(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】鼻道内に化合物を徐放する徐放装置
(51)【国際特許分類】
A61M 15/08 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
A61M15/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566713
(86)(22)【出願日】2021-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 CN2021090988
(87)【国際公開番号】W WO2022226894
(87)【国際公開日】2022-11-03
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523277493
【氏名又は名称】王 雷
【氏名又は名称原語表記】WANG, Lei
【住所又は居所原語表記】Yichengdongyuan 5-1-1102,Haidian District,Beijing,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】王 雷
(57)【要約】
本発明は、医療機器技術分野に属し、鼻道内に化合物を徐放する徐放装置に関し、該装置は、1つの接続機構と、2つの拡張機構と2つの放出機構とを備える。接続機構の両端は、それぞれ両側鼻道内に対称に設置された2つの拡張機構を一体式又は取り外し可能に接続する。2つの放出機構は、対称に設置され、各放出機構が対応して各拡張機構内に設置される。前記徐放装置は、携帯に便利で、鼻道内に徐々に化合物を放出することができ、かつ同時に鼻道を拡張してスムーズな呼吸を保証し、機能性、実用性と快適性を兼ねる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻道内に化合物を徐放する徐放装置(1)であって、
1つの接続機構と、2つの拡張機構と、2つの放出機構とを備え、前記接続機構の両端部は、それぞれ両側鼻道(95)内に対称的に設置された2つの拡張機構を一体式又は取り外し可能に接続し、前記2つの放出機構は対称的に設置され、各放出機構は各拡張機構内に対応付けて設置され、
前記接続機構は、少なくとも1つの接続ビーム(2)を含み、前記接続ビーム(2)は、鼻中隔(91)の下端を半包囲し、鼻中隔(91)の下側に位置する中間部(23)、及び鼻中隔(91)の両側に対称的に設置される2つの接続アーム(24)を備え、中間部(23)は、2つの接続アーム(24)の間に位置し、2つの接続アーム(24)は、それぞれ2つの鼻道(95)内に対称的に設置される2つの拡張機構を接続し、
前記放出機構は、少なくとも1つの固定チューブ(5)と、少なくとも1つの放出要素(6)とを備え、
前記固定チューブ(5)は、チューブ状構造であり、拡張機構に設置され、前記放出要素(6)は、両端が広くて且つ中央部が狭い構造であり、装着する時、放出要素(6)が固定チューブ(5)内に固定され、固定チューブ(5)は、放出要素(6)の細い中央部を囲み、且つそれと緊密に噛み合い、放出要素(6)の両端は、固定チューブ(5)の両端の外側に位置し、放出要素(6)の両端の最大幅は、固定チューブ(5)のキャビティの最大幅より大きく、放出要素(6)は、一定量の化合物を収容可能であり、収容した化合物を鼻道(95)内で徐々に放出することができ、放出要素(6)の少なくとも一部は、装着する時に鼻道(95)内に位置する、
ことを特徴とする徐放装置。
【請求項2】
前記拡張機構は、1つの弾性拡張アーム(3)を備え、前記弾性拡張アーム(3)は、環状閉環構造であり、1つの接続アーム(24)の端部に接続され、固定チューブ(5)は、弾性拡張アーム(3)の内側主表面(34)に配置され、放出要素(6)は、固定チューブ(5)内に嵌め込まれている、ことを特徴とする請求項1に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。
【請求項3】
前記接続ビーム(2)の2つの接続アーム(24)には、拡幅部(241)が対称的に設けられ、かつ、前記接続アーム(24)の鼻中隔(91)側に向く側の面の幅は、前記拡幅部(241)において増大しており、前記2つの拡幅部(241)は、鼻中隔(91)の両側にフィットし、鼻中隔(91)にクランプ力を加える、ことを特徴とする請求項2に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。
【請求項4】
前記拡張機構は、1つの弾性拡張アーム(3)と、少なくとも1つの弾性支持スポーク(7)とを備え、
前記弾性拡張アーム(3)は、環状閉環構造であり、1つの接続アーム(24)の端部に接続され、弾性支持スポーク(7)は、分岐して且つ複数のブランチを含み、各ブランチの一端が弾性支持スポーク(7)のステム部に接続され、他端が弾性拡張アーム(3)に固定され、固定チューブ(5)は、弾性支持スポーク(7)上に配置され、放出要素(6)は、固定チューブ(5)内に嵌め込まれている、
ことを特徴とする請求項1に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。
【請求項5】
前記弾性支持スポーク(7)、固定チューブ(5)、および放出要素(6)は、弾性拡張アーム(3)の上方に位置し、逆さまのボウル構造を形成する、ことを特徴とする請求項4に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。
【請求項6】
前記拡張機構は、1つの弾性拡張アーム(3)と、少なくとも1つの弾性支持スポーク(7)とを備え、
前記弾性拡張アーム(3)は、環状閉環構造であり、1つの接続アーム(24)の端部に接続され、弾性支持スポーク(7)は、その両端が弾性拡張アーム(3)に接続された帯状構造である、
ことを特徴とする請求項1に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。。
【請求項7】
前記接続機構は、縦方向に並設された第1の接続ビーム(21)および第2の接続ビーム(22)を備え、第1の接続ビーム(21)及び第2の接続ビーム(22)は、いずれも鼻中隔(91)の下端を半包囲している、ことを特徴とする請求項6に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。。
【請求項8】
前記第2の接続ビーム(22)の2つの第2の接続アーム(224)には、装着者の鼻中隔(91)に向かう突起(242)が対称的に設けられ、突起(242)は、鼻中隔(91)の両側にフィットし、鼻中隔(91)にクランプ力を加える、ことを特徴とする請求項7に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。
【請求項9】
前記第2の接続ビーム(22)の2つの第2の接続アーム(224)の端部に、第1の弾性支持スポーク(71)の根元部に設けられたジャック(77)に挿入されるプラグ(243)が設けられ、前記プラグ(243)は、両端が広く、且つ中央が狭い構造であり、差し込み式固定を実現する、ことを特徴とする請求項7に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。
【請求項10】
前記拡張機構は、1つの弾性拡張アーム(3)と、1つの鼻道係合要素(4)と、少なくとも1つの弾性支持スポーク(7)と、を備え、
前記弾性拡張アーム(3)は、弾性的に圧縮され可能な開放帯状構造であり、1つの接続アームの端部に接続され、弾性拡張アーム(3)及び弾性支持スポーク(7)からの拡張力を鼻翼(92)に印加すること、及び接続ビーム(2)からのクランプ力を鼻中隔(91)に印加することができるように、弾性拡張アーム(3)の外側主表面(35)は、鼻道の内壁(96)に部分的又は完全にフィットし、
前記鼻道係合要素(4)は、シート状構造であり、弾性拡張アーム(3)に接続され、且つ拡張機構を開放構造に保持させ、装着する時に、鼻道係合要素(4)は、鼻翼(92)の内側に位置し、その外主表面(42)は、鼻翼(92)の内壁とフィットし、弾性拡張アーム(3)及び弾性支持スポーク(7)からの拡張力を鼻翼(92)に加え、
前記弾性支持スポーク(7)は、弾性的に圧縮され可能な帯状またはストリップ構造であり、その両端が弾性拡張アーム(3)または鼻道係合要素(4)に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。
【請求項11】
前記弾性拡張アーム(3)は、鼻道係合要素(4)と一体化されている、ことを特徴とする請求項10に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。
【請求項12】
前記弾性拡張アーム(3)の鼻道軸線(97)に垂直する断面は、V字状またはC字状構造であり、屈曲部(31)、近位アーム(32)、および遠位アーム(33)を備え、
前記屈曲部(31)の一端が近位アーム(32)に接続され、他端が遠位アーム(33)に接続され、装着する時に、近位アーム(32)は、鼻中隔(91)に近接し、遠位アーム(33)は、鼻翼(92)に近接し、屈曲部(31)は、鼻背(93)または鼻底(99)に近接する、
ことを特徴とする請求項10に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。
【請求項13】
前記弾性拡張アーム(3)の鼻道の内壁(96)とフィットする部位は、その端部が鼻道(95)の内側に向かって湾曲し、前記鼻道係合要素(4)の端部は、鼻道(95)の内側に向かって湾曲している、ことを特徴とする請求項10に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。
【請求項14】
前記弾性支持スポーク(7)は、分岐して複数のブランチを有し、各ブランチは、一端が弾性サポートスポーク(7)のステム部分に接続され、他端が弾性拡張アーム(3)または鼻道係合要素(4)に固定されている、ことを特徴とする請求項10に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。
【請求項15】
前記接続ビーム(2)は、鼻中隔(91)にクランプ力を加え、該クランプ力は、前記接続ビーム(2)の2つの接続アーム(24)によって鼻中隔(91)の下端に直接加えられ、または、前記接続ビーム(2)の2つの接続アーム(24)によって対応する拡張機構に伝達された後に、対応する拡張機構によって鼻中隔(91)の下端に加えられる、ことを特徴とする請求項1に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。
【請求項16】
前記接続ビーム(2)の中間部(23)の平均断面積は、前記接続アーム(24)の平均断面積よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。
【請求項17】
前記放出要素(6)は、薬筒(61)と、前記薬筒(61)の両端に接続され且つ薬筒の両端を覆う筒蓋(62)および筒底(63)とを備え、筒蓋(62)の最大直径が薬筒(61)の最大直径より大きく、筒底(63)の最大直径が薬筒(61)の最大直径より大きい、
前記薬筒(61)は、内部に化合物を収容する中空のチューブ状構造であり、前記筒蓋(62)および前記筒底(63)には、前記化合物を鼻道(95)に向けて排出するための少なくとも1つの開口が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。。
【請求項18】
前記薬筒(61)内に、多孔質材料からなる吸収ブロック(641)が設置される、ことを特徴とする請求項17に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。
【請求項19】
前記放出要素(6)は、多孔質材料から作られている、ことを特徴とする請求項1に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。
【請求項20】
前記放出要素(6)の外面に、突起(65)が設けられていることを特徴とする、請求項19に記載される鼻道内に化合物を徐放する徐放装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器技術分野に属し、鼻道内に化合物を徐放する徐放装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鼻スプレーは、アレルギー性鼻炎と鼻道の閉塞を治療するためによく用いられ、このような薬物の活性成分は、鼻内のホルモン受容体を刺激し、血管を収縮させ、鼻粘膜の充血と鼻詰まりを緩和する。短時間に高用量の薬物が鼻粘膜に直接的に接触すると、前記受容体の数が急速に減少し、しばらくすると、鼻粘膜は更に充血して炎症を起こし、血管が脆くなり、鼻血が出やすくなる。徐放技術は、鼻粘膜に対する薬物の瞬間的な衝撃を回避でき、それによって、上述の副作用の発生を弱める乃至は避ける。また、悪心、アレルギー、不眠などの症状を改善するためにエッセンシャルオイルを使用することが広く知られており、従来の薫香器は室内に置くことが多く、体積が大きく、携帯に不便であり、携帯可能な鼻部徐放装置は人々がいつでもどこでもエッセンシャルオイルなどの芳香族化合物を使用するのを助けることができる。従来の技術は、鼻道で化合物を徐々に放出するのを助けるために、様々なポータブルノーズクリップを提供するが、既存のノーズクリップは、特定の種類または状態の化合物しか放出しない傾向があり、汎用性に欠け、また、放出効果および通気性に関して大きな制限がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
1.ノーズクリップは、材料の中に揮発性の芳香族化合物を混入している。このようなノーズクリップは、構造が簡単で、装着しやすいが、芳香族化合物が鼻道の内壁に直接的に接触して刺激を与える。また、このようなノーズクリップは、鼻道を拡張する機能を持っていないため、ある程度に呼吸を阻害する。
【0004】
2.ノーズクリップの内部に開閉可能なキャビティ(空腔)が設置され、化合物をその中に置き、キャビティの開口によって鼻道内に化合物を放出する。しかし、キャビティが設けられているため、このようなノーズクリップは太く、鼻道を拡張する機能を持っていないため、ある程度に呼吸を阻害する。また、キャビティの開閉装置は細かく複雑で、信頼性が低く、いったん失効すると、吸入のリスクを引き起こす可能性がある。
【0005】
3.ノーズクリップの末端に円管が設置され、円管内に固体の芳香族化合物が置かれ、該固体状化合物は、円管の中央部の狭い部位によって固定される。しかし、このようなノーズクリップは、液体化合物を放出することはできない。かつ固体芳香族化合物は硬くないため、その固定方式の信頼性が不足し、吸入のリスクを引き起こす可能性がある。また、このようなノーズクリップは、鼻道を拡張する機能を持っていないため、ある程度に呼吸を阻害する。
【0006】
4. 一種類のノーズクリップには、鼻道を拡張するための拡張要素と、拡張要素に固定されて化合物を放出するための放出要素とが設けられている。このようなノーズクリップの通気性は他のノーズクリップより優れているが、その拡張要素は鼻道の内壁との接触面積が小さく、鼻道の内壁に対する圧力が比較的大きく、不快になりやすく、鼻道を全方位に拡張することも難しい。さらに、その拡張要素は、弾性支持スポークを備えておらず、したがって、拡張の強度および均衡の点で不十分であり、また、鼻道の特定の部位の適切な拡張も困難である。さらに、その放出要素は、特定の状態および種類の化合物を少量しか収容できず、しかも開閉装置が微細で複雑で、信頼性が不十分である。
【0007】
5.一種のノーズクリップは、濾過と放出機能を兼ね備え、接続バンドによって互いに接続された一対の円筒状容器を含み、該円筒状容器の内部にフィルタ及び液体薬物を吸収できる吸収パッドが設けられ、該吸収パッドは、吸入気流に薬物を放出することができる。しかし、このようなノーズクリップは、固体化合物を放出することはできない。また、吸入気体はフィルタと吸収パッドを経由しているので、呼吸抵抗が大きいため、汎用性が低く、特定の状況にしか適用できない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来技術に存在する上記欠点を解決するために、本発明は、鼻道内に化合物を徐放する徐放装置を提供し、前記徐放装置は、1つの接続機構と、2つの拡張機構と、2つの放出機構とを備える。前記接続機構の両端は、それぞれ両側鼻道内に対称的に設置された2つの拡張機構を一体式又は取り外し可能に接続する。前記2つの放出機構は、対称的に設置され、各放出機構は、各拡張機構内に対応付けて設置される。
前記接続機構は、少なくとも1つの接続ビームを含み、前記接続ビームは鼻中隔の下端を半包囲し、鼻中隔の下側に位置する中間部、及び鼻中隔の両側に対称的に設置された2つの接続アームを備える。中間部は、2つの接続アームの間に位置する。2つの接続アームは、それぞれ2つの鼻道内に対称的に設置された2つの拡張機構を接続する。
前記放出機構は、少なくとも1つの固定チューブと、少なくとも1つの放出要素を備える。
前記固定チューブは、チューブ状構造であり、拡張機構に設置される。前記放出要素は、両端が広くて且つ中央部が狭い構造であり、装着する時に、放出要素が固定チューブ内に固定され、固定チューブは、放出要素の細い中央部を囲み、且つそれと緊密に噛み合い、放出要素の両端は、固定チューブの両端の外側に位置し、放出要素の両端の最大幅は、固定チューブのキャビティの最大幅より大きい。放出要素は、一定量の化合物を収容でき、収容した化合物を鼻道内で徐々に放出することができ、放出要素の少なくとも一部は、装着する時に鼻道内に位置する。
【0009】
上記技術案の改良の1つとして、前記拡張機構は、1つの弾性拡張アームを備える。該弾性拡張アームは、環状閉環構造であり、接続アームの端部に接続される。固定チューブは、弾性拡張アームの内側主表面に設置され、放出要素は固定チューブ内に嵌め込まれている。
【0010】
上記技術案の改良の1つとして、前記接続ビームの2つの接続アームには、拡幅部が対称的に設けられ、かつ、接続アームの鼻中隔側に向く側の面の幅は、拡幅部において増大する。前記2つの拡幅部は、鼻中隔の両側にフィットし、鼻中隔にクランプ力を加える。
【0011】
上記技術案の改良の1つとして、前記拡張機構は、1つの弾性拡張アームと、少なくとも1つの弾性支持スポークとを備える。
前記弾性拡張アームは、環状閉環構造であり、1つの接続アームの端部に続される。弾性支持スポークは、分岐して且つ複数のブランチを含み、各ブランチの一端が弾性支持スポークのステム部に接続され、他端が弾性拡張アームに固定される。固定チューブは、弾性支持スポークに設置され、放出要素は、固定チューブ内に嵌め込まれている。
【0012】
上記技術案の改良の1つとして、弾性支持スポーク、固定チューブ、および放出要素は、弾性拡張アームの上方に配置され、逆さまのボウル構造を形成する。
【0013】
上記技術案の改良の1つとして、前記拡張機構は、1つの弾性拡張アームと、少なくとも1つの弾性支持スポークとを備える。
前記弾性拡張アームは、環状閉環構造であり、1つの接続アームの端部に接続される。弾性支持スポークは、その両端が弾性拡張アームに接続された帯状構造である。
【0014】
上記技術案の改良の1つとして、前記接続機構は、縦方向に並設された第1の接続ビーム及び第2の接続ビームを備える。第1のおよび第2の接続ビームは、いずれも鼻中隔の下端を半包囲している。
【0015】
上記技術案の改良の1つとして、前記第2の接続ビームの2つの第2の接続アームには、装着者の鼻中隔に向かう突起が対称的に設けられている。突起は、鼻中隔の両側にフィットし、鼻中隔にクランプ力を加える。
【0016】
前記技術案の改良の1つとして、前記第2の接続ビームの2つの第2の接続アームの端部にプラグが設けられ、前記プラグは、第1の弾性支持スポークの根元部に設けられたジャックに挿入され、前記プラグは、両端が広く、かつ中央部が狭い構造であり、差し込み式固定を実現する。
【0017】
上記技術案の改良の1つとして、前記拡張機構は、1つの弾性拡張アームと、1つの鼻道係合要素と、および少なくとも1つの弾性支持スポークとを備える。
弾性拡張アームは、弾性的に圧縮され可能な開放帯状構造であり、1つの接続アームの端部に接続され、弾性拡張アームの外側主表面は、鼻道の内壁に部分的又は完全にフィットすることができ、弾性拡張アーム及び弾性支持スポークからの拡張力を鼻翼に印加することができ、また接続ビームからのクランプ力を鼻中隔に印加することができる。
鼻道係合要素は、シート状構造であり、弾性拡張アームに接続され、且つ拡張機構を開放構造に保持させる。装着する時、鼻道係合要素は、鼻翼の内側に位置し、その外主表面は、鼻翼の内壁とフィットし、弾性拡張アームと弾性支持スポークからの拡張力を鼻翼に加える。
弾性支持スポークは、弾性的に圧縮され可能な帯状またはストリップ状構造であり、その両端が弾性拡張アームまたは鼻道係合要素に接続される。
【0018】
上記技術案の改良の1つとして、弾性拡張アームは、鼻道係合要素と一体化されている。
【0019】
前記技術案の改良の1つとして、前記弾性拡張アームの鼻道軸線に垂直する断面は、V字状構造又はC字状構造であり、屈曲部、近位アーム及び遠位アームを備える。
前記屈曲部の一端は、近位アームに接続され、他端は、遠位アームに接続され、装着する時、近位アームは、鼻中隔に近接し、遠位アームは、鼻翼に近接し、屈曲部は、鼻背または鼻底に近接する。
【0020】
前記技術案の改良の1つとして、前記弾性拡張アームの鼻道の内壁とフィットする部位は、その端部が鼻道の内側に向かって湾曲している。鼻道係合要素の端部は、鼻道の内側に向かって湾曲している。
【0021】
上記技術案の改良点の1つとして、弾性支持スポークは、分岐して複数のブランチを有し、各ブランチは、一端が弾性支持スポークのステム部分に接続され、他端が弾性拡張アームまたは鼻道係合要素に固定されている。
【0022】
前記技術案の改良の1つとして、前記接続ビームは、鼻中隔にクランプ力を加え、該クランプ力は、接続ビームの2つの接続アームによって鼻中隔の下端に直接的に加えられ、又は、該クランプ力は、接続ビームの2つの接続アームによって対応する拡張機構に伝達された後、対応する拡張機構によって鼻中隔の下端に加えられる。
【0023】
上記技術案の改良の1つとして、接続ビームの中間部の平均断面積は、接続アームの平均断面積よりも大きい。
【0024】
前記技術案の改良の1つとして、前記放出放出要素は、薬筒、及び薬筒の両端に接続され且つ薬筒の両端を覆う筒蓋及び筒底を備える。筒蓋の最大直径は、薬筒の最大直径より大きい。筒底の最大直径は、薬筒の最大直径より大きい。
前記薬筒は、中空のチューブ状構造であり、その内部に化合物を収容し、前記筒蓋と筒底に少なくとも1つの開口を設置し、前記化合物を前記開口を通して鼻道に排出させる。
【0025】
前記技術案の改良の1つとして、前記薬筒内に多孔質材料からなる吸収ブロックを設置する。
【0026】
上記技術案の改良点の1つとして、前記放出要素は、多孔質材料から作られる。
【0027】
上記技術案の改良の1つとして、前記放出要素の外面に突起が設けられている。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、従来技術と比べって、有益な効果は以下のとおりである:
1、本発明の徐放装置の拡張機構は、閉環構造または開放構造を採用し、徐放装置の機能と適用性を向上させ、その具体的な実施例の多様性も向上させる。
2、鼻道係合要素の以外に、弾性拡張アームの外側主表面も鼻道の内壁にフィット可能であり、拡張機構と鼻道の内壁の接触面積を増加し、全方位の鼻道の拡張に有利で、かつ拡張機構の鼻道の内壁に対する圧力を低下させ、快適性を向上させる。
3.少なくとも1つの弾性支持スポークを使用することにより、拡張の強度およびバランスが保証され、鼻道の特定部位の適切な拡張が可能になる。
4.放出要素は、鼻道の内壁に接触しないので、収容される化合物が鼻道の内壁に接触して刺激することが防止される。
5.放出要素は、柱構造を採用し、断面積が小さいので、空気抵抗が小さく、かつ、鼻道の軸線方向の長さを長くすることにより、空気抵抗を増大させることなく、その容量を効果的に増加させることができる。
6、放出要素の固定方式は簡単で、確実で、脱落と吸入の危険を避ける。
7.異なる放出要素を交換することによって、異なる状態および種類の化合物、特に不揮発性の液体化合物を放出するように適合させることができる。
8.異なる放出要素又はその構成要素を交換することによって、化合物を放出する速度を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図2】本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第1の好ましい実施形態の概略構造図である。
【
図3】
図2に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第1の好ましい実施形態の平面図である。
【
図4】
図2に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第1の好ましい実施形態の一方向の側面図である。
【
図5】
図2に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第1の好ましい実施形態の別の側面図である。
【
図6】
図2に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第1の好ましい実施形態における1つの弾性支持スポークを設置した構造を示す概略図である。
【
図7】
図2に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第1の好ましい実施形態における放出要素の側断面図である。
【
図8】
図2に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第1の好ましい実施形態が使用者の鼻に装着されたことを示す下から上に向う平面図である。
【
図9】
図2に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第1の好ましい実施形態が使用者の鼻に装着されたことを示す側面図である。
【
図10】本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第2の好ましい実施形態の構造の概略図である。
【
図11】
図10に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第2の好ましい実施形態の平面図である。
【
図12】
図10に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第2の好ましい実施形態における分岐した弾性支持スポークを設置した構造を示す構造図である。
【
図13】
図10に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第2の好ましい実施形態における放出要素の側断面図である。
【
図14】本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第3の好ましい実施形態の構造を示す概略図である。
【
図15】
図14に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第3の好ましい実施形態の平面図である。
【
図16】
図14に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第3の好ましい実施形態の側面図である。
【
図17A】
図14に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第3の好ましい実施形態における放出要素の側断面図である。
【
図17B】
図14に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第3の好ましい実施形態における放出要素の側面断面図であり、前記放出要素の両端に突起が設けられている。
【
図18A】本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の他の実施形態における弾性拡張アームと鼻道係合要素との位置関係の一例を示す平面図である。
【
図18B】本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の他の実施形態における弾性拡張アームと鼻道係合要素との位置関係の他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
図2、
図10、および
図14に示すように、本発明の徐放装置1において、接続ビーム2を除く他の構成要素は、2つの鼻道95内に対称的に配置されている。したがって、本発明の徐放装置1の説明では、接続ビーム2を除く、他の構成要素は、1つの鼻道内に位置する数および構造である。
【0032】
図1Aに示すように、本発明に記載される鼻の各方向は、鼻の前方11、鼻の後方12、鼻の上方13、鼻の下方14である。
図1Bに示すように、鼻道95内において、対象物の鼻道軸線97に近い側を「内側」とし、鼻道軸線97から離れる側を「外側」とする。
【0033】
本発明に使用する用語「接続」は、2つの有体物が、接着、溶接、差し込み接続、ねじ込み接続、スナップ式接続を含むが、これらに限定されない接続具によって、一体に、または取り外し可能に互いに接続されることを意味する。
本発明に使用する用語「軸線」は、チューブまたはコラムの中心対称軸線を意味する。非標準チューブまたはカラムについては、標準チューブまたはカラムに近似した後、標準チューブまたはカラムの軸線をその近似軸線として使用することができる。例えば、
図1Bは、鼻道軸線97を示す。
本発明に使用する用語「断面」は、チューブまたはコラムの、その軸線に垂直する断面を意味する。
本発明に使用する用語「化合物」は、厳密な化学的定義ではなく、固体および液体の精製物、化合物および混合物、ならびに本発明に適用した他の物質の形態または組み合わせを含むものとする。
本発明に使用する用語「閉環構造」は、n(nは正の整数)条の線分または弧から構成する閉環平面図であり、例えば:円形状、楕円形状、多角形状である。本発明における前記用語「開放構造」は、閉環形状に1箇所の開口部を設置する平面図を指し、例えば:C字状、V字状、l字状、弧状である。
本発明に使用する用語「チューブ状構造」は、軸線方向に沿って貫通するキャビティを内部に有する円柱構造を指し、円柱およびプリズムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
図1A、
図1Bおよび
図1Cに示すように、本発明における徐放装置1は、人の鼻9に適用される。鼻9は、鼻中隔91、鼻翼92、鼻背93、および鼻底99、ならびにそれらを取り囲む2つの鼻道95を含む、視覚的に見える顔面突出部である。2つの鼻道95の出口は、2つの鼻孔94である。鼻道の内壁96は、鼻道95を取り囲む上記各部分の内側面によって構成されている。本発明において、鼻道95は、鼻9が含む鼻前庭に限定され、鼻腔98を含まない。
【0035】
図2に示すように、本発明は、鼻道95内に化合物を徐放し、鼻道95を拡張する徐放装置1を提供し、該徐放装置1は、1つの接続機構、2つの拡張機構と2つの放出機構を含む。
【0036】
接続機構の両端は、両側の鼻道95内に対称的に設置された2つの拡張機構をそれぞれ一体式または取り外し可能に接続する。2つの放出機構は、対称的に配置され、各放出機構は、それぞれ各拡張機構内に対応して配置されている。
前記拡張機構は、鼻道95を拡張させるように配置され、前記放出機構は、化合物を収容及び放出するように配置される。
【0037】
図2、4、5および9に示すように、前記接続機構は、鼻中隔91の下端を半包囲する少なくとも1つの接続ビーム2を含み、該接続ビーム2は、鼻中隔91の下側に位置する中間部23と、鼻中隔91の両側に位置する2つの接続アーム24と、を備える。中間部23の両端は、それぞれ2つの接続アーム24に接続される。接続ビーム2の2つの接続アーム24は、鼻中隔91の両側から2つの鼻道95内に挿入され、2つの接続アーム24は、それぞれ2つの鼻道95内に対称的に設置される2つの拡張機構を接続する。好ましくは、接続ビーム2は、U字状またはC字状構造であり、なお、C字状構造は、接続アーム24の端部が鼻中隔91にクランプ力を加えることをより容易にする。
【0038】
好ましくは、前記接続ビーム2はまた徐放装置1に固定機能を提供し、その2つの接続アーム24の最小間隔はそこの鼻中隔91の幅より小さく、それにより鼻中隔91にクランプ力を加え、前記クランプ力は、接続ビーム2の2つの接続アーム24によって鼻中隔91の両側に直接的に加え、または、接続ビーム2の2つの接続アーム24によって対応する拡張機構に導いた後、弾性拡張アーム3によって鼻中隔91の両側に加えられる。このようなクランプ力により、徐放装置1は、鼻中隔91に挟持固定することができる。
【0039】
図2、
図4、および
図5に示すように、好ましくは、接続ビーム2の中間部23の平均断面積は、接続アーム24の平均断面積よりも大きく、中間部23を接続アーム24よりも太くさせることによって、接続ビーム2が自体の形状を維持する能力を強化し、鼻中隔91にクランプ力を加える能力を向上させる。
図14、15および16に示すように、他の具体例において、徐放装置1の接続機構における接続ビーム2は、第1の接続ビーム21および第2の接続ビーム22を含み、第1の接続ビーム21は、拡張機構に一体に接続され且つ第1の接続ビーム21を支持するのに十分なクランプ力を提供することができない同じ材料であるため、第1の接続ビーム21と長手方向に並ぶ位置に、第2の接続ビーム22を設けられ、第2の接続ビーム22によって、鼻中隔91に対するクランプ力を補う。
【0040】
図14及び
図16に示すように、他の実施形態において、前記接続ビーム2の2つの接続アーム24には、鼻中隔91に向う突起242が設けられ、前記突起242は、鼻中隔91の両側にフィットし、鼻中隔にクランプ力を加える。突起242がクランプ及び固定機能を提供する場合に、接続ビーム2の2つの接続アーム24の端部は、鼻道95内のより深く位置に拡張機構と接続可能となるため、拡張機構及び放出機構を鼻道95内のより深い位置に配置するのを助けることができる。
【0041】
図10に示すように、他の実施形態において、2つの接続アーム24に、拡幅部241が設けられ、該拡幅部241により、接続機構が鼻中隔91にクランプ力を加える。また、接続アーム24の鼻中隔91側に向く面の幅は、拡幅部241において拡大し、拡幅部241と鼻中隔91との密着面積を増加させ、これにより、接続ビーム2の鼻中隔91に対する圧力を減少させ、快適性を高める。
なお、接続ビーム2に拡幅部241と突起242とを併設する場合、両者を同一箇所に併せ持つこともでき、この箇所は、拡幅部241と突起242の特徴を併せ持つ。
【0042】
図14、15及び16に示すように、他の具体例において、前記接続ビーム2の2つの接続アーム24の端部に、プラグ243が設けられ、プラグ243は、両端が広く、且つ中央部が狭い構造であり、接続ビーム2を拡張機構に差込み方式で固定する。
【0043】
具体的には、
図16に示すように、前記プラグ243は、弾性拡張アーム3または弾性支持スポーク7に設けられたジャック77に挿入され、差込式固定を実現する。前記プラグ243は、両端が広くて且つ中間部が狭い構造であり、キャップ2431、コラム2432及びシャンク2433を含み、前記ジャック77は、コラム2432に密着に噛み合い、シャンク2433の最大幅は、コラム2432の最大幅より大きく、且つキャップ2431の最大幅は、コラム2432の最大幅より大きい。同時に、シャンク2433の最大幅は、ジャック77のキャビティの最大幅より大きく、かつキャップ2431の最大幅は、ジャック77のキャビティの最大幅より大きい、プラグ243が抜けないようにする。好ましくは、コラム2432およびジャック77のキャビティは、角柱形状に設置してもよい、拡張機構がプラグ243を中心に回転することを避ける。
【0044】
図2に示すように、前記2つの拡張機構は、前記接続機構に対称的に接続され、各拡張機構は、1つの弾性拡張アーム3と、1つの鼻道係合要素4と、少なくとも1つの弾性支持スポーク7とを備える。
【0045】
図2、
図4、
図5及び
図9に示すように、前記鼻道係合要素4は、弾性拡張アーム3に接続されたシート状構造であり、装着する時に、鼻道係合要素4は、鼻翼92の内側に位置し、鼻翼92に拡張力を加える。鼻道係合要素4の鼻道軸線97に平行する一対の表面は、その主表面及び最大表面であり、前記一対の主表面である内側主表面41及び外側主表面42は、弾性拡張アーム3の同側面の幅よりも大きい幅を有する。外側主表面42は、鼻翼92の内壁とフィットし、弾性拡張アーム3および弾性支持スポーク7からの拡張力を鼻翼92に加え、鼻道軸線97に垂直する鼻道係合要素4の表面は、呼吸抵抗を低減するために主表面の幅よりも小さい幅を有する副表面である。
【0046】
図2、
図3、
図4、
図6及び
図8に示すように、前記弾性拡張アーム3は、接続アーム24と鼻道係合要素4とに接続する、例えば、C字状、V字状、l字状又は弧状の、弾性的に圧縮され可能な開放帯状構造である。鼻道軸線97に平行する弾性拡張アーム3の一対の表面は、その主表面及び最大表面であり、前記一対の主表面は、具体的には、内側主表面34及び外側主表面35であり、弾性拡張アーム3の鼻道軸線97に垂直する表面は、副表面であり、呼吸抵抗を低減するために、主表面の幅よりも小さい幅を有する。
図8に示すように、弾性拡張アーム3の外側主表面35は、弾性拡張アーム3および弾性支持スポーク7からの拡張力を鼻翼92に加え、接続ビーム2からのクランプ力を鼻中隔91に加えることができるように、鼻道の内壁96に部分的または完全にフィットしている。弾性拡張アーム3は、開放構造であるため、異なる形状と寸法の鼻道に対する適応性が強く、特に鼻中隔弯曲症による左右の鼻道の寸法が異なる使用者に適し、ユーザの体験感と快適性を向上させ、人工学設計にも符合する。
【0047】
図6に示すように、鼻道係合要素4の幅が弾性拡張アーム3の幅以下であり、両者の同側主表面が滑らかにつながって同一面に融合する場合、すなわち、内側主表面34と内側主表面41とが1つの面に融合し、外側主表面35と外側主表面42とが1つの面に融合すると、弾性拡張アーム3と鼻道係合要素4とが一体に融合し、鼻道係合要素4の機能が弾性拡張アーム3によって完全に置き換えられ、拡張機構は鼻道係合要素4をもはや含まない、弾性拡張アーム3および弾性支持スポーク7のみが含まれる。
【0048】
好ましくは、前記弾性拡張アーム3が鼻道の内壁96にフィットする部位は、その端部が鼻道95の内側に向かって湾曲し、例えば、
図6に示すように、弾性拡張アーム3の近位アーム32と遠位アーム33の末端は、鼻道の内壁96に柔軟に接触するフック36である。鼻道係合要素4の端部は、鼻道95の内側に向かって湾曲している。
【0049】
好ましくは、
図2、3、4、6及び8に示すように、前記弾性拡張アーム3の鼻道軸線97に垂直する断面は、V字状又はC字状構造であり、屈曲部31、近位アーム32及び遠位アーム33を備える。
【0050】
前記屈曲部31の一端は、近位アーム32に接続され、他端は、遠位アーム31に接続され、装着する時に、近位アーム32は、鼻中隔91に近接し、遠位アーム33は、鼻翼92に近接し、屈曲部31は、鼻背93または鼻底99に近接し、すなわち弾性拡張アーム3の開口は、鼻背93または鼻底99に向くことができる。弾性拡張アーム3の外側主表面35は、鼻道の内壁96とフィットし、
図8に示すように、装着する時に、弾性拡張アーム3は、鼻道の内壁96によって圧縮され、遠位アーム33及び近位アーム32は、互いに近接し、屈曲部31の復元力によって、遠位アーム33及び鼻道係合要素4は、鼻翼92に拡張力を加え、鼻道を拡張させ、同時に、弾性拡張アーム3及び鼻道係合要素4は、鼻道の内壁96に密着してフィットし、その相互の作用力によって、鼻道95内に徐放装置1を固定する。
【0051】
図18Aに示すように、他の具体例において、弾性拡張アーム3は、一端が接続アーム24の端部に接続され、他端が鼻道係合要素4の内側主表面41に接続される弧状またはl字状の開放帯状構造であり、弾性拡張アーム3は、鼻道係合要素4と一体化されておらず、装着する時に、鼻道係合要素4の外側主表面42は鼻道の内壁96にフィットするが、弾性拡張アーム3は鼻道の内壁96にはフィットせず、また、拡張機構が鼻道の内壁96にフィットする面積が小さいため、多点支持を提供する弾性支持スポークは設けられていない。
【0052】
図18Bに示すように、他の実施形態において、弾性拡張アーム3は、一端が接続アーム24の端部に接続され、他端が鼻道係合要素4の片側副表面に接続される弧状またはl字状の開放帯状構造であり、装着する時に、鼻道係合要素4の外側主表面42は鼻道の内壁96にフィットするが、弾性拡張アーム3は鼻道の内壁96とフィットせず、弾性拡張アーム3は鼻道係合要素4の対応する主表面に滑らかに接続されず、1つの表面とならないので、両者は一体化されていない。
【0053】
図6に示すように、弾性支持スポーク7は、弾性的に圧縮され可能な帯状またはストリップ状構造であり、その両端は、弾性拡張アーム3または鼻道係合要素4に接続され、装着する時に、弾性支持スポーク7は、自身が圧縮された復元力を弾性拡張アーム3および/または鼻道係合要素4に加える。弾性支持スポーク7は、拡張機構の拡張力を上昇させると同時に、拡張のバランスを向上させる。弾性拡張アーム3は、開放構造であり、端部に近接するほど弾力が弱くなるため、弾性支持スポーク7は、弾性拡張アーム3と鼻道係合要素4の特定位置に的確な支持を提供することができ、拡張機構による鼻道95の拡張のバランスを保つことができる。
【0054】
図2、
図3および
図8に示すように、弾性支持スポーク7は、分岐して複数のブランチを含み、具体的には、第1のブランチ73、第2のブランチ74、第3のブランチ75、および第4のブランチ76を含み、各ブランチは、その一端が弾性支持スポーク7のステム部に接続され、他端が弾性拡張アーム3または鼻道係合要素4に固定されることが好ましい。複数のブランチにより、弾性支持スポーク7により強い復元力を持たせ、拡張強度をさらに高め、同時に、弾性支持スポーク7の複数のブランチは、より多くの支持点を提供し、拡張の標的性およびバランスをさらに高める。
【0055】
図10及び
図11に示すように、他の実施形態において、拡張機構は、1つの弾性拡張アーム3を備える。前記弾性拡張アーム3は、環状閉環構造であり、その外側主表面35は、鼻道の内壁96にフィットする。装着する時に、弾性拡張アーム3は鼻道の内壁96によって圧縮され、その復元力によって鼻道95の各方向に拡張力を加える。同時に、弾性拡張アーム3は、鼻道の内壁96に密着してフィットし、両者の相互の作用力により、徐放装置1を鼻道95内に固定する。環状弾性拡張アーム3は、全方位に鼻道を拡張させ、かつ拡張機構と鼻道の内壁96との接触面積を増大させるため、拡張機構の鼻道の内壁96に対する圧力を低下させ、快適性を向上させる。
【0056】
図12に示すように、他の実施形態において、拡張機構は、弾性拡張アーム3と、少なくとも1つの弾性支持スポーク7とを備える。前記弾性拡張アーム3は、環状構造であり、弾性支持スポーク7は、分岐して第1のブランチ73、第2のブランチ74及び第3のブランチ75など複数のブランチを含み、各ブランチの一端は、弾性支持スポーク7のステム部に接続され、他端は、弾性拡張アーム3に固定され、装着する時、弾性支持スポーク7は、自身が圧縮された復元力を弾性拡張アーム3に加える。好ましくは、弾性支持スポーク7と、弾性支持スポーク7に固定された固定チューブ5および放出要素6とは、弾性拡張アーム3の上方に配置され、逆さまのボウル構造を形成し、放出機構が気道のより深いところへ化合物を放出するのを容易にする。
【0057】
図14および
図15に示すように、他の実施形態において、拡張機構は、弾性拡張アーム3と、少なくとも1つの弾性支持スポーク7とを備える。前記弾性拡張アーム3は、環状の閉環構造であり、弾性支持スポーク7は、弾性的に圧縮され可能な帯状またはストリップ状構造であり、その両端は、弾性拡張アーム3に接続される。
【0058】
図2に示すように、前記2つの放出機構は、対称的に配置され、各放出機構は、それぞれ各拡張機構内に対応して設置され、各放出機構は、少なくとも1つの固定チューブ5と少なくとも1つの放出要素6とを備える。
【0059】
図2に示すように、前記固定チューブ5は、放出要素6を固定するためのチューブ状構造であり、固定チューブ5は、弾性拡張アーム3の開口方向に配置され、第1のブランチ73、第2のブランチ74、第3のブランチ75及び第4のブランチ76によって弾性支持スポーク7のステム部に固定される。
図10及び
図14に示すように、他の実施形態において、固定チューブ5は、弾性拡張アーム3の内側又は鼻道係合要素4の内側に固定され、具体的には、
図10に示す固定チューブ5は、環状の弾性拡張アーム3の内側に固定される。
図14に示すように、他の実施形態において、四角柱状の固定チューブ5は、第2の弾性支持スポーク72に固定される。好ましくは、徐放装置1は、化合物の容量を増大させるために、または化合物の放出速度を増大させるために、複数の固定チューブ5および放出要素6を備える。
【0060】
図2、10及び14に示すように、前記放出要素6は、両端が広くて且つ中間部が狭い構造であり、装着する時に、前記放出要素6は、固定チューブ5に固定され、固定チューブ5は、放出要素6の細い中央部を囲み、且つそれと密着に噛み合い、放出要素6の両端は、固定チューブ5の両端の外側に位置し、その最大幅は、固定チューブ5のキャビティの最大幅より大きく、放出要素6を固定チューブ5から離脱できないようにする。放出要素6は、一定量の化合物を収容して化合物を鼻道95内に徐々に放出することができ、かつ、装着されるときに、少なくとも放出要素6の一部が鼻道95内に位置する。
【0061】
前記放出機構は、以下の利点を有する:1つは、固定方式が簡単で、確実である。第2は、横断面の面積が小さく、呼吸抵抗が小さい。第3は、必要に応じて鼻道の軸線方向に長さを増やし、その容量を高め、かつ呼吸抵抗を増大しないことである。第4は、異なる種類の放出要素6を置換することによって、異なる化合物に適用することができ、又は異なる放出速度を提供することができる。第5は、放出要素6が収容する化合物を容易に交換することができる。第6は、放出要素6の開口数及び開口の大きさを調整することにより、化合物の放出速度を調整することができる。
【0062】
図14、
図17A、
図17Bに示すように、他の実施例において、放出要素6の材料は、液体化合物を吸収および保持するための多孔質材料であり、その多孔質の表面は、特に化合物の揮発に有利であり、また、鼻腔の吸入気流による微小な化合物の液滴を持ち去ることにも寄与するので、多孔質材料は、揮発性液体化合物を放出するだけでなく、不揮発性液体化合物を微小液滴の形態で放出することができる。好ましくは、
図17Bに示すように、多孔質材料からなる放出要素6の両端の表面には、その表面積をさらに拡大し、放出速度を向上させるための突起65が設けられている。
【0063】
図2、
図7、
図10及び
図13に示すように、他の実施形態において、前記放出要素6は、薬筒61と、前記薬筒61の両端に連結して覆う筒蓋62及び筒底63とを備える。
筒蓋62と筒底63の最大幅は、薬筒61の最大幅よりも大きい。薬筒61は、固体および液体化合物を内部に収容するための中空のチューブ状構造であり、筒蓋62および筒底63には、化合物を排出するための少なくとも1つの開口が設けられている。好ましくは、
図7に示すように、薬筒61の内部には、多孔性材料からなる吸収ブロック641が設けられ、液体化合物の吸収と保持に用いられ、開口から液体化合物が流出するのを防止し、多孔質表面を介して化合物の放出速度を上昇させることもできる。
【0064】
実施例1
図2、
図3、
図4、
図5、
図6、
図7、
図8及び
図9は、本発明の第1の好ましい実施形態であり、徐放装置1は、1つの接続機構、2つの拡張機構、及び2つの放出機構を備える。
【0065】
図2、4、5および9に示すように、前記接続機構は、鼻中隔91の下端を半包囲するU字状構造の接続ビーム2を含み、
図2に示すように、接続ビーム2は、鼻中隔91の下側に位置する中間部23と、鼻中隔91の両側に位置する2つの接続アーム24とを含み、中間部23の両端は、それぞれ2つの接続アーム24を接続する。装着する時に、2つの接続アーム24は、鼻中隔91の両側から2つの鼻道95内に挿入され、それぞれ2つの鼻道95内に対称的に配置された2つの弾性拡張アーム3に一体に接続される。2つの接続アーム24の最小間隔は、鼻中隔91の幅より小さく、鼻中隔91にクランプ力を加え、徐放装置1を鼻中隔91に固定する。中間部23の平均断面積は、接続アーム24の平均断面積よりも大きく、中間部23を接続アーム24よりも太くなって、接続ビーム2の元の形状を維持する能力を向上させ、クランプ力を強化することができる。
【0066】
好ましくは、前記接続ビーム2の2つの接続アーム24には、拡幅部241を対称的に設けることができ、前記接続アーム24の鼻中隔91側を向く面の幅は、前記拡幅部241において大きくする。前記2つの拡幅部241は、鼻中隔91の両側にフィットし、鼻中隔91にクランプ力を加える。
【0067】
好ましくは、前記接続ビーム2の2つの接続アーム24には、装着者の鼻中隔91に向かう突起242を対称的に設けることができる。突起242は、鼻中隔91の両側にフィットし、鼻中隔91にクランプ力を加える。
好ましくは、前記接続ビーム2の2つの接続アーム24の端部に、プラグ243を設けることができ、前記プラグ243は、弾性拡張アーム3または支持スポークに設けられたジャック77に挿入され、前記プラグ243は、両端が広く、中央部が狭い構造であり、差し込み式固定を実現する。
【0068】
図2に示すように、2つの拡張機構は、接続機構に対称的に接続され、各拡張機構は、1つの弾性拡張アーム3と、1つの鼻道係合要素4と、1つの弾性支持スポーク7とを備える。
【0069】
図2、
図4、
図5および
図9に示すように、鼻道係合要素4はシート状の構造体であり、装着者の鼻翼92の内側に位置し、該鼻道係合要素4は、弾性拡張アーム3の遠位アーム33の端部に接続され、鼻道軸線97に平行する1対の表面は、その主表面および最大表面であり、1対の主表面は、内側主表面41と外側主表面42であり、外側主表面42は、鼻翼92の内壁にフィットし、それによって、弾性拡張アーム3および弾性支持スポーク7からの拡張力を鼻翼92に加え、鼻道係合要素4の主表面の幅は、遠位アーム33の主表面の幅よりも大きく、それにより、鼻翼92に対する拡張機構の拡張圧力をよりよく分散させ、快適さを高める。鼻道係合要素4の鼻道軸線97に垂直する面は、副表面であり、空気抵抗を低減するために、主表面の幅よりも小さい幅を有する。
好ましくは、鼻道係合要素4の端末は、鼻道の内壁96を刺激しないように、その端末が鼻道95の内側に曲げることができる。
【0070】
図2及び
図3に示すように、前記弾性拡張アーム3は、接続アーム24及び鼻道係合要素4に接続され、鼻道軸線97に垂直する断面がV字状状であり、弾性拡張アーム3は、屈曲部31、近位アーム32及び遠位アーム33を備える。前記屈曲部31の一端は、近位アーム32に接続され、他端は、遠位アーム33に接続される。装着する時に、近位アーム32は、鼻中隔91に近接し、遠位アーム33は、鼻翼92に近接し、屈曲部31は、鼻背93に近接し、
図1C及び
図8に示すように、弾性拡張アーム3の開口が鼻底99に向く。好ましくは、弾性拡張アーム3の近位アーム32は、鼻中隔91に近接し、遠位アーム33は、鼻翼92に近接し、屈曲部31は、鼻底99に近接し、弾性拡張アーム3の開口を鼻背93に向ける。弾性拡張アーム3の鼻道軸線97に平行する一対の表面は、その主表面及び最大表面であり、前記一対の主表面は、内側主表面34及び外側主表面35であり、弾性拡張アーム3の鼻道軸線97に垂直する面は、その副表面であり、副表面の幅は、空気抵抗を低減するために、主表面の幅よりも小さい。弾性拡張アーム3の外側主表面35は、鼻孔の内壁96に完全にフィットし、それにより、弾性拡張アーム3及び弾性支持スポーク7からの拡張力を鼻翼92に加えることができる。
【0071】
図8に示すように、装着する時に、弾性拡張アーム3は、鼻道の内壁96によって圧縮され、遠位アーム33及び近位アーム32は、互いに近接し、屈曲部31の復元力により、遠位アーム33及び鼻道係合要素4は、鼻翼92に拡張力を加え、鼻道を拡張させ、同時に、弾性拡張アーム3及び鼻道係合要素4は、鼻道の内壁96と密着にフィットし、その相互の作用力によって、鼻道95内に徐放装置1を固定する。弾性拡張アーム3は、開放構造であるため、異なる形状と寸法の鼻道に対する適応性が強く、特に鼻中隔弯曲症による左右の鼻道の寸法が異なる使用者に適する。
【0072】
図6に示すように、鼻道係合要素4の幅が弾性拡張アーム3の幅以下であり、且つ両者の同側の主表面が滑らかにつながって同一面に融合する場合は、すなわち、内側主表面34と内側主表面41とが1つの面に融合し、外側主表面35と外主表面42が1つの面に融合すると、弾性拡張アーム3と鼻道係合要素4とが一体に融合され、弾性拡張アーム3と鼻道係合要素4との何れも鼻道の内壁96にフィットし、両者の主表面は実質的に同一面であるので、融合とみなすことができる。鼻道係合要素4の機能は、弾性拡張アーム3によって完全に置き換えられ、この場合、拡張機構は、鼻道係合要素4をもはや含まず、弾性拡張アーム3及び弾性支持スポーク7のみを備える。
【0073】
図6に示すように、弾性拡張アーム3の近位アーム32および遠位アーム33の端末は、鼻道95の内側に向かって湾曲してフック36を形成し、その端末が鼻道の内壁を刺激しないようにする。
【0074】
図2、
図3および
図8に示すように、拡張機構は、第1のブランチ73、第2のブランチ74、第3のブランチ75、および第4のブランチ76を備える1つの分岐した弾性支持スポーク7を有する。なお、第1のブランチ73は、弾性拡張アーム3の遠位アーム33に接続され、第2のブランチ74と第4のブランチ76は、近位アーム32に接続され、第3のブランチ75は、鼻道係合要素4に接続されている。装着する時に、弾性支持スポーク7は、自身が圧縮された後の復元力を弾性拡張アーム3と鼻道係合要素4に加える。弾性支持スポーク7は、複数のブランチにより、より強い復元力を有し、拡張効果をさらに高め、同時に、その複数のブランチは、弾性拡張アーム3および鼻道係合要素4に対する支持点を増えて、拡張の適応性およびバランスをさらに高める。
【0075】
図6は、第1の好ましい実施形態が、1つの弾性支持スポーク7を設けることを示し、該弾性支持スポーク7は、円弧状の帯状構造であり、その両端が弾性拡張アーム3の内側主表面34の異なる位置に接続される。帯状の弾性支持スポーク7は、拡張効果を向上させ、拡張の適応性とバランスを強化し、同時に、構造が簡単で、空気抵抗が小さいという特徴を有する。好ましくは、拡張力およびバランスをさらに高めるために、実際のニーズに応じて、複数の帯状弾性支持スポーク7を設けることができる。
【0076】
図2に示すように、前記2つの放出機構は、対称的に配置され、各放出機構は、それぞれ各拡張機構内に対応して設置され、各放出機構は、1つの固定チューブ5と1つの放出要素6を備える。
【0077】
図2に示すように、前記固定チューブ5は、弾性支持スポーク7に固定される円チューブ状構造であり、放出要素6を包囲して固定するために用いられる。好ましくは、固定チューブ5は、弾性拡張アーム3の内側主表面34上に又は鼻道係合要素4の内側主表面41上に設けられてもよい。
【0078】
図2と
図7に示すように、前記放出要素6は、両端が広く、かつ、中央部が狭い構造であり、中空の円筒状の薬筒61と、薬筒の両端に連接され覆う筒蓋62と筒底63と、を備える。
筒蓋62と筒底63の外径は薬筒61の外径より大きく、装着する時に、前記放出要素6は、固定チューブ5に固定され、固定チューブ5は、薬筒61を囲み、かつそれと密接に咬み合う。筒蓋62と筒底63は、固定チューブ5の両端の外側に位置し、その外径は、固定チューブ5の内径より大きく、放出要素6を固定チューブ5から離脱させない。この時、放出要素6は、鼻道95内に位置する。筒蓋62に、柱状の突起622が設けられ、その外側にねじ623が設けられ、柱状の突起622を薬筒61の開口端にねじ込み、ねじ623を薬筒61の開口端のねじ口611と密接に咬み合いさせ、ねじ嵌合を実現し、薬筒61と筒蓋62とを接続する。筒底63と薬筒61は一体式構造である。前記薬筒61は、固体と液体の化合物を収容するために用いられ、筒蓋62に第1の孔621が設けられ、前記化合物を第1の孔621を通して鼻道に放出させる。薬筒61の内容物64は、多孔性材料からなる吸収ブロック641と、第1の孔621から液体化合物が流出するのを防止し、その多孔性表面は、化合物の放出速度を増大させる。放出機構は、薬筒の内容物64を容易に交換することができ、また、放出速度を調節するために、異なる開口数及び開口サイズを有する筒蓋62を交換することができ、また、異なる放出要求に対応するために、放出要素6全体を多孔質材料で置き換えることもできる。
【0079】
実施例2.
図10、11、12および13は、本発明の第2の好ましい実施形態であり、徐放装置1は、1つの接続機構と、2つの拡張機構と、および2つの放出機構とを備える。
図10及び
図11に示すように、前記接続機構は、鼻中隔91の下端を半包囲するU字状構造の1つの接続ビーム2を備え、この接続ビーム2は、鼻中隔91の下側に位置する中間部23と、鼻中隔91の両側に位置する2つの接続アーム24と、を備える。接続ビーム2の2つの接続アーム24は、鼻中隔91の両側から2つの鼻道95に挿入され、それぞれ2つの鼻道95内に対称的に配置された2つの環状の弾性拡張アーム3に一体的に接続されている。
【0080】
また、前記接続ビーム2は、徐放装置1に固定機能を提供し、その2つの接続アーム24間の最小間隔は、該箇所における鼻中隔91の幅より小さく、鼻中隔91にクランプ力を加え、徐放装置1を鼻中隔91に挟んで固定する。接続ビーム2が鼻中隔91にクランプ力を加える部位は、拡幅部241であり、接続アーム24の鼻中隔91に向かう面は、拡幅部241においてより広くなり、拡幅部241と鼻中隔91との密着(フィット)面積を増大し、これにより、拡幅部241の鼻中隔91に対する圧力を減少させ、快適性を高める。
【0081】
好ましくは、前記接続ビーム2の2つの接続アーム24は、装着者の鼻中隔91に向かう突起242を対称的に配置することができる。前記突起242は、鼻中隔91の両側にフィットし、かつ鼻中隔91にクランプ力を加える。突起242は、拡幅部241と同じ位置に合体することができる。
【0082】
好ましくは、前記接続ビーム2の2つの接続アーム24の端部に、プラグ243が設置され、前記プラグ243は、弾性拡張アーム3に設置されたジャック77に挿入され、前記プラグ243は、両端が広く且つ中央部が狭い構造であり、差し込み式固定を実現する。
図10及び
図11に示すように、前記各拡張機構は、1つの環状の弾性拡張アーム3を備え、該環状弾性拡張アーム3は、鼻道軸線97に平行する一対の表面が主表面及び最大表面であり、前記一対の主表面が内側主表面34及び外側主表面35であり、弾性拡張アーム3の鼻道軸線97に垂直する面が副表面であり、副表面の幅が主表面の幅よりも小さく、呼吸抵抗を低減する。装着する時に、環状弾性拡張アーム3は、鼻道95に挿入され、鼻道の内壁96によって圧縮され、その復元力によって鼻道の内壁96に拡張力を加え、同時に、弾性拡張アーム3は、鼻道の内壁96に密着してフィットし、両者の相互作用力により徐放装置1を鼻道95内に固定する。環状弾性拡張アーム3は、全方位に鼻道を拡張させ、且つ弾性拡張アーム3と鼻道の内壁96との接触面積を増大させ、拡張機構の鼻道の内壁に対する圧力を低下させて、快適性を向上させることができる。
【0083】
図12は、第2の好ましい実施形態であり、第1のブランチ73と、第2のブランチ74と、第3のブランチ75とを備える弾性支持スポーク7を備えることを示し、これら3つのブランチは、それぞれ弾性的に圧縮される弧状のストリップ構造であり、その端末は、いずれも弾性拡張アーム3の上表面に接続され、弾性支持スポーク7の圧縮された後の復元力を弾性拡張アーム3に加え、これらのブランチは、拡張の強さ及び拡張の適応性とバランスをさらに高めるのに役立つ。さらに、弾性支持スポーク7、固定チューブ5、および放出要素6は、いずれも弾性拡張アーム3の上方に配置され、それにより、放出要素6を鼻道95により深く入ることができ、気道のより深い部分への化合物の放出を容易にする。
【0084】
図10と
図11に示すように、2つの放出機構は、対称的に配置され、各放出機構はそれぞれ各拡張機構内に対応して配置され、各放出機構は、1つの固定チューブ5と1つの放出要素6とを備える。
【0085】
図10及び
図11に示すように、前記固定チューブ5は、環状の弾性拡張アーム3の内側主表面34に固定された円チューブ状構造であり、放出要素6を包囲して固定するためのものである。好ましくは、
図12に示すように、固定チューブ5は、弾性支持スポーク7に設けられている。
【0086】
図10、
図11及び
図13に示すように、前記放出要素6は、両端が幅広で中央部が狭い構造であり、チューブ状の薬筒61と、前記薬筒の両端に接続して覆う筒蓋62及び筒底63と、を備える。筒蓋62と筒底63の外径は、いずれも薬筒61の外径より大きく、装着する時に、前記放出要素6は、固定チューブ5に固定され、固定チューブ5は、薬筒61を囲み、それと密接に咬み合いし、筒蓋62と筒底63は、固定チューブ5の両端の外側に位置し、その外径は、固定チューブ5の内径より大きく、放出要素6は、固定チューブ5から離脱させることができなく、この時、放出要素6は、鼻道95内に位置する。筒蓋62には、柱状の突起622が設けられ、その外側には、複数の半球状の突起624が設けられ、柱状の突起622を薬筒61の開口端に挿入させて、半球状突起624を薬筒61の開口端に設けられた複数の係止孔612に密接的に係合させて、薬筒61と筒蓋62とを接続する。筒底63と薬筒61は、一体式構造である。前記薬筒61の内容物64は、揮発可能な固体化合物642であり、筒蓋62に5つの第1の孔621が設けられ、筒底63に1つの第2の孔631が設けられ、薬筒61のキャビティにおいて、貫通する気流を形成し、固体化合物642を揮発させて鼻道95に放出させる。放出機構は、薬筒の内容物64を都合よく交換することができ、また、放出速度を調節するために、異なる開口数を有する筒蓋62を交換することができ、また、異なる放出要求に対応するために、放出要素6全体を多孔質材料で置き換えることもできる。
【0087】
実施例3.
図14、
図15、
図16、
図17Aおよび
図17Bは、本発明の第3の好ましい実施形態であり、徐放装置1は、1つの接続機構と、2つの拡張機構と、2つの放出機構とを備える。
【0088】
図14、
図15及び
図16に示すように、前記接続機構は、2つの接続ビーム2を備え、具体的には、縦方向に並んで設置される第1の接続ビーム21及び第2の接続ビーム22を備え、第1の接続ビーム21及び第2の接続ビーム22は、いずれも鼻中隔91の下端を半包囲し、第1の接続ビーム21は、鼻中隔91の下側に位置する第1の中間部213と、鼻中隔91の両側に位置する2つの第1の接続アーム214とからなり、前記2つの第1の接続アーム214は、鼻中隔91の両側から2つの鼻道95内に挿入され、2つの鼻道95内に対称的に配置された拡張機構にそれぞれ一体に接続される。第2の接続ビーム22は、鼻中隔91の下側に位置する第2の中間部223と、鼻中隔91の両側に位置する2つの第2の接続アーム224とからなり、これら2つの第2の接続アーム224は、鼻中隔91の両側から2つの鼻道95に挿入され、2つの鼻道95内に対称的に配置された拡張機構に、それぞれ差し込み式に着脱可能に接続される。
【0089】
図14、
図15および
図16に示すように、第1の接続接続ビーム21は、拡張機構と一体構造であり、その材料は十分なクランプ力を提供しないので、接続機構は、クランプ力を補うために第2の接続支持体22を備える。第2の接続ビーム22は2つの部位によって鼻中隔91にクランプ力を加える。1つ目は、2つの第2の接続アーム224の端末に設置されたプラグ243がクランプ力を第1の弾性支持スポーク71によって環状の弾性拡張アーム3に伝導して、弾性拡張アーム3の鼻中隔91に近い外側主表面35から鼻中隔91に加える。2つ目は、2つの第2の接続アーム224の中央部に設置される鼻中隔91に向かう2つの突起242であり、前記2つの突起242は鼻中隔91の両側にフィットし、かつ鼻中隔91にクランプ力を加える。好ましくは、第1の接続ビーム21の2つの第1の接続アーム214に、同じ機能の突起242を設けることができる。
【0090】
図16に示すように、前記第2の接続ビーム22の2つの第2の接続アーム224の端部には、プラグ243が設けられ、前記プラグ243は、第1の弾性支持スポーク71の根元部に設けられたジャック77に挿入され、差し込み式固定を実現し、前記プラグ243は、両端が広く且つ中央部が狭い構造であり、キャップ2431、コラム2432及びシャンク2433を備える。なお、キャップ2431とシャンク2433の最大幅は、いずれもコラム2432の最大幅より大きい。取り付けた後、ジャック77は、コラム2432に囲まれて且つそれと緊密に噛み合い、キャップ2431とシャンク2433は、それぞれジャック77の両端の外側に位置し、両者の最大幅は、いずれもジャック77のキャビティの最大幅より大きく、プラグ243を抜け出せない。好ましくは、コラム2432とジャック77のキャビティは、四角柱構造であり、両者は緊密に噛み合って、拡張機構がプラグ243の周りを回転することを避ける。好ましくは、第1の接続ビーム21の2つの第1の接続アーム214の端部に、同じプラグ243を設け、弾性拡張アーム3または弾性支持スポーク7に差込み接続することができる。
【0091】
好ましくは、前記第1の接続ビーム21の2つの第1の接続アーム214は、対称的に拡幅部241を設けることができ、かつ、第1の接続アーム214の鼻中隔91に向かう側の表面の幅は、拡幅部241において増大し、前記2つの拡幅部241は、鼻中隔91の両側にフィットし、かつ鼻中隔91にクランプ力を加える。好ましくは、前記第2の接続ビーム22の2つの第2の接続アーム224は、対称的に拡幅部241を設けることができ、かつ、第2の接続アーム224の鼻中隔91に向かう側の表面の幅は、拡幅部241において増大し、前記2つの拡幅部241は、鼻中隔91の両側にフィットし、かつ、鼻中隔91にクランプ力を加える。拡幅部241は、突起242と同じ位置に合体することができる。
【0092】
図14に示すように、各拡張機構は、1つの弾性拡張アーム3及び2つの弾性支持スポーク7を備える。
図14及び
図15に示すように、前記弾性拡張アーム3は、接続アーム24の端部に接続された環状構造であり、鼻道軸線97に平行する弾性拡張アーム3の一対の表面がその主表面及び最大表面であり、前記一対の主表面が内側主表面34及び外側主表面35であり、弾性拡張アーム3の鼻道軸線97に垂直する面が副表面であり、副表面の幅が主表面の幅よりも小さいことにより、呼吸抵抗を低減する。外側主表面35は、弾性拡張アーム3および弾性支持スポーク7からの拡張力を鼻道95に加え、第2の接続ビーム22からのクランプ力を鼻中隔91に加えることができるように、鼻道の内壁96にフィットする。装着する時に、弾性拡張アーム3は、鼻道の内壁96によって圧縮され、その復元力により鼻道95に全方位の拡張力を加え、同時に、弾性拡張アーム3は、鼻道の内壁96と密着してフィットし、両者の相互作用力により徐放装置1を鼻道95内に固定する。環状の弾性拡張アーム3は、鼻道を全方位に拡張することができ、かつ両者の接触面積を増大して拡張機構の鼻道の内壁に対する圧力を低下させ、快適性を向上させる。
【0093】
図14および
図15に示すように、2つの弾性支持スポーク7は、第1の弾性支持スポーク71および第2の弾性支持スポーク72であり、それぞれが帯状構造であり、弾性拡張アーム3内に間隔を空けて配置されている。すなわち、第1の弾性支持スポーク71および第2の弾性支持スポーク72の一端は、鼻中隔91に近い弾性拡張アーム3の内側主表面34に接続され、他端は、鼻翼92に近い弾性拡張アーム3の内側主表面34に接続され、それによって、鼻翼92へのその反発力の適切な適用が保証される。
図14と
図15に示すように、2つの放出機構は、対称的に配置され、各放出機構は、それぞれ各拡張機構内に対応して配置され、各放出機構は、1つの固定チューブ5と1つの放出要素6とを備える。
【0094】
図14に示すように、前記固定チューブ5のキャビティは四角柱構造であり、第2の弾性支持スポーク72に固定され、固定チューブ5は、放出要素6を取り囲んで固定する。好ましくは、固定チューブ5は、支持スポーク71または弾性拡張アーム3の内側主表面34上に配置されてもよい。
【0095】
図14と
図17Aに示すように、前記放出要素6は、両端が広くて中央部が狭い構造であり、その両端と中央部はいずれも四角柱状の構造であり、装着する時に、前記放出要素6は、固定チューブ5に固定され、固定チューブ5は、放出要素6の中央部を囲み、それと密着に咬み合い、放出要素6の中央部と固定チューブのキャビティの四角柱の構造により、放出要素6の回転を避けることができ、放出要素6の両端は、固定チューブ5の両端の外側に位置し、その最大幅が固定チューブ5のキャビティの最大幅より大きい放出要素6を固定チューブ5から取り外すことができないようにする。装着する時に、前記放出要素6は、鼻道95内に位置する。
【0096】
放出要素6は、液体化合物を吸収および保持することができる多孔質材料であり、その広い両端部および多孔質表面は、化合物の揮発を促進し、また、鼻腔の吸入気流による微小な化合物の液滴を持ち去ることにも寄与するので、特に、不揮発性液体化合物を微小液滴の形態で放出することができる。
図17Bに示すように、最適化のために、多孔質材料からなる放出要素6の両端部には、その表面積をさらに拡大し、化合物の放出速度を増大させる突起65が設けられている。
【0097】
最後に説明されるように、以上の実施例は本発明の技術案を説明するためのものであって、制限のためのものではない。実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者であれば理解されるように、本発明の技術案に対して行われる修正や等価置換は、いずれも本発明の技術案の趣旨及び範囲から逸脱しないものであり、それらはいずれも本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0098】
1.徐放装置 2.接続ビーム
3.弾性拡張アーム 4.鼻道係合要素
5.固定チューブ 6.放出要素
7.弾性支持スポーク
11.鼻の前方 12.鼻の後方
13.鼻の上方 14.鼻の下方
21.第1の接続ビーム 22.第2の接続ビーム
23.中間部 24.連接アーム
31. 屈曲部 32.近位アーム
33.遠位アーム 34.内側主表面
35.外側主表面 36.フック
41.内主表面 42.外主表面
61.薬筒 62.筒蓋
63.筒底 64.内容物
65.突起
71.第1の弾性支持スポーク 72.第2の弾性支持スポーク
73.第1のブランチ 74.第2のブランチ
75.第3のブランチ 76.第4のブランチ
77. ジャック
91.鼻中隔 92.鼻翼
93.鼻背 94.鼻孔
95.鼻道 96.鼻道の内壁
97.鼻道軸線 98、鼻腔
99.鼻底
213.第1の中間部 214.第1の接続アーム
223.第2の中間部 224.第2の接続アーム
241.拡幅部 242.突起
243.プラグ
611.ねじ穴 612.係止孔
621.第1の孔 622.柱状突起
623.ねじ 624.半球状突起
631.第2の孔 641.吸収ブロック
642.固体化合物
2431.キャップ 2432、コラム
2433.シャンク
【手続補正書】
【提出日】2023-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻道内に化合物を徐放する徐放装
置であって、
少なくとも1つの拡張機構と、少なくとも1つの放出機構とを備え、
前記拡張機構は、鼻道を拡張するとともに、徐放装置を鼻道内に固定させ、
前記放出機構は、拡張機構に設けられ、化合物を放出し、
前記放出機構は、少なくとも1つの固定チューブと、少なくとも1つの放出要素とを備え、
前記固定チューブは、チューブ状構造であり、拡張機構に設置され、装着する時、前記放出要素が固定チューブ内に固定され、
前記放出要素は、一定量の化合物を収容可能であり、収容した化合物を鼻道内で徐々に放出することができ、装着する時に、放出要素の少なくとも一部が鼻道内に位置する、
ことを特徴とする徐放装置。
【請求項2】
1つの接続機構をさらに備え、前記徐放装置が使用者によって鼻道の奥に吸い込まれるのを阻止するために用いられ、前記接続機構は、一体式または取り外し可能に少なくとも1つの拡張機構を接続し、前記拡張機構が片側の鼻道内に設置され、前記放出機構が該側の鼻道内の拡張機構又は接続機構に設けられ、
前記接続機構は、少なくとも1つの接続ビームを含み、前記接続ビームは、鼻道壁の下端を半包囲する、
ことを特徴とする請求項1に記載される徐放装置。
【請求項3】
前記拡張機構は、鼻道を拡張する弾性拡張アームを備える、ことを特徴とする請求項1に記載される徐放装置。
【請求項4】
前記弾性拡張アームは、鼻中隔から離れる方向に開口したC字状構造である、ことを特徴とする請求項3に記載される徐放装置。
【請求項5】
前記拡張機構は、弾性拡張アームに接続される鼻道係合要素を備え、前記拡張機構の鼻道内壁に対する拡張圧力を分散する、ことを特徴とする請求項3に記載される徐放装置。
【請求項6】
前記拡張機構は、拡張機構の拡張力を高める弾性支持スポークを備える、ことを特徴とする請求項3又は5に記載される徐放装置。
【請求項7】
前記接続ビームは、鼻道壁にクランプ力を加える、ことを特徴とする請求項2に記載される徐放装置。
【請求項8】
前記固定チューブの軸線は、鼻道の軸線にほぼ平行である、ことを特徴とする請求項1に記載される徐放装置。
【請求項9】
前記放出要素は、両端が広く、中央部が狭い構造であり、装着する時に、固定チューブが放出要素の中央部を取り囲み、放出要素の両端が固定チューブの両端の外側に位置し、放出要素が固定チューブから滑り落ちないように、放出要素の2つの端部のそれぞれの少なくとも1つの箇所の幅が固定チューブの内腔の幅よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載される徐放装置。
【請求項10】
前記放出要素は、薬筒と、前記薬筒の両端に接続され且つ薬筒の両端を覆う筒蓋および筒底とを備え、
前記薬筒は、内部に化合物を収容する中空のチューブ状構造であり、前記筒蓋および前記筒底には、前記化合物を鼻道に向けて排出するための少なくとも1つの開口が設けられている、
ことを特徴とする請求項9に記載される徐放装置。
【請求項11】
前記放出要素は、多孔質材料から作られている、ことを特徴とする請求項1に記載される徐放装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器技術分野に属し、鼻道内に化合物を徐放する徐放装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鼻スプレーは、アレルギー性鼻炎と鼻道の閉塞を治療するためによく用いられ、このような薬物の活性成分は、鼻内のホルモン受容体を刺激し、血管を収縮させ、鼻粘膜の充血と鼻詰まりを緩和する。短時間に高用量の薬物が鼻粘膜に直接的に接触すると、前記受容体の数が急速に減少し、しばらくすると、鼻粘膜は更に充血して炎症を起こし、血管が脆くなり、鼻血が出やすくなる。徐放技術は、鼻粘膜に対する薬物の瞬間的な衝撃を回避でき、それによって、上述の副作用の発生を弱める乃至は避ける。また、悪心、アレルギー、不眠などの症状を改善するためにエッセンシャルオイルを使用することが広く知られており、従来の薫香器は室内に置くことが多く、体積が大きく、携帯に不便であり、携帯可能な鼻部徐放装置は人々がいつでもどこでもエッセンシャルオイルなどの芳香族化合物を使用するのを助けることができる。従来の技術は、鼻道で化合物を徐々に放出するのを助けるために、様々なポータブルノーズクリップを提供するが、既存のノーズクリップは、特定の種類または状態の化合物しか放出しない傾向があり、汎用性に欠け、また、放出効果および通気性に関して大きな制限がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
1.ノーズクリップは、材料の中に揮発性の芳香族化合物を混入している。このようなノーズクリップは、構造が簡単で、装着しやすいが、芳香族化合物が鼻道の内壁に直接的に接触して刺激を与える。また、このようなノーズクリップは、鼻道を拡張する機能を持っていないため、ある程度に呼吸を阻害する。
【0004】
2.ノーズクリップの内部に開閉可能なキャビティ(空腔)が設置され、化合物をその中に置き、キャビティの開口によって鼻道内に化合物を放出する。しかし、キャビティが設けられているため、このようなノーズクリップは太く、鼻道を拡張する機能を持っていないため、ある程度に呼吸を阻害する。また、キャビティの開閉装置は細かく複雑で、信頼性が低く、いったん失効すると、吸入のリスクを引き起こす可能性がある。
【0005】
3.ノーズクリップの末端に円管が設置され、円管内に固体の芳香族化合物が置かれ、該固体状化合物は、円管の中央部の狭い部位によって固定される。しかし、このようなノーズクリップは、液体化合物を放出することはできない。かつ固体芳香族化合物は硬くないため、その固定方式の信頼性が不足し、吸入のリスクを引き起こす可能性がある。また、このようなノーズクリップは、鼻道を拡張する機能を持っていないため、ある程度に呼吸を阻害する。
【0006】
4.一種類のノーズクリップには、鼻道を拡張するための拡張要素と、拡張要素に固定されて化合物を放出するための放出要素とが設けられている。このようなノーズクリップの通気性は他のノーズクリップより優れているが、その拡張要素は鼻道の内壁との接触面積が小さく、鼻道の内壁に対する圧力が比較的大きく、不快になりやすく、鼻道を全方位に拡張することも難しい。さらに、その拡張要素は、弾性支持スポークを備えておらず、したがって、拡張の強度および均衡の点で不十分であり、また、鼻道の特定の部位の適切な拡張も困難である。さらに、その放出要素は、特定の状態および種類の化合物を少量しか収容できず、しかも開閉装置が微細で複雑で、信頼性が不十分である。
【0007】
5.一種類のノーズクリップは、濾過と放出機能を兼ね備え、接続バンドによって互いに接続された一対の円筒状容器を含み、該円筒状容器の内部にフィルタ及び液体薬物を吸収できる吸収パッドが設けられ、該吸収パッドは、吸入気流に薬物を放出することができる。しかし、このようなノーズクリップは、固体化合物を放出することはできない。また、吸入気体はフィルタと吸収パッドを経由しているので、呼吸抵抗が大きいため、汎用性が低く、特定の状況にしか適用できない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来技術に存在する上記欠点を解決するために、本発明は、鼻道内に化合物を徐放する徐放装置を提供し、前記徐放装置は、1つの接続機構と、2つの拡張機構と、2つの放出機構とを備える。前記接続機構の両端は、それぞれ両側鼻道内に対称的に設置された2つの拡張機構を一体式又は取り外し可能に接続する。前記2つの放出機構は、対称的に設置され、各放出機構は、各拡張機構内に対応付けて設置される。
前記接続機構は、少なくとも1つの接続ビームを含み、前記接続ビームは鼻中隔の下端を半包囲し、鼻中隔の下側に位置する中間部、及び鼻中隔の両側に対称的に設置された2つの接続アームを備える。中間部は、2つの接続アームの間に位置する。2つの接続アームは、それぞれ2つの鼻道内に対称的に設置された2つの拡張機構を接続する。
前記放出機構は、少なくとも1つの固定チューブと、少なくとも1つの放出要素を備える。
前記固定チューブは、チューブ状構造であり、拡張機構に設置される。前記放出要素は、両端が広くて且つ中央部が狭い構造であり、装着する時に、放出要素が固定チューブ内に固定され、固定チューブは、放出要素の細い中央部を囲み、且つそれと緊密に噛み合い、放出要素の両端は、固定チューブの両端の外側に位置し、放出要素の両端の最大幅は、固定チューブのキャビティの最大幅より大きい。放出要素は、一定量の化合物を収容でき、収容した化合物を鼻道内で徐々に放出することができ、放出要素の少なくとも一部は、装着する時に鼻道内に位置する。
【0009】
上記技術案の改良の1つとして、前記拡張機構は、1つの弾性拡張アームを備える。該弾性拡張アームは、環状閉環構造であり、接続アームの端部に接続される。固定チューブは、弾性拡張アームの内側主表面に設置され、放出要素は固定チューブ内に嵌め込まれている。
【0010】
上記技術案の改良の1つとして、前記接続ビームの2つの接続アームには、拡幅部が対称的に設けられ、かつ、接続アームの鼻中隔側に向く側の面の幅は、拡幅部において増大する。前記2つの拡幅部は、鼻中隔の両側にフィットし、鼻中隔にクランプ力を加える。
【0011】
上記技術案の改良の1つとして、前記拡張機構は、1つの弾性拡張アームと、少なくとも1つの弾性支持スポークとを備える。
前記弾性拡張アームは、環状閉環構造であり、1つの接続アームの端部に続される。弾性支持スポークは、分岐して且つ複数のブランチを含み、各ブランチの一端が弾性支持スポークのステム部に接続され、他端が弾性拡張アームに固定される。固定チューブは、弾性支持スポークに設置され、放出要素は、固定チューブ内に嵌め込まれている。
【0012】
上記技術案の改良の1つとして、弾性支持スポーク、固定チューブ、および放出要素は、弾性拡張アームの上方に配置され、逆さまのボウル構造を形成する。
【0013】
上記技術案の改良の1つとして、前記拡張機構は、1つの弾性拡張アームと、少なくとも1つの弾性支持スポークとを備える。
前記弾性拡張アームは、環状閉環構造であり、1つの接続アームの端部に接続される。弾性支持スポークは、その両端が弾性拡張アームに接続された帯状構造である。
【0014】
上記技術案の改良の1つとして、前記接続機構は、縦方向に並設された第1の接続ビーム及び第2の接続ビームを備える。第1のおよび第2の接続ビームは、いずれも鼻中隔の下端を半包囲している。
【0015】
上記技術案の改良の1つとして、前記第2の接続ビームの2つの第2の接続アームには、装着者の鼻中隔に向かう突起が対称的に設けられている。突起は、鼻中隔の両側にフィットし、鼻中隔にクランプ力を加える。
【0016】
前記技術案の改良の1つとして、前記第2の接続ビームの2つの第2の接続アームの端部にプラグが設けられ、前記プラグは、第1の弾性支持スポークの根元部に設けられたジャックに挿入され、前記プラグは、両端が広く、かつ中央部が狭い構造であり、差し込み式固定を実現する。
【0017】
上記技術案の改良の1つとして、前記拡張機構は、1つの弾性拡張アームと、1つの鼻道係合要素と、および少なくとも1つの弾性支持スポークとを備える。
弾性拡張アームは、弾性的に圧縮され可能な開放帯状構造であり、1つの接続アームの端部に接続され、弾性拡張アームの外側主表面は、鼻道の内壁に部分的又は完全にフィットすることができ、弾性拡張アーム及び弾性支持スポークからの拡張力を鼻翼に印加することができ、また接続ビームからのクランプ力を鼻中隔に印加することができる。
鼻道係合要素は、シート状構造であり、弾性拡張アームに接続され、且つ拡張機構を開放構造に保持させる。装着する時、鼻道係合要素は、鼻翼の内側に位置し、その外主表面は、鼻翼の内壁とフィットし、弾性拡張アームと弾性支持スポークからの拡張力を鼻翼に加える。
弾性支持スポークは、弾性的に圧縮され可能な帯状またはストリップ状構造であり、その両端が弾性拡張アームまたは鼻道係合要素に接続される。
【0018】
上記技術案の改良の1つとして、弾性拡張アームは、鼻道係合要素と一体化されている。
【0019】
前記技術案の改良の1つとして、前記弾性拡張アームの鼻道軸線に垂直する断面は、V字状構造又はC字状構造であり、屈曲部、近位アーム及び遠位アームを備える。
前記屈曲部の一端は、近位アームに接続され、他端は、遠位アームに接続され、装着する時、近位アームは、鼻中隔に近接し、遠位アームは、鼻翼に近接し、屈曲部は、鼻背または鼻底に近接する。
【0020】
前記技術案の改良の1つとして、前記弾性拡張アームの鼻道の内壁とフィットする部位は、その端部が鼻道の内側に向かって湾曲している。鼻道係合要素の端部は、鼻道の内側に向かって湾曲している。
【0021】
上記技術案の改良点の1つとして、弾性支持スポークは、分岐して複数のブランチを有し、各ブランチは、一端が弾性支持スポークのステム部分に接続され、他端が弾性拡張アームまたは鼻道係合要素に固定されている。
【0022】
前記技術案の改良の1つとして、前記接続ビームは、鼻中隔にクランプ力を加え、該クランプ力は、接続ビームの2つの接続アームによって鼻中隔の下端に直接的に加えられ、又は、該クランプ力は、接続ビームの2つの接続アームによって対応する拡張機構に伝達された後、対応する拡張機構によって鼻中隔の下端に加えられる。
【0023】
上記技術案の改良の1つとして、接続ビームの中間部の平均断面積は、接続アームの平均断面積よりも大きい。
【0024】
前記技術案の改良の1つとして、前記放出放出要素は、薬筒、及び薬筒の両端に接続され且つ薬筒の両端を覆う筒蓋及び筒底を備える。筒蓋の最大直径は、薬筒の最大直径より大きい。筒底の最大直径は、薬筒の最大直径より大きい。
前記薬筒は、中空のチューブ状構造であり、その内部に化合物を収容し、前記筒蓋と筒底に少なくとも1つの開口を設置し、前記化合物を前記開口を通して鼻道に排出させる。
【0025】
前記技術案の改良の1つとして、前記薬筒内に多孔質材料からなる吸収ブロックを設置する。
【0026】
上記技術案の改良点の1つとして、前記放出要素は、多孔質材料から作られる。
【0027】
上記技術案の改良の1つとして、前記放出要素の外面に突起が設けられている。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、従来技術と比べって、有益な効果は以下のとおりである:
1、本発明の徐放装置の拡張機構は、閉環構造または開放構造を採用し、徐放装置の機能と適用性を向上させ、その具体的な実施例の多様性も向上させる。
2、鼻道係合要素の以外に、弾性拡張アームの外側主表面も鼻道の内壁にフィット可能であり、拡張機構と鼻道の内壁の接触面積を増加し、全方位の鼻道の拡張に有利で、かつ拡張機構の鼻道の内壁に対する圧力を低下させ、快適性を向上させる。
3.少なくとも1つの弾性支持スポークを使用することにより、拡張の強度およびバランスが保証され、鼻道の特定部位の適切な拡張が可能になる。
4.放出要素は、鼻道の内壁に接触しないので、収容される化合物が鼻道の内壁に接触して刺激することが防止される。
5.放出要素は、柱構造を採用し、断面積が小さいので、空気抵抗が小さく、かつ、鼻道の軸線方向の長さを長くすることにより、空気抵抗を増大させることなく、その容量を効果的に増加させることができる。
6、放出要素の固定方式は簡単で、確実で、脱落と吸入の危険を避ける。
7.異なる放出要素を交換することによって、異なる状態および種類の化合物、特に不揮発性の液体化合物を放出するように適合させることができる。
8.異なる放出要素又はその構成要素を交換することによって、化合物を放出する速度を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図2】本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第1の好ましい実施形態の概略構造図である。
【
図3】
図2に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第1の好ましい実施形態の平面図である。
【
図4】
図2に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第1の好ましい実施形態の一方向の側面図である。
【
図5】
図2に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第1の好ましい実施形態の別の側面図である。
【
図6】
図2に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第1の好ましい実施形態における1つの弾性支持スポークを設置した構造を示す概略図である。
【
図7】
図2に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第1の好ましい実施形態における放出要素の側断面図である。
【
図8】
図2に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第1の好ましい実施形態が使用者の鼻に装着されたことを示す下から上に向う平面図である。
【
図9】
図2に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第1の好ましい実施形態が使用者の鼻に装着されたことを示す側面図である。
【
図10】本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第2の好ましい実施形態の構造の概略図である。
【
図11】
図10に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第2の好ましい実施形態の平面図である。
【
図12】
図10に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第2の好ましい実施形態における分岐した弾性支持スポークを設置した構造を示す構造図である。
【
図13】
図10に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第2の好ましい実施形態における放出要素の側断面図である。
【
図14】本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第3の好ましい実施形態の構造を示す概略図である。
【
図15】
図14に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第3の好ましい実施形態の平面図である。
【
図16】
図14に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第3の好ましい実施形態の側面図である。
【
図17A】
図14に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第3の好ましい実施形態における放出要素の側断面図である。
【
図17B】
図14に示す本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第3の好ましい実施形態における放出要素の側面断面図であり、前記放出要素の両端に突起が設けられている。
【
図18A】本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の
第4の好ましい実施形態における弾性拡張アームと鼻道係合要素との位置関係の一例を示す平面図である。
【
図18B】本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の
第4の好ましい実施形態における弾性拡張アームと鼻道係合要素との位置関係の他の例を示す平面図である。
【
図19】
本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第4の好ましい実施形態における放出要素が取り付けられていない状態の平面図である。
【
図20A】
本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第5の好ましい実施形態における放出要素が取り付けられていない平面図である。
【
図20B】
本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第5の好ましい実施形態の側面図である。
【
図21A】
本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する徐放装置の第6の好ましい実施形態の構造の概略図である。
【
図21B】
本発明に係る鼻道内で化合物を徐放し、鼻道を拡張する第6の好ましい実施形態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
図2、
図10、および
図14に示すように、本発明の徐放装置1において、接続ビーム2を除く他の構成要素は、2つの鼻道95内に対称的に配置されている。したがって、本発明の徐放装置1の説明では、接続ビーム2を除く、他の構成要素は、1つの鼻道内に位置する数および構造である。
【0032】
図1Aに示すように、本発明に記載される鼻の各方向は、鼻の前方11、鼻の後方12、鼻の上方13、鼻の下方14である。
図1Bに示すように、鼻道95内において、対象物の鼻道軸線97に近い側を「内側」とし、鼻道軸線97から離れる側を「外側」とする。
【0033】
本発明に使用する用語「接続」は、2つの有体物が、接着、溶接、差し込み接続、ねじ込み接続、スナップ式接続を含むが、これらに限定されない接続具によって、一体に、または取り外し可能に互いに接続されることを意味する。
本発明に使用する用語「軸線」は、チューブまたはコラムの中心対称軸線を意味する。非標準チューブまたはカラムについては、標準チューブまたはカラムに近似した後、標準チューブまたはカラムの軸線をその近似軸線として使用することができる。例えば、
図1Bは、鼻道軸線97を示す。
本発明に使用する用語「断面」は、チューブまたはコラムの、その軸線に垂直する断面を意味する。
本発明に使用する用語「化合物」は、厳密な化学的定義ではなく、固体および液体の精製物、化合物および混合物、ならびに本発明に適用した他の物質の形態または組み合わせを含むものとする。
本発明に使用する用語「閉環構造」は、n(nは正の整数)条の線分または弧から構成する閉環平面図であり、例えば:円形状、楕円形状、多角形状である。本発明における前記用語「開放構造」は、閉環形状に1箇所の開口部を設置する平面図を指し、例えば:C字状、V字状、l字状、弧状である。
本発明に使用する用語「チューブ状構造」は、軸線方向に沿って貫通するキャビティを内部に有する円柱構造を指し、円柱およびプリズムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
図1A、
図1Bおよび
図1Cに示すように、本発明における徐放装置1は、人の鼻9に適用される。鼻9は、鼻中隔91、鼻翼92、鼻背93、および鼻底99、ならびにそれらを取り囲む2つの鼻道95を含む、視覚的に見える顔面突出部である。2つの鼻道95の出口は、2つの鼻孔94である。鼻道の内壁96は、鼻道95を取り囲む上記各部分の内側面によって構成されている。本発明において、鼻道95は、鼻9が含む鼻前庭に限定され、鼻腔98を含まない。
【0035】
図2に示すように、本発明は、鼻道95内に化合物を徐放し、鼻道95を拡張する徐放装置1を提供し、該徐放装置1は、1つの接続機構、2つの拡張機構と2つの放出機構を含む。
【0036】
接続機構の両端は、両側の鼻道95内に対称的に設置された2つの拡張機構をそれぞれ一体式または取り外し可能に接続する。2つの放出機構は、対称的に配置され、各放出機構は、それぞれ各拡張機構内に対応して配置されている。
前記拡張機構は、鼻道95を拡張させるように配置され、前記放出機構は、化合物を収容及び放出するように配置される。
【0037】
図2、4、5および9に示すように、前記接続機構は、鼻中隔91の下端を半包囲する少なくとも1つの接続ビーム2を含み、該接続ビーム2は、鼻中隔91の下側に位置する中間部23と、鼻中隔91の両側に位置する2つの接続アーム24と、を備える。中間部23の両端は、それぞれ2つの接続アーム24に接続される。接続ビーム2の2つの接続アーム24は、鼻中隔91の両側から2つの鼻道95内に挿入され、2つの接続アーム24は、それぞれ2つの鼻道95内に対称的に設置される2つの拡張機構を接続する。好ましくは、接続ビーム2は、U字状またはC字状構造であり、なお、C字状構造は、接続アーム24の端部が鼻中隔91にクランプ力を加えることをより容易にする。
【0038】
好ましくは、前記接続ビーム2はまた徐放装置1に固定機能を提供し、その2つの接続アーム24の最小間隔はそこの鼻中隔91の幅より小さく、それにより鼻中隔91にクランプ力を加え、前記クランプ力は、接続ビーム2の2つの接続アーム24によって鼻中隔91の両側に直接的に加え、または、接続ビーム2の2つの接続アーム24によって対応する拡張機構に導いた後、弾性拡張アーム3によって鼻中隔91の両側に加えられる。このようなクランプ力により、徐放装置1は、鼻中隔91に挟持固定することができる。
【0039】
図2、
図4、および
図5に示すように、好ましくは、接続ビーム2の中間部23の平均断面積は、接続アーム24の平均断面積よりも大きく、中間部23を接続アーム24よりも太くさせることによって、接続ビーム2が自体の形状を維持する能力を強化し、鼻中隔91にクランプ力を加える能力を向上させる。
図14、15および16に示すように、他の具体例において、徐放装置1の接続機構における接続ビーム2は、第1の接続ビーム21および第2の接続ビーム22を含み、第1の接続ビーム21は、拡張機構に一体に接続され且つ第1の接続ビーム21を支持するのに十分なクランプ力を提供することができない同じ材料であるため、第1の接続ビーム21と長手方向に並ぶ位置に、第2の接続ビーム22を設けられ、第2の接続ビーム22によって、鼻中隔91に対するクランプ力を補う。
【0040】
図14及び
図16に示すように、他の実施形態において、前記接続ビーム2の2つの接続アーム24には、鼻中隔91に向う突起242が設けられ、前記突起242は、鼻中隔91の両側にフィットし、鼻中隔にクランプ力を加える。突起242がクランプ及び固定機能を提供する場合に、接続ビーム2の2つの接続アーム24の端部は、鼻道95内のより深く位置に拡張機構と接続可能となるため、拡張機構及び放出機構を鼻道95内のより深い位置に配置するのを助けることができる。
【0041】
図10に示すように、他の実施形態において、2つの接続アーム24に、拡幅部241が設けられ、該拡幅部241により、接続機構が鼻中隔91にクランプ力を加える。また、接続アーム24の鼻中隔91側に向く面の幅は、拡幅部241において拡大し、拡幅部241と鼻中隔91との密着面積を増加させ、これにより、接続ビーム2の鼻中隔91に対する圧力を減少させ、快適性を高める。
なお、接続ビーム2に拡幅部241と突起242とを併設する場合、両者を同一箇所に併せ持つこともでき、この箇所は、拡幅部241と突起242の特徴を併せ持つ。
【0042】
図14、15及び16に示すように、他の具体例において、前記接続ビーム2の2つの接続アーム24の端部に、プラグ243が設けられ、プラグ243は、両端が広く、且つ中央部が狭い構造であり、接続ビーム2を拡張機構に差込み方式で固定する。
【0043】
具体的には、
図16に示すように、前記プラグ243は、弾性拡張アーム3または弾性支持スポーク7に設けられたジャック77に挿入され、差込式固定を実現する。前記プラグ243は、両端が広くて且つ中間部が狭い構造であり、キャップ2431、コラム2432及びシャンク2433を含み、前記ジャック77は、コラム2432に密着に噛み合い、シャンク2433の最大幅は、コラム2432の最大幅より大きく、且つキャップ2431の最大幅は、コラム2432の最大幅より大きい。同時に、シャンク2433の最大幅は、ジャック77のキャビティの最大幅より大きく、かつキャップ2431の最大幅は、ジャック77のキャビティの最大幅より大きい、プラグ243が抜けないようにする。好ましくは、コラム2432およびジャック77のキャビティは、角柱形状に設置してもよい、拡張機構がプラグ243を中心に回転することを避ける。
【0044】
図2に示すように、前記2つの拡張機構は、前記接続機構に対称的に接続され、各拡張機構は、1つの弾性拡張アーム3と、1つの鼻道係合要素4と、少なくとも1つの弾性支持スポーク7とを備える。
【0045】
図2、
図4、
図5及び
図9に示すように、前記鼻道係合要素4は、弾性拡張アーム3に接続されたシート状構造であり、装着する時に、鼻道係合要素4は、鼻翼92の内側に位置し、鼻翼92に拡張力を加える。鼻道係合要素4の鼻道軸線97に平行する一対の表面は、その主表面及び最大表面であり、前記一対の主表面である内側主表面41及び外側主表面42は、弾性拡張アーム3の同側面の幅よりも大きい幅を有する。外側主表面42は、鼻翼92の内壁とフィットし、弾性拡張アーム3および弾性支持スポーク7からの拡張力を鼻翼92に加え、鼻道軸線97に垂直する鼻道係合要素4の表面は、呼吸抵抗を低減するために主表面の幅よりも小さい幅を有する副表面である。
【0046】
図2、
図3、
図4、
図6及び
図8に示すように、前記弾性拡張アーム3は、接続アーム24と鼻道係合要素4とに接続する、例えば、C字状、V字状、l字状又は弧状の、弾性的に圧縮され可能な開放帯状構造である。鼻道軸線97に平行する弾性拡張アーム3の一対の表面は、その主表面及び最大表面であり、前記一対の主表面は、具体的には、内側主表面34及び外側主表面35であり、弾性拡張アーム3の鼻道軸線97に垂直する表面は、副表面であり、呼吸抵抗を低減するために、主表面の幅よりも小さい幅を有する。
図8に示すように、弾性拡張アーム3の外側主表面35は、弾性拡張アーム3および弾性支持スポーク7からの拡張力を鼻翼92に加え、接続ビーム2からのクランプ力を鼻中隔91に加えることができるように、鼻道の内壁96に部分的または完全にフィットしている。弾性拡張アーム3は、開放構造であるため、異なる形状と寸法の鼻道に対する適応性が強く、特に鼻中隔弯曲症による左右の鼻道の寸法が異なる使用者に適し、ユーザの体験感と快適性を向上させ、人工学設計にも符合する。
【0047】
図6に示すように、鼻道係合要素4の幅が弾性拡張アーム3の幅以下であり、両者の同側主表面が滑らかにつながって同一面に融合する場合、すなわち、内側主表面34と内側主表面41とが1つの面に融合し、外側主表面35と外側主表面42とが1つの面に融合すると、弾性拡張アーム3と鼻道係合要素4とが一体に融合し、鼻道係合要素4の機能が弾性拡張アーム3によって完全に置き換えられ、拡張機構は鼻道係合要素4をもはや含まない、弾性拡張アーム3および弾性支持スポーク7のみが含まれる。
【0048】
好ましくは、前記弾性拡張アーム3が鼻道の内壁96にフィットする部位は、その端部が鼻道95の内側に向かって湾曲し、例えば、
図6に示すように、弾性拡張アーム3の近位アーム32と遠位アーム33の末端は、鼻道の内壁96に柔軟に接触するフック36である。鼻道係合要素4の端部は、鼻道95の内側に向かって湾曲している。
【0049】
好ましくは、
図2、3、4、6及び8に示すように、前記弾性拡張アーム3の鼻道軸線97に垂直する断面は、V字状又はC字状構造であり、屈曲部31、近位アーム32及び遠位アーム33を備える。
【0050】
前記屈曲部31の一端は、近位アーム32に接続され、他端は、遠位アーム31に接続され、装着する時に、近位アーム32は、鼻中隔91に近接し、遠位アーム33は、鼻翼92に近接し、屈曲部31は、鼻背93または鼻底99に近接し、すなわち弾性拡張アーム3の開口は、鼻背93または鼻底99に向くことができる。弾性拡張アーム3の外側主表面35は、鼻道の内壁96とフィットし、
図8に示すように、装着する時に、弾性拡張アーム3は、鼻道の内壁96によって圧縮され、遠位アーム33及び近位アーム32は、互いに近接し、屈曲部31の復元力によって、遠位アーム33及び鼻道係合要素4は、鼻翼92に拡張力を加え、鼻道を拡張させ、同時に、弾性拡張アーム3及び鼻道係合要素4は、鼻道の内壁96に密着してフィットし、その相互の作用力によって、鼻道95内に徐放装置1を固定する。
【0051】
図18Aに示すように、他の具体例において、弾性拡張アーム3は、一端が接続アーム24の端部に接続され、他端が鼻道係合要素4の内側主表面41に接続される弧状またはl字状の開放帯状構造であり、弾性拡張アーム3は、鼻道係合要素4と一体化されておらず、装着する時に、鼻道係合要素4の外側主表面42は鼻道の内壁96にフィットするが、弾性拡張アーム3は鼻道の内壁96にはフィットせず、また、拡張機構が鼻道の内壁96にフィットする面積が小さいため、多点支持を提供する弾性支持スポークは設けられていない。
【0052】
図18Bに示すように、他の実施形態において、弾性拡張アーム3は、一端が接続アーム24の端部に接続され、他端が鼻道係合要素4の片側副表面に接続される弧状またはl字状の開放帯状構造であり、装着する時に、鼻道係合要素4の外側主表面42は鼻道の内壁96にフィットするが、弾性拡張アーム3は鼻道の内壁96とフィットせず、弾性拡張アーム3は鼻道係合要素4の対応する主表面に滑らかに接続されず、1つの表面とならないので、両者は一体化されていない。
【0053】
図6に示すように、弾性支持スポーク7は、弾性的に圧縮され可能な帯状またはストリップ状構造であり、その両端は、弾性拡張アーム3または鼻道係合要素4に接続され、装着する時に、弾性支持スポーク7は、自身が圧縮された復元力を弾性拡張アーム3および/または鼻道係合要素4に加える。弾性支持スポーク7は、拡張機構の拡張力を上昇させると同時に、拡張のバランスを向上させる。弾性拡張アーム3は、開放構造であり、端部に近接するほど弾力が弱くなるため、弾性支持スポーク7は、弾性拡張アーム3と鼻道係合要素4の特定位置に的確な支持を提供することができ、拡張機構による鼻道95の拡張のバランスを保つことができる。
【0054】
図2、
図3および
図8に示すように、弾性支持スポーク7は、分岐して複数のブランチを含み、具体的には、第1のブランチ73、第2のブランチ74、第3のブランチ75、および第4のブランチ76を含み、各ブランチは、その一端が弾性支持スポーク7のステム部に接続され、他端が弾性拡張アーム3または鼻道係合要素4に固定されることが好ましい。複数のブランチにより、弾性支持スポーク7により強い復元力を持たせ、拡張強度をさらに高め、同時に、弾性支持スポーク7の複数のブランチは、より多くの支持点を提供し、拡張の標的性およびバランスをさらに高める。
【0055】
図10及び
図11に示すように、他の実施形態において、拡張機構は、1つの弾性拡張アーム3を備える。前記弾性拡張アーム3は、環状閉環構造であり、その外側主表面35は、鼻道の内壁96にフィットする。装着する時に、弾性拡張アーム3は鼻道の内壁96によって圧縮され、その復元力によって鼻道95の各方向に拡張力を加える。同時に、弾性拡張アーム3は、鼻道の内壁96に密着してフィットし、両者の相互の作用力により、徐放装置1を鼻道95内に固定する。環状弾性拡張アーム3は、全方位に鼻道を拡張させ、かつ拡張機構と鼻道の内壁96との接触面積を増大させるため、拡張機構の鼻道の内壁96に対する圧力を低下させ、快適性を向上させる。
【0056】
図12に示すように、他の実施形態において、拡張機構は、弾性拡張アーム3と、少なくとも1つの弾性支持スポーク7とを備える。前記弾性拡張アーム3は、環状構造であり、弾性支持スポーク7は、分岐して第1のブランチ73、第2のブランチ74及び第3のブランチ75など複数のブランチを含み、各ブランチの一端は、弾性支持スポーク7のステム部に接続され、他端は、弾性拡張アーム3に固定され、装着する時、弾性支持スポーク7は、自身が圧縮された復元力を弾性拡張アーム3に加える。好ましくは、弾性支持スポーク7と、弾性支持スポーク7に固定された固定チューブ5および放出要素6とは、弾性拡張アーム3の上方に配置され、逆さまのボウル構造を形成し、放出機構が気道のより深いところへ化合物を放出するのを容易にする。
【0057】
図14および
図15に示すように、他の実施形態において、拡張機構は、弾性拡張アーム3と、少なくとも1つの弾性支持スポーク7とを備える。前記弾性拡張アーム3は、環状の閉環構造であり、弾性支持スポーク7は、弾性的に圧縮され可能な帯状またはストリップ状構造であり、その両端は、弾性拡張アーム3に接続される。
【0058】
図2に示すように、前記2つの放出機構は、対称的に配置され、各放出機構は、それぞれ各拡張機構内に対応して設置され、各放出機構は、少なくとも1つの固定チューブ5と少なくとも1つの放出要素6とを備える。
【0059】
図2に示すように、前記固定チューブ5は、放出要素6を固定するためのチューブ状構造であり、固定チューブ5は、弾性拡張アーム3の開口方向に配置され、第1のブランチ73、第2のブランチ74、第3のブランチ75及び第4のブランチ76によって弾性支持スポーク7のステム部に固定される。
図10及び
図14に示すように、他の実施形態において、固定チューブ5は、弾性拡張アーム3の内側又は鼻道係合要素4の内側に固定され、具体的には、
図10に示す固定チューブ5は、環状の弾性拡張アーム3の内側に固定される。
図14に示すように、他の実施形態において、四角柱状の固定チューブ5は、第2の弾性支持スポーク72に固定される。好ましくは、徐放装置1は、化合物の容量を増大させるために、または化合物の放出速度を増大させるために、複数の固定チューブ5および放出要素6を備える。
【0060】
図2、10及び14に示すように、前記放出要素6は、両端が広くて且つ中間部が狭い構造であり、装着する時に、前記放出要素6は、固定チューブ5に固定され、固定チューブ5は、放出要素6の細い中央部を囲み、且つそれと密着に噛み合い、放出要素6の両端は、固定チューブ5の両端の外側に位置し、その最大幅は、固定チューブ5のキャビティの最大幅より大きく、放出要素6を固定チューブ5から離脱できないようにする。放出要素6は、一定量の化合物を収容して化合物を鼻道95内に徐々に放出することができ、かつ、装着されるときに、少なくとも放出要素6の一部が鼻道95内に位置する。
【0061】
前記放出機構は、以下の利点を有する:1つは、固定方式が簡単で、確実である。第2は、横断面の面積が小さく、呼吸抵抗が小さい。第3は、必要に応じて鼻道の軸線方向に長さを増やし、その容量を高め、かつ呼吸抵抗を増大しないことである。第4は、異なる種類の放出要素6を置換することによって、異なる化合物に適用することができ、又は異なる放出速度を提供することができる。第5は、放出要素6が収容する化合物を容易に交換することができる。第6は、放出要素6の開口数及び開口の大きさを調整することにより、化合物の放出速度を調整することができる。
【0062】
図14、
図17A、
図17Bに示すように、他の実施例において、放出要素6の材料は、液体化合物を吸収および保持するための多孔質材料であり、その多孔質の表面は、特に化合物の揮発に有利であり、また、鼻腔の吸入気流による微小な化合物の液滴を持ち去ることにも寄与するので、多孔質材料は、揮発性液体化合物を放出するだけでなく、不揮発性液体化合物を微小液滴の形態で放出することができる。好ましくは、
図17Bに示すように、多孔質材料からなる放出要素6の両端の表面には、その表面積をさらに拡大し、放出速度を向上させるための突起65が設けられている。
【0063】
図2、
図7、
図10及び
図13に示すように、他の実施形態において、前記放出要素6は、薬筒61と、前記薬筒61の両端に連結して覆う筒蓋62及び筒底63とを備える。
筒蓋62と筒底63の最大幅は、薬筒61の最大幅よりも大きい。薬筒61は、固体および液体化合物を内部に収容するための中空のチューブ状構造であり、筒蓋62および筒底63には、化合物を排出するための少なくとも1つの開口が設けられている。好ましくは、
図7に示すように、薬筒61の内部には、多孔性材料からなる吸収ブロック641が設けられ、液体化合物の吸収と保持に用いられ、開口から液体化合物が流出するのを防止し、多孔質表面を介して化合物の放出速度を上昇させることもできる。
【0064】
実施例1
図2、
図3、
図4、
図5、
図6、
図7、
図8及び
図9は、本発明の第1の好ましい実施形態であり、徐放装置1は、1つの接続機構、2つの拡張機構、及び2つの放出機構を備える。
【0065】
図2、4、5および9に示すように、前記接続機構は、鼻中隔91の下端を半包囲するU字状構造の接続ビーム2を含み、
図2に示すように、接続ビーム2は、鼻中隔91の下側に位置する中間部23と、鼻中隔91の両側に位置する2つの接続アーム24とを含み、中間部23の両端は、それぞれ2つの接続アーム24を接続する。装着する時に、2つの接続アーム24は、鼻中隔91の両側から2つの鼻道95内に挿入され、それぞれ2つの鼻道95内に対称的に配置された2つの弾性拡張アーム3に一体に接続される。2つの接続アーム24の最小間隔は、鼻中隔91の幅より小さく、鼻中隔91にクランプ力を加え、徐放装置1を鼻中隔91に固定する。中間部23の平均断面積は、接続アーム24の平均断面積よりも大きく、中間部23を接続アーム24よりも太くなって、接続ビーム2の元の形状を維持する能力を向上させ、クランプ力を強化することができる。
【0066】
好ましくは、前記接続ビーム2の2つの接続アーム24には、拡幅部241を対称的に設けることができ、前記接続アーム24の鼻中隔91側を向く面の幅は、前記拡幅部241において大きくする。前記2つの拡幅部241は、鼻中隔91の両側にフィットし、鼻中隔91にクランプ力を加える。
【0067】
好ましくは、前記接続ビーム2の2つの接続アーム24には、装着者の鼻中隔91に向かう突起242を対称的に設けることができる。突起242は、鼻中隔91の両側にフィットし、鼻中隔91にクランプ力を加える。
好ましくは、前記接続ビーム2の2つの接続アーム24の端部に、プラグ243を設けることができ、前記プラグ243は、弾性拡張アーム3または支持スポークに設けられたジャック77に挿入され、前記プラグ243は、両端が広く、中央部が狭い構造であり、差し込み式固定を実現する。
【0068】
図2に示すように、2つの拡張機構は、接続機構に対称的に接続され、各拡張機構は、1つの弾性拡張アーム3と、1つの鼻道係合要素4と、1つの弾性支持スポーク7とを備える。
【0069】
図2、
図4、
図5および
図9に示すように、鼻道係合要素4はシート状の構造体であり、装着者の鼻翼92の内側に位置し、該鼻道係合要素4は、弾性拡張アーム3の遠位アーム33の端部に接続され、鼻道軸線97に平行する1対の表面は、その主表面および最大表面であり、1対の主表面は、内側主表面41と外側主表面42であり、外側主表面42は、鼻翼92の内壁にフィットし、それによって、弾性拡張アーム3および弾性支持スポーク7からの拡張力を鼻翼92に加え、鼻道係合要素4の主表面の幅は、遠位アーム33の主表面の幅よりも大きく、それにより、鼻翼92に対する拡張機構の拡張圧力をよりよく分散させ、快適さを高める。鼻道係合要素4の鼻道軸線97に垂直する面は、副表面であり、空気抵抗を低減するために、主表面の幅よりも小さい幅を有する。
好ましくは、鼻道係合要素4の端末は、鼻道の内壁96を刺激しないように、その端末が鼻道95の内側に曲げることができる。
【0070】
図2及び
図3に示すように、前記弾性拡張アーム3は、接続アーム24及び鼻道係合要素4に接続され、鼻道軸線97に垂直する断面がV字状状であり、弾性拡張アーム3は、屈曲部31、近位アーム32及び遠位アーム33を備える。前記屈曲部31の一端は、近位アーム32に接続され、他端は、遠位アーム33に接続される。装着する時に、近位アーム32は、鼻中隔91に近接し、遠位アーム33は、鼻翼92に近接し、屈曲部31は、鼻背93に近接し、
図1C及び
図8に示すように、弾性拡張アーム3の開口が鼻底99に向く。好ましくは、弾性拡張アーム3の近位アーム32は、鼻中隔91に近接し、遠位アーム33は、鼻翼92に近接し、屈曲部31は、鼻底99に近接し、弾性拡張アーム3の開口を鼻背93に向ける。弾性拡張アーム3の鼻道軸線97に平行する一対の表面は、その主表面及び最大表面であり、前記一対の主表面は、内側主表面34及び外側主表面35であり、弾性拡張アーム3の鼻道軸線97に垂直する面は、その副表面であり、副表面の幅は、空気抵抗を低減するために、主表面の幅よりも小さい。弾性拡張アーム3の外側主表面35は、鼻孔の内壁96に完全にフィットし、それにより、弾性拡張アーム3及び弾性支持スポーク7からの拡張力を鼻翼92に加えることができる。
【0071】
図8に示すように、装着する時に、弾性拡張アーム3は、鼻道の内壁96によって圧縮され、遠位アーム33及び近位アーム32は、互いに近接し、屈曲部31の復元力により、遠位アーム33及び鼻道係合要素4は、鼻翼92に拡張力を加え、鼻道を拡張させ、同時に、弾性拡張アーム3及び鼻道係合要素4は、鼻道の内壁96と密着にフィットし、その相互の作用力によって、鼻道95内に徐放装置1を固定する。弾性拡張アーム3は、開放構造であるため、異なる形状と寸法の鼻道に対する適応性が強く、特に鼻中隔弯曲症による左右の鼻道の寸法が異なる使用者に適する。
【0072】
図6に示すように、鼻道係合要素4の幅が弾性拡張アーム3の幅以下であり、且つ両者の同側の主表面が滑らかにつながって同一面に融合する場合は、すなわち、内側主表面34と内側主表面41とが1つの面に融合し、外側主表面35と外主表面42が1つの面に融合すると、弾性拡張アーム3と鼻道係合要素4とが一体に融合され、弾性拡張アーム3と鼻道係合要素4との何れも鼻道の内壁96にフィットし、両者の主表面は実質的に同一面であるので、融合とみなすことができる。鼻道係合要素4の機能は、弾性拡張アーム3によって完全に置き換えられ、この場合、拡張機構は、鼻道係合要素4をもはや含まず、弾性拡張アーム3及び弾性支持スポーク7のみを備える。
【0073】
図6に示すように、弾性拡張アーム3の近位アーム32および遠位アーム33の端末は、鼻道95の内側に向かって湾曲してフック36を形成し、その端末が鼻道の内壁を刺激しないようにする。
【0074】
図2、
図3および
図8に示すように、拡張機構は、第1のブランチ73、第2のブランチ74、第3のブランチ75、および第4のブランチ76を備える1つの分岐した弾性支持スポーク7を有する。なお、第1のブランチ73は、弾性拡張アーム3の遠位アーム33に接続され、第2のブランチ74と第4のブランチ76は、近位アーム32に接続され、第3のブランチ75は、鼻道係合要素4に接続されている。装着する時に、弾性支持スポーク7は、自身が圧縮された後の復元力を弾性拡張アーム3と鼻道係合要素4に加える。弾性支持スポーク7は、複数のブランチにより、より強い復元力を有し、拡張効果をさらに高め、同時に、その複数のブランチは、弾性拡張アーム3および鼻道係合要素4に対する支持点を増えて、拡張の適応性およびバランスをさらに高める。
【0075】
図6は、第1の好ましい実施形態が、1つの弾性支持スポーク7を設けることを示し、該弾性支持スポーク7は、円弧状の帯状構造であり、その両端が弾性拡張アーム3の内側主表面34の異なる位置に接続される。帯状の弾性支持スポーク7は、拡張効果を向上させ、拡張の適応性とバランスを強化し、同時に、構造が簡単で、空気抵抗が小さいという特徴を有する。好ましくは、拡張力およびバランスをさらに高めるために、実際のニーズに応じて、複数の帯状弾性支持スポーク7を設けることができる。
【0076】
図2に示すように、前記2つの放出機構は、対称的に配置され、各放出機構は、それぞれ各拡張機構内に対応して設置され、各放出機構は、1つの固定チューブ5と1つの放出要素6を備える。
【0077】
図2に示すように、前記固定チューブ5は、弾性支持スポーク7に固定される円チューブ状構造であり、放出要素6を包囲して固定するために用いられる。好ましくは、固定チューブ5は、弾性拡張アーム3の内側主表面34上に又は鼻道係合要素4の内側主表面41上に設けられてもよい。
【0078】
図2と
図7に示すように、前記放出要素6は、両端が広く、かつ、中央部が狭い構造であり、中空の円筒状の薬筒61と、薬筒の両端に連接され覆う筒蓋62と筒底63と、を備える。
筒蓋62と筒底63の外径は薬筒61の外径より大きく、装着する時に、前記放出要素6は、固定チューブ5に固定され、固定チューブ5は、薬筒61を囲み、かつそれと密接に咬み合う。筒蓋62と筒底63は、固定チューブ5の両端の外側に位置し、その外径は、固定チューブ5の内径より大きく、放出要素6を固定チューブ5から離脱させない。この時、放出要素6は、鼻道95内に位置する。筒蓋62に、柱状の突起622が設けられ、その外側にねじ623が設けられ、柱状の突起622を薬筒61の開口端にねじ込み、ねじ623を薬筒61の開口端のねじ口611と密接に咬み合いさせ、ねじ嵌合を実現し、薬筒61と筒蓋62とを接続する。筒底63と薬筒61は一体式構造である。前記薬筒61は、固体と液体の化合物を収容するために用いられ、筒蓋62に第1の孔621が設けられ、前記化合物を第1の孔621を通して鼻道に放出させる。薬筒61の内容物64は、多孔性材料からなる吸収ブロック641と、第1の孔621から液体化合物が流出するのを防止し、その多孔性表面は、化合物の放出速度を増大させる。放出機構は、薬筒の内容物64を容易に交換することができ、また、放出速度を調節するために、異なる開口数及び開口サイズを有する筒蓋62を交換することができ、また、異なる放出要求に対応するために、放出要素6全体を多孔質材料で置き換えることもできる。
【0079】
実施例2.
図10、11、12および13は、本発明の第2の好ましい実施形態であり、徐放装置1は、1つの接続機構と、2つの拡張機構と、および2つの放出機構とを備える。
図10及び
図11に示すように、前記接続機構は、鼻中隔91の下端を半包囲するU字状構造の1つの接続ビーム2を備え、この接続ビーム2は、鼻中隔91の下側に位置する中間部23と、鼻中隔91の両側に位置する2つの接続アーム24と、を備える。接続ビーム2の2つの接続アーム24は、鼻中隔91の両側から2つの鼻道95に挿入され、それぞれ2つの鼻道95内に対称的に配置された2つの環状の弾性拡張アーム3に一体的に接続されている。
【0080】
また、前記接続ビーム2は、徐放装置1に固定機能を提供し、その2つの接続アーム24間の最小間隔は、該箇所における鼻中隔91の幅より小さく、鼻中隔91にクランプ力を加え、徐放装置1を鼻中隔91に挟んで固定する。接続ビーム2が鼻中隔91にクランプ力を加える部位は、拡幅部241であり、接続アーム24の鼻中隔91に向かう面は、拡幅部241においてより広くなり、拡幅部241と鼻中隔91との密着(フィット)面積を増大し、これにより、拡幅部241の鼻中隔91に対する圧力を減少させ、快適性を高める。
【0081】
好ましくは、前記接続ビーム2の2つの接続アーム24は、装着者の鼻中隔91に向かう突起242を対称的に配置することができる。前記突起242は、鼻中隔91の両側にフィットし、かつ鼻中隔91にクランプ力を加える。突起242は、拡幅部241と同じ位置に合体することができる。
【0082】
好ましくは、前記接続ビーム2の2つの接続アーム24の端部に、プラグ243が設置され、前記プラグ243は、弾性拡張アーム3に設置されたジャック77に挿入され、前記プラグ243は、両端が広く且つ中央部が狭い構造であり、差し込み式固定を実現する。
図10及び
図11に示すように、前記各拡張機構は、1つの環状の弾性拡張アーム3を備え、該環状弾性拡張アーム3は、鼻道軸線97に平行する一対の表面が主表面及び最大表面であり、前記一対の主表面が内側主表面34及び外側主表面35であり、弾性拡張アーム3の鼻道軸線97に垂直する面が副表面であり、副表面の幅が主表面の幅よりも小さく、呼吸抵抗を低減する。装着する時に、環状弾性拡張アーム3は、鼻道95に挿入され、鼻道の内壁96によって圧縮され、その復元力によって鼻道の内壁96に拡張力を加え、同時に、弾性拡張アーム3は、鼻道の内壁96に密着してフィットし、両者の相互作用力により徐放装置1を鼻道95内に固定する。環状弾性拡張アーム3は、全方位に鼻道を拡張させ、且つ弾性拡張アーム3と鼻道の内壁96との接触面積を増大させ、拡張機構の鼻道の内壁に対する圧力を低下させて、快適性を向上させることができる。
【0083】
図12は、第2の好ましい実施形態であり、第1のブランチ73と、第2のブランチ74と、第3のブランチ75とを備える弾性支持スポーク7を備えることを示し、これら3つのブランチは、それぞれ弾性的に圧縮される弧状のストリップ構造であり、その端末は、いずれも弾性拡張アーム3の上表面に接続され、弾性支持スポーク7の圧縮された後の復元力を弾性拡張アーム3に加え、これらのブランチは、拡張の強さ及び拡張の適応性とバランスをさらに高めるのに役立つ。さらに、弾性支持スポーク7、固定チューブ5、および放出要素6は、いずれも弾性拡張アーム3の上方に配置され、それにより、放出要素6を鼻道95により深く入ることができ、気道のより深い部分への化合物の放出を容易にする。
【0084】
図10と
図11に示すように、2つの放出機構は、対称的に配置され、各放出機構はそれぞれ各拡張機構内に対応して配置され、各放出機構は、1つの固定チューブ5と1つの放出要素6とを備える。
【0085】
図10及び
図11に示すように、前記固定チューブ5は、環状の弾性拡張アーム3の内側主表面34に固定された円チューブ状構造であり、放出要素6を包囲して固定するためのものである。好ましくは、
図12に示すように、固定チューブ5は、弾性支持スポーク7に設けられている。
【0086】
図10、
図11及び
図13に示すように、前記放出要素6は、両端が幅広で中央部が狭い構造であり、チューブ状の薬筒61と、前記薬筒の両端に接続して覆う筒蓋62及び筒底63と、を備える。筒蓋62と筒底63の外径は、いずれも薬筒61の外径より大きく、装着する時に、前記放出要素6は、固定チューブ5に固定され、固定チューブ5は、薬筒61を囲み、それと密接に咬み合いし、筒蓋62と筒底63は、固定チューブ5の両端の外側に位置し、その外径は、固定チューブ5の内径より大きく、放出要素6は、固定チューブ5から離脱させることができなく、この時、放出要素6は、鼻道95内に位置する。筒蓋62には、柱状の突起622が設けられ、その外側には、複数の半球状の突起624が設けられ、柱状の突起622を薬筒61の開口端に挿入させて、半球状突起624を薬筒61の開口端に設けられた複数の係止孔612に密接的に係合させて、薬筒61と筒蓋62とを接続する。筒底63と薬筒61は、一体式構造である。前記薬筒61の内容物64は、揮発可能な固体化合物642であり、筒蓋62に5つの第1の孔621が設けられ、筒底63に1つの第2の孔631が設けられ、薬筒61のキャビティにおいて、貫通する気流を形成し、固体化合物642を揮発させて鼻道95に放出させる。放出機構は、薬筒の内容物64を都合よく交換することができ、また、放出速度を調節するために、異なる開口数を有する筒蓋62を交換することができ、また、異なる放出要求に対応するために、放出要素6全体を多孔質材料で置き換えることもできる。
【0087】
実施例3.
図14、
図15、
図16、
図17Aおよび
図17Bは、本発明の第3の好ましい実施形態であり、徐放装置1は、1つの接続機構と、2つの拡張機構と、2つの放出機構とを備える。
【0088】
図14、
図15及び
図16に示すように、前記接続機構は、2つの接続ビーム2を備え、具体的には、縦方向に並んで設置される第1の接続ビーム21及び第2の接続ビーム22を備え、第1の接続ビーム21及び第2の接続ビーム22は、いずれも鼻中隔91の下端を半包囲し、第1の接続ビーム21は、鼻中隔91の下側に位置する第1の中間部213と、鼻中隔91の両側に位置する2つの第1の接続アーム214とからなり、前記2つの第1の接続アーム214は、鼻中隔91の両側から2つの鼻道95内に挿入され、2つの鼻道95内に対称的に配置された拡張機構にそれぞれ一体に接続される。第2の接続ビーム22は、鼻中隔91の下側に位置する第2の中間部223と、鼻中隔91の両側に位置する2つの第2の接続アーム224とからなり、これら2つの第2の接続アーム224は、鼻中隔91の両側から2つの鼻道95に挿入され、2つの鼻道95内に対称的に配置された拡張機構に、それぞれ差し込み式に着脱可能に接続される。
【0089】
図14、
図15および
図16に示すように、第1の接続接続ビーム21は、拡張機構と一体構造であり、その材料は十分なクランプ力を提供しないので、接続機構は、クランプ力を補うために第2の接続支持体22を備える。第2の接続ビーム22は2つの部位によって鼻中隔91にクランプ力を加える。1つ目は、2つの第2の接続アーム224の端末に設置されたプラグ243がクランプ力を第1の弾性支持スポーク71によって環状の弾性拡張アーム3に伝導して、弾性拡張アーム3の鼻中隔91に近い外側主表面35から鼻中隔91に加える。2つ目は、2つの第2の接続アーム224の中央部に設置される鼻中隔91に向かう2つの突起242であり、前記2つの突起242は鼻中隔91の両側にフィットし、かつ鼻中隔91にクランプ力を加える。好ましくは、第1の接続ビーム21の2つの第1の接続アーム214に、同じ機能の突起242を設けることができる。
【0090】
図16に示すように、前記第2の接続ビーム22の2つの第2の接続アーム224の端部には、プラグ243が設けられ、前記プラグ243は、第1の弾性支持スポーク71の根元部に設けられたジャック77に挿入され、差し込み式固定を実現し、前記プラグ243は、両端が広く且つ中央部が狭い構造であり、キャップ2431、コラム2432及びシャンク2433を備える。なお、キャップ2431とシャンク2433の最大幅は、いずれもコラム2432の最大幅より大きい。取り付けた後、ジャック77は、コラム2432に囲まれて且つそれと緊密に噛み合い、キャップ2431とシャンク2433は、それぞれジャック77の両端の外側に位置し、両者の最大幅は、いずれもジャック77のキャビティの最大幅より大きく、プラグ243を抜け出せない。好ましくは、コラム2432とジャック77のキャビティは、四角柱構造であり、両者は緊密に噛み合って、拡張機構がプラグ243の周りを回転することを避ける。好ましくは、第1の接続ビーム21の2つの第1の接続アーム214の端部に、同じプラグ243を設け、弾性拡張アーム3または弾性支持スポーク7に差込み接続することができる。
【0091】
好ましくは、前記第1の接続ビーム21の2つの第1の接続アーム214は、対称的に拡幅部241を設けることができ、かつ、第1の接続アーム214の鼻中隔91に向かう側の表面の幅は、拡幅部241において増大し、前記2つの拡幅部241は、鼻中隔91の両側にフィットし、かつ鼻中隔91にクランプ力を加える。好ましくは、前記第2の接続ビーム22の2つの第2の接続アーム224は、対称的に拡幅部241を設けることができ、かつ、第2の接続アーム224の鼻中隔91に向かう側の表面の幅は、拡幅部241において増大し、前記2つの拡幅部241は、鼻中隔91の両側にフィットし、かつ、鼻中隔91にクランプ力を加える。拡幅部241は、突起242と同じ位置に合体することができる。
【0092】
図14に示すように、各拡張機構は、1つの弾性拡張アーム3及び2つの弾性支持スポーク7を備える。
図14及び
図15に示すように、前記弾性拡張アーム3は、接続アーム24の端部に接続された環状構造であり、鼻道軸線97に平行する弾性拡張アーム3の一対の表面がその主表面及び最大表面であり、前記一対の主表面が内側主表面34及び外側主表面35であり、弾性拡張アーム3の鼻道軸線97に垂直する面が副表面であり、副表面の幅が主表面の幅よりも小さいことにより、呼吸抵抗を低減する。外側主表面35は、弾性拡張アーム3および弾性支持スポーク7からの拡張力を鼻道95に加え、第2の接続ビーム22からのクランプ力を鼻中隔91に加えることができるように、鼻道の内壁96にフィットする。装着する時に、弾性拡張アーム3は、鼻道の内壁96によって圧縮され、その復元力により鼻道95に全方位の拡張力を加え、同時に、弾性拡張アーム3は、鼻道の内壁96と密着してフィットし、両者の相互作用力により徐放装置1を鼻道95内に固定する。環状の弾性拡張アーム3は、鼻道を全方位に拡張することができ、かつ両者の接触面積を増大して拡張機構の鼻道の内壁に対する圧力を低下させ、快適性を向上させる。
【0093】
図14および
図15に示すように、2つの弾性支持スポーク7は、第1の弾性支持スポーク71および第2の弾性支持スポーク72であり、それぞれが帯状構造であり、弾性拡張アーム3内に間隔を空けて配置されている。すなわち、第1の弾性支持スポーク71および第2の弾性支持スポーク72の一端は、鼻中隔91に近い弾性拡張アーム3の内側主表面34に接続され、他端は、鼻翼92に近い弾性拡張アーム3の内側主表面34に接続され、それによって、鼻翼92へのその反発力の適切な適用が保証される。
図14と
図15に示すように、2つの放出機構は、対称的に配置され、各放出機構は、それぞれ各拡張機構内に対応して配置され、各放出機構は、1つの固定チューブ5と1つの放出要素6とを備える。
【0094】
図14に示すように、前記固定チューブ5のキャビティは四角柱構造であり、第2の弾性支持スポーク72に固定され、固定チューブ5は、放出要素6を取り囲んで固定する。好ましくは、固定チューブ5は、支持スポーク71または弾性拡張アーム3の内側主表面34上に配置されてもよい。
【0095】
図14と
図17Aに示すように、前記放出要素6は、両端が広くて中央部が狭い構造であり、その両端と中央部はいずれも四角柱状の構造であり、装着する時に、前記放出要素6は、固定チューブ5に固定され、固定チューブ5は、放出要素6の中央部を囲み、それと密着に咬み合い、放出要素6の中央部と固定チューブのキャビティの四角柱の構造により、放出要素6の回転を避けることができ、放出要素6の両端は、固定チューブ5の両端の外側に位置し、その最大幅が固定チューブ5のキャビティの最大幅より大きい放出要素6を固定チューブ5から取り外すことができないようにする。装着する時に、前記放出要素6は、鼻道95内に位置する。
【0096】
放出要素6は、液体化合物を吸収および保持することができる多孔質材料であり、その広い両端部および多孔質表面は、化合物の揮発を促進し、また、鼻腔の吸入気流による微小な化合物の液滴を持ち去ることにも寄与するので、特に、不揮発性液体化合物を微小液滴の形態で放出することができる。
図17Bに示すように、最適化のために、多孔質材料からなる放出要素6の両端部には、その表面積をさらに拡大し、化合物の放出速度を増大させる突起65が設けられている。
【0097】
実施例4
図18A、図18B、図19は、本発明の第4の好ましい実施例であり、この実施例の徐放装置の全体構成は第1の実施例と同様である。この実施形態の特別な部分は、弾性拡張アーム3が鼻道の内壁96にフィットせず、放出機構が対称に配置された2対の固定チューブ5を含むことである。図18Aに示すように、鼻道係合部材4の外主表面42は、鼻道の内壁96にフィットする。弾性拡張アーム3は、鼻道係合要素4の内主表面41に接続される。装着する時に、鼻道係合部材4の外主表面42が鼻道の内壁96にフィットするが、弾性拡張アーム3が鼻道の内壁96にフィットしない。本実施形態の他の変形例では、弾性拡張アーム3は、直線状であってもよいし、ノーズの上方13又はノーズの下方14に向かって突出する弧状のストリップ構造であってもよい。図18Bに示すように、弾性拡張アーム3は、鼻道係合部材4の片側の副表面にも接続することができ、拡張効果を高めるために、弾性支持スポーク7を追加することができる。図19に示すように、前記徐放装置の放出機構は、対称に2対の固定チューブ5を備え、そのうち一対の固定チューブ5が弾性拡張アーム3に設けられ、もう一対の固定チューブ5が接続ビーム2に設けられている。
【0098】
実施例5
図20A及び図20Bは、本発明の第5の好ましい実施例であり、この実施例の徐放装置の全体構造は、第4の実施例と同様である。この実施例の特別な点は、弾性拡張アーム3の長さを短くし、鼻道95を拡張する機能をもはや有さず、単に、鼻道の内壁96から放出機構を分離することである。
【0099】
実施例6
図21A及び図21Bは、本発明の第6の好ましい実施例であり、本実施形態に係る徐放装置の全体構成は第1の実施例と同様である。本実施例の特徴部分は、徐放装置1の汎用性を向上させるため、本実施例における2つの弾性拡張アーム3は、それぞれ鼻中隔から離れる方向に開口したC字状構造を呈している。このようなC字状の開口構造により、弾性拡張アーム3が圧縮されると、その全体的な周長を可変にし、異なる寸法の鼻道に適用可能にする。C字状構造の開口端は、鼻道への刺激を避けるために内側に曲げられる。
更なる最適化として、本実施例の徐放装置は、第2のU字状の連結ビームを備えることができ、その両端は、それぞれ、2つの拡張アーム3の中央内側に差込み式に接続されている。前記第2のU字状連結ビームは、より強い弾性を有し、徐放装置1を鼻中隔にさらに挟み込んで固定する。
【0100】
最後に説明されるように、以上の実施例は本発明の技術案を説明するためのものであって、制限のためのものではない。実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者であれば理解されるように、本発明の技術案に対して行われる修正や等価置換は、いずれも本発明の技術案の趣旨及び範囲から逸脱しないものであり、それらはいずれも本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0101】
1.徐放装置 2.接続ビーム
3.弾性拡張アーム 4.鼻道係合要素
5.固定チューブ 6.放出要素
7.弾性支持スポーク
11.鼻の前方 12.鼻の後方
13.鼻の上方 14.鼻の下方
21.第1の接続ビーム 22.第2の接続ビーム
23.中間部 24.連接アーム
31. 屈曲部 32.近位アーム
33.遠位アーム 34.内側主表面
35.外側主表面 36.フック
41.内主表面 42.外主表面
61.薬筒 62.筒蓋
63.筒底 64.内容物
65.突起
71.第1の弾性支持スポーク 72.第2の弾性支持スポーク
73.第1のブランチ 74.第2のブランチ
75.第3のブランチ 76.第4のブランチ
77. ジャック
91.鼻中隔 92.鼻翼
93.鼻背 94.鼻孔
95.鼻道 96.鼻道の内壁
97.鼻道軸線 98、鼻腔
99.鼻底
213.第1の中間部 214.第1の接続アーム
223.第2の中間部 224.第2の接続アーム
241.拡幅部 242.突起
243.プラグ
611.ねじ穴 612.係止孔
621.第1の孔 622.柱状突起
623.ねじ 624.半球状突起
631.第2の孔 641.吸収ブロック
642.固体化合物
2431.キャップ 2432、コラム
2433.シャンク
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【国際調査報告】