(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】光探知装置及び探知方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20240403BHJP
G01S 17/42 20060101ALI20240403BHJP
G01S 7/484 20060101ALI20240403BHJP
G01S 17/931 20200101ALI20240403BHJP
【FI】
G01S7/481 Z
G01S17/42
G01S7/484
G01S17/931
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566767
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 CN2021140287
(87)【国際公開番号】W WO2022227638
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110489107.7
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110606696.2
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519434972
【氏名又は名称】上海禾賽科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hesai Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.2 Building,No.468 XinLai Road,Jiading District,Shanghai,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】朱 雪洲
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 晋
(72)【発明者】
【氏名】曾 昭明
(72)【発明者】
【氏名】陶 俊
(72)【発明者】
【氏名】向 少▲卿▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ ▲カイ▼
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA10
5J084AB01
5J084AC02
5J084AD01
5J084BA04
5J084BA06
5J084BA07
5J084BA08
5J084BA21
5J084BA36
5J084BA39
5J084BA40
5J084BA48
5J084BB02
5J084BB04
5J084BB26
5J084CA03
5J084DA01
5J084DA05
5J084DA08
5J084EA01
5J084EA22
(57)【要約】
光送信器アレイ(111)、光探知器アレイ(121)及び制御モジュールを含む光探知装置及び探知方法である。光送信器アレイ(111)は、複数の光送信器(1111)を含み、光送信器(1111)は送信信号を出力するように構成される。光探知器アレイ(121)は、複数の光探知器(1211)を含み、光探知器(1211)は、送信信号が障害物に遭遇した後に反射されたエコー信号を探知するように構成され、ここで、光送信器アレイ(111)と光探知器アレイ(121)が複数の探知チャネルを構成し、各探知チャネルは少なくとも1つの光送信器(1111)及び少なくとも1つの光探知器(1211)を含む。送信信号の送信から対応するエコー信号の探知までの1回の信号伝送過程で、制御モジュールは所定の複数の光送信器(1111)を選択して同時に発光させ、同時に発光する複数の光送信器(1111)の視野は探知距離内に重ならず、探知チャネル間のクロストークが効果的に低減される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信信号を出力するように構成される複数の光送信器を含む光送信器アレイと、
前記送信信号が障害物に遭遇した後に反射されたエコー信号を探知するように構成される複数の光探知器を含む光探知器アレイであって、前記光送信器アレイと光探知器アレイが複数の探知チャネルを構成し、各探知チャネルが少なくとも1つの光送信器及び少なくとも1つの光探知器を含む光探知器アレイと、
送信信号の送信から対応するエコー信号の探知までの1回の信号伝送過程で、所定の複数の光送信器を選択して同時に発光させる制御モジュールであって、前記同時に発光する複数の光送信器の視野が探知距離内に重ならない制御モジュールと、
を含むことを特徴とする、光探知装置。
【請求項2】
前記光送信器アレイは1次元アレイ又は2次元アレイであり、光送信器アレイが2次元アレイである場合、その2つの次元方向の寸法の比率は3より大きく、又は5より大きいことを特徴とする、請求項1に記載の光探知装置。
【請求項3】
前記光送信器アレイ内のアクティブ化された複数の光送信器は、それぞれ前記光探知器アレイ内のアクティブ化された複数の光探知器と作動状態にある複数の探知チャネルを形成し、前記光送信器アレイは複数の光送信器群を含み、及び/又は光探知器アレイは複数の光探知器群を含み、前記アクティブ化された各光送信器は、それぞれ異なる光送信器群に属し、及び/又は前記アクティブ化された各光探知器は、それぞれ異なる光探知器群に属することを特徴とする、請求項1に記載の光探知装置。
【請求項4】
各光送信器群内の各光送信器及び/又は各光探知器群内の各光探知器は、複数回の信号伝送過程において交代でアクティブ化されることを特徴とする、請求項1に記載の光探知装置。
【請求項5】
同一の光送信器群の2つの光送信器の間に第1分離範囲を有し、及び/又は、同一の信号伝送過程で隣接する2つの光探知器群内のアクティブ化された光探知器の間に第2分離範囲が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の光探知装置。
【請求項6】
各光送信器群は予め設定された数の光送信器を含み、前記光送信器群の複数の光送信器は少なくとも1つのチップに集積されることを特徴とする、請求項1に記載の光探知装置。
【請求項7】
前記光送信器群の複数の光送信器は少なくとも1つの選択ユニットに結合され、前記選択ユニットは外部信号に応じて光送信器の選択を行うことを特徴とする、請求項1に記載の光探知装置。
【請求項8】
前記光送信器アレイは、相互にずらしたN列の光送信器を含み、各列の光送信器は第1方向に沿って延在し、N>1であり、及び/又は、前記光探知器アレイは、相互にずらしたM列の光探知器を含み、各列の光探知器は前記第1方向に沿って延在し、M>1であることを特徴とする、請求項1に記載の光探知装置。
【請求項9】
同一の信号伝送過程で、各探知チャネルに伝送される光信号間の信号特徴が完全に同じではないことを特徴とする、請求項1に記載の光探知装置。
【請求項10】
前記制御モジュールは、光探知器が探知したエコー信号の信号特徴が、所属する探知チャネルの光送信器の送信信号の信号特徴に一致するか否かを判断し、一致する場合、該エコー信号を所属する探知チャネルに用いてターゲットの距離を計算することに適することを特徴とする、請求項9に記載の光探知装置。
【請求項11】
前記光送信器が送信する送信信号は1つ又は複数のパルス信号を含み、前記信号特徴の次元は、波長、パルス幅、パルス数、パルスピーク及びパルス間の時間間隔のうちの1つ又は複数の組み合わせを含むことを特徴とする、請求項9に記載の光探知装置。
【請求項12】
パルス幅次元方向の信号特徴は、複数のパルス間のパルス幅の比率に基づき、エコー信号の信号特徴が送信信号の信号特徴に一致するか否かを判断することを含むことを特徴とする、請求項11に記載の光探知装置。
【請求項13】
信号強度次元方向の信号特徴は、複数のパルス間の強度比率に基づき、エコー信号の信号特徴が送信信号の信号特徴に一致するか否かを判断することを含むことを特徴とする、請求項9に記載の光探知装置。
【請求項14】
同一の信号伝送過程で作動する異なる探知チャネル内の光送信器の送信信号間の波長が異なり、各前記作動する異なる探知チャネルの光探知器の前部には、本探知チャネルに対応する波長のエコー信号のみを通過させる光フィルターユニットが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の光探知装置。
【請求項15】
1回の信号伝送過程で1つの探知チャネルを連続的に複数回探知して飛行時間値を得るように光送信器アレイ及び受光器アレイを制御し、且つ複数回探知した飛行時間値を比較し、比較結果が一致する場合、前記探知チャネルの探知結果が有効であると判断し、そうでなければ、探知結果を廃棄するために用いられる制御モジュールを含むことを特徴とする、請求項1に記載の光探知装置。
【請求項16】
レーザーレーダーを含むことを特徴とする、請求項1に記載の光探知装置。
【請求項17】
前記光送信器アレイ内の複数の光送信器をアクティブ化して送信信号を送信するステップと、
前記光探知器アレイ内の複数の光探知器をアクティブ化するステップと、
を含み、
前記アクティブ化された複数の光送信器は、それぞれアクティブ化された複数の光探知器と作動状態にある複数の探知チャネルを形成し、前記アクティブ化された各光送信器は、それぞれ異なる光送信器群に属し、及び/又は前記アクティブ化された各光探知器は、それぞれ異なる光探知器群に属することを特徴とする、請求項1から16のいずれか1項に記載の光探知装置が光探知を行う方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2021年04月30日に提出された、出願番号が202110489107.7であり、発明名称が「光探知装置及び探知方法」の中国特許出願の優先権を主張すると共に、2021年05月31日に提出した、出願番号が202110606696.2であり、発明名称が「光探知装置及び探知方法」の中国特許出願の優先権を主張し、上記出願の全てが参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は光学的測距の技術分野に関し、特に光探知装置及び探知方法に関する。
【背景技術】
【0003】
レーザーレーダーは、レーザーを射出し、レーザーがターゲットの表面に到達して戻されたエコー信号を受信することにより外部探知を実現する装置である。従って、レーザーレーダーは光送信モジュール及び光探知モジュールを備える。
【0004】
現在、レーザーレーダーの光送信モジュールは、複数のレーザー機器を含むレーザー機器アレイを含み、それに応じて、光探知モジュールは、複数の光探知器を含む光探知器アレイを含む。少なくとも1つのレーザー機器と少なくとも1つの光探知器の間に1つの探知チャネルが形成され、各探知チャネルはそれぞれ、視野角とも呼ばれる1つの視野(Field Of View,FOV)に対応する。通常、所謂マルチラインレーザーレーダーにおけるライン数は、探知チャネルの数に対応する。
【0005】
しかしながら、システム小型化の要件により、レーザー機器アレイ及び光探知器アレイのレイアウト空間は非常に制限され、レーザー機器のレイアウト及び光探知器のレイアウトがコンパクトになる。レーザーレーダーが走査する時に、各レーザー機器が並行して作動し、各光探知器も並行して作動すれば、探知チャネル間でクロストークが発生しやすい。例えば、ある探知チャネルAは、探知チャネルBの視野内で得られたある探知点Cのエコー信号を受信したが、該探知点Cは探知チャネルAの視野外にある可能性があり、結果として、探知結果(例えば、点群図中)の本来Cがない位置にCが現れることがある。このような状況は「ゴースト」現象と呼ばれる。
【0006】
しかし、自動運転等のレーザーレーダーの応用シーンでは、高周波且つ高速な探知が必要となるため、時分割発光と探知の制御をある程度行ったとしても、クロストークによる影響を効果的に低減することは依然として困難である。
【0007】
特に、32ライン以上(例えば32ライン、64ライン、128ライン、256ライン、又はそれ以上のライン数)のレーザーレーダーのような、業界の主流の製品発展傾向となるハイビームレーザーレーダーでは、クロストーク問題はその製品発展の大きな障害となっている。
【発明の概要】
【0008】
以上に記載の従来技術の欠陥に鑑み、本出願は、従来技術の問題を解決する光探知装置及び探知方法を提供する。
【0009】
上記目標及びその他の関連目標を実現するために、本出願の第1態様では、送信信号を出力するように構成される複数の光送信器を含む光送信器アレイと、前記送信信号が障害物に遭遇した後に反射されたエコー信号を探知するように構成される複数の光探知器を含む光探知器アレイであって、前記光送信器アレイと光探知器アレイが複数の探知チャネルを構成し、各探知チャネルが少なくとも1つの光送信器及び少なくとも1つの光探知器を含む光探知器アレイと、送信信号の送信から対応するエコー信号の探知までの1回の信号伝送過程で、所定の複数の光送信器を選択して同時に発光させる制御モジュールであって、前記同時に発光する複数の光送信器の視野が探知距離内に重ならない制御モジュールと、を含む光探知装置を提供する。
【0010】
第1態様のいくつかの実施例において、前記光送信器アレイは1次元アレイ又は2次元アレイであり、光送信器アレイが2次元アレイである場合、その2つの次元方向の寸法の比率は3より大きく、又は5より大きい。
【0011】
第1態様のいくつかの実施例において、前記光送信器アレイ内のアクティブ化された複数の光送信器は、それぞれ前記光探知器アレイ内のアクティブ化された複数の光探知器と作動状態にある複数の探知チャネルを形成し、前記光送信器アレイは複数の光送信器群を含み、及び/又は光探知器アレイは複数の光探知器群を含み、前記アクティブ化された各光送信器は、それぞれ異なる光送信器群に属し、及び/又は前記アクティブ化された各光探知器は、それぞれ異なる光探知器群に属する。
【0012】
第1態様のいくつかの実施例において、各光送信器群内の各光送信器及び/又は各光探知器群内の各光探知器は、複数回の信号伝送過程において交代でアクティブ化される。
【0013】
第1態様のいくつかの実施例において、同一の光送信器群内の2つの光送信器の間に第1分離範囲を有し、及び/又は、同一の信号伝送過程で隣接する2つの光探知器群内のアクティブ化された光探知器の間に第2分離範囲が形成される。
【0014】
第1態様のいくつかの実施例において、各光送信器群は予め設定された数の光送信器を含み、前記光送信器群の複数の光送信器は少なくとも1つのチップに集積される。
【0015】
第1態様のいくつかの実施例において、前記光送信器群の複数の光送信器は少なくとも1つの選択ユニットに結合され、前記選択ユニットは外部信号に応じて光送信器の選択を行う。
【0016】
第1態様のいくつかの実施例において、前記光送信器アレイは、相互にずらしたN列の光送信器を含み、各列の光送信器は第1方向に沿って延在し、N>1であり、及び/又は、前記光探知器アレイは、相互にずらしたM列の光探知器を含み、各列の光探知器は前記第1方向に沿って延在し、M>1である。
【0017】
第1態様のいくつかの実施例において、同一の信号伝送過程で、各探知チャネルに伝送される光信号間の信号特徴が完全に同じではない。
【0018】
第1態様のいくつかの実施例において、前記光探知装置は、光探知器が探知したエコー信号の信号特徴が、所属する探知チャネルの光送信器の送信信号の信号特徴に一致するか否かを判断し、一致する場合、該エコー信号を所属する探知チャネルに用いてターゲットの距離を計算するために用いられる制御モジュールを含む。
【0019】
第1態様のいくつかの実施例において、前記光送信器が送信する送信信号は1つ又は複数のパルス信号を含み、前記信号特徴の次元は、波長、パルス幅、パルス数、パルスピーク及びパルス間の時間間隔のうちの1つ又は複数の組み合わせを含む。
【0020】
第1態様のいくつかの実施例において、パルス幅次元方向の信号特徴は、複数のパルス間のパルス幅の比率に基づき、エコー信号の信号特徴が送信信号の信号特徴に一致するか否かを判断することを含む。
【0021】
第1態様のいくつかの実施例において、信号強度次元方向の信号特徴は、複数のパルス間の強度比率に基づき、エコー信号の信号特徴が送信信号の信号特徴に一致するか否かを判断することを含む。
【0022】
第1態様のいくつかの実施例において、同一の信号伝送過程で作動する異なる探知チャネル内の光送信器の送信信号間の波長が異なり、各前記作動する異なる探知チャネルの光探知器の前部には、本探知チャネルに対応する波長のエコー信号のみを通過させる光フィルターユニットが設けられる。
【0023】
第1態様のいくつかの実施例において、前記制御モジュールは、1回の信号伝送過程で1つの探知チャネルを連続的に複数回探知して飛行時間値を得るように光送信器アレイ及び受光器アレイを制御し、且つ複数回探知した飛行時間値を比較し、比較結果が一致する場合、前記チャネルの探知結果が有効であると判断し、そうでなければ、探知結果を廃棄するために用いられる。
【0024】
第1態様のいくつかの実施例において、前記光探知装置はレーザーレーダーを含む。
【0025】
上記目標及びその他の関連目標を実現するために、本出願の第2態様では、前記光送信器アレイ内の複数の光送信器をアクティブ化して送信信号を送信するステップと、前記光探知器アレイ内の複数の光探知器をアクティブ化するステップと、を含み、前記アクティブ化された複数の光送信器は、それぞれアクティブ化された複数の光探知器と作動状態にある複数の探知チャネルを形成し、前記アクティブ化された各光送信器は、それぞれ異なる光送信器群に属し、及び/又は前記アクティブ化された各光探知器は、それぞれ異なる光探知器群に属する、第1態様のいずれか1項に記載の光探知装置が光探知を行う方法を提供する。
【0026】
以上により、本出願で提供される光探知装置及び探知方法では、前記光探知装置における光送信器アレイと光探知器アレイの間で複数の探知チャネルが構成され、各探知チャネルは少なくとも1つの光送信器及び少なくとも1つの光探知器を含む。一実施例において、1つの探知チャネルは1つの光送信器と1つの光探知器から構成されてもよく、他の実施例において、1つの探知チャネルは1つの光送信器と複数の光探知器から構成されてもよく、また、複数種類の探知チャネルの構成は同一の実施例に使用されてもよい。送信信号の送信から対応するエコー信号の探知までの1回の信号伝送過程では、所定の複数の光送信器を選択して同時に発光させ、前記同時に発光する複数の光送信器の視野は探知距離内に重ならず、これにより、同時に作動している探知チャネル間に十分な空間間隔があり、クロストークが効果的に低減される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本出願の複数の実施例における光探知装置が実現可能なレーザーレーダーの構造模式図である。
【
図2】本出願の複数の実施例における光探知装置が実現可能なレーザーレーダーの構造模式図である。
【
図3】本出願の複数の実施例における光探知装置が実現可能なレーザーレーダーの構造模式図である。
【
図4A】本出願の一実施例における光送信器アレイの配列構造の正面模式図である。
【
図4C】
図4Aの例示的な構造に基づく光送信器群分けの構造模式図である。
【
図4D】
図4Cに従って分けられた各光送信器群が複数の探知チャネルの発光を1回行う模式図である。
【
図5A】本出願の一実施例における波長を信号特徴とした探知の原理模式図である。
【
図5B】本出願の一実施例におけるパルス幅を信号特徴とした波形の模式図である。
【
図5C】本出願の一実施例におけるパルス間の時間間隔を信号特徴とした波形の模式図である。
【
図6】本出願の一実施例における光送信器アレイの駆動回路の回路構造模式図である。
【
図7】本出願の一実施例におけるパルス数を信号特徴とした駆動回路のトリガ信号の波形の模式図である。
【
図8A】本出願の一実施例におけるパルス時間間隔を信号特徴とした異なる光送信器群のトリガ信号の異なる波形の模式図である。
【
図8B】本出願の一実施例におけるパルス時間間隔を信号特徴とした異なる光送信器群のトリガ信号の異なる波形の模式図である。
【
図8C】本出願の一実施例におけるパルス時間間隔を信号特徴とした異なる光送信器群のトリガ信号の異なる波形の模式図である。
【
図8D】本出願の一実施例におけるパルス時間間隔を信号特徴とした異なる光送信器群のトリガ信号の異なる波形の模式図である。
【
図9】本出願の一実施例におけるパルス幅を信号特徴とした1つの探知チャネルのトリガ信号の波形の模式図をである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下において、特定の具体例により本出願の実施形態を説明するが、当業者であれば、本明細書に開示されている内容から、本出願の他の利点及び効果を容易に理解できる。本出願はさらに別の異なる具体的な実施形態で実施又は応用してもよく、本明細書の各詳細事項についても、異なる観点及び応用に基づき、本出願の精神から逸脱することなく様々な修飾又は変更を加えてもよい。説明すべきことは、矛盾しない場合、本出願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる点である。
【0029】
本出願の所属する技術分野の技術者が容易に実施できるように、以下において、図面を参照しながら本出願の実施例を詳しく説明する。本出願は、様々な異なる形態で具体化することができ、ここで説明される実施例に限定されない。
【0030】
本出願を明確に説明するために、説明に関連しない部品は省略され、明細書全体を通じて同じ又は類似の構成要素は、同じ参照符号が付けられている。
【0031】
明細書全体を通じて、ある部品が別の部品に「接続される」と記載さている場合、「直接接続されている」場合だけでなく、それらの間に他の素子を介在して「間接的に接続されている」場合も含む。また、ある部品がある構成要素を「含む」と記載されている場合、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0032】
ある部品が別の部品「の上」にあると記載されている場合、直接別の部品の上にあってもよいが、それらの間にさらに他の部品があってもよい。逆に、ある部品が「直接」別の部品「の上」にあると記載されている場合、それらの間に他の部品がないことを意味する。
【0033】
いくつかの例において、第1、第2等の用語は様々な素子を説明するために本明細書で使用されるが、これらの素子はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は単に1つの素子を別の素子から区別するためのものに過ぎない。その例としては、第1インタフェース及び第2インタフェース等の記載が挙げられる。なお、本明細書で使用されるように、単数形の「1」、「1つ」及び「該」は、文脈において反対の指示がない限り、複数形も含むことを意図する。さらに理解すべきことは、用語の「かならる」、「含む」は、記載された特徴、ステップ、操作、素子、コンポーネント、項目、種類、及び/又は群の存在を明示するが、1つ又はより多くの他の特徴、ステップ、操作、素子、コンポーネント、項目、種類、及び/又は群の存在、出現又は追加を除外しない点である。本明細書に使用される用語「又は」及び「及び/又は」は包含的なものと解釈され、又はいずれか1つ又は任意の組み合わせを意味する。従って、「A、B又はC」又は「A、B及び/又はC」は「A、B、C、AとB、AとC、BとC、AとBとCのいずれか1つ」を意味する。素子、機能、ステップ又は操作の組み合わせが、何らかの形で本質的に相互排他的である時のみこの定義の例外が起こり得る。
【0034】
本明細書に使用される専門用語は、特定の実施例について述べるものに過ぎず、本出願を限定することを意図しない。本明細書に使用される単数形は、語句にそれと反対の意味が明確に示されていない限り、複数形も含む。明細書に使用される「含む」という記載は、特定の特性、領域、整数、ステップ、動作、要素及び/又は成分を具体化するためのものであり、他の特性、領域、整数、ステップ、動作、要素及び/又は成分の存在又は追加を除外するものではない。
【0035】
「下」、「上」等の相対的な空間を示す用語は、図面に示される1つの部品の別の部品に対する関係をより容易に説明するために使用されてもよい。このような用語は、図面に示される向きに加えて、使用中の装置の他の向き又は動作も含む。例えば、図中の装置がひっくり返された場合、他の部品の「下」にあると説明された部品は、他の部品の「上」にあると説明されることになる。従って、例示的用語「下」は、上方及び下方の両方を含む。装置は90°又は他の角度で回転されてもよく、相対的な空間を示す用語もそれに応じて解釈される。
【0036】
特に定義しないが、本明細書に使用される技術用語及び科学用語を含む全ての用語は、本出願が属する技術分野の技術者が一般的に理解する意味と同じ意味を有する。一般的に使用される辞典で定義された用語は、関連技術文献及び本開示の内容に一致する意味を有するものとして追加解釈されるが、定義されていない限り、理想的又は非常に公式的な意味で解釈されるべきではない。
【0037】
前述したように、光送信器アレイ及び光探知器アレイの微小集積化程度の高まりにより、それらを使用して探知作業を行うマルチビームのレーザーレーダーは探知の時に、探知チャネル間でクロストークが発生しやすい。時分割アクティブ化の方式でクロストークを低減できるが、ハイビーム(ライン数が32より大きい)レーザーレーダーの要件により、探知チャネル間の切り替え作業時間が短すぎ、クロストークを効果的に低減することは困難である。
【0038】
これに鑑み、本出願は次の光探知装置を提供することができる。前記光探知装置は、光送信器アレイ及び受光器アレイを含み、アレイ内の間隔が大きな光送信器及び/又は光探知器を選択して同時にアクティブ化することができ、探知チャネル間のクロストークを効果的に低減することができる。また、探知チャネルを直接且つ順次循環させることもできる。
【0039】
前記光探知装置はレーザーレーダーとして実現されてもよい。さらに、選択的に、前記レーザーレーダーは、例えば、回転機構を有する機械式レーザーレーダーであってもよい。又は、回転機構を有さないレーザーレーダーであってもよい。
【0040】
図1から
図3は、本出願の複数の実施例における光探知装置が実現可能なレーザーレーダーの構造模式図が挙げられる。
【0041】
図1は、実施例におけるレーザーレーダー10の構造模式図を示す。
【0042】
この例において、レーザーレーダー10は送信モジュール11及び光探知モジュール12を含む。ここで、送信モジュール11は光送信器アレイ111を含み、前記光送信器アレイ111は複数の光送信器1111を含む。前記探知モジュール12は光探知器アレイ121を含み、前記光探知器アレイ121は複数の光探知器1211を含む。具体例において、前記光送信モジュール11は光送信器アレイ111のための駆動回路をさらに含んでもよく、前記光探知モジュール12は、エコー信号を処理する回路(例えば、アナログデジタル変換器等)をさらに含んでもよく、ここでは送信信号及びエコー信号の信号伝送過程を示すだけでよいため、図示及び説明を省略する。
【0043】
図1において、各光送信器1111は送信信号を出力し、送信レンズ112を通過(例えば、整形/コリメートされ)してからレーザーレーダー10から射出され、障害物Aに遭遇すると反射されてエコー信号を形成し、エコー信号がレーザーレーダー10に入って受信レンズ122を通過(例えば、整形/収束され)した後、光探知器アレイ121内の各光探知器1211によって探知される。図示において、1つの光送信器1111と1つの光探知器1211が1つの探知チャネルを構成することが模式的に示され、即ち、1つの光送信器の送信信号の反射によって生じるエコー信号は1つの光探知器1211によって探知され、光送信器1111と光探知器1211がN対ある場合、対応してN個の探知チャネルを形成することができ、各探知チャネルは異なる視野に対応することができることが理解可能である。選択的に、探知チャネル間の視野は重なっても重ならなくてもよい。
【0044】
当然、これは一例に過ぎず、他の実施例において、探知チャネルを構成する光送信器1111と光探知器1211の数は一定せず、少なくとも1つの光送信器1111は少なくとも1つの光探知器1211と探知チャネルを形成することができる。1つの探知チャネルに属する光送信器1111と受光器がそれぞれアクティブ化されて作動すると、該探知チャネルは作動状態となり、障害物Aに対する探知を実現することができる。
【0045】
いくつかの実施例において、各光送信器1111は、例えば、垂直共振器面発光レーザー機器(Vertical Cavity Surface Emitting Lasers,VCSEL)、又は端面発光レーザー機器(Edge Emitting Laser,EEL)等のレーザー機器であってもよい。それに応じて、各光探知器1211は、例えば、アバランシェフォトダイオード(Avalanche Photo Diode,APD)又はシリコン光電子増倍管(Silicon PhotoMultiplier,SiPM)等により実現されてもよい。ここで、レーザー機器に駆動電流を印加することでレーザー機器を駆動して発光させることができ、アバランシェフォトダイオード(Avalanche Photo Diode,APD)又はシリコン光電子増倍管により実現される光探知器1211にバイアス電圧(Vbias)を印加することにより、光探知器1211をアクティブ化して光信号を探知する。
【0046】
説明すべきこととして、
図1に示した光路は模式的に示されるものに過ぎず、実際には、光探知装置内部の送信信号の光路構造及びエコー信号の伝送の光路構造に限定されない。
【0047】
図2は、本出願の別の実施例におけるレーザーレーダーの構造模式図を示す。
【0048】
図2は、レーザーレーダーの横方向平面での一部の内部構造を平面視で示す。明瞭にするために、図中に光探知装置のハウジングが示されない。前記横方向平面は、光探知装置の高さ方向に垂直な平面であってもよく、例えば、水平面又は他の平面であってもよい。
【0049】
前記レーザーレーダーは、窓21、光送信端22、光探知端23、回転部材24、再配向部材25、送信レンズ26及び受信レンズ27等を含む。前記レーザーレーダーは、例えば、前方レーザーレーダーであってもよく、図中の模式的な配置のように、窓21は前方に向かって探知している。
【0050】
前記光送信端22は光送信器アレイ221を含み、その中の光送信器は送信信号を出力するために用いられ、前記受光端は光探知器アレイ231を含み、その中の光探知器は送信信号のエコー信号を探知するために用いられる。
【0051】
光送信端22の送信信号の送信及びエコー信号の受信はいずれも前記窓21を介する。例示的に、前記窓21には平面の窓21が取り付けられ得る。他の実施例において、該窓21は曲面構造であってもよい。
【0052】
前記送信レンズ26は、光送信端22の送信信号をコリメートしてから伝送するために、光送信端22の前部に設けられてもよい。例示的に、前記送信レンズ26はレンズ群であってもよく、又はレンズ群の光学効果に等価な平凸レンズであってもよく、その凸面が光送信端22に向かう。受信レンズ27は、通過したエコー信号を光探知端23に収束するために、光探知端23の前部に設けられてもよい。例示的に、前記受信レンズ27はレンズ群であってもよく、又はレンズ群の光学効果に等価な平凸レンズであってもよく、その平面が光探知端23に向かう。
【0053】
前記回転部材24は、制御されて連続的に回転し、
図2の例では、横方向平面内の1次元回転(図中の矢印で模式的に示した反時計回り方向)として示され、それにより、水平視野(垂直視野方向に対するもの)に対する走査を実現することができる。上記例では、列方向に配置された光送信器により光探知装置の高さ方向に一致する垂直視野走査を実現し、回転部材24の横方向の1次元回転により水平視野走査を実現することとして示されているが、これに限定されないことが理解可能である。他の具体例において、光探知装置の配置角度を変更してもよく、例えば、回転部材24の1次元回転による垂直視野走査と、「列」から「行」に変更された光送信器による水平視野走査を実現するために、
図2に比べて90度回転してもよい。
【0054】
例示的に、前記回転部材24はモータの回転軸に外嵌されてもよく、これにより、モータがその回転軸を駆動して回転させる時に、それに伴って回転することができる。前記回転部材24は送信信号の光路及びエコー信号の光路によって使用される少なくとも1つの反射面を含む。前記反射面が1つのみの場合、送信信号の光路とエコー信号の光路はこの反射面を共用可能であり、反射面が複数の場合、送信信号の光路とエコー信号の光路は回転部材24の同一の反射面を共用してもよいし、又は送信光路と受信光路は回転部材24の異なる反射面を使用してもよい。
図2の例において、前記回転部材24は例示的に矩形体として示され、その対向する2つの立側面241、242は反射面であってもよい。回転部材24が所定位置、例えば、図中に示す位置に回転すると、1つの反射面241は送信信号を窓21に偏向させ、さらに送信信号は窓21を通過し、光探知装置外の環境に放出され、探知を行う。送信信号が障害物に遭遇してエコー信号が形成されると、エコー信号は窓21を通過して反射面241に到達し、反射面241によって偏向された後、エコー信号の光路に沿って光探知器に到達する。
【0055】
前記再配向部材25は、送信信号の光路及びエコー信号の光路に位置するものであり、回転部材24に送信信号を出力し、且つエコー信号を通過させるための通過部が形成されるように構成される。前記再配向とは、光学的反射、屈折、透過等により光信号を処理する方式で、入力した光信号の方向を変更し、出力した光信号の伝送方向を再確定することができることである。
図2の例において、前記再配向部材25は、1つの反射面251を有し得る反射鏡として実現されてもよい。送信信号の光路において、前記反射面251は、光送信端22から発した送信信号を回転部材24に反射するために用いられ、回転部材24が例えば
図2の位置にある場合、その反射面251は該送信信号を受信して窓21に偏向させ、さらに外部に射出することができる。
【0056】
図2において、前記通過部は再配向部材25の2つの近傍側にある隙間28として示され、前記隙間28は、再配向部材25と、光探知装置のハウジング内壁との間又はハウジング内に設けられる他の部分(例えばブラケット等)との間に形成されてもよい。
図2の例の構造において、エコー信号の光路において、エコー信号は回転部材24の1つの反射面1で反射されて前記再配向部材25に伝送され、再配向部材25の近傍側の隙間28を通過して光探知端23で受信される。
【0057】
図2において、送信信号及びエコー信号はいずれも窓21と回転部材24との間の光路部分を通過し、つまり、送信信号の光路とエコー信号の光路は前記窓21と回転部材24との間で重なる。前記重なりとは、光路が同軸であることを指してもよく、即ち、2つの光路部分は、図中のMに示すように、重なり合う光軸線を有する。送信信号及びエコー信号はいずれもこの光探知装置内の重なる光路部分を通過し、このような同軸光路構造は、近軸光路(送信信号の光路とエコー信号の光路が全く重ならないもの)の構造による短距離死角の問題を回避することができることが理解可能である。さらに、再配向部材25の反射面251の反射作用下で、送信信号の光路とエコー信号の光路も光軸がNの光路部分で重なる(同軸である)。
【0058】
具体的には、前記回転部材24は連続的に回転して異なる時間で送信信号の送信、エコー信号の受信を行うことができ、往復回転して異なる時間で送信信号の送信、エコー信号の受信を行うこともできる。前記回転部材24の回転数、反射面の数、隣接する光送信器の発光切り替え速度がレーザーレーダーの点群探知のフレームレートに影響を与えることがあり、予め設定されたフレームレートの探知を実現するためには、各要素の協働が必要であることが理解可能である。探知フレームレートが一定である場合、反射面の数が大きいほど、必要な回転数を小さくすることができる。このことから分かるように、前記回転部材24の回転数及び反射面の数は、実際の探知要件に応じて設定可能である。反射面の数は回転部材24の構造にも関連し、少なくとも2つ、例えば2つ、3つ、4つの面又はそれ以上であってもよい。具体的な例において、前記回転部材24は角柱であってもよい。回転部材24の横断面は、均一な時間の光信号の送受信を実現するために、軸対称又は中心対称であってもよい。例えば、
図2における回転部材24の横断面が長方形である角柱を例として説明すれば、その対向する2つの表面を反射面とすることができる。又は、回転部材24は横断面が正方形の角柱であると、その4つの側面をいずれも反射面とすることができる。
【0059】
図3は、
図2における回転部材の形状を変化した構造の模式図を示す。
図3において、示される回転部材34は横断面が正三角形の角柱であり、その3つの側面をいずれも反射面とすることができ、回転中に、3つの反射面は光信号を伝送するために交代で連続的に用いることができ、光信号の伝送に用いられない側面が存在しない。説明すべきこととして、他の例において、回転部材はより多角形の横断面を有する角柱として実現されてもよく、上記の例に限定されない。
【0060】
以上の
図1から
図3は、読者が本出願の解決手段の可能な応用シーンを理解しやすくするために、いくつか種類のレーザーレーダーの構造を模式的に示したものに過ぎず、上記で挙げられたレーザーレーダーにのみ応用可能であることを限定するものではないことが理解可能である。以下において、本出願の探知チャネル間のクロストークを低減する解決手段を具体的に説明する。
【0061】
光送信器列間のずらした構造を明確に説明するために、
図4Aと
図4Bを合わせて参照されたい。
【0062】
図4Aは、本出願の一実施例における光送信器アレイの配列構造の正面模式図を示す。
【0063】
光送信器アレイ41は回路基板42(PCB)に設けられる。前記光送信器アレイ41は相互にずらしたN列の光送信器を含んでもよく、各列の光送信器は第1方向に沿って延在し、第1方向の視野を走査し、N>1である。例示的に、前記第1方向の視野は光探知装置の垂直視野であってもよい。選択的に、1列において隣接する光送信器の視野の間は互いに重ならなくてもよい。具体的には、1つの光送信器列において、各光送信器は1つの垂直視野に対応するため、1列における各光送信器の垂直視野の組み合わせは該光送信器列の垂直視野に対応し(光送信器行の視野は同様に取得できる)、各光送信器列の垂直視野の組み合わせは光探知装置の垂直視野に対応する。光送信器の数は光探知器の垂直視野及び各光送信器の垂直視野によって決められる。
【0064】
図4Bは
図4Aの一部構造の左側面模式図を示す。左側の光送信器列と右側の隣接する光送信器列の間は列方向で揃えず、前記ずらしを形成している。さらに具体的には、右側の光送信器列内の1番目の光送信器b1はa1より僅かに低く、左側の2番目の光送信器a2より僅かに高い。ここで、a1に対応する垂直視野角の絶対値>光送信器b1に対応する垂直視野角の絶対値>a2に対応する垂直視野角の絶対値である。例えば、レーザーレーダーの垂直視野は+30°~-30°(水平方向を0とし、斜め上を正の値とし、斜め下を負の値とする)であり、レーザーレーダーの垂直角分解能を0.2°とし、a1が送信した光はレンズ(群)で整形された後に-30°へ送信され、即ち、a1は-30°の垂直視野に対応し、b1は-29.8°の垂直視野に対応し、a2は-29.6°の垂直視野に対応する。a1、b1、a2の垂直視野角の絶対値はそれぞれ30°>29.8°>29.6°である。ずらしとは、各レーザーは第1方向(例えば、垂直方向)で少なくとも一部の視野が重ならないと理解してもよい。
【0065】
図4Bから分かるように、側面から見れば、列方向でb1はa1とa2の間の隙間を埋め、こうして列方向での光送信器の分布がより密になり、光探知装置の垂直分解能を高めることができる。例えば、
図4Aの光送信器のアレイでは、列方向(垂直視野に対応する)で全ての光送信器の垂直視野がほとんど重ならず、つなぎ合わせた後、光探知装置の垂直視野を構成し、このような配列は、垂直方向における1次元の配列(1D solid-state)と考えられてもよい。同様に、他の実施例において、隣接する光送信器行は行方向で交互に配列することができ、ここでは説明を省略する。
【0066】
一方では、
図4Aに示されるリニアアレイで配列された光送信器アレイ41は、例えば正方アレイ等に比べて、光送信器の数が低減され、コストが削減される。他方では、リニアアレイにおいて隣接する光送信器列がずらした構造は、整列した多列のレーザーに比べて、寸法が小さく、実現する分解能が高い。
【0067】
前の実施例に記載されるように、光送信器アレイ41と光探知器アレイの間に複数の探知チャネルが形成され、1回の光信号の送受信において、光送信器アレイ41内の複数の光送信器はアクティブ化されて発光し、光探知器アレイ内の複数の光探知器はアクティブ化されて探知を行い、複数の探知チャネルを構成する。この過程で、一緒に作動する探知チャネル間でクロストークが発生する可能性がある。
【0068】
探知チャネル間のクロストークを低減するために、いくつかの実施例において、各光送信器行又は列を複数の光送信器群(Bank)に分けることができ、各光送信器群は複数の光送信器を含み、それぞれ複数の探知チャネルに対応する。1回の信号伝送過程で、光送信器アレイ41が作動する時、各光送信器群からそれぞれ光送信器を選択して発光させ、同一群内のいくつかの光送信器が同時に作動することを回避する。このようにして、同1回の信号伝送過程で、アクティブ化されて作動する異なる探知チャネルの光送信器間に十分な分離空間、即ち、アクティブ化された2つの光送信器の間のアクティブ化されていない各光送信器が占める空間があることを保証することができ、これによってクロストークを低下させる。同様に、光探知器アレイについても、複数の光探知器群に分け、1回の信号伝送過程で、異なる各光探知器群からそれぞれ光探知器を選択してアクティブ化することができ、同様に、同1回の信号伝送過程で、アクティブ化されて作動する異なる探知チャネルの光探知器の間の分離空間を形成することができ、これによってクロストークを低下させる。
【0069】
選択的に、上記の光送信器アレイ41に対する群分け及びそれぞれ光送信器を選択して1回の信号伝送過程でアクティブ化することと、光探知器アレイに対する群分け及びそれぞれ光探知器を選択して信号伝送過程でアクティブ化することは、どちらか1つを選択して実施してもよいし、又は両方を実施してもよい。両方を実施すると、1回の信号伝送過程で一緒に作動する複数の探知チャネル(特に隣接する探知チャネル)の間のクロストークをより効果的に低減することができる。
【0070】
光探知装置は、光送信器アレイ内の各送信器の発光を制御するために用いることができる制御モジュール(例えば、FPGA、SoC又は他のASICによる実現)を含む。当業者であれば理解できるように、上述した光送信器アレイ41に対する群分けの方式は、実際には、制御モジュールによって所定の複数の光送信器を同時に(明細書には「一緒に」とも記載される)発光させるように選択して制御することにより、同時に発光する前記所定の複数の光送信器の視野同士の重なりをなくし、光探知装置の探知距離内で同時に発光する前記所定の複数の光送信器の視野間に重なりがないことを実現できるものである。
【0071】
いくつかの実施例において、前記光送信器群の複数の光送信器は半導体プロセスで少なくとも1つのチップに集積することができる。例えば、前記光送信器がレーザー機器である場合、前記チップはレーザー機器チップである。1つのチップに複数の光送信器を集積することにより、単一の光送信器がそれぞれパッケージされることによる光送信器間の間隔が大きいという問題を回避し、高集積度の光送信器アレイ及び対応する光送信器群を実現することができ、光探知装置体積の削減や、レーザーレーダー線密度の向上に寄与する。
【0072】
別のいくつかの実施例において、発光部分全体は半導体プロセスで1つのチップに集積することができ、回路接続により光送信器を群分けし、送信順序を制御することにより、コストをさらに削減し、加工効率を向上させることができる。
【0073】
説明を簡略化するために、以下において、光送信器アレイ41に対する光送信器群の分けのみを例として図示的に説明する。
図4Cは、
図4Aの例示的な構造に基づく光送信器群分けの構造模式図を示す。この例において、列方向で連続的に配列される8個ごとの光送信器を1つの単位とし、1列内の2つの単位である16個の光送信器を1つの光送信器群とし、合計で8個の光送信器群を形成し、即ち、Bank0~Bank7である。
図4Dに示すように、1回の光信号の送受信において、各Bank内の1つの光送信器を選択してアクティブ化することができ、よって、1回の信号伝送過程で、8個の光送信器が同時に発光し、図において他のブロックと異なる黒色ブロックで示される。
【0074】
以上から分かるように、光送信器を群分けし且つそれぞれ光送信器を選択して発光させることにより、各光送信器群に含まれる光送信器の数が多いほど、アクティブ化された光送信器の間の分離空間が大きくなる。
【0075】
説明すべきこととして、
図4Cにおける光送信器群の分け方式は例示的なものに過ぎず、唯一のものではない。例えば、図中の列方向で連続的に配列される8個の光送信器の1つの単位を1つのBankとするか、又は1列内の3個以上の単位を1つのBankとするか、又は例えば異なる行や異なる位置に離散的に配列された数が不定の光送信器を1つのBankとする等であってもよく、図示に限定されない。
【0076】
例示的に、隣接する光送信器行又は光送信器列の各光送信器群は延在方向に交互で配列することもできる。例えば、図中の1つの単位を1つのBankとする場合、隣接する列のBankが列方向で間隔をおいてずらして配列されることが分かる。この例は、分解能を高める目的で、前述した隣接する光送信器の列又は行内の光送信器のずらした配列と同様である。
【0077】
いくつかの例において、各光送信器群内の各光送信器及び/又は各光探知器群内の各光探知器がアクティブ化される信号伝送過程は異なり、つまり、各光送信器群は1回の信号伝送過程で1つの光送信器のみがアクティブ化され、及び/又は、各光探知器群は1回の信号伝送過程で1つの光探知器のみがアクティブ化される。具体的に例を挙げて説明すれば、1回の信号伝送過程で、Bank0内のa1がアクティブ化され、Bank1内のb1がアクティブ化され、他のBankのそれぞれから1つの光送信器を選択してアクティブ化する。次回の信号伝送過程で、BANK0内のa2がアクティブ化され、Bank1内のb3がアクティブ化され、…、他のBankのそれぞれから別の光送信器を選択してアクティブ化する。以降同様に、各Bank内の光送信器が全てアクティブ化されたら、改めて交代でアクティブ化を行う。このようにして、a1とa2は1回の信号伝送過程で同時に発光することがなく、b1とb3も同様である。
【0078】
同様に、各光探知器群内の各光探知器も異なる信号伝送過程において交代でアクティブ化されてもよい。例えば、光探知器群Bank9内の光探知器i2はa1と対応して1つの探知チャネルを構成し、i1はa2と1つの探知チャネルを構成し、Bank10内のj1はb1と1つの探知チャネルを構成し、j2はb2と1つの探知チャネルを構成する。1回の信号伝送過程で、a1とb1がアクティブ化されると、i2とj1もアクティブ化され、以降同様である。
【0079】
図4Cには8個のBANKが示され、各BANKが16個の光送信器を有し、合計で128個の光送信器がある。1つの光送信器と1つの光探知器が1つの探知チャネルを構成すると、合計で128個の探知チャネルがあり、つまり、「128ライン」となる。各信号伝送過程で、128個の探知チャネルのうちの8個が一緒に作動し、16個の信号伝送過程を経て、全ての探知チャネルがトラバースされる。各光送信器は、例えばVCSELレーザー機器を採用することができ、レーザーレーダーの垂直視野角が25°となる場合、約0.2°の非常に高い垂直分解能を実現することができる。
【0080】
図4A、
図4B、
図4Cに示される例の光送信器アレイは、リニアアレイの形態である。列方向、行方向の光送信器の数は列方向、行方向の寸法に対応し、図中には、例示的に、光送信器アレイの列方向の寸法が行方向の寸法よりも顕著に大きいと示され、即ち、列方向の寸法と行方向の寸法の比率が3倍又は5倍以上である。当業者であれば理解できるように、同様に、他の例において、光送信器アレイの行方向の寸法が列方向の寸法よりも顕著に大きいことも可能である。つまり、光送信器アレイが2次元アレイである場合、その2つの次元方向の寸法が顕著に異なり、2つの次元の寸法の比率が3より大きく、又は5より大きい。上記次元方向の寸法が長いか短いかは、光送信器の数が多いか少ないかに対応し、対応する次元方向の視野角、分解能の大きさにも関係し、視野角、分解能の要件に応じて異なる次元方向の寸法を選択することができる。上記で設定された寸法の比率は、2次元の光送信器アレイだけでなく、1次元の光送信器アレイにも適用されることが理解可能であり、その違いは、2次元の光送信器アレイの寸法の比率がN:Mであり得るのに対し、1次元の光送信器アレイの寸法の比率がN:1である点である。
【0081】
具体的な応用シーンにおいて、光探知装置は、走行乗り物(例えば車両)に応用されるレーザーレーダーとして実現することができる。通常、レーザーレーダーの分野では、探知ごとに1つの探知結果(例えば、1つの点群図)が得られ、この点群図は水平と垂直視野全体をカバーする。
【0082】
例えば、道路走行シーンにおいて、障害物は路面上の人や車両である可能性があり、これらが無人運転に非常に重要なものである。レーザーレーダーの各探知チャネルのうち、中央の探知チャネルの視野は路面上の人や車両を多くカバーし、探知チャネルが縁部に近いほど、上記路面の障害物から離れる。なお、光送信器アレイの中央領域の光送信器は前記中央の探知チャネルに属し、光送信器アレイの縁部領域の光送信器は縁部の探知チャネルに属することが理解可能である。
【0083】
短距離障害物探知の効果を向上させるために、レーザーレーダーは1回の探知(例えば、1つの水平視野角に対応する探知)において、長距離測距(例えば150m)に加えて、レーザーレーダーは短距離測距(例えば3m)のための光を追加的に発光させることができ、長距離測距と短距離測距の結果を併合して探知結果が得られる。具体例において、短距離測距動作と長距離測距動作はそれぞれ異なる飛行時間窓によって実現することができ、飛行時間窓とは、1つの飛行時間範囲を指し、その計算方式はt=2×d/cのとおりであり、式中、tは光送信器が送信信号を送信することからエコー信号を受信するまでの飛行時間であり、dは障害物距離であり、cは光速であり、dの2倍は送信信号及びエコー信号が往復する距離を表す。例えば、150mの距離にある物体を探知する場合、150mの距離内に可能な予め設定された飛行時間範囲内で得られたエコー信号のみを受信することを制限し、この予め設定された飛行時間範囲を超える又は下回るエコー信号は除外される。
【0084】
一実施例において、長距離測距と短距離測距の距離が相補し、例えば長距離測距の距離を3m以上にし、短距離測距の距離を3m以内にする。他の実施例において、長距離測距と短距離測距の距離は少し重なってもよく、例えば、長距離測距を3m以上に設計し、短距離測距を5m以内にし、長距離測距と短距離測距は2mの重なった探知距離がある。
【0085】
可能な例において、長距離測距動作に対応する距離は100m~150m、又は150m~200m、又は200m~250mであってもよく、短距離測距動作に対応する距離は、3m~5m、5m~10m等であってもよい。異なる光送信器が送信するレーザーは異なる角度で発し、長距離の場合、異なる送信レーザービームの間隔が大きくなり、このため、長距離測距動作の時、点群の密度を保証するためにより密集する光送信器を使用する必要がある。短距離測距の時、光送信器の密度と数はそれに応じて低減することができる。
【0086】
可能な例において、短距離測距動作と長距離測距動作は一部が重複し又は全てが重複する探知チャネルを使用することができ、例えば、光送信器アレイの第1方向の中央領域の光送信器は、250mの長距離測距距離と3mの短距離測距距離の時に使用される。長距離測距を主とし短距離測距を副次的なものとする場合、各探知における動作の頻度や探知チャネルのリソースを長距離測距動作に偏重することができ、例えば、4回の長距離測距動作の後に1回の短距離測距動作を行う等である。
【0087】
可能な例において、短距離測定の時に、使用される光送信器の数が少なく、対応する探知チャネルの数も対応して低減される。例えば、短距離測定のために8個のBankにおける中心領域に近接するチャネルのみを選択することを制限し、例えば<128の一部の光送信器(例えば40個)を選択することができ、各光送信器が1つの探知チャネルに対応すると、40個の探知チャネルを構成し、40個の探知チャネルは順にポーリングして短距離測距動作を行う。選択的に、短距離測距動作と長距離測距動作は、チャネルをポーリングする方式も差異がある。例えば、各長距離測距動作の1回の信号伝送過程で、中央領域の複数のBANK(例えば
図4DにおけるBANK2、3、4、5)からそれぞれ1つのチャネルの光送信器を選択して一緒に作動させ、各短距離測距動作の1回の信号伝送過程で、中央領域の複数のBANKのうち、1つのBANK内の1つのチャネルのみを選択して作動を行う。
【0088】
可能な例において、前記長距離測距動作に対応する探知距離は、例えば150mと250m等、複数種類ある。アクティブ化された光送信器は、光送信器アレイでの位置が中心に近いほど、対応する予想される探知距離が遠くなり、つまり、予想提供される探知時間窓が大きくなる。一例として、
図4Cにおける垂直方向の中部領域内の中央に寄る光送信器は250mの測距時間窓(窓t=2×d/c)を提供し、最遠で250m探知可能であると予想され、相対的に縁部にある光送信器は150mの測距時間窓を提供し、最遠で150m探知可能であると予想される。
【0089】
上記の光送信器のアクティブ化方式はいくつかの例に過ぎず、その実施可能性を制限するものではない。例えば、他の例において、1つの垂直視野に対応する複数の光送信器(例えば、同一の行のもの)を配置することができるが、この複数の発光ユニットが同時に発光せず(例えば、ポーリング発光)、それぞれの耐用年数と信頼性を高めることができる。
【0090】
いくつかの実施例において、光送信器アレイ及び対応する駆動回路の駆動方式を配置することにより、その中の各光送信器に対する個別制御を実現することができ、それにより、各光送信器をポーリングして発光させるか、一緒に発光させるか、又は他の任意の組み合わせ方式の発光を選択することができる。例えば、光送信器アレイ内の各光送信器は任意の順序、間隔、信号特徴(例えば、波長、パルス幅、パルス数、パルスピーク及びパルス間の時間間隔のうちの1つ又は複数の組み合わせ)等に応じてポーリングを行うことができ、それにより柔軟な電子走査(e-scanning)が実現される。
【0091】
いくつかの例において、探知チャネル間のクロストークを低減するために、同1回の信号伝送過程で作動する各探知チャネルに伝送される光信号間の信号特徴が完全に同じではない。ここで、各探知チャネルに伝送される光信号は送信信号及び対応するエコー信号を含む。光探知装置は、信号特徴に応じて信号が所属する探知チャネルを判断するために用いることができる制御モジュール(例えばFPGA、SoC又は他のASICによる実現)をさらに含んでもよい。
【0092】
具体的には、光探知器は受信した光信号を電気信号に変換し、且つ一定の信号処理(例えばフィルタリング、アナログデジタル変換等)を経た後、制御モジュールに伝達することができ、制御モジュールは、エコー信号の信号特徴が所属する探知チャネルの光送信器の送信信号の信号特徴に一致するか否かを判断することができ、一致する場合、該エコー信号を所属する探知チャネルに用いて探知結果を計算し、例えば、ターゲットの距離等を計算する。具体例において、前記制御モジュールは、例えば、マイクロコントローラユニット(MCU)、プログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はシステムオンチップ(SoC)によって実現可能である。
【0093】
いくつかの例において、各光送信器は駆動回路の駆動信号によりアクティブ化され、前記駆動信号は光送信器の駆動回路によって発生され得る。選択的に、前記駆動信号は1つ又は複数のパルス電気信号(例えば周期的なパルス信号)を含んでもよく、よって、前記光送信器の送信信号も対応して1つ又は複数のパルス光信号を含む。対応する例において、前記信号特徴の次元は波長、パルス幅、パルス数、パルスピーク及びパルス間の時間間隔のうちの1つ又は複数の組み合わせを含んでもよい。
【0094】
選択的に、同一のBANK内の光送信器が同一の信号伝送過程で発光しなくてもよい例を基に、計算事項を簡略化するために、同一のBANK内の各光送信器の信号特徴を同じに設定することができ、こうして、各BANKはそれぞれ独自の、相互に異なる信号特徴を有するようになる。
【0095】
様々な次元の信号特徴の原理を例により説明する。
【0096】
波長を信号特徴とする例において、各光送信器群の送信信号の波長は完全に同じではなく、さらに、同一の信号伝送過程で作動する光送信器の送信信号の光波長は異なる。例として、BANK0、BANK1、BANK2、BANK3は同一の信号送信過程でそれぞれ1つの光送信器が信号を送信し、BANK0を波長λ0の光信号を送信する複数の光送信器とし、対応してBANK1~BANK3をそれぞれ波長λ1~λ3の光信号を送信する光送信器とし、λ0≠λ1≠λ2≠λ3である。これにより、各信号送信過程でそれぞれ4つのBANKからそれぞれ1つの光送信器を選択して光信号を送信し、いずれかの信号伝送過程で信号を一緒に送信する4つの光送信器が発した信号の波長はいずれも異なる。
【0097】
さらに、光探知器アレイにおいて、光送信器群に対応する光探知器群が提供され、各光探知器群内の各光探知器の光路の上流に光フィルターユニットが設けられてもよく、各前記光フィルターユニットは、本探知チャネルに対応する波長のエコー信号のみが通過可能であるように構成することができ、これにより他の探知チャネルのエコー信号及び環境光による干渉をフィルタリングして除去する。
【0098】
別の例として、
図5Aに示すように、光送信器アレイはn個の光送信器群に分けられているとする。各光送信器群の送信信号の光波長は異なり、それぞれλ1~λnである。これにより、光送信器アレイにおいて、最大でn個の送信信号を一緒に送信することに適する。n個の光送信器群のうちの任意の複数の光送信器群から光送信器を選択してアクティブ化する場合、一緒に送信する複数の光送信器は異なる波長の信号ビームを発することができる。n個の光送信器群を一緒にアクティブ化するように選択された場合、1回の光信号の送受信において、各光送信器はそれぞれ1つの光送信器を選択して信号を送信して探知を行い、送信信号のビームは送信レンズを通過して射出され、ターゲットで反射されてエコー信号を形成する。各エコー信号の波長は対応して入射された送信信号と同じで、λ1~λnであり、n個のエコー信号は窓を通過して光探知装置内に戻り、受信レンズを通過して光探知器アレイに送信される。光探知器アレイにおいて、n個の光送信器群に対応してn個の光探知器群を提供することができ、各光探知器群内の各光探知器の前部には光フィルターユニットが設けられてもよく、各前記光フィルターユニットは、本探知チャネルに対応する波長のエコー信号のみが通過可能であるように構成することができ、1回の光信号伝送で1つの光探知器群から1つの光探知器を選択してアクティブ化することにより、n個の光探知器は、他の波長のエコー信号を探知することなく、n個のエコー信号をそれぞれ探知することができ、干渉が低減される。
【0099】
パルス幅を信号特徴とする例において、各送信信号は、複数のパルスを含んでもよく、これらのパルス幅の比率は、例えば2:3:1:....等、異なるように設定して、送信信号の信号特徴とすることができる(符号化して信号特徴コードを得ることができる)。同一の信号伝送過程で、一緒に作動する異なる探知チャネルの送信信号のパルス幅の比率は異なる。例として、異なるBANKのパルス幅の比率を異ならせることにより実現することができ、例えば、
図5Bに示すように、BANK0内の各光送信器の送信信号に含まれる複数の連続パルスは1:2:1:....のパルス幅の比率を採用し、BANK1内の各光送信器の送信信号に含まれる複数のパルスは1:2:3:....のパルス幅の比率を採用し、他の各BANKのパルス幅の比率も異なる。よって、同一の信号伝送過程で、異なるBANKから選ばれる光送信器の送信信号のパルス幅の比率が相互に異なり、これにより各々が発生するエコー信号のパルス幅の比率も異なるようになる。エコー信号のパルス幅の比率が本探知チャネルの送信信号のパルス幅の比率と同じであるか否かを判断することにより、該エコー信号が本探知チャネルのエコーに属するか否かを判定することができる。エコー信号のパルス幅の比率が本探知チャネルの送信信号のパルス幅の比率と異なる場合、それを干渉信号としてフィルタリングして除去する。それにより、異なるパルス幅を信号特徴とすることで、異なる探知チャネルのエコー信号の所属を区別する。
【0100】
パルス間の時間間隔を信号特徴とする例において、同一の信号伝送過程で、一緒に作動する異なる探知チャネルの送信信号のパルス間の時間間隔の比率が異なる。例として、異なるBANKの送信信号のパルス間の時間間隔の比率を異ならせることにより実現することができる。例えば、
図5Cに示すように、BANK0内の光送信器の送信信号に含まれる複数の連続パルスのパルス時間間隔の比率を2:3:1:...にし、BANK1内の光送信器の送信信号に含まれる複数の連続パルスのパルス時間間隔の比率を2:2:3..にする。それにより、各々が発生するエコー信号のパルス時間間隔の比率も異なり、エコー信号のパルス間の時間間隔の比率が本探知チャネルの送信信号のパルス間の時間間隔の比率に一致するか否かを判断することにより、異なる探知チャネルのエコー信号の所属を区別する。
【0101】
パルス数を信号特徴とする例において、同一の信号伝送過程で、一緒に作動する異なる探知チャネルの送信信号に含まれるパルス数が異なる。例として、異なるBANKの光送信器の送信信号に含まれるパルス数が異なり、これにより各々が発生するエコー信号のパルス数も異なるようになり、エコー信号のパルス数が本探知チャネルの送信信号のパルス数に一致するか否かを判断することにより、異なる探知チャネルのエコー信号の所属を区別する。
【0102】
パルスピーク(光強度ピーク又は電気信号に変換されるピークに対応する)を信号特徴とする例において、同一の信号伝送過程で、一緒に作動する異なる探知チャネルの送信信号に含まれる複数のパルスのピーク強度の比率が異なる。例として、異なるBANKの光送信器の送信信号に含まれる複数のパルスのパルスピーク強度の比率を異ならせることにより実現される。例えば、BANK0内の光送信器の送信信号に含まれる複数のパルスのパルスピークの比率をX:Y:Z:...にし、BANK1内の光送信器の送信信号に含まれる1つ又は複数のパルスのパルスピークを全てW:X:Y...にする。それにより、各々が発生するエコー信号のパルスピークの比率も異なり、エコー信号のパルスピーク強度の比率が本探知チャネルの送信信号のパルスピーク強度の比率に一致するか否かを判断することにより、異なる探知チャネルのエコー信号の所属を区別する。
【0103】
また、以上の信号特徴を組み合わせて異なる探知チャネルの光信号の信号特徴を生じることもできる。
【0104】
説明すべきこととして、上記比率、例えば、パルス幅の比率、パルス間の時間間隔比率、パルスピーク強度比率について、整数比は例示的なものに過ぎず、実際の応用において、上記比率は任意の数値であってもよい。
【0105】
信号特徴によって所属する探知チャネルを区別する様々な実施例の1つ又は複数では、光探知装置はレーザーレーダーであってもよく、ポーリング又はいずれか1つのレーザー機器又は任意に組み合わせたレーザー機器(レーザー機器によってアドレッシングできる)を自由に選択して高自由度の探知走査を実現することができることが理解可能であり、これにより少なくとも多方面の目的を達成する。
【0106】
一方では、探知目標、領域の自由な選択を実現することができる。具体的には、前記光探知装置がレーザーレーダーである場合、例えば走行乗り物(例えば、インテリジェント運転車等)に搭載され、その走行に伴って探知を行うことができる。ある走査における点群データに基づいて特定のターゲット又は関心のある領域が識別された場合、次回に再度走査する必要がある時に、自由アドレッシングによってこの特定のターゲット又は関心のある領域のみをオンに/走査することを選択することができ、例えば、特定のターゲット又は関心のある領域に対する暗号化走査等の実施に応用することができる。
【0107】
他方では、探知チャネルのクロストークを低減することができる。具体的な発光又は走査する領域を自由に選択することができるため、探知の時に
図4Dの実施例のように物理的間隔ができる限り大きなレーザー機器を選択して同一の信号伝送過程で発光させることもでき、探知チャネルのクロストークが大幅に低減され、現在のレーザーレーダー製品に比べて、より高い信号対雑音比と探知効果を達成することができる。
【0108】
さらなる一方では、点群データの収集に必要な探知回数を低減し、光探知装置全体の電力消費を低減することもできる。これは、ライン数が増加する技術的傾向では、ライン数が大きいほど、対応する消費エネルギーが多くなり、余分の放熱及び信頼性の問題を引き起こすからである。
【0109】
上記の例において、光送信器アレイ内の各光送信器は駆動回路の駆動制御信号によってアクティブ化することができる。例示的に、各光送信器の送信信号の信号特徴は駆動制御信号の信号特徴によって決められ得る。
【0110】
図6は本出願の一実施例における光送信器アレイの駆動回路の回路構造模式図を示す。
【0111】
前記駆動回路は、
各探知チャネルに属する光送信器にそれぞれ対応する駆動モジュールと、
駆動モジュールを制御して光送信器をアクティブ化するための駆動信号Triggerが入力される入力端と、各駆動モジュールに一対一に対応して接続されることで、入力端に通じるように選択されて前記駆動信号を出力する複数の出力端とを含む、マルチプレクサMUXと、を含む。
【0112】
図示において、駆動モジュールの数は例示的に探知チャネル0~15に対応する16個と示され、駆動モジュール0~15と標記される。図において駆動モジュール0の構造が例示的に示され、他の駆動モジュールはその構造と同じであってもよい。16個の探知チャネルの光送信器はLD0~LD15と標記される。
【0113】
駆動モジュールは、NMOS管M1、PMOS管M2、抵抗R1、高圧ダイオードD1、定圧ダイオードD2、エネルギー蓄積コンデンサCを含む。
【0114】
電源ラインを提供し、電源電圧HVDDにアクセスし、電源ラインにライン制御ユニットK(スイッチによって実現されてもよい)が直列に接続され、ライン制御ユニットの入力端はHVDDにアクセスし、その出力端はHVDD1を出力する。ライン制御ユニットKの出力端はそれぞれR1、D1の正極、D2の負極及びM2のソース電極に接続される。抵抗R1の他端はM1のドレイン電極に接続され、M1のグリッド電極はマルチプレクサMUXの1つの出力端に接続されて、Triggerによって制御されてオン又はオフにされる。D1、D2、R1は並列に接続され、D1の負極とD2の正極はM1のドレイン電極及びM2のグリッド電極に接続される。M2のドレイン電極は光送信器の一端に接続され、光送信器の他端が接地する。コンデンサCは一端が電源ラインに接続され、他端が接地する。
【0115】
選択的に、M1のソース電極には制御信号、8ビットのデジタル信号等が入力可能であり、M1ソース電極は一時的デジタルアナログ変換器(IDAC)の出力端に接続することができ、制御信号は一時的デジタルアナログ変換器の入力端に入力されてアナログ電圧に変換され、M1ソース電極に印加される。この制御信号に対応するアナログ電圧の高低によりVgsを制御し、さらにM1及びM2の開閉状態を制御する。又は、M1のソース電極は低電位に直接アクセスすることもでき、例えば、接地することもできる。
【0116】
非作動状態では、ライン制御ユニットKはオンにされ、HVDD1=HVDDとし、M1がオフにされてHVDDがM2グリッド電極に作用し、M2もオフにされ、光送信器LD0が発光しない。
【0117】
作動状態では、Triggerはマルチプレクサによって探知チャネル0、即ち、ストローブ駆動モジュール0を選択する。Triggerが高電位である場合、対応するライン制御ユニットKはHVDDの電力を切断し、M1ソース電極が低電位である場合、TriggerはM1をオンにするように制御し、M2のグリッド電極の電圧を低くしてM2をオンにする。Cは放電を開始してHVDD1を維持し、それに応じてM2ドレイン電極で駆動電流を発生させて光送信器LD0を流れて、その発光を駆動する。
【0118】
作動状態が非作動状態に切り替えられると、Cは充電を続け、M1、M2がオフにされ、光送信器LD0が発光しなくなる。
【0119】
いくつかの例において、光送信器の作動状態の切り替えに対して、コンデンサの充電速度が遅い。光送信器のマルチパルス発光(Triggerがマルチパルス信号の駆動である場合)をサポートするために、電気容量が大きなコンデンサCを採用することができ、これにより、発光するたびに、コンデンサは貯蓄電力のわずか一部を放出するだけで光送信器を駆動して発光させることができる。このようにして、2回の発光の間隔時間Δt内で消費された電力をコンデンサに充電できなくても、残りの電力でレーザーを再度駆動して発光させることができる。コンデンサの放電電流が電力の低下につれて小さくなるので、再度発光時にコンデンサに残った電力が少なくて放電電流(レーザー機器の駆動電流)が小さ過ぎることを回避するために、選択的に、予め設定された回数を満たすことができる放電が得られるようにコンデンサCの電気容量を設定することができ、例えば、1回の発光駆動に必要な放電量がコンデンサCの合計貯蓄電力の10%以内を占めるようにする等である。
【0120】
このことから分かるように、駆動信号Triggerのマルチパルス信号によって、光送信器の送信信号を対応するマルチパルス信号の形態に制御することができ、即ち、Triggerの信号特徴は送信信号の信号特徴と関連しており、例えば一致する。さらに、異なる探知チャネルのTriggerの信号特徴を異なるように設定することにより、異なる探知チャネルの異なる送信信号を達成することができる。送信信号とエコー信号が一致する信号特徴を有するため、異なる探知チャネルにおける光信号の信号特徴の差異を実現し、これにより信号特徴に基づいてエコー信号が所属する探知チャネルを判別できることが実現され、探知チャネル間のクロストークが低減される。
【0121】
例えば、
図7に示すダブルパルスの例は、パルス数を信号特徴とする前記例に対応する。まず、Trigger1によって光送信器をパルス信号pulse1を発生させるように駆動し、Δtの時間間隔の後、Trigger2によってレーザー機器をパルスpulse2を発生させるように再度駆動する。一緒に発光する複数のチャネルのパルス数は異なってもよく、即ち、異なるチャネルの光送信器は異なる数のTrigger信号によって駆動され、それぞれ異なるパルス数の発光信号を送信させる。
【0122】
パルス時間間隔を信号特徴とする前記例に対応して、
図7と
図8A~
図8Dを参照することができる。
【0123】
光送信器信号に含まれる複数のパルス信号の間のパルス時間間隔はTrigger信号の時間間隔によって決められる。このため、一緒に発光する複数の光送信器に対応するTrigger信号に対して異なるシーケンスで符号化することができる。
図7と
図8A~
図8Dにおいて、例示的に、光パルス時間間隔は、隣接するTriggerパルスの立ち上がりエッジ間の時間間隔に基づいて得られ、対応する右から左への時間軸(図示せず)は、過去から現在までの時間を示す。
【0124】
異なる探知チャネルに属する光送信器がいずれも例えば
図7のダブルパルスの送信信号を送信することを例とするが、異なる探知チャネルの送信信号のΔtは、それらのエコー信号を区別するために、それぞれ異なる。
【0125】
又は、
図8A~8Dは、それぞれ異なる探知チャネルに対応するBANK1~BANK4の駆動信号Triggerの可能なパルス符号化形態を示す。図示において、各探知チャネルのTriggerが3つのパルスを含むことを例示的に示す。
【0126】
具体的には、
図8Aにおいて、BANK1のTriggerはTrigger3
0、Trigger2
0、及びTrigger1
0の3つのパルス信号を含み、Trigger3
0とTrigger2
0のパルス時間間隔はΔt2
0であり、Trigger2
0とTrigger1
0のパルス時間間隔はΔt1
0である。
【0127】
図8Bにおいて、BANK2のTriggerはTrigger3
1、Trigger2
1、及びTrigger1
1の3つのパルス信号を含み、Trigger3
1とTrigger2
1のパルス時間間隔はΔt2
1=Δt2
0であり、Trigger2
0とTrigger1
0のパルス時間間隔はΔt1
1≠Δt1
0である。
【0128】
図8Cにおいて、BANK3のTriggerは、Trigger3
2、Trigger2
2、及びTrigger1
2の3つのパルス信号を含み、Trigger3
2とTrigger2
2のパルス時間間隔はΔt2
1≠Δt2
0であり、Trigger2
2とTrigger1
2のパルス時間間隔はΔt1
1=Δt1
0である。
【0129】
図8Dにおいて、BANK4のTriggerは、Trigger3
3、Trigger2
3、及びTrigger1
3の3つのパルス信号を含み、Trigger3
3とTrigger2
3のパルス時間間隔はΔt2
3≠Δt2
0であり、Trigger2
2とTrigger1
2のパルス時間間隔はΔt1
3≠Δt1
0である。
【0130】
以上から分かるように、4つの探知チャネルの発光信号は、それぞれのマルチパルスのパルス時間間隔の比率が完全に同じではないように符号化され、Δt1がそれぞれ異なり、Δt2がそれぞれ異なり、Δt1とΔt2のいずれかが異なり、又はΔt1とΔt2がいずれも異なる等であってもよい。
【0131】
パルス幅を信号特徴とする前記例に対応して、異なる探知チャネルのTrigger内の複数のパルス信号のパルス幅の比率は異なってもよい。送信信号に含まれるパルス信号のパルス幅は、Trigger信号のパルス幅に伴って変化し、Trigger信号のパルス幅は送信信号のパルス幅と正の相関を有することができる。従って、
図9に示すように、Trigger信号のパルス幅を変更することにより、レーザー機器が発したマルチパルスがパルス幅符号化を有するようにすることができる。
図9は1つの探知チャネルのTriggerの波形模式図を模式的に示し、それに含まれる3つのパルス信号Trigger1、Trigger2、Trigger3間のパルス幅の比率は設定可能である。
【0132】
説明すべきこととして、エコー信号にパルス広がり等の変化が存在し得るが、同一のターゲットで反射されるエコー信号において、複数のパルス信号のパルス幅は等比率で変化するはずであるため、エコー信号の複数のパルス信号間のパルス幅の比率に応じて、有効なエコーであるか否かを判断することができる。
【0133】
強度符号化を信号特徴とする前記例の原理はパルス幅符号化と同様であり、光送信器は特定の強度比率で複数のパルスの送信信号を送信し、一緒に発光する複数のレーザーが発した複数のパルスの信号強度の比率が異なり、エコーのマルチパルス強度比率を判断することにより、有効なエコーであるか否かを判断する。
【0134】
また、上記異なる次元の信号特徴を組み合わせることができ、例えば、一部の探知チャネルがダブルパルスを発し、一部のチャネルがトリプルパルスを発し、ダブルパルスを発するいくつかの探知チャネルがダブルパルス間のシーケンス符号化、パルス幅符号化、強度符号化等を行い、トリプルパルスを発するいくつかの探知チャネルもトリプルパルス間のシーケンス符号化、パルス幅符号化、強度符号化等を行い、一緒に作動する複数のチャネルに対応する組み合わせた信号特徴をそれぞれ異ならせることができる。
【0135】
また、クロストークをさらに防止するために、いくつかの実施例において、光探知装置内の制御モジュールはさらに、さらに同一の探知チャネルに対して2回以上の「送信信号の送信-エコー信号の受信」の信号伝送過程を連続的に行い、且つ複数回(例えば2回)測定して算出された飛行時間値(Time Of Flying,TOF)を比較することができ、複数回測定した飛行時間値が一致する(同じ又は誤差が予め設定された閾値未満であってもよい)場合、該探知チャネルの探知結果が有効であると判断し、そうでなければ、該探知チャネルがクロストークを受けていると判断し、探知結果を廃棄する。
【0136】
上記実施例は本出願の原理及びその効果を例示的に説明するものに過ぎず、本出願を制限するためのものではない。当業者が本出願の趣旨及び範囲から逸脱することなく、上記実施例を修飾又は変更することができる。従って、所属する技術分野で通常知識を有する者は、本出願に開示された趣旨と技術的構想から逸脱することなくなされたすべての等価修飾又は変更は、本出願の請求項に含まれるべきである。
【国際調査報告】