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特表2024-515810関節鏡可視化のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】関節鏡可視化のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/12 20060101AFI20240403BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20240403BHJP
   A61B 1/04 20060101ALI20240403BHJP
   A61B 1/317 20060101ALI20240403BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A61B1/12 521
A61B1/00 T
A61B1/04 540
A61B1/317
A61B1/06 511
A61B1/00 683
A61B1/00 682
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565988
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 US2022071936
(87)【国際公開番号】W WO2022232789
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/180,027
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595148888
【氏名又は名称】ストライカー コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Stryker Corporation
【住所又は居所原語表記】2825 Airview Boulevard Kalamazoo MI 49002 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファウツ, ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】マレー, ギャビン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ギンズバーグ, ポール
(72)【発明者】
【氏名】トラン, レビー
(72)【発明者】
【氏名】ハズビー, セオドア
(72)【発明者】
【氏名】ファインゴールド, ベン
(72)【発明者】
【氏名】ムーア, フレデリック アレン
(72)【発明者】
【氏名】ベイクマン, アリク ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, クリストファー ロバート
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA25
4C161BB03
4C161CC06
4C161DD01
4C161FF02
4C161GG27
4C161HH08
4C161LL01
4C161UU06
(57)【要約】
本開示は、関節鏡可視化システム及び方法を対象とする。可視化システムは、流体流入経路を備えるカメラを含むことができ、カメラの近位端は、流体貯蔵部を流体流入経路に流体接続するように構成される。システムはまた、ルーメンを有するカニューレを含むことができ、ルーメンは、カメラの遠位端において流体流入経路に流体接続されるように構成される。追加して、システムはまた、スコープを含むことができ、スコープは、カメラの遠位端に接続されるように構成され、スコープの一部は、カニューレのルーメン内に挿入されるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療手技のための可視化システムであって、
流体流入経路を備えるカメラであって、前記カメラの近位端は、流体貯蔵部を前記流体流入経路に流体接続するように構成される、カメラと、
ルーメンを備えるカニューレであって、前記ルーメンは、前記カメラの遠位端において前記流体流入経路に流体接続されるように構成される、カニューレと、
スコープであって、前記スコープは、前記カメラの前記遠位端に接続されるように構成され、前記スコープの一部は、前記カニューレの前記ルーメン内に挿入されるように構成される、スコープと、を備える可視化システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記スコープは、光源を備える、システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシステムであって、前記カメラは、光源を備える、システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載のシステムであって、前記スコープは、前記カメラに光学的に接続されるように構成される、システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載のシステムであって、前記カニューレは、前記ルーメンに流体接続された前記カニューレの遠位端にある流体出口を備える、システム。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のシステムであって、前記カメラは、流体流出経路を備え、前記カメラの前記近位端は、前記流体流出経路を流体廃棄部に流体接続するように構成される、システム。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載のシステムであって、前記カニューレは、第2のルーメンを備える、システム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、前記第2のルーメンは、前記カメラの前記遠位端において前記流体流出経路に流体接続されるように構成される、システム。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のシステムであって、前記カニューレは、前記第2のルーメンから前記ルーメンを分離する非透過性バリアを備える、システム。
【請求項10】
請求項7乃至9の何れか1項に記載のシステムであって、前記ルーメンと前記第2のルーメンとは、平行である、システム。
【請求項11】
請求項7乃至10の何れか1項に記載のシステムであって、前記ルーメン及び前記第2のルーメンは、同軸ではないマルチルーメンである、システム。
【請求項12】
請求項7乃至11の何れか1項に記載のシステムであって、前記カニューレは、前記第2のルーメンに流体接続された前記カニューレの近位端と遠位端との間にある流体入口を備える、システム。
【請求項13】
請求項7乃至12の何れか1項に記載のシステムであって、前記第2のルーメン及び前記ルーメンの断面積は、前記カニューレの前記近位端から前記カニューレの前記遠位端に向かって減少する、システム。
【請求項14】
請求項7乃至13の何れか1項に記載のシステムであって、前記カメラ及び前記カニューレに接続されるように構成された流体マニホールドをさらに備え、前記流体マニホールドは、前記カメラの前記流体流入経路を前記ルーメンに流体結合し、前記流体流出経路を前記第2のルーメンに流体結合する、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、前記カニューレは、前記流体マニホールドに回転可能に接続されるように構成される、システム。
【請求項16】
請求項1乃至15の何れか1項に記載のシステムであって、前記カメラ、スコープ及びカニューレは、互いに取り外し可能に接続されるように構成される、システム。
【請求項17】
請求項1乃至16の何れか1項に記載のシステムであって、前記スコープ及びカニューレは、前記カメラの前記遠位端に回転可能に接続されるように構成される、システム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムであって、前記スコープ及びカニューレは、前記カメラから独立して回転するように構成される、システム。
【請求項19】
請求項17又は18に記載のシステムであって、前記カニューレは、前記カメラに対して前記カニューレを回転させるように構成された前記カニューレの近位端上のカニューレ回転ガイドを備える、システム。
【請求項20】
請求項19に記載のシステムであって、前記カニューレ回転ガイドは、前記スコープの前記一部が前記カニューレの前記ルーメン内に挿入された場合に、前記カニューレ及び前記スコープを回転させるように構成される、システム。
【請求項21】
請求項19又は20に記載のシステムであって、前記カニューレ回転ガイドは、前記スコープ及びカニューレが前記カメラに接続された場合に、前記カメラのすぐ遠位に位置付けられるように構成される、システム。
【請求項22】
請求項1乃至21の何れか1項に記載のシステムであって、前記カニューレの直径は、前記カニューレの近位端から前記カニューレの遠位端に向かって先細りになる、システム。
【請求項23】
請求項1乃至22の何れか1項に記載のシステムであって、前記カニューレの遠位端は、丸みを帯びた先端を備える、システム。
【請求項24】
請求項23に記載のシステムであって、前記丸みを帯びた先端の一部は、前記スコープの前記一部が前記カニューレの前記ルーメン内に挿入された場合に、前記スコープの前記遠位端の一部の周りに巻き付くように構成される、システム。
【請求項25】
請求項24に記載のシステムであって、前記丸みを帯びた先端の前記一部は、照明を損なうことも遮断することもなく、前記スコープの前記遠位端の一部の周りに巻き付くように構成される、システム。
【請求項26】
請求項1乃至25の何れか1項に記載のシステムであって、前記カメラの前記近位端は、データケーブルに通信可能に結合されるように、又はコンピュータにワイヤレスで通信可能に結合されるように構成される、システム。
【請求項27】
請求項1乃至26の何れか1項に記載のシステムであって、前記カメラの前記近位端は、電力ケーブルに電気的に結合されるか、又は電源にワイヤレスで電気的に結合されるように構成される、システム。
【請求項28】
請求項1乃至27の何れか1項に記載のシステムであって、前記スコープ及びカメラは、ワイヤレスで電気的に互いに結合されるように構成される、システム。
【請求項29】
請求項27に記載のシステムであって、前記スコープ及びカメラは、誘導結合を介してワイヤレスで電気的に互いに結合されるように構成される、システム。
【請求項30】
医療手技のための可視化システムであって、
流体流入経路及び流体流出経路を備えるカメラであって、前記カメラの近位端は、流体貯蔵部を前記流体流入経路に流体接続し、前記流体流出経路を流体廃棄部に流体接続するように構成される、カメラと、
第1及び第2のルーメンを備えるカニューレであって、前記第1のルーメンは、前記カメラの遠位端において前記流体流入経路に流体接続されるように構成され、前記第2のルーメンは、前記カメラの遠位端において前記流体流出経路に流体接続されるように構成される、カニューレと、
スコープであって、前記スコープは、前記カメラの前記遠位端に接続されるように構成され、前記スコープの一部は、前記カニューレの前記第1又は第2のルーメン内に挿入されるように構成される、スコープと、を備える可視化システム。
【請求項31】
医療手技のための可視化システムであって、
流体流入経路を備えるカメラであって、前記カメラの近位端は、流体貯蔵部を前記流体流入経路に流体接続するように構成される、カメラと、
ルーメンを備えるカニューレであって、前記ルーメンは、前記カメラの遠位端において前記流体流入経路に流体接続されるように構成される、カニューレと、
スコープであって、前記スコープは、前記カメラの前記遠位端に、接続されかつワイヤレスで電気的に結合されるように構成され、前記スコープの一部は、前記カニューレの前記ルーメン内に挿入されるように構成される、スコープと、を備える可視化システム。
【請求項32】
医療手技のための可視化システムであって、
流体流入経路を備えるカメラであって、前記カメラの近位端は、流体貯蔵部を前記流体流入経路に流体接続するように構成される、カメラと、
ルーメンを備えるカニューレであって、前記ルーメンは、前記カメラの遠位端において前記流体流入経路に流体接続されるように構成され、前記カニューレの直径は、前記カニューレの近位端から前記カニューレの遠位端に向かって先細りになる、カニューレと、
スコープであって、前記スコープは、前記カメラの前記遠位端に接続されるように構成され、前記スコープの一部は、前記カニューレの前記ルーメン内に挿入されるように構成される、スコープと、を備える可視化システム。
【請求項33】
医療手技のための可視化システムであって、
流体流入経路を備えるカメラであって、前記カメラの近位端は、流体貯蔵部を前記流体流入経路に流体接続するように構成される、カメラと、
ルーメン及び統合された回転ガイドを備えるカニューレであって、前記ルーメンは、前記カメラの遠位端において前記流体流入経路に流体接続されるように構成される、カニューレと、
スコープであって、前記スコープは、前記カメラの前記遠位端に接続されるように構成され、前記スコープの一部は、前記カニューレの前記ルーメンに挿入されるように構成される、スコープと、を備え、前記回転ガイドは、前記カニューレの近位端に配置され、前記スコープ及びカニューレが前記カメラに接続された場合に、前記カメラの前記遠位端のすぐ遠位に位置付けられるように構成される、可視化システム。
【請求項34】
関節鏡のための光源であって、
照明を提供するように構成された光学アセンブリと、
前記光学アセンブリを制御するように構成された電力コントローラと、
前記電力コントローラに給電するように構成されたバッテリと、
前記光源から横方向に延在する複数のパドルであって、前記複数のパドルは、ユーザによる前記光源の回転を可能にするように構成される、複数のパドルと、を備え、
前記光源は、医療手技中に照明を提供するために関節鏡にクランプするように構成される、光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は2021年4月26日に出願された米国仮出願第63/180,027号の利点を主張し、その全内容が参照によって本書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
この開示は概して可視化システム及び方法に関し、より具体的に関節鏡システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
典型的な内視鏡カメラシステムは、カメラを保持するためと、スコープを回転させることによって視野方向(「DOV」)を調整するためとで2つの手を必要とする。加えて、これらの典型的な内視鏡カメラシステムは、ユーザの手の近くのスコープの近位端に取り付けられる光ファイバ光ガイドを有する。これは、ユーザがカメラ及びスコープを操作している空間を雑然とする。さらに、スコープの近位端から垂れ下がる光ガイドの重量及び剛性は、カメラヘッドに対するスコープの望ましくない回転を引き起こす可能性があり、それによって、ユーザのDOVを変化させる。
【0004】
光ガイドに加えて、典型的な内視鏡カメラシステムはまた、カニューレ/スコープ接続部の近位端にチューブを接続するためのストップコック又は他の方法を有するカニューレ設計を利用する。光ガイドと同様に、このチューブは空間を見出し、ユーザがカメラ及びスコープを操作しているエリアに追加の重量/剛性を加える。
【発明の概要】
【0005】
1つの態様によれば、可視化システムは、低侵襲のカメラ、カニューレ及びスコープシステムを含みうる。いくつかの態様において、本書に開示される可視化システムは、カメラを保持しながら片手でスコープ視野方向(「DOV」)を回転させる能力を提供するために、カメラ/スコープ/カニューレに組み込まれた人間工学的特徴を介して、ユーザが片手でカメラを操作することを可能にしうる。加えて、本書に開示される可視化システムは、それらの既存の対応物よりも小さく及び軽くてもよく、操作ゾーンからケーブル又はチューブを低減又は排除でき、より高い操縦性を可能にし、手とスコープの遠位先端との間の作業距離をより短くすることができ、ユーザにより高い制御を提供する。
【0006】
いくつかの態様において、本書に開示される可視化システムは、カメラ及び/又はスコープアセンブリに統合された照明を有しうる。これは、カメラに対して任意の回数、スコープを取り外し回転させる能力を維持しつつ、カメラ、カニューレ又はスコープに照明を組み込むことによって、光ファイバ光ガイドの必要性を取り除きうる。いくつかの態様において、可視化システムは、スコープにワイヤレス電力を提供しうる。これは、スコープ統合された電気駆動光源を容易にでき、スコープ内の他の電力消費デバイスのユーザを可能にしうる。いくつかの態様において、可視化システムは、流体入口/出口チューブがカメラの近位端においてデータケーブルと並んでカメラアセンブリに接合できるように流体流入及び/又は流出を経路変更する流体管理システムを含みうる。いくつかの態様において、可視化システムは、マルチルーメンを有するカニューレを含みうる。加えて、カニューレの直径は、近位端から遠位端までにサイズを縮小/先細りにしうる。
【0007】
いくつかの態様によれば、可視化システムは、ターゲットからイメージセンサに光を伝達するための光学系と、画像を処理ユニットに送るためのイメージセンサ及び電気経路と、ターゲットを照明するための照明源と、ターゲットエリアを流体で満たすための流体管理システムと、ターゲットに流体を送達するためのカニューレと、及び/又はターゲットから流体を除去するためのカニューレとを含みうる。これらの要素は、システムを扱うユーザの人間工学的経験を向上するために可視化システムに組み込まれうる。
【0008】
1つの態様によれば、医療手技のための可視化システムは、流体流入経路を備えるカメラであって、カメラの近位端は流体貯蔵部を流体流入経路に流体接続するように構成される、カメラと、ルーメンを備えるカニューレであって、ルーメンはカメラの遠位端において流体流入経路に流体接続されるように構成される、カニューレと、スコープであって、スコープはカメラの遠位端に接続されるように構成され、スコープの一部はカニューレのルーメンに挿入されるように構成される、スコープとを含む。
【0009】
1つの態様によれば、医療手技のための可視化システムであって、流体流入経路及び流体流出経路を備えるカメラであって、カメラの近位端は流体貯蔵部を流体流入経路に流体接続し、流体流出経路を流体廃棄物に流体接続するように構成される、カメラと、第1及び第2のルーメンを備えるカニューレであって、第1のルーメンはカメラの遠位端において流体流入経路に流体接続されるように構成され、第2のルーメンはカメラの遠位端において流体流出経路に流体接続されるように構成される、カニューレと、スコープであって、スコープはカメラの遠位端に接続されるように構成され、スコープの一部はカニューレの第1及び第2のルーメンに挿入されるように構成される、スコープとを備える可視化システム。
【0010】
1つの態様によれば、医療手技のための可視化システムであって、流体流入経路を備えるカメラであって、カメラの近位端は流体貯蔵部を流体流入経路に流体接続するように構成される、カメラと、ルーメンを備えるカニューレであって、ルーメンはカメラの遠位端において流体流入経路に流体接続されかつワイヤレスで電気的に接続されるように構成される、カニューレと、スコープであって、スコープはカメラの遠位端に接続されるように構成され、スコープの一部はカニューレのルーメンに挿入されるように構成される、スコープとを備える可視化システム。
【0011】
1つの態様によれば、医療手技のための可視化システムであって、流体流入経路を備えるカメラであって、カメラの近位端は流体貯蔵部を流体流入経路に流体接続するように構成される、カメラと、ルーメンを備えるカニューレであって、ルーメンはカメラの遠位端において流体流入経路に流体接続されるように構成され、カニューレの直径はカニューレの近位端からカニューレの遠位端に向かって、減少するように先細りになる、カニューレと、スコープであって、スコープはカメラの遠位端に接続されるように構成され、スコープの一部はカニューレのルーメンに挿入されるように構成される、スコープとを備える可視化システム。
【0012】
1つの態様によれば、医療手技のための可視化システムであって、流体流入経路を備えるカメラであって、カメラの近位端は流体貯蔵部を流体流入経路に流体接続するように構成される、カメラと、ルーメン及び統合された回転ガイドを備えるカニューレであって、ルーメンはカメラの遠位端において流体流入経路に流体接続されかつワイヤレスで電気的に接続されるように構成される、カニューレと、スコープであって、スコープはカメラの遠位端に接続されるように構成され、スコープの一部はカニューレのルーメンに挿入されるように構成される、スコープと、を備え、回転ガイドはカニューレの近位端に配置され、スコープ及びカニューレがカメラに接続された場合にカメラの遠位端のすぐ遠位に位置付けられるように構成される、可視化システム。
【0013】
オプションとして、スコープは光源を備える。
【0014】
オプションとして、カメラは光源を備える。
【0015】
オプションとして、スコープは、カメラに光学的に接続されるように構成される。
【0016】
オプションとして、カニューレは、ルーメンに流体接続されたカニューレの遠位端にある流体出口を備える。
【0017】
オプションとして、カメラは流体流出経路を備え、カメラの近位端は流体流出経路を流体廃棄部に流体接続するように構成される。
【0018】
オプションとして、カニューレは、第2のルーメンを備える。第2のルーメンは、カメラの遠位端において流体流出経路に流体接続されるように構成されうる。
【0019】
オプションとして、カニューレは、第2のルーメンからルーメンを分離する非透過性バリアを備える。
【0020】
オプションとして、ルーメンと第2のルーメンとは平行である。
【0021】
オプションとして、ルーメン及び第2のルーメンは、同軸ではないマルチルーメンである。
【0022】
オプションとして、カニューレは、第2のルーメンに流体接続されたカニューレの近位端と遠位端との間にある流体入口を備える。
【0023】
オプションとして、第2のルーメン及びルーメンの断面積は、カニューレの近位端からカニューレの遠位端に向かって減少する。
【0024】
オプションとして、可視化システムは、カメラ及びカニューレに接続されるように構成された流体マニホールドを含むことができ、流体マニホールドは、カメラの流体流入経路をルーメンに流体結合し、流体流出経路を第2のルーメンに流体結合する。
【0025】
オプションとして、カニューレは、流体マニホールドに回転可能に接続されるように構成される。
【0026】
オプションとして、カメラ、スコープ及びカニューレは、互いに取り外し可能に接続されるように構成される。
【0027】
オプションとして、スコープ及びカニューレは、カメラの遠位端に回転可能に接続されるように構成される。
【0028】
オプションとして、スコープ及びカニューレは、カメラから独立して回転するように構成される。
【0029】
オプションとして、カニューレは、カメラに対してカニューレを回転させるように構成されたカニューレの近位端上のカニューレ回転ガイドを備える。
【0030】
オプションとして、カニューレ回転ガイドは、スコープの一部がカニューレのルーメン内に挿入された場合に、カニューレ及びスコープを回転させるように構成される。
【0031】
オプションとして、カニューレ回転ガイドは、スコープ及びカニューレがカメラに接続された場合に、カメラのすぐ遠位に位置付けられるように構成される。
【0032】
オプションとして、カニューレの直径は、カニューレの近位端からカニューレの遠位端に向かって、狭くなるように先細りになる。
【0033】
オプションとして、カニューレの遠位端は、丸みを帯びた先端を備える。
【0034】
オプションとして、丸みを帯びた先端の一部は、スコープの一部がカニューレのルーメン内に挿入された場合に、スコープの遠位端の一部の周りに巻き付くように構成される。
【0035】
オプションとして、丸みを帯びた先端の一部は、照明を損なわず又は遮断することなく、スコープの遠位端の一部の周りに巻き付くように構成される。
【0036】
オプションとして、カメラの近位端は、データケーブルに通信可能に結合されるように、及び/又はコンピュータにワイヤレスで通信可能に結合されるように構成される。
【0037】
オプションとして、カメラの近位端は、電力ケーブルに電気的に結合されるように、及び/又は電源にワイヤレスで電気的に結合されるように構成される。
【0038】
オプションとして、スコープ及びカメラは、ワイヤレスで互いに電気的に結合されるように構成される。
【0039】
オプションとして、スコープ及びカメラは、ワイヤレスで誘導結合を介して互いに電気的に結合されるように構成される。
【0040】
システムを考慮して説明された変形例、態様、特徴及びオプションのいずれも、方法に等しく適用され、逆もまた同様であることが理解されよう。上記の変形例、態様、特徴及びオプションのうちの任意の1つ以上が組み合わされうることも明らかだろう。
【0041】
以下の詳細な説明から当業者にさらなる利点が容易に明らかになるだろう。本書の態様及び説明は本質的に例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。
【0042】
この出願において参照される、特許文書、科学論文及びデータベースを含むすべての刊行物は、各個々の刊行物が参照により個々に組み込まれるのと同程度に、すべての目的のためにその全体が参照により組み込まれる。本書に記載される定義が、参照により本書に組み込まれる特許、出願、公開された出願及び他の刊行物に記載される定義に反するか、又は他のようにして一致しないならば、本書に記載される定義は、参照により本書に組み込まれる定義よりも優先する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
以下に、本発明は、添付の図面を参照して、単なる例として説明される。
【0044】
図1A】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムの画像である。
【0045】
図1B】本書に開示されるいくつかの実施形態による既存の典型的な可視化システムの画像である。
【0046】
図2】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムの例示的な画像を説明する。
【0047】
図3】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムの様々な長さの例を説明する。
【0048】
図4】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムのためのカニューレに組み込まれる回転ガイドの例を説明する。
【0049】
図5】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムの例を説明する。
【0050】
図6】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムの断面の例を説明する。
【0051】
図7A】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムの分解背面図の例を説明する。
【0052】
図7B】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムの分解正面図の例を説明する。
【0053】
図8】本書に開示されるいくつかの実施形態によるスコープハンドルが隠され、流体マニホールドが透明にされた可視化システムの例を説明する。
【0054】
図9】本書に開示されるいくつかの実施形態によるカメラとスコープとの間のワイヤレス電力伝送を示す可視化システムの断面の例を説明する。
【0055】
図10】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムの断面の別の例を説明する。
【0056】
図11】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムの分解断面の例を説明する。
【0057】
図12】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムのカメラの遠位端の断面の例を説明する。
【0058】
図13】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムの断面の別の例を説明する。
【0059】
図14A】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムのカメラへの流体及びデータ接続の例を説明する。
【0060】
図14B】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムに接続される流体システムの例を説明する。
【0061】
図15】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムの流体マニホールド、カニューレ及びスコープの断面の例を説明する。
【0062】
図16A】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムのカニューレの例を説明する。
【0063】
図16B】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムのカニューレの例を説明する。
【0064】
図16C】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムのカニューレの別の例を説明する。
【0065】
図17A】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムの流体マニホールド、カニューレ及びスコープの例を説明する。
【0066】
図17B】本書に開示されるいくつかの実施形態による図17Aの可視化システムの断面の例を説明する。
【0067】
図18】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムのカニューレ及びスコープの遠位端の断面の例を説明する。
【0068】
図19A】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムのカニューレの流体流入及び流出の断面を説明する。
【0069】
図19B】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムのカニューレの断面の例を説明する。
【0070】
図20A】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムの流入中の防曇概念を示す断面の例を説明する。
【0071】
図20B】本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムの流入を伴う防曇概念を示す断面の例を説明する。
【0072】
図21】本書に開示されるいくつかの実施形態によるスコープに接続されるように構成された光源の例を説明する。
【0073】
図22A】本書に開示されるいくつかの実施形態によるスコープに接続された光源の例を説明する。
【0074】
図22B】本書に開示されるいくつかの実施形態によるスコープに接続された光源の別の図の例を説明する。
【0075】
図22C】本書に開示されるいくつかの実施形態によるスコープに接続された光源の第3の図の例を説明する。
【0076】
図において、同様の参照番号は特に明記しない限り、同様の構成要素に対応する。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下に、本書で説明されるシステム及び方法の様々な態様及び変形の実装及び実施形態が詳細に参照される。システム及び方法のいくつかの例示的な変形が本書で説明されるが、システム及び方法の他の変形は、説明される態様のすべて又はいくつかの組合せを有する任意の適切な様式で組み合わせられた、本書で説明されるシステム及び方法の態様を含んでもよい。
【0078】
本書では、人間工学的可視化システム及び方法について説明される。いくつかの実施形態によれば、本書に説明される可視化システムは、(1)片手操作、(2)カメラアセンブリに統合された照明、(3)スコープ内のワイヤレス電力、(4)より良好な流体管理、及び/又は(5)より良好なカニューレを達成しうる。
【0079】
既存の内視鏡カメラシステムでは、スコープとカメラとの間の接続が堅く、これはDOVを操るようにスコープを回転させるためにユーザがかなりの労力を要しうることを意味する。これは、ユーザが片手でDOVを操ることをさらに困難にしうる。硬い接続の理由は、垂れ下がった流体チューブがユーザのDOVを不用意に変化させることを防ぐために、カメラに対してスコープを回転させるのに必要なトルクが、ストップコックをカニューレの残りの部分に対してスピンさせるのに必要なトルクよりも大きくなければならないためである。片手操作を達成することに関して、人間工学的可視化システムは、外科医の制御及び作業ゾーンを整然とすることができ、それは片手でDOVを回転させる能力を可能にでき、先端の制御を改善するために全体的な可視化システムを短縮でき、及び/又はそれは可視化システムから垂れ下がる重量を低減できる。
【0080】
カメラアセンブリに統合された照明を達成することに関して、可視化システムは、動作に必要な部品の量を低減でき、売上原価(COGS)を低減でき、光ガイド接合部を排除することによって結合損失を潜在的に低減でき、及び/又は、より耐久性のある製品をもたらすように、脆弱な光ガイドを排除できる。スコープ内のワイヤレス電力を達成することに関して、可視化システムは、カメラアセンブリに統合された照明を可能にでき、照明源はスコープ内にあり、及び/又はシステムは、スコープ内の電気/電力を必要とする他の特徴(たとえば、スコープ先端加熱、超音波先端洗浄、圧力感知、使用、及び/又はスコープ内に記憶された他のデータ)の導入のための柔軟性を可能しうる。流体管理の改善に関して、可視化システムは、雑然さを低減し、人間工学を改善でき、作業ゾーンにチューブを追加することなく流入及び/又は流出を可能にでき、及び/又は可視化システムの全長の短縮に寄与しうる。カニューレの改善に関して、可視化システムは、カニューレを通る圧力ヘッド損失の変化を最小限に抑えながら、流入及び/又は流出ルーメンの直径を低減でき、及び/又は、丸みを帯びた先端を組み込むことによって組織損傷を引き起こす可能性を低減しうる。
【0081】
図1図20は、本書に開示されるいくつかの実施形態による可視化システムの様々な態様の例を説明する。可視化システムは、関節鏡手技に使用されうる。いくつかの実施形態において、可視化システムが耳、鼻及び咽喉(「ENT」)、泌尿器科、婦人科又は他の様々な医療用途で使用されうる。
【0082】
可視化システムは、カメラ1、スコープ2、及び/又はカニューレ3を含みうる。カメラ、スコープ、及びカニューレは、本書に記載されるように、カメラ、スコープ、及びカニューレがすべて互いに接続及び切断されうるように、互いに取り外し可能に接続されるように構成されうる。カニューレは少なくとも1つのルーメンを含むことができ、スコープの一部は、少なくとも1つのルーメン内に挿入されるように構成されうる。スコープ及び/又はカニューレは、カメラの遠位端に接続されるように構成されうる。加えて、スコープ及び/又はカニューレは、カメラの遠位端に回転可能に接続されるように構成されうる。このようにして、スコープ及び/又はカニューレは、カメラから独立して回転しうる。いくつかの実施形態において、スコープは、カメラに光学的に接続されるように構成されうる。
【0083】
カメラは流体流入経路4を含みうる。流体流入経路は、カメラ内部のルーメンでありうる。カメラの近位端1aは、流体入口7cを通じて流体貯蔵部6(及び対応するチューブ)を流体流入経路に流体接続するように構成されうる。カメラの近位端は、データケーブルに通信可能に結合されるように、又はコンピュータにワイヤレスで通信可能に結合されるように構成されうる。このようにして、流体貯蔵部(及び対応するチューブ)は、カメラのデータ及び/又は電力ケーブルと並んで、カメラの近位端に流体接続されうる。流体貯蔵部は、水、生理食塩水、又は医療手技に使用される様々な他の流体を含みうる。カメラの近位端は、電力ケーブルに電気的に結合されるように、又は電源にワイヤレスで電気的に結合されるように構成されうる。
【0084】
カメラは流体流出経路5を含みうる。流体流出経路は、カメラ内部のルーメンでありうる。カメラの近位端は、流体出口7dを通じて流体廃棄部(及び対応するチューブ)を流体流出経路に流体接続するように構成されうる。このようにして、流体廃棄部(及び対応するチューブ)は、カメラのデータ及び/又は電力ケーブルと並んで、カメラの近位端に流体接続されうる。図1Bに、及び図2の流体カニューレ接続部25に示されるような標準的な可視化システムでは、流体の流入及び/又は流出をカニューレに接続するための機構は、カニューレに長さを加え、可視化システム全体をより長くすることに寄与しうる。加えて、カメラの遠位端に向かう、又はその後のこれらの流体の流入及び/又は流出接続は、可視化システムを操作するために両手が必要とされるように、使用時に臨床医の邪魔になりうる。
【0085】
対照的に、本書に開示される可視化システムは、標準的な可視化システム(図1B)と比較した場合に、より短く、整然とする(図1A)。さらに、図2の流体カニューレ接続部25は、カニューレの近位端に位置する流体流入及び流出ストップコックを示し、これは、カメラを保持している際に外科医の手の前にある。流体チューブ及びストップコックをカメラの遠位端に向かってカニューレに接続することは、垂れ下がったチューブ/ケーブルがスコープの望ましくない回転を引き起こす可能性があるため、問題となりうる。加えて、これらの流体チューブ/ケーブルは、臨床医の作業ゾーンの大部分に加わる。さらに、可視化システムの前側に向かう流体チューブ/ケーブルは、可視化システムの重量を不均衡にすることがあり、臨床医が可視化システムを操作するためのより多くの課題を生み出す。
【0086】
典型的な流入専用(一方向)内視鏡カメラシステムは、ポンプ、外科用チューブ、カニューレ、及びスコープを含みうる。流体は、ポンプから、通常はカニューレ上のストップコックに接続されているチューブを通って流れうる。典型的なカニューレは、その近位端にストップコックを有するスカバードのような、スコープのシャンクの上に嵌合する中空の円筒形部分でありうる。カニューレとスコープとの間の嵌合は、スコープの外径とカニューレの内径との間に小さな間隙を残すことができ、ここで、ストップコックから入る流体は、スコープの先端に流れることができる。典型的な流出流入(双方向)内視鏡カメラシステムは、カニューレが2つの同軸チューブを含み、一方が他方の内側に嵌合し、2つの別個の流体経路がカニューレの近位端で遠位端から2つのストップコックに通じることを除いて、上述の一方向システムと同様でありうる。
【0087】
対照的に、本書に開示される可視化システムは、作動ゾーンから(すなわち、カメラの遠位端の前にある)流体管理チューブを排除しうる。流体流入経路及び流体流出経路は、カメラを通ってカメラの遠位端に向かって通り、カニューレと流体接続する2つの別個のルーメンでありうる。このように、カメラに入る任意の流体はカメラの近位端に入ることができ、カメラから出る任意の流体は、カメラの近位端から出ることができる。流体チューブ7(例えば、流入チューブ7a及び/又は流出チューブ7b)を流体入口7cでカメラの近位端に接続することによって、臨床医が可視化システムを使用している間に、垂れ下がるケーブル/チューブがスコープから排除されることができ、もはやスコープの不注意な回転を引き起こすことができない。加えて、流体流入及び/又は流出は、カメラの遠位端の前ではなく、カメラヘッドで制御されうる。システム内及び/又はシステム外の流体の制御は例えば、部材7f(例えば、ストップコック)によって制御されうる。
【0088】
上述のように、可視化システムは、少なくとも1つのルーメンを有するカニューレを含みうる。スコープの一部は、カニューレの少なくとも1つのルーメン内に挿入されるように構成されうる。カニューレの少なくとも1つのルーメンは、カメラの遠位端においてカメラの流体流入経路に流体接続されるように構成されうる。この例において、カニューレは、カニューレの遠位端3bに流体出口8dを備えうる。流体出口は、少なくとも1つのルーメン(例えば、流入ルーメン8a)に流体接続されうる。カニューレの流体出口は、スコープの遠位端を洗浄するために使用されうるように、スコープの遠位端において流体を放出するように構成されうる。
【0089】
オプションとして、カニューレは第2のルーメンを含むことができ、第2のルーメンは、カメラの遠位端においてカメラの流出経路に流体接続されるように構成されうる。例えば、図16Aは、流入ルーメン8a及び流出ルーメン8bを有するカニューレ3を示す。カニューレは、近位端3aと遠位端3bとの間に流体入口8cを含みうる。カニューレの流体入口は、流出ルーメンに流体接続されうる。カニューレは、流出ルーメンに流体接続された2つ以上の流体入口を含みうる。流体入口は、可視化システムの使用中に廃棄流体を除去するために使用されうる。スコープの一部は、図16B及び図16Cに示されるように、流出ルーメン又は流入ルーメンに挿入されるように構成されうる。非透過性バリア9は、第1のルーメンを第2のルーメンから分離しうる。
【0090】
既存の流入流出(双方向)カニューレは、それらの流入のみの(一方向)対応物よりも直径が著しく厚い。既存の流入流出カニューレは、利用可能な空間を非効率的に使用する同軸ルーメンレイアウトを使用する。
【0091】
いくつかの実施形態において、カニューレ内の第1のルーメン及び第2のルーメンは平行に流れるルーメンでありうる。例えば、マルチルーメンは、図16Aに示されるように、同軸ではなく、並んで整列されうる。カニューレは例えば、従来の同軸ルーメンの代わりに、流体を運ぶための2つの平行なルーメンを含みうる。これは、カニューレの流動特性を向上でき、ルーメンがより小さい断面を有することを可能にし、それによってカニューレの全直径を縮小させる。加えて、平行な流体経路は、同軸レイアウトよりも高い断面積対周囲比をもたらしうる。この比は、カニューレの長さにわたる圧力ヘッド損失を予測しうる。このように、比を増加させることは、圧力ヘッド損失への影響を最小限にしながら、カニューレの全直径が減少されうることを意味しうる。
【0092】
いくつかの実施形態において、カニューレの直径は、カニューレの近位端3aから遠位端3bまで減少ように先細りでありうる。先細りのカニューレは、より良好な流動特性、より堅い本体(すなわち、曲げモーメントに対するより耐性がある)、及びより小さい可能な先端直径を提供しうる。例えば、図16Aに示されるように、カニューレの近位端における直径は6.5mmでありえ、カニューレの遠位端における直径は5mmでありうる。より狭い遠位先端を有することは、カニューレを横切る圧力ヘッド損失に大きく影響することなく遠位先端部におけるカニューレの直径をより小さくできるため、ルーメン内の流体の流動特性を保存しうる。例えば、カニューレの近位端における流体通路は、遠位端におけるそれらの収縮を部分的に補償するために開らかれうる。
【0093】
加えて、カニューレの遠位先端は、狭い空洞に嵌合できなければならず、一方、基部又は近位端の直径ははるかに緩い制限を有する。さらに、第1のルーメン及び第2のルーメンの断面積は、カニューレの近位端からカニューレの遠位端に向かって減少しうる。第1のルーメンの断面積は例えば、図16Bに示されるように、第2のルーメンの断面積と等しくありうる。いくつかの実施形態において、第1のルーメン及び第2のルーメンの設計は、図16Cに示されるものでありうる。図16Cに示されるように、流出ルーメン8bは弧の断面形状を有することができ、流入ルーメン8aは弧部分がその外周から除去された円の断面形状を有することができ、その外周は、その口の中に丸いペレットを有するパックマンのそれに似ている。本書に記載のカニューレは、他のオプションの中でも特に、形成、3D印刷、射出成形、レーザ切断、電鋳、及び/又は鋳造されうる。
【0094】
加えて、既存のカニューレ(例えば、金属カニューレ)は、カニューレ端部のシャンクを形成する細いチューブがある鋭利な先端を有するかもしれない。これらの先端はサンドダウンされたとしても、それらが通常構成する金属が非常に薄いため、鋭利なままでありうる。これらの鋭利な先端は、手技中にカメラが挿入される際に、患者の解剖学的構造(例えば、関節の滑らかな軟骨支持面)に損傷を引き起こす可能性がある。
【0095】
いくつかの実施形態において、カニューレの遠位端は、図18に示される丸みを帯びた先端3cのような丸みを帯びた先端を含みうる。既存のカニューレシステムはしばしば、手技中に患者の解剖学的構造(例えば、硝子軟骨)を引っかくか、他のようにして損傷する。これを回避するために、いくつかの既存のカニューレシステムは、オーバーモールドされたプラスチック先端をカニューレの先端の上に配置する。しかし、これは、より嵩張り、より厚い壁のカニューレをもたらし、ターゲットの解剖学的空間における操縦性を低減しうる。本書に記載されるカニューレは、カニューレの先端上の全ての鋭利な縁(例えば、少なくとも10ミクロン、20ミクロン、30ミクロン、40ミクロン、又は50ミクロンより大きい縁半径)を低減又は排除しうる。加えて、本書に記載されるカニューレは、スコープの縁のいずれかが患者の解剖学的構造と接触することを低減又は抑制するために、スコープ遠位先端の少なくとも一部の周りに巻き付きうる。いくつかの実施形態において、丸みを帯びた先端の一部は、スコープの一部がカニューレのルーメン内に挿入された場合に、スコープの遠位端2bの一部の周りに巻き付くように構成されうる。丸みを帯びた先端の一部は、スコープ及び/又はカメラからのいかなる照明も損なわず又は遮断することなく、スコープの遠位端の一部の周りに巻き付くように構成されうる。丸みを帯びた先端はスコープの縁を部分的に包み、それによって、患者の解剖学的構造に損傷を引き起こす可能性がある鋭利なスポットを排除し、任意の鋭利な縁がスコープに接触するのを低減/抑制しうる。丸みを帯びた先端は、カニューレの一体部分でありうる。これに代えて、丸みを帯びた先端は、カニューレの遠位端に取り付けられるか又は接続されるように構成されうる別個の構成要素でありうる。
【0096】
いくつかの実施形態において、可視化システムは流体マニホールド10を含みうる。いくつかの実施形態において、カニューレは流体マニホールドを備えうる。いくつかの実施形態において、スコープは流体マニホールドを備えうる。いくつかの実施形態において、カメラは流体マニホールドを備えうる。いくつかの実施形態において、流体マニホールドがそれ自体の構成要素でありうる。
【0097】
いくつかの実施形態において、流体マニホールドは、カメラ及びカニューレ(及びスコープ)に接続されるように構成されえ、流体マニホールドは、カメラの流体流入経路をカニューレの流入ルーメンに流体結合し、カメラの流体流出経路をカニューレの流出ルーメンに流体結合しうる。いくつかの実施形態において、流体マニホールドは、結合リングを介してカメラに接続されうる。
【0098】
図7A図7Bは、ユーザがカメラにスコープ及びカニューレをどのようにして取り付けることができるか実演する分解図を説明する。例えば、ユーザは、スコープをカニューレ及び流体マニホールドモジュールに挿入しうる。そして、ユーザは、スコープ及びカニューレをカメラに挿入しうる。結合リングを回転させ、結合ピン(位置決め機構)を流体マニホールドに切り込まれた溝の上方に駆動することによって、スコープ及びカニューレが所定の位置に固定されうる。
【0099】
カニューレは、流体マニホールドに回転可能に接続されるように構成されうる。流体マニホールドは、カニューレ/スコープが任意の回数、カメラに対して回転にしつつ、カメラとカニューレ/スコープとの間の1つ又は2つの独立した流路を可能にする。カメラ及び流体マニホールドは、スコープ及びカニューレが自由に回転する間、静止しうる。例えば、流体マニホールドは、静止しているカメラヘッドから、回転しているカニューレに流入する(流入経路10a)及び流出する(流出経路10b)流体を運ぶために使用される2チャネル「流体スリップリング」として機能しうる。マニホールドの流入経路10aは、カメラの流入経路4に流体接続されえ、マニホールドの流出経路10bは、カメラの流出経路5に流体接続されうる。加えて、マニホールドの流入経路10aは、カニューレの流入ルーメンに流体接続されえ、マニホールドの流出経路10bは、カニューレの流出ルーメンに流体接続されうる。いくつかの実施形態において、マニホールドの2つの流体流路は、カニューレがカメラに対してどのように回転されるかにかかわらず、常に分離されたままでありうる。いくつかの実施形態において、流体マニホールドは、カニューレ/スコープがカメラから切断されることを可能にできる。いくつかの実施形態において、流体マニホールドは、一方向カニューレ及び双方向カニューレの両方に互換性を有しうる。
【0100】
いくつかの実施形態において、流体マニホールドは、(遠位先端から近位端まで)そのz軸の周りにスピンしうる。例えば、図15の10bは、流出する流体がマニホールドを通過する経路を説明し、10aは、流入する流体の経路を説明する。マニホールドからの流体は、図15に示されるように、開口11から流入ルーメン及び流出ルーメンにカニューレを出入りしうる。この概念の動作は、油圧式スリップリングのそれと同様でありうる。図17A及び図17Bは、流体マニホールド10の別の例を説明する。これらの図に示されるように、流体マニホールド10はカニューレ3内に捕捉されうるが、そのz軸上で回転することが可能にされうる。この設計におけるシールを示すために黒色Oリング12が示されている。
【0101】
いくつかの実施形態において、カニューレは、カメラに対してカニューレを回転させるように構成されたカニューレの近位端上のカニューレ回転ガイド13を含みうる。カニューレ回転ガイドは、カニューレに取り付けられた別個の部分であるカニューレ回転ガイドではなく、一体成形カニューレを形成するカニューレの統合部分でありうる。カニューレ回転ガイドは、スコープの一部がカニューレのルーメン内に挿入された場合に、カニューレ及びスコープを回転させるように構成されうる。カニューレ回転ガイドは、スコープ及びカニューレがカメラに接続された場合に、カメラのすぐ遠位に位置付けられるように構成されうる。カニューレ回転ガイドの一部(例えば、回転タブ)は、スコープ及びカニューレがカメラに接続された場合に、カメラの遠位端と重なりうる。いくつかの実施形態において、カニューレ回転ガイドの一部(例えば、回転タブ)は、スコープ、カニューレ及び流体マニホールドがカメラに接続された場合に、流体マニホールドの遠位端と重なりうる。
【0102】
カニューレ回転ガイドは、少なくとも1つの人間工学的回転タブを含みうる。例えば、図4は、3つの人間工学的回転タブを含むカニューレ(又はスコープ)にカニューレ回転ガイドが組み込まれたカニューレを示す。ユーザは、カメラ(及び流体マニホールド)が静止したままである間に、スコープ/カニューレを(回転ガイドを用いて)回転させるために、カニューレ回転ガイドを保持又は操縦しうる。このようにして、カニューレ回転ガイドのユーザの操作は、カメラを保持しながら、DOVの片手回転を可能にしうる。これにより、他のツールを操作するために、ユーザの2つ目の手を解放しうる。
【0103】
流体管理チューブに加えて、セットアップの複雑さ及び/又はCOGSに光エンジンが追加されうる。対照的に、スコープ/カニューレ又はカメラ照明は、光エンジンの必要性を排除しうる。これは、結果として、可視化システムをより安価にし、より簡単にしうる。
【0104】
スコープ、カニューレ又はカメラは、照明のための光源を備えうる。言い換えれば、別個の光源が必要とされなくてもよい。これは、カメラに対して任意の回数、スコープを回転させる能力を維持しつつ、カメラ、カニューレ又はスコープに光源(すなわち、照明源)を組み込むことによって、光ファイバ光ガイドの必要性を取り除きうる。光ガイドは高価であり、踏みつけられたり、他の医療用カートにひかれたり、又はあまりに鋭く曲げられたりすることによって容易に損傷する。加えて、それらは急速に摩耗する。さらに、光ガイドをスコープに取り付けることは、ケーブルの垂れ下がる重量がスコープの望ましくない回転を引き起こす可能性があり、ユーザが微調整を試みているスコープの体積を追加するため、問題がある。この重量はまた、重力に対抗するために、カメラ設計者に、スコープ回転に追加の摩擦を加えさせうる。この制約がなければ、スコープを回転させることがより容易になりうる。
【0105】
光源は例えば、扱いにくいケーブルなしで医療手技中に照明を提供するために、スコープに接続されうる。例えば、図21は、スコープに接続されるように構成された光源の例を示す。光源は、医療手技中に照明を提供するためにスコープ上にクリップ又は接続されうるオートクレーブ可能パッケージ内に、光学アセンブリ30(例えば、LED)、バッテリ40、電源ボタン45、取り外し可能なバッテリアクセスキャップ50、及び/又は電源コントローラ35を含みうる。加えて、スコープ付き光源は、(図22A図Cに示されるように)複数のパドル又はウイング55を含むことができ、これは、近位に(及びわずかに横方向に)延在しえ、外科医がアセンブリ(したがって、スコープ自体)を回転させて、自分の視野を調整することを可能にする。このように、複数のパドルは、ユーザの片手によるスコープ及び光源アセンブリの回転を可能にするようにスコープ及び光源に接続されうる。パドルは、アセンブリを定位置に保持するためにスコープ本体の側面を把持するようにばね荷重され、回転自在であり、人間工学的タッチポイントとしての役割を果たすことができる。バッテリは、コントローラに電力を提供でき、コントローラは、充電状態を監視し、バッテリ電圧が低下しても一定の照明を保証する一定の電流をLEDに届けうる。コントローラは、LEDに電力を提供しうる。LEDは、その熱をスコープ2内に伝達するように設計された金属PCBに取り付けられうる。スコープを加熱することは、曇りを低減するのに有益でありうる。LEDからの光は、それを集束しスコープへの結合における光の損失を低減するハーフボールレンズのようなレンズを通過しうる。バッテリは、断熱されうる(例えば、オートクレーブの高温からそれを断熱するためのエアロゲルに包まれる)。近位端上のキャップ50は、交換又は充電のために、バッテリをデバイスから取り外すことを可能にしうる。手術野に電力及びLEDを含めることによって、スコープを使用する際にケーブル及びコンソールが排除されうる。これは、手術空間から雑然さを解消し、タワー上のコンソールの個数を低減しうる。滅菌可能にするために、光源のほとんどの構成要素は、オートクレーブの高温を扱うことができるように選択されうる。ハウジングは、ポリエーテルイミド、例えばウルテムのような高温耐性プラスチック材料から作られうる。光源は例えば、高温電子機器を含みうる。片手回転を可能にするために、光源の本体は、外科医の手に向かって戻って傾斜されうる。加えて、2つのパドルも外科医の手に向けられうる。1つの課題は、光ケーブルが回転することを可能にするように光支柱が設計されうるが、場合によってはクリップが光支柱の周りをユーザが回転することを望まないことであった。クランプウイング設計はこの回転を排除でき、また、デバイスをねじ込む必要性を排除しうる。代わりに、光源が絞られ、光支柱を光クリップに挿入しうる。光源はまた、低電力通知を提供しうる。例えば、コントローラは、どのくらいの充電が光源を通過したかを監視するように構成されうる。これに代えて又はこれに加えて、コントローラは、電圧を非常に高度に監視するように構成されうる。コントローラは、12ビットDACを使用して、アナログバッテリ電圧を、コントローラによって解釈されうる正確なデジタル測定値に変換しうる。これらの2つの情報が与えられると、充電状態が正確に計算されえ、電力が低くなった場合に、LEDの出力を点滅させることによって、ユーザに通知又は警告が提供されうる。
【0106】
例において、光源は、LED、レーザダイオード又は同様のソースでありうる。光源がカメラ内にある場合に、カメラとスコープ/カニューレとの間の光学的接続が使用されえ、これは、スコープがカメラに対して取り外されるか又は回転されることを可能にする。
【0107】
本書に開示されるこのシステムは、ユーザの作業ゾーン内の貴重な空間を占める可能性があるスコープ光支柱の必要性を排除又は低減しうる。光支柱を排除することにより、作業長さ(すなわち、スコープの遠位端からカニューレのシャンクの近位端までの距離)を犠牲にすることなく、スコープをより短くしうる。照明及び流体管理をスコープ/カメラ/カニューレ可視化システムに組み込むことにより、ユーザの手と視認ターゲットとの間の全体的な距離を、今日存在するシステムよりも著しく短くでき、それにより、操縦性を改善し、制御を増加させうる。図3では、作動長さはLOFF寸法によって識別されうる。本書に開示される可視化システムの作動長さは標準的な関節鏡と同じものを有しうるが、全長はかなり短くなりうる。本書に開示される可視化システムは、可視化システム機器/構成要素を保持し操縦するユーザの能力に影響を及ぼしうる、スコープ光軸からの正規直交突出を排除しうる。
【0108】
いくつかの実施形態において、光源は、スコープの近位端の近くに配置され、スコープの長さに沿ってその光を遠位端/先端に届ける光ファイバに結合されうる。他の実施形態は、チップオンチップを含みうる。いくつかの実施形態において、光は、スコープ内の光ファイバ、カニューレ内の光ファイバ、スコープ又はカニューレの先端上の光源、及び/又は光パイプとして作用する透明カニューレを介して、可視化システムの遠位端に運ばれうる。いくつかの実施形態において、光源は、カメラ又はスコープとは対照的に、スコープに統合されうる。これにより、スコープとカメラとの間の接合部における結合損失を回避でき、カニューレをより安価に製造しうる。
【0109】
いくつかの実施形態において、カメラと、カメラに接続された処理ユニット及び/又は電源ユニットとの間の既存の電気接続によって給電される、カメラ、スコープ、又はカニューレに搭載された電気駆動源を含むことによって、光ガイドが排除されうる。光源がスコープ/カニューレ内にある場合に、ワイヤレス電力は、カメラからスコープに伝達され、有線電気接続から妨害されることなく、スコープが取り外されるか又は回転されることを可能しうる。
【0110】
いくつかの実施形態において、スコープ及び/又はカニューレは、ワイヤレスで互いに電気的に結合されるように構成されうる。言い換えれば、スコープ/カニューレとカメラとの間に電気接点がなくてもよい。スコープ及びカメラは例えば、ワイヤレスで誘導結合を介して互いに電気的に結合されるように構成されうる。スコープ及び/又はカニューレにワイヤレス電力を提供することによって、スコープに統合された電気駆動光源、ならびにスコープ及び/又はカニューレ内の他の電力消費デバイスの使用が容易になりうる。加えて、カメラとスコープ/カニューレとの間の誘導又は他のワイヤレス電力伝送は、供給される電力を中断することなくスコープ/カニューレが任意の回数、回転されることを可能にしつつ、スコープ/カニューレに統合されたエネルギー消費デバイスに給電しうる。スコープ/カニューレ内の電力はまた、他のエネルギー消費デバイス(例えば、スコープの曇りを排除するための小型ヒータ、スコープの使用を識別し追跡する電子機器、超音波先端洗浄、圧力感知など)に給電するために使用されうる。本書に開示される可視化システムは、スコープに電力を送達でき、一方、スコープは電力送達に影響を及ぼすことなく、カメラに対して任意の回数、回転でき、スコープは、切断され、カメラに再接続されえ、スコープとカメラとの間に電気接点がない。
【0111】
図9は、流体管理及びスコープ固定機構の空間制約に加えて、カメラとスコープとの間のワイヤレス電力伝送の例を説明する。例えば、図9図13は、誘導結合のためのコイルがカメラ及びスコープにどのように組み込まれうるかを示す。誘導結合の使用は、カニューレ、スコープ及びカメラに使用されうる材料を制限しうる。加えて、カメラはカメラの遠位端にカメラ前方プレートを有してもよく、スコープは、その近位端に近位スコープ端を有してもよい。カメラ前方プレートと近位スコープ端との両方は、誘導結合のためのコイルを収容しうる。加えて、誘導エネルギーを渦電流として消散させないように、カメラ前方プレートと近位スコープ端との両方が非導電性材料で作られてもよい。
【0112】
いくつかの実施形態において、誘導結合は、図13に示されるように、カメラ及びスコープの密封されたセクションに収容されうる。いくつかの実施形態において、誘導結合は、図11図12に示されるカメラの密封部分の外側の非導電性プラスチックキャップの後ろに埋め込まれうる。
【0113】
可視化システムは、図20A~Bに示されるような防曇システムを含みうる。防曇システムは、スコープとカメラとの間の空間を清浄な生理食塩液で満たすことによって達成されうる。清浄な生理食塩水は、これらの図に示されるシステムのスコープとカメラ窓との間に流されうる。加えて、これらの窓の間の空間に常に流体が残ることを確実にするのに、吸湿コーティング又は表面処理も役立ちうる。
【0114】
本書で説明されるように、可視化システムは、使用中にユーザに多くの利点を提供しうる。ユーザは、流体管理チューブをポンプ及びカメラの後部に接続することによって、可視化システムを使用してもよい。統合された照明を有するスコープが接続されえ、流入/流出カニューレがスコープの上部に接続されうる。そして、カニューレ及びスコープの遠位先端が患者に挿入され、ユーザは、解剖学的空洞内部の明瞭な視野を確保するために、流体流入及び流出をオンにしてもよい。ユーザは、組織を評価し手術を計画するためにDOVを回転させるように自分の把持手でスコープを操ってもよい。加えて、その後、ユーザは、解剖学的構造の周りで操縦し、DOVを操ることによって、手術を実行してもよい。
【0115】
明瞭さ及び簡潔な説明のために、同一の又は別個の実施形態の一部として本書で特徴が説明されるが、本開示の範囲は、説明される特徴のすべて又はいくつかの組合せを有する実施形態を含むことが理解されよう。
【0116】
定義
そうでないと定義されない限り、本書で使用されるすべての技術用語、表記、ならびに他の技術用語及び科学用語又は用語は、特許請求される主題が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有することが意図される。いくつかの場合において、一般に理解される意味を有する用語は明確にするため及び/又は容易に参照するために本書において定義され、本書におけるそのような定義の包含は必ずしも、当技術分野において一般に理解されるものに対して実質的な差異を表すと解釈されるべきではない。
【0117】
本書における値又はパラメータの「約」への言及は、その値又はパラメータ自体を対象とする変動を含む(及び記載する)。例えば、「約X」に言及する記載は、「X」の記載を含む。加えて、「未満」、「より大きい」、「高々」、「少なくとも」、「以下」、「以上」、「以上」との文言、又は他の同様の文言に続く値又はパラメータの文字列への言及は、文言を値又はパラメータの文字列中の各値又はパラメータに適用することを意味する。
【0118】
本書で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈で明らかにそうでないと示されない限り、複数形も同様に含むことが意図される。本書で使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上の任意の及びすべての可能な組合せを指し、それらを包含することも理解されよう。「含む(includes)」、「含んでいる(including)」「備える(comprises)」、及び/又は「備えている(comprising)」との用語は、本書で使用される場合に、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はユニットの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、ユニット、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排斥しないことがさらに理解されよう。
【0119】
本開示の特定の態様は、アルゴリズムの形成で本書に記載されるプロセスステップ及び命令を含む。本開示のプロセスステップ及び命令はソフトウェア、ファームウェア又はハードウェアで具現化されえ、ソフトウェアで具現化される場合に、様々なオペレーティングシステムによって使用される異なるプラットフォーム上に常駐し、異なるプラットフォームから動作させるためにダウンロードされうることに留意されたい。以下の説明からそうではないことが特に明白でない限り、説明全体を通して、「処理する(processing)」、「演算する(computing)」、「計算する(calculating)」、「判定する(determining)」、「表示する(displaying)」、「生成する(generating)」などの用語を利用する説明は、コンピュータシステムメモリ又はレジスタ又は他のそのような情報記憶、送信、又は表示デバイス内の物理(電子)量として表されるデータを操作及び変換する、コンピュータシステム又は同様の電子コンピューティングデバイスの動作及びプロセスを指すことを理解されたい。
【0120】
いくつかの実施形態における本開示はまた、本書における動作を実行するためのデバイスに関する。このデバイスは、必要な目的のために特別に構成されてもよく、又はコンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に起動又は再構成された汎用コンピュータを含んでもよい。そのようなコンピュータプログラムは、フロッピーディスク、USBフラッシュドライブ、外部ハードドライブ、光ディスク、CD-ROM、光磁気ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気又は光カード、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は電子命令を記憶するのに適した任意のタイプの媒体を含むがこれらに限定されない非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、それぞれがコンピュータシステムバスに接続される。さらに、本明細書で言及されるコンピューティングシステムは、異なる機能を実行するため、又はコンピューティング能力を高めるためなど、複数のプロセッサ設計を採用するアーキテクチャであってもよい。適切なプロセッサは、中央演算処理ユニット(CPU)、グラフィカル処理ユニット(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)及びASICを含む。
【0121】
本書で説明される方法、デバイス及びシステムは、任意の特定のコンピュータ又は他の装置に本質的に関連するものではない。様々な汎用システムが本書の教示に従うプログラムと共に使用されてもよく、又は、必要な方法ステップを実行するために、より特化された装置を構築することが便利であることが分かってもよい。様々なこれらのシステムの構造は、上記の説明から明らかでありうる。加えて、本開示は、任意の特定のプログラミング言語を参照して説明されない。様々なプログラミング言語が、本書に記載される本発明の教示を実施するために使用されうることが理解されよう。
【0122】
この出願は、テキスト及び図におけるいくつかの数値範囲を開示する。開示された数値範囲は本質的に、端点を含む開示された数値範囲内の任意の範囲又は値を支持するが、本開示は開示された数値範囲全体にわたって実施されうるため、厳密な範囲の限定は本書において逐語的に述べられていない。
【0123】
上記の説明は、当業者が本開示を作成及び使用することを可能にするために提示され、特定の用途及びその要件の文脈において提供される。好ましい実施形態に対する種々の変形が当業者には容易に明らかであり、本書で規定される一般原理は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び用途に適用されてもよい。よって、この開示は、示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本書に開示される原理及び特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図21
図22A
図22B
図22C
【国際調査報告】