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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】電動モータ駆動式家具駆動装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/63 20150101AFI20240403BHJP
   E05F 15/605 20150101ALI20240403BHJP
   A47B 55/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
E05F15/63
E05F15/605
A47B55/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566867
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 AT2022060139
(87)【国際公開番号】W WO2022226566
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】A50337/2021
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マティアス グリム
【テーマコード(参考)】
2E052
3B067
【Fターム(参考)】
2E052AA01
2E052CA01
2E052CA06
2E052DA06
2E052DB06
2E052EA01
2E052EA07
2E052EA09
2E052EB01
2E052EC01
2E052KA15
3B067AA05
(57)【要約】
-少なくとも1つの電動モータ(30)、電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)と機械式アクチュエータ(1.1)とを好適には取り外し可能に結合可能である少なくとも1つのインタフェース(90)、および-機械式アクチュエータ(1.1)のコンフィギュレーション(K)を自動的に識別するための少なくとも1つの識別装置(91)を備えた電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)であって、少なくとも1つの識別装置(91)は、少なくとも一部の領域において、電動モータ駆動式家具駆動(1.2)の少なくとも1つのインタフェース(90)に配置されており、これにより、電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)と機械式アクチュエータ(1.1)とを結合する際に、機械式アクチュエータ(1.1)のコンフィギュレーション(K)が識別可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)であって、前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)は、
-少なくとも1つの電動モータ(30)と、
-前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)と機械式アクチュエータ(1.1)とを好適には取り外し可能に結合可能である少なくとも1つのインタフェース(90)と、
-前記機械式アクチュエータ(1.1)のコンフィギュレーション(K)を自動的に識別するための少なくとも1つの識別装置(91)と、
を備え、
少なくとも1つの前記識別装置(91)は、少なくとも一部の領域において、前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)の少なくとも1つの前記インタフェース(90)に配置されており、これにより、前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)と前記機械式アクチュエータ(1.1)とを結合する際に、前記機械式アクチュエータ(1.1)の前記コンフィギュレーション(K)が識別可能である、
ことを特徴とする、電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)。
【請求項2】
前記電動モータ(30)を制御することができる制御装置(44)が設けられている、ことを特徴とする、請求項1記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項3】
前記制御装置(44)には、前記機械式アクチュエータ(1.1)の異なるコンフィギュレーション(K)についての複数のデータセット(F)が格納されている、ことを特徴とする、請求項2記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項4】
前記識別装置(91)は、前記機械式アクチュエータ(1.1)のパラメータ(P)を検出可能なセンサ(92)、好適には角度センサを有する、ことを特徴とする、請求項3記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項5】
前記識別装置(91)により、前記センサ(92)によって検出した前記パラメータ(P)と、前記データセット(F)との照合が実行可能であり、前記機械式アクチュエータ(1.1)の実際のコンフィギュレーション(Kakt)が識別可能であり、前記制御装置(44)を介し、前記識別装置(91)を介して識別した、前記機械式アクチュエータ(1.1)の前記実際のコンフィギュレーション(Kakt)に応じて、制御信号(I)が前記電動モータ(30)に出力可能である、ことを特徴とする、請求項4記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項6】
前記インタフェース(90)は、実質的に平坦な、好適には取付け状態で垂直面に沿って配向された結合プレート(93)と、前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)と、前記機械式アクチュエータ(1.1)に形成された結合対応部材(95)との取り外し可能な結合のための、前記結合プレート(93)に配置された結合要素(94)とを有する、ことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項7】
前記識別装置(91)は、少なくとも1つの前記インタフェース(90)に回動可能に支持されている少なくとも1つの機械式プローブ要素(96)を有する、ことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項8】
前記識別装置(91)は、少なくとも1つの機械式プローブ要素(96)を有し、前記機械式プローブ要素(96)は、前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)と前記機械式アクチュエータ(1.1)との間の結合が前記インタフェース(90)を介して得られる場合に、前記機械式アクチュエータ(1.1)のパラメータ(P)を表す、前記機械式アクチュエータ(1.1)の少なくとも1つのプローブ要素・対応部材(97)に当接する、ことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項9】
少なくとも1つの前記機械式プローブ要素(96)は、可動に、好適には回動可能または摺動可能に、少なくとも1つの前記インタフェース(90)に支持されている、ことを特徴とする、請求項8記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項10】
回動可能に支持された前記プローブ要素(96)は、好適には垂直面に対して直角に配向された回動軸線(T)の周りに回動可能であり、回動可能に支持された前記プローブ要素(96)は、前記インタフェース(90)とは反対側を向いたプローブ面(B)であって、前記回動軸線に対して相対的に、好適には30°~60°の角度だけ傾けられたプローブ面(B)を有する、ことを特徴とする、請求項7から9までのいずれか1項記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項11】
傾けられた前記プローブ面(B)は、前記プローブ面(B)上にあるプローブライン(B1)であって、前記回動軸線(T)から延びる、インタフェースに最も近いプローブライン(B1)と、前記プローブ面(B)上にあるプローブライン(B2)であって、前記回動軸線(T)から延びる、インタフェースから最も遠いプローブライン(B2)とを有する、ことを特徴とする、請求項10記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項12】
インタフェースに最も近い前記プローブライン(B1)と、インタフェースから最も遠い前記プローブライン(B2)とは、前記回動軸線(T)を起点として、180°だけ互いに遠ざかる、ことを特徴とする、請求項11記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項13】
インタフェースから最も遠い前記プローブライン(B2)は、前記プローブ要素・対応部材(97)に進入可能なプローブ突起(N)も形成する、ことを特徴とする、請求項11または12記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項14】
摺動可能に支持された前記プローブ要素(96)は、前記インタフェース(90)から、好適には垂直面に対して直角に突き出た少なくとも2つの別々のプローブピン(98)を有する、ことを特徴とする、請求項6から9までのいずれか1項記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項15】
摺動可能に支持された前記プローブ要素(96)、好適にはプローブピン(98)を導体路(103)と接触接続させることができ、前記導体路(103)には、前記機械式アクチュエータ(1.1)のパラメータ(P)を特定するために、少なくとも1つの、好適には2つの、かつ/または放射状に形成された導体路輪郭(104)が含まれている、ことを特徴とする、請求項6から9までのいずれか1項記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項16】
摺動可能に支持された前記プローブ要素(96)、好適にはプローブピン(98)には、前記機械式アクチュエータ(1.1)のパラメータ(P)を特定するための、好適には少なくとも一部の領域において前記プローブピン(98)内に配置された第1ばね(101)、および/または好適には前記プローブピン(98)の外側に配置された第2ばね(102)が含まれている、ことを特徴とする、請求項6から9までのいずれか1項記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項17】
前記第1ばね(101)は、前記プローブピン(98)から直流的に分離されており、かつ/または前記導体路(103)と、好適には少なくとも2つの導体路輪郭(104)と接触接続させることができる、ことを特徴とする、請求項15および16記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項18】
前記識別装置(91)を介して特定した少なくとも1つのパラメータ(P)と、好適には前記家具駆動システム(1)のリファレンスランによって特定可能な、前記機械式アクチュエータ(1.1)の開き角度とから成る組み合わせを介して、前記機械式アクチュエータ(1.1)が決定可能である、ことを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項19】
摺動可能に支持された前記プローブ要素(96)は、前記インタフェース(90)から、好適には垂直面に対して直角方向に突き出た少なくとも1つのプローブピン(98)を有し、好適には、摺動可能に支持された前記プローブ要素(96)は、必要に応じて設けられた導体路(103)に配置可能であり、かつ/または必要に応じて設けられた前記導体路(103)の所定の領域の接触接続のために前記機械式アクチュエータ(1.1)に配置されるように構成されている、ことを特徴とする、請求項6から9までのいずれか1項記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項20】
請求項1から19までの少なくとも1項記載の電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)および機械式アクチュエータ(1.1)を備えた、可動の家具部分(2)用の、特に家具フラップタイプの形態の家具フラップ、上方折畳式フラップ(HF)、上方旋回式フラップ(HS)または上方持上げ式フラップ(HL)用の家具駆動システム(1)。
【請求項21】
前記機械式アクチュエータ(1.1)は、
-家具キャビネット(3)に前記家具駆動システム(1)を組み付けるための支持体(4)と、
-可動に、好適には回動可能に前記支持体(4)に支持される調整アーム装置(5)であって、可動の前記家具部分(2)に結合可能な調整アーム装置(5)とを有し、前記電動モータ(30)は、前記調整アーム装置(5)に結合されているか、または結合可能であり、かつ前記電動モータ(30)を介して前記調整アーム装置(5)が少なくとも部分的に可動であり、前記機械式アクチュエータ(1.1)はさらに、
-一方では前記支持体(4)に、他方では好適には間接的に前記調整アーム装置(5)に作用する、好適にはばねアセンブリの形態の蓄力器(6)を有する、ことを特徴とする、請求項20記載の家具駆動システム。
【請求項22】
前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)は、前記機械式アクチュエータ(1.1)とは別々に形成された構成ユニットであって、前記インタフェース(90)を介して相互に結合可能であるかまたは結合されている構成ユニットとして実施されており、前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)は、前記機械式アクチュエータ(1.1)の前記調整アーム装置(5)に前記電動モータ(30)のトルクを伝達するために、少なくとも1つの前記電動モータ(30)によって駆動可能な連行体(31)を有する、ことを特徴とする、請求項20または21記載の家具駆動システム。
【請求項23】
前記機械式アクチュエータ(1.1)の前記コンフィギュレーション(K)は、
-前記家具フラップタイプの上方折畳式フラップ(HF)用のアクチュエータ、
-前記家具フラップタイプの上方旋回式フラップ(HS)用のアクチュエータ、
-前記家具フラップタイプの上方持上げ式フラップ(HL)用のアクチュエータのグループから、かつ/または実質的に構造が同じでありかつ好適には前記蓄力器(6)のパワーファクター(L)だけが互いに異なる機械式アクチュエータ(1.1)のグループから選択される、ことを特徴とする、請求項20から22までのいずれか1項記載の家具駆動システム。
【請求項24】
家具キャビネット(3)と、少なくとも1つの、特に水平方向の軸線周りに可動の家具部分(2)、特に上方折畳式フラップ(HF)、上方持上げ式フラップ(HL)または上方旋回式フラップ(HS)の形態の家具部分(2)と、請求項20から23までの少なくとも1項記載の家具駆動システム(1)とを備えた家具(100)。
【請求項25】
請求項20から23までの少なくとも1項記載の家具駆動システム(1)を作動させる方法であって、前記方法は、
-少なくとも1つの前記インタフェース(90)を介して前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)と前記機械式アクチュエータ(1.1)とを結合するステップと、
-少なくとも1つの前記インタフェース(90)を介して前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)と前記機械式アクチュエータ(1.1)とを結合する際に、前記識別装置(91)を介して、前記機械式アクチュエータ(1.1)のコンフィギュレーション(K)を自動的に識別するステップと、
を有する、方法。
【請求項26】
-前記識別装置(91)のセンサ(92)を介して、前記機械式アクチュエータ(1.1)のパラメータ(P)を検出するステップと、
-前記センサ(92)によって検出した前記パラメータ(P)と、前記機械式アクチュエータ(1.1)の異なるコンフィギュレーション(K)についての格納されたデータセット(F)とを照合するステップと、
-格納された前記データセット(F)に基づいて、前記機械式アクチュエータ(1.1)の実際のコンフィギュレーション(Kakt)を識別するステップと、
-前記識別装置(91)を介して識別された、前記機械式アクチュエータ(1.1)の前記実際のコンフィギュレーション(Kakt)に依存して、前記電動モータ(30)に制御信号(I)を出力するステップと、
をさらに有する、ことを特徴とする、請求項25記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの電動モータ、電動モータ駆動式家具駆動装置と機械式アクチュエータとを好適には取り外し可能に結合可能である少なくとも1つのインタフェース、および機械式アクチュエータのコンフィギュレーションを自動的に識別するための少なくとも1つの識別装置を備えた電動モータ駆動式家具駆動装置に関する。本発明はさらに、このような電動モータ駆動式家具駆動装置および機械式アクチュエータを備えた、可動の家具部分用、特に家具フラップタイプの形態の家具フラップ、上方折畳式フラップ、上方旋回式フラップまたは上方持上げ式フラップ用の家具駆動システムに関する。本発明はさらに、このような家具駆動システムを備えた家具と、家具駆動システムを作動させる方法と関する。
【0002】
調整アーム装置を備えた家具駆動システムは、水平軸線の周りに回動可能もしくは旋回可能であるか、または垂直面に沿って摺動可能な家具フラップを移動させるために、数十年来使用されている。このような家具金具の例は、国際公開第2012/155165号および国際公開第2011/020130号から得られる。
【0003】
さらに、これらのシステムが、互いに別々の2つの構成ユニット、すなわち(蓄力器を含む)機械式アクチュエータと電動モータ駆動式家具駆動装置とを有する家具駆動システムが公知である。これについての例は、欧州特許第3443191号明細書およびオーストリア国特許出願公開第519935号明細書から得られる。
【0004】
このような家具駆動システムにおいて重要であるのは、大きさおよび重さの異なる可動の家具部分において、同じシステムを同様に使用できることである。このために、設定装置を介して、駆動装置(蓄力器と必要に応じて減衰装置とを含む)および/または電動モータの個々のパラメータ(例えば力)が設定可能である。
【0005】
従来の家具駆動システムでは、駆動装置から得られる作用が、駆動される可動の家具部分に適合しないことがある。これにより、多くの場合、可動の家具部分の損傷が生じてしまうことがあるか、またはそれどころか可動の家具部分を操作する人との事故が生じてしまうこともある。
【0006】
作動パラメータの誤った入力を防止するために、欧州特許第2315897号明細書からは、考えられる家具フラップタイプ、上方折畳式フラップ、上方旋回式フラップおよび上方持上げ式フラップから、家具フラップ駆動装置の家具フラップタイプを自動的に識別するための識別装置を有する、電動モータ駆動式家具フラップ駆動装置が公知である。この識別装置は、距離測定装置に結合されており、この距離測定装置によって、調整アームがその2つの終端位置の間で進み得る距離が特定可能であり、識別装置により、距離測定装置の測定結果に応じてフラップタイプが識別される。
【0007】
この従来技術における欠点は、識別のために、家具フラップ駆動装置全体が組み立てられていなければならず、また調整アームの移動も既に行われなければならないことである。したがって、構成ユニットまたは構成部材が適合しない際には、検査移動もしくは識別移動の際に既に、損傷または使用者にとって危険な望ましくない移動が発生してしまう事態が起こり得る。
【0008】
したがって、本発明の課題は、これらの問題を回避することである。特に、コンフィギュレーションの識別を容易にしたい。
【0009】
この課題は、請求項1の特徴的構成を有する電動モータ駆動式家具駆動装置によって解決される。
【0010】
したがって、本発明によると、少なくとも1つの識別装置は、少なくとも一部の領域において、電動モータ駆動式家具駆動装置の少なくとも1つのインタフェースに配置されており、これにより、電動モータ駆動式家具駆動装置と機械式アクチュエータとを結合する際に、機械式アクチュエータのコンフィギュレーションが識別できるように構成されている。したがって、識別を成功させるために、この結合が既に十分である。家具駆動装置コンポーネントの移動を行う必要はない。
【0011】
本発明の好ましい実施例は、従属請求項に、また説明全体に挙げられている。
【0012】
好ましい1つの実施例によると、電動モータを制御することができる制御装置が設けられている。好ましくは、この制御装置が、電動モータ駆動式家具駆動装置のハウジングに組み込まれるように構成されている。例えば、この制御装置は、プリント基板と、その上に配置されたマイクロプロセッサと、必要に応じて別の回路要素とを有することができる。
【0013】
さらに好ましくは、制御装置に、好ましくは記憶装置に、機械式アクチュエータの異なるコンフィギュレーションについての複数のデータセットが格納されるように構成されている。
【0014】
識別装置には、様々なセンサが使用可能であり、これらのセンサを介して機械式アクチュエータのパラメータが検出可能である。例えば、触覚識別のために、圧力感知マット、コンタクトばね、マイクロプローブ、磁気近接センサ、磁気角度センサまたは容量式角度センサが使用可能である。
【0015】
特に好ましくは、識別装置によって、センサによって検出したパラメータとデータセットとの照合が実行可能であり、機械式アクチュエータの実際のコンフィギュレーションが識別可能であり、制御装置を介し、識別装置を介して識別した、機械式アクチュエータの実際のコンフィギュレーションに応じて、電動モータに制御信号が出力可能であるように構成されている。
【0016】
この場合、これらの制御信号は、作動時に、コンフィギュレーションに適した作動パラメータを出力できるようにするために使用可能である。すなわち、電動モータは、機械式アクチュエータに適合するように駆動制御可能である。
【0017】
インタフェースは、電動モータ駆動式家具駆動装置と機械式アクチュエータとの間で、確実ではあるが取り外し可能な結合が容易に可能であるように構成されるべきである。特に好ましくは、インタフェースが、実質的に平坦な(好適には取付け状態で垂直面に沿って配向された)結合プレート、および電動モータ駆動式家具駆動装置と、機械式アクチュエータに形成された結合対応部材とを取り外し可能に結合するための、結合プレートに配置された結合要素を有するように構成されている。
【0018】
識別装置の具体的な実施形態については、RFIDモジュールまたは無線モジュールを介して、コンフィギュレーションの識別を行うという選択肢がある。
【0019】
特に好ましくは、識別装置が、少なくとも1つのインタフェースに回動可能に支持されている少なくとも1つの機械式プローブ要素を有するように構成されている。
【0020】
少なくとも1つの回動可能なプローブ要素により、(例えば、プローブ面のような対応するプローブ要素・対応部材との相互作用において)多数の異なるコンフィギュレーションおよび/またはパラメータは、(例えば、複数の特定のコンフィギュレーションおよび/またはパラメータを、これに関連する(特に等間隔で配置された)、回動可能なプローブ要素および/またはプローブ要素・対応部材の領域によって変換するかまたは表す回動スライダを介して)コンパクトかつ少数の構成部材コンポーネントでコーディング可能である。
【0021】
しかしながら、より簡単でありかつより煩雑でない実施形態のために構成されるのは、識別装置が、少なくとも1つの機械式プローブ要素を有し、この機械式プローブ要素は、(電動モータ駆動式家具駆動装置と機械式アクチュエータと間の結合がインタフェースを介して得られる場合に)機械式アクチュエータのパラメータを表す、機械式アクチュエータの少なくとも1つのプローブ要素・対応部材に当接することである。
【0022】
この機械式プローブ要素を介して、確実かつ意味のある識別を可能にするために、好ましく構成されるのは、少なくとも1つの機械式プローブ要素が、可動に、好適には回動可能または摺動可能に少なくとも1つのインタフェースに支持されることである。
【0023】
第1変形実施形態によると、プローブ要素については、回動可能に支持されるプローブ要素は、(好適には垂直面に対して直角に配向された)回動軸線の周りに回動可能であり、回動可能に支持されたプローブ要素は、インタフェースとは反対側を向いたプローブ面であって、回動軸線に対して相対的に、好適には30°~60°の角度だけ傾けられたプローブ面を有するように構成されている。
【0024】
好ましくはさらに、傾けられたプローブ面が、プローブ面上にあるプローブラインであって、回動軸線から延びる、インタフェースに最も近いプローブラインと、プローブ面上にあるプローブラインであって、回動軸線から延びる、インタフェースから最も遠いプローブラインとを有するように構成されている。
【0025】
さらに、インタフェースに最も近いプローブラインと、インタフェースから最も遠いプローブラインとは、回動軸線を起点として、180°だけ互いに遠ざかるように構成されている。
【0026】
これらの2つのプローブラインの間には、上から見ると実質的に楕円形の面が位置しており、この楕円形の面は、プローブ要素・対応部材に沿って滑動可能である。
【0027】
家具駆動装置とアクチュエータとが不正確に組み立てられている場合であっても確実に識別が行われるようにするために、特に好ましくは、インタフェースから最も遠いプローブラインが、プローブ要素・対応部材に進入可能なプローブ突起も形成するように構成されている。
【0028】
本発明による電動モータ駆動式家具駆動装置および機械式アクチュエータを備えた可動の家具部分用の、特に、家具フラップタイプの形態の家具フラップ、上方折畳式フラップまたは上方旋回式フラップまたは上方持上げ式フラップ用の家具駆動システムにも特許による保護が要求される。
【0029】
家具駆動システムの機械式アクチュエータは、好ましくは以下の主要なコンポーネントを有する。すなわち、
-家具キャビネットに家具駆動システムを組み付けるための支持体と、
-可動に、好適には回動可能に支持体に支持される調整アーム装置であって、可動の家具部分に結合可能な調整アーム装置とを有し、電動モータは、
調整アーム装置に結合されているかまたは結合可能であり、かつ調整アーム装置は、電動モータを介して少なくとも部分的に可動であり、機械式アクチュエータはさらに、
-一方では支持体に、他方では好適には間接的に調整アーム装置に作用する、好適にはばねアセンブリの形態の蓄力器を有する。
【0030】
好ましくはさらに、電動モータ駆動式家具駆動装置は、機械式アクチュエータとは別々に形成された構成ユニットであって、インタフェースを介して結合可能であるかまたは結合されている構成ユニットとして実施されるように構成されている。
【0031】
構成ユニット間の移動伝達を可能にするために好ましくは、電動モータ駆動式家具駆動装置が、機械式アクチュエータの調整アーム装置に電動モータのトルクを伝達するために、少なくとも1つの電動モータによって駆動可能な連行体を有するように構成されている。
【0032】
機械式アクチュエータのコンフィギュレーションに関しては、作動に重要な様々な特性が存在する。特に重要な2つの特性は、家具フラップタイプと、蓄力器のパワーファクターである。例えば、それぞれ3つの異なるコンフィギュレーションが存在する場合には、全部で9つの異なる組み合わせが得られる。
【0033】
これに応じて好ましくは、機械式アクチュエータのコンフィギュレーションは、家具フラップタイプの上方折畳式フラップ用のアクチュエータ、家具フラップタイプの上方旋回式フラップ用のアクチュエータおよび家具フラップタイプの上方持上げ式フラップ用のアクチュエータのグループから選択されるように構成可能である。さらに(または択一的には)、機械式アクチュエータのコンフィギュレーションは、実質的に構造が同じであり、かつ、好適には蓄力器のパワーファクターだけが互いに異なる機械式アクチュエータのグループから選択されるように構成可能である。
【0034】
パワーファクターについては、例えば、大きな力を有する蓄力器、平均的な力を有する蓄力器、および小さな力を有する蓄力器が存在することを挙げることができる。
【0035】
家具フラップタイプについては、以下が挙げられる。すなわち、例えば、ヒンジを用いてフラップがキャビネットカバーの下面に固定されている、上方フラップとして知られている家具フラップが存在する。
【0036】
さらに、2つの部分から構成されるフラップが存在し、第1の部分フラップは、回動ジョイント式に家具キャビネットに結合され、また第2の部分フラップは、回動ジョイント式に第1の部分フラップに結合される。フラップが開放位置に移動される際には、第1の部分フラップは、上方に向かって家具キャビネットから離れるように旋回させられ、第2の部分フラップは、同様に上方に向かって家具キャビネットに向かって旋回させられ、これにより、フラップは開放位置において折り畳まれる(上方折畳式フラップ)。
【0037】
上方旋回式フラップでは、フラップは家具キャビネットを越えて後方に向かって旋回させられる。
【0038】
フラップが、好適にはその全体開放過程もしくは閉鎖過程中に、家具キャビネットの前面に対してほぼ平行に移動を実行する場合、これは、上方持上げ式フラップと呼ばれる。
【0039】
これらの専門用語は、本発明の範囲内においても維持されるものであり、異なる家具フラップタイプの列挙は(またパワーファクターおよび必要に応じて別の識別可能なアクチュエータ・パラメータの列挙も)、挙げ尽くされたものでないと理解すべきである。
【0040】
好ましくは、調整アーム装置および調整アーム装置に結合可能な家具部分の重力を補償するために、かつ/または完全な閉鎖位置の方向に調整アーム装置を移動させるために、かつ/または完全な開放位置の方向に調整アーム装置を移動させるために蓄力器が構成されるようにする。これにより、可動の家具部分は、この可動の家具部分が調整アーム装置および蓄力器によってバランス状態にとどまる特定の角度位置まで開放可能である。
【0041】
蓄力器に加えて、機械式アクチュエータが、減衰装置を有し、この減衰装置によって、調整アーム装置の閉鎖移動および/または開放移動が減衰可能であるように構成可能である。これにより、滑らかな閉鎖および開放ならびに特にそれぞれの終端位置への穏やか到達が可能になる。
【0042】
一般的に好ましくは、可動の家具部分と家具キャビネットとの間の閉鎖位置に対応する第1の最大位置と、家具キャビネットに対して相対的な可動の家具部分の最大開放位置に対応する第2の最大位置との間で、調整アーム装置が可動であるように構成されている。
【0043】
基本的には、減衰装置が、調整アーム装置の全移動過程を減衰することが可能である。しかしながら好ましくは、閉鎖位置および最大開放位置の前に位置する、可動の家具部分の移動区間において、減衰装置を介して減衰が行われるように構成されている。
【0044】
具体的には、(それぞれ)前に位置する移動区間は、2°~25°、好適には5°~15°の調整アーム装置の(ひいては間接的に可動の家具部分の)旋回角度範囲に対応するように構成されていてよい。
【0045】
電動モータ駆動式家具駆動装置内の移動伝達および移動変換のために、電動モータと連行体との間に伝動装置を設けることができる。
【0046】
この伝動装置について好ましくは、これに少なくとも2つの伝動装置段、フリーホイールクラッチおよび/またはオーバーロードクラッチが含まれるように構成されている。
【0047】
機械式アクチュエータの領域においても、移動伝達および移動変換は有利であり、好ましくは、蓄力器の力を調整アーム装置に伝達することができる伝達機構が設けられている。
【0048】
調整アーム装置の、閉鎖すべきまた開放すべき移動を可能にするために好ましくは、伝達機構が、制御カムと、蓄力器によって付勢される押圧ローラとを有し、少なくとも1つの調整アームの移動時に押圧ローラは制御カムに沿って走行可能であるように構成されている。
【0049】
好ましくはさらに、調整アーム装置が、蓄力器から調整アームに力を伝達するために可動に支持されたアクチュエータ部分を有するように構成されている。
【0050】
機械式アクチュエータと電動モータ駆動式家具駆動装置とを結合するために、または連結するために好適には、アクチュエータ部分が、電動モータによって駆動可能な連行体が係合するまたは係合可能な伝達開口部を有するように構成されている。
【0051】
家具キャビネットと、少なくとも1つの、特に水平方向の軸線周りに可動な家具部分、特に上方折畳式フラップ、上方持上げ式フラップまたは上方旋回式フラップの形態の家具部分と、本発明による家具駆動システムとを備えた家具にも特許による保護が要求される。
【0052】
上で挙げた課題はまた、請求項19記載の方法によって解決される。したがって、家具駆動システムにおいて、本発明によると、少なくとも1つのインタフェースを介して、電動モータ駆動式家具駆動装置と機械式アクチュエータとを結合するステップ、および少なくとも1つのインタフェースを介して、電動モータ駆動式家具駆動装置と機械式アクチュエータとの結合する際に識別装置を介して、機械式アクチュエータのコンフィギュレーションを自動的に識別するステップが構成されている。
【0053】
上述の識別のために好ましくは、次のステップが設けられている。すなわち、
-識別装置のセンサを介して、機械式アクチュエータのパラメータを検出するステップと、
-センサによって検出したパラメータと、機械式アクチュエータの異なるコンフィギュレーションについての格納されたデータセットとを照合するステップと、
-格納されたデータセットに基づいて、機械式アクチュエータの実際のコンフィギュレーションを識別するステップと、
-識別装置を介して識別した、機械式アクチュエータの実際のコンフィギュレーションに応じて、電動モータに制御信号を出力するステップとが設けられている。
【0054】
部分的に言い換えると、本発明はさらに次のように説明可能である。すなわち、全体として問題となるのは、機械式アクチュエータおよび電動モータ駆動式家具駆動装置を含む家具駆動システムにおけるタイプ識別である。家具フラップタイプの識別は、機械式アクチュエータに電動モータ駆動式家具駆動装置を組み付ける際(すなわち結合の際)に既に行われる。どのような家具フラップタイプ(すなわち上方折畳式フラップ、上方旋回式フラップ、または上方持上げ式フラップ)か、またどのような蓄力器・パワーファクターがあるかも識別される。それぞれの家具フラップタイプ・パワーファクター・組み合わせは、1つのコンフィギュレーションに対応する。
【0055】
コンフィギュレーションの識別は、家具駆動システムの多くの作動パラメータに影響を及ぼす。すなわち、
-開き角度
-作動プロフィール
-前方角度計算
-リファレンスラン
-構成ユニットが正しく組み付けられているか否かの識別
-蓄力器エラー識別
-統計的評価(例えばクレーム時)
-組付け作業員の支援、
に影響を及ぼす。
【0056】
好ましい変化形態によると、プローブ要素に対して構成されるのは、摺動可能に支持されたプローブ要素が、インタフェースから(好適には垂直面に対して直角に)突き出た少なくとも2つの別々のプローブピン(Abtaststifte)を有することである。2つのプローブピンが設けられている場合、これにより、2値で4つの異なるコンフィギュレーションが検出可能である。3つのプローブピンでは対応して、検出可能な異なる8つのコンフィギュレーションが得られる。
【0057】
好ましくは、摺動可能に支持されたプローブ要素、好適にはプローブピンは、導体路と接触接続させることができ、この導体路には、機械式アクチュエータのパラメータを特定するために、少なくとも1つの、好適には2つの、かつ/または放射状に形成された導体路輪郭が含まれるように構成されている。
【0058】
この文脈において、放射状とは、ウェブ状の導体路輪郭セグメントが、導体路輪郭から横方向に突き出ていると解釈されるべきである。特に好ましくは、導体路輪郭のウェブは、一部の領域において並んで配置されている。
【0059】
好ましくは、摺動可能に支持されたプローブ要素、好適にはプローブピンには、機械式アクチュエータのパラメータを特定するための、好適には少なくとも一部の領域においてプローブピン内に配置された第1ばね、および/または好適にはプローブピンの外側に配置された第2ばねが含まれるように構成されている。
【0060】
第1ばねにより、第2ばねを介するプローブ要素の復元作用をサポートすることができ、二重機能の意味で、導体路との電気的な接触接続を形成することができる。
【0061】
好ましくは、第1ばねが、プローブピンから直流的に分離されており、かつ/または導体路と、好適には少なくとも2つの導体路輪郭と接触接続させることできるように構成されている。
【0062】
第1ばねとプローブピンとの間で直流的に分離される場合、プローブピンは、例えばプラスチックから形成されていてよく、プローブピンに対して金属材料が設けられていてもよい。第1ばねにより、2つの導体路輪郭の空間的に別々の2つの領域間に電気的な接触接続を形成することができ、これにより、機械式アクチュエータのパラメータの識別を決定することができる。
【0063】
第1ばねにより、復元力増大と、導体路への電気的な接続と、場合によって行われる得るプラスチックの形態でのプローブピンの形成との多重機能が利用可能である。
【0064】
好ましくは、識別装置を介して特定した少なくとも1つのパラメータと、好適には家具駆動システムのリファレンスラン(Referenzfahrt)によって特定可能な、機械式アクチュエータの開き角度とから成る組み合わせを介して、機械式アクチュエータが決定可能であるように構成されている。
【0065】
これにより、機械式アクチュエータの開き角度の付加的な情報を介して、識別装置の機能性が拡張される。
【0066】
好ましくは、摺動可能に支持されたプローブ要素が、インタフェースから(好適には垂直面に対して直角に)突き出た少なくとも1つのプローブピンを有するように構成されており、好適には、摺動可能に支持されたプローブ要素が、必要に応じて設けられた導体路に配置可能であり、かつ/または必要に応じて設けられた導体路の所定の領域の接触接続のために機械式アクチュエータに配置されるように構成されている。
【0067】
導体路に沿った所定の位置におけるプローブ要素またはプローブピンの接触接続により、機械式アクチュエータのパラメータを求めることができ、導体路は(例えば機械式アクチュエータに配置されたプローブピンでは)、機械式アクチュエータに固有の導体路領域に配置可能であってよい。
【0068】
以下では、図面に示した実施例を参照し、図面の説明に基づいて、本発明のさらなる詳細および利点をより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】家具フラップ用の家具駆動システムを備えた家具の概略図である。
図2a】調整アーム装置および蓄力器を備えた機械式調整ユニットを示す図である。
図2b図2aの詳細図である。
図3a】機械式調整ユニットを示す斜視図である。
図3b】機械式調整ユニットを示す別の斜視図である。
図4a】中央の開放位置における、機械式調整ユニットの長手方向断面図である。
図4b】中央の開放位置における、機械式調整ユニットの別の長手方向断面図である。
図5a図4aの詳細図である。
図5b図4bの詳細図である。
図6a】最大の開放位置の前に位置する家具部分位置における機械式調整ユニットの長手方向断面図であって、減衰開始位置がそれぞれ与えられている長手方向断面図である。
図6b】最大の開放位置の前に位置する家具部分位置における機械式調整ユニットの長手方向断面図であって、減衰開始位置がそれぞれ与えられている別の長手方向断面図である。
図7a】閉鎖位置の前に位置する家具部分位置における機械式調整ユニットの長手方向断面図であって、減衰開始位置がそれぞれ与えられている長手方向断面図である。
図7b】閉鎖位置の前に位置する家具部分位置における機械式調整ユニットの長手方向断面図であって、減衰開始位置がそれぞれ与えられている別の長手方向断面図である。
図8】開放された上方折畳式フラップを備えた家具の斜視図である。
図9】両側に配置された家具駆動システムを備えた家具キャビネットの斜視図である。
図10】保護前板を備えた家具駆動システムの斜視図である。
図11】カバーが見えるようにした保護前板のない家具駆動システムの斜視図である。
図12】機械式調整ユニットおよび電気駆動ユニットの斜視図である。
図13図12とは別の斜視図である。
図14】電気駆動ユニットの斜視図である。
図15図14とは別の斜視図である。
図16】関連するすべての構成部材と共に電気駆動ユニットの詳細を示す斜視図である。
図17図16の詳細を示す斜視図である。
図18】電動モータの領域の斜視断面図である。
図19】機械式プローブ要素の領域の斜視図である。
図20】突き出たプローブ要素を有するインタフェースの斜視図である。
図21】プローブ要素・対応部材を備えたハウジング部分の斜視図である。
図22】プローブ要素・対応部材の詳細図である。
図23】異なる位置において、家具駆動装置とアクチュエータとの結合を示す斜視図である。
図24】異なる位置において、家具駆動装置とアクチュエータとの結合を示す別の斜視図である。
図25】異なる位置において、家具駆動装置とアクチュエータとの結合を示すさらに別の斜視図である。
図26】ハウジング部分を示す図である。
図27図26のプローブ要素・対応部材を示す詳細図である。
図28】ハウジング部分を示す図である。
図29図28のずらされて配向されたプローブ要素・対応部材を示す詳細図である。
図30】それぞれ1つの特定のコンフィギュレーションに対応する、考えられる異なる角度位置を示す図である。
図31】3つのプローブピンの形態の機械式プローブ要素の択一的な変形実施形態をそれぞれ有する、家具駆動システムと、このシステムの個々の領域と、構成部材とを示す斜視図である。
図32】3つのプローブピンの形態の機械式プローブ要素の択一的な変形実施形態をそれぞれ有する、家具駆動システムと、このシステムの個々の領域と、構成部材とを示す別の斜視図である。
図33】3つのプローブピンの形態の機械式プローブ要素の択一的な変形実施形態をそれぞれ有する、家具駆動システムと、このシステムの個々の領域と、構成部材とを示すさらに別の斜視図である。
図34】3つのプローブピンの形態の機械式プローブ要素の択一的な変形実施形態をそれぞれ有する、家具駆動システムと、このシステムの個々の領域と、構成部材とを示すさらに別の斜視図である。
図35】3つのプローブピンの形態の機械式プローブ要素の択一的な変形実施形態をそれぞれ有する、家具駆動システムと、このシステムの個々の領域と、構成部材とを示すさらに別の斜視図である。
図36】3つのプローブピンの形態の機械式プローブ要素の択一的な変形実施形態をそれぞれ有する、家具駆動システムと、このシステムの個々の領域と、構成部材とを示すさらに別の斜視図である。
図37】3つのプローブピンの形態の機械式プローブ要素の択一的な変形実施形態をそれぞれ有する、家具駆動システムと、このシステムの個々の領域と、構成部材とを示すさらに別の斜視図である。
図38】3つのプローブピンの形態の機械式プローブ要素の択一的な変形実施形態をそれぞれ有する、家具駆動システムと、このシステムの個々の領域と、構成部材とを示すさらに別の斜視図である。
図39】3つのプローブピンの形態の機械式プローブ要素の択一的な変形実施形態をそれぞれ有する、家具駆動システムと、このシステムの個々の領域と、構成部材とを示すさらに別の斜視図である。
図40】3つのプローブピンの形態の機械式プローブ要素の択一的な変形実施形態をそれぞれ有する、家具駆動システムと、このシステムの個々の領域と、構成部材とを示すさらに別の斜視図である。
図41】3つのプローブピンの形態の機械式プローブ要素の択一的な変形実施形態をそれぞれ有する、家具駆動システムと、このシステムの個々の領域と、構成部材とを示すさらに別の斜視図である。
図42】3つのプローブピンの形態の機械式プローブ要素の択一的な変形実施形態をそれぞれ有する、家具駆動システムと、このシステムの個々の領域と、構成部材とを示すさらに別の斜視図である。
図43a】プローブピンとしての機械式プローブ要素の別の好ましい変形実施形態をそれぞれ有する、家具駆動システムと、このシステムの個々の領域と、構成部材とを示す図である。
図43b】プローブピンとしての機械式プローブ要素の別の好ましい変形実施形態をそれぞれ有する、家具駆動システムと、このシステムの個々の領域と、構成部材とを示す別の図である。
図44a】プローブピンとしての機械式プローブ要素の別の好ましい変形実施形態をそれぞれ有する、家具駆動システムと、このシステムの個々の領域と、構成部材とを示すさらに別の図である。
図44b】プローブピンとしての機械式プローブ要素の別の好ましい変形実施形態をそれぞれ有する、家具駆動システムと、このシステムの個々の領域と、構成部材とを示すさらに別の図である。
【0070】
図1には、家具キャビネット3を備えた家具100が示されており、ここでは、可動に支持された家具部分2を移動させるための家具駆動システム1(家具用金具)が、家具キャビネット3の側壁3aに固定されている。
【0071】
図示した実施例では、可動の家具部分2は、2つの家具フラップ2a,2bを有し、第1家具フラップ2aは、少なくとも2つのヒンジ9aを介し、水平方向に延在する回動軸線の周りに旋回可能に家具キャビネット3に結合されており、また第2家具フラップ2bは、少なくとも2つのヒンジ9bを介し、水平方向に延在する回動軸線の周りに旋回可能に第1家具フラップ2aに結合されている。
【0072】
家具駆動システム1は、家具キャビネット3に、好適には家具キャビネット3の側壁3aに固定されるべき支持体4と、支持体4に対して相対的に旋回可能な少なくとも1つの調整アーム52とを有しており、この調整アーム52は、可動の家具部分2に、好適には第2家具フラップ2bに結合されている。
【0073】
見て取ることができるように、図1の家具100は、天井10に対して離隔して配置されている。図1では、調整アーム52は、可動の家具部分2の最大開放位置OSに対応する、比較的大きな旋回角度を取っている。
【0074】
図2aには、家具駆動システム1の機械式アクチュエータ1.1が側面図で示されており、機械式アクチュエータ1.1は、家具キャビネット3に固定されるべき支持体4と、回動軸線Xの周りに旋回可能に支持体4に支持されている少なくとも1つの調整アーム52とを有する。
【0075】
図示した実施例では、調整アーム延長部11が取り外し可能に調整アーム52に配置されており、調整アーム延長部11は、互いに相対的に摺動可能な2つの調整アーム部分11a,11bを有する。好適には、調整アーム部分11a,11bが互いに相対的にテレスコープ式に摺動可能であり、第1調整アーム部分11aと、調整アーム52とが、取り外し可能に結合可能であるように構成されている。第2調整アーム部分11bは、固定装置12を有しており、この固定装置12は、可動の家具部分2に固定されるべき金具部分に取り外し可能に結合可能であり、好適には工具なしにロック可能およびロック解除可能である。
【0076】
調整アーム装置5の調整アーム52に力を加えるために、蓄力器6が設けられており、この蓄力器6は、例えば、少なくとも1つのコイルばね、好ましくは少なくとも1つの圧縮ばねを有していてよい。択一的に、蓄力器6は、別の蓄力器、例えばガス圧縮ばねの形態の流体式蓄力器を有していてもよい。
【0077】
調整アーム装置5は、少なくとも1つの調整アーム52に蓄力器6の力を伝達するための伝達機構51を有する。好適には、伝達機構51が、制御カム53と、蓄力器6によって付勢される押圧ローラ54とを有し、押圧ローラ54が、少なくとも1つの調整アーム52の移動時に、制御カム53に沿って走行可能であるように構成されている。
【0078】
制御カム53は、好ましい実施例によると、調整アーム52に配置されるかまたは形成されていてよい。当然のことながら、調整アーム装置5の伝達機構51における別の箇所に制御カム53を配置することも可能である。
【0079】
図2bに示したケースでは、調整アーム52は、蓄力器6からの力を調整アーム52に伝達するためのアクチュエータ部分58と一体に形成されている。このアクチュエータ部分58には、制御カム53が形成されている。さらに、このアクチュエータ部分58には、伝達開口部59が形成されており、この伝達開口部59には、電動モータ30によって駆動可能な連行体31が係合するかまたは係合可能である。
【0080】
蓄力器・設定ユニット14により、少なくとも1つの調整アーム52に加わる、蓄力器6の力が設定可能である。好適には、次のように構成されている。すなわち、
-蓄力器・設定ユニット14が、回動可能に支持された少なくとも1つの設定歯車14aを有し、少なくとも1つの調整アーム52に作用する、蓄力器6の力が、設定歯車14aの回動によって設定可能であり、かつ/または
-蓄力器・設定ユニット14は、少なくとも1つのねじ山付きスピンドル16を有しており、蓄力器・設定ユニット14の操作時には、このねじ山付きスピンドル16に沿い、蓄力器6の作用箇所15が可動であり、かつ/または
-支持体4は、少なくとも1つの開口部17aを備えた端面を有し、この開口部17aを通し、開放位置において少なくとも1つの調整アーム52が突き出ており、蓄力器・設定ユニット14の設定歯車14aは、端面に対して横方向から、開口部17aを貫通して操作可能である。
【0081】
図2bには、図2aにおいて丸で囲んだ領域が拡大図で示されている。伝達機構51は中間レバー19を有しており、この中間レバー19は、回動軸線19aの周りで旋回可能に支持体4に支持されている。ねじ山付きスピンドル16は、中間レバー19に支持されている。工具を用いて蓄力器・設定ユニット14の設定歯車14aを回動させることにより、ねじ山付きスピンドル16は回転可能であり、これによって、蓄力器6の作用箇所15が、ねじ山付きスピンドル16に沿って移動する。このようにして、作用箇所15と、中間レバー19の回動軸線19aとの間の相対間隔、ひいては調整アーム52に作用する、蓄力器6のトルクが、増大可能および減少可能である。
【0082】
機械式アクチュエータ1.1にはさらに、調整アーム装置5の少なくとも1つの調整アーム52の移動を減衰するための少なくとも1つの減衰装置7が含まれている。この減衰装置7は、蓄力器6と共に駆動装置Aを形成しており、この駆動装置Aによって、調整アーム装置5に力を及ぼすことができる。
【0083】
好適には、減衰装置7のために、これは、
-流体式減衰器として形成されており、かつ/または
-少なくとも1つのピストン・シリンダ-・ユニットを有し、かつ/または
-閉鎖移動時に少なくとも1つの調整アーム52によって付勢可能であり、かつ/または
-少なくとも1つの調整アーム52の開放移動O時にも閉鎖移動S時にも、同じ側から付勢できるように構成されている。
【0084】
図3aには、機械式アクチュエータ1.1が斜視図で示されており、調整アーム装置5の伝達機構51により、蓄力器6の力が、少なくとも1つの調整アーム52に伝達可能である。蓄力器・設定ユニット14には、例えば、回動可能な設定歯車14aが含まれていてよく、蓄力器6の作用箇所15は、設定歯車14aの回動により、ひいては調整アーム52に作用するトルクにより、ねじ山付きスピンドル16に沿って設定可能である。
【0085】
機械式アクチュエータ1.1はさらに、未組付け状態の調整アーム52、すなわち可動の家具部分2がまだ組み付けられていない調整アーム52のための組付け固定装置20を有していてよく、これにより、未組付け状態の調整アーム52の開放速度を制限することができ、組付け固定装置20により、未取付け状態の調整アーム52の、蓄力器6の力による意図しない開放または急な飛び出しが阻止される。好適には、組付け固定装置20に少なくとも1つの遠心力クラッチ20aが含まれるように構成されている。
【0086】
図3bには、機械式アクチュエータ1.1の別の(わずかにずらされた)斜視図が示されている。この図では、減衰装置7全体がよく見て取れる。この減衰装置7は、減衰器ハウジング71および減衰器ピストン72を有する。
【0087】
減衰器・設定ユニット8を介し、減衰装置7は、支持体4に対して相対的に位置調整可能である。減衰器・設定ユニット8は、(スイッチの形態の)設定手段8aおよび設定・軸ピン8xを有する。設定・軸ピン8xは、支持体4に固定に結合されている
【0088】
図3bでは、設定手段8aが右にチルトされており、これにより、減衰装置7は、支持体4に対して相対的に右の最大位置に位置している。
【0089】
図3bで見て取れるのは、調整アーム52に第1減衰伝達要素5aが形成されていることである。この第1減衰伝達要素5aは、減衰装置7の方を向いた突起の形態で形成されている。図3bに示した位置では、ストッパ55は、減衰器ハウジング71に形成されたストッパ・対応部材74に対して(まだ)離隔されている。
【0090】
調整アーム装置5には、(ローラの形態の)ストッパ要素56が配置されている。このストッパ要素56は、軸ピン57を介して旋回可能に支持体4に支持されている第2減衰伝達要素5bに対して(まだ)離隔されている。
【0091】
図4a~図7bには、異なった位置における機械式アクチュエータ1.1の垂直方向の長手方向断面図が1つずつ示されている。
【0092】
図4aおよび図4bでは、調整アーム装置5は同じ開放位置にある。これは、ほぼ半分開放された可動の家具部分2に対応する。調整アーム52の開き角度は、55°~80°の範囲のどこかにある。
【0093】
しかしながら、図4aと図4bとは、減衰装置7が異なった位置にあるという点で異なっている。図4bでは減衰装置7は、右のその最大位置にある。図5bによる、関連する拡大図から見て取れるように、設定手段8aは、設定・軸ピン8xの周りに右に回動させられている。これにより、減衰器ハウジング71と設定・軸ピン8xとの間には、設定手段8aの比較的幅の広い領域が位置している。
【0094】
これに対し、図4aでは、また関連する図5aでは、減衰器・設定ユニット8の設定手段8aは、90°だけ左に回動されている。これにより、減衰器ハウジング71と設定・軸ピン8xとの間には、設定手段8aの比較的幅の狭い領域が位置している。減衰装置7は、左のその最大位置にある。
【0095】
図4a~図5bによるすべての位置において、減衰装置7には負荷が加えられておらず、ひいては弛緩しており、かつ伸びた位置にある。第2圧力伝達要素5bは、減衰器ピストン72に当接している。
【0096】
図5aと図5bとを比較して見て取れるのは、減衰器ハウジング71が、支持体4に対して相対的な並進的な摺動移動に加えて、支持体4に対して相対的に(わずかな)旋回移動も行っていることである。
【0097】
図6aおよび図6bでは、(前の図4a~図5bから出発して)調整アーム装置5の開放移動Oが行われている。これにより、調整アーム52は、上方に旋回されている。この開放移動Oは、第1減衰器伝達要素5aのストッパ55がストッパ・対応部材74に接触するまで行われる。この位置ではそれぞれ、減衰開始位置Dに達している。
【0098】
減衰装置7は、図6aおよび図6bでは異なる最大位置にあるため、調整アーム52は、それぞれ示された減衰開始位置Dにおいて、異なる角度位置を取っている。具体的には図6aでは、約108°の開き角度が示されているのに対し、図6bでは100°の開き角度が示されている。
【0099】
このそれぞれの減衰開始位置Dから開放移動Oが継続されると、ストッパ・対応部材74を介し、減衰器ピストン72が、減衰器ハウジング71に押し込まれ、これにより、減衰装置7により、その作用が発揮される。減衰器ピストン72が完全に進入すると直ちに、最大開放位置OSが達成される(図示せず)。
【0100】
これにより、可動の家具部分2の、最大開放位置OSの前に位置する移動区間が減衰され、ここで減衰開始位置Dは、減衰器・設定ユニット8を介し、異なって設定される。これにより、減衰移動の開始のための異なる開き角度が設定可能である。
【0101】
同じ方式は、閉鎖移動Sにも当てはまる。
【0102】
図7aおよび図7bでは、(図4a~図5bから出発して)調整アーム装置5の閉鎖移動Sが行われている。これにより、調整アーム52は、下方に旋回されている。この閉鎖移動Sは、回動軸線Xの周りの調整アーム52の回動移動により、ストッパ要素56が、第2減衰伝達要素5bに接触するまで行われている。この位置ではそれぞれ、減衰開始位置Dに達している。
【0103】
減衰装置7は、図7aおよび図7bではそれぞれ異なる最大位置にあるため、調整アーム52は、それぞれ示された減衰開始位置Dにおいて、異なる角度位置を取る。具体的には図7aでは、約22°の開き角度が示されているのに対し、図7bではちょうど33°の開き角度が示されている。
【0104】
このそれぞれの減衰開始位置Dから閉鎖移動Sが継続されると、ストッパ要素56を介し、第2減衰伝達要素5bが、軸ピン57の周りで反時計回りに回動し、これにより、減衰伝達要素5bにより、ストッパ55を介して減衰器ピストン72が押圧され、この減衰器ピストン72を減衰器ハウジング71に押し込み、これにより、ここでも減衰装置7により、その作用が発揮される。減衰器ピストン72が完全に進入すると直ちに、閉鎖位置SSが達成される(図示せず)。
【0105】
図8には、家具100全体が斜視図で示されている。この図では、給電ユニット21が見て取れ、この給電ユニット21を介して、(ここでは見て取れない)電動モータ駆動式家具駆動装置1.2にエネルギが供給可能である。
【0106】
図8にはさらに、家具キャビネット3の両側に、過圧移動を検出するための、かつ/または閉鎖移動Sをトリガするための検出装置22が示されている。可動の家具部分2が閉鎖位置SSに位置し、かつユーザが可動の家具部分2を押圧すると、このことは検出装置22によって検出され、この結果、制御装置44および電動モータ駆動式家具駆動装置1.2を介して、家具駆動システム1の開放移動Oが開始される。図8に開放されているような可動の家具部分2では、ユーザは、検出装置22のうちの1つを直接に押圧することができ、この結果、制御装置44および電動モータ駆動式家具駆動装置1.2を介して、家具駆動システム1の閉鎖移動Sが開始される。
【0107】
図9には斜視図で、家具キャビネット3の両側に配置された家具駆動システム1と共に家具キャビネット3だけが示されている。電動モータ駆動式家具駆動装置1.2の保護前板23がよく見て取れる。
【0108】
図10には、機械式アクチュエータ1.1および電動モータ駆動式家具駆動装置1.2を有する家具駆動システム1が斜視図で示されている。これら2つのユニット1.1および1.2は側方で、それぞれのハウジングを介して取り外し可能に互いに結合されている。支持体4を介して、家具駆動システム1全体は家具キャビネット3に固定可能である。電動モータ駆動式家具駆動装置1.2は、保護前板23を有する。
【0109】
図11でも同様に家具駆動システム1が斜視図で示されているが、保護前板23が省略されており、これにより、電動モータ駆動式家具駆動装置1.2のハウジングを共に形成しているカバー24が遮られることなく見える。家具駆動システム1のカバー24には、視覚的な指示信号Hが表示可能である。
【0110】
図12では、電動モータ駆動式家具駆動装置1.2と機械式アクチュエータ1.1とが切り離されて示されている。機械式アクチュエータ1.1のハウジングには、(湾曲した)係合開口部25が形成されており、この係合開口部25を介して、調整アーム装置5のアクチュエータ部分58への係合が可能である。
【0111】
これに適合して、家具駆動システム1を別の視角で示す図13では、電動モータ駆動式家具駆動装置1.2のハウジングにおける(湾曲した)出口開口部26から突き出た連行体31が見て取れる。
【0112】
電動モータ駆動式家具駆動装置1.2の、機械式アクチュエータ1.1の方を向いたこの面は、インタフェース90を形成しており、このインタフェース90を介して2つの駆動装置1.1と1.2とは取り外し可能に互いに結合可能である。垂直面に沿って配向されたこのインタフェース90からは、識別装置91の一部分(具体的には機械式プローブ要素96)が、機械式アクチュエータ1.1の方向に突き出ている。
【0113】
図13に見て取ることができるように、インタフェース90には、(ハウジングを共に形成する)結合プレート93および複数の結合要素94が含まれている。
【0114】
図12には、結合要素94に対応する結合対応部材95が見て取れる。これらの結合対応部材95は、機械式アクチュエータ1.1のハウジング内にまたはハウジングに形成されている。結合要素94は、スナップ嵌め、被嵌、クリップ嵌め、またはこれに類するものにより、取り外し可能に結合対応部材95に結合可能である。
【0115】
図14には、電動モータ駆動式家具駆動装置1.2のハウジングだけが、カバー24と共に示されている。
【0116】
図15には、機械式アクチュエータ1.1の方を向いた面を見た電動モータ駆動式家具駆動装置1.2が示されている。連行体31は、図示した実施例ではピンとして構成されており、このピンは、ハウジングに形成されたガイド輪郭(出口開口部26)に限定的に摺動可能に支持されている。連行体31は、機械式アクチュエータ1.1の方を向いている面においてハウジングから突き出ている。
【0117】
図15では、結合プレート93および結合要素94、ならびに識別装置91の機械式プローブ要素96が再度、特によく見て取れる。
【0118】
図16には、家具駆動システム1の電動モータ駆動式アクチュエータ1.2が斜視詳細図で示されており、機械式アクチュエータ1.1に面する、カバー24の部分は省略されている。
【0119】
電動モータ駆動式家具駆動装置1.2には、調整アーム52に固定可能な可動の家具部分2の移動を電動モータ駆動式にサポートするための電動モータ30が含まれている。さらに電動モータ駆動式家具駆動装置1.2には、電動モータ30によって(間接的に)駆動可能な連行体31が含まれており、この連行体31により、機械式アクチュエータ1.1に、もしくは調整アーム52また必要に応じて調整アーム52に結合された家具部分2に電動モータ30のトルクが伝達される。
【0120】
機械式アクチュエータ1.1と電動モータ駆動式家具駆動装置1.2とは、取り外し可能に互いに結合可能である。これにより、電動モータ駆動式家具駆動装置1.2は容易に、機械式アクチュエータ1.1に結合するか、または機械式アクチュエータ1.1から切り離すことができる。
【0121】
電動モータ駆動式家具駆動装置1.2のコンポーネントは、図示したように、カバー24を含むハウジングに配置可能である。ハウジングは、少なくとも一部の領域が機械式アクチュエータ1.1に当接しており、また図示した実施例では、電動モータ駆動式家具駆動装置1.2の構成ユニットから機械式アクチュエータ1.1を分離している。
【0122】
ハウジングの代わりに、例えば、電動モータ駆動式家具駆動装置1.2の構成ユニットを包囲するのではなく片側でだけ画定かつ支える組付けプレートも使用可能である。
【0123】
電動モータ30と連行体31との間には、回動軸線33の周りの連行体31の旋回移動に電動モータ30のトルクを変換する伝動装置32が設けられている。伝動装置32は、複数の伝動装置段(ウォーム40および歯車34,35,36,37,38および39)を有する。伝動装置段34~40は、それぞれ互いに噛み合わせを介して係合している。さらに、伝動装置32には、歯車36に組み込まれたフリーホイールクラッチ41と、歯車39に組み込まれたオーバーロードクラッチ42とが含まれている。
【0124】
電動モータ駆動式家具駆動装置1.2は、回動軸線33の周りの連行体31の移動を減衰するための専用の減衰装置43も有する。
【0125】
図1に戻って、以下をより詳細に説明する。
【0126】
電動モータ駆動式家具駆動装置1.2は、識別装置91を有する。この識別装置91それ自体は、センサ92および機械式プローブ要素96を有し、この機械式プローブ要素96は、機械式アクチュエータ1.1を備えたインタフェース90の領域に配置されている。機械式アクチュエータ1.1それ自体は、機械式プローブ要素96に対応するプローブ要素・対応部材97を有する(概略的に示されている)。
【0127】
電動モータ駆動式家具駆動装置1.2と機械式アクチュエータ1.1とを結合する際には、機械式アクチュエータ1.1のコンフィギュレーションKが識別可能である。具体的には、機械式プローブ要素96は、結合の際にプローブ要素・対応部材97に接触接続する。このプローブ要素・対応部材97は、機械式アクチュエータ1.1のパラメータPを表す。接触接続により、機械式プローブ要素96が移動され、この際にセンサ92によってプローブ要素96の位置が検出可能である。
【0128】
センサ92によって検出された、機械式アクチュエータ1.1のパラメータPは、制御装置44に伝送される。制御装置44には、データセットFが格納されている。このデータセットFには、(図1に例示したように)機械式アクチュエータ1.1の複数のコンフィギュレーションKが含まれている。具体的には、8つの異なるコンフィギュレーションKが得られ、これらのコンフィギュレーションKは、3つの家具フラップタイプHF,HSおよびHLならびに蓄力器6の3つのパワーファクターLから構成される。
【0129】
次いで、識別装置91により、制御装置44を介し、センサ92によって検出したパラメータPとデータセットFとの照合が行われ、機械式アクチュエータ1.1の実際のコンフィギュレーションKaktが識別される。
【0130】
次いで、ここでも制御装置44を介して、識別装置91を介して識別された、機械式アクチュエータ1.1の実際のコンフィギュレーションKaktに依存して、電動モータ30に制御信号Iを出力することができる。
【0131】
図17には、識別装置91の詳細が示されている。具体的には図17には、ハウジングに(好適にはここに示していない、インタフェース90の結合プレート93に)回動可能に支持されたプローブ要素96を見て取ることができる。このプローブ要素96は、(好適には垂直面に対して直角に配向された)回動軸線Tの周りに回動可能であり、回動可能に支持されたプローブ要素96は、機械式アクチュエータ1.1の方を向いたプローブ面Bであって、回動軸線に対して相対的に傾けられたプローブ面Bを有する。
【0132】
図17においてよく見て取れるのは、傾けられたプローブ面Bは、プローブ面Bに位置している、回動軸線Tから半径方向に延びる、インタフェースに最も近いプローブラインB1と、プローブ面Bに位置する、回動軸線Tから半径方向に延びるインタフェースから最も遠いプローブラインB2とを有することである。インタフェースから最も遠いプローブラインB2は、プローブ要素・対応部材97に進入可能なプローブ突起Nも形成する。
【0133】
図17による変形実施形態では、回動可能な機械式プローブは、2つの歯車を介して(ここでは図示しない)センサ92に結合されている。別の移動伝達変形形態も可能である。
【0134】
図18には、電動モータ30の領域における電動モータ駆動式家具駆動装置1.2および機械式プローブ要素96の断面図が示されており、プローブ面Bおよびプローブ突起Nもよく見て取れる。機械式プローブ要素96は、回動軸線Tに沿ってばね弾性的に支持されている。この機械式プローブ要素96の回動移動または回動位置は、センサ92を介して検出可能である。
【0135】
図19による斜視図により、プローブ突起Nと共に、傾けられたプローブ面Bと、機械式プローブ要素96の形状とが特によく見て取れる。
【0136】
図20には、(図19とは異なり)、電動モータ駆動式家具駆動装置1.2のハウジングも示されている。機械式プローブ要素96は、結合プレート93における開口部を通って、このハウジングを突き出ている。
【0137】
図21には、インタフェース90の方を向いた、機械式アクチュエータ1.1のハウジング部分89が斜視図で示されている。このハウジング部分89には、プローブ要素・対応部材97が形成されている。
【0138】
図22には、このプローブ要素・対応部材97が詳細に示されており、このプローブ要素・対応部材97は、ハウジング薄板に形成されたエンボス加工部として構成されている。
【0139】
図23には、結合前のプローブ要素・対応部材97と、向かい合っていてまだ離隔している機械式プローブ要素96とが示されている。図24ではまだわずかな間隔があるのに対し、図25では2つの部分96,97は結合されており、プローブ要素96は、プローブ要素・対応部材97の形状に応じて回動軸線Tの周りに回動している。結合要素94と結合対応部材95とも同様に互いに結合されている。
【0140】
図26には、エンボス加工されたプローブ要素・対応部材97と共にハウジング部分89が平面図で示されている。
【0141】
図27には、図26の詳細が示されている。プローブ要素・対応部材97は、結合時にプローブ突起Nが進入可能な凹部を有する。プローブ要素・対応部材97は、凹部に突き出ている突起部99を有し、この突起部99により、機械式アクチュエータ1.1のパラメータPが定められるかまたは表される。すなわち、機械式アクチュエータ1.1のハウジング部分89を作製する際に既に、このプローブ要素・対応部材97は、電動モータ駆動式家具駆動装置1.2との結合の際に、後で識別するために作製されるかまたはエンボス加工される。
【0142】
図28および図29では、突起部99はずらされて形成されている。したがってこのプローブ要素・対応部材97は、別のパラメータPを表す。
【0143】
さらに図30に基づき、タイプ識別を説明することもできる。(垂直方向に上に向いている)出発位置を起点として、この出発ラインの両側には10°の不感帯が位置している。引き続き、(時計と類似して)それぞれ約28.3°を有する12個の領域(=340°)が存在する。これらの領域のそれぞれは、1つのパラメータPに対応し、このパラメータPからコンフィギュレーションKそれ自体を識別することができる。すなわち、突起部99がどのようにエンボス加工されているかに応じて、識別装置91を介してコンフィギュレーションKが識別可能である。
【0144】
言い換えると、機械式プローブ要素96は、ハウジング薄板(プローブ要素・対応部材97)におけるエンボス加工部に配向されている。プローブ要素96の曲がり具合は、制御装置44の電子装置によって検出されかつ評価される。
【0145】
図31図42には、機械式プローブ要素96およびプローブ要素・対応部材97の択一的な実施形態を有する別の実施例が示されている。
【0146】
図31には、機械式アクチュエータ1.1および電動モータ駆動式家具駆動装置1.2を含む家具駆動システムが斜視図で示されている。保護前板23が付加的に示されている。機械式アクチュエータ1.1のハウジング部分89には、3つの開口部の形態のプローブ要素・対応部材97が形成されている。
【0147】
図32図31と同一であり、プローブ要素・対応部材97の領域が丸で囲まれている。
【0148】
図33には、丸で囲まれたこの領域が、拡大されて示されている。したがって、この場合、プローブ要素・対応部材97の右側の2つの開口部が開いているのに対し、左側の開口部は塞がれていることが見て取れる。すなわち、これらの3つの開口部は、機械式アクチュエータ1.1のパラメータPを表す一種のコードを形成している。
【0149】
図34では、家具駆動システム1が、別の視点から示されており、これにより、電動モータ駆動式家具駆動装置1.2のインタフェース90を見ても部分的に遮られることがない。機械式プローブ要素96は既に、丸で囲まれた領域において見て取れる。
【0150】
図35には、丸で囲まれた領域が、拡大されて示されている。ここで見て取れるのは、この機械式プローブ要素96が、結合プレート93を通って突き出る摺動可能に支持された3つのプローブピン98を有することである。
【0151】
図36には、機械式アクチュエータ1.1のハウジング部分89が斜視図で示されており、残りは隠されている。電動モータ駆動式家具駆動装置1.2のうち、特に機械式プローブ要素96だけが、丸で囲まれた領域に示されており、電動モータ駆動式家具駆動装置1.2の残りの構成部材は、より見やすくするために隠されている。
【0152】
図37には、図36の丸で囲まれた領域が、拡大されて示されている。個々のプローブピン98はそれぞれ、圧縮ばね88によって取り囲まれており、またこのそれぞれの圧縮ばね88を介して、ハウジング部分89の方向に予荷重が加えられている。
【0153】
図38には再び、機械式プローブ要素96と共に、ハウジング部分89が別の視点から示されている。
【0154】
図39による拡大図では、プローブ要素・対応部材97の左側の開口部は塞がれており、これにより、機械式プローブ要素96のプローブピン98がとどまっていることが見て取れる。これに対し、右側の2つのプローブピン98は、プローブ要素・対応部材97の2つの開いた開口部に進入している。
【0155】
プローブピン98のこれらの異なる位置は、センサ92によって検出可能である。
【0156】
図40には、半分に切断されたプローブピンを備えたハウジング部分89が、斜視図で示されている。
【0157】
図40の丸で囲まれた領域は、図41では拡大して示されている。右側の2つのプローブピン98が、プローブ要素・対応部材97の開口部に入り込んでいるのに対し、左側のプローブピン98は、開口部を塞ぐ突起部99にとどまっていることが見て取れる。
【0158】
図42には3つのプローブピン98を上から見た平面図が示されており、2つのプローブピン98が、プローブ要素・対応部材97の開口部の領域においてハウジング部分89を貫通していることがよく見て取れる。
【0159】
全体として、3つのプローブピン98を備えた、図31図42に示した変化形態では、(プローブ要素・対応部材97のいくつの開口部が、またどの開口部が塞がれているかに応じて)、機械式アクチュエータ1.1のパラメータPについて考えられる9つの変化形態が得られる。
【0160】
機械式プローブ要素96が、例えば、摺動可能に支持された2つのプローブピン98だけを有する場合(図示せず)、最大で4つのパラメータPと、そこから識別可能なコンフィギュレーションKとだけを特定して区別することができる。
【0161】
同様に、摺動可能に支持された4つのプローブピン98の場合(図示せず)、16個の異なるコンフィギュレーションKが得られる等々である。
【0162】
図43aには、プローブピン98を含む機械式プローブ要素96の別の構造の実施形態が示されている。摺動可能に支持されたプローブ要素96(個数は一般に任意である)は、導体路103(機械式アクチュエータ1.1の下方の拡大詳細部分図に示されている)と接触接続させることができ、導体路103には、機械式アクチュエータ1.1のパラメータPを特定するために、放射状に形成された2つの導体路輪郭104が含まれている。
【0163】
図43bにおいて見て取れるのは、摺動可能に支持されたプローブ要素96(プローブピン98を含む)には、機械式アクチュエータ1.1のパラメータPを求めるために、一部の領域においてプローブピン98内に配置された第1ばね101と、一部の領域においてプローブピン98の外側に配置された第2ばね102とが含まれていることである。
【0164】
第1ばね101は、プラスチックまたは金属の形態のプローブピン98から直流的に分離されており、また導体路103の2つの導体路輪郭104と接触接続させることができる。
【0165】
図44aには、機械式アクチュエータ1.1に接続された電動モータ駆動式家具駆動装置1.2が示されている。機械式アクチュエータ1.1は、(一般にすべての実施例において可能であるように)識別装置91を介して特定されたパラメータPと、機械式アクチュエータ1.1の開き角度との組み合わせを介して決定可能であり、開き角度は、(例えば最大傾斜角により、または機械式アクチュエータ1.1の2つの終端位置の間の特定の角度により)、家具駆動システム1のリファレンスランによって特定可能である。この機械式アクチュエータ1.1を識別するために、プローブ要素・対応部材97は、対応受けとして作用し、これにより、第1ばね101は、導体路103(2つの導体路輪郭104)に接触接続する。
【0166】
一般に、摺動可能に支持されたプローブ要素96は、正確に1つまたは複数の別個の、インタフェース90から、垂直面に対して直角に突き出たプローブピン98を有することができ、摺動可能に支持されたプローブ要素96は、導体路103に配置可能であり、また必要に応じて、導体路103の所定の領域の接触接続のために、機械式アクチュエータ1.1に配置されている(好ましくは、機械式プローブ要素96はハウジング部分89に配置されている)。これにより、少ない個数の機械式プローブ要素96で、プローブピン98の所定の位置決めを介し、機械式アクチュエータ1.1を識別することができる。
【0167】
図44bには、この機械式アクチュエータ1.1を識別するために、プローブ要素・対応部材97は、対応受けとして機能せず、これにより、第1ばね101は、離間により、導体路103と接触接続しない状態にある。摺動可能に支持された機械式プローブ要素96の、(例えば突起部99のような)構造上の詳細(図41を参照されたい)は、機械式プローブ要素96のこの実施形態において択一的にまたは補足的に使用可能である。
【0168】
最後にさらに、以下の2つの変形実施形態(図示せず)に言及する。
【0169】
識別装置91を介し、パワーファクターLについてのコンフィギュレーションKだけが識別可能であるように構成可能である。家具フラップタイプHF,HSおよびHLの識別のために、(例えば欧州特許第2315891号明細書に記載されているように)距離測定装置が設けられていてよく、この距離測定装置により、調整アームがその2つの終端位置の間に進み得る距離が特定可能であり、この距離測定装置の測定結果に応じて、家具フラップタイプが識別可能である。したがって、結合の際の本発明による識別と、調整アーム移動によるコンフィギュレーションの識別との間には、混合変形実施形態が存在する。
【0170】
ここまでは常に、突き出た構成部分として機械式プローブ要素96を説明した。しかしながら、この機械式プローブ要素96が凹部として形成され、プローブ要素・対応部材97が、対応する対応部材として形成され、この機械的な逆転における識別には、同じ基本方式が適用されることも十分に可能である。
【符号の説明】
【0171】
1 家具駆動システム
1.1 機械式調整ユニット
1.2 電気駆動ユニット
2 可動の家具部分
2a 第1家具フラップ
2b 第2家具フラップ
3 家具キャビネット
3a 側壁
4 支持体
5 調整アーム装置
5a 第1減衰伝達要素
5b 第2減衰伝達要素
51 伝達機構
52 調整アーム
53 制御カム
54 押圧ローラ
55 ストッパ
56 ストッパ要素
57 軸ピン
58 アクチュエータ部分
59 伝達開口部
6 蓄力器
7 減衰装置
71 減衰器ハウジング
72 減衰器ピストン
73 減衰手段
74 ストッパ・対応部材
8 減衰器・設定ユニット
8a 設定手段
8x 設定・軸ピン
8b,8c 凹部
9a ヒンジ
9b ヒンジ
10 天井
11 調整アーム延長部
11a 第1調整アーム部分
11b 第2調整アーム部分
12 固定装置
14 蓄力器・設定ユニット
14a 設定歯車
15 作用箇所
16 ねじ山付きスピンドル
17a 開口部
19 中間レバー
19a 回動軸線
20 組付け固定装置
20a 遠心力クラッチ
21 給電ユニット
22 検出装置
23 保護前板
24 カバー
25 係合開口部
26 出口開口部
30 電動モータ
31 連行体
32 伝動装置
33 回動軸線
34 歯車(伝動装置段)
35 歯車(伝動装置段)
36 歯車(伝動装置段)
37 歯車(伝動装置段)
38 歯車(伝動装置段)
39 歯車(伝動装置段)
40 ウォーム(伝動装置段)
41 フリーホイールクラッチ
42 オーバーランニングクラッチ
43 減衰装置
44 制御装置
88 圧縮ばね
89 ハウジング部分
90 インタフェース
91 識別装置
92 センサ
93 結合プレート
94 結合要素
95 結合対応部材
96 機械式プローブ要素
97 プローブ要素・対応部材
98 プローブピン
99 突起部
100 家具
101 第1ばね
102 第2ばね
103 導体路
104 導体路輪郭
A 駆動装置
D 減衰開始位置
S 閉鎖移動
O 開放移動
SS 閉鎖位置
OS 最大開放位置
X 回動軸線
H 指示信号
K コンフィギュレーション
F データセット
P 機械式アクチュエータ1.1のパラメータ
akt 実際のコンフィギュレーション
T 回動軸線
B プローブ面
B1 インタフェースに最も近いプローブライン
B2 インタフェースから最も遠いプローブライン
N プローブ突起
HF 上方折畳式フラップ
HS 上方旋回式フラップ
HL 上方持上げ式フラップ
L パワーファクター
I 制御信号
図1
図2a-2b】
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43a
図43b
図44a
図44b
【手続補正書】
【提出日】2023-10-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)であって、前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)は、
-少なくとも1つの電動モータ(30)と、
-前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)と機械式アクチュエータ(1.1)とを好適には取り外し可能に結合可能である少なくとも1つのインタフェース(90)と、
-前記機械式アクチュエータ(1.1)のコンフィギュレーション(K)を自動的に識別するための少なくとも1つの識別装置(91)と、
を備え、
少なくとも1つの前記識別装置(91)は、少なくとも一部の領域において、前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)の少なくとも1つの前記インタフェース(90)に配置されており、これにより、前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)と前記機械式アクチュエータ(1.1)とを結合する際に、前記機械式アクチュエータ(1.1)の前記コンフィギュレーション(K)が識別可能である、
ことを特徴とする、電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)。
【請求項2】
前記電動モータ(30)を制御することができる制御装置(44)が設けられている、ことを特徴とする、請求項1記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項3】
前記制御装置(44)には、前記機械式アクチュエータ(1.1)の異なるコンフィギュレーション(K)についての複数のデータセット(F)が格納されている、ことを特徴とする、請求項2記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項4】
前記識別装置(91)は、前記機械式アクチュエータ(1.1)のパラメータ(P)を検出可能なセンサ(92)、好適には角度センサを有する、ことを特徴とする、請求項3記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項5】
前記識別装置(91)により、前記センサ(92)によって検出した前記パラメータ(P)と、前記データセット(F)との照合が実行可能であり、前記機械式アクチュエータ(1.1)の実際のコンフィギュレーション(Kakt)が識別可能であり、前記制御装置(44)を介し、前記識別装置(91)を介して識別した、前記機械式アクチュエータ(1.1)の前記実際のコンフィギュレーション(Kakt)に応じて、制御信号(I)が前記電動モータ(30)に出力可能である、ことを特徴とする、請求項4記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項6】
前記インタフェース(90)は、実質的に平坦な、好適には取付け状態で垂直面に沿って配向された結合プレート(93)と、前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)と、前記機械式アクチュエータ(1.1)に形成された結合対応部材(95)との取り外し可能な結合のための、前記結合プレート(93)に配置された結合要素(94)とを有する、ことを特徴とする、請求項1記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項7】
前記識別装置(91)は、少なくとも1つの前記インタフェース(90)に回動可能に支持されている少なくとも1つの機械式プローブ要素(96)を有する、ことを特徴とする、請求項1記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項8】
前記識別装置(91)は、少なくとも1つの機械式プローブ要素(96)を有し、前記機械式プローブ要素(96)は、前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)と前記機械式アクチュエータ(1.1)との間の結合が前記インタフェース(90)を介して得られる場合に、前記機械式アクチュエータ(1.1)のパラメータ(P)を表す、前記機械式アクチュエータ(1.1)の少なくとも1つのプローブ要素・対応部材(97)に当接する、ことを特徴とする、請求項1記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項9】
少なくとも1つの前記機械式プローブ要素(96)は、可動に、好適には回動可能または摺動可能に、少なくとも1つの前記インタフェース(90)に支持されている、ことを特徴とする、請求項8記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項10】
回動可能に支持された前記プローブ要素(96)は、好適には垂直面に対して直角に配向された回動軸線(T)の周りに回動可能であり、回動可能に支持された前記プローブ要素(96)は、前記インタフェース(90)とは反対側を向いたプローブ面(B)であって、前記回動軸線に対して相対的に、好適には30°~60°の角度だけ傾けられたプローブ面(B)を有する、ことを特徴とする、請求項7から9までのいずれか1項記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項11】
傾けられた前記プローブ面(B)は、前記プローブ面(B)上にあるプローブライン(B1)であって、前記回動軸線(T)から延びる、インタフェースに最も近いプローブライン(B1)と、前記プローブ面(B)上にあるプローブライン(B2)であって、前記回動軸線(T)から延びる、インタフェースから最も遠いプローブライン(B2)とを有する、ことを特徴とする、請求項10記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項12】
インタフェースに最も近い前記プローブライン(B1)と、インタフェースから最も遠い前記プローブライン(B2)とは、前記回動軸線(T)を起点として、180°だけ互いに遠ざかる、ことを特徴とする、請求項11記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項13】
インタフェースから最も遠い前記プローブライン(B2)は、前記プローブ要素・対応部材(97)に進入可能なプローブ突起(N)も形成する、ことを特徴とする、請求項11記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項14】
摺動可能に支持された前記プローブ要素(96)は、前記インタフェース(90)から、好適には垂直面に対して直角に突き出た少なくとも2つの別々のプローブピン(98)を有する、ことを特徴とする、請求項6から9までのいずれか1項記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項15】
摺動可能に支持された前記プローブ要素(96)、好適にはプローブピン(98)を導体路(103)と接触接続させることができ、前記導体路(103)には、前記機械式アクチュエータ(1.1)のパラメータ(P)を特定するために、少なくとも1つの、好適には2つの、かつ/または放射状に形成された導体路輪郭(104)が含まれている、ことを特徴とする、請求項6から9までのいずれか1項記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項16】
摺動可能に支持された前記プローブ要素(96)、好適にはプローブピン(98)には、前記機械式アクチュエータ(1.1)のパラメータ(P)を特定するための、好適には少なくとも一部の領域において前記プローブピン(98)内に配置された第1ばね(101)、および/または好適には前記プローブピン(98)の外側に配置された第2ばね(102)が含まれている、ことを特徴とする、請求項6から9までのいずれか1項記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項17】
前記第1ばね(101)は、前記プローブピン(98)から直流的に分離されており、かつ/または前記導体路(103)と、好適には少なくとも2つの導体路輪郭(104)と接触接続させることができる、ことを特徴とする、請求項15および16記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項18】
前記識別装置(91)を介して特定した少なくとも1つのパラメータ(P)と、好適には前記家具駆動システム(1)のリファレンスランによって特定可能な、前記機械式アクチュエータ(1.1)の開き角度とから成る組み合わせを介して、前記機械式アクチュエータ(1.1)が決定可能である、ことを特徴とする、請求項1記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項19】
摺動可能に支持された前記プローブ要素(96)は、前記インタフェース(90)から、好適には垂直面に対して直角方向に突き出た少なくとも1つのプローブピン(98)を有し、好適には、摺動可能に支持された前記プローブ要素(96)は、必要に応じて設けられた導体路(103)に配置可能であり、かつ/または必要に応じて設けられた前記導体路(103)の所定の領域の接触接続のために前記機械式アクチュエータ(1.1)に配置されるように構成されている、ことを特徴とする、請求項6から9までのいずれか1項記載の電動モータ駆動式家具駆動装置。
【請求項20】
請求項1記載の電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)および機械式アクチュエータ(1.1)を備えた、可動の家具部分(2)用の、特に家具フラップタイプの形態の家具フラップ、上方折畳式フラップ(HF)、上方旋回式フラップ(HS)または上方持上げ式フラップ(HL)用の家具駆動システム(1)。
【請求項21】
前記機械式アクチュエータ(1.1)は、
-家具キャビネット(3)に前記家具駆動システム(1)を組み付けるための支持体(4)と、
-可動に、好適には回動可能に前記支持体(4)に支持される調整アーム装置(5)であって、可動の前記家具部分(2)に結合可能な調整アーム装置(5)とを有し、前記電動モータ(30)は、前記調整アーム装置(5)に結合されているか、または結合可能であり、かつ前記電動モータ(30)を介して前記調整アーム装置(5)が少なくとも部分的に可動であり、前記機械式アクチュエータ(1.1)はさらに、
-一方では前記支持体(4)に、他方では好適には間接的に前記調整アーム装置(5)に作用する、好適にはばねアセンブリの形態の蓄力器(6)を有する、ことを特徴とする、請求項20記載の家具駆動システム。
【請求項22】
前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)は、前記機械式アクチュエータ(1.1)とは別々に形成された構成ユニットであって、前記インタフェース(90)を介して相互に結合可能であるかまたは結合されている構成ユニットとして実施されており、前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)は、前記機械式アクチュエータ(1.1)の前記調整アーム装置(5)に前記電動モータ(30)のトルクを伝達するために、少なくとも1つの前記電動モータ(30)によって駆動可能な連行体(31)を有する、ことを特徴とする、請求項20記載の家具駆動システム。
【請求項23】
前記機械式アクチュエータ(1.1)の前記コンフィギュレーション(K)は、
-前記家具フラップタイプの上方折畳式フラップ(HF)用のアクチュエータ、
-前記家具フラップタイプの上方旋回式フラップ(HS)用のアクチュエータ、
-前記家具フラップタイプの上方持上げ式フラップ(HL)用のアクチュエータのグループから、かつ/または実質的に構造が同じでありかつ好適には前記蓄力器(6)のパワーファクター(L)だけが互いに異なる機械式アクチュエータ(1.1)のグループから選択される、ことを特徴とする、請求項20記載の家具駆動システム。
【請求項24】
家具キャビネット(3)と、少なくとも1つの、特に水平方向の軸線周りに可動の家具部分(2)、特に上方折畳式フラップ(HF)、上方持上げ式フラップ(HL)または上方旋回式フラップ(HS)の形態の家具部分(2)と、請求項20記載の家具駆動システム(1)とを備えた家具(100)。
【請求項25】
請求項20記載の家具駆動システム(1)を作動させる方法であって、前記方法は、
-少なくとも1つの前記インタフェース(90)を介して前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)と前記機械式アクチュエータ(1.1)とを結合するステップと、
-少なくとも1つの前記インタフェース(90)を介して前記電動モータ駆動式家具駆動装置(1.2)と前記機械式アクチュエータ(1.1)とを結合する際に、前記識別装置(91)を介して、前記機械式アクチュエータ(1.1)のコンフィギュレーション(K)を自動的に識別するステップと、
を有する、方法。
【請求項26】
-前記識別装置(91)のセンサ(92)を介して、前記機械式アクチュエータ(1.1)のパラメータ(P)を検出するステップと、
-前記センサ(92)によって検出した前記パラメータ(P)と、前記機械式アクチュエータ(1.1)の異なるコンフィギュレーション(K)についての格納されたデータセット(F)とを照合するステップと、
-格納された前記データセット(F)に基づいて、前記機械式アクチュエータ(1.1)の実際のコンフィギュレーション(Kakt)を識別するステップと、
-前記識別装置(91)を介して識別された、前記機械式アクチュエータ(1.1)の前記実際のコンフィギュレーション(Kakt)に依存して、前記電動モータ(30)に制御信号(I)を出力するステップと、
をさらに有する、ことを特徴とする、請求項25記載の方法。
【国際調査報告】