(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】音響検査のための同時発射スキーム
(51)【国際特許分類】
G01N 29/24 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
G01N29/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566675
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 CA2022050649
(87)【国際公開番号】W WO2022226651
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522343027
【氏名又は名称】エヴィデント・カナダ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ・ルパージュ
(72)【発明者】
【氏名】ジンチ・ジャン
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA05
2G047BC09
2G047CA01
2G047GB02
2G047GF06
(57)【要約】
ターゲットの音響評価は、電気音響トランスデューサのアレイを使用して行うことができる。例えば、そのような評価のための技術は、取得のための少なくとも2つの異なる音響ビームステアリング方向に対応するそれぞれの音響ビームを同時に確立するために、トランスデューサアレイ内の複数の電気音響トランスデューサのそれぞれによる送信のためのパルスを生成することであって、パルスは、少なくとも、第1の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第1のシーケンスであって、第1のシーケンスは、第1のビームステアリング方向(例えば、角度又は空間ビーム方向)に対応する、第1のシーケンスと、第1の極性と反対の第2の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第2のシーケンスであって、第2のシーケンスは、第2のビームステアリング方向に対応する、第2のシーケンスと、を含む、生成することを含む。パルスの送信に応答して、それぞれの音響エコー信号を受信し、集約して、ターゲット上又はターゲット内の関心領域の画像を形成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気音響トランスデューサのアレイを使用してターゲットの音響評価を行うための方法であって、
取得のための少なくとも2つの異なる音響ビームステアリング方向に対応するそれぞれの音響ビームを同時に確立するために、トランスデューサアレイ内の複数の電気音響トランスデューサのそれぞれによる送信のためのパルスを生成することであって、前記パルスは、少なくとも、
第1の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第1のシーケンスであって、前記第1のシーケンスは、第1のビームステアリング方向に対応する、第1のシーケンスと、
前記第1の極性と反対の第2の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第2のシーケンスであって、前記第2のシーケンスは、第2のビームステアリング方向に対応する、第2のシーケンスと、を含む、生成することと、
前記パルスの送信に応答して、それぞれの音響エコー信号を受信し、受信した前記音響エコー信号を集約して、前記ターゲット上又は前記ターゲット内の関心領域の画像を形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記パルスを生成することは、前記複数の電気音響トランスデューサのうちの異なるものについてのそれぞれのシーケンスを生成することを含み、前記トランスデューサアレイによって定められる中央要素又はアパーチャについてのパルスの生成を抑制することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスは、前記複数の電気音響トランスデューサのうちの異なるものについてそれぞれのパルスシーケンスを定め、
前記それぞれのパルスシーケンスは、前記複数の電気音響トランスデューサのそれぞれに対応する前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスからの寄与の合計を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記アレイは、一次元アレイを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記アレイは、線形アレイを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
それぞれのパルスシーケンス内のパルスの振幅は、最大でも単一の単位振幅である、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記アレイは、二次元アレイを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記二次元アレイ内の前記複数の電気音響トランスデューサのそれぞれによる送信のためのパルスを生成することは、前記取得のための複数の音響ビーム方向に対応するそれぞれの音響ビームを同時に確立することを含み、
前記音響ビームは、前記二次元アレイの中心軸を中心とする半円形構成又は円形構成において、少なくとも部分的に半径方向に延びる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のシーケンス及び第2のシーケンスが、前記二次元アレイの前記中心軸を中心とする前記半円形構成又は円形構成における隣接する音響ビームに対応する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
それぞれのパルスシーケンス内のパルスの任意の振幅が、半単位振幅、全単位振幅、又はゼロ振幅を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
それぞれのパルスシーケンス内のそれぞれのパルスの振幅が、前記シーケンス内のパルスのカウントよりも少ないレベルのカウントを使用して確立される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
送信のための前記パルスを生成することは、前記ターゲットの表面に垂直な方向におけるサイドローブ又はビームの形成を抑制することを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスが、第1の取得に対応する第1のビーム群を定める第1の送信セットとして含まれ、前記方法が、第2の取得に対応する異なる第2のビーム群を定める第2の送信セットを含むそれぞれのシーケンスを生成することを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のビーム群は、前記第1のビーム群のそれぞれのビーム方向の間のギャップに位置するビーム方向を定める、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ターゲットの音響評価のための超音波検査システムであって、
複数の電気音響トランスデューサ要素に結合された送受信回路を含むアナログフロントエンドと、
前記アナログフロントエンドと通信可能に結合されたプロセッサ回路と、
命令を含むメモリ回路と、を備え、
前記命令は前記プロセッサ回路によって実行されると、前記超音波検査システムに、
取得のための少なくとも2つの異なる音響ビームステアリング方向に対応するそれぞれの音響ビームを同時に確立するために、トランスデューサアレイ内の前記複数の電気音響トランスデューサのそれぞれによる送信のためのパルスを生成することであって、前記パルスは、少なくとも、第1の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第1のシーケンスであって、前記第1のシーケンスは、第1のビームステアリング方向に対応する、少なくとも第1のシーケンスと、前記第1の極性と反対の第2の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第2のシーケンスであって、前記第2のシーケンスは、第2のビームステアリング方向に対応する、第2のシーケンスと、を含む、生成することと、
前記パルスの送信に応答して、それぞれの音響エコー信号を受信し、前記受信した音響エコー信号を集約して、前記ターゲット上又は前記ターゲット内の関心領域の画像を形成することと、を行わせる、超音波検査システム。
【請求項16】
前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスは、前記複数の電気音響トランスデューサのうちの異なるものについてそれぞれのパルスシーケンスを定め、前記それぞれのパルスシーケンスは、前記複数の電気音響トランスデューサのそれぞれに対応する前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスからの寄与の合計を含む、請求項15に記載の超音波検査システム。
【請求項17】
前記複数の電気音響トランスデューサは、一次元アレイを含む、請求項15又は16に記載の超音波検査システム。
【請求項18】
それぞれのパルスシーケンス内のパルスの振幅は、最大でも単一の単位振幅である、請求項17に記載の超音波検査システム。
【請求項19】
前記複数の電気音響トランスデューサは、二次元アレイを含む、請求項15又は16に記載の超音波検査システム。
【請求項20】
前記二次元アレイ内の前記複数の電気音響トランスデューサのそれぞれによる送信ためのパルスを生成する前記命令は、前記取得のための複数の音響ビーム方向に対応するそれぞれの音響ビームを同時に確立する命令を含み、前記音響ビームは、前記二次元アレイの中心軸を中心とする半円形構成又は円形構成において、少なくとも部分的に半径方向に延びる、請求項19に記載の超音波検査システム。
【請求項21】
前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスが、前記二次元アレイの前記中心軸を中心とする前記半円形構成又は円形構成における隣接する音響ビームに対応する、請求項20に記載の超音波検査システム。
【請求項22】
それぞれのパルスシーケンス内のパルスの任意の振幅が、半単位振幅、全単位振幅、又はゼロ振幅を含む、請求項15から21のいずれか一項に記載の超音波検査システム。
【請求項23】
それぞれのパルスシーケンス内のそれぞれのパルスの振幅が、前記シーケンス内のパルスのカウントよりも少ないレベルのカウントを使用して確立される、請求項15から22のいずれか一項に記載の超音波検査システム。
【請求項24】
送信のための前記パルスを生成する前記命令は、前記ターゲットの表面に垂直な方向におけるサイドローブ又はビームの形成を抑制する命令を含む、請求項15から23のいずれか一項に記載の超音波検査システム。
【請求項25】
前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスが、第1の取得に対応する第1のビーム群を定める第1の送信セット内に含まれ、前記命令が、第2の取得に対応する異なる第2のビーム群を定める第2の送信セットを含むそれぞれのシーケンスを生成する命令を含む、請求項15から24のいずれか一項に記載の超音波検査システム。
【請求項26】
前記第2のビーム群は、前記第1のビーム群のそれぞれのビーム方向の間のギャップに位置するビーム方向を定める、請求項25に記載の超音波検査システム。
【請求項27】
ターゲットの音響評価のための超音波検査システムであって、
取得のための少なくとも2つの異なる音響ビームステアリング方向に対応するそれぞれの音響ビームを同時に確立するために、トランスデューサアレイ内の複数の電気音響トランスデューサのそれぞれによる送信のためのパルスを生成するための手段であって、前記パルスは、少なくとも、
第1の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第1のシーケンスであって、前記第1のシーケンスは、第1のビームステアリング方向に対応する、第1のシーケンスと、
前記第1の極性と反対の第2の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第2のシーケンスであって、前記第2のシーケンスは、第2のビームステアリング方向に対応する、第2のシーケンスと、を含む、生成する手段と、
前記パルスの送信に応答して、それぞれの音響エコー信号を受信するための手段と、
前記受信した音響エコー信号を集約して、前記ターゲット上又は前記ターゲット内の関心領域の画像を形成するための手段と、を備える、超音波検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本特許出願は、2021年4月30日に出願され、かつ「CONTEMPORANEOUS FIRING SCHEME FOR ACOUSTIC INSPECTION」と題するLepageらの米国仮特許出願第63/201,468号(代理人整理番号No.6409.194PRV)の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本文書は概して、非破壊的評価に関し、より具体的には、一次元又は二次元のトランスデューサアレイを使用して確立されるような、多数の同時送信される音響ビームを使用して音響検査を提供するための装置及び技術に関するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0003】
様々な検査技術は、そのような構造を損傷することなく、構造を撮像又はさもなければ分析するために使用され得る。例えば、X線検査、渦電流検査、又は音響(例えば、超音波)検査のうちの1つ以上を使用して、試験試料上又は試験試料内の特徴の撮像のためのデータを取得することができる。例えば、音響撮像は、試験試料内の関心領域を撮像するためなど、超音波トランスデューサ要素のアレイを使用して実施され得る。異なる撮像モードを使用して、試験試料上又は試験試料内の構造によって散乱又は反射された受信音響信号を提示することができる。
【0004】
例えば、振幅又は「Aスキャン」表現は、試験試料を横断する線形ビーム軸又は光線に沿ってなど、受信超音波信号の大きさ対時間又は深さのプロット又は他の表示を生成することを含むことができる。ビーム形成は、所望のビーム角度及び焦点位置を提供するために、超音波トランスデューサのコヒーレント励起を使用して実行され得る。例えば、コヒーレント励起は、所望のビーム角及び焦点位置のいずれか、又は両方を確立するために、個々のアレイ要素(又はそれによって定められるアパーチャ)による送信のためのパルスに、指定された遅延値(又は位相シフト)を適用することを含むことができる。代替的に、又は追加的に、ビーム形成は、個々のアレイ要素から受信された信号が遅延(又は位相シフト)されて、所望のビーム角度及び焦点位置のうちの1つ以上を提供する様式で、受信した音響エコー信号を合計することによるなど、受信において実行され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
超音波ベースの検査などの音響試験は、試験試料内の関心領域を表すデータプロット又は画像の構築を助けるために合焦又はビーム形成技術を含むことができる。超音波トランスデューサ要素のアレイの使用は、位相アレイビーム形成アプローチの使用を含むことができ、位相アレイ超音波試験(PAUT)と呼ばれ得る。例えば、それぞれのトランスデューサ要素又はアパーチャからの受信音響信号のタイムドメイン表現をコヒーレントに合計することを含むような、遅延和ビーム形成技術を使用することができる。
【0006】
本発明者らは、とりわけ、多数の(例えば、2つ以上の)同時確立された音響ビームの使用が、多数の取得にわたって単一のビームアプローチを使用するのと比較して、各取得についてより大きな空間範囲の音響インテロゲーション(例えば、走査)を可能にすることなどによって、音響検査スループットを向上させることができることを認識している。しかしながら、そのような同時確立されたビームの使用(「同時発射」と呼ばれ得るような)は、様々な課題を提示し得る。例えば、各ビームに対応する音響圧力場は、送信音響プローブアレイの中心軸又は中心領域で、又はその近くで重複してもよい。そのような重複は、発射角度が互いに近いとき、又は発射角度のカウントが増加するときに生じ得る。音響圧力場はまた、サイドローブなどの望ましくない軸外特徴を含み得る。
【0007】
1つのアプローチにおいて、時間反転技法は、同じ極性を有する正方形パルスのシーケンスとして確立されるような、送信パルス合成のために使用され得る。シミュレーションは、同じ極性を有するパルスの時間的及び空間的オーバーラップが、望ましくない様式で互いに干渉する音響成分を含む発射ビームをもたらす可能性があることを示す。一般に、一般に、合成に使用する技術において、各ビーム方向の未修正の個々の送信励起パルスシーケンスが調整なしに互いに重ね合わされるだけであり、パルスの各々が同じ極性を有する場合、同時に発射されたビームは、方向又は空間範囲が不明確であるか、又はそうでなければ適切に制御されない場合がある。
【0008】
そのような課題に対処するために、本発明者らはまた、交互の又は他の方法で制御されたパルス極性を有する様式で、それぞれの同時生成されたビームのパルスプロファイルを確立することは、時間反転アプローチと同様のアプローチを使用しながら、パルスシーケンスの修正又は調整を含む、ビーム間干渉に対抗することができることも認識している。例えば、1つのシーケンスで使用されるそれぞれのパルスの極性は、空間的に隣接するビームを生成するために使用されるシーケンスにおけるそれぞれの極性に対して反転され得る。このような「交互の」極性の使用は、必要な振幅レベルのカウント又は送信ドライバのダイナミックレンジ、又はその両方を緩和する様式で、パルス振幅の低減又はキャンセルをもたらし得る。そのようなアプローチは、各々が、単一のビームを含む基準プロファイルに対応する音響圧力場プロファイルにより密接に類似する、同時に生成されたビームを提供することができる。本明細書に記載されるアプローチは、パルス振幅が比較的低く、より少ない振幅レベルを使用することができるため、他のアプローチと比較してより単純な駆動回路の使用を容易にすることもできる。
【0009】
一例では、ターゲットの音響評価は、一次元(例えば、線形)又は二次元(例えば、マトリックス)アレイなどの電気音響トランスデューサのアレイを使用して行うことができる。例えば、そのような評価のための技術は、取得のための少なくとも2つの異なる音響ビームステアリング方向に対応するそれぞれの音響ビームを同時に確立するために、トランスデューサアレイ内の複数の電気音響トランスデューサのそれぞれによる送信のためのパルスを生成することであって、パルスは、少なくとも、第1の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第1のシーケンスであって、前記第1のシーケンスは、第1のビームステアリング方向に対応する、第1のシーケンスと、前記第1の極性と反対の第2の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第2のシーケンスであって、前記第2のシーケンスは、第2のビームステアリング方向に対応する、第2のシーケンスと、を含む、生成することを含む。パルスの送信に応答して、それぞれの音響エコー信号を受信し、集約して、ターゲット上又はターゲット内の関心領域の画像を形成することができる。例えば、第1のシーケンス及び第2のシーケンスは、複数の電気音響トランスデューサのうちの異なるものについてそれぞれのパルスシーケンスを定めることができ、それぞれのパルスシーケンスは、複数の電気音響トランスデューサのそれぞれに対応する第1のシーケンス及び第2のシーケンスからの寄与の合計を含む。
送信のためのパルスの生成は、ターゲットの表面に垂直な方向へのサイドローブ又はビームの形成を抑制することを含むことができる。
【0010】
例解的な例として、ターゲットの音響評価のためのシステムは、複数の電気音響トランスデューサ要素に結合された送受信回路を含むアナログフロントエンドと、アナログフロントエンドと通信可能に結合されたプロセッサ回路と、命令を含むメモリ回路であって、命令はプロセッサ回路によって実行されると、システムに、音響評価を行わせ、例えば、取得のための少なくとも2つの異なる音響ビームステアリング方向に対応するそれぞれの音響ビームを同時に確立するために、トランスデューサアレイ内の複数の電気音響トランスデューサのそれぞれによる送信のためのパルスを生成することであって、パルスは、少なくとも、第1の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第1のシーケンスであって、第1のシーケンスは、第1のビームステアリング方向に対応する、第1のシーケンスと、第1の極性と反対の第2の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第2のシーケンスであって、第2のシーケンスは、第2のビームステアリング方向に対応する、第2のシーケンスと、を含む、生成することと、パルスの送信に応答して、それぞれの音響エコー信号を受信し、受信した音響エコー信号を集約して、ターゲット上又はターゲット内の関心領域の画像を形成することと、を行わせる、メモリ回路と、を含むことができる。
【0011】
本概要は、本特許出願の主題の概要を提供することを意図する。本発明の排他的又は網羅的な説明を提供することは、意図されていない。詳細な説明は、本特許出願に関する更なる情報を提供するために含まれる。
【0012】
必ずしも正確な縮尺率で描画されていない図面において、同様の数字は、異なる図面において同様の構成要素を説明し得る。異なる文字接尾辞を有する同様の数字は、類似の構成要素の異なるインスタンスを表し得る。図面は、限定するものではないが、概して、本文書で考察される様々な実施形態を例として例解する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本明細書に示され、説明されるように、少なくとも一部分の1つ以上の技術を実施するために使用され得るような、音響検査システムを含む例を概して示す。
【
図2ABC】
図2A、
図2B、及び
図2Cは、単一のビーム方向を提供するために駆動される線形アレイによって生成されるような、異なるステアリング角度に対応するシミュレートされた単一ビーム音響圧力場の例解的な例を示す。
【
図2D】
図2Aのシミュレートされた単一ビーム音響圧力場の各々に対応する、線形アレイ内のそれぞれの要素又は送信アパーチャのパルスタイミングの例解的な例を示す。
【
図2E】
図2Bのシミュレートされた単一ビーム音響圧力場の各々に対応する、線形アレイ内のそれぞれの要素又は送信アパーチャのパルスタイミングの例解的な例を示す。
【
図2F】
図2Cのシミュレートされた単一ビーム音響圧力場の各々に対応する、線形アレイ内のそれぞれの要素又は送信アパーチャのパルスタイミングの例解的な例を示す。
【
図3A】時間反転アプローチを使用して確立された異なるパルスシーケンスに対応する音響圧力場の例解的な例を示し、ビーム配向が、
図2A、
図2B、及び
図2Cの個々のステアリングビームと比較することによって十分に定められていないことを示す。
【
図3B】時間反転アプローチを使用して確立された異なるパルスシーケンスに対応する音響圧力場の例解的な例を示し、ビーム配向が、
図2A、
図2B、及び
図2Cの個々のステアリングビームと比較することによって十分に定められていないことを示す。
【
図3C】
図3Aのシミュレートされた音響圧力場の各々に対応する、線形アレイ内のそれぞれの要素又は送信アパーチャのパルスタイミングの例解的な例を示す。
【
図3D】
図3Bのシミュレートされた音響圧力場の各々に対応する、線形アレイ内のそれぞれの要素又は送信アパーチャのパルスタイミングの例解的な例を示す。
【
図4A】それぞれのパルス又はパルスプロファイルの極性が隣接するステアリング角度又はビーム位置に対して交互になる、本主題に従って確立される異なるパルスシーケンスに対応する音響圧力場の例解的な例を示す。
【
図4B】それぞれのパルス又はパルスプロファイルの極性が隣接するステアリング角度又はビーム位置に対して交互になる、本主題に従って確立される異なるパルスシーケンスに対応する音響圧力場の例解的な例を示す。
【
図4C】
図4Aのシミュレートされた音響圧力場の各々に対応する、線形アレイのそれぞれの要素又は送信アパーチャのパルスタイミングの例解的な例を示し、矢印は、それぞれのビームに対応する交互の極性パルス(例えば、それぞれのパルス又はパルスプロファイルの極性が隣接するステアリング角度又はビーム位置に対して交互になる)を示す。
【
図4D】
図4Bのシミュレートされた音響圧力場の各々に対応する、線形アレイのそれぞれの要素又は送信アパーチャのパルスタイミングの例解的な例を示し、矢印は、それぞれのビームに対応する交互の極性パルス(例えば、それぞれのパルス又はパルスプロファイルの極性が隣接するステアリング角度又はビーム位置に対して交互になる)を示す。
【
図5A】
図4A、
図4B、
図4C、及び
図4Dの例と同様の技術を二次元アレイ用途に拡張できる、二次元アレイ表現(例えば、「マトリックスプローブ」)の例解的な例を示す。
【
図5B】音響ビーム方向の例解的な例を示し、音響ビームは、二次元アレイの中心軸を中心とする円形構成において少なくとも部分的に半径方向に延び、それぞれのパルスプロファイル極性が「+」又は「-」記号で示される。
【
図6A】
図5Bに例解的に示されるプロファイル極性に対応するパルスプロファイルを有する
図5Aに示される2Dアレイなどの64要素アレイの各要素のパルスシーケンス及び対応する振幅を含む例解的な例を示す。
【
図6B】
図6Aに示されるスキームに従って、個々のトランスデューサ要素(又はトランスデューサアパーチャ)のパルスシーケンスを含む例解的な例を示す。
【
図7A】
図6Aのパルスシーケンス(例えば、第1の送信セット)を使用して確立された(
図5Aに例解的に示される座標系に従って)Z平面の断面における音響圧力場を含む例解的な例を示し、異なる音響ビーム方向を示し、音響ビームは、二次元アレイの中心軸を中心とする円形構成において、少なくとも部分的に半径方向に延びる。
【
図7B】(
図5Aに例解的に示される座標系に従って)x-z平面の断面における音響圧力場を含む例解的な例を示し、別の視点から
図7Aの異なる音響ビーム方向を示す。
【
図7C】(
図5Aに例解的に示される座標系に従って)z平面の断面における音響圧力場を含む例解的な例を示し、音響ビームが、異なる送信シーケンスのセット(例えば、第2の送信セット)を使用して確立されて、
図6Aのパルスシーケンスを使用して、
図7Aに示されるように、確立された音響ビーム間の「ギャップ」に位置する音響ビームの別のセットを確立する。
【
図8】音響検査システムを動作させるための方法などの技術を概して示す。
【
図9】本明細書で考察される技術(例えば、方法論)のうちのいずれか1つ以上が実行され得るマシンを備える一例のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本主題は、同時様式で多数の音響ビームの同時生成を可能にするなど、高スループット音響検査を容易にする装置及び技術に関する。かかるスキームは、音響アレイのそれぞれの要素が全て文字通り同時に送信される必要はないにもかかわらず、「同時発射」と呼ばれることができる。多数のビームの同時生成は、それぞれの音響トランスデューサ(又はそれぞれの送信アパーチャを定めるトランスデューサの対応するグループ)に向けられたパルスのシーケンスを生成して、互いからの送信と集約されたときに、異なる指定された方向に延びる2つ以上のコヒーレント音響ビームを有する音響圧力場をもたらす音響信号を生成することを含むことができる。本発明者らは、とりわけ、(比較された受信として)同時送信に使用されるパルスシーケンスについて、生成されたビーム角度が互いに近いとき、又は同時に生成されている多くのビームがあるときなど、各ビームに関連付けられた生成されたパルスが、送信アレイの中心の周りの要素内で時間的にオーバーラップし得ることを認識している。本発明者らはまた、パルスオーバーラップによる歪みの低減が、単一の(非同時的な)ビームに対応する基準プロファイルが単独で送信される、その基準プロファイルからのそれぞれのビームの偏差を低減するのに役立つことができることを認識している。本明細書の例は、一次元(例えば、線形)及び二次元(例えば、マトリックス)アレイの実装、並びに多数のビーム方向を同時に提供するために使用することができるパルスシーケンスの例を示す。
【0015】
図1は、本明細書に示され、説明されるように、少なくとも一部分の1つ以上の技術を実施するために使用され得るような、音響検査システム100を含む例を概して示す。音響検査システム100は、手持ち型又は携帯型アセンブリなどの試験器具140を含むことができる。試験器具140は、マルチコンダクタインターコネクト130を使用するなど、プローブアセンブリに電気的に結合されてもよい。プローブアセンブリ150は、それぞれのトランスデューサ154Aから154Nを含むトランスデューサアレイ152などの1つ以上の電気音響トランスデューサを含むことができる。トランスデューサアレイは、線形又は湾曲した輪郭に従うことができ、又はトランスデューサ要子のマトリクスを提供するなど、2つの軸に延在する要素のアレイを含むことができる。要素は、フットプリントが正方形である必要はなく、直線軸に沿って配置される必要もない。要素のサイズ及びピッチは、検査用途に応じて変化され得る。
【0016】
試験器具140を様々な異なるプローブアセンブリ150と共に使用することを可能にするようなモジュール式プローブアセンブリ150構成を使用することができる。一般に、トランスデューサアレイ152は、例えば、結合媒体156を介してターゲット158(例えば、試験試料又は「試験中オブジェクト」)に音響的に結合され得るような圧電トランスデューサを含む。結合媒体は、流体若しくはゲル、又は固体膜(例えば、エラストマ若しくは他のポリマー材料)、又は流体、ゲル、若しくは固体構造の組み合わせを含むことができる。例えば、音響トランスデューサアセンブリは、既知の音響伝播特性(例えば、C-Lec Plastics Inc.から入手可能なRexolite(登録商標))を有する剛性熱硬化性ポリマーを含むくさび構造に結合されたトランスデューサアレイを含むことができ、水は、試験中に結合媒体156として、くさびと試験対象の構造との間に注入され得、又は試験は、プローブアセンブリ150とターゲット158との間のインターフェースを用いて行われ得るか、そうでなければ結合媒体に浸漬され得る。
【0017】
試験器具140は、1つ以上の送信信号チェーン、受信信号チェーン、又はスイッチング電気回路構成(例えば、送信/受信スイッチング電気回路構成)を含むフロントエンド回路122などのデジタル及びアナログ電気回路構成を含むことができる。送信信号チェーンは、ターゲット158の超音波照射のためにインターコネクト130を介してプローブアセンブリ150に送達するための送信パルスを提供する、超音波照射に応答して引き出される散乱又は反射された音響エネルギーを受信することによって、ターゲット158構造上若しくはその内部の欠陥160を撮像する、又はそうでなければ検出するような、増幅器及びフィルタ電気回路構成を含むことができる。
【0018】
図1は、単一のプローブアセンブリ150及び単一のトランスデューサアレイ152を示すが、単一の試験器具140に接続された多数のプローブアセンブリ、又はピッチ/キャッチ検査のために単一若しくは多数のプローブアセンブリ150と共に使用される多数のトランスデューサアレイ152などの他の構成を使用することができる。同様に、試験プロトコルは、多数の試験器具140間の調整を使用して、例えば、マスター試験器具140から確立された、又は計算設備108などの別の遠隔システム又はラップトップ132、タブレット、スマートフォン、デスクトップコンピュータなどの汎用コンピューティングデバイスによって確立された全体的な試験スキームに応答して、行われ得る。試験スキームは、公開された標準又は規制要件に従って確立され得、例解的な例として、最初の製造時に、又は継続的な監視のために繰り返し実施され得る。
【0019】
フロントエンド回路122の受信信号チェーンは、プローブアセンブリ150を使用して受信されたエコー信号をデジタル化するような、アナログ対デジタル変換設備と共に、1つ以上のフィルタ又は増幅器回路を含むことができる。デジタル化は、時間又は位相において互いに整列又は参照されるデジタル化されたデータの多数のチャネルを提供するように、コヒーレントに行われ得る。フロントエンド回路は、試験器具140の一部分として含まれるプロセッサ回路102などの1つ以上のプロセッサ回路に結合され、制御されてもよい。プロセッサ回路は、例えば、試験器具140に音響送信、音響取得、処理、若しくは音響検査に関連するデータの記憶のうちの1つ以上を行わせる命令を実行する、又はさもなければ、本明細書に示され、説明されるような技術を行うように、メモリ回路に結合されてもよい。試験器具140は、有線又は無線通信インターフェース120を使用するなどして、システム100の他の部分に通信可能に結合され得る。
【0020】
例えば、本明細書に図示及び説明されるような1つ以上の技術の性能は、試験器具140上で、又は計算設備108又はラップトップ132、タブレット、スマートフォン、デスクトップコンピュータなどの汎用コンピューティングデバイスを使用するなどの他の処理設備又は記憶設備を使用して達成され得る。例えば、試験器具140上で行われる場合、又は試験器具140の能力を超えて実行される場合、不必要に遅くなる処理タスクは、例えば、試験器具140からの要求に応答して、遠隔で(例えば、別個のシステム上で)行われ得る。同様に、例えば、撮像データ又は時系列データのAスキャンマトリクスなどの中間データ又はそのようなデータの他の表現の記憶は、試験器具140に通信可能に結合された遠隔設備を使用して達成され得る。試験器具は、構成情報又は結果の提示などのためのディスプレイ110と、オペレータコマンド、構成情報、又はクエリへの応答を受信するためのキーボード、トラックボール、ファンクションキー又はソフトキー、マウスインターフェース、タッチスクリーン、スタイラスなどのうちの1つ以上を含む入力デバイス112とを含むことができる。
【0021】
図2A、
図2B、及び
図2Cは、異なるステアリング角度に対応するシミュレートされた単一ビーム音響圧力場の例解的な例を示す。
図2Aは、+6度のステアリング角度を示し、
図2Bは、+12度のステアリング角度を示し、
図2Cは、+18度のステアリング角度を示す。
図2A、
図2B、及び
図2Bの音場は、単一のビーム方向を提供するように駆動される線形アレイによって生成され得る。そのような例は、単一角度又は単一方向の音響ビーム形成に対応する「基準」表現と見なすことができる。単一単位のパルス振幅が使用される(例えば、ゼロ単位及び1つの単位という2つのパルス振幅レベルのみが使用される)。一般に、本明細書に示され、説明される技術は、対応する単一ビーム基準場の圧力場に近似する多数のビームの同時生成を提供するために使用され得る。
図2D、
図2E、及び
図2Fは、
図2A、
図2B、及び
図2Cのシミュレートされた単一ビーム音響圧力場の各々に対応する、線形アレイ内のそれぞれの要素又は送信アパーチャのパルスタイミングの例解的な例を示す。
【0022】
図3A及び
図3Bは、時間反転アプローチを使用して確立された異なるパルスシーケンスに対応する音響圧力場の例解的な例を示し、シミュレートされたパラメータについて、ビーム配向が
図2A、
図2B、及び
図2Cの個々のステアリングビームと比較することによって十分に定められていないことを示す。
図3C及び
図3Dは、
図3A及び
図3Bのシミュレートされた音響圧力場の各々に対応する、線形アレイのそれぞれの要素又は送信アパーチャのパルスタイミングの例解的な例を示す。例えば、
図3Aは、+6度、+12度、及び+18度のステアリング角度(
図2A、
図2B、及び
図2Cの個々のビームを組み合わせた)の同時発射を示し、
図3Cは、対応するパルスタイミングを示す。
図3Bは、-18、-12、-6、+6、+12、及び+18度のステアリング角度(
図2A、
図2B、及び
図2Cの個々のビームを組み合わせ、それらの「ミラー」角度を加えた)の同時発射を示す。
図3Dは、
図3Bの音響圧力場を生成するための対応するパルスタイミングを示す。
図3C及び
図3Dに示されるスキームに使用される最大パルス振幅は、概して、
図3Cについては+3単位(3つのビーム方向に対応)、
図3Dについては+6単位(6つのビーム方向に対応)など、異なる同時確立されたビームのカウントに等しい。矢印によって示されるように、全てのパルスは、ベースラインに対して正方向である(例えば、全てのパルスは、同じ極性である)。音響圧力場はある程度の指向性を示すが、以下の交互の極性例と比較して、ゼロミリメートル位置で垂直に示される中心軸に対して、6度、12度、及び18度の角度の個々のビームは、互いに対して十分に定められていない。
【0023】
図4A及び
図4Bは、それぞれのパルス又はパルスプロファイルの極性が隣接するステアリング角度又はビーム位置に対して交互になる、本主題に従って確立される異なるパルスシーケンスに対応する音響圧力場の例解的な例を示す。音響アレイの形状、及び送信パラメータは、それ以外の場合、
図3Aの上記の例と同じである。
図4C及び
図4Dは、
図4A及び
図4Bのシミュレートされた音響圧力場の各々に対応する、線形アレイのそれぞれの要素又は送信アパーチャのパルスタイミングの例解的な例を示し、矢印は、それぞれのビームに対応する交互の極性パルス(例えば、それぞれのパルス又はパルスプロファイルの極性が隣接するステアリング角度又はビーム位置に対して交互になる)を示す。上記の様々な例解的な例は、二次元モデルを使用してシミュレートされた水中の音場を示す。プローブ形状は、11個の要素を有する線形アレイを含み、各パルスに対応するウェーブレットを使用し、ウェーブレットは、3.5メガヘルツ(MHz)の周波数及び70%の帯域幅を有する。トランスデューサ要素ピッチは0.75ミリメートルであり、焦点距離は、これらの例について無限としてモデル化される。
図4C及び
図4Dに例解的に示されるアプローチは、概して、
図3Cのシーケンスに対応することができるが、それぞれの隣接するビーム角のパルスの極性を反転させることによって対応することができる。例えば、
図2Dのシーケンスは、
図2Fのシーケンスと共に、
図2Eのシーケンスの逆極性表現と組み合わせることができる(例えば、各ビーム方向のそれぞれの要素のパルスプロファイルは、互いに直線的に合計される)。結果として生じるシーケンスを、
図4Cに例解的に示す。「ミラー」ビーム角度シーケンスを追加して、
図4Dに例解的に示されるパルスシーケンスを使用して6ビーム送信を提供することができる。
【0024】
図4A、
図4B、
図4C、及び
図4Dのアプローチは、例えば、中央要素が450A又は450Bに示されるようなゼロ振幅にあり得るため、小さな対称角度又はゼロ度の角度などにおいて課題を提示し得る。この課題は、この課題は、3つの取得を含むなどのマルチショットアプローチを使用することによって対処することができ、例えば、1つの取得中に正の角度が同時に発射され、別の取得中に負の角度が同時に発射され、ゼロ角度取得(例えば、通常、ターゲットの表面に入射する)が、用途に応じて指定された空間的又は方向的カバレッジに必要な場合に、更に別の取得を使用して別々に実行される。このような異なるビーム群のシーケンスは、以下で考察されるように、二次元(例えば、マトリックス)アレイを使用する例にも適用可能である。
【0025】
一般に、
図4A、
図4B、
図4C、及び
図4Dのアプローチは、線形位相アレイのビーム配向の改善された制御を提供し、より良い角度分解能をもたらすことができ、以下で考察されるように、同様のスキームは、二次元(例えば、マトリックス)アレイ構成に適用可能である。駆動回路は、パルス振幅が比較的低く、より少ない振幅レベルを使用することができるため、他のアプローチと比較して単純化され得る。例えば、
図4C及び
図4Dに示されるアプローチは、+1単位、-1単位、及びゼロ単位を含む3つのレベルのみを使用し、単位は、送信駆動回路によって生成され得る完全な利用可能な出力の大きさなどの指定された振幅値に対応する)。単一単位の正方向又は負方向のパルスシーケンスの使用は、多数の正又は負の振幅レベル(単一単位以外)がサポートされない場合があるレガシー送信ハードウェアを用いた本同時発射スキームの使用を可能にする。
【0026】
図5Aは、
図4A、
図4B、
図4C、及び
図4Dの例と同様の技術を二次元アレイ用途に拡張できる、二次元アレイ表現(例えば、「マトリックスプローブ」)の例解的な例を示す。
図5Bは、音響ビーム方向の例解的な例を示し、音響ビームは、二次元アレイの中心軸を中心とする円形構成において少なくとも部分的に半径方向に延び、それぞれのパルスプロファイル極性が「+」又は「-」記号で示される。半径方向に延びるビームのそのような配置のための用途は、回転管検査システム(rotating tube inspection system、RTIS)を含むことができる。RTISは、全ての配向(例えば、0度から360度)における斜めの欠陥又はノッチの検査、例えば、そのような検査が全ての欠陥配向のカバレッジを達成しなければならない(例えば、管状構造の長軸に対して平行又は横断していない)規制要件又は基準への準拠などについて、検査を含むことができる。パルスエコー検査を使用する場合、同時発射することなく、多数の指向性超音波ビームが、試験対象の管状物体の外面に配置された線形アレイ又はマトリックスアレイを使用して連続的に送信され、0度から360度までの斜めの欠陥をカバーする。本明細書に説明されるアプローチは、検査スループットを向上させるなど、多数のビームを同時に生成することを可能にし、望ましくないサイドローブの生成を抑制又は完全に抑止することを含む。例えば、本技術は、試験対象の管状物体への通常の入射方向のサイドローブを抑止又は抑制することを含む、同時発射に使用することができる。
【0027】
図6Aは、
図5Bに例解的に示されるプロファイル極性に対応するパルスプロファイルを有する
図5Aに示されるような2Dアレイなどの64要素アレイ内の各要素についてのパルスシーケンス及び対応する振幅を含む例解的な例を示し、
図6Bは、
図6Aに示されるスキームに従って、個々のトランスデューサ要素(又はトランスデューサアパーチャ)についてのパルスシーケンスを含む例解的な例を示す。
図7Aは、
図6Aのパルスシーケンス(例えば、第1の送信セット)を使用して確立された(
図5Aに例解的に示される座標系に従って)Z平面の断面における音響圧力場を含む例解的な例を示し、異なる音響ビーム方向を示し、音響ビームは、二次元アレイの中心軸を中心とする円形構成において、少なくとも部分的に半径方向に延びる。
図7Bは、(
図5Aに例解的に示される座標系に従って)x-z平面の断面における音響圧力場を含む例解的な例を示し、別の視点から
図7Aの異なる音響ビーム方向を示す。
図7A及び
図7Bの圧力場は、第1のビーム群を定めるパルスシーケンスの第1のセットに対応する第1の取得に使用することができる。
【0028】
図7Cは、(
図5Aに例解的に示される座標系に従って)z平面の断面における音響圧力場を含む例解的な例を示し、音響ビームが、異なる送信シーケンスのセット(例えば、第2の送信セット)を使用して確立されて、
図6Aのパルスシーケンスを使用して、
図7Aに示されるように、確立された音響ビーム間の「ギャップ」に位置する音響ビームの別のセットを確立する。
【0029】
例解として、
図7A又は
図7Cに示されるアプローチ(又は第1の送信セットにおける
図7Aの場のプロファイル及び第2の送信セットにおける
図7Cの場のプロファイルを使用する2つの取得を含む組み合わせ)は、上述したように、回転管検査システム(RTIS)などの様々な用途に、0度から360度の配向を有する斜めの欠陥又はノッチの検出のために使用することができる。
【0030】
上述のように、本主題が存在しない場合、複雑な駆動回路又は可能性のある望ましくないサイドローブの生成(例えば、ビームに対する法線方向)は、特に周波数が増加すると、多数のビーム方向が同時に送信される用途で発生し得る。対照的に、
図5Bに例解的に示されるように配置されたパルスプロファイル極性を有するなど、
図7A又は
図7C(又は一連の2つ以上の取得においては両方)に例解的に示されるようなアプローチを使用すると、指定された方向に配向された2つ以上の音響ビームを提供することができる。そのようなアプローチは、低減された駆動複雑性で達成され得る。例えば、
図6Aに示すように、プラスの全単位(+2)、半全単位(+1)、ゼロ(0)、マイナスの半全単位(-1)、及びマイナスの全単位(-2)などの5つの振幅レベルを使用することができる。他のビーム構成が可能であり、
図7A、
図7B、及び
図7Cに示される空間構成は、単なる例示である。一般に、パルスレベルのカウント(ゼロ振幅レベルを含む)は、シーケンス内のパルスのカウント未満であり得る。
図7A、
図7B、及び
図7Cのシミュレーションは、デンマークのJorgenArendtJensen、http://field-ii.dk//から入手可能なFIELD IIを使用して用意した。
【0031】
図8は、概して音響検査システムを動作させるための方法などの技術800を示し、820において、取得のための少なくとも2つの異なる音響ビームステアリング方向に対応するそれぞれの音響ビームを同時に確立するために、トランスデューサアレイ内の複数の電気音響トランスデューサのそれぞれによる送信のためのパルスを生成することを含む。825において、パルスを生成することは、第1の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第1のシーケンスを生成することを含み、第1のシーケンスは、第1のビームステアリング方向に対応し、830において、パルスを生成することは、第1の極性と反対の第2の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第2のシーケンスを生成することを含み、第2のシーケンスは、第2のビームステアリング方向に対応する。835において、パルスの送信に応答して、それぞれの音響エコー信号を受信がされ、集約(例えば、コヒーレントに合計)され、ターゲット上又はターゲット内の関心領域の画像を形成することができる。
【0032】
図9は、本明細書で考察される技術(例えば、方法論)のうちのいずれか1つ以上が実行され得るマシン900を備える一例のブロック図を示す。マシン900(例えば、コンピュータシステム)は、ハードウェアプロセッサ902(例えば、中央処理装置(central processing unit、CPU)、グラフィックス処理装置(graphics processing unit、GPU)、ハードウェアプロセッサコア、又はそれらの任意の組み合わせ)、メインメモリ904、及び静的メモリ906を含み得、これらは相互接続908(例えば、リンク又はバス)を介して接続され、これらの構成要素の一部又は全てが、上記で考察したシステム及び関連する実装のためのハードウェアを構成し得る。
【0033】
メインメモリ604の具体的な例としては、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、及びレジスタなどの半導体内の記憶位置を含み得る半導体メモリデバイスが挙げられる。静的メモリ906の具体的な例としては、半導体メモリデバイス(例えば、電気的プログラマブル読み取り専用メモリ(Electrically Programmable Read-Only Memory、EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory、EEPROM))及びフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ、内部ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、RAM、又はCD-ROMディスク及びDVD-ROMディスクなどの光学媒体が挙げられる。
【0034】
マシン900は、表示デバイス910、入力デバイス912(例えば、キーボード)、及びユーザインターフェース(user interface、UI)ナビゲーションデバイス914(例えば、マウス)を更に含み得る。一例では、表示デバイス910、入力デバイス912、及びUIナビゲーションデバイス914は、タッチスクリーンディスプレイであり得る。マシン900は、更に、大容量記憶デバイス(例えば、駆動ユニット)916、信号生成デバイス918(例えば、スピーカ)、ネットワークインターフェースデバイス920、及びグローバルポジショニングシステム(global positioning system、GPS)センサ、コンパス、加速度計、又は他のセンサなどの1つ以上のセンサ930を含み得る。マシン900は、1つ以上の周辺デバイス(例えば、プリンタ、カードリーダなど)を通信又は制御するための、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)、並列、又は他の有線若しくは無線(例えば、赤外線(infrared、IR)、近距離通信(near field communication、NFC)など)接続などの出力コントローラ928を含み得る。
【0035】
大容量記憶デバイス916は、本明細書に説明される技術若しくは機能のうちのいずれか1つ以上を具現化するか、又はそれによって利用されるデータ構造若しくは命令924(例えば、ソフトウェア)の1つ以上のセットが記憶されたマシン可読媒体922を含み得る。命令924はまた、マシン900によるその実行中に、メインメモリ904内、静的メモリ906内、又はハードウェアプロセッサ902内に完全に又は少なくとも部分的に存在し得る。一例では、ハードウェアプロセッサ902、メインメモリ904、静的メモリ906、又は大容量記憶デバイス916のうちの1つ又は任意の組み合わせが、マシン可読媒体を含む。
【0036】
マシン可読媒体の具体的な例としては、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM又はEEPROM)及びフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ、内部ハードディスク及び取り外し可能なディスクなどの磁気ディスク、磁気光学ディスク、RAM、又はCD-ROMディスク及びDVD-ROMディスクなどの光学媒体の1つ以上が挙げられる。マシン可読媒体922は単一の媒体として例解されているが、「マシン可読媒体」という用語は、1つ以上の命令924を記憶するように構成された単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型若しくは分散型データベース、又は関連付けられたキャッシュ及びサーバ)を含み得る。
【0037】
マシン900の装置は、ハードウェアプロセッサ902(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、ハードウェアプロセッサコア、又はそれらの任意の組み合わせ)、メインメモリ904及び静的メモリ906、センサ930、ネットワークインターフェースデバイス920、アンテナ932、表示デバイス910、入力デバイス912、UIナビゲーションデバイス914、大容量記憶デバイス916、命令924、信号生成デバイス918、又は出力コントローラ928のうちの1つ以上を含む。装置は、本明細書に開示される方法又は動作のうちの1つ以上を実行するように構成され得る。
【0038】
「マシン可読媒体」という用語は、マシン900による実行のための命令を記憶、符号化、又は搬送することができ、マシン900に本開示の技術のうちのいずれか1つ以上を実行させ、若しくは別の装置若しくはシステムに技術のうちのいずれか1つ以上を実行させる、又は、そのような命令によって使用される若しくはそのような命令に関連付けられたデータ構造を記憶、符号化、若しくは搬送することができる、任意の媒体を含み得る。非限定的なマシン可読媒体の例は、ソリッドステートメモリ、及び光学媒体又は磁気媒体を含み得る。マシン可読媒体の特定の例としては、半導体メモリデバイス(例えば、電気的プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM))及びフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ、内部ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又はCD-ROMディスク及びDVD-ROMディスクなどの光学媒体が挙げられる。いくつかの実施例では、マシン可読媒体は、非一時的なマシン可読媒体を含む。いくつかの実施例では、マシン可読媒体は、一時的な伝搬信号ではないマシン可読媒体を含む。
【0039】
命令924は、例えば、いくつかの転送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)など)のいずれか1つを利用して、ネットワークインターフェースデバイス920を介して伝送媒体を使用して通信ネットワーク926を介して送信又は受信され得る。例示的な通信ネットワークは、とりわけ、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、ワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、モバイル電話ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク)、従来型電話サービス(Plain Old Telephone、POTS)ネットワーク、及びワイヤレスデータネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)として知られる規格の米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers、IEEE)802.11ファミリー)、IEEE 802.15.4規格ファミリー、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)4G又は5G規格ファミリー、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System、(UMTS)規格ファミリー、ピアツーピア(P2P)ネットワーク、衛星通信網、を含む。
【0040】
一例では、ネットワークインターフェースデバイス920は、通信ネットワーク926にアクセスするための1つ以上の物理的ジャック(例えば、イーサネット、同軸、若しくは相互接続)、又は1つ以上のアンテナを含み得る。一例では、ネットワークインターフェースデバイス920は、単一入力多重出力(SIMO)、多重入力多重出力(MIMO)、又は多重入力単一出力(MISO)技術のうちの少なくとも1つを使用して無線通信する1つ以上のアンテナ932を含み得る。いくつかの実施例では、ネットワークインターフェースデバイス920は、マルチユーザMIMO技術を使用して無線通信する。「伝送媒体」という用語は、マシン900による実行のための命令を記憶、符号化又は保持することが可能な任意の無形の媒体を含み、そのようなソフトウェアの通信を容易にするためのデジタル又はアナログ通信信号又は他の無形の媒体を含むものと理解されなければならない。
【0041】
様々なメモ
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照を含む。図面は、例解として、本発明を実施することができる特定の実施形態を示す。これらの実施形態は、一般に「実施例」とも呼ばれる。そのような例は、図示又は説明されるものに加えて要素を含み得る。しかしながら、本発明者らは、図示又は説明される要素のみが提供される実施例も企図する。更に、本発明者らは、特定の例(若しくはその1つ以上の態様)に関して、又は本明細書に図示若しくは説明される他の例(若しくはその1つ以上の態様)に関して、図示又は説明されるそれらの要素(又はその1つ以上の態様)の任意の組み合わせ又は順列を使用する例も企図する。
【0042】
本文書と、このように参照により組み込まれた任意の文書との間で使用法が矛盾する場合、本文書の使用法が優先される。
【0043】
本文書において、「a」又は「an」という用語は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」の任意の他の事例又は使用法とは無関係に、1つ以上を含むように使用される。本文書において、「又は」という用語は、別段の指示がない限り、「A又はB」が「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、及び「A及びB」を含むように、非排他的論理和を指すために使用される。本文書において、「含む(including)」及び「それに(inwhich)」という用語は、それぞれの「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」という用語の平易な英語の均等物として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「備える(comprising)」という用語は、限定されておらず、すなわち、特許請求項のそのような用語の後に列挙される要素に加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、製剤、又はプロセスは、依然として、その特許請求項の範囲内にあるとみなされる。更に、以下の特許請求の範囲では、「第1」、「第2」、及び「第3」という用語などは、単にラベルとして使用され、それらの目的語に数値的要件を課すことを意図するものではない。
【0044】
本明細書に説明される方法の実施例は、少なくとも一部がマシン又はコンピュータによって実装することができる。いくつかの例は、電子デバイスを構成して上記の例で説明される方法を行うように動作可能な命令で符号化されたコンピュータ可読媒体又はマシン可読媒体を含むことができる。そのような方法の実装態様は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、より高レベルの言語コードなどのコードを含むことができる。そのようなコードは、様々な方法を行うためのコンピュータ可読命令を含むことができる。コードは、コンピュータプログラム製品の部分を形成し得る。そのような命令は、例えば方法を含む動作の実行を可能にするために、1つ以上のプロセッサによって読み出され、実行されてもよい。命令は、ソースコード、コンパイルされたコード、解釈されたコード、実行可能コード、静的コード、動的コードなどなどのような、任意の好適な形態であるが、これらに限定されない。
【0045】
更に、一例では、コードは、実行中又は他の時間などに、1つ以上の揮発性、非一時的、又は不揮発性の有形コンピュータ可読媒体に有形に記憶され得る。これらの有形のコンピュータ可読媒体の例としては、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスク及びデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカード又はスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)などを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0046】
上記の説明は、例解的であり、限定的ではないことが意図される。例えば、上で説明される例(又はその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。他の実施形態を使用することができ、例えば、上記の説明を見直す際に当業者によって使用することができる。要約書は、読者が技術開示の性質を迅速に確認することを可能にするように提供される。特許請求の範囲の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないことを理解して提出される。また、上記の詳細な説明では、様々な特徴を一緒にグループ化して、本開示を合理化することができる。これは、請求されていない開示された特徴が任意の特許請求項に不可欠であることを意図するものと解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴にあり得る。したがって、以下の特許請求の範囲は、実施例又は実施形態として詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として単独で存在し、そのような実施形態は、様々な組み合わせ又は順列で互いと組み合わせられ得ることが企図される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲とともに決定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気音響トランスデューサのアレイを使用してターゲットの音響評価を行うための方法であって、
取得のための少なくとも2つの異なる音響ビームステアリング方向に対応するそれぞれの音響ビームを同時に確立するために、トランスデューサアレイ内の複数の電気音響トランスデューサのそれぞれによる送信のためのパルスを生成することであって、前記パルスは、少なくとも、
第1の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第1のシーケンスであって、前記第1のシーケンスは、第1のビームステアリング方向に対応する、第1のシーケンスと、
前記第1の極性と反対の第2の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第2のシーケンスであって、前記第2のシーケンスは、第2のビームステアリング方向に対応する、第2のシーケンスと、を含む、生成することと、
前記パルスの送信に応答して、それぞれの音響エコー信号を受信し、受信した前記音響エコー信号を集約して、前記ターゲット上又は前記ターゲット内の関心領域の画像を形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記パルスを生成することは、前記複数の電気音響トランスデューサのうちの異なるものについてのそれぞれのシーケンスを生成することを含み、前記トランスデューサアレイによって定められる中央要素又はアパーチャについてのパルスの生成を抑制することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスは、前記複数の電気音響トランスデューサのうちの異なるものについてそれぞれのパルスシーケンスを定め、
前記それぞれのパルスシーケンスは、前記複数の電気音響トランスデューサのそれぞれに対応する前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスからの寄与の合計を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記アレイは、一次元アレイを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
それぞれのパルスシーケンス内のパルスの振幅は、最大でも単一の単位振幅である、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記アレイは、二次元アレイを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記二次元アレイ内の前記複数の電気音響トランスデューサのそれぞれによる送信のためのパルスを生成することは、前記取得のための複数の音響ビーム方向に対応するそれぞれの音響ビームを同時に確立することを含み、
前記音響ビームは、前記二次元アレイの中心軸を中心とする半円形構成又は円形構成において、少なくとも部分的に半径方向に延びる、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のシーケンス及び第2のシーケンスが、前記二次元アレイの前記中心軸を中心とする前記半円形構成又は円形構成における隣接する音響ビームに対応する、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
それぞれのパルスシーケンス内のパルスの任意の振幅が、半単位振幅、全単位振幅、又はゼロ振幅を含む、請求項1から
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
それぞれのパルスシーケンス内のそれぞれのパルスの振幅が、前記シーケンス内のパルスのカウントよりも少ないレベルのカウントを使用して確立される、請求項1から
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
送信のための前記パルスを生成することは、前記ターゲットの表面に垂直な方向におけるサイドローブ又はビームの形成を抑制することを含む、請求項1から
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスが、第1の取得に対応する第1のビーム群を定める第1の送信セットとして含まれ、前記方法が、第2の取得に対応する異なる第2のビーム群を定める第2の送信セットを含むそれぞれのシーケンスを生成することを含む、請求項1から
11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のビーム群は、前記第1のビーム群のそれぞれのビーム方向の間のギャップに位置するビーム方向を定める、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
ターゲットの音響評価のための超音波検査システムであって、
複数の電気音響トランスデューサ要素に結合された送受信回路を含むアナログフロントエンドと、
前記アナログフロントエンドと通信可能に結合されたプロセッサ回路と、
命令を含むメモリ回路と、を備え、
前記命令は
、前記プロセッサ回路によって実行されると、前記超音波検査システムに、
請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実行させる、超音波検査システム。
【請求項15】
ターゲットの音響評価のための超音波検査システムであって、
取得のための少なくとも2つの異なる音響ビームステアリング方向に対応するそれぞれの音響ビームを同時に確立するために、トランスデューサアレイ内の複数の電気音響トランスデューサのそれぞれによる送信のためのパルスを生成するための手段であって、前記パルスは、少なくとも、
第1の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第1のシーケンスであって、前記第1のシーケンスは、第1のビームステアリング方向に対応する、第1のシーケンスと、
前記第1の極性と反対の第2の極性を有するプロファイルを定めるパルスを有する第2のシーケンスであって、前記第2のシーケンスは、第2のビームステアリング方向に対応する、第2のシーケンスと、を含む、生成する手段と、
前記パルスの送信に応答して、それぞれの音響エコー信号を受信するための手段と、
前記受信した音響エコー信号を集約して、前記ターゲット上又は前記ターゲット内の関心領域の画像を形成するための手段と、を備える、超音波検査システム。
【国際調査報告】