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特表2024-515867マッピング三次元モデルのスライス方法、印刷方法、装置及びデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】マッピング三次元モデルのスライス方法、印刷方法、装置及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/386 20170101AFI20240403BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20240403BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240403BHJP
   B29C 64/20 20170101ALI20240403BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240403BHJP
   B29C 64/112 20170101ALI20240403BHJP
【FI】
B29C64/386
B33Y50/00
B33Y30/00
B29C64/20
B33Y10/00
B29C64/112
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566695
(86)(22)【出願日】2021-08-30
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 CN2021115458
(87)【国際公開番号】W WO2022227357
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110462298.8
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519314847
【氏名又は名称】チューハイ セイルナー スリーディー テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI SAILNER 3D TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呂 如松
(72)【発明者】
【氏名】万 文春
(72)【発明者】
【氏名】陳 偉
(72)【発明者】
【氏名】向 東清
(72)【発明者】
【氏名】呉 永潤
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AM23
4F213AR07
4F213AR12
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL85
4F213WL96
(57)【要約】
本願はマッピング三次元モデルのスライス方法、印刷方法、装置及びデバイスを提供する。マッピング三次元モデルのスライス方法は、マッピング三次元モデルファイルを解析し、マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップであって、少なくとも1つのポリゴンパッチがマッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含むステップと、スライス平面を使用して各ポリゴンパッチをスライスし、スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップと、少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得し、輪郭領域を塗りつぶすステップと、テクスチャ情報に従って塗りつぶされた輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップとを含み、フルカラーピクチャデータに基づきマッピング三次元モデルの三次元カラー印刷を行い、マッピング三次元モデルの印刷効率及び完全性は高まり印刷品質は向上する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッピング三次元モデルのスライス方法であって、前記方法は、
マッピング三次元モデルファイルを解析し、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップであって、少なくとも1つの前記ポリゴンパッチが前記マッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含む、ステップと、
スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップと、
前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得し、前記輪郭領域を塗りつぶすステップと、
前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップと、を含む、ことを特徴とするマッピング三次元モデルのスライス方法。
【請求項2】
前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得するステップは、
所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得するステップと、
各前記外側輪郭線に対してそれに対応する内側輪郭線との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得するステップの後に、前記方法は、
各外側輪郭線について、前記所定のマッピング厚さ及び所定のスライス厚さに基づいて、前記外側輪郭線に対応するスライス平面の上下にある所定数の各スライス平面に対応する関連外側輪郭線を取得するステップをさらに含み、
これに応じて、各前記外側輪郭線に対してそれに対応する内側輪郭線との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するステップは、
前記内側輪郭線に対して、それぞれの前記関連外側輪郭線との否定排他的論理和演算を行った後、対応する前記外側輪郭線との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するステップを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップは、
ピクチャの解像度に応じて、塗りつぶされた前記輪郭領域を前記ピクチャに対応付けるステップと、
塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の画素座標を取得するステップと、
塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の対応する画素座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の空間座標を決定するステップと、
塗りつぶされた前記輪郭領域中の各点の空間座標及び前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値を決定するステップと、
塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
マッピング三次元モデルファイルを解析するステップは、
前記マッピング三次元モデルファイルを取得するステップであって、前記マッピング三次元モデルファイルが前記マッピング三次元モデルのテクスチャライブラリ、各頂点の頂点座標、及びポリゴンインデックスを含む、ステップと、
前記頂点座標及び前記ポリゴンインデックスに従って、各前記ポリゴンパッチの各頂点の空間座標を決定するステップと、
前記ポリゴンインデックスに従って前記テクスチャライブラリを巡回し、各前記ポリゴンパッチの各頂点のテクスチャ情報を取得するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリゴンインデックスに従って前記テクスチャライブラリを巡回し、各前記ポリゴンパッチの各頂点のテクスチャ情報を取得するステップは、
前記ポリゴンインデックスに従って各前記ポリゴンパッチに対応するテクスチャファイルを決定するステップ、
各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれる場合には、前記テクスチャファイル中のテクスチャ画像を取得して、前記頂点の頂点テクスチャ座標に従って、前記テクスチャ画像から前記頂点のテクスチャ情報を決定するステップ、及び/又は、
各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれていない場合には、前記テクスチャファイル中の拡散光色値を取得して、前記頂点のテクスチャ情報を前記拡散光色値として決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップは、
各前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップと、
各前記交点を始めから終わりまで接続し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の前記外側輪郭線を取得するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップの前に、前記方法は、
ポリゴンパッチに対応する層化方向の空間座標に従って、各前記ポリゴンパッチをグループ化してソートし、グループ化関係行列を取得するステップであって、前記グループ化関係行列には各前記スライス平面に対応する各グループの前記ポリゴンパッチが含まれる、ステップをさらに含み、
これに応じて、前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップは、
各グループの前記ポリゴンパッチに対して対応する前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップを含む、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップの後に、前記方法は、
各前記ポリゴンパッチをサンプリングし、点群情報セットを取得するステップであって、前記点群情報セットには各サンプリング点の空間座標及びテクスチャ情報が含まれる、ステップをさらに含み、
これに応じて、前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップは、
前記点群情報セット及び塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の対応する空間座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値を決定するステップと、
塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップの後に、前記方法は、
各ポリゴンパッチについて、前記ポリゴンパッチの各々の隣接するポリゴンパッチを決定するステップであって、前記隣接するポリゴンパッチが前記ポリゴンパッチと前記ポリゴンパッチの一つの辺において接するステップと、
各ポリゴンパッチ及びその対応する各々の隣接するポリゴンパッチに従って、ポリゴントポロジーを生成するステップと、をさらに含み、
これに応じて、スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップは、
前記スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面と各前記ポリゴンパッチとの交点を取得するステップと、
前記ポリゴントポロジーに従って、各前記交点の接続順序を決定し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記輪郭領域を塗りつぶすステップは、
補色塗りつぶしアルゴリズムに基づいて、前記輪郭領域を塗りつぶすステップを含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
マッピング三次元モデルの印刷方法であって、前記方法は、
スライス画像データを取得するステップであって、前記スライス画像データが請求項1~13のいずれか1項に記載のマッピング三次元モデルのスライス方法に従って生成されたフルカラーピクチャデータを含む、ステップと、
前記スライス画像データに従って印刷制御データを生成し、前記印刷制御データに基づいてマッピング三次元モデルの印刷を行うステップと、を含む、ことを特徴とするマッピング三次元モデルの印刷方法。
【請求項13】
マッピング三次元モデルの装置であって、前記装置は、
マッピング三次元モデルファイルを解析し、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するための解析モジュールであって、少なくとも1つの前記ポリゴンパッチが前記マッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含む、解析モジュールと、
スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するための輪郭線取得モジュールと、
前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得し、前記輪郭領域を塗りつぶすための輪郭塗りつぶしモジュールと、
前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するためのフルカラーピクチャ生成モジュールと、を含む、ことを特徴とするマッピング三次元モデルの装置。
【請求項14】
メモリ及び少なくとも1つのプロセッサを含む三次元印刷デバイスであって、
前記メモリにはコンピュータ実行命令が記憶されており、
前記少なくとも1つのプロセッサが前記メモリに記憶されているコンピュータ実行命令を実行すると、前記少なくとも1つのプロセッサが、請求項1~11のいずれか1項に記載のマッピング三次元モデルのスライス方法、及び/又は、請求項12に記載のマッピング三次元モデルの印刷方法を実行する、ことを特徴とする三次元印刷デバイス。
【請求項15】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ実行命令が記憶されており、前記コンピュータ実行命令がプロセッサにより実行されるとき、請求項1~11のいずれか1項に記載のマッピング三次元モデルのスライス方法、及び/又は、請求項12に記載のマッピング三次元モデルの印刷方法を実現するために用いられる、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、三次元印刷技術の分野に関し、特に、マッピング三次元モデルのスライス方法、印刷方法、装置及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
三次元印刷システムは、設計者が設計した三次元モデルに基づいて印刷することにより、対応する三次元物体を取得することができる。三次元物体の印刷を行うために、三次元モデルのデータをスライス処理することができ、各スライスは、材料層の一部を定義することができ、スライスの関連する定義に基づいて三次元印刷システムにより硬化されるかまたは凝集させられる。
【0003】
しかしながら、現在既存のスライスアルゴリズムでもってマッピング三次元モデルをスライスすることを完成させることができないため、マッピング三次元モデルをカラー印刷することができず、ユーザは必要に応じて手動で着色する必要があり、マッピング三次元モデルの印刷は、完全性が悪く、効率が低く、ユーザの必要を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、マッピング三次元モデルのスライス方法、印刷方法、装置及びデバイスを提供し、マッピング三次元モデルについて、ファイル中のテクスチャ情報によって、各スライス平面に対応する輪郭領域に対応する色を決定することにより、マッピング三次元モデルのカラー印刷は、実現され、印刷完全性が高く、効率が高い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、本願の実施例は、マッピング三次元モデルのスライス方法を提供し、当該方法は、マッピング三次元モデルファイルを解析し、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップであって、少なくとも1つの前記ポリゴンパッチが前記マッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含むステップと、スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップと、前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得し、前記輪郭領域を塗りつぶすステップと、前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップと、を含む。
【0006】
選択的に、前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得するステップは、所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得するステップと、各前記外側輪郭線に対してそれに対応する内側輪郭線との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するステップと、を含む。
【0007】
選択的に、所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得するステップの後に、前記方法は、各外側輪郭線について、前記所定のマッピング厚さ及び所定のスライス厚さに基づいて、前記外側輪郭線に対応するスライス平面の上下にある所定数の各スライス平面に対応する関連外側輪郭線を取得するステップをさらに含む。これに応じて、各前記外側輪郭線に対してそれに対応する内側輪郭線との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するステップは、前記内側輪郭線に対して、それぞれの前記関連外側輪郭線との否定排他的論理和演算を行った後、対応する前記外側輪郭線との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するステップを含む。
【0008】
選択的に、前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップは、ピクチャの解像度に応じて、塗りつぶされた前記輪郭領域を前記ピクチャに対応付けるステップと、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の画素座標を取得するステップと、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の対応する画素座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の空間座標を決定するステップと、塗りつぶされた前記輪郭領域中の各点の空間座標及び前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値を決定するステップと、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップと、を含む。
【0009】
選択的に、マッピング三次元モデルファイルを解析するステップは、前記マッピング三次元モデルファイルを取得するステップであって、前記マッピング三次元モデルファイルが前記マッピング三次元モデルのテクスチャライブラリ、各頂点の頂点座標、及びポリゴンインデックスを含むステップと、前記頂点座標及び前記ポリゴンインデックスに従って、各前記ポリゴンパッチの各頂点の空間座標を決定するステップと、前記ポリゴンインデックスに従って前記テクスチャライブラリを巡回し、各前記ポリゴンパッチの各頂点のテクスチャ情報を取得するステップと、を含む。
【0010】
選択的に、前記ポリゴンインデックスに従って前記テクスチャライブラリを巡回し、各前記ポリゴンパッチの各頂点のテクスチャ情報を取得するステップは、
前記ポリゴンインデックスに従って各前記ポリゴンパッチに対応するテクスチャファイルを決定するステップ、各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれる場合には、前記テクスチャファイル中のテクスチャ画像を取得して、前記頂点の頂点テクスチャ座標に従って、前記テクスチャ画像から前記頂点のテクスチャ情報を決定するステップ、及び/又は、各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれていない場合には、前記テクスチャファイル中の拡散光色値を取得して、前記頂点のテクスチャ情報を前記拡散光色値として決定するステップを含む。
【0011】
選択的に、スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップは、各前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップと、各前記交点を始めから終わりまで接続し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の前記外側輪郭線を取得するステップと、を含む。
【0012】
選択的に、前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップの前に、前記方法は、ポリゴンパッチに対応する層化方向の空間座標に従って、各前記ポリゴンパッチをグループ化してソートし、グループ化関係行列を取得するステップであって、前記グループ化関係行列には各前記スライス平面に対応する各グループの前記ポリゴンパッチが含まれる、ステップをさらに含む。これに応じて、前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップは、各グループの前記ポリゴンパッチに対して対応する前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップを含む。
【0013】
選択的に、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップの後に、前記方法は、各前記ポリゴンパッチをサンプリングし、点群情報セットを取得するステップであって、前記点群情報セットには各サンプリング点の空間座標及びテクスチャ情報が含まれる、ステップをさらに含む。これに応じて、前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップは、前記点群情報セット及び塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の対応する空間座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値を決定するステップと、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップと、を含む。
【0014】
選択的に、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップの後に、前記方法は、各ポリゴンパッチについて、前記ポリゴンパッチの各々の隣接するポリゴンパッチを決定するステップであって、前記隣接するポリゴンパッチが前記ポリゴンパッチと前記ポリゴンパッチの一つの辺において接するステップと、各ポリゴンパッチ及びその対応する各々の隣接するポリゴンパッチに従って、ポリゴントポロジーを生成するステップと、をさらに含む。これに応じて、スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップは、前記スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面と各前記ポリゴンパッチとの交点を取得するステップと、前記ポリゴントポロジーに従って、各前記交点の接続順序を決定し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップと、を含む。
【0015】
選択的に、前記輪郭領域を塗りつぶすステップは、補色塗りつぶしアルゴリズムに基づいて、前記輪郭領域を塗りつぶすステップを含む。
【0016】
第2の態様では、本願の実施例は、マッピング三次元モデルのスライス方法をさらに提供し、当該方法は、スライス画像データを取得するステップであって、前記スライス画像データが本願の第1の態様に対応するいずれかの実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法に従って生成されるフルカラーピクチャデータを含むステップと、前記スライス画像データに従って印刷制御データを生成し、前記印刷制御データに基づいてマッピング三次元モデルの印刷を行うステップと、を含む。
【0017】
第3の態様では、本願の実施例は、マッピング三次元モデルのスライス装置をさらに提供し、当該装置は、マッピング三次元モデルファイルを解析し、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するための解析モジュールであって、少なくとも1つの前記ポリゴンパッチが前記マッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含む、解析モジュールと、スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するための輪郭線取得モジュールと、前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得して、前記輪郭領域を塗りつぶすための輪郭塗りつぶしモジュールと、前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するためのフルカラーピクチャ生成モジュールと、を含む。
【0018】
選択的に、輪郭塗りつぶしモジュールは、前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得するための輪郭領域取得ユニットと、前記輪郭領域を塗りつぶすための塗りつぶしユニットと、を含む。
【0019】
選択的に、輪郭領域取得ユニットは、所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得するための収縮サブユニットと、各前記外側輪郭線に対してそれに対応する内側輪郭線との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するための輪郭領域取得サブユニットと、を含む。
【0020】
選択的に、前記装置は、所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得した後、各外側輪郭線について、前記所定のマッピング厚さ及び所定のスライス厚さに基づいて、前記外側輪郭線に対応するスライス平面の上下にある所定数の各スライス平面に対応する関連外側輪郭線を取得するための関連輪郭取得モジュールをさらに含む。これに応じて、輪郭領域取得サブユニットは、具体的に、前記内側輪郭線に対して、それぞれの前記関連外側輪郭線との否定排他的論理和演算を行った後、対応する前記外側輪郭線との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するために用いられる。
【0021】
選択的に、フルカラーピクチャ生成モジュールは、具体的に、ピクチャの解像度に応じて、塗りつぶされた前記輪郭領域を前記ピクチャに対応付けることと、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の画素座標を取得することと、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の対応する画素座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の空間座標を決定することと、塗りつぶされた前記輪郭領域中の各点の空間座標及び前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値を決定することと、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成することと、に用いられる。
【0022】
選択的に、解析モジュールは、前記マッピング三次元モデルファイルを取得するためのファイル取得ユニットであって、前記マッピング三次元モデルファイルが前記マッピング三次元モデルのテクスチャライブラリ、各頂点の頂点座標、及びポリゴンインデックスを含む、ファイル取得ユニットと、前記頂点座標及び前記ポリゴンインデックスに従って、各前記ポリゴンパッチの各頂点の空間座標を決定するためのインデックスユニットと、前記ポリゴンインデックスに従って前記テクスチャライブラリを巡回し、各前記ポリゴンパッチの各頂点のテクスチャ情報を取得するためのテクスチャ情報決定ユニットと、を含む。
【0023】
選択的に、テクスチャ情報決定ユニットは、具体的に、
前記ポリゴンインデックスに従って各前記ポリゴンパッチに対応するテクスチャファイルを決定すること、各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれる場合には、前記テクスチャファイル中のテクスチャ画像を取得して、前記頂点の頂点テクスチャ座標に従って、前記テクスチャ画像から前記頂点のテクスチャ情報を決定すること、及び/又は、各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれていない場合には、前記テクスチャファイル中の拡散光色値を取得して、前記頂点のテクスチャ情報を前記拡散光色値として決定すること、に用いられる。選択的に、輪郭線取得モジュールは、各前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するための交点取得ユニットと、各前記交点を始めから終わりまで接続し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の前記外側輪郭線を取得するための輪郭線取得ユニットと、を含む。
【0024】
選択的に、前記装置は、前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得する前に、ポリゴンパッチに対応する層化方向の空間座標に従って、各前記ポリゴンパッチをグループ化してソートし、グループ化関係行列を取得するためのグループ化ソートモジュールであって、前記グループ化関係行列には各前記スライス平面に対応する各グループの前記ポリゴンパッチが含まれる、グループ化ソートモジュールをさらに含む。これに応じて、交点取得ユニットは、具体的に、各グループの前記ポリゴンパッチに対して対応する前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するために用いられる。
【0025】
選択的に、前記装置は、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得した後、各前記ポリゴンパッチをサンプリングし、点群情報セットを取得するための点群情報セット取得モジュールであって、前記点群情報セットには各サンプリング点の空間座標及びテクスチャ情報が含まれる、点群情報セット取得モジュールをさらに含む。これに応じて、フルカラーピクチャ生成モジュールは、具体的に、前記点群情報セット及び塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の対応する空間座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値を決定することと、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成することと、に用いられる。
【0026】
選択的に、前記装置は、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得した後、各ポリゴンパッチについて、前記ポリゴンパッチの各々の隣接するポリゴンパッチを決定することであって、前記隣接するポリゴンパッチが前記ポリゴンパッチと前記ポリゴンパッチの一つの辺において接することと、各ポリゴンパッチ及びその対応する各々の隣接するポリゴンパッチに従って、ポリゴントポロジーを生成することと、に用いられるトポロジー生成モジュールをさらに含む。これに応じて、輪郭線取得モジュールは、具体的に、前記スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面と各前記ポリゴンパッチとの交点を取得することと、前記ポリゴントポロジーに従って、各前記交点の接続順序を決定し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得することと、に用いられる。
【0027】
選択的に、塗りつぶしユニットは、具体的に、補色塗りつぶしアルゴリズムに基づいて、前記輪郭領域を塗りつぶすために用いられる。
【0028】
第4の態様では、本願の実施例は、メモリと少なくとも1つのプロセッサとを含む三次元印刷装置をさらに提供し、前記メモリにはコンピュータ実行命令が記憶されており、前記少なくとも1つのプロセッサが前記メモリに記憶されているコンピュータ実行命令を実行すると、前記少なくとも1つのプロセッサが本願の任意の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法を実行する。
【0029】
第5の態様では、本願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ実行命令が記憶されており、前記コンピュータ実行命令がプロセッサにより実行されるとき、本願の任意の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法を実現するために用いられる。
【0030】
第6の態様では、本願の実施例は、コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品をさらに提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるとき、本願の任意の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法が実現される。
【発明の効果】
【0031】
本願の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法、印刷方法、装置及びデバイスは、マッピング三次元モデルについて、当該マッピング三次元モデルファイルを解析して、各ポリゴンパッチを取得し、少なくとも1つのポリゴンパッチが当該マッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含み、そして、スライス平面を使用して各ポリゴンパッチをスライスし、各交点を始めから終わりまで接続してスライス平面に対応する外側輪郭線を取得し、この後、外側輪郭線を収縮させて輪郭領域を取得して、当該輪郭領域を塗りつぶし、次に、上記のテクスチャ情報に基づいて、各輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成し、当該フルカラーピクチャデータに基づいて三次元印刷を行うことで、カラフルなマッピング三次元モデル実体を直接に取得することができ、マッピング三次元モデルの自動、カラー印刷が実現され、マッピング三次元モデルの印刷効率及び品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本明細書の図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本願に適合する実施例を示し、本明細書とともに本明細書の原理を説明するために使用される。
図1】本願の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法の1つの応用シーンの図である。
図2】本願の1つの実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法のフローチャートである。
図3】本願の図2に示される実施例におけるポリゴンパッチの概略図である。
図4】本願の図3に示される実施例におけるポリゴンパッチPがスライス平面と交差する概略図である。
図5】本願の図2に示される実施例におけるステップS201のフローチャートである。
図6】本願の図3に示される実施例におけるポリゴンパッチサンプリングの概略図である。
図7】本願の別の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法のフローチャートである。
図8】本願の図7に示される実施例における輪郭領域の概略図である。
図9】本願の図7に示される実施例における輪郭領域の概略図である。
図10】本願の1つの実施例により提供されるマッピング三次元モデルの印刷方法のフローチャートである。
図11】本願の1つの実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス装置の構造概略図である。
図12】本願の1つの実施例により提供される三次元印刷デバイスの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本願の明確な実施例は、上記の図面を用いて示されているが、より詳細な説明は後述する。これらの図面及び文字の説明は、本願の構想の範囲を何らかの方法で制限するためのものではなく、特定の実施例を参照することによって、当業者に本願の概念を説明するためのものである。
【0034】
ここで、例示的な実施例は、詳細に説明され、その例示が図面に示される。以下、図面を説明するとき、特に明記されていない限り、異なる図面における同じ数字は、同一又は類似の要素を示す。以下の例示的な実施例で説明される実施形態は、本願と一致するすべての実施形態を表すわけではない。むしろ、それらは、添付の特許請求の範囲に詳述されるような、本願のいくつかの態様に適合する装置及び方法の例に過ぎない。
【0035】
以下、本願の技術的解決策と、本願の技術的解決策が上記の技術的問題をどのように解決するかについて、具体的な実施例を用いて詳細に説明する。以下のいくつかの具体的な実施例は、互いに組み合わされてもよく、いくつかの実施例では、同一又は類似の概念又はプロセスについて説明しない場合がある。以下、本願の実施例について図面を参照して説明する。
【0036】
以下、本願の実施例の応用シーンについて説明する。
【0037】
図1は、本願の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法の1つの応用シーンの図であり、図1に示すように、三次元印刷システム100は、一般的に、モデリングプラットフォーム110及び三次元プリンタ120を含み、当該モデリングプラットフォーム110には、3dmaxソフトウェアなどのモデリングソフトウェア及びs3dソフトウェアなどのスライスソフトウェアがインストールされており、設計者は、当該モデリングソフトウェアによって三次元モデルデータを生成し、そして、スライスソフトウェアに基づいて当該三次元モデルデータをスライスし、三次元プリンタ120により認識・実行可能な印刷データを取得して、三次元モデルの印刷を実現することができる。モデリングソフトウェア及び/又はスライスソフトウェアは、三次元プリンタに集積されてもよく、モデリングや、スライス、印刷などの機能を一体的に実現することを理解することができる。
【0038】
マッピング三次元モデルは、三次元物体のテクスチャマッピングを印刷される三次元モデルの表面に具現化する必要があり、これによって、印刷される三次元モデルは、より実体に接近し、三次元モデルのリアルさは向上する。従来の技術において、マッピング三次元モデルについて、まず、白い三次元モデルなど、テクスチャマッピングが含まれていない三次元モデルを印刷し、そして、当該三次元モデルを手動で着色又はマッピングすることで、カラフルな三次元モデルを取得する傾向がある。上記のマッピング三次元モデルは、印刷効率が悪く、マッピングにかなり時間がかかり、マッピング三次元モデルのカラー印刷を直接に行うことができない。
【0039】
マッピング三次元モデルのカラー印刷を実現し、印刷効率を向上させるために、本願により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法は、マッピング三次元モデルファイルを解析して、テクスチャ情報が含まれる各ポリゴンパッチを取得し、各ポリゴンパッチをスライスして、各外側輪郭線を取得し、そして、外側輪郭線に基づいて輪郭領域を取得し、上記のテクスチャ情報に基づいて、上記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成することにより、マッピング三次元モデルのフルカラー印刷は、各輪郭領域に対応するフルカラーピクチャデータに基づいて実現され、マッピング三次元モデル印刷の自動化程度及び効率は向上する。
【0040】
図2は、本願の1つの実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法のフローチャートである。当該マッピング三次元モデルのスライス方法は、三次元印刷デバイス又は三次元印刷システムに適用されることができ、図2に示すように、本実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法は、ステップS201~ステップS204を含む。
【0041】
ステップS201では、マッピング三次元モデルファイルを解析し、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得する。
【0042】
少なくとも1つの前記ポリゴンパッチは、前記マッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含む。テクスチャ情報は、各点の色値を説明するための情報であり、例えば、グレースケール値、色値が挙げられ、RGB、YUVなどの色モデルを利用して示され得る。マッピング三次元モデルファイルは、三次元印刷デバイスのメモリに保存されているものとしてもよいし、又は、外部から三次元印刷デバイスに伝送されるものとしてもよく、例えば、ネットワーク、インタフェースなどの方式によって三次元印刷デバイスのメモリに保存される。マッピング三次元モデルファイルにおいて、実体部分など、オブジェクトの少なくとも一部が含まれるオブジェクトの三次元幾何学的モデルの少なくとも一部の三次元座標体系における形状及び範囲を定義することができる。
【0043】
ポリゴンパッチは、マッピング三次元モデルの表面のテクスチャ及び輪郭を説明するために用いられ、ポリゴンパッチは、マッピング三次元モデルの対応する部分の空間座標及びテクスチャ情報を含み得る。ポリゴンパッチは、三角形又は四角形などの形状とされ得る。
【0044】
いくつかの実施例では、当該マッピング三次元モデルファイルの中に、解析すべきキーワードは、頂点空間座標v、頂点テクスチャ座標vt、ポリゴンインデックスf、テクスチャライブラリmtllib、拡散反射光kdなどを含む。
【0045】
さらに、当該マッピング三次元モデルの各ポリゴンパッチ上の各点の空間座標と対応するテクスチャ情報とのテクスチャ対応付けを構築することができ、これによって、この後のステップでは、各点のテクスチャ情報は決定されやすい。
【0046】
ステップS202では、スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得する。
【0047】
スライス平面に対応するスライス方向は、X、Y、またはZ軸方向とすることができ、隣接するスライス平面間に一定の間隔が存在している。外側輪郭線上の各点は、対応するスライス平面とポリゴンパッチとの交点である。スライス平面は、層ごとに製造する単一の層において生成される各々のスライスを定義し、当該輪郭線は、当該スライスの実体部分の形状、範囲、及びテクスチャ情報を定義する。
【0048】
具体的に、各スライス平面を用いて、上記のポリゴンパッチをスライスし、これによりスライス平面とポリゴンパッチとの交点を取得し、各交点を始めから終わりまで接続して各スライス平面に対応する各外側輪郭線を取得する。
【0049】
さらに、1つのスライス平面は、1本の外側輪郭線に対応してもよいし、複数本の外側輪郭線に対応してもよい。
【0050】
選択的に、スライス平面に基づいて各前記ポリゴンパッチをスライスし、少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップは、
前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップと、各前記交点を始めから終わりまで接続し、少なくとも1本の前記外側輪郭線を取得するステップと、を含む。
【0051】
具体的に、各スライス平面について、当該スライス平面と各ポリゴンパッチとの共通部分を求めることで、当該スライス平面と各ポリゴンパッチとの各交点を取得し、各ポリゴンパッチと当該スライス平面との交点を始めから終わりまで接続すれば、当該ポリゴンパッチと当該スライス平面に対応する外側輪郭線を取得することができる。
【0052】
例示的に、図3は、本願の図2に示される実施例におけるポリゴンパッチの概略図であり、図3に示すように、図3では、ポリゴンパッチが三角形パッチである場合を例にしており、当該三角形パッチPは複数の頂点P、P、及びPを含み、頂点Pは、空間座標が(X、Y、Z)で、テクスチャ情報が(U、V)であり、Pは、空間座標が(X、Y、Z)で、テクスチャ情報が(U、V)であり、Pは、空間座標が(X、Y、Z)で、テクスチャ情報が(U、V)であり、図4は、本願の図3に示される実施例におけるポリゴンパッチPがスライス平面によりスライスされる概略図であり、図4に示すように、図4のスライス平面のスライス方向がZ軸方向であり、ポリゴンパッチPが点M及び点Nにおいてスライス平面Qと交差している。スライス平面と複数のポリゴンパッチとの交点を始めから終わりまで接続すれば、当該スライス平面に対応する外側輪郭線を取得する。
【0053】
ステップS203では、前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得し、前記輪郭領域を塗りつぶす。
【0054】
具体的に、外側輪郭線は、1つのボクセルのマッピング厚さに対応するテクスチャ表現を定義し、輪郭線のみを用いてマッピング三次元モデルを説明することは完全ではないため、対応する輪郭領域を取得するために輪郭線を拡張する必要がある。輪郭領域は、所定のマッピング厚さのスライスに対応するマッピング三次元モデルのテクスチャ表現を定義し、輪郭領域を用いてマッピング三次元モデルを説明すると、マッピングパターンの完全性は確保され、印刷品質は向上する。
【0055】
具体的に、異なる輪郭領域に対応するマッピング厚さは同じであるようにして、すなわち、輪郭領域はそれぞれ1つの一定のマッピング厚さに対応するようにしてもよい。又は、異なる輪郭領域に対応するマッピング厚さは異なるようにして、すなわち、各外側輪郭線を可変のマッピング厚さの各輪郭領域に拡張してもよい。
【0056】
具体的に、輪郭領域を塗りつぶすことは、すなわち、輪郭領域内の各点にテクスチャ情報を割り当て、各スライス平面に対応する印刷パスを取得することである。当該塗りつぶされた輪郭領域は、マッピング三次元モデルのマッピングに対応する外側の層となる。
【0057】
さらに、プリセットのアルゴリズムに基づいて輪郭領域を塗りつぶすことができ、プリセットのアルゴリズムは、方向平行塗りつぶしアルゴリズム、輪郭平行塗りつぶしアルゴリズム、補色塗りつぶしアルゴリズムなどのアルゴリズムとすることができる。
【0058】
具体的に、補色塗りつぶしアルゴリズムに基づいて各輪郭領域を塗りつぶすことができ、具体的なステップは、輪郭領域と非輪郭領域とを区別して、輪郭領域に対して色塗りつぶしを行い、当該輪郭領域に対応する非輪郭領域、すなわち、塗りつぶし領域に対して、当該輪郭領域の色の補色で塗りつぶすステップとなる。
【0059】
例示的に、輪郭領域は黒い色で塗りつぶされ、非輪郭領域は白い色で塗りつぶされる。
【0060】
ステップS204では、前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成する。
【0061】
具体的に、輪郭領域上の各点の空間座標に従って、各点のテクスチャ情報を決定し、そして、各点のテクスチャ情報に基づいて上記のフルカラーピクチャデータを生成し、これにより当該フルカラーピクチャデータに基づいて輪郭領域を着色し、三次元印刷によってフルカラーのマッピング三次元モデルを取得することができる。
【0062】
さらに、フルカラーピクチャデータを取得する前に、当該方法は、三次元印刷システムのハードウェアパラメータに従ってフルカラーピクチャの大きさ及び解像度を決定するステップであって、当該ハードウェアパラメータが印刷可能領域の大きさ、三次元プリンタの解像度、インクジェットヘッドとプリントヘッドの配置などのパラメータを含むステップ、をさらに含む。これによって、フルカラーピクチャの大きさと解像度に基づいて、輪郭領域とフルカラーピクチャとの対応付けを行い、フルカラーピクチャに対応するフルカラーピクチャデータを取得する。
【0063】
本願の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法は、マッピング三次元モデルについて、当該マッピング三次元モデルファイルを解析して、各ポリゴンパッチを取得し、少なくとも1つのポリゴンパッチが当該マッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含み、そして、スライス平面を使用して各ポリゴンパッチをスライスし、各交点を始めから終わりまで接続しスライス平面に対応する外側輪郭線を取得し、この後、外側輪郭線を収縮させて輪郭領域を取得して、当該輪郭領域を塗りつぶし、次に、上記のテクスチャ情報に基づいて、各輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成し、当該フルカラーピクチャデータに基づいて三次元印刷を行うことで、カラフルなマッピング三次元モデル実体を直接に取得することができ、マッピング三次元モデルの自動、カラー印刷が実現され、マッピング三次元モデルの印刷効率及び品質が向上する。
【0064】
選択的に、図5は、本願の図2に示される実施例におけるステップS201のフローチャートであり、図5に示すように、ステップS201は、ステップS2011~ステップS2013を含む。
【0065】
ステップS2011では、前記マッピング三次元モデルファイルを取得する。
【0066】
前記マッピング三次元モデルファイルは、前記マッピング三次元モデルのテクスチャライブラリ、各頂点の頂点座標、及びポリゴンインデックスを含む。マッピング三次元モデルファイルは、OBJ(Object、ターゲットファイル形式)、PLY(Polygon File Format、ポリゴンファイル形式)、AMF(Action Message Format、操作メッセージ形式)などの形式とすることができる。
【0067】
具体的に、モデリングソフトウェアのプリセットのインタフェースによって、マッピング三次元モデルファイルを自動的に取得することができる。当該モデリングソフトウェアは、三次元印刷システムのモデリングプラットフォームにインストールされてもよいし、又は、ユーザは、当該マッピング三次元モデルファイルを三次元印刷システム又は三次元プリンタに手動でアップロードしてもよい。
【0068】
ステップS2012では、前記頂点座標及び前記ポリゴンインデックスに従って、各前記ポリゴンパッチの各頂点の空間座標を決定する。
【0069】
頂点座標は、頂点の空間座標に加えて、頂点のテクスチャ座標を含むことができる。空間座標は、各頂点の当該マッピング三次元モデルにおける位置情報を説明するために用いられる。テクスチャ座標は、各頂点の当該マッピング三次元モデルのテクスチャ画像における位置情報を説明するために用いられる。ポリゴンインデックスは、各ポリゴンパッチに対応する頂点をインデックスするために用いられ、ポリゴンインデックスに従って各ポリゴンの頂点の空間座標とテクスチャ座標を取得することができる。
【0070】
ステップS2013では、前記ポリゴンインデックスに従って前記テクスチャライブラリを巡回し、各前記ポリゴンパッチの各頂点のテクスチャ情報を取得する。
【0071】
テクスチャライブラリには各ポリゴンパッチの各頂点に対応するテクスチャファイル又はテクスチャ情報が含まれる。
【0072】
具体的に、ポリゴンインデックスに基づき、各頂点の空間座標に従って当該テクスチャライブラリを巡回して、頂点の空間座標にマッチするテクスチャ情報を検索することができる。
【0073】
さらに、当該ポリゴンインデックスに基づいてテクスチャライブラリを検索して、現在のポリゴンパッチに対応するテクスチャファイルが存在しているか否かを決定することができ、存在していない場合には、当該ポリゴンパッチの各頂点の色値を白い色に設定するが、存在している場合には、当該テクスチャファイルに基づいて当該ポリゴンパッチの各頂点の色値を決定する。
【0074】
選択的に、前記テクスチャ情報に従って、前記ポリゴンインデックスに従って前記テクスチャライブラリを巡回し、各前記ポリゴンパッチの各頂点のテクスチャ情報を取得するステップは、
前記ポリゴンインデックスに従って各前記ポリゴンパッチに対応するテクスチャファイルを決定するステップ、各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれる場合には、前記テクスチャファイル中のテクスチャ画像を取得して、前記頂点の頂点テクスチャ座標に従って、前記テクスチャ画像から前記頂点のテクスチャ情報を決定するステップ、及び/又は、各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれていない場合には、前記テクスチャファイル中の拡散光色値を取得して、前記頂点のテクスチャ情報を前記拡散光色値として決定するステップを含む。
【0075】
テクスチャファイルは、各頂点を説明するテクスチャ情報が含まれるファイルである。
【0076】
具体的に、頂点の空間座標又は頂点座標、及び上記のポリゴンインデックスに基づいて、各頂点に対応するテクスチャファイルを決定することができ、当該頂点の頂点座標には当該頂点の頂点テクスチャ座標が含まれる場合には、当該頂点テクスチャ座標に基づいて、テクスチャファイルの中からそれに対応するテクスチャ画像を直接に抽出し、当該テクスチャ画像に従って当該頂点のテクスチャ情報を決定するが、頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれておらず、すなわち、マッピング三次元モデルにより当該点のテクスチャ情報が規定されていないことは示された場合には、デフォルトのテクスチャ情報を当該頂点のテクスチャ情報として利用し、すなわち、対応するテクスチャファイルにおける拡散光色値を当該頂点のテクスチャ情報として利用することができる。
【0077】
各頂点の空間座標、頂点テクスチャ座標、及び色値という3つのものの対応付け関係は、上記のインデックス及び巡回のステップによって決定され、これによって、この後のステップでは、頂点の空間座標に基づいて各点の色値を迅速に位置決めすることができ、フルカラーピクチャデータの生成速度は向上し、これにより印刷速度は向上する。
【0078】
具体的に、OBJ形式のマッピング三次元モデルファイルを例にして、マッピング三次元モデルファイルを解析するステップは、具体的に、
マッピング三次元ファイルのファイル形式が正しいか否かをファイル名のサフィックスを用いて確認するステップと、正しい場合、マッピング三次元ファイルのコンテンツを行ごとに読み込むステップと、そして、各行の先頭のキーワードを判定し、キーワードに従って相応の操作を行うステップであって、当該操作が、テクスチャ情報を抽出する操作、頂点の空間座標を読み取る操作、頂点のテクスチャ座標を読み取る操作、及びポリゴンインデックスを読み取る操作などの操作を含むステップと、この行がマッピング三次元モデルファイルの最終行であるか否かを判定し、そうである場合、解析が完了し、現在のOBJ形式のマッピング三次元モデルファイルを閉じるステップと、を含む。
【0079】
テクスチャ情報を抽出する操作では、キーワードがmtllibである場合、.mtlというサフィックスが付いたテクスチャファイルを開き、当該テクスチャファイルのコンテンツを行ごとに読み取り、行頭のキーワードは第1のキーワードである場合には、当該第1のキーワードに続くテクスチャ画像をメモリにロードし、当該テクスチャ画像に基づいてテクスチャ情報を決定するが、行頭のキーワードは第2のキーワードである場合には、当該第2のキーワードに続く拡散光色値をメモリにロードし、対応する頂点の色値を拡散光色値として決定する。
【0080】
頂点の空間座標を読み取る操作では、キーワードがvである場合、この行が頂点の空間座標を表す行であることを示し、この場合、キーワードに続く3つの浮動小数点数をそれぞれ、当該頂点の空間座標のX値、Y値、及びZ値として、空間座標コンテナに保存することができる。
【0081】
頂点のテクスチャ座標を読み取る操作では、キーワードがvtである場合、この行が頂点の頂点テクスチャ座標を表す行であることを示し、この場合、当該キーワードに続く2つの浮動小数点数をそれぞれ、当該頂点の頂点テクスチャ座標のU値とV値として、テクスチャ座標コンテナに保存する。
【0082】
ポリゴンインデックスを読み取る操作では、キーワードがfである場合、この行がポリゴンパッチを表す行であることを示し、この場合、キーワードに続く複数のグループのv/vtペアを、当該ポリゴンパッチを構成する各頂点の空間座標インデックスとテクスチャ座標インデックスとして解析し、空間座標インデックスに基づいて頂点の空間座標を決定し、テクスチャ座標インデックスに基づいて頂点の頂点テクスチャ座標を決定する。
【0083】
なお、マッピング三次元モデルのいくつかの部分はテクスチャマッピングが存在しない場合に、当該部分に対応するポリゴンパッチの頂点には頂点テクスチャ座標が含まれていないようにしている。
【0084】
いくつかの実施例では、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップの後に、前記方法は、各前記ポリゴンパッチをサンプリングし、点群情報セットを取得するステップであって、前記点群情報セットには各サンプリング点の空間座標及びテクスチャ情報が含まれるステップをさらに含む。これに応じて、前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップは、前記点群情報セット及び塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の対応する空間座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値を決定するステップと、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップと、を含む。
【0085】
点群情報セットには各サンプリング点の空間座標とテクスチャ情報が含まれている。
【0086】
具体的に、各ポリゴンパッチに対する分割サンプリングは、ポリゴンパッチの各辺に対するサンプリング及びポリゴンパッチ内部に対するサンプリングを含み、ポリゴンパッチの各辺の点群のサンプリングアルゴリズムは、内部の点群のサンプリングアルゴリズムとは異なるようにしてもよい。
【0087】
例示的に、図6は、本願の図3に示される実施例におけるポリゴンパッチサンプリングの概略図であり、図6に示すように、当該三角形パッチPの各頂点P、P、及びPの空間座標は、上記の解析プロセスによって得られ、0.05mm、0.03mm、または他の値などの利用する長さ間隔を予め設定し、三角形パッチの各辺に対して線形補間アルゴリズムを利用してサンプリングして、これにより各サンプリング点の空間座標を取得し、三角形パッチの内部に対して内部点アルゴリズムを利用して各サンプリング点の空間座標を計算する。当該三角形パッチを含むことができる最小の矩形を見つけ、サンプリング時の長さ間隔に従って当該矩形を分割して、各点が三角形パッチ内又は三角形パッチ上にあるか否かを順次判定し、三角形パッチ内又は三角形パッチ上にある各点については、当該点の空間座標を計算する。
【0088】
そして、各サンプリング点の色値を取得し、当該色値は、空間座標及びテクスチャライブラリによって決定されることができ、テクスチャライブラリにはポリゴンパッチのテクスチャファイルが含まれていない場合、又は、ポリゴンパッチの頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれていない場合には、当該ポリゴンパッチにおける各サンプリング点の色値は当該ポリゴンパッチの頂点の色値と同じであるが、テクスチャライブラリには当該ポリゴンパッチのテクスチャファイルが存在しており、かつポリゴンパッチの頂点には頂点テクスチャ座標が含まれる場合には、頂点の頂点テクスチャ座標に従ってサンプリング点のサンプリング点テクスチャ座標を決定することができ、これによって、サンプリング点テクスチャ座標に基づき、テクスチャ画像の中からそれに対応する色値を当該サンプリング点のテクスチャ情報として決定する。
【0089】
例示的に、図3及び図4に示すように、サンプリング点pのテクスチャ座標の計算方式は、まず、三角形パッチPの面積を、下記(1)式で計算し、そして、サンプリング点pの三角形パッチの各辺における成分を、下記(2)式、(3)式、及び(4)式で計算するという計算方式とする場合、サンプリング点pの空間座標は、下記(5)式となり、サンプリング点テクスチャ座標は、下記(6)式としてもよい。
【数1】
【0090】
いくつかの実施例では、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップの後に、前記方法は、各ポリゴンパッチについて、前記ポリゴンパッチの各々の隣接するポリゴンパッチを決定するステップであって、前記隣接するポリゴンパッチが前記ポリゴンパッチと前記ポリゴンパッチの一つの辺において接するステップと、各ポリゴンパッチ及びその対応する各々の隣接するポリゴンパッチに従って、ポリゴントポロジーを生成するステップと、をさらに含む。これに応じて、スライス平面に基づいて各前記ポリゴンパッチをスライスし、少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップは、前記スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面と各前記ポリゴンパッチとの交点を取得するステップと、前記ポリゴントポロジーに従って、各前記交点の接続順序を決定し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップと、を含む。
【0091】
具体的に、まず、初めとなるポリゴンパッチと1つのスライス平面との交点を取得し、そして、各ポリゴンパッチと当該スライス平面との交点を、ポリゴンパッチに隣接する順に順次接続することができ、マッピング三次元モデルが一般的なパッチに一致する場合には、第1個の交点である開始点に戻り、閉じた外側輪郭線が形成されるが、マッピング三次元モデルは穴などの構造が存在する場合には、各々のポリゴンパッチの交点を個別に始めから終わりまで接続し、各々のポリゴンパッチに対応する外側輪郭線を取得し、図4に示す。
【0092】
ポリゴントポロジーを構築することにより、外側輪郭線の決定速度は加速され、ひいては三次元印刷の効率は向上する。
【0093】
図7は、本願の別の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法のフローチャートであり、本実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法は、図2に示される実施例に基づき、ステップS202、S203、及びS204をさらに細分化しており、図7に示すように、本実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法は、ステップS701~ステップS712を含む。
【0094】
ステップS701では、マッピング三次元モデルファイルを解析し、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得する。
【0095】
ステップS702では、ポリゴンパッチに対応する層化方向の空間座標に従って、各前記ポリゴンパッチをグループ化してソートし、グループ化関係行列を取得する。
【0096】
前記グループ化関係行列には各前記スライス平面に対応する各グループの前記ポリゴンパッチが含まれる。層化方向は、一般的に、Z軸方向であるが、X軸又はY軸方向を利用してもよい。
【0097】
具体的に、各スライス平面について、層化方向に対応する空間座標の値に従って、当該スライス平面と交差する各ポリゴンパッチをグループ化してソートし、当該スライス平面に対応するポリゴンパッチのグループを取得する。
【0098】
さらに、層化方向に対応する空間座標の値に従って、各ポリゴンパッチの対応するグループにおける番号を決定することができ、空間座標の値が小さいほど、その対応する番号も小さくなっている。
【0099】
すべてのポリゴンパッチを巡回することにより、スライス平面の層番号及び当該スライス平面に対応するグループの番号をインデックスとして、上記のグループ化関係行列を構築することができる。当該グループ化関係行列においては、各層のスライス平面に対応するグループにおける各ポリゴンパッチが説明されている。
【0100】
例示的に、表1は、本願の図7に示される実施例におけるグループ化関係行列表であり、表1に示すように、グループ化関係行列においては、各層のスライス平面に対応するポリゴンパッチのセット又はグループが説明されており、かつ各グループのポリゴンパッチは、スライス方向に対応する空間座標の値が小さい順にソートされ、すなわち、ポリゴンパッチfiaのZ値がfibのZ値よりも小さく、ここで、aがbよりも小さいようにしている。
【0101】
【表1】
【0102】
ステップS703では、各グループの前記ポリゴンパッチに対して対応する前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得する。
【0103】
ステップS704では、各前記交点を始めから終わりまで接続し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の前記外側輪郭線を取得する。
【0104】
ステップS705では、所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得する。
【0105】
所定のマッピング厚さは、ユーザにより設定されてもよいし、又は、デフォルトの値を利用してもよく、本願は、所定のマッピング厚さの値を限定しない。
【0106】
具体的に、各外側輪郭線を取得した後、各外側輪郭線を内側へ所定のマッピング厚さ収縮させて、各外側輪郭線に対応する内側輪郭線を取得する。
【0107】
ステップS706では、各前記外側輪郭線に対してそれに対応する内側輪郭線との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得する。
【0108】
具体的に、輪郭領域は、1つのグループとしての内側輪郭線の対応する領域と外側輪郭線の対応する領域とで構成され、外側輪郭線の対応する領域に対して内側輪郭線の対応する領域との排他的論理和演算を行うことで、輪郭領域を取得することができる。
【0109】
例示的に、図8は、本願の図7に示される実施例における輪郭領域の概略図であり、図8に示すように、ポリゴンパッチとスライス平面との交点に対応する外側輪郭線はC1で、外側輪郭線C1を内側へ収縮させて内側輪郭線C2を取得し、輪郭領域A1は、外側輪郭線C1と内側輪郭線C2との間の領域となる。
【0110】
さらに、印刷されたマッピング三次元モデルをさまざまな角度から見たときに、マッピングパターンがいずれも完全であるようにするためには、可変のマッピング厚さの輪郭領域を決定する必要がある。選択的に、所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得するステップの後に、前記方法は、各外側輪郭線について、前記所定のマッピング厚さ及び所定のスライス厚さに基づいて、前記外側輪郭線に対応するスライス平面の上下にある所定数の各スライス平面に対応する関連外側輪郭線を取得するステップをさらに含む。これに応じて、各前記外側輪郭線に対してそれに対応する内側輪郭線との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭区を取得するステップは、前記内側輪郭線に対して、それぞれの前記関連外側輪郭線との否定排他的論理和演算を行った後、対応する前記外側輪郭線との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するステップを含む。
【0111】
所定数は、所定のマッピング厚さに対応するスライス平面の数としてもよいし、所定のマッピング厚さとスライス厚さとの比値の対応する正の整数としてもよい。関連外側輪郭線は、現在の外側輪郭線近傍にある、同一所定のマッピング厚さ内の他のスライス平面に位置する外側輪郭線である。
【0112】
現在のスライス平面の上下にある複数層のスライス平面の外側輪郭線、すなわち、関連外側輪郭線によって、内側輪郭線に対して各関連外側輪郭線との否定排他的論理和演算を行い、内側輪郭線を修正し、より内側へ収縮する可能性のある1つの新たな内側輪郭線を取得する。これによって、当該新たな内側輪郭線と外側輪郭線との排他的論理和演算に基づいて輪郭領域を取得する。
【0113】
マッピング三次元モデルは、複数のスライス層が積層されて形成されたものであり、マッピング厚さが不十分である場合又は上層スライスと下層スライスの輪郭線範囲が小さすぎる場合に、物体内部の露出、すなわち、マッピングパターンの不完全を引き起こしやすいため、上層と下層の外側輪郭線、すなわち、関連外側輪郭線に基づいて現在層のスライス平面の内側輪郭線を調整する必要があり、これによって、可変のマッピング厚さの輪郭領域は得られる。
【0114】
例示的に、図9は、本願の図7に示される実施例における輪郭領域の概略図であり、図8及び図9を参照して分かるように、本実施例では、図8の内側輪郭線C2及び外側輪郭線C1に加えて、1本の関連外側輪郭線C3も含まれており、当該関連外側輪郭線C3は、外側輪郭線C1のスライス平面の上層又は下層のスライス平面とポリゴンパッチとが交差する外側輪郭線であり、内側輪郭線C2に対応する領域と当該関連外側輪郭線C3に対応する領域とに対して否定排他的論理和演算を行った後、新たな内側輪郭線を取得し、ひいては新たな輪郭領域A2を取得し、輪郭領域A2は、図8の輪郭領域A1と比較して、追加の輪郭領域A3を増加させている。
【0115】
ステップS707では、補色塗りつぶしアルゴリズムに基づいて、前記輪郭領域を塗りつぶす。
【0116】
ステップS708では、ピクチャの解像度に応じて、塗りつぶされた前記輪郭領域を前記ピクチャに対応付ける。
【0117】
ピクチャは、マッピング三次元モデルを印刷するためのピクチャであり、三次元印刷により提供される、前記マッピング三次元モデルを収容可能な最大外側輪郭線のピクチャとすることができる。
【0118】
具体的に、各輪郭領域を取得した後、ピクチャの解像度に応じて、各輪郭領域をピクチャ中に対応付ける。
【0119】
具体的に、三次元印刷システムのハードウェアパラメータに従って、ピクチャの大きさ及び解像度を決定することができる。当該ハードウェアパラメータが印刷可能領域の大きさ、三次元プリンタの解像度、インクジェットヘッドとプリントヘッドの配置などのパラメータを含む。
【0120】
さらに、輪郭領域に対応するポリゴンパッチの位置及びピクチャの解像度に基づいて、輪郭領域をピクチャ中に対応付けることができる。
【0121】
ステップS709では、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の画素座標を取得する。
【0122】
画素座標は、すなわち、輪郭領域の各点のピクチャにおける対応する画素点の位置である。
【0123】
ステップS710では、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の対応する画素座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の空間座標を決定する。
【0124】
具体的に、輪郭領域を塗りつぶすとき、輪郭領域と非輪郭領域(塗りつぶし領域)に対して異なる色で塗りつぶすため、各画素点の画素値又は色値に従って、各画素点が輪郭領域における点であるか否かを判定することができる。
【0125】
輪郭領域に属する各画素点については、当該画素点の画素座標及びピクチャの解像度に従って、当該画素点に対応する輪郭領域における点の空間座標を決定することができる。
【0126】
ステップS711では、塗りつぶされた前記輪郭領域中の各点の空間座標及び前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値を決定する。
【0127】
具体的に、各画素点に対応する輪郭領域における点の空間座標を決定した後、各画素点については、当該画素点に対応する空間座標に基づいて、すべてのポリゴンパッチの中において、当該空間座標に最も近いターゲット点を検索して、当該ターゲット点のテクスチャ情報又は色値を当該画素点の色値として設定する。
【0128】
さらに、点群情報を集めて各画素点の色値の検索を行うことができる。
【0129】
さらに、当該画素点が輪郭領域に属するものではないと決定する場合に、例えば、当該画素点の色値を白い色に対応する色値として設定することができる。
【0130】
ピクチャにおける各画素点を巡回することで、各画素点の色値を決定する。
【0131】
ステップS712では、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成する。
【0132】
本実施例では、マッピング三次元モデルを解析して、各ポリゴンパッチを取得した後、スライス平面に基づいて各ポリゴンパッチをスライスし、これにより各外側輪郭線を取得し、当該外側輪郭線を収縮させて、対応する内側輪郭線を取得し、ひいては輪郭領域を取得し、また、マッピングパターンの完全性を向上させるために、近接する複数のスライス平面の外側輪郭線に基づいて、当該内側輪郭線を修正し、可変のマッピング厚さの輪郭領域を実現し、さらに、補色法に基づいて当該輪郭領域を塗りつぶし、輪郭領域と非輪郭領域との初期色値を取得し、そして、塗りつぶされた各輪郭領域をピクチャ中に対応付け、ピクチャにおける各画素点の画素値及びピクチャの解像度に基づいて、各画素点の空間座標を決定し、この後、空間座標に基づいて各画素点の色値を決定し、フルカラーピクチャデータを取得し、これによって、当該フルカラーピクチャデータに基づいてマッピング三次元モデルに対して三次元印刷を行うとき、各輪郭領域を着色することでフルカラーのマッピング三次元モデルを取得することができ、マッピング三次元モデルのカラー、自動印刷は実現され、印刷効率が高く、正確さが高い。
【0133】
図10は、本願の1つの実施例により提供されるマッピング三次元モデルの印刷方法のフローチャートであり、本実施例により提供されるマッピング三次元モデルの印刷方法は、三次元プリンタに適用され、図10に示すように、本実施例により提供されるマッピング三次元モデルの印刷方法は、ステップS1001~ステップS1002を含む。
【0134】
ステップS1001では、スライス画像データを取得する。
【0135】
前記スライス画像データは、本願の図2図5、及び図7に対応する任意の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法に従って生成されたフルカラーピクチャデータを含む。
【0136】
ステップS1002では、前記スライス画像データに従って印刷制御データを生成し、前記印刷制御データに基づいてマッピング三次元モデルの印刷を行う。
【0137】
本願の実施例により提供されるマッピング三次元モデルの印刷方法は、マッピング三次元モデルのフルカラー、自動印刷を実現し、印刷効率が高く、正確さが高い。
【0138】
図11は、本願の1つの実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス装置の構造概略図であり、図11に示すように、本実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス装置は、解析モジュール1110、輪郭線取得モジュール1120、輪郭塗りつぶしモジュール1130、及びフルカラーピクチャ生成モジュール1140を含む。
【0139】
解析モジュール1110は、マッピング三次元モデルファイルを解析し、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するために用いられ、少なくとも1つの前記ポリゴンパッチが前記マッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含み、輪郭線取得モジュール1120は、スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するために用いられ、輪郭塗りつぶしモジュール1130は、前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得し、前記輪郭領域を塗りつぶすために用いられ、フルカラーピクチャ生成モジュール1140は、前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するために用いられる。
【0140】
選択的に、輪郭塗りつぶしモジュール1130は、
前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得するための輪郭領域取得ユニットと、前記輪郭領域を塗りつぶすための塗りつぶしユニットと、を含む。
【0141】
選択的に、輪郭領域取得ユニットは、
所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得するための収縮サブユニットと、各前記外側輪郭線に対してそれに対応する内側輪郭線との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するための輪郭領域取得サブユニットと、を含む。
【0142】
選択的に、前記装置は、
所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得した後に、各外側輪郭線について、前記所定のマッピング厚さ及び所定のスライス厚さに基づいて、前記外側輪郭線に対応するスライス平面の上下にある所定数の各スライス平面に対応する関連外側輪郭線を取得するための関連輪郭取得モジュールをさらに含む。
【0143】
これに応じて、輪郭領域取得サブユニットは、具体的に、
前記内側輪郭線に対して、それぞれの前記関連外側輪郭線との否定排他的論理和演算を行った後、対応する前記外側輪郭線との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するために用いられる。
【0144】
選択的に、フルカラーピクチャ生成モジュール1140は、具体的に、
ピクチャの解像度に応じて、塗りつぶされた前記輪郭領域を前記ピクチャに対応付けることと、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の画素座標を取得することと、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の対応する画素座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の空間座標を決定することと、塗りつぶされた前記輪郭領域中の各点の空間座標及び前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値を決定することと、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成することと、に用いられる。
【0145】
選択的に、解析モジュール1110は、
前記マッピング三次元モデルファイルを取得するためのファイル取得ユニットであって、前記マッピング三次元モデルファイルが前記マッピング三次元モデルのテクスチャライブラリ、各頂点の頂点座標、及びポリゴンインデックスを含む、ファイル取得ユニットと、前記頂点座標及び前記ポリゴンインデックスに従って、各前記ポリゴンパッチの各頂点の空間座標を決定するためのインデックスユニットと、前記ポリゴンインデックスに従って前記テクスチャライブラリを巡回し、各前記ポリゴンパッチの各頂点のテクスチャ情報を取得するためのテクスチャ情報決定ユニットと、を含む。
【0146】
選択的に、テクスチャ情報決定ユニットは、具体的に、
前記ポリゴンインデックスに従って各前記ポリゴンパッチに対応するテクスチャファイルを決定すること、各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれる場合には、前記テクスチャファイル中のテクスチャ画像を取得して、前記頂点の頂点テクスチャ座標に従って、前記テクスチャ画像から前記頂点のテクスチャ情報を決定すること、及び/又は、各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれていない場合には、前記テクスチャファイル中の拡散光色値を取得して、前記頂点のテクスチャ情報を前記拡散光色値として決定すること、に用いられる。
【0147】
選択的に、輪郭線取得モジュール1120は、
各前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するための交点取得ユニットと、各前記交点を始めから終わりまで接続し、少なくとも1本の前記外側輪郭線を取得するための輪郭線取得ユニットと、を含む。
【0148】
選択的に、前記装置は、
前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得する前に、ポリゴンパッチに対応する層化方向の空間座標に従って、各前記ポリゴンパッチをグループ化してソートし、グループ化関係行列を取得するためのグループ化ソートモジュールであって、前記グループ化関係行列には各前記スライス平面に対応する各グループの前記ポリゴンパッチが含まれる、グループ化ソートモジュールをさらに含む。
【0149】
これに応じて、交点取得ユニットは、具体的に、
各グループの前記ポリゴンパッチに対して対応する前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するために用いられる。
【0150】
選択的に、前記装置は、
前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得した後に、各前記ポリゴンパッチをサンプリングし、点群情報セットを取得するための点群情報セット取得モジュールであって、前記点群情報セットには各サンプリング点の空間座標及びテクスチャ情報が含まれる、点群情報セット取得モジュールをさらに含む。
【0151】
これに応じて、フルカラーピクチャ生成モジュール1140は、具体的に、
前記点群情報セット及び塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の対応する空間座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値を決定することと、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成することと、に用いられる。
【0152】
選択的に、前記装置は、
前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得した後に、各ポリゴンパッチについて、前記ポリゴンパッチの各々の隣接するポリゴンパッチを決定することであって、前記隣接するポリゴンパッチが前記ポリゴンパッチと前記ポリゴンパッチの一つの辺において接することと、各ポリゴンパッチ及びその対応する各々の隣接するポリゴンパッチに従って、ポリゴントポロジーを生成することと、に用いられるトポロジー生成モジュール、をさらに含む。
【0153】
これに応じて、輪郭線取得モジュール1120は、具体的に、
前記スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面と各前記ポリゴンパッチとの交点を取得することと、前記ポリゴントポロジーに従って、各前記交点の接続順序を決定し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得することと、に用いられる。
【0154】
選択的に、塗りつぶしユニットは、具体的に、
補色塗りつぶしアルゴリズムに基づいて、前記輪郭領域を塗りつぶすために用いられる。
【0155】
本願の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス装置は、本願の図2図5、及び図7に対応する任意の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法を実行することができ、方法の実行に応じた機能モジュール及び有益な効果を有している。
【0156】
図12は、本願の1つの実施例により提供される三次元印刷デバイスの構造概略図であり、図12に示すように、当該三次元印刷デバイスは、メモリ1210、プロセッサ1220、及びコンピュータプログラムを含む。
【0157】
コンピュータプログラムは、メモリ1210に記憶されており、プロセッサ1220により実行されることで、本願の図2図5、及び図7に対応する任意の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法、及び/又は、図10に示される実施例により提供されるマッピング三次元モデルの印刷方法を実現するように構成されている。
【0158】
メモリ1210とプロセッサ1220とは、バス1230によって接続される。
【0159】
関連する説明は、図2図5図7、及び図10のステップに対応する関連説明及び効果を参照して理解され得るため、ここではこれ以上説明しない。
【0160】
本願の1つの実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、当該コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されることで、本願の図2図5、及び図7に対応する実施例のいずれかにより提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法、及び/又は、図10に示される実施例により提供されるマッピング三次元モデルの印刷方法を実現する。
【0161】
コンピュータ可読記憶媒体は、ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、及び光データ記憶デバイスなどとすることができる。
【0162】
本願の1つの実施例は、コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を提供し、コンピュータプログラムは、三次元印刷デバイスのプロセッサにより実行されることで、本願の図2図5、及び図7に対応する実施例のいずれかにより提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法、及び/又は、図10に示される実施例により提供されるマッピング三次元モデルの印刷方法を実現するようにマッピング三次元モデルのスライス装置を制御する。
【0163】
プロセッサは、信号の処理能力を有する集積回路チップとすることができる。上記のプロセッサは、中央処理装置(Central Processing Unit、CPUとして略称)、ネットワークプロセッサ(Network Processor、NPとして略称)などを含む汎用プロセッサとすることができ、本願の実施例に開示されている各方法、ステップ、及び論理ブロック図を実現又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、あるいは、当該プロセッサは、任意の従来のプロセッサなどであってもよい。
【0164】
本願に提供されるいくつかの実施例では、開示されている装置及び方法は、他の方式によって実現され得ることを理解するべきである。例えば、上述した装置の実施例は、単なる例示的なものであり、例えば、モジュールの分割は、単なる論理的な機能分割であり、実際の実装では別の分割方式によって行われてもよく、例えば、複数のモジュール又はコンポーネントは、別のシステムに組み合わされてもよく、または、集積されてもよいし、又は、いくつかの特徴は、省略されてもよく、または、実行されていなくてもよい。その他、図示又は説明される相互間の結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインタフェース、装置、またはモジュールを介した間接結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的、または他の形態であってもよい。
【0165】
当業者は、本明細書を考慮して本明細書に開示されている開示を実践に移すと、本願のその他の実施案を容易に想到し得る。本願は、本願の一般的な原理に従いかつ本願に開示されていない本技術分野における周知の知識又は慣用の技術的手段を含む本願の任意の変形、用途又は適合的変更を包含することを意図する。本明細書及び実施例は単に例示的なものとみなされ、本願の真の範囲及び精神は特許請求の範囲によって示される。
【0166】
本願は、以上に説明されておりかつ図面に示されている精確な構造に限定されるものではなく、その範囲から逸脱することなくさまざまな修正及び変更が可能であることを理解されたい。本願の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0167】
本願は2021年04月27日に中国特許局に提出された、出願番号が202110462298.8で、出願の名称が「マッピング三次元モデルのスライス方法、印刷方法、装置及びデバイス」という中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用によって本願に組み合わせられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッピング三次元モデルのスライス方法であって、前記方法は、
マッピング三次元モデルファイルを解析し、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップであって、少なくとも1つの前記ポリゴンパッチが前記マッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含む、ステップと、
スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップと、
前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得し、前記輪郭領域を塗りつぶすステップと、
前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップと、を含む、ことを特徴とするマッピング三次元モデルのスライス方法。
【請求項2】
前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得するステップは、
所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得するステップと、
各前記外側輪郭線の対応する領域に対してそれに対応する内側輪郭線の対応する領域との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得するステップの後に、前記方法は、
各外側輪郭線について、前記所定のマッピング厚さ及び所定のスライス厚さに基づいて、前記外側輪郭線に対応するスライス平面の上下にある所定数の各スライス平面に対応する関連外側輪郭線を取得するステップをさらに含み、
これに応じて、各前記外側輪郭線の対応する領域に対してそれに対応する内側輪郭線の対応する領域との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するステップは、
前記内側輪郭線の対応する領域に対して、それぞれの前記関連外側輪郭線の対応する領域との否定排他的論理和演算を行った後、対応する前記外側輪郭線の対応する領域との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するステップを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップは、
ピクチャの解像度に応じて、塗りつぶされた前記輪郭領域を前記ピクチャに対応付けるステップと、
塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の画素座標を取得するステップと、
塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の対応する画素座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の空間座標を決定するステップと、
塗りつぶされた前記輪郭領域中の各点の空間座標及び前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値を決定するステップと、
塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
マッピング三次元モデルファイルを解析するステップは、
前記マッピング三次元モデルファイルを取得するステップであって、前記マッピング三次元モデルファイルが前記マッピング三次元モデルのテクスチャライブラリ、各頂点の頂点座標、及びポリゴンインデックスを含む、ステップと、
前記頂点座標及び前記ポリゴンインデックスに従って、各前記ポリゴンパッチの各頂点の空間座標を決定するステップと、
前記ポリゴンインデックスに従って前記テクスチャライブラリを巡回し、各前記ポリゴンパッチの各頂点のテクスチャ情報を取得するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリゴンインデックスに従って前記テクスチャライブラリを巡回し、各前記ポリゴンパッチの各頂点のテクスチャ情報を取得するステップは、
前記ポリゴンインデックスに従って各前記ポリゴンパッチに対応するテクスチャファイルを決定するステップ、
各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれる場合には、前記テクスチャファイル中のテクスチャ画像を取得して、前記頂点の頂点テクスチャ座標に従って、前記テクスチャ画像から前記頂点のテクスチャ情報を決定するステップ、及び/又は、
各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれていない場合には、前記テクスチャファイル中の拡散光色値を取得して、前記拡散光色値を前記頂点のテクスチャ情報として決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップは、
各前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップと、
各前記交点を始めから終わりまで接続し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の前記外側輪郭線を取得するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップの前に、前記方法は、
ポリゴンパッチに対応する層化方向の空間座標に従って、各前記ポリゴンパッチをグループ化してソートし、グループ化関係行列を取得するステップであって、前記グループ化関係行列には各前記スライス平面に対応する各グループの前記ポリゴンパッチが含まれる、ステップをさらに含み、
これに応じて、前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップは、
各グループの前記ポリゴンパッチに対して対応する前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップを含む、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップの後に、前記方法は、
各前記ポリゴンパッチをサンプリングし、点群情報セットを取得するステップであって、前記点群情報セットには各サンプリング点の空間座標及びテクスチャ情報が含まれる、ステップをさらに含み、
これに応じて、前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップは、
前記点群情報セット及び塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の対応する空間座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値を決定するステップと、
塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップの後に、前記方法は、
各ポリゴンパッチについて、前記ポリゴンパッチの各々の隣接するポリゴンパッチを決定するステップであって、前記隣接するポリゴンパッチが前記ポリゴンパッチと前記ポリゴンパッチの一つの辺において接するステップと、
各ポリゴンパッチ及びその対応する各々の隣接するポリゴンパッチに従って、ポリゴントポロジーを生成するステップと、をさらに含み、
これに応じて、スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップは、
前記スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面と各前記ポリゴンパッチとの交点を取得するステップと、
前記ポリゴントポロジーに従って、各前記交点の接続順序を決定し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記輪郭領域を塗りつぶすステップは、
補色塗りつぶしアルゴリズムに基づいて、前記輪郭領域を塗りつぶすステップを含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
マッピング三次元モデルの印刷方法であって、前記方法は、
スライス画像データを取得するステップであって、前記スライス画像データが請求項1~11のいずれか1項に記載のマッピング三次元モデルのスライス方法に従って生成されたフルカラーピクチャデータを含む、ステップと、
前記スライス画像データに従って印刷制御データを生成し、前記印刷制御データに基づいてマッピング三次元モデルの印刷を行うステップと、を含む、ことを特徴とするマッピング三次元モデルの印刷方法。
【請求項13】
マッピング三次元モデルの装置であって、前記装置は、
マッピング三次元モデルファイルを解析し、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するための解析モジュールであって、少なくとも1つの前記ポリゴンパッチが前記マッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含む、解析モジュールと、
スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するための輪郭線取得モジュールと、
前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得し、前記輪郭領域を塗りつぶすための輪郭塗りつぶしモジュールと、
前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するためのフルカラーピクチャ生成モジュールと、を含む、ことを特徴とするマッピング三次元モデルの装置。
【請求項14】
メモリ及び少なくとも1つのプロセッサを含む三次元印刷デバイスであって、
前記メモリにはコンピュータ実行命令が記憶されており、
前記少なくとも1つのプロセッサが前記メモリに記憶されているコンピュータ実行命令を実行すると、前記少なくとも1つのプロセッサが、請求項1~11のいずれか1項に記載のマッピング三次元モデルのスライス方法、及び/又は、請求項12に記載のマッピング三次元モデルの印刷方法を実行する、ことを特徴とする三次元印刷デバイス。
【請求項15】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ実行命令が記憶されており、前記コンピュータ実行命令がプロセッサにより実行されるとき、請求項1~11のいずれか1項に記載のマッピング三次元モデルのスライス方法、及び/又は、請求項12に記載のマッピング三次元モデルの印刷方法を実現するために用いられる、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、三次元印刷技術の分野に関し、特に、マッピング三次元モデルのスライス方法、印刷方法、装置及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
三次元印刷システムは、設計者が設計した三次元モデルに基づいて印刷することにより、対応する三次元物体を取得することができる。三次元物体の印刷を行うために、三次元モデルのデータをスライス処理することができ、各スライスは、材料層の一部を定義することができ、スライスの関連する定義に基づいて三次元印刷システムにより硬化されるかまたは凝集させられる。
【0003】
しかしながら、現在既存のスライスアルゴリズムでもってマッピング三次元モデルをスライスすることを完成させることができないため、マッピング三次元モデルをカラー印刷することができず、ユーザは必要に応じて手動で着色する必要があり、マッピング三次元モデルの印刷は、完全性が悪く、効率が低く、ユーザの必要を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、マッピング三次元モデルのスライス方法、印刷方法、装置及びデバイスを提供し、マッピング三次元モデルについて、ファイル中のテクスチャ情報によって、各スライス平面に対応する輪郭領域に対応する色を決定することにより、マッピング三次元モデルのカラー印刷は、実現され、印刷完全性が高く、効率が高い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、本願の実施例は、マッピング三次元モデルのスライス方法を提供し、当該方法は、マッピング三次元モデルファイルを解析し、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップであって、少なくとも1つの前記ポリゴンパッチが前記マッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含むステップと、スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップと、前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得し、前記輪郭領域を塗りつぶすステップと、前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップと、を含む。
【0006】
選択的に、前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得するステップは、所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得するステップと、各前記外側輪郭線の対応する領域に対してそれに対応する内側輪郭線の対応する領域との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するステップと、を含む。
【0007】
選択的に、所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得するステップの後に、前記方法は、各外側輪郭線について、前記所定のマッピング厚さ及び所定のスライス厚さに基づいて、前記外側輪郭線に対応するスライス平面の上下にある所定数の各スライス平面に対応する関連外側輪郭線を取得するステップをさらに含む。これに応じて、各前記外側輪郭線の対応する領域に対してそれに対応する内側輪郭線の対応する領域との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するステップは、前記内側輪郭線の対応する領域に対して、それぞれの前記関連外側輪郭線の対応する領域との否定排他的論理和演算を行った後、対応する前記外側輪郭線の対応する領域との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するステップを含む。
【0008】
選択的に、前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップは、ピクチャの解像度に応じて、塗りつぶされた前記輪郭領域を前記ピクチャに対応付けるステップと、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の画素座標を取得するステップと、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の対応する画素座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の空間座標を決定するステップと、塗りつぶされた前記輪郭領域中の各点の空間座標及び前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値を決定するステップと、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップと、を含む。
【0009】
選択的に、マッピング三次元モデルファイルを解析するステップは、前記マッピング三次元モデルファイルを取得するステップであって、前記マッピング三次元モデルファイルが前記マッピング三次元モデルのテクスチャライブラリ、各頂点の頂点座標、及びポリゴンインデックスを含むステップと、前記頂点座標及び前記ポリゴンインデックスに従って、各前記ポリゴンパッチの各頂点の空間座標を決定するステップと、前記ポリゴンインデックスに従って前記テクスチャライブラリを巡回し、各前記ポリゴンパッチの各頂点のテクスチャ情報を取得するステップと、を含む。
【0010】
選択的に、前記ポリゴンインデックスに従って前記テクスチャライブラリを巡回し、各前記ポリゴンパッチの各頂点のテクスチャ情報を取得するステップは、
前記ポリゴンインデックスに従って各前記ポリゴンパッチに対応するテクスチャファイルを決定するステップ、各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれる場合には、前記テクスチャファイル中のテクスチャ画像を取得して、前記頂点の頂点テクスチャ座標に従って、前記テクスチャ画像から前記頂点のテクスチャ情報を決定するステップ、及び/又は、各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれていない場合には、前記テクスチャファイル中の拡散光色値を取得して、前記拡散光色値を前記頂点のテクスチャ情報として決定するステップを含む。
【0011】
選択的に、スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップは、各前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップと、各前記交点を始めから終わりまで接続し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の前記外側輪郭線を取得するステップと、を含む。
【0012】
選択的に、前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップの前に、前記方法は、ポリゴンパッチに対応する層化方向の空間座標に従って、各前記ポリゴンパッチをグループ化してソートし、グループ化関係行列を取得するステップであって、前記グループ化関係行列には各前記スライス平面に対応する各グループの前記ポリゴンパッチが含まれる、ステップをさらに含む。これに応じて、前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップは、各グループの前記ポリゴンパッチに対して対応する前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップを含む。
【0013】
選択的に、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップの後に、前記方法は、各前記ポリゴンパッチをサンプリングし、点群情報セットを取得するステップであって、前記点群情報セットには各サンプリング点の空間座標及びテクスチャ情報が含まれる、ステップをさらに含む。これに応じて、前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップは、前記点群情報セット及び塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の対応する空間座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値を決定するステップと、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップと、を含む。
【0014】
選択的に、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップの後に、前記方法は、各ポリゴンパッチについて、前記ポリゴンパッチの各々の隣接するポリゴンパッチを決定するステップであって、前記隣接するポリゴンパッチが前記ポリゴンパッチと前記ポリゴンパッチの一つの辺において接するステップと、各ポリゴンパッチ及びその対応する各々の隣接するポリゴンパッチに従って、ポリゴントポロジーを生成するステップと、をさらに含む。これに応じて、スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップは、前記スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面と各前記ポリゴンパッチとの交点を取得するステップと、前記ポリゴントポロジーに従って、各前記交点の接続順序を決定し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップと、を含む。
【0015】
選択的に、前記輪郭領域を塗りつぶすステップは、補色塗りつぶしアルゴリズムに基づいて、前記輪郭領域を塗りつぶすステップを含む。
【0016】
第2の態様では、本願の実施例は、マッピング三次元モデルの印刷方法をさらに提供し、当該方法は、スライス画像データを取得するステップであって、前記スライス画像データが本願の第1の態様に対応するいずれかの実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法に従って生成されるフルカラーピクチャデータを含むステップと、前記スライス画像データに従って印刷制御データを生成し、前記印刷制御データに基づいてマッピング三次元モデルの印刷を行うステップと、を含む。
【0017】
第3の態様では、本願の実施例は、マッピング三次元モデルのスライス装置をさらに提供し、当該装置は、マッピング三次元モデルファイルを解析し、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するための解析モジュールであって、少なくとも1つの前記ポリゴンパッチが前記マッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含む、解析モジュールと、スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するための輪郭線取得モジュールと、前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得して、前記輪郭領域を塗りつぶすための輪郭塗りつぶしモジュールと、前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するためのフルカラーピクチャ生成モジュールと、を含む。
【0018】
選択的に、輪郭塗りつぶしモジュールは、前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得するための輪郭領域取得ユニットと、前記輪郭領域を塗りつぶすための塗りつぶしユニットと、を含む。
【0019】
選択的に、輪郭領域取得ユニットは、所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得するための収縮サブユニットと、各前記外側輪郭線の対応する領域に対してそれに対応する内側輪郭線の対応する領域との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するための輪郭領域取得サブユニットと、を含む。
【0020】
選択的に、前記装置は、所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得した後、各外側輪郭線について、前記所定のマッピング厚さ及び所定のスライス厚さに基づいて、前記外側輪郭線に対応するスライス平面の上下にある所定数の各スライス平面に対応する関連外側輪郭線を取得するための関連輪郭取得モジュールをさらに含む。これに応じて、輪郭領域取得サブユニットは、具体的に、前記内側輪郭線の対応する領域に対して、それぞれの前記関連外側輪郭線の対応する領域との否定排他的論理和演算を行った後、対応する前記外側輪郭線の対応する領域との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するために用いられる。
【0021】
選択的に、フルカラーピクチャ生成モジュールは、具体的に、ピクチャの解像度に応じて、塗りつぶされた前記輪郭領域を前記ピクチャに対応付けることと、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の画素座標を取得することと、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の対応する画素座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の空間座標を決定することと、塗りつぶされた前記輪郭領域中の各点の空間座標及び前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値を決定することと、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成することと、に用いられる。
【0022】
選択的に、解析モジュールは、前記マッピング三次元モデルファイルを取得するためのファイル取得ユニットであって、前記マッピング三次元モデルファイルが前記マッピング三次元モデルのテクスチャライブラリ、各頂点の頂点座標、及びポリゴンインデックスを含む、ファイル取得ユニットと、前記頂点座標及び前記ポリゴンインデックスに従って、各前記ポリゴンパッチの各頂点の空間座標を決定するためのインデックスユニットと、前記ポリゴンインデックスに従って前記テクスチャライブラリを巡回し、各前記ポリゴンパッチの各頂点のテクスチャ情報を取得するためのテクスチャ情報決定ユニットと、を含む。
【0023】
選択的に、テクスチャ情報決定ユニットは、具体的に、
前記ポリゴンインデックスに従って各前記ポリゴンパッチに対応するテクスチャファイルを決定すること、各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれる場合には、前記テクスチャファイル中のテクスチャ画像を取得して、前記頂点の頂点テクスチャ座標に従って、前記テクスチャ画像から前記頂点のテクスチャ情報を決定すること、及び/又は、各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれていない場合には、前記テクスチャファイル中の拡散光色値を取得して、前記拡散光色値を前記頂点のテクスチャ情報として決定すること、に用いられる。選択的に、輪郭線取得モジュールは、各前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するための交点取得ユニットと、各前記交点を始めから終わりまで接続し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の前記外側輪郭線を取得するための輪郭線取得ユニットと、を含む。
【0024】
選択的に、前記装置は、前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得する前に、ポリゴンパッチに対応する層化方向の空間座標に従って、各前記ポリゴンパッチをグループ化してソートし、グループ化関係行列を取得するためのグループ化ソートモジュールであって、前記グループ化関係行列には各前記スライス平面に対応する各グループの前記ポリゴンパッチが含まれる、グループ化ソートモジュールをさらに含む。これに応じて、交点取得ユニットは、具体的に、各グループの前記ポリゴンパッチに対して対応する前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するために用いられる。
【0025】
選択的に、前記装置は、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得した後、各前記ポリゴンパッチをサンプリングし、点群情報セットを取得するための点群情報セット取得モジュールであって、前記点群情報セットには各サンプリング点の空間座標及びテクスチャ情報が含まれる、点群情報セット取得モジュールをさらに含む。これに応じて、フルカラーピクチャ生成モジュールは、具体的に、前記点群情報セット及び塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の対応する空間座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値を決定することと、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成することと、に用いられる。
【0026】
選択的に、前記装置は、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得した後、各ポリゴンパッチについて、前記ポリゴンパッチの各々の隣接するポリゴンパッチを決定することであって、前記隣接するポリゴンパッチが前記ポリゴンパッチと前記ポリゴンパッチの一つの辺において接することと、各ポリゴンパッチ及びその対応する各々の隣接するポリゴンパッチに従って、ポリゴントポロジーを生成することと、に用いられるトポロジー生成モジュールをさらに含む。これに応じて、輪郭線取得モジュールは、具体的に、前記スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面と各前記ポリゴンパッチとの交点を取得することと、前記ポリゴントポロジーに従って、各前記交点の接続順序を決定し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得することと、に用いられる。
【0027】
選択的に、塗りつぶしユニットは、具体的に、補色塗りつぶしアルゴリズムに基づいて、前記輪郭領域を塗りつぶすために用いられる。
【0028】
第4の態様では、本願の実施例は、メモリと少なくとも1つのプロセッサとを含む三次元印刷デバイスをさらに提供し、前記メモリにはコンピュータ実行命令が記憶されており、前記少なくとも1つのプロセッサが前記メモリに記憶されているコンピュータ実行命令を実行すると、前記少なくとも1つのプロセッサが本願の任意の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法及び/又は印刷方法を実行する。
【0029】
第5の態様では、本願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ実行命令が記憶されており、前記コンピュータ実行命令がプロセッサにより実行されるとき、本願の任意の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法及び/又は印刷方法を実現するために用いられる。
【0030】
第6の態様では、本願の実施例は、コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品をさらに提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるとき、本願の任意の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法及び/又は印刷方法が実現される。
【発明の効果】
【0031】
本願の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法、印刷方法、装置及びデバイスは、マッピング三次元モデルについて、当該マッピング三次元モデルファイルを解析して、各ポリゴンパッチを取得し、少なくとも1つのポリゴンパッチが当該マッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含み、そして、スライス平面を使用して各ポリゴンパッチをスライスし、各交点を始めから終わりまで接続してスライス平面に対応する外側輪郭線を取得し、この後、外側輪郭線を収縮させて輪郭領域を取得して、当該輪郭領域を塗りつぶし、次に、上記のテクスチャ情報に基づいて、各輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成し、当該フルカラーピクチャデータに基づいて三次元印刷を行うことで、カラフルなマッピング三次元モデル実体を直接に取得することができ、マッピング三次元モデルの自動、カラー印刷が実現され、マッピング三次元モデルの印刷効率及び品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本明細書の図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本願に適合する実施例を示し、本明細書とともに本明細書の原理を説明するために使用される。
図1】本願の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法の1つの応用シーンの図である。
図2】本願の1つの実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法のフローチャートである。
図3】本願の図2に示される実施例におけるポリゴンパッチの概略図である。
図4】本願の図3に示される実施例におけるポリゴンパッチPがスライス平面と交差する概略図である。
図5】本願の図2に示される実施例におけるステップS201のフローチャートである。
図6】本願の図3に示される実施例におけるポリゴンパッチサンプリングの概略図である。
図7】本願の別の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法のフローチャートである。
図8】本願の図7に示される実施例における輪郭領域の概略図である。
図9】本願の図7に示される実施例における輪郭領域の他の概略図である。
図10】本願の1つの実施例により提供されるマッピング三次元モデルの印刷方法のフローチャートである。
図11】本願の1つの実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス装置の構造概略図である。
図12】本願の1つの実施例により提供される三次元印刷デバイスの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本願の明確な実施例は、上記の図面を用いて示されているが、より詳細な説明は後述する。これらの図面及び文字の説明は、本願の構想の範囲を何らかの方法で制限するためのものではなく、特定の実施例を参照することによって、当業者に本願の概念を説明するためのものである。
【0034】
ここで、例示的な実施例は、詳細に説明され、その例示が図面に示される。以下、図面を説明するとき、特に明記されていない限り、異なる図面における同じ数字は、同一又は類似の要素を示す。以下の例示的な実施例で説明される実施形態は、本願と一致するすべての実施形態を表すわけではない。むしろ、それらは、添付の特許請求の範囲に詳述されるような、本願のいくつかの態様に適合する装置及び方法の例に過ぎない。
【0035】
以下、本願の技術的解決策と、本願の技術的解決策が上記の技術的問題をどのように解決するかについて、具体的な実施例を用いて詳細に説明する。以下のいくつかの具体的な実施例は、互いに組み合わされてもよく、いくつかの実施例では、同一又は類似の概念又はプロセスについて説明しない場合がある。以下、本願の実施例について図面を参照して説明する。
【0036】
以下、本願の実施例の応用シーンについて説明する。
【0037】
図1は、本願の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法の1つの応用シーンの図であり、図1に示すように、三次元印刷システム100は、一般的に、モデリングプラットフォーム110及び三次元プリンタ120を含み、当該モデリングプラットフォーム110には、3dmaxソフトウェアなどのモデリングソフトウェア及びs3dソフトウェアなどのスライスソフトウェアがインストールされており、設計者は、当該モデリングソフトウェアによって三次元モデルデータを生成し、そして、スライスソフトウェアに基づいて当該三次元モデルデータをスライスし、三次元プリンタ120により認識・実行可能な印刷データを取得して、三次元モデルの印刷を実現することができる。モデリングソフトウェア及び/又はスライスソフトウェアは、三次元プリンタに集積されてもよく、モデリングや、スライス、印刷などの機能を一体的に実現することを理解することができる。
【0038】
マッピング三次元モデルは、三次元物体のテクスチャマッピングを印刷される三次元モデルの表面に具現化する必要があり、これによって、印刷される三次元モデルは、より実体に接近し、三次元モデルのリアルさは向上する。従来の技術において、マッピング三次元モデルについて、まず、白い三次元モデルなど、テクスチャマッピングが含まれていない三次元モデルを印刷し、そして、当該三次元モデルを手動で着色又はマッピングすることで、カラフルな三次元モデルを取得する傾向がある。上記のマッピング三次元モデルは、印刷効率が悪く、マッピングにかなり時間がかかり、マッピング三次元モデルのカラー印刷を直接に行うことができない。
【0039】
マッピング三次元モデルのカラー印刷を実現し、印刷効率を向上させるために、本願により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法は、マッピング三次元モデルファイルを解析して、テクスチャ情報が含まれる各ポリゴンパッチを取得し、各ポリゴンパッチをスライスして、各外側輪郭線を取得し、そして、外側輪郭線に基づいて輪郭領域を取得し、上記のテクスチャ情報に基づいて、上記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成することにより、マッピング三次元モデルのフルカラー印刷は、各輪郭領域に対応するフルカラーピクチャデータに基づいて実現され、マッピング三次元モデル印刷の自動化程度及び効率は向上する。
【0040】
図2は、本願の1つの実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法のフローチャートである。当該マッピング三次元モデルのスライス方法は、三次元印刷デバイス又は三次元印刷システムに適用されることができ、図2に示すように、本実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法は、ステップS201~ステップS204を含む。
【0041】
ステップS201では、マッピング三次元モデルファイルを解析し、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得する。
【0042】
少なくとも1つの前記ポリゴンパッチは、前記マッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含む。テクスチャ情報は、各点の色値を説明するための情報であり、例えば、グレースケール値、色値が挙げられ、RGB、YUVなどの色モデルを利用して示され得る。マッピング三次元モデルファイルは、三次元印刷デバイスのメモリに保存されているものとしてもよいし、又は、外部から三次元印刷デバイスに伝送されるものとしてもよく、例えば、ネットワーク、インタフェースなどの方式によって三次元印刷デバイスのメモリに保存される。マッピング三次元モデルファイルにおいて、実体部分など、オブジェクトの少なくとも一部が含まれるオブジェクトの三次元幾何学的モデルの少なくとも一部の三次元座標体系における形状及び範囲を定義することができる。
【0043】
ポリゴンパッチは、マッピング三次元モデルの表面のテクスチャ及び輪郭を説明するために用いられ、ポリゴンパッチは、マッピング三次元モデルの対応する部分の空間座標及びテクスチャ情報を含み得る。ポリゴンパッチは、三角形又は四角形などの形状とされ得る。
【0044】
いくつかの実施例では、当該マッピング三次元モデルファイルの中に、解析すべきキーワードは、頂点空間座標v、頂点テクスチャ座標vt、ポリゴンインデックスf、テクスチャライブラリmtllib、拡散反射光kdなどを含む。
【0045】
さらに、当該マッピング三次元モデルの各ポリゴンパッチ上の各点の空間座標と対応するテクスチャ情報とのテクスチャ対応付けを構築することができ、これによって、この後のステップでは、各点のテクスチャ情報は決定されやすい。
【0046】
ステップS202では、スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得する。
【0047】
スライス平面に対応するスライス方向は、X、Y、またはZ軸方向とすることができ、隣接するスライス平面間に一定の間隔が存在している。外側輪郭線上の各点は、対応するスライス平面とポリゴンパッチとの交点である。スライス平面は、層ごとに製造する単一の層において生成される各々のスライスを定義し、当該輪郭線は、当該スライスの実体部分の形状、範囲、及びテクスチャ情報を定義する。
【0048】
具体的に、各スライス平面を用いて、上記のポリゴンパッチをスライスし、これによりスライス平面とポリゴンパッチとの交点を取得し、各交点を始めから終わりまで接続して各スライス平面に対応する各外側輪郭線を取得する。
【0049】
さらに、1つのスライス平面は、1本の外側輪郭線に対応してもよいし、複数本の外側輪郭線に対応してもよい。
【0050】
選択的に、スライス平面に基づいて各前記ポリゴンパッチをスライスし、少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップは、
前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するステップと、各前記交点を始めから終わりまで接続し、少なくとも1本の前記外側輪郭線を取得するステップと、を含む。
【0051】
具体的に、各スライス平面について、当該スライス平面と各ポリゴンパッチとの共通部分を求めることで、当該スライス平面と各ポリゴンパッチとの各交点を取得し、各ポリゴンパッチと当該スライス平面との交点を始めから終わりまで接続すれば、当該ポリゴンパッチと当該スライス平面に対応する外側輪郭線を取得することができる。
【0052】
例示的に、図3は、本願の図2に示される実施例におけるポリゴンパッチの概略図であり、図3に示すように、図3では、ポリゴンパッチが三角形パッチである場合を例にしており、当該三角形パッチPは複数の頂点P、P、及びPを含み、頂点Pは、空間座標が(X、Y、Z)で、テクスチャ情報が(U、V)であり、Pは、空間座標が(X、Y、Z)で、テクスチャ情報が(U、V)であり、Pは、空間座標が(X、Y、Z)で、テクスチャ情報が(U、V)であり、図4は、本願の図3に示される実施例におけるポリゴンパッチPがスライス平面によりスライスされる概略図であり、図4に示すように、図4のスライス平面のスライス方向がZ軸方向であり、ポリゴンパッチPが点M及び点Nにおいてスライス平面Qと交差している。スライス平面と複数のポリゴンパッチとの交点を始めから終わりまで接続すれば、当該スライス平面に対応する外側輪郭線を取得する。
【0053】
ステップS203では、前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得し、前記輪郭領域を塗りつぶす。
【0054】
具体的に、外側輪郭線は、1つのボクセルのマッピング厚さに対応するテクスチャ表現を定義し、輪郭線のみを用いてマッピング三次元モデルを説明することは完全ではないため、対応する輪郭領域を取得するために輪郭線を拡張する必要がある。輪郭領域は、所定のマッピング厚さのスライスに対応するマッピング三次元モデルのテクスチャ表現を定義し、輪郭領域を用いてマッピング三次元モデルを説明すると、マッピングパターンの完全性は確保され、印刷品質は向上する。
【0055】
具体的に、異なる輪郭領域に対応するマッピング厚さは同じであるようにして、すなわち、輪郭領域はそれぞれ1つの一定のマッピング厚さに対応するようにしてもよい。又は、異なる輪郭領域に対応するマッピング厚さは異なるようにして、すなわち、各外側輪郭線を可変のマッピング厚さの各輪郭領域に拡張してもよい。
【0056】
具体的に、輪郭領域を塗りつぶすことは、すなわち、輪郭領域内の各点にテクスチャ情報を割り当て、各スライス平面に対応する印刷パスを取得することである。当該塗りつぶされた輪郭領域は、マッピング三次元モデルのマッピングに対応する外側の層となる。
【0057】
さらに、プリセットのアルゴリズムに基づいて輪郭領域を塗りつぶすことができ、プリセットのアルゴリズムは、方向平行塗りつぶしアルゴリズム、輪郭平行塗りつぶしアルゴリズム、補色塗りつぶしアルゴリズムなどのアルゴリズムとすることができる。
【0058】
具体的に、補色塗りつぶしアルゴリズムに基づいて各輪郭領域を塗りつぶすことができ、具体的なステップは、輪郭領域と非輪郭領域とを区別して、輪郭領域に対して色塗りつぶしを行い、当該輪郭領域に対応する非輪郭領域、すなわち、塗りつぶし領域に対して、当該輪郭領域の色の補色で塗りつぶすステップとなる。
【0059】
例示的に、輪郭領域は黒い色で塗りつぶされ、非輪郭領域は白い色で塗りつぶされる。
【0060】
ステップS204では、前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成する。
【0061】
具体的に、輪郭領域上の各点の空間座標に従って、各点のテクスチャ情報を決定し、そして、各点のテクスチャ情報に基づいて上記のフルカラーピクチャデータを生成し、これにより当該フルカラーピクチャデータに基づいて輪郭領域を着色し、三次元印刷によってフルカラーのマッピング三次元モデルを取得することができる。
【0062】
さらに、フルカラーピクチャデータを取得する前に、当該方法は、三次元印刷システムのハードウェアパラメータに従ってフルカラーピクチャの大きさ及び解像度を決定するステップであって、当該ハードウェアパラメータが印刷可能領域の大きさ、三次元プリンタの解像度、及びインクジェットヘッドの配置などのパラメータを含むステップ、をさらに含む。これによって、フルカラーピクチャの大きさと解像度に基づいて、輪郭領域とフルカラーピクチャとの対応付けを行い、フルカラーピクチャに対応するフルカラーピクチャデータを取得する。
【0063】
本願の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法は、マッピング三次元モデルについて、当該マッピング三次元モデルファイルを解析して、各ポリゴンパッチを取得し、少なくとも1つのポリゴンパッチが当該マッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含み、そして、スライス平面を使用して各ポリゴンパッチをスライスし、各交点を始めから終わりまで接続しスライス平面に対応する外側輪郭線を取得し、この後、外側輪郭線を収縮させて輪郭領域を取得して、当該輪郭領域を塗りつぶし、次に、上記のテクスチャ情報に基づいて、各輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成し、当該フルカラーピクチャデータに基づいて三次元印刷を行うことで、カラフルなマッピング三次元モデル実体を直接に取得することができ、マッピング三次元モデルの自動、カラー印刷が実現され、マッピング三次元モデルの印刷効率及び品質が向上する。
【0064】
選択的に、図5は、本願の図2に示される実施例におけるステップS201のフローチャートであり、図5に示すように、ステップS201は、ステップS2011~ステップS2013を含む。
【0065】
ステップS2011では、前記マッピング三次元モデルファイルを取得する。
【0066】
前記マッピング三次元モデルファイルは、前記マッピング三次元モデルのテクスチャライブラリ、各頂点の頂点座標、及びポリゴンインデックスを含む。マッピング三次元モデルファイルは、OBJ(Object、ターゲットファイル形式)、PLY(Polygon File Format、ポリゴンファイル形式)、AMF(Action Message Format、操作メッセージ形式)などの形式とすることができる。
【0067】
具体的に、モデリングソフトウェアのプリセットのインタフェースによって、マッピング三次元モデルファイルを自動的に取得することができる。当該モデリングソフトウェアは、三次元印刷システムのモデリングプラットフォームにインストールされてもよいし、又は、ユーザは、当該マッピング三次元モデルファイルを三次元印刷システム又は三次元プリンタに手動でアップロードしてもよい。
【0068】
ステップS2012では、前記頂点座標及び前記ポリゴンインデックスに従って、各前記ポリゴンパッチの各頂点の空間座標を決定する。
【0069】
頂点座標は、頂点の空間座標に加えて、頂点のテクスチャ座標を含むことができる。空間座標は、各頂点の当該マッピング三次元モデルにおける位置情報を説明するために用いられる。テクスチャ座標は、各頂点の当該マッピング三次元モデルのテクスチャ画像における位置情報を説明するために用いられる。ポリゴンインデックスは、各ポリゴンパッチに対応する頂点をインデックスするために用いられ、ポリゴンインデックスに従って各ポリゴンパッチの頂点の空間座標とテクスチャ座標を取得することができる。
【0070】
ステップS2013では、前記ポリゴンインデックスに従って前記テクスチャライブラリを巡回し、各前記ポリゴンパッチの各頂点のテクスチャ情報を取得する。
【0071】
テクスチャライブラリには各ポリゴンパッチの各頂点に対応するテクスチャファイル又はテクスチャ情報が含まれる。
【0072】
具体的に、ポリゴンインデックスに基づき、各頂点の空間座標に従って当該テクスチャライブラリを巡回して、頂点の空間座標にマッチするテクスチャ情報を検索することができる。
【0073】
さらに、当該ポリゴンインデックスに基づいてテクスチャライブラリを検索して、現在のポリゴンパッチに対応するテクスチャファイルが存在しているか否かを決定することができ、存在していない場合には、当該ポリゴンパッチの各頂点の色値を白い色に設定するが、存在している場合には、当該テクスチャファイルに基づいて当該ポリゴンパッチの各頂点の色値を決定する。
【0074】
選択的に、前記ポリゴンインデックスに従って前記テクスチャライブラリを巡回し、各前記ポリゴンパッチの各頂点のテクスチャ情報を取得するステップは、
前記ポリゴンインデックスに従って各前記ポリゴンパッチに対応するテクスチャファイルを決定するステップ、各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれる場合には、前記テクスチャファイル中のテクスチャ画像を取得して、前記頂点の頂点テクスチャ座標に従って、前記テクスチャ画像から前記頂点のテクスチャ情報を決定するステップ、及び/又は、各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれていない場合には、前記テクスチャファイル中の拡散光色値を取得して、前記拡散光色値を前記頂点のテクスチャ情報として決定するステップを含む。
【0075】
テクスチャファイルは、各頂点を説明するテクスチャ情報が含まれるファイルである。
【0076】
具体的に、頂点の空間座標又は頂点座標、及び上記のポリゴンインデックスに基づいて、各頂点に対応するテクスチャファイルを決定することができ、当該頂点の頂点座標には当該頂点の頂点テクスチャ座標が含まれる場合には、当該頂点テクスチャ座標に基づいて、テクスチャファイルの中からそれに対応するテクスチャ画像を直接に抽出し、当該テクスチャ画像に従って当該頂点のテクスチャ情報を決定するが、頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれておらず、すなわち、マッピング三次元モデルにより当該点のテクスチャ情報が規定されていないことは示された場合には、デフォルトのテクスチャ情報を当該頂点のテクスチャ情報として利用し、すなわち、対応するテクスチャファイルにおける拡散光色値を当該頂点のテクスチャ情報として利用することができる。
【0077】
各頂点の空間座標、頂点テクスチャ座標、及び色値という3つのものの対応付け関係は、上記のインデックス及び巡回のステップによって決定され、これによって、この後のステップでは、頂点の空間座標に基づいて各点の色値を迅速に位置決めすることができ、フルカラーピクチャデータの生成速度は向上し、これにより印刷速度は向上する。
【0078】
具体的に、OBJ形式のマッピング三次元モデルファイルを例にして、マッピング三次元モデルファイルを解析するステップは、具体的に、
マッピング三次元モデルファイルのファイル形式が正しいか否かをファイル名のサフィックスを用いて確認するステップと、正しい場合、マッピング三次元モデルファイルのコンテンツを行ごとに読み込むステップと、そして、各行の先頭のキーワードを判定し、キーワードに従って相応の操作を行うステップであって、当該操作が、テクスチャ情報を抽出する操作、頂点の空間座標を読み取る操作、頂点のテクスチャ座標を読み取る操作、及びポリゴンインデックスを読み取る操作などの操作を含むステップと、この行がマッピング三次元モデルファイルの最終行であるか否かを判定し、そうである場合、解析が完了し、現在のOBJ形式のマッピング三次元モデルファイルを閉じるステップと、を含む。
【0079】
テクスチャ情報を抽出する操作では、キーワードがmtllibである場合、.mtlというサフィックスが付いたテクスチャファイルを開き、当該テクスチャファイルのコンテンツを行ごとに読み取り、行頭のキーワードは第1のキーワードである場合には、当該第1のキーワードに続くテクスチャ画像をメモリにロードし、当該テクスチャ画像に基づいてテクスチャ情報を決定するが、行頭のキーワードは第2のキーワードである場合には、当該第2のキーワードに続く拡散光色値をメモリにロードし、対応する頂点の色値を拡散光色値として決定する。
【0080】
頂点の空間座標を読み取る操作では、キーワードがvである場合、この行が頂点の空間座標を表す行であることを示し、この場合、キーワードに続く3つの浮動小数点数をそれぞれ、当該頂点の空間座標のX値、Y値、及びZ値として、空間座標コンテナに保存することができる。
【0081】
頂点のテクスチャ座標を読み取る操作では、キーワードがvtである場合、この行が頂点の頂点テクスチャ座標を表す行であることを示し、この場合、当該キーワードに続く2つの浮動小数点数をそれぞれ、当該頂点の頂点テクスチャ座標のU値とV値として、テクスチャ座標コンテナに保存する。
【0082】
ポリゴンインデックスを読み取る操作では、キーワードがfである場合、この行がポリゴンパッチを表す行であることを示し、この場合、キーワードに続く複数のグループのv/vtペアを、当該ポリゴンパッチを構成する各頂点の空間座標インデックスとテクスチャ座標インデックスとして解析し、空間座標インデックスに基づいて頂点の空間座標を決定し、テクスチャ座標インデックスに基づいて頂点の頂点テクスチャ座標を決定する。
【0083】
なお、マッピング三次元モデルのいくつかの部分はテクスチャマッピングが存在しない場合に、当該部分に対応するポリゴンパッチの頂点には頂点テクスチャ座標が含まれていないようにしている。
【0084】
いくつかの実施例では、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップの後に、前記方法は、各前記ポリゴンパッチをサンプリングし、点群情報セットを取得するステップであって、前記点群情報セットには各サンプリング点の空間座標及びテクスチャ情報が含まれるステップをさらに含む。これに応じて、前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップは、前記点群情報セット及び塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の対応する空間座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値を決定するステップと、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するステップと、を含む。
【0085】
点群情報セットには各サンプリング点の空間座標とテクスチャ情報が含まれている。
【0086】
具体的に、各ポリゴンパッチに対する分割サンプリングは、ポリゴンパッチの各辺に対するサンプリング及びポリゴンパッチ内部に対するサンプリングを含み、ポリゴンパッチの各辺の点群のサンプリングアルゴリズムは、内部の点群のサンプリングアルゴリズムとは異なるようにしてもよい。
【0087】
例示的に、図6は、本願の図3に示される実施例におけるポリゴンパッチサンプリングの概略図であり、図6に示すように、当該三角形パッチPの各頂点P、P、及びPの空間座標は、上記の解析プロセスによって得られ、0.05mm、0.03mm、または他の値などのサンプリングの長さ間隔を予め設定し、三角形パッチの各辺に対して線形補間アルゴリズムを利用してサンプリングして、これにより各サンプリング点の空間座標を取得し、三角形パッチの内部に対して内部点アルゴリズムを利用して各サンプリング点の空間座標を計算する。当該三角形パッチを含むことができる最小の矩形を見つけ、サンプリング時の長さ間隔に従って当該矩形を分割して、各点が三角形パッチ内又は三角形パッチ上にあるか否かを順次判定し、三角形パッチ内又は三角形パッチ上にある各点については、当該点の空間座標を計算する。
【0088】
そして、各サンプリング点の色値を取得し、当該色値は、空間座標及びテクスチャライブラリによって決定されることができ、テクスチャライブラリにはポリゴンパッチのテクスチャファイルが含まれていない場合、又は、ポリゴンパッチの頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれていない場合には、当該ポリゴンパッチにおける各サンプリング点の色値は当該ポリゴンパッチの頂点の色値と同じであるが、テクスチャライブラリには当該ポリゴンパッチのテクスチャファイルが存在しており、かつポリゴンパッチの頂点には頂点テクスチャ座標が含まれる場合には、頂点の頂点テクスチャ座標に従ってサンプリング点のサンプリング点テクスチャ座標を決定することができ、これによって、サンプリング点テクスチャ座標に基づき、テクスチャ画像の中からそれに対応する色値を当該サンプリング点のテクスチャ情報として決定する。
【0089】
例示的に、図3及び図4に示すように、サンプリング点pのテクスチャ座標の計算方式は、まず、三角形パッチPの面積を、下記(1)式で計算し、そして、サンプリング点pの三角形パッチの各辺における成分を、下記(2)式、(3)式、及び(4)式で計算するという計算方式とする場合、サンプリング点pの空間座標は、下記(5)式となり、サンプリング点テクスチャ座標は、下記(6)式としてもよい。
【数1】
【0090】
いくつかの実施例では、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するステップの後に、前記方法は、各ポリゴンパッチについて、前記ポリゴンパッチの各々の隣接するポリゴンパッチを決定するステップであって、前記隣接するポリゴンパッチが前記ポリゴンパッチと前記ポリゴンパッチの一つの辺において接するステップと、各ポリゴンパッチ及びその対応する各々の隣接するポリゴンパッチに従って、ポリゴントポロジーを生成するステップと、をさらに含む。これに応じて、スライス平面に基づいて各前記ポリゴンパッチをスライスし、少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップは、前記スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面と各前記ポリゴンパッチとの交点を取得するステップと、前記ポリゴントポロジーに従って、各前記交点の接続順序を決定し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するステップと、を含む。
【0091】
具体的に、まず、初めとなるポリゴンパッチと1つのスライス平面との交点を取得し、そして、各ポリゴンパッチと当該スライス平面との交点を、ポリゴンパッチに隣接する順に順次接続することができ、マッピング三次元モデルが多様体パッチに一致する場合には、第1個の交点である開始点に戻り、閉じた外側輪郭線が形成されるが、マッピング三次元モデルは穴などの構造が存在する場合には、各々のポリゴンパッチの交点を個別に始めから終わりまで接続し、各々のポリゴンパッチに対応する外側輪郭線を取得し、図4に示す。
【0092】
ポリゴントポロジーを構築することにより、外側輪郭線の決定速度は加速され、ひいては三次元印刷の効率は向上する。
【0093】
図7は、本願の別の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法のフローチャートであり、本実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法は、図2に示される実施例に基づき、ステップS202、S203、及びS204をさらに細分化しており、図7に示すように、本実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法は、ステップS701~ステップS712を含む。
【0094】
ステップS701では、マッピング三次元モデルファイルを解析し、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得する。
【0095】
ステップS702では、ポリゴンパッチに対応する層化方向の空間座標に従って、各前記ポリゴンパッチをグループ化してソートし、グループ化関係行列を取得する。
【0096】
前記グループ化関係行列には各前記スライス平面に対応する各グループの前記ポリゴンパッチが含まれる。層化方向は、一般的に、Z軸方向であるが、X軸又はY軸方向を利用してもよい。
【0097】
具体的に、各スライス平面について、層化方向に対応する空間座標の値に従って、当該スライス平面と交差する各ポリゴンパッチをグループ化してソートし、当該スライス平面に対応するポリゴンパッチのグループを取得する。
【0098】
さらに、層化方向に対応する空間座標の値に従って、各ポリゴンパッチの対応するグループにおける番号を決定することができ、空間座標の値が小さいほど、その対応する番号も小さくなっている。
【0099】
すべてのポリゴンパッチを巡回することにより、スライス平面の層番号及び当該スライス平面に対応するグループの番号をインデックスとして、上記のグループ化関係行列を構築することができる。当該グループ化関係行列においては、各層のスライス平面に対応するグループにおける各ポリゴンパッチが説明されている。
【0100】
例示的に、表1は、本願の図7に示される実施例におけるグループ化関係行列表であり、表1に示すように、グループ化関係行列においては、各層のスライス平面に対応するポリゴンパッチのセット又はグループが説明されており、かつ各グループのポリゴンパッチは、スライス方向に対応する空間座標の値が小さい順にソートされ、すなわち、ポリゴンパッチfiaのZ値がfibのZ値よりも小さく、ここで、aがbよりも小さいようにしている。
【0101】
【表1】
【0102】
ステップS703では、各グループの前記ポリゴンパッチに対して対応する前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得する。
【0103】
ステップS704では、各前記交点を始めから終わりまで接続し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の前記外側輪郭線を取得する。
【0104】
ステップS705では、所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得する。
【0105】
所定のマッピング厚さは、ユーザにより設定されてもよいし、又は、デフォルトの値を利用してもよく、本願は、所定のマッピング厚さの値を限定しない。
【0106】
具体的に、各外側輪郭線を取得した後、各外側輪郭線を内側へ所定のマッピング厚さ収縮させて、各外側輪郭線に対応する内側輪郭線を取得する。
【0107】
ステップS706では、各前記外側輪郭線の対応する領域に対してそれに対応する内側輪郭線の対応する領域との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得する。
【0108】
具体的に、輪郭領域は、1つのグループとしての内側輪郭線の対応する領域と外側輪郭線の対応する領域とで構成され、外側輪郭線の対応する領域に対して内側輪郭線の対応する領域との排他的論理和演算を行うことで、輪郭領域を取得することができる。
【0109】
例示的に、図8は、本願の図7に示される実施例における輪郭領域の概略図であり、図8に示すように、ポリゴンパッチとスライス平面との交点に対応する外側輪郭線はC1で、外側輪郭線C1を内側へ収縮させて内側輪郭線C2を取得し、輪郭領域A1は、外側輪郭線C1と内側輪郭線C2との間の領域となる。
【0110】
さらに、印刷されたマッピング三次元モデルをさまざまな角度から見たときに、マッピングパターンがいずれも完全であるようにするためには、可変のマッピング厚さの輪郭領域を決定する必要がある。選択的に、所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得するステップの後に、前記方法は、各外側輪郭線について、前記所定のマッピング厚さ及び所定のスライス厚さに基づいて、前記外側輪郭線に対応するスライス平面の上下にある所定数の各スライス平面に対応する関連外側輪郭線を取得するステップをさらに含む。これに応じて、各前記外側輪郭線の対応する領域に対してそれに対応する内側輪郭線の対応する領域との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭区を取得するステップは、前記内側輪郭線の対応する領域に対して、それぞれの前記関連外側輪郭線の対応する領域との否定排他的論理和演算を行った後、対応する前記外側輪郭線の対応する領域との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するステップを含む。
【0111】
所定数は、所定のマッピング厚さに対応するスライス平面の数としてもよいし、所定のマッピング厚さとスライス厚さとの比値の対応する正の整数としてもよい。関連外側輪郭線は、現在の外側輪郭線近傍にある、同一所定のマッピング厚さ内の他のスライス平面に位置する外側輪郭線である。
【0112】
現在のスライス平面の上下にある複数層のスライス平面の外側輪郭線、すなわち、関連外側輪郭線によって、内側輪郭線の対応する領域に対して各関連外側輪郭線の対応する領域との否定排他的論理和演算を行い、内側輪郭線を修正し、より内側へ収縮する可能性のある1つの新たな内側輪郭線を取得する。これによって、当該新たな内側輪郭線の対応する領域と外側輪郭線の対応する領域との排他的論理和演算に基づいて輪郭領域を取得する。
【0113】
マッピング三次元モデルは、複数のスライス層が積層されて形成されたものであり、マッピング厚さが不十分である場合又は上層スライスと下層スライスの輪郭線範囲が小さすぎる場合に、物体内部の露出、すなわち、マッピングパターンの不完全を引き起こしやすいため、上層と下層の外側輪郭線、すなわち、関連外側輪郭線に基づいて現在層のスライス平面の内側輪郭線を調整する必要があり、これによって、可変のマッピング厚さの輪郭領域は得られる。
【0114】
例示的に、図9は、本願の図7に示される実施例における輪郭領域の他の概略図であり、図8及び図9を参照して分かるように、本実施例では、図8の内側輪郭線C2及び外側輪郭線C1に加えて、1本の関連外側輪郭線C3も含まれており、当該関連外側輪郭線C3は、外側輪郭線C1のスライス平面の上層又は下層のスライス平面とポリゴンパッチとが交差する外側輪郭線であり、内側輪郭線C2に対応する領域と当該関連外側輪郭線C3に対応する領域とに対して否定排他的論理和演算を行った後、新たな内側輪郭線を取得し、ひいては新たな輪郭領域A2を取得し、輪郭領域A2は、図8の輪郭領域A1と比較して、追加の輪郭領域A3を増加させている。
【0115】
ステップS707では、補色塗りつぶしアルゴリズムに基づいて、前記輪郭領域を塗りつぶす。
【0116】
ステップS708では、ピクチャの解像度に応じて、塗りつぶされた前記輪郭領域を前記ピクチャに対応付ける。
【0117】
ピクチャは、マッピング三次元モデルを印刷するためのピクチャであり、三次元印刷により提供される、前記マッピング三次元モデルを収容可能な最大外側輪郭線のピクチャとすることができる。
【0118】
具体的に、各輪郭領域を取得した後、ピクチャの解像度に応じて、各輪郭領域をピクチャ中に対応付ける。
【0119】
具体的に、三次元印刷システムのハードウェアパラメータに従って、ピクチャの大きさ及び解像度を決定することができる。当該ハードウェアパラメータが印刷可能領域の大きさ、三次元プリンタの解像度、及びインクジェットヘッドの配置などのパラメータを含む。
【0120】
さらに、輪郭領域に対応するポリゴンパッチの位置及びピクチャの解像度に基づいて、輪郭領域をピクチャ中に対応付けることができる。
【0121】
ステップS709では、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の画素座標を取得する。
【0122】
画素座標は、すなわち、輪郭領域の各点のピクチャにおける対応する画素点の位置である。
【0123】
ステップS710では、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の対応する画素座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の空間座標を決定する。
【0124】
具体的に、輪郭領域を塗りつぶすとき、輪郭領域と非輪郭領域(塗りつぶし領域)に対して異なる色で塗りつぶすため、各画素点の画素値又は色値に従って、各画素点が輪郭領域における点であるか否かを判定することができる。
【0125】
輪郭領域に属する各画素点については、当該画素点の画素座標及びピクチャの解像度に従って、当該画素点に対応する輪郭領域における点の空間座標を決定することができる。
【0126】
ステップS711では、塗りつぶされた前記輪郭領域中の各点の空間座標及び前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値を決定する。
【0127】
具体的に、各画素点に対応する輪郭領域における点の空間座標を決定した後、各画素点については、当該画素点に対応する空間座標に基づいて、すべてのポリゴンパッチの中において、当該空間座標に最も近いターゲット点を検索して、当該ターゲット点のテクスチャ情報又は色値を当該画素点の色値として設定する。
【0128】
さらに、点群情報を集めて各画素点の色値の検索を行うことができる。
【0129】
さらに、当該画素点が輪郭領域に属するものではないと決定する場合に、例えば、当該画素点の色値を白い色に対応する色値として設定することができる。
【0130】
ピクチャにおける各画素点を巡回することで、各画素点の色値を決定する。
【0131】
ステップS712では、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成する。
【0132】
本実施例では、マッピング三次元モデルを解析して、各ポリゴンパッチを取得した後、スライス平面に基づいて各ポリゴンパッチをスライスし、これにより各外側輪郭線を取得し、当該外側輪郭線を収縮させて、対応する内側輪郭線を取得し、ひいては輪郭領域を取得し、また、マッピングパターンの完全性を向上させるために、近接する複数のスライス平面の外側輪郭線に基づいて、当該内側輪郭線を修正し、可変のマッピング厚さの輪郭領域を実現し、さらに、補色塗りつぶしアルゴリズムに基づいて当該輪郭領域を塗りつぶし、輪郭領域と非輪郭領域との初期色値を取得し、そして、塗りつぶされた各輪郭領域をピクチャ中に対応付け、ピクチャにおける各画素点の画素値及びピクチャの解像度に基づいて、各画素点の空間座標を決定し、この後、空間座標に基づいて各画素点の色値を決定し、フルカラーピクチャデータを取得し、これによって、当該フルカラーピクチャデータに基づいてマッピング三次元モデルに対して三次元印刷を行うとき、各輪郭領域を着色することでフルカラーのマッピング三次元モデルを取得することができ、マッピング三次元モデルのカラー、自動印刷は実現され、印刷効率が高く、正確さが高い。
【0133】
図10は、本願の1つの実施例により提供されるマッピング三次元モデルの印刷方法のフローチャートであり、本実施例により提供されるマッピング三次元モデルの印刷方法は、三次元プリンタに適用され、図10に示すように、本実施例により提供されるマッピング三次元モデルの印刷方法は、ステップS1001~ステップS1002を含む。
【0134】
ステップS1001では、スライス画像データを取得する。
【0135】
前記スライス画像データは、本願の図2図5、及び図7に対応する任意の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法に従って生成されたフルカラーピクチャデータを含む。
【0136】
ステップS1002では、前記スライス画像データに従って印刷制御データを生成し、前記印刷制御データに基づいてマッピング三次元モデルの印刷を行う。
【0137】
本願の実施例により提供されるマッピング三次元モデルの印刷方法は、マッピング三次元モデルのフルカラー、自動印刷を実現し、印刷効率が高く、正確さが高い。
【0138】
図11は、本願の1つの実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス装置の構造概略図であり、図11に示すように、本実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス装置は、解析モジュール1110、輪郭線取得モジュール1120、輪郭塗りつぶしモジュール1130、及びフルカラーピクチャ生成モジュール1140を含む。
【0139】
解析モジュール1110は、マッピング三次元モデルファイルを解析し、前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得するために用いられ、少なくとも1つの前記ポリゴンパッチが前記マッピング三次元モデルのテクスチャ情報を含み、輪郭線取得モジュール1120は、スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得するために用いられ、輪郭塗りつぶしモジュール1130は、前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得し、前記輪郭領域を塗りつぶすために用いられ、フルカラーピクチャ生成モジュール1140は、前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成するために用いられる。
【0140】
選択的に、輪郭塗りつぶしモジュール1130は、
前記少なくとも1本の外側輪郭線に従って輪郭領域を取得するための輪郭領域取得ユニットと、前記輪郭領域を塗りつぶすための塗りつぶしユニットと、を含む。
【0141】
選択的に、輪郭領域取得ユニットは、
所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得するための収縮サブユニットと、各前記外側輪郭線の対応する領域に対してそれに対応する内側輪郭線の対応する領域との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するための輪郭領域取得サブユニットと、を含む。
【0142】
選択的に、前記装置は、
所定のマッピング厚さに基づいて、前記外側輪郭線の各々を収縮させて内側輪郭線を取得した後に、各外側輪郭線について、前記所定のマッピング厚さ及び所定のスライス厚さに基づいて、前記外側輪郭線に対応するスライス平面の上下にある所定数の各スライス平面に対応する関連外側輪郭線を取得するための関連輪郭取得モジュールをさらに含む。
【0143】
これに応じて、輪郭領域取得サブユニットは、具体的に、
前記内側輪郭線の対応する領域に対して、それぞれの前記関連外側輪郭線の対応する領域との否定排他的論理和演算を行った後、対応する前記外側輪郭線の対応する領域との排他的論理和演算を行い、各前記輪郭領域を取得するために用いられる。
【0144】
選択的に、フルカラーピクチャ生成モジュール1140は、具体的に、
ピクチャの解像度に応じて、塗りつぶされた前記輪郭領域を前記ピクチャに対応付けることと、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の画素座標を取得することと、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の対応する画素座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の各点の空間座標を決定することと、塗りつぶされた前記輪郭領域中の各点の空間座標及び前記テクスチャ情報に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値を決定することと、塗りつぶされた前記輪郭領域の前記ピクチャにおける各画素点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成することと、に用いられる。
【0145】
選択的に、解析モジュール1110は、
前記マッピング三次元モデルファイルを取得するためのファイル取得ユニットであって、前記マッピング三次元モデルファイルが前記マッピング三次元モデルのテクスチャライブラリ、各頂点の頂点座標、及びポリゴンインデックスを含む、ファイル取得ユニットと、前記頂点座標及び前記ポリゴンインデックスに従って、各前記ポリゴンパッチの各頂点の空間座標を決定するためのインデックスユニットと、前記ポリゴンインデックスに従って前記テクスチャライブラリを巡回し、各前記ポリゴンパッチの各頂点のテクスチャ情報を取得するためのテクスチャ情報決定ユニットと、を含む。
【0146】
選択的に、テクスチャ情報決定ユニットは、具体的に、
前記ポリゴンインデックスに従って各前記ポリゴンパッチに対応するテクスチャファイルを決定すること、各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれる場合には、前記テクスチャファイル中のテクスチャ画像を取得して、前記頂点の頂点テクスチャ座標に従って、前記テクスチャ画像から前記頂点のテクスチャ情報を決定すること、及び/又は、各前記ポリゴンパッチの各頂点について、前記頂点の頂点座標には頂点テクスチャ座標が含まれていない場合には、前記テクスチャファイル中の拡散光色値を取得して、前記拡散光色値を前記頂点のテクスチャ情報として決定すること、に用いられる。
【0147】
選択的に、輪郭線取得モジュール1120は、
各前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するための交点取得ユニットと、各前記交点を始めから終わりまで接続し、少なくとも1本の前記外側輪郭線を取得するための輪郭線取得ユニットと、を含む。
【0148】
選択的に、前記装置は、
前記ポリゴンパッチに対して前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得する前に、ポリゴンパッチに対応する層化方向の空間座標に従って、各前記ポリゴンパッチをグループ化してソートし、グループ化関係行列を取得するためのグループ化ソートモジュールであって、前記グループ化関係行列には各前記スライス平面に対応する各グループの前記ポリゴンパッチが含まれる、グループ化ソートモジュールをさらに含む。
【0149】
これに応じて、交点取得ユニットは、具体的に、
各グループの前記ポリゴンパッチに対して対応する前記スライス平面と交わり演算を行い、各交点を取得するために用いられる。
【0150】
選択的に、前記装置は、
前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得した後に、各前記ポリゴンパッチをサンプリングし、点群情報セットを取得するための点群情報セット取得モジュールであって、前記点群情報セットには各サンプリング点の空間座標及びテクスチャ情報が含まれる、点群情報セット取得モジュールをさらに含む。
【0151】
これに応じて、フルカラーピクチャ生成モジュール1140は、具体的に、
前記点群情報セット及び塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の対応する空間座標に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値を決定することと、塗りつぶされた前記輪郭領域における各点の色値に従って、塗りつぶされた前記輪郭領域を着色するためのフルカラーピクチャデータを生成することと、に用いられる。
【0152】
選択的に、前記装置は、
前記マッピング三次元モデルを示すための各ポリゴンパッチを取得した後に、各ポリゴンパッチについて、前記ポリゴンパッチの各々の隣接するポリゴンパッチを決定することであって、前記隣接するポリゴンパッチが前記ポリゴンパッチと前記ポリゴンパッチの一つの辺において接することと、各ポリゴンパッチ及びその対応する各々の隣接するポリゴンパッチに従って、ポリゴントポロジーを生成することと、に用いられるトポロジー生成モジュール、をさらに含む。
【0153】
これに応じて、輪郭線取得モジュール1120は、具体的に、
前記スライス平面を使用して各前記ポリゴンパッチをスライスし、前記スライス平面と各前記ポリゴンパッチとの交点を取得することと、前記ポリゴントポロジーに従って、各前記交点の接続順序を決定し、前記スライス平面に対応する少なくとも1本の外側輪郭線を取得することと、に用いられる。
【0154】
選択的に、塗りつぶしユニットは、具体的に、
補色塗りつぶしアルゴリズムに基づいて、前記輪郭領域を塗りつぶすために用いられる。
【0155】
本願の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス装置は、本願の図2図5、及び図7に対応する任意の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法を実行することができ、方法の実行に応じた機能モジュール及び有益な効果を有している。
【0156】
図12は、本願の1つの実施例により提供される三次元印刷デバイスの構造概略図であり、図12に示すように、当該三次元印刷デバイスは、メモリ1210、プロセッサ1220、及びコンピュータプログラムを含む。
【0157】
コンピュータプログラムは、メモリ1210に記憶されており、プロセッサ1220により実行されることで、本願の図2図5、及び図7に対応する任意の実施例により提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法、及び/又は、図10に示される実施例により提供されるマッピング三次元モデルの印刷方法を実現するように構成されている。
【0158】
メモリ1210とプロセッサ1220とは、バス1230によって接続される。
【0159】
関連する説明は、図2図5図7、及び図10のステップに対応する関連説明及び効果を参照して理解され得るため、ここではこれ以上説明しない。
【0160】
本願の1つの実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、当該コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されることで、本願の図2図5、及び図7に対応する実施例のいずれかにより提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法、及び/又は、図10に示される実施例により提供されるマッピング三次元モデルの印刷方法を実現する。
【0161】
コンピュータ可読記憶媒体は、ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、及び光データ記憶デバイスなどとすることができる。
【0162】
本願の1つの実施例は、コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を提供し、コンピュータプログラムは、三次元印刷デバイスのプロセッサにより実行されることで、本願の図2図5、及び図7に対応する実施例のいずれかにより提供されるマッピング三次元モデルのスライス方法、及び/又は、図10に示される実施例により提供されるマッピング三次元モデルの印刷方法を実現するようにマッピング三次元モデルのスライス装置を制御する。
【0163】
プロセッサは、信号の処理能力を有する集積回路チップとすることができる。上記のプロセッサは、中央処理装置(Central Processing Unit、CPUとして略称)、ネットワークプロセッサ(Network Processor、NPとして略称)などを含む汎用プロセッサとすることができ、本願の実施例に開示されている各方法、ステップ、及び論理ブロック図を実現又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、あるいは、当該プロセッサは、任意の従来のプロセッサなどであってもよい。
【0164】
本願に提供されるいくつかの実施例では、開示されている装置及び方法は、他の方式によって実現され得ることを理解するべきである。例えば、上述した装置の実施例は、単なる例示的なものであり、例えば、モジュールの分割は、単なる論理的な機能分割であり、実際の実装では別の分割方式によって行われてもよく、例えば、複数のモジュール又はコンポーネントは、別のシステムに組み合わされてもよく、または、集積されてもよいし、又は、いくつかの特徴は、省略されてもよく、または、実行されていなくてもよい。その他、図示又は説明される相互間の結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインタフェース、装置、またはモジュールを介した間接結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的、または他の形態であってもよい。
【0165】
当業者は、本明細書を考慮して本明細書に開示されている開示を実践に移すと、本願のその他の実施案を容易に想到し得る。本願は、本願の一般的な原理に従いかつ本願に開示されていない本技術分野における周知の知識又は慣用の技術的手段を含む本願の任意の変形、用途又は適合的変更を包含することを意図する。本明細書及び実施例は単に例示的なものとみなされ、本願の真の範囲及び精神は特許請求の範囲によって示される。
【0166】
本願は、以上に説明されておりかつ図面に示されている精確な構造に限定されるものではなく、その範囲から逸脱することなくさまざまな修正及び変更が可能であることを理解されたい。本願の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0167】
本願は2021年04月27日に中国特許局に提出された、出願番号が202110462298.8で、出願の名称が「マッピング三次元モデルのスライス方法、印刷方法、装置及びデバイス」という中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用によって本願に組み合わせられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【国際調査報告】