(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】蓋体ユニットおよび調理装置
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
A47J27/00 103N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566721
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 CN2021139765
(87)【国際公開番号】W WO2022227635
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202120887378.3
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110460780.8
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515117198
【氏名又は名称】佛山市▲順▼▲徳▼区美的▲電▼▲熱▼▲電▼器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】San Le Road #19,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】羅飛龍
(72)【発明者】
【氏名】胡漢杰
(72)【発明者】
【氏名】郭雄偉
(72)【発明者】
【氏名】鄭博文
(72)【発明者】
【氏名】周毅
(72)【発明者】
【氏名】瞿月紅
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA02
4B055BA14
4B055CA21
4B055CB02
4B055CC28
(57)【要約】
本発明の実施例は、蓋体ユニットおよび調理装置を開示し、調理機器の技術分野に関する。蓋体ユニットは、調理室を開閉するように前記調理室を有する鍋体に覆設される鍋蓋と、前記鍋蓋内に設けられ、前記調理室内へ気体を吹き込むための気体吹き込み装置と、前記気体吹き込み装置から前記調理室へ流れるように気流を一方向に案内するチェック弁とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理室を開閉するように前記調理室を有する鍋体に覆設される鍋蓋と、
前記鍋蓋内に設けられ、前記調理室内へ気体を吹き込むための気体吹き込み装置と、
前記気体吹き込み装置から前記調理室へ流れるように気流を一方向に案内するチェック弁と、を備える、
蓋体ユニット。
【請求項2】
前記気体吹き込み装置は、
気流を生成するための気流生成装置と、
前記気流生成装置に接続されて前記気流を導入する吸気装置と、を備え、
前記チェック弁は、前記吸気装置における前記気流を前記調理室へ一方向に流すように、前記吸気装置に接続されている、
請求項1に記載の蓋体ユニット。
【請求項3】
前記チェック弁は、前記吸気装置の出口端に設けられている、
請求項2に記載の蓋体ユニット。
【請求項4】
前記鍋蓋は、
前記吸気装置が取り付けられる面蓋と、
前記面蓋に接続され、前記チェック弁が固定される内蓋と、を備える、
請求項3に記載の蓋体ユニット。
【請求項5】
前記鍋蓋は、
前記吸気装置が取り付けられる面蓋と、
前記面蓋と隣接して接続されており、対向する両端を貫通する第1通路が開口された内蓋と、
前記内蓋の前記面蓋から離れる側に設けられると共に、前記内蓋に接続されており、前記第1通路に連通する第1貫通孔が開口された可動蓋板と、
前記第1貫通孔を囲んで前記内蓋と前記可動蓋板との間に設けられた第1シール部材と、を備え、
前記チェック弁は、少なくとも一部が前記第1通路内に設けられる、または前記チェック弁は、少なくとも一部が前記第1貫通孔内に設けられる、
請求項3に記載の蓋体ユニット。
【請求項6】
前記チェック弁は、
前記吸気装置に連通する第2貫通孔を有する弁座と、
前記弁座に接続され、一方向に前記第2貫通孔を開閉するための弁体と、を備える、
請求項4または5に記載の蓋体ユニット。
【請求項7】
前記弁体は、
前記弁座を貫通して前記弁座に接続されるための接続部と、
前記接続部を囲んで設けられ、前記第2貫通孔を遮蔽する可動部と、を備え、
前記可動部は、前記第2貫通孔を開閉するように前記弁座と接触および離間可能に構成される、
請求項6に記載の蓋体ユニット。
【請求項8】
前記可動部の厚さが0.3~1mmであり、
および/または、
前記可動部の幅が8~35mmであり、
および/または、
前記可動部の硬さが20~50HBである、
請求項7に記載の蓋体ユニット。
【請求項9】
前記可動部は、
前記接続部の一端に固定されると共に、前記接続部を囲んでおり、前記第2貫通孔を遮蔽するための弁シートと、
前記弁シートの縁に設けられ、前記弁座と接触および離間するためのスカートと、を備え、
前記スカートの断面積は、弁シートに接触した一端から、弁座に接触した一端に向かって小さくなる、
請求項7に記載の蓋体ユニット。
【請求項10】
前記スカートの延在方向と前記弁シートの延在方向との間の夾角が、プリセット値よりも大きく構成される、
請求項9に記載の蓋体ユニット。
【請求項11】
前記弁座は、
前記第2貫通孔が開口された座体であって、前記弁体の接続部が前記座体を貫通し、前記弁体の弁シートが前記座体の前記面蓋から離れる側に位置し、前記スカートが前記弁シートに対して前記座体に近く構成される座体と、
前記座体の縁に設けられた固定部と、を備える、
請求項9に記載の蓋体ユニット。
【請求項12】
前記固定部には、前記面蓋と密封される第2シール部材が設けられている、
請求項11に記載の蓋体ユニット。
【請求項13】
前記第2貫通孔の断面積は、前記面蓋から前記内蓋への方向に沿って小さくなる、
請求項6に記載の蓋体ユニット。
【請求項14】
前記鍋蓋は、蒸気を排出するための蒸気孔が開口された第1取り付け領域を有し、
前記気体吹き込み装置は、
前記第1取り付け領域に設けられ、前記気流を表示するための外化ユニットと、
前記気流を前記鍋蓋から導出するための空気導出部材と、をさらに備える、
請求項2に記載の蓋体ユニット。
【請求項15】
前記外化ユニットは、
前記気流生成装置が生成する前記気流の駆動により移動するための移動部材と、
前記移動部材の上方に設けられて前記移動部材の移動を観察するための透明蓋体と、を備え、
前記外化ユニットと前記蒸気孔は、第1方向において並設されている、
請求項14に記載の蓋体ユニット。
【請求項16】
前記外化ユニットの縁と前記蒸気孔の縁は、前記第1方向において接触する、またはそれらの間隔が第1プリセット値よりも小さく構成される、
請求項15に記載の蓋体ユニット。
【請求項17】
前記鍋蓋には、前記移動部材を収容するための第1収容キャビティが形成されており、
前記透明蓋体は、前記第1収容キャビティの一端における開口を密閉するように前記鍋蓋に固定接続されている、
請求項15または16に記載の蓋体ユニット。
【請求項18】
前記蓋体ユニットは、前記蒸気孔と前記第1収容キャビティとを隔離するための密封スペーサをさらに備える、
請求項17に記載の蓋体ユニット。
【請求項19】
前記密封スペーサには、間隔を置いて設けられた第1開口および第2開口が開口され、
前記密封スペーサの前記第1開口と隣接する壁面に第1リブが突設され、前記密封スペーサの前記第2開口と隣接する壁面に第2リブが突設され、
前記蒸気孔の外縁が前記第1リブに当接され、前記第1収容キャビティの外縁が前記第2リブに当接されている、
請求項18に記載の蓋体ユニット。
【請求項20】
前記外化ユニットは、前記移動部材を収容するための第2収容キャビティが形成されたケーシングをさらに備え、
前記透明蓋体は、前記ケーシングに接続されて前記第2収容キャビティの一端における開口を密閉し、
前記外化ユニットは、前記鍋蓋に固定接続されている、
請求項15または16に記載の蓋体ユニット。
【請求項21】
前記蓋体ユニットは、
少なくとも一部が前記蒸気孔内に設けられ、蒸気を排出するための蒸気通路を内部に有する排気部材をさらに備え、
前記排気部材と前記外化ユニットは、一体化部材として集積される、
請求項14に記載の蓋体ユニット。
【請求項22】
前記一体化部材は、前記排気部材と前記外化ユニットとの間に設けられ、前記外化ユニットと前記蒸気通路とを隔離するための密封スペーサをさらに備える、
請求項21に記載の蓋体ユニット。
【請求項23】
前記密封スペーサには、間隔を置いて設けられた第1開口および第2開口が開口され、
前記密封スペーサの前記第1開口と隣接する壁面に第1リブが突設され、前記密封スペーサの前記第2開口と隣接する壁面に第2リブが突設され、
前記蒸気通路の外縁が前記第1リブに当接され、前記外化ユニットの外縁が前記第2リブに当接されている、
請求項22に記載の蓋体ユニット。
【請求項24】
前記排気部材と前記鍋蓋は、取り外し可能に接続される、
請求項21に記載の蓋体ユニット。
【請求項25】
前記第1方向が、前記鍋蓋の幅方向である、
請求項15に記載の蓋体ユニット。
【請求項26】
前記鍋蓋の深さ方向における前記第1取り付け領域の寸法と前記鍋蓋の深さとの比率が0.5よりも小さく、前記鍋蓋の幅方向における前記第1取り付け領域の寸法と前記鍋蓋の幅との比率が0.8よりも小さく構成される、
請求項14に記載の蓋体ユニット。
【請求項27】
調理室を有する鍋体と、
請求項1~26のいずれか一項に記載の蓋体ユニットと、を備え、
前記蓋体ユニットは、前記調理室を開閉するように前記鍋体に覆設され、
前記蓋体ユニットの前記気体吹き込み装置は、気体を前記調理室内へ吹き込み、および前記調理室内から導出するように前記調理室に連通する、
調理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出願番号が202110460780.8であり、出願日が2021年4月27日であり、および出願番号が202120887378.3であり、出願日が2021年4月27日である中国特許出願に基づいて提出され且つ上記中国特許出願に基づく優先権を主張し、上記中国特許出願の全ての内容を参照として本発明に援用する。
【0002】
本発明は、調理機器の技術分野に関し、より具体的に、蓋体ユニットおよび調理装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電気炊飯器は、食べ物を調理するための装置で、電気炊飯器内のご飯の新鮮でない臭いを排出するために、関連する電気炊飯器の蓋体内に流通装置が設けられている。流通装置は、電気炊飯器内に新鮮な空気を導入して、電気炊飯器内の蒸気を排出するために用いられる。しかしながら、関連する流通装置は、空気の吹き込みの制御形態が複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑み、本発明は、蓋体ユニット内へ空気を吹き込む制御を簡素化するという技術的課題を解決するために、蓋体ユニットおよび調理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的解決策は、以下のように実現される。本発明の実施例は、調理室を開閉するように前記調理室を有する鍋体に覆設される鍋蓋と、前記鍋蓋内に設けられ、前記調理室内へ気体を吹き込むための気体吹き込み装置と、前記気体吹き込み装置から前記調理室へ流れるように気流を一方向に案内するチェック弁と、を備える、蓋体ユニットを提供する。
【0006】
本発明の実施例は、調理室を有する鍋体と、上述した蓋体ユニットと、を備え、前記蓋体ユニットは、前記調理室を開閉するように前記鍋体に覆設され、前記蓋体ユニットの前記気体吹き込み装置は、気体を前記調理室内へ吹き込み、および前記調理室内から導出するように前記調理室に連通する、調理装置をさらに提供する。
【0007】
本発明の実施例は、蓋体ユニットおよび調理装置を提供する。該蓋体ユニットは、調理室を開閉するように前記調理室を有する鍋体に覆設される鍋蓋と、前記鍋蓋内に設けられ、前記調理室内へ気体を吹き込む気体吹き込み装置と、前記気体吹き込み装置から前記調理室へ流れるように気流を一方向に案内するチェック弁と、を備える。本発明は、鍋蓋内にチェック弁を設けることにより、気体吹き込み装置により新鮮な空気を調理室に吹き込む過程において、気流の流通通路を一方向に案内して、鍋体における蒸気が気体吹き込み装置に衝撃を与えるリスクを低減させることができるとともに、チェック弁を利用して空気の吹き込みに対する制御形態を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施例における調理装置の断面模式図である。
【
図3】本発明の実施例におけるチェック弁の構造模式図である。
【
図4】本発明の実施例における弁体の斜視図である。
【
図5】本発明の実施例におけるチェック弁の斜視図である。
【
図6】本発明の他の実施例におけるチェック弁の構造模式図である。
【
図7】本発明の実施例におけるチェック弁の平面図である。
【
図8】本発明の実施例における蓋体ユニットの底面図である。
【
図9】本発明の実施例における蒸気孔の断面図である。
【
図10】本発明の実施例における調理装置の換気模式図である。
【
図11】
図8におけるB-B方向に沿う断面図である。
【
図12】本発明の実施例における他の外化ユニットの構造模式図である。
【
図13】本発明の実施例における排気部材の構造模式図である。
【
図14】本発明の実施例における密封スペーサの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の目的、技術解決策および利点をより明らかにするために、図面および実施例を組み合わせて本発明をさらに詳しく説明する。ここに記載される具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではないことを理解すべきである。
【0010】
具体的な実施例に記載される各具体的な技術的特徴は、矛盾しない場合、任意の適切な形態で組み合わせることができ、たとえば、異なる具体的な技術的特徴の組み合わせにより異なる実施形態および技術解決策を形成することができる。不必要な重複を回避するために、本発明におけるそれぞれの具体的な技術的特徴の様々な可能な組み合わせ形態は、繰り返し説明しない。
【0011】
以下の説明において、本発明に係る用語「第1\第2\…」は、異なる対象を区別するためのものに過ぎず、各対象同士が同一または関連するものを有することを示すものではない。本発明に係る位置に対する記載「上方」、「下方」、「外」、「内」は、いずれも通常の使用状態での位置であり、「左」、「右」という方向は、具体的に対応する模式図に示される左右方向を示し、通常の使用状態での左右方向であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0012】
なお、用語である「備える」、「含む」または任意の他の変形は、非排他的な包括をカバーすることを意図しているため、一連の要素を備える過程、方法、物品もしくは装置はそれらの要素だけではなく、明確に挙げていないその他の要素も備えるか、またはこのような過程、方法、物品もしくは装置固有の要素も備える。更なる限定がない場合、「…を備える」という語句で限定されている要素は、該要素の過程、方法、物品または装置に別の同一の要素が存在することを排除しない。
【0013】
以下の説明において、
図1における矢印で示される気流方向と組み合わせながら、各部材の入口および出口を解釈する。具体的に、
図1における矢印で示される方向は、気流が調理装置に進入する流動方向を示す。この進入する気流が最初に接触したある部材の部分が、該部材の入口端としてみなされ、対応して最後に該部材から離れる部分が、該部材の出口端としてみなされてもよい。たとえば、吸気装置の入口端は、進入する気流が最初に吸気装置に接触する一端として見なされてもよく、進入する気流が該入口端を介して吸気装置に進入し、吸気装置の出口端を介して吸気装置から離れる。
【0014】
本発明は、蓋体ユニットおよび調理装置を提供する。該蓋体ユニットは、電気炊飯器、電気圧力鍋、ソースパンおよび豆乳機などの調理装置に適用される。なお、本発明の適用シーンのタイプは、本発明に係る蓋体ユニットを限定しない。
【0015】
以下、蓋体ユニットが電気炊飯器に適用されることを例として説明する。
図1に示すように、本発明の実施例における蓋体ユニットは、鍋蓋10、気体吹き込み装置20およびチェック弁30を備える。そのうち、鍋蓋10は、調理室10aを有する鍋体2に覆設されることで、調理室10aを開閉するために用いられる。たとえば、電気炊飯器が炊飯をしている状態では、調理室10a内に米および水を収容することができ、鍋蓋10を鍋体2に覆設して調理室10aを密閉する。炊飯完了後または炊飯をしていない状態では、鍋蓋10を開けて調理室10aを開放することができる。気体吹き込み装置20は、鍋蓋10内に設けられ、調理室10aへ気体を吹き込むことができる。たとえば、電気炊飯器の動作状態で、気体吹き込み装置20によって調理室10aへ外界からの新鮮な空気を吹き込む。気体の吹き込みにより、鍋体2内の気体の単位圧力が鍋体2外の気体の単位圧力よりも大きくなる。圧力差により、調理室10a内の少なくとも一部の気体を鍋体2外に排出させ、気流を生成して調理室10aを換気させる。これにより、調理室10a内の異臭物質の含有量を低減させ、容易に鍋体2内の米などの食材から放出される異臭物質を速やかに排出し、さらに食材の調理の香りを向上させることができる。チェック弁30は、一方向に気体、液体または気液混合物を案内する部材であってもよい。本発明の実施例において、チェック弁30を利用して気体吹き込み装置20から調理室10aへ流れる気流を一方向に案内することで、気流が電気炊飯器の外部からチェック弁30を経由して調理室10a内に流れることができるが、調理室10aからチェック弁30への気流が電気炊飯器の外部に流れることはできない。調理室10aから電気炊飯器の外部への気体として、蒸気孔11Aを通過して電気炊飯器外に排出される必要がある。
【0016】
本発明の実施例は、鍋蓋内にチェック弁を設けることにより、気体吹き込み装置によって新鮮な空気を調理室に吹き込む過程において、気流が調理室に流入する流通通路を一方向に案内して、吸気と排気を分け、鍋体における蒸気が気体吹き込み装置に衝撃を与えるリスクを低減させることができるとともに、チェック弁の形態により空気の吹き込みに対する制御形態を簡素化することができる。
【0017】
一部の実施例において、
図1に示すように、気体吹き込み装置20は、気流生成装置21と吸気装置22とを備える。気流生成装置21は、気流を生成するために用いられる。本発明の実施例における気流生成装置21は、ファンおよび空気ポンプを備えるが、これに限定されない。吸気装置22は、気流生成装置21に接続されて、前記気流生成装置21により生成する気流を調理室10a内に導入する。チェック弁30は、吸気装置22における気流を調理室10aへ一方向に流すように、吸気装置22に接続されている。好ましくは、チェック弁は、吸気装置と気流生成装置との接続箇所に設けられてもよい。上記接続箇所は、吸気装置と気流生成装置との境界箇所に近い箇所を含むが、これに限定されず、具体的に、接続箇所は、吸気装置の境界箇所の外側であってもよいし、境界箇所の内側であってもよい。チェック弁は、さらに、吸気装置と調理室との接続箇所に設けられてもよい。上記接続箇所は、吸気装置と調理室との境界箇所に近い箇所を含むが、これに限定されず、具体的に、接続箇所は、吸気装置の境界箇所の外側であってもよいし、境界箇所の内側であってもよい。チェック弁は、さらに吸気装置内に設けられてもよい。
【0018】
一部の実施例において、
図1に示すように、チェック弁30は、吸気装置22の出口端に設けられる。吸気装置22の出口端は、吸気装置22と調理室10aとの境界箇所に近い箇所であってもよいし、調理室10aの吸気装置22に接近する内側であってもよい。本発明の実施例は、チェック弁を吸気装置の出口端に設けることにより、取り付けが容易となり、調理室内に進入する気体の流量を正確に制御することができ、調理室における異臭が吸気装置内に進入することができず、吸気と排気とが独立するため、互いに干渉しないため、調理室内の換気効率を向上させることができる。
【0019】
一部の実施例において、
図1に示すように、鍋蓋10は、面蓋11と、内蓋12とを備える。内蓋12と面蓋11は、直接的に固定接続されてもよいし、面蓋11と内蓋12は、間接的に固定接続されてもよい。吸気装置22は、面蓋11に取り付けられ、好ましくは、吸気装置22は、別個の部材として面蓋11に固着されてもよい。面蓋11には、両端が開口するキャビティがそのまま上記吸気装置22として直接的に設けられてもよい。チェック弁30は、内蓋12に固定される。チェック弁30と内蓋12の接続形態は、係着などの直接的な固定接続形態を含むが、これに限定されない。具体的に、チェック弁には関連する係着溝が設けられると共に、内蓋には関連する係着部が設けられてもよい。チェック弁は、上記係着溝と内蓋での係着部の装着によって、チェック弁が内蓋の一方側に取り付けられ、内蓋のチェック弁に対向する箇所には調理室に連通する貫通孔が設けられている。他の実施例において、内蓋においてチェック弁を取り付けるための貫通孔が設けられてもよい。チェック弁は、螺合または他の形態で貫通孔内に固定されてもよい。本発明の実施例において、上記チェック弁と内蓋の具体的な接続形態が限定されない。本発明の実施例は、鍋蓋を面蓋および内蓋に分けることにより、吸気装置およびチェック弁を個別に2つの部材に取り付けることができるため、取り付け過程がより柔軟で、部材の交換および着脱が便利であり、製品のメンテナンスコストを節約する。
【0020】
一部の実施例において、
図1および
図2に示すように、鍋蓋10は、面蓋11、内蓋12、可動蓋板13および第1シール部材123を備える。可動蓋板13は、内蓋12に取り外し可能に固定接続される。内蓋12は、面蓋11と隣接して接続され、内蓋12が可動蓋板13よりも面蓋11に近い。可動蓋板13は、内蓋12の面蓋11から離れる側に設けられる。内蓋12において内蓋12の対向する両端を貫通する第1通路12aが開口されている。可動蓋板13は、内蓋12に接続され、第1通路12aに接続される第1貫通孔12bが開口されることで、吸気装置22における気流が内蓋12および可動蓋板13における第1貫通孔12bから調理室10a内に流れることができる。第1シール部材123は、第1貫通孔12bを囲んで内蓋12と可動蓋板13との間に設けられる。第1シール部材123は、第1貫通孔12bの内壁に貼着され、第1シール部材123は、第1貫通孔12bの延在方向に沿って内蓋12の表面に突出することで、内蓋12から可動蓋板13に流入する気流を第1貫通孔12b内に限定することができるため、内蓋と可動蓋板の密封性を向上させ、吸気装置における気体が内蓋と可動蓋板との隙間を介して鍋蓋の内部の吸気装置以外の他の領域に進入することを低減させ、故障が発生する可能性を低減させる。
【0021】
図1および
図2に示すように、本発明の実施例におけるチェック弁30は、少なくとも一部が第1通路12a内に設けられる、またはチェック弁30は、少なくとも一部が第1貫通孔12b内に設けられる。具体的に、チェック弁30は、第1通路12a内に固定されてもよい。気流生成装置21は、気流を吸気装置22からチェック弁30に流すことで、気流がチェック弁30を経由した後、第1貫通孔12bから調理室10a内に進入する。チェック弁30は、さらに、第1貫通孔12b内に固定されてもよい。可動蓋板13が一定の厚さの制限を有するため、チェック弁30は、部分的に第1貫通孔12bから突出してもよい。本発明の実施例は、内蓋12および可動蓋板13を設けることにより、内蓋と可動蓋板が取り外し可能に接続されることができるため、調理後すぐに可動蓋板を個別に洗浄しやすく、可動蓋板に残った食べ物の滓を減少させ、滓の堆積により異臭を生成するリスクを低減させることができる。
【0022】
一部の実施例において、
図3に示すように、チェック弁30は、弁座31と弁体32とを備える。
図1に示すように、弁座31は、吸気装置22に連通する第2貫通孔31aを有することで、吸気装置22における気体が第2貫通孔31aから調理室10aへ流れることができる。弁体は、弁座に接続される。具体的に、弁体は、全体が弁座に可動接続されてもよい。気体が吸気装置から調理室へ流れる状態で、気流が弁体に作用して、弁体と弁座とが相対位置の変更を発生することで、弁体が第2貫通孔を遮蔽する箇所から第2貫通孔を開放する箇所まで移動する。吸気装置に調理室へ流れる気流がない状態で、弁体は、関連する弾性復帰部材によって第2貫通孔を遮蔽する箇所まで復帰し、一方向に案内する作用を果たす。或いは、弁体は、部分的に弁座に固定接続されてもよい。吸気装置に調理室へ流れる気流がない状態では、弁体の少なくとも一部が第2貫通孔に接触して、第2貫通孔が閉鎖状態となる。気体が吸気装置から調理室へ流れる状態では、気流が弁体の弁座に直接的に接続されていない箇所に作用して、弁体の一部が第2貫通孔から離れることで、弁体が第2貫通孔を開放する。吸気装置に調理室へ流れる気流がない状態で、弁体は、自身の弾性復帰変形によって第2貫通孔を遮蔽する箇所まで再度復帰するので、同様に一方向に案内する作用を実現することができる。本発明の実施例は、弁体および弁座における第2貫通孔の相対位置が変更可能、復帰可能な構造を設けることにより、吸気装置から調理室への一方向の気流の自動開放および調理室から吸気装置への一方向の気流の自動閉鎖を実現することができるため、内蓋に空気を吹き込む制御形態を簡素化し、加工が容易であり、コストが低い。
【0023】
一部の実施例において、
図3に示すように、チェック弁30は、少なくとも一部が第1通路12a内に設けられ、弁座31は、内蓋12に固定接続され、弁体32は、弁座31に接続される。他の実施例において、チェック弁は、少なくとも一部が第1貫通孔内に設けられ、弁座は、可動蓋板に接続され、弁体は、弁座に接続される。そのうち、弁体は、部分的に第1通路内に設けられてもよい。
【0024】
一部の実施例において、
図3に示すように、弁体32は、接続部321と、可動部322とを備える。接続部321は、弁座31を貫通して弁座31に接続されるために用いられる。好ましくは、接続部321は、弁座31に直接的に固定接続されてもよいし、接続部321は、弁座31に係着固定されてもよい。具体的に、
図3に示すように、弁座31の中心に弁座31を貫通する貫通孔が設けられ、接続部321の側壁に貫通孔に合致する窪み部が設けられている。接続部321は、貫通孔を通過して窪み部によって弁座31に係着される。可動部322は、接続部321を囲んで設けられ、第2貫通孔31aを遮蔽する。「取り囲む」とは、可動部322が接続部321を中心として四周に延設されることを意味してもよい。チェック弁30を経由する気流がない場合、可動部322の一方側は第2貫通孔31aの一端に密着して、調理室における気流が第2貫通孔31aから吸気装置へ流れることができないようにする。気流が吸気装置から調理室へ流れる場合、第2貫通孔31aを経由する気流が可動部322の表面に作用し、可動部322は、表面が作用力の不均一に起因して変形することで、可動部322が第2貫通孔31aから離れ、第2貫通孔31aを開放する。本発明の実施例は、可動部が変形可能な形態を採用することにより、可動部および第2貫通孔が気流の付勢力で自動開閉することを実現することができる。
【0025】
一部の実施例において、
図3に示すように、好ましくは、可動部322の厚さTは、0.3~1mmである。そのため、可動部は、気流がない状態で、第2貫通孔に貼り合わせることができるだけでなく、気流がある状態でも自動で変形することができて、且つ変形を復帰させる厚さを有するものに役立つ。
【0026】
一部の実施例において、
図3に示すように、好ましくは、可動部322の幅Hは、8~35mmである。本発明における可動部の幅は、可動部322の縁のうち最も遠い2つの点の間の直線距離であってもよい。可動部は、規則的な矩形および円形であってもよいし、不規則的な幾何形状であってもよい。上述した幅の範囲内に可動部を設定することにより、チェック弁における気流通路の幅の設定に有利であるとともに、容易に鍋蓋に取り付けられる。
【0027】
一部の実施例において、
図3に示すように、好ましくは、可動部322の硬さは、20~50HBである。好ましくは、可動部の硬さは、気流の圧力値に基づいて設定されてもよい。可動部は、上記硬さの範囲内にある材質から選ばれる場合、気流の付勢で容易に変形し移動することで、気流通路を開閉するという2種の動作状態の切替を完成し、可動部の動作の有効性を向上させることができる。
【0028】
一部の実施例において、
図4に示すように、可動部322は、弁シート322aと、スカート322bとを備える。弁シート322aは、接続部321の一端に固定され、接続部321を取り囲む。弁シート322aは、円形として構成されてもよい。接続部321は、弁シート322aの円心に接続される。他の実施例における弁シート322aは、他の形状として構成されてもよい。
図3に示すように、弁シート322aは、第2貫通孔31aを遮蔽するために用いられる。
図4に示されるスカート322bは、弁シート322aの縁に設けられる。気流が第2貫通孔31aから流通する状態で、気流が弁シート322aに作用して、弁シート322aが作用力により変形し、弁シート322aと第2貫通孔31aの相対位置での作用力が最も大きいので、第2貫通孔31aに近い弁シート322aが第2貫通孔31aから離れて、更にスカート322bと弁座31を離間させる。気流が第2貫通孔31aを経由しない場合、弁シート322aは、第2貫通孔31aに貼り合わせ、スカート322bは、弁座31に接触する。具体的に、
図3および
図4に示すように、スカート322bの断面積は、弁シート322aに接触した一端から弁座31に接触した一端へ小さくなる。そのため、スカート322bと弁座31の接触を線形接触に近いとみなし、両者の密封を線形密封とみなすことができる。線形密封は、面密封に対してより高い有効性および信頼性を有するため、気流がない状態での可動部の密封効果を向上させ、調理室における気流が吸気装置に漏れるリスクを低減させることができる。
【0029】
一部の実施例において、
図4に示すように、スカート322bの延在方向と弁シート322aの延在方向との間の夾角αは、プリセット値より大きく構成される。上記プリセット値は、0~10°であってもよい。スカート322bの延在方向と弁シート322aの延在方向との間の夾角αは、10~90°に設定されてもよい。具体的に、スカート322bの延在方向と弁シート322aの延在方向との間の夾角αは、45°に設定されてもよい。本発明の実施例は、スカート322bの延在方向と弁シート322aの延在方向を所定角度とすることで、スカートが弁シートと弁座との隙間を隔絶させて密封することができる。
【0030】
一部の実施例において、
図5に示すように、弁座31は、座体311と、固定部312とを備える。座体311および固定部312は、一体成形加工されてもよいし、独立した部材として固定接続されてもよい。座体311において第2貫通孔31aが開口されている。弁体の接続部321が座体311を貫通し、弁体32の弁シート322aが座体311の面蓋から離れる側(
図3に示す下方)に位置する。
図2に示すように、スカート322bは、弁シート322aよりも座体311に近い。「近い」とは、スカート322bと座体311との距離が弁シート322aと座体311との距離よりも小さいことを意味してもよい。ここで、第2貫通孔31a内を流れる気体がない場合、スカート322bは、座体311に密着することができる。固定部312は座体311の縁に設けられる。縁は、固定部312の境界付近に近い一定の領域であってもよい。固定部312は、内蓋に固定接続されるために用いられるか、または固定部は、可動蓋板に固定接続されるために用いられる。上記固定接続は、直接的に固定接続される形態であってもよいし、他の部材を介して間接的に固定接続される形態であってもよい。
【0031】
一部の実施例において、
図6に示すように、固定部312において、内蓋または可動蓋板と取り付けるための窪み部312aが設けられている。内蓋または可動蓋板において上記窪み部312aと合致する突起が設けられている。固定部312は、窪み部312aと突起の装着形態によって取り外し可能な固定接続を形成する。
【0032】
一部の実施例において、
図5に示すように、固定部312において面蓋と密封する第2シール部材312bが設けられている。好ましくは、第2密封部312bは、フレキシブルな円弧形構造として構成される。円弧形構造の凹面は、弁座31の中心に向かっている。本発明の実施例は、第2シール部材を設けることにより、面蓋と固定部材との間の取り付け隙間を隔絶することができるため、気流が蓋体内の他の箇所に漏れることに起因して他の部材を損壊するリスクを低減させる。
【0033】
一部の実施例において、
図6に示すように、第2貫通孔31aの断面積は、面蓋から内蓋への方向(
図6に示す上から下への方向)に沿って小さくなる。なお、貫通孔の断面積は、貫通孔の開口方向(貫通孔の軸線方向を備える)に垂直な断面の面積であり、断面積のサイズは、貫通孔の孔径のサイズにより決められてもよい。具体的に、第2貫通孔31aの孔径は、面蓋から内蓋への方向に沿って小さくなる。本発明の実施例は、第2貫通孔31aの断面積が小さくなるため、面蓋方向から内蓋方向へ流れる気流の風圧が大きくなり、弁シートの開放の有効性および効率を向上させることができる。
【0034】
一部の実施例において、
図7に示すように、第2貫通孔31aは、複数設けられてもよい。第2貫通孔31aは、接続部321を囲んで設けられ、且つ第2貫通孔31aは、可動部の縁に近い方向に設けられることで、第2貫通孔を流通する気体が可動部の縁に近い箇所に作用することができ、可動部を変形させやすい。他の実施例において、第2貫通孔は、接続部を1周するように設けられたクローズ円環孔として構成されてもよい。
【0035】
一部の実施例において、鍋蓋10は、第1取り付け領域S1を有する。第1取り付け領域S1内において蒸気を排出するための蒸気孔11Aが開口されている。具体的に、実際の必要に応じて、鍋蓋10は、複数の機能領域に区画されることができる。例示的に、鍋蓋10は、第1取り付け領域S1および操作パネル制御領域S2を有する。そのうち、
図9に示すように、第1取り付け領域S1に位置する鍋蓋10は、キャビティ内へ直接凹んで外界環境に連通する蒸気孔11Aを形成してもよい。該蒸気孔11Aは、蒸気通路として調理装置の鍋体2内に生成した蒸気を外界環境に排出することができる。蒸気を排出する具体的な形態は、柔軟に設定されてもよい。好ましくは、蒸気孔11Aは、直接的に内蓋を通過して調理室10aに伸びることができる。これにより、調理室10aが生成した蒸気は、蒸気孔11Aを直接通過して外界へ排出される。好ましくは、蒸気孔11Aの調理室10aに近い一端に接続管が設けられて、接続管が調理室10aに通じる。つまり、蒸気は、そのまま蒸気孔11Aの壁面に接触することができる。好ましくは、蒸気は、そのまま蒸気孔11Aの壁面に接触しなくてもよい。たとえば、蒸気孔11A内に独立した部材としての蒸気弁が設けられ、蒸気弁によって調理室における蒸気を排出することができる。操作パネル制御領域S2は、表示パネルユニットおよび/または制御ボタンなどを設けるために用いられる。ユーザは、該領域において、機能の選択、切り換え、開始および終了などの一連の操作を行うことができる。領域の区画により、各領域の機能をより明確にすることができる。
【0036】
図8に示すように、操作パネル制御領域S2および第1取り付け領域S1は、所定の距離を間隔を置いて設けられ、操作領域と気流の流動領域が一定の間隔を維持する。例示的に、折り畳み開閉型の調理装置では、蓋体ユニットがヒンジユニットによって鍋体2に回転可能に接続される。第1取り付け領域S1は、ヒンジユニットに近い位置に設けられ、操作パネル制御領域S2は、ヒンジユニットから離れる位置に設けられる。通常の使用状態では、ヒンジユニットが調理装置の後方(
図8に示す上方)に位置し、ユーザが調理装置の前方(
図8に示す下方)に位置する。つまり、第1取り付け領域S1が鍋蓋10の後方に近いように設けられ、操作パネル制御領域S2が鍋蓋10の前方に近いように設けられることで、操作パネル制御領域S2がユーザの操作範囲から最も近くなり、ユーザが操作するのに便利であり、且つ第1取り付け領域S1がユーザから離れているので、第1取り付け領域S1からの蒸気がユーザの火傷のリスクを効果的に低減させることができる。
【0037】
なお、米などの穀類物質は脱殻すると、表面が酸化し、新鮮でない臭い物質を生成する。米を例として、脱殻した米の表面は酸化して古米を形成し、古米は調理する過程で、新鮮でない臭い物質を気体の形態で放出可能であり、ご飯が新鮮でない臭いを有することを引き起こし、食感が良くなくなる。
図10に示すように、調理装置には気体吹き込み装置が設けられてもよい。気体吹き込み装置は、調理室10aへ空気を吹き込む機能を有する部材でもよい。つまり、気体吹き込み装置は、外界環境からの気流を絶えず調理室10a内に吸入し、圧力差で、調理室10aにおける少なくとも一部の気体を、蒸気通路によって外界環境に排出する(
図10における矢印で気流の流動経路を示す)。これにより、調理室10aにおける本来の新鮮でない臭いを有する気体の少なくとも一部が新たに進入した新鮮な空気に差し替えられ、調理室10aにおける気体の交換、即ち換気を実現し、ご飯の新鮮でない臭いを減少し、新鮮でない臭いを除去してうまい味を生成する効果を達成し、ご飯の食感を向上させることができる。気体吹き込み装置は、調理室10aから吸気する機能を有する部材であり、調理室10aにおける気体を絶えず抽出して外界環境に排出することができる。調理装置において外界環境に連通する吸気口が設けられている。これにより、外界環境からの空気が、該吸気口から調理室10aまでに進入するように補充されることで、換気の効果を達成することもできる。
【0038】
気流生成装置21がキャビティに位置するため、調理装置が動作している場合、ユーザは、気流生成装置21が動作しているか否かまたは正常に動作しているか否かを判断しにくい。つまり、ユーザは、調理装置が換気動作を行うか否かまたは正常に換気しているか否かを判断しにくい。ユーザが換気状態で蓋体ユニットを開ければ、新鮮でない臭いを除去する効果に影響を及ぼす。外化ユニット122を設けることにより、気流生成装置21の動作状態を表示することができる。ユーザは、外化ユニット122を観察することにより、気流生成装置21が動作しているか否かまたは正常に動作しているか否かを把握することができる。外化ユニット122は、電子表示機能を有する表示ユニットを備える。外化ユニット122は、気流生成装置21に電気的に接続されてもよい。外化ユニット122は、機械的で移動可能な部材であり、その移動状態によって気流生成装置21の動作状態を判断することができる。
【0039】
図8に示すように、外化ユニット122は、気流を表示するために用いられる。そのうち、外化ユニット122は、第1取り付け領域S1に設けられている。空気導出部材124は、気流を前記鍋蓋10から導出するために用いられる。外化ユニット122の両端に、それぞれ気流生成装置21および空気導出部材124が接続されている。空気導出部材124が調理室10aに連通するため、調理室10aからの蒸気が空気導出部材124において凝縮水を形成することができる。外化ユニット122が気流生成装置21と空気導出部材124との間に設けられるため、外化ユニット122の遮断作用により、凝縮水が気流生成装置21に対する影響を効果的に低減させ、気体吹き込み装置20の動作の安定性および信頼性を向上させることができる。
【0040】
図8に示すように、蒸気を排出するための蒸気孔11Aと気流生成装置21も遠くに設けられることで、蒸気孔11Aから排出される高温蒸気が気流生成装置21に対する影響を効果的に低減させることができる。
【0041】
図8に示すように、外化ユニット122は、第1取り付け領域S1に設けられている。具体的に、外化ユニット122は、鍋蓋10に接続され、外化ユニット122は、鍋蓋10と全く独立した部材であってもよいし、一部が鍋蓋10により形成される部材であってもよい。ユーザは、第1取り付け領域S1を直接観察することにより、気流生成装置21の動作状態、即ち調理装置の換気動作状態を判断することができる。さらに、外化ユニット122が第1取り付け領域S1において設けられることで、蒸気を排出するための蒸気孔11Aおよび外化ユニット122がいずれも1つの領域に集中し、構造配置がコンパクトになる。第1取り付け領域S1は、鍋蓋10の1つの観察領域となることができるため、ユーザは、該観察領域において容易に且つ集中的に調理装置における蒸気の排出状況および換気動作状態を観察することができる。そのため、ユーザは、鍋蓋10全体が所在する領域において蒸気出口の所在位置および外化ユニット122の所在位置を探す必要がなく、ユーザのエクスペリエンスを効果的に向上させる。
【0042】
好ましくは、
図8に示すように、第1取り付け領域S1の長さD2(
図8における左右方向の長さ)は、第2プリセット値よりも小さく、第1取り付け領域S1の幅D1(
図8における上下方向の長さ)は、第3プリセット値よりも小さい。具体的に、蒸気孔11Aおよび外化ユニット122の配置コンパクト性を満足するために、第1取り付け領域S1の面積は、大きくないことが好ましい。例示的に、鍋蓋10の長さをL1とし、幅をL2とする場合、第1取り付け領域S1の長さD2≦0.8L2、第1取り付け領域S1の幅D1≦0.5L1である。第1取り付け領域S1の寸法を限定することにより、蒸気を排出するための蒸気孔および外化ユニットの配置をよりコンパクトにすることができる。
【0043】
本発明に係る蓋体ユニットは、鍋蓋と、気体吹き込み装置とを備える。鍋蓋は、蒸気を排出するための蒸気孔が開口された第1取り付け領域を有する。そのうち、気流生成装置の動作状態を表示するための外化ユニットも第1取り付け領域に設けられている。蒸気孔および外化ユニットを同一の領域に設けることにより、空間構造上の配置をよりコンパクトにすることができ、ユーザは、集中的に調理装置における蒸気の排出状況および換気動作状態を観察しやすく、ユーザのエクスペリエンスを向上させることができる。
【0044】
一部の実施例において、
図11に示すように、外化ユニット122は、移動部材1221と、透明蓋体1222とを備える。そのうち、移動部材1221は、気流生成装置21が生成した気流の駆動により移動するものに用いられる。具体的に、移動部材1221は、鍋蓋10に接続され、直接的な接続であってもよいし、間接的な接続であってもよい。外化ユニット122においても風路が形成され、気流生成装置21の風路に連通されている。外化ユニット122の風路は、外化ユニット122自身により形成される風路であり、鍋蓋10と全く独立してもよいし、一部が鍋蓋10により形成されるものであってもよい。移動部材1221が外化ユニット122の風路内に設けられ、気流生成装置21からの気流が移動部材1221を外化ユニット122の風路内に移動させるように駆動することができる。具体的な移動形態は、回転、揺動、浮動などであってもよい。例示的に、移動部材1221は、鍋蓋10に回転可能に接続されるファンブレードまたはタービンであってもよい。移動部材1221は、気流の駆動により鍋蓋10に対して回転可能となる。
【0045】
図11に示すように、透明蓋体1222は、移動部材1221の上方に設けられて移動部材1221の移動を観察するために用いられる。具体的に、ユーザは、透明蓋体1222によって移動部材1221の移動状態を観察することができる。たとえば、ユーザが、透明蓋体1222によって移動部材1221が移動していることを観察した場合、外化ユニット122の風路内に気流があり、つまり気流生成装置21が動作状態となり、調理装置が換気状態となっていることが示されている。ユーザが、透明蓋体1222によって移動部材1221が移動していないことを観察した場合、気流生成装置21は動作しておらず、調理装置が換気していないことが示されている。ユーザが、透明蓋体1222によって移動部材1221が高速回転していることを観察した場合、調理装置が高速で換気していることが示されている。ユーザが、透明蓋体1222によって移動部材1221が低速回転していることを観察した場合、調理装置が徐々に換気していることが示されている。つまり、ユーザは、そのまま、透明蓋体1222の下方の移動部材1221の移動状態を観察するだけで、調理装置の動作状態を把握することができる。
【0046】
図8に示すように、外化ユニット122と蒸気孔11Aは、第1方向において並設される。具体的に、鍋蓋10は、略平面状でよく、第1方向は、該平面と略平行な方向であってもよい。つまり、外化ユニット122および蒸気孔11Aは、高さ方向(
図8に示す上下方向)において略面一であってもよい。第1方向は、実際のニーズに応じて柔軟に設定されてもよく、鍋蓋10の幅方向(
図8示す左右方向)であってもよいし、鍋蓋10の長さ方向(
図8に示す上下方向)であってもよいし、鍋蓋10の対角線方向であってもよい。好ましくは、外化ユニット122および蒸気孔11Aは、鍋蓋10の幅方向に沿って配置されてもよい。
【0047】
外化ユニットは、移動部材および透明蓋体の具体的な構造として構成され、機械的な移動形態で間接的に気流生成装置の動作状態を表示し、さらに調理装置の動作状態を判断することで、該構成形態は、構造がシンプルであり、且つ信頼性が高い。
【0048】
一部の実施例において、
図11に示すように、外化ユニット122の縁と蒸気孔11Aの縁とが、第1方向において接触するか、またはそれらの距離dが第1プリセット値よりも小さい。具体的に、外化ユニット122の縁は、蒸気孔11Aの縁に接触することができる。そのため、外化ユニット122と蒸気孔11Aが第1取り付け領域S1において占める空間が最も小さく、配置が最もコンパクトである。外化ユニット122が蒸気孔11Aと間隔を置いて設けられることにより、2つの部材同士の配置がコンパクト性の要求を満たすことができるだけでなく、蒸気孔11Aから排出される蒸気が外化ユニット122に進入するリスクを効果的に低減させることができる。隔てる距離dは、大きくないことが好ましい。例示的に、該距離d<20mmである。外化ユニットと蒸気孔の第1方向における距離を限定することにより、2つの部材の第1取り付け領域における配置をよりコンパクトにすることができる。
【0049】
一部の実施例において、外化ユニット122は、鍋蓋10自身の一部であり、つまり、外化ユニット122の一部が鍋蓋10により構成される。具体的に、
図11に示すように、鍋蓋10には移動部材1221を収容するための第1収容キャビティ11Bが形成されている。鍋蓋10がキャビティ内に向かって凹んで一端が開口する第1収容キャビティ11Bを形成し、該開口によって移動部材1221を取り出し、入れることができる。透明蓋体1222は、鍋蓋10に固定接続されて第1収容キャビティ11Bの一端における開口を密閉する。具体的に、透明蓋体1222は、開口を密閉する。第1収容キャビティ11Bは、外化ユニット122の風路であってもよく、気流生成装置21の風路に連通され、気流生成装置21の風路からの気流を第1収容キャビティ11Bに吹き込むことで、第1収容キャビティ11B内に設けられた移動部材1221を移動させるように駆動する。つまり、鍋蓋自身の構造により蒸気孔および一端が開口する第1収容キャビティを形成することで、蓋体ユニットの部品数を効果的に低減させ、構造を簡素化することができる。
【0050】
好ましくは、
図11および
図14に示すように、蓋体ユニットは、蒸気孔11Aと第1収容キャビティ11Bを隔離するための密封スペーサ15をさらに備える。具体的に、密封スペーサ15の密封隔離作用により、蒸気孔11Aからの蒸気が第1収容キャビティ11Bに進入するリスクを効果的に低減させ、蓋体ユニットの動作の安定性および信頼性を向上させることができる。
【0051】
好ましくは、
図11および
図14に示すように、密封スペーサ15には、間隔を置いて設けられた第1開口15Aおよび第2開口15Bが開口されている。具体的に、第1開口15Aは、対応して蒸気孔11Aに連通され、第2開口15Bは、対応して第1収容キャビティ11Bに連通する。密封スペーサ15の第1開口15Aと隣接する壁面に第1リブ151が突設され、密封スペーサ15の第2開口15Bと隣接する壁面に第2リブ152が突設されている。そのうち、蒸気孔11Aの外縁が第1リブ151に当接され、第1収容キャビティ11Bの外縁が第2リブ152に当接されている。具体的に、密封スペーサ15には蒸気弁蓋16が設けられており、蒸気弁蓋16が密封スペーサ15に覆設され、密封スペーサ15の2つのリブに当接されてもよい。蒸気弁蓋16が鍋蓋10に接続され、密封スペーサにはリブが設けられることで、さらに密封効果を向上させる。
【0052】
他の一部の実施例において、外化ユニット122は、鍋蓋10構造自身と独立するものである。具体的に、
図11に示すように、外化ユニット122は、移動部材1221を収容するための第2収容キャビティ122Aが形成されたケーシング1223を備える。具体的に、ケーシング1223により、一端が開口する第2収容キャビティ122Aが囲まれる。ケーシング1223は、鍋蓋10に固定接続され、固定接続の形態は、接着、係着およびファスナ接続などであってもよく、鍋蓋10によってケーシング1223に対して支持および位置決めを行う。透明蓋体1222は、ケーシング1223に接続されて第2収容キャビティ122Aの一端における開口を密閉する。ケーシング、移動部材および透明蓋体により、完全な外化ユニット構造を形成することができる。一体成形された構成形態に対して、該構造は、構造上より柔軟であり、部品の交換にも便利である。
【0053】
他の一部の実施例において、
図13に示すように、蓋体ユニットは、排気部材14をさらに備える。具体的に、排気部材14は、独立した蒸気弁であり、蒸気を排出するための蒸気通路141を有する。蒸気通路141内に弁体が設けられてもよいし、弁体が設けられなくてもよい。排気部材14は、少なくとも一部が蒸気孔11A内に設けられる。排気部材14は、全部が蒸気孔11A内に設けられてもよいし、一部だけが蒸気孔11A内に設けられてもよい。調理室10aにおける蒸気は、排気部材14の蒸気通路141によって排出されることができる。好ましくは、排気部材14は、鍋蓋10に取り外し可能に接続されることで、排気部材14の交換にも便利である。
【0054】
排気部材14と外化ユニット122は、一体化部材として集積される。具体的に、外化ユニット122と排気部材14がいずれも鍋蓋10と独立した場合、外化ユニット122と排気部材14を1つの部材として集積し、即ち外化ユニット122と排気部材14を一体化部材の一部とすることができることで、各部材の配置をよりコンパクト且つ調和的にすることができる。
【0055】
一部の実施例において、
図12および
図14に示すように、一体化部材は、排気部材14とケーシング1223との間に設けられると共に、第2収容キャビティ122Aと蒸気通路141を隔離するための密封スペーサ15をさらに備える。具体的に、密封スペーサ15は、密封隔離の作用を果たす。例示的に、密封スペーサ15は、密封隔離シリコーンであってもよい。排気部材14とケーシング1223との間に密封スペーサ15が設けられることで、蒸気通路141からの蒸気が第2収容キャビティ122Aに進入するリスクを効果的に低下させ、蓋体ユニットの動作の安定性および信頼性を向上させることができる。
【0056】
一部の実施例において、
図14に示すように、密封スペーサ15には間隔を置いて設けられた第1開口15Aおよび第2開口15Bが設けられている。具体的に、第1開口15Aの位置に対応して排気部材14が設けられ、第2開口15Bの位置に対応して外化ユニット122が設けられている。密封スペーサ15の第1開口15Aと隣接する壁面に第1リブ151が突設され、第1リブ151によって蒸気通路141の外縁に当接され、密封スペーサ15の第2開口15Bと隣接する壁面に第2リブ152が突設され、ケーシング1223の第2収容キャビティ122Aの開口端における外縁が第2リブ152に当接される。密封スペーサ15には蒸気弁蓋16がさらに設けられ、蒸気弁蓋16が密封スペーサ15に覆設され、密封スペーサ15の2つのリブに当接されてもよい。蒸気弁蓋16は、鍋蓋10に接続される。密封スペーサを一体成形の構造として構成し、それぞれ開口を開口して蒸気通路と外化ユニットを第1取り付け領域に限定し、密封スペーサにおいてリブを設けることで、密封効果をさらに向上させることができる。
【0057】
本発明の実施例は、調理装置を提供する。
図1に示すように、鍋体2と、上述したいずれか1つの実施例に記載の蓋体ユニットとを備える。鍋体2は、調理室10aを有する。蓋体ユニットは、鍋体2に覆設されて調理室10aを開閉し、蓋体ユニットの気体吹き込み装置20は、調理室10aに連通されて、調理室10a内へ気体を吹き込む。空気を吹き込む形態を採用して、新鮮な空気を調理室内に吹き込み、チェック弁の形態を利用して空気の流動方向を制御し、吸気と排気を分けることで、調理装置内に空気を吹き込む制御形態を簡素化する。空気の流動方向を制御することで、吸気と排気を分け、調理装置内に空気を吹き込む制御形態を簡素化することができる。
【0058】
以上は、本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲は、これに限定されない。精通している当業者であれば、本発明に開示される技術範囲内で容易に想到できる変化または置換は、本発明の保護範囲内に属すべきである。そのため、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0059】
10 鍋蓋、10a 調理室、11 面蓋、11A 蒸気孔、11B 第1収容キャビティ、111 蒸気弁蓋、12 内蓋、12a 第1通路、12b 第1貫通孔、122 外化ユニット、122A 第2収容キャビティ、1221 移動部材、1222 透明蓋体、1223 ケーシング、123 第1シール部材、124 空気導出部材、13 可動蓋板、14 排気部材、141 蒸気通路、15 密封スペーサ、15A 第1開口、15B 第2開口、151 第1リブ、152 第2リブ、16 蒸気弁蓋、2 鍋体、20 気体吹き込み装置、21 気流生成装置、22 吸気装置、30 チェック弁、31 弁座、311 座体、312 固定部、312a 窪み部、312b 第2シール部材、31a 第2貫通孔、32 弁体、321 接続部、322 可動部、322a 弁シート、322b スカート、S1 第1取り付け領域、L1 鍋蓋の長さ、L2 鍋蓋の幅、D1 第1取り付け領域の幅、D2 第1取り付け領域の長さ、d 外化ユニットの縁と蒸気孔の縁との間の距離。
【国際調査報告】