数(繰り返し単位の全体寸法)は均一であるが、パンダ画像の位置では暗線がわずかに太くなっている。十分に遠い距離で見ると、これらの太い線は、見る者には、交互のジグザグ線とは対照的に対象物の形態で見える。
【0031】
本発明は、パンダ錯視と同じ概念を活用するが、そのカモフラージュが老眼の存在を示すように特別に調整されている隠れた対象物を用いてそうするものであり、これにより、老眼者が近い視距離(自分で遠近調節することができないか、又は完全には遠近調節することができない距離)で視覚ディスプレイを見たときには隠れた対象物を見る又は知覚することができるが、非老眼者は見る又は知覚することができないようになっている。
【0032】
このように機能するために、本明細書に組み込まれる錯視は、動き及び/又は網膜に対する光の合焦が不完全であることの両方に起因して生じ得るぼやけが原因で生成される視覚効果を考慮するように特に選択される。近距離に調節することができないため、老眼者がそのような距離で見るときに、光の合焦が不完全になる(ぼやけ)。言い換えると、老眼者は、非老眼者と比較して、近距離で微細な詳細(すなわち、高空間周波数コンテンツ)を解像することができず、これにより隠れた対象物は老眼者に知覚されることができる一方で、非老眼者には知覚されない。対象物は、ぼやけにより対象物が、老眼者の光学系に可視となり、非老眼者の光学系に可視とならないように、格子パターン及びその格子パターンの1つ又は複数のデューティサイクルを以下で更に説明されるように選択的に選定した場合に、非老眼者に対して隠される又は「カモフラージュされる」。
【0033】
カモフラージュは、一般に、対象物を隠すために材料、色、又は照明を使用することを意味すると理解される。本明細書で使用するとき、カモフラージュは、関心対象の対象物が、特定の環境下では可視であるか、又は別の方法で存在するように知覚されるが、異なる環境下では見ることも知覚することもできないように、シーン内の他の関心対象の対象物と組み合わされたパターン化された対象物を指す。カモフラージュされた対象物を作成する1つの方法は、格子パターンを使用することである。線を使用する格子パターン100の実施例が図1に示されており、その各々は、直線101、斜線102、三角形線103、波状曲線104、円形曲線105、又は線若しくは曲線106のより複雑な組み合わせなどの様々なフォーマットの交互の黒線及び白線を組み込んでいる。当業者は、格子パターンが、ドット若しくはピクセルなどの線以外の要素、又は正方形、菱形などの他の形状及び対象物を使用して生成することができることを容易に認識する。更に、図1に例解される格子パターンは白黒であるが、白黒又は任意の他の色の相対的陰影も使用することができる。
【0034】
格子パターンの空間周波数は、反復パターンの全体寸法を増加又は減少させることによって、その視覚効果を変えるように修正することができる。図2は、異なる(減少する)空間周波数を有するジグザグ格子パターンを例解し、図2aは、ジグザグパターンの2つの例示的なより低い空間周波数201a及びより高い空間周波数201bを例解し、各々、202a及び202bに示されるように、同じレベルのぼやけが適用されている(例示的な老眼状態を模倣している)。202aでは、格子パターンのいくらかの細部が可視のままであるが、202bでは、格子パターンは実質的に消失しているように見える。ぼやけは、限られた空間スケールにわたって個人に対する輝度の平均化を効果的にもたらす。ぼやけの増加は、この空間スケールを広げることになる。高周波数パターンの場合、空間スケールは、輝度をほぼ完全に平均化するのに十分な大きさであるが、低周波数パターンでは、輝度の差を依然として観察することができる。
【0035】
画像の限定された空間部分にわたる平均輝度の視覚認知はまた、白色又はより明るい部分(図11と併せて以下で更に説明されるような「デューティサイクル」)と比較して、反復パターンの黒色又はより暗い部分の相対的太さを変更することに影響され得る。画像のデューティサイクルが十分に高い場合、個人は、個々の線、ピクセル、対象物など(すなわち、個々の交互の明/暗線)を知覚する可能性が低く、むしろ、交互の線の相対輝度に基づいて平均輝度を割り当て、より太い暗線が全体的な暗領域として知覚され、逆もまた同様である。老眼者が対象物を見ている場合、その個人の視覚系によってもぼやけが導入され、この効果が働くために必要とされるデューティサイクルが低減され、老眼者は対象物を知覚又は見ることができるが、非老眼者は対象物を知覚又は見ることができないウィンドウを作成する。対象物は、非老眼者に対して隠されるか又はカモフラージュされる。
【0036】
上で述べられるように、ぼやけはカモフラージュの有効性に影響を与え、ぼやけの効果はカモフラージュの性質に依存する。カモフラージュが高周波パターンである場合、ぼやけは、カモフラージュとしてのその有効性を低減させ、ぼやけがなければ隠れている対象物を老眼者が見つけることを可能にする。
【0037】
一実施形態によれば、1つ又は複数のカモフラージュ技術及びぼやけの原理を活用して、近距離では遠近調節することができない又は完全に遠近調節することができない老眼者には近距離で可視であるが、そのような距離で遠近調節することができる非老眼者には可視ではない、又はあまり可視ではない、少なくとも第1の対象物を作成する視覚表示が提供される。視覚表示は、好ましくは、近距離及び遠距離において老眼者及び非老眼者の両方に完全に可視である、カモフラージュ技法を組み込まない第2の対象物を更に含み得る。
【0038】
本発明の一実施例では、図3に示すような一連のジグザグ線の形態の格子パターン302を含む視覚表示301が提供される。本明細書で提供される図は白黒で示されているが、当業者であれば、白黒であっても、又は白黒の濃淡の変化であっても、又は他の色の濃淡であっても、同じ原理が適用されることを容易に理解するであろう。視覚表示301は、ポスター、写真、容易に配布することができる名刺若しくは他のアイテムの形態の物品、又は格子パターンがその上に形成、印刷、若しくはオーバーレイされる他の物品の形態であり得るか、又は、コンピュータモニタ、タブレット、携帯電話のスクリーン、若しくは他の電子スクリーン若しくはディスプレイ等の電子ディスプレイ上であり得る。視覚表示はまた、外部対象物上に、又は内部の看板(すなわち、独立型看板又は壁に取り付けられた看板)など、広告場所に提供され得る。
【0039】
格子パターン内には、格子パターンの残りの部分とは異なるデューティサイクルを有する少なくとも1つのカモフラージュされた又は隠れた対象物が含まれる。異なるデューティサイクルは、遠近調節することができる個人(非老眼者)では、視覚系が格子パターンをちょうどそのように格子パターン(図4に示されるような)として見ることになるように選択される。しかしながら、遠近調節することができない個人(老眼者)の場合、これらの個人が近距離(遠近調節することができる距離よりも近い距離として定義される)で経験する追加のぼやけが、格子パターン内にカモフラージュされた対象物を視覚系に知覚させる。異なるデューティサイクルを有する格子パターンの部分が涙滴などの形状の形態である場合、老眼者の視覚系は、図5に示されるような画像を見ることになる。明確にするために、図5は、老眼者が図3をどのように見るかを非老眼者に例解するためだけに設計された異なる視覚表示である。
【0040】
上で述べられるように、本明細書で説明される原理は、老眼者は観察することができるが、非老眼者には隠されるか又はカモフラージュされる対象物を有する視覚表示を生成することによって、老眼を有する個人の識別、評価、及び/又はカウンセリングを支援するツールを開発するために適用されることができる。この目的のために効果的な視覚表示を設計し生成する際には、いくつかのパラメータが考慮されるべきである。1つのパラメータは、視覚表示のための適切な格子パターンを選択することである。一般的に言えば、ディスプレイ全体にわたってグレーの同じ濃淡に局所的に平均化する格子パターンが選択されるべきである。原則として、順序付けられた経路(101における水平線経路、104における垂直線経路、又は105の中心からの半径方向経路等)にわたって一貫したデューティサイクルを有する格子パターンが、図1の106に示されるもの等のよりランダムなパターンよりも好ましい。しかしながら、非常に単純な格子パターン(交互の線)は視覚系の注意を引かず、したがって、より詳細なパターンよりもカモフラージュにおいて効果が低いので、一貫したパターン内では、格子パターンに対するある程度の詳細が好ましい。この効果は図9に例解されており、ジグザグパターン901、902は、当該ジグザグパターンが視覚系の注意を捕らえ、対象物をより良好に知覚されないままにするので、直線903よりも良好なカモフラージュを提供する。以下に更に説明される視覚表示のために、図10に示される格子パターンが好ましいパターンとして選択され、当該パターンは、15mmの全格子パターン長を有し、線は、水平軸に対して45度で提示される。
【0041】
格子パターンが選択されたら、格子パターンのための空間パターン及びデューティサイクルの詳細、並びに隠れた対象物又はカモフラージュされた対象物を含む視覚表示のエリアにおいてそれがどのように変化するかを選択しなければならない。これらの詳細は、選択される格子パターンに依存する可能性が高い。以下に説明する実施形態では、図10の好ましい格子パターンの詳細を図11により詳細に示す。隠された画像1000のない視覚表示の部分では、交互の白線の好ましい幅は、1mmであり、交互の黒線の好ましい幅は、2mmであり、これにより、反復パターンの期間は、3mm(2mm+1mm)となり、空間周波数は、3.33cm-1(期間の逆数)となる。上で述べられるように、格子の空間周波数は、所望の効果を達成するのに重要である。高すぎる場合、対象物は非常に見やすく、一方、低すぎる場合、非常にぼやけた視力を有する個人であっても見ることが困難になる。当然のことながら、これは、視覚表示が見られることが意図される距離にも依存する。上で説明される3.33cm-1の好ましい空間周波数は、40cmで見られるように意図された視覚表示に対して選択されたが、約2cm-1超及び約6cm-1未満の範囲内の空間周波数が好適であり得る。
【0042】
空間周波数が判定されると、デューティサイクルを最適化することができる。デューティサイクルは、期間にわたる白線の割合(すなわち、1mm/3mm)である。隠れた対象物1010を組み込む視覚表示の部分に関して、デューティサイクルは、反復線の視覚コントラストを変化させるように操作される。これは、例解されるように、暗線の幅を0.15mmだけ増加させることによって行われ、これは、同時に、白線の幅を0.15mmだけ低減させる。コントラスト変化の割合は、3mmの期間にわたって0.15mm、又は交互パターンの黒色部分において5%の増加である。コントラスト変化が低すぎる場合、ひどくぼやけているとき(すなわち、重度の老眼者の場合)であっても、下にある画像を知覚することは困難である。高すぎる場合、ぼやけがなくても、画像が容易に知覚される。本明細書で説明される特定の格子パターン及びデューティサイクルを含む実施形態では、5%のコントラストが最適に近く、3~7%が好適であり得、1%が低すぎ、10%が高すぎることが発見されている。最適な範囲は、最終的に、選択された格子パターン、空間周波数及びデューティサイクル、並びに使用される選択された色及び/又は濃淡に依存する。
【0043】
上で説明されるパターン及び詳細は好ましい実施形態であるが、当業者は、任意の視覚表示のための最適パラメータが、人間の知覚の詳細、眼の生理機能及び脳内で行われる画像処理の詳細の両方に関連し、したがって、老眼を模倣するために補助具を使用する患者及び/又は設計者との少なくともある程度の実世界追跡によって最終的に最適化されることを容易に理解するであろう。
【0044】
視覚表示600(図6)はまた、好ましくは、格子パターン610上に、図3に示される涙滴305又は図6に示される涙滴603等の、格子パターンを組み込まない少なくとも1つの対象物を更に含み得る。この対象物は、通常の塗りつぶした(カモフラージュされていない)対象物であり、したがって、標準的な方法で老眼者及び非老眼者によって見られる。最後に、視覚表示は、図3に関連して上で説明されるものと同様の方法で、老眼者の視覚系が視覚表示の第1の部分をどのように見るかを非老眼者に表示するように意図された別個の部分602を含み得る。患者の注意を対象物に向けさせ、患者からの応答を引き起こし、及び/又は視覚表示の周りで交わされている会話を刺激するように設計された追加のテキスト要素605、606も含まれ得る。
【0045】
老眼について話し合う、又は老眼を識別するための方法は、視覚表示(すなわち、600)を個人に提示することを含むことができ、視覚表示は、格子パターン610を含み、視覚表示の少なくとも一部分611は、異なるデューティサイクルを有し、その部分は、対象物、絵、英数字等(本明細書では以降、集合的に「隠れた対象物」と称される)等の事前定義された形状である。異なるデューティサイクルは、患者遠近調節することができない距離で視覚対象物を見ている老眼である患者に対して誘発されたぼやけが、老眼である患者に隠れた対象物を見えさせる一方、遠近調節することができ、誘発されたぼやけを有しない老眼でない患者は、隠れた対象物を容易に見ないような範囲内の値であるように具体的に選択される。患者への視覚表示の提示に続いて、アイケア施術者又は他の提示者は、患者が隠れた対象物を見ることができるかどうかの指標を患者から得る(プロンプティング又は他の質問の後であり得る)。この応答に基づいて、必要な場合に、治療選択肢に関して話し合うことができるように、老眼に関する会話を容易にすることができる。
【0046】
上で述べられるように、第2の部分が視覚表示上に存在する場合、老眼でない個人は、老眼者の異なる視覚認知を容易に理解するために、第2の部分を見るように指示され得る。
【0047】
全体を通して、涙滴対象物及び隠れた対象物が例示的な実施形態として使用されてきたが、当業者は、本開示の教示を活用して、多種多様な対象物又は対象物の集合が作成され得ることを容易に理解する。例えば、図7は、隠れた対象物として英数字701、702を使用する例を例解し、図8は、写真又は例解図801を使用する例を例解する。本明細書を読んでいる可能性がある非老眼者のために、図7及び図8は、組み込まれることができる隠れた対象物を例解するためだけに生成されており、上で説明される格子パターンの特定の空間周波数は、老眼者及び非老眼者が同様にこれらの例を見て、それによって理解することを可能にするために適用されていない。上で述べられるように、視覚対象物を作成するために、任意の格子パターンにおいて色もまた使用され得、また、見る者の関心、及び最終的に老眼に対する認識を増加させるために、更なるデザインが視覚対象物に追加され得る。
【0048】
上で説明される実施形態に加えて、視覚表示はまた、同じ格子パターン及び空間周波数を使用して生成されるが、第1のデューティサイクルと第2のデューティサイクルとの間の一連の異なる増分的に増加するデューティサイクルを有する1つ又は2つ以上の対象物をそれぞれが有する1つ又は2つ以上の追加部分を含んで構築され得、これにより、視覚表示のこれらの異なる部分上の対象物のカモフラージュの程度が変化する。カモフラージュの様々な程度は、いくつかの部分のうちのどれが特定の個人によって知覚され得るかに基づいて、その個人における老眼の程度を識別又は評価する際に、医療従事者を支援し得る。一実施形態では、1から9までの数が提示され、1が第1のデューティサイクルを使用して生成され、9が第2のデューティサイクルを使用して生成され得る。2から8までの数字は、それぞれ、第1のデューティサイクルと第2のデューティサイクルとの間の増分的に増加するデューティサイクルを用いて生成されることになる。見る者に、彼又は彼女が知覚することができる数字を識別させることは、その見る者の老眼の程度に関する追加の洞察を医療従事者に提供することができる。
【0049】
添付図面を参照しながら、例解的な実施形態を本明細書で説明したが、本発明はこれらの厳密な実施形態に限定されず、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、当業者によって本明細書において様々な他の変更及び修正が行われることが可能であり、本発明の範囲又は趣旨は本明細書の特許請求の範囲によってのみ限定されることを理解されたい。
【0050】
〔実施の態様〕
(1) 潜在的な老眼者を識別するための方法であって、
空間周波数を有する格子パターンを使用して生成された視覚表示を個人に提示するステップであって、前記視覚表示の少なくとも第1の部分が、第1のデューティサイクルを有し、前記視覚表示の少なくとも第2の部分が、前記第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを有し、前記第2の部分が、所定の形状の形態であり、
前記第2のデューティサイクルは、老眼である個人が、前記個人が適切に遠近調節することができない事前選択された距離範囲内で見たときに、前記所定の形状を見ることができる一方で、対象物が、老眼でない(non-prebyotic)個人に対して実質的にカモフラージュされるように選択される、ステップと。
前記個人から、前記個人が前記所定の形状を見ることができるかどうかの指標を取得するステップと、を含む、方法。
(2) 前記空間周波数が、2cm-1超及び6cm-1未満である、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記空間周波数が、約3.33cm-1である、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して1~10パーセントのコントラストの増加を表し、前記空間周波数が、2cm-1超及び6cm-1である、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記空間周波数が、約3.33cm-1である、実施態様4に記載の方法。
【0051】
(6) 前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して3~10パーセントのコントラストの増加を表す、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記コントラストの増加が、約5パーセントである、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記視覚表示が、前記所定の形状の上以外の場所に第2の対象物を更に含み、前記第2の対象物が、格子パターンを含まず、かつ老眼者及び非老眼者の両方に可視である、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記格子パターンが、直線、斜線、三角形、波状、円形、又はそれらの組み合わせである線からなる、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記格子パターンが、ジグザグ線からなる、実施態様9に記載の方法。
【0052】
(11) 前記所定の形状が、1つ又は2つ以上の英数字の形状である、実施態様1に記載の方法。
(12) 前記所定の形状が、生物対象物若しくは無生物対象物の形状、又は対象物の集合の形状である、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記所定の形状が、涙滴の形状である、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記視覚表示が、実質的に平坦な裏打ち材上に提示される、実施態様1に記載の方法。
(15) 前記実質的に平坦な裏打ち材が、紙、ポスター、ポスターボード、又はピクチャーボードである、実施態様14に記載の方法。
【0053】
(16) 前記実質的に平坦な裏打ち材が、ポスターボードである、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記視覚表示が、電子スクリーン上に提示される、実施態様1に記載の方法。
(18) 前記電子スクリーンが、コンピュータスクリーン、モバイルデバイススクリーン、又はタブレットスクリーンである、実施態様17に記載の方法。
(19) 患者からの応答を促すための視覚表示を組み込んだ物品であって、
実質的に平坦な裏打ち材上に提示される視覚表示を含み、前記視覚表示が、空間周波数を有する格子パターンを使用して生成され、前記視覚表示の少なくとも第1の部分が、第1のデューティサイクルを有し、前記視覚表示の少なくとも第2の部分が、前記第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを有し、前記第2の部分が、所定の形状の形態であり、
前記第2のデューティサイクルは、老眼である個人が、前記個人が適切に遠近調節することができない事前選択された距離で見たときに、前記所定の形状を見ることができる一方で、対象物が、老眼でない(non-prebyopic)個人に対して実質的にカモフラージュされるように選択されている、物品。
(20) 前記空間周波数が、2cm-1超及び6cm-1未満である、実施態様19に記載の物品。
【0054】
(21) 前記空間周波数が、約3.33cm-1である、実施態様20に記載の物品。
(22) 前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して3~10パーセントのコントラストの増加を表し、前記空間周波数が、2cm-1超及び6cm-1である、実施態様19に記載の物品。
(23) 前記空間周波数が、約3.33cm-1である、実施態様22に記載の物品。
(24) 前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して3~10パーセントのコントラストの増加を表す、実施態様23に記載の物品。
(25) 前記コントラストの増加が、約5パーセントである、実施態様24に記載の物品。
【0055】
(26) 前記視覚表示が、前記所定の形状の上以外の場所に第2の対象物を更に含み、前記第2の対象物が、格子パターンを含まず、かつ老眼者及び非老眼者の両方に可視である、実施態様19に記載の物品。
(27) 前記格子パターンが、直線、斜線、三角形、波状、円形、又はそれらの組み合わせである線からなる、実施態様19に記載の物品。
(28) 前記格子パターンが、ジグザグ線からなる、実施態様27に記載の物品。
(29) 前記所定の形状が、1つ又は2つ以上の英数字の形状である、実施態様19に記載の物品。
(30) 前記所定の形状が、生物対象物若しくは無生物対象物の形状、又は対象物の集合の形状である、実施態様19に記載の物品。
【0056】
(31) 前記所定の形状が、涙滴の形状である、実施態様30に記載の物品。
(32) 前記視覚表示が、実質的に平坦な裏打ち材上に提示されている、実施態様19に記載の物品。
(33) 前記実質的に平坦な裏打ち材が、紙、ポスター、ポスターボード、又はピクチャーボードである、実施態様32に記載の物品。
(34) 前記実質的に平坦な裏打ち材が、ポスターボードである、実施態様33に記載の物品。
(35) 患者からの応答を促すための視覚表示を組み込んだ物品であって、
電子スクリーン上に提示される視覚表示を含み、前記視覚表示が、空間周波数を有する格子パターンを使用して生成され、前記視覚表示の少なくとも第1の部分が、第1のデューティサイクルを有し、前記視覚表示の少なくとも第2の部分が、前記第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを有し、前記第2の部分が、所定の形状の形態であり、
前記第2のデューティサイクルは、老眼である個人が、前記個人が適切に遠近調節することができない事前選択された距離で見たときに、前記所定の形状を見ることができる一方で、対象物が、老眼でない個人に対して実質的にカモフラージュされるように選択されている、物品。
【0057】
(36) 前記空間周波数が、2cm-1超及び6cm-1未満である、実施態様35に記載の物品。
(37) 前記空間周波数が、約3.33cm-1である、実施態様36に記載の物品。
(38) 前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して1~10パーセントのコントラストの増加を表し、前記空間周波数が、2cm-1超及び6cm-1未満である、実施態様35に記載の物品。
(39) 前記空間周波数が、約3.33cm-1である、実施態様38に記載の物品。
(40) 前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して3~10パーセントのコントラストの増加を表す、実施態様39に記載の物品。
【0058】
(41) 前記コントラストの増加が、約5パーセントである、実施態様40に記載の物品。
(42) 前記電子スクリーンが、コンピュータモニタ又はテレビスクリーンである、実施態様35に記載の物品。
(43) 前記電子スクリーンが、携帯電話のスクリーン、タブレットのスクリーン、又は他の携帯電子デバイスのスクリーンである、実施態様35に記載の物品。
(44) 前記視覚対象物が、前記所定の形状の上以外の場所に第2の対象物を更に含み、前記第2の対象物が、格子パターンを含まず、かつ老眼者及び非老眼者の両方に可視である、実施態様35に記載の物品。
(45) 前記格子パターンが、直線、斜線、三角形、波状、円形、又はそれらの組み合わせである線からなる、実施態様35に記載の物品。
【0059】
(46) 前記格子パターンが、ジグザグ線からなる、実施態様45に記載の物品。
(47) 前記所定の形状が、1つ又は2つ以上の英数字の形態である、実施態様35に記載の物品。
(48) 前記所定の形状が、生物対象物若しくは無生物対象物の形態、又は対象物の集合の形態である、実施態様35に記載の物品。
(49) 前記所定の形状が、涙滴の形態である、実施態様48に記載の物品。
(50) 潜在的な老眼者を識別するために好適な視覚表示を生成するための方法であって、
前記視覚表示において使用される格子パターンを選択することと、
前記格子パターンの空間周波数を選択することと、
老眼者及び非老眼者の両方によって知覚されることが意図される前記視覚表示の少なくとも第1の部分のための前記格子パターンの第1のデューティサイクルを選択することと、
前記視覚表示の少なくとも第2の部分のための、前記第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを選択することと、を含み、前記視覚表示の前記第2の部分が、1つ又は2つ以上の対象物又は英数字の形状であり、前記第2のデューティサイクルが、老眼者が前記視覚表示を、前記老眼者が適切に遠近調節することができない所定の距離で見ているときに、前記所定の1つ又は2つ以上の対象物又は英数字を知覚することができるように、かつ、前記少なくとも1つの対象物又は英数字が、前記所定の距離で前記視覚表示を見ている非老眼者に対して実質的にカモフラージュされるように選択される、方法。
【0060】
(51) 前記格子パターンが、ジグザグパターンである、実施態様50に記載の方法。
(52) 前記格子パターンの前記空間周波数が、約2cm-1~6cm-1である、実施態様51に記載の方法。
(53) 前記格子パターンの前記空間周波数が、約3.33cm-1である、実施態様52に記載の方法。
(54) 前記第1のデューティサイクルが、およそ1/3である、実施態様53に記載の方法。
(55) 前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して1~10パーセントのコントラストの増加を表す、実施態様54に記載の方法。
【0061】
(56) 前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して3~10パーセントのコントラストの増加を表す、実施態様55に記載の方法。
(57) 前記第2のデューティサイクルが、前記第1のデューティサイクルと比較して約5パーセントのコントラストの増加を表す、実施態様56に記載の方法。
(58) 患者からの応答を促すための視覚表示を組み込んだ物品であって、
実質的に平坦な裏打ち材上に提示される視覚表示を含み、前記視覚表示が、空間周波数を有する格子パターンを使用して生成され、前記視覚表示の少なくとも第1の部分が、第1のデューティサイクルを有し、前記視覚表示の少なくとも第2の部分が、前記第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを有し、前記第2の部分が、所定の形状の形態であり、
前記第2のデューティサイクルは、老眼である個人が、前記個人が適切に遠近調節することができない事前選択された距離で見たときに、前記所定の形状を見ることができる一方で、前記所定の形状は、非老眼者に対して実質的にカモフラージュされるように選択され、
前記視覚表示が、各々が所定の形状の形態であり、各々が前記第1のデューティサイクルと前記第2のデューティサイクルとの間の異なるデューティサイクルを有する1つ又は2つ以上の追加の部分を更に含み、それにより、前記1つ又は2つ以上の所定の形状の各々が、非老眼者に対する様々な程度のカモフラージュを有する、物品。
図1
図2
図2a
図3
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【国際調査報告】