(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】冷凍アブレーションアイスボール形成モニタリングデバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/02 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
A61B18/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566854
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 US2022030754
(87)【国際公開番号】W WO2022251236
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】コンディ、キャシー
(72)【発明者】
【氏名】オストルート、ティモシー エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ、ホン
(72)【発明者】
【氏名】ザックマン、アンドリュー ケイ.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ03
(57)【要約】
本明細書に開示されるのは、冷凍アブレーション針におけるアイスボールの形成をモニタリングするためのデバイス、システム、および方法である。例示的な方法は、冷凍アブレーション針の遠位部分に配置された電極配置構成の少なくとも1つの電極からインピーダンスを受信することを含む。電極配置構成は、冷凍アブレーション針の遠位部分上にアイスボールが形成されるときにアイスボールと係合して、インピーダンスの変化を引き起こすように構成されている。例示的な方法は、インピーダンスの変化率に基づいてアイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍アブレーション針におけるアイスボールの形成をモニタリングするための方法であって、
冷凍アブレーション針の遠位部分に配置された電極配置構成の少なくとも1つの電極からインピーダンスを受信することであって、前記電極配置構成は、前記冷凍アブレーション針の遠位部分上にアイスボールが形成されるときに前記アイスボールと係合して、前記インピーダンスの変化を引き起こすように構成されている、前記電極配置構成の少なくとも1つの電極からインピーダンスを受信すること、
前記インピーダンスの変化率に基づいて前記アイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数の物理的属性は、前記アイスボールのサイズおよび前記アイスボールの形状のうちの少なくとも1つを含み、任意選択で、前記インピーダンスの変化率は、前記冷凍アブレーション針に配置された少なくとも1つの基準位置に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの基準位置は、前記冷凍アブレーション針の遠位部分の先端セクションから前記少なくとも1つの電極までの距離に配置された第1の基準位置を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記電極配置構成は、複数の電極を備え、前記少なくとも1つの電極は、第1の電極であり、前記複数の電極は、前記第1の電極と、第2の電極とを含み、前記少なくとも1つの基準位置は、前記第1の電極と前記第2の電極との間の距離を示す距離を定義し、任意選択で、前記第2の電極は、前記第1の電極に近接する位置に配置されている、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記冷凍アブレーション針は、導電性材料から形成された針本体と、前記針本体の1つまたは複数の露出領域および前記針本体の1つまたは複数の非露出領域を形成するように、前記針本体を受け入れるように構成されたシースとを備え、前記少なくとも1つの電極は、前記1つまたは複数の露出領域のうちの第1の露出領域を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの電極は、複数の電極を含み、前記1つまたは複数の露出領域は、複数の露出領域を含み、前記複数の電極の各電極が前記複数の露出領域内の露出領域に対応するか、または前記針本体が前記シースに移動可能に受け入れられている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記インピーダンスの変化率に基づいて前記アイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定することは、前記1つまたは複数の物理的属性を前記インピーダンスの変化率に相関させる伝達関数を使用することを含み、任意選択で、前記インピーダンスの変化率に基づいて前記アイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定することは、前記電極配置構成と通信するプロセッサを介して実行される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
冷凍アブレーション針に配置された電極配置構成の少なくとも1つの電極と通信するプロセッサからデータを読み取るためのプロセッサ実行可能命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記プロセッサ実行可能命令は、デバイス上にインストールされると、前記デバイスが、動作を実行することを可能にし、前記動作は、
冷凍アブレーション針の遠位部分に配置された前記電極配置構成の前記少なくとも1つの電極からインピーダンスを受信することであって、前記電極配置構成は、前記冷凍アブレーション針の遠位部分上にアイスボールが形成されるときに前記アイスボールと係合して、前記インピーダンスの変化を引き起こすように構成されている、前記電極配置構成の前記少なくとも1つの電極からインピーダンスを受信すること、
前記インピーダンスおよび前記冷凍アブレーション針に配置された基準位置のうちの少なくとも1つに基づいて、前記アイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定すること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記1つまたは複数の物理的属性は、前記アイスボールのサイズおよび前記アイスボールの形状のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記動作は、
ディスプレイデバイスを介して、決定された前記1つまたは複数の物理的属性を有するアイスボールのイラストレーションを生成すること、
前記アイスボールの形成をモニタリングすること、
前記アイスボールの前記1つまたは複数の物理的属性が変化したときに、前記アイスボールの前記イラストレーションを更新すること
をさらに含む、請求項8または9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記インピーダンスおよび前記冷凍アブレーション針に配置された基準位置のうちの少なくとも1つに基づいて、前記アイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定することは、前記物理的属性を前記インピーダンスの変化率に相関させる伝達関数を使用することを含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記動作は、1つまたは複数のアイスボールが合体したかどうかを判定することをさらに含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
冷凍アブレーション針であって、
近位部分および前記近位部分の反対側の遠位部分を有する針本体と、
少なくとも1つの電極を含む電極配置構成であって、前記電極配置構成は、前記冷凍アブレーション針の前記遠位部分に配置されており、前記少なくとも1つの電極は、インピーダンスを生成するように構成されている、少なくとも1つの電極を含む電極配置構成と、
少なくとも1つの導体ワイヤを含む導体ワイヤアセンブリと
を備え、前記導体ワイヤアセンブリは、アイスボールのサイズまたはアイスボールの形状を示す尺度が前記インピーダンスの変化率に基づいて決定できるように、前記電極配置構成と通信する、冷凍アブレーション針。
【請求項14】
前記冷凍アブレーション針は、導電性材料から形成された針本体と、前記針本体の1つまたは複数の露出領域および前記針本体の1つまたは複数の非露出領域を形成するように、前記針本体を受け入れるように構成されたシースとを備え、前記少なくとも1つの電極は、前記1つまたは複数の露出領域のうちの第1の露出領域を備え、前記少なくとも1つの電極は、複数の電極を含み、前記1つまたは複数の露出領域は、複数の露出領域を含み、前記複数の電極の各電極が前記複数の露出領域内の露出領域に対応し、任意選択で、前記針本体は、前記シースに移動可能に受け入れられている、請求項13に記載の冷凍アブレーション針。
【請求項15】
前記電極配置構成は、複数の電極を備え、前記少なくとも1つの電極は、第1の電極であり、前記複数の電極は、前記第1の電極と、第2の電極とを含み、
前記インピーダンスの変化率は、冷凍アブレーション針の遠位部分の先端セクションから前記第1の電極もしくは前記第2の電極のいずれかまでの距離、または前記第1の電極と前記第2の電極との間の距離に対応する距離を示す少なくとも1つの基準位置に基づいている、請求項13または14に記載の冷凍アブレーション針。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、冷凍手術の分野に関する。より詳細には、本発明は、腫瘍または他の組織に使用するための冷凍アブレーション針に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍手術システムは、1つまたは複数の凍結源に接続された1つまたは複数の冷凍アブレーション針を備えている。これらのシステムの1つの一般的な用途は、腫瘍または組織を凍結融解サイクルに供することによる腫瘍または組織のアブレーションである。そのようなシステムでは、凍結剤は、凍結源から冷凍アブレーション針に送達され、そこで、凍結剤(例えば、液体窒素などの液体凍結剤および/または窒素、亜酸化窒素、酸素、アルゴンなどのガス凍結剤)が膨張すると、針先端が急速に冷却され、それによって、針先端の近傍の組織を凍結させる。冷凍アブレーション処置の1つのタイプにおいて、医師は、金属(例えば、ステンレス鋼)プローブを、超音波誘導下で患者の体内に経皮的に配置する。次いで、プローブを通して凍結剤が循環され、腫瘍および/または組織全体にわたって拡張する氷の層(例えば、「アイスボール」)を生成する。このプロセスは、従来の医療撮像(例えば、用途に応じて、コンピュータ断層撮影(または「CT」)、経皮超音波検査(TUS)、またはMRI撮像)を使用して、腫瘍または組織内での凍結の進行を観察することによってモニタリングすることができる。組織の凍結および解凍のサイクルは、組織の凝固壊死をもたらす。
【0003】
従来のモニタリング方法は、ある程度有用であるが、いくつかの欠点がある。このような冷凍手術システムを使用する腫瘍および/または他の組織の冷凍アブレーションの間、臨床医は、いくつかの理由のために氷形成を注意深くモニタリングする。例えば、そのようなモニタリングは、氷が組織および/または腫瘍を、マージンを持って適切に覆っていることを検証するために有用であり得る。別の例では、そのようなモニタリングは、重要な構造を冷凍アブレーションから保護するのに有用であり得る。CT、超音波、またはMRIイメージング方法は、リアルタイムモニタリングには役立たない。それらは時間内のスナップショットを提供する。さらに、頻繁なCT画像は、患者を過剰な放射線にさらす。一部の組織(例えば、骨や肺)では、アイスボールを見ることが困難である。MRI撮像は、針シャフト上に過度の加熱を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
例1において、方法は、冷凍アブレーション針の遠位部分に配置された電極配置構成の少なくとも1つの電極からインピーダンスを受信することを含む。電極配置構成は、冷凍アブレーション針の遠位部分上にアイスボールが形成されるときにアイスボールと係合して、インピーダンスの変化を引き起こすように構成されている。例示的な方法は、インピーダンスの変化率に基づいてアイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定することを含む。
【0005】
例1にさらに付け加える別の例(「例2」)によれば、1つまたは複数の物理的属性は、アイスボールのサイズおよびアイスボールの形状のうちの少なくとも1つを含み、任意選択で、インピーダンスの変化率は、冷凍アブレーション針に配置された少なくとも1つの基準位置に基づいている。
【0006】
例2にさらに付け加える別の例(「例3」)によれば、少なくとも1つの基準位置は、冷凍アブレーション針の遠位部分の先端セクションから少なくとも1つの電極までの距離に配置された第1の基準位置を含む。
【0007】
例2にさらに付け加える別の例(「例4」)によれば、電極配置構成は、複数の電極を備え、少なくとも1つの電極は、第1の電極であり、複数の電極は、第1の電極と、第2の電極とを含み、少なくとも1つの基準位置は、第1の電極と第2の電極との間の距離を示す距離を定義し、任意選択で、第2の電極は、第1の電極に近接する位置に配置されている。
【0008】
例1~4にさらに付け加える別の例(「例5」)によれば、冷凍アブレーション針は、導電性材料から形成された針本体と、針本体の1つまたは複数の露出領域および針本体の1つまたは複数の非露出領域を形成するように、針本体を受け入れるように構成されたシースとを備え、少なくとも1つの電極は、1つまたは複数の露出領域のうちの第1の露出領域を備える。
【0009】
例5にさらに付け加える別の例(「例6」)によれば、少なくとも1つの電極は、複数の電極を含み、1つまたは複数の露出領域は、複数の露出領域を含み、複数の電極の各電極が複数の露出領域内の露出領域に対応するか、または針本体がシースに移動可能に受け入れられている。
【0010】
例1~6にさらに付け加える別の例(「例7」)によれば、インピーダンスの変化率に基づいてアイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定することは、1つまたは複数の物理的属性をインピーダンスの変化率に相関させる伝達関数を使用することを含み、任意選択で、インピーダンスの変化率に基づいてアイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定することは、電極配置構成と通信するプロセッサを介して実行される。
【0011】
例8では、非一時的コンピュータ可読媒体は、冷凍アブレーション針に配置された電極配置構成のうちの少なくとも1つの電極と通信するプロセッサからデータを読み取るためのプロセッサ実行可能命令を有し、プロセッサ実行可能命令は、デバイス上にインストールされると、デバイスが、動作を実行することを可能にし、動作は、冷凍アブレーション針の遠位部分に配置された電極配置構成の少なくとも1つの電極からインピーダンスを受信することであって、電極配置構成は、冷凍アブレーション針の遠位部分上にアイスボールが形成されるときにアイスボールと係合して、インピーダンスの変化を引き起こすように構成されている、電極配置構成の少なくとも1つの電極からインピーダンスを受信すること、インピーダンスおよび冷凍アブレーション針に配置された基準位置のうちの少なくとも1つに基づいて、アイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定することを含む。
【0012】
例8にさらに付け加える別の例(「例9」)によれば、1つまたは複数の物理的属性は、アイスボールのサイズおよびアイスボールの形状のうちの少なくとも1つを含む。
例8~9にさらに付け加える別の例(「例10」)によれば、動作は、ディスプレイデバイスを介して、決定された1つまたは複数の物理的属性を有するアイスボールのイラストレーションを生成すること、アイスボールの形成をモニタリングすること、アイスボールの1つまたは複数の物理的属性が変化したときに、アイスボールのイラストレーションを更新することをさらに含む。
【0013】
例8~10にさらに付け加える別の例(「例11」)によれば、インピーダンスおよび冷凍アブレーション針に配置された基準位置のうちの少なくとも1つに基づいて、アイスボールの物理的属性を決定することは、物理的属性をインピーダンスの変化率に相関させる伝達関数を使用することを含む。
【0014】
例8~11にさらに付け加える別の例(「例12」)によれば、動作は、1つまたは複数のアイスボールが合体したかどうかを判定することをさらに含む。
例13では、冷凍アブレーション針は、近位部分および近位部分の反対側の遠位部分を有する針本体と、少なくとも1つの電極を含む電極配置構成であって、電極配置構成は、冷凍アブレーション針の遠位部分に配置されており、少なくとも1つの電極は、インピーダンスを生成するように構成されている、少なくとも1つの電極を含む電極配置構成と、少なくとも1つの導体ワイヤを含む導体ワイヤアセンブリとを備え、導体ワイヤアセンブリは、アイスボールのサイズまたはアイスボールの形状を示す尺度がインピーダンスの変化率に基づいて決定できるように電極配置構成と通信する。
【0015】
例13にさらに付け加える別の例(「例14」)によれば、冷凍アブレーション針は、導電性材料から形成される針本体と、針本体の1つまたは複数の露出領域および針本体の1つまたは複数の非露出領域を形成するように、針本体を受け入れるように構成されたシースとを備え、少なくとも1つの電極は、1つまたは複数の露出領域のうちの第1の露出領域を備え、少なくとも1つの電極は、複数の電極を含み、1つまたは複数の露出領域は、複数の露出領域を含み、複数の電極の各電極が複数の露出領域内の露出領域に対応し、任意選択で、針本体は、シースに移動可能に受け入れられている。
【0016】
例13~14にさらに付け加える別の例(「例15」)によれば、電極配置構成は、複数の電極を備え、少なくとも1つの電極は、第1の電極であり、複数の電極は、第1の電極と、第2の電極とを含み、インピーダンスの変化率は、冷凍アブレーション針の遠位部分の先端セクションから第1の電極もしくは第2の電極のいずれかまでの距離、または第1の電極と第2の電極との間の距離に対応する距離を示す少なくとも1つの基準位置に基づいている。
【0017】
複数の実施形態が開示されているが、本発明の例示的な実施形態を示し説明する以下の詳細な説明から、本発明のさらに他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、限定的なものではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2A】
図2Aは、本開示の原理による冷凍アブレーション針の図である。
【
図2B】
図2Bは、
図2Aに示される冷凍アブレーション針の経時的なインピーダンスの変化率を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示の原理による方法のフローチャートである。
【
図4】
図4は、本開示の原理によるインピーダンスの変化率を示す図である。
【
図5】
図5は、本開示の原理によるデータ処理システムの図である。
【
図6A】
図6Aは、本開示の原理による複数の別個の電極を備えた冷凍アブレーション針の図である。
【
図6B】
図6Bは、
図6Aに示される冷凍アブレーション針のインピーダンスの変化率の図である。
【
図7A】
図7Aは、本開示の原理によるシース付き冷凍アブレーション針の図である。
【
図7B】
図7Bは、
図7Aに示される冷凍アブレーション針のインピーダンスの変化率の図である。
【
図8A】
図8Aは、本開示の原理による複数の感知位置を有するシース付き冷凍アブレーション針の図である。
【
図8B】
図8Bは、
図8Aに示される冷凍アブレーション針のインピーダンスの変化率の図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、様々な修正形態および代替形態に従うが、特定の実施形態が、例として図面に示されており、以下で詳細に説明される。しかしながら、その意図は、本発明を記載された特定の実施形態に限定することではない。逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に入るすべての修正、均等物、および代替を包含することが意図される。
【0020】
本開示の原理の理解を促進する目的のために、以下に説明する図面に示される例を参照する。本明細書に開示される例示的な例は、網羅的であること、または本開示を以下の詳細な説明に開示される厳密な形態に限定することを意図するものではない。むしろ、これらの例示的な例は、当業者がそれらの教示を利用できるように選択され、説明されたものである。所与の例における複数の(例えば、すべての)特徴を、すべての例にわたって使用されるようにすることは、本開示の範囲を超えるものではない。
【0021】
本明細書に開示されるのは、アイスボール形成に関連する情報を医師に知らせるために、冷凍手術システムにおいて採用され得る原理である。
図1は、冷凍手術環境の概略図を示す。特に、
図1は、本開示の非限定的な例による、磁気共鳴撮像(以下、「MRI」)誘導冷凍手術システム10の概略図である。
【0022】
冷凍手術システムは、標的組織(例えば、組織および/または腫瘍)を凍結切除するために使用することができる。典型的には、そのようなシステムは、1つまたは複数の冷凍アブレーション針と、1つまたは複数の凍結源60と、コントローラとを含む。凍結源60は、アルゴン、窒素、空気、クリプトン、CO2、CF4、キセノン、および様々な他のガスなどのガス(例えば、クライオガス(cryogas))を供給することができる。本明細書で使用される場合、「凍結剤(cryogen)」は、低温(例えば、170ケルビン未満)に達する任意の流体またはガスを指すことができる。いくつかの非限定的な例では、流体は、約1000psi(約6.89476MPa)(例えば、典型的には約3500psi(約24.13166MPa))を超える圧力に加圧され、膨張(例えば、以下でさらに説明するようなジュール-トムソン膨張)を受けたときに低温(例えば、170ケルビン未満)に達することができる。冷凍手術システム10は、1つまたは複数のセンサ、流量計、タイマ、アナログ/デジタル変換器、有線または無線通信モジュールなどを有するコントローラも含むことができる。加えて、コントローラは、冷凍アブレーション針100に供給される凍結剤の流量、温度、および圧力のうちの1つまたは複数を調節することができる。
【0023】
例えば、冷凍手術の間、外科医は、患者20内に1つまたは複数の冷凍アブレーション針を展開(deploy)することができる。これらの冷凍アブレーション針は、冷凍アブレーション針100を患者の解剖学的構造の標的領域またはその付近に配置することによって、患者の解剖学的構造の標的領域を冷凍切除することができる。一例では、冷凍アブレーション針100は、ジュール-トムソン効果を使用して冷却または加熱を行う。そのような場合、凍結剤は、冷凍アブレーション針100内で、より高い圧力からより低い圧力まで膨張する。凍結剤の膨張は、冷凍アブレーション針100の先端付近の組織を冷凍切除するために必要な温度またはそれ未満の温度をもたらす。膨張した凍結剤と冷凍アブレーション針100の外壁との間の熱移動は、アイスボールを形成し、その結果、組織を冷凍切除するために使用することができる。
【0024】
図1のシステム10は、患者20を収容するためのMRI磁石16を備えたMRIスキャナ14を備えた磁石室12を含むことができる。MRI磁石16は、開放型または閉鎖型とすることができ、外科医が患者20にアクセスすることを可能にするアクセスポートを含むことができる。MRI磁石16は、以下でさらに説明されるように、種々の電気システム、制御システム、および/または冷凍アブレーションシステムに接続するために、
図1の電気接続ライン(実線によって示される)および/または機械的接続ライン(破線によって示される)も有することができる。システム10は、(電気的および/または磁気的絶縁23によって)磁石室12から電気的に(および/または磁気的に)絶縁された制御室22と、機器室24とを含むことができる。MRIシステム10は、手術器具32の挿入前に患者20を撮像して、腫瘍または患者20の腔などの患者20の関心領域を視覚化するために使用され得る。さらに、患者20の体内の意図された位置に手術器具を案内するために、挿入中に撮像が行われてもよい。加えて、撮像は、挿入後および手術中、ならびに手術後に行われてもよい。
【0025】
引き続き
図1を参照すると、非限定的な例では、接続ラインは、患者20の体内に挿入可能な冷凍アブレーション針などの1つまたは複数の手術器具32で終端することができる。したがって、いくつかのそのような例では、システム10は、磁石室12の外側(例えば、制御室22または機器室24内)に配置され得る冷凍アブレーションシステムの他の構成要素への1つまたは複数の手術器具32,34,36の接続を可能にするために、磁石室12の内側に配置されるコネクタインタフェース30を含んでいてよい。例えば、システム10は、制御室22から磁石室12まで延在する電気接続ラインおよび流体接続ラインを含んでいてよく、制御システム40を手術器具32に動作可能に接続することができる。コネクタインタフェース30は、いくつかの例では、磁石室12の外側(例えば、制御室22内)に配置された制御システム40に複数の手術器具32が直接的または間接的に(例えば、電気的および/または流体的に)接続されることを可能にするために、磁石に近接して配置されたカート50(固定式または移動式であってよい)上に設けられ得る。図示の実施形態では、カート50は、移動式カート50である。
【0026】
制御システム40と手術器具32との間の電気接続および流体接続について、一例に従って説明する。制御システム40は、第1の組の電気接続ライン54を介して磁石室12の外部に位置する接続ボックス52に電気的に接続することができる。さらに、接続ボックス52は、磁石室12の外部(例えば、機器室24内)に位置する電気機器および/または撮像機器57(撮像ルータおよび電気フィルタなど)に接続するための第2の組の電気接続ライン56を含むことができる。第3の組の電気接続ライン58は、電気機器および/または撮像機器57を、磁石室12の内側に位置するコネクタインタフェース30および/または移動式カート50に接続することができる。接続ボックス52は、磁石室12内の構成要素と、電気室および/または制御室内の構成要素との間のリムーバブルな電気接続を可能にすることができる。
【0027】
再び
図1を参照すると、いくつかの例では、システム10は、凍結外科処置(例えば、冷凍アブレーション)を行うために使用され得る。したがって、いくつかの例では、システム10は、1つまたは複数の凍結源60を含んでいてよい。凍結源は、手術器具32(例えば、冷凍アブレーション針)に極低温および圧力で流体を提供することができる液体またはガス容器であってよい。凍結源は、アルゴン、窒素、空気、クリプトン、CF4キセノン、またはN2Oなどの冷却ガスであってよい。
【0028】
図1から分かるように、凍結源は、磁石室12の外側に配置され、第1の組の流体接続ライン62を介して制御システム40に流体接続可能である。制御システム40は、次いで、第2の組の流体接続ライン64および第3の組の流体接続ライン66を介して、コネクタインタフェース30および/または移動式カート50に流体接続され得る。第4の組の流体接続ライン68は、手術器具32(例えば、冷凍アブレーション針)をコネクタインタフェース30および/または移動式カート50に流体接続することができる。流体ラインは、可撓性を有し、および/または取り外し可能であってよく、通過する流体の圧力を調節するための他の流体構成要素を含んでいてよい。したがって、凍結源からの流体は、1組の流体接続ライン62,64,66,および68によって手術器具32に搬送され得る。任意選択で、システム10は、磁石室12内に存在する構成要素と制御室22内の構成要素との間の流体接続を可能にするように、磁石室12から電気的に絶縁された流体接続パネル70を含むことができる。同様に、電気接続パネル72は、磁石室12内に存在する構成要素と制御室22および/または電気室内の構成要素との間の電気接続を容易にすることができる。
【0029】
本開示の特定の例示的な特徴に関する議論に移ると、最初の事項として、本明細書に開示される原理を採用することによっていくつかの利点が提供される。例えば、本明細書に開示される多くの例のうちの一例では、本開示の原理は、冷凍アブレーション針上のアイスボール形成を識別するために、AC電気インピーダンス(例えば、1kHz~1MHzの範囲内)を測定することを含む。この形成は、アイスボール径、冷凍アブレーション針に沿ったアイスボール長さ、および2つ以上の針の間のアイスボールの合体などの、冷凍アブレーション針に対するアイスボールの物理的属性を含む。そのような原理は、既存のモニタリング方法および撮像モダリティ(例えば、MRI、超音波、またはCT)よりも有利であり得る。これらの利点の中には、医師の関与を必要とせずに継続的なモニタリングを提供できること、患者の放射線被曝(例えば、CTからの)を減少させること、骨および脊髄内などの現在の撮像モダリティがうまく機能しない場所でのアイスボール形成をモニタリングすることができることが挙げられる。以下、本開示のこれらの原理および利点が、図面を参照してさらに詳細に論じられ、かつ/または本開示を身につけた当業者には明らかになるであろう。
【0030】
本開示の原理による様々な例の説明は、以下でさらに詳細に論じられる。例えば、議論は、単一電極冷凍アブレーション針の例から始まり、複数電極冷凍アブレーション針およびシース付き冷凍アブレーション針のそれぞれの例についての議論が続く。これらは、本開示によって企図される多くの例のうちのいくつかの例にすぎない。したがって、以下の議論全体を通して述べられるように、これらの例の議論によって本開示が限定されるべきではない。同様に、これらの例にわたる任意の特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、全体的または部分的に組み合わせられ得ることが企図されている。さらに、当業者であれば、他の変形形態が本明細書で説明されたものから論理的に拡張されることを理解するであろう。それらも本開示の範囲外と見なされるべきではない。
【0031】
図2Aおよび
図2Bは、本開示の原理による例示的な冷凍アブレーション針100の様々な特徴を示す。
図2Aは、冷凍アブレーション針100を示す。
図2Bは、
図2Aに示される冷凍アブレーション針100の経時的なインピーダンスの変化率を示す図である。
【0032】
図2Aに示されるように、冷凍アブレーション針100は、その上に形成されたアイスボール201を有することができる。冷凍アブレーション針100は、冷凍アブレーション針の近位部分204と、冷凍アブレーション針の近位部分204の反対側の冷凍アブレーション針の遠位部分206とを有する針本体202を含むことができる。冷凍アブレーション針100は、少なくとも1つの電極212を含むことができる電極配置構成(electrode arrangement)210を含むことができる。電極配置構成210は、冷凍アブレーション針100の遠位部分に配置することができる。少なくとも1つの電極212は、インピーダンスを生成するように構成されていてよい(例えば、少なくとも1つの電極は、感知電極であってよい)。冷凍アブレーション針100は、少なくとも1本の導体ワイヤ222を有する導体ワイヤアセンブリ220を含むことができる。導体ワイヤアセンブリ212は、電極配置構成210と、例えば、少なくとも1つの電極212と通信することができる。冷凍アブレーション針100が別個の電極212を含む場合などの特定の例では、スリーブ(例えば、シュリンクラップ)が、冷凍アブレーション針100上に取り付けられ、電極212および導体ワイヤを動作のための定位置に固定することができる。有用なことに、これらの例では、アイスボール201のサイズまたは形状を示す尺度(measure)は、インピーダンスの変化率に基づいて決定することができる(例えば、
図2Bに示すように)。冷凍アブレーション針のいくつかの追加の特徴および/または例は、本開示の原理による冷凍アブレーション針100を使用するための方法の説明の後に、以下でさらに議論されるであろう。
【0033】
明確にするために、図示された例は、本明細書で開示される多くの例のうちの1つにすぎないことを理解されたい。したがって、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、冷凍アブレーション針100の多くの変形を行うことができることを理解するであろう。例えば、冷凍アブレーション針100は、単一の電極212および単一の導体ワイヤ222とともに示されている。特定の例では、他の感知素子および導体ワイヤ222が存在していてもよく、および/または各電極に接続された2つ以上のワイヤが存在していてもよい。特定の例では、電極は、感知電極、センサ、または任意の他の適切な電気機械デバイスもしくは感知媒体であってよく、それらのいずれも本開示の範囲外ではない。
【0034】
冷凍アブレーション針におけるアイスボールの形成をモニタリングするための方法が、本明細書に開示される。
図3は、本開示の原理による方法300のフローチャートである。本明細書で論じられるように、方法300を含む方法は、上記および/または以下で論じられる冷凍手術システム10および/または冷凍アブレーション針100の任意のあらゆる特徴を採用することができる。
【0035】
図示の例では、方法300は、ステップ302において、冷凍アブレーション針の遠位部分に配置された電極配置構成の少なくとも1つの電極からインピーダンスを受信することを含むことができる。電極配置構成は、冷凍アブレーション針の遠位部分上にアイスボールが形成されるときにアイスボールと係合して、インピーダンスの変化を引き起こすように構成することができる。複数のアイスボールがそれぞれ別個の冷凍アブレーション針上に形成される特定の例では、電極配置構成は、複数のアイスボールと係合するように構成されていてよい。ステップ304において、方法300は、インピーダンスの変化率に基づいてアイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定することを含むことができる。いくつかの例では、1つまたは複数の物理的属性は、アイスボールのサイズおよびアイスボールの形状のうちの少なくとも1つを含むことができる。1つまたは複数の物理的属性を決定するための原理のさらなる詳細は、以下でさらに説明される。
【0036】
本開示の原理は、アイスボールの形成の視覚的表示を提供することができる。いくつかの例では、ステップ306において、方法300は、ディスプレイデバイスを介して、決定された1つまたは複数の物理的属性を有するアイスボールのイラストレーションを生成することを含むことができる。例えば、ディスプレイデバイスは、施術者による解読のためにグラフィックユーザインタフェース上にイラストレーションを生成することができる。この点に関して、いくつかの例では、ステップ308において、方法300は、例えば、アイスボールが経時的に形態を変化させる際に、アイスボールの形成をモニタリングすることを含むことができる。いくつかの例では、ステップ310において、方法300は、アイスボールの1つまたは複数の物理的属性が変化したときに、アイスボールのイラストレーションを更新することを含むことができる。
【0037】
アイスボールの物理的属性は、冷凍アブレーション針に配置された様々な数の基準点を使用することによって決定することができる。例えば、前述したように、冷凍アブレーション針は、少なくとも1つの基準位置を含むことができる。いくつかの例では、インピーダンスの変化率は、様々な距離を定義する少なくとも1つの基準位置に基づくことができる。いくつかの例では、インピーダンスの変化率は、冷凍アブレーション針の長さに沿って配置された少なくとも1つの基準位置に基づくことができる。例えば、少なくとも1つの基準位置は、冷凍アブレーション針の遠位部分の先端セクションから第1の電極もしくは第2の電極のいずれかまでの距離、または第1の電極と第2の電極との間の距離に対応する距離を示すことができる。特定の例において、少なくとも1つの基準位置は、第1の基準位置を含むことができる。第1の基準位置は、冷凍アブレーション針の遠位部分の先端セクションから少なくとも1つの電極までの距離に配置されていてよい。以下でさらに説明するように、本明細書で開示される例は、2つ以上の基準位置(例えば、第1の基準位置、第2の基準位置、および第3の基準位置など)を含むことができる。
【0038】
解析モデルなどのモデルは、アイスボールの物理的属性を決定する際に有用であり得る。
図4は、インピーダンスの変化率を示す図である。特に、ここに示されるインピーダンスは、正規化されたインピーダンスであり、異なる電極長さ(例えば、1mm、2mm、3mm、および4mm)に関して示されている。図中の線の非線形性は、所与の入力に対する非線形出力を示す。いくつかの例では、インピーダンスの変化率に基づいてアイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定することは、モデルを使用して実行され得る。例えば、モデルは伝達関数を含むことができ、伝達関数は、一般に、ラプラス変換を使用することによる入力と出力との間の時間依存の相関の表現である。この点に関して、本開示で使用される伝達関数は、ラインの非線形性に適応して、1つまたは複数の物理的属性をインピーダンスの変化率に相関させることができる。例えば、伝達関数は、氷の厚さ(例えば、電極上の)とインピーダンス変化との間の非線形伝達関数であり得る。
【0039】
図5は、データ処理システム500の様々な特徴を示す。データ処理システム500は、冷凍アブレーション針100、システム10、および方法300を含む、本明細書の他の場所で説明される冷凍アブレーション針ならびに関連するシステムおよび方法の任意のあらゆる特徴を含むことができる。
【0040】
ここで示されるように、データ処理システム500は、様々な基準位置を用いた視覚化および計画のために構成されている。基準位置は、患者上(例えば、基準パッド501を介して)、シース上、1つまたは複数の冷凍アブレーション針100a,100bに配置された電極上、および/または1つまたは複数の冷凍アブレーション針100a,100b自体上にあってよい。これらの状況下では、MRI、CT、または超音波などの撮像方法を使用して、手術中に患者の体内にある1つまたは複数の冷凍アブレーション針100a,100bの画像を表示することができる。示されるように、複数の冷凍アブレーション針100a,100bは、制御システム40とともに使用することができ、プロセッサ502(例えば、インピーダンス感知ユニット)に接続される。プロセッサ502は、本明細書の他の場所で議論されるように、同時インピーダンス感知のために、時間スイッチングまたは複数の周波数を使用することができる。任意選択で、ここに示されているように、凍結能力(cryocapability)を備えたインピーダンス針506が、アイスボールの成長を感知するために、1つまたは複数の冷凍アブレーション針100a,100bの間または周囲に配置され得る。いくつかの例では、インピーダンスは、針と基準パッド501との間、針と針との間、または同じ針上の電極間(例えば、針シャフトのセグメントまたは別個の電極の形態)で測定することができる。本明細書で使用される場合、針は、1つまたは複数の冷凍アブレーション針100a,100bおよび/またはインピーダンス針506を指すことができる。ディスプレイデバイス504は、とりわけ、アイスボールの物理的属性(例えば、サイズ、形状など)の表現をリアルタイムで表示することができる。いくつかの例では、ディスプレイデバイス504は、アイスボールの物理的属性の決定に寄与する任意の情報を表示することもできる。
【0041】
そのような方法を採用するコンピュータで実行される方法およびシステムも、本明細書に開示される。例えば、データ処理システム500は、
図4に関連して説明したモデルなどの1つまたは複数のモデル518、および任意の補助モジュールを格納するためのメモリ510を含むことができる。加えて、または代替として、データ処理システム500は、プロセッサ502またはコンピュータ502のいずれかを含むことができ、その各々は、メモリ510にアクセスするように構成することができる。この点に関して、本明細書に記載される本開示による例示的な手順は、処理構成(例えば、1つまたは複数のプロセッサ502)、コンピューティング構成(例えば、1つまたは複数のコンピュータ502)、またはその両方によって実行することができる。そのような構成は、例えば、コンピュータ502、プロセッサ502、または両方の全体もしくは一部であるか、またはそれらを含むことができるが、それらに限定されず、それらの各々は、例えば、1つまたは複数のプロセッサ502(例えば、CPUまたはマイクロプロセッサ)を含んでいてよく、命令532が格納された非一時的コンピュータ可読媒体(「CRM」)530(例えば、RAM、ROM、ハードドライブ、または他のストレージデバイス)を使用することができる。ここでは特定の構成で示されているが、データ処理システム500は、当業者であれば理解するように、他の構成(例えば、CRM530、ディスプレイデバイス504、およびメモリ510がモバイルデバイスまたはコンピュータなどの1つのコンポーネントによって提供される場合)でも本質的に同じ機能を実行することができる。
【0042】
コンピュータ実装方法の例では、1つまたは複数のアイスボールの物理的属性のイラストレーションを、ディスプレイデバイス504上で使用するために生成することができる。ここで示されるように、いくつかの例では、複数の冷凍アブレーション針100a,100bが、プロセッサ502に接続されていてよい。この点に関して、インピーダンスの変化率に基づいて1つまたは複数のアイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定することは、複数の冷凍アブレーション針100aの各々の上の電極配置構成と通信するプロセッサ502を介して行われる。これらの状況下では、所与の冷凍アブレーション針上の1つまたは複数の電極、および複数の冷凍アブレーション針100aにわたる同時インピーダンス感知のために、時間スイッチング、複数の周波数などを使用することができる。プロセッサ502は、ディスプレイデバイス504と通信することができ、ディスプレイデバイス504は、本開示のいくつかの例によれば、プロセッサ502から情報を出力することに加えて、プロセッサ502に情報を入力するように構成されたタッチスクリーンであってもよい。さらに、ディスプレイデバイス504、メモリ518、または両方を使用して、ユーザが読み取り可能であるか、またはユーザがアクセス可能であるか、またはその両方であるフォーマットで、特定のデータ(例えば、時間、インピーダンス、アイスボールの物理的属性など)を表示、格納、または表示および格納の両方を行うことができる。
【0043】
これらの例を続けると、前述したように、アイスボールの形成をモニタリングすること、およびアイスボールのイラストレーションを更新することが続いて行われてよい。この点に関して、プロセッサ502は、インピーダンス感知ユニットに含まれていてよい。インピーダンス測定(例えば、インピーダンス感知ユニットによって行われる)は、単極(電極から不関)、双極(同じ冷凍アブレーション針上の2つの電極間、冷凍アブレーション針(例えば、100a)上の電極と別個の冷凍アブレーション針(例えば、100b)との間)であってよく、または四極インピーダンスは、電極に関係なく組織インピーダンス変化をモニタリングすることができる。インピーダンスが増加するにつれて、適応電流出力を使用することができる(例えば、より高い分解能が、より低いインピーダンス値で生じ、より低い分解能であるが、より高いダイナミックレンジが、より高いインピーダンス値で生じるように)。
【0044】
そのようなコンピュータにより実装される方法は、プロセッサからデータを読み取るためのプロセッサ実行可能命令532を備えた非一時的コンピュータ可読媒体530を含むことができる。プロセッサは、冷凍アブレーション針に配置された電極配置構成の少なくとも1つの電極と通信することができる。コンピュータなどのデバイス上にインストールされると、プロセッサ実行可能命令532は、デバイスが動作を実行することを可能にすることができる。それらの動作は、本明細書の他の箇所で開示される方法の動作と同様であってよく、したがって、それらのすべての特徴を含み得る。例えば、動作は、冷凍アブレーション針遠位部分に配置された電極配置構成の少なくとも1つの電極からインピーダンスを受信することを含むことができる。電極配置構成は、冷凍アブレーション針の遠位部分上にアイスボールが形成されるときにアイスボールと係合して、インピーダンスの変化を引き起こすように構成することができる。動作は、インピーダンスおよび冷凍アブレーション針に配置された基準位置のうちの少なくとも1つに基づいて、アイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定することを含むことができる。いくつかの例では、本明細書の他の箇所で論じられるように、1つまたは複数の物理的属性は、アイスボールのサイズおよびアイスボールの形状のうちの少なくとも1つを含む。
【0045】
いくつかの例において、動作は、ディスプレイデバイス504を介して、決定された1つまたは複数の物理的属性を有するアイスボールのイラストレーションを生成することを含むことができる。例えば、ディスプレイデバイス504は、施術者による解読のためにグラフィックユーザインタフェース上にイラストレーションを生成することができる。この点に関して、いくつかの例では、動作は、例えば、アイスボールが経時的に形態を変化させる際に、アイスボールの形成をモニタリングすることを含むことができる。いくつかの例では、動作は、アイスボールの1つまたは複数の物理的属性が変化したときに、アイスボールのイラストレーションを更新することを含むことができる。方法に関連して本明細書の他の箇所で述べたように、いくつかの例では、インピーダンスおよび冷凍アブレーション針に配置された基準位置のうちの少なくとも1つに基づいて、アイスボールの物理的属性を決定することは、物理的属性をインピーダンスの変化率に相関させる伝達関数を使用することを含むことができる。
【0046】
冷凍アブレーション針100の種々の構成が、
図6A、
図6B、
図7A、
図7B、
図8A、および
図8Bに示されている。特に、
図6Aおよび
図6Bは、
図2Aおよび
図2Bに関連して説明したものと同様であるが、複数の別個の電極212を備えた冷凍アブレーション針100に関する。特に、
図6Aは、複数の別個の電極212を備えた冷凍アブレーション針100を示し、
図6Bは、
図6Aに示される冷凍アブレーション針100のインピーダンスの変化率の図を示す。
図7Aおよび
図7Bは、シース付き冷凍アブレーション針100に関し、冷凍アブレーション針の本体202は、単一の調整可能な電極が存在するように、電極212として機能する。特に、
図7Aは、シース付き冷凍アブレーション針100を示し、
図7Bは、
図7Aに示される冷凍アブレーション針100のインピーダンスの変化率の図を示す。
図8Aおよび
図8Bは、シース付き冷凍アブレーション針100に関し、冷凍アブレーション針の本体202は、複数の別個の感知位置212を備えた電極として機能する。特に、
図8Aは、複数の感知位置を備えたシース付き冷凍アブレーション針100を示し、
図8Bは、
図8Aに示される冷凍アブレーション針100のインピーダンスの変化率の図を示す。これらの図における冷凍アブレーション針は、本明細書の他の場所で議論される冷凍アブレーション針の任意のあらゆる特徴と同様であり、したがって、それらを含むことができることに留意されたい。同様に、冷凍アブレーション針100は、本明細書の他の場所で議論されるデバイス、システム、および方法において同様に採用されることができる。
【0047】
図6Aを参照すると、電極配置構成210は、複数の電極212を含むことができる。この点に関して、複数の電極212は、任意の数(例えば、1、2、5、9、12などのすべて偶数および/または奇数)の電極212を含むことができる。説明のために、ここで示される例は、2つの電極、すなわち、第1の電極212および第2の電極402を含む。この点に関して、
図2Aに関して説明した少なくとも1つの電極212は、第1の電極212とすることができ、複数の電極212は、第1の電極212および第2の電極402を含むことができる。少なくとも1つの基準位置は、第1の電極212と第2の電極402との間の距離に対応する距離を定義することができる。いくつかの例において、第2の電極402は、第1の電極212に近接する位置に配置することができる。例えば、第1の電極および第2の電極212は、長手方向に配置され得る(例えば、均等もしくはランダムに離隔されるか、または任意の組み合わせもしくは配置で並べられ得る)。他の全ての点において、第2の電極402は、第1の電極212と同様に構成されていてよく、例えば、プロセッサは、第2の電極402と通信し、第2の電極402からインピーダンスを感知することができる。このような構成により、非限定的な例では、アイスボールのサイズおよび形状を決定するための冷凍アブレーション針100の能力の拡張を達成することができる。加えて、または代替的に、サイズおよび形状の例を続けると、少なくとも第2の電極402が、モデルのための別の基準位置およびインピーダンス測定値を提供するので、決定の精度を向上させることができる。追加の電極212を追加することにより、これらの能力をさらに改善することができる。
【0048】
シース付き冷凍アブレーション針100が、
図7A、
図7B、
図8A、および
図8Bに示されている。いくつかの例では、針本体202は、シース700によって受け入れられることができる。特定の例では、シース付き冷凍アブレーション針100は、針本体202に対して相対的に固定されるように、シース700によってぴったりと受け入れられることができる。他の例では、シース付き冷凍アブレーション針100は、シース700によって移動可能に受け入れられることができる。この点に関して、シース700は、針本体202に対して近位方向および遠位方向の両方に(破線の両矢印によって示されるように)摺動可能であってよい。
【0049】
いくつかの例では、冷凍アブレーション針100は、導電性材料から形成された針本体202と、非導電性材料から形成されたシース700とを含むことができる。例えば、針本体202は、ステンレス鋼などの導電性金属を備えることができる。特定の例では、針本体202は、金めっきされたおよび/または銅の先端を有するなど、複数の導電性材料を備えることができる。シース700は、PTFEヒートシュリンクまたはフルオロポリマーコーティングなどの絶縁被覆とすることができる。特定の例では、絶縁被覆は、シース700の近位部分にPTFE、FEP、PFA、PET、PEEK、ポリイミドなどの複数の材料を備え、シース700の遠位部分にフルオロポリマーを備えることができる。
【0050】
シース700の特定のセクションは、針本体202をインピーダンス感知電極として容易にするために、特定のセクション(例えば、窓710)が除去された状態で針本体202を覆うことができる。換言すれば、各窓は、下にある針本体202が各窓710において電極212として機能するように、感知位置を形成することができる。前述したように、冷凍アブレーション針100は、導電性材料から形成された針本体202と、非導電性材料から形成されたシース700とを含むことができる。シース700は、そこに形成された1つまたは複数の窓710を有していてよく、または複数の個々のスリーブセグメントを備えていてよい。この点に関して、シース700は、針本体202の1つまたは複数の露出領域および針本体202の1つまたは複数の非露出領域を形成することができる。
【0051】
シースカテーテル構成を引き続き参照すると、
図7Aに示されるように、少なくとも1つの電極212は、1つまたは複数の露出領域のうちの第1の露出領域を含むことができる。この例では、第1の露出領域は、シースの遠位端702から針本体202の先端まで延在している。アイスボールが経時的に成長するにつれて、窓710(例えば、この場合、第1の露出領域)は、成長するアイスボールによって連続的に(例えば、遠位から近位に向かう方向に)覆われ得る。
図7Bに見られるように、インピーダンスは、アイスボールがシース700を覆うとき、および針本体202の長さに沿って対応する窓710を覆うようにアイスボールが成長するにつれて複数の別個のステップで、対応して上昇することができる。シース700に係合するアイスボールは、アイスボールが窓710を通して針本体202に係合するときよりも急激にインピーダンスを上昇させることができる。このような関係を使用して、アイスボールの形成をモニタリングすることができる。
【0052】
ある状況下では、
図8Aに見られるように、電極配置構成210は、複数の窓710を含むことができ、それにより、針本体202は、各窓710によって露出領域に形成された感知位置で電極212として機能することができる。換言すれば、少なくとも1つの電極212は、シース700の窓710と針本体202との間に形成された感知位置によって複数の電極212として機能する電極配置構成210を含むことができる。例えば、1つまたは複数の露出領域は、複数の露出領域を含むことができる。この点に関して、複数の電極212の各電極212は、複数の露出領域内の1つの露出領域に対応している。少なくとも1つの電極212は、1つまたは複数の露出領域のうちの第1の露出領域を含むことができる。少なくとも1つの電極212は、1つまたは複数の露出領域のうちの第2の露出領域を含むことができる。このように続けると、電極212の数の増加(例えば、3、5、8、11など)は、露出領域の数の増加に対応することができる。いくつかの例では、少なくとも1つの電極212は、複数の電極212を備え、1つまたは複数の露出領域は、複数の露出領域を含み、複数の電極212の各電極212は、複数の露出領域内の1つの露出領域に対応している。互い違いの露出領域(例えば、シース700が中間窓710または別個の離隔されたセグメントを含む場合)は、アイスボールが成長/拡大し、および/または他のアイスボールと合体する際のアイスボール形成をモニタリングすることができる。
図7Bと同様に、
図8Bに見られるように、インピーダンスは、アイスボールがシース700を覆うとき、および針本体202の長さに沿って増加する数の対応する窓710を覆うようにアイスボールが成長するにつれて複数の別個のステップで、対応して上昇することができる。シース700に係合するアイスボールは、アイスボールが窓710を通して針本体202に係合するときよりも急激にインピーダンスを上昇させることができる。このような関係を使用して、アイスボールの形成をモニタリングすることができる。
【0053】
図7Aおよび
図8Aを参照すると、シース700は、針本体202に対して移動可能であるので、針本体202の長さに沿って移動することができる。このように、シース700の移動は、例えば、アイスボールの形成および/またはインピーダンス測定に影響を及ぼすことができる。図示の例では、シースの遠位端702は、冷凍アブレーション針100の先端領域の近位に示されている。一例では、シースの遠位端702は、図示された位置から、先端領域に向かって遠位に移動して、先端領域をさらに覆うことができる。一例では、シースの遠位端702は、図示された位置から、先端領域から離れて近位に移動して、針本体202のより多くを露出させることができる。前述したように、針本体202が導電性材料を備える場合、露出領域(例えば、シース700によって覆われていない領域)は、前述の方法で使用するための電極であり得る。特定の状況下では、例えばシース700が、近位および遠位の両方に移動させられることができる場合、電極は、長さが調節可能な電極であると言える。この点に関して、電極の長さは、アイスボールの物理的属性(例えば、サイズ、形状など)に影響を及ぼし得る。例えば、いくつかの状況において、露出領域は、その上へのアイスボールの形成を容易にすることができ、非露出領域(例えば、シース700によって覆われた領域)は、その上へのアイスボールの形成を抑制することができる。
【0054】
シース700は、一体的に形成することができ、または別個に形成することができる。いくつかの実施形態では、シース700は、任意の2つの所与のシース700のセグメント間の窓710内の露出領域が調節可能であるように、別個のシース700のセグメントを備えている。いくつかの実施形態では、シース700が針本体202の長さに沿って移動するときに、窓710は、一定の距離だけ離れている。他の実施形態は、調整可能な窓710および固定された窓710の何らかの組み合わせを有することができる。
【0055】
測定されたインピーダンスは、本開示の範囲内に十分に含まれる他の方法において有用であり得る。いくつかの例では、動作は、インピーダンスにおいて対応する変化が存在するため、1つまたは複数のアイスボールが合体した(例えば、2つのアイスボールが合体して1つのアイスボールになった)かどうかを判定することを含むことができる。測定されたインピーダンスは、冷凍アブレーション針100が空気に対して組織内にある場合、または異なる種類の組織内にある場合のモニタリングを容易にすることができる。測定されたインピーダンスは、冷凍アブレーションの前後の電極212の周りの変化をモニタリングすることを容易にすることができる。アイスボールの決定された物理的属性は、プロセッサがクライオガスの流れを制御してクライオガス消費を最適化する際に、プロセッサへのフィードバックとして使用することができる。例えば、アイスボールが特定のサイズに達した後、それを維持するために必要とされるクライオガス(アルゴンなど)が少なくなる。この点に関して、プロセッサは、クライオガスの流れを減少させることができる。もちろん、当業者によって理解されるように、プロセッサがクライオガスの流れを増加させることができる場合もあり得る。
【0056】
1つまたは複数のステップを含む方法、明細書または特許請求の範囲自体に反対の明示的または暗示的記載がない限り、列挙された順序は、特許請求の範囲を限定するものではないことが十分に理解される。また、図示された方法は、開示された多くの例のうちのいくつかの例に過ぎず、本開示の範囲から逸脱することなく、特定のステップを追加または省略することができることも十分に理解される。そのようなステップは、デバイス、システム、または方法、あるいはそれらの構成要素、ならびに当技術分野において十分に理解されているもの、ルーティン、および従来のものを組み込むことを含むことができる。
【0057】
本明細書に含まれる様々な図に示される接続ラインは、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的結合を表すことが意図されている。実際のシステムには、多くの代替または追加の機能的関係または物理的接続が存在し得ることに留意されたい。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決策、および任意の利益、利点、または解決策を生じさせるか、またはより顕著にし得る任意の要素は、重要な、必要な、または本質的な特徴または要素として解釈されるべきではない。したがって、範囲は、添付の特許請求の範囲以外のものによって限定されるべきではなく、単数形の要素への言及は、明示的にそのように述べられない限り、「唯一の」を意味することを意図せず、むしろ「1つまたは複数」を意味することが意図されている。さらに、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」に類似する句が特許請求の範囲において使用される場合、その句は、一実施形態においてAのみが存在し得ること、一実施形態においてBのみが存在し得ること、一実施形態においてCのみが存在し得ること、または要素A、B、もしくはCの任意の組み合わせ、例えば、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはAおよびBおよびCが単一の実施形態において存在し得ることを意味するように解釈されることが意図されている。
【0058】
本明細書の詳細な説明において、「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的な実施形態」などへの言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、すべての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、または特性を含むとは限らないことを示す。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、または特性に影響を及ぼすことは、本開示の利益を有する当業者の知識の範囲内であると言える。説明を読んだ後、当業者には、代替実施形態において本開示をどのように実施するかが明らかになるであろう。
【0059】
さらに、本開示のいかなる要素、構成要素、または方法ステップも、その要素、構成要素、または方法ステップが特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に捧げられることを意図していない。本明細書のいかなる請求項の要素も、その要素が「~のための手段」という句を使用して明示的に記載されていない限り、35U.S.C.112(f)の規定の下で解釈されるべきではない。本明細書で使用される場合、用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、またはそれらの任意の他の変形は、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない他の要素、またはかかるプロセス、方法、物品、または装置に固有の要素を含むことができるように、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。
【0060】
本発明の範囲から逸脱することなく、説明した例示的な実施形態に対して様々な修正および追加を行うことができる。例えば、上記の実施形態は、特定の特徴に言及しているが、本発明の範囲は、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、および記載された特徴の全てを含まない実施形態をも含む。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲内に入るすべてのそのような代替、修正、および変形を、そのすべての均等物とともに包含することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍アブレーション針におけるアイスボールの形成をモニタリングするための方法であって、
冷凍アブレーション針の遠位部分に配置された電極配置構成の少なくとも1つの電極からインピーダンスを受信することであって、前記電極配置構成は、前記冷凍アブレーション針の遠位部分上にアイスボールが形成されるときに前記アイスボールと係合して、前記インピーダンスの変化を引き起こすように構成されている、前記電極配置構成の少なくとも1つの電極からインピーダンスを受信すること、
前記インピーダンスの変化率に基づいて前記アイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数の物理的属性は、前記アイスボールのサイズおよび前記アイスボールの形状のうちの少なくとも1つを含み、任意選択で、前記インピーダンスの変化率は、前記冷凍アブレーション針に配置された少なくとも1つの基準位置に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの基準位置は、前記冷凍アブレーション針の遠位部分の先端セクションから前記少なくとも1つの電極までの距離に配置された第1の基準位置を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記電極配置構成は、複数の電極を備え、前記少なくとも1つの電極は、第1の電極であり、前記複数の電極は、前記第1の電極と、第2の電極とを含み、前記少なくとも1つの基準位置は、前記第1の電極と前記第2の電極との間の距離を示す距離を定義し、任意選択で、前記第2の電極は、前記第1の電極に近接する位置に配置されている、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記冷凍アブレーション針は、導電性材料から形成された針本体と、前記針本体の1つまたは複数の露出領域および前記針本体の1つまたは複数の非露出領域を形成するように、前記針本体を受け入れるように構成されたシースとを備え、前記少なくとも1つの電極は、前記1つまたは複数の露出領域のうちの第1の露出領域を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの電極は、複数の電極を含み、前記1つまたは複数の露出領域は、複数の露出領域を含み、前記複数の電極の各電極が前記複数の露出領域内の露出領域に対応するか、または前記針本体が前記シースに移動可能に受け入れられている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記インピーダンスの変化率に基づいて前記アイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定することは、前記1つまたは複数の物理的属性を前記インピーダンスの変化率に相関させる伝達関数を使用することを含み、任意選択で、前記インピーダンスの変化率に基づいて前記アイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定することは、前記電極配置構成と通信するプロセッサを介して実行される、請求項1~
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
冷凍アブレーション針に配置された電極配置構成の少なくとも1つの電極と通信するプロセッサからデータを読み取るためのプロセッサ実行可能命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記プロセッサ実行可能命令は、デバイス上にインストールされると、前記デバイスが、動作を実行することを可能にし、前記動作は、
冷凍アブレーション針の遠位部分に配置された前記電極配置構成の前記少なくとも1つの電極からインピーダンスを受信することであって、前記電極配置構成は、前記冷凍アブレーション針の遠位部分上にアイスボールが形成されるときに前記アイスボールと係合して、前記インピーダンスの変化を引き起こすように構成されている、前記電極配置構成の前記少なくとも1つの電極からインピーダンスを受信すること、
前記インピーダンスおよび前記冷凍アブレーション針に配置された基準位置のうちの少なくとも1つに基づいて、前記アイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定すること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記1つまたは複数の物理的属性は、前記アイスボールのサイズおよび前記アイスボールの形状のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記動作は、
ディスプレイデバイスを介して、決定された前記1つまたは複数の物理的属性を有するアイスボールのイラストレーションを生成すること、
前記アイスボールの形成をモニタリングすること、
前記アイスボールの前記1つまたは複数の物理的属性が変化したときに、前記アイスボールの前記イラストレーションを更新すること
をさらに含む、請求項8または9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記インピーダンスおよび前記冷凍アブレーション針に配置された基準位置のうちの少なくとも1つに基づいて、前記アイスボールの1つまたは複数の物理的属性を決定することは、前記物理的属性を前記インピーダンスの変化率に相関させる伝達関数を使用することを含む、請求項8
または9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記動作は、1つまたは複数のアイスボールが合体したかどうかを判定することをさらに含む、請求項8
または9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
冷凍アブレーション針であって、
近位部分および前記近位部分の反対側の遠位部分を有する針本体と、
少なくとも1つの電極を含む電極配置構成であって、前記電極配置構成は、前記冷凍アブレーション針の前記遠位部分に配置されており、前記少なくとも1つの電極は、インピーダンスを生成するように構成されている、少なくとも1つの電極を含む電極配置構成と、
少なくとも1つの導体ワイヤを含む導体ワイヤアセンブリと
を備え、前記導体ワイヤアセンブリは、アイスボールのサイズまたはアイスボールの形状を示す尺度が前記インピーダンスの変化率に基づいて決定できるように、前記電極配置構成と通信する、冷凍アブレーション針。
【請求項14】
前記冷凍アブレーション針は、導電性材料から形成された針本体と、前記針本体の1つまたは複数の露出領域および前記針本体の1つまたは複数の非露出領域を形成するように、前記針本体を受け入れるように構成されたシースとを備え、前記少なくとも1つの電極は、前記1つまたは複数の露出領域のうちの第1の露出領域を備え、前記少なくとも1つの電極は、複数の電極を含み、前記1つまたは複数の露出領域は、複数の露出領域を含み、前記複数の電極の各電極が前記複数の露出領域内の露出領域に対応し、任意選択で、前記針本体は、前記シースに移動可能に受け入れられている、請求項13に記載の冷凍アブレーション針。
【請求項15】
前記電極配置構成は、複数の電極を備え、前記少なくとも1つの電極は、第1の電極であり、前記複数の電極は、前記第1の電極と、第2の電極とを含み、
前記インピーダンスの変化率は、冷凍アブレーション針の遠位部分の先端セクションから前記第1の電極もしくは前記第2の電極のいずれかまでの距離、または前記第1の電極と前記第2の電極との間の距離に対応する距離を示す少なくとも1つの基準位置に基づいている、請求項13または14に記載の冷凍アブレーション針。
【国際調査報告】