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特表2024-515859非侵襲性分析物センサ用アンテナアレイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】非侵襲性分析物センサ用アンテナアレイ
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/145 20060101AFI20240403BHJP
   G01N 22/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A61B5/145
G01N22/00 S
G01N22/00 K
G01N22/00 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566636
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 IB2022053745
(87)【国際公開番号】W WO2022229804
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】17/243,938
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522313879
【氏名又は名称】ノウ・ラブズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Know Labs, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100189544
【弁理士】
【氏名又は名称】柏原 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】ボスア,フィリップ
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038KK10
4C038KL05
(57)【要約】
最小周囲長さと最大周囲長さを有する複数の(アンテナとも称される)検出器素子を有する検出器アレイ。少なくとも最小周囲長さを有する検出器素子を有する検出器アレイは、最小周囲長さを有しない検出器素子を有する検出器アレイと比較して、分析物の検出性能が向上する。さらに、最大周囲長さを超えない周囲長さを有する検出器素子を有する検出器アレイは、所望の検出性能を達成しながら、検出器アレイのサイズを最小化できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非侵襲性センサシステム用の検出器アレイであって、
検出器アレイは複数の検出器素子を含み、
各検出器素子は、長手方向軸を伴う導電性材料の細長いストリップを含み、
各検出器素子は、少なくとも約20.0mm以上の、且つ、約90.0mmを超えない周囲長さを有する、
検出器アレイ。
【請求項2】
前記周囲長さが、少なくとも約20.0mm以上、且つ、約80.0mmを超えない、請求項1に記載の検出器アレイ。
【請求項3】
前記周囲長さが、少なくとも約20.0mm以上、且つ、約70.0mmを超えない、請求項1に記載の検出器アレイ。
【請求項4】
前記周囲長さが、少なくとも約20.0mm以上、且つ、約60.0mmを超えない、請求項1に記載の検出器アレイ。
【請求項5】
前記周囲長さが、少なくとも約20.0mm以上、且つ、約50.0mmを超えない、請求項1に記載の検出器アレイ。
【請求項6】
前記周囲長さが、少なくとも約20.0mm以上、且つ、約40.0mmを超えない、請求項1に記載の検出器アレイ。
【請求項7】
前記周囲長さが、少なくとも約25.0mm以上、且つ、約40.0mmを超えない、請求項1に記載の検出器アレイ。
【請求項8】
前記周囲長さが、少なくとも約27.5mm以上、且つ、約35.5mmを超えない、請求項1に記載の検出器アレイ。
【請求項9】
前記周囲長さが、少なくとも約29.4mm以上、且つ、約32.0mmを超えない、請求項1に記載の検出器アレイ。
【請求項10】
検出器素子が3つ以上である、請求項1に記載の検出器アレイ。
【請求項11】
検出器素子が6つである、請求項1に記載の検出器アレイ。
【請求項12】
検出器素子の長手方向軸が、互いに平行である、請求項1に記載の検出器アレイ。
【請求項13】
検出器素子の1つが矩形形状を有し、
検出器素子の1つがスタジアム形状を有し、
検出器素子の1つが丸みを帯びた矩形形状を有する、
請求項1に記載の検出器アレイ。
【請求項14】
検出器素子のうちの2つは矩形形状を有し、検出器素子のうちの2つはスタジアム形状を有し、検出器素子のうちの2つは丸みを帯びた矩形形状を有する、請求項1に記載の検出器アレイ。
【請求項15】
検出器素子の第1のものが第1の周囲長さを有し、
検出器素子の第2のものが第2の周囲長さを有し、
検出器素子の第3のものが第3の周囲長さを有し、
第1の周囲長さ、第2の周囲長さ、及び第3の周囲長さが、互いに異なる、
請求項1に記載の検出器アレイ。
【請求項16】
各検出器素子は、最大長手方向長さと最大幅を有し、
各検出器素子の最大長手方向長さは同じであり、
各検出器素子の最大幅は同じである、
請求項1に記載の検出器アレイ。
【請求項17】
非侵襲性センサシステム用のアンテナアレイであって、
前記アンテナアレイは、少なくとも3つのアンテナを含み、
各アンテナは、長手方向軸を有する導電性材料の細長いストリップを含み、
長手方向軸は互いに平行であり、
アンテナの少なくとも1つが矩形形状を有し、アンテナの少なくとも1つがスタジアム形状を有し、アンテナの少なくとも1つが丸みを帯びた矩形形状を有し、
各アンテナは、少なくとも約20.0mm以上の、且つ、約90.0mmを超えない周囲長さを有する、
アンテナアレイ。
【請求項18】
アンテナが6つである、請求項17に記載のアンテナアレイ。
【請求項19】
前記周囲長さが、少なくとも約29.4mm以下、且つ約32.0mmを超えない、
請求項17に記載のアンテナアレイ。
【請求項20】
前記アンテナの第1のものは第1の周囲長さを有し、
前記アンテナの第2のものは第2の周囲長さを有し、
前記アンテナの第3のものは第3の周囲長さを有し、
第1の周囲長さ、第2の周囲長さ、及び第3の周囲長さが、互いに異なる、
請求項17に記載のアンテナアレイ。
【請求項21】
各アンテナは、最大長手方向長さと最大幅を有し、
各アンテナの最大長手方向長さは同じであり、
各アンテナの最大幅は同じである、
請求項17に記載のアンテナアレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、一般に、(アンテナアレイとも称される)検出器アレイを含む分析物センサを用いて分光学的手法により分析物を検出する装置、システムおよび方法に関し、検出器アレイは、電磁スペクトルの無線周波数範囲またはマイクロ波周波数範囲で動作する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
ターゲット内の分析物を検出・測定できることに関心が集まっている。その一例が、生体組織中のグルコースの測定である。患者のグルコース測定の例では、現在の分析物測定法は、フィンガースティックや検査室ベースの検査では血液のような体液で、あるいはしばしば侵襲的な経皮装置を用いて患者から採取した体液で測定を行うという点で、侵襲的である。生体組織でグルコース測定ができると主張する非侵襲的な方法がある。しかし、非侵襲的な方法の多くは、一般に、グルコースなどの対象の分析物に対する特異性の欠如、体温の変動による干渉、皮膚化合物(汗など)や色素による干渉、設置の複雑さ(患者の身体の複数の場所に検出装置が設置される)などに悩まされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
本開示は、概略、電磁スペクトルの無線周波数範囲やマイクロ波周波数範囲などの非光学周波数を用いた分光技術により分析物を検出する装置、システム、および方法に関する。本明細書に記載の分析物センサは、複数の(アンテナ素子若しくはアンテナとも称される)検出器素子を有する検出器アレイを含み、そのうちの少なくとも1つは、無線周波数範囲またはマイクロ波周波数範囲の電磁信号を送信でき、そのうちの少なくとも1つは、電磁信号の送信から生じる無線周波数範囲またはマイクロ波周波数範囲の電磁信号を受信できる。
【0004】
本明細書に記載の検出器アレイは、最小周囲長さ及び最大周囲長さを有する複数の(アンテナとも称される)検出器素子を有する。少なくとも最小周囲長さを有する検出器素子を伴う検出器アレイは、最小周囲長さを有しない検出器素子を伴う検出器アレイよりも良好に機能する(即ち、分析物の検出性能が向上する)。更に、最大周囲長さを超えない周囲長さを有する検出器素子を伴う検出器アレイは、所望の検出性能を達成しながら、検出器アレイのサイズを最小化できる。周囲長さとは、各検出器素子の周囲境界または縁の全長若しくは距離を指す。
【0005】
本明細書に記載の一実施形態では、非侵襲性センサシステム用の検出器アレイは、複数の検出器素子を含み、各検出器素子は、長手方向軸を有する導電性材料の細長いストリップを含み、各検出器素子は、少なくとも約20.0mm以上の、且つ、約90.0mmを超えない、周囲長さを有する。
【0006】
本明細書に記載の別の実施形態では、非侵襲性センサシステム用のアンテナアレイは、少なくとも3つのアンテナを含み、各アンテナは、長手方向軸を有する導電性材料の細長いストリップを含み、長手方向軸は互いに平行であり、アンテナのうちの1つは矩形形状有し、アンテナのうちの1つはスタジアム形状を有し、アンテナのうちの1つは丸みを帯びた矩形形状を有し、各アンテナは、少なくとも約20.0mm以上の、且つ、約90.0mmを超えない、周囲長さを有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態による、ターゲットに相対する分析物センサを備えた分析物センサシステムの概略図である。
図2A図2A図2Cは、本明細書で説明するセンサシステムの一実施形態で使用可能なアンテナアレイの異なる方向例を示す。
図2B図2A図2Cは、本明細書で説明するセンサシステムの一実施形態で使用可能なアンテナアレイの異なる方向例を示す。
図2C図2A図2Cは、本明細書で説明するセンサシステムの一実施形態で使用可能なアンテナアレイの異なる方向例を示す。
図3A図3A図3Cは、異なる幾何学形状の送受信アンテナの例を示す。
図3B図3A図3Cは、異なる幾何学形状の送受信アンテナの例を示す。
図3C図3A図3Cは、異なる幾何学形状の送受信アンテナの例を示す。
図4A図4A図4B図4C、及び図4Dは、送信アンテナおよび受信アンテナの端部が有し得る異なる形状の追加例を示す。
図4B図4A図4B図4C、及び図4Dは、送信アンテナおよび受信アンテナの端部が有し得る異なる形状の追加例を示す。
図4C図4A図4B図4C、及び図4Dは、送信アンテナおよび受信アンテナの端部が有し得る異なる形状の追加例を示す。
図4D図4A図4B図4C、及び図4Dは、送信アンテナおよび受信アンテナの端部が有し得る異なる形状の追加例を示す。
図5図5は、使用可能なアンテナアレイの別の例を示す。
【0008】
同じ参照番号は、全体を通して同じ部品を表す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細
以下は、電磁スペクトルの無線周波数帯やマイクロ波周波数帯のような非光学周波数を用いた分光技術によって分析物を検出する装置、システム、方法についての詳細な説明である。本明細書に記載の分析物センサは、複数の検出器素子(アンテナ素子またはアンテナとも呼ばれる)を有する検出器アレイを含み、そのうちの少なくとも1つは、無線周波数範囲またはマイクロ波周波数範囲の電磁信号を送信でき、そのうちの少なくとも1つは、電磁信号の送信から生じる無線周波数範囲またはマイクロ波周波数範囲の電磁信号を受信できる。以下、便宜上、検出器アレイをアンテナアレイと称し、検出器素子をアンテナと称する。
【0010】
一実施形態では、本明細書に記載のセンサシステムは、ターゲット中の少なくとも1つの分析物の存在を検出するために使用できる。別の実施形態では、本明細書に記載のセンサシステムは、ターゲット中の少なくとも1つの分析物の量または濃度を検出できる。ターゲットは、検出したい対象の分析物を少なくとも1つ含むものであればどんなターゲットでもよい。ターゲットはヒトでも非ヒトでも、動物でも非動物でも、生物学的でも非生物学的でもよい。例えば、ターゲットとしては、ヒト組織、動物組織、植物組織、無生物、土壌、液体、遺伝物質、微生物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ターゲットの非限定的な例としては、液体、例えば血液、間質液、脳脊髄液、リンパ液、尿、ヒト組織、動物組織、植物組織、無生物、土壌、遺伝物質、微生物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0011】
本明細書に記載されたセンサによる検出は、センサが人体などのターゲットの外部に留まり、分析物の検出が、人体などのターゲットからの流体の除去または他の除去を必要とせずに行われることを意味する非侵襲的であり得る。人体内のセンシングの場合、この非侵襲的センシングは生体内センシングとも呼ばれる。他の実施形態では、本明細書に記載のセンサは、例えば人体から分析物を含む物質が除去されたインビトロセンサであってもよい。
【0012】
分析物は、検出したいものであればどんな分析物でもよい。分析物はヒトでも非ヒトでも、動物でも非動物でも、生物学的でも非生物学的でもよい。例えば、分析物には、血中グルコース、血中アルコール、白血球、黄体形成ホルモンの1つ以上が含まれるが、これらに限定されるものではない。分析物には、化学物質、化学物質の組み合わせ、ウイルス、細菌などが含まれるが、これらに限定されるものではない。分析物は他の媒体に含まれる化学物質であってもよく、そのような媒体の非限定的な例としては、少なくとも1つの分析物を含む液体、例えば血液、間質液、脳脊髄液、リンパ液、尿、ヒト組織、動物組織、植物組織、無生物、土壌、遺伝物質、微生物などがある。分析物は、鉱物や汚染物質など、ヒト以外の非生物的粒子である場合もある。
【0013】
分析物には、例えば、天然に存在する物質、人工物質、代謝物、反応生成物などが含まれる。非限定的な例として、少なくとも1つの分析物には、インスリン、アカルボキシプロトロンビン、アシルカルニチン、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、アデノシンデアミナーゼ、アルブミン、αフェトプロテイン、アミノ酸プロファイル(アルギニン(クレブスサイクル)、ヒスチジン/ウロカン酸、ホモシステイン、フェニルアラニン/チロシン、トリプトファン);アンドレノステンジオン;アンチピリン;アラビニトールエナンチオマー;アルギナーゼ;ベンゾイルエクゴニン(コカイン);ビオチニダーゼ;ビオプテリン;c反応性タンパク質;カルニチン;プロBNP;BNP;トロポニン;カルノシナーゼ;CD4;セルロプラスミン;チェノデオキシコール酸;クロロキン;コレステロール;コリンエステラーゼ;共役1-βヒドロキシコール酸;コルチゾール;クレアチンキナーゼ;クレアチンキナーゼMMアイソザイム;シクロスポリンA;d-ペニシラミン;脱エチルクロロキン;デヒドロエピアンドロステロン硫酸;DNA(アセチレーター多型、アルコールデヒドロゲナーゼ、α1-アンチトリプシン、嚢胞性線維症、デュシェンヌ/ベッカー筋ジストロフィー、分析物-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘモグロビンA、ヘモグロビンS、ヘモグロビンC、ヘモグロビンD、ヘモグロビンE、ヘモグロビンF、D-パンジャブ、βサラセミア、B型肝炎ウイルス、HCMV、HIV-1、HTLV-1、レーバー遺伝性視神経症、MCAD、RNA、PKU、マラリア原虫、性分化、21-デオキシコルチゾール);デスブチルハロファントリン;ジヒドロプテリジン還元酵素;ジフテリア/破傷風抗毒素;赤血球アルギナーゼ;赤血球プロトポルフィリン;エステラーゼD;脂肪酸/アシルグリシン;遊離β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン; 遊離赤血球ポルフィリン;遊離サイロキシン(FT4);遊離トリヨードサイロニン(FT3);フマリルアセトアセターゼ;ガラクトース/ガラクトース-1-リン酸;ガラクトース-1-リン酸ウリジル転移酵素;ゲンタマイシン;分析物-6-リン酸デヒドロゲナーゼ;グルタチオン;グルタチオンペリオキシダーゼ;グリココール酸;グリコシル化ヘモグロビン;ハロファントリン;ヘモグロビン変異体;ヘキソサミニダーゼA;ヒト赤血球炭酸脱水酵素I;17-α-ヒドロキシプロゲステロン;ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ;免疫反応性トリプシン;乳酸;鉛;リポ蛋白((a)、B/A-1、β);リゾチーム;メフロキン;ネチルミシン;フェノバルビトン;フェニトイン;フィタン酸/プリスタン酸;プロゲステロン;プロラクチン;プロリダーゼ;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ;キニーネ;逆トリヨードサイロニン(rT3);セレン;血清膵リパーゼ;シソミシン;ソマトメジンC;特異抗体(アデノウイルス、抗核抗体、抗ゼータ抗体、アルボウイルス、オーイェスキー病ウイルス、デングウイルス、ドラクンクルス・メディネンシス、エキノコックス・グラヌロサス、エンタモエバ・ヒストリティカ、エンテロウイルス、十二指腸ジアルジア、ヘリコバクター・ピロリ、B型肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、HIV-1、IgE(アトピー性疾患)、インフルエンザウイルス、リーシュマニア・ドノバニ、レプトスピラ、麻疹・おたふくかぜ・風疹、レプラ菌、肺炎マイコプラズマ、ミオグロビン、オンコセルカ、パラインフルエンザウイルス、マラリア原虫、ポリオウイルス、緑膿菌、呼吸器合胞体ウイルス、リケッチア(ツツガムシ病)、シストソーマ・マンソニ、トキソプラズマ・ゴンディ、トレペノーマ・パリディウム、トリパノソーマ・クルーズィ/ランゲリ、水疱性口内炎ウイルス、バンクロフト病、バンクロフト病、黄熱ウイルス);特異抗原(B型肝炎ウイルス、HIV-1);スクシニルアセトン;スルファドキシン;テオフィリン;チロトロピン(TSH);チロキシン(T4);チロキシン結合グロブリン;微量元素;トランスフェリン;UDP-ガラクトース-4-エピメラーゼ;尿素;ウロポルフィリノーゲンI合成酵素;ビタミンA;白血球;および亜鉛プロトポルフィリン;などを含み得るが、これらに限定されるものではない。
【0014】
分析物には、ターゲットに導入される1つ以上の化学物質も含まれる。分析物には、造影剤、放射性同位元素、その他の化学物質などのマーカを含めることができる。分析物には、フルオロカーボンをベースとする合成血液を含めることができる。分析物は、薬物または医薬組成物を含むことができ、非限定的な例としては、エタノール;大麻(マリファナ、テトラヒドロカンナビノール、ハシシ);吸入剤(亜酸化窒素、亜硝酸アミル、亜硝酸ブチル、クロロ炭化水素、炭化水素);コカイン(クラックコカイン);興奮剤(アンフェタミン、メタンフェタミン、リタリン、サイラート、プレルーディン、ディドレックス、プレステート、ボラニール、サンドレックス、プレギネ);抑圧剤(バルビツール酸塩、メタカロン、バリウム、リブリアム、ミルタウン、セラックス、エクアニル、トランキセンなどの精神安定剤);幻覚剤(フェンサイクリジン、リゼルギン酸、メスカリン、ペヨーテ、シロシビン);麻薬(ヘロイン、コデイン、モルヒネ、アヘン、メペリジン、パーコセット、ペルコダン、Tussionex、フェンタニル、Darvon、タルウィン、ロモチル);デザイナードラッグ(フェンタニル、メペリジン、アンフェタミン、メタンフェタミン、フェンサイクリジンの類似体、例えばエクスタシー);アナボリックステロイド;およびニコチンが挙げられる。分析物には、他の薬物や医薬組成物も含まれる。分析物には、例えば、アスコルビン酸、尿酸、ドーパミン、ノルアドレナリン、3-メトキシチラミン(3MT)、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、ホモバニリン酸(HVA)、5-ヒドロキシトリプタミン(5HT)、5-ヒドロキシインドール酢酸(FHIAA)など、神経化学物質や体内で生成される他の化学物質を含めることができる。
【0015】
図1図5に示されるセンサシステムは、送信アンテナを使用して、電磁スペクトルの無線またはマイクロ波周波数範囲の電磁信号をターゲットに向けターゲット内に送信することによって動作する。送信信号の送信の結果、戻ってきた信号は受信アンテナによって検出される。受信アンテナによって検出された信号は、受信信号の強度と、分析物が送信信号を吸収する1つ以上の周波数における強度の減少に基づいて、分析物を検出するために分析できる。
【0016】
図1図5は、送信アンテナとして機能するものと受信アンテナとして機能するものを含む2つ以上のアンテナを使用する非侵襲性分析物センサシステムを示している。送信アンテナ及び受信アンテナは、ターゲットの近傍に配置でき、標的中の少なくとも1つの分析物の検出を補助するために、本明細書でさらに説明するように動作させることができる。送信アンテナは、無線またはマイクロ波周波数帯の少なくとも2つの周波数を持つ信号を、ターゲットに向かって送信する。少なくとも2つの周波数を持つ信号は、各周波数で別々の時間に別々に送信される、各々が離散的な周波数を持つ別々の信号部分によって形成できる。別の実施形態では、少なくとも2つの周波数を有する信号は、少なくとも2つの周波数を含む複数の周波数を含む複素信号の一部であってもよい。複素信号は、複数の信号をブレンドまたは多重化して生成でき、その後に複素信号を送信することで、複数の周波数が同時に送信される。複素信号を生成するための1つの可能な技術には、逆フーリエ変換技術を使用することが含まれるが、これに限定されるものではない。受信アンテナは、少なくとも1つの対象の分析物を含むターゲットへの送信アンテナによる信号の送信から生じる応答を検出する。
【0017】
送信アンテナと受信アンテナは互いに(デチューンなどとも称される)デカップルされている。デカップリングとは、送信アンテナと受信アンテナの間の直接通信を最小化するために、送信アンテナと受信アンテナの構成および/または配置を意図的に製作することであり、好ましくは遮蔽がないことである。送信アンテナと受信アンテナの間のシールドを利用することもできる。しかし、シールドがなくても送信アンテナと受信アンテナはデカップリングされる。
【0018】
電磁スペクトルの無線周波数範囲またはマイクロ波周波数範囲で動作する非侵襲的分光法センサを用いて分析物を検出する例は、国際出願公開WO2019/217461号に記載されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。受信アンテナによって検出される信号は、複数の信号成分を含む複素信号とでき、各信号成分は異なる周波数にある。一実施形態では、検出された複素信号は、例えばフーリエ変換によって、異なる周波数の各信号成分に分解できる。一実施形態では、受信アンテナによって検出された複素信号は、検出された信号が分析物の検出を行うのに十分な情報を提供する限り、分析物を検出するために全体として(すなわち、複素信号をデマルチプレクスすることなく)分析できる。さらに、受信アンテナによって検出される信号は、それぞれが個別の周波数を持つ個別の信号部分とできる。
【0019】
次に図1を参照すると、非侵襲性分析物センサ5を備えた非侵襲性分析物センサシステムの一実施形態が示されている。センサ5は、対象の分析物9を含むターゲット7に対して相対的に描かれている。この例では、センサ5は、送信アンテナ/素子11(以下、「送信アンテナ11」という)と受信アンテナ/素子13(以下、「受信アンテナ13」という)を含むアンテナアレイを含むものとして描かれている。センサ5はさらに、送信回路15、受信回路17、コントローラ19を含む。さらに後述するように、センサ5は(図1に図示しない)バッテリなどの電源も含むことができる。いくつかの実施形態では、電力は、例えばセンサ5に接続されたコードを介してセンサ5をコンセントに差し込むことにより、主電源から供給できる。
【0020】
送信アンテナ11は、電磁スペクトルの無線周波数(RF)またはマイクロ波範囲にある信号21をターゲット7に送信するように配置、配置、構成されている。送信アンテナ11は、電極、または無線周波数(RF)またはマイクロ波範囲の電磁信号の他の任意の適切な送信機とできる。送信アンテナ11は、ターゲット7に対して、分析物の検出を行うのに十分な任意の配置と向きを持つことができる。非限定的な一実施形態では、送信アンテナ11は、実質的にターゲット7に向かう方向に向くように配置できる。
【0021】
送信アンテナ11によって送信される信号21は、送信アンテナ11に電気的に接続可能な送信回路15によって生成される。送信回路15は、送信アンテナ11によって送信される送信信号を生成するのに適した任意の構成を有し得る。RFまたはマイクロ波の周波数範囲で送信信号を生成する送信回路は、当技術分野でよく知られている。一実施形態では、送信回路15は、例えば、電源への接続、周波数発生器、および任意にフィルタ、増幅器、またはRFまたはマイクロ波周波数の電磁信号を発生する回路のための他の任意の適切な要素を含むことができる。一実施形態では、送信回路15によって生成される信号は、少なくとも2つの離散周波数(すなわち、複数の離散周波数)を有し得、各離散周波数は、約10kHz~約100GHzの範囲内にある。別の実施形態では、少なくとも2つの離散周波数のそれぞれは、約300MHz~約6000MHzの範囲とできる。一実施形態では、送信回路15は、約10kHz~約100GHzの範囲内、別の実施形態では約300MHz~約6000MHzの範囲内の周波数をスイープするように構成できる。一実施形態では、送信回路15は複素送信信号を生成するように構成でき、複素信号は複数の信号成分を含み、信号成分の各々は異なる周波数を有する。複素信号は、複数の信号をブレンドまたは多重化して生成でき、その後に複素信号を送信することで、複数の周波数が同時に送信される。
【0022】
受信アンテナ13は、送信アンテナ11による送信信号21のターゲット7への送信から生じ、分析物9に衝突する1つ以上の電磁応答信号23を検出するように配置、配置、構成される。受信アンテナ13は、無線周波数(RF)またはマイクロ波範囲の電磁信号の電極または任意の他の適切な受信機とできる。一実施形態では、受信アンテナ13は、少なくとも2つの周波数を有する電磁信号を検出するように構成され、その各周波数は、約10kHz~約100GHzの範囲にあり、別の実施形態では、約300MHz~約6000MHzの範囲にある。受信アンテナ13は、分析物の検出を可能にする応答信号23の検出を可能にするのに十分な、ターゲット7に対する任意の配置および向きを有し得る。非限定的な一実施形態では、受信アンテナ13は、実質的にターゲット7に向かう方向に向くように配置できる。
【0023】
受信回路17は、受信アンテナ13に電気的に接続可能であり、受信アンテナ13からの受信応答をコントローラ19に伝える。受信回路17は、受信アンテナ13によって検出された電磁エネルギーを、応答信号23を反映する1つ以上の信号に変換するために、受信アンテナ13とインターフェースするのに適した任意の構成を有し得る。受信回路の構造は当技術分野でよく知られている。受信回路17は、例えば、信号の増幅、信号のフィルタリングなどを通じて、信号をコントローラ19に供給する前に信号を調整するように構成できる。したがって、受信回路17は、フィルタ、増幅器、またはコントローラ19に供給される信号を調整するための他の適切なコンポーネントを含むことができる。一実施形態では、受信回路17またはコントローラ19の少なくとも一方は、受信アンテナ13によって検出された、各々異なる周波数の複数の信号成分を含む複素信号を、各構成信号成分に分解またはデマルチプレクスするように構成できる。一実施形態では、複素信号を分解することは、検出された複素信号にフーリエ変換を適用することを含むことができる。ただし、受信した複素信号を分解またはデマルチプレクスすることは任意である。代わりに、一実施形態では、検出された信号が分析物の検出を行うのに十分な情報を提供する限り、分析物を検出するために、受信アンテナによって検出された複素信号を全体として(すなわち、複素信号をデマルチプレクスすることなく)分析できる。
【0024】
コントローラ19はセンサ5の動作を制御する。コントローラ19は、例えば、送信アンテナ11によって送信される送信信号を生成するように送信回路15に指示できる。コントローラ19はさらに、受信回路17からの信号を受信する。コントローラ19は、任意に、受信回路17からの信号を処理して、ターゲット7中の分析物9を検出できる。一実施形態では、コントローラ19は、任意選択で、例えば、ブルートゥース(登録商標)などの1つ以上の無線接続、4G、5G、LTEなどの無線データ接続、またはWi-Fiを介して、ユーザデバイスおよび/またはリモートサーバ27などの少なくとも1つの外部デバイス25と通信できる。提供される場合、外部デバイス25および/またはリモートサーバ27は、例えば、分析物9を検出するために、コントローラ19が受信回路17から受信した信号を処理する(またはさらに処理する)ことができる。提供される場合、外部デバイス25は、センサ5とリモートサーバ27との間の通信を提供するために使用され、例えば、有線データ接続を使用したり、リモートサーバ27への接続を提供するために外部デバイス25の無線データ接続またはWi-Fiを経由したりできる。
【0025】
図1を引き続き参照すると、センサ5は、内部空間31を画定する(破線で示す)センサハウジング29を含むことができる。センサ5の構成部品は、ハウジング29に取り付けられ、および/またはハウジング29内に配置されることがある。例えば、送信アンテナ11と受信アンテナ13はハウジング29に取り付けられている。いくつかの実施形態では、アンテナ11、13は、全体的または部分的にハウジング29の内部空間31内にある場合がある。いくつかの実施形態では、アンテナ11、13はハウジング29に取り付けられているが、少なくとも部分的または完全に内部空間31の外側に配置されている場合がある。いくつかの実施形態では、送信回路15、受信回路17およびコントローラ19は、ハウジング29に取り付けられ、センサハウジング29内に完全に配置される。
【0026】
受信アンテナ13は、送信アンテナ11と受信アンテナ13との間の電磁結合が減少するように、送信アンテナ11に対してデカップルまたはデチューンされる。送信アンテナ11と受信アンテナ13のデカップリングは、受信アンテナ13によって検出される信号のうち、ターゲット7からの応答信号23である部分を増加させ、受信アンテナ13による送信信号21の直接受信を最小化する。送信アンテナ11と受信アンテナ13のデカップリングにより、送信アンテナ11から受信アンテナ13への送信は、結合された送信アンテナと受信アンテナを有するアンテナシステムと比較して、減少した順方向利得を有し(S21)、出力における反射が増加する(S22)。
【0027】
或る実施形態では、送信アンテナ11と受信アンテナ13の結合率は95%以下である。別の実施形態では、送信アンテナ11と受信アンテナ13の結合率は90%以下である。別の実施形態では、送信アンテナ11と受信アンテナ13の結合率は85%以下である。別の実施形態では、送信アンテナ11と受信アンテナ13の結合率は75%以下である。
【0028】
送信アンテナ11と受信アンテナ13の間の結合を低減するための任意の技術を使用できる。例えば、送信アンテナ11と受信アンテナ13との間のデカップリングは、送信アンテナ11と受信アンテナ13とを互いにデカップリングするのに十分な、送信アンテナ11と受信アンテナ13との間の1つ又は複数の意図的に作製された構成及び/又は配置によって達成できる。
【0029】
例えば、以下にさらに説明する一実施形態では、送信アンテナ11と受信アンテナ13のデカップリングは、送信アンテナ11と受信アンテナ13が互いに異なる幾何学形状を有するように意図的に構成することによって達成できる。意図的に異なる幾何学形状とは、送信アンテナ11と受信アンテナ13の幾何学的構成が意図的に異なることを指す。意図的な幾何学形状の違いは、例えば製造誤差や公差に起因する、偶然または意図せずに発生する可能性のある送受信アンテナの幾何学形状の違いとは区別される。
【0030】
送信アンテナ11と受信アンテナ13のデカップリングを達成するための別の技法は、アンテナ11、13をデカップリングし、送信信号21の電磁力線の割合をターゲット7に強制するのに十分な適切な間隔を各アンテナ11、13間に設け、それにより、ターゲット7に伝わらずに、直接、送信アンテナ11から、受信アンテナ13による電磁エネルギーの直接受信を最小化するか、または可能な限り排除することである。各アンテナ11、13間の適切な間隔は、送信アンテナ11からの信号の出力電力、アンテナ11、13のサイズ、送信信号の周波数、アンテナ間の遮蔽の有無などを含むが、これらに限定されない要因に基づいて決定できる。この技術は、受信アンテナ13によって検出された応答が分析物9を測定しており、送信アンテナ11から受信アンテナ13に直接流れる送信信号21だけではないことを確認するのに役立つ。いくつかの実施形態では、アンテナ11、13間の適切な間隔を、アンテナ11、13の意図的な幾何学形状の違いとともに使用して、デカップリングを達成できる。
【0031】
一実施形態では、送信アンテナ11によって送信される送信信号は、少なくとも2つの異なる周波数を有し得、例えば、7~12の異なる離散的な周波数を有し得る。別の実施形態では、送信信号は一連の離散的な別個の信号とでき、各別個の信号は単一の周波数または複数の異なる周波数を有する。
【0032】
一実施形態では、送信信号(または送信信号の各々)は、約300ms未満、等しい、またはそれ以上の送信時間にわたって送信され得る。別の実施形態では、送信時間は約200ms未満、同程度、またはそれ以上とできる。さらに別の実施形態では、送信時間は約30ミリ秒未満、同程度、またはそれ以上とできる。送信時間は、例えば1秒、5秒、10秒など、秒単位で測定される大きさを持つこともできる。実施形態では、同じ送信信号を複数回送信し、送信時間を平均化できる。別の実施形態では、送信信号(または送信信号の各々)は、約50%以下のデューティサイクルで送信できる。
【0033】
図2A図2Cは、センサシステム5で使用できるアンテナアレイ33の例と、アンテナアレイ33がどのように方向付けられるかを示している。アンテナアレイ33の多くの方向が可能であり、センサ5が分析物9を感知するという主要な機能を果たすことができる限り、どのような方向でも使用できる。
【0034】
図2Aにおいて、アンテナアレイ33は、実質的に平面であってもよい基板35上に配置された送信アンテナ11及び受信アンテナ13を含む。この例では、アレイ33が実質的にX-Y平面に配置されている。この例では、アンテナ11、13のX軸方向及びY軸方向の寸法は横方向の寸法とみなすことができ、アンテナ11、13のZ軸方向の寸法は厚さ方向の寸法とみなすことができる。この例では、アンテナ11、13の各々は、(Z軸方向の)その厚さ寸法よりも大きい少なくとも1つの(X軸方向および/またはY軸方向で測定される)横方向寸法を有する。換言すれば、送信アンテナ11及び受信アンテナ13はそれぞれ、X軸方向及び/又はY軸方向に測定される少なくとも1つの他の横方向寸法と比較して、Z軸方向において比較的平坦であるか又は比較的小さな厚さを有する。
【0035】
図2Aの実施形態の使用において、センサおよびアレイ33は、ターゲット7がZ軸方向においてアレイ33の下方に位置するように、またはZ軸方向においてアレイ33の上方に位置し、アンテナ11、13の面の一方がターゲット7に向くように、ターゲット7に対して位置決めされ得る。あるいは、ターゲット7をアレイ33のX軸方向の左側または右側に配置し、アンテナ11、13のそれぞれの端部の一方をターゲット7に向けることもできる。あるいは、ターゲット7をアレイ33のY軸方向の側面に配置し、アンテナ11、13のそれぞれの側面の一方をターゲット7に向けることもできる。
【0036】
センサ5は、アンテナアレイ33に加えて、1つ以上の追加のアンテナアレイを備えることもできる。例えば、図2Aは、実質的に平面であり得る基板35a上に配置された送信アンテナ11及び受信アンテナ13を含むオプションの第2のアンテナアレイ33aも描いている。アレイ33と同様に、アレイ33aも実質的にX-Y平面内に配置でき、アレイ33、33aはX軸方向に互いに間隔を空けて配置される。
【0037】
図2Bでは、アンテナアレイ33は実質的にY-Z平面に配置されているように描かれている。この例では、アンテナ11、13のY軸方向及びZ軸方向の寸法は横方向の寸法とみなすことができ、アンテナ11、13のX軸方向の寸法は厚さの寸法とみなすことができる。この例では、アンテナ11、13の各々は、(X軸方向の)その厚さ寸法よりも大きい少なくとも1つの(Y軸方向および/またはZ軸方向で測定される)横方向寸法を有する。換言すれば、送信アンテナ11及び受信アンテナ13はそれぞれ、Y軸方向及び/又はZ軸方向において測定される少なくとも1つの他の横方向寸法と比較して、X軸方向において比較的平坦であるか又は比較的小さな厚さを有する。
【0038】
図2Bの実施形態の使用において、センサおよびアレイ33は、ターゲット7がZ軸方向においてアレイ33の下方に位置するように、またはZ軸方向においてアレイ33の上方に位置するように、ターゲット7に対して位置決めされ得、それにより、アンテナ11、13の各々の一方の端部の一方がターゲット7の方を向く。あるいは、ターゲット7をX軸方向においてアレイ33の前方または後方に配置し、アンテナ11、13のそれぞれの面の1つをターゲット7に向けることもできる。あるいは、ターゲット7をアレイ33のY軸方向の側面の一方に配置し、アンテナ11、13のそれぞれの側面の一方がターゲット7に向くようにすることもできる。
【0039】
図2Cでは、アンテナアレイ33は実質的にX-Z平面に配置されているように描かれている。この例では、アンテナ11、13のX軸方向及びZ軸方向の寸法は横方向の寸法とみなすことができ、アンテナ11、13のY軸方向の寸法は厚さ方向の寸法とみなすことができる。この例では、アンテナ11、13の各々は、(Y軸方向の)その厚さ寸法よりも大きい少なくとも1つの(X軸方向および/またはZ軸方向で測定される)横方向寸法を有する。換言すれば、送信アンテナ11及び受信アンテナ13はそれぞれ、X軸方向及び/又はZ軸方向で測定される少なくとも1つの他の横方向寸法と比較して、Y軸方向において比較的平坦であるか又は比較的小さな厚さを有する。
【0040】
図2Cの実施形態の使用において、センサおよびアレイ33は、ターゲット7がZ軸方向においてアレイ33の下方にあるように、またはZ軸方向においてアレイ33の上方にあるように、ターゲット7に対して位置決めされ得、それにより、アンテナ11、13の各々の一方の端部がターゲット7の方を向く。あるいは、ターゲット7をアレイ33のX軸方向の左側または右側に配置し、各アンテナ11、13の側面の一方をターゲット7に向けることもできる。あるいは、ターゲット7をY軸方向でアレイ33の前方または後方に配置し、アンテナ11、13の各1つの面がターゲット7に向くようにすることもできる。
【0041】
図2A図2Cのアレイ33、33aは、X-Y平面、Y-Z平面またはX-Z平面のような平面内で完全に配向される必要はない。その代わりに、アレイ33、33aは、X-Y平面、Y-Z平面およびX-Z平面に対して角度をなして配置できる。
【0042】
アンテナの幾何学形状の違いを利用したデカップリングアンテナ
【0043】
上述したように、送信アンテナ11を受信アンテナ13から切り離す1つの手法は、送信アンテナ11と受信アンテナ13を意図的に異なる幾何学形状を有するように意図的に構成することである。意図的に異なる幾何学形状とは、意図的な送受信アンテナ11、13の幾何学的構成の差異を指し、例えばアンテナ11、13を製造する際の製造誤差や公差に起因して、偶然または意図せずに発生する可能性のある送受信アンテナ11、13の幾何学形状の差異とは異なる。
【0044】
アンテナ11、13の異なる幾何学形状は、多くの異なる方法で現れる可能性があり、また記述される可能性がある。例えば、(図3A図3Cのような)各アンテナ11、13の平面図において、アンテナ11、13の周囲縁の形状は互いに異なっていてもよい。異なる幾何学形状により、アンテナ11、13は平面図で異なる表面積を持つことになる。異なる幾何学形状は、アンテナ11、13が平面図において異なるアスペクト比(すなわち、異なる寸法におけるそれらの大きさの比;例えば、以下でさらに詳細に説明するように、アンテナ11の幅で割った長さの比は、アンテナ13の幅で割った長さの比とは異なる場合がある)を有する結果となり得る。いくつかの実施形態において、異なる幾何学形状は、アンテナ11、13が、平面図において異なる周囲縁形状、平面図において異なる表面積、及び/又は異なるアスペクト比の任意の組合せを有する結果となり得る。いくつかの実施形態では、アンテナ11、13は、周囲縁境界内にその中に形成された1つ以上の穴(図2B参照)、または周囲縁に形成された1つ以上の切り欠き(図2B参照)を有し得る。
【0045】
従って、本明細書において、アンテナ11、13の幾何学形状の相違、又は幾何学的な形状の相違とは、それぞれのアンテナ11、13を平面図で視たときの形、長さ、幅、サイズ、形状、境界(すなわち周囲縁)によって閉ざされる領域等の、意図的な相違を意味する。
【0046】
アンテナ11、13は、任意の構成を有し得、本明細書で説明するアンテナ11、13の機能を果たすことができる任意の適切な材料から形成できる。一実施形態では、アンテナ11、13は短冊状の材料で形成できる。材料のストリップは、アンテナを平面図で見たときに、ストリップがその厚さ寸法よりも大きい少なくとも1つの横方向寸法を有する構成を含むことができる(言い換えれば、ストリップは、図3A図3Cのようにアンテナを平面図で見たときに、長さや幅などの少なくとも1つの他の横方向寸法に比べて比較的平坦であるか、または比較的小さい厚さを有する)。帯状の材料はワイヤーを含むことができる。アンテナ11、13は、金属や導電性非金属材料を含む任意の適切な導電性材料から形成できる。使用できる金属の例としては、銅や金が挙げられるが、これらに限定されるものではない。使用できる材料の別の例としては、非金属材料に金属材料をドープして導電性を持たせたものがある。
【0047】
図2A図2Cにおいて、各アレイ33、33a内のアンテナ11、13は互いに異なる幾何学形状を有する。さらに、図3A図3Cは、互いに異なる幾何学形状を有するアンテナ11、13の追加例の平面図を示している。図2A図2Cおよび図3A図3Cの例は網羅的なものではなく、多くの異なる構成も可能である。
【0048】
図3Aは、幾何学形状の異なる2つのアンテナを有するアンテナアレイの平面図である。この例では、アンテナ11、13は、それぞれが横方向の長さL11、L13、横方向の幅W11、W13、および周囲縁E11、E13を有する実質的に直線状のストリップとして図示されている。周囲縁E11、E13は、アンテナ11、13の全周を囲むように延び、平面図にて領域を区切る。この例では、横方向の長さL11、L13及び/又は横方向の幅W11、W13は、図3Aを見たときに、ページ内へ/ページから延びるアンテナ11、13の厚さ寸法よりも大きい。この例では、アンテナ11、13の端部の形状が互いに異なるという点で、アンテナ11、13の幾何学形状が互いに異なる。例えば、図3Aを見ると、アンテナ11の右端42は、アンテナ13の右端44とは異なる形状をしている。同様に、アンテナ11の左端46は、右端42と同様の形状を有する場合があるが、右端44と同様の形状を有する場合があるアンテナ13の左端48とは異なる。また、アンテナ11、13の横方向の長さL11、L13および/または横方向の幅W11、W13が互いに異なる可能性もある。
【0049】
図3Bは、幾何学形状が異なる2つのアンテナを有するアンテナアレイの別の平面図であり、図3Aと幾分類似している。この例では、アンテナ11、13は、それぞれ、横方向の長さL11、L13、横方向の幅W11、W13、および周囲縁E11、E13を有する実質的に直線状のストリップとして図示されている。周囲縁E11、E13は、アンテナ11、13の全周を囲むように延び、平面図にて領域を区切る。この例では、横方向の長さL11、L13及び/又は横方向の幅W11、W13は、図3Bを見たときに、ページ内へ/ページから延びるアンテナ11、13の厚さ寸法よりも大きい。この例では、アンテナ11、13の端部の形状が互いに異なるという点で、アンテナ11、13の幾何学形状が互いに異なる。例えば、図3Bを見ると、アンテナ11の右端42は、アンテナ13の右端44とは異なる形状をしている。同様に、アンテナ11の左端46は、右端42と同様の形状を有する場合があるが、右端44と同様の形状を有する場合があるアンテナ13の左端48とは異なる。さらに、アンテナ11、13の横方向の幅W11、W13は互いに異なる。アンテナ11、13の横方向の長さL11、L13が互いに異なる可能性もある。
【0050】
図3Cは、図3Aおよび図3Bにやや類似した、異なる幾何学形状の2つのアンテナを有するアンテナアレイの別の平面図を示す。この例では、アンテナ11、13は、それぞれ、横方向の長さL11、L13、横方向の幅W11、W13、および周囲縁E11、E13を有する実質的に直線状のストリップとして図示されている。周囲縁E11、E13は、アンテナ11、13の全周を囲むように延び、平面図にて領域を区切る。この例では、横方向の長さL11、L13及び/又は横方向の幅W11、W13は、図3Cを見たときに、ページ内へ/ページから、延びるアンテナ11、13の厚さ寸法よりも大きい。この例では、アンテナ11、13の端部の形状が互いに異なるという点で、アンテナ11、13の幾何学形状が互いに異なる。例えば、図3Cを見ると、アンテナ11の右端42は、アンテナ13の右端44とは異なる形状をしている。同様に、アンテナ11の左端46は、右端42と同様の形状を有する場合があるが、右端44と同様の形状を有する場合があるアンテナ13の左端48とは異なる。さらに、アンテナ11、13の横方向の幅W11、W13は互いに異なる。アンテナ11、13の横方向の長さL11、L13が互いに異なる可能性もある。
【0051】
図4A図4Dは、幾何学形状の違いを実現するために送受信アンテナ11、13の端部が有し得る異なる形状の追加例の平面図である。アンテナ11、13の端部のいずれか一方、または両方は、図3A図3Cの実施形態を含め、図4A図4Dの形状を有し得る。図4Aは、端部を概ね長方形に描いている。図4Bは、一方の角が丸みを帯び、他方の角は直角のままである端部を描いている。図4Cは、端部全体が丸みを帯びているか、外側に凸になっている。図4Dは、端部が内側に凹んでいるように描いている。他にもさまざまな形状が可能である。
【0052】
図5は、実質的に直線状のストリップとして図示された6本のアンテナを有するアンテナアレイの別の平面図である。この例では、アンテナは、アンテナの端部の形状、アンテナの横方向の長さ及び/又は横方向の幅が互いに異なり得るという点で、互いに幾何学形状が異なる。
【0053】
図5を参照すると、アンテナ11、13の各々は、それぞれのアンテナの周囲縁の全長によって定義される少なくとも関連する最小周囲縁長さを有する。アンテナ11、13は、それぞれ最小の周囲長さを有するが、最小の周囲長さを有しないアンテナよりも良好に機能する(すなわち、分析物の検出性能が向上する)。さらに、アンテナ素子11、13の各々は、アンテナ11、13を含むアレイのサイズを最小化しつつ、所望の検出性能を達成することを可能にする最大周囲長さを超えない周囲長さを有する。周囲長さとは、各アンテナ11、13の周囲縁若しくは境界の全長若しくは距離を指す。
【0054】
図5のアンテナ11、13は、A1~A6の順にラベル付けされている。各アンテナA1~A6は送信アンテナとしても受信アンテナとしても機能する。別の実施形態では、各アンテナA1~A6は、送信アンテナとしてのみ、または受信アンテナとしてのみ動作し得る。アンテナA1~A6の各1つの全体の周囲長さは、少なくとも約20.0mmから約90.0mmを超えない範囲;または少なくとも約20.0mmから約80.0mmを超えない範囲;または少なくとも約20.0mmから約70.0mmを超えない範囲;または少なくとも約20.0mmから約60.0mmを超えない範囲;または少なくとも約20.0mmから約50.0mmを超えない範囲;または少なくとも約20.0mmから約40.0mmを超えない範囲;または少なくとも約25.0mmから約90.0mm、約80.0mm、約70.0mm、約60.0mm、約50.0mm、または約40.0mmを超えない範囲;または少なくとも約27.5mmから約40.0mmを超えない範囲;または少なくとも約27.5mmから約35.5mmを超えない範囲;または少なくとも約29.4mmから約32.0mmを超えない範囲、であればよい。さらに別の実施形態では、アンテナA1、A4の各1つの全体の周囲長さは約29.4mm±10%または±5%とでき、アンテナA2、A5の各1つの全体の周囲長さは約30.3mm±10%または±5%とでき、アンテナA3、A6の各1つの全体の周囲長さは約32.0mm±10%または±5%とできる。
【0055】
引き続き図5を参照すると、全てのアンテナA1~A6が同じ基板35上に配置されているように描かれている。ただし、アンテナA1~A6は2枚以上の基板上に配置することもできる。さらに、アンテナA1~A6の各々は、(破線で描かれている)長手方向軸LAを有し、アンテナA1~A6の長手方向軸LAは、互いに平行であるように図示されている。ただし、縦軸LAは平行である必要はない。長手方向の軸のいくつかは互いに平行であるが、他の軸は角度がついていてもよい;あるいは、長手方向の軸のすべてが角度がついている(すなわち、互いに平行ではない)のでもよい。
【0056】
さらに、アンテナA1~A6の少なくとも1つは矩形形状を有し、アンテナA1~A6の少なくとも1つはスタジアム形状を有し、アンテナA1~A6の少なくとも1つは丸みを帯びた矩形形状を有する。図示の実施形態では、アンテナA3およびA6のようなアンテナのうちの2つは矩形形状を有し、アンテナA1およびA4のようなアンテナのうちの2つはスタジアム形状を有し、アンテナA2およびA5のようなアンテナのうちの2つは丸みを帯びた矩形形状を有する。スタジアム形状とは、矩形の反対端に半円を配した2次元の幾何学的な形状のことである。丸みを帯びた矩形形状は、矩形の各隅にて径を伴う矩形で構成される2次元の幾何学的な形状である。図5のアンテナは、同じ形状の2つのアンテナが隣り合わないように基板35上に配置されている。
【0057】
図5のアンテナアレイは、アンテナA1またはA4のようなアンテナの第1のものが第1の周囲長さを有し、アンテナA2またはA5のようなアンテナの第2のものが第2の周囲長さを有し、アンテナA3またはA6のようなアンテナの第3のものが第3の周囲長さを有するように構成されている。一実施形態では、第1の周囲長さ、第2の周囲長さ、および第3の周囲長さは互いに異なる。周囲長さの違いは、アンテナの幾何学的な形状の違いによるものである。別の実施形態では、アンテナA1~A6は、異なる幾何学的な形状を有し得るが、アンテナA1~A6の周囲長さの一部または全部は同じであり得る。さらに別の実施形態では、アンテナA1~A6は、同じ幾何学的な形状を有し得るが、周囲長さが異なる。一実施形態では、各アンテナA1~A6は、同じ最大長手方向長さL及び同じ最大幅Wを有し得、異なる幾何学的な形状が異なる周囲長さを占める。
【0058】
アンテナのデカップリングを達成するための別の技術は、各アンテナ間の適切な間隔を使用することであり、その間隔は、送信アンテナによって送信される信号の大部分またはすべてをターゲット内に強制的に送り込むのに十分であり、それによって、送信アンテナから直接受信アンテナによる電磁エネルギーの直接受信を最小限に抑える。適切な間隔は、それ自体でアンテナのデカップリングを達成するために使用できる。別の実施形態では、適切な間隔を、アンテナの幾何学形状の違いと併用することで、デカップリングを実現できる。
【0059】
図2Aを参照すると、送信アンテナ11と受信アンテナ13の間には、示された位置に間隔Dがある。アンテナ11、13間の間隔Dは、各アンテナ11、13の(例えば、X軸方向の)全長にわたって一定であってもよいし、アンテナ11、13間の間隔Dが変化してもよい。間隔Dは、送信アンテナ11によって送信される信号の大部分または全部がターゲットに到達し、送信アンテナ11から直接受信アンテナ13による電磁エネルギーの直接受信を最小化し、それによってアンテナ11、13を互いから切り離すのに十分である限り、任意の間隔Dを使用できる。
【0060】
さらに、送信アンテナ11と受信アンテナ13の間には、好ましくは最大間隔と最小間隔がある。最大間隔は、ハウジング29の最大サイズによって決まる。一実施形態では、最大間隔は約50mmとできる。一実施形態では、最小間隔は約1.0mmから約5.0mmとできる。
【0061】
ターゲット中の少なくとも1つの分析物を検出する方法は、本明細書に記載のセンサ装置の実施形態のいずれかを用いて実施できる。分析物を検出するために、センサはターゲットの比較的近接に設置される。比較的近接とは、センサがターゲットに近接し得るが、直接物理的に接触していないことを、あるいは、センサをターゲットに直接、密接に物理的に接触して配置させ得ることを、意味する。センサとターゲットの間隔は、送信信号のパワーなど多くの要因に左右される。センサがターゲットに対して適切な位置にあると仮定すると、送信信号は、例えば送信回路によって生成される。送信信号は次に送信アンテナに送られ、送信アンテナは送信信号をターゲットに向けて送信する。送信信号が分析物に接触した結果生じる応答は、受信アンテナによって検出される。受信回路は、受信アンテナから検出された応答を取得し、検出された応答をコントローラに提供する。その後、検出された反応を分析し、少なくとも1つの分析物を検出できる。分析は、コントローラによって、および/または外部デバイスによって、および/またはリモートサーバによって実行できる。
【0062】
検出方法における分析は、多くの形態をとることができる。一実施形態では、分析は単に被分析物の存在を検出することができる。即ち、ターゲットに存在する分析物である。あるいは、分析は、存在する分析物の量を決定することができる。
【0063】
例えば、送信信号と分析物との相互作用は、場合によっては受信アンテナによって検出される信号の強度を増加させ、他の場合には受信アンテナによって検出される信号の強度を減少させる。例えば、非限定的な一実施形態では、検出された応答を分析する際、検出される対象の分析物を含むターゲット中の化合物は、送信信号の一部を吸収でき、吸収は送信信号の周波数に基づいて変化する。受信アンテナによって検出される応答信号は、分析物などのターゲット中の化合物が送信信号を吸収する周波数での強度低下を含むことがある。吸収の周波数は分析物によって異なる。受信アンテナによって検出された応答信号は、対象の分析物に関連する周波数で分析され、分析物による吸収に対応する信号強度の低下に基づき、対象の分析物による吸収に対応する周波数において信号強度の低下が観察されるかどうかに基づいて、分析物を検出できる。分析物に起因する信号の強度の増加に関しても、同様の手法を用いることができる。
【0064】
分析物の存在の検出は、例えば、分析物に関連する既知の周波数で受信アンテナによって検出された信号強度の変化を識別することによって達成できる。この変化は、送信信号が分析物とどのように相互作用するかに応じて、信号強度の減少または信号強度の増加となる可能性がある。分析物に関連する既知の周波数は、例えば、分析物を含むことが知られている溶液の試験を通じて確立できる。分析物の量の決定は、例えば、入力変数が信号の変化の大きさであり、出力変数が分析物の量である関数を用いて、既知の周波数における信号の変化の大きさを特定することによって、達成できる。分析物の量の決定は、さらに、例えばターゲットの既知の質量または体積に基づいて濃度を決定するために使用できる。一実施形態では、分析物の存在及び分析物の量の決定は、例えば、最初に分析物の存在を検出するために検出信号の変化を特定し、次に量を決定するために変化の大きさを特定するために検出信号を処理することによって、両方決定できる。
【0065】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、限定を意図するものではない。「a」、「an」、「the」という用語は、特に明記されていない限り、複数形も含む。本明細書において使用される場合、「comprises」及び/又は「comprising」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在又は追加を排除するものではない。
【0066】
本出願に開示された実施例は、あらゆる点で例示的なものであり、限定的なものではないと考えられる。本発明の範囲は、前述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および同等性の範囲内に入るすべての変更は、そこに包含されることが意図されている。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
【国際調査報告】