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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】ワイパーシステム
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/46 20060101AFI20240403BHJP
   B60S 1/38 20060101ALI20240403BHJP
   B60S 1/52 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
B60S1/46 D
B60S1/38 B
B60S1/52
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566559
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2022061308
(87)【国際公開番号】W WO2022229307
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】2104516
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン、ペレ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、シャサーニュ
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック、ブルタグノル
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AC01
3D225AC02
3D225AD02
3D225AE11
3D225AG78
(57)【要約】
本発明は、ワイパーシステムのワイパーブレードであって、前記ワイパーブレードは、縦方向(L)において延びるとともに、前記縦方向において延びる少なくとも1つのワイパーストリップを備え、前記ワイパーブレードは、前記ワイパーブレード内で縦方向に延びる第1流体が通流するための第1チャネル(78)および第2流体が通流するため第2チャネル(80)と、前記チャネル(78、80)間で延びて前記第1チャネルを前記第2チャネルに流体的に接続する接続チャネル(82)と、を備え、前記ワイパーブレードは、前記第2チャネルを通流する前記第2流体を前記第1チャネルを通流する前記第1流体に注入するように構成された少なくとも1つの注入装置(88)を備え、前記注入装置は、前記接続チャネルに少なくとも部分的に配置されることを特徴とするワイパーブレードに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパーシステム(6)のワイパーブレード(14)であって、前記ワイパーブレード(14)は、縦方向(L)において延びるとともに、前記縦方向(L)において延びる少なくとも1つのワイパーゴム(34)と前記ワイパーブレード(14)を前記ワイパーシステム(6)のアーム(10)に接続することが意図された接続装置(16)と、を備え、
前記ワイパーブレード(14)は、前記ワイパーブレード(14)内で前記縦方向(L)において延びる第1流体用の第1フローチャネル(78)および第2流体用の第2フローチャネル(80)と、前記チャネル(78、80)間で延びて前記第1チャネル(78)を前記第2チャネル(80)に流体的に接続する連結チャネル(82)と、を備えるワイパーブレード(14)において、
前記ワイパーブレード(14)は、前記第2チャネル(80)を流れる前記第2流体を前記第1チャネル(78)を流れる前記第1流体に注入するように設計された少なくとも1つの注入装置(88)を備え、
前記注入装置(88)は、前記連結チャネル(82)内に少なくとも部分的に配置される、
ことを特徴とするワイパーブレード(14)。
【請求項2】
前記ワイパーブレード(14)は、前記縦方向(L)において延びる少なくとも1つの空気デフレクタ(60)を備え、
前記第1チャネル(78)は、前記デフレクタ(60)内に少なくとも部分的に形成される、
請求項1に記載のワイパーブレード(14)。
【請求項3】
前記ワイパーブレード(14)は、前記ワイパーブレード(14)の縦方向端部(30、32)に配置された前記ワイパーブレード(14)の少なくとも1つの端部部材(76)を備え、
前記第1チャネル(30)および前記第2チャネル(32)は、前記端部部材(76)内において少なくとも部分的に延び、
前記端部部材(76)は、前記連結チャネル(82)および前記注入装置(88)を少なくとも部分的に備える、
請求項1および2のいずれか一項に記載のワイパーブレード(14)。
【請求項4】
前記接続装置(16)は、前記連結チャネル(82)および前記注入装置(88)を少なくとも部分的に備える、
請求項1および2のいずれか一項に記載のワイパーブレード(14)。
【請求項5】
前記接続装置(16)は、少なくとも1つのコネクタ(20)と、前記コネクタ(20)に回転可能に装着されたアダプタ(22)と、を備え、
前記コネクタ(20)は、前記連結チャネル(82)および前記注入装置(88)を少なくとも備える、
請求項4に記載のワイパーブレード(14)。
【請求項6】
前記注入装置(88)は、少なくとも1つの弁(90)と、前記弁(90)の少なくとも1つの弁座(92)と、前記弁(90)を前記弁座(92)に対して付勢する少なくとも1つの弾性復帰部材(94)と、を備える、
請求項1~5のいずれか一項に記載のワイパーブレード(14)。
【請求項7】
前記注入装置(88)は、前記連結チャネル(82)の断面(S)の減縮部により形成される注入体(96)を備える、
請求項1~6のいずれか一項に記載のワイパーブレード(14)。
【請求項8】
前記接続装置(16)を使用して請求項1~7のいずれか一項に記載のワイパーブレード(14)を支持する少なくとも1つのワイパーアーム(10)を備える、車両(1)のガラス面(8)用のワイパーシステム(6)。
【請求項9】
前記ワイパーシステム(6)は、前記第1流体を収容することが意図された少なくとも1つのタンク(106)と、前記タンク(106)を前記コネクタ(20)の第1入口(102)に接続する第1回路(110)において前記第1流体を通流させるための通流ポンプ(108)と、を備えるとともに、
前記ワイパーシステム(6)は、前記第2流体を加圧するための少なくとも1つの加圧部材(112)であって、第2回路(114)により前記コネクタ(20)の第2入口(104)に接続する加圧部材(112)を備える、
請求項8に記載のワイパーシステム(6)。
【請求項10】
第1ステップにおいて、前記ポンプ(108)を起動して、前記第1流体を前記タンク(106)から前記連結チャネル(82)に通流させ、
第2ステップにおいて、前記第2流体を加圧するための前記加圧部材(112)を起動して、前記第2フローチャネル(80)内の前記第2流体と前記第1チャネル(78)内の前記第1流体とを、前記注入装置(88)を使用して混ぜ合わせ、
前記第2ステップは、前記第1ステップの後に実施される、
請求項8および9のいずれか一項に記載のワイパーシステム(6)の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両のガラス面を払拭することが意図されたワイパーシステムに関する。より具体的には、本発明は、洗浄流体を関連するガラス面に噴射することを可能にするワイパーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的に、自動車に取り付けられることが意図されたワイパーシステムは、自動車のフロントガラス等のガラス面に接触するように設計された少なくとも1つのワイパーブレードと、ワイパーブレードを回転駆動するように設計された少なくとも1つのワイパーアームと、を備えている。ワイパーは、従来的に通常ゴムから構成されたワイパーゴムであって、水および/または汚れをドライバーの視界から除去するために車両のガラス面をこするように設計されたワイパーゴムを備えている。ワイパーブレードは、モータにより角度を付けた往復移動で駆動されるアームに支持されている。
【0003】
ガラス面上でのワイパーブレードの洗浄効率を向上させるため、現在使用されているワイパーシステムに、洗浄液を払拭すべきガラス面に噴射するように設計された洗浄液を噴射するためのシステムを組み込むことが知られている。しかしながら、既知のワイパーブレードには、相当量の洗浄液を消費する一方で、ガラス面の最適な濡れ性を提供しないという点で改善の余地がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、この問題に対処するものであり、より効率的なワイパーフレーム、すなわち、ガラス面を洗浄するのに必要な洗浄液の量を低減させつつ、洗浄すべきガラス面のより良好な濡れ性を提供するワイパーフレームを提供することにより、上述の欠点を克服することを意図している。
【0005】
したがって本発明は、ワイパーシステムのワイパーブレードであって、前記ワイパーブレードは、縦方向において延びるとともに、前記縦方向において延びる少なくとも1つのワイパーゴムと前記ワイパーブレードを前記ワイパーシステムのアームに接続することが意図された接続装置と、を備え、前記ワイパーブレードは、前記ワイパーブレード内で前記縦方向において延びる第1流体用の第1フローチャネルおよび第2流体用の第2フローチャネルと、前記チャネル間で延びて前記第1チャネルを前記第2チャネルに流体的に接続する連結チャネルと、を備えるワイパーブレードにおいて、前記ワイパーブレードは、前記第2チャネルを流れる前記第2流体を前記第1チャネルを流れる前記第1流体に注入するように設計された少なくとも1つの注入装置を備え、前記注入装置は、前記連結チャネル内に少なくとも部分的に配置される、ことを特徴とするワイパーブレードに関する。
【0006】
ワイパーシステムは、例えば自動車である車両において、前記車両のガラス面を洗浄するために使用され得る。ワイパーシステムは、車両の電気モータにより回転駆動されるアームを備えている。アームは、それに接続装置により堅固に接続したワイパーブレードの回転運動をガラス面に対して提供する。これにより、ワイパーブレードに支持されたゴムが、前記ガラス面から、当該面に堆積した雨滴および/または固体破片を除去する。
【0007】
第1チャネルおよび第2チャネルそれぞれにより、例えば洗浄液である第1流体、および、例えば気体である第2流体のワイパーブレード内での通流が可能とされる。ワイパーブレードは、ワイパーブレードの縦方向において互いに対向して配置された第1縦方向端部および第2縦方向端部を有する。第1チャネルおよび第2チャネルは、前記ワイパーブレードの一方の縦方向端部から他方の縦方向端部に延びる。
【0008】
第1フローチャネルは、噴射システムに流体的に接続し得る。噴射システムは、第1チャネルおよび前記ワイパーブレードの外部環境と流体連通する複数の噴射オリフィスであってガラス面に向かうようにワイパーブレードに形成された噴射オリフィスを使用して、少なくとも第1流体を車両のガラス面に噴霧させ得る。
【0009】
連結チャネルは、第2流体を第1流体を含む第1チャネル内に噴霧するように設計された注入装置を介して、第1チャネルと第2チャネルとの流体連通を提供する。より具体的には、本発明の例によれば、注入装置は、第2流体を形成する気体を、第1流体を形成する洗浄液に注入するように設計される。
【0010】
第2流体の第1流体への注入は、第1流体を、前記流体がガラス面に噴射される前に発泡させるように利用される。第1チャネルと流体連通する噴射システムは、第1流体と第2流体とを含む混合物をガラス面に対して噴射するように設計される。これにより、前記ガラス面を洗浄するのに必要な第1流体の量が低減されるとともに、ガラス面の濡れ性が向上する。
【0011】
本発明の1つの特徴によれば、前記ワイパーブレードは、前記縦方向において延びる少なくとも1つの空気デフレクタを備え、前記第1チャネルは、前記デフレクタ内に少なくとも部分的に形成される。
有利には、第1チャネルおよび第2チャネルは、デフレクタ内に少なくとも部分的に形成される。
【0012】
特に、デフレクタは、以下のように配置される偏向面を備える。すなわち、偏向面は、車両の移動中に空気流を横切るように設置される。したがって、デフレクタは、偏向面を利用して、ガラス面に対するワイパーブレードの付勢を良好にする。本発明の一例によれば、ワイパーブレードは、ワイパーブレードの縦方向において接続装置の両側に各々配置される2つのデフレクタを有する。したがって、第1空気デフレクタが、接続装置とワイパーブレードの第1縦方向端部との間で延び、第2空気デフレクタが、接続装置とワイパーブレードの第2縦方向端部との間で延びる。さらに、第1チャネルおよび第2チャネルは、第1デフレクタおよび第2デフレクタ内で縦方向に延びる。
【0013】
本発明の1つの特徴によれば、前記ワイパーブレードは、前記ワイパーブレードの縦方向端部に配置された前記ワイパーブレードの少なくとも1つの端部部材を備え、前記第1チャネルおよび前記第2チャネルは、前記端部部材内において少なくとも部分的に延び、
前記端部部材は、前記連結チャネルおよび前記注入装置を少なくとも部分的に備える。
【0014】
本発明の一例によれば、エンドピースとも称される端部部材は、ワイパーブレードの第1縦方向端部に配置される。第1チャネルおよび第2チャネルは、第1デフレクタ、およびワイパーブレードの前記第1縦方向端部に配置される端部部材に、少なくとも部分的に形成される。第2流体は、端部部材内の注入装置により、第1流体に注入される。
【0015】
本発明の一例によれば、ワイパーブレードは、ワイパーブレードの第1縦方向端部および第2縦方向端部にそれぞれ配置された第1端部部材および第2端部部材を備え得る。第1端部部材、第2端部部材のいずれかが、連結チャネルおよび注入装置を備え得る。
【0016】
本発明の代替実施形態によれば、前記接続装置は、前記連結チャネルおよび前記注入装置を少なくとも部分的に備える。
【0017】
本発明のこの代替実施形態によれば、前記接続装置は、少なくとも1つのコネクタと、前記コネクタに回転可能に装着されたアダプタと、を備え、前記コネクタは、前記連結チャネルおよび前記注入装置を少なくとも備える。
【0018】
コネクタは、ワイパーブレードを支持するとともに、後者に回転可能に装着されたアダプタを受容する。本発明のこの代替実施形態において、第2流体は、コネクタ内で第1流体に注入される。したがって、本発明のこの例によれば、第1チャネルのみが、ワイパーブレードの縦方向端部まで延び、第2チャネルは、コネクタ内でしか延びない。コネクタ内で、第2チャネルは、第1チャネルに同様に流体的に接続する連結チャネルに接合する。
【0019】
本発明の1つの特徴によれば、前記注入装置は、少なくとも1つの弁と、前記弁の少なくとも1つの弁座と、前記弁を前記弁座に対して付勢する少なくとも1つの弾性復帰部材と、を備える。
【0020】
弾性復帰部材は、破損することなく変形し、その後非変形状態に復帰するように設計されている。弾性復帰部材は、例えばバネであり得る。弾性復帰部材は、弁に堅固に接続し得るが、これは必須ではない。したがって、非変形状態において、弾性復帰部材は、弁を関連する弁座に対して付勢することにより、第2流体が連結チャネルに流入することを防止する。逆に、弾性復帰部材が変形位置にある場合、弁は、第2流体の圧力下において弁座から離れるように移動し得るため、第2流体は連結チャネルおよび第1チャネルに流入することができる。
【0021】
本発明の1つの特徴によれば、前記注入装置は、前記連結チャネルの断面の減縮部により形成される注入体を備える。
【0022】
特に、注入体は、第1チャネルと連結チャネルとの間の制限部に形成される。連結チャネルの減縮断面により、注入体は、第2流体の第1流体への注入速度を増加させることができるため、第1チャネルにおける前記流体同士の均一な混合が可能とされるとともに発泡が促進される。また、減縮断面により増加した注入速度により、第2流体は、ワイパーブレードの両方の縦方向端部に到達することができるため、発泡が全ガラス面上で生じる。これにより、噴射システムを使用して混合物をガラス面に噴射する前に、確実に第2流体を第1流体内に均一に分散させることができる。
【0023】
本発明の1つの特徴によれば、接続装置は、第1チャネルに接続する第1入口と、第2チャネルに接続する第2入口と、を少なくとも備える。第1入口および第2入口は、第1チャネルおよび第2チャネルにそれぞれ流体的に接続する。有利には、第1入口および第2入口は、接続装置のコネクタに形成される。
【0024】
本発明の1つの特徴によれば、ワイパーブレードは、ワイパーブレードに沿って分散配置された複数の噴射オリフィスを備える少なくとも1つの噴射システムを有する。噴射システムは、第1チャネルに接続している。
【0025】
噴射システムにより、第1チャネル内の第1流体と第2流体との混合物を、ガラス面に噴射することができる。
【0026】
また、本発明は、前記接続装置により上述の特徴のうちのいずれか1つによるワイパーブレードを支持する少なくとも1つのワイパーアームを備える、車両のガラス面用のワイパーシステムに関する。
【0027】
ワイパーシステムの1つの特徴によれば、前記ワイパーシステムは、前記第1流体を収容することが意図された少なくとも1つのタンクと、前記タンクを前記コネクタの第1入口に接続する第1回路において前記第1流体を通流させるための通流ポンプと、を備えるとともに、前記ワイパーシステムは、前記第2流体を加圧するための少なくとも1つの加圧部材であって、第2回路により前記コネクタの第2入口に接続する加圧部材を備える。
【0028】
タンクは、洗浄液を収容することが意図されている。一方、加圧部材により、第2回路および第2チャネル内の、本例では空気である気体が加圧され得る。さらに、加圧部材は、ワイパーシステムの使用中に、前記ワイパーシステムの外部環境から空気を吸引することにより、空気を第1チャネルに供給する。
【0029】
ワイパーシステムの1つの特徴によれば、第1回路は、第2流体が前記第1回路に流入することを防止する少なくとも1つのブロック部材を備える。ブロック部材は、第1回路においてポンプとコネクタの第1入口との間に配置されて、第1流体を収容するタンクに第2流体が逆流することを防止する。
【0030】
ワイパーシステムの1つの特徴によれば、第2チャネルは、第1流体が第2チャネルに流入することを防止する少なくとも1つのストッパ部材を備える。
【0031】
ストッパ部材は、第1流体の第2チャネルへの逆流を防止すること、および第2流体の連結チャネルへの流入を妨げることを支援する。逆流や流入は、ワイパーシステムにダメージを与え得る。
【0032】
ワイパーシステムの1つの特徴によれば、第1流体は液体であり、第2流体は気体である。特に、第1流体は洗浄液であり、第2流体は空気である。
【0033】
また、本発明は、第1ステップにおいて、前記ポンプを起動して、前記第1流体を前記タンクから前記連結チャネルに通流させ、第2ステップにおいて、前記第2流体を加圧するための前記加圧部材を起動して、前記第2フローチャネル内の前記第2流体と前記第1チャネル内の前記第1流体とを、前記注入装置を使用して混ぜ合わせ、前記第2ステップは、前記第1ステップの後に実施される、上述の特徴のうちのいずれか1つによるワイパーシステムの使用方法に関する。
【0034】
本方法の第2ステップは、第1流体が連結チャネルへ流入することを第2流体が妨げないように、第1ステップの後に実施されなければならない。さらに、このような方法により、第2流体は第1流体と混ぜ合わされることにより、第1流体の洗浄能力を低下させることなく、より少ない量の第1流体をガラス面に対して噴射することができる。換言すれば、ワイパーシステムの使用方法は、ガラス面への噴射前に第1チャネル内で泡を作ることで、第1流体の使用量を低減しつつガラス面の濡れ性を向上させるのに役立つ。
【0035】
本発明のさらなる特徴、詳細および利点は、図面を参照しつつ以下になされる例示としての説明を読むことで、より明瞭になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、本発明による少なくとも1つのワイパーシステムを備える自動車の正面図である。
図2図2は、接続装置を使用してワイパーアームに接続されたワイパーブレードを示す、図1のワイパーシステムの少なくとも一部の斜視図である。
図3図3は、第1流体用の第1フローチャネルおよび第2流体用の第2フローチャネルを示す、図2のワイパーブレードの断面図である。
図4図4は、第1チャネルと第2チャネルと間に少なくとも1つの連結チャネルを備えるワイパーブレードの端部部材の断面図である。
図5図5は、接続装置のコネクタおよびアダプタを示す図2のワイパーブレードの断面図である。
図6図6は、第1チャネルに接続するタンクおよびポンプと、第2チャネルに接続する加圧部材とを少なくとも備える図1のワイパーシステムの概略図である。
図7図7は、連結チャネルおよび注入装置が接続装置のコネクタに形成された図1のワイパーシステムの代替実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
まず最初に、図面は本発明をその実施のために詳細に示すものであることに留意されたい。必要な場合には、これらの図面が本発明をより良好に定義するために使用され得ることを理解されたい。また、これらの図面は、本発明の例示的な実施形態を示すに過ぎないことにも留意されたい。最後に、図面を通して同一の参照符号は同一の要素を指す。
【0038】
図1は、少なくとも本体2と4つのホイール(うち2つはここでは見えない)とを備える、本例において自動車である車両1を示す。前記ホイール4は、車両1を移動させるために使用される。また、車両1は、本例においてフロントガラス8であるガラス面8を洗浄するための少なくとも1つのワイパーシステム6であって、例えば雨天時に車両1の前方の道路におけるドライバーの視界を改良すること、または前記ガラス面に付着した固形物を除去することを目的とするワイパーシステム6を有している。
【0039】
図2に少なくとも部分的に示すワイパーシステム6は、本例では縦方向Lである主方向において延びるとともに、少なくとも1つのワイパーアーム10を有している。ワイパーアーム10は、接続装置16を使用してワイパーブレード14を支持する少なくとも1つの自由端部12と、ワイパーシステム6の縦方向Lにおいて自由端部12の反対側にある連結端部18であって、車両に接続する連結端部18と、を備えている。アーム10もワイパーブレード14も、本例では縦方向Lであるワイパーシステム6の方向と同一の主長手方向において延びている。また、ワイパーブレード14は、特にワイパーアーム10により車両のガラス面に接触して回転駆動するように適合されている。前記アームは、車両に支持された例えば電気モータであるモータ(図示せず)に回転連結している。
【0040】
ワイパーブレード14をアーム10の自由端部12に連結するために使用される接続装置16は、ワイパーブレード14を支持するコネクタ20と、コネクタ20に回転可能に装着されたアダプタ22と、を備えている。アダプタ22は、例えば、アーム10の自由端部12に形成されたヨーク24と協働するように設計されている。コネクタ20は、特に、ワイパーブレード14に、前記ワイパーブレード14の縦方向Lにおいて実質的に中央に配置されている。カバー26が接続装置16を覆って、コネクタ20とアダプタ22との間に存在し得る外部要素に対する機械的保護を提供することもできる。
【0041】
図2および図3に示すワイパーブレード14は、第1縦方向端部30と第2縦方向端部32との間で縦方向において延びる構造支持体28であって、例えばゴムから構成されるワイパーゴム34と少なくとも1つの補強スパイン36とを支持するように設計された構造支持体28を備えている。補強スパイン36は、ワイパーゴム34をガラス面に対して付勢するのに必要な曲げを可能としつつ、ワイパーブレード14を補強するためのものである。本発明の一例によれば、ワイパーブレード14は、単一の補強スパイン36、または共通平面に配置された2つの補強スパイン36を備え得る。したがって、補強スパイン36は、構造支持体28の第1縦方向端部30と第2縦方向端部32との間で縦方向に延びて、特にコネクタにおける接続装置16を通過している。同様に、ワイパーゴム34は、ワイパーブレード14の構造支持体28の第1縦方向端部30と第2縦方向端部32との間で縦方向に延びている。構造支持体28は、平面L、Tにおいて主として延びる少なくとも1つのプラトー38を備えている。前記プラトー38は、補強スパイン36に接触する上面40と、ワイパーゴム34に対面する下面42と、を少なくとも備えている。構造支持体28は、補強スパイン36とワイパーゴム34との機械的連結を提供する部材である。
【0042】
構造部材38は、プラトー38から延びる第1保持部材44aおよび第2保持部材44bであって、少なくとも1つの補強スパイン36を把持することを可能にする第1保持部材44aおよび第2保持部材44bを備えている。より具体的には、第1保持部材44aおよび第2保持部材44bは、少なくとも1つの補強スパイン36を構造支持体28に連結する爪を形成している。第2部分48が、第1部分46の各々を垂直方向に延長することにより、第2部分48は少なくとも1つの補強スパイン36上に折り曲げられている。少なくとも1つの補強スパイン36上に折り曲げられたこれらの爪により、前記補強スパインと構造支持体28との移動が、ワイパーブレード14の縦方向Lおよび横方向Tに対して垂直な鉛直方向V、および横方向Tにおいて防止される。
【0043】
補強スパイン36の反対側の構造支持体28の下部は、ワイパーシステム6のワイパーゴム34を支持するように設計されている。この目的のために、2つのフィンガ50が、主に縦方向Lにおいて延びるとともに、補強スパイン36の反対側でプラトー38から垂直方向に出現している。各フィンガ50は、フィンガ端部52を有している。フィンガ端部52は、他方のフィンガ端部52に向かって垂直方向に折り曲げられることにより、ワイパーゴム34のヒール56用のシート54が形成されている。換言すれば、フィンガ端部52の各々は、フィンガ50の一方から実質的に垂直方向に延びて、ヒール56がワイパーゴム34から鉛直方向Vにおいて外れることを防止している。車両のガラス面に接触することが意図されたワイパーゴム34のリップ58は、ワイパーゴム34のヒール56の反対側で延びている。
【0044】
また、ワイパーブレード14は、偏向面62を備える少なくとも1つのデフレクタ60を有し得る。前記デフレクタ60は、ワイパーブレード14の構造支持体28に接続している。本発明の図示例によれば、ワイパーブレード14は、接続装置16の、特にコネクタ20の両側において直列に整列した2つのデフレクタ60を有している。デフレクタ60の各々は、接続装置16から、ワイパーブレード14の第1縦方向端部30および第2縦方向端部32のいずれかに延びている。デフレクタ60の各々の偏向面62は、ワイパーシステム6が車両に設置された場合に、偏向面62が車両の移動中の空気流の経路を横切って延びるように設計されている。デフレクタ60は、偏向面62で生じる空気流の力を利用して、ガラス面に対するワイパーブレード14の付勢を良好にすることが意図されている。
【0045】
デフレクタ60をワイパーブレード14の構造支持体28に堅固に接続するために、前記構造支持体28は、デフレクタ60を固定する係合ゾーンを形成するように設計された第1ラグ64aおよび第2ラグ64bを有している。第1ラグ64aおよび第2ラグ64bは、構造支持体28のフィンガ50から実質的に垂直方向に、かつ互いから反対方向に、構造支持体28の外側の環境に向かって各々延びている。ラグ64a、64bの各々は、ラグ64a、64bから実質的に垂直方向に、ワイパーブレード14の構造支持体28のプラトー38に向かって延びる隆起縁部66であって、デフレクタ60の一部を受容するキャビティ68を形成する隆起縁部66を有している。
【0046】
より具体的には、デフレクタ60は、少なくともワイパーブレード14の補強スパイン36を覆う少なくとも1つのベース70を有している。ベース70から、偏向面62がワイパーブレード14の構造支持体28の反対側に、実質的に垂直方向に延びている。デフレクタ60は、ベース70の自由横方向端部から実質的に垂直方向に各々延びる第1側壁72aおよび第2側壁72bをさらに備えている。より具体的には、第1側壁72aおよび第2側壁72bは、補強スパイン36の第1保持部材44aおよび第2保持部材44bそれぞれの反対側に延びている。また、側壁72a、72bは、縦方向Lにおいて、デフレクタ60の全長に亘って延びている。
【0047】
第1側壁72aおよび第2側壁72bは、そのそれぞれの自由端部において、第1歯74aおよび第2歯74bにより延長されている。第1歯74aおよび第2歯74bは、側壁72a、72bの一方の端部から、ワイパーゴム34に向かって実質的に垂直方向に各々延びている。さらに、上述のことを考慮すると、第1歯74aおよび第2歯74bは、ラグ64a、64bとプラトー38とラグ64a、64bの隆起縁部66の各々とにより画定されたスペースに着座するように設計されている。これにより、デフレクタ60の位置が、ワイパーブレード14の鉛直方向Vおよび横方向Tにおいてブロックされ得る。
【0048】
少なくとも1つの補強スパイン36、ワイパーゴム34、およびデフレクタ60を、ワイパーブレード14の縦方向においてその構造支持体28に対してブロックするために、ワイパーブレード14は、その縦方向端部30、32の一方に配置された少なくとも1つの端部部材76を備えている。図2に示す本発明の図示例によれば、ワイパーブレードは、ワイパーブレード14の第1縦方向端部30および第2縦方向端部32にそれぞれ配置された第1端部部材76aおよび第2端部部材76bを備えている。
【0049】
本発明によれば、ワイパーブレード14は、ワイパーブレード14においてその縦方向に延びる第1流体用の第1フローチャネル78および第2流体用の第2フローチャネル80を少なくとも備えている。より具体的には、特に図3に示すように、第1チャネル78および第2チャネル80は、デフレクタ60の材料において、側方ビードを形成する第1側壁72aおよび第2側壁72内でそれぞれ縦方向に延びている。第1チャネル78および第2チャネル80は、縦方向に延びてワイパーブレード14の端部部材76の少なくとも一方、本例において図4に示すように第1端部部材76aに入る。
【0050】
再び本発明によれば、ワイパーブレード14は、第1チャネル78と第2チャネル80との間で延びて第1チャネル78を第2チャネル80に流体的に接続する少なくとも1つの連結チャネル82を備えている。より具体的には、特に図4に示すように、第1チャネル78の第1末端部84と第2チャネル80の第2末端部86とは、互いに対向するとともに離間して配置されている。そして、連結チャネル82は、第1末端部84と第2末端部86との間で延びている。
【0051】
本発明の第1実施形態によれば、連結チャネル82は、ワイパーブレード14の端部部材76のうちの少なくとも一方、本例において第1端部部材76a内に形成されている。さらに、連結チャネル82は、ワイパーブレード14の第2端部部材76b内に形成され得る。すなわち、各端部部材76a、76bは、注入装置が取り付けられた固有の連結チャネル82を有している。
【0052】
本発明によれば、ワイパーブレード14は、第2チャネル80を流れる第2流体を第1チャネル78を流れる第1流体に注入するように設計された少なくとも1つの注入装置88を備えている。注入装置88は、連結チャネル82内に少なくとも部分的に配置されている。したがって、図4に示す本発明の例において、第1端部部材76aは、連結チャネル82および注入装置88を備えている。
【0053】
本発明による注入装置88は、少なくとも1つの弁90と、弁90の弁座92と、弁90を弁座92に対して付勢する弾性復帰部材94と、少なくとも1つの注入体96と、を備えている。弁座92は、第2チャネル80の第2末端部86に形成されるとともに、弁90に嵌合する形状とされている。このため、弁座92と弁90との接触により、第2チャネル80の第2末端部86が流体的に塞がれる。図4に示す本発明の例によれば、弁90は、弁90の弁座92を形成する第2チャネル80の第2末端部86の円筒形状と協働するように設計された球形の形状を有している。
【0054】
弁90と弁座92との接触は、本例ではバネである弾性復帰部材94によりなされている。弾性復帰部材94は、例えば、弁90に堅固に接続しており、破損することなく変形するとともにその後元の形状に復帰するように設計されている。当初形状において、弾性復帰部材94は、弁90を弁座92に対して付勢する。そして、圧縮形状において、弾性復帰部材94により、弁90は弁座92から離れるように移動可能となるため、第2流体が連結チャネル82に流入することができる。本発明によれば、第2流体が弁90に及ぼす圧力が弾性復帰部材94の変形に対する抵抗よりも大きくなれば、弾性復帰部材94は圧縮され得る。
【0055】
図4に示すように、注入体96は、平面L、Vにおける連結チャネル82の断面Sの減縮部により形成されている。より具体的には、連結チャネル82の断面Sの減縮部は、連結チャネル82と第1チャネル78の第1末端部84との境界に形成されている。注入体96のこのような配置により、第2流体の移動速度が、前記注入体96の出口で増加する。
【0056】
注入装置88のこのような配置は、第1フローチャネル78を流れる第1流体への第2流体を注入を最適にする点で有利である。特に、第1流体が液体、例えば洗浄液であり、かつ第2流体が気体、例えば空気である場合、気体は、洗浄液と均一に混ぜ合わされて前記洗浄液を発泡させる。洗浄液と気体とのこのような混合は、ワイパーブレードが、図6および図7に示す、第1フローチャネル78に接続する少なくとも1つの噴射システム98であって、少なくとも1つの流体を車両のガラス面に対して噴射するように設計された噴射システム98を有する場合にも有利である。
【0057】
ワイパーブレード14の噴射システム98は、ワイパーブレード14に沿ってその縦方向Lにおいて分散配置された複数の噴射オリフィス100を備えている。各噴射オリフィス100は、第1チャネル78および前記ワイパーブレード14の外側の環境に開口している。噴射オリフィス100の各々は、第1チャネル78を流れる少なくとも1つの流体がガラス面に噴射されて洗浄を支援するように、車両のガラス面に向かって配向されている。
【0058】
上述のことを考慮すると、注入装置88は、気体を洗浄液に注入することにより洗浄液を発泡させる。これにより、汚れをガラス面から洗浄するのに必要な洗浄液の量が低減されるとともに、洗浄すべきガラス面の濡れ性が向上する。
【0059】
図5および図6に示すように、コネクタ20は、第1チャネル78に流体的に接続する第1入口102と、第2チャネル80に流体的に接続する第2入口104と、を少なくとも備えている。第1入口102および第2入口104は、第1流体および第2流体のワイパーブレード14内への流入ポイントである。
【0060】
さらに、図6に示すように、ワイパーシステムは、第1流体を収容することが意図された少なくとも1つのタンク106、ならびに、タンク106をコネクタ20の第1入口102に接続する第1回路110において第1流体を通流させるための通流ポンプ108を備えている。第1流体は、ポンプ108により第1回路110を通流して第1入口102を通って第1チャネル78に入る。流体は、そこで連結チャネル82に流れ込むが、注入装置88によりブロックされる。その前に、第1流体はタンク106内に貯蔵されていることが意図されている。そして、上述の噴射システム98により、流体を車両のガラス面に噴射させ得る。
【0061】
再び図6において、ワイパーシステム6は、第2回路114によりコネクタ20の第2入口104に接続する、第2流体を加圧するための少なくとも1つの加圧部材112、例えばコンプレッサ112を有している。コンプレッサ112により、本例において空気である第2流体が加圧され、圧力下において第2回路114をコネクタ20の第2入口104へ流れ、次いでワイパーブレード14の第2チャネル80を通って、少なくとも前記第2チャネル80の第2末端部86に至る。そして、加圧された第2流体は、押圧力を注入装置88の弁に対して及ぼす。この押圧力は、弁90に対する第1流体の圧力から生じる力に加えられた弾性復帰部材94の変形に対する抵抗よりも大きい。これにより、弾性復帰部材94は圧縮する傾向となるため、第2流体は連結チャネル82に流れ込み、注入体96を通って第1チャネル78を流れる第1流体と混ざり合うことができる。
【0062】
図6に示す本発明の例示的な実施形態によれば、ワイパーシステム6は、第2流体が前記第1回路110に流入することを防止する少なくとも1つのブロック部材116を備え得る。より具体的には、ブロック部材116は、ポンプ108とコネクタ20の第1入口102との間に配置されて、第2流体が第1流体タンク106およびポンプ108に流入することを防止する。この流入は、ワイパーシステム6の作動を害し得る。
【0063】
さらに、ワイパーシステム6は、第1流体が第2チャネル80に流入することを防止する少なくとも1つのストッパ部材118を有し得る。より具体的には、ストッパ部材118は、コネクタ20の第2入口104と第2チャネル80の第2末端部86と間に配置されて、第1流体の第2チャネル80への流入を制限する。この流入は、第2流体の第1流体への注入効率を低下させ得るとともにワイパーシステム6にダメージを与え得る。本発明の非限定的な例によれば、ブロック部材116およびストッパ部材118は、流体が一方向において流れることを可能とするが、流体が他の方向において流れることを防止する逆止弁であり得る。
【0064】
本発明の第2実施形態について、図7を参照して以下に説明する。第1実施形態の構造的特徴および機能的特徴は、すべて本発明の第2実施形態に準用される。第1実施形態と異なる第2実施形態の特徴だけが以下の説明に含まれる。共通する特徴については、図1図6を参照されたい。
【0065】
本発明の本第2実施形態において、接続装置16は、連結チャネル82および注入装置88を少なくとも部分的に備えている。より具体的には、接続装置16のコネクタ20は、連結チャネル82と注入装置88とを少なくとも備えている。したがって、本発明の本第2実施形態において、第2チャネル80は、第2入口104と連結チャネル82との間においてコネクタ20内で少なくとも部分的に延び、第1チャネル78のみが、上述のように、デフレクタの側壁のうちの一方の内部に形成されている。さらに、ストッパ部材118は、コネクタ20の内部に位置する第2チャネル80に、第2入口104と連結チャネル82との間に配置され、本発明の第1実施形態と同様の機能を果たす。
【0066】
最後に、ワイパーシステム6の使用方法について、図1図6を参照して以下に説明する。使用方法は、車両1のユーザが前記車両1のガラス面を洗浄するコマンドを出す少なくとも1つの予備ステップを備えている。ワイパーシステム6の使用方法は、前記ワイパーシステム6の電子制御ユニットを使用するが、これについては本願明細書で詳細に説明しない。
【0067】
ワイパーブレード14の動きをトリガするガラス面8の洗浄コマンドに続き、第1ステップにおいて、ポンプ108を起動して第1流体をタンク106から、連結チャネル82との境界にある第1フローチャネル78の第1末端部84に通流させる。すなわち、第1流体は、コネクタ20の第1入口102を通過してワイパーブレード14の第1チャネル78に流入する。次いで、第2ステップにおいて、第2流体を加圧するための加圧部材112を起動する。これにより、第2フローチャネル80内の本例において空気である第2流体が、注入装置88により、第1チャネル78内の第1流体と混ざり合う。より具体的には、加圧装置112により、第2チャネル80内の第2流体が加圧され得る。これにより、前記第2流体は、弾性復帰部材94が生じる力よりも大きい押圧力を注入装置88の弁90に及ぼして、弾性復帰部材94を圧縮する。弾性復帰部材94のこのような変形により、弁90は弁座92から解放されて、第2チャネル80の第2末端部86が流体的に開放される。これにより、第2流体は、第2チャネル80から連結チャネル82に流入し、注入体96を通る。これにより第2流体の移動速度が増加するため、第2流体は、第1チャネル78全体において第1流体と均一に混ざり合う。
【0068】
これにより、第2流体が、第1チャネル78全体において第1流体と確実に混ざり合うため、複数の噴射オリフィス100を使用して、この混合物をガラス面8に均一に分配することができる。第1流体は第1チャネル78の全長に亘って泡として噴出するため、この混合物は均一であると考えられる。第1流体と第2流体とのこのような混合物により、有利には、洗浄すべきガラス面8の濡れ性が向上するとともに、これをなすべき第1流体の量が低減される。
【0069】
第2ステップは、第1ステップが完了した後にのみ実施されることに留意されたい。実際に、第2流体が注入される前に第1流体がワイパーブレードに存在することを保証するため、第2流体が第2チャネル80内で加圧される前に、第1流体は第1チャネル78内を流れている必要がある。
【0070】
ただし、上述の本発明は、説明されるとともに図示された手段および構成のみに限定されるものではなく、すべての同等の手段または構成、およびそのような手段または構成の任意の組み合わせにも適用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパーシステム(6)のワイパーブレード(14)であって、前記ワイパーブレード(14)は、縦方向(L)において延びるとともに、前記縦方向(L)において延びる少なくとも1つのワイパーゴム(34)と前記ワイパーブレード(14)を前記ワイパーシステム(6)のアーム(10)に接続することが意図された接続装置(16)と、を備え、
前記ワイパーブレード(14)は、前記ワイパーブレード(14)内で前記縦方向(L)において延びる第1流体用の第1フローチャネル(78)および第2流体用の第2フローチャネル(80)と、前記チャネル(78、80)間で延びて前記第1チャネル(78)を前記第2チャネル(80)に流体的に接続する連結チャネル(82)と、を備えるワイパーブレード(14)において、
前記ワイパーブレード(14)は、前記第2チャネル(80)を流れる前記第2流体を前記第1チャネル(78)を流れる前記第1流体に注入するように設計された少なくとも1つの注入装置(88)を備え、
前記注入装置(88)は、前記連結チャネル(82)内に少なくとも部分的に配置される、
ことを特徴とするワイパーブレード(14)。
【請求項2】
前記ワイパーブレード(14)は、前記縦方向(L)において延びる少なくとも1つの空気デフレクタ(60)を備え、
前記第1チャネル(78)は、前記デフレクタ(60)内に少なくとも部分的に形成される、
請求項1に記載のワイパーブレード(14)。
【請求項3】
前記ワイパーブレード(14)は、前記ワイパーブレード(14)の縦方向端部(30、32)に配置された前記ワイパーブレード(14)の少なくとも1つの端部部材(76)を備え、
前記第1チャネル(78)および前記第2チャネル(80)は、前記端部部材(76)内において少なくとも部分的に延び、
前記端部部材(76)は、前記連結チャネル(82)および前記注入装置(88)を少なくとも部分的に備える、
請求項1および2のいずれか一項に記載のワイパーブレード(14)。
【請求項4】
前記接続装置(16)は、前記連結チャネル(82)および前記注入装置(88)を少なくとも部分的に備える、
請求項1および2のいずれか一項に記載のワイパーブレード(14)。
【請求項5】
前記接続装置(16)は、少なくとも1つのコネクタ(20)と、前記コネクタ(20)に回転可能に装着されたアダプタ(22)と、を備え、
前記コネクタ(20)は、前記連結チャネル(82)および前記注入装置(88)を少なくとも備える、
請求項4に記載のワイパーブレード(14)。
【請求項6】
前記注入装置(88)は、少なくとも1つの弁(90)と、前記弁(90)の少なくとも1つの弁座(92)と、前記弁(90)を前記弁座(92)に対して付勢する少なくとも1つの弾性復帰部材(94)と、を備える、
請求項1に記載のワイパーブレード(14)。
【請求項7】
前記注入装置(88)は、前記連結チャネル(82)の断面(S)の減縮部により形成される注入体(96)を備える、
請求項1に記載のワイパーブレード(14)。
【請求項8】
前記接続装置(16)を使用して請求項1に記載のワイパーブレード(14)を支持する少なくとも1つのワイパーアーム(10)を備える、車両(1)のガラス面(8)用のワイパーシステム(6)。
【請求項9】
前記ワイパーシステム(6)は、前記第1流体を収容することが意図された少なくとも1つのタンク(106)と、前記タンク(106)を前記コネクタ(20)の第1入口(102)に接続する第1回路(110)において前記第1流体を通流させるための通流ポンプ(108)と、を備えるとともに、
前記ワイパーシステム(6)は、前記第2流体を加圧するための少なくとも1つの加圧部材(112)であって、第2回路(114)により前記コネクタ(20)の第2入口(104)に接続する加圧部材(112)を備える、
請求項8に記載のワイパーシステム(6)。
【請求項10】
第1ステップにおいて、前記ポンプ(108)を起動して、前記第1流体を前記タンク(106)から前記連結チャネル(82)に通流させ、
第2ステップにおいて、前記第2流体を加圧するための前記加圧部材(112)を起動して、前記第2フローチャネル(80)内の前記第2流体と前記第1チャネル(78)内の前記第1流体とを、前記注入装置(88)を使用して混ぜ合わせ、
前記第2ステップは、前記第1ステップの後に実施される、
請求項8および9のいずれか一項に記載のワイパーシステム(6)の使用方法。
【国際調査報告】