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特表2024-515806弾性感のある高硬度の液晶化粧料の組成物及びその製造方法
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  • 特表-弾性感のある高硬度の液晶化粧料の組成物及びその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】弾性感のある高硬度の液晶化粧料の組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20240403BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240403BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20240403BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/34
A61K8/81
A61Q19/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565979
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 KR2022004154
(87)【国際公開番号】W WO2022231139
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】10-2021-0055955
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517039760
【氏名又は名称】コスマックス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヒョン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】チ、ジン グ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ミョン サム
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC171
4C083AC331
4C083AC351
4C083AC391
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC441
4C083AC542
4C083AC642
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD201
4C083AD221
4C083AD571
4C083CC05
4C083DD23
4C083DD44
4C083EE06
4C083FF05
(57)【要約】
弾性感の感じられるテクスチャを特徴とする高硬度の液晶化粧料の組成物及びその製造方法を提供する。
本発明の一態様による液晶化粧料の組成物は、粘度調節剤の選択的な混合使用で、弾性感のある高硬度の液晶化粧料の組成物を形成し、低濃度オイルを含んで既存の液晶化粧料の組成物よりは水分感が感じられる、さわやかで軽い使用感を持つ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体組成物100重量部に対して、液晶形成剤5ないし10重量部と、粘度調節剤0.05ないし1重量部と、を含む液晶化粧料。
【請求項2】
前記液晶形成剤は、C1216アルコール、C1422アルコール、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セテアリルグルコシド、オリーブ油脂肪酸セテアリル、オリーブ油脂肪酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、ポリステアリン酸スクロース、C1220アルキルグルコシド、ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース、水素添加レシチン、炭酸ジカプリリル、パルミチン酸エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、エチルヘキサン酸セチル、ジカプリリルエーテル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、及びステアリン酸エチルヘキシルからなる群から選択された2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の液晶化粧料の組成物。
【請求項3】
前記粘度調節剤は、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1030))クロスポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、カルボマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-11、及びポリアクリロイルジメチルタウリンNaからなる群から選択される2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の液晶化粧料の組成物。
【請求項4】
前記粘度調節剤は、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1030))クロスポリマー及びカルボマーの組み合わせであることを特徴とする請求項3に記載の液晶化粧料の組成物。
【請求項5】
前記組成物は、硬度が80ないし150dyne/cmであることを特徴とする請求項1に記載の液晶化粧料の組成物。
【請求項6】
前記組成物は、弾性感の感じられる水分クリーム形態であることを特徴とする請求項1に記載の液晶化粧料の組成物。
【請求項7】
水相部に粘度調節剤を投入するステップと、
粘度調節剤が投入された水相部に液晶形成剤を混合するステップと、を含む液晶化粧料の組成物を製造する方法。
【請求項8】
前記液晶形成剤は、C1216アルコール、C1422アルコール、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セテアリルグルコシド、オリーブ油脂肪酸セテアリル、オリーブ油脂肪酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、ポリステアリン酸スクロース、C1220アルキルグルコシド、ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース、水素添加レシチン、炭酸ジカプリリル、パルミチン酸エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、エチルヘキサン酸セチル、ジカプリリルエーテル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、及びステアリン酸エチルヘキシルからなる群から選択された2種以上であることを特徴とする請求項7に記載の液晶化粧料の組成物を製造する方法。
【請求項9】
前記粘度調節剤は、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1030))クロスポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、カルボマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-11、及びポリアクリロイルジメチルタウリンNaからなる群から選択される2種以上であることを特徴とする請求項7に記載の液晶化粧料の組成物を製造する方法。
【請求項10】
前記液晶形成剤は、全体組成物100重量部に対して5ないし10重量部で含まれ、前記粘度調節剤は、全体組成物100重量部に対して0.05ないし1重量部で含まれることを特徴とする請求項7に記載の液晶化粧料の組成物を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性感の感じられるテクスチャを特徴とする高硬度の液晶化粧料の組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に液晶(Liquid crystal)とは、固体と液体との中間状態であり、これは、親水性部分と親油性部分とを同時に持っている有機分子において、親水性部分は親水性部分同士で、親油性部分は親油性部分同士で、一定に配列して複数層をなしているラメラ構造が生成される系をいう。液晶は、粘度及び流動性面では液体のように行動するが、光の散乱及び反射のような物性においては、固体の物性を示すなど独特の性質を示して、化粧品、医薬品、食品及び電子工業などの多くの分野でその応用範囲が広い。化粧品、医薬品分野において、液晶は、乳化物の製造時に界面で生成されて乳化物を安定化し、生体細胞膜間脂質の構成形態と類似した構造を持つことで、皮膚保護膜の形成及び保湿機能だけではなく、各種水溶性、油溶性の薬効成分の保存安定性の向上及びその効果的な伝達媒体として応用されている。
【0003】
このような技術的な背景下で、液晶剤形の多様化のための研究が活発に進められているが(韓国登録特許10-0713564)、今のところ、一般的なO/W乳化クリームがほとんどであり、剤形の多様化が不十分な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、全体組成物100重量部に対して、液晶形成剤5ないし10重量部と、粘度調節剤0.05ないし1重量部と、を含む液晶化粧料の組成物を提供することである。
【0005】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、水相部に粘度調節剤を投入するステップと、粘度調節剤が投入された水相部に液晶形成剤を混合するステップと、を含む液晶化粧料の組成物を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様は、全体組成物100重量部に対して、液晶形成剤5ないし10重量部と、粘度調節剤0.05ないし1重量部と、を含む液晶化粧料の組成物を提供する。
【0007】
一具体例で、前記液晶化粧料の組成物は、水分感及び弾性を特徴とする高硬度の液晶化粧料の組成物である。
【0008】
前記液晶形成剤は、高級脂肪族アルコール、非イオン性界面活性剤及びオイルからなる群から選択される1種以上で構成される。
【0009】
前記高級脂肪族アルコールは、C1216アルコール、C1422アルコール、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール及びミリスチルアルコールからなる群から選択された1種以上でありうるが、それらに制限されるものではない。
【0010】
前記非イオン性界面活性剤は、セテアリルグルコシド、オリーブ油脂肪酸セテアリル、オリーブ油脂肪酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、ポリステアリン酸スクロース、C1220アルキルグルコシド、ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース及び水素添加レシチンからなる群から選択された1種以上でありうるが、それらに制限されるものではない。
【0011】
前記オイルは、炭酸ジカプリリル、パルミチン酸エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、エチルヘキサン酸セチル、ジカプリリルエーテル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、及びステアリン酸エチルヘキシルからなる群から選択された1種以上でありうるが、これに制限されるものではない。
【0012】
前記液晶形成剤は、全体組成物100重量部に対して5ないし10重量部で含まれ、望ましくは、7ないし10重量部で含まれ、より望ましくは、7.5ないし9.5重量部で含まれ、さらに望ましくは、8ないし9重量部で含まれる。この時、前記液晶形成剤の含量が5重量部未満である場合には、液晶形成の効果を発揮することができず、10重量部を超過する場合には、オイル相が高い割合で含まれることによって、経時的に液晶構造が消えて剤形安定性を害するという問題がある。
【0013】
前記粘度調節剤は、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1030))クロスポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、カルボマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-11、及びポリアクリロイルジメチルタウリンNaからなる群から選択される2種以上でありうる。前記粘度調節剤として1種のみを使う場合、液晶が形成されないか、使用感が低下するか、または剤形安定性が減少する。
【0014】
前記粘度調節剤は、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1030))クロスポリマー及びカルボマーの組み合わせである。前記粘度調節剤として、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1030))クロスポリマーを単独で使う場合、液晶の形成が明確にならないか、弾性感が落ちて水分感が不十分に感じられて使用感が劣化するか、高温で一ヶ月保管時に硬度の低下が確認されて剤形安定性が良くない。前記粘度調節剤として、カルボマーを単独で使う場合、粘度が高くて安定したエマルジョン及び液晶が形成されないか、硬度が高すぎて皮膚に塗布することができないか、常温及び高温で分離現象が確認されて剤形安定性が良くない。それとは異なり、粘度調節剤として(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1030))クロスポリマー及びカルボマーの組み合わせを使う場合、明らかな形態の安定した液晶が形成され、弾性感の感じられる高硬度の化粧料の組成物が作られ、高温及び低温で長期間も剤形安定度に優れている。
【0015】
前記(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1030))クロスポリマー及びカルボマーの混合重量比は、1~10:1~10、1~5:1~5、1~4:1~4、1~3:1~3、または1~2:1~2である。
【0016】
前記粘度調節剤は、全体組成物100重量部に対して0.05ないし1重量部で含まれ、望ましくは、0.1ないし1重量部で含まれ、より望ましくは、0.3ないし0.7重量部で含まれ、さらに望ましくは、0.4ないし0.6重量部で含まれる。この時、前記粘度調節剤の含量が0.05重量部未満である場合には、増粘の効果を発揮することができず、1重量部を超過する場合には、剤形の長期安定度を確保し難いだけではなく、組成物の水分感が減って使用感が劣化し、組成物の特徴である弾性感が消えて一般的なバルム(balm)型の剤形と差別化し難くなるという問題点がある。
【0017】
前記組成物は、硬度が80ないし150dyne/cmである。
【0018】
前記硬度範囲である時、皮膚塗布の時に優れた使用感を発揮する。硬度が80dyne/cm未満である場合、流れ性が過度になって剤形の弾性または復元力を害し、それによって弾性感及び水分感による優れた使用感を感じにくいという問題があり、150dyne/cmを超過する場合には、撹拌が容易ではなくて製造し難いだけではなく、硬度が高すぎて皮膚に塗布することができないという問題がある。
【0019】
また、前記化粧料の組成物は、化粧料の組成物に通常的に添加される成分、例えば、抗酸化剤、安定化剤、可溶化剤、ビタミン、顔料及び香料のような通常的な補助剤及び担体をさらに含んでももよい。
【0020】
前記化粧料組成物は、当業界で通常的に製造されるいかなる剤形にも製造され、例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、せっけん、界面活性剤を含むクレンジング、オイル、粉末ファウンデーション、乳濁液ファウンデーション、ワックスファウンデーション及びスプレーなどに剤形化されるが、それらに制限されるものではない。さらに詳細には、柔軟化粧水または栄養化粧水などの化粧水、フェイシャルローション、ボディローションなどの乳液、栄養クリーム、水分クリーム、アイクリームなどのクリーム、エッセンス、化粧軟膏、スプレー、ゲル、パック、日焼け止め、化粧下地、液体タイプ、固体タイプまたはスプレータイプのファウンデーション、パウダーなどの剤形に製造される。この場合、前記化粧料の組成物は、乳化剤、せっけん、溶媒、着色剤、保存剤、抗酸化剤、消泡剤、抗菌剤、抗再沈着剤、酵素、植物またはミネラルオイル、脂肪、蛍光物質、殺真菌剤、屈水性誘発物質、保湿剤、芳香剤、芳香剤担体、保存剤、タンパク質、シリコーン、可溶化剤、糖誘導体、日光遮断剤、ビタミン、植物抽出物、ワックスなどを含む賦形剤を含む。
【0021】
前記化粧料組成物の剤形がペースト、クリームまたはゲルである場合には、担体成分として、動物性油、植物性油、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルクまたは酸化亜鉛などが用いられる。
【0022】
前記化粧料組成物の剤形がパウダーまたはスプレーである場合には、担体成分として、ラクトース、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムまたはポリアミドパウダーが用いられ、特に、スプレーである場合には、さらにクロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルなどの推進体を含む。
【0023】
前記化粧料組成物の剤形が溶液または乳濁液である場合には、担体成分として、溶媒、可溶化剤または乳濁化剤が用いられ、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3-ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコールまたはソルビタンの脂肪酸エステルがある。
【0024】
前記化粧料組成物の剤形が懸濁液である場合には、担体成分として、水、エタノールまたはプロピレングリコールなどの液相の希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルなどの懸濁液剤、微晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、アガーまたはトラガカントなどが用いられる。
【0025】
前記化粧料の組成物は、適用しようとする皮膚面積によって適当量を皮膚に塗布することで適用され、必要に応じて一日1回ないし数回繰り返して使うことができる。また、適用する量及び回数は個人の皮膚状態、年齢などによって、必要に応じて増減する。
【0026】
他の態様は、水相部に粘度調節剤を投入するステップと、
【0027】
粘度調節剤が投入された水相部に液晶形成剤を混合するステップと、を含む液晶化粧料の組成物を製造する方法を提供する。
【0028】
一具体例で、前記液晶化粧料の組成物を製造する方法は、水相部に粘度調節剤を先ず投入した後、油相を投入して液晶を形成する順序に行われることで、作られた化粧料の組成物が高硬度の剤形になる特徴がある。前記方法を通じて、粘度調節剤及び少量の油相だけでも高硬度の剤形を具現することができ、作られた化粧料の組成物は、一般的な高硬度の剤形に比べてワックス及びオイルの含量が少なくて剤形の弾性力に優れ、使用感も軽いことが特徴である。
【0029】
前記液晶形成剤は、C1216アルコール、C1422アルコール、パルミチン酸、水素添加レシチン、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オリーブ油脂肪酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、及びセラミドNPからなる群から選択された2種以上でありうるが、それらに制限されるものではない。
【0030】
前記粘度調節剤は、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1030))クロスポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、カルボマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-11、及びポリアクリロイルジメチルタウリンNaからなる群から選択される2種以上でありうるが、それらに制限されるものではない。
【0031】
前記粘度調節剤は、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1030))クロスポリマー及びカルボマーの組み合わせである。
【0032】
前記液晶形成剤は、全体組成物100重量部に対して5ないし10重量部で含まれ、前記粘度調節剤は、全体組成物100重量部に対して0.05ないし1重量部で含まれる。
【0033】
また、前記液晶化粧料の組成物を製造する方法は、水相部に液晶形成剤を混合することで形成された、乳化されたエマルジョンに中和剤を投入するステップをさらに含む。前記中和剤は、例えば、トロメタミンであるが、これに制限されるものではなく、当業界で通常的に使われる中和剤であれば、制限なしに使える。
【0034】
前記粘度調節剤及び液晶形成剤において、液晶化粧料の組成物と重なる部分については説明を省略する。
【発明の効果】
【0035】
本発明の一態様による液晶化粧料の組成物は、粘度調節剤の選択的な混合使用で、弾性感のある高硬度の液晶化粧料の組成物を形成し、低濃度オイルを含んで既存の液晶化粧料の組成物よりは水分感が感じられる、さわやかで軽い使用感を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】一態様による液晶化粧料の組成物の液晶の形成如何を示す結果である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を実施例を通じてさらに詳細に説明する。しかし、これらの実施例は本発明を例示的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0038】
[実施例]
実施例1ないし6:弾性感の感じられる高硬度の液晶化粧料の組成物の製造
低濃度オイルを含んで、既存の液晶化粧料の組成物よりさらに水分感が感じられながら弾性感のある外観の高硬度化粧料の組成物の最適の粘度調節剤の混合重量比を確認するために、実施例を製造した。
【0039】
下記表1の組成及び含量で実施例1ないし6の化粧料の組成物を製造した(単位:重量%)。水相部に含まれる原料が含有されたビーカーを70ないし80℃まで加温して水相成分を溶かし、すべての成分が均一に分散されるまでホモミキサー(製品名:Mark II、製造社:PRIMIX 日本)で混合した。水相部の混合が完了した後では、粘度調節剤を投入して均一に分散する。次いで、油相部に含まれる原料が含有されているビーカーを、水相部と同じ方法で加温溶解して混合した後、ホモミキサーで混合して乳化した。この後、中和剤を乳化されたエマルジョンに投入して、高硬度の液晶化粧料の組成物を製造した。
【0040】
【表1】
【0041】
[実験例]
実験例1:化粧料の組成物の液晶の形成如何の確認
前記実施例1ないし6で製造した化粧料の組成物の液晶の形成如何を確認した。
その結果、実施例1の化粧料の組成物は、図1に示されたように、明らかな形態の安定した液晶を形成していることが分かった。その外に、実施例3ないし5の化粧料の組成物でも安定した液晶を形成した。実施例2の場合、液晶の形成が明らかに見えず、実施例6の場合、製造時に粘度調節剤の投入によって形成された粘度が高くて撹拌が容易ではなく、安定したエマルジョン及び液晶も形成されなかった。
【0042】
実験例2:化粧料の組成物の硬度及び使用感の評価
前記実施例1ないし6で製造した化粧料の組成物の硬度を、一日中常温保管後に測定した。硬度は、Rheotec Co社のFudoh Rheometer RT-3005Dを用いて、作動速度2cm/分で、試料25mmの深さまでの硬度を測定した。5回の測定後に平均値を導出した。
【0043】
【表2】
【0044】
その結果、表2に示されたように、実施例1、実施例3ないし5の化粧料の組成物として、弾性感が感じられる高硬度の化粧料の組成物が作られるということが分かった。また、高硬度でありながら適当な弾性感で、皮膚に塗布する時に練り込まれるような独特な伸びと水分感が感じられる、さわやかで軽いテクスチャで早く吸収され、全般的な使用感に優れている。一方、粘度調節剤のうち、乳化力のある(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1030))クロスポリマーを単独で使った実施例2の場合には、実施例1、実施例3ないし5の化粧料の組成物より弾性感が不十分に感じられ、一般のクリームのようにローリングする時に多少厚み感があり、ぱさぱさして水分感があまり感じられないということが分かった。また、粘度調節剤のうち、乳化力がなくて増粘力の大きいカルボマーのみを使った実施例6の場合には、投入時にエマルジョンの粘度が大きく向上して撹拌が容易ではなくて、安定したエマルジョンが形成されず、硬度が高すぎて皮膚に塗布することができなかった。
【0045】
実験例3:化粧料の組成物の安定性の評価
前記実施例1ないし6で製造した化粧料の組成物の安定性を評価した。室温及び45℃の高温条件で5日、10日、15日及び一ヶ月間保管しながら、硬度の低下、オイルの浮遊や分離などの発生如何による剤型安定度を観察し、その結果を下記の表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
表3から分かるように、実施例2の場合、高温で一ヶ月保管時に硬度の低下が確認され、実施例6の場合、常温及び高温でオイルが浮遊するなどの分離現象が確認され、剤形安定性が良くなかった。これに対し、実施例1、実施例3ないし5の場合、保管温度及び期間にかかわらず剤形安定度が安定して維持されるということが分かった。
【0048】
前記実験結果を通じて、一態様による液晶化粧料の組成物は、粘度調節剤の選択的な混合使用で弾性感がある高硬度の液晶化粧料の組成物を形成しながらも、優れた使用感及び高い安定度を確保することができるということが分かった。
図1
【国際調査報告】